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前 翌朝、日が顔を出したという時間、まりさとぱちゅりーたちは目を覚ましました。 そして、まだ気絶しているちぇんと、ぐっすりと眠ったれいむを巣の外に連れ出します。 寝ている子ゆっくり達は跳ねれないので逃げれないのですが、ぱちゅりーが念のためにと帽子とリボンをすべてとっていきました。 これなら外に出れないでしょう。 子まりさと子ぱちゅりーは帽子の中にぱちゅりーの選んだ食べ物を入れています。 お弁当のつもりです。 「むきゅー。ぐっすり寝ているわね。」 「引っ張っても起きないなんてさすがれいむだぜ!」 「おかーしゃんこれからどこにいくの?」 子まりさの質問にまりさとぱちゅりーは神妙な顔を作って子ゆっくりを見ます。 「これから人間のところに行くわ。」 「ゆ?にんげん?」 「そうよ。とってもこわいのなまものよ。」 「ゆゆっ・・・」 震えだす、子ゆっくりをなだめるようにまりさが笑います。 「安心するんだぜ。まりさたちは安全なんだぜ。」 「そうよ、そのためにこいつらを残したんだから。」 そういうぱちゅりーの先にはちぇんとれいむが。 子ゆっくりは安全と分かり、またピクニック気分を再開しました。 「じゃあはやくいこーよ!」 「そろそろいくかだぜ!」 まりさはちぇんとれいむを叩いて起こします。 「うー、わかるよー。あさだよー。」 「ゆー、もうたべれないよ・・・」 「さっさと起きるんだぜ!」 まりさの声に、ハッとちぇんは身を起こし、続いて横にいたれいむを背中に隠します。 れいむは昨日のことを思い出してちぇんの後ろで震えだしました。 「わかるよー!おまえたちはわるいやつだよー!」 「そうだよ!こんなことしたらだめなんだよ!」 「おーおー、言うなだぜ!子供達がどうなってもいいみたいだぜ!」 まりさはそういってぱちゅりーににやりと笑いかけます。 子ゆっくりがいないことに気付いたちぇんとれいむは悔しそうに歯軋りをしてまりさを睨み付けました。 「こどもたちをかえしてねー!」 「れいむのかわいいこをかえしてね!」 「返してやっても良いんだぜ!」 「ゆっ、ほんとう?」 れいむは拍子抜けしたように力を抜きます。 しかし、ちぇんはますます警戒を強めました。 「・・・わかるよー、ただじゃないんだねー・・・」 「さっしがよくてたすかるわ。」 「まずはまりさ達についてくるんだぜ!」 まりさは森の外へと向かって跳ね始めました。 ちぇんとれいむも無言で後ろに続きます。 その後ろを子ゆっくりを連れてぱちゅりーが進んでいきました。 長い長い道なき道を進み、ゆっくりたちはとうとう人里と森の境目に来ました。 「ゆゆ、れいむこんなとおくまできたことないよ!」 「ちぇんもないよー、わからないよー。」 「つかれちゃ~。」 「むきゅ、私達はここに隠れましょう。」 ぱちゅりーは子供達が見つからないように巧妙に藪に隠していきます。 まりさはそれを確認してちぇんとれいむにこういいました。 「ここから進むと美味しい食べ物がいっぱいある場所に着くんだぜ! そこから食べ物を取ってきたら子供達を助けてやるんだぜ!」 「ゆー・・・わかったよー!ぜったいだよー!」 「もちろんだぜ!持って来れたら助けてやるんだぜ!」 「れいむがんばるよ!」 れいむたちはもっと難しいことを言われると思っていたので、食べ物を取ってくるだけといわれて拍子抜けしました。 さっさと子供達を返してもらおうと、ちぇんとれいむは傷ついた体をおして森から飛び出しました。 「むきゅー、あそこに見えるのが人よ。そして人がいるのは畑というものよ。」 「ゆゆっ!おいししょうだよ!」 「そうね、とても美味しそうだわ。」 「まりしゃたちもとりにいこうよ!」 「それはダメなんだぜ。」 「どーちて?」 「今から起こる事をしっかり見ているんだぜ!」 「ゆー?」 子ゆっくりは不思議に思いながらも言われたとおりれいむとちぇんに目を向けました。 「こどもたちのためにいそぐよー。」 「ゆゆっ!おいしそうだね!」 ちぇんとれいむは人にあったことがなかったので、これが人の育てているものだと分かりませんでした。 れいむとちぇんは野菜を人目を気にせずに抜いていきます。 しかし、とても美味しそうな野菜にれいむは我慢できなくなり少したべることにしました。 「むーしゃ、むーしゃ!これおいしいよ!」 「だめだよー、れいむ。はやくしないとー!」 「ゆゆゆ、でもとってもおいしいよ!」 「ゆー、とってもおいしいよー!」 れいむ達は始めてたべる美味しい食べ物に驚き、先ほどまで考えた子ゆっくりのことなど忘れてたべ始めます。 こうなると他の食べ物も食べたくなります。 「ゆゆっ、むこうにもあるよ!」 「あれもおいしそうだよー!」 畑を駆け巡り、様々な野菜に齧りついて行く、れいむとちぇん。 まりさ達はそんなれいむとちぇんの様子を藪から見ていました。 「まりしゃがまんできないよー!」 「しっ。静かに、人が気付いたわ。」 「これから何があっても目を離しちゃダメだぜ!」 ぱちゅりーの言うとおり、この畑の持ち主であろう人間がれいむとちぇんに気付いたようで、走ってやってきます。 「こら!このクソ饅頭め!!」 「ゆゆっ!?」 「わからないよー!」 れいむ達はすごい形相で近づいてくる人間を本能的に怖いと思ったのか、野菜を口に咥えて逃げ出しました。 しかし先ほどまでたべ続けていたれいむは思うように動けません。 ちぇんもそんなれいむを心配して速度を出せないので、すぐに追いつかれてしまいました。 最初の標的にされたのは野菜を含みすぎて丸々としていたれいむです。 「喰らいやがれぇ!」 男は丸々としたれいむを思いっきり蹴り飛ばしました。 「ゆぎゅううううううううううう!」 「れ、れいむううううううううう!」 れいむは綺麗な放物線を描き、森の木にぶつかります。 「ゆべゅ!・・・ゆべべっべべっべべっべ・・・」 木にぶつかったれいむは気持ち悪い声をあげて木をずるずると滑り落ちていきました。 「れいむになんてことをおおおおおおおお!」 ちぇんはつがいのれいむに酷いことをした人間に果敢に向かっていきます。 男はそんなちぇんを睨み付け、飛び掛るタイミングで踏みつけました。 「ゆげげ!」 地面に顔から叩きつけられたちぇんはピクピクと痙攣を始めます。 そんな様子を気にせず、男はちぇんを掴みあげて、顔まで持っていきました。 「なに、人の畑の物を食べてんだ!」 「ゆぎゅう、わ、わからないよー・・・」 「知らないでたべたのか・・・」 男はそこで態度を少し和らげます。 故意にやったのではなく、知らずに食べたゆっくりにまで酷いことをするほど男は非情ではありませんでした。 「じゃあ、教えてやる。」 「ゆ゙っ・・・?」 「ここは俺の畑だ。ここの物がほしけりゃ金を払うんだな。」 「で、でもそれがないとこどもたちが・・・」 「子供達?・・・あぁ食べ物が無いのか。それなら森の中にも充分あるだろう。」 「わからないよ・・・」 「木の下とかよく探してみるんだな!」 男はそういってれいむが飛んでいったところまでちぇんを投げ飛ばしました。 「あーあ、結構食われちまったな・・・」 男は愚痴をこぼしながら食べ散らかされた野菜の片づけを始めました。 「むきゅ、あの人間は有情ね。」 ぱちゅりーはそういった後子ゆっくりを見回します。 子ゆっくりは目を見開き、ガクガクと先ほど起こったことに震えています。 この様子だとトラウマになるかもしれません。 ぱちゅりーはそんな子ゆっくりの様子に満足してまりさに次のことを相談し始めました。 「さて、あいつらは帰ってきそうだけどどうするの?」 「心配するなだぜ。予定外だが子ゆっくりで試そうとしてことが出来るんだぜ。」 「あら、この近くにもあいつらがいたのね。」 「最近馬鹿なゆっくりが多いからなんだぜ。」 まりさはいまだ震えている子ゆっくりについて来いといいちぇんとれいむの飛んでいった方に向かいます。 そこではちぇんがれいむを背負い、懸命に巣に戻ろうと這っていました。 流れ出した中身の匂いが充満しています。 まりさ達は、地面の窪みに体を隠しました。 「見てるんだぜ。怖いのは人間だけじゃないんだぜ。」 「ゆゆゆ・・・」 子ゆっくりは体を硬くして身構えています。 やがて空から羽音が聞こえてきました。 「なぁに、こにょおと?」 「これはゆっくりゃの出す羽音よ。」 「ゆっくりゃ?」 「私達を捕食するものよ。」 「ゆg「静かにするんだぜ。まりさたちもねらわれるんだぜ。」 「ゆぅ・・・わかっちゃよ。」 この音はちぇんとれいむにも聞こえました。 「ちぇん、なにかへんなおとがするよ。」 「わかるよー!これはまずいよー!」 「どうしたn・・・ゆぎゃあああああああああ!」 ちぇんの上に乗っていたれいむの悲鳴が響きます。 れいむは空中にバサバサと浮いている羽根つきゆっくりを見てしまったのです。 「う~!」 羽つきゆっくり、ゆっくりゃはれいむに噛み付こうと急降下してきました。 傷ついて満足に動けないれいむは逃げることも出来ません。 「ちぇええええええん、たずげでえええええええええ!」 「わかるよおおおおおおお!いぞぐよおおおおおおおおお!」 ちぇんはれいむを背負い必死に逃げます。 しかし、同じく傷ついていたちぇんにれいむを背負っていつものように跳ねることができるはずもありません。 あっという間にれいむは噛み付かれてしまいました。 「ゆぅうううううう!」 「れいむううううううううう!」 れいむはゆっくりゃによって空中に運ばれて行きます。 ちぇんはこうなると下で見守るしか出来ません。 「れいむをかえしてええええええええええ!」 「う~、うまうま。」 「ゆげげっげっげ・・・」 ちぇんの叫びもむなしく、れいむはゆっくりゃによって中身を吸われていきます。 ゆっくりと中身を抜かれていくれいむは必死に抵抗しているように思っていました。 しかし、中に空きが出来ていて皮はぷらぷらと揺れるしか出来ません。 中身が無くなり皮とリボンだけになったれいむをゆっくりゃはぽぃっと捨てます。 「れいむううううううううう!」 ふわふわと漂って落ちていく霊夢をちぇんは這って助けようとします。 そして、皮だけれいむの元にやってきたちぇんは自分がゆっくりゃ2匹に囲まれていることに気付きます。 ゆっくりゃは3匹いたのでした。 「わわわ、わがらないよおおおおおおおおおお!」 「「うー☆」」 ちぇんもすぐにれいむの後を追いました。 先ほどの人間である程度覚悟していたとはいえ、酷い光景を見た子ゆっくりは言葉もありません。 「わかったかだぜ。まりさたちはこいつらに気をつけないと生きていけないんだぜ。」 「ゆぐぐぐ、まりしゃたちだいじょうぶきゃな・・・」 「安心するんだぜ。ぱちゅりーがあんな風にならないように教えてくれるんだぜ。」 「ほんちょ?」 「ええ、ほんとうよ。だからしっかり話を聞きなさい。」 「むきゅ!」 まりさたちはいまだ逃げようとがんばっているちぇんとちぇんしかみていないゆっくりゃに気付かれないようにその場を離れました。 ちぇんとれいむが皮になってから数日後。 ちぇんとれいむの巣だった場所はもはやまりさとぱちゅりーの巣となっていました。 巣の中ではぱちゅりーの授業を熱心に聴く子ゆっくりの姿が見られます。 「むきゅむきゅ。このきのこを食べさせてみましょう。」 「ゆぎゅぎゅぎゅ、ゆぎゃあああああああああ!」 ぱちゅりーがキノコを子れいむに無理やり食べさせると、子れいむは転げまわりながら痛がります。 「このように体中を焼けたような痛みが襲うわ。だから食べちゃダメよ。」 「わかっちゃよ!」 「だずげでえええええええ!」 子まりさと子ぱちゅりーはれいむを無視して元気よくぱちゅりーに答えます。 「もし食べてしまったらこの草を食べると良いわ。」 ぱちゅりーは暴れまわる子れいむを押さえて草を食べさせます。 れいむはぐったりとしたまま動かなくなりました。 次の危険な食べ物を教えようとすると食べ物を探しに出ていたまりさがかえってきました。 「おーい、帰ったんだぜ!」 「おとーしゃんおかえりなさい!ゆっくりしていってね!」 「むきゅ、じゃあ今日はここまでね。」 ぱちゅりーの発言に子まりさは飛び上がって親まりさのところに向かいます。 子ぱちゅりーはぱちゅりーの片付けの手伝いをします。 「おとーしゃん、またかりのやりかたおしえてよ!」 「わかったんだぜ!ちょっと待ってるんだぜ!」 まりさはそういって巣の奥に向かいます。 巣の奥では石の壁があり、まりさがそれを少し取り外すと、奥にある空洞でもぞもぞと動く何かが見えます。 「今日も一匹だけ出してやるんだぜ!」 「ゆゅ・・・」 中で動く何かは相談しているかのように身を寄せ合ってひそひそ喋っています。 やがて、一匹の何かがまりさの空けた穴から出てきました。 それは子ちぇんでした。 「よし、じゃあおとーさんの下に連れて行ってやるんだぜ!」 「わかるよー!はやくあいちゃいよー!」 穴を塞いで跳ねていくまりさに、子ちぇんは必死に這ってついて行きました。 「わがら゙な゙い゙よ゜おおおおおおおおおおお!」 「や゙め゙ぢぇ゙ええええええええええええ!」 「ゆっくりしね!」 「まず足を狙うんだぜ!同じぐらいの大きいやつならまず弱らせるんだぜ!」 まりさの指導が子供達に響きます。 子まりさが狩りの対称にしているのは先ほど出された子ちぇんと授業で使われた子れいむです。 「わがらないよおおおおおおお!」 「ゆべぇ!」 いくら跳ねれないとはいえ、子まりさよりは一回り大きい子ちぇんです。 数匹のまりさが掛かってもしぶとく、何匹かは吹き飛ばされました。 「ゆぎゅぎゅ・・・」 「まりしゃ。こりぇをぬりゅといいわ。」 「ゆ・・・いたくないよ!さすがぱちゅりーだよ!」 「ゆふふ・・・」 傷ついたまりさはそばで見ていた子ぱちゅりーが傷を治してやります。 こうして治されたまりさはまたちぇんとれいむに向かっていくのでした。 「さすがまりさの子供なんだぜ!もうすこし大きくなれば狩りに連れて行けるんだぜ!」 まりさは子まりさの狩りの様子を見てとても満足げです。 そんなまりさの帽子から一匹のれいむが降りてきました。 「ゆゆ、おそうじおわりました!」 「ゆむ・・・」 帽子を掃除していたというれいむはまりさに目を付けられたれいむです。 このれいむは生かされてまりさやぱちゅりーの手伝い、巣の掃除、死んだれいむとちぇんの処理をさせていました。 「ゆ~、ちょっとゴミが残ってたんだぜ!しっかりやるんだぜ!」 「ゆべぇええええええ!」 見えるか見えないかの埃を目ざとく見つけたまりさは、れいむをふっ飛ばします。 れいむはごろごろと転がった後、涙を流しながらまりさに謝りました。 「ごべんなざい!ごべんなじゃい!つぎはじゃんどやりまずううううう!」 「まったく・・・ちゃんとしてほしいんだぜ!」 「むきゅ、れいむ。もうれいむのほうは使えないからいつものようにお願いね。」 「わがりまじだ・・・」 子れいむはまりさの狩りの練習で動かなくなった、ぼろぼろのれいむを石の壁まで引きずっていきます。 そして皮を破き、中身を取り出すと石を一つ外して中身を野菜屑と一緒にその中に投げ入れました。 中ではもそもそと這いずる音とれいむの投げ入れたものを食べる音が聞こえます。 れいむはもっといいものを入れてあげたかったのですが、管理をきちんとしているぱちゅりーに見つかってお仕置きされるのが怖いので何も出来ませんでした。 子れいむは姉妹を隔てる石の壁に向かい、声を出さずに泣いていました。 「むきゅー。子供達も順調に育っているわね。」 「子供達が育ったらまたぱちゅりーと二人でゆっくり出来るんだぜ!」 「ふふ、楽しみね。」 「そうだだぜ、ちかくでありすをみつけたんだぜ!」 「あら、じゃあありすの恐怖を教えれるわね。」 「あの子れいむを使えば大丈夫そうだぜ。」 「じゃあまた準備しとくわね。」 「ぱちゅりーありがとなんだぜ!」 まりさとぱちゅりーは頬を摺り寄せてゆっくりとしています。 まりさとぱちゅりーの家族はこの大きな巣で、これからもゆっくりし続けました。 このSSに感想を付ける
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「わかるよー、こどもたちがまってるよー」 森の中をゆっくりちぇんが跳ねていきます。 やがて、森の木に上手く隠れた場所に横穴が見えてきます。 ちぇんは一目散に巣に入っていきました。 「ゆっくりかえったよー!」 「ゆっ!おかえりなさい!」 「「「おかえりなさい!」」」 帰った事をちぇんが報告すると巣のおくから、大きいゆっくりれいむとゆっくりちぇんとれいむの子供達が現れました。 この子供達はもちろんちぇんとれいむの子供です。 ちぇんは帰りを待っていてくれたれいむと子供達に微笑むと口と帽子に溜め込んでいた食べ物を出しました。 「おなかすいてたんだね、わかるよー!」 「おかーさんすごい!」 「いっぴゃいあるよ!」 「こんなにいっぱい!たいへんだったね!」 「れいむたちのためだからかんたんだったよー」 子供達はちぇんの取ってきた食べ物に飛びついていきました。 れいむもそんな子供達に続いて食べ物を食べていきます。 食べ終わると子供達はそれぞれゆっくりしだしました。 「こどもたちはきょうもゆっくりしていたよ!」 「わかるよー、れいむはこそだてじょうずだものー」 「ゆゆん、ちぇんはおせじがうまいよー」 親ゆっくりのれいむとちぇんは無邪気に遊んでいる子供達を見ながら、頬を重ねてゆっくりしだしました。 ちぇんとれいむたちがいても広く、子供達も十分遊べる巣の中はとてもゆっくりとしていました。 そんな巣の入り口を見つめるゆっくりが二匹。 「あの巣ならゆっくり出来そうだぜ。」 「ちぇんと・・・中にいるのはれいむかしらね。」 「さっきもう少し近づいたんだが中から唄が聞こえたんだぜ。」 「なら、れいむで決まりね。子供もいるわ。」 「子供達も利用できるんだぜ。」 「じゃあ、明日決行しましょう。」 二匹のゆっくりは黒い帽子をと、紫の髪が特徴のゆっくりまりさと、ゆっくりぱちゅりーです。 二匹はちぇんがやってくる前から巣穴の入り口近くの草むらで隠れていました。 巣から誰も出てこないことを確認すると、二匹はそこからそっと離れていきました。 「ゆ~ん、もういいわよでてらっしゃい。」 「「「「おかーしゃん、おかえり!」」」」 「「「「むきゅー!おかえりなさい!」」」」 二匹は先ほど隠れていた場所から少し離れた、木に出来た穴の前にやってきました。 ぱちゅりーが声をかけると、穴の中ではなく、木の根もとに積まれていた枯葉からゴソゴソと子ゆっくりが出てきました。 子ゆっくりはまりさとぱちゅりーです。 ぱちゅりーが子供の数を数え、全員いるのを確認しているあいだにまりさは穴の中を確認します。 どちらも問題ないと分かるとまりさとぱちゅりーの家族は穴の中に入りました。 「おかーしゃんどうだっちゃの?」 「むきゅん、明日巣を取りに行くわ。」 「じゃあこのしゅともきょうでおわかれだね!」 「はなれるちょなるとしゅこしかなちいわ・・・」 親ぱちゅりーがこの巣を離れることを宣言すると、子ゆっくりは浮かない顔をします。 あまり大きくない巣であっても、今まで住み慣れた巣を離れるのは悲しいことなのです。 そんな反応に困ったぱちゅりーに巣穴から外を警戒していたまりさが助け舟を出します。 「大丈夫なんだぜ!新しい巣はここから近いからまた来れるんだぜ!」 「ゆゆ!おとーさんほんとう?」 「本当だぜ!お前達が大きくなればここで暮らしても良いんだぜ!」 「ゆ~、それならだいじょうぶだね!」 「そうだぜ!だから明日でていく準備をするんだぜ!ぱちゅりーだけにさせるような子は捨てていくんだぜ!」 「すてないでー!」 「ゆっくちてつだうよ!」 子供達はまりさの発言に置いていかれてはたまらないと、巣の片づけを始めようとしていたぱちゅりーの手伝いに向かいました。 「むきゅー、まりさありがとね。」 「勘違いするなだぜ!役に立つから連れて行くんだぜ!」 「そうね。私もまりさがいてくれると便利だからついていくわ。」 そんなやり取りをして、まりさとぱちゅりーはそれぞれの役割をやり始めました。 先ほどの子ゆっくりを置いていくという話は、まりさは本当にやるつもりでした。 ぱちゅりーもそれを理解していながら何も言いませんでした。 子供といえど働かないゆっくりは役立たずだからです。 そんな子がいないと自信があったのもありますが。 そんな親たちの考えも知らず、子ゆっくりはそれぞれの持ち物から必要なものと必要でないものを分けていきます。 準備を終えた子ゆっくりは固まって眠りだしました。 それを見たぱちゅりーもうとうとしています。 まりさはそんな姿を見て少し笑い、また巣の外の警戒に戻りました。 巣の外は丸い月が森を照らしていました。 翌朝、まりさとぱちゅりーの家族は巣を離れました。 目指すは昨日のれいむとちぇんの巣です。 魔理沙の言っていたとおり、その巣は子ゆっくりでもすぐに辿り着く距離でした。 巣についた時、ちょうど親ちぇんが食べ物をとりに出かけるところでした。 「さすがぱちゅりーだぜ!時間どおりだぜ!」 「お膳立てはしたわ。あとはまりさに任せたわよ。」 「まかせるんだぜ!ぱちゅりーは子供達と隠れてくれだぜ!」 「はい。このキノコよね?」 「さすがだぜ!いってくるんだぜ!」 ちぇんが遠くに行くのを確認すると、まりさはれいむの残った巣に向かいました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっ、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」 まりさは巣に入るとゆっくり式のあいさつをしました。 ゆっくりはこれに反応しないわけにはいきません。 巣の中にいた親れいむも子ゆっくりもまりさの挨拶に反応して奥からやってきました。 「ゆゆっ、まりさどーしたの!」 「ちょっと通りかかったんだぜ!すごい巣なんだぜ!」 「ゆふん!れいむとちぇんのゆっくりぷれいすだよ!」 「ちょっとみてもいいかだぜ?」 「もちろんだよ!ゆっくりしていってね!」 まりさは巣の中を見回ります。 食べ物も充分蓄えられており、れいむが自慢したくなるのも無理はない巣です。 ふとまりさが足元を見ると子れいむと子ちぇんがまりさを珍しそうに見ていました。 それによってまりさは上手く動けません。 こんなにいっぱい子供を産んで、さぞかし子育ては大変だろうとまりさは思います。 「子供達多すぎるんじゃないかだぜ?」 「ゆゆゆ、でもまだまだひろいよ!」 「よく今まで生きてこれたんだぜ!」 「ちぇんががんばってくれたからだよ!」 「一日中食べ物集めないと駄目そうだぜ・・・」 「まいにちちぇんはあつめてくれてるよ!」 本当にちぇんはがんばってるのでしょう。 巣の周りは調べた限り食べれそうなものは無かったのです。 おそらく、ちぇんは遠くまで食べ物を取りに行っているはずです。 食べ物を食べつくしてしまえばどうなるのか予想がつきそうですが、おそらく巣から出ていないれいむには分からないことでしょう。 まりさはそんなれいむを馬鹿にしながらも笑顔で作戦に移ります。 「とてもゆっくりできたんだぜ!」 「わかるよー。ここのすはすごいんだよー」 「れいみゅのおかーしゃんとおとーしゃんのおかげだよ!」 「まりしゃもみならってね!」 「・・・お礼においしいキノコを持ってきたんだぜ!みんなで食べてくれだぜ!」 まりさはそういって帽子に隠していたキノコをれいむの前に置きます。 「ゆゆっ!おいしそうなきのこだね!」 「おかーしゃんおにゃかしゅいたよ!」 「わかるよー、おなかぺこぺこだよー!」 「みんなでゆっくりたべようね!」 れいむたちはまりさの持ってきたキノコを疑いも無く食べ始めました。 まりさは子ゆっくりがキノコを食べるのを手伝います。 特に先ほどまりさに見習えといった子れいむには念入りに食べさせました。 まりさが持ってきたキノコはたいした時間も掛からずにれいむたちの腹に収まりました。 まりさはれいむ達の食べっぷりに呆れ半分嬉しさ半分です。 「まりさありがと!とってもおいしかったよ!」 「よろこんでくれてうれしいんだぜ!」 「ゆ~、なんだかねみゅくなっちぇきちゃ・・・」 「ゆっ!こどもたちはおねむのじかんなんだね!」 「まりさはもういくから寝てると良いんだぜ!」 「ゆ~れいむもねむくなってきたよ・・・」 「じゃあまたなんだぜ!」 「まりさまたね~」 まりさはそう言って巣から出て行きました。 そして隠れていたぱちゅりーのところに向かいます。 「ゆ、おかえりなさい。」 「上手くいったんだぜ!」 「じゃあちぇんが帰って来るかもわからないからさっさとしましょう。」 「子供達も一緒に来るんだぜ!」 「「「わかっちゃよ!」」」 まりさはぱちゅりー達を連れてれいむ達の巣に戻っていきました。 中では、藁の敷かれた場所でれいむと子供達がぐっすりと眠っていました。 先ほどのキノコはネムリダケでした。 食べてしまうとしばらく何をしても起きることはありません。 「まりさはれいむを何とかするんだぜ!」 「私たちは子供達ね。」 まりさとぱちゅりーは手馴れた様子でれいむと子ゆっくりを扱います。 まりさはれいむが邪魔にならない位置に口で引っ張っていきます。 そしてれいむが潰れないように石を上に載せていきました。 ネムリダケの効果はすごく、れいむは起きる気配はありません。 しばらく石を載せ続けると、れいむは顔だけを残して石に埋まってしまいました。 「ふう、これで完成だぜ!」 「おつかれさま」 「ゆっ、ぱちゅりーもうおわったんだぜ?」 「ええ、ちょっとだけ先に終わったわ。」 「さすがなんだぜ!」 ぱちゅりーはれいむとちぇんの子ゆっくりの底に傷を付けていきました。 子まりさと子ぱちゅりーもそれを手伝います。 分担して作業したので多くいた子ゆっくりに手早く傷を付けれました。 「じゃあ今のうちにお引越しだぜ!」 まりさ達は木の穴から持ってきたものを各々これだと思う場所に置いていきます。 子ゆっくりとれいむは自分たちの自慢の巣がまりさたちのものになったことに気付かず、ぐっすりと眠ったままでした。 その後、巣を調べたぱちゅりーが、外敵から身を守るためやより快適に暮らすための改造を提案しました。 まりさはそれに賛成し、子ゆっくりと共にぱちゅりーに指揮されて巣の改造を行いました。 そんな改造をしていたので食べ物を取りにはいけませんでしたが、巣の中には食べ物はいっぱいあったので問題ありませんでした。 そうしているうちに子ゆっくりとれいむが目を覚まします。 「ゆゆっ・・・うごげないいいいいい!」 「おかーしゃんどおしちゃの・・・」 先に起きたのは親れいむでした。 親れいむは体を伸ばそうとしたところ、まったく動けなくなっていることに気付いて悲鳴をあげます。 その叫びに子れいむ達も目を覚ましました。 こちらは何が起こっているのかまだ分かってないようです。 「ゆうううう、だれがごんなごどしだのおおおおおおおおお!」 「ゆ・・・ゆゆっ!おかーしゃんがいしにうみゃっちぇるよ!」 「にゃ、にゃんだっちぇー!」 「はやくちゃすけるよ!」 親れいむの危機に気付いた子ゆっくりは助けに向かおうと足に力を入れました。 「いちゃ!」 「ゆべっ!」 そして痛みで後ろに転がったり顔を地面に思いっきりぶつけました。 その光景を見た母れいむは驚きます。 「ど、どどおしだのおおおおおおお!」 「おかーしゃんはねれないよおおおおおおおお!」 子れいむはやっと自分達が跳ねれないことに気付きました。 母れいむも痛がる子供達から底に怪我をしていることが分かります。 「うごかないでね!いまうごくとあぶないよ!」 「でも、おかーしゃんが・・・」 「おかーさんはだいじょうぶだよ!こんないしっころ・・・」 そう言って速く子供達のもとへ向かおうと力をこめます。 「ゆーしょ!ゆーしょ!」 「おかーしゃんがんばっちぇ!」 しかし高く積まれた石はれいむの力ではびくともしません。 「ゆううううううう!」 親れいむはどんなにがんばっても動けません。 しかし、希望はありました。 今ここにはちぇんがいません。きっとまだ食べ物を取りに行っている筈です。 帰って来たら助けてもらおう。 そう思った親れいむは子供達を心配しながらちぇんが帰って来るのを今か今かと待ち続けました。 太陽が地平線に隠れ始めたころ、食べ物をたくさん溜め込んだちぇんがゆっくりと戻ってきました。 「しまったよー。ちょっとおそくなったよー。」 たまたま美味しそうな果物を見つけてしまい取るのに時間が掛かったのです。 苦労したかいあってその果物はとても美味しいものでした。 「これできげんなおしてもらうよー。」 ちぇんは独り言を呟いた後、巣の入り口に向かいます。 そこで巣の奇妙な点に気付きました。 巣の入り口には枯葉や草が敷かれています。 それによって入り口は気付き難いものになっていました。 そしてその横に同じような穴があります。 こちらはちぇんの巣より長く続いていませんが、枯葉や枝が敷き詰められてなく気付きやすい作りになっていました。 ちぇんが最初に見たのも実はこっちの穴です。 何も知らないゆっくりなら巣に使えないと判断してすぐにどこかに行くでしょう。 住みやすい巣があることを知っていたちぇんはおかしいと気付き、隠された穴に気付いたのでした。 穴の枯葉を取っていきます。 そこは住み慣れた穴でした。 「わからないよー!れいむのしわざかなー?」 ちぇんにはれいむがこんなことをするとは思えませんでした。 子供達にはもっと無理でしょう。 れいむ達はどうしたのでしょう。ちぇんは不思議がります。 「れいむー!どこなのー?」 ちぇんは巣の中に向けて叫びました。 「ゆ!ちぇんのこえだよ!」 「これでたしゅかるよ!」 「おかーさんもうすこしがんばっちぇ!」 待ち望んだちぇんの声に巣の中のれいむとちぇんは喜びました。 しかし、このゆっくり達は忘れていました。 このようなことをした犯人がどこかにいることを。 「ゆべっ!」 「ゆゆっ!?」 突如ちぇんの悲鳴が聞こえます。 何が起こったのか見えないれいむ達は急に不安になりました。 「ちぇーん!どおしたのおおおおおおおおお!」 「れいむたちはここだよおおおおおおお!」 「わからないよおおおおおおおおおお!」 必死にちぇんに向かって叫びます。 やがてれいむ達に近づくゆっくりの姿が見えました。 「わかるよー!なにもなかったんだねー!」 子ちぇんはやってきた影に向かって元気よく声をかけました。 そして、目を大きく開きガクガクと震えだしました。 れいむ達はまだよく分かりません。 やがて影が鮮明になり、やってきたゆっくりが分かります。 それは傷ついたちぇんを引きずってきたまりさでした。 「ちぇえええええええええええん!」 「おとおおおおおおおしゃあああん!」 まりさはそんな声に耳を貸さず、ずるずるとちぇんの尻尾を引っ張ると子ゆっくりのいる場所に放り投げました。 「ゆびゅ!」 「ゆぎゅ!」 何匹かの子ゆっくりが跳ね飛ばされたり、踏まれたりで悲鳴をあげます。 「ゆっ!?だいじょうぶ!」 「だ、だいじょうびゅだよ!」 ちぇんに乗られた子ゆっくりが何とか這い出してきます。 そして子ゆっくりは跳ねれないので這いずりながら親ちぇんに近づきます。 親ちぇんはぼろぼろでした。所々中身が漏れています。 尻尾は引っ張ってきたせいか今にも千切れそうで耳は片方なくなっています。 「これでしばらく起きないんだぜ!」 「ま゙り゙ざああああああああああああああ!」 親れいむの狂ったような叫び声がまりさを襲います。 しかし、まりさはそれを右から左へ聞き流してれいむ達から離れていきます。 子ゆっくりはなんとかちぇんに元気になってもらおうと傷ついたところを舐めていました。 とても甘い味がしましたが、それが親の中から流れているものと分かっていたのでおいしくは感じませんでした。 「むきゅ~、このちぇんはがんばりすぎね。」 「おかげでしばらく暮らせそうだぜ!」 「冬篭り用に保存できそうなのは食べさせないわよ。」 「む~、しょうがないんだぜ!」 「まぁそれでもしばらくは持つわよ。」 まりさが戻ってきた時、横にはぱちゅりーと子供達がいました。 子まりさと子ぱちゅりーは食べ物、おそらくちぇんが取ってきたものを口に咥えています。 まりさも帽子の上に大量に食べ物を載せて、それをぱちゅりーが支えて運んでいました。 「ゆがあああああああ!れいむだぢのだべものおおおおおおお!」 子まりさ達はれいむ達を無視して横穴に進んでいきます。 すぐにまりさ達は奥に消えていきました。 「これで全部ね。」 「まりしゃたちがんばっちゃよ!」 「さすがまりさの子供なんだぜ!」 まりさは子供達に乱暴に頬ずりします。 「むきゅ~ん!」 子ゆっくり達は痛がりながらも嬉しそうです。 「ちぇんはあのままで良いの?」 「心配するなだぜ!今日はもう起きてこないんだぜ!」 「でも、子ゆっくりが舐めてたけど・・・」 「心配性なんだぜ!なら今日はまりさが見といてやるんだぜ!」 「なら、安心ね。」 「おう、だぜ!」 そんなやり取りの後まりさはちぇんのもとに向かいます。 まりさの思惑通り、ちぇんは目を覚ましそうにありません。 周りで必死に傷を舐めている子ゆっくりに侮蔑の目線を向けると、先ほどからうるさいれいむに向かって体当たりをします。 「げずま゙り゙ざああああああああ・・・ゆげぇ!」 「おかああじゃあああああああああん!」 まりさの体当たりでれいむの顔がゆがみます。 ちぇんに寄り添っていた何匹かの子ゆっくりが親れいむの元にも這って行きます。 まりさはそれに土をかけて遊びます。 「ゆぅうぅう!やめちぇねえええええ!」 「まえがみえないいいいいいいい!」 「おもいよおおおおおおおお!」 「おお、ゆかいゆかい。」 この様子だとまりさは退屈しなくて済みそうでした。 ぱちゅりーは冬篭りに使えそうな食べ物をより分けます。 「むきゅ、おかーしゃんこれは?」 「これはもちそうにないわ。」 「こりぇわー?」 「それは大丈夫そうね。向こうに運んでちょうだい。」 「わかったちょ!」 子ゆっくりの運んできた食べ物を親ぱちゅりーが選別し、それを子ゆっくりが運びます。 子ゆっくりに手伝わすことで冬篭りに必要な食べ物の知識を子ゆっくりに教えているのでした。 「さあ、終わったからさっさと寝ましょう。」 「まだねみゅくないよ!」 「明日は遠くまで行くから朝早いわよ!」 「ゆっくりわかったよ!」 「じゃあ寝ましょうね。」 「おかーしゃんおやしゅみなさい!」 明日は子ゆっくりに大事な知識を教えることにしていました。 子ゆっくりが寝るのを見届けると、ぱちゅりーもゆっくりと眠りました。 ちぇんとれいむの家族はまりさに監視されていたのでゆっくり出来ませんでした。 実はまりさは帽子を目深に被って寝ていたので本当はゆっくり出来たのですが。 そんなこんなで一日で巣を奪われたれいむ達の一日は終わったのでした。 続く? このSSに感想を付ける
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私はぱちゅりー、群の皆からは知恵を求められてきたわ。 自分で餌を採るのは得意じゃないけど、困った時の相談役として群にいるからって、皆が餌をわけてくれるの。 申し訳がなくて、いたたまれなかったけど、群の長であるまりさに 「ぱちゅりーはおしえることがしごとだよ」って言われてからは少し割り切れるようになってたの。 最初は、食べられるキノコや草、虫さんを教える程度だったわ。 丈夫な家の作り方、れみりゃから逃げる方法、冬篭りの準備、食べ物の保存について、人間さんとの付き合い方。 だんだん教える事が高度になっていったけど、群の皆はちゃんと言う事を聞いてくれて、覚えてくれた。 そして、自分の知っている知識だけでは、皆に教える事が出来なくなってしまったの。 長まりさは「あかちゃんにべんきょうをおしえるおしごとだってあるんだよ」っていってくれたけど 今までたくさんごはんをくれた群の皆にたいして、それしか出来ないのは何か悲しいと思ったの。 だから、ぱちゅりーは変わることにしたわ。 今までは、教える事が仕事だったけど、これからは考える事を仕事にすると決めた。 考える事が仕事、といっても本当に考えてるだけじゃ答えは出てきてくれないから、当然動き回らなくてはならない。 薬草を採る為に高い山へ登った。食べられるキノコか見分ける為に己の身体で試した。 有効か疑わしかったれみりゃからの脱出経路や道具を使って実際にれみりゃから逃げ切った。 今までは、人間さんにはこちからは近づくな、知っている人間さんが近づいてきた時だけお話をしても良いと 群の皆にも言っていたが、自分から知らない人間さんとお話をしてみた。 そして、どんな人がゆっくりに対して友好か、解る事が出来た。 いじわるな人間さんに会ってしまった時は本当に死ぬかと思ったけど、何とか逃げる事が出来た。 優しく、賢い人間さんに会う事が出来て、いろんな知識を分けて貰った。 そんな風に行動していたら、いつの間にか、群の皆の質問には、殆ど答える事ができるようになっていた。 自分が生きていく上で、対処不可能な出来事はもうほとんどないのかも知れない。 ――――――と思っていた。 「やめちぇ!!れいみゅのうんうんちゃべにゃいでよぉぉおおお!!」 「きたない゛わあ゛あ゛!!やべでえ゛!!ぞんな゛の゛どがいばじゃない゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!やべるんだぜぇええ!!まりさのう゛んう゛んをどっぢゃだめだんだぜえ゛え゛え゛え゛!!」 出した瞬間にうんうんを食べられたまりさは、にっこりと笑ったお兄さんの顔を見て失禁した。 「い゛やあ゛あ゛あ゛!!ぢーぢーずわ゛ないでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 そして漏らした瞬間にお兄さんの口の上へ持上げられ、しーしーを吸われている。 ちゅーちゅーという、しーしーを飲む大きな音が止んだ。食事が終わったようだ。 「ふぅ……ごちそうさま!」 お日様みたいな笑顔だ。まるで悪魔のように恐れられているが、この笑顔は天使のようにゆっくりしているな、と思った。 20日程前から、群に居着いたこのお兄さんは、ゆっくりのうんうんを食べるにんげんさんだった。 うんうんをしていると、突如現れてうんうんを食べてしまう。という恐ろしいにんげんさんである。 本当に美味しそうにうんうんやしーしーを食べるので、何も知らないにんげんさんは何が恐ろしいか解らないだろうが、 うんうんや、しーしーは、はっきり言って美味しくない。それに汚いものだ、としっかりと教えられてきている。 実際、お兄さんの行いを見て、うんうんを食べようとしたゆっくりが少数居たが、 まぢゅい、おいじぐない、くちゃい、きたない、ゆっくりできない、と吐き出していた。 わからない、理解できない、といった未知な行動に対しては、恐怖心が生まれるのだ。これはゆっくりにとっては当然の事だった。 だから、自分を含め、この群の皆はこのお兄さんの食事に対してかなりの恐怖を感じているのだ。 最初、彼が食事を、うんうんを食べてる姿を見て、とてもゆっくりできない駄目な人間さんだと思ったが、 今では、その評価はガラリと変わっている。 わずか一日で、木の棒や笹の葉なんかで小さい家を作っていた。かなり出来が良く、すごくゆっくりできそうなおうちだった。 寝る為に必要だと言っていたが、一日でこんな凄い家を作ってしまうとは思わなかった。 3匹のれみりゃが群を襲った時には、一瞬でやっつけて、群の皆のご飯にしてくれた。 全くの無言でれみりゃ達を叩き潰したその姿に憧れるゆっくりは跡を絶たなかった。 友達のれいむが大怪我をして、どんなにぺーろぺーろしても治らなくて、薬草なんて全く効かなくて。 何でも出来ると思っていた自分が情けなかった。皆ももう、諦めかけた時、お兄さんが不思議な物を塗ってくれて、治してくれた。 この時、本当に久しぶりに泣いてしまった。 怪我を治してもらった他のゆっくりも何匹か居たようで、奇跡の手だ。神の手だ。と教えを広めていた。 他にも困った事があったらすぐに助けてくれる優しいにんげんさんなのだ。 うんうんを笑顔で食べられるのは本当に恐ろしいけど、本当にやめて欲しいけど。 優しいから。助けてもらったから。その強さに憧れているから。凄い事が出来るから。 だから、群の皆もお兄さんを追い出そう、なんて言えないのだ。 「今日はまりさのうんうんが食べたいな~~、たーべたーーーいな~~~~。」 「やめてね!こっちにこないでね!!おにーさんはうんうんなんてたべないでね!!!!」 「おねがいだよ、まりさぁ~~~~。ほら、美味しいりんごさんあげるから~~。」 「ゆ!?・・・」 今日の被害者はまりさか、と溜息をついた。お兄さんはこんな風にゆっくりに餌をあげて釣るのだ。 「ほーら、たくさんあるよ。すっごいおいしぃよ!」 「ゆぅ~~!!りんごさん!ゆっくりまりさにたべられてね!!!」 沢山のりんごさんを目の前に出されて、まりさは考える事を放棄したようだ。 「むーしゃ!むーしゃ!!しあわせーーーー!!!」 ガツガツとリンゴを平らげていくまりさ。お兄さんはまりさを見ながらニコニコしている。 「ゆゆ!!うんうんでりゅよ!!!」 沢山食べたら、うんうんを出したくなる。いや、出さざるを得ない。 まりさは、目の前にお兄さんがいる事を忘れているのか、うんうんを出す体勢に入る。 するとお兄さんは、自然な動きでまりさのうんうんが出た瞬間に口に運び、飲み込む。 「うひょぉおおお!!!うんうんおいちぃいいいいい!!!」 「あ゛あ゛あ゛!!!おじいじゃんがい゛るの゛をばずででだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「今日のまりさのうんうんはリンゴの味がして、酸っぱくてシャリシャリしてて美味しいよ!!」 お兄さんは、うんうんを食べる時はいつも幸せそうだが、気に入ったうんうんの場合、すごくハイテンションになるようだ。 「やべで!!ぜづめいじだいで!!おいじぞうにわ゛らわ゛な゛いでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」 そう言ってる間にもうんうんは出続ける。沢山食べてたからね、しょうがないわね。 「まりさのうんうんっていつも川の匂いがして素敵だね。食べるたびに川で泳いでるようなふわふわした気分になるよ。 お帽子で川を渡るのが好きだもんね。身体が川の流れでふわふわゆらゆらしてたから、うんうんもふわふわなんだね。 それに、最近食べてるキノコはなめこでしょ?うんうんが、ぬるぬるぷるぷるってお兄さんの口の中で震えてるよ。 まりさは運動が好きだからうんうんも元気が出るのかな?りんごさんの匂いと川の匂いがほら、お兄さんの口の中から ふわーって出てくるみたいでしょ。」 お兄さんに事細かにうんうんの味について説明され、まりさは涙を流しながら失禁した。 もちろん、しーしーをごくごくと飲まれた後は、しーしーの味についてもしっかり言及された。 まりさは解放されると、自分のおうちに転がるようにして帰り、その日は出てこなかった。 「あのおにーさんは、ゆっくりできるひとだけど、ゆっくりできないよ!!!」 昨日、沢山のりんごを食べて、うんうんを沢山食べられたまりさがおうちに来た。 「……おにーさんを群から追い出したいのね?」 一応、こう尋ねてみる。結果は見えているが必要な会話プロセスだ。 「ちがうよ!!おにーさんはまりさのいもうとのけがをなおしてくれたよ!それにきのうくれたりんごさんはおいしかったよ!!」 「…ならいいじゃないの。ゆっくりできる人だわ。」 「でもうんうんをたべるのはゆっくりできないよ!!!おにーさんがうんうんをたべなくなるようにしてね!!」 「…どうやって、食べなくさせるの?」 「ゆぅ……、わからないよ!!でもぱちゅりーはあたまがいいから!!きっとかんがえてくれるからここにきたよ!!!」 「むきゅ。分かってるわ……。あのおにーさんについて、考えるのが今のぱちゅの仕事だわ。」 今みたいな依頼は、このまりさで27件目だ。 最初は追い出してね。という依頼もあったが、今では100%が、追い出さずにうんうんを食べるのを止めさせてね。 になっている。実を言うと自分もおにいさんには出て行って欲しくないと思い始めている。 うんうんを食べるのはやめて欲しいが、うんうんを食べている時のお兄さんの笑顔がなんとなく好きになってしまっていたのだ。 とりあえず、様子を見よう。おにーさんに話しかけるのにはまだちょっと時期が早い気がする、なんとなく。 なんとなくで、ゆっくりお兄さんを尾行する日々を続け、20日も立ってしまった。 もはや、群でおにーさんにうんうんを食べられていないゆっくりは、自分を含めて数匹になっていた。 この20日間で解ったことは、お兄さんの食事のほぼ100%がゆっくりのうんうんとしーしーであること。 昼の間は、ゆっくりと一緒に遊んだりして過ごしてるが、夜にはご本を読んだり、ご本を書いたりしてるらしいこと。 そして、お兄さんの笑顔が堪らなく好きになってしまっている自分がいること、であった。 ――――全く情報が増えていなかった。 このまま尾行、観察しているだけでは埒が明かない。見ているだけの生活にも限界を感じていた。 おにーさんに話しかける事にしよう。そして、どうしてうんうんを食べるのか聞いてみる事にしよう。 他の皆は、食べないで。やめて。どうしてそんなことするの。と叫んでいるだけだからお兄さんは答えてくれないんだ。 自分ならちゃんと冷静に問いかける事ができるはず。全く……、最初からこうすれば良かった。 「むきゅ、おにーさん、お話があるわ。」 「お、ぱちゅりー。ゆっくりしていってね。」 「ゆっくりしていってね!!………お話があるの。ゆっくり聞いてくれる?」 どんなに、知識を蓄えても、体を鍛えても、このゆっくりお返事を返すという癖は直らない。 いきなり出鼻を挫かれてしまったが、ここでペースを乱したら負けである。 「んー・・・いいよ。長いお話なのかな?座布団敷くね?」 「ありがとう、おにーさん。あのね、ぱちゅはおいーさんの体が心配なのよ。 毎日、うんうんやしーしーで生活していたら、いつか体を壊しちゃうわ。そしたら群の皆も心配すると思うの。 それにね、人間さんはどうか知らないけど、ゆっくりにとってうんうんは、ゆっくりできないものなの。 だから、ゆっくりできないものを美味しそうに食べるおにーさんが、恐いって思っちゃうのよ。 ぱちゅはおにーさんが、みんなに恐がられてるのは嫌なの。……ううん、私だけじゃないわ。皆おにーさんのこと好きだから ……………、…………………。」 それから10分くらい話した所で、息が切れてきてしまった。おにーさんの目の前で緊張しているからかしら。 それに必死に喋るなんて久しぶりだから呼吸の仕方が、何かあやふやになってきているのを感じる。 「ぱちゅりー、大丈夫かい?頑張って喋りすぎて疲れたんじゃないか?ほら、野苺で作ったクッキー(バター,卵無し)が あるから、食べながら話そう?話してると、喉渇くだろうから、山桃のジュースもついであげるよ。 おにーさんは、ぱちゅりーが話すのをゆっくり待っていてあげるから。だからゆっくりお話してね。」 そう言って、おにーさんは、自分の頭を撫でてくれた。 ああ、おにーさんは優しい。嬉しすぎてちょっと涙が出てきてしまった。 ………そういえば、自分が小さい頃は、全然上手く喋れない子だった。 頭の中では沢山言葉が出てるのに舌が回らなくて、悔しくて俯いて泣いていた事もあった。 けど、そんな時はお父さんとお母さんが、こうやって頭を撫でてくれたっけ。 「うわぁーーん!!おにい゛ざあーーーん!!!」 もう死んじゃった両親の事を思い出してしまって、おにーさんに泣きついてしまった。 「よしよし・・・。」 おにーさんは、しゃくり上げて泣いている自分を抱き締めて、優しく優しく撫でてくれた。 「……むきゅ、泣いちゃってごめんなさい。」 「いいよ。僕で良ければ何時でもなでなでしてあげる。」 いきなり泣くなんて、恥ずかしい事をしてしまった。けどお兄さんが優しくて、 それに沢山、撫でてもらえて凄く幸せだった。この幸福な時間をずっと続けたくて、他愛も無い話をした。 おにーさんの作ったクッキーを食べる時はあーんさせてもらった。ジュースもおにーさんと乾杯して飲んだ。 おひるねする時はおにーさんに膝枕をしてもらった。起きたら一緒にご本を読んでくれた。 お日様が沈んでしまって、おうちに帰ろうとした時、 今日はもう遅いからお兄さんのおうちでゆっくりしていってね。と言ってくれた。 お夕飯に食べた鮎とイワナの塩焼きはすごく美味しかった。おにーさんは、ただ焼いただけだ。と不満そうだったけど ゆっくりは魚を取れないし、火だって使えないのだ。美味しすぎて涙が出るくらいだった。……今日は少し涙もろい。 夕食後には、デザートだと言って、グミの実のジャムを食べさせてくれた。 手掴みで口の中にジャムを運んでくれて、なんだか恥ずかしかった。 ジャムが残ったおにーさんの手をぺーろぺーろした時の味は、忘れられない味になるだろう。 今日一日で何度、「しあわせー!!」と言ったか数えられそうになかった。 普段は、「むーしゃ、むーしゃ」なんて言わないけど、おにーさんの料理を食べると声が出てしまう。 本能に負けてるようで恥ずかしかったけど、おにーさんが食事する自分を見て嬉しそうだったから、たまには良いかなと思った。 夜眠る時は、おにーさんにご本を読んでもらいながら眠った。一字一句聞き逃さないようにと意気込んだけど、 すごくゆっくりとした声とトーンには、とても逆らえそうになかった。 こんな幸せな日は、きっと二度と訪れないだろう。それくらい素敵な時間だった。 意識が落ちる間際に、今日より素敵な日じゃなくて良いですから、明日も素敵な日であってくださいと、願った。 「むきゅ。おにーさん、朝よ。ゆっくりおはよう。」 「……、ん、ぱちゅりー。おはよう。」 おにーさんが起きる時間は、ここ最近のストーキングで解っていたので、その時間までは 寝顔を見つめながら待っていたのだ。誰でも起こされるのが早いと嫌なものだ、という自分の常識である。 おにーさんの寝顔も満喫できたし、朝の挨拶を一番に出来たしで最高のスタートを切れた。 「むーしゃ、むーしゃ~♪しあわせ~~♪♪」 朝ごはんはおにーさんお手製のパンケーキだ。昨日から思っていた事だがおにーさんのごはんは凄く美味しい。 いくらでも食べれてしまうような、おにーさんの調理技術はもはや魔法の域であると感心するばかりである。 たっぷりと食事を取ったので、朝の身嗜みを行う事にした。小川に行き、顔を洗い、髪を綺麗に梳かし、トイレに向かう。 ご飯を食べた後はちょっと眠くなるのだが、これは自分のルーチンワークである為、寝惚けていてもても行える。 特に今日は朝ご飯をたっぷり摂っていたので今にも寝そうであった。 昨日からの幸せを引きずり、夢うつつな状態で髪を梳かす。 おにーさんは、昨日も今日も、自分を見つめてニコニコしていてくれた。食事の時も寝る時もずーっと・・・・。 もしかしたら、おにーさんは自分の事を?…………いや、それは飛躍しすぎる。ちょっと現実的な思考じゃなかった。 トイレへと足を進めつつ、昨日のおにーさんの笑顔を思い出す。そういえば、 自分がご飯を食べてる時は笑顔を絶やしていなかったな。自分が作った料理を食べてくれるのは、嬉しいと言っていたし。 おにーさんは、ここに来るまでは、料理を作る仕事をしていたんだろうか。 うんうんをしながら、考えを進める。………あれ?そういえば、おにーさんはいつ、しょくじをとっていたんだろう? ぱちゅは、おにーさんがごはんをたべているのをみていないきがする………。 ……ねむいから、あたまがまわってないのかしら。おにーさんのしょくじふうけいを、おもいだせない。 「・・・うっめ!!、これめっちゃ旨ぇ!!」 「ゆ゛!?お゛!?おにい゛ざん!?」 おにーさんが、居た。顔を洗ってくると行って別れてから、確かについて着ていなかったはず。 それに自分はちゃんと周りに誰も居ないか確認してから、うんうんをする事にしている。今日だってちゃんと確認してから…… 「ぱちゅりーのうんうんは、アレだね。熟成されたワインのようだよ。まりさはすぐうんうんしちゃうからね。 まぁ、それはそれで鮮度が良く、爽やかな味がするんだけど最近物足りなくてね。ぱちゅりーのはすごいよー。 他のぱちゅりーとは比較にならないね。色も濃いし、ねっとりとした凝縮感がある。味も香りも単調じゃなく複雑なんだ。 舌にふんわりと、やわらかく乗っかるこの感じは、すごく官能的。すっごく美味しいよ。」 おにーさんの発言で思考が途切れる。 「どうして!?どうしておにーさんがここにいるの!?」 「んー、ぱちゅりーがうんうんの時間だなーって思って。」 「しつもんにこたえてぇええ!!?」 ひょい、と身体を持上げられる。お空を飛んでるみたい、なんて言わないけど、ちょっとした高揚感は抑えられない。 おにーさんの手が身体を這う。……、んっ!なにかしら?この湧き上がる感覚は? 「えーっと、確かうんうんのツボはここらへんかなぁ、最近だいぶ熟知してきたんだけど……っと!ここだ。」 「いやっ!!なんで!?なんでうんうんがでるの!!??」 「そーいうツボを押してるからねぇ・・・。直接いただきます。れろんっとね。」 「い゛や゛よ゛お゛!!やべで!!お゛にい゛ざん!ぞんな゛!!おじりにぢょぐぜづじだをお゛お゛お゛お゛!!!」 「もーぐもーぐ、しあわせー。ってね。どんどん出してね。ぱちゅりー。」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!う゛んう゛んだべだれでるう゛う゛う゛う゛う゛!!!! ぎだない゛わ゛よお゛お゛!!お゛に゛いざんに!ばぢゅのぎだない゛う゛んう゛んだべられぢゃっでる゛う゛う゛う゛!!!」 「ぱねぇっ!!めっちゃうっめぇ!!ぱちゅりー最高ッウウウウ!!!」 「……………………うーん……、昨日食べた量を考えると後半分かなー。」 下半身から、おにーさんの口が離れた。食べるのはやめてくれるのかしら、そんな安堵感が出てくる。 ……が、下を見ると、うんうんの出て行く先にはしっかりとお皿が用意されていた。 落ちていくうんうんが、お皿の上に盛られていく。 「お゛にい゛ざん!??なにじでるの゛お゛お゛お゛お゛!!?」 「いや、なに、ね。例えばまりさのうんうんは、すぐに食べるのが一番美味しいってのは判ってるんだが。 ぱちゅりーの場合、時間を置いて、冷ましてからの方が美味しい気がするんだよね。何となく。 一応、川の水で冷やして置くのもいいかもなあ……、ふふふ、楽しみだね。ぱちゅりー。」 「・・・・・ぃ、いやぁ・・・・ぁああ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「……、これがうんうんか……!?」 冷やしたうんうんを食べた瞬間、おにーさんが呆然とした顔で呟いた。 ぱちゅはもう、精神をごっそり削られていたので見ているだけしか出来ない。 「冷やす事で弾力性が増している・・・、それに、舌の上で転がすだけじゃなく、噛み締める事で味わいが増す…。 ああ・・・、口の中で溶けていくこの感触!!たまらない!!!!」 冷やしたうんうんをあっという間に食べていくおにーさん。うっめ、という台詞はない。 最近、ゆっくりの影響か、めっちゃうめ、などと食べながら叫んでいたが、今は無心に食べている。 「なんてこった。もう食べてしまった……。しかし、この味こそが僕の求めていたものだと確信出来た!! このうんうんを毎日食べたい。いや、このうんうんじゃなきゃ一生は食べていけないだろう………。 ぱちゅりー!!僕と一緒に暮らそう!!!きっと幸せにしてあげるよ!」 「むきゅ!!?」 気力が0だったのでほとんど聞いていなかったが、プロポーズされたような気がする。 え、いや、ちょっとまって。そりゃおにーさんのことは好きだ。好きだけど。まさかおにーさんからプロポーズしてくれるなんて。 嬉しい。すごく嬉しい!!・・・・・・けど、嬉しくないわよ!?うんうんを食べるのは変わってないのよ?いいの?ぱちゅりー? これから、ずっとうんうんを食べられる生活よ?本当にこの人でいいの?………不安になる。 ちらっとおにーさんのほうを見てみる。 ああ、なんて真っ直ぐな目。きっとおにーさんは、自分しか見ないでくれるであろう。 いいじゃないか。誰にだって人には言えない癖だってある。 たった一個許すだけだ。おにーさんが好きならおにーさんの短所も含めて愛するべきなのだ。 ………ただ、その一個を自分は許容できるのか?朝のわずか1時間にも満たない間で、これだけ精神が磨耗した。 これから一生、続けていけるのか? 「ぱちゅりー……。好きだよ。」 好き、って言われちゃった。好きって言われちゃった!!!ずきゃーん、と自分の胸を貫かれてしまった。 ああもういい。この身がどうなろうと、おにーさんとなら生きていける。 「ぱちゅりーも、おにーさんのこと、好きよ。一緒に、暮らしたいわ。」 「!!……ありがとう、ぱちゅりー!!愛してる!!!」 そういって、おにーさんはぱちゅの事を抱き締めてくれた。 愛してる、発言も相まって、もう立っていられない程ぐんにゃりと身体から力が抜けた。 けど、されるがままに抱き締められるが、気持ちよかったのでそのまま黙っていた。 抱っこされながら、おにーさんの家に向かう。 これから、自分は毎日うんうんを食べられるんだ。それはとってもゆっくり出来ない毎日。 けど、おにーさんと一緒に暮らせる。それなら大丈夫。それに、うんうんを食べてもらうのが、しあわせだ、と思えるように なればいい。そしたらずーーっと毎日がしあわせな日々になるはず。 今は、ただ、おにーさんに抱っこされている幸せを噛み締めよう。考えるのは後でいい、とぱちゅりーは思った。
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「わかるよー、こどもたちがまってるよー」 森の中をゆっくりちぇんが跳ねていきます。 やがて、森の木に上手く隠れた場所に横穴が見えてきます。 ちぇんは一目散に巣に入っていきました。 「ゆっくりかえったよー!」 「ゆっ!おかえりなさい!」 「「「おかえりなさい!」」」 帰った事をちぇんが報告すると巣のおくから、大きいゆっくりれいむとゆっくりちぇんとれいむの子供達が現れました。 この子供達はもちろんちぇんとれいむの子供です。 ちぇんは帰りを待っていてくれたれいむと子供達に微笑むと口と帽子に溜め込んでいた食べ物を出しました。 「おなかすいてたんだね、わかるよー!」 「おかーさんすごい!」 「いっぴゃいあるよ!」 「こんなにいっぱい!たいへんだったね!」 「れいむたちのためだからかんたんだったよー」 子供達はちぇんの取ってきた食べ物に飛びついていきました。 れいむもそんな子供達に続いて食べ物を食べていきます。 食べ終わると子供達はそれぞれゆっくりしだしました。 「こどもたちはきょうもゆっくりしていたよ!」 「わかるよー、れいむはこそだてじょうずだものー」 「ゆゆん、ちぇんはおせじがうまいよー」 親ゆっくりのれいむとちぇんは無邪気に遊んでいる子供達を見ながら、頬を重ねてゆっくりしだしました。 ちぇんとれいむたちがいても広く、子供達も十分遊べる巣の中はとてもゆっくりとしていました。 そんな巣の入り口を見つめるゆっくりが二匹。 「あの巣ならゆっくり出来そうだぜ。」 「ちぇんと・・・中にいるのはれいむかしらね。」 「さっきもう少し近づいたんだが中から唄が聞こえたんだぜ。」 「なら、れいむで決まりね。子供もいるわ。」 「子供達も利用できるんだぜ。」 「じゃあ、明日決行しましょう。」 二匹のゆっくりは黒い帽子をと、紫の髪が特徴のゆっくりまりさと、ゆっくりぱちゅりーです。 二匹はちぇんがやってくる前から巣穴の入り口近くの草むらで隠れていました。 巣から誰も出てこないことを確認すると、二匹はそこからそっと離れていきました。 「ゆ~ん、もういいわよでてらっしゃい。」 「「「「おかーしゃん、おかえり!」」」」 「「「「むきゅー!おかえりなさい!」」」」 二匹は先ほど隠れていた場所から少し離れた、木に出来た穴の前にやってきました。 ぱちゅりーが声をかけると、穴の中ではなく、木の根もとに積まれていた枯葉からゴソゴソと子ゆっくりが出てきました。 子ゆっくりはまりさとぱちゅりーです。 ぱちゅりーが子供の数を数え、全員いるのを確認しているあいだにまりさは穴の中を確認します。 どちらも問題ないと分かるとまりさとぱちゅりーの家族は穴の中に入りました。 「おかーしゃんどうだっちゃの?」 「むきゅん、明日巣を取りに行くわ。」 「じゃあこのしゅともきょうでおわかれだね!」 「はなれるちょなるとしゅこしかなちいわ・・・」 親ぱちゅりーがこの巣を離れることを宣言すると、子ゆっくりは浮かない顔をします。 あまり大きくない巣であっても、今まで住み慣れた巣を離れるのは悲しいことなのです。 そんな反応に困ったぱちゅりーに巣穴から外を警戒していたまりさが助け舟を出します。 「大丈夫なんだぜ!新しい巣はここから近いからまた来れるんだぜ!」 「ゆゆ!おとーさんほんとう?」 「本当だぜ!お前達が大きくなればここで暮らしても良いんだぜ!」 「ゆ~、それならだいじょうぶだね!」 「そうだぜ!だから明日でていく準備をするんだぜ!ぱちゅりーだけにさせるような子は捨てていくんだぜ!」 「すてないでー!」 「ゆっくちてつだうよ!」 子供達はまりさの発言に置いていかれてはたまらないと、巣の片づけを始めようとしていたぱちゅりーの手伝いに向かいました。 「むきゅー、まりさありがとね。」 「勘違いするなだぜ!役に立つから連れて行くんだぜ!」 「そうね。私もまりさがいてくれると便利だからついていくわ。」 そんなやり取りをして、まりさとぱちゅりーはそれぞれの役割をやり始めました。 先ほどの子ゆっくりを置いていくという話は、まりさは本当にやるつもりでした。 ぱちゅりーもそれを理解していながら何も言いませんでした。 子供といえど働かないゆっくりは役立たずだからです。 そんな子がいないと自信があったのもありますが。 そんな親たちの考えも知らず、子ゆっくりはそれぞれの持ち物から必要なものと必要でないものを分けていきます。 準備を終えた子ゆっくりは固まって眠りだしました。 それを見たぱちゅりーもうとうとしています。 まりさはそんな姿を見て少し笑い、また巣の外の警戒に戻りました。 巣の外は丸い月が森を照らしていました。 翌朝、まりさとぱちゅりーの家族は巣を離れました。 目指すは昨日のれいむとちぇんの巣です。 魔理沙の言っていたとおり、その巣は子ゆっくりでもすぐに辿り着く距離でした。 巣についた時、ちょうど親ちぇんが食べ物をとりに出かけるところでした。 「さすがぱちゅりーだぜ!時間どおりだぜ!」 「お膳立てはしたわ。あとはまりさに任せたわよ。」 「まかせるんだぜ!ぱちゅりーは子供達と隠れてくれだぜ!」 「はい。このキノコよね?」 「さすがだぜ!いってくるんだぜ!」 ちぇんが遠くに行くのを確認すると、まりさはれいむの残った巣に向かいました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっ、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」 まりさは巣に入るとゆっくり式のあいさつをしました。 ゆっくりはこれに反応しないわけにはいきません。 巣の中にいた親れいむも子ゆっくりもまりさの挨拶に反応して奥からやってきました。 「ゆゆっ、まりさどーしたの!」 「ちょっと通りかかったんだぜ!すごい巣なんだぜ!」 「ゆふん!れいむとちぇんのゆっくりぷれいすだよ!」 「ちょっとみてもいいかだぜ?」 「もちろんだよ!ゆっくりしていってね!」 まりさは巣の中を見回ります。 食べ物も充分蓄えられており、れいむが自慢したくなるのも無理はない巣です。 ふとまりさが足元を見ると子れいむと子ちぇんがまりさを珍しそうに見ていました。 それによってまりさは上手く動けません。 こんなにいっぱい子供を産んで、さぞかし子育ては大変だろうとまりさは思います。 「子供達多すぎるんじゃないかだぜ?」 「ゆゆゆ、でもまだまだひろいよ!」 「よく今まで生きてこれたんだぜ!」 「ちぇんががんばってくれたからだよ!」 「一日中食べ物集めないと駄目そうだぜ・・・」 「まいにちちぇんはあつめてくれてるよ!」 本当にちぇんはがんばってるのでしょう。 巣の周りは調べた限り食べれそうなものは無かったのです。 おそらく、ちぇんは遠くまで食べ物を取りに行っているはずです。 食べ物を食べつくしてしまえばどうなるのか予想がつきそうですが、おそらく巣から出ていないれいむには分からないことでしょう。 まりさはそんなれいむを馬鹿にしながらも笑顔で作戦に移ります。 「とてもゆっくりできたんだぜ!」 「わかるよー。ここのすはすごいんだよー」 「れいみゅのおかーしゃんとおとーしゃんのおかげだよ!」 「まりしゃもみならってね!」 「・・・お礼においしいキノコを持ってきたんだぜ!みんなで食べてくれだぜ!」 まりさはそういって帽子に隠していたキノコをれいむの前に置きます。 「ゆゆっ!おいしそうなきのこだね!」 「おかーしゃんおにゃかしゅいたよ!」 「わかるよー、おなかぺこぺこだよー!」 「みんなでゆっくりたべようね!」 れいむたちはまりさの持ってきたキノコを疑いも無く食べ始めました。 まりさは子ゆっくりがキノコを食べるのを手伝います。 特に先ほどまりさに見習えといった子れいむには念入りに食べさせました。 まりさが持ってきたキノコはたいした時間も掛からずにれいむたちの腹に収まりました。 まりさはれいむ達の食べっぷりに呆れ半分嬉しさ半分です。 「まりさありがと!とってもおいしかったよ!」 「よろこんでくれてうれしいんだぜ!」 「ゆ~、なんだかねみゅくなっちぇきちゃ・・・」 「ゆっ!こどもたちはおねむのじかんなんだね!」 「まりさはもういくから寝てると良いんだぜ!」 「ゆ~れいむもねむくなってきたよ・・・」 「じゃあまたなんだぜ!」 「まりさまたね~」 まりさはそう言って巣から出て行きました。 そして隠れていたぱちゅりーのところに向かいます。 「ゆ、おかえりなさい。」 「上手くいったんだぜ!」 「じゃあちぇんが帰って来るかもわからないからさっさとしましょう。」 「子供達も一緒に来るんだぜ!」 「「「わかっちゃよ!」」」 まりさはぱちゅりー達を連れてれいむ達の巣に戻っていきました。 中では、藁の敷かれた場所でれいむと子供達がぐっすりと眠っていました。 先ほどのキノコはネムリダケでした。 食べてしまうとしばらく何をしても起きることはありません。 「まりさはれいむを何とかするんだぜ!」 「私たちは子供達ね。」 まりさとぱちゅりーは手馴れた様子でれいむと子ゆっくりを扱います。 まりさはれいむが邪魔にならない位置に口で引っ張っていきます。 そしてれいむが潰れないように石を上に載せていきました。 ネムリダケの効果はすごく、れいむは起きる気配はありません。 しばらく石を載せ続けると、れいむは顔だけを残して石に埋まってしまいました。 「ふう、これで完成だぜ!」 「おつかれさま」 「ゆっ、ぱちゅりーもうおわったんだぜ?」 「ええ、ちょっとだけ先に終わったわ。」 「さすがなんだぜ!」 ぱちゅりーはれいむとちぇんの子ゆっくりの底に傷を付けていきました。 子まりさと子ぱちゅりーもそれを手伝います。 分担して作業したので多くいた子ゆっくりに手早く傷を付けれました。 「じゃあ今のうちにお引越しだぜ!」 まりさ達は木の穴から持ってきたものを各々これだと思う場所に置いていきます。 子ゆっくりとれいむは自分たちの自慢の巣がまりさたちのものになったことに気付かず、ぐっすりと眠ったままでした。 その後、巣を調べたぱちゅりーが、外敵から身を守るためやより快適に暮らすための改造を提案しました。 まりさはそれに賛成し、子ゆっくりと共にぱちゅりーに指揮されて巣の改造を行いました。 そんな改造をしていたので食べ物を取りにはいけませんでしたが、巣の中には食べ物はいっぱいあったので問題ありませんでした。 そうしているうちに子ゆっくりとれいむが目を覚まします。 「ゆゆっ・・・うごげないいいいいい!」 「おかーしゃんどおしちゃの・・・」 先に起きたのは親れいむでした。 親れいむは体を伸ばそうとしたところ、まったく動けなくなっていることに気付いて悲鳴をあげます。 その叫びに子れいむ達も目を覚ましました。 こちらは何が起こっているのかまだ分かってないようです。 「ゆうううう、だれがごんなごどしだのおおおおおおおおお!」 「ゆ・・・ゆゆっ!おかーしゃんがいしにうみゃっちぇるよ!」 「にゃ、にゃんだっちぇー!」 「はやくちゃすけるよ!」 親れいむの危機に気付いた子ゆっくりは助けに向かおうと足に力を入れました。 「いちゃ!」 「ゆべっ!」 そして痛みで後ろに転がったり顔を地面に思いっきりぶつけました。 その光景を見た母れいむは驚きます。 「ど、どどおしだのおおおおおおお!」 「おかーしゃんはねれないよおおおおおおおお!」 子れいむはやっと自分達が跳ねれないことに気付きました。 母れいむも痛がる子供達から底に怪我をしていることが分かります。 「うごかないでね!いまうごくとあぶないよ!」 「でも、おかーしゃんが・・・」 「おかーさんはだいじょうぶだよ!こんないしっころ・・・」 そう言って速く子供達のもとへ向かおうと力をこめます。 「ゆーしょ!ゆーしょ!」 「おかーしゃんがんばっちぇ!」 しかし高く積まれた石はれいむの力ではびくともしません。 「ゆううううううう!」 親れいむはどんなにがんばっても動けません。 しかし、希望はありました。 今ここにはちぇんがいません。きっとまだ食べ物を取りに行っている筈です。 帰って来たら助けてもらおう。 そう思った親れいむは子供達を心配しながらちぇんが帰って来るのを今か今かと待ち続けました。 太陽が地平線に隠れ始めたころ、食べ物をたくさん溜め込んだちぇんがゆっくりと戻ってきました。 「しまったよー。ちょっとおそくなったよー。」 たまたま美味しそうな果物を見つけてしまい取るのに時間が掛かったのです。 苦労したかいあってその果物はとても美味しいものでした。 「これできげんなおしてもらうよー。」 ちぇんは独り言を呟いた後、巣の入り口に向かいます。 そこで巣の奇妙な点に気付きました。 巣の入り口には枯葉や草が敷かれています。 それによって入り口は気付き難いものになっていました。 そしてその横に同じような穴があります。 こちらはちぇんの巣より長く続いていませんが、枯葉や枝が敷き詰められてなく気付きやすい作りになっていました。 ちぇんが最初に見たのも実はこっちの穴です。 何も知らないゆっくりなら巣に使えないと判断してすぐにどこかに行くでしょう。 住みやすい巣があることを知っていたちぇんはおかしいと気付き、隠された穴に気付いたのでした。 穴の枯葉を取っていきます。 そこは住み慣れた穴でした。 「わからないよー!れいむのしわざかなー?」 ちぇんにはれいむがこんなことをするとは思えませんでした。 子供達にはもっと無理でしょう。 れいむ達はどうしたのでしょう。ちぇんは不思議がります。 「れいむー!どこなのー?」 ちぇんは巣の中に向けて叫びました。 「ゆ!ちぇんのこえだよ!」 「これでたしゅかるよ!」 「おかーさんもうすこしがんばっちぇ!」 待ち望んだちぇんの声に巣の中のれいむとちぇんは喜びました。 しかし、このゆっくり達は忘れていました。 このようなことをした犯人がどこかにいることを。 「ゆべっ!」 「ゆゆっ!?」 突如ちぇんの悲鳴が聞こえます。 何が起こったのか見えないれいむ達は急に不安になりました。 「ちぇーん!どおしたのおおおおおおおおお!」 「れいむたちはここだよおおおおおおお!」 「わからないよおおおおおおおおおお!」 必死にちぇんに向かって叫びます。 やがてれいむ達に近づくゆっくりの姿が見えました。 「わかるよー!なにもなかったんだねー!」 子ちぇんはやってきた影に向かって元気よく声をかけました。 そして、目を大きく開きガクガクと震えだしました。 れいむ達はまだよく分かりません。 やがて影が鮮明になり、やってきたゆっくりが分かります。 それは傷ついたちぇんを引きずってきたまりさでした。 「ちぇえええええええええええん!」 「おとおおおおおおおしゃあああん!」 まりさはそんな声に耳を貸さず、ずるずるとちぇんの尻尾を引っ張ると子ゆっくりのいる場所に放り投げました。 「ゆびゅ!」 「ゆぎゅ!」 何匹かの子ゆっくりが跳ね飛ばされたり、踏まれたりで悲鳴をあげます。 「ゆっ!?だいじょうぶ!」 「だ、だいじょうびゅだよ!」 ちぇんに乗られた子ゆっくりが何とか這い出してきます。 そして子ゆっくりは跳ねれないので這いずりながら親ちぇんに近づきます。 親ちぇんはぼろぼろでした。所々中身が漏れています。 尻尾は引っ張ってきたせいか今にも千切れそうで耳は片方なくなっています。 「これでしばらく起きないんだぜ!」 「ま゙り゙ざああああああああああああああ!」 親れいむの狂ったような叫び声がまりさを襲います。 しかし、まりさはそれを右から左へ聞き流してれいむ達から離れていきます。 子ゆっくりはなんとかちぇんに元気になってもらおうと傷ついたところを舐めていました。 とても甘い味がしましたが、それが親の中から流れているものと分かっていたのでおいしくは感じませんでした。 「むきゅ~、このちぇんはがんばりすぎね。」 「おかげでしばらく暮らせそうだぜ!」 「冬篭り用に保存できそうなのは食べさせないわよ。」 「む~、しょうがないんだぜ!」 「まぁそれでもしばらくは持つわよ。」 まりさが戻ってきた時、横にはぱちゅりーと子供達がいました。 子まりさと子ぱちゅりーは食べ物、おそらくちぇんが取ってきたものを口に咥えています。 まりさも帽子の上に大量に食べ物を載せて、それをぱちゅりーが支えて運んでいました。 「ゆがあああああああ!れいむだぢのだべものおおおおおおお!」 子まりさ達はれいむ達を無視して横穴に進んでいきます。 すぐにまりさ達は奥に消えていきました。 「これで全部ね。」 「まりしゃたちがんばっちゃよ!」 「さすがまりさの子供なんだぜ!」 まりさは子供達に乱暴に頬ずりします。 「むきゅ~ん!」 子ゆっくり達は痛がりながらも嬉しそうです。 「ちぇんはあのままで良いの?」 「心配するなだぜ!今日はもう起きてこないんだぜ!」 「でも、子ゆっくりが舐めてたけど・・・」 「心配性なんだぜ!なら今日はまりさが見といてやるんだぜ!」 「なら、安心ね。」 「おう、だぜ!」 そんなやり取りの後まりさはちぇんのもとに向かいます。 まりさの思惑通り、ちぇんは目を覚ましそうにありません。 周りで必死に傷を舐めている子ゆっくりに侮蔑の目線を向けると、先ほどからうるさいれいむに向かって体当たりをします。 「げずま゙り゙ざああああああああ・・・ゆげぇ!」 「おかああじゃあああああああああん!」 まりさの体当たりでれいむの顔がゆがみます。 ちぇんに寄り添っていた何匹かの子ゆっくりが親れいむの元にも這って行きます。 まりさはそれに土をかけて遊びます。 「ゆぅうぅう!やめちぇねえええええ!」 「まえがみえないいいいいいいい!」 「おもいよおおおおおおおお!」 「おお、ゆかいゆかい。」 この様子だとまりさは退屈しなくて済みそうでした。 ぱちゅりーは冬篭りに使えそうな食べ物をより分けます。 「むきゅ、おかーしゃんこれは?」 「これはもちそうにないわ。」 「こりぇわー?」 「それは大丈夫そうね。向こうに運んでちょうだい。」 「わかったちょ!」 子ゆっくりの運んできた食べ物を親ぱちゅりーが選別し、それを子ゆっくりが運びます。 子ゆっくりに手伝わすことで冬篭りに必要な食べ物の知識を子ゆっくりに教えているのでした。 「さあ、終わったからさっさと寝ましょう。」 「まだねみゅくないよ!」 「明日は遠くまで行くから朝早いわよ!」 「ゆっくりわかったよ!」 「じゃあ寝ましょうね。」 「おかーしゃんおやしゅみなさい!」 明日は子ゆっくりに大事な知識を教えることにしていました。 子ゆっくりが寝るのを見届けると、ぱちゅりーもゆっくりと眠りました。 ちぇんとれいむの家族はまりさに監視されていたのでゆっくり出来ませんでした。 実はまりさは帽子を目深に被って寝ていたので本当はゆっくり出来たのですが。 そんなこんなで一日で巣を奪われたれいむ達の一日は終わったのでした。 続く このSSに感想を付ける
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「わかるよー、こどもたちがまってるよー」 森の中をゆっくりちぇんが跳ねていきます。 やがて、森の木に上手く隠れた場所に横穴が見えてきます。 ちぇんは一目散に巣に入っていきました。 「ゆっくりかえったよー!」 「ゆっ!おかえりなさい!」 「「「おかえりなさい!」」」 帰った事をちぇんが報告すると巣のおくから、大きいゆっくりれいむとゆっくりちぇんとれいむの子供達が現れました。 この子供達はもちろんちぇんとれいむの子供です。 ちぇんは帰りを待っていてくれたれいむと子供達に微笑むと口と帽子に溜め込んでいた食べ物を出しました。 「おなかすいてたんだね、わかるよー!」 「おかーさんすごい!」 「いっぴゃいあるよ!」 「こんなにいっぱい!たいへんだったね!」 「れいむたちのためだからかんたんだったよー」 子供達はちぇんの取ってきた食べ物に飛びついていきました。 れいむもそんな子供達に続いて食べ物を食べていきます。 食べ終わると子供達はそれぞれゆっくりしだしました。 「こどもたちはきょうもゆっくりしていたよ!」 「わかるよー、れいむはこそだてじょうずだものー」 「ゆゆん、ちぇんはおせじがうまいよー」 親ゆっくりのれいむとちぇんは無邪気に遊んでいる子供達を見ながら、頬を重ねてゆっくりしだしました。 ちぇんとれいむたちがいても広く、子供達も十分遊べる巣の中はとてもゆっくりとしていました。 そんな巣の入り口を見つめるゆっくりが二匹。 「あの巣ならゆっくり出来そうだぜ。」 「ちぇんと・・・中にいるのはれいむかしらね。」 「さっきもう少し近づいたんだが中から唄が聞こえたんだぜ。」 「なら、れいむで決まりね。子供もいるわ。」 「子供達も利用できるんだぜ。」 「じゃあ、明日決行しましょう。」 二匹のゆっくりは黒い帽子をと、紫の髪が特徴のゆっくりまりさと、ゆっくりぱちゅりーです。 二匹はちぇんがやってくる前から巣穴の入り口近くの草むらで隠れていました。 巣から誰も出てこないことを確認すると、二匹はそこからそっと離れていきました。 「ゆ~ん、もういいわよでてらっしゃい。」 「「「「おかーしゃん、おかえり!」」」」 「「「「むきゅー!おかえりなさい!」」」」 二匹は先ほど隠れていた場所から少し離れた、木に出来た穴の前にやってきました。 ぱちゅりーが声をかけると、穴の中ではなく、木の根もとに積まれていた枯葉からゴソゴソと子ゆっくりが出てきました。 子ゆっくりはまりさとぱちゅりーです。 ぱちゅりーが子供の数を数え、全員いるのを確認しているあいだにまりさは穴の中を確認します。 どちらも問題ないと分かるとまりさとぱちゅりーの家族は穴の中に入りました。 「おかーしゃんどうだっちゃの?」 「むきゅん、明日巣を取りに行くわ。」 「じゃあこのしゅともきょうでおわかれだね!」 「はなれるちょなるとしゅこしかなちいわ・・・」 親ぱちゅりーがこの巣を離れることを宣言すると、子ゆっくりは浮かない顔をします。 あまり大きくない巣であっても、今まで住み慣れた巣を離れるのは悲しいことなのです。 そんな反応に困ったぱちゅりーに巣穴から外を警戒していたまりさが助け舟を出します。 「大丈夫なんだぜ!新しい巣はここから近いからまた来れるんだぜ!」 「ゆゆ!おとーさんほんとう?」 「本当だぜ!お前達が大きくなればここで暮らしても良いんだぜ!」 「ゆ~、それならだいじょうぶだね!」 「そうだぜ!だから明日でていく準備をするんだぜ!ぱちゅりーだけにさせるような子は捨てていくんだぜ!」 「すてないでー!」 「ゆっくちてつだうよ!」 子供達はまりさの発言に置いていかれてはたまらないと、巣の片づけを始めようとしていたぱちゅりーの手伝いに向かいました。 「むきゅー、まりさありがとね。」 「勘違いするなだぜ!役に立つから連れて行くんだぜ!」 「そうね。私もまりさがいてくれると便利だからついていくわ。」 そんなやり取りをして、まりさとぱちゅりーはそれぞれの役割をやり始めました。 先ほどの子ゆっくりを置いていくという話は、まりさは本当にやるつもりでした。 ぱちゅりーもそれを理解していながら何も言いませんでした。 子供といえど働かないゆっくりは役立たずだからです。 そんな子がいないと自信があったのもありますが。 そんな親たちの考えも知らず、子ゆっくりはそれぞれの持ち物から必要なものと必要でないものを分けていきます。 準備を終えた子ゆっくりは固まって眠りだしました。 それを見たぱちゅりーもうとうとしています。 まりさはそんな姿を見て少し笑い、また巣の外の警戒に戻りました。 巣の外は丸い月が森を照らしていました。 翌朝、まりさとぱちゅりーの家族は巣を離れました。 目指すは昨日のれいむとちぇんの巣です。 魔理沙の言っていたとおり、その巣は子ゆっくりでもすぐに辿り着く距離でした。 巣についた時、ちょうど親ちぇんが食べ物をとりに出かけるところでした。 「さすがぱちゅりーだぜ!時間どおりだぜ!」 「お膳立てはしたわ。あとはまりさに任せたわよ。」 「まかせるんだぜ!ぱちゅりーは子供達と隠れてくれだぜ!」 「はい。このキノコよね?」 「さすがだぜ!いってくるんだぜ!」 ちぇんが遠くに行くのを確認すると、まりさはれいむの残った巣に向かいました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっ、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」 まりさは巣に入るとゆっくり式のあいさつをしました。 ゆっくりはこれに反応しないわけにはいきません。 巣の中にいた親れいむも子ゆっくりもまりさの挨拶に反応して奥からやってきました。 「ゆゆっ、まりさどーしたの!」 「ちょっと通りかかったんだぜ!すごい巣なんだぜ!」 「ゆふん!れいむとちぇんのゆっくりぷれいすだよ!」 「ちょっとみてもいいかだぜ?」 「もちろんだよ!ゆっくりしていってね!」 まりさは巣の中を見回ります。 食べ物も充分蓄えられており、れいむが自慢したくなるのも無理はない巣です。 ふとまりさが足元を見ると子れいむと子ちぇんがまりさを珍しそうに見ていました。 それによってまりさは上手く動けません。 こんなにいっぱい子供を産んで、さぞかし子育ては大変だろうとまりさは思います。 「子供達多すぎるんじゃないかだぜ?」 「ゆゆゆ、でもまだまだひろいよ!」 「よく今まで生きてこれたんだぜ!」 「ちぇんががんばってくれたからだよ!」 「一日中食べ物集めないと駄目そうだぜ・・・」 「まいにちちぇんはあつめてくれてるよ!」 本当にちぇんはがんばってるのでしょう。 巣の周りは調べた限り食べれそうなものは無かったのです。 おそらく、ちぇんは遠くまで食べ物を取りに行っているはずです。 食べ物を食べつくしてしまえばどうなるのか予想がつきそうですが、おそらく巣から出ていないれいむには分からないことでしょう。 まりさはそんなれいむを馬鹿にしながらも笑顔で作戦に移ります。 「とてもゆっくりできたんだぜ!」 「わかるよー。ここのすはすごいんだよー」 「れいみゅのおかーしゃんとおとーしゃんのおかげだよ!」 「まりしゃもみならってね!」 「・・・お礼においしいキノコを持ってきたんだぜ!みんなで食べてくれだぜ!」 まりさはそういって帽子に隠していたキノコをれいむの前に置きます。 「ゆゆっ!おいしそうなきのこだね!」 「おかーしゃんおにゃかしゅいたよ!」 「わかるよー、おなかぺこぺこだよー!」 「みんなでゆっくりたべようね!」 れいむたちはまりさの持ってきたキノコを疑いも無く食べ始めました。 まりさは子ゆっくりがキノコを食べるのを手伝います。 特に先ほどまりさに見習えといった子れいむには念入りに食べさせました。 まりさが持ってきたキノコはたいした時間も掛からずにれいむたちの腹に収まりました。 まりさはれいむ達の食べっぷりに呆れ半分嬉しさ半分です。 「まりさありがと!とってもおいしかったよ!」 「よろこんでくれてうれしいんだぜ!」 「ゆ~、なんだかねみゅくなっちぇきちゃ・・・」 「ゆっ!こどもたちはおねむのじかんなんだね!」 「まりさはもういくから寝てると良いんだぜ!」 「ゆ~れいむもねむくなってきたよ・・・」 「じゃあまたなんだぜ!」 「まりさまたね~」 まりさはそう言って巣から出て行きました。 そして隠れていたぱちゅりーのところに向かいます。 「ゆ、おかえりなさい。」 「上手くいったんだぜ!」 「じゃあちぇんが帰って来るかもわからないからさっさとしましょう。」 「子供達も一緒に来るんだぜ!」 「「「わかっちゃよ!」」」 まりさはぱちゅりー達を連れてれいむ達の巣に戻っていきました。 中では、藁の敷かれた場所でれいむと子供達がぐっすりと眠っていました。 先ほどのキノコはネムリダケでした。 食べてしまうとしばらく何をしても起きることはありません。 「まりさはれいむを何とかするんだぜ!」 「私たちは子供達ね。」 まりさとぱちゅりーは手馴れた様子でれいむと子ゆっくりを扱います。 まりさはれいむが邪魔にならない位置に口で引っ張っていきます。 そしてれいむが潰れないように石を上に載せていきました。 ネムリダケの効果はすごく、れいむは起きる気配はありません。 しばらく石を載せ続けると、れいむは顔だけを残して石に埋まってしまいました。 「ふう、これで完成だぜ!」 「おつかれさま」 「ゆっ、ぱちゅりーもうおわったんだぜ?」 「ええ、ちょっとだけ先に終わったわ。」 「さすがなんだぜ!」 ぱちゅりーはれいむとちぇんの子ゆっくりの底に傷を付けていきました。 子まりさと子ぱちゅりーもそれを手伝います。 分担して作業したので多くいた子ゆっくりに手早く傷を付けれました。 「じゃあ今のうちにお引越しだぜ!」 まりさ達は木の穴から持ってきたものを各々これだと思う場所に置いていきます。 子ゆっくりとれいむは自分たちの自慢の巣がまりさたちのものになったことに気付かず、ぐっすりと眠ったままでした。 その後、巣を調べたぱちゅりーが、外敵から身を守るためやより快適に暮らすための改造を提案しました。 まりさはそれに賛成し、子ゆっくりと共にぱちゅりーに指揮されて巣の改造を行いました。 そんな改造をしていたので食べ物を取りにはいけませんでしたが、巣の中には食べ物はいっぱいあったので問題ありませんでした。 そうしているうちに子ゆっくりとれいむが目を覚まします。 「ゆゆっ・・・うごげないいいいいい!」 「おかーしゃんどおしちゃの・・・」 先に起きたのは親れいむでした。 親れいむは体を伸ばそうとしたところ、まったく動けなくなっていることに気付いて悲鳴をあげます。 その叫びに子れいむ達も目を覚ましました。 こちらは何が起こっているのかまだ分かってないようです。 「ゆうううう、だれがごんなごどしだのおおおおおおおおお!」 「ゆ・・・ゆゆっ!おかーしゃんがいしにうみゃっちぇるよ!」 「にゃ、にゃんだっちぇー!」 「はやくちゃすけるよ!」 親れいむの危機に気付いた子ゆっくりは助けに向かおうと足に力を入れました。 「いちゃ!」 「ゆべっ!」 そして痛みで後ろに転がったり顔を地面に思いっきりぶつけました。 その光景を見た母れいむは驚きます。 「ど、どどおしだのおおおおおおお!」 「おかーしゃんはねれないよおおおおおおおお!」 子れいむはやっと自分達が跳ねれないことに気付きました。 母れいむも痛がる子供達から底に怪我をしていることが分かります。 「うごかないでね!いまうごくとあぶないよ!」 「でも、おかーしゃんが・・・」 「おかーさんはだいじょうぶだよ!こんないしっころ・・・」 そう言って速く子供達のもとへ向かおうと力をこめます。 「ゆーしょ!ゆーしょ!」 「おかーしゃんがんばっちぇ!」 しかし高く積まれた石はれいむの力ではびくともしません。 「ゆううううううう!」 親れいむはどんなにがんばっても動けません。 しかし、希望はありました。 今ここにはちぇんがいません。きっとまだ食べ物を取りに行っている筈です。 帰って来たら助けてもらおう。 そう思った親れいむは子供達を心配しながらちぇんが帰って来るのを今か今かと待ち続けました。 太陽が地平線に隠れ始めたころ、食べ物をたくさん溜め込んだちぇんがゆっくりと戻ってきました。 「しまったよー。ちょっとおそくなったよー。」 たまたま美味しそうな果物を見つけてしまい取るのに時間が掛かったのです。 苦労したかいあってその果物はとても美味しいものでした。 「これできげんなおしてもらうよー。」 ちぇんは独り言を呟いた後、巣の入り口に向かいます。 そこで巣の奇妙な点に気付きました。 巣の入り口には枯葉や草が敷かれています。 それによって入り口は気付き難いものになっていました。 そしてその横に同じような穴があります。 こちらはちぇんの巣より長く続いていませんが、枯葉や枝が敷き詰められてなく気付きやすい作りになっていました。 ちぇんが最初に見たのも実はこっちの穴です。 何も知らないゆっくりなら巣に使えないと判断してすぐにどこかに行くでしょう。 住みやすい巣があることを知っていたちぇんはおかしいと気付き、隠された穴に気付いたのでした。 穴の枯葉を取っていきます。 そこは住み慣れた穴でした。 「わからないよー!れいむのしわざかなー?」 ちぇんにはれいむがこんなことをするとは思えませんでした。 子供達にはもっと無理でしょう。 れいむ達はどうしたのでしょう。ちぇんは不思議がります。 「れいむー!どこなのー?」 ちぇんは巣の中に向けて叫びました。 「ゆ!ちぇんのこえだよ!」 「これでたしゅかるよ!」 「おかーさんもうすこしがんばっちぇ!」 待ち望んだちぇんの声に巣の中のれいむとちぇんは喜びました。 しかし、このゆっくり達は忘れていました。 このようなことをした犯人がどこかにいることを。 「ゆべっ!」 「ゆゆっ!?」 突如ちぇんの悲鳴が聞こえます。 何が起こったのか見えないれいむ達は急に不安になりました。 「ちぇーん!どおしたのおおおおおおおおお!」 「れいむたちはここだよおおおおおおお!」 「わからないよおおおおおおおおおお!」 必死にちぇんに向かって叫びます。 やがてれいむ達に近づくゆっくりの姿が見えました。 「わかるよー!なにもなかったんだねー!」 子ちぇんはやってきた影に向かって元気よく声をかけました。 そして、目を大きく開きガクガクと震えだしました。 れいむ達はまだよく分かりません。 やがて影が鮮明になり、やってきたゆっくりが分かります。 それは傷ついたちぇんを引きずってきたまりさでした。 「ちぇえええええええええええん!」 「おとおおおおおおおしゃあああん!」 まりさはそんな声に耳を貸さず、ずるずるとちぇんの尻尾を引っ張ると子ゆっくりのいる場所に放り投げました。 「ゆびゅ!」 「ゆぎゅ!」 何匹かの子ゆっくりが跳ね飛ばされたり、踏まれたりで悲鳴をあげます。 「ゆっ!?だいじょうぶ!」 「だ、だいじょうびゅだよ!」 ちぇんに乗られた子ゆっくりが何とか這い出してきます。 そして子ゆっくりは跳ねれないので這いずりながら親ちぇんに近づきます。 親ちぇんはぼろぼろでした。所々中身が漏れています。 尻尾は引っ張ってきたせいか今にも千切れそうで耳は片方なくなっています。 「これでしばらく起きないんだぜ!」 「ま゙り゙ざああああああああああああああ!」 親れいむの狂ったような叫び声がまりさを襲います。 しかし、まりさはそれを右から左へ聞き流してれいむ達から離れていきます。 子ゆっくりはなんとかちぇんに元気になってもらおうと傷ついたところを舐めていました。 とても甘い味がしましたが、それが親の中から流れているものと分かっていたのでおいしくは感じませんでした。 「むきゅ~、このちぇんはがんばりすぎね。」 「おかげでしばらく暮らせそうだぜ!」 「冬篭り用に保存できそうなのは食べさせないわよ。」 「む~、しょうがないんだぜ!」 「まぁそれでもしばらくは持つわよ。」 まりさが戻ってきた時、横にはぱちゅりーと子供達がいました。 子まりさと子ぱちゅりーは食べ物、おそらくちぇんが取ってきたものを口に咥えています。 まりさも帽子の上に大量に食べ物を載せて、それをぱちゅりーが支えて運んでいました。 「ゆがあああああああ!れいむだぢのだべものおおおおおおお!」 子まりさ達はれいむ達を無視して横穴に進んでいきます。 すぐにまりさ達は奥に消えていきました。 「これで全部ね。」 「まりしゃたちがんばっちゃよ!」 「さすがまりさの子供なんだぜ!」 まりさは子供達に乱暴に頬ずりします。 「むきゅ~ん!」 子ゆっくり達は痛がりながらも嬉しそうです。 「ちぇんはあのままで良いの?」 「心配するなだぜ!今日はもう起きてこないんだぜ!」 「でも、子ゆっくりが舐めてたけど・・・」 「心配性なんだぜ!なら今日はまりさが見といてやるんだぜ!」 「なら、安心ね。」 「おう、だぜ!」 そんなやり取りの後まりさはちぇんのもとに向かいます。 まりさの思惑通り、ちぇんは目を覚ましそうにありません。 周りで必死に傷を舐めている子ゆっくりに侮蔑の目線を向けると、先ほどからうるさいれいむに向かって体当たりをします。 「げずま゙り゙ざああああああああ・・・ゆげぇ!」 「おかああじゃあああああああああん!」 まりさの体当たりでれいむの顔がゆがみます。 ちぇんに寄り添っていた何匹かの子ゆっくりが親れいむの元にも這って行きます。 まりさはそれに土をかけて遊びます。 「ゆぅうぅう!やめちぇねえええええ!」 「まえがみえないいいいいいいい!」 「おもいよおおおおおおおお!」 「おお、ゆかいゆかい。」 この様子だとまりさは退屈しなくて済みそうでした。 ぱちゅりーは冬篭りに使えそうな食べ物をより分けます。 「むきゅ、おかーしゃんこれは?」 「これはもちそうにないわ。」 「こりぇわー?」 「それは大丈夫そうね。向こうに運んでちょうだい。」 「わかったちょ!」 子ゆっくりの運んできた食べ物を親ぱちゅりーが選別し、それを子ゆっくりが運びます。 子ゆっくりに手伝わすことで冬篭りに必要な食べ物の知識を子ゆっくりに教えているのでした。 「さあ、終わったからさっさと寝ましょう。」 「まだねみゅくないよ!」 「明日は遠くまで行くから朝早いわよ!」 「ゆっくりわかったよ!」 「じゃあ寝ましょうね。」 「おかーしゃんおやしゅみなさい!」 明日は子ゆっくりに大事な知識を教えることにしていました。 子ゆっくりが寝るのを見届けると、ぱちゅりーもゆっくりと眠りました。 ちぇんとれいむの家族はまりさに監視されていたのでゆっくり出来ませんでした。 実はまりさは帽子を目深に被って寝ていたので本当はゆっくり出来たのですが。 そんなこんなで一日で巣を奪われたれいむ達の一日は終わったのでした。 続く このSSに感想を付ける
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ぱちゅりおばさんの事件簿 9KB 私のSSでも1、2を争うハード虐待。おもに読者を。 作者自身にうるおいを補給するためのSSです。 『ぱちゅりおばさんの事件簿』 D.O 「むっきゅーん!じけんよ!じけんだわー!」 大声で友ゆっくり達を集めたのは、もりのけんじゃ(笑)こと、ゆっくりぱちゅりー。 彼女の目の前には、柿の木の下で、なぜか柿を頭に乗せて平べったくなったゆっくりみょんがいた。 みょんはぴくりとも動かない。 へんじがない。ただのしかばねのようだ。 「みょぉぉおおおん!どうしてしんじゃってるのぉぉぉおおお!」 「むきゅ!みょんのはにーのれいむでも、みょんにさわっちゃだめよ!」 「どぼじでそんなこというのぉぉおおおお!?」 「むきゅん!これはさつゆっくりじけんなのよ!はんゆっくりはむれのだれかなのよ!」 「「「「なっ、なんだってー。」」」」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「むれのだれかがはんゆっくりだなんて、そんなのとかいはじゃないわ。」 「むきゅん。でも、このあたりにはほかにゆっくりはいないのよ。 おそったのがにんげんさんなら、もっとたくさんしんでるわ。」 「なにいってるんだぜ!むれにはゆっくりしたゆっくりしかいないんだぜ!」 「むきゅ、でもこうしてみょんがしんでるんだから、はんゆっくりはいるはずよ。」 「わからないよー。」 ぱちゅりーの群れは小さい。ここにいる6匹で全員だ。 犯ゆっくりがいるとしたら、この中の誰かである。 柿の実の下でつぶれているみょん(マラペニ/♀)以外では、 みょんとつがいのれいむ(ぼせい/♀) みょんのおうちの召使いちぇん(わかるよ/♀) れいむと最近仲の良いまりさ(あおいかじつ/♀) みょんとは幼馴染のありす(とかいは/♀) そして、我らが迷探偵:ぱちゅりー(けんじゃ/♀) 「むきゅ!このなかに、みょんをえいえんにゆっくりさせたはんゆっくりがいるのよ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ぱちゅりー。きいてほしいよー。」 「むきゅん。なにかしら。」 「みょんはかきのきさんのしたにいて、かきさんにつぶされたんだよー。 きっとかきさんがおちてきただけなんだよー。」 。 「むっきゅぅぅぅぅううううん!!!そんなわけないでしょぉぉおおおお!!!」 「わからないよー!」 「みょんはそんなだめゆっくりじゃないわ!ちぇんといっしょにしないで!」 「あやしいよ。」 「むきゅ?」 「ちぇんはいま、かきのきさんのせいにしようとしたよ。 れいむはだまされないよ。はんゆっくりはちぇんなんだね!」 「わぎゃらないよぉぉおおお!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 容疑ゆっくり1・ちぇん 「どういうことなの?むきゅん。」 「ちぇんはれいむとみょんのめしつかいなんだよ!どれいなんだよ! きっと、まいにちいじめられてたうらみをはらしたんだよ!」 「・・・ちぇんをいじめてたの?れいむ。」 「ちぇんをいじめてたのはれいむだけなんだよー。わかってねー。」 「・・・そんなのどっちでもいいんだよ!とにかくはんゆっくりはちぇんにちがいないよ!」 「それはとかいはなこたえではないわ!それにありすはしってるわ! ちぇんは、ずっとみょんのことをあいしてたのよ!ちぇんにみょんをえいえんにゆっくりさせるなんてできないわ!」 「ばらさないでよー!わぎゃらないよぉぉおおおお!」 「おはなしがへんなことになってるわ!とにかくちぇんかどうかはわからないわね。むきゅん。」 「いいえ、とかいはなありすには、もうはんゆっくりはわかっているわ!はんゆっくりはれいむよ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 容疑ゆっくり2・れいむ 「どぼじでそんなこというのぉぉおおお!!!」 「ありすはしってるのよ!れいむとみょんのかんけいはさめきっていたのよ! きっと、べつのゆっくりとずっとゆっくりするために、みょんがじゃまになったんだわ!」 「なんてこというのぉぉおおお!」 「むきゅん。そういえばれいむはすっきりーがへたってみょんがみんなにいってたわね。」 「なんでここでいうのぉぉおおお!ひどすぎるでしょぉぉおお!」 「まつんだぜ!れいむははんゆっくりじゃないんだぜ!」 「まりさぁ・・・。」 「れいむのまむまむはさいこう・・・じゃなくて、れいむはきょうずっとまりさとひろばであそんでたんだぜ!」 「むきゅん。かりはみょんにおまかせだったのね。」 「そ、それはどうでもいいことなんだぜ!とにかくれいむはむじつなんだぜ!」 「むきゅん。またわからなくなったわ。あと、れいむのまむまむはがばがばよ。」 「・・・いいや、てんさいのまりささまにはもうはんゆっくりはわかっているんだぜ!はんゆっくりはありすなんだぜ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 容疑ゆっくり3・ありす 「とかいはなありすがこんなことするわけないでしょう!へんなこといわないで!」 「いや、まりさはしってるんだぜ。 ありすは、みょんのことをずっとすきだったんだぜぇ!」 「な、なにいってるの!みょんにはれいむがいるのよ!」 「まちがいないんだぜ。だいたいありすのつんでれをみてたらみんなきづいてたはずなんだぜ! ありすはとかいはなあい(笑)がいきすぎて、みょんをえいえんにゆっくりさせてしまったんだぜ!」 「そ、そんなことするわけないでしょぉぉおおお!」 「むきゅん。それはないわね。」 「ありがとう、ぱちゅりぃぃぃ。」 「だって、みょんにはすっきりーのあとがないのよ!」 「「「そ、そういえば!」」」 「?」 「むきゅ。ありすみたいなどへんたいの、きもちわるいれいぱーが、 みょんをえいえんにゆっくりさせたあとに、すっきりーしないなんてありえないのよ! げすで、きもちわるいどへんたいのれいぱーありすなら、すっきりーしまくるにきまっているのよ!」 「「「ごくっ・・・たしかに。」」」 「そ・・・そんなのってないわぁぁぁぁあああああああああ!!!」 ありす退場。まあ、明らかに犯ゆっくりではないので進行上問題はない。 「でもぱちゅりー。これじゃあはんゆっくりがだれか、わからないよー?」 「もんだいないわ。もうぱちぇは、はんゆっくりのしょうたいなんて、まるっとおみとおしなのよ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして決着 「みょんをえいえんにゆっくりさせたはんゆっくりは・・・」 「れいむ、まりさ!あなたたちふたりよ!むっきゅーん。」 「な・・・なにいってるんだぜぇぇええええ!」 「むきゅん。れいむのありばいは、まりさのしょうげんだけなのよ。 まりさもはんゆっくりなら、なんとでもなるのよ。」 「でも、まりさがそんなことする、りゆうがないんだぜ。」 「むきゅん。もういいのよ、すべてわかっているわ。 みょんは、れいむのてくにっくにふまんがあって、 たいようさんが10かいかくれるよりまえから、すっきりーしなくなったわ。」 「・・・なんでしってるの?」 「れいむは、うれたまむまむをもてあましていたのよ。 そのときまりさにであった。 ゆるゆるのがばがばでも、あおいかじつのまりさにはしげきてきだったのね。」 「・・・なんでしってるんだぜ。」 「むきゅ。ぱちぇはなんでもしってるわ。 まりさは、れいむのもみあげさんとあにゃるを、 ぺろぺろしながらすっきりーするのがだいすきなのよね。」 「「だからなんでしってるのぉぉぉおおお!!!」」 「むきゅん!れいむとまりさはずっとゆっくりしたかったのよ! だけどみょんがじゃまだったの。だからえいえんにゆっくりさせたのよぉぉおおお!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ひどいよー。みょんをかえしてよー。」 「ま、まつんだぜ。ぱちぇのいってることはでたらめなんだぜ。」 「そ、そうだよ。まりさのぺにぺにはさいこうだけど、べつにずっとゆっくりなんてしたくないよ。 まりさみたいなかりのへたなゆっくりとは、いちやのひあそびなんだよ。」 「ひどいんだぜぇぇぇええええ!」 「むきゅん!すべてぱちぇのちからでかいけつしたわね!」 「・・・きもちよくねむってるところで、さわぐなみょん。」 「むぎゅっ!」 「「「「みょんがいぎがえっだぁぁぁあああああああ!!!」」」」 「かってにころすなみょん。」 「でも、かきさんにつぶされて・・・」 「おやつだみょん。あたまにのせてただけみょん。」 。 「しんでるのとねむってるのも、くべつがつかないのかみょん。さすがはぱちゅりーだみょん。」 「・・・それと、れいむ。」 「ゆ?なに?」 「おわかれだみょん。うわきはゆるさんみょん。」 「ゆゆっ!?」 「みょんとしても、くっちゃねばかりのだめれいむなんて、あいそがつきたみょん。」 「いっしょうけんめいつくしてくれる、ちぇんとずっとゆっくりしたいみょん。ちぇんはどうかみょん。」 「わかるよーーー!」 「わがるわげないでしょぉぉおおおお!?」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 仲睦まじくその場を去るみょんとちぇん。 そして、現場にはぱちゅりーとれいむ、まりさが残された。 「む、むきゅ。」 「「ぱちゅりー。なにかいうことあるでしょ?」」 「む、むきゅ・・・よかったわね。みょんがげんきで。」 現場には、まむまむとあにゃるに柿をねじ込まれたぱちゅりーが残された。 本文の製作時間8分。もはや手抜きどころではないですね。 ともあれ、これで『竜巻』で高めすぎたテンションを下げれそうです。 あれは勢いがありすぎたので、秋・冬編は真綿で首を絞めるような悲惨な内容にしたいですね。 内容はこれから考えますが。 それにしてもSS作家は不利ですよね。 絵氏さんたちと違っていじりあったり、女体化してもらったりなんてないから孤独ですよ。 これでコメントがなかったら泣いちゃいます、ホント。 連載中の季節モノSSに、変なキャラばかり出してたから、 サブキャラを主役に使ったおまけエピソードとか作り切れません。 もう、勝手に設定とか使っていいから誰か代わりに書いてくれませんか。だめですか。 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業 ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る オチがかわいい -- 2021-09-08 00 30 10 スゲー読みやすいはっきしわかんだね -- 2015-07-17 20 55 22 8分でこのクオリティ… ちぇんが可愛い -- 2014-04-27 15 01 16 ギャグはすきなんだぜぇ! -- 2014-02-12 14 29 49 クソワロタwwwwww -- 2013-03-07 13 04 47 素晴らしい末路だな -- 2012-10-24 17 35 04 あなたの8分で、私はとても楽しむことができました 関係がドロドロすぎるwww -- 2010-09-19 22 00 30 いやこれめっちゃおもしろいよw あおいかじつとがばがばがおもしろ過ぎるww -- 2010-08-24 06 21 55 8分で作ったにしてはとても面白かったです -- 2010-07-16 04 11 08
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短いです、虐待無し、ジョジョネタ多数、ジョジョ知らないとさっぱり分かんないでしょう 本とか映画とかに影響されやすいヤツっていますよね。 感受性豊かって言えば聞こえはいいんですが… で、まあうちのぱちゅりーがそんな感じなんですね。 どんなもんかって言うとこんなもんなんです、はい。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ちょっとちょっとぱちぇさん、本棚が大分荒れてるんだが?」 「むきゅ!?それはおかしいわ!まんがさんしかないんだからほんだなじゃなくてまんがだなというべきよ!」 すいませんねぇ、ちゃんとした小説は中学時代に熱中した三国志しかないんですわ。 いや今はそんなこたぁどうだっていいんだ… 問題なのはッ!どうして本棚が荒れてるかって言うことだぜッ! 「むきゅ~…ぱちぇがまんがさんをよもうとしたらこんなになっちゃったのよ…」 そう言ったぱちゅりーの手(髪)にはスティール・ボール・ラン最新刊が握られていましたとさ。 「ああ、お前まだ読んでなかったな、しかし今日はもう遅い、読むのは明日にして大人しく寝るのだ」 「で、でももうちょっとで読み終わるのに…」 「おっとタンスの裏に矢が落ちてしまったな…拾わなければ…」 「むきゅ~…zzz」 はい、チャリオッツ・レクイエムです。 こいつの影響されやすい性格はこんな風に利用できるんですね。 流石に肉体の限界を超えた変化は見られませんが・・・ ちなみに三部を読んだ後はしばらく「おにいさん!ねちゃだめよ!しにがみのすたんどさんにおそわれるわ!」 といって中々寝付いてくれませんでした。 仕方が無いので離乳食にかりんとうを入れて食べさせたらそのクセもなおりましたが。 それはさておき、ぱちぇが寝たから俺も寝るとするぜ! そして翌朝… 「おはよう清清しい朝だな」 「おはようおにいさん!むっきゅ~♪じつに!すがすがしい朝ね!うたでもひとつうたいたいようないいきぶんだわ!」 「ヒトカラにでも行ってきてね!ところでぱちぇさん、何ゆえドアに挟まってるの」 そう、今起きたらなんとぱちぇがドアに挟まっていたのだ! といっても怪我をするほど強く挟まっているわけではない。 挟まれているというより、ドアと壁の間に立っていると言ったところか。 「一体何がしたいって言うんですかぱちぇさん」 まあ大体予想付くけどな! 「むきゅ!せつめいするわ!こうしてものともののあいだにはさまるととなりのせかいにいけるのよ!」 はいはいいともたやすく行われるえげつない行為いともたやすく行われるえげつない行為。 「…ドジャアア~~~ン」 そう言いながら俺はドアを前に押した。 「むぎゅぎゅ!やべでおにいさんつぶれちゃうわ!つぶれるときはろーどろーらーさんでつぶれたいわ!」 「…WRYYYYYYYYYY」 「むぎゅぎゅぎゅ!そういえばでぃーふぉーしーさんののうりょくならろーどろーらーさんからもにげれるわ!」 「おお、そういえばそうだな」 俺はパッとドアから手を離し、ぱちぇを解放してやった。 「むっきゅん!おにいさんはぱちぇをおこらせたわ!おわびにあまあまをちょうだい!ばくしーし!ばくしーし!」 「はいはい今朝食を作りますよ、ああエジプトじゃなくてイタリア行きたい」 とこのようにたまに鬱陶しいときもありますが、俺はぱちぇをとても大事に思っています、それは何故かって? …友達がまともにいない俺が、唯一漫画について語り合える相手だからです…orz いい話だか悪い話だかわかんないEND!!!! すいませんこんなもの書いてしまって… ゆっくりとジョジョが好き過ぎるあまり書いてしまいました ホントすいません ちなみに過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 160 寄生生物とゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 362 ゆっくりおうえんしていってね!!! ふたば系ゆっくりいじめ 366 ゆっくりあじわっていってね!!!
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作者:白兎 ※前編に虐殺シーンはありません。 ※独自設定多数。 ある群れに、一匹の子ぱちゅりーがいた。 珍しいことではない。 ぱちゅりー種など、どの群れにも何匹かはいるものだ。 れいむ種やまりさ種と比べれば数が少ない、というだけのことである。 しかし、その子ぱちゅりーには、他のぱちゅりーと異なる点がいくつかあった。 まず、家族構成が変わっていた。 彼女の父親はぱちゅりーであり、その母親もまたぱちゅりーだった。 普通、ゆっくりは、同種間のすっきりを忌避する傾向にある。 それは、多くの動物たちがそうであるように、近親交配を避け、 少しでも遺伝子の多様性を維持しようとする本能的なものであった。 むろん、ゆっくりの場合は、遺伝子ではなく餡子なのであるが、事情は同じことだ。 なぜ両親ともにぱちゅりーなのか。 その答えは、この両親が子ぱちゅりーを産むにいたった経緯にある。 彼女の父親だったぱちゅりーは、生まれつき病弱で、 親友だった別のぱちゅりーにいつも面倒を見てもらっていた。 このもう一匹のぱちゅりーというのが、子ぱちゅりーの母親にあたる。 父ぱちゅりーは、ひとりで狩りをすることもできなかった。 だから、母ぱちゅりーは、父ぱちゅりーとともに冬を越そうと決心した。 つがいになるつもりはなかった。 正確に言えば、2匹は、一度もつがいになったことなどなかった。 その年の冬、稀に見る寒波が山を襲い、父ぱちゅりーは自分の死期を悟った。 食糧はまだ十分にあったが、気温の低下に体が耐えられなかったのである。 父ぱちゅりーは、親友の母ぱちゅりーに、とんでもないお願いをした。 ゆん生で一度でいい、すっきりしてみたいのだわ、と。 母ぱちゅりーは驚き、最初はそれを拒んだ。 ぱちゅりー同士が子を作るなど、聞いたことがなかったからだ。 2匹の間で、その話は無かったことにされた。 それから3日後、外はますます冷え込み、巣の中も真冬のような寒さに包まれた。 父ぱちゅりーがいよいよ衰弱していく中、母ぱちゅりーは突然つぶやいた。 すっきりしてもいいのだわ、と。 その夜、2匹は生まれて初めてのすっきりをし、父ぱちゅりーはそのまま息を引き取った。 永遠にゆっくりしてしまった父ぱちゅりーは、いかにもすっきりとした表情を浮かべていた。 母ぱちゅりーは、泣く泣くその死体に切り口を入れ、まだ温かい生クリームを取り出すと、 それを使って入り口の補強工事を始めた。 油脂をたっぷり含んだ生クリームは、グリセリンと同じように防寒剤となり、 巣の中はとても暖かくなった。 それはまるで、死んだ父ぱちゅりーと寄り添い合っているかのような、そんな温かさであった。 ゆっくりの中でも比較的賢いぱちゅりー種である。 出産方法などは、事前に話し合っておいた。 動物型にんっしん。厳しい冬を耐えるには、植物型にんっしんでは危険過ぎる。 小さな赤ゆっくりから育てていくのは、到底不可能に思えた。 しかし、動物型にんっしんでも、2匹、3匹と産まれては困る。 食糧などを勘案して、育てられるのは子ゆっくり1匹だけだ。 そこで、父ぱちゅりーと母ぱちゅりーは、巣の中の葉っぱで避妊具を作り、 それをぺにぺにに巻いて、精子餡の量を調整した。 人間の場合とは違い、赤ゆっくりの数は精子餡の量に比例する。 大量の精子餡を放出するれいぱーが母体の死に直結するのも、このためだ。 3週間後、ぷっくりと下顎を膨らませた母ぱちゅりーは、 巣の中でゆっくりラマーズ法を実践しながら、陣痛に苦しんでいた。 ゆっゆっふぅ、ゆっゆっふぅ、と白い息を吐く母ぱちゅりー。 そして、次第に割れ目が大きくなり、赤ゆっくりがじわじわと顔を出す。 自分の位置からは見えないが、母ぱちゅりーには我が子の動きがはっきりと分かった。 ぽん コルク栓を抜いたような音とともに、赤ゆっくりが産道から飛び出した。 木の葉や綿毛で作った毛布をクッションにして、地面にぶつかったときの衝撃を和らげる。 ふぅー、と大きく息を吐いた後、母ぱちゅりーは産まれたばかりの赤ゆっくりを見た。 それは、案の定と言うべきか当然と言うべきか、ぱちゅりー種であった。 「ゆっくりちていってね!」 元気よく挨拶する赤ぱちゅりー。 「ゆっくりしていってね。」 母ぱちゅりーの目に、すっと涙が流れた。 死んでしまった親友への涙か、それとも、母親になれたことの喜びか。 そんな母親の複雑な思いを、赤ぱちゅりーは知る由もなかった。 赤ぱちゅりーはとてもゆっくりした子で、2匹は何とかその冬を乗り越えることができた。 春が来て、山のほうぼうからゆっくりたちが顔を出す頃になると、 母ぱちゅりーも、入り口を塞いでいた木の枝や苔をはずし、 久々に見るお日様に向かって、ゆっくりー♪、と喜びの挨拶をした。 そして、皮となった親友の死体を埋め、そこにお墓を作った。 父親のことは、成長して子ぱちゅりーになった我が子にも内緒にしておいた。 ぱちゅりー同士の子だと知れれば、何をされるか分かったものではない。 だから、母ぱちゅりーは、仲間に尋ねられると、いつもこう答えた。 これは、一本杉の根元に住んでいた、まりさの娘だ、と。 一本杉のまりさは越冬中の雪崩に巻き込まれており、まさに死人に口無しであった。 そんな母ぱちゅりーが、我が子のおかしさに気付いたのは、 4月に入り、山桜がゆっくりと咲き始めた頃のことだった。 「おかあしゃん。ちょうちょしゃんがゆっくりとんでりゅよ。」 「ほんとだね。ちょうちょさんはとってもゆっくりしてるね。」 「ゆわーん!いちゃいよー!まりしゃおねえしゃんがいじめりゅー!」 「いじめちぇないのじぇ。ちょっとおふじぇけしただけなにょぜ。」 「らんぼうさんはだめだよ。いもうとはまだちいさいからゆっくりあそぼうね。」 野原の片隅で、花と虫に囲まれながら、日光浴を楽しむれいむ一家。 彼女のつがいだったはずのまりさは、もういない。 親れいむの話では、冬越しの間に風邪をひき、そのまま死んでしまったのだという。 親れいむは夫の死を乗り越え、形見のおちびちゃんたちを世話している。 だが、親ぱちゅりーは薄々勘付いていた。 彼らは、予定外のすっきりで冬籠り中ににんっしんしてしまい、食糧が足らず、 親まりさが自ら命を絶つことで家族を救ったのだ、と。 話をもとに戻そう。 親れいむのそばで遊ぶ子ゆっくりたちは、子ぱちゅりーと同じ早生まれ、 通称、冬生まれである。 親れいむの話からすると、産まれた時期もほぼ一緒のようだ。 ところが、その子ゆっくりたちは、子ぱちゅりーとは似ても似つかない。 いや、逆だ。子ぱちゅりーが、その子ゆっくりたちとは似ても似つかないのである。 「むきゅん。おかあさん、きょうもごほんをよんでほしいのだわ。」 「もちろんいいのだわ。ぱちぇはほんとにごほんがすきなのね。」 お分かりいただけただろうか。 この子ぱちゅりー、れいむ一家の子どもたちと違い、 何の問題もなく言葉を話せるようになっている。 これは、ぱちゅりー種だという事実だけでは説明がつかない現象だった。 まだ生後3ヶ月しか経っていないのである。 「このまどうしょによれば、ひとざとには、ちょこれーとでできたおしろがあるのだわ。」 子ぱちゅりーが持って来たのは、河原で拾った1枚のちらしだった。 大方、キャンプ客が、何かを包むために持参したのだろう。 ちらし一面に、甘い食べ物がところ狭しと並んでいた。 「むきゅん。おかあさん、そんなおしろがあるのかしら。」 子ぱちゅりーが、いぶかしげに尋ねた。 「どうしてうたがうのかしら?」 母ぱちゅりーは驚いた。 これまで、自分がごほんを読んでいるときに、口を挟まれたことがなかったからだ。 ゆっくり一般に言えることだが、文字に関するぱちゅ種の解釈は絶対なのである。 「むきゅん。ちょこれーとさんはあついとすぐにとけてしまうのだわ。 そんなものでおしろをつくったら、だれもすめないのだわ。」 ぱちゅ親子が住む群れは、一度も人間の里に下りたことがなかった。 それが最も安全な方法だと、先祖代々伝えられていたからだ。 しかし、近くの河原がキャンプに適しているため、 夏場には人間のほうから群れの近くへやって来ることがある。 そして、彼らの中には、ゴミを持って帰らない人たちもいる。 そのおかげで、チョコレートというお菓子も、群れのゆっくりたちにはよく知られていた。 とっても甘くてゆっくりできる、伝説のあまあまさんである。 親ぱちゅりーですら、それを口にしたことは一度しかない。 「でも、このまどうしょには、ちょこれーとのおしろがあるのだわ。」 親ぱちゅりーは、うねうねと動く髪の毛でちらしを指した。 「それはおしろじゃなくて、おしろのかたちをしたちょこれーとなのだわ。」 「むきゅん。そうかもしれないわね。」 親ぱちゅりーは思った。 この子は、てんっさいかもしれない。 それも、自信過剰なまりさ種がよく使うような意味ではない。 思えば、父ぱちゅりーも、病弱ではあったが、頭の回転は群れ一番だった。 それを知っているのは、世話をしていた母ぱちゅりーだけだったけれども。 「おかあさん、このしろいものはなんなのかしら?」 「むきゅん。それはね…。」 こうして、ぱちゅ親子は、今日もごほんを読みながら一日を過ごした。 6月。梅雨の訪れ。 今や子ぱちゅりーも半年の歳月を経て、子ゆっくりから大人ゆっくりになろうとしていた。 そして、その間の成長ぶりは、親ぱちゅりーの予想を遥かに上回るものだった。 「お母さん。ぱちゅは今日、面白いことに気付いたのだわ。」 子ぱちゅりーは、地面に木の枝で何かを書きながら、母親に話しかけた。 いつまでも降り続ける雨の中、子ぱちゅりーは、こうやって時間を過ごしている。 「どうしたのかしら。」 「むきゅん。3匹のまりさが、木の実を4つずつ拾ったら、何個になるのかしら。」 母ぱちゅりーも木の枝を取り、地面に式を書く。 4+4+4=12 「12個なのだわ。」 普通、ゆっくりの中で計算ができるのは、ぱちゅ種だけである。 その計算とやらも、足し算と引き算のみから成る簡素なものだったが、 10以上の数を「たくさん」としか認識できないまりさ種やれいむ種と比べれば、 格段の能力差に違いなかった。 「そうなのだわ。でも、こうすると、もっと速く計算できるのだわ。」 4×3=12 母ぱちゅりーは、おめめをぱちくりとさせた。 彼女には、娘の書いた計算式が、何を意味するのか分からなかったからだ。 ゆっくりは、掛け算を知らない。 「足し算で同じ数が連続するときは、その連続する数を使って、計算できるのだわ。 この新しい計算方法に重要な組み合わせは、81通りあるのだわ。」 母ぱちゅりーは、子ぱちゅりーの言っていることが理解できなかった。 子ぱちゅりーの能力は、その母を凌駕していたのである。 だが、ひとつだけ分かったことがあった。 この子は、本物のてんっさいだということだ。 「むぎゅ。」 親ぱちゅりーは、そっと子ぱちゅりーを抱きしめた。 長い髪の毛で顔を撫で、すりすりをしてやる。 「ぱちゅはほんとにいいこね。おとうさんもよろこんでるのだわ。」 「むきゅきゅ。お母さん、苦しいのだわ。」 その夜、母ぱちゅりーは、花の蜜とムカデでお祝いをした。 「むきゅん。何のお祝いなのか分からないのだわ。」 こういうところには、てんで疎い子ぱちゅりーである。 だが、そんな彼女も、母親の喜んでいる姿を見ると、 うっとおしい湿気など、吹き飛んでしまうのだった。 7月。晴れ渡った夏空の下で、ぱちゅ親子は狩りに精を出していた。 他のゆっくりたちも、家族連れであちこち飛び回っていた。 目立つのはまりさ種とちぇん種だが、れいむ種もちらほら見かける。 この時期になると、春に産まれた子どもたちもすっかり大きくなり、 子育てに手間がかからなくなるのだ。 子ゆっくりたちは、親の狩りに同行し、生きるために必要な知識と技術を学ぶ。 父ぱちゅりーの世話をしていたためか、母ぱちゅりーは狩りが上手かった。 上手いと言っても、ぱちゅ種にしては、という条件付きだが。 それでも自分たちの食糧を集めるのには、一度も困ったことがない。 頭を使って山菜の群生地を探したり、虫の巣を見つけたりして、 体力任せにうろうろするまりさたちよりも、効率がよいくらいである。 それと対照的なのが、子ぱちゅりーであった。 すっかり大人になったというのに、自力で虫を捕まえることができない。 ぴょんぴょんと後を追っては、石に躓いて転んでしまう。 「むきゅん!虫さん待つのだわ!むぎゅ!」 今日も今日とて、何度目か分からない盛大な転び方をする子ぱちゅりー。 「むきゅん。ちょっときゅうけいするのだわ。」 「むきゅん…。」 いくら頭がいいとは言え、実践は別物である。 動植物に関する知識は完璧なのだが、動かないもの以外には応用がきかなかった。 とはいえ、親ぱちゅりーも、娘の鈍重さをそれほど気にはしていなかった。 欲張りさえしなければ、花や草、木の実だけでも生きていけるからである。 特に、この子ぱちゅりーほどの知識があれば、誤って毒草を口にすることもなく、 いろんな場所で食べ物を探すことができるだろう。 ただ、ごちそうのムカデさんを食べられないことだけは、不憫に思っていた。 ムカデさんは、本当に美味しいのだ。 「おひるごはんにするのだわ。」 「むきゅん。今日はお花さんの蜜を呑むのだわ。」 子ぱちゅりーは、自分で摘んだ花の蜜をちゅーちゅーと吸い、 親ぱちゅりーは、自分で穫った毛虫をむーしゃむーしゃする。 交換はしない。 それは、子ぱちゅりーのためにならないからだ。 毛虫を口一杯に頬張りながら、母ぱちゅりーは子ぱちゅりーを盗み見る。 子ぱちゅりーの顔は最近痩せており、どうも元気が無い。 娘が理由を語ることはなかったが、母ぱちゅりーには分かっていた。 友達ができないのである。 母ぱちゅりーは、子ぱちゅりーの偉大さを理解していた。 ただし、何となくスゴい、という意味でだった。 子ぱちゅりーは毎日「まどうしょのかいどく」に取り組んでいたが、 それを横目で見る母ぱちゅりーには、娘が何をしているのか見当もつかないことが多い。 ぱちゅ種の、しかも比較的優秀な個体ですらそうなのだ。 他のゆっくりがどういう反応を示すかは、火を見るより明らかである。 子ぱちゅりーは、「かわりもののぐず」とみなされていた。 「むきゅん。美味しかったのだわ。」 「むきゅん。ちょっとおひるねしましょう。」 ぱちゅりー親子は、近場にある老木へと向かった。 その根元には、ゆっくりが寝るのにちょうどいい穴蔵がある。 春にそれを見つけた2匹は、草や苔でその穴を塞ぎ、ときどき別荘代わりに使っていた。 親子が薄暗い穴に身を隠すと、ひんやりとした土と空気に心が休まる。 「むきゅん。ごくらくなのだわ。」 「ここは太陽さんが当たらないから、昼間も涼しいのだわ。」 そう言うと、2匹はゆっくりとお昼寝を始めた。 8月。ゆん生の中で最も楽しい季節がやってきた。 子どもたちはみな成長し、あちらこちらに家族連れのゆっくりがあふれ返る。 おうたを歌うれいむ一家、どろんこになりながら遊ぶまりさ一家、 わかるよーと言いながら鬼ごっこをするちぇん一家、 そんな中でも、とかいてきな慎みを失わないありす一家。 ぱちゅ一家は、そのいずれにも与することなく、自分たちの夏をゆっくり楽しんでいた。 そんなある日のこと。 「お母さん、話があるのだわ。」 真剣な顔付きで、娘が口を開いた。 母ぱちゅりーも、自然と居住まいを正す。 「むきゅん。どうしたの。」 「ぱちゅは、河原に行きたいのだわ。」 ついにこの日が来てしまった。 母ぱちゅりーは、心の中でそう思った。 8月になると、人間の親子連れが、近くの河原に集まって来る。 この群れのゆっくりなら、誰でも知っていることだ。 だから、この時期、川に行くことは禁じられていた。 それでも、母ぱちゅりーには、娘の考えが手に取るように分かった。 にんげんさんを見てみたい、と。 「にんげんさんにあいたいのね。」 「むきゅん。ぱちゅは、人間さんを見たいのだわ。会うんじゃないのだわ。」 「それはおなじことなのだわ。」 「同じではないのだわ。遠くから見るだけで、お話はしないのだわ。」 「みんなさいしょはそういうのだわ。でも、おはなししたくなるのだわ。」 人間は、ゆっくりにとって、親しくもあり危険でもある、そんな存在だ。 同じ言葉を話す別々の種族。 違いは多々あれど、コミュニケーション手段が同じだという事実は、 人間にとってもゆっくりにとっても非常に魅力的である。 だからこそ、人間はゆっくりに、ゆっくりは人間に近付いて行く。 やはり駄目か。 子ぱちゅりーは、心の中で落胆した。 「あなたがいきたいのなら、いくといいのだわ。」 「むきゅん!本当!?」 意外な母の言葉に、思わず飛び上がってしまう子ぱちゅりー。 しかし、すぐに冷静さを取戻した。 おそらく、何か注文をつけてくるだろう。 子ぱちゅりーは、母親の言葉を待った。 「どうしたのだわ。いかないのかしら。」 「むきゅ…本当に行っていいのかしら…。」 「すきにするといいのだわ。」 母ぱちゅりーは、それ以上何も言わなかった。 彼女は、子ぱちゅりーの予想とは全く違う態度で、娘の意志を尊重したのである。 すると逆に不安になってしまうのが、ゆっくり心というもの。 子ぱちゅりーは、母が自分のことを心配してくれていないのではと思った。 そんな娘の不安を察した母ぱちゅりーは、ゆっくりと話を続ける。 「むきゅん。ぱちゅはおかあさんをこえてしまったのだわ。 おかあさんは、もうぱちゅのかんがえがよくわからないのだわ。」 「むきゅ!?」 ショックだった。 冷たい群れの中で、唯一の理解者だと思っていた母。 その母親が、自分のことをもはや理解できないと言うのである。 子ぱちゅりーの目がうるむ。 「ないちゃだめなのだわ。おかあさんは、ぱちゅがきらいじゃないのだわ。」 母ぱちゅりーは、娘を髪の毛で優しく包んでやる。 「おかあさん、わからないことには、さんせいもはんたいもできないのだわ。 だから、ぱちゅがやりたいようにやればいいのだわ。ぱちゅのかんがえは、 きっとおかあさんよりもただしいのだわ。」 「むきゅ…お母さん…。」 その夜、2匹は久しぶりに一緒のお布団で寝た。 優しい母の温もりを感じながら、子ぱちゅりーは明日の冒険に胸をはずませ、 なかなか寝付くことができなかった。 続く これまでに書いた作品 ダスキユのある風景(前編) ダスキユのある風景(中編) ダスキユのある風景(後編) 英雄の条件 ふわふわと壊れゆく家族 ♂れいむを探して 乞食れいむのおうた
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作者:白兎 ※虐待成分少なめ。 ※独自設定多数。 翌朝。子ぱちゅりーは、母親に作ってもらったお弁当を持ち、家を出た。 彼女の家から河原まで、片道で3時間は掛かる。 れみりゃが出没する夕方までには帰って来なければならない。 「むきゅん。行って来るのだわ。」 「いってらっしゃい。」 子ぱちゅりーは、ゆんしょゆんしょと野原を急いだ。 往復6時間の道のりだ。 ゆっくりしていては、にんげんさんを観察する暇がなくなる。 「どこへいくのぜ?」 森へ入ろうとするところで、ふいに背後から声を掛けられた。 子ぱちゅりーは、びっくりして後ろを振り返った。 声を掛けたのは、子まりさ、子れいむ、そして子ちぇんからなるグループだった。 8月も中頃になると、子ゆっくりは子ゆっくり同士で遊ぶようになる。 それが秋の初めまで続き、その間にできた交友関係が、 そのまま将来のゆっくり付き合いを形作る。 恋仲に発展したゆっくりはつがいとなり、友達の関係に留まったゆっくりは、 越冬の準備を手伝ったり、その後の近所付き合いを楽しんだりする。 強いて人間に喩えれば、高校から大学にあたる段階だ。 この3匹も、親同士の付き合いが縁になり、こうして友達の輪を作っていた。 「だれかとおもったら、ぐずぱちゅなのじぇ。」 一歩前に出た子まりさが、にやにやしながらぱちゅりーに話しかけた。 この子まりさは、群れのリーダーまりさの長女であり、 甘やかして育てられたせいで、性格が相当ひねくれていた。 「ゆふふ。ぐずなんていっちゃきゃわいそうだよ。」 口元にもみあげを当てて笑うのは、子れいむだ。 かわいそうなどと言いながら、少しも同情する素振りを見せていない。 彼女は、この群れ一番の歌姫の娘で、彼女自身の歌声も評判が高かった。 もちろん、ゆっくり基準で、の話であるが、ぱちゅりーも彼女の実力は認めていた。 「いもむしさんもとれないんだね。わきゃるよー。」 子ちぇんのからかいに、爆笑する一同。 子どもというものは、時に残酷である。 この子ちぇんは、リーダーまりさの側近ちぇんの長女。 要するに、この子まりさと子ちぇんは、将来のリーダー候補、側近候補というわけだ。 だから彼らは、群れの中でも、常に一目置かれる存在であった。 そしてそれが、彼らの自尊心を、あってはならないレベルにまでに煽っていた。 ぱちゅは、こういうときの対処法をよく心得ていた。 無視するのが一番である。 反論したり怒ったりすれば、ますます相手を愉快にさせてしまう。 ぱちゅりーは、ゆっくりとその場を離れた。 3匹も、興味を無くしたのか、追っては来なかった。 森の中はとても暗かった。 母親に教えられた通り、なるべく目立たない場所を通るように心がける。 ゆっくりの天敵は、れみりゃだけではない。 「ふぅ…大変なのだわ…。」 虚弱体質の子ぱちゅりーにとって、森の道は険しかった。 だが、にんげんさんを見られるという希望の前には、 なんでもないことのように思われた。 どのくらい歩いただろうか。 時間の感覚がなくなろうとしていたところで、遠くに水の音が聞こえた。 いつもは冷静に振る舞う子ぱちゅりーも、思わず下腹の動きを速めた。 木々の壁が途切れ、まぶしい昼間の太陽が降りそそぐ。 子ぱちゅりーの視界が、涼やかに流れる川の全貌をとらえた。 「むきゅん!」 思わず鳴き声を上げてしまう子パチュリー。 慌てて髪の毛で口元を覆った。 そうだ。ここでにんげんさんに見つかってはならない。 木の根元から、そっと河原の様子をうかがう。 ………いた。にんげんさんだ。 森に住む動物とは違う特徴を持つその生き物は、すぐにそれと分かった。 1、2、3…全部で5匹。 4匹は川の中、残りの1匹は、なにやら不思議な形をした物体のそばにいる。 子ぱちゅりーには分からなかったが、それはテントだった。 「おーい、こっちに蟹さんがいるぞー!」 群れの中で一番大きな人間が、川の水を覗き込みながら声を上げた。 「え、どこどこ?」 その半分くらいの背丈しかない人間が、ぱしゃぱしゃと川を渡る。 あれはなんだろうか。 もしかすると、子どもに狩りの仕方を教えているのかもしれない。 子ぱちゅりーは、自分なりの解釈をしつつ、人間の群れを観察した。 「みんなー、食事の用意ができたわよー。」 「「「わーい!」」」 テントの側にいる2番目に大きな人間が、みんなを呼び集める。 彼女は、バーベキューの準備をしていたのだ。 子ぱちゅりーは、女性のそばにある材料から、彼らの行動を理解した。 いくつか見知らぬ食材はあったものの、魔導書すなわちチラシで勉強した子ぱちゅりーは、 人間がどういうものを食べるのか、あらかじめ予習しておいたのである。 「よーし、早速焼くか。」 一番大きな人間が、何か小さな道具を取り出した。 子ぱちゅりーは、男の仕草を見逃すまいと目を凝らす。 すると、その道具からいきなり炎が吹き出し、何か黒い塊に火を点けた。 「むきゅ…!」 炎に驚いて再び声を上げてしまう子ぱちゅりー。 それは、春雷が木に落ちたとき、一度だけ見たことのある現象だった。 あのときは、群れ中が大騒ぎになったっけ。 人間たちは、火を全く恐れる様子がない。 見る見るうちに、箱の中から煙が上がる。 「お父さん、肉焼いて肉!」 「こらこら、まずは焼けにくい野菜からだぞ。」 なんという大飯喰らいなのかしら。 子ぱちゅりーはそう思った。 ゆっくりならば一家が余裕で冬越しできそうな量の食べ物を、 5人はものすごい勢いで口の中に運んで行く。 ぐるるきゅ〜 思わずお腹が鳴ってしまった。 子ぱちゅりーは、お弁当を食べることにした。 柏の葉で編んだ弁当を開けると、美味しそうな毛虫さんと、 デザートの蜂蜜さんが目の前に広がる。 そう、なんと蜂蜜さんが入っているのだ。 子ぱちゅりーは、母の心遣いに感謝した。 食事をとっている間も、子ぱちゅりーは人間から目を離さない。 大きな人間2匹は、火の点いた箱を囲んで座っている。 何をするでもない。 にんげんさんもゆっくりしているのだわ、と子ぱちゅりーは思った。 それとは対照的に、3匹の小さな人間は、川のそばで遊び回っていた。 姉妹とも友達ともそのような経験のない子ぱちゅりーは、少し羨ましくなった。 しかし、1時間もすると、子ぱちゅりーはだんだんと観察に飽きて来た。 好奇心が満たされたからではない。 にんげんさんは、ずっと同じことをしているように見えたからだ。 やることと言えば、川に入ったり、石を集めたり、虫を追いかけたりすることだけ。 大きなにんげんさんの方はと言えば、奇妙なベッドを取り出して寝ている始末。 「むきゅぅ…これではゆっくりと変わらないのだわ…。」 ゆっくりの世界しか知らない子ぱちゅりーには想像もつかなかったのだが、 人間がこれほどまでにゆっくりできることなど、滅多にないのである。 待てど暮らせど変化がない。 仕方がないので、子ぱちゅりーは、早めに家へ帰ることにした。 本当は夜になればもっと面白いものも見れたのだが、それは無理な相談であった。 元来た道をゆんしょゆんしょと辿り、森を抜けたところで、 草原にたたずむ母ぱちゅりーの姿を見つけた。 日が暮れるまでには帰って来るように言ったのだが、 あまりにも心配で、正午からずっとここで待ってくれていたのだ。 子ぱちゅりーは、母親にお弁当のお礼を言うと、2匹並んで巣へと帰って行った。 「むきゅ。行ってくるのだわ。」 「いってらっしゃい。」 翌日も、子ぱちゅりーは河原に向かった。 一度通った道は、前よりも短く感じるものである。 子ぱちゅりーは、迷うこと無く同じ場所に出ることができた。 ところが、そこにはにんげんさんの影も形も無くなっていた。 例の不思議なおうちも、火が出る不思議なお道具も見当たらない。 むきゅぅ、とぱちゅりー種特有の溜め息をつく。 ところが、である。 子ぱちゅりーが視線を手前の草むらに移すと、そこには見知らぬ本が置いてあった。 それは、母ぱちゅりーの本棚にあるどんな魔導書よりも分厚い。 子ぱちゅりーは、急いでそれをくわえると、木の影に隠れた。 表紙には、何やら楽しそうな子どもの絵と『なつやすみのとも』の文字。 意味は分からないが、とにかく凄い物を見つけてしまった。 中枢餡をグラニュー糖が駆け巡る。 かなり重たいが、持ち帰る時間はたっぷりある。 子ぱちゅりーは、冊子に髪の毛を絡め、口で引っ張るように引きずりながら家を目指した。 道中、子ぱちゅりーの頭の中は、煮えたぎる知識欲で一杯だった。 ただただこの魔導書を解読したい。 その一心で、森の奥へ奥へと進んで行く。 普段なら逐一確認する草木の種類も、鳥の泣き声も、子ぱちゅりーの意識にはのぼらない。 ところが、野原まであと少しというところで、それは起きた。 「みつけたどー。」 悪夢。そうとしか表現の仕様のない事態。 ばさばさと羽音が響き、その物体はこちらへ向かってくる。 ゆっくりれみりゃだ。 何故こんな時間に森をうろついているのか。 そんな疑問も湧かないほど、子ぱちゅりーはパニックに陥った。 魔導書を盾にして、近くの凹みへ避難する。 1ページも読まないまま死んでしまうのか。 これほどまでに命が惜しくなったことはない。 れみりゃの羽音は、まっすぐこちらへ向かってくるように思われた。 万事休す。 「おいしそうなちぇんだぞー。」 ……ちぇん? 子ぱちゅりーの頭に、ふと?マークが付いた。 その瞬間、少し離れたところの茂みから、何かが飛び出した。 見れば、先日、子ぱちゅりーを馬鹿にしたあの子ちぇんである。 「わきゃらないよおぉぉ!!!なんでれみりゃがいるのおぉぉ!!!」 子ちぇんは泣きながら全速力で走ったが、空を飛ぶれみりゃの方がずっと速い。 あっと言う間に追いつかれ、右頬に鋭い歯が立てられた。 みちっと言う音とともに皮が剥がされ、中のチョコレートが顔を出す。 それは、これから始まるおぞましい仕込みの序曲でしかなかった。 痛みで動けなくなった子ちぇんの周りを旋回しながら、 れみりゃは何度も何度も執拗に攻撃を仕掛ける。 皮を裂かれ、尾を千切られ、帽子をずたずたにされ、 そして最後には眼を抉り穫られても、子ちぇんはまだ生きていた。 れみりゃが手加減しているのだ。 れみりゃは、痛めつけることでゆっくりの甘みが増すことを、 日頃の経験から熟知していた。 「わがりゃ……ない……よ……。」 息も絶え絶えに最後の悲鳴をあげる子ちぇん。 でろりと垂れた目玉からは、涙とも体液ともつかぬものが滴っている。 「いただきますだどー。」 れみりゃは、今度こそ容赦せずに子ちぇんの顔にかぶりついた。 ゆぷっと最後のチョコを吐き出し、子ちぇんは絶命する。 「おいしーどー。ひさびさのごはんだどー。」 くちゃくちゃと咀嚼する音を聞きながら、子ぱちゅりーは、ひたすら震えるしかなかった。 いったいどうやって帰って来たのか、子ぱちゅりーは覚えていなかった。 れみりゃが去った後、ただ闇雲に森を歩いた気もするし、 いつの間にかおうちの布団で寝ていたような気もする。 だが、例の魔導書だけは、ちゃんと側にあった。 なぜ持って帰ることができたのだろうか。 その答えは、母ぱちゅりーにあった。 母ぱちゅりーは、娘の帰りが遅いので、身の危険も顧みずに森へ入り、 倒れている娘を発見した。 最初は気が動転したが、生きていることを確認した後は、 子ちぇんの死体をよそに娘を連れ、森を出た。 そのとき、子ぱちゅりーがうわ言を呟きながら魔導書を離さなかったので、 何とかそれも巣へ持ち帰ったのだった。 その話を聞かされた子ぱちゅりーは、むきゅんとしなだれた。 心身ともに負担を掛けてしまい、申し訳なく思ったのだ。 「むきゅん。お母さんごめんなさい。ぱちゅは…。」 そんな子ぱちゅりーを、母親は黙ってゆっくり介抱してやった。 読書と研究に明け暮れていた子ぱちゅりーにとって、安らぎの時間が流れた。 一方、群れは大騒ぎになっていた。 側近ちぇんの長女が行方不明になったからである。 捜索隊が組まれ、森の中を探したが、子ちぇんは見つからなかった。 当然である。れみりゃに襲われ、その死体も大方蟻に持って行かれてしまったのだ。 見つかるとすれば、それはゆん霊に違いない。 群れの仲間は捜索を打ち切り、事件は収束したかに見えた。 しかし、1匹だけ納得しなかったゆっくりがいた。 子ちぇんの父親ちぇんである。 母親のありすは、我が子は死んだものと諦めていたが、 父親ちぇんは断固としてそれを受け入れなかった。 ゆうっしゅうな自分の子どもが死ぬはずが無い。 父親ちぇんは、いつまでも長女の帰りを待った。 それでも娘が帰って来ないと分かると、今度は同族を疑い始めた。 「ちぇんのおちびちゃんはころされたんだよー!わかるよー!」 広場で発狂したように叫ぶ父親ちぇん。 その狂気は、次第に群れの中を吹き荒れて行った。 9月。れみりゃ襲撃のショックから立ち直った子ぱちゅりーは、 朝から晩まで魔導書の解読に取り組んだ。 そして、にんげんさんの叡智を読み取っていた。 掛け算を自力で発見した子ぱちゅりーだったが、彼女は1桁の場合だけを考えていた。 しかし、この魔導書『なつやすみのとも』によれば、156×782などという、 到底信じられないような膨大な数の計算も可能なのだ。 さらに子ぱちゅりーを熱狂させたのは、「めんせき」と「たいせき」の概念である。 長さと長さの掛け算で、平らな物の大きさを一律に扱うことができる。 長年、「大きい」「小さい」「広い」「狭い」という言葉しか知らなかった子ぱちゅりーには、 目から鱗の発想だった。 子ぱちゅりーは、早速、巣の大きさを図ったりした。 子ぱちゅりーが興味を持ったのは、「すうがく」だけではない。 にんげんさんの言葉の奥の院、「こくご」もそのひとつだ。 「お母さん、二兎追う者は一兎も得ずなのだわ。」 理解した諺を片っ端から使い、母親を困らせる子ぱちゅりー。 ただひとつ、使い方を間違えて覚えてしまったものがある。 「自然は、焼肉定食なのだわ。」 原因は、穴埋め問題に書かれたジョーク。 しかし、これも人間の知恵のひとつに違いない。 人間の奥深さに触れた子ぱちゅりーは、ついにある決心をした。 にんげんさんと話そう。 子ぱちゅりーは、ふたたび母親と相談した。 母ぱちゅりーは、少し困った顔をしたあと、こう言った。 「すきにするといいのだわ。」 あれだけ怖い思いをしながら、一向に好奇心の衰えない娘を前に、 少しばかりあきれ顔の母ぱちゅりー。 トラウマからノイローゼになってしまうよりはいいのだろうと、諦めるより他にない。 そう。自然は焼肉定食なのである。 最初は、とあるれいむ種の一言だった。 「ゆゆ。そういえば、ぐずのぱちゅりーをもりでみかけたよ。」 それ自体は事実だった。 あの日、森のそばをたまたま通りかかったれいむは、 森の中から出てくるぱちゅりー親子を目撃したのだ。 恐ろしいのは、そこから先である。 あっと言う間に尾ひれがつき、子ぱちゅりーはチョコ塗れだったの、 子ちぇんと口論するところを見かけただの、 とにかく子ぱちゅりーを犯人に仕立て上げる証人が続々と現れた。 しかも、それは群れのリーダーまりさに密告という形で伝えられたため、 母ぱちゅりーも子ぱちゅりーも知らぬところで、事態は進展して行った。 そしてついに、幹部の間で決定が下されたのである。 「ぐずぱちゅをさいっばんにかけるよ!」 この知らせは、そっきんと仲良しグループだった別のまりさによって、 こっそりと母ぱちゅりーに伝えられた。 母ぱちゅりーは、生クリームを吹き出しそうなほど驚いた。 「とにかくおちびちゃんをにがすのぜ。さいっばんはあしたなのぜ。」 「むきゅ。ありがとう。まりさも、きをつけるのだわ。」 まりさは、辺りを用心して巣から出ると、そのまま闇に消えた。 母ぱちゅりーは、何かを思い詰めたようにしばらく身じろぎもしなかったが、 ふいに顔を上げ、子ぱちゅりーを起こした。 子ぱちゅりーは、太陽が沈むとすぐに寝てしまう習性の持ち主だった。 「むきゅん。こんな夜遅くに、何かしら。」 「あなたにおしえたいことがあるのだわ。」 母ぱちゅりーは、率直にありのままを伝えた。 隠し事をしても、メリットはないと思ったからだ。 話が進むにつれ、子ぱちゅりーは青ざめた。 さいっばんとは、ゆん罪者を捕まえるための手続だが、 その内容は群れごとに様々である。 ドスとまともな側近のいる群れでは、人間の行っているそれに似ていたが、 そうでない群れでは、およそ真相解明とは無関係なことが行われていた。 そして、この群れでは恐ろしいことに、ごうっもんが認められていたのである。 証ゆんが2匹以上いるにもかかわらず犯行を否認した場合、 ごうっもんが行われ、そこで自白しなければ罪を免れることができる。 しかし、そのごうっもんというのが、さっさと罪を認めて死んだ方がマシなほどの、 ゆっくりの名にあるまじき、とてもゆっくりできない内容だった。 「お、お母さん…ぱ、ぱちゅは、ぱちゅは…。」 ぱちゅりーの体がわなわなと震えた。 体内の生クリームがぐにゃりとした感覚におちいった。 「ぱちゅ。あなたはむれをでなさい。」 「むきゅ!?」 どういう意味だろうか。 自ら追放されろと言うのだろうか。 子ぱちゅりーは、わけが分からなくなった。 すると、母ぱちゅりーは、驚くべきことを語り始めた。 「ぱちゅのおかあさんのおかあさんのおかあさんのおかあさんは、 にんげんさんといっしょにすんでいたのだわ。そのしょうこに…。」 あんぐりと口を開けたままの子ぱちゅりーのまえで、 母ぱちゅりーは宝箱からまるっこいピカピカ光る物体を取り出した。 「これはね、そのおかあさんのおかあさんのおかあさんのおかあさんがくれた、 にんげんさんといっしょにすむための、あかしなのだわ。これがあれば、 にんげんさんは、ゆっくりといっしょにすんでくれるのだわ。」 子ぱちゅりーは、恐る恐るその金色の物体を受け取った。 そこには、数字と何かよく分からない紋が描かれていた。 母ぱちゅりーはさらに、一粒の錠剤を渡す。 それも、子ぱちゅりーには見知らぬものだった。 「これは何かしら。お薬に見えるのだわ。」 「もしにんげんさんにひどいことをされそうになったら、これをたべるのだわ。 そうすれば、ゆっくりすることができるのだわ。」 「これも、お母さんのお母さんのお母さんのお母さんがくれたのかしら?」 母ぱちゅりーは頷くと、それ以上説明しなかった。 「お母さんはどうするの?」 子ぱちゅりーが尋ねた。 「おかあさんはここにのこるのだわ。」 「駄目なのだわ。お母さんがみんなに怒られてしまうのだわ。」 自分を逃がしたことが分かれば、母親がせいっさいされてしまうかもしれない。 子ぱちゅりーは、一緒に逃げることを提案した。 だが、母ぱちゅりーは、首を縦に振らなかった。 「ばっぢはひとつしかないのだわ。それに、おかあさんはだいじょうぶなのだわ。」 どうすればそんなことが保証できるというのか。 しかし、母ぱちゅりーの決意は固かった。 結局、子ぱちゅりーは母親の気迫に押され、一匹で家を出ることになった。 「それじゃ、きをつけるのだわ。」 「今晩は、森のそばの別荘で寝るのだわ。太陽さんが昇ったら、すぐ川へ行くのだわ。」 「それがいいのだわ。」 別荘がこんなところで役立つとは、2匹とも思わなかった。 「さよならなのだわ。」 「お母さん、ありがとうなのだわ。」 子ぱちゅりーの声は震えていた。 今まで大切に育ててくれた母親に別れを告げ、子ぱちゅりーは闇の中へと消えた。 翌朝、ぱちゅりーの巣を村の有力者たちが訪れた。 その中には、母ぱちゅりーに告げ口をしたあのまりさも混じっていた。 まりさは、親子がちゃんと逃げたのか、気が気でなかった。 逃げられないように入り口を囲むと、リーダーまりさが一歩進み出る。 「ぐずぱちゅりーでてくるのぜ!これからさいっばんなのぜ!」 返事はない。 「ぱちゅりー!こどもをそとにだすのぜ!でないとぱちゅりーもさいっばんなのぜ!」 やはり返事はない。 リーダーまりさがおさげで合図をすると、小枝で武装した数匹が、穴の中へ押し入った。 リーダーまりさも、その後に続く。 「ぱちゅりー!ゆっくりかんねんするのぜ!……ゆげ!?」 リーダーまりさたちが見たもの。 それは、紫に変色し、口から生クリームを吐き出した母ぱちゅりーであった。 ひゅうひゅうと辛うじて息はあるものの、彼女が死にかけていることは一目瞭然だった。 誰も、無惨に崩れた母ぱちゅりーに近付こうとはしなかった。 だが、おぞましい姿とはうらはらに、母ぱちゅりーは、とても穏やかな顔をしていた。 「むきゅ……あなたとおしょらを……とんじぇ……る……。」 そう言って、母ぱちゅりーは、静かに息を引き取った。 続く これまでに書いた作品 ダスキユのある風景(前編) ダスキユのある風景(中編) ダスキユのある風景(後編) 英雄の条件 ふわふわと壊れゆく家族 ♂れいむを探して 乞食れいむのおうた ある群れと、1匹のぱちゅりーの記録(前編)
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「ふたば系ゆっくりいじめ 805 大福ぱちゅりープロローグ/コメントログ」 まりさは大福って設定なかったかな? れいむは饅頭・まりさは大福・ありすはシュークリーム・ぱちゅりーはゲロ袋。 -- 2010-07-12 06 19 48 ↓違う違う れいむが漉し餡、まりさは粒餡なだけで両方ただの饅頭 -- 2010-08-06 01 55 42 >ぱちゅりーはゲロ袋。 これは訂正しないの? -- 2010-08-06 03 42 08 設定次第だよ。まりさが漉し餡でれいむが粒餡という設定も見たことがある。まりさが大福で通してる作者さんもいるし。 -- 2010-10-24 19 36 12 >ぱちゅりーはゲロ袋。 いやあああああああああ -- 2010-11-06 13 12 49 アリスは人形焼きって話もあったが -- 2010-11-22 11 55 23 いやいや ぱちゅりーは生クリーム饅頭 -- 2012-02-21 18 04 05 独自設定にマジレスするのもアレかと思ったが、念のため言わせて欲しい。 れいむ まりさ=餡子(粒か濾しかは作者による) ぱちゅりー=生クリーム ありす=カスタード ちぇん=チョコレート みょん=ホワイトチョコ らん=いなり寿司 れみりゃ=肉まん ふらん=ピザまん ゆうか=蜂蜜 めーりん=唐辛子関係の食材 こんな感じだったはず。 とりあえず、あの漫画の前日譚を読めて良かったよ。 -- 2018-02-03 10 30 06 クリーム大福…美味そう -- 2023-03-03 07 32 55