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そうして三日目の朝。まだ夢の世界にいた俺は見知らぬ声に起こされた。 「むきゅー!おにーさん、あさよ。ゆっくりおきてほしいわ!」 ぱちゅりーだった。そうか、喋れるようになったのか。 「ああ、おはよう。ぱちゅりー。その様子じゃ口の方は治ったみたいだな」 「むきゅ。なおしてくれてかんしゃするわ。……でも……どうしてぱちぇを?」 もっともな疑問だ。ぱちゅりーは笑顔ではあるが、やはりどこか怯えているようだ。 野生で過ごしていたところを捕獲され、甘み増幅のための苦痛に曝された個体だ。 色々とトラウマを思い起こさせてしまうかもしれないが、それでいちいち中身を 吐き出すようならどの道長くはない。なるべくぱちゅりーを誘導するように話を進めて行こう。 「お前は他のと違って両目が無事だったからな。食わずに治療できないか試してみたんだ。 ぱちゅりーさえよければこのまま治療を続けたいと思う。今のままじゃうんうんもできないぞ?」 うんうんと聞いて気恥ずかしくなったのか、ぱちゅりーは頬を赤くして俯いてしまった。 ぱちゅりー種ゆえ頭の切り替えが早いのか、この様子だと精神面にとくに問題はなさそうだな。 「しゅ、しゅくじょのまえよ!もっとことばをえらんでほしいわ」 「おっと、こいつはすまないな。だがこれは本当の話だ。ぱちゅりーだってわかってるだろ? 死ぬことはないだろうが、ぱちゅりーの身体は酷いダメージを負ったままなんだ」 「む、むきゅ……」 ぱちゅりーは真顔で俺の話を聞いていた。自分の体のことだ。ぱちゅりーだって言われずとも分かっているに違いない。 「ぱちゅりー、そのあんよじゃそろーりそろーりできないだろ?」 「………………」 図星のようだ。むしろそれを認めたくないのだろう。 「だが俺ならぱちゅりーのあんよを治してやれるぞ。俺はゆっくり医学を学んでるからな。まぁまだ卵なんだが」 「……ゆっくりいがく?」 「ぱちゅりーたちゆっくりの怪我や病気を治す為の学問だ。つまり俺はお医者さんなんだよ」 一通りぱちゅりーに説明してやる。もっとも、ゆっくり医学の本分はゆっくりの有効活用にある。 治療行為はその一環に過ぎないのだが……。それはさておき、ぱちゅりーの顔は目に見えて明るくなった。 「むきゅー!おにーさんはおいしゃさんなのね!?ぱちぇのからだを……なおしてくれるのね?」 「ああ、ぱちゅりーさえその気なら俺はぱちゅりーを治してやるさ。 それで相談なんだがぱちゅりー?もし良かったら俺の飼いゆっくりにならないか?」 「むきゅ?かいゆっくり……」 「ああ、正式に俺のゆっくりにならないかってことだ」 飼いゆっくり……その言葉を知る大抵の野良や野生にとって、それは最高の待遇を約束された身分と映る筈だ。 もちろん人間からすれば用途多々のゆっくり……つまり時には虐待用にもなりえるゆっくりのことなのだが……。 自分に都合の良いことしか考えない志向のゆっくりたちは実体験で酷い目にでも逢わない限り、 そういうネガティブな発想には至らないだろう。だがこのぱちゅりーは加工されていたわけで…… 「む、む、むきゅーーー!ぱちぇは、ぱちぇはおにーさんのかいゆっくりになるわ!」 ……あれ、即答か。断られるかもと考えていたので拍子抜けだ。 野良と比べると野性のゆっくりは飼いゆっくりについて知らないことが多いらしい。 野生のゆっくりの多くは人間と生息域が被らないのだから当然といえば当然なのだが……。 いずれにしても、このぱちゅりーの様子を見る限りむしろ積極的に人間に飼われたいみたいだな。 一体どこでそういう知識を覚えてきたのやら。まぁ俺としては都合が良いので構わないのだが……。 「そうか。それじゃこれからよろしくな、ぱちゅりー」 「むきゅー!よろしくなのだわ!ぱちぇはきっとおにーさんをゆっくりさせてあげられるわ」 嬉しいことを言ってくれるじゃないか。さて、それじゃ懸案事項は早めに解決しておこう。 「そうか。よし、そうと決まればさっきの話の続きだが、あんよの治療は早めにやっときたいんだ」 「……やっぱり……いたいのかしら?」 やはりそこは迷うか。なまじ口元やしーしーの穴を削ったりしてるからなぁ。 それにあんよの治療はもっと大掛かりになる。普通にやれば苦痛も比じゃないだろう。 「まぁ治療はえてしてそういうもんだ。もちろん対策は考えてるけどな」 「むきゅー……ごめんなさい、ゆっくりかんがえさせてほしいのだわ」 「どっちにしろ治療には準備が必要だからな。早めにとはいっても最低数日は掛かると思う。 その間に決心を固めてくれればそれでいいさ」 そう、どういう手段を取るにせよ準備にはかなり手間取る筈だ。 最終的にぱちゅりーが治療を受けてくれさえすればそれで良いのだし、 俺の飼いゆっくりになると決めてくれた以上、今はとりあえずゆっくりリラックスして 新しい環境に慣れて貰うのが先決かもしれない。 その日の午後、ぱちゅりーにはお手製の“本”を与えることにした。 新聞の折込チラシを適当な大きさに切り抜いてホッチキスで留めただけの簡素なものだ。 果物の写真や大きくカラーで書かれた平仮名の売り文句の箇所を中心に作ったので、 ぱちゅりーにも実際に“読書”として楽しんで貰えることだろう。 そのボリュームの割には非力なぱちゅりー種の髪でも読みやすいようちゃんと折り目も付けてある。 「しかし……ぱちゅりーは本当に勉強家だな。そんなに本ばかり読んで何か目的でもあるのか?」 「むきゅっ!ぱちぇはぎんばっじさんがほしいのよ!」 適当に話題を振ってみただけなのだが、思いがけず明瞭な答えが返ってきた。 ぎんばっじ……やっぱりあの飼いゆっくりの等級を示す銀バッジのことを言っているのだろうか? 野良ならともかく、野生のゆっくりは飼いゆっくりのことを知っていることはあっても、 バッジのことまでは普通知らないものだ。 「ぱちゅりーは野生のゆっくりなんだろ?銀バッジのことを知ってるのか?」 「むきゅっ!ぱちぇのままがおしえてくれたわ。ぎんばっじさんはとってもゆっくりできるって!」 銀バッジをゆっくりできるモノと認識した野生のゆっくり? 「ぱちゅりーのママは飼いゆっくりか何かだったのか?」 「むきゅー。ままもぱぱも、むかしにんげんさんにかわれてたことがあるといってたわ」 「ええっと……ぱちゅりーも人間の家で飼われてたのか?」 「むきゅう。ぱちぇはもりでそだったわ。にんげんさんにかわれてたのは、ままとぱぱだけ」 ぱちゅりーの話から察するに、飼い主が飼っていた番のゆっくりを ぱちゅりー牧場の敷地の森に捨てて、その後このぱちゅりーが産まれたのだろう。 森へのゆっくりの不法投棄は生態系へ及ぼす悪影響が懸念されており今では条例で禁止されている。 でも、やっぱりいるんだろうな、そういう飼い主。 ぱちゅりーの来歴を知りたかったので他にも色々質問してみたのだが、 まだ子ゆっくりの範疇だろうになかなか波乱に満ちたゆん生を歩んできたようだ。 まぁ都市部の野良ゆっくり達はさらにスリリングな環境でもタフに生きてるのだが……。 この会話は俺にとってもぱちゅりーにとっても有意義なものとなった。 俺としては自分の飼いゆっくりはそれなりのバッジを取得していて欲しい。 ぱちゅりーは銀バッジ取得試験に合格したい。お互い利害は一致しているというわけだ。 だが、いずれにしても避けては通れない障害が一つ残っている。そう、あんよの治療だ。 俺があんよの治療にこだわる理由、それはぱちゅりーの身体機能の改善もさることながら、 それ以上に周囲から奇異の目で見られたくないからだった。 俺は別に自分が虐待家だとは思っていないが近所や公園、試験会場には愛護派の飼い主もいることだろう。 あんよの焦げたゆっくりを持ち込んでトラブルの元になるのはご免だった。 だが正直に話したら話したで、食用ゆっくりをペットに転用しようとしていると思われるのも 貧乏根性を嘲笑われているようで抵抗がある。そう考えると、あんよの治療は銀バッジ取得試験のみならず、 散歩など、ぱちゅりーを人前に出す全ての行為において必須であった。 それに、身体機能にしても、ぱちゅりーには排泄の問題も残っている。 水分はしーしーとして排出してくれるだろうが、固形物の場合は将来的に致命的な問題になるだろう。 オレンジジュースだけでも生かしておくことは可能だが、やはり生物を飼う以上それは味気ない気がする。 ちなみに、ゆっくりのあにゃるの位置は同じ種族でも個体によって異なることが多い。 先祖が暮らしていた地域のゆっくりの特性が遺伝しているのだろうか。 中でも代表的になのは、あんよと後頭部(?)との境界にあにゃるを持つタイプと あんよの中央付近にあにゃるを持つタイプだ。多くのゆっくりはこれらに該当する。 このぱちゅりーは後者の特徴に近かった。あんよの中央よりやや後方に少し落ち窪んだ箇所があり、 その奥にあにゃるがあるのだ。つまり、部位的にぱちゅりーのあんよとあにゃるは一体なのである。 先日の治療であにゃるの治療にまで踏み込まなかったのはこの為だ。 ゆえに、あんよとあにゃるは一緒に治療していくことにする。だが、ここで大きな問題が立ちはだかった。 黒焦げでないとはいえあんよの損傷が激しい。あんよはゆっくりの体の中でも特別な部位だ。 その皮は他の部位に比べると格段に厚くて丈夫だが、それでいて柔軟性も極めて高い。 詳しいメカニズムは解明されていないが、ゆっくりは流動化させた体内の内容物の動きを 内側から皮に伝達することで様々な挙動を可能としている。 とくに移動の際は、あんよの内側には大量の内容物が、時に激しく、時に繊細に流れ込む。 その負荷に耐え、内容物から伝達された微細な動きをも正確に外側に反映する機能があんよには求められるのだ。 ちょっと破れた程度の補修ならともかく、あんよ全体の治療となれば、さっきまでのような付け焼刃は通用しないだろう。 熟練の医者や虐待師の中には、例え黒焦げ状態からでも小麦粉だけで見事に完治させられる人達がいるそうだが、 あいにくと俺にはそこまでの技術はなく、大掛かりな復元手術に出せる金もない。 ……となれば、別のゆっくりに健常なあんよを提供してもらうのが近道だ。 加工所の発売する移植パーツを買って来る手もあるが、手術に比べれば幾分マシとはいえ出費が痛い。 やはりここは移植用のドナーとして野良をお招きするのが妥当な選択肢だろう。 そうと決まれば善は急げだ。俺は野良ゆっくりを探しに出掛けた。 幸いこの辺りには、飼いゆっくりのゲス化や家庭事情などから飼い主がよくゆっくりを捨てに来る“穴場”があるのだ。 捨てられた元飼いゆっくりたちは保健所で義務付けられた予防接種を高確率で受けている筈だ。 こうした個体を狙えば、あんよ移植に伴う伝染病の感染リスクを抑えることができるだろう。 ちなみに俺はその“穴場”で元飼いゆっくりの野良ぱちゅりーを探したこともあったのだが、 そこは生存競争が激しく脆弱なぱちゅりー種が生きていくのは難しいのか一度も見掛けた試しはなかった。 一度たまたま出くわしたゆっくりに、ぱちゅりー種がいないか聞いてみたこともあったが知らない様子だった。 そうして俺は自転車で家から二十分程の距離にある空き地に辿り着いた。 空き地の片隅には土管がピラミッド状に堆く積まれているが、その他に目ぼしい物は何もない。 ただ、誰も手入れをしておらず辺り一面に背の高い雑草が覆い茂っていた。 野良ゆっくりが隠れるには最適な場所だ。あの土管の山もきっとゆっくりたちの巣になっているに違いない。 それでいて道路に直接面しているものだから飼い主は捨てゆっくりを投棄しやすく、 そこに住むゆっくりたちもまた物請いなどを行いやすい環境なので、ゆっくりの数は溢れ出さんばかりの筈だ。 そうならないのは自治会の定期的な駆除活動あってこそなのだが、 最近では費用面の問題やゆっくりんピースからの抗議で継続が危ぶまれているらしい。 だが今回はそれが幸いした。俺が空き地に入ってすぐ、近くからゆっくりと思しき声が聞こえてきたのだ。 「ゆんやぁぁぁぁ!!まりしゃはすっきりしたくないーーー!!」 「んほぉぉぉー!とかいはなありすとすっきりしましょーーー!!」 藪を掻き分けて見ると、そこにはまりさがレイパー化の顕著なありすに今まさに襲われんとする最中だった。 サイズからしてどちらもまだ子ゆっくりのようで、ちょうどぱちゅりーと同じくらいの大きさだ。 幸先が良い。だがサイズの問題をクリアしても他に必要な条件はまだ二つ残っている。それを確認しなくては。 「ゆ、ゆ、ゆ!ぞ、ぞごのおにーしゃんっ!だずげでぇぇぇ!!」 「まりさ、まりさ、まりすわぁぁぁ!んっんっんっ、んっほぉーーーーー!!」 子まりさを追う子ありすの姿は不気味極まりなかった。全身をベタベタの粘液でぬめらせて、まるでナメクジのようだ。 だがその速度はナメクジなどではない、狩猟者のそれだ。実際レイパー化したありす種の身体能力は時に捕食種をも上回る。 子ゆっくりといえど既にすっきりしても平気な強靭な体力を持ち合わせているのだろう。 だが子まりさの方はそうもいくまい。このままにするとドナー候補の一匹をみすみす死なせてしまいかねない。 子まりさは既に体力の限界のようだった。その速度は目に見えて急激に落ちていく。 そして、ついに逃走劇の幕が閉じ、喜色満面の子ありすが子まりさに圧し掛かった…… 「んほおーーー!すっきりさせてあげるわよ、まりさーーーーーー!!」 「ゆああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」 ガシィ! ……その瞬間、俺は子ありすの体を強引に掴んで引き離していた。 「ゆぅ!?な、なんなのっ、このじじぃっ!ありすにはまりさにとかいはなあいをあたえるぎむがあるのよ!じゃましないで!」 「うぁ……」 ズルリ この子ありす、見た目通りぬるぬるだ。一度は掴んだものの取り落としてしまった。 その瞬間再び、子ありすは子まりさに飛び掛る。俺は子まりさを軽く蹴り転がすと再び子ありすに手を伸ばした。 だが何度やっても滑って上手く掴めない。仕方ないので頭髪を掴んで子まりさから引き離うことにする。 「んほ、んほぉぉぉー!!ありすのとかいはな、ゆぎゃ!!どこつかんでるの!?」 この子ありす、少し痛めつけた方が良さそうだ。 「き、きたいないてで、ありすにさわるんじゃないわよ!このいなか-----ゆべしっ!」 俺はそのまま子ありすを振りかぶり、顔面から地面に叩き付けた。 これで少しは大人しくなるだろう。 「……ゆ……ゆぎゃああああああああああああ!!!!!!」 子ありすが金切り声で苦痛の叫びを上げる。前言撤回、余計に喧しくなった。 一方、子まりさは体力を使い果たしたのか動けないでいるようだ。 「ゆ、ゆ、ゆ……」 だが命に別状はないようだ……危機一髪といったところか。 「まりさ。大丈夫か?立てるか?」 「ゆ~。なんとかたてるよ。おにーしゃん、たすかったよ」 子まりさは無事なようだ。早速質問してみることにした。 「ところでまりさ。唐突だけどまりさはどこで生まれたんだ?」 「ゆっ?まりしゃはここで生まれたよ」 「人間のお家で暮らしたことはあるか?」 「ゆゆっ?にんげんしゃん?まりしゃはずっとここにすんでるよ」 どうやら生粋の野良のようだ。うーむ、では子ありすはどうだろう? 「なぁ、ありす。……ありす?聞いてるか?」 「……べに゛べに゛が!!ありずのどがいはなべに゛べに゛があぁぁぁぁ!!!」 どうやら、さっきの一撃で隆起したぺにぺにが折れてしまったらしい。さっきの叫びはそういうことか。 「……ぺにぺにの一本くらいどうだっていいだろ?それより俺の質問に答えてくれ」 「ゆぎいいぃぃ!!ありすののどかいはなぺにぺにはどうでもよくないぃ!!ぺにぺにっ!べにべにぃぃ!! おに゛いさんもほめでくれたありすのべにべにぃ!いなかもののくそじじぃはゆっくりしないでじねー!!」 「お兄さん?……お前は人間に変われてたのか?」 「そうよ!いなかものにはわからないでしょうけどね!そんなことより、ありすのべにべにがえぜぇぇ……」 ……ゆっくりは見た目によらないものだな。こんなのでも飼いゆっくりだったとは……。 いや、こうなったから捨てられたのか。テレビのドキュメントでもやっていたがありす種にはよくあることらしい。 多かれ少なかれ全てのありす種はレイパーの因子をカスタードに刻まれており、 例え何代もレイパーを出していない血統の優良個体であっても、何らかの拍子にそれが発露してしまうことがあるのだそうな。 「で、ありすは注射をうたれたことはあるか?」 「ちゅうしゃ?ああ、あのゆっくりできないきぐね。ありすはとかいはだからなかなかったわよ。ゆうぅ、ぺにぺにぃ……」 ふむふむ、これは本当に飼いゆっくりだったようだな。となると残る条件はあと一つ。 俺はありすを掴んで逆さにすると、あんよを覗き込んだ。その中央より後方にキュッと萎んだあにゃるが鎮座している。 「ゆがぁぁ!!このへんたいっ!!どこみてるの!?」 よし、ドナーはこの子ありすに決定だ。いやはや、こんなに早く見つかるとは思わなかった。 俺はポケットからクシャクシャのコンビニ袋を取り出すと、有無を言わさず子ありすをその中に放り込んだ。 「ゆわぁぁ!?こんどはなんなの!?とかいはなありすをこんな、ぶぎゅっ!!」 ギュウゥゥゥゥ…… 子ありすを入れた袋を圧搾して余分な空気を出してやった。さっきからいちいち煩い。 これで子ありすは顔面をビニールで押さえ付けられ喋ることができない。 それにしても外側からみると薄いビニールに歪んだ顔が浮かんでストッキング被った強盗みたいだ。 「まりさ、邪魔したな。このありすは貰っていくぞ」 「ゆっ!ゆっくりできないありしゅはゆっくりしないでつれてってね」 空き地を去る際、子ありすは袋を揺らして激しく抵抗したが暴れる度にデコピンを繰り出すと次第に大人しくなった。 なかなかイキの良い個体だ。レイパー化しているのが玉に瑕だがドナーとしては申し分ない。 不意にぱちゅりーの笑顔が脳裏に浮かんだ。それにしてもこんなに手間暇かけて食用に加工されたゆっくりを治療するだなんて、 これはゆっくりんピースから表彰されてしまうかもしれないな。 ……そう自分の行いを皮肉りながら家路を急いでいると、すぐ傍を真っ白な選挙カーが走り抜けていった。 危ないな……もう少しで接触するところだった。ちゃんと前を見て走っているんだろうか? 車上のスピーカーからは大音量のスピーチが流れている。 「あまあま党の由久利愛出子、由久利愛出子をよろしくお願いします!!」 あまあま党……“全てのゆっくりたちに人権を!”がキャッチフレーズな新進気鋭の政党だ。 ゆっくりんピースの支援を受けており、都市部の愛護派を中心に熱烈に支持を集めているのだとか……。 ふと、選挙カーの窓から何か巨大な物体がニュ~と突き出てきた。あれは……ドスまりさ? 「ゆゆ~ん♪みなさん、ゆっくりおうえんしてね~♪」 ……例え皮肉でもゆっくりんピースの表彰なんて糞喰らえだ。 (後編へ)
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作者:白兎 ※虐待成分少なめ。 ※独自設定多数。 その頃、夜明けとともに隠れ家を出発した子ぱちゅりーは、 早くも河原に到着していた。 しかし、問題が解決したわけではなかった。 子ぱちゅりーは、まだ人間と話をしたことがない。 どんなふうに話せばいいのかも分からない。 それに、ゆっくりできない人間もいるということを、子ぱちゅりーは知っていた。 だから、最初に話をする相手は、慎重に選ばなければならなかった。 河原には、いつもよりたくさんの人がいた。 棒のようなものを持って、川岸にゆっくり座っているお爺さん。 あの人なら、ゆっくりできるかもしれない。 あるいは、向こうがわの茂みで、何かをしきりに探しているお兄さん。 あれは、もしかしたら、研究者というものではないかしら。 子ぱちゅりーは、そんなことを考える。 あれこそ逡巡していると、ふいに、川上のほうから、グレーの服を着た一行が現れた。 「よーし!ここで昼食にする!」 先頭を歩いていた中年の男の号令で、一同は解散し、 思い思いの場所で、箱を開け始めた。 どうやら、人間のお弁当のようだ。 こうなってしまうと、ますます誰に話しかけたら良いのか分からない。 川のそばでシートを敷き、楽しそうに談笑している3人の女性。 あの人たちなら、優しくしてくれるのではないだろうか。 いや、それとも、さっきの中年の男性に話しかけるべきか。 もしかすると、あの人が群れのリーダーかもしれない。 いやいや、それとも……。 迷っていると、子ぱちゅりーのいる茂みに向かって、若い女性が歩いて来るのが見えた。 ロングの黒髪をたなびかせて、女性は、近くにあった大きな石の上に腰掛けた。 ここでお弁当を食べるらしい。 だが、なぜだろうか。 他の群れのみんなは、何人かのグループになっている。 女は、少し猫背になると、ぱくぱくと一人で箸を動かし始めた。 なぜだろうか。 妙にこの女性が気になる。 「ゆっくりしていってね。」 子ぱちゅりーは、口もとを髪の毛でおさえた。 なぜそんなことを口走ったのか、自分にも理解できなかった。 小さな声だったが、女は聞き逃さなかったようで、こちらを振り返った。 「あら、ゆっくりじゃない。」 女は、箸を口に入れたまま、誰にともなくそうつぶやいた。 「ぱ、ぱちゅりーはぱちゅりーなのだわ。」 半ばパニックになり、とりあえず自己紹介をしておく子ぱちゅりー。 「そんなの見れば分かるわ。」 女性は笑いもせずに、冷ややかな声で言ってのけた。 子ぱちゅりーの中で、不安が広がる。 もしかして、ゆっくりできない人間に話しかけてしまったのではないだろうか。 「まあいいわ。そこでゆっくりしてなさい。」 女性は、ふたたび背を向けて、弁当を食べ始めた。 子ぱちゅりーは少し悩んだが、思い切ってこの女性に事情を話してみることにした。 なぜそんな気になったのかは、自分でも分からないのだが。 女性は、話を聞いているときも箸を休めなかった。 ときどき「へえ」とか「で?」くらいは、相槌を打ってくれた。 裁判にかけられそうになり、こうして河原まで逃げて来たことを話し終えると、 女性はちょうど食べ終わった弁当に蓋をし、手を合わせて何やら呪文のようなものを唱え、 しばらくの間、黙っていた。 「で?何がしたいわけ?」 巣を出たところまで説明すると、最後に女性が尋ねた。 「ぱ、ぱちゅは人間さんと一緒に暮らしたいのだわ。」 「どうやって?どんなふうに?」 好奇心から訊いているのでないことは、ぱちゅりーにも声音で分かった。 女性は、あくまでも、理詰めでぱちゅりーを追求してくる。 いくら子ぱちゅりーの頭がいいとは言え、人間のそれに比べれば差は明白である。 そもそも、子ぱちゅりーには、明確な答えを出すための絶対的な知識量が足りていない。 そのことを、子ぱちゅりーは、痛いほどよく理解していた。 人間はどんなところに住んでいるのだろうか。そこでどういう生活をしているのだろうか。 子ぱちゅりーは、口先で誤摩化すことを諦めた。 「むきゅ……ぱちゅにもよく分からないのだわ……。」 ところが、この返答に、女性はしごくご満悦の様子をみせた。 ゆっくりを論破したことが、それほど嬉しいのだろうか。 いや、女性の真意は、別のところにあった。 「素直でよろしい。」 子ぱちゅりーは気付いていなかった。 自分が、どれほど多くのトラップをかいくぐって来たのかを。 ぱちゅりーがお弁当をねだったら、女性は彼女を潰すつもりだった。 ぷくーをしたり、ばばあ呼ばわりしても、彼女を潰すつもりだった。 それだけではない。 もし子ぱちゅりーが自分の勉強不足を誤摩化して、 何か適当なことを言ったとしても、女性は彼女を潰すつもりだった。 なぜなら、この女性、ゆっくり駆除のお姉さんだからである。 周りにいるグレーの作業服を着た人々は、河原の清掃のアルバイトであり、 その仕事には、キャンプ場に巣食うゆっくりの駆除も含まれていた。 正直なところ、この女性も、子ぱちゅりーが最後の課題をクリアするとは、 微塵も考えていなかった。 無理もない。 これほど異能のゆっくりには、お姉さんもまだ出会ったことがなかったからである。 「本当に、群れを離れて生きたいのね?」 「むきゅ?」 「本当に人間と住みたいのかって訊いてるの。」 「も、もちろんなのだわ。」 そうだ。それしか生き残る道はない。 「じゃあ、私が連れてってあげるわ。」 「ほ、ほんとう!?」 ぱちゅりーの顔に、一筋の希望が射した。 「本当。ただし……。」 女性は、弁当ガラをリュックの中にしまうと、小振りな尻を持ち上げた。 「その群れの居場所を教えてちょうだい。」 「むきゅ……?」 ぱちゅりーには、女性の言葉の意味が分からなかった。 いや、意味は分かるのだが、意図が分からなかった。 居場所を聞いて、どうするというのだろう。 自分は、今しがたそこから逃げて来たばかりだと言うのに。 まさか、自分をリーダーに引き渡して、ご褒美をもらうつもりだろうか。 ぱちゅりーは、不安におののいた。 しかし、女性が継いだ言葉は、その不安の斜めうえであった。 「全員駆除するのよ。」 「くじょ……?」 聞き慣れない言葉だ。 街中の野良ゆっくりなら、それだけでおそろしーしーを垂れ流してしまうそれも、 野生で育った子ぱちゅりーには、ただの空気の振動にしか感じられなかった。 「簡単に言うと、殺しちゃうってこと。」 「むきゅう!?」 「今日は、それがお仕事で来たのよ。どうにも巣が見つからなくて、困ってたところ。 明日には撤収しないといけないし、巣を潰さないとボーナス出ないのよね。」 群れから離れて生きていた子ぱちゅりーは知らなかった。 河原に降りて人間のものを盗んでいるゆっくりがいることに。 それは、群れの中では公然の秘密とされており、むしろこっそり推奨されていた。 あの日、森の中で出会った子ちぇんも、実はそのために河原へ行く途中だったのだ。 もっとも、子ぱちゅりーが見つけた河原は、人間さんにはあまり人気のない場所で、 だからこそ他のゆっくりと鉢合わせになることもなかったのである。 ゆっくりの間で狩り場とされているのは、もう少し下流にある広いキャンプ場で、 そこのゴミ箱を荒らしては、戦利品をせしめていたのだ。 「こ、こ、ころしゅ……。」 全身の震えが止まらない。 もう駄目だ。 このお姉さんは、ゆっくりを殺す恐ろしいお姉さんなのだ。 自分も殺されてしまうに違いない。 そんな子ぱちゅりーの反応に、お姉さんは涼しげな顔をしている。 「あら、大丈夫よ。あんたは殺さないから。町へ行くんでしょ。」 「ほ、ほ、ほ、ほんちょに?」 余りの恐怖で、赤ちゃん言葉になってしまう子ぱちゅりー。 「本当だってば。ゆっくりの癖に、疑り深いのね。で、巣はどこにあるの?」 女性は、子ぱちゅりーの顔を凝視した。 その目は、嘘を吐いているようには見えなかった。 もしかすると、自分を殺さないというのは、本当なのかもしれない。 淡い期待が、子ぱちゅりーの餡子に、ふつふつとわいてきた。 だが、それと同時に、別の問題が子ぱちゅりーを襲った。 お姉さんに群れの居場所を教えるということは、要するに、 群れのみんなの命を引き渡すということだ。 いったいどんなことが起こるのかは、子ぱちゅりーにも容易に理解できた。 それは、ゆっくりにとって最大のタブー、ゆっくり殺しの共犯になるということ。 「ぱ、ぱちゅは……ぱちゅは……。」 「教えるの? 教えないの? それとも、まだなにかウラがあるのかしら?」 お姉さんは、そう言って一歩を踏み出した。 その振動と威圧感に、ぱちゅりーは気を失ってしまった。 「あら、もう目が覚めたの?」 ぱちゅりーが目を覚ましたとき、日は山の端にかかり始めていた。 妙な揺れを感じる。 これが地震というものかしら。 そんなことを考えたぱちゅりーであったが、すぐに誤解であると気づいた。 「むきゅ? これは自動車さん?」 「よく知ってるわね。ゆっくりはみんな『すぃー』なんて呼んでるのに。」 お姉さんは、感心していた。 一方、ぱちゅりーはそれ以上の事態が飲み込めなかった。 自分は自白してしまったのだろうか。 それとも……ごうっもんにかけられるのだろうか。 「ぱ、ぱ、ぱ、ぱちゅはどこへ行くの?」 「とりあえず、ふもとで一泊して、それから町にもどるわ」 「そ、そ、そ、そこでなにをするの?」 震えるぱちゅに、お姉さんはきょとんとした。 「町に行きたいんじゃなかったの?」 「ま、町には行きたいのだわ。でも、ごうっもんはイヤなのだわ。」 お姉さんはすこしばかりくびをひねって、それから大笑いした。 「そのことなら、もういいわよ。主任が『もう間に合わない』って言ってたし」 「しゅにん……?」 「とりあえず、あんたは潰さないでいてあげるわ。今のところはね。」 なんだか物騒なことを言われて、ぱちゅりーは身をこわばらせた。 「体調が悪いとか、そういうことはない?」 「たいちょう?」 「元気かって訊いてるのよ。」 「ぱ、ぱちゅは元気なのだわ。」 「ゆカビのチェックはしといたけど、念のためクリニックに行きましょう」 お姉さんの言葉を理解するのは、ぱちゅりーにも難しかった。 小学生が大人の会話を理解できないような、そんな状態だった。 「ひ、ひとつ聞いてもいいかしら?」 「なに?」 「ぱ、ぱちゅの群れは、どうなるのかしら…?」 お姉さんは肩をすくめてみせた。 「さぁね。今年度の駆除予算はもうないみたいだし、しばらくは安全なんじゃないの?」 またよく分からない返しをされた。 ぱちゅはそれ以上たずねる勇気がなかった。 お姉さんはそんなぱちゅりーをよそに、車の窓から空をみあげた。 「それにどうせ…。」 窓越しに広がる空は、真っ黒な雲で一面を覆われていた。 「あめさんがすごいのぜ…。」 じめじめとした空間に、リーダーまりさの声がこもった。 普通のゆっくりでは考えられない、豪勢なおうち。 群れの幹部たちのパーティーは、不穏な空気に包まれ始めていた。 テーブルのうえに乗ったごはんさんも、あまあまな花のミツも、 なかなか量が減らない。 食べているのは、こどもたちばかりだった。 「うっめっ!これめっちゃうめっ!」 「まりさ、もっとおぎょうぎよくたべるのぜ。」 リーダーまりさに注意されて、長男まりさは一瞬だけ食べるのをやめた。 だが、父親をじろりとにらみ、またがつがつと食べ始めた。 リーダーまりさのため息は、嵐の音にかき消された。 なぜこんなゲスに育ってしまったのだろう。 後悔はつきない。だが、自業自得という考えは、みじんも思い浮かばなかった。 「こんなにつよいあめさんは、はじめてなのぜ。」 「とかいはじゃないわね。」 「わかるよー。さっさとやめよー。」 妻のありすと側近ちぇんは、おたがいに相槌を打った。 そして、ありすのほうは夫に耳打ちをした。 「そろそろつぎのりーだーをきめないとだめよ。」 「……わかっているのぜ。」 ふたりは、パーティー会場を見回した。 まりさとありすのあいだには、5匹の子がいた。 そのうちの2匹がまりさ種で、のこりはありす種だった。 群れの慣例からして、この2匹のうちのどちらかが次期リーダーになるはずだった。 そして、その2匹の両方を父親まりさは評価していなかった。 「ねぇ…もういっかいくらいすっきりして…。」 「だめなのぜ。いまからそだてていたらまにあわないのぜ。」 「だいじょうぶよ。いちねんあれば。ふたりともいなかものだもの。」 「ふたりもあにがいたら、ぜったいにもめるのぜ。それに…。」 そのときだった。入り口のほうから、次男まりさがぴょんぴょんと飛び跳ねてきた。 「おとうさん!おみずさんがはいってきてるのぜ!」 「「「!?」」」 その場にいた全員が凍りついた。 リーダーまりさと側近のちぇんは、さっそく入り口の様子をみにいった。 すると、ぎっしり積み上げられた木の枝のスキマから、水が漏れているのがみえた。 「なんでおみずさんがはいってるのぜ!?」 「わからないよー!いつもどおりつくったよー!」 台風。人間ならだれでも知っている自然現象を、ゆっくりたちは知らなかった。 ここ数年、一度も直撃していなかったからだ。 災害を記録しておくという習性のないゆっくりたちには、 それだけで完全に忘れ去られてしまっていた。 「もっとコケをもってくるのぜ!おれがおさえておくのぜ!」 「わかったのぜ!」 「すぐもってくるよー!」 次男まりさと側近ちぇんは、倉庫から大量のコケを持ち出してきた。 「おとうさん、もってきたのぜ!」 「おみずさんがはいってきてるあなに…ぶべっ!?」 一瞬のできごとだった。 入り口の一部が決壊し、木の枝がリーダーまりさの目や口に突き刺さった。 「おとうさん!」 「は、はやくそこのあなを…ぐぼぼぼっ!?」 空いた穴から鉄砲水が流れ込んだ。 それを顔で受け止めたリーダーまりさは、一瞬にしてお化けのように様変わりした。 皮は剥がれ、目は水圧で飛び出し、砂糖の歯は水に溶けて流された。 ふりかえったリーダーまりさの形相に、ほかのふたりは悲鳴をあげた。 「お、おとうさんがたいへんなのぜ!」 次男まりさは、助けを呼ぼうとした。 側近ちぇんは、それを引き止めた。 「もうたすからないよー!」 「ひゃ、ひゃひゅへへ…。」 「たすけてっていってるのぜ!はなすのぜ!」 「だめだよー!」 次男まりさと側近ちぇんが揉めているところへ、ひとつの影が飛び出した。 長男まりさだった。 「やくにたたないやつらなのぜ。さっさとなおすのぜ。」 「にいさん!」 目を輝かせる次男まりさ。口もとをほころばせるリーダーまりさ。 ゲスに育ってしまった長男が、立派な態度を……。 そのよろこびは、長くは続かなかった。 「おやじはもうたすからないのぜ。さいごにやくにたってもらうのぜ。」 長男まりさはそう言って、父親を穴に押し込もうとした。 抵抗する父親まりさ。だが、水鉄砲を食らった身では、まったく力が出なかった。 「にいさん!なにをしてるの!?」 「ゆっくりはみずにとけたらドロドロになるのぜ。あなもふさがるのぜ。」 あろうことか、長男まりさは父親を凝固剤に使おうとしているのだった。 群れのリーダーに対する恐ろしい仕打ち。次男まりさは蒼白になった。 「ちぇんおじさん!にいさんをとめて!」 次男まりさは、側近ちぇんに助けを求めた。 ところが、ちぇんはまったくの無表情で、手を貸してくれなかった。 「ちぇんおじさん!」 「わかるよー…むのうなリーダーはしんだほうがいいんだよー…。」 「!?」 ちぇんの瞳に、侮蔑の炎が燃え上がる。 このぐずなリーダーは、ぱちゅりーに逃げられた。 自慢の息子、長男ちぇん殺しの容疑者であるぱちゅりーを逃がした。 あのとき、長男まりさのような残忍な行動に出ていればよかったのだ。 さいっばんなどせず、すぐに殺しておけばよかったのだ。 「にいさん!とうさんをはなせ!」 次男まりさは長男まりさに飛びかかった。が、すぐに弾き飛ばされた。 ガタイだけは群れ一番なのだ。そこにゲスの力が加わっていた。 父親まりさは穴に頭を突っ込み、もるんもるんと尻を振るばかりだった。 「あかゆみたいにケツをふってもムダなのぜ。」 「…!…!」 「さっさとまりささまにリーダーをつがせておけばよかったのぜ。そうすれば…。」 「!!!」 ぶりゅう!ぶしゃぁああああ! 父親まりさの肛門が爆ぜた。 口をあけて抵抗していたのだろう。 鉄砲水の第二弾が、肛門まで一気に突き抜けたのだ。 父親まりさは、水圧を最大にしたゴムホースのように跳ね回った。 「くっさ!うんうんくっさ!」 うんうんの混ざった水が、あたりに流れ込む。 長男まりさは、あろうことか父親まりさの体からとびのいた。 その拍子に、小枝のダムは決壊を始めた。 「た、たすけてよー!」 「おまえたちがとめるのぜ!」 長男まりさは、次男まりさとちぇんを突き飛ばして、巣の奥へかけだした。 「れいむ!すのいちばんおくににげるのぜ!」 長男まりさは、即席舞台のうえにたたずむれいむに声をかけた。 あの歌姫のれいむだった。 「れいむ!なにをぐずぐずしているのぜ!」 「……。」 「れいむ!」 長男まりさは、れいむのもみあげを引っ張った。 すると、彼女の体はぐずりと崩れ去り……何百という虫が這い出てきた。 「なんなのぜぇ!!!!!!!!!!?」 絶叫するまりさ。 あたりを見回すと、パーティー客はみな、一様にもぞもぞと動いていた。 それは、皮下を這いずり廻る虫たちの狂宴だった。 台風を察知して、土中の生き物がこの空間に集まってきたのだ。 まりさは逃げようとした。 れいむのもみあげに触れたとき、いや、この部屋にもどったとき、運命は決していた。 蟻の大群が長男まりさを取り囲み始めた。 父親まりさのうんうん汚水の匂いにつられたのだ。 「ぐる”な”ぁ”あ”あ”あ”!!!ま”り”ざばだべも”の”じ”ゃ”な”い”い”ぃ”い”い”!!!!」 まりさの目に、一匹の蟻が噛み付く。 激痛に悶えるまりさ。 ゴマをまぶしたようなまんじゅうができあがるまで、数秒とはかからなかった。 「ま”り”ざは”ぜがい”ざい”っ”ぎょ”う”な”ん”だ”ぼぉおおお!!!!!!!!」 死のダンスをおどるまりさ。 その声は、にわかに台風の轟音にかきけされた。 翌朝、野原にはさわやかな風が吹いていた。 なぎたおされた草に、露がともる。 ところどころに浮いたおかざりも、朝日を浴びて美しく光っていた。 数年、あるいは十数年続いたのかもしれない群れは消えた。 ただひとつの叡智を輩出する以外には、なんの意味もなかったかのように。 終わり これまでに書いた作品 ダスキユのある風景(前編) ダスキユのある風景(中編) ダスキユのある風景(後編) 英雄の条件 ふわふわと壊れゆく家族 ♂れいむを探して 乞食れいむのおうた ある群れと、1匹のぱちゅりーの記録(前編) ある群れと、1匹のぱちゅりーの記録(中編) 選択肢 投票 しあわせー! (3) それなりー (2) つぎにきたいするよっ! (2)
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作者:白兎 ※虐待成分少なめ。 ※独自設定多数。 その頃、夜明けとともに隠れ家を出発した子ぱちゅりーは、 早くも河原に到着していた。 しかし、問題が解決したわけではなかった。 子ぱちゅりーは、まだ人間と話をしたことがない。 どんなふうに話せばいいのかも分からない。 それに、ゆっくりできない人間もいるということを、子ぱちゅりーは知っていた。 だから、最初に話をする相手は、慎重に選ばなければならなかった。 河原には、いつもよりたくさんの人がいた。 棒のようなものを持って、川岸にゆっくり座っているお爺さん。 あの人なら、ゆっくりできるかもしれない。 あるいは、向こうがわの茂みで、何かをしきりに探しているお兄さん。 あれは、もしかしたら、研究者というものではないかしら。 子ぱちゅりーは、そんなことを考える。 あれこそ逡巡していると、ふいに、川上のほうから、グレーの服を着た一行が現れた。 「よーし!ここで昼食にする!」 先頭を歩いていた中年の男の号令で、一同は解散し、 思い思いの場所で、箱を開け始めた。 どうやら、人間のお弁当のようだ。 こうなってしまうと、ますます誰に話しかけたら良いのか分からない。 川のそばでシートを敷き、楽しそうに談笑している3人の女性。 あの人たちなら、優しくしてくれるのではないだろうか。 いや、それとも、さっきの中年の男性に話しかけるべきか。 もしかすると、あの人が群れのリーダーかもしれない。 いやいや、それとも……。 迷っていると、子ぱちゅりーのいる茂みに向かって、若い女性が歩いて来るのが見えた。 ロングの黒髪をたなびかせて、女性は、近くにあった大きな石の上に腰掛けた。 ここでお弁当を食べるらしい。 だが、なぜだろうか。 他の群れのみんなは、何人かのグループになっている。 女は、少し猫背になると、ぱくぱくと一人で箸を動かし始めた。 なぜだろうか。 妙にこの女性が気になる。 「ゆっくりしていってね。」 子ぱちゅりーは、口もとを髪の毛でおさえた。 なぜそんなことを口走ったのか、自分にも理解できなかった。 小さな声だったが、女は聞き逃さなかったようで、こちらを振り返った。 「あら、ゆっくりじゃない。」 女は、箸を口に入れたまま、誰にともなくそうつぶやいた。 「ぱ、ぱちゅりーはぱちゅりーなのだわ。」 半ばパニックになり、とりあえず自己紹介をしておく子ぱちゅりー。 「そんなの見れば分かるわ。」 女性は笑いもせずに、冷ややかな声で言ってのけた。 子ぱちゅりーの中で、不安が広がる。 もしかして、ゆっくりできない人間に話しかけてしまったのではないだろうか。 「まあいいわ。そこでゆっくりしてなさい。」 女性は、ふたたび背を向けて、弁当を食べ始めた。 子ぱちゅりーは少し悩んだが、思い切ってこの女性に事情を話してみることにした。 なぜそんな気になったのかは、自分でも分からないのだが。 女性は、話を聞いているときも箸を休めなかった。 ときどき「へえ」とか「で?」くらいは、相槌を打ってくれた。 裁判にかけられそうになり、こうして河原まで逃げて来たことを話し終えると、 女性はちょうど食べ終わった弁当に蓋をし、手を合わせて何やら呪文のようなものを唱え、 しばらくの間、黙っていた。 「で?何がしたいわけ?」 巣を出たところまで説明すると、最後に女性が尋ねた。 「ぱ、ぱちゅは人間さんと一緒に暮らしたいのだわ。」 「どうやって?どんなふうに?」 好奇心から訊いているのでないことは、ぱちゅりーにも声音で分かった。 女性は、あくまでも、理詰めでぱちゅりーを追求してくる。 いくら子ぱちゅりーの頭がいいとは言え、人間のそれに比べれば差は明白である。 そもそも、子ぱちゅりーには、明確な答えを出すための絶対的な知識量が足りていない。 そのことを、子ぱちゅりーは、痛いほどよく理解していた。 人間はどんなところに住んでいるのだろうか。そこでどういう生活をしているのだろうか。 子ぱちゅりーは、口先で誤摩化すことを諦めた。 「むきゅ……ぱちゅにもよく分からないのだわ……。」 ところが、この返答に、女性はしごくご満悦の様子をみせた。 ゆっくりを論破したことが、それほど嬉しいのだろうか。 いや、女性の真意は、別のところにあった。 「素直でよろしい。」 子ぱちゅりーは気付いていなかった。 自分が、どれほど多くのトラップをかいくぐって来たのかを。 ぱちゅりーがお弁当をねだったら、女性は彼女を潰すつもりだった。 ぷくーをしたり、ばばあ呼ばわりしても、彼女を潰すつもりだった。 それだけではない。 もし子ぱちゅりーが自分の勉強不足を誤摩化して、 何か適当なことを言ったとしても、女性は彼女を潰すつもりだった。 なぜなら、この女性、ゆっくり駆除のお姉さんだからである。 周りにいるグレーの作業服を着た人々は、河原の清掃のアルバイトであり、 その仕事には、キャンプ場に巣食うゆっくりの駆除も含まれていた。 正直なところ、この女性も、子ぱちゅりーが最後の課題をクリアするとは、 微塵も考えていなかった。 無理もない。 これほど異能のゆっくりには、お姉さんもまだ出会ったことがなかったからである。 「本当に、群れを離れて生きたいのね?」 「むきゅ?」 「本当に人間と住みたいのかって訊いてるの。」 「も、もちろんなのだわ。」 そうだ。それしか生き残る道はない。 「じゃあ、私が連れてってあげるわ。」 「ほ、ほんとう!?」 ぱちゅりーの顔に、一筋の希望が射した。 「本当。ただし……。」 女性は、弁当ガラをリュックの中にしまうと、小振りな尻を持ち上げた。 「その群れの居場所を教えてちょうだい。」 「むきゅ……?」 ぱちゅりーには、女性の言葉の意味が分からなかった。 いや、意味は分かるのだが、意図が分からなかった。 居場所を聞いて、どうするというのだろう。 自分は、今しがたそこから逃げて来たばかりだと言うのに。 まさか、自分をリーダーに引き渡して、ご褒美をもらうつもりだろうか。 ぱちゅりーは、不安におののいた。 しかし、女性が継いだ言葉は、その不安の斜めうえであった。 「全員駆除するのよ。」 「くじょ……?」 聞き慣れない言葉だ。 街中の野良ゆっくりなら、それだけでおそろしーしーを垂れ流してしまうそれも、 野生で育った子ぱちゅりーには、ただの空気の振動にしか感じられなかった。 「簡単に言うと、殺しちゃうってこと。」 「むきゅう!?」 「今日は、それがお仕事で来たのよ。どうにも巣が見つからなくて、困ってたところ。 明日には撤収しないといけないし、巣を潰さないとボーナス出ないのよね。」 群れから離れて生きていた子ぱちゅりーは知らなかった。 河原に降りて人間のものを盗んでいるゆっくりがいることに。 それは、群れの中では公然の秘密とされており、むしろこっそり推奨されていた。 あの日、森の中で出会った子ちぇんも、実はそのために河原へ行く途中だったのだ。 もっとも、子ぱちゅりーが見つけた河原は、人間さんにはあまり人気のない場所で、 だからこそ他のゆっくりと鉢合わせになることもなかったのである。 ゆっくりの間で狩り場とされているのは、もう少し下流にある広いキャンプ場で、 そこのゴミ箱を荒らしては、戦利品をせしめていたのだ。 「こ、こ、ころしゅ……。」 全身の震えが止まらない。 もう駄目だ。 このお姉さんは、ゆっくりを殺す恐ろしいお姉さんなのだ。 自分も殺されてしまうに違いない。 そんな子ぱちゅりーの反応に、お姉さんは涼しげな顔をしている。 「あら、大丈夫よ。あんたは殺さないから。町へ行くんでしょ。」 「ほ、ほ、ほ、ほんちょに?」 余りの恐怖で、赤ちゃん言葉になってしまう子ぱちゅりー。 「本当だってば。ゆっくりの癖に、疑り深いのね。で、巣はどこにあるの?」 女性は、子ぱちゅりーの顔を凝視した。 その目は、嘘を吐いているようには見えなかった。 もしかすると、自分を殺さないというのは、本当なのかもしれない。 淡い期待が、子ぱちゅりーの餡子に、ふつふつとわいてきた。 だが、それと同時に、別の問題が子ぱちゅりーを襲った。 お姉さんに群れの居場所を教えるということは、要するに、 群れのみんなの命を引き渡すということだ。 いったいどんなことが起こるのかは、子ぱちゅりーにも容易に理解できた。 それは、ゆっくりにとって最大のタブー、ゆっくり殺しの共犯になるということ。 「ぱ、ぱちゅは……ぱちゅは……。」 「教えるの? 教えないの? それとも、まだなにかウラがあるのかしら?」 お姉さんは、そう言って一歩を踏み出した。 その振動と威圧感に、ぱちゅりーは気を失ってしまった。 「あら、もう目が覚めたの?」 ぱちゅりーが目を覚ましたとき、日は山の端にかかり始めていた。 妙な揺れを感じる。 これが地震というものかしら。 そんなことを考えたぱちゅりーであったが、すぐに誤解であると気づいた。 「むきゅ? これは自動車さん?」 「よく知ってるわね。ゆっくりはみんな『すぃー』なんて呼んでるのに。」 お姉さんは、感心していた。 一方、ぱちゅりーはそれ以上の事態が飲み込めなかった。 自分は自白してしまったのだろうか。 それとも……ごうっもんにかけられるのだろうか。 「ぱ、ぱ、ぱ、ぱちゅはどこへ行くの?」 「とりあえず、ふもとで一泊して、それから町にもどるわ」 「そ、そ、そ、そこでなにをするの?」 震えるぱちゅに、お姉さんはきょとんとした。 「町に行きたいんじゃなかったの?」 「ま、町には行きたいのだわ。でも、ごうっもんはイヤなのだわ。」 お姉さんはすこしばかりくびをひねって、それから大笑いした。 「そのことなら、もういいわよ。主任が『もう間に合わない』って言ってたし」 「しゅにん……?」 「とりあえず、あんたは潰さないでいてあげるわ。今のところはね。」 なんだか物騒なことを言われて、ぱちゅりーは身をこわばらせた。 「体調が悪いとか、そういうことはない?」 「たいちょう?」 「元気かって訊いてるのよ。」 「ぱ、ぱちゅは元気なのだわ。」 「ゆカビのチェックはしといたけど、念のためクリニックに行きましょう」 お姉さんの言葉を理解するのは、ぱちゅりーにも難しかった。 小学生が大人の会話を理解できないような、そんな状態だった。 「ひ、ひとつ聞いてもいいかしら?」 「なに?」 「ぱ、ぱちゅの群れは、どうなるのかしら…?」 お姉さんは肩をすくめてみせた。 「さぁね。今年度の駆除予算はもうないみたいだし、しばらくは安全なんじゃないの?」 またよく分からない返しをされた。 ぱちゅはそれ以上たずねる勇気がなかった。 お姉さんはそんなぱちゅりーをよそに、車の窓から空をみあげた。 「それにどうせ…。」 窓越しに広がる空は、真っ黒な雲で一面を覆われていた。 「あめさんがすごいのぜ…。」 じめじめとした空間に、リーダーまりさの声がこもった。 普通のゆっくりでは考えられない、豪勢なおうち。 群れの幹部たちのパーティーは、不穏な空気に包まれ始めていた。 テーブルのうえに乗ったごはんさんも、あまあまな花のミツも、 なかなか量が減らない。 食べているのは、こどもたちばかりだった。 「うっめっ!これめっちゃうめっ!」 「まりさ、もっとおぎょうぎよくたべるのぜ。」 リーダーまりさに注意されて、長男まりさは一瞬だけ食べるのをやめた。 だが、父親をじろりとにらみ、またがつがつと食べ始めた。 リーダーまりさのため息は、嵐の音にかき消された。 なぜこんなゲスに育ってしまったのだろう。 後悔はつきない。だが、自業自得という考えは、みじんも思い浮かばなかった。 「こんなにつよいあめさんは、はじめてなのぜ。」 「とかいはじゃないわね。」 「わかるよー。さっさとやめよー。」 妻のありすと側近ちぇんは、おたがいに相槌を打った。 そして、ありすのほうは夫に耳打ちをした。 「そろそろつぎのりーだーをきめないとだめよ。」 「……わかっているのぜ。」 ふたりは、パーティー会場を見回した。 まりさとありすのあいだには、5匹の子がいた。 そのうちの2匹がまりさ種で、のこりはありす種だった。 群れの慣例からして、この2匹のうちのどちらかが次期リーダーになるはずだった。 そして、その2匹の両方を父親まりさは評価していなかった。 「ねぇ…もういっかいくらいすっきりして…。」 「だめなのぜ。いまからそだてていたらまにあわないのぜ。」 「だいじょうぶよ。いちねんあれば。ふたりともいなかものだもの。」 「ふたりもあにがいたら、ぜったいにもめるのぜ。それに…。」 そのときだった。入り口のほうから、次男まりさがぴょんぴょんと飛び跳ねてきた。 「おとうさん!おみずさんがはいってきてるのぜ!」 「「「!?」」」 その場にいた全員が凍りついた。 リーダーまりさと側近のちぇんは、さっそく入り口の様子をみにいった。 すると、ぎっしり積み上げられた木の枝のスキマから、水が漏れているのがみえた。 「なんでおみずさんがはいってるのぜ!?」 「わからないよー!いつもどおりつくったよー!」 台風。人間ならだれでも知っている自然現象を、ゆっくりたちは知らなかった。 ここ数年、一度も直撃していなかったからだ。 災害を記録しておくという習性のないゆっくりたちには、 それだけで完全に忘れ去られてしまっていた。 「もっとコケをもってくるのぜ!おれがおさえておくのぜ!」 「わかったのぜ!」 「すぐもってくるよー!」 次男まりさと側近ちぇんは、倉庫から大量のコケを持ち出してきた。 「おとうさん、もってきたのぜ!」 「おみずさんがはいってきてるあなに…ぶべっ!?」 一瞬のできごとだった。 入り口の一部が決壊し、木の枝がリーダーまりさの目や口に突き刺さった。 「おとうさん!」 「は、はやくそこのあなを…ぐぼぼぼっ!?」 空いた穴から鉄砲水が流れ込んだ。 それを顔で受け止めたリーダーまりさは、一瞬にしてお化けのように様変わりした。 皮は剥がれ、目は水圧で飛び出し、砂糖の歯は水に溶けて流された。 ふりかえったリーダーまりさの形相に、ほかのふたりは悲鳴をあげた。 「お、おとうさんがたいへんなのぜ!」 次男まりさは、助けを呼ぼうとした。 側近ちぇんは、それを引き止めた。 「もうたすからないよー!」 「ひゃ、ひゃひゅへへ…。」 「たすけてっていってるのぜ!はなすのぜ!」 「だめだよー!」 次男まりさと側近ちぇんが揉めているところへ、ひとつの影が飛び出した。 長男まりさだった。 「やくにたたないやつらなのぜ。さっさとなおすのぜ。」 「にいさん!」 目を輝かせる次男まりさ。口もとをほころばせるリーダーまりさ。 ゲスに育ってしまった長男が、立派な態度を……。 そのよろこびは、長くは続かなかった。 「おやじはもうたすからないのぜ。さいごにやくにたってもらうのぜ。」 長男まりさはそう言って、父親を穴に押し込もうとした。 抵抗する父親まりさ。だが、水鉄砲を食らった身では、まったく力が出なかった。 「にいさん!なにをしてるの!?」 「ゆっくりはみずにとけたらドロドロになるのぜ。あなもふさがるのぜ。」 あろうことか、長男まりさは父親を凝固剤に使おうとしているのだった。 群れのリーダーに対する恐ろしい仕打ち。次男まりさは蒼白になった。 「ちぇんおじさん!にいさんをとめて!」 次男まりさは、側近ちぇんに助けを求めた。 ところが、ちぇんはまったくの無表情で、手を貸してくれなかった。 「ちぇんおじさん!」 「わかるよー…むのうなリーダーはしんだほうがいいんだよー…。」 「!?」 ちぇんの瞳に、侮蔑の炎が燃え上がる。 このぐずなリーダーは、ぱちゅりーに逃げられた。 自慢の息子、長男ちぇん殺しの容疑者であるぱちゅりーを逃がした。 あのとき、長男まりさのような残忍な行動に出ていればよかったのだ。 さいっばんなどせず、すぐに殺しておけばよかったのだ。 「にいさん!とうさんをはなせ!」 次男まりさは長男まりさに飛びかかった。が、すぐに弾き飛ばされた。 ガタイだけは群れ一番なのだ。そこにゲスの力が加わっていた。 父親まりさは穴に頭を突っ込み、もるんもるんと尻を振るばかりだった。 「あかゆみたいにケツをふってもムダなのぜ。」 「…!…!」 「さっさとまりささまにリーダーをつがせておけばよかったのぜ。そうすれば…。」 「!!!」 ぶりゅう!ぶしゃぁああああ! 父親まりさの肛門が爆ぜた。 口をあけて抵抗していたのだろう。 鉄砲水の第二弾が、肛門まで一気に突き抜けたのだ。 父親まりさは、水圧を最大にしたゴムホースのように跳ね回った。 「くっさ!うんうんくっさ!」 うんうんの混ざった水が、あたりに流れ込む。 長男まりさは、あろうことか父親まりさの体からとびのいた。 その拍子に、小枝のダムは決壊を始めた。 「た、たすけてよー!」 「おまえたちがとめるのぜ!」 長男まりさは、次男まりさとちぇんを突き飛ばして、巣の奥へかけだした。 「れいむ!すのいちばんおくににげるのぜ!」 長男まりさは、即席舞台のうえにたたずむれいむに声をかけた。 あの歌姫のれいむだった。 「れいむ!なにをぐずぐずしているのぜ!」 「……。」 「れいむ!」 長男まりさは、れいむのもみあげを引っ張った。 すると、彼女の体はぐずりと崩れ去り……何百という虫が這い出てきた。 「なんなのぜぇ!!!!!!!!!!?」 絶叫するまりさ。 あたりを見回すと、パーティー客はみな、一様にもぞもぞと動いていた。 それは、皮下を這いずり廻る虫たちの狂宴だった。 台風を察知して、土中の生き物がこの空間に集まってきたのだ。 まりさは逃げようとした。 れいむのもみあげに触れたとき、いや、この部屋にもどったとき、運命は決していた。 蟻の大群が長男まりさを取り囲み始めた。 父親まりさのうんうん汚水の匂いにつられたのだ。 「ぐる”な”ぁ”あ”あ”あ”!!!ま”り”ざばだべも”の”じ”ゃ”な”い”い”ぃ”い”い”!!!!」 まりさの目に、一匹の蟻が噛み付く。 激痛に悶えるまりさ。 ゴマをまぶしたようなまんじゅうができあがるまで、数秒とはかからなかった。 「ま”り”ざは”ぜがい”ざい”っ”ぎょ”う”な”ん”だ”ぼぉおおお!!!!!!!!」 死のダンスをおどるまりさ。 その声は、にわかに台風の轟音にかきけされた。 翌朝、野原にはさわやかな風が吹いていた。 なぎたおされた草に、露がともる。 ところどころに浮いたおかざりも、朝日を浴びて美しく光っていた。 数年、あるいは十数年続いたのかもしれない群れは消えた。 ただひとつの叡智を輩出する以外には、なんの意味もなかったかのように。 終わり これまでに書いた作品 ダスキユのある風景(前編) ダスキユのある風景(中編) ダスキユのある風景(後編) 英雄の条件 ふわふわと壊れゆく家族 ♂れいむを探して 乞食れいむのおうた ある群れと、1匹のぱちゅりーの記録(前編) ある群れと、1匹のぱちゅりーの記録(中編)
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「ふたば系ゆっくりいじめ 67 それでもぱちゅりーは本を読む/コメントログ」 おもれー パチュリーざまあ -- 2010-12-06 08 33 45 おもしろいなと思う反面、せっかくあたまのいいぱちゅりーに育ったんだから勿体無いという気も -- 2011-05-23 15 40 00 イイハナシダッタノニナー まぁ面白いのですが -- 2011-09-22 03 08 04 ↓↓でも、所詮ゆっくりだから、しかたない。 -- 2011-12-22 17 19 08 まあタイトルは大体予想できたな。 -- 2012-12-02 22 04 18 まぁまぁ頭の言い良ぱちゅりーだったのに…俺ならもっと知識を増やさせるぞ 最後の本は森の賢者(笑)に読ませとけ -- 2013-06-19 10 35 25
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かきちゅばさんの頭のよさ(笑)を全世界に広めるページ!!! 応援よろ かきちゅばさんの頭のよさ(笑)を全世界に広めるページ!!!えったんひにん その他問題発言集 えったんひにん えたひにん ↓ えた ↓ えったん ↓ えったんひにん ↓ えったん避妊(しないよ) ↓ ひにん、ダメ絶対!!! [1 35 11] あまみや™の発言 これは流行る その他問題発言集 や~いお前の母ちゃん朝鮮人!!
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そうして三日目の朝。まだ夢の世界にいた俺は見知らぬ声に起こされた。 「むきゅー!おにーさん、あさよ。ゆっくりおきてほしいわ!」 ぱちゅりーだった。そうか、喋れるようになったのか。 「ああ、おはよう。ぱちゅりー。その様子じゃ口の方は治ったみたいだな」 「むきゅ。なおしてくれてかんしゃするわ。……でも……どうしてぱちぇを?」 もっともな疑問だ。ぱちゅりーは笑顔ではあるが、やはりどこか怯えているようだ。 野生で過ごしていたところを捕獲され、甘み増幅のための苦痛に曝された個体だ。 色々とトラウマを思い起こさせてしまうかもしれないが、それでいちいち中身を 吐き出すようならどの道長くはない。なるべくぱちゅりーを誘導するように話を進めて行こう。 「お前は他のと違って両目が無事だったからな。食わずに治療できないか試してみたんだ。 ぱちゅりーさえよければこのまま治療を続けたいと思う。今のままじゃうんうんもできないぞ?」 うんうんと聞いて気恥ずかしくなったのか、ぱちゅりーは頬を赤くして俯いてしまった。 ぱちゅりー種ゆえ頭の切り替えが早いのか、この様子だと精神面にとくに問題はなさそうだな。 「しゅ、しゅくじょのまえよ!もっとことばをえらんでほしいわ」 「おっと、こいつはすまないな。だがこれは本当の話だ。ぱちゅりーだってわかってるだろ? 死ぬことはないだろうが、ぱちゅりーの身体は酷いダメージを負ったままなんだ」 「む、むきゅ……」 ぱちゅりーは真顔で俺の話を聞いていた。自分の体のことだ。ぱちゅりーだって言われずとも分かっているに違いない。 「ぱちゅりー、そのあんよじゃそろーりそろーりできないだろ?」 「………………」 図星のようだ。むしろそれを認めたくないのだろう。 「だが俺ならぱちゅりーのあんよを治してやれるぞ。俺はゆっくり医学を学んでるからな。まぁまだ卵なんだが」 「……ゆっくりいがく?」 「ぱちゅりーたちゆっくりの怪我や病気を治す為の学問だ。つまり俺はお医者さんなんだよ」 一通りぱちゅりーに説明してやる。もっとも、ゆっくり医学の本分はゆっくりの有効活用にある。 治療行為はその一環に過ぎないのだが……。それはさておき、ぱちゅりーの顔は目に見えて明るくなった。 「むきゅー!おにーさんはおいしゃさんなのね!?ぱちぇのからだを……なおしてくれるのね?」 「ああ、ぱちゅりーさえその気なら俺はぱちゅりーを治してやるさ。 それで相談なんだがぱちゅりー?もし良かったら俺の飼いゆっくりにならないか?」 「むきゅ?かいゆっくり……」 「ああ、正式に俺のゆっくりにならないかってことだ」 飼いゆっくり……その言葉を知る大抵の野良や野生にとって、それは最高の待遇を約束された身分と映る筈だ。 もちろん人間からすれば用途多々のゆっくり……つまり時には虐待用にもなりえるゆっくりのことなのだが……。 自分に都合の良いことしか考えない志向のゆっくりたちは実体験で酷い目にでも逢わない限り、 そういうネガティブな発想には至らないだろう。だがこのぱちゅりーは加工されていたわけで…… 「む、む、むきゅーーー!ぱちぇは、ぱちぇはおにーさんのかいゆっくりになるわ!」 ……あれ、即答か。断られるかもと考えていたので拍子抜けだ。 野良と比べると野性のゆっくりは飼いゆっくりについて知らないことが多いらしい。 野生のゆっくりの多くは人間と生息域が被らないのだから当然といえば当然なのだが……。 いずれにしても、このぱちゅりーの様子を見る限りむしろ積極的に人間に飼われたいみたいだな。 一体どこでそういう知識を覚えてきたのやら。まぁ俺としては都合が良いので構わないのだが……。 「そうか。それじゃこれからよろしくな、ぱちゅりー」 「むきゅー!よろしくなのだわ!ぱちぇはきっとおにーさんをゆっくりさせてあげられるわ」 嬉しいことを言ってくれるじゃないか。さて、それじゃ懸案事項は早めに解決しておこう。 「そうか。よし、そうと決まればさっきの話の続きだが、あんよの治療は早めにやっときたいんだ」 「……やっぱり……いたいのかしら?」 やはりそこは迷うか。なまじ口元やしーしーの穴を削ったりしてるからなぁ。 それにあんよの治療はもっと大掛かりになる。普通にやれば苦痛も比じゃないだろう。 「まぁ治療はえてしてそういうもんだ。もちろん対策は考えてるけどな」 「むきゅー……ごめんなさい、ゆっくりかんがえさせてほしいのだわ」 「どっちにしろ治療には準備が必要だからな。早めにとはいっても最低数日は掛かると思う。 その間に決心を固めてくれればそれでいいさ」 そう、どういう手段を取るにせよ準備にはかなり手間取る筈だ。 最終的にぱちゅりーが治療を受けてくれさえすればそれで良いのだし、 俺の飼いゆっくりになると決めてくれた以上、今はとりあえずゆっくりリラックスして 新しい環境に慣れて貰うのが先決かもしれない。 その日の午後、ぱちゅりーにはお手製の“本”を与えることにした。 新聞の折込チラシを適当な大きさに切り抜いてホッチキスで留めただけの簡素なものだ。 果物の写真や大きくカラーで書かれた平仮名の売り文句の箇所を中心に作ったので、 ぱちゅりーにも実際に“読書”として楽しんで貰えることだろう。 そのボリュームの割には非力なぱちゅりー種の髪でも読みやすいようちゃんと折り目も付けてある。 「しかし……ぱちゅりーは本当に勉強家だな。そんなに本ばかり読んで何か目的でもあるのか?」 「むきゅっ!ぱちぇはぎんばっじさんがほしいのよ!」 適当に話題を振ってみただけなのだが、思いがけず明瞭な答えが返ってきた。 ぎんばっじ……やっぱりあの飼いゆっくりの等級を示す銀バッジのことを言っているのだろうか? 野良ならともかく、野生のゆっくりは飼いゆっくりのことを知っていることはあっても、 バッジのことまでは普通知らないものだ。 「ぱちゅりーは野生のゆっくりなんだろ?銀バッジのことを知ってるのか?」 「むきゅっ!ぱちぇのままがおしえてくれたわ。ぎんばっじさんはとってもゆっくりできるって!」 銀バッジをゆっくりできるモノと認識した野生のゆっくり? 「ぱちゅりーのママは飼いゆっくりか何かだったのか?」 「むきゅー。ままもぱぱも、むかしにんげんさんにかわれてたことがあるといってたわ」 「ええっと……ぱちゅりーも人間の家で飼われてたのか?」 「むきゅう。ぱちぇはもりでそだったわ。にんげんさんにかわれてたのは、ままとぱぱだけ」 ぱちゅりーの話から察するに、飼い主が飼っていた番のゆっくりを ぱちゅりー牧場の敷地の森に捨てて、その後このぱちゅりーが産まれたのだろう。 森へのゆっくりの不法投棄は生態系へ及ぼす悪影響が懸念されており今では条例で禁止されている。 でも、やっぱりいるんだろうな、そういう飼い主。 ぱちゅりーの来歴を知りたかったので他にも色々質問してみたのだが、 まだ子ゆっくりの範疇だろうになかなか波乱に満ちたゆん生を歩んできたようだ。 まぁ都市部の野良ゆっくり達はさらにスリリングな環境でもタフに生きてるのだが……。 この会話は俺にとってもぱちゅりーにとっても有意義なものとなった。 俺としては自分の飼いゆっくりはそれなりのバッジを取得していて欲しい。 ぱちゅりーは銀バッジ取得試験に合格したい。お互い利害は一致しているというわけだ。 だが、いずれにしても避けては通れない障害が一つ残っている。そう、あんよの治療だ。 俺があんよの治療にこだわる理由、それはぱちゅりーの身体機能の改善もさることながら、 それ以上に周囲から奇異の目で見られたくないからだった。 俺は別に自分が虐待家だとは思っていないが近所や公園、試験会場には愛護派の飼い主もいることだろう。 あんよの焦げたゆっくりを持ち込んでトラブルの元になるのはご免だった。 だが正直に話したら話したで、食用ゆっくりをペットに転用しようとしていると思われるのも 貧乏根性を嘲笑われているようで抵抗がある。そう考えると、あんよの治療は銀バッジ取得試験のみならず、 散歩など、ぱちゅりーを人前に出す全ての行為において必須であった。 それに、身体機能にしても、ぱちゅりーには排泄の問題も残っている。 水分はしーしーとして排出してくれるだろうが、固形物の場合は将来的に致命的な問題になるだろう。 オレンジジュースだけでも生かしておくことは可能だが、やはり生物を飼う以上それは味気ない気がする。 ちなみに、ゆっくりのあにゃるの位置は同じ種族でも個体によって異なることが多い。 先祖が暮らしていた地域のゆっくりの特性が遺伝しているのだろうか。 中でも代表的になのは、あんよと後頭部(?)との境界にあにゃるを持つタイプと あんよの中央付近にあにゃるを持つタイプだ。多くのゆっくりはこれらに該当する。 このぱちゅりーは後者の特徴に近かった。あんよの中央よりやや後方に少し落ち窪んだ箇所があり、 その奥にあにゃるがあるのだ。つまり、部位的にぱちゅりーのあんよとあにゃるは一体なのである。 先日の治療であにゃるの治療にまで踏み込まなかったのはこの為だ。 ゆえに、あんよとあにゃるは一緒に治療していくことにする。だが、ここで大きな問題が立ちはだかった。 黒焦げでないとはいえあんよの損傷が激しい。あんよはゆっくりの体の中でも特別な部位だ。 その皮は他の部位に比べると格段に厚くて丈夫だが、それでいて柔軟性も極めて高い。 詳しいメカニズムは解明されていないが、ゆっくりは流動化させた体内の内容物の動きを 内側から皮に伝達することで様々な挙動を可能としている。 とくに移動の際は、あんよの内側には大量の内容物が、時に激しく、時に繊細に流れ込む。 その負荷に耐え、内容物から伝達された微細な動きをも正確に外側に反映する機能があんよには求められるのだ。 ちょっと破れた程度の補修ならともかく、あんよ全体の治療となれば、さっきまでのような付け焼刃は通用しないだろう。 熟練の医者や虐待師の中には、例え黒焦げ状態からでも小麦粉だけで見事に完治させられる人達がいるそうだが、 あいにくと俺にはそこまでの技術はなく、大掛かりな復元手術に出せる金もない。 ……となれば、別のゆっくりに健常なあんよを提供してもらうのが近道だ。 加工所の発売する移植パーツを買って来る手もあるが、手術に比べれば幾分マシとはいえ出費が痛い。 やはりここは移植用のドナーとして野良をお招きするのが妥当な選択肢だろう。 そうと決まれば善は急げだ。俺は野良ゆっくりを探しに出掛けた。 幸いこの辺りには、飼いゆっくりのゲス化や家庭事情などから飼い主がよくゆっくりを捨てに来る“穴場”があるのだ。 捨てられた元飼いゆっくりたちは保健所で義務付けられた予防接種を高確率で受けている筈だ。 こうした個体を狙えば、あんよ移植に伴う伝染病の感染リスクを抑えることができるだろう。 ちなみに俺はその“穴場”で元飼いゆっくりの野良ぱちゅりーを探したこともあったのだが、 そこは生存競争が激しく脆弱なぱちゅりー種が生きていくのは難しいのか一度も見掛けた試しはなかった。 一度たまたま出くわしたゆっくりに、ぱちゅりー種がいないか聞いてみたこともあったが知らない様子だった。 そうして俺は自転車で家から二十分程の距離にある空き地に辿り着いた。 空き地の片隅には土管がピラミッド状に堆く積まれているが、その他に目ぼしい物は何もない。 ただ、誰も手入れをしておらず辺り一面に背の高い雑草が覆い茂っていた。 野良ゆっくりが隠れるには最適な場所だ。あの土管の山もきっとゆっくりたちの巣になっているに違いない。 それでいて道路に直接面しているものだから飼い主は捨てゆっくりを投棄しやすく、 そこに住むゆっくりたちもまた物請いなどを行いやすい環境なので、ゆっくりの数は溢れ出さんばかりの筈だ。 そうならないのは自治会の定期的な駆除活動あってこそなのだが、 最近では費用面の問題やゆっくりんピースからの抗議で継続が危ぶまれているらしい。 だが今回はそれが幸いした。俺が空き地に入ってすぐ、近くからゆっくりと思しき声が聞こえてきたのだ。 「ゆんやぁぁぁぁ!!まりしゃはすっきりしたくないーーー!!」 「んほぉぉぉー!とかいはなありすとすっきりしましょーーー!!」 藪を掻き分けて見ると、そこにはまりさがレイパー化の顕著なありすに今まさに襲われんとする最中だった。 サイズからしてどちらもまだ子ゆっくりのようで、ちょうどぱちゅりーと同じくらいの大きさだ。 幸先が良い。だがサイズの問題をクリアしても他に必要な条件はまだ二つ残っている。それを確認しなくては。 「ゆ、ゆ、ゆ!ぞ、ぞごのおにーしゃんっ!だずげでぇぇぇ!!」 「まりさ、まりさ、まりすわぁぁぁ!んっんっんっ、んっほぉーーーーー!!」 子まりさを追う子ありすの姿は不気味極まりなかった。全身をベタベタの粘液でぬめらせて、まるでナメクジのようだ。 だがその速度はナメクジなどではない、狩猟者のそれだ。実際レイパー化したありす種の身体能力は時に捕食種をも上回る。 子ゆっくりといえど既にすっきりしても平気な強靭な体力を持ち合わせているのだろう。 だが子まりさの方はそうもいくまい。このままにするとドナー候補の一匹をみすみす死なせてしまいかねない。 子まりさは既に体力の限界のようだった。その速度は目に見えて急激に落ちていく。 そして、ついに逃走劇の幕が閉じ、喜色満面の子ありすが子まりさに圧し掛かった…… 「んほおーーー!すっきりさせてあげるわよ、まりさーーーーーー!!」 「ゆああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」 ガシィ! ……その瞬間、俺は子ありすの体を強引に掴んで引き離していた。 「ゆぅ!?な、なんなのっ、このじじぃっ!ありすにはまりさにとかいはなあいをあたえるぎむがあるのよ!じゃましないで!」 「うぁ……」 ズルリ この子ありす、見た目通りぬるぬるだ。一度は掴んだものの取り落としてしまった。 その瞬間再び、子ありすは子まりさに飛び掛る。俺は子まりさを軽く蹴り転がすと再び子ありすに手を伸ばした。 だが何度やっても滑って上手く掴めない。仕方ないので頭髪を掴んで子まりさから引き離うことにする。 「んほ、んほぉぉぉー!!ありすのとかいはな、ゆぎゃ!!どこつかんでるの!?」 この子ありす、少し痛めつけた方が良さそうだ。 「き、きたいないてで、ありすにさわるんじゃないわよ!このいなか-----ゆべしっ!」 俺はそのまま子ありすを振りかぶり、顔面から地面に叩き付けた。 これで少しは大人しくなるだろう。 「……ゆ……ゆぎゃああああああああああああ!!!!!!」 子ありすが金切り声で苦痛の叫びを上げる。前言撤回、余計に喧しくなった。 一方、子まりさは体力を使い果たしたのか動けないでいるようだ。 「ゆ、ゆ、ゆ……」 だが命に別状はないようだ……危機一髪といったところか。 「まりさ。大丈夫か?立てるか?」 「ゆ~。なんとかたてるよ。おにーしゃん、たすかったよ」 子まりさは無事なようだ。早速質問してみることにした。 「ところでまりさ。唐突だけどまりさはどこで生まれたんだ?」 「ゆっ?まりしゃはここで生まれたよ」 「人間のお家で暮らしたことはあるか?」 「ゆゆっ?にんげんしゃん?まりしゃはずっとここにすんでるよ」 どうやら生粋の野良のようだ。うーむ、では子ありすはどうだろう? 「なぁ、ありす。……ありす?聞いてるか?」 「……べに゛べに゛が!!ありずのどがいはなべに゛べに゛があぁぁぁぁ!!!」 どうやら、さっきの一撃で隆起したぺにぺにが折れてしまったらしい。さっきの叫びはそういうことか。 「……ぺにぺにの一本くらいどうだっていいだろ?それより俺の質問に答えてくれ」 「ゆぎいいぃぃ!!ありすののどかいはなぺにぺにはどうでもよくないぃ!!ぺにぺにっ!べにべにぃぃ!! おに゛いさんもほめでくれたありすのべにべにぃ!いなかもののくそじじぃはゆっくりしないでじねー!!」 「お兄さん?……お前は人間に変われてたのか?」 「そうよ!いなかものにはわからないでしょうけどね!そんなことより、ありすのべにべにがえぜぇぇ……」 ……ゆっくりは見た目によらないものだな。こんなのでも飼いゆっくりだったとは……。 いや、こうなったから捨てられたのか。テレビのドキュメントでもやっていたがありす種にはよくあることらしい。 多かれ少なかれ全てのありす種はレイパーの因子をカスタードに刻まれており、 例え何代もレイパーを出していない血統の優良個体であっても、何らかの拍子にそれが発露してしまうことがあるのだそうな。 「で、ありすは注射をうたれたことはあるか?」 「ちゅうしゃ?ああ、あのゆっくりできないきぐね。ありすはとかいはだからなかなかったわよ。ゆうぅ、ぺにぺにぃ……」 ふむふむ、これは本当に飼いゆっくりだったようだな。となると残る条件はあと一つ。 俺はありすを掴んで逆さにすると、あんよを覗き込んだ。その中央より後方にキュッと萎んだあにゃるが鎮座している。 「ゆがぁぁ!!このへんたいっ!!どこみてるの!?」 よし、ドナーはこの子ありすに決定だ。いやはや、こんなに早く見つかるとは思わなかった。 俺はポケットからクシャクシャのコンビニ袋を取り出すと、有無を言わさず子ありすをその中に放り込んだ。 「ゆわぁぁ!?こんどはなんなの!?とかいはなありすをこんな、ぶぎゅっ!!」 ギュウゥゥゥゥ…… 子ありすを入れた袋を圧搾して余分な空気を出してやった。さっきからいちいち煩い。 これで子ありすは顔面をビニールで押さえ付けられ喋ることができない。 それにしても外側からみると薄いビニールに歪んだ顔が浮かんでストッキング被った強盗みたいだ。 「まりさ、邪魔したな。このありすは貰っていくぞ」 「ゆっ!ゆっくりできないありしゅはゆっくりしないでつれてってね」 空き地を去る際、子ありすは袋を揺らして激しく抵抗したが暴れる度にデコピンを繰り出すと次第に大人しくなった。 なかなかイキの良い個体だ。レイパー化しているのが玉に瑕だがドナーとしては申し分ない。 不意にぱちゅりーの笑顔が脳裏に浮かんだ。それにしてもこんなに手間暇かけて食用に加工されたゆっくりを治療するだなんて、 これはゆっくりんピースから表彰されてしまうかもしれないな。 ……そう自分の行いを皮肉りながら家路を急いでいると、すぐ傍を真っ白な選挙カーが走り抜けていった。 危ないな……もう少しで接触するところだった。ちゃんと前を見て走っているんだろうか? 車上のスピーカーからは大音量のスピーチが流れている。 「あまあま党の由久利愛出子、由久利愛出子をよろしくお願いします!!」 あまあま党……“全てのゆっくりたちに人権を!”がキャッチフレーズな新進気鋭の政党だ。 ゆっくりんピースの支援を受けており、都市部の愛護派を中心に熱烈に支持を集めているのだとか……。 ふと、選挙カーの窓から何か巨大な物体がニュ~と突き出てきた。あれは……ドスまりさ? 「ゆゆ~ん♪みなさん、ゆっくりおうえんしてね~♪」 ……例え皮肉でもゆっくりんピースの表彰なんて糞喰らえだ。 (後編へ)?
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「ふたば系ゆっくりいじめ 956 ぱちゅりんピック/コメントログ」 ゆんやー! -- 2014-06-13 12 31 40 流石に教育委員会や愛で派も見るオリンピックでゆ虐はちょっと… -- 2023-04-22 10 26 19
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ぱちゅりーの奇妙な影響 3KB ギャグ パロディ 小ネタ 飼いゆ 現代 短い 虐待無し ジョジョパロ多数 短いです、虐待無し、ジョジョネタ多数、ジョジョ知らないとさっぱり分かんないでしょう 本とか映画とかに影響されやすいヤツっていますよね。 感受性豊かって言えば聞こえはいいんですが… で、まあうちのぱちゅりーがそんな感じなんですね。 どんなもんかって言うとこんなもんなんです、はい。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ちょっとちょっとぱちぇさん、本棚が大分荒れてるんだが?」 「むきゅ!?それはおかしいわ!まんがさんしかないんだからほんだなじゃなくてまんがだなというべきよ!」 すいませんねぇ、ちゃんとした小説は中学時代に熱中した三国志しかないんですわ。 いや今はそんなこたぁどうだっていいんだ… 問題なのはッ!どうして本棚が荒れてるかって言うことだぜッ! 「むきゅ~…ぱちぇがまんがさんをよもうとしたらこんなになっちゃったのよ…」 そう言ったぱちゅりーの手(髪)にはスティール・ボール・ラン最新刊が握られていましたとさ。 「ああ、お前まだ読んでなかったな、しかし今日はもう遅い、読むのは明日にして大人しく寝るのだ」 「で、でももうちょっとで読み終わるのに…」 「おっとタンスの裏に矢が落ちてしまったな…拾わなければ…」 「むきゅ~…zzz」 はい、チャリオッツ・レクイエムです。 こいつの影響されやすい性格はこんな風に利用できるんですね。 流石に肉体の限界を超えた変化は見られませんが・・・ ちなみに三部を読んだ後はしばらく「おにいさん!ねちゃだめよ!しにがみのすたんどさんにおそわれるわ!」 といって中々寝付いてくれませんでした。 仕方が無いので離乳食にかりんとうを入れて食べさせたらそのクセもなおりましたが。 それはさておき、ぱちぇが寝たから俺も寝るとするぜ! そして翌朝… 「おはよう清清しい朝だな」 「おはようおにいさん!むっきゅ~♪じつに!すがすがしい朝ね!うたでもひとつうたいたいようないいきぶんだわ!」 「ヒトカラにでも行ってきてね!ところでぱちぇさん、何ゆえドアに挟まってるの」 そう、今起きたらなんとぱちぇがドアに挟まっていたのだ! といっても怪我をするほど強く挟まっているわけではない。 挟まれているというより、ドアと壁の間に立っていると言ったところか。 「一体何がしたいって言うんですかぱちぇさん」 まあ大体予想付くけどな! 「むきゅ!せつめいするわ!こうしてものともののあいだにはさまるととなりのせかいにいけるのよ!」 はいはいいともたやすく行われるえげつない行為いともたやすく行われるえげつない行為。 「…ドジャアア~~~ン」 そう言いながら俺はドアを前に押した。 「むぎゅぎゅ!やべでおにいさんつぶれちゃうわ!つぶれるときはろーどろーらーさんでつぶれたいわ!」 「…WRYYYYYYYYYY」 「むぎゅぎゅぎゅ!そういえばでぃーふぉーしーさんののうりょくならろーどろーらーさんからもにげれるわ!」 「おお、そういえばそうだな」 俺はパッとドアから手を離し、ぱちぇを解放してやった。 「むっきゅん!おにいさんはぱちぇをおこらせたわ!おわびにあまあまをちょうだい!ばくしーし!ばくしーし!」 「はいはい今朝食を作りますよ、ああエジプトじゃなくてイタリア行きたい」 とこのようにたまに鬱陶しいときもありますが、俺はぱちぇをとても大事に思っています、それは何故かって? …友達がまともにいない俺が、唯一漫画について語り合える相手だからです…orz いい話だか悪い話だかわかんないEND!!!! すいませんこんなもの書いてしまって… ゆっくりとジョジョが好き過ぎるあまり書いてしまいました ホントすいません ちなみに過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 160 寄生生物とゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 362 ゆっくりおうえんしていってね!!! ふたば系ゆっくりいじめ 366 ゆっくりあじわっていってね!!! トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る DIO「ロードローラーだ!!まあ、潰さないがな」 パチュリー「むきゅ!!何でロードローラーさんとDIOさんが、居るの!?」 ブロリー「ハハハハハハハハ俺も居るがな」 パチュリー「むきゅ!!ドラゴンボールさんは興味ないけどブロリーさんも、居るわ!?何で!?」 DIO&ブロリー「大統領に、頼んでここに来た」 パチュリー「二人共サインください」 DIO「サインなんて、一度も書いたことねえよ。普通に、書いちゃえ」 ブロリー「俺もだ!!」 φ(..)φ(..)かきかきかき パチュリー「ありがとうございました。でわさようなら」 -- 2014-12-04 20 43 35 痛い(KONAMI) -- 2013-07-09 20 07 54 ろーどろーらーさんよっ! -- 2013-06-04 19 14 48 ろーどろーらーで潰れたいとは なかなかいい趣味してんじゃぁないかぁ -- 2013-03-30 00 29 18 なんかつまらん けどおもろい うりぃーー -- 2011-12-01 04 43 50 ネタの一部わかんねえ~ ジョジョはストーンオーシャンまで読んだんだけどな~ -- 2010-08-12 04 19 44 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…… -- 2010-07-16 22 37 09 かりんとうw -- 2010-06-29 18 04 45
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登場人物 私 動物が好きな主人公。たまに勘違いで変な行動することがあるかも・・・・ ゆっくりちぇん 犬小屋で寝ていたときに拾われたゆっくり。性格は天然系でいつも寝てばかりのオネムさん語尾が「にゃ・にゅ・にょ」 ゆっくりらん(体付き) 主人公がちぇんを拾った日についてきたゆっくり。性格はまじめでやさしいがちぇんのことでは性格が豹変する。 老犬 『あっしについては語るこたあ何もありゃしません』といっている気がする。『』は犬の気持ち? 一応、続き物ですが前作を読んでなくても問題はないと思います。 最初のSSに書き忘れましたが、この作品ではゆっくりが登場したばかりで詳しくはわかっていない設定です。 そのためにゆっくりの生態や習性についてはわかっていない時代という設定です。あと、俺設定もありです それでもよければよんでくださるとありがたいです では、駄文を開始します。 ある冬の日、コタツにはっている人間とその人間のあぐらの上に座ったゆっくりちぇんが楽しそうに歌を歌っていた。 「なかまのかずは そりゃやっぱり ぜったい がっちり おおいほうがいい・・・・108」 「にゃきゃみゃにょきゃずひゃ そにゃしゅっきり じぇったい がっちゅり おおいひょうぎゃいい・・・・108」 ジャスさんの許可を取っているのか?とツッコミをいれられそうな事をしている1人と1匹だった。 部屋のホコリを庭にはいていたらんはその様子をみてためいきをついた 「ごしゅじんにちぇんもやすみのときぐらいはいえのてつだいをするてんこ!!」 それに対して人間はえへんと威張るような感じで答えた。 「私はちぇんの遊びを手伝っている。これは立派な家の手伝いだ」 それをきいたゆっくりちぇんもえへんと威張るような感じで答えた。 「にゅんにゅん わきゃるにょー!! ちぇんはおにいさんのてつだいをしているんだよーー!! りゃんんしゃま!!」 「そうだよちぇん。君は私の疲れを癒してくれるから立派な手伝いをしてるんだよ」 その話を聞いて駄目だこいつらとらんは大きな溜め息をついた。 「とりあえずいぬさんのさんぽにさむくなるまえにくてんこ!!」 「平日と同じようにらんが散歩に行ってくれないかい?」 どこまでグータラなんだこのご主人は?らんはこうなればと作戦を変更することにした。 「てんこーー!!かわいそうないぬさんはらんたちをのせてあるくだけてんこ!!」 なんか話の内容が変わっている気が・・・・というからんがいってくれる散歩ってそんな内容だったのか。 「かわいそうに・・・いぬさんだいすきなごしゅじんとのさんぽができないてんこ・・・」 「にゅうー!! わきゃらにゃいにょーー!? いぬしゃんはおにさんとさんぽいくのちゃのしみにしてるんだにょーー!?」 現在、2対1で私は自分の旗色が悪くなっていることを感じてきた。 それに休みぐらい犬と遊ぶというらんの意見は正しい …それに買い物にも行かなければ行けないし…よしきめた 「わかったよ。私は今から犬の散歩に行くけど・・・・ついでに何か買ってくる物とかはあるかい?」 「てんこーー!! あまくあじつけをしたあぶらあげをたべたいてんこ!!」 「にゅんにゅん わきゃるにょー!! ちぇんはおかかとしらすがたべたいんだにょ!!」 私は2匹の言葉に苦笑をしながら勘違いを指摘してあげることにした 「私がいっているのは、ちぇんとらんが箒や雑巾とか普段使う物で足りないものが無いかを聞いているんだよ」 「りかいしたてんこーー!! いぬさんのおやつがたりなくなってきています」 ああ、そういえば少し前に犬が逃げて時に犬のおやつ無駄遣いしてしまったことがあったことを思い出した。 「わきゃるにょー!! ちぇんはおもちゃがほしいんだにょーー!!」 自分の欲しいものではなく家に必要なものを聞いたといったはずなのだが・・・・ 猫はねずみのおもちゃやボールで遊んでいることがある。 なので、ちぇんの遊び道具=家に必要なものだと思いかってきてあげることにした。 『ひさびさに一緒に散歩できてうれしいですぜ。ご主人』 というように盛大に尻尾を振ってる老犬の頭を撫でると紐をつけて散歩兼買い物に出かけた そして、犬の散歩をしながら買い物していると変わった店ができていることに気付いた。 名前は『ゆっくり屋』と書かれている店である・・・・ゆっくりというのは、やはりちぇんやらんのようなゆっくりのことだろうか・・・・ よし、買い物も終わって暇なので少し見ていくことにした。 「「「「「ゆっくりしていってねーー!!!」」」」」 というゆっくりの挨拶が耳に響いてきた。 店の中には、中央に仕切りをつけた場所の中に頭に茎を生やした赤いリボンのゆっくりが1匹とゆっくりまりさのスペース ピンポン玉ぐらいの小さなゆっくりが何匹かはいった水槽が4個ある。 それぞれに、ゆっくりれいむ・まりさ・ありす・ぱちゅりーと書かれている。 それとうちのちぇんと同じぐらいの肉まん程度の大きさの子ゆっくり4種類がショウケースのようなもので展示されていた。 その中で紫の髪にピンクのナイトキャップに月の飾りをつけたぱちゅりーという種が一番気になった。 理由は、その見かけもさることながら「むきゅー」といいながら近くの店のチラシを懸命に見ているからである。 なんかこの子が欲しいけどどうするかなとか考えていた。値段は少し高めだが買える範囲だ。 よし、決めた家に帰ってから2匹に相談して決めてみよう エサ代は、ほとんどかからないし2匹と一緒に家に放し飼いにすればいいだろう。 補足すると少し前に遊びに来た母親に幼児を犬用のゲージに閉じ込めてると勘違いされ一悶着おきてしまった。 それ以降は、他人に誤解されないようにゆっくり2匹を家の中で放し飼いにしている。 らんは、かなり頭がよかったので躾けは全く問題がなかった。 ついでにちぇんの躾けや掃除もしてくれるので助かっている。 このマヨイガハウスというゆっくり用の家がなんか面白いなと入り口のチャックを開けると目だらけの寝床になっていた… このきもち悪いのに何の意味があるのだろうか… 他には、ゆっくり用のゲージやおもちゃだろうかグッズのようなものやバッジやアクセサリが置いてある。 私が店の中を見回しているとゆっくりの挨拶が聞こえてきたのだろう店の奥から店員が出てきた。 「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」 「最近、ゆっくりを飼い始めたので必要なものを買い揃えようかと思いまして・・・・何が必要ですか?」 「種類は何でしょうか?」 「ゆっくりちぇんと体付きのらんです」 「体付きですってーーーー!!?それもゆっくりらんの!!?」 店員が大声を上げたので驚いてしまった。何をそんなに驚いているのだろうか 「ええー、ひょんなことから2匹を飼う事になったのですがそんな驚くことなのですか?」 「らんは、希少種としてあまりみつかっていないのです。体付きにいたっては、現在までに数例の発見例しかありません」 そんな珍しいゆっくりだったのか。なるほど驚いている理由を理解した。 ついでなのでゆっくりのことについて詳しく聞いてみようと思った。 「ゆっくりについて詳しく教えていただけないでしょうか?」 「ええ、あなた以外客もいないのでかまいませんよ」 ・・・・愛wikiのゆっくり設定集と個別の性格や特徴の設定の内容を説明中・・・・ 一通りゆっくりの話をした後に次に本題ですというとまた説明し始めた 「体付きについては、どのように変化するのか詳しい事はわかっていません。らん種の体付きに関しては私も全く知りません」 私自身は、最初から体がある個体がついてる種類がいるものだと思っていたと質問をした。 「いいえ、捕食種のれみりゃとふらんの子供は体なしの普通のゆっくりであることが確認されています」 胴体に関しての自分の推測は間違えていたかほかの推測は当たっているのか楽しみだと思った 「付け加えると紅魔館付近ではかなりの数が確認されていますが、私には怖くていけませんがね」 希少種だが紅魔館付近に多く生息していると聞いた時に閃いた。 もとになった吸血鬼のように満月の影響はあるではと聞いてみた。 「ええ、満月の夜にれみりゃが進化していたこともあったらしいですが、現場を見たものがいないので詳しくわかっていません」 この答えは、○と×の間のさんかくという感じかな・・・ 「ただ、れみりゃ種はわがままになって運動能力が落ちるらしいです。逆にふらん種はあがるらしいのです。」 れみりゃ種は駄目だろそれじゃ進化の意味が無いじゃないかと思った。 「ただ共通点として両手を使えることによってエサをとりやすいことではないかと私は考えています」 他のゆっくりを食べる捕食種か・・・・他の動物を食べるのに役立つから納得がいくなと思った。 他にもいろいろとためになる話しや面白い話が聞けたので満足できた。 犬も待ってるし礼を言ってそろそろ行くかなと思い挨拶をした。 「いいえ構いませんよ。ただ、頼みたいことがあるのですがゆっくりらんとちぇんを譲っていただけないでしょうか?」 あの2匹を譲る気は全くないが理由だけは聞いてみることにした。 「理由を教えていただきたいのですが、なんのためでしょうか?」 「私は、ゆっくりを犬や猫のようなメジャーなペットのようにしたいと思っているのです」 熱い口調で彼は自分の思いを話し始めた。だが俺の方は心がさめてく気がした。 「そのために希少種のらん種とちぇん種の子供を増やせればと考えまして・・・・もちろんお金はお払いします。」 ・・・・一週間しか経っていないが、あの2匹は俺にとっての家族だ。 ゆっくり種全体のためとかの理由で子孫を増やすための道具にする気は全く無い。 さっきのゆっくりの説明を聞いた俺は、あの2匹が自分たちの選んだ相手と幸せになってくれればいいと思っているので答えは決まっていた。 「申し訳ないがお断りします。2匹は自分の家族のようなもです。自分の決めた相手とゆん生を楽しんで欲しいのです」 「そうですが仕方ないですね。もしも2匹に子供が生まれた時には連絡ください」 「ええ、それでは私はこれで失礼します。また来る時があるのでそのときはよろしくお願いします」 忘れていたが仕事の邪魔をしてしまったのだからせめてものお礼に何かを買おうと思った。 「ええと、そこにあるゆっくり用のエサとおもちゃと飼い主がわかる迷子用のバッジsoreをください」 「はい、わかりました・・円になります」 という感じで情報代がわりの買い物をして家に帰ることにした。 『待ってましたぜご主人。あの2匹のところに帰りましょうや』 という感じで犬が私に向けて尻尾を振って待っていた。 「ああ帰ろうか・・・・家族の待っている家に」 『そう思ってくれるのはありがたいが……最後がつらくなりますぜ。ご主人』 「まあー、性分だから仕方ないさ」 と犬としゃべりながら歩いていた。他人から見たら単なる変人かもしれないと思った… そうだ鰹節としらすと油揚げも買っていってやるかなあの2匹に・・・・ そう思いながら私は犬の散歩と買い物を終わらせて家に向かった。 家についたので2匹に挨拶することにした 「今帰ってきたよ。ただいま ゆっくりしていってねーー」 「・・・・にゃあ、わきゃるにょー!! ゆっきゅりしていっちぇねぇ!!」 「・・・・てんこ ゆっくりしていってねーー!!」 何故か普段より元気のない声で挨拶をする2匹がいた。気のせいかいつもよりも迎えに来るのが遅かった気もする。 「2匹とも元気が無いけど何かあっったのかい?……そうだお土産のおかかと油揚げがあるよ」 「・・・・にゅんにゅん、わきゃるにょー!! ありがとうおにーしゃん!! おかかいらないからおねがいがあるんだにょ・・・・」 「・・・・てんこ!! てんこからもおねがいがあるてんこ・・・・」 なんだかわからないが2匹の様子がおかしい。それにらんから頼みごとがあるなんて初めてのことだ・・・・ 「とりあえず、お願い事を言ってみなさい。それを聞いてから決めるから…」 「にゅんにゅん、わきゃるにょー!! おにしゃんこっちにきてほしいにょ!!」 「てんこ、コタツのへやでせつめいします」 私は犬の両足を拭くと家の中にあるゲーの中に入れたがドアは開けっ放しにしてコタツ部屋に移動した。 『あっしはこの場所から出ないから心配しないでください。ご主人』 この老犬は、ゲージの毛布の上から動く事はないのにドアを空けるのにはわけがある。 ゆっくりが犬と寝ることがあるからだ。昼間の間は寒さをしのぐために毛布に2匹で丸まっていることもあるらしい。 とりあえずコタツ部屋に行くとコタツの上に座っている紫の髪でピンクのお帽子に月の飾りをつけたゆっくり…ぱちゅりー と赤いロングヘアーに黒い小さな悪魔の羽が生えたゆっくり それとぱちゅりー種の子ゆっくりが2匹がコタツののテーブルの上に座っていた ぱちゅり-が苦しそうにこちらを見ながら話しかけてきた 「むきゅー、ゲッホゲッホ、ゆっくりしっていってね!! ぱちぇのゆっくりぷれいすでゆっくりしていってねおにいさん!!ゲッホ、ゲッホ・・・」 むせながら目をまわしているけど大丈夫なのか?あのゆっくりぱちゅりーは…? 言った内容よりもぱちゅりーのほうを心配してしまった…うん、ぱちぇのゆっくりぷれいすだ!? 「ぱちゅりーさまだいじょうぶですか!? ゆっくりしていってください!!!」 「「ぱちぇのゆっくりぷれいすでゆっきゅりしっていっちぇねーー!!」」 小さなぱちゅりーと赤い髪のゆっくりの挨拶をしてきた。 …いや、ここは私の家なのだがどう言うことなのだろうか。 ああそういえばさっきのゆっくり屋で家に勝手に入ったゆっくりが自分の家だと主張する 「ゆっくりプレイス宣言」だか「お家宣言」が問題になってるとかいっていたけどこれのことかと思った。 はあー、とりあえず家から追い出すかな 適当な木の箱に4匹を入れようとしたところぱちゅりーの体からクリームが漏れていることに気付いた。 よくみればコタツの上の他のゆっくり達も傷まみれになってることに気付いた。 どういうことかとらんとちぇんをみると2匹が困った顔でこちらをみている 「おにいしゃん!! おねがいでしゅきゃらぱちぇたちをちゃしゅけてあげてにゃーー!!」 状況がわからんからどうしようもないので親ぱちゅりーに話しかけようとしたのだが… 「むきゅ、ぱちぇはだいこくばしらだからみんなをまもるわ」 「ぱちゅりーさまだいじょうぶですか!? ゆっくりしていってください!!!」 「うえーん、おきゃしゃんだいじょうびゅ!?」 「ゲッホ、ゲッホ…むきゅ!!」 ちいさなぱちゅりーの一匹がクリームをはいて気絶した 「…悪いけど私がいない間に何が起きたかを説明してくれないかな…らん?」 「…わかりました。てんこ」 そして、らんが私が出かけた後に家でおきたことを話し始めた かわいいゆっくりゲットだぜ!!2-後に続く 【コマーシャル中のおまけシーン】 音楽にあわせて次回のゆっくりのシルエットがテレビに出てきました。 そして、数人の子供達の声が聞こえてきます。 「赤いロングヘアーに黒い小さな悪魔の羽が生えたステキな司書さんのゆっくり。誰だ?」 泣き声『こぁー!! ゆっくりしていってください!!』 「次回も、ゆっくりゲットじゃぞ」 byゆっくり博士 【あとがき】 このような、駄文に付き合っていただきありがとうございました。 作者名無しです。 なんとなくですがおまけより前編・後編のほうがかっこいいので今回は分けました 書いたもの かわいいゆっくりゲットだぜ!! 1・2 名前 コメント
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