約 3,555,197 件
https://w.atwiki.jp/emp3037/pages/88.html
J-076 そして時代は流れる J-076 C [[イベント]] [[戦闘潮流]] ○ 自分リネージのカードを好きな順番に並べ替える。 出典:JC6巻 39(38-39) 一見有用だが、そもそもこれを使うぐらいなら、最初から理想のリネージの並びを作れる様にデッキを組むべきである。 それでも、序盤の引きが悪く、理想とは離れた並びを余儀なくされる場合もあるので、保険として持っておくのも悪くは無い。 もし今後、相手リネージの並びを変更する様な能力が出てきたら、必須カードとなるだろう。 6弾以降登場した風所属のキャラは、総じてコストが重く、カードごとに特有の 並びを要求されたりもするので(特に各種ジョルノに顕著である)、登場を補助する選択肢として検討の余地がないではない。 ジョセフで毎ターン使い回せば、波紋戦士たちの無色コストの位置に「柱」を、柱の男たちの無色コストの位置に「波/友」を移動させることで、波紋戦士と柱の男が共存する2部単デッキを組めたりもする。 なお、登場タイトルが戦闘潮流になっているが、イラストはファントムブラッドである。 「ファントムブラッドから戦闘潮流へ」を表しているならあながち間違いでもないが。
https://w.atwiki.jp/hachimanjinja/pages/1795.html
実況がいよいよ決勝戦だと言う事を叫び、俺は服の裾を気にしながら闘技場の真ん中に立った。 決勝戦は「ゾンビ百人組手」らしい。 用は100体のゾンビをどんな方法を使ってもいいから倒せばいいらしい。 どんな方法を使ってでも。 「さあ、心の準備の方はOKか?今伝説が打ち立てられようとしている!」 俺は銃を構え、犬笛をポケットから取り出した。 「実況!本当に「どんな手段を使っても」倒せばいいんだろ?」 実況は答える代わりに手で丸印を作った。 「よし、ならばこちらも全力で「ショー」を盛り上げるとするか。」 「3!2!1!」 実況がカウントダウンを始めた。 「レディ・・・・ゴー!」 天井が開いて上からゾンビが落ちてくる。 どうやら数で圧倒するつもりらしい。 ならばこちらも「数」を増やそうではないか。 「カモン!出番だ!」 犬笛を吹き、アーサーを呼び出した。 赤と黒の入り混じった魔法陣からアーサーが飛び出してくる。 「出番?」 アーサーは拳銃を両手に持つと俺の後ろに立った。 「これで4丁拳銃ね。」 「威力ならそれ以上だけどな。」 引き金を引くたびにゾンビがただの肉片に変わってゆく。 硝煙と薬莢が周囲にばら撒かれ、銃声と歓声で包まれる。 やはり俺にはこれが一番楽しい。 「間違って私に当てないでよ?」 アーサーはそう言うとドスを懐から取り出してゾンビの群れに飛び込んだ。 次々と斬り倒されてゆくゾンビを後目に俺も銃を撃つ。 残り1匹、だが落ちてこない。 やっと落ちてきたのはゴウリキ1体だった、 アーサーが下敷きになったような気がするのだが問題ないだろう、猟犬の隊長ともあろうものが簡単にゴウリキ程度のゾンビに押しつぶされるような事はないだろう。 思った通りアーサーはゴウリキの足元から這い出てきた。 「はあ・・・死ぬかと思った。」 「寿命以外で死なないだろ、お前。」 「そう?で、このデカブツどうするの?」 「安心しろ、一発で「沈めて」やる」 俺はフェンスを使って飛び上がった。 「全てを打ち砕く黄金の鉄槌・・・喰らえ!Δ(デルタ)・ハンマー!!」 魔力を三角錐の形に展開し、自分ごと目標物に叩き込む。 槌というよりは槍に近いのだが、そこは突っ込んではいけないと言われた。 ゴウリキの胴体に風穴が開き、ゴウリキは地面に倒れた。 「さて、賞金貰ってさっさと帰るぞ。」 「でも良かったの?私を呼んで。」 「いいんだよ、「どんな手段を使ってもいい」んだからな。」 戻る
https://w.atwiki.jp/space_escalator/pages/85.html
マルチユーザが動いた なぜできたのか? 複素拡散にした まず、複素拡散・逆拡散にして、その前後に位相差分変調を挿入。 位相差分変調にした理由 通信路で結構フェージングがあるせか、相関器が出力する値が虚部に結構いっていた。 シングルユーザだとほぼBER=20% だけどマルチユーザだと25%%くらい BERを下げる historyが設定されてなかった! On Tue, Dec 22, 2009 at 12 22 29PM +0800, zhi yan wrote Hi All, I am confused of the Set_history() which is a function of gr_block, what is the function of this function? thanks~~ It exists so that you can implement an "inline delay line", or similar functionality. The primary user of set_history are the FIR filters, but there is other code that uses it. The default value of history is 1, which is admittedly confusing, but is how it was historically defined. To give a concrete example, if you subclass gr_sync_block (which is 1 1 from input to output) and don t call set_history in the constructor, when your work function is called with a value of noutput_items = N, there are guarenteed to be N valid samples in the input vector, indexed from 0 to N-1. If in the constructor you call set_history(2), when work is called with a value of noputout_items = N, there are guarenteed to be N + 1 valid samples in the input vector, indexed from 0 to N. If in the constructor you call set_history(H), when work is called with a value of noputout_items = N, there are guarenteed to be N + H - 1 valid samples in the input vector, indexed from 0 to N + H - 2. The other subclasses of gr_block work similarly. Take a look at their forecast routines for the details. On the first call to work, the first H - 1 samples will be zero. Eric
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/28926.html
(「これが、勇気と慈愛の選択!」) (UC) (火) (2) 呪文:(美孔麗王国) ■S・トリガー ■<ビビッドロー>[火(1)](自分のターン中、攻撃の前にこの呪文をドローした時、表向きにしてもよい。そうしたら、 このターンこの呪文を[火/(1)]支払って唱えてもよい。 ■ 次のうちいずれかひとつを選ぶ。 ◎手札を1枚捨て、その後、カードを2枚引く。 ◎相手のパワー2000以下のクリーチャーを1体破壊する。 作者:(5000GT先輩) 評価 「る」が抜けてますね…… -- くーぴー (2020-08-26 21 43 41) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tentenkey/pages/14.html
インスタグラムプラグイン 人気の画像共有サービス、Instagram(インスタグラム)の画像をアットウィキに貼れるプラグインです。 #ig_user(ユーザー名) と記載することで、特定ユーザーのInstagramのフィードを表示することができます。 例)@dogoftheday #ig_user #ig_tags(タグ名) と記載することで、特定タグのInstagramのフィードを表示することができます。 #dogofthedayjp タグ #ig_tag #ig_popular と記載することで、Instagramのpopularフィードを表示することができます。 詳しい使い方は以下のページを参考にしてください! =>http //www1.atwiki.jp/guide/pages/935.html
https://w.atwiki.jp/saikinmm/pages/222.html
これが萌えっていうやつなんでしょうか 988 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/09/01(火) 14 17 32.71 0 http //aewen.com/momusu/takahashi/img/aewen3944.gif これが萌えっていうやつなんでしょうか 989 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/09/01(火) 14 19 06.55 0 そうです 991 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/09/01(火) 14 19 55.30 0 愛ちゃんの横の子はナスビみたいな形の顔してるね 994 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/09/01(火) 14 20 48.90 0 >>991 久住小春だよ横の子は 幼いよね 編注 左が高橋愛、右が久住小春。久住加入当初の動画をgifにしたもの。 関連 メンバーそれぞれどんな子なのか知りたい モー娘ってどのメンバー仲良いとかあるの? この関係って仲悪いというか微妙な関係だよな 6ハマリ [2009年]
https://w.atwiki.jp/gase/pages/12.html
ジョジョとはっ!? 正式名称『ジョジョの奇妙な冒険』。 荒木飛呂彦氏が週間少年ジャンプで連載を始め、 熱狂的なファンを多く生み出した漫画です。 現在もパラレルワールドのエピソード『STEEL BALL Run』が、 ウルトラジャンプで連載中です。 このサイトはジョジョネタを各所に散りばめて、 楽しくやっていこうというものです。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1209.html
武装神姫のリン 第21話「想像…そして行動」 …ここは? 私は何も無い…どこなのか 分からない場所に一人。 ふと視線を自分の身体に移すと…全裸、一糸まとわぬ姿に驚きつつも私は懸命にそこを抜け出そうと歩き出そうとします。 「リン」 突然マスターの声が聞こえました、私は振り向こうと…後ろからマスターに抱きしめられました。 そこで私の中に疑問が生まれます。 私は武装神姫。人間とは身体の大きさが根本的に違うのでこの様な事象は起こりえません。 なのに、ここでは私とマスターが同じ大きさの身体を持っている。でも今はそんなことを気にしている暇はありません。 私は状況を聞こうとするのですが、その前に唇を奪われていました。 マスターとの初めての大人のキス。唇の触れあいだけでなく舌をからめてきて、吸われました。 思わず私も自ら舌を絡からめて、ねぶり、吸ってマスターの舌を味わいます。マスターとのキスに必死で他のことなど考えられません。 やっと名残惜しそうに2人の唇が離れます、その間には銀色の糸が… 「マスター」 「リン、愛しているよ。」 そうしてマスターは私の首筋にキスを、そしてその舌で私の素肌をすこしづつ愛撫していきます。 首筋から肩へ、肩から腕へ。マスターの舌が移動するたびに今まで感じたことの無いような快感が私の中を駆けめぐります。 「う…ん、ぁん。マスタ、そこはぁ。」 「ここか?」 とても気持ちいい場所をさらにねっとりとなめられ、私の頭中はマスターでいっぱいになっていきます。 ついにマスターの舌が私の乳房に、そして先端にたどり着きました。 ゆっくりと全体をなめられてちょっと先端を唇で包まれたと思えば、上下左右に弱く引っ張られます。 「マス…たあぁん、ダメですぅ」 「まだまだリンの全部どころか半分も味わってないんだ。先は長いぞ?」 「で、でも、刺激が…つよすぎてぇ!!」 「気持ちいいなら、イっていいんだぞ?我慢は身体に悪い」 「そんな、マスターの目の前で…」 「いつもそうだろ?」 その言葉をきいた瞬間。私の膣から愛液が関を切った様に流れ出て股間を瞬く間に濡らしていきます、そしてそれは私の太股を伝って落ちていきました。 そしてマスターの脚に付きます。そこでやっと、ちゅぽんという音を立ててマスターの唇が私に乳首から離れました。 「一気に出たな、それで良いんだ。俺で感じてくれてるって一番よく分かる。」 「でも、ちょっとは加減というものを」 「しかたないだろ?俺はリンが大好きなんだから。」 「でも、でも!優しくしてくれないのは、嫌です。」 「…すまない。これからは優しくするから、な?」 「約束ですよ、破ったらアレをこうして、ああしてでも止めますからね」 「…分かった。」 さすがに私のジェスチャーに、マスターの血の気が少々引いみたいですが問題は無いでしょう。 ちょうどいいインターバルになると思ったのですが、マスターはすぐに私に覆い被さってきました。 「え?マスター?」 「優しくするけど、いつもとは違うことをするからな。」 「ぁん」 そう言って、マスターはあろうことか私の…秘部から流れる愛液を指ですくい、その指でおしりの穴の周りをなでるように動かしてきたのです。 「そんな、おしりだなんて…」 「リンは嫌?こういうの」 「嫌いとかそういうわけではありませんが、でもやっぱり好んでするというわけでも…ぇ?」 「やっと分かったか? そんなこと言ってても身体はちゃんと反応してるんだよな~」 見ると私の股間はさらに大量の愛液が溢れ、おしりの方にも流れています、それが潤滑剤の役割を果たして、ついにマスターの指が私のおしりの穴に…ずっぷりと根本まで埋まってしまいました。 「そんな、全部入ってる」 「まさかこんなにすんなり行くとはなぁあ、そっか神姫は排泄しないから内部まで内側がつるつるなんだ」 「ま、マスタァー!! そんなにいじらないで…」 たしかにするするとマスターの指が動くのを見て、私自身ももしかしたらマスターのも大丈夫かも…と思ってしまいました。 そこでにやけるマスターの顔。 「? リンはおしりに欲しいのか?」 「そ、そんなこと無いデスよ」 私は必死に表情を悟られまいと顔を背けますがマスターにはお見通しだったらしいです。 「じゃあまずはリンにおしりで…いや、口でしてもらっていい?」 「口…ですか」 私もそろそろ受けるばかりは嫌だと思っていたと所だったので良い機会だと思いました。 「じゃあ、失礼します」 そうして私はいつもより小さな(ちょっと失礼?)マスターのモノを口に含み…いつもは舐めることしか出来なかったために、先端がのどの奥まで到達してしまい、むせてしまいました。 なんとかマスターのモノを口から出して、それでもせきが止まりません。 「リン!大丈夫か?」 「げふぉ、ごほ、マスターすみません。慣れなくて…」 「いや、俺が悪いんだ。すまない。」 「ええいえ、やらせてください」 マスターの返答を待たずにわたしはもう一度マスターのモノを口にくわえ、茉莉がしていたのを思い出してそれを見よう見まねで実践してみました。先端を舌で円を描くように舐め、吸っていきます。 「リン、それすごすぎっ」 マスターの反応は良好の様でした、さらにいちど口から出したモノを根本から先端まで舐め上げていく同時にマスターのふくろを右手で優しく揉んでいきます。 そしてもう一度先端から根本に戻り、揉んでいたふくろをでいるだけ口に含んで、優しく甘噛みしたり舐めたり。そうしているうちに限界に近づいたらしいので、ふくろを攻めるのをやめ、再びモノを口に含んで先ほどと同じく吸ってあげました。 ついにマスターは絶頂を迎え、私の口内にはマスターの精液が大量に流し込まれます。 やっぱり精液の味はおいしいと言えるモノではありませんが、不思議と幸せを感じるのです…私って変なのでしょうか? 「う~さっきはかなりやられたってかんじだった。リン、上手いな?」 「いえ、マスターのことを思って一生懸命にさせていただいただけですし。」 「でも精液を全部飲み干すなんてな…このエロラーフが」 「…なんですか!その"エロラーフ"って」 「あ~某サイトとかでエロぃ格好(露出の度合いが基準というわけではない)したストラーフの写真掲載されてて、そういうストラーフのことをそう呼ぶらしい。で当然ながらリンもそこでエロラーフ認定を受けてるんだ」 「は?そんなぁ」 「まあリンは衣装とかじゃなくて別の方向でも十分エロぃしなw」 「もう! この後させてあげませんよ?」 「あ~すまんすまん。そろそろ挿れていい?」 「…あの、分かってて言ってますよね?」 「一回でいいからリンのおねだりを聞いてみたいんだが…隠語満載の」 「……言わないとだめですか?」 「言って欲しいな。」 もう私の顔が真っ赤になってるのは分かってるんだと思います。 でもマスターは優しい人だから…その優しさがにじみ出るような笑顔には勝てないんです… 「マスター…」 「うん?」 「わ、私のおま○こをマスターのおち○ちんでぐちゃぐちゃにしてください…」 「……」 マスターの顔がうつむき、表情が見えなくなりました。 「マス…きゃぁあ」 マスターは急に私の身体を抱き上げ、犬のようなポーズにさせて、私の膣へそそり立ったモノを挿入してきました…その大きさと感触(?)に私は嬌声を上げずにはいられません。 「ふぁあ、あぁん、そんなに突いちゃ…だめれすぅ」 「まさかあれだけ過激に言ってくれるとは思わなくて、それで我慢できなくなった」 「こんなにぃ…激しくされたらぁ!」 その間もマスターのモノは私の腔内を出たり入ったり。しかもバック体制なので感じる部分が違う…おしりに近い側の壁がカリの上部につっかかる、そこが気持ちよくて… 「マスタ…もっと突いてぇ!」 「っ、もっと?」 「もっと、ください。」 「こうか?」 「!!そうですぅ」 ピストン運動は次第にモノを上下左右に揺さぶる様にして突いて来るようになり、それも私には未経験の刺激であったのでマスターが上り詰めるまでの間に2回も達してしまっていたのです。 そして3度目の絶頂が来るかと思われた瞬間。私はこう叫んでいたのです。 「私はマスターを愛しています、だからマスターのためになら、おしりだって捧げますぅ!だから。次はおしりにぃ!」 「ああ、とりあえず出すっ」 「マスたぁ…おもいっきり、出して…くださぃ」 私の膣内に勢いよく精液が溢れ、結合部から流れ出ます。 今までの2回とは比べものにならない気持ちよさでした。その快感は久しぶりだった私の意識をそのまま闇の中へ誘って行きました… …ここは? 私は何も無い…何処なのか分からない場所…などではなく。 いつものベッドにさっきの犬のような体制が崩れたポーズでうなだれるように横たわっています。 右手には…オーダーメイドでマスターのモノを1/10サイズで形、感触その他諸々を再現したディルドー。 そして左手は…なぜかティアの手を握っているのです。 そしてティアの顔はと言うと私の胸の前、そしてティアの唇からはみ出ているよだれ…全てを理解してしまいました… 私ったら、マスターのモノを同じ形のモノを手に入れてティアと試していたはずなのに。 気持ちよくてイってしまって、その感触とかを知らず知らずの間にAI内部での妄想と同調させて夢に見ていたのです。 もちろん感触などのデータは本物の訳で、寝る前に履いていたショーツをべたべたに濡らしていました。 「これはマスターを思う気持ちからすれば必然なのでしょうか…?」 現実に帰ってみれば、マスターと私の身体の大きさが同じになるなんてあり得ないと解っていたのに、それでも想像してしまわずにはいられなかった自分が情けなく、またくやしくなります。 そして無意識かもしれませんが、そんなことがあり得ないと解っていてもそれを望んでいることに、自分のAIが異常をきたしているのではないか…そんな不安を抱えずには居られないのです。 そういえば今夜はマスターは会社に泊まり込みの仕事だと聞きました。 だから今すぐにあの笑顔を見て安心することさえも出来ません。 とたんに不安が私を支配しようとします。 でも、こんなことに負けるわけには行きません。 だって私はリン。いつだって逆境に意志の力で打ち勝ってきた神姫なのだから。 私はシャワーを浴び、お出かけ用の服(シックな色合いのものを選んだつもりです)に着替え、 静まりかえった部屋のPCを起動させてデータを同期。マスターの会社への道筋を記憶しました。 幸いにも、現在の交通機関はコンピューターによる自動制御で24時間の利用が可能になっており。神姫用のサービスも無いわけでは有りません。 あとは、マスターの下へ。最初に目指すのは最寄り駅の「星ヶ丘駅」そこからは交通機関を利用すればすぐにマスターのつとめる会社にたどり着けます。 ただ、駅までは己の力で行かなくてはなりませんが距離にして1Km弱。たどり着けないわけはありません。 私は夏が終わりすこし涼しくなった夜空を見上げ、背に背負ったリアウィングAAU7とエクステンドブースターに全てを預け、夜空に飛び立ったのです。 燐の22 「喪失」
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/2260.html
【6】 それは会場の端。波が打ち寄せる、地図で言えばH-2エリアの海岸。 「改めて聞くぞ。お前はこの女を斬るつもりか?」 「その女が、危険だというのなら」 頬に傷のある赤毛の侍が、銀髪の少女を斬るべきか迷っていた。 銀髪の少女は、人を殺して血まみれになっていた。 蝶々仮面の男は、知りあったばかりの少女を侍の斬撃から護ろうとしていた。 少し離れた場所で、茶髪の女子高生が、この状況に責任を感じていた。 【1】 一ノ瀬弓子クリスティーナは、憔悴していた。 突然のことだった。 白いスーツの男は、殺し合いをしろと言った。 本来なら正義感の強い弓子も、この時ばかりは思った。 何でもいいから、早く帰してほしい。 眼の前で小さな女の子が理不尽に殺されたというのに、そんなことを同時進行で考えてしまった。 そんな、らしくない己の醜悪さに気がついて、自己嫌悪に沈むうちに、どこかの海岸に転移させられていた。 これは罰なのだろうかとぼんやり考えた。 危険な魔法の杖を、少し魔法に精通したからといって使いこなせた気になっていたから、罰が当たったのだろうか。 でも、『人を殺した罰』として『殺し合え』というのも奇妙なことだと思った。 それから、やっと気がついた 帰ってもどうせ、あの現場には“間に合わない”。 今から帰っても、あの人を助けることはできない。 彼女が返りたかったのは、東京の六本木だった。 彼女は、ここに来るまで、そこにいた。 血まみれで、砕けたコンクリートの破片で埃まみれになって、ひどい格好で、そこにいた。 その格好のまま、ここに来た。 ライバルの、でも親しい仲の、友達の師匠を、姉原美鎖を、魔力の暴走で瀕死にしてきたところだった。 殺意があったわけではなかった。 しかし、それが何の言いわけになるのか。 気を緩めたとたんに、ケリュケイオンの杖が自動反応した。 自動で生成された光の剣が、喧嘩相手の体を貫いた。 首に穴があいていた。 血が大量に流れていた。 処置をしなければ、そのまま死んでしまう傷だった。 違う。 この期に及んで、逃げようとしている。 弓子は、卑怯な楽観視を訂正した。 姉原美鎖は、あの時点で死んでいた。 首に致命傷を負っていた。 心臓がとまっていた。 ちゃんと、脈拍がとまっているのを確認した。 弓子は、人を殺したのだ。 人殺しになったから、だからこそ弓子は、こんな場所に呼ばれたのかもしれない。 でも、それなら、何も悪くないこよみたちが呼ばれているのもおかしな話だと気づいた。 参加者名簿に、姉原美鎖の名前はなかった。 彼女のライバルである弓子がいるにも関わらず、彼女の弟子である森下こよみがいるにも関わらず、美鎖はこの場にいない。 弓子が負っていた傷や魔力は全て回復させられているのに、姉原美鎖は回復して参加者に呼ばれていない。 それは、つまり姉原美鎖はどうしても呼べないということで、つまり、やはり彼女はもう――。 一ノ瀬弓子クリスティーナは、意志の強い少女だった。 死んでいる姉原美鎖を見た時も、それでもまだ心は折れなかった。 姉原美鎖の遺体が転移してしまった時も、責任を持ってその行方を確認しようと決意していた。 人を殺してしまったのだと理解しても、その罪を自覚し、せめて自分のなすべきことをやろうとしていた。 責任感から、その心を支えていた。 しかしその決意も冷めぬ間に、六本木から相当に遠いだろうこの地に呼ばれた。 姉原美鎖の行方を、確認できなくなった。 一人しか帰れないと言われた。 その帰る方法とは、他者を殺すことだと言われた。 数十人を蹴落として生き延びろ、と命令された。 もっと罪を重ねなければ、生き残れないことになった。 弦が、とんだ。 張り詰めて張り詰めて、切れないように耐えていた糸が、それまでの強さが嘘のように容易く切れてしまった。 ちょっと喧嘩しただけで人を殺してしまった弓子が、果たして命がけの戦いで人を殺さずにいられるか? あの時、弓子がケリュケイオンを制御できなかったのは、全力の姉原美鎖を相手に余裕を失っていたからだ。 この実験の参加者が、皆、美鎖のような実力者ばかりではないだろう。 だが、決して少なくないはずの参加者が殺し合いに乗り、生きる為に、あるいは誰かを生かす為に、 殺意と覚悟を持って弓子に襲いかかってくることだろう。 それに、この殺し合いでは役に立つ武器が支給されているという話だった。 魔法使いである弓子だって生身の人間だ。 銃器などで急所を撃たれれば致命傷になるし、それらを警戒しながらの行動となると緊張を強いられる。 弓子のスタミナとて無限ではない。連戦を重ねれば、いずれ追い詰められる時も来るだろう。 つまり、弓子に殺意はなくとも、余裕をなくして戦う状況は遠からずやって来る。 そうなった時に、また禍ちを犯さずにいられるだろうか。 暴走した原因となったケリュケイオンの魔杖は、手元にない。 しかし、ケリュケイオンの杖が主催者に奪われているとなれば、なおいっそう事態は酷い。 ケリュケイオンの杖には、伝説の魔女の遺産が封印されている。 中世のヨーロッパで十万人を呪い殺した幾万もの魔法コードが、その杖に眠っている。 弓子自身はその杖を制御できなかったが、だからといって見知らぬ誰かに譲渡していいものではないのだ。 ましてや、殺し合いを企画するような極悪人の手に渡ればどうなるか。 弓子の失態だった。 ケリュケイオンの杖を使って人を殺してしまったのも弓子の責任なら、いつのまにか拉致されてしまったことも、 危険物の杖を奪われてしまったことも弓子の力のなさが招いたことだ。 杖を手に入れた者が、杖の力で災厄を起こしたら弓子のせいだ。 それ以前に、また弓子と関わった人が、巻き添えで傷ついてしまったらそれも弓子のせいだ。 今の弓子には暴走する魔法の杖はないけれど、杖と一緒に自信と気力も失ってしまった。 安定した魔法コードの生成には、安定した精神と集中力が不可欠。 対象物、環境、明度、使い手の体調、それらが変化するだけでもコードは微妙に変わる。 ましてや、使い手の心が折れていればどうなるか。 今、誰かが剣のコードで弓子を攻撃でもすれば、防性コードを貼る間もなく刺殺されてしまうだろう。 逆に、弓子が剣のコードを組んだとしてもそれが武器として形を成すかどうか。 剣を呼んだつもりが、別の、もっと壊滅的な呪いを呼んでしまうことにもなる。 切れてしまった弦は、響かない。 「あ……」 懐中電灯の光が、弓子を包んだ。 いつから、そこにいたのだろうか。 顔を上げると、目が合った。 人がいた。 弓子と同じように、似あわぬディパックを背負っていた。 茶髪の、どこかの学校の制服を着た女の子だった。 どこにでもいる女子高生に見えた。 少女は、弓子を見て怖がっているようだった。 そう言えば、弓子は血まみれなのだった。 殺人現場からそのまま帰って来たように見えなくもない。 銀色の髪と紫の瞳をした弓子は、奇異の目で見られることに慣れていた。 しかし、今は。 今の弓子は血まみれで、 汚れていて、人を殺していて、また誰かを傷つけるかもしれなくて、 少女は、そんな弓子にかける言葉を迷っていて、 弓子は少女を怖がらせていて、 弓子は口を開いた。 何かを言わなければと思った。 しかし、 誰とも会いたくない、と思った。 「わたくしに近づかないでください。またわたくしの“呪い”が、誰かを殺してしまうかもしれませんから……」 【3】 蝶々仮面の男、パピヨンは腹を立てていた。 理由のひとつは、参加者名簿の彼の名前が、『蝶野攻爵』と表記されていたことにある。 彼は既に『パピヨン』という名で新たな生を生きている。 その名を覚えていていいのは、たった一人だけだ。 もうひとつは、支給品がどれもイマイチなものだったことにある。 一つ目は、長い鉄棒だった。 先端に輪っかのような突起がついており、ホムンクルスであるパピヨンの怪力をもって振り回せばそれなりの破壊力を発揮するだろう。 しかし、普段からは大きくかけ離れた戦い方になるだけに、不安もある。 彼の戦いの本領はニアデスハピネスの汎用性とホムンクルスの身体能力、再生力を組み合わせたトリッキーな戦法にある。 棒術はむしろ、武藤カズキの得意分野だった。 二つ目は、テディベアだった。ひとかかえもある、ずいぶんくたびれたぬいぐるみだ。 論外。 ただ三つ目については、有用性は別として興味をひくものだった。 それは携帯電話だった。 説明書がついていた。 わざわざ説明書など付けなくとも、携帯電話の使い方など昨今は誰でも知っている。 しかしその携帯電話は、説明を要するだけの機能を備えたものだった 『ジオイドの魔法コードがアプリとして保存されています。 実行すると半径10メートル以内のジオイド面を任意で捜査することができます。』 ジオイド面の意味は、地学や物理をかじっていれば誰でも分かる。 現代で、アプリの使い方を知らない日本人はそういないだろう。 しかし、『魔法コード』とは何なのか。 パピヨンのあくなき探究心と向上心をくすぐるのに、それは充分なものだった。 ちなみに、アプリの配布先のHPのサーバーなどは全て聞いたことのないものだった。 支給品ひとつの為に、一から会場内限定ネットワークをつくったのだとしたら大変な手間だ。 おそらく、ネット環境を利用した支給品が他にも複数あると思われる。 脱線した。 機嫌を悪くした最大の理由は、勝手な都合で『殺し合い』を強制されたことにある。 パピヨンは他者に利用されるのが大嫌いだったし、この実験に乗って得になることなど一つもなかったからだ。 あの『清隆』と名乗った男は、生き残れば『願い』を叶えてやると言っていた。 しかしパピヨンは、今の生におおむね満足しており、特に叶えたい願いもない。 否、たとえ願いがあったとしても、それはパピヨン自身の力で叶えてこそのものだ。 以前は、世界を丸ごと滅ぼしてやりたいと願ったこともあった。 しかし、宿敵武藤カズキと決着を付けたあの夜、パピヨンは自覚させられた。 もう、そんな憎悪はパピヨンの中から消えていることを。 それにもし安易な殺人を働けば、同じくこの会場にいる武藤カズキと津村斗貴子が黙ってはいないだろう。 別に敵をつくることを恐れはしなかったが、貴重な張り合い相手からつむじを曲げられてしまうのは望ましくない。 ホムンクルスと錬金戦団の長きにわたる戦いが終わり、切望していた武藤カズキとの決着を着け、パピヨンは半永久的に生きることを余儀なくされた。 しかし、新しい人生もパピヨンは悪くないと思っていた。 血沸く戦いと臨死の恍惚こそないが、思いがけない発見も、貴重な張り合い相手もいる。 大勢の人間が、愛をこめて「パピヨン」という名前を呼んでくれる世界。 退屈ではあったが、満ち足りている世界。 だからパピヨンには、殺し合いに乗る理由などなかった。 ただ、その“願いを叶える”技術自体には、心魅かれた。 しかしそれは、あの白スーツをどうにか陥落させて聞き出せばいいことだ。 そんな風に苛立ち七割、期待三割で胸を満たしつつ、パピヨンは浜辺をぶらぶらする。 銀髪の女がいた。 銀髪の服は血だらけだった。しかし怪我はしていなかった。返り血だった 何をする様子でもなく、立っていた。 ただ、海を見ていた。酷く投げやりな目だった。燃え尽き症候群のように見えなくもなかった。 つまり銀髪の女は流血沙汰を含む修羅場にいた可能性が高いということだ。 「おい、そこの女。何があった?」 「……どなた?」 銀髪の女は、パピヨンの一張羅を見て怪訝な顔をする。 「この蝶人パピヨンを知らんのか? この間も東京タワー上空に現れたところだぞ」 「あいにくと、特撮モノには興味がありませんので」 悪の怪人のコスプレだと勘違いされている。 舞踏会に駈けつけられるほど紳士的な格好だというのに。 「あいにくと俺は悪の手先でも正義の味方でもない。この世界を愛し、この世界のあらゆるモノを欲する『蝶・人』さ。 そこでだ。お前の知っていること、ここに至るまでに何が起こったのか全て教えろ。 もし“呪い”や“魔法コード”と言った単語に聞き覚えがあるなら、それも教えろ」 生気のない瞳に、狼狽が横切った。 何かを知っている狼狽だった。 当たり。 パピヨンは口の両端をにまりとつりあげる。 「それは……“魔法コード”に関しては、確かに関係者ですわ」 「そうか。なら全て教えろ」 パピヨンの命令にも、女は気分を害した風ではなかった。 けれど、ひどく濁った眼でパピヨンを見た。 「命が大事なら、関わらないことをお勧めしますわ」 「俺が関わるべきかどうかは、お前が決めることじゃない」 「わたしは、“魔法”を使って人を殺しました。また殺してしまうかもしれません」 それきり女は会話する意思を失った。 パピヨンに背中を向けて、海岸沿いをふらふらと歩く。 目的地があるわけではなく、ただ歩く為に歩いているだけという歩き方だ。 気に入らなかった。 女は、説明する意思がなかった。何でもいいから早く会話を切り上げたそうだった。 パピヨンは誰にどう思われても少しも堪えない。しかし、女はパピヨンを嫌ったわけではなかった。 『透明な存在』でも見るように、どうでもよさそうに無視したのだ。 その、パピヨンを無視したということが、気に入らなかった。 女の、何もかもを諦めたような目が、気に入らなかった。 『人を殺した』からと、それだけで折れてしまったらしいことが気に入らなかった。 現実から逃げているような態度も、気に入らなかった。 眼の前に課題があるのに、自力で何も為そうとしない人間。 己に限界を感じたところで、諦めてしまった人間。 パピヨンの気に入らない人種と、今の彼女は近い態度をしていた。 「俺はどっかの偽善者のように人助けする趣味はない。しかし、お節介はさせてもらうぞ」 だからこそパピヨンは、その女を放置するわけにはいかなかった。 「ここは大きなお世話、小さな親切。情報を聞き出し終えるまではかまってやるとするか。 『魔法』とやらも非常に興味深いしな」 己の欲望に忠実なパピヨンは、気に入った相手に執着する。 そして、気に食わない奴ほど大事にする。 それが好意であれ悪意であれ、暇を潰すものがなければ、パピヨンの長い長い人生はたちまち退屈になってしまうからだ。 何より、この女は貴重な情報源だ。 どうやら女は『魔法で人が殺せる』程度の知識と技術を持っているらしい。 何より女の自棄な態度は、何か己の限界に直面して諦めたような、自信を喪失したような、そんな印象を受けた。 つまり、それだけ深く足を突っ込んでいたらしいということだ。 パピヨンにとって、女と接触を持つメリットはずいぶん高くなっていた。 パピヨンは空中へ大きく跳躍すると、彼女の頭上を飛び越えて先回りする。 「甘いな、女。この『蝶人パピヨン』が、たかだか『人が殺された』ぐらいで臆すると思ったか?」 女は戸惑ったように何かを言いかけ、 「おい、そこの異人の女」 剣を帯びた声に、パピヨンの問答は遮られた。 防砂林から、鋭い目をした赤毛で和装の男が現れた。 【4】 琴吹ななせは、頭が真っ白になっていた。 よくよく考えれば、逃げ出すことはなかったのかもしれない。 異常な格好をしているとはいえ、相手は同年代の女の子だ。 確かに、あの女の子は人を殺したと言っていた。 でも殺し合いに乗っているなら、わざわざ“近づかない方がいい”なんて警告をするのはおかしい。 だいいち、たとえ殺していたとしても、例えば事故とか正当防衛とか、とにかく事情あってのことかもしれないのだ。 それに、最初に近づいたのはななせの方だったのに。 近づくにつれて懐中電灯に照らされた少女の、血まみれの惨状が目に入った。 その、ホラー映画のような格好に、現実感だとか勇気を根こそぎ持っていかれて、話しかけようとしたこともすっかり忘れさっていた。 そういうことを、ななせは走りながら、断片的に思い返していた。 高そうな洋服が、びりびりに裂けていた。 裂けた洋服の右半身に、べっとりと血が染み込んでいた。 右頬から首筋にかけても、同じように血がついていた。 潮の香りとは別に、鉄くさい臭いがした。まだ、血が渇いていなかった。 つい今しがた、ぼろぼろになって返り血を浴びる行為をしてきましたと、その惨状が語っていた。 返り血などホラー映画やドラマでしか見たことのないななせにも、すぐに分かる。 ちょっとやそっとの傷では、あんな返り血はつかない。 それこそ、人一人が失血死するぐらいの血を誰かが流さなければ……。 それに、あの女の子からは、ある種の“ただならぬ感じ”を受けた。 正体の知れない苦しみとか絶望とか妄信とかを発していて、そういう怖いものが血みどろの彼女を武装していた。 そういうモノを発する人間を、ななせは何人か知っている。 そういう人間と相対する恐怖に、ななせは覚えがある。 例えば、“井上ミウ”の名前が出ると、酷く苦しそうな、拒絶するような顔をする井上心葉。 例えば、“天使”という怪人のことを、とりつかれたようにハイになって信仰していた、現在行方不明の親友。 例えば、ここ数日、執拗に呪いのメールを送って来るようになった、“ミウ”という謎の少女。 そういう“闇”にあてられると、自分がとても弱く力を持たない、別世界の人間のように錯覚して、何も言えなくなってしまう。 そう、あの女の子も、確かに“呪い”と言った。 ――またわたくしの“呪い”が、誰かを殺してしまうかもしれませんから…… ――何よそれ。……あんた、人を呪い殺せるとか言うつもり? ――そうですわね。私は、“クリストバルドの呪い”を継いでいますから。 そこで会話を終わらせて、とにかく逃げ出してしまったのは“呪い”という言葉に過敏になっていたからかもしれない。 彼女の得体の知れなさや、ななせの知らないことを知っているという見透かした様子が、 つい数日前から頻繁に届くようになった、メールの送り主を連想させた。 ――心葉に近づくな。泥棒猫。 ――お前は心葉のことを何も知らない。 ――人のものを盗ろうとしたら呪われる ――呪われろ。 ――呪われろ。 ――呪われろ。 ――呪われろ。 始まりはいつだったのだろう。 この間までは、森ちゃんと放課後にクレープを食べたり、夕歌とメールをしたり、井上と一緒に資料整理をしたり、そんな毎日だった。 そんな当たり前の、幸せな毎日だったはずだ。 それが、夕歌が行方不明になって、家は幽霊屋敷になったみたいに荒れ果てていて。 “ミウ”から呪いのメールが来るようになって、井上も何だか苦しい顔をするようになって。 夕歌を探したけれど、どこに行ったのか全然わからなくて、そうしたら、夕歌の家族が一家心中をしていたと聞かされて。 胸が押し潰されそうになって、気づけば家を飛び出し、夜の町をさまよっていた。 夕歌の家に向かっていた。 窓ガラスが破れ、電気もつかなくなり、お化け屋敷のようになった家でうずくまっていた。 謎の“天使”に連れて行かれた夕歌のこと。 “ファントム”から“呪われろ”というメールを送られたこと。 気がつけば、白いスーツの男に拉致されたこと。 “魔女の口づけ”がどうのと言われたこと。殺し合えと言われたこと。 頭を吹き飛ばされた女の子のこと。血まみれで人を殺したという少女のこと。 呪いを持っていると言ったその子のこと。 どこまでが夢で、どこからが現実なのだろう。 「井上、井上、井上っ……」 ここにいない、でもどこかにいる会いたい人の名前が、口をついて出ていた。 もしかして、あたしはとっくに現実の世界を踏み外していたんじゃないか。 踏み外してはいけない、危ない世界に落っこちていたんじゃないか。 だとしたら、帰る方法なんて―― 「そこの人! 何があった?」 「きゃっ……!」 進行方向に、小柄な男が回り込んでななせの逃走を止めた。 (後編)
https://w.atwiki.jp/naianakikaku/pages/2583.html
キリの消滅から、どれくらいだろうか。百物語組はここ最近激動の時間を送っている。 現在彼らが進めているのは、キリを「101話」として呼び返そう、というプランなのだが、未だ実行の段階にはなかった。彼らはその名の通り、「主」たる春美のもとに100柱の妖怪変化達が集って構成されている。現在まだ姿を見せていない面子に、先だっていなくなったキリを加えた100人。此処に「101話」を加えると、元々キリのいた話が欠番となり、話の合計が一つ増える。そうなった時、彼らに何が起きるのか、起きないのか。そこからして不明瞭なままである。 「…………」 だが、彼女こと、百物語組第七十三話・ミサキを苛立たせているのは、そのコトではない。そもそもの発端であるキリの死、その場にクランケ・ヘルパーが居合わせていたコトだ。 (どうして……!) 元怪盗一家の一人であり、今は天河探偵事務所に属する、彼。その凄まじいまでの医術の腕から、『妖怪主治医』『第二の主』との二つ名を送られるほどの、腕利きの医者。その彼をして、なぜキリが救えなかったのか。 ミサキは、彼がキリを見捨てたのだと思っていた。いくらかの時間を経、幹久朗から推測を聞かされた今でも、その疑念は胸に強く渦巻いている。これが他のメンバーであったなら、多少は頭が冷えていたのかも知れない。しかし、ことミサキという女性に関しては、それは必ずしも当てはまらない。 (やっぱり、医者なんてみんな同じよ) 彼女の妖怪としての名は「口裂け女」である。キリやタマモ、トーコやヒキコなどと同じく、元々現世に存在していた人物が死んだ後、春美に「語られる」コトで妖怪となった存在だ。そして、ミサキの疑念と苛立ちの理由は、彼女の過去にある。 事故で致命傷を負った彼女を、担当した医師は「助からない」と見捨てたのだ。しかもこの時、ミサキは己が異能である視界を乗っ取る能力、「パラサイトシーイング」によってその医師の視点から死に逝く己を見てしまった。これがために、ミサキは「医者」という存在に対して強い忌避感と不信を抱いている。 クランケと共に日々を過ごす中で、少なくとも彼に関してはそのような色眼鏡をかけずに済むようになって来ていた。が、その矢先に今回の事件が起きたコトで、それが一気に反転、根深い不信となって張り付いてしまったのである。 (彼は違う? 何も違わない……あの時の、あの医者と同じよ。助からないからって見捨てるなんて) それに気を取られて、ここ最近頭がさっぱり回らない。 気が付くと、寺院の端まで歩いて来ていた。中ではカイムやゴクオー達が、キリを呼び戻す具体的な方法について議論している頃だろう。 「………」 本来なら、自分もそこにいなければならない。だが、あそこにクランケが、千郷がいる以上、その気にはなれなかった。そんな場合ではないと頭ではわかっているからこそ、余計に。 (どうせまた、見捨てるんでしょう……?) そんなコトを思って踵を返しかけた、その背に、 「荒れてますね、ミサキさん」 「え?」 ここ最近聞いていない声が、かけられた。振り向くと、誰もいない。が、今度は前から声が。 「私です」 「……トーコちゃんね。何の用事?」 どんなに探しても姿の見えない、百物語組第六話「後ろの正面の誰か」トーコ。 妖怪としては「神隠し」の部類に入る彼女は、自分から姿を現さない限り、絶対にその姿を見つけるコトが出来ないという特性を持っている。無論それはミサキも知るトコロであるため、それ以上探すのはやめ、ただ耳を傾ける。 「クランケさんのコトです」 「! ……その話なら、聞きたくないわ」 にべもなく言い捨てて去ろうとするが、 「あぅっ!?」 突然足を引っかけられて転んだ。一瞬草履をはいた小さな足が見えた辺り、トーコが一瞬で前に回り込んできたのだろう。 「っ、何するのよ」 起き上がる彼女に、トーコは相変わらず姿を見せないまま言う。 「聞いてもらわないと困ります。ガラクさんが凄く心配してましたし」 「……ガラク、が?」 百物語組第七話「がしゃどくろ」ガラク。身長1kmと途方もないデカさを誇るだけに、身じろぎするだけでもちょっとした地震が起きるという組の異端児だ。当然、春美や一緒に暮らしているヒキコ以外との付き合いはあまりないが、散歩好きのトーコなどは時々顔を見せに寄っている。 その彼にも、当然今回のキリ消滅に関する一件は伝わっている。 「コロさんに教えてもらったみたい。キリさんがいなくなった、その時のコト」 「…………」 「キリさんは、最後にクランケさんに『後は頼む』、って言ったそうです」 「だから、それが何なの? 助からないからって見捨てた言い訳になるっていうの?」 「そこから離れてください。それはミサキさんの思い込みじゃないですか?」 容赦のない指摘に、ミサキは頭に血が昇るのを感じた。が、それを言葉に変える前に思わぬ方向から先手を打たれた。 「うん。ミサキさん以外は、誰もクランケさんがキリさんを見捨てたなんて思ってないよ」 横合いから声。視線を向けると、立っていたのは縦ロールの金髪が印象的な、幼げな少女。 「カトレア? あなたまで……」 「どうして、クランケさんが見捨てたって思うの?」 真摯な問いかけに、「そんなの……」と言い返そうとしたミサキは、それが出来ないコトに気付いて愕然となった。 「……!?」 時間を経た今でも、どうせ助からないと見捨てた、との疑念は消えていない。だが、それを支える根拠が薄弱に過ぎた。ミサキ当人にとっては、拭いがたいトラウマがダブる重すぎる事実。だが、それ以外の面子から見ればどうだ? カトレアにあらためて問われて、ミサキは初めて自分の疑念に対して、疑念を持った。 それは、本当に真実なのか? 誰が真実だと告げたのか? 「……………」 だが、それでも。 「……無理よ。私は、医者を信用できない」 「ミサキさん……」 「目の前に救える命があって、それを見過ごすような医者なんて、私には……」 それだけ言うと、ミサキは足早にその場を立ち去ってしまった。 「……駄目、か。ごめんね、カトレア」 「ううん……でも、どうしよう。このままってワケには絶対いかないし……」 ミサキが去った後、トーコとカトレアは顔を突き合わせて嘆息していた。ミサキの抱く疑念は、想像以上に根が深いようだ。 万が一の可能性がある限り、彼女は医者を、クランケを信用しないだろう。だが、それでは困るのだ。 キリを呼び戻すためには、後事を託されたクランケと、春美を含む百物語組全員の協力が不可欠。その中に意見や信頼の齟齬があっては、作戦を成功させるどころか逆効果になりかねない。 何より、この作戦はキリを呼び戻して終わるワケではない。一連の事態のそもそもの原因である、シン・シーがまだ健在なのである。彼ら兄妹をどうにかしない限り、また同じようなコトが何度でも起きる可能性はある。それを対処するためにも、全員の連携は必須なのだ。百物語組だけではない、探偵事務所やアースセイバー、その他協力者たちとの。 そのためにも、ミサキの疑心暗鬼をどうにかしなければならないワケだが。 「……一筋縄では行きそうにないわね」 「ともかく、一度幹久朗さんとカイムさんに話をしておくね」 「私はガラクさんのところに行くわ。もしかしたらコロさんが出て来てるかも知れないから」 それじゃ後でね、と言い交し、二人はそれぞれにその場を去った。 ――――が。 「ここですか、アナタが以前来たというのは」 「ああ。そんなに前のコトじゃないケド……なんか、3年くらい前のような気がするね」 「気のせいでしょう。それより、いいのですか? これはワタシの独断なのですが」 「気にするコトはないサ、君もまた『運命の歪み』なのだから」 好転しない事態は、さらに深い最悪を呼ぶ。 「それはどうも。……では、行きますかね」 「いいだろう。なかなか『壊し』甲斐のありそうなチームだしね、彼らは」 「同感です。常時の結束は固いですが、今ならば……」 解けない糸、そして招かれざるモノ