約 3,555,197 件
https://w.atwiki.jp/harvestmoon/pages/146.html
台風、そして手紙と香水 夏(台風の翌日) 時間帯制限なし 海岸 台風の次の日に海岸に行くと発生。時間の幅は決まっていないが、 起床後、ダッシュで海岸で発生を確認。夜は何時までか未検証。 海岸に手紙入りの瓶が流れ着いており、主人公がそれを発見。 カイが海岸にやってきて、この町にずっといるのか、いつか出ていくのか話しかけてくる。 「ずっとここにいる」 手紙入りの瓶をカイに渡し、代わりに香水を入手。香水の効果は、ボーイ版:プレゼントすると恋愛度を一段階上昇させる。 ガール版:おしゃれ箱に入れることができる(おしゃれ度上昇) 「いつか出ていくかも」 カイとの友好度(ラブラブ度)上昇。手紙入りの瓶を入手。 ガール版では恋愛イベントの一環なので、台風を一度は受けないといけないのがツラい。 夏の間に台風は一度は自然に来るだろうが、場合によってはセーブ&ロードで天候操作が必要になる。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/22.html
「なんだってんだ、こりゃ」 暗闇に包まれた森林にて一人の男がぼやいた。 緑色の髪に黒染めのズボンとブーツ。 その黒に対比するかの様な真っ白なシャツに緑色の腹巻き。 どうにもアンバランスな服装な男――ロロノア・ゾロはいきなり起きた事態に訳が分からずにいた。 昨晩はいつも通りムサい男部屋で眠りについた筈だ。 なのに目を覚ませば訳の分からない部屋にいて、見知らぬジジィの訳の分からない演説を聞いた後、知らない男が殺された。 自らの首元に触れ、指先に伝わる冷たい感触に小さく舌打ちをする。 眼鏡の男を殺した鉄の輪がゾロの首にも着けられていた。 「さて、どうするか……」 正直言って面白そうではある。 あの部屋には相当強そうな奴らもいたし、修行には持って来いかもしれない。 ゾロの顔に野獣を思わせる笑みが浮かぶ。 元々、彼自身は非常に好戦的な性格だ。 喧嘩を売られれば買うし、襲われれば命を奪う覚悟もある。 だが――。 「……取り敢えずはあいつらを探すか」 あの場には殺し合いなどとは縁が無さそうな子供もいた。 襲ってくるのなら別だが、無力な子供を殺すほど、ロロノア・ゾロという人間は腐っていない。 ――それに、どうにも嫌な予感がする。 ルフィ、コック、ロビン、フランキー、ブルックの五人がそう簡単に死ぬとは思えないが、残りの三人は実力的に危ういところがある。 早めに合流しといて損は無いだろう。 「で、だ」 このゲームに置ける行動方針は決まった。 後は適当に歩き回り、殺し合いに乗った奴らと戦いながら仲間を探せばいいだが、一つだけ気掛かりな事がある。 それは。 「何で刀が無い?」 何時も腰に刺さっていた三本の刀。 相棒とも言える刀達は影も形も見せずに、目下行方不明中。 右に、左に、首を回すも当然刀達は落ちていない。 試しに、何時の間にか肩に掛けられていたデイバックを漁るが――あった。 バックから手を出すと、そこには一振りの刀。 しかもその刀はゾロが持っていた三本の内の一本。 だが――おかしい。 「なんで雪走が……」 そうそれは、確かにあの時――エニエスロビーの戦闘で死んでしまった筈の刀『雪走』。 試しに鞘から抜いてみると、新品と見紛うばかりの光沢を放つ綺麗な直刃があった。 『偉大なる海路』にて、様々な冒険を共に潜り抜けて来た相棒だ、見間違えるはずがない。 目の前の刀は、正真正銘本物の『雪走』であった。 (あのジジィが修復した……?いや、無理だな。直せる傷じゃあなかった) 不可思議な状況に首を傾げつつ、雪走を腰に差すゾロ。 しっくりとくるその感触に頬を弛ませながらゾロは立ち上がった。 色々と疑問はあるがまずは後回し、仲間と合流すべく動こう。 歩き始めようと足を上げた瞬間――――ゾロの動きが止まった。 刀へと手を掛け、後方の闇を向く。 「ほう、気付いたか。なかなか鋭い……」 温和そうな印象を与える口調の言葉と共に、一人の男が闇の中から現れる。 柔和な微笑みと威厳を感じさせる顔付き。 その片方の眼は、漆黒の眼帯が覆っている。 服は青を基調とされていて、雰囲気から見るに恐らく軍服であろう。 「誰だ、あんたは?」 油断無く雪走を構え、ゾロが問う。 対する男は優しげな微笑みを浮かべたままゾロに一歩近付き、口を開いた。 「ちょっと聞きたい事があるんだが」 「……なんだ?」 「エドワード・エルリックという少年と、アルフォンス・エルリックという鎧姿の男を見なかったか?」 「見てねぇな……ここに飛ばされて人に会ったのはあんたが初めてだ」 「ふむ、そうか……」 ゾロの答えに男は、顎を抑え何かを考え始める。 そして、数秒後、顔を上げ真っ直ぐにゾロを見つめた。 「それではすまないが、死んでくれ」 その言葉を放った瞬間、男の瞳から温かみが消失。 まるで猛禽類の如く鋭い眼光がゾロを貫いた。 「はっ、猫被りはもう止めんのか」 だが、その視線にもゾロは怯まない。 むしろ、楽しそうに笑みを浮かべる。 「……良い瞳だ。力強く、誇りに満ちている」 「ありがとよ、ちょび髭」 ゾロの不遜な物言いに苦笑するかの様に、笑みを浮かべる男。 だが、それも一瞬。 眼光は鋭さを取り戻し、デイバックから出した得物を構える。 と、男が取り出した得物を見てゾロの表情が変化した。 「……それは」 「なかなかの業物らしくてな、良い刀だろう?」 「ああ、確かに……流石は俺の剣だ」 瞬間、ゾロが踏み込んだ。 月光に照らされた刃が、白銀の線を描き、男へと迫る。 「返してもらうぞ」 驚異的な速さの一閃。 常人だったら反応すら出来ないであろう一撃。 だが、眼帯の男は、事もなげにその一撃を受け止めた。 刃と刃が火花を散らし、鍔迫り合いの状態に変化。 二人の剣士の力を真っ正面から受け、二本の業物が激しい金属音を上げた。 「へぇ、やるじゃねぇか」 余裕の笑みで語り掛けるはロロノア・ゾロ。 対する男の表情は苦々しく歪んでいる。 (……なんという力だ) 全体重を刀に乗せ、何とか鍔迫り合いの状態を保ってはいるが、直ぐに崩れ去りそうなほど危うい。 「いくぜ」 ――瞬間、男の体が宙に浮いた。 それは単純な剛力。 海賊狩り時代、そして海賊となってから経験してきた様々な戦闘、馬鹿とも言える様な過酷な特訓。 それにより培った人間離れした剛力。 「くっ……!」 空中で姿勢を整えるも、膝をついてしまう。 顔を上げた時には、緑髪の男が迫っていた。 一瞬の間に何十と繰り返される剣戟。 振るわれた白刃を自らの白刃で受け止めるが、やはり圧し負ける。 (正面からは不利か……) 一筋の汗と共に、タン、と後ろに下がる男。 それは逃げとも言える行動。 一流の剣士に対し退くという事、それは敗北と同意義。 「一刀流居合――」 瞬間、ゾロの姿が欠き消える。 いや、消えたと思える程の速度で男に接近。 文字通り目にも止まらぬ早さで抜刀、一閃。 「――獅子歌歌!!」 技名を叫んだ時には、既にロロノア・ゾロは剣を鞘に収めていた。 そして――ゾロの右肩から左脇に掛けてを真紅の線が走った。 「な……!?」 自らの身体に現れた傷を信じられない様な表情で見詰めるゾロ。 灼けるような痛み。 流れ出す血液。 ゾロの意識は、急速に霞の中へと消失した。 ――それは、一瞬の攻防。 全身刀の殺し屋、政府直属の暗躍機関に属する剣士ですら、避ける事が叶わなかった一撃を易々と回避した男は、カウンターの斬撃をロロノア・ゾロへと叩き込んだ。 その一撃は、幾多の死線を潜り抜けてきたゾロですら、知覚不能。 麦わら海賊団『海賊狩りのゾロ』は異世界の剣士に――敗れた。 □ 「人間とは思えない戦闘力……。力、スピードだけで言えば私よりも上……だが剣術のレベルはそう高く無い」 ゾロが倒れたのを確認し、男――キング・ブラッドレイが小さく呟いた。 それと同時に刀――和道一文字を振るい、纏わりつく血液を落とす。 (さて……これからどうするか。 眼が覚めたらこの様な訳の分からない殺し合い。しかもエルリック兄弟、ロイ・マスタングまで参加している) ブラッドレイは冷静に思考する。 父の目的には必要不可欠な人柱、または人柱に成りうる男達。 彼等は、殺すには惜しい人材だ。 出来れば彼等を殺さずに脱出をしたい、だがそれは可能なのか? この首に付けられた、まるで犬を連想させる無骨な首輪。 これが爆発したら、十中八九自分は死亡する。 自分以外の人造人間(ホムンクルス)ならばどうという事もないだろうが、自分は些か特殊な人造人間(ホムンクルス)。 普通の人間の場合も同様だ。 考えるまでもなく、死亡する。 それに此処に倒れている緑髪の男の様に、常人離れした戦闘力を持つ人間が他にも居たら、国家錬金術師といえど後れをとる可能性はある。 この殺し合いの場に於いて、死は誰にも平等に襲い掛かる――そう自分にも。 ブラッドレイは頬に走る一筋の線に触れた。 その傷からは久しく見ていない、真紅の液体が流れている。 相当に錬度の高い抜刀術であったが、本来なら十分に避けきれた一撃であった。 『最強の眼』は伊達ではない。 相手がどんな化け物であろうと、一対一である限り、自分に攻撃を当てるなどあり得ない筈だ。 だが、命中した。 何時もと何か勝手が違う。 『最強の眼』に映る世界が何時もと違う。 何時もよりも世界が早いのだ。 これはおそろく―― 「――能力の低下か」 だが、あの狂った老人がそんな強力な能力を持ってるようには見えなかった。 ならば、この首輪によって制限されてる可能性が高い。 『最強の眼』が著しく制限されたこの状態。 そして、首には爆弾の仕込まれた首輪。 結局のところ、自分も鎖に繋がれた犬と変わらない。 尾を振り主人の御機嫌を取る醜悪な犬となるか、来る好機に向け心の中で牙を研ぐ狼となるか。 ――人在らざる者、キング・ブラッドレイは選択する。 □ 空に浮かぶ月が、漆黒の中に綺麗な円を描いている。 男はその月光の下、歩いていた。 手にはゾロから奪った二振りの業物、雪走と和道一文字。 男は選択した。 ――この殺し合いに乗る事を。 ――醜悪な犬として生き抜く事を。 ただ、主人に尾を振る事は無い。 ブラッドレイが尾を振るのは、自らを産み出してくれた父に対してのみ。 ブラッドレイが選択した道は『エドワード・エルリック』以外の人間を皆殺しにする事。 人柱にして、弟のアルフォンス・エルリックよりも実力を持った少年――今この場にいる人柱、人柱候補の中で、最も父に必要な人間。 彼を元の世界、父の元へと帰す為、ブラッドレイは犬となった。 【一日目/深夜/D-7・森林】 【キング・ブラッドレイ@鋼の錬金術師】 [状態]健康、頬に傷 [装備]和道一文字@ONEPIECE、雪走@ONEPIECE [道具]基本支給品一式。 [思考] 基本:エドワード・エルリックを優勝させ、元の世界へ帰す。 1:参加者を探し見つけしだい殺害する。 2:武器を探す。 [備考] ※治癒力が制限されている事に気付きました。 □ ――それはロロノア・ゾロとキング・ブラッドレイが戦闘している最中の事。 一人の少年が、その超人同士による現実離れした戦いに目を奪われていた。 「な、なんだよ、コレ……」 少年の名は前原圭一。 雛見沢という平凡な村に住む、平凡な少年だ。 圭一は、目の前で起こった、また現在進行形で起こっている出来事に混乱していた。 平和な生活を送っていた筈なのに、何時の間にか見知らぬ場所に連れてこられ――富竹さんが×された。 そして、その光景に茫然としていたら、今度は真っ暗な森の中。 急展開と言うのも生易しく感じる程、急激に移り変わっていく事態。 結果、前原圭一の精神は摩耗していった。 ――誰でも良い、人に会いたい。 ――自分と同じ様にあの教室に居たレナに、魅音に、会いたい。 その一心で森の中を歩き回り続け、その願い通り圭一は人を発見した。 異常な戦闘を繰り広げる二人を――。 「ほ、本当にあいつら人間かよ……」 知らず知らずの内に漏れた圭一の呟きは、誰にも聞こえる事なく、刀と刀がぶつかり合う音にかき消される。 「こんな化け物達を×せって言うのかよ……!」 無理だ。 例え自分が人を殺す覚悟を持ったとしても、もし銃がこの手にあっても、到底、勝てる気がしない。 ――逃げよう。 こんな戦いをしてる奴等だ、殺し合いに乗ってるに違いない。 見つかったら殺される。 そう判断した圭一はゆっくりと後ろに下がる。 幸いな事に、二人共、戦闘に没頭していてコチラには全然気付いていない。 一歩、二歩、三歩、後退る。 そして一目散に逃げようとし――二人の内の一人が倒れた。 「あ……」 倒れた、と言う事は勝負がついたのだろう。 つまり――死んだのか? さっきまで化け物みたいなスピードで動き回っていた男が、死んだのか? 間近で見た人の死に、先程、首を吹き飛ばされて死んだ富竹の姿――必死に思い出さないよう努めていたその無惨な姿が、頭に思い描かれた。 瞬間、圭一を襲う強烈な吐き気。 喉の奥、胃の底から甘酸っぱい何かが込み上げてくる。 圭一は口を抑え、その場に膝を付く。 「うっ……エ゛ェッ」 そして恥も外見も無く、圭一はその場に膝わ付き、胃の中身を吐き出した。 「レナ……魅音……」 粗方胃の中身を吐き出した後、圭一がポツリとつぶやいた。 それは、掛け替えのない親友達の名前。 あの二人も富竹さんの様に、倒れた男の様に、殺されてしまうのか。 胸を抑え立ち上がると、そこには誰も居ない。 あるのは緑髪の男の死体のみ。 再度込み上げる吐き気に耐えながら、圭一はその死体へと近付いていく。 死体はうつ伏せの状態で倒れていた。 先程までこの男が持っていた、刀らしき武器は何処にも無い。 勝負に勝った男が持っていたのだろう。 「…………」 圭一は黙って男の傍らに落ちているデイバックに手を伸ばした。 死人から物を奪う事に気が引けるが、この様な異常事態だ、仕方がない。 圭一はバックを拾い上げ、チラリと死体に目を向ける。 「ごめん……生き延びる為なんだ……本当にごめん」 最後にそう言い、立ち去ろうとした時――圭一はある事に気付いた。 (い、生きてる……?) 死体の背中がリズム良く上下している。 まるで、呼吸をしているかの様に、生きているかの様に。 ――ヤバい。 即座にデイバックを肩に掛け、逃げ出そうとする圭一。 このまま此処に居たら、デイバックを奪うところを見られたら、×される。 あんな戦闘をする化け物だ。 自分の様な子供など、素手でも楽に×せるだろう。 ――そうだ!俺みたいな普通の人間なんて、直ぐに×されちまうんだ! レナも、魅音も、みんな! その時、稲妻のような衝撃が圭一の脳内に走った。 ――ちょっと待て、前原圭一。 今、この瞬間なら、この化け物も倒せるんじゃないか……? いくら強くたってこの男は気を失っているんだ。 ほら、良く見ろよ。全然、隙だらけじゃないか。 あのマリモみたいな頭に、金属バットか鉈でも振り下ろせば、この化け物は死ぬ。 ……そうすれば誰も死なない。 レナも魅音も、少なくとも、この化け物に殺される事はなくなる。 そうだ殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ――――何を考えてるんだ、俺は。 大事な事を忘れている。 トドメを刺す為の武器が無い。 素手で殺すか? 無理だ。 殺し屋じゃあるまいし、ただの学生に素手で人を殺す力なんて無い。 絞め殺すという方法もあるが、この男が目覚めてしまったら終了だ。 逆に絞め殺されてしまう。 どうする、やっぱり逃げるか――? 呼吸を荒く一歩後退した。その時、圭一はある事に気付いた。 ――デイバック。 そうだ、あの爺さんが言っていた。 ランダムに武器になりうる支給品が支給されてる、と。 落ち着け、クールになれ。 倒れ伏すゾロを警戒しつつ、圭一はバックを漁る。 瞬間、何かが手に吸いつくのを感じた。 圭一は迷う事なくそれをバックから引き抜く。 圭一の右手に握られた物、それは―― 「これは……」 ――何処か見覚えのある金属バット。 様々な世界で圭一に使用される事となる金属バットが圭一の手の中にあった。 「殺せる……」 この金属バットを男の頭目掛けて振り下ろせば、この化け物のような実力を持つ男を、自分が殺せる。 見逃せば他の誰か――レナや魅音を襲うかもしれない。 殺せ、殺すんだ。 今まで経験した事のない、いや考えた事すらない、平穏からはかけ離れた思考――人を殺すか、否か。 呼吸は荒くなり、汗が噴き出す。 一瞬、だが圭一にとっては何時間と感じる思考ののち―― 「殺す、んだ。此処でこの化け物を殺さないと、レナ達が……殺されちまう!」 ――圭一は選択した。 目の前の男を殺す、その道を。 もし圭一が本当に冷静であったのなら、選ぶはずのない選択肢を、選択した。 バットを握り締め、倒れ伏している男へと近付く圭一。 (殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ――殺すんだ!) バットを振り上げる。 それ程の重量を持たない筈のバットが異常に重く感じた。 そして、時間が止まったかのように、圭一の動きが止まる。 だがそれも一瞬。 「うぉぉぉぉおおおおお!」 獣のような咆哮と共に金属バットを振り下ろした。 (――殺った!) 金属バットを振り下ろす最中、圭一は確信する。 自分の全力、全体重を乗せての一撃。 確かにこの一撃が当たればロロノア・ゾロとはいえ、制限下に置かれた今なら死ぬ。 その緑色の頭から、漆黒の血液や薄黄色の脳髄を噴き出し、その生涯を閉じるだろう。 ――当たれば、だが。 圭一の耳に届いた音は、頭蓋を叩き割る鈍い音ではなく、小気味よいパシッ、という音だった。 まるで固定されたかのように、ピクリとも動かないバット。 バットを掴む大きな手。 そして、肉食獣のような鋭い瞳で睨む男――気絶から覚醒している。 「……何やってんだ、テメェ」 「あ、ああ、あ……うわぁぁああああ!」 恐怖。 男の瞳に――本物の殺意が籠もった瞳を見た瞬間、圧倒的な恐怖が圭一の心を支配した。 ただひたすらに、恥も外見も、唯一の武器も振り捨て走り出す。 だが、相手は一億二千万の賞金を賭けられる剣士。 当然逃げられる訳もなく、 「逃げれると思ってんのか?」 その言葉が耳に届いたと同時に、圭一の意識は闇の奥へと消えていった。 □ 「何なんだ、コイツは」 目を覚ましたと思えば、直ぐ目の前に迫る金属バット。 反射的に掴み止め持ち主を見ると、見知らぬ少年。 そして、まだガキとも言える見た目とは裏腹にその瞳が映し出していたものは、ドス黒い殺意。 面白い、そう思い睨み返してやると、脱兎の如く逃走。 反射的に当て身をして意識を飛ばした。 そして、今現在そのガキは自分の足元で気絶している。 「このまま放っておくってのもな……」 数秒の思考の後、圭一を肩に担ぎ歩き始めるゾロ。 その様子からは肩からの一閃に対するダメージは見受けられない。 ――ロロノア・ゾロは生きていた。 流石にピンピンしているとは言えないが、行動に支障が出る程でもない。 それは圧倒的な耐久力。 元来の異常なタフネスに加え、麦わら海賊団に入団してからの様々な冒険。 何時しか、その耐久力は化け物と敬称されるまでになっていた。 それは、人造人間キング・ブラッドレイでさえ見誤る程に常人離れした耐久力であった。 雪走は無くなっていた。 おそらくあの眼帯が持っていたのだろう。 何で気絶していた自分に止めを刺さなかったのかは分からない。 だが、自分は確かに敗北した。 獅子歌歌を避けられ、返しの一撃で自分の意識は途絶えた。 眼帯が放った最後の一撃は反応する事も、知覚する事すら出来ない程に早かった。 貧弱な力とは裏腹の圧倒的な技量。 剣士に対する二度目の敗北。 だが、自分は生きている。 ならば、何度でも挑戦しよう。 奴に勝った時、自分は今の自分より遥か高みに居るのだから。 最強の剣士に一歩近付く事ができるのだから。 「俺を生かして置いた事を後悔するんだな、眼帯チョビ髭……!」 決意を新たに剣士は歩く。 その背に危うげな少年を背負いながら。 【一日目/深夜/C-7・森林】 【ロロノア・ゾロ@ONEPIECE】 [状態]右肩から胸までの切り傷。 [装備]悟史のバット@ひぐらしのなく頃に [道具]基本支給品一式×2 [思考] 基本:仲間を探す。 1:圭一が目を覚ますまで周辺を探索。 2:刀が欲しい。 3:三本の刀が揃ったらブラッドレイにリベンジ。 【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】 [状態]首に極軽度の打撲、錯乱気味 [装備]なし [道具]なし [思考] 基本:仲間と合流、仲間の為、殺し合いに乗ってる奴を殺す。 0:気絶中 1:レナ、魅音と合流したい。 2:他の殺し合いに乗っていない参加者とも会いたい。 Back 時報(オープニング) 時系列順で読む Next 答えはどこに Back 時報(オープニング) 投下順で読む Next 答えはどこに GAME START キング・ブラッドレイ Next GAME START ロロノア・ゾロ Next Back 時報(オープニング) 前原圭一 Next
https://w.atwiki.jp/hachimanjinja/pages/1642.html
「校庭の方は片付いたか、では、我々も出発するとしよう。」 「あいあいさー♡」 オルトロスの面々が学校の中にいたゾンビをほとんど殲滅してくれたお陰で行動しやすくなっている、高校を奪還するなら今しかない。 校門の前にはゾンビが多い、だが・・・。 「ゲルトルート、片づけるぞ。」 「って、あれ?」 ゲルトルートが居ない。 「どこに行ったんだ?」 「ガアッ!」 後ろでゾンビの叫び声が聞こえた。 「!?」 「グアッ!!」 今度は右だ。 「ガッ!」 真後ろ。 「ゴアッ!」 左。 「一体何が起こっている?」 目を凝らすと何者かが殆ど視認不可能な速度で移動しているようだ。 「くっ・・・誰だ?」 見る見るうちにゾンビが倒れて行く。 「まあいい、とりあえず校門を閉めるとするか。」 重い扉をゆっくりと閉めて行く。 その間にも誰かがゾンビを倒しているようだ。 「誰だか知らんが・・・助かった。」 校門を完全に閉め終えるとため息をつく。 「これでゾンビは入ってこないだろう、これでガーランド達がゾンビを倒してくれれば・・・。」 「高校は奪還できる、ってことね。」 ゲルトルートが急に目の前に現れた。 それも奇妙な刀を持って。 「さっきまでゾンビを倒していたのは・・・もしかしてお前か?」 「ええ、そうよ、便利でしょ?私って。」 ゲルトルートが持っていた刀を見せた。 「「トゥルーデ」、これは武器の名前でもあり私の名前でもある、もう私の体の一部みたいなものね。」 「これは・・・刀のような・・・鋸のような・・・何だこれは?」 刀身のところに美容師が使うような櫛のように小さい刃が並んでいるいる。 「私も知らないわ、そういう武器らしいから。」 ゲルトルートは刀を鞘に入れた。 「さあ、理科室に戻りましょう、ちょっと見せたいものがあるのよ。」 「見せたい物?何なんだそれは?」 「ウフフ、帰ってからの、お・楽・し・み♡」 ゲルトルートは寒気のするウインクをした。 戻る
https://w.atwiki.jp/hengokurowa/pages/263.html
赤い月の光で照らされた平安京の中に一人の金髪の青年がいた。 その青年はほとんど裸に近い状態であった。 彼が身に着けているものは下半身を隠す下着、それがただ一枚のみであった。 そんな姿をしたその青年は空に浮かぶ赤い月を見てこんなことを考えていた。 『なんか、魔物(おもちゃ)が蘇り(補充され)そうな夜だなあ』と。 彼が知っている赤い月は、死んだ魔物が蘇る時に出現するものであった。 今見えている月にそんな効果は無いことはルール用紙を確認すればすぐに分かる。 あくまで彼の世界で起こる現象に照らし合わせただけの感想だ。 それとは別に、本当に魔物たちが無限に湧き続ける環境で殺し合いをするのも面白そうだなとは思っていた。 ◇ かつてハイラルという国にリンクという英傑がいた。 彼は100年前にガノンという厄災との戦いにより傷つき回生の祠という場所でその傷を癒していた。 100年の時を経て目を覚ましたリンクは再びハイラルを救うべく動き出した。 そのハイラルを救う方法というものは、必ずしも一つだけではなかった。 目が覚め、右も左も分からない状態で、様々な人の助けを借りて冒険を進めることができた。 ハイラル全土を隅々まで旅することもできた。 そして、仲間の力を借りて共にガノンを相手に戦うことができた。 それとは反対に、目が覚めたらすぐに一人で倒しに行くこともできた。 これを発展させ、どれだけ早くガノンを倒すことができるのかなんてことに挑戦することもできた。 リンクの旅はその過程をどのようなものにするのか、自分の意思で自由にできた。 そんな『旅の仕方』ごとに様々な可能性の世界のリンク達がいた。 だが、自分ができることを探求するあまり道を外れるリンクもいた。 魔物を一方的に虐殺するならまだいいほうだ。 人に向かって大量の爆弾矢を浴びせてみたり、魔物を人が暮らす村の中に連れてくるなんてこともあった。 女性に対するセクハラや自然環境の破壊なども躊躇なく行えてしまう。 ガーディアンやライネルといった強敵も彼にとっては自分の欲望を満たすための道具に過ぎない。 あちこちに連れまわしてみたり、強力な魔物同士で戦わせてみたり。 魔物の殺し方を凝るようなこともあった。 このように、様々なことをやりたい放題好き放題に暴れ回ったリンクがいた。 それはまさしく暴力、悪知恵、蛮勇のトライフォースを兼ねそろえた者とも言えるだろう。 彼のように、やってみたいと思ったことのためならどんな苦労でも、どんな非道でもやってみせる英傑らしからぬリンクのことを人々はこう呼んだ。 『厄災リンク』と。 ◇ この殺し合いの場に連れてこられたのは、その厄災リンクであった。 彼は、自分を巻き込んだこの殺し合いをとことん楽しみつくすつもりでいた。 彼が下着一枚だけの姿になっているのは自分の意思によるものだ。 たまたま脱いでいた時に連れてこられてきたわけではない。 元々身に着けていたものは全てデイバックの中に収納済みだ。 もちろん彼は殺し合いでほとんどの素肌を晒すことの危険性について理解している。 身を守るものを身に着けていなければちょっとしたことで大怪我を負うことくらい言われなくても分かっている。 しかし彼は今、生まれたままの状態に近いこの姿を、自分の戦いにおける正装としていた。 何故ならば、その方が面白いと思うからだ。 怪我をしたくなければ攻撃を全て避けたり防いだりすればいいだけのことだ。 だから彼にとって、今の自分の状態はさほど問題あることだとは思っていない。 「フッ、フフッ」 リンクの口から、思わず笑い声が漏れ出る。 これから自分はこの殺し合いでどんな奴等と出会うのか、そいつらと一体どんなことができるのか。 そういったことへの期待が高まることで出てくる声であった。 たとえ殺し合いを強要されていても彼の好奇心は止まらない。 厄災と呼ばれたこの男にとって、全ては遊ぶための玩具となるのだ。 その全ての中には彼自身も含まれている。 【厄災リンク@ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド】 [状態]:健康、パンツ一丁 [装備]: [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~3、英傑の服@ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド、ハイリアのズボン@ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド [思考・状況]基本行動方針:遊ぶ。 1:思いついた楽しそうなことは何でも試してみる 2:他の参加者をどうするかは見つけてから考える [備考] 神獣や記憶は全て解放済みです。 名簿にはリンクと記載されます。 【英傑の服@ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド】 リンクが装備できる服の一つ。 ゲームでは装備すると敵の体力を数値で確認できるようになる効果がある。 元から身に着けていたもののため支給品ではない。 【ハイリアのズボン@ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド】 ハイラルで広く親しまれている一般的なズボン。 元から身に着けていたもののため支給品ではない。
https://w.atwiki.jp/25438/pages/3237.html
1 ※スマートフォンなどでテキストが読みにくい場合は、こちらをお試してください。 [PDF版] 梓「これがお別れなら、きみは憂」.pdf [JPEG版] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 唯と梓と憂 2014/09/18 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14921/1410986508/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る 色々と謎の多い作品だ。 -- (名無しさん) 2014-10-05 16 11 34 う~んキツネにつままれたような… テーマは? -- (名無しさん) 2014-09-24 01 52 39 文の構成は、左が唯で右が憂のセリフ。 下手に内容を考えても無駄かも。 -- (名無しさん) 2014-09-23 02 17 02 梓が平沢姉妹に翻弄されてるのか、姉妹は梓の想像上では一体で裏と表のようなものなのか。 色々考えさせられます。 変わり種の作品ですね。 -- (名無しさん) 2014-09-21 23 41 37 実験的で面白い。 もっとじっくり読んでみます。 -- (名無しさん) 2014-09-21 20 42 06
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1071.html
6話メガネ、熱血男、そして 「銀さーんいますかー?…はぁ」 B-2のスーパーで人を探しているのは志村新八である 「まったく…いったい何なんだ…?」 「なあ、そこのあんた」 「!?」 「そんなおどろかないでくれ」 「そうだ名前を言い忘れてたな」 「俺の名前は青木林だ」 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 二人の支給品を確認したころ 「とりあえず二人とも探している人がいるんだね」 「よし、じゃあ探しに行くか」 といったところに バンッ! 「え…?」 反応したのは志村新八だ 彼は撃たれたのだ 「志村さん!」 彼が駆け寄ると バンッ! 「あ…」 「すまねぇ…友、百合、先生…」 そう言って息絶えた ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 「やってしまった…」 そう言っているのは骨川スネ夫だ 「でも仕方ない…ドラえもんを探してどうにかしなきゃいけない」 「こいつらにドラえもんが殺されるかもしれないのに…」 「早くドラえもんを探そう…」 【一日目/朝/B-2スーパー】 【骨川 スネ夫@ドラえもん】 [状態]健康 精神不安定? [装備]ワルサーPPK(5/6)予備弾18発 [所持品]基本支給品×3 不明支給品2~8 [思考・行動] 基本:ドラえもん達と帰るために邪魔な奴を倒す 1:友人たちとあう ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ああ、すいません銀さん どうにかして生き残ってください… こんな従業員ですいません… 【青木 林@オリキャラ 死亡】 【志村 新八@銀魂 死亡】 ≪オリキャラ紹介≫ 【名前】青木 林(あおき りん) 【年齢】14 【性別】男 【職業】中学生 【性格】熱血漢 【身体的特徴】黒い短い髪 【服装】制服 とある三人の友情結束 時系列順 バカと妖怪ととある少女 とある三人の友情結束 投下順 バカと妖怪ととある少女 ゲーム開始 骨川スネ夫 骨川スネ夫の間違い ゲーム開始 青木林 死亡 始動-start- 志村新八 死亡
https://w.atwiki.jp/saigonotubasa/pages/89.html
「戦車押してたら俺が死んでしまうやろうが!!」 (いいですね。誰もが思っていることをズバッと言ってのけるこの開き直りっぷり) 「体重80kg以上になった人間は死ね」 (世のピザ全てを敵に回すこの発言) 「○○○○○は人類の底辺、ゴミくず以下。FPSが少しできるだけ」 (有名プレイヤーに対してこの暴言である) 「○○○○○の攻めは時代遅れ。お前は化石かアホ」 (同じく別の有名プレイヤーに対してこの暴言である) 「デブじゃしょうがない諦めていい」 (喜ぶべきか悲しむべきか。非常に受け答えに困る発言) 「生かしとく理由がわからん、居たら邪魔になるからな。」 (唯我独尊) 「また俺の名を刻んでやっても構わんのだが?」 (かっこいいけど、よく考えるとやっぱり単に口が悪いだけである) すなけ「AVAランク 77-56 もう敵はいない」 祭「俺が・・・」 祭「俺たちが!」 祭「AVAランカーだ!!」 (お前らはやくランキング押す作業に戻れ) スカイフィッシュ「マクドのふにゃふにゃポテトが好き」 祭「もはや大阪語、日本語しゃべれボケが」 (だからマックの小さいッはどこからきてんだよ。マクドこそ世界標準語) SONAR「まつりさんなんでぬけたの」 祭「試しにボタン押してみた」 (試しに押したままにするあたりがやばい) スカイフィッシュ「マクドのふにゃふにゃポテトが好き」 祭「もはや大阪語、日本語しゃべれボケが」 (少し食べ物の話をしただけでこの暴言である) maturi「くそじゅいは嘘、適当ばっかり言う、さらに何言ってるかわからん で信用ならん」 (もうそれ人間として扱ってないよね) maturi「今まさにmaturiの季節」 (ちょっと意味わかんないですね) maturi「名言追加していいよ」 (はい) のまね「AWMきたら本気出す」 祭「何をするにしても言い訳ばっかりで・・・はじまらねーよそんなことじゃ・・・」 (たまに良いこと言うよね。お前が言うなとも思うけど。)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2427.html
乗り換えた糖武日洸線が思いの外空いていて座席に座る事ができたため、こなたはようやく人心地つくことができた。 秋葉腹の聖夜は他とは決定的に違った趣があるとはいえ、街を包むこの日独特の空気に変わりはなかった。 ジングルベル ジングルベル メリークリスマス メリークリスマス 今日の佳き日を祝う呪文に満ちた街は、ややもすると息苦しい。キリスト教的ではないと喝破した(出来たかどうかは別問題として)クリスマスだが、まるで別の宗教の祈りの言葉のようである。これを「日本教」と呼んだ人もいたが、それもなんだかいまいちピンとこない。 ジングルベル ジングルベル メリークリスマス メリークリスマス…… ……日本を席捲したこの呪文も、さすがに電車の中にまでは進出しておらず、クリスマスを感じさせるものは吊広告と時折車窓から見えるデコレートされた民家くらいなものであり、そこに雪はない。 年に三回も雪が降れば、「今年はやけに降るな」と訝る土地柄である。関東平野も北寄りとなれば、1月から2月に南岸沿いに雪を降らせる台湾気団の影響も限定的で、三国峠が健在なおかげでシベリアの元粉雪(日本海を渡る際にぼた雪になる)もあまり降らない。 だから思うのだ。ホワイトクリスマスとは、自分の隣が空白という意味ではなかろうか、と。 そのホワイトクリスマスな男たちを前にしての歌のステージ。赤服で訥々と、雪を思わせる声でクリスマス・ソングを奏でる長門店員のバックで、温厚なつかささえ辟易とさせたテンションが炸裂した。それでも乱れることなく歌い終えた長門店員と共に一礼した時、客の誰かの呟きが耳に入ってきた。 聖夜のイカれたお姫様……。 ……この疲労感は虚脱感にも恍惚感にも似て、神と向き合うにはちょうど良いと思う。 帰ったらそうじろうに渡すつもりのプレゼントを押し退け、鞄から辞書のような装丁の本を取り出し、膝の上で開く。表紙、扉、目次を飛ばし、幕を開けた始まりの物語に身を投じる。原作を読んで、神と向き合う。 ……奇跡は聖夜の起きるのだろうか? ……それとも、聖夜が奇跡を起こすのだろうか? 不意に、こなたの横の空白が埋まった。 座席の隣の場所に他の乗客が座っただけなのであるが、その人の様子がおかしい。他にも空きはあるのにわざわざこなたの横に座り、その青年は何やらしきりに、隣に座った小さな女の子を気にしているようだった。 ……あるいはそれとも? 「ア、アノ……」 半分期待し、半分警戒しながらページをめくろうとした時、果たせるかな。隣の青年が、たどたどしくも声にかけてきたのだ。 「はい……?」 その青年は髪こそ黒いが、日本人よりも深い彫りというか、奥行きがあるというか、あるいは鼻が長いともいうべき顔……がそこにあった。 「ソレ……」 青年はこなたが膝に広げていた本を指差し、もどかしげに問う。 「Bible……デスカ?」 気になったのは聖書の方だったようである。 ベタな展開である。こなたの頭に、ゴライアストリバネアゲハ(世界最大の蝶)でも止まっていれば、さぞかし前代未聞だったろうに……。 こなたは答える。 「原作です」 「ゲン……サク?」 青年はなおも聞きたそうにしていたが、やがて下車駅についてしまったようで、名残惜しげに降りていった。入れ替わりに、妙に既視感のある浅黒い肌の三人組が乗り込んできた。確証はないが、一日五回メッカの方向に祈りを捧げていたら、さぞ絵になりそうな感じの三人組である。 既視感の正体はすぐに判明した。この三人組、「ひ●っこりひょ●たん島」のオッサン、タクサン、ケッサンにそっくりだったのだ。たしか金を貯めて世界旅行を夢見ていた三人組である。……その最中なのだろうか? 「ぷぷ……」 吹き出しそうになる顔を聖書で隠す。 こなたは大して長くもない乗車時間中に聖書世界に戻る事ができたのだが、三人組もどうやらこなたを気にしているようだった。 聖夜。 こなたは神の言葉と共に在った。 ……のだが。 つづく コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/crackingeffect/pages/156.html
「改めて話をしよう、藤井蓮」 「構わないぞ、アーサー・ペンドラゴン」 開口一番に互いの真名を突きつけて、二人の剣士は静かに顔を突き合わせていた。 バツの悪いような雰囲気はどこにもない。二人のどちらもが、相手が自分の名を知っていることは想像の範疇だったと言わんばかりに、当然の顔をして話を続けていた。 アーサーが蓮の名を特定できたのは、事前の知識があったればのことであった。 エレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルグ、黒円卓の魔操砲兵。その名を告げた際の反応と、彼の持つ雷剣の真名とを結び付ければ話は単純である。 スルーズ・ワルキューレはザクセン選帝侯の所有下にあった宝物として有名だが、それはあくまで宝物、兵器として運用された逸話は存在しない。 第二次大戦下において流出したその剣を実戦にて用いた者は歴史上に一人だけ。聖槍十三騎士団黒円卓第五位、ベアトリス・キルヒアイゼンは、しかし眼前の男とは性別も人種も噛み合わない。 黒円卓関係者の日系人と言えば第二位トバルカインの櫻井武蔵だが、彼の得物は巨大な槍。ならば残る可能性は、ベアトリスと同じく黒円卓に反旗を翻した副首領の代替品を置いて他にない。 蓮のほうは更に単純だ。アーサーの用いた宝具「エクスカリバー」は多くの贋作や姉妹剣があるものの、星そのものの燐光たる黄金を解き放つものなど一つしかない。 すなわち真なるエクスカリバー、その輝きだ。ならばかの聖剣を携えるは騎士たちの王以外になく、真名の特定は容易である。 「本戦が始まって以降、事態の推移が著しく早まっている。本来なら日常の非日常の狭間で行われる戦いが、最早日常と化してそこかしこで振るわれている」 「戦いが激化すれば当然脱落者も倍増する。戦場の移り変わりが激しい以上、情報の更新は最優先か」 なるほど、と頷く。聖杯戦争は究極的には個人戦だが、バトルロワイアルの形を取っている以上は徒党を組むのが常套手段。特に序盤、仮想敵が多い時ほどその有用性は増大する。 しかしこの状況を見れば、聖杯戦争は既に山場を越えている。今までは複数人で行動していたがために身動きが取れなかった者らが、個人へと戻りその活動を活発化させていてもおかしくはない。 故に対処の手は早ければ早いほど理想的で。 そして何より、終盤に同盟の手を切る利得は「聖杯を求める主従」にしか存在しないために。 「情報交換をしようか。きっと、まだ先は長い」 二人は互いを睥睨し、どちらからともなく話し始めた。 ────────────────────────。 「丈倉由紀に骸骨面のアサシンか。すまないが覚えがないな」 「そうか」 壁に背を預けペンを持つ蓮は、紙面に目を落としながら短く答えた。 「僕たちのいた孤児院を襲ったサーヴァントの中にもアサシンはいた。しかしあれは骸骨面……ハサンの系譜に連なる英霊ではないだろう。それに」 「ああ。そのアサシンは俺が殺した。マスターの特徴も酷似しているから間違いない」 顎を押さえ、何かを思案するかのようにアーサーが頷く。 「だがそれよりも、聞き捨てならないのは赤のアーチャーだな。そいつの真名は、本当にエレオノーレで間違いないんだよな?」 「直接面通ししたわけではないが、彼女のマスターからそう聞いている。 身体的な特徴に戦闘スタイルから鑑みても疑いの余地はないだろう」 「……そうか。 だとすれば、かなり頭の痛いことになっちまうな」 「それは?」 「俺のほうでも大隊長に遭遇してる。黒騎士、ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲンだ」 蓮のその言葉に、アーサーは驚きの念を隠すことができなかった。 ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン。黒騎士マキナ。 その名はアーサーの遭遇した赤騎士と同じく、魔人集う黒円卓において尚超越者として列席された三騎士の一角だ。 その拳は現存する遍く全てを打ち貫き、万物の歴史すら終焉させるという幕引きの一撃。 アーサーの持つエクスカリバーとはあらゆる面で最悪の相性を持つ宝具だ。仮にアーサーの遭遇した者が赤騎士ではなく彼であったなら、果たしてその命があったかどうか。 「心配しなくても、そいつは俺が殺したよ。でも問題はそこじゃない」 「……確かにそうだ。黒化と赤化が揃ってしまった以上、玉体たる黄化と産道の翠化は除外しても、まず間違いなく白化もこの街に喚ばれている」 不死創造───黄金錬成。 その核となる五つの要素のうち、黒・赤・白の三つは極めて深い繋がりを持つ。 死なずのエインフェリア、すなわち黄金獣の眷属。彼らは一個人としての肉体と自我を持ち合わせているが、その本質は黒円卓首領ラインハルト・ハイドリヒを構成する爪牙の一部に過ぎない。その意味で言えば、彼らは存在を同じくする同一人物と言ってもいいのかもしれない。 聖杯戦争において、その強すぎる縁は「連鎖召喚」として機能する。 つまり。 「白化、ウォルフガング・シュライバー。考え得る限り最低最悪の戦争狂だ。 とにかく殺すことしか頭にない気狂いだからな。交渉の余地だとか戦闘回避だとか、そういうことは考えないほうがいい。考えるべきじゃない」 伝聞ではない実感として、蓮は心底の忌避がこもった口調で呟いた。 彼の言にはアーサーも全面的に同意するしかない。たった一人で18万もの人民を殺戮し尽くした、血に狂った殺人レコードホルダー。まず話の通じる手合いではない。 それに何より。 「仮に白騎士が召喚されているとしたら……まずいな、僕とは酷く相性が悪い。 ある意味では黒騎士以上だ。マスターを狙う以外に対処法が思い浮かばない」 白騎士ウォルフガング・シュライバーの持つ創造は「絶対回避」「絶対先制」。アーサーの手持ちの攻撃手段ではそれらを突破する道がない。 無論ただでやられる気など毛頭ないが、それでも圧倒的に不利なのは事実。なんとか打開策を見出したいところではあるのだが。 「それなら心配するな。俺が何とかする」 「……やれるのか?」 「まあ、アンタよりは勝算があるよ。それより、もしも同時に赤騎士が出てきたら、その時は」 「ああ。彼女は僕が受け持とう。尤も、彼女のマスターは既に脱落しているわけだが」 「未来は常に最悪を想定しろってな。それにマスターが死んだ程度でアレを倒せるなら、俺は生前苦労しちゃいないよ」 赤騎士のクラスはアーチャー。マスター不在でも活動できる単独行動のスキルにより生き残っている可能性は決して否定できない。 新たなマスターを獲得しているとしたら、彼女もまた難敵となって立ち塞がるだろう。願わくば、百合香の遺した令呪がこちらの有利に働けばよいのだが。 「ともあれ、俺達の情報を照合すると本戦以降の陣営はこうなるわけだ」 そう言うと、蓮は今まで書き綴っていたメモ帳からペンを離し、アーサーにも見えやすいよう手元に置く。 アーサーは書かれた内容に目を落とし、納得するように頷いた。 自陣営 キーア───セイバー アイ・アスティン───セイバー すばる───無手のランサー(霊基変動?) 健在 エレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルグ(アーチャー) ???───元村組のライダー 丈倉由紀───歴代ハサンのいずれか(アサシン) ???───ウォルフガング・シュライバー ???───戦艦のサーヴァント 脱落 すばるのアーチャー 無手のランサーのマスター 辰宮百合香(赤騎士のマスター) みなと───ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン(ライダー) 古手梨花───壇狩摩(キャスター) ???───幸福(キャスター) ???───キャスター(壇狩摩により双方消滅) 少女(名称不明)───異形のバーサーカー 錬鉄のマスター───アサシン 不確定 黒の矢と黄金の剣を放つサーヴァント(単騎ではなく複数?) 浅野學峯鎌倉市長 「確認が取れたのは俺達を含めて15陣営。内7騎は脱落済み、未確認の連中が全員生き残ってると仮定しても残りは俺達を除いて最大13陣営。 実際には俺達の知らないところでも戦火が広がってる以上結構な数が脱落してはいるんだろうが、そこらへんは未知数だな」 「幸いと言えるのは、未確認の主従でも協調の意思がある者たちがいるかもしれないという可能性が残っていることか。 キーアもアイもすばるも、そのいずれも参戦意思の確認なく強制的に連れてこられた。だとすれば聖杯戦争に反発する者がいてもおかしくはない」 「健在の奴らでそういう連中が見当たらないのは、そもそも脱出派はできるだけ目立つ真似をしたくないから……だったら良いんだけどな。あくまでいたら儲けもの程度に考えておくべきだな。 確認済みの連中で協調できそうな奴はなし。せいぜいがハサンくらいだが望み薄、そして未確定が8陣営」 「目下接触すべきなのは黒の矢と黄金の剣を持つサーヴァントかな。僕たちを手助けした理由が打算に基づいたものであったとしても、少なくとも利点があれば協力できる可能性がある」 「まあ、そうなるよな」 仮に自分たちが大隊長と戦うのだとして、現状では戦力があまりにも心もとない。 理想はその前に脱出手段を確保することであるが、どちらにせよ他陣営との接触は急務である。 「俺としちゃ、キャスターがほぼ確実に全滅してるってのが気になるな。幸福ともう一人はともかく、壇狩摩の消滅は惜しい。 奴の逸話を鑑みれば聖杯の解体なり地脈の接続なりができたかもしれないけど、後の祭りだな」 「……済まない。彼の脱落は僕の落ち度だ」 「いや、責めるつもりはないよ。言いたいのはキャスターの代わる魔術師か、それに詳しい人間を確保しなきゃいけないってこと」 アーサーの瞳が蓮を映す。 確認し合うようにお互い頷くと、蓮は言葉を続けた。 「ルーラーも監督役も姿を見せない以上、参加者間で事を解決するしか方法はない。 探すべき相手も見定まった。反撃はここからだ」 ▼ ▼ ▼ 閉じた視界に光が差す。 瞼の裏に映る暗闇、そこに佇む四人の人影が、徐々に遠のいていった。 友奈には、それが誰なのか分かった。 あれはかつての自分たち、幼い日に見た大切な友人たちの姿だ。 不思議だったのは、それが"五人"ではなく"四人"だったこと。 そこにいるべき自分が、独りだけ離れていたということ。 追いつこうと駆け出して、けれど足が動かない。 石のように固まって、友奈はただ見ているしかできなくて。 手を引かれる感触がした。 背後を振り返るとかつての自分と同じように、満面の笑みを張り付けた少女がいた。 手に持っているのは古びたハサミ。 友奈は何かを言おうとして、 けれど耳を劈く悲鳴に掻き消された。 視界の黒が赤に染まる。 少女の笑顔と手に持つハサミが赤に染まる。 張り裂ける絶叫が、胸に刃を突き立てられた自分のものだと分かった瞬間。 友奈はただ、懇願にも似た謝罪を心の中で繰り返した。 ごめんなさい。 ごめんなさい。 ごめんなさい。 心の中で百度も千度も許しを乞うて。 けれどもそれは、一度も口から出ることはなく。 鮮血に煙り笑う少女のその向こうで、憐れむ誰かの声が木霊する。 「…………。 懺悔ってのは免罪符じゃないんだよ、友奈。今更言っても遅いけどね」 ▼ ▼ ▼ 少女が涙を流していた。 すばるはどうしてか。 その少女が深く深く悲しんでいるのと同じに、どうしようもないほど自罰しているのだと察することができた。 「彼女は、とても優しい人」 隣にしゃがむ、キーアという名の少女。 キーアは嫋やかに手を差し伸べて、涙流す少女の頬に触れる。 「誰かを思いやれる人。自分以外の、助けを求める誰かの手を掴むことができる人。 とても優しい、暖かな人」 零れ落ちる雫を拭う指、柔らかに滑らせて。 「そうじゃなければ、こんなに自分を追い込んで、涙流すなんて。 きっとできないもの。涙、こんなにも溢れさせて」 キーアは悲しげに、その瞳を伏せた。 その目は眼前の少女ではなく、どこか遠くへ。 ここではないどこかへ向けられていた。悲しげな表情の向こうに何を見ているのか。 何を想起させているのか。 すばるには分からない。 尋ねることもできない。 けれど。 「だとしたら……」 思いを馳せることはできた。 優しい少女。涙を流す少女。 真名は分からず、そのクラスさえ茫洋と判別がつかず。 その優しさ故に地に堕ちたというならば。 それは、きっと。 「悲しいね……とっても」 ロストマン。喪失者のクラス。 言葉交わさずとも伝わるその悲しみ。 その優しさが本物ならば、きっと彼女は失ってしまったのだ。 助け求める誰かを。自分以外の、大切な誰かを。 すばると同じように。 あるいは、キーアと同じように。 失ってしまって、だからこんな風になってしまって。 声持たぬ彼女の悲しみを、何故理解できたのか。その理由が分かった気がした。 「ねえ。あなたの願いは、なんだったの?」 ───願い。 尊く輝くもの。 手を伸ばせば、きっと誰もが掴めるはずのもの。 「わたし……あなたがいてくれたっていうそれだけで、これ以上ないくらい救われたんだけどな」 自分でも判別のつかない感情を滲ませて。 すばるは、囁くように声を漏らし。 「───……あ」 ふらり、 と、一瞬気が遠くなって。 我知らず後ろへ倒れてしまおうとしたところに、 ぽん、と肩を抱かれ、すばるは誰かの腕に受け止められた。 「大丈夫ですか、すばるさん?」 「……アイちゃん」 肩から振り向けば、そこには少女の小さな顔。 エメラルドのような翠色の瞳が、心配そうな気配を湛えてこちらを見つめている。 「すばるさん、やっぱり疲れが溜まってるんですよ。今日は色んなことがありましたから…… 少し休んでください。まだ時間はありますし、こんな調子じゃいつ倒れてもおかしくありません」 「でも、まだみんなが……」 「大丈夫です。セイバーさんたちが戻ってきたら、私達も少し眠りますから」 「うん……」 肯定されて、途端に瞼が重くなったのをすばるは自覚した。 緊張の糸がほぐれたのか、疲れのことを認識してしまったからか。 分からないが、今まで鳴りを潜めていた睡魔が、一気に頭へ圧し掛かる。 「……じゃあ、ちょっとだけ……アイちゃんと、キーアちゃんたちも……」 「はい。きっと無理はしませんから、ご安心ください」 「……うん」 か細く返事をして、あれ、と思った時には鉛のように重い瞼を閉じていた。 夜空の藍色と杉林の黒が混じったかと思うと、頭の中がその色に染まる。 不思議と早く眠りに落ちたすばるは、そのまま静かに寝息を漏らす。 意識を失う最後まで、そうと気付かないままだった感情で胸を満たしながら。 胸に満ちる暖かなもの。 ───安心感、だった。 ………。 ……。 …。 ────────────────────────。 項垂れる友奈の隣にちょこんと座り、 アイとキーアは隣り合って、共に夜空の星を見上げていた。 街の喧騒は遠く、声は小さなものでも残らず空に吸い込まれていくようだった。 「ユリカさんとは、私も一度お会いしてみたかったです」 アイは、その視線を空に固定したまま、そんなことを言った。 辰宮百合香のことを、二人は既に知っている。その人となりは元より、彼女の顛末すらも。 戦場より戻ってきたアーサー・ペンドラゴンの口から、仔細の全てを聞かされた。 「色々役立つ情報が聞けたかも、というのもありますが。 それ以上に、もしかしたら助けてあげることができたのかもしれないなって、 思い上がりかもしれないけど、そう思うんです」 「……アイは、誰かを助けたいの?」 アイの横顔を覗きこむキーアが尋ねる。 その口調は不思議そうにというよりは、何かの確認のようでもあって。 「そうですね。私はみんなを助けたいと思ってます」 「みんな?」 「ええ。みんなです」 「聖杯戦争に集められた人たち、みんな?」 「それだけじゃありません。私は世界を救いたいんです」 ああ、やはり、と。 口に出すことなく、心の中だけで思って。 「雲を掴むみたいなお話ね」 「ええ、その通りだと私も思います」 「それでもあなたはみんなを助けたいの?」 「ええ、それが私の夢ですから」 「……もう、死んでしまってる人もいるのに?」 「それは確かに私の不徳ですね。所詮私はちっぽけな存在ですから、助けられない人も出てしまうのかもしれません。 ユリカさんのように、アーチャーさんのように。 でも」 でも、 と言うアイの言葉は、強い意思が込められて。 「それでも、私は私の手が届くみんなのことを、 絶対に諦めません。例え何があろうとも、助ける意志だけは燃やし続けます」 そのあまりにもひたむき過ぎる心を、キーアは見飽きるほどにずっと傍で見てきたから。 「勿論、あなたのこともきっと助けてみせますよ、キーアさん。 セイバーさんたちほどじゃありませんが、私もこう見えて結構強いんです。 ですから、ええ。ゾンビくらいからなら守り切ってあげますよ」 「ありがとう。頼りにしてるわアイ、それは本当よ」 「え、えへへ……初めて頼りにされちゃったかもしれません。 新鮮な気持ちというか、これはかなり嬉しいかも……」 「でもね、アイ」 だから。 だから、キーアは問いかけるのだ。 目に映る全ての人間を助けようとして、 手の届く全ての人間を死なせまいとして、 自分以外の誰かを救わんとするあなたは─── 「あなたはみんなを助けようとして、 その"みんな"には、アイもいるの?」 空を見上げていたアイの顔が、こちらを向いた。 ゆっくりと、柔らかく。それはまるで子供に言い聞かせるため振り向いたかのように。 あるいは、親へ何かを自慢するため振り向いたかのように。 アイは、その顔いっぱいに満面の笑みを張り付けて。 「───いいえ?」 そんなことを、至極当たり前であるかのように言った。 「……」 「あ、セイバーさんたちがこっちに来るみたいです。 ちょっと迎えに行ってきますね、キーアさん」 「……アイ、あなたは」 声をかける暇もなくアイは向こうへ駆けて行って。 伸ばしかけた手を中途半端に宙へと漂わせるキーアだけが、眠る二人と共にその場に取り残されてしまって。 「……」 言葉なく、キーアは記憶の中の彼を思う。 ギー。魔法使いのお医者様。滅私で他者を救い続ける気狂いの巡回医師。 「アイ、あなたもギーと一緒で……」 キーアはずっと見つめてきた。 キーアはずっとその姿を見てきた。 我を殺し、取りこぼす無数の命たちを見つめ、失ったものが何であるか確かめるように歩き続ける彼らを。 キーアは、ずっと見つめてきたから。 「ずっと、泣き続けているのね」 その瞳は、何を─── ………。 ……。 …。 ────────────────────────。 ▼ ▼ ▼ 「そういうわけで、ちゃちゃっと魔力を吸ってください」 「は?」 少女たちのもとへ戻ろうとして、駆けてくるアイを拾って幾ばくか。 話があるというアイの言葉にアーサーを先に戻した蓮は、思いがけぬ言葉に疑問符を打った。 「いきなり何言ってんだお前」 「何言ってるんだはこっちの台詞です」 言い訳は聞かないぞと言わんばかりに、アイは「ふん」と胸を張って指差す。 「その傷のこと」 後ろに隠すようにしていた蓮の右半身を、アイは指差す。 袖から出ている肌は、ガラスか何かのように罅割れていた。 「誤魔化せると思ったら大間違いですよ」 「……別に、誤魔化そうってつもりはないぞ。けどこんなの時間が経てば」 「治るって前にも言って、でも全然治ってないじゃないですか」 図星を指されたと言わんばかりに、蓮は苦虫を噛み潰したように顔を顰めた。 アイの指摘は尤もだった。諧謔で刻まれた亀裂は完治する様子を見せず、事実として先の戦闘では一気にその傷を深いものとしていた。 治癒が遅い、というのは聞いている。そこはいい。全くもって良くないけど、理屈としては納得している。 アイが怒っているのは、アイから蓮に流れていくはずの魔力が、明らかに少ないということなのだ。 「セイバーさん。私が負担するはずの魔力を、あなたは自分でやりくりしてますね」 「……」 「気付かないと、思ってましたか?」 「……」 「私は、そんなに、頼りないですか……?」 アイの言葉は、最後のほうには端々が震えていた。 お前は役に立たないんだと突きつけられているような、そんな気さえした。 「……別に、そういうわけじゃない。俺だって必要になればその分貰うよ。けど」 「けどなんですか。言っておきますけど、私だって私なりに覚悟はしてるんです。 魔力が足りないなら血肉を、血肉が足りないなら魂を、削り取っても構いません。 それがあなたを召喚した私の責任なのですから」 それを言った瞬間、蓮の顔が凶相に染まった。 一瞬アイはたじろんだが、気落とされまいと必死に表情を取り繕って言葉を続ける。 「ですから、必要な分だけ吸ってください」 「……」 「今がその時なんです。諦めてください」 「……分かったよ」 諦めたように蓮が言った瞬間、アイの総身を急激な苦痛が襲った。 体中を走ったのは激痛と、活力そのものを根こそぎ奪われるかのような虚脱感だった。三半規管を揺さぶられる不快感に重い吐き気を覚え、立っていられず倒れるように膝をついた。腰が崩れ、両手を地面につく。胃の内容物がせり上がり、熱いものが食道にこみ上げたかと思うと喉から大量の吐瀉物をぶちまける。 滲む涙で視界がぼやけ、思考は靄がかかったように鈍重だった。上手く物を考えることができず、ただ目の前の不快感に身を委ねて言葉にならないうめき声だけを上げ続けた。むせ返る喉は大量の酸素を必要とし、自然と息が荒くなる。脳がある程度の余裕を取り戻した頃には、アイは全身にびっしりと脂汗を張り付けていた。 「……う、うぅ」 「だから言っただろ。魔力の欠乏は場合によっちゃ命に係わることだってあるんだ。そう簡単に……」 「うぅうううう……」 「……おい、一体どうした」 四つんばいになって顔を俯かせるアイの呻きは、いつしか苦痛によるそれから嗚咽にも似た響きへと変わっていた。 蓮はそんなアイに声をかけるべきか迷ったが、少しだけ悩んで声をかけることにした。肩を揺すり、大丈夫かと覗き込む。 「うぅ……セイバーさん、ごめんなさい……ごめんなさい……」 「なんで謝ってんだよ」 「だって、私、たったこれだけしかセイバーさんの代わりになってあげられなくて……」 アイは、口の端から血さえ滲ませながら、そんなことを言った。 蓮は一瞬虚を突かれたような表情になって、次いで呆れたような、あるいは何とも形容しがたい表情で。 「何馬鹿なこと言ってんだよ」 「うぅ~~~~~……」 「落ち着け。変な心配すんなって」 そのままアイが落ち着くまで、ずっと背をさすりながら傍にいた。 呻きながら、嗚咽しながら、生理的な反応で涙を滲ませながら。それでも本当の意味で泣くことがないまま、アイはされるがままに苦痛に耐えていた。 数分が経過して。 痛みや不快感が収まりつつあったアイは、蓮の隣に座り込み、小さく膝を抱えていた。 「落ち着いたか?」 「……はい」 「それで、なんでいきなりこんなことしようって思ったんだ」 アイが彼女自身以外の誰かを過剰に慮るというのは、何も珍しいことではない。 けれど、それを加味しても尚、今のはあまりに唐突でいきなりな出来事だった。 疑問を呈する蓮の顔を見て、溜息をつくかのように吐息を一つ。アイは次に頭を上げて空を見上げた。 「……私、実は結構たくさん、後悔してることがあるんですよ」 故郷の空とも荒野の空とも違う、都市の空。 それを見上げてアイは語る。 話題が変わったように思えたのは、きっと迂遠な話をするためなのだろう。蓮はそう解釈すると、口をはさむことなく先を促した。 「その一つに、ヒコさんっていう快楽殺人鬼たちのことがあるんです」 自分の父、キヅナ・アスティンを狙った殺人鬼のことを、アイは思い出していた。 「私は彼らを叩きのめして、お父様を助けました。そして彼らはスカーさん……他の墓守に埋葬されました」 今でもよく覚えている。 すぐに生き返るはずだったのに、ずっと白いままの父の肌。アルビノの肌より尚白い、死者の肌色のうすら寒さ。 その時の自分はそれらに絶望するのに夢中で、その横で悪漢どもを埋めるスカーを見逃した。 いや、そうでなくとも、きっとあの時の自分なら、それは当然だとスルーしただろう。 この街に来た当初、自分たちを襲ったランサーを斬り捨てた時のように。 当然であると、仕方ないのだと、見捨てたのだろう。 「でも、きっと、私はあの人たちを見捨てちゃ、いけなかったんですよね」 それは例えば、すばるを狙っていた顔も名前も知らないマスターも。 蓮が死想の渇望で消滅させたアサシンも。 同じことなのだ。彼らみんなを、アイは見捨ててはいけなかった。 すばるや自分の命と天秤にかけてとか、それ以前の問題として。 秤にかけなければならない事態にしてはいけなかったというのに。 「私が、本当にみんなを救うなら、どんな人も見捨てちゃ、いけないはずなんです」 アイは、ぎゅっと膝を抱えて、足の骨の硬い感触を頬で感じた。 「私が決めちゃ、いけなかったんです。私にできるのは、提案することだけだったんです。考える手助けや、手を貸すことしか、できなかったんです」 アイは視線を横に向ける。 そこには自分の助けを拒む、古ぼけた死体があった。 「だから、私はあなたの死を止められません。死にたいと言っている人を……助かりたくない人を助けることは、私にはできません」 そうか、と死者が答える。 「でも、その上でお願いします」 アイは膝をついて、だらりと下がった死者の手を取り。 「どうか、消えないでください」 「……」 「私は、あなたに、消えてほしくありません」 泣かない。それは卑怯だから。 アイはただ、死者の手を握って、自分の体温が相手を温めるのを感じた。 そうやって自分の気持ちが、少しでも伝わればいいのにと思った。 「……俺が消えると思ったのか」 「違いませんか?」 「まあ、まるっきり的外れってわけでもないけど」 魔力の欠乏、あるいは致命的な損傷によってサーヴァントはその身を消してしまう。 活力なくして生きられぬのは生者も死者も同じことで。 アイはただ、蓮に消えてほしくなかっただけだった。 「言われなくても、お前が帰るまで俺は消えないよ」 「その後もです」 「……そこで死に損なったら、俺はきっと地獄を見る」 「どこまでもお付き合いしますよ」 そうか。と死者は沈黙した。 表面上は何も変わらない。しかしその、生きているようにしか見えない瑞々しい肌の裏で、確かに死者は揺れていた。 そして、それでも。 「ごめん」 彼は、自分の夢を諦めなかった。 「……そうですか」 アイはそれ以外、何も言えなかった。 「さっきも言ったけど、お前を無事に帰すまで消えるつもりはないから、心配すんな」 「……はい」 「だからそれまで」 「ええ……それまでは」 アイは我知らず、ぎゅっと蓮の手を握りしめた。 強く強く握りしめて、この感触がずっと残り続ければいいのにと思った。 『B-2/源氏山公園/一日目・夜』 【すばる@放課後のプレアデス】 [令呪] 三画 [状態] 深い悲しみ [装備] ドライブシャフト [道具] 折り紙の星 [所持金] 子どものお小遣い程度。 [思考・状況] 基本行動方針: 聖杯戦争から脱出し、みんなと“彼”のところへ帰る……そのつもりだった。 1:生きることを諦めない。 [備考] C-2/廃校の校庭で起こった戦闘をほとんど確認できていません。 D-2/廃植物園の存在を確認しました。 ドライブシャフトによる変身衣装が黒に変化しました。 ロストマン(結城友奈)と再契約しました。 【ロストマン(結城友奈)@結城友奈は勇者である】 [状態]魔力消費(超々極大・枯渇寸前)、疲労(極大)、精神疲労(超々極大)、精神崩壊寸前、呆然自失、神性消失、霊基変動。 [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:……。 1:……。 [備考] 神性消失に伴いサーヴァントとしての戦闘力の一切を失い、また霊基が変動しました。 クラススキル、固有スキル、宝具を消失した代わりに「無力の殻:A」のスキルを取得しました。現在サーヴァントとしての気配を発していません。現在のステータスは以下の通りです。 筋力:E(常人並み) 耐久:E(常人並み) 敏捷:E(常人並み) 魔力:- 幸運:- 宝具:- すばると再契約しました。 【アイ・アスティン@神さまのいない日曜日】 [令呪] 三画 [状態] 疲労(中)、吐き気、魔力消費(大) [装備] 銀製ショベル [道具] 現代服(収納済み) [所持金] 寂しい(他主従から奪った分はほとんど使用済み) [思考・状況] 基本行動方針:脱出の方法を探りつつ、できれば他の人たちも助けたい。 1:"みんな"を助けたかった。多分、そういうことなんだと思う。 2:ゆきの捜索をしたいところだが…… 3:生き残り、絶対に夢を叶える。 例え誰を埋めようと。 4:ゆきを"救い"たい。彼女を欺瞞に包まれたかつての自分のようにはしない。 5:ゆき、すばる、キーアとは仲良くしたい。アーチャー(東郷美森)とは、仲良くなれたのだろうか……? [備考] キーア&セイバー(アーサー・ペンドラゴン)と邂逅しました。 【セイバー(藤井蓮)@Dies Irae】 [状態] 右半身を中心に諧謔による身体破壊(中・修復中)、疲労(大)、魔力消費(中) [装備] 戦雷の聖剣 [道具] なし [所持金] マスターに同じく [思考・状況] 基本行動方針:アイを"救う"。世界を救う化け物になど、させない。 1:聖杯を手にする以外で世界を脱する方法があるなら探りたい。 2:悪戯に殺す趣味はないが、襲ってくるなら容赦はしない。 3:ゆきの使役するアサシンを強く警戒。 4:市街地と海岸で起きた爆発にはなるべく近寄らない。 5:ヤクザ連中とその元締めのサーヴァントへの対処。ランサーは……? [備考] バーサーカー(アンガ・ファンダージ)、バーサーカー(式岸軋騎)を確認しました。 すばる&アーチャー(東郷美森)、キーア&セイバー(アーサー・ペンドラゴン)とコンタクトを取りました。 アサシン(ハサン・サッバーハ)と一時交戦しました。その正体についてはある程度の予測はついてますが確信には至っていません。 C-3とD-1で起きた破壊音を遠方より確認しました。 ライダー(ドンキホーテ・ドフラミンゴ)を無差別殺人を繰り返すヤクザと関係があると推測しています。 ライダー(ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン)及びアサシン(アカメ)と交戦しました。 ランサー(結城友奈)の変質を確認しました。 セイバー(アーサー・ペンドラゴン)と情報を共有しました。 【キーア@赫炎のインガノック-What a beautiful people-】 [令呪]三画 [状態]魔力消費(中)、決意 [装備]なし [道具]なし [所持金]子供のお小遣い程度 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争からの脱出。 1:もう迷わない。止まることもしない。 [備考] 【セイバー(アーサー・ペンドラゴン)@Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ】 [状態]魔力消費(大)、全身にダメージ、疲労(大) [装備]風王結界 [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:キーアを聖杯戦争より脱出させる。 1:キャスターの言を信じ成すべきことを成す。 2:赤髪のアーチャー(エレオノーレ)には最大限の警戒。 [備考] 衛宮士郎、アサシン(アカメ)を確認。その能力を大凡知りました。 キャスター(壇狩摩)から何かを聞きました。 傾城反魂香にはかかっていません。 セイバー(藤井蓮)と情報を共有しました。
https://w.atwiki.jp/zairin/pages/663.html
見舞う者、見舞われる者からの続き 209 名前:閑話休題ネタ[sage] 投稿日:2012/01/09(月) 22 23 42.57 ID J26iMQSr 人間がレッゲルを使用して数百年が経過した惑星Zi。 惑星の覇権をめぐり人間同士で争う血の時代を経て、ディルガルド武国の崩壊を期に平和が訪れたかに思われたが、それは一瞬に過ぎなかった。 時を遡ることイディクス戦役の折、突如ミロード村に襲来した謎の変態ザイリンによって、 「ジェネレーター」が破壊された事件「ミロードの落涙」を端緒とし、ザイリンと少年たちの戦いは終わることなく続いていた。 物語は、故郷のジェネレーターをザイリンに破壊力された当時13歳の少年ルージ・ファミロンが、神秘のゾイド・ムラサメライガーを操る場面から始まる。 そしてルージとその息子、孫ら三世代の少年たちと、 彼らが代々乗り継ぐ“ 救世主”の伝説を受け継いだゾイド「ムラサメライガー」を軸として、 最終的には100年に渡って続くことになる戦いの記録を描いた物語である。 『ゾイドジェネシスAGE』 ジョシュア「………明らかにパクリじゃないですか!?」 キラ「えー」 剣司「いきなり店に企画書を持ち込んだかと思えばアニメの企画、しかもパクっちゃ人としてダメっすよ」 キラ「だってさー、ファフナーは劇場版も販売されたし僕らのSEEDもリマスター化が始まったのに」 咲良「(あなたは一応後番組の種運命の出演枠ですけど)」 キラ「ゾイジェネやガイキングにはそんな噂もないし。なんなら僕が提案して東○に持ち込もうかと」 ジョシュア「志は何とか認めますけどパクリは駄目ですよ!」 キラ「ちぇっ」 ザイリン「新作は私とルージきゅんのラブラブシーンが入っていれば文句なしなんだがね」ハァハァ ノーザ「ガイキング○0とか出ねえかな。宇宙怪獣と戦って瀕死の俺を助けるダイヤとかよ」ハァハァ カノン「今度のEXODUSでは私と一騎の結婚式が行われるに違いない」ハァハァ 翔子「フヒッ…新作なんてみんな無くなっちゃえばいいんですよぉ#」 ミスト「ガンダムSEED劇場版…楽しい絵空事でしたね…」 イスペイル様「それは言うな」 210 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/09(月) 22 38 21.19 ID QYSsl6xF ガイキングはそもそもがリメイk───'..∵;・(゚д゚ ・)── ターンッ 211 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/09(月) 23 59 43.41 ID iSfcYtE1 ロール「キミは信じられるかい?旧作では超兵器ヘッドはガイキングの素顔だったんだよ…」 212 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/10(火) 00 23 44.51 ID t4befBcV 209 ゾイドの新作や映画化も期待したいけど、個人的にはそれよりアイスブ○ーザーとゴ○ドカイザーの復刻をだな… 【ジムいんでぃくす☆の一角】 暉「羽佐間先輩、僕は新作のおかげで喋れるようになったので、無くなったら困ります」ボソッ 里奈「羽佐間先輩、あたしは新作のおかげでツンデレ属性が付いたので、無くなったら困りますよぉ」ボソッ シーン 里奈「あんた、なに急に訳の分かんない事言ってんの?」 暉「里奈の方こそ」 里奈「あたしは空耳につい言い返しちゃっただけだって」 暉「僕もそうだけど…。2人一緒に聞こえるなんて、変な空耳だなぁ…」 213 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/10(火) 01 39 15.44 ID dQnWrbH3 ガイキングはハリウッドで3D映画化?とか東◯ロボットガールズ?とかあったんだよ! うん、なんか方向性が違うか ガウリ「アデットがインフルエンザで寝込んだだと?」 ゲイナー「はい、もうすっかり大人しくなっちゃいましたよ」 サラ「ゲイナーくんが看病してるのよね?手伝えることなんか無い?」 ゲイナー「ありがとうサラ、大丈夫さ。今は落ち着いて寝付いてるみたいだし」 サラ「着替えとかは?」 ゲイナー「それくらいはあの人だって自分でやれるよ…と思うけど」 サラ「ふーん。そうかしらねえ」 ゲイナー「な、なんだい、そのジトーッとした眼差し」 サラ「だってアデット先生ってば『手ぇ貸しとくれぇ』って平気で身体拭かせそうだし。ガウリ隊長は気にならないんですか?」 ガウリ「あ、あー…いや心配ではあるし…早くよくなると良いなとは思うが何も特別な感情は」 ウー「おーい同志ガウリ!風邪に負けぬよう乾布摩擦に励もうぞ、全裸で!」 ガウリ「おお、同志ウー!今参るぞ!ゲイナーとサラも一緒にどうだ?無論全裸で」 ゲイナー「絶対やりません」 サラ「お断りです」 ゲイナー「何か…僕らの中だとガウリ隊長が本来の姿から一番かけ離れてる気がする…」 サラ「そうね、何となく…だけど」 214 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/10(火) 01 42 18.85 ID vB5yzX7W ガンソードもBDにかすかな期待をする以外することがないなあ けどジョシュアは今もレイ兄さん探して海面見つめてるのかあと思うと、すごく、ぺったりさせたい 215 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/10(火) 07 11 02.97 ID Hd9iXNHB 213 Kだとガウリ隊長とアデット先生は関係ないと思うんだが。 ヤッサバ隊長がよりを戻してるから。 216 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/10(火) 08 03 49.00 ID DKLEkTA5 213はそれを踏まえたうえのネタなんじゃないかな 違ったらスマン 217 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/10(火) 13 28 46.50 ID A0qKQNhV [1/2] 【数日後のいんでぃくす☆】 ザイリン「ルイス君が風邪?」 ル・コボル「うん。やっぱりお見舞いの時にうつされちゃったみたい」 翔子「それは心配ですねぇ。私も昔は病弱少女だったので辛さは分かりますよぉ」 ル・コボル「ルイスはなんとかこっちで面倒見るけどさ、お店の方はよろしくね。悪いけどイスペイルもこっちの仕事で手一杯だからさ」 ザイリン「まあ、それなら構わんが……」 ジョシュア「レイさんは大丈夫なんですか?一緒にお見舞い行ったんですよね?」 レイ「気にするな。今のところ健康だ」 ジョシュア「うーん……」 レイ「心配か?」 ジョシュア「はい。とっても。僕、前に風邪引いた時にルイスさんに看病してもらいましたし。何か出来ればいいんですけど」 クルーゼ「看病に行くなら店には出れないぞ。客にうつる可能性があるからな」 ジョシュア「ですよねぇ……」 ル・コボル「ま、その辺の調整も含めて、頼んだよ」 218 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/10(火) 15 06 26.28 ID A0qKQNhV [2/2] ごめん、思いつきで数日後って書いちゃったけどペットショップ組のこととか全然考えてなかった 219 名前:213[sage] 投稿日:2012/01/10(火) 23 59 12.60 ID lhsZw3J0 216 そういうつもりでした、分かりにくくて申し訳ない…全裸になってくる 220 名前:1/2[sage] 投稿日:2012/01/10(火) 23 59 45.74 ID zKjev2mT ならば負け組ガールズは任せておきたまえ(キリッ) 【フラガさんち】 マリュー「みんな顔色も良いし、熱も下がって良かったわ」 ルナマリア「まさかラミアス艦長に看病してもらえるなんて…」 ルル「咄嗟にスティックさんの事を思い出して、ダメ元で当たってみましたけど。本当にありがとうございました」ペコリン スティング「き、気にしないでくれ!!俺は気にしないから…(///」 ムゥ「おやおや。ルル艦長が体調不良で慌てたのは誰だったかなw」クックック アウル「一生懸命タオルやらお粥を用意したのは誰ニダーw」ニヤニヤ スティング「うっせぇぞお前ら!」 シホ「お陰でインフルエンザも完治した。何とお礼を言えばいいのやら」 マリュー「困った時にはお互い様よ。お礼なんて照れちゃうわ」 クーコ「あ、あのつまらない物ですがこれをとうぞ!」つ【ドッグフード】 ルナマリア「(本当につまらない物ね…渡さない方がいいんじゃ)」 スティング「い、いや…却ってこっちが申し訳ないな」 ルナマリア「……人間が出来てる」 ルル「当然ですよ。仮にもスティービーさんは私の(心の)お兄さんなんですから!!」エッヘン シホ「(何故そこでルルが威張る!?)」 スティング「あ、あうあう(///」 クーコ「ぼ、僕のおにいさんにもなってほしいです!」 ルル「ダメですよ、スティーブさんは私だけの(心の)お兄さんですし」 クーコ「ルルさんだけ狡いです!」 スティング「…………はぅ~」プシュー ルナマリア「ち、ちょっと!?」 ムゥ「……………普段空気な存在だから急にモテて頭に血が昇ったのか」 マリュー「……不憫な子ね(涙)」 アウル「あとさっきからルルちゃんがスティングの名前を間違えてるのは些細な…こと…ニダー…?」 【ペットショップ・ry】 クーコ「…戻ってはきましたけど」 シホ「あれから数日。真矢とミラは」 ルナマリア「無事…なわけないわね」 ルル「女は度胸です、いつまでも入り口で待ってる訳にもいきませんし」 シホ「仕方ないな」 ガチャ ルル「ただいまでーす。キャプテンルルのスマイルに免じて許して下さいね☆」テヘッ シホ「逆に今のスマイルで怒りが倍増しなければいいがな」 ルナマリア「あ、あれ…?何か様子が」 ピカピカテカテカ クーコ「お店の中が…キレイです…」 ルナマリア「そうよ…確かみんなインフルエンザでひっちゃかめっちゃかな状態で放置してたはずなのに」 ルル「まさか真矢さんとミラさんが?」 シホ「それはない!」 ヌッ 真矢「あー、みんなどこへ行ってたのー(棒)」 ミラ「放置プレイなんて酷すぎよ~」 シホ「こ、これには理由があってな…それより」 ルナマリア「お、お店がキレイだし…それに二人とも…」 ルル「体調は何ともありませんか?」 真矢「別にー」ピンピンッ ミラ「すこぶる好調よ~。ま、これもあの子達のお陰かしら~」 クーコ「あの子達?」 221 名前:1.5/2[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00 04 54.81 ID Mp88P1Wv [1/2] 『回想・数日前のペットショップ・ry』 ザイリン「なんで私がバルバのキャットフードを買わなきゃいけないんだ…」 ジョシュア「買い出しのじゃんけんに負けたのはザイリンさんですよ…」 ヴォル子「ザイリン、文句言うな!オレ、バルバにご飯あげるって約束しちゃったからな!」 ジョシュア「ヴォル子さんまで付き合ってくれたんですから。早く帰ってバルバのご飯を出さなきゃ」 ザイリン「分かったよぉ」プーッ ガチャ ジョシュア「あ、あれ?留守ですか?」 ザイリン「なら仕方あるまい。今日のバルバのご飯は抜きということで」 ヴォル子「ダメだぞ!オレ、奥行ってみる!」タタッ ザイリン「あ…面倒に巻き込まれないといいんだが」 ジョシュア「……ありえますね」 タタタタッ ヴォル子「ザイリン!ジョシュア!奥で真矢たちが!?」 ザイリン「………大ビンゴだな」 真矢「ヴォル子ちゃんが見付けてくれなかったら、私たちが板倫越えてたかもしれないんだよー(棒)」 ミラ「おまけに店を片付けてくれたり(主にジョシュアとヴォル子)、店の子達に餌をあげてくれたり(ザイリン)~」 ルナマリア「う…」 シホ「ザイリンとジョシュア、それにヴォル子に借りを作ってしまったか…」 ルル「ま、まああの人達にはお礼をしなきゃなりませんね」 クーコ「そ、そうですよね!」 ルナマリア「な、なら善は急げよ。今のうちに行きましょ!」 真矢「なんか話題そらそうとしてるー」 シホ「気にするな、私は気にしない!」 222 名前:2/2[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 00 05 16.27 ID Mp88P1Wv [2/2] 【いんでぃくす☆】 咲良「あー、そんな訳で来たのね」 ルル「ええ。ジョシュアさんにお礼をしようと思いまして」 ルゥ「…ならお願いがあるんたけど」 ルナマリア「私たちでできることなら引き受けるわよ」 剣司「……いや難しいとは思うけどな」 真矢「大丈夫だよ~、私たちハイスペックな負け組ガールズに不可能の二文字などないもーん♪」 シホ「(自ら負け組と言うな)」 ザイリン「………ならあれを頼む」 ゴゴゴゴゴ 久々の登場レベッカ「………###」ムカムカムカムカ マユ「………………####」イライライラ ミラ「な、なんか穏やかじゃない空気ねぇ~…」 ルナマリア「というより明らかに一触即発な雰囲気にしか見えんが…」 ルル「な、なにかありました?」 ザイリン「実はだね」 ルイス様「ねぇジョシュア…さん、わたしリンゴ食べたいなぁ」ケホケホ ジョシュア「なら剥きましようか」 ルイス様「うさぎさんとか…すりおろしリンゴでもいい?」 ジョシュア「構いませんよ」 ルイス様「やったぁ!……ゴホンゴホン」 ジョシュア「ダメですよ、ちゃんと大人しく寝てないと治りませんからね」 ルイス様「はぁーい…」 ザイリン「………といった具合にジョシュア君がルイス君の看病をね」 ルゥ「で事情は分かるけどちょっぴり(?)ヤキモチやいてるマユと」 剣司「久しぶりにジョシュアさんへ会いに来たにも関わらず、経緯を聞いてご機嫌斜めなレベッカさんを」 咲良「巧く宥めてもらえないかしら…」 ルル「何ですかその不可能ミッション」 ザイリン「さあさあ、頼んだよ!」 ルナマリア「無理ですよ!」 クーコ「(カナー○さん、僕ですクーコです!インフルエンザなんてやっぱり怖いものです!)」 223 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/11(水) 19 19 31.25 ID dle4MW35 前にインフルエンザかかったときは悪夢の詰め合わせみたいな夢ばかり見たよ…。 気晴らしにゲームとか読書しようとしても、ゲームや読書をするための体力すらないって感じ。 224 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/13(金) 00 26 07.90 ID bEyixuUz 222 テレレレレレレレレーーーテテデン!デン!デンデン! デン!デン!デンデン! チャララー チャララー チャッチャラッ 『おはよう、ルル君。この2人の名はレベッカ・カトリーヌとマユ・アスカ。ジョシュ(ry)そこで君達への指令だが、彼女らの感情をなだめ、嫉妬心の爆発を阻止してほしい。例によっ(ry)なお、このメッセージは自動的に消滅する』 225 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/14(土) 01 42 24.14 ID ugJD8QJz [1/2] シン「マユー、久しぶりにちょっと遊びに行かないか。外に出れば気分も変わるぞー」 マユ「…………今はいい」 シン「えー」 マユ「………………」ムスー ルナマリア「うーん、今のマユは昔の自分を見てるみたいだわ」 シン「怒ってるマユも可愛いけどやっぱ一番可愛いのは笑ってるマユだよなー。うん。どうしちゃったんだろ」 ルナマリア「何で肝心な時にセンサーが反応しないのよ……」 シン「あ、そうそうルナ」 ルナマリア「何よ」 シン「あけましておめでとう。今年もよろしくな」 ルナマリア「……そういえば、今年初めて会ったわね。よろしくね」 レベッカ「イライラ……。最近何なんだ。私は忘れられてるのか」 ルル「れ、レベッカさんレベッカさぁん…………」 レベッカ「ギロッ。なんだ」 ルル「うっ、こ、これが噂のプロイストさんすら怯ませる黒い炎……。でも初代腹黒として負けません!」 クーコ「そこは張り合うところでしょうか……」プルプル シホ「しかも誇る場所なのかそこは」 レベッカ「で?」 ルル「占いなんてどうでしょう?新年一発目の運試しです」 レベッカ「いらん。やったところでどうせ大凶だ」 ルル「まあまあ。確かに可能性は激高ですけど選んでくださいよ。 今日はインフルエンザルイスちゃんカードとお見舞いジョシュア君カードですよー」 レベッカ「……………………ジョシュアで」 ルル「はい。ジョシュア君カードは……大吉です!ちょっぴり弱ってるライバルを心配してあげるといいことあるかも!」 レベッカ「むぅ……」 226 名前:それも名無しだ[sage] 投稿日:2012/01/14(土) 01 42 50.39 ID ugJD8QJz [2/2] 【イディクスの部屋】 ジョシュア「食もそれほど細くないし薬も飲んだし、眠っていれば熱も下がるでしょうか」カチャカチャ ピルルルルル ジョシュア「あ、電話が……っと、はい。もしもし。僕です。ジョシュアです。……レベッカさん?」 レベッカ『…………調子良さそうだな』 ジョシュア「そりゃそうでしょう。風邪引いたのは僕じゃなくてルイスさんなんですから」 レベッカ『まあそうだな。……で……うーーー、で!どうなんだ。ルイス嬢は』 ジョシュア「さっきまで僕が剥いたリンゴのうさぎやバラではしゃいでましたよ。あとすりおろしたりもしました。 今は眠っているので食器を洗ってるんです。気持ちは元気ですからそのうち身体も追いついてきますよ」 レベッカ『楽しそうだこと……。それなら早いうちに復帰できるんだな』 ジョシュア「どうでしょうねー。治りかけが肝心ですから、大事を取ってもう少し休むべきだと思いますよ」 レベッカ『むー……むーー…………。そうだな!無理はさせられないな!何せ相手は子供だものな子供!!』 ジョシュア「そうですね。まだ子供なのにルイスさんは凄いです。親にろくに会えないのに皆の前ではあんなに笑ってて」 レベッカ『~~~~~~~~~~~~~ッ!!』←色々限界だが電話越しなので何も出来ない ジョシュア「……レベッカさん、今思い出したんですけどね、」 レベッカ『なんだ!』 ジョシュア「昔、おとーさんとおかー、あ、いえ、両親が死んだばかりの頃に僕、風邪引いてすごい熱が出たんです」 レベッカ『ほう?』 ジョシュア「兄さんが付っきりで看病してくれて、シノさんが様子見に来てくれて、こんな風に話してたなあって」 レベッカ『私たちが……お義兄様と……』 ジョシュア「クスッ。変ですよね。僕と兄さんは違うしレベッカさんとシノさんも全然違うし僕とルイスさんだって。 2人の話だって起きてるのか寝てるのかって感じだったから何話してるかなんてほとんど覚えてないのに。……なのに、どうしてでしょうね」 レベッカ『しっ、知るか!!』 ジョシュア「電話、そろそろ切りますね。あんまり話してるとルイスさん起きちゃうので」 レベッカ『……そうだな。お前もうつされないようにな』 ジョシュア「はーい。ピッ。……さ、僕もそろそろ何か食べましょうか」 ルイス様「…………とっくに起きてるんだがな」