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「今日はクリスマスイブね。この前のペンダントのお礼を兼ねてクリスマスプレゼント」 私はラブに昨日の夜ラッピングをしたプレゼントを渡す。ラブ、喜んでくれるといいけど。 「ありがとう、せつな」 「中を見て、文句を言わないでね」 「ここで開けてもいい?・・・・アカルン使用券?」 「お父さんやお母さんにいつまでも迷惑を掛けられないから、お金をかけられなくて。 こんなものでごめんなさい」 「せつな、ありがとう。せつなから貰うものなら何でも嬉しい」 私の大好きないつものラブの笑顔。だけど、いつもより輝いて見える。 大好きな人が喜んでくれる。笑顔でいてくれる。それだけで、私も嬉しい。 お父さんもお母さんもクリスマスイブということで、早めに仕事を終わらせてくれたみたいで、4人でパーティの準備を始める。 「お母さん、刷毛で鳥肉に塗っているの、何」 「これは溶かしバターで最後に塗ると、皮がカリっと焼けて香ばしくなるの」 鳥の形そのままのお肉。お母さんが近くのお肉屋さんに特別に注文していたものらしい。 「ラブ、手に持っている緑の野菜、何」 「ピーマンだよ」 でも、今日はクリスマスパーティーなのにピーマン、どして? 「ベーコンが油が出るくらいまで焼いて、そこに適当に切ったピーマンを入れるっと。 あたしは焦げめがついたくらいいいかな。ピーマンに甘味が出て。 最後にちょっと多めに塩胡椒を入れる。お父さんのお酒のおつまみにもぴったりだよ」 「お父さんが作っているの、何」 「ホワイトシチュー。じゃがいも、人参、玉ねぎを煮込んで、ルーを入れて一煮立ちしてから火を止めて、最後に湯掻いたほうれんそうを入れる」 人参を煮ていた時点でラブは諦めていたみたいだけど、お母さんは不意をつかれたみたいで、なんとなく顔が青ざめているような気がする。 「二人とも、僕のシチュー食べられないって言うのかい」 「・・・・」 「私は精一杯、食べるわ」 「せつなは嫌いなものが入っていないかもしれないけど・・・・」 「せっちゃんはお皿出してくれる」 「はい」 「いただきます」 4人で囲む食卓。いつもの家族の団欒。 だけどいつもと違う、心が弾む感じがする。これがクリスマス? 「あたしの小さい頃なんだけどね。 サンタさんにプレゼントをくれたらお礼を言おうと思って、寝ないで待っていたことがあったんだ。 でもそこにお父さんが来たから驚いて・・・」 「そうかそれでラブは、お父さんが来たから、サンタさんが来なかったって泣いたんだね」 「なかなか泣きやまないラブをなだめるのに苦労したわよ」 私の知らないクリスマスの思い出。 でもいつか今夜のことも思い出となって、こうやって話題に出るのかもしれない。 今日はお父さんもお母さんも早く帰ってきたからか、いつもより後片付けに時間がかかったといっても、寝るというにはまだ早い時間。 自室に戻ろうとすると、 「後で、あたしの部屋に来てくれる?」 「まさか、今夜は何もしないから、多分、ねとか言っちゃったりする?」 「・・・・・・」 「そんな展開になったら、すっごく私が困るんですけど」 「せつな、もしかしてあたしの事嫌いになった?それとその口調、なんかいつものせつなじゃない。もしや、セレワターセ!!」 「違う、私だけど私じゃない」 「分かった確かに、せつなだね。今夜は何もしないから、おそらく」 「・・・・・・」 「冗談、冗談。さっきのコレ」 と言って、赤いカードを渡してくれる。私がラブに渡したプレゼント、アカルン使用券。 「コレ使ってもいい?あたし、せつなと行ってみたい所があるんだ」 「―――」 「そんな所でいいの?普段行けない所でもいいのに」 「うん、夜にせつなと行ってみたかったんだ。お母さん達が心配するから暗くなってから出かけられないし」 「じゃあ、せつな、お願い」 「分かった。アカルン、お願い」 ここは、クローバータウンストリートが見渡せる丘の上。 私が初めてお母さんと出逢った場所、そしてその夜、私に初めて家族ができた場所。 「ここは、せつなとお母さんが初めて会った所だったよね」 「そうね」 私とラブは寄り添いあって、丘の上から眼下に広がる街を眺める。 家々に明かりが灯り、街全体がまるでクリスマスツリーのよう。 あの光一つ一つに、幸せがあるのだろう。 家族でクリスマスパーティーをしていたり、 子供達がサンタさんのプレゼントを待ちながら眠っていたり、 恋人達が寄り添いながら愛を語ったりしているのだろう。 私がイースだった頃、壊していた幸せ。 私の寒さだけじゃない心の震えを感じたのか、ラブが私の肩に腕を回してくる。 「いつでも来れるのにわざわざここにしたのどして、とか思ってる? ここは、あたし達プリキュアが守ってきた街、そしてこれからも守っていく街が見える所。 あたしや美希たん、ブッキーだけじゃないよ。せつなも守ってきたんだよ、この街を。 だからこんなに幸せが満ち溢れている」 「それに、――――」 え、ラブ今何か言った? 「ううん、なんでもない。寒くなってきたね。もう帰ろう」 「うん」 私はラブの言葉に頷きながら、眼前の景色に意識を向ける。 月の光に照らされ、シロツメクサの緑の葉っぱは白い花のように、山の稜線は白く浮かび上がって見える。 山のあなたの空遠く、「幸」住むと人のいふ。 噫、われひとと尋めゆきて、涙さしぐみ、かへりきぬ。 山のあなたになほ遠く、「幸」住むと人のいふ。 山の遥かずっと向こうに幸せがあるという。 でも、私の幸せは山の向こうにあるのじゃない。 ここに、クローバータウンストリートに、そして、ラブのそばに在る。 了 本文中の詩「山のあなた」カール・ブッセ作 上田敏訳 SABI11はラブ視点で
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聖夜の奇跡とか、私は信じてない。 そんな簡単に起きたら奇跡とは言わないし、それが自分に起きるとは限らない。 でも、クリスマスは好きだ。イベントごとは楽しいし、プレゼントももらえるしね。 聖夜の贈り物って意味では、誰にでも奇跡があるのかな。なーんてね。 ~クリスマス・プレゼント~ 月曜の朝、私、泉こなたは地獄を見ていた。 鬼の手によって、布団を引っぺがされ凍てつく大地に放り出されたのだ。 「お休みだからっていつまでも寝てちゃダメよ」 「さむぅい……」 「ほらほら、ご飯も出来てるから」 「はぁい」 眠い目をこすりながらながらリビングへ上がると、そこには日本らしい朝食と、お父さんが待っていた。 「お、こなた起きたのか、おはよう」 「おふぁよ~」 「なんだ、まだ寝ぼけ中か?」 「お母さんに布団取られた……」 「ははは、災難だったな」 「何が災難ですか、お掃除もあるんだから早く起きてもらわないと。はい、お味噌汁」 「ありがとー」 今日は12月24日のクリスマスイブ。と言っても、ロマンスのカケラもない私は“いつも通り”お父さん、お母さんと過ごす予定だ。 ギャルゲだと色々特別なことがあるけど、リアルじゃそうそう特別なことなんてないよね。 プレゼントなんだろうなぁ。私も一応、二人にプレゼントを用意してある。お母さんには天使の羽根をあしらったペンダント、お父さんにはこの前欲しがってたエロゲーフィギュア。 まぁ、お父さんが怒られるような気もするけど、それはそれで面白いからいいよね。 「ねぇこなた、あの夢はまだ見るの?」 「夢……ああ、うん。昨日も見たよ」 ここ最近、私はずっと同じ夢を見ている。誰かが、私を呼ぶ夢。 その夢には、女の人が三人出てくる。私の知らない人たち。 一人は、眼鏡をかけた優しそうな人。その人は私のそばに来て色々話しかけてくれる。声を聞いてるとなんとなく落ち着く。 次に、頭にリボンをつけたかわいい子。最初はあの子、ずっとごめんなさい、って言ってた。それがいつの間にか、大きな声で私を呼ぶようになった。 そして、ツインテールのツンデレっぽい人。この人は何も言わない。何も言わないで遠くからじっとこっちを見てる。 そんな夢が、毎日続いてる。アニメとか漫画的に言えば、私がすごい力を持っていてそれを目覚めさせるために……とか。 前、なんなんだろうってお母さんに聞いてみたら『その意味はこなたが気づかないとダメよ』って言ってたっけ。なんか意味深だけど正直お父さんの影響だよね。 「何か変わった?」 「んー、ツインテールの人が何か言った気がするけど、あんまり聞き取れなかったよ」 「そう……。こなた、あとで行きたいところがあるんだけど、付き合ってくれる?」 「別にいいけど、どこいくの?」 「内緒」 「えー、教えてよ~」 「行けば分かるわ。きっとね」 「?」 思わせぶりなお母さんに、首をかしげる。言い方からすると私が知っているところだと思うけど。 そんな疑問を感じながら、私は朝食をすませた。 「こんにちは」 クリスマスイブの今日、私はつかさ、みゆきと一緒にこなたの病室へお見舞いに来ていた。 こなたは、三ヶ月ほど前に交通事故に遭い、それ以来ずっと眠ったまま。容態は安定していて、いつ目が覚めるかは本人次第らしい。 「やあ、みんないらっしゃい」 「こんにちは、そうじろうさん。お花持ってきたので替えてきますね」 「ああ、いつもすまないね」 「いえいえ」 事故の後、みゆきは毎日のようにこの病室へ通い、いつの間にか、こなたのお父さんのことを『そうじろうさん』と呼ぶようになっていた。 ……セクハラとかしてないだろうなこの人。 そう考えていた時、不意におじさんと目が合った。 「や、かがみちゃん。さすがにおじさんもTPOぐらいはわきまえてるよ」 「そう願います」 視線の意味に気づく辺りがまた危ないと思うのは私だけだろうか。 数分後、帰ってきたみゆきの手に抱かれていたのは、三色の花を生けた花瓶。 青色、すみれ色、桃色。みゆきはいつもこの色を揃えて持ってくるらしい。私たち四人をイメージしたと言っていたこの花を。 「あの、おじさん、これ私たちからこなちゃんにです」 「これは……」 「クリスマスプレゼントです。今年寒いからマフラーとか」 「そうか、うん。ありがとう」 今日来たのは他でもない、このクリスマスプレゼントを渡すためだ。 三人で一つずつ。ウインターニットとマフラー、そして手袋を持ってきた。今年の冬は一段と寒い、だから必要になるだろうと思って、そうなることを願って。 「よかったな、こなた。早く起きないと、次の冬までお預けになっちゃうぞ」 「そうよ。っつか、そんなんじゃコミケも行けないわよ。……付き合ってあげるのはいいけど、代わりに行くのはごめんだからね!」 「わ、私も行くから!」 「お付き合いします」 聞こえてるんだか聞こえてないんだか分からないけど、なんとなく、こなたが少し笑ったように見えた。 電車に揺られ、バスに揺られ、私がたどり着いたのはどうやら学校だった。 「りょうおう、がくえん?」 「ええ、陵桜学園よ」 「ここって……お母さんの母校とか?」 「……いいえ、違うわ」 「じゃあ、ここって何?」 「こっちよ」 「え、ちょ、待ってよ、お母さん」 お母さんは何も言わず校舎へ向かって歩き出した。 誰もいない学校。確かに今日は休みだけど、ここまで人がいないものだろうか? なんで、門が開いているのだろう? なんで、お母さんは私をここへ連れてきたのだろう? そして、なんで私は、ここに見覚えがあるんだろう? 通る廊下も、上がる階段も。まるで、通いなれた場所のような……。 お母さんは、ある教室の前で止まる。見上げると、プレートに『3-B』と書かれていた。 「ここよ」 ガラリ、と扉を開ける。ふと、懐かしさを感じた。 「私、ここ……」 知ってる。確かに、ここを知ってる。 私はここで……そうだ、あの人たちと。夢で見た彼女たちとここで。 「こなた」 お母さんが、そっと私の手を握り、問いかける。 「かがみちゃんが言ったこと、本当に聞こえなかった? あなたに何を伝えようとしたか、わからなかった?」 かがみちゃん? かがみ……あのツインテールの人のことだ。わかる。 『早――こな――』 「う……」 「よく思い出して、聞こえていたはずよ。かがみちゃんだけじゃない、みんなの声も」 頭の中にあの夢の光景が広がる。 あの人がいったこと、かがみが私に伝えたこと……。 『早く帰ってきなさい、こなた』 「っかがみ!」 「……思い出したのね?」 そう。私が見たあの夢の意味。 「みんな、私を待ってるんだね」 つかさを助けたあの日、私は大怪我を負った。 「みゆきちゃんのおかげで一命は取り留めたけど、生死をさまよったあなたの精神、心は危険な状態にあったわ」 そんな私を、お母さんが捕まえて、助けてくれたんだよね。 「でも今度は、それがあなたが目覚めない原因になってしまった」 こうしてお母さんと出会い、お母さんというものを知り、 「あなたは、自分の記憶に鍵をかけた」 目覚めてしまわないよう、私を呼んでいるみんなの事も一緒に。 「私自身、こなたと過ごせるのが幸せだった。それがいけなかったのかも知れない」 「ううん、私も同じだよ。だから、気付かなかった。気付こうとしなかった」 お父さんと二人でも、寂しくなかった。それは本当。でも、お母さんが居たらとか、会ってみたいとか、思わなかったわけじゃないから。 「ごめんなさい、こなた。何もしてあげられなくて」 「そんなことないよ。月並みな台詞だけど、お母さんは私を産んでくれた。私が、かがみやつかさ、みゆきさんと、みんなと出会えたのは、お母さんのおかげなんだよ?」 「こなた……」 「私こそごめんね。せっかく会えたのに、私帰らなきゃいけない。またお母さんを一人にしなきゃいけない……」 「いいえ、こなた。お母さんは一人じゃないの。ずっと、こなたとそう君のそばに居て、見守ってるから。 言ったでしょう? 少しだけどこなたと過ごせて、本当に幸せだった。したくても出来なかったことがたくさん出来た。だから私は、幸せなの」 「……お母、さん……」 涙が流れる。お母さんと別れるのが悲しい? お母さんと過ごせたのが嬉しい? きっと、全部。 そっと、私を抱き寄せてくれるお母さんの目にも、涙が溜まっていた。 「大好きよ……こなた」 こんな風にやさしく抱きしめてもらえるのが、どれほど幸せなことか、私は初めて知った。 この温かさを感じられるのは、こうして会えるのは、話すことが出来るのは、きっとこれが最後だ。今のうちに、言えるうちに、言っておかないと。 「――お母さん、ありがとう。大好きだよ」 神社の拝殿へ向かって、三人で歩く。私たちは、こなたのお見舞いを済ませた後、うちでクリスマスパーティをしていた。 お互いにプレゼントを交換して、つかさが焼いたケーキを食べて。 でも、やっぱり盛り上がらなかった。あいつが居ないから、こなたがいないと、寂しくてつまらない。 そんな時、みゆきが『せっかくですから、御参りしませんか?』って、言ったのよね。 「あれ?」 「何?」 「どうしました?」 少し前を歩いていたつかさが、声を上げる。 「ほら、あそこ」 つかさが指差したのは私たちの前方。 確かに、誰かが歩いている。あの子も御参りに? 背格好からして女の子のはず。服装はコートにウインターニットと……。 「……え?」 おそらく、二人も同じことを思っているだろう。私たちは顔を見合わせ、その子の元へ走り出す。 小さな背中に向かって、一気に走る。 持ち前の足でいち早く追いついたみゆきは、その子を呼び止めた。 「待ってください!」 その子が立ち止まり、まさかと思いながら、私はその名を口にする。 「……こなた?」 「みんなと、一緒に卒業できますように」 そう言いながら、その子はゆっくりとこちらを振り向いた。 「って、お願いしに来たんだ」 眠たげに、半開きになった目。左の目尻にある泣きボクロ。猫のような、いつもニコニコと笑っている口。それは間違いなく、 「こなた……っ」 誰からともなく、私たちはそばへ駆け寄り、その小さな身体を力いっぱい、抱きしめた。 「馬鹿! 心配したんだから!」 「そうです! ずっと、ずっと待ってたんですよ!」 「おかえり……こなちゃん、おかえり!」 「……ただいま」 はっきりと、こなたはそう言った。 ただいま。私たちが長い間待ち望んだ、その言葉を言った。 「こなた! 目が、覚めたんだな……」 泣きながら喜ぶお父さんの姿が、どれほど心配をかけたか私に教えてくれた。 「ごめんね。心配かけて」 「いいんだ……いいんだ、お前が起きてくれただけで」 「うん……私ね、行くところがあるんだ」 お父さんは、少しも考えず即答する。まるで、それがわかっていたように。 「ああ、行ってこい!」 お父さんから渡されたのは、ラッピングされた赤い包み。 「もって行くといい。プレゼントだ、みんなからのな」 「……ありがとう。そうだ、私からお父さんにプレゼント」 「ん?」 伝える。お母さんに頼まれた、あの言葉を。 『予想とは少し違ったけど、こなたを立派に育ててくれてありがとう。私はいつも、そう君たちのそばに居るからね』 「だってさ」 唖然とするお父さんを尻目に、私は病室を飛び出す。 「行ってきます!」 ドアを隔てて、声が聞こえてくる。お父さんの嬉しそうな声が。 「そうか、はは、そうか! かなた、お前が……。ありがとうな、かなた」 私はそっと、その場を後にした。 「やっぱりつかさのケーキはおいしいね~」 「えへへ、たくさん食べてね」 「あんたよく食べれるわね。今まで何も食べてなかったのに」 呆れたように言うかがみの顔は、笑っていた。 「いやぁ、つかさのケーキだし」 「どういう理屈だ」 「つかささんのケーキはおいしいですから」 かがみだけじゃない。みんな笑ってる。つかさも、みゆきさんも、私も。 「まぁ、そこらの店のケーキなんて目じゃないのは確かね」 「かがみこそ、まだ食べるんだ。私来る前に食べたんじゃなかったの?」 「うるふぁいわよ!」 「お、お姉ちゃん」 「うふふ。まあまあ」 楽しい。みんなと過ごすのが、すごく楽しい。みんなの笑い声が、とても心地いい。 お返しをしよう。私を待っててくれた、大切な、大切な親友たちに。何が出来るかわからないけど、私に出来ることを、何か。 私は幸せだ。こんなに想ってくれる友達が居る私は、お父さんとお母さんにあんなに想って貰える私は、きっと世界一幸せ。 大好きなみんなが居るここが、 ここが――私の居場所。 end
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【 第3幕 】 ≪第1場≫ 塔城の一つ 塔の一方の窓下は物見の塔へ通じる道 メリザンド (窓の所にて髪を梳きつつ) 私の長い髪は塔の縁まで落ちて私の髪はあなたを待って塔の高さにさらに一日さらに一日聖ダニエル様に聖ミシェル様聖ミシェル様に聖ラファエル様私はある日曜日の生まれある日曜日の真昼の生まれ (塔への道よりペレアス入来る) ペレアス ほーら、ほーら、ほー。 メリザンド 其処に入らっしゃるのは誰? ペレアス 私、私、この私 窓の所で何をしていらっしゃるんです。 この辺の鳥で無いような歌を唄って。 メリザンド 夜、髪を梳いていますの。 ペレアス 壁の上に見えているのはそれですか? 私は灯が傍にあるのかと思いましたよ? メリザンド 窓を開けましたの、塔の中は暑う御座いましてね。 まあいい夜ですこと。 ペレアス 星が一杯です。 今夜位多数見た事が無い。 月はまだ海の上に居ますね。 暗い中に居ないで、メリザンド、 少し出て御覧なさい、 貴女の髪がすっかり見えるように。 (窓から乗出す) メリザンド 嫌なものですよ。 ペレアス おお、メリザンド、おお、貴方は美しい。 全く美しい。 もっと乗出して。乗出して。 もう少し近寄れるように。 メリザンド もう近寄れません。 出来るだけ出ましたもの。 ペレアス 私もこれ以上高く登れ無い。 せめて今夜は手だけでも、 私が出発する前に。 明朝立ちます。 メリザンド いけません、いけません、いけません。 ペレアス いいんです、いいんです、私は行きます、明朝行きます。 手をとらして下さい。貴女の手を、 その可愛らしい手を私の唇に。 メリザンド 私、御立ちになるんでしたら手は御取らせしませんよ。 ペレアス どうぞ、どうぞ。 メリザンド では御立ちなさら無い? ペレアス 延します、延しましょう。 メリザンド 暗い所に薔薇が一つ見えます。 ペレアス 何処に? 私にはただ塀の上に出ている柳の枝が見えるだけです。 メリザンド 下、下の方の庭。 彼処、すぐその蒼暗い中に。 ペレアス ありゃ薔薇でありません。 行ってすぐ見て来ましょう。 が、まず先に手を取らして下さい、 第一に貴女の御手を。 メリザンド さあ、さ、 もうこれより低く乗出せません。 ペレアス 唇が手へ届か無い。 メリザンド もうこれより低く屈めませんもの。 落ちそうですよ。 ああ、私の髪の毛が塔から下る。 (屈むと前に髪が突然垂れてペレアスの上にかかる) ペレアス おお、これは? 髪の毛、私の上へ髪の毛が下った。 貴女の髪がすっかり、メリザンド、 貴女の髪がすっかり塔から下ってきました。 私は双手に握っています。 口に咬えています。 腕にまきつけています。 首へ巻きつけています。 今夜は二度とこの手を開きませんよ。 メリザンド 離して下さい、離して下さい。 私落ちそうです。 ペレアス いや、いや、いや。 あなたのような、こんな髪はこれまで見たことがありませんよ、メリザンド。 そら、ごらんなさい。 あんなに高いとこから来て、 それでもまだその流れが私の胸元まで届くんです。 私の膝元までもとどくのですよ! そしてこの柔かいこと、まるで天からでも 落ちて来たように柔かなんです! この髪のお蔭でもう天を見る事も出来ない。 これ、ごらんなさい、ね? 私の両手で握り切ることが出来ない。 柳の枝にかかっている房毛さえありますよ。 鳥のように、私の手の中で生きている。そして、 私を愛して呉れて、あなたよりもっとよく私を愛してくれる! メリザンド はなして頂戴、離して下さい。 誰か通ったらわるいから。 ペレアス いえ、いえ、いえ。 今夜はあなたを行かせませんよ。 今夜は私の虜だ。 今夜中は、今夜中は。 メリザンド ペレアス様!ペレアス様! ペレアス 結んでいるんです。髪を柳の枝に結わえているんですよ。 もう決して此処からあなたを行かせないから。 ごらんなさい、私はあなたの髪に接吻しているんですよ。 苦しみという総ての苦しみが、私をこの髪の中に見棄てて行って呉れたんだ。あなたの髪を這い上って行く私の接吻が聞えますか。あなたの髪のあり丈をのぼっているんですよ。 どの一本一本の髪毛も、あなたに一つ一つの接吻を送っているに違いない。ねえ、私はこの手を開けることが出来るんですよ、私の手は白由なんです。それでも、あなたは私を放って行くことが出来ないのだ。 メリザンド ああ!ああ!あなたは私を苦しめなさるんです。 (鳩の群が塔を飛ぴ立って、彼等のまわりを夜の闇の中でぱたぱたする。) どうしたんでしょう?ペレアス様。 あたりを飛び廻るのは何んでしょうね。 ペレアス 鳩が塔を飛び出したんです。 私がおびやかしたんですよ。飛んで行くようです。 メリザンド 私の鳩なんですよ、ペレアス様。 行きましょう、離して下さい。 鳩が戻って来なかったらいけないから。 ペレアス 帰って来ないことがあるもんですか。 メリザンド 暗の中に迷うんです。 離して下さいよ。頭をのさせて下さい。 足音がします。離して下さいな。 ゴローだから!きっとゴローだから! 私たちの話してるのを聞きつけたんです。 ペレアス お待ちなさい!お待ちなさいよ!房毛が柳の枝にもつれているんです。暗がりで絡まったんです。 お待ちなさい!お待ちなさい!暗い夜だから。 (ゴロー、歩哨路から登場。) ゴロー ここでお前達は何をしているのだ。 ペレアス 私がここで何をしているか?私は… ゴロー お前達は子供だなあ。 メリザンド、そんなに窓からのり出しちゃいかん。 落ちるよ。 こんなに遅いのも分らないのか。 もう真夜中に近いのだ。 暗まぎれでそんなおいたをしてはいけないよ。 お前達は子供だなあ。 なんという子供らだ!なんという子供らだ! (ペレアスと一緒に出て行く。) (間奏) ≪第2場≫ 御城の窟 (ゴローとペレアス登場。) ゴロー 気をおつけ。こっちだ。こっちだ。 これまでこんな窟へ下りて来ようとしたこともないだろうね。 ペレアス いえ、一度あります。でも、ずうっと以前のことです。 ゴロー それごらん、これが私の話したその澱んでる水だ。 お前には、むれ上る死の臭いが鼻へ這入らないか。 その突き出ている岩のはなへ行って、 少し乗り出してごらん。 臭いがむれ上って、顔にぶつかるよ。 のり出してごらん。恐くはないよ、つかまえてるから。 お出し、いや、いや、手ではいかん。 すべっては悪いから、腕を、 淵が見えるか、ペレアス?ペレアス? ペレアス はい。淵の底の底までも見えるようです。 こんなにチラチラするのは灯ですか。 (彼は真直ぐに立って、ゴローを振向いて見る。) あなたが、 ゴロー そうだよ。提燈だよ。 そら、隅々まで照そうと思ってこれを振っているのだよ。 ペレアス 息が詰まりそうだ。行きましょう。 ゴロー よし、行こう。 (黙って退場。) SCÈNE 3 窟の入口にある高見 (ゴローとペレアス登場。) ペレアス ああ!漸く息がつけた。 一時私は、あの巨きな洞の中で気絶するかと思いました。も少しで倒れるところでした。 あそこの空気は湿っぽくて、鉛の露のように重い。そしてあの暗いことと言ったら、毒をふくんだ髄のようにみっちりしている。 がもう、この広々した海に一杯の空気だ! 爽々しいそよ風が吹いて来る。ごらんなさい。若葉のように清新な風が、あの小さな緑の波を渡って。 まあ、 あの人達は丁度、この高見の下で花に水をやったところなんだ。だからソウ葉の香りと、うるおった薔薇の香りとがここまで匂って来ますね。 もう真昼にちがいない。 花が既に塔の影になっていますから。 真昼です。鐘の鳴るのが聞えるし 子供たちが水を浴びに浜へ行っていますよ。 おや、 塔の窓の一つに、お母さんとメリザンドが出ていますよ。 ゴロー そうだね。陰の方によけてしまった。 メリザンドと言えば、私は、お前たち二人の間にあったことと、昨夜話していたことを残らず聞いてしまったよ。 それが子供の遊びだということは私も十分よく承知している。 けれど、二度とあんなことをしてはいけない。 メリザンドは、大変感じ易いんだから。それに、彼女もお母さんになりかけているんだから、猶一層心静かにしてやらなきゃならない。一寸した感情から、とんでもない不幸が起らないとも限らない。これが始めてではない。お前たちの間に何事かが起っているんだと思うようになったのは。 お前は彼女よりも年上だから、お前に話しておけば大丈夫だ。 出来るだけ彼女を避けておくれ。どんなことがあっても、目立たないようにしてくれ、目立たないようにね。 (退場。) (間奏) ≪第4場≫ 御城の前 (ゴローと幼きイニョルドが登場。) ゴロー さあ、ここへ坐ろう。イニョルド。 この膝にお掛け。 ここからなら、森の中の出来ごとが何もかも見られるよ。 此頃お前の顔をちっとも見ないようだ。 お前もまたこのお父さんを離れて、 何時でもお前の可愛いお母さんの側にくっついているんだね。 あ、私たちは丁度可愛いお母さんの窓の下に座っているんだよ。 お母さんは丁度今時分夜のお祈りをしていることだろう。 けれどねイニョルド、お母さんとペレアス伯父さんとはよく一緒になっているんじゃないかね。 イニョルド ええ、そうだよ。何時もだよ。お父さん。 お父さんがいない時は。 ゴロー ああ、ごらん、 誰かが提燈をもって庭を通っている。 けれど、二人は仲が悪いということだが、 よく口喧嘩をするらしいね、え? 本当かね? イニョルド ええ、そうだよ。本当だよ。 ゴロー 本当?ああ!ああ!でも、何んだって喧嘩するの。 イニョルド 扉のことで。 ゴロー 何んで?戸のことで? 何んのことを言ってるのだ? イニョルド それはその、扉を開け放しにしてはならないからだよ。 ゴロー 誰が開け放しにしてはならないの? ねえ、何故口喧嘩なんかするんだろう? イニョルド 僕知らないよ、お父さん、灯のことは。 ゴロー 灯のことなんか話しちゃいないよ。私はその戸のことを話しているのだ。手をロにあてたりなんかしちゃいけない。 さあ。 イニョルド お父さん!お父さん!僕もうしないから。 (泣く) ゴロー さあさあ。どうして泣くんだよ? どうかしたの? イニョルド おお!おお!お父さん、僕を痛くしちゃ。 ゴロー 痛くしたって?何処を痛くしたって? 何もそうするつもりではなかったんだが。 イニョルド ここよ、ここよ。僕の小腕を。 ゴロー ちっとも、そうするつもりではなかったんだよ。さあ、もう泣くな泣くな。明日は何かいい物をあげるから。 イニョルド 何を呉れるの、お父さん。 ゴロー 箭筒と矢をあげよう。 だから、戸のことで知ってることを話しておくれ。 イニョルド 大きな矢をくれる? ゴロー ああ、そりゃ大きな矢をあげるよ。 だけど、何故二人は戸を開け放しておいてはいけないの? ねえ、その訳を話しておくれ! 駄目だ、駄目だ、そんな泣くような口しちゃいけない。 お父さんは恐ってるんじゃないよ。 二人が一緒の時、どんなような事を話しているかね? イニョルド ペレアス伯父さんと可愛いお母さんとが? ゴロー そうだよ。どんな事を話しているかね? イニョルド 僕のことだよ。何時でも僕のことだよ。 ゴロー で、二人はお前のことを何んと言うのか。 イニョルド 僕が大変背が高くなるだろうってね。 ゴロー ああ、情けない! この私は、大海原の底に宝を探す盲人のようなものだ。 森の中で迷った生れ立ての赤子のようなものだ。 そしてお前は… だがねえ、イニョルド、お父さんはあんまり考えに沈んでいた。極く真面目にお話をしよう。 ペレアスと可愛いお母さんとは、私がいない時に、私のことはちっとも話さないのかね? イニョルド いえ、いえ、お父さん。 ゴロー ああ、では、お父さんのことを何んと言うんだね? イニョルド 僕がお父さんのように大きくなるだろうってね。 ゴロー お前は何時でもあの二人と一緒にいるのか。 イニョルド ええ、そうだよ。何時もだよ、お父さん。 ゴロー 何処かへ行って遊べと言ったことはないかい? イニョルド ないよ、お父さん。僕が側にいないと二人は恐いんだから。 ゴロー 恐い?どうして二人の恐がることがお前に分るんだね? イニョルド ニ人は何時も暗がりで泣いているの。 ゴロー ああ!ああ! イニョルド だから誰でも泣かされる。 ゴロー うむ、うむ。 イニョルド お母さんの顔は蒼いよ、お父さん。 ゴロー ああ!ああ!忍耐だ、おお、忍耐だ。 イニョルド なあに?お父さん。 ゴロー なんでも無い。なんでも無い。いい子だ。 狼が森を抜けるのが見えたよ。 時には互いに接吻もするだろう?ちがう? イニョルド 二人で接吻するかって?お父さん、いいえ、いえ、ああ、 そうだ、お父さんあったよ、一度、一度、雨の降ってる日に。 ゴロー 二人で接吻したのか。 でも、どうして、どんな風に接吻したのか。 イニョルド そおれ、お父さん、そおれ。 (彼は父のロに接吻して笑う) あ!あ!この髭が、お父さん!ちかちかするよ!ちかちかするよ!すっかり灰色になりかけているね、お父さん。 髪もだよ。なんにも灰色だ。なんにも灰色だ! (彼等が座っている直ぐより上の窓の明りがつく。その輝きが二人の上に落ちる) ああ!ああ!僕のお母さんがランプに火をつけたんだね。 明るくなったよ、お父さん。明るいね。 ゴロー うむ。明りがさして来たね。 イニョルド 僕たちも行こう、お父さん。あそこに行こうよ。 ゴロー 何処へ行きたいのか。 イニョルド あの燈のあるとこに。お父さん。 ゴロー よそう、ね、いい子だから。 もう暫くここの蔭にいよう。 まだ何んとも言えないことだ。 ペレアスは気が違ったんだろう。 イニョルド いえ、お父さん。気が違ったんじゃないよ。 伯父さんは大変親切だよ。 ゴロー お前はお前のお母さんを見たいか。 イニョルド ええ、ええ。僕見たいな! ゴロー 騒ぐなよ。 お前を窓のとこに揚げてやろう。 私にも届かないけれど、私もかなり高いんだがな。 (子供を差上げる。) 少しでもものを言ってはいけないよ。 可愛いお前のお母さんがほんとに吃驚してしまうから。 見えるかい?お母さんが部屋にいるか? イニョルド いるよ。おほ!明るいこと! ゴロー お母さんは独り切り? イニョルド ええ…いいえ、ペレアス伯父さんもいるよ。 ゴロー 伯父さんも! イニョルド ああ!ああ!お父さん!僕痛いじゃないか! ゴロー 大丈夫だよ。静かにおし。もう痛くしやしないから。 それごらん、イニョルド! 躓いたんだよ。声を小いさくして。 二人は何をしているのかね。 イニョルド 何もしてやしない、お父さん。 ゴロー 互いに寄り添っているかね? 何か話している? イニョルド いいえ、お父さん。何も言っていないよ。 ゴロー それじゃ二人は何をしているんだね? イニョルド 燈を眺めているよ。 ゴロー ニ人とも? イニョルド ええ、お父さん。 ゴロー 話してはいないんだね? イニョルド うん、そうだよ。眼をつぶってもいないよ。 ゴロー お互いに寄り添おうとしてもいないんだね? イニョルド おお!おお!お父さん、二人はちっと眼をつぶらないよ。 僕ほんとに恐くなった。 ゴロー 何がそんなに恐いのだ?見て!見ておいで! イニョルド お父さん、下して頂戴よ! ゴロー 見ておいでよ! イニョルド ああ!僕声を立てるよ、お父さん! 下して頂戴よ!下してよう! ゴロー さあ! (退場) TROISIÈME ACTE SCÈNE 1 Une des tours du château. Un chemin de ronde passe sous une fenêtre de la tour. MÉLISANDE à la fenêtre, tandis qu elle peigne ses cheveux dénoués. Mes longs cheveux descendent jusqu au seuil de la tour; mes cheveux vous attendent tout le long de la tour, et tout le long du jour, et tout le long du jour. Saint Daniel et Saint Michel, Saint Michel et Saint Raphaël, je suis née un dimanche, un dimanche à midi. Pelléas entre par le chemin de ronde. PELLÉAS Holà! Holà! Ho! MÉLISANDE Qui est là? PELLÉAS Moi, moi, et moi! Que fais-tu là, à la fenêtre, en chantant comme un oiseau qui n est pas d ici? MÉLISANDE J arrange mes cheveux pour la nuit. PELLÉAS C est là ce que je vois sur le mur? Je croyais que tu avais de la lumière. MÉLISANDE J ai ouvert la fenêtre; il fait trop chaud dans la tour. Il fait beau cette nuit. PELLÉAS Il y a d innombrables étoiles; je n en ai jamais vu autant que ce soir; mais la lune est encore sur la mer… Ne reste pas dans l ombre, Mélisande, penche-toi un peu, que je voie tes cheveux dénoués. Mélisande se penche à la fenêtre. MÉLISANDE Je suis affreuse ainsi. PELLÉAS Oh! Oh! Mélisande! Oh! tu es belle!! Tu es belle ainsi! Penche-toi, penche-toi! Laisse-moi venir plus près de toi. MÉLISANDE Je ne puis pas venir plus près de toi. Je me penche tant que je peux. PELLÉAS Je ne puis pas monter plus haut. Donne-moi du moins ta main ce soir, avant que je m en aille. Je pars demain. MÉLISANDE Non, non, non! PELLÉAS Si, si, je pars, je partirai demain. Donne-moi ta main, ta main, ta petite main sur mes lèvres. MÉLISANDE Je ne te donne pas ma main si tu pars. PELLÉAS Donne, donne, donne… MÉLISANDE Tu ne partiras pas? PELLÉAS J attendrai, j attendrai. MÉLISANDE Je vois une rose dans les ténèbres. PELLÉAS Où donc? Je ne vois que les branches du saule qui dépasse le mur. MÉLISANDE Plus bas, plus bas, dans le jardin; là-bas, dans le vert sombre. PELLÉAS Ce n est pas une rose. J irai voir tout à l heure, mais donne-moi ta main d abord, d abord ta main. MÉLISANDE Voilà, voilà. Je ne puis me pencher davantage. PELLÉAS Mes lèvres ne peuvent pas atteindre ta main! MÉLISANDE Je ne puis me pencher davantage. Je suis sur le point de tomber. Oh! Oh! Mes cheveux descendent de la tour! Sa chevelure se révulse tout à coup, tandis qu elle se penche ainsi, et inonde Pelléas. PELLÉAS Oh! Oh! Qu est-ce que c est? Tes cheveux, tes cheveux descendent vers moi! Toute ta chevelure, Mélisande, toute ta chevelure est tombée de la tour! Je les tiens dans les mains, je les tiens dans ma bouche, je les tiens dans les bras, je les mets autour de mon cou. Je n ouvrirai plus les mains cette nuit. MÉLISANDE Laisse-moi! Laisse-moi! Tu vas me faire tomber. PELLÉAS Non, non, non! Je n ai jamais vu de cheveux comme les tiens, Mélisande. Vois, vois, vois, ils viennent de si haut et ils m inondent encore jusqu au coeur; ils m inondent encore jusqu aux genoux! Et ils sont doux, ils sont doux comme s ils tombaient du ciel. Je ne vois plus le ciel à travers tes cheveux. Tu vois, tu vois? Mes deux mains ne peuvent plus les tenir; il y en a jusque sur les branches du saule. Ils vivent comme des oiseaux dans mes mains, et ils m aiment, ils m aiment plus que toi. MÉLISANDE Laisse-moi, laisse-moi! Quelqu un pourrait venir. PELLÉAS Non, non, non. Je ne te délivre pas cette nuit. Tu es ma prisonnière cette nuit, toute la nuit, toute la nuit. MÉLISANDE Pelléas! Pelléas! PELLÉAS Je les noue, je les noue aux branches du saule. Tu ne t en iras plus, tu ne t en iras plus. Regarde, regarde, j embrasse tes cheveux… Je ne souffre plus au milieu de tes cheveux… Tu entends mes baisers le long de tes cheveux? Ils montent le long de tes cheveux. Il faut que chacun t en apporte. Tu vois, tu vois, je puis ouvrir les mains. J ai les mains libres et tu ne peux plus m abandonner. MÉLISANDE Oh! Oh! Tu m as fait mal! Des colombes sortent de la tour et volent autour d eux dans la nuit. Qu y a-tu, Pelléas? Qu est-ce qui vole autour moi? PELLÉAS Ce sont les colombes qui sortent de la tour… Je les ai effrayées; elles s envolent. MÉLISANDE Ce sont mes colombes, Pelléas. Allons-nous-en, laisse-moi; elles ne reviendraient plus. PELLÉAS Pourquoi ne reviendraient-elles plus? MÉLISANDE Elles se perdront dans l obscurité. Laisse-moi! Laisse-moi relever la tête. J entends un bruit de pas. Laisse-moi! C est Golaud! Je crois que c est Golaud! Il nous a entendus. PELLÉAS Attends! Attends! Tes cheveux sont autour de branches. Ils se sont accrochés dans l obscurité. Attends! Attends! Il fait noir. Entre Golaud par le chemin de ronde. GOLAUD Que faites-vous ici? PELLÉAS Ce que je fais ici? Je… GOLAUD Vous êtes des enfants. Mélisande, ne te penche pas ainsi à la fenêtre, tu vas tomber… Vous ne savez pas qu il est tard? Il est près de minuit. Ne jouez pas ainsi dans l obscurité. Vous êtes des enfants… Quels enfants!… Quels enfants! II sort avec Pelléas. Interlude SCÈNE 2 Les souterrains du château Entrent Golaud et Pelléas. GOLAUD Prenez garde; par ici, par ici. Vous n avez jamais pénétré dans ces souterrains? PELLÉAS Si, une fois dans le temps; mais il y a longtemps. GOLAUD Eh bien, voici l eau stagnante dont je vous parlais. Sentez-vous l odeur de mort qui monte? Allons jusqu au bout de ce rocher qui surplomb et penchez-vous un peu, elle viendra vous frapper au visage. Penchez-vous; n ayez pas peur, je vous tiendrai. Donnez-moi - non, non, pas la main, elle pourrait glisser, le bras. Voyez-vous le gouffre, Pelléas, Pelléas? PELLÉAS Oui, je crois que je vois le fond du gouffre. Est-ce la lumière qui tremble ainsi? Il se redresse, se retourne et regarde Golaud. Vous… GOLAUD Oui, c est la lanterne. Voyez, je l agitais pour éclairer les parois. PELLÉAS J étouffe ici. Sortons. GOLAUD Oui, sortons. Ils sortent en silence. SCÈNE 3 Une terrasse au sortir des souterrains Entrent Golaud et Pelléas. PELLÉAS Ah! Je respire enfin! J ai cru, un instant, que j allais me trouver mal dans ces énormes grottes; j ai été sur le point de tomber. Il y a là un air humide et lourd comme une rosée de plomb, et des ténèbres épaisses comme une pâte empoisonnée. Et maintenant, tout l air de tout la mer! Il y a un vent frais, voyez, frais comme une feuille qui vient de s ouvrir, sur les petites lames vertes. Tiens! On vient d arroser les fleurs au bord de la terrasse et l odeur de la verdure et des roses mouillées monte jusqu ici. Il doit être près de midi; elles sont déjà dans l ombre de la tour. Il est midi, j entends sonner les cloches et les enfants descendent vers la plage pour se baigner. Tiens, voilà notre mère et Mélisande à une fenêtre de la tour. GOLAUD Oui; elles se sont réfugiées du côté de l ombre. A propos de Mélisande, j ai entendu ce qui s est passé et ce qui s est dit hier au soir. Je le sais bien, ce sont là jeux d enfants; mais il ne faut pas que cela se répète. Elle est très délicate, et il faut qu on la ménage, d autant plus qu elle sera peut-être bientôt mère, et la moindre émotion pourra amener un malheur. Ce n est pas la première fois que je remarque qu il pourrait y avoir quelque chose entre vous. Vous êtes plus âgé qu elle, il suffira de vous l avoir dit… Evitez-la autant que possible; mais sans affectation, d ailleurs, sans affectation. Ils sortent. Interlude SCÈNE 4 Devant le château Entrent Golaud et le petit Yniold. GOLAUD Viens, nous allons nous asseoir ici, Yniold; vien sur mes genoux; nous verrons d ici ce qui se passe dans la forêt. Je ne te vois plus du tout depuis quelque temps. Tu m abandonnes aussi; tu es toujours chez petite mère. Tiens, nous sommes tout juste assis sous les fenêtres de petite mère. Elle fait peut-être sa prière du soir ce moment… Mais dis-moi, Yniold, elle est souvent avec ton oncle Pelléas, n est-ce pas? YNIOLD Oui, oui, toujours, petit père; quand vous n êtes pas là. GOLAUD Ah!…Tiens, quelqu un passe avec une lanterne dans le jardin. Mais on m a dit qu ils ne s aimaient pas. Il paraît qu ils se querellent souvent… non? Est-ce vrai? YNIOLD Oui, oui, c est vrai. GOLAUD Oui? Ah, ah! Mais à propos de quoi se querellent-ils? YNIOLD A propos de la porte. GOLAUD Comment! à propos de la porte! Qu est-ce que tu racontes là? YNIOLD Parce qu elle ne peut pas être ouverte. GOLAUD Qui ne veut pas qu elle soit ouverte? Voyons, pourquoi se querellent-ils? YNIOLD Je ne sais pas, petit père, à propos de la lumière. GOLAUD Je ne te parle pas de la lumière; je te parle de la porte. Ne mets pas ainsi la main dans la bouche. Voyons. YNIOLD Petit père! Petit père! je ne le ferai plus. Il pleure. GOLAUD Voyons, pourquoi pleures-tu maintenant? Qu est-il arrivé? YNIOLD Oh! Oh! Petit père! Vous m avez fait mal! GOLAUD Je t ai fait mal? Qù t ai-je fait mal? C est sans le vouloir. YNIOLD Ici, ici, à mon petit bras. GOLAUD C est sans le vouloir; voyons, ne pleure plus; je te donnerai quelque chose demain. YNIOLD Quoi, petit père? GOLAUD Un carquois et des flèches. Mais dis-moi ce que tu sais de la porte. YNIOLD De grandes flèches? GOLAUD Oui, de très grandes flèches. Mais pourquoi ne veulent-ils pas que la porte soit ouverte? Voyons, réponds-moi à la fin! Non, non, n ouvre pas la bouche pour pleurer, je ne suis pas fâché. De quoi parlent-ils quand ils sont ensemble? YNIOLD Pelléas et petite mère? GOLAUD Oui; de quoi parlent-ils? YNIOLD De moi; toujours de moi. GOLAUD Et que disent-ils de toi? YNIOLD Ils disent que je serai très grand. GOLAUD Ah! misère de ma vie! Je suis ici comme un aveugle qui cherche son trésor au fond de l océan! Je suis ici comme un nouveau-né perdu dans la forêt et vous… Mais voyons, Yniold, j étais distrait; nous allons causer sérieusement. Pelléas et petite mère ne parlent-ils jamais de moi quand je ne suis pas là? YNIOLD Si, si, petit père. GOLAUD Ah, et que disent-ils de moi? YNIOLD Ils disent que je deviendrai aussi grand que vous. GOLAUD Tu es toujours près d eux? YNIOLD Oui, oui, toujours, petit père. GOLAUD Ils ne te disent jamais d aller jouer ailleurs? YNIOLD Non, petit père, ils ont peur quand je ne suis là. GOLAUD Ils ont peur? A quoi vois-tu qu ils ont peur? YNIOLD Ils pleurent toujours dans l obscurité. GOLAUD Ah! Ah! YNIOLD Cela fait pleurer aussi… GOLAUD Oui, oui! YNIOLD Elle est pâle, petit père. GOLAUD Ah! Ah! patience, mon Dieu, patience! YNIOLD Quoi, petit père? GOLAUD Rien, rien, mon enfant. J ai vu passer un loup dans la foret. Ils s embrassent quelquefois? Non? YNIOLD Qu ils s embrassent, petit père? Non, non. Ah! Si, petit père, si, une fois, une fois qu il pleuvait. GOLAUD Ils se sont embrassés? Mais comment, comment se sont-ils embrassés? YNIOLD Comme ça, petit père, comme ça! Il lui donne un baiser sur la bouche; riant. Ah! Ah! votre barbe, petit père! Elle pique, elle pique! Elle devient toute grise, petit père, et vos cheveux aussi, tout gris, tout gris. La fenêtre, sous laquelle ils sont assis, s éclaire en ce moment, et sa clarté vient tomber sur eux. Ah! Ah! Petite mère a allumé sa lampe. Il fait clair, petit père, il fait clair. GOLAUD Oui, il commence à faire clair. YNIOLD Allons-y aussi, petit père; allons-y aussi. GOLAUD Où veux-tu aller? YNIOLD Où il fait clair, petit père. GOLAUD Non, non, mon enfant; restons encore un peu dans l ombre. On ne sait pas, on ne sait pas encore. Je crois que Pelléas est fou. YNIOLD Non, petit père, il n est pas fou, mais il est trè bon. GOLAUD Veux-tu voir petite mère? YNIOLD Oui, oui, je veux la voir! GOLAUD Ne fais pas de bruit; je vais te hisser jusqu à la fenêtre. Elle est trop haute pour moi, bien que je sois si grand. Il soulève l enfant. Ne fais pas le moindre bruit petite mère aurait terriblement peur. La vois-tu? Est-elle dans la chambre? YNIOLD Oui. Oh, il fait clair! GOLAUD Elle est seule? YNIOLD Oui… Non, non! Mon oncle Pelléas y est aussi. GOLAUD Il… YNIOLD Ah! Ah! petit père vous m avez fait mal! GOLAUD Ce n est rien; tais-toi; je ne le ferai plus; regarde, regarde, Yniold! J ai trébuché. Parle plus bas. Que font-ils? YNIOLD Ils ne font rien, petit père. GOLAUD Sont-ils près l un de l autre? Est-ce qu ils parlent? YNIOLD Non, petit père, ils ne parlent pas. GOLAUD Mais que font-ils? YNIOLD Ils regardent la lumière. GOLAUD Tous les deux? YNIOLD Oui, petit père. GOLAUD Ils ne disent rien? YNIOLD Non, petit père; ils ne ferment pas les yeux. GOLAUD Ils ne s approchent pas l un de l autre? YNIOLD Non, petit père, ils ne ferment jamais les yeux… J ai terriblement peur! GOLAUD De quoi donc as-tu peur? Regarde, regarde! YNIOLD Petit père, laissez-moi descendre! GOLAUD Regarde! YNIOLD Oh! Je vais crier, petit père! Laissez-moi descendre, laissez-moi descendre! GOLAUD Viens! Ils sortent. Debussy,Claude/Pelléas et Mélisande+/IV
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登録タグ:いじめ グロ 危険度3 胸糞 狂気太郎の作品の一つ「お父さん」が出てくる。 ストーリーは、クラスメイト「未来」をいじめて自殺に追いやった少年「翔太郎」のもとに、「未来」のお父さんが復讐にやってくるというもの。 全く反省する気のない主人公、復讐のために関係ない親まで殺すお父さん、生々しく表現される拷問シーン… どれをとっても胸糞悪く、精神的にくる作品である。 2015年3月26日以降から、原作者が作品ページに検索避けタグを導入している。 現在は検索すると無断転載のブログと二次創作小説がトップに来るので注意。「小説」というページから辿ると読むことができる。 リンク:ttp //madtaro.net/stories.html 関連項目:狂気太郎 分類:グロ 危険度:3 コメント ↑死んでないよ -- (俺) 2022-03-29 16 00 34 普通にヒットするけど -- (名無しさん) 2022-03-29 22 07 13 初音ミクのミクかと思ってしまった。 -- (七瀬) 2022-05-30 22 27 44 初音ミクと勘違いするじゃん -- (ストゼロストロー依存症) 2022-09-07 13 19 15 ↑⑨↑⑩ミクミクだから、私も紛らわしいと思います💧 -- (アユラ) 2022-09-14 14 56 07 生々しすぎんよ… -- (あ) 2022-12-04 18 04 00 初音ミク関係かと主蔦() -- (kkk2z) 2023-02-08 14 21 26 初音ミクかと思った -- (名無しさん) 2023-06-06 07 34 17 ↑それな!僕らの年月日の続きが出たのかと… -- (やきたまご) 2023-07-31 23 20 16 ※ 初 音 ミ ク と は 関 係 あ り ま せ ん -- (お久なAAA(現Mar)) 2023-10-31 17 05 20 名前 コメント すべてのコメントを見る
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scene19~遺志を果たして~ シーンプレイヤー PC2「聖 あかり」 事件から数日後、N市某所の墓地 GM:PC2と昴は墓地の片隅にある、小さな墓石の前に立っていた。 GM:PC2の恩師であり、昴の父親とも生みの親とも言える男がその墓石の下には眠っている。 あかり:「…。」 昴:「…。」 GM:長い沈黙から、それぞれの深い想いが窺い知れる。 GM:そんな中、先に沈黙を破ったのはPC2の方だった。 あかり:「…ねぇ、昴。孝三先生の事、どう思ってる?」 昴:「私にとっては、かけがえのないお父さんだよ。」 昴:迷う素振りも見せず即答する。 昴:再び手を合わせ目を閉じ、墓石に向かう。 昴:「お父さん、私に命をくれてありがとう。」 昴:「…敵は取ったよ。」 昴:「…。」 昴:「…お父さんが私に永見 昴を求めていたことはずっとわかってた。」 昴:「けど、私は…。」 あかり:「…ねぇ、昴。」 昴:「…なに?」 あかり:「…『あなた』は最初、『永見 昴』のコピーとして生まれた。」 あかり:「だけど、『あなた』はコピーなんかじゃなくて、一人の『人間』として生きていくことを決めたじゃない?」 昴:「そうね。」 あかり:「じゃあ、そんな『あなた』を私は何て呼べばいいのかな?」 あかり:「『昴』って今まで通り呼べばいいのか、それとも、別の呼び名が必要なのか。」 昴:「『永見 昴』でいいよ。」 昴:「確かに私は…『永見 昴』とは違う。」 昴:「けど、『永見 昴』も背負って生きていく。」 PL1:まるで永見が殺ったみたい。 PL3:ちなみにもし勝手に名前をつけるなら、考えてた名前は『ひばり』(東北の方言での『昴』の呼び名)でした。 PL4:名付け親をめぐって熾烈な争いが…。 PL3:さすがに名付け親の争いなんてしてたら過労死しそう。 PL1:名前なんになってもPC1はたぶん永見って呼ぶわ。 昴:「だって、『永見 昴』を捨てたら、きっとお父さんは悲しむから。」 昴:「あの時…、『バンダースナッチ』を倒したとき、あかりが最後に言ってた『カルマ』…。」 昴:「思ったんだ、きっとお父さんの『カルマ』が私なんだって。」 昴:「本来、死んだ人を生き返らせる事は禁忌…。」 昴:「でも、その禁忌を破って生まれてしまったのが私。」 昴:「だからこそ、私はお父さん、そして永見 昴の思いも背負って生きていくって決めたの。」 昴:「ま、私の存在が禁忌だったら、いずれは地獄の業火に焼き尽くされちゃうかも、なんてね!」 昴:墓の前から立ち上がり悪戯っぽく笑みを浮かべる。 あかり:「そう、あなたは孝三先生の『カルマ』を背負うんだ…。」 あかり:「知ってる?昴。」 あかり:「『因果応報』って言葉があるの。」 あかり:「『カルマ』と同じような意味で、こっちの方が世間一般では使われている言葉ね。」 あかり:「いいことをし続ければ、いい方向に報われ、悪いことをすればどんどん悪い方向に堕ちてゆく。」 あかり:「日常を捨て、裏切り、罪の無い人を殺め、遂には自分自身も滅びた『バンダースナッチ』がその悪い方。」 あかり:「あなたはこれから自分自身の人生を送って、その中で色んな人と出会うはず。」 あかり:「その中にはあなたに良くしてくれる人達も必ずいるわ。」 あかり:「そんな人達にちゃんと報いてあげれば、きっともっといい事が帰ってくる。」 あかり:「そして、その人たちのためにも、『バンダースナッチ』の様にならないためにも『人間性』を保ち続けるのよ?いいわね?」 あかり:「人間は、一人じゃない。」 あかり:「世の中、思ってるほど優しくもないけど、冷たくもないから。」 昴:「ありがと。」 昴:「でも私だけじゃ不安だから、あかりが見ててくれたら、嬉しいかな。」 あかり:「ふふっ、もちろんいいよ。」 あかり:安心したように微笑む。 あかり:再び墓前に手を合わせる。 あかり:「孝三先生、昴から聞いたと思うけど、敵はちゃんと討ち取りました。」 あかり:「それから『昴』の事も、私と『味方となってくれる人物』の2人で見守っていきます。」 あかり:「彼はいろんな意味で不安なので、私がちゃんと守りますから。」 あかり:「どうか……安らかに…眠ってね…。」 あかり:目から一筋の涙を流す。 昴:墓前に向き直り、再び手を合わせる。 GM:その時吹いた一陣の風は、日常に戻れた事を祝福するように穏やかだった…。 GM:次、最後!PC1! →scene20へ
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私たちの元からお父さんとお母さんがいなくなってずいぶん経つ。 お父さん達との思い出があるのは私だけだと思う。夏奈はとても小さかったから、多分覚えててもぼんやりとだと思うし、千秋なんてまだ赤ちゃんだったから。 お父さん達がいなくなってからは、私が二人の面倒を見てた。最初は親戚の人たちが手伝いに来てくれたし、タケルおじさんなんてほとんど毎日来て手伝ってくれたっけ。でも、そのほとんどが夏奈と一緒になって面倒なこと起こしちゃってた。 昔はとってもとっても困ったけど、今はつい笑っちゃうほど、いい思い出だよ。 私が二人を守らなきゃって、躍起になって家事やお料理、覚えたりしたんだ。二人が早く、また笑えるようになってもらいたくて。 私の作ったご飯をおいしく食べてもらいたくて。そうすれば、笑えればきっと悲しみはすこしでも減ると思ったから。親がいなくても、私がいれば平気だって思ってほしくて。 夏奈がクラスの男の子と喧嘩して怪我したって聞いたら走って学校に向かったし、千秋のお遊戯会はかならず観に行ってた。 毎日帰って掃除、洗濯、ご飯の準備がいつのまにか一人で出来るようになってた。 だけど、苦しいとか、つらいとか思ったことは一度もないよ。だって、私が二人を愛してたから。うん、愛してたから二人のために頑張れたし、これからも頑張れるよ。 だからつらくなったり、寂しくなってどうしようもなくなったら、私の元に戻っておいで。守ってあげる。 私は二人の、お姉ちゃんだから。 号泣しました・・・・ -- bbb (2009-06-28 15 26 53) 名前 コメント 8スレ目 mk氏 保管庫
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飛べないもう一羽のウサギ【7】 73 戦いが終わると、森はすっかり元通り……とまではいかないけど、以前の森に近い状態に戻っていた。ソレワターセが森のほとんどの木を吸収していたせいで、戦いで傷付けられることもなく、除草剤の影響も少なくて済んだみたい。「ねえ、せつなはすぐに帰っちゃうの? 少しだけ、話したいことがあるの」 74 「わかった。帰るのは明日にするわ」ホントに? って思わず聞き返しちゃった。さっきからずっと考え込んでたし、すぐに帰らなきゃいけないのかなって心配してたから。「ええ。おかあさんとおとうさんに挨拶して帰るつもりだったし」あたしって単純だ。それを聞いただけで、何だか元気が出るんだから。 75 家の前まで来ると、せつなが突然足を止めた。「せつな、もしかして緊張してるの?」「ううん。でも何だか胸が一杯になって……。こんなに早くまた逢えるなんて思わなかったから」こんなに早くって、せつながラビリンスに帰ってもう一年も経っているのに。ひょっとして……もう逢わないつもりだったの? 76 玄関の扉を開けると、お母さんとお父さんが飛び出してきた。せつなが帰ってきたことは、電話で知らせてあったから。口を開きかけたせつなを、お母さんがギュッと抱きしめる。せつなのことだから、きっと挨拶も考えてきてたよね。でも涙ながらに口にしたのは「ただいま、おかあさん」の一言だけだった。 77 お母さんとしばらく抱き合ってから、せつなはお父さんと向き合った。お父さんが腕を伸ばしかけてすぐ引っ込めたのを、せつなも見ていたのかもしれない。いや、抱き合うのはさすがに……って思ってたら、せつなはお父さんの傍まで行って、頭をちょんと、お父さんの胸に当てた。「ただいま、おとうさん」 78 お父さんってば、涙ぐんじゃってる。お母さんもビックリした顔でせつなを見てた。せつなの甘える仕草なんて珍しいもんね。お母さん、「色々あったのね」って微笑んでた。その夜はタルトとシフォンも一緒に家族パーティー。ラビリンスのこと、四つ葉町のこと、夜が更けるまでみんなでいろんな話をした。 79 シフォンが寝付いてから、あたしはベランダに出た。すぐにせつなもやって来た。「ラブ、話って?」「うん、あのね……」昼間の話の続きなの。あたしはやっぱり、みんなの幸せも自分の幸せも、二兎を追って両方ゲットしたい。美希たんやブッキーやせつなの夢を応援して、自分の夢も掴みたい。だから――! 80 ずっと抑えてきた気持ちが胸一杯に膨らんで、高まって、弾けるみたいに迸った。ボロボロと涙が溢れて、それを隠すようにせつなの首に腕を回す。「だから――あたしを置いて行かないで! だってせつな、言ってくれたじゃない。あたしにはこの先、素晴らしい幸せが訪れるって。それは一体どこにあるの?」 81 「ラビリンスを笑顔で一杯にしたいってせつなの夢を、あたしも応援したい。でも逢えなくなるのは嫌だよ。離れていても心は繋がっている。だから時々でいいから心を伝えたい。一緒に幸せゲットしたいの!」せつなは黙って聞いてくれた。そして身体を離したあたしに、静かに頷いた。「ええ――わかったわ」 82 翌朝早く、せつなはラビリンスに帰って行った。タルトもシフォンもリンクルンを持ってスウィーツ王国に帰った。せつな、やっぱり無理して泊まってくれたのかな。美希たんとブッキーは、せつなとゆっくり話せなかったことを残念がってたけど、実はね、これからは月に一度は帰るって約束してくれたんだ。 83 後は大輔のことをちゃんとしなくっちゃ。「話って何だよ」大輔が緊張してるのが伝わってくる。あの日から、やっぱり何だか元気なかったもんね。「大輔の気持ちは嬉しいけど、あたしの気持ちはきっと大輔と一緒じゃないんだ。だから、今は言えない。聞きたかったら、あたしを大輔と同じ気持ちにさせて」 84 「つまり、男を見せて惚れさせろってことだな」大輔が顔を上げた。「よし、待ってろよ、ラブ。それまでは幼馴染で我慢してやるよ」あたしの話のどこに元気が出る要素があったのかわからないけど、何だかいつもの大輔に戻ったみたい。さあ、ここからが本番だ。みんなから遅れた分、うんと走らなきゃ。 85 それから二週間経って、庭に小さな芽が出たの。あの時の実を埋めて、毎日水をやってたんだ。もちろん普通の植物になってることは、せつなに調べてもらってからね。明日はせつなが帰ってくる。って、もうこんな時間? ミユキさんのレッスンに遅れちゃう!「行って来ます!」みんなで幸せ――ゲットだよ! ~完~
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つか「そろそろ時間だね~」 かが「…そうね」 まつ「ちょ、またこれ見るの~?」 ただ「…ちょっとコンビニいってくるよw」 いの「おはよう、あら?お父さんはどこに?」 かが「コンビニだってさ。」 つか「お父さんもみればいいのに~」 問題 日曜朝柊家はなにをみるのか? ①報○2001 ②サンデーモー○ング ③プリ○ュア ヒント ただ「やはり居辛さといいますか。娘が微妙な年頃ですので、変ににやけたらと思うとちょっとね…」 (=ω=.)「そんなの気にしちゃダメですって。うちは男二人で主題歌歌って親睦深めてますよ。なんだったらうち寄ってきますカ?」 前 戻る 次
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2001年8月27日(月) 旅行記一覧 > 2001年夏合宿アフター ←前へ | 8/24 25 26 27 28 29 30 31 | 次へ→ 今日は雨。 岡山さんと一緒に車で小樽を観光。 運河を歩いたり、ケーキを食べたり。 天気が悪くて残念だったけど、雨の小樽ってのも風情があってよかったかもね。 たまたま一人アフター中の伊能と遭遇した。 2001年8月28日へ続く。 夜は岡山さんのお父さんと一緒にビール園へ。 食べまくり飲みまくり。 家に帰ってからもお父さんと飲んでしまった。 旅行記一覧 > 2001年夏合宿アフター ←前へ | 8/24 25 26 27 28 29 30 31 | 次へ→
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和宮 ソフィー(かずみや そふぃー) 数学者のシングルファザーを持つ少女。 将来の夢は「お父さんを超える数学者になること」。彼女は根からの負けず嫌いで、いつもお父さんを基準に勝ち負けを競争している。所謂お父さん大好きっ子。 しかし父から「さなえの頭は文系だね」と言われ、彼女の幼いかつ子供特有の単純な思考によりその事実に焦りを覚え始める(主に「このままじゃ数学者になれない」という不安)。 願いは「数学の才能が欲しい」。結果として彼女はその後ありえない速度で難解であるはずの数学の知識を吸収し、瞬く間に「数学の天才少女」として有名になる(キュウべえ曰く、元々から天才と成りえる才能があった模様)。しかしこの事実に父が畏敬や恐怖さえ覚えるようになってしまう(中には数学者としての嫉妬も少々)。 固有能力は「超人思考能力」。人並み外れた思考能力、並列思考、判断能力、記憶力を持つ。そのため戦闘においては指揮官向き。 固有武器は魔道書。とはいっても一般的見解で思いつく魔道書ではなく、数学者のための書である。ページは真っ白だが、彼女が書いた数学記号が実体化する。主な攻撃方法は数学記号の投擲。彼女曰く、「垂直の記号は普通に刺さる。孤の記号はよく斬れる。総乗の記号は相手の動きを封じるのに丁度いい感じ」。 金髪のツインテール。瞳は蒼い。父は日本人で、母はカナダ人。幼女。 魔法少女になると、ツインテールからサイドテールに変わり、服装は白衣になる。さらに黒ぶち眼鏡もかける(おそらく学者としての父のイメージが現出したと思われる)。 魔女 Annegert(アンネゲルト)