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「つかさらしいと言えばつかさらしいけど、もっと前に気がつきなさいよね~ そもそも、おばさん、明らかに透けてて普通じゃないってことぐらいすぐ判るでしょうに」 かがみもこなたのように笑いながらも突っ込むことは忘れない。 「う、う~ん…そうなんだけど、この前会ったばかりだし、2階から下りて来てたから あんまり違和感というか…幽霊って感じはしなかったんだよね…」 恥ずかしげに身体の前で両手の人差し指をちょんちょんと合わせながら苦笑いをする。 「ん~でもさ、お母さん、かなーり透けてるし、宙に浮いてるし、足はあるけど この前と違って間違いなく幽霊だね、こりゃ」 何度かかなたに触ろうと手を伸ばすが、ことごとく空を切ってしまう。 「あ~~こりゃ残念。やっぱふれることはできないのか…有り難さ半減ってとこだね」 ちょっとがっくりなこなた。 「ふふっ、やっぱり親子ね。そう君と同じことして同じ反応だなんて」 そうじろうと同じような初動をとられて笑い出してしまう。 「にょにょ!!」 思わずそうじろうの方を向いてしまった。 「あはは~……なんだ、お約束じゃないか?そういうのって」 恥ずかしげに頭をカキカキする。 「いや…まぁ…だよね…それにお父さんと私で行動被るのってある意味必然な気がするし」 これまた恥ずかしげに頭をポリポリとする。 そして二人して同じような行動をとってしまっている事に二人とも気がついていなかった。 その二人の仕草に、周りの三人が気づく。 「ククッ…ホントに似てるわねぇ~仕草とか。そう君がちょっとうらやましいな」 ちょっとこらえ気味ながらも楽しそうに笑う。 「へへへ、こなちゃんとおじさん、双子みたいだね」 「そうね、でもある意味、双子以上かしらね。私たちだって、そこまで行動が被る事はないものね」 かがみとつかさも楽しそうに笑う。 「いや~、そ、そうか?あは、あははは、なんか、お父さんとしてはうれしいぞ」 嬉しそうに、さらに頭をカキカキする。 「いや、私はあまりうれしくは…」 逆に、軽くブルーが入るこなた。 「おいおい?ひどいじゃないか、こなたお父さんと似ててうれしくないのか?」 そうじろうの笑顔が引きつり始めた。 「お母さんに似てるって言われると嬉しいけど、お父さんだと…なんか微妙にイヤ」 半分申し訳無さそうに、だがはっきりと引導を渡すかのように言い渡す。 「そんな……ずっがあああぁぁぁぁぁぁぁぁん」 まるで銃撃でもされたかのように胸を手で押さえて大きく後ろへ仰け反った。 「あの~、わたしは目元がお父さんに似てるねって言われて嬉しいけど」 なぜかつかさのフォローが入る。 「そりゃーつかさんちの場合はね……うちはオタクでスケベでロリコンな、ダメ人間ですから!」 まさしく、えぐるように打つべし!でこなたがトドメを刺す。 「ぐぅっはぁーーーー……ガクリ」 胸元を押さえ、自らガクリと言うとそのまま崩れ落ちてしまった。 「そこまで言っちゃいますか……」 「おまっ……あいかわらず容赦ないな…」 「こなちゃん、おじさんが…おじさん、大丈夫?」 さすがに哀れに思ったのか、かなたがそうじろうのそばへと行き かがみはかがみで、ある意味予想の範囲内なこなたの言動だったため、 割と冷静にその場で突っ込み つかさは、ただ純粋にそうじろうが心配になり声をかける。 「あー大丈夫大丈夫。お母さん、つかさ、大丈夫だって。いつもの事だし、事実だし。 ああいう状況に浸って打ちひしがれてる自分に酔ってるだけだから。 お父さんの事はほっといて、また話とかゲームでもしよう」 「ん~~お母さんとしては、ちょっと気になるかしら…まぁ大丈夫だとはお母さんも思うんだけど…」 そうじろうの様子に後ろ髪を引かれる思いで、振り向き振り向きながらもこなたの所へと戻って来る。 戻ってきたかなたに、ぼそっと小声で耳打ちをする。 「ダメなら後でちゃんとフォローは入れるよ、それに今日はお母さんっていう切り札が居るんだし」 「切り札って、またそんな……そう君の事だし大丈夫だとは思うんだけど…」 「自分で『ガクリ』とか言ってる余裕があるくらいだから大丈夫だって~ 心配するのは判るけど、お父さんを甘やかしちゃーいけないよ!大丈夫大丈夫、さ、行こう!」 かなたの手を掴みそのまま引っ張って部屋まで連れて行く。 部屋に入り、ふと気づく。 「……あれ?今わたしお母さんの手、握ってなかった?」 自分の手をまじまじと見つめ、再びかなたの手を握ろうと手を伸ばすが その手は空を切るばかりで、再び掴むことはできなかった。 「おりょりょりょ…さっきのはいったい…」 狐につままれたような表情をする。 「そうなのよね、なんかの拍子にさわれる時があるみたいなのよね… そう君にも一度、さわれたのよ。でも、その後は全くダメだったの。 なにかあるのかしらね、条件みたいなのが」 こなたの頭をなでながら残念そうに語る。 実際にはなでてるように見えるだけで、ただ空を切ってるだけのはずなのだが、 なにか、暖かいものが頭の上を左右してるというか気配というか…そんな風に感じることはできた。 (見えているからそう思えるだけなのかねぇ~) 再び自分の手を見つめ、ニギニギしてみる。 (でも…握った感触は柔らかくて暖かったな、へへへ) にへへへ~とほくそえむこなたであった。 「ひとりニンマリしてる所悪いんだが…」 ポンっとこなたの肩を叩く。 「ん?」 「で、あの白いのがそのPCエンジンってやつ?」 かがみがテレビの置いてある方に視線を送る。 「そうそう」と答え、こなたが電源を入れに行く。 すでに床の上にちょこんと置かれている物体をつかさがしげしげと見つめている。 「白くて小さくて可愛いね」 つかさがひょいと持ち上げる。 「ゲームソフトもこんなの感じで小さいよ」 こなたがHuカードを見せる。 「カード型なんだ。そんな昔からすでにカード型だったんだね」 「小さいから持ち運びも楽なんだよねぇ~ついつい私も懐かしくてハマっちゃってねぇ~ 上からこっちに持ってきてしまったしまったのだよ。今日はみんなが揃ったら 居間に持って行ってそっちでやるつもりだけどね。ここでみんなじゃ狭いしね。 そうそう、ゆい姉さんとゆーちゃんが来るまでに練習しといた方がいいよ~ ゆーちゃんはともかく、ゆい姉さんはこの手の古いゲームには強いみたいだからねぇ」 などと言いながらもアダプターやケーブル類を接続し始める。 「それはそうとおじさんは大丈夫なのか?なんか、あれっきり足音も聞こえないんだが?」 あっさり接続が終わり、適当なゲームを突っ込み本体を起動させる。 「あ~~…う~~ん…そう言われちゃうと、ちょっと心配かもね……見て来るよ ちょっと、そこらにあるのをやっててよ。やり方は取り説とかお母さんに聞くとかでさ」 セットアップの済んだこなたが立ち上がり部屋から出て行こうとするが 「あ、いいわよ、お母さんが見て来るから」 こなたを制する。 「え?う、う~ん…じゃ、お母さんよろしくってことで」 「じゃ、ちょっと見て来るわね」 かなたがふわわん~と漂いながら行ってくるわね~と手を振り そのままドアをすり抜けて消えて行く。 「幽霊ってこういうとき便利だね…」 「うん…そだね…空飛べるのがうらやましいかも」 「便利とかうらやましいとかって……いやしかし、目の当たりにするとアレだな…」 壁抜けを目撃した三人が慣れない光景にあっけにとられるもすぐにゲームへと戻っていった。 「こなた~、入るわよ~」 しばらくして、ノック代わりに一声掛けてからかなたが入って来る。 「居間のソファーで不貞寝してたわ、ちょっと可哀想だったかな?」 そう語るその表情は少々心配気だ。 「あらら、不貞寝とは…ちょっとやり過ぎたかな? いやいや、こういう事で甘やかすとクセになるから情けは無用かな?」 こなたにしても若干は自責の念があるようだが、本当にちょっとのようで いつもの事だしその程度なら大丈夫という思いの方が大多数を占めているようだ。 「毎度の事ながら、あんたたち親子はホントによくわからんな、ホントにいいのかそれで?」 かがみが半ばあきれつつも一応は突っ込んでおくことも忘れない。 「は! は! は! は! この手のことはよくあることよくあること」 さらっと受け流し、再びゲームへと入る。 「あっ!!ちょ!!突然ポーズ解除しないでよね!!」 「油断大敵なのだよ、かがみん。つかさはちゃんと読んでたよ?」 「えへへへ……多分そろそろかな~と思ってて…」 「く、くそ~、次だ、次!!次こそ!!」 ふと時計を見ればいい加減晩ご飯を準備しはじめないとまずい時間である。 「あ~っと、いいかげんご飯作らないといけない時間だね~ それにもうじきゆい姉さん達が来るころだね、いつも晩ご飯前には到着してるから。 それじゃ、みんな必要な荷物だけもって上に移動しますか」 「それで晩ご飯は誰が作るの?」 階段を登ってる途中にてつかさが聞いて来る。 「私がやるからつかさ達はゆっくりしてていいよ~…いや、かがみには手伝ってもらおうかねぇ~」 最後の方はニマニマしなががかがみを振り返りつつ答える。 「……なにを期待してるんだ?」 「いえいえ…そんなそんな、昼も話したけど少しずつやっていこうかねぇってさ」 「え?なになに?」 昼のつかさが居ない時に交わされた会話の続きに、え?なに~?と聞いて来る。 「昼間つかさが部屋に来る前に話てたんだけど、機会があればかがみに料理教えてあげるよってね」 「へぇ~。お姉ちゃん、そういうことなら私も手伝うよ」 つかさの声が弾む。 「となると~結局はみんなで作ることになりそうだね」 そうじろうが居間のソファーに横になって膝を抱えて丸くなり寝転がっている。 「膝を抱えて部屋の片隅いつも不安で震えてた…ってか…… グスン…あぁ、判ってる判ってるさ…ただでさえ年頃の娘には嫌われがちな父親なのに、 こんなコトしてる俺だもんな…そらーそうだよな…ああそれでも娘に邪険に扱われるのって 効くなぁ…お父さん寂しいなぁ…こうやってどんどん俺の手から離れて行くのか… これが親離れ、子離れってやつか?どうなのかな?かなたぁ~お前はどう思う?……グスン…」 先程から独りごとをぶつぶつと繰り返している。 そこへ、勢い良く駆け込んで来る足音がしたかと思えば、 見慣れない4コマ漫画のページを見開いた状態でとある4コマを指差したこなたが目の前に現れた。 「お父さん、この5巻P79の『秋のお祭り』、これはあんまりじゃない? お父さん、そういうとこは大丈夫だと思ってたのに、がっかりだよ!!」 突然にまくしたてられる。 「?おいおい、何を言ってるんだ?そもそも、その手にしてる本はなんだ?」 こなたに歩み寄ろうとすると、背後からかなたの声がしてくる。 「それは、これから起こるであろうあなたの行動が記されているものであり、 過去に行ってきた事が記されている閻魔帳でもあるもの……」 「な!!」 振り返ると、閻魔さまの格好をしたかなたが空中に降臨しているではないか。 「か、かなた!おま、なんでそんなコスプレをしているんだ?」 唖然とするそうじろうにこなたが追い打ちをかけるかのように背後から声をかける。 「コスプレ?何を言ってるのかな?」 再びこなたの方へと振り返る。 「だって、どう見てもアレは………うぉ!!ラムちゃんかい!!」 いつの間にやら、アホ毛の両脇から小さな角がにょっきり2本生えてきており、 例の黄色と黒の横縞のビキニ姿になっているこなたが目に入る。 手元を見れば、両手からなにやらバチバチと放電しているではないか。 「え?や?も、もしや?そんな?え~~!!」 その格好にその放電現象、起こりうる事として考えられるのは… 「こなたをオタクに育てた悪行の数々…少しお仕置きしてあげなさい」 「お父さん……お仕置きだっちゃ~!!」 「やはりそう来るか!!ま、まてっ俺が何をし…・ぃぼばばばばばばばばば!!!!!」 最後まで弁明がなされる前に電撃が執行される。 プスンプスンと黒こげとなり、倒れるそうじろう。 「………ぐっ…く………」 どうにか顔をあげると、いつもの格好に戻っている二人が目の前に立っていた。 「それじゃ、実家に帰ります。もう逢う事もないでしょうけど、さようなら」 「じゃあね、お父さん。まったくもう、お父さんが悪いんだからね! お母さんや私そっちのけでオタク趣味ばかり追いかけちゃってさ」 「いきましょう、こなた」 「うん、大学はあっちだからおじいちゃんとこから通えるしね、さようならお父さん。 離婚してもお父さんはお父さんだからさ、気が向いたら逢いには来てあげる」 というと玄関から出て行ってしまった。 「ちょ……おぉぉぉぉぉーーー!?待て、待ってくれーーーー!」 訳も判らぬまま出て行ってしまった二人を追いかけようとするが なぜか身体が鉛のように重い。 「ま、待ってくれー、お父さんが悪かった!お願いだー捨てないでくれーーー!! …うぅぅぅ…えぐっひぐっ、俺を一人にしないでくれよ……戻って来てくれよ… 俺にはお前たちしかいないんだよぉ~」 うつぶせに倒れたまま、手を動かして涙を拭うことさえ出来ずに泣き続ける。 「そう君!!!!」 背後から聞き覚えのあるやさしい声が聞こえる。 「お父さん!!!!」 そうそう、この声も聞き覚えがある。この『お父さん』のフレーズに何度助けてもらったことか。 だがしかし、身体がいう事をきかない。 「かなたぁーーーー!!こなたぁーーー!!ぬぅぅぅーーーおぉぉぉぉーーーーー!!」 気合いで頭を持ち上げる。 暖かい光が見える。その光に向かって腕を伸ばす。 「なんのこれしき!!てぉあーーーーー!!」 力を振り絞り、光を掴もうと手を伸ばす。 伸ばした指先に何かが触れる。 触れた指先がとても暖かい。 急に視界が開けて周りが明るくなりだす。 「こ、こなた!!」 「…お父さん、やっと起きたよ……ってどさくさに紛れて何処触ってんの?」 こなたに逢えた感激もつかの間、その言葉に伸ばした自らの手先を見つめる。 思いっきりこなたの胸を指先で押していた。 「え?あ!や、こ、これは違うんだ!!不可抗力だって……」 すぐさま、ぱっと手を離したが、すでに後の祭り。 周りの視線が…特に、母娘二人そろってジト目で見つめる視線が刺さるように冷たい。 まるで汚らわしい汚物を見るかのように。 「ちょ!!!かなたまでそんな目で見ないでくれって。 どんなに可愛くても娘には手を出さないってば!!これは事故だ!事故!!」 「娘じゃ無ければ手を出していたのね…」 「なっ!?いやいやいやいや、なぜそうなる?違う違う、そういう意味じゃないってば」 「じゃ、どういう意味?」 「あうっ!」 大汗を流しながら、正座をして神に向かって懺悔でもするかのように胸の前で手を組み 「とと、とにかく俺にはかなたお前だけしかいないんだってば!!」 今にも泣き出しそうな顔をして… いや、潤んだその目はもうじき決壊してしまいそうだ。 「ぷぷっそんなに一生懸命弁明しなくてもいいのに。もう、バカね。 ちょっとからかってみただけよ。なんか、変な悶え方というか、寝言というか… なかなか起きないし…どんな夢を見ていたのやら……」 ぺろっと小さく舌を出して意地悪そうな笑みを向ける。 そんなかなたの表情を見てホッとしたのも束の間、 見ていた夢の事を聞かれドキッとする。 「どんな夢って……その……お前達に捨てられる夢だよ…」 (嘘は言ってないよな、嘘は…ただ前半部分は黙っておいた方がいいな…) 「え?」 「いやなにな、離婚して、かなたが今のこなたを連れて実家に帰りますってな…」 「で、離婚の原因は?」 「…………趣味全開でお前達をほっぽり出してたからって怒られてたからそれだと思う」 「くくくっぷぷぷ、あははははははは……そう君ってば気にはしてたんだ、趣味のこと」 重苦しい空気を一掃するかのように大きく笑う。 (なにはともあれ、空気が変わって良かった……ほっ) 端で聞いていて、笑いを押し殺していたこなたが 「離婚して私を連れて出て行くってのがそもそもおかしいじゃん。 お母さん死んでるんだし、離婚も何もないじゃん」 笑いを押し殺したままのニマニマ顔でかなたの横に並ぶ。 「いやーーそうなんだけど…夢を見てる最中は気がつかないものじゃないか?」 そうイジメないでくれよ、とそうじろうが恥ずかしそうに赤くなる。 「確かにそうなんだけどね。夢の中ってどんなオカシな状況でも違和感無く見れるんだよね。 うんうんわかるわかる」 「どうしたものかねぇ……私たち、忘れ去られてない?」 置いてけぼりのままの二人。かがみがつかさの耳元でささやく。 「どうって……お姉ちゃん……待ってるしかないんじゃないかなぁ……」 二人がどうしたものかと途方にくれているときにちょっと変わった車の音が響いてきた。 「あ~姉さん達が来たようだね。姉さんの車判り易い音だからねぇ~」 車の音を聞いたこなたが、ゆいの車だと判断したようだ。 そのまま、そうじろう達の所から、かがみ達のいるテレビの前の方へと歩いていく。 どろろろろろろろろ~~~~~どろどろどろどろどろどろどろどろ そのまま家の前で停車したようだ。 エンジンを切るでもなく再び走り出す訳でもなくそのままアイドリングを続けている。 と、エンジンが切られ腹に響く重低音が鳴り止む。 ………バムバム。 車のドアの閉まる音がしてから何やら聞いたことのある声が聞こえ始めた。 玄関が豪快に開け放たれ、誰かが階段をズダダッと駆け上がって来る。 「やっほーーー!!ゆい姉さんだよーーーー!!ゆたかと一緒に来ーたよーーーん!!」 コメントフォーム 名前 コメント 2.5へのリンク http //www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2519.html -- 名無しさん (2009-08-29 01 35 17) 2と3で話がつながってないなと思ったら 2.5とかいうのがこっそりあってワロタw -- 名無しさん (2009-08-09 05 46 45)
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―私は今、深い夢の中にいる。 もう1ヶ月以上眠ってる。 もしかしたら1年以上、10年以上かもしれない。 お母さんと同じ病気。 もう限界が近い。 お医者さんがどれだけ頑張ってももう無理。 私の体は私が一番よく知ってる。 生まれた時から決まってた。 お母さんの運命は、私の運命。 私が倒れる少し前、ふと気になってアルバム開き、 幼くして亡くした母の写真を見た。 記憶にないお母さんの顔。 へえ、私とそっくりだったんだな って。 でも、顔や仕草、性格・・・ 何一つ覚えてなくても、 私は、泉かなたの実の娘。 何よりの証拠は、この通り、小柄な身長と目の下の泣きぼくろ。 そしてこの病気。 私は今死んでも後悔はしない。 むしろ充実してたかなってくらい。 でも、ひとつ心残りなのが、 私のお母さんは、死ぬ前にお父さんたちに 「ありがとう」って伝えて逝ったって聞いたけど、 私は友達に心から「ありがとう」って伝えてないんだよね。 私は、地下に掘り進むドリルのように、 夢の世界にどんどん入っていく。 でも、しばらくして掘り進むのを止めた。 いや、進めなかった。 何かがつまって進めない、もしかしてここは終点なのかな。 ・・・何か聞こえる。 私に似てるけど、私より少し高い声が。 小さい声。聞き取れない。 「起きて…」 最後のほうにこう聞こえたかもしれない。 起きてって、私はもうすぐ死ぬのに。 夢の中をすべて見てしまったのかな、何か体が浮く気分だ。 天国に昇るように、というか、本当に昇っているのかも。 死ぬときってこんな感覚だったんだ。 何か、寝ているところを起こされる感覚だ。 そういえば、私は中学3年まで、お父さんに起こしてもらってたなぁ。 何か懐かしい気分だ。 ああ、光が見える ゴールが近づいてきたみたい。 お父さん、かがみん、つかさ、みゆきちゃん・・・お母さん。 今までありがとう。私、やっぱり最後まで頑張れなかったよ。 あれ、ここは・・・ 何やら騒がしい。いろんな人が私を囲んでる。 「おはよう」・・優しい声、かすかに聞こえた。 さっきの声だ。 でも、辺りには女の人はいない。 「こなたぁ 心配したぞおおお」ああ、お父さんだ。 ―私が眠っていたのは、たったの1週間。 何十年にも思えた期間だったけど、現実の時の流れはゆったりとしてる。 1週間、つきっきりで見守ってくれた父に、 私は返した。「・・ありがとう。」 ああ、なんだ。私は夢を見終わったのか。 行き着いた先は病室のベッドの上。 今もあの声のは誰だったのかわからない。 でも、考えられる人といえば、あなたしかいない・・・お母さん。 fin
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1398.html
12月に入った最初の日曜の朝。 珍しく早く目が覚めた私は(お父さんはえらくビックリしてたけど)、ゆーちゃんやお父さんと一緒にご飯を食べると新聞広告を眺め始めた。 年末のこの時期は売り尽くしだの歳末セールだのと色々と安く買い物が出来るから、広告のチェックはそれなりに重要な事だったりする……もうプロ野球の応援セールの時のような失敗は繰り返さないのだよ。 同じものでもお店によって違うなぁ、なんて思いながら眺めていると、セールの広告じゃないのが目に入った。それは市民会館からのお知らせで…… ある日の昼休み。 今日はかがみは自分のクラスでお昼を食べるそうで、つかさとみゆきさん、私の3人でお昼を食べてる時にふと思いついた事を口にする。 「そーいえば20日がゆーちゃんの誕生日なんだよね~」 「へー、そうなんだ~。じゃあおうちでパーティとかやるの?」 「そのつもりだけどね。で、ものは相談なんだけどお二人さん。よかったら手伝ってくれないかな?」 「私は大丈夫ですけど、お邪魔してよろしいんですか?」 「へーきへーき。二人ならゆーちゃんも知ってるし、大勢いた方が楽しいだろうしね」 「うん、じゃあ私もお手伝いするー」 「じゃあかがみにも声掛けてみよっか。あ、この事はゆーちゃんには内緒ね?」 「あははは。わかったよ、こなちゃん」 「そう言えばみなみさん達はどうなさるのでしょう? 同じクラスのお友達ですし、あちらでも何かやるようでしたら……」 「それなら向こうも一緒に誘っちゃおうよ。みゆきさん、お願いしていいかな?」 「ええ、構いませんよ。もちろん小早川さんには内緒で、ですね?」 「さすがみゆきさん、話がわかる」 「では少々行ってまいりますね」 「よろしくー。それじゃーつかさ、かがみのとこに行くよー」 「あ、待ってよ、こなちゃーん」 急な話だったけど、思ったよりトントン拍子で話が決ったよ。 しかもかがみに声掛けに行ったら、一緒にいたみさきちと峰岸さんまで手伝ってくれる事になったし。なんだかチアのメンバー勢揃いだね。 ケーキや料理はつかさと峰岸さんに仕切ってもらう事にした。2人ともお菓子作りは上手だから今から楽しみだ。飾り付けなんかは当日手の空いた人がやればいいしね。 当日までまだ余裕があるから、準備と言っても材料の買い出しやプレゼントの準備くらいだけど。 そんなこんなで当日。 皆がうちに集まって準備する間の時間、ゆーちゃんを足止めする大役は私の担当だ。と言っても、私としてはちょっとしたデートが出来るから嬉しい限りだけど。 まぁ2、3時間くらいだから軽くウィンドウショッピングとお茶するくらいかな。 「んじゃゆーちゃん、行こっか?」 「あ、待ってよぉ。おねーちゃん」 小走りに駆け寄ってくるゆーちゃんを待って、並んで歩き出す。 と、手袋をしてない手を暖かく何かが包んだ。見ればゆーちゃんが手を繋いでくれてる。 お返しにぎゅっと握り返す。2人とも背が小さいのをたまに嘆くけど、こういう時は逆にありがたかったりする。恋人には見えないけど仲のいい姉妹には見える訳で、人目をはばかる事無くいちゃつけるからね……まぁ限度はあるけどさ。 「えへへ。こうしてお姉ちゃんと一緒に帰るのって久し振りだね」 「そういやそうだね。ここしばらく用事があったからね~。まぁそれも終わったし、これからはまた一緒に帰れるからさ」 「うんっ! それにここ何日かみなみちゃん達も用事があるって言って、なかなか一緒に帰れなくて寂しかったんだ……」 と、手を握るだけじゃなく腕にぎゅっとしがみ付いてくるゆーちゃんを優しく撫でてあげる。 ゆーちゃんの誕生日パーティの準備とはいえ、やっぱり寂しい思いさせちゃったなぁとちょっと罪悪感が沸いてくる。 「よぉし、じゃあ帰る前に寄り道して行こうか!」 色々話しながらあちこち見て歩いて、喫茶店に入ってちょっと休憩&時間調整。 私はミルクティー、ゆーちゃんにはホットココアを注文してメールを確認。あと1時間くらいで準備が完了するらしい。移動の時間も考えると30分くらいいればいいかな? 「ふ~。やっぱお店の中はあったかいね~。ゆーちゃん、疲れてない?」 「うん、これくらいは平気だよ。それほど歩き回った訳でもないし」 「そろそろお父さんがケーキとか買ってるはずだから、これ飲んだら帰ろっか」 「そうだね。でもお手伝いしなくていいの、お姉ちゃん?」 「いーのいーの、今日はゆーちゃんが主役なんだから。まぁ本当は内緒で準備しようとも思ったんだけどね。 変に内緒にしておいても、お父さんかゆい姉さんがうっかりばらしちゃうかも知れないし。あとは私の時みたいに内緒にしすぎて空振りになるのが嫌だったんじゃないかな?」 「あははは……あの時は本当に寂しかったんだからね。おじさんもゆいお姉ちゃんも……」 「むぅ、だからちゃんと謝ったじゃん。用事がある時はちゃんと連絡するようにしてるし」 「そういえばそうだよね。じゃあ今日はお言葉に甘えちゃうね」 そう、パーティをやる事自体はゆーちゃんに言ってある。ただし『みんなでやる』ことは知らせてない訳で。みんなの用事がこの準備だと知ったら……どんな風に驚いてくれるかな? 「そだそだ。ちょっとかがみに電話掛けるから、鍵開けといてくれるかな?」 「はーい、じゃあちょっと待ってて」 「あ、かがみ? うん、もうちょっとで家に着くんだけどさ。例の件はOKだよね? うん、うん。おーありがとー。んじゃまたねー」 横で聞いてる分には何気ない電話だけど、これはかがみ達に到着を告げる合図。 家に着くとゆーちゃんが鍵を開けてドアを開けて…… 「ただい……」パンパン!パパパーーーン!!「ひゃぁっ!?」 「ハッピーバースデー、ゆたかちゃん!」「おめでとう、小早川さん」「おめでとう、ゆたか」「Happy Birthday,ユタカ!」 「え、え? あれ? えっと、これ?」 突然のお祝いの言葉に目を白黒させるゆーちゃん。そこにはチアで一緒になったみんなとお父さんにゆい姉さん。手に手にクラッカーを持って笑顔で待っててくれた。 んっふっふっふ、驚いてる驚いてる……って、どっかの中年刑事みたいな笑いになっちゃったよ。 ようやく落ち着いてきたゆーちゃんを後ろから抱きしめて、 「ゆーちゃんの事驚かそうと思ってね、みんなで準備してたんだよ。ごめんね、寂しい思いさせちゃって。それと、ハッピーバースデーゆーちゃん♪」 そう伝えてからゆーちゃんのほっぺにちゅっとキスしてあげる。ポンッと音がするんじゃないかな?って感じで耳までまっかになっちゃうゆーちゃんを 「Oh! コナタ、ダイタンネ!」 「あーもう。いくらみんな知ってるからって少しは人目を気にしろっての。見てるこっちが恥ずかしいわ」 「いいなぁ、ゆーちゃん。好きな人からのキスなんて最高のプレゼントだね!」 なんてみんなでひとしきりからかう。本当に可愛いね。 「ほらみんな、そんなところじゃ寒いだろう。早く中に入りなさい」 お父さんに促されて、みんなで家に入る。その間ゆーちゃんはみんなのおもちゃ状態だ。 私とゆーちゃんが着替えて部屋に入ると、パーティの準備はすっかり完了して主役の到着を待つだけだった。 「お待たせ、みんな。でわでわ……さぁ始めるザマスよ!」 「またそれか! まともに始めなさいっての、ったく」 私の音頭に呆れながらローソクに火を灯すかがみ。みんなにジュースを渡していくつかさ。みゆきさんやみなみちゃんが取り皿を配り……そんな光景を眺めながら本当にいい友達を持ったなー、なんてしみじみ思いながら明かりを落として、 「では改めて。16歳の誕生日おめでとー、ゆーちゃん!」 「「「「「「「「「「おめでとう、ゆたかちゃん!」」」」」」」」」」 あ、笑顔のまま泣いちゃってる……そんなに喜んでくれると、計画立てたこっちも本当に嬉しいよ。 「ひっく……ありが、とう。みんな。ん……すごく、うれしい、です」 「ほらほら、嬉し泣きもいいけどやっぱり笑顔の方がいいよ」 そう言って涙を拭いて優しく頭を撫でてあげると、ようやく落ち着いたみたい。 「私の為にこんな素敵なパーティを準備してくれて、本当にありがとうございます!」 元気にそう言うと、ローソクを吹き消すゆーちゃん。それと同時にみんなで恒例の歌を歌い出す。 「……ハッピーバースデートゥーユー♪」パチパチパチ…… 拍手とともに歌い終え、明かりを点けると 「さぁて、今日は騒ぐよー! 無礼講だ~~!!」 「「「「「「「「「「「おー!!!」」」」」」」」」」」 さぁ楽しいパーティの始まりだ!! つかさと峰岸さんのケーキや料理、パティと私の歌&パフォーマンス、etc、etc……挙げたらきりがないほど騒いだらプレゼントの時間だ。 かがみとつかさから可愛いワンピース、みゆきさんとみなみちゃんは童話集、みさきちと峰岸さんはリボンとイヤリング。 ひよりんからは……同人誌?じゃなくゆーちゃんを中心にしたマンガみたい。パティはコスプレ衣装……どっかで見た光景だよ。 お父さんとゆい姉さんはスケッチブックとクレヨン、色鉛筆。 みんなゆーちゃんの好みとか私に聞きに来てたからね。みんな色々考えてたみたいで、どれもゆーちゃんを喜ばせていた。 最後は私から……ゆーちゃんの左手を取ると、そっと薬指に嵌めてあげる。 青いトルコ石のシルバーリング。ここ数日、市民会館でやっていた銀細工教室で作ったものだ。 「これ作るんで市民会館通ってたら、なかなかゆーちゃんと一緒に帰れなくてね。ちょっとぶきっちょだけど……」 「へぇ。あんたにしては頑張った……って、おい! その指!」「Wow! コナタ、愛の告白デスネ!」「やるな、ちびっ子!」 あーやっぱこうなるよね。私達の仲はみんな知ってるからいいやとか思ったんだけど。やっぱりちょっと恥ずかしい。 ふと繋いだままのゆーちゃんの手が震えてるのに気づいてゆーちゃんを見ると、俯いたままじっとしてるのが目に入る。 「あれ、どったの? ゆーちゃ……んっ?! んん……」 どうしたのか聞こうとした口が塞がれた。ゆーちゃんの唇で…… 「わわっ、ゆたかちゃん?!」 「あらあら、大胆ですね」 「ゆたか、みんな見てる……」 「スケブスケブ……って自重しろ私!」 みんなが騒いでるのも耳に入らないのかキスしたままぎゅーっと抱きしめられ、 「ぷはっ。ちょ、ゆー……っん、んぅ…あむ」 一旦離れたかと思ったらまたキスされた。今度は舌まで絡めるディープなやつ。さすがにみんな声も出ないみたい。いくら二人のこと知ってても、ゆーちゃんがここまで大胆になるとは思わないよね。 時間にして数分。やっと解放された私はぼんやりとゆーちゃんを見つめるくらいしか出来なくて。当のゆーちゃんは、 「お姉ちゃん、ありがとう……世界中で一番愛してる!」 と笑顔と共に元気よく宣言してくれました。 「いやぁ……ゆたかがこんな積極的になるとは、お姉さん本当にビックリだよ……」 「姉妹の愛の告白……くーー、これは萌えるな!」 最初に立ち直ったのは保護者ズ。しかしビックリで済ませたり、なんかサイテーなセリフを言ったり……この2人はある意味凄いと思う。 続いて起こったのは拍手の嵐と祝福の言葉。 「そのままWeddingBell鳴らしちゃいマスカ!」 「2人とも素敵……私もお兄さんといつか……」 「も、もう。2人とも、そういうのは私達が帰ってからにしなさいよね……」 嬉しそうに指輪を撫でるゆーちゃんと、多分顔を真っ赤にしてる私。いつもと立場が逆になっちゃったね、なんて思いながらも、幸せそうなゆーちゃんを見てるとたまにはいいかな?と思う。 特大イベントも起きて最高に盛り上がったけど、お祭り騒ぎも終わりは来る訳で。 「それじゃあ電車の時間もあるし、そろそろお開きにしようか」 「そうだねー。楽しい時間ってあっという間に過ぎちゃうよね」 「いやぁ、今日はホントにいいものを見せてもらったッスよ!」 「あぅ……もう言わないでよぅ、田村さん!」 「でも、本当に幸せそうだよ。ゆたか」 「まぁまぁ、あまり私の嫁をからかわないでおくれよ」 「よ、嫁って……お姉ちゃん!」 「ソウソウ、オ邪魔虫は退散するのデス」 「そうですね。馬に蹴られる訳にもいきませんしね」 なんて言いながら、みんなは帰っていった。 「みんな、今日は本当にアリガトね!」 「ありがとうございました! 今日の事は一生の思い出です!」 最後にそう声を掛けて、後ろ姿が見えなくなるまでゆーちゃんと2人で見送った。 「いやぁ……騒いだ騒いだ。お父さんもゆい姉さんもありがとね」 「なんのなんの。可愛い家族の為ならいつでも何回でもかまわないぞ!」 「そーだよー。可愛い妹達のお祝いだもん。喜んでやるさー」 「おじさん、ゆいお姉ちゃん。今日は本当にありがとうございました!」 「はっはっは。気にしなくていいよ、ゆーちゃん。おじさんも楽しかったしね」 「さって、あたしもそろそろ帰らないとね。おねーさんは明日もお仕事なのだ~」 「それなら俺が送っていくよ。今日は酒も飲んでないしね」 「いいんですか? じゃあお言葉に甘えます、おじさん」 「それじゃ車出すから少し待ってて。あ、そうだ。片付けは明日でいいから、2人とも風呂入って休んでいいぞ」 「えっ、いいの?」 「ああ、流石に疲れただろ。残り物も帰ってから俺が片付けておくから」 「じゃあお願いするね、お父さん。ゆーちゃん、いこっ」 「えっと……ありがとうございます、おじさん」 「さてと。じゃあ行こうか、ゆいちゃん」 ゆい姉さんを乗せたお父さんの車を送り出してから、ゆーちゃんに先にお風呂に入るよう勧めた。 お父さんはああ言ったけど、全部任せっ放しはさすがに気が引ける。かと言ってゆーちゃんの前じゃ出来ないからね。 よっぽど疲れてたのか、ゆーちゃんが素直にお風呂に入るのを見届けると空いたお皿を片付け始める。料理が残ってるのは小皿に移して、ジュースのペットボトルは冷蔵庫。 一段落するとゆーちゃんが出てきたので入れ替わりで今度は私の番。 ゆっくり体をほぐしながらお湯に浸かると、あったかくてつい寝ちゃいそうになる。さすがに自宅の風呂場で溺死はしたくないので、眠気を堪えてお風呂から出るとちょうどお父さんが帰ってきた。 「なんだ、片付けやっちゃったのか。本当にゆっくりしてよかったのに」 「いやいや、全部は終わってないって。さすがに飾りなんかは大変だからね」 「しっかし、娘がもう1人本当に出来るとはなぁ。ゆいちゃんじゃないが、お父さんビックリだ。はっはっは」 「ちょっ、お父さん?」 「前にも言ったがお父さんは応援するぞ。それに友達もお祝いしてくれるみたいだしな? お前達は幸せものだなぁ」 「ん……そうだね。でもさすがに結婚は出来ないよね」 「確かにな。でも書類だけが繋がりって訳じゃないだろ。2人が末永く一緒にいられるなら、そんな紙切れに意味はないさ」 「お父さん、なんかかっこいい事言ってるね。」 「そうだろう? お父さんはかっこいいんだぞ。やっと理解したか、娘よ!」 「……そうやって調子に乗らなければもっとかっこいいのにね」 「うぉっほん。ま、まぁ今日はご苦労さん。ゆっくり休めよ。お父さんももう休むからな。多分ぐっすり寝るからちょっとの騒ぎじゃ起きないと思うぞ」 「は?な、何言ってるのかな?」 「年甲斐もなくはしゃいじゃったからなぁ。まぁこなた達も夜更かしするなよ?」 「しないってば! もぅっ。おやすみ、お父さん!」 ごめんなさい、もうちょっと起きてます。 あの口調は多分お父さんは気づいてる。私のやろうとしてる事に。変な所で勘がいいから。 一旦部屋に戻って、ちょっと準備をしてからゆーちゃんの部屋に向かう。 「ゆーちゃん、起きてるかな?」 「お姉ちゃん?うん、起きてるよ。どうぞ~」 部屋に入るとゆーちゃんはベッドにちょこんと座って指輪を眺めてたみたい。 「どうしたの、お姉ちゃ、ん? その格好は??」 まぁ不思議がるのも無理はないよね。今の私の格好見れば……今私はテルテル坊主みたいにシーツをまとってるんだから。 「ゆーちゃんにもう一つプレゼントがあってね」 「え? 私これだけで十分すぎるよ?」 そう言って指輪にそっと指を這わせるゆーちゃん。 「まぁまぁ、こっちはおまけみたいなものだからさ。受け取ってくれるかな?」 「お姉ちゃんがくれるものなら喜んで受け取るけど……」 可愛らしく首を傾げてこちらを見るゆーちゃんにあと一歩のところまで近づいて。 「じゃん! プレゼントはワ・タ・シ♪」 まとっていたシーツを落とすと……一糸纏わぬ、じゃなく素肌にリボンを巻きつけた体が露になる。 これぞ裸リボン! 微妙なところだけリボンで隠す、このせくしーな姿を見よ! 「いやぁ、エロゲとかでこう言うの見て一度やってみたかったんだよね~~。どうかな?」 と、ゆーちゃんを見ると私をじっと見たまま固まってる。って、あれぇ?はずしちゃったかな?なんて思ってるとゆっくりゆーちゃんが腕を伸ばして私の腕に触れる。 そのまま掴まれるとゆーちゃんらしくない力強さでベッドに引き寄せられ、ゆーちゃんに組み敷かれる形になった。 「あ、あれ? ゆーちゃん。けっこう力あるんだねぇ?」 「お姉ちゃんがプレゼントなんだよね?」 笑顔のゆーちゃんが静かな声で聞いてくる。あの……ゆーちゃん、目が笑ってないです。 「そーだけど。いつもと雰囲気が違うよ、ゆーちゃ、ん……んむ、ふぁっ。んん……」 最後まで言えませんでした。パーティの時以上に激しいキスのおかげで…… あははは。変なスイッチが入っちゃったみたいですね、ゆーちゃんてば。 「えっとー……や、優しくしてね?」 「うん。無理♪」 「ちょっ! ゆー、んっ。んーー!」 「ぷぁ……ふふっ、いっつもお姉ちゃんがしてくれる事してあげるね」 おとーさん。ちょっとの騒ぎじゃなくなるかも知れません。 起こしちゃったらゴメンナサイ。 翌日。 私は朝から動けませんでした。 そんな私を、体が弱いはずのゆーちゃんが甲斐甲斐しく世話してくれましたよ。 今日が休みで本当によかった…… コメントフォーム 名前 コメント \(^O^)/ -- 名無しさん (2008-01-04 14 51 48) なんてこった!!ゆーちゃんが可愛すぐる!!こなたも!! -- 名無しさん (2007-12-26 23 16 58)
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「困ったー。」 自室の机でこなたは頭を抱えていた、 もちろん勉強をやっていたのではない。 明日父の日のプレゼントを買うお金が無いため悩んでいたのだった。 「ありのまま今起こったことを話すぜ、 父の日のプレゼントを買いに出かけたら、 みくるフィギュアを抱えて帰ってきた(r。」 こなたはポルナレフの台詞を言いながら、 机に飾ってある朝比奈みくるフィギュア(メイドVer)を恨めしそうにみる。 「それにしてもどうしよう。」 しばらく机に突っ伏したまま唸っていた時、 ふと数日前の光景が頭に浮かんできた。 いつものように4人が昼食をとっている時、 チョココロネを半分ほど食べ終えたこなたがふと話し出す。 「もうすぐ父の日だねぇ、みんなはどんなプレゼントしたことある。」 こなたの話につかさが反応する。 「私は小学校の時に肩もみ券をあげたかなぁ。」 つかさの話を双子の姉であるかがみが補足するかのように付け加える。 「でもねお父さんたら、つかさからもらった肩もみ券を大事にしまって使わないままだったけどね。」 「プレゼントよりも、つかささんの気持ちがお父様にはうれしかったのでしょうね。」 3人を見守るかのようにみゆきが微笑む。 「肩もみ券ねえぇ、いいかも。」 しばらくブツブツとつぶやいていたこなただったが、 何かいいアイデアを思いついたようで口元が猫のようになる。 そして部屋を出て、数分後画用紙と色鉛筆を持って戻っきた。 「そうだ、愛だよ愛!」 とつぶやきこなたは何かを作り始めたのであった。 翌日、父の日ということでそうじろうの好物を並べた夕食を終えると、 こなたは昨日作ったプレゼントをそうじろうに渡す。 「お父さん、いつも有難う。」 「おっプレゼントもあるのか嬉しいねぇ。」 うれしさで眼を細めながら、そうじろうはそれを受け取る。 「お父さん、あけてみてよ。」 そうじろうが包みをあけると<肩もみ券>とかかれた紙が10枚入っていた。 「肩もみ券か、さっそく一枚使わせてもらおうか。」 そういいながら、そうじろうは肩もみ券をこなたに渡す。 券を受け取ったこなたが父親の方に行こうとすると、 「俺がそっちに行くから、こなたは座っていていいぞ。」 言ってこなたの後ろに移動してきた、 そしてこなたの小さな肩に大きな手をおくと、 「早速始めるからな。」 と言うとこなたの肩をもみだした。 「ひゃぁ、お父ーさん違うって。」 急に肩をもまれたこなたは思わず声を上げる。 「最近ネットゲームをやりすぎじゃないか、結構肩が張っているぞ。」 「お父さんってば!」 こなたは必死に抗議するが、幸せ一杯の父の耳には入っていないようだった。 「17になった娘が肩をもませてくれるなんて、俺は世界一の幸せものだ。」 「私がお父さんの肩を…はぅん。」 父親の強くかつ優しい絶妙な強さの肩もみに、 こなたは気持ちよくなり抵抗する気力が無くなる。 それから10分経過したが、父親による肩もみはまだ続いていた、 「かなた、こなたは本当にいい子に育っているよ。」 父親は無意識のうちに亡き妻に話しかけていた。 一方娘は気持ちよさで夢うつつになりながら、 後9回こんなことがあるのかとぼんやり考えるのであった。 コメントフォーム 名前 コメント なんか……いいね、こういうの。 -- 名無しさん (2009-08-05 00 06 24) 肩も眉間? -- 名無しさん (2009-06-24 23 08 27) ええわかります -- 名無しさん (2009-06-24 23 08 10) たしかに、肩もみ券だな -- 名無しさん (2009-06-24 21 14 50)
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登録日:2011/09/13(火) 22 44 25 更新日:2024/02/24 Sat 20 44 34NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 しまっちゃうおじさん ←他人の空似 それはヒミツです。 ぼのぼの イケヌコ スナドリネコ スナドリネコ ←さんをつけろよデコ助野郎 ドレンプちゃん 大塚芳忠 小杉十郎太 森本レオ 熊と戦える猫 物知り 異邦人 「ぼのぼの」に登場するキャラクター。 声優 小杉十郎太(テレビアニメ、ゲーム) 大塚芳忠(映画) 森本レオ(クモモの木のこと) 黒藤結軌(テレビアニメ2作目) 本作でもっとも謎多き人物。傷だらけの状態で海辺に倒れていた所をぼのぼのとぼのぼののおとうさんに発見されるのだが、それ以前の経歴が一切不明。 本編ではたびたび彼の過去に迫るようなエピソードが描かれているが、いずれもうやむやなかたちで終わってしまう。 スナドリネコさん「実はオレは記憶喪失だったんだ」 カシラ「ウソつけ」 スナドリネコさん「すまん」 作者によれば、「本人が嫌がっているから語られることはない」のだそうだ。 ぼのぼのが父親以上に信頼している存在で、かつては唯一感情をあらわにできる相手でもあった(怒ったぼのぼのは当初スナドリネコさんと一緒の時にしか見られなかった)。 作中ぼのぼの等から様々な質問をされ、その都度に何か答え(正解、不正解は問わない)ているが、何か言いたくない時には「それは秘密です」と返す。(*1) ヒグマの大将に勝利(正確には違うが)したことにより森で一番強いやつが住む洞窟に住むことを許され、同時に森を守る役割を与えられたが、 基本的に何もせず寝ている。仕事しろ(一応本当に危ない時にはちゃんと動いている。ほとんどぼのぼのかヒグマの大将関係だが) 手負いの状態でヒグマの大将とやりあい左目に傷跡を残すなど身体能力はかなり高い。 作中では別の熊と二連戦したことがあり、一戦目で手下と戦い圧勝(戦闘描写はないが相手がボロボロなのに対してスナドリネコさんはほぼ無傷だった)。 二戦目ではカシラと戦い負けてしまったものの、かなりの長期戦に持ち込んだあげくカシラはふらふらの状態になっていた。 数少ない遊びとして、道端に落ちているものを拾ってそれが何か推理する、というものがある。 この時に興味深いものを見つけると少し楽しそうに自分の巣に埋めるらしい(ぼのぼの談)。 また、自分が気に入った景色、風景が壊されることを嫌うらしく、上流で出た洪水から湖を守るために大掛かりなダムを作ったことがある。 交遊関係は……はっきり言って良くない。 ぼのぼのやシマリスくんなどからは慕われているものの、ヒグマの大将の一件もあってかアライグマくんのお父さんにクズリくんのお父さんと、昔から森に住んでいた大人とからむとだいたい剣呑な会話になってしまう。 クズリくんのお父さんに至ってはスナドリネコさんをからかったり騙そうとしたりする。 やり口が巧妙なのでたちが悪く、現に一度してやられた時スナドリネコさんは後になって気付いた。 「スナドリネコさんはどこから来たのの巻」(40巻)で、彼が昔いた場所について 「ここ(島)にはいない生き物」が大勢住んでいる その生き物は頭が良すぎて、ありもしないことを勝手に想像しては喜んだり悲しんだりしていた と語っている。 関係あるかどうかは分からないが、モデルである実在する生物の「漁(すなど)り猫」は絶滅危惧種で、現在は保護動物となっている。 なお同じ巻で、しまっちゃうおじさんに似てることも突っ込まれた。 「追記・修正してはいけない項目は 絶 対 に無いんだ」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 「それは秘密です」はおかしさとミステリアスな感じがしてスナドリネコさんらしいな。 -- 名無しさん (2014-09-02 09 17 16) なんかムーミンのスナフキンとかひょっこりひょうたん島のダンディさんっぽい別格っぽさが凄くかっこいい -- 名無しさん (2015-11-30 09 18 24) ↑2 その台詞は実はアニメ1作目では使ってないんだよな… -- 名無しさん (2017-06-19 20 30 03) 原作やアニメ2作目だといい加減なことを言ったり恐ろしいホラを吹いたりしてあのぼのぼのに怒られる場面がある そういや2作目の声が地味に棒読み感あるのは気のせいか? -- 名無しさん (2020-03-10 19 51 36) 名前 コメント
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第一産婦人科、分娩準備室 「アスカ…頑張って…!」 「フンッ…もちろんよ!」 アスカは額に汗を浮かべながら笑ってくれる。 少しでも僕を心配させないように、笑ってくれている。 「碇アスカさん、分娩室に移動しますよ。 お父さんもどうぞ」 お父さん… 僕が…父親に… 「お父さん、お母さんはこれから必死に戦います。一緒に戦ってあげてくださいね?」 「…はっはい!」 アスカ、頑張ろう。 …一緒に。戦おう。 司令室 ガチャッ… 「…ああわかった。碇、アスカ君が分娩室に入ったそうだ」 「……冬月、後を頼む」 「…ああ、お孫さんによろしくな」 分娩室 「うう゛っ…あ゛ぁぁ!…あぁぁっ!」 アスカが苦痛に呻いている、…僕は応援しか出来ない…。…最低だ…、俺って… 「イヤぁっ!痛っ…シッ…ン…ジッ…助…けぇ…シ……ジィ…ッ!」 「ほら、お母さん頑張って! お父さんも応援してあげて!一緒に戦うんでしょ!?」 「はっはいぃ!」 アスカの叫びと助産婦さんの声で僕は我に返った。…応援しか出来ないけど…一緒に戦ってるんだ…! 「ほら頭がでてきたわよ!後少し!」 「アスカァッ!頑張って…頑張って!」僕は、イスラフェルと戦った時と同じ感覚だった。 一緒に戦ってる、そう感じたんだ。 「アァッ!…う゛う゛…っ…シンッジ…!…シンジィ…!」 『オギャァーッ』 「おめでとう…これでお母さんね!ほら抱っこしてあげて…」 助産婦さんがアスカに僕たちの子供を抱かせる。 「…おめでとう、アスカ……ありがとう。」 「はぁっ…はぁっ……当然…!…ありがと…シンジ…」 いつの間にか涙が流れ、頬を濡らしていた。 「シンジッ!」 病院に父さんが飛び込んできた、もうアスカもミズキも病室に移っている 「…父…さん……」 「…良く、やったな。 …シンジ、…おめでとう」 「…父さん、…ありがとう…」 …父さんと二人でしばらく泣き続けていた、悲しいわけじゃない。ただ…うれしかった。 そして、看護士さんに案内されミズキのいる育児室に向かった。 「…父さん…、あの子が僕たちの子供…だよ。」 「…私の孫か……フッ…名は決めたのか…?」 父さんから唐突に聞かれた、……父さん、あのこは… 「ミズキ…碇、ミズキだよ」 「…ミズキか。……良い名だ…。」 「…そうだね、…おじいちゃん…」 「…おじいちゃんか、……そうだな。」 父さんは、一通りミズキとアスカの顔を見た後帰っていった。病室で、まだ眠っているアスカに声を掛ける 「アスカ……ありがとう…」 そのまま僕は、眠ってしまった。 『あなたがどこへ行こうと 私はいつもあなたを見てるわ 自分の進む道は あなたが自分で決めるのよ』 総司令公務室 「碇、アスカ君の産休手続きと特別休暇申請書第参号だ。」 「ああ…判が必要だな、…」 「……なぁ。」 「どうした?」 「…良かったな、お前もおじいちゃんか。」 「フッ…」 「…ああ、碇…」 「おめでとう。」 「…ああ。」 第一産婦人科病室 「アスカ…」 「まぁったく…病院の食事はマズいわね、シンジの作ったのの方が美味しいわ」 「ハハッ、退院したら一杯作ってあげるからさ…」 「シンジ、約束よ?」 碇ミズキ 2027年、5月25日。 碇シンジ、碇アスカの子供として、誕生。 「…アハッ、…ミズキ君か…」 「…新たなる命の誕生はいつみても美しい」 「…全く、ラミエルはカタいよ?」 「タブリス。お主が人に感化されすぎなのだ。…まったく」 「…フフッ……かもね。 …碇ミズキ君…次に逢う時を楽しみにしてるよ…」 終劇
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「今日雨だね。残念だなー」 今日はこなちゃんと遊びに行く約束をしている。 いつもなら憂鬱な雨だけど今日はちょっと嬉しい。 新しい傘をおろせるから… 「そう言ってる割に嬉しそうに見えるけどね」 お姉ちゃんには隠し事できないな。 見抜かれたのが恥ずかしかったので、えへへ…と照れ笑いをしているとお姉ちゃんの携帯電話が鳴った。 「あ~、うん……そう、分かった」 電話を終えたお姉ちゃんは私に申し訳なさそうに言った。 「つかさ、こなたが雨降ってるから予定延期したいって言ってるんだけど…」 そうだよね… 普通こんな雨の日に出掛けたくないもんね… 結局傘さんの誕生日も延期になりそうだな。 しょうがないか…そう思って部屋でごろごろしているとお母さんが部屋に入ってきた。 「つかさ、暇だったらお父さん駅まで迎えに行ってくれる?朝、傘持っていかなかったから」 天気予報では晴れのはずだったからお父さん傘持っていかなかったんだな。 「うん、いいよ」 思いがけず新しい傘の出番が来た。 新しいものを初めて使うときは少しドキドキする。 玄関を出てつぼみが開くようにぱっと傘が開く。 真新しい傘は雨を玉にしてはじく。 いつもは嫌いな、雨が傘をたたく音も今日は心地よく感じられる。 いつもより軽快な足取りで、駅まであっという間に来てしまった。 「あ、お父さん!」 お父さんが困った顔をして駅の出口で立っていた。 その向こう側によく知った顔が見えて私は驚いた。 「峰岸さん?」 お姉ちゃんのクラスメイトがそこに立っていた。 その困った様子から、傘を持っていないのは明らかだった。 天気予報の被害者がここにもいた。 「お父さん、はいこれ」 「つかさ、ありがとう」 とりあえずお父さんに持ってきたもう一本の傘を渡す。 「お父さん、友達が傘がなくて困ってるから、家まで送ってあげるから先に帰ってて」 私は思わずそんなことを言って峰岸さんのもとに駆け寄った。 「あら妹ちゃん、こんにちは」 「こ、こんにちは。あの、もしかして傘持ってないの?」 「うん、それで止むまで待とうかなって。急がないし」 「なら私と一緒に帰ろうよ。峰岸さんが嫌じゃなければ」 「そんな…嫌だなんて…でもほんとにいいの?」 峰岸さんの家と私の家は駅をはさんで反対方向。 でも雨は当分止みそうにない… 「大丈夫だよ、峰岸さんとお話ししたいし」 「実は私も妹ちゃんと二人で話してみたかったんだ。じゃあよろしくね」 新しい傘の中に二人並んで歩きだした。 「この傘、新しいの?」 並んで会話をしている途中、峰岸さんが言った。 「うん!分かった?今日初めて使うんだよ」 「そうなんだ。じゃあ今日がこの傘の誕生日だね」 あ、私と同じこと思ってる。 そう思うと一気に私と峰岸さんの距離が縮まった気がする。 「峰岸さんも私みたいなこと考えるんだね。すごいしっかりして大人っぽいイメージだからなんか意外」 「そうかしら。みさちゃんにはよくおっとりし過ぎって言われるわよ」 「私はよくお姉ちゃんにしっかりしなきゃダメだって言われるよ」 「確かに柊ちゃんはすごくしっかりしてるわよね」 「うん、だから私お姉ちゃんみたいになりたいんだ」 「でも妹ちゃんには妹ちゃんのいいところがあるわよ」 「そんな…私なんか全然だめだよ~」 「そんなことないわよ」 顔は微笑んだままだった。 でも急に峰岸さんの口調が少し真剣なものになったので私は少しびっくりした。 「柊ちゃんはしっかりしているから私もすごく頼りにしているし憧れる面もあるわ。でも同じように、妹ちゃんにも、私、うらやましいな~って思うところいっぱいあるわよ」 「え…?」 「だから無理に柊ちゃんみたいになろうと思わなくていいんじゃないかしら」 それは…意外というか、考えもしたこともないことだった。 お姉ちゃんが憧れられるのはすごくよくわかる。 でも私なんかにそんなうらやましがられるようなところってあったっけ? 「すごく料理得意だし」 「でも峰岸さんもお菓子作ったりするのすごい上手だよね」 「とっても素直だし」 「そ、そうかな?」 「それに妹ちゃんの笑顔を見てるとすごく癒されるの。多分、みんなそう思ってるわよ」 そうなのかな。私は私でいいのかな。 いつもお姉ちゃんみたいになりたいと思ってきた。 お姉ちゃんみたいにならなきゃいけないと思ってきた。 無理にお姉ちゃんみたいにならなくてもいい…そう考えると少し心が軽くなった気がした。 「あ、見て妹ちゃん」 峰岸さんが指さした方を見る。 目の前に広がる光景に目を奪われる。 「…綺麗……」 雲の切れ目から射した日の光が大空に虹を作っていた。 「虹の根本には宝物が眠ってる…」 「え?」 「そういう言い伝えがあるんだよ」 どこで聞いたのかは思い出せない。 テレビか、どこかで読んだ本か、もしかしたらお母さんに昔聞いたのかもしれない。 「そうなんだ。いつか見つけられるかな」 お姉ちゃんなら、多分「つかさはロマンチストだね」で終わってしまうだろう。 そしてそういう考えの方が現実的で正しいということも頭では分かっている。 でもそれでもいいと思った。 私は虹の根本を探し続けよう…いつか見つけられることを信じて。 もしかしたら……ここがその虹の根本なのかもしれない。 偶然、峰岸さんと出会って、ここでした会話が宝物なのかもしれない。 「ありがとう、妹ちゃん。助かったわ。また明日ね!」 「うん、じゃあね!」 峰岸さんを家に送り届けるころには雨は上がっていた。 私は傘を畳んで、家までの道を駆け足で帰った。 通り道の水たまりが太陽の光を反射してきらきら輝いていた。 終
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クエスト/真紅の謎 クエスト名 クエスト情報 NPC 座標 報酬 備考 少女とお父さん (Lv?~299?) ・少女のお父さんはアリアンの傭兵ギルドで働いていると言う。アリアンの傭兵ギルドのセシルの所に行って、少女のお父さんの消息について尋ねよう。 【Lv110以下の場合】・バントリーは東プラトン街道/イースタンブリッジ付近にあるアルパス地下監獄の秘密ダンジョンで孤立していると言う。セシルの話によると、秘密ダンジョンはパーティーを組まなければ探しだすことができないと言う。(以下アルパス地下監獄の隠された地下牢内)・バントリーは重要な証拠品を真紅の従者に奪われたと言う。魔方陣の辺りで真紅の従者を見つけ出し、証拠品を回収しよう。・真紅の従者の呪いで、バントリーの証拠品である文書が燃えてしまった。燃え残った文書を持って、アリアン傭兵ギルドのセシルのもとに戻ろう。(アルパス地下監獄の隠された地下牢内ここまで) 【Lv111以上の場合】・エミリーのお父さんであるバントリーは、小都市ビッグアイの応急治療室で治療を受けていると言う。彼の所に行って話をしてみよう。 (以下、全レベル共通)・バントリーからの手紙を引き受けた。ブルンネンシュティグのエミリーに手紙を渡してあげよう。 エミリー 131,154 「怪我のことを言う」を選択した場合経験値+600,000 「怪我のことを言わない」を選択した場合経験値+610,000 ※長編クエスト「真紅の謎」の最初のクエスト。 Lv95〜Lv299?で発生(上限不明。Lv300で受けられなかったとの報告あり。情報求む)。但し「真紅の謎」をすべてクリアするにはLv210以上必要。1度しか受ける事が出来ない。 「未完の任務」へと続く セシル アリアン傭兵ギルド11,9 バントリー アルパス地下監獄の隠された地下牢78,12 小都市ビッグアイ応急治療室 未完の任務 ・傭兵ギルドのセシルから、バヘル大河の水質汚染について調査依頼を受けた。バヘル大河の東バヘル川上流で、イルレインという傭兵を捜してみよう。東バヘル川から真っ直ぐ上がると、すぐに捜しだすことができると言う。・イルレインは、バヘル川の上流である泉の水の穴に、水質汚染の原因があるようだと言う。いくつかのサンプルを採集してイルレインに持って行こう。・イルレインが頼んだサンプルをすべて手に入れた。彼女の所に戻ってサンプルを渡そう。・アリアン傭兵ギルドのセシルに、バヘル川の水質汚染関連サンプルを渡そう。・新しい任務の依頼主であるスマグ・ウィザードギルドのスタークの所に行って、話をしてみよう。・スタークから、任務に関する新情報が書かれている依頼書を受け取った。アリアン傭兵ギルドのセシルに更新されたウィザードギルドの依頼書を渡そう。 セシル アリアン傭兵ギルド11,9 経験値+1,000,000 「少女とお父さん」関連クエスト。Lv120〜Lv300?で発生。 【泉の水の穴サンプル採集場所】怪しい石:モンスターがドロップきつい臭いのガス:25,60怪しい花粉:25,13※現在、石を最後に集めると更新されないバグがある模様。石は最初か二番目に採集すること。 イルレインの所へは東バヘル川のマップから入ってすぐ。泉の水の穴まではほぼ一本道なものの、カルスト洞窟への出入りを繰り返すためとても時間がかかる。まともに洞窟を通って行くよりも、一旦西隣のマップ(東バヘル川)へ出た後、エルベルグ山脈西部地域→ハノブ西部地域に入り、(142,2)からバヘル大河/東バヘル川上流に入った後、カルスト丘に登って(246,202)から洞窟に入るルートをとる方が近道(カーペットがある場合は特に)。 [参考]所要時間(移速装備や移速スキルなし)・普通に洞窟を通って行く…20分程度・回り道する ……13分程度 サンプルを採集して戻る時も、位置記憶アイテム(課金)がないのであれば、洞窟を戻るより、一旦古都へ戻ってイルレインの所まで走った方が早い。 「真っ赤な足跡」へと続く。 イルレイン バヘル大河/東バヘル川上流27,364 スターク スマグ・ウィザードギルド5,41 真っ赤な足跡 ・スタークの情報によれば、シア・ルフトの足跡が、麻薬巣窟地下3階に残っているはずだと言う。そこの器物を調べて、跡を探し出してみよう。・魔法のオーラが感じられる赤黒いオーラの巻物を見つけた。アリアン傭兵ギルドのセシルに、この事を報告しよう。・赤黒いオーラの巻物の封印を解くために、スマグ・ウィザードギルドのスタークの所に行ってみよう。・スタークは文書にかかっている封印を解除するための材料を手に入れなければならないと言う。キャンサー気孔に生息するデスピンサーから入手できるデスピンサーの毒針が20個必要だ。そして、スマグ魔法用品店のカルナンから反魔法探知機を受け取ってこよう。・すべての材料を集めた。急いでスタークに材料を渡そう。 セシル アリアン傭兵ギルド11,9 経験値+1300000 「未完の任務」の続き。Lv130〜Lv300?で発生。 【麻薬巣窟B3の探索場所】(40,11)(21,40)(39,66)(72.71)の本棚、計四カ所。すべてトラップありだがダメは軽微。巻物の封印を力ずくで開けようとするとダメ発生するので注意。 デスピンサーはLv60〜65。ドロップ確率は100%なので楽。スタークに材料を渡した後、Lv170未満だと途中で止められ、Lv170になってから再度来るように言われる。「真紅の魔法石」へと続く。 スターク スマグ・ウィザードギルド5,41 カルナン スマグ魔法用品店24,15 真紅の魔法石 ・魔法都市スマグの住民たちからシア・ルフトの新しいうわさを聞いてみよう。・ハンフィ山脈に位置した河口ダンジョン ラ で、シア・ルフトを見たという、うわさを聞いた。メロウマウラーというモンスターが彼と関係があるようだ。調査してみよう。ハンフィ山脈に位置した河口ダンジョン ラ で泉の穴から手に入れたシア・ルフトの魔法石と似ている品物をまた探し出した。急いで、スタークに見せてあげよう。傭兵ギルドの部隊が、危機に陥るかもしれない状況だ。急いで、セシルに魔法石の危険性を知らせるようにしよう。・シア・ルフトの魔法石によって、傭兵ギルドの部隊が多大な被害を受けた。セシルが状況を確認する間、スマグ・ウィザードギルドのスタークに魔法石の対処方法について聞いてみよう。 スターク スマグ・ウィザードギルド5,41 経験値+2500000 「真っ赤な足跡」の続き。Lv170〜Lv299?で発生。 うわさを聞くのは、男性ウィザード(26.56),女性ウィザード(24.32),マーク(96.65),サスピン(62.24)メロウマウラーは、河口ダンジョン ラ B1の90.129付近に4匹いるが、倒すのは1匹でよい。倒した直後に爆発が起きるが演出だけでダメは無し。魔法傭兵は、アリアン傭兵ギルド内の(30.48) 「安定剤製作」へと続く。 セシル アリアン傭兵ギルド11,9 安定剤製作 ・シア・ルフトが作った魔法石の爆発を阻むための安定剤を製作しなければならない。すでに、スタークが安定剤の製作に必要な材料類を注文しておいたと言うから、急いで材料を引き取りに行こう。・安定剤の製作のための材料をすべて手に入れた。急いでスタークに材料を渡そう。・安定剤の製作には成功したが、今の能力では効果が現れないそうだ。レベルを185以上に成長させた後、また、セシルに会うことにしよう。・安定剤の製作に成功した。アリアン傭兵ギルドのセシルにこの事を伝えた後、次の計画を聞こう。・セシルは今回の任務の危険度を考慮して、全員のレベルが210以上のメンバーで、パーティーを組まなければならないと言う。まずは、力になる仲間たちを集めてから、セシルに次の計画を聞くことにしよう。 スターク スマグ・ウィザードギルド5,41 経験値+3100000 「真紅の魔法石」の続き。Lv170〜Lv300?で発生。 フィールド移動をするとスタークの印章が破壊されるが問題なく進行可能。マージルリンドは、ハノブ,ブリッジヘッド,アリアン,スマグの何れか選択地にテレポートしてくれる。Lv185未満だと安定剤の材料は回収され、Lv185以降にセシルのところへ行くことになる。 Lv210~300のキャラだけでPTを組みセシルに話しかけると、クエがアップされ経験値を獲得(PTMは傭兵ギルド内に居る必要は無い)。 「シア・ルフト」へと続く。 セシル アリアン傭兵ギルド11,9 ハギン 鉱山町ハノブ35.18 倉庫番ネビル 港街ブリッジヘッド26,29 マージルリンド テンドペンド平原/ブリッジヘッド北部地域43.405 シア・ルフト (推奨Lv) ・全員のレベルが210以上のパーティーで、ハンフィ山脈に位置した河口ダンジョン ラ B2の秘密ダンジョンに行こう。そこに行けば、傭兵ギルドの偵察兵に会えるという。・シア・ルフトを退治した。アリアン傭兵ギルドのセシルのところへ戻って、この事を報告しよう。(2を選択した場合)・任務完了報告書をスマグ・ウィザードギルドのスタークに渡そう。 セシル アリアン傭兵ギルド11,9 1)経験値+3,900,000 2)経験値+4,200,000 「安定剤製作」の続き。河口ダンジョン ラ の隠された洞窟1度の秘密でクエ更新できるのは1人。PTMはクエを受けていない人でも可。PTMは秘密クリア時にクエ対象者と同じ経験値(110万exp)をもらえる。 (1)これからは、スタークさんの顔を見る事もないですね。を選ぶと、経験値を得てクエスト完了(2)その完了報告書を私が伝えに行っても良いでしょうか?の選択で、任務の完了報告書をスマグ・ウィザードギルドのスタークに渡そう となる。真紅の使い魔を倒した際、中確率で手に入る「紅い魔法石のかけら(?)」を所持してスタークの所に行くと経験値が440万になる模様。 Lv300以上だと「別の部隊がシア・ルフトの討伐に成功した」と言われ、経験値420万でクエスト完了(310万の場合有り、詳細求む) コメント 発生Lv、発生不具合 少女とお父さんですが、河口ダンジョンB2秘密適正がLv210〜Lv300なのでLv300を超えていると最後まで行けないということで受けられないのかも。Lv268で受けられたキャラはB2秘密もクリアできました。 -- 知識ランサ 少女とお父さんについて、Lv154で受けられません。Lv以外で何か条件があるのでしょうか。「お父さん、どこへ行ったんだろう」みたいな台詞だけです。 -- 剣士 少女とお父さん→又聞きなのですが「Lv140位の姫でクエが受けられない状態になったがアリアンのセシル(かスマグのスターク)に話したら「真っ赤な足跡」クエが発動した」そうです。よかったら試してみてください -- 幼女 157WIZで「少女とお父さん」受けられず、↑のコメント見てアリアン傭兵ギルドのセシルに話し掛けたら「真っ赤な足跡」受けられました -- コレクター 少女とお父さんいつ受けたか忘れましたが(300↑?)338のWIZでセシルに話しかけたところ、いい人材が無くて・・となり、先に進めないようです -- 少女とお父さん、184(183だったかな?)のWIZで受けれた。セシルに話しかけても「真っ赤な足跡」発生せず。そのまま進みエミリーに話しかけ、選択肢で(2)を選択したら経験値6万5千程貰ってクエスト終了 -- 少女とお父さんですが、ワタシも剣士さんと同様、194のテイマだと同じような会話になって、受けることができません。Lv制限とかあるんでしょうか・・・?? -- 柚子 少女とお父さん 150BISでエミリーは「無事でいてほしい・・」だけでクエ発生せず。セシルに話しかけるとエミリーに話を聞いたかのように「少女とお父さん」クエ発生。 --- 七氏 Lv165テイマでエミリーから「少女とお父さん」発生確認 -- 「真っ赤な足跡」Lv300で発生確認。次の「真紅の魔法石」はLv300で発生せず。話しかけても傭兵ギルドがシア・ルフト討伐に成功したといわれます。 -- 完了時の経験値 [シア・ルフト]クエ 終了時440万の経験値を貰えました。別キャラでやったときは420万でした。何か条件があるのかもしれません。 -- ・・ シア・ルフトクエLv301で話しかけたのですが、経験値は310万でした。 -- 黒鯖住人 [シア・ルフト]クエ 200台後半でクエを受けて、BISだったので河口ダンジョンに行くのを躊躇している間にLv300を超えてしまいました。この状態でセシルを訪ねていくと最初からLv300↑で受けた場合と同様、経験値420万を貰ってクエ終了、という結果でした。 -- クエちゃん 真紅の使い魔を倒した時に中確率で紅い魔法石のかけら(?)が手に入ります。そのかけらを所持した状態でスタークさんの所に行くと石のオーラがどうのこうの言って経験値が+20万になるようです。 -- シア・ルフト 300テイマでセシル話しかけたら「別の部隊が〜」になり経験値310万で終了でした -- テイマー+226BISのPTで安定剤製作をアップしてLv300に、直後話してシア・ルフトをアップ、Exp420万でした。 -- 「未完の任務」の項目にある「イルレインの所から泉の水の穴への行き方」の部分を、以前の文章に戻しました。書き換えた人はおそらく、古都からヘルシャウトまでの行き方を説明した文章をコピペしたのではないかと思います。イルレインから「直接」サンプルの所まで行くには上に書いたように、ハノブには出ないで歩いてハノブ西部へ回り込み、カルスト丘の上のポタから入ったほうが早く着きます(検証したところ「ハノブを経由せずカルスト丘の上のポタから行く」のと「ハノブ経由で丘の北を回り込んでヘルシャウト側から行く」のでは時間的に同じ位ですが、後者の場合は帰還の巻物やテレポ代も必要なうえ、ヘルシャウト側から泉の水の穴を抜けるにはラットの集中致命打攻撃により適正の紙キャラだと死ぬ可能性もあります。総合的に判断すれば、前者の方がよいと思います)。 -- コメント整理。11/03/29 コメント休止中。 Sorry, This Comment is stopped for SPAM.
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「んっ…こなた…そろそろいいか…?」 ずちゅ…ぐちゅ… 「ふぁっ…お父さん…いいょ…膣に…」 「そうか…それじゃ…」 父は娘の女性器の締め付けに興奮しながら、腰の動きを速くする。娘も父の肉棒を下の口で味わいながら、その感触に身を任せていた。 「くっ…凄っ……出すぞ!」 「はっ…はっ…うん…!」 父の腰が一際大きいストロークを掻き、娘の腰と密着した。その瞬間、父は溜まりに溜まった自らの欲望を娘の子宮口にぶつけていた。 「あっ…出てる……!…だ…駄目…いっちゃ…!」 娘もそのドロドロとした欲望が自らの体の中を満たす感触によって絶頂を迎えた。娘の膣は父の欲望を全て飲み込もうと膣壁は肉棒をくわえこみ、絞りだそうとうねりだす。 「うん!…はあ…はあ…いいぞ…こなた……」 「はぁ…いっぱい……まだ出てる…はぁぁ…お父さん…大好きぃ…はぁっ…」 欲望を出し終え、萎えた父の肉棒が娘の膣から糸を引きながら引き抜かれる。 すると、子宮に収まりきらなかった欲望が、逆流し、大量に溢れ出てきた。 『ぶぢゅっ、こぼっ、ゴポゴボッ…ぶぢゅっ…』 「はあ…はあ」 娘の股間から流れ出した精液は愛液と混ざりあい、アヌスを伝わって股間に淫液の池を作る。その感触に娘は満ち足りたものを感じ取るのだった… … … … 「……ねえ、お父さん。エロゲみたいなハーレム造らない?明日かがみ達が遊びに来るんだけど…」 コメントフォーム 名前 コメント
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春休みの時期のある日。昼前の時間に目を覚ます。 リビングに出てみるとゆーちゃんがテーブルで一枚の書類を手にしていた。 おはよう、と挨拶をかわしあって。それからお互いに苦笑しあう。ぜんぜん早くない。家族がそろう朝ご飯の機会を潰したぐ~たらな大学生がここにひとり。 「お父さん、出かけたの?」 「うん、編集部のほうに用事があるからって出かけた」 「そっか。そのプリント、パトリシアさんの?」 「うん、今日だから、ちょっとドキドキする。あ、おじさんが帰ってくる時間聞いてない。遅くなるのかな」 「んー、朝のうちに用事を済ませに行ったとも言えるから、午後のうちには帰ってくると思うよ」 交換留学生のホストファミリーがうちの家に決まった。今日がそのひとが訪れる当日。到着は夕方ごろの予定と聞いている。 「迎える準備しなきゃね。せいいっぱい腕を振るうよ、期待してて」 ぐ~たらの失点を取り戻すべく意気込んでみる。 うなずいてゆーちゃんが微笑む。頼りにしてますというその素直な表情が心地よくもあり微妙なプレッシャーでもあった。ひとを迎えるための準備なんてじっさい私もほとんど経験がない。しかも相手は外国人。上手くもてなせるかけっこう不安だったりもするのだけれど。 「買い物行こう、すこし待ってて」 だけれど不安なのはゆーちゃんもきっと同じで。だから私は姉らしい見栄を張って平然を装う。部屋着を着替えて外出の用意をする。 近所のスーパーで食材巡り。 パトリシアさんの好みを探りつつ、家でふだん食べている食卓をいつもよりもめいいっぱいていねいに。私たちの現在のプランはそんなものだった。 「どっか日本の名物がある店に外食にいけば簡単なんだろうけどねえ」 「でも、外国のひとを迎えるのにぴったりなお店っていうのもあまり思いつかないなあ」 「値段の高い料亭とか」 「それ、ぜんぜん簡単じゃないよ」 てくてくとてきとうに歩きながらメニューを吟味。 「和食を受け入れられないなんてことは気にしすぎないほうがいいのかな」 「日本に来たいって思うくらいだから、そのへんはきっとだいじょうぶだよね」 「いざとなったらエビフライを醤油で食べてもらおう」 まだ会ったことのないひとへの想像をふくらませながら買い物を済ませてゆく。パトリシアさんに好みを聞かなきゃはじまらないのだし、いまはあれこれ考えすぎてもしょうがないのだと気を取りなおした。 「よ、っと」 作業がはじまるまえのまっさらな台所のうえにドサッと材料を乗せる。ゆーちゃんの携帯に着信音が鳴る。 「おじさんから。もうちょっとで帰るって。留学生のひとが来るまでには間に合うね」 「あ、そう? じゃあどっか和菓子屋でなんかお土産買ってきてって返事しといてくれる?」 とりあえずの下ごしらえが必要なだけを取りだしつつ、あとは冷蔵庫へ。メールの返事を済ませたゆーちゃんと視線を交わす。 「んじゃ、パトリシアさんが到着するまで待機、かな?」 ちょっと緊張してきた、とゆーちゃんは言った。私もだよ、自分が緊張していることを茶化す。 お父さんがちょっと高いお菓子を持って帰宅する。どうかなあ、パトリシアさんの口にあうかなあ、と三人でぐだぐだと雑談。 問題なく家に馴染んでくれたらいい。仲良くなれたらいい。そのためにできることを、私たちなりにこうしてやってみて。 不安とワクワクの両方が大きくなっていく胸のうち。それはきっと、お祭りそのものよりもお祭りの準備のほうが楽しいということに似ていた。ひとりでは持てあましてしまいそうなその気もちをこうしてみんなで共有することにどこか安らぎを感じる。 パトリシアさんは快活なひとだった。いろいろとダイナミックなところがアメリカっぽいと思う。 特定の日本文化を好むその趣味は今日の私たちにとって良いのか悪いのか。とりあえず食べ物の好みは心配しないでいいと彼女は言った。是非、この家の食事に合わせてくださいと。 ある意味、どんな希望よりも難易度の高い注文だ。これはちょっと気合いを入れねばと、いざ、腕まくりをして台所に立った。 手伝おうか? と後ろからお父さんが声をかけてくる。 「いや、いいよ。配膳のときだけ手を貸してくれればいいかな。ゆーちゃんがパトリシアさんの勢いに飲まれないようにフォローしててよ」 「あー……たしかに」 苦笑を浮かべる。手際よく手順を進める私に、良い娘を持ったなー、なんてつぶやきながらお父さんはその場を去ってゆく。 なにを言っているんだか、と肩をすくめながら、私は目の前の作業から目を離さない。 料理もお菓子も上々の評価をいただいて私は胸をなで下ろす。当初の私たちの心配なんてどこ吹く風で彼女は馴染みまくる。 この様子だとなにも問題なく、四月からゆーちゃんといっしょに通学していってもらえるだろうと思えた。 ゆーちゃんが自分の部屋へとパトリシアさんを案内していって、リビングでお父さんとふたりきり。どちらからともなく、ほっとした、と視線を交わす。 「じゃ、後片付けしてくるよ」 「うん」 急に静かになった空気。立ち上がる際の身体やけに軽くて、ちょっとだけ戸惑いを感じた。 食器洗いを終わらせて戻ると、ちょうどゆーちゃんたちも戻ってくる。そこで、パトリシアさんが真剣な表情でお父さんを見る。 「パパさん。この家のママさんにゴアイサツさせてくれませんカ」 ゆーちゃんの部屋で私の家の家族構成の話題になったらしく、そこでお母さんのことに触れたようだ。 べつに私たちとしてはそんなことを気にしてほしくはないわけで。そういうことを難しく考えなくてもいいよとお父さんは忠告する。 「イイエ。このファミリーのなかでオセワになるのですから、ちゃんと、この家のエライひとにお祈りをさせてほしいのでス」 自分なら、きっと気を遣ってそれには触れないようにするだろうけれど。そういう考え方もあるのかと思った。 これがアメリカと日本の違いなんだろうか。それともこの子が良い子だから、こうなんだろうか。パトリシアさんが到着してからここではじめて異文化交流というものを実感した。 父の私室。仏壇の前に私たちは集まる。正面のパトリシアさんの傍らで、ゆーちゃんが正座のしかた、手の合わせ方を教えている。 ゆーちゃんが、私のほうを振り向いた。私はうなずいた。 線香の煙の匂いがする。鈴の音が響く。静謐な、お祈りの静寂が訪れる。 私はパトリシアさんの背中に、口に出さずに胸の中で声をかける。 最初は、お父さんと、そこにいるお母さんの二人からはじまったこの家族。私が生まれて、ゆーちゃんがやってきて。 そして今日、こうして私たちのことも、お母さんのことも想ってくれるあなたが訪れました。 ようこそ、あたらしい家族。 パトリシアさんは今日はゆーちゃんの部屋でいっしょに寝ることになった。ベッドじゃなく床に敷く布団を体験することを楽しみにしていた。 彼女たちが就寝するころの時間に、夜更かしのぐ~たらが再発した私はリビングに出る。 そこではお父さんが、ちびちびとお酒をやっていた。 「珍しいじゃん、お酒なんて」 「いや、さっきのパトリシアさんについ感銘されちゃってなあ」 「うん、あれはすごかった。なんていうか、すごかった」 「……最初はさ、オレとかなたの二人だけだったんだ、この家は」 「うん」 「お前が生まれて、ゆーちゃんがきて、そしてパトリシアさんが来て」 「……増えたね、家族」 「うん」 最初は父と母の二人だった。泉の家の人数が増えた明日からは、またきっと楽しい。 コメント・感想フォーム 名前 コメント