約 1,967,902 件
https://w.atwiki.jp/yakui666/pages/14.html
ヤフー囲碁の難民みたいな奴ら。 平均棋力は級だが、一部に中段が存在する。ヤフー囲碁から流れ着いたと思われる一団であり、日常的にペア碁などを行っていたりする。 コロニ (東洋三段クラス) 現在失踪中。どこぞの流れ者達の長。 自称七段と言っているが、実力は三段程度で大したことはない。碁会所のおじさま達と同じぐらい筋が悪く、欠点ばかりが目につく。 香幣 (不明) 現在失踪中。ニコニコ生放送で囲碁実況を始めており、放送している時は部屋のタイトルにニコ生放送中と宣伝することが多い。 自己紹介に初段と書かれているが、過大であり、実際は中級あるかどうかの棋力である。 生放送の態度は一言で言えば、醜い。流石は中学生といった所か。 一番星10 (不明) 酔っ払い。鬱陶しい。 mineko40 (不明) 知り合いに強い人が居るんだオーラを出しつつ、自慢する人間。以下略。 武龍 (東洋二段~三段) 中学生。ネカマ疑惑がある。疑惑のアカウントは侑那。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/6214.html
まだ名前のない私。誰の為でもなく、ただ生きている。 それはなんだかとても楽であり、けれど悲しくもある。 しとしと。 雨が落ちる音。 ふやけたダンボールの居心地は、酷く悪い。 けれど此所――いわゆるコンビニエンスストアの側から離れる事で起こり得る、宿や空腹に対する愁いが私を引き止める。 ――――まぁ、どうにかなるだろう。 そんな程度の悩み。 ほとほと。 毛から水が垂れる音。 「……ねこ」 小柄な女の子が、ぽつりと零す。 ……やば、見つかった。 この雨の中を逃げる気力はないのだけれど、どうするべきだろうか。 先日受けた小さな手足からの様々な暴行を思いだしながら、私は相手を観察する。 澄んだ目をした少女だった。 後ろに背の高い少年を従えて、こちらを見据えていて。 なんだかひどく蠱惑的な手で、傘とビニール袋を握っている。 雨の似合う少女だった。 今が冬ならば、降っていたのが雪ならば、もしかしたら彼女に対して永遠の忠誠を誓ってしまったかもしれない。 綺麗な目をした、人形のような少女だった。 「ねこ」 声も、なかなかに素敵。 「……そうですね、猫です」 初めて声を発した彼。 二枚目なのだろう。人間の美醜の感覚は酷く分かり辛いが。 こちらは、能面のような面立ちだと思った。 好きになれない表情だ。 何かを、腹に隠しているような。 こつこつ。 少女がこちらに来る足音。 「行かないのですか?皆さんきっとお待ち兼ねですよ」 「濡れている」 「では傘を一つあげて、相合い傘でもしましょうか?」 「連れて行く」 「はは、相合い傘はお嫌いでしたか。大変失礼致……」 「飼う」 「……マジですか」 「まじまじ」 あれ、なんだこの可愛い生き物。 胸の奥から突き上げて来る、叫びだしたいような泣きたいような笑いたいような感情。 後に、愛情だと気付くそれ。 「あなたのマンション、ペットは禁止でしょう」 「ばれない」 「いや……、まぁ、ばれないでしょうけど。お世話が出来ないでしょう」 ……そうだろうね。 突然黙りこくる女の子。 この光景を、何度繰り返し見た事か。 謝りながら泣く姿を、幾度此所で見送った事か。 別に、野良だって生きていけるのだから。 私が此所にいるのはあなたの所為じゃないのだから。 そんな顔しなくたっていいのに。 おかしな生き物だ、と思う。 「確かに、困難」 あなたの世話で、手一杯。 そう言って、彼に目を向ける。 照れた顔で、手厳しい……と呟くその言葉に、彼女は逆接を被せる。 それでも。 「あなたと二人でなら、頑張れる」 私には、少女の顔は見えない。 けれど、先程私に向けたような、真っ直ぐな目で彼を見ているならば。 「全く……、適いませんね」 彼の負けは必然だろう。 若人よ、こういう時は折れてあげるものなんだ。 偉いね。 「感謝する、古泉一樹」 「長門さんのお願いなら、仕方がありません」 これは私が名付けられる前のお話。 私のご主人である両名が、絆を深める切っ掛けとなる物語。 そして私の一世一代の、彼らの為の奮闘記の始まりでもあるのだ。 まだ、雨は止まない。 かけられたタオルはふわふわで、花の匂いがした。 「……猫だな」 「そう、ねこ。嫌い?」 「嫌いじゃないが、どこでそんなの……」 大きな建物の中に入った。 此所に住んでいる訳ではなさそうだし、《学校》っていう認識で良いのだろうか。 床に下ろされた私は、木の持つ温もりと初めての接触を果たした。 命ある物にしか宿る事のない、暖かさだと思った。 この部屋にいるのは、先程の両名を合わせて5人。 髪飾りを付けた女の子が、興味深げに私を見ている。 悪い気はしないが、そんなに面白い事もないだろうに何を熱心に見ているのだろう。 人間というのは、不可解すぎる。 「有希、この子どうしたの?」 「拾った」 「あら、一目惚れ?」 「そう」 「素敵ね!みくるちゃん、抱かせてもらったら?」 はぁ、と溜め息を吐く先の彼。 また始まったとぼやくその姿は、なぜだろうか、父親と言う言葉を連想させる。 「ひ、引っ掻きませんかぁ?」 「へいき」 多分、と彼女は添えて、私を手渡す。 あうわーとかひゃわーとか言いながら、私をその豊かな桃源郷へと誘って下さった。 なんたる至福の時間だろうか。上手く言葉で表現できない柔らかさがもどかしい。 こんなに優しく抱かれて引っ掻くなんて致しませんよマドモアゼル! 「おとなしいですぅー」 貴女の笑顔の為ならば髭先一つ動かしませんとも。 「長門、それ飼うのか?」 「そう」 「一人暮らしの高校生にそんな余裕はないだろう。少しでも難しいと思うなら、今返して来い」 あ、やっぱりお父さんだ、なんて確信。 娘にせがまれて、どうしようもなくて断る時の顔してる。 「へいき」 「本当か?」 「大丈夫」 「生き物を飼うのは大変だぞ?」 「キョン、有希が大丈夫って言ってるんだから!」 渋々、と言った所か。 彼は「何かあったら言え」と席に座った。 かぱ、と音がする。 《ねこかん》の開く音だ。 コンビニを塒(ねぐら)としていた時に、よく人間に貰った。 本能のまま私は天国から降りて、美味しい音の方へ向かう。 「わかりますか?あなたの餌です」 うるせぇ早く食わせろと鳴いてみるも、ニヤニヤと私を見下ろすイケメンは微動だにしない。 自分より弱い物にいじわるしたらいけませんって、その年になってもわからんのか。 「古泉、動物虐待はよくないぞ」 「おや、心外ですね。そんなつもりはなかったのですが」 紙皿に開けられた餌を摂取しながら、聞くともなしに二人の会話を流す。 ショートカットの少女は、私を見据えて動かない。 そこはかとなく、こそばゆいきもち。 「いじわるは、駄目」 二人で飼うのだから、と長門が漏らした瞬間、《おとーさん》の肩がぴくりと跳ねた。 「長門、今二人でって言ったか?」 「言った」 「それはあれか、同棲的なあれか」 「違う。通い妻」 「おや、嬉しいですね」 「あなたが、通い妻」 「あ、そうですか……」 ふるふると震える拳を握り込み、同じように震えた声で、《おとーさん》は長門にこう言った。 「長門、いいか?年頃の男女が二人きりで一つ屋根の下なんて、何があっても文句は言えないんだぞ? 早く今すぐ早急に、考え直すんだ」 確かに正論。 ていうか、私も女の子と二人暮らしの方が遥かに嬉しいんだけどな。 餌を食べ終えた私は、この部屋を探索しながらそんなことを思う。 「……いや」 長門は後ろから私を抱き上げ、古泉の腕にすがりついた。 ささやかな天国と野郎の腕との間に挟まれた私は、このサンドイッチに疑問しか感じない。 イヤイヤ期だかなんだか知りませんが、反抗するなら父性を逆撫でするやつじゃなくて、 もっとこう、普通にしましょうよ。 「……長門?」 「いや」 あ、この顔はやばい。咄嗟に首を竦めた直後、少し張りが抜けた声が部室に響いた。 「……っもう勘弁ならん!!!!古泉いいかよく聞け俺は一度も貴様を認めてなどいないからな ていうかこれから一切認めるつもりとかないからな俺の目の黒いうちは長門に指一本たりとも 触れさせないぞ。いいか長門お前も聞きなさいまだ意味が分からないかもしれないが男は狼だ という事を覚えておくんだ隙さえ見せればお前なんか一口!それと古泉みたいな羊の皮を被っ た狼は他より数段タチが悪いぞいいかあいつに近寄っちゃいけません通い妻とかもっと駄目絶 対認めませんだーめーでーすッッ!!!!!」 すっさまじい。世間一般の父親ってこんなふうなの? 息切れを隠さずに古泉を睨み付ける彼に向けられるのは、唖然とした表情だったり、呆れ返った顔だったり。 反応はそれぞれだったけど、みんな同意はしていないようだ。 長門も……、ちょっとすねてるように見える。 「き、キョンくん。そんなに心配しなくても……」 「いいえ、朝比奈さん。まだ俺らは未成年です。不純異性交遊は慎むべきでしょう」 「ばっかじゃないの?あんた頭が昭和のカミナリ親父以上に古いのよ!」 「おい失礼だぞ、ハルヒ!」 少女と少年は喧嘩を始めた。 何やら、痴話喧嘩……いや、夫婦喧嘩と呼んで良さそうな雰囲気ではあるが。 どちらも、笑みをたたえた目が隠せていないのが微笑ましい。 「……ながとさん、今のうちに逃げませんか?」 ちょ、おまえさぁ。 出すのに技術がいるようなウィスパーボイスで彼女に甘く囁く古泉は、殴りたくなるほど楽しそうだ。 でも無言で古泉に鞄を渡し、私を抱く腕に力を込める長門は、もっと楽しそう。 だから、私は大声で鳴いて邪魔してやる事も出来たのに。 長門におとなしく抱かれていた。 「では涼宮さん、すみませんがお先に失礼します」 言うが否やのうちに、長門と古泉は全速力で廊下を駆け出した。 「あ、こら!待てコラこいずみぃぃぃ!」 ごめんね、キョン。 でも、ちゃんと見ておくから。 高校生らしい、不純でない付き合い方をさせますから。 だから、私たち二人と一匹の最初のデート。 どうか、許してください。 長門は、直後に聞こえたキョンと朝比奈さんの悲鳴を聞いて、笑いを噛み殺す古泉を不思議そうに見ていた。 なんだか、肺の辺りに空気が入ったみたいな。 言い表しがたい幸福感が、抜けなかった。 皆様に伺いたい。 物語を読むという行為には、往々にして二つの理由が伴う。 私が思うに、それは快楽と空白だ。楽しいから、暇だから、私たちは本を読む。 何も生み出さない、酷く非生産的な行為。 それは、なんだか生きる事に似ているような気はしないかな? 生きてるのなんて、死ぬまでの間の暇潰しだと嘯いたのはだれだったかと思いながら、私は今日も物語を紡ぐ。 出来る事なら、あなたの胸に何かを生み出したくて。 ――宇宙人と超能力者の恋は、何を生むだろう? 「いやぁー、買いましたね。散財の楽しさって一生理解出来ないと思ってたんですけど、 新しい快感に目が眩みそうです。……でも、本は要らなかったんじゃないですか?」 「最重要」 「あ、そうですか……」 私の一言には三つの言葉で返事する事、とは言うものの、古泉の場合はそれ以上の物があるね。 痛々しいまでの反応されなさ。 さて、ロミジュリ張りのロマンスめいた逃避行の後に、この辺りでは一番大きな商店街に赴いたモンタギュー夫妻は、 私のためと思われる様々な物を買い揃えていた。餌入れとかトイレは分かるけど、首輪はいらないんじゃないか……。 「ぬこさまのきもち」と書かれた雑誌に読み耽る長門を置いて、古泉は淡々と設備を整えて行く。 フローリングはひやりと冷たくて、日陰の路面を思い出す。心地よかった、独りの空気を。 一声、鳴かなければならないような気がした。 「……長門さん、呼んでるみたいですよ?」 「……」 ちら、とこちらを確認して、無表情のまま撫でくりまわされた。 無言で顎をくすぐられるのは、ちょっと怖い。 「これ、そんなに気に入ったんですか?」 「……、そう」 瞬間、視線がかち合った。 そんな綺麗な目で見ないで欲しかった。焼かれてしまいそう。 私にはわからない感情が、彼女の瞳から彼の指先から部屋からしがらみから絆から、流れて。 独りを貫き、弱きを厭い、何も作らぬはずだったのに。 孤独を恐れる心が生まれてしまう。愛を求める心が芽吹いてしまう。 永久を願い、永久を厭う、矛盾だらけの感情が、私の毛先から、爪先から、耳から、沁みて滲んで広がって。 あぁ、この人は。 この人達はこんなにも。 「どうしたんですか、そんなにこちらをじっと見たりして」 ご飯ならまだですよ、と笑う彼は、こんなに近くにいる恋人を恐れている。 自分の好意が染み入って、白雪を汚す事を。 拒絶より、享受を恐れている。 彼女は、それを知っている。 自分から歩み寄る事は彼を追い詰める以外の何者でもなく。 手に触れ言葉を紡ぐ事、それも罪だと恐れてる。 ……冗談じゃ済まされない。 こんな、遠慮と気遣いと優しい嘘に塗れた空間に、私もいなきゃいけない? お断りだね。 何故、恐れる。 進めよ、思う通りに。 何故、触れぬ。 手を握って、体温を、愛を紡いで、言の葉を、伝えようとはしないのか。 そんな歪な恋情、許さない。 そんなに純粋にお互いを思っていながら、実らないなんて。 そんな喜劇はいらない。 「……なんか、長門さんに懐きますよね」 その言葉に、長門はついと目線を向ける。どことなく不機嫌めいた古泉に、すこし驚いているように見える。 一線の、手前。 彼に、僕も構ってくださいと言う勇気はない。 彼女に、それを察する技能はない。 それならば、それならば。 私が、やりましょう。 その一線を越えるための踏切板に、スタートを切る合図のピストルに。 当て馬にも、友人にも、悪役にも成りましょう。 拾ってもらった野良猫の、できる限りの恩返し。 ――幸せにしてやろうじゃないの。 私は長門を見上げて鳴くのを止めない。 こうすると、抱き上げてくれる事を知っているから。 そして目論見どおり、長門は私を抱き、古泉の笑みは引きつる。 よし、食いつけ。 「こらこら、長門さんにそんなに迷惑を掛けてはいけませんよ」 「別に構わない」 いえいえ構いましょうよと、彼は私を奪い取る。 「抱き癖が付くとよくないですよ」 「……これは猫で赤ん坊ではない」 「いえいえ、同じような物でしょう。そもそも、猫と赤ん坊の間には切っても切れ ない深い縁があります。僕ら人間が猫を可愛いと感じるのは、猫の体躯が人間の 赤ん坊と構造がそっくりだからと言う話を聞いたことがありますよ。それに発情 期のあの鳴き声と言ったら……」 必死だな、お疲れさん。 「やきもち」 「ちがっ、違いますよ。猫に嫉妬するほど器小さくないです」 「……本当に?」 いや、そのですね。そう言ってあからさまに目を泳がす。 長門に嘘を吐くのは確かに難しいだろうけど。 いくらなんでも動揺し過ぎだろう。 「猫に、やきもち……」 ユニーク、と彼女は少し楽しげ。 流石にもう言い訳する気力はないのか、黙り込む。 私がこの家の力関係を把握した瞬間だった。 「安心して。今の所、私はあなたで満足」 どこまでも男前な長門だった。 「長門さん……」 どこまでも乙女な古泉だった。 ていうか頬を染めるな、気色悪い。 あれ、ていうかむしろ手助けなんかするまでもないんじゃないか。 ちょっと背中押しただけなのにべたべたイチャつきやがって。 しばいたろうか、古泉。 苛つきながら目を向けた先の二人は、当然のように嬉しそうだった。 古泉は笑みを押さえきれていないし、長門の表情も当社比3%増である。 矛を納める以外に、選択肢はなかった。 不意に長門が手を伸ばす。 白い指先が彼の指と絡み合い、その光景は少し神秘的。 当然の結果として、私の肉球はフローリングと感動の再会を果たす。 そして見上げて思うのも、同じ。 一枚の風景画みたいに、綺麗な光景だ。 「いつでもあなたが一番」 指きり、と彼女は目を真っ直ぐ見て宣言する。 「他の誰にも、靡かない。だから、あなたも」 はい、はい、と相槌を打つ古泉は、繋いだ手に力を込める。 それはまごう事なく、祈りだった。 「ずっと隣にいます」 「浮気なんてしません」 「いつでもあなたを守ります」 「絶対に離しません」 約束です。約束です。 小さな長門に縋る古泉の姿は、信者が偶像に誓言する様によく似ていた。 途方もない願いのように聞こえる、小さな小さな祈りだった。 私はただ、その《指切り》を眺めている事しか出来なかった。 ……あれ、指切り? 「古泉一樹、これと《手を繋ぐ》とは同じ物?」 「行為は同じですが、約束をする時に《指切り》と名前が変わります。お互いの 指を全て絡ませて行うのは恋人同士だけで、普通は小指同士を絡ませます」 「そう」 「少しずつ覚えればいいんですよ。わからない事があって当然です」 「感謝する」 いえいえ、と笑う古泉の顔は曇りなどなかった。 指切り、ねぇ。 本当にあれが指切りなのかどうか、判断する術はないけれど。 それで長門が納得しているのなら、私に文句は何もない。 でも手を結んだままニヤニヤと長門を眺める古泉に、私は彼の脛を蹴らずにはいられなかった。 もしかしたら、宇宙人と超能力者の恋で生まれるものは、端で見ていると否応なく感じるストレスと苛立ちだけかもしれない。 けれどきっと、当事者の彼らはきっと何かしら得るものがあるのだろう。 言葉にできない暖かい気持ち。 それを想像する事しかできない私だけれど。 ただ、祈った。 私に指切りはできないけれど、約束する。 大好きな君達のために、精一杯の努力をしようと思います。 空気は甘く、木々は当然のように青い。 そのように、彼らも幸せであったらいいと思った。 これもまた、途方もない祈りなのかも知れなかった。 今、私は再び学校にいる。 何故だと聞かれれば、成り行きだと言う事しか出来ない。 学び舎に不法進入というのは心擽られるイベントではあるが、しかしながら今現在、私は一匹の猫であり、目眩くロマンスとは無縁の生活である。可愛い女子生徒に声でも掛けようものなら追い出されるのが関の山。据膳食わねど高楊枝、と言う風を気取ってはいるものの、実際悔しくて仕方ない。せめて人の姿であったら誤魔化しようもあるのにと、由無し言を誰にともなく吐き捨てる。 実に実に、不愉快極まりなかった。 事の発端を、私は知らない。 しかしながら朝早くから叩き起こされて、涼宮さんのご所望ですからと無理矢理鞄につめこまれた恨み、いつか必ず晴らしてみせる。 何が涼宮さんのご所望だ。人のせいにして私を苛め倒したいだけに決まってる。 古泉なんて長門に嫌われてしまえ。 ふて腐れて部屋の隅で寝そべっていると、派手な音を立てて扉が開いた。 「やっほぉ……って誰もいないか」 あたしサボりだし、とメランコリックな表情で呟く少女。 って、サボっちゃ駄目でしょうが女子高生。 「みくるちゃんはいないし有希はメールしても反応ないし古泉くんは体育だし……」 なんてつまんないの、と小さな声で呟いて机に伏した。 これって、バレたら弄り倒されるオチか。 四つ足の裏に付くクッションに盛大に感謝しながら、私は見つからないようにそっとドアに向かうが。 「……キョンのばか」 ぴたり、と足が止まる。 なんて面白そうな独り言。 盗み聞く以外の選択肢が見当たらない。 「何よ何よ。お昼にちょっと引っ張って行こうとしたぐらいで、そんな大袈裟に怒る事ないじゃない」 ぶすっと膨れたハルヒは、正直に言おう、私の《どストライク》だった。 辛抱たまらん。 「どうせ谷口国木田あたりと中身ない事ぐだぐだ喋ってるだけのくせに……」 私の誘いを断るなんて信じらんないわ、と表情を曇らせている。 その手には、女の子にしてはかなり大きめな弁当が一つ。見た所、中身は入っていそう。 「もう……」 やってられるかー!と、ハルヒは跳ね起きた。 「何よ!馬鹿!鈍感!なんで弁当箱大きいな、とか昼に誘うなんて珍しいな、とか思わないわけ? 大体私はどうしてあんな奴の事で一喜一憂しなくちゃいけないの?こんなの、こんなんじゃ、こんなのまるで……」 まるで、普通の女の子みたいじゃない、と。そう言って、彼女はまた机に伏した。 独り言と言うには、余りに切なく熱かった。殺人的なまでの、ツンデレだった。 これを黙って見ていなければならないなんて……。 世の中間違っている。 手を差し出したい時に手はない、口を出したい時に声はない。 あるのは毛皮と爪と牙。 ……畜生、と悪態を吐く事さえも冗談になってしまう我が身を恨みながら、私は彼女の足に擦り寄った。 「うわ、ななな何!」 やっぱり訂正。恨んでないです、超役得。ハルヒさんの御足、堪能致します。 「猫?あれ、なんで……」 おい古泉なんでとか言ってるぞおい古泉どういう事ですかコノヤロウ。 「あんた、有希の所の猫ね?なんでこんな所に……」 そういえば私が言ったんだっけ、と毛むくじゃらの塊、つまり私を抱き上げた。 「一人でこんな所にいたの?……もう。古泉くんも有希も叱ってやらなきゃ」 どうやら私は全然ご所望じゃなかったらしい。軽くショック。 「……いいわ。折角だから聞いてくれない?私、愚痴る相手がいなくて困ってたのよ」 「……私は?」 「有希?メールも返ってこないし、忙しいんじゃない? それに、キョンに悪意なしでダイレクトアタックしちゃいそうで怖い、し……。ちょっと、授業は?」 自然に会話に混ざる技術、是非とも伝授して頂きたいのですが、流石にちょっとびっくりします。 長門はまるで部室の備品のように、とても自然に立っていた。 最初からここにいました、みたいな顔して。 「……サボタージュ?」 「なんでそんなことするのよ!ちゃんと出なくちゃダメでしょう!」 「メールが」 「そ、それは昼休み中に済ませるつもりだったのよ……」 長門は窓際にあった椅子をハルヒの真横に持って来て、またも当たり前のように腰を下ろした。 私はいつものように長門の膝の上を独占すべく、彼女の足下に向かう。 「話して」 「うーん……」 「話して」 「メールではそう言ったけど、考え直したらちょっとねぇ……」 長門は私を顔の前まで持ち上げる。 一瞬の浮遊感の後に、望み通り足の上に着地する。 テンションが急上昇するも、何やらいつもとは体勢が違って落ち着かない。 っていうか、人間のように座るのは苦しいから勘弁して欲しいんだけどなぁ。 私の腹を左腕で支えながら、右手で私の前足を握る。 嫌な予感しかしないのに、心の奥で喜んでいる私がいた。 そして、長門は話して、と再度告げた。 ……いやね、長門。 「私は猫」 「え?」 「話して」 「いや、有希は有希でしょう……」 「猫」 「ただの猫に相談なんてしないわ……」 「なんと喋れる猫」 私の手をふらふらと動かす。 「ふーん。名前は?」 「……ねこ」 「え、名前それ?今、適当に決めたんじゃないでしょうね」 「……話して」 声色くらい変えようよ。 ハルヒさん面白がってませんか? 長門で遊ぶのやめてください! 「そうね、有……ねこがにゃって語尾につけてくれたら話すわ」 「わかったにゃ」 「……あ、そう」 さりげなくひどい名前が定着してしまいそう。 いや、それよりも。 にゃって……。にゃって…………。 「成績が上がらないわ」 「あなたの成績はとても優秀にゃ。もし不満なら、更に勉強すべきにゃ」 「友達ができないわ」 「私達はあなたの友達にゃ」 「甘い物が食べたいわ」 「現在、私もあなたも食物を所持していないにゃ」 淡々とした、お悩み教室。 このまま延々と続ける訳にもいかないと思ったのだろう。 ハルヒは躊躇しながら、いつもの笑顔からは考えられないほど、おどおどとした態度で言い出した。 「……きょ、キョンが鈍感なの」 「もっとアピールが必要にゃ」 そうそう、言わなきゃ。 長門にさえ伝えられないのに、キョン相手じゃ喧嘩になるのが関の山だ。 しっかり話して、きっちり悩んで、バシッと告白しちゃいなさい。 どうせ両思いなんだからさ。 ハルヒは何故か、頬を赤らめながら呟いた。 「あ、アピールって具体的には?」 「……胸部を露出するにゃ」 そんなアピールは今時動物でもやらない。 全くもって、けしからん。 は、ハルヒの裸なんて全然本当に想像なんかしてないんだから、勘違いしないでよね! 「有希、まさか古泉くんにそんな事やらされてるの?」 「私はねこにゃ。人間の雄に、強烈にアプローチするために適切だと思われる方法の一つにゃ」 「えっと、ちょっと違うような……」 「恥ずかしがるからいけないにゃ。普通にしてればいいにゃ」 「ただの変態じゃない!」 「いやなら違う方法ですればいいにゃ」 「……キョンはきっと気付かないわ」 「その程度の勇気も出せないのなら、あきらめるべきにゃ」 「そこまで言うの……」 語尾が語尾なので、切迫した感じが見受けられない。 まぁ、ハルヒがそんな感じを狙ったんだろうけれど。 あと、しょうがないからフォローもさせてもらう。 胸部露出騒動は、決して古泉の強制ではなかった。 ただちょっと、お互いの価値観に相違があっただけの、どうしようもないあれでした。 まぁ、このお話は今度にしましょう。 「もー、どうしろって言うのよ……」 ……やれやれ、しょうがないなぁ。 本当はとてもシンプルな答えが目の前にあるのに。 あまりにも単純すぎて、誰の心も引きはしない。 遠回りで、傷つけあって、そうじゃないと楽しくないなんて。 人間の恋愛って、本当に難しい。 「そういう相談には、私よりも古泉一樹の方が向いていると思われる」 「そう、かもね……」 そうだわと、ハルヒは言った。 「古泉くん、男の子だしね。もしかしたらそうなのかも知れない」 「彼ならば、きっとあなたによいアドバイスをくれるはず」 「……聞いてくれてありがとね、有希」 瞳の奥が揺れる。 滅多に見られない、極上の顔だと思う。 自分の在り方を根底からひっくり返されたような、ある種儚げで、空虚な表情。 それでも私は知っている。 その目をした後の長門は、いつもより少しだけ素直。 正しく幼子のように、有りのままを口にする。 「……話してくれて、ありがとう」 思った事を、そのままに。 特に彼女は、言わない感情が多いから。 言葉は、相手の心を深く打つ。 ハルヒも、いつものようにではなく。 月のように、微笑んだ。 お互いに違う形で不器用な、何でもできるもの同士。 惹かれ合う事もあれば、喧嘩だってするんだろう。 それでも願う。 彼女らの間に、障害なんてなければよいと。 いつもこんな風にじゃれあって、仲良くしてくれればよいと。 「そろそろホームルームも終わりかしら?」 「あと三分で終了」 「そう!今日はスペシャルゲストもいる事だし、楽しい活動にするわよ!」 どうやら、思いがけない歓待を受けそうだ。 私は苦しい体勢から脱却し、長門の膝の上で丸まった。 朝っぱらから一人でここにいたのだから、このぐらいの事は許されるだろう。 さて、これは古泉とハルヒの面談もぜひ見物しなければならないと訳の分からぬ義務感に追われながら、私は欠伸を一つした。 束の間の平穏を味わうのだって、悪くはなかろうと思いながら。 「……有希、もう一回鳴いてみて」 「にゃー」 「それ、古泉くん以外の男の子の前でやっちゃだめよ。キョンとかキョンとか」 「……?」 結局一歩も進まないままの、喜劇めいた恋愛相談はこれでお終い。 かみさまの気紛れな暇潰しのお相手は、存外、満更でもなさそうに見える。 これも幸福の一つの形だと、彼女にわかったらいいのにとふと思った直後に、睡魔に敗北した。 瞼の裏に映った長門の顔は、無表情からは程遠く、春の雪のような儚さを持っているような。 そんな気がした。そんな夢を見た、気がした。 「しまって!長門さんしまってください!」 「何故?人間の男性として正常な生殖機能を備えているなら、女性の裸体には恐怖よりもむしろ歓喜を」 「しまってください!!!」 古泉の悲鳴は、ご近所一体に響き渡ってもおかしくないだろう大声量であった。 マンションなのだから、もう少し気を使えと思うのだが、私はそれを伝える術を持たない。 古泉は壁際まで一気に下がり、何も見るまいとぎゅっと目を閉じている。 そんな情けない超能力者に、長門は少しずつ近づいて行った。 説明させて頂く前に、まずは古来の形式に則って自己紹介をさせて頂こう。 吾輩はねこである。名前がねこである。 何処で生まれたものか、とんと見当も付かないが、坂下のコンビニなる商店の近くで拾われた事は鮮明に覚えている。 飼われている身として、飼い主たちに対するフォローをするのは義務なのかもしれない。 そんなあやふやな思いから、この日の思い出を語る事にした。 何度でも申し上げよう。決して、二人とも悪くはなかったのだ。 私が長門の異変に気付いたのは、事件の少し前。 継続的に警鐘は鳴っていたにも関わらず、それはどうやら超能力者の耳には届かない仕様だったらしい。 単刀直入に申し上げれば、長門は悩んでいたのだ。 こと古泉に関して言えば、相談相手は私ぐらいではなかろうか。 いや、ハルヒや朝比奈さんにに相談する事もあったのかもしれない。私には窺い知れないが。 そうそう、長門のお話。 何といっても食欲不振が顕著だ。分量だってカレーライスを2杯ほどになってしまった。 そして一番の変化が読む本の種類。 《あなたを魅力的に見せる30の方法》 《草食系男子のオトシ方!》 《衝撃の告白―同性愛編―》 うん、何これ。 「興奮した?性的な意味で」 「僕ムードとか大切にしたいタイプなんですが!」 「そう、あなたはやはりホモセクシュアル」 「違います。どこでそんな言葉を覚えたん……涼宮さんですか!」 「違うのなら証拠の提示を求める」 「あの、僕たち好意を伝えあった仲だと思うのですが……」 「カモフラージュの可能性を捨て切れない」 「そんなわけないでしょう!」 私が思うに、キョン辺りがぼやいたのを、誰かが面白がって大袈裟にした噂だ。 愚痴る友達は選んだ方がいいという教訓になる。 古泉がホモセクシュアルであると耳にした長門が、一体どのような段階を経て半裸で古泉に迫っているのか。 そこには彼女なりの論理が存在し、私や古泉のごとき下賤の民には理解しがたいものなのだろう。 古泉に盾突く長門。大いに結構ではありませんか。もっとやれ、やっちまえ。 ただ、苦言を呈すべきなのはやはり格好だ。 半裸って何、長門さん! 下は制服って何、長門さん! 「僕、何か悪いことしましたか?」 古泉はマジ泣きだった。彼女が半裸で「お前はホモである」と主張している。 泣きたくなる気持ちもわかるし、針の先ほどで良ければ同情もしよう。 ただし、この異常行動の原因は古泉のそんな態度にこそあった。 「何もしていない」 何もしないから、だめなんだって。 「ですよね!じゃあなんでそんな嫌がらせをするんですか!」 違う、古泉。 嫌がらせなんて言っちゃいけない。長門なりに頑張った、精一杯の愛情表現だ。 それをあんたは、踏み躙って泥まみれにしている。 俯いて黙る長門は、私が今まで見た中で、一番悲しそうな顔。 いつだって、いつだってそう。 こいつらは足りない言葉で全てを伝えようとする。 機微を伝える術を持つ古泉は何も言わず、長門は伝える術を持たない。 誰かが助けてやらなくちゃ、一歩たりとも進めない。 まったくもって焦れったい。私が頑張るしか、なくなってしまうではないか。 そんなことのために拾われたんじゃないはずなんだけどなぁ、と思いながらも、世話を焼かずにいられないのは長門の可愛さ故。断じて古泉などのためではないが、結果として古泉が喜ぶ形になるのが実に実に忌々しい。 取りあえず、その辺にあった衣類を彼女の足元まで引き摺る。 恐らく古泉の物であろう。片付けなんて私にだって出来るのに。 「……着るべき、なの?」 話はそれからにしましょうか、長門さん。 素直に着衣する彼女を尻目に、私は古泉を威嚇する。 「ちょっ、僕は何も悪くないでしょう……」 黙りやがれこのホモ野郎。てめぇのその賢い頭使って、少しは解決策見つけようとしろや。 伝える術を持たない私はただただ思う。 なんで聞いてやらない。 なんで話してやらない。 なんで言ってやらない。 長門が欲しいのは、否定でも言い訳でも慟哭でもない。 女心も把握しないで、どうやって世界なんざ守るんだよ。 「どうしてこんな事をするんですか」って。 (嫌がらせだなんて言いやがって) 「僕があなたにキスもしないのは、正直手を繋ぐだけでもいっぱいいっぱいな程に緊張しているからです」って。 (本当はムッツリなくせに。私にだってそれくらいわかる) 「僕はそれほどまでに、あなたを愛しているのです」って。 (長門が求めないからって、言わなくていいわけないじゃないか) 何もしないで伝わると思うなんて、酷い男だ。確かに、言葉に意味などない。 誰もが薄々、サンタクロースの正体くらいには勘付いているその事実。 それでも、人間には言葉しかないのだから。もっと言葉に対して、真剣かつ誠実でいなければならないと言うのに。 甘えるなよ、古泉。長門に甘えるな。今のままのお前なんて、救いようのない阿呆だ。 こんなんだったら、私が。 この私が、長門を――――。 「長門さん……」 「……何?」 「機嫌を直してはくれませんか?」 「私は今、正常な状態にある」 「じゃあ、どうしてそんな……。そんな顔で泣いているんですか?」 泣かないで下さい、お願いします。 そう言って手を差し延べる古泉は、まるでおとぎ話のおうじさま。 我らが白雪姫に躊躇無く触れて、遠くお城に連れて行ってしまう。 「泣いてなどいない。人間にとって泣くと言うのは声を上げ涙を流す事。私はそのような状態ではない」 羽織ったワイシャツをきりきり握り締めて古泉を見上げる長門の目に、涙は確かに浮かんでいない。 浮かんでなど、いないけれど。 「わかりますよ。あなたが泣いているか、いないかぐらいは。だって僕は、あなたが好きで好きでしょうがない」 しがないヒーローですが、なんて気障ったらしく笑って、長門の手を脆い物を持つようにそっと握る。 「先ほどは取り乱してすみません。どうしてそんな事言うんですか?僕の事、信じられませんか?」 白雪姫の無言のSOSを受け取れなくちゃ、王子でいる資格なんて無い。 私は生きている。あなたのキスを、愛の言葉を待っている、なーんて。 まったく、恥ずかしいご主人共だ。 私はどんなに頑張っても、単なる飼い猫で。 こんな状況にもちゃんと応じられる古泉は、やっぱり根っからのヒーローなわけで。 「もういい」 「な、長門さん……」 そんな、とか言いながら情けない顔を晒すそいつの事でさえ、許してしまう長門だから。 「満足」 「何が?え?」 私は抱き締めて撫でくり回して、応援したくなってしまうのです。 「もういいんですか?疑い晴れました?僕、ちゃんと女性に興味のある人だって、わかってもらえました?」 こいつはやっぱり、まだまだ全然わかってないけど。 ま、長門が認めてるならそれはそれで良いでしょう。 「もう一回、好きって言って」 「……っ、今の誰かに教わったんですか?」 「単なる願望」 「光栄です……」 顔を真っ赤にしながら、隠し切れないニヤニヤを零す古泉のだらしない表情! 前言撤回、長門はやっぱり貴様にはやらん! 私は決意も新たに、爪を出し、古泉の靴下を強く踏んだ。 「好きで、痛!痛い、こら!痛、血が!」 「ユニーク」 今日はこのくらいで許してやろう。一応、長門は満足しているんだし。 だから、私は知らない。背後の男女が小さく愛を囁き、抱き締め合っている事なんて。 今までの埋め合わせかのように、好きだの愛してるだの、ピンク色の声が舞い狂っている事なんて。 所詮は蛇足にすぎない。白雪姫は、幸せなのだから。ドワーフ役にすぎない私には、物語には。 何の関係もないお話だ。 「長門さん、長門さん! 好きですよ!」 「もう良い、分かった」 関係ないんだから、腹も立ててはいけません。 自分に精一杯言い聞かせて、私は情報の取得を止めた。 今日も、平和で何よりです。いや、ほんとに。 吾輩はねこである。名前がねこである。 どこで生まれたか、とんと見当がつかぬ。 ある商店の近くで、珍妙な組み合わせではあるが何かと息のあっている宇宙人と超能力者に拾われた。 二人で飼う、なんて名目で半同棲状態。 まぁ詰まるところ、甘さに当てられっぱなしだ。 と、それっぽい言い回しから始めてみるこの話。 私の大切な日常の事だ。 長門がいて、私がいて、ついでに古泉もいて。 もう私にしか語れない、甘やかな日常。 戻らない毎日。 日溜まりのように幸せな、あの休日の昼間の事。 「古泉一樹」 愛すべき我がご主人、長門が恋人を呼ぶ。 ただし、前文から一般的に想像されるようなテンションとは真逆の、絶対零度の目線と口調で。 今度は何をなさってくれやがりましたか、古泉。 「冷蔵庫の中の私のプリンがない」 「え、あのプリンなくなってましたか?」 「白々しい」 うさん臭い笑顔だ。私はこれがどうにも気に食わない。 笑うならきちんと笑えばいいのに、中途半端に顔を捩じるから泣き顔に見える。 まぁ、そんなことはどうでもいいのだけど。 長門はと言うと、名前を書いたのにと珍しく自己主張。 ちなみに名前を書かないと確実に古泉が食べる。 意外と悪戯好き、と呟く長門のかわい――そうな顔を見たのは一度や二度じゃない。 しかし対する古泉はまだ嘯く。 「名前ですか。書いてありましたね。だから僕は手を付けなかった。 実においしそうでしたけどね、焼きプリン。――――にもかかわらず」 まるで、探偵のように。 見得を切ってから。 「いつの間にか消えていた。 まさにミステリーじゃないですか」 肩を竦め、やれやれというような仕草をしてみせる。 満面の笑みは、そいつを知らなければ確実に疚しい所などないに違いないと思わせるほどにはよく作られていた。 僕じゃありませんよ、みたいな。 嘘つき古泉。私はしっかり見ていた。 ぽんと手を打って、そうですよと悪魔がのたまう。 「ねこが食べたんじゃないですか?」 責任擦り付けやがった、このニヤケ野郎。 長門の罪なら喜んで承るが、野郎、特に古泉からの濡衣なんざ死んでもごめんだ。 と、抗議の意を一言で表現する。 「あなたとねこを一緒にしないで。物理的に不可能だし、この子は利口」 私を優しく撫でる長門。 喉がぐるぐると。 貴様の普段の悪行は、宇宙人様にはまるっとお見通しなんですー。 ざまあみやがれと、見えないように舌を出した。 「僕が食べたという証拠はないでしょう」 「ない。でも状況証拠は十分」 「状況証拠だけでは不十分です。疑わしきは罰せずですよ、長門さん」 む、といつも無口な彼女がさらに無口になる。 黙ってても絵にはなるが、私の好みでない事は確か。 こんな黙り方なら尚更だ。 原因のはずの奴は、疑われたままってのも嫌ですし、と普段通り飄々と言う。 「無実証明、しましょうか」 「どうやっ……」 あ、そう言うオチ? なぜ長門の言葉が途切れたか、聡明な皆さんならもうおわかりだろう。 私や皆さまにとって、かなり腹立たしいことだと言うのが第一ヒント。 あぁ、甘ったるい。見てられない。 長門に抱かれたままだったので、古泉に噛み付くのは容易だった。 「……痛」 それを合図のように離れる二人。シカトすんな、馬鹿泉。 「ねぇ長門さん、プリンの味しました?」 「した。やっぱりあなたが食べた」 「おや、おかしいですね。するはずがないのに」 もう一回確かめてください、だとさ。 あぁ、甘ったるい甘ったるい。砂糖吐きそうだ。 長門が幸せそうだから、許してやりますけどね。 ちょっとどころでなく、腹立つけど。 まぁ、たまになら。 私がお邪魔になってしまうほどの戯れ合いがあるのも、悪い事では。 「……何?」 「可愛いなって思ってたんです」 「……不可解」 幸せそうな二人の顔を見ていると、本当に何もかもどうでもよくなってしまって。 私は外にでも出て行こうかと、ぼんやり思った。 ・・・・・・、本当にたまにだけならね! たまには古泉が攻めだって、長門が「あたしのプリン食べたでしょ!!」って言ったっていいじゃない保守。 さて、梅雨のある日、私は散歩に出る。 私は雨の日が好きだ。何と言っても世界の景色全てが素晴らしい。 世間一般の猫は水を嫌がるらしいけれど、わたしにはその気持ちがさっぱり理解できない。 こんなにも世界が優しくなって人気の少ない午後の日を、外に出ないで過ごす? 人生の、失敬、猫生の半分以上を損している。 雨の素晴らしさとか、何処で爪を磨いだら気持ち良いかとか。 そんな本当にくだらない事柄を考察しながら歩いていると、幼めの二つの声が聞こえてきた。 「あー!ねこだねこ!猫がいるよ、ミヨキチ!」 「本当、雨なのにね。あぁ、びしょびしょ……」 小学生と思しき女子が二人、こっちに来る。 一瞬だけ昔を思い出して身を固めるが、彼らのような人間ばかりではないと日々学んでいる最中だ。 しかも、口調からして心配してくれているようだ。もちろん、わざわざ逃げることはしない。 「おとなしー!すごーい、逃げないよ!?」 「きっと飼い猫だよ、首輪もついてるし」 視界が高くなり、雨の匂いが弱くなる。抱き上げらてしまったようだ。 子供の視線の高さは初体験だが、この景色もなかなか悪くない。 世界が広く、見えない素晴らしい出会いがどこかに転がっていそうな。 希望に満ちた、視界だった。 「風邪引くよ。だめじゃない、おうちにいなきゃ」 どうやら傘に入れてくれるらしい。必要ないのに。 「うちのシャミとは全然違うねー。しゃべんないよ、この子」 「鳴く、だよ。映画じゃないんだから、猫はお喋りしないよ」 小学生女子の、たわいもないお喋りを聞く機会にはなかなか恵まれない。 一言一句逃すまいとは思うが、どうやら彼女らは自宅に向けて歩き始めるようだ。 このまま抱かれている事には何の不満もなく、むしろ望ましい展開ではあるが。 そちらは個人的に歩いた事のない道だ。つまり、帰れなくなる。 名残惜しいけれど、そろそろお別れを選ぶべきだろう。 そう決心をして、飛び降りようとしたとき、私の飼い主の声が聞こえた。 「ねこいた。あっち」 「ようやく見つけた……。ってあれ、一緒にいるの彼の妹ではないですか?」 「わー、古泉君と有希だぁー!」 「知ってる人なの?」 どうやら古泉の口調からして、この元気なポニテっ娘はキョンの妹らしい。 似て……ない気がする。似てるのかもしれないけど、性格が違いすぎる。 人間とは斯様に不可解なものだ。なんでおなじ親から生まれてこんなに違うんだ。 思わず二度見するも、邪気のない笑顔がこちらを見つめているのを確認するだけに終わってしまった。 そして気づく。私がいない間になぜ相合傘をしてるのですか、長門さん? いつもより口角が二ミリほど上にありますね。うれしいんですか、相合傘。 幸せなのはわかるけど、小学生の前なんですから自重するとか離れるとかした方がいいと思います。 そう念じても、まぁ通じるとは思っていない。私の思いに関係なく、抱き上げてくれている彼女は自己紹介をした。 「お兄さんのお友達だったんですか。はじめまして。私、彼女の友達の吉村美代子と申します」 「ご丁寧にどうも。古泉一樹と言います」 「長門有希」 お見合いのような空気だ。 いや、お見合いした事ないけど。 「一方的にですが、お名前は存じておりますよ」 くすくすと、と言えばいいのだろう。古泉は気色悪い笑顔とともに語る。 「彼が、あなたと映画に行った時のことを話してくれたことがあります。 いやいや、お楽しみだったみたいですねぇ。そういえば、その映画のできた背景ってご存知で」 「話が長い。後でいい」 長門にしてはきつい言葉だな、なんて思うけど。 そんな子じゃないのは、私以上に古泉がよく知っている。 いやな顔一つせずに、というか一層笑みを深くした。 「濡れてる」 「え?」 そう、濡れ鼠だった私を抱き上げた彼女、ミヨキチが濡れていないわけがない。 猫の癖に鼠とは、これ如何に。 長門は手早くミヨキチから私を引き剥がし、タオルに包み抱きしめる。 「服、乾かすから、来て」 「有希のおうち? ミヨキチ、行こう行こう!」 「これくらいなら大丈夫ですよ? どうぞ気にしないで」 「来て」 「で、でも」 「来て」 「いらしてくださった方がこちらとしてはありがたいです。 長門さん、頑固ですし、きっとあきらめないですよ」 そういえば忘れていたけど、こいつはそこらの女子なら半分は振り返るようなイケメンだった。 すぐそこですからなんて、にこにこしながら言われたら。 「じゃ、じゃあお言葉に甘えて……」 小学生の女の子なんかイチコロだな、古泉、いやロリズミよ。 そうなんじゃないかと思っていたんだ、うすうすと。 いや、長門がそういう系だとか、断じて思ってないけどね? 「ねーねー、有希のおうちどっちー?」 「あっち」 「あのマンションですよ」 「おっきいー!!」 いまだに相合傘のままの二人を羨ましそうにながめるミヨキチの顔は、ありがちな恋に恋する少女のそれではないように見える。古泉を誰かと重ねているような、長門を自分と重ねているような。決して自分はそうなれないと知っているような。 小学生の女子がそんな顔するもんじゃないと思うんだけど、と懸念していると、ばちりと目が合ってしまった。 本当にごめんね。でも幸せそうだろ、そっとしておいてあげてね、と心の中で呟く。 ミヨキチの叶わぬ恋のお相手を夢想しつつ、自己嫌悪。 あぁ、なぜ私は犯罪者の肩を持たなければならないのだろう。 しとしと、から、ざーざーという効果音に変わりつつある、 低い天の涙を見ながら、私はそんな、捻くれたことを思っていた。 マンションまでは、もう少し歩かなければならなかった。 「服、乾くまではこれを」 「ありがとうございます」 古泉を追い出して、着替えている女の子三人を見つめながら、私は姦しさの欠片もないこの空間、雰囲気を楽しんでいた。有希のお洋服可愛いー、とか、これ、どこで買ったんですか、なんて普通の女の子みたいな会話を、ちゃんと成立させている。いささかぶっきらぼう感はあるけれども、丁寧に答える長門に安堵して、孤独にされた古泉でもかまってやるかと部屋を出ようとすると。 「お、おねえさん……」 ミヨキチが大変言いにくそうに不具合を訴える。 「せっかく子供時代の服出してもらって悪いんですけど……ちょっと、きついです」 おなかは見えてるし袖も足りていない。 少しだけ、胸囲も足りていないかもしれない。 確かそれは、今現在、長門が部屋着としているもの。 子供時代の服なんかではない。 それってつまり……、そういうことだ。 「なら、こっち」 情報操作を施したんだろう、彼女にぴったりのサイズの服を出す。 「すみません、ありがとうございます」 恥ずかしそうに言うミヨキチには、悪意の欠片もなかった。 そう言っておこう。思っておこう。じゃなきゃ困る。すっごく困る。 いや、て言うかミヨキチの発達が素晴らしいだけだし。全然、長門とか普通だし。 寂しそうな目で部屋着を見つめる長門から、変な色をしたオーラが出ているような気がした。 みんなでお茶を飲んで、小学校の話をしたり聞いたりして。 そんなまったりした午後は、乾燥機の音を合図として終わった。 「帰れますか?送りますよ」 「だいじょーぶっ!ありがとー、古泉くん!」 「何から何までお世話になってしまって、すみませんでした」 「いい。ねこを見つけてもらったお礼」 言っておくが、私は別に迷子になってたわけじゃない。 飼い主ってのは本当に勝手。そもそも野良だったんだから、心配など無用なのに。 ばーいばーいと傘を振る彼女と会釈をして前を向くミヨキチに、私の手をもってそれをぶんぶん横に振る長門。 そんな小技を仕込んだのはきっと古泉だろう。あとでしばく。 その小さな背中が見えなくなるまで、長門は読めない瞳で彼女たちを見つめていた。 小さなお客さま方のお見送りが終わり、私たちは部屋に戻る事となる。 マンション内で誰ともすれ違わなかったのは、時間帯のおかげだと信じたい。 まず、口を開いたのは長門。 「古泉一樹」 「なんですか?」 「私は今、とても傷ついている」 「……一応、理由をお聞かせ願えますか?」 「服」 「はぁ。服ですか」 「彼女の丈と合わなかった」 「そういうこともあるんじゃないですかね」 かなり珍しいケースだと、思いますけどね。 成長期真っ只中、五歳差と言えば結構な体格差が出て当然だ。 いろいろ、思うところもあるだろう。 「悔しい」 「あの、サイズは人それぞれですし、大きければ勝ちというものでもないですし」 「胸囲が」 「そんなの、関係ないですよ」 「でも、大きいほうが。生物学的に考えても」 「……いいんです、長門さんなら」 時が止まった。 あまーーーーぁい、とか叫んでやろうかと思った。 「恥ずかしい台詞」 「本当の事を言っているだけですよ」 まて、古泉。近い。よるんじゃない待て。長門に近いぞ。顔が近い! 「悩まないでくださいよ、そんなことで。長門さんがどんなスタイルだろうと、どんな性格だろうと、どんな顔だろうと。僕は、長門さんが長門さんだからそばにいるんです。離れたりなんか、しませんよ」 してあげません、とか。 二人の表情がフォンデュのように蕩けていくのが目視出来た。 「……買い物行く」 「あ、照れてます?」 「どちらかというと、あなたのほうが照れてる。顔真っ赤」 「慣れてないんですよ、それだけです。ところで、買い物ほんとに行くんですか?」 「顔の真っ赤なあなたを連れて練り歩く」 「誰かに見られたらどうするんですかっ! 僕が必死に作り上げてきたキャラクターが!」 「スリリング」 もう、長門さんは! と言って長門を抱きしめる古泉。 長門がいまだふぐふぐ言ってるけど、正直くぐもってしまって聞こえない。 聞こえなくて正解だったんだと思う。これ以上は、胸やけを起こしてしまう。 あぁ、どいつもこいつもいちゃこらいちゃこらしやがって。 梅雨だって言ってるだろ。恋人たちの季節には遅すぎて、刺激的な季節にはまだ早いんだ。 独り身の悲しさを霧散させるためには、罵倒をするしか方法はないのかと、天を仰いだ。 見事な夕日だった。 空がオレンジに染まって、小さく千切れた雲が形容しがたい色に染まっている。 こんな夕日を見るのは初めてだった。世界の終わりのような、荘厳さを持っていた。 一瞬だけ、ほんの一瞬だけ。 何もかも忘れて、この空気に溶けてしまいたいと願った。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/36921.html
登録日:2017/05/23 (火) 00 32 06 更新日:2022/07/09 Sat 23 02 19NEW! 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 17年春アニメ ue すかすか アニメ サテライト ライトノベル 妖精 枯野瑛 終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? 終末系ヒロイン 角川スニーカー文庫 「生きたいと思っても、いいの?」 「本当に、そんな願いを持ってしまっても、いいの?」 『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』とは角川スニーカー文庫から発売された枯野瑛によるライトノベル。イラストはueが担当。 全5巻。外伝1巻。 2016年から続編の新シリーズ『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?』が刊行されている。 略称は「すかすか」 「このライトノベルがすごい!2016」新作部門2位。 2017年4月よりアニメ化。 ストーリー 「いま俺は、彼女たちの終わりに手を貸している―――」 地上を正体不明の怪物である〈獣〉たちに蹂躙され、 人間を含む多くの種族が滅ぼされた後の世界。 かろうじて生き残った種族は地上を離れ、 浮遊大陸群レグル・エレと呼ばれる空飛ぶ群島の上に暮らしていた。 500年後の空の上で目覚めたヴィレム・クメシュは、守りたかったものを守れず、 それどころか自分一人だけが生き残ってしまった絶望から世捨て人のような生活を送っていたが、 思いもよらず始めた兵器管理の仕事の中で、ある少女たちと出会う。 妖精兵器と呼ばれる少女たちと 生き残った準勇者との儚くそして切ない物語。 (アニメ公式サイトより) 登場人物 ()内はルビ ヴィレム・クメシュ 声 – 新井良平 本作の主人公。 この世界に生き残った唯一の”人間族”(エムネトワイト)。 元々は本編より500年前の時代に生きていた人間 500年前は当時人類と敵対していた”星神(ヴィジトルス)”と呼ばれる存在と戦う”準勇者(クアシ・ブレイブ)”であったが、戦いの中でそのうちの一人と相打ちになり、石化した。 その結果、”獣”との戦いで地上と人類が滅びた災厄を免れ、500年の時を経て復活、人間族の最後の一人となった。 浮遊大陸群(レグル・エレ)のなかで唯一、聖剣(カリヨン)〔浮遊大陸群では遺跡兵装(タグウェポン)と呼ばれている〕の本来の使い方を詳しく知っている。 500年前は準勇者の中でもかなり強いほうであったが、500年間の石化の後遺症により現在はまともに戦える状態ではなくなっている。 自分一人だけが生き残ってしまった事実に絶望し、また、石化の治療費などのために負った莫大な借金を返すために無茶な生活を繰り返していたが、友人であるグリックの紹介で68番島・妖精倉庫の管理人の一人になる。 シニカルな性格を装っているが、本来は人情家で激情的な一面があり、何かに一直線になると周りが見えなくなる。 養育院の出身であり、子供の世話には慣れているが、女性はやや苦手にしている。 クトリ・ノタ・セニオリス 声 – 田所あずさ 本作のヒロイン。 妖精兵の一人で、最強の聖剣セニオリスを振るうことができる少女。 蒼い髪と蒼い目が特徴。 かつて戦死した先輩の妖精兵から譲り受けたブローチと28番島でヴィレムに買ってもらった帽子が宝物。 現在の妖精倉庫の妖精の中では最年長。 背伸びして大人ぶるところがあり、子供扱いされると不機嫌になる。 純真だが素直になれないところがあり、ヴィレムに惹かれているがそれをなかなか認められない。 予知された次の”獣”とのの襲撃の中で妖精郷の門自爆することを求められており、本人も長い時間をかけてそれを受け入れていたが、ヴィレムに別の道を示され、次第に考えを変え始める。 ネフレン・ルク・インサニア 声 – 上原あかり 妖精兵の少女の一人。聖剣インサニアを扱う。 褪せた灰色の髪でやや小柄。 クトリやアイセアと同じく成体の妖精の一人で、よく三人で一緒に行動する。 読書が好きで知識は豊富。 判で押したような無表情で、滅多に感情を表に出さず口数も多くはない。 しかし、表に出さないだけで無感情というわけではなく、割とノリがよく、気遣いもできるほうであり、他者に対してはむしろかなり敏感。 アイセア・マイゼ・ヴァルガリス 声 – Machico 妖精兵の少女の一人。聖剣ヴァルガリスを扱う。 稲穂のような色の髪が特徴。 イラストにある猫耳は髪をセットしたもの。 クトリやネフレンと同じく成体の妖精の一人で、よく三人で一緒に行動する。 口数が多く、常に明るいムードメーカーだが、本当はクトリやネフレンよりもずっと冷静で冷めたところがあり、その感情を茶化してごまかす。 一方でかなりの仲間思いで、仲間たちのことは真剣に思いやっており、彼女たちにはまっすぐな感情を向けることもある。 ナイグラート 声 – 井上喜久子 妖精倉庫の管理人の一人である”喰人鬼(トロール)”の女。 緩やかに背中まで伸ばした淡い赤毛が特徴。 元々はサルベージャーの仕事をしており、地上に降りて探索をしていた際に石化したヴィレムを発見した。 世話焼き屋で家事全般何でもできる。 ヴィレムたちに対してしばしば「食べちゃいたい」などと物騒なことを言うが、その9割方はブラックジョーク。 しかし、68番島の妖精倉庫以外の住民からは「赤い胃袋」と呼ばれて恐れられている。 妖精倉庫の管理人として表向きは淡々と妖精兵たちを戦地へ送っているが、本当はそのことについて誰よりも心を痛めており、妖精兵が戦死するたびに八つ当たりもかねて山へ狩りに行く。 グリック・グレイクラック 声 – 千葉繁 緑鬼族の男でサルベージャー。 地上で石化したヴィレムを発見した人物の一人。 理性的かつ理屈屋だが、人情家でいい奴。 ヴィレムの数少ない友人。 彼自身も無茶を重ねるヴィレムのことを心配しており、それゆえ「楽で報酬が多い」と聞いていた妖精倉庫の仕事をヴィレムに紹介した。 ライムスキン 声 – 小杉十郎太 爬虫種の軍人。一位武官。 クトリたちの部隊の上官。 小難しい言い回しを好み、”戦士”という言葉に強いこだわりを持つ。 公明正大な人物で、クトリたち妖精兵を戦場に送り込む立場である一方、クトリたちのことを最大限に尊重する立場をとる。 アルマリア・デュフナー 声 – 佐藤聡美 500年前、ヴィレムと同じ養育院にいた娘。 ヴィレムが養育院の最年長であったことから、ヴィレムのことを「おとーさん」というあだ名でよんでいた。 彼女との約束を守れなかったことがヴィレムにとって最大の心残りになっている。 用語 黄金妖精(レプラカーン) クトリたちの種族。 自身の死を認識できないほど幼くして死んだ人間の魂を転生させることで生み出された人工の種族。 それゆえ厳密には生命ではなく死霊の一種ともいえる。 全員が例外なく女性として生まれてくる。 現在のところ浮遊大陸群で唯一聖剣を扱うことができる種族であり、”獣”と戦う兵士となった黄金妖精は妖精兵と呼ばれる。 また、魔力を暴走させて意図的に自爆することも可能。その行為は「妖精の門を開く」と呼ばれており、本人の命と引き換えに絶大な破壊力を発揮する。 浸食 黄金妖精に起きる特有の現象。 死した魂の転生体である妖精たちが前世の記憶を思い出すことで発症する。 浸食が進むと記憶障害などを引き起こし、さらに進むと人格が上書きされたり、人格が破壊されて死に至ることもある。 また、魔力を多く使うと浸食が進みやすくなる。 “人間族(エムネトワイト)” かつて、地上をほぼ支配していた種族。 その勢力の大きさゆえにオークやエルフ、星神などの他の種族と、領土などの様々な問題でぶつかっては戦争を繰り返していた。 物語開始の500年ほど前に突如出現した”獣”との戦いに敗れ、滅亡した。 現在の生き残りはヴィレムただ一人。 “獣” 500年前に人間の帝国中央から突如現れた17種類の獣の形をした災厄。 圧倒的な強さと破壊力を持って、人間族をはじめとした当時地上に生きていたほぼすべての種族を瞬く間に滅ぼし、今もなお地上を支配している。 それゆえ現在、生き残った者たちはみな百を超える浮遊島の集合体である浮遊大陸群で暮らしている。 獣はみな空を飛べないので浮遊大陸群にやってくることはないが、唯一”六番目の獣”と呼ばれる種類の獣だけは自身の分体を飛ばすことで浮遊大陸群に攻めてくる。 現在判明しているのは 月に嘆く最初の獣(シャントル) 穿ち貫く二番目の獣(アウローラ) 捩じれ呑み込む四番目の獣(レジテイミターテ) 広く包み込む五番目の獣(マテルノ) 深く潜む六番目の獣(テイメレ) 重く留まる十一番目の獣(クロワイヤンス) 輝き綴る十四番目の獣(ヴィンクラ) いずれ訪れる最後の獣(ヘリテイエ) の7種。 聖剣(遺跡兵装) 500年前、多くの種族と戦争を行っていた人間族が生み出した兵器。 20個以上の雑多な護符を剣の形に結び付けたもの。 浮遊大陸群の人々は強力な力を持った剣だとしか考えていなかったが、その実態は相手の力を利用し、戦力差を覆すための武器である。 現在浮遊大陸群で聖剣を扱えるのは黄金妖精のみ。 サルベージャー 獣の支配する危険な地上に降り、すでに失われた武器、資材、技術を空へと持ち帰る宝探しを生業とする者たちのこと。 グリックとナイグラートはこの仕事をしており、その際に石化したヴィレムを発見した。 魔力(ヴェネノム) 心臓に魔という日を燃やし、得られるエネルギー、生命力と相反しているエネルギーであるためHP↓=MP↑↑ということしかし魔力を使える者が限られている というか使えるのは主人公と妖精たちのみと思われる 妖精郷の門を開く + 以下鬱要素 魔力を過剰使用させることでヒロインたちを魔力中毒にさせ魔力を暴走させ強力な爆発を起こすこと レプラカーンのみその様に言う 要は自爆 追記・修正はセニオリスに貫かれるか妖精郷の門を開いてからてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ……問題児もそうだったけどなんで近年のラノベってタイトルが長いのが多いの? -- 名無しさん (2017-05-23 00 35 33) ↑ その方が興味持って手に取ってもらえるから。どれだけ素晴らしい内容の本でも興味持たれなければ埋もれるだけよ。業界で生き残るための戦術の一つなんだから受け入れよう -- 名無しさん (2017-05-23 00 40 33) 秋葉原の駅でタイトルだけよく見かける -- 名無しさん (2017-05-23 01 17 09) 昔、終末の過ごし方ってエロゲがあったなぁ -- 名無しさん (2017-05-23 01 48 59) そういえば最初は打ち切りが決まったけど、電子書籍の売り上げがいいからと続行する事になったんだっけか -- 名無しさん (2017-05-23 02 33 44) ↑ライジングインパクトみたいな経緯があるのか… -- 名無しさん (2017-05-23 08 57 27) アニメから入るとCMで展開のネタバレが… -- 名無しさん (2017-05-23 10 23 34) タイトルで損してる気がする -- 名無しさん (2017-05-23 13 15 20) ごまおつとのコラボも発表されてたな -- 名無しさん (2017-05-23 14 12 38) 略称がすかすかになるのは座布団一枚あげたい -- 名無しさん (2017-05-23 20 55 55) コメディとかギャグ作品じゃなかったのか…(困惑) -- 名無しさん (2017-05-24 10 12 47) 表紙絵がとてもかわいかったのが印象に残ってる。読んだことないけど。あの絵、駒都ゆーじさんだったっけ? -- 名無しさん (2017-05-24 10 17 35) ↑2終末ってなってる時点でギャグやコメディはあっても添え物だってのは分かりきってるし… -- 名無しさん (2017-05-24 12 58 20) あらすじや用語見て、鋼の大地思い出したの俺だけでないはず -- 名無しさん (2017-05-24 18 06 46) 読んでて割と鬱になる -- 名無しさん (2017-05-24 23 08 51) タイトルで誤解していた。意外とシリアスなのか -- 名無しさん (2017-05-25 12 13 52) 1巻のラストは文章の巧みさも相まって鳥肌たったわ -- 名無しさん (2017-05-25 14 54 40) とてもいい作品。 -- 名無しさん (2017-07-23 17 38 59) ただ頭お花畑大団円ハッピーエンドが好きな自分には読んでてつらい -- 名無しさん (2017-07-23 17 39 52) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ogasawara/pages/604.html
きみこ@FVB様からのご依頼品 海法よけ藩国の山岳地帯にはダムがあることは有名な話である。そのダムの下に秘密戦艦が眠っていたことも大分有名である。 かつて秘密戦艦が眠っていた洞窟、その闇に前後真っ二つにされて改装を行われている潜水艦が浮かび上がる。 その名を夜明けの船という。 奥を見ると、同じ形をした艦が更に7隻建造中という驚異の開発ラッシュ。 これはそんな場所で起きた食と人間を巡る愛と笑いと感動と突っ込みとバイオレンスのドラマ。 「そう、でちらし寿司だね」 夜明けの船の前に設営された特設調理台。その上には色とりどりの食材が並べられている。 エプロンを着たにこにこと笑う青年の名はアーシュラ・アツシ・リアティ。もっとも一般的には青だとかあっちゃんだとか希望の戦士と呼ばれている人型傍若無人兵器である。 その横にはつい今しがた傍若無人振りを目の当りにしたFVBの5人組-藩王さくらつかさ、摂政-と何事かで打ちひしがれている少女である。 元美少女による銀河帝国、通称ネーバルウィッチのエステル・ヴァラ・夜明けの船氏族・夜明けの船・ヤガミ(らしい)は辱めを受けました、とうなだれている。 「ちょ、ちょっと待ってー!今そういう状況じゃないから!」 慌ててきみこが寄り添ってごめんねごめんねと必死に励ます。そんなフォローを横目にさくらつかさはきょろきょろと周りを見回した。 「というか、舞ちゃんはどこに?一緒に作るの楽しみにしてるのですが。」 「舞? 舞なら今は小笠原かなあ」 のほほんと愛する人の事を答える青。その向こう側ではケーキを食べている第4異星人、イカナ=イカンがくるくると手(触手)を上にかざして踊っている。 にやりと笑ったさくらつかさが一緒に踊りだすのを栗田雷一はガクガクと震えながら見ていた。 先ほど身体半分ほどイカナの群体に食われかかったのがトラウマになっているらしい。 「えーと、えーと、うん、お祝い料理はじめましょう、うん、美味しいもの食べてから考えましょう。ざ、材料は何を斬ればいいですか!」 この状況をあかんと考えたのか、天河宵が大きな声を上げて包丁を構える。しゃきーん、という文字が後ろに見えた。 「そうそう。えっと、酢飯を用意してー」 「お寿司はまず、古いお米を探してこないとね」 「…古いお米?……うちの国のお米じゃダメなんですか?」 袋に入った米を出そうとしていた曲直瀬りまが聞き返す。 「古米ですね」 栗田の言葉にそうだね、と青が頷く。 「2年とか経っているお米がいいなあ」 通常の米よりも乾燥して水分が古米は粘りが少なく、酢飯に向いているのである。 「二年前かぁ備蓄米にありますよね、たしか」 「なんとかしましょう!」 天河の言葉にばたばたと曲直瀬が走っていく。 「新米とのブレンド比率は新米3:古米7。ジャポニカ種でね」 「ジャポニカ種とはなんですか」 おずおずとエステルが疑問を口にする。その様子を見てきみこが心の中で安堵した。よかった、もう大丈夫だ、と。 ぱたぱたと遠くから曲直瀬がぱらぱらしてないお米よーと言いながら駆け戻ってくる。 そんなエステルを見て青が笑う。すす、と後ろに下がるエステル。 「今度触ったら舌を噛みます」 更ににこーと笑う青。全身で震えながら曲直瀬の後ろにエステルは隠れた。 「でも僕、赤ちゃんが大好きなんだ」 「えーと、えーと、し、新米と古米で3:7ですよね!量りました!(どーん)」 展開を危ぶんだ天河が大急ぎで笊に入れた米を差し出す。辺りは妙な緊張感に包まれていた。 さくらつかさはそんな緊迫した光景を後ろのほうでがりがり角砂糖齧りながら見ていた。 わー修羅場だ修羅場と思いつつ新しい砂糖に手を伸ばすとイカナがひょこひょことやってきた。 「おめ。何食べてる?」 「角砂糖。あまいよ。」 そう言って無造作に袋をイカナに差し出した。イカナが口を大きく開ける。 がぶりぶちっ 奇妙な音がする。何か手の感覚がない。 イカナのほうを見ると見覚えのある腕がむっしゃむっしゃと食べられていく。 「手は返せー!」 さくらつかさが絶叫するとイカナがじりじりとにじり寄ってきた。 心なしか目がハートに見える 「ぎゃあああああ!!腕ごとくわれないようにっていう前にやられた!!」 待て、この話はギャグじゃなかったのかと脳内で思うさくらつかさ。だがギャグの方が致命的な展開は多いのである。 「返す。まずい。シブースト」 口の中からにょろん、と腕が出てくると元通りくっつけられる。 目の前で骨→神経→血管→筋肉→皮膚の順にビデオの逆回しのようにくっついていく。 とても気持ちのいいものではない。ひーとかきゃーとか叫び声が聞こえる。 「…………(脱力)……お、おこめ研ぎましょうかね。しょりしょりと」 1・ご飯を準備する 天河の指先に水の冷たさがしみてくる。 それにも負けずにたっぷりの水で米を研いでいくと次第に白く濁っていた研ぎ汁がだんだん澄んできた。 「お釜に研いだお米を入れて、水を入れて……」 曲直瀬はわくわくしながら研いだ米を笊に上げ、水を吸わせてから羽釜に入れていく 「あれ?お酒も入れるんでしたっけ、あ、昆布はここです(ひょい)」 「お酢はあるよねー」 手を沈めて手首の辺りまで水を入れると、昆布と酒を一緒に入れる。 そのままコンロにかければ後は火加減に気をつけるだけである。(焦げやすいから注意) 「ばんざい、米どころFVB!」 2・具材を用意する 「了解しました」 「はーい、お塩はこれくらいかなぁ」 青の指示で栗田と天河が数の子の塩抜きに取り掛かっている間に「調味料なんでもあるよー」とさくらが袋から様々な調味料を取り出している。 「赤だしも欲しいですねえ」 そう呟いて曲直瀬は、実のわかめを戻しにかかっている。しーがるふぉー、しーがめふぉー☆と鼻歌も歌っているようだ。 その横で青が手際よく野菜類を洗って後ろの面々に渡しつつ、自分は穴子を捌きにかかっている。 こん、と目打ちをすると手早く腹から半身に割いていく。骨には一欠けらの肉もついていないほど鮮やかな手並みだ。 そんな手際のいい仕事をきみこは横から眺めている。どうも手先だけでなく料理姿を見てため息をついてるようにも見えるが… 「じー」 砂糖を齧り終わったさくらはそう呟きながらエステルを見ている。 さっきのショックからかまだエステルはのの字を書いてなんかぶつぶつつぶやいている。 「散らし寿司には他に何を入れるんですかー?」 「アナゴ、後は野菜は欲しいかな」 捌いた穴子に酒を振りかけると、青はそのままコンロで穴子に塗るタレを作りにかかる。 どうやら穴子の骨で出汁をとった鍋に砂糖や醤油、塩を加えて煮詰めるようだ。 「エステルー、いっしょにやろ?」 「ネギきざむ?それとも角砂糖、食べる?」 きみことさくらが野菜(と角砂糖)を手に持って声をかける。 「きざみます・・・」 エステルはため息をつきながら立ち上がると、前掛けをつけて包丁と葱を手に取った。 緊張した面持ちで恐る恐る葱をさくさくと切っていく。手つきは意外と悪くない。 「エステル、みんなで美味しいものつくろうね。」 きみこはにこにことその様子を見て励ました。 「ガンがれー☆」 こちらは励ますだけに終わっている。 「錦糸玉子、作れるかな」 タレの下ごしらえを終えた青が曲直瀬に聞く。少し悩んだ後、曲直瀬は頷いた。 「錦糸玉子か……自信ないけどやってみます」 「えー。じゃー、まぜるー」 「オウサマ、まだそこまで行ってないから」 かき混ぜ機を持ってきたさくらに卵を持ってきた栗田がツッコミを入れる。 「アルミホイルの上に、アナゴは小さく切っておいてね。時間がないからトースターでアナゴは料理します」 「はい!…あなごーあなごー、骨をしんちょうにー よし!」 天河は下ごしらえの済んだ穴子から残った細かい骨を慎重に抜いていき、先ほど作られたタレを塗ってトースターで焼き始める。 その間もエステルは慎重にざくざくと野菜を切っていく。 栗田が割った卵に砂糖、出汁、塩を加えてさくらがハンドミキサーでぐいんぐいんと混ぜていく。 しっかり混ざったところで曲直瀬が温めていたフライパンに卵を流し込んだ。 「玉子焼き、玉子焼き☆ つるるんぺらんと薄焼き玉子☆」 薄く玉子を広げて、すぐ少しずらし…た隙にこそこそとさくらが唐辛子を投入しようと手を伸ばし… ぺしっ 「あいた」 「あ、おうさま駄目ですよ、何やってるんです」 声に気付いた天河がぴし、と指を指す。さくら、つーんと顔を背けて反省するつもりはないようだ。 「ちゃんとオウサマ用に玉子焼きも焼いてあげますから」 手早く一枚目を焼き上げて、曲直瀬は次の薄焼き卵に取り掛かった。 こうして一緒に混ぜる具材が続々と出来上がっていく。 3・酢飯を作って具を混ぜる 「寿司酢をつくろうか」 「はーい」 「米酢 みりん 氷砂糖 塩 うまみ調味料」 青が言った調味料を手早く取り揃えていくきみこ。野菜を切り終えて手を洗っていたエステルに顔を向けた。 「エステル、分量計りましょう。」 「はい」 きみこの言葉に頷いたエステルはごそごそと何かを取り出して調理台の上に置いた。 そのまま計量を始める。 「…あのね、エステル」 「何でしょう」 「そこまでしなくていいから」 「?何故ですか」 顕微鏡で計量していたエステルが顔を上げて、疑問の表情を向ける。 「ほら、この量りと計量カップ!これ使えばいいから!」 計量カップを素早く量りの上に乗せて、適量にして混ぜていく。方法を教えてもらって少ししゅんとするエステル。 「でも一生懸命やってくれてありがとうね」 その後ろではさっき怒られたのを根に持っているのかイカナどこだろうな~と玉子焼きを摘みながらさくらがふらふらしていた。 「沸騰させたらだめだよ。寿司酢は。火にかけて溶かしたら、すぐに冷まそうね」 「はーい」 「了解しましたー」 「おーっと、穴子はそろそろいいかな…具は冷ましとかないといけないし。」 天河が取り出した穴子を曲直瀬が細く細く切っていく。手ごろな大きさに切れたところで団扇で冷ましにかかった。 きみこはエステルが計量した寿司酢を火にかけている。弱火でちりちりと熱を入れていくのである。 ちりちりと鍋のふちに小さな泡が浮き始めた。 「いまだ!」 カチ、とつまみをひねって火を消す。 「溶けてるかな?確認。」 おずおずと鍋の中を見る。特に固まりは残っていない。 「よかった、エステル。いいタイミングみたいよ。では冷ましましょう」 きみこの言葉にエステルはこくり、と頷いた。 みぎゃああああ、と天河の叫び声がしたのはその時である- エステルは思った。 私には理解できない。 希望の戦士が理解できないのはいつもの事だ。あの人は誰か一人以外、他の誰にも理解してもらおうなどと思っていないだろう。それに、怖い。 さっき来たエノーテラなる人物も理解できない。いきなりイカナに食べられた挙句、希望の戦士にあんな事言われて、何でまだここにいるのだろう。 何でこの人たちはこんなことがやれるのだろう。 私には理解できない。 「エステル、こちらエノーテラさん。花嫁修行中になりたい娘さんです」 エノーテラさん。ここは夜明けの船で、この方はエステルさん。偉い方なんですよ、と半ばやけくそ気味に大声を出す曲直瀬。 無表情気味に頭を下げるエステル。当のエノーテラは涙を浮かべていた。 そんな空気を読んでか読まずかさくらがてこてこと青に語りかける 「希望の戦士、今日のもう1人のお客さんですー。黒の方ですが、今日はお料理を一緒に教わろうと思ってお呼びしています。よろしくお願いしますー。」 「おーさま、味見してください穴子の!」 喋りだすのと同時に天河が仕込んでいた穴子を口の中に放り込む。もぐもぐと咀嚼するさくら。表情を見るにご満悦らしい。 「錦糸玉子できましたー」 素早くさくらと青の間に錦糸卵を持って滑り込む栗田。卵はいいね、と言われて二重の意味でほっとしている。 「なんで、呼ばれて来たら憎しみの目で…、殺されかけるし」 涙を流して呆然としていたエノーテラが呟く。その姿に曲直瀬はごめんね、ごめんね、と駆け寄って抱きしめる。 訳のわからない状況に陥っていると思しきエノーテラに、 「希望の戦士はああいう人です。誰にでも厳しい」 野菜の味付けをてきぱきと指示する青に、エステルは視線を向ける。 「そうなの…。でも好かれてるんだよね。希望の戦士。」 まだ穴子を食べていたさくらに栗田が身の丈ほどもあるハリセンでツッコミを入れている。 慌てて二人の間に割ってはいる天河。そんな状況でも手早く酢飯を作り続ける 「……希望の戦士が好かれているって、ちょっと想像がつきません」 「え?そうなの?青が大好きって人、多いよ? エステルは彼をどう思ってるの?」 「怖いので嫌いです」 驚いた表情のきみこを見ずに、エステルはそう呟いた。 「まあ、人それぞれだからね。気にしなくても良いよ」 青はエステルを見てクスクスわらっている。 エステルは眉間にしわを寄せた-きみこの後ろに隠れて。 「はい。じゃあ、ご飯は寿司酢と混ぜながら冷ましていこうね」 曲直瀬が手早くご飯をたらいに空けると、栗田が手際よく寿司酢をかけてご飯と混ぜていく。 「うーん、いい匂いだ」 その後ろでは穴子の白焼きにさくらがワサビをつけてつまみ食いをしている…あ、天河の視線に気付いて遠くに逃げ出してる。 「…うや?あ、山葵が脱走して…あ、おーさま、お酒まであけちゃって」 先ほど栗田が持っていたハリセンを握ってさくらを追い回す天河。ひゅうんひゅうんとハリセンが風を切って振り回される。 「…そろそろ人参いいかなぁ、シイタケは良いな、かんぴょうも大丈夫。よいせ、冷ましとかないとね」 「……バルクはおいしいと思うかな」 ぽつり、とエノーテラが呟いた。 「バルクさんの好きな料理ってなに?」 曲直瀬の問いにエノーテラはふるふる、と首を振る。 「一生懸命作ったら、きっと美味しいと思ってくれるわよ。隠し味は“たっぷりの愛情”」 「…」 「なら、でんぶはこの鉢に……っとどうしたの?」 エノーテラは急に黙った。空気が物凄い勢いでどんよりとしていく。 どう見ても明らかに地雷を踏み抜いた感じである。 「いつも作ってるの?」 返事は無い。どうしたの?と必死に聞いてみるがエノーテラは一言も 「……ん?何この妙な沈黙」 エノーテラは下を向いたままもう何も言わなくなった。 青が手を洗う水の音だけが響いている。その音もやがて止まった。 青はそこでにこやかに笑うと拳を握り締める。 青い光輝が拳に集まっていく。数歩助走をつけるとエノーテラ目掛けて走り始めた 「ほら、昔から“百里の基地も1機から”というでしょ。何事も1つずつ順番にステップアップするの」 曲直瀬の言葉は最後まで続かなかった。後ろから走ってくる青の気配に気付いて間に入ったからである。 ぼん、という音がしてエノーテラと曲直瀬はふっとんだ。曲直瀬の視界に洞窟の天井が、暗い洞窟の中が、夜明けの船の甲板があっという間に入っては消えていく。 次の瞬間、曲直瀬は地面にバウンドして転がった。素早く下がっていたさくらが受け止める。 「やあ、よく飛んだなあ」 「やりすぎです」 野球でホームランを打ったみたいな青に、エステルがため息をつく がば、と飛び起きるエノーテラ。みるみるうちにその顔に怒りが浮かび上がってくる。すげー怒ってる。 天河、栗田、きみこが必死に抑えようとするが、全く耳に入っていないらしい。 エノーテラは剣を抜いて今にも切りかかる勢いで間合いを詰めていく。青はその様子をいつもと変わらない笑顔で見つめている。 「ちょ、ま、ストップまってー、駄目ですよ、危ない!」 「お願い青、彼女を殺さないで!」 「今日はお料理教室なの!お祝いなの!」 「お祝いの席にち血みどろはいけませんー!!」 必死に止めようとする面子を全く相手にせず、ついにエノーテラが後一歩踏み込めば剣が間合いに入る位置にまで近づいた。 「ま、気に食わなかったら怒ってもいいと思うな」 のほほんとした口調で凄く今更な事を語る青を、エノーテラは物凄い形相で睨みつける。あと1cm足を動かせば彼女の剣の間合いである。 「君はいますぐ想い人のところに行ったほうがいい。料理なんかどうでもいいんだよ。いっておいで、君に必要なのは勇気だ」 「逃げるのは嫌いです」 表情を変えず踏み込むエノーテラ。二人の間合いが交錯する。 「逃げるからここにいるのさ」 緊迫する空気。しばし(一方的に)にらみ合う二人。その後ろでこそこそと動く面々。 エノーテラは勢い良く頭を下げると、大急ぎで荷物を纏めて飛び出していく。 こっそりその中に仕込まれた散らし寿司に彼女は気付くのだろうか、と一同は思った…。 「ねえ、エステル。青っていいこと言うよね。優しい人だと思うよ。」 頑張ってねー、と小さく手を振る青を見ながら、きみこは語りかける エノーテラの背中を見ながら、エステルはそうですか、と呟いた。 「エノーテラさんは養父の方に恋心を抱いているのだけれど……」 「希望の戦士なら押し倒します。相手が誰でも」 「うえええ!?押し倒す!?そっそんなんで問題解決するんですかっ!?」 「こっこわい…絶対に抵抗できない…」 きゃーきゃー言いだす曲直瀬ときみこに、エステルは淡々と語る。 「それをどうにかするから希望の戦士なんです。あの人には常識も理屈も関係ありません」 <酷い言われようですね> うるさいですMAKI、と空中に向かって一喝するとエステルはそっぽを向いた。 数十分後… イカナが洞窟を食い尽くそうとするのをレーザー砲台で撃ち落したりしている間に、料理がテーブルの上に置かれていく。 具沢山の散らし寿司に赤だしの味噌汁、ローストチキンに米粉で作ったケーキにサラダと前菜からデザートまで揃っている。 「さ、食べようか?」 「はーい!」 席に着いた皆の手元に飲み物が配られていく。そんな中でもエステルはまだ何か考えているらしく、難しい顔をしていた。 「押し倒せばいいんじゃないの?」 仏頂面のエステルに青が語りかける。エステルはふい、と顔を背けた。 「えーと、まぁ、うん。エステルさんが嬉しくて幸せなようになるなら、ねぇ?頑張って応援しますよね?」 「私に出来ると思いますか?」 この日初めて自分達を頼ってきたエステルに、皆は思い思いの言葉をかける。 「エステルだったら、やろうと思えば何でも出来るよ。わたしらだって応援するもの」 「幸せに笑えるための応援は全力ですよ(親指立ててぐっ)」 「手段はともかく、エステルに幸せになって欲しいよ。」 「頼りないこともあるだろうけれど、まあ見捨てないでくれると嬉しい。FVBへようこそ!」 「そうそう、そうですよ、生きて年末迎えられましたし、どうぞこれからもよろしくですよ、エステルさんにイカナさん」 「自分の分は確保ー」 心からの言葉と、嬉しさを胸に飲み物を手に取る一同。エステルは深呼吸をして、おもむろに目を開く。 「いただきまーす」 その声とほぼ同時だった。エステルはおもむろに立ち上がると隣に座っていた青を押し倒す。 曲直瀬は手を合わせたままその光景を見ている。 さくらはイカナからケーキを確保せんと奮闘している。 栗田はあー、と口を開けたままだった。 きみこはいきなりの事態にえ?え?と事態が把握できない。 天河は立てたままの親指をどうしようと思っていた。 イカナはうま、うまとケーキをむさぼっている。ピータン。 果たしてこの騒動の結末は-語られることは無い。 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) 名前 コメント ご発注元:きみこ@FVB様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=224;id=gaibu_ita#277 製作:高原鋼一郎@キノウツン藩国 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=715;id=UP_ita 引渡し日: counter: - yesterday: -
https://w.atwiki.jp/moemoequn/pages/238.html
部室 ガチャリ 梓「あれ?澪先輩だけですか?」 澪「みんなクラスの用事で遅れるってさ」 梓「そうなんですか」 澪「先にお茶してよっか」 梓「はい、私お茶煎れますね」 澪「じゃあ私ケーキ準備するよ」 澪「ふふ、梓もすっかり軽音部にとけ込んだな」 梓「何ですかそれ?」 澪「練習、練習言ってたのに自分から進んでお茶煎れるとは」 梓「はっ!・・・練習しましょっか」 澪「良いよ、みんな揃ってからにしよ」 梓「そうですね」 澪「ケーキ食べよ」 梓「はい」 ピンポーン 和『2年の中野梓さん、至急生徒会室まで来て下さい』 梓「あれ?私呼ばれたみたいですね」 澪「今の声は和だな」 梓「ちょっと行ってきますね」 澪「ああ」 バタン 澪「・・・・・・」 澪「ニヤリ、計画通り」 澪「さわ子先生に部室で一人で集中して練習したいからと言い、律達3人に用事を頼ませた」 澪「そして、和にタイミングを見て梓を呼び出してもらう」 澪「和は、唯のタイツであっさり買収出来た」 澪「さてと、今の内に」 澪「梓の使ってたカップ・・・」 澪「梓のカップ!」 澪「ちゅっちゅっ、ぺろぺろ」 澪「梓と間接キッス///」 澪「ふう」 澪「お次は、梓の食べかけケーキ」 澪「・・・・・」 澪「今、食べてしまいたいが戻ってきた時にバレるな」 澪「私の食べかけのケーキと入れ替えておこう」 澪「私は梓と、梓は私と間接キスになる訳か///」 澪「同じくらいの量にして、と」 ぱくり 澪「これで良し、お楽しみは後に取っておくもんだ」 澪「さて、本日のメインイベント」 澪「梓の体操着チェック!!」 澪「今日、梓のクラスで体育があったのは確認済み、それに合わせてこの作戦を実行したからな」 澪「さてと」 ごそごそ 澪「おお、これぞ梓の汗の染みついた体操着!」 澪「たまらない///」 澪「こんな贅沢をしてしまって良いんだろうか?」 澪「いや、これはきっと頑張った自分へのご褒美」 澪「では」 澪「梓の体操着ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!体操着体操着体操着ぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ!体操着をクンカクンカ!クンカクンカ!あぁあ!! 」 澪「梓、梓、いや、あずにゃん、あずにゃん、あずにゃんにゃーん!!」 ピロリロリーン 澪「携帯が」 和「私、和よ。チェケラッチョイ」 澪「和か」 和「梓ちゃん、生徒会室出たわよ」 澪「もうそんな時間か、クンクンしすぎたな」 和「ふふ、どうやら上手くいったみたいね」 澪「和のおかげだ、ありがとう」 和「どういたしまして、チェケラッチョイ」 澪「名残惜しいが今日はここまでだな」 ガチャリ 澪「梓、お帰り」 梓「ただいまです」 澪「お茶の続きしよっか」 梓「はい」 澪(うおおおぉ、あずにゃんの食べかけケーキ!!やっと食べられるハァハァ) ぱく 澪(ああ、この幸せ) 梓「美味しいですね、このケーキ」 澪(そして梓も私と間接キス///) 澪「ああ、美味しいな」 梓「えへへ」 澪(えへへだって、あずにゃん、可愛い~!!) 翌週またも澪だけに 澪「今日は梓の持ち物チェックと行こう」 ガサゴソ 澪「梓のリップクリーム!」 ぬりぬり 澪「えへへ、あずにゃんと間接キス///」 澪「ついでに、シャープペンもぺろぺろ」 澪「梓のノートだ」 澪「あずにゃんの字可愛い///」 澪「梓の生徒手帳だ」 澪「写真も可愛い///」 澪「誰も見てないし」 澪「ちゅっ」 澪「梓にキスしてしまった///」 澪「梓が可愛すぎるのがいけないんだぞ全く」 ちゅっちゅっちゅっ ガサゴソ 澪「ヘアブラシだ」 クンカクンカ 澪「梓のシャンプーの香りが・・・」 澪「梓の髪の毛が付いてる」 澪「抜き取って持って帰ろう」 澪「思わぬ収穫だ」 澪「梓のお弁当箱発見!」 澪「開けてみるか」 ごそごそ 澪「食べかけのウィンナーがある!」 澪「全く梓は、残しちゃ駄目じゃないか」 澪「え?もうお腹一杯で食べられない?」 澪「良かったら澪先輩食べて下さい?」 澪「しょうがないな、太るから食べたくないんだけどな」 パクッ 澪「あああ、美味しいよ。あずにゃーーーん!!」 澪「この味付けは正に天才だな、味王もビックリだ」 澪「アッサリとしていてコクがあり、それでいてしつこくない」 澪「山岡士郎も、いちゃもん付けられまい。さすが梓、料理スキルもあるとは」 ※梓の弁当は梓母お手製 澪「そう言えば今日は梓のクラスは水泳があったな」 澪「と言う事は」 ガサゴソ 澪「やった!梓のスク水!」 澪「持って帰って私の梓コレクションに加えたいが、さすがにやばいか」 澪「かと言ってぺろぺろ、くんくんばかりも芸がない」 澪「・・・飲むか」 澪「まだ水分も残ってるしな」 ぎゅーっ 澪「出た出た、梓のスク水に残ってた水分。略して梓汁」 澪「これを紅茶に入れます」 ジョボボ 澪「出来た!梓汁入り紅茶。名付けて天使の産声」 ゴクリ 澪「ああ、この軽い塩素の匂い。正に天使の産声」 翌週またも、澪だけに 澪「今日はちょっと大胆な事してみようかな///」 澪「あそこに梓のギターあるし」 ちらっ ムスタングを股間に押しつける澪 澪「あっ、梓そんな」 澪「良いじゃないですか、澪先輩」←声真似 澪「駄目だ、こんな所で」 澪「私、もう我慢できません」←声真似 澪「梓、結構Hなんだな///」 澪「澪先輩だってHな顔してますよ」←声真似 澪「良いよ、梓そこ気持ちいい」 澪「澪先輩、気持ちよくなって下さいね」←声真似 澪「梓、もういくよ。ぬほおおおぉおーっ」 澪「全く、梓ってばテクニシャンだな。いかされちゃったよ///」 戻ってきた梓 梓「さあ、練習しましょう」 澪「ああ」 ピンポーン 和『3年の秋山澪さん、至急生徒会室まで来て下さい』 澪「あれ?今度は私が呼ばれたみたいだな?」 梓「そうですね」 澪「ちょっと行ってくる」 梓「はい」 バタン 梓「ふふ、和先輩は憂の体操着で買収しました」 梓「さてと」 ガサゴソ 梓「澪先輩の体操着ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!体操着体操着体操着ぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ!体操着をクンカクンカ!クンカクンカ!あぁあ!! 」 梓「澪先輩!澪先輩!いや、澪にゃん、澪にゃんにゃーん!!」 梓「ふう、最高ですね」 梓「澪にゃんの持ち物チェックといきますか」 梓「英和辞典だ」 ペラペラ 梓「ほほう、きちんとマーキングされてて偉いですね。さすが澪にゃん」 梓「・・・・」 梓「SEXの所もマーキングしておきましょう」 キュッ 梓「これを見て慌てふためく澪にゃん」 梓「想像したら可愛すぎる///」 梓「お次は、澪先輩のベースで」 エリザベスを股間に押し当てる梓 梓「あんっ駄目ですよ澪先輩///」 梓「ふふっ、良いじゃないか梓」←声真似 梓「そんな、あんっ」 梓「梓、そんな事言ってここはもうこんなになってるぞ?」←声真似 梓「澪先輩、恥ずかしいです///」 梓「梓もういきそうか?」←声真似 梓「はい、もういきます。あああぁぁ~っ!!」 梓「澪先輩にいかされてしまった///」 澪が戻ってくる。 梓「じゃあ、練習しましょっか」 澪「そうだな」 澪(うわー、さっきまで私の愛液がべったりだったギターを梓が持ってる///) ジャカジャカジャン 梓(私のやらしい液が付いたベースを澪先輩が///) ベンベンベベン 澪(あずにゃん、可愛いよ///) 梓(澪にゃん可愛いです///) お終い 戻る
https://w.atwiki.jp/reina5001/pages/144.html
1. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 00 35 07.87 0 例外は無いはず 4. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 00 37 35.40 0 〇〇ちゃ〜ん!!!!!って鼻息荒くして叫んでるキモヲタのやることですから 5. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 00 38 55.59 0 小春「妄想人がいる(笑)」(まもなくコメント欄閉鎖) 6. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 00 39 21.97 0 そりゃおっさんどもが無理に十代そこらの女の子に合わせた文章かくとそうなるわな 7. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 00 41 17.33 0 ヲタが書いてんだぜ当たり前だろ 9. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 00 41 47.28 0 さも知り合いであるかのような体で書かれてるからじゃないの 11. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 00 52 07.27 0 キモヲタしか書かないだろあの文章は 12. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 00 52 57.84 0 ○○ちゃんは頑張ってるからどうのこうの書いてるけどお前そいつの何を知ってんだよ 20. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 03 01 19.84 0 12 それあややが言ってたわ 19. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 02 58 37.81 0 数人に一人は長文がいるよな アイドルの気を引こうと必死な長文 読まねーっての 22. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 03 04 04.57 O コミュ障ばかりなんだろキモオタは 俺は〇〇ちゃんをうんたらかんたら〜 俺は〜 こんなのチラ裏でっせ 23. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 03 04 49.70 O ○○ちゃん(^_^)☆ 応援してるよ☆ヽ(▽⌒*) 27. 名無し募集中。。。 2011/06/28(火) 03 13 41.67 0 一番気持ち悪いのは上から目線のやつ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kaeuta-matome/pages/1162.html
元ネタ:子供達を責めないで(伊武雅刀) 作:ヤジオーディエンス 私はサレ夫が嫌いです サレ夫は陰険で、疑り深くて、矮小で くだらない建前と机上の空論 被害者意識と自意識過剰で生きている 愛していると言い立てて スルーするとブンむくれ クロだ、汚嫁だ、便器だと 事あるごとに決め付けて人を罵倒する無神経さ 私ははっきり言ってプリ嫁です プリ嫁です プリ嫁です! 正義の味方を気取る、杓子定規しか持ち合わせていない 恋愛の喜びも、苦しみも、何にも分かっていない そのくせ女を見下しているようなあの態度 デートの時には気になって、離婚の時には悩みの種 いつも私の邪魔ばかり そんなお荷物みたいな、そんな非人道的な そんなサレ夫達が嫌いだ! 私は思うのです この世の中からサレ夫が一人もいなくなってくれたらと プリンだけの世の中ならどんなに良い事でしょう 私はサレ夫にならなくて良かったと胸をなでおろしています! わた・・・ 私はサレ夫が嫌いだ! うん! 私はサレ夫が嫌いだ!! サレ夫が不倫のために何かしてくれたことがあるでしょうか! いいえ! サレ夫は常に私達プリンの足を引っぱるだけです! 身勝手で・・・性根が腐っている 携帯チェック! 下着チェック! 家捜し! 興信所! 緑の紙! 弁護士! 法外な慰謝料! バレないように隠しているこっちの苦労は無視して 悪いのはすべてプリのせい 証拠集めれば勝てると思っているところがズルイ! いきなり凸してくるサレ夫も嫌いだ! チラチラと様子をうかがって 陰に隠れてコソコソしやがって 自己正当化のために法律持ち出して権利を喚く あの自分の嫁を信じていない目が嫌だ! あのちょっと怪しいとすぐに疑いだす目が嫌だ! 目が不愉快だ! 何が良妻賢母だ! 何が貞淑だ! 何が不貞行為だ! 馬鹿かお前は! そんなサレ夫達のために 私達プリンは反省する必要なんてありませんよ! 第一私達プリンがそうしてやったところで 本当に許してくれるサレ夫がいますか? これだけサレ夫がいるのに 一人としてプリンを幸せにするサレ夫なんていないでしょう! だったらいいじゃないですか! それならそれでけっこうよ! ありがとう! ね! 私達プリンだけで刹那的に生きましょう! ね!! サレ夫は嫌いだ! サレ夫は大嫌いだ!! 離せ! 私はプリンよ!! え? 何? 内容証明? そんなの知るか!!! 誰がなんと言おうと!私はサレ夫は嫌いだ! 私は! 本当に! サレ夫が嫌いだああああ!!!!!! 検索タグ J-POP フルコーラス 不倫シタ ヤジオーディエンス メニュー 作者別リスト 元ネタ別リスト 内容別リスト フレーズ長別リスト
https://w.atwiki.jp/yukiyuna/pages/282.html
部室 「そういえば、そのっちの小説まだ読んだこと無かったのよね」 「時間もあるしちょっとだけ」カチカチ 「……」 「これは、2年前の私とそのっちをモデルにした話……?」 「私の記憶が戻って、そのっちもあの頃を懐かしんでいるのかしら」ホロリ 「そうそう、こんな風に一緒の布団で寝たのよね。……ん?」 (小説がR-18展開に突入) 「」 「わっし~なに見てるの~?」 「わぁっ!!」 「あ、それ……」 「え、あの、勝手に読んでごめんなさい。でもこれって……」 「…………」 気まずい──。 この雰囲気の中で、ちょっとした興味本位で覗いたことを後悔する。しかし私の中で、後悔以上の思いが湧き上がっていることを自覚していた。 「友達だから題材にしたの?」 だが私は、思いを口に出すより先に問いかける。自分と同じ思いを相手が抱えこんでいる、とは限らないからだ。勝手に勘違いして思いを伝えた結果拒否される、そんなピエロにはなりたくないという弱さのあらわれ。 「……ううん、違うよ~。わっしーのことが好きだったから書いたんだよ」 「好きだから……じゃなくて『好きだった』なの?」 「今のわっしーにはゆ~ゆ~がいるからね。私は身を引いたんだよ」 彼女が私から目をそらす。そして表情は普段なら絶対に見せないであろう哀しみを帯びていた。 (それは違うと言いたい、今すぐに) だけどそうはいかない。彼女のことだ、咄嗟に否定したところで「わっしーは優しいね」と静かに微笑む返すだけだろう。 「ねぇ園子、私の話聞いてくれる?」 「……いいよ」 彼女が私へと目を向ける。 「私ね、友奈ちゃんのことが好き」 「そんなこと、もう知ってるよ」 「それに夏凜ちゃんのことも好きなの」 「え?」 「それだけじゃない、風先輩も樹ちゃんも銀も好きなの」 「……」 何も言ってこないが、視線で「なら私は?」と聞いていることがわかった。でもそれにはまだ答えない。 「みんなことが好き。大切な友達として、仲間として、みんなで一緒過ごしたい」 「そうなんだ」 「だけど私が二人っきりでいたいと思うのは貴方だけ。私が愛しているのはそのっち……いえ、乃木園子なのだから」 「……!?」 彼女は私の言葉を聞いて驚き、すぐに返答ができずにいた。だけど、表情からは「信じられない」という考えがみてとれる。落ち着くためか、彼女は一旦深い息を吐く。そのまま口を開いた。 「そう言ってくれてありがと~。でもね、そんな優しさは必要ないんだよ」 先程までと違う、普段通りの口調。そして「もうこの話はこれで終わり」とでも言いたいのか、顔を私からそむける。 (言葉でわからないって言うのなら) 私は近づいて両手を彼女の頬に当て、こちらに顔を向けさせる。 「私を見て」 「わ、わっしー?」 困惑する彼女に構わずに唇を奪う。 「んん!?」 だけど長くは続けない、数秒と経たないうちに顔をゆっくり離す。 「これでわかったでしょ? 私は本気よ」 「…………」 返事はない。ただ、ボーッと呆気にとられているようだ。 「そのっち?」 呼び掛けで正気に戻ったのか、私に笑顔を向ける。そして両目からは涙が零れていた。 「私も、私もね……ずっと……ずっとずっと前から……好き。愛してるの……」 お互いに抱きしめ合う。もはや言葉は不要だった。 ──────その後。 「それにしても……」 「なに?」 「もうちょっと長くして欲しかったかな~、なんてね」 彼女が指を自らの唇へ当てる。 「そうね。次はもっと長くて深いのをしましょう」 『次』……そう、これからなのだ。この先ずっと私たち二人で過ごしていく。今までの分を取り戻すだけじゃ足りない。忘れない思い出を作っていく。それはきっと……いや、間違いなく幸せなのだろう。 終わり
https://w.atwiki.jp/takigakuen/pages/41.html
一般 主に採点方法はマークシート採点、デジタル採点、従来の採点の3つある。 デジタル採点を行う者は基本的に「Answer Box Creator」(通称ABC採点)を使用している。 どの教科も平常点が大切である。 + 科目 一般 英語科 数学科 社会科 理科 国語 保険体育 家庭科 技術科 美術 音楽 書道科 英語科 中廣先生 出題傾向が特徴的である。教科書の文章への意見文、自由作文などが出題されることが多い。 八谷先生 広辞苑を持ち込むと良い。 英語の問題じゃない問題が数問出ることがある。潔く諦めよう。 時間が足りなくなりがち。長文をできるだけ速く読もう。 数学科 社会科 前野先生 ロイロノートに上がっているプリントを何回もやる 理科 入船先生 難易度がぶっとんでいる非常に実力が出る問題しかない。 時間設定が非常にシビアで学年トップクラスですら最後まで解くことはできない。 指数の前に×の代わりに・を書くと1点減点となる。 解答用紙を折ったり、解答欄意外にメモを書くと減点される。 高1生向け まず結論として化学基礎の限界の限界の難易度で出すことが多い。 文系は4割を切っても構わないが、共通テストで出される可能性がある知識問題、主に実験器具の使い方と名前程度は完答できるようにしておこう。 理系はできれば7割を目指したい。化学基礎を高2以降習い直す機会がないため、週1の授業だからとサボっていたら今後悲惨な結果を生む。最低でも逆滴定,2段滴定,酸化還元剤の暗記,ヨウ素滴定,COD,結晶での密度等はマスターしておきたい。余力がある人は重問で化学基礎分野を触っておくことをおすすめする。 高2,3生向け 【その1】 新規学習分野が出る。セミナーの発展がせいぜいであり、苦手な人も40/50は目指したい。得意な人は満点狙いができる。 難易度が難しい問題は基本なく、しっかりとセミナーが回せていれば十分に得点できる。 【その2】 基本的に平均点は55点前後であることを念頭に解く問題を選ぼう。 大問は5、または6問構成で大問数×10分がテスト時間になることが多い。 大問ごとの難易度は傾向があり、最後の大問が一番簡単なことも多い、苦手な人は大問①→大問⑤、⑥で解くことをおすすめする。 全て選びなさい系問題は選ぶ選択肢が一個になる傾向が強い、分からないなら一個選んで次に行こう。 意外にも二次関数を使わせることはほとんどない。 大問① 『セミナー発展〜重問Aレベルの小問集合』 後半の問題の難易度がイカれている非常に高いのでここで7割程度は稼ぎたいところ、最上位勢は満点で切り抜ける。 大問②,③ 『重問Bレベルの典型問題』(地方国公立やMARCHレベルの過去問) 二次試験で合否を分ける問題である難易度が多い、(1),(2)までなら基本的に公式をそのまま使うものだったりするので、長い問題文に一度ビビらず目を通してみることをおすすめする。 (4)あたりで挟まれる本質的なことを聞く選択問題はその問題で扱われているテーマを表しており師の単元別でネームドされている〇〇法(デュマ法,2段滴定,ZnS型)などがしっかりと認識できていれば乗り越えられる。(5)以降の計算問題は当日の運も絡むので時間がかかるようであれば飛ばしてかまわない。 過去の出題例(確認がとれたものに限る) 岡山理科,同志社,東京理科,法政,昭和薬科, 大問④,⑤(ラストの大問以外)『新演習レベルの鬼畜実力問題』(地方国医,旧帝,地方国上位レベルの過去問) このあたりの大門を意識して対策できる層は最上位のみであり、このあたりのレベルとなると対策がそのまま受験勉強へと結びつく、苦手に人にとっては大門ごと全滅はざらであり、得意な人も噛み合わせが悪いと(3)あたりから崩され、ろくに点が付かない。 できればつまずいた時点で次の大問にいってほしい。 過去の出題例(確認がとれたものに限る) 千葉医,医科歯科,昭和薬科,岐阜医,名古屋,東京都立,東工 大問⑤,⑥(ラストの大問) 『重問Bレベル〜新演習レベルの非頻出問題』 単元が絞られているから出題されるような特殊問題であることが多い。(まれにラスボスのような問題構成となっていることがあるので注意が必要) ここに辿り着いた時点で残り5分であることはざらにある。 選択肢だけで埋めて大問①を見直していくこともおすすめしておく。 国語 恒川先生 難易度の落差が激しい。記述が出た時は大抵ハズレで平均点も低いので得点が低くても気にしなくて良い。簡単な時は日本語ネイティブなら8割余裕で取れるので、0勉でよい。つまり難しくても簡単でも勉強しなくてよい 保険体育 性の分野で満点をとるとなんか気まずい。 家庭科 提出物の比率が大きいのできちんと出そう。 授業内容をしっかり覚えていけば点は取れる。 技術科 美術 平均が75点となるように、作品評価で成績が算出される。2024年度から居残り作業が出来なくなったため、完全授業内勝負である。 (余談) 高校の選択科目でまず第一に除外されるであろう科目だが、実際蓋を開けてみると、3科目の中で最も当たり科目である。よっぽど工作が嫌いでない限り、大多数の人がやりがいを感じられる唯一の科目であろう。音楽や書道を習っていたり興味があったり得意であったりする場合はそちらに行こう。迷ったら美術必須。居残り、家で作業できる制度が2024年度より消えたため、多少は楽になった分、熱い点数の争奪戦が繰り広げられる。何度も強調するが、よっぽど苦手でない限りこの科目にすることを強く推奨する。 派手な作品を高得点にすることが多く、高得点を狙うならカラフルに彩色するか家で紙粘土や布などで小物を作って貼るのが最適である。何も施していない箇所を作るのは厳禁である。とりあえず色を塗れば良い。 キャンバス絵の場合は実力勝負となるので、工作に力を入れれば良い。 音楽 書道科 一般 高校の選択科目である。一般に筆記試験はない。原の方は採点がきびしい。
https://w.atwiki.jp/vipper100000/pages/12.html
///linenumber bold(){完全論破された馬鹿がとるセリフ・行動一覧表} ①現実逃避…「お前ら何ムキになってんの?馬鹿じゃない?」 ②唐突に自分の優位性を叫ぶ…「便所の落書きにムキになって恥ずかしくない?」 ③人のせいにする…「ほらみろwお前らが騒ぐから○○が投稿を消しちゃったじゃないか」 ④AA・コピペ荒らし…狂ったように○○叩きコピペを繰り返す。 ⑤雑談荒らし…前スレから真似して、スレの趣旨とは関係ない時事問題を語り始めてスレを潰す ⑥レッテル貼り…突然、「40代なかば独身だから~」「彼女いない奴は~」という自己妄想で決め付けた個人攻撃を始める。 ⑦脳内予定…「旅行w」「引っ越しw」「身内の訃報」 ⑧自分語り…唐突に話題の違う長文か連投で自分語りや一人会話を始め、現実から目を逸らす。 ⑨強制終了…「はいはい、あなたが一番です。一番えらい人です!」→この後⑦へと発展する場合が多い。 ⑩脳内ソース…「○○だから~に決まっている。ソースを出せ?そんなの自分で探せよバカ!」 ⑪閉鎖空間…「自分のフレは、○○と言っていた。だから○○は世界の常識だ」 ⑫放置…核心を突かれると、突然話題を変える。変えることで現実から目を逸らし、①へと発展。 ⑬逆ギレ・開き直り…「うるさいバカアホキモイ(ありとあらゆる暴言)私が正しいと言ったら正しいんだ!」 ⑭MILUより2ちゃん依存…お前も晒せよw晒しスレなのに晒しもしないで!