約 1,476,287 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1439.html
「バトル・プレイス」 ・独自設定と独自設定のゆっくりが出てきます ・自滅ものです ・大量のゆっくりが出てきます ・駄文注意 「ゆ!ゆ!くささんゆっくりぬけてね!」 一匹のまりさが街の空き地で必死に草を口で抜いていた。 足が長く硬い草の間に生えているヒョロヒョロの草を引き抜いては帽子に詰め込んでいる。 当然そんな草は少なく、バスケットボールサイズのまりさの帽子の中の半分にも満たない少なさだ。 「むしさん!ゆっくりまってね!ゆ!ゆ!」 今度はこの時期に珍しい昆虫を舌を伸ばして捕まえようとする。 だがまりさの猛追も空しく草むらの中へと逃げ込んでしまった。 「ゆう…ぜんぜんたりないよ…」 冬も目前に迫ろうとしているこの季節。街のゆっくりは半分以上が既に越冬に入っている。 残った「あぶれゆっくり」は数少ない餌場をめぐって壮絶な争奪戦を繰り広げており、まりさが間に入ることなど不可能であった。 当然、食糧集めは空き地やあまり手入れされていない公園に生えた雑草や虫等が主となる。 秋の内ならまだしも冬にもなるとゆっくりが食べられる柔らかい草はあまり生えなくなる。 虫なんてもちろんいない。それでも固い草でも我慢すれば食べられるし餡子の足しにはなる。 なぜまりさは柔らかい草を選ぶのか? 「しかたないよ…きょうはここまでにしてもうおうちにかえるよ…」 日はすでに傾きかけていた。ただでさえここら一帯はれいぱーありすの周回ルートで危険なのに、夜にもなればれみりゃやふらん等の捕食種が跋扈するだろう。 つまりタイムリミットである。まりさはスカスカの帽子をかぶってトボトボと跳ねていくのだった… 「れいむ…ゆっくりかえったよ…」 「ゆ!まりさ!ゆっくりおかえり!」 「ゆっきゅりおきゃえり!」 「まりしゃおなきゃしゅいたんだじぇ!」 路地裏のビールケースを改造した「おうち」にまりさは番いのれいむと住んでいた。 まりさは帽子を舌で取ってバサバサと草を落とす。あまり多いものではない。 奥の方にはボロボロのタオルを巻いて作った「ベッド」の上に三匹の赤ゆっくりがすーやすーやと眠っていた。 ソフトボールサイズの子れいむと子まりさ、そしてピンポン玉サイズの赤れいむが二匹、赤まりさが一匹と大所帯だ。 これが食糧の貯め込みが難航する理由である。 子ゆっくり程なら多少のものは食べても問題はない。だが生まれたての赤ゆっくりは別だ。 餡子変換能力が弱い赤ゆっくりは柔らかいものしか食べられない。どの程度の基準かというと頭に生えた蔓をさらに親ゆっくりが咀嚼して柔らかくしたぐらいでないとダメだと言われている。 固い物を食べさせてしまうと餡子を吐き出したり、うんうんが止まらなくなったりする。 なのでまりさは柔らかい草しか集めなかったのだ。 「おちびちゃんゆっくりおきてね!ごはんさんがあるよ!」 れいむがそう言うと赤ゆっくり達が目を覚ました。 れいむが柔らかい草をむ~しゃむ~しゃと咀嚼して目の前に吐き出す。一斉にそれに群がる赤ゆっくり達 「む~ちゃむ~ちゃ…それにゃりー…」 「かちゃいんだじぇぇ…!もっちょおいちいのがたべちゃいんだじぇぇぇ!」 「ゆげぇ!きょんなまじゅいのちゃべりゃれにゃいよおおおおお!!」 反応はあまりいいものではない。だがこれでも用意できる最上のものだ。 れいむはぷくーっと膨れるとこう赤ゆっくり達に怒鳴りつける 「わがままいわないでね!たべないとれいむおこるよ!」 「まりしゃもちゃべちゃいんだじぇええええええ!!」 「いもうちょばっきゃりじゅるいよおおおお!!」 子ゆっくり二匹が声を上げる。優先的に赤ゆっくりに回しているためもう丸半日何も食べていない。食べたと言えば越冬用食糧を切り崩したほんの少しだけ。これでは到底満足するはずがなかった。 「ゆっくりがまんしてね!おちびちゃんたちのほうがそだちざかりなんだからね!」 まりさがなだめ様にも「あまあまが食べたい」「クッキーが食べたい」等と喚いて全くなだめられていない。 マズくはあるが赤ゆっくり達は物をたくさん食べられる。 散々文句をつけて食べた後はれいむに勝手な要望を申し立てる。 「もっちょおいしいにょちゃべちゃいよ!あまあましゃんをもっちぇきちぇね!」 「きょんなんじゃゆっきゅりできにゃいんだじぇ!」 「ゆ!ちゅっきりー!」 一匹の赤れいむに至っては勝手にふんぞり返ってうんうんをかましている。当然子ゆっくり達は不満があるようだ。 「ゆぎぃぃいい!まぢぢゃのぶんもだべでおいでがっでなごどいうんじゃないじぇえええ!!」 「しょうぢゃよ!おいしくにゃいにゃられいみゅたちにちょうだいね!」 「ゆっくりおこらないでね!れいむもとめてね!」 「みんないいかげんにしてね!なかよくしないとれいむおこるよ!」 れいむが膨れてようやくおさまったが。このままでは信頼が崩壊してしまう一歩手前だ。だがまりさにはどうすることもできなかった。 「ゆう…このままじゃごはんさんがたりないよ…」 「なにいってるの?ごはんさんはためてるじゃない!」 「さんびきのおちびちゃんはそだてられないかもしれないよ…」 「そんなわけないよ!おちびちゃんたちがもうちょっとおおきくなったらみんなでかりにいけるよ!そうすればもっとあつまるよ!」 数が多ければいいという問題ではないとまりさは思う 楽観的なれいむに対してまりさは現実的だ。そもそも子ゆっくり二匹と自分たち二匹、計上4匹の食料分を貯めていたと言うのにこの土壇場での赤ゆっくりが増えるというアクシデント。 「かぞくがふえればゆっくりできるよ!」とれいむは言うがその重荷は全てまりさがおうと言う事を分かっていない。 そもそも4匹が総出で秋の初めから集めてようやく越冬出来るだけの数を集められたのだ。食料だって保存がきくものばかりで赤ゆっくり様の柔らかい物などある筈もない。 このままでは仲良く共倒れだ…まりさの頭にふと一つの可能性がよぎった。 「…ちいさいおちびちゃんはそだてられないかもしれないよ」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおお!?」 「だってたりないものはたりないよ!れいむだっておちびちゃんのせわでかりにいけないしまりさやおおきいおちびちゃんだけだったらごはんさんなんてあつめられないよ!」 「だっだらごはんさんをずぐなぐずればいいでじょおおおおおお!?」 「これいじょうきりつめられないよ!それにいまあつめてるのだってちいさいおちびちゃんようのごはんさんだよ!いまのじきそれだけしぼってあつめるだけでもすごいくろうなんだよ!?ゆっくりりかいしてね!」 「ゆぐぐ・・・わかったよ!れいむもかりにいくよ!とにかくちいさいおちびちゃんもおおきいおちびちゃんもれいむがそだてるよ!まりさももっとがんばってごはんさんをあつめてね!」 「ゆうう…れいむ…」 このれいむは決して「ゲス」ではない。れいむ種は特に母性が強いと言われている。子ゆっくりが出来た際はそちらの方に集中するため番いを軽んじてみる傾向があるのだ。 もちろんそれが行き過ぎれば「しんぐるまざー宣言」になってしまう。結局のところまりさの負担が増える一方であった。 そもそもれいむだってちゃんと一緒に狩りに行っていた。数が多ければゆっくりできると押し切ってすっきりを強行したのはれいむだ。もちろんそれを許したまりさにも責はあるが… 険悪なムードで小麦粉の皮を寄せ合ってすーやすーやと眠りに入る。 まりさは考えていた、狩りが出来なくなった分のれいむの食料は越冬用に貯めていたものを切り崩していたからそれも集めなければならないと。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 次の日、今にも雨が降りそうなどんよりとした曇り空を見上げながらまりさが呟いた。 「ゆゆ・・・あめさんがふりそうだよ・・・」 「だいじょうぶだよ!これぐらいならそんなにちょいあめさんはふらないよ!」 れいむが横でキンキンと大声でわめきたてる。声が大きいので目をつぶっていた子ゆっくり達も目を覚ましてしまっていた。 起こす手間が省けたのはいい事だが、このれいむはいつも声がうるさい。何とかならないのかと常々まりさは思っていた。 れいむは子ゆっくり達の方に視線を向けると 「おちびちゃんたち!きょうはみんなでかりにいくよ!ゆっくりついていってね!」 といった。 比較的大きい子ゆっくり達は乗り気の様だ。一日半も外に出られずまともな物も食べられなかったので、意気込みを見せて食糧集めに気合いを入れている。 小さい子ゆっくり達は目をキラキラと輝かせながら口々に外について話し合っていた。これまでは薄汚いダンボールの中でいたのだ。外の世界は話でしか聞いた事がないので何かしら期待を持っているのだろう。 「ゆ!じゃあいくよ!おかあさんについてきてね!」 「「ゆっきゅりー!」」 れいむが声を上げてボヨンボヨン跳ねる。 それについていくように子れいむと子まりさ。そして三匹の赤ゆっくりが連なる様についていく。 まりさはその後ろをゆっくりと移動しながら草の生えた空地へと向かっていった。 「ゆ!ゆ!あんよがいちゃいよ!」 「いちゃいんだじぇぇ…!」 「あんよしゃんがひりひりしゅるよ!」 五分もしない内に赤ゆっくりが口々に痛みを訴える。 本来、街ゆっくりの子ゆっくりというのはテニスボール大になるまでおうちの中で育てるのが普通と言われている。 それはアスファルトという固い地面に小麦粉の皮が薄い赤ゆっくりが長時間跳ねるのが難しいからである。 休み休み動いてはあっという間に夜になってしまうし、それにれいぱーありすやゲスゆっくりの襲撃にも迅速に対応できなくなると言う事ではっきりいってデメリットしかない。 そもそもピンポン玉程度しかない赤ゆっくりを外に出すという時点であり得ないことなのだ。 まりさが赤ゆっくり達を見てこう言った。 「おちびちゃんたち!まりさのおぼうしさんのなかにはいってね!」 帽子を取り払い、舌を伸ばして赤ゆっくりを一匹一匹丁重に砂糖細工の髪の上に載せる。フワフワとした感触に赤ゆっくり達もご機嫌の様だ 「ゆゆーん♪ちょっちぇもゆっきゅりできりゅよ!」 「おとーしゃんのおぼうしさんのなかあっちゃかいんだじぇ!」 「ゆ!でもそとさんがみられないよ!」 帽子を再び被りながらまりさは赤れいむに声をかける。 「しかたないよ!あめさんもふりそうだからゆっくりがまんしてね!」 「なにしてるの!ゆっくりついてきてね!」 当のれいむの方はそれを何とも思わずゲキを飛ばしながら飛び跳ねている。空地は近いと言えどもこんな配慮のない言動に少し苛立ちをまりさは覚えた。 怒っても仕方がないので黙ってついて行く。 さらに五分も進めば草の生えた空き地が見えてくる。昨日まりさが草を集めていた所だ。 狩り…と言ってもこの時期に生えている草は固い草ばかりで、その間に生えている柔らかい草花を手分けして探さなければならない。 「れいむはおおきいおちびちゃんたちといっしょにこっちをさがすよ!まりさはむこうをさがしてね!」 「…ゆっくりわかったよ」 まりさはそれを聞いてゲンナリとした。れいむや子ゆっくり達が向かう先には明らかに下生えの草しか生えていない場所である。そんな所に虫も草もあるわけがない。 一方まりさに割り当てられた所はジャングルと見まごうばかりの足の長い草が生えている場所だ。いちいちかきわけなければならないし、それにここら辺はすでに探して殆どの草を抜きとっている。 「ゆ…おちびちゃんたち!しっかりつかまっててね!いまからごはんさんをさがすね!」 まりさは念を押して帽子の中の赤ゆっくり達に告げた。赤ゆっくり達も「ゆっきゅりわかっちゃよ(んだじぇ)!」と言った後に砂糖細工の髪の毛を咥えたようだ。少し引っ張られたような感覚を感じる。 まりさはガサガサと草の生えた場所をかき分けいく。 草や花を帽子の中に入れたら口の中に赤ゆっくり達を入れなければ…とそんな事を考えながら草をかき分け柔らかそうな草を見つけては舌でブチブチと抜いていく。 当然だが草は一日で生えるものではない。どれだけ探しても少ししか見つからなかった。 それでも探すが対して集まらず、あっという間に二時間ほど時間がたってしまった。 「れいむ!どれぐらいごはんさんがみつかっ…た…」 まりさが口をあんぐりと開けて驚いた。そこにはれいむが体を傾けてあにゃるから特大のうんうんをぶちかましていたからだ。 「ゆ!ゆ!すっきりー!」 実に清々しい表情で不要になった餡子がブリブリとひり出される。これで草や花を大量に積んであるなら許せたものを目の前には自身がしたであろう巨大なうんうんだけ、草も虫も全くないのだ。 「ゆ!すっきりしたよ!れいむはつかれたからやすむよ!おちびちゃんたちはゆっくりごはんさんをさがしてきてね!」 「ゆゆ!ゆっきゅりわかっちゃよ!」 「もっちょくしゃさんをさがしゅんだじぇ!」 事もあろうに自分はうんうんだけを垂れた挙句に子ゆっくり二匹に食料探しを命じて自分は休むという暴挙を成し遂げたのである。 子れいむも子まりさも堅い葉で小麦粉の皮を薄く切ったのか切れ目が付いており、草を踏んで潰した時の汁が付いて汚くなっている。 なのにれいむだけは綺麗なままだ。十中八九適当に飛び回っていただけで狩りらしい狩りをしていなかったと簡単に推測できる。 「ゆうう・・・!もうおこったよ!」 まりさは激怒した。こんな態度に出られればどんな温厚なゆっくりでも憤怒の念を禁じえない。 声を上げてれいむに抗議しようとした瞬間に、ガサガサと音がして子れいむと子まりさがすごい勢いで飛び出してきた。 「あ、あ、ありぢゅぢゃあああああああああああ!!」 「ゆっきゅりにげりゅんだじぇええええええええ!!」 その言葉を聞いてまりさは目を見開いた。その直後に後ろから二匹ほどのありすが寒天の目を血走らせ、砂糖水の涎を吐き散らしながらゆっくりとは思えない速度で飛び跳ねている。 「んほおおおおおおおおおおおおお!!いっぱいゆっくりがいるわああああああああ!!」 「ありすのとかいはなあいをうけとってえええええええええ!!すっきりすっきりいいいいいい!!」 「ゆ!おちびちゃん!ゆっくりにげてね!ゆぎゃ!?」 まりさがしんがりを務めるためにわざと子れいむ二匹を先に行かせるために立ち止まる。自分が囮になろうとしているのだ。 だが何か凄まじい勢いでぶっとばされた。まりさはゴロゴロと一回転半転がって帽子が投げだされる。幸い舌で何とかキャッチしたのですぐに被ることが出来た。 まりさはぶつかった物が何なのか後方を振り返るとすぐに確認する事が出来た。 「ゆんやああああああああああ!!かわいいれいむをたすけてね!ゆ!ゆ!あでぃずはゆっくりどっかいってねええええええ!!」 そこには凄まじい形相で子ゆっくり二匹を追い抜きはるか後方へ一目散に跳ねて逃げていくれいむの姿があった。 「まっちぇえええええ!!おきゃあしゃああああああん!!れいみゅをおいちぇいきゃにゃいぢぇね!」 「ゆううううう!!は、はやくにげりゅんだじぇえええええ!!」 子ゆっくり二匹は泣き叫びながら必死にれいむについていく。まりさの方も足の長い草むらに紛れて逃げようと準備を整えた。 その時赤ゆっくりがいない事に気づく。ギョロギョロと寒天の目を動かすと、まりさの手前30cm程の所に三匹が投げ出されていた。 「ゆんやああああああ!!いちゃいんだじぇええええええ!!まりしゃのきゃわいいきょあぎゃああああ!!」 「ゆびぇえええん!きょわいよおおおおおおお!!」 「ゆ”…!ゆ”…!」 口を大きく開けて砂糖水の涙を流して泣き叫ぶ赤れいむと赤まりさ、もう一方の赤れいむの方は石コロに当たったのか底部が裂けて餡子が漏れ出していた。 「ゆ!おちびちゃん・・・!」 まりさはすぐに助けようとするが、一瞬思い悩んだ。いちいち口の中に入れるのも時間がかかるし、後ろから来るありすはすぐそこまで来ている。もうこれ以上は待てない。 だが手間がかかるとはいえ自分の可愛い子ゆっくりだ。どうすればいいのだろうか… そんな考えを遮る様に後ろから醜悪に顔をゆがめたありすがそこまで来ていた。 舌をブルンブルンと振り回しぺにぺにを上下にガックンガックンと上げながら襲い掛かってくるありすを見た途端に、まりさは何も考えられなくなった。 「ゆ…!ゆ…!ゆっくりこないでねえええええええええ!!」 まりさは逃げ出した。それはもう凄まじい速さで。 死に物狂いで飛び跳ねるその後ろから赤ゆっくり達の声が聞こえたような気がする。 「こんなところにかわいいれいむやまりさがいるわああああああああ!!」 「んほおおおおおおおお!!すっきりいいいいいいいい!」 「ゆんやあああああああ!!おとおしゃあああああああん!!かわいいれいみゅをたしゅけちぇねえええええええ!!」 「きょわいよおおおおおお!!おいちぇかにゃいでほしいんだじぇえええええええええ!!」 まりさは逃げた。振り返らず猛然と 結果的にこのまりさ一家は赤れいむ達を身代りにして逃げおおせたという結果になったのだった――― ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ゆ!ゆ・・・!れいむのかわいいおちびちゃんたちがぁぁ…!」 さめざめとれいむが寒天の両目から涙を流して泣いている。 自分が真っ先に見捨てて逃げ出した事を悪い事とすら認識していないようだ。いや、正確にいえば都合の悪い事は忘れて、都合よく記憶を変えていると言ってもいい 恐らくれいむの頭の中では「自分がちょっと目を離したすきに赤ゆっくりと逸れた」といった思考が展開されているのだろう。 まりさは恐怖でガタガタと震える子れいむと子まりさをすーりすーりして落ち着かせる。 既に泣く気力もなくなっていた。れいむがまりさを弾き飛ばしたおかげで赤ゆっくりごと数少ない食料を豪快にぶちまかしたので結局骨折り損というわけだ。 今頃あの草はありすのカスタードクリームにでもなってしまっているのだろう。 「ゆ”…!しかたないよ…いなくなったおちびちゃんのぶんまでゆっくりするよ…」 自分が何か悲劇の主人公にでもなったつもりだろうか。全くゲンナリだ。 少なくともまりさはそう考えていた。いや、あの状況で少しでも見捨てるという選択肢を考えて、なし崩し的にとはいえそれを選んだ自分が一番ゲスなのかもしれない。 そう考えているまりさをおいて、れいむはすぐに眉をキリッとさせるとまりさ達に向かってこう話しだした。 「とにかくあそこはありすがいっぱいいるからゆっくりできないよ!ごはんさんがいっぱいあるばしょにまりさはれいむたちをあんないしてね!そこでてわけしてかりをするよ!」 自分がかじを取ろうとでも考えているのだろうか?それにしては人(饅頭)任せ過ぎる。 まりさは暗い表情でれいむにポツリポツリと話す。 「ゆ…でももうごはんさんがあるところなんてゆっくりできないゆっくりがいっぱいいるえさばぐらいしかないよ…」 「じゃあそこにいくよ!まだあかるいからきっとそろーりといけばばれないよ!ゆっくりみつからないようにいこうね!おちびちゃんたち!ゆっくりついてきてね!」 まりさは信じられないというような感情を覚えた。本気で言っているのだろうか? 確かに朝から昼の人目に付きやすい時間帯はあぶれゆっくりたちはいない。いないといってもそれは少ないと言うだけであってキッチリいるのだ。 見つかればどうなるかわかった物ではない。少なくとも帰れないだろう。どんな所か分からないのは言って帰ってきたゆっくりがいないからだ。 そもそもれいむは声がでかい。「そろーりといけば」なんて能天気な事を言っているが全然忍べない事は火を見るより明らかだ。 それに子ゆっくり二匹も同行なんてリスクが高すぎる。れいむは「みんなでいけばかりのこうりつがよくなるよ!」とたびたび言っているが。当のれいむも知らない内に体のいい身代わりとして使っている結果になっている事に気が付いていないのだ。 それでもゲスでないと思うのは、自分が悪い事をしたと全く感じていない事だからだろうか?とにかく餡子脳がオメデタすぎてまりさは乾いた笑いが出そうになる程に感情がマヒしていた。 (れいむはいつもこうだ…まわりのめいわくもかんがえずにいっつもかってにみんなをこまらせる…れいむはゆっくりできてもまりさやおちびちゃんはゆっくりできないよ…) そう考えても自分がれいむの元を離れるわけにはいかない。自分が離れればれいむはたちどころに潰されてしまうだろう。自分が守らなければ…と混乱が続いている頭でもそれだけはしっかりと考えていた。 だからなのかもしれない、赤ゆっくりもいなくなった今、「おうち」に戻って越冬用食糧を使えば冬を越せると言う事にまで頭が回らなかったのは… 結局まりさはれいむの提案を呑んだ。危険な餌場に足を踏み入れる事となった。 だがまあ、成功する公算は高いと考えていた。夜や夕方ならあぶれゆっくりが大量にいるので近づく事もかなわないが、昼間の内なら大丈夫「かもしれない」 とにかく元気よく跳ねるれいむの後ろを跳ねて着いていっていた。 「ゆ・・・おきゃあしゃんまりしゃおなかしゅいちゃんだじぇ…」 「れいみゅももうぺきょぺきょぢゃよ…」 子ゆっくり二匹が空腹を訴えていた。当たり前だ。もう既に一日半は何も食べてないのだから それでもれいむはプクーッと膨れてこう言った。 「ゆ!うるさいよ!みつかったらゆっくりできないんだからだまっててね!ごはんさんはもうすぐあるよ!それまでがまんしないとれいむおこるよ!」 「ゆ・・・ごめんなしゃい…」 「ゆっきゅりしずかにしゅりゅんだじぇ…」 れいむが怒ったため萎縮して謝り出す子ゆっくり達、餌場はもうすぐそこまで来ていた。 路地裏の広い袋小路、そこまであと1m、前に進むか後ろに戻るしかできない立地が否応なしにまりさ一家を緊張へと導いていた。 「そろーりそろーり!おちびちゃんたち!ゆっくりしずかにうごいてね!」 「「そろーり…そろーり…」」 「そろーり…れ、れいむぅ…こえがおおきいよ…」 大きな声でれいむが叫ぶ為にまりさがなだめる。だがもう遅かった。 既に他のゆっくりに取り囲まれて退路まで経たれている。その事にまだまりさ一家は気づいていない。 突如れいむの横に丸い影が近づいたかと思うと、れいむが突然大きな声を上げ出した。 「ゆ!?ゆぎゃあああああああああ!!!!????」 「で、でいぶううううううう!?どぼじだのおおおおおおおお!?」 子ゆっくりたちが異変に気づいてまりさの周りに集まる。 まりさはその異変の正体に気づいた。 あの丸い影の正体は…「ちぇん」だ。ちぇんがれいむの右側面に口を大きく開けて噛みついている。 「ゆがあああああああ!!ゆっぐりばなじでね!ゆ”!ばなぜええええええええ!!」 れいむが寒天の目を血走らせてあらん限りの力でブンブンと体をふって引きはがそうとする。だがちぇんはビクともしない。 ちぇんの方も何かおかしかった。「ふーっ!ふーっ!あまあまなんだねぇぇぇええええ!!わがるよおおおおおお!!」と叫びながら砂糖細工の歯をれいむのモチモチとした小麦粉の皮に突き立てている。 寒天の目は焦点が定まらずぐりんぐりんと回っており、息も荒い。明らかに普通ではない。 「ゆ!?」 まりさは辺りを見回す。れいむの大声に気づいたのかそこにはまりさ一家を取り囲むようにグルリと様々なゆっくりがいた。 どれもこれも風態がおかしい。飾りのない物や、半分禿げているもの、様々な「ゆっくりできない」ゆっくりが大量に取り囲んでいた。 一つ共通する事はどれもこれもあのちぇんの様な様子だと追う事だけだ。 「ゆぎぃいいいいいいいいい!?」 まりさが警戒して周りを見ている頃、れいむの方は凄まじい事になっていた。 今度はリボンめがけてリボンのないれいむが後ろ上部に噛みついたのだ。凄まじい力でミチミチと小麦粉の皮が千切れていく。 あっという間にブチブチと音がしてれいむの自慢のリボンは砂糖細工の髪の毛が音引きちぎられた。 「ゆっぎゃあああああああああ!?でいぶのおりぼんざんがあああああああ!?」 カッパハゲになってしまったれいむ、だが気にしている時ではない。まだちぇんが噛みついているのだ。それを何とか引きはがそうと必死に体を動かすが、ちぇんはガブガブと噛みついて全く離れる様子がない。 リボンのない「あぶれれいむ」の方は舌でリボンを持ち上げながら 「りぼんざんがあればゆっぐりでぎるよおおおおおおおおお!!」と雄たけびを上げている。 だがそれも長く続かない。他のリボンがないあぶれゆっくりのれいむ種が二体、一斉にあぶれれいむに群がったのだ。 「ゆぎゃ!ゆぎぃいいいいいい!!」 「りぼんんんんんんんんんんん!!」 「あばあばざんはゆっぐりでぎるよおおおおおおお!!ゆぎゃばばばばばああああああ!!」 あぶれれいむも反撃するが、あっという間に小麦粉の皮を三分の一以上食いちぎられ、「ゆ”!ゆ”!」と痙攣を起こしている。長くはないだろう。 れいむに噛みついているちぇんにもあぶれゆっくりの洗礼は続いた。帽子のないまりさがちぇんの帽子ごと真上の部分に噛みついて、バリッと食いちぎる。 「ごのあばあばはまどめでまでぃざがいだだぐんだぜええええええええ!!」 「ぢぇええええええん!!ゆぎぃっ!ゆがっ…!がっ…!?」 あぶれまりさがグッチャグッチャとちぇんのチョコレートをむさぼる様に食べ始める。ちぇんは寒天の目をグリンと上に向けて力なく口を離した。 「ゆ”!ゆ”!いだいよぉぉおおお・・・でいぶのりぼんざんがあああ…ゆ”っぎぃ!?」 「がふっ!がふっ!じあわぜえええええええええええええええ!!」 やっと一息ついたのもつかの間、れいむはまた別のあぶれありすに噛みつかれたのだ。今度はちぇんの様に噛みついているだけではない。体をふって先ほどちぇんが噛みついていたところに噛みつき、一気に小麦粉の皮を食い破る。 「あ”あ”あ”あ”あ”!?いだいいいいいいい!!」 れいむが顔をゆがめて叫ぶ。右側面は大きく裂けて餡子がボトボトと落ちている。それをあぶれありすは口を地面につけてグチャグチャと貪っていた。 「む~ちゃむ~ちゃ!ちあわぜえええええええええええ!!」 「ゆ”!やべでね!でいぶのあんござんだべないでね!」 「む~ちゃむ~ちゃ…ぢあわぶぢぇ!?ゆがっ…ぎ…ぎいいいいいいいいいいいいいいいい!?」 「ぢ~んぼおおおおおおお!!がっでにみょんのあんござんをだべるなんでとんだげずだねぇぇぇぇええええ!!」 あぶれありすの真上に木の枝が深々と突き刺さった。そのままあぶれみょんが舌でグリグリとかき回しながらありすを放り投げる。 「ゆ”んやああああああああ!?ゆっぐりやべでねええええええ!!がわいいれいぶをゆぎいいいいいい!!」 止めとばかりにあぶれぱちゅりーがれいむの上にのしかかって餡子をひり出す。餡子が一気に流れ出たれいむはそのまま寒天の目をグリンと上に向けて「ゆ”!ゆ”!」痙攣を始める。 そのあぶれぱちゅりーにも一斉に他のあぶれゆっくりが襲い掛かり、ゆっくりのダンゴが出来上がった。ウネウネと動いてそれらが離れた頃には、れいむは小麦粉の皮のキレのこしてそのまま他のゆっくりの餡子になってしまっていた。 まりさは周りの状況を見渡しながら恐怖のあまりうんうんとしーしーを垂れ流してその場に張り付いた様に動けなくなっていた。 それがいけなかった。まりさに突然砂糖細工の後ろ髪を引っ張られた様な感触が襲った。ブチブチと音を立てて痛みが走る。 「ゆがああああああああ!?いだいいいいいいいいい!!」 見れば、砂糖細工の産毛を数本のこした何種か分からない禿げ饅頭が髪の毛をペタペタと舌で張り付けていた。 「までぃざのがみいいいいいいい!!ぎゃみいいいいいいい!!ゆっぐり!ゆっぐりいいいいいいいいい!!」 どうやらまりさ種の様だ。だが空恐ろしい何かにしか映らない。 他のあぶれゆっくりがまりさの小麦粉の体と言う体にのしかかり、そして噛みつく。 「ゆぎゅううううううう…!おぼいいいいいいい!!ゆぎぃっ!ゆごおおおおおお!?いだいいいいいい!!ぼうやだああああああああ!!おうぢがえるうううううう!!」 まりさがの視線の先には子れいむと子まりさがいた。 「む~しゃむ~しゃがふっごふっ!」 「うべっ!ごれべっぢゃうべぇええええええ!!」 「やべぢぇねえええええ!!いぢゃいいいいいいい!!れいみゅをちゃべにゃいぢぇねええええええ!!ゆ!…!…!!」 「ゆんやああああああ!!ゆっきゅりちゃべりゅんじゃないじぇええええええ!!ゆ!ゆ!あ”あ”あ”あ”!…!…!……!!」 二匹のあぶれまりさがソフトボール大の子れいむと子まりさを丸のみにしようとしていた。 子れいむも子まりさも抵抗してあぶれゆっくりの口から小麦粉の体を乗り出してグネグネと動くが。暖簾に腕押し、どんどん口の中に引っ張りこまれていく。 遂にはゴボン!と口の中に入れられてしまった。二匹のあぶれまりさはむ~しゃむ~しゃと咀嚼する。 「ゆげぇっぷ」とゲップをかますと口からリボンのキレと帽子のキレを残して完全にいなくなってしまっていた。 「までぃざのおぢびぢゃんがああああああああああああああああ!!」 まりさが穴と言う穴から砂糖水の涙や涎を流して泣き叫ぶ。しかしこんな状況ではまりさも子ゆっくり達と同じようになるのは時間の問題だった。 まりさが痛みでのた打ち回っている時、突然目の前が真っ暗になった。襲ってくるのは凄まじい激痛。 「ゆばあああああ!?までぃざのおべべがあああああああああ!?」 3匹のあぶれぱちゅりーが口にくわえた木の枝でまりさを突き刺したのだ。内二本は寒天の両目にジャストミートしてまりさを苦しめる。 「むぎゅううううううう!!ごうずればあばぐなるわあああああああ!!」 「「むぎゅばばばあああああああ!!ばぢぇだぢのずのうのじょうりよおおおおおおおお!!!」」 まりさがゴロゴロと転がりまわってなんとか脱出を試みる。だが深く刺さった木の枝はまりさの餡子をかきまわすだけであった。 まりさに一斉にあぶれゆっくりが群がって行く。 ブチブチと言う音が聞こえる。グチャグチャと何かを咀嚼する音が聞こえる。 「いだいいだいいいいいいい!!ゆっぐりだべないでゆびぃっ!ゆ”!ぎぃっ!ゆがあああ…!!……!………!!」 あぶれゆっくり達は止まらない。餡子を食べて、小麦粉の皮をくいちぎる。 「…!…!!」 まりさ一家がいなくなった後も、一堂に会したあぶれゆっくりたちは戦う。最早餌場という目的でなく「ゆっくり」という饅頭を食べるために。 …一時間後、そこに残っているのはゆっくりの飾りや餡子やクリームのカス、小麦粉の皮のキレだけであった。 一匹のボロボロのれいむがそこに唯一いた。 「ゆへへへぇぇぇ~!ゆっぐりおながいっばいになっだよぉぉ~!」 片方の寒天の目はなく、もう片方もあり得ない方向にギョロギョロと動かしている。 底部の方からは餡子が流れ出ていた。かなりの深手の様だ。 「ゆ~♪ゆゆ~♪ゆ~っくり~していって~ね~♪」 そう歌いながらガクっと項垂れてそのまま動かなくなる。 あと数十分もすればまた離れていた別のあぶれゆっくりがここに集まるだろう。 ここに行きついたゆっくりに待っているのは。統率できるゆっくりがあらわれてその傘下に入るか、他のゆっくりのうんうんになるかだけであった。 冬の餌場。ゆっくりにとってはオアシスになるはずの場所がとんでもない戦場へと変貌するのである。 今日もあぶれたゆっくり達は互いの餡子をかけて鎬を削っている。 ゆっくりプレイスとは程遠い場所、しいて形容するならば「バトル・プレイス」で――― 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 504 かりすま☆ふぁいたー ふたば系ゆっくりいじめ 516 サバイバル・ウィンター ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ ふたば系ゆっくりいじめ 582 ビルディング・フォレスト
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/918.html
37 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/16(土) 23 18 45 ID 0v4MWpIk ビリビリ「っで、私もあんた達どれがどれだかわからないから、一応自己紹介しなさい」 妹達「「「了解しました、お姉さま」」」 R妹「私はR(リボンズ)ミサカです」 妹E「私はミサカEです」 妹F「私はミサカFです」 妹達「「「以後、お見知り置きを、っとミサカは自己紹介を終えます」」」 部長「…見事、御坂さんと海原君の予想が的中しちゃったわね」 美穂子「本当、瓜…四つですね。御坂さん、ちょっと彼女たちの横に並んでくれませんか?」 ビリビリ「人の事を瓜に例えないでください!…こうですか?」 池田「うわっ、マジで四つ子にしか見えないし!」 上条「おーい、ビリビリいるかー、って、4人も!!」 マリアンヌ「あら、ちょうどいいところに来たわね」 C.C.「ここでボウヤに問題だ。本物の御坂美琴はどれだと思う?」 上条「へっ?」 38 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/16(土) 23 26 58 ID g/DqsAUo ヴァン「右から二番目だろ」 幸村「いやいや、一番左ではないかと思いまするが」 C.C.「黙れ」 39 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/17(日) 00 17 21 ID lHFwsBhE コクトー「あれ? 確かミサカEさんはイノベイド妹では無い筈……」 イリヤ「こんな事もあろうかと、イノベイド妹を一人ミサカEとすり替えておいたのよ」 コクトー「成る程、意図的に此処に送り込んだんですね。 でもどうして?」 イリヤ「いいじゃない、どうせ生きてるか死んでるか分からないんだし。 それに、そっちの「お姉様」を焚き付けるにはうってつけじゃないかしら?」 コクトー「悪趣味ですね……」 41 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/17(日) 00 26 15 ID csGuYAV. イリヤ「ちなみに資料の改竄はヴェーダが2秒でやってくれたわ」 コクトー「何故2秒…?」 イリヤ「00世界でいう一瞬って言う意味よ。いわゆるスラングね」 コクトー(また適当な事を…)
https://w.atwiki.jp/wakan-momomikan/pages/3728.html
橙色の飛物│和(磐州)│火部│ http //www10.plala.or.jp/cotton-candy/momomi2/maki-3561.htm
https://w.atwiki.jp/64thblue/pages/167.html
高校5組。団長:大高 組責:布施
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1253.html
マホ「こんにちわー!連絡があったので大急ぎで来ましたー!」 久「いらっしゃい。もうすぐ終わるから、少し待っててね」 裕子「すいません」 まこ「いいんじゃ、こっちが呼んだんじゃから。お、もう終わるか」 咲「カン!カン!ツモ、嶺上開花!!」 京太郎「おぉぉぉぉ……最後にぶっとんだ……」 優希「さっすが咲ちゃんだじぇ!!」 和「ええ……須賀くんも、上達してますよ?」 京太郎「ふ……今言っても死体蹴りだぜ……」 咲「ご、ごめんね?つい……」 京太郎「つい、で飛んだのかよ……」 優希「さーって、罰ゲームの時間だじぇ!!」 マホ「ええ!?そ、そんなの駄目ですよ!!」 和「マホちゃん」 マホ「賭けとか、そんなの駄目って言ってたじゃないですか!!」 優希「こいつ、自分がトップだったら、のどちゃんのおっぱいを揉む気だったんだじぇ?」 マホ「容赦なくやりましょう!!」 久「後輩の教育がよくできてるわね」 まこ「なんか違うと思うぞ」 優希「でも、罰ゲーム特に決めてないんだなーこれが」 京太郎「財布にくるの以外なんでも来いよ。トップになった咲からなんかないのか?」 咲「うーん、特にないかなー。私もこういうのちょっと苦手」 久「……なら、いいの思い付いたわ」 優希「お、部長なら期待だじぇ!」 まこ「そういう方向の期待はどうかと思うんじゃがな」 久「須賀くん」 京太郎「はい……なんでもどうぞ!」 久「今日1日、椅子になりなさい」 京太郎「……はい?」 京太郎「…………」 マホ「えーっと、いいんですか?」on the 京太郎 久「いいわよー、しっかりねー」 和「部長……これは本気で訳が分からないんですが」 久「平常心を鍛えるためよ。どんな状況であっても、自分の実力を出し切れる。そのための特訓ね」 まこ「本音は?」 久「面白そうじゃない」 裕子「……大丈夫なんですか?」 優希「大丈夫だじぇ……のどちゃんさえ乗らなければ」 京太郎「そんな!?ひっでぇ!!」 咲「京ちゃん……」 和「はぁ……では、マホちゃん。始めますよ?」 マホ「はい……あ。これ、持って打ちますね」 まこ「そりゃKちゃんぬいぐるみ……中学でも流行っとるんか」 和「……まさか私のエトペンみたいに、って理由ですか?」 マホ「な、なんで分かったんですか!?やっぱりすごいです!」 和「……分かりやす過ぎるのが難点ですね」 咲「あはは……じゃ、行くよ?」 優希「後輩だからといって遠慮は無しだじぇ!」 マホ「は、はい!マホ、行きます!!」 マホ「カン!カン!ツモ、嶺上開花!!」 和「こ、これは!?」 優希「じぇー……」 咲「が、合宿の時より……」 マホ「やりましたー!マホ、トップです!!」 まこ「こ、こんなに強かったか?」 裕子「い、いえ。今まで見た中で一番強かったです」 久「……そのまま、もう一回いいかしら?」 マホ「……ツモ!!」ヒュッ、バシッ!! 和「な、なんですかそれ……」 優希「ぶ、部長みたいだじぇー……」 咲「う、うわわわわ……」 マホ「やりましたー!マホ、絶好調です!!」 まこ「おい、何やった」 久「な、何もしてないわよ!?」 京太郎「あのー、そろそろ足痺れてきたんで、椅子やめていいですか?」 久「いいわよ。今、それどころじゃないし」 京太郎「じゃ、降りてくれ」 マホ「むー……不服ですが降ります」 優希「じゃ、もう一度やるじぇ!!リベンジだじぇ!!」 マホ「マホ、今日は負けませんよ!!」 マホ「……飛んじゃいましたー」 和「……なんですかこれ」 優希「そんなオカルト?」 咲「ありえません?」 和「……私、そんな言い方でした?」 久「なんだったのかしら?」 まこ「さあな。さて、そろそろ時間じゃ。今日はここまでにしとくか」 裕子「ありがとうございました。なんか、マホが変なことしたみたいなのに」 マホ「へ、変じゃないですよ!?」 久「いいわよ、良い練習になったし。また来て相手してくれるかしら?」 マホ「は、はい!マホでよければ!!」 数日後 マホ「お邪魔しまーす」 京太郎「...zzz...zzz」 マホ「須賀先輩だけ?ってネト麻つけたままです」 京太郎「...zzz...zzz」 マホ「……ちょっとだけですよー?」 PC「ツモ!!国士無双!!」 マホ「ぜ、絶好調です……」on the 京太郎 京太郎「...zzz...zzz」 マホ「まさか、須賀先輩の上に座ってKちゃんを抱けば……」 和「あら?来てましたか?……なんでまた須賀くんの上に座っているんです?」 マホ「和先輩!!須賀先輩を下さい!!」 和「!?」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3823.html
『シティ・ジャーロ』 24KB 虐待 日常模様 家族崩壊 子ゆ 現代 虐待人間 うんしー 観察? 21作目 羽付きあきさんリスペクト作品。 そのはずなのに、どうしてこうなった。どうしてこうなった。 『シティ・ジャーロ』 マンネリあき 「皆さん、『羽付きまりさ』をご存知だろうか? 都会に住むゆっくりたちの小さなドラマを、帽子に白い羽を付けたまりさ中心の視点で 描いた作品は、ネットで発表されるや否や愛で派、虐待派共に一大ブームを巻き起こした。 まりさたちは野良飼い問わず、こぞって白い羽をつけたがり、野良まりさに 野良ゆっくりを案内するよう頼み込むような人間も現れたという。 かくいう私もその影響を大いに受け、これまで適当に潰したりして遊んでいた都会の ゆっくりたちを観察してみようと決意するに至ったのである。 今日は暑かった夏がようやく終わりを迎え始め、節電の効果があったのかなかったのか も分からないまま、涼しげな秋に移行しようとしている。 ゆっくりたちもようやく過ごしやすくなってきたのだろう。 あちこちで野良ゆっくりがおうたを歌い、踏み潰されて悲鳴をあげ、虐待されて悲鳴を あげ、何やかやで悲鳴をあげていた。 『おにいさんが、はかせのいっていたにんげんさんであってるのぜ?』 と、指定された路地裏で待っているとダンボール箱から、帽子の先端がへにゃりと曲が ったまりさが現れた。 『ああ、そうだよ。君が野良ゆっくりを案内してくれるっていうまりさかい?』 『そうだぜ。やくそくのごはんさんはまえばらいにしてくれるとありがたいんだぜ』 私は頷き、指定されたゆっくりフード甘み控えめタイプを差し出した。 『あじみさせてほしいんだぜ』 まりさはぺろぺろと差し出されたフードを舐め、頷いた。 『ありがとうだぜ。やくそくどおり、のらのゆっくりたちをかんさつさせてあげるんだぜ』 『ありがとう。でも、もっと甘い奴でも構わなかったけど?』 『あまあまさんがつよすぎると、したがばかになるのぜ』 虐待派の鬼意山の中には、わざわざ強烈な甘さを誇る菓子を食わせ、今まで食べていた はずの餌を食べられないようになって、飢え死にしていくのを楽しむ者もいるのだ、とい う。 『めーりん。これをあずかってほしいんだぜ』 まりさの番にしては珍しいことに、野良のめーりんがもそもそと這い出てきた。 『じゃおーん』 了解した、という鳴き声なのだろうか。彼女は私に一礼すると、ゆっくりフードを詰め た袋を、ダンボール箱の中に運び込んだ。 『それじゃあいくのぜ』 『おう、分かった』 こうして、私とまりさは羽付きまりさと彼を追いかけた作者のように、野良ゆっくりの 生態を観察することになったのだった。 しばらく歩くと、繁華街から少し離れた雑居ビルに辿り着いた。一階にあった手打ちの 蕎麦屋は既に潰れて長いらしく、閉店を知らせる張り紙がぼろぼろに風化していた。 『ここのうらっかわに、はぐれのらがすみついているんだぜ』 この街の野良ゆっくりはほとんどが寄り集まって群れを結成し、人間に対抗したり(大 抵駆除される)、あるいは驚いたことに人間と共生したりもする(私の住んでいる家の近 くにある公園がそうだった)。 そんな中の『はぐれ』とはつまり、野生ゆっくりから落ちぶれたゆっくりや、飼いゆっ くりとしてのプライドが、野良ゆっくりの群れに入ることを拒んだ者たち――言うなれば、 底辺の更に底辺ゆっくりである。 まりさの言葉に、私はそっと物陰からビルの裏を覗き込んだ。 『ゆ、ゆ、ゆ~ん。だじぇっ、だじぇっ、だじぇっ』 『ゆうーん。おねえしゃんのおうたはちょってもゆっくちできるにぇ』 『ゆううう。ふたりともとってもとってもとってもかわいいおちびちゃんだよぉぉ。 これならにんげんさんもおちびちゃんにくびったけっ、だよぉぉ』 甲高く苛立たしい声。 紛れもなくゆっくりだ。腐りかけのダンボール箱の中で、のんきにおうたなんぞを歌っ ている。 『おやはれいむ。あとはまりさのちびなんだぜ』 『子供のれいむはいないみたいだな……』 私とまりさは少しずつ少しずつ、そろーりそろーりと彼らに近づいて行く。 これ以上はさすがに鈍感なゆっくりと言えども気付かれる、という場所まで移動すると、 私は双眼鏡を取り出して、観察を開始した。 『うぇぇ……』 見るに堪えない、見苦しいゆっくりたちであった。 親れいむはまず、おかざりが黒い汚れや雨の後濡らしっぱなしだったのか、ごわごわと 奇妙な形にねじ曲がっている。 そして、本来白に近いはずの肌はぬらぬらと茶褐色の汚れに覆われており、下腹部あた りには埃や何かの毛のせいで、さながら疥癬のようになっていた。 まむまむはガバガバになっていて、くるりと振り向いたあにゃるには茶褐色のうんうん の残骸らしきものがこびりつき、フジツボのようだ。 おちびちゃん二匹も酷いものだ。 自慢であるはずのおさげはぼさぼさ、薄汚い肌は親れいむと同じだがまりさ自慢のおか ざりであるぼうしがところどころに穴が開いた、ゆっくりならずとも顔をしかめる、まさ にゆっくりしてないゆっくり的な薄汚さである。 『あれはもとかいゆっくりなのぜ』 『飼いゆっくり? あれでか?』 まりさの話によると。 彼らのローリングストーンゆん生は、飼いゆっくりが陥る典型的なものだったという。 即ち、番で飼われる→去勢を泣いて嫌がる→すっきり→おちびちゃん作成→捨てられる、 ついでに親まりさは適当に死んだ、という流れだ。 ただ、他と違って面白いのは、彼らは決してゲスではなく、『おかざりやうすぎたなさ でゆっくりしているしていないをきめるべきじゃない』という思想を持っているらしい。 善良なゆっくりなのかな? 実に立派なことじゃないか……と思ったが彼らの姿を見て 考えを変える。 確かに汚い綺麗程度で、ゆっくりの多寡を計るというのは少し間違っている気もするの だが……。 『いくらなんでも、みぐるしいにもげんどがあるんだぜ』 確かになあ。 野良ゆっくりは結構見かけるけど、あれほど酷いのは見たことがない。 『ふつう、おやはぺーろぺーろすることでおちびちゃんのよごれをとるんだぜ。 なのに、あのれいむはそれをいやがったんだぜ』 ぺーろぺーろで汚れを取るということは、その汚れたものを口に入れるということだ。 親れいむはそれを嫌がり、自身も汚れるままに任せたのか。 きっと近付けば、ドブの臭いが濃厚に漂っているに違いない。 想像しただけで吐き気を催した。 『ゆっ、ゆっ、ゆー。れいむたちはこころがきれい~♪』 『き・れ・いっ♪ き・れ・いっ♪』 『きれいだじぇっ♪ きれいだじぇっ♪』 ジャイアンのリサイタルを実際に聴くと、こんな気分なのだろうか。 そう思う程度には、酷い歌であった。 『ゆふふ。れんっしゅうはかんっぺきだねっ。このおうたとおちびちゃんたちのきゅーと さがあれば、にんげんさんはきっとかってくれるよ! きっと! ぜったい! ぜっっっっったいだよぉぉぉぉぉ!』 『『ゆっくちりかいしたじぇ(よ)!!』』 私たちは、呆れた様子でそのハイテンションな一家を見つめていた。 『のらゆっくりのなかでも、きんねんまれにみるあほなんだぜ』 『あの根拠のない自信を、私は時折羨ましいとすら思うよ』 全く自分たちを省みない、自分たちがゆっくりしているからゆっくりしているのだ、と いう根拠のない盲信。 人間ならば100%モンスターペアレンツになるタイプである。 『ゆっくち、ゆっくち、ゆっくち~♪』 『ゆじぇっ、ゆじぇゆじぇゆじぇ~♪』 少し見ていると、二匹の子まりさが微妙に性質が違うのが私にも分かってきた。 だじぇ口調の子まりさは、口に枝を咥えている。時折得意気に動かしているところから 察するに、恐らく彼にとっては自慢の得物なのだろう。 一方、非だじぇ口調の子まりさ(便宜上だじぇ口調を子まりさA、こちらを子まりさB とでも呼ぼう)は時折空を見上げて、にへらーっと笑っている。 『おそらしゃん、ゆっくちちてるにぇ! まりしゃもゆっくちちてるよ!』 『くさしゃん、にがにがだけどゆっくちちてるにぇ!』 『すぃーさん、ゆっくちちてないけどゆっくちちてるにぇ!』 とにかく、ありとあらゆるものが子まりさにとっては『ゆっくち』しているものらしい。 親れいむの教育の成果だろうか、まあ確かに彼らは善良……そうではある。 少なくとも、ゲスのような言動はないだろう。 まあ、だからといって飼いゆっくりになれるかといったら大きな間違いだ。 『ここらへんがゆっくりしてるね! それじゃあ、おちびちゃんたち! ゆっくりしてるおうたで、かいゆっくりにしてもらうよ!』 『『ゆわーい!』』 親れいむが、汚らしい二つのもみあげをぱんぱんと叩いてリズムを取り始めた。 『いち、にー、いち、にー、さん、よん!』 驚いたことに、親れいむは数字を四つまで数えた。 飼いゆっくりとしての教育が行き届いていたのだろう。 だが――。 『れいむはもとぎんばっじさん!』 『まりしゃは、ぎんばっじこうほのおちびちゃんだじぇ♪』 『まりしゃは、ぎんばっじこうほのおちびちゃんだよ♪』 『『ゆ、ゆ、ゆ~♪』』 『れいむはとってもゆっくりしてるよ♪』 『まりしゃはとってもゆっくちちてるじぇ!』 『まりしゃはとってもとーってもゆっくちちてる!』 『『『ゆゆゆゆゆ~♪』』』 ノリノリであった。 くねくねと、汚らしい身体を存分に見せつけるダンスは――道行く人々に、最低な気分 をもたらしていた。 顔をしかめ、鼻を摘み、蔑みきった表情で、人間は足早に通り過ぎていく。 『だからそこのにんげんさん! れいむをかいゆっくりにさせてあげるよ!』 『まりしゃたちをかってもいいのじぇ!』 『まりしゃたちがかいゆっくりになってあげるよ!』 『……ァァン?』 ピタリと、一人の青年がその不遜極まり無い歌詞に足を止めた。 『おい、今何つった? 飼いゆっくりに……させてあげるだと?』 れいむたちは、彼のゆっくりしていない雰囲気に気付かない。 喜び勇んで、彼の足元に駆け寄ってぴょんぴょんと飛び跳ねる。 『そうだよ! れいむたちはとっっってもゆっくりしているゆっくりだからね! かってくれれば、きっとおにいさんもゆっくりできるよ!』 『ゆっくちさせてあげりゅよ!』 『だからゆっくちさせてにぇ!』 『お前等みたいな汚い連中を飼う奴なんていねぇよ』 その言葉に、親れいむが心底馬鹿にした表情を浮かべて青年を見た。 『ぼろはきててもこころはにしきってことばをしらないんだね、おにいさん! れいむたちはこころがとってもぴゅあできれいなんだよ! りかいできる? できないの?』 『りかいできにゃいなんて、にんげんさんはおばかなんだじぇ!』 『ゆう。おにいしゃん、ばかなの? まりしゃ、とってもかちこいんだよ!』 『……ほーう』 青年のこめかみが痙攣している。 『マズいな』 『おおいにまずいんだぜ』 青年は自分のスニーカーを確認し、頷いた。 私の推測だと、あれは『蹴ってもいい靴かどうか』を確認したのだと思う。 『おい、そこのれいむ。ちょっと横にずれろ』 『ゆ? いどうしたらかいゆっくりにさせてくれるの?』 『いいからさっさと動け』 『ゆっくりりかいしたよ!』 『そうそう、そこでストップ。ここからだと、上手くやれば路地に転がっていくからな』 『ゆ? おにいさんなにいって――――』 青年が助走をつけて、れいむの顔を爪先で蹴り飛ばした。 『ぷびょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?』 彼の予想通り、ビルとビルの間の空間に向けて彼らは見事に転がっていった。 『お……おかあしゃーーーん!』 『なにするんだじぇ!』 子まりさAが、帽子から枝を取り出して咥えた。 『あやまるのじぇ! ゆっくりできないことをしたにんげんさんはごめんなさいするのじ ぇ! しゃもないと、このえださんでぷーすぷーすしてやるのじぇ!』 『うわあああん! おかあしゃん! おかあしゃあああん!』 子まりさBの方は、泣きながら母親の方に向かっていく。 考えてしたことではないだろうが、実に賢明な判断だ。 そして、愚かな選択をした子まりさAはというと。 『くそ汚ぇツラしやがって……』 『まりしゃはぼろはきてても、こころはにしきさんなのじぇ! とってもゆっくちしてるのじぇ!』 『別にお前がゆっくりしてようがしてまいがどうでもいいがな、お前の薄汚い姿はみんな がゆっくりできねーんだよ! このウンカスクソチビ野郎が!』 触るのは嫌だったのだろう、青年は子まりさAも蹴り飛ばした。 『ゆび!?』 蹴りの威力で、子まりさAはほぼ真っ二つに分裂した。 即死か、と思いきや……。 『うわ、まだ生きてやがる……キメぇ……』 何とまだ生きていた。 確かに、ゆっくりは餡子の半分以上が流出しない限りは死なないはずだが――。 『ひどいもんだぜ……』 青年の蹴りは、あんよ部分のみを上手く引き千切ったらしい。 さらに、そのまま水平に飛んだお陰で、餡子が流出することもほとんどなく、剥き出し の断面がアスファルトに叩きつけられた『だけ』で済んだのだ。 『い……い、い、い、いだいのじぇええええええええええええええええええええ! いじゃい! いじゃい! まりしゃの! まりしゃのあんよしゃんが! まりしゃのぴょんぴょんできりゅあんよしゃんが! あんよしゃんがあああ!』 引き千切られた子まりさは、残ったあんよを見て愕然としてうねうねと蠢いている。 興味深げに青年と私たちはそれを見守った。 『まりしゃのあんよしゃん! まりしゃのあんよしゃん! かえっちぇね! かえっちぇ きちぇね! ゆんやー! ゆんやあああああ!』 『本当にキモいなー』 青年の言葉に私も頷いた。彼は少し変な表情で私を見つめていたが、やがて肩を竦めて 親れいむのもとへと向かった。 『あんよしゃん! あんよしゃん! あんよしゃぁぁぁん! まりしゃゆっくりできにゃいんだじぇ! じゃがらばやぐもどっでぎでね! まりしゃ のゆっくじじだあんよしゃん、もどっでぎじぇね!』 無様に涙を流し、子まりさAは身体をうねうねさせている。 のたうつミミズのようだな、と私は思った。 『ゆ、び……まりじゃみみずじゃないのじぇ……』 餡子が少しずつ、体内から放出されていく。 そう、子まりさAはこれから死んでしまうのだ。引き千切られたあんよは、もう既に用 を果たすことはない。 子まりさAは、これからみっともなく死ぬのだ。 『じなない……まりじゃ……むでぎの……ゆうしゃなのじぇ……』 勇者などと自称しているが、若者Aに蹴られて死ぬような勇者はただのアホである。 子まりさAは、きっと立ち上がる自分を思い描いているのだろう。 だが残念なことに、子まりさAのあんよはたったいま私がうっかり踏み潰してしまった。 『まりしゃの……あんよ……しゃん……どう……ちて……』 元あんよだろう。今はただのゴミである。 そのことを知ったせいだろうか、子まりさAは醜い表情を浮かべて身体をうねうねさせ るのを止めた。 『じに……だぐない……もっど……ゆっぐぢ……もっど……じだ……がっ……』 ゴミのように醜く無様で臭い子まりさAは、瞼を閉じた。 だがまだ死んではいない。意識も失ってはいない。 ただ、現実逃避をしただけだ。その証拠に、まだ全身がピクピク蠢いていた。 ああ、子まりさAよ。だぜ口調の、ゴミ子まりさよ。 死にたくないと願っても、君はそれはもう無様に死ぬ。君の死など、誰も気にしない。 世界の損失などではない、世界にとってはゴミがゴミらしく死んだというだけである。 『……ゆ……くぢ……』 子まりさAは、今度こそ死んだ。 『えーとおにいさん。れいむのほうも、ひどいめにあいそうだぜ』 おおそうか、と私は先ほどの路地裏に戻った。 『いじゃい! いじゃい! やべで! やべでやべでやべでえええええ! ゆっぐりじで! ゆっぐりじでよおおおおお!』 『うるせぇよ! おめぇみたいな! 薄汚い! クソ饅頭なんざ! 一生ゆっくりできるわけねえだろ! とりあえず駆除しとくから!』 親れいむは、何度も何度も蹴り上げられた。 その度に、使い潰してベコベコになったドッジボールのような親れいむは、蹴り跡を己 の躯に刻んでいく。 『おぼ! れいぶのおべべえ! おべべがあああああああ! しんじゅざんのようなおべべえええええ!』 ぶちゅりと音を立てて、親れいむの片目が潰れた。 その圧倒的スプラッタ描写を前に、子まりさBはおそろしーしーとおそろうんうんを醜 いあにゃるからひり出すだけだ。 『ゆびぃぃぃぃ! きょわいよおおおお! きょわいよおおおお! だれかたちゅけてえええええ! きゃわいいまりしゃときれいなおきゃあしゃんが、 だいっぴんちなんだよ! たちゅけて! たちゅけてよおおおお! ゆんやー!』 ゆんやーゆんやーと、泣きじゃくる子まりさB。 だが、誰も助けない。助けるはずもない。 こんなはぐれの、ゴミゆっくりを助けるゆっくりなどいるはずもない。 『ゆ! そこのゆっくちちてないまりしゃたしゅけて! ゆっくちちてないから、 ゆっくちちているまりしゃをたしゅけてね!』 『……』 子まりさBは、俺の案内役まりさにずーりずーりとすり寄ってくる。 青年が足を止めたせいか、親れいむも期待を込めてまりさを見ている。 『きゃわいいまりしゃを……』 『かわいいか、かわいくないかはさておいて。 ゆっくりしてないとかいっておいて、じぶんをたすけろとはまたずいぶんと ずうずうしいもんだぜ』 『ゆ? ゆゆ?』 『ああ、おろかおろかなごみむしおちびにもわかりやすくいうとだぜ。 たすけるきなんかこれっぽっちもないんだぜ』 『ゆんやーーーーーーーーーーーーーー!? どうちて! どうちて! まりしゃきゃわいくないの!? きゃわいいでしょ!? まりちゃおこるよ、 ぷんぷん!』 醜い身体をうねうねさせて、子まりさBが自分の立場も忘れて抗議する。 『ゆんやー! ゆんやー! まりちゃみにくくないよ! ゆっくちていしぇいしちぇね! ぷきゅーするよ!』 子まりさBはぷくーをするが、まりさは冷たい目でそれを見る。 だが、子まりさBは大事なことを忘れていた。 『ゆ?』 親れいむが、既に瀕死だということを。 『ゆゆ? おきゃあしゃん? おきゃあしゃんは…………ゆゆ!?』 ぷんすかと怒っている間に、親れいむが空気を読まずに『かわいいおちびちゃんのたの みをきかないなんて』とか言い出していたので、青年がもう一つの目玉も潰していたので ある。 『ったく……』 私が後始末をすると伝えると、青年は礼を言って立ち去っていった。 親れいむは何度も何度も蹴られたせいで、身体中から餡子が流れ出していた。 『ゆ……ぐ……』 『おきゃあしゃん! まりしゃのゆっくちちた、さいっこうのびゆっぐりのおきゃあしゃ ああああああああん!』 『ゆぐぢ……ぢで……まり……』 親れいむは無理に微笑もうとしている。 だが、元はと言えば親れいむの責任なのだ。おうたなど歌わず、路地裏でひっそりと生 きていけばよかったものを、飼いゆっくりになるなどという分不相応にも程がある夢を抱 いたせいで、自分の子供を死に至らしめたのだ。 『ゆぎぃ……れ、れいむのせいじゃない……』 苦悶しながら、親れいむは反論した。 だが、どう考えてもれいむの責任である。いわばこの結末は、自業自得とでも言うべき ものだろう。実にゆっくりしていないゆっくりである。 『まりさ、そう思わないかい?』 突然話を振られたまりさは挙動不審になりつつも、溜息をついて答えた。 『……まあ、にんげんのいうとおりなんだぜ。おちびちゃんがえいえんにゆっくりしたの も、れいむがしぬのも、ぜんぶれいむのせきにんなんだぜ』 『ぞん゛な゛の゛っ゛で…………な゛い゛よ゛お゛……!』 れいむ自身も、自分の罪を自覚してしまったのだろう。 絶望的な表情を浮かべて、れいむは身をよじった。 『おきゃあしゃん、ゆっくち、ゆっくちちようよ……?』 『おちび……ちゃん……れいむは……』 恐らく、その子まりさB……おちびちゃんもすぐに死ぬだろう。 『ゆゆ!? まりしゃはしなないよ! まりしゃはゆっくちしてるもん!』 ところが、だ。 私は案内してきてくれたまりさに見せるように、拾った棒きれでそっと子まりさBの身 体を横たえさせた。 『ゆあ……かびさんなんだぜ……』 まりさがそう呟くと、親れいむが引き攣った叫びをあげた。 『かびざん!? おちびちゃんのからだにかびざんはえでるのおぉぉぉぉ!?』 『生えているよ。緑色のカビが、どんどん肌を侵食している』 『ゆ? ゆゆ? まりしゃに………………かびしゃん? にゃにしょれ?』 ゆっくりたちは、長期間不衛生な環境に身を置いていると、カビが生えてしまう。 初期段階でぺーろぺーろしてカビを吐き捨てれば問題ないが、皮の下を侵し始めるとも う終わりだ。 カビはたちまち身体を緑色に変化させ、目玉や髪の毛をドロドロに溶かし、更に内部の 餡子もカビにさせてしまう。 そうなると地獄の苦しみを味わいながら、誰にも助けられずに死んでいくことになる。 『まりちゃ……ちぬの?』 子まりさBは愕然とした表情で、絶対的な存在であろう母親を見つめていた。 だが、彼女の方は子まりさBの問い掛けに応じられないほどに絶望している。 『おちびちゃんにかび……どぼぢで……』 お前がこんなところに住んでいたからだよ、親れいむ。 『れいむ……の……』 『おきゃあしゃ……ぺーろぺーろしちぇ……まりちゃ……かびさんいやだよ……』 子まりさBが親れいむにすり寄ってくる。 目の見えない親れいむが、悶えて身体をうねらせた。 『ち、ちかづぐなあああ! かびゆっぐりはぢがづぐなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!』 『どうちてしょんなこちょいうのおおおおおお!?』 そうだぞ、親れいむ。 お前はどうせ、あともう少しで死ぬんだからカビを感染させられたっていいじゃないか。 『いいわげあるがああああ! ぐぞおお! いやだあああ! じにだぐない! じにだぐ ない! もっどゆっぐぢずる! もっどがっごいいまりざとかっぶるになる! それから、それからもっどもっどもっどがじごぐでだぐまじいおぢびじゃんをうむんだ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!』 親れいむがそう泣き叫ぶと、子まりさBはあまりといえばあまりに酷い発言に凍りつい ていた。 『おが……じゃ……』 ぽろぽろと涙を流し、自分が否定されたことへのショックを和らげようとする。 だが、そこに親れいむの新たな言葉が突き刺さった。 『がみざま゛! ゆっぐりのがみざま゛! ごんなおぢびじゃんなんがいりまぜん! ごんなおぢびじゃんなんがぎゃくだいおにいざんにあげまず! だがら! だがら! れいぶをだずげで! ごんなぎだないばじょがら、れいぶをだず げでえ゛え゛え゛え゛え゛!』 私ははぁ、と溜息をついて親れいむを優しく諭した。 『駄目だよ、れいむ。れいむはもう死ぬよ。 こんなばっちい場所で、ゆっくりできることを全部奪われて死ぬんだよ』 『い゛……や゛あ゛……』 『飼いゆっくりだったら、それで大人しく去勢されていたら、きれいなきれいなお家で安 らかに死んでいけたのにね』 『あ゛……あ゛ぁ゛…………』 『それからね、去勢されてもゆっくりはおちびちゃんを作ろうと思えば作れるんだよ?』 本当のことである。ぶっちゃけ、去勢したところでぺにぺにを移植すれば治るのだ。 『ぞん゛な゛…………』 『全部れいむの責任だよね。ゆっくり理解してね』 『あ゛……あ゛が……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!』 『………………………………』 『……………………』 『…………』 『……』 もっとゆっくりしたかった、とすら言わずに親れいむは死んでいった。 後に残された子まりさBは、ゆびゆびと泣きじゃくっている。 『ゆびい……ゆびい……おきゃあしゃん……おきゃあしゃああん……。 どうちてまりしゃをみずでだの……どうちてえ……』 ん? 私はもう一度子まりさBを転がした。 先ほどより、カビの部分が遙かに大きくなっている。これは、もしや思い込みの力でカ ビが侵食するのを加速させているのだろうか。 私は教えてやることにした。 『まりさ。もう君のあんよが全部カビに覆われているよ?』 『ゆびっ、ゆびっ、ゆび…………うびゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! まりしゃのあんよしゃんが!? まりしゃのあんよしゃんがどうちてがびざんに!?』 『すごいゆっくりしてないね。きっとカビは、まりさがゆっくりしてないからすごい速さ でまりさの皮をカビにしてるんじゃないかな?』 子まりさBはぴょんぴょんと跳ねて、泣き叫ぶ。 『どっで! ごれどっでぐだざい! おねがいだよ! どっでね! どっでよおおお!』 『無理だなあ。ぺーろぺーろすれば治るかもしれないけど……』 『まりしゃ! まりしゃをぺーろぺーろしちぇね!』 子まりさBが泣き叫びながら、まりさに跳ねていく。 まりさはぎょっとした表情を浮かべて、子まりさBから遠ざかった。 『ちかづくんじゃないんだぜ! ぺーろぺーろなんてぜったいしないんだぜ!』 『ゆんやああ! ゆんやああ! どうちてそんなごどいうのお! きゃわいいまりしゃをぺーろぺーろしてよおおおおお!』 『おまえみたいなごみがごみくっつけてあるいているようなちび、だれもぺーろぺーろ しないし、かわいいわけでもないんだぜ!』 その言葉がよほどショックだったのだろう。子まりさBは跳ねるのを止めて、尻をぷり ぷりもるんもるんと振った。 あにゃるから、液状で緑色のうんうんが迸った。 『ゆびゃあ! ぼんぼんいだいよおお! まりちゃゆっぐぢぢだいよおお!』 まりさは飛び散るうんうんのせいもあるのだろう、子まりさに決して近付こうとしなか った。仕方ない、ここは一つ念押ししておこう。 私は子まりさBのあんよ付近を、枝で突き刺した。 『ゆびゃあああああああ! あんよさんが! あんよさんがいだいよおおおお!』 これで安心して、子まりさBが死ぬのを観察できるというのものだ。 子まりさBがガクガクと震えながら、涙を浮かべて私を見つめた。 『おね……がい……だよ……だずげでよ……ぎだなぐでも……まりじゃ…… いぎでるんだよ……』 確かに子まりさBの言う通り、薄汚いゴミでゴキブリ以下の不衛生生物ではあるが、 子まりさBは生きている。 仕方ない、助けてやろうじゃないか。 『ゆ……ぐ……』 子まりさBが微笑んだ。カビの侵食は異常に早く、既に丸いお腹やあにゃる部分も覆わ れていた。 私はポケットから、菓子パンを取り出した。 封を開いて、子まりさBから少し離れた場所に置く。 『そら。このあまあまを食べれば回復するぞ』 『あま……あま……』 『急げ急げ。さもないと、カビが目を腐らせてしまうぞ』 『ゆぐぢ……ぢない……』 ずーりずーりと、子まりさBが必死の形相で菓子パン目掛けて這いずっていく。 『まりじゃ……まだじだいごどあるよ……あまあまをむーじゃむーじゃするよ……。 それがら……がいゆっぐりのれいぶとづがいになっで……おぢびしゃんを…… だぐじゃん……だぐじゃんづぐるんだ……』 子まりさBは、そんな分不相応な夢を呟く。 多分、そのどれもが叶わないだろうと私は思った。 『がなう……かなうよ……しんじれば……ゆめは……ぎっど……がなうんだ……』 無理だろうなあ。 だって、もうカビが目を溶かしかけているし。 『ゆぐ……。おめめしゃん……まりちゃのきらきらしたおめめしゃん……ゆっくり…… しないで……まりしゃに……みせちぇね……まりしゃ……おめめしゃんがないと…… どこにいっでいいがわがらないよ……』 既に子まりさBは、全身カビ饅頭状態だ。 思い込みの力で調整できるとはいえ、これほど速いのは前代未聞だろう。 既に内部の餡子もカビが侵食しているに違いない。 『いだい……いだいよ……どぼぢで……どぼじで…… ぽんぽんさん……ゆっぐりじでね……』 ぶびゅるるるる、と汚らしい音を立ててあにゃるから緑色のうんうんが流れ出した。 うへえ、とまりさが心底嫌そうな顔をした。 『いじゃい……どっでも……いじゃいよ……あにゃるじゃんが……いじゃい……それがら ……どっでもくしゃいよお……』 下痢気味のうんうんが垂れ流し状態だからな。 恐らく内部の必要なはずの餡子も、拒絶反応でどんどん放出されているのだろう。 『うんうんが……べだべだずるよ……いじゃいよ……ぎぼぢばるいよぉ……ぐざい……ぐ ざいよぉ……あにゃるしゃん……どまっで……どまっでよお……』 ぶびゅるるるる、とうんうんは留まるところを知らない。 私には分からないが、子まりさBにとってはまさに極めつけの悪臭だろう。 『じーじーも……ぐざいよお……』 しーしーも緑色だ。どうやら、内部も完全にカビに侵されたらしい。 子まりさBはぷるぷると震えるだけの生物になってしまった。 『ゆ゛……ゆ……ゆ゛ぅ゛……ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ……』 しーしーとうんうんと生ゴミの悪臭が漂う中、子まりさBも永遠にゆっくりした。 ふぅ。 私とまりさは路地裏から出て、夕焼け空をぼんやりと見ていた。 『ありがとう、まりさ。とってもよい“観察”だったよ』 私がそう言うと、まりさはちょっとジト目でこちらを見て言った。 『にんげんさん、いちおうつっこんでおくと。これたぶん、“かんさつ”じゃなくて “ぎゃくたい”なのぜ』 あ、やっぱりそう思う? 私は誤魔化すように笑いながら、ICレコーダーの録音スイッチを停止させた」 <あとがき> 延々と喋っている様に、さすがのまりさもどん引き。 ちなみに、まりさとめーりんは「anko3446 まりさ一家の転落ゆん生」にも 出演しております。 感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1304613952/ 過去の作品 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/3403.html 挿絵:
https://w.atwiki.jp/kyo-saki/pages/40.html
331 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/11/07(土) 02 20 27 ID vLdsnQuB 優希「キョータロー!早くするんだじぇ!遅れちゃうじょ!」 京太郎「お、おい、そんな走るなって!危ないだろ!」 優「ふっふっふー、優しいのね、ア・ナ・タ!」 京「ったく…。 今更だけど、お前に本当に「アナタ」なんて呼ばれることになるなんてな… 昔の俺に聞かせたらどんな顔するか見てみたいぜ」 優「ぶー、そんなこと言われると傷つくんだじょ! でも、あの時のキョータロー、ホントのどちゃんの事好きだったからねー 見てるこっちが結構、恥ずかしかったんだじぇ?」 京「やめてくれよ、もう昔のことなんだし。 まぁ和も俺の事なんて全然、眼中にすらなかったって感じだったからなぁ…」 優「…もしもあの時、のどちゃんもキョータローの事が好きだったら?」 京「もしも…か。 そんなもしもなんて 今の俺には要らないけどな。 だって、今の俺にはお前と…お前の中にいる子どもが一番だしな。 つーかお前、転けたりなんかしたら大変だろ。 ほら、手、繋ごうぜ」 優「…うん!」 優「キョータロー」 京「ん?」 優「大好きだじぇ!」 京「俺もだじぇ!なーんてな、アハハ」 優「キョータローキョータロー!」 京「なんだよ?」 優「どうせなら赤ちゃんは二人は欲しいじぇ! 家族四人でタコス食べながら麻雀するのがアタシの夢なんだじょ!」 京「いきなり何言い出すんだよ …ま、悪くないかもな…」 優「だじぇ!」 咲「…やな夢…見ちゃったな…」
https://w.atwiki.jp/kyo3nen/pages/92.html
「学校ではちゃんとやっているのか?」 和「成績は落ちてないはずです」 「それならいいが……麻雀はまだ続けてるのだったな」 和「はい」 「前にも言ったと思うが、遊びは程ほどにするように」 和「……はい」 「麻雀は運に左右される不毛なゲーム……東京の進学校を蹴ってまですることではないと思うがな」 和「友達が、できたんです」 「その友達が将来何の役に立つ」 和「そういう問題じゃ……!」 「遊びを許すのは夏までだ」 和「お父様!」 「和、いいな?」 和「……はい」ギリッ 和「……」ボー 優希「咲ちゃん、のどちゃんが箸持ったままフリーズしてるじぇ」 咲「どうしたのかな? なんかボーッとしてるけど」 優希「ふむふむ……つまりはのどっぱいが揉み放題ってことだな?」 咲「違うと思うよ?」 優希「そういうのは無防備なお弁当を頂いてから考えるじぇ」 咲「だ、ダメだよっ」アセアセ 優希「でもあのタコさんウィンナーは非常に魅力的だじょ?」 咲「原村さーん、もしもーし!」ブンブン 和「あれ……どうかしましたか?」 優希「それはこっちのセリフだじぇ」 咲「ボーッとしてるみたいだから」 和「そうですか?」 優希「そうだじぇ」 咲「そうだよ」 和「……そうですか」 咲「あの、悩み事なら聞くけど……」オズオズ 優希「そうだじぇ、私たち友達だからなっ」グイッ 咲「わっ」 和「ゆーき、宮永さん……」 優希「さあさあ、洗いざらい喋るんだじぇ」 和「それは……」 『その友達が将来何の役に立つ』 和「……やっぱり、なんでもありません」 優希「なんでもないって顔じゃないじぇ」 咲「原村さん……」 和「ごめんなさい。もう、教室に戻ります」 優希「のどちゃん……」 咲「うん……心配だね」 優希「お弁当残すんだったらもらっとけばよかったじぇ、タコさんウィンナー」 咲「そこっ!?」 優希「ということなんだじぇ」 京太郎「またなんか悩んでるってのか?」 優希「うむ、悩み多き年頃なんだな」 京太郎「お前はまた無縁そうだな、そういうのとは」 優希「私だって毎日どのタコスを食べるかで悩んでるんだじぇ」 京太郎「うん、実に平和だ」プニプニ 優希「なぜほっぺたをつつくのか?」 京太郎「柔らかそうだったから、ついな」 優希「また私の魅力に惑わされた男が一人……罪作りな女だじぇ」 京太郎「まぁ、たしかにお前は黙ってりゃ可愛い部類だな」 優希「んひゅっ」 京太郎「ん、どした?」 優希「さ、さすが不意打ちに定評があるだけのことはあるじぇ」 京太郎「はいはい、じゃあそろそろ部活行くぞ」 京太郎「悩み事か……全中王者も大変だな」 京太郎「しかし、今回は打ってる分には影響なさそうなんだよな」 京太郎「ってことは前とは別のパターンか?」 京太郎「……人間関係とか」 京太郎「友人関係、もしくは男女関係とか」 久「あとは親子関係とか」 京太郎「うおっ、なんだいたのか」 久「あんたが入ったことに気づかなかったの」 京太郎「まあ、たしかに考え込んでたけどさ」 久「また原村さん?」 京太郎「部活前に片岡に相談されてな」 久「お悩み相談室かしらね?」 京太郎「勘弁してくれ……でも、ほっとくわけにはいかないか」 久「そうそう、あんたはそうやって色んなことに首突っ込んで女の子の知り合い増やしてくのよね」ハァ 京太郎「仲良くなるのは悪いことじゃないだろ」 久「程度の問題よ」 京太郎「なんだ、嫉妬?」 久「気に入らないのはたしかよね」 京太郎「うんうん、モテる男はつらい」 久「叩くよ?」 京太郎「ぼ、暴力反対」 久「はぁ……この後Roof-Top寄るんだけど、あんたも来る?」 京太郎「いや、ちょっと家庭訪問行ってくるわ」 優希「目標補足! 咲ちゃん、行くじぇ」 咲「い、いいのかな、こんなことして」 優希「のどちゃんが口を割らない以上他に方法はないっ」 咲「えぇ」 優希「お、目標の家から誰か出てきたじぇ」 咲「あれってお父さん、なのかな」 優希「あの厳つい顔に渋い声……きっと強キャラだじぇ」 咲「強キャラって……」 京太郎「お、いたいた」 咲「先輩!?」ビクッ 京太郎「お前らも家庭訪問か?」 優希「うんにゃ、ストーキング中だじぇ」 咲「普通にストーキングって言っちゃった!」 京太郎「まぁ、するよな。心配だしな」ウンウン 優希「先輩はわかってくれると思ってたじぇ」 咲「えぇ……」 和『――っ!』 『――』 京太郎「言い合いしてるな……」 優希「のどちゃんがヒートアップしてるじぇ」 咲「なんて言ってるのかはよく聞こえないけど」 和「――もういいですっ」 「和、待ちなさい!」 優希「……走っていっちゃったじぇ」 咲「原村さん、泣いてた」 京太郎「やっぱり家族間のトラブルか……」 咲「家族……」 優希「追うじぇっ」ダッ 咲「私は……」 京太郎「お前も行ってやれ。友達なんだろ?」 咲「……先輩は?」 京太郎「俺はこっち。向こうからしたら全然ガキだけど、一応年長者だからな」 咲「お願いします……家族がわかりあえないなんて悲しいですから」ペコッ 京太郎「咲……おう、任しとけ」 和「どうして、なんでわかってくれないんですか……」 和「私は、もっと麻雀がしたい……みんなと一緒にいたいだけなのに」 和「また友達と離れ離れになるなんて……!」 優希「のどちゃん……」 和「ゆーき……どうして」 優希「そんなこと、私が許さないんだじぇ」 和「……聞いてたんですね」 優希「戻るじぇ。そんでもってあのわからず屋をひっぱたいてやる!」 和「やめてください!」 優希「どうして!」 和「いいんです、私がもっともっと頑張ればきっとお父様だって……」 優希「のどちゃん!」 咲「二人共、多分もう大丈夫」 優希「咲ちゃん?」 和「それは一体……」 咲「だって、あの人がいるから」 「和……一体どうしてしまったんだ」 京太郎「失礼、ちょっといいですか?」 「君は……どちらさまかな?」 京太郎「清澄高校麻雀部の副部長、三年生の須賀京太郎です」 「なるほど、和の先輩というわけか。君のような男が近くにいるのか……」ジロッ 京太郎「あー……これ、自毛です。父親の方の遺伝で」 「そうか……不躾な目で見てしまってすまない。和の父の原村恵だ」 京太郎「いえ、そう言って信じてもらえるだけでありがたいですよ」 恵「それで、私に一体何の用だ?」 京太郎「わかっているでしょ、和さんのことですよ」 恵「……君には関係のないことだ」 京太郎「部員のケアも俺の役目ですから」 恵「それなら尚更だ。和は東京の進学校へと転校させる」 京太郎「……なるほど、そういうことか」ボソッ 恵「だから君には――」 京太郎「ふざっけんじゃねえ、この野郎っ!!」 恵「――っ」 京太郎「――って、言いそうなところですよね」 恵「……君は私をからかっているのか?」 京太郎「いやいや、俺は原村さんの言いたいことはよくわかります」 恵「ほう?」 京太郎「要するに、和さんの将来を心配してるんですよね」 恵「……」 京太郎「たしかに、麻雀を続けていく将来に不安を覚えてもしょうがない。親なら当然だ」 恵「わかっているのなら口を出さないでもらいたいな」 京太郎「でも、俺は和さんの気持ちもわかる」 恵「結局、君は何が言いたい」 京太郎「どっちも自分の主張を通そうとするだけじゃ、話は進まない」 京太郎「だから、妥協案を用意しようかなって」 恵「妥協案だと?」 京太郎「うちの部が全国優勝したら、和さんの転校の話は白紙にしてください」 恵「……なるほど、たしかにいい落としどころだ」 京太郎「全国優勝してしまえるほど強ければ、続けることに異論はない。そうですよね?」 恵「だが、これは私たち家族の問題だ。私の考えだけで君の提案をのむわけにはいかないな」 京太郎「それだったら多分大丈夫ですよ……ほら」 和「……」 恵「和……」 京太郎「それじゃ、俺は帰ります」 和「先輩……」 京太郎「どこから聞いてたかはわからないけど、俺はここまでだ」 和「ありがとう、ございます」 京太郎「気にすんな。いつも通り好き勝手やってただけだから」ポン 京太郎「じゃ、頑張れよ」 恵「……今回は私も急ぎすぎた」 和「私も、自分のことばかりで……」 恵「夏までだ。それまでに私が納得する結果を出せ」 和「はい」 恵「……頑張りなさい」 和「……はいっ」 恵「ところで、須賀京太郎くんといったか」 和「先輩が、なにか?」 恵「いい先輩を持ったな」 和「……私も惚れ直しました」ボソッ 恵「ん? 今なんと……」 和「な、なんでもありませんっ」タタッ 恵「の、和っ、待ちなさい!」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/724.html
「こんにちは、おにいさん。ゆっくりしていってね!」 「ひさしぶり、ゆっくりしていってね」 俺の顔を見るなり、元気良く挨拶する成体のれいむ。 ここは川の土手にある公園。 このれいむはここに住み着いている野良ゆっくりだ。 「ゆわーい、おにーしゃんなんだじぇー!」 「れーみゅとあしょんでね!」 「おにーしゃん、まりしゃもあそんでほちいよー」 成体れいむに続いて現れたのは、3匹の子ゆっくり。 れいむ種1匹に、まりさ種2匹だ。 別にこの家族はしんぐるまざーではなく、番の成体まりさが居る。 まりさは狩にでも出ているのだろう。 「じゃあ、今日はサッカーでもして遊ぼうか?」 「「「しゃっかー?!」」」 子ゆっくり達は、目を輝かせて俺を見た。 この一家と俺が仲良くなったのは1ヶ月前ほど。 この辺りを散歩している時に、この公園のベンチの下にあるダンボールに住んでいるゆっくり達を見つけたのだ。 始めは当然警戒されたが、俺が食料をやったり、子ゆっくり達と遊んでやっている内に仲良くなっていった。 今ではすっかり警戒心もなく、子ゆっくり達は俺に懐いている。 親まりさにも会った事があるが、どいつも善良で飼いゆっくりにしても良いと思えるほどだ。 「おにーしゃん、しゃっかーってなんなんだじぇ?」 一匹のだじぇまりさが、不思議そうに訪ねる。 俺はバックから、子ゆっくりと同じくらいのサイズのボールを取り出すと、だじぇまりさの目の前にそれを置いた。 「ゆゆ?」 「サッカーってのはな、このボールを蹴ったり………体当たりしたりして転がして運ぶ遊びなんだよ」 蹴るなんて言っても、足のないゆっくりには分かりそうもない事に気が付いた。 ルールも簡単に、俺が持ってきたバックの所までボールを運んできた子ゆっくりが勝ちという事にしておいた。 「じゃあ、早速やってみようか?」 「「「ゆわーい!!」」」 「まりちゃがいちばんなんだじぇー!ぼーるしゃん、ゆっくちころがってねー!!」 「おねーしゃん、まりしゃにもやらせちぇー!」 「れーみゅは、ぼーるしゃんをおいかけるよ!!」 子ゆっくり達は楽しそうに、代わる代わるボールに体当たりをした。 その度にボールは軌道を変えて転がっていく。 実はこのボールも特別性。 子ゆっくりにあわせて、柔らかい物を使っているので怪我の心配もない。 変わりに、ボールの転がる軌道が安定しないのだが、それも子ゆっくり達にとっては大した問題じゃないだろう。 転がるボールを追いかけて、元気に跳ねて行く子ゆっくり達。 それを見て、親れいむも楽しそうにしている。 「まちぇ、まちぇー!ぼーるしゃんまっちぇー!」 「ゆんしょ!…ぼーるしゃん、ゆっくりころがっちぇねー」 「ぼーるしゃんはゆっくちしちぇるねー」 「ゆーん。おちびちゃんたち、あんなにゆっくりしてるよー」 親れいむも子ゆっくり達も幸せいっぱいの笑顔を振りまいて、最高にゆっくり出来ていた。 「ゆーん!ごーるなんだじぇ~♪」 「ゆあーん!れーみゅ、まけちゃったー」 「ゆーん、まりしゃもー」 負けたとは言いつつも、楽しそうな子ゆっくり達。 親れいむもニヤニヤが止まらないといった様子。 親れいむには、子供達が何よりも輝いて見えているに違いない。 このサッカー遊びは、俺流の願掛け。 今年のWカップで我が母国が活躍するようにという意味を込めてゆっくり達と遊んでいるのだ。 暗闇の中で目を覚ました。 目を開けているはずなのに、あたりは真っ暗。 しばらくすると、急に光が差し込んで来た。 一瞬真っ白になる視界。 しばらくすると目に映る物は……… 見覚えるのある風景。 見覚えのあるゆっくり達。 だけど、何故? 何故、家族は自分の事に気がつかないのか? 何故、声が出せないのか? 何故、動けないのか? 何故、自分の事をボールと呼ぶのか? ふと違和感を感じて上を見ると、何時も自分が被っている筈の帽子がない。 そればかりか、自慢の金髪もない。 可愛らしかったお下げも見当たらない。 何故? 何故? 何故? 痛い! 姉が体当たりをしてきた。 ころころ転がっていく自分。 どういう訳か、目を閉じる事が出来ないせいで、草や土が目に入る。 痛い!痛い!痛い! 姉妹達は代わる代わる自分に体当たりをしてくる。 その度に、自分は不規則に転がり傷ついていく。 痛い!痛い! 涙が溢れる。 だが、姉妹達は止める様子がない。 そればかりか、楽しそうにしている。 どうして? どうしてこんな事するの? 問いかけても、誰も答えてはくれない。 母の方を見て助けを求めようとした。 だが、母も満面の笑みを浮かべるだけで、何もしてはくれない。 どうしてそんなに楽しそうなのか? 自分はこんなに痛い思いをしているのに。 どうしてそんなに笑っていられるのか。 自分をこんな目に合わせておいて。 痛い! 止めて! ゆっくり出来ない!! ボールを転がすのに熱中している子ゆっくり達。 もう、俺の事は目に入っていない様子だ。 俺は子ゆっくりを見て微笑んでいる親れいむの元にやって来た。 親れいむも俺の事が目に入っていない様子。 俺はそんな親れいむを、事前にバックから取り出しておいたガムテープで口を塞いだ。 両目をまん丸に見開いて俺を見る親れいむ。 俺はお構いなしに、親れいむをそのままガムテープで包んでいく。 あんよ、りぼん、髪の毛、ピコピコの区別なくガムテープで覆い尽くされていく親れいむ。 抵抗しようにも、声を出そうにも、ガムテープが邪魔をする。 唯一、両目だけはテープで覆わずにしておいている。 そのかわりに、両目が開いたままになる様に、瞼を固定してテープで止める。 こうして、茶色のれいむボールが完成した。 「ゆわーい!こんどはれーみゅのかちだねぇ!」 「ゆーん!おねーしゃんすごい!」 「れーみゅもやるんだじぇ!」 れいむボールが完成するとほぼ同時に、サッカーの決着もついたようだ。 心なしか、ボールが少しぐったりしている様ではあるが、それを見越してのれいむボールなのだ。 「よーし、じゃあ、次はこのボールで遊んでみようか?」 「ゆゆ?!おおきにゃぼーるしゃんだじぇ!」 「ゆわーい!こんどはまりしゃがかちゅんだじぇ!」 そんな子ゆっくり達の様子を見て目を丸くするれいむボール。 子ゆっくり達も、目の前の茶色の塊が自分達の親だとは気がついていないらしい。 「ぼーるしゃん、ゆっくちころがっちぇねー!」 ボールに必死に体当たりをする子まりさ。 子ゆっくり程度の体当たりでダメージがあるのかは知らないが、その様子を泣きながら見つめるれいむボール。 子まりさに続いて、他の子ゆっくりも体当たりを始めるが、ボールは一向に転がる様子を見せない。 「ぼーるしゃん、どうしちぇころがっちぇくれないにょ?」 「ゆえーん!ぼーりゅしゃんがいじわるしゅるよぉぉぉ!!」 「いもうちょをなかせるなんちぇ、げしゅなぼーるしゃんだじぇ!まりちゃがせいしゃいするんだじぇ!」 転がらないれいむボールに泣き出したり、怒り出したりする子ゆっくり達。 おそらく姉であろう子まりさが、木の枝でれいむボールを突付きだし始める。 流石にこれは痛いのか、突付かれるたびに白目を剥いている、れいむボール。 我が子に罵倒され、攻撃されても何も出来ないのを悲しんでいるのか、 それともただ痛いだけなのか、小刻みに震えている。 「苦戦しているようだね。よーし、じゃあお兄さんが転がしてみるよ!」 そういうと俺は、れいむボールを思いっきり蹴り上げた。 鈍い音を上げると、れいむボールは5mほど吹っ飛んで着地すると、そのまま転がっていった。 「ゆぉー!おにーしゃん、しゅごいよー!」 「げしゅなぼーるしゃんがころがっちぇるよぉぉ!!」 「ざまあみろなんだじぇー!げしゅなぼーるしゃんは、まりちゃのつよしゃをおもいしっちぇね!!」 吹っ飛んだれいむボールを見て、子ゆっくり達は大喜び。 当のれいむボールは、着地時に石にでもぶつかったのか、片目が潰れていた。 「ただいまかえったんだぜー!」 声のする方を見てみると、ボールれいむの番にして、この子ゆっくり達の親であるまりさが帰ってきていた。 おそらく、ゴミ漁り当でもして帰ってきたのだろう。 得意そうな顔が狩(笑)の成功を表している。 「ゆゆ?!おにいさん、こんにちはー!」 元気に挨拶をする親まりさ。 こいつも俺には懐いている。 「「「おとーしゃんおかえりなしゃーい!」」」 「ゆゆ!ゆっくりおかえりなさい!」 「ゆーん?れいむはどうしたんだぜ?」 「さあ?どこかでうんうんででも垂れているんじゃないのか?」 「ゆん?そうなんだぜ?で、きょうはどんなことをして、あそんでたんだぜ?」 俺は親まりさにサッカーサッカーの事を話すと、自分もやってみたいと言い出した。 子ゆっくり達が動かせなかったボールが気になるのか、子供達の前で良い格好したいのかは解らないが、 自信たっぷりと言った感じで、未だ痛みに悶えるれいむボールの前までやってきた。 「これがそののぼーるさんなんだぜ?」 そう言うと、ボールを舐め回すように眺める親まりさ。 れいむボールは残された片目で必死に番に助けを求めているかのようだった。 そんなれいむボールの思いとは裏腹に、助走をつけて体当たりをする親まりさ。 「ぼーるさん、ゆっくりはじけとぶんだぜぇぇぇぇ!!」 「?!!!!」 体当たりをされて形を歪に変化させるれいむボール。 全然飛びはしなかったが、潰れた目の方から餡が漏れ出し始める。 「ゆふふ!どうなんだぜ?!おもいしったかなんだぜ、ぼーるさん!」 「「「ゆわーい!おとーしゃん、つよいぃぃぃぃ!!」」」 潰れかかったボールれいむを前に得意そうに踏ん反り返るゆっくり親子。 俺はそんな親子の前に大小のボールを並べて、それぞれのガムテープを剥がしていく。 「ゆ?ゆゆ?ゆぅ?…………おにーさん、なにして…?」 びりびりと音を立てて剥がされていくガムテープ。 一緒に髪の毛が抜け落ちたりもしているが、それもご愛嬌だ。 「ゆびびぃぃぃ!いだいぃぃぃやめでぇぇぇぇぇ!!」 口に張ったテープが剥がされて、ようやく声を上げる親れいむ。 「ゆ?………………」 ようやく親れいむが姿を現すが、ゆっくり一同は思考が停止したかの様に止まってしまった。 続いて子まりさのガムテープも剥がしていく。 こっちは小さいので親れいむよりも手間が掛からない。 「ゆぴぴぃ!やめちぇぇぇぇ!いちゃいのじぇぇぇぇ!」 まだら禿になった子まりさに、帽子を被せてようやく完成。 子ゆっくりなのが悪かったのか、髪の毛どころか皮も少し破れてしまったが、 一応まりさ種だったと認識できると思われる物が出来上がった。 もっとも帽子が無ければ、まだら禿饅頭なのかもしれないが… 「「「ゆわぁぁぁぁ?!どうしちぇまりちゃがぁぁぁぁ?!」」」 「みんなひどいのじぇ…まりちゃ…いたかったのじぇ…」 固まっていた子ゆっくり達が動き出した。 今まで散々体当たりをしていたボールが、実は自分達の姉妹だと解って大声を上げる。 一方、ボールになっていた子まりさは姉妹達に呪詛を吐いていた。 「まりざ…どぼじで…?」 「れいむぅぅぅ?!ごべんねぇぇ?!どぼしてこんなこと 『ドスッ!』 ゆっぼうぅ?!」 感動の対面もそこそこに、奇声を上げて飛んでいく親まりさ。 ぐちゃ! 汚い音を立てて、顔面からベンチに突っ込んでいった。 ベンチに突き刺さるようにして突っ込んでいった親まりさは、未だに息があるのか、 汚いケツを上に向けてブリブリと振っている。 「ゆ?!まりざぁぁぁ?! 『ドゴッ!』 ゆんべぇぇ?!」 今度は親れいむが、奇声を上げて転がっていく。 そのまま巣に使っているダンボールに突き刺さるようにして命中。 ダンボールはベンチの下から飛び出すと、少し歪に変形していた。 これで俺の一点先取だ。 「「「ゆわぁぁぁ?!おとーしゃん、おかーしゃん!!」」」 慌ててダンボールに駆け寄る子ゆっくり達。 ボールにされていた子まりさは、流石にダメージがあるのか遅れを取っている。 だが、俺はダンボールを親れいむごと踏み潰していく。 「ゆぎゃ!やべ!いだ!もっど…ゆっぐち…ゆご…げべ…」 「やめちぇぇぇぇ!!どぼしちぇこんなとしゅるんだじぇぇぇ?!」 「あぁん?これは俺なりの必勝祈願だよ?お前達もこの国のゆっくりなら、我が国の勝利を願って死んでいけぇぇ!!Wカップばんざいぃぃぃぃ!!」 「「「どういうこちょにゃのぉぉぉ?!」」」 「ドゴッ」×4 子ゆっくり達は俺に蹴られて仲良く宙を舞い、川の濁流に消えていった。 この後、親ゆっくり二匹は、ダンボールごとゴミとして処分した。 『ゴール!○○一点先制ー!!』 「あら?!点取られちゃった………願掛けたつもりだったんだけどなぁ…ゆっくりじゃだめだったかなぁ…」 完 Wカップ記念SSという事で… 徒然あき
https://w.atwiki.jp/sakiyuriyuri/pages/163.html
874 名無しさん@秘密の花園 [sage] 2009/09/08(火) 23 26 57 ID aeOSLaWy Be 「雨、降りそうだね…」 いきなり天気は下り坂。 夕立の季節はもうすぐ終わるのに、今日はどうしてなのか、曇りだしたのはついさっきで。 「いきなりですね…」 「室内部だから雨なんて関係ないじぇ!」 「…雨だけならいいのですが…」 雨、だけにしてください。頼みますから。 「のどちゃん…雷を恐れて」 「いません」 いません。い、い…いないんだから。 そんなこんなしているうちに部長がやってきた。 「みんな揃ってるわね。雨、降り出したわ」 「あ、部長」 「雷も来そうだじぇ♪」 なぜ優希はそんなに雷に拘泥するのですか! …私を困らせたいだけなのでしょうが。 あまりみっともない姿は見せたくない。 特に…隣で、私と話してくれていた、愛らしい彼女には。 「雷はイヤだよね…」 「…宮永さんは雷、嫌いですか?」 「うん。小さいころからずーっとだよ…原村さんは?」 「わ…私は…」 私も…嫌いです。 さっきまで意地でも嫌いとは言いたくなかったのに、彼女の前では本音になってしまうのは…なぜなのだろうか。 「き…嫌いです」 「あれ~!?のどちゃん、さっき雷は怖いって言ってなかったか?」 ニヤニヤしながら言う優希。うう、そんなに苛めないで。 ゴロゴロゴロゴロ ……。ついに空は、嫌な音を発し始めた。 「あ、停電になったりしてね~」 「……!!!」 部長の言った一言は私を追い詰める。 「…いやぁ…」 思わず震えだしてしまう。 怖い。 たまらなく、怖い…。 ふと気がつくとだった。 隣には、私の手を握った彼女がいた。 「、み、宮永さ…」 「大丈夫。大丈夫だよ」 大丈夫…大丈夫なんだ。 なぜか納得してしまう私がいた。 そして…顔が赤くなるのに気付く。 今彼女が私の手を握っているという事実に、恥ずかしさと、安心を感じた。 宮永さんがいると、安心だった。 たったそれだけなのに、安心だった。 ☆☆☆ 「あーら…」 「邪魔しちゃ悪いのぅ」 「でも部活が始まらないわよ?」 先輩たちが小さな声で話す。 のどちゃんが咲ちゃんと仲がいいと…なんか…やだった。 「…犬、ブレーカー落として来い!」 「落としてどうする気だ」 「…怖がらせるんだじぇ!」 「むしろ更に距離を縮めるぞ」 …そうか。そうだじぇ。 手をつないで、俯いた2人が、いた。 そこまでの距離は、どうしようもなく遠かった。 のどちゃんまでの距離は…遠かった。 だから…なんだというんだじぇ。 「ほらー、イチャイチャしてないで部活始めるわよ」 「「あ…」」 赤面する2人。 そんな2人を見て、また私はタコスを食べるのだった。 ☆☆☆ イチャイチャ…かぁ。恥ずかしいな。 でも…原村さんとなら、別にいいかな、なんて。 馬鹿みたいだね。 「…宮永さん」 「…?ぁに?」 「…まだ、手…離さないでくれませんか?」 え…? 「…か、か…雷が…まだ…くるかも…しれないからぁ…あの…」 …可愛いなぁ、原村さんは。 「うん、いいよ。ずっと握ってるよ」 雷が止んでも…離したくない。 「…ありがとうございます」 「…ありがとう、原村さん」 「み、宮永さんがなんでお礼を…」 だって…原村さんと手を繋いでると、幸せなんだ。 だから…お礼。 「あのさ、部活始めたいんだけど?」 ……あ。 「…ごめんなさい」 「…ごめんなさい…」 部長に怒られてしまった。本気ではなく、ニヤニヤしながら部長は言った。 「…へへ♪」 「…ふふ♪」 私たちは目があって、どうしてだか笑ってしまった。 雷は、既に関係なかった。