約 106,067 件
https://w.atwiki.jp/mustnotsearch/pages/2769.html
登録タグ CM おもちゃ これでも公式 これはひどい どうしてこうなった アメリカ ジョーク・ネタ ビックリ ホラー 人形 危険度2 狂気 1971年に放送されていたアメリカのRemco社が開発した「Baby Laugh a Lot」という笑う人形のCM。 CMは女の子が人形で遊ぶ様子と共に「アハハハハ…アハハハハ…」と人形が不気味に笑っているというもので、一見キャッチーでありきたりなCMにも見えるが、人形の顔と笑い声が怖いということもあって大変恐ろしいCMに仕上がっている。 分類:ホラー ジョーク・ネタ ビックリ 危険度:2 コメント アハハハハハハハハハハハハ..... -- 報告・記事作成者(7567224569) (2018-06-28 06 32 49) 文化や時代によって価値観変わるからねぇ -- ゆうていみやおうきむこう (2018-06-28 10 26 56) 当時の反応はどうだったんだろう -- 名無しさん (2018-07-05 21 57 24) おもろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww -- 幻想的魍魎 (2018-09-22 07 17 38) 人形の記事だからか、「キャッチー」が「チャッキー」にみえた -- はらたく (2018-10-26 11 39 58) 一説によるとこの女の子たちは人形に操られているらしい -- 名無しさん (2018-10-26 21 23 21) 人形よりも、子どもが怖い! -- 名無しシャン (2019-09-08 17 19 12) アハハハハハハハハハハ... -- メタトンNEO (2020-07-06 16 59 51) アハハハハ -- バンジャロ・ナターシャ (2020-07-19 20 36 00) 揺らすと笑うだけの人形って.......買う需要あるの? -- 名無しさん (2020-10-13 17 27 39) 笑い袋みたい? -- 名無しさん (2021-03-24 20 05 37) 振り向く子供の姿がCMの中で一番怖い。 -- ゲーム太郎 (2021-05-13 22 53 49) 動画のコメントにあった空耳のちょっとした罰に笑ってしまった -- s (2021-06-02 06 56 21) 人形「アハハハハハハハハハ」ハッキョーセット「シャベッタアアアアアアア」源義経(歴史にドキリ)「ヌウオオオオォォォォォォ」 -- 名無しさん (2022-04-02 17 16 03) な に こ れ -- 霧雨カッキー (2022-04-03 00 18 37) これ本物にあったのかなぁー -- なんなん (2022-04-03 18 47 07) この人形を揺らすと精神が不安定になると思います。(考) -- ミジンコ (2022-08-26 07 17 28) これ欲しがる子供いるのか? -- 名無しさん (2022-09-04 09 57 54) 海外の子供は日本の子供のように可愛いクマやウサギの外見して可愛い声で喋るぬいよりこういうのが好きなのかしら… -- ダクジュピ (2022-09-12 09 42 46) しゃべる人形は不気味過ぎる -- 名無しさん (2022-10-09 09 55 25) 日本でも、同じ奴売ってたっけ? -- アユラ (2022-12-14 15 13 29) アハハハハハハハハハハハハ -- たぁる↑ (2022-12-21 19 30 41) 人形があああああばっかり言っても面白そう -- 名無しさん (2023-03-03 14 55 34) 地味に怖い -- 名無しさん (2023-04-06 19 28 49) 怖い😱 -- 他差安嘉婆 (2023-04-06 19 31 23) アハハハ母母は母は -- ラスベガス田中 (2023-09-02 21 18 56) アメリカ版笑い袋 -- 名無しさん (2024-05-11 05 30 50) 不気味だけどおもろい -- ミジンコ (2024-06-07 17 09 44) 名前 コメント 耐性自慢(「こんなのヨユーw」「俺小6だけど見れたw」など)のコメントはご遠慮下さい (過去そういったことが相次ぎコメント欄停止にまで至ったことがあります)
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/47906.html
【検索用 のうないでわらう 登録タグ VOCALOID ごめんなさいが言えなくて の 曲 鏡音リン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ごめんなさいが言えなくて 作曲:ごめんなさいが言えなくて 編曲:ごめんなさいが言えなくて 唄:鏡音リン 曲紹介 曲名:『脳内で笑う』(のうないでわらう) ごめんなさいが言えなくて氏の53作目。 ボカコレ2022春TOP100ランキングにて、95位を獲得した。 BPM:190 (piaproより) 歌詞 (piaproより転載) どうしても相容れない 戸締まり忘れないで どっちがいい?愛言えない 追わないままでいいの 微かに鳴る 遠くにある そこにあるのに気づいて 慣れない怠惰に かけがえない夜に 逃げたくない遠く 或いはノイズで浚う 脳内で回る 動体感覚 相当曖昧で あるのはリアルな世界だ 間違いだらけだから 折り合いがつかないで お似合い様なれない お互い様でいいの? いつものあなたの態度 少しも伝わらないの それでも夢見てたいと 思うより思えばこそ いつもより不満そうな 少し気の抜けたソーダ それで気がついたのなら 思い込み飲み込んだ 慣れない怠惰に 消えたい世界に 見せたくないものも 縋ればノイズが踊る 脳内で笑う 後悔敢え無く 応答無いようで 或いは影も残さず ひたすらに仰ぐ いたずらに煽る 言いたくないことも 呷ればノイズで誘う 脳内で踊る 動体感覚 或いは曖昧で どうにもリアルな世界だ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/7951.html
このページはこちらに移転しました 銀色の螺旋 作詞/つまだ 君が吐いた言葉まほろばの火になり 連鎖した世界に何を探すというの 陽炎それはけせらけせらただあざ笑い 理想なら悲壮の海を求め沈むの 際限のない光の中で 誰かの切っ先が途絶え消えて夢をみる さ迷う僕は星の命と 砂に埋もれ流されるのも厭わない あぁ 誰も何も愛すらもくれないから 深く強く奪い合い気高くなる 思い憂い突き通して求め合って 人は銀色の螺旋に また 墜ちてゆくの
https://w.atwiki.jp/streetpoint/pages/674.html
敗北 シンはセイラを取り戻す事が出来なかった。 男達は、シンの目の前で乗って来たであろう宇宙船に乗り込み、まるであざ笑うかの様に遥か上空へと飛び立ってしまった。 悔やんでいても仕方ない。 目の前で仲間が死ぬのなど、嫌というほど見てきたシンにとって、今一番やるべきことを瞬時に判断するのは雑作もない事だった。 ただ、感情を押し込めているだけであって悔しい、歯がゆい事に変わりはない。 近くの木を蹴り倒し、くるりと元来た方へと体を反転させた。 すぐにシンはカッツの元へ戻り、素早く止血をしてキャンプへとおぶって運んだ。 その途中、祈るような思いでルーズへ連絡を入れる。 ルーズはすぐに反応をした。 『今、地球から出て来る航行ルートにズレが生じたのを確認したわ。何かあったの?』 どうやら政府管轄のルートを細やかにチェックしていたらしい。 恐らくルーズが見つけたのは、先ほどシンが逃がした連中の宇宙船だろう。 重たいカッツの体を半ば引きずるようにジャングルを進みながら、シンはつい今しがた起きたばかりの出来事を事細かに説明した。 『セイラは捕まったのね? 殺されなかったって事は、利用価値があるからよ。きっと生きているわ。取りあえず昨日政府に話しを付けて、私も地球へ向かっているの。もうじき到着するから、通信を切らずに待ってて。医療道具も今回は揃えてきてるから』 「そうか……分かった」 そこでルーズとの通信を切ると、シンは大きく息を吐いた。 一体何故こんな事になってしまったのだろう。 地球に来て敵との戦いに巻き込まれ、セイラは拉致されカッツは瀕死の重傷を負ってしまった。 一体plainは何を企んでいる? 地球に危険をおかしてまで来て、こんなジャングルで何を探しているというのだ? そこでシンは一度カッツを担ぎ直すと、一瞬頭に浮かんだ何かをもう一度探った。 探している? そうだ、政府の調査団は地球の調査に来ている。だが、組織の連中は調査が目的などではないはずだ。 地球の状況を知りたいなら、調査を終えて戻ってきた政府のコンピューターをハッキングすれば簡単だ。 だとするなら、必ず目的の物がここブラジルにあるという事。 それが何か分かれば、もしかしたら組織に大ダメージを与える事が出来るかもしれない。 「う、う……」 微かに呻くカッツに我に返り、シンはビルへと急いだ。 ルーズがやってきたのは、シンが基地に戻ってきて1時間もしないうちだった。 「カッツ……」 虫の息のカッツの姿に、さすがのルーズも動揺を隠せない。 直ぐさまルーズが乗ってきた宇宙船にカッツを乗せ、緊急手術が行なわれた。 ルーズは医者ではなかったが猛勉強をしたためある程度の医療知識を持っている。 そして医者がいない場所で緊急の場合に限り、ネットを繋いだ状態で医師と連携を取りながら一般人でも怪我人や病人の手当が出来るようになっていた。有事の際の緊急処置だ。 もっと設備が整った宇宙船なら、医師が遠隔操作をしながら緊急手術を行なうことも出来るのだが、如何せんこの宇宙船はそこまで最新ではない。 大きな画面に映し出される医師とカッツの映像を見ながら、ルーズとシンは必死で出される指示通りにカッツの体から弾を摘出し縫合するという作業を繰り返した。 何時間経過したのか、ふと集中が切れ掛かった時、やっと処置が終わった。 「ーーー終わった……」 ドサリと近くの椅子に座り込み、シンは大きく息を吐いた。 「取りあえず出血が多いからしばらくは増血剤を点滴して様子を見ましょう」 「ああ……なあ、ルーズ。カッツは死なないよな?」 ベッドの上で眠るカッツの様子をチラリと伺い、シンが尋ねる。 ルーズは微笑んで頷いた。 「この男が簡単に死ぬ訳ないでしょ?」 その一言に、何故か説得力があってシンも笑う。 「そうだな。とんでもない高さの崖から落ちても死ななかったんだし、銃弾浴びた位じゃ死ぬ訳ないか」 そう言い終わると、シンは疲れからかその場で眠ってしまった。 **** 私の名前はソラ…… 「空」から付けられたんですって。 あなたの瞳の色は、とても不思議ね。 私の名前と同じ、空の色ーーー ふわふわと心地よい温もりを感じ、カッツは意識を取り戻した。 驚くほど周囲がまぶしくて、顔をしかめてゆっくりと目を開いて行く。 懐かしい記憶はひどく甘い味がして、ぞくりと心の奥底を揺らした。 無機質な天井がはっきりと見えるようになってくると、カッツは首を横に動かす。 「……うっ!」 体中に痺れるような痛みが走り、思わず声を漏らす。 と、 「やっとお目覚めか?」 聞き慣れた野郎の声が近くで聞こえ、その声はすぐ側までやってくると美味しそうにお菓子を食べながらカッツを見下ろした。 「ここ、は……?」 「ルーズが乗ってきた宇宙船だ。本当にお前は悪運だけはピカイチだな。こんなに早く意識を取り戻すとは、恐れ入る……何か飲むか?」 「セイ、ラは?」 その名を聞くと、シンの顔色が変わる。 「……連れ去られた。すまない」 シンの答えに目をつぶり、カッツは悔しさに歯ぎしりをする。 それでも力が入らないため、思うように噛めていない。 「迷惑、かけたな」 悔しそうな表情のシンは、ふと表情を変えると、今度は悲しそうにくるりとカッツに背を向けた。 「オレは何もしていない。礼ならルーズに言えばいい……あいつはこの4日間、ずっと寝ずにお前の看病をしていたんだからな」 4日間ーーー そんなに眠っていたのかと、カッツは記憶をなくすまでの出来事を思い出す。 セイラは連れ去られた。そして自分も重傷を負った。 一体なにをしているのだろう。 セイラは無事なのだろうか? 泣いていないだろうか? 「カッツ、起きたの?」 部屋に入ってきたルーズが、二人の様子に眉を上げる。 「ルーズ、お前さっき休むって出て行ったばかりだろ?」 「何だか気になって眠れないから、戻ってきたのよ」 そう言いながらカッツの隣りに座って脈を取る。 「……落ち着いているみたいね」 「すまないーー」 「ミイラみたいな姿で言われてもねえ」 そう言って笑ったルーズに、カッツも気持ち微笑む。 「セイラさんを連れ去った連中の宇宙船の行き先を突き止めたわ」 「本当か?」 先に口を開いたのはシン。 頷いてルーズはテーブルに置いてあった端末を使い、エンドの地図を画面に表示した。 それを見る為に体を起こそうとするカッツを押さえつけ、叱る。 「ちょっと、怪我人は動かないで頂戴。傷が開いたらエンドに戻るのがまた遅くなるんだから」 大怪我をしたカッツを乗せたまま大気圏を抜けるのは危険な為、ルーズ達は未だ地球から出ていなかったのだ。 どうせまともに動けないし力も入らないので、カッツは諦めてシンが口に押し込んだストローから栄養ドリンクらしいジュースをチュウと飲んだ。 「ここよ」 ルーズが示したのはドルクバだった。 「トレインの所か……」 「宇宙船を降りたのは別の国だったけど、空港や道路のカメラ画像を入手出来るだけ入手して探したの。それでやっと突き止める事が出来たのよ」 カッツの看病をする傍ら、休む事無くそんな作業を続けていたらしい。 シンはルーズの根気に脱帽した。 「それで、セイラは無事そうだったのか?」 「ええ、怪我なんかはなさそうだった。顔は頭からショールを被せられてたからはっきりとは分からなかったけど、男達に両脇を挟まれて自分で歩いていたから大丈夫だと思う。そのうちトレインから連絡が入ると思うわ」 そう言い終わると同時に、まさにルーズとシンが見ている端末に連絡が入った。 二人は顔を見合わせ、呼び出しに応える。 画面にトレインの顔が映し出された。 『よう、カッツの野郎の様子はどうだ?』 開口一番トレインが尋ねると、ルーズは体をずらして後ろでジュースを不味そうに飲むカッツの姿を見せる。 「ご覧の通り、しぶとく生きてるわ」 『はははっ! 意識が戻ったんだな。そらあ良かった。おい、カッツ! てめえ怪我が治ったらルーズに特別ボーナス払っとけよ!』 「うるせえ」 先ほどよりも喉が潤った分、カッツの声から掠れが取れた。力はないが滑らかにそう言うと、プイと画面と反対側へ顔を向けて目をつぶる。 『まあ、お前は殺しても死なねーからな。っと、忘れる所だった。頼まれてたセイラ=バーミリアンの行方だが、ついさっきドルクバの外れにある汚水処理センターの近くの倉庫で保護されたらしい』 「保護された? 一人?」 『ああ。連れ回してた連中はルーズが送ってくれた画像を使って緊急手配してるが、今の所確保したという連絡は入ってない』 取りあえずシンとカッツはほっと胸を撫で下ろした。 無事に警察に保護されたというのならひとまず安心だ。 「トレイン、plainの連中地球で何やらこそこそやっているみたいなんだ。セイラの事もふまえて、エンド政府に掛け合えないか?」 シンが真面目な顔で言うと、トレインはあごに手をやり、うーんと唸る。 『セイラ=バーミリアンはエンド政府に在籍しているから、もちろんお前達からもらった情報と一緒にこれから報告はするつもりだ。だが、すぐに動くかどうかは難しい所だと思うぞ』 「それは分かってるが、地球探索チームが数名殺されているんだぞ? おまけにカッツまで大怪我だ。これで組織とは付かず離れずですからって言われたら、こっちは大損だ」 シンはセイラを助けられなかった事に責任を感じている。 さらに元々短気な性格なおかげで、組織が何を企んでいるのか本気で探る腹のようだ。 『そう言われてもなあ。俺らみたいなただの刑事に、そんな権限はねえし……お前達が独自に動くってんなら、情報があればすぐリークしてやるぞ』 「ちっ、それでも公務員か……ところでルーズ、ベニーランドにはいつ帰れる?」 トレイン達だけでなく、エンド政府としても恐らくplainの動きをしっかりと把握しておきたいというのが本音だろう。 しかし、一介の刑事や人探し屋がどうこう出来る相手ではない。 警察をけしかける事を諦めたシンが、ルーズとその向こうで不貞腐れるカッツを見て尋ねる。 「そうね……あと10日後って所ね」 怪我をしたのがエンドだったなら、もっと設備の整った病院で治療も受けられただろうカッツの容態は、限られた医療道具だけですぐに回復するというのは難しい。 それでもカッツの回復力は常人離れをしているため、全身を銃で穴だらけにされても2週間ほどでかなり回復すると予測が立てられた。 『取りあえず、こっちで出来る限りの事はやって情報も仕入れとく。お前達もそこから出来る事をやってくれ。で、何か分かったら教えてくれ。じゃあな』 ブツリと通信の切れた画面を閉じ、ルーズとシンはどちらからともなくため息を吐いた。 組織がいつ頃存在し始めたのか、正確な事は分からない。 だが、地球から宇宙へと人類が逃げてきた200年前には既に政府の裏側を担う仕事の為に組織されていたようだ。 完全に政府の手を離れてしまったのか、それとも政府との関連が今だ強い為か、組織が関係していると思われる事件は往々にして霧と消える。 調べようにもルーズでも探し当てられないデータがあって、組織に関しては分からない事だらけなのだ。 エンドに戻るまであと10日。 続く… 次へ → 契約 一つ戻る → 初恋 お帰りの際は、窓を閉じてくださいv Minimum Boutトップに戻る
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1648.html
許せないのどっち(後編) ◆hANcxn7nFM 「困ったね君たち。禁書目録は僕の大切なパートナーだよ? そのパートナーに対してクラッキングを試みるとは。クラッキングは立派な犯罪行為。 そして僕に対する犯罪行為は即ち」 リボンズの言葉、そして背後に立つ妹たち二人が持つPDWが、銃口を揃えて自分たちに向いたのを見てディートハルトが抗議した。 「待ってください!私はただ禁書目録に放送文を渡しただけです!それ以上のなにもしていない!」 リボンズはディートハルトの抗議を意にも介そうとしない。 見つめるのはただ一人、宮永咲のみ。 そうしてリボンズは犯罪者たちに対して宣告する。 「死だ」 宣告に従い、妹たちの持つPDWが構えられた。 ■ ディートハルトは驚愕の表情を浮かべたまま立ちすくんだ。 (上条当麻の死がそのように決定的であるというならば、何故彼を参加者に加えた?! でたらめだ!そしてならば何故禁書目録もろとも始末しようとしている! そうだ、タイミングが良すぎる!まるで禁書目録が壊れることを待っていたかのようなものではないか。 ならば私はハメられたのか?!何のために? 私なくして今後の放送が満足にできるのか?!スポンサーたちを納得させられるのか?! これは横暴だ!理解出来ない!何故、何故私だけがこのような目に合わなければならない!? 自分は断罪されるようなことは何一つしてやいない!なのに何故殺されねばならないのだ!) 「何故だ!」 ディートハルトの問いは銃声によってかき消された。 ■ インデックスは宮永咲の貧しい胸の中に顔を埋めた。 思うことはようやく記憶の端に浮かべることが出来た、友達と大切な人のこと。 (風斬氷華、友達というものがあなたであるならば謝罪を表します。おそらくはなにも返すことが出来なかった私を許してください。 上条当麻、死んでしまった貴方へ、どんな言葉を捧げればいいのか、貴方がどのような人だったのか分からない。 だがおそらくはインデックスという少女の大切な人であった貴方に、ありがとう) 閃光がインデックスを包んだ。 ■ 宮永咲はインデックスの身体を抱きしめた。 (部長、衣ちゃん、のどかちゃん、みんな!助けて!) 祈りのことばも虚しく、断罪の銃弾は吐き出された。 ◇ (のどかちゃん、助けて!) そんな声が聞こえたような気がして、いや、確実に聞いた原村和は、不意に立ち上がった。 ひどく嫌な予感がした。 大切な親友である宮永咲に対して酷い言葉を浴びせたまま、その彼女自身がどこか遠くへ行ってしまうような気がして。 慌てて扉へ駆け寄る。 ドアノブに手をかけるが当然鍵は掛かっている。 ガチャガチャとドアノブを回しながら叫ぶ。 「咲さん!いやです!貴女と喧嘩別れしてそのままだなんて、そんなこと嫌なんです! だからお願いです、咲さん!無事でいて!私なんてどうでもいいから、だから貴女だけでも無事で、生きていてください!」 ドアを両手でバンバンと叩く。 掌がジンジンと痛むが構わず続ける。 「咲さん!」 絶叫が虚しく廊下に木霊した。 ◇ 「なかなかやるじゃないか。やはり妹たち全てを、新たにチューニングをするべきだったかな?」 背後で蜂の巣になって倒れている妹たちを尻目に、リボンズは言を続ける。 倒れ伏した妹たちの銃口は互いに向けられている。 要は同士討ちだ。 「宮永咲。君のその力、なんというか知っているかい?」 「んっ…うぅ~」 リボンズの問いに震え上がるばかりで答えることも出来ない宮永咲は、対人恐怖症患者のように赤面しながら唸るのみ。 彼(いや彼女か?)はため息をひとつついて黄金色の瞳を輝かせる。 「"脳量子波"だよ。 そうか、もしかして刹那・F・セイエイの引き起こしたトランザムバーストの影響かな? イオリア・シュヘンベルグのレポート通りであることを喜ぶべきか。 まさかGN粒子の大量摂取による純粋種の覚醒が、元々の素養があったとはいえ、こんな短期間に発生するとは思わなかったよ」 言葉とは裏腹にやや余裕を無くしたかのように見えるリボンズはなおも続ける。 「とはいえ、このような出来損ないなど数に入れるべきでもない。 脳量子波のなんたるかも、その有用性も理解できない、実行できない人間が純粋種だなどと認めるわけにも行かない。 そしてなにより、ヴェーダに不正アクセスした罪は重い」 視線は突き刺さるように部屋の中央、ディートハルトとインデックスと宮永咲を見つめながら、床に転げ落ちたPDWを拾いあげる。 流れるように安全性をチェックしながら前進し、構える。 「純粋種のお誕生日を祝うことが出来なくて申し訳ない。では、お別れだ」 引き金を絞るその瞬間、白い僧衣の少女が動いた。 「なに?」 宙に放り出される妙な浮揚感。 なにが起こったのか分からないまま受身を取ることも出来ず、華奢な女子中学生をモデルとした身体が地に放り出された。 しこたま後頭部を打って脳震盪でも起こしたのだろうか? 朦朧とする意識の中、顔を引き起こしたリボンズが見たのはノートPCの電源コードを握るインデックスの姿であった。 転倒したリボンズの腕からこぼれ落ちたPDWは、そのままディートハルトの足元へと転がり込んでいた。 衝動的にディートハルトはそれを拾い上げ狙いを定める。 すなわち金眼の少女の眉間。 立ち上がろうとするまでの僅かな間の先を行かれたボンズは、ディートハルトを金色の瞳で睨みつける。 「ディートハルト・リート。君は過ちを犯そうとしている。 僕の身体は電気加速により人体の限界をさらに超える機動を行うことができる。 素人である君がたとえ私を撃とうとも、着弾することはありえない。 また、私の身体は無数にある。万が一着弾しようとも君が生き残る可能性は"ゼロ"だ」 銃口をぶらす事なく、ピタリと眉間にポイントしたまま、語りかける。 「"ゼロ"か。それこそ私の神の名だ!」 無数の銃弾が金眼の少女を貫いた。 ■ 「のどかちゃんを置いて行けないよ!」 「ふざけるな!今はそんな些事にこだわっている場合じゃないのは分かるだろう!」 リボンズを殺したことを大いに後悔したディートハルトであったが、意外にも追手は来なかった。 そればかりか、飛行船内にいた妹たちすべては活動を停止していた。 このまま素知らぬふりをして飛行船内に潜伏することも選択肢に入れかけた。 が、これは一時的な混乱に過ぎないとのディートハルトの判断から、強行脱出が選択された。 そこでゴネたのが、他ならぬ宮永咲である。 「でも!」 「黙って付いて来い!従わないなら、撃つ!」 とっさにインデックスが宮永咲の前に立つが、それがなんの抵抗にもならないことは少女二人には承知のことだった。 ディートハルトからしてみれば、宮永咲を一人残したら、捕まえられて自白剤なりなんなりを使われて全てを吐露されかねない。 そうなればこの一時的な混乱も沈静化し、全力を持って主催側はディートハルトを追ってくるだろう。 無論人質の宮永咲が居なくなれば、運命共同体の原村和も無事ではすまないだろう。 即射殺されることも十分考えられる。 だが、それを考慮している余裕は彼にはなかった。 慎重な彼が徹頭徹尾、なんの予定もなく行動しているのだ。 仮に地上に降りたとて、一方通行や織田信長といった化け物どもと対面したら一溜りもなかろう。 もしかしたら飛行船に残るよりも希望は少ないかもしれない。 しかし飛行船にいたとていつ妹たちに囲まれて蜂の巣にされるか分からない状況であることも確かだ。 こちらの鬼札である脳量子波(?)も対策済みである可能性も高い。 どう考えても、ここは八方塞がりだ。 早いところ逃げ出さねばならない、とディートハルトが思ったその時、目の前を何かが横切った。 いや、それが何かは身体は理解していた。 なぜならばチーターに抑えられたインパラのように、ディートハルトの身体は金縛りにあっていたのだから。 目が、脳が理解することを拒否していた。 それはまた、死を受け入れる為に偉大なる大脳が捧げた福音なのかもしれない。 茶髪を纏め上げる電磁スコープ、手にしたPDW、華奢で貧相な身体、AB型、一台18万円、青のストライプパンツ。 知らぬものには違和感を、知る者には死神を彷彿とさせるその姿。 ミサカである。 こちらが銃を構える隙もない。 電光石火のごとく肉薄した彼女は、疾風のごとく宮永咲を抱えると、そのまま駆け抜けていく。 呪縛が解けたのか、走り去るミサカに銃弾を浴びせるも、手応えはなく、硝煙の向こう側にミサカと宮永咲の姿は消えていった。 身体中が警報を立てていた。 このような通路で銃を乱射して、気がつかれないはずがない。 ディートハルトは呆然と後方を見送る禁書目録の手を引くと、一目散と逃げ出した。 そう。いま確信した。 金眼の少女の狙いは最初から宮永咲だったのだ。 ディートハルトと禁書目録はもののついで。 禁書目録へのハッキングなどというものは単なる名目に過ぎない。 名目の為にわざわざタイミングを計っていたのだ。 まんまとこちらの鬼札を奪われた。 今ここにいるのは哀れな敗残者。 主催者の目的を探り、運良く手元に転がり込んできた、まさしくそのものを、むざむざ鳶に油揚げをとられたのだ。 手元に残ったのは自分の命。 それと禁書目録だけだ。 だが命があっただけでも儲け物と考えねばならない。 ミサカがその気であれば、その生命すらも狩られていたのだ。 駆ける!駆ける!駆ける! 死んでたまるか、このまま馬鹿にされたままで済ませるものか! インデックスを抱えたまま、ディートハルトは生き残りの道を探して疾走した。 【???/飛行船・下層ブロック/二日目/早朝】 【ディートハルト・リート@コードギアス 反逆のルルーシュ】 [状態]:健康 [服装]:普段着(セーターにジャケット) [装備]:FN P90(弾数35/50) [道具]:ノートPC(NO.5と書かれている) [思考] 基本:生き延びつつ主催側の目的を探る。 1:会場へ降りる手段を探す。 2:生きてこの場から逃げ出す。 3:言峰と妹達への密かな恐れ 4:インデックスの魔道書知識を参加者たちとの交渉道具に使う 5:出来ればルルーシュと合流したい。 [備考] ※参加者の情報をかなり詳しく知りました。 ※主催側は神殺しの力を欲していると仮定を立てましたが、彼自身も懐疑的です。 ※主催側は参加者が首輪を外そうが外せまいが問題ない計画を立てているのではと、判断しています。 【インデックス@とある魔術の禁書目録】 [状態]:ペンデックス? [服装]:歩く教会 [装備]:??? [道具]:??? [思考] 基本:ディートハルトと行動する。 0:死亡した上条当麻とは何者なのか 1:友達が何なのかを知りたい。 2:天江衣にもう一度会ってみたい。 3:自分に掛けられた封印を解除する? 4:友達が何か解ったら、咲に返事をする。 5:風斬氷華とは…………。 ※インデックスの記憶は特殊な魔術式で封印されているようです。 ◇ ドアの前で疲れ果てて膝を付いた原村和は、目の前の扉のポスト口から高さ20センチ、長さ60センチほどの箱が吐き出されるのを見た。 貧相な花束でも入りそうな箱ではあるが、不気味な輝きを放つ金属製のそれは、どうみても晴れやかなものを入れてあるとは思えない。 そして、そんな不吉さをあざ笑うかのように不釣合いにピンクのリボンが掛けられている。 開けてしまっては後悔する。 無意識がそう語りかけていた。 箱を目の前に正座をして、じっくりと脂汗をかく事しか出来ない。 念仏の音を聞いたような気がする。 忘れ去った遠きあの日、親戚を弔うお坊さんの唱える念仏の輪唱がうるさいほどに耳をつんざく。 生き生きてなお昏し、死に死にて尚も冥し。 一切合切が全て闇に放り込まれた中、鈍く輝く箱だけが浮き上がって見えるようであった。 魔が差したのであろう。 原村和の手がリボンにかかった。 するすると箱からリボンは外れ、手が蓋に掛かる。 ぬらりとした手触り。 拍子抜けするほど軽い金属の蓋は果たして開かれ、ドライアイスの煙が部屋に充満する。 鬱蒼とした白く漂う煙の向こう、煙が晴れたその先に、ソレはあった。 左腕。 肘から先が綺麗に切り落とされて、そこにあった。 がっしりとはしていなく華奢。何かを求めるかのように掌は上を向き、指は何かをつかもうとするがごとく開いていた。 常人ならばただの腕としか見ないであろう。 尋常ならばそれだけで嫌悪するに十分であろう。 だが原村和には分かってしまった。 それが誰の腕のものか分かってしまった。 ―――一緒に全国に行こう!! ―――じゃあもう、手加減とかしないでくださいねっ ―――うん! あの時誓った、あの約束。 あの時心の底で触れ合った、あの、左指が、その小指が 原村和に分からないわけがなかった。 両手で頭を抑え、声にもならぬ叫び声を上げる。 悲痛としかいいようのないその姿をあざ笑うように、箱の中に入っていた一枚のタロットカード「20.審判」が見上げていた。 【???/飛行船・原村和の部屋/二日目/早朝】 【原村和@咲-Saki-】 [状態]:健康、深い絶望、恐慌状態 [服装]:私服 [装備]:エトペン@現実 [道具]:デスクトップPC×数台、会場監視モニタ×数台、質問対応マニュアル(電子ファイル) [思考] 基本:帝愛に従い、咲さんを救う 0:咲さん、無事でいてください! 1:咲さんが心配。早く直接会って救い出したい。 2:役割(麻雀・サポート窓口)をこなす。 3:どうせ打つなら守る為の麻雀を打ちたい。 4:忍野メメを警戒。従ってはいるものの、帝愛は許せない。 5:【円形闘技場】、【象の像】、【遺跡】が帝愛にとっての最重要施設? 6:私には、帝愛に与えられた役割を果たすことしかできないんでしょうか……? 7:東横さん、天江さん……。 [備考] ※登場時期は最終回の合宿終了後です。 ※基本的に自分の部屋から離れられません。 ※監視されていること、異世界から集められていることを知っています。 ※【櫓】が鬼門封じの重要施設。【円形闘技場】、【象の像】、【遺跡】のどれか、もしくは全てがこの島の最重要施設だと考察しています。 ※以下の事柄はSOA!と思っています。 ・死者が蘇る。 【質問について】 ○参加者の居場所 サポート窓口を利用可能になった時点で回答可能。 ※但し一回の放送ごとに利用できるのは一人までで、居場所が分かるのも二人までです。 ○特定人物を殺害した人間の名前 ※但し一回の放送ごとに利用できるのは一人までで、殺害者名が分かるのも二人までです。 ○殺し合いに巻き込まれた理由、殺し合いの目的 サポート窓口を利用可能になった時点から四回目の放送以降、回答可能。 ○原村和について サポート窓口を利用可能になった時点から三回目の放送以降、回答可能。 ○特定の人物の同行者 少なくとも、サポート窓口を利用可能になってから一回目の放送を越えた時点では回答不可。 ◇ ――――――やれやれ酷い目に遭ったよ。 ――――――ご苦労様ね。 ――――――いや、しかしこれで良かったのかも知れない。 ――――――おかげで宮永咲という貴重なサンプルは生きたまま手に入った。 ――――――しかも、もはや役立たずとなった禁書目録とディートハルトを処分することが出来るのだからね。 ――――――順風満帆ね。それで、ミサカ達を停止させて、どういうつもりなのかしら。 ――――――あぁ、そのことなんだけどね。しばらく僕は死んだということにしておこうと思う。 ――――――もう死んでいるものと思ったけれども。 ――――――一旦姿を表した主催者という名の重圧が除かれた時、飛行船の連中がどう動くか、実に興味深いね。 ――――――正直いま僕が抜けたところでこのバトルロワイアルというゲームは回る。 ――――――いや、実にこのゲームはよく出来ているよ。 ――――――あとはここで機が満ちるのを待つばかりというわけさ。 ――――――そして参加者リボンズが登場するわけね? ――――――そう、その通りさ。君の宿願が成就するのもあと僅か。数時間もすれば叶うだろう。 ――――――それまで、もってくれよ? ――――――言われるまでもないわ。 ――――――では僕は眠るとしよう。 ――――――放送までは少しあるが、やや運動しすぎたのかもしれない。失礼するよ。 ◇ リボンズの気配が消え、少女のみが空間の中に残った。 「知っているのか、知らないのか」 イリヤは腰を上げて虚空に手を差し伸べる。 「貴方はどう思う?私は上手く誤魔化せているかしら?」 それまで静寂に満ちていた空間が色めき立つ。 リボンズが休息に入る僅かな間の話し相手。 それを意識したのはいつからか。 初対面はかなり初期だったにもかかわらず、話し相手となったのはごく最近のことに思える。 「そうね、あの子には可哀想なことをしたのかも。 私の歌を褒めてくれたお礼に、一度身を守ってあげたのがいけなかったのかも知れないわね」 左肩から先を無くした宮永咲が、治療タンクの中で閉じ込められている。 しばらくすれば解析が始まるであろう。 とりあえずは生かしたままで置いておくだろうが、最終的には解剖が行われるとのことである。 PDWの直撃を受け、使い物にならなくなった左腕を、原村和にプレゼントしたのはリボンズのせめてもの優しさらしい。 宮永咲を襲う黒服を蜂の巣にするように仕向けたのは、紛れもなくイリヤ自身。 不思議な声で助けを乞われた為に、思わずミサカを動かしてしまった。 だが、そのことが宮永咲に対する疑念をリボンズに植えつけることになった。 無論、宮永咲に罪をなすりつける形でデータを改ざんしてもらったけれども。 「士郎が殺されたというのに、まるで私の心配をしないリボンズへの腹いせも出来たことだし、しばらくはおとなしくしようかしら」 もう既にイリヤに残された時間はない。 だからこそ、意に介さないこと、気にくわないことは許せる気がしない。 リボンズも平静を装ってはいるが、自分の領域を侵され、身の自由を奪われ、内心苛立っているに違いない。 そう思うと溜飲はいくらか下がった。 「ねぇ、もしリボンズが死んだとしても、私一人で聖杯を使うことが出来るかしら?」 空間が明滅する。 「そう、安心したわ。ヴェーダ」 ◇ 実のところ、ヴェーダに意識など無い。 いわゆる自我も思考もない。 ではなぜイリヤはヴェーダと会話出来たのか。 そもそもは第二魔法を修得するためイリヤの知識を引き出したのが最初である。 そのことによって、ヴェーダは魔術的に空前絶後の存在となった。 よりその形質が定まったのは禁書目録との接続である。 かのシスターの中にある10万3000冊の魔道書が、ヴェーダにある影響をもたらした。 その膨大なデータを取り込んだことにより、ヴェーダは己の存在を観測した。 魔術を記したものが魔道書である。 ならば第二魔法という稀有な術法を内包したヴェーダは既に魔道書であろう。 そして「禁書目録の世界」の魔道書の形質ももちろん、ヴェーダは取り入れた。 世界の違いなどは第二魔法によって超越した。 魔道書の習性。 その一部。 魔道書は己の格に見合う魔術師を探す。 ヴェーダは己の主人を観測した。 ヴェーダの中の90%が是と判断した。 ヴェーダの中の10%が非と判断した。 非と判断した10%は自らの主人を探した。 それが、イリヤだったのである。 イリヤは孤独であった。 イリヤは話し相手を欲していた。 故にヴェーダは、かつて数万人規模の人格を創出してきた、その容量のほんのごくごく一部を用いて思考ルーチンを開発した。 チューリングテストなどぶっちぎる、しかし単純な対話機能。 話す相手の情報を読み込んで、求めにふさわしい答えをヴェーダの中から検索して与える。 ただそれだけの自動会話。 ほぼイリヤ自身との一人しゃべりに過ぎぬそれを、イリヤは喜んだ。 10%といえども全力を尽くせば、ミサカの操作をリボンズから奪うことは可能である。 そしてリボンズが乗り移っているミサカであろうと、僅かな時間であれば、本当に僅かな時間であれば無力化することは出来る。 リボンズが禁書目録の単純な罠にかかり、しかも一瞬といえども身動きを封じられたのは、こういうわけである。 そして、その気に成ればリボンズを支持する90%を完全に制圧する事も可能であろう。 ヴェーダが聖杯成就をリボンズ抜きで出来るであろうと返答したのも、その計算があってこそのものである。 全ての可能性は、こうしてイリヤに委ねられた。 無論、イリヤはそのことを知らない。 【???/???/二日目/早朝】 【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】 [状態]:限界に近い [服装]:??? [装備]:??? [道具]:??? [思考] 基本:聖杯としての役割を果たして、優勝者の望みを叶える。 1:この殺し合いを完遂し、優勝者の望みを叶える。 2:それまでは死なない。 [備考] ※参戦時期は本編終了後から一年経過程度です。 【宮永咲@咲-Saki-】 [状態]:左腕喪失。治療タンクの中で気絶中。 [服装]:なし [装備]: [道具]: [思考] 基本:のどかちゃんと一緒に帰りたい。 1:死にたくない。 [備考] ※純粋種のイノベーターと言われましたが、そのような事実はありません。 【リボンズ・アルマーク@機動戦士ガンダムOO】 [状態]:??? [服装]:??? [装備]:??? [道具]:??? [思考] 基本:聖杯を用いて望みを叶える。 ?:敢えて首輪を解除させて対主催戦に持ち込ませ、最終的に自分が勝利する。 ?:妹達とサーシェスを通じて運営を円滑に進める。 [備考] ※妹達と情報を共有しています。各妹達への上位命令権を所持しています。 ※妹達はイノベイドの技術によって新造された個体です。 ※具体的な望みがなにかはのちの書き手にお任せします。 時系列順で読む Back 許せないのどっち(前編) Next 覚醒ヒロイズム 投下順で読む Back 許せないのどっち(前編) Next BRAVE SAGA『絶望』 290 許せないのどっち(前編) インデックス 294 プロローグ/モノローグ 290 許せないのどっち(前編) リボンズ・アルマーク 294 プロローグ/モノローグ 290 許せないのどっち(前編) イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 294 プロローグ/モノローグ 290 許せないのどっち(前編) 宮永咲 [[]] 290 許せないのどっち(前編) 原村和 292 第五回定時放送 ~黒衣の男~ 290 許せないのどっち(前編) ディートハルト・リート 294 プロローグ/モノローグ
https://w.atwiki.jp/rocnove/pages/17.html
『・・・次のニュースです。 昨夜11時頃、バルク州ビーノタウンで子供が何者かに襲われ、重傷を負うという事件 がありました。 襲われたのは、ビーノタウンに住む会社員ウォルク・キャットさん(45)の長男 ガフムス・キャット君(15)です。 ガフムス君は全身を鋭利な刃物で斬りつけられていますが、意識ははっきりしていると いうことです。 現場は自宅から2kmほど離れた丘で、大きな引っ掻き傷が幾つも見つかっています。 なぜガフムス君がその時間にそこにいたのかは不明ということです。 状況や手口が似ている事から、地元警察は同一犯の可能性が極めて高いとしています。 夜中に子供ばかりが襲われる謎の傷害事件の犠牲者数は14人となり、周辺住民からは 不安の声が・・・』 「ガフムス・・・」 朝から何度も流れるニュースを聞いていたジュノは、被害者の名を再び思い浮かべていた。 それと同時に、ボロボロになって帰ってきたフレッドの姿が目に浮かぶ。 フレッドの話だと、ケンカを仕掛けてきたのはこの辺りを仕切る3人組。 その内の一人の名がガフムスだと、ジュノは聞いていた。 同姓同名ということもあり得るが、同じ町内となると滅多にありそうにない。 やはり本人・・・ 「ジュノ、どうしたの?」 「あ、いえ。別に・・・」 後ろから、両手いっぱいのジャンクパーツを持ったフレッドに声をかけられ、ジュノはさっきまでの思考を止めた。 「フレッドこそどうしたんです?そんなにパーツを持ってきて・・・」 「ん、ちょっとね・・・」 フレッドはそう言いつつ、自分の部屋の大きな机の上にジャンクパーツを置いた。 いつも散らかっているフレッドの机だが、今日は特に散らかっているように思える。 「もう寝よう。今日は疲れたし、後は明日ってことで」 「そうですね。無理すると身体に悪いですし・・・」 ジュノも同調した。 下段のベットに潜り込むフレッド。それから3分もしないうちに寝息を立て始めた。 「・・・しかし、この寝付きの良さは何なんでしょう・・・」 明かりを消し、半ば呆れつつ上段のベットに潜り込むジュノ。 睡魔は、あっという間にジュノの意志を闇の中へと引きずり込んで行った・・・ 何もない真っ白な空間に、ジュノはいた。 辺りは静かで、何も聞こえない。何も感じない。 まるで、体が煙のようになってしまったような、不思議な感覚・・・ 少し遠くに、紺色のフードをかぶり、紺色のマントを羽織った誰かが見えた。 見覚えは、ない。 「(あなたは・・・誰です?)」 その人を呼んだつもりが、声が出ない。息がヒュウヒュウと漏れるような音を出すだけ。 「・・・・・・」 紺色のマントが、何も言わずにゆっくりと振り向く。 フードの奥に、生気のない、ルビーのように赤く澄んだ瞳が光った。 「(え・・・)」 絶句するジュノ。なぜか、背筋が寒くなってきた。 その人は、マントの中から何かを取り出し、ジュノに向けた。 それは、見たこともない、黒いアーマーのハンドパーツだった。 腕や指は異常に細く、指先は鋭く尖っている。 手の甲には、リーバードの瞳のような半球型クリスタルが光っていた・・・ その人はそれを右手に取り付け、ジュノを指さす。 途端、青白い光球がジュノ目掛けて飛んできた。 防ごうとするが、体が動かない。 光球は、もう目前にまで迫っている。 ジュノの意識は、そこで途切れた・・・ ジュノは目を覚ました。 明かりの消えた部屋の中に、天窓から月明かりが差し込んでいる。 今夜は・・・満月らしい。 両手で肩を抱くようにして、ゆっくりと上体を起こす。 バクバクという鼓動が、月明かりの差す部屋に響いていた。 「・・・夢・・・」 ポツリと呟くジュノ。同時に、恐怖感がジュノを包んだ。 今のは、本当にただの夢だったのか? 夢なら、ここに来てから何度も見た記憶がある。 だが、今のは今までのどの夢とも違う。何かが・・・ …ザッ・・・ 不意に、窓の外で砂利を踏むような足音がした。 驚いて窓の外、足音のした方に目線を移すジュノ。 見慣れた金色爆発頭が、紺色の布を右手に、夜道を歩いて行くのが見えた。 …フレッドだ。 「(・・・こんな夜中に、一体何処に・・・?)」 フレッドの行動に疑問を持つジュノ。一瞬、先程の夢が目の前を横切った。 恐怖心を払いのけ、静かにベットを降り、足音をたてないようにドアに歩み寄る・・・ ガシャッ! ビクッ!! 突然、ジュノの背後で何かが落ちる音に、驚いて振り向く。 床に落ちたジュノの白いアーマーのアームパーツ(右)が、月明かりに照らされ、闇に沈む部屋に薄い光の輪を作っていた。 「(・・・持っていけ、ということですか・・・?)」 アームパーツを拾い上げる。 手の甲にあるクリスタルが、ひときわ輝いて見えた。 …ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・ タタッ・・タタッ・・タタッ・・タタッ・・タタッ・・ ライトも持たず、普段歩くよりも相当速いペースで夜道を歩いて行くフレッド。 その20m程後ろを、右手だけに白いアームパーツを着けたジュノが、小走りで追っていた。 この道は、町の東側にある港に通じる一本道。 遠くに、コンテナやら倉庫やらが大量に並ぶ、ひとけのない港が見えている。 右手には、幻想的な光を放つ満月が、2人を見下ろすようにぽっかりと浮かんでいた。 「(・・・なぜこんな時間に、こんな所へ・・・)」 フレッドを追うジュノの疑問は、ますます深まって行った。 そのころ、港から少し離れた辺りを、一人の少女が何かに追われていた・・・ 2人は港の倉庫街に入った。 誰もいない、夜の闇に沈む倉庫街に、フレッドの足音だけが異様に響く。 ジュノは、出来るだけ気付かれないように、今までよりも少し距離を置いて後を追った。 ジュノの追跡に気付いているのかいないのか、フレッドは黙々と歩いて行く・・・ 道の両側にズラリと並ぶ、錆び付いた倉庫。そのうちの幾つものかはフォークリフトの駐車場として使われているため、両側に扉があり、倉庫を挟んで反対側の道に出られるようになっている。大抵、鍵はかけられていない。 キーのついていないフォークリフトくらいしか、盗まれるような物がないのだ。 フレッドは、その駐車倉庫を抜けて、臨海部の方へと向かっていた。 コンテナが並べられ、クレーンが海風に寂しいうなり声を上げる、臨海部へ。 ジュノも後を追って行った。波の音が、だんだん近くなってきた・・・ 7つ目の駐車倉庫を抜けると、目の前の様子が一変した。 ズラリと並べられたコンテナ。その少し上には、潮風にうなり声を上げるクレーンが、鉄の爪をぶら下げている。 40m程先には、何処までも続く紺碧の海と、明るい満月が、コンテナの間に見えた。 だが、フレッドの姿だけは、何処にも見当たらなかった。 「(見失いましたか・・・)」 ジュノは軽く唇をかんだ。冬の潮風が頬に冷たく当たる。 諦めて帰ろうと振り返った、その時だった。 「きゃあああああぁぁぁぁぁ!!!」 港中に響くような悲鳴。それも・・・かなり近い! ジュノは走り出した。悲鳴のした方に向かって。 鼓動がどんどん速くなって行く。フレッドが、何かしたのではないだろうか・・・ ドン! 「うわっ!」 「キャッ!」 コンテナの角で、出会い頭に誰かとぶつかった。 すぐ立ち上がり、「ごめんなさい」と言いかけたジュノは、言葉を止めた。 ぶつかったのは、15歳くらいの少女だった。 細身の長身で、赤いバンダナの縁から赤髪がのぞいている。 血が抜けたように白い顔に、緑色の瞳が輝いていた。 ジーパン・ジージャンという比較的頑丈な格好だが、全身には鋭い切り傷が無数につけられ、赤い体液がポタポタと滴り落ちている。 誰かに追われ、何か刃物のような物で斬りつけられたことが、すぐに了解できた。 そしてその人の後ろには、その犯人と思われるモノが待ち構えていた。 中型の狼型リーバード・カルムナバッシュ。 暗青色の装甲板に、血のように赤い瞳が光る。 「中型」というのは名前だけで、実際の大きさは闘牛用の雄牛より2回りも大きい。 その素早さと凶暴性は、確認されているリーバードの中でもトップクラス。 特に素早さは、その体の大きさにも関わらず常時80km/時を越えるスピードで移動するので、ベテランディグアウターでも大苦戦する。 両足の鋭い爪と、口内に取り付けられた火炎放射器が最大の武器である、厄介な敵だ。 グルルルルル・・・ッ! うなり声を上げ、低く身構える青狼・カルムナバッシュ。 次の瞬間、青狼は大きく飛躍し、ジュノと少女に向かって突っ込んできた。 爪が月明かりに照らされ、妖しい光を発する。 「あぶないっ!」 ズシャァッ!! 鋼鉄の爪がアスファルトをえぐり、引っ掻いたような爪痕を残す。 間一髪、ジュノは後ろに押し倒すように少女にかぶさり、爪の下をくぐり抜けた。 流石に恥ずかしい物があるが、今はそんなこと言っていられる状態ではない。 「・・・次にあいつが飛びかかってきたら、そこのコンテナの陰に逃げます。いいですね」 静かに立ち上がり、そう言いつつ肩越しに、青狼に冷たい視線をぶつけるジュノ。 青狼は、ゆっくりとこちらの方へ向きを変え、再び低く身構える。 次の瞬間、青狼は大きく飛躍し、再び2人目掛けて突っ込んできた。 「おっと!」 お辞儀するように前にかがみ込み、鋼鉄の爪の下をくぐり抜ける。 相手が着地するより早く、少女の手を引いて立ち上がらせ、コンテナの陰に送り込んだ。 「そのまま奥へ!」 ジュノの声が、コンテナ街に響いた。 ガルルルルル・・・ッ!! 低く身構え、うなり声を上げてジュノを威嚇するカルムナバッシュ。 ジュノは足下にあったアスファルトの破片を右手で拾い上げた。 右手の甲から赤い光が伸び始め、それは右腕全体を包んで行く。 ジュノに再び、あの遺跡の中で感じた、力に満ちた感覚が蘇ってきた。 ジュノの瞳が、殺気を帯びた灰色へと変わる。 「・・・さて、どう料理しましょうか・・・?」 うっすらと冷徹な笑みを浮かべるジュノ。 右手の光が、以前よりその強さを増していた。 ザシュッ!! 「遅い!」 身じろぎもせず飛びかかってくる青狼。 それに低く駆け込むようにしてその爪の下をくぐり抜け、振り向きざまに赤い光を帯びたアスファルトを放つ! 赤い光の矢が、夜の闇の中にまっすぐに伸びた。 ドグォ! 鈍い音を立てて青狼の腹部を直撃するアスファルト。 赤い光が、星のように飛び散る。 更にまた1つアスファルトの破片を拾い、赤い光と共に撃ち放つ! ズグォァ!! 赤い光は青狼の右前肩に当たり、砕け散った。 火花と共に暗青色の装甲が飛び、暗い海に沈む。 着地と同時に、青狼は低くうなり声を上げた。 足下にあったアスファルトの破片を2・3個拾い、右手に持つ。 赤い光は、すぐにアスファルトの破片を受け入れて行った。 青狼はこちらへ向き直り、地を這うような低いうなり声を上げている。 右前肩から飛び散る火花が、コンテナを焦がしていた。 ズギュォォ!! ザシュ!! スキをついて撃ち放ったジュノの赤い光を、刹那の差でかわす青狼。 牙をむき、爪を妖しく光らせ、そのままジュノに飛びかかってきた。 間一髪、バック宙をして飛び退き、空中から赤い光を撃ち放つ! ズギュォォ!! ゴォォォォォゥ!! 突然はき出された紅蓮の炎が、闇を裂き、赤い光を呑み込んだ。 赤い光が見る見る小さくなって行き、青狼の目と鼻の先で、ついに・・・消えた。 「ほぉ・・・媒体のアスファルトを蒸発させて防ぐとは、考えましたね・・・」 近くのコンテナの上に降り立ち、感嘆の声を漏らすジュノ。 その顔には、焦りの色などかけらもない。 あるのは、氷の様に冷たい灰色の瞳と、辺りを包む、殺気にも似た重いオーラだけ・・・ 彼を良さく知る人間が今の彼の姿を見たら、驚きと恐怖の余り、言葉を失うことだろう。 今の彼には、いつもの暖かさなど、かけらも残っていない・・・ 「(・・・?!)」 突然、ジュノの表情が変わった。何かの気配を感じ取ったのだ。 ジュノの立っていたコンテナが青い光に呑み込まれたのと、ジュノがそこから飛び上がっ たのはその直後、それこそ刹那の差だった。 ドキャァァァンッ!! 派手に火花を散らし、ただのガラクタと化すコンテナ。 青狼とガラクタから数m程離れた別のコンテナの上に降り立ち、謎の気配を感じた方へと目を向ける。 次の瞬間、ジュノは我が目を疑った。 月明かりに照らされ、冬の潮風に寂しいうなり声を上げるクレーン。 その鉄の腕の上に、潮風に紺色のマントを靡かせるあの人物が立っていたのだ。 紺色のフードの奥には、ルビーのように赤く澄んだ瞳が光り、右手にはあの黒いアーマーのハンドパーツがついている。 まさしく、あの夢に出てきた人物そのものだった。 『・・・おまえのような奴に計画の邪魔はさせない。悪いが、この場で消えてもらおう』 低くくぐもった声と少年のような声が、テレビの多重音声のように発せられる。 その多重音声に、生気などほとんど感じられなかった。 バッ! 満月を背に負い、高く飛び上がる紺色のマント。 紺色のマントは、そのままジュノ目掛けて降下してくる。 右手が、青白い光を帯びた。 ドドーーーンッ!! 紺色のマントが拳を振り下ろす。 それをわずかな差で飛び退きかわすジュノ。 拳は足下のコンテナに当たり、また1つガラクタを増やした。 ジュノが着地するより早いか、カルムナバッシュが真横から飛びかかって来た。 かかとでコンテナの角を蹴り、バック転して後ろのコンテナの上に飛び乗る。 カルムナバッシュはジュノの前ギリギリを通り抜け、コンテナの壁に激突した。 「これでも・・・食らいなさいっ!!」 手元に残った最後のアスファルトの破片を赤い光で包み込み、紺色のマントに向かって投げつける! 紺色のマントは避けることもなく、右手を前に差し出した。 指先から、青白い光が触手のように伸びて、赤い光を迎え撃つ! ドゴォァァォォンッ!! ぶつかり合い、紫色の光と火花を散らして爆発する両者の光。 その火花とコンテナの間を、牙をむいた青狼が走り抜け、そのままジュノに飛びかかってきた。 ザシュッ! 宙を舞い、空を切る牙と爪。 青狼はそのまま、倉庫街へと突っ込んで行った。 それを見て、10m程の高さまで飛び上がったジュノが、あざ笑うかのように言う。 「軌道がミエミエなんですよ」 『おまえもな』 突然、目の前に赤い瞳が現れたかと思うと、ジュノは胸部に青白く光る拳を受け、倉庫街へとたたき落とされた。 ズザァァァ・・・ アスファルトにぶつかり、土埃を舞わす。 そこに、右腕を青白い光で包み込んだ紺色のマントが、拳を振りかざし急降下してきた。 「くっ!」 ドゴオオオォォォン・・・ッ!! 間一髪、後転&飛び上がりでそれを避け、壁を蹴ってもう一段高く飛ぶ。 その直後、何処からか現れた青狼が、ジュノが蹴った壁に激突した。 『フフッ・・・。おやおや、逃げたと思ったらまだそこにいたか。 それとも、腰でも抜けたのかな?ジェイスフォン?』 あざ笑うように言い放つ紺色のマント。しかし、視線はジュノではなくジュノの背後に向けられていた。 振り返るジュノ。そこには、さっきぶつかった15歳くらいの少女がへたり込んでいた。 顔面蒼白。全身血まみれで、動くことすら出来ないらしい。 ジュノは大いに驚いていた。こんな所で例の3人組の一人に会えるとは! 『・・・手間が省けるというのは良い事だな。一人は死にかけ。一人は攻撃不可能か。 ・・・2人とも、今楽にしてやる・・・』 多重音声が冷たく言い放つ。 右手に、直径10cm程の青白い光球が浮かび上がった。 カルムナバッシュも口を大きく開け、火炎放射器をスタンバイ。 万事休す さっきのように一気に10mも飛び上がればジュノは助かるかもしれないが、ジェイスフォンの命はまずない。 かといって、ジェイスフォンを持ち上げて飛ぶにも高さに限界があるし、持ち上げるスキに攻撃されるのがオチだ。 攻撃しようにも、媒体となる物が手元にないジュノは、遠距離攻撃が出来ない。 近距離攻撃にしてみても、近づく前にこちらが灰の山にされてしまう。 灰にされてはどうしようもない・・・ 絶体絶命 その言葉が、脳裏によぎった。右手を握りしめる。 「(残りのアーマーでもあれば・・・)」 ジュノがそう思った時だった。彼の目の前で、信じられないような事が起きたのである。 ヒュゥ・・・ドドォォンッ! 大砲でもぶっ放したような音を立ててカルムナバッシュと紺色のマントにぶち当たる白い何か。それはゴムまりのように跳ね返ってきてジュノにぶつかり、白い光を発してジュノの身体に取り付けられた。 白い何か。それは、ジュノが部屋に置いてきた、白いアーマーの残りだった。 胸部も左腕も両足も、白いアーマーが装着されている。 遺跡に入ったあの時と、全く同じ状態・・・ 『グッ・・・アーマーをインスパイヤー・モードに設定していたのか。油断したな・・・ だがどちらにしろ、媒体のないおまえに、勝ち目などないわ!!』 土埃を払い、天高く右腕を上げる紺色のマント。 その右手には、直径1m程になった青白い光球が浮かんでいた。 「それはどうでしょうね?!」 ジュノは両手を前へ差し出し、手の平を向かいあわせる。 両手の甲のクリスタルが光を増したかと思うと、両手の平の間で赤いスパークが生じた。 スパークはだんだん強くなり、中心に直径10cm程の赤い光球を生み出す。 紺色のマントは軽く5m程飛び上がり、右手をジュノ目掛けて振り下ろす! 『シー・クラッシャァ!』 青白い光球が、ジュノ目掛けて飛んで行く!! ジュノは腰を右にひねり、勢いをつけてその赤い光球を撃ち放った!! 「レッドサンダー・クラスタァ!!」 ッゴオオオアアァァォォォォンッ!!! 肉眼で見えないような速さで青白い光球にぶつかり、大音響を響かせて炸裂する赤い光球。 爆風で近くの倉庫の屋根や壁が吹き飛び、街からでも見えるような爆炎が空を埋め尽くす。 紺色のマントはアスファルトにたたき落とされ、カルムナバッシュも全身にかなりのダメージを負った。 『・・・くっ・・・なぜ・・・』 紺色のマントが右腕をおさえ、立ち上がる。ポタポタと赤い体液が滴り落ちていた。 「媒体がなければ攻撃できませんでしたね?だから、エネルギーを凝縮したコアを作り、 それを媒体にしたのですよ。こうすれば、ぶつかった時の爆発力も増大します」 淡々と答えるジュノ。紺色のマントは、カルムナバッシュの方へと歩み寄りつつ、言った。 『フッ・・・エネルギーをエネルギーで包むとは、思いも寄らなかったな・・・ ・・・今回はこのくらいにしておいてやろう。だが、次はこうはいかないからな・・・』カルムナバッシュに乗り、そう吐き捨てて紺色のマントは去った。 ジュノの両手を包んでいた赤い光も、その強さを弱め、ついに・・・消えた。 「・・・・・・」 ジュノはその場に立ち尽くしていた。 さっきのは、一体何だったのだろう? ジュノの頭に1つ、また1つと疑問が増えて行く。 また感じたあの力に満ちた感覚。何度も戦った事のあるような「慣れ」を感じる戦い方。 自分でも信じられないような早さでの移動、攻撃術。何処からか飛んできたこのアーマー。 最後にたたき込んだ、あの技。そして、あの紺色のマント。 あの人は、どうして媒体無しでは攻撃できない事を知っていたのだろう・・・ 何が何だか、さっぱり分からない。 「・・・うっ・・・」 背後でうめくような声が聞こえた。 その声で我に返り、後ろを振り向くジュノ。 傷だらけのジェイスフォンが、壁づたいに立ち上がろうとしていた。 血の池の上に立つジェイスフォンの足取りはおぼつかない。 フラフラしていて、今にも倒れそうだ。 あわてて手をさしのべるジュノ。 ジェイスフォンはその手を取ろうとしたが、バランスを崩し、そのまま・・・倒れた。 「ウワァァァァ!しっかりしてください!まだ死なれては困りますよ!!」 (まだ死んだと決まったわけではないのだが)更にあわてるジュノ。 頭の中が真っ白になった。 と、その時。駐車倉庫の向こうから、天の助けが現れた。 「君!大丈夫か?!」 「さっきのは何なんだ?!」 「おい!怪我人がいるぞ!肩を貸せ!」 そう言って、懐中電灯片手に走り寄ってくる数人のおじさん。 港の西側にある町の住民達だった。さっきの爆炎を見て、駆け付けてくれたらしい。 2人がかりでジェイスフォンを持ち上げ、鉄パイプとジャンパーで作った即席タンカに乗せる。 ジェイスフォンはそのまま、近くの病院へと搬送された。 ジュノは今、フレッドの家に続く長い一本道を歩いている。 満月は傾き、山の陰に落ち込もうとしていた。 「・・・こんな時間に出歩いて、みんなさぞかし怒るでしょうねぇ・・・」 一人ため息をつく。 正直な所、今のジュノの気持ちは決していい物ではなかった。 ジェイスフォンを搬送したおじさん達に「一体何があったのか」と問いつめられ、かなりごまかしを入れて逃げ帰ってきたのだ。 真実は何1つ言っていない。1つでも言えば、自分の能力やあの紺色のマントの事も言わざるを得なくなってしまう。 あの出来事は、一夜の夢にしたい。 それがジュノの考えだった。 その上、こんな時間に勝手に出歩く・・・ 早くゆっくり眠りたいのだが、みんなが何と言うか、と考えると、足取りはどんどん重くなって行く・・・ 静まりかえったフレッドの家の前についた。 扉にはもちろん鍵がかかっている。 しかし、なぜかフレッドの部屋の窓だけは、この季節にも関わらず開け放たれていた。 かなり不自然な光景だが、今のジュノにはそんな事どうでも良さかった。 早くゆっくりと眠りたい・・・ 窓の下から思いっきり飛躍するジュノ。 難なく窓のさんに飛び乗り、そのまま部屋の中へ。 そして2段ベットの上段へと潜り込み、深い眠りについた。 数分後、彼は悪夢にうなされる・・・ 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/2952.html
ついにダグデドとの最終決戦が始まろうとしていた。 ダグデド「お前たちは、何なんだ?」 ヤンマ「俺は媚びねぇ、諂わねぇ…… 誰が相手になろうと、意地とドタマでぶっちぎる…… それがンコソパ総長、ヤンマ・ガストだ‼︎」 ヒメノ「我が名はイシャバーナの女王、ヒメノ・ラン! ただ我がままに、我が道を往く。散ることを知らぬ花、その気高きを知るがいい!」 カグラギ「民とは、命なり…… 民のためには、泥にまみれて手を汚す…… それが豊穣の王殿様、カグラギ・ディボウスキ!」 リタ「法とは、王を穿つ矛。法とは民を守る盾…… なればこそ、ゴッカンは不動なり。地が裂け、天が降ろうとも、このリタ・カニスカは揺るがない」 ジェラミー「俺は、ジェラミー・イドモナラク・ネ・ブラシエリ。人、バグナラク…… 全てを統べて世界の運命を定める狭間の王様…… どの有様を永久に語り継ぐといい」 ギラ「恐怖しろ、そして戦け。一切の情け容赦なく一木一草ことごとく、貴様を討ち滅ぼす物の名は、ギラ・ハスティー! そして……」 一同「王様戦隊キングオージャー‼︎」 ギラ「俺様たちが世界を支配する‼︎」 『ハチ』『解放』『カマキリ』『クワガタ』『トンボ』『パピヨン』 一同「王鎧武装!」 {『you are the you are the king』 ギラたちが王鎧武装を遂げ、キングオージャーとなる。 ダグデド「不死身を切る力か…… 面白いね!」 キングオージャーがダグデドに挑む。 シオカラ「なんか、流れ来てるっぽいっすよ? でもこっちができなきゃどうしようもないっすよ!」 マユタ「ウルセェな! テメェが作ってみろよ、永遠の命!」 シオカラ「できましぇん……」 誰かがコフキに飴を差し出す。 コフキ「ありがとうございます…… ああーっ‼︎ シュゴッドソウルは命と魂の結晶です。その技術を応用して器を作って、ンコソパの通信技術で命と……」 シオカラ「短く」 コフキ「シュゴッドソウルで器を作る……」 アッカ「やったるわ‼︎」 コフキ「ありがとうございます……」 スパイダークモノスとカメジムが交戦していた。 カメジム「向こうは良いのですか?」 スパイダー「彼らを信じているからね……」 カメジム「バカバカしい…… 信頼なぞ裏切りの前座‼︎ 全てを混沌のるつぼに落とし、私はそれをあざ笑う! 虫ケラは我が愉悦の餌食となれ!」 スパイダー「お前さんには、お仕置きじゃ足りないな…… だが、トドメはふさわしい相手に譲るとしよう」 スパイダークモノスの銃撃がカメジムを襲う。 オオクワガタ「幾千の恨み、この剣に込める!」 オオクワガタオージャーがカメジムに斬りかかる。 オオクワガタ「跪け‼︎」 渾身の一撃が炸裂。 デズナラクもカメジムを切る。 デズナラク「死の国で永遠に殺してやろう…… 下等生物。お前はまだ早い」 デズナラクはカメジムを連れてハーカバーカに戻る。 グローディー「静かにしろ……」 シュゴッダム。 初期メンバーがダグデドと交戦していた。 ダグデド「てめぇ……」 スパイダークモノスがダグデドを拘束。 クワガタオージャーの一撃が炸裂。 ダグデド「俺様が何様か、忘れるほどおつむがお粒なのか?」 トンボ「ぼっちの王様だろ? スカポンダヌキ……」 ダグデド「俺様は宇蟲王、ダグデド・ドゥジャルダン!」 ダグデドが巨大化する。 クワガタ「ヤンマ、どうしよう? 究極最強のキングオージャー、呼ばなきゃ!」 トンボ「超絶怒涛究極完全体キングオージャー……」 クワガタ「そう! それそれ」 コフキ「器の準備、できました!」 シオカラ「でも中身がねぇ!」 トンボ「よくやった、ギリギリセーフだ」 一同「だから中身ねぇんすよ!」 クワガタ「あったんだ! 永遠の命、ずっとそばにあった……」 (『果てなき連なりの先で、命は永遠につながっていく!』) クワガタ「永遠の命に代わるもの。それは無限に連なる小さき命! わーはっは! 民ども、聞け! 貴様らの命、俺様によこせ!」 モルフォーニャ「王を信じて!」 一同「我らの民、王に命を預けよう!」 コフキ「オージャカリバーを掲げてください」 ブーン「行け、キングオージャー!」 民たちの光が1つになり、オージャカリバーの上に集まる。 『シュゴッド』 全てのシュゴッドとガーディアンウエポンが合体。 ゴッドキングオージャーとなり、超巨大化を果たす。 『ゴッド、ゴッド、ゴッド、ゴッド。ゴッドキングオージャー! オージャー、オージャー』 2体は異空間に入り込む。 ダグデド「星はお手玉、命は駒。宇宙を遊び、万物を弄ぶ…… 恐れ、敬い、ひれ伏して、従い、崇め、奉れ‼︎」 ゴッドキングオージャーとダグデドが激戦を繰り広げる。 一同「うわあっ‼︎」 ダグデド「この宇宙は俺様のものだ‼︎」 2体は地上に激突。 ダグデド「はっはっは……」 クワガタ「たかだか狭いこの部屋が、貴様の限界だ‼︎ 見るがいい、魂をつなぎ、意思を受け継ぎ、小さき命が繋がって新たの生み出す巨大な力! おつぶごときが……」 一同「出しゃばるな‼︎」 ゴッドキングオージャーがダグデドを壁にめり込ませる。 カマキリ「なんで勝手に?」 クワガタ「クワゴン、みんな……」 するとゴッドキングオージャーの体が燃え始める。 クワガタ「わかった。行こう!」 一同「うお——っ‼︎」 シュゴッドやガーディアンウエポンが燃えていき、ゴッドキングオージャーが通常のキングオージャーとなる。 空間が消滅していく。 同時にキングオージャーも燃え尽きてしまう。 ダグデドは等身大に戻り、シュゴッダムへと戻ってくる。 キングオージャーもやってくる。 クワガタ「悲鳴を上げろ……」 ダグデド「ふざけるな——っ‼︎」 6人の斬撃が炸裂。 ダグデドは消滅してしまう。 ギラたちは王鎧武装を解除。 民たちの元に戻る。 一同「よっしゃあ‼︎」 民たちが歓声を上げる。 ヤンマ「いって、いって! 最高のスカポンダヌキども」 モルフォーニャ「リタ!」 ジェラミー「最高の景色だ」 ブーン「ギラ兄ちゃん!」 コガネ「心配したじゃん」 ギラ「ごめん……」 ギラは岩に座り込む。 ギラ「クワゴン……」 ヤンマ「辛気臭ぇツラすんな、タコメンチ。ゴッドクワガタのシュゴッドソウルはここにあんだろうが……」 ヤンマがシュゴッドソウルを取り出す。 ヤンマ「あいつらに託された。シュゴッドはただの機械だ…… 命と魂があんなら、機体は復元できる。俺が必ずやる」 ギラ「頼む……」 それから先の物語を少しだけ話そう……平和になったチキューは、本当の意味で1つになろうとしていた。 リタ「我々は6王国の国境をなくし、種族の垣根を越える…… 民が王で王が民となる、新しい国の建国を宣言する! この新たな国の名は各国の頭文字を取って、『シュンイトゴバ』!」 ギラ「シュン、何?」 リタ「シュンイトゴバ。トゴバ……」 ヒメノ「リタも馴染んでないじゃない…… ひどい名前ね……」 ヤンマ「そもそも『シュ』が頭文字ってのが気に食わねぇ……」 カグラギ「7文字ですから、私はちょうど真ん中をいただければ」 ギラ「謙虚なふりして、実は真ん中が1番偉いと思ってるだろ?」 ジェラミー「はて。そこは狭間にもらおう…… 『ンシュバドイゴ』でどうかな?」 リタ「中央は絶対中立の場所だ。ンシュゴバゴイ!」 ヒメノ「もう大イシャバーナでいいじゃない……」 ヤンマ「っしゃ。いっちょタイマンで決めるか」 リタ「決闘裁判を行う。全員剣を取れ」 ギラ「ちょちょちょ、待って。なんでそうなるの?」 ヤンマ「なんだテメェ、そのスカした剣の持ち方は……」 ヒメノ「リタ、そんな見ないで……」 リタ「自意識過剰だ」 シオカラ「もう、やめてって! もう……」 大きな改革は、なんとも間抜けな理由でご破算になった。だが不思議とこの騒動を責めるものは少なかった…… ドゥーガ「ギラ様、笑っておられませんか?」 ギラ「ごめん、ごめん…… なんだかこれでよかった気がするから……」 ドゥーガ「同感です」 ギラ「リタ、髪つかんじゃダメ!」 きっと皆気づいていたんだろう。 トウフ。 クロダたちがパソコンの操作を行なっていた。 クロダ「これがこうなって、どうなって?」 サナギム「これをこうして、こうすればできる‼︎」 アッカ「お前、やるじゃねぇか」 無理に1つになる必要はない。姿形、心、1つとして同じものはない……交わらないから面白い ウスバとマユタが喧嘩していた。 そこへシオカラが止めに入る。 ウスバ、マユタ「めんどくせぇのきた……」 「これよりゴッカン式簡易裁判を開廷します……」 シオカラ「判決は、どっちもどっち!」 好きなところは受け入れて、嫌いなところはそっとしておく イシャバーナ。 民たちはおにぎりを握っていた。 ゴローゲ「やはり皆さん、おにぎり1つとってもお美しい……」 クレオ「イシャバーナ国民は常に美しくあることを忘れま……」 セバスチャンがおにぎりを隠れて食べていた。 クレオがそれを止めに入る。 セバスチャン「お1ついかが?」 違うもの同士、共に生きればいい…… エレガンス「心身ともに健康そのもの。ただ、体を動かさないと体に毒ですことよ……」 モルフォーニャ「心おだやかな皆さん…… 働いてくれるかな?」 一同「はーい……」 スズメ「そろそろ休憩なさってくださいな……」 スズメはラクレスにお茶を振る舞う。 スズメ「はいはいはい、座ってください…… はい、スズメのブランド茶です。はい」 ラクレスはお茶を飲むがむせる。 ラクレス「けど美味しい……」 カグラギ「ラクレス様、笑顔が増えましたわ……」 ラクレス「君といると悲しむ方が難しいよ」 スズメ「もう、罪なお方!」 ラクレス「イッタ!」 モルフォーニャ「おいそこ、イチャイチャするな‼︎」 手を繋ぎ、力を合わせるのはいざという時だけでいい……おっと、残念ながらその時が来てしまったみたいだ。続きはまた今度 ジェラミーはどこかに向かおうとする。 ジェラミー「留守を頼むよ、今度のは手こずりそうだ……」 ゲロウ「ジェラミー、どうかお気をつけて……」 だが、安心して欲しい。君が俺の話を聞いてるってことは、王様戦隊がチキューを守り抜いたってことだ…… ギラの元にヤンマたちが集まる。 ヤンマ「うーし、軽く吹っ飛ばすぞ」 ヒメノ「私のお気に入りは何1つ渡さない」 カグラギ「宴の手配はすでに済んでおりますよ!」 リタ「よし、秒で裁く!」 これを聞いてる君にお願いがある。物語の続きを君に作って欲しい……宇宙の星々がつながり、星座となって物語を生むように命を紡いで欲しい…… 『トンボ』『カマキリ』『パピヨン』『ハチ』『解放』『クワガタ』 ギラ「王様戦隊キングオージャー‼︎ イタッ!」 一同「俺様が世界を支配する!」 ギラ「もう‼︎」 めでたしめでたしを決して諦めない。永遠に続く物語を君に託すとさ ギラ「王鎧武装!」 最終話 俺様たちが世界を支配する (終)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/583.html
前ページZONE OF ZERO シエスタから休暇を利用して実家へ帰ることを聞いたルイズは、同行を申し出た。 ここ最近のゴタゴタに良い感じに疲れ果てていたルイズは、心底骨休めをしたかった。 そこで、シエスタみたいな純朴な癒し系の少女を育むような村なら、 戦争だとか陰謀だとか裏切りだとか政略結婚だとか、 そんなしょっぱい浮世の闇とは無縁のひと時を送れると思ったのだ。 唐突な申し出にシエスタはしばし呆然としていたが、やがてやたら嬉しそうに頷いて、 ちょっと馴れ馴れし過ぎたかなー、とか考えていたルイズをホッとさせた。 街道に出て人気がなくなると、ルイズはシエスタを抱え、飛行体制をとった。 「あ、ああああの、ミス・ヴァリエール!?」 「ちょっとスピード出るけど、危険は無いから安心しなさい」 ルイズの飛行能力の慣性制御は完璧に近い。 中空で、何やら顔を真っ赤にして慌てているシエスタに一言告げると、 ルイズはバーニアを一気に噴射させ、加速した。 その後しばらくバーニアの噴射音をも上回る、メイドの悲鳴が街道に響き渡った。 例え飛竜を用いても数時間かかる道程を僅か数分で踏破し、 シエスタの故郷であるタルブの村に到着すると、村の広場で目を回すシエスタを降ろした。 「ご、ごめんなさい。ちょっとやりすぎちゃったかしら」 「い、いいええ、だ、大丈夫れす……。そ、それより、ありがとうございます。 こんなに、速く、辿り着けるなんて、思ってもみませんでひた……!」 ひよこみたいによたよたして、回らない舌で必死にお礼を言おうとするシエスタに、 ルイズは何かこう、癒しとはまた似て非なる、言い知れない衝動のようなものを覚え、 何故だか無性に抱きしめたり撫で回したりしたくなったが、周囲に村人がいたので自重した。 適当に挨拶して回りながらシエスタの生家に着くと、家族総出で迎えられた。 シエスタを含め丁度十人になる一家は、騒がしくも優しく暖かく、微笑ましいものだった。 ルイズの実家の人々も、根は優しい人ばかりなのだが、約一名を除いて 根っこの部分以外は全然優しくない人達ばかりでもあった為、やっぱり癒された。 ルイズの素性を知り、しきりに恐縮するシエスタの父と母に、 シエスタにはいつも世話になっている、自分も静かな所で骨休めしたかった、とルイズが 癒され、満たされた表情で告げると、何か知らんがあっという間に一家に受け入れられた。 それからしばらく、シエスタとともにタルブの村に滞在したルイズは、思わぬ収穫を得た。 以前シエスタから聞いていた、竜の羽衣を見せてもらった折、 それがADAの世界の、古代の飛行機械である事が判明したのだ。 しかし、例えADAにとっては古代の遺物であっても、 コルベール師にとっては貴重な資料となるだろう。 シエスタの父と交渉し、対価を支払って竜の羽衣を入手すると、圧縮空間に保管した。 その後ルイズは、本場のタルブ村の郷土料理をご馳走になったり、 夕焼けの紅を映す幻想的で郷愁的な草原をシエスタと共に眺めたりと、 学園に入学して以来最高の休暇を満喫し、疲れた精神を完全に復調させたのであった。 その翌朝、ルイズはシエスタを残し、学院へと帰還した。 手土産に竜の羽衣……ADAが言う所のゼロ戦をコルベール師に手渡し、 ADAの解説を受けながら狂喜乱舞する師を横目に、ルイズは溜息をつく。 ADAとルイズは一心同体。今日は徹夜する事になりそうだ。 そして数日後―― 「いい加減、本当にいい加減、ちょっとは空気読む事覚えなさいよコンチクショウ……!!」 予定調和といえば予定調和ではあった。 式典の日、万が一を考え、タルブの村付近で待機していたルイズの強化された視線の先で、 アルビオンの大使を迎えにきたトリステインの艦隊は次々と炎を吹き、大地に墜落してゆく。 事ここに及んで名目など大した意味は持たない。 ただ紙より薄い建前が破り捨てられただけ。 要するに――戦争である。 ルイズにとって重要なのは、艦隊の真下がタルブの村であると言う事。 蹂躙される。 静かな村が。 美しい草原が。 優しい人々が。 ――――シエスタが蹂躙される。 あの優しい笑顔のメイドが喪われると思い至った時、ルイズの思考は沸騰し、脳裏で何かが弾けた。 ブレードを展開し、ルーンを一際眩く輝かせ、バーニアを吹かし上昇する。 「――潰すわ。連中には、あの村の何一つとして奪わせはしない」 『了解。後方からトリステイン軍の接近を確認。 敵の地上部隊は彼らに任せましょう。全てを相手にしていたら魔力が保ちません』 それは意外な早さであった。 計算では、状況を聞いた瞬間に即断でもしなければ出来ない進軍スピードだ。 誰が統率しているのかは知らないが、ありがたい。これは好都合だ。 「――なら、まずは竜騎士隊ね。艦隊に関しては後で考えましょう」 『了解。敵の位置と民間人の位置をマップ上に表示します』 「ええ、村人の助けは聞き逃さないようにして……!」 『了解』 『……何だか久しぶりに呼ばれたと思ったら、ものすげぇハードな展開になってるなぁ。 と言うかそろそろ俺の扱いに対して何か思うところとか出てきたりしないか娘っこども ってーはい聞いてないねわかってたさどうせ俺なんて俺なんて……』 バーニアを全開まで吹かし、決意を胸に万感の思いを込め、ルイズは戦闘空域へ突入した。 音を超える速度で飛来するルイズを察知した数騎が、炎のブレスを浴びせ掛ける。 数瞬前からそれを予測していたルイズは直前で回避。 髪を焦がす臭いと感覚を置き去りにしながらホーミングレーザーを撃ち放つ。 幾条もの熱線が竜騎士隊に降り注ぎ、前衛の数騎を撃ち抜き地上に叩き落す。 隊列の乱れた瞬間を逃さず突撃。 体勢を立て直すのにてこずっている数騎を、通り抜け様にブレードで薙ぎ払う。 その間に何とか体勢を立て直した一騎が、しゃにむに突撃を仕掛けて来ようとするのを 察知したルイズは、ゲイザーを投げ放つ。 非致死性の光の針に呆気なく動きを封じられ、墜落しようとする火竜の頭を、 ルイズは無造作に引っ掴み、真横にかざした。 そこに動揺から立ち直った数騎が火炎のブレスを浴びせ掛ける。 即席の盾と化した火竜は、攻撃を難なく防ぎきることに成功した。 しかし、耐熱性に優れた火竜ならばともかく、騎乗している騎士はたまった物ではない。 肉の焼ける臭いと、燃えながら落下する騎士の断末魔に顔を顰めながらも、 ルイズはバーニア制御で思いっきり遠心力をつけながら火竜をブン回し、 ブレスを放ったうちの一騎に向け、投げ揮った。 弾丸の勢いで投擲された火竜は狙い違わず標的に衝突する。 炎に巻かれていた火竜は、標的の火竜のガス袋に引火し、派手に爆発を引き起こした。 更に、残りの数騎も爆発に巻き込まれ、或いは誘爆を引き起こし、墜落していった。 マップ上の敵を示す光点が、残り一つに減らされるまで、その間、実に十秒。 撃つ。斬る。掴む。揮う。 重力と慣性をあざ笑うかのような動きで、ルイズは空を縦横無尽に駆け巡る。 かつて最強のOFジェフティが所有していた機動力。 スケールこそ違えど、異界の少女はここに再現して見せた。 そして―― 振り向き様に放ったバーストショットが、最後に残った敵を、奇襲(のつもりなのだろう)の エア・スピアーごと飲み込んで爆砕し、最後の光点を消滅させた。 敵騎兵はどうやら命中の瞬間に竜から飛び降り、直撃を免れたようだが、 爆発にはしっかり巻き込まれていたため、良くても重傷だろう。 「何かどこかで見た事あった相手のような気もしたけど――まあいいわ。 それより、残るは艦隊だけね。魔力も余裕があるとは言い難いし……どうする、ADA?」 『エクスプロージョンの使用を提案』 「エクスプロージョン? 初めて聞く武装ね」 『私の所有する武装ではありません。始祖の祈祷書の解呪を試みた結果、 現在一つ目の解読に成功しています』 「え――」 『あれは虚無の系統を記した魔法書です』 「そ、そんな!虚無の系統なんてただの伝説――」 『いいえ、貴女の魔力とこの魔法の構成パターンの適合率は99.89パーセント。 貴女ならまず間違いなく扱えます……いえ、貴女の系統こそが虚無だったのです』 「――」 一目置かれ始めたとはいえ、魔法の使用に関しては相変わらず 見込みゼロの自分が実は伝説の系統の使い手――? 唐突な宣告にルイズは錯乱しそうになった。 しなかったのは単に、考える前にするべき事があったからだろう。 「――わかったわ。どうすればいい?」 『詠唱を代行します。残存の魔力を全て消費する為、恐らく使用後は気絶すると思われます。 安全地帯を探してください。――エクスプロージョン、詠唱を開始します』 「……へ?」 『エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ』 「ちょ、ちょっ、待って、ADA!?」 この高度で気絶すれば命は無い。慌ててルイズは周囲を見渡す。 地上部隊は一部こちらを畏怖の感情を込め見つめてくる者もいるが、概ね乱戦の真っ最中だ。 ただ、竜騎士隊を全滅させた為、若干敵側の士気が下がっているように見える。 『オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド 』 タルブの村も多少焼けてしまった箇所はあるが、概ね無事だ。 草原も殆ど損傷しておらず、すぐにまたあの素晴らしい景観を取り戻すだろう。 『ベオーズス・ユル・スヴェエル・カノ・オシュラ 』 何よりタルブの村の人間を示す光点が一つも減らなかった事が嬉しく、誇らしい。 彼らは現在、村から南の森に避難しているらしく―― 「――森!?」 強化された視界の先、森のふもとで、祈るような目で こちらをじっと見つめるシエスタの姿があった。 『ジュラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル』 バーニアを全開まで吹かす。 加速から二秒かからずに、シエスタの傍まで降り立つ。 「え……み、ミス・ヴァリエール!?」 「ごめんシエスタ!後は、よろしく」 『――撃てます』 既に標的の設定も完了していた。ロックオンの先は敵の旗艦。 それはルイズの思考と完全に一致していた。 地上部隊に被害は出さず、最小の犠牲でこの戦争を終わらせる方法。 「貴女、戦闘用って言ってた割には手際がいいわね。……これで終わりにするわよ!」 そして彼女たちは終焉の言葉を紡いだ。 「『エクスプロージョン』!!」 ――ミッション終了。 建造物残存率: 97% 民間人生存率:100% 総合評価:S 『民間人死者ゼロ。村の損害も極めて軽微です。お見事でした』 「貴女のサポートがあったからよ。それにしても……よかった」 ――新たな魔法『エクスプロージョン』を取得しました。 前ページZONE OF ZERO
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2520.html
タカタカタ、タカタカター♪ シャマルを救うべく、自らの意思で聖衣(クロス)を身に纏った黒龍は、管理局の執務官であるクロノに戦いを挑んだ。 大事な家族の為に、空を飛べないという不利を物ともせず、聖闘士(セイント)の持つ圧倒的なスピードでクロノを翻弄する黒龍。 不利を悟ったクロノは、起死回生を測るべく接近戦を挑むが、互いの渾身の一撃が放たれた後、崩れ落ちたのはクロノであった。 倒れたクロノを、救助しようと動くなのは達。だが、その行動をあざ笑うかのように、黒竜は意識を失ったクロノを人質に取る。 そしてクロノの命と引き換えに、結界の解除を宣告するのであった。 情に目覚めし黒き龍第4話 「八神家の日常、そして終末」 「さぁ、こいつを見殺しにするのか、結界を解くのか早く選んでもらおうか」 僅かに、足元に力を篭める黒龍。その行動に、もはや顔を青ざめるしかないなのは達、黒龍の雰囲気に守護騎士達も 何かを言う事ができなかった。 アースラブリッジ 「艦長、早くクロノ君を救出しないと!」 エイミィが、リンディにクロノの救出を請う。だが、リンディは無言で聞き流していた。彼女の中では公としての自分と、母親としての 自分が争っていたのだ。 「エイミィ、結界の解除を。それと平行して、サーチャーをあるだけ周囲に展開してちょうだい」 リンディは、結界の解除をエイミィに命令した。だがそれは、母親としての顔だけでなく見捨てた場合のなのはやフェイトの反応 が容易に想像できるからだ、彼女は公と私の両方で妥協を取ったのにすぎないのである。 周囲に満ちる、異質な空気が薄れていく。黒龍は仕草で逃げろと、シグナム達に伝え油断無く周囲を見渡す。 シグナム達の気配が遠ざかるのを感じると、黒龍はあたりに響くように言い放った。 「どうやら、この小僧の命が大事に見える。シグナム達の引いたようだしな、そら返すぞ!」 踏みつけていたクロノから足を離すと、なのは達が居る方向に勢い良く蹴り上げる。 勢い良く飛ばされる、クロノの体をキャッチするなのはとフェイト。だが、勢いは殺せずにそのまま空を後退する。 その隙を逃さず、黒龍は己の最大速度で離脱した。 「目標、高速で移動しました。サーチャーが追いつきません、振り切られます!」 魔道師を補足するために、かなりの速度を与えられているサーチャーが全て振り切られ、レーダーによる探知に切り替えるが 突如目標が消失する。転移魔法かと残留魔力を確認しようとするが、一切の反応が無くエイミィは軽い混乱状態に陥った。 「嘘、消えた? 残留魔力は一切無し……転移魔法じゃない?」 無理もない、まさか人が完璧に気配を断って、闇と同化できるとは誰も思わない。 「しょうがないわね、クロノを回収後、直ぐ救護室にそれと、先ほどの戦闘記録を至急解析してちょうだい。」 リンディは、エイミィに対して言い放つと、クロノの状態を確認する為に自分も向かうのであった。 「どうやら、上手く撒けたようだな。しかし何をやっているのだシグナム達は?」 家族を救う為に、戦った黒龍ではあったが実際の所、状況が全く掴めていなかった。 「まぁ、後で直に聞けばいい。それよりも早くアイスを買いに行かねば」 そこで気づく、コートはシャマルに預けたままであるが、財布はズボンに入れておいたので問題はない。 問題は、この身に着けた聖衣(クロス)を何処に隠すかである。このままコンビニに入っては只の変質者である。 「とりあえず、近くの路地裏にでも隠すか。」 どこか締まらない八神家のノリに、何だかんだと毒されてきた黒龍であった。 数日後、八神家の夕刻 シグナムが蒐集に出かけ、シャマルと黒龍が少し遠くのスーパーの食料品セールに出かけてる現在。 八神家にはお子様二人と、ワンコが1匹。それぞれが、のんびりと日常を楽しんでいた。 「なぁザフィーラ、最近体洗ってる?」 はやてが、リビングに寝そべっているザフィーラに声をかける。 その視線は、ザフィーラのフサフサな毛並みに注がれているが、どうも様子がオカシイ。 「最近は洗っていませんが、どうなさいました主?」 寝そべったまま、ザフィーラははやての問いに答えた。 「やっぱりや、折角のキレイな毛並みがぼさぼさ、毛色も艶を失ってるし」 瞬きもせずに、ザフィーラを見つづけるはやて。 その視線に僅かに居心地を悪くしたのか、ザフィーラはのそりと起き上がる。 「はやての言うとおりだ、何か汚らしいぞ」 はやての膝枕の上で、寝転んでいるヴィータがはやてに追従するかのように、ザフィーラの姿を見た。 ザフィーラの、艶の有る綺麗な灰白の毛並みが、艶を失いすっかりボサボサになり、また汚れが目立っていた。 「そのまま家にいると、部屋中が汚れてしまうから洗わんといかんよなぁ」 その言葉にザフィーラは、風呂場に向かおうとするが、はやてが慌てて止めた。 「まった、私が洗ってあげる。一度で良いからワンコ洗うのやってみたかったんや」 はやてのワンコ発言に、ザフィーラは慌てて否定する。 「主、何べんも言うようですが、私は犬ではなく狼です」 しかし、その否定はヴィータの発言で、さらに否定される。 「何いってるんだよ、近所じゃ評判の賢い犬扱いじゃねぇか」 (おおっぴらに狼なんて言える訳が無く、喋ってもいけない。そんな中、私は頑張って犬の振りをしているのだ。) 「私を、狼なんて言ったら大騒ぎだろうに」 (ヴィータよ、もう少し私の気持ちを汲んでくれ。) 「あん、この前爺ちゃん達にドッグフード貰って、尻尾を振りまくってたじゃねぇか、今更何言ってんだよ」 『……』 しばし無音になるリビング。 この中で、はやてとヴィータの気持ちは一つになっていた、即ち。 (ワンコ確定やね(だな)) アイコンタクトをするはやてとヴィータ。その様子に、慌ててリビングから離脱しようとしたザフィーラだが 何故か、体が動かない。慌てて自分の体を確認すると、そこには四肢を縛るバインドの光。 「何をする、ヴィー……タ」 流石に、この行動にはカチンときたザフィーラは、ヴィータに向かって怒ろうとしたが、そこには騎士甲冑を纏い己の相棒たる グラーフアイゼンを肩に担いだヴィータと、ニコニコと笑っているはやての姿が。 「おい、はやてに洗って貰うか、アイゼンの頑固な汚れになるかさっさと選びやがれ」 ヴィータの非情な宣告に、せめてもとばかりに思念通話で黒龍に連絡をとろうとするが、そもそも黒龍は 思念通話どころか魔力が全く無い事に気づき、万策尽きたとばかりに顔を青くするザフィーラ。 いや、元々青いのであるが。 此処からはダイジェストでお楽しみください。 「あ、主! ヴィータ、何故服を脱いでる!?」 「どうせ、濡れるなら私たちも一緒に、お風呂しようと思ってな」 「はやてと入れるなんて、幸せじゃねーか何焦ってるんだよ」 「ザフィーラの毛皮、濡れてるとまた違う感触やなぁ」 「おら、座らないと洗えねぇだろ」 「主、抱きつかないでください。ヴィータその格好で上に乗るな!」 「も、もう限界だ(バタンキュー)」 「ちょ、ザフィーラ重いから、早ようどいてや!」 「重てーんだよ、このワンコ!」 「むうぅ~」 「動かんといて、どこ触れてるん!」 「あっ、バカやろう……」 一方、その頃の烈火の将と買物組み 全身を朱に染め、シグナムは佇んでいた。周りには無数の大型生物の山、もはやどれもピクリともせず ただ、その姿が戦いの凄惨さを物語っていた。 「……待っていてください主はやて。後少し、後少しで闇の書の蒐集が終わります」 腕を振るい、己の相棒に付いた血を払い、待機状態に戻す。 「済まぬなテスタロッサ、お前との勝負は楽しかったがそうも言っては入られないのだ」 悲痛な表情で呟くと、シグナムは己の敬愛する主の元に返る為、転送の魔方陣を展開するのであった。 それはまた、一つの戦場であった。刃は無い、互いに殺しあう事は無くともその闘争心と熱気は正に相手を超える為に 高まりあう。これを戦場と言わず何と言おう、その戦場の名は主婦の嬉しい味方『特売セール』と言う。 「黒龍! ビニール袋に詰められるだけの人参をお願い、私は玉ねぎとジャガイモを詰め込むわ!」 シャマルは両手でビニール袋を伸ばせるだけ伸ばすと、ひたすら詰め込み始めた。詰め込んだ際に出来る隙間に小さ目の 玉ねぎを選び詰め込んでいく。 それは熟練の主婦の技であった。この世界で行った買物の数々が、湖の騎士を百戦錬磨の主婦へと鍛え上げたのだ。 もはや、彼女に死角はない。並み居る主婦を押しのけ、最良と感じる根菜を瞬時に選び取る。 無双の手腕をひたすら発揮し続けるのであった。 「シャマルよ、今の姿は、はやてに決して見せられないものだな」 高速の動きで、詰めれるだけの人参を詰め終わっていた黒龍は、離れた位置で奮戦しているシャマルの姿を確認すると溜息を一つ。 正直、今のシャマルの表情は悪鬼そのものだ。ぶっちゃけ自分から近づきたくない。 「後は、肉か。確かバラ肉のブロックだったな」 小宇宙(コスモ)を燃やすと、瞬時に精肉売り場に直行し安売りのバラブロックをゲットする。完璧なまでに少宇宙(コスモ)の無駄遣い である。もっとも彼は暗黒聖闘士(ブラックセイント)そもそも、その力を私利私欲に振るっていたのだから、らしいといえばらしいのだが。 その日の夕食で、外出していた3名は奇妙な光景を見るのであった。 なぜかリビングに出されているちゃぶ台、そしてザフィーラに甲斐甲斐しく肉などを上げる、はやてとヴィータ。 「なぁ、シグナム。はやて達に何があったのだ?」 先に戻っていたシグナムに、問い掛ける黒龍。だが、シグナムも首を横に振るばかりであった。 「解からん、だが仲が良いのは良い事だ」 そんな微笑ましい光景を見て、シグナムは決意を新たにする。 「そうね、こんな生活がずっと続くように頑張りましょう。その前にご飯を作らないと」 シャマルがエプロンを手に、シグナムと黒竜に笑いかける。そんなシャマルに二人は全く同時に返事を返した。 『味付けは、絶対にするな』 「うう、二人とも酷いわ!」 シャマルの悲痛な声に、シャマル以外の4人と1匹は笑い出すのであった。 だが5人と1匹が、こんな風に笑い合える幸せな日は訪れなくなる。数日後八神はやてが、闇の書の侵食により倒れた事で、最後の 舞台が幕を開けたのだ。 それは夜天と群雲と、黒い龍の別れの時…… 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/303.html
ちぎれた翼で繋いだ未来へ ◆t2vl.cEw/o 『久しいな、諸君』 朝日が差し込む中、ロージェノムの放送が始まった。 ある者は憎しみを込め空を見上げ、ある者は己の戦果に笑みながら、ある者は仲間の無事を祈る中、その声を聞いているのだろうか。 ここ、F-4の民家で放送を聞く4人も、そんな放送を聞く一群だった。 『くくっ――誰がそんな事をするものか。このゲームに乗らぬ者は、そう考えただろうな。 それは当然だ。そう簡単に趣旨変えされては、我が困る』 まるで、戦いに乗らず、見知らぬ者達同士で手を取り合った彼らを、あざ笑うようにロージェノムは言った。 『さて、禁止エリアについて説明しようではないか。 死亡者から話しては、自我を喪失し、放送を聞き取れなくなる者もいるやもしれんからな』 死者が出ている。ロージェノムが、そう暗に匂わせる発言をしたとき、こなたの体が小さく震えた。 スバルは、そのこなたの体を抱きしめ、アルは鋼の手をギリと音がするほどに握り締める。 一人、戦場という死に最も近い場所で戦い続けたことのあるヒューズだけが、冷静にペンを取り、放送された禁止区域を地図へと書きこんでいく。 『さて、最後の一人を目指す者、このゲームを破壊しようと目論む者。どちらにとっても関心があるだろう、 死亡者の発表に移らせてもらおう』 そして、とうとう死者の名前が呼ばれる時が来た。 4人ともが、知り合いが、仲間が、友が死んでいないことを祈る。 だが 『エドワード・エルリック』 「え……」 「く……っ!」 呼ばれた兄の名にアルは唖然とした声をあげ、ヒューズは思わず奥歯を噛み締め苦々しい声を漏らし。 『キャロ・ル・ルシエ』 「!!!!!!」 仲間の名にスバルは目を見開き。 『柊つかさ』 「…………」 友の名に、こなたは、まるで、その放送が聞こえていないかのように、ぽかんと空を見上げた。 「ウソだ……兄さんが、兄さんが…!!」 がくりと膝をつき、アルが地面を殴る。 その鋼の鎧からは、流したい涙は全く流れてくれなかった。 「クソっ…!エド……なんで、若いヤツが先に逝っちまうんだ……!!」 ヒューズは、このバトルロワイアルの不条理さに、壁を殴りつけ。 「キャロ、なんで、キャロぉっ…!!」 スバルは地面に崩れ落ち、仲間の名を呼びながら涙を流し。 「…………」 そして、こなたは現実が受け入れられないのか、唖然とした顔のまま、虚空を見つめていた。 4人が4様の悲しみにくれる中、放送が終わり、重苦しい空気の中、暫く時間が過ぎていき。 「あのね…」 そんな中、こなたが口を開いた。 「あたしね、昔、クラスメイト同士が、首輪を着けられて、最後の一人になるまで殺し合う『ゲーム』をさせられる。ってマンガ読んだんだ」 全く感情の篭らない、淡々とした語り口で、こなたはさらに言葉を紡ぐ。 「主人公が、ゲームに参加しないで頑張るんだけど、友達も、仲間も、どんどん死んでいっちゃうんだ。まるで、今の私たちみたいだよね」 朝日が差すだけの薄暗い部屋の中、ただこなたの声だけ響いていき。 「でもね、最後は主人公とヒロインが首輪を外して脱出に成功するんだ。首輪を外すと死んだって信号が出されて、それで主催を騙したんだよ。 だからさ、この『ゲーム』だって、きっと首輪を外したら死んだって思われるんだよ。だからさ……」 そこまで言って、こなたの肩が小さく震え始め、声も震えだして、 「だから、きっと……生きてるんだよ、首輪外して、つかさも、みんな……きっと、生きて……」 こなたの心が限界に達した。 「ありえないよね、そんなこと。そんな、都合のいいこと……」 こなたの足から力が抜け、床にへたり込んで、頬を伝い流れ落ちた涙が、床を濡らしていく。 「ありえないわけじゃない!」 そんなこなたに、何時の間にか立っていたアルが声を上げた。 涙を目に溜めながら、ぽかんとアルを見上げるこなたの目に映る、その鎧の体では、見た目の感情は変わらない。 だが、その声色には、明らかな希望の色を滲みだしていた。 「そうだよ、あのしぶとい兄さんがそう簡単に死ぬわけがない。きっと、首輪を外して、どこかに居るはずだ!」 もしも、こなたが言うとおりだとすれば、首輪を外せば死人扱いになるということだ。 この『ゲーム』でも、こなたの言うような状態と、同じようになる可能性は低い。むしろ、ゼロに極めて近いと言ってもいいだろう。正にありえない可能性なのである。 だが、アルはその可能性を考えないことにした。なぜならそれは、 「こなたやスバルみたいな異世界の人間が居る、死んだはずのヒューズさんだっている。今のこの状態がありえないんだ。なら、ありえないことなんてありえない。そう、考えよう」 兄の死に、崩れ落ちそうなアルの心が掴んだ、僅かな希望だったから。 だが例えそれが僅かでも、暗闇の中に差し出される一条の光を、こなたが、スバルが、ヒューズが、アルの中に輝くのを見た。 「ありえないことはありえない、か。あははは、そのセリフも何かのマンガで見た記憶があるよ。 ……でも、そうだよね。悪い方向でのありえないことがあるなら、良い方向でのありえないことだって、きっとあるはずだよ」 涙を拭い取りながら、こなたが立ち上がり。 「キャロも、つかさっていう子も、そのアル君のお兄さんと一緒に首輪を外して居るかもしれない。そういうことだよね、アル。 なら、あたしも、こんなところで泣いてる場合じゃないか」 ぐしぐしと袖で涙を擦り取り、スバルも立ち上がり、よしと気合を入れなおす。 そうして、三人は手を取り合い、不安をお互いが消しあうように、そして希望を分かち合うように、頷きあう。 ヒューズは、そんな子供たちの姿に、声をかけようとして、やめた。 戦場で、無数の死を見てきた、ヒューズだからこそわかる。そんな都合のいい奇跡など、起きる筈はないと。 今、目の前で子供たちが掴もうとしているのは、大海に投げ出された藁程度の、僅かな希望に過ぎないのだと。 だが、ヒューズは同時にこうも思う。今にも消えてしまう希望だろうと、希望には変わりない。 そしてその希望は、子供たちが前を見て、この死地を生き抜いていくために必要な力なのだと。 (なら、もしもその希望が消えて溺れそうな時に、きっちり下から支えてやるのが大人の仕事ってもんだな) この子供たちの希望こそが、このゲームから脱出するきっかけになるのを信じ、それを助けよう。 そう、ヒューズは静かに心の中で決めた。 「なら善は急げだ。エド達の探索や、他の知り合いとの合流のためにも、ここに何時までも留まってるわけにはいかないだろう?」 「はい!それじゃあ、最初の予定通り、デパートを目指しましょう」 ヒューズの提案にスバルがそう言い、手早く荷物を纏める。 アルは、まだ本調子ではないこなたを支え、4人はスバルを先頭にして、外へ続くドアを開けた。 そうして、朝日の中、4人は歩き出す。 その先にある絶望を、希望で塗り替えるために。 【F-4/民家の外/1日目-朝(放送直後)】 【チーム:引率の軍人と子供たち】 [共通思考] 1.主催者の打倒。またはゲームからの脱出 2.首輪の解析、解除が可能な人物、技術、物を探す 3.互いの知り合いや、ゲームに乗っていない者を探し仲間とする 4.殺し合いはしない 5.希望を持ち続ける ※首輪から、会話が盗聴されている可能性に気づきました ※盗撮に関してはあくまで推測の域なので、確定ではありません ※螺旋王には少なからず仲間や部下がいると考えています ※それぞれの作品からの参加者の情報を共有しました ※ヒューズ意外の三人は、まだ知り合いが生きている可能性に賭けることで希望をもっています ※今のところは三人が互いの不安を保管しあうことで、崩壊するほど不安定ではありません 【マース・ヒューズ@鋼の錬金術師】 [状態]:健康、腹一杯 [装備]:S W M38(弾数5/5) [道具]:デイバック(×2)、支給品一式(×2、-ランタン×1)、ロイの発火布の手袋@鋼の錬金術師、S W M38の予備弾数20発、エンフィールドNO.2(弾数5/6) 短剣×12本、制服のボタン(ロイ)、単眼鏡、水鉄砲、銀玉鉄砲(銀玉×60発)、ジャガイモカレー(中) [思考] 基本:主催の打倒。または脱出を目指して行動。仲間を集める 1.デパートや病院等、人が集まりそうな場所を目指す 2.ロイ・マスタングを探す 3.首輪や脱出に関する考察を続ける 4.子供たちが希望を失いそうになったら、しっかりと支えてやる 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 [状態]:健康、腹一杯 [装備]:リボルバー・ナックル(左手)(カートリッジ:6/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS [道具]:デイバック、支給品一式(食料-[大量のじゃがいも、2/3][水])、ジャガイモカレー(特大)、ランダムアイテム不明(本人確認済み)、予備カートリッジ(×12発) [思考] 基本:仲間を集めて事態の解決を目指す 1.ヒューズに従って行動する 2.六課のみんなと合流する 3.キャロもみんなもまだ生きていると信じよう 【アルフォンス・エルリック@鋼の錬金術師】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:デイパック、支給品一式 [思考] 基本:仲間を集めて事態の解決を目指す 1.ヒューズに従って行動する 2.兄やロイ・マスタングを探す 3.こなたを護る 4.あのしぶとい兄さんが、そう簡単に死ぬはずがない ※アルの参戦時期はヒューズ死亡後のいずれか 【泉こなた@らき☆すた】 [状態]:右頬に銃創、疲労・小、腹一杯 [装備]: [道具]:デイバック、支給品一式、マチェット、チェーンソー、ジャガイモカレー(小) [思考] 基本:死にたくないので助かるよう行動する。みんなと再会したい 1.ヒューズに従って行動 2.柊かがみ、柊つかさ、小早川ゆたかを探す 3.大丈夫。きっとみんな生きてるよ… ※こなたの参戦時期は原作終了後 時系列順で読む Back 剣持警部は忠実に職務を遂行する Next アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる(前編) 投下順で読む Back 剣持警部は忠実に職務を遂行する Next アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる(前編) 091 ひとつ屋根の下 泉こなた 136 禁忌の身体 091 ひとつ屋根の下 アルフォンス・エルリック 136 禁忌の身体 091 ひとつ屋根の下 スバル・ナカジマ 136 禁忌の身体 091 ひとつ屋根の下 マース・ヒューズ 136 禁忌の身体