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永遠亭に棲む蓬莱山輝夜にはよい暇つぶしがある。 巷に溢れるゆっくりと遊ぶことだ。 そのために無数の妖怪兎、通称イナバに言って特別の遊戯室を設けたほどに熱を上げている。 ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙がイナバによって連れてこられた。 「ご所望のゆっくりを持ってまいりました」 「ご苦労様。下がりなさい」 ここは輝夜の部屋。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆゆ?ここはゆっくり?」 輝夜が目の前のゆっくり二匹にご馳走の並んだ皿を置いた。 その量はゆっくり二匹程度の腹などたやすく満たせるほどだった。 「っゆ~♪おいしそうなにおい!!」 「くれるの?くれるの!?」 輝夜は涎を垂らさんばかりにテンションの急上昇した二匹に、夜も照らされるような笑顔で頷いた。 「これらは貴方たちのために拵えられたのよ。存分に味わって頂戴」 「ゆ!ありがとう!きれーなおねーさん!!」 「きれーでゆっくりできるおねーさんだね!!」 がつがつと卑しさを丸出しにして食事に飛び掛り、むさぼる。 一口食べると、 「しあわへ~~~~」 と叫び、二口目には、 「うっめ!!めっさうんめぇ!!」 となり、さらに三口目には全てがなくなっていた。 あれだけあった食事が三口目には忽然と、煙のように消えてしまった。 ゆっくりたちは困惑している。 対して輝夜はころころと珠を転がすような笑い声を上げていた。 「ゆ!?あれ?」 「ど、どうしてなくなっちゃったの!?」 「きれーなおねーさん!ごはんがなくなっちゃったよ!!!」 「どこ!?まりさのごはんどこーーー!!」 泣き乱れながら輝夜に訴えかける二匹。 一口含んだだけでも天上の味わいを感じたのだ、それがたった三口でなくなってしまったのだ。 泣き叫ぶのも無理はない。 「あらあら、よく思い返して御覧なさいな。全部貴方たちが平らげてしまったわよ」 輝夜の言葉に疑問符を浮かべながらも、ゆっくりと思い返す二匹。 たしかに豪勢な食事を食べた記憶がある。それを証明するかのように、全身に満腹感がある。 ご馳走はとつぜん消え去ったのではなく、しっかりと食べ終わっていたのだ。 だが、それらの美味しさを味わった記憶だけがない。 がつがつと食べて、お腹が膨れていく記憶が確かにあるが、味を思い出せないために実感がない。 まるで、別人がうめぇもんを腹いっぱい食べているところを見せられているような、そんな感覚。 「ど、どぉして~~~!?」 「うめぇもんが、うめぇもんがぁ!!」 二匹が泣き叫ぶ。 輝夜はそれを見てにんまりと笑っていた。 種明かしをすると、これは蓬莱山輝夜の持つ能力に起因する。 永遠と須臾を操る程度の能力。 それを用いて、二匹がご馳走を味わっている時間を、須臾に変えてしまったのだ。 須臾とはとても短い時間のことを指す。 刹那ほど短くないが、それでも一瞬と呼ぶにはふさわしい。 ゆっくりたちの食事をするという経過を吹ッ飛ばし、食べ終わったという結果だけを認識させたのだ。 「どう、美味しかったでしょう?」 「ゆ、ゆっくり~」 「ゆぅ~」 答えられない二匹。気が付けば食べ終わっていて、味わった覚えがないのだ。返答のしようがない。 しっかりと食べてしまったのだから、輝夜に文句をつけることも出来ない。 「あら?美味しくなかったかしら?それとも、貴方たちにはわからない味だったのかしらね?」 「ゆ!そんなことないよ!ゆっくりおいしかったよ!!」 「そうだよ!まりさたちはゆっくりとあじがわかるんだよ!!」 「それは良かったわ」 そういうと、輝夜は二匹を抱えて部屋を出た。 「ゆ?きれーなおねーさんどこいくの?おへやでゆっくりしないの?」 「しょくごはゆっくりしたいよ!」 「食後にゆっくりすると、牛になっちゃうわよ」 「うし?」 「うしってなぁに?ゆっくりおしえてね」 「角が生えてる生き物よ。牛がゆっくりしてると、人間に殺されて食べられてしまうの」 「ゆ゛!たべられる!?ゆっくりできないよ!」 「いやぁ!!しょくごにゆっくりしない!!」 とたんに怯えすくむ二匹。 とても愉快そうな輝夜。 「大丈夫よ。これから、貴方たちをゆっくりさせないための遊戯室へ行くのだから」 「しょくごはゆっくりしたくない!ゆっくりさせないでね!!」 「ゆっくりさせないでね!」 「ふふふ」 道中通りかかった赤い目のイナバに、部屋の片付けを命じて、輝夜はその部屋に着いた。 『ゆっくり遊戯室』 と達筆なんだかそうでないんだか判別のつかない字で書かれた看板が掲げられている。 毛筆のそれは、墨痕淋漓として力を感じるが、幽かなたおやかさも持っているというよく分からない一筆だ。 輝夜が戯れに書いたものであった。 中に入るとすでに一匹がトランポリンで遊んでいた。 仲間の元に駆け寄っていく二匹。 その一匹はサクラだった。いや、サクラとはいえないかもしれない。それもここで死ぬのだから。 ぽよんぽよんと跳ねる三匹。 このトランポリンは円形のもので、表面にゆっくりの顔を模した模様が描かれている。 材質は永琳謹製の特殊素材。どれだけの衝撃をも吸収し、跳ね返すと豪語していた逸品だ。 だからどれだけ高さを伸ばそうとも、優しく受け止め、かつまた飛ばすことが可能だった。 きゃっきゃっと楽しそうに遊ぶ三匹。 その高さはすでに25メートルをゆうに超えていた。 サクラが動いた。 そのゆっくりは、輝夜の連れてくる二匹と遊び、しばらくしたらトランポリンから外れるように飛べと命じられていた。 報酬はご馳走と美人なゆっくりだ。 食欲と色欲に支配されたそれは躊躇うことなく命じられたとおりに動いた。 「ゆ!?どこいくの?」 「ゆっくりしていってね!」 上下に跳ねている二匹はあらぬ方向へ跳び出した一匹を見守っていた。 ぐしゃり。 「あ」 「え」 潰れた。やたらと平べったくなっている。 それを見て震えながら跳ねる二匹。 落下し、トランポリンに弾かれ跳びたった瞬間、輝夜は備え付けのボタンを操作し、トランポリンを床下に収納した。 30メートルの高みに到達したゆっくりが見たものは、トランポリンが無くなった硬い床だった。 視界にはべったりと張り付いているゆっくりの姿が見える。 末路を悟った二匹は顔面をゆがめた。涙が溢れる。 数秒後の未来を思うと叫びが止まらない。 「じにだぐないっ!!ゆっぐりじだいっ!!!あああああああ」 「ぎれーなおねーざん!!たずげてっ!!まぢざだぢをたづげで!」 輝夜は哂っていた。口を三日月のように歪めて。 「もっどゆっぐりぢだがっだよぉぅぅうううぶぎゅぅっ!」 「ゆっぐりぢだげっががごれぇええぇぇぇっぶりりっ!!」 二匹は全てをブチ撒けて死んだ。 10秒、20秒、30秒、1分が経過したが、いまだに床に叩きつけられないことに二匹は気づいた。 断末魔の叫びは口から出続けているし、視界には潰れた同胞と、きれーなおねーさん。さらに隣にはおともだちがいる。 だがその体は固定されたように宙に捕らわれていた。 いや、わずかだが、ほんとうに微々たるものだが、ゆっくりと、じつにゆっくりと落下しているのが分かる。 なにが起こったのかはわからないが、自分たちはゆっくりと落ちていくらしいと悟った。 口は叫び続けているから喋れないが、意識はいつもどおりだ。ゆっくり落ちるのならばゆっくりできるだろう。 勢いがないのならば、潰れはしないだろう。そう思った。誤りであった。 そして1時間が経ち、1日が経ち、1年が経ち、100年が経った。 やっと、地面についた。これでゆっくりできる。二匹は老いさらばえた精神で安心した。 体が接地した。 瞬間、走る激痛。叩きつけられ、皮膚が裂けて行き、中身にまで被害をもたらしていく様をゆっくりと味わっていく。 二匹はその苦痛に声を出すことすら出来ない。 いや、痛みを訴えようとしても、この100年間ずっと叫び続けていた断末魔がまだ続いていたのだ。 「ゆげっ!いだいゅ!ゆっぐりいだい!!いだいいだいいだいいだい!!だじげでっ!!おねーざぁん」 「ゆぎゅうっ!!いやだよ!いたいよぉ!!ゆっぐりでぎないよぅ!!!ぎれーなおねーざん!!!たじげでぇぇぇ」 意識の声が痛みをうったえ叫ぶ。ゆっくりと痛みが広がっていく。 「ごろじでぇっ!!ゆっぐりざぜないで!ごろぢでぇっ!!!い゛ぎぃい゛い゛ぃぃぃ!!」 「ゆっぐりじだぐない!!ばやぐじにだいぃいっ!!!あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 衝撃がゆっくりと侵食し、皮は潰れ、割け、飛び散りながら中身がぐしゃぐしゃに揺れる。 その苦痛を10年味わって二匹はやっと潰れた。やっと死ねたのだった。 輝夜はその様子を、顔を紅潮させて見守っていた。 二匹が落下し、潰れて死ぬまでの数秒を永遠にまで引き伸ばしていたのだ。 傍目にはただゆっくりが激突死したとしか見えないだろうが、輝夜と二匹にはそれが110年に及ぶものであった。 「あは、あはは♪あはははっはは!あははははは!あははははははは♪」 愉快痛快だと言わんばかりに腹を抱えて笑っている輝夜。 ただの暇つぶしに100年以上も浪費するという贅沢な娯楽。 実質数秒だから、本当に暇つぶし。 蓬莱山輝夜にだけ許された暇つぶしであった。 おまけ。 永遠亭の地下に巨大な施設がある。 ゆっくり生産場だ。その敷地には、あらゆる種類のゆっくりが並んでいる。 れいむ、まりさ、みょん、ちぇん、れみりゃ、ふらん、などなどだ。 みな一様に3メートルになんなんとする巨大ゆっくりだが、それらは壁にがっちりと固定されている。 これでは、いかな超重量級と言えど身動きひとつ出来ない。 さらに体中には無数のチューブがくくりつけられている。スパゲティ症候群もかくやという様相。 それらは栄養剤の点滴であったり、睡眠導入剤であったり、覚醒剤であったりした。 この施設の肝は産卵誘発剤だ。 それにより、定期的に一定数のゆっくりたちを生み出している。 産道には柔らかく、かつ丈夫なカテーテルが挿入されており、人工的に臨月を迎えた赤子たちはそこを伝って出産される。 そこを転がって出た子ゆっくりは産声を上げる間もなくベルトコンベアで輸送され、イナバたちによって選別される。 基準は健康状態だ。 劣悪なものは即座に潰し、栄養剤の点滴の材料に回される。 優良なものはそのまま育成されて輝夜の玩具となる運命だ。 巨大ゆっくりはたまに夢うつつに喋ることがある。覚醒剤の効果が起因しているかもしれないとは、永琳の言。 「ゆっくりできるいいこにそだってね」 終わり。 前半は 『空の雲はちぎれ飛んだ事に気づかず!消えた炎は消えた瞬間を炎自身さえ認識しない!』 『結果』だけだ!!この世には『結果』だけが残る!! で、後半は 「い…痛ぇ!鋭い痛みがゆっくりやってくるッ!うおあああああああああ」 って感じ。 著:Hey!胡乱 このSSに感想を付ける
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輝夜2 5スレ目 691 「姫様、もう我慢なりません。私めに五つの難問をお与えくださいまし」 「・・・貴方、永遠亭の小間使いの分際で何を言っているの」 「身の程知らずは承知の上、私めは諦めきれませぬ!」 「そう・・・」 姫様、その目に少し悲しげなものを浮かべた あああ、そんな姫様もたまらない、まずい鼻血が 「じゃあ、まず手始めにTHE地球防衛軍2の難易度IMPを全クリアお願いね」 「・・・姫様は御自分でクリアなさる主義ではないのですか?」 「できないの」 「今なんと」 「私でもクリアできないの。だからお願い」 5スレ目 722 例の難題に挑戦して1年を経た。 まだ半数以上のステージがクリアできずにいる。 5年が経った。 姫様が2Pで一緒にプレイしてくださるようになった。 姫も愉しそうだった。これはこれで幸福だった。 だがいまだに20を超えるステージが未クリアのままだ。 10年が経過した。 後半のいくつかのステージがいまだにクリアできなかった。 だが 私にはもう何の悔いも残っていなかった。満足してしまったのだ。 「姫様、もう私めも三十路になりまする。動体視力ももはや限界、 どうやら私の挑戦は蛮勇に過ぎなかったようです」 「何を言っているの?」 姫は、冷静な声と裏腹に、頬を少し赤くして、こう仰った。 「貴方、こんな愉しい暇潰しの相手を私が捨てるとでも思ってるの?」 「姫?」 姫が私の顎を手に取る 「貴方は永遠に私のゲーム相手。永遠に、SMASH!!され続ける運命。 永遠に、ボコスカウォーズでコテンパンにのされる運命。 永遠に、貴方のヨッシーは私のクッパを追い抜けない。永遠に―」 私の頬に何か熱いものがはしった。 「はい、姫様。仰せのままに」 6スレ目 243 不吉な大鎌を持つ少年。 それに対峙するはイビツな剣を持つ、凶々しい姿の女性。 『ああああ!!』 女性は叫び声を上げる。 左腕に黒い斑点が現れ、腕が伸びた。 分裂しながら少年に迫る漆黒の魔手 その軌道を見切った少年は、バック転に合わせ身体を捻って回避する。 ―― そして第二波 別の方向から伸びてくる漆黒の腕は、着地直後の少年を襲う! 『せいっ!』 しかし、少年はそれすらも鎌を振るって回避! そして―― !! ◆◇◆◇◆ 「あ、フリーズした」 PS2(初期型)が不気味な音(ガリガリガリ)を起てると同時に、テレビの画面が固ま った。 「あああ!!……私の数時間の、苦労が」 俺の隣で艶やかな黒髪を乱し、口から半分魂が出かかっている少女は輝夜さん。 俺がお世話になっている永遠亭で、一番偉いらしい。が、全くそうは見えない。 結界の外からやってきた俺が、何故永遠亭にお世話になっているのか。 迷いたての俺は妖怪に襲われて竹林でズタボロになっていた所を、八意永琳と言 う巨乳!美人!!女医!!!さんが発見したのが始まりだ。 永琳さんいわく「私の前で死者は出させない!(あとでモルモットにしようかしら) 」らしい。 今時珍しい熱血な女医さんだ。 その後、色々あったのだが、決め手になったのはゲームだった。 輝夜さんにゲームを提供する代わりに、永遠亭でお世話になる事になったのだ。 提供出来なければモルモットなんて言われてはいない。 ……ホントダヨ ? ボクウソツカナイ 「そろそろ買い替えるべきなんじゃないですか ?PS2」 いつの間にか布団の敷いてふて寝しているぐうたら蓬莱人。 「う゛ー…。あるとしたら香霖堂だけど。……確実にあるかっていうとね」 布団の中をモソモソ動く姿が妙に可愛く感じるのは何故だろう? 「(巨乳!金髪!!美人!!!な)紫さんに横流ししてもらってはどうでしょう。 明日の宴会にでも頼めば、三日後には届くと思いますよ」 「……そうね。じゃあ、それまでは.〇ackは中断。R〇するとして ―― 〇〇」 「はい ?」 「どうしてあなたは布団の中に入ってくるのかしら?」 そう言いつつも、拒否はしない輝夜さん。 互いの体温が暖かくて、布団の中では調度いい。 「布団の外は寒いんですよ。特に、冬は」 「そんなものかしら」 「そんなものです」 6スレ目 262 ○○「な、なぜ永遠亭出入禁止を食らわなければならないんだ!?」 輝夜「自分の胸に聞いてみなさいっっ!」 ○○「ま、まってくれ輝夜!俺はただ、当時のプレイヤーからすれば “あたりまえのプレイ”をしただけだぞ!?」 輝夜「(#^ω^)ビキビキビキ…」 数ヵ月後、おれ出入禁止こそ解かれたものの、 ガチプレイにもかかわらずてるよの『まえだ』一人に 全種目優勝を持ってかれるという屈辱を味わうのであった… 6スレ目 840 ――姫様は、とてもとても落ち込んでおられました。 本当はとても大好きな○○さんに赤石をぶっ放してしまい、幸い大事に到らずに済んだものの、 それ以来お二人の間にはちょっと距離が開いてしまいました……といっても、互いにその件のことを気にしているだけのようですが。 今日も姫様は自室で体育座り。そんな姫様を心配し、策を持って来るのは我らがお師匠様です。 「姫、実は(かくかくしかじか)という訳で、彼に私の弓を使ってもらってはいかがでしょう」 「え。で、でも……」 「姫様、相手の気持ちを知るのは怖いかもしれません。 ですが、そのままでは姫は一歩も進めないまま時間だけが流れてしまいます」 そんなこんなで姫様は言いくるめられ――じゃなくて慰められ、○○さんは弓を使うことになりました。 ある晴れた日のこと。永遠亭の庭で、○○さんは上空目掛けて弓を引きました。 もちろん、物陰から姫様が心配そうな眼差しを向けているのは言うまでもありません。 「さ、撃ってみて頂戴」 「弓なんて使ったことないですけど……まあ、やってみます」 その大弓から放たれた閃光は――あろうことか上空で急激な弧を描き、何と姫様の方へと向かったではありませんか! 「え、え!?」 幸いにも姫様は蓬莱人、大丈夫なことは大丈夫でした。 「永琳。私も見てたけど、さっきのって」 「博麗の巫女の――ホーミングですね」 「じゃあ、じゃあ――!」 「……先程の件に関して、彼が謝罪したいと言っていました。今からお連れしますので、しばらくお待ちください」 ――お師匠様の弓は、姫様にほんの少しの勇気をくれたのでしたとさ。 6スレ目 977 なんだか外がやたら騒がしいから、輝夜に 「外が騒がしいから調べてこようか?」 って聞いたら 「貴方が行っても何も解決しないでしょ」 って言われた。 苦笑いをしながら否定できないでいたら 「だから、ずっとここに居なさい」 と微笑んで言ってくれた。 今は一緒にお茶をしている。 7スレ目 195 変な天気だ。 この時期になって、真冬のような雪。 一日中降り積もった粉雪は、今、月明かりを反射してキラキラと輝いている。 本当は、戸締りは兎たちの役目なのだが、 この寒さ、兎も炬燵で丸くなり、仕方なく俺がやる羽目になった。 そんな矢先。 縁側に一人、佇む影があった。 俺の恋人、蓬莱山輝夜。 右手を柱にかけて、永遠亭の庭に積もった処女雪を眺めている。 「ねえ」 不意に声がかかった。 どうやら、足音からか、俺が近づいてきたことを察していたらしい。 「私と恋人になったこと、後悔してない?」 「なんで?」 驚くより先に、その声が出た。 輝夜がそんなことを思っていたなんて。 だが、輝夜は謡うように続ける。 「雪は解けるからこそ美しい。 月は欠けるからこそ美しい。 花は散るからこそ美しい」 「ならば、けっして欠けることのないこの身は、 なんて――、醜いのかしら」 輝夜は、俺に背を向けたまま、 両手で自分の体を抱きしめるような仕草をした。 よく見ると、体が小刻みに震えている。 長い髪が裳に触れて、小さく音を立てた。 「そんなことはないさ」 俺は彼女に近づくと、 その小さな体を、後ろから抱きしめた。 「輝夜、お前の美しさは、確かにそういう儚い美しさじゃないかもしれない。 そう、お前の美しさは、 何千年も人の分け入らなかった霊峰で、 何万年もの時を過ごしてきた、荒々しいご神木のような、 そんな――、神秘的な美しさ。 見たものを魅了してやまない、人智を超えたところにあるもの。 だから、そんなに気に病む必要はないんだ」 いまだ振り向かない彼女の長い髪を、 右手で軽く、くしけずる。 「あなたは――」 「ん?」 「儚い美しさでなくて、本当にいいの?」 その言葉に、俺は返すことなく。 彼女を強引に振り向かせると、右手を輝夜の顎に添え、 静かに、唇を重ねた。 「ふふっ」 「輝夜?」 「なんだか、心配していたのがバカみたい」 そう微笑みながら、俺の腕の中で、 涙を指でそっと弾く、輝夜。 「ねえ、もう一度キスして」 そして、 彼女はその形のいい唇を突き出して、眼を閉じる。 「はいはい、お姫様の仰せのままに」 先ほどと違い、自分で顎を上げているので、 右手を輝夜の髪に添えて、唇を交わす。 転瞬。 彼女の舌が、俺の口内に浸透してきた。 とっさのことに、慌てて唇を離す。 「あー、離したー」 悪戯っぽく、でも不満そうに、 俺の方を見上げる輝夜。 「だだだだだって、おおおおお前」 動揺する俺の唇を、 輝夜は、人指し指で軽く押さえる。 「どんな木でもね、水分と言う潤いが必要なのよ。 だからね――」 彼女は指を離すと、もう一度、その唇を突き出す。 「私に、頂戴」 眼を瞑り、こちらの唇を待つ輝夜の姿に、 一つ、唾液を飲み込む。 そして、キス。 深く浸透してくる輝夜の舌を受け止め、俺も彼女の口内へと侵入する。 舌同士で、深く繋がり合う俺たち。 一つの影を、月明かりだけが照らしていた。 7スレ目 230-231 236 さて夜もふけたことだし妊娠しているのにも拘らず いまだにROしてる輝夜を寝かせないとな 妊娠したらさすがの輝夜も規則正しい生活をするだろう 231 :名前が無い程度の能力:2007/04/22(日) 04 12 01 ID cGnGCb3U0 230を見て幻視した 「う~、もう少し! もう少しだけやらせてー」 「ダメだ、お腹の子に障るだろうが!」 「だって~、しばらくは 夜更かし出来なくなるのよ。 今の内に、やり溜めしておかなくちゃ…」 「気持ちは分からなくでもないが我慢しろ! 永琳さんからそろそろ危ないから夜更かしは程ほどにと言われただろう」 「そうだけど~」 「はぁ、頼むよ。子供もそうだけど お前の事も心配なんだよ」 「…私はどんな事があっても死なないわよ?」 「それでも心配なんだ!」 「そう。…フフッ わかったわ」 「そ、そうか」 「だけど、いつもより早い時間だから少し目がさえてるの だから、安心して眠れるように一緒に寝て頂戴。お・父・さん♪」 「ハイハイ、了解しましたよ。お母さん」 236 :名前が無い程度の能力:2007/04/22(日) 15 04 07 ID 9itDXCxU0 231を見てさらに幻視しました 「おい!いい加減起きろ! いつまで寝てるんだよ!?もう昼過ぎだぞ!」 「う~まだ寝たりない~」 「だから早く寝ろって言ったんだよ 寝すぎもお腹の中の子に悪いぞ」 「分かってるけど、どうしても今までの生活習慣があるから・・・」 「はあ・・・これから子供も生まれてくるんだから しっかり頼むぞ」 「・・・貴方との子供ですもの頑張るわよ」 「頑張るだけじゃなくて成果も見せて欲しいんだよな・・・」 7スレ目 294 牛乳をラッパ飲みしてるとウドンゲが白い目で俺を見ている ウ「ラッパ飲みしないでコップについでのんでくださいよー・・・・」 俺「いちいちコップ出して飲むのメンドクセ。それに俺以外牛乳飲む奴殆どいないからいいだろ?」 ウ「まぁそうですけど・・・・」 あまり納得のいかないご様子。 姫「あー喉かわいたー。あら牛乳おいしそうね、私にも頂戴」 いつの間にか永遠亭の姫君輝夜さん登場。 そう言うと俺が手に持っていた牛乳を取りラッパ飲みする輝夜さん。 姫「ん~、ひさしぶりに飲むとけっこう美味しいわね」 ウ「コップについで飲んでくださいよ~・・・それに間接キス・・・・」 俺「そうですよ、俺はともかく一応姫何ですから。」 姫「あら?私はいつもコップで飲むわよ?」 俺「えっ?じゃー何でそんな飲み方を?」 「あなが口をつけたからに決まってるじゃない」 7スレ目 311 月が綺麗だ、死ぬにはいい夜だと思わないか? ん?死ぬのかって? そうだな今日ここで人間である○○は死ぬ でもその代わり蓬莱人○○が今夜生まれる 悪いなお前に内緒で永琳さんに蓬莱の薬作ってもらったんだ これでずっと一緒だ、お前を遺して逝かなくてすむ 永遠に愛してる 輝夜 7スレ目 617-618 トントントントン、何の音?薬味のネギを切る音さ。 ぐつぐつぐつぐつ、何の音?そうめん茹でている音さ。 カラコロカラコロ、何の音?器に氷を盛る音さ。 カチャカチャカタカタ、何の音?みんなのお箸を出す音さ。 「ふー、こんな感じでいいかな。……さてと」 茹で上がったそうめんを水に浸し、引き締める。 最初は中の方が熱いから箸で、冷えたら手でよく揉む。全てのそうめんが冷えたら氷を入れた器に入れる。 先に作っておいただし汁でつゆを薄め、ネギとわさびを小皿に添えて終わり。 「姫様ー、__さーん。そうめんが茹で上がりましたよー」 上の部屋でゲームをやってる二人を呼ぶ。……予想はしていたが、やっぱり降りてこない。 まったく。呼びに行かなくちゃいけないなんて。二人とも手がかかるんだから。 二階に上がる。……やっぱり__さんの家は階段が急だ。階段を上りながらそう思う。 __さんの部屋の前に立ったとき、信じられない音声が聞こえてきた。 「あ、ダメ!今はダメなのに!」 「よく言うぜ。もうこんなになってるくせに」 「だって、__がやれっていうから……」 「それに俺だってもう我慢の限界だ。……いくぞ」 「やだ!まだダメなの!まだ……あーっ!」 「おいこらクソ__!うちの姫に何やっとるか!しまいにゃてめぇのケツに30mm爆裂徹鋼焼夷弾食らわすぞ!?」 思わずアンチアーシアンモードで殴りこむ。 「あーもう!回復弾いらないって言ってるのに!」 「うるせぇ!2死しといてよくそんな台詞吐けるな!?」 ……単にMHPやってただけでした。 「特攻頼むって言ったのは__でしょ?……あら、イナバ?何の用かしら、そんな対化物用セミオート砲構えて」 「だからって死んでいいとは言って……うお、物騒なもん構えんなよ」 まさか『姫が襲われてるのかと勘違いしてました』なんて言える筈もなく。 「えーっと、……早朝バズーカ……です」 「今は昼だしそれはバズーカじゃなくてハル○ンネンⅡだ」 黙ってろ人間(ヒューマン)。ウ○ディーミル食らわせるよ? 「じゃなくて、お昼の用意が出来ました。下に降りて来て下さい」 「へーい」 「うーい」 ああもう__さんに感化されて。……って、向こうにいた時も元々こんな感じか。 *** ウドンゲッ *** 何故私たちがこんなところにいるか、というと。 ぶっちゃければ『姫様に求婚して成功したのはいいものの、向こうでの生活を忘れられない__さんのために私たちがこちらに移動した』な感じ。 ……正直私としては地上の人間と結婚するなんてどうかと思うが。でも姫様は元々ここの生活にあこがれてたらしいし。 ていうかー、なんで私まで幻想郷離れなきゃいけないんですかー。 「んー、やっぱ夏は冷や麦だねぇ。そうだろうどんげちゃん」 「鈴仙、です。それとこれはそうめんですよ」 「おっとこいつはすまん。まあ腹に入っちまえば同じだろ」 「同じじゃないですよ。……あー頭ふっ飛ばしてぇ」 台詞の後半は二人に聞こえないようにポソリとつぶやく。……だって。 「もー、__ったら無頓着なんだから。だめよ、それじゃあ」 「いいじゃないか、輝夜。物の名前なんてお前以外はうろ覚えでいいんだよ」 「やだわ、イナバが可哀想じゃないの」 こんだけバカップルっぷり見せ付けられたら誰だってやさぐれるっつーの。あー熱い熱い(棒読み)。 「……姫様。私、帰っていいですか?」 「どこに?」 そりゃ決まってる。幻想郷に、だ。 「永遠亭に。……何か私、お邪魔みたいなんで」 「無理よ。来た日から後一ヶ月……えっと、あと28日しないと来ないわよ、八雲の使い」 「あなたの能力ですぐに28日経たせてください」 「それは嫌よ。だって__と過ごす時間が短くなっちゃうじゃない」 はいはいバカップルバカップル。……顔を赤らめる姫様なんて初めて見る気がしたがどうでもいい。 とにかくこのピンク空間から抜け出す事が一番の最優先事項だ。……胃が痛くなってきてるのは気のせいかな? うpろだ260 伝説のMMORPGゲーマー「てるよ」 イベントの開催や、サークルの運営など多岐にわたる活躍をしているPLだ。 彼女とパーティを組もうとしても、法外なレアアイテムを要求してくることで有名なPLでもあった。 ファンも多い彼女だが、誰もアイテムを用意できなかった。だが俺は用意して見せた。 それ以来、彼女とはよくPTを組んでいる。 語り口、反応の可愛らしさ、グラフィックと実用性のバランス。どれをとっても最高だ。 てるよ:ねぇ、○○。今度OFFで会わない? ○○ :いいねぇ、それじゃいつにしようか てるよ:わたしは今すぐでも会いたいな。 ○○ :ははっ嬉しいこといってくれるじゃないの てるよ:女の子にヤマジュンネタはやめなさいって(笑) ○○ :ゴメンゴメン(汗) あ、でもてるよって何県に住んでるんだっけ? てるよ:一昔前は月で、今は地球♪ ○○ :いやいやプロフじゃなくって。OFF会なら待ち合わせ場所決めないと。 てるよ:そうねぇ、わたしは割とヒマだから○○の方に迎えを出すわ。 ○○ :お迎えかよっ!どこのお嬢様だ(汗) あ、住所は前メールで送ったよね?それと会うのはいつがいい? てるよ:さっき言ったじゃない。 永琳「姫がお呼びです 『ようこそ幻想郷へ』 そして 『さようなら常識の世界』」 ………あるマンションの一室から、1人の男性が忽然と姿を消した。 争った跡はなく、何かを持ち出した形跡もない。 警察の調べでも理由は解明できず、単なる失踪と発表された。 ただ、彼のパソコンはMMORPGにログインした状態のままであった。 彼のパソコンには、最後の会話としてこのような言葉が残されていたという。 てるよ:ようこそ永遠亭へ。○○を永遠に愛し続けてあげるわ。 うpろだ395 幻想郷に来て早幾年。 最初は中々馴染まなかったここの生活も、今ではむしろこっちじゃないと落ち着かなくなった。 今更あっちに帰れるとも帰ろうとも思っていない。 なぜなら、俺にはこちらの世界で生涯を捧げたい人がいるから。 その人の名は蓬莱山輝夜。なんと、月のお姫様らしい。 ひょんなことから永遠亭のお世話になることになった俺は、何故か分からないが輝夜様に気に入られたのだ。 かく言う俺も、輝夜様を一目見たときから心奪われていたのだが。 まぁともかく、俺は輝夜様に自分の想いをぶつけ、輝夜様も俺の想いを受け入れてくれた。 そんなある日の永遠亭、夕餉の席にて。 その日もいつも通りの日だったと思う。 永琳先生の実験のお手伝いをしたり、鈴仙と一緒に薬草を探したり、 てゐに騙されたり、輝夜様と一緒にのんびり話をしたり。 夕餉の時間になって、皆が揃ったところで輝夜様がいきなりとんでもないことを言い出した。 「○○、イナバ、てゐ」 「はい」 「何ですか?」 「ニンジン~……っとと、何ですか? 輝夜様」 輝夜様に声をかけられたにも関わらずニンジンを貪るてゐ。 永琳先生に睨まれてすぐに向き直ったけど。 「私たちが幻想郷に来て幾百年……○○が来て幾年。 月日が流れるのは早いわね」 「そうですね……僕も、ここに来たときのことをつい昨日のように思い出せます」 「……私は、あんまり思い出したくないですけど」 まぁ、鈴仙は事情が事情だからなぁ……。 「ここは永遠亭……いつまでも変わらぬ姿であり続ける場所……。 だけど、変わってしまうものもある」 そうだよなぁ……慣れ、っていうのがあるんだろうけど、 つい僕以外の人がただの人間ではないことを忘れてしまう。 「特に、○○」 「はい?」 「あなたは月人でも妖怪でもない、ただの人間。当然、寿命も人並みにしかない。 それは、イナバやてゐも同じ。○○ほどではないにせよ、いつまでも共にいられるわけじゃないわ」 ……そう。輝夜様と永琳先生は、その昔『蓬莱の薬』という不老不死の薬を飲んでしまったらしく、 老いることもなく永遠の時を過ごすことになったのだ。 僕が想いを告げたときも、そのことは散々言われた。 あなたは私と共に生きられない、あなたは老いても私はいつまでもこの姿、それでもいいのか、と。 まぁ、僕の気持ちは変わらなかったが。鈴仙達から『蓬莱の薬』を飲むことを勧められたこともあるけど、 なんと輝夜様本人がそれを止めた。曰く、普通の人間の精神では永遠は耐えられないから、だそうだ。 ともかく、いずれ僕や鈴仙達は輝夜様と永琳先生を残して逝ってしまう。 だけど、何故今になってそんなことを言い出すのだろう? 「私や永琳の自業自得とは言え、時間を共にできないのは少し……そう、少し悲しいけれど。 だけど、命の輪廻はいつまでも続くわ。たとえ今の姿ではなくなっても」 「輝夜様……」 「……はい……」 ……なんだか、しんみりとしてしまったな……てゐも珍しく真面目な顔で聞いてるし。 だけど、輝夜様の次の言葉でそんなしんみりとした雰囲気も完全に吹き飛んでしまった。 「そういうわけで、○○と鈴仙」 「「はい?」」 「頑張って子ども作ってね♪」 「……は?」 「へ……?」 一瞬、何を言われたのか分からなかった。 子ども? 誰と誰が? 俺と鈴仙が? 頑張って作る? ……………………。 「「ぶふぅっ!!」」 「汚いわよ、二人とも」 「汚いよー」 言葉の意味が頭に浸透した瞬間に盛大に噴いてしまった。 隣を見ると鈴仙も同じみたいだ。 永琳先生とてゐが何か言ってたみたいだが、それどころではない! 「ちょ、ちょっと輝夜様! いきなり何言い出すんですか!?」 「あら、何かおかしなことを言ったかしら?」 「おかしいも何も、何故そんな話になるんですか!!」 「だって、私は子どもを産めないし……だけど、子どもは欲しいじゃない?」 「だからって、なんでいきなり!?」 「あら、イナバがダメならてゐでもいいわよ?」 「そういう問題じゃなくて――――てゐ! 頬赤らめてもじもじしない!!」 あんたそんなキャラじゃないでしょうが! とか鈴仙が言ってるが、とりあえずそっちはそっちで置いておく。 その後も輝夜様に抗弁していたが、 「大体、何で私がこんな下賎な地上人なんかと子どもを作らなきゃいけないんですか!!」 その言葉で、僕も多少むっとしてしまった。 「何で僕がそんなこと言われなきゃいけない!? こっちだって、こんな狂気兎と子ども作るなんてごめんだね! どんな子どもになるかわかったものじゃない!!」 「何ですって!?」 「何だよ!!」 売り言葉に買い言葉。その言葉を発端に、僕と鈴仙は取っ組み合いの喧嘩をすることになった。 だけど――――。 「ただの人間が私にかなうわけないでしょ!!」 それもその通り。かたや月の兎、かたやただの一般人。 力の差は歴然としており、スペルカードどころか通常弾幕であえなくKOされてしまった。 「って鈴仙! やり過ぎよ!!」 「え……? あ、あぁ!! ○○、ごめんなさ――」 輝夜様と鈴仙の慌てる声を最後に、僕の意識は途切れた。 「う……」 気がついたら、僕は自分の部屋にいた。 どうやら手当てはされてるらしく、肌に包帯の感触が伝わる。かなり痛い。 「あ……気がついた?」 しばらくボーっとしていると、鈴仙が部屋に入ってきた。 どうやら彼女が手当てをしてくれたらしい。 何故鈴仙が、と聞くと、 「その……私のせいだし……」 と、申し訳無さそうに言うものだから、責めるわけにもいかず。 とりあえずお礼を言うが、鈴仙も「うん……」と言ったきり、黙りこんでしまった。 ……沈黙が痛い。何か言うべきだろうか、と考えていたら、鈴仙が顔を上げて先ほどのことを謝ってきた。 「その……さっきは、ごめんね……?」 「あ、いや……僕の方こそ、ごめん。酷いこと言って……」 「う、ううん! 私が最初に酷いこと言ったんだし……」 「あ、その、気にしてないから……」 そう言うと、再び黙り込んでしまった。 ……参ったな、何か調子が狂う。どうも鈴仙は必要以上に罪悪感を感じているみたいだ。 「その……ね」 「うん?」 どうしたものか、と考えていると、意を決したような表情で鈴仙が言葉を紡ぐ。 「あの……私……その……」 「あー……落ち着いて、ちゃんと聞いてるから」 「う、うん……」 一旦言葉を区切り、深呼吸。こっちまで緊張してきた。 思わずごくり、と喉を鳴らしてしまう。 「えっと……私、その……さっきの言葉、本心じゃないから……」 「さっきの……? えっと……」 「あ、の……あなたのことを、下賎だなんて、思ってない……から」 「あぁ、うん……」 どうもそのことを気にしてたらしい。僕の方はそんなに気にしていなかったが……鈴仙は気にしすぎる性質だなぁ。 「その、僕もごめん。狂気兎だなんて、思ってないから」 「あ、う、うん……」 「……」 「……」 き、気まずい……いつもならもっと自然に会話できるのに……。 "そういうわけで、○○と鈴仙。頑張って子ども作ってね♪" 不意に、さっきの輝夜様の言葉を思い出す。 「そ、それにしてもさ」 「え、あ、な、何?」 「輝夜様にも困ったものだよね。いきなりあんなこと言い出すなんて……」 「あ……そ、そう、ね……」 「う……あー……れ、鈴仙も嫌だよね。好きでもない男とそんなことするなんて――」 僕としては、軽く言ったつもりだった。鈴仙が軽い調子で「当たり前でしょ、そんなの」と言ってくれるのを期待して。 だけど。 「そ、そんなことない!!」 鈴仙の口から出てきたのは、強い否定の言葉。 予想外の展開に呆気にとられる僕。 「鈴仙……?」 「あ、その……あぅ……」 自分でもびっくりするほどの大声だったのか、鈴仙は顔を紅くして俯いてしまう。 だけどそれも一瞬のことで、すぐに顔を上げた。 「その! えっと……○○のことは、嫌いじゃない、し…………って言うか、人間の中じゃ、好きな方だし……」 「え……う……あ……?」 「えっと、だからその、嫌いだから嫌ってわけじゃなくて……」 あ、頭が混乱してきた……何故か顔も熱いし、心臓がドキドキしてる。 そしてそれ以上に、今目の前にいる鈴仙がとても可愛く見えて、そのことが思考を支配して……あぁ、もうわけがわからない! 「私は、○○が――――!!」 ――がたっ―― 「っ!! 誰!?」 襖の向こうから聞こえた物音に、鈴仙は過剰に反応して一瞬で襖までの距離を詰めたかと思ったら、既に襖を開け放っていた。 そこにいたのは―― 「か、輝夜様に永琳先生!?」 「てゐまで!? な、なんでここに?!」 苦笑する永琳先生に、ニヤニヤと笑う輝夜様とてゐ。も、もしかして……。 「あの……どこから、聞いてました?」 「イナバがこの部屋に入ってきたところからよ」 最初からですか!! 「ちなみに最初に言い出したのはてゐよ」 「か、輝夜様!? 酷いですよ、輝夜様も乗り気だったのに――――」 「……て~ゐ~……?」 「あ……あははは……脱兎!!」 「待ちなさい! 今日という今日は絶対に許さないわよ!!」 逃げるてゐを追う鈴仙。文字通り二人とも飛んで行ってしまった。 「ふぅ……私は二人を追いますね」 「えぇ、お願い」 永琳先生も行ってしまった。今ここにいるのは、僕と輝夜様の二人だけ。 「それにしても○○? 私というものがありながら、随分とイナバに夢中になっていたみたいね?」 「そ、それは……その……」 図星なだけに何も反論できない。いや、その資格すらないだろう。 古今東西、こういう場合は須らく男が悪いのだから。 「まぁ、別にいいんだけどね。私がそう仕向けるようなことを言ったのだし」 「あの、輝夜様」 「何かしら?」 「何故、あんなことを?」 「……そうね……」 ……聞いては、いけないことだったのだろうか? 輝夜様の顔が、どことなく寂しそうに見える。 「私は、あなたに人としての幸せをあげたい。 男として女を愛し、父として子を愛して欲しい。 だけど私は、子どもが産めない。あなたの子どもを、産んであげることができない」 「…………」 ……考えたこともなかった、と言えば嘘になる。 僕だって健全な男なんだから、輝夜様とそういうことをしたいと思うし、実際にしてきた。 そして分かったのは、輝夜様は子どもが授かれないということ。 僕自身はあまり気にしていなかったが、輝夜様はそのことをとても気にしていたみたいだ。 「○○。私は、永遠亭の皆が好きよ」 「僕もです。永遠亭の皆が……輝夜様が、とても大切です」 「ふふ……そう、だから私は、私の愛するあなたと、私の好きな子達との間に子ができてほしいと思う。 私はここに住む皆を家族と思っているわ。だから、あなたがここにいる誰かと子を生せば、それは我が子も同然」 「輝夜様……」 「それに、鈴仙やてゐはあなたを憎からず思っているみたいだし、ね。まぁ、女としては複雑ではあるのだけど」 「え……えぇ!?」 「あら、気づいてなかったのかしら? 鈍感は罪よ?」 し、知らなかった……というか、いくら輝夜様の言葉でも冗談だとしか思えない。 あの二人が、僕を……? 「まぁ、そういうわけだから……できることなら、鈴仙やてゐと契り、子を作ってちょうだい。 そして、その子を愛させて。私が愛したあなたの子を」 「輝夜様……」 「輪廻は巡る……あなたが子を作り、その子がまた子を作る…………そしていつしかあなたが生まれ変わったら」 ――また愛し合いましょう。それが、永遠亭なのだから―― 7スレ目 831 「俺は、お前という月が欲しいんだ」 7スレ目857 「ああああああ!私を罵倒してください!詰ってください!踏みつけてください!輝夜様あああああああああああああああああ!!!!」 7スレ目874 姫は突然こう切り出した。 「ところで○○、貴方も因幡たちと同じように私のペットよね」 俺は答える。 「申し上げるまでもなくそのとおりにございます、姫様」 姫は間髪いれずにこのように仰った。 「外の世界ではペットには首輪を着けるんでしょう?」 硬直している私を尻目に、姫の、その細く美しい手が着物の懐に差し込まれ リールと錠前のついた赤い皮製の首輪を取り出したのであった。 「・・・・」 私は言葉を失った。それはあまりにもあんまりな光景であった。 美しく、知的で、清潔で、私のような愚鈍な凡人には手が届かないような 高嶺の花を絵にかいたような輝夜様が、こともあろうにかくのごとき 変態的な意味でマニアックなアイテムを嬉しそうに見せ付けながら 期待に満ちたような眼で私を凝視なさる。 それはまるで『有無は言わせない』と無言で語っているかのようであった。 「わー。○○にドン引きされちゃったわ」 私が固まっていると姫様は目を細めて口を隠し、お茶目にもそう言われた。 私は、脂汗をかきながら絶望的な反論を試みる。 「姫様、そんなものを何処で入手されたかはともかく、廊下で他者の視線をはばからずに そういった行為に及ぶのはやめていただけませんか」 しかし当然ながら姫様はそんな私の意見に耳を貸すことはない。 「ねぇ○○、他人の性癖をとやかく言うのは許されざることだと思わない?」 姫は真紅のリールを人差し指にぐるぐる巻き、首輪の末端部を唇に近づける。 それはあまりに扇情的な光景で、私の中では、姫に抱いていた神聖なイメージが 一段と崩れると同時に、短絡的にも、姫と低俗な行為に及ぶ想像が脳裏をかすめた。 「それより、またそんなものばかり買って、八意先生に怒られますよ」 「大丈夫、永琳も首輪の○○を見たいと言ってはばからなかったわ」 なんと、この問題はすでに永遠亭のトップ二人のコンセンサスの得られたところであるようだ。 私の逃げ道は封じられた。カンナエ殲滅戦でのローマ軍のように、 私はじわじわと近寄ってくる姫を退けることかなわず、こんなことなら 姫のパソコンのセットアップのとき反対を押し切ってでも保護者機能をインストールして オンラインショッピングなど不可能ならしめるのだったと後悔したが、後の祭りだった。 7スレ目917 「輝夜様……本日もまたお美しゅうございます……」 どのくらい美しいかと例えるなればそれはこの世の森羅万象宇宙の真理すべからく 比べるに値しないほどに美しい。しかしあえて陳腐にもこの世の私達穢れた下衆が 現象、物質等々己の愚かな価値観をもってして例えてしまうなれば、それは満天の 星空にありなおより一層力強く輝く恒星の群体であり、それは目を疑わんばかりに 突如上空に出現した七色のカーテンであり、それは幽玄さを称える秘境の厳かな滝 であり、それは古今東西の神話に登場し男神の心を溶かす美の女神であり、それは 王侯貴族が金にあかせて作り上げたダイヤモンドのティアラを数百倍数兆倍数那由 多倍にしても決して決して届くはずが無いほどに光り輝いた存在。 そのくらい、目が眩んでしまうほどに美しい。 ああこの汚らわしく薄汚くゴミにも劣る畜生以下のわたくしめが、このように高貴 で優雅な月の姫を、無礼にも直視してよいものなのだろうか……。 「他の者のように、そう機嫌を取る必要などないわ……」 「か、輝夜様……」 「様なんていらないの、貴方は私をかぐやと呼んでかまわないのよ?」 「と、トンでもありません……わたくしのようなチリクズめがそのような……」 「口答えなんて許さないわ、名前で呼んで頂戴」 「か、かぐや……」 「そう……♪ いらっしゃい、今は貴方を暇潰しに使ってあげるわ……♪」 「か……かぐやっ」 ほんのり上気した頬を称えた輝夜にうわなにをするここからはおとなのりょういき だけどでも手がとまらないんだたすけてでもだめだめ一般板なんだからこれいじょ うはきけんすぎるけどさいごまでしたいのいやぁぁぁぁぁぁ
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☆はじめに ☆新たにリストに追加された作品 ★一般作品 ★ゲーム配信サイト、アップローダー等への投稿作品 ★ニコニコ動画 [部分編集] ☆はじめに 完成した東方シリーズのツクール作品について纏めたページです。 サイト名をクリックすると製作者のホームページへ飛びます。 作品名をクリックすると個別紹介ページへ飛びます。 更新停止や公開停止などの場合は作品一覧(更新停止作品)のページへ移動しています。 ☆新たにリストに追加された作品 [部分編集] 最近3ヶ月前後に新たにリストに追加された、 またはバージョンアップした作品を臨時的に載せています。 リスト更新日はそれぞれのリストに新規追加もしくはバージョンを更新した日付を、 作品更新日は作者によって作品自体が更新された日付を表しています。 リスト更新日 作品更新日 作品名 バージョン 入手 備考 22/08/27 22/06/22 東方狂神宴 1.23 HPDL ふりーむ!本編クリアまで6h程度謎解きあり 22/08/17 22/03/31 クラピRPG 1.5 HP ふりーむ! 22/08/17 20/10/10 東方無邪氷 1.5 HPDL 22/08/15 18/09/21 慧音のプレゼント大作戦 1.1b DL ふりーむ! 21/08/22 20/11/06 東方悠久闇Ace 1.07c HPDL ふりーむ!東方悠久闇のリメイク作品キャラクターグラフィックの一新 戦闘システムやマップの大幅改善 難易度がオリジナルと比べてマイルドに(個人差はあると思いますが、公開中の3作品の中では一番易しいとの噂) ED分岐のフラグ変更 システムの一部削除等(オリジナルに存在した妖怪図鑑・難易度設定の削除)ほぼ別物になっているようです。ストーリーに変化は無い?ので、既に作成されているオリジナルのストーリー攻略は役に立つ と思われます。 ▲ページ上部へジャンプ ★一般作品 HP・ブログ名の英字→五十音順にしてあります [部分編集] サイト 製作者 作品 備考 A.C.3 ユウワン氏 東方SMMSNDST DL先はふりーむ! 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蓬莱山輝夜 晴 霧 雪 月 A A A S 残機 種族 耐性 属性耐性 装備欄 3 人 物(10) 魔(10) - 2 命中 回避 移動 必殺 射程 呪力 0 0 0 0 0 4 LV 体力 攻撃 速度 防御 1 500 110 55 10 50 990 217 147 19 84 1330 292 210 26 成長 +10 +2.2? +1.9? +0.2? アビリティ 移動移動 待機待機 回復 ためる 攻撃魔法攻撃 長射程魔法 特殊(基本)体力アップ 1800点×係数 攻撃アップ 1500点×係数 速度アップ 2000点×係数 命中アップ 1800点×係数 回避アップ 2000点×係数 スペルカード 名前 移動後 命中 威力(HIT) 射程 タイプ 回数 消費 必要点数 前提条件 備考 神宝「ブディストダイアモンド」 × 100% 250(1) 1-5 物符光 4 2 - - 神宝「サラマンダーシールド」 × 100% 120(1) 1-3 物符熱 3 2 13000 スペカ1 熱に反撃。[熱耐性 100] 新難題「エイジャの赤石」 × 90% 150(1) 1-6範囲 物符光 3 2 16000 スペカ2 Cri20%。防御無視。方向指定。範囲は直線6マス。 「蓬莱の樹海」 × 100% 380(2) 1-4 魔符 1 3 23000 スペカ3 天候変化(月) 備考 移動力0の砲台キャラ。 長所を伸ばすか、短所を補うかで全く性質が変わる。 「蓬莱の樹海」で自ら適正Sである天候の月に変化させることができるのが強み。 月になる事で輝夜は勿論、慧音やルーミアの性能が飛躍的に向上する。 レミリアやフランドールを使う場合も非常に便利。 弱体する敵は霊夢 魔理沙、さとり こいし、燐 空、妖夢、早苗、チルノ、パルスィ。 特に弱体化させるメリットが大きいのは回避が厄介な霊夢と人工太陽が厄介な空だろう。 そこそこ打たれ強いが移動力0では壁役が難しい場面が多い。 開き直って、座布団やレオパルドンで完全に砲台と化すのも一興。 レミリア戦では、弱点属性の光を使えるユニットとして活躍できる。 汎用性を求めるのであれば、スキルに移動力UP、アイテムに魔理沙人形と京人形を装備。 これで移動力は2(月なら3)となり、位置調整をしながらスペルを放つ事が出来、アタッカーとして使いやすくなる。 範囲攻撃であるエイジャの赤石の射線上に敵を合わせやすくなるのは非常に大きく、 敢えて進軍の歩調を輝夜にあわせ、囮としてサラマンダーシールドで削るという事もやりやすい。 但し熱攻撃を使うのは主に妹紅、パチュリー、空、萃香等。 サラマンダーシールドは反撃対象も熱でそれ以外の攻撃には意味がない。 性能もいまいちなのでそれらの相手に苦戦しない限り装備する必要はない。 ブディストダイアモンドは単発ではあるがそこそこ威力が高く複数回使えるので便利。 スペルが事実上、単発ばかりなのは如何ともし難い欠点。 残機の多い相手は避けた方が良い。 ちなみにセコンドで敵の近くに呼び出す運用方法なら最低限の移動力強化で十分。
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「家の傍で遭難するとは、海の人の目をもってしても見抜けないな」 我が家から目と鼻の先にある竹林へ、竹を取りに足を伸ばしたのだが、何故か見覚えがない場所に出てしまった。 靄が掛かっていて奥を見通すことはできそうにない。 必要になったとはいえ、伐る時期ではないものを取りにいくべきではなかったか。 今更言っても仕方がないことを呟きつつ、どうしたものかと近くにあった岩に腰を下ろした。 「まずは手持ちの確認といっとくか」 持っているものを岩の上に順番に並べていく。 素人にはお勧めできない鉈、軍手、スポーツタオル。 携帯を持ってきてなかった、これでは助けを呼ぼうにも呼べない。 「中々に諦めが襲ってくる装備だ……」 ため息を吐きつつ、確認した持ち物を装備していく。 とりあえず、竹には悪いが目印となる傷をつけさせてもらうか。 一定感覚で十字傷を竹の幹に刻んでいく、こうすれば同じ道を通った時に気づけるだろうしな。 人間まっすぐ歩いているつもりでも曲がっていたりするからな。 そんな事をしながら、かれこれ何時間歩いただろうか。 既に辺りは薄暗く、日没直前だ。 どうやら今夜は野宿せざるを得ないらしい、風邪を引く季節ではないのが不幸中の幸いか。 野宿を決意してから、僅か数十分ぐらいの感覚で日は没した。 丁度いい岩なども見つからなかったが、空が見える開けた場所があったのでそこで適当に腰を下ろす。 足が痛い、体をしっかりと鍛え上げていたが、一日中歩き続けるのは少々堪えたらしい。 ふくろはぎなどを揉みながら、足を伸ばして体をほぐしていく。 人の目では見通すことのできない闇の中で、帰れるのかねえと心に不安がわき始める。 遭難一日目だが中々に精神的に追い詰められてるみたいだ。 参っているのを自覚すると次々に弱音を吐きたくなってくる、欝だ……家に帰って酒飲んで寝たい。 ぐだぐだとしながら地面の上に横になり、空を見上げる。 見上げて気づいたが今夜は満月だったらしい、とするとあの月では今頃ウサギが餅をついてるのか。 腹が減ったから、餅をついているのならその餅を俺に寄越してほしい。 思わずそう叫びたい衝動にかられたが、叫んでもより腹が減るだけなので諦めた。 目を瞑って体を休めているが眠気は来ない、これはつらい。 それでもこのまま時間さえ経てば、自然に寝付けるだろう、それまで我慢だ、我慢。 寝るという決意を固めて、幾分か過ぎた後だろうか。 何かが爆発するような音が連続して聞こえてくる、人がいるのか? 身を起こし、暗闇に包まれた周囲を窺ってみるが、特に何かが見えるということはなかった。 「空耳か?」 空耳だとすれば落胆せざるを得ない、きっと夢だったのだろうと自分を納得させ、改めて横になる。 ……満月を後ろに背負い、人が飛んでいた。 思わず目を擦り、頬を叩いたりしたが夢ではないみたいだ。 「ありのままに起こったことを話すぜ……」 そんなフレーズがつい口から漏れる。 放心しながら浮かんでいる人を見ていると、どこからか光り輝く球体が無数に飛来してくる、まるで弾幕だ。 浮かんでいる人はそれらを軽やかに回避していく。 回避しながら向かう先には、炎の翼を背負った人影が狂ったかのように、大量の球体をばら撒いていた。 まるで御伽噺の世界だ、我を忘れて戦闘機のドッグファイトのような空中戦を観賞する。 何時間か経ったのだろうか、それとも数十分程度なのだろうか。 一際大きい爆音が響いた、どうやら決着がついたようだ。 炎の翼を背負った人影の一撃が直撃したらしい。 直撃をもらった人が煙を引きながら、落ちていく……こちらに向かって。 「こっちかよ!?」 どうするかと迷ったのがいけなかった、決断する前に受け止める羽目になった。 衝撃で地面に押し倒されつつも受け止めた人物――女の子を庇う様にしっかりと抱きしめる。 そして、筋肉痛で済めばいいなと、楽観的に考えながら地面を派手に転がり滑った。 10メートルは確実に転がったなと、自分の体が削った地面を見ながら、腕の中の女の子の安否を確かめる。 意識があるかどうかは分からないが、息はちゃんとしているようなので生きてはいる、ただし体の至る所に重度の火傷がある。 直にでも病院につれていかないと確実に死ぬだろう。 しかし、俺は遭難中……どうしようもない状態だ。 見知らぬ人物とはいえ、目の前にある命が失われていくのを見るのは流石に後味が悪い、なんとかしないと。 起き上がろうとしたところで思い出した、炎の翼をもった人影を。 空を見上げる、火球がこちらに飛んできていた。 追撃のようだ、御伽噺のようだからどこか安心していたのかも知れない。 だが、現実は非常である。 迫りくる火球から逃げようとして、足に力が入らず起き上がれなかった。 足を見ると関節が増えていた、さっきので折れていたようだ。 自覚すると同時に激痛が襲ってくる、そしてそれが決め手だった。 歯を食いしばり、少女を強く抱きしめ、火球に背中を向ける。 今の俺にできる事はこの程度だ。 熱いと自覚した時に宙を舞った感覚があった、それが俺が意識できた最後の感覚だった。 体中に走る痛みで目が覚めた、どうやら俺はまだ生きているようだ。 あの状態でどうやって助かったかは分からないが俺がこうして生きている以上、あの少女もきっと無事だろう。 体中に包帯か何かが巻かれている感触があることから、治療もされているらしい、誰だかは知らないがありがたいことだ。 目を開けようとして、目にも少しきつめに包帯が巻かれていることに気付く、これでは目が開けられない。 一瞬取ろうとしたが、取ると拙いだろうと思いなおし、腕を下ろす。 そして、治療されていることから、病院と判断してみて、手探りでナースコールを探してみるがそれらしい物は見つからない。 痛みに顔をしかめながら、体を起こし、どうしたものかなとため息を漏らす。 そんな時に扉が開くような音が聞こえてくる、誰かが来たらしい。 「あ、起きてる……てゐー、師匠呼んできて」 声の感じから若い女性の声だ、看護士の人かな。 彼女は体を起こしていた俺を寝かせると、色々と俺の体を触ってくる、検診してくれてるのだろう。 俺は丁度いいと思い、彼女に声をかけた。 「ところでどういう状況なのかを教えてもらえるとありがたい」 「ちょっと待ってね、そこらへんも含めて師匠が説明してくれるから」 看護士だろうと思われる彼女の師匠なら、きっと医者だな。 その言葉に納得した俺は師匠と呼ばれる人が来るまで大人しく待つ事にした。 その会話をしてから、幾分もしないうちに新しく扉が開く音が聞こえた。 「あら、本当にもう起きているなんて結構丈夫なのね」 「今軽く検診してみましたが脈等も安定しているので、もう大丈夫そうです」 声は柔らかく優しい感じだ、きっと綺麗な人なんだろう。 目が見えないのが非常に残念すぎる。 とりあえずは状況を説明してもらおう。 「そうね、何から聞きたいかしら?」 「俺と一緒に居た少女の安否から」 「あら、意外ね……彼女は無事よ、ピンピンしているわ」 「ならよかった、後は自身の状態とここがどこなのかを」 そして、師匠と呼ばれた医者――八意永琳の答えに俺は閉口することになった。 幻想郷、忘れられたものたちが流れ着く楽園。 まるで常世の国や桃源郷伝説だ、普段なら鼻で笑うところだが……意識を失う前に見た光景があるため否定できそうにない。 どうやら、俺はいつの間にか御伽噺の世界へ迷い込んでしまったようだ。 八意先生が言うには俺のように迷い込んだ外の人間を戻してくれる巫女がいるらしい。 怪我が治れば、その巫女に帰れるように頼んでくれるそうだ。 それまではゆっくり療養していいわよとのことだ。 治療代も払えない俺にそこまでしてくれる理由を尋ねたところ、俺が助けた少女は八意先生の主だそうで、そのお礼との事だ。 ただ全治三ヶ月以上はかかるそうだが……そこまで聞いたところで体力の限界が来たのだろう、妙に眠い。 そのことを八意先生に告げ、俺は起こしていた体を横たえる。 「何かあれば直に言って頂戴ね、それじゃおやすみ」 八意先生たちが部屋を退出する、俺はそれから直に眠りについた。 ふと目が覚める、傍に何かが居る気配がする。 気配は何をするわけでもなく、こちらを見ているだけのようだ、視線を感じる。 「誰だい?」 「あら、起きていたのね」 凛として透き通るような声だ、どことなく平伏したくなる。 「お礼を言いに来たわ」 「礼?」 礼ということは俺がかばったあの少女だろうか。 それを確認しようと俺が口を開く前に少女が答えてくれた。 「ええ、妹紅の攻撃を身を挺してかばってくれたお礼よ」 「巻き込まれて偶然そうなっただけだ、たいしたことはしてないよ」 「謙虚なのね、それでも助けてもらったことには変わらないわ……ありがとう」 本当に巻き込まれただけなんだがな。 「余り長居すると体に障るわね、今日はこれで帰るわ、おやすみなさい」 「ああ、おやすみ」 部屋から少女が居なくなり、部屋を静寂が支配する。 寝なおそうと思ったが目が冴えてしまっている、おかげで朝までのんびり考え事でもすることになりそうだ。 いつの間にか眠っていたのか、誰かに揺すられて目が覚めた。 どうやら、朝で朝食らしい。 目が見えない状態でどうやって食べようかと考えていたが杞憂だった。 「はい、あ~ん」 少女が粥をスプーンで掬って差し出しているようだ、口元に熱気が感じられる。 流石にこれは恥ずかしいので止めてくれるよう頼んだが、今の状態での介護を延々と語られた。 口を閉じて拒否の態度を示してみたが一向にスプーンが引くことはない、折れるしかないようだ。 大人しくされるがままにスプーンを受け入れた。 これが知人などに見られていたら、三日は部屋に閉じこもる自信がある。 「暇なんだな?」 「ええ、暇なのよ」 即答された、この少女は一筋縄ではいかない性格をしているようだ。 声を聞いたときに感じた印象は犬でも食わせておいたほうがいいみたいだなと思った。 することがないのかと思ったので聞いてみると。 「私は姫だから、何もしないのが仕事なのよ」 「そういうものなのか……」 「だから、暇つぶしに付き合って頂戴」 この日より少女――蓬莱山輝夜の暇つぶしに付き合うことが、俺の日課となった。 怪我人だから勘弁してほしいんだがな。 「○○、この間の続きを話して頂戴」 「この間というと……宇宙一かっこいいロリコン探偵の話か」 ここ永遠亭に来てから、かれこれ一週間は経った。 その間、暇つぶしに俺の部屋に姫さん――輝夜がよく顔を出してくる。 たまたま俺が知っているゲームや漫画の話をしたら、妙に気に入られて、強請られるようになった。 俺はさほど話上手ではないのだから、そうそう何度も強請られると困るのだが。 しかし、ベッドからまだ出れないので、話以外を強請られてもより一層困ることになるので、俺も強くは言えない。 ただ俺如きの話で一喜一憂してくれるのはとても嬉しいがね。 そして、話が佳境に入ったところで八意先生がやってきた。 「お楽しみのところ悪いわね、検診の時間よ、姫も後にしてくださいね」 「もう永琳ったら、もう少し待って欲しかったわ」 「検診が終わってから好きなだけ話せばいいじゃないですか」 「はーい、じゃあまた後でね、○○」 姫さんが渋々といった感じで話を諦めて、部屋から出て行った。 検診が終われば直に引き返してくるんだろうが。 「経過は良好……目はどうかしら? 痛みとか感じる?」 「いえ、特にはなにも」 「大丈夫そうね、じゃあ包帯を取るわよ」 目に巻かれていた包帯が取り除かれていく、徐々に感じられる光が強くなる。 しかし、右目にしかそれらが感じられない……どういうことだろうか。 包帯が完全に取り除かれた、ゆっくりと目蓋を開いていく、眩しい。 けれど、左目はやはり何も感じない。 「先生、左目が暗いままなんだが?」 「直に診るわ」 想像以上に綺麗な八意先生の手が、顔に触れる……柔らかい、思わずドキッとした。 頬が少し紅潮したが診断に集中しているようで気づかれていない、よかった。 「だめね、恐らく視神経が切れているわ……残念ながら失明よ」 「あー、ということは俺は今日から独眼鉄になるのか」 「意外と余裕あるわね」 実際は余裕などなく、かなりのショックを受けている。 茶々をいれたのは現実からの逃避だろう。 これで右目も死んでいたら、ショックで寝込んでいたのは間違いない。 「眼球そのものは無事だから、もう一度見えるようにこちらで何とかしてみせるわ」 「お願いします」 余り期待はしていない、見えるようになれば儲けものだ程度に思っておくのが適わなかった時にダメージも小さいだろう。 検診を終えた八意先生が部屋を出て行く、入れ替わるように姫さんが入ってきた、外で待っていたようだ。 「戻ってくるのが早いな」 苦笑しながら出迎える、そういえば姫さんの顔を見るのはこれが初めてか。 俺の目線に気づいた姫さんは、ぬばたまの黒髪を背中に流し、見る者を惹きつける笑みを浮かべた。 「目の包帯は取れたのね、よかったじゃない」 「ああ、おかげで姫さんの可愛い顔も見放題だ」 「ええ、じっくり見て頂戴、御代は後で頂くけどね」 「そいつは高そうだ、遠慮しておくよ」 ノリがいいお姫様もいるものだな、打てば響くのは話をしていて面白い。 この姫さんの暇つぶしに付き合っていれば、退屈しないでいられるだろう。 薄笑いを浮かべつつ、そんなことを考えていたら、姫さんが俺の左目を注視していた。 「ねえ、○○……その左目」 眼球が動いてなければ、そりゃ気にするか。 「大したことじゃないから気にしないでくれ」 視線から誤魔化すように俺は顔をそむける。 だが、そむけようとしたところを姫さんの手で顔を押えられてしまった。 「近い近い近い、姫さん顔が近い」 目と鼻の先に姫さんの美貌がある、これはまずい。 何が拙いかっていうと、俺の心臓がやばい、心臓がいってえ、緊張でキューっとしてきた。 「永琳は何と?」 「何とかして見せるだってさ」 「そう……なら安心ね」 姫さんが離れる。 ふぅ……心を落ち着けないと、流石に姫さんクラスの美少女のアップは緊張する。 姫さんは別に何も悪くないから気にしないでもらいたいんだがなぁ。 「どうせなら、いっそビームとか打てるようにしちゃわない?」 「そいつは名案だぁ……なんていうわけないだろ!」 「いいノリツッコミね、それでこそ○○……見込んだだけはあるわ」 杞憂でした、いい性格しすぎだな、おい。 こんな姫さんが主やってるから、八意先生も大変なんだろうなと思った。 しかし、そんな姫さんと付き合うのは中々に楽しい。 これなら幻想郷とやらの生活もずっと続いてもいいなと、その時の俺は思っていた。 うpろだ1313 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「地上も随分と変わったものね、風情がないわ」 「都心部だからな、仕方がないさ」 俺の隣で、高層ビルが立ち並ぶ風景を見回しながら、輝夜が不満を口にする。 服装も外界に合わせて、タートルカットソーの上に、ロングカーディガンを羽織り、靴はニーハイロングブーツだ。 流石は輝夜、何を着せても似合いすぎて、俺の理性が困る。 「まあ、いいわ……それより、○○のご実家はまだなのかしら?」 「ここから、2本電車を乗り継ぐから、後二時間ほどかかる」 「そう、じゃあ早く行きましょう、ここは不躾な輩が多いから」 「そうだな」 少しほど前、飲み物を買いに俺が数分いなかっただけで、輝夜の周りにはナンパの人だかりが出来ていた。 直、助けに駆け寄ろうとしたら、黙ってみてなさいと目で止められた。 その後は阿鼻叫喚だった。 最終的には、ナンパにきた男たちが「かぐや! かぐや!」と連呼する、調教された愚民になっていた。 数時間も放置していれば、集団デモ行動で通報されていたかもしれない、これがカリスマというものか……恐ろしい。 「永琳や鈴仙も今頃は、電車の中かしら」 「もう現地について、ホテルに入ってる頃じゃないかね」 緩やかに揺れる電車の中で、他愛もない会話を繰り広げる。 こういった何気ない時間が俺も輝夜も大好きだった。 「もしくは、どこぞでご休憩かもしれんよ」 「そこまでよ……と言いたいところだけど、それもいいわね、どう○○?」 「そいつは魅力的すぎる提案だが、時間はまだまだあるから、後の楽しみに取っておこう」 「そう残念ね」 艶やかに笑いやがって、人目がなければ確実に提案に乗っていた。 「それにしても、○○のご実家が楽しみだわ」 「ご期待に沿えればいいんだが、そんないいものじゃないぞ」 「それでもいいのよ、大事なのは○○……貴方の実家ということなのだから」 輝夜は本当に真綿で首を絞めるように、じっくり俺の心を溶かしていく。 もう抜け出せんな、抜け出す気など宇宙が滅ぼうともありえんが。 「着いたぞ」 「あら、至って普通ね」 輝夜の感想のようにどこにでもある一軒家だ、最後に見た時と何ら変わってない。 ちょっと感慨に耽りながら、鍵を取り出す。 鍵を開け、一足先に家に入り、輝夜に振り返る。 「ほら、いつまでも見てないで、とっとと入れ」 「はいはい、お邪魔いたします」 そのまま、輝夜を居間に案内する。 「きゃあっ」 そこで待ち受けていたのは何かが破裂するような音だった。 宙に紙のテープが舞う、パーティークラッカーだ。 「「おかえり~○○」」 「ただいま……つーか、輝夜をビビらせんな」 「「おお、熱い熱い」」 俺は音と同時に輝夜を抱きしめて、庇っていた。 そんな俺を見て、両親が茶々をいれてくる、これはうざい。 「さて、○○……その抱きしめてるお嬢さんはどちらさまかな?」 「初めまして、○○さんとお付き合いさせて頂いている蓬莱山輝夜と申します、宜しくお願いします」 俺の腕から逃れた輝夜が、居住いを正して、両親に挨拶をする。 「これはこれはご丁寧に、○○の父です」 「○○の母でございます」 そして、俺を見てニヤニヤするな。 でかしたとかいうな、親父。 もう「そこまでよ!」とか聞くな、お袋 輝夜もそれに乗るな! くそ、突込みがおいつかねえ。 「あははははははは、面白い面白いわ、貴方のご両親」 「ネタにされてる俺は面白くねーよ」 風呂を済ませて、寝巻きに着替えた輝夜が、俺の部屋のベッドで笑い転げていた。 俺はそれを憮然とした顔で愚痴っていた。 「あら、いいじゃない……ここは暖かいわ、ご両親の愛があふれているもの」 恥ずかしげもなく、そういうセリフをよくいえるものだ、これもカリスマか。 流石は姫様、そこに痺れる! 憧れる! ……なわけがない。 等と適当なことを考えていたら、輝夜の顔が少し翳った。 「だとしたら、私はその暖かさを壊そうとしていることになるのね……」 「それは違うだろ」 輝夜、それは大きな間違いだ。 子供は、いずれ親から離れて、巣立って行くものなんだぜ。 「今回は八雲紫がたまたまこういう企画を立てたけど、次があるとは限らないじゃない」 「そうなったら、そうなった時に考えりゃいーよ」 そういって、輝夜の隣に腰掛ける。 「何より、俺がお前と一緒に居たいんだ その子供の意思を尊重こそすれ、否定する親なんてものは早々いねえよ」 特に俺の両親だしな、幻想郷のことを話したら、移住しかねん。 俺が真摯な説得に納得したのか、輝夜は俺に抱きついてくる。 「その言葉……嘘だったら、永遠に殺し続けてあげる」 「上等だ、逆に俺の愛で、永遠に殺し尽くしてやるさ」 そのまま、俺は輝夜をベッドに押し倒し……「そこまでよ」 両親が気づいており、翌日ひたすらからかわれたのはいうまでもない。 新ろだ58 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ふぅ、流石に寒いねぇ」 俺こと○○は、一人渡り廊下に座り季節外れの月見をしていた 別に満月ですらなく、三日月とも半月とも呼べない中途半端な形をした月だけを肴にし、ちびちびと酒を呑む 場所は竹林の最奥、永遠亭 幻想郷に迷い込んだ際、妖怪におそわれその手当を受けたままなぁなぁで厄介になっている 本来ならば神社の巫女にあちら側へ送り返して貰うのが定石、というか普通一般にはみなそうするらしい のだが、別段あちらでしたいこともなし、流れに任せてみるのも一興かなぁと思ったのが運の尽きとでも言えばいいのか やたら俺に興味を持った人物が、そんな話をけしかけたのが事の発端ではあるのだが まぁそれが誰かといえば 「あら○○、今自分一人で月見?またずいぶんと酔狂ね」 そう、こいつである 黒く、床にまでつくほどに長い髪を持つ、日本人なら誰でも知っているであろう御伽草子のヒロイン かぐや姫こと蓬莱山輝夜その人である まさか当の本人だとは思わなかったが、話を聞く限りどうやら本物らしい 流石に御伽草子の登場人物とお知り合いになれるとは思っても見なかったわけで そんな人物から熱心にうちに住みなさいよ!とか言われたら承諾せざるをえないわけで 断れるわけ無いだろ、常識的に考えて いやほら、それ抜いても美人だしね輝夜って 男として、いや漢として断れないじゃない? 有り体に言えば惚れたのさ、一目惚れさ 「ん、輝夜か。何か用でも?」 ほろ酔いの顔を傾けて、輝夜の顔を視界に入れる 酔ってでもいないとまともに直視できない 初心だねぇ、とよく言われました 「用がなくては話しかけたらいけないのかしら?」 なんて言いながらにこりと笑う 畜生、卑怯だ可愛すぎるぞこいつ 「別にそうは言ってないけどね、一応こういうのはお約束だろう?」 「そういうものなのかしらねぇ。でもそれにしても時季がはずれ過ぎじゃない?十五夜にしても違うし、雪見というには時期尚早だし」 ふぅ、と軽くため息を一つ 「前にも言った気がするが、あんまり盛大に騒いで酒を呑むのは好きじゃないだけさ」 そういういかにも酒が合いそうなイベントでは必ず大騒ぎになる 酒は静かにちびちびと、が好きな俺にとっては以ての外 故に神社の宴会へも輝夜と永琳に、というか主に輝夜に行こうと言われているが断り続けている 酒を呑まなければ騒ぐのも構わないが、酒がその場にあるのに呑まない、というのもつまらない ふーんという声が聞こえたかと思うと、輝夜が横に腰掛けた 「…輝夜?」 「騒がなければ別に一人じゃなくとも呑めるわけね、だったら今ここで私と呑んでも問題はない、と」 ふふん、と得意げな顔をし上機嫌な輝夜 「ま、いいけどね」 言いつつちびちびと飲み続ける 酒の肴は今や微妙な月から輝夜との会話へと移行 やはり月などより美女の方が肴にはいい 先ほどより格段に酒が旨い 「ちなみにそのお酒何処から?」 「ああ、台所の奥にあったぞ。まったく、俺から酒を隠そうなんて百年早い」 「ああ、やっぱり」 なんか人を哀れむような目線を向ける 「やっぱりって何がさ」 聞きつつちびちびと、ではなく一度一気にあおる 「それ、永琳秘蔵のお酒よ?ばれて折檻で済めばいいわね」 ぶうぅー! 「げほっげほっそういうことは、もっとげほっはやくにだな…」 思わずあおった酒を吹き出す 酒が気管支に入るとろくな事が無い というか痛い 「あっはっはっはっはっは!まぁまぁ、ばれない程度に呑んで戻せばよし」 「戻せなかったら?」 「頑張ってね♪」 にこり、と殺人級の笑顔を向けて一言 ひでぇ、あんたひでぇよ 「冗談だって。そのときは一緒に怒られてあげるわよ」 からから、と一頻り笑ってふぅ、と息を整える 「はい」 ずいっと手を出すは輝夜 「…ん?」 「だから、はい」 ずずいっと 「いやだから何さ」 俺にお手でも求めているのかこのお姫様は 「何って、私の分の盃は?」 ああ、そういえば一人で呑むつもりだったので一つしか持ってきていない 今から取りに行くのは面倒だし、何より興が冷める さてどうするかと小考、一計を案じる 「輝夜、ちょっとこっちに」 こいこい、と手招き はいはいと応じる輝夜 それを見てから盃に酒を流し込み、それを更に自分の口へ含む 疑問符を浮かべる顔を掴み、状況を把握される前に素早く流し込む 当然のごとく口移しで 「ん~~~!」 数秒の口づけは口に含んだ酒を移し終わった刹那に終了 …………って 何をしてるんだ俺は 「あら、以外と大胆なのね」 された輝夜は、月明かりではわかりづらいながらも若干頬を赤らめる程度の反応 「酔いが冷めて猛省する姿が目に浮かぶわねー」 くすくすと笑う輝夜には口移しをされたことに対する反応は特に無い 「…冷める前から既に猛省してるわい。というか、されて嫌じゃなかったのか輝夜は」 んー、と思案をし 「そういう貴方は何で口移しなんてしたのかしら?」 質問を質問で返す輩は以下略 その質問に答えろと言うのですか貴方は 盃が無かったからと言うにも、その盃を輝夜に使わせればよかっただけであるし、何よりもそのようなことに及んだ最たる原因は 「好きだったから…かなぁ」 やっぱそれに尽きるんだと思う 何のかんの言っても一目惚れだしね、俺 「あらあら」 頬を赤らめるは輝夜 ん?今のもしかして声に出てた…? うわーい俺ってばだいたーん 今必殺の大暴露大会ですね 今まで一人でしか呑んでなかったから、自分がどう変わるかなんて把握し切れてなかったからかね 畜生、今日は厄日か 「それじゃあ答えね」 俺から一升瓶をひったくり、そのまま行儀悪くラッパ飲みの勢いで口に酒を含む 先ほどとは逆の関係で、酒を流し込む 酒を全て移し終わると、口づけは終了 「さぁ、私の答えは伝わったかしら?」 満面の笑み、恐らく自分が今まで見た中では最上級の笑顔を浮かべ 「これでも一目惚れだったんだからね?」 なんて、殺人的な一言まで発してきた くらり、と目が回る そのまま倒れそうになるのをこらえる 「さて、これでお互いの気持ちが確認できたわけだけど」 どうする?と蠱惑的な笑みを浮かべて誘ってくる 流石にこの輝夜なんて酒に溺れるのはまずい気がする が、それも一興である気がしないでもない いや、そうせざるをえない 輝夜から一升瓶をひったくり、同じように含みまた口移し 今度は口移し終わり、それを飲み終わっても続く長い口づけ 一分とも十分ともとれる口づけを終えると、その役割は交代する 酒が尽きるまでの無限ループ どちらが終えるともわからぬ行為を繰り返し、酔いは深くなる 「…んー」 昨夜はそのまま寝てしまったらしい 節々が痛いがそれよりも頭が痛い これは流石に 「おや、お早いお目覚めですね」 のみすぎた… 「え、永琳…お、おはよう」 ぎりぎりぎりとさび付いたように動かない首を動かして、ようやく顔が声の方向へと向く そこには鬼の笑みを浮かべた永琳が仁王立ち 鬼の笑みって何かって?殺気びんびんな笑みだよコンチクショウ 「昨夜はずいぶんとお楽しみだったようで。私秘蔵の日本酒を空にして姫様を籠絡してさぞ楽しかったでしょうね」 ろ…籠絡? 日本酒は勢いで空にしてしまった気がしないでもないが、と思いつつも辺りを見渡すと 明らかに着崩れして、この地獄の状況はなんのそのすっげぇ幸せそうな笑みを浮かべて爆睡中のお姫様 んふふー○○~そこはダメよ~は・ぁ・と じゃねぇですよ姫様 流石にその寝言は俺のデッドラインぶっちぎりですよ畜生 ぶっちぃんと 堪忍袋とか血管とかいろいろ混ぜて無いものも混ぜた物が一斉に切れた音 つまり俺の死亡フラグがたった音です わかれ 「さて、これから○○は私の実験…もとい説教に付き合って貰いますが異論はありませんね?」 あるとか言ったらこの場でバラすとでもいいそうな迫力 高速で首を縦に振りまくる むんずと首根っこをつかまれ、その場を引きずられて研究室へ連行 あわや実験体にされかけたところを遅れて起きた輝夜が気がつき事情を説明して平謝り ついで俺と輝夜の二人で平謝りして五時間正座で説教の後開放 事なきを得た 「流石に足が痛い…」 「私もよ…」 お互いに開放された後、研究室を出ながらお互いにぼやく うむ、流石にあの呑み方は危険すぎる 何より限度がない 今後はあんな呑み方は自重しよう なんて思った矢先 「ねぇ、また今度あれやりましょう?」 今度は怒られないように私の部屋でね なんて赤ら顔で言われたら、そんな豆腐如き脆い決心はすぐに崩壊 嗚呼、もう抜けられそうにもない 新ろだ160 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「暇ねえ・・・」 「暇ですねえ・・・」 と、ある竹林の奥の奥にある永遠亭で呟く二人 「○○ー、何か楽しいことないのー?」 「特にないですねえ・・・」 俺は○○。ごく普通の人間なのだが。 月から来た死なないお姫様に仕える人間。 ってだけで普通ではないかもしれない。 「もう・・・、なにか考えなさいよ。」 「そう言われましてもねえ。」 いつもなら永琳様や鈴仙がいるのだが、その二人は現在ほかの男たちと遊んでる。 従者で在りながら主と恋愛関係にあるというのは非常に失礼?なのかもしれないが、 姫様が望んできたことなので気にしないことにする。 「もう・・・、あなたは私のなんなのよ!」 この会話ももう何回したかも覚えていない。 それほど暇なのである。 「姫様の従者であり、輝夜の恋人ですよ。」 名前を言い換えてるのは自分なりのモットーである。 公私混合しない・・・ってのは違うか。 姫様は気にしていないようだが、やはりそれなりのケジメはつけておきたいし。 「暇ねえ・・・」 「暇ですねえ・・・」 っと、ここまでの流れはいつも通りだった。 「そういえば・・・」 姫様が口を開いた 「人間って本当に不便よねえ・・・」 「そうですかね?特に不便なことなんてないと思いますが・・・」 「不便よ。だって長くても100年・・・。赤子のときもあるから50年一緒に居れればいいほうなのよ? そんな短い時間で私を満足させれるのかしら?貴方は。」 確かにその通りかもしれない。 俺は普通の人間。 相手は死ぬことのない人間。 俺のほうが早く死ぬに決まってる。 「・・・俺が死んだら、姫様はどうしますか・・・?」 「そうねえ・・・、どうするかなんてわからないけど。 とりあえず泣くと思うわ。 泣いて泣いて、貴方のことを恨むわ。」 「恨まれちゃいますか。まぁ姫様を残して死ぬんだから当たり前ですよね・・・」 「貴方はどうするのかしら?私のために、何ができるのかしら?」 「俺は姫様の従者ですから・・・、命令されれば何でもしますよ。」 従者は命を懸けて主を満足させる。それが従者らしい。 「じゃあ私が貴方に死ぬな、って命令をすれば死なないのね?」 「勿論ですよ。まぁ永琳様の協力が必要になるでしょうが・・・」 「判ったわ。それだけで十分よ。 ただし、○○。」 「生きてる間は、私のために尽くしなさい。 私のために尽くし、死になさい。 これが命令よ。」 「難しい命令ですね。」 「そうかしら?これでも譲歩したつもりよ?」 「俺としては、生きてる間は姫様のために尽くし、 蓬莱人になっても尽くし続けたいんですがね。」 「ならばずっと生きてなさい。それでいいわ。」 主の満足気な顔。 それが恋人としての最高の笑顔である。 それを守るために俺は生き続けたい。 新ろだ426 ───────────────────────────────────────────────────────────
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――時は少し遡る。 その日、迷い竹林に住む不老不死の蓬莱人・藤原妹紅は不機嫌だった。同じ蓬莱人である永遠の宿敵・蓬莱山輝夜との決闘に敗れたためである。 否、それだけならばまだいい。次に勝てばいい話である。だが赦せないのはあの女、こちらが死んでいる隙に悪戯のつもりなのか磔にして帰りやがったのだ。 生き返った時には竹の破片で手足を縫いつけられ、拘束から抜け出すまでに随分と時間がかかってしまった。それに物凄く痛かった。ま悪辣外道にも程がある。 そもそも、妹紅と輝夜の因縁は今から千数百年前、奈良の都の時代まで遡る。 当時、輝夜は「なよ竹の輝夜姫」と呼ばれ、絶世の美女として都でもてはやされていた。数多の男達が輝夜に求婚し、そして玉砕した。その中に、妹紅の父親もいた。 父親が大恥をかかされた恨みから、妹紅は輝夜への復讐を決意。嫌がらせとして彼女が帝に贈った不老不死の薬を強奪し、その薬を口にして不老不死となった。 その後の数百年間、妹紅は転々と一所に留まれない暮らしを続けてきた。そして流浪の果てに辿り着いた幻想郷で月に帰った筈の輝夜と偶然再会した。 以来、積年の恨みを晴らすべく輝夜を襲う妹紅と、暇潰しに妹紅を返り討ちにする輝夜という、現在の不毛極まりない関係が完成されたのである。 「あの性悪女め、次に会ったら百万回殺す!」 新たな恨みと決意を胸に、妹紅は肩を怒らせながら竹林を進む。その時、妹紅の視界の端を赤い影が掠めた。何だ? 妹紅は足を止め、不審な赤い影を探して竹林を見渡す。 そして見つけた。何ということはない。ただの兎だった。輝夜が囲う連中の一匹だろう。見慣れない赤い上着を肩に羽織っているが、顔は見覚えがあった。 興味を失い、妹紅は鈴仙から視線を外して再び歩き出そうとした。だが不意に違和感に気づき、再び鈴仙へ振り向く。 ふらふらと頼りない足取り、足元に点々と続く血溜まり。あいつ、怪我しているのか? 妹紅の目の前で、鈴仙が大きくつんのめった。妹紅は咄嗟に駆け寄り、倒れそうになる鈴仙を抱きとめる。酷い怪我だ。妹紅は思わず息を呑んだ。 「おいっ!? お前、しっかりしろ!!」 肩を揺さぶりながら声をかける妹紅に、一瞬だけ意識を取り戻したのか、鈴仙が僅かに眼を開ける。 「月から…追っ手が……! 師匠達に……知らせ…なきゃ……」 消え入りそうな声で紡がれた鈴仙の言葉に、妹紅は愕然と目を見開いた。 東方儚月抄異伝 第二部~月の獣と地上の月兎~ 第五話「燃える竹林(後編)」 「――はじめまして。そして死ね」 突然の乱入者・妹紅は開口一番にそう口にした。 「……誰だ?」 「通りすがりのただの焼鳥屋さ。人よりちょっとばかり健康マニアのね」 胡散げな表情で尋ねるシンに、妹紅は悠然とそう答える。答えになっていない。シンは頭を抱えたくなった。次から次へと。俺はそんなに地上に恨まれているのか? それとも――例の八意永琳とやらの差し金? やはり奴は何かやましいことでも企てているのか。憶測を巡らせるシンの頭上から、妹紅が問答無用でスペルを放った。 ――不死「火の鳥―鳳翼天翔―」 燃え上がる炎の翼が大きく羽ばたき、羽根のように飛び散る火の粉が妖力を纏う。そして地上のシンめがけて一斉に撃ち放たれた。 雨のように降り注ぐ炎の弾幕を躱し、シンは飛翔。妹紅と同じ高度まで上昇し、銃剣を撃った。放たれたレーザー光線が妹紅の肩を抉る。 「……あれ?」 予想外の事態だったのか、シンの口から間抜けな声が漏れる。狙いが外れたのではない。寧ろ逆、まさか当たるとは思っていなかった。牽制のつもりで撃っただけなのに。 こいつ、弱いな。敵の予想脅威度を下方修正し、シンは銃剣を振り上げて妹紅へ突進。間合いを詰め、銃剣の峰で思いきり殴りつける。 垂直に振り下ろされたシンの銃剣を、妹紅は両腕を頭上で交差させて受け止めた。シンは体重を乗せて妹紅を叩き落とそうとする。が、妹紅は虚空を踏みしめて持ち堪えた。 シンは舌打ちし、とんぼを切って自分の身体ごと妹紅から銃剣を引いた。意外と力がある。一旦距離を取って銃剣を構え直し、シンは妹紅への認識を改める。 妹紅が虚空を蹴り、炎の翼を羽ばたかせながらシンへ突進。右手に妖力を集束し、拳を握ってシンに殴りかかった。 妖力を纏った妹紅の打撃を、シンは銃剣の腹で受け止める。瞬間、銃剣が蛇腹剣状に変形。更に節の結合が外れ、幾つもの刃に分離。手裏剣のように妹紅に襲いかかった。 身体中に刃が突き刺さり、妹紅が怯む。シンはすかさず距離を詰め、銃剣から右手を放して掌に霊力を集中。光り輝く右手を妹紅へ突き出し、霊力を炸裂させた。 ――霊撃「パルマ・フィオキーナ」 シンの右掌で霊力が爆発し、発生した衝撃波が妹紅を直撃。吹き飛ばされる妹紅を追い、シンは空を翔けた。 体勢を立て直される前に追いつき、蹴りを叩き込んで妹紅を地上へ落とす。妹紅は炎の翼を大きく羽ばたかせ、地面に激突する寸前で浮上。辛うじて墜落を免れた。 「これで分かっただろ? あんたじゃ俺には勝てない」 言外に投降を呼びかけるシンに、妹紅は「ハッ」と鼻で笑う。 「この程度で勝ったつもりか? 舐めるなよ月人。お前に私は殺せない」 「……警告はしたぞ?」 シンは鼻を鳴らし、刀身のない銃剣を再び構えた。あくまでも向かってくるのをやめないならば、こちらも容赦するつもりはない。 ジェネレーターが唸り、刀身の代わりにレーザーの刃が形成される。虚空を蹴り、シンは妹紅へ向かって急降下した。 銃剣を突き出して迫るシンに、迎え撃つように妹紅も炎の翼を広げて突進。拳に妖力を集中し、渾身の力を込めて打撃を放つ。 遅い。槍のように繰り出した妹紅の右ストレートを躱し、シンは銃剣を鋭く突き出す。レーザーの刃が心臓を正確に貫き、一撃で妹紅を絶命させた。 妹紅の身体から急速に体温が消えていく。終わったか。シンは妹紅の胸から銃剣を引き抜き――そこで異変に気づいた。死んだ筈の妹紅の口が動き、にやりと笑みの形に歪む。 ――「フェニックス再誕」 妹紅の死体が突如炎に包まれ、赤々と輝く火の鳥と化す。火の鳥は甲高い声で鳴き、火の粉の羽根を撒き散らしながら翼を広げてシンへ突進した。 シンは咄嗟に身を逸らし、火の鳥へと変じた妹紅の突進を避けた。だが火の粉の弾幕までは躱しきれず、掠めた火の粉がシンの顔や身体に火傷を刻む。 空中を舞う火の鳥が突如膨張し、まるで風船が割れるように破裂。炎が消え去り、妹紅が再び姿を現わす。服の胸元が大きく裂けているが、その下の肌には傷一つない。 「言っただろう? お前に私は殺せない、って」 絶句するシンに妹紅はそう言って鼻を鳴らし、「ふんっ」と手足に力を込めて身体中に食い込む刃を弾き出す。傷口がみるみる塞がり、瞬く間に見えなくなった。 「私が輝夜の奴と何百年殺し合ってると思ってるんだ。こちとら殺され慣れてるんだよ!」 ――不滅「フェニックスの尾」 雄々しい啖呵とともに、妹紅がスペルを発動。突き出された掌から炎の鞭が飛び出し、蛇のようにうねりながらシンの右腕に絡みつく。 炎に熱せられ、義手の表面が沸騰したように泡立つ。馬鹿な! シンは絶句した。月の特殊合金を溶かすだと? この炎は一体どれだけの熱量があるというのだ。 炎の鞭を両手で握りしめ、妹紅は「うおお」と叫びながらハンマー投げのようにシンを振り回した。勢いをつけ、そのまま地上へ容赦なく叩きつける。 竹を薙ぎ倒し、シンはバウンドしながら地面を転がった。死んだか? 妹紅が注意深く見下ろす中、シンがもぞもぞと動き出し、銃剣を杖代わりに立ち上がる。妹紅は舌打ちした。 「……お前、一体何者だ?」 顔の血を手の甲で拭い、シンは警戒の表情で妹紅を見上げる。シンの問いに、妹紅は「ふふん」と鼻で笑った。 「言っただろう? ただの健康マニアの焼鳥屋だって。――不老不死のな」 不遜な笑顔で答える妹紅に、シンは――どや顔がムカついたから取り敢えず頭を吹き飛ばした。 「痛っ! いったぁっ!? いきなりヘッドショットって容赦ないなお前!? 死んだらどうする!!」 まるで時間を巻き戻すように頭が再生し、妹紅が猛然とシンに抗議した。マシンガンの如くぶつけられる妹紅の罵詈雑言を聞き流しつつ、シンは頭をフル回転させる。 不老不死。確かレイセンの話では、八意永琳は不老不死の薬を作ったと言っていた。彼女はその薬を飲んだのだろう。つまり――八意永琳の仲間か。 「……成る程、不老不死か。仮想敵にはちょうどいいな」 レイセンによると、八意永琳も不老不死の可能性が高いらしい。戦闘の可能性が濃厚である現在、敵の情報は少しでも欲しい。彼女には悪いが実験体になって貰おう。 暗い微笑を浮かべて呟くシンに、妹紅が剣呑な表情で睨む。妹紅にとって、不老不死と言えば当然、宿敵である輝夜を指す。やはりこの男は輝夜を連れ戻しにきたのか。 「――それで? 不老不死ってのはどれだけ殺せば死ぬんだ?」 「お前も分かんない男だな。不老不死ってのは、「死なない」って意味なんだよ」 妹紅が背中から炎の翼を再び発生させ、シンが銃剣を構え直す。二人の視線が交差し、殺気と闘気がぶつかり合う。一瞬の静寂。そして――二人は同時に動いた。 ――神機「フルウェポン・コンビネーション」 シンが銃剣を構えてレーザーを連射。無数に放たれる光線を躱しながら、妹紅はお返しとばかりに火炎弾の雨を降らせる。 降り注ぐ火炎弾の雨を掻い潜り、シンは地面を蹴って空へ飛翔。銃剣をブーメラン状へ変形させ、妹紅めがけて投げつけた。 風切り音とともに飛来するブーメランを躱し、妹紅は虚空を蹴ってシンへ接近。右拳に妖力を集中して殴りかかった。 迎え撃つようにシンも右手に霊力を集束し、妹紅の拳を掌で受け止めた。二人の間で妖力と霊力が火花を散らして激しくせめぎ合い、そして遂に暴発。 爆発で義手の外装が砕け、内部のフレームが露出する。一方、生身で直撃を受けた妹紅の右手は、無惨にも手首から下が消し飛んでいた。が、すぐに再生した。 妹紅が間髪入れずに弾幕を生み出す。だが次の瞬間、戻ってきたブーメランが背後から妹紅の身体を両断した。 追い討ちをかけるように、シンはキャッチしたブーメランを大剣へ変形させ、血飛沫とともに宙を舞う妹紅の上半身を袈裟がけに叩き切った。 三つに解体された妹紅の身体はそれぞれ燃え上がって火の玉となり、再び一つに合体。炎の中から妹紅が復活する。 キリがない。シンは疲労の滲む顔で唸った。殺戮機械として完成されたシンの攻撃は、その全てが必殺の一撃。だが今は逆にそれが仇となっていた。 たとえ死に至る攻撃を喰らわせても、死と同時に戦闘のダメージが全てリセットされてしまう。殺しても死なない敵。殺戮機械であるシンにとって、妹紅はまさに天敵だった。 だが不幸中の幸いと言うべきか、どれだけ斬り刻んでも再生するのはどうやら一人だけらしい。これがプラナリアよろしく斬るたびに分裂されたら流石に手に負えなかった。 妹紅が再び弾幕を放った。超高密度で放たれた火球の嵐を掻い潜り、シンは銃剣のエネルギーをチャージしながら妹紅に接近。 突き出される妹紅の拳を手首ごと斬り飛ばし、鼻先に銃口を突きつけて躊躇なくトリガーを引く。瞬間、大出力レーザーの零距離砲撃が妹紅を消し飛ばした。 消し炭となった妹紅を油断なく睨むシンの肩に、ぽんと何かが乗る。斬り飛ばした妹紅の手首だった。 払い落とそうと伸ばしたシンの左手を、次の瞬間、妹紅の手首ががしりと掴む。直後、手首の切断面から炎が噴き出し、瞬く間に妹紅の全身が再生された。 驚愕に目を見開くシンの腹に、妹紅の貫手が突き刺さる。内臓を抉られ、シンは吐血。浮遊状態を保てずに落下する。 「残念だったな。蓬莱人ってのは生命力だけが取り柄でね、髪の毛一本でも残っていれば生き返っちまうのさ」 「……そうかい。そいつはいいこと聞いたな!!」 指先に付着した血を舐めながら凄絶に笑う妹紅に、シンは負けじと叫び返す。絶対不変の存在などシンは信じていない。無限の寿命を持つ月人でも殺せば死ぬのだ。 髪の毛一本でもあれば復活する? ならば髪の毛一本すら残さず完全消滅させてやる! 全身に力を入れて空中で踏ん張り、シンは叫んだ。 「地球へ出張だ! 来い――デスティニー!!」 轟く怒号とともに一条の光が天空からシンに突き刺さる。月から召喚した“デスティニー”の御霊と憑依合体し、シンは大きくその姿を変えた。 全身を神気の光が包み込み、背中に一対の翼が出現。両手を蒼い手甲が覆い、頬に血涙のような赤い筋が走る。 変身が完了し、シンは抜き撃ちでレーザー光線を放つ。ノ―チャージで放たれた大出力レーザーが妹紅を呑み込み、その身体を消し炭に変えた。 だが炭化した妹紅の表面に亀裂が入り、蛹が羽化するように中から妹紅が復活する。この程度では火力が足りないか。シンは舌打ちし、銃剣を背中のラックに装着した。 両掌に神気と霊力を集束し、背中の翼からフレアを噴出させながら飛翔。閃光のように妹紅へ接近する。 ――憑神「デュアル・パルマ・フィオキーナ」 激烈な光を両手に宿し、シンが鋭い双掌打を繰り出す。だが妹紅は身体を屈め、突き出される両腕の下を潜ってシンに肉薄。霊撃が頭上を掠め、妹紅の長い髪を焼き切った。 妹紅は膝を伸ばして立ち上がり、前方へ伸びきったシンの両腕を内側から両手で左右へ弾く。両腕を無理矢理広げられたシンの顔面に、妹紅は渾身の頭突きを叩き込んだ。 怯むシンの懐から飛び退き、妹紅は右手に火の玉を生み出した。火の玉の中から、どういう手品か数枚の護符が出現。妹紅の手の中に握られる。 右腕を振るい、妹紅が護符を投擲。正確に放たれた護符がシンに貼りつき、爆発。まるで高圧電流でも浴びたような衝撃と激痛に襲われ、シンは絶叫した。 「妖怪退治用の攻撃符だ。その鎧みたいなの、妖怪なんでしょ? だったら効果は抜群だろうね」 悶絶するシンを眺めながら、妹紅はそう言って右手を掲げた。背中で燃える炎の翼が、吸い寄せられるように渦を巻きながら掌に集束。まるで太陽のように激烈に輝く。 「そしてこいつはおまけだ――喰らえ!!」 ――蓬莱「凱風快晴―フジヤマヴォルケイノ―」 瞬間、掌の火球が爆裂。解放された炎の塊が顎門(あぎと)を開け、シンの片翼を喰い千切った。シンの顔を冷や汗が伝う。間一髪で躱したが、とんでもない威力だ。 一方、渾身のスペルを惜しくも躱され、妹紅の中には徐々に焦りが生まれていた。拙い。ただでさえ輝夜との決闘で消耗しているのだ。戦いが長引けばこちらの体力が保たない。 腹に大穴を開けられている身で、よくも持ち堪えるものだ。異常とも言えるシンのタフネスに、妹紅は忌々しげに歯噛みした。 妹紅の変化を、シンは敏感に感じ取っていた。息が上がっている。疲弊しているのか? どうやら再生能力がずば抜けているだけで体力まで無限という訳ではないようだ。 シンの発見は、この不死身の敵を打倒するひと筋の光明となった。要するに、向こうが二度と立ち上がれないほどに体力を削ってやればこちらの勝ちなのだ。 とはいえシンの方もかなりのダメージを負っている。特に腹の傷が酷い。ここから先は我慢比べだ。先に力尽きるか、最後まで立っているかが勝負の分かれ目だった。 この時、シンと妹紅の思考は、ある一点において奇しくも一致していた。即ち――持てる限りの最大限の攻撃を叩き込み、速攻で敵を潰す。 シンが背中から銃剣を引き抜き、妹紅が炎の翼を噴出させる。戦いは遂に最終ラウンドを迎えようとしていた。 ――続劇
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輝夜10 ツンデレ輝夜2(新ろだ2-335) ――――俺がお前を殺してやる。 ――――分かったわ。 今日もよろしく熱っつい夏が全開である。 気が狂ったかのような太陽は見境なく人里の屋根を襲っていた。 その人里では、寺子屋の女教師が能力持ちの外来人にフラれたと噂になっており、人里の男共は「慰めて、つがいになる!!」と鼻息を荒くして、今日の夏祭りに誘おうと躍起になっている。 そんな情報も、疑う事なくこの○○宅にも舞い込んでいるのだが、どうにもそんな色恋沙汰は話の種には成らないようだった。 とんとん、とリズミカルなビートが止まるのを川きりに、○○は口を開く。 「あのさ、なんで、午前中から、居る訳よ? 用具箱を持って来てくれたのは、まぁ、嬉しいけど、人口密度高くない? おい、そこ、勝手に料理作るな」 「本当に器が小さいわね。 背だけはデカいくせに。 そういうのなんて言うんだっけ?」 「ウドの大木ですね。 あの、○○さん? 火を付けて良いですか? 味噌汁を作りたいなぁ~って」 「待て待て。 家主に断りなく、○○さん家のエンゼル係数を、存分に上げる気ですか?」 「朝飯食ってないからぁ~ね。 腹が減ったら、戦は出来ぬって言うでしょ? ○○? 言わないの?」 「おいおい、輝夜さん。 貴方は人ん家の食材を使って、朝飯を作ろうと? この家は食材も台所も貸し出していませんよ?」 「えっ? 有料?」 「突っ込むとこ、そこ!? 話の流れから、使うなって言ってたけど!! 会話のキャッチボールが成立ってない気がするけど!!」 そんな会話を続けている、いつもの三人。 鈴仙は玄関近くに備え付けられたあまりに粗末な台所でエプロンを身に着け、料理に勤んでいる。 土間など伝統的なものを匂わす台所には最低限の設備しかない。まな板一つで大半が圧迫されるスペースには料理し難さが詰まっていた。 ○○はそんな台所に忍び足で向かう。 言わずとも、前日のようなギスギス感はなく、調子も常の通りになってはいた。 だが、何ともまぁ……○○に教えもらった『アンパンマンのマーチ』を口ずさんでいる輝夜はだらだらと横になり、絶賛人生怠慢中。 あの絶世の美女と謳われたかぐや姫がここまでになるとは、本当に七つの大罪の一つ――怠惰とは恐ろしい。 「止めて下さいよ!!」 そんなところに、台所から座敷へ、逃げるように戻った○○は、エプロン姿の鈴仙が握っていた大根を取り上げて、冗談半分に遊んでいた。 「ああ、取らないで下さいぉ~よ!!」 とそれを追って、飛び跳ねる鈴仙に、 「ほらほら、朝飯抜きになるぞぉ~」 と、取られないように大根を天井高く掲げているのは、小学生の頃、好きな相手に嫌がらせをするアレを思い返させる映像だ。 一方の鈴仙は、○○に対してすんごく真面目な顔をして大根を取り返そうと、ぴょんぴょん、と床を軋ませながら飛び跳ねている。 浮けばいいじゃないかとツッコミを入れたくなるが、彼女自身そんな事は毛頭考え付いていなかった。 必死に取り返したいのだから、仕方がないのだろう。 「もう、○○さん!!」 「これは俺の晩ご飯なんです!!」 そんなやり取りの中、この○○宅でひしひしと疎外感を感じている人物が一人。 言わなくとも、先程まで、「愛とッ勇気だけが友達さぁぁ」――と口ずさんでいた人物だ。 目の前で楽しそう(輝夜目線)に遊んでいる○○と鈴仙を見ていれば、それは、その遊びに入りたくなるもの。 輝夜はそっと、 「んっ!! 今よ!!」 と、○○の右足に全身を使い、抱き付いた。 「あぶっ――」 ――ムニュ と足のふくらはぎが一対の山に挟まれた感覚。 勿論、山はたんぱく質と他諸々で構成されている。 足に押し付けられた圧倒的な質量感が、彼の感覚細胞を伝わって、厳重に管理された大脳中枢部を完璧に覚醒させた。 それは男性なら誰もが夢見るロマン。 希望の果実。 夢の塊。 それは、 (ち・ち!!) ○○の頭に、ふっ、と一つの思い出が蘇る。 あれは二週間前の出来事である。 いつものように輝夜が○○の家で、彼の帰りをだらだらと待っていた日だった。 本来、その日は、○○の人里でのアルバイトが短時間で終わる日だった。 無論、輝夜もその事を知っている上で、座敷に上がっていたのだが、不覚にもそのアルバイトが長引いてしまい、○○が帰ったのは、日が暮れた後だった。 彼はもう帰っただろう、と考えながら、自宅の戸を開くと、 「!!」 月の光に照らされた可愛い寝顔の輝夜が小さな寝息を立てて、お出向かいしていた。 それは、○○の脳内フォルダに記録されているが、問題はもう一つの方だ。 まぁ問題というのは、横を向いていたせいで、胸元が空いてしまい、豊満な谷間が見て取れたという訳で。 実際、輝夜の胸はよくてBだなと確信していた○○には、凄まじい衝撃だった。 そして、EからF辺りという隠れ巨乳というポジションに輝夜は見事ランクインしたのだ。 言わずとも、好青年○○は、輝夜を家に返したのち、夜の布団内ではフィーバーしたのは…………。 そんな訳で、今、輝夜のに挟まれた足から伝わる感覚が、色々と大変で、前で鈴仙が飛び跳ねる度に香る女性の甘い匂いもやばい。 ○○の頭に嫌な映像が過ぎる。 (下半身が無くなる!! キモい!! とか言って、吹き飛びますよ!!) 「返して下さいよぉ~!」 決め手として、勢いあまって跳んだ鈴仙のバストアタックが○○の腹部にクリンヒットした。 追撃と言わんばかりの、「あっ…………ごめんなさい……」と一歩退く鈴仙の姿が○○のセンセーションを頂点まで迫り上げ、 「早く私達のあさめ……し?」 輝夜の声を尻目に、あえなく自己陥落した○○は、天に掲げられた大根を、鈴仙に賞状授与さながら、ゆっくりと差し出す。 豆鉄砲を食らったような顔をした鈴仙は、 「え…………は、はい!!」 と、ドタバタした様子でその大根を丁寧に受け取った。 大根を、絵画のように扱う映像はシュール過ぎる以外のなにものでもない。 「面白くない……」 押し付けられた、までとはいかないが、触れたままの質量感から、輝夜の声が嘯いた。 ○○としては、面白く無くても結構なのだが、少しは自分を男だと見て欲しい。 また、輝夜自身が女だと自覚して欲しい。 「私だったら、もう少し、やるじゃない。 なんで、鈴仙には甘いの?」 輝夜の方を向くと、彼女は口を尖らせていた。 「っつか、今日、テンションおかしいぞ、輝夜?」 「質問に質問で返すなんて、愚問ね」 「えっとな、愚問でいいから、少しどいてくれ。 壁の補修が出来ない」 「そうね」と言い輝夜は体を引いた。 ひとまず、下半身が吹き飛ぶ問題を解消した○○は息を吐き、ペタリと床に座る。 そんな拍子に、自宅のボロい台所に目を向けると、鼻歌混じりで大根を斬っている鈴仙。それなりに手際よく進んでいるようだ。 新婚夫婦ってこんな感じかなぁ~とその紫色の後ろ髪に○○は釘付けになる。 「何よ、料理さえ出来れば、良いと思ってるのかしら」 その声に振り向くと、なぜかムスッとした輝夜がいた。 「僻みにしか、聞こえないぞ。 それ」 「私だって、練習すれば出来るもん」 「いや無理だろ。 お前、不器用だもん」 「人間、やれば出来る。 鈴仙だって、この頃、料理始めたんだから、私も出来るもん」 妙に料理が出来ると自信満々に胸を張る輝夜を見ていると、○○は近所のガキを思い出した。 小さい子は何も知らないから、自信があるのだ。 「料理にはセンスが必要なんだよ」 「私にはセンスが無いみたいに言わないでよ」 「じゃあ、手伝ってこいよ。 うどんげの事」 ○○は顎で鈴仙を指す。 今、丁度、味噌汁に切った具材を入れたとこれであった。 白米は今朝、○○が炊いた、残りを温め直して食べるのだろうか。 水分を含んで、ベチャベチャ、に成る気がしてならない。 が、炒飯にすれば問題ないかと○○は適当に納得した。 「嫌だ」 輝夜は面倒臭そうな顔をして首を横に振る。 「なんで?」 「私、料理、出来ないから」 はぁ、と○○は溜め息を吐いた。 「そんな事言ってると、また明日、ってなるから、料理の腕、上手くならないぞ?」 「でも、」 輝夜はまだ、首を振る。 これは駄目だと思い、○○は立ち上がり、輝夜の手を強引に引く。 ○○が思ったより彼女の手は一回り小さく感じた。 「ほら、行って来いよ」 手を掴まれた事に呆然とした輝夜を立たせ、包丁を使う鈴仙の元へ催促した。 「えっ、でも、」 何処か浮かない顔の輝夜。 「分からなくなったら、この定食屋の準店員が教えてやるからさ。 ほら、行け」 手伝ったら空いた穴を直す事は出来ないけどな、と思いながらも○○は、ドンッと輝夜の背中を押す。 輝夜は一度、振り向いて、弱々しい視線を○○に送ったが、結局、鈴仙に歩み寄った。 そして、輝夜が、もじもじと背後で指を絡めながら、 「わ、私にも手伝わせて」 と言ったのを見ると、こちらが微笑ましくなる。 なんだか、親みたいな気分だな。と○○は心の中で呟いた。 そして、床に胡座を掻き、二人の後ろ姿を眺める。 しかし、最初の内は、そんな朗らかな気持ちではあったが、見ているにつれ、段々と悲しくなった。 いつかは、別れてしまうのか、と考えると、胸が縛り付けられたような言葉に出来ない感情が○○の中に姿を現した。 (いつかは……か) しかし、そんな感慨深い事を考えていても、 「○○~、指切ったぁ~」 と輝夜の自分の指に悲哀した声がそんな思考を遮る。 それが、理由もなく笑えて、妙に心が踊った。 ○○は笑みを噛みながら、立ち上がり、鈴仙が○○に助けのまなざしを送り、輝夜が切った人指し指を口に咥えている台所に、一歩、近付く。 本日、二回目の朝飯を腹に入れ、さて、穴を埋めますかと息込んだ時だ。 味噌汁の匂いが充満しているのはあまり好かない。 が、今更言っても仕方あるまい。 そんな事を○○が考えていると、 「あのさ。 ○○?」 壁に寄り掛かり、『アンパンマンのマーチ』を口ずさんでいた輝夜が何気なく言った。 「ん?」 ○○は食器を洗い終え、タオルで手を荒く拭いている。 片付けをさせられたのは、不服だが、女の子の手料理を食べれたのでイーブンと言ったところだ。 丁度、彼がタオルを洗濯籠に放り込んだ時だろうか。 輝夜が思い立ったように口を開く。 「恋の病って治るのかな?」 「「えっ?」」 部屋の隅の本棚から取り出した本を黙々と読んでいた鈴仙と○○の声が見事に一致した。古びた本が手元から落ち、盛大な音を上げた。 そして、刹那の静けさ。 「ねぇ? 聞いてる?」 「あっ、ああ」 正直言うとあまり理解していないが、一応、流しておこうと思った○○は自然な動きを心掛けて、輝夜のすぐ脇に腰を下ろした。 鈴仙も同様に本を閉じ、視線を意味不明な事を嘯いた輝夜に変更した。 「もし、治らないなら、困ったものね。 馬鹿と一緒でしかも、」 自分の世界を拡張中の輝夜は真剣な顔をして語った。 「私、死ねないから一生治る見込みないわ」と。 そんなあまりに槃根錯節な言葉に○○は喉を詰まらせる。勿論、鈴仙も目を点にしていた。 そんな輝夜は小さな女の子ように伸ばしていた足をばたつかせる。 「恋の病で苦しみ続けたら、どうしようかなぁ~」 そんな子どもらしい行動をよそに○○は視線を鈴仙に向ける。鈴仙も鈴仙で○○に目をやる。 二人の視線がぶつかるとふと、○○は聞いてみたくなった。 「恋の病って、何?」 恋の病のゲシュタルト崩壊が起こり、もしかしたら、恋の病は感染症かもという、予感が脳裏を過ぎった故、質問したのだが、 「……えっと、好きな人が他の女子と話してるのを見たら、病状が露呈する病……?」 やはり、可愛いらしく頭を傾げる鈴仙が言うように常識の定義でよろしいようだ。 「そうよね。 そう、胸がキューと締まる感じのアレよね」 二人の会話に割り込んだ輝夜は自分の言葉に何回も頷いた。 一人納得されても、残り二人には理解されていない訳で、その後の会話は成立たない。 「…………あっと、え~と。 アン、アン、アンパンマン」 ○○が苦し紛れに歌った歌詞に、 「優しい君はいっけ、みんな夢、守る為ぇ~」と輝夜は妙なテンションで返した。 ぽかんと口を開けたままの○○と鈴仙を尻目に輝夜は次のお題を提出する。 「そう言えば、何で空は青いのかな?」 答えられる問題に気を取り直して、○○は言葉を返す。 「それは窒素とか空気中にある色んな分子のせいで光の散乱が起こってだな……」 ○○は気付く。輝夜が話を聞いていない事を。 また、輝夜はお気に入りの『アンパンマンのマーチ』を口ずさんでいた。 「おい、自分で話振っておいて、」 「そう言えば、あの噂、幻想郷中に結構、広まったね」 「ああ、そうだな。 それよりも――」 「――あの噂?」鈴仙が正直に疑問符を浮かべた。「何ですか、それ?」 「それはね、もう、知ってるわよ。 鈴仙は。 ねぇ?○○」 輝夜は自然な笑みを浮かべて、○○の方に顔を向ける。 そうすると○○は少し顔を赤らめ、背けた。 思った以上に輝夜の綺麗な顔が近かったからだ。 無意識に彼女の隣りに座っていたからであろう。二の腕部分が触れ合っていたのも気付いていなかった。 「あ、ああ」 顔が赤いのはを悟られないよう、ぶっきらぼうに○○は呟く。 片や輝夜も彼の少しおかしい態度に疑問を感じながらも、目の前で興味津津な鈴仙に噂に付いて言葉を放つ。 「なんか、おかしな○○。 そうそう、鈴仙、噂というのはね」 そんな輝夜を横目で見て、おかしいのはそっちだ、と言い返したい○○。 今日はおかしいことずくめなのだ。 前触れもなく話をし始める事もおかしい。鼻歌を歌っているのもおかしい。朝早くからやってきた事もおかしい。 俯瞰すると、何となく落ち着きがないように見える。 祭りに行きたくて逸る気持ちは分かるが、まだ、日が頂点を過去ってもいない。 「それ知ってます!! 夜な夜な現われる狼男の話ですよね!? 人だけじゃなく何でも切り裂いちゃう奴!! 結局、誰も狼男を見付けられないってオチだったような」 「そう。 しかも、それは私達が広めたのよ。 私が噂を作る事を提案して、話は○○が考えたけれどね!! 暇つぶしがこんなに広がるとは思ってなかったわ」 「なんか、嬉しくなりますよね。 そういうの」 しかし、彼がおかしいと思ったのはそれだけではない。 いつもから、感じているのだが、無意識な行動時にはこんなに積極的なのに、意識するとツンツンし始めるという事だ。 今のように、肩を寄せ合い、まるで恋人同士のように近くとも、何とも思わない輝夜だが、例えば、意識的に手を繋ぐとか、肩を揉むなどに対しては、頬を紅潮させて怒鳴り散らすのだ。 時々、そのギャップにキュンッ!!としてしまう○○ではあるが、そんな二面性がなければ、案外、△△はコロッといってしまうのではないかとも○○は考えてしまう。 恐らく、己自身も。 「なぁ、輝夜」 「ん?」 ○○の鼻先に輝夜の吐息があたる。 ――ホント、可愛い顔してんな。 自分の正直な感想に少しの恥ずかしさを感じた○○は 「俺達、近すぎじゃないか? 物理的に」 と○○はなるべく冷静を装うように簡潔な言葉を放った。 やはり、と言うべきか、輝夜の顔が緊急スイッチを押したかのように瞬時に紅潮して、バッと目に止まらなぬ早さで、立ち上がった。 「な、なんで私に近寄るのよ!!変態!!バカ!! 包丁の使い方を教えてもらった時もかなり恥ずかしくて仕方かたなかったのよ!! 普通、あんな教え方する!? あの時は教えてもらってたから、強くは言えなかったけど……もしかして、アンタ、私に気があるの?」 輝夜は、精密な顔のパーツ達を微妙に不快そうに歪ませた。 そんなに○○に好かれる事が嫌らしい。 一方の○○は不快感も感じずに鼻で笑い、「万一あっても言わねぇーよ」と軽い調子で答えた。 勝てない勝負はしない主義の彼らしい回答だ。 ○○と向かい合う輝夜は当惑に目を開き、 「何で?」 「何でって、お前は△△の事が好きじゃんか。だから、俺が輝夜の心に入り込む事は無理かなってさ。 一応、恋愛経験はナシだけど、女心は少し分かってるつもりだぜ? あと、本当に好きな訳じゃないしな」 本当に女心を理解しているのなら、輝夜とも些細な事柄で喧嘩に発展するはずがない。 まぁ、彼がそう自分を認識しているのだから、それでいいのであろう。 「……バカ」 意に満たない答えなのか、輝夜は不満そうに小声で言った。 「バカって、俺は正論だと思うけどな」 「……………………やっぱり何でもないわ。……バカも取り消しね」 「ふ~ん」 ○○は小さく疑問を頭に浮かべながら、でっかい欠伸を噛み殺し、背中の壁に体を預けた。眠気を催してた原因は先程、胃に入れ込んだブランチのせいだろう。 あと、昨日一日、輝夜に振り回された疲れと、座敷で博麗と二人っきりで居た際の緊張も要因か、と○○は鈴仙のウサ耳をぼんやり眺めて、思った。 (意味が分かんないッ) 輝夜は自分の言ってしまった事に心の内で繰り返し、否定をしていた。 無論、荒れ模様の心情とは違い、鈴仙や今にも寝そうな○○にバレないよう、顔は冷静を装っている。 「座ろうかな」 と輝夜は口にして、なるべく○○と離れるようにと正面玄関から対にある壁に寄り掛かり、ズルズルと尻を座敷に付けた。珍しく、小さな体育座りもした。 鈴仙も○○もチラッと視線を向けただけで、大きなリアクションはなかった。 そして、先程の意味不明な発言について彼女は考察を始める。 そもそも、何故“バカ”と○○に言ってしまったのだろう。今回は○○は何にも悪い事はしていないはずだ。恐らく、自分自身が何かに期待をしていた。 (もしかして、○○に、好きだって、言って欲しかったの?) 違う、と輝夜は心の中で首を振る。 私が好きなのは、△△だ。と。 ○○はただの仲の良い友人だ。と。 私は○○に好きだなんて言われても、嬉しくないと。それ以上に只の迷惑なんだと、輝夜は自分に言い聞かせるように、何度も唱えた。 呪文のように。 (そうよね。私が好きなのは△△で、もし付き合えたら○○の家に一々、来なくていいのよ。それこそ、楽じゃない) 「…………、」 輝夜は顔を見せないようにと両膝におでこを当てて、唇をギュッと噛む。 それこそ、違うのだ。 この家に居る事や来る事は決して彼女の苦痛になっていた訳ではない。それよりも退屈な毎日の中で、楽しみになっていた。 もし、△△と手を繋いでいたら、○○とはずっとは一緒に居れなくなる。理由は○○が一歩退くから。 もし、○○とずっと一緒に笑っていたのであれば、△△との恋は成就しなくなる。理由は輝夜が前に進めないから。 (友情と愛情を選ぶなら、今の私なら) ――分から……ない。 彼女は毎日、寝る前に手を繋いだり、キスをしたり、色んな妄想を膨らませるほど、△△が好きなのだ。今日、一緒に祭りで居れるのも死ぬほど嬉しい。 だから、こんな意味が分からない言動で緊張をどうにか、とどめようとしているのだ。 しかし、何も分からない。 心がもやもやしたままで、霞みがかかっているようで、何も見えないのだ。 「姫様?」 その声に反応して、輝夜は顔を上げる。 「どうかしましたか?」 すぐ目の前で、鈴仙が厚手の本を片手に心配そうな表情をしていた。 ついでとばかりに、膝の痕がついている輝夜のおでこに手を当てた。 「熱は……無いみたいですね」 「今日は皆で頑張る日でしょ? 熱なんか出せないわよ」 「そうだよな、皆で頑張るんだよな。絶対、手を繋いでやるぜ。どうせ、出来ないけどさ」 眠そうだった○○が気楽な笑みを噛む。 一方、鈴仙は彼女らしくもないニヤついた笑顔を浮かべていた。 鈴仙は博麗の巫女が○○を慕っている事を昨日、鉢合わせたので気付いていたのだ。 だが、鋭い時は鋭い輝夜は今回は全くそんな事に気付いてなかった。 5人の王子から求婚がこようが、何だかんだ言っても、彼女は恋愛には疎い。 5人とは言っても、所詮、結婚未遂であり、男性経験も一度もない。 ましてや、夜の営みなど体験した事もない。 永琳の話を聞いて、学習しているだけで、決して、○○に対して胸を張れる立場ではなかった。 「私は手を繋ぐなんて、通り越して、もっと大人な事するから」 輝夜は澄まし顔でまた適当な言葉を放った。 「なぁ?霊夢?」 黒いとんがり帽子を被るブロンドの少女――霧雨魔理沙が隣りに座る黒髪の少女――博麗霊夢に気の抜けた様子で話し掛けた。 彼女達がいるのは、博麗神社まで続く石段の一番上の段だ。少し遠くに目をやれば、人里から博麗神社まで敷かれたお祭コースには、露店が意気揚々と構えている。 とってもご苦労様な事だが、そんな小さな事柄は目に入らない霊夢。 「いきなり、何よ」 「頑張れ」 女の子らしく股を完全にクローズしている魔理沙が何か含みのある言い方をした。 「突然、何言ってるの?」 霊夢は一応、疑問系で言葉を返した。何を頑張れと言われたのか分かってはいたが、自分からその話を切り出すのは何だかんだ恥ずかしいのだ。 一方の魔理沙はポカーンと口を開けて、 「○○の事だよ。○・○!!」 「ああ、○○さんの事ね。勿論、頑張るわよ。一緒に祭りを楽しむ予定だし」 霊夢の淡々とした言葉に大きな溜め息を吐く魔理沙。 「それだけじゃないだろ? 告白は? しないと私に先越されるぞ? 私も今日、好きだと言うから」 「分かってるわよ。そんなの……でも、」と声のボリュームが尻すぼみに落ちる。 「……だよな。緊張する」 そして、まるで事前に打ち合わせをしていたのか、 「「はぁ~」」 と全てを吐き出すよな重い溜め息が彼女達の口から出た。 そう、魔理沙と霊夢がこの石段最後段に座っている理由は、 別に死期を悟って、黄昏ていた訳ではなく。 将来、どんな自分がいるのだろうかと未来予想図を描いていた訳ではない。 ただ、告白と言う人生初の一大イベントへの緊張を紛らわす為だ。 そんな霊夢がハッと目をめいいっぱい見開いて、魔理沙の肩をグラグラと揺らす。 「ま、魔理沙、どうしようッ!! 私、なんて、告白するんだっけ!?」 「……止めてくれ」 「どうして!?」 魔理沙を揺らす腕は止まらない。 しかし、魔理沙ががっちり、霊夢の腕を掴み、何とか止める。 「私も忘れるから止めてくれッ!!」 「それは、ごめん……」 と霊夢は魔理沙の肩から手を退けて、ガクッと自分の肩を落した。 (一晩中、考えたのに) 昨日、というか一週間前から寝る前の習慣になりつつあるエキサイティングな妄想そっちのけで、考えに考えた言葉が出てこないのである。 今日も朝からリフレインをしていたはずなのだ。最初の一文字さえ出てくれれば、全て思い出す気がするのだが、 「駄目だ……魔理沙。私、駄目かも。思い出せない、抱き付くんだっけ……手を握るの……分からない!! 失敗する!!」 「……言わないでくれ!! 私も駄目になりそう!! 失敗なんて、そんなの嫌だぁぁぁぁぁ!!!!!」 「どうしよ――」 魔理沙がものすごいスピードで立ち上がる。 「――そうだ!! こんな時こそ、神頼み!! 私の日々の善行がここで発揮されるチャンスッ!!」 「はっ!! ここは神社!! 私達を恋愛の神様も見守っているはずよ、魔理沙!!」 「うん!!」 腋丸出しの巫女服を着用している霊夢が神社兼自宅にいることを忘れるのは、びっくりだが、自覚している神職者が神様にこびる方が何かとびっくりである。 それを許容してしまう魔理沙も魔理沙だ。 「じゃあ、お賽銭はいいから、」 魔理沙は「分かってるってッ!!」と言いながら、猛ダッシュで賽銭箱前に仁王立ち。 二礼したのち、カランカランと鈴を綱伝いに思い切り振る。 「届け私の苦悩!!」 と叫び、魔理沙はパンパンと手を叩き、手を合わせて一礼。 「魔理沙……」 何故か、心配そうに霊夢は魔理沙の近くに歩み寄る。 「なんか、」 グルンと衒うように回った魔理沙はニカッと人懐っこい笑みを浮かべている。 「勇気湧いたかも、だぜ」 「そう? じゃあ、私も」 ふぅーと冷静さを取り戻す為に息を吐き、霊夢も魔理沙の隣に立ち、腰を九十度に曲げて二礼。 そして、賽銭を抜かして、鈴を鳴した。 次にパンパンと軽やかに拍手をして、目を瞑る。 (○○さんとずぅぅぅぅぅぅと一緒に居れますように。あと、魔理沙も皆も私も好きな人と結ばれますように。あと、永遠亭のアイツには勝てますように。あと――) アイツとは勿論、輝夜である。結局、あの後、輝夜達はすぐに帰ってしまった為、彼女は○○が好きだという誤解が解けないまま今日を向かえたという訳である。 前々から少しおかしいなと霊夢も思ってはいたのだが、まさか、(霊夢の見た感じ)楽しげにキャハハウフフをやっているとは考えも付かなかった。 思わぬところに強敵が現われたのだ。 (あと、もっと可愛くなりますように) 霊夢は顔やスタイルでは輝夜に勝てるとは思ってはない。 別に自分を卑下に扱っている訳ではなく、輝夜が幻想郷内でも飛び抜けて可愛い過ぎるのだ。 霊夢より長い睫毛や大きな瞳。 これでもかと言う霊夢のより一回り、二回り、膨らんだ胸。 いくら、着痩せしようと女子間ではそんな着痩せなど障壁にもならない。 彼女も自分の容姿にはある程度の自信を持ってはいるが、やはり、絶世の美女には霞む。 だが、霊夢は毛頭負けるつもりもない。顔がどんなによくても、結局は気持ちや覚悟の差なのだ。 などと彼女が心に誓おうが、これは霊夢の一人相撲である。 (最後にお金……じゃなくて、○○さんと笑みが絶えない家庭を築けますように。と) 霊夢は目を開き、ゆっくりと参拝の〆として頭を下げた。 「霊夢ぅぅぅぅ。なんて、願った?」 魔理沙の声を背に霊夢は口を開く。 「魔理沙と同じだと思うわ」 そして、夜。 Megalith 2011/03/09 大きな丸い月が空に浮かんでいた。 周りの星達も仲良く輝いていて、少し羨ましい気もする。 だけど、見方を変えたら、折角夜空を照らしている星達の努力を大きな月に無駄にされているような気もした。 それはとっても悲しい事だ。だって、何年もの歳月をかけてこの惑星に送った光が、水の泡になったのだから。 手が悴む。縁側から放り出した両足も同じく寒い。 流石に年の暮れ。雪が積もった晩の夜風は身にしみる。 「さむっ……」 両手をこすり合わせて、暖かい息を吹きかける。 だが、予想外に白に染まった呼気が上へと昇ってしまい、夜の闇に溶けた。 こうやって、人間も消えていってしまうのだろう。 短い人生の半分以上を無駄に過ごして、闇に還る。しかも、残されてしまった人には悲しみを置き土産にする。 月の寿命のように――月よりも何よりも長い人生を過ごすだろう彼女は正直、そんなことずっと前から知っていた。 昔過ぎて、いつなのかは分からないが、とにかくずっと前から分かっていた。 別段、思い返すことでもないはずなのにこのごろ、寿命について考えることが多くなった。 ――――年をとったのかなぁ。 「…………、」 自分の赤くなった指先を見つめる。 それは違う。 彼女は分かっていたのだ。何で、こんな意味もない事を、無性に考えてしまうのかを。 彼女には後ろ姿だけで緊張してしまう人間がいる。 「姫……様?」 ふいに声が掛かる。 左へ視線をやると、暖かそうな白いマフらーをしたうどんげが心配そうに見つめていた。 「大丈夫よ」 一応、笑ってみる。 理由は特になかった。 「大丈夫じゃないですよ。なんか、今にも死にそうな顔してるから、心配しましたよ」 冗談めかしに、うどんげは口を尖らした。真っ白な頬や鼻先が林檎みたいに赤くなって、愛らしい。 「自殺したくても出来ないわよ」 彼女こと、輝夜は適当に言葉を返して、体重を支えるように後ろに手を付く。 指先は畳との境目に触れていた。 そういう溝を擦りたくなるのは、人類の性なのか。 輝夜は意味もなしに境目をなぞる。 「姫様は告白しないんですか?」 「え!?」 バッと輝夜は起き上がり、凄まじい速度でうどんげに顔を向けた。 「いや、しないのかなぁ~って思って」 とぼけた顔をして、うどんげは輝夜から月に視線を移した。 「何、失恋組を増やしたいって訳?」 先日、□□にふられたうどんげ。 輝夜は絶対成功すると確信していたのだが…………。これで永遠亭では、あの悪戯ウサギだけが勝ち組だ。 表面上は祝福しているが、皆の内心は、恐らく妬心に埋め尽くされている。 ――――傷心の月の頭脳は、まだ布団の中で泣いているし。 今、永遠亭が妖怪達に攻められたら一瞬にして陥落する気がした。 「いいえ。だって絶対、○○さん、姫様のこと意識してるし」 「それは私が意識しているからよ。昔みたいに話せなくなったから……」 「じゃあ、姫様が告白しないなら、私が告白しようかな」 「そ、それはダメよ!」 声が大きくなった輝夜。自分でも分かるぐらいに顔が熱くなる。 一方のうどんげは、ふふっと笑って、 「冗談ですよ。私はまだ□□さん諦めてませんから。競争率が高くても頑張ります。巫女なんかに負けません」 ガッツポーズをする。本当にふられたのか疑いたくなるポジティブさだ。まぁ、彼女らしいと言えば、彼女らしい。 「倍率は6倍ってとこかしら。私なら絶対志願しないけどね」 「じゃあ、○○さんの倍率は1倍ですね。絶対合格ですよ」 「何よそれ…………」 まぁ、それならいいけどね、と輝夜は続けて、空を見上げた。 不変に黄色の満月が澄み渡った夜に浮かんでおり、月に引き寄せられたように月の周りには小さな星が点在する。 ――――好きな人ができた。 そんな事を感じ取ったのは、丁度二ヶ月前。 気付いたその日はポタポタと雨が降っていて、○○の家で意味もなく雨宿りしていた日。 確か、その日もこんな夜空が綺麗な夜だった。 「星って何年もの歳月を経て、その光の意味を私達に伝えてるんですよね」 ドキッとする輝夜。胸の辺りがキュッと絞まる。 「ん? どうしました?」 「いや、」 まるでうどんげが自分の心情を察したような言葉を放つからだ。 もしかしたら、知らないうちに言葉に出ていたのかもしれない。 そう考えると無性に恥ずかしくなり、輝夜は赤くなった顔を伏せた。 隣で息を吸い込む音がして。 「なら、私の想いもいつか届いて…………、姫様の想いならすぐに届きますよ。 ○○さんと繋がっている赤い糸を辿って。空に浮かんでいるかもしれない厚い雲を突き破ってでも」 そんなうどんげらしいロマンチックな言葉で締めくくった。 こんな事を言っておいて、恥ずかしくはないのかと、輝夜は頭の中で考えたが――――赤い糸……ね。 頬に触れている黒髪を掻き分けながら、輝夜は顔を上げる。顔がまだ少し赤いのは仕方ない。 「もし、赤い糸なんてロマンチックなものがあったなら、○○が死ぬとき一緒に死ねるかな? 天国でも地獄でも私の小指を引っ張って、連れてってくれるの?」 「やっぱり自殺……」 「違う。違う。 仮に○○と結婚して、子供産んで老後の生活があったら、私は死ねないから、どうすればいいのとか、何をすればいいのとか、ね。えっと、なんて言えば」 何言っているか、分かりません、とうどんげが笑みを含みながら一言。そして、立ち上がり、 「お茶持ってきますね」 と、言って逃げるように、縁側から居なくなった。 うどんげの後姿が襖の裏に消えていったのを見送って、 「はぁ~」 蓬莱人ならではの悩みなのか? ふと輝夜は金色の故郷に目を向けた。 彼女の瞳には、遠方から届けられた星々の輝きが映っている。 ――――まぁ、いいか。好きなら スレタイ無視してすみません。イチャってませんよね。
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■輝夜2 「永遠が操れなくても、貴方の難題、一生かけてでも解いてみせますから!」 toイチャスレの省略しちゃう職人さん 5スレ目 233 ─────────────────────────────────────────────────────────── 襖の向こうから鈴を鳴らす。 「誰?」 返事は輝夜のものだ。透き通った、それでいてよく通る声。 何度聞いてもたまらない。 「姫、○○です。只今戻りました」 「入りなさい」 襖を開くと、輝夜は座布団に正座をして部屋の隅に置かれたTVに向かっている。 据え置かれたPSにはデスクリムゾンのパッケが載っており、姫の操作する コンバット越前は敵か味方かよくわからないオブジェクトを銃撃していた。 「あ、死んだ」 呟くや姫はリセットボタンを専用の棒(○○が竹を削って作った)にて 妙に優雅な動作で押し込み、それからようやくこちらへ振り向いた。 「早かったわね。ちゃんと買ってきた?」 微笑が眩しい。 「はい。こちらが御所網のゲームソフト、それからハイレゾパックに 今週のファ○通、プリングルスのビビンバ風味、ジャスミン茶」 順に卓袱台の上に並べていく。怪しい品物ばかりだが、特に新旧ハード ごちゃまぜのゲームソフトが買い物袋から同時に顔を出すのは不気味だった。 「 ・・・あの店、毎度ながらどういうルートからこんなものを・・・」 「香霖堂はなんでも屋よ。ティッシュペーパーから核弾頭までなんでもあるわ」 さらりと言ってのけた姫様はプリングルスを開封しつつあった。 ちゃんとお皿に並べるところは気品があるが、その皿は何日前からここにあっただろう。 「「ありがと、○○。これで当分退屈しないわ」 ですからその笑顔は危険です姫様。私は胸の高鳴りをごまかすかのように 更に一つあった紙袋を差し出した。 「これはなぁに?」 「これは、私からのプレゼントです。姫様が新しいジャンルのゲームを開拓できるようにと・・・」 中身はゲー○ストだった。 所かわってここは永琳の部屋 「○○、しゅびは?」 「すべて順調です。姫はこれでアーケードゲームに興味を持たれ、ご自分から外出するようになるでしょう」 そう、これは○○と永琳の不健康な姫様を外出させるためにゲーメスト作戦。 荒療治だが二人は自信を持っていた。 そして姫がゲーセン通いの暁には私が常に付き添って! 数日後 「姫様、参りました」 「いつもすまないわね、○○。また買い物をお願いするわ」 姫様はいつものように私にメモを渡してきた。 「承知いたしました。すぐに行ってまいります。・・・ところで姫、 このあいだお渡しした新しいゲーム雑誌はいかがでしたか?」 「凄く面白かったわ。だから、早速○○にお使いにいってもらうことにしたの」 メモにはアーケード基板の題名と操作モジュール一式が書き込まれていた。 5スレ目 379 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「姫様、もう我慢なりません。私めに五つの難問をお与えくださいまし」 「・・・貴方、永遠亭の小間使いの分際で何を言っているの」 「身の程知らずは承知の上、私めは諦めきれませぬ!」 「そう・・・」 姫様、その目に少し悲しげなものを浮かべた あああ、そんな姫様もたまらない、まずい鼻血が 「じゃあ、まず手始めにTHE地球防衛軍2の難易度IMPを全クリアお願いね」 「・・・姫様は御自分でクリアなさる主義ではないのですか?」 「できないの」 「今なんと」 「私でもクリアできないの。だからお願い」 5スレ目 691 ─────────────────────────────────────────────────────────── 例の難題に挑戦して1年を経た。 まだ半数以上のステージがクリアできずにいる。 5年が経った。 姫様が2Pで一緒にプレイしてくださるようになった。 姫も愉しそうだった。これはこれで幸福だった。 だがいまだに20を超えるステージが未クリアのままだ。 10年が経過した。 後半のいくつかのステージがいまだにクリアできなかった。 だが 私にはもう何の悔いも残っていなかった。満足してしまったのだ。 「姫様、もう私めも三十路になりまする。動体視力ももはや限界、 どうやら私の挑戦は蛮勇に過ぎなかったようです」 「何を言っているの?」 姫は、冷静な声と裏腹に、頬を少し赤くして、こう仰った。 「貴方、こんな愉しい暇潰しの相手を私が捨てるとでも思ってるの?」 「姫?」 姫が私の顎を手に取る 「貴方は永遠に私のゲーム相手。永遠に、SMASH!!され続ける運命。 永遠に、ボコスカウォーズでコテンパンにのされる運命。 永遠に、貴方のヨッシーは私のクッパを追い抜けない。永遠に―」 私の頬に何か熱いものがはしった。 「はい、姫様。仰せのままに」 5スレ目 722 ─────────────────────────────────────────────────────────── 不吉な大鎌を持つ少年。 それに対峙するはイビツな剣を持つ、凶々しい姿の女性。 『ああああ!!』 女性は叫び声を上げる。 左腕に黒い斑点が現れ、腕が伸びた。 分裂しながら少年に迫る漆黒の魔手 その軌道を見切った少年は、バック転に合わせ身体を捻って回避する。 ―― そして第二波 別の方向から伸びてくる漆黒の腕は、着地直後の少年を襲う! 『せいっ!』 しかし、少年はそれすらも鎌を振るって回避! そして―― !! ◆◇◆◇◆ 「あ、フリーズした」 PS2(初期型)が不気味な音(ガリガリガリ)を起てると同時に、テレビの画面が固ま った。 「あああ!!……私の数時間の、苦労が」 俺の隣で艶やかな黒髪を乱し、口から半分魂が出かかっている少女は輝夜さん。 俺がお世話になっている永遠亭で、一番偉いらしい。が、全くそうは見えない。 結界の外からやってきた俺が、何故永遠亭にお世話になっているのか。 迷いたての俺は妖怪に襲われて竹林でズタボロになっていた所を、八意永琳と言 う巨乳!美人!!女医!!!さんが発見したのが始まりだ。 永琳さんいわく「私の前で死者は出させない!(あとでモルモットにしようかしら) 」らしい。 今時珍しい熱血な女医さんだ。 その後、色々あったのだが、決め手になったのはゲームだった。 輝夜さんにゲームを提供する代わりに、永遠亭でお世話になる事になったのだ。 提供出来なければモルモットなんて言われてはいない。 ……ホントダヨ ? ボクウソツカナイ 「そろそろ買い替えるべきなんじゃないですか ?PS2」 いつの間にか布団の敷いてふて寝しているぐうたら蓬莱人。 「う゛ー…。あるとしたら香霖堂だけど。……確実にあるかっていうとね」 布団の中をモソモソ動く姿が妙に可愛く感じるのは何故だろう? 「(巨乳!金髪!!美人!!!な)紫さんに横流ししてもらってはどうでしょう。 明日の宴会にでも頼めば、三日後には届くと思いますよ」 「……そうね。じゃあ、それまでは.〇ackは中断。R〇するとして ―― 〇〇」 「はい ?」 「どうしてあなたは布団の中に入ってくるのかしら?」 そう言いつつも、拒否はしない輝夜さん。 互いの体温が暖かくて、布団の中では調度いい。 「布団の外は寒いんですよ。特に、冬は」 「そんなものかしら」 「そんなものです」 6スレ目 243 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○○「な、なぜ永遠亭出入禁止を食らわなければならないんだ!?」 輝夜「自分の胸に聞いてみなさいっっ!」 ○○「ま、まってくれ輝夜!俺はただ、当時のプレイヤーからすれば “あたりまえのプレイ”をしただけだぞ!?」 輝夜「(#^ω^)ビキビキビキ…」 数ヵ月後、おれ出入禁止こそ解かれたものの、 ガチプレイにもかかわらずてるよの『まえだ』一人に 全種目優勝を持ってかれるという屈辱を味わうのであった… 6スレ目 262 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――姫様は、とてもとても落ち込んでおられました。 本当はとても大好きな○○さんに赤石をぶっ放してしまい、幸い大事に到らずに済んだものの、 それ以来お二人の間にはちょっと距離が開いてしまいました……といっても、互いにその件のことを気にしているだけのようですが。 今日も姫様は自室で体育座り。そんな姫様を心配し、策を持って来るのは我らがお師匠様です。 「姫、実は(かくかくしかじか)という訳で、彼に私の弓を使ってもらってはいかがでしょう」 「え。で、でも……」 「姫様、相手の気持ちを知るのは怖いかもしれません。 ですが、そのままでは姫は一歩も進めないまま時間だけが流れてしまいます」 そんなこんなで姫様は言いくるめられ――じゃなくて慰められ、○○さんは弓を使うことになりました。 ある晴れた日のこと。永遠亭の庭で、○○さんは上空目掛けて弓を引きました。 もちろん、物陰から姫様が心配そうな眼差しを向けているのは言うまでもありません。 「さ、撃ってみて頂戴」 「弓なんて使ったことないですけど……まあ、やってみます」 その大弓から放たれた閃光は――あろうことか上空で急激な弧を描き、何と姫様の方へと向かったではありませんか! 「え、え!?」 幸いにも姫様は蓬莱人、大丈夫なことは大丈夫でした。 「永琳。私も見てたけど、さっきのって」 「博麗の巫女の――ホーミングですね」 「じゃあ、じゃあ――!」 「……先程の件に関して、彼が謝罪したいと言っていました。今からお連れしますので、しばらくお待ちください」 ――お師匠様の弓は、姫様にほんの少しの勇気をくれたのでしたとさ。 6スレ目 840 ─────────────────────────────────────────────────────────── なんだか外がやたら騒がしいから、輝夜に 「外が騒がしいから調べてこようか?」 って聞いたら 「貴方が行っても何も解決しないでしょ」 って言われた。 苦笑いをしながら否定できないでいたら 「だから、ずっとここに居なさい」 と微笑んで言ってくれた。 今は一緒にお茶をしている。 6スレ目 977 ─────────────────────────────────────────────────────────── 変な天気だ。 この時期になって、真冬のような雪。 一日中降り積もった粉雪は、今、月明かりを反射してキラキラと輝いている。 本当は、戸締りは兎たちの役目なのだが、 この寒さ、兎も炬燵で丸くなり、仕方なく俺がやる羽目になった。 そんな矢先。 縁側に一人、佇む影があった。 俺の恋人、蓬莱山輝夜。 右手を柱にかけて、永遠亭の庭に積もった処女雪を眺めている。 「ねえ」 不意に声がかかった。 どうやら、足音からか、俺が近づいてきたことを察していたらしい。 「私と恋人になったこと、後悔してない?」 「なんで?」 驚くより先に、その声が出た。 輝夜がそんなことを思っていたなんて。 だが、輝夜は謡うように続ける。 「雪は解けるからこそ美しい。 月は欠けるからこそ美しい。 花は散るからこそ美しい」 「ならば、けっして欠けることのないこの身は、 なんて――、醜いのかしら」 輝夜は、俺に背を向けたまま、 両手で自分の体を抱きしめるような仕草をした。 よく見ると、体が小刻みに震えている。 長い髪が裳に触れて、小さく音を立てた。 「そんなことはないさ」 俺は彼女に近づくと、 その小さな体を、後ろから抱きしめた。 「輝夜、お前の美しさは、確かにそういう儚い美しさじゃないかもしれない。 そう、お前の美しさは、 何千年も人の分け入らなかった霊峰で、 何万年もの時を過ごしてきた、荒々しいご神木のような、 そんな――、神秘的な美しさ。 見たものを魅了してやまない、人智を超えたところにあるもの。 だから、そんなに気に病む必要はないんだ」 いまだ振り向かない彼女の長い髪を、 右手で軽く、くしけずる。 「あなたは――」 「ん?」 「儚い美しさでなくて、本当にいいの?」 その言葉に、俺は返すことなく。 彼女を強引に振り向かせると、右手を輝夜の顎に添え、 静かに、唇を重ねた。 「ふふっ」 「輝夜?」 「なんだか、心配していたのがバカみたい」 そう微笑みながら、俺の腕の中で、 涙を指でそっと弾く、輝夜。 「ねえ、もう一度キスして」 そして、 彼女はその形のいい唇を突き出して、眼を閉じる。 「はいはい、お姫様の仰せのままに」 先ほどと違い、自分で顎を上げているので、 右手を輝夜の髪に添えて、唇を交わす。 転瞬。 彼女の舌が、俺の口内に浸透してきた。 とっさのことに、慌てて唇を離す。 「あー、離したー」 悪戯っぽく、でも不満そうに、 俺の方を見上げる輝夜。 「だだだだだって、おおおおお前」 動揺する俺の唇を、 輝夜は、人指し指で軽く押さえる。 「どんな木でもね、水分と言う潤いが必要なのよ。 だからね――」 彼女は指を離すと、もう一度、その唇を突き出す。 「私に、頂戴」 眼を瞑り、こちらの唇を待つ輝夜の姿に、 一つ、唾液を飲み込む。 そして、キス。 深く浸透してくる輝夜の舌を受け止め、俺も彼女の口内へと侵入する。 舌同士で、深く繋がり合う俺たち。 一つの影を、月明かりだけが照らしていた。 7スレ目 195 ─────────────────────────────────────────────────────────── さて夜もふけたことだし妊娠しているのにも拘らず いまだにROしてる輝夜を寝かせないとな 妊娠したらさすがの輝夜も規則正しい生活をするだろう 231 :名前が無い程度の能力:2007/04/22(日) 04 12 01 ID cGnGCb3U0 230を見て幻視した 「う~、もう少し! もう少しだけやらせてー」 「ダメだ、お腹の子に障るだろうが!」 「だって~、しばらくは 夜更かし出来なくなるのよ。 今の内に、やり溜めしておかなくちゃ…」 「気持ちは分からなくでもないが我慢しろ! 永琳さんからそろそろ危ないから夜更かしは程ほどにと言われただろう」 「そうだけど~」 「はぁ、頼むよ。子供もそうだけど お前の事も心配なんだよ」 「…私はどんな事があっても死なないわよ?」 「それでも心配なんだ!」 「そう。…フフッ わかったわ」 「そ、そうか」 「だけど、いつもより早い時間だから少し目がさえてるの だから、安心して眠れるように一緒に寝て頂戴。お・父・さん♪」 「ハイハイ、了解しましたよ。お母さん」 236 :名前が無い程度の能力:2007/04/22(日) 15 04 07 ID 9itDXCxU0 231を見てさらに幻視しました 「おい!いい加減起きろ! いつまで寝てるんだよ!?もう昼過ぎだぞ!」 「う~まだ寝たりない~」 「だから早く寝ろって言ったんだよ 寝すぎもお腹の中の子に悪いぞ」 「分かってるけど、どうしても今までの生活習慣があるから・・・」 「はあ・・・これから子供も生まれてくるんだから しっかり頼むぞ」 「・・・貴方との子供ですもの頑張るわよ」 「頑張るだけじゃなくて成果も見せて欲しいんだよな・・・」 7スレ目 230-231 236 ─────────────────────────────────────────────────────────── 牛乳をラッパ飲みしてるとウドンゲが白い目で俺を見ている ウ「ラッパ飲みしないでコップについでのんでくださいよー・・・・」 俺「いちいちコップ出して飲むのメンドクセ。それに俺以外牛乳飲む奴殆どいないからいいだろ?」 ウ「まぁそうですけど・・・・」 あまり納得のいかないご様子。 姫「あー喉かわいたー。あら牛乳おいしそうね、私にも頂戴」 いつの間にか永遠亭の姫君輝夜さん登場。 そう言うと俺が手に持っていた牛乳を取りラッパ飲みする輝夜さん。 姫「ん~、ひさしぶりに飲むとけっこう美味しいわね」 ウ「コップについで飲んでくださいよ~・・・それに間接キス・・・・」 俺「そうですよ、俺はともかく一応姫何ですから。」 姫「あら?私はいつもコップで飲むわよ?」 俺「えっ?じゃー何でそんな飲み方を?」 「あなが口をつけたからに決まってるじゃない」 7スレ目 294 ─────────────────────────────────────────────────────────── 月が綺麗だ、死ぬにはいい夜だと思わないか? ん?死ぬのかって? そうだな今日ここで人間である○○は死ぬ でもその代わり蓬莱人○○が今夜生まれる 悪いなお前に内緒で永琳さんに蓬莱の薬作ってもらったんだ これでずっと一緒だ、お前を遺して逝かなくてすむ 永遠に愛してる 輝夜 7スレ目 311 ─────────────────────────────────────────────────────────── トントントントン、何の音?薬味のネギを切る音さ。 ぐつぐつぐつぐつ、何の音?そうめん茹でている音さ。 カラコロカラコロ、何の音?器に氷を盛る音さ。 カチャカチャカタカタ、何の音?みんなのお箸を出す音さ。 「ふー、こんな感じでいいかな。……さてと」 茹で上がったそうめんを水に浸し、引き締める。 最初は中の方が熱いから箸で、冷えたら手でよく揉む。全てのそうめんが冷えたら氷を入れた器に入れる。 先に作っておいただし汁でつゆを薄め、ネギとわさびを小皿に添えて終わり。 「姫様ー、__さーん。そうめんが茹で上がりましたよー」 上の部屋でゲームをやってる二人を呼ぶ。……予想はしていたが、やっぱり降りてこない。 まったく。呼びに行かなくちゃいけないなんて。二人とも手がかかるんだから。 二階に上がる。……やっぱり__さんの家は階段が急だ。階段を上りながらそう思う。 __さんの部屋の前に立ったとき、信じられない音声が聞こえてきた。 「あ、ダメ!今はダメなのに!」 「よく言うぜ。もうこんなになってるくせに」 「だって、__がやれっていうから……」 「それに俺だってもう我慢の限界だ。……いくぞ」 「やだ!まだダメなの!まだ……あーっ!」 「おいこらクソ__!うちの姫に何やっとるか!しまいにゃてめぇのケツに30mm爆裂徹鋼焼夷弾食らわすぞ!?」 思わずアンチアーシアンモードで殴りこむ。 「あーもう!回復弾いらないって言ってるのに!」 「うるせぇ!2死しといてよくそんな台詞吐けるな!?」 ……単にMHPやってただけでした。 「特攻頼むって言ったのは__でしょ?……あら、イナバ?何の用かしら、そんな対化物用セミオート砲構えて」 「だからって死んでいいとは言って……うお、物騒なもん構えんなよ」 まさか『姫が襲われてるのかと勘違いしてました』なんて言える筈もなく。 「えーっと、……早朝バズーカ……です」 「今は昼だしそれはバズーカじゃなくてハル○ンネンⅡだ」 黙ってろ人間(ヒューマン)。ウ○ディーミル食らわせるよ? 「じゃなくて、お昼の用意が出来ました。下に降りて来て下さい」 「へーい」 「うーい」 ああもう__さんに感化されて。……って、向こうにいた時も元々こんな感じか。 *** ウドンゲッ *** 何故私たちがこんなところにいるか、というと。 ぶっちゃければ『姫様に求婚して成功したのはいいものの、向こうでの生活を忘れられない__さんのために私たちがこちらに移動した』な感じ。 ……正直私としては地上の人間と結婚するなんてどうかと思うが。でも姫様は元々ここの生活にあこがれてたらしいし。 ていうかー、なんで私まで幻想郷離れなきゃいけないんですかー。 「んー、やっぱ夏は冷や麦だねぇ。そうだろうどんげちゃん」 「鈴仙、です。それとこれはそうめんですよ」 「おっとこいつはすまん。まあ腹に入っちまえば同じだろ」 「同じじゃないですよ。……あー頭ふっ飛ばしてぇ」 台詞の後半は二人に聞こえないようにポソリとつぶやく。……だって。 「もー、__ったら無頓着なんだから。だめよ、それじゃあ」 「いいじゃないか、輝夜。物の名前なんてお前以外はうろ覚えでいいんだよ」 「やだわ、イナバが可哀想じゃないの」 こんだけバカップルっぷり見せ付けられたら誰だってやさぐれるっつーの。あー熱い熱い(棒読み)。 「……姫様。私、帰っていいですか?」 「どこに?」 そりゃ決まってる。幻想郷に、だ。 「永遠亭に。……何か私、お邪魔みたいなんで」 「無理よ。来た日から後一ヶ月……えっと、あと28日しないと来ないわよ、八雲の使い」 「あなたの能力ですぐに28日経たせてください」 「それは嫌よ。だって__と過ごす時間が短くなっちゃうじゃない」 はいはいバカップルバカップル。……顔を赤らめる姫様なんて初めて見る気がしたがどうでもいい。 とにかくこのピンク空間から抜け出す事が一番の最優先事項だ。……胃が痛くなってきてるのは気のせいかな? 7スレ目 617-618 ─────────────────────────────────────────────────────────── 伝説のMMORPGゲーマー「てるよ」 イベントの開催や、サークルの運営など多岐にわたる活躍をしているPLだ。 彼女とパーティを組もうとしても、法外なレアアイテムを要求してくることで有名なPLでもあった。 ファンも多い彼女だが、誰もアイテムを用意できなかった。だが俺は用意して見せた。 それ以来、彼女とはよくPTを組んでいる。 語り口、反応の可愛らしさ、グラフィックと実用性のバランス。どれをとっても最高だ。 てるよ:ねぇ、○○。今度OFFで会わない? ○○ :いいねぇ、それじゃいつにしようか てるよ:わたしは今すぐでも会いたいな。 ○○ :ははっ嬉しいこといってくれるじゃないの てるよ:女の子にヤマジュンネタはやめなさいって(笑) ○○ :ゴメンゴメン(汗) あ、でもてるよって何県に住んでるんだっけ? てるよ:一昔前は月で、今は地球♪ ○○ :いやいやプロフじゃなくって。OFF会なら待ち合わせ場所決めないと。 てるよ:そうねぇ、わたしは割とヒマだから○○の方に迎えを出すわ。 ○○ :お迎えかよっ!どこのお嬢様だ(汗) あ、住所は前メールで送ったよね?それと会うのはいつがいい? てるよ:さっき言ったじゃない。 永琳「姫がお呼びです 『ようこそ幻想郷へ』 そして 『さようなら常識の世界』」 ………あるマンションの一室から、1人の男性が忽然と姿を消した。 争った跡はなく、何かを持ち出した形跡もない。 警察の調べでも理由は解明できず、単なる失踪と発表された。 ただ、彼のパソコンはMMORPGにログインした状態のままであった。 彼のパソコンには、最後の会話としてこのような言葉が残されていたという。 てるよ:ようこそ永遠亭へ。○○を永遠に愛し続けてあげるわ。 うpろだ260 ─────────────────────────────────────────────────────────── 幻想卿に来て早幾年。 最初は中々馴染まなかったここの生活も、今ではむしろこっちじゃないと落ち着かなくなった。 今更あっちに帰れるとも帰ろうとも思っていない。 なぜなら、俺にはこちらの世界で生涯を捧げたい人がいるから。 その人の名は蓬莱山輝夜。なんと、月のお姫様らしい。 ひょんなことから永遠亭のお世話になることになった俺は、何故か分からないが輝夜様に気に入られたのだ。 かく言う俺も、輝夜様を一目見たときから心奪われていたのだが。 まぁともかく、俺は輝夜様に自分の想いをぶつけ、輝夜様も俺の想いを受け入れてくれた。 そんなある日の永遠亭、夕餉の席にて。 その日もいつも通りの日だったと思う。 永琳先生の実験のお手伝いをしたり、鈴仙と一緒に薬草を探したり、 てゐに騙されたり、輝夜様と一緒にのんびり話をしたり。 夕餉の時間になって、皆が揃ったところで輝夜様がいきなりとんでもないことを言い出した。 「○○、イナバ、てゐ」 「はい」 「何ですか?」 「ニンジン~……っとと、何ですか? 輝夜様」 輝夜様に声をかけられたにも関わらずニンジンを貪るてゐ。 永琳先生に睨まれてすぐに向き直ったけど。 「私たちが幻想卿に来て幾百年……○○が来て幾年。 月日が流れるのは早いわね」 「そうですね……僕も、ここに来たときのことをつい昨日のように思い出せます」 「……私は、あんまり思い出したくないですけど」 まぁ、鈴仙は事情が事情だからなぁ……。 「ここは永遠亭……いつまでも変わらぬ姿であり続ける場所……。 だけど、変わってしまうものもある」 そうだよなぁ……慣れ、っていうのがあるんだろうけど、 つい僕以外の人がただの人間ではないことを忘れてしまう。 「特に、○○」 「はい?」 「あなたは月人でも妖怪でもない、ただの人間。当然、寿命も人並みにしかない。 それは、イナバやてゐも同じ。○○ほどではないにせよ、いつまでも共にいられるわけじゃないわ」 ……そう。輝夜様と永琳先生は、その昔『蓬莱の薬』という不老不死の薬を飲んでしまったらしく、 老いることもなく永遠の時を過ごすことになったのだ。 僕が想いを告げたときも、そのことは散々言われた。 あなたは私と共に生きられない、あなたは老いても私はいつまでもこの姿、それでもいいのか、と。 まぁ、僕の気持ちは変わらなかったが。鈴仙達から『蓬莱の薬』を飲むことを勧められたこともあるけど、 なんと輝夜様本人がそれを止めた。曰く、普通の人間の精神では永遠は耐えられないから、だそうだ。 ともかく、いずれ僕や鈴仙達は輝夜様と永琳先生を残して逝ってしまう。 だけど、何故今になってそんなことを言い出すのだろう? 「私や永琳の自業自得とは言え、時間を共にできないのは少し……そう、少し悲しいけれど。 だけど、命の輪廻はいつまでも続くわ。たとえ今の姿ではなくなっても」 「輝夜様……」 「……はい……」 ……なんだか、しんみりとしてしまったな……てゐも珍しく真面目な顔で聞いてるし。 だけど、輝夜様の次の言葉でそんなしんみりとした雰囲気も完全に吹き飛んでしまった。 「そういうわけで、○○と鈴仙」 「「はい?」」 「頑張って子ども作ってね♪」 「……は?」 「へ……?」 一瞬、何を言われたのか分からなかった。 子ども? 誰と誰が? 俺と鈴仙が? 頑張って作る? ……………………。 「「ぶふぅっ!!」」 「汚いわよ、二人とも」 「汚いよー」 言葉の意味が頭に浸透した瞬間に盛大に噴いてしまった。 隣を見ると鈴仙も同じみたいだ。 永琳先生とてゐが何か言ってたみたいだが、それどころではない! 「ちょ、ちょっと輝夜様! いきなり何言い出すんですか!?」 「あら、何かおかしなことを言ったかしら?」 「おかしいも何も、何故そんな話になるんですか!!」 「だって、私は子どもを産めないし……だけど、子どもは欲しいじゃない?」 「だからって、なんでいきなり!?」 「あら、イナバがダメならてゐでもいいわよ?」 「そういう問題じゃなくて――――てゐ! 頬赤らめてもじもじしない!!」 あんたそんなキャラじゃないでしょうが! とか鈴仙が言ってるが、とりあえずそっちはそっちで置いておく。 その後も輝夜様に抗弁していたが、 「大体、何で私がこんな下賎な地上人なんかと子どもを作らなきゃいけないんですか!!」 その言葉で、僕も多少むっとしてしまった。 「何で僕がそんなこと言われなきゃいけない!? こっちだって、こんな狂気兎と子ども作るなんてごめんだね! どんな子どもになるかわかったものじゃない!!」 「何ですって!?」 「何だよ!!」 売り言葉に買い言葉。その言葉を発端に、僕と鈴仙は取っ組み合いの喧嘩をすることになった。 だけど――――。 「ただの人間が私にかなうわけないでしょ!!」 それもその通り。かたや月の兎、かたやただの一般人。 力の差は歴然としており、スペルカードどころか通常弾幕であえなくKOされてしまった。 「って鈴仙! やり過ぎよ!!」 「え……? あ、あぁ!! ○○、ごめんなさ――」 輝夜様と鈴仙の慌てる声を最後に、僕の意識は途切れた。 「う……」 気がついたら、僕は自分の部屋にいた。 どうやら手当てはされてるらしく、肌に包帯の感触が伝わる。かなり痛い。 「あ……気がついた?」 しばらくボーっとしていると、鈴仙が部屋に入ってきた。 どうやら彼女が手当てをしてくれたらしい。 何故鈴仙が、と聞くと、 「その……私のせいだし……」 と、申し訳無さそうに言うものだから、責めるわけにもいかず。 とりあえずお礼を言うが、鈴仙も「うん……」と言ったきり、黙りこんでしまった。 ……沈黙が痛い。何か言うべきだろうか、と考えていたら、鈴仙が顔を上げて先ほどのことを謝ってきた。 「その……さっきは、ごめんね……?」 「あ、いや……僕の方こそ、ごめん。酷いこと言って……」 「う、ううん! 私が最初に酷いこと言ったんだし……」 「あ、その、気にしてないから……」 そう言うと、再び黙り込んでしまった。 ……参ったな、何か調子が狂う。どうも鈴仙は必要以上に罪悪感を感じているみたいだ。 「その……ね」 「うん?」 どうしたものか、と考えていると、意を決したような表情で鈴仙が言葉を紡ぐ。 「あの……私……その……」 「あー……落ち着いて、ちゃんと聞いてるから」 「う、うん……」 一旦言葉を区切り、深呼吸。こっちまで緊張してきた。 思わずごくり、と喉を鳴らしてしまう。 「えっと……私、その……さっきの言葉、本心じゃないから……」 「さっきの……? えっと……」 「あ、の……あなたのことを、下賎だなんて、思ってない……から」 「あぁ、うん……」 どうもそのことを気にしてたらしい。僕の方はそんなに気にしていなかったが……鈴仙は気にしすぎる性質だなぁ。 「その、僕もごめん。狂気兎だなんて、思ってないから」 「あ、う、うん……」 「……」 「……」 き、気まずい……いつもならもっと自然に会話できるのに……。 "そういうわけで、○○と鈴仙。頑張って子ども作ってね♪" 不意に、さっきの輝夜様の言葉を思い出す。 「そ、それにしてもさ」 「え、あ、な、何?」 「輝夜様にも困ったものだよね。いきなりあんなこと言い出すなんて……」 「あ……そ、そう、ね……」 「う……あー……れ、鈴仙も嫌だよね。好きでもない男とそんなことするなんて――」 僕としては、軽く言ったつもりだった。鈴仙が軽い調子で「当たり前でしょ、そんなの」と言ってくれるのを期待して。 だけど。 「そ、そんなことない!!」 鈴仙の口から出てきたのは、強い否定の言葉。 予想外の展開に呆気にとられる僕。 「鈴仙……?」 「あ、その……あぅ……」 自分でもびっくりするほどの大声だったのか、鈴仙は顔を紅くして俯いてしまう。 だけどそれも一瞬のことで、すぐに顔を上げた。 「その! えっと……○○のことは、嫌いじゃない、し…………って言うか、人間の中じゃ、好きな方だし……」 「え……う……あ……?」 「えっと、だからその、嫌いだから嫌ってわけじゃなくて……」 あ、頭が混乱してきた……何故か顔も熱いし、心臓がドキドキしてる。 そしてそれ以上に、今目の前にいる鈴仙がとても可愛く見えて、そのことが思考を支配して……あぁ、もうわけがわからない! 「私は、○○が――――!!」 ――がたっ―― 「っ!! 誰!?」 襖の向こうから聞こえた物音に、鈴仙は過剰に反応して一瞬で襖までの距離を詰めたかと思ったら、既に襖を開け放っていた。 そこにいたのは―― 「か、輝夜様に永琳先生!?」 「てゐまで!? な、なんでここに?!」 苦笑する永琳先生に、ニヤニヤと笑う輝夜様とてゐ。も、もしかして……。 「あの……どこから、聞いてました?」 「イナバがこの部屋に入ってきたところからよ」 最初からですか!! 「ちなみに最初に言い出したのはてゐよ」 「か、輝夜様!? 酷いですよ、輝夜様も乗り気だったのに――――」 「……て~ゐ~……?」 「あ……あははは……脱兎!!」 「待ちなさい! 今日という今日は絶対に許さないわよ!!」 逃げるてゐを追う鈴仙。文字通り二人とも飛んで行ってしまった。 「ふぅ……私は二人を追いますね」 「えぇ、お願い」 永琳先生も行ってしまった。今ここにいるのは、僕と輝夜様の二人だけ。 「それにしても○○? 私というものがありながら、随分とイナバに夢中になっていたみたいね?」 「そ、それは……その……」 図星なだけに何も反論できない。いや、その資格すらないだろう。 古今東西、こういう場合は須らく男が悪いのだから。 「まぁ、別にいいんだけどね。私がそう仕向けるようなことを言ったのだし」 「あの、輝夜様」 「何かしら?」 「何故、あんなことを?」 「……そうね……」 ……聞いては、いけないことだったのだろうか? 輝夜様の顔が、どことなく寂しそうに見える。 「私は、あなたに人としての幸せをあげたい。 男として女を愛し、父として子を愛して欲しい。 だけど私は、子どもが産めない。あなたの子どもを、産んであげることができない」 「…………」 ……考えたこともなかった、と言えば嘘になる。 僕だって健全な男なんだから、輝夜様とそういうことをしたいと思うし、実際にしてきた。 そして分かったのは、輝夜様は子どもが授かれないということ。 僕自身はあまり気にしていなかったが、輝夜様はそのことをとても気にしていたみたいだ。 「○○。私は、永遠亭の皆が好きよ」 「僕もです。永遠亭の皆が……輝夜様が、とても大切です」 「ふふ……そう、だから私は、私の愛するあなたと、私の好きな子達との間に子ができてほしいと思う。 私はここに住む皆を家族と思っているわ。だから、あなたがここにいる誰かと子を生せば、それは我が子も同然」 「輝夜様……」 「それに、鈴仙やてゐはあなたを憎からず思っているみたいだし、ね。まぁ、女としては複雑ではあるのだけど」 「え……えぇ!?」 「あら、気づいてなかったのかしら? 鈍感は罪よ?」 し、知らなかった……というか、いくら輝夜様の言葉でも冗談だとしか思えない。 あの二人が、僕を……? 「まぁ、そういうわけだから……できることなら、鈴仙やてゐと契り、子を作ってちょうだい。 そして、その子を愛させて。私が愛したあなたの子を」 「輝夜様……」 「輪廻は巡る……あなたが子を作り、その子がまた子を作る…………そしていつしかあなたが生まれ変わったら」 ――また愛し合いましょう。それが、永遠亭なのだから―― うpろだ395 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「俺は、お前という月が欲しいんだ」 7スレ目 831 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ああああああ!私を罵倒してください!詰ってください!踏みつけてください!輝夜様あああああああああああああああああ!!!!」 7スレ目857 ─────────────────────────────────────────────────────────── 姫は突然こう切り出した。 「ところで○○、貴方も因幡たちと同じように私のペットよね」 俺は答える。 「申し上げるまでもなくそのとおりにございます、姫様」 姫は間髪いれずにこのように仰った。 「外の世界ではペットには首輪を着けるんでしょう?」 硬直している私を尻目に、姫の、その細く美しい手が着物の懐に差し込まれ リールと錠前のついた赤い皮製の首輪を取り出したのであった。 「・・・・」 私は言葉を失った。それはあまりにもあんまりな光景であった。 美しく、知的で、清潔で、私のような愚鈍な凡人には手が届かないような 高嶺の花を絵にかいたような輝夜様が、こともあろうにかくのごとき 変態的な意味でマニアックなアイテムを嬉しそうに見せ付けながら 期待に満ちたような眼で私を凝視なさる。 それはまるで『有無は言わせない』と無言で語っているかのようであった。 「わー。○○にドン引きされちゃったわ」 私が固まっていると姫様は目を細めて口を隠し、お茶目にもそう言われた。 私は、脂汗をかきながら絶望的な反論を試みる。 「姫様、そんなものを何処で入手されたかはともかく、廊下で他者の視線をはばからずに そういった行為に及ぶのはやめていただけませんか」 しかし当然ながら姫様はそんな私の意見に耳を貸すことはない。 「ねぇ○○、他人の性癖をとやかく言うのは許されざることだと思わない?」 姫は真紅のリールを人差し指にぐるぐる巻き、首輪の末端部を唇に近づける。 それはあまりに扇情的な光景で、私の中では、姫に抱いていた神聖なイメージが 一段と崩れると同時に、短絡的にも、姫と低俗な行為に及ぶ想像が脳裏をかすめた。 「それより、またそんなものばかり買って、八意先生に怒られますよ」 「大丈夫、永琳も首輪の○○を見たいと言ってはばからなかったわ」 なんと、この問題はすでに永遠亭のトップ二人のコンセンサスの得られたところであるようだ。 私の逃げ道は封じられた。カンナエ殲滅戦でのローマ軍のように、 私はじわじわと近寄ってくる姫を退けることかなわず、こんなことなら 姫のパソコンのセットアップのとき反対を押し切ってでも保護者機能をインストールして オンラインショッピングなど不可能ならしめるのだったと後悔したが、後の祭りだった。 7スレ目874 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「輝夜様……本日もまたお美しゅうございます……」 どのくらい美しいかと例えるなればそれはこの世の森羅万象宇宙の真理すべからく 比べるに値しないほどに美しい。しかしあえて陳腐にもこの世の私達穢れた下衆が 現象、物質等々己の愚かな価値観をもってして例えてしまうなれば、それは満天の 星空にありなおより一層力強く輝く恒星の群体であり、それは目を疑わんばかりに 突如上空に出現した七色のカーテンであり、それは幽玄さを称える秘境の厳かな滝 であり、それは古今東西の神話に登場し男神の心を溶かす美の女神であり、それは 王侯貴族が金にあかせて作り上げたダイヤモンドのティアラを数百倍数兆倍数那由 多倍にしても決して決して届くはずが無いほどに光り輝いた存在。 そのくらい、目が眩んでしまうほどに美しい。 ああこの汚らわしく薄汚くゴミにも劣る畜生以下のわたくしめが、このように高貴 で優雅な月の姫を、無礼にも直視してよいものなのだろうか……。 「他の者のように、そう機嫌を取る必要などないわ……」 「か、輝夜様……」 「様なんていらないの、貴方は私をかぐやと呼んでかまわないのよ?」 「と、トンでもありません……わたくしのようなチリクズめがそのような……」 「口答えなんて許さないわ、名前で呼んで頂戴」 「か、かぐや……」 「そう……♪ いらっしゃい、今は貴方を暇潰しに使ってあげるわ……♪」 「か……かぐやっ」 ほんのり上気した頬を称えた輝夜にうわなにをするここからはおとなのりょういき だけどでも手がとまらないんだたすけてでもだめだめ一般板なんだからこれいじょ うはきけんすぎるけどさいごまでしたいのいやぁぁぁぁぁぁ 7スレ目917 ───────────────────────────────────────────────────────────
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《蓬莱山 輝夜》 No.037 Character <第一弾> GRAZE(3)/NODE(6)/COST(2) 種族:人間 伝説 (自動α): あなたの場に「八意 永琳」がいる場合、以下の効果を使用することは出来ない。 (自分ターン)(1): 〔あなたのデッキ〕を全て見て、「八意 永琳」1枚を抜き出し、あなたの場にアクティブ状態で出しても良い。その後、デッキをシャッフルする。 攻撃力(3)/耐久力(6) 「永琳、私の力でもう一度だけチャンスをあげる。これで負けたらその時は・・・・・・」 (PR.056:「ふふ、我々月の民は、地上人を魔物に変えて、地上人の穢れを調整してきた。でも、もうそれもお終い」) Illustration:井村屋あゆか コメント 月のお姫様。 伝説を所持し、「八意 永琳」をデッキからサーチする能力を持つ。 伝説を持つキャラクターではノード・コスト共に低いが、蓬莱山 輝夜/5弾には一歩譲る。さらに「蓬莱山 輝夜」として見る場合、五つの難題を採用すると蓬莱山 輝夜/10弾が壁となる。 その為、やはり「八意 永琳」を呼び出すテキストこそがこのカードの真価と言える。 八意 永琳/1弾は高ノード高コストの大型キャラクターを手札を消費せず場に1コストで出せる為強力だが、通常は自動効果によりこのカードと同じ戦闘力になる為弱体化する。 ただ、逆に言えば、輝夜戦闘修正を受けている場合、事実上永琳側も強化され飛躍的に打点が増加する。結束で永琳を輝夜に「パートナー」としてセットしてやれば+8/+6の大幅な戦闘修正に加え、起動効果が使用可能になりカード2枚で11/12を二体並べられる。 近接戦闘などで輝夜の(自動)効果を無効にすることで、デッキの「八意 永琳」を全て場に出し、圧倒的な物量と火力で制圧することも可能。真実の光景とのコンボは非常に実用的。呼び出すカードを八意 永琳/1弾にすれば八意 永琳/1弾の(自動α)も無効になるので、8/6打点を一気に3体アクティブ状態で並べられる。 呼び出せるのはデッキの「八意 永琳」なので、いかに「八意 永琳」をデッキに残すかが重要になる。専用デッキを組むのであれば、転世『一条戻り橋』などの冥界のカードをデッキに戻す手段が欲しいところである。 公式Q Aより Q 162.No.037 蓬莱山 輝夜が場に2枚いる状態で、片方のNo.037 蓬莱山 輝夜が起動効果を使用した事に干渉し、もう片方のNo.037 蓬莱山 輝夜が起動効果を使用し解決した場合、デッキから「八意 永琳」を合計2枚場に出すことは出来ますか? A 162.はい、出来ます。コメント(自動α)は「使用できない」との記述しか無い。八意 永琳がいる場合「解決できない」との制限はないため、効果の解決時に八意 永琳が場にいても問題なく解決できる。手札からの八意 永琳プレイに干渉して効果を使用した場合も同様である。 関連 第一弾 Special Collection Vol.5 (PR.056) Based Starter プロモーションカード 蓬莱山 輝夜/5弾 蓬莱山 輝夜/10弾 蓬莱山 輝夜/13弾 永遠の月人チーム 不滅の敵愾チーム 難題『火鼠の皮衣 -焦れぬ心-』 難題『龍の頸の玉 -五色の弾丸-』 難題『仏の御石の鉢 -砕けぬ意思-』 難題『燕の子安貝 -永命線-』 難題『蓬莱の弾の枝 -虹色の弾幕-』 新難題『ミステリウム』 新難題『エイジャの赤石』 『永夜返し -夜明け-』 『永夜返し -世明け-』 新難題『月のイルメナイト』 新難題『金閣寺の一枚天井』 『蓬莱の樹海』 ※名称に「八意 永琳」を含むカード 八意 永琳/1弾 八意 永琳/5弾 八意 永琳/10弾 八意 永琳/13弾 ※「蓬莱山 輝夜」を参照するカード 八意 永琳/1弾 八意 永琳/10弾 悠久の月明 五つの難題
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《蓬莱山 輝夜》 No.037 Character <第一弾> GRAZE(3)/NODE(6)/COST(2) 種族:人間 伝説 (自動α): あなたの場に「八意 永琳」がいる場合、以下の効果を使用することは出来ない。 (自分ターン)(1): 〔あなたのデッキ〕を全て見て、「八意 永琳」1枚を抜き出し、あなたの場にアクティブ状態で出しても良い。その後、デッキをシャッフルする。 攻撃力(3)/耐久力(6) 「永琳、私の力でもう一度だけチャンスをあげる。これで負けたらその時は・・・・・・」 (PR.056:「ふふ、我々月の民は、地上人を魔物に変えて、地上人の穢れを調整してきた。でも、もうそれもお終い」) Illustration:井村屋あゆか(PR.056:井村屋あゆか) コメント 月のお姫様。 伝説を所持し、「八意 永琳」をデッキからサーチする能力を持つ。 伝説を持つキャラクターではノード・コスト共に低いが、蓬莱山 輝夜/5弾には一歩譲る。さらに「蓬莱山 輝夜」として見る場合、五つの難題を採用すると蓬莱山 輝夜/10弾が壁となる。 その為、やはり「八意 永琳」を呼び出すテキストこそがこのカードの真価と言える。 八意 永琳/1弾は高ノード高コストの大型キャラクターを手札を消費せず場に1コストで出せる為強力だが、通常は自動効果によりこのカードと同じ戦闘力になる為弱体化する。 ただ、逆に言えば、輝夜が戦闘修正を受けている場合、事実上永琳側も強化され飛躍的に打点が増加する。結束で永琳を輝夜に「パートナー」としてセットしてやれば+8/+6の大幅な戦闘修正に加え、起動効果が使用可能になりカード2枚で11/12を二体並べられる。 近接戦闘などで輝夜の(自動)効果を無効にすることで、デッキの「八意 永琳」を全て場に出し、圧倒的な物量と火力で制圧することも可能。真実の光景とのコンボは非常に実用的。呼び出すカードを八意 永琳/1弾にすれば八意 永琳/1弾の(自動α)も無効になるので、8/6打点を一気に3体アクティブ状態で並べられる。 呼び出せるのはデッキの「八意 永琳」なので、いかに「八意 永琳」をデッキに残すかが重要になる。専用デッキを組むのであれば、転世「一条戻り橋」などの冥界のカードをデッキに戻す手段が欲しいところである。 公式Q Aより QA-162. No.037 蓬莱山 輝夜が場に2枚いる状態で、片方のNo.037 蓬莱山 輝夜が起動効果を使用した事に干渉し、もう片方のNo.037 蓬莱山 輝夜が起動効果を使用し解決した場合、デッキから「八意 永琳」を合計2枚場に出すことは出来ますか? A.はい、出来ます。 コメント (自動α)は「使用できない」との記述しか無い。八意 永琳がいる場合「解決できない」との制限はないため、効果の解決時に八意 永琳が場にいても問題なく解決できる。手札からの八意 永琳プレイに干渉して効果を使用した場合も同様である。 収録 第一弾 Special Collection Vol.5(PR.056) Based Starter プロモーションカード 関連 「蓬莱山 輝夜」 蓬莱山 輝夜/1弾 蓬莱山 輝夜/5弾 蓬莱山 輝夜/10弾 蓬莱山 輝夜/13弾 蓬莱山 輝夜/17弾 蓬莱山 輝夜/19弾 場で「蓬莱山 輝夜」として扱われるカード 永遠の月人チーム(連結) 不滅の敵愾チーム(連結) 「蓬莱山 輝夜」が術者であるスペルカード 難題「火鼠の皮衣 -焦れぬ心-」 難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」 難題「仏の御石の鉢 -砕けぬ意思-」 難題「燕の子安貝 -永命線-」 難題「蓬莱の弾の枝 -虹色の弾幕-」 新難題「ミステリウム」 新難題「エイジャの赤石」 「永夜返し -夜明け-」 「永夜返し -世明け-」 新難題「月のイルメナイト」 新難題「金閣寺の一枚天井」 「蓬莱の樹海」 神宝「蓬莱の玉の枝 -夢色の郷-」 「蓬莱山 輝夜」を参照するカード 八意 永琳/1弾 悠久の月明 五つの難題 永遠の月人チーム 八意 永琳/10弾 蓬莱山 輝夜/13弾 新難題「月のイルメナイト」 八意 永琳/19弾 「八意 永琳」 八意 永琳/1弾 八意 永琳/5弾 八意 永琳/10弾 八意 永琳/13弾 八意 永琳/17弾 八意 永琳/19弾