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『『野良れいみゅは飼いゆっくちになりちゃい』』 8KB 愛で いじめ 小ネタ 飼いゆ 野良ゆ 子ゆ うんしー 多分ネタかぶりかも 「あにょね、おきゃーしゃん・・・。」 「ゆ?なあに、おちびちゃん?」 「れいみゅね、おおきくなったらかいゆっくちになってゆっくちちたいよ。 でもにぇ・・・。」 「ゆ?でも?」 「どうやっちゃらかいゆっくちになれるかわかたにゃいにょ。」 『野良れいみゅは飼いゆっくちになりちゃい』 残暑のきびしい、うだるような夏の昼下がり。 子れいみゅは公園の中の段ボールで親れいむにたずねた。 「れいみゅはどうやったらかいゆっくちになれるにょ? かわいいれいみゅにゆっくちおちえてにぇ。」 段ボールの中は日陰になっているとはいえ、風もほとんど入ってくることはない。 暑いのですりすりをすることもできない。 2匹は適当な距離をとりながらぐったりとしていた。 「おちびちゃん・・・。」 この親れいむ、野良の両親から生まれた生粋の野良ゆっくりである。 どうやったら飼いゆっくりにになれるのか、わかるはずもない。 「れいみゅね、すずちいゆっくちぷれいしゅでゆっくちしちゃいよ。 きのうかいゆっくちのゆうかがあいすさんっていうのをむーちゃむーちゃちていたよ。 ゆうかがむーちゃむーちゃしていたあいすさんをれいみゅもたべちゃいよ! ちゅめたくてゆっくちできるっていっちぇたよ!! あちゅいのはもうやじゃよ!!! ゆーん!ゆーーん!ゆっくちしたいよ!ゆっくちさせちぇー!!!!」 子れいむはしーしーをもらしながらゆんゆんと泣き始めた。 あまりにもうざいその様子は虐待鬼威惨ならすぐに潰したくなるに違いない。 「ゆぅ・・・。おかあさんもどうやったらかいゆっくりになれるのかわからないよ。」 親れいむは子ゆの頃、両親に人間の恐ろしさを教えられてきた。 人間さんに決して近づいてはいけないと両親はいつも言っていた。 自分の餡子の中にもおぼろげに一斉駆除などの恐怖の記憶がうけつがれている。 人間はゆっくりしていないし、またゆっくりもできない生物なのだ。 そう、れいむの餡子が囁いている。 でもおちびちゃんは飼いゆっくりになりたいという。 なんとかしてあげたい。 おちびちゃんをゆっくりさせてあげたい。 ゆっくりしているおちびちゃんをみて自分もゆっくりしたい。 どうしたらいいのだろうか? 親れいむは考える。 「ゆゆ!そうだよ! かいゆっくりににきけばいいんだよ!」 「どういう・・・こちょなの・・・?」 「こうえんさんにやってきたかいゆっくりににどうやったらかいゆっくりになれるのかきけばいいんだよ。 かいゆっくりになるほうっほうっ!をきいてそれをすればいいんだよ! ゆっくりりかいできた?」 「ゆゆっ!ちょれはめいっあんっ!だにぇ! とっちぇもゆっくちできるあいっであっ!さんだにぇ! ゆっくちりきゃいしちゃよ!!」 ~翌日~ おねえさんとゆうかにゃん(胴なしのプラチナバッジ)は日課の朝のお散歩の途中、公園に立ち寄った。 ゆうかにゃんはおうちに専用の温室をおねえさんから与えられていて気の向くまま自由にお花を育てている。 この公園の花壇にはゆうかにゃんの育てていないお花もたくさん植えられている。 この公園の花壇のお花はきれいに手入れがされているのだ。 ゆうかにゃんはこの公園の花壇を見ながら次はどんなお花を育てようか考えたりするのが好きだったりする。 おねえさんはベンチに座るとゆうかにゃんに自由にしていいよといった。 ゆうかにゃんは花壇にぽぷよんぽぷよんと跳ねていく。 おねえさんはそんなゆうかにゃんをみながらゆっくりしていた。 ゆうかにゃんが花壇を眺めてあれこれと考えいると、子れいむが近づいてきて話しかけた。 「ゆっくちしていってね!」 「・・・。」 「れいみゅはれいみゅだよ。」 「・・・。」 「あにょね、あにょね・・・。 れいみゅはね、かいゆっくちになってゆっくちちたいの! どうちたらかいゆっくちになれりゅ? かわいいかわいいれいみゅにゆっくちおちえてね!!」 「・・・。」 ゆうかにゃんは子れいむが話しかけても何の反応もしない。 「どぼぢでむじずるにょぉぉぉぉぉぉぉお゛!!!!」 しーしーをぷしゃぁっ!っと出し、泣きながら子れいむは叫んだ。 心配した親れいむも近づいてきた。 親れいむもゆうかにゃんに話しかける。 「ゆゆっ!むししないでね!むしするのはゆっくりできないよ! おちびちゃんのしつっもんっ!にゆっくりしないでこたえてあげてね!!」 「・・・。」 無言のゆうかにゃん。 「「どぼじでむじずるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお゛お゛お゛!?」」 ゆうかにゃんはプラチナバッジだ。 野良ゆっくりとは話してはいけないと教育されていたし、 もしそうでなくとも花壇を見てゆっくりしているときに叫ぶゆっくりと会話なんてしたくなかった。 遠くからゆうかにゃんの様子をみていたおねえさんが心配してゆうかにゃんのところまで行き、 ゆかにゃんを抱き上げた。 「ゆうかにゃん、大丈夫?」 「うん、ゆうかは平気よ。 うす汚いゆっくりがまとわりついてきてゆっくりできなかっただけなの。 心配してくれてありがとうね、おねーさん。」 そういっておねえさんにゆうかはほほえんだ。 「そう、大丈夫ならよかったわ。」 微笑み返すおねえさん。 「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお゛」」」 さらに叫ぶれいむ親子。 「ゆん!れいむはね、おちびちゃんをかいゆっくりにしてあげたいんだよ! でもどうやったらかいゆっくりになれるのかわからないんだよ! だからかいゆっくりのゆうかにどうやったらかいゆっくりになれるのかききたかったんだよ! ゆっくりりかいしてね!」 「れいみゅ、かいゆっくちになってゆっくちちたい! かいゆっくちになりちゃい! りきゃいできりゅ!?」 おねえさんはゆうかにゃんを抱っこしながられいむ親子の方を見た。 れいむ親子はおかざりのりぼんがほつれていた。 体も汚れているし子れいむはしーしーの跡ががびがびになっている。 髪もほこりまみれだった。 おねえさんは抱きかかえているゆうかにゃんの頭をなでながらゆうかにゃんに尋ねた。 「ねえ、ゆうかにゃん? ゆうかにゃんがゆっくりできるのってどういうとき? お花を育てているときかしら?」 「ゆうかはね、お花を育てているときはゆっくりできるよ。 でもね、 一番ゆっくりできるのはね、 おねーさんがゆっくりできているときだよ。 おねーさんがゆっくりできているとゆうかもゆっくりできるよ。 ゆうかはおねーさんにゆっくりして欲しいの。」 「うふふ、そうなの。 ありがとうね、ゆうかにゃん。 私はゆうかにゃんにいつもゆっくりさせてもらっているわよ。 ゆうかにゃんもゆっくりしてね?」 そういっておねえさんはゆうかにゃんにほほをすりすりした。 「うにゃーん。 おねーさん、ゆうかはいいつもとってもゆっくりできているよ。 ありがとうね、おねーさん。」 そんなゆっくりとしたおねーさんとゆうかにゃんの雰囲気なんて全く考えずれいむは大声で叫ぶ。 「おちびちゃんがかいゆっくりになってゆっくりしたいっていってるでしょぉ!? かいゆっくりになるほうっほうっをおしえろっていってるでしょ!? わからないの!?ばかなの!?しぬの!?」 「おねーさん、ゆうかはね、馬鹿は相手にしないほうがいいって思うの。 ・・・ゆうかが黙らせようか?」 「でいぶはばかじゃな゛い゛ぃぃぃぃ!!」 「ゆぉぉぉ!びゃびゃあがれいみゅをかいゆっくちにしてゆっくぢざぜろぉぉぉお゛!!! あばあばよごぇぇぇ!ぜ~どりぇいぃぃぃ!」 「おねーさん、ゆうかはね、ゲスは相手にしないほうがいいって思うの。 ・・・・・でもねおねーさんを侮辱するのはゆるさない・・・・。 ・・・おねーさん、ゆうかがゲスを制裁していいかしら?」 「れいみゅはげすじゃなぃぃぃぃぃ!!!」 おねえさんはため息をつくと喋った。 「ゆうか、怒るのはゆっくりしていないわ。 私は別に何も気にしていないのよ? そろそろ帰って朝食にしようか? きょうはトーストにゆうかにゃんのすきなハチミツをかえてあげるね。 ・・・そうね、れいむさん達にひとつアドバイスをあげる。 飼いゆっくりになるにはね他人をゆっくりさせてあげることができないとだめなのよ。 それじゃあね、れいむ親子さん。 (とはいっても野良ゆっくりっていう時点で飼いゆっくりになれるわけないのよね。 せいぜい虐待鬼威惨に捕獲されるくらいかしら?)」 そういうとおねえさんは公園の出口にむかって歩いて行った。 「ゆぷぷっ! そんなのかんったんっ!だにぇ! れいみゅはかわいいからみているだけでかいぬしさんはゆっくちできりゅよ! れいみゅ、きゃわいくっちぇごめんにぇ~!」 「な~んだれいむたちのゆっくりしているとこををみればゆっくりしていないにんげんはゆっくりできるにきまっているよ! なにもとくっべつっ!なことなんしなくてよかったんだね! おちびちゃん、れいむたちはかいゆっくちになってにんげんにゆっくりさせてもらえるうんっめいっ!だったんだね!」 「ゆっくちしちぇいっちぇね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 数日後、 公園のゆっくり専用のごみ箱に 髪を抜かれ、 両ぴこぴこをちぎられ、 目玉をあまぎられ、 全ての歯を抜かれ、 全身が穴だらけので焦げ目のついているゆっくりと子ゆっくりが捨てられていた。 死に顔は苦悶に満ち満ちていた。 あのれいむ親子かどうかわわからない。 おしまい 挿絵:車田あき
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れいむ、俺の為に赤ちゃん産んでくれ 後 39KB 虐待-凄惨 理不尽 妊娠 赤子・子供 透明な箱 虐待人間 「餡子ンペ09」 善良ゆっくり虐待 「ふたば系ゆっくりいじめ 641 れいむ、俺の為に赤ちゃん産んでくれ 中」からの続きです ========== 「あれっ? れいむ、赤ちゃんは?」 今日は仕事が長引き、帰宅したのは茎に実った赤ゆ達がとっくに生まれ落ちたであろう時間になった。 で、帰宅一番、れいむ達の様子を見に行ったら、もう生まれ落ちている筈の赤ゆ達の姿がどこにも見当たらない。 「あ、あかちゃん? なんのこと? れ、れいむしらないよ!」 「知らないって…今朝いただろ、ここに。ほら、こう茎が生えて、かーわいいのが」 れいむの頭上、茎が生えていた辺りの中空をとんとんと指差すと、れいむが目を逸らす。 「お、おにいさんがおでかけのあいだに、く、くきさんが無くなっちゃったんだよ! ほんとだよ! れいむうそなんかついてないよ!」 「へー、赤ちゃんの茎さん、無くなっちゃったの?」 問いかけた先は、れいむではなく、れいむの影に隠れていた赤ゆ達。 「しょ、しょうだよ…!」 「あ、あか、あかしゃんはきえちゃったんぢゃよぉぉ…!」 「ふーん、赤ちゃんの茎さん、無くなっちゃったのぉ?」 「しょ、しょ、しょ…しょうぢゃよぉぉ…!? う、うしょじゃにゃいよぉぉ!?」 「れ、れれ、れみゅ、れみゅ、れいみゅ、うちょちゅいてにゃいよ!?」 ふむ。 特に怪しいところもないし、消えちゃった物は仕方ないね。 水槽内の石の影や、れいむの口の中もチェックしたけど、赤ゆは隠れてないし、土を掘り返した跡もない。 本当にいなくなったようだ。 この世から。 「そっか。なら仕方ないね。じゃ、また赤ちゃん作ってもらおうかな」 次の出産に向けての仕込みだけ済ませると、虐待部屋を後にした。 そして、次の出産日。 仕事は早く終わり普通に帰宅したが、のんびり晩飯を食って時間を潰してから虐待部屋に向かう。 「あれっ? れいむ、赤ちゃんは?」 まあ予想通りの展開と、同じ問答の繰り返し。 「そっか。消えちゃったんじゃ仕方ないね。 そうそう、赤ゆちゃん達にお土産あるよ。とっても甘くて美味しいお菓子だよ。食べる?」 「「ゆっ? あみゃあみゃしゃん!? たべりゅ!!」」 それまで、やたらとオドオドしていた赤ゆ達が、帰りがけに買ったお土産の箱を見せた途端、突然元気になる。 現金なものだが、それがまたかわいい。 箱を開けて、赤ゆ達に向けて差し出す。 「ハハハ、一杯食べていいからね。とっても美味しいんだよ~、このお店の…」 「ゆっ! おいちしょうなにおいがしゅるよ!」 「あみゃあみゃぁ~♪」 甘い匂いに誘われ、赤ゆちゃん達が俺の元へとよちよちと這ってきて、 「赤ゆっくり焼き」 「「ゆびゃああぁああっ?!」」 こんがりキツネ色に焼けた同族の姿を見て悲鳴を上げた。 ……… 「いや~悪いな~お兄さん一人で美味しい物食べちゃってぇ~」 赤ゆちゃん達が急に食欲を無くしたみたいなので、お土産は俺一人で食べる事になった。 二匹は母れいむに縋り付き、もみあげに抱かれて、ぷるぷる震えている。 「むーしゃむーしゃ! し、し、ししししし、しあわせ~~~!!! うっめ! これめっちゃうっめ! ぱねぇ! はふっほふっ!! あまあましあわせー!!」 ゆっくり達に見せつけるように、両手に赤ゆっくり焼きを持ち、交互にガツガツと貪りつく。 「いや~! 本当にね! 赤ゆっくりちゃんは食べると美味しいんだよねぇ! がーつがーつ! んほおおぉぉ! あまあま~!! 特にね! まだ生まれたばかりの小さな赤ちゃんをね、生きたまま食べるとすっご~く美味しいんだよね! ね? れいむは知ってる? あっれ、美味しいよね~!!」 七個目の赤ゆっくり焼きを頬張りながら、母れいむに向けて首を傾げる。 「な、なななな、なじいっべるのおおぉぉ?! ででででいぶが、あがっあがっあがぢゃんたべぢゃうばげないでじょおおぉぉ?!」 多少口ごもりながら、盛大に汗を噴き出させたれいむが首を横に振る。 汗の感触が不快だったのか、れいむに縋り付いていた赤ゆ達が、れいむから離れて、じりじりと後ずさる。 怯えたような視線でれいむを見上げながら。 「お、おおおおぢびぢゃんっっ?! ぢ、ぢがうよおおぉ?! あれはぢがうよおぉぉ!? どおおおじでそんなおめめでおがーざんをみるのおおぉぉ!?」 「むーしゃむーしゃ…げっぷ…し、し、し、しあわせ~~! うっめ! うっぷ…! これめっちゃ…うっ……うっめ!!」 そのまた次の出産日 「ゆっ…お、おにいさん…」 「あーはいはい。赤ちゃん消えちゃったのね」 口を開きかけたれいむには目もくれず、怯え切った目でこちらを見ている二匹の赤ゆを水槽から摘みだして手のひらに乗せた。 「ところで、赤ゆちゃん達。お兄さんに何か内緒にしてる事ないかなぁ?」 「「ゆんぴゃあああぁぁあ?!」」 笑顔で尋ねた俺に、二匹が文字通り飛び上がって悲鳴を返す。 「ちちちちち、ちりゃにゃいよぉ!? まりしゃはちりゃないよぉぉ!!?」 「れ、れれ、れびゅ、れいびゅぶっ、ちり、ちりっ、ちりまちぇんんん!!」 「あっ、そう。それならいいんだけど。 れいむお母さんがなかなか赤ちゃん産んでくれないからさー ひょっとして何かズルしてるんじゃないかなーーー?って疑っちゃったよ。 ごめんね、変な事聞いて。 良い子の赤ゆちゃん達は、お母さんがズルしても、ちゃんとお兄さんに教えてくれるもんね? ね?」 赤ゆ達がぷるぷるぷると上下に小刻みに震えて頷くのを見て、俺も満足げに大きく頷く。 「そうだよね。お兄さん良い子の赤ゆちゃんは大好きだよ! お兄さんが殺す赤ゆちゃんを選ぶときには、良い子の赤ゆちゃんだけは選ばないようにしてあげるからね! でもウソつきの悪い子は殺す。たっぷり苦しめて殺す」 赤ゆ達を水槽に戻しながら俺が言うと、赤ゆ達がビクッと震え、家族全員に何とも言えない緊張が走る。 しかし、暫く待っても、赤ゆ達は震えながら黙りこくったままだ。 ……フッ、カマかけ失敗か。 まあ、強い親子愛と信頼で結ばれているこの家族の結束はこんな事では揺るがないよね。 「…さて、じゃ、今度こそ赤ちゃん産んでもらおうかな…すっきりーの準備準備と…あ、そうだ。れいむ」 「ゆ?」 「この前相談したどっちの赤ちゃんから先に殺すかって話だけど…」 「…ゆっ?? ゆゆっ?! な、なにそれ?! れいむそんなはなししてないよ!?」 立ち上がりかけながら、何気なく話し掛けた俺の言葉にれいむが目を白黒させる。 実際そんな話はしてないから無理もない。 「…あっ…! あ、ご、ごめ…そ、その…お、お兄さんの勘違いだったよ! ごめんね! 忘れてね!」 「お、おちびちゃん?! おかあさん、そんなはなししてないよ! しんじてね!?」 あたふたと手を振ってから、チラッと赤ゆ達に視線を落とす。 二匹の赤ゆは、大きく目を見開き、先ほどまで以上に青白い顔でガクガクと震えている。 特に片方が。 ややあって、その片方がゴクリと唾を飲み込んだ。 「お、お、おにいしゃん…! ……お、おきゃあしゃん…おきゃあしゃんがぁ……」 「ゆっ?! お、おぢびぢゃん?!?!」 口を開いた赤ゆに不穏な物を感じたか母れいむが押さえようとするが、一歩遅かった。 「おきゃあしゃんが れいみゅのいもうちょ たべちゃったのおぉぉ!! ゆんやああぁぁあ!!」 「おぢびぢゃぁぁぁん?!?! ど、ど、どおじでしゃべっちゃうのおぉぉ!? せっがぐうまぐいっでだのにぃぃ!?」 「だっちぇえぇ! れいみゅぅぅ…! れいみゅは いりゃないこぢゃないのにぃぃ!! れいみゅもおきゃあしゃんのれいみゅなのにぃぃ!! おきゃあしゃんがあぁぁ! おきゃあしゃんがあぁぁぁぁ!」 訂正、「強い親子愛と信頼で結ばれて"いた"この家族」だ。 生まれても祝福されず、落胆されるばかりの自分と同じ姿の妹達。 "まりさじゃなくてれいむだから" それだけの理由で家族から暖かく迎えられない妹達を見る赤れいむの胸中はいかばかりか。 まりさ種を生もうと意識して、まりさの写真に目を向ける母れいむ。 俺が見ている限り、母れいむの赤れいむへの対応は、それほどおざなりになっているようにも見えなかったが、 当の赤れいむからしてみれば、ほんのわずかな疎外感もこの状況下では大きな物に感じるだろう。 些細な悪戯のつもりで仕掛けた事だったが、それがこんなにも生きてくる状況になるとは思わなかった。 自分と同じ姿をしたれいむ種の妹を食い殺す母親。 当然母れいむは、姉達を助けるためと説明しているだろうし、事実その通りだろう。 子供思いのれいむは、さぞや慚愧の念に満ちた悲痛な「むーしゃむーしゃ」を繰り返していたに違いない。 だが、「赤ゆっくりは美味しい物」という情報を与えられたことで、 赤れいむは母の行為に「自分達への愛情故」以外の可能性を見出す。 それでも赤れいむは、自分が母れいむの中で唯一無二の大切な存在であると信じ切ることができるだろうか。 自分達の小細工がいつかはバレるのではないかという恐怖。 そして、母れいむと俺が次に殺す赤ゆを密約しているかもしれないという疑念。 信じがたい話ではあるが、もし、万に一つ、その疑念が事実だった場合、母れいむが選ぶのはどちらか。 以前の赤れいむなら、自分は見捨てられないと、何の根拠もなく盲目的に信じただろう。 だが、今の赤れいむはどう考えるか。 一つ一つの疑念や不信はほんの小さなしこり。 この母娘の信頼関係の前では、気のせいに違いないと、無視できる程度の物。 だが、そのしこりが繋ぎ合わさったら? 死の恐怖の渦中にぶら下げられた、保身という甘い餌。 それに釣られる程には、母れいむに対する赤れいむの信頼は綻んでいたのだ。 ……… 「なるほどねぇ…そんなズルをしていたんだ、れいむは。 お兄さん、れいみゅちゃんが教えてくれなかったら、全然気付かなかったよ」 「あ…あの゛…おにいざん…ごれは…ごれは…ぢがうよ…そうじゃないよ……」 「さて、赤ちゃんが生まれてて、全員れいむちゃんだったんなら…わかってるよね?」 苦しげに言い分けを捻り出そうとするれいむを他所に処刑宣言を下すと、赤まりさがチロチロと漏らしながら震え上がる。 赤れいむは、俺の処刑選択枠から外れている。 となれば… 「よし、れいむ。どっちを殺すか選べ」 予期せぬ俺の言葉に母れいむが目を丸くする。 それ以上に赤れいむが。 「ゆ?! ゆ?! お、おにいしゃん?! れ、れいみゅは…」 「うん。お兄さんはれいみゅちゃんを選ばないよ。お母さんがどっちを選ぶかまでは知らないけどね」 「ゆっ?! ゆうぅぅっ?! ……う…うっ…うしょちゅきいぃぃ!!」 「え? お兄さんはウソついてないよ? 『お兄さんが殺す赤ゆちゃんを選ぶとき』って言ったんだからね? お兄さんが選ばないときは知らないよ。さ、れいむ、どっち? まりしゃちゃん? れいみゅちゃん?」 「え、えらべないよおおぉぉ?! ぞんなのえらべるわげないでじょおおぉ!?」 「そう? じゃあ、まりしゃちゃんでいっか。まりしゃちゃん、死のうね」 背を向けて逃げ出した赤まりさを悠々と掴むと、顔だけを出させるようにして握りしめ、徐々に力を込める。 「ゆぎゅうううぅぅぅ!! きゅ、きゅるちぃよおぉぉ!!」 「ゆあ…やめ゛…おにいさん…あかちゃん…しんじゃ…う……」 ギュッ 「ゆぶううぅぅっ?! ゆぶっ!! ぶっ!」 「や、やめで…! やめで、やめで、やめでよおぉぉ! おねがいだよぉぉ!」 赤まりさの顔がパンパンに膨らみ始める。 餡子を吐くまいと必死に口を閉じ、真っ赤になりながら。 ギュゥッ…! 「ゆ゛っ…?! ゆ゛ぼっ!!」 「……っ!! ……っ!!」 赤まりさの奮闘虚しく、口から少量の餡子が漏れてれいむの顔に降りかかる。 俺は、閉じられた赤まりさの目蓋を小指で押し開け、笑いかけた。 「さよなら! まりしゃちゃん!」 「ごろずのはごっぢのおぢびぢゃんにじでよおおぉぉぉ!!」 そのれいむの叫び声に、叫びを上げたれいむ自身がハッと息を飲んだ。 そして、赤れいむも息を飲む。 俺の手の中でもがき苦しむ赤まりさ以外の全員が、その叫びに時を止めた。 「…うん、わかった」 俺がそう答えて赤まりさを水槽に戻すと、再び時が動き出した。 それまで涙目で赤まりさを見上げていた赤れいむが、ゆっくりと母れいむの方を振り返った。 「お……きゃ……あ……しゃん…………?」 赤れいむの呆然とした表情を目にした母れいむが、ずり…と後ずさる。 「ゆ…あ…ち…ちがうよ……い、いまのは…ちがうよ……そうじゃなくて……ちがうよ…ちがうよ…おちび…ちゃん…」 こちらも呆然とした表情で、母れいむが首を振りながら後ずさる。 眼前で失われ行く命を助けようと躍起になるあまり、考え無しに別の選択肢に飛びついただけか 愛するはにーのまりさによく似たおちびちゃんを優先したか 赤まりさを産むためには、まりさ種が傍にいた方が確立が上がるという迷信じみた打算があったか それとも姉妹を売った赤れいむへの怒りか 何がれいむにそう言わしめたか、正直俺にはわからない。 きっとれいむ自身にもわかってはいないのだろう。 だが、確かにれいむはその言葉を発した。選択の言葉を。 そして、一度発した言葉は、もう元には戻らない。 「おきゃあ…しゃん………………ごめんにゃ……しゃい…………」 消え入りそうな言葉と共に、母れいむを見つめる赤れいむの頬を涙の滴が伝って行く。 喜び、哀しみ、怯え、いつも生の感情に満ちて輝いていた、その幼い瞳から輝きが消えて行く。 幼い赤ゆにとってのたった一つの拠り所、母れいむ。その母に見捨てられた。 疑念に過ぎなかったそれが、確信へと変わった。真実へと"変えられた"。 その深い、深い、絶望の色にベッタリと塗りつぶされて、輝きが消え失せて行く。 ああ…どうしてだろう……… どおおぉぉしてそんなに素敵なお顔をするのおおおぉぉぉ?! れいみゅちゃああぁぁん!! れいみゅちゃんの妹もお姉ちゃんもそんなお顔はしなかったよおぉおぉぉ!? どれだけ絶望したらそんなお顔ができるのおおおぉおぉ!? とってもかわいいよほおぉぉぉ!!! 待っててええぇぇえぇ! お兄さんの魔法のスパイスで ほんのちょっとだけ絶望の味を甘くて美味しくしてあげるからねえぇえぇ!! 「のーびのーびするよ! ほら! れいみゅちゃん! のーびのーび! のーびのーびっ!!」 「ぴっ…! い…! あっ…! ゆぴっ…! たち…! おきゃ…! おきゃーしゃ…!!」 俺の目の前で賑やかに声を上げているのは、赤れいむちゃんだ。 母れいむのいる水槽前の床で、のびのび練習の真っ最中だ。 左目から入って後頭部に抜けたピアノ線を上へ引っ張られるたびに、元気よく体を伸ばしている。 「のーびのーび♪」 「ゆきっ…! や…! ぴっ…!」 ピアノ線を持ち上げる度に、細い鋼線が目の上の餡子に食い込み、必死に体を伸ばしてその痛みから逃れようとする。 ピアノ線を下げれば、体を戻し、上げれば、またのーびのーび。その繰り返し。 とは言え、まだ思うようにはのーびのーびできない幼い赤ゆ。 段々と、食い込んだピアノ線が饅頭皮と餡子を切り裂き、傷口が頭へと向けて縦に広がって行く。 「やめでぐだざいっ! おにいざんもうやめでっ! れいむのあがぢゃんにひどいごどじないでっ!!」 「何言ってるんだい、れいむ? れいむがれいみゅちゃんを殺してって頼んだんだよ?」 「ぢ、ぢがうのおおおぉぉ!! あではぢがうのおおぉぉ!!」 「違わない。はっきり言ったじゃないか。 ね、れいみゅちゃんも聞いたもんね。のーびのーび。 れいみゅちゃん、家族を裏切るのはとってもゆっくりできない事なんだよ。 だかられいみゅちゃんはお母さんから捨てられちゃったんだよ。 ゆっくり理解できるよね? のーびのーび」 「ゆぴぃっ…! ぴっ…! ごめ…! にゃしゃいっ…! ぴぎっ…! ごめっ…! しゃいいぃ…!!」 文字通り身を切り裂かれる痛みの中にあって、頻りに謝罪を繰り返す赤れいむ。 母れいむは、必死に己の言葉を打ち消そうとするが、果たしてそれは赤れいむの心には届かない。 どれだけ否定の言葉を紡ごうとも、あの時の言葉には一抹の真実が含まれていたから。 「のーびのーび、のーびのーび、のーびのーび」 「あ゛…! ゆ゛っ…! ご…! め…! きぴっ…! にゃっ…! ちゃっ…! ゆぴぃっ…!」 素敵な絶望の表情を見せてくれた後でも、その生存本能は生を拒否する事を許さず、 縮んで伸びて縮んで伸びてのかわいいのびのびダンスを繰り返す。 だが、どれだけ楽しいダンスもいつかは終幕を迎える。 ブチッ 「ゆびいいいぃぃぃいぃっ!!!」 「あがぢゃあああぁああんっっ!!」 遂にのびのびが追いつかなくなり、ピアノ線が赤れいむの頭を切り裂いて抜け出た。 鋼線による束縛から解放されて床に転がった赤れいむの目の前にあったのは、水槽の中の母の顔。 傷口から餡子を漏らし、体をブルブルと震わせながら、母れいむに向かって叫ぶ。 「おきゃあしゃああぁああんっ! ごめんにゃしゃいぃぃぃっ!! れいみゅぅぅぅ! れいみゅわりゅいこだったにょおぉぉ!! ゆるちちぇえぇぇえ!」 「あがぢゃああぁんっ! ぢがうよぉぉっ!! あがぢゃんはなにも… ブスリ 「ぴっきゃあああぁあぁぁああぁっっ!!!」 「ぼうやべでええぇえぇっ!!!」 アンコール。 赤れいむを仰向けにして押さえつけ、残った目に再びピアノ線をねじ込んだ。 寒天の目玉から涙に混じってドロリとした物が零れる。 そのままピアノ線をまっすぐ押し込み、先端を赤れいむの後頭部から突き出させる。 「みえにゃいよおぉぉっ!? おきゃあしゃああぁあん! どきょおぉぉ?! れいみゅここにいりゅよぉぉ!! れいみゅをぉぉ! れいみゅ 「のーびのーび」 ぴにいぃっ…!!! おきゃあ 「のーびのーび」 ゆびぃぃっ! おきゃっ 「のーびのーび♪」 あ゛っ゛!!」 赤れいむの呼びかけに母れいむはもう答えを返さない。 もう諦めたんだろ? 裏切り者の赤れいむに愛想が尽きたんだろ? 違う。れいむの母性をみくびるな…! 俺がボロ布を口一杯に押し込んで声を出せなくしたからだ。 しかし、両目の潰れた赤れいむは、その沈黙をどう捉えるだろう。 「おきゃあしゃああんっ! ごめんにゃしゃいっ! ゆぎっ! ごめんにゃしゃいぃっ! ぴっ! いちゃいよぉ! ぴいぃっ! ゆるちちぇぇ! ゆびっ! もうわりゅいこちょ…ぴぎゃっ! ちまちぇぇんっ! ぴっ! れいみゅ…きぴっ! いいこになりゅかりゃ…ゆぴぃぃ!」 赤れいむにとっては、その沈黙は完全な拒絶の証しだった。 餡子を切り裂く鋼の痛みに泣きながらも、痛みよりも死よりも恐ろしい孤独の恐怖に苛まれ、ただひたすらに赦しを乞う。 決して答えることのない母れいむに向けて。 ブチッ 「ゆぎいぃいぃぃっ!!」 頭に二筋目の切れ目を入れて、再びダンスから解放される。 そして、饅頭側の切れ端を振り回しながら、母れいむがいない方向に向けて懸命に叫び続ける。 「おきゃあしゃああん!! れいみゅをおいちぇかにゃいぢぇええぇ! れいみゅをすてにゃいでえぇぇ! れいみゅわりゅいこでちたあぁぁ! あやまりましゅうぅ! これかりゃはいいこになりましゅからぁぁ!! いたいいたいしゃんも がみゃんちましゅうぅぅ! にょびにょびも がんばりまちゅきゃりゃあぁぁ! れいみゅをすてちゃやぢゃあああぁぁっっ!! おぎゃああしゃああぁぁぁぁん!!!」 錯乱し、俺に強要されてるのびのびダンスすら、母れいむからの制裁と思っているようだ。 潰れそうになるぐらいにベッタリと水槽に顔を押しつけて、赤れいむを見つめて涙を流す母れいむの顔。 あの悲しみに満ちた顔を見せてあげる事ができたならば、赤れいむにも救いは訪れるのだろうか? その両の目が光を失った今となっては、もはや叶わぬ事ではあるが。 話は変わるがピアノ線の差し込み口がまだ残ってる。無くても開ければいいだけだけど。 「さあ、れいみゅちゃん! 今度はのーびのーび上級編! 逆さのーびのーびだよ! 頑張って!」 俺は赤れいむを上下逆さにひっくり返して、しーしーの穴からピアノ線をねじ込んだ。 お母さんが許すと言ってくれるまで、頑張ってのーびのーび♪ しようねええぇ!! [残り赤ゆ] まりさ×1 れいむ×0 ========== 今日はれいむの出産日! 泣いても笑っても、今日で最後! というわけで今日は一日、水槽の横でれいむ達を観察しよーう! 仕事? 休んだ。 「ゆにぇぇん! おきゃあしゃあんっ…! どうちて あかしゃん ひとりだけにゃのおぉ!?」 「ゆうぅぅ…どうしてぇ…どうしてなのぉ…」 母れいむが、頭上の茎を見上げながら不安げに呟く。 そこには、まだ種族不詳の実ゆっくりが、ポツンと一つだけ実っていた。 ストレスでれいむの母体としての能力が早々に限界に来たか、出産促進剤を与えつづけた副作用か、 れいむが実らせた赤ゆは、この一匹だけだったのだ。 「いもうちょが まりしゃじゃなかっちゃら…まりしゃ…ゆっくちできにゃくなっちゃうよぉ…! もっちょ たくしゃん うんじぇよぉぉぉ…!!」 「だ、だいじょうぶだからね…おちびちゃん… おかあさん、がんばるから…がんばってまりさとおなじおちびちゃんをうむから… …ぜったい…ゆっくりさせてあげるからね……」 赤まりさに答えるれいむの顔は蒼白。とても大丈夫なようには見えない。 昨日れいむの茎に実ゆっくりが実ってから、こんなやり取りを繰り返している。 まだ生えてくるかもしれないと希望を持っていたようだが、今時点で生えてないなら一匹で打ち止めだろう。 「おやおや。結局ひとりだけなんだ。大丈夫なのかい、れいむ? 最後の赤ちゃんの命がかかっていると言うのに随分と余裕だね。 …まりしゃちゃん……お母さん諦めたのかも?」 「ゆええぇぇん!!」 ふふふ! 泣き顔かわいい! まあ、一匹だろうが、千匹だろうが、赤まりさなんて生まれるわけないんだけどね! ふふふ! うふっ、うふふふ! ゆふふふふふぅぅ!! 「………ゆふ???」 数時間後、俺は水槽の前でそんな間の抜けた声を漏らした。 「おにいしゃん! みちぇみちぇ! まりしゃのいもうちょは まりしゃぢゃよおぉぉ! とっちぇもゆっくいしちぇるよぉぉぉ!!」 ぽよーんぽよーんと渾身のジャンプで飛び跳ねるのは、最後に残った赤まりさ。 その笑顔が向く頭上の茎には、目を瞑ったまま穏やかな笑顔でユラユラ揺れている赤ゆっくり。 髪も生え始め、お飾りも形づくられている。 金髪。そして、小さいが、はっきりとお帽子の形をしている黒いお飾り。 以前のような他のゆっくりのお帽子を被せたような小細工ではない。 間違いなく、まりさ種の赤ゆっくりだった。 何故だ? そんな筈はない。そんな馬鹿な事がある筈がない。 「ゆっ! おにいさん、どお! ちゃんとあかちゃんのまりさだよ! こんどこそ、れいむたちをおうちにかえしてね! やくそくしたよね!」 困惑する俺に、れいむが胸?を張って頭上に実った赤ゆを見せつける。 「……そ、そう……だね……………ふ…ふふ……うふふふ……」 「ゆ?」 いきなり笑い出した俺に、れいむが不安そうな表情を浮かべる。 「ゆふっ! ゆふふふっ! ゆふふふふふふふふふふふ…!!……ゆふう~…凄い! お前ら凄いな! れいむ!」 「ゆ…ゆっへん!!」 「いいよ! もちろん約束は守るよ! いや、大サービスだ! この赤ちゃんも一緒に帰らせてあげるよ!」 「ゆゆっ?! ほんと!?」 「やっちゃあ! いもうちょもおうちかえれりゅね!」 言っておくが、ウソじゃない。騙しでもない。 本気で帰らせてあげるつもりだ。五体満足で。体も心も飾りも。 しつこいな。ホントに何もしないって。 れいむは、それだけの事をやり遂げたんだ。 「あかしゃあん! はやくうまれちぇねぇ! まりしゃ まちきれにゃいよ!」 「ゆっ! だめだよ! おちびちゃん! あかちゃんは、うまれるまえに たくさんゆっくりしているほど、ゆっくりしたあかちゃんになるんだよ!」 「ゆぅ~? そうなにょ?」 「そうだよ! おちびちゃんもたくさんゆっくりしてたんだよ!」 母れいむが、赤まりさに微笑みかけ、その小さな頬に自分の頬を寄せる。 赤まりさが少しくすっぐたそうにしながら、目を細める。 「ゆぅ…しゅーりしゅーり…おきゃあしゃんと、しゅーりしゅーり… ……おきゃあ…しゃん……まりしゃたち……ゆっくちできりゅよね……?」 「ゆ…! もちろんだよ! れいむのだいじなおちびちゃん! おちびちゃんと、いもうとのあかちゃんと、おかあさんと…みんなで…たくさんゆっくりしようね…! みんなの…ぶんまで……ゆっくり……ゆっぐり……じよう…ねえぇぇ……!」 「ゆ…ぅぅ…! まりしゃゆっくちしゅるよっ! れいみゅたちの…ぶんも…ゆっくちしゅるよ! ゆぐっ…! まりしゃたちのぶんもぉ…ゆぐっ…! ゆっぐち…しゅるよぉ! いもうちょ…の…ぶんも……ゆっくち…ゆっく…ちぃぃ……!! ゆっ…ゆえっ…! ゆえっ! ゆええぇぇん!! おきゃあしゃあぁぁん!!」 「おぢび…ぢゃん……なかないで…ねぇ…ないてたら…あかちゃんが…ゆっくりできないよぉ…!」 「ゆぐっ…! まりしゃ…ゆっぐ…なかにゃいよ…! おねえしゃんだかりゃ…なかにゃいよぉ! ゆううぅ…! あかしゃん! まりしゃのいもうちょのあかしゃん! ゆっくちうまれちぇね! おねいちゃんと…たくしゃん…たくしゃんゆっくちしようにぇ!!」 「ゆふふ… ゆっ! れいむのあかちゃん…! ゆっくりうまれてきてね!!」 「ゆっくちうまれちぇきちぇにぇぇ!!」 ………うん。 あ、ごめん。さっきの嘘。 いや、逃がしてはあげるけど、心だけちょっぴり傷つけちゃうかも。 他の赤ゆ達が何故死んで行ったのか、それだけは知っておいて貰おうじゃないか。 「いやぁ、ホント凄いよ! れいむは!」 れいむ達が落ち着いたところで、れいむの後頭部をバンバンと叩きながら話しかける。 「ゆっへん!!……ゆ? なにが…?」 「なにって、そりゃ…」 透明な箱を持ってきて、ずっとれいむのすっきりー相手を務めていた"まりさ"を取り出す。 暴れようとするソイツを押さえつけながら、頭にお帽子を縫い付けていた糸をカッターで切って帽子を取り上げた。 「ゆ? ……ゆ…? ……ゆゆっ?!?! ど、ど、どどっ、どぼっ、どぼじで?!」 れいむの目玉がこぼれ落ちそうになるくらいに見開かれ、そして叫びを上げた。 「どおおぉぉぉじて "まりざ" が "れいむ" なのおおぉぉ?!?!?!」 もし同好の士に今回の一件について話をしたら、きっと早い段階で俺の細工を言い当てた事だろう。 こうも都合良くれいむばかりが生まれるなんて事があるわけがない。 簡単なトリック。 タネはれいむのすっきりー相手の"まりさ"。 最初の二匹は正真正銘、本物のまりさだったが、三匹目のこいつはまりさ種の帽子を被せたれいむだ。 ゆっくりであるれいむ達の目からは、まりさにしか見えなかっただろうが。 当然、れいむ種同士のすっきりーで、まりさ種なんか生まれる訳が無い。 確率はゼロ、コンマとか整数位未満切り捨て・四捨五入とか余計な物なし、正しく0%。 …の筈だった。だが、生まれた。 考えられる理由があるとすれば……ゆっくりの思い込みの力というヤツなのだろう。 "まりさ"だと"思った"から、まりさ種の赤ちゃんを産んだ。 己の遺伝法則すら捻じ曲げてしまうとは、恐ろしい力だ。 今回は、俺の計画を見事に覆したその力に敬意を表し、素直に負けを認めるとしよう。 俺がそんな殊勝な気持ちになっている最中、その気持ちをくれた当のれいむは大層お冠だった。 「なんなのこれはあぁぁ?! れいむがれいむとすっきりしたって、まりさのあかちゃんなんかうまれるわけないよおぉぉ!! こんなのぉ…こんなのずるいよおおぉぉ…!!」 俺を見上げて半泣き状態で叫ぶ。 そう! れいむのかわゆ~い赤ちゃん達は、初めっから助かる筈なかったの! ずるいかなぁ? ずるいよねえぇ! 悔しいよねぇ! どうせ全員殺されるってわかってたら、新しい赤ちゃん産まなかったよねぇ!? そしたら、新しい赤ちゃんは苦しい思いして死ななくて済んだのにねぇ!? れいむのその顔が見たかったんだよ! …でもね、れいむ。 きっと赤ゆちゃんを助けたいというれいむの気持ちが神様に通じたんだね。 れいむは奇跡を起こしたんだよ。すっごく出鱈目な奇跡をね。 お兄さん、ガラにもなくちょっと感動しちゃったよ。悔しいけどね。 「なーに言ってるんだよ、れいむぅ! ずるくなんかないだろう?! だって、ほら! こうしてちゃーんと、赤ちゃんまり…さ……を………え?」 れいむの頭上の赤ゆっくりを指で軽く小突いてから、俺は言葉を飲み込んだ。 「え? …なに…? これ…? え? …ちょ………は、はは…凄い…やっぱ凄いよれいむは……」 「ゆゆっ? な、なにこれ…? なにごれええぇぇ?!?!」 茎に実った赤ゆの黒いお帽子が、いつの間にか、赤茶色に変わり、少し縮んできている。 金色の髪も、黄土色へと変わっている。 金色は黒へ、黒は赤へ、お帽子はリボンへと向かって 少しずつ、少しずつ変化してきている。 「変わってる! 変わってるよれいむ! 赤ちゃんがれいむに変わってるよ! そうだよね! れいむがれいむとすっきりーしてるのに、まりさの赤ちゃんが生まれるなんておかしいよね! れいむの言う通りだよ! そんな事あるわけないよ!」 「ゆわわああぁぁ!? やめてね! れいむのあかちゃん!? れいむになっちゃだめでしょおおぉ!?!?」 「ゆうぅぅぅ?!?! やめちぇえぇ!! れいみゅはゆっくちできにゃいいいぃぃ!!」 思い込みの力で成し遂げた奇跡は、思い込みが解ければ消え去るのか。 れいむ母娘の叫びも虚しく、赤ゆの姿は刻々と変化を続け、遂には普通の赤れいむの姿に成り果てた。 暫くの間、呆然としていたゆっくり達だったが、れいむが目に涙を浮かべながら俺の方を向いた。 「お、おにいさん!? れいむたちかえらせてくれるんだよね!? やくそくしたよね!? ね!? ねえっ?! ゆああぁぁ!! かえらせてぇぇ! かえらせてよおぉぉ! おねばいじまずぅぅぅ!!」 「は? 何いっちぇるのおおぉ。 生まれたのがれいむなんだから帰らせるわけないでしょ。まりしゃちゃんも約束通りブチッ殺っそうねえ!」 「ゆみゃあぁぁあ!? どうちちぇええぇ?! ちにたくにゃいぃぃ! ちにゅのやぢゃああぁっ!! まりしゃおうちかえりゅのおぉぉ!! まりしゃゆっくちしゅるのおぉぉ!!」 「ああ、そうだ。この赤ちゃんが茎から落ちるまで待ってあげるよ。それまでにまりさに戻ったらお家に帰れるよ」 「ゆっ?! れ、れいむのあかちゃん! もどってね! まりさにもどってね!」 「れいみゅのいもうちょはゆっくちできにゃいよぉぉ!」 「おねがいだよ! まりさにもどってくれないと、みんなゆっくりできないんだよ!」 「れいみゅはやめちぇよぉぉ! まりしゃにもどっちぇよぉぉぉぉ! まりしゃがちんじゃうよぉぉぉ!!」 母れいむと赤まりさが頭上の赤れいむに向けて声を張り上げ続ける。 しかし遺伝法則すらねじ曲げた強大なる思い込みの力。 それが正しく補正された今、その力を覆す事など誰にもできはしない。 「おー、そろそろ生まれそうだね! ぷるぷる震えちゃってかーわいいなぁ~! まりしゃちゃあん! お兄さんねぇ、まりしゃちゃんがた~っぷり苦しんで死ねる方法考えてあるんだよぉ? いっぱいいっぱい泣いてね! かわいい泣き顔、お兄さんにい~っぱい見せてねえぇぇ!」 「ゆやああぁああぁ! うまれちゃだめえぇ! あかちゃんうまれちゃだめえぇ!」 「うまれちゃ やああぁあぁ! まりしゃゆっくちちたいよぉぉ!!」 「おまえじゃないいぃぃ! おまえがうまれるんじゃないいいぃぃ!! やべろおおぉぉ!」 「おきゃあしゃぁん! こんなあかしゃん いりゃないよぉぉ! たべちゃっちぇよぉぉ!」 「おっと! 食べちゃうとかズルはなし! ズルしたらこの前のれいみゅちゃんみたくのーびのーび♪するよっ!」 「ゆにぇぇぇぇん!! れいみゅはゆっくちしないでうまれちぇこにゃいでよぉぉ!! どーちちぇ おねいちゃんに こんなこちょしゅるのぉぉぉ!!」 「おねがいいぃぃ…! れいむのあがぢゃあぁぁん! うまれで…うまれでぐるなあぁぁぁ…!」 あー…なんか赤れいむちゃんかわいそ… あんなに善良でゆっくりした家族だったのに…何がこの家族をそこまで追いつめたのやら… 茎から一匹ポツンとぶら下がる赤れいむの体は、プルプルと震えている。 いよいよ誕生が近いから、だけではない。 家族から浴びせられる、自分の誕生を、存在を、全否定する罵声に、身をわななかせて泣いているからだ。 悲しみの表情を浮かべ、まだ開かない目から涙がポロポロと零れ落ちる。 お母さんもお姉ちゃんも、さっきまでは、ゆっくり生まれてきてね!、ゆっくりしょうね!と言ってくれていたのに。 それなのに、いきなり怒鳴られた。 怒りながら。悲しみながら。憎みながら。 お前はゆっくりできない、れいむはだめだ、まりさでなければだめだ、お前はいらない、生まれてくるな それでも…それでも、きちんとゆっくりとしたご挨拶をすれば、きっとお母さんもお姉ちゃんもゆっくりしてくれる。 きっとれいむと一緒にゆっくりしてくれる。 その希望を胸に地上へと生まれ落ちる。 ひゅ~…… (おかあさん…!) (おねえちゃん…!) ぽとっ 「……ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!!」 悲しみを振り払おうとするかのような、とびきり元気な、この上なくゆっくりとしたご挨拶。 相手のゆっくりをただ願うだけの、無垢な言葉。 「ゆっぎゅちぢゅるにゃあぁ!!」 ぽゆん! 「ゆぴいいぃぃっ!!」 だが、返ってきたのは、姉である赤まりさの怒りの籠もった体当たりだった。 姉の柔らかい体に弾き飛ばされ、赤れいむが土の上をコロコロと転がる。 何をされたかわからないと言うように、目をパチクリさせ、その目にじんわりと涙が浮いてくる。 「ゆ…? れーみゅのおかおがいちゃいよ……? おねい…ちゃん……? どうちちぇ…? どうちちぇ…きゃわいいれーみゅに…こんにゃことしゅりゅの…?」 「うるぢゃあいっっ!!」「ゆぴっ! ゆぴっ! いちゃああい!」 ぽゆん!ぽゆん!と赤まりさが体当たりを繰り返し、赤れいむは涙を流しながら水槽の中を転がる。 更には赤れいむのお尻に噛み付いたり、髪を咥えて引っ張ったりとエスカレートし、赤れいむの泣き声も大きくなって行く。 「ゆぴゅぅ…! ゆぴゅぅ…! れ、れいみゅのちぇいでまりしゃはぁ! まりしゃはぁ…!! …ゆやあぁぁあぁ! まりしゃ、ちにたくにゃぁい! おにいしゃんこあいよおぉぉ! ちぬのやぢゃああぁあ! ゆっくいちたあぁい! ゆっくいちたいのにぃぃ!!!」 息を切らした赤まりさが、その場に立ち尽くしてゆんゆんと泣き始める。 その隙に、赤れいむはずりずりと這って助けを求める。 優しい、れいむお母さんに。 「ゆぴ…おきゃあしゃ…たちゅけて…いちゃいよおぉ…おねいちゃんがぁ…」 「ゆ………ゆあっ…ゆあっ…!…ゆああぁあぁあああぁぁぁっっ!!!! なんでおまえがうばれるんだあぁぁ! れいむはばりざをうんだんだあぁぁあ! おまえなんがぁ…! おまえなんがれいむのこどもじゃないぃぃ!!」 「ゆ…? おきゃあ…しゃん…どうしちぇぇ…? れーみゅ…れーみゅはおきゃあしゃんの……」 「うるざああい! ゆっぐりでぎないあがぢゃんなんがあっ! ゆっぐりじないでざっざどじねええぇぇっっ!!!!」 「おきゃ… ブチュンッ ……… 「れいむのおちびちゃん! しっかりしてね!? すぐたすけるからね!?」 水槽の中に、れいむの悲痛な叫びが木霊する。 母れいむが赤れいむを踏み潰して殺した後、最後の処刑として赤まりさを円筒形のガラス瓶に閉じ込めた。 中にはあんよが浸かる程度に水を入れておいた。 ふやけて破れたあんよから、緩やかに餡子が水に溶け出し、じわじわと死んで行くという寸法だ。 お帽子は破いてから一緒に入れてあげたので、お帽子に乗って水を避ける事もできない。 「だしてえぇぇ! おちびちゃんをだしてよぉぉ! びんさんいじわるじないでよぉぉ! れいむのおちびちゃんがしんじゃうよぉぉ!」 水槽の中に転がした硬いガラス瓶に、母れいむが砂糖菓子の歯を立てるが、割れるのは歯の方だけ。 瓶には傷一つつかない。 「ゆっぐ! たすけるよ! おかあさんがいまたすけるよ! ゆっ! まっててぇ! おちびちゃんまっててねぇっ!! ゆうっ!」 瓶を割ろうとその上に乗って跳ねる。 何度も何度も跳ねて、れいむのあんよの皮だけが潰れて薄くなって行く。そのうち破れるかもしれない。 「いしさん! ゆっくりしないではやくでてきてね! はやく! はやくぅぅ!! ゆっくりしないでよぉ!! れいむのおちびちゃんがくるしがってるよぉぉ!!」 瓶を水槽内の石にぶつけて割ろうとしていたので、石は片付けてしまった。 でも小さいのを一個だけ、残してあげた。土の中に埋めて。その土を叩いて固めて。 れいむが地面に突っ伏して土を食うが、何の道具も無しに平らな地面を掘るのはさぞや難しかろう。 時間だけが浪費されて行く。 瓶も強化ガラス製なので、ゆっくりの力ではどのみち割れないと思うのだが。 「れいむのおちびちゃん! しっかりしてね!? すぐたすけるからね!?」 またガラス瓶に歯を立て始める。 ずっと、そんな虚しい行動の繰り返し。 「あのさ、れいむ」 「おにいざあぁぁん! おねがいじまずうぅぅ! さいごのぉ!! さいごのおちびちゃんなんでずぅぅ!! とってもゆっくりとじだぁ! まりざによぐにだぁ! かわいいおちびちゃんなんでずうぅぅ!! だずげであげでっ! だずけてあげでぐだざいっっ! れいむなんでもじまずがらあぁぁ!」 「まりさちゃん、死んでるから。とっくに」 ガラス瓶の中では、もうずっと前から黒い液体がチャプチャプと音を立てて揺れていた。 その中で、ふやけてバラバラになった、黒いお帽子と、金色の髪と、肌色の皮とが漂っている。 助けて 死にたくない あんよが動かないよ まりさが溶けちゃうよ ゆっくりできないよ 餡子さん出ていかないで ゆっくりしたいよ 死ぬのやだよ お家に帰りたいよ お母さん助けて お母さん お母さん お母さん ずっと叫んでいたお口も、もう何処に行ったのかわからない。 辛うじて原型を留めているのは、ふやけた肌色の断片の間に浮かぶ、白い寒天の目玉だけ。 その目が、助けを求めるかのようにれいむを見つめている。 「じんでないいぃぃ!! じんでないよおぉぉっ!! どおぉぉじでぞんなごどいうのおぉ?! ぎごえるでじょおぉ!? おぢびぢゃんが だずげでえぇっで よんでるでじょおぉ!? れいぶをよんでるでじょおぉ!! ゆううぅ…!! おぢびぢゃあん!! いばだずげるよぉっ! まっででねえっ!! ぜっだい…! ぜっだいおがあざんがだずげるがらねえぇっ!!」 赤まりさの目は、れいむをじっと見つめたまま、いつまでもプカプカと浮かんでいた。 [残り赤ゆ] まりさ×0 れいむ×0 ========== 「がえぜええぇええぇ! れいぶのおぢびぢゃんをがえぜええぇ! ごのくずうぅぅ!!」 俺の腕に抱えられたまま、俺に向かって吠えているのは、れいむ。 水槽にいたれいむではなく、透明な箱にいた、"まりさ"だったれいむ。 口を縛り付けていた紐を切ってやり、喋れるようにしてやった。 「れいむ、今までご苦労様。とっても楽しかったね」 笑いかけた俺の言葉に、れいむが何かを思い出したかのようにハッとし、途端に青くなって震え出す。 「ゆ……や…やべでっ…!? れいぶ、まだじにだぐない…! つぶっ…つぶさないでっ…! れいぶおうぢがえるぅ! おうぢがえっで! すでぎなゆっくりと…! ゆっぐりじでっ! また…! また…あがぢゃんうぶのおおおぉぉ!!」 命乞いを始めたれいむをそっと床に降ろし 「お兄さんがまた遊ぼうねって言ってたよって、赤ちゃん達に伝えてね。さよなら、れいむ」 「おべがいやめでええぇええ!」 一撃で頭を踏み抜いた。 ……… 「ありがとう、れいむ」 床に広がった餡子に向かって一礼。俺を楽しませてくれた事への感謝を込めて。 それから、もう一匹の"れいむ"に向き直る。 ようやく最後の赤ちゃんの死を受け入れて、落ち着いたところで水槽から出してやった。 今は、能面のように無表情に俺の顔を見据えたまま、微動だにしない。 いや、よく見ると小刻みに震えているか。 そして、れいむが口を開いた。 「おにいさん……」 「ん? なんだい、れいむ?」 「れいむをだましたの…」 「そうだよ!」 「はじめから…れいむのあかちゃん…みんな…ゆっくりできなくしちゃうつもりだったの…」 「そうだよ!」 「さいしょにうまれたあかちゃんたちは…」 「あ、お兄さんが連れていった赤ちゃん達の事だよね? 死んだ!! あの赤ちゃん達、友達にあげるなんて、ウソ。すぐにお兄さんが殺しちゃったよ。ごめんね! こうね、赤ちゃんの小さなお体をね、ネジネジッとしたらね、ブチンって切れちゃったの。ブッチィン!って! ネジネジのときも、ブッチンのときも、みんなとおぉぉってもかわいい声で泣いてくれたよおぉ! それとね? すっきりーして死んじゃったまりさちゃん達いたよね? アレ、お兄さんがふたりですっきりーすればお家に帰れるよって、教えてあげたんだよ! ふたりとも、とっても素直ないい子だったね! あ、でもれいむが食べちゃった赤ちゃんは、お兄さんのせいじゃないよね! れいむはゆっくり反省してね! …でも旨かっただろ? 自分の赤ちゃんの餡子は?」 「…どおして……」 「なにが?」 「どおしてええぇ…!? どおしてこんなことするのおぉ?! あかちゃんはとってもかわいいのにいぃ! とってもゆっくりできるのにいぃ! どおしてこんなひどいことするのおぉ?! れいむたちなんにもわるいことしてないのにぃぃ!!」 「………」 「ねえっ?! どおしてえ!? おにいさん、どおしてなのお!? こたえてよおぉ…!! どおして…どおぉぉして…こんな…ひどいことぉ…できるのおぉ…!? れいむたちは…れいむたちはいきているんだよおおぉ!?」 「れいむ達は生きているんだよおおぉ! れいむ達は生きているんだよほおおぉぉぉっ! あはっ! あははは!」 れいむの言葉を鸚鵡返しにして笑い出した俺に、一瞬、れいむは驚きに目を見開き、体をブルッと震わせた。 だが、その表情は、すぐに、ゆっくりとは思えない程の凄まじい憤怒の形相に変わった。 既にボロボロになっている歯を、砕けてしまうのではないかとこちらが心配になるほどに軋ませ、俺に向かって吠えた。 「ゆ…ゆ…ゆんんぎぎぎいいぃぃっ……! な・に・がぁ! なにがおがじいんだぁあぁ! わらうなああぁぁっ!」 「そう! そうだよ! れいむ! れいむ達だって生きている! もちろん! もちろん知ってるよ! 生きているから! 美味しいごはんを食べればしあわせー!になれる! 大好きなゆっくりと一緒にいれば、しあわせー!になれる! ゆっくりとしたかわいい赤ちゃんがいれば、しあわせー!になれる! 素晴らしい! これはとっても素晴らしいことなんだよ! れいむ! れいむ達は生きている! 生きているからしあわせーになれる! だから! だからこそさ!」 「俺がっ! そのしあわせーをっ! グッチャグチャァァにぃっ! 踏んみにじぃってっ! 楽しむ事ができるんだよおぉっ!!」 「…な…なに…なにいって……なにいっでるの゛ぉぉぉ…!!!」 「いいかい、れいむ? これは大事な事だからよく聞いてね? 君達のしあわせは、グチャグチャに踏みにじられるために生えてくるんだ。 君達の赤ちゃんは、痛くて熱くて苦しくて悲しくてちゅぶれりゅううぅな事されるために生まれてくるんだ。 君達は、ゆっくりできなくされる、ただそのためだけにゆっくりしているんだよ」 「おがじなごどいうなあぁ!! ぞんなばずないいぃぃ!」 「いや、それがそうなんだって! れいむ! だかられいむのおちびちゃん達は、虐められるとあんなにかわい~い声で、あんなにかわゆ~いお顔で泣いてくれるんでしょ? 虐めて欲しいから、虐められるために生まれてくるから。 わかってる! お兄さんわかってるよー! それにね? 今日れいむが生んだ赤ちゃん、どうしてまりさかられいむに変わったと思う? 殺されるためだよ! お姉ちゃんのまりさちゃんも一緒にね! まりさのままだったら、虐めてもらえないから、れいむに変わったんだよ! まりさに生まれた赤ちゃんが途中でれいむに変わるなんて、こんな出鱈目な事、ゆっくりじゃなきゃ絶対に起きないよ? 虐められるために生きている、君たちゆっくりじゃなきゃね! れいむとれいむの赤ちゃんがその事を証明しくれたんだよ!」 「ゆっがああぁああっ!! なにいっでるううぅぅっ!! じねええええぇぇえええっ!!! あだまのおがじいじじいはじねええぇぇ!!! ゆっぐりじないでざっざどじねええぇぇ!!!!!」 「はははははは! 怒った? 怒ったかい? れいむ? いいよ! もっと怒るんだ! もっと俺にぶつかるんだ! ほら! もっと! もっと! ちっとも痛くないよ! もっとがんばって! 君達がどう頑張っても死んだおちびちゃんの無念は晴らせないと思い知るんだ! 君達のしあわせは何をやっても守れないと思い知るんだ! 君達の怒りは、そのために湧いてくるんだよ!」 「ゆがあぁぁ! ゆがああぁぁぁっ!!」 「れいむ! れいむ達は生きている! ありがとう! れいむ! ありがとう! 俺にしあわせを踏みにじられてくれるために! わざわざ生まれてくれて! 育ってくれて! 赤ちゃんを産んでくれて! 生きてくれてありがとう! 赤ちゃん達もありがとう! お兄さんにかわいい悲鳴を聞かせてくれるために、生まれてきてくれてありがとう! 全てのゆっくりにありがとう! ゆっくり! ゆっくりしていってね! ゆっくりできなくなるために、ゆっくりしていってね!!」 「ゆがあがああぁがああ! じねええぇ!! じねええぇぇ!! じねえええぇぇえぇえぇええーーーっ!!!!」 …箱の外に頭のおかしい人間の顔が見える。 その死を願う言葉を吐こうとするが、縫いつけられた口は開かない。 それでも叫ぶ。箱に体当たりをしながら叫ぶ。 箱にぶつかる度に、何度も針を刺されて何かを縫いつけられた頭が痛む。そんなの構うものか。 れいむは、必ずこの人間をゆっくりできなくさせてやる。おちびちゃん達の仇を取るんだ。 それから、ここを出て、お家へ帰って、大好きなまりさの所へ帰って、 また、たくさん、たくさん、赤ちゃんを産むんだ。 永遠にゆっくりしちゃった赤ちゃん達の分まで。たくさん。たくさん。 そして、みんなで、いつまでもゆっくりするんだ。 人間がれいむの入った箱を抱えて運ぶ。 その先に何かがいた。 透明な箱の向こう側。 そこにいるのは、れいむと同じれいむ。 れいむがいたのと同じ水槽の中で、 れいむの赤ちゃんと同じ、かわいい赤ちゃんに囲まれて。 れいむと同じれいむが、れいむを見て呟いた。 「ゆうぅぅ…なんだかゆっくりできない"まりさ"だよ…」 "れいむ"と同じ おわり ========== by お説教されたいあき これまでに書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 229 たくすぃー ふたば系ゆっくりいじめ 344 ゆっくりで漬け物 ふたば系ゆっくりいじめ 404 ただ一つの ふたば系ゆっくりいじめ 471 えーき様とお義母様 ふたば系ゆっくりいじめ 519 ゆっくりの電車 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 「何がれいむ一家を切迫させているのか」お前だよ~!!ww ※主演の親れいむは数ヶ月後にお兄さんと再会し、”まりさの帽子装着””口の縫合”をされましたとさ。www -- 2018-01-03 01 10 10 寧ろ死にたくなる程の傑作 -- 2016-11-20 16 38 45 無限ループーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーだ -- 2016-05-26 22 25 36 「氏ね」と嫉妬されるほどの才能…クッ…!おれも頑張らないとな。 -- 2016-05-16 22 14 25 真面目に頭おかしいから死ね -- 2016-04-16 02 40 48 名作! -- 2016-03-05 05 59 30 これは良作だった -- 2016-01-26 17 08 21 凄い傑作 -- 2015-10-07 23 07 49 すごいよ!まれにみるけっさくだよ! -- 2015-08-21 13 58 53 最高〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 -- 2015-07-19 11 08 16 このためにやるんですか?すげえ悪魔だ❗ -- 2015-05-11 23 57 42 いいわぁ... -- 2015-03-15 23 28 22 こんなちゅばらちぃゆぎゃくがみれて ち、ちあわちぇ~! プルプル -- 2014-08-13 16 23 44 挿絵が気に入って読んだけど、良作 -- 2014-05-09 06 42 25 久々に名作に出会えましたありがとうございました。 -- 2014-04-06 03 43 30 鬼威惨ぇ…。おお、ブラボー!今までで最高の鬼威惨だったわ! -- 2014-01-25 16 41 26 虐待鬼威惨がキチガイテンションな作品は苦手だけど、ここまで狂ってると面白いね。 れいむが思い込みの力でまりさ作ったところからの急転落下は、ネタは分かっててもすげぇや。 -- 2013-09-03 11 37 37 いや、てっきり最後の赤ちゃんは、赤ゆ魔理沙との近親しゅっきり~の結果できた子だと思ってしまったよ。 ゆっくりの思い込みの力はすごいんだね。 伏線は、正直バレバレだったかもしれない。でも程よい塩梅のしゅっきり感のある作品だと思ったよ。 面白かったです。ごちそうさまでした。 -- 2013-08-31 01 39 27 凄いね、ネタもオチも素晴らしいが、何といってもお兄さんとゆっくり親子の攻防が臨場感あった。 途中からいつの間にかゆっくり親子応援してたよ。 れいむが常識の壁を打ち破って思い込みでまりさ実らせた時はマジで感動した。 そしてそのあとのどんでん返しとループエンドで震えたわ。 -- 2013-08-29 16 07 59 神さま素晴らしい作品をありがとうございました。 -- 2013-04-14 16 26 18
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『赤ちゃんガイジ』(あかちゃんガイジ)とは、主に架空の生物に対する虐待・虐殺を娯楽として描いている、シリーズものの創作物。匿名掲示板サイト「おーぷん2ちゃんねる」の掲示板の一つ「なんでも実況J」(おんJ)に投稿されている。 - 目次 あらすじ 概要 各話の内容💪😁ガイジを飼います💪🥺💦 🥺さむいよぉ……さむいよぉ…… 割けるチンコ、魚肉味😆✌️ 🥺しくしく 💪😁赤ちゃんガイジ闘技場にきた 😁赤ちゃんガイジ釣りをやります 🥺💦👈😲あっ!赤ちゃんガイジだ! 🥺みゅーみゅー 🤔こいつだけ仲間外れにされてる 💪😁ひよこガイジと私💪🥺💦 💪😁赤ちゃんガイジを管理させる💪🤪 関連リンク あらすじ 舞台は2024年の北海道富良野市。主人公の「笑顔」はペットとして「ガイジの赤ちゃん」、通称して「赤ちゃんガイジ」なる種類の生物を飼い始める。赤ちゃんガイジは安価で入手して飼育することができるが、泣き虫で反抗的である。しかしその肉は柔らかく美味なため、飼い主に従わない赤ちゃんガイジは殺して食用とすることができる。こうして笑顔は憂さ晴らしと食用を兼ねるべく、大量の赤ちゃんガイジを飼育して牧場を経営する。 概要 物語は主に台詞のみの文章か、もしくは漫画のようなもので描かれる。漫画は非常に簡素な絵とiOSの絵文字を組み合わせて作られる。作中で一貫して虐待される側にあるキャラクター「赤ちゃんガイジ」の顔には「🥺」(訴えるような顔)の絵文字が使われ、虐待する側の人物「笑顔」の顔には主に「😁」(にやっと笑う)の絵文字が使われる。この二人がシリーズのメインキャラクターである。 虐殺を娯楽的に描いている創作物はネット上では珍しくなく、『赤ちゃんガイジ』シリーズもその一種として、物語の構成はそれらと似通った内容になっている。主に、虐待される側の「赤ちゃんガイジ」が読者の嫌悪感を誘うような言動を取り、それを懲らしめるような形で「笑顔」が虐待し、最終的には殺害するというもの。 作者がこのような創作を始めたきっかけは小学生時代の勉強疲れだという。当時は漫画を書くことしか娯楽がなかったため、「赤ちゃんガイジ」という人間もどきのキャラクターを作り、それが虐待される様を描く様になったとのこと。 各話の内容 💪😁ガイジを飼います💪🥺💦 笑顔は初めて飼育することとなった赤ちゃんガイジを鶏小屋に放り込み、餌としてハンバーガーを与える。しかし、それを食べた赤ちゃんガイジは嘔吐する。それに腹を立てた笑顔は、彼に赤ちゃんガイジを売った人物である「うんこ」から拷問で調教することを提案され、その通りにする。調教の末「食べごろ」になった赤ちゃんガイジは、生きたままで熱した油に投入され、唐揚げとして食べられる。満足した笑顔は新たな赤ちゃんガイジを手に入れるべく牧場へ赴く。 🥺さむいよぉ……さむいよぉ…… 屋外に繋がれ、雨の中で寒さに震える赤ちゃんガイジ。笑顔は飼育する赤ちゃんガイジの頭数を増やしていき、「ガイジ牧場」を築く。赤ちゃんガイジは笑顔の座る椅子を引いて運ぶような労働に駆り出されるほか、大型トラックでどこかへと出荷されていく。 割けるチンコ、魚肉味😆✌️ 笑顔は赤ちゃんガイジのパンツを脱がすと、陰茎の大きさに感心したかと思いきや、おもむろに包丁を取り出してそれを切り離してしまう。泣き叫びながら去っていく赤ちゃんガイジを尻目に、七輪のようなものでそれを焼き別の赤ちゃんガイジに渡すと、その赤ちゃんガイジは焼かれたチンコを嬉々として食べ始める。物語は「闘技場編」に続く。 🥺しくしく 💪😁赤ちゃんガイジ闘技場にきた 笑顔は赤ちゃんガイジ同士の殺し合いを鑑賞するため「ガイジコロシアム」に来た。観客は戦わせる赤ちゃんガイジと掛け金を求められる。追加料金を支払うことで赤ちゃんガイジに武器を持たせることができるが、誰も武器を選択せずに戦闘開始。 二体の赤ちゃんガイジが相対すると、片方がもう一方を殴り始める。殴られた赤ちゃんガイジが逃げ出すと、観客の一人のうんこがオプションアイテムとして「焼けた鉄串」を置かせる。逃げていた赤ちゃんガイジは鉄串を取ろうとするが、火傷を負って泣き叫び、闘技場は観客の笑いに包まれる。観客は勝敗よりも赤ちゃんガイジの悲鳴をとにかく望んでいたのだ。 自滅したのはうんこが出場させた赤ちゃんガイジだった。赤ちゃんガイジの死体は調理してもらうこともできるが、うんこは廃棄を選択。一方、笑顔の出場させた赤ちゃんガイジは生き残り、試合の残酷さに不満を訴えるが、腹をすかせた笑顔に襲いかかられる。 😁赤ちゃんガイジ釣りをやります 笑顔は「赤ちゃんガイジ釣り」の屋台を出す。屋台に出される牧場育ちの赤ちゃんガイジは無菌で衛生的。しかもイトミミズの餌で釣ることができ、一度食いつくと苦しむだけで逃げ出せないので子供でも簡単に釣ることができる。難なく赤ちゃんガイジを釣り上げた子供は、早速鞭で打ち据えようと喜んで家へ持ち帰っていく。釣られずに余った赤ちゃんガイジはそのまま焼かれて食用へ。 🥺💦👈😲あっ!赤ちゃんガイジだ! 笑顔はゴミ捨て場で拾った三匹の赤ちゃんガイジを犬に追いかけさせる。逃げる赤ちゃんガイジたちは三匹とも急勾配の坂を滑り落ち、海に面した断崖絶壁の上に立たされる。犬が背後から迫り、崖に最も近い赤ちゃんガイジは後ろのもう一匹に押し出されて転落。もう一匹は犬に食べ散らかされる。 🥺みゅーみゅー 🤔こいつだけ仲間外れにされてる 笑顔は自身の持つガイジ牧場で、一匹の赤ちゃんガイジが周囲の仲間から除け者にされている原因について同業者に相談する。畜産業を営む身としてこのような事態は看過できないという話になるが、除け者の赤ちゃんガイジが笑顔に甘えてくるようになると、笑顔は結局その赤ちゃんガイジを虐待することにする。一転して逃げる除け者の赤ちゃんガイジを追い詰めると、ついに爆殺。食べてみるとまずかったため、「いじめられる奴が悪い」という結論に落ち着いた。 💪😁ひよこガイジと私💪🥺💦 笑顔はうんこの赤ちゃんガイジ牧場に来た。三代にわたり受け継がれた大規模な牧場の中、うんこの案内に従い進んでいく。するとそこで飼育されていたのは、雌鶏と赤ちゃんガイジを遺伝子操作で掛け合わせて生まれた「ひよこガイジ」。「ケンタッキープライドチキン」との経営統合により、本格的に「赤ちゃんガイジクリスピー」を店頭で販売していく狙いだという。飼育されたひよこガイジの行方を見ていくと、それは親からの処遇や肉付きから選別され、生きたままミキサーに掛けられ精肉処理される。一連の工程を見届けた笑顔は、出来上がったひよこガイジの肉と一体の赤ちゃんガイジを持ち帰る。 しかし、家に帰ると玄関先に足跡が。中に入ってみると、どこからともなく侵入した「野良赤ちゃん」が笑顔の私物で遊んでいた。笑顔はすかさず野良赤ちゃんたちを家から蹴り出し、巣を探し出して駆除することに決める。 💪😁赤ちゃんガイジを管理させる💪🤪 うんことドライブすることになった笑顔は、赤ちゃんガイジの中から賢い一匹に牧場の管理役を任せる。管理役は早速赤ちゃんガイジたちを鞭打って働かせ、粉末トウモロコシの赤ちゃんガイジフードを巡って争う赤ちゃんガイジたちに対し、仲裁と称して武器を振るう。結果、笑顔が帰ると牧場はめちゃくちゃになっており、再建には3000万円、同業者と割り勘で一人600万円必要となった。 関連リンク 赤ちゃんガ◯ジシリーズ - おんJwiki(3代目) - アットウィキ 赤ちゃんガイジまとめWiki - アットウィキ
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れいむ、俺の為に赤ちゃん産んでくれ 前 40KB 虐待-凄惨 理不尽 妊娠 赤子・子供 透明な箱 現代 虐待人間 「餡子ンペ09」 善良ゆっくり虐待 ・餡子ンペ09出展作品、テーマは 「1.親子-期待外れ」です ・普通の頭のおかしい虐待お兄さんによる普通の虐待詰め合わせ話です ========== 「のーびのーび! のーびのーび!」 「みてみて! まりしゃがいちばんのーびのーびじょうずだよっ!」 「ゆっ! まりちゃだってまけないよ! のーびのーび♪」 「れいみゅもっ! れいみゅものーびのーびできりゅよっ!」 「ゆ~! みてみて! おにいしゃんっ! まりしゃのーびのーびだよ!」 のーびのーび! ふふふ! ここは、とある山奥のキャンプ場。 俺の目の前で賑やかに声を上げているのは、まだ赤ゆ言葉の抜け切らない子ゆっくりの姉妹達。 丸太で作られたテーブルの上で、のびのび競争の真っ最中だ。 テーブルの上で仰向けやうつ伏せに寝そべって一列に並び、元気よく体を伸ばしている。 「まりしゃおねいちゃん、ぎゃんばれー!」 「れいみゅおねいちゃんもがんばっちえぇ!」 「にょーびにょーび! まりちゃもにょーびにょーびだよ!」 「れいみゅもにょびにょびしゅるよ!」 「ゆぅ~ん! れいむのおちびちゃんたちとってもゆっくりしてるね!」 そして、子ゆっくり達の周りには妹の赤ゆっくり達。 声援を送ったり、姉達を真似て自分ものーびのーびをしたりと、思い思いのゆっくりを楽しんでいる。 彼女らの母親であるれいむが、そんなおちびちゃん達の様子を微笑みながら見守っている。 全員合わせて十数匹の大家族だ。 このキャンプ場は取り立てて人気スポットでもなく、しかも平日とあって俺とゆっくり達の他には誰もいない。 つまり、可愛いゆっくりちゃん達を俺が独占しちゃってるわけだ! 「ふふふ! みんなとってものーびのーびが上手だね!」 ゆっくり達の笑顔に釣られて、俺の顔も綻びっぱなしである。 「ゆうぅぅ…まりちゃ…うまくのーびのーびできないよぉ…」 おや、ひとりだけのーびのーびが苦手な子もいるようだね。 精一杯体をのーびのーびしようとしているけど、体がやや楕円系になる程度だ。 立派ななすび型になっている他の姉妹達に較べると、のび方はその半分にも満たない。 「ほら! まりちゃちゃん! がんばって! おなかに力を入れてぇ…ほら! のーびのーび!」 「ゆぎゅぎゅ…! のーび…のーび…!」 「おっ! ちょっと伸びたよ! その調子、その調子! のーびのーび!」 「ゆ…ゆぅ! のーびのーび! のーびのーび!」 正直さっきと全然変わっていないが、俺が元気づけてあげたらすぐに明るい表情を取り戻してくれた。 何だって一人寂しく無人のキャンプ場へ来てるかって? それは、こうしてゆっくり達と遊びたかったからだ。 キャンプ場の近くで見つけたこの一家は、最初に声をかけたときこそ警戒されたが、 持参したクッキーを食べさせてあげたらすぐに心を許してくれた。 その後、ここに連れて来て一緒にお菓子を食べたり、"おうた"を聞かせてもらったりする内に、あっと言う間に仲良しになった。 で、今は何をしているかと言うと、俺の発案でどの子が一番のーびのーびできるかなぁ? 競争をしている。 なんと一番になった子ゆっくりちゃんには! じゃっじゃ~ん! デパ地下で買ってきた1カット630円のケーキ! を! 1ホールプレゼントでーす! という事でみんな大張り切りでのーびのーびしているという訳。 「あっ、ほら~まりしゃちゃんダメだよ~、ちゃんとあんよをここに付けてね!」 別の子まりさの体を優しく引っ張り、テーブルの上に置いてある角材にあんよをくっつけさせる。 誰が一番のびのびかわかりやすくするために、全員この角材にあんよをくっつけてもらっている。 子ゆっくり達の大きさは皆同じぐらいなので、こうしてあんよの位置を揃えておけば、 お顔の位置を見れば誰が一番か一目瞭然という仕組みだ。 この子まりさは、張り切りすぎる余りにあんよが離れてしまったのだろう。 「ゆぅ…おにいしゃん、ごめんなしゃい…」 怒られたと思ったか、子まりさがしょぼんとして謝る。 大丈夫! わざとじゃないって、お兄さん、ちゃんとわかってるからねええ! 「いいんだよ! さあ! もう一回!」 そう言って笑いかけてあげると、子まりさもニッコリ笑って、またのーびのーびを始めた。 ああ、なんてかわいいんだろう、子ゆっくりちゃん達。 そもそもからして、だ。 「子ゆっくり」 この言葉の響きの時点で、もうかわいさが炸裂してはいないだろうか? もし今、職場や教室、あるいは、電車やバスの中にいるのなら、是非声に出して言ってみて欲しい。 「こゆっくり」「コユックリ」「こゆっくり!」 どう!? かわいいよね!? そうでもない? そう… いや~でもいいよね~! 無垢な野生ゆっくり! お行儀のいい飼いゆや、必死に生きる街中の野良ゆにもそれぞれの良さがあるけど、 やっぱり俺は元気溌剌・天真爛漫にのびのび育った野生ゆっくりが好きだなぁ~ 「のーびのーび♪」 「ゆわ~♪ まりしゃはすっごくのーびのーびできるね!」 「ゆゆ~ん! れいみゅだってのーびのーびしてるのじぇ! まりしゃもまけないのじぇ!」 豪華賞品がかかっているにも関わらず、子ゆっくり姉妹は互いに敵意剥き出しで争うでもなく、 競争という名の遊びを純粋に楽しんでくれてる。 とってもゆっくりとした子ゆっくり達だ。 きっとこの子ゆっくり達なら、誰が勝ってケーキさんを手にしても、家族みんなで分け合って食べてくれるだろう。 むーしゃむーしゃ、しあわせー! みんなであまあまさんたべるとゆっくりできるね! おにいしゃんもいっしょにたべようね! とか言ってね! うふ! うふふふ! 「ゆうう…まりさぁ…! まりさとれいむのおちびちゃん達、とってもゆっくりしてるよぉ…!」 母れいむが目の端に涙を浮かべながら、感慨深げにそんな言葉を呟く。 先程聞いたところによると、つい最近つがいのまりさがれみりゃから家族を守って死んでしまったらしい。 いわゆる、しんぐるまざーだ。 今は餌が豊富に取れる時期なので、これだけたくさんの子供達を養っていけているようだが、やはり相当の苦労がある筈だ。 それ故、子供達がこうしてゆっくりできている姿を目にするのは、ゆ一倍感慨深い物があるのだろう。 …この子供達もやがて自然の摂理に従って淘汰され、冬ごもりをする頃には適正数にまで減ってしまうのだろうが、 今この瞬間だけでも、家族揃ってのゆっくりを楽しんでもらいたいではないか… 「そうだね…れいむ…れいむのおちびちゃん達はとってもゆっくりしてるよ! お兄さんも見ているだけで、とおってもゆっくりしちゃぬぅおうりゃあああぁっっっ!!!」 メッシャアッ!!! 袖口に隠し持っていた竹刀を取り出し、テーブルの上面、 その上で元気にのーびのーびしていた子ゆっくり達の、一列に並んだ柔らかいお腹に向けて渾身の力で叩きつけた。 余りに力を込めすぎたせいで、竹刀が割れてしまう。 両の腕にジンジンと心地よい痛みと痺れが伝わってきているのだろうが、今はこれっぽっちも感じない。 何故なら、この一家を目にしたときからずっと待ち望んでいた、この瞬間の光景を視る事に全神経を集中させていたからだ。 その待望の光景は、スローモーションのように俺の眼前でゆっくりと流れて行く。 割れた竹刀の破片が宙を舞う。 その中に混ざるように、潰れたお腹から飛び散った黒い餡子もキラキラと黒く輝きながら宙を舞う。 テーブルの上には、小さなお口からもりもりと餡子がこぼれて盛り上がる。 あにゃるからも餡子がこぼれ、テーブルの上に黒い筋を描く。 破れたお腹の饅頭皮が捲れ上がり、そこからも餡子が飛び出す。 素晴らしい。素晴らしい光景。俺の口からも笑みがこぼれる。 スッと竹刀を上げ、そのまま放り捨てる。 一列に並んで寝そべる子ゆっくり達。 そのお腹が、竹刀の形にベッコリと潰れ、お饅頭山を切り開いて作った一本の直線道路を描く。 向かって左に見えますのがお顔山、右に見えますのがあんよ山でございます。 どちらのお山もピクッピクッとかわいく痙攣している。 ああ哀れ、子ゆっくりちゃん達のかわいいお腹、綺麗に まっ! ぷたぁっ! つぅぅぅ! んっほおおおぉぉっ!!! 「ゆ…ゆびっ……ゆびいいぃぃっ?!」 何が起きたのか理解できず、?マークを浮かべていた子ゆっくり達だったが、数秒遅れで一匹が白目を剥きながら悲鳴を上げた。 それが引き金となり、他の子ゆっくり達も極上の調べを奏で始める。 「いぢゃいいい…! まりしゃの…おなががぁ! いぎゃいよおおぉ…!!」 「いちゃ…おなきゃ…ゆえっ…ゆげっ! あ、あんござん…でないでなのじぇ…ゆげえっ!!」 「ゆぎっ…ぎ…れいみゅの…あんよざん…どじで…そごにいるの…? れいみゅ…ぴょんぴょ…でぎなくなっぢゃう…」 「ゆぎいいぃ…! おにゃかがないよおぉ! おにゃかがないのに おにゃかいだいよおぉぉ!!」 テーブルから生えた頭達が泣き声を上げる。 砂糖水の涙を飛び散らせながら半狂乱で振られる頭、のけぞって天を仰ぎながら餡子を吐く頭。 お尻達も頭に負けじとグネグネ元気に振られている。 ブルンブルンと勢いよく振られていたお尻の一つが、テーブルから剥がれて転がって行き、地面に落ちた。 潰れたお腹もまだ餡神経が通っているのか、所々でピクピクと蠢き、テーブルから剥がれようと少し浮き、力尽きてまたへばり付く。 ああ…のーびのーびが苦手だった子まりさちゃんだけは、竹刀の位置に頭があったので中枢餡ごと… でも残ったお尻はまだプリンプリンと元気良く…あ、止まった。 「おきゃあじゃ……ぽんぽん…いぢゃいよ…ぺーりょぺーりょ…じでぇ…ゆっぐじ…でぎないぃ…」 「ゆげっ…! やぢゃ…じにだぐ…ない…! おねえぢゃんを…だじゅげで…れいみゅぅ…まりぢゃぁ…ゆげえぇ…」 子ゆっくり達が助けを求めて母れいむや妹の赤ゆ達を呼ぶ。 だが、頼みの綱の家族は突然の状況変化に餡子脳の処理が追いつかず、(◯) (◯) と目を見開いたまま完全フリーズ状態だ。 「おにいしゃ…たしゅけ…れいみゅの…あんよしゃ…くっづげでぇ…いちゃいよぉぉ…! くりゅしいよぉ…!」 おっとぉ、俺ェ? 俺に助けろと? れいむちゃああん! 誰のおかげでこうなってるかわかってないみたいだね! ああ! もう! ホントにおつむがかわいいよほぉぉ! よっしゃー! 俺に任せろおおぉ! 「ほーら! あんよさん、くっつけー!」 「ゆ…あ、やめ゛ 分断された子れいむの頭とあんよを手に取り、雪合戦の雪玉を固める要領でギュウギュウ握ってくっつけてあげた。 「いっちょあがりぃ!」 ベッシャアッ! 饅頭皮や赤いリボンの混ざった餡子玉を瀕死の子まりさの目の前に叩きつけ、放射状に広げる。 「ゆ…おにい…しゃん…どじで…? まりしゃたち…わりゅいこと…しぢゃっだの…? のーびのーび…じだだけだよね…?」 その子まりさがボロボロと涙をこぼしながら、俺の顔を見上げて聞いてくる。 ………びきぃ 「なにがのーびのーびだあっ!! お前らかわいいぃぃんじゃあぁっ!! QNッQNッするんじゃあぁっ!! もっとかわいい泣き声聞かせろおぉぉおふっ…ふ…うふっ…! うふ…うふふふ…! 潰れてね! ゆっくり潰れてね! うふ! うゆふふ! うひゅひゅ…! ゆふひゅひゅぅ!!」 「ゆびゅぶっ…やめ…おにいしゃ…くりゅし…! まりしゃちゅぶれっ…!」 「あ、あの゛~…」 「ん?」 楽しくヒャハってる所に、今までフリーズしていた母れいむが遠慮がちに声をかけてきた。 ちょっと引きつった笑顔で左右のもみあげをもじもじと擦り合わせ、上目遣いに俺の顔を窺っている。 「おにいざんはぁ…もしかじてぇ~………"ぎゃくだいおにいざん"?」 「え? …そうだけど?」 「でずよねえ!!」 何をわかりきった事をと不思議そうに答えた俺に対し、れいむが大口を開けて、パアァ…!といい笑顔を浮かべた。 それから、その笑顔のまま赤ゆっくり達の方に向き直る。 「ゆっ! あかちゃんたち! それじゃ、おかあさんのおくちのなかにはいろうね! ゆっくりいそいではいってね!」 「ユー!」「ユ!」「ユッユッ」「ユッキュリ ユッキュリ」 俺が見守る中、赤ゆ達がどこかぎこちない動きでよちよちとれいむのお口に入って行く。 そして、全員がれいむの口の中に収まった。 「じゃあ、れいぶだぢ、これでしつれいじまぁず!」 「お疲れさまー!」 こちらに向かって、後頭部を曲げて礼儀正しく笑顔のお辞儀をしたれいむに、俺も右手を上げて笑顔で応えた。 ========== 「だしてえぇ! おにいさん、ここからだしてよぉ! れいむたちをおうちにかえしてよぉ!」 「おきゃあしゃん…れいみゅたちも おねえちゃんみちゃく…いちゃいことしゃれりゅのぉ…? やぢゃよぉぉ…いちゃいのやぢゃよぉぉ…」 「ゆえええぇん! まりしゃ ちにたくないよぉぉ!」 「ゆわあぁぁん! ゆっくちできにゃいのじぇぇ!!」 そんなわけで、母れいむと赤ゆ達は我が家にお持ち帰りした。 当然ながら、れいむからの抵抗はあったが、その辺は"テンプレ"とだけ言っておこう。 "虐待お兄さん"の存在を知っていただけあって、彼我の力の差を理解してくれるまでが早くて楽だった。 ゆっくり達は虐待部屋に置いてある水槽に閉じ込めてある。 水槽は成体ゆっくりが優に4匹は入るサイズ。もちろん強化ガラス製。 中には土を敷き詰めた。 それだけでは殺風景だし、ゆっくり達も落ち着かなかろうと、拳大から両手の平に乗るサイズまで大小の石を適当に入れてやった。 防音機能とか無粋な物はないので、ゆっくり達の泣き声をたっぷりと楽しめる。 無論、虐待お兄さんの嗜みとして部屋自体は防音にしてあるので近所迷惑にはならない。 「まあ落ち着いてよ。お兄さん、別にみんなを殺すために連れてきたんじゃないんだよ?」 「ゆゆっ? じゃ、じゃあ、はやくれいむたちをおうちにかえらせてよぉ! おにいさんとはゆっくりできないよ!」 「ゆにぇぇん! おうちかえちちぇー!」 「ゆっぐ…おうちぃ…おうちかえりちゃいぃ…」 「すぐに帰らせるわけにはいかない。だったら初めから連れてこないよ。 実はね…れいむにお願いしたいことがあるんだ」 「ゆ…ゆぅ…なあに…?」 疑いの眼差しを向けながらも、他に何ができるでもないと理解しているのか、素直に俺の話を聞く母れいむ。 「うん、お兄さんね、赤ちゃんまりさが欲しいんだよ」 「ゆぴゃああぁっ!! やぢゃやぢゃあ! きょわいおにいしゃんはゆっくちできにゃいいぃ!」 「おきゃあしゃあん! まりしゃを あげにゃいでにぇぇ! まりしゃ、いいこにしゅるかりゃあぁ! ゆにゃあぁあぁ!」 俺の言葉に真っ先に反応して泣き出したのは、赤まりさ達だ。 無理もない。お姉ちゃん達を殺した怖い人間さんに貰われたら何をされるかわからない。 でも大丈夫! そんなに怖がらなくていいよ! 「いや、違う違う。君達のことじゃないよ。お兄さん友達から頼まれててね。 生まれたばかりの赤ちゃんまりさを欲しいって言われてるんだ。君達じゃ少し育っちゃってるからダメなんだ」 「ゆっぐ…ほんちょ…? ゆっぐ…」 「うん、ほんちょほんちょ」 友達云々とかのくだりは本当じゃないが、大筋においては嘘ではない。 適当に答えて泣いている赤まりさ達をあやすと、用意しておいた透明な箱を水槽の横に置いた。 そこに入っているのは、一匹の成体ゆっくり。 ゆっくりまりさ。 「ここで産んで欲しいんだ。れいむに」 ========== それから数日後 「ゆぅ…あかちゃぁん…」 箱に入れられ俺に連れていかれる二匹の赤ゆを、母れいむが涙の滲む目で見上げている。 赤ゆは、れいむが今産んだばかりの赤まりさと赤れいむだ。 「おきゃーしゃーん! おねいちゃーん!」「ゆえええぇん! ゆっくちしゃせちぇー!」 「れいみゅのいもうちょを つれちぇかにゃいでえぇ!」「いもうちょかえちてー!」 離れ離れになる姉妹達も泣きながらに互いを呼び合う。 始めての「ゆっくりしていってね!」の挨拶を交わす間もなく引き離され、 二度と逢えない事を予感しているのか、しきりに泣き声を上げる。 今回がここに来てから二回目の出産。 一回目には、赤まりさが二匹生まれた。 そのときは、母れいむも今の赤ゆ達と同じように赤ちゃんを返してと泣き叫んでいたが、もともと俺が貰うために産ませた赤ゆ。 返す道理もない。 今回れいむが騒いでいないのは、それを理解して諦めているからだろう。 一匹生まれた赤れいむも"ついでに"俺が貰うと伝えたときには、多少の抵抗はあったが。 「れいむ、お疲れさま。今日もとってもかわいい赤ちゃんだったよ。 じゃあ、またすっきりー頑張ってくれるかな?」 俺は水槽の横にれいむの三回目のすっきりー相手が入った透明な箱を置いた。 ========== 「ゆうぅぅ…なんだかゆっくりできないまりさだよ…」 そう口にしてしまってから、れいむはハッとする。 (本ゆんの前でそんなこと言うなんて、れいむゆっくりしてなかったよ…でも…) これまで、赤ちゃんまりさを産むために、二回、別々のまりさと無理矢理すっきりーをさせられた。 ふたり共、ゆっくりしていないまりさだった。 お肌も、髪も、お帽子も、どこも薄汚れていて、汚い色の染みがこびりついていた。 れいむのはにーのまりさとは大違いだった。 お兄さんは、「まちののらゆっくり」だから汚いんだよと言っていた。 それでもれいむは、面と向かって他のゆっくりにゆっくりできない等と口にするような事はしなかった。 (ゆぅ…でも、このまりさは…) だが、今度のまりさはどうだ。 体そのものは前の二人程には汚れていない。山に住んでいたれいむ達とさほど変わらない。 でも、大きく見開いた、真っ赤に血走った目が怖かった。 まりさはその目でお兄さんを睨んでいた。 とっても怖い目。 れいむが子ゆっくりだった頃に群れを襲った、怖い"れいぱー"よりももっと怖い目をしていた。 それにまりさは、何かでお口を縫いつけられて、開けなくなっているみたいだった。 (お兄さんにいじめられたのかな…?) それなのに、開けないお口でお兄さんに向かって何かを叫ぼうとしていた。 あんまり叫ぼうとするので、縫いつけられたお口が切れて餡子さんが少し漏れていた。 見ているだけで、れいむのお口まで痛くなってきた。 まりさは何かに怒っていた。狂ったように怒って、箱の中で暴れていた。 とてもゆっくりできないまりさだった。 れいむが「ゆっくりできない」と口走ってしまったとき、まりさの怖い目がれいむを見た。 そして、怖い目でれいむを見て、ますます目を見開いて、れいむにも何かを叫んだ。叫ぼうとしていた。 とっても怖くて、思わず目を逸らしてしまった。 れいむのまりさと同じまりさの筈なのに、全然ゆっくりできなかった。 このまりさには悪いけど、一緒にすっきりをするなんて、考えただけでゆっくりできなかった。 すっきりしたくないのは、今までのまりさもそうだったけど。 (れいむはれいむのはにーのまりさのれいむなのにぃ) でも、お兄さんは最初に言った。笑いながら。 「赤ちゃんまりさを産んでくれないなら、れいむの赤ちゃん全員殺すね。どっちがいい? 産む? 産まない?」 だかられいむは、すっきりーをするしかなかったんだよ。ごめんね、まりさ。ごめんね。 (でも、それでも、こんな怖いまりさは嫌だよ。せめて前のまりさにして欲しいよ) でも、お兄さんは、れいむにこのまりさとすっきりーをさせようとする。 「前のまりさはもう死んじゃったんだ。もうこんなのしかいないから、コレで我慢してね」って笑いながら。 いつものように、お兄さんがまりさに"おくすり"を"ちゅうしゃ"をする。 怒っていたまりさの目がドロリと濁って、お顔がトロンと蕩ける。 前のふたりのまりさと同じ顔。れいぱーみたいな顔。 この後に起こる事も同じ。 ここでの生活で、一番ゆっくりできない時間の始まり。 泣いている赤ちゃん達が見ている前で、ベトベトの頬を擦りつけられて、無理矢理すっきりーをさせられて、 お兄さんがまりさを箱に戻してくれるまでの、とてもゆっくりできない時間。 ========== 「むーちゃむーちゃ…ちあわちぇ…」 「ゆ…おいちい…」 赤ゆ達が食べているのは、クッキー。 れいむが赤まりさを産んだ日だけの特別なご褒美だ。 にも関わらず、目の前で母親が"変な事"をされるのを延々と見せられ泣き続けた直後とあって、 辛い事を忘れ易い餡子脳でも、流石にべそをかきながらのお食事タイム。 ちなみに普段は腐りかけの生ゴミ、しかも赤ゆが衰弱し過ぎない程度に抑えた量しか食べさせていない。 赤ゆを産ませる都合上、母れいむだけは栄養価の高い食事を十分に食べさせているが。 「そうそう。実はみんなに良いお知らせがあるんだよ」 「ゆ…?」 いきなり話しかけた俺に、ゆっくり達が顔を向ける。 「あとひとり…あとひとりだけ、赤ちゃんまりさをお兄さんにくれたら…みんなをお家に帰してあげる。 ひとりだけくれれば、一緒に生まれた他の赤ちゃんも一緒に帰してあげるよ」 「…ゆ…ゆっ!? ほんと?! おにいさん、ほんとに!?」 「ああ、本当だよ」 「かえれりゅの? れいみゅたちおうちにかえれりゅの?」 「ゆっくちできりゅよ! まりしゃたちゆっくちできりゅよ!」 「おきゃあしゃん! はやきゅう! はやきゅ あかしゃんうんでなのじぇ!」 暗闇の中、突如現れた光明に、ゆっくり一家が色めき立つ。 「ゆっ! だいじょうぶだよ! おちびちゃん! もうすぐ…! もうすぐかえれるんだよ! おにいさん! やくそくだよ! ぜったいだよ!」 はいはい。わかってます。約束は守るよ。 安心してね。お兄さん、ゆっくりとの約束はそんなに破ったことないんだよ。 ========== それからまた数日後 「ゆぐぐうぅ…! う、うばれるうぅぅ!」 水槽の中には、りんっげつっのお腹を抱え、いきんでいる母れいむの姿があった。 「おきゃあしゃあん! がんばっちぇええ!」 「うまれりゅよ! れいみゅのいもうちょがうまれりゅよ!」 「あかしゃん! ゆっきゅりうまれちぇにぇ!」 「ゆ! れいみゅもあかしゃんうむよ! う、うみゃれりゅううぅ!」 れいむの周りでは、これからお姉ちゃんになる赤ゆ達がはしゃいでいる。 汗をダラダラ流してじんっつうっの痛みに呻く母れいむの表情も、心なしか笑っているように見える。 既に二度、生まれたばかりの赤ちゃんとの辛い生き別れを経験していると言うのに、よくこれだけ喜べるものだ。 餡子脳だからというのもあろうが、やはりゆっくりにとって、愛くるしい赤ゆっくりの存在こそが至上のゆっくりの素だからだろう。 しかも、今回、赤まりさが誕生すれば、念願叶ってお家に帰ることができるのだ。 一匹を除けば、新しい妹達も一緒に。 「れいむ! ヒッ、ヒッ、フーだ! ヒッ、ヒッ、フー!」 「ゆぐぐ…! ひっ、ひっ、ゆぅー! ひっ、ひっ、ゆぅー!」 実のお父さんは、透明な箱で別居させているので、出産立ち会いは僭越ながら俺が努めている。 れいむの射出口の前に使い古しのタオルを丸めたクッションを用意し、飛び出してくる赤ゆを受け止める態勢も万全だ。 「おきゃあしゃん! ぴっ、ぴっ、ゆぅー!」 「ゆゆっ?! あかしゃんの おかおがでちゃのじぇぇ!!」 「まりしゃがおねえちゃんぢゃよぉ! ゆっきゅちちchっちぇ! ゆっきゅちちい☆い#cっへえぇ!!!」 うん。落ち着け。 「ひ…ひっ…ゆぅぅー! うば…! うばれるうぅぅぅ…!!」 赤ゆの顔が、ムリムリとれいむの産道からせり出してくる。そして すっぽーん!! 間の抜けた音と共に、遂に新しい饅頭がこの世に生を受けた。 柔らかいクッションが赤ゆを傷つけることなく優しく抱き止める。 「うばれるっ…! またっ…うばれるよおぉ!!」 すっぽーん!! すっぽーん!! 先に生まれた赤ゆにぶつからないよう俺がタオルをずらしたところで、更に立て続けに二匹。 計三匹の赤ゆが誕生した。 胎生出産だが、れいむの餌に出産促進剤を混ぜて促成したため、大きさはピンポン玉大。 姉の赤ゆ達と同じくらいのサイズだ。 タオルの上でプルプルと震えている三匹の赤ゆを、家族達がこちらもプルプルと震えながら期待に満ちた視線で見守る。 最初のご挨拶、「ゆっくりしていってね!」の瞬間を待ちかまえているのだ。 そして、遂にその時が、ゆっくりのゆん生における最初の祝福の時がやってくる。 「「「…ゆ…ゆっ…ち………ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」 「ゆっくりしていってね!!」 「「「「「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」」」」」」 家族全員、満面に笑顔を浮かべてのご挨拶。 正に今がしあわせーの絶頂期だろう。そう。絶頂期だ。 「ゆううぅ…! れいむのあかちゃん、とってもゆっくりしてるよおぉ! れいむによくにた…ゆ?」 そこで母れいむの言葉が止まる。ある事実に気付いたからだ。 勿論、俺も最初からその事に気付いていた。 生まれた赤ゆは、全てれいむ種だったのだ。 「ゆ…ゆ? お、おにいさん…」 れいむが俺の顔を窺う。 「うん、ごめんね、れいむ。お兄さんが欲しい赤ちゃんはまりさだからね。お家に帰るのはまだだね」 「ゆう……」 れいむの表情が曇る。 そう。"もう一匹赤まりさをくれたら"、お家に帰らせる約束だ。 残念ながら、今回は条件を満たせなかったようだ。 「ゆっ…! お、おにいしゃん! れいみゅのいもうちょたち、つれてっちゃやぢゃあ!」 「ん? 連れていかないよ。まりさちゃんじゃないからね」 ぴょんと一跳ね前に出た姉の赤れいむが、震えながらも妹を連れていかないでと俺に直訴してくる。 その赤れいむに返事をしながら、事前に用意しておいたペットボトルの蓋を開ける。 「やっちゃあ! いもうちょとゆっくちできりゅね!」 「ゆう~♪ みんにゃ! おねいちゃんと、いっちょにゆっくちちようにぇ!」 「あー…一緒にゆっくりはちょっと無理かな」 新生赤ゆ達が乗ったタオル、その外周に沿ってペットボトルの中の灯油を振りかけた。 「ゆぴいいぃぃっ!! あちゅぅぅ!! あちゅううぅぅ!!」 「みゃみゃあああぁあ!!」「おにぇいちゃあああん!!」 「ゆびゃああぁあっ?! れーみゅのいもうちょがああぁっ!?!?」 「まりじゃのいもうぢょがああぁぁあっ!?!?」 「いもおちょがあづがっでるよおお!!」 三匹で寄り添って泣き声をあげる、生まれたての赤ゆ達。 その周りをメラメラと音を立てて燃えさかる炎の壁がぐるりと囲んでいる。 生まれたてと言えど、よちよち這うぐらいはできるが、 わずかに炎に近づくだけでジリジリと身を焼く熱に晒され、それ以上進むことはできない。 姉の赤ゆ達も、同様に燃えさかる炎の壁に近づく事ができず地団駄を踏んでいる。 赤い炎の壁のすぐ向こうに、姉妹はお互いの泣き顔を窺うことができる。 少し跳ねれば、あるいは這えば、赤ゆでも簡単に到達できる距離。 にも関わらず赤ゆでは絶対に越えることのできない壁。 そうしている間にも、炎の壁はジリジリと妹赤ゆ達に迫ってくる。 「れいむのあがぢゃああん!! はなじでえぇえ! はなじでよおぉぉ!! おにいざあん!! あがぢゃんがあぁあ! れいむのゆっぐりどじだあがぢゃんがああぁあ!」 母れいむならば相応の被害を覚悟すれば赤ゆを救出する事ができるかもしれない。 だが生憎、俺の手に押さえつけられジタバタともがくのに忙しくて、助けに行ってあげられない。 なんたる間の悪さ。 しかし救世主は別の所からやってきた。 「ゆうぅぅ! おねいちゃんがたちゅけりゅよ! ぴいぃぃっ!! あちゅいよおぉ!!」 小さな救世主の伝説は2秒で終了した。 一匹の姉赤れいむが、妹を助けようと果敢にも炎の壁に挑んだが、 瞬く間にもみあげに引火、火を消そうと水槽の土の上を転げ回る事になった。 だが、この赤れいむは幸運だ。 もう一歩深く踏み込んでいたら、一瞬で全身火ダルマ饅頭になっていた。 まあ…踏み込んでいようといまいと最終的には同じ事なんだけど… 空いている方の手を伸ばし、ようやく火を消し止めてゆぐゆぐ泣いている赤れいむを掴む。 そして、妹達が助けを待つ炎の壁の中に放り込んだ。 「ゆびいいぃぃっ!」 炎の熱さから逃れたと思ったのも束の間、四方から饅頭皮を焼く熱波に襲いかかられ、姉赤れいむが再び悲鳴を上げる。 「おにぇいちゃああん!!」「ゆぴぃー! ゆぴぃー!」「あちゅあちゅしゃんけちてえぇ!!」 「ぴぎゃあぁあっ!! あちゅいよおぉ! やめちぇえぇ! こっちこにゃいでぇえぇ!!」 既に体に火が回り、燃え始めていた妹赤ゆ達が、救いを求めて姉赤れいむに縋り付いてくる。 姉赤れいむは妹達を振りほどこうとするが、妹とは言え体格はほぼ変わらない、 お姉ちゃんなら自分達を助けてくれるに違いないと信じ、無我夢中で三方から擦り寄って来られては跳ね除ける事もできない。 そうする内に妹達の体を焼いていた炎は姉赤れいむにも燃え移る。 姉赤れいむだけではない。 妹達同士でも、互いの纏う炎が互いの体に燃え移り、肌も髪もリボンも瞬く間に炎に包まれる。 全身を炎に包まれ、一つの塊になって燃えさかる姉妹達。その願いも一つ。 「「「「たちゅけちぇえぇっ!! れいみゅあちゅいよおぉぉっ!! おぎゃあじゃああぁぁぁんっ!!」」」」 無慈悲な赤い炎に焼き尽くされて行く小さな命。仲良く揃ったかわいい悲鳴。 「あがじゃああん!! おにいざんおねがいじまずうぅ!! あがぢゃんだずげであげでえぇっ!」 「ああ…綺麗だなぁ…かわいいなぁ…ふふ……ふふふふ……」 俺のすぐ下でれいむが大声で何かを喚いているが、まったく耳に入ってこない。 それほどまでに、目の前の光景は美しく、聞こえる音色は甘美だった。 ……… 「あかちゃん…? れいむのあかちゃん…? …おねがいだよ…おへんじしてね……おへんじしてよぉ……!」 母れいむが頬をすり寄せているのは、湯気を上げる四つの真っ黒な丸い消し炭。 球形のそれには窪みが三つ。 つぶらなおめめが嵌っていた、小さな窪みが二つ。 「おかあさん」 その言葉の形に大きく開いたままの、お口だった窪みが一つ。 他は全て焼け落ちて、何にもない、のっぺらぼうの消し炭。 他の赤ゆ達は、その光景から逃れようとするかのように水槽の隅に固まって涙を流しながらブルブルと震えている。 「ゆぅ……ゆぅぅ…! あか…ちゃん……れいむの……あかちゃんがぁ…! …どーしてぇ…? どーしてこんなことするのおぉぉ…!! おにいさあぁぁん!?」 「ああ、ゴメン。言い忘れてたね。 れいむが赤ちゃんれいむしか産まなかったら、産まれた赤ゆちゃんは全員殺すから。 あとオマケでお姉ちゃんの赤ゆちゃんも一人殺すから。 そういうルールだから、これ」 後付はゆっくりできないが、忘れていたものは仕方がない。 改めて、俺が決めていた"ルール"をれいむに説明する。 「な、なにそれえぇぇ!? ぞんなのれいむ ぎいでないよおぉぉ!?」 「だからゴメンってば。じゃあ、もう一回選んでいいよ」 「ゆ…? え、えらぶって…なにを…? ゆっ? おそら?」 れいむの髪の毛を鷲掴みにし、その顔が俺の顔の真ん前に来る位置まで持ち上げる。 「俺が、決めた、ルールで、赤ちゃんまりさを産むか、それとも、産まないで全部の赤ちゃんを殺されるか、だ。 言っておくが俺が決めるルールに文句は言わせないぞ? 文句があるなら、もうれいむには頼まない。自動的に『全部の赤ちゃんを殺される』だ。 さあ、選べよ。どっちがいい? ん?」 「ゆっ…ゆぅぅ…そんなぁ…そんなのぉ……ゆぅ……ゆぇ……ゆえええぇん!」 俺の言葉をゆっくりと飲み込んだれいむが、涙を流す目から、更に溢れるように涙を滲み出させて赤ゆのように泣く。 「泣いてちゃわからないよ、れいむ? どっち? 答えないなら…」 「ゆううぅぅ…うびばず……ゆっぐ…あかちゃん…うびばずがらぁ…もうれいむのあかちゃん…ゆっぐ…ころさないでよぉ…!」 「なあんだ! やっぱりそっちでいいのか! だったら先にルールを説明してても、結局あの赤ゆちゃん達が死ぬのは変わらなかったね! あ、あとね、れいむの赤ちゃんが死んじゃうかどうかは、れいむ次第だからね? 赤ちゃんまりさを産まなかったら、また赤ちゃん死んじゃうからね? お兄さんのせいにしないでね? ゆっくり理解したかい?」 「……ゆっ……ぐい………りがい………じだよ……」 「さっすが、れいむ! ものわかりが良くて、お兄さんうれしいよ! それじゃ、早速かわいい赤ちゃん作ろうか!」 俺はれいむを水槽に降ろすと、次のすっきりーに取りかからせるべく準備を始める。 楽しいショーはまだこれからだ。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×3 ========== れいむが俺の家に来てから4回目の出産を終えた。 「「「ゆっくしちちぇいっちぇね!!」」」 「はい、今度もれいむちゃんでしたー! 残念だったねぇ…みんな」 気の毒そうに声をかける俺に、ゆっくり一家は何も言葉を返さず押し黙ったままだ。 今回もれいむは3匹の赤ゆを産み落としたが、運命の悪戯か、或いはもっとタチの悪い別の何かの仕業か、全て赤れいむだった。 タオルのクッションの上では、生まれたての赤れいむ達がキリッと眉を上げてプルプル震えながら、 最初のゆっくりしていってね!のご挨拶を叫ぶ。 しかし、母親と姉達は呆然とその姿を見つめるだけで、青ざめた表情のまま誰も挨拶を返そうとはしない。 「ゆ…? ゆっくしちちぇいっちぇね! ゆっくしちちぇいっちぇね!」 「ゆっくしちちぇいっちぇねえぇぇ! ゆっくちいぃい…!?」 「ゆっくち…? ゆっくち…しちぇいっちぇね…? ゆぅぅ…ゆええぇ…」 挨拶を返してくれない家族に、生まれたての赤ゆ達の表情も曇り、すぐに泣き顔に変わる。 お母さんのお腹にいるときから、ずっと待ち望んでいたゆっくりしていってね!のご挨拶。 お外から聞こえてきた、お母さんとお姉ちゃん達のゆっくりとした声。 (れいむのあかちゃん! ゆっくりうまれてね!) (いもうちょはゆっくちできりゅよ!) (ゆんゆ~ん♪ れいみゅのおうちゃをきいて、ゆっくちちちぇね!) (おきゃあしゃん! いもうちょのまりしゃも いりゅよね!) (ゆっ! こんどはだいじょうぶだよ!) 自分達の誕生を待ち望む家族の声。 れいむは"まりさ"じゃないけど、それでもかわいいれいむを見れば、お母さんもお姉ちゃんもゆっくりしてくれる。 祝福で迎えられる誕生、そう信じて疑わなかった。 それなのに、お母さんもお姉ちゃんも、誰もゆっくりしていってね!と答えてはくれない。 れいみゅはゆっくりしちゃいけないの? ゆっくりできないの? ゆっくりしたいよ… 輝けるゆん生への希望は、生まれ落ちた瞬間から落胆へと変わった。 まだ己の運命を知らない妹達も、これから待ち受ける運命を知る家族達も、一様に悲しみに沈む。 そして楽しい時間は始まる。 「ど・の・こ・が・し・ん・じゃ・う・の・う・か・な」 水槽の中に並ばせた姉赤ゆ達を俺の指が順番に指し、指を向けられた赤ゆがその度にビクッと震える。 言うまでもなく、今回の処刑赤ゆを選んでいるのだ。 最後に指が止まった先にいた子が死んじゃうからね!と説明してあるので、俺の指が向くたびにおめめからじんわり涙が溢れてくる。 「え・い・き・さ・ま・の・い・う・と・お・り」 俺の言葉が進むにつれ、赤ゆ達の緊張感は増していく。 もう既に全員涙目。か~わいいなあ! そしていよいよクライマックス! 一音一音に力を込める。 「ラ・ス・ト・ジャ・ツ・ジ・メ!・ン!・トォォォ!!」 「ゆぴゃああぁっ!? やぢゃやぢゃやぢゃあぁっ! ちにたくにゃいよぉ!」 俺の指がビシィッと差した先にいた赤まりさが甲高い絶叫を放った。 その横では、難を逃れた姉妹達が安堵の表情を浮かべている。 まさに天国と地獄の境目だ。 特に赤まりさの次の順番だった赤れいむに至っては、泣き喚く姉妹に気遣うでもなく露骨に安堵を口に出す。 「ゆぅ…たしゅかっちゃよ…これでれいみゅはゆっきゅ 「『ピチュゥゥーンッ!』 はい! れいみゅちゃんに決定~!」 その赤れいむをリボンごと摘み上げ、俺の頭上に高々と掲げた。 「ゆわあぁ?! れいみゅのきゃわいいおしょらをたちゅけちぇえぇ! おきゃあしゃんがとんでりゅみちゃーい!!」 やや錯乱気味になりながら、大空を羽ばたこうとするかのように、もみあげとあんよをバタバタ動かす赤れいむ。 天から飛び散るおそろしーしーが俺の顔に降り注ぐが、この業界ではご褒美だ。 「にゃんでえぇぇ?! れいみゅじゃなくちぇ、まりしゃでちょおおぉ?!」 「うちの田舎ではラストジャッジメントピチューン!まででワンセットなんだよ! ゆっくり理解してね!」 「ゆやああぁぁっ!! れいみゅちぬのやああぁぁっ!」 泣いても無駄だ。ミニスカ閻魔様の決定は絶対。 俺達地べたを這う者に許されるのは、その足元にひれ伏し、スカートの中をチラチラ覗き見る事だけだ。 さーて、じゃあ、お楽しみ処刑タイムいっちゃおうかなあ! 処刑道具はコレ! 透明なアクリルケ~スぅぅ! ゆっくりを閉じこめておくアレじゃなくて、20cm角ぐらいで小物入れとかにする蓋無しのヤツだ。 水槽から処刑赤れいむを取り出し、床の上に置く。 「ゆやあぁぁ! こ、ころちゃないでぇ! やぢゃああぁっ! れいみゅちにたくにゃいよおぉぉっ!!」 叫び声を上げて、赤れいむがぴょんぴょん跳ねて俺から逃げる。 「あ、ちょっとれいみゅちゃん! 動かないでじっとしててもらえるかな?」 「ゆんやあぁぁ! ゆんやあぁぁあぁぁ!!」 ははは、聞いてないね。 赤れいむを捕まえて、あんよを紙やすりでザリッと一擦り。 「ぴいいぃいぃっ!?!?」 んー! いい声! 俺の言う事を素直に聞いて大人しくなってくれた所で、再度、床に置く。 「おねーちゃんにひぢょいことちないでー!」 「ゆう…おにいしゃん…おねえちゃんをいじめにゃいでね…?」 「どうちておねえちゃんに こんなこちょちゅるの! れいみゅおこりゅよ! ぷきゅううぅ!!」 今度は、まだ状況を理解していない妹の赤ゆ達が、姉の窮状を見て抗議の声を上げてきた。 俺に向かってぷくうをしてくる威勢のいい赤ゆちゃんまでいる。おお、こわいこわい! 怖いのでここは穏便に許してくれるようお願いしよう。 「れいみゅちゃん、やめてね!? やめてね!? ぷくうしないでね!」 「ちゃんとはんしぇいちたの!? はんしぇいちたらおねえちゃんにあやまっちぇね! しょしたらゆるちちぇ バチィン! 「ゆぴいいぃっ!?」 ぷくう赤れいむを掴んで、顔面にデコピンを一発。 顔面がベコンとへこみ、顔の内側に埋没した目から涙が滲み出してくる。 少し待つとへこんだ顔が戻り、顔の真ん中を真っ赤に腫らして…お、俺をキッと睨んできたよぉ!? 強気な赤ゆちゃんもかわいいよね~! 「ゆっ…きゃわいいれいみゅになにすりゅ バチィン! 「びぎいぃっ!?」 「いちゃいよ! やめちぇ バチィン! 「ぴいぃっ!!」 「い、いいきゃげんにちないと バチィン! 「ゆびぃっ!!」 「や、やめちぇ! いちゃいのやめちぇ バチィン! 「いぢゃあっ!!」 「ばっちんやめちぇえぇ バチィン! 「ぴぎいっ!!」 「たちゅけてえぇ! おきゃあ バチィン! バチィン! 「ぶぎゅうぅ!!」 「おにいさあぁん! もうゆるじであげてぐだざいぃ! れいむのあかちゃんがいだがってるよぉぉ!! あかちゃんも おにいざんに さからっちゃだめえぇ! いたいいたいされちゃうよぉぉ!! あやまっでえぇ!」 「ゆぴいぃぃ! ごめんにゃしゃいぃぃ! もうぷきゅうちましぇ バチィン! 「ぎにぃっ!!」 「謝らなくていいんだよ! お兄さん、怒ってなんかないからね! 赤ゆちゃんの強気をへし折って粉々にしてあげたときのかわいいお顔が見たいだけだからね! ほらほらぁ! もっとかわいいお声で泣いてよおぉ! れいみゅちゃあん!」 「ゆんや バチィン! 「あやまりまちゅ バチィン! 「はんしぇいちまち バチィン! 「ゆっくちちた バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! 一カ所だけ叩くとすぐに皮が破れるので、お顔に、ほっぺに、頭に、背中に、あんよにと四方八方からデコピンを喰らわせる。 このね! 赤ゆちゃんの柔らかい体にボフンと指が食い込むときの感触がなんとも言えないんだよねっ! ……… 「ふう~! れいみゅちゃん! すっごくかわいいお顔になったよ!」 「ぶ゛ぎゅ…ぶっぐ…ぢぃ………」 赤れいむの顔はブクブクに腫れ上がり、垂れ流した涙としーしーのお池にデコピンで折れた小さな歯が浮く。 残った二匹の妹赤ゆ達は、ようやく自分達の置かれている状況が少し理解できてきたか、母れいむに縋って泣いている。 「さ、じゃあ、みんなもお姉ちゃんと一緒に並んでね!」 抵抗しなくなった四匹の赤ゆを、何センチか間隔をあけて正方形を描くように床に配置。 対角にいる姉妹と顔が向き合うようにする。 これで素敵な赤ゆちゃん台座のできあがり。 早速、台座にアクリルケースを載せる。 「ゆぎゅ!」 「ゆゆ?!」 「おみょいよぉ!」 「や、やめちぇくだちゃい! れいみゅいいこにちまちゅかりゃ、やめちぇくだちゃあい!」 突然頭上に物を載せられ、これから何をされるのかと赤ゆ達が怯えた声を上げる。 特にデコピン責めにされた赤れいむが激しく怯えている。 ここで取り出しましたるは、一本のペットボトル。 中身はしゅわしゅわあまあまジュース、サイダーさん。 「赤ゆちゃん達! 驚かせちゃってごめんね! お詫びにあまあまで美味しいジュースさんをあげようね!」 「ゆゆっ?! あみゃあみゃ?! ほちい!」「れいみゅも! れいみゅも!」「ゆ…? あみゃあみゃしゃん…?」 自分達がどういう結末を迎えるか知らない妹赤ゆ達が、あまあまという言葉に先程までの怯えぶりが嘘のようにおねだりを始める。 泣いていたデコピンれいむもあまあまが気になるようだ。 リクエストにお答えすべく、ジョボジョボとサイダーをケースに注いであげると、シュワァァと炭酸の泡が心地よく弾ける音が響く。 「ゆぴー! ゆぴー! あみゃあみゃあ!」 赤ゆ達が頭上のケースに降り注ぐ甘露を求め、餌を待つ雛鳥のように舌を伸ばす。 当然、アクリル板の向こうのジュースは飲めないが。 「ゆっくちあみゃあみゃしゃんちょうだいにぇ!」 「ぺーりょぺーりょ!」 「あみゃあみゃちあわ…ゆ? あみゃくにゃいよ?」 赤ゆ達の舌がケースの底面を這い、夢中で注がれたあまあまにありつこうとするが、舌に感じるのは無機質なアクリルの味ばかり。 お間抜けな光景が繰り広げられる間にも、ジュースは注がれている。 「ゆゆ…?! にゃんだか あちゃまが おもくなっちゃよ!?」 「「「ゆぴー! ゆぴー! ゆ?」」」 最初に異変に気づいたのは姉赤れいむ。妹達も続いて異変に気づく。 当然ながら、注がれた液体の分だけ頭上のケースが重量を増したためだ。 「ゆぎぎ…! おみょいよぉぉ!」 「やめちぇにぇ! おみょいよ!」 「ゆっくちできにゃいよ! あみゃあみゃさん! れいみゅにいじわりゅちないでにぇ!」 「れいみゅおこりゅよ!? ぷきゅううぅぅ!」 更に重量が増し、赤ゆ達が平たくひしゃげて行く。 ぷくうしていた姉妹がどうなったかもう忘れたのか、頭上のジュースにぷくうで威嚇する妹赤ゆもいるが、 ケースに頭を押さえつけられているので不格好に横方向だけにほっぺが膨らむ。 ジョボジョボ… 「ゆきゅうぅぅ! あみゃあみゃさんごめんなしゃいぃ! ゆるちちぇぇ! もうぷきゅぷきゅしないかりゃぁぁ!」 ジュースさんと重力さんにそんな威嚇が効く訳もなく、頭上の重みは増すばかり。 ぷくうしていた赤れいむは、ちたちたともみあげで床を叩きながら必死に謝るが、ジュースさん達は許してくれない。 ジュースさんおこっちぇるよ!? 勿論、赤ゆちゃん全員の連帯責任だ。 更にジュースを注いでやり、アクリルケースがまた一段沈み込む。 「ゆっ…ぎゅ…おみょ…おみょいよぉ…! ゆっくち…できにゃいいぃ…」 「ゆぎゅうぅぅ…!」 「たちけちぇ…! おねい…ちゃぁん!」 妹れいむが対面にいるお姉ちゃんに助けを求めるが、そう言われても、お姉ちゃんだって一杯一杯だ。 目に涙を浮かべながら踏ん張ってはいるが、時間と共に増える重量の前に奮闘虚しく押しつぶされて行く。 そろそろくる頃かなーと思いながらゆっくりとジュースを注いでいると… 「「「「ちゅ……ちゅ……ちゅっ…!」」」」 お? これはぁ?! 来た? 来たの?! 来たんだね! よーし!! ジュースを注ぐスピードを少し早め、タイミングを見計らう。 「行くよぉ! 赤ゆちゃん達ぃ! せーの!!」 「「「「「ちゅぶれりゅうぅぅぅ!!!」」」」」 はい! 「ちゅぶれりゅう」いただきましたぁ! みんな息ピッタリだね! とってもかわいかったよおおぉ! ちなみに俺も赤ゆちゃん達と一緒にちゅぶれりゅうコールに参加した。 いやぁ、楽しいなぁ! 「ちゅぶれりゅう」! かぁわいいよね~ もし今、満員電車の中にいるのなら…おっと、そんな事言ってる暇はない。赤ゆちゃん達がお待ちかねだ。 ささ、もっとあまあまさんあげるからねええ! 「ゆぶっ…ぶっ!」「ぢゅ…ぶぅ…!」「ぶっ…! ゆぎゅううぅ…!」 いよいよ危なくなってきたか、赤ゆ達はあにゃるをキュッと窄め、歯を食いしばり、餡子の噴出に耐えている。 顔を真っ赤にして、ぷくうと大きく膨れた両のほっぺたは、まるでほおずきの実のようだ。 甘い匂いのする脂汗を浮かせながら、ブルブルと震えている様は実に愛らしい。 「ちゅっ! ちゅぶれっ…! ちゅぶれりゅう! ちゅぶれりゅうぅ! ちゅぶれりゅううぅぅっ!!」 今のは俺だ。 赤ゆちゃん達喋る余裕無さそうだし代弁してみた。 「ちゅぶれりゅうぅぅ! おきゃあしゃあん! れいみゅたちちゅぶれちゃうよおぉ! たちけちぇええ! ゆんやあああぁ!」 「ゆっぎっぎっぎっ……!!」 今のも俺。 水槽にへばり付いて赤ゆ達の様子を見守る母れいむに、赤ゆちゃんの言葉を通訳してあげたのだが、なんか睨まれた。 かわいさが足りなかったせいかもしれない。 「ゆぶううぅぅっ!!!」 そうしている内に、遂に耐えきれずに一匹が口から餡子を噴き出した。デコピン赤れいむだ。 歯をへし折ってしまったので、閉じた唇だけでは吐餡を抑えられず真っ先に限界に来たようだ。 透明なケースとジュースを通して、赤ゆの前にこんもりと餡子が盛り上がる様子がはっきりと見て取れる。 勿論、水槽の中で泣きながら赤れいむ達の様子を見守っているゆっくり達にも、その様子はよく見えている。 噴出した餡子の一部は、遠くまで飛び散り、デコピンれいむの対面にいた姉赤れいむの顔にもかかった。 「ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛え゛っ!! ゆっぶ!? ゆぶろろおぉおおぉぉっ!?」 妹の吐餡を見て気分が悪くなったか、姉赤れいむがえづき、そのまま餡子を吐き出す。 「ゆぶっ! ぶびゅうぅっ!?」 「ゆ゛んむ゛~!?」ブビュビュビュ… それを見た残りの妹赤ゆの一匹も吐餡を始め、最後まで耐えていた一匹は先にあにゃるが決壊した。 どの赤ゆも再びブルブル震えて餡子の噴出に耐える作業に戻るが既に限界が近い。 少し餡子を吐いては、涙ながらに歯を食いしばりあにゃるを窄める、その連続だ。 じゃあ、そろそろフィニッシュといきますかあ! ドボドボと一気にジュースをケースに流し込む。 「「「「ゆぎゅうぅぅぅっ?!?!」」」」 急激に増加した重量に、赤ゆ達は一声泣いた後、みるみるうちに平面に近づいて行く。 口元から、あにゃるから、餡子が次々と溢れ出す。 それでも急速に高まる圧力には追いつかず、饅頭皮まであちこち破れ、ぷつぷつと餡子色の蕾をつけ始める。 その蕾はふわっと広がり、アクリル板の下で幾輪もの餡子色の花が咲き乱れた。 黒い餡子の花に囲まれた八対の白い目が、頭上のアクリル板に押しつけられながら 水槽から自分達を見下ろしている家族達を見つめていたが、その目玉もやがて弾け飛び、白い花となって咲いた。 「死んじゃった♪」 俺の手がピラピラと振るのは、アクリルケースの下敷きとなってグシャグシャに潰れた4匹の赤ゆ。 潰れてベッタリと広がった姉妹達の餡子と饅頭皮が混じり合い、どこまでが誰の物かその境界も曖昧だ。 まるで一枚の大きなのし饅頭。 そののし饅頭を水槽にベタンと貼り付ける。 「ゆんやあぁぁあ! ぎょわいよおぉぉ! ぎょわいよおぉぉ!!」 「いもおぢょがぁ……まりしゃのいもおぢょがぁ……」 「れいみゅがぁ…れいみゅがちんじゃったぁぁ…」 「ゆえぇえ…! ゆっくちできにゃいぃぃ…! ゆっくちできにゃいよぅ…!」 「あが…ぢゃん……れいむの………あがぢゃん………」 のし饅頭が乾いて剥がれ落ちた後も、ゆっくり一家は泣き続けていた。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×2 中編に続きます 挿絵 by36番あき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 出た、彼の有名な頭おかしいお兄さんwww -- 2018-01-02 23 50 48 お兄さんと結婚したいな本当にちゅぶりぇりゅぅぅぅぅ!!!でワロタ -- 2016-09-25 23 26 27 本当にのーびのーびは苛々するなwww -- 2016-01-26 16 47 57 やめろー何てひどいことするんだ❗ -- 2015-05-11 23 49 51 一つ一つの虐待が最高におもしろいね! -- 2015-02-02 21 02 01 この人の文章好きだwww -- 2014-11-03 02 31 18 おおwHENTAIHENTAI -- 2014-08-08 11 32 01 俺お兄さんと結婚したいw -- 2013-01-28 18 35 22 のーびのーびしたゆっくりのトンでもないキモさwww -- 2012-10-16 21 44 47 ゆっくりがぞうたくさんだしてね -- 2012-01-20 20 47 03 ミニスカ閻魔様の~スカートのくだりセンスと狂気を感じる -- 2011-11-26 05 54 25 CRAZYお兄さんwww 36番あきキターーーーーー!! -- 2011-10-17 23 58 51 おお、なんか斬新なスタイルだw -- 2010-10-30 00 33 16 良い感じにクレイジーだなw -- 2010-10-01 18 33 24 お兄さんの喋りがいちいち面白いwww -- 2010-09-10 17 25 38
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※fuku2455.txtの続きです。 「そこの穴の中のまりさ5匹と親まりさ、どっちが死ぬか選べ」 赤ちゃんゲスまりさが潰された後も恐怖の二択地獄は続いていました。 今度天秤にかけられたのは赤ちゃん5匹の命と親まりさ1匹の命。数で言えば当然赤ちゃんまりさ5匹のほうが大事なのですが・・・ 「ま、まりさをつぶしてね!」 そう判断したまりさは一歩踏み出し、自らの命を差し出そうとします。 けれど、れいむはそれに反対しました。 「ゆゆっ、だめだよまりさ!そんなことしたらあかちゃんたちがゆっくりできないよ!」 そう、それでなくても子どもの数が多いのに冬真っ盛りに巣を失った家族が片親まで失ってしまうと下手をすれば赤ちゃんを全滅させてしまう恐れがあるのです。 それに、片親を失った状態で5匹のまりさが助かったとしても、れいむ一匹で育てられるはずもありません。 「・・・ゆぅ。わかってるよ!でもまりさはあかちゃんをたすけたいんだよ!」 「ゆゆっ!たすけてもしんじゃったらいみないよ!」 さっきの赤ちゃんゲスまりさのようにどうでもいい選択やどっちでも大差ないような選択なら即決も出来ますが、今回ばかりはそうも行きません。 「・・・れいむ」 一向に譲ろうとしないれいむのそばへ歩み寄ったまりさはおもむろにれいむにちゅっちゅをし、それからこう続けました。 「まりさはれいむをしんじてるよ!だからあかちゃんをたすけたいんだよ!」 信じようが信じまいが無理なものは無理なのですが、そういわれてしまってはれいむは何も言い返せませんでした。 「ゆぅ・・・わかったよ!」 自分が犠牲になる決断を下したまりさは、男性の足元に歩み寄り、目を瞑ります。 そして、その姿を見た男性は相変わらず無感動なままにこう言い放ちました。 「俺に潰されてどこかに捨てられるか、家族に食われるか選べ」 「ゆゆっ!?」 彼の言葉を聞いたまりさは驚いて目を見開き、彼の顔を覗き込みます。 しかし、冗談を言っているような様子は一切なく、相変わらずの無表情でした。 「お、おにーざん、なにいっでるの!?」 「れ、れいぶまりさをだべるごどなんででぎないよ!」 「なら、俺に潰されるんだな?」 男性の言葉に困惑するまりさとれいむを尻目に男性は淡々と話を続けます。 「ゆゆっ!ちがうよ!まりさはれいむにたべられたいよっ!」 「ま、まりぢゃ!なにいっでるのおおおお!?」 まりさの判断はきっと間違っていません。冬の間の食料が雪に閉ざされた巣の中にある以上、どうせ死ぬのなら家族に食べてもらいたいのです。 けれど、れいむの判断も間違っていません。やはり家族を食べるのは気持ち悪いものですし、何より甘くて美味しい同族は麻薬のようなものなのです。 そんなものを自制心の無い赤ちゃんのうちに食べさせてしまったらどうなるか・・・。 「れいむ、おねがいだよ!まりさのいうことをきいてね!」 「でいぶ、ばりしゃをだべだぐないよおおおお!」 感情が高ぶりすぎたれいむはついに泣き出してしまいました。 まりさはそんなれいむの隣に寄り添って舌で涙を拭いてあげています。 「早くしないなら俺が決める」 そして、男性は空気を読む気が全くありません。 結局、家族はまりさを食べることにしました。 「ゅぎぎぎぎ・・・・!」 きつく口を縛って悲鳴を上げないように耐えるまりさ。 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ~!」 「しゅごきゅゆっくちできりゅね!」 「おいちいよ!」 「おきゃーしゃんもおいちいよね?」 赤ちゃん達は最初はまりさを食べることに強烈な嫌悪感を示していましたが、一口食べた瞬間にその味の虜になってしまいました。 我先にと夢中になって親であるまりさの皮を食い破って吐き捨て、餡子をなめる4匹の赤ちゃんれいむ。 どうやら、餡子の甘さを知ってしまったこの子達にとって皮は邪魔なもの以外の何者でもないようです。 あまつさえ「これまじゅいよ!いらにゃい!」とか「こんにゃのたべしゃせないでね!」などと文句を言っています。 ちなみに赤ちゃんまりさ達は相変わらず穴の中にいるのでまりさのおこぼれに預かることは出来ません。 「ゆぅ・・・おきゃーしゃん、ごめんにぇ!」 「おきゃーしゃん、ありがちょね!」 一方でさっきの4匹からすこし離れた場所で、感謝の言葉を告げながらまりさを食べる2匹の赤ちゃんれいむがいます。 その子達は皮も残さず食べ、餡子の美味しさ以上に親のやさしさに涙を流して、一口一口噛み締めるようにまりさの食べていきます。 「「む~ちゃ、む~ちゃ・・・ちあわちぇ~!」」 そして4匹の赤ちゃんれいむ達を複雑な表情で見守る親れいむもまた、まりさにお礼を言いながらゆっくりとまりさを食べていました。 「まりさ、れいむをしあわせにしてくれてありがとう・・・」 「むーしゃ、むーしゃ・・・しあわせ~!」 けれど、口を開けば悲鳴を上げてしまいそうなまりさが返事をすることはありません。 気がつけば、まりさの体の5割が家族のぽんぽんに収まっていて、苦悶の表情を浮かべたまりさの口からは痛みを必死に堪えるうめき声も聞こえなくなっていました。 「これでいんんでぢょ!?」 双眸からぼろぼろと涙を零しているれいむはもはや帽子だけになってしまったまりさを指しながら、男性にそう告げます。 そして、その言葉を受けた男性は即座に次の二択を迫りました。 「どっちを殺すか選べ」 彼の両手にはさっきまりさが自らの命を捨てて守った赤ちゃんまりさが1匹ずつ。 右手には自己犠牲の精神を持ち合わせた立派な子が、左手には見捨てられたときにまりさやれいむを罵倒していた子が収まっています。 「ゆっ!どほぢでそんなごどいうのおおおおおお!」 流石のれいむも、いや優秀なこのれいむだからこそこの二択は絶望的でした。 当然でしょう。れいむにしてみれば最愛のパートナーの悲壮な決意を踏みにじられたも同然なのですから。 「どっちを殺すか選べ!」 しかし、男性は何の感動もなくただルーチンワークをこなすかのようにそう問うてきます。 「でいぶもおおごっだよ!」 我慢の限界に達したれいむは男性に体当たりを仕掛けます。しかし、どんなに頑張っても人間には全く歯が立ちません。 「なら、俺が決める」 そう呟いた男性は右手にすこしずつ力を加えていきました。 「いちゃいよおおお!やめちぇええええええええええ!」 ぼろぼろと大粒の涙を零しながら、か弱い力で男の手から抜け出そうとする赤ちゃんまりさ。 徐々に餡子が圧迫され、顔は真っ青でありながらも真っ赤という不思議な状態になり、今にも餡子を噴き出してしまいそうです。 一方、左手の赤ちゃんまりさは安堵のため息をつくと、右手のまりさに向かって「まりしゃのためにゆっきゅちちんでね!」と満面の笑みで吐き捨てました。 「おきゃーぢゃん、たしゅけてえええええええ!」 ぷちっ!というかわいらしい破裂音が聞こえたかと思うと、男性の右手から少量の餡子が漏れ出してきます。 「やべろおおおおおお!でいぶのあがぢゃあああああああん!」 れいむは我が子の助けに応じて必死に男性に体当たりを続けていますが、男性はぶつかっていることに気づいていないんじゃないかと思うほど平然としています。 「ゆぅぅうううう・・・もっちょ、ゆっくちちたかっちゃよ・・・」 やがて、そんな断末魔を残して健気な赤ちゃんまりさは親まりさの元へと旅立っていきました。 「ゆうううううう!でいぶのあがぢゃんがああああああああああああ!」 男性の手から落ちてきた赤ちゃんまりさだったものの前で泣き崩れるれいむ。 そんな親の周りに赤ちゃんれいむ達も集まってきます。そして「まりしゃ・・・てんごきゅでゆっきゅちちてね!」や「まりしゃのぶんもゆっきゅちするよ!」と元気良く言いました。 ただし、それはさっき餡子の味におぼれなかった2匹の話。ほかの4匹はまたしても我先にと赤ちゃんまりさの餡子を貪り食っていました。 「ゆゆ゛っ!?ゆっぐぢやべでね!!」 れいむはそんな風に赤ちゃんまりさの餡子を食い漁る赤ちゃんれいむ達を弾き飛ばしました。 けれど、赤ちゃんれいむ達はどうして怒られているのか理解できず、母親に抗議します。 「どほぢでこんにゃこちゅしゅるにょおおおおおお!」 「おきゃーしゃんのばきゃあああああああああ!」 「れいみゅあまあまたべちゃいよ~」 「れいみゅたちをゆっきゅちしゃ・・・ゆっ?」 最後に文句を言おうとした赤ちゃんれいむの言葉は突然伸びてきた男性の手によってさえぎられ、それと同時に一家の注意が男性のほうに戻りました。 「右手の子ども(赤れいむ)と左手の子ども(赤まりさ)、どっちを潰すか選べ」 淡々と告げる男性。 「ゆーっ!れいみゅちにたくにゃいよおおおおおおお!」 「まりしゃだってちにたくないよおおおおおお!」 手の中で泣き叫ぶ赤ちゃんたち。 そして、二択を迫られたれいむは・・・ 「みぎてのこをつぶしてね!」 あっさりと右手の赤ちゃんれいむを切り捨てた。 「どほぢでしょんなこちょいうにょおおおおおおおお!!」 「しまいをたべるようなこはゆっくりしないでしんでね!」 切り捨てられた赤ちゃんれいむは当然抗議しますが、れいむはそれをたった一言で一蹴してしまいます。 そしてその言葉通り、赤はんれいむはあっという間に潰されました。 潰れた赤ちゃんれいむの亡骸を適当に放り捨てた男性は穴の中から健気なまりさを取り出すとさっきと同じように右手でしっかり掴み、二択を迫ります。 「どっちのまりさを潰すか選べ」 「ひだりのこをつぶしてね!」 れいむはすぐに結論を出しました。どんなに必死になって抵抗しても人間には勝てない。 やはり最初にまりさと相談したときに出した結論どおり、この人間が飽きるのを待つしか道は無いのだ。 それなら、少しでも素直でゆっくりできるいい子を生き延びさせよう、と。 それがれいむに出来るたった一つのことなのです。 「おがあしゃああああああああん!どほぢでえええええええ!」 「れいむにわるぐちいうゆっくりできないこはしんでね!」 当然のように抗議する赤ちゃんまりさにれいむは容赦ない言葉を浴びせます。 若干自分の勝手が混じっていたような気もしますが、より良い子を生かすためのれいむは非情な決断を下すしかありません。 「このれいむとまりさどっちを潰すか選べ」 またしても二択。 右手にはさっき赤ちゃんまりさの死体に飛びついた赤ちゃんれいむが、左手には健気な赤ちゃんまりさが握られています。 「れいむをつぶしてね!」 「どほぢで「しまいをたべるこはゆっくりしないでしんでね!」 今度は最後まで言い切らせる暇もなく、死刑宣告をしました。 そしてその言葉通り、赤ちゃんれいむはすぐに潰されてしまいました。 「れいみゅ~・・・どほぢよおおおおお!」 「れいみゅもまりしゃをたべぢゃっだよおおおお!」 そう、躊躇うことなく自分の赤ちゃんを切り捨てていく母親が何を基準にして選別しているか気づいてしまったのです。 「右のまりさと左のまりさどちらを潰すか選べ」 「みぎのまりさをつぶしてね!」 「ゆぎゅううううううううううう!ゆぎゃっ!!?」 今度潰されたのも先ほど親れいむに暴言を吐いたまりさでした。 今や残っているのは暴言を吐いたまりさが1匹と健気なまりさが1匹、死体を食べたれいむが2匹と健気なれいむが2匹。 健気な赤ちゃん達は親れいむの周りや男性の手の中で「おやーしゃん、やめちぇえええ!」とか「まりしゃをつびゅしてええええ!」と叫んでいますが、その子達はきっと無事でしょう。 もうすぐ自分達が潰される。そう思うと震えが止まりませんでした。 「ねえ、れいみゅ!あのこたちのりぼんをれいみゅたちのものにちようよ!」 「ゆっ!だみぇだよ!そんなことちたらゆっくちできないよ!」 「どうせいまのままでもゆっくちできにゃいよ!」 そう吐き捨てた赤ちゃんれいむは一人、親の周りで泣いている赤ちゃんれいむの背後へ忍び寄っていきました。 そして、その子のリボンを奪い取ろうとした瞬間・・・男性の手につかまってしまいました。 「このれいむとまりさどっちを潰すか選べ」 「おきゃーしゃん、れいみゅをたしゅけてね!」 「おやーしゃん、まりしゃをつぶちてね!」 「れいむをつぶしてね!」 「どほぢで「しまいをたべるようなことはゆっぐぢでぎないよ!」 このやり取りも妙にリズミカルになってきました。親れいむもなんだかノリノリです。 ぷちっ、と言う軽快な音ともに赤ちゃんれいむは一瞬で物言わぬ饅頭になってしまいました。 そうして、親れいむに見捨てられる条件を兼ね備えているゆっくりは気がつけばれいむ1匹になっていました。 「れいむとまりさどっちを潰すか選べ」 「おきゃーしゃん、まりしゃをつぶちてね!」 「おきゃーしゃん!れいみゅを・・・れいみゅをつぶちてね!」 「ゆゆっ!?」 それは赤ちゃんれいむの賭けでした。健気な子が生かされるのなら自分も健気に振舞えば助かるのではないか、そう考えた末の言葉でした。 「それじゃあ、まりさ・・・」 「ゆゆっ!れいみゅたしゅかったよ!まりしゃはゆっくちちんでね!」 「・・・じゃなくてれいむをつぶしてね!」 「「ゆゆっ!?どほぢでそんなごどいうのおおおおおお!!」」 赤ちゃんれいむと赤ちゃんまりさは全く同時にその言葉を口にしましたが、その意図が全く異なります。 「れいみゅいいこなのにぃぃぃぃぃ!!」 その叫びを断末魔に赤ちゃんれいむはどこか遠くへ旅立っていきました。 その後、男性は親れいむと赤ちゃんれいむ2匹、赤ちゃんまりさ1匹を残して立ち去りました。 残された4匹は何とか力を合わせて簡素な巣を作り、親れいむが犠牲になることで食料の問題を解決しました。 春になると生き残った3匹の子ども達が元気に野山を駆け回りました。 両親の知り合いに助けられながら、虫を取り、草花を食み、すくすくと大きくなっていきました。 やがて夏になり、独り立ちして各々別の集落の一員となった子ども達は生来の仲間思いのおかげで集落に上手く溶け込むことが出来ました。 そして、2度目の冬。 巣にたくさんの食料を集めたまりさはパートナーのれいむと7匹の子どもに囲まれてとてもゆっくりしていました。 そこに、どこかで聞いたことのある言葉が響き渡りました。 「巣の中に大量の雪を放り込まれるのと、巣から出てくるのとどっちがいいか選べ」 ‐‐‐あとがき‐‐‐ 男の目的はゲスだけを間引くことじゃないかと思う byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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※fuku2455.txt?の続きです。 「そこの穴の中のまりさ5匹と親まりさ、どっちが死ぬか選べ」 赤ちゃんゲスまりさが潰された後も恐怖の二択地獄は続いていました。 今度天秤にかけられたのは赤ちゃん5匹の命と親まりさ1匹の命。数で言えば当然赤ちゃんまりさ5匹のほうが大事なのですが・・・ 「ま、まりさをつぶしてね!」 そう判断したまりさは一歩踏み出し、自らの命を差し出そうとします。 けれど、れいむはそれに反対しました。 「ゆゆっ、だめだよまりさ!そんなことしたらあかちゃんたちがゆっくりできないよ!」 そう、それでなくても子どもの数が多いのに冬真っ盛りに巣を失った家族が片親まで失ってしまうと下手をすれば赤ちゃんを全滅させてしまう恐れがあるのです。 それに、片親を失った状態で5匹のまりさが助かったとしても、れいむ一匹で育てられるはずもありません。 「・・・ゆぅ。わかってるよ!でもまりさはあかちゃんをたすけたいんだよ!」 「ゆゆっ!たすけてもしんじゃったらいみないよ!」 さっきの赤ちゃんゲスまりさのようにどうでもいい選択やどっちでも大差ないような選択なら即決も出来ますが、今回ばかりはそうも行きません。 「・・・れいむ」 一向に譲ろうとしないれいむのそばへ歩み寄ったまりさはおもむろにれいむにちゅっちゅをし、それからこう続けました。 「まりさはれいむをしんじてるよ!だからあかちゃんをたすけたいんだよ!」 信じようが信じまいが無理なものは無理なのですが、そういわれてしまってはれいむは何も言い返せませんでした。 「ゆぅ・・・わかったよ!」 自分が犠牲になる決断を下したまりさは、男性の足元に歩み寄り、目を瞑ります。 そして、その姿を見た男性は相変わらず無感動なままにこう言い放ちました。 「俺に潰されてどこかに捨てられるか、家族に食われるか選べ」 「ゆゆっ!?」 彼の言葉を聞いたまりさは驚いて目を見開き、彼の顔を覗き込みます。 しかし、冗談を言っているような様子は一切なく、相変わらずの無表情でした。 「お、おにーざん、なにいっでるの!?」 「れ、れいぶまりさをだべるごどなんででぎないよ!」 「なら、俺に潰されるんだな?」 男性の言葉に困惑するまりさとれいむを尻目に男性は淡々と話を続けます。 「ゆゆっ!ちがうよ!まりさはれいむにたべられたいよっ!」 「ま、まりぢゃ!なにいっでるのおおおお!?」 まりさの判断はきっと間違っていません。冬の間の食料が雪に閉ざされた巣の中にある以上、どうせ死ぬのなら家族に食べてもらいたいのです。 けれど、れいむの判断も間違っていません。やはり家族を食べるのは気持ち悪いものですし、何より甘くて美味しい同族は麻薬のようなものなのです。 そんなものを自制心の無い赤ちゃんのうちに食べさせてしまったらどうなるか・・・。 「れいむ、おねがいだよ!まりさのいうことをきいてね!」 「でいぶ、ばりしゃをだべだぐないよおおおお!」 感情が高ぶりすぎたれいむはついに泣き出してしまいました。 まりさはそんなれいむの隣に寄り添って舌で涙を拭いてあげています。 「早くしないなら俺が決める」 そして、男性は空気を読む気が全くありません。 結局、家族はまりさを食べることにしました。 「ゅぎぎぎぎ・・・・!」 きつく口を縛って悲鳴を上げないように耐えるまりさ。 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ~!」 「しゅごきゅゆっくちできりゅね!」 「おいちいよ!」 「おきゃーしゃんもおいちいよね?」 赤ちゃん達は最初はまりさを食べることに強烈な嫌悪感を示していましたが、一口食べた瞬間にその味の虜になってしまいました。 我先にと夢中になって親であるまりさの皮を食い破って吐き捨て、餡子をなめる4匹の赤ちゃんれいむ。 どうやら、餡子の甘さを知ってしまったこの子達にとって皮は邪魔なもの以外の何者でもないようです。 あまつさえ「これまじゅいよ!いらにゃい!」とか「こんにゃのたべしゃせないでね!」などと文句を言っています。 ちなみに赤ちゃんまりさ達は相変わらず穴の中にいるのでまりさのおこぼれに預かることは出来ません。 「ゆぅ・・・おきゃーしゃん、ごめんにぇ!」 「おきゃーしゃん、ありがちょね!」 一方でさっきの4匹からすこし離れた場所で、感謝の言葉を告げながらまりさを食べる2匹の赤ちゃんれいむがいます。 その子達は皮も残さず食べ、餡子の美味しさ以上に親のやさしさに涙を流して、一口一口噛み締めるようにまりさの食べていきます。 「「む~ちゃ、む~ちゃ・・・ちあわちぇ~!」」 そして4匹の赤ちゃんれいむ達を複雑な表情で見守る親れいむもまた、まりさにお礼を言いながらゆっくりとまりさを食べていました。 「まりさ、れいむをしあわせにしてくれてありがとう・・・」 「むーしゃ、むーしゃ・・・しあわせ~!」 けれど、口を開けば悲鳴を上げてしまいそうなまりさが返事をすることはありません。 気がつけば、まりさの体の5割が家族のぽんぽんに収まっていて、苦悶の表情を浮かべたまりさの口からは痛みを必死に堪えるうめき声も聞こえなくなっていました。 「これでいんんでぢょ!?」 双眸からぼろぼろと涙を零しているれいむはもはや帽子だけになってしまったまりさを指しながら、男性にそう告げます。 そして、その言葉を受けた男性は即座に次の二択を迫りました。 「どっちを殺すか選べ」 彼の両手にはさっきまりさが自らの命を捨てて守った赤ちゃんまりさが1匹ずつ。 右手には自己犠牲の精神を持ち合わせた立派な子が、左手には見捨てられたときにまりさやれいむを罵倒していた子が収まっています。 「ゆっ!どほぢでそんなごどいうのおおおおおお!」 流石のれいむも、いや優秀なこのれいむだからこそこの二択は絶望的でした。 当然でしょう。れいむにしてみれば最愛のパートナーの悲壮な決意を踏みにじられたも同然なのですから。 「どっちを殺すか選べ!」 しかし、男性は何の感動もなくただルーチンワークをこなすかのようにそう問うてきます。 「でいぶもおおごっだよ!」 我慢の限界に達したれいむは男性に体当たりを仕掛けます。しかし、どんなに頑張っても人間には全く歯が立ちません。 「なら、俺が決める」 そう呟いた男性は右手にすこしずつ力を加えていきました。 「いちゃいよおおお!やめちぇええええええええええ!」 ぼろぼろと大粒の涙を零しながら、か弱い力で男の手から抜け出そうとする赤ちゃんまりさ。 徐々に餡子が圧迫され、顔は真っ青でありながらも真っ赤という不思議な状態になり、今にも餡子を噴き出してしまいそうです。 一方、左手の赤ちゃんまりさは安堵のため息をつくと、右手のまりさに向かって「まりしゃのためにゆっきゅちちんでね!」と満面の笑みで吐き捨てました。 「おきゃーぢゃん、たしゅけてえええええええ!」 ぷちっ!というかわいらしい破裂音が聞こえたかと思うと、男性の右手から少量の餡子が漏れ出してきます。 「やべろおおおおおお!でいぶのあがぢゃあああああああん!」 れいむは我が子の助けに応じて必死に男性に体当たりを続けていますが、男性はぶつかっていることに気づいていないんじゃないかと思うほど平然としています。 「ゆぅぅうううう・・・もっちょ、ゆっくちちたかっちゃよ・・・」 やがて、そんな断末魔を残して健気な赤ちゃんまりさは親まりさの元へと旅立っていきました。 「ゆうううううう!でいぶのあがぢゃんがああああああああああああ!」 男性の手から落ちてきた赤ちゃんまりさだったものの前で泣き崩れるれいむ。 そんな親の周りに赤ちゃんれいむ達も集まってきます。そして「まりしゃ・・・てんごきゅでゆっきゅちちてね!」や「まりしゃのぶんもゆっきゅちするよ!」と元気良く言いました。 ただし、それはさっき餡子の味におぼれなかった2匹の話。ほかの4匹はまたしても我先にと赤ちゃんまりさの餡子を貪り食っていました。 「ゆゆ゛っ!?ゆっぐぢやべでね!!」 れいむはそんな風に赤ちゃんまりさの餡子を食い漁る赤ちゃんれいむ達を弾き飛ばしました。 けれど、赤ちゃんれいむ達はどうして怒られているのか理解できず、母親に抗議します。 「どほぢでこんにゃこちゅしゅるにょおおおおおお!」 「おきゃーしゃんのばきゃあああああああああ!」 「れいみゅあまあまたべちゃいよ~」 「れいみゅたちをゆっきゅちしゃ・・・ゆっ?」 最後に文句を言おうとした赤ちゃんれいむの言葉は突然伸びてきた男性の手によってさえぎられ、それと同時に一家の注意が男性のほうに戻りました。 「右手の子ども(赤れいむ)と左手の子ども(赤まりさ)、どっちを潰すか選べ」 淡々と告げる男性。 「ゆーっ!れいみゅちにたくにゃいよおおおおおおお!」 「まりしゃだってちにたくないよおおおおおお!」 手の中で泣き叫ぶ赤ちゃんたち。 そして、二択を迫られたれいむは・・・ 「みぎてのこをつぶしてね!」 あっさりと右手の赤ちゃんれいむを切り捨てた。 「どほぢでしょんなこちょいうにょおおおおおおおお!!」 「しまいをたべるようなこはゆっくりしないでしんでね!」 切り捨てられた赤ちゃんれいむは当然抗議しますが、れいむはそれをたった一言で一蹴してしまいます。 そしてその言葉通り、赤はんれいむはあっという間に潰されました。 潰れた赤ちゃんれいむの亡骸を適当に放り捨てた男性は穴の中から健気なまりさを取り出すとさっきと同じように右手でしっかり掴み、二択を迫ります。 「どっちのまりさを潰すか選べ」 「ひだりのこをつぶしてね!」 れいむはすぐに結論を出しました。どんなに必死になって抵抗しても人間には勝てない。 やはり最初にまりさと相談したときに出した結論どおり、この人間が飽きるのを待つしか道は無いのだ。 それなら、少しでも素直でゆっくりできるいい子を生き延びさせよう、と。 それがれいむに出来るたった一つのことなのです。 「おがあしゃああああああああん!どほぢでえええええええ!」 「れいむにわるぐちいうゆっくりできないこはしんでね!」 当然のように抗議する赤ちゃんまりさにれいむは容赦ない言葉を浴びせます。 若干自分の勝手が混じっていたような気もしますが、より良い子を生かすためのれいむは非情な決断を下すしかありません。 「このれいむとまりさどっちを潰すか選べ」 またしても二択。 右手にはさっき赤ちゃんまりさの死体に飛びついた赤ちゃんれいむが、左手には健気な赤ちゃんまりさが握られています。 「れいむをつぶしてね!」 「どほぢで「しまいをたべるこはゆっくりしないでしんでね!」 今度は最後まで言い切らせる暇もなく、死刑宣告をしました。 そしてその言葉通り、赤ちゃんれいむはすぐに潰されてしまいました。 「れいみゅ~・・・どほぢよおおおおお!」 「れいみゅもまりしゃをたべぢゃっだよおおおお!」 そう、躊躇うことなく自分の赤ちゃんを切り捨てていく母親が何を基準にして選別しているか気づいてしまったのです。 「右のまりさと左のまりさどちらを潰すか選べ」 「みぎのまりさをつぶしてね!」 「ゆぎゅううううううううううう!ゆぎゃっ!!?」 今度潰されたのも先ほど親れいむに暴言を吐いたまりさでした。 今や残っているのは暴言を吐いたまりさが1匹と健気なまりさが1匹、死体を食べたれいむが2匹と健気なれいむが2匹。 健気な赤ちゃん達は親れいむの周りや男性の手の中で「おやーしゃん、やめちぇえええ!」とか「まりしゃをつびゅしてええええ!」と叫んでいますが、その子達はきっと無事でしょう。 もうすぐ自分達が潰される。そう思うと震えが止まりませんでした。 「ねえ、れいみゅ!あのこたちのりぼんをれいみゅたちのものにちようよ!」 「ゆっ!だみぇだよ!そんなことちたらゆっくちできないよ!」 「どうせいまのままでもゆっくちできにゃいよ!」 そう吐き捨てた赤ちゃんれいむは一人、親の周りで泣いている赤ちゃんれいむの背後へ忍び寄っていきました。 そして、その子のリボンを奪い取ろうとした瞬間・・・男性の手につかまってしまいました。 「このれいむとまりさどっちを潰すか選べ」 「おきゃーしゃん、れいみゅをたしゅけてね!」 「おやーしゃん、まりしゃをつぶちてね!」 「れいむをつぶしてね!」 「どほぢで「しまいをたべるようなことはゆっぐぢでぎないよ!」 このやり取りも妙にリズミカルになってきました。親れいむもなんだかノリノリです。 ぷちっ、と言う軽快な音ともに赤ちゃんれいむは一瞬で物言わぬ饅頭になってしまいました。 そうして、親れいむに見捨てられる条件を兼ね備えているゆっくりは気がつけばれいむ1匹になっていました。 「れいむとまりさどっちを潰すか選べ」 「おきゃーしゃん、まりしゃをつぶちてね!」 「おきゃーしゃん!れいみゅを・・・れいみゅをつぶちてね!」 「ゆゆっ!?」 それは赤ちゃんれいむの賭けでした。健気な子が生かされるのなら自分も健気に振舞えば助かるのではないか、そう考えた末の言葉でした。 「それじゃあ、まりさ・・・」 「ゆゆっ!れいみゅたしゅかったよ!まりしゃはゆっくちちんでね!」 「・・・じゃなくてれいむをつぶしてね!」 「「ゆゆっ!?どほぢでそんなごどいうのおおおおおお!!」」 赤ちゃんれいむと赤ちゃんまりさは全く同時にその言葉を口にしましたが、その意図が全く異なります。 「れいみゅいいこなのにぃぃぃぃぃ!!」 その叫びを断末魔に赤ちゃんれいむはどこか遠くへ旅立っていきました。 その後、男性は親れいむと赤ちゃんれいむ2匹、赤ちゃんまりさ1匹を残して立ち去りました。 残された4匹は何とか力を合わせて簡素な巣を作り、親れいむが犠牲になることで食料の問題を解決しました。 春になると生き残った3匹の子ども達が元気に野山を駆け回りました。 両親の知り合いに助けられながら、虫を取り、草花を食み、すくすくと大きくなっていきました。 やがて夏になり、独り立ちして各々別の集落の一員となった子ども達は生来の仲間思いのおかげで集落に上手く溶け込むことが出来ました。 そして、2度目の冬。 巣にたくさんの食料を集めたまりさはパートナーのれいむと7匹の子どもに囲まれてとてもゆっくりしていました。 そこに、どこかで聞いたことのある言葉が響き渡りました。 「巣の中に大量の雪を放り込まれるのと、巣から出てくるのとどっちがいいか選べ」 ‐‐‐あとがき‐‐‐ 男の目的はゲスだけを間引くことじゃないかと思う byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1538.html
※fuku2455.txtの続きです。 「そこの穴の中のまりさ5匹と親まりさ、どっちが死ぬか選べ」 赤ちゃんゲスまりさが潰された後も恐怖の二択地獄は続いていました。 今度天秤にかけられたのは赤ちゃん5匹の命と親まりさ1匹の命。数で言えば当然赤ちゃんまりさ5匹のほうが大事なのですが・・・ 「ま、まりさをつぶしてね!」 そう判断したまりさは一歩踏み出し、自らの命を差し出そうとします。 けれど、れいむはそれに反対しました。 「ゆゆっ、だめだよまりさ!そんなことしたらあかちゃんたちがゆっくりできないよ!」 そう、それでなくても子どもの数が多いのに冬真っ盛りに巣を失った家族が片親まで失ってしまうと下手をすれば赤ちゃんを全滅させてしまう恐れがあるのです。 それに、片親を失った状態で5匹のまりさが助かったとしても、れいむ一匹で育てられるはずもありません。 「・・・ゆぅ。わかってるよ!でもまりさはあかちゃんをたすけたいんだよ!」 「ゆゆっ!たすけてもしんじゃったらいみないよ!」 さっきの赤ちゃんゲスまりさのようにどうでもいい選択やどっちでも大差ないような選択なら即決も出来ますが、今回ばかりはそうも行きません。 「・・・れいむ」 一向に譲ろうとしないれいむのそばへ歩み寄ったまりさはおもむろにれいむにちゅっちゅをし、それからこう続けました。 「まりさはれいむをしんじてるよ!だからあかちゃんをたすけたいんだよ!」 信じようが信じまいが無理なものは無理なのですが、そういわれてしまってはれいむは何も言い返せませんでした。 「ゆぅ・・・わかったよ!」 自分が犠牲になる決断を下したまりさは、男性の足元に歩み寄り、目を瞑ります。 そして、その姿を見た男性は相変わらず無感動なままにこう言い放ちました。 「俺に潰されてどこかに捨てられるか、家族に食われるか選べ」 「ゆゆっ!?」 彼の言葉を聞いたまりさは驚いて目を見開き、彼の顔を覗き込みます。 しかし、冗談を言っているような様子は一切なく、相変わらずの無表情でした。 「お、おにーざん、なにいっでるの!?」 「れ、れいぶまりさをだべるごどなんででぎないよ!」 「なら、俺に潰されるんだな?」 男性の言葉に困惑するまりさとれいむを尻目に男性は淡々と話を続けます。 「ゆゆっ!ちがうよ!まりさはれいむにたべられたいよっ!」 「ま、まりぢゃ!なにいっでるのおおおお!?」 まりさの判断はきっと間違っていません。冬の間の食料が雪に閉ざされた巣の中にある以上、どうせ死ぬのなら家族に食べてもらいたいのです。 けれど、れいむの判断も間違っていません。やはり家族を食べるのは気持ち悪いものですし、何より甘くて美味しい同族は麻薬のようなものなのです。 そんなものを自制心の無い赤ちゃんのうちに食べさせてしまったらどうなるか・・・。 「れいむ、おねがいだよ!まりさのいうことをきいてね!」 「でいぶ、ばりしゃをだべだぐないよおおおお!」 感情が高ぶりすぎたれいむはついに泣き出してしまいました。 まりさはそんなれいむの隣に寄り添って舌で涙を拭いてあげています。 「早くしないなら俺が決める」 そして、男性は空気を読む気が全くありません。 結局、家族はまりさを食べることにしました。 「ゅぎぎぎぎ・・・・!」 きつく口を縛って悲鳴を上げないように耐えるまりさ。 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ~!」 「しゅごきゅゆっくちできりゅね!」 「おいちいよ!」 「おきゃーしゃんもおいちいよね?」 赤ちゃん達は最初はまりさを食べることに強烈な嫌悪感を示していましたが、一口食べた瞬間にその味の虜になってしまいました。 我先にと夢中になって親であるまりさの皮を食い破って吐き捨て、餡子をなめる4匹の赤ちゃんれいむ。 どうやら、餡子の甘さを知ってしまったこの子達にとって皮は邪魔なもの以外の何者でもないようです。 あまつさえ「これまじゅいよ!いらにゃい!」とか「こんにゃのたべしゃせないでね!」などと文句を言っています。 ちなみに赤ちゃんまりさ達は相変わらず穴の中にいるのでまりさのおこぼれに預かることは出来ません。 「ゆぅ・・・おきゃーしゃん、ごめんにぇ!」 「おきゃーしゃん、ありがちょね!」 一方でさっきの4匹からすこし離れた場所で、感謝の言葉を告げながらまりさを食べる2匹の赤ちゃんれいむがいます。 その子達は皮も残さず食べ、餡子の美味しさ以上に親のやさしさに涙を流して、一口一口噛み締めるようにまりさの食べていきます。 「「む~ちゃ、む~ちゃ・・・ちあわちぇ~!」」 そして4匹の赤ちゃんれいむ達を複雑な表情で見守る親れいむもまた、まりさにお礼を言いながらゆっくりとまりさを食べていました。 「まりさ、れいむをしあわせにしてくれてありがとう・・・」 「むーしゃ、むーしゃ・・・しあわせ~!」 けれど、口を開けば悲鳴を上げてしまいそうなまりさが返事をすることはありません。 気がつけば、まりさの体の5割が家族のぽんぽんに収まっていて、苦悶の表情を浮かべたまりさの口からは痛みを必死に堪えるうめき声も聞こえなくなっていました。 「これでいんんでぢょ!?」 双眸からぼろぼろと涙を零しているれいむはもはや帽子だけになってしまったまりさを指しながら、男性にそう告げます。 そして、その言葉を受けた男性は即座に次の二択を迫りました。 「どっちを殺すか選べ」 彼の両手にはさっきまりさが自らの命を捨てて守った赤ちゃんまりさが1匹ずつ。 右手には自己犠牲の精神を持ち合わせた立派な子が、左手には見捨てられたときにまりさやれいむを罵倒していた子が収まっています。 「ゆっ!どほぢでそんなごどいうのおおおおおお!」 流石のれいむも、いや優秀なこのれいむだからこそこの二択は絶望的でした。 当然でしょう。れいむにしてみれば最愛のパートナーの悲壮な決意を踏みにじられたも同然なのですから。 「どっちを殺すか選べ!」 しかし、男性は何の感動もなくただルーチンワークをこなすかのようにそう問うてきます。 「でいぶもおおごっだよ!」 我慢の限界に達したれいむは男性に体当たりを仕掛けます。しかし、どんなに頑張っても人間には全く歯が立ちません。 「なら、俺が決める」 そう呟いた男性は右手にすこしずつ力を加えていきました。 「いちゃいよおおお!やめちぇええええええええええ!」 ぼろぼろと大粒の涙を零しながら、か弱い力で男の手から抜け出そうとする赤ちゃんまりさ。 徐々に餡子が圧迫され、顔は真っ青でありながらも真っ赤という不思議な状態になり、今にも餡子を噴き出してしまいそうです。 一方、左手の赤ちゃんまりさは安堵のため息をつくと、右手のまりさに向かって「まりしゃのためにゆっきゅちちんでね!」と満面の笑みで吐き捨てました。 「おきゃーぢゃん、たしゅけてえええええええ!」 ぷちっ!というかわいらしい破裂音が聞こえたかと思うと、男性の右手から少量の餡子が漏れ出してきます。 「やべろおおおおおお!でいぶのあがぢゃあああああああん!」 れいむは我が子の助けに応じて必死に男性に体当たりを続けていますが、男性はぶつかっていることに気づいていないんじゃないかと思うほど平然としています。 「ゆぅぅうううう・・・もっちょ、ゆっくちちたかっちゃよ・・・」 やがて、そんな断末魔を残して健気な赤ちゃんまりさは親まりさの元へと旅立っていきました。 「ゆうううううう!でいぶのあがぢゃんがああああああああああああ!」 男性の手から落ちてきた赤ちゃんまりさだったものの前で泣き崩れるれいむ。 そんな親の周りに赤ちゃんれいむ達も集まってきます。そして「まりしゃ・・・てんごきゅでゆっきゅちちてね!」や「まりしゃのぶんもゆっきゅちするよ!」と元気良く言いました。 ただし、それはさっき餡子の味におぼれなかった2匹の話。ほかの4匹はまたしても我先にと赤ちゃんまりさの餡子を貪り食っていました。 「ゆゆ゛っ!?ゆっぐぢやべでね!!」 れいむはそんな風に赤ちゃんまりさの餡子を食い漁る赤ちゃんれいむ達を弾き飛ばしました。 けれど、赤ちゃんれいむ達はどうして怒られているのか理解できず、母親に抗議します。 「どほぢでこんにゃこちゅしゅるにょおおおおおお!」 「おきゃーしゃんのばきゃあああああああああ!」 「れいみゅあまあまたべちゃいよ~」 「れいみゅたちをゆっきゅちしゃ・・・ゆっ?」 最後に文句を言おうとした赤ちゃんれいむの言葉は突然伸びてきた男性の手によってさえぎられ、それと同時に一家の注意が男性のほうに戻りました。 「右手の子ども(赤れいむ)と左手の子ども(赤まりさ)、どっちを潰すか選べ」 淡々と告げる男性。 「ゆーっ!れいみゅちにたくにゃいよおおおおおおお!」 「まりしゃだってちにたくないよおおおおおお!」 手の中で泣き叫ぶ赤ちゃんたち。 そして、二択を迫られたれいむは・・・ 「みぎてのこをつぶしてね!」 あっさりと右手の赤ちゃんれいむを切り捨てた。 「どほぢでしょんなこちょいうにょおおおおおおおお!!」 「しまいをたべるようなこはゆっくりしないでしんでね!」 切り捨てられた赤ちゃんれいむは当然抗議しますが、れいむはそれをたった一言で一蹴してしまいます。 そしてその言葉通り、赤はんれいむはあっという間に潰されました。 潰れた赤ちゃんれいむの亡骸を適当に放り捨てた男性は穴の中から健気なまりさを取り出すとさっきと同じように右手でしっかり掴み、二択を迫ります。 「どっちのまりさを潰すか選べ」 「ひだりのこをつぶしてね!」 れいむはすぐに結論を出しました。どんなに必死になって抵抗しても人間には勝てない。 やはり最初にまりさと相談したときに出した結論どおり、この人間が飽きるのを待つしか道は無いのだ。 それなら、少しでも素直でゆっくりできるいい子を生き延びさせよう、と。 それがれいむに出来るたった一つのことなのです。 「おがあしゃああああああああん!どほぢでえええええええ!」 「れいむにわるぐちいうゆっくりできないこはしんでね!」 当然のように抗議する赤ちゃんまりさにれいむは容赦ない言葉を浴びせます。 若干自分の勝手が混じっていたような気もしますが、より良い子を生かすためのれいむは非情な決断を下すしかありません。 「このれいむとまりさどっちを潰すか選べ」 またしても二択。 右手にはさっき赤ちゃんまりさの死体に飛びついた赤ちゃんれいむが、左手には健気な赤ちゃんまりさが握られています。 「れいむをつぶしてね!」 「どほぢで「しまいをたべるこはゆっくりしないでしんでね!」 今度は最後まで言い切らせる暇もなく、死刑宣告をしました。 そしてその言葉通り、赤ちゃんれいむはすぐに潰されてしまいました。 「れいみゅ~・・・どほぢよおおおおお!」 「れいみゅもまりしゃをたべぢゃっだよおおおお!」 そう、躊躇うことなく自分の赤ちゃんを切り捨てていく母親が何を基準にして選別しているか気づいてしまったのです。 「右のまりさと左のまりさどちらを潰すか選べ」 「みぎのまりさをつぶしてね!」 「ゆぎゅううううううううううう!ゆぎゃっ!!?」 今度潰されたのも先ほど親れいむに暴言を吐いたまりさでした。 今や残っているのは暴言を吐いたまりさが1匹と健気なまりさが1匹、死体を食べたれいむが2匹と健気なれいむが2匹。 健気な赤ちゃん達は親れいむの周りや男性の手の中で「おやーしゃん、やめちぇえええ!」とか「まりしゃをつびゅしてええええ!」と叫んでいますが、その子達はきっと無事でしょう。 もうすぐ自分達が潰される。そう思うと震えが止まりませんでした。 「ねえ、れいみゅ!あのこたちのりぼんをれいみゅたちのものにちようよ!」 「ゆっ!だみぇだよ!そんなことちたらゆっくちできないよ!」 「どうせいまのままでもゆっくちできにゃいよ!」 そう吐き捨てた赤ちゃんれいむは一人、親の周りで泣いている赤ちゃんれいむの背後へ忍び寄っていきました。 そして、その子のリボンを奪い取ろうとした瞬間・・・男性の手につかまってしまいました。 「このれいむとまりさどっちを潰すか選べ」 「おきゃーしゃん、れいみゅをたしゅけてね!」 「おやーしゃん、まりしゃをつぶちてね!」 「れいむをつぶしてね!」 「どほぢで「しまいをたべるようなことはゆっぐぢでぎないよ!」 このやり取りも妙にリズミカルになってきました。親れいむもなんだかノリノリです。 ぷちっ、と言う軽快な音ともに赤ちゃんれいむは一瞬で物言わぬ饅頭になってしまいました。 そうして、親れいむに見捨てられる条件を兼ね備えているゆっくりは気がつけばれいむ1匹になっていました。 「れいむとまりさどっちを潰すか選べ」 「おきゃーしゃん、まりしゃをつぶちてね!」 「おきゃーしゃん!れいみゅを・・・れいみゅをつぶちてね!」 「ゆゆっ!?」 それは赤ちゃんれいむの賭けでした。健気な子が生かされるのなら自分も健気に振舞えば助かるのではないか、そう考えた末の言葉でした。 「それじゃあ、まりさ・・・」 「ゆゆっ!れいみゅたしゅかったよ!まりしゃはゆっくちちんでね!」 「・・・じゃなくてれいむをつぶしてね!」 「「ゆゆっ!?どほぢでそんなごどいうのおおおおおお!!」」 赤ちゃんれいむと赤ちゃんまりさは全く同時にその言葉を口にしましたが、その意図が全く異なります。 「れいみゅいいこなのにぃぃぃぃぃ!!」 その叫びを断末魔に赤ちゃんれいむはどこか遠くへ旅立っていきました。 その後、男性は親れいむと赤ちゃんれいむ2匹、赤ちゃんまりさ1匹を残して立ち去りました。 残された4匹は何とか力を合わせて簡素な巣を作り、親れいむが犠牲になることで食料の問題を解決しました。 春になると生き残った3匹の子ども達が元気に野山を駆け回りました。 両親の知り合いに助けられながら、虫を取り、草花を食み、すくすくと大きくなっていきました。 やがて夏になり、独り立ちして各々別の集落の一員となった子ども達は生来の仲間思いのおかげで集落に上手く溶け込むことが出来ました。 そして、2度目の冬。 巣にたくさんの食料を集めたまりさはパートナーのれいむと7匹の子どもに囲まれてとてもゆっくりしていました。 そこに、どこかで聞いたことのある言葉が響き渡りました。 「巣の中に大量の雪を放り込まれるのと、巣から出てくるのとどっちがいいか選べ」 ‐‐‐あとがき‐‐‐ 男の目的はゲスだけを間引くことじゃないかと思う byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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シムの赤ちゃん シムの赤ちゃんはアクティブで操作することは出来ず、欲求も知ることは出来ません。赤ちゃんのアイコンの背景色が鮮やかな緑であれば欲求はほぼ満たされていますが、黄色になってくると何かしらの欲求を求めています。基本的に赤ちゃんがいる世帯では十代以上の家族が折を見計らってミルクを飲ませるようにしていますので、赤ちゃんが餓死することはまずありません。もし、そのような状況に万が一陥った場合には社会福祉指導員が赤ちゃんを引き取りに来ますので(をぃ)。赤ちゃんの欲求が著しく落ちる原因の第一はおむつが汚れることです。おむつ交換台を買っている場合にはおむつ交換台でおむつを取り替えればそれで赤ちゃんの衛生の欲求は満たされます。資金不足でやむを得ず買えなかった場合には赤ちゃんをクリックしておむつを取り替えるを実行した後にシンクで赤ちゃんを入浴させてあげましょう。 誕生から2日目の18時を経過すると、1日後に赤ちゃんの誕生日が訪れるメッセージが表示され、バースデーケーキまで連れて来るか、3日目の18時になった時点で赤ちゃんから幼児に成長します。ただし、赤ちゃんの欲求が満たされていない場合には成長できない場合がありますので、誕生パーティを開く場合には細心の注意を払ってください。 なお、フリータイムでは本棚の本でしつけを勉強することにより、赤ちゃんの欲求を知ることが出来るようになります。 赤ちゃんの性格の話 ピカソ家(要 フリータイム)のマシュー&ジェシカ夫婦にめでたく第1子(男の子)が誕生しました。……が、再ロードなしでSimPEでデータをチェックしたら結構すごい性格していました。生まれる前にマシューにジェシカのお腹に話しかけさせたり、ルームメイトの老夫婦のおばあさんにも話しかけさせたのですが。 星座:いて座 きれい好き:1 社交:10 活発:9 遊び好き:10 快活:1 うーん……マシューパパがきれい好き1なので、だらしないのは仕方ないとしても、これが噂の新生児クローニング現象でしょうか? ジェシカは快活7ですし、マシューも快活は5なので快活1なんてあり得ないでしょ? 顔に関してはまだ赤ちゃんの段階なので何とも言えませんが、少なくともオットマス家の双子(前にプレイした時は兄弟の中でトミーが一番ましだった)よりはかわいいとは思うのですが。 再ロードするとか、別のシムをダミーで作成するなどをすれば、この現象(第1子がほぼ確実に男の子で、快活が1になってしまう)を回避できるという話もあります。とりあえず私は、性格と持って生まれた趣味の才能だけをSimPEで修正しました。 修正後の性格 きれい好き:1 社交:6 活発:7 遊び好き:6 快活:7 持って生まれた趣味:ゲームから自然に変更 つまり、快活及び持って生まれた趣味はジェシカママに似せ、きれい好き、社交、活発、遊び好きはマシューパパに似せました。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3993.html
『拾われいみゅ』 9KB いじめ 小ネタ 子ゆ 虐待人間 いつもの小ネタです。 「れーみゅをかいゆっくちにしちぇね!れーみゅはかわいしょーな、みなしごなんだよ!!」 「そーだよ!おちびちゃんは、かわいそーなみなしごなんだよ!そしてれいむは、しんぐるまざーなんだよ!かわいそーなんだよ!!」 寂れた公園で、薄汚い成体のれいむと赤れいむが一人の少女に向けて訴える。 その外見は野良らしく汚れているが、ニヤニヤと笑っているその表情からは余裕が伺える。 実はこの二匹は親子で、先日番のまりさと子まりさを失っている。 理由は今回と同じく、人間に飼いゆっくりにしろと迫った為である。 だがこの親子はその失敗も忘れて、可哀想な自分達を売り込むことで飼いゆっくりになろうと考えた。 実際に飼いゆっくりがどんなものかも解っていない、ただ楽をして暮らしたいだけのゆっくりなのだ。 「ふーん…汚いけど、汚れは洗えば落ちるかな?リボンも揉み上げも欠けてないし…これにしよう!」 「ゆわーい!れいーみゅはおそらのてんししゃん!!」 そんな親子をじっくりと品定めする少女。 しばらく考えた末に、赤れいむを捕まえると小さな箱に入れる。 そしれ親れいむに見向きもしないで、何処かに向かって歩き出した。 「ゆゆっ?!ちょっとまってね!れいむもかいゆっくりにしてね!れいむはしんぐるまざーなんだよ!ふこうでかわいそーな、ひげきのひろいんなんだよ!ゆっくりさせてね!!」 そんな少女の態度に慌てる親れいむ。 必死に跳ねて少女の後を追う。 「ちょっと、五月蝿いから着いてこないでよ。向こう行ってよね!しっし!」 少女はそう言うと、落ちていた石を拾って親れいむ目掛けて投げる。 だが石は親れいむを掠めただけで、当たりはしなかった。 親れいむは揉み上げをワサワサと動かしながら、少女を睨みつつニヤニヤと笑い始める。 「ゆゆっ!あぶないでしょ!!これはもう、しゃざいとあまあまがひつようだよ!ゆっくりごめんなさいをしてね!それからおわびとして、れいむのどれいとしてつかえてね!いっしょうでいいよ!!」 「五月蝿いって言ってるでしょ?どうして解らないの?!」 「ゆゆっ?!」 勝ち誇ったような顔をしていた親れいむに、ついに少女が腹を立てた。 少女は親れいむを持ち上げると、公園のフェンスの金網に親れいむの顔を押し付けた。 「ゆじゃじゃ!なにじでりゅのおぉぉぉ?!ぷりちーなでいぶのおがおに、きずがついじゃうでじょぉぉぉ!!」 「まだ喋るの?五月蝿いなぁ…さっさと黙ってよね!えい!」 ミチミチミチ… 親れいむは金網を顔に食い込ませながらも、揉み上げをワサワサと動かして文句を言う。 だがそれが余計に少女の気に障ったらしく、少女は親れいむを金網にどんどん押し付けていった。 親れいむの体は音を立てて軋むと、金網がより深く顔に食い込んでいく。 「ちべべぇぇ?!いじゃい!いじゃ!やばげべべべべ!ぶじょぉぉぉぉ!!」 親れいむはあまりの痛みに体をグネグネと動かして、必死に抵抗する。 だがそんな抵抗も空しく、ついに金網が親れいむの顔の皮を引き裂いてめり込んでいく。 傷口からは餡子が漏れ出し、ところてんのように押し切られていく親れいむ。 「ぢべぇ!ぢべぇぇぇぇ?!がじゃじゃ!じゅっばぁぁぁぁぁ!!」 親れいむは涙としーしーを噴出させて、大きな声で何かを叫ぶ。 少女は手ごたえを感じたのか、満足したような顔で更に親れいむを金網に押し付ける。 「あれ?あれ?何か引っかかってる?うーん…これ以上は無理かな?でも、これなら私を追いかけてこれないよね?じゃあね!」 だが親れいむの歯が中網に引っかかり、それ以上は親れいむを押すことが出来なかった。 少女はしばらく悩むが、親れいむの動きを封じた事を確信すると満足そうに微笑んで何処かに行ってしまう。 親れいむは体の1/3程を、金網に食い込ませた状態で放置される。 「じばっ!じゃががが!ばじゅげぼぉぉぉぉ!」 親れいむは呻きながら、尻をブリブリと振って助けを求める。 だが、自重で少しずつ体が千切れ始めているのに気が付いていなかった。 「ゆっくちー!ゆっくちー!れーみゅはすてきなかいゆっくちー!ゆっちっち~♪」 机の上で幸せそうに体を揺らしながら、下手くそな歌を歌う赤れいむ。 親れいむの事を気にも留めずに、飼いゆっくりになれた事をひたすら喜んでいる。 少女はそんな赤れいむを持ち上げると、ウエットティッシュで赤れいむの体を拭いていく。 「ゆゆゆ~ん!くしゅぐったいよ!ゆぴっ!そこはれーみゅのでりけーとじょーんだよ!やさしくしゃわってね!」 「ふむ…こんなもんかな?結構汚れてたのね…ゆっくりって不潔なのね…」 赤れいむは気持ちよさそうに目を細める。 少女はそんな赤れいむよりも、ティッシュについた汚れを見て目を丸くする。 「じゃあ、これを食べててね。私は色々準備するから…」 「ゆゆっ?!ごはんしゃん?!さすが、れーみゅのどれーはわかっているよ!むーちゃ、むーちゃ、しあわしぇぇぇぇぇぇ!!」 赤れいむは少女が自分の目の前に置いた白い塊に、早速大口を開けて齧り付く。 その瞬間赤れいむはほのかな甘みに思わずしーしーを漏らして、満足そうに微笑む。 そして幸せそうに体を揺らすと、尻をブリブリと振りながら一心不乱に貪り始める。 「ゆゆぅ?にゃんだかねむいよ…おにゃかいっぱいになったから?…ゆーん…むにゃむにゃ…おやしゅみなさ………」 突然の眠気に少し戸惑う赤れいむ。 揉み上げで目をこすりながら眠そうに欠伸をする。 そしてそのまま目を閉じると、机に伏すように眠り始めてしまった。 「あら、もう効いてきたのね。でも、どうしてラムネで眠たくなるのかしら?ゆっくりって不思議なやつらね…」 戻ってきた少女は、赤れいむを見て不思議そうに首をかしげてそう言った。 むにゃ…むにゃ………あま…あま…?………むにゃ………ゆゆっ?……ゆ?……… 眠っていた赤れいむが、何やら異変に気が付いて薄らと目を開ける。 寝ぼけているせいか、周囲がはっきり見えずに困惑する赤れいむ。 両目を真ん丸に見開いて、きょろきょろと辺りを見渡す。 なにこりぇ?…どーなっちぇ………ゆゆゆゆ?!あまあま?!ゆゆ?!おみじゅしゃ?……… そして赤れいむは自分の置かれた状況に気が付く。 あまあまだと感じていた物が、自分の周りに沢山存在する事を。 それが水のような物だと言う事を。 ゆぐっ!ゆげげっ…!!がばっ……ぐ…ぐるじぃ………いきがでぎな………ぎぎぎ!!……… 自分は水の中にいる。 そう思った途端、急に苦しくなる赤れいむ。 元々ゆっくりは呼吸などしていないだが、思い込みで呼吸出来ない苦しみを味わう。 両目を飛び出さんばかりに見開いて、必死に揉み上げを動かし水から浮上しようとする。 少し体が浮いて安どの笑みを浮かべるが、すぐに落下を始め悲しそうに顔をしかめる。 口の中はすでに液体に満たされているのだが、何故か空気を吐き出さないようにと口を固く閉じる。 だじゅげで!だじゅげで!がばいいでいぶをだじゅげでよぉぉぉぉ!! 必死で叫ぶが誰にも聞こえてはいなかった。 「あら?動いてる?えっと…たしか眠ったまま、ゆるまりん漬けになるって書いてなかった?」 ビンの中で必死に動き回る赤れいむに気が付いた少女。 説明書を取り出して、中身を注意深く確認する。 「えっ………あれ…?この薬も混ぜないと死なないんだ!どうしよう?今から入れても、ぶっさいくな顔で死んじゃうだろうし………」 この少女は理科の実験キット、「ゆっくりユルマリン漬け」を使って赤れいむの標本を作ろうとしていたのだ。 これは、ビンの中の保存用の甘い液体の中にゆっくりを漬けて、標本にする子供向けの実験キット。 本来ならラムネで眠らせたゆっくりを保存液につけ、少量の殺ゆ剤でゆっくりが眠っている間に殺して標本にする物。 だが少女はその殺ゆ剤を入れ忘れたせいで、ラムネが切れて赤れいむが目を覚ましたのだ。 少女はこれからどうしようかと、ビンの中の赤れいむを見て考える。 赤れいむは少女が現れた事に気が付いたのか、揉み上げを必死に動かして少女に何かを訴える。 だ…ぢで……!だぢで…!ここがらだぢで…ごばばっ! だがそんな赤れいむの叫びは少女に届く事はなかった。 そればかりか、少女はもがき苦しむ赤れいむを見ている内に、怪しい笑みを浮かべる。 「ふふふ…なんかこれ、必死で可愛いわね。このままで、どのくらい持つのかしら?」 少女は赤れいむの入ったビンを逆さにすると、中の赤れいむの様子をじっと観察する。 赤れいむは何が起こったのか解らず、両目を白黒させながら重力に従いビンの蓋の方へゆっくりと落下を始める。 その際も、まるでミジンコのように揉み上げをワサワサと振りながら、クルクルと回転して液体内を浮遊する。 ぶびょびょ…!どぼじで…でびぶ…ぼぼがらでばればいのぉ…?!ごぼぼ!ぶぼ! 「これ良いかも。このままにして置こうかな?水中ゆっくり…なんてね!」 少女はしばらくの間、赤れいむがビン底に移動する度にビンをひっくり返しては、赤れいむの動きを楽しむのだった。 それから数日後。 ………………ぐるじ……もっど…ゆっぐぢ……ゆ……ゆ…… ビンに閉じ込められてから寝る事も出来ず、24時間溺れる苦しみを味わっていた赤れいむにそろそろ限界が訪れた。 ろくに動く事も出来ないほど衰弱した赤れいむは、ガタガタと震えながら苦しそうに目を閉じる。 「あ、やっぱり弱ってるわね…でも安心してね。良い事教わってきたから!」 死を待つばかりの赤れいむ。 そんな赤れいむを見た少女は得意そうにそう言うと、ビンの蓋を外して中にコップに入った液体を少量流し込む。 そして再び蓋をすると、中の液体をかき混ぜる様にビンを上下に降り始める。 ……ぴ…なに…でいぶ…もうゆっくち………ぶぼぼっ!ごぼっ?!…げべべべべ!びゅびぃぃぃぃぃぃぃぃ!! 眠るように死んでいく所だった赤れいむが、突然両目を見開いて苦しみ始める。 死にかけていたのが嘘の様に元気に揉み上げを動かし、ミジンコのようにビンの中をフラフラと泳ぎ回る。 「おぉ!すごい!!お兄ちゃんに聞いた通りだ!ゆっくりの栄養剤に、ラー油雑ぜると良いって本当だったんだ!!」 少女が行ったこの方法は、実際にゆっくり治癒に使われる少し手荒なもの。 ゆっくりが苦手な辛味を栄養剤に混ぜる事で、わざとゆっくりの自己治癒能力を刺激して、治療を促進させるという荒治療なのだ。 びゅじゃぁぁぁ!ごぼぼぼぼ!ぶごごごご!ぼっぼぼぼぼ!! 苦悶の表情で、顔を真っ赤にしてもがく赤れいむ。 だがもがけばもがく程、周囲の養分を吸収して体力が回復していく。 苦しめば苦しむほど、余計に体調が良くなり更に苦しむ事が出来るようになる赤れいむ。 「すごいわね!最初の時より元気になったみたい。これから毎日、これあげてみようかしら?」 ごぼべべ!だぶべべぇぇぇぇぇ!ぶごえ!がばばば!びゅびびびびび!! 赤れいむはぼんやり見える少女に向かって必死に助けを求める。 だが少女が赤れいむに飽きでもしない限り、この苦しみは続くだろう。 少女は元気な赤れいむの様子を見て、満足そうに微笑だ。 完 飼われまりちゃの生き残りです。 徒然あき
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【作品名】 NHKにようこそ! ED映像(前期) 【ジャンル】アニメED 【名前】最大サイズの赤ちゃん人間 【属性】最大サイズの赤ちゃん人間 【大きさ】目だけで銀河の7倍程度。全身はその20倍程度なので銀河の140倍程度。 【攻撃力】【防御力】【素早さ】大きさ相応の赤ちゃん人間並。 【特殊能力】なし。 【長所】でかい。 【短所】でかいだけ。 【備考】1 10あたりで登場する。 普通の赤ちゃん人間や冷蔵庫、クーラーなどが地球上で踊る→ズームアウトして地球全体が映る →さらにズームアウトして火星と小惑星群が映る→さらにズームアウトして土星が映る →さらにズームアウトして(いきなり激しくズーム)銀河が映る →さらにズームアウトすると銀河周辺の宇宙は赤ちゃん人間の目だった →さらにズームアウトしてその赤ちゃん人間の上半身が映る という流れなので普通の赤ちゃん人間を内包した別の赤ちゃん人間だと考えられる。 【備考2】容姿はどう見たって人間じゃないけど、「赤ちゃん人間」って名前だしもしかしたら人類でるかもしれないのでこのスレに参戦できるか微妙 vol.3 17 :格無しさん:2011/06/06(月) 21 33 55.31 ID rz75W7f1 16 名前だけで特定するほかの要素が無いなら大丈夫じゃね。 本来は人間でも、バケモノ化したあと任意で人間に戻れるとか じゃないならいいかもしれんし。 赤ちゃん人間 考察 大きさ勝負で エンキドゥー>赤ちゃん人間>ビクトリーグレイモン