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爆炎の使い魔 漂う土煙!これはルイズによって起こされたもの! 召喚の儀だというのに、性懲りもなく爆発を起こした少女、ルイズ!! しかし、しかし!だからこそ現れたのではないだろうか! 爆発こそが「それ」を象徴する能力なのだからッ!! 時間は少し遡る。 幽霊の出る小道で主と引き離された「それ」は‘どこでもない場所‘を彷徨っていた。 体はバラバラ、ひび割れて無残な姿だ。 主を失ったスタンドはどうなるのか・・・それはわからない。 おそらくは消えていくのであろう。 だが!「それ」の場合は消えなかった! 主がとどまり続けるのと同様に(もちろん「それ」はそのことを知らないが)、 「それ」もまた新たなる世界でとどまり続けるのだ! さあっ!迎えの光がやってきた! 光に飲み込まれていく「それ」は自らの体が修復されていくのを感じていた・・・。 土煙が晴れ、そこに一つのヴィジョンが佇んでいた。 それを見たルイズは喜びに打ち震えていた。自らが召喚した使い魔がその優美な姿を見せていたからだ。 猫と髑髏が融合したかのような顔、筋骨隆々たる体、そして何者をも寄せ付けない気高い威圧感! そのどれをとっても貴族たる自分に相応しい。 「嘘だろ・・・ゼロのルイズが成功しやがった・・・。」 「イ、インチキに決まってる!!」 「そうだ!爆発に紛れて何とかしたんだ!」 プツンッ!ルイズの方から何かが切れた音がした。 「黙りなさい・・・。」 「何だよ!図星なモンだから焦ってんだろ。」 「黙りなさい、と言ったのが聞こえなかったの・・・? このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・・・。 そのような姑息な真似は!一切!!していないッ!!! これは正真正銘!私が召喚した!私の使い魔よッ!!!!!」 To Be Continued → 目次
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「・・・。」 「う~ん・・・キュルケ・・・に・・・シアーハー・・・むにゃ・・・。」 「・・・。」 「壊れない・・・ウフフ・・・。必殺・・・やって・・・おしまい。」 「しばっ!!」 バサァッ!! 爽やかな朝に不穏な寝言を言うルイズ。 そんな彼女の朝は、キラークイーンに布団を引っぺがされることから始まった。 さすがに布団の爆破はしない。 『許可なき爆破は許さない。』キラークイーンに課せられたルールである。 どのみちルイズに馴染んできたキラークイーンにとっては、ルイズの意志がなければ出来ないが。 その他にも目覚ましの役目も言い渡されている。 そんな忠実なる使い魔に、彼女は寝ぼけ眼で言い放った。 「・・・誰?ってか何?」 「・・・。」 「あ、使い魔か・・・。」 ・・・何かもうダメだ。 「着替えなきゃ・・・。えっと、パンツは一番下に・・・と。」 衣擦れの音の響く部屋、その中で無駄に存在感を発揮するキラークイーン。 オプションには半裸の美少女。 異様な光景である。 「櫛は・・・キラークイーン、ちょっと取って。」 櫛を手渡すキラークイーン。何故かいつまでも視線をルイズの手に向けている。 「あんたって手を見ると動き止まるわよね・・・。変なの。」 その理由を彼女は知らない。 でも知らない方がいいってことも世の中にはたくさんありますよね。 「さて、準備も出来たし朝食に行くわよ。ついてきなさい。」 何となくキラークイーンには傍にいて欲しいルイズ。彼を近くに呼び寄せます。 別に離れても問題は無かったのだけれど、あんまり離れていると何かこうムズムズとするのです。 部屋から出て、施錠チェック終了!!といったところでなるべくなら聞きたくない声がした。 燃えるような髪。ルイズとは対照的な「何想像してんのさ」と聞こえてきそうな体。 そう、今朝、ルイズの夢の中で爆弾戦車に追っかけ回されていた女性、キュルケである。 ちなみに爆死する前に布団を引っぺがされたため、死んではいない。 「あら、ルイズ。その猫っぽい亜人が貴女の使い魔?けっこうキュートね。 フフッ・・・ひょっとして他の人のをさらってきたんじゃないでしょうね?」 「黙りなさい、キュルケ。体温すらない体にするわよ?あと人の使い魔、勝手に触らないで。」 「・・・。」 「・・・?フフ・・・私の手、綺麗でしょ?」 「キラークイーン!手なんか見ててもしょうがないでしょう!?行くわよ!」 「あら、キラークイーンっていうのね。素敵な名前・・・。 それと・・・私だけが知ってるのもフェアじゃないから。」 彼女の隣にジョーダンのようなトカゲが現れた。 「これが私の使い魔、フレイム。サラマンダーよ。しかも火竜山脈の・・・。 好事家に見せたらきっと欲に塗れた醜態を晒してくれるでしょうね・・・。」 「ふ~ん、まあまあね。あんたにぴったりじゃない。それじゃ、私お腹空いてるからこれで。」 「あ、ちょっと・・・。」 有無を言わさず立ち去るルイズ。 普段見せているコンプレックスの欠片も見せなかったルイズにキュルケは戸惑っていた。 意外に思えるかもしれないが、このときルイズが癇癪を起こさず、冷静に対応できたのは奇跡などではない。 なぜならキラークイーンもけっこうレアなため、この時点でルイズには勝った!!という考えが浮かんでいたのだ。 キラークイーンの能力を把握しているルイズにとって、サラマンダーなどシアーハートを発射するだけで事足りるのだから、 当然といえば当然の態度である。 本日のルイズ・・・夢の中で必殺技を思いつく。 必殺技・・・シアーハートアタックを発射後すぐにキラークイーンで全力投球。これにより周囲の温度に影響されずに標的に向かう。 ただし対象物に温度がない場合は使えない。 To Be Continued → 戻る 目次
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虚無と爆炎の使い魔-01 虚無と爆炎の使い魔-02 虚無と爆炎の使い魔-03 虚無と爆炎の使い魔-04 虚無と爆炎の使い魔-05 虚無と爆炎の使い魔-06 虚無と爆炎の使い魔-07 虚無と爆炎の使い魔-08/(おまけ) 番外編 虚無と爆炎の使い魔-02-ANOTHER 二年虚無組・爆炎先生
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【種別】 使い魔 【解説】 始祖ブリミルが従えていたという四体の使い魔。 神の左手ガンダールヴ。神の右手ヴィンダールヴ。神の頭脳ミョズニトニルン。 現在確認されているのはこの三つのみ、もう一人は記すことさえはばかれるとのことで不明。
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ルイズが他の生徒たちを怒鳴りつけていると、教師らしい中年男性がため息をつきながら近寄ってきた。 「オホンッ!ミス・ヴァリエール・・・速やかに契約を。 時間が・・・あまりないのでね。」 「・・・ハイ、ミスタ・コルベール。そこの餓鬼、後で覚えてなさい。 それにしても貴方、ずいぶんおとなしいわね。声もあげないなんて。ま、いいわ。 ・・・我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え・・・我の使い魔となせっ!!!」 ズキュウウーンンッ!!!! スーパーフライ、アヌビス神、チープトリック・・・いずれも主を必要とし、求めていた! その能力ゆえに主を殺したものもあったが、いずれも主を求めていたのだ! 確かに例外も存在する!主の死を発動の条件とするものも存在する! しかしこのキラークイーン、断じてそのような性質のスタンドではない! ならばっ!主を失ったキラークイーンが、 この少女を新たな主とすることは極々自然なことではないだろうか!? ルイズの口付けがキラークイーンに新たな運命を与えた! 「ッ!!?」悠然と少女を見下ろしていた彼が突然震えた。 彼の左手にルーンが刻み込まれているのだ。 そう、シアーハートアタックと呼ばれていた、追尾戦車の部分に・・・。 「これはッ!?キラー・・・クイーン・・・? こいつの名前が、力が・・・言葉ではなくっ!心で理解できるっ!! そして・・・この能力!魔法ではない力!スゴイッ!スゴイけど・・・微妙にムカつくわ・・・。 これじゃあまるで私が爆破しかできないみたいじゃない・・・。」 強化能力・・・シアーハートアタック 自動追尾型爆弾戦車。基本性能、原作通り。 ルーン発動時、ちょっとガンジョーになる。 しかしもともとガンジョーなため、とくに意味はない。 ルイズ・・・どうして爆破なのよお~!!と心の中で叫んだ。 To Be Continued → 1話< 目次
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室内で使い魔と向かい合う少女が一人。 言わずと知れたルイズのお部屋である。所々焦げたり穴があいているのはご愛嬌だ。 彼女は今、使い魔にわりと偏った説明をしていた。 「使い魔の仕事はねえ・・・私の身の回りの世話や、硫黄とか宝石みたいな材料探し、 さらにはあらゆる危険から私を守り抜く、といったようなことまで色々とあるの。 あんたは亜人ぽいし・・・ひょっとして洗濯とかできる?」 無理よねえ、と言外に含ませながら尋ねる。 「・・・?」 案の定、だ。人型なんだからそのくらい出来るでしょう?とか、 装飾品っぽいのつけるくらいの文化持ってるくせに・・・とか言いたいのをぐっと抑える。 「できなさそうね・・・例を挙げると(ヌギヌギ)・・・いい?これは私のパンツ。これを綺麗にするの。」 パサッ 「・・・。」 ボンッ! ・・・消えた。綺麗さっぱり。 「あ・・・あ、あんたねえ!綺麗にしろとは言ったけどッ!綺麗に吹き飛ばしてどーすんノよっ!?」 だめだこいつ・・・私の服が無くなる。着替えも自分でやらなくちゃ。 「・・・?」 教え込める・・・かしら?・・・まあ・・・そのうちメイドの子にでも教育、させようかしら・・・。 「はあ・・・もういいわ。あんた食事はいらないみたいだし、そのへんは楽だから今回は許してあげる。 その代わり、しっかり私の言うこと聞くのよ?・・・もう寝るわ。」 ルイズは服を脱ぎ始めた。上着を脱ぎ、スカートも脱ぎ、次に下着に手をかけようとして・・・ ルイズは穿いていないことを思いだし・・・キラークイーンを蹴った。 「あんたが吹っ飛ばしたパンツ、どーするのよッ!」 ・・・でもまあ強いんだから満足はしているわ♪ 口には出さないルイズであった。 To Be Continued → 戻る< 目次
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1376.html
朝食も済ませ、つやつやとした顔色のルイズは、キラークイーンを従え教室へと向かっていた。 余談だが、朝食の席でルイズがキラークイーンに食事が必要かどうか試すために与えたパンの欠片は、やはり必要ないと判明。 ついでとばかりに能力実験も行い、爆弾にされ投げ捨てられた。 ・・・それがギーシュの朝食に当たり、彼のそれが吹き飛んだことはまた、別のお話。 ここでは彼の色男っぷりが上がったということだけを記しておこう。 「ああん、ワイルドなギーシュも素敵よぉ~」 「ケホッゴホッ・・・ありがとう、モンモランシー。しかし一体何なんだ?」 ・・・ケッ!色気づきやがって・・・おっと失礼。続きといきましょうか。 そんなこんなで扉の前。 教室へ入ったときのみんなの反応を想像(多分に妄想を含む)しながら、 そのためににやつく顔を必死で抑え・・・ざわめく教室へと踏み込む。 ・・・。 それまで騒がしかったその場が一瞬、静寂に包まれた。 「ゼロが成功・・・。」 「ありえねえ・・・。」 「しかもわりとまともな・・・。」 しかしそれも一瞬のこと、すぐに失礼にも程がある声がいくつも聞こえてきた。 妄想世界の住人となっていたルイズには少々キツイ洗礼である。 しかしさすがにゼロと呼ばれ続けた少女。 このような場合を無意識に想定していたためか、いきなりブチ切れるといった失態は見せない。 しかしくやしいものはくやしいし、ムカつくものはムカつく。 内心は穏やかではなかった。 その怒りは授業の最中にも燻り続け、普段ならばありえない態度となって表れていた。 「ミス・ヴァリエール?ちゃんと授業に集中なさいね。」 「あ・・・すみませんでした・・・。」 「ルイズ~授業くらいはちゃんと聞けよな、ゼロのルイズの唯一のと・り・え・なんだからさぁ~。」 「こ、この・・・風邪ッぴきの分際でッ・・・!」 「僕はッ!風上だッ!二度と間違えるな!」 「あらあら、間違えるなと言うのなら、やっぱり風邪っぴきよ。」 「風上だと言っているッ!!」 「お二人ともいい加減になさい!誇り高き貴族たるもの、そのようなくだらない言い争いは控えるものです。」 「「・・・すいませんでした。」」 「よろしい。では・・・ミス・ヴァリエール。話を聞いていなかった貴方に錬金を命じます。 それで帳消し、ということにしておきますから。さて、何か聞いておくことは?」 「いえ、問題ありません。」 「先生ッ!?それは・・・危険ですっ!!」 「そうです、なんなら代わりに僕がっ!」 キュルケを筆頭に皆が叫ぶ。 「黙りなさい!・・・先生、この私にお任せを。」 優雅に一礼すると、ルイズは教卓に歩み寄った。背後にはキラークイーンが憑いている。 「ときにミス・ヴァリエール・・・先ほどから気になっていたのですが、何故使い魔を?」 「そういう性質なんです。」あらヤダ。この娘、嘘ついた。離れてもムズムズするだけなのに。 カワイソーだけど数秒後には粉微塵になってるのね・・・という視線が幾つもそそがれている石ころ。 だがそれも少しの間だけのこと、ルイズが杖を構えるころには皆、机の下に避難していた。 一部、教室外に逃亡した者もいるようだ。 そして・・・ついにルイズが魔力を込めて呪文を唱えたッ! ドッグォオ~ン!! 石が爆ぜ、机も巻き込んで吹き飛んでゆく! ミセス・シュヴルーズも吹っ飛んだ!さながら壊れた人形のように! ルイズにも破片が襲い掛かる! しかし・・・キラークイーン! この程度の衝撃、破片など恐るるに足りぬ!見事に全てを防ぎきった! 「・・・ちょっと失敗しちゃったみたいね。」 「「「「どこがだっ!」」」」生き残りからの突っ込みが入る。 幸運にしてミセス・シュヴルーズは気絶しただけであり授業は中止。 元凶であるルイズに下った罰は教室の掃除であった。 「細かいのはいけるとして、こういう大きいのは・・・キラークイーン、まとめてやっちゃえ!」 使い魔を駆使して掃除を終えたルイズは、しかし昼食に間に合うことはなかった。 「うぅ・・・お腹空いた・・・。」まるで幽鬼だ。 ふらふらと行くあてもなく彷徨うルイズ。行き着いた中庭で落ち込んでいた。 「あ、あの・・・。」 今にも誰かを道連れに自殺しそうな雰囲気のルイズに、一人のメイドが声をかけた。 何のことはない、メイド仲間に無理矢理行かされたのだ。 ↓経緯 「彼女よね?食べそびれたのって。何かお出しした方が・・・。」 「で、でも恐い・・・。」 「シエスタァ・・・お願い。」 「わっ私ですか!?」 「「「お願い!」」」 「うぅ・・・。」 かくして彼女に白羽の矢が立った。
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前ページ次ページ爆炎の使い魔 どんな世界でも朝というものはやってくる。 ここハルキゲニアとて例外ではない。 朝日が部屋に差込み、ヒロは眼を覚ました。 「朝か、・・・・そういえば召喚されたのだったな。」 どうやら夢ではなかったようだ。 ベッドのほうを見ればルイズが寝息を立てている。 見れば見るほど子供のようだ。10台、それも10代前半にしか見えない。まあ、見えないだけかもしれないが。 さて、まだ2日目だが、この世界がどんなものなのか、自分はまだ良くわかっていない。 ルイズは授業があるといっていた。ならばとりあえずは情報収集でもするか。と考えた。 「ん・・・」 ルイズが寝返りをうつ。 そろそろ起こしてやるか。別に小間使いになったわけではないが、まあこれくらいはいいだろう。 自分の甘さに疑問を浮かべつつもヒロはルイズを起こした。 「ルイズよ、起きろ。朝だぞ」 「んあ・・そう?・・・・って誰よあんた!」 「なんだ、昨日のことも忘れてしまったのか?」 「ああ、使い魔ね。そうか、昨日召喚したんだっけ」 「とりあえず、今日は授業とやらがあるのだろう?早く起きたほうがいい。私も道案内がてらこの建物の中を見て回りたいからな」 「服、着せ・・・」 着せて、と言おうとしてやめた。 昨日の夜、この使い魔は言ったではないか。使い魔にはなるが、小間使いになった憶えはない。と 服を着せて、など言おうものなら容赦なく蹴られるかされそうだ。 「使い魔のくせに・・・」 ルイズはぼそっともらす。 「何か言ったか?」 「な、なんでもないわよ!」 仕方なく、ルイズはいそいそとクローゼットから衣類を取り出し着替えた。 「あんたは着替えなくていいの?」 「何、とりあえず服の変えはいくつかある。あとで洗濯でもするさ」 「ふうん」 ルイズと部屋を出ると他にもドアが並んでいる。 どうやら全寮制の学園のようだ。つまり隣の部屋にもルイズと同じ生徒がいるということだろう。 するとそのドアの1つが開き、中から赤い髪の少女が現れた。ルイズよりも背が高く褐色の肌をしている。そして、 (無駄にでかい胸だな) ヒロが受けた第一印象はそんなだった。 「おはよう。ルイズ」 ルイズは嫌そうな顔を隠しもせずに挨拶をする。 「おはよう。キュルケ」 「あなたの使い魔ってそれ?」 キュルケはヒロを指差して言った。 一方それ呼ばわりされたヒロは特に気にした風もなない。 「へぇ。本当に人間なのね。あたしほどじゃないけどまあまあの美人じゃない。でも平民じゃどうしようもないわね」 キュルケは珍しそうにヒロの顔をじろじろ見る。 昨日から良く聞く平民という言葉、この世界はそれだけ階級制度があるということだろうか。 だとすれば異種族はまだ見かけてないが、もしいたら大変そうだ、とヒロは思う。 もし、あの新生シンバ帝国のように人間至上主義だったとしたら。 (確実に追われる身だな。ルイズの使い魔ということで回避できるかもしれんが) キュルケは視線をルイズに戻す。 「それにしても、サモンサーヴァントで平民を呼び出しちゃうなんて、貴方らしいわ、流石は『ゼロ』のルイズね!」 ルイズの顔が真っ赤になりだす。 「うるさいわね!」 「あたしも昨日使い魔を召喚したわ。誰かさんと違って一発で成功しちゃったわよ。」 「あっそ」 「どうせ使い魔にするなら、こういうのにしておきなさいよ。フレイム~」 キュルケが得意げに呼び出すとキュルケの部屋から真っ赤で巨大なトカゲが姿を現した。 「ふむ、サラマンダーか」 「あら、あなたサラマンダーを見たことあるの?」 「まあな」 ヒロがサラマンダーを見る。サラマンダーはヒロと目が合った瞬間に驚愕の表情をする。 同じ火の属性同士だからだろうか、それとも野生動物の本能か。明らかに自分よりも格上のヒロを見て、自分が格下なのだと感じるフレイム。 それに対し、特に興味があるわけでもないヒロ。 それに気がついてないのかキュルケは自慢を始める。 「それなら話が早いわ!見て、この尻尾。ここまで大きくて鮮やかな炎の尻尾は間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ! ブランドものなのよ~。好事家に見せたらまず値段なんてつかないわね」 「そりゃよかったわね・・・」 表情に悔しさが出ているルイズ。 「素敵でしょ?あたしの属性である『火』にぴったりなの」 キュルケは得意げに胸を張り、ルイズも負けじと胸を張るが、サイズの違いというものは残酷であった。 そんな2人をヒロは冷めた目で見る。 (まったく、ルイズはルイズで負けず嫌い、キュルケとかいったかこのデカ胸は、こいつもこいつでルイズで遊んでいるな。・・・ハァ) ヒロはやれやれと首を振る。 そこでキュルケはヒロのほうに向く。 「そういえば、あなた、お名前は?」 「ヒロだ」 「そう、ヒロね。憶えたわよ。じゃあお先に失礼~」 そう言うとキュルケは髪をかきあげて去っていった、フレイムがその後をちょこちょこついていっている。時折こちらを振り返りながら。 キュルケが視界から消えるとルイズは拳を握り、悔しそうな声を上げる。 「キーー!何なのあの女!自分が火竜山脈のサラマンダーを召喚したからって!!」 「たかが火蜥蜴1匹、気にするほどのことでもなかろう」 「気にするわよ!メイジの実力をはかるには使い魔を見ろって言われるくらいなんだから! 何であの女がサラマンダーで、私があんたなのよ!」 「よかったではないか」 「何がよ!」 「たかが火蜥蜴1匹なら私のほうがはるかに上だ、私なら1秒もあれば17体に解体している(加速とサウザンドキルを使えばな)」 なんてことを言うのだろうかこの使い魔は。 「平民のあんたにそんなことできるわけないでしょ!もういいわよ!さっさと授業に行くわよ!」 ルイズはどすどすとわざと足音を立てて行ってしまった。 それを見ながら、ヒロはまたもやれやれと首を振る。 「別に嘘を言ったわけではないのだが」 ヒロはそう言うと、口に笑みを浮かべながら、ゆっくりとルイズの後ろを着いていくのだった。 前ページ次ページ爆炎の使い魔
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前ページ次ページ爆炎の使い魔 「ちょっと、人間でも平民でもないってどういうことよっ!」 怒鳴るルイズに対して、ヒロは冷静に考える。 (見たところ、私が今までいた場所ではないようだな。遠隔召喚でもされたのかと思ったが 魔力の質がネバーランドのどの場所とも違いすぎる・・・まさか冥界というわけでもないだろう そういえばアキラはチキュウという場所から召喚された異界の魂だったな、 ここでは私が異界の魂ということか。今まで召喚する側だったはずだが、まったく因果なものだ。) 冷静に考えつつも苦笑をもらすヒロ、それに対しルイズは無視された上に馬鹿されたと感じたのだろう。 「ちょっと!アンタ何笑ってんのよ!!」 怒っているルイズ、ヒロはいきなりの大声に少し驚きながらも 「ああ、すまんな。何、色々と思うところがあるだけだ」 「もう、アタシが話してるんだからちゃんと聞きなさいよ!」 「そうれもそうだが、先ほどあのハゲが次の授業が云々言っていただろう。 こんな場所で立ち話をしているのも アレだ、とりあえず行こうではないか。私も少々聞きたいこともある。 (この額の文字のこともな)」 そして、その日は夜になるまでヒロとルイズはほとんど話らしい話をすることはなかった。 ルイズとヒロが向き合う。 「さて、ようやく落ち着いたな。さて、何から話したものか・・・ そうだなとりあえずは私が聞きたい事が少々あるがいいか?」 ヒロが会話を始める。 「わかったわよ。でも聞きたいことって何よ」 「まずは1つ目、ここはどこだ?まあ、場所を聞いてもいいが、大陸名など聞きたいものだな」 「ここはトリスティン魔法学院。ハルケギニアにあるトリスティン王国にあるメイジが学ぶ場所よ」 まったくもって聞いたことのない地名ばかり。国の中にいるメイジとかいったか、それを育てる学校。 いよいよもってここが異世界であると思い知らされる。 「フム・・・そうだな。どうやらルイズよ。私は異世界からお前に呼び出されたようだ。 何せその地名や国名、まったく聞いたことがないからな」 「ハァ?異世界って、何よそれ、単にあんたがひどい田舎にいたってだけじゃないの?」 ルイズはまったく信用していない、それもそうだ、信用に足るべきものがないのだから。 「まあ、そう思うのも仕方ないな、だがどれだけ田舎にいようとも、月の数くらいはおぼえるものだろう」 そうこの世界は月が2つあるのだ。さすがに最初は驚いたが、ここが自分のいた世界ではないなら納得がいく。 「う”・・・で、でもそれじゃあアンタが異世界から来たって証拠にならないじゃない!」 「別段信じてもらわなくともかまわん。私がこの世界で生きていくことに支障はないのでな。」 (何よ!さっきから偉そうに、態度大きすぎるんじゃない!?) 「さて、2つ目だ。私を呼び出せた、ということは送り返す方法とやらはあるのか?」 「それは無理ね。サモンサーヴァントはもともとハルケギニア生き物を呼び出すものなんだもの。 人間が召喚されるなんて聞いたこともないわよ!」 それを聞いたヒロは考える。 (ふむ・・・予想通りの答えだな。私たちもアキラを戻す方法はわからなかった。 こちらの「サモンサーヴァント」とやらも同様のものなのだろうな) 「では最後だ。私のこの額にある文字はなんだ?」 「それは使い魔のルーンよ。私の使い魔ですって証みたいなものね」 どうやらあのキスは使い魔との契約の儀式か。 「私はお前の使い魔になると言った憶えはないんだがな・・・そもそも事情も説明せずに契約するとはどういうことだ。」 「アンタの事情なんて知らないわよ!それにコントラクトサーヴァントはもうすませちゃったんだから!」 一気にまくしたてるルイズ。 「大体、もう契約しちゃったんだからね!アンタはもうアタシの使い魔なのよ!」 ふむ・・・、と怒鳴るルイズに対して思わずため息をつく。 「このルーンがその証か、とはいえ強制力がるわけでもないようだな。 お前の使い魔になってもいいという気持ちがまったく沸いてこないな。まったく、とんだ茶番だ。 今は先立つものがないが、どうやら1人では生きていけない環境というわけでもないようだ。 呼び出す方法があるくらいだ、各地を旅でもすれば帰る手段も見つかるかもしれんしな」 そういって窓の外を見るヒロ。 いきなりそんなことを言い出すヒロにルイズは慌てる。 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!ねえ待ってってば!アンタに逃げられちゃったらアタシ留年しちゃうのよ!」 必死にしがみついてくるルイズ。しがみつくルイズがまるで自分が姉プラーナにわがままを言っていたときのようだった。 「・・・・わかった。いいだろうお前の使い魔とやらになってやる」 「ほ、ほんと!?」 ルイズは喜んだ、平民、とはいえ自分の使い魔なのだ。やっと成功した自分の魔法の結晶 逃すわけにはいかなかった。 「嘘は言わんさ。ところで私の世界にも使い魔はいたが、この世界での使い魔の位置づけはどんなところだ?」 「そうね、まず使い魔は主人の目となり耳となる能力を与えられるわ」 「つまり私が見える内容がお前にも見えるということか、一種の羞恥プレイのようだな。」 「羞恥プレイってなによ。でも私には何も見えないわね」 「まあ見えなくて何よりだ」 「それから、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。たとえば薬の材料とか」 「まあ、ここが元いた世界ならともかくこの世界のことはまだわからんから無理だろうな」 やれやれ、と首を振るヒロ 「そして、これが1番なんだけど、使い魔は主人を守る存在であるのよ。その能力で主人を守るのが使い魔の役目なのよ!」 ビシィッと指差すルイズ 「・・・でもアンタじゃ無理っぽそうよね。あんまり強そうに見えないし」 「くくく、それは残念だったな」 強そうに見えないと言われて思わず苦笑するヒロ 爆炎の申し子、死神と言われてきたヒロにとってこの少女の反応は新鮮だった。 それでもローブの中から左手を出さないのはこの少女が自分の左手を見てどう思うかということを気にしているからだろうか。 (我ながら女々しくなったものだ。それもあの連中に会ったからか。) ヒロの脳裏に浮かぶのは元気に剣を振るミュウ、仲間を心配するアキラ、お酒を無理やり飲ませてくるリューンエルバの姿だった。 「もう!さっきから笑って!・・ああもう、喋ってたら眠くなってきちゃった。もう寝るわ」 そういうとルイズはさっさと着替えて着ていた下着などをヒロに投げる。 「なんのつもりだ?」 「それ、明日になったら洗濯しておいて」 「なぜ私がお前の世話をしてやらねばならん」 さすがにこれはどうだろうか、大魔王ジャネスの娘である私がこんな小娘の下着を洗濯など・・・ 別に洗濯をしたことがないわけではない。長い放浪の日々、川で水を浴びたり、自分の服を洗ったりすることはあった。 「勘違いするな娘、使い魔になってやるとは言ったが小間使いになると言った憶えはない」 「誰がアンタを養うと思ってるの?誰がアンタのご飯を用意すると思ってるの?ここ誰の部屋?あんたは私の使い魔なんだからそれくらい 当然じゃない」 「別に養ってもらうつもりはない、食料の確保も自分の寝床も自分でどうにかする。もう1度言う。使い魔にはなってやる、 だが小間使いになるつもりはない。勘違いをす る な」 顔を寄せて凄むヒロ、さすがにルイズも思わず後ずさる 「わ、わかったわよ!明日学園のメイドにでも頼むわよ。だから、私の部屋で寝て頂戴。今日はベッドが1つしかないけど 明日は用意するわ」 ルイズは下着をヒロから取り返した。するとヒロはルイズから離れ、頷いた。 「よし、いいだろう納得してやる。では寝るとしようか。とりあえずこのまま寝るのもなんだ、毛布を1枚いただこうか」 言うが速いか毛布を1枚剥ぎ取り自分に巻きつけ壁にもたれかかって座るとそのまま眼を閉じた。 ルイズはそんなヒロをみて体をワナワナ震わせている。 (何よ何よ何よ~~~!!こ、こんなやつが私の使い魔だなんて・・・なってくれてよかったなんて思った私が馬鹿だったわ!) ヒロは片目を開けてルイズを見る。 「どうした?寝ないのか?明日も授業なのだろう。もう遅い、早く寝ることだな」 「言われなくても寝るわよ!」 ルイズはそういうとランプを消してベッドにもぐりこんだ。 (やれやれ、明日から忙しくなりそうだ) そのまま2人は眠りに着いたのだった。ハルケギニアの空には、今も月が2つ輝いている。 前ページ次ページ爆炎の使い魔
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