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月の星へようこそ。バックとタイトルがあっていないのは自覚しています・・・。 ここでは,管理人,副管理人と2人で管理しています。 リンクは勝手にしてくださって結構です。HPを持っている方であれば,自由に登録して下さい。 文通相手探しでは,完璧に個人情報を守ることはできません。 全力を尽くすということだけですので,不安な方はやめて置いてください。 掲示板では管理人は滅多にレスしません。観覧をしにきた方のみでお願いします。なので,「ぜひ,私のHPに来てください」のようなことはダメです。(専用なら許可します。) ここに掲示板などと書いてありますが,初めのほうであればないと思います。気長にお待ちくださいませ。
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ここは日記として使わせてもらいますwww コメントもしたければどぅぞ・・・ 名前 コメント
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現在、paint_bbsプラグインはご利用いただけません。 モザイクとかかけたりして落書きしていました。笑 次はちゃんと描きますね(;´∀`) -- 管理人 (2007-03-05 19 23 33) 名前 コメント
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太陽と月と星がある 第三話 私の御主人様は、ヘビです。 ゆえに脱皮するそうです。 ものの本によれば、脱皮後は空腹であり、軽い興奮状態だったりするそうです。 「というわけで、軽食をお持ちいたしました。サンドイッチです。卵もあります」 御主人様好みのコールタールのようにどろりとした苦いコーヒーとか、その他諸々準備済みです。 なのに御主人様は無言です。 ベッドの上でシーツに包まり、まるで引きこもりのようです。 脱皮してどう変わるのかよく知らなかったのですが、数日の精彩を欠いた様子とは異なり、 シーツで体の大半が隠れているにもかかわらず、やけに艶かしい雰囲気を漂わせています。 そしてダイエット中にお菓子屋さんを通りすがってしまったような…複雑な目で私を見ています。 ひどく気になる目線です。 マダラの人は同性にも狙われると言う意味が、よく分かりました。 爬虫類は脱皮の直後は肌が柔らかいから、危険を避けるために隠れるという意味もよく通じます。 これは確かに危険です。 引きこもりたくもなるはずです。 私ですらなんだか御主人様を直視できないんですから。 「御主人様~」 空いている手を目の前で振ると、睨まれました。 どうやら意識はあるようです。 「宜しければお風呂も入れますが?」 「今はいい」 やっと返事が来ました。 ベッドからはみ出す長い尻尾を踏まないように避け、御主人様の隣に腰掛ける事にします。 お盆を膝に載せてサンドイッチを手に取り、軽くシーツを引くと御主人様が不審そうな表情を浮かべました。 「はい、あーん」 怪光線級の睨みです。 艶かしい雰囲気と相まって鳥肌が立ちそうです。さすがボスキャラ。 「おなか、すいていませんでしたか?昨日から召し上がっていませんが…」 無言で皿ごととられました。 仕方ないので手に持った分は自分で食べようか…どうしよう…。 あ、そんな、こっちに背を向けること無いじゃないですか…。 勢いあまって尻尾当たりましたよ。 「コーヒーもどうぞ」 尻尾でとられました。 しかし、器用な尻尾だなぁ…。 ぷりぷりでつやつやしています。絶対もち肌。 触りたい…超触りたい…撫でて弄繰り回してぇ… 内心疼く感情を押し殺し尻尾を見つめる私。 御主人様が咀嚼する音が静かに寝室に響きます。 我ながら、今回は美味しくできたと思います。 スパイスの効いたお肉をこんがり焼いたのが勝利のポイントです。 「もうないのか」 お代わりの催促が来ました。ちょっと嬉しい。 「あとこれだけです」 手に持ったままだった一切れを渡すと御主人様はぱくりと一口で食べ…呑み込みました。 ヘビだから。 ヘビだからなんだろうなぁ…。 「コーヒーもどうぞ」 二杯目を手渡す頃には、随分と御主人様の機嫌も良くなっていました。 どうやら欲求が満たされたようです。 「御主人様、ところであの皮はどうすれば宜しいでしょうか?」 皮とはもちろん御主人様の皮です。尻尾の。 でかいです。 長いです。 いや、普通生ごみだと思うんですが。 「もしかして、それなりの手順で処理するとか、病気の時に食べるとか、記念に取って置くとかしますか?」 それとももしかして 「財布に入れておきますか?」 御主人様、無言でこちらを凝視しています。 誤解されてそうだから一応、フォロー入れておこう。 「あっちでは、抜けた歯におまじないしたり、へその緒とって置いたり、ヘビの抜け殻をお財布に入れると金運が良くなるという民間信仰があったんです。」 「ヘビ…」 「あっちのヘビは御主人様とは違いますよ」 「知ってはいるが」 複雑そうな表情を浮かべる御主人様。どんな想像しているんだろう。 「日本では神社で祭られたりとかしていましたし、昔話とかでは人間に化けて結婚したりとか…だから結構身近なんですよ」 ふと、御主人様の表情が変わりました。 「結婚?」 胸倉掴れると苦しいし、今の御主人様に寄られると異様に照れるんですけど。恐るべし、脱皮効果。 「お嫁さん貰おうとしたり、お嫁さんになったり色々ありますよ」 大抵上手くいかないで退治されますが。 ところで何で御主人様尻尾ばたつかせているんだろ。 …あとそろそろ離して欲しい。顔近いです。 「で、結局、皮どうしましょうか?」 私の言葉に御主人様は手を放し、腕組みしました。 「オマエの好きにしていい」 そう言われても…使い道…漢方薬くらいしか…さすがに言えないけど。 「そういえば、あっちには人皮加工の照明とかあるんですよね…御主人様、そういうの興味ありますか?」 あ、御主人様の顔が非常に険悪に。 「もちろん、これはヒトの話ですよ?御主人様の抜け殻使おうとなんて思っていませんよ?」 誤魔化してみようとするも、興味があるのか、御主人様微動だにしません。目が座っています。 あー… 興味、あるんですね、ヒト皮に。 「試してみますか?あとでプロにお願いしないといけないとは思いますが採取だけなら、 多分…ここだと血が飛び散るのでお風呂場とかの方がいいと思いますが…」 果物ナイフを手渡そうとしたら、頭はたかれました。 痛い…。 「本当にお前は俺の欲求をヘシ折るのが好きだな!それなら次からは風呂上りに来るのはやめろ。あとな…」 説教は延々続き、御主人様の肌が完全に乾いて硬くなってもしばらく続きました。 おしまい
https://w.atwiki.jp/schwarze-katze/pages/575.html
太陽と月と星がある 第九話 最近、御主人様の様子がちょっとばかり怪しい。 なんだか妙に落ち着きがないし、私を避けている気配がする。 好きな人でも出来たのかなー、それでその人に「ヒト飼ってるの?やだ卑猥ッ」とか言われたとか…。 ありそうな話です。 好きな人がマニアックな性処理道具持ってると言えば、潔癖な人なら引きます。 ドン引き。 それとも脱皮が近いのでしょうか? でもこの前終わった所だし、あとは発情k……まぁ、どうでもいい事です。 「御主人様ー御飯です」 書斎でとぐろを巻き、紙を見ながら呟く御主人様の背後から声をかけると、 御主人様は物凄く動揺した様子で持っていた紙切れを落としました。 取り合えずつまむと、うわっとか、妙な声を上げて慌てて奪い返され…。 記事と、私を交互に睨む御主人様。 私は記事を取り返された際に爪で裂けた指先を見て、首を傾げました。 結構、痛い。 「御飯ですが」 御主人様は私の言葉を聞くと、記事を仕舞い込みながらあとで行くと答えました。 あー…血がでちゃった。 早くしないと冷めますよーとだけ言って部屋を出て、壁に凭れて指先を舐めると鉄錆の味がしました。 これのどこが甘くて美味しいと思えるのか謎なのですが、ヒトには一生わからなくていい味覚ではあります。 結構深かったのか、中々血が止まりません。 限りなくどうでもいいことですが、私の数少ない特技の一つに速読があります。 だから、一瞥しただけでも大まかには把握するくらいはできます。 ヒトの権利を求めてヒト少年が単独餓死ショー開催中in博物館。 「餓死するのは、大変ですよー水だけで一週間位持ちますからねー」 そこは暑いのでしょうか、それとも、ここと同じくらい寒いのでしょうか? 君は、今まで幸せだったでしょうか? 私に出来るのは、…真似をさせる人が居ない事を祈る事ぐらいです。 そうじゃなければ、たとえば、奇跡が起きて… 目の前が暗くなったので、見上げると御主人様と目が合いました。 美少年の癖に何でこんなに威圧感があるんでしょうね、御主人様は。 「どうかしたのか」 「いえ、別に」 立ち上がり、キッチンに向かおうとしたら後ろから引っ張られ、倒れ込みそうになったので咄嗟に壁に手をつき、 何とか踏みとどまります。 …痛い。 壁を見るとうっすらと血の線がついています。指のせいか…後で拭かなくては。 「何か御用ですか?」 訊ねてみても返事はなく、そのまま後ろへ引っ張られました。 そしてそのまま書斎へ逆戻り。 扉を超えたあたりで放され、私は背中から床へ。 御主人様はひっくり返っている私を睨んで戸棚をあさり、引き出しから得体の知れない小瓶と布を取り出しました。 「さっさと起きてここに座れ」 指された机の上に腰掛ると、御主人様は小瓶の蓋を開け、水色の軟膏を掬い私の指先に塗り始めました。 「そんなだからヒトだと軽んじられるんだ」 私は意味不明の叱咤を流しつつ、神妙な顔をつくりました。 これ、結構しみる…。 「嫌なら嫌だと言えばいいんだ。間違っている事はいつか必ず正される。なのに、死んだら終わりだろうが馬鹿め」 独り言…なのかなぁ…、返事した方がいいのでしょうか。 間近に御主人様の顔があるので視線を離し、手持ち無沙汰なので空いてる方の手で首を触ると妙な感触がする部分があります。 ずっと前、首輪を引かれ擦れて皮膚が剥けて膿んだ所です。 あの時は掻き毟って涙が出るほど痛くて痒かったのが、今では何も感じません。 檻の中で、他のヒトが言っていた通りです。 だんだん、何をされたって感じなくなるんです。 「天網恢恢疎にして漏らさずという言葉があります」 私がそう言うと御主人様はきょとんとした表情を浮かべました。かわいい。 「悪い事をしたら、報いが来るという意味ですが」 少なくともあっちでは。 神は死んだかもしれないけど、殺したのは、私達かもしれないけど。 あっちだって、別に凄く良い世界なんかじゃない。 私だってあっちでも今と大差ない待遇の可能性があったし、今でもたくさんの人が不幸な目にあっているんだろう。 でも、色々あってもきっと昔よりは良い方向に行っていると思う。 少なくとも、私は何とかしようとしている人達がいた事を覚えてる。 義理とか欲とか様々なモノに挟まれて、それでもそれが捨てられない人達。 まるで、セイギノミカタみたいな人が、確かに居たんです。 今の私達には、…夢にも見れないけど。 「つまり御主人様は、きっといい事がありますよ。という意味です。ヒトにもこんなに優しいんですから」 包帯で巻かれた指を振ってそういうと、残っていた包帯をぶつけられた。 「何バカ言ってるんだ。バカのせいでメシが冷めるところだった。ほらはやくしろっ」 口とは裏腹に、優しい手つきで机から下され書斎から引っ張り出されました。 ヒトに似た手と体に絡む鱗肌は、室温のおかげで少しだけ暖かい。 「何がヒトの権利拡張だ、ふざけるな」 あの時、御主人様が泣きそうな声で言った独り言は、聞こえなかったことにしておく。 ねぇ、君の御主人様はどんな人でしたか? 私の御主人様は――― fin
https://w.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/517.html
太陽と月と星がある 第三話 私の御主人様は、ヘビです。 ゆえに脱皮するそうです。 ものの本によれば、脱皮後は空腹であり、軽い興奮状態だったりするそうです。 「というわけで、軽食をお持ちいたしました。サンドイッチです。卵もあります」 御主人様好みのコールタールのようにどろりとした苦いコーヒーとか、その他諸々準備済みです。 なのに御主人様は無言です。 ベッドの上でシーツに包まり、まるで引きこもりのようです。 脱皮してどう変わるのかよく知らなかったのですが、数日の精彩を欠いた様子とは異なり、 シーツで体の大半が隠れているにもかかわらず、やけに艶かしい雰囲気を漂わせています。 そしてダイエット中にお菓子屋さんを通りすがってしまったような…複雑な目で私を見ています。 ひどく気になる目線です。 マダラの人は同性にも狙われると言う意味が、よく分かりました。 爬虫類は脱皮の直後は肌が柔らかいから、危険を避けるために隠れるという意味もよく通じます。 これは確かに危険です。 引きこもりたくもなるはずです。 私ですらなんだか御主人様を直視できないんですから。 「御主人様~」 空いている手を目の前で振ると、睨まれました。 どうやら意識はあるようです。 「宜しければお風呂も入れますが?」 「今はいい」 やっと返事が来ました。 ベッドからはみ出す長い尻尾を踏まないように避け、御主人様の隣に腰掛ける事にします。 お盆を膝に載せてサンドイッチを手に取り、軽くシーツを引くと御主人様が不審そうな表情を浮かべました。 「はい、あーん」 怪光線級の睨みです。 艶かしい雰囲気と相まって鳥肌が立ちそうです。さすがボスキャラ。 「おなか、すいていませんでしたか?昨日から召し上がっていませんが…」 無言で皿ごととられました。 仕方ないので手に持った分は自分で食べようか…どうしよう…。 あ、そんな、こっちに背を向けること無いじゃないですか…。 勢いあまって尻尾当たりましたよ。 「コーヒーもどうぞ」 尻尾でとられました。 しかし、器用な尻尾だなぁ…。 ぷりぷりでつやつやしています。絶対もち肌。 触りたい…超触りたい…撫でて弄繰り回してぇ… 内心疼く感情を押し殺し尻尾を見つめる私。 御主人様が咀嚼する音が静かに寝室に響きます。 我ながら、今回は美味しくできたと思います。 スパイスの効いたお肉をこんがり焼いたのが勝利のポイントです。 「もうないのか」 お代わりの催促が来ました。ちょっと嬉しい。 「あとこれだけです」 手に持ったままだった一切れを渡すと御主人様はぱくりと一口で食べ…呑み込みました。 ヘビだから。 ヘビだからなんだろうなぁ…。 「コーヒーもどうぞ」 二杯目を手渡す頃には、随分と御主人様の機嫌も良くなっていました。 どうやら欲求が満たされたようです。 「御主人様、ところであの皮はどうすれば宜しいでしょうか?」 皮とはもちろん御主人様の皮です。尻尾の。 でかいです。 長いです。 いや、普通生ごみだと思うんですが。 「もしかして、それなりの手順で処理するとか、病気の時に食べるとか、記念に取って置くとかしますか?」 それとももしかして 「財布に入れておきますか?」 御主人様、無言でこちらを凝視しています。 誤解されてそうだから一応、フォロー入れておこう。 「あっちでは、抜けた歯におまじないしたり、へその緒とって置いたり、ヘビの抜け殻をお財布に入れると金運が良くなるという民間信仰があったんです。」 「ヘビ……」 「あっちのヘビは御主人様とは違いますよ」 「知ってはいるが」 複雑そうな表情を浮かべる御主人様。どんな想像しているんだろう。 「日本では神社で祭られたりとかしていましたし、昔話とかでは人間に化けて結婚したりとか…だから結構身近なんですよ」 ふと、御主人様の表情が変わりました。 「結婚?」 胸倉掴れると苦しいし、今の御主人様に寄られると異様に照れるんですけど。恐るべし、脱皮効果。 「お嫁さん貰おうとしたり、お嫁さんになったり色々ありますよ」 大抵上手くいかないで退治されますが。 「こ……子供とかは、どうなんだ?」 御主人様、超真剣な顔です。 「龍とか狐なら聞いた事ありますけど、蛇は……覚えてないですね」 ところで何で御主人様尻尾ばたつかせているんだろ。 ……あとそろそろ離して欲しい。顔近いです。 「で、結局、皮どうしましょうか?」 私の言葉に御主人様は手を放し、腕組みしました。 「オマエの好きにしていい」 そう言われても……使い道…漢方薬くらいしか……さすがに言えないけど。 「そういえば、あっちには人皮加工の照明とかあるんですよね…御主人様、そういうの興味ありますか?」 あ、御主人様の顔が非常に険悪に。 「もちろん、これはヒトの話ですよ?御主人様の抜け殻使おうとなんて思っていませんよ?」 誤魔化してみようとするも、興味があるのか、御主人様微動だにしません。目が座っています。 あー… 興味、あるんですね、ヒト皮に。 「試してみますか?あとでプロにお願いしないといけないとは思いますが採取だけなら、 多分…ここだと血が飛び散るのでお風呂場とかの方がいいと思いますが…」 果物ナイフを手渡そうとしたら、頭はたかれました。 痛い……。 「本当にお前は俺の欲求をヘシ折るのが好きだな!それなら次からは風呂上りに来るのはやめろ。あとな…」 説教は延々続き、御主人様の肌が完全に乾いて硬くなってもしばらく続きました。
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ネレヴァルの月と星 [これはアシュランドの伝説に関する帝都の様々な学者たちによる一連の研究論文から数篇を集めたもののようである。] 遥か昔、ドワーフたち、および西方からの外来者の大群がダークエルフの土地を奪いに押し寄せた。その頃のネレヴァルは偉大なるカーンであり、家人一同を統率する武将でもあったが、太古の精霊たちと一族の掟に従い、我々の一員となった。 よって、ネレヴァルがその貴重な祖先の指輪、月星の下の一族をもって、精霊たちの法を守り大地の戒律を尊ぶと誓いを立てた時、全ての部族が家人たちのもとに集い、赤き山にて大いなる戦いが繰り広げられた。 多くのダークエルフ、一族の者および家人が赤き山で命を落としたものの、ドワーフたちは倒されてその邪悪な魔術は一掃され、外来者たちはかの地から追いやられた。だがこの偉大なる勝利の後、権力欲に目の眩んだ諸大家のカーンたちが秘密裏にネレヴァルを暗殺し、自らを神として崇めさせ、各部族に対するネレヴァルの約束をないがしろにしたのだった。 しかし、いつの日かネレヴァルがその指輪と共に戻り、偽りの神々を倒し、指輪の力によって精霊たちを尊び外来者をかの地から追いやるという各部族との約束を全うするであろうと言われている。 神話・宗教 紫1
https://w.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/523.html
太陽と月と星がある 第九話 最近、御主人様の様子がちょっとばかり怪しい。 なんだか妙に落ち着きがないし、私を避けている気配がする。 好きな人でも出来たのかなー、それでその人に「ヒト飼ってるの?やだ卑猥ッ」とか言われたとか…。 ありそうな話です。 好きな人がマニアックな性処理道具持ってると言えば、潔癖な人なら引きます。 ドン引き。 それとも脱皮が近いのでしょうか? でもこの前終わった所だし、あとは発情k……まぁ、どうでもいい事です。 「御主人様ー御飯です」 書斎でとぐろを巻き、紙を見ながら呟く御主人様の背後から声をかけると、 御主人様は物凄く動揺した様子で持っていた紙切れを落としました。 取り合えずつまむと、うわっとか、妙な声を上げて慌てて奪い返され…。 記事と、私を交互に睨む御主人様。 私は記事を取り返された際に爪で裂けた指先を見て、首を傾げました。 結構、痛い。 「御飯ですが」 御主人様は私の言葉を聞くと、記事を仕舞い込みながらあとで行くと答えました。 あー…血がでちゃった。 早くしないと冷めますよーとだけ言って部屋を出て、壁に凭れて指先を舐めると鉄錆の味がしました。 これのどこが甘くて美味しいと思えるのか謎なのですが、ヒトには一生わからなくていい味覚ではあります。 結構深かったのか、中々血が止まりません。 限りなくどうでもいいことですが、私の数少ない特技の一つに速読があります。 だから、一瞥しただけでも大まかには把握するくらいはできます。 ヒトの権利を求めてヒト少年が単独餓死ショー開催中in博物館。 「餓死するのは、大変ですよー水だけで一週間位持ちますからねー」 そこは暑いのでしょうか、それとも、ここと同じくらい寒いのでしょうか? 君は、今まで幸せだったでしょうか? 私に出来るのは、…真似をさせる人が居ない事を祈る事ぐらいです。 そうじゃなければ、たとえば、奇跡が起きて… 目の前が暗くなったので、見上げると御主人様と目が合いました。 美少年の癖に何でこんなに威圧感があるんでしょうね、御主人様は。 「どうかしたのか」 「いえ、別に」 立ち上がり、キッチンに向かおうとしたら後ろから引っ張られ、倒れ込みそうになったので咄嗟に壁に手をつき、 何とか踏みとどまります。 …痛い。 壁を見るとうっすらと血の線がついています。指のせいか…後で拭かなくては。 「何か御用ですか?」 訊ねてみても返事はなく、そのまま後ろへ引っ張られました。 そしてそのまま書斎へ逆戻り。 扉を超えたあたりで放され、私は背中から床へ。 御主人様はひっくり返っている私を睨んで戸棚をあさり、引き出しから得体の知れない小瓶と布を取り出しました。 「さっさと起きてここに座れ」 指された机の上に腰掛ると、御主人様は小瓶の蓋を開け、水色の軟膏を掬い私の指先に塗り始めました。 「そんなだからヒトだと軽んじられるんだ」 私は意味不明の叱咤を流しつつ、神妙な顔をつくりました。 これ、結構しみる…。 「嫌なら嫌だと言えばいいんだ。間違っている事はいつか必ず正される。なのに、死んだら終わりだろうが馬鹿め」 独り言…なのかなぁ…、返事した方がいいのでしょうか。 間近に御主人様の顔があるので視線を離し、手持ち無沙汰なので空いてる方の手で首を触ると妙な感触がする部分があります。 ずっと前、首輪を引かれ擦れて皮膚が剥けて膿んだ所です。 あの時は掻き毟って涙が出るほど痛くて痒かったのが、今では何も感じません。 檻の中で、他のヒトが言っていた通りです。 だんだん、何をされたって感じなくなるんです。 「天網恢恢疎にして漏らさずという言葉があります」 私がそう言うと御主人様はきょとんとした表情を浮かべました。かわいい。 「悪い事をしたら、報いが来るという意味ですが」 少なくともあっちでは。 神は死んだかもしれないけど、殺したのは、私達かもしれないけど。 あっちだって、別に凄く良い世界なんかじゃない。 私だってあっちでも今と大差ない待遇の可能性があったし、今でもたくさんの人が不幸な目にあっているんだろう。 でも、色々あってもきっと昔よりは良い方向に行っていると思う。 少なくとも、私は何とかしようとしている人達がいた事を覚えてる。 義理とか欲とか様々なモノに挟まれて、それでもそれが捨てられない人達。 まるで、セイギノミカタみたいな人が、確かに居たんです。 今の私達には、…夢にも見れないけど。 「つまり御主人様は、きっといい事がありますよ。という意味です。ヒトにもこんなに優しいんですから」 包帯で巻かれた指を振ってそういうと、残っていた包帯をぶつけられた。 「何バカ言ってるんだ。バカのせいでメシが冷めるところだった。ほらはやくしろっ」 口とは裏腹に、優しい手つきで机から下され書斎から引っ張り出されました。 ヒトに似た手と体に絡む鱗肌は、室温のおかげで少しだけ暖かい。 「何がヒトの権利拡張だ、ふざけるな」 あの時、御主人様が泣きそうな声で言った独り言は、聞こえなかったことにしておく。 ねぇ、君の御主人様はどんな人でしたか? 私の御主人様は――― fin
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太陽と月と星がある 第25話 「一体、何を拗ねているんだ」 「何の事だかわかりませんが、とりあえずそのチョコを片付けていただけませんか」 テーブルの載ったチョコの山を見ながら、私は冷静に言いました。 目前で爬虫類系冷血美形が重たげな尻尾をくねらせています。 む、ターバンがちょっとずれてる。 直したい・・・いや、ここは自分でやってもらおう。 しかもなんだかお疲れ気味みたいだし。 「オティス先生へ単位下さい。スーザン・ウェルカッセン オティス先生へ最近人格が丸くなりましたね。事務員女子一同より(注:義理です) レポートの締め切り延ばして下さい。フー・F・フォワード 結婚おめでとうございます。もげろ。匿名希望 、あ、これもだ。えーっと…これは芥子入り……わさび味…寿司風味……虫入り……がっくん」 勝手にチョコの包みを開け、悲しげな眼差しを向けるサフに対し、無表情のまま聞こえないフリをしてますよこの人。 「サフはニキさんからもらえたの?」 ……サフの満面の笑顔って、ちょっと怖い……。 「手作りだったんだ。あ!キヨカのクッキーもおいしそうだけどね」 バフバフを尻尾を振って非常に嬉しそうです。 ……髪を引っ張るのはやめて下さい。尻尾の先でつつくのもです。 「何か」 何故睨みますか。 「もしクッキーが食べたいというなら、あそこに。お勧めはしません」 ちょっと失敗した分が。 焦げたのかカカオで黒く見えるだけなのか判別しがたい事になっているソレをみて、枯れた植物のように悄然としてます。 ……かわいい……っと危ない危ない。 もちろんあれは私が食べて片付けるつもりなんで、気にしないでほしいのに。 「そろそろ御飯だから、コタツの上を片付けてくれる?」 「わかった」 手入れのいい箒の穂のような尻尾を振りながらサフがキッチンから出ると、血も凍るような美貌が寄せられました。 「何を怒っているんだ」 「怒ってませんよ」 そう私が返すと、眉間に皺を寄せて腕を回してきます。 「御飯ですから、向こう行ってて下さい」 回された手を避けると、綺麗な指先が宙を掴みました。 「ねぇねぇ ちーチョコほしいな。ジャックいっぱいもらえた?」 御飯の後、のんびりとテレビを観ているジャックさんに甘えるチェル。 かわいいです。 「オレー?あげたし貰ったよー。でもさ!みんな凄いね。ネコって超ツンデレ!みんな義理って言うんだよ☆」 サフは無言で目頭を押さえて俯き、やがて耐え切れなくなったのか部屋に帰りました。 もう一方は、コタツに首まで入りじっとこちらを見ています。 言いたい事は、ちゃんと口で言いましょう。 尻尾を絡ませてくるんじゃなくて。 「というわけで、ほら義理チョコだよー」 どこからともなく現れる小さな包みの山に眼を輝かせるチェル。 見た限り、危険そうなチョコは混ざっていないようですが……一応確認しないと。毒とかあったら大変だし。 「あとオレ製生チョコー ほら、美味しいぞー」 「おいしー!」 「一応、見せてもらってもいいですか?お酒入りとかだと大変ですから」 「あーオレ確認したけど。まぁいいよ」 念入りに確認する私をよそに、早くも口の周りをチョコで汚しバタバタするチェル。 コタツの中で長い尻尾が蹴られたらしく、冷たい美貌が一瞬歪みました。 一瞬キュンときましたが、こなかった事にします。 ああ、ホントに義理って書いてある。凄い……。コレが本物の義理チョコ……。 「ほらキヨちゃんもオレ製生チョコだよ。あーんっ」 目の前に差し出されているソレは可愛らしい箱に収められ、表面にはカカオパウダーが塗され、おまけにクラブ型の模様が軽く焼き込まれています。 美味しそうに見えます。 コレ全部、自分で用意したのか……。 「コレ、何が入ってるんです?」 「チョコに生クリームにアフア」 思わず巨大顔傷黒ウサギをみつめると、びくりと長い耳を震わせ、もぐもぐと美味しそうにチョコを食べるチェルを盾にして体を隠そうとしました。 でっかい図体はどう考えても隠れてません。 「今度、アフア抜きで作ってください。私も食べたいですから」 「ももももちろんさ!だからその眼やめて。がっくんもなんか言ってよ!」 無言で尻尾を体に巻きつけ突っ伏しているので、期待しても無駄だと思います。 お風呂についてこようとするジャックさんが蹴り出され、サフとチェルが眠りについた頃、寝巻きの私に鋭い眼差しが向けられていました。 「なにか」 ぐっと睨んできました。 何せ美形ですので睨むと大変迫力があります。 一年以上暮らしても、未だに美形に慣れなくて困ります。ときめく。 「俺には?」 「クッキーはありませんよ。アレは義理用しか成功しませんでしたし」 ご近所や友達用に大量生産したので、しばらくクッキーは見たくない気分です。 プレーンは上手くいったのに、手を加えると失敗するなんて。 眼を戻せば……美形がうなだれています。 美形ですので、うなだれていても美形です。 ……私の意志の強さは弱くなる一方で困ります。 ……ちゃんと言うまであげないつもりだったのに。 「……ま、まぁ一応チョコならありますが、あんなにたくさん貰ったなら別に」 「くれ」 今、0.1秒ぐらいでした。 即座に服の隠しからチョコの包みを取り出し押し付けました。高級チョコレート、数量限定です。 買った後であまりチョコが好きではなかった事を思い出しましたが、資金も時間も足りなかったので仕方ありません。 誰だ。小豆買い占めたの。 雑巾色のでっかいイヌが買い占めて行ったって本当だろうか。 大体、みんなチョコチョコと貰った方は飽きるじゃありませんか。 ……とか、買った後で気がついたんですけど……。 「たくさんもらえてよかったですね」 「もしかして、嫉妬してたのか?」 美形に覗き込まれました。 「最初からチョコをたくさん貰って返ってくるのは予測済みでしたから全然気になりませんが何か」 ……大量に貰うだろうから、私のなんかやっぱり要らないんじゃないだろうかなどと本人に訊くわけにもいきませんし。 ……美形がニヤニヤしています。 無性に血の巡りが良くなり、背中とか頭が熱いので私は扉を閉め明りを消し前方にダイブしました。 尻尾がベッドの角に当たって凄く痛そうな音がしましたが、忙しいので聞かなかった事にします。