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大学生になって友達の出来なかったかがみだが、捨てられていた小犬を拾ってアパートで飼っている。 かがみは、まるで親友 泉こなたの生き写しのようなこの犬に、"こなた"という名前をつけた。 第1話「ぼっちのかがみ様は危険がいっぱいなの?」 私の名前は木冬かがみ、23歳の大学生。 最近アパートにひきこもりすぎて、とうとうアタマがおかしくなったのだろうか・・・。 私が飼っている元捨て犬のこなた(通称:こな犬)が突然言葉をしゃべりだしたのだ。 かがみ「ウヒィ! こ・・こなた(犬の名前)がしゃべってる・・・」 こな犬「かがみんやー、驚かないで聞いて欲しいわん。世界的悪の組織、SOS団の魔の手が迫っているんだわん。 君はこれから魔法少女マジカルかがみんに変身し、悪の野望を打ち滅ぼすんだわん。これは埼玉県内の大学生で最も孤立しているぼっち、 つまり君にしか出来ない任務なんだわん(≡ω≡.U)」 かがみ「誰がぼっちだ!」 こな犬「大学では誰とも会話せず授業そっちのけでラノベを読み、飲み会に誘われたのは入学当初の2回だけ、 お昼休みは大学の人たちから独りでいると思われるのが怖くていつも便所飯の君には、 スペシャルぼっちパワーが宿っているわん。そのカでどうか・・・ぐぇっ(≡ω≡.U)」 かがみはこな犬の首ねっこをつかんで、ぐりぐりと殴りつけた。 かがみ「このっ、このっ・・・」 こな犬「い、痛い痛い・・・とりあえず話を聞くんだわん・・・っていうか、聞いて下さい。 世界的悪のSOS団、やつらはこの糟日部市を侵略しようと狙っているんだわん(≡ω≡.U)」 かがみ「糟日部市を・・・!!?って、えらくピンポイントな世界的悪の組織ね・・・」 こな犬「現在やつらは日本の地方都市から徐々に勢力を拡大しつつあるんだわん。既に函館、金沢、倉敷、別府はやつらの 手に落ちてしまったわん・・・このままでは地球が大ピンチだわん(≡ω≡.U)」 かがみ(なんて事、こなたと行ってみたいところばかりだわ・・・もちろん人間の方のね) かがみ「でもあたし、もう魔法少女なんてトシじゃないし・・・」 こな犬「ダイジョーブ!そういうニーズもあるんだわん!(≡ω≡.U)」 かがみ(なんか懐かしい気がするけど、ムカつく言い方ね・・・) こな犬はまるで人間がその動作をとるかのように、まかせよ!とばかりに、ポンっと自分の胸を叩いた。 こな犬「この魔法のステッキ"らき☆すたーりんぐいんふぇるの"を使えば、かがみのスペシャルぼっちパワーを∞に開放し、 魔法少女マジカルかがみんに大変身だわん!なのはちゃんみたいになれるわんよ!!?(≡ω≡.U)」 かがみは動揺した。百万歩ゆずって仮にこな犬の話を信用するにしても、自分などに悪の組織とたった一人で立ち向かえるわけがない。 どう考えてみてもムリだ。かがみは洋服の袖をまくって、包帯が巻かれている左腕を見せた。 かがみ「あのね、あたしは今、大ケガしてるの!だから、そんなステッキなんか振れるわけないわ。見てよ、この利き腕の左手首の傷を・・・」 こな犬(なんとイタイタしいリストカットの痕・・・。この女の子を選んだ僕の目にやっぱり狂いはなかったようだわん。 間違いなく彼女こそ最高の逸材・・・。(≡ω≡.U)) かがみ「ね? あたしにはムリなのよ、わかった? これからあたしはアキバまで志方さんのCDを買いに行くから、お留守番よろしくね、こなた(犬の名前)」 ちゅどーん! その時、部屋の窓の外から大きな爆発音とともに市街地から火の手が上がったのが見えた。敵だ!敵の侵略が始まったのだ。 こな犬「ああっ!! もう話をしている時間なんて無いわん・・・。かがみが今ここで闘わないと、この糟日部の街は、死の街となりはてぬ・・・・(≡ω≡.U)」 かがみ「うっ・・・わかったわよ。やればいいんでしょっ!やれば~」 *ちなみに変身ポーズやら変身の呪文などがSSでどう書いたらいいのかよくわからないので読者諸氏のご想像に省略である。 戦闘シーンも似たような理由で簡略化。 マジカルかがみんの魔法カは敵を圧倒した。やはり潜在的に強力なスペシャルぼっちパワーを秘めているのだろう。 敵の下っぱ戦闘員が次々と逃げ出していく。 SOS団戦闘員A「おのれこいつただものじゃないぞ。悪の首領・ハルヒさまに報告だっ」 SOS団戦闘員B「ちっ、今日はこのくらいにしといたるわっ」 SOS団戦闘員C「次に会うときまでにオマエの戒名を用意しとけ」 かがみ「は~・・・暴れてスカッとしたわ!魔法って最高ね~。 決めた。あたし、これからも魔法少女になるわッ。よろしくね!こなた」 こな犬「それどころじゃないわん・・・糟日部の街が大変な事にッ・・・あわわわ(≡ω≡.U)」 かがみんの放った魔砲はビルやマンションを貫き、住宅をことごとくなぎ払い、工場が何件か爆発した。 糟日部の街は、死の街となりはてた・・・。 がんばれ、かがみん! 糟日部の平和を守るんだ。SOS団との闘いは今、始まったばかりだぞ。 次回もまた見てね。 スレに投稿するまでもない第2話「かが迷惑!リア充だらけのキャンパスライフ!」 私の名前は木冬かがみ、天才魔法少女の私にはマジカル頭脳パワーが宿っているのよ。 こな犬「それを言うならスペシャルぼっちパワーの間違いだこな・・・。スペシャルぼっちパワーというのは、やたらノリが悪くて、服装がヤバイ、 おまけにKY(空気が読めない)という三拍子そろった、つまり今のかがみんの様な孤立したぼっち大学生に秘められた潜在能力の事で、ぐえっ・・・(≡ω≡.U)」 かがみ「むぎゅうっ」 こな犬「げほgふぇほえほ・・・く、苦しいこな!背後からツインテールで首を絞めないで欲しいこな(≡ω≡.U)」 かがみ「そういえばあんた、いつの間にかセリフの語尾が変わったこな~」 こな犬「こな~・・・!マネしないでっ(≡ω≡.U)」 かがみ「それはそうと、前回はあたしの大活躍で悪のSOS団を追い払ったのよ!ちょっとはあたしを褒め称えなさいよね~」 こな犬「大活躍じゃないこな!危うく糟日部の街が消滅するところだったこな(≡ω≡.U)」 かがみ「うーん、もともと何にもない場所だったからねぇ」 こな犬「確かに・・・い、いや、それだけは正義の味方として、言ってはいけない気がするこな・・・とりあえずかがみんや~、 次からはもう少し正義の味方としての節度ある行動を・・・(≡ω≡.U)」 かがみ「あーはいはい。今、ニコニコのこなかが動画に夢中だから後でね~」 こな犬「・・・・・・(≡ω≡.U)」 時計は午後1時半を指していた。 こな犬「かがみん。そろそろ制服から私服へと着替えないと、また大学に遅刻するこなよ(≡ω≡.U)」 今、かがみは薄暗いアパートの部屋の中で、高校時代の制服姿のままパソコンに向かっている。 大学生になってからもかがみは大好きだった陵桜学園高校時代の制服を着ては昔を思い出しているのだ。 かがみ「はーい、はいはい」 生返事をしつつ、制服を丁寧にハンガーにかけてクローゼットにしまった。 こな犬(23歳にもなって、自分から好んでセーラー服を着てくれる女の子はなかなかいないわん。彼女を魔法少女に選んだ僕の選択は正しかったわん・・・(≡ω≡.U)) かがみ「じゃあ、一応4時限の出席だけとって来るから・・・お留守番お願いね、こなた(犬の名前)」 こな犬「いってらっしゃいこな~!(≡ω≡.U)」 結局今日のかがみはついついニコニコ動画に夢中になってしまい、四限目のミクロ経済学の授業からの遅い登校になった。 もう弁護士の夢なんかもうとっくに挫折しているのだし、魔法少女という世にも珍しい就職先(?)を手に入れている今、この際大学なんか 何年留年しても構わないといった心境に達しつつある。そんな投げやりなことを考えつつ、かがみは授業の行われる講義室乙に入るなり、絶句ッ・・・。 講義室の中はいつもは閑散としているのに今日はリア充そうな学生でいっぱいだった。 どこを見渡しても幸せいっぱいのリア充・・・。リア充の山。 かがみ「い、息苦しい・・・これじゃどこにも座れないじゃないのよ・・・何なの!!?何なのよ・・・・」 古今東西、ヒーローにも弱点はつきものだ。ぼっちかがみの場合、リア充に囲まれて授業を受けてはいけない。それではとても精神カが持たない。 出席を取ることも出来ずにかがみが慌てて構内から逃げ出したところ、学ラン姿の怪人が学生を追い掛け回して毒電波を飛ばして襲っているのが見えた。 本日の敵『怪人 谷口』登場。 谷口「どうも!白石みの・・・谷口です。うははははは!この大学の学生をマインドコントロールしてリア充だらけにしてやる。 意欲と活気に溢れた優秀な学生を大勢増やして、卒業した後は更に洗脳を強化して悪のSOS団員に無理やり就職させてやる。 そうすれば、糟日部征服などあっという間に果たしてくれるわぁ!」 かがみ「すべてそういう事だったのね。キャンパスをリア充だらけにするだなんて、なんて残酷なマネを。ぼっちはただでさえ大学生活自体が苦痛だというのに・・・」 さぁ、スーパーヒロインに変身だ!悪を蹴散らして正義を示すのだ。 かがみんはらき☆すたーりんぐいんふぇるの(魔法のステッキ、普段は13センチくらいのサイズで携行に便利なのだ!)をかばんから取り出し、変身のポーズをとった。 かがみ「マジカル参上XYZ!マジカルかがみんは今日はとってもご機嫌ななめだわ!悪魔はとっとと地獄へ帰りなさい!」 谷口「ははは!現れたな!マジカルかがみんよ!この前の恨み!HAHAHA晴らしちゃる~(音符」 そのとき、かがみのケータイの着信音が鳴り響いた。 かがみ「ん?メールだ・・・。つかさとお父さんから?・・・なになに・・・んんん!?」 谷口「どうした?戦わないのか!マジカルかがみんよ」 かがみ「あんた、ちょっと一緒にうちまで来てくれない?」 谷口「????」 かがみは怪人谷口を連れて鷲宮町の実家へと向かった。 夕方5時。鷲宮神社の境内の隅っこにあるかがみんの実家。 今日は、つかさが専門学校で知り合って出来た彼氏のりゅうじくんを連れて来ている。 先ほどのかがみのケータイに着たメールの内容は、今日は初めてつかさに出来た彼氏、りゅうじくんが遊びに来るから、家族みんなで夕飯を食べようというものだった。 つかさとりゅうじくんは二人きりで、リビングで仲良さげにくつろいでいた。つかさは編み物をしながらりゅうじとCSでやってる洋画を見ていた。 つかさは料理も編み物も大得意。今編んでいるのは、りゅうじにプレゼントするマフラーだろうか。 その光景をかがみと谷口はリビングの引き戸の隙間から、こっそり覗いている。 つかさ「りゅうじくん、もうすぐ完成するからね」 りゅうじ「やっぱつかさ、編み物上手いじゃん。出来上がりがスゲー楽しみになってきた」 かがみ「つかさの奴・・・妹のくせに・・・あなくちおしや・・・・。あ、そうだ!いいこと思いついた! 白石、あとで完成品のあのマフラーを股間に巻いて皆の前に出てきなさい!」 谷口「えぇっ、それはいくら何でもマズくないですか?」 かがみ「やるといったらやるのよ!これはサプライズなのよ。びっくりイベントを起こして、つかさを驚かせるの!出来るわよね?」 谷口「まあ、汚れ芸人としてはやれなくもないですが・・・」 午後7時。今日の夕飯のメニューはすき焼きだった。 ただお、みき、いのり、まつり、かがみ、つかさ・・・家族全員が集まり、そしてお客さんのりゅうじが木冬家の食卓についた。 ただお「りゅうじくん、たくさん食べていきなさい」 りゅうじ「ありがとうございます」 みき「つかさが彼氏を連れてくるなんて、母さん感激だわ」 しばらく家族たちからりゅうじへの質問タイムが続いたが、ずっとかがみは無言で肉をほおばった。 かがみはつかさが自分より先に恋人ができたことを憎憎しく思う感情と共に、谷口と共に仕掛けた悪の企みにちょっぴり罪悪感が芽生えてきた。 りゅうじ「ところで、かがみさんは司法試験を目指してらっしゃるんですよね、すごいっす。尊敬するなー」 かがみ「え・・・まあ、別に尊敬だなんてっ、それほどのことじゃないですから・・・(ああそっか、とっくの昔に挫折したなんて家族は誰も知らないのよね・・・)」 つかさ「お姉ちゃん!どうしたの?さっきから渋い顔しちゃって」 かがみ「え・・・いやぁ、何でもないのよ。あはは・・・」 かがみ(つかさ、悪いけどそろそろぶち壊しにさせてもらうわ。これであんたもお終いね・・・) つかさ「えへへ・・・今日はお姉ちゃんにプレゼントがあるんだよぉ。私の部屋にあるからちょっと持ってくるね」 かがみ「え・・・?プレゼント・・・・まさか・・・」 かがみ(ヤバい・・・・・・・?) つかさは立ち上がり、廊下へつながる引き戸を開けた。そこへ予定通り上半身裸の怪人谷口が乱入。 一同呆然。引きまくる家族たち。つかさは突然の変質者の出現に驚いて、しりもちをついた。 谷口「あぱらぱーー!どうだ、赤フン魔人参上だぞぉ!ハァ~すっぽんすっぽんすっぽん・・・」 つかさ「え・・・白石君? 何なの、どうしてなの?・・・ひどいよ。その赤いマフラー、大好きなお姉ちゃんにあげようと思ってたのに・・・、 りゅうじくんにも本を見ながらデザインとか選んでもらって、せっかく苦労して作ったのに・・・」 つかさはぽろぽろ泣き出した。 かがみ(まずい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!) 谷口「うわーもうっ・・・ほらやっぱり言ったじゃないですか!かがみさんがあんな提案するから、つかささんが泣き出して、大変なことになっちゃったじゃないですか!」 つかさ「え、お姉ちゃん・・・?」 かがみ「ち、違うわよ。あたしとこの変態は何の関係も・・・」 つかさ「お姉ちゃん最低!」 かがみ「あぁぁっ・・・待ってつかさぁぁぁ!!!!」 りゅうじ「・・・・・・・・。」 つかさは二階の自分の部屋に篭ったきり、かがみが何度呼びかけても返事をしてくれなかった。 すっかり食事会どころではなくなり、りゅうじくんには帰ってもらうことになった。かがみは何も言えずに、ただただりゅうじくんに頭を下げるしか出来なかった・・・。 その後は気がつくと、かがみと白石は共に居酒屋でやけ酒をかっくらっていた。 谷口「ハァ・・・・。僕達いったい今日は何をやってたんでしょうね」 かがみ「うるさいわね・・・。ここ割り勘にしてあげるからもっと遠慮しないでガンガンあんたも飲みなさいよね」 谷口「ええっ・・・、もうカンベンしてくださいよぉ。怪人の仕事なんて給料安いし、それに明日ココイチのバイトの予定が朝から入ってんですから・・・」 かがみ「うるさい!飲め!」 今日は最愛の妹が彼氏を連れて来て、家族紹介をして、みんなで一緒に食事をして大切な記念日になるはずだった。 それなのにかがみは、好きでもない男(怪人)と朝までお酒を飲んで過ごしたのだった。 第二話、終わり。 次回も見て、見て、見てね!今回はよっぱらって書きました。後悔はしてない。
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師走の語源は、お師匠のお坊さんがお経をあちこちであげる為に、走り回る程忙しかった所から取られたそうだ。 みゆきさんがそれっぽい事を言っていたから、多分それで間違いないのだろう。 実際、12月っていうのは期末試験があって、クリスマスイベントやら年末イベントやらをこなして、最後に有明と、私にとってものんびりとしていられない一ヶ月間ではある。 来週から始まる試験さえ終わってしまえば、後は楽しいイベントを指折り数えて待つだけだ。 それなのに…。今の私にとっては、どんなに楽しそうなイベントも、どこか色褪せたようにしか映らなかった。 「ふとしたことで~かがみのいない日常~」 「おはよう、こなちゃん」 「あ、おはよー。つかさ」 朝、教室で私達は今日最初の挨拶を交わす。 私がかがみと会わないように電車を一本ずらして登校するようになってから、これが新たな日課となっている。 あの屋上での一件の後も、つかさとみゆきさんは、それまでと変わらない態度で私に接してきてくれていた。 だから、この教室の中だけは、今までと変わらない日常が流れ続けている。 その事が、今の私にとっては、言葉では言い尽くせないぐらいに有難かった。 昼休み、一つの机に三つのお弁当箱が並ぶ。 最近は、教室の外に出るのにも神経を使うから、チョココロネを買いに購買まで行く事もやめてしまった。 私の座席の真正面に、誰も居ない空きスペースが鎮座する。 その不自然さを誤魔化すように、今日も私は饒舌に二人に話題を振り続ける。 「――でさ、またそのバグを直す修正パッチが4ギガバイトもあってね、あれを見た時はゲーム本編をプレイした時よりも鬱になったよ……」 「へぇ、そうだったんだ~」 「それは大変でしたね」 数分近くに及んだ、私の悲喜劇のオチがようやく付いたものの、二人の反応は思ったよりも薄かった。 やっぱり、この二人にエロゲの話は通じないか……。 また別の話題を振ろうと思い、私が一呼吸を入れたその瞬間、この憩いの時間をぶち壊すかのように、携帯電話の着信メロディ鳴り響く。 ……この着メロは、つかさの携帯メールだ。 「ごめん、こなちゃん。私、ちょっと隣のクラスまで行って来るね」 携帯を開いて、メールの内容を確認したつかさは、申し訳無さそうに私にそう告げてきた。 「あ、うん。分かった…」 用事の意図を理解した私が素直にそれに応じると、つかさは自分の弁当箱に一度蓋をして、教室の外へと駆け出していった。 …とまぁ、このように、つかさとみゆきさんの二人がかがみと会う時は、私に配慮して、私の居ない場所で会うようになっていた。 一人が抜けた事で、すっかり別の話題を振る機会を逸してしまい、残った私とみゆきさんの間に微妙な空気が流れる。 「こなたさん」 この状況を何の話題で打開しようかと私が思案している所に、珍しくみゆきさんの方から私に話しかけてきた。 「なに?」 「…かがみさんが居ないのは、やっぱり寂しいですか?」 「……ま、まぁ、寂しくないって言ったら嘘にはなるかな…。でも、これはこれで悪くは無いなって思ってるよ」 「そうですか……」 今の言葉は半分は本音で、残りの半分は嘘だ。 本当はかがみと仲直りしたいし、また四人で他愛の無い話をしたり、カラオケに行ったりもしたい。 でも、仮に私が謝って、かがみがそれを許してくれて、拗れた関係が元に戻ったとしても、あの時の事が無かった事になる訳じゃない。 …それに、私のこの胸に秘めた感情はどうすれば良い? この想いの全てをさらけ出しても、あるいはこの感情を隠し続けても、私達にとって良くない結果になるのは分かり切っている。 結局、どう足掻いたって、私が望んでいたそれまでの“日常”は戻っては来ないんだ。 だったら、このままの状態で現状を維持していく方が良い。 何もしなければ、もう誰も傷ついたりしないんだしさ……。 § 「――と、ここまでが今回のテスト範囲になるっちゅうわけや。今回は範囲が多いさかい、特別サービスで大まかなまとめプリントを用意したんやけど……って、あかん! プリント忘れてきてもうた。泉ぃ、授業終わったら、職員室まで取りに来い」 「ちょっ、なんで私なんですか!?」 「テスト直前の最後の授業や言うのに、一人だけ居眠りしとった罰や~。ほな、今日はここまで!」 「起立、礼っ!」 号令が終わると同時に、これまたタイミング良くチャイムが鳴ったかと思うと、席が近いつかさが私に駆け寄ってきた。 「災難だったね、こなちゃん」 「ううっ、昼休み明けの授業はいつもこれだよ…」 「コラ、泉。ボケっとしとらんと早よ付いて来い!」 「はいはい、今行きますよ~!」 なんや、その漫画なんかで良く見かける面倒臭そうな受け答えは、等と、今日は妙に私に絡んでくる黒井先生のツッコミを受け流しながら、私は職員室へと付いて行った。 § 職員室で居眠りしていた事に対する軽いお説教を受け、A4サイズのプリントの束を受け取った私。 そして、教室に戻ろうとしたその視界に飛び込んで来たのは、遠くからこちらに近づいてくる印象的な薄紫のツインテールをした少女の姿だった。 かがみがこっちに向かって歩いてきてる――。 遭遇を避けるために遠回りしようかと思ったけど、10分間という短い休み時間の間に、これから教室に戻ってプリントを配る時間を考慮すれば、それも出来ず、このままかがみとすれ違う事はどうしても避けられない。 そう判断した私がとっさにとった行動は、顔を伏せ、かがみの横を気付かないフリをしながら通り過ぎる事だった。 張り詰めた緊張感、逃げ出したい気持ちを必死で抑え、束になったプリントの内容を凝視しながら、私はゆっくりと歩を進める。 周囲の喧騒とは裏腹に、私とかがみとを隔てた空間には、静かな足音が今にも聞こえてくるんじゃないかというくらいに何の音も跳ねてこない。 かがみとすれ違う。 わずか1秒にも満たない交錯。 そして、そのまま通り過ぎるハズのかがみの足がピタリと止まった。 …次の瞬間、私は全力で走っていた。 後ろからかがみの声が聞こえたような気がする。 でも、もう振り向けない。 渡り廊下を抜け、折り返し階段の踊り場まで来たところで、ようやく私は後ろを振り返った。 …どうやら、かがみは追って来ていないようだ。 それを確認してようやく私は足を止めたのだった。 捩れた跡が残ってしまったプリント用紙を抱きかかえながら、私はしばらく動く事が出来なかった。 頭をハンマーで殴られたような気分だった…。 ずっと私を拒絶したままだと思っていたかがみが、私に何らかの接触を試みようとして来た事に。 その接触を私自身が拒絶した事に。 その選択肢を選んだ事に、心のどこかで安堵をしている自分自身が居た事に――。 あの日から、間もなく1ヶ月が経とうとしていた。 こなたのいない日常へ コメントフォーム 名前 コメント (T ^ T)b -- 名無しさん (2023-06-22 07 30 30) 続きが気になります。このまま卒業しちゃうって事はないでしょうが…(ありえるかもしれないけど) 2人はくっつくのか?それとも恋心を吹っ切るのか!? どんな事になるのか今後の展開が楽しみです。 -- 名無しさん (2009-02-25 15 48 48) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
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へんたいかがみさん 「ちょっとこなた、何の真似よコレ!?」 「だってこうでもしないと、かがみん襲ってくるじゃん!」 「だからって、こんな檻に手錠に……こなたってばそういうプレイが好きだったのね! 初めて知ったわ!」 「ち、違うヨ!? 変な誤解しないでよ!」 「言ってくれれば直ぐにでも拘束して、あ~んな事やこ~んな事をしてあげたのに……こなたってば恥ずかしがり屋さんなのね! 可愛い!」 「ひ、人の話聞いちゃいね~!?」 「さあ、こなた……意地悪しないで外しなさいっ!」 「い、嫌だよ! だってその手錠とかはめるだけでも睡眠薬とか盛って大変だったんだよ? それなのにかがみんてば3分くらいで起きちゃうし!」 「愛の力よ!」 「愛SUGEEEE!?」 「そして、愛の力があれば……ふんっ!」 「手錠引きちぎったよ、この人!? 外してとか言う必要無かったじゃん!」 「次はこの邪魔な檻の番ね……」 「くっ……」 「な"!? スタン……ガン……」 「ネットで買ったんだ。 ……出来れば使いたく無かったんだよ? こんな物を使わないで、かがみんを説得するつもりで……」 「……カ・イ・カ・ンv」 「え"?」 「こなたってば、刺激的なのね……ビビビっと来たわ!」 「そんな……どうして……」 「私はね、こなた……。 こなたに対してはSであり、Mなのよっ!」 「な……!? 格好良く決めてるけど言ってる事むちゃくちゃだ~!?」 「こなた~♪」 「あ"あ"っ!? 気が付いたら檻壊れてるしっ!? にゃあああああ……」 へんたいかがみさん―了― へんたいかがみさん2 「こなた、ちょっと買い物に付き合って貰いたいんだけど」 「うぃうぃ~♪ 珍しいね、かがみんが私を買い物に誘うなんてさ」 「うん、ちょっと下着を買いに」 「……ごめん、急に用事が出来たよ」 「なんで?!」 「だって明らかに死亡フラグじゃん、それ!」 「あなたは死なないわ、私が守るもの」 「いや、誰のせいで死亡フラグが立ってると思ってるのさ!」 「そんな些細な事はどうでもいいから、ちょっと付き合いなさいよ!」 「やだよ!」 「付き合いなさいよ!」 「いやだって!」 「結婚しましょう!」 「学生なのにまだ早いよ……って違あぁう!?」 「なかなか言う事を聞いてくれないわね……」 「当たり前だヨ! だってそれ大事な人生の転機!」 「こうなったら、こなたの家に直接行くわよ!」 「な、何をするつもりさ?」 「こなたを買うわ!」 「いいから下着買ってきなよ!」 「実は下着を買いに行くのはこなたとイチャイチャする口実だったのよー!」 「うん、わかってた! んなこたぁわかってたよ最初から!?」 「わかってたって……実はこなた、私の嫁!? 嫁なの!?」 「空気嫁(KY)!」 「こうなったら、何が何でもこなたを買うしか無さそうね……」 「何でそうなるのさ!?」 「そうですよね、お義父さん!」 「うむ、そうだぞこなた!」 「駄目父さんktkr!?」 「ここは素直にかがみちゃんに買われとけって!」 「実の父が言う台詞じゃないよそれ!?」 「はっはっは、馬鹿だなぁ……。 どこかの知らない男と結婚するくらいなら、知ってるかがみちゃんに買って貰った方が幸せってもんだろう俺が!」 「娘の幸せ考えてないよ、この人!?」 「そして俺も時々おこぼれを「私のこなたに触れたらお義父さんでも容赦しませんから」ヤンデレえええぇぇぇ!? 刃物来たよ! 父さん信じられないよ! 中に人などいませんYO!?」 「かがみん頑張れー」 「しかもいつの間にか2対1?!」 「お義父さん、こなたもああ言ってる事ですし、こなたを買わせて下さい! お願いします!」 「あああ!? やっぱりかがみん頑張っちゃ駄目だったぁぁぁっ!?」 「仕方ない……これが契約書だ」 「あるの!? というか私の人権無視!?」 「ありがとうございます!」 「ちょ、ちょっと待ってよ! 人の話を……」 「これにサインして……今ならコスプレがセットで付くからさ」 「付かないよ!?」 「ネコ耳スク水は付きますか?」 「付かないってば! というか何でそんなマニアックな格好を要求してるのさ!?」 「泉かがみ……と。 サイン終わりました、お義父さん」 「いつの間に……ってそれ婚姻届じゃん! しかも何で書いた覚え無いのに私のサインがしてあるのさ!?」 「はっはっは、お父さんに不可能は無いんだよ?」 「そんなところで父親の威厳を示さないでよ!?」 「これで……こなたを……」 「あ~、かがみんや。 日本だと受理されないだろうから、それ。 ……女同士だし」 「じゃあ、オランダかドイツ辺りにでも提出してくるわ!」 「待てや日本人」 「行って来るわね~♪」 「日本語で書いてあるのに受け付けてもらえるわけないじゃん!」 ――数日後 「こなた~♪ 無事受理されたわよ~♪」 「嘘だッ!!」 「これでこなたと私は夫婦なのね♪」 「あ~、はいはい……」 「何よ、こなた。 私の事嫌いなの?」 「…………好きだけどさ」 「ふふ、それならいいじゃない♪」 「…………///」 「早速新婚旅行だけどね……」 「相変わらず根回し早いね……」 「みゆきのプライベートビーチを借りようかと思って」 「ああもう、何を狙ってるかみえみえだよ、このへんたいかがみさんめっ! 第一みゆきさんそんなの持ってたの!?」 「まあね。 ……ヌーディストビーチだけど」 「その土地何の目的で買ったのみゆきさーん!?」 「まあまあ、とにかく行くの? それとも行くの?」 「一択じゃん! ……まあ断っても連れて行かれるだろうし、行くよ」 「こなた……」 「かがみん……」 「船もチャーターしてあるわ」 「だからいちいち仕事早いんだよあんた!?」 「さあ、行きましょう♪ あなた♪」 「ちょ、引っ張らないで……って今こなたじゃなくてあなたって……というかああもう、nice boatだなあコンチクショーッ!!」 へんたいかがみさん2―了― へんたいかがみさん・番外編 「泉家のかがみです! 今から1の倍数でへんたいになります!」 「細かっ!」 「1(ハァハァ)、2(ハァハァ)、3(ハァハァ(* ´Д`*)ハァハァ)!」 「ひいいぃぃぃっ!?」 へんたいかがみさん・番外編―了― コメントフォーム 名前 コメント 変態かがみん萌え〜 -- 名無しさん (2011-04-17 10 49 15) 変態かがみんは死ねばいいと思う。かがみん=つんでれ -- 名無しさん (2010-11-28 19 00 36) グッジョブ -- 名無しさん (2010-08-23 22 22 07) うけるWWW こなたが攻めなのもいいけど かがみが攻めなのもいぃ!bb -- かがみんだいすき (2010-08-06 21 52 26) 変態かがみん キタコレ! -- ラグ (2009-02-03 16 29 26) 某ニコ動にある作品もこちらの作品も、根本的に かがみ→問答無用でこなたが大好き こなた→かがみの変態ぶりに困惑してるけど嫌じゃない ってのが前提にあるから、ニヤニヤしながら楽しんでしまうんだろうな バカップルマンセ〜! -- にゃあ (2008-10-11 03 19 34) 何気にオマケが一番受けてしまったという罠www -- 名無しさん (2008-10-10 16 26 40) ちょWWWWW かがみつよすWWWW -- 名無しさん (2008-10-06 20 45 20)
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かがみ様の天使と悪魔 ハァ…どうして風邪なんか…。 私、柊かがみは風邪をこじらせて寝込んでしまっている。うーん…コレはつかさに偉そうな事言えないなぁ…。 何より、こなた…こなたに会いたい。 「……うん…?」 目を開けると、そこにはこなたが居た。ニヤニヤしながら私を見ている。 「やふー♪かがみん。相変わらず良い寝顔ですなぁ♪」 「っ…!?何しに来たんだよ!帰れよ!」 こ、こなた…来てくれたんだ? だけど、私の気持ちとは裏腹に私の口は意志に関係無く動いている。 こなたはニヤニヤと、嫌な笑顔のままペラペラと喋る。 「いやいや、かがみんが私に会えなくて寂しがってないかな~とか思ってネ☆」 「何を馬鹿な事ばっか言ってんのよ!むしろせーせーしてたわ!!」 うん、どうやら私の口は勝手に動いてしまうものらしい。 薄々気付いてはいたけれど…歯痒いわ。 「と、兎に角ね…風邪移しちゃったら悪いし、さっさと帰りなさいよ!」 「かがみ様が感染してたウィルスなら、感染しても本望ですな♪」 ………コイツは… ――かがみ様の脳内 本人の許可が出たんだし、アンタ…あんな事やこんな事とかして風邪を移しちゃいなさい♪(悪魔かがみん) 「出来るかそんな事!悪魔は黙ってなさい!」 そうよかがみ!こなたが風邪で苦しむなんて駄目よ!(天使かがみん) 「流石は天使ね…マトモで助かるわ」 ハッ…甘いわね。こなたが風邪になれば、お見舞いフラグが立つのよ!しかも、今にも〇〇〇出来るおまけ付き!(悪魔) 「なんと!?で…でも駄目!やっぱりこなたに移すなんて出来ない!」 その意気よかがみ!頑張って!!(天使) あーあー、甘いわね。このチャンスを逃したら次はいつになる事か…(悪) …………よし、こなたに風邪を移すのよかがみ!(天) 「うおい天使!?アンタが乗せられてどうすんのよ!!」 ――― 「うーんうーん……」 「ちょ…か、かがみ?本当に大丈夫?」 「負けない…負けてたまるもんですか…」 「かがみん…明日も休みかな?」 糸冬 コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-06-02 11 20 07) テラ堕天使www -- 名無しさん (2009-11-22 01 20 50) 先に天使が陥落したっ!? にしてもGJすぐる!! -- 名無しさん (2008-12-19 18 35 45) 天使ダメじゃんwwwwww -- 名無しさん (2008-12-18 00 47 18) こういうノリの作品大好きです。GJ! -- にゃあ (2008-12-11 04 49 42)
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『かがみ開きすぎっ!』 「よ~し、これで準備はいいかな?ゆーちゃんはお泊りで、お父さんはおっぱらったし!」 今日は1月11日、私のとって欠かせない一日なのだ! なんと言っても、鏡開きだからね~。受験前でも外せないイベントだよ! なぜかって言うと、それはもちろん恋人の… ピンポーン 「こなたー、来たわよー!」 噂をするとなんとやらだネ! 「やほ~、かがみん!いらっしゃ~い。5時ジャストとは、さすがだネ。」 「お邪魔しまーす。って、今の三枝か!」 「おぉ、鋭い突っ込みをありがと~。でも前にやってた、つかさのパクリだけどね。」 「つかさ…やったのか…。」 とりあえず私の部屋に移動して、テーブルを挟んで座る。 先に飲み物とコップだけを用意しておく。やっぱ取って置きは最後にね♪ 「それにしても、鏡開きだから私を呼ぶなんて、あんたらしいわね。」 「だってかがみびらきだよ?!かがみのためにあるとしか思えないじゃん!」 「いや、名前は含まれてるけど、それは関係ないでしょ…。」 「細かいことは気にしないでよ、かがみ。それにたまには息抜きも必要じゃん?」 「はぁ…あんた受験前だからって、遊んでばかりじゃないでしょうね?」 うぅっ、何かかがみが冷たい…。一応最近は真面目に勉強してるのになぁ。 「ちゃんとやってるよー。むしろ、この間黒井先生にネトゲ入らなさ過ぎって、怒られたんだからネ?」 「それは…教師として冗談でもそれを言うのはどうなのかしら…。」 確かにここ数ヶ月全くと言っていいほどログインしてない。 たまにギルドの仲間に連絡取るために入るけど、それも30分ぐらいの雑談して落ちている。 以前の私からしたらありえないことだけど、やっぱ目標があると変わるもんだね~。 「まったくだよね、我慢してるのにわざわざ言ってくるなんてさ!」 「にしても、良く我慢してるわね。正月あたりからゲーム機ほとんど封印したんでしょ?」 「一応DSだけは手元に残してあるけど、あとはお父さんに預かってもらってるね。」 (やっぱり〈かがみと同じ大学に行く〉っていう重要な目標があるからね~♪) そう、私は以前に志望していた大学を変えて、かがみと同じ大学に変更した。 もちろんレベルは上がるけど、文学部狙いだから希望はある。これでも作家の娘だからね。 ゲームとか漫画、それにかがみに借りたラノベからも知識を得てるから、伊達じゃないヨ。 「いや、残すなよ。全く、大学行けないとかになったら、どうするつもりよ?」 「大丈夫、大丈夫。そしたら、かがみの嫁として生活するからさ♪」 「んなっ?!と、とにかく頑張りなさいよ!私も全力を尽くすから、落ちたら承知しないわよ!」 「ぐふふっ、照れてる照れてる♪かがみのためなら何でも出来るよ~」 「は、恥ずかしい台詞禁止!まったく…、私を弄るために呼んだわけ?」 「素直じゃないなぁ、かがみん。かがみも私に会いたかったくせに~。」 「うっ。そ、それは…当たり前でしょ…。」 真っ赤になって俯いてるのとか、もう可愛すぎだよ、かがみ~。 アニメとかゲームにもツンデレキャラっているけど、誰もかがみには敵わないヨ。 ああ~、もう駄目!我慢できないヨ! 「かがみ~!!(ギュ~~)」 「きゃあ!ちょ、ちょっといきなり抱きつかないでよ!く、苦しいって…」 さすがに強く抱きしめすぎたかなと思い、若干力を弱める。 「いやぁ、ごめんごめん、かがみがあまりにも可愛くてつい~。」 「だ、だから恥ずかしい台詞禁止って言ったでしょ!」 「だってあんな表情見せられたら、たまんないよ。大好きだよ、かがみん♪」 「わ、分かってるわよ。…私も大好きよ、こなた。」 取って置きの言葉でかがみは真っ赤に染まってる。私もちょっと紅いカナ? ちょっと照れるけど、やっぱり幸せだって感じるよね~。 5分、いや10分ぐらい抱き合って、お互いに自然と身を離した。 こういうところも私達って歩調というか、リズムが合うんだよネ。 その後、私は夕飯の準備を始めた。と言っても大半は出来てるんだけどね。 「はい、かがみん。デミグラスオムライスだヨ。チーズはお好みでかけてね。」 「へぇ、美味しそうじゃない。それに香りもすっごくいいわね。」 「最近覚えたメニューだけど、結構自信あるよ~。先に、熱いうちに食べなよ。」 「そう?じゃあ遠慮なく、いただきま~す。」 かがみが一口食べる。上手く出来てるとは思うけど、緊張の一瞬。 「…うん!卵がふんわりしてて、デミグラスソースの味も濃いわけじゃないけど、深いわね。こなた、これ凄く美味しいよ!」 「ありがと、かがみん♪いやぁ、色々研究した甲斐があったよ~。」 このオムライスに限らず、私は前以上に料理の勉強をしていたりする。 それに加えて、かがみの好みの研究もしてる。色々つかさに聞いたりしてね。 やっぱ、かがみに出す一品一品は、やっぱり自信作を出したいもんね。 「でも、さすがこなたね。…私も練習してるけど、中々上手くいかないわ…。」 「いいんだよ、かがみ。これからずっと作ってあげるからさ♪」 「な、な、なっ!?」 「何で驚くのさ?ずっと、私と一緒にいてくれるんじゃないの…?」 「そ、そうだけど、じ、じゃなくて、ああ、いあ、や、ああの、えー、ふあっ」 もはや言ってる事が意味不明だ。わざと寂しく言ってみたけど、威力が強すぎたかな? でも、ここまで来ると弄り倒したい気分だネ……あ、いいこと思いついた♪ 「ほら、早く食べないと冷めちゃうよ、あ・な・た♪」 「ーーっ?!?!?!」 う~ん、これは再起不能かな?ちょっとやり過ぎたみたいだネ。 でも、将来的にはこんな感じになりたいかな?とりあえず、かがみを正気にしないと。 「かがみ~、大丈夫?」 「……い、いきなり、何を言い出すのよ!」 「いやー、この方が雰囲気出るかなぁって。将来のことを妄想でもしちゃったかなぁ?」 「う、うるさい!!大体、食事中に…」 「早く食べないと冷めちゃうから、食べなよかがみん。」 「もう、誰のせいだと…ブツブツ。」 それでも顔は赤いまま、もくもくと食べるかがみだった。 ☆★☆ 「ふぅ、ご馳走様!いやぁ、美味しかったわ。それにしても、サラダ一つでも随分変わるのね。」 「野菜の切り方とか組み合わせもあるけど、ドレッシングとかも若干アレンジしてるからネ。」 「そうなんだ。ただ野菜を切って、盛るだけだと思ってたけど、色々あるのね~。」 「まぁ、そういうのは経験かな?伊達に数年間、泉家の家事を担当してないヨ。実際はお父さんも作ったりするし、ゆーちゃんが来たからさらに回数は減ったけどね。」 お父さんはなんだかんだで料理が結構上手い。 いつもお母さんと一緒に作ってたらしいし、最初はお父さんがお母さんに教えてたらしい。 ゆーちゃんはまだ上達中だけど、飲み込みが早いから、今では一通り作れるようにはなってる。 「ふと思ったけど、あんたっていつも私のこと嫁って言ってるけど、あんたの方がよっぽどお嫁さんみたいじゃないのよ。料理を始めとする家事は得意だし、私より背も低いしね。」 「うぐっ…。い、いやぁ、そこは体系的にかがみの方こそ、嫁じゃないかなー。」 「婿というよりおっさんだ、その発言は。別にいいじゃない、どっちだって。」 「いや、良くないのだよ!将来的にどっちがどっちかは重要であってだね…。」 「だったら今はいいじゃない。私から言い出したことだけど、気になった程度だから。」 「むぅっ…。」 曖昧に終わったけど、いつかこれには決着をつけなければ!そうじゃないと、私の立場が! …って、今はまだいっかな~。まだ焦らなくても平気…だよネ? 「んじゃあ、デザートといきましょーか。鏡開きらしくぜんざいだヨ。」 「へ~、準備いいじゃない。って、ちょっと何よその袋は!」 「いやぁ、正月の売れ残りは安くってさ~。沢山買っちゃタヨ。」 「…まぁいいけどね。」 「はい、出来たよ~」 私は用意できたぜんざいと、新しい飲み物を用意した。 「それじゃあ、改めていただきます、っと。うん、甘さ控え目で美味しいわね。」 「良かった♪お餅もある程度甘みがあるし、甘さ控え目が一番だネ。さてと…」 私はすっと立ち上がって、かがみの隣に移動する。 「どこまでお餅が伸びるかやってみよーよ、かがみぃ。」 「…なんで私の横に来る必要があるのよ?ってか、そんなにくっ付かれると食べにくいんだけど…。」 私は口にお餅を口にくわえて、かがみの方を向く。 「ほあ、ほっちがわほはんえお。(ほら、そっち側を噛んでヨ。)」 「んな!な、なんでそんなこと…。」 言葉じゃ伝わりにくいから、じーっと、かがみの事を見つめてみる。 するとかがみは観念したのか、ジュースを一杯飲んでから、反対側の端を咥えた。 私は目で合図をして、少しずつお餅を伸ばしていく。(おもちうにょ~ん) 結果的には結構伸びたが、30~40cmぐらい伸びたところで、途中でお餅が切れてしまった。 「いやぁ、安物の割にはよく伸びたね~。1人でやるより全然伸びたよ。」 「…そうねぇ。ちょっと楽しかったけど、なんで今わざわざやったのよっ?」 「ほら、ちょっとした二人の共同作業だよ♪将来のための予行練習?」 軽く抱きしめながら上目遣いで言う。すると、ボンッという音がするかのように、顔が再び真っ赤に。 いやぁ、やっぱりかがみはからかい甲斐があるね~。 それに、ここらで主導権を握りなおしておかないと、最近押され気味だからね…。 でも、油断したり、気を抜いたりした矢先に、事件は起こるという宇宙の真理があるらしい。 「…ねぇ、こなた。口に小豆が付いてるわよ?とってあげるわ。ほらぁ…」 「えっ?う、うん、ありがt…?!?!」 しばらくは反応がないと思ってたから、急に声をかけられてびっくりしながら、OKしてしまった。 すると、てっきり手で取ってくれるのかと思ってたら、いきなりキスしてきたんだよ! 小豆ならもう取れてるはずなのに、結構長…い…。あ~、なんかどうにかなりそうだヨ… ようやく口を離してくれたのはどれぐらいか分からないけど、私が軽く酸欠になるぐらいだった。 「ハァ…ハァ…かがみ?き、急にどうしたのさ?」 「う~ん、こなたぁ~…。」 どこか目が虚ろだし、声が明らかに妖しい感じがする。お酒なんて飲ませてないのに、何で?! ふと、さっき持ってきた飲み物を良く見ると、カクテルっぽいことが書いてある。 ビンに入っていたから気付かなかったけど、てっきりいつも買ってるオレンジジュースだと思ってた。 最初に飲んでたのは間違いなく残ってたオレンジジュースで、冷蔵庫の中だと隣に置いてあったし、 中身がオレンジ色だったから確認せずに持ってきていた。 (あーっ!!間違えたーー!!あれ?でも、お父さんはビールだし、ゆーちゃんは飲むわけないから… ゆい姉さんのかーーー!!!油断したー!!) 「ふふふ、愛してるわよぉ、こなたぁっ!!」 「あ、ちょ、かがみ…っ!!ま、待っ、て、お、落ち着、いて…あ、だ、のぉーっ!!」 その夜は、暴走したかがみが正気に戻るまで相当な時間を要したのは言うまでもない。 (うぐぅ…今年はおとなしく嫁に落ち着こうかな…。全部裏目に出るヨ。嫌じゃないんだけどネ…。) - Fin - メルトダウンへ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-03-04 23 26 27) すまん… 素で気付かんかった…m(_ _)m -- 名無しさん (2008-09-26 01 20 14) せっかく一番下の方が酔っ払いのトラと虎を引っ掛けてらっしゃるのにな -- 名無しさん (2008-09-19 21 25 57) いや 狼かもしれんぞ………www -- 名無しさん (2008-09-19 11 52 42) おそるべし酔っ払いかがみん…かがみの本性は虎だったのですね(^-^; -- にゃあ (2008-09-13 08 58 37)
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『答え』~かがみ~ 月曜日 いつもより遅く起きてしまった。 昨日の悩みのせいかな・・・ だがもう決意した。 こなたに好きな人がいようが、 私はこの思いをこなたに告げる。 私は朝食を少し早めに済ませ、 つかさと一緒に家を出た。 いつも通りの駅前。 こなたはまだこない 「あいつはまた遅いのか?」 「そうかもね~」 そうして待っていると、 向こうから青髪とアホ毛が見えた。 「こなた!遅いじゃないの!もうすぐ電車出ちゃうわよ!」 「ごめん・・・」 なんだか元気が無い・・・ 「なんだか元気が無いけど・・・どうかしたの?」 「ん?なんでもないよ?」 「そう?ならいいんだけど・・・」 本当はすごく気になった。 こなたが元気じゃなかったら告白してもな・・・ そうしていつも通り学校へ向かう。 学校へ向かう電車の中では終始どういう言葉で告白するかを 考えていた。 (やはりストレートに『好き』と伝えるのが一番よね・・・) しかし、 突然私が告白したら、こなたはどんな反応をするのだろう。 ・・・いやいや。そんなことを恐れてはいけない。 今更それを恐れていては告白なんて到底無理。 私はこなたに告白すると決心した。 たとえ断れようと、 自分の気持ちを素直に伝える。 これは私の戦いだ。 そして今日は私の戦いの日だ。 覚悟を決めた戦いの一日・・・ それが今、始まろうとしている・・・ ・・・だからといって授業をないがしろにするわけにはいけない。 いつも通り授業は受けた。 そして昼休み前の4時限目。 私はあることに気がついた。 (どこで告白するか考えて無いじゃん!) それを考えないでどうする私。 ・・・しかしどこで・・・ 体育館裏だよね・・・基本は・・・ うん。決まり。 そして昼休み。 こなたが迎えに来た。 「かがみん~」 「おぉこなた~」 「お昼ごはん一緒に食べよ~」 「おー分かった。ちょっと待ってて。」 「分かった。」 こなたと一緒にこなた達のクラスへ向かう。 呼ぶなら今がチャンスか・・・? あぁ・・・なんだか緊張してきた。 でも言わなきゃ・・・ 「「あ・・・あのさ」」 同時に両者から言葉が出た。 「あぁ・・・かがみからどうぞ」 「いや・・・こなたからどうぞ」 よく分からない会話が・・・ 一応精神集中も込めて、こなたに先を譲った。 しかしこなたは遠慮気味だ。 「んで?なに?こなた」 そして私は話を切り出した。 「あのさ・・・かがみん。」 「ん?」 「今日の放課後さ、体育館裏に来てほしいんだけど・・・」 ・・・え? まさに今、私が言おうと思ったことをそのまま言ってきた。 とりあえず私も同じ内容だったので、 「分かったわ」 と反応した。 そうしたら、 「かがみは何?」 「いや、私はやっぱいいや。」 「そうかぁ~」 「じゃあ皆でお弁当食べようかぁ~」 「あんたはどうせチョココロネでしょ?」 そしていつも通りのお昼休みを過ごす。 5,6時限目は、一応普通に受けながら、 (こなたは私に何の用があって私を呼んだんだろう・・・) それだけを考えていた。 そして放課後・・・ 私は掃除があったので、掃除をしていた。 掃除が終わった後、こなたのクラスにいったら、つかさが 「こなちゃんならどこかにいっちゃったよ~」 といっていたので恐らく体育館裏だろう。 私も急いでむかった。 体育館裏には桜の木が一本生えている。 その木に寄りかかるようにして、こなたがいた。 「こなた」 「・・・あ」 「『・・・あ』じゃないわよ。あんたが呼んだんでしょ」 少し沈黙が続く。 そして、 「あ・・・あのさ・・・ かがみんってさ・・・」 「ん?」 「同性愛とかってどう思う?」 ・・・え? 同性愛? ・・・それは今。私がこなたを思うこの気持ち。 なんでこなたがこんな質問をしてきたのか気になったので、 「え?なんで?」 と聞き返した。 すると、 「いいから答えて」 といわれた。 私は、今の気持ちをそのまま、 「わ、私は別に愛があれば性別は関係ないと思う」 と答えた。 「そうか・・・」 そうして又少し沈黙ができる。 そして、 「かがみ。」 「ん?」 なぜかドキドキする。 そしてこなたは続ける。 「あ・・・あのさ・・・」 次のこなたの発言に私は耳を疑った。 「私・・・かがみのこと好き!」 こなたが・・・? 私のことを・・・? 『好き』? 思ってもいなかった発言。 こなたの好きな人は私だった。 今出た私の問いの答えは、 私の頭の中を高速で通り抜けた。 そして私は整理をし、 恥ずかしさからだろうか、 こなたの顔が下を向いている。 そのこなたに向かって、 「こなた」 「あのね・・・」 「私もこなたのこと好きだよ。」 私も自分の気持ちを伝えた。 「え・・・?」 「私も今日こなたに告白しようと思ったの。」 「・・・」 「そうしたら先に告白されちゃって・・・ こなたが私のこと好きって言ってくれた時、 すごく・・・うれしくって、一瞬頭がおかしくなっちゃって・・・」 こなたは涙を出している。 私も嬉しくて泣いている。 「かがみ・・・」 「ん?」 「好きだよ」 「分かってるよ」 「かがみ・・・」 「こなた・・・」 私はこなたを見つめる。 恐らく私の顔は真っ赤だろう。 こなたも私と同じように真っ赤だった。 そして抱きしめあう どれくらいの間抱き合っていたか分からない。 でも覚えていることは、、 こなたは暖かかった。 こなたはいい匂いだった。 そしてお互いに見つめあい、 そして・・・ キスをする。 こなたの唇は柔らかく、 キスの味は今までに食べたいろいろなおやつにも例えられないほど甘かった。 唇と唇が離れる。 そしてもう一度抱き合った。 そして・・・ 「そろそろ帰ろうか?」 「そうだね。少し暗くなったし。」 私たちは校舎内に戻った。 しかしそこには人影がない。 「おかしいわね。」 普段私とこなたがいなければつかさが探しているはずである。 そう思っていると、後ろから、 「わっ!」 「うわぁ!」 つかさが現れた。 「なんだぁつかさかぁ~」 「どうしたの?つかさ。」 「つかさ先輩だけじゃないッスよ。」 つかさの後ろからパトリシアさんと田村さんがあわられた。 「どうしたの?三人とも。」 変な空気が流れていく。 なんだかいやな予感が・・・ そしてなんだかその変な空気を狙っていたかのように、 パトリシアさんが話し始めた。 「Oh!コナタ!見させていただきましたよ!」 ・・・やはり 「「・・・見てたの?」」 「もちろんだよお姉ちゃん。」 「いやぁつかさ先輩になんだか先輩たちの様子が変だと聞いたので・・・」 「こっそりついていったらコナタたちが・・・ねぇ。」 あんな場面を見られていたとは・・・ 顔が自然と赤くなる。 こなたも真っ赤だ。 つかさの割にはできるわね・・・ そしてこなたはこれ以上恥ずかしい思いをしたくないからか、 「頼むからみゆきさんには内緒に・・・」 というのだが・・・ 「でもそんなの関係ねぇ♪もうメールしちゃったよ。」 試合終了。私達の敗北です。こなたさん。 そんなこともありましたが、 まぁそんなこんなありながらも、 私とこなたは互いに思い続けていて、 今日めでたく結ばれましたとさ。 その次の日から周りの人からの質問の嵐だったのは いうまでもない・・・ その横で日下部が泣いていて、それを峰岸が励ましていた。 とにかく今、こなたといて、幸せです。 終わり コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-04-03 13 03 50) ひよりんとパティwww つかさ人選ナイスw -- 白夜 (2009-10-09 00 09 44) 日下部乙wwwww -- ハルキ (2009-06-29 09 25 32) 皆に見られて赤面てラストはいいなあw -- 名無しさん (2008-12-17 23 10 08)
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もう、止まらなかった。いつからだろう?いつからこんなに、かがみを大好きなんだろう? でも、今はもう、どうでもいい。 「・・・かがみ。」 「あったかい?」 かがみの匂い。安らぐ、眠くなる、落ち着く。それでも鼓動は早い。全身が日だまりにいるような感覚。 「あったかい。かがみの脂肪のおかげかな?」 「・・・つっこまなくていいか?」 「ジョーダンだよ。凄く、温かいよかがみ。」 もう、戻れない。きっとかがみも分かってる。いつもの戯れとは違う事を。いつもの私とは違う事を。 私の想いを。 聞こえる、私のモノじゃない鼓動。私のモノと同じリズムで刻む。とくん、とくん。 「ねぇ・・・こなた?」 「ん?」 私の背中にしなやかな腕が伸びる。そして私は捕らえられる。初めての心地。 「いつになったら、言ってくれるの?」 夢かうつつか。そんな古文があったな。やっとその言葉の意味を理解する。 「何を?」 「な、何って・・・自分で、考えなさいよ・・・」 ふと見たかがみの顔は、真っ赤。さっきの比じゃない。本当の太陽のよう。 私は、太陽に惹かれた月。だから、静かに光る。 「聞きたい?」 「・・・聞くな。」 太陽があるから月は光る。月は美しく、白く輝く。だから月は太陽を愛でる。 「かがみは私の嫁!だよね?」 「・・・もっとまともに言えないわけ?」 月が沈んで、太陽が出る。太陽は空に映える。月がいたから、太陽は安心して夜を寝る。安心して、青空に映える。 「イヤ?」 「・・・イヤじゃない。」 「良かった。」 「私を嫁って言ったからには・・・淋しくさせたら許さないんだから。」 太陽は月を抱き、月は太陽を愛す。地球は嫉妬するかな? 「ねぇ、かがみ?」 許してね。悪いけど、月は絶対に太陽を手放さないから。ずっと月が月でいるために、太陽が太陽でいるために。 「大好きだよ。」 見上げた夜空に咲く満月。雲はない。この世界を支配する月は白く輝く。 明日の太陽は綺麗だな。
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きつめのホラー表現あり。閲覧注意です。 窓辺からはスズメの鳴き声が聞こえる。 秋晴れの朝、かがみは三日前から下ごしらえをしていたミネストローネスープを煮込んでいた。 今日はこなたが遊びにやって来る日だ。 高校を卒業し地元の国立大学へと進学したものの、新しい環境に馴染めずふさぎ込みがちだったかがみを元気付けたのが、高校からの親友であるこなたであった。 そのこなたが来る。お世辞にも得意とは言いがたい料理の腕前ではあったが、かがみは今の自分にできるせめてものお礼をとこなたを夕食に誘ったのだ。 台所には、さすがに三日も煮込んだだけのことはあって、舌にのせただけでとろけてしまいそうな肉の香ばしい匂いが漂っている。 こなたは美味しいと言ってくれるだろうか。かがみは頬が自然と緩むのを感じた。 そう、こうやってかがみが笑顔を見せるようになったのもこなたのおかげである。 かがみにとっての大学は苦行の場であった。誰からも気にかけられず、家族以外とは会話のない毎日。 だんだんふさぎこみがちになり、ついには一歩も家から出ることがなくなっていった。 そんな姉の様子を心配したつかさは、共通の友人であるこなたに相談していたのである。 こなたは「ツンデレじゃないかがみんはかがみんやないんや……」と言って、ちょくちょく木冬家を訪れるようになった。 最初のうちこそかがみも迷惑そうにしてはいたものの、少しずつではあったが昔のようにうちとけ、ついには笑顔も見せるようになっていった。 そしてかがみが大学へ復学したのがつい一週間前のことである。 三日前にこなたが遊びに来たおり、かがみは夕食に誘った。 こなたは「うっ……つかさの料理の方が……」と最初は言っていたものの、 かつてのような明るさを取り戻したかがみの様子が嬉しかったのか、「じゃあご馳走になるよ」と快諾してくれた。 そんなこなたの様子を思い出しながら、かがみは下ごしらえをしたのだ。自分を再び大学へと引き戻してくれたこなたには、 今までに食べたこともないような美味しい料理を味わってもらおうと思って。 そろそろいい頃合いだろうか。かがみは読んでいたライトノベルをテーブルへ置くと、椅子から立ち上がり目の前の鍋から味見をする。 「……お姉ちゃんおはよう。何か変なにお……」 そう言いながら台所へと入ってきたつかさは顔を真っ青にして硬直した。 「おはようって、つかさ。もうお昼だぞ」 そう言ったかがみの口内は赤黒く染まり、歯の隙間には何本もの長いブルーの糸のようなものが挟まり、それは床まで垂れ下がっていた……。
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『問い』~かがみ~ 最近アイツのことが気になってしょうがない。 アイツとはいつも私の近くで私に迷惑ばかりかけるこなたのことだ。 最近は寝てもさめてもこなたのことばかり考えている。 確かにあいつのインパクトは凄まじい。 だが、最近は違う。 本を読んでいても、 何をしていても、 頭の片隅にはいつもこなたがいる。 なんなんだろう・・・この気持ち・・・ ・・・考えていてもしょうがない。 少なくても今考えててもしょうがない。 明日考えよう。 そう思っていたとき、携帯がなった。 こなたからだ。 「やふーかがみん」 「ん?どうした?こなた」 「いやぁ。明日日曜日だからうちで遊ばない?」 「いいね~私もどうせ暇だったし」 こなたに会えるし。 「じゃあ明日つかさを連れてそっちに行くよ」 「分かった~」 そうして会話が終わる。 携帯を机の上において思う。 「今日は会話が短かったな・・・」 別に寂しいとかそんなこと思ってるわけじゃないけれど、 ・・・とにかくもう12時だ。 いつもなら買ってきたばかりのラノベとか呼んでいるが、 そんな気分ではない。 明日はこなたの家に行くわけだから今日はもう寝よう・・・ 日曜日 何故か早く目が覚めた私は、 いつもより早く朝食を済ませ、 こなたの家へ行く準備を始めた。 ・・・あ。つかさも一緒に行くんだった。呼んでこよう。 「つかさ~」 「Zzz・・・」 寝てるし・・・ 「つかさ~」 反応が無い 「つかさっ!」 「はうっ!?」 「起きなよ。もう9時だよ」 「ごめんごめん」 「今日はこなたの家に行くんだから少しは早く起きるとかしなさいよ」 「はーい」 少し気が抜けている部分もあるが一応人の話はきちんと聞いている。 「ねぇお姉ちゃん」 「ん?」 「いや。なんでもない。」 ・・・なんだったんだろう。 そんなこんなで準備を済ませ、 こなたの家へ行った。 「やぁ。いらっしゃい。かがみちゃん、つかさちゃん」 やはりおじさんがいた。 「お邪魔します」 「こなたは自分の部屋にいると思うよ」 「分かりました」 そしてこなたの部屋 「こなた」 「・・・」 「こなた」 「・・・」 「こなたってば!」 「ふぇ?」 「『ふぇ?』じゃないわよ!」 「あれ?かがみ?つかさ?なんでいるの?」 「あんたが呼んだんでしょ?」 「・・・あぁ」 「まさか、忘れてたわけじゃないわよね?」 「ごめん。すっかり忘れてた」 自分で呼んでおいてそれはないだろ・・・ 「あのなぁ・・・」 「まぁ思い出したんだからいいじゃん♪」 相変わらずのんきである。 「普通覚えておくだろう・・・というか一晩で忘れるな」 「相変わらずかがみんはきびしいなぁ~」 「とにかく何して遊ぶつもりなの?」 「あぁちょっと皆でゲームをとね」 「まぁあんたのことだからそんなことだろうと思ったけど」 つかさが空気なのだが、とりあえずゲーム機を用意する。 その間沈黙が続く。 「それにしてもこなちゃんとお姉ちゃん仲いいよねぇ~」 空気がその沈黙を破った。 確かに私とこなたは仲がいいかもしれない。それで言ってしまったのだ。 「まあ、そうかもね」 横でなぜかこなたが微妙な反応をしている。 何か私変なこと言ったか? それから少しして・・・ 「ねぇこなちゃん」 「ん~?」 「好きな人とかいるの?」 ・・・気になる。 友達として? なんでだろう・・・ それで言った。 「あ~、私も気になるわね。」 少し沈黙ができる。 そしてこなたは語りだした。 「ん~好きなのかどうかは分からないけれど・・・ なんだか気になる人はいるんだよ。 その人と一緒にいるとなんか安心するんだけど、 でも何でか分からないけど少し・・・なんというか なんか胸が締め付けられるというか・・・ ドキドキするんだよね・・・」 ・・・こなたがそんなことを思っているとは・・・ 「ふぅ~ん」 つかさがそう答えて、続きを言った。 「こなちゃん」 「ん?」 「それは『恋』だよ。」 「・・・」 こなたに・・・好きな人が・・・ ・・・まあよく考えれば当然なことだ。 あんなオタクだが、あれでも年頃の女の子なんだからね。 でも、 なんだか悔しい。 「それで?」 「ん?」 「誰なの?」 「い・・・言えないよ~」 その後、私は何故か黙ってしまった。 反対につかさがおしゃべりになっていた。 その後家へ帰った後、自室のベットの上で ずっと今日のことを考えていた。 こなたに・・・好きな人が・・・ 悔しい。 そんなことを考えていると、 つかさが部屋にやってきた。 「お姉ちゃんどうしたの?」 「なんでもないわよ」 「お姉ちゃん」 「ん?」 「お姉ちゃんにもいるんだね」 「何が?」 「好きな人が」 ・・・え? 「・・・なんで?」 「だってお姉ちゃん昨日からなんだか変だったよ?」 昨日のこと見ていたのか・・・ 「そしてこなちゃんの家でさ好きな人の話になった後 お姉ちゃんなんだか落ち込んでたじゃん」 ・・・分かっていたのか・・・ 「まあがんばってよ~応援してるからb」 そういい残してつかさは部屋に戻っていった。 ・・・がんばるって何を? 告白する? こなたに? 笑われるに決まっている。 ・・・でも しないよりマシかな・・・ でも・・・ 迷惑かな・・・? だってあいつには好きな人が・・・ でもあいつに告白しなきゃ答えが出ない。 告白しよう そう決意し、私は眠りについた。 こなたに告白した時のこなたの答え。 それが私の心に対する問いの答えだから・・・ 『答え』~かがみ~へ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-04-03 13 01 17)
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……あったかい……。 ふにふにでぽよぽよでマシュマロみたいな感触。低反発まくらってこんな感じなのかな。 でも、うちにそんなのあったっけ…? ……ま、いいか。きもちいいし。 覚醒しきっていない頭でそう結論付け、私はまくらをさっきよりも強い力で抱きしめた。 「んーーーーー」 と、瞬間まくらが苦しげな声をだした。 …私の知ってるまくらは喋らないはずだ。 薄目を開けて確認すると、目の前いっぱいに青が広がっていた。 …ああ、こなたか。どうやら昨日抱きまくらにして眠ってしまったらしい。 お互いの部屋に泊まった時はたまにあることだから、それほど驚きもせず、未だ焦点が 合わないまま視線を下ろす。 「ほああぁああぁあああっ!!??」 叫んだ途端、脳内で鐘をつかれたような衝撃が襲って来て私は頭を押さえた。 うう、痛い。なんでこんなに頭が痛むんだろう? 「むーーかがみうるさぁい…」 私の叫び声で目を覚ましたらしいこなたが、不機嫌そうな表情で起き上がる。 ………………ぜんらで。 待て待て待て待て!!! 落ち着け私ッ!! 手の平に三回『人』の文字を書いて飲み込む。 正面に居たこなたが、それって緊張を取るやつじゃなかったっけ? とか言ったけど、ええい知るか!!! あらためて周りを見ると下着やらスカートやらが散乱していて。 もちろん私も一糸纏わぬ姿だった。 こなたとはもうずいぶん前に恋人同士になって、……その、することもしてるわけだから 驚く必要はない、と言われるかも知れないけど、過程を全く覚えていないとなれば話は別だ。 深呼吸をして昨日のことを回想する。 ええと…確か成人式に出席して…みゆきとは久しぶりに会った。 で、大人になったんだと実感したくてここの近くにある居酒屋に入って……入って……? 無い。ゼロ。皆無。二杯目を飲んで、から揚げを頼んだところで記憶は途切れている。 こめかみを押さえて五分程粘ってみたけれど無駄だった。 「………こなた………私、昨日、何した…?」 「なんでそんなカタコトなのさ。…でもやっぱり覚えてないんだ」 今まで楽しそうに私の様子を見ていたこなたがニヤリと笑う。目がキランと 効果音付きで怪しく光った気がした。 ごくり、と唾液を飲み込む。記憶がないのがこんなに恐ろしいことだとは思わなかった。 「いやあ、昨日かがみってば激しかったねー。自分からおねだりとかしちゃってさー」 さああああああああ、と音を立てて血が下がって、冷や汗が頬を伝ったのが解った。 おね………!? 何をヤッ……もとい、やったんだ私。 「お酒が入るとあんなに積極的になるなんて思わなかったよ。キスだって………」 朝から放送禁止用語を連発するこなたを尻目に、私は布団に突っ伏していた。 もちろん心の中ではこなたに教育的指導をしてやりたい気持ちでいっぱいだ。 だけど、言葉に物理的な力があるなら私はK.O寸前。ラン〇エダ戦の某ボクサー。 ……これは古いか。 つまり、止めて!私のHPはもうとっくにゼロよ!!状態。……いっそ殺してくれ。 はしたない自分を想像して打ちひしがれていると、一つの光景が脳裏に浮かんで来た。 「……こなた……」 「んー?」 「あんたの言ったこと全然してないじゃないっ!」 ああ、また頭痛がする。ようやく解った、これが二日酔いってやつか。 「あれ?かがみ思い出したの?」 「思い出したわよっ全部!!」 徐々に、ではあったけれど確実に失われていた記憶が戻って来た。 黒歴史になりそうなのもあるんだけどね…! 「で、なんで服脱いでるわけ?……あんたまさか寝てる間に……」 「心外ですな。さすがにそこまではしないって」 あくびを一つしたこなたが、さっきとは打って変わって不満げな顔になる。 「思い出したんなら解るでしょ? 自分から誘うようなこと言っといて、 あんな中途半端なとこで寝ちゃってさ。 おかげで寝付けないし、当の本人は 気持ちよさそーに寝てるし」 だからちょっとした意趣返し。そう言ってにやっと笑う。 「驚いたでしょ」 「当たり前だ!!…もう!二度とこんなことしないでよ!」 顔に熱が集中するのをごまかすように強い調子で言う。 「むぅ、昨日のデレデレかがみんは今いずこ…。好きだからして、とK…」 「わーーーーーー!!」 頭痛? そんなの関係ねえ!! とあらん限りの声で叫ぶ。 「まあ…でも私としては、しらふの時に聞きたかったんだよネ」 するりと、猫みたいに体を滑らせ私の前まで来たと思ったら両手首を上に持ち上げられ、 そのまま重心が傾いていく。 今まで目線の先にはソファーやらテレビがあったはずなのに、天井が見えるようになった。 ………あれ? 「とりあえず、今からかがみが言いたくなるようなことをしてみようかと」 「な、に言って…!」 「んー?愛してるとか」 ああああ!死にたくなるほど恥ずかしい。 昨日の私を抹殺したい。机の引き出しを開けたら、青いタヌキとかいないかしら。 ってそうじゃなくて!! したくなるようなことってなんだ!! 「学校、あるし…!」 「一日ぐらい大丈夫だって。それにこんな格好で私が諦めるまで逃げ切れると思う?」 ………忘れてた。 最初から今までの私たちの格好。というかそうしたのはお前じゃないか、という ツッコミは唇に塞がれ、声にならずに消えた。 触れるだけの軽いキスをしたこなたが猫口で笑う。 「…さあ、覚悟決めてね?かがみん♪」 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-20 14 58 25) ツンなかがみん萌え~ -- チョココロネ (2013-11-15 22 25 25) はい覚悟決めます! -- かがみんラブ (2012-09-25 23 34 19) こなたガンバレ -- 白夜 (2009-10-21 07 17 24) Nice萌えwこのコントみたいなやりとりが楽しいw -- 名無しさん (2008-06-20 18 58 06) 青いタヌキw朝から襲われる記憶のないかがみん乙w -- 名無しさん (2008-06-12 04 44 29)