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皆さん、どうも泉かなたです。 今日は、そう君が取材旅行でいなくて、ゆたかちゃんもお泊り会。家にはこなた一人だけになると言うので、心配で様子を見に来ちゃいました。 いくつになっても娘は娘。やっぱりお家に一人だけ、というのは心配になります。 皆さんも、お子さんを持てば分かるかもしれませんね。 と、そんな事を言っている間に、懐かしい我が家が見えて来ました。 まだ、こなたは帰ってきてないのかしら?鍵がかかってるわ。 「こなた、重いようだったら、私がそっちを持つわよ?」 「いやいや、コレくらい。いつも買ってるグッズの方が重いぐらいだからね」 「ああ、そうですか……やれやれ」 あ、帰ってきたみたい。一緒にいるのは……お友達のかがみちゃんね。 「ただいま~」 「おじゃましま~す」 「……って言っても、今日は誰もいないけどね」 「まったく、もうちょっと早く言ってくれれば、色々用意したのに」 「私は、かがみが泊まりに来てくれるだけで嬉しいよ」 「バッ、バカッ……急に何言ってるのよ」 「ツンデレ萌え~」 「……もうっ」 どうやら、一人になったこなたを心配して、かがみちゃんがお泊りに来てくれてるみたいね。 良い友達を持ったわね、こなた。 「で、こんなに材料を買い込んだわけだけど、一体晩御飯に何を作るつもりなのよ?」 「ん?みんな大好き、チキンカレーだよ」 「って、二人分にしては量が多くないか?」 「明日までゆーちゃんもお父さんも帰ってこないからね。カレーを溜めておいて作る手間を省こうと」 「また、一日で腐らせたりしないでよね……」 そ、そんなことがあったの……。 トントントン……。 包丁で野菜を切る小気味いい音が台所に響いています。 包丁を握っているのはこなた。親バカと思われるかもしれませんが、随分と手際がいいです。 やっぱり、私がいなくなって、苦労したのかしら……。 「あ、かがみ。ちょっと変わってくれる?」 「へ?どうしたの」 「いやぁ、そろそろアニメの時間だから、録画してこないと」 「予約とかはしなかったのね?珍しい」 「朝ちょっとバタバタしてたからね。後、肉切るだけでいいから」 「了解」 バタバタと慌てて駆けていくこなた。そういう所、本当にそう君そっくりね。 趣味は似ないようにって、あんなにお祈りしたのに……。 「よしっ、やるか」 かがみちゃんが包丁を持って、やる気満々です。でも、心なしか手つきが危ないような……。 「……あれ?、上手く切れない。こうかしら?えいっ!」 あぁっ、そんな事をすると……。 「あ、形が崩れちゃった」 やっぱり。もしかして、お料理、苦手なのかしら? 「かがみ、そうじゃなくて、こうだよ」 「こなた……?」 戻ってきたこなたがかがみちゃんの手を持って、一緒に包丁を動かしてあげています。 うふふ、なんだか微笑ましいですね。子どもに料理を教えるお母さん、そんな感じです。 料理を教える……か。 「……痛っ!」 「か、かがみ!」 あっ、刃を滑らせたかがみちゃんが指を切ってしまいました。 「ちょっと待って……パクッ」 「な、なななな……あ、わ、私のゆ、指をくわえて、何してるのよっ!」 「ひょーどく……ぷはぁっ。お父さんもお母さんによくしてあげてたんだって」 !?!?!?な、ななななななななな、何を言っているんでしょう、この子は!? えっと、ち、違うんですよ?あ、いえ、違いませんけど……と、とにかく、このシーンはカットです。 「うん、いい感じで煮詰まってきたわね。こなたー、お皿出しといてくれる?」 ちょっと時間が経って、今はかがみちゃんがお鍋の番をしています。焦がさないか不安でしたけど、要らぬ心配でしたね。 こなたの様子を見に行きましょう。 「えーっと、お皿お皿っと……うぁっ!あんなに高いところに」 あ~、ちょっとこなたの身長では届きそうに無いですね。 私に背は似ませんようにってあんなにお祈りしたのに……。 「もう、お父さんに片付け頼むとこれだよ。ん~……」 背伸びして、食器棚に手を伸ばすこなた、ですが、足元がふらついています。 無理しないでね、こなた……何も出来ないのが歯痒い。 「んぉ~……あと少しぃ――って、わぁっ!」 こなたっ!! 「――はい、大丈夫か?」 「あ、かがみ……?」 「もう、届かないんだったら、無理しないの。後は私がやるから、こなたはお鍋見てきて」 ホッ……こなたが倒れる寸前、後ろからかがみちゃんが支えてくれました。ありがとう、かがみちゃん。 それにしても、この二人、結構身長差があるんですね。こなたはかがみちゃんにスッポリ包まれてる状態です。 「あ、ありがとね。かがみ」 「いいっていいって。じゃ、お鍋頼んだわよ」 「……うん」 こなたはそう言ってお鍋の前に立ちましたけど、なんでしょう?顔が赤いです。湯気のせいかしら。 「……かがみ、温かかった」 「いただきまぁす」 「いただきます」 なんとか無事にチキンカレーも完成して、二人は今、食卓を囲んでいます。 私も、昔はよくそう君に作ってあげましたっけ、チキンカレー。ふふっ、懐かしいです。 あら?どうしたんでしょう。かがみちゃん、さっきから全然お箸(スプーン)が進んでいませんね。チキンカレー、嫌いなのかしら? 「むぐむぐ……かがみ、どったの?」 「へ?い、いや……別に」 「はっは~ん、さてはまたダイエットですな?」 「ち、違うわよっ!ただ、おいしく出来たかなって」 「な~んだ、そんなこと?おいしいに決まってるじゃん。私と、かがみで作ったんだからさ」 「……そんな事言うなんて、ずるいわよ」 今度は、かがみちゃんが真っ赤です。照れ屋さんなのかしら。俯いちゃって、肩も小刻みに震えています。 「むふふ~?照れたな」 「う、うるさい! ……でも」 「?」 「ありがとね、こなた」 そう言って顔を上げたかがみちゃん。上気した頬に浮かんでいるのは、笑顔。 よっぽどこなたにおいしいって言ってもらえたのが嬉しかったのね。見ているこっちがハッとするような笑顔。 「……」 あら?またこなたの顔が赤くなってますね。外は寒いし、風邪かしら?心配です。 あ、こなたの手から、スプーンが―― 「こなた?スプーン、落としたわよ?」 「え?あ、あぁっ!」 「どうしたのよ、突然ボーっとして、風邪?熱測るから、動かないで」 そう言って、かがみちゃんはこなたの額に自分の額をくっつけました。 「!!!」 また、こなたの顔が赤くなって……本当に大丈夫かしら? 「曖昧3センチ~♪」 「お風呂で鼻歌って、どんだけよ……」 更に時間が経って、今、二人は一緒にお風呂に入っています。 我が家のお風呂は、そんなに大きくないのに。こなたの方からかがみちゃんを誘ったみたい。 よっぽど、かがみちゃんと一緒にいたいのね。 「それにしても、あんたってホント髪長いわね」 「え~っ?かがみだって長いじゃん」 「私はあんた程じゃないわよ。洗うの大変じゃない?」 「う~ん、まぁ、少しね」 「良かったら、私が洗ってあげるわよ」 「えぇっ!?べ、べつにいいよ……」 「遠慮しなくていいから」 こなた、折角のご好意なんだから、甘えてみたらどうかしら?ここまでしてくれる子は中々いないわよ。 「う~……かがみがそこまで言うなら」 「はい決まり。じゃ、後ろ向いて」 こなたの髪を洗うかがみちゃん、なんだか手慣れてます。 こうやって、誰かの髪を洗ってあげることがあるのかしら?妹さんとか。 「へぇ、意外ときちんと手入れしてあるじゃない」 「そ、そう……?」 こなたの顔がまた赤いですね。風邪ではないみたいだけれど、本当にどうしたのかしら? なんだか、モジモジしているし。 「後ろ終わり。じゃ、前も洗うから、こっち向いて」 「! ま、前はいいよ、自分でやるから……」 「何よ、今更照れたりするような仲じゃないでしょ。海ではみんなでお風呂は入ったんだから」 「い、いいってば!」 こ、こなた、そんなに暴れるとかがみちゃんが……あ! 「――きゃあっ」 「――うわっ!」 あ~……こなたが暴れたせいでかがみちゃんがバランスを崩して、二人とも倒れちゃいました。 かがみちゃんが下敷きになって、こなたがその上に跨っている状態。 こなたの身長の関係で、かがみちゃんの胸の辺りに頭をかぶせちゃってる。 二人とも、大丈夫かしら? 「いたた……かがみ、ゴメン。大丈夫だ――」 「……こなた?」 「……」 「こなた?大丈夫?」 「え?あ、うん」 「その……くすぐったいんだけど」 「! ゴ、ゴゴゴゴメン」 「い、いや、そこまで謝らなくてもいいんだけど」 かがみちゃんの上から降りるこなた。慌てるとまた転びますよ。 もう、ちゃんと後で謝っておきなさい。かがみちゃんも、ごめんなさいね。 ふう、お風呂で一騒動あって、ちょっと大変でしたけれど。 お風呂から上がった二人は、もう、寝ることにしたみたいですね。 こなたはネットゲームをやろうとしたみたいですけど、かがみちゃんの、 「明日も学校なんだから早く寝なさい」 の一言で、就寝決定です。 本当にありがとう、かがみちゃん。本来ならこういうことは親の役目なんですけどね。 そう君だったら、きっとこなたと一緒になって夜更かしをしてたんじゃないかしら。 そのかがみちゃんは今、こなたの部屋でこなたが来るのを待っています。 こなたは家の戸締りで、まだ下にいますからね。 折角ですから、この機会にかがみちゃんをじっくりと観察することにしましょう。 よく見ると、かなり可愛い顔立ちをしています。 瞳はちょっと吊り上ってきつい印象を受けますが、よく見ると、瞳の中にある優しさを見ることができます。 さっきまでの様子からも、かなり面倒見がいいことも分かりますしね。 こなたも、かがみちゃんの傍だと安心できるんじゃないかしら。 「かがみお待たせ~」 あ、こなたが上って来ました。 「こなた、私の布団が無いんだけど?」 あら、そう言えば、どこにもかがみちゃんの布団が引いてありませんね。どうするのかしら。 「……えっと、かがみと一緒に、寝ようと思って」 「え?」 え? 「いや、なんて言うかさ、最近寒いじゃん?だから、一緒のほうが温かいかな……ダメ?」 こなた……口ではああ言ってますけど、私には、分かります。 本当は、夜、一人で寂しかったのね、こなた。 かがみちゃんもそれを分かってるのでしょう。驚いた顔は一瞬で、 「……分かったわよ」 そう、答えてくれました。 「かがみ……」 「そ、その代わり、寝ぼけて私を蹴ったりしないでよ!」 「うん!ヤター、かがみと一緒だ!」 「コ、コラ、はしゃいでないで、もう電気消すわよ」 「は~い」 こなたとかがみちゃんは一緒にベッドに入ると、リモコン操作で電気を消しました。世の中、便利になりましたね。 真っ暗……夜って、ここはこんなに暗かったのね。 「くふふぅ、かがみ~♪」 「ちょ、抱きついてくるなって」 「えぇ~?いいじゃん減るもんじゃないし」 「あ~、もう!しょうがないわね」 「かがみ……」 「……何よ?」 「……お母さん……」 「こなた? ……何だ、寝ちゃったのか。まったく、普段が夜更かししすぎなのよ」 かがみちゃんはこなたの髪を優しく撫でると、抱きしめる腕に力を込めて、ゆっくりと、こなたと呼吸を合わせ始めました。 こなた……あなたが今、友達の腕の中で幸せなのは分かります。 母としてしてあげられる事はほとんど無かったけれど、あなたの幸せが続くよう、これからも見守り続けますね。 おやすみなさい。こなた。そして、かがみちゃん、これからもこなたを、よろしくお願いします。 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-24 10 51 47) GJ!! -- 名無しさん (2014-08-16 02 08 59) 幸せだな…(*´∀`*) -- 名無しさん (2012-11-13 12 29 23) かなたさんやさし〜! -- かがみんラブ (2012-09-15 14 51 22) 見てて和みました(´_ゝ`) -- なお丸 (2012-05-08 04 03 23) かなたさん平和すぎる(*´ω`*) -- 名無しさん (2010-05-31 19 50 44) 心が和むわぁ〜 -- 名無し (2010-03-29 13 07 45) 温かい…(・ω・) -- 名無しさん (2010-01-30 19 27 36) かなたさんの語りがとてもいい -- 名無しさん (2009-08-25 07 51 10) 萌えたWW -- 名無しさん (2008-08-13 23 34 01) 一緒に料理、お風呂、おねんね…こういうの萌えるわw -- 名無しさん (2007-12-28 20 39 14)
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お風呂で火照った体に、扇風機の風が心地よい。 窓からは、徐々に秋へと移り変わっていく涼風。 それでも、こなたの部屋は暑かった。 二つずつ向かい合うように並んだ四つの布団の一つに、座り込む。 今、この部屋には誰もいない。 かといって、もうあんな危険を冒すようなことをしようなんて思わなかった。 こなたは、男となんてメールしていない。 受信ボックスを隅から隅まで見たわけじゃないけど、多分そうだ。 そもそも、こなたが男とメールするなんて考えられない。 相当失礼だけど、普段のこなたを見ているとそう考えるのが普通だ。 でも、でももし、私の知らないこなたがいるのだとしたら……。 何も学校内だけとは限らない。 ……コスプレ喫茶。 あのこなたが可愛い格好をして接客しているのだから、何人もの男がアプローチをしていても全くおかしくない。 いや、こなたがそんな奴等に振り向くわけがない。 考えすぎだ。忘れよう。 あれから。 あれから、みんなでいつも通りの会話をしたり、ゲームをしたり、色々と楽しかった。 時間はすでに十一時半を回っている。 微かな空虚感を覚えた。祭りの後の空しさのような、そんな感じだ。 「ふ~。あ、お姉ちゃん。いたんだ」 振り向くと、ドアの前につかさがいた。 つかさも私の前にお風呂に入ったので、頭が僅かに上気している。 そういえば、前にこなたの家に泊まった時、つかさと髪型を入れ替えたんだっけ。 ふと、そんな昔のことが頭に浮かんできた。 二度ネタになるから、またやろうとは思わないけど。 ……あれから、もう一年か。 去年は、どんな気持ちでこの家に泊まったんだろうか。 今となっては、もう分からない。 去年と今では、確実に何かが違っているから。 「そういえば、こなたとみゆきは?」 「こなちゃんは今お風呂に入ってるよ~。ゆきちゃんは、戸締りするって」 「普通逆じゃないのか、それは……」 昔と今で、何が変わってるんだろう。 考えたけど、答えは見つからなかった。 ● しばらくして、こなたとみゆきが一緒に部屋に戻ってきた。 それからもう遅いから寝ようということで、四人で布団に入って、電気を消した。 こなたもベッドを使えばいいのに、態々布団を敷いてその中に入っている。 律儀なのか、そっちの方が楽しいのか。多分後者だろう。 豆電球の明かりのみとなった部屋の中、全員で円を描くように顔を寄せ集めた。 修学旅行みたいだな。 ふと、そう思った。 「じゃあ、みんなで泊まる夜だし、恒例の本音トークでもしますか」 「え~? なにそれ~」 「皆で隠し事をせずに本当のことを言い合うんだよ。修学旅行のときやらなかった?」 「あー、やったやった~」 「修学旅行の夜は、誰しもテンションが上がって大胆になりますからね」 そういえば、こなたは今までの学校生活をどうやって過ごしてきたんだろう。 親しい友達はいたのかな。一人いたっていうのは聞いたけど……。 もしかしたら、修学旅行のときも独りだったのかもしれない。 ……こなた……。 いや、そんな何の確証もない過去のことなんて関係ない。 私たちと過ごすこの日々が。 今が、こなたにとって一番幸せな時間でありさえすれば。 自信はないけど、そうであって欲しい。 こなたの楽しそうな笑顔を見て、強く、そう思った。 だからこそ、押し殺してひっそりと処分したいものもある。 そこまで考えていると、 不意にこなたの声が聞こえてきた。 「うーん、ベタだけど、まずは恋話で行ってみようかー!」 ……はあ? ● 「じゃあ、一番気になる大本命は置いといて、まずはみゆきさん!」 「は、はい」 「みゆきさんは、好きな人いる?」 大本命って何なのよ。私のことか? 「わ、私は、特にそういう人は……」 「えー? 本当? 本音で答えてよー」 「ゆきちゃん、嘘は駄目だよ~」 「いえ、嘘というわけではなくて、本当にいないんですよ……」 「あー、そうかー。大体分かってたんだけどね。じゃあ、次はつかさ! いい話期待してるよー」 「え~、私も好きな人とかいないよ~」 壁として並んでいた会話が、凄い速さで壊されていく。 落ち着け落ち着け落ち着け……。 平静を装わないと。 心臓の鼓動が早くなってくる。 体が熱くなっているのは、お風呂上りで布団に入っているからだろうか。 とにかく、簡単なことだ。 ただこう言えばいいだけ。 ――私も好きな人なんていないわよ……って。 こなたが食いついてくるかもしれないけど、そこはうまく誤魔化すんだ。 いないの一点張りで。悟られないように。 「う~ん、やっぱり予想通りかー。よく考えたら、私たちの中でそういうのがありそうなのって……」 こなたがにやにやとこちらを見てくる。動揺しないように。平常心を保って。 「かがみは好きな人いるの?」 ――来た。 自分が何に怯えて、何を隠そうとしているのか。 多分分かってるんだろうけど、今は押し殺そう。 ●●● かがみはいるにしてもいないにしても、絶対いないって言う。 でも、かがみは嘘をつくときどうしても動作に現れる。 言葉に詰まったり、目をきょろきょろと動かしたり、視線をそらしたり、必要以上に強く否定したり。 もう長い付き合いだもん。これくらい分かって当然だよ、かがみ。 かがみから目を離さないように、じっと見つめる。 かがみは視線を左上に向けて、少し口をもごもごさせて、 「わ、私も好きな人なんて、い、いないわよ……」 あー、かがみは正直だな。それとも天邪鬼っていうのかな。 ――かがみの好きな人って誰なんだろう。 「かがみ、これは本音トークだよ。ちゃんとほんとのこと言わないと」 「な、ほ、ほんとだって。好きな人なんているわけないじゃない!」 「かがみ、隠してるつもりかもしれないけど、もうばればれだよ」 「え、何で、え、や、何、あ、わ、ななな……」 すごい動揺だな。自分で好きな人がいるって言ってるようなものだよ。 「かがみの好きな人って、誰なの?」 「そ、それは、その……」 かがみは顔を赤く染めて、私から顔を背けようとする。 もう好きな人がいるって言うのは確定だな。 顔が自然とにやついてくる。 誰なんだろうなー。突き止めたいなー。 かがみは何か言いたそうで、でもそれは言葉になっていなかった。 「お姉ちゃん、もしかして、本当に好きな人いるの?」 「い、いや、その……」 「それは気になりますね」 「だ、だからそんなんじゃ……」 「かがみ~ん、正直に言った方が楽だよ~」 もうかがみの顔はりんごのように真っ赤で、いつ頭から蒸気が吹いてもおかしくない状態だった。 顔を枕にぎゅっと押し込んで、上目使いで私たちを見回している。 まるで怯えている子犬のようだ。 可愛いなあ~。かがみは子犬っていうのもありかな? 「も、もうその話はやめてよ。なんでもいいじゃない」 ある意味好きな人はいるって認めてるともとれるけど、相当焦ってるんだろうな。 「お姉ちゃん、教えてくれたっていいじゃない。私たち、応援してあげるからさ~」 「言いたいことが言えないというのは、体に悪いですよ」 「誰なのさー。教えてよー」 「だ、誰だって関係ないじゃない! ほっといてよ」 そう言ってかがみは布団の中に潜り込んでしまった。 ……どんどん墓穴を掘ってるなあ。 でも、ちょっとやりすぎちゃったかな。 あの中で、かがみはどんな表情をしてるんだろう。どんな気持ちでいるんだろう。 ――そうだ。 ゆっくりと、かがみの布団の前まで這っていく。 つかさとみゆきさんに人差し指を立てて、喋らないように合図を送る。 布団の端っこから、するすると中に入り込んだ。 頭が何かに触れる。 かがみの足かな? その上に馬乗りになって、顔の方へと進んでいった。 「……な、ちょ、こなた?」 かがみが体を左右に揺らして私を振り落とそうとする。 でも抱きついて我慢だ。 薄暗くて、まだ目が慣れていない布団の中、かがみの体温が服越しに伝わってくる。 相変わらず枕に顔をうずめて、俯いているかがみの後頭部が目に入った。 必死に布団の端を掴んでいる。あ~、愛らしいなぁ……。 後ろから、かがみの首に両手を回す。 「か~がみん」 「や、やめてよ。離れなさいってば!」 「いや~、さっきはちょっと調子に乗っちゃったかなって。かがみはいじりがいがあるっていうか」 「な、何よそれ」 「だってかがみの反応見てると、本当に可愛いんだよ~」 「ば、馬鹿! 何言ってるのよ……」 「うんうん、それだよ~」 かがみの顔を横から覗き込む。 よく見えないけど、たぶん予想通りになってるだろうな。 見ても分かんないから、肌で感じてみよう。 かがみの頬に、自分の頬をくっつける。 柔らかくて、熱い感触。 ふにゃふにゃしてて気持ちいいなぁ~。 「ちょ、な、何するのよこなた!」 急にかがみが顔を上げる。 あー、照れてる照れてる。 「それで、かがみん」 一息。 しつこいなと思うけど、やっぱり気になる。 「好きな人って、誰なの?」 「ま、まだその話なの? もういい加減にしてよ。誰だっていいじゃない……」 やっぱり簡単には言ってくれないかー。 でも、なんとしてでもかがみの口から言わせたい。 これくらいじゃ、諦めないよ。 かがみの耳に、そっと息を吹きかける。 「ひゃっ!」 かがみはこそばゆさに耐え切れないのか、何度も背中を揺らした。 効果は抜群だ。やっぱりこういうのには弱いのかな? 本当にかがみは……。 今度はかがみの耳たぶを甘噛みしてみた。 おもちみたいに柔らかくて、溶けそうで、食べてみたいな、なんて変なことが、一瞬頭に浮かんだ。 「くっ、や……」 かがみは肘を上げたり、体を揺らしたり、凄い力で私を引き剥がそうとする。 でも、ぴったりかがみにくっついてるから、そんなのじゃ落ちないよ。 「ほらほら、早く好きな人言わないと、もっと色々やっちゃうよー」 「そ、それは……でも……」 むー。まだ駄目か。どうしようかな。 両手を離して、腰の方まで後退する。 これをしたら、かがみはどんな反応をするだろう。 想像するだけで、顔が自然とにやついてくる。 でも、早く言ってくれないのがいけないんだからね。 服の中に手を突っ込む。 かがみの肌は相当に火照っていた。冷や汗までかいている。 やっぱりやりすぎちゃったかな。でも……。 両手の指の一本一本で、撫でるように、かがみの脇腹に触れる。 「ひゃっ、く、くすぐったいってば! やめなさいよ」 「わははは、かがみん! もはや、のがれることはできんぞ」 そのまま指で背中を上るように這わせていく。 「ふっ、ひっ、うぅ……」 かがみの体が小刻みに震え始めた。 「かがみが好きな人を言ってくれるまで、やめないよ」 「だ、だから、それは、言、えないっ、て……」 かがみも相当強情だな~。私たちに言えないような人を好きになったのかな? ますます知りたくなったよ。 左手でうなじの辺りをくすぐる。 「や、やめ、やめてって。もういいでしょ!」 体を激しく動かして抵抗してきた。 まだまだいくよー。 落ちないように気をつけながら、体を前に倒して、かがみのうなじを舐めた。 「――っ!」 かがみは声にならない声を出して、全身をびくんと震わせた。 「かがみ~ん、いい加減に本当のことを言いなよ。減るもんでもないんだからさ。それとも、もっとこういうのされたいのかな~?」 「わ……、分かったわよ。言えばいいんでしょ言えば。だから、は、早くやめてよ!」 動きを止めた。 少しの沈黙。ただかがみの洗い息遣いだけが聞こえてくる。 「言ったね! 約束だよ。絶対に好きな人が誰か告白するって」 「う、うん……」 かがみから降りて、布団から出る。 「こなちゃん、一体中で何やってたの?」 「かがみさんの悲鳴も筒抜けでしたよ」 「うーん、ちょっと色々といたずらをね」 ていうか、すっかり二人の存在を忘れてたよ……。 呆気にとられたような顔をしている二人に、とりあえずVサインを送る。 誰なんだろうな。誰なんだろうな。 気になりすぎるのか、好奇心が限界を超えたのか、胸の動悸がすごく早くなってきた。 しばらく待っていると、かがみが布団から顔だけを出した。 頭に乗った布団を両手で下に引っ張って、出来るだけ小さくなろうとしている。 「かがみー。じゃあ、みんなの前で言ってみようかー」 「わ、かってるわよ……」 かがみの顔は、イチゴのように赤く赤くなっていた。 ●●● 周りを見ると、こなたとみゆきとつかさが、興味津々といった表情で、こちらを凝視している。 私が喋るのをじっと待ってるんだろう。 あの時は本当に苦しくて、あんなことを言っちゃったけど、今では相当後悔してる。 じっと我慢してればよかったのに。どうしても耐えられなかった。 くすぐったいのもあるけど、こなたに色々されているということ、そのものが。 私の背中に乗って、私の死角から。 頬を擦り付けてきたり、息をかけてきたり、くすぐってきたり。 それから、首とか耳たぶを、舐めてきたり……。 なんだか変な気持ちだった。 やめてもらいたいのか、もっとやって欲しかったのか。 嬉しかったのか、嫌だったのか。 ……今となっては、もう分からないことだけど。 何にしても、何か、大事な何かがおかしくなりそうで、つい条件を飲んでしまった。 私にとって、最悪の条件を。 誰か適当な男子の名前でもあげるか、それとも、本当のことを言うのか……。 でも、こなたと約束したんだから、本当のことを言うしかないかな。 それに嘘をついても、こなたには簡単に見透かされそうな気がする。 だけど、こんな、みんなの前で。 私の好きな人を告白するなんて……。 恥ずかしさに、体が病気にでもなったみたいに熱い。 ……どうしよう……。 誰も何も喋らない。動きもしない。 時が止まったかのように、全てのものが静止している。 口を噤んでいても、全然時間が進まない。 言うしかないのかな。 妹が見てる中、親友が見てる中、 ……好きな人の目の前で。 私がこれを言ったら、どんな反応をするだろうか。 出来れば言いたくなかった。知られたくなかった。 こんなの、おかしいから。 女同士なんて、普通じゃない。絶対に変だ。 言いたくないのに。 幸せになってもらいたいから。 こんな感情、相手に迷惑をかけるだけだから。 それなのに、全然気づかないで、私に好きな人を言わせようとして……。 なんで、分かってくれないんだろ。いや、分かってくれない方がいいのかな。 「かがみ? 早く言ってよ」 時が動き出した。 もう言うしかない。言って、その後は、もうどうにでもなってしまえ。 あんたが悪いのよ。言いたくなかったのに。このままの状態が続いていけば、それでよかったんだから。 「い、一回しか言わないわよ。わ、私が好きな人は……」 口ってこんなに重かったっけ。 呼吸ってこんなに難しかったっけ。 たった三文字を言うだけ。 それが、本当に難しい。 つかさがじっとこっちを見てくる。みゆきも好奇心に溢れた眼差しを向けてくる。 そして、当のこなたも、わくわくした楽しそうな目でこちらを見つめてくる。 この三文字が。 普段は普通に言ってる三文字が。 今だけは重くて、禁断の呪文のように思えた。 こなた。 こなたこなたこなたこなたこなたこなたこなた。 「―――― ●●● 」 ……えっ? 今、何て言ったの? 聞き取れなかったよ。 いや、分かるけど、分からないって言うのかな。 確かに、かがみは今、はっきりと、 私の名前……。 いつの間にか、かがみは泣いていた。 どういうこと? 全然わかんないよ。 かがみが好きな人が、私? それってうまい逃げ口なの? それとも、本当に私のことが……。 「お、お姉ちゃん、今、何て……」 「本当に、泉さんのことが……」 「そ、そうよ。私は、こなたのことが好き。大好きよ。悪い?」 「い、いえ、そういうわけでは……」 「でもゆきちゃん、それって同性愛なんじゃ……」 かがみは私と目を合わせないようにして、ずっと左上の方を見ている。 もうその顔は、世界中で一番赤いものになってるんじゃないかと思うほど。 それは多分、私も……。 「こなた!」 すごいスピードで、かがみが私の目の前まで来る。 肩を掴まれて、びっくりするほどの力で後ろに押し倒された。 「こなた、ごめんね。こんなこと言われて迷惑かもしれないけど、私、こなたのことがずっと好きだったのよ」 泣きじゃくって、 「本当はこんなこと言いたくなかったのに……。押し殺しておきたかったのに……。こなたのせいなんだからね。こなたがあんなことするから……」 かがみの目から零れ落ちた涙が、私の頬に落ちる。 かがみはこんなに悩んでたのに、私は、無理矢理言わせようと、面白がって色々しちゃって……。 ごめんね、かがみ。謝るのは私の方だよ。 「ごめん、かがみ。そんなこと思ってたなんて、知らなくて……」 でもね、今だから分かるけど、私だって、かがみに好きな人がいるんじゃないかもしれないって、怖かったんだよ。 だから、どうしても聞きたかった……。 多分、今までのことは、全部その為だったんだよ。 私がこの本音トークを始めたのも、もしかしたら、家に泊まらないかって言ったのも。 どうしても、確かめたかったこと。 でも、今では普通に聞いたりは出来なくなっていたこと。 昔はふざけあいながら、言えてたのにな。 いつからだろう。それを言うことに、恥ずかしさというか、ためらいを感じるようになったのは。 ――かがみは、好きな人いるの? 本音トークっていう場じゃないと、そういうのは言えなかったから。 でも、ようやく言えたし、ようやく聞けた。 何なんだろう。 よく分かんない、変な気持ち。 本当に、反応が可愛いだけなのかな。 さっきみたいに、色々いじってたのも。 私にとって、かがみは何なんだろう。 友達かな? それとも親友かな? ……どっちとも、何かが違う気がする。 確かに、かがみは私の親友だけど、それだけじゃないっていうか……。 料理を作るときも、考えていたこと。 あの時は、適当に理由をつけて流してたけど、あれは、逃げてただけだったのかな。 何で好きな人がいるかなんて聞いたんだろう。 親友として気になるから? 興味本位とか好奇心で。 それは……違う。そんなんじゃない。 それなら、いつも通りに、普通の会話の中で聞けるから。 それに、親友に好きな人がいるのを、怖いなんて思うはずがない。 かがみには、普通に好きな人が出来て、普通にその人と付き合って、普通に幸せになって欲しい。 だけどやっぱり、それは私には辛いこと。 もしそうなったら、私の気持ちはおかしくなっちゃう。 多分哀しくて哀しくて泣き続けちゃうよ。 私にとってのかがみと、かがみにとっての私は違うんだなって。 怖かったんだ。それが分かっちゃうのが……。 だけど、そうじゃなかったよね。 かがみは、好きな人は私だって、言ってくれた。 ほっとしたし、とっても、嬉しかったよ。 今でも信じられない。 こんな日が来るなんて思わなかった……。 妄想がそのまま現実になったような、夢物語のような。 これって、現実だよね。夢なんかじゃないよね。 私もね、押し殺しておきたかったんだよ。 かがみのせいなんだから。かがみがあんなこと言うから。 多分この気持ちは、かがみと一緒だと思うから……。 私も、正直にならないとな。かがみも、勇気を出したんだから。 それに答えないと。 「こなた、私のことどう思ってる? 嫌いになった? 引いた? 私はそれでも構わないわよ……。こんな気持ちを、あんたが無理に受け入れる必要はないんだから」 頬に、いくつもいくつも熱い雨が降ってくる。 あー、これが、かがみの気持ちなんだね。 「わ、私は……」 さっきかがみが通った道。 みんなの前で、自分の好きな人を言うっていう。 そういえば、私だけ言ってなかったな……。 今度は私の番かな。 「私も、かがみのこと、好きだよ」 「え? 本当? 本当に私のこと……」 「……うん。大好きだよ」 「うぅ……こなたぁ!」 「わ、ちょ、ま」 かがみが私の体をきつくきつく抱きしめてくる。 私もかがみをきつくきつくきつく抱きしめた。 「え? こなちゃんもお姉ちゃんのことが……好き? も、もう訳わかんないよ~」 「つかささん、私たちはもう蚊帳の外みたいですね。別の部屋で寝ましょうか」 「う、うん……」 視界の端っこ、つかさとみゆきさんが部屋を出て行こうとしてる気がする。 その二人が、外に出る間際に、頑張ってくださいとか、応援してるよとか、言ったような気もする。 ああ、もうそんなことも分かんなくなってきちゃった……。 かがみが私の唇にキスをしてくる。 私もそれに応える。 まるで時間が止まったように、 風は吹かず、ただただ室内は暑くなっていく。 太陽が止まって、この夜がずっと続いていけばいいのにな……。 泊まった日・朝へ続く コメントフォーム 名前 コメント かがみがこなたのメールを覗いちゃうのが かわいかったです -- 名無しさん (2010-05-14 08 04 37)
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「かがみー自分で歩けないのー?」 「…………」 へんじがないただのしかばねのようだ。 …じゃなくて、かがみはさっきから顔を真っ赤にさせ、俯いたまま一言も発していない。 べつに私が甘い台詞を囁いた訳でも、ちょーーっと過激な内容のゲームの画面を 見せた訳でもない。 (…まさかこんなにお酒に弱いなんてネ) 成人式を終えた私たち四人は、その高揚した気分のまま初めてのお酒というものを体験した。 結婚式に出席した時とか、今まで少しぐらいは飲んだことがあったけど、こんなに飲むのは もちろん初めて。 アルコール特有の熱さと爽快感に、文字通り酔いしれてしまった私たち、というか約二名は 限度を越してしまったらしい。 私とみゆきさんは意識を保っていたけれど、かがみとつかさの目の焦点が合わなくなって来たのを見て、 さすがにヤバイと会計を済ませ店を出た。タクシーでも拾えればよかったんだけど、私たちと同じような人が いるせいだろうか、一台も走っていなくて。私はかがみを、みゆきさんはつかさを連れて帰ることにした。 それを提案したみゆきさんの目が怪しく輝いていたのは多分気のせいだろう。…そう思いたい。 へべれけになったかがみに肩を貸し、半分引きずるような形になりながら、普段の二分の一以下の スピードで私のアパートに向かう。 体重はさほど気にならないけど、なにぶん私より一回り以上大きいから運び辛いことこの上ない。 それでも何とかアパートまでついて、私はようやく息をついた。 ぼーっとあらぬ方向を見ているかがみをソファに横たえ、お盆にミネラルウォーターのペットボトルと コップを乗せて声をかける。 「かがみー水飲んだら?」 「……ん……」 返事を聞いて私はコップに水を注いで手渡す。 だけどかがみが掴んだのはコップじゃなく私の服の裾だった。 「……のませて……」 …………えー、と…………? 今なんて言ったのかな、かがみんや。 「……こなた…のませて…?」 …空耳でも聞き間違いでもないらしい。 それはあれですか。口移しで飲ませろと。そういうことですか。 起きあがって私の腰に抱き着き涙目、そして上目遣いでそう言うかがみは…強烈に色っぽかった。 理性が焼き切れる音を聞きながら、ありったけの自制心を使ってそれを押し止める。 今そんなことをしたら最後まで我慢する自信なんてない。 「……ダメだよ、かがみ。明日も学校でしょ」 だから自分で飲んで、とコップを差し出したけれど、いやいやするように抱き着く力を強めて ぐりぐり頭を押し付けて来る。 あの、マズイですってかがみさん。場所的に……! 「やぁ……こなたぁ…すきだから……して……?」 ぐぁ…!! クリティカルヒット! 9999のダメージ!って言うようなナレーションが 心の中に浮かんだ。ポケ●ンでいうならはさみギロチン、F●でいうならデスを喰らった気分。 そんなことが浮かんだ辺り、まだどこか冷静だったのかもしれない。 だけど、普段好きとか愛してるなんてほとんど言ってくれないかがみにその言葉を言われて、 断れる私が居るだろうか。いや、居ない。 「…解ったよ。だから離して、ね?」 私がOKをだしたからか、とろんとした目をしながらこれ以上ないってくらい嬉しそうに 笑っているかがみを横目で見つつ、コップの中の水を口に含んだ。 「……あいしてるよぉ……こなた……」 (…そーいうのはしらふの時に言って欲しいもんだネ。…だけど、お酒が入るとこんなに 甘えんぼになるのが解ったのは収穫だったかな?) あごを持ち上げて、そっとくちづける。 薄く開かれた唇から水が流れこんで、かがみののどが上下するのが解った。 「ん、ふ………」 口の中にすっかり水が無くなっても、私たちの唇は長い間離れなかった。 「……は……あ…」 とっくに理性なんてものは切れてしまっていて、ソファの上だということも忘れてかがみの体を押し倒す。 「かがみ……?」 同意を求めるように、疑問符付きで愛しい人の名前を呼ぶとかがみは目をつぶったまま―― 「すーーーーーー」 「って寝てるし!!!」 さすがに意識のないかがみを抱く趣味はない。 「かがみー」 半泣きでほっぺをぺちぺち叩いてみるものの、深い眠りに入っているらしく身じろぎ一つしない。 ほてった体を持て余し、夢の世界に一足先に旅だった恋人への恨み言をぶつぶつ つぶやきながら、私もまた布団にくるまった。 (くそう、明日覚えててよね、かがみっ!!) へべれけかがみん あふたーへ続く コメントフォーム 名前 コメント にやにやしっぱなしで俺ヤバいwww -- 名無しさん (2009-03-25 14 26 18) あーくそ、ニヤニヤがとまらねえwwww -- 名無しさん (2008-12-23 00 35 22) だだこねるかがみんとそれに振り回されるこなたに萌えたw -- 名無しさん (2008-06-12 04 43 27) 酔っ払いかがみん萌えw「飲ませて…」でズッキュンきましたw -- 名無しさん (2008-06-07 23 16 40) 「飲ませて」かがみんにめちゃ萌えたw酒で酔っぱらって本音が出ちゃうってのは可愛いし、面白いなあw -- 名無しさん (2008-06-05 10 37 26)
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女A「あっ男君、髪の毛にゴミついてるよ。」 男「えっどこ?」 女A「…はい、とれたよ。」 男「おっ、さんきゅ。」 かがみ「…」 かがみ「ね、男。」 男「ん?どした?」 かがみ「目ぇ…閉じて…。」 男「うっ…うん…。」 チョキ… 男「うわっ!!」 かがみ「動くと危ないよ。」 男「あっ…危ないって!なんで俺の髪切るんだよ?!」 かがみ「今日学校で、女Aが触れた…。」 男「だからって切ること無いだろ!」 かがみ「…ごめん…でも…男は私の彼氏だもん…世界で一番好きなんだもん…私の気持ちも考えてよ…」 男「ご…ごめん。かがみ……愛してるよ。」 かがみ「おとこ…[ハート]」 翌日。 ぽんぽん 男「えっ?!」 女B「男君、これプリント。」 男「ありがとう。」 かがみ[にっこり] 男「なぁかがみ、今日は七夕だね。」 かがみ「うん、そうね。」 男「…誕生日おめでとう!これ、プレゼントだよ!」 かがみ「!!…うれしい!…男…大好き!」 男「うん、俺もかがみの事大好きだよ。」 かがみ「おとこぉ…[ハート]」 ドサッ 男「わっっ!」 かがみが男の上に乗る。 かがみ「えへへ…」 ちゅっ 男「///」 かがみ「男ぉ…私…もういっこプレゼント欲しいなぁ…[ハート]」 男「う…うん…///」 かがみ「男の………右腕。」 男「………え?」 かがみ「…今日、女Bが触った右腕。」 男「かがみ…や…やめろ……なんだ…その鉈……!!」 ザッ…ゴギン!! 男「ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」 かがみ「……罰。」
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泉こなたは、悩んでいた。 今、自分の中に存在するもやもやした気持ち、その正体がつかめないことに。 1月5日、昼。こなたは親友の柊かがみと一緒に軽く昼食をとろうと、喫茶店に寄った。 こなたが頼んだのはチョココロネ。かがみが頼んだのはこの店において有名なチョコパフェ。 かがみは甘いものが好物であるが故に、すぐに平らげてしまった。 だが、こなたは未だチョココロネの半分も食べ終わっていない。好物であるはずのチョココロネ、その食が進まないのは、ひとえにかがみに見惚れていたからだ。 何故、自分はこんなにかがみのことが、その一挙手一投足が気になるのか。こなたは内心、自問自答を繰り返す。 思えば、昨日まではこんなことはなかった、だから、その謎を解く鍵は今日の二人のお出かけに何かあったのだろう。 こなたは,回想する。今日の今までに至る経緯を。今、自分が感じているこの気持ちの理由を、その意味を知るために。 今朝、パソコンに保管していた、かがみの写真のデータ。それを従姉の小早川ゆたかに見られたことで、二人の仲の良さを知っているゆたかが気を回し、こなたとかがみのコンタクトを取る架け橋となった。 こなたは、親友であるかがみと一緒にいると楽しい。故に、従姉の用意してくれたこのチャンスに甘え、年始とは言え、強引にかがみを誘って外出した。 いつも一緒に外出する時は、アニメ○トやゲ○ズといった、こなたの趣味に合わせた店に行くことが多い。 そして、掘り出し物のグッズを探す。かがみはそれに渋々ながら付き合うというのが、いつもの二人のパターンだった。 だが、その‘いつも’の状況に今日は今まで予測していなかった出来事が発生した。 「うぅ~、後、少し……」 こなたは高校生とは思えないほど身長が低い。それは本人にとって密かなコンプレックスだったりするのだが、その身長の低さが災いし、高い所にある目的の品には、中々手が届かない。 それでもオタクエリートを自称する彼女にとって、その程度の理由で目的の品を諦めるわけには行かない。 多少の無茶は承知の上で、無い身長を最大限に伸ばす。だが、現実とは虚しいもので、その努力も甲斐なく、結局手が届かない。それでも、こなたの中に眠る父親から受け継いだオタク魂。その意地に賭けて、再び、身長の上では決して届くことの無いグッズに手を伸ばす。 と、無茶が祟ったのか、爪先立ちとなっていたこなたのバランスが崩れる。あ、と思ったときにはもう遅い、一瞬の後には倒れてしまうだろう。 こなたはその衝撃に耐えようと、ギュッと目を瞑った。が、いつまで経っても予想をしたような痛みは走らない。 そして、その代わりというべきか、温かい、本当に温かくてそして柔らかいものにこなたは支えられていた。 「ほい、大丈夫か?」 その声におそるおそる目を開けると、こなたは、かがみの腕の中に包まれていたことに気が付いた。 「かがみ、いつの間に?」 こなたの問いに、僅かに頬を赤らめながらかがみは、 「ずっと見てたの。あんたってば絶対に届かないところにある商品を取ろうとしてるんだもん。 危なくって、なんて言うか……そう、ほっとけなかったのよ」 そう言って、かがみは一瞬、ほんの一瞬だけこなたをギュッと抱きしめた。かがみはこなたより身長が10センチ以上高い、自然、こなたはかがみに完全に包まれる形になる。 その瞬間の温もりが、間近で感じるかがみの匂いが、こなたに今までツンデレキャラとして見て来た、柊かがみという親友に対しての認識を書き換えた。 だが書き換えられた認識は一体どういうものか。確かに何かが変わった、だが変わったその認識に対して、こなたはそれがどういうものなのか、霧の先に隠された道の様に翳んでしまい、その答えを、出すことが出来なかった。 「こなた、どうしたの?」 かがみの言葉にハッと現実に戻されるこなた。 手元に残された食べかけのチョココロネ、だけど、すっきりとしないこの気持ちの中では、もう食べる気がしなかった。 「あ~、じゃあ、残すんだったら頂戴。パフェだけじゃ流石に足りなくてさ」 照れたように顔を赤らめ、食べかけのチョココロネに手を出すかがみ。 数々のギャルゲーをクリアしてきたこなただから分かる。これは、間接キスだと。 それを思った時、こなたの中のもやもやとした気持ちが一気に頂点に達し、体中がかぁっと熱くなった。 「え、えっと、かがみんや……」 「ン、何?」 こなた食べかけのチョココロネを頬張りながら、かがみはこなたの顔を直視する。こなたを見つめるかがみの視線には親友としての気遣いが浮かんでいた。 「ん……何でもない」 「? 変なこなた。今日はどうしたの? 朝早くから電話してくるし」 かがみの突っ込みに、こなたはどう答えるか一瞬迷う、ゆーちゃんのちょっとした悪戯だよ。それが正確なところ。だけど、こなた自身、かがみに会いたかったことは事実。 「……私は、折角だからお年玉を使いたいと思ってね。ついでにかがみの分のポイントも欲しくて」 「はいはい。どうせそんなことだろうと思ったわよ」 呆れたようにため息をつくかがみ。その仕草に、胸が痛む。 何で、いつものやり取りのはずなのに、何で。こんなに苦しいのだろう。 先程、かがみに抱きすくめられた時の温もりが蘇ったような気がして、こなたは、かがみの顔を見ることができなかった。 「じゃあ、お昼も食べ終わったことだし、今度は私の用事に付き合ってくれる?」 伝票を手に、立ち上がるかがみ。‘付き合ってくれる?’その一言が、こなたの気持ちを、今度は盛り上げてくれた。 かがみが私を必要としてくれている。その気持ちが、嬉しかった。 「そろそろ春物の服も欲しかったのよね。お年玉も貰った事だし,ちょっと奮発しようかな」 かがみに連れて来られたのは、服飾関係のお店。 普段のこなたには全くといっていいほど縁のない場所だ。故に、かがみと共に入った時、並べられた服飾に対してチンプンカンプン。 「こなたは、どんな服がいい?」 「え~、そう言われても……」 「全く、あんたも、少しはこういうことに興味を持ちなさいよね……こなただって、磨けば光ると、思うんだからさ」 かがみの最後の言葉は、小声になっていたため、こなたには聞こえなかった。だけど、かがみがこなたの事を気にかけていることは雰囲気で察することができた。 「むぅ、まぁかがみの心遣いはありがたいけど、今は私はいいや。これからDVDの限定ボックスもあるし、コンプ祭りもあるからね。お金は大事に取っておかないと」 「それが、さっき山ほどグッズを買った者の言う台詞か……」 「これもオタク道の一環なんだよ」 「全然分からん……まあ、いいわ。すぐに決めてくるから、ちょっとここで待ってて」 そう言うとかがみは店の奥へと入って行った。残されたこなたは手持ちぶたさとなり、やることも無いので、少し店内を見て周る。 と、アクセサリーの類が店頭に並んでいるのが目に入る。大小様々なアクセサリーは、シンプルなものから中々凝ったデザインまで、結構な数が並んでいた。 こなたは並べられたストラップの一つに目を留める。イルカが波の上を飛び跳ねている、という形をした、まぁお土産としては割合ありがちなものだろう。 だが、こなたの目を引いたのは、それだけではなく、このストラップどうやらイルカと波の部分で、二つに分けることが出来るらしいということだった。 「お客さん、何かお探しですか?」 と、店員と思わしき「白石」とネームプレートを下げた人物がこなたに声をかける。 「えっと、このストラップなんですけど」 こなたが訊ねると、「白石店員」は得心したように、 「ああ、これはこうやって二つに分けて、よっこいしょういちっと。 渡したい相手と、自分の間で持つことで、永遠の友情が結ばれるって言うジンクスがあるんですよ」 二人で一つ、という意味なのだろう。こなたはしばし考え込んだ末に、 「これ、ください」 そのストラップを購入した。そして、ほぼ同時期にかがみも買い物を終えたらしく、 「お待たせ、こなた。行こっか」 買い物袋を抱えていない方の手でこなたの元に差し出す。自然、こなたはその手を取ると二人で、お店を後にした。 「あ~、白石君」 「なんすか、店長?」 「今のストラップって、恋人がその想いを重ねるって意味じゃなかったっけ?」 「え!マジッすか……」 「まぁ、いいんだけどね」 買い物を終えて店を出ると、既に日は傾きかけていた。 「ありがとね、かがみ。今日は急に誘ったのに、一緒に出かけてくれて」 「いいって。どうせ受験勉強ばかりじゃ息が詰まるところだったし。こっちこそいい気分転換になったわよ」 そう言って微笑むかがみ。黄昏の茜色に染まったその表情は、見るものをハッとさせる美しさがあった。 「あ、あのさ、かがみ……」 「ん~?」 もうすぐ今日という日が終わる、そうすると、かがみとしばらく会えない、少なくとも今日のようにコンタクトを取らなければ会う機会が、無い。 こなたは意を決すると、先程買ったストラップをかがみに差し出した。 「こなた、これ……」 「これね、二つで一つのストラップ。私とかがみで片割れずつを持って、いつでも一緒に繋がっていたいな……ダメ?」 最初は予期せぬプレゼントに戸惑っていたかがみ。だが、その表情が段々と緩んでいく。 「ありがと、こなた。大事にするからね」 その言葉は、今日聞いた中で、最高の言葉だった。 家に帰ったこなた。普段ならそのままアニメかゲームへと突入するのだが、それをせず、パソコンを立ち上げると「kagami」フォルダを開いて、かがみの写真を眺める。 今朝、眺めていた時とは明らかに違うこの気持ち、胸の辺りがもやもやして、それでいてくすぐったい様な、不思議な感覚。 なんなんだろうね、この気持ちは。 ……分からないことは、みゆきさんに聞けばいいか。 そう思ったこなたは、友人の一人で、ある意味知識の宝庫といえる高良みゆきに連絡を取った。 「もしもし、みゆきさん?ちょっと聞きたいことがあるんだけど――」 相談を持ちかけられたみゆきは、すぐに察した。その気持ちは、概念としては理解していて、知識としては知っていても、当事者になってみると意外と気が付かない。 第3者が、こなたの話を聞いたら、10人中8人はこう答えるだろう。 その気持ちは‘恋’であると。 1月7日へ続く コメントフォーム 名前 コメント
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(管理人注:こちらの作品には鬱要素や出血等の表現がございます。そのような展開や描写が苦手な方はご注意ください。 詳しくは作者さんの発言こちらをご覧ください) 【第4話 青いモンスター】 「娘さんは、白血病の中でももっとも悪いタイプです」 医者は浮かない顔で述べた。 「『急性巨芽球性白血病』といいます。昨年1年間に国内では4人しか報告されていません。骨髄が繊維におきかわって急速に破壊されるので、……残念ながら予後はかなり厳しいです。現代医学でも救命しづらい最悪のタイプです」 「きょ……きょっきゃくがきゅう?」 ゆい姉さんがもつれる舌で返答した。 医者はプロジェクターを動かす。顕微鏡の丸い視野の中にたくさんの赤や青のボールのようなものが映っている。 「……これは、先ほど娘さんの骨髄から取り出した、今そこのプレパラートに乗っかっている娘さんの骨髄の中身の映像。ここの中に写っている青いいびつな形の細胞、これは全部『巨核芽球』という白血病の細胞です」 そこには、いかにも悪役そうなグチャグチャな形の青い細胞が大勢寄り集まっていた。 「なお、こっちは正常な人の骨髄です」 別の写真が提示される。 こなたのものとは違って、整った形の美しい細胞ばかりであった。 「ほとんどの白血病は、白血球を作る過程に異常が起きるのですが、まれに血小板という血を止める役割を果たす細胞を作る過程に異常が起きると、この異常な細胞が現れます。 」 この仕事を始めてから、数え切れない患者や家族に絶望的な結果を伝えてきたのだろう。 医者はベテランらしくスムーズに説明する。 「ちなみに当院では患者さんやご家族に”闘う相手”を直接見せることで長い闘病生活を奮闘できるようにしております」 ……どうみても逆効果だ。 グチャグチャな青いモンスターがこなたを食い荒らしている。 その姿を想像して、かがみは震えた。 そうじろうは、ギャルゲに出てきそうな美人看護婦にずっと背中をさすってもらっている。 しかし本人はそのシチュエーションにも気付かないほど号泣していた。 ゆい姉さんは、ダムが崩壊したようにゆたかと一緒に滝のように涙をボロボロ流して、抱き合って泣き出す。 「なんで、なんで!?」 「どうみても私の方が早死するって思ってたのに……私なんて病院じゃお得意様扱いなのに……」 嗚咽と号泣に包まれる部屋。青いモンスターの大群は白い幕の上で一同をあざ笑っているようだった。 かがみはポロポロと涙を流そうとする前に、胸に顔をうずめたつかさの背中を抱きしめる。 雫の冷たさをたくさん胸に感じる。 かがみは震える声で、落ち着いて 「せ、先生、骨髄移植はダメなんですか……!?」と訊いた。 「もちろん骨髄移植は一番有効な治療法です。しかし、その前に抗がん剤で、骨髄から体中に出てしまったこの大量の青い白血病細胞を殺して病状を安定させないと(これを寛解という)成功しないのです。しかしこのタイプは……今までのデータから見てあまり抗がん剤の効きがよくない」 「それに骨髄移植を行ってもこのタイプは生存率は20パーセント。ドナーがいなかったり、細胞を殺せなかったりして骨髄移植が行えなければ、残念ながら、ほぼゼロパーセント。しかしとにかく、最善を尽くしますから頑張りましょう、お父さん」 医者はわんわん泣き続けるそうじろうの肩を、遠慮がちに叩いた。 「とにかく、あらゆる手を使って、"寛解"に持ち込む必要があります。それからご家族の方はドナーになれるかどうかの検査をさせていただだきます」 帰り道、かがみとつかさは前にも増して無言だった。 医者の言葉を反芻しながら、ひたすら何も言わず二人で歩いていた。 (骨髄移植を行っても、このタイプは生存率は20パーセント。ドナーがいなかったり、細胞を殺せなかったりして骨髄移植が行えなければ、残念ながら、ほぼゼロパーセント) 「……なにこれ、これが21世紀の最新医学なの。あんなでかい立派な病院なのに」 帰りの電車の中でかがみは独り言を言っていた。 「ね、一応日本一の設備なんでしょ!?つーことは世界有数の病院なんでしょ!?HDDレコーダーやら、ブルーレイやら、何テラバイトものディスクがホイホイ作れたり、ゲームなんて異常にきれいな映像だし、ネトゲで地球の裏側の人間と冒険できる時代なのに。たかが病気くらいで生存率ゼロなんて、ありえないって!!ね、ね!!」 気がついたらかがみはつかさの肩を揺さぶっていた。 「お、お姉ちゃん、私に当たっても……」 「とにかく、みゆきに電話して聞かないと」 みゆき 「骨髄移植というのは、骨髄の中にある造血幹細胞という血を作る元になる細胞を移しかえる治療法で、正式には造血幹細胞移植といいます。主に三種類のやりかたがあるそうです。 一番目はドナーの生の骨髄を注射で吸い取って直接移しかえる方法。 二番目は末梢血幹細胞移植といって、ドナーに特殊な薬を打って造血幹細胞を血液中に引き出して、機械で選別したものを移植する方法。 そして三番目は臍帯血移植といって、赤ちゃんのへその緒の血を入れる方法です。そこにも骨髄と同じ造血幹細胞が入ってるそうです。どれもすんなりと抗がん剤が効いて『寛解』という状態を経なければ成功しないですね……。 一番目はドナーが見つかりにくく、骨髄バンクで合うのは数万人に一人とされていて、おいそれとは出来ないそうです。二番目は家族にドナーになれる人がいた場合。三番目の臍帯血移植はドナー探しの必要がなくいつでも実施できるのですが、造血幹細胞の量が少ないために成人では成功率がとても低く、小さな子供の患者に対して行われています」 みゆきはおおむね医者の言ったことに追随しているようだった。 家に帰ったふたり。 「おねえちゃん…」 かがみが自室に入る前につかさが声を掛けた。 「なに?」 「こなちゃん死なないよね?」 つかさの目は今にも泣き出しそうにうるんでいた。 「何を泣いてるの。だ、大丈夫よ。あいつは運が強いし、そう簡単に死ぬタイプじゃないわよ。薬もきっと効くし、ドナーだって、案外すぐに見つかるわよ」 かがみは腰に手をあて、胸を張ってつかさに宣言するようにこたえた。自分に対しての宣言でもあった。 ───一瞬脳裏をよぎった、こなたをムシャムシャ頬張る青いモンスターのイメージを削除するように。 「ほら、明日も早いんだからきちんと夏休みの宿題やって寝る!また31日に泣くわよ」 扉を閉める。 ノブから手を離すと、かがみはへたり込むように床にしゃがみこみ、傍らのベッドに頭を伏せて嗚咽をあげて泣き出した。 「なんでよ…こなた死んじゃうのに、なんでなんで…」 もうおわりだ、こなたがいなくなる。 うざいほどからかってくるこなた。会うたびに突っ込みたくなるこなた。 重度のヲタでいつも糸目でひょうひょうとしているやたらチビっこいこなた。 そんなこなた一人すら救えない自分はなんなの? こなた、死んじゃうのに?私は何も出来ないの? 「なんで、なんで!!」 かがみは我慢していたものがはちきれるように、泣き声をあげた。 「お姉ちゃん、あのね、…ネットで調べたんだけど、ほら」 気がつくと扉が開いて、つかさが顔をのぞかしていた。 「ちょ、ちょっと!!ノックしなさいよ!!」 かがみは飛び上がるように驚いて、シーツであわてて顔を拭く。 つかさはパソコンからプリントアウトした紙をかがみにみせた。 「身内だとドナーになれる確率がものすごく高いらしいよ。…成実さんとか、こなちゃんのおじさんなら大丈夫だよきっと!」 かがみはつかさから渡された紙を見た。骨髄バンクのサイトのもののようだった。 「……」 つかさの言うとおりのことが書かれていた。さらにそこには、みゆきの言うとおり赤の他人だとドナーになれる確率は数万分の一以下であるともかかれていた。 「……」 「ね、お姉ちゃん…私達が救えなくても、きっとおじさんや成実さんなら大丈夫だよ」 そうか そうなんだ… 私とこなたは、まったくの赤の他人同士。 赤の他人じゃない家族なら、きっと……。 「こなちゃん、いまも元気だし、きっと大丈夫だよ。若いし運動得意で体力十分だし。それにここに、白血病は今すぐ闘うというよりは気長に治していく病気ですって書いてあるし」 かがみはまたほろりと涙を流した。それは何かの糸が切れたかのような涙だった。 なんか私一人で先走っちゃっていた… ずっと心が地に着かない気分だった。 不意に視野が狭くなって、自分だけしか救えないとか思っていた。 病気と闘うのは、私じゃなく、こなた。そしてこなたの家族。 私とはまったく無関係に事はどんどん進んでいる。 そして、ちゃんと行く末はあるんだ。 (つかさに支えられるなんてね…) かがみはそうだよね、と言って涙を拭いて、つかさの頭をなでた。 まったくあんた、いつのまに成長して姉を追い越そうとしてるのよ。 電気を消すと、街灯の光がカーテン越しにうっすらと暗い部屋のベッドに差し込む。 いつものようにベッドにもぐりこむ。 目をつぶる。 …… …… だけど、もしドナーに合わなかったら… かがみのつぶった目はすぐにまた開き、不安とともにこの上なく冴えはじめていた。 いてもたってもいられなくなったかがみは、いつのまにか神社へと向けて走り出していた。 暗闇に潜むような鳥居と本殿が月夜に影を落としていた。 生まれたときからいつも見慣れていて、あまりに身近すぎてご利益のごの字も考えたことのない場所。 むしろありもしないものを祀ってるだけで人がわんさかやってくるという半分お笑いみたいな場所と思っていた場所。 かがみは何度も鐘を鳴らし、力一杯手を合わせて祈った。おそらく今までの生涯で最も真剣に神に祈った時だろう。 罰当たりだったこれまでの自分を土下座してでも悔いたい気分だった。 こなたが良くなりますように こなたのドナーが見つかりますように こなたが死にませんように こなたが元気になりますように こなたのヲタクネタにまたツッコミを入れられますように こなたと一緒にまた学校へ通えますように こなたと一緒にまたコミケへ行けますように こなたとの笑顔が見れますように 気づくと、かがみの目からまた涙がこぼれて、その雫に月が映っていた。 神社の境内は近くを電車が走っているにもかかわらずしんと静まり返っていた 明日から化学療法といって、抗がん剤をジャンジャン点滴で落とし込むらしい。 嘔吐、脱毛、胃腸の潰瘍、下痢から、腎不全・肝不全・心不全に至るまでいろいろな辛い副作用が襲い掛かるという。 ───副作用だけで死んでしまうこともあるらしい。 こなたの治療は、明日から本格的に始まる。 そのとき携帯がなる。 こなただ。 『携帯ってこういうときに便利なんだねー。病室からかけられるし、はじめて役に立ったと感じたよ』 いつもののんきなとぼけた声だった。 『かがみん、チョココロネでも買ってきてよ。抗がん剤が来る前にさー、病院食まずすぎて嫌だ』 「そういうところの食事はそれなりに理由があるんでしょうが!」 あまりの呑気ぶりにかがみはぶち切れる。 『怒らないでよ愛しのかがみん~。死んじゃうよー』 「だ、だ、だれが愛しのよ!」 かがみは即座に携帯のスイッチを切った。…しかし、死んじゃう、という言葉がかがみの 心に重くのしかかった。 第5話:もっと素直にへ続く コメントフォーム 名前 コメント 下の方もおっしゃっているように、こなたがかがみに自分の辛さ、弱さを見せずに、 無用に心配をかけまいと普段どおり振舞うその気丈さ、強さが読んでて辛い…… もっとかがみに甘る描写があれば救いとなるのですが。 続きに期待します。 それから、細かいところですが病名は「急性巨核芽球性白血病」が正しいのでは ないでしょうか。 -- 名無しさん (2008-09-21 22 54 28) あくまでも気丈に、いつもどおり振舞おうとするこなたの強さが、悲しさを際立たせます・・・ 続きが待ちきれません。 -- 名無しさん (2008-09-20 16 09 37) ドキドキする… 続き待ってます! -- 名無しさん (2008-09-18 09 29 54)
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日も傾き、教室が紅に染まり始めた頃。 柊かがみは、泉こなたのいるB組へと足を運んだ。 「こなた?」 なぜ疑問形なのかは分からないが、友人の名前を呼ぶかがみ。 既に教室には影が見当たらず、少し高めに発した声は壁に吸い込まれるように消えた。 ちょっと意気消沈したように肩を落としたかがみだが…… 「あれ?」 教室に敷き詰められた机のうちの一つに、明らかに他とは違った形の影を作るものがあった。 微動だにしない無機質な影に、少しだけ上下に動く小さな影が乗っている。 小学生のような高校生が寝息をたてていた。存在感のある青髪は夕日の赤い光を浴びて紫色に輝く。 特徴的に頭部から飛び出たアンテナが、呼吸に合わせて揺れている。 「なんだ、寝ちゃってたんだ……」 「むにゃ……んぅ……」 いつものような飄々とした雰囲気はなりを潜め、あどけなさの残る寝顔をしている。 それを優しい眼差しで覗き込むかがみ。 その瞳には友人に送るそれとは、違ったものが乗せられているように感じたのは、気のせいだろうか。 ふと、漂っていた視線が動きを止める。 その目線は、小さく息を吐き出す唇に注がれている。 「ちょ、ちょっとだけ」 まるで自分に言い聞かせるように呟くかがみ。 優しく、触れたかどうか分からないほど、ささやかに重ねられた唇は 秒数を指折りで数えるほどでもないくらい、瞬時に離れた。 瞬間、かがみの顔が茹蛸のように真っ赤になる。 「……んぁ?」 「!!」 間もなくして、こなたが目を覚ます。 いつの間にやらかがみは、机一つ分離れた場所へと移動していた。 しどろもどろに表情を整え、笑顔で待機する。その口元は少し引きつっているように見えた。 「あるぇ? かがみどうしたの?」 「え!? いや、その……そう!! 一緒に帰ろうと思って!!」 勿論最初はそのために来たはずなのに、先ほどの行為によっての焦りからか、思考回路が混雑しているようだ。 対するこなたは起き抜けのせいか、目線は、揺れるツインテールの先端に向けられている。 「あの、つかさとみゆきは?」 「みゆきさんは委員会で、つかさは夕飯の買い物があるからって……てか昼休みに言ってたと思うけど」 「あ、そそ、そうだったわね」 頬を掻きながら目を逸らすかがみ。恥ずかしさからかだろうか、おでこから一筋の汗が流れた。 「変なの……まぁいいや、帰ろっかかがみ」 無言で頷くかがみに少し微笑み、鞄を引っつかんでてこてこ小走りに傍に寄る。 かがみは片手で持っていた鞄を両手に持ち替え、ぎゅっと握り締めた。 言い淀むような仕草をした後、意を決して口を開くが すぐに閉じて、俯いてしまった。 「どったの? かがみ」 「あ、いぃやぁ~……」 二つほど携えた青紫色の大きな瞳が、あっちへゆらゆらこっちへゆらゆら。 その定まらない目線を追うように、こなたの視線が追いかける。 追いかけっこを始めて少し時間が経過した頃、かがみがこなたを見据えた。 突然のことにこなたがびくんと反応する。 ツリ目がさらにつりあがって、怖い表情になっていたことが原因でもあるだろう。 「て、てて、ててててて」 「……?」 「手……繋がない?」 「え? ……う、うん」 またもや疑問形であったが、少しだけ強い意志の込められた言葉。 こなたは、かがみのお願いを断る理由もないし 断ろうという気も起きなかったようで…… ぎゅっ 確かめるように、手を握った。 「こなた……」 「かがみ……」 震える手で、互いの掌を確かめ合う。 2人の顔が赤く見えたのは、夕焼けだけのせいではないだろう。 「ふふ」 「えへへ」 照れたような笑い声。即座にB組が甘い空間に変わる。 誰か残っていたなら、きっと熱に当てられていたに違いない。 こういうことは公共の場ではあまり繰り広げないでいただきたいものだ。 「帰ろっかがみ♪」 「うん♪」 意気揚々と教室を出るかがみとこなた。 もし誰かがこの場を覗いていたとしたならば お互いに見つめあい仲良く手を繋ぐその姿が、恋人同士に見えていたことは間違いないだろう。 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-18 11 50 34) 確かにいいストリー展開だ。 -- 伝説の作家 (2009-07-07 00 41 23) 個人的に この保管庫で一番うまい作品だと思う。 背景描写とかストリー展開とか。 長さも丁度いいし読みやすい。 次回作待ってます。 -- 名無しさん (2008-03-21 23 43 48) うまいなぁ……書き慣れてる感が滲み出てるよ。3人称は難しいのに、こんなにうまくまとめられるなんてお兄さんびっくりだ!!素直に尊敬します。次回作にwktkしつつ、今から全裸で待機しますね。 -- 名無しさん (2007-11-19 12 35 57) こなかがスレは初期からいるんですが、まさか貴方の正体があの人とは…(汗)通りでこの話が投下当初から群を抜いて上手いと思った訳ですね。ギャグも書けてシリアスも書けるのは本当に尊敬します。たまにはこちらのスレにも力作をお願いしますね! -- 某書き手 (2007-11-11 20 28 26)
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☆ずっと一緒に いいか、みんな (゚д゚ ) (| y |) to getとherでは単なる下心だが、 to get ( ゚д゚) her \/| y |\/ 二つ合わさればtogetherとなる。 ( ゚д゚) together (\/\/ レス番480~542の流れを独立してまとめさせていただきました。 480 名前:274[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 12 27 29 ID pL0Qpe6r 今現在第二期の2話目(続編)を書いてるオレなんですが 書いてる途中、絶対的な疑問が浮かび上がるんですよ "こなたとかがみの二人は一生二人で暮らすのか?" と……… だって、その周りのつかさとみゆきは男と結婚するでしょ普通は 一生二人でって事は無いかも知れない……… オレはどっちかってと、NANAみたいに二人は友達として大好きなだけで、二人はそれぞれ違う男に恋するって考えの方が強い(個人的にそっちのが好きだって意味じゃあないよ><) お前らはどうだ? ぜひ今後の参考にしたい 481 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 12 36 12 ID 3mG5sbjT 高校卒業させなきゃいいじゃん 482 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 12 45 12 ID 0KQ+/45v 480 これはガチ百合が好きか、そこまでいかないのがいいかで分かれるんじゃないか? 俺はずっと一緒にいて欲しいが。 でも何年か一緒に住んだ後で、やっぱり女同士は駄目だから、これからはそれぞれ男を見つけて幸せになろうって別れるのもいいと思う。 483 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 13 11 44 ID dWkl9hru 480 確かに一分に一組離婚する時代だからなぁ しかも女同士だからなぁ でも女同士だからこそ別れないで済むかもしれない 難しい…… 485 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 13 46 25 ID QpgWk/uk 482 ガチ百合以外認めない、そんな自分の生殖機能が時々心配になります 487 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 14 24 16 ID 8c4HlIqR 常識に縛られてるようじゃ妄想は出来ん。 誰がなんと言おうとこなかがは夫婦だ 488 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 14 34 14 ID i3wjfr0e 487 お前かっこいいな 489 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 14 35 04 ID g+00Hlnh 友情もいいけど わざわざこなかがスレでやるくらいなんだからガチがいいな 490 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 14 39 00 ID p2ysqptQ 487 あんた輝いてるぜ 491 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 14 45 54 ID n3PAqR3E 487 さすがはそうじろう。やっぱりプロはちがうな 492 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 14 49 35 ID vDka4P9W 480 そこは百合ものの重要ポイントだから~ 個人的には、かがみは純粋に女同士というところで悩んでるのに対して こなたにとってはそこのハードルは高くないけど、将来のことを考えると踏み出せない 正確には、ガチヲタな自分が世間の価値観から外れる事は今更気にしないけど かがみをそこに引き込むことに迷いがある、みたいなのがいいかなーと 「かがみは可愛いし、いいコだし、こんなところで道を踏み外さないで普通の人生を送った方が幸せなのかな・・・・」って感じで そう思ってるから、普段はからかっていてもフラグが立ちそうな空気になるとつい躱してしまう、逃げてしまう 反面、好きな気持ちを抑えきれなくて、かがみに絡んだり甘えたり、独占しようとしたりはやめられない それがかがみの百合フラグを加速させてると頭では分かっているんだけど・・・そんな矛盾した行動をとってしまうこなた・・・・ もちろん最後はかがみからの告白で決壊ですよw ちなみに俺は 表向きは かが→こな が強いけど、根が深いのは実はこな→かが っていう こな×かが派w ま、一生って言うと想像しにくいかも知らんが、30台になってもルームメイトっぽく一緒に住んでるっていうのも ドラマとかでは割とあるじゃん、負け組的な感じでw なんとなく女性漫画家コンビみたいな感じもしないでもないw それ以降となると世の中の価値観がもっと多様化してるんじゃないかなあと それこそ今から2~30年前でも今とは大分違うじゃん? まーその辺は余りリアルに考えても仕方ないぜ 494 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 15 06 23 ID p2ysqptQ 492 「表向きは かが→こな が強いけど、根が深いのは実はこな→かが っていう こな×かが派w」 ここら辺に全力で同意 495 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 16 10 20 ID te4IBBSr 492 うむ。まさにお前は俺だw 全く同じ意見だな。 ところでリアルな話になって申し訳ないが、未婚化が進む中、一人では生活が立ち行かなくなる人が将来続出する と思う。すると、男女の夫婦のみが相互扶助の形を取れるのは時代に合わないとの声が将来上がる可能性がある。 そして性別を問わず、パートナーという新しい形での相互扶助形態が現れるのではないかと俺は予想している。 常識なんてものは、厳しい現実の前には案外脆いものなのかもしれん。 497 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 16 35 13 ID K38hSbQp こなかがが男を作るなど認められんな 死ぬまで2人に決まっておろう 498 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 16 54 39 ID XCtBjQqX 未婚化が進んでるのは、むしろ生活が立ちいく収入を女性が得られるように なってきたからだとおもうが。社会で認められて、一人でいきていけるのに、 結婚したら絶対仕事辞めて子育てしないといけないとか馬鹿らしいだろ もう男性であるだけで家族を養えるような収入を得られる社会じゃないしな。 そういうふうに家父長制が崩壊するなかで、性役割分担の見直しや、クィア理論的な ジェンダーセンシティビティが浸透していって、他人の性に寛容な社会になるとおもう ようするに、こなかがは一生幸せに二人で暮らすんだよ 502 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 18 31 28 ID 0KQ+/45v 492 本当にGJだ。 そういうことを考えられるのも文章に出来るのも凄いと思う。 やっぱり自分より相手のことを考えるっていうのは、愛の証だよな。 503 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 19 05 42 ID 0RYx6QMR 492 だからいざとなると「いや、私リアルで同性趣味ないし」と逃げてしまうんですな かがみも「私だって嫌だよ」と返しつつも 帰ってから自室で枕に埋もれて泣く 504 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 19 14 35 ID i3wjfr0e こなたとかがみなんか 軋むベッドの上でやさしさ持ち寄ればいいのに 505 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 19 22 04 ID 1Ndxvx+4 480 俺のワガママかもしれないが・・・こなたとかがみには別れて欲しくない。 こなたとかがみ、どちらか片方だけでも男と付き合うなんて考えただけで、まるで我が事のようにズキリと胸が痛む。 馬鹿馬鹿しいと笑ってくれ・・・。俺は、こんなにも、この二人の幸せそうな姿に入れ込んじまった。 わかってはいるんだが、虚構の世界の住人に共感しすぎだ。重症だな。 それでもこなたとかがみのカップルに「幸せになってくれ」と願わずにいられない。 506 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 19 39 51 ID xCiL9CPp お前らほんとにイイ奴ばっかりだな 尊敬するぜ 507 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 20 06 13 ID 0RYx6QMR こなたやかがみに突っ込みたい欲情も少なからずあるだろうに、お前ら 「好きな人の幸せを願いたい心境」ってやつか… なんつぅか、女同士だとか関係ないんだよな 「並んで立っているのがお似合いの二人」というか 508 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 20 22 16 ID 0KQ+/45v 507 今までは○○は俺の嫁とか言ってたのに、今回はそれがないんだよな。 二人が一緒になれて、そのまま幸せに暮らせればそれでいいと思ってしまう。 むしろSSとかで二人を幸せにしてあげたい。 509 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 20 27 23 ID n3PAqR3E つまり俺達は二人を見守るそうじろうってところか 510 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 20 40 10 ID 8c4HlIqR 507 こなたとかがみはお似合い過ぎるんだ。その間に何者かが、ましてや俺なんかが入る事は許されん。 それも分からずにこなたやかがみに突っ込みたがってるような 棒至上主義の奴はこの俺が許さん。 511 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 20 40 18 ID QpgWk/uk そうじろう大杉w 512 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 20 40 53 ID 2HvrAiFM 508 「今までは○○は俺の嫁とか言ってたのに、今回はそれがないんだよな」 俺もそうなんだよ。 なぜかいつもと違うんだよ、今回は… 513 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 20 45 32 ID rKzGHpN3 俺のイメージでは・・・ こなた、かがみをからかう(でもどこか可愛い) ↓ かがみ、色んな意味で我慢の限界 ↓ こなた「か…かがみ?どったの?なんか目が怖いよ?(汗」 ↓ かがみ「あんたが悪いんだからね…!」 ↓ こなた「アッー!」 525 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 21 19 40 ID j+QyfcMJ 480 ちょうどその問題を書こうと思ってたとこだ なんというシンクロ 常識は打ち破るものだけどその常識の偉大さに逆に打ちのめされたり… お父さんお母さんのいる幸せな常識をつくれないのは悲しい気がする… 495、498 俺は未婚化の原因は個人主義による生活単位の個人化に見てる その中で日本は圧倒的に夫婦であることが有利になってる社会らしいな 父系社会ではどこでもそうなんだろうが 新しい法的な相互扶助関係は欧州のどっかで既にできてると聞いた でも個人的には社会はそこまで進んではいないなと感じる、というか俺がそこまで進めてない 527 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 21 29 11 ID yamj5rHy とりあえず、ルームシェアの延長みたいなノリで だらだら一緒に暮らしていけばいいじゃないとか思っている俺はぬるいのね……w 528 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 21 32 02 ID n3PAqR3E 527 らき☆すた的にはそれでもいいけどこのスレ的には足りんのかもw 530 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 21 57 03 ID dfUWtPKM 527 おれもそういうレベルで満足するよ 正直ちょっと上のガチすぎる妄想には付いていけないw 531 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 22 24 10 ID lx0z82by 527 2人、黙々と読書中にふとさりげなく (しかも視線は本に向いたままで) かがみ「…ねぇ、こなた」 こなた「…んー?」 かがみ「そろそろ一人暮らし始めようかと思ってるんだけど…」 こなた「んー」 かがみ「……アンタも一緒に住む?」 こなた「………んー、別に良いよー」 かがみ「…そう」 こなた「…うん」 だ、駄目だ…なんか違うな… 532 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 22 25 51 ID aSRQzTH0 527 二人でだらだら一緒に生活で十分満足だけど、そこに男の影が入るのだけはダメだ! ってのが多いんじゃない? 俺がそうw 533 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 22 27 31 ID RrhSxiMj どっちかっつーと 「やふー、かがみー」 「ちょっ…吃驚するじゃない、事前連絡もなしに…って、何その荷物」 「今日から私、ここに住むことにしたから」 「また何かの漫画に影響されたか?それともアニメ…… ………えぇぇぇぇーーーー!??」 こんなノリがいい 536 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 23 07 47 ID 3dT/y92f 527 俺としては、「やっぱり猫が好き」みたいなノリでやってほしい あれは三姉妹だが 537 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 23 19 36 ID 2EAlMK7P ガチでもマターリでもいいんでないか。こなかがが幸せなら。 540 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/15(土) 23 57 55 ID g60GoL/W ルームシェアなら 大学が違ってもできるだろうから かがみが司法試験の勉強をする間に こなたは在学中にラノベ作家の道を志し かがみに批評してもらう日々を送って 回る糸車のように父と同じような道を歩み 今度こそ幸せになってほしいな。 数年後の設定は 女弁護士かがみと ラノベ作家こなたの推理モノになっても それはそれで見たい。 542 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/16(日) 01 42 39 ID 8STvG/Nu 女弁護士かがみの親友にしてブレイン、それがラノベ作家こなた!
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◆連載シリーズ 雨のち晴れ(1ページ-22ページ) 冬の寒さとココロの温度(1-6ページ) ◆その他 かがみ依存なこなた かがみ、りらーっくす、りらーっくす♪ ちゅー絵 膠着状態 身長差17センチ そりゃこなかがってことかい? ちゅっ! 自己矛盾 マジで間接キスする5秒前(1) マジで間接キスする5秒前(2) お汁粉を食べよう メリークリスマス 私のちっちゃなナイト様 レッツゴー 大きくなった? 女神の抱擁 一番大切な・・・一番大好きな(こなた誕生日祭投下作品) 私をあげる コメントフォーム 名前 コメント 連載シリーズ最高。漫画家ですかい? -- 名無しさん (2009-08-17 21 42 31) 鼻血ぶーです。 大好きです。 -- 名無しさん (2008-03-31 17 15 43) あなたの作品大好きだああ!!! これからもこなかがに愛をww -- 名無しさん (2008-03-25 00 02 03) いつも携帯の小さい画像からでしたが、 大きい画面で見るとそのクオリティの高さにビビりましたw 4-248さんに刺激されてTFK書いたのが懐かしいなぁ… -- 名無しさん (2008-03-11 12 20 14)
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「えっと、初めまして!隣に越してきた小早川ゆたかです。」 「ゆーちゃん、緊張しなくても大丈夫だよ。つかさは優しいし、かがみも見た目より怖くないし。」 「よろしくー、ゆたかちゃん。」 「おいこなた・・・ま、ともかく、これからよろしくね。」 あれから2年。かがみと同居を始めてから2年。かがみ、つかさやみゆきさんと親友になって。 たくさん、大切なモノができて、たくさん、大切なモノを知ることが出来た。 「しかし、ゆーちゃん、よく一人暮らしする気になったね。」 「陵桜に行くには丁度いいし、それにお姉ちゃんや、先輩方もいて安心かなって思ったの。」 そして、3年目。3回目の春には従姉妹のゆーちゃんが隣に引っ越してきて。 景色が春、夏、秋、冬と目まぐるしく変わるように、普通じゃない事が、普通になってゆく。 でも、それが私には嬉しくて、幸せで。かがみや、皆と、普通でいられるのが幸福で。 「ゆたかちゃんは、こなちゃんの事、お姉ちゃんって呼んでるんだ?」 「はい。昔からこなたお姉ちゃんにはいっぱい面倒を見てもらっていたので、つい癖で。」 「いいんだよ、ゆーちゃん。どんどんお姉ちゃんと呼び給へ。その方が萌えるしね。」 「も、萌え・・・?」 「こなた・・・あんたお姉ちゃんなんだから、お姉ちゃんらしい言動をしなさいよ?」 「うっ!?かがみん、痛いところを・・・」 新たな隣人ゆーちゃんを私達の家、『幸福荘』に迎え、また始まる。 「さ、こなたの事は置いといてゆたかちゃんの歓迎会を始めましょ!」 「かがみ、ひどっ・・・ゆーちゃん! 「ゆたかちゃん!」 「よーこそ、幸福荘へ!」 ‐‐‐‐ 「今日は夜遅くまでありがとうございました!」 「いいの、いいの。私達も楽しかったし。何かあったらすぐに来てね。」 「遠慮しなくていいんだからね、ゆーちゃん。」 「はい!お姉ちゃん、かがみ先輩、つかさ先輩、本当にありがとうございました。おやすみなさい。」 「こなちゃん、お姉ちゃんまたね。」 さっきまでの賑やかはいずこに。4人で騒いだパーティーの余韻が何とも言えずに、私の中で響く。 「こなた、片付けてしまわない?もう11時過ぎちゃったし。」 「あ、ホントだ。じゃ任せた、かがみ様!」 「おい待て!あんたも一緒にやるの!」 「むぅ・・・見たい番組があったのに。」 私はそうぶつぶつ文句を言ってみせる。でも本心は違う。ただこんな単純なやりとりがしたかっただけ。 なんでだろうね。2年前はこんなこと微塵も思わなかったのに。こんな風にかがみを見れるなんて思っていなかったのに。 「・・た!こなたってば!」 「うぉっ!え、あ、はい?何、かがみ?」 「・・・あんた人の話、聞いてなかったでしょ?」 はい、正直聞いてませんでした。でもそんなつまらない事は言いたくない。だから本日の日課を。 「聞いてたよ!もちろん聞いてたよ!」 「じゃ、何て言った?」 「んとね・・・べ、別にこなたと一緒に掃除したいわけじゃないんだからね!って言ったよね?」 「ちょっと待て!突っ込み所満載なのだが?」 「え、違うの?」 「違うわっ!」 なんていうやりとりだって日常茶飯事。太陽が登って沈むまでに、二桁はするやりとり。 いつも隣には紫陽花、太陽の光、春の心地。いい匂いで、温かくて、眠くなるような。 ここが私の居場所。私の特等席。気が付いたら、いつもいる場所。ネコのお昼寝する日向。 「あのね、大家さんが、1室開いたから、もしよかったら同居、止めてもいいよ?だってさ。」 「え?」 そんな日向が、ビルで無くなってしまう。不思議とそう感じてしまった。 ‐‐‐‐ 「こなたはさ・・・どうしたい?」 初めてかがみと会った日、丁度2年前もこんな会話をしたな。あの時私は、どうしたっけ。 「え?私?」 「だ、だって・・・私、料理とか、結構こなたに迷惑かけてるし・・・それに、2年前、無理矢理、こなたに同居させちゅったしさ・・・」 あ、思い出した。かがみに、どうしたいって聞かれたとき、私は。 『柊さんはどうしたいんですか?』 そう、口にした。私は私の意志を述べなかった。 「あ、勘違いしないでよ?私、こなたと同居するの嫌じゃない・・・むしろ、その・・・」 恥ずかしい?照れてる?よく分からないけど、かがみの頬っぺたは夕陽のよう。 2年前は意志がなかった。きっと無だった。でも今は違う。はっきりとした有。なんだか気恥ずかしいけどね。 「ふっふー。甘いなかがみんや。私がそんな大家の言うことに従うとでも?」 「・・・え?」 私も相当なヘタレ。素直に言えればいいのに。親友と一緒にいたいって。でも生まれたての意志は内緒。 「せっかくかがみと言う寄生相手が出来たのに手放すワケがなかろう。」 「ちょ、寄生かよ!?」 「それにかがみからまだツンデレの極意教わってないしね。」 「ツンデレ言うなっ!あんたってヤツは・・・仕方ないわね・・・引き続きヨロシクね。同居人さん。」 憎まれ口を叩きながら、ちょっと照れながらの可愛らしいかがみのウインク。 「やっぱりツンデレかがみは萌えるー!」 ここだけ素直です。そう言いながらかがみに抱きつく。ちょっとした高揚感。 「だー!抱きつくの止めろ!そしてさりげなく胸を触るなっ!」 「お姉ちゃん、ここちょっと分からないんだけど・・・」 「え?」 ふとドアの方を見ると紅のツインテール。可愛らしい我が妹の姿。どことなく顔が赤い。 「す、すみません!宿題聞こうかと思って来たんですが・・・お二人がそんな関係だったとは知らなくて・・・」 そんな関係。私がかがみを抱き締めて。かがみは照れてるのか分からないけれど、頬は相変わらず夕陽。 「お、お邪魔しました・・・ごゆっくりどうぞ。」 「ゆ、ゆたかちゃん!ちょっと待って!ってあんたも弁明しろ!」 「かがみ様、不束者ですが・・・」 「違うだろ!?」 今年もどたばたな年なのかな?でも、悪くない。 こうして始まる3年目。ようこそ、3年目。今年もまたよろしく、かがみとの同居。 「8話 with you」へ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-01-04 16 47 20)