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「こなた~、こないだ貸したフルメタの短編集、ちゃんと読んだ?」 「う、うん。結構面白かったよ。てか、かがみ顔近いよ?」 「でしょでしょ? 原作のラノベだってなかなか面白いでしょ?」 (だから顔が…って、聞いてないか) 「はい、これ次の巻」 「いいっ!?」 「ささっ、読書の秋。さっそく次行ってみよう!」 『目と鼻の先-Eye Don't Nose-』 「行ってみよー!」というかがみの勢いに負け、私はその場で本を開いた。 ペラリとページを何枚かめくり、とりあえずカラーイラストに目を通す。 (おおうっ!早速巫女かなめ♪相変わらず四季童子さんのイラストは可愛いなぁ…) なーんてことを思いながらちらりと目線を上げるとかがみのそれとぴったり合った。 じ~~~~~~っと言う擬音が聞こえてきそうなほど顔を近づけて、かがみは私の正面から こちらを見つめている。 上機嫌な笑顔に私の心音が跳ね、慌てて下を向く。 (うぅ、読みづらいやぅ…) 新たにページをめくり、読んだフリをしながらもう一度視線を上げる。 やっぱりいつものように両手で頬杖をつきながら、私の目と鼻先でニコニコとかがみは微笑んでいた。 私にラノベを薦める時、いつもこうやってかがみは私の傍にすごく近づきこちらをじ~っと見てくる。 「あの~かがみ?顔が…」 「ん?どした?もうボン太くん出て来た?」 「ううん、まだだけど…」 「ささっ、早く読もう!」 (んもう、こっちの気もしらないで! そんなに近くで見つめられたら、集中できるわけないじゃないか…) 再び本と向き合うが、やっぱり一文字も頭に入らない。 私はもう読むことを諦め、適当に文章を目だけでなぞり、ゆっくりページをめくっていく。 頭に浮かぶのは目の前のかがみの小さな唇。柔らかそうな『それ』は、かがみが いつも使っているリップのせいか潤いに満ちたまま軽い弧を画いている。 気のせいか、かがみに抱きついたりすごく傍に近づいた時にだけ感じる甘い香りもする。 (全く…かがみは無防備すぎだよ) もし私がひょいと顔を上げて首を伸ばせば、かがみが抵抗する暇もなくその唇を奪える距離だ。 かがみがすうっと息を吸い、唇が少しだけ開いた。 まるで空気とともに吸い寄せられるような感覚に私は思わず息をのむ。 『奪っちゃえって。かがみだって望んでいるからこうやって誘っているのかもよ?』 私の中にいる蛇がそう囁く。 (いやいや、蛇さんやそんな訳あるわけないじゃないですか。ってゆーか、それ何てエロゲ?) 『馬鹿だなー、かがみフラグなんて立ちまくりだって。間違いなくトゥルーエンド一直線。もう ゴールしてもいいんだよ?』 (いやいやいやいや!!最近のギャルゲー舐めちゃいけませんぜ蛇さん! トゥルーエンドと見せ掛けて カオス!ラブラブと思ってたらNTRエンドは当たり前! 空鍋、包丁、鉈、おはぎ!!) 『そ、そうなの?』 (そうなんです!) 『というか空鍋とおはぎって何?』 やれやれ、この蛇のギャルゲ歴は葉鍵全盛期で止まってるみたいだ。 (と、ともかくそんなこと無理なんだからっ!) 『ふーん…でも禁断の果実ってのは甘美な味だっていうけどな~』 (う゛~、もういいから引っ込んでなさい!!) 『はいはい、そうしますよ。それにしても、いつもは飄々としている風を装いながら 心の中じゃ焦りまくってるなんてかがみが知ったらなんて言うんだろうね』 ニヤリと――いつもの私のように笑って蛇は私の中に帰っていく。 (うぅぅ…) 図星を指されたせいか、私の心は何も言い返せないまま押し黙る。 頭の中ではかがみの唇と一緒にさっきの蛇の言葉がぐるぐる回る。 (禁断の果実…か…) 確かにそうかもしれない。 神様が食べちゃダメ!っと言ったのに蛇の囁きに負けてイヴが食べた果実。確かそれは リンゴだったと聞いたことがある。 そういえば、ずっと昔やった心理テストには「リンゴの味のイメージでファーストキスの味がわかる」 というものがあった。 望む全てのモノがあるエデンの園でイヴが食べた果実は『知恵の実』。 その実を食べて知恵をつけ、自分が裸であることなど様々なことを『知ってしまった』二人は 神様に楽園を追放されてしまった。 きっと私も、これを食べてしまったら『何かを知って』今の幸せはなくなってしまう… そんな気がして私は今までこの目と鼻の先にある果実に触れることが出来なかった。 多分、私は贅沢なんだろう。 好きな人が傍にいてこうして笑っていてくれる。私のダメなところを怒ってくれて、私の 度を超した悪ふざけも何とか許してくれる。居心地の良い場所を私にくれる。 こんなに幸せなのにそれ以上を求めてしまう。 ひょっとしたらそれを求めることで今の全てを失うかもしれないのに…。 でもそんな不安とは別に、私の中の蛇はどんどん大きくなっていく。 『――が私のことをどう思っているか知りたい』 あの果実に触れ、その中に満ち満ちた甘い果汁を吸ったら分かるかもしれない。 閉じた目を開けた時、――はどんな反応を見せるのだろうか。 今みたいに微笑んでくれるのかな? それとも…。 「ちょっとこなた、ちゃんと読んでる?」 「へっ?!」 こなたが我に帰るとかがみの顔が目の前にあった。 先程よりずっと近くにある『それ』にこなたの顔が真っ赤になる。 「よ、読んでますよっ?!」 「本当に? なんだか反応鈍いけど、どこまで読んだのよ」 「か『空回りのランチタイム』…かな?」 先程目次を見た時にチラリと目に入ったタイトルを挙げる。 「嘘つき、ページからしてまだ一話目じゃないの」 さすがは所持者、しっかり嘘がバレてしまった。 かがみは機嫌を損ねたように腕を組み、そっぽを向く。 「ううっ、そんなにマジマジと見られたら集中できないんだって…」 こなたがなんとか小声を絞り出すとかがみはこなたにずずいっと接近し、人差し指を立てた。 「それじゃ、この本貸すからちゃんと読んでおくように!」 「う、うん」 その返事に満足したのかかがみは立てた人差し指でこなたの額をツンとついて笑った。 「ちゃんと感想聞かせてね、ニブニブこなた」 こなたの目と鼻の先には、笑みによって細められたかがみの『目』がある。 それはこなたが知りたがっていた疑問の答えそのものなのだが…そのことを知っているのはただ一人。 God only knows…. 終 コメントフォーム 名前 コメント 禁断の果実のとこの描写が的確 -- 名無しさん (2024-04-02 23 11 02) GJ! -- 名無しさん (2022-12-21 11 15 01) 内容とアホなタイトルとのギャップ萌えwww -- 名無しさん (2009-09-05 00 41 10) 『神の味噌汁』と掛けてるだけじゃ? -- 名無しさん (2008-07-29 19 18 31) ↓かがみ『のみぞ』知る、じゃない?俺も最初勘違いしたが -- 名無しさん (2008-06-20 15 49 39) このSS、みぞ汁ってタイトルでいーのかよ… -- 名無しさん (2008-06-20 01 03 47) ↓猛るなww けど面白い!グッジョ~ブ! -- 名無しさん (2008-06-20 00 40 53) うわーうわーうわわわ!!!こなたが揺れてる描写が新鮮で…猛りました!! -- 名無しさん (2007-11-22 05 44 41)
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「かがみ~ん♪」 「ちょ、ちょっと待てっ! やぁ……そこ、だめらってばぁ……」 ― 翌朝 ― 「きのうはよく おたのしみ でしたね」 『なあっ!?』 「か、かがみんがあんな大きな声だすから……!」 「ち、違うでしょ!? あんたが最後あたり調子に乗って……!」 「それじゃあ、もう一泊する?」 「ええ、いいわよ! 今度こそどっちが我慢出来なかったのか確かめてやるんだから!」 ― その日の夜 ― 「こうなったら先手必勝よっ! ……って、ど、どこをどうすればいいのかしら……。 あ、あれ? えと……」 「主導権を握ろうとして、結局失敗するヘタレかがみ萌え~」 「う、うるさいっ!」 「いい? ここをこうすると……」 「くあぅっ!」 「かがみ可愛いっ! これだから私はかがみの事が……」 「こなた……こなたぁっ!!」 ― 翌朝 ― 「きのうはよく おたのしみ でしたね」 『はうっ!』 「ば、ばっちり聞こえちゃってるじゃない!」 「だってかがみがあんなに感じて大きな声で……」 「わぁわぁわぁわぁっ! エッチな発言は禁止!」 「ん~? エッチな発言って、どんな発言かにゃ~?」 「き、聞くなっ! ……こうなったらもう一泊よっ!」 「え~」 「文句あるか?! いいから早く来なさいっ!」 「はいはい……」 「さっさと隣に寝る!」 「……まぁ、そんな素直になれないところがかがみの良いところなんだけど……」 「何か言ったか?」 「何でもないよ? ……かがみ~ん♪」 (始めに戻る) コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-24 10 41 20) ずっと見てて飽きないですね♪ -- かがみんラブ (2012-09-15 20 32 20) いつまでやるんだろ・・・・。 -- 名無しさん (2010-05-15 21 04 15) まったく毎晩毎晩… もっとやりなさい!! -- 名無しさん (2010-05-15 16 55 10) いや〜、やっぱりこな×かがっていいものですね。 -- 小林亜星 (2010-01-10 23 29 24) 無限ループですね。分かります。 -- 名無しさん (2008-07-04 22 09 26)
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byらきすた厨(京都府) 「はぁ……」 近頃ため息ばかり付いているような気がする。思い返せば家族と離れて一人暮らしを始め、3年の月日が流れた。大学に入学した当初は友達なんてすぐ出来るだろうと気楽に構え、積極的に友達をつくろうとはしなかった。 しかし、私は元来の性格から少し近寄りがたく見られてしまうのか、あまり人から話しかけられることはない。こんな私が待っていても友達なんて出来ないのは当然だ。 それでも当時は、まだこなた達と電話やメールのやり取りは活発にしていたし、焦る必要は無いと楽観していた。今思うと、これが間違いだった。 皆、新生活で新しい人間関係を築いていった。そして、少しずつ疎遠になっていった。新生活を謳歌している彼女らが私には眩しかったのだろう。今では完全に一人ぼっちになってしまった。 勉強をしようにも身が入らず、ただ空虚に日々を過ごしている。 1年ほど前から夢を見るのだ。夢の中には、こなたやつかさ、みゆきが居る。日下部や峰岸も居る。 昨日の夢はただ皆とお喋りをしているだけの夢。それでも、現実より何倍も、何十倍も楽しかった。 「昨日もネトゲで徹夜して眠くってさー」 「お姉ちゃーん、ここの問題教えてー?」 「また虫歯ができてしまいました……」 「おーい、柊ぃ。宿題見せてくれよぉ~」 「柊ちゃん、クッキー焼いたよー」 他愛も無いお喋りがこんなに楽しいものだとは思わなかった。 「今日も良い夢が見られるといいな……」 まだ午後10時。大学生ならば当然皆起きているような時間だ。それでも私は布団に入る。 半年ほど前から、睡眠薬を使って無理にでも眠ろうとしている。布団に入ったまま眠れない時間が続くと、つい色々と嫌なことを考えてしまうからだ。 「おやすみ、こなた」 と、居もしない人物にあいさつをした。 そして私のまぶたが落ち、意識が遠のいていった。 「時代はチアだよ!おふたりさん」 「ゆーちゃんが皆で一つのことをやり遂げたいって凄く一生懸命でさー」 「あれだけ嫌がってたのになんかこう…… 一番熱心でいらっしゃいますね……?」 「こんな風に皆さんと何かを出来るチャンスに恵まれて、嬉しいデス!」 「お祭りを準備をしているときが一番楽しいと言いますしね」 ジリジリジリ、ジリジリジリ、ジリジリジリ・・・ いつものように目覚まし時計の音で目が覚める。 今日の夢は桜藤祭で踊ったチアダンスの準備をしていたときの夢だった。 みゆきがお祭りは準備が楽しいと言ったのは今でも鮮明に覚えている。高校生や大学生のモラトリアムの期間は、言わば人生の準備期間。今私が空虚に過ごしている期間が、本来ならば人生で一番楽しいのかもしれない。 「最近ネガティブなことばっかり考えてるわね。気を付けなくちゃ」 そう自分に言い聞かせる。昨日が夏休み最終日。今日からまた学校に行かなければならない。 「いってきます」 もちろん返事は返ってこない。憂鬱な気分で私は学校へ向かった。 夕方、どこかに遊びに行くことも無く、一人帰宅する。そのまま私はベッドへと倒れこんだ。 今までは切り替えが出来ていたはずなのに、今日はネガティブな思考がずっと頭の中をグルグルとまわっている。 「今まで何とか耐えてきたのに。どうして今になって。もう耐えられないわよ、こんなの……」 今まで抑えてきたものがここにきて決壊した。自然と涙が溢れる。1時間ほど泣き続け、泣き疲れた頃には眠ってしまった。 「おーい、かがみぃ~」 「お姉ちゃーん」 「かがみさーん」 「柊ぃ」 「柊ちゃーん」 はっと目が覚めた。時計の針は午後9時を指している。帰ってきた頃に部屋を照らしていた西日はもうとっくに姿を隠してしまった。 夢の内容は思い出せなかったが、とても暖かいものだった気がする。 ふと睡眠薬が目に留まった。まだ20錠以上残っている。 「これ、全部飲めばずっと皆と一緒に居られるのかな」 永遠の夢の世界で、皆と終わらない日々を過ごす。 ずっと同じ日々の繰り返し。 皆とずっと一緒。何て甘美な響きなんだろう。 一錠一錠、丁寧に取り出していく。 「あぁ、そうだ。水も必要よね」 コップに水を汲み、睡眠薬を手に取った。 不意に水面に自分の顔が映る。泣きつかれて目元が真っ赤になっている。 「ひどい顔ね」 と、私は自嘲気味に笑った。 「こなた、つかさ、みゆき。皆。ずっと一緒にいようね」 そう呟き、いざ飲もうとした瞬間、携帯の着信メロディーが流れた。 「誰?」 そこには「泉こなた」という文字が浮かんでいた。 「もっ、もしもし? こなた?」 「やぁー、かがみー。久しぶりー」 「そっそうね。 何か用でもあるの?」 内心の動揺を悟られまいと出来るだけ平静を装う。 「いやぁ、久しぶりに話したくなっちゃってさ。かがみはさびしんぼさんなんだから泣いてるんじゃないかと」 だめだ、限界だ。 「ちっ、違うわよぉ。こなたの馬鹿ぁ……」 涙が溢れる。もう、隠すことなんて出来ない。 「ちょ、どうしたの、かがみ? 本当に泣いちゃって」 今までのこと。友達が居ないこと。ずっと寂しかったこと。 そして、大量の睡眠薬を飲もうとしていたことを。 「馬鹿だなぁ、かがみは」 「ば、馬鹿って何よっ」 「だってそうじゃん。会えるっていったって夢の中だけなんだよ? それに、もしこれでかがみが死んじゃってたらどうすんの?」 「そ、それは……」 珍しく真剣なこなたの口調に気圧される。 「かがみ、夢というのは終わらなくちゃならないものなんだよ。終わらない夢っていうのはもう何も先にないんだよ」 「うん……」 涙が止まらない。 「それにね、かがみがもし死んじゃってたら、つかさやみゆきさん。それに私だって悲しいよ。だからさ、かがみ。ちょっとずつ現実を歩いていこうよ。辛いときはいつでも相談に乗るから」 「うん……。私が馬鹿だった。ありがとう、こなた。ねぇ、こなたって今でも私のこと、友達って思ってる?」 「当たり前でしょ! かがみんはずっと私の大切な友達だよ!」 「ありがとう。ありがとう、こなた……」 嗚咽でまともに喋ることができない。 「じゃあね、かがみ。また電話するよ。今度一緒にカラオケでも行こうよ」 「うん。絶対!」 電話が切れる。でも、寂しくなんかない。 少し、ほんの少しだけ勇気が湧いた。この一歩踏み出す勇気が私には足りていなかった。 夢に停滞していた私とは今日でお別れにしよう。 例えどれだけ辛くても、現実世界を歩んでいこう。 そうだよね?こなた。 End
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ある日の事だった。 今日もかがみが自分の体を気にしている事を私に漏らしていた。 かがみ「はぁ…また太っちゃったかなぁ?」 こなた「いやぁ、かがみんはこの位の量が丁度いいよ。」 かがみ「はぁ?何の話よ!?」 かがみがそういうと、私はすかさずかがみの後ろに回りこみ、かがみの胸を鷲掴みにした。 こなた「こことかね、ほら!」 かがみ「きゃっ…ちょっとこなた…やめなさいよ!!」 かがみはいつも期待通りの反応をしていた。 私はそのままかがみの胸を揉みまくった。 いつものように軽い冗談のつもりだった… 所が何だろう…段々変な気持ちになってくる。 かがみ「もう、いい加減にしなさいよ!やめてよ!!」 かがみの怒鳴り声でふと我に返り、かがみの胸から手を離した。 こなた「…ごめん、かがみ」 かがみ「あれ?今日はやけに素直ね。」 こなた「うん、私…教室に戻るね…」 そう言って教室に戻った。 今日は委員会の放課後会議だったので、帰りはかがみと別々だった。 結局あれから、かがみと顔を合わせていない。 つかさやみゆきと別れて一人になった後、ふと自分の手を見ながらグーパーを繰り返す。 こなた「何でだろう…私女なのに…」 考えてみれば自分以外の胸を触る事自体が初めてだった。 自分の手には未だかがみの胸の感触が残っている。 今まで触った事が無い、自分の胸には無い、予想外に柔らかい感触が… 興奮しているのか悔しいのか、よく解らない複雑な気持ちだった。 自分の部屋に到着し、気を紛らわそうとPCの電源を入れる。 そういえばお父さんから借りたエロゲーがあったな… そう思いプレイしてみると、ゲーム中さっきかがみにやった事とほぼ同じCGが現れた。 ディスプレイには男性医師が看護師の胸を後ろから鷲掴みしているCGが映し出されていた。 その瞬間、自分はかがみの事を思い出し、我慢できなくなってしまった。 PCを放置したまま、ベッドに倒れこみ、うつ伏せになって自分を慰めた。 こなた「あっ…うううう…ひゃっ…か…かがみん………」 左手を動かしながら、右の手でかがみの胸の感触を思い出しながら、自分の無い胸を撫で回す。 やがて悲しくなってきて、自分の胸から手を離し、自分の胸の前でかがみの胸を思い出しながら空気を掴む動作を繰り返した。 こなた「柔らかい…気持ちいい…かがみ…」 そんな事を繰り返している内に、悔しさや興奮が罪悪感に変わっていった。 そして急にかがみが恋しくなってきた。 かがみに会いたい! そう思い始めた直後、動かしていた手を止め、下着を替えて家を飛び出した。 かがみの家が遠く感じる… ようやく柊家に到着したものの、チャイムを押す勇気が無い。 かがみ「こなた?」 門の前で戸惑っていると、後ろからかがみの声が聞こえた。 振り向くと、そこにはまだ制服姿のかがみが居た。 丁度今学校から帰ってきた所みたいだった。 こなた「かがみ…会いたかったよ!…ごめん…ごめんね…」 かがみ「え?どうしたの?」 怒ってはいないみたいだった。 気が付くと私は泣いていた。 こなた「昼間、かがみの胸の件…」 かがみ「ああ、あれね。だって普段からこなたがしそうな事じゃない? それよりあの後急に教室に戻っちゃったからそっちを心配しちゃったわよ。」 こなた「かがみ、違うんだよ。私は、人としてやっちゃいけない事を…」 …かがみをオカズにして…自分の親友をオカズにして…うううう…」 気が付いたら私は滝のように大泣きしていて、もはや自分で何を言っているのか解らなくなっていた。 そんなこなたを見て、かがみは思わず笑い出した。 かがみ「ふふ、こなたって結構可愛い所あるんだね。小さいこなたには刺激が強すぎたかしら?」 こなた「…かがみん…ひどいよー!」 かがみ「酷いのはお互い様でしょ? …素直に言ってくれれば良かったのに。」 そう言いながらかがみは私の顔を胸に押し付けるように抱きしめてきた。 やっぱかがみの胸は柔らかいな… でも今度はさっきのような興奮は無くて、むしろ落ち着く。 性的興奮とか、悔しさ等は全く無く、母性を感じていた。 …お母さんってこういう感じなのかな? こなた「かがみ?おっぱいって凄いね。」 かがみ「ちょっ恥ずかしい台詞禁止!」 かがみが返事を返す頃には、既に私は眠っていた。 もう暫くこの温もりを感じていたい。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-01-06 08 06 04) この際、こなたのちっぱいを揉みしだくかがみとかも見てみたいな。 -- 名無しさん (2013-08-01 23 54 33) 他の方は『ひどい』と否定されますが、別にいいと思いますよ! -- 名無しさん (2013-07-27 20 58 06) 最後…何かホッとします #10084; -- 名無しさん (2013-07-27 20 55 56) こなた可愛い! -- 名無しさん (2013-07-09 21 50 24) コナタ LOVE 大好き -- 名無しさん (2013-06-09 09 15 14) 失礼ながら、自慰をするこなたが可愛く見えます -- 名無しさん (2012-10-03 18 32 37) こなた〜どんだけ〜? -- かがみんラブ (2012-09-25 20 15 59) こなたの発言にたいする かがみの心の広い行動に感動 -- 名無しさん (2010-08-23 17 05 43) ( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい! -- 名無しさん (2010-03-29 21 29 14) こなたは母親柔らかい胸の記憶が無いのでしょうね。その境遇が成長しても柔らかい包み込むような胸(母性の象徴)に惹かれるのでしょう。 -- kk (2010-03-02 00 26 16) なんてひどい 下ネタ自重しろ! -- 名無しさん (2010-03-01 17 32 39) 母性か・・・母親はやっぱり大事な存在。 気付いた時にはもうこの世にはいない。 生きているうちに親孝行すべきだな~。 -- 名無しさん (2009-12-13 03 21 19) ひどいような ひどくないような。 -- 名無しさん (2009-12-09 21 45 33)
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かがみ様と選択肢 「おーす、こなた。お見舞い来たわよ…って寝てやがる…さては、また徹夜してたな」 間抜けな顔して寝息を立てているこなた。まぁ、こんな時間に寝てるって事は、“昨晩に何をやっていたのか”だいたい想像がつくというもの。 ネトゲ、もしくはゲーム、漫画、アニメ、挙げていけばキリが無い。まったく…風邪ひいてるんだから、大人しく寝てなさいっての。 しかしまぁ、起きていてもアレ…相手するのが面接くさいけど、寝ていれば寝ているで暇で仕方ない。ていうか起きてなさいよね!お見舞いに来ても…その、なんか微妙だし…。 それにしても、どうしようか…? →・こなたんゲットだZE☆ ・眠り姫だなぁ!こなたん!! ・いただきますWWW ・私は我慢弱い女だッ! ・ウホッ♪いいこなたんWWW ……いやいやいやいや!変態か私は! そう!こなたに押し倒されるのが良い訳で…って違ぁぁぁぁぁぁぁう! しかもウホッて何よ!?あれかな?田村さんとかバター…じゃなくてパトリシアさんに聞けば分かる感じの?いや、そんなんどうでもよくって! そう、落ち着くのよかがみ。こなたは親友なのよ?分かってる? いくらこなたの寝顔が可愛いからといって、手を出してしまえば色々と問題になる訳なのよ?でもこなた可愛いよこなた…って私ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! 「あ、こんにちは♪かがみ先輩。…ってあれ?ど、どうして泣いてるんですか?」 「こんにちはゆたかちゃん。…お願い、このロープで私を柱に縛り付けて?」 「え?えぇ?あ、あの…」 「いいから…」 「でも…」 「いいから…」 ―――数時間後 ん…?あぁ、そっか、昨日は風邪ひいて今日は学校休んだんだった。 それにしても、風邪をひこうが何しようがゲームはやっぱやめられないものなのだよ画面の前の君達。 「ふをっ!?か、かがみ…な、何やってんの?そんなとこで…」 「お見舞いよお見舞い…」 「ど、どうして柱に縛り付けられてるの?なんかやらかしたとか?」 「私が俗物だからよ…」 「はい?よく分かんないけど、泣かないでよかがみ」 「ありがと…」 後日、かがみに今日の事を訊いても、答えてくれる事はなかった。 糸冬 コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-06-02 11 20 21) 阿部さん『やらないか…?』若者『ウホッ!いい男…』 -- 名無しさん (2009-05-18 20 09 33) 阿部さんのネタか・・・大好きです、こうゆうネタ♪ -- 名無しさん (2009-01-04 19 18 24) 愛しの彼女が振り向かない のネタ使う人初めて見ました(-_-;) -- 名無しさん (2008-12-29 21 17 42) 変態かがみんいいねーいいねーw -- 名無しさん (2008-12-22 00 36 16) >へんたいか私は! そうです。 -- 名無しさん (2008-12-19 18 42 48) ちょwwwグ○ハム大尉www 選択肢のなかにグ○ハム大尉がwww へんたいなのによく自重した! -- 名無しさん (2008-12-19 18 34 14) へんたいかがみさん -- 名無しさん (2008-12-19 16 48 03) 選択肢の意味が全くないです(><) -- 名無しさん (2008-12-18 22 48 35)
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778 :柊かがみの憂鬱Ⅰ:2008/03/19(水) 19 00 18 ID nqbuQAd3柊かがみは憂鬱であった。 なぜなら、高校生になってからというもの、妹つかさと一緒に寝る回数が減ってしまったからである。 そんなある夏の日のこと。 「つかさ、こなたからゲーム借りてきたから一緒にやろう」 「いいけど、どんなゲームなの?」 「ホラーよ、ホラー。暑いし、ちょうどいいでしょ」 「えぇ~、お姉ちゃん、わたし怖いの苦手だよぉ~」 「大丈夫よ、本当に幽霊とかでるわけないでしょ」 「うぅ、じゃあ頑張ってみるよ。でも、夜怖くなったら、お姉ちゃんの部屋に来てもいい?」 「まぁ、誘ったのはわたしだし、どうしても怖かったら来てもいいわよ」 と言って、ゲームを始めた。 その日の夜。 かがみの部屋につかさがやってきた。 「うぅ、お姉ちゃん」 「つかさ、どうしたのよ」 「怖くて、一人じゃ眠れないよぉ~」 「まったく、つかさはほんとに怖がりなんだから…仕方ないわね、一緒に寝てあげるわよ」 「ありがとう、お姉ちゃん」 そう言って、つかさはかがみのベッドに潜り込んだ。 そして、安心したのだろうか、つかさはすぐに寝てしまった。 かがみは、それを確認するとつかさを抱きしめた… 779 :柊かがみの憂鬱Ⅱ:2008/03/19(水) 19 01 35 ID nqbuQAd3朝になって、目を覚ましたかがみは、こなたに電話した。 「もしもし、こなた。今日休みでしょ、だから映画でも見に行かない?」 お昼前になり、つかさが起きてきた。 「つかさ、今日こなたと一緒に映画見に行くわよ」 「うん、じゃあ用意しとくね」 映画館前でこなたと合流した。 「あっ、こなちゃんだ」 「おーす、こなた。ちゃんと時間通りに来たわね」 「いやぁ~、他ならぬかがみんからのお誘いだからね。ところで、どれ見るの?」 「お姉ちゃん、わたしこれがいいなぁ」 と、つかさが恋愛ものの映画を指さした。 「だ~め。つかさに恋愛ものはまだ早いわよ」 「おぉ、姉が妹を恋愛から遠ざけて…かがみん、ひょっとして妹離れできてないんじゃない?」 「ちょっ、そんなことあるわけないじゃない…。今日は、これを見るの!」 と言って、かがみはホラー映画を指さした。 「うぅ、怖そうだよぉ~」 「大丈夫よ、わたしがついてるでしょ」 「じゃあ、怖かったら手つないでもいい?」 「いっ、いいわよ。別に…」 「じゃあ、わたしも怖かったら手つないでいい?」 と、こなたがニヤニヤしながら言ってきた。 「あんたはダメよ」 「むぅ~」 こなたが膨れていたが、気にせず映画館に入って行った。 上映中、かがみとつかさはずっと手をつないでいた。 780 :柊かがみの憂鬱Ⅲ:2008/03/19(水) 19 02 39 ID nqbuQAd3その日の夜。 つかさの部屋… 「今日の映画怖かったよぉ~。お姉ちゃんの部屋行っていいかなぁ。でも、あんまりお姉ちゃんに迷惑かけちゃだめだよね」 1時間経過… 「うぅ、やっぱり眠れないよぉ~」 そのとき、つかさの部屋のドアがゆっくり開き、誰かが部屋に入ってきた。 それに気づいたつかさは、恐怖で震えた。しかし、その正体が分かると安心した。 「お姉ちゃん」 「なに震えてるのよ」 「怖くて…」 「だったら、わたしの部屋に来ればいいじゃない。なんで、来ないのよ」 「だって、お姉ちゃんに迷惑かけちゃうもん」 「ばかね、迷惑なわけないでしょ。…怯えてわたしの部屋に来るんじゃないかと思って、ずっと待ってたのよ。いくら待っても来ないから来ちゃったじゃない」 「ごっ、ごめんね。お姉ちゃん」 「もう、今日はつかさの部屋で寝るわ。いいでしょ?」 「いいけど…。お姉ちゃんひょっとして、わたしのために…」 「いいから寝るわよ」 と言って、かがみはつかさのベッドに潜り込んだ。 781 :柊かがみの憂鬱Ⅳ:2008/03/19(水) 19 03 33 ID nqbuQAd3ベッドに潜り込んだかがみが口を開いた。 「ごめんね…」 「なにが?」 「今日わたしのわがままで、つかさに怖いおもいさせちゃったでしょ…自分のことばかり考えて、妹に配慮できないなんて姉として失格よね…」 「そんなことないよ。お姉ちゃんは立派なお姉ちゃんなんだもん!」 「…つかさ」 「それに、わたしうれしかったよ。高校生になってから、お姉ちゃんと一緒に寝る回数が減っちゃって寂しかったけど、怖いの言い訳にしてお姉ちゃんの部屋で寝れたし、いまだってお姉ちゃんがわたしと一緒に寝てくれてるもん」 「つかさも寂しかったの?」 「えっ、お姉ちゃんも?」 「わたしね、高校生になってからお姉ちゃんに迷惑かけないように自分でなんでもしなきゃって思ったの。だっていつまでもお姉ちゃんに甘えて迷惑かけてたら、お姉ちゃんわたしのこと嫌いになっちゃうと思ったから…。でも、本当はもっと甘えたかった」 「わたしもね、ホントは一緒に寝たいと思ってたのよ。でも、高校生にもなって姉にベタベタされたら、妹的には嫌なんじゃないかなぁって思ったのよ(だから、つかさからわたしのところに来るようにいろいろと…)」 「ねぇ、お姉ちゃん。お願い、ぎゅってして…」 「しょうがないわね、つかさは…もう、頼まれなくてもぎゅってしてあげるわよ」 この日を境に、二人は以前のように一緒に寝るようになった。 こうして、柊かがみの憂鬱な日々は幕を閉じた。
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こんなに近くにいるのに。伝えたいのに。 大きな声で大好きって言いたい。 でも臆病な私は伝えた後を考えてしまう。 パソコンに向かってる顔。 今はこっちに向かってないけど普段はその満面の笑顔で笑ってくれる。 その顔を見ることが出来なくなってしまったら? 傍にいることも出来なくなってしまったら? そんなこと耐えられない。 だからこの気持ちを閉じ込めよう。 ―――そんなこと出来るの? 今までだって何度も同じこと考えた。 夜に一人で考えて無理やり納得させて布団に入った。 でも待ち合わせ場所であいつの顔を見るとそんなことは無理だった。 それでもしようと思う。 この感情は普通じゃないから。 そうも思うのと反対に我慢すればするほど気持ちが溢れてくる。 好きなのに伝えられない。今、目の前にいるのに伝えられない。 それがとてもつらい。 ぽろ… 気持ちが涙になって溢れてくる。 駄目。泣き止みなさい柊かがみ。 今はただの友達として家に遊びに来ているのに。 「どったのかがみん?」 こっちを向いてるこなたは心配そうにして。 分かってる。ふざけてるような口調だけど本当は優しい性格だからすごく心配されてるって。 今もほらすごい心配そうな顔で見てる。 だからこそ泣き止まなきゃないのにぽろぽろと涙は止まらない。 涙が止まらないならせめて顔を見られたくないから下を向いた。 ……好き。好きなのぉ。 「ねぇ、本当にどうしたの?」 「なッ…んでも…な…ぃから」 やめて、そんな優しい声で言わないで。 我慢できなくなるから。本当のことを言いそうになるから。 ギシ… いつの間にか椅子から立ち上がったこなたは私の横に座っていた。 顔は見えないけど心配されているのが雰囲気で分かる。 こんな顔は見せたくないから、これを見せたらもっと心配される。 こなたにはいつでも笑っていてほしい。 だから私は全部嘘よ、なんて言っていつもの調子に戻らなきゃならないのに。 誰か教えてよ。 今すぐ泣き止めて彼女を笑顔にする魔法の言葉を。 ……いや本当は知っている。 幸せになれるたったの二文字で完成する魔法を。 その魔法が掛かれば私はすぐに泣き止めるし、これから泣くことも無くなるだろう。 でもそれはこなたが紡がなきゃ意味がない言葉。絶対に聞けない言葉。 「ねぇ、かがみ。言いたくないことだったら言わなくてもいいけどさ。 でも私はかがみのこと親友だと思ってるし好きだよ。 だから我が儘かもしれないけど本当のこと聞きたい。それに……」 分かってる。勘違いなんかしない。 こなたの言ってるのは親友としての好き。 でもそんな風に言われると勘違いしそうなのよ。 だから… 「かがみ…」 そんなに優しくしないでよ… ―――ペロッ 「――――――ッ」 吃驚して横を向くと悲しそうな顔をした彼女がいた。 彼女が何をしたいのか分からなくて、私はまだされたことが何なのかちゃんと理解してなくて。 違う。理解はしてるけどその理由が何なのか分かってないんだ。 ―――そんなことしていいの? 本当に勘違いしちゃうよ? 「かがみ。これは―――」 悲しそうな顔を一変させ、真面目な顔で彼女は言い始めた。 私の勘違いじゃないなら言ってよ。泣き止ませて見せてよ。 魔法の言葉で―― 「……嘘を付いてる味だね?」 「………」 「………」 「くっくっくははは!」 「…あはっ、はははは!」 私たちはそれからしばらく馬鹿みたいに笑いあった。 今までの雰囲気を全部吹き飛ばして頭の中をからっぽにして笑った。 「あー1ヶ月分くらい笑ったわ」 「じゃあこれから1ヶ月はかがみんの笑った顔を見れないんですかなー」 「いや物の例えでしょうが」 よかった普通に話せてる。 私はこれからも普通に過ごせる。 「まあ私が笑わせればいいんだけどねー。わきわき」 「自分で効果音つけるな!」 でも今までとは違う。私は魔法にかかってしまったから。 想像していたのと違う魔法だけどたしかにかかってしまったのだ。 この気持ちを奥底に沈めても生きていける。 手をわきわきと動かすこなたを見てそう思った。 魔法の言葉 ~こなた~ コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-10-10 12 44 21) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
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玄関のチャイムを鳴らすとすぐに、「いらっしゃい」という言葉と共に扉が開いた。 私にとっては、もはや慣れ親しんだ場所で、友人の家に上がりこむときの特有の高揚感というものは感じられなかった。 「ハッピーバースデー」 と、お決まりの文句が私の第一声だった。親しい仲に改めて誕生日を祝うというのはどうも小っ恥ずかしく、 ちょっとした冗談も思わず添えてしまったのだが。 「お誕生日おめでとうございます」 一緒に来たクラスメイトもお決まりの挨拶をした。普段どおり礼儀正しく、なのに初々しく。 「おお、サンキュー」 ほら、そうしたらさっき私の冗談で怒っていた顔が、ふわりと柔らかくなって、私には滅多に見せてくれない 可愛らしい笑顔を隣に向けてしまうのだ。 こういうことになるのは分かっているのに……私はいつも素直になれないのだ。 目の前で微笑む私の大好きな人は、しかしその笑みが私に注がれることはなく、それに嫉妬してしまう自分が 本当に嫌になる。 「これ、つまらない物ですが」 ドロドロとした嫉妬にも気付かず、やんわりとした微笑を讃えながら、彼女は更にプレゼントの入った紙袋を手渡した。 あまり表情は変らなかったが、しかしいつも見つめている私には分かってしまった。彼女からのプレゼントに 本当に喜んでいることを。 そして私はまた彼女を恨めしくまた羨ましく思ってしまう。 ドロドロ。ドロドロ。ドロドロ。どす黒く、粘性の強い溶岩が体の中を流れていくような感覚。強い、独占欲が、 私を、支配して── 「……ッ」 冷や汗がつーっと流れた。また、やってしまったと思った。 私はそんな邪まな感情を拭い去ろうと、平静を装ってプレゼントを渡した。 やはり、あまり喜んではもらえなかった。私の想い人は、センスや趣味が私とはまるで違うのだ。 いや、それはきっと言い訳。勇気のない自分への言い訳。 本当はもっと別のものを買ってきていたのに、結局渡す勇気がなかったのだ。 部屋に上がらせてもらった私達は、愛すべき人の妹がつくったクッキーを肴に話に花を咲かせていた。 だけど私は、クッキーを食べてばかりいた。彼女の方ばかり見て話すのにまた嫉妬していたからだ。 なのに、あの人に『他人の誕生日なのだから遠慮しろ』と言われてしまった。 ああ、まったく私の行動は裏目に出てしまう。好かれたいのに、そのせいで嫌われてしまいそうなジレンマ。むしろ恐怖。 でも私はやっぱり意気地なしだから「美味しいからね」などとはぐらかす。 だけど私は一瞬手を止めてしまった。今回は自分も一緒にそのクッキーを作った、などといわれてしまったのだから。 体が、顔が火照るのが分かる。頬が高潮しているのかもしれない。 それはそう、ごく自然な反応。だって、家事が得意というわけでもないのに、私のために作ってくれたかも 知れないクッキー。 ・・・・・・・・・・・・ そう、作ってくれたかも知れないクッキー。本当は彼女のために作ったのかもしれない。 「どうしたの?」 またドロドロしたものがこみ上げる。私は咄嗟にごまかすことしか出来なかった。 「そう聞くと、美味しいのとそうじゃないのがある気がするから不思議だよね」 だって、あなたが作ってくれたものに叶うものなどないのだから。 「なんだと!」 また怒らせてしまった。 そうやって憎まれ口を叩いてばかりでその日は終わる──はずだった。 「じゃあ、私はこれで失礼しますね」 おっとりとした足取りと口調で彼女は退室した。 正直、ほっとした。最近彼女といると、嫌な感情ばかり覚えていたから。 「私も夕飯の準備してくるね」 妹もそういって出て行った。 気まずい。お祭りが終わった時の余韻と、やるせなさが混ざったのと同じ感じがする。そして何より、2人きり。 本当はもっと一緒にいたかったけど、その空気に耐えられず、私も帰ることにした。 「じゃあ、私も帰るね」 なのに、私は腕を掴まれた。 「え?」 ドキドキした。私の腕を掴む、その手を通して、鼓動が伝わるんじゃないかと思うぐらいに。 「その……送ってくから」 「ど、どうしたの。珍しいね。というか初めてじゃない?」 多分そんなようなことを言ったと思う。口早に言った台詞は、あまり考えずに言ったので覚えていないのだ。 あっという間に家についてしまった。 始終ドキマギしっぱなしだった私にとっては数分の出来事に思えた。 ガチャッという音をたてて、カギが開いた。 「それじゃ、さよ──」 うなら、と続けようと後ろを振り返り、私は瞬間固まってしまった。 「…………」 ・・ そこには、いつの間にか髪を下ろした愛おしい少女がいたのだから。 「あのさ、私ね、誕生日に言おうって決めてたんだ」 彼女が、言葉を紡ぐ。 「私……貴女の事が好きなの。 好きだから照れ隠しに怒って見せたし、好きだから一緒のクラスになりたいと思ったし、好きだから いつも一緒にお弁当を食べてたの!!」 狂おしいほど愛おしい。だけど届かないところにいたはずの彼女が、そんなことを言ったのだ。 もう、この気持ちを言葉にすることなど不可能に違いない。私はこんな気持ちを表す言葉を知らない。 「私、、、もぉ。私も、好き。大好きぃ」 「う、わ、ちょっと、なんで泣くのよ」 「だって、だって、だって」 嬉しさで涙が出るなんて本当にあるんだ、と思った。 「もお、仕方ないな」 そういって彼女は私をそっと包み込んでくれた。 彼女の手が、腕が、体が、暖かい。丁度彼女の胸の辺りに私の頭が、トンと乗った。 「ぅ……ぐしゅ」 「ほらほら、よしよし」 「うん……」 そっと、そおっと、彼女の手が私の髪を梳いていく。 まるで髪の毛の一本一本まで、彼女に染められていくようだった。 小一時間程たった頃だろうか。ポツリ、と呟いた。 「あたしもう帰らなきゃ」 「ヤダ」 「いや、ヤダって」 「ヤダもん」 もっともっと、こうしていたかった。 きっと一日中こうしていても足りないと思うのに、今だけなんて、耐え切れない。 「今日家に誰もいないから、泊まっていって」 「……わかったわ。まったく、こんな甘えんぼさんだったなんて」 私はその日最高の笑みを浮かべた。 とりあえず戸棚にあった紅茶でもてなすことにした。 今こうして私の部屋に一緒にいること。それだけだったら今まで何度かあったことだけど、今では 私達の関係は全く一転している。 それがとても不思議で、大切で、奇跡のようで、信じられなくて、夢を見ているような私がいた。 「えへへ」 自然と、頬の筋肉が緩む。 「あのさ、本当は誕生日プレゼント、別に用意してあったんだ」 私は、綺麗にラッピングされた小さな箱を渡した。 彼女は、しゅるしゅると紐を解き、箱を開けた。 「コレって……指輪?」 「うん。その、恥ずかしくて渡せなかったんだ」 私とあなたの指輪ですだなんて、言えるわけがなかった。でも今なら言えるから。 「ありがと。ねぇ、目、つむって」 「え、あ、うん」 指が触れているのが分かった。 もしかして、この感触は、という淡い期待が胸を満たす。 「目、開けていいよ」 ゆっくりと閉じていた瞼を開けると、私の左手の薬指に、指輪があった。 「こ、これ……」 「もらったプレゼントをどうするかは私の勝手でしょ?だから、これを私達の婚約指輪にしましょ」 「うっ、うぅ」 「ああん、もう。また泣く」 感無量とはこのことだった。もう、戻れない。私はこの人のことを、本当に愛しているんだと実感した。 そしてもっと、愛を感じたいと思ったのだ。 「ごろぉん」 私はもっと甘えたくて、その健康的な太ももの上に頭を乗せてはにかんだ。 「も、もう、何なのよ」 抗議を述べる顔が、少し赤くなっているのが嬉しかった。 だからなのか、私はとてもいい事を思いついてしまった。きっととてつもなく甘く、淫靡なこと。 「キス、して」 一瞬彼女はびっくりした顔をして、 「いいよ」 と、顔を近づけた。 勿論、唇を合わせるだけで終わるわけもなく、私達はボーっとした頭のまま、互いに舌をねじ込ませていった。 「んっ、くちゅくちゅ」 目の前の可愛らしい目が潤み、とろんとしていた。 「んっ、ぁっ」 そして左手が伸び、私のスカートを捲り、 「私、こなたが欲しい」 「ん……かがみになら。ううん。奪って、かがみ」 そしてその日、私達は初めて肌を合わせた。 「おーっす。こなた」 私達の関係のことはまだ誰も知らない。少なくとも、つかさにはいつか絶対に言わなきゃならないと思う。 だけど、同性愛というのは社会的バッシングを受けやすいものの一つだ。 慎重に、進めていきたい。かがみとの仲を。 「かぁがみぃ~」 でもやっぱり、私は甘えずにはいられない。 2人きりでない時でも、私達の距離は少しだけ変わった。 「ちょっと、くすぐったいって」 人前でベタベタすることも少なくない。 「かがみん、いい匂い~」 私達は大変な道を選んでしまったと思う。でも絶対に後悔はしない。 「嗅ぐな、恥ずかしい!」 これからかがみと一緒に歩んでいけるのだから。 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-16 01 43 50) ナイス! -- 名無しさん (2021-03-22 00 50 12) 作者です。随分久しぶりにここに来ましたが、未だに感想を書き込んでくれている人がいるようで、幸せで胸が一杯です。 本当に有難うございます。 今はSSを書く機会もめっきり減っていますが、それでも少しずつ書いています。また機会があれば、こな×かがのSSも書きたいです。 -- 1-636 (2012-11-26 02 32 33) いい百合ですね♪ -- かがみんラブ (2012-09-20 12 17 08) ↓レズじゃなくて、百合って言って下さい( *`ω´) φ_ -- 名無しさん (2011-02-23 19 55 40) レズ萌えー// -- 名無しさん (2010-08-22 22 19 39) wwwwwwwwwwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2010-08-11 20 33 04) お幸せに… -- 名無しさん (2010-06-17 17 56 45) 二人で幸せを勝ち取ってくださいっ!! -- 名無しさん (2010-04-25 17 21 35) 4話のあの数分間の描写からここまでふくらませるとは・・・ ゆっくり味わせていただきました -- 名無しさん (2009-11-08 01 13 17) 2人とも・・かっかわいすぎる・・ -- 名無しさん (2009-03-19 13 11 54) 細かい心理描写にドキドキさせられました。 作者GJ!! -- (2009-03-19 12 32 30) むう…この感動と言うか何かを表せない自分の文才が恨めしいな… とにかくすごく良かったですGJです! -- 名無しさん (2008-06-18 13 41 08) 水竜の上ビレ -- 名無しさん (2008-03-24 17 47 43)
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by学級委員(東京都) かがみ「あ、もしもし?お母さん?」 実家の母が急に電話をかけてきた。何があったんだろうか? みき「あ?かがみ?体調は崩してない?実はね・・・」 かがみ「え・・・?ギョピちゃんが・・・?・・・・あ、うん・・・」 ギョピちゃん、私が高校時代に夏祭りの夜店で買った金魚だ。 少々可愛がり過ぎたのか金魚らしからぬ大きさに育ってしまったが、私が実家を 離れた後も元気に実家の池で泳ぎまわっていた。 そのギョピちゃんがどうやら死んでしまったらしい。ここは最近は異常な猛暑が続いていたからだろう。 実家のある埼玉の北のほうでは40度にもなったらしい。 可愛がっていたペットの死に一抹の寂しさを感じながら私は会話を続けた。 みき「あとね、こなたちゃんから結婚式の案内状が着てるわよ。ほら、高校時代の友達の」 かがみ「あ、こなたから?あの娘、結局、式を挙げるのね」 みき「つかさは行くみたいだけど、かがみも行くんでしょう?案内はそっちの方に転送しておいたから」 かがみ「うん、分かった。ありがとうね。こっちで返事出しておくから」 みき「・・・お母さんもあんまりこんな事言いたくはないんだけどね、あなた最近どうなの? そりゃ、女の子だから結婚が第一なんて古臭いこと言うつもりはないけど、いのりもまつりもつかさも みんな結婚したし・・・。お父さんもお母さんもちょっとあなたのことが・・・」 かがみ「はいはい、分かったから。私のほうは大丈夫だから心配しないで!じゃあねっ!」 みき「ちょ、ちょっと!?かがみ!?」 私は乱暴に電話を切った。そうかこなたの結婚式かぁ・・・。 こなたの結婚式はそれほど盛大なものではなかった。 それでも、きっと小父さんの意向だろうか?質素とは言い難い程度のお金が掛かっていそうだったけれども。 参加した人は友人や親族がメインだ。新郎も新婦も大学時代のサークルが一緒だったらしいから、 双方の大学時代の友人というのはだいぶかぶっている。 つかさ「あー、結婚式かー。あたしの時は結局挙げなかったからなぁ」 かがみ「あんたの場合、すぐ子供が生まれちゃってドタバタしてたからね。まつり姉さんもいのり姉さんの時も ちゃんと式挙げたのに、あんたのときは駄目だったからお父さんもお母さんも残念がってたよ」 つかさ「そういえば、そうだったね・・・あはは」 みゆき「お二人とも泉さんの登場ですよ」 純白のウェディングドレス。高校時代の彼女とは違ってどこか大人びて見えた。 結婚式自体は何の支障もなく終わった。おじさんはずっと泣いていたけれど。 でもこの複雑な気持ちはなんだろうか?親友の結婚式は素直に嬉しいはずなのに。 結婚式が終わるとすぐさま場所を某所のレストランに移して披露宴だ。 参加している人たちは、こなたの大学時代の友人と親戚、そしてあたしたちに新郎の親しい友人でそれほど 多くはないはずなのに、飲めや歌えのドンちゃん騒ぎとなった。 こなたの大学時代の友人「えー、新郎新婦が出会ったのは我が○○大学漫画研究会でありまして・・・ 当会は設立以来数十年の長きに渡って各界へ筋物入りのヲタクどもを・・・・」 かがみ「ちょっと、つかさってば!あんた飲み過ぎよ」 つかさ「えへへ・・・だいじょうぶらってば・・・。ゆきちゃーんもう一杯とってきてー」 みゆき「こちらで宜しいでしょうか?」 つかさ「ありあとー!」 かがみ「・・・それにしても、みゆきってばお酒強いのね」 みゆき「ええ、医学部だと周りが年上ばかりだったので自然とお酒を飲む機会が多くなりまして・・・」 大学時代の飲み会か・・・。 こなたの大学時代の友人「・・・新郎新婦の両名とも、これはもう筋金入りのヲタクでして、僕は最初こいつらに生身の人間の恋人 なんかできるのかと思っていましたが、案外近いところでくっついちゃったというわけですね・・・」 ちょっとタバコを吸いにいこう。そう思って私は会場から出た ジッポライターでタバコに火を付けてから、煙を肺に入れた。心が落ち着いた。 ぼんやりと火のついたタバコを見ていると向こうから人がやってきた。 こなた「あ、かがみんここにいたんだ」 かがみ「どうしたの?」 こなた「いや、久しぶりにかがみんと話がしたいと思ってね」 かがみ「久しぶりってちょっと前にみんなで集まったじゃない・・・。ってあれは年末だったからもう半年前か」 こなた「半年前の出来事が“ちょっと前”になっちゃうなんてかがみんも年をとったねぇ」 かがみ「う、うるさいなっ!別にいいでしょっ!」 こなた「かがみん、何時からタバコ吸ってるんだっけ?」 かがみ「この前会った時も吸ってたでしょ」 こなた「この前はかがみん、なんか黙ってたからあまり話せなかったじゃん。ちょっと一本頂戴」 私は彼女が銜えたタバコに火を付けてあげた。こなたは目を細めて、何かハードボイルドな感じでも意識してるのだろうか、 妙なポーズをとっていたけれども、すぐに煙にむせていた。 こなた「ゲホゲホ・・・。いやぁ、タバコって何かダンディって感じじゃん? 最近読んだ漫画に触発されてちょっと吸ってみたはいいけど、私にはやっぱ無理だったわ」 かがみ「人妻になってもお子ちゃまってことかしらね」 こなた「む~、失敬だなかがみんは!」 かがみ「あはははははw」 なんだか久しぶりに笑った気がする。 かがみ「それにしても、あんたの大学時代の友達って凄いわね。あそこまで騒げるなんて」 こなた「ん~、いわゆるヲタサーって奴だったんだけど、みんな凄くアクティブな人たちだったからね 飲み会とかもすごかったよ。宴会やるたびにあのテンションだったし」 かがみ「いっつもアレってのは凄いわね・・・」 こなた「今でも時々集まって飲み会開いてるんだけど、みんな次の日のこととか考えずに騒ぐから後悔したりねw」 大学時代の友達と今も時々会ってるか。私の大学時代はいったいなんだったんだろうか。 いつも一人で勉強してた。周りはみんなバカだと思ってた。自分はあんな奴らと違うんだとも。 でも現実はどうだろうか?大人になりきれなかった私。今でも子供のままだ。 みゆき、つかさ、こなた・・・。みんなそれぞれの道を歩いてる。私はずっと足踏みしてた。 心のうちにあるこの気持ち、自分への嫌悪感はそのツケなのだ。 こなた「ねえ、かがみん・・・」 ネガティブに落ち込む思考から、こなたの声で現実に引き戻される。彼女は私の方をじっと見つめてこういった。 こなた「私さ、かがみんのことずっと友達だと思ってるから・・・、私たちずっと友達でいようね」 かがみ「へ、い、いきなり何言い出すのよ、は、恥ずかしいわねっ!」 こなたの不意打ちの攻撃に思わず赤面してしまう。不覚だ。 こなた「あはははw かがみん真っ赤だよー。かわいいなぁ」 かがみ「う、うるさい・・・」 こなた「いやでもさ、私がかがみんの事、本当に親友だって思ってるのは本当だから」 親友。友達の幸せな姿を見ても素直に喜べないこんなちっちゃな私を彼女は親友といってくれるのだろうか。 こなた「あ、そろそろ戻らなきゃ。かがみんも行こうよ」 かがみ「うん・・・」 披露宴ももう終わり。締めはこなたの挨拶だ。 こなた「えー、お集まりの皆さん。本日は私の結婚式に集まってくれて本当にありがとうございます。 『お前に三次元の旦那は無理だよ』と散々言われてまいりましたが・・・結婚したぞ!ざまあ見やがれwwww」 突然叫びだしたこなたを回りにいた彼女の友人たちが取り押さえた。 こなた「えー、ごほん・・・。少々取り乱してしまいました。まあ、何が言いたいかといいますと、 今まで私の傍にいてくれたみんなにありがとう、って言いたいんです。いやー、本当にみんなありがとうね! 高校時代、大学時代、社会人になってからといろんな人と友達になれましたが、みんないつまでも大事な 友達だって思ってます」 万雷の拍手。珍しく言いこといったな!という野次があちらこちらから飛んでいたけれども。 拍手の後には自然と笑い声が起こった。しんみりとしたムードは終わって今度は二次会の始まりだ。 きっとここの会場にいる人たちは、みんなこなたの事が好きなんだろうな。みんなの笑顔の輪の中に いる彼女を見てそう思った。 こなた「ねー、みんなー。4人で写真撮ろうよ!」 みゆき「いいですね。」 つかさ「あはははwさんせー・・・」 かがみ「ほら、つかさってば。しっかりしなさいよ!いい加減酒の飲み方ってのを覚えなさいって」 ふらつくつかさに肩を貸しながら、会場の外の廊下に出るとこなたの旦那がカメラを構えていた。 こなた「○○君(自分の名前でも入れておけ)、シャッターお願いね」 帰りの電車の中で思った。さっき4人でとった写真、今の私にはあそこにいる価値はないんだろう。 ずっと歩き出せなかった駄目な私。でもこなたは私のことを友達だって言ってくれた。 もう少しだけ頑張ってみようかな。 お酒が入ってぼんやりした頭で考えた。 ずっとずっと足踏みばかりしてたけど、彼女たちの友達でいられるように、もう少しだけがんばってみようか。 でも頑張る前にちゃんとしておかないことがあった。ちゃんと謝っておかなければいけない人。 3日後、私は日下部と会った。あの夜以来だから2ヶ月ぶりだ。 約束の時間ぴったりに日下部は来た。仕事が終わってすぐ来たのだろうか? よくよく考えれば、彼女は職持ちだから平日に誘うなんてちょっと思慮が足りなかったかもしれない。 あの夜以来ずっと連絡を取ってなかったから何となく気まずい。 みさお「おーっす、柊久しぶりだなぁ」 かがみ「おっす、とりあえず店予約しておいたから」 彼女も私も努めて明るく振舞おうとしているけれど、どこかぎこちなくなってしまう。 予約しておいた居酒屋に向かう道中は私と日下部の間に会話はなかった。話したいことあるのだけれども。 彼女も同じだろうか? 居酒屋の個室に入って飲み物を注文した後、日下部から話を振ってきた。 みさお「で、今日はどうしたんだよ柊」 かがみ「ん・・・、正直に言うとね、あんたに一回会って謝っておきたかって言うか・・・その・・・」 みさお「なーんだそんなことかよ!」 かがみ「な、何だとは何よ!」 みさお「いやね、あんまり深刻そうな感じで電話をかけてくるもんだから、『結婚してくれー』とか 言い出すのかと思ってさ!」 かがみ「そ、そんなわけないじゃない。ただあんたに謝りたかったのよ。この前は・・・その・・・ ごめんね・・・」 みさお「まぁ、あたしも犬に噛まれたと思って諦めますゼ!それにしても柊は生真面目だなぁ。 いやさ、またあたしの部屋に乗り込まれて押し倒されるかと思ってたから」 かがみ「い、いや、あれは酔ってのことだって!」 みさお「どうかなー?あたし、もうお嫁に行けないカラダにされちゃったしぃ・・・」 かがみ「あー、もういいわよ!せっかくココの勘定、私が持とうと思ってたけど」 みさお「許して!柊様!このとおりだってヴぁ!」 重かった雰囲気は既に無くなっていた。日下部が気を使ってくれていたのが何となく分かったけれど、 今日は素直にその好意に甘えることにした。ただの自己満足だって分かっているけど、 それに気のせいかもしれないのだけれども、彼女に謝れたことでひとつ前に進めた気がした。 その後は二人で飲みながら下らないことを話した。楽しかった高校時代に戻れたような気が 少しだけした。 みさお「うー、飲みすぎた~」 かがみ「あんたもいい年なんだから、いい加減・・・といいたいところだけど私もけっこうきてるわ・・・」 みさお「今日はとめてやんないからなー!この前みたいな辱めはもうコリゴリだゼ」 かがみ「分かってるわよ日下部、ちゃんと帰れるから大丈夫だって」 かがみ「ねえ、みさお・・・」 初めて彼女のことをファーストネームで呼んでみた。 みさお「へ?」 かがみ「これからも私と友達でいてね」 その次の年、私は司法試験に合格した。その後司法修習も終えて無事にある事務所 (それほど大きくはないところだけれども)に就職できた。 弁護士として仕事を始めて2年、何とか仕事にもなれた。今日はクライアントとの打ち合わせだ。 かがみ「始めまして、○○法律事務所の柊です」 クライアント先の人「あ、はじめまして・・・。●●商事法務部の泉と申します」 泉・・・?聞き覚えのある名前だ。それに顔にも何処となく見覚えがあるような気がするのだけれども。 どうやら向こうも何か引っかかるところがあるみたいだ。怪訝そうな顔をしている。 かがみ「もしかして・・・」 案の定こなたの旦那だった。世の中意外と狭いものだ。 泉「いやぁ、お噂はかねがね・・・。なんでもツンデレの弁護士だとか。よくこなたが話してくれますよ」 あいつめ。まだそんな事言ってるのか。 かがみ「そう言えば、こなたは元気にしてますか?最近子供が生まれたって聞きましたけど」 泉「いやぁ、大きくなったらどのゲームをさせようとか、漫画を子守唄代わりに朗読して聞かせたりとか・・・」 かがみ「あはは。あいつらしいですね」 泉「『大きくなったらこの娘には絶対ツンデレになってもらうんだ』とも言ってましたよ」 しばらくこなたの話で盛り上がった。彼女は相変わらずそうだ。 しばらくして気がついて時計を見たら、時間が押し迫っていた。 パパっと終わらせたかったのに不覚だ。 かがみ「ゴホン・・・、それでは仕事のお話に移りましょうか?」 泉「え、ああそうですね。すいませんつい雑談をしてしまいまして」 かがみ「いえ、こちらも乗っちゃいましたしね。それではこの案件についてですが・・・」 何とか話をまとめて事務所に戻った時には予定の時間を1時間もオーバーしていた。 事務所の子「あー、柊先生!遅いですよ!所長が怒ってます!」 かがみ「ごめんごめん、クライアント先の人がね・・・」 事務所の子「へー、世の中って案外狭いんですねぇ。泉さんって柊先生の机の写真の人ですよね?」 かがみ「そうそう、なんか全然変わってないらしいわ」 事務所の私の机には二枚の写真が飾ってある。一枚は高校時代の修学旅行で撮ったもの。もう一枚は こなたの結婚式で撮ったもの。 高校時代、あの日々からもう10年以上経ってしまった。 つかさは4人目の子供を生んで、みゆきもこの間同僚のお医者さんと結婚したそうだ。 私も私でなんとか弁護士という憧れていた職業に就くことができた。 時が経つのはなんて早いのだろう。みんなそれぞれの道をちゃんと歩いているのだ。 ねえ、こなた。今なら私も、あなたの友達だって胸を張って言えるかな? おしまい
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552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 08 17 41 ID qfBU2zcZホラー映画以外でも、夜中に雷が鳴ったりしたら 「おねーちゃああああああん」と叫びながらかがみんのふとんに潜り込むのだろう 553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 12 58 10 ID n41VaxcT雷ネタは外せないなw 554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 14 59 44 ID CkdoRnBv 552 ただお「ん? なんか今二階からつかさの声が聞こえたような……」 みき「またかがみの部屋に逃げ込んだんじゃないかしら。今の雷、結構大きかったし」 まつり「ていうかさ、かがみとつかさってちょっとベッタリ過ぎなんじゃない? 前々から思ってたんだけど」 いのり「まあねぇ……二人とももう高三なのにいつも一緒だもんね」 みき「しょうがないわよ。二人を引き離したら泣くもの」 まつり「ああ、かがみがね」 みき「そう、かがみが」 いのり「ああ見えて実はかがみの方が、つかさにベッタリだもんね」 ただお「確かになあ」 本人が自覚していないことでも、結構周りにはバレバレだったりするものです。 555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 15 21 34 ID 98PeHGpq 554 さすが身内 よくわかっていらっしゃるようでwww