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前ページ次ページ涼宮ハルヒクロスの作品集 1 朝倉「最近は、 ラジオの話ばかりだったから今回は普通の話よ。」 シン「最近はラジオばかりで平和だったな。」 ティニー「主には、 平和が一番です。そうですよね? デス姉様。」 デス子「そうですね。[アムアム]平和が一番です。[バリッ]」 朝倉「ねぇデス子ちゃん、 喋るのか食べるのかどっちかにしたら?」 ティニー「黙れ朝倉、 さん。デス姉様のお食事を邪魔するようでしたら、 貴方をこれ(ライフル)で消しますよ?(笑顔でビーム ライフルを朝倉に向ける)」 朝倉「やれるなら、 やってみる?(笑いながらナイフ型デバイスを取り出す)」 シン「なんで二人で会話したら、 何時も喧嘩スレスレになるんだ?」 ティニー「主、 朝倉さんはデス姉様を侮辱しました。デス姉様とお食事は言わば一身同体です。お食事を食べてないデス姉様 はデス姉様ではありません!それなのに朝倉はデス姉様に喋るか食べるか、一つを選べと言う無理難題をデス姉様に 押し付けたんです。」 朝倉「つまり、 ご飯を食べてないデス子ちゃんは偽物って訳ね?そう言う事なのかしら? ティニーちゃん。」 ティニー「朝倉、 さんにしては、 物分かりが良いですね。その通りです。」 デス子「……つまり私は、 常に何かを食べていないと偽物扱いですか……って、 私はそんなに何時も食べていません!全く何で そんな勘違いをするんでしょうかね?マスター(バクバク)」 シン「そう言いながら、 食べてるじゃないか……。」 朝倉「そうね、 食べてるわね。」 ティニー「デス姉様……、 ステキです。」 デス子「う~……、 それもこれもマスターが私と遊んでくれないからです!」 シン「いきなり何言ってるんだ!」 ティニー「主は最近忙しくて私達をないがしろにしています。よって本日は、 私達と1日過ごして貰いますです。」 朝倉「それなら私は、 隊長達に今日は私がシン君の代わりに訓練と事務仕事をするように言って来るわね。」 シン「待ってくれ、 俺も……」 朝倉「うん、 それ無理。だって貴方は、 今日二人と一緒に居てほしいもの。」 デス子「流石は涼子。私達の気持ちを良く理解しているです。(パクパク)」 ティニー「今回は、 感謝します。朝倉、 さん」 朝倉「それじゃシン君、 私仕事に行くから……じゃあね。」[部屋から出ていく] シン「……で、 今日は、 何をして過すんだ?」 デス子「それは、」 ティニー「もちろん。」 デス子・ティニー「「1日デートです!!」」 その後二人とデート(と称した遊び)に行く事になったのだが……… ティアナと[何故か]遊園地で会い、 そのまま一緒に付いてくる事になった。 ちなみに、 ティニーはティアナと何やら喋っているが、 涼子の時見たいに喧嘩腰では無いので安全だろう。 結局四人で1日中遊び続けた。ただ、 次の日の事は語りたくない。 六課メンバー全員分(エリオとキャロとティアナ除く)の飲食代を支払う事になったり、 訓練と称して(ギンガさんも[何故か]その場にいた) フルボッコ(その時、 何故かヴァイス兄貴とゲンヤさんも参加していた。)されたりして(ゲンヤさんに対して、 ギンガさんが何かを叫びながら、 攻撃を仕掛けていた。)、 俺の財布と身体が瀕死になったと書いておく。 喜緑「もしよかったら、 今夜、 皆さんでご飯を食べに来ませんか?」 そう言われ、 彼女の部屋(いつの間にか、 八神部隊長の秘書扱いで自分だけの部屋(しかも広い)に住んで居る)に途中で誘ったティニーと 一緒に向かった。 喜緑「今日は、 アスカ君達の為にお鍋をご用意しました。沢山食べて下さいね。」 そう言いながら彼女は、 二人の前で鍋の蓋を上げた。 シン「食べてって……これをか?」 ティニー「これは………どうみても、 ワカメにしか見えません、 主。」 すると彼女は 喜緑「私特製のワカメ鍋です。(笑顔)」 と言い、 自分一人だけ、 幸せな表情をしながら、この鍋の作り方を聞いてもいないのに、説明し始めた。 それによると [江美里特製ワカメ鍋の作り方] 1 鍋に水を適量入れます。 2 先程、 水を入れた鍋に昆布を入れだしをとります。 3 最後にだしのとれた昆布を中から取り出して、 ワカメを好きな量入れ、 沸騰させたら完成! らしい。 つまり、 只のワカメの入った、 昆布のだし汁だ。 喜緑「お二人共、 ワカメ鍋はどうですか?」と聞かれ、 シン「あ、 あぁ。(流石に、「こんな不味いのを食わせようとするなんて、あんたって人はー!」とは、 言えないよな~。) ……まぁ、 食えなくはないな?な、 ティニー。」 ティニー「え?(主……、 ほんの少しだけ、 主の事を「はぁ? お前正気か?」と考えてしまいました。)えぇ、 可も無く不可で も無いお味です」 喜緑「まだまだ、 沢山ワカメの御代わりが有りますから沢山食べて下さいね。」 台所には、 まだまだ山程ワカメが有る。それを見て、 俺は覚悟を決めた。 シン「(涼子と[あの]デス子が逃げ出した訳が今判ったよ。こんなにワカメを食べさせられたら見たくも無くなるよな。レイ、 ステラ、 マユ、 今からそっちに行くよ。少し磯臭いけど我慢してくれよな……[種割れ]よし喜緑さん、 有り難くティニ ーと二人沢山食べます!」 ティニー「(主、 何処までもお供します。で、 ですから、 その……皆さんに[ティニーは、 俺の物だ!]としっかり紹介して下さ いね!(顔真っ赤))はい、 主!有り難く頂きます!」 喜緑「お二人共……、 (感動して、 涙を浮かべながら)はい! どんどん食べて下さい。」 ……次の日から暫く[ワカメ]と言う言葉に怯える二人の姿があった。 終わり おまけ yagami「涼子ちゃん、 最近、 シンの様子が変やねんけど、 どうかしたん?」 朝倉「詳しい事情は解らないけど、 喜緑さんにご馳走を頂いてからおかしくなったみたいなのね。」 yagami「ほ~う……それは聞きずてならん話を聞かせてもろうたわ。(黒い笑顔)」 デス子「……でしたらマスターに、ワカメ料理のフルコースをご馳走してあげたら良いと思うです。マスターの[大好物]です から。(笑顔)」 朝倉「デス子ちゃん、 それは…、」 yagami「……そうやな、 何時も魔法でお仕置きしとるばかりやから、たまには料理でもして、 家庭的なとこでもアピールしよ か。それなら仕事が終わったら、 ワカメを買いに街まで行く事にするわ。」 デス子「でしたら、 喜緑さんからワカメ鍋の作り方を習って、マスターに作ってあげたらマスターが、 もしかしたらはやてさん の事を好きに……。」 yagami「江美里ちゃん! ワカメ鍋の作り方教え~!」(喜緑さんの元へと向かう) 朝倉「……デス子ちゃん、 今回だけは、 やり過ぎだと思うわ。」 デス子「……マスターが、 ティニーちゃんを連れて食べに行った。それだけしか、 頭に無かったです……すみませんマスター、 あの世に行ったら、 「デス子って俺だけの存在が居るんだ」と皆さんにお伝え下さい。」 朝倉「シン君……。シン君があっち(あの世)に行ったら、 すぐに行くからまた一緒に暮らしましょうね。」 そして二人は、 手をあわせながらシンのこの夜、 見るであろう地獄に人知れず涙を流した。 その夜、 一人の男の叫びが夜遅くまで聞こえたと書いて終わる。 前ページ次ページ涼宮ハルヒクロスの作品集
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前ページ次ページサモンナイトクロス 「うおおおおおおッ!」 シンの怒号と共に、対艦刀〝エクスカリバー〟を刺突の形に構えた〝インパルス〟が〝フリーダム〟に向けて突進する。 〝フリーダム〟は後退をかけようとしているが、避けることは叶わないだろう。背部のウイングは、今までのシンの攻撃で破壊されている。 この状況まで追い込んだのは、まさにシンの狙い通りだった。レイと共に幾十、幾百も繰り返したシミュレーションの成果。 伝説の〝フリーダム〟を今、シンの執念が捉えたのだ。 一撃必殺の念を込め、〝エクスカリバー〟をシンは突き出す。同時に〝フリーダム〟もサーベルを振るったが、それは〝インパルス〟の頭部を裂いたのみ。 そして、〝エクスカリバー〟は――フリーダムの胴部、フェイズシフトの装甲に覆われたそこに深々とめり込んだ。 (やった!) その瞬間、シンは胸中で歓喜の声を上げる。 遂に討った。幾度も戦場を掻き回し、ハイネが死ぬ遠因を作り上げ、ステラを殺した〝フリーダム〟を……彼は討ったのだ。 その手応えが――幻覚ではあろうが――腕に伝わってくる。 次の瞬間。 その場で、見る者すべての網膜を灼くかのような爆発が起きた。 その日は、特にどうといったことのない日だった。とはいえ、この島で過ごす日常というのはそういったものがもっとも望ましい。 誰もが、変化とも思えないような変化を続け……そして、それを誰も気づかない。それが島民たちの望みであり、悲願でもあった。 だから、突如としてその空間が歪んだところで、クノンはさして驚きも抱かなかった。 空間歪曲は、召喚の前触れだ。召喚術のありふれたこの世界では取り立てて珍しいものでもないし、更に言えばこの島は物理的にも魔術的にも不安定である。だから、いつどこで召喚が起きても不思議ではない。 もしもそれが危険なものであるなら、彼女の主なり誰なりを呼べばいい。この〝ラトリクス〟には強力な兵器が多数存在する。生半可な召喚獣では暴れまわることすら不可能だろう。 空間の歪みが大きくなる。そして眩い光を放ち――歪んだ空間は、元に戻る。現れたものは特に何をするでもなく、その場にどさりと落ちた。 そこで初めてクノンは疑問を抱いた。 黒髪で、奇妙な服を着ている。最初は人型の召喚獣かとも思ったが、角もなければ身体が透けているということも、更に言えば機械的な部分もない。至って普通の人間である。シルターンなどには普通の人間がいるが、服装から見るに違う気もする。 どうしたものか。クノンは僅かな間思考したが、取りあえず気を失っている少年を起こすことにした。 抱き起こし、ぺちぺちと頬を叩いてみる。反応はない。 呼吸や脈拍は正常であるから、何か決定的な問題があるということもないだろう。ただの衰弱か。 仕方なく……彼女はその膂力で以て少年を担ぎあげ、リペアセンターへと運ぶことにした。 ――暗闇の中に、シンは一人佇んでいた。 ここはどこだろうか。周囲を見渡せど、あるのは漆黒の空間のみだ。 ……ひどく、冷たい。 「シン……」 不意に。小さく、彼を呼ぶ声がした。そちらを振り返ると、そこには見知った姿が浮かんでいる。 柔らかな金髪と、紅い目。ステラだった。兵器として育てられ、記憶を弄られ、そして〝フリーダム〟によって殺された哀れな少女。 そうだ。自分は〝フリーダム〟を―― 「ステラ! やったんだよ、俺! 君の仇を討ったんだ!」 歓喜に任せて、シンは勢いよくまくしたてた。ここがどこだとか、どうしてステラがここにいるのかとかはどうでもよかった。 ただ、ステラに報告したかった。憎い仇は討ったのだと。自分はやるべきことをやったのだ、と…… だが、ステラの表情は暗い。それに気付いて、シンはふと不安に襲われた。 「どうしたんだ、ステラ――」 「シン……」 ステラは暗い表情で……今にも泣き出しそうな表情で、シンに向かって呟く。 「シン……守るって……」 シンははっとなった。 そうだ。シンは彼女を守ると約束した。けれど、守れなかった。だから〝フリーダム〟を憎んだ。そして、倒した。 けれど、もうステラが帰ってくることはない。無邪気に笑うことも、踊ることもない…… そう思うと、先ほどまでの歓喜が嘘のように空虚な気分になった。 (何を喜んでいたんだ、俺は……?) 喜ぶべきことなど何もない。確かに〝フリーダム〟を討った。ステラの仇を討った。だが、それでどうしたというのだ? あるのはただの自己満足に過ぎない。 急激に、ステラの姿が遠ざかっていく。慌ててシンは手を伸ばしたが、それが彼女の姿に届くことはなかった。 「ステラッ!」 ばっと跳ね起きたシンは、そのまま中空に手を突き出すようにした。 その先に、柔らかな――しかしどこか奇妙な感触を覚える。 「……え?」 シンは背筋を這う違和感に周囲を見渡した。 先ほどの暗い空間も、ステラも、何もない。あるのは機械類に覆われた部屋と――彼の手が掴んでいる、小ぶりな胸…… (……胸?) そろそろと……シンは、自らの手から視線を上へと移行した。 そこには、黒髪の少女の顔がひとつ。 「うわぁっ!? ご、ごめん!」 「お目覚めですか?」 慌てて手を離し謝るシンとは対照的に、少女は何ら感情を移さない瞳で話しかけてくる。 「あ、ああ」 「そうですか」 それだけを少女は告げると、それっきり黙ってしまう。 「………………」 「………………」 しばし間の抜けた睨み合いを続けていたが……シンは降参して、声をかけることにした。 「……ここは、どこなんだ? 俺はどうして……」 「ここは機界集落〝ラトリクス〟です。あなたは召喚されて倒れましたので、私がここに運びました」 抑揚のない口調で、正確に少女は答える。そこにはシンに対して嘘を告げようとする態度など微塵もない。 だが、シンにとってみれば彼女の言っていることは一片たりとて理解できるものではなかった。 (……ラトリクス? それに召喚って……?) まったくもって意味が分からない。いや、単語レベルであれば分からないこともない。召喚。何かを呼び出すこと。シンも昔、ゲームでそういった能力を持ったキャラクターがいたのを覚えている。が、それは所詮フィクションである。現実ではない。 シンは、少女の表情を見つめた。やはり、嘘や冗談を言っている様子はない。 頭痛がした。こめかみを押さえながら、シンは再び尋ねる。 「……すまない。そのラトリクスとか、召喚ってのは何なんだ?」 「まあ、大体予想はついていましたが」 あっさりと少女は言った。 「〝ラトリクス〟は我々機界の住人が住む、この島の一角です。あなたは恐らく別の世界からリィンバウムに……正確にはこの島に召喚されたものと思われます」 彼女が何を言っているのか。しばらく、理解できなかった。 しかし、理解を拒むほどにその言葉は冗長でも難解でもない。子供でも理解できてしまう言葉だった。 だからこそ、じわじわとシンの意識はそれを理解し始め――数秒後、思わず彼は叫んでいた。 「はぁ!?」 前ページ次ページサモンナイトクロス
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前ページ次ページなのはクロスの作品集 はやて「な、なんてことしたんや。この人はただ…。」 リインⅠ「主、この男は只者ではありません。私を捕らえに来た管理局のものか、もしくは他の次元の武装組織という可能性もあります。」 フェイト「でも、話も聞かずに吹き飛ばすなんて…。」 リインⅠ「心配はいらない。シグナム達もそのことは考えて急所は外した上、非殺傷設定にしておいたはずだ。そうだろうお前たち…?」 そこまで言ってリインフォースはヴォルケンズのただならぬ様子に気が付いた。 なぜか全員目をそらしながら冷や汗を流している。 ザフィーラ「…その、主。落ち着いて聞いてください」 はやて「なんや?」 ヴィータ「い、生き物には間違いがつきものだと思うんだよ」 なのは「どうしたの?汗が滝みたいに流れてるけど」 シャマル「き、急所をはずすという行為は、自分たちに余裕がないとできないんですよ」 フェイト「それって・・まさか・・・・」 シグナム「つ、つまり、我々は皆冷静さを失い、急所を狙って殺傷設定のまま魔法を叩き込んでしまいました。」 はやて「ヴォ、ヴォルケンリッターのドアホーーーー!」 なのは「そ、そんなこと言ってる場合じゃないよ!は、早く治療しないとほんとに死んじゃうよ!」 シグナム「主はやて、これは騎士としてあるまじき失態。どのような処分でも謹んでお受けします。なんなら、今ここで腹を掻っ捌いてでも」 フェイト「大丈夫、まだ生きてる!シャマルさん、応急処置を」 こうして、シンと十年前のはやて達は出会った。 この小さな出会いが、後に大きな波紋を呼ぶことになる。 何故なら本来十年前のこの日こそ、リインフォースが消滅するはずの日だったのだから ミットチルダ機動六課会議室(シンが消えてから5時間18分後) シンが消えてから既に五時間以上が経過していた。 先程まで静かだった会議室は、現在憎悪渦巻く険悪ムードになっていた。 ティア「そ れ で、何でこいつらがここにいるわけ?」 ノーヴェ「別にお前らに会いに来たんじゃねえ。」 セッテ「私達は博士の命を受け、シンを助けるためにやってきただけだ。そちらが邪魔をしなければ危害は加えない」 ヴィータ「へっ信用できねえな。いままで、散々だまし討ちを食らってきたんだ」 ウエンディ「言ってくれるじゃないっスか」 トーレ「なんなら、今ここで決着をつけてもいいんだぞ」 シグナム「やめないか! 二人とも抑えろ!」 ウーノ「貴方たちもやめなさい、今はそれどころじゃないわ!」 クロノ「・・・何でナンバーズがここにいるんだ。」 エリオ「はやて部隊長が呼んだんだそうです。なんでも『うちは時を越える魔法少女になる』って、スカリエッティと一緒に部屋にこもってると か」 クロノ「・・・・もしかして、君たちはいつもこうなのか?」 エリオ「・・・・・もう、慣れました」 オットー「・・・・・右に同じ」 ディード「・・・・・同意」 ヴィヴィオ「人がいっぱいいるー」 ザフィーラ(なんというカオス) セイン「収拾がつかなくなってる…。」 ミットチルダはやて部隊長私室(シンが消えてから5時間32分後) スカリ「なるほど、大体事情はわかった。だが、残念ながらそれは難しすぎるな、私一人ではどうしようもない。」 はやて「つまりあんた位の天才が何人もいればいいんやな」 スカリ「可能性は低いが、不可能ではあるまい。ところで君はさっきからパソコンに何を書き込んでるんだ?」 【大ピンチ】過去に飛ばされたシン・アスカを救うスレその4【急がないと】(564) 1:管理局の名無しさん :新暦75年 19 03 44 ID yagami ほんまに、シンが過去の世界に飛ばされてしもうたんや。 もはや一国の猶予も無い! シンを助けるためにうちに力を貸して! この掲示板を見て何か方法を思いついた人や、身近に天才科学者がいる人は このスレに書き込んでほしいねん! スカリ「…君はふざけているのか?」 はやて「ふっ機動六課の実力を甘く見たらいかん!なんとこのスレは他の次元にもつながっとるんや。これなら天才の一人や二人すぐに見つかる で!」 スカリ「なんと!ちょ、ちょっと代わってくれ」 スカリエッティは過去ログも合わせて、全ての書き込みを確かめてみた。 スカリ「これはすごい!こいつは言ってることはやばいくらいの電波だが、理論だけは完璧だ。こちらも人間とは思えんほどのすごい知識量だ。 なんだこれは『次元連結システム』? 八神部隊長、このスレに書き込んだ天才を何人か引っ張ってこれれば何とかなるぞ!」 はやて「そうと決まれば、早速こいつらを迎えにいくで」 スカリ「しかし船はどうする?すぐに動かせて次元移動ができる船など…。」 はやて「フッフッフッ♪私がなんのためにクロノ提督を呼び出したと思ってるん?」 スカリ「ま、まさか…」 ミットチルダ機動六課会議室(シンが消えてから6時間14分後) スバル「なんか急に静かになったね」 先程まで大騒ぎしていたナンバーズ達は、スカリエッティに呼ばれて出て行った。 なんでも緊急の用事らしい。 なのは「あれ?ヴォルケンリッターのみんなは?」 キャロ「さっきはやて部隊長と一緒に第四格納庫に向かってましたよ」 ティア「・・・・なんか、すっごくいやな予感がするんだけど」 緊急事態 緊急事態 第四格納庫にて機動六課のはやて部隊長が、クロノ提督のクラウディアをスカリエッティと共に奪取し、他次元へ逃走しました。繰り返します 第四格納庫にて・・・。 六課の面々「「「「 え、ええ~~~ 」」」」 クロノ「そ、そんな、俺のクラウディアが・・・orz」 がっくりと膝をつくクロノ。残りのメンバーもあきれて果てていた。 フェイト「お、お兄ちゃん。しっかりして~」 なのは「こ、これが管理局の上層部に知れたら減給どころじゃすまないよ」 一部隊長が犯罪者と共謀して、大型船で逃亡するなど前代未聞だ。 キャロ「はやて部隊長、とうとうやってしまったんですね」 エリオ「いつかは犯罪に手を染める気がしたけど、よりにもよってこんなときにやってしまうなんて。さすがははやて部隊長」 ティア「と、とにかく通信を繋いで、何とかして戻ってきてもらうように説得しましょう」 次元を特定して通信をつなげる頃にはもう真夜中になっていた。 シャーリー「何とかこれで・・・成功です。繋がりました!」 はやて「フッフッフッ♪ひさしぶりやねぇ、機動六課の諸君♪」 ワイングラス片手にでかい椅子にたたずんでいる様子は、どう見ても悪の帝王である。 本当はある大物ライバルキャラの真似だったのだが、真相を知らない機動六課から見ればその余裕っぷりは、人の神経を逆なでるのに十分だった。 なのは「(冥王発動)はやてちゃん、なにしてるのかな。みんなとっても怒ってるんだよ?だいたいヴォルケンリッターのみんなもなんで止めな いの?ねえ、私の言ってること、どこか間違ってる? 」 はやて「(狸光臨)みんなのことはうちも心苦しゅう思うてる。でも、これも全てはシンを助けるためなんよ。『一刻も早く天才科学者を集めて タイムマシンを作らんとあかん』そう考えたら止まらんくなったんや。みんなには迷惑かけたけど、この責任は必ず取るから…。」 ティア「(L5モード) 嘘だ!!!じゃあ、なんではやて部隊長は私たちを置いていったんですか?ああ、ヴォルケンリッターやナンバーズは 一人残らず連れて行ったんですから、慌てていたなんて言い訳は通じませんよ。いい加減、手柄を独り占めしたかったって正直に言った らどうですか?」 フェイト「(便乗出陣)シンがいなくなって、みんな自重してたのにね。この際だから誰がシンにふさわしいか決着つけちゃおうか?勝負方法は 誰が一番天才科学者を連れてこれるか。期限は三日後でどう?」 全員「「「望むところよ」」」 エリオ「さっ、三人とも怖すぎますよ」 クロノ「ヴィヴィオが寝ていて良かったな。こんな光景を見せたら泣き出すところだ。」 なのは「クロノくん、なにしてるの?早く船出してよ!まだアースラが残ってるでしょ?」 クロノ「いや、そんなこと急にいわれても」 フェイト「エリオ、キャロ、出発するわよ!五分以内に準備しなさい!」 エリオとキャロ「「わ、わかりました(逆らったら殺される)」」 ティア「行った先でヘリがいるわね。スバル、非番のヴァイス陸曹連れてきて!ごねるようならこの鉈使ってもいいから、なんとしても連れてき なさい!」 スバル「ティア、今これどこから出したの?」 デス子「マスター、早く帰ってこないと大変なことになってますよ」 十年前 海鳴市 病院の一室(シンが消えてから24時間31分後) シン「俺のいない所で、勝手に話を進めるなぁー!」 はぁはぁ、なんだ夢か。しかし、これほどリアルな夢はかつて見たことがないぞ。 まるで本当に起こっているようだった。 それよりここは?見たところ病院みたいだけど俺はなんでここにいるんだ? リインⅠ「起きたのか。その様子だと怪我はもう大丈夫のようだな。」 リ、リインフォース?まさか最初からいたのか? 一瞬、頭の中が真っ白になった。そういえば俺過去に飛ばされてたんだっけ。 くそっ 頭がはっきりしない。もやがかかってるみたいだ。 リインⅠ「起きたばかりで、あまり無理をするな。しかし、あれだけの攻撃を受けて全治三日とは奇跡だな。」 ああ、確かヴォルケンズの一斉攻撃を受けて吹き飛ばされたんだったな。 だんだん思い出してきた。 シン「もう大丈夫だ。俺はタフなのがとりえだからな」 嘘です、体ギシギシ言ってます。 リインⅠ「わかった。なら単刀直入に言おう。お前は何者だ?」 さすがにこれは焦った。素直に未来から来たといっても信じてくれるはずがない。 ていうか、さらに疑われて余計な嫌疑までかけられそうな気がする。 シン「た、ただの一般人だ。怪しくなんてないぞ」 リインⅠ「ほう、ただの一般人が、完璧に隔離されていた公園にいとも簡単に入り込み主はやてだけでなく、知るはずのない私の名前まで調べ上げ、おまけにヴォルケンリッターの一斉攻撃(容赦なし)を生身で受けて生き残っているのか?もう少しマシな嘘をつけ!」 い、言ってやりたい。公園にはいつの間にかいたんだし、未来で本人と会ってるんだから名前なんて知ってて当然。 ヴォルケンリッターの一斉攻撃なんて、くらい過ぎて逆に慣れたんだよ!と思いっきり言ってやりたい! リインⅠ「どうした?何も言い返さないのか?」 くっこのままじゃ怪しい男として拘束されてしまう。さすがにそれだけは避けなければ こうなったら、情けなくていやだが最後の手段だ。 シン「ぐあぁぁぁ!あ、頭が痛くて何も思い出せない~。」 リインⅠ「貴様、今更そんなごまかしが本気で通用するとでも・・・。」 はやて「な、なんやってー」 なのは「それって、もしかして記憶喪失ってこと?」 フェイト「どうしよう。止められなかった私たちにも責任があるよね」 お、思わぬ伏兵が誰も予想できなかったタイミングで現われた! しかもなぜか責任を感じてる。この頃の彼女達はこんなにも純真だったのか。 ああ、なんか今まで俺すっごく損してたような気がする。神よ なぜ最初に俺を十年後に送ったのですか? リインⅠ「あ、主はやて?いくらなんでも今のは…。」 はやて「リインフォース!あんたは、主を助けてくれた人を信じられへんのか?」 リインⅠ「い、いえ、断じてそんなことは…。」 はやて「それに見てみい。本来なら、うちらはどなりちらされとるとこや。それなのに怒りもせんと、こっちの話を紳士に聞いてくれよる」 リインⅠ「そ、それは確かにそうですが…」 まあ、普通の人間なら確実に死んでるだろうな。 ザフィーラの「ストラグルバインド」から、シグナムの「ハヤブサ」、 最後にヴィータの「ギガントシュラーク」と続く流れるような即死コンボ。 ホントなんで今生きてるんだ、俺。 はやて「つまり、うちらにはこの人の記憶を奪った責任があるんや。その責任はきっちりとらんとな。」 リインⅠ「・・・・・。」 まだまだ説教は続きそうだな。さて、俺は少し休むとしよ・・・。 はやて「この場合、記憶が戻るまでうちらが世話するのが礼儀。我が家も人数が増えたし、ちょうど男手がほしいと思っとったんや」 ・・・ちょっと待て。今とんでもないことを口にしなかかったか? はやて「お兄ちゃん、帰る場所も思い出せんのやろ。身元がわかるものも持ってなかったし退院したら行き場所がないんと違うか?」 う、鋭い! シン「いや、まあないことはないんだが…。」 リインⅠ「あ、主はやて! いくらなんでも賛同しかねます!もしもこの男が襲ってきたらどうなさるおつもりですか!」 はやて「そのときはリインフォースが守ってくれるんやろ」 リインⅠ「な、何日か家を空ける日があったはずです。そのときはどうするのですか」 なのは「それは大丈夫だよ。その日は私達の家に泊まりに来ればいいんだから」 フェイト「私たちにも責任があるし、皆にはちゃんと話せばわかってくれると思う。」 リインⅠ「うう、 そ、そうだ!お前の考えはどうなんだ!」 シン「え、俺?」 はやて「リインフォース往生際が悪いで!このお兄ちゃんはもう我が家にくるって行ってくれたやないか」 言ってない言ってない、断じて言ってない! そうだ、ここは断らなければ!未来でも過去でもはやてに迷惑をかけるわけには・・・。 はやて「頼むわ、お兄ちゃん」 シン「…?」 なんだこの違和感は?はやての眼の奥にある感情は…怯え? シン「わかった、降参だよ。俺の名はシン・アスカだ。これからよろしく頼むな」 はやて「わいは八神はやて、よろしく頼むわ」 このときの俺はまだ気づいていなかった。はやてが一体何を恐れていたのか。 そしてこの選択がどれほど重要であったかを…。 前ページ次ページなのはクロスの作品集
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前ページ次ページなのはクロスの作品集 十年前 海鳴市公園内(シンが消えてから2時間58分後) フェイト「なんで人が残ってるの?確かにこの公園全体を一般人が入れないように隔離したはずなのに」 なのは「わからないよ。でも、悪い人じゃないみたい」 フェイト「あんなに眼つきが悪いのに?それに赤い目なんてまともじゃない。とにかく、早く追い出さないとはやてが来ちゃうよ」 なのは「そうだね。リインフォースさんも待たせてるし」 二人からだいぶ離れたベンチの上で、俺はコーヒー片手に鬱になっていた。 あらためて思う。ありえない! どこで間違えたら、あんな無邪気な子供が『冥王』になったり『便乗』になったりするんだ? もしかして俺はパラレルワールドとか言う『極めて近く限りなく遠い世界』に来たんじゃないだろうか。 そうでなければ、この十年間で人格が変わるほどつらい出来事があったんだろう。 でなければ、あんな風には・・・・・・・・思い出すのはやめよう。いっそのこと俺がこの子達を正しい道へ導くべきなのかもしれない。 あんな大人にならないように俺が守ってやるんだ。 あんな大人になったらお終いだからな。 ミットチルダ機動六課会議室(シンが消えてから4時間44分後) なのは「なんか突然、リミッターなしで全力全壊のS☆R☆Bを撃ちたくなったんだけど」 フェイト「なんか私もリミッターなしで全力全壊のプラズマザンバーを打ちたくなってきた」 エリオ「ひぃ、な、何でいきなり怒ってるんですか!」 クロノ「二人とも後にしろ!シャマル、いったいどういうことか説明してくれ」 シャマル「わかりました。え~、コホンッ。皆さんはタイムパラドックスという言葉を聴いたことがありますか?」 ヴィータ「なんだそりゃ?ドックスって犬の名前か?」 ティア「タイムトラベルに伴う矛盾のことですよね。有名なのは過去へ遡った時間旅行者が自分の誕生前の両親を殺害した場合、本来生まれない はずの人間が親を殺害してしまう、でしたっけ。」 シャマル「大体それであってるわ。問題は彼が過去に行ったせいで起こった矛盾が現代に及ぼす影響です。もしも彼が過去の私たちに会ったとし ましょう」 スバル「何か問題あるの?早く仲良くなれてラッキーじゃない」 シャマル「問題はそこなのよ。もしもシン君が私達の記憶に残ってしまったら、十年後に彼がこの世界に来たときに、私達はもう彼のことを知っ ていることになる。ううん、それだけじゃない。同じ時間軸に同じ人間が二人いることになる。それこそ、別次元の自分なんてもの じゃない。体も人格もまったく同じ存在よ」 フェイト「小さな矛盾なら世界が勝手に修正してくれる。でも、そこまではっきりとした矛盾なら…。」 シャマル「矛盾の大元を消去する。つまり最初から彼はこの世界にいなかったものとして歴史が修正しなおすでしょう。」 クロノ「ありえない存在は世界の法則を狂わせる。ゆえに存在してはならないというわけか」 キャロ「それって…シンさんとの思い出も、私たちと一緒にいたシンさん自身も消えちゃうってことですか」 シャマルは黙って首を縦に振った。 なのは「それだけじゃない。もしも矛盾が多すぎて修正しきれなくなったら、時間が混乱して、過去と未来が混ざり合って、最後には…。」 ミットチルダも連鎖崩壊を起こして消滅するだろう。幸いにもシンは別次元の人間だ。 違う次元にいる以上、過去の自分に会うことは無い。 まだ時間はある。過去の矛盾が現代に影響を及ぼす前にシンを つれて帰らなければならない なのは「もう、こんな時にはやてちゃんは何してるんだろう?」 ミットチルダはやて部隊長私室(シンが消えてから5時間08分後) そのころはやては、怪しく光るモニターに向かってあの男と話をしていた。 はやて「というわけや。世紀の天才といわれたその頭脳をうちに貸してほしいんや」 ???「我々としてもシン君を助けるのに何のためらいも無い。いいだろう私の娘達の為にも、この頭脳を君に貸そう!ウーノ、すぐに準備を始 めるぞ。補助動力で聖王のゆりかごを動かし、十分以内に六課へ向かう!」 続いて彼女は自分のたてたスレにいそいそと何かを書き始める。 【大変】過去に飛ばされたシン・アスカを救うスレ【助けて!】 853:管理局の名無しさん :新暦75年 18 45 44 ID yagami シンがほんまに過去の世界に飛ばされてしもうたんや。 もはや一国の猶予も無い! シンを助けるためにうちに力を貸して! この掲示板を見て何か方法を思いついた人は、このスレに書き込んでほしいねん! はやて「さ~て、次はカリムにも連絡せえへんと、レリックひとつじゃ足りんかもしれんし、聖王協会の力もほしいしな~♡」 リインⅡ(さ、さすがマイスターはやて…。おかしくなっても頭は切れるのです!) はやて「ああ~シンの喜ぶ顔が目に浮かぶわ~♡ 『はやて、ありがとう。やっぱり俺には、はやてしかいないぜ?』 『ああ、ダーリン♡もう離さへん、二人はいつまでの一緒や♡』」 リインⅡ「………。」 暗い部屋で一人妄想にふける主を見て、リインⅡはこの人についていって 本当に大丈夫だろうかと本気で悩みだしていた。 十年前 海鳴市公園内(シンが消えてから3時間00分後) シン「(ゾクッ)」 な、なんだ、今の悪寒は?何かとてつもないことになってきてるような…。 あ、あえて気にしないことにしよう。うん、そうしよう。 フェイト「魔力反応もないのに結界魔法の中にいるなんて絶対おかしいよ!それにヴォルケンリッターの皆が事前に人がいないように確認してた んだよ。人を信じるのもいいけど、たまには疑わないと…。」 なのは「でも、人を見かけで判断するなってお父さん達も言っていたし…。」 フェイト「それはそうだけど…。(イザというときには私がなのはを守らないと)」 いやな予感を振り払って顔を上げると、ちょうど話を終えた二人がこちらに向かってくるところだった。 フェイト「あの、失礼だとは思いますけど、とりあえずこの公園から離れてはもらえませんか?」 シン「どういうことだ?俺がこの公園にいちゃまずいことでもあるのか?」 なのは「いえ、その、えっと…。」 どうやらフェイト(今は下手に隊長なんて呼べないよな)には思いっきり 警戒されているようだ。まぁ、当然のことなんだろうけどしかし、どうも会話が要領を得ない。何か隠し事でもしてるのか? シン「それにしても今日はこの公園誰もいないな。まるで魔法にでもかかったみたいだ」 フェイト・なのは「ぎくっ」 図星か…。俺もこの手の結界魔法は前に見たことがある。 あの時は、ナンバーズに拉致されて遊園地に行ったときだっけ。後々、大変な目にあったのはまだ記憶に新しい。 しかし、何のためにこんな公園に? ???「どうした。何かあったのか?」 不思議と聞き覚えのある声だった。 その声を聴いた瞬間、はやて隊長に聞いた話がとたんにフラッシュバックしてきた。 心音が一気に跳ね上がって、とたんに息苦しくなる。雪の降る公園に、十年前の世界、話に聞いた『闇の書事件』も確か十年前! ならまさか、俺の目の前にいるこの人が・・・。 ???「急がないとはやてが来てしまうぞ。早く・・・・?」 彼女も俺に気付いたようだ。探るような目つきで俺を見てきた。 その赤い目で、銀の髪をなびかせ、この寒い日に薄着でも顔色ひとつ変えずに、彼女は当たり前のように、そこに立っていたのだ。 シン「リイン・・・フォース?」 なのは「えっ!」 フェイト「今、・・・なんて言ったの!」 なのは(やはり、慣れない)達は、明らかに動揺していた。 見知らぬ男が自分たち以外、誰も知らないはずの名前を呟いたのだ。 リインⅠ「…わが主から承った名を・・・私達しか知らないはずのこの名を…」 だが、動揺なら今の俺のほうが明らかに上だ。 リインⅠ「何故、貴様が知っている!」 実に今更な話だが、 リインⅠ「答えろ!」 俺は今、とんでもない場面に出くわしてるんじゃないか? ???「リインフォース!」 懐かしい声と共に、十年前と同じ姿のはやて部隊長が車椅子に乗ってやってきた。 よほど急いだのだろう。手がかじかんで息も上がっている。 ああ、このまま大人になったらどんなに良かったか。 でも、前に聞いた話によると・・・。 シン「(確かこの後、車椅子が・・・!)あぶない!」 話に聞いたとおり、はやての車椅子はみごとに横転した。 雪で走り辛かったが、コーディネイターの瞬発力は伊達じゃない。 ギリギリだったが、なんとかはやてを支えることに成功した。 シン「大丈夫か、はやて! 怪我はしてないよな!」 はやて「あの、助けてもらって言いづらいんやけど・・・・誰?」 しまった~!よりにもよって名前で呼ぶとは・・・。 十年前に飛ばされてから、明らかにうかつだぞ俺! ヴィータ「なんだ! 何かあったの・・か・・・・。」 騒ぎを聞きつけてヴォルケンリッターたちが戻ってきた。 戻って来たのだが・・・その、無理な体勢ではやてを支えたせいか、後ろから抱きかかえる体勢になってしまった。 これは、第三者から見ると俺がはやてを襲っているようにしか見えない。 おまけにこの感触、俺は明らかにはやての貧乳をつかんでいる! はやて「あ、あの、これはちがうんよ。その、偶然というかなんと言うか」 なのは「そ、そうだよ。この人ははやてちゃんを助けようとして…。」 俺のこれまでの経験が告げている。もはや何を言っても無駄だと。 こうなったヴォルケンズは、はやてでも止められない! シャマル「は、はやてちゃんがロリコンヘンタイ男に襲われてる!」 シャマル先生、十年前もあいかわらずですね。まあ最初から期待してませんでしたが・・・。 ザフィーラ「いい度胸だ。どこの誰かは知らんが串刺しになりたいと見える」 このくそ犬、帰ったら絶対たまねぎ食わす! ヴィータ「このぺド野郎。はやてから離れろ!」 あ~またギガントシュラークですか、そうですか。 シグナム「今日のレヴァンティンは血に飢えている。悪いが手加減はできんぞ!」 あの、シグナムさん?カートリッジを三発もリロードしてあなたは一体何を撃つつもりなのですか? ヴォルケンズ「「「「 吹っ飛べ! 」」」」 シン「アーーー!」 前ページ次ページなのはクロスの作品集
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前ページ次ページなのはクロスの作品集 穏健派 地上本部 ティアナたちの勝利によってなのはは戦線離脱していったが、それも過激派からみればどうということはなかった。 なのはクラスの実力者ならまだまだ幾らでも存在している。 なにより・・・・。 モブ1「最終防衛ライン突破されました! 敵がここへ着ます!」 穏健派の敗北は時間の問題となっていたからだ。 はやて編4話『欲望と裏切り、そして妄想・・・』 クロノ「万事休す・・・か。お前達は風船を割って離脱しろ。」 モブ「総司令はどうなさるおつもりですか」 クロノ「・・・・あれを使う。通信を全領域に開いてくれ」 とうとう過激派の主だったメンバーが中央司令室(という名前のテント)にたどり着いた。 その目はもはや自分がメインヒロインだといわんばかりに輝いている。 クロノは思う。自分の娘にはきちんとした恋愛というものを今から教えておこうと。 そのためにもここから生きて帰らなければ・・・。 クロノ「待っていたよ。ここまで来てもらったんだ。いまさら逃げも隠れもしない」 ライズ「いい度胸ね。なら、降伏して私達に装置を渡しなさい!」 アティ「今ならまだ気の迷いだったですみますよ。さあさあ、装置を早く!」 クロノはあまりの威圧感にドン引きしながらも クロノ「そうはいかない。悪いがこの勝負勝たせてもらうよ」 そういって、最後の足掻きとばかりにマイクを握る。 アティ「・・・・・歌で懐柔されるのは異性人だけですよ? それも特定のですけど」 クロノ「その余裕もここまでだ。シンに借りたゲームの力を今こそ開放する!」 全ての戦場 クロノ『聞け! 全ての過激派よ』 ルルーシュ「これは全領域通信!」 マイクを通じて全ての戦場にクロノの音声が流れていく。 突然の放送に多くの者は武器を片手に耳を傾けていた。 クロノ「この戦いは我々の負けだ。俺達にはもはやシンを守る力は残されていない」 クロノ「だが、我々が敗れたからといって、お前達がシンを手に入れられるわけではない」 クロノ「次元システムを手に入れたとしても、一度にいけるのは一人が限界だ。 恐らく、その枠を狙って君達の争いは活発化するだろう」 クロノ「そして、お互いの実力の差が互いの憎しみをあおる」 クロノ「穏健派の秩序は失われ、いつどこから攻撃されるかわからなくなる 例え、仲間であろうが、いつ敵になってもおかしくない」 クロノ「それどころか、同じ世界の仲間同士が潰しあう時代が訪れるだろう。今のお前達のように!」 クロノ「昨日までの隣人が、戦友が、家族が! お前に銃を向けるかもしれない」 はやて「黙れ、クロノ!」 はやてが自軍の通信装置で反論するが、それもあまり意味を成さなかった。 クロノ「お前を恨んでいる人間はいないか? お前を馬鹿にしている人間はいないか? お前は本当に誰かに必要とされているのか? お前を倒してヒロインになりたいと思っている人間は本当に誰もいないのか?」 クロノ「私の部下がお前達の中にも紛れているぞ。シンを傷つけるお前達を倒すために」 はやて「嘘や! 騙されるんやない!」 はやての声は届かない。クロノの演説は次々と人の心を蝕んでいく。 アティ「蹴落とされる・・・なら、蹴落とされる前に・・・」 ライズ「おい! しっかりしろ! あいつの声を聞くんじゃない!」 クロノ「お前達の敵は、お前達のすぐ隣にいる! お前か?・・・いや、お前だったか?」 クロノ「過激派は、無数の信管を突き刺した巨大な爆薬のようなものだ」 クロノ「その連携はたやすく壊れてしまう。たった一発の砲撃で。・・・いや、立った一発の銃弾で!」 クロノ「さぁ、お前達の本当に倒すべき相手は誰だ。今こそそいつに銃を放て!!!」 「「「「「「 うわああああああ!!! 」」」」」」 360度全部敵と思い込んだ過激派は同士討ち(?)を始め瞬く間に崩壊していった。 あちらこちらに反乱の火の手が上がり、もはや指揮官の支持を聞くものなど誰も居ない。 というか、指揮官同士ですら争っている。 ??「ほ、ほんとに撃ってきやがったですぅ!」 ??「くそ、誰が敵なんだ!」 元々、過激派は穏健派に勝つまではと集まった連中だ。 自分達の勝利がほぼ決定した今、虎視眈々と装置の奪取を狙っていた輩は決して少なくない。 そんな場面で放たれたクロノの言葉は、アスランの髪より弱い過激派の結束を粉々にしてしまった。 さきほどまで味方だった人が掌を返したように敵になるのだ。まさに地獄絵図である。 クロノ「・・・・まさか、こうも簡単に崩れるとは・・・」 この隙をついて逃げ出すクロノ。 自らの生み出した戦いの結末に、穏健派は恐怖した。 回想シーン シン「あ、クロノ提督。これやってみませんか?」 クロノ「これは・・・ゲーム機?」 シン「いつも(彼女達の件で)お世話になってますからお礼代わりです。 ほんとは、デス子が懸賞で当てたけど、やる人がいなかっただけですけど・・・」 クロノ「なるほど、そういうことならありがたく貰っておくよ」 あのときのやり取りがなければ、確実に穏健派は負けていた。 見方を変えればシンの力によって、過激派は穏健派に敗れたことになる。 まさに、因果応報である。 クロノ(・・・これは帰ってきたらシンに酒でも奢っておかないとな) 中に入っていたソフトがなんだったのかは、恐らくわかる人にしかわかるまい。 過激派総本部 崩壊していく過激派を尻目に、総大将であるはやては未だに余裕の表情を崩していなかった。 YAGAMI「まさか、こんなせこい手で来るなんて。まあええわ、はなッからあんな連中あてにはしとらんかったし、 こうなったら私らの広域魔法で一気に殲滅するで!リイン」 はやては、この混乱を逆に利用し、自らの手で装置を奪取しようとしていたのである。 それだけの力が自分にはあると、彼女は自負していた。 普通に考えれば、魔法の詠唱時間が長すぎる彼女はタイマンには不利だ。 だが、この世界ではもう一つの特殊技能『メインヒロイン補正』がある(と、本人は思っている) 一番最初にシンを愛した女である自分が、そこらの女どもに負けるはずがないのだ。 (注:最初は恐らくマユかステラです) だが、はやての目論見はあっけなく外れることになった。 リインⅡ「・・・・おことわりです、はやてちゃん。」 はやて「な、なんやて! 何のつもりや、リイン!」 リインⅡ「聞こえなかったのですか? もうあなたにあごでこき使われるのはごめんだって言ったのですよ!」 信頼していたリインフォースⅡの反逆。 運命の女神ははやての手を離れ、ここから彼女は大きく道を踏み外していく。 はやて「・・・・冗談で済ませる内に戻ってきたほうがええ。敵になるなら容赦はせんで!」 リインⅡ「容赦しない? 詠唱時間の長さから単騎ではキャロにすら劣るあなたが、 このリインに勝てるとでも思ってるですか?」 はやて「・・・・目的はなんや! やっぱりシンか! シンやな!」 リインⅡ「一緒にしないでください! リインの目的は起動六課です!」 はやて「???」 リインⅡ「数々の不祥事から、クロノ提督は起動六課の隊長をはやてちゃんから リインに替えてくれるといったのですよ。 いつもいつも物事が自分の思いどおりに行くと思ったら大間違いです!」 はやて「な、なんやて~!? あの黒いの絶対に許さん!!」 ??「ざ~んねん、ここまでだったみたいね」 はやて「・・・・朝倉、あんたも裏切るんか!」 ここで、更に登場する予想外の人物。 参謀長であった朝倉涼子が裏切ったのだ。 ヤンデレの代表格であり過激派に真っ先に組した彼女まで裏切るなど、完全に想定外である。 朝倉「裏切る? 気付いてなかったのかしら。私は元々穏健派だったの。あなたを殺せばシン君が悲しむし、おとなしく捕まってくれるとありがたいんだけど?」 たとえ抵抗したとしても相手は二人。それも、彼女は詠唱のタイムラグがでかすぎて一対一はお門違い。 追い詰められたはやては何もできずに降伏するはずだった。 しかし、相手はあの『八神 はやて』である。 このあと、過激派筆頭は伊達ではないことを二人は身を持って知ることになるのだった。 はやて「く、こうなったら最後の手段や。幾多のYAGAMIよ、わが身に集え! セッートアッーープ!!!」 リインⅡ「・・・・・・」 朝倉「・・・・・・・」 しかし何も起こらなかった(現実では) 彼女の頭の中では本編にすら登場しなかった壮大な変身シーンが流れているのだろうが、 傍目から見ると、何も起こっていないのにはやてが一人で踊っているようにしか見えない。 誰にも見せたくない、誰も見たくない極めて壮絶な光景だ。 残念ながら、この醜態を文章に書き表すことははばかられる。各員脳内で補ってもらえればありがたい。 朝倉「・・・・・・妄想大爆発ね」 リインⅡ「はやてちゃん・・・酸素欠乏症にかかって」 はやて「ふふふ、魔法少女ファイナルゴットYAGAMI、今ここに爆誕!!!」 たぶん、しめの大爆発がバックで巻き起こり変身が終了したのだろう。 誰にもわからなかったが・・・・。 はやての攻撃力が上がった。防御力が上がった。すばやさが上がった。詠唱速度が三分の一になった。魔力が二倍になった。 シンからの『愛情』が100万パワーになった。 はやて「これで戦闘力は五倍! かくごしい、リイン、朝倉!」 あえて付け加えるが、これももちろん彼女の脳内テロップにすぎない。 リインⅡ「・・・いや無理です、妄想乙」 朝倉「・・・妄想もいい加減にしなさい・・・「ラグナロク ブレイカー!!」って本当に強くなってる!」 何とか回避したものの、朝倉涼子が情報操作しテリトリーとしていたはずの本拠地の壁には20mほどの巨大な大穴があいていた。 さらにその先にはこれまた巨大なクレーターが出来上がっている。 しゃれにならない威力である。本当に非殺傷かと疑いたくなるほどだ。 リインⅡ「じ、自己催眠! 妄想の力恐るべしです! 」 はやて「 これが、シンとの 愛 の 力 や! 」 朝倉・リインⅡ「「 絶対に違う!!! 」」 数分後、リインⅡと朝倉涼子を振り切ったはやてが戦場へ乱入。 暴走した彼女は穏健派、過激派の双方に甚大な被害をたらすのだった。 そして、終わりの見えない戦いはついに最終局面へ おまけ ストームレイダー「蒼きJF-704式 トランスフォーム 」 ALICE「ガウォークモード SET UP」 ヴァイス「はっはっは、見たか! 管理局脅威の科学力を!」 スバル「イエーイ♪ 管理局の技術は世界一イイイイイイ!!!」 ティアナ「・・・・もういやOTZ」 はやてが敵味方無差別に暴走している頃、この戦いの裏に何者かの意思が絡んでいることを察知したユーノは、 真相を確かめるために単身探りを入れていた。 はやて率いる過激派の壊滅と復活、はやてのクラウディアの強奪事件、多次元の実力者の集結、 天才科学者の集合と時間跳躍システムの完成。 幾ら彼女が優秀でも一ヶ月あまりでこれだけの事件を、しかも一人で成し遂げられるものだろうか? なにより、彼女は良くも悪くも真正面からの強攻策を好む傾向がある。 (もちろんシンが絡んだ場合のみです) 両者の戦いの原因となった手紙やテレビ局の呼び出しは、はやてのこれまで使っていた手とは明らかに異なっていた。 これらの事柄によってユーノは確信した。 この事件には、過激派と穏健派の両者を戦わせ漁夫の利を得ようとしている黒幕がいると! 証拠を掴んでそいつらを白日の下に晒せば、かならずやこのスレで自分の出番が増えると! もちろん、そんなことをしても出番が増えるとは限らないし、こんなことをしている間に クロノが事態を終息させてしまうかもしれない。 第三者から見れば、こんな儚い希望に賭けるなど馬鹿馬鹿しいと言われるだろう。 なにより彼はサブキャラである。 『目立つ=死』の法則が当てはまる立場にいるのだ。 永遠に出番の来ないことになる可能性も十分にありえた。 それでも、彼は死亡フラグ上等の覚悟で事件の真相に挑んでいった。 セミレギュラーなんて望んでいない。ただ・・・もう少し・・・もう少しだけ欲しい。 出番を手に入れたい・・・せめて空気と呼ばれるほどに・・・。 脚光を浴びたい・・・・せめて忘れ去られない程度に・・・。 ユーノ「僕だって空気なのに・・・・なんで名前が一度も出てこないんだよぉ~~~!!!」 これまで空気すら超越する霞のような扱いを受けてきた彼の、まさに魂からの叫びであった。 さて、寄り道はここまでにして本編に戻るとしよう。 行動を開始した彼が一番最初に疑ったのは元次元犯罪者であるスカリエッティだった。 というか、過激派と穏健派両方に近付くことができ、なおかつ混乱を望む奴など彼ぐらいしか思いつかなかったというのが正しい。 なにより、この手の騒ぎには真っ先に彼が関わってくるはずなのに、今回は時空跳躍システムを手がけて以来一切の音沙汰がない。 戦闘データを得る絶好の機会だというのに、ナンバーズが一人も出てこないこともユーノの疑惑に確信を持たせる結果となった。 ユーノ「待っててくれ、クロノ、アルフ、みんな。僕は必ず手柄を立てて出番を手に入れて見せる。もう誰にも淫獣なんて言わせないよ」 クロノ達に過激派の対応を任せ、一人でスカリエッティのアジトに潜入するユーノ。 もう一度言うが、彼はあくまでサブキャラである。 そうやって格好をつけた結果は、ここに記すまでもないだろう。 ユーノ「出番を手に入れてしまえば・・・・こっちのものだぁ!!」 もしも、あえて一行で説明するならば・・・。 突入して数分後には、フェレットの簀巻きが一つ廊下に転がっていた、とだけ言っておこう。 はやて編 第五話「終焉は彼方に消えて・・・」 地下室 ユーノ「うう・・・ここは・・・」 ヴィヴィオ「あ、もう起きたの?」 目を覚ましたユーノの耳に、聞いたことのある声が届く。 驚いて体を起こそうとするが、足を縛られているためもんどりうって倒れてしまった。 よくみれば、腕も足もロープでがんじがらめだ。 ヴィヴィオ「ひさしぶりだね、ユーノさん♪ それともフェレットさん?」 縛られた彼に声をかけたのは、シンの義理の娘(?)であり、安全のため聖王教会に預けられたはずのヴィヴィオであった。 ユーノ「・・・そんな、どうして君がここに・・・!」 なんとか抜け出そうともがくものの、この(フェレット)姿ではどうしようもない。 魔法を使おうともしたのだが、この部屋全体にAMSが掛かっているらしく、魔力素を集めてもうまく連結してくれなかった。 (変身魔法も消えるって? そこはまあご愛嬌で) ユーノ「・・・それにしても、ここはどこなんだ?」 ヴィヴィオがいるということは聖王教会だろうか? しかし、それにしては物々しすぎる。 彼らのいる部屋はコンピューターやらモニターやらが所狭しと並べられており、 ピアノの鍵盤のようなキーボードや中身のないカプセル群が部屋の不気味さを増長している。 まさに『これぞ悪の組織!』といった内装だ。 造った人間の趣味がありありと見て取れる。教会というより研究所のような・・・。 ユーノ「研究所!? そうだ、僕はスカリエッティのアジトに進入しようとしてここまで連れてこられたんだ! ヴィヴィオ、もしかして君も奴に攫われて・・・」 だとすれば、一旦脱出は諦めてヴィヴィオを保護を最優先にしなければならない。 出番が欲しいと言って人の道を外れたら・・・もっと出番がなくなる。 一期でエロに走ったため二期でスタッフにハブられた経験は伊達ではないのだ。 スカリ「楽しんでもらえているかね?」 扉の一つが白い煙を上げながら音を立てて開き、一人の男が部屋に入ってきた。 ユーノ「スカリエッティ! やはりあなただったのか!」 いつものよれよれではなくきっちりとアイロンをかけた白衣をはためかせ、颯爽と登場するスカリエッティ。 さすがに元悪の科学者だけ合ってマッドサイエンティストの姿が板についている。 久々の出番に気合十分といった感じだ。 ご機嫌に、悪っぽいテーマソングまで流しているのは完全に蛇足だったが・・・。 (有名なダースベ○ダーの曲だけに選曲は悪くなかったが、後ろでラジカセを持って立っているウーノが 雰囲気をぶち壊しにしていた) ユーノ「こんなことをして・・・・一体何が目的なんだ!」 粋がってはみるものの、縛られて床に転がされていては文字通り手も足も出ないユーノ。 おまけに格好がフェレットなのだから、どれだけ頑張っても笑い話にしかならない。 スカリ「勘違いしてもらっちゃ困るねぇ。私はただ依頼を遂行したに過ぎないのだから」 ユーノ「依頼? 一体誰から・・・あ、駄目だ、ヴィヴィオ!」 その質問にユーノが答える前に、ヴィヴィオがスカリエッティの元へ駆け出してしまった。 急いで止めようとするが、所詮はまな板の上のフェレット。 縄を抜けられないまま、ヴィヴィオはスカリエッティの傍までたどり着いてしまった。 いつもながら、肝心な時にも役に立たない男だ。 ユーノ 「早くそいつから離れるんだ、ヴィヴィオ! そいつは君のママを裏で戦わせてた張本人なんだ!」 ヴィヴィオ「あれ? まだ気付かないんだ?」 スカリ 「くっくっく、君もつくづくかませ犬だね。いや、この場合はかませフェレットかな。こんな初歩的な推理もできないのかい?」 ユーノ 「なん・・・だって?」 スカリエッティは今にも笑い出しそうになるのを懸命に堪えている様子だ。 それもそうだろう。真相を知っているものからみれば、ユーノの言動は余りにも的外れだったのだから。 そう、どれほど難解そうに見えても、真実とは知っている者から見ればしごく単純なものだ。 スカリ「考えても見たまえよ。どちらの陣営にもたやすく接近でき、どちらの人間からも警戒心をもたれない。 誰からも疑われず、誰よりシンを慕っている人間。いるじゃないか?その条件に当てはまる人物が今まさに君の目の前に!」 ユーノ「まさか・・・事の全てを裏で操っていたのは・・・」 ユーノの言葉を合図にヴィヴィオの体から光が漏れ出す。 部屋一面に広がった光が収まると、ヴィヴィオの姿はなのはと同じワンテールの女性に成長していた。 もちろん、レリックなど使っていない。 レリック無しで自由自在に大人モードと幼女モードを使いこなせるようになったのはひとえに、シンへの愛の努力の証である。 (『ご都合主義』的設定なので詳細は省略) ユーノ「・・・・・・」 ヴィヴィオ「ふふふ、驚きすぎて声も出ないみたいだね。そ・れ・と、おしゃべりが過ぎるんじゃないの、スカリエッティ?」 スカリ「すまないね。どうしても彼の驚いた表情を見たいという欲求を抑えられなかったんだよ」 ヴィヴィオ「まぁ、いいよ。今日は記念すべき日なんだし」 愛くるしい姿をした幼女のヴィヴィオと、大人の姿になってしまったヴィヴィオが結びつかず、ユーノは呆然と二人を見上げていた。 ユーノ「・・・・・・どうして」 ようやく口に出せた言葉がそれだけだったというのも情けない話だが、 今度ばかりは仕方がない。 なにせ、スカリエッティが犯人だと思っていたらヴィヴィオがいきなり現れて自分が真犯人だと言い出したのだ。 おまけに十秒チャージもびっくりのスピードで大人になったのだから、超展開にも程がある。 ヴィヴィオ「だって私がなりたいのはシンパパの娘だけじゃなくてお嫁さんだもん 一生懸命考えたんだよ。なのはママから、どうしても欲しい物が有るなら全力で手に入れなさいって言われたから」 このとき、ユーノは確信した。 ああ、間違いなくこの娘はなのはの娘だ、と。 そして、後悔した。 この娘を機動六課に預けておいたのは失敗だった、と。 あのとき、無理にでもエイミィのところへ預けておけばこんなことにはならなかったのかもしれない。 やはり、機動六課は情操教育には最悪に不向きな場所だったのだ。 はやての頭の切れとフェイトの立ち回りの旨さ、そしてなのはの強引さと、 三人の長所(短所?)を見事に受け継いでしまっている。 ヴィヴィオ「前回の戦いが終わった後も、八神はやて部隊長は不満そうだった。だから過激派を動かすのはそれほど難しくなかったの。 でも、急がないとシンパパが帰ってきちゃうかもしれない。そんなことになったら、せっかく考えた計画が全部水の泡。 だから、刑事ドラマで見た通りに、貰った絵本を切り貼りして手紙を作ったの。戦いを早めに終わらせるために。 足がつかないように何人かに仲介させて渡したから、誰も気付かなかったでしょ?」 スカリ「最初に相談を持ちかけられたときは驚いたよ。だが、すぐに思い直した。 だってそうだろう。こんなチャンスは滅多にないのだから!」 ユーノ「・・・・そんな! 全ては最初から仕組まれてたっていうのか!」 スカリ「ああ、先に言っておくけどこの件に関して私は全く手を触れてないよ。すべて彼女が計画したものだ」 まさに『 冥 王 三 世 ! 』 ユーノはシンが帰ってきた時の事を思い、頭を抱えたくなった。 (縛られているので不可能だが) このことを彼にどう説明しろというのだ!? あなたの十歳にも満たない娘さんはあなたを欲するあまり戦争を起こしました? はやて部隊長達はそれに乗せられて、すさまじい地獄絵図を生み出しています? 言 え る は ず が な い ! このことを知れば、例えどれほどできた人間でも精神に異常をきたして黄色い救急車のお世話になる事間違いなし。 実際、ユーノだってこのまま眠って、夢オチでまとめようかと真剣に考えていたほどだ。 女難に慣れているはずのシンでさえ、この現状は受け止めきれないかもしれない。 よりにもよって、機動六課で唯一の癒しどころであるヴィヴィオがこうなってしまったと知れば、 シンの精神状態は種死最終話まで逆戻りするんじゃないだろうか。 今なら、知らないことが幸せだというものひとつの真理だとユーノは素直に納得できる気がした。 と、ここでひとつの疑問が浮かび上がってきた。 ユーノ「ヴィヴィオ、君の動機はわかった。でもスカリエッティ、あなたがヴィヴィオに協力してるのはどうしてなんです?」 スカリ「これは楽しくなりそうだ、というのもあるが一番の理由は金だよ。 はっきり言って最近お金がなくなってきてね。前のクライアントとは手を切ってるし、この大所帯の食費や研究費、 施設の維持費には莫大な資金が要る。スカリエッティ研究所の台所は火の車なのさ」 ユーノ「いや、そもそもスカリエッティへの資金はいったいどこから・・・?」 この問いに答えたのはヴィヴィオだった。 ヴィヴィオ「知ってる? 最近のテレビ局って羽振りがいいんだよ。なにかと話題に尽きない起動六課だから、 情報と引き換えにするって言ったら、こちらが提示してくれた金額をぱっと出してくれたの」 ユーノは戦慄した。 ユーノ「まさか、テレビ局に情報をリークしたのは・・・」 ヴィヴィオ「そう、それもわ・た・し♡」 ヴィヴィオ「私の目的は、過激派と穏健派が共倒れになる以外にもう一つあるの。 それはテレビ局が、彼女達の醜く争い合う姿を記録に残すこと。 そうすれば、帰ってきたシンパパはそれを見て彼女たちに幻滅する。 後は、私がそこに付け入るだけでいい。」 ユーノ「そ、そんな! シン君を手に入れるためにそこまでするなんて!」 信じがたい事実だ。ここまで綿密に計算されたシナリオを僅か六歳の子が独りで考え出したとは・・・。 ヴィヴィオ「大金も手に入って、シンパパの他の女性たちに対する評価もがた落ち。 私は大人の都合に巻き込まれた哀れなヒロイン役を演じればいいだけ。どう? 簡単でしょ?」 ユーノ(確かに完璧な計画だ・・・。どこにも隙が見つからない・・・) スカリ「では、納得してもらったところで、そろそろ私達が残した最後の証拠を片付けるとしようか」 スカリエッティは一昔前の漫画に出てきたような奇天烈な形の機械を持ち出すと、 動けないユーノにまっすぐに発射口(?)を向けた。 ユーノ 「ま、まさか僕を消すつもりなのか?」 ヴィヴィオ「ううん、そんなことしたらシンパパが泣いちゃうから駄目だよ。 だから、ちょこっと記憶を弄って、このことを忘れてもらうの」 スカリ「な~に、たとえ思い出したとしてもその頃にはすべて終わっているさ。 (ボソッ)副作用でフェレットから戻れなくなるかもしれないが」 ユーノ「な、なな、なななななななななななんだってぇぇぇぇ!!!」 ヴィヴィオ「大丈夫♡ その時はなのはママがやったみたいにずっとペットとして飼ってあげるから」 ユーノ「(あ、そしたらまた幼女と一緒にお風呂に)って、一生は嫌だああああぁぁぁっ!!」 そのとき突然、ユーノの叫びに呼応したかのような大きな揺れが彼らを襲った。 ウーノ「皆さん! 伏せて!」 震度6クラスの大きな地震にも思えたが、初期微動がない地震などこの世には存在しないはずだ。 この場所が崩れることはないだろうが、予想だにしない出来事にユーノ達は焦りまくっている。 スカリ「・・・・・・始まってしまったか」 地面の揺れが収まったかと思うと、今度は周りの景色が次々と、まるでテレビの画面を揺らしているかのようにぶれ始めた。 ヴィヴィオ「これは一体・・・」 目の錯覚ではない。だんだん視界までが白くぼけてきている。 白い霧が周りを包んでいるのか、それとも白内障のように世界が白く見え始めているのかはわからなかったが、 とにかく異常事態であることは間違いない。 ユーノ「な、なにが、どうなって・・・!」 スカリ「ふむ、歴史の修正が始まったようだね。次に目を覚ましたとき私達が存在するのは、彼が消えている世界か、 それとも、リインフォースが救われた世界かのどちらかだろう。 もっとも、どちらにしろ我々は歴史の修正に巻き込まれることになるが」 体の感覚までなくなってきているというのに、スカリエッティはさも愉快そうにそう話した。 彼には最初から全てわかっていたのだ。 だからこそ、ヴィヴィオに手を貸し事態を動かした。 退屈を紛らわせるために。 自分が自分でなくなることの恐怖を払いのけるために・・・。 ユーノ「あ、あなたは最初からこのことを知っていたのか。それで・・・」 スカリ「折角無罪放免になったのに、いまさらBADENDに手を貸すつもりはないよ。 すまないが、今の私にとっては彼女達やお金より自分の娘たちの幸せのほうが大事でね。 ・・・・・・・・といっても、もう聞こえてはいないか」 すでに周りには誰もいない。いや、正確に入るのかもしれないが、白い視界に阻まれ何も見えなくなっている。 スカリエッティはこれまで誰も見たことがないような真剣な面持ちで独り言を呟いた。 スカリ「・・・・間に合わなかったみたいだね、シン君。いや、まだ終わっていないか」 ウーノも、ユーノも、ヴィヴィオももはやどこにもいない。 五感が封じられ、自分の声すら聞こえてこない。 世界は完全な『無』に帰りつつある。 スカリ(誰一人抗うことのできない世界による修正。時間軸をさかのぼっての歴史の再構築。 それらの発端が滅びた魔道書の小さな願いと、たった一人の男の出会いとは・・・何ともこっけいな話だね) 全ての発端となった未来から、世界の修正は徐々に広がっていき、やがて過去にいるシンにたどり着く。 そうなれば、世界は歴史のゆがみの原因であるシンを消滅させ、歴史を元通りに作り直すだろう。 元通りの歴史・・・それは、シンが最初から存在しない世界。 そこでは今回のような苦しくもどこか楽しい馬鹿騒ぎではなく、真に血生臭い死に物狂いの戦いが待っているはずだ。 少なくとも、かつての自分ならその道を行くだろう。 あの頃のスカリエッティたちには、何の迷いもなかった。 欲望だけが自分のすべてと思い込み、世界を道ずれにしようとした自分を変えてくれたのは、誰でもないシン・アスカだ。 歴史にもしもはありえないが、もしも止めるものがいないままあのまま世界が進んでいったとすれば、恐らくその先にあるのは・・・・・・。 こうなってしまった以上、彼とこの時間軸の自分達が生き残る道は唯一つ。 消えてしまうはずの『リインフォース』を生き延びさせることだけだ。 リインフォースが生き残ることによって、はやての元に残された剣十字とシンの時空跳躍能力が共鳴することもなくなり、シンの過去への介入もなかったこととなる。 後に残る細々とした修正を我々の手で済ませれば全てうまくいく。 だがそれには、奇跡にも等しい数々の条件が揃わなくてはならない。 普通に考えれば実現はほぼ不可能に近い状況だが、可能性が全くないわけではなかった。 スカリ「そう、もしも『彼』がデスティニーの中に眠る『ロストロギア』を目覚めさせることが出来たなら ・・・どんな奇跡だろうと足元にすら及ばない。」 どうせ管理局や聖王教会にはユニゾンデバイス製造機としか伝わっていないのだろう。 だが、真実は違う。 かつて最強と謡われ世界を統治していた聖王が、そんな下らないガラクタを本気で量産させようとするはずがない。 『セイオウノツルギ』も元は聖王のゆりかごと同じ『アルハザードの遺産』。 天才と呼ばれたこの私でも、完全な解析は諦めたほどの代物なのだから・・・。 「さあ、シン君。私に見せてくれ!『セイオウノツルギ』の真の力を!!」 過激派も穏健派も、人間も人外も、この時間軸にいた存在の全ては飲み込まれていった。 再構築された世界に、シンが残っていられるかどうか。 それは、まだ誰にもわからない。 唯一つわかっているのは・・・。 まだ、何一つ終わっていないということだけだ。 はやて編 完 前ページ次ページなのはクロスの作品集
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前ページ次ページなのはクロスの作品集 はやて編2話『戦慄の午後』 決戦当日、両雄が集まった戦場には、なぜか大勢の報道陣が待ち構えていた。 はやて「なんやこれは! どうなっとるんや!」 アティ「これは・・・やられましたね。これだけ人の目が集まればうかつな行動はできません」 レミリア「楽しくなってきたじゃない。どの道やることは変わらないわ」 既に三十台以上のカメラが並び、空にはヘリが飛びまわっている有様だ。 恐らくミットチルダどころか、他の次元世界からも集まったのだろう。 もっとも、この事態は穏健派にとっても予想外だった。 クロノ「どうなってるんだ、これは! 過激派の連中の仕業か?」 リンディ「いえ、彼らがこんなことをするとは思えないわ。でも、どこから情報が漏れたのかしら?」 クロノ(まさか、これがユーノの言っていた・・・) ゼスト「どうあれ、やることに代わりは無い。ティアナ、行くぞ」 ティア「はい!」 こうして、もはや訓練というより、全次元を巻き込む風船割りゲームと化した戦いは幕を開けた。 過激派 総司令官 八神 はやて 副司令官 リインフォースⅡ 参謀長 朝倉 涼子 前線戦闘指揮官 ライズ・ハイマー 前線戦闘指揮官補佐 高町 なのは 前線参謀長 アティ(抜剣覚醒) 第一中隊隊長 レミリア・スカーレット 副隊長 十六夜 咲夜 第二中隊隊長 水銀燈 副隊長 閻魔 アイ 第三中隊隊長 フェイト・T・ハラオウン副隊長 比良坂 紗夜 第四中隊隊長 遠野 秋葉 副隊長 霧雨 魔理沙 第五中隊隊長 バラライカ 副隊長 ボリス 第六中隊隊長 ラミア・ラヴレス 副隊長 エキドナ・イーサッキ 第七中隊隊長 霧雨 魔理沙 副隊長 工藤 百華 第八中隊隊長 ベール=ゼファー 副隊長 美袋 命 第九中隊隊長 ラクス・クライン 副隊長 アスラン・ズラ 第十中隊隊長 木原 マサキ 副隊長 氷室 美久 第十一特殊部隊隊長 ロックブーケ 構成員 恋姫無双チーム 以下延々と続く 巻き込まれた人も含め、総兵力1854人 起動兵器が撃墜されたら、パイロットは強制転移で脱出するので絶対安全 (戦艦は、今回使用禁止) 穏健派 総司令官 クロノ・ハラオウン 副司令官 リンディ・ハラオウン 参謀長 マジカルアンバー 前線戦闘指揮官 ティアナ・ランスター 前線戦闘指揮官補佐 ミルフィーユ・桜葉 前線参謀長 ルルーシュ・ランペルージ 第一中隊隊長 ゼスト・グランガイツ 副隊長 ルシア・ライナノール 第二中隊隊長 ストレイト・クーガー 副隊長 真紅 第三中隊隊長 トレーズ・クシュリナーダ 副隊長 Dr.ウエスト 第四中隊隊長 ジナイーダ 副隊長 大神一郎 第五中隊隊長 ギルガメッシュ 副隊長 高町 恭也 第六中隊隊長 ギンガ・ナカジマ 副隊長 スバル・ナカジマ 第七中隊隊長 シュウ・シラカワ 副隊長 サフィーネ=ゼオラ=ヴォルクルス 以下少々続く 全力で集めて、総兵力948人 医療班 シャマル班長 ザフィーラ(やっぱりお留守番) 765プロダクションチーム 桂 言葉 白河 ことり、アイシア、DCチーム ハサハ、白レン、久遠 プリムラ、楓、シャッフルチーム グレーテル(ホテル・モスクワが来たため強制的に) 泉 こなた、高良 みゆき、らき☆すたチーム ネロ カオス ちなみに個人の力量も含めて考えると、両雄の兵力差はおよそ一万対一である。 穏健派視点 本陣 アルフ「何というか・・・。ここまで来ると圧巻だね。良くぞここまで集めたもんだ、ってかんじ?」 リンディ「宇宙怪獣の巣にコアファイターで突撃したほうがまだ生き残れそうね」 アンバー「いえいえ、コアファイターよりもボールを推薦しますよ♪」 クロノ「・・・(ここからが本当の地獄だ・・・)」 前線 ティアナ「この戦力で過激派相手に十分以上持ちこたえられると思いますか?」 ミルフィー「明らかに無理ですね」 ギンガ「風船を一つ割るだけで、どれほどの犠牲が出るか・・・」 クーガー「そしてなによりも・・・速さが足りない!」 真紅「だとすると、やはりあれしかないわ」 戦力で圧倒的に負けている以上、穏健派にできるのは策を練ることぐらいだ。 それも生半可な妨害では絶対に止められないだろう。 全員が非殺傷設定とはいえ、戦力でも起動兵器の数でも圧倒的に負けている。 っていうか過激派の人外率と戦闘力は半端じゃないぞ!大丈夫なのか? この次元崩壊したりしないだろうな! 過激派視点 司令部 はやて「お~ほっほっほ♪ 楽勝や楽勝♪ もはや、始まる前から勝利は目前や♪ この前の屈辱は百万倍にして返すで、リイン!!」 リインⅡ「そうですね、はやてちゃん♪(ちっ穏健派の連中も使えませんね)」 朝倉(ふふふ、さあ、みんなはどう動くのかしら? まずはお手並み拝見といったところね) 前線 アティ「まずは長距離から大火力で砲撃。敵の防衛陣形が崩れたところを白兵戦で叩き潰します。なお、起動兵器のパイロットは敵の起動兵器を 牽制してください。 何か異論はありますか?」 マサキ「特に異論は無いが、べつに倒してしまっても構わんのだろう?(くくく、完成したグレートゼオライマーのいいテストになる)」 フェイト「うんうん! 倒しちゃってもいいよね?」 なのは「みんな頑張ろう。今度は絶対に負けられないよ!(冥王は一人で十分なの♪)」 ラミア「ええ、任務了解していましたですのことよ。(ここには、まともな思考を持った者はいないのか?)」 今更だが、過激派にまともな人間は誰一人存在しない! 一般人というジャンルで 区切るにはあまりに規格外すぎる。穏健派や医療班と比べるとその差は歴然である。お前ら、戦う相手間違ってるんじゃないかってくらいに・・・。 医療班 言葉「平和ですねぇ」 ことり「ええ、本当に。でも、こんなことしてて、いいんでしょうか?」 こなた「いいの、いいの。戦いなんてできる人に任せとけば。あ、楓ちゃんハルヒの三巻とって」 シャマル「ザフィーラ! いつまで久遠たちと遊んでるつもり? まだ荷物運びが終わってないわよ!」 例外はいるものの、基本的に穏やかな思考を持った人間は医療に来ていた。 グレーテル「ふう、わたしもOOOしたり、XXXしたりしたかったのに、何で医療班に回されたんだろう」 ネロ「ふむ、同感だ。私も何故自分がここに居るのかわからん」 言うまでも無く、放送時間がゴールデンタイムから深夜になるからです。 ??? 戦いはむなしく、戦争は全てを狂わせていくものだ(えっ過激派は元からおかしい?) かつて共に戦った仲間が、たった一人の男のために全てを捨てて潰し合うのだ。 これを悲劇と呼ばずになんと呼べばいいのか。 ???「まさに喜劇ね。ここまでうまく事が運ぶなんて・・・」 スカリ「まったくだな。先ほど紛れ込んだネズミはこちらで始末しておこう。いや、フェレットだったか?」 ???「私も行くわ。退屈しのぎにはなりそうだもの」 ウーノ「それは危険では? 仮にも奴はAランククラスの実力者です」 スカリ「かまわんよ、君たちも出向くのだ。別に手間はかからんだろう」 ウーノ「了解しました。」 ???「では、彼らの最後の希望を打ち砕きに行きましょうか?」 シンの運命を賭けた戦いが、本人不在のままついに始まる。 過激派が勝ち、時間跳躍システムをてにいれるのか? 穏健派が勝利し、シンの平和を守り通せるのか? それとも、まだ見ぬ第三勢力が今回の戦争行為に介入するのか? まぁ、どのみち『歴史の改変』(シンが消えるか、リインフォースが生き返るか)でなかったことになるんだけどね。 シン編 第3.5話 『迷い』 十年前 海鳴市 海鳴大学病院 リインⅠ「主はやて、お別れを言いに来ました」 はやて 「・・・・・」 シャマルが高町家に向かった隙に、リインフォースははやての元へ到着していた。 シン達がリインフォースを探していたように、リインフォースもまたシン達を避けていたのだ。 リインⅠ「私が消えればその苦しみからも解放されます。シンやヴォルケンリッターとは会わないまま消えることにしました。 きっと会えば辛くなるでしょうから・・・」 はやて 「・・・・・」 未だ意識の戻らぬ主に向け、リインフォースは最後になるであろう自分の言葉を告げようとする。 リインⅠ「いずれ生まれる妹のために、記録映像も残しておきました。私の意志はその子が継いでくれるはずです。ですから、今は心安らか に・・・・」 はやて 「・・・・そんなこと・・言うたらあかんよ」 リインⅠ「主、お目覚めになったのですか!!!!」 驚くリインフォースに、はやては弱々しく手を伸ばす。 握り返したその手は、生きているとは思えないほど冷たかった。 はやて 「リイン・・・フォース、消えたら・・ゆるさへん! もう一度みんなで・・・ごほっごほっ」 リインⅠ「いけません、喋っては体に毒です!」 はやてのリンカーコアが傷ついているせいで念話ができないのがもどかしい。 はやて「・・・シン兄が、何とか・・してくれる。せやから・・・きっと大丈夫や」 リインフォースには、はやてが何を言ったのか理解できなかった。 何とかする? 確かにシンは頼りになる。心も真っ直ぐで信念も持っているし、戦いの腕も一般人よりは強いだろう。 だが、結局は唯の人間だ。魔力もなければ、知識に優れているわけでもない。身体能力でもシグナムやザフィーラには到底及ばない。 なのに何故、主はやてはあの男にこだわるのだ? リインⅠ「・・・なぜです?私が生まれてから数百年間、どんな賢人でも出来なかったことを、魔法も使えない唯の人間ができるはずがありませ ん」 これまで幾人もの人間が「闇の書の闇」に挑んできた。主を押っ取る自動防衛プログラムを破壊し、管制プログラムだけを残せば「闇の書」の力を自由自在に使うことができる。 だが、どれほどの賢人でも、どれほどの権力を持っていても、どれほどの魔力を持っていても、あの無限の再生力の前には無意味だった。 彼女がここにいることが、それを証明している。 はやて 「自分でも、わからへんけど・・・。でも、・・・何故か・・・そう思うんよ。シン兄なら・・・運命を・・・変えられるんやないかって。」 リインⅠ「それは幻想です。主はやて、あなたはどうしてそこまで・・・」 はやて 「・・・リインフォースが・・・・・シン兄を・・疑う・・・のも判る。それ・・でも、家族は・・・信じあうもん・・・なんやで」 一通り喋ると気力が尽きたのか、はやては再び眠りについた。 リインフォースもそっと手をベットの中に戻す。 リインⅠ「主はやて、私は・・・私には理解できません」 万が一、手段があったとしても、あと八時間では何もできない。 いや、どれだけ時間があってもできるはずがない。二度もおこらないから奇跡なのだ。 リインフォースはそう思うことで自分の未練を断ち切ろうとしていた。 (シン・・兄なら・・・運命を・・・変えられる) だが、彼女にはどうしてもはやての言葉は無視することはできなかった。 リインⅠ「シン・・・お前は本当に運命を変えられるのか?」 いや、すでに一度あの日消えるはずだった運命を変えている。 もしかしたら、シンならできるかもしれない、ユニゾンデバイスを従え、修正プログラムの発見を予知したあの男ならあるいは・・・。 リインⅠ「・・・・・シン・アスカ。もしもお前にそんな力があるなら、私を救ってくれ。 あの日、消える筈だった私を止めたように・・・」 一粒の涙を残して、リインフォースは病院の外へ転移していった。 リインⅠ「私はまだ・・・消えたくない」 リインフォースが転移するのとほぼ同時に、ヴォルケンリッターが病室にたどり着く。 シャマル 「待って、リインフォース! ・・・駄目だわ、逃げられた」 ザフィーラ「まだ、転移反応は残っている。アースラに追跡してもらえば場所がわかるはずだ」 シャマル 「ザフィーラ、アルフも呼びましょう。強装結界で転移を封じます」 ヴィータ 「くそっ、お前を一人で逝かせねぇ! まだ、あたしは借りを返してねえんだ」 闇の書が誕生して数百年間、彼女達はいつも血と死の匂いが漂う荒野を彷徨っていた。 目の前にあるのは焦土と死体の山ばかり。空は戦舟に埋め尽くされ、聞こえる声はうめき声と断末魔だけだった。 地獄のような日々の中で、自分よりも仲間のことを心配していたリインフォース。 そんな彼女の優しさを受け入れず、拒絶ばかりしていたヴィータ。 その時の償いをするためにも、このまま黙って逝かせる訳にはいかない! ヴィータ「はやて、あと少しの辛抱だからな! あたし達はもうリインフォースを見捨てたりしねぇ。 絶対にリインフォースも救って見せるから安心して眠っててくれ」 意識のないはやての表情が、少し緩んだ気がしたのは、気のせいだろうか? 未だに、防衛プログラムをとめる方法も、リインフォースも見つかっていない。 それでも彼女たちは、自分たちに『明日』をくれた夜天の王、八神はやてを本当の意味で救うために、二度と希望を捨てないだろう。 闇の書の自動防衛プログラム再生まであと『8時間57分』 前ページ次ページなのはクロスの作品集
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みつめてナイトはコナミ発売のプレイステーション用恋愛シミュレーションゲーム ゲーム自体の評価は高く、週刊ファミ通において殿堂入りを果たして居たりする 詳しくはググって下さいね、なんなら買ってプレイするのが一番だけど シンの紹介 登場人物紹介 デスティニーの設定 総合女難スレその8 420氏の作品 みつめてナイト-01 みつめてナイト-02 みつナイ出番創出委員会氏の作品 『プロローグ』 第1話 運命の夜 第2話 されども夜はふけていく 第3話 運命の出会いと再会と 元ネタ別インデックスへ 作者別インデックスへ トップページへ
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前ページサモンナイトクロス 「じゃあ、あなた達もここまで流されたんですか?」 「うん、まあね……まあ、キミ達も流されてたってのは意外だったけど」 アティが尋ねると、ソノラは力なく頷いた。 先ほどと同じ林の中である。とはいえ多少歩いたところで景色が変わるわけでもなかろうが。 シンは図らずも合流したアティとベルフラウに事の次第を語った訳だが……それ以前に、彼女たちとソノラには面識があった。 それも、船を襲った海賊と、襲われた客船の乗客――加害者と被害者という、最悪の形で。 「意外も何も……元々、悪いのはそちらでしょう? 自業自得よ!」 「……ぶーぶー……」 ベルフラウの物言いにソノラはむっとしたが、流石に罪の意識があってか反論はしなかった。 「それで、どうするんだよ?」 このままでは話の停滞を招きかねない。そう判断して、シンはアティに尋ねる。 アティはうーん、と頬に手を当てて唸ってから、 「あの……船、あるんですよね?」 「……うん」 彼女が何を言わんとしているのか。測りかねて、ソノラが曖昧に頷く。 「ひょっとして……船に乗せてもらえたり、します?」 「ちょ、ちょっと!?」 突然の提案に、ベルフラウが感情的に反応する。アティはそれを軽く手で制すると、ソノラの言葉を待った。 ソノラは困ったようにシンとアティの顔を見比べていたが……やがて諦念を含んだ声で、 「……まあ、シンは命の恩人だしね。分かった、兄貴に頼んでみる」 「信用できますの?」 ベルフラウが疑念に満ちた声を挟むと、ソノラはきっと彼女を睨み据えた。その迫力に負けてか、ベルフラウが一歩後退る。 「あのね。そりゃ、確かにあたしたちはならず者だけど、恩義を反故にするほど腐っちゃいないの。それにカイル一家には〝受けた恩は絶対に返せ〟って先代の教えがあるんだかんね!」 納得したわけではなかろうが……ベルフラウが口を噤む。 フォローする気にもなれず、シンはアティに視線を向ける。 「……あんたはどうするんだ?」 「え? 船に乗せてもらえるなら是非……」 「そうじゃなくて」 軽い頭痛を覚えて、シンは呻いた。薄々感付いてはいたが……どうにも彼女、ズレている部分がある。 「あんたは、ソノラを信用できるのか?」 「シン!?」 背後から不快そうなソノラの声が響くが、シンはそれを決然と無視した。アティから視線を外さないまま、答えを待つ。 「はい。駄目ですか?」 あっさりと――まったく瞳を揺らさずに、アティは即答してきた。 「海賊なんだぞ? それに、あんたは被害者だろ」 「確かにそうですけど……ちゃんと話もできる人みたいですし。だったら、私としては信じたいです」 (信じたい……か) 皮肉のつもりではなかったが、胸中での呟きには多分に皮肉の色があった。 信じることは個人の勝手に過ぎない――その信用に応える義務は相手にはない。殊に、利害が一致していない場合は。相手を信じることにも責任は必要だ。 ステラの一件で、シンはそれを痛い程に思い知った。あの時信じたのは、彼女が慕っていた上官だった…… 苦い思い出を噛み潰して、シンはソノラに向き直った。 「ごめん、ソノラ。別に疑うわけじゃなかったんだけど」 「……分かってる。あたしも、信用されないまま一緒に行くのはヤだからね」 存外に軽く割り切ってソノラが頷いた。むくれているベルフラウが気がかりといえば気がかりだったが――告げる。 「行こう。案内してくれ」 「ちょっと」 引かれた腕に、シンは背後を振り返った。小声な上、アティとソノラはシンよりも先行しているために気付かなかったのだろう。 予想はしていたが、そこにはベルフラウの不機嫌な顔がある。 「何だよ」 「本当に大丈夫ですの?」 大丈夫、とはソノラのことだろう――ベルフラウが未だに不信感を持っていることには気付いていた。 シンは顎で前方のアティを示し、 「どうして俺に聞くんだ? あの人に聞けばいいだろ」 「それは……」 彼女は言い淀んでから、もごもごと後を続けてきた。 「あの人に聞いたところで、答えなんて分かり切っているもの」 「……まあ、そうかもしれないけど」 そもそも、アティには先ほどシンが尋ねたばかりである。彼女は、相手が誰だろうと態度や意見を変えることはしないだろう。その確信がある。 もっとも……だからといってシンにそれを尋ねるのは筋違いと言えたが。 (要は八つ当たりだろ) 内心でぼやく。 仕方ないことなのかもしれない。大人ぶってはいるが、ベルフラウはまだ年端もいかない子供なのだから。 見知らぬ地で、頼れるのは出会ったばかりの家庭教師と海賊、そして得体の知れない放浪者。こんな状況では八つ当たりをするな、という方が無理というものだ。 それは理解していた。理屈ではどうしようもなく理解していた。だが、感情がささくれ立つのを感じる。 はっきり言って、現状のシンも似たような状況だ。いや、帰る方法さえ検討もつかないのだからむしろ彼女よりも悪い。彼女を気遣ってやれるような余裕などない。 「他に帰る方法があるなら、別に信用しなくてもいいのかもしれないけどな」 「……何よ、それ。嫌味?」 「別に。本当のことだろ」 もう少し穏やかな言い様もあったのではないか。理性がそう告げてくるが、苛立ちはそのまま口から滑り出た。 「自分でどうすることもできないなら、少し黙ってろよ」 「っ……!」 引き攣った音が、ベルフラウの喉から漏れる。 失言だった――胸中で舌打ちする。しかし、それを口に出して認める気も起きなかった。 何も言えずにいると、ベルフラウが勢いよく鼻を鳴らした。そのまま、シンを追い抜くように歩き出す。その後ろを、オニビが慌てて付いて行った。 しばらく、そんな彼女の背中を見て―― シンは嘆息して歩き出した。ベルフラウを追い抜かないように、わざと歩幅を小さくして。 天気は悪くなかった。気温も適当ではあったし、湿気も多すぎるということはない。 それでも二十分も歩き続ければ、延々と木々が続く風景にも飽きてくる――だからかどうかは知らないが、林を抜けてさえしまえば景色は一変した。 岩場である。ごつごつとした岩が段差状に並び、徐々に下っていくという構造らしい。 「ここを下れば、すぐ船だよ」 先頭を行くソノラが、道の先を示して告げる。視界の隅で、ベルフラウがほっと胸を撫で下ろすのが見えた。感情はどうあれ、野宿をせずに済むということには安心したらしい。 と――シンの視線に気付いたらしく、さっと表情を険しくする。 (……嫌われたかな) 当然と言えば当然の結果ではあるが、納得のいくものではない。 軽く嘆息して、視線を外す。 あの年頃の少女というのは扱いが難しかった。下手に過保護にすれば怒るし、突き放しても怒る。 妹を思い出して、シンはやや憂鬱な気分になった。分かっていたことだが、予想以上に余裕がない。 「難しいですよねぇ」 ぎょっとして、シンは横を向いた。すぐ近くを、アティが歩いている。彼女は顔に似つかわしくない険しい表情で、何事かを唸っていた。 心を読まれたわけではない。そもそもそんな発想自体が馬鹿馬鹿しいのだが、なぜか確認をしたくなる。 「何が?」 「あ、いえ……あの年頃の子って難しいなぁ、って……」 苦笑する。何のことはない――同じことを考えていただけなのだから。 「少しは教師らしくしたいんですけど……私って、あんまり先生らしくないですかねぇ、やっぱり……」 「えっと……」 言葉に詰まる。アティが教師らしいか、と聞かれれば……きっぱりとノーだった。歳の割に童顔だということをさておいても、雰囲気が大人のそれではない。 童女がそのまま大人になった。そんな表現がしっくりくる。実際、年下のシンからしてみても年上という印象がない。 慎重に言葉を選んでから、シンは言った。 「……ノーコメントで……」 「うう……」 アティががっくりと肩を落とす。フォローの言葉を考えている内に、シンはある疑問を抱いた。 「そもそもあんた、元々教師なんじゃないのか?」 アティの言い様は、職業教師とはとても思えない。せいぜい新任教師か……もしくは元が素人かだ。 はたと気付いたように、アティが顔を上げる。 「あれ? 言ってませんでしたっけ?」 「聞いてない。というより何を?」 「私、元々は帝国軍人だったんですよ。色々あって辞めちゃいましたけど……」 「軍人ん?」 眉を跳ね上げる。あまりの意外さに、声までやや裏返った。慌てて口元を押さえるが、遅かった。アティが半眼でこちらを見ている。 「……信じてませんね?」 「い、いや……そんなことは……」 視線が泳ぐ。実際、アティの言う通りなのだが。軍人とは戦士であり、殺人者であり、時には虐殺者にもなりうる。無論平時であればそんなことはないが……それでも、アティのイメージがそぐわないことに違いはない。 教師か軍人かと聞かれれば、紛れもなく彼女のイメージは前者だろう。平和な農村で暮らしているのが似合い、といった風情がある。 「いや、まあ……自分でも向いてないなぁって思ってたんですけど」 「……なら、何で軍人になったんだ?」 それは、場合によっては不躾な質問だったかもしれない。が、アティの様子に変化はなかった。 「私、元々医療の勉強がしたかったんですよ。でも帝国だと先進技術はほとんど軍部に伝わっていましたから……」 「へえ」 気のない返事を返して、シンは前方に視線を戻した。 話している内に歩調を緩めていたのか、ソノラとベルフラウの姿は斜面に消えかけている。 「そういえば」 ふと。アティが何の気もなさそうに、呟いた。 「シン君って、魚屋さんか何かなんですか?」 ごん―― という鈍い音は、シンが地面とのファースト・キスを果たした音である。 「だ、大丈夫ですか? 何もないところで転びましたけど……」 「あのなぁ……」 ぎぎぎ、と身体を起こしながらシンは呻いた。 「いきなり魚屋か、なんて言われてコケない奴の方が珍しいだろ……」 「ああ、それもそうですね」 得心したように頷いて、アティはぽんと手を打った。シンがひとつ息を吐くと、 「じゃあ漁師さんですか?」 「なんでだっ!?」 「だって、格好がそれっぽいですし」 彼女が言っているのは、シンの来ているパイロットスーツのことだった。 確かに水には濡れない装備であるし、ボディラインにぴったりと合わせたようなデザインはウェットスーツに見えなくもない。もっとも、アティは単に『水に濡れなさそう』という印象で言っただけだろうが…… 「あのな、俺は魚屋でもないし漁師でもない。これは……その」 説明に困窮していると、アティが言葉を重ねてくる。 「趣味ですか?」 「違うっ! あのな――」 思わずアティに詰め寄ろうとして―― 右手に感じる奇妙な感触に、シンは硬直した。 (なんで、だ……?) 運命なのかもしれない。浮かんできた言葉を即座に否定するが、他に理由らしい理由も見付かりそうにはなかった。 要するに――シンの右手は、アティの豊満な胸をがっしりと鷲掴みにしていた。 「…………」 「…………」 しばし、阿呆のように沈黙する―― 先に硬直を脱したのはアティだった。 「あ、あの……」 「ご、ごごごごごめん」 しどろもどろになりながらも、ぎこちなく手を離す。刹那―― 「何やってんの?」 怜悧な声が響いた。氷よりも冷たく、夜よりも暗い…… はっとして見ると、先行したはずのふたりがいつの間にか近くにいた。ふたりとも、明らかな軽蔑をその眼差しに乗せて。 ぽつりと……それでいてはっきりと聞こえる声音で、言ってくる。 「シン、最低……」 「不潔ですわね」 「ち、違う! 今のは事故だ!」 手を大きく振って否定する。アティに助けを求めるように視線を送ると、彼女は理解したように頷いてくれる。 「そうですよ、今のは別にわざとじゃありません」 「そうだ!」 「ちょっとした出来心なんです」 「フォローになってないっ!」 怒鳴るが、誰も取り合おうとはしない。 「初めてあたしと会った時も胸触ったじゃん。あれもわざとじゃないの?」 「お前な――」 「え……ええっ!?」 なぜか驚愕の声を挟んだのはアティである。彼女はわなわなと震える指をシンに向けて、 「し、シン君……流石にそれは犯罪ですよ?」 「違う! 違うんだ!」 シンは頭を抱えて絶叫した。 絶叫して――その勢いのまま、走り出す。 「あ、ちょっと!?」 背後から、ソノラの声。だが止まらない。止まれない。 意識はこの場から逃げることを望んでいた。命令を与えられた身体は走るしかない。 涙がぽろりと零れた気がする。それが眼球が乾いたことによるものなのか、他の原因によるものかは知らない。 どちらにせよ、シンは涙を塞ぐように瞼を閉じる。 「シン、前、前ーっ!」 だからなのかもしれない。ソノラの絶叫に、反応するのが僅かに遅れた。 「え?」 間抜けな、声。それも風に紛れて消える。 シンがまず疑問に思ったのは、なぜ地面がないのだろうかということだった。岩場は続いていたというのに。 理由を知るために瞼を開いて――シンは、その理由を思い知った。 どうということはない。実に単純なことだ。 彼は、カーブになっている道を踏み外していた。当然、その先は切り立った崖である。眼下に、やたらと生い茂る木々が見える。 そこまでを一瞬で確認して。とりあえず、シンは叫んだ。 「何でだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 叫びは無力だった。重力の法則に逆らう術も持たず、シンは軽く見ても二十メートルはある崖を転落していった。 前ページサモンナイトクロス
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#navi(なのはクロスの作品集) どこかわからない場所で、俺は誰かに話しかけられていた気がする。 そいつは俺の知ってるやつで、そいつも俺のことを知っていた。 色んなことを話された。世界のこと、管理局のこと、機動六課のこと。 でも、そこはやっぱり夢で、目を覚ますと何も思い出せなくて。 ひとつだけ、頭に残っていたのは・・・。 あの人を救ってくれ、そんな悲しい願いだった。 シン編第八話 『 エピローグ 』 シン「はぁ、今日も忙しかったな。体がガタガタだよ」 機動六課に配属になってもうすぐ一年。 最近はスカリエッティも事件を起こさなくなり(むしろナンバーズをつれて遊びに来るし) 六課の面々は本気で来るのか来ないのか分からなくなった『カリムの予言』を信じて 日々、訓練に明け暮れている。(最近休日が多くなった気がするけど) シン「後は、報告書をはやて部隊長に届けるだけか」 俺も最近はティアやスバルたちと共になのは隊長たちに訓練を受けている。 理由は俺の斜め後ろをふわふわとついて来る・・・。 デス子「今日も激しかったですねマスター。私壊れちゃうかと思いましたよ♡」 シン「誤解を招くことを大声で言うな!」 このはた迷惑なミニ美少女?にあった。 なんでも俺の相棒だったデスティニーがロストロギアを取り込んだ結果こうなったらしいが俺は断じて認めたくない、いや絶対に認めない! ・・・話がそれたな。 問題は調査の結果、このデス子(愛称)は特殊なユニゾンデバイスらしく、融合すると 魔力がまったく無い俺にもほどほどに魔法が使えるらしいと判明したことだ。 原理はわからないけど、俺にも魔法が使えるのなら、(実戦に出られるかどうかはさておき) せめて、護身くらいはできるようになりたい。 隊長たちには、そう無理を言って訓練への参加を許可してもらっている。 シン「同じユニゾンデバイスなのに、リインフォースとは全然違うんだよな」 デス子「当然です。私はユニゾンデバイスの中でも特別製の・・・」 シン「・・・デス子」 デス子「ええ、思い出しました。といっても未来の出来事を思い出したというのも変な話ですけど」 そうだ、俺はこの後過去の世界に飛ばされて、リインフォースを助けるために 闇の書の防衛プログラム(闇の書の闇)と戦ったんだ。 それで、最後に止めを刺して俺はそのまま――― シン「死んだ、よな」 デス子「あのまま落ちたならそうなりますよね。でも、それなら私達はどうして消えてないんでしょう?」 俺と感覚を共有していたデス子にもわからないとなると、わかりようがないか。 いや、でも微かだけど・・・。 シン「・・・あの後、誰かに助けてもらった気がするんだ。死んだには死んだけど魂は救われたというか・・・う~ん」 デス子「助け? 不可能ですよ。闇の書の中ですよ?」 そう、理屈で考えれば不可能だ。 でも、それをいうならこの状況だって明らかに無理があるじゃないか。 闇の書の闇は倒したけど、俺だってこちら側には帰れなかったんだから・・・。 シン「・・・さっぱりわからない」 デス子「う~ん、もしかすると、闇の書を倒して時点で歴史の転換点が確定していたのでしょうか。 だから、マスターが死んでも影響はなかった」 シン「でも、俺たちはこうして生きてるぞ」 デス子「そりゃそうですよ。だって、この時間軸ではマスターは死んでないんですから」 シン「 ??? 」 デス子「少し情報を整理しましょうか。ポテチでも食べながら」 シン「どこから出したんだよ、それ」 前の歴史では、この後リインフォース(闇の書)の残留思念に触れたことで眠っていた次元跳躍能力が暴走し、 シン・アスカは過去に飛ばされてしまった。 そこでなのは達と遭遇したことで、未来でシンと出会う前に彼女たちはシンを知っていたというタイムパラドックスが発生する。 しかもこのまま時が進めば、同じ時間軸にCEから来たばかりのシンと十年前に飛ばされたシンの二人が同時に存在することになる。 もちろん、タイムパラドックスによる時間の歪みは際限なく増殖して時間連続性の崩壊を招くため、世界は歴史を修正しようとした。 スカリエッティの予測では、一番手っ取り早い修正方法は歪みの原因となったシンをあのままCEで死んだことにすることだった。 シンがいなければ、時間の歪みは二度と起こらない。 ただし、シンはミッドチルダに来ることもなく、機動六課にも存在しなかったことになるため、 このIFの歴史もなかったことになり、なのは達の世界からシンに関するあらゆるものも共に消えてしまう。 それを止めるには、更にてっとり早い方向に歴史を修正させるしかない。 そこで思いついたのが、リインフォース(闇の書)を残留思念にしないこと。つまり、リインフォースの生存である。 リインフォースさえ生きていれば、シンが感応し過去に飛ばされることはない。 修正は、シンが十年前の海鳴市に行き、なのはたちと知り合ったという部分だけで済むはずだ。 デス子「それが、スカリエッティと機動六課の立てた計画でした。うまくいくかどうかは完全に賭けでしたけどね」 シン「俺だって好きで過去に跳ばされた訳じゃない。なのはさん達に出くわしたのだって本当に偶然だったんだ。」 デス子「そこですよ。そもそも、マスターがなのはさんたちと出会っちゃうからいけなかったんです。 おまけに、幼いはやて部隊長にパルマまで決めて」 シン「どこでそれを聞いた!?」 デス子「・・・さぁさぁ、話を元に戻しましょうか」 シン「待て、割とマジで待ってくれ。あれは事故だったんだ。わざとじゃないし、俺はそんなこと望んでたわけじゃ・・・」 デス子「はいはい」 シン「まともに聞けよ! 最近、マスターがただの愛称になってきてないか!?」 だが、闇の書の修正プログラムを完成させる前に防衛プログラム(闇の書の闇)が再生を開始。 再び暴走する前に、リインフォースごと闇の書を葬らなくてはならなくなった。 何とかそれを阻止するため、シンは闇の書の中にわざと収集されて再生途中の防衛プログラムを直製破壊しようとした。 ここで防衛プログラムの破壊に成功すれば、消滅した防衛プログラムをわざわざ再生したことにするよりも、 防衛プログラムは修正プログラムの完成前に“再生しなかった”と歴史が修正する可能性が高くなるからだ。 ただし、逆にシンが死亡するか、そのまま防衛プログラムを倒せなければ 歴史はそのままシンを消滅させる方向に修正するかもしれない。 デス子「あくまでも全て可能性でした。なにせ、前例も検証する時間もないわけですから、 予測と想像で動くしかなかったんです」 シン「そこまではわかってるんだよ。そのために頑張ってきたわけだし」 デス子「そうですね。でも、問題はここからです」 決着はほぼ相打ちに近い形で終結した。 闇の書の防衛プログラムは消滅したものの、シンを撃破することに成功した。 シンは、勝ちはしたものの未来への帰還が叶わなかった。 この時点で、どちらに修正されるかは五分だったはずだ。 鼻の差での勝利だったのか、それともシンに関する歴史を修正するのがよほど難しかったのか。 判断は難しいが、とにかく歴史はシンを勝者に選んだ。 そして、一番影響の少ない時間(歪みの発端となった少し前)に新たなスタートラインを引いたのだろう。 デス子「私たちが生きているということはそういうことなんでしょうね。わかりましたかマスター」 シン「・・・・・・」 デス子「マス、ひゃー? なにひゅるんでひゅか?」 シン「・・・いや、安心しようと思って」 ポテチを食い漁りながら難しい話をするデス子の頬をひっぱってみる。 うん、いつものデス子だ。 シン「・・・って、こんなことしてる場合じゃない!!」 俺が生きていて、闇の書の闇が倒されたなら・・・。 シン「あいつが、生きてるはずじゃないか!」 デス子「でも、十年前の私たちに関する記憶は持ってないかも・・・あ、マスター待って!」 デス子を置いて、俺は走り始めた。 記憶の有る無しなんてどうでもよかった。ただ、一目生きている姿を見たかった。 あいつの傍でなら、きっとはやてもみんなみたいに笑っていられる。 リインと一緒になって幸せそうに笑っていられるはずだ。 ・機動六課 隊長室前 はたて隊長の部屋に着くと、俺は勢いよく中に入っていった。 シン「すいませんはやて部隊長。入りますよ!」 そこにいたのは、驚いた顔をしているはやて部隊長とリインフォースⅡだけだった。 リインフォースは・・・ここにはいない。 はやて「ああ、びっくりした。どないしたんやシン。 ノックもなしで女の子の部屋に入るなんて、嫌われても知らんで」 シン 「自動ドアでノックも何も・・・って、この会話はもういいんだよ。はやて部隊長、リインは!」 はやて「そこにおるやないか」 リインⅡ「はいです」 シン「そうじゃなくて、もう一人のリインのほうです!」 はやて「・・・シン、本当に大丈夫なん? リインはこの世に一人だけやで?」 シン「そん、な・・・」 駄目だったのか、やっぱりリインフォースの運命は俺じゃどうしようもなかったのか。 そう諦め始めた時、リインがふと気付いたように言った。 リインⅡ「もしかして、リインフォースのことですか?」 シン「え?」 はやて「なんや、そういうことなんか。道理で話が通じんわけやな~」 シン「いるんですか。生きてるんですか!」 リインⅡ「失礼な。私のお姉さまが資料を取りに行っただけで死ぬわけないです!」 はやて「シンに紹介したときに、紛らわしいからリインフォースはリインフォース、リインフォースⅡは リインって呼んでるって言うとったやないか。もう忘れてしまったん?」 シン「はああああぁぁ・・・」 いっきに体から力が抜ける。よかった、生きてた。生きててくれた。 情けないことに、そのまま俺はへなへなと床に座り込んでしまった。 けど、不思議と気分はすっきりしていた。 やり遂げた充実感と守れたという満足感が心を満たしている。 こんな気持ち、戦争をしていた頃には一度だって味わえなかった。 これが、人を救うってことか。 はやて「シン、疲れとるんやないか。部屋に戻って休んだ方が・・・」 シン「いえ、大丈夫です。一人で立てますから」 本当は、このままここで眠ってしまいたいくらい疲れている。 訓練のせいだけじゃない。あの戦いのことも影響しているのかもしれない。 体はボロボロだったし、ほとんど感覚はなかったけど一度死んでしまったしな。 だからなのか、俺は後ろのドアが開いたことも、彼女が後ろに立ったことさえ気付かなかった。 リインフォース「ゆっくり休むといい。あれだけ頑張ったのだからな」 俺と同じくらい赤い瞳と、見るものを引き付ける長い銀色の髪。 あれから十年たったのに、何も変わらないまま彼女はそこにいた。 シン「久しぶり・・・っていっていいのか?」 リインⅠ「私にとってはそうなるが、きっとお前には違うのだろう」 シン「でも、ずいぶん時間がかかったけどこうしてまた会えたよ」 リインⅠ「そうだな。だから、この十年間お前に言えなかったことを言おうと思う」 リインⅠ「ただいま、シン」 シン 「・・・ああ、おかえり。『祝福の風 リインフォース』」 ・時空管理局外部研究施設 スカリエッティ研究所 同時刻、シャマルはスカリエッティに呼ばれて彼の研究所に来ていた。 管理局との司法取引で次元犯罪者でなくなった彼は、今やガジェットを含む質量兵器の 平和利用の第一人者として自分の研究所まで持っている。 出迎えてくれたウーノに研究室に通されたシャマルは、コーヒーに塩を入れていたスカリエッティに 挨拶もそこそこに本題をぶつけた。 何故自分達だけが、シンがいなくなったあとにミッドチルダで起こった騒乱の記憶を 思い出したのかという疑問を。 シャマル「リインフォースはヴォルケンリッター兼ユニゾンデバイスとして新たに生誕した。 歴史はそういう風に辻褄を合わせたわ」 スカリ「実に興味深い事例だね。実証データが取れないのが残念で仕方がない」 シャマル「わからないのは、私とあなたの記憶のことよ。 歴史の改変に巻き込まれていながら、どうして私たちの記憶だけが戻ったのかしら」 機動六課の医務室で目が覚めた時、シャマルはあの悪夢は全て自分ひとりの妄想だったのだと 悲しく思いつつもほっとしたものだ。 それだけに、スカリエッティからそのことで話があるといわれたときには本当に驚いた。 急いで確認してみたが、やはり機動六課で覚えているのはシャマルとリインフォースだけだった。 (リインフォース自身も、シャマルが自分が消滅した世界を覚えていることに驚いていた) もちろん、彼女の生存は喜ぶべきことだ。 だが、だからといって納得がいったわけではない。 シャマル「話があるって事は、だいたいの見当は付いているんでしょう?」 スカリ「見当・・・? 悩むほどの事じゃないだろう。記憶が残っているのは、 事件が終わっていないからに決まってるじゃないか」 シャマル「・・・冗談、よね?」 笑えない、という風にシャマルは眉をひそめる。 一方、スカリエッティは相変わらず胡散臭い微笑を浮かべたままだ。 スカリ「リインフォースが、プログラムが見つかるまで消滅を選ばなかった。これはありえる話だね。 防衛プログラムが何らかの原因で一ヶ月もの間再生しなかった。これもないことはないといえるだろう。 だが、一箇所だけどうしても解消しきれない矛盾がある。わかるかね?」 シャマル「・・・・・・修正プログラムの存在」 それは気付いてみれば単純な、そして致命的な矛盾だった。 スカリ「ご名答。あれは僕達が未来で作り過去へ送ったオーバーテクノロジーの産物だ。 歴史に組み込むにはあまりに異質すぎる」 シャマル「ということは・・・」 スカリ「修正プログラムをもう一度作成し、過去へ送らない限り歴史の矛盾は解消されることはないんだよ。 そして、そのために私たちの記憶だけが残された」 シャマル「どういうこと? 例え記憶があったとしても、私たちだけじゃ、 闇の書の修正プログラムなんて作りようがないわよ」 スカリ「プログラム作成に関しては心配は無用だよ。君が思っているよりもはるかに簡単に作り出せるからね」 シャマル「そんなにあっさり? 改ざんされる前の歴史からデータを持ち出せたっていうの?」 スカリ「いや、消滅した世界から物を持ち出すのはさすがの私でもできやしないさ。 だが、その代わりに作成手順をすべて記憶している。 二百三十一万とんで三百五十一通りを丸々、ここにね」 そう言って自分のこめかみを指でとんとんと叩いてみせるスカリエッティに、改めて驚かされるシャマル。 この男の才能に底はないのだろうか。 無駄なことに費やされていることがつくづく惜しい。 アニメに出てきた変身ベルトなんて作ってないで、義手の一つでも作ればいいのに・・・。 スカリ「後は、時間跳躍システムを使って過去にプログラムを送るわけだが、 これは管理局内部の情報がなければ面倒な問題でね。 転送の瞬間を見られてはまずいんだよ。 だからこそ、誰にも見られないタイミングを調べてもらう協力者がいる。」 シャマル「まさか、それが私の記憶が消えなかった理由・・・」 スカリ「ご名答。世界の修正とやらもなかなか舐めたことをしてくれる。 自分達のわがままは自分達で通せということらしい」 シャマル「・・・すぐに準備してくるわ。十年前以前で、無限書庫に絶対に人がいない瞬間を 調べればいいのね」 ウーノ「送りましょう」 スカリ「そうしてくれ」 シャマルが下準備をしようと席を立ち、ウーノが機動六課まで彼女を見送っていった。 一人になったスカリエッティは自らに残った記憶を記録としてつづり始める。 スカリ「さて、私もこちらの方を仕上げておくとするかな」 スカリエッティ・レポート シン・アスカの持つ次元跳躍能力が発端となった一連の事件はこれで幕を閉じた。 関係者の記憶は歴史に改ざんされ、崩れかけた世界は彼の頑張りによって安定を取り戻した。 今のところは不自然な点は見られない。 しかし、直に歴史は闇の書の修正プログラムが存在しない矛盾にさし当たるだろう。 その時までに、装置とプログラムを再び完成させて矛盾を解消すること。 恐らく、それが私の記憶が残っていた理由だ。 シャマル女史もその手助けをするために残されたと推測できる。 だが、私にはまだ彼女には言っていないことがある。 シン・アスカが十年前に何を為したか、どんな戦いを潜り抜けたかの記憶が 私の頭に断片的ながらも入り込んでいることだ。 もしかしたら、二度とこの事例が起こらないよう外部から彼を監視する。 そんな厄介な役割まで押し付けられたのかもしれない。 シン・アスカの所持する人型起動兵器『デスティニー』と、 それをユニゾンデバイスに変化させた『セイオウノツルギ』の関連性。 それらが『次元跳躍能力』と繋がって出来た新たな力。 疑問はまだ尽きないが、戦いは終結している。 今はこの不安定な平和を謳歌するとしよう 願わくば、この平穏が永遠に続かんことを。 スカリ「ふむ、私には似合わないセリフだったかな」 さて、歴史が防衛プログラムよりシン君を選んだのは単なる偶然か、それとも、 既にシン君が歴史にとって欠かせない存在となるまでに食い込んでしまっているのか。 いずれにせよ、その答えが出るにはそう時間はかからないだろう。 彼らは、すでに動き出しているのだから。 ・??? 議長「セイオウノツルギが完全に目覚めつつあるようだな」 書記「順調で何よりだ」 評議員「もう一つのほうも、聖王教会への仕込みが終わったところだ。信仰に厚いカリムのことだ。 すぐに機動六課へ譲ってくれる」 書記「手の上で踊っていることに気付かないとは、哀れな道化だな」 評議員「とはいえ、我々に必要なものはまだまだ多い。全てが揃うまで油断は出来んぞ」 議長「その通りだ。失敗は許されん。この計画は千年という膨大な年月をかけた管理局最大の悲願なのだ」 議長「では、青き清浄なる世界のために」 書記・評議員「「青き清浄なる世界のために!」」 ・機動六課 はやての隊長室 はやて「な、なんや。この恋人っぽい会話と雰囲気は。よりにもよって、リインフォースとのフラグやて・・・」 リインⅡ「シン×リインⅠ、そういうのもあるのか・・・」 シン 「あ、はやてもただいま」 はやて「よ、呼び捨て! やっと私の気持ちに応えてくれる気になったんやな!」 シン 「大げさすぎるだろ! いや、そうじゃなくて・・・どう説明すればいいんだよ」 はやて「よし、まずは式場の予約や。邪魔が入らんよう四十秒で支度するで!」 シン 「いきなり結婚式!? 色々とすっとばし過ぎだ!」 リインⅠ「ふふ、応援するよシン」 はやて「行くでシン! このはやて・アスカとさっそくウエディングドレス選びや!」 シン「助けないのかよ、あんたって人・・・わああああぁぁぁ」 新しい面子を迎え入れて、更に賑やかになった機動六課。 けど、これもきっと日常になる。 皆が笑って過ごせる、そんな毎日になっていく。 確かに世界は悲しみに満ちていて、いつ崩壊するかわからない危ういバランスの上に立っているのかもしれない。 今もどこかで戦争が起こっていて、そこには泣いてる人や人の命をもてあそぶヤツがいて。 殺して殺されて、奪って奪われて、悲しみや憎しみだけが広がって・・・。 そんな力で作った未来の先に『戦争のない世界』なんてないのかもしれない。 それでも、俺は戦う。 俺たちの目指した“閉じた運命の環”とあいつらの目指した“これから”のどちらが正しかったのかを確かめるために。 本当に平和に必要なものを見つけるために。 俺の大切な人たちがいつまでも笑顔でいられるように。 俺は生きていく。 戦争の可能性に満ちた世界で“みんな”を守り抜くために。 ・十年前 はやての家 後に『闇の書事件』と呼ばれることになる戦いが終息してから一ヶ月。 見つかった修正プログラムが完成するまでの間、『防衛プログラム』が息を吹き返すことはなく、 私は八神家の一員としておだやかな生活を手にしていた。 はやて「リインフォース、夕飯は何がええかなぁ」 リインⅠ「そうですね。昨日はシチューでしたから、今日はご飯物などいかがでしょうか」 はやて「あは、採用や♪」 けれども、目をつぶると思い出すのは私と同じあの赤い瞳。 誰も覚えていない、本当にいたことすら定かではない男のこと。 夢のようにおぼろげな日々だったが、私の中には確かに彼への思いが残っている。 そう、我が主にして差し上げているように、膝に抱いたあの男を優しく撫でたこともあった。 はやて「ああ!!!」 リインⅠ「どうかしたのですか、我が主?」 はやて「大変なこと忘れとった!!! まだ、私リインフォースにクリスマスプレゼントあげてへん!!」 リインⅠ「私に・・・ですか?」 はやて「うん、なのはちゃんやすずかちゃん達にはお返ししたし、シグナム達にもあげとったのに・・・。 はぁ、今頃になって思い出すやなんて」 リインⅠ「・・・気に病む必要はありません。プレゼントなら『真っ赤な目をしたサンタクロース』に貰っています。 何物にも変えがたい、私が一番欲しかったものを」 はやて「リインフォース、サンタさんが真っ赤なのは服のはずやで??」 リインⅠ「いつか、我が主にもわかるときがくるでしょう」 はやて「???」 リインⅠ「そう、いつかきっと・・・」 また、会える日がくる。 『必ず帰ってくる』 私は、あの男と確かにそう約束したのだから。 第一部 『魔法少女、救いました』 完 #navi(なのはクロスの作品集) ----
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前ページ次ページ涼宮ハルヒクロスの作品集 1 喜緑「このスレでの活躍は諦めましたので、 次スレでの活躍を楽しみにして下さいね。程々に頑張りますので。」 朝倉「でも、 その前に皆に憶えて貰わないとね。」 シア「そうだよ、 私だって、 名前を解禁出来るまでかなりの苦労をしたんだよ~。」 喜緑「そうですね。 (後少しでクリスマス・イブですし少し本気を出しますか……。)取り敢えず、 名前を憶えて貰う様に頑張 りましょう。 と言う事でアスカ君、 一緒に出掛けましょうね。」 シン「フー!(猿轡をされてる)」 朝倉「……あら、 シン君どうしたの? そんな格好して。」 シア「シン君大丈夫!」 喜緑「彼に、 少し強引ですけど来て貰いました。」 シン「ぷはっ! ……あれ?確か、 いきなり後ろから誰かに抱きつかれて……。その後、 意識を失って……。」 朝倉「喜緑さん、 そのやり方は犯罪よ?」 喜緑「あら? 私は犯罪などした覚えは有りませんよ? ただ、アスカ君に後ろから抱きしめた後で、少し寝て貰っただけです から。」 シア「それが犯罪なんだよ~。」 喜緑「取り敢えず、 私はアスカ君と出掛けますので朝倉さん、 後の事は頼みますね?」 朝倉「うんそれ無理。 だって私もついていくんですもの。シアさん、 後、 頼むわね?(ナイフ取り出す)」 シア「う、 うん! いっ、 いってらっしゃい!(シン君ごめんね)」 シン「あれ? なんで? 俺の意思は~!」 シア「(私は、 二人に引きずられていくシン君を見て次スレから始まる、かもしれない江美里さんの行動に恐怖しながら、 自分 の空気化への対抗策を考える事にした。)」 この後のシンの行動について、 街の至る処から彼らしき人物の叫びが記録されている。 2 夜の食事中にその人はいきなり現れた。 喜緑「皆さん、 遂に私が参戦しに来ました。凉宮ハルヒ? 彼女の事は、 別の私に任せて来ました。私の目的はアスカ君の友人 として彼の支えになる事です。その為に先ずは、 皆さんに挨拶をしに来ました。初めまして、 喜緑江美里と言います。こ れから貴女方と一緒に暮らす同居人として宜しくお願いしますね。」 朝倉「……。 いきなり出てきて何宣言してるの? 喜緑さん。それより、 いきなり現れてずっと喋り続けたから皆が驚いて動け ないでいるわよ?」 彼女がいきなり現れ喋り続けた事に驚いて、動きを止めていた人達が動きだす。 ティニー「……このワカメ誰です?」 明らかな敵対意思を現すティニー デス子「ワカメ……ワカメと言ったら味噌汁です。……なんだか、 飲みたくなってきました。」 ワカメで食べ物を連想してヨダレを垂らすデス子 楓「でしたら、 今からワカメいっぱいのお味噌汁を作りますね。」 そのデス子に返事をする楓 シア「……あ~! また出てきた~!」 シアさん、 あれは平行世界の小ネタだから……。 シン「……なあ涼子、 この人誰だ?初めて会う人だと思うけどやけになれなれしいし。」 初対面なのになれなれしい態度の喜緑さんに引き気味のシン 喜緑「あら? 私が人間関係をかきまわして、楽しい学園生活にしてあげたのに忘れてしまったんですか?」 朝倉「喜緑さん、 それ平行世界のお話しだから。」 色々と危ない発言をする喜緑さんに突っ込む朝倉 シン「あんたを見てると、 何か[にょろ~ん]とか[禁則事項です]って言葉が頭に浮かぶんだ……あれ? 何でだろ、 涙が出てきた。」 平行世界の苦労が乗り移ったかの様に涙が流れるシン 喜緑「私の部屋ですが、 良ければこの部屋が一番ですが……。(もじもじ)」 一人勝手に話を進めようとしている喜緑さん 朝倉「良いと思うのかしら?[ナイフを出す]」 ティニー「消しますよ? ワカメ[ビームライフルを向ける]」 桔梗「冗談は、 そのワカメ頭だけにしてね~。[イスを出す]」 戦闘準備をする三人 デス子「お味噌しっる、 お味噌しっる![箸で茶碗を叩く]」 楓「すみません、 後少しで出来ますからね。[味噌汁が入った鍋をかき回す]」 シン「……楓、 ごめんな。 デス子の為に一品余計に作らせて。疲れるだろ?[先程の事を忘れる為に話をふる]」 楓「いえ…。私は、 お料理や掃除に洗濯などの家事でしか皆さんのお役に立てませんから……。(照れ笑い)」 シン「楓……。(楓の手を握る)」 楓「えっ! ……シン君。(驚き、 顔を赤らめる)」 争いを始めようとする四人を横に無視してラブドラマをしている二人。 その側で、 ただ味噌汁を待ち続けている大食い擬人MSが一体。 そしてその光景を無言で見ている四人。 喜緑「……この場合、 無視された私達はどうすれば良いのでしょう?(張り付いた笑顔)」 朝倉「……そうね、 シン君には悪いけど[お仕置き]だと思うわ。(能面の様な笑顔)」 桔梗「……面白そうね~。 私も参加して良いわよね?(怒りを抑えて笑顔)」 ティニー「……私は主に手を出したくないです。なので今回は、 貴女方の行動を見て見ぬふりをします。 (主に無視されて涙)」 この後はそれぞれの想像に任せよう。 一つ言えるのは、 誰かの悲鳴が夜遅くまで鳴り止まなかった事だけと記しておく。 前ページ次ページ涼宮ハルヒクロスの作品集