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※タイトルと作中一部で使われている元ネタについてはスルーの方向でお願いします ※一行だけですがうんうんやしーしーネタが出てしまいます。ごめんなさい ※少々汚いです ある所にちょっとしたゆっくり一家をペットとして飼っている青年がいた。 親子合わせて五匹程の、平均のゆっくり一家よりはやや少ないがこれといった特徴のない一家だった。 れいむとまりさ種の五匹家族は飼いゆっくりのため、もちろん野生よりは良い生活を送っているのだが、納得いってない事があった。 それは青年がゆっくりの他に飼っているペットの猫だ。青年はゆっくり一家よりも遥かにこの猫を溺愛している。 夏場の涼風や冬場の暖房など、いわゆるゆっくり達の言う〝ゆっくりプレイス〟を青年は優先的に猫に与えている。 粗相をした時などは猫の場合は軽く叱るだけで丁寧に後始末をするというのに、ゆっくり一家がうんうんやしーしーの粗相をすれば死ぬ程殴られる。 それになによりも食事の格が違う。 ゆっくり一家が与えられているのは料理の際に出た野菜クズや残飯。その上自分で採って来いと軒下や庭に放り出される事もある。 それに比べて猫が与えられているのはニキロ三千六百円もするキャットフード。 月にニ、三は高級の猫缶までついてくる。 ゆっくり達に円の相場は分からなかったが、自分達のそれに比べて遥かに高級で美味しいということは理解できた。 同じ家に住んでいながらこの差は何だ。 親れいむと親まりさは憤怒し、子供たちもそれに倣う。 「ぷんぷん! まりさたちにおいしいごはんくれないで、ねこさんばっかりゆっくりさせるなんて!」 「れいむたちもゆっくりしたいよ!」 「「「ぴゅんぴゅん!!」」」 ゆっくり一家の怒りももっともだが、青年が猫の方を圧倒的に可愛がるのも無理もない事ではある。 その猫はもう十数年は生きている老猫であり、青年が子供の頃より一緒に暮らしてきたのである。 人生の半分以上を共に過ごして来た家族と、短命の新参饅頭を比べれば当然猫の方に情が傾くというものである。 ゆっくり一家が生まれる何年も前は元気に走り回っていた猫も、今や日がな一日寝ては食っての生活。 後はもう余生をゆっくりまったりと暮らすのみである。ゆっくりよりもこの猫の方が遥かにゆっくりしている。 青年としても、残り少ない余生を親愛なる家族に幸せに暮らしてもらいたいと思っている。当然の事だ。 だが、そんな事は知らないゆっくり一家の怒りが爆発するのも、時間の問題だった。 ある日の事。ゆっくり一家と老猫は同じ部屋でゆっくりしていた。 南側に面するその部屋には窓から陽気な日差しが降り注いでいる。猫はその陽を浴びながらゆっくりと寝ていた。 ゆっくり一家も日差しを直接浴びてはいないものの、ぽかぽかと暖かい部屋でソファでゆったりとくつろいでいた。 現在この部屋に青年はいない。つまり、止める者は誰もいない。 今こそ絶好のチャンスだと親れいむと親まりさは思い立った。 「ゆゆっ、れいむ、ねこさんゆっくりしてるよ」 「ゆっくりしてるね」 猫に聞こえないように小声で(本人達が思っているだけでちゃんと猫の耳には届いている)話し合う二匹。 子ゆっくり達も親達のたくらみに気付いたのか息を潜めて気配を殺そうと努めている。 ゆっくり一家の不満は募りに募っていた。 同じ家で暮らしている家族でありながら自分だけ美味しい物を食べてゆっくりしている。 野菜クズをほおばる自分たちに見せ付けるかのように美味しそうにご飯を食べる老猫。 本来その怒りは飼い主の青年に向けるべきであろうが、そんな考えはゆっくり一家にはなく、ただ自分達を差し置いてゆっくりしている猫が許せないという思いが先立っていた。 そうしてゆっくり一家は反乱を企てた。いや、ただの八つ当たりか。 「そろ~り、そろ~り」 ゆっくり一家は声をそろえて猫が寝ているところまで息を殺して這い始める。 もちろんバレバレだ。全然気配を殺せていない。 猫まで二十センチというところで、それまでゆっくり一家を無視していた猫が顔を起こしてゆっくり一家へとけだるそうな視線を向けた。 「ゆゆっ! きづかれちゃったよ!」 「いまさらきづいてもおそいよ!」 れいむは焦ったがまりさは怯まなかった。 猫が顔を起こしたのを確認するやいなや、猫に向かって一気に跳ねて体当たりを食らわせた。 ボヨン、とまりさの体が猫にぶつかる。 猫は慌てて跳ね起きた。ダメージこそないものの、バレーボール大の大きさの物がぶつかって来たらそりゃ驚く。 だが猫にとってそんな当たり前の行動も、ゆっくり一家にとっては親まりさの攻撃に恐れおののいたと思えた。 「ゆゆ~っ、まりさすご~い!」 「「「まりしゃおきゃぁしゃん、しゅごぉぉぉぉい!!」 「ゆゆ~、てれるよ~」 頬を若干赤く染めてくねくねと身を捩るまりさ。 一家の賞賛とそれに照れるまりさという茶番を尻目に、猫は少し離れて再び寝に入ろうとしていた。 だがそれを親まりさは許さなかった。 「ゆゆっ! ゆっくりしないでね、ねこさん!」 ボスン、と再び体当たり。猫は再び跳ね起きて後退する。今度は無視せず、親まりさの方へとその鋭い眼を向ける。 「ゆゆ~、に、にらんでもだめだよ! まりさたちよりゆっくりしているねこさんは、ゆっくりしないでね!」 親まりさは年季を感じさせる猫の眼光に一瞬怯むも、すぐに強気に出た。再び体当たりを敢行しようとする。 だが、それにクロスカウンターを決めるかのように猫も飛び掛った。 両前足でまりさの体を挟み込むと、その牙を親まりさに突き立てたのである。 「ゆ゛っ!? ゆびぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! いぢゃいよ゛ぉぉ!!」 「まりざっ!?」 「おきゃあしゃん!?」 普段のんびり寝ている姿しか知らないゆっくり一家にとってこの猫の反撃は予想外だった。 実はゆっくり一家の知らない所ではあるが、この猫は若い頃近所の猫と毎日喧嘩に明け暮れる毎日を送っていた歴戦のつわものであった。 「ゆびびびびっ! ばりざをだべないでね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 両前足で動きを封じられ猫に牙をつきたてられた親まりさは、先ほどの威勢もどこへやら涙で顔をグシャグシャにしている。 ちなみに噛んでいるだけで食べている訳ではない。 「ゆ゛っぅぅぅ!!! まりしゃおきゃーしゃんをだべないでね゛っ!」 「ねござん、やべちぇね゛っ!」 「ゆわ゛ぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「ゆゆっ! まりさ、いまたすけるよ!」 親のピンチに涙を撒き散らして泣く子を尻目に、親れいむは駆け出した。親まりさを助けるために。 正面から行ってもパワーもスピードも上回る猫からまりさは救い出せない。ならば弱点を突くのみ。 親れいむは親まりさを夢中で前足で弄んだり噛んだりしている猫の後ろ側に回り込むと、その尻尾に全力で噛み付いた。 「ぶにゃっ!?」 さしもの猫もこれには怯んだ。親まりさを解放するとすかさずその場から離脱しようとする。 だが、猫の尻尾に全力で噛み付いている親れいむがそれを許さない。 猫は自分の尻尾に噛み付いている親れいむに猫パンチを繰り出すが、親れいむは必死に踏ん張って離そうとしない。 親れいむはかつて、青年が猫の尻尾を踏む場面を見ており、猫の弱点が尻尾であると知ったのだった。 「ゆゆっ! れいむゆっくりありがとう! いまたすけるよ!」 必死に涙目で猫パンチを耐えている親れいむの加勢をするべく自由の身になった親まりさが体当たりをしかける。 子ゆっくり達はそんな親達の勇姿に声援を送る。 数の力だろうか。今やゆっくり一家は既に勝った気でいたのだった。 「ゆゆっ! ねこさんゆっくりしたかったら、まりさたちをゆっくりさせてね!」 まりさがそう大声で言って猫に噛み付くのと、青年がその部屋に入ってきたのは同時だった。 「ゆび……ごべっ、ごべんなざい……」 「ゆっぐぢざぜでぐだぢゃい゛ぃぃぃぃ……」 「ゆえ゛ぇぇぇぇぇぇん……」 あれからゆっくり一家の生活は激変した。もちろん、悪い方向に。 まず餌が与えられなくなった。一日の朝、親まりさを軒下か庭に放り出して自力で餌を集めさせる。 もちろん、庭の花を抜いたら死んだ方がましと思える折檻だ。 親れいむはというとゴミ箱になった。 大口を開けさせて器具で固定。もはや生ゴミ等の食べ物ですらない、ちり紙や木屑などが強引に口に入れられる有様だ。 「…………ゅぐっ、ぇっぐ……」 まだその生活を始めて三日ではあるが、既にれいむは枯れんばかりに泣いており、自分の行いを死ぬ程後悔した。 子まりさは雑巾になった。主に親れいむが零した涙や猫の粗相を拭く際に使われる。 「いぢゃい゛っ、いぢゃいよ゛っ! ゆっぐじやべでね゛っ! まりしゃはじょうきんじゃにゃ──ゆぶべっ!」 帽子や髪、底部を強引にこすり付けて痛みと共に役立たせるのだ。もちろん、最後は普通の雑巾で拭き取るが。 子れいむは固形の猫の粗相の処理を命じられた。 嫌がる子れいむの口に強引に黒いそれをねじりこませるのだ。 「ゆっぐりやべちぇね! くちゃいよっ! ゆっぐぢでぎな────ゆぶぼっ!」 そして無理矢理咀嚼させて餡子に変換させる。 ちなみに子ゆっくり二匹が働かない時は、透明の箱に監禁させそこにムカデを放り込む。 片時もゆっくりせずに立ち向かえば食べられない程度の大きさのムカデだ。 そして残りの子ゆっくりは見せしめになった。 最初は生きたまま土に埋めようかと思った青年だったが、あまりの青年の怖さに失禁した瞬間、見せしめに使うことにした。 ゆっくり一家の目の前で竹串で体を貫かせ、ゆっくりと火あぶりにして殺した。 次粗相をしたらこうなるとゆっくり一家に知らしめたのだ。 その生活も二ヶ月もすれば段々と改善されて行き、やがて以前と同じぐらいの生活になった。 その頃には既に家族は三匹にまで減っていたが。 もちろん家族にはもう逆らおうと、生活の改善を要求しようなどという気概はない。 だが、家族が減ったため親れいむと親まりさが新しく産んだ子ゆっくり二匹はそうではなかった。 目の前で自分達よりゆっくりしている猫を見ては日に日に不満を募らせていって、 「ねこしゃんゆっくりしたかったられいみゅたちをゆっくりさせてね!」 二度目のゆっくりの反乱、ゆっくりべりおんが起こった。 おわり ────────── あとがきのようなもの 最近ネタが出てこないです と、いうか以前ほどゆっくり虐待衝動が湧き上がってこないんです……冬だからか ゆッカー ゆっくり求聞史紀 ゆっくり腹話術(前) ゆっくり腹話術(後) ゆっくりの飼い方 私の場合 虐待お兄さんVSゆっくりんピース 普通に虐待 普通に虐待2~以下無限ループ~ 二つの計画 ある復讐の結末(前) ある復讐の結末(中) ある復讐の結末(後-1) ある復讐の結末(後-2) ある復讐の結末(後-3) ゆっくりに育てられた子 ゆっくりに心囚われた男 晒し首 チャリンコ コシアンルーレット前編 コシアンルーレット後編 いろいろと小ネタ ごった煮 庇護 庇護─選択の結果─ 不幸なゆっくりまりさ 終わらないはねゆーん 前編 終わらないはねゆーん 中編 終わらないはねゆーん 後編 おデブゆっくりのダイエット計画 ノーマルに虐待 大家族とゆっくりプレイス 都会派ありすの憂鬱 都会派ありす、の飼い主の暴走 都会派ありすの溜息 都会派ありすの消失 まりさの浮気物! byキノコ馬 このSSに感想を付ける
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※一部東方やゆっくりと関係の無いものを使っています。申し訳ありません。 一日の勤めを終え、自宅への道のりを歩いた時、ふと私はそれを発見した。 ゆっくりの家族だ。 西瓜程の大きさを持つ親れいむと親まりさ。 それに子れいむと子まりさがそれぞれ二匹ずつの、計六匹の一家だった。 既に日が沈んだ夜。 人間の時間が終わり妖怪の時間になろうかという時間。 一体何をしているのかと近づいてみれば、どうやら畑の野菜を狙っているようだった。 人間に気づかれないように気配を殺しているつもりなのか 「そろ~り、そろ~り」 などと間抜けにも口に出しながら歩いていた。 人間に気づかれないようにしているとは、このゆっくり達は人間の怖さを知っているのか。 私はゆっくり達の進行方向先へ視線を向け……嘆息した。 そこは私が子供の頃から知っているおじさんの家だった。 おじさんは家屋のすぐ隣に畑を作って野菜を育てているのだ。 「ゆっ、ついたよ。おいしいおやさいをおなかいっぱいたべようね」 「しずかにしなきゃだめだよ。にんげんにきづかれちゃうからね」 一家が畑に辿り着いた時、親まりさと親れいむが後続のゆっくり達に囁きかけた。 囁くといっても、二十歩も後方にいる私(ゆっくり達はどうやら私には気づいていないようだった)にすら聞こえるほどだったが。 だが日が沈んでもう家の中にいるおじさんには聞こえなかったろう。 「ゆっ、ゆっくりちずかにちゅるよ」 「れいみゅはいいこだもん」 「たべられなかったびゅんはおうちにもってかえりょうね」 親の言いつけどうり静かな声で返す子ゆっくり達。 親のいいつけを守る、随分といい子じゃないか。 しかしこのままではおじさんの野菜が食べられてしまう。 あのおじさんの作った野菜はおいしい。食べたらまさに「しあわせ~」だろう。 だが私は、ゆっくりの「しあわせ~」など糞喰らえだ。 私は最後尾の子ゆっくりれいむに狙いを定めた。 私はその中に潜り込むイメージを膨らませる。子ゆっくりれいむと自分の姿を重ね、皮を破る感覚を想像する。 頬にぴりぴりと電気のようなものが走る。 次の瞬間 「〝ゆっ!! ゆっくり静にちゅるよ!! みんなで美味しく人間のお野菜をちゃべようね!!〟」 一番最後尾の子ゆっくりれいむが、辺りに響き渡るほどの大声で叫んだ。 辺りに反響する子ゆっくりの声。 その響きが鎮まった時、親れいむが子ゆっくりれいむに向かって静に叫んだ。 「ゆぅぅぅぅ! なんでおっきなこえだすのぉぉ!」 「ゆっ? れいみゅおっきなこえなんだしちぇないよ? 突然怒られてわけのわからない、という反応を示す子ゆっくりれいむ。 当然だ。今のは私が言わせたのだから。 私にはちょっとした能力があった。 自分の考えていることを他人に喋らせる能力。 求聞史紀風に言えば『好きな言葉を喋らせる程度の能力』といったところか。 私はこれを『腹話術』と呼んでいるが。 人語を解すのならば人間はもちろん、妖怪や妖精だって能力の対象とすることができる。 もちろんゆっくりもだ。 そしてこの能力によって喋らされた相手はその間のことは覚えていないのだ。 「なんでうそつくの! うそつきはだいきらいだよ!」 「ゆっ、うそなんてちゅいてないよぉぉ!」 よって子ゆっくりれいむは現在自分に覚えのないことで怒られているのだ。 わけがわからないだろう。自分は喋ってもいないのに怒られているのだから。 うそをついた、ついていないの親子の問答に、他の家族まで混じり始めたその時。 バーン!! と大きな音を立てて畑の隣の家の扉が開かれた。 そして扉から飛び出してきたのは鍬を持つ家主。私のよく知るおじさんだった。 「こらぁぁぁぁぁ!! ゆっくりどもめぇぇぇ!!」 般若の形相でゆっくりの一家へと襲い掛かっていくおじさん。 当然、私がさっき叫ばせた子ゆっくりの声が聞こえたので飛び出てきたのだろう。 おじさんの姿を確認したゆっくりの親子が揃って青ざめた顔をすると、それまでの喧嘩を切り上げて一目散に逃げ出した。 「ゆゆっ、ゆっくりはやくにげるよ!」 「ゆっくりできなくなるよ!」 「ゆぶぅぅぅ、れいむのしぇいだよぉぉぉ!!」 「ゆっ、なんでしょんんなごどいうのぉぉ!!」 「れいみゅがおっきなこえだしゅからだよぉぉ!!」 「だちてないよぉぉぉ!!」 逃げながらも覚えのないことで姉妹に糾弾され涙目になる子ゆっくりれいむ。 やがて子ゆっくりれいむのすぐ前をはねていた子ゆっくりまりさが 「れいみゅのしぇいなんだかられいみゅがあしどめしてね!」 と言いながら子ゆっくりれいむを後方へ突き飛ばした。 「ゆぶぅぅぅ! なにしゅるのぉぉぉ!!」 コロコロと転がり体中泥まみれの涙まみれという酷く汚い状態になった子れいむ。 たった今自分を突き飛ばした姉妹へと恨みの視線を向けるがおじさんの事が気になるのかすぐに後ろを振り返る。 おじさんはすぐそこまで迫っていた。 「ゆ゛ぅぅぅぅ!! たぢゅげで! たぢゅげでよぉぉ!! だぢゅ────ゆぼっ!」 助けの声はおじさんの鍬で潰された。 真上から脳天へと振り下ろされた鍬によってグチャグチャになった子れいむ。 皮は無惨に潰れ、餡子は四散し眼球は勢いよく前方に飛び出て。 肉親に裏切られ、背後から最大の恐怖が迫ってくるという状況で絶望しながら死んでいったことだろう。 「れいむのあかちゃんがぁぁ!!」 「だめだよれいむ! にげないところされちゃうよ!」 「おかあしゃんにげよ!」 潰された子れいむへと駆け寄ろうとする親れいむを押しとどめ、畑から離れていくゆっくり一家。 おじさんは追っ払うことさえできればいいのか追撃はせずそのまま家の中へと戻っていった。 子ゆっくりの死骸はそのままだ。 もっとも、放っておいても蟻が勝手に片付けてくれるだろうが。 おじさんも帰り、ゆっくり一家も去っていった。 さて、私はというと────。 ゆっくり一家の後を尾行することにした。 どうせゆっくりのことだ。また別の人間の食物を狙うに違いない。 私はそのようなゆっくりの「しあわせ~」をぶち壊すため、ゆっくり一家の後方を静かに歩いていった。 間抜けなゆっくりは私に気づかない。 やがて子を失ったショックから回復したのか親れいむも大人しくなった。 ただ、流石に家族を失ったばかりだからだろうか、人里を歩く家族の口数は少なかった。 「ゆぅ……れいむのあかちゃんがぁ……」 「ゆっ、おかあしゃんきにすることないよ! あれはおっきなこえをだちたばかなれいむのしぇいなんだから!」 「そうだよ! そのばかなれいむはもうちんだんだからだいじょうぶだよ!」 「そうだよれいむ。 ほらげんきをだして、またばかなにんげんのたべものをいただこうよ!」 と、落ち込む親れいむに声をかけるのは子まりさ達と親まりさだった。 ……どうやら、落ち込んでいるのは同種のゆっくりれいむだけのようだった。 事実、子れいむを突き飛ばした子まりさを他のゆっくりまりさは糾弾していない。 親れいむと子れいむはZUN、と俯いて落ち込んでいるようだからそこまで今は気が回らないのだろう。 ぴょこぴょこと人里を闊歩するゆっくり達。 いくら日が沈んだとはいえ他の里の者に出会わないのはここが里の外れの方だからだろうか。 それとも気が早くもう飲みに行ったのか。 どちらにせよ、運良くゆっくり達は私以外の誰にも見咎められなかった。 見つかったら殺されていたことだろう。 やがて私はゆっくりより先にゆっくりの食べ物になりそうなものを見つけた。 民家縁側に干されていた柿だ。 ゆっくり達は次はこれを狙うだろう、と思って視線をゆっくり一家に戻す。 が、ゆっくり達はその柿に気づくことなくその民家の側を通り過ぎようとしていた。 いかん、このままでは今思いついた私の計画が狂ってしまう。 それを阻止するため、私は再び『腹話術』を使用した。 「〝ゆっ! お母しゃん。あそこに柿しゃんがあるよ〟」 子まりさの一体に『腹話術』をかけ思い通りの言葉を発せさせる。 子まりさのその言葉にゆっくり一家はぴたりと足を止めると、キョロキョロと辺りを見渡し始めた。 「ほんとうだ! かきしゃんがあるよ!」 やがて子れいむが柿の所在に気づく。それに続いて他のゆっくり達も柿を確認したようだ。 「あんなところにむぼうびにおいてあるなんて、あれはきっとまりさたちにたべてくれってにんげんがおいたんだよ!」 などとひどくゆっくり本位な考えをする親まりさ。 だが他のゆっくり達もその考えに異存はないとか「そうだね!」「だったらたべてあげないとかわいそうだね!」などと賛同の声をあげた。 ……まったく、呆れた屑どもだ。 私はその認識を一層強くすると、子まりさの一体に狙いを定め 「〝じゃあ柿しゃんとってきてね、お母しゃん!〟」 『腹話術』を使用した。 「ゆっ!?」 驚愕の声をあげる親れいむ。 さもありなん。てっきり他のゆっくりが取りに行くものだと思っていただろうからだ。 もちろん、それは他のゆっくり全てに共通する。 自分のために他が動くのが当たり前だと思っているのだ。 だからゆっくり達の柿を取りに行く役目の押し付け合いになる前に、私が流れを決める。 今度は子れいむに向けて『腹話術』を使う。 「〝お母しゃんなら出来るよ! がんばっちぇね!〟」 続いてもう一体の子まりさ。 「〝お母しゃんはあんなばかなれいみゅと違うもんね! ゆっくり取りに行ってね!〟」 「ゆっ、ゆっ~……」 愛しい子供達に揃って懇願され困り果てる親れいむ。 愛する子供達の願いとあっては断れないだろう。しかし怖い人間の家へと行くのは怖い。 助けを求めようと親まりさへと視線を向けるも 「〝バカな人間と違ってれいむは優秀だもん! れいむならできるよ!〟」 親まりさの口から出るのは、私の『腹話術』による私の言葉だけだった。 親れいむは親まりさから突きはなされたかのような驚愕の顔を見せるも、すぐに気をもちなおしたのか、キッと柿の方へと視線を向け、駆け出した。 「れいむがゆっくりかきさんとってくるからね! まっててね!」 勢いよく飛び出したが、もちろん人間に気づかれないように静かに這っていく親れいむ。 ゆっくり一家のいる道から縁側までは十メートル程の距離があった。 その距離を「そろ~り、そろ~り」とまたもや間抜けな声を出して這う親れいむ。 親れいむの姿を後ろから見守る他のゆっくりは「がんばっちぇね」と小声で声援を送る。 さっきの会話では親れいむ以外は意識が飛んでいて会話の一部内容を知らないはずだが、自分の都合の良い展開となっているので特に気にしていないようだ。 まさにゆっくりの餡子脳といえよう。 少しずつだが確実に縁側へと近づいていく親れいむ。 民家の明かりはついているようだから、住人は中にいるはずだが、やはり気づかないか。 ならば、次にとる手段は────。 「〝ゆっ!! 人間に気づかれなかったよ!! バカな人間だね、ゆっくり柿は頂いていくよ!!〟」 親れいむが柿のある縁側へと辿り着いた瞬間の『腹話術』。 もちろんさっき子れいむに発せさせたのと同等の大声だ。 当然 「ゆっくりかっ!!」 住民に気づかれる。 「なんでおおごえだすのでいぶぅぅぅ!!」 「おかあしゃんのばかぁぁぁぁ!!」 「やっぱりおかあしゃんもばかなんだにぇ!!」 スパーン、と障子を開き人間が現れた瞬間、大声を出した親れいむへと一斉に罵声を浴びせかけるゆっくりまりさ達。 当然れいむはそんなこと知らない。 「ゆっ、なにいってるの? れいむはおおごえなんてだして────」 踏み潰された。 死なない程度に餡子を吐き出させる見事な力加減だった。 「いだぁぁぁぁい……なんでごんなごどずるのぉぉぉ!!」 皮が変形し滝のような涙を流しながら後ろを振り返った親れいむは、後ろにいた青年を見つけ愕然とした。 「ゆっ……ゆっ……、ゆっくり……かきさんちょうだいね?」 発した言葉は恐る恐るといった感じで、できるだけ怒らせないようにとした結果だろう。 だが所詮は餡子脳。それで怒らない人間などあんまりいない。 むんず、と青年に髪をつかまれた親れいむ。 「ゆっ、ゆっ、ゆっくりはなしてね!」 パシーン! と、ゆっくりの言葉など無視する痛烈なビンタ。 右頬をはたかれたれいむはさっきよりも涙目になっていた。 「ゆぐっ……ごめんなさい、でもかき──」 パシーン! 左頬。 「ごべんなざいぃぃぃ! でもごはんたべないとれいむたち──」 バチーン! 右頬。 「ゆっ……ゆっぐりでぎ──」 バチーン! 左頬。 「おうぢがえぢ──」 バチーン! 右頬。 「ごべんなざ──」 ビターン! と痛烈に顔面から親れいむは床に叩き付けられた。 子ゆっくりなら即死だろうが親ゆっくりの弾力性なら大丈夫、死なない。 散々痛めつけられた親れいむだが 「ゆっ、ゆぐっ……」 と立ち上がろうとする。 しかし、青年はそれを許さなかった。 ドゴム! と親れいむを庭へと蹴り飛ばした。 破裂しない程度に吹っ飛ばされた親れいむは、餡子を飛び散らせながら空を舞い、地面へと落ちた。 ゆっくり一家はというと、一連の惨状をガタガタ震えながら見守っていただけだった。 だが地面へと落ちた親れいむへと歩み寄っていく青年を確認すると、親まりさが何事か子ゆっくり達に囁きかけた。 子ゆっくり達はそれを聞くと、親まりさと共にその場を駆け去っていった。 このまま青年が親れいむの許へと近づいていけば、庭の外にいる自分たちも気づかれると思ったのだろう。(道と庭がちょっとした柵があるため、しかも夜のため見難い) そんな薄情なゆっくり一家の行動に、親れいむは気づかなかった。 そんな余裕は既に無かったのだ。 「ゆぐっ……ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ゛ぐ……」 ボロボロになりながらもなお立ち上がろうとするが 「ゆ゙っっ!!!」 むんず、と髪を掴まれ顔面を地面へと叩き付けられる。 「も゛う゛や゛め゛でえ゛えええ!!!!」 顔面を地面につけたまま、ガリガリと家へと連れて行かれる親れいむ。 当然顔面は土や石によって削られていく。 親れいむが通った後は涙等によって濡れていた。 やがて縁側まで引きづられた親れいむは、そのまま青年に抱えられ 「い゛や゛だあああ! ゆ゛っぐり、じだいいいい!!!」 家の中へと連れ去られていった。 ピシャン、と障子が閉められ完全に親れいむの姿は見えなくなった。 それを見届けた私は、もちろん家族を放って逃げたゆっくり一家の後を追った。 つづく ───────── あとがきのようなもの 作中に出てきた『腹話術』とは、「魔王」という小説に出てくる能力です。 面白そうなので一度使ってみたかったのです。 はい、完全に自己満足です。本当に有難うございました。 他に書いたもの:ゆっくり合戦、ゆッカー、ゆっくり求聞史紀 このSSに感想を付ける
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人造ゆっくり ゴーレムの技術を使いゆっくりの肉体と安価な素材で合成された人造生命。 中身は天然ゆっくりと殆ど変わらないままで 魔術餡子情報サーキットにより知能は改善され、自発的に思考しながらオリジナル同様の感情表現も再現 使用者の望むように調整すれば個体の持つオリジナリティも自由に変更できる 更に人造ゆっくりは天然ゆっくり一体とよくある素材を簡単な術式で合成する事で2体作る事が出来る 合成せずともオリジナル同様に繁殖させることも可能だ 天然のゆっくりは瞬く間に姿を消し、それに変わって人造ゆっくりが人の社会に溶け込んだ 加工所は質がバラバラな天然のゆっくりの飼育の殆どを縮小し、均質な人造ゆっくりを大量に導入した 人畜無害な用にセットされた人造ゆっくりはペットとして飼われるのが普通になり町中でゆっくりを見ても 誰も嫌な顔を一つすらせず愛でている姿すら見受けられる オリジナルのゆっくりがゆっくりたる所以は下級生物にあるまじきコミュニュケーション能力にある 彼らは寝て起きてエサを食って殖えるだけの存在ではない。 ゆっくりは人にゆっくりさせると称してちょっかいを働きその反応を見て自分らの存在を示していた どんな形であれ他社と関わる事で初めてゆっくりと言う存在と言えるのである だが人造ゆっくりはどうだろう? 決して人の家に無断で侵入する事もなく、腹の立つ言動もせず、人に媚びる様に行動する 望めば反抗的なゆっくりにしたてる事も出来るが帰ってくるのは形だけのきまりきった反応 人造ゆっくりの行動はプログラムの範囲内で思考し、人の都合の良い様に最適な反応を返してるに過ぎぬ 昨今ではゆっくりを見ても誰も驚きもしなければ路傍に転がる石の如く気にも留めない 人とのやり取りに血は通っていない、もはやこれは人畜無害のただの動く饅頭である。 今や誰もゆっくりを苛める者は居ない、人形を甚振っても面白くないと気づいてしまったからだ
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ある昼下がり 幻想郷の深い森の奥にある、木々の開けた小さな草原 その草原にゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙が二匹で寄り添っている ゆっくり霊夢の下腹部は大きく膨れあがっており、出産間近であることが伺える 「ゆ~♪ ゆ~♪」 ゆっくりと体を左右に揺らしながらゆっくり霊夢は歌を歌う 「ゆ~ゆ~♪」 「すごいおじょうず!れいむはおうたのてんさいだね!」 隣の魔理沙はその歌に大喜びである 「おうたがじょうずなれいむは、きっといいおかあさんになるね!」 魔理沙のほめ言葉に思わず照れながら微笑むゆっくり霊夢 なんとも仲睦まじいやりとりである そのまま夕暮れまでゆっくりすると、やがて二匹は巣へと戻っていった 「ゆ゙ぎぎ…!!」 その晩のこと、ゆっくり霊夢の陣痛がはじまった 「い、いたいよ…!ゆっくりできないよ…!!」 涙で顔を皺くちゃにして痛みを訴える霊夢 「ゆっ! れ、れいむ!ゆっくりしていってねっ!」 その声にゆっくり魔理沙はおろおろとする しかしゆっくり魔理沙には声をかけてあげることしかできない ゆっくり霊夢が陣痛を訴えてしばらくすると… プシッ 巣に小さな水音が響いた するとゆっくり霊夢の底部にある小さな穴、いわゆる産道からぬらぬらした透明な粘液が水溜り状に広がっていく 破水である 出産が開始されるのだ ゆっくり霊夢は体を後ろに傾けて壁にもたれかかると、荒い呼吸で出産を開始した 「ゆぎっ! ゆぎっ!」 顔を真っ赤にしながら必死にいきむゆっくり霊夢、その顔は汗で湿っており額中にびっしりと血管が浮き出ている その姿からは痛みの凄惨さが見て取れる 「いぎぎ…!ま、まりさぁ…!!」 「れいむ!がんばってね!げんきなあかちゃんをうんでね!」 ゆっくり魔理沙はゆっくり霊夢の傍で懸命に声援をかけつづける しばらくするとゆっくり霊夢の産道周辺がヒクヒクと痙攣しはじめる その痙攣にあわせて、普段は目に見えないゆっくりの膣孔が見えるようになる 膣孔からは、ゆっくり霊夢の呼吸にあわせて粘液が漏れ出している ゆっくり霊夢の膣孔が菊紋を描くのを確認すると、ゆっくり魔理沙はその小さな穴を舐めはじめる 舌で刺激することによって、出産を促すのである 溢れる粘液を舐め取るように、中の粘液を吸いだすように、ゆっくり魔理沙はゆっくり霊夢の底部に舌を這わす 「ひぃ゙~ッ!!ひぃ゙~ッ!!」 「がんばってね!がんばってね!」 痛みのあまり泣きながらいきむゆっくり霊夢 ゆっくり魔理沙はゆっくり霊夢の為に懸命に底部を舐め続けた やがてゆっくり霊夢の下腹部の膨らみは産道のほうに偏りはじめる 胎児が移動しているのだ それにつれ産道周辺がこんもりと膨らみはじめる 「んぃ゙ぎッ!!んぃ゙ぎッ!!」 髪を振り乱しながらさらに強くいきむゆっくり霊夢 するとぴったりと閉じていた産道がミチミチと音を立てて開いていく 「ん゙お゙お゙っ!!」 開いた産道の奥にはゆっくりの赤ちゃんの顔が見える 「れいむ!もうすこしだよぉぉ!!あかぢゃんもはやぐでてきでねぇぇっ!!」 応援しているゆっくり魔理沙の顔ももう涙でぐしゃぐしゃである 「あ゙がちゃッ…!!あ゙がちゃッ…!!」 満身創痍のゆっくり霊夢 ゆっくり霊夢は白目寸前の目つきで口を大きく開け、荒く呼吸しながらうわ言のように赤ちゃんの名を叫ぶ …と、すぐゆっくり霊夢の動きが止まった 凄まじい形相のまま固まったと思うと、プルプルと体を震わせはじめる すると ズポッ と赤ちゃんが飛び出してきた 地面にぶつかってコロコロと転がると、 「ゆっきゅりしていっちぇねぇ!」 力強い声でそう言った 「……れ゙」 「れ゙、れ゙いむ゙ゔゔ!あがぢゃんゔまれたよおおっ!!よぐがんばっだねええっ!!」 「ゆ゙っぐりじでいっでね゙ぇぇぇっ!!」 「びぇぇぇぇぇっ!!」 これ以上の無い歓喜である 二匹は号泣しながら新たな命の誕生を喜んだ 生まれたのはゆっくり霊夢の赤ちゃん まだ母親の体液で体がぬらぬらと光っているが、その姿はとても可愛らしく健康的である 好奇心旺盛に巣の周りをキョロキョロと見渡し、両親の姿を見つけると 「みゃみゃ、ぴゃぴゃ、ゆっくちちようね!」 と言って満面の笑みを浮かべてその場でピョンと飛び跳ねた ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙は赤ちゃんに寄り添ってほお擦りをする 赤ちゃんはそれをくすぐったそうにしながらも受け入れた だいすきなお父さんとお母さん、おいしいご飯に静かな森での幸せな生活… その目はきらきらと輝き、将来の希望に満ち溢れていた ──バキバキッ 「ゆ?」 「なんのおと?」 その時突然巣の中に大きな音が響いた ゆっくり一家は喜びの抱擁を中断し、部屋の周りを見回す すると… ──バキッ! ひときわ大きな音を立てたと思うと入り口の扉を突き破って何かが巣の中に飛び込んできた 人間の腕である ゆっくりの巣を見つけた人間が、ゆっくりを捕獲しようと巣の中に手を伸ばしてきたのだ 「ゆ゙!?ゆ゙ゔゔ!!?」 「な゙に゙ごれ゙ぇえッ!!?」 巣の中に突きこまれた腕はゆっくりを求めて巣の中を激しく動く 勿論突然の侵入者に動揺したゆっくり一家は、それが何なのか理解することができない 「み゙ゃみ゙ゃぁああああっ!!」 生まれたての赤ちゃん霊夢は突然の衝撃とあまりの恐怖に泣き叫びながら盛大に失禁する 幸い穴が深かったため寸手のところで人間の手がゆっくり一家に届くことは無かった それでも一杯に差し込まれた腕はゆっくりを探してバタバタと激しく動く ゆっくり一家は壁際に固まって、その腕から必死に遠ざかる ゆっくり霊夢もゆっくり魔理沙も何が起こっているのか理解できない ただ、我等の巣が何かに強襲されているということだけは理解できた 「ごわ゙い゙よ゙お゙お゙お゙っ!!!」 「あ、あかちゃんはかくれてねっ!」 「れいむもあかちゃんもまりさがまもるよ!」 ゆっくり魔理沙は家族を庇う様に前に出て、辺りの餌やら石やらをその腕に吹きつけはじめた 「びゃああッ!!ごわいよお!!ごわいよおおっ!!」 ゆっくり赤ちゃんは恐怖した ひたすら恐怖し続けた まともな思考など働く余地が無いほど震え上がり叫んだ 危機から身を守らねば 隠れるところを探さねば そうして赤ちゃん霊夢は隠れる場所を求め 先ほどまで自分が居た母親霊夢の産道にもぐりこんだ 「ゆ゙ゆ゙っ!?あかちゃん!なにしてるのっ!?」 今まで自分がずっと居た場所、一番信頼できる安全な場所 赤ちゃん霊夢が選んだのは母親の胎内だった 「ゆぐぐ!くるしいよ…!」 出産の影響もあり、ゆっくり霊夢の膣孔の皮は伸びきっていた為そこにもぐりこむのは難しく無かった それから間も無く、ゆっくり魔理沙の善戦あってか腕の主は捕獲を諦めて巣から去っていった しかし問題はそれで済まなかった 恐怖のあまり、赤ちゃん霊夢はゆっくり霊夢の産道にもぐりこんで出てこないのである 苦しむ母霊夢などお構いなしに、赤ちゃん霊夢は恐怖でガチガチと歯を鳴らしながら奥へ、さらに奥へと進んでいく 「ん゙ぃ゙ぃ゙!ん゙ぃ゙ぃ゙!」 「あかちゃん!もうだいじょうぶだからはやくでてきてね!」 ギリギリと歯軋りをしながら苦しさと痛みに耐えるゆっくり霊夢 ゆっくり魔理沙も必死に呼びかける 再び体積が増えた苦しさに、必死にひり出そうとしても赤ちゃん霊夢は抵抗して出てこない 再び赤ちゃんを包んだ膣孔は再度ぴったりとその口を閉じてしまっており その穴からはただただぬらぬらと透明な粘液を垂らすばかりである 「赤ちゃんでてきてぇーっ!!」 ゆっくり魔理沙はゆっくり霊夢の膣孔に口をつけて必死に吸い出そうとする 巣にはただただ淫猥に粘液の水溜りが広がっていくばかりであった 戻るゆっくり ~END~ 自分で書き込みした話をSSにしてみた 満足している。 このSSに感想を付ける
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ここは人間の里何度かドス率いる群れに襲撃されていただからそういうことには慣れていた最初はかなり巨大なゆっくり魔理沙がきたので最初はみんなたじろいで契約にしたがったが 勇敢 と言うよりこわい物知らずのやつが向かっていくとドスはドススパークや巨体を活かした攻撃を仕掛けたがほとんど全員の人が所詮ただのゆっくりだと言うこととどちらの攻撃も弱点があると言うことをほぼ瞬時にわかった なので攻撃を避けながら攻撃しているとすぐに倒れた 「ゆ ゆ ゆあああああ!!ドスぅぅぅぅぅ!!」群れの幹部であろうパチュリーが叫ぶと混乱は群れに伝わっていった「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」「ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」しばらくこれは続いたそして数分後にやっと落ち着いてきたそして気づいた 人間のことをやっと認識したのであるほとんどのゆっくりはこれから何があるか予想がついていた そしてその予想は見事的中 すぐに人間たちがゆっくりたちを潰してきた「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!ひでぶぅ!」「ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ぶちゅっ!「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」ぶちゅっ!「霊夢はかわいいから殺したらだめだよぉぉぉぉぉぉ!!!」ぶちゅっ!!「魔理沙は強いんだぜぇぇぇぇぇ!!だから殺しぶぅぅぅぅぅぅ!!!」そんなわけで数匹のみ重症で帰り途中で全滅した 最初以外は似たことが何度かあったそしてまたドスはやってきたそして里の人は戦闘準備をした が ドスが言ってきたことも態度も違った脅しをする様子もなく 見下す目で見ることもなく契約をしようとしたことかなりまともだった 契約とはこうだ 1人間はゆっくりに危害は加えないがゆっくりが契約を守らなかった時だけ破ったゆっくりにだけ危害を加えてもいい2ゆっくりを働き手として雇いそれに見合った物をくれる3働くゆっくりにのみすみかを与える という物だった里の人はゆっくりがこんなまともな契約をしたことと群れにゲスと見える態度をすることゆっくりもいずに全員人間で言えば頭を下げる動作をしてきたので人々は喜んで契約を結んだ そんなわけで数日が過ぎたこの頃はまだ誰も契約を破らずに働いているゆっくりは真面目で給料として野菜を貰いすっきりすると迷惑になると思いやらなかった 2匹の夫婦を除けば この夫婦は善良種の行動はほとんどすべて知っていたのでばれなかった最初だけは この2匹は働かせてもらうとさぼってばかりで契約にはないと言う理由で給料をもらっていた そして同じ理由で大量にわけてすっきりし子供を50匹ほど生んでいたがこの生活も簡単に終わりを迎えるある日2匹は子供が生まれたので食料を大量にもらいにきたこの2匹の妄想ではもらった大量の食料を子供なんかには与えず全員餓死させまたすっきりして大量の子供を生んで の繰り返しのはずだった しかしこの2匹はかなり嫌われていた この群れの他のゆっくりだったら喜んで野菜をあげていただろうなにせこの群れの優しさはれいぱーに産まされた子供でも普通に愛す程であるもちろんれいぱーは殺して子供の餌にするが だが自分達も使ったそんなの契約にはないと言われあっさり断られる ただそういった以上契約を破るわけにも行かないので危害は加えない そしてその日その2匹についてドス達に相談に行ったそして緊急会議が行われた結果はあの2匹と子供を群れから追い出すということに決まったそれと従わないなら殺していい そして翌朝腹をすかせながらどうやって騙すか考えていた所に村長と群れの幹部とドスがやってきたそしてこういった「会議で決まった、君たち二人と子供には出て行ってもらう」 「ゆ?そんなの従わなければいいんだぜ 無理矢理追い出すことも契約っさんで無理なはずだぜ」「あー そのことなんだが会議で無理矢理追い出すこともできるし殺すこともできるようになったから生きてこの群れと里から出るかここで一家皆殺しかだ」「ゆぇぇぇぇぇぇぇ!!そんなの聞いてないよぉぉぉぉぉぉ!!」「そもそもいま初めて言ったからな で どっちを選ぶ?」「ゆ··ゆ··『ピコン!』そうだ 魔理沙達の子供を全員殺していいのぜだからせめて魔理沙と霊夢は残してくれだぜ」清々しいほどにゲスである するとやっとドスが口を開いた「そんなゲスなら、なおさら群れに置くわけにはいかないのぜ、なぜならここの群れはゲスは禁止だぜ」「どぼじでぞんなことを言うのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」「決まっているでしょ、ゲスだからでしょ で、どっちにするの?」「子供を殺して魔理沙と霊夢は残るよぉぉぉぉぉぉ!!」「なるほどじゃ一家皆殺しで」「なんでぇぇぇぇぇぇ!!」「殺すか出て行くかだよね無垢な子供を犠牲にしてまで生き残るゲスは死ねぇ!、じゃ、人間さんなるべく苦しませて死なせてください」この群れは優しいがゲスにとっては地獄の群れである「そうだ!近所にゲス専用虐待お兄さんがいるから任せよう!」虐待お兄さんに事情を話すと喜んで引き受けてくれた
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「ふたば系ゆっくりいじめ 39 太陽と水のゆっくり一家/コメントログ」 イラッ… -- 2010-07-04 01 16 56 幸せなゆっくりどもって死ぬほどムカつくんだけど -- 2010-07-28 22 41 46 感謝しているよ・・・・ このSSのお陰で俺は伝説の超鬼意惨になれたんだからなぁぁぁぁぁぁ!!! シュイン!シュイン!シュイン! -- 2010-07-29 02 41 19 考えてみりゃ生物の変化なんて自然界でも当たり前に起きてんだよな。 人間がやるか自然がやるかの違いしかないな。結局は環境に適応できる形に変質するんだから同じようなもんか。 人間もその影響から逃げられないし。 ・・・素敵な挿絵だ。とても可愛いじゃないか。 -- 2010-08-18 15 07 52 ↑ウォーリーを探せ! -- 2010-09-25 05 57 04 イラストの中につむりが何気にいるwww -- 2010-12-30 21 25 06 ↑ここに手榴弾をポイッとwwwwwwwwwww -- 2011-08-29 11 44 44 密室的一族繁栄と言えば、火の鳥にそんな話があったな。 -- 2011-09-10 03 11 53 鬼威山はこれを全部捕獲して ゆっくり虐待してフィーバーするよwww -- 2011-10-13 23 18 13 あああああああああああああああああああああああああああ 腹立つううううううううううううううううううううううううううう 一気に餡子まみれにしたああああああああああああああああああい -- 2011-10-13 23 22 12 恋話すんな。いらいらする・・・。虐待したいな。・・・。・・・ヒャッハー! -- 2011-12-21 16 04 24 地味に機械みたいなれいむ(笑)がいるw -- 2011-12-21 16 05 50 あの一家を目茶苦茶に虐待してぇぇ -- 2012-02-25 09 29 54 穴閉じて水埋めたい(実験終了後、廃棄決定になったとき) -- 2012-08-05 01 56 28 こいつら全員 無駄無駄無駄ァってぶっ潰してぇ・・ -- 2012-09-01 14 55 03 こんなゆっくりばっかりだったら確実に俺も虐待お兄さんから愛護お兄さんになってるのにな。 -- 2012-10-14 00 09 29 実験に文句言うのはさすがにどうかと思う。マナーくらいは守ろうよ。 -- 2012-10-17 23 22 36 この絵のゆっくりは俺をイライラさせるゆっくりできないゆっくりだね、殺されたいんだねわかるよー -- 2012-12-10 16 19 49 内容は面白かったし、SSのゆっくりは無害そうでよかったんだが 絵を見た瞬間心底イラッと来たのは何でだろう・・・ -- 2013-02-11 19 49 03 可愛いいなー ゆっくり -- 2013-07-17 21 56 07 こんな映画観たことある そこは村で、いつも 毎年、人口は百人で一定になっている。 そこを調べにきた役員は最後死ぬのだが、 一定を保つために一人入れば、村人一人は自ら死ぬ…と。 興味があればご自分で お調べを 駄文 失礼 -- 2014-01-14 22 58 13 食べ物と住処の確保への欲が無いゆっくりには何も残らないような -- 2014-03-31 17 37 11 超かわいい~~~~~~~~~~ -- 2014-07-08 18 34 17 パラダイス -- 2016-09-12 17 30 01 うざい絵さえ見なければゆっくりできた -- 2017-01-04 13 57 50 この部屋をうんうんまみれにしてゆカビでジワジワ殺したいわ~ -- 2021-12-22 19 51 22 これはかなりゆっくりできるんじゃないでしょうか。とても愛おしいですね! -- 2022-10-07 14 37 25
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とある虐待お兄さんが死んだ。 ゆっくりに殺される、などという理不尽な理由でではない。それでは虐待話にならないからだ。 ある日、里近くの集落に住む虐待お兄さんの家に、隣に住む男が尋ねてきた。 しかし男が窓越しに見たものは、部屋の中央に倒れている虐待お兄さんの姿。 男は直ぐさま窓を開けて中に入る。だが、虐待お兄さんは既に事切れていた。 何故こんな事になったのか?男は混乱しながらも状況を確認しようとした。 壁は透明な箱で全面埋め尽くされ、閉じ込められたゆっくりたちが腹を空かせて泣いていた。 大量の餡子と皮が地層を成す程に床を覆っていて、その上にはゆっくりの死骸が百以上も散乱している。 どのゆっくりも、口にはその子供達と思しき潰れた子ゆっくりの死骸が幾つも詰め込まれていた。 その中心に虐待お兄さんは倒れていた。 常人には理解不能なシチュエーションだったが、虐待お兄さんをよく知る隣人はなんとか状況を理解できた。 これはゆっくりに強制的に我が子を喰らわせるスタンダードな虐待だろう。 だがこれだけの数のゆっくりを虐待するのは、相当な時間が掛かると素人でも分かる。 虐待お兄さんは常日頃、「ゆっくりをただ潰すだけでは殺害でしかない。仮定を楽しむのが真の虐道」と語っていた。 餡子は腐っておらず一様に新鮮である。これは不休不眠で一気にやったと見なして良い。 虐待お兄さんの死因は、おそらくは体力の限界を超えた過労死、いや虐待死(自分が)。 (無茶しやがって…) 男は、改めて虐待お兄さんを眺め、そして亡骸の右手が何かを指し示している事に気付いた。 傍に歩み寄った男の目に入ったものは、ダイイング・メッセージであった。 餡子の層に書かれていたのは『もっと虐待したかったよ!』の一文。 男の目から涙が零れた。 「彼は死ぬまで虐待お兄さんでした!」 天を仰いで叫ぶ男の姿を、箱の中のゆっくりたちが怯えた目で見つめていた。 虐待お兄さんの死はその日のうちに集落中に知れ渡った。 虐待お兄さんは速やかに集会所の一室に安置され、住人達は隣室で会合を開いた。 虐待お兄さんは家族もおらず独り暮らしである。集落全体で葬式を執り行う事が即座に決定された。 元々住民同士の結束が強い集落ではあったが、この一件においては皆我先にと協力を申し出た。 集落は森の傍にあり、ほぼ全戸が里へ食料を供給する農家である。 当然の帰結として集落にとってゆっくりは最大の害獣である。 そのゆっくりを、頼まれてもいないのに積極的・情熱的に駆除する虐待お兄さんは集落にとって有為な存在であった。 虐待お兄さんは誠心誠意で弔われねばならない。それが今までの貢献に報いる、虐待お兄さんへの手向けとなるだろう。 皆の思いは一致していた。 そして二日後、集落総出に里からの参加者も加えて、虐待お兄さんの葬式が営まれた。 今回の葬式が普段と異なるのは、参列者が皆、ゆっくりを連れている事。 前日のうちに住人が森から掻き集めてきたゆっくりである。 ゆっくりたちは泣き疲れてぐったりしていた。 受付を済ますと参列者は式場に向かった。 集会所の、集落でも一番の大部屋に入ると、奥には祭壇が作られてあった。 祭壇の上には虐待お兄さんの収まった棺。参列者はその周りにゆっくりを供えていった。 どのゆっくりも底部を焼かれ、歩行能力を奪われている。 参列者が増えるにつれ、ゆっくりはまるで華のように祭壇を覆っていった。 参列者が全員集まったところで、里から呼び寄せた僧侶がやってきて、祭壇の前に座った。 祭壇を埋め尽くすゆっくりたちは、これから何が起こるのかと不安の表情でいる。 祭壇前の、上面が鉄板の小机に、ゆっくりれいむの一家が鎮座していた。 それは死んだ虐待お兄さんの透明な箱に収められていった、最近最も大きな被害を集落に与えたゆっくり一家だった。 一家は柔和な顔をした僧侶に救いの声を上げる。 「「「ゆっくり助けてね!」」」 僧侶はそれを完璧に無視した。この僧侶の救済対象にゆっくりは含まれていない。 小机左右に配置された二匹の子ゆっくり、長女れいむと次女まりさの頭には蝋燭が刺さり、火立と化している。 僧侶はそれに線香を差し出し火を付けた。じりじりと線香が焼け、溶けた蝋が下に落ちる。 「あつい!あついよ!助けてよ!」 「ゆっくりやめてね!子どもにひどいことしないでね!ゆっ!?」 頭部を切り開かれ、線香立となっていた親れいむに線香が突き立てられた。 「ゆっ?ゆっ!?ゆっ!!」 次々と刺さる線香の苦痛に身を捩る親れいむ。だが底辺を焼かれたゆっくりはその場で苦しむしか出来ない。 僧侶の右側に置かれた親まりさが叫ぶ。 「もうやめてね!まりさの赤ちゃんどこへやったの!」 僧侶は黙って懐から数珠を取り出した。 それは赤ゆっくりを文字通りの数珠つなぎにしたものだった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!ま゛り゛さ゛の゛あ゛か゛ち゛ゃん゛か゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 数珠のゆっくりたちは、小さい体に糸を突き通され虚ろな表情をしていた。 それが僧侶の手の中で掻き回される都度、「ゆっ!ゆっ!」と痙攣する。 参列者のにも数珠を取り出すものがいた。それを見て棺を覆うゆっくりの中に叫びを上げるものがいる。 己が赤子の成れのはてを見て悲嘆にくれているのだろう。 「ゆーん!」 僧侶はおりんを打ち鳴らす。それは硬化剤で固めた帽子を、逆さまに頭に突き刺された三女まりさだった。 「ゆっ!ゆっ!ゆっゆっゆっゆっ!」 僧侶は親まりさを打ち鳴らす。親まりさは逆さまにした帽子の上に乗せられ、頭を硬化剤で固められ木魚となっていた。 「や゛め゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛ま゛り゛さ゛を゛た゛た゛か゛な゛い゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛!ゆっ!」 奉請十方如来入道場散華樂 「ゆっ!」 奉請釈迦如来入道場散華樂 「ゆっ!ゆっ!」 奉請弥陀如来入道場散華樂 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 奉請観音勢至諸大菩薩入道場散華樂 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 「ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!」 「「あ゛つ゛い゛い゛い゛い゛い゛!あ゛つ゛い゛い゛い゛い゛い゛!」」 僧侶はひたすらおりんと木魚を打ち鳴らし読経する。 経の合間に線香を継ぎ足される線香立は段々虚ろな顔になり、蝋燭が短くなった火立はただ絶叫する。 参列者は厳粛な気持ちで故人の冥福を祈っていた。 読経は続く。 衆生無辺誓願度煩悩無辺誓願断 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 法門無尽誓願知無上菩提誓願証 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 自他法界同利益共生極楽成仏道 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆぶっ!」 「ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆぶーん!」 読経を終えると、僧侶は全力で木魚とおりんを叩き潰した。瀕死の状態でゆーゆーと唸るだけの二匹。 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「「「あ゛か゛ち゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!」」」 正気に戻った線香立と火立と数珠が叫ぶ。 僧侶は大喝すると数珠を引き千切り、線香立に投げ込んだ。 「れ゛い゛む゛の゛あ゛か゛ち゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!」 次いで蝋燭立てと砕け散ったおりんも線香立てに入れ、木魚を傍によせると上から油を掛けた。 「「「も゛っ゛と゛ゆ゛っ゛く゛り゛し゛た゛か゛っ゛た゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」」」 炎の中断末魔の叫びを上げ、ゆっくり一家は全滅した。火は全てを浄化する。 燃え盛る炎を前に僧侶は合掌した。眼前のゆっくりにではなく霊前に捧げた合掌である。 肩で息をし汗にまみれた僧侶の顔は達成感に充ち満ちていた。 鎮火され清められた小机に、新たなゆっくり一家が運ばれてきた。先程の惨状にガタガタと震えている。 「おじいさん!みょんはなにも悪いことしてないよ!ゆっくりはなしてね!」 「わからないよ!わからないよ!」 僧侶は壇上の小刀を取り上げると、親みょんと親ちぇんの頭部を横から綺麗に切り取った。 「み゛ょ゛ん゛っ゛!?」 「わ゛か゛ら゛っ゛!?」 僧侶は子供も全員を同じようにした後、親の餡子を少し取り捨て、中に油を染み込ませ火を付けた。 「み゛ょ゛お゛お゛お゛お゛お゛っ゛!?みょっみょっみょっみょっ…」 「わかっわかっわかっわかっ…」 「お゛か゛あ゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!ゆ゛っ゛!?」 僧侶は子ゆっくりの餡子を掴み、二体の香炉と化した親ゆっくりの頭に散らした。 満足げに頷くと立ち上がって、参列者に焼香を促す。 「ゆっゆっゆっゆっゆっ。」 次々に餡子を取られて行く子ゆっくりは白目を剥いて痙攣するばかりである。 親ゆっくりの二匹は子供達を、炎の熱さに苦しみながら「ゆふーゆふー」と見つめている。 焼香が終わる頃には子供達は全匹絶命していた。僧侶は残骸を香炉に載せると、やはり油を掛けた。 「わ゛か゛ら゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!?」 「な゛に゛か゛し゛た゛か゛っ゛た゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛!?」 二匹は炎の中で崇高な生涯を閉じた。 役目を終えた僧侶が退席すると出棺の準備が始まった。 棺を降ろし、皆涙ながらに仏との最後の対面をする。 「「「ここはゆっくりできないよ!ゆっくり出してね!」」」 棺の中にはゆっくりが敷き詰められ呻いていた。それは透明な箱に入っていたゆっくりたちである。 虐待し損ねたゆっくりを一緒に送り、故人があの世で虐待出来るようにとの心遣いである。 さらに参列者は棺の中へ、次々とゆっくりを足していった。 「「「おもいよ!ゆっくりとってね!」」」 棺は仏の顔以外を除いてゆっくりで敷き詰められ、蓋が閉じられた。 「さいきょ!?さいきょおーっ!?」 「くろまっ!くろまくーっ!」 凍らせたゆっくりちるのとゆっくりれてぃを用いて釘打ちがなされた。 釘を二発打つ度にちるのもれてぃも砕け散ったが、直ぐさま代えが用意された。 併せて五十匹程砕けたところで棺は完全に閉じられた。 「「「うっうーっ!うあうあ!」」」 別室に閉じ込められていた沢山のれみりゃが連れられてきた。 それを見て祭壇のゆっくりが悲鳴を上げる。 「うー?うーうー♪たーべちゃうぞー!」 れみりゃたちはゆっくりを見ると喜び勇んで獲物に飛び掛かろうとした。 参列者はれみりゃに蹴りを加える。 「うー!いだいー!」 転んで泣き叫ぶれみりゃだが、髪を掴まれ引き起こされた。掴んだ者がれみりゃに何事か語りかける。 「うー!うー!」 ぶんぶんと首を振るれみりゃたちは、別の人間が自分の子供を抱えてやってくると顔を強張らせた。参列者はれみりゃたちに何か囁く。 「いやだー!いやだー!」 れみりゃは泣きながら棺の周りに集まり、持ち上げようとする。 「うー!」 重いという意思表示なのか、首を振るれみりゃたち。 「うぁー!」 男が一匹の子れみりゃを握りつぶした。たちまち餡を吐き出して絶命する。 「あ゛あ゛ー!れみりゃのあかちゃんがー!」 男は駆け寄ろうとする母れみりゃの足を払う。転がったそれに耳打ちする。 「は゛い゛ー!や゛り゛ま゛す゛ー!」 れみりゃたちは必死になって棺を抱え、外に向かって運び始めた。 祭壇のゆっくりたちは天敵がいなくなって安堵の表情になる。 参列者達は各々、そのゆっくりを抱えていった。 長い葬列を見詰める二つの人影があった。暇潰しに見に来たものの、部外者の遠慮からか遠巻きに眺めているだけだ。 時折一人が列に近付こうとし、別の一人に押し止められている様に見えた。 葬列は粛々と歩んでいる。 先頭を進むのは棺と、棺を運ぶれみりゃ、周りを囲む男達。その後にゆっくりを抱えた参列者達が続いた。 「もういやだー!ぷりん食べるー!さくやー!」 疲れ切って道に座り込んだれみりゃは、直ぐに子供を潰された。泣き叫びながらもあわてて棺を持ち直す。 子を失っても言う事を聞かないれみりゃは頭を潰され息絶えた。 れみりゃの抜けた穴は新たなれみりゃによって補われ、棺は無事に目的地に辿り着いた。 そこは集落の外れにある、小さな丘だった。 既に準備は出来ており、一方を除いて方形に木が組まれてあった。 れみりゃが抱えた棺を納めると、直ぐに木材で塞がれた。 「「「!せ゛ま゛い゛ー!た゛し゛て゛ー!さ゛く゛や゛ー!」」」 木材に閉じ込められたれみりゃが口々に叫ぶ中、皆は目を閉じ、故人に最後の別れを告げた。 数人の男がゆっくりと木材に油を掛け回し、最後に代表の隣人が点火した。 「「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!」」」 れみりゃたちの絶叫が響く中、参列者は皆等しく涙を流していた。言うまでもなく虐待お兄さんに思いを馳せているのである。 手の中でガタガタ震えていた一匹のゆっくりれいむが声を上げた。 「ゆっくりはなしてね!ここはゆっくり出来ないよ!もうおうち帰る!」 即座にれいむは炎の中に投げ込まれた。 「ゆっ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛つ゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 それを切っ掛けに、参列者は抱えたゆっくりを尽く火中に投じていった。 「や゛め゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「ゆ゛っ゛く゛り゛て゛き゛な゛い゛ん゛た゛せ゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛さ゛い゛こ゛に゛ひ゛と゛つ゛に゛な゛ろ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「む゛き゛ゅ゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!」 「さ゛く゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「お゛せ゛う゛さ゛ま゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「し゛ゃ゛お゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!」 「こ゛ほ゛ね゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「ち゛ん゛ほ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「そ゛う゛な゛の゛か゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「さ゛い゛き゛ょ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「く゛ろ゛ま゛く゛う゛う゛う゛う゛う゛!」 「す゛き゛ま゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「て゛ん゛こ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「わ゛か゛ら゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「ち゛ん゛ち゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!」 「あ゛つ゛い゛さ゛す゛か゛ほ゛の゛お゛あ゛つ゛い゛い゛い゛い゛い゛!」 「き゛も゛ち゛い゛い゛い゛い゛い゛!」 テンションの上がってきた参列者は次々にゆっくりを投げ込んでゆく。 手持ちのゆっくりを投げると、皆は列後方に付いてきた数台の大八車に我先にと群がり、積み上げられたゆっくりを掴んでは駆け戻っていった。 その顔はまるで虐待お兄さんが乗り移ったかのよう。 ゆっくりれいむもゆっくりまりさも、その他全ての種が炎に包まれた。 ゆっくりたちの絶叫の中、参列者は思い思いに読経を始めた。 虐待お兄さんの霊が慰められるように。あの世でもゆっくり虐待出来るように。 騒霊の大合葬もかくやと思われる程の読経は、遠く里にまで響いたという。 その有様を遠巻きに眺めていた二人。そのうち隣に向けて日傘を掲げていた一人が地に倒れ伏した。 れみりゃたちが焼かれる光景に耐えきれず気を失ったのである。 レミリアは、倒れた咲夜にも、体を焼く日差しにも気付かず、「人間って怖い」とガタガタ震えていた。 By GTO このSSに感想を付ける
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れいむは悩んでいた。 まりさとの節度も計画性もない情事により13匹にも増えた子供達。 木の根にある今の住居では、成体が精々3~5匹がスペース的に限度。 スッキリー!のし過ぎで、ほとんど身動きが取れないほどスペースがなくなってしまった。 れいむは考えた。 「ゆっくりいじゅうするよ!」 夫であるまりさに移住の事を話すと、まりさは人間に飼われているゆっくりから聞かされた話を思い出した。 森を出て、人間の町に行くとそこにはデパートと呼ばれる建物があるそうだ。 曰く頑丈。曰く広大。曰く食べ物いっぱい。曰く遊具豊富。 その事を聞いたれいむと子ゆっくり達は 「さすがまりさね!さっそくいじゅうするよ!」 「デパートしゅごい!おもちゃ!おもちゃ!」 「ゆっくりおかしたべようね!みんなでたべようね!」 ノリノリになった一家は狭い住居を捨て、新天地を目指す事を決意する。 しかし、知性が低いゆっくり達は、デパートの印象が強すぎて森を出るという事の恐ろしさを忘れているのである。 人間の怖さ、強さ、賢さ。仮にも野生のゆっくりである。人間の恐ろしさをうっすらとはいえ認知していたはずだ。 だが盛り上がってしまったゆっくり達にはもう関係無い。 夢と希望だけを抱きながら人の住む街へと歩み出した。 「何だこれ!?」 「ゆっくりか?」 「なんで野良のゆっくりが街に!?」 街ではめったにみない野良ゆっくり達、それも15匹という大所帯を見て珍しがる人々。 「おにいさん、デパートってしらない?」 「ゆっくちおちえちぇね!」 「ゆっくちおちえちぇね!」 訪ねられたお兄さんは困惑する。こんなのがデパートに行っていいのか。 何せ野良ゆっくりである。いや、飼い慣らされたゆっくりだとしても、ゆっくりはゆっくりだ。そう変わらないが。 こんな大勢でデパートに行ったら大混乱になるんじゃないのか・・・ そう思うと教えられなかった。 「もう!おしえてくれないなんてこのおにーさんはゆっくりできないひとだね!」 「ゆっくちできないおにーさんはゆっくちちんでね!」 「ゆっくちちね!ゆっくちちね!」 好き勝手に暴言罵倒をし去るゆっくり達。唖然として残されたお兄さん。 しかしゆっくり達のあまりにも無礼で高圧的な態度に段々イライラしてきたお兄さんは言った。 「デパートは駅に行けばあるよ。でも遠すぎて君たちの足じゃ何日たっても辿り付けないだろう。 だから俺が車でおくってってあげるよ」 デパートの位置も距離も知らずに森を出てきたゆっくり達には、正に渡りに船。 「おにいさんゆっくりさっさとおくってね!」 「やっちゃー!これでデパートでゆっくちできるね!」 何の疑惑も持たずはしゃぎ出すゆっくり達を車に乗せ、駅ビルまでおくる。 駐車場でゆっくり達を解放すると、 「なんなのここ?なにもないよ?おにいさんうそつきなの?」 「違うよ、ここは地下の駐車場。この上には色んなものがいっぱいあるんだよ」 エレベーターに移動して地上の食品売り場に案内しようとしたお兄さん。 しかしここで予期せぬハプニング。 床とエレベーターの箱との間の5cm程の隙間に、赤ゆっくりが一匹挟まってしまったのである。 「ゆ゛ぅぅぅぅ!」 「まってて!いまたすけるからね!」 挟まった赤ゆっくりは涙と涎と鼻水を垂れ流しながら懸命に落ちまいと踏ん張っている。 親れいむが赤れいむのリボンを歯でつかみとると、そこから引っ張ろうとする。 気がついたら俺は何故か【閉】のボタンを押していた。 無常にも迫り来る扉。 その扉に押される親れいむ。摩擦が痛いのだろう。 「ゆ゛っぐ!」 と言い放ち口にくわえていた赤れいむを溝に落としてしまう。 地下に位置するエレベーターの高さがどれだけのものかは知らないが、何せ赤ゆっくりである。落ちたら即死か。 仮に即死を免れても自力で登ることは不可能だろう。 死ぬまで永久に暗く狭いスペースの中で泣き叫び続け、いずれ餓死する事を思えば、即死の方が遥かにマシか。 「ゆ゛ぎゅぅうう!!」 気がつくと親れいむが扉に挟まれていた。 口から血、じゃない、餡子を少し吐き出しながら”だずげで”と懇願する。 やれやれ、しかたないなと思い【開】のボタンを押そうとしたが、 障害物を認識したとびらは再度ひらかれ、計らずとも親れいむは圧迫地獄から解放された。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!ま゛り゛ざどの゛あ゛いの゛げっじょうがあ゛ぁぁぁぁ!!」 「あたちたちのいもうちょがぁぁぁ!」 一匹減って14匹になってしまった。しまったな。まだ虐待は最後にとっておこうと思ってたのに。 狭いエレベーターの箱の中、わんわん泣き叫びまくるゆっくり達。 正直イラっときた俺はここでもう2、3匹引きちぎってやろうかと思ったが、次の瞬間扉は開かれた。 1F-食品売り場。 「なんでごんな゛びどいぉ・・・ゆっ!?」 広大なフロアを所狭しと並ぶ食品の数々。 それを目の当たりにした瞬間、ゆっくり達の眼の色が変わった。 しゅごい!しゅごい!とはしゃぐちび達。 「きょうからここがあたしたちのゆっくりプレイスだよ!」 「にんげんはでていけー!」 「にんげんはでていけー!」 何だ何だと騒々しくなる食品フロア。何だ?あれは?ゆっくり?野良か? そんな中、お兄さんは楽しんでいた。 (ははは、予想通り楽しい展開になりそうだ。ほんの数秒前まで子供が死んだことで悲しんでたと思ったら・・・ どこまでも利己的な生物だ。こいつらの知性で、一体何匹生きてここから出られるかな?) 「さっさとでていかないとこのまりさがせいさいをくだすよ!」 「おとーしゃんちゅよい!にんげんははやくでていかないといたいめにあうよ!」 もうこの食品フロアを我が物にしたつもりでいるようだ。 哀れな目で見られ、無視されていくゆっくり達だが、とうの本人達は恐れをなして逃げてる風に見えてるようだ。 「おとーしゃんのしょうりぃ!これでゆっくりできるね!」 「のこりのにんげんもとっととゆっくりでていってね!」 「あれ?あたしたちのあいのけっしょうがたりなくない?」 気がつくと子れいむと子まりさが果物コーナーに辿り付いていた。 「ゆっゆっ!ウメェ!ッパネェ!」 「むっちゃむっちゃ!マジパネェ!!メチャウメェ!!」 商品である果物を貪る子ゆっくり。涎を撒き散らしながら次々と商品を食いかけの汚物に変えてゆく。 「こら!君達!」 従業員が駆けつけ2匹の子ゆっくりを果物から引き離す。 それを見た親れいむは叫んだ。 「そのこをはなしなさい!はなさないとうちのまりさがいたいめにあわすよ!」 「おかーしゃんのいうとおりだよ!ゆっくりできないにんげんはゆっくりちね!」 「そうだよ!だからゆっくりおろしてね!」 言うやいなや、他の子ゆっくり達も野菜、おかし、飲料と次々に食い荒らしていく。 「むっちゃむっちゃ♪しあわちぇ~♪」 「ゆっくちあじわってね!きょうからここがあたちたちのおうちなんだから!」 4匹の子ゆっくりがエスカレーターに興味をしめしていた。 「うごいてるよ!のってみようよ!」 「しゅごい~!けしきがしたにゆっくりながれていくよ!」 「おしょらをとんでるみたい~♪」 「ちあわせ~♪」 ズブッ 鈍い音がした。 流れる景色を堪能するために後ろ向きに乗っていた子ゆっくり達。 そのまま2階に到着し、吸い込まれるエスカレーターの隙間に4匹とも挟まれたのだ。 「!!!い゛だあ゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!」 「な゛に゛ずるの゛お゛お゛ぉぉぉぉぉ!!」 「ごれじゃゆ゛っぐりできないよお゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「しぇっかくおしょらどんでだの゛に゛い゛い゛ぃぃ!!」 ズブズブと徐々に吸い込まれていく饅頭の皮。 とうとう餡子が破れた皮から飛び出し、口からは涎が流れる。 顔の、いや全身の4分の1が吸い取られていた。 だずげでぇと叫ぶ4匹の声に気付いた親れいむは親まりさに激怒した。 「あなだじぶんのごでじょお゛お゛お!なんでじっがりみでないの゛お゛!」 「これいむ゛とこまりざにぎをどられでだれいむ゛がいえるごどな゛の゛ぉぉぉ!?」 「なんでずっでえ゛!!じゃああのこ゛だぢをみずでろっでいうの゛お゛ぉぉぉ!?」 「ぞんなごどいっでないでじょう゛ぅ!ゆ゛っく゛り゛でぎないれいむはばかなの゛ぉぉ!?」 何故か夫婦喧嘩が始まった。 2匹の子れいむと子まりさは鷲掴みにされたまま従業員に持っていかれ、バックヤードでそのまま握り潰された。 「ぎゅっぎゅぅぅう゛!ごれじゃゆっぐりでぎなっあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「おかっおとぅ・・・しゃんっだっだずげっ・・・ぶべっ!!!!」 相変らずデパートの食品売り場の真っ只中で喧嘩してる親れいむと親まりさ。 たった今まで助けようとしていた2匹の子が、既に殺されている事に気付かず、怒りに身を任せて罵倒しあっている。 一方、エスカレーターに引き込まれそうになっている4匹の子ゆっくり達は、全身の5割を削られていた。 「た゛す゛け゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「い゛たいよ!いた゛いよ゛!おかあ゛しゃあ゛あん!おと゛おしゃああん゛ん゛!」 親2匹は怒りで頭が一杯でそれどころじゃない。 気がついたのは同じく食べ物を貪っていた他の子ゆっくりと赤ゆっくりが3匹ずつ。 6匹が力を合わせれば何とかなるかもしれない! 「まってて!いまたすけにいくよ!」 「ゆっくりまっててね!」 エスカレーターという未知の物体に身をあずける6匹。 すると3匹の赤ゆっくりが目を輝かせてはしゃぎ出す。 「しゅごぉい♪おしょらをとんでるみちゃーい☆」 「しゅごいゆっくちできるよ!」 景色が動くという感動にもう目的を忘れる赤ゆっくり。 餡子脳の少なさゆえ記憶力も乏しいようだ。 「そんなこといってるばあいじゃないよ!」 「ゆっくりはあとでしてね!」 「いまはいもうとたちをゆっくりたすけるんだよ!」 赤ゆっくり達を諭す子ゆっくり達。 しかし、間にあわなかった。 そうこうしているうちに、エスカレーターは上まで到着していたのだ。 「ゆ゛ぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「な゛ん゛な゛の゛ごれ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「こ゛ん゛な゛の゛ぜんぜんゆ゛っく゛り゛じゃな゛い゛よ゛お゛お゛お゛!!!」 エスカレーターの溝に吸い込まれ付着したゆっくり、計11匹。 大根おろしがおろされるようにミジミジと全身が削られていく。 最初の4匹は・・・既に4分の3が削られて、もうほとんど餡子も残っていない。 口の部分も削られ声を発することも出来ず、ただただ天井を見つめるだけの状態だ。 それでも餡子がある限り意識は保ちつづけ、痛覚も味わいつづけるのだ。 拷問と言う名のエスカレーターゆっくりおろし。 ゆっくり達を連れてきたお兄さんは一部始終を見て笑い転げていた。 親れいむと親まりさは噛みつき合い、即ち、ゆっくり種族でいうところの殺し合いにまで発展していた。 どこをどうすればデパートに連れてきただけで一家全滅の危機に陥ると言うのか。 まったくゆっくりって種は救い難いな。お兄さんは思った。 「ごみくずまりさはしね!」 れいむの噛みつき。しかしかわされた。 だがれいむの噛みつきはまりさの帽子に的中し、そのまま帽子を剥ぎ取った。 「な゛んでそ゛んなこ゛とする゛のおお゛お゛お!?ま゛り゛さ゛のぼうしい゛い゛い゛!!」 「きちがいまりさのぼうしなんてあるだけむだだよ!」 剥ぎ取った帽子をぽい捨てし、再びまりさに飛びつく。 噛みつきをするには、相手を正面に見据えて飛びつかなくてはならない。 まりさは体を少し傾けて飛ぶ事で、れいむの歯から死角になるように飛びつけた。 それが見事なカウンターとして決まり、あちこちの傷から餡子がぶびゅびゅっと飛び散る。 「こどもたちをみごろしにしたれいむはしね!しね!しね!」 「ゆ゛ぎゅっゆぎ!ゆ゛っげ!ゆ゛っげ!ゆ゛っぐぇ!!」 そのままれいむの上をとり、何度も跳ね上がっては踏みつけて、れいむの餡子を捻り出す。 歯や目玉、餡子といった内容物は全て吐き出され、親れいむは活動を停止した。 「はぁ・・・はぁ・・・れいむ・・・なんでこんなことに・・・」 つぶれた饅頭に囁くように問い掛ける。 「あのぼうし、ありすがかわいいっていってくれたのに・・・いってくれたのに・・・」 ふるふる震えだす親まりさ。 「こ゛れじゃあも゛うありすとゆっぐりでき゛な゛いよお゛お゛お!!どうし゛て゛く゛れるの゛お゛お゛お゛!!!」 呆れた奴だ。 この親まりさはありす種と浮気していたのだ。益々をもって卑しい生命体だ。 そこへお兄さん、極上の笑みで残された親まりさに歩み寄る。 「どうだい?デパートって楽しいだろう」 「ぜんぜんだのじぐないしゆ゛っく゛り゛でぎないよお゛お゛お!!」 デパートの従業員がエスカレーターではさまっていた子ゆっくりをこの場に持ってくる。 2匹しかいない。他は死んだようだ。 その2匹にしても、人間が饅頭をがぶっと噛むが如く、その身は半分しか残されていなかった。 あれでは跳ねる事も、喋る事もできないだろう。 ただ涎をたらしながら、痛みを永久に感じ続けるだけの生き地獄人生となったわけだ。 「飼い主様でいらっしゃいますか?」 「まさか、違いますよ。でも野良みたいですね。自分が森のほうに還しときますよ」 そっと2匹の子ゆっくりを受け取る。落としたりでもしたら餡子が飛び散って死んでしまう。 それではつまらない。こいつらには生涯、生き地獄を味わってもらうのだ。 2匹を親まりさに見せつけてみたがどうやら関心は帽子の事、ただ一点のみらしい。 親れいむとの子よりも自分の帽子の方が大切なのだ。いよいよをもって救い難い。 帽子やリボンをなくしたゆっくり達が、野良でどういう扱いを受けるか俺は知っている。 傷だらけのまりさと2匹の子ゆっくりを車にのせ、森へと向かう。 途中、傷から出る餡子の音が、ぶびゅっ、ぶびゅっ、と五月蝿かった。 イラついたお兄さんは親まりさをタワシで風呂のカビを落とすように、アスファルトにあてて力いっぱい上下した。 「ひ゛どいよ゛おおお゛お゛もうやめて゛えええゆ゛る゛し゛て゛え゛え゛え゛え゛えええ!!!!」 耳から後ろの後頭部を全て削ぎ落とし、帽子も燃やしておいた。 激痛で叫ぶ親まりさを餡子が落ちて死なないようにサランラップで巻いた。 ゆっくり達が多く生息する森へ、サランラップ巻にされた3匹のゆっくり達を還す。 誰からも助けられる事も無く、ある時は虐められ、ある時は雨に降られ、 同族から化け物扱いされて、最後まで残った親まりさも殺された。 親まりさを殺ったのはありす種だったが、まさか、ね。 まぁ、なんていうか、正直猛反省。 デパートなんかに連れて行ったら大惨事になる事くらい解ってたのに、やっちゃったなぁ。 でもゆっくり達を人の住む世界に放り込むのって楽しいなぁ。 奴らかってに自滅して死んでいくんだもん。一度見たら病みつきになっちゃうぜ・・・ 「おかーしゃん!きょうはいいてんきだね!」 「ゆっくりおさんぽ、しあわちぇ~♪」 「うふふ、こどもたちのえがおだけでおかあさんはしあわせだよ!」 そこに散歩中と思われるれいむ種の5匹家族が・・・ 今度はどこに連れて行こうかな。 このSSに感想を付ける 選択肢 投票 しあわせー! (749) それなりー (86) つぎにきたいするよ! (175) 名前 コメント すべてのコメントを見る ゆっくり家族は低知能だからしゃーないけど男はデパートの迷惑になるの理解してわざと連れてきたとかやばくね -- (名無しさん) 2023-06-12 15 28 40 デパートに迷惑がかかってるなあ -- (名無しさん) 2023-03-27 10 43 02 最高 -- (ガラクタ) 2022-08-15 00 56 42 エスカレータに巻き込まれたの11匹じゃなくて10匹じゃないのん -- (名無しさん) 2021-07-07 03 21 41 ゆっくりできたよ!つぎはきめぇ丸がでてきてほしいよ! -- (名もなき金バッチれいむ) 2021-01-13 16 02 10 ゆっくりが殺し合いをしたりエスカレーターでミンチになるような光景を見てゲラゲラ笑う男を飼い主扱いする従業員っておかしくね? 面白い作品だったけど -- (名無しさん) 2020-08-18 20 25 44 半分ぐらいエスカレーターで死んでんじゃねーか -- (名無しさん) 2020-08-11 21 17 21
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たまには普通に虐めてみる。 「ゆ~ゆゆ~♪」 森を歩いているとゆっくりれいむを見かけた。どうやらえさを集めているようだ 花やらバッタやらを口の中に収めている。 「ゆう!こんなところだね!ゆっくりかえろうね!!」 そんなことをいいながらぴょんぴょん跳ねて移動するれいむ。 独り言の多いやつだなぁ。 そんなことを考えながら俺はれいむの後をこっそりつけていった ああ、ちなみに俺は虐待お兄さん。鬼ってほどじゃないけど虐待は大好きさ。 たまにゆっくりを蹴っていじめるとすっきりするよね。 「ゆ!!ただいまだよ!!」 そんなことをいいながら巣の中に入っていくれいむ。きちんと入り口を木片や草で隠すのも忘れない。 巣は少し膨らんだ地形の地面を掘って作られていた。おそらく自分で掘ったのだろう。 雑草で少々分かりにくいように出来ており、なかなかよい巣であった。 ゆっくりは木の根元に作ることが多いのだが、このゆっくり一家はそういうわけではないようだ。 俺は位置を確認するといったん家へと帰っていった。 しばらくしてスコップを持って、また巣のところに戻ってくる。 こっそり入り口を少し開けて声を聞く。 「ゆっ、ゆゆっ」 「ゆぎぃ!」 「はんてい、れいむのかち!!」 「ゆ~、おねえちゃんつよい~」 どたばたとする音と騒ぐ声。どうやら相撲をやってるようだ。 全員いるようだが…ゆっくりという名前なのにゆっくりしてねえな、こいつら。 俺は近くの土を掘り、それをまず入り口にかけて固める。 完全に固まったのを確認すると巣の屋根に当たると思われる部分を軽く掘ってスコップで叩いた。 「ゆ、なんだかおかしいよ!!」 「なんだかやねがくずれてくるよ!!」 「やねさんゆっくりしてね!!」 「みんな!!きけんだからだっしゅつするよ!!おかあさんについてきてね!!」 下から声がする。俺が土を叩いているので崩れだしたようだ。しかしこいつら声でけえな。 声を確認しながら大体の巣の形を把握。騒ぎながら移動するので結構楽である。 どんどん 「ゆゆ!!いりぐちがあかないよ!!」 「どうじでー!!」 「このままじゃゆっくりできないよ!!」 入り口辺りで騒ぎ出すゆっくり達。そしてその上を掘ってさらに恐怖をあおる俺。 そろそろかな 俺は入り口辺りの屋根の部分と思しき所を思いっきり踏みつけた。 「ぶぎぃ」 「ゆ」 一気に崩れる土。声的に親れいむ辺りがつぶれた音か。他にも一匹つぶれたようだ。 「おがーざんがあああぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」 「おねーぢゃーーーーん!!!!!!!!!!!!」 その光景を見たのか叫ぶ子ゆっくり。よしよしいい感じだ。 「ここじゃあぶないよ!!さっきのへやにもどるーー!!」 「れいむももどるー!!」 「ゆっくりしたいよーー!!」 一気に崩れた光景をみたためか移動していく声。どうやら入り口から奥の部屋に戻ったようだ 普通なら掘り進んでも入り口にいるのが正しいのに…さすが餡子脳。 声が移動するのにあわせて地面を叩いて崩落させる俺。それほど厚くないので思ったより簡単だった。 「やめでーーーーー!!!!」 「やねさんゆっぐりじでね!!!!」 「ゆっぐりでぎないよ!!」 あるていど入り口を埋めた辺りでストップ。さすがに疲れた。 「ゆううう、やっとおさまったよ」 「やっとゆっくりできるよ」 「ゆっくりしようね」 どうやらゆっくりし始めた子ゆっくり達 さっき親が死んだのにもう忘れたのか しばらく休憩してからまた軽く屋根の部分を掘る。今度はゆっくりしてるからか子ゆっくりはきづいてないようだった。 だいぶ掘り進んだしこんなとこかな。 「せー…の!!」 ぼすんっ!! 『ゆびぃ!!』 思いっきり踏みつけると部屋の部分の屋根に当たるところが一気に大崩落を起こす その影響で全ての子ゆっくりが巻き込まれた。 「こりゃすげぇな」 崩壊した巣から這い出しながらそんな感想をもらす。 苦労して掘った巣がこうやって一気に壊されるとはゆっくりも思わなかっただろう。 「あー、でも結構重労働だったわりにはあんまり苦しめられなかったか…」 疲労感から近くの地面にねっころがる。 さすがに二度とやる気は起きそうになかった。 ~~~~~~ 思いついて一気に書き上げた作品です。 人間に従うゆっくりの群れネタを書いてたら、スレで協定話が盛り上がってたらしく それ関係のネタがたくさん出てきて結構かぶってしまうという状態に もう少し早く書き上げればよかった ゆっくりした結果がこれだよ!! 過去作品 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 このSSに感想を付ける
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「ゆっくり手品」 一週間ぶりに外に出ると、あまりの暑さに逆に清々しい気分になった。 頭がおかしくなる前兆なのか、それともそれとは別の意味でヤバイのか… どちらかわからないが、ずっと家に篭っているわけにもいかないので里に出て買い物を済ませることにした。 眩しい日差しに目を細めながら歩いていると、あるものが目についた。 店頭に並んでいるのは、真っ黒な箱が5つ。これだけでは一体何に使うのかわからない。 横のプレートに書いてある説明を読むと…どうやらこれで手品をするらしい。 どんな手品が出来るのか、値段はいくらなのか、そんなことが書いてあった。 …ふむふむ、なるほど、把握した。 面白いことを思いついたので、購入を即決。他の買い物も済ませて帰路についた。 荷物を家の中に置いて、僕は籠を担いで再び外に出る。 先ほどの黒い箱をつかった手品…僕なりにアレンジした手品には、ゆっくりの親子が必要だ。 それも、子供が5匹以上いる事が望ましい。 しばらく草原を歩いていると、木陰で昼寝しているゆっくり一家を発見した。 両親であるれいむとまりさ。そして生まれてから2週間程度と思われる赤ちゃんのれいむとまりさが5匹ずつ。 合計12匹の家族だ。僕の手品には最適のゆっくり一家だ。早速連れて帰ることにしよう。 背負っていた籠を静かに下ろすと、未だ眠っているゆっくり一家を一匹ずつ籠に収めていく。 もちろん起こさないように注意深く、だ。起こしてしまったとしても、逃げられる前に籠に投げ込めば済む話なのだが。 そういった具合に12匹全員を捕獲し終え、蓋をして開かないように紐で結んで固定する。 もうここまでくれば、こいつらを起こさないように、などと遠慮する必要はない。 ウキウキ気分の僕はスキップしながら家路を急ぐ。 「ゆ!?ここはどこ!?まっくらでゆっくりできないよ!!」 これだけの衝撃を与えれば、鈍感なゆっくりでもさすがに目を覚ます。 自分の置かれた状況を把握できていない12匹のゆっくりは、口々に不安を漏らした。 「どうしてまっくらなの!!?」「ゆっくちできないよぉ!!」 「ここからだして!!おうちかえる!!」 そんな悲鳴に心を躍らせながら、僕は籠をもっと揺らしてやった。 家に着くと、僕は籠の蓋を開けて蹴り倒した。 籠の口から流れ出るように、12匹のゆっくり一家が飛び出してくる。 「ゆぎゅ!?ここはどこ?ゆっくりできるばしょ?」 「ゆ!おにーさん!!こんなところにとじこめたのはおにーさんだね!!」 「そんなことするおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 どうやら僕が真っ暗な籠の中に閉じ込めたってことは把握しているらしい。 ゆっくりにしては、それなりに知能はあるようだ。 「へぇー…君達はゆっくりできないんだぁ…ダメだね!お兄さんは君達よりずぅーっとゆっくりできてるよ!」 この言葉に真っ先に反応したのは、母まりさだった。どうやら負けず嫌いな性格らしい。 それを見た他のゆっくりも、抗議の声を上げる。 「ゆ!!そんなことないよ!!まりさのほうがゆっくりできてるよ!!」 「そうだよ!!れいむたちのほうがゆっくちできゆよ!!」 「あ、そう。それじゃさっきの真っ暗なところでもゆっくり出来たでしょ?」 「むゆ!?ゆ…そ、そうだよ!!ゆっくりできてたよ!!」 そして、嘘をつくのが下手らしいこともわかった。 「ふーん、それじゃあもう一度このゆっくり出来る籠の中に入るかい?」 「ゆっ!!やだよ!!はいりたくないよ!!」 「どうして?君はとてもゆっくり出来るものだから、ここでもゆっくり出来るんだろう?ほら、入りなよ!」 「ゆぎゅぎゅ……!!」 下唇を噛みながら唸っている親まりさ。悔しそうに顔を真っ赤にしている。 このまま放っておくと中の餡子が爆発しそうなので、話題を変えることにしよう。 「ま、そんなことはどうでもいいんだけどさ」 僕は籠を退けて、ゆっくり一家の目の前に先ほどの真っ黒な5つの箱を並べた。 ツヤのある材質でできているそれは、妖しく光を反射している。 「ゆ?これはなあに?ゆっくりできるもの?」 「それよりおなかすいたよ!!おにーさん!!はやくごはんをもってきてね!!」 「ゆっきゅりおなかすいたよ!!」「ゆっくちおなかすいた!!」 「あかちゃんたちにもごはんをあげてね!!そしたらおにーさんもゆっくりさせてあげるよ!!」 素人ならここでブチ切れて、怒りのままにブチ撒けるのだろうが…僕はニコニコしながら黒い箱を叩いた。 「ま、君達みたいな出来の悪いゆっくりには、“手品”を見ながらゆっくりするなんてできないんだろうなぁ」 “手品”という耳慣れない言葉に逸早く反応したのは、母れいむだった。 「ゆゆ゛!!れいむたちはとてもゆっくりできるよ!!だからさっさとてじなをみせてね!!」 「ゆっくちみせてね!!」「まりさもみたいよ!!」 「いいよ、きっと皆ビックリするに違いないよ」 「びっくりしないよ!!れいむたちはずっとゆっくりしてるよ!!」 「まりさたちはとてもゆっくりしてるよ!!だからびっくりしないんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 どうやらこいつらにとって、『びっくり』は『ゆっくり』に反するものらしい。 それはともかく、手品を実行する前準備は整ったので、本準備に取り掛かることにする。 「よし、じゃあ見せてあげよう!準備をするから、黒い帽子をかぶった小さい子はこっちに来てね!」 「ゆ!!ゆっくりいくよ!!」「ゆっきゅりてじな!!」 赤ちゃんまりさを呼び寄せようとすると、当然と言うべきか、両親から抗議の声が上がった。 「あかちゃんたちをどこにつれていくの!?ゆっくりつれてかないでね!!」 「あかちゃんたちにひどいことするきだね!!そんなわるいおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 うーん、なかなかの知能だな。ま、所詮ゆっくりだからうまく言いくるめれば問題はない。 「あれぇ、そういうこと言って手品の邪魔をするってことは…君達はやっぱりゆっくり出来ない子なのかな!?」 「ゆぎゅ…ゆ、ゆっくりできるよ!!ばかにしないでね!!」 「だかられいむたちのあかちゃんをさっさとつれていってね!!」 ご両親の承諾を得たので、めでたく5匹の赤ちゃんまりさを確保。 そのうち、一匹は…両親のもとに返してあげる。 「ゆ!れいみゅもじゅんびしゅるよ!!ゆっくりつれていってね!!」 「君はいいんだよ。お兄さんは準備するから、君はお母さん達とゆっくり待っててね!」 「みゅ!わかったよ!!ゆっくりまってるね!!」 僕は残りの4匹を別の部屋に連れて行く。 さぁ…これから、死ぬほどビックリさせてやるぞ。 「さぁ集まって集まって!!手品を始めるよー!!」 「ゆー!!」「てじなてじな!!」「ゆっくりてじなをみせてね!!」 餓鬼を集めて紙芝居をするおじさんのように、僕はゆっくり一家を箱の前に集合させた。 横一列に並んだ黒い5つの箱とは別に、皿の上に乗った4つの饅頭と空の皿一枚を用意して、同様に横一列に並べる。 「さっきのあかちゃんたちはどこにいったの?ゆっくりせつめいしてね!!」 「あの子たちには別の手品の準備を手伝ってもらってるよ。邪魔しないであげてね」 「ゆ!!ゆっくりりかいしたよ!!」 母まりさは、未だ警戒心を解いていないのか…事あるごとに子供の安全を確認している。 だが、口先での安全確認などはっきり言って無意味だ。これからそれを理解させてあげよう。 「さて、さっきの黒い帽子の子、ちょっとこっちに来てくれるかな」 「ゆ!まりしゃもてつだうの?」 「そうだよ。とりあえず、このお皿の上に乗ってね」 ぴょんぴょんと、嬉しそうに跳ねて赤ちゃんまりさは皿の上に乗った。 それを確認して、僕は一家の注目を促す。 「それじゃあ説明するよ!これから4個の饅頭とこの赤ちゃんを黒い箱の中に隠します。 そして、箱の並び順をどんどん入れ替えていきます。 最後にお母さんまりさに、赤ちゃんがどの箱に入ってるか当ててもらいます。 赤ちゃんが入った箱を当てられたら、みんなの勝ちです。ゆっくり理解したかな?」 「ゆ!!わかったよ!!おかーさんにまかせてね!!」 「おかーしゃんがんばりぇ!!」「まりさ!!がんばってあかちゃんをみつけてね!!」 やる気になってもらったところで、僕は黒い箱に饅頭と赤ちゃんまりさを収め始めた。 「中は暗いけど、少しの間我慢してね」 「がまんしゅるよ!!まりしゃはつよいこだもん!!」 そんな声も箱の中へ消え、準備は整った。 今、赤ちゃんまりさは5つの黒い箱のうち、真ん中の箱に入っている。 「ゆ!あかちゃんはまんなかのはこにいるね!!」 「そうだね。それじゃあ箱の位置を入れ替えるから、しっかり見ててね。まずは練習だから、簡単にしてあげるよ」 僕は箱の位置をシャッフルし始めた。もちろん、ゆっくりの動体視力で追いつける速さである。 僕自身も赤ちゃんまりさの位置を把握しながら、十数回箱の位置を入れ替えて… 「はい!それじゃあお母さんまりさは、赤ちゃんがどの箱に隠れてるか当ててね」 「ゆゆ!!あかちゃんはこのはこのなかにいるよ!!」 母まりさは迷わず、僕から見て右から二番目の箱に飛びついた。 箱の蓋を開けると……その中には、赤ちゃんまりさが入っていた。 「おお、すごいね!当たりだよ!」 赤ちゃんまりさは箱から解放されるや否や、母まりさに飛びついて頬ずりする。 母まりさもそれに応えるように身体を動かしている。愛情の証なのだろうか。気持ち悪い。 「えっへん!!こんなのかんたんだよ!!もっとむずかしくてもだいじょうぶだよ!!」 「まりさすごい!!さすがれいむのゆっくりぱーとなーだね!!」 「おかーしゃんすごい!!」「おかーさんしゅごい!!」 だが、これだけでは手品とは言えない。これから…本物の手品を見せてやることにしよう。 「練習は終わりにしよう。これから本番を始めるから、赤ちゃんまりさはもう一度箱の中に入ってね」 「ゆ!またおかーしゃんがゆっくりみつけてくれゆよ!!」 自分の母を信頼しきっている赤ちゃんまりさ。 残念ながら、これから君が無事に助かるかどうかは…完全に運次第なんだよ。 「まりさはもっと難しいのがいいか…わかったよ、じゃあこうしよう」 饅頭と赤ちゃんまりさを箱に収め終えた僕は、5つの箱を隠すように黒い敷居を立てた。 その動作を見た瞬間、母まりさの顔から自信が失われていくのが手に取るようにわかった。 「こうすると箱を入れ替える動きが見えないから、すごく難しいね」 「こんなのむずかしすぎるよ!!おにーさん!!ゆっくりそのくろいのをどけてね!!」 「あれぇ?まりさは難しくても大丈夫なんじゃないの?やっぱりさっきみたいに、すっっっっごく簡単なほうがいいの?」 「ゆぐ!!そんなことないよ!!まりさはむずかしくてもだいじょうぶだよ!!」 「そうだよねぇ。だったらこの黒い板を退けなくても大丈夫だよね!」 相当プライドの高いやつだな、こいつは。 そのおかげで交渉がスムーズに進むので、とても助かる。 「わかったらさっさとはじめてね!!まりさがかんたんにあててあげるよ!!」 「おかーしゃんがんばれぇ!!」「おかーさんがんばっちぇ!!」 「始める前にもうひとつ、手品を面白くするために…」 僕はフライパンと携帯用のガスコンロを用意して、一家の目の前に置く。 「まりさがもし赤ちゃんを見つける事が出来たら、それ以外はただの饅頭ってことかな?」 「そうだよ!!あたりまえでしょ!!かんがえなくてもわかるよ!!」 「だったら、僕はまりさが選んだ箱以外の箱に入ってるものを、このフライパンで焼くことにするよ。 美味しい焼き饅頭を作ろう。完成したら皆に食べさせてあげる。 でも、もしまりさが間違えたら……赤ちゃんがフライパンで焼かれることになっちゃうんだけどね」 僕の物騒な発言に、一家の顔が一瞬で青ざめた。 「ゆ!そんなことしないでね!!あかちゃんがかわいそうだよ!!」「ゆっきゅりやめてね!!」 「そうだよねぇ。かわいそうだよねぇ。だから、まりさがちゃんと赤ちゃんが入ってる箱を当てればいいんだ。 そうすれば赤ちゃんは焼かれずに済む…簡単なことだよね、まりさ?」 「ゆゆ…か、かんたんだよ!!まりさにかかれば、こんなのかんたんにあてられるよ!! まりさはあかちゃんのいばしょをあてるから、ほかのまんじゅうはやいちゃってもいいよ!!」 まったく根拠のない自信である。 子供の命より自分の意地を優先するようでは…母親として失格だぞ? 「わかった。じゃあ始めるから…ちょっと待っててね」 僕は箱を適当にシャッフルする。 「ゆむむ…!」 「ゆゆ…おかーしゃんがんばれ!!」 「まりさ!!あかちゃんをたすけてあげてね!!」 透視するつもりなのか、黒い敷居を穴が開くほど見つめている母まりさ。そんなことをしても無駄だというのに… 箱をシャッフルした後、もうひとつある動作を加えて…僕は敷居を取り除いた。 「はい!今度は難しいよ!赤ちゃんがどの箱の中にいるか…ゆっくり当ててね! 正解しないと赤ちゃんが焼かれちゃうから、絶対に当てないとね!」 ここからが本番である。さぁゆっくりども…“死ぬほど”びっくりさせてやるから、覚悟しておけ。 「ゆぐぐ…どこにいるの?あかちゃんはどこにいるの!?」 先ほどと違って、僕以外は箱がシャッフルされる様子を見ていない。これだ、と確信を持って箱を指し示すことなど不可能だ。 さらに、もし間違えれば赤ちゃんが焼かれる、というペナルティ付。赤ちゃんの命が懸かっている。 適当に選んで、ハイ間違いでしたー、では済まされないのだ。 「ゆっぐりぃ!!あかちゃんどこお゛お゛お゛ぉぉぉ!?わからないよおお゛お゛ぉぉぉ!!……ゆゆ?」 完全な運任せ…と思いきや、何かを思いついた母まりさは大声で叫んだ。 「はこのなかのあかちゃん!!おかーさんのこえがきこえたら、おもいっきりはねてね!!」 すると… ガタッ 僕から見て一番右の箱が、一瞬だが振動した。 その一瞬を、母まりさは見逃さなかった。迷わずその箱に飛びついて、ケラケラ笑いながら宣言する。 「げらげら!!まりさのかちだね!!こうすればぜったいにあかちゃんのばしょがわかるよ!!」 「なるほどぉ…その手で来たか、まいったなぁ」 「これであかちゃんはやかれずにすむね!!ゆっくりしないであかちゃんをだしてあげてね!!」 「はいはい、今出すよ…」 僕は母まりさが選んだ箱の中から赤ちゃんまりさを取り出すと、母まりさのほうへ放ってやった。 子供の命を救うことに成功した母まりさは、いつも以上に赤ちゃんまりさに頬ずりして愛情を表現する。 一方赤ちゃんまりさは、どうして自分がここにいるのかわからないようだ。 きょろきょろ周りを見回しても、その疑問は解消されそうにない。 「まけいぬおにーさんは、さっさとのこりのまんじゅうをやいてね!!」 「そしてれいむたちにゆっくりたべさせてね!!」 「ゆっくちまんじゅう!!」「まんじゅうちょーだい!!」 勝ち誇る一家は、赤ちゃんまりさの様子に気づいていない。 そりゃそうだろうな…… その赤ちゃんまりさが、さっき箱に収めた赤ちゃんとは別物だってことにも気づかないんだから… 「そうだね、お兄さんは負けたから…残りの“4匹”は焼くことにするよ」 「さっさとやいてね!!さっさと………ゆ?」 僕は残りの4つの箱を開けて、その中身を手に取る。 箱の中から出てきたのは… 「ゆ!!ここはどこ!?」「くらくてゆっくちできなかったよ!!」 「おにーさんはまりさたちにゆっくちあやまってね!!」「あやまったらゆっきゅりさせてあげるよ!!」 なんと、4匹の赤ちゃんまりさだった。 「すごい!!さっきまでおまんじゅうだったのに!!あかちゃんにかわってるよ!!」 「ゆゆゆ!!おにーさんすごいね!!でもさっさとあかちゃんをはなしてあげてね!!」 先ほどまでは確かに4つの箱には饅頭が入っていた。しかし、今出てきたのは赤ちゃんまりさだ。 さすがの餡子脳でもこの不思議さは理解できるようだ。手品は成功である。 「さあ、美味しい焼き饅頭を作っちゃうぞ~!」 僕は“ただの饅頭”4つを、十分に加熱されたフライパンの上に放った。 「いっぎゃあかかかけrgりげ!!!」 「あづいあづいあづいいだいいぢあいいああいあいあ゛あ゛あ゛!!!!」 精一杯跳びはねて脱出しようとするが、赤ちゃんゆっくりの跳躍力で脱出できるほどこのフライパンは小さくない。 「ゆっ…ゆぎゃああぁぁぁぁぁあぁあ!!!がえじで!!まりざのあがぢゃんがえじでえぇぇぇぇえ!!!」 「れいむのあがぢゃんになんでごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛おぉぉぉぉぉ!!!!」 何が起こっているのか即座に理解した母まりさと母れいむは、一目散にフライパンへと向かう。 だがフライパンの放つ熱気に怖気づいたのか、一定の距離をおいて立ち止まってしまった。 「おにいさん゛!!さっざとまでぃざのあがたんがえじえええぇぇえ!!!」 「え?それは無理だよ。だって、君はこいつらの入ってる箱を選ばなかったじゃないか。 それってつまり、こいつらはただの饅頭であって、君の赤ちゃんじゃないって事だろ?」 母まりさは、無駄に知能があるせいか論理的に攻められると反撃できないようだ。 すると今度は、無知で無能な母れいむの出番である。 「ゆ゛!!ぞんなごどばいいがら!!ざっざどあがぢゃんだじげでおおおおおぉぉぉ!!!!」 「でもこれはルールだから。そんなに助けたかったら、お母さんがフライパンに飛び込めばいいじゃないか。 それとも何?フライパンに飛び込まないってことは、助けたいって言うのは口だけなの?口先だけなの?え?どうなの?」 「ゆぐぐぐ…ゆ!こうなったのはまりさのせいだから、まりさがたすけにいけばいいよ!!」 「ゆぶ!?どうじで!!れいむだっでおがーざんでしょ!?れいぶもだじゅげでよ゛!!」 パートナーのご指名である。うろたえるまりさ。震えながらまりさをぐいぐいと押すれいむ。 どうやら赤ちゃんを助けたいというのは口先だけで、本当は2匹とも自分の身の安全が第一らしい。 「までぃざがあかちゃんのはこをえらばないからこうなっだんだぼ!!ゆっぐりぜぎにんどっでね゛っ!!」 「どうじでぞんなごどいうぶぎゅえっ!!?」 言いたいことを言い終える前に、まりさはれいむに弾き飛ばされてしまった。 着地点は…もちろん、フライパンのど真ん中である。 「あんぎゃあ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁあ゛ぁあ゛ぁあ゛ぁ゛あ゛!!!!!!」 「お、おがじゃん!!だじゅげでえぇええぇぇぇぇぇえぇ!!!!」 「あぢゅぐでじんじゃうよおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」 ジューッといい音をたてて焼けていく母まりさと赤ちゃんまりさ4匹。 「どぼじでだずげでぐでないの゛!?」「どぼじでええぇぇぇぇ!!!」 「みでないでだじゅげでおおおおぉぉぉぉ!!!」 「あんびゃあおあろぎあじぇろgじゃえおりgjぽあえいrgぱ!!!!」 「ゆ…ゆっくりがんばってでてきてね゛!!」 子供たちの叫びに、母れいむはただ見つめているだけだ。 自ら助けに行こうとしない。それは残された子供を守るために自分がいなくなってはいけないという高尚な判断なのか… それとも、自分が母まりさや赤ちゃんまりさのようになりたくないだけなのか……たぶん後者だろうな。 「あ…ばば…だじゅ…げで……!」 「じ、じに……だぐ……だいびょ…!!」 「うーん、良い匂い♪」 そんなことをしているうちに、まりさ計5匹の底面がこんがり焼きあがった。あまりの激痛に全員気絶している。 これ以上焼くと命に関わる。今回はこの辺で勘弁してやろう。 広く知られているように、ゆっくりは底面の組織をやられると自力で跳ね回る事が出来ない。 こいつらは、後で自然に放って観察してやろう。面白いことになりそうだから。 香ばしい匂いを放つゆっくりを、僕は袋につめて適当に押入れに放り込んでおいた。 「おにーさんとはゆっくりできないよ!!れいむたちはおうちかえるね!!」 「ゆっくちかえるよ!!」「ゆっきゅりかえるにょ!!」 残っているのは、母れいむと子れいむ5匹に子まりさ1匹である。 あんなことを言っているが無視していいだろう。どうせ自力でドアを開けられないのだから。 それより…僕は、知能の低いゆっくりに対して試したい事がひとつある。今回、それを試してみようと思う。 「へぇー、家族を放っておいて帰っちゃうの?酷いねぇ…全然ゆっくり出来ない人だねぇ…」 底面が完全に焦げているまりさたちを指差して、くすくす笑いながら問いかける。 ゆっくりには“自分は一番ゆっくりしてる”というプライドがあるので、すぐに突っかかってくる。 「ゆぐぐ!!れいむはゆっくりしてるよ!!しつれいなこといわないでね!!」 「ふぅ…はいはいわかったよ。そんなにゆっくりしてるなら一人で帰れば?子供たちはお兄さんが食べちゃうから」 僕は適当に赤ちゃんれいむを掴みあげると、口の中に放り込もうとする。 本当に食べるつもりはないのだが、こうでもしないと必死になってくれないだろうから。 「れいむはたでものじゃないよぉ!!ゆっくちだべないでええぇええぇぇ!!!」 「おにーさん!!あかちゃんをはなしてね!!ゆっくりたすけてあげてね!!」 ぽよんぽよんと、体当たりしてくる母れいむ。もちろん痛くない。むしろ気持ちいい。 そんな母れいむの頭を僕はむんずと掴んで、ぐっと握り締める。 「あ?『はなしてね』?『たすけてあげてね』?…言葉遣いに気をつけろよ」 「いだだだだ!!!いだいだいだいだいだいだいだいだいだいいいいぃぃぃ!!!!」 「『放してあげてください』『助けてください』だろ?言ってごらん」 「ゆびゃああぁぁぁぁあぁ!!!たずげでぐだざいいいぃぃぃい!!!! れいぶのあがだんんん!!!!はなじであべでぐだだいいいいいぃぃぃぃ!!!!」 もう発音が滅茶苦茶で半分聞き取れないが、それらしいことは言ってるので助けてやろう。 このれいむは無知で無能だと思っていたんだが、やれば出来る子じゃないか。 「よしわかった。でもひとつだけ条件がある」 僕は手に持っていた赤ちゃんれいむを放してやる。 解放された赤ちゃんれいむは、他の赤ちゃんゆっくりたちと同じように部屋の隅に跳ねていってガクガク震え始めた。 「お前、子供を全員食べろ。そしたら子供たちは助けてあげよう」 「……ゆ?」 僕の言葉を、ゆっくりと理解していく。 部屋の隅にいる自分の子供と、僕の顔とを…何度も何度も見比べて。 「もう一度言う。子供を全員食べろ。そしたら子供たちは助けてやる」 「……ゆゆゆ?ほんとう?あかちゃんたべたらあかちゃんをたすけてくれるの!?」 「本当だ。お兄さんは嘘をつかないよ」 …母れいむの視線が一箇所に定まった。 もちろん、その視線の先にいるのは…6匹の赤ちゃんゆっくりである。 「……ゆ!!ゆっくりたべるよ!!あかちゃんたべてあかちゃんをたすけるよ!!」 その動きに迷いはなかった。そして、やはり無知で無能だった。 『赤ちゃんを助けるために、赤ちゃんを全員食べる』…なんら矛盾を感じないとは、正直言って驚きである。 「おかーしゃん!!ごわかっだぶゆぎゅうううぅぅぅ!!!だだだだべべべべべなななないいでええぇぇぇえ!!!??」 一匹目の犠牲者は赤ちゃんれいむ。 母れいむと一緒にゆっくりしようとして飛びついたところを、ガブリと噛み付かれてしまった。 「むーしゃむーしゃ…みんながまんしてね!!おかーさんがたすけてあげるからね!!」 「おがーしゃんだべないでえ゛え゛え゛ぇぇえ゛ぇぇぇえ゛!!!」 「れいむだぢはだべものじゃないよお゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉ!!!!」 逃げ惑う子供たちと、それを追いかける母れいむ。子供たちは命が懸かっているので必死に逃げる。 しかし、どんなに必死になったところで、その体格差は覆せない。 「ゆがあああああああぁぁぁぁ!!!やべ…ぶびゅっ!!!」 「がまんしてね!!みんなをたべればみんなたすかるんだよ!!!」 「いぎゃあああぁぁあぁ!!!ゆっぐでぃでびば…ぶへっ!?!?」 「どぼぢで…どぼぢでごんにゃごどずるぶゆえ゛!!??」 母れいむの食事が終わったのは、それから5分後だった。 口の周りを餡子で汚した母れいむが、僕のもとに駆け寄ってきて宣言する。 「やくそくだよ!!こどもたちをぜんいんたべたから、こどもたちをたすけてあげてね!!」 「うん、いいよ」 ……… 数秒の静寂。僕はニコニコしながら、母れいむの顔を見つめる。 「…なにしてるの!!さっさとあかちゃんをたすけてあげてね!!やくそくしたよ!!」 「うん、だからいいよって言ってるでしょ」 晴れやかな顔になった母れいむは、僕が子供を助けるのを待っている。 しかし、動こうとしない僕を見て母れいむは顔を真っ赤にして激怒した。 「…いいかげんにしてよね!!ゆっくりあかちゃんたすけてくれないとおこるよ!!」 「うん、だからさっさと赤ちゃん連れて帰ってよ」 僕は玄関の扉を開け放って、母れいむに呼びかけた。 「ほら、助けてやるって約束だもん。どうぞ連れて帰ってくださいよ。そこにいたでしょ?君の子供」 「ゆ?なにいってるの!!あかちゃんはここにいないよ!!ゆっくりみればわかるでしょ!!」 「そうだね。じゃあ君の赤ちゃんはどこに行っちゃったの?」 これだけ言っても、まだわからないのだろうか。 僕の提示した条件、自分のしたこと、そして…その結果。僅か数分前の出来事だというのに… 「君は…さっきまで“何を”食べてたんだっけ?」 母れいむの口についた餡子を指でとって、じっくりと見せ付ける。 「君は…赤ちゃんを助けるために“何を”食べてたんだっけ?」 「ゆ…ゆゆゆ…!?」 その餡子を口の中に突っ込んで、無理やり飲み込ませる。 「君は…“何を”助けるために赤ちゃんを食べてたんだっけ?」 「ゆびあやあやあいあいあおあお゛あお゛あお゛あお゛あ゛あ゛おあおあ゛おあお゛あお゛あ゛あお゛!!!???」 全てを理解した母れいむは、狂ったように跳びはねて壁に体当たりする。 「そうそう!赤ちゃんは君のお腹の中にいるからね!ゆっくり助けてあげてね!!」 「ゆぎゃあぁあぁぁああぁぁ!!!どうじでどうぢせどうじじぇああぁぁぁああぁぁ!!!!」 「ふふふ!急いで吐き出せばまだ間に合うかもしれないね!!」 おそらく間に合わないだろう。既に母れいむの餡子と混じってしまったに違いない。 だが、そんなことも分からない母れいむは何とか子供を助け出そうと自分の身体を痛めつける。 「ゆぶ!!ゆべべべべべえええぇえっぇぇえぇ!!!」 口から吐き出すのは、餡子ばかり。赤ちゃんゆっくりは一匹も出てこない。 母れいむは餡子の山を崩して必死に子供を探すが、やはりそれらしい姿は見つからなかった。 「どうしでぇえぇぇえ!!!どうしでででごないのおおおぉぉぉぉ!!!??」 「そりゃあ、君が美味しそうに食べちまったからな。むーしゃむーしゃしあわせー♪って」 「ぐぎゃああぁぁっぁあぁ!!!あがだんででぎでええぇぇぇぇえええ!!もうだべだりじないがらああぁぁぁあ!!!」 何度も何度も、身体の皮が破れても壁への体当たりを止めない母れいむ。 無知で無能なこいつも、母性だけは一人前のようだ。 「ゆぶえ!!ゆべべべべ…!!」 体力も尽きかけていた頃、母れいむの口からあるものが出てきた。 それは…赤ちゃんれいむのリボン。そして、赤ちゃんまりさの帽子だった。 餡子化に時間のかかる髪飾りだけが、餡子にならずに体内に残っていたのだ。 「おー、飾りだけは無事だったみたいだな。どうする?これだけ持って帰る?」 くすくす笑いながら問いかける。 母れいむは、もう理解したようだった。自分の身体の中に、もう赤ちゃん達は残っていないということを。 口から出てきたこの髪飾りが、何よりの証拠である。 「ゆ゛…あがぢゃん゛…どうしで…?」 そして、母れいむは理解したようだった。 …自分が、二度とゆっくりできないということを。 「ゆっがあああぁぁぁあぁぇぇぁぁぁぁぁあゆッぐりじねえああぁあぁぁぁぁぁぁあ!!!!」 狂った母れいむは、今までにない叫びを上げながら暴れ始めた。 壁に体当たり、花瓶に体当たり、本棚に体当たり。それでも狂気は止まらない。 そして、血走った目で僕を見つけた母れいむは… 「ゆっぐでぃじねえ゛え゛え゛ぇぇぇえ゛ぇえ゛ぁああ゛あぁぁぁ゛!!!!」 ゆっくりとは思えないスピード、ゆっくりとは思えない跳躍力で僕に飛びつき…左腕に噛み付いた。 痛みはない。ゆっくりの力など、たかが知れている。 「っしねぇ!!じねええぇぇ!!!ゆっぐりじねえ゛え゛ええ゛ぇぇぇぇぇええ゛え゛ぇ!!!ぶぎゅえっ!?」 母れいむを左腕から引き剥がす。そして… 「…もう、お前はいらない」 口に腕をねじ込んで、背中の皮を掴んでぐいっと一回転。 背中の皮や餡子が口から出てきて、代わりに顔面や毛髪が口の中に吸い込まれていく。 「あびゃばyばyばあおあおあおあおえろpgかえぽrgこあけpご……!!??」 “裏返し”になった母れいむは、ぼとぼとと中身の餡子を全て床の上に撒き散らし…皮だけとなって絶命した。 その餡子の山をスプーンでかき回すと、残っていた髪飾りが出てきた。 さっきの分も合わせると、合計で6つ。食われた赤ちゃんゆっくりの数と一致する。 「あーあ…かわいそうに。お母さんがバカだったせいで…」 そんな同情の声も、赤ちゃんゆっくりにはもう届かない。 僕は餡子を一口だけ味見すると、散らかった部屋を片付け始めた。 「さて!」 餡子の山を始末し終えて、押入れを開く。 底面の焼け焦げたまりさたちが入った袋を担いで、僕はもう一仕事始めることにした。 「お前らには、お兄さんが直々に自然の厳しさを教えてやるぞ!!」 袋の中のゆっくりまりさたちの震えが、しっかりと伝わってくる。 きっとこいつらなら、もっと面白いものを見せてくれるに違いない… そう確信して、僕はゆっくりの生息地である草原へと向かった。 (終) あとがき スレに自分が書き込んだネタと、他の人が書いたネタも使わせてもらいました。 ちなみに、お兄さんの手品はタネのない手品です。 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける