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ゆっくり一家とゲスとお兄さん 11KB 虐待-普通 制裁 愛で 野良ゆ ゲス 自然界 現代 虐待人間 愛護人間 初投稿 ゆっくり一家とゲスとお兄さん 1. 晴れ渡る空の下、長閑な堤防沿いを一台の自転車が走っていた。 乗っているのは小さなリュックを背負った若い男性である。 彼はサイクリングを趣味としており、今日は遠出をしていた。 (さて、と。もうそろそろお昼にでもしようかな) ちょっとした橋に差し掛かるあたりで男は自転車を止めた。 自転車を降り、土手に腰をかけリュックを降ろし中からおにぎりを取り出した。 (これが楽しみなんだよな) 男はそう思いつつ、おにぎりを口に運ぼうとした瞬間、視線を感じた。 周りを見渡してみるが誰もいない。 妙に思いつつ首を傾げて、再度おにぎり口に運ぼうとした時、静かな空間に一声が響いた。 「おちびちゃん!にんげんさんにはちかづいちゃだめだよ!」 男が声のした方向を見ると一匹の成体れいむが確認できた。 見るとお飾りはボロボロで片眼が無いようであった。 そしてその視線の先には男の持つおにぎりを見つめる子まりさがいた。 「ゆ?これがにんげんしゃんなのじぇ?」 「そうだよ!にんげんさんはゆっくりできないからちかづいちゃだめだよ!」 男はこの成体れいむは過去に人間に色々とやられたらしいということを察知した。 自分は別に虐待には興味がないが、怪物のように言われているのが不満に思った。 「いや、別に俺は手を出したりしないから…」 男はゆっくりごときに話しをするのも馬鹿らしいとも思ったが、 一人きりのサイクリングは退屈であったので暇つぶしにと話しかけた。 「しんじられないよ!にんげんさんのことばをしんじてちかづいたら、れいむのおめめさんをかたほうとっちゃったんだよ!」 「にんげんしゃんきょわいのじぇぇぇ!」 静かであった川辺がいきなりうるさくなり、長閑な雰囲気が台無しとなった。 男は面倒くさくなったのである手段に出た。 「あー…じゃあこれやるよ。だから騒ぐな」 男はおにぎりを子まりさの前に置いた。 「ゆ?」 首を傾げるように子まりさは傾いた。 成体れいむはよほど酷い目にあったのだろうか、さらに言葉を続けた。 「たべちゃだめだよ!どくがはいってるかもしれないよ!」 男はイラッとしたが、残りのおにぎりを食べはじめた。 食べる姿を見れば安心するだろうという考えだ。 「おかーしゃん、まりさこれたべたいのじぇ…」 「ゆぅ…じゃあおかーさんがどくみをするからまっててね」 (毒味だなんて言葉どこで覚えるんだろうなぁ…) 成体れいむはおにぎりをほんの一口食べた。 「むーちゃむーちゃ……しあわせー!」 一つ間をおいての「しあわせ」であった。 そうと分かればお握りの消費は早く、子まりさと成体れいむの二匹ですぐに食べてしまった。 「ごちそうさま!おいしかったよ、ありがとうおにーさん!」 「ありがちょうね!」 「はいはい」 野良には珍しくしっかりと感謝ができていることに男は少し興味を持ち、この二匹と話をした。 話によると、この成体れいむは元飼いゆのまりさと番になっているらしい。 いわゆる虐待鬼威惨に虐待され、瀕死で放置されていたところを助けてもらっただとかで、のろけ話が間に挟まれた。 そして橋のたもとに巣を作って、そこで子まりさが産んだらしい。 ゆっくりの話す言葉を上手く解釈すれば大体こんな感じになるだろう。 「へぇ、なかなか大変だったんだな」 「まりさがすごいからだよ!まりさがいなかったられいむはしんでたよ!」 「おとーしゃんはしゅごいんだじぇー!」 二匹は興奮気味に元飼いゆまりさを賞賛した。 話を聞く限りではかなり真っ当なゆっくりであると思われた。 「で、そのまりさはどこにいるんだ?」 「かりにいってるよ!ゆうがたにはもどってくるよ!」 「夕方か。興味はあるけどもうそろそろ帰らないとな」 遠出してきただけあって早く帰らなければ暗くなってしまう。 その上この辺りは灯りも少ないため、暗くなれば危険なのだ。 「おにーしゃんまた来るの?」 「おにーさんはゆっくりできるひとだからいつでもきていいよ!」 「まあ、その内にな。じゃ、またな」 男はその場を片付け、自転車に跨り来た道を走り始めた。 二匹はその背中を見送った。 「やさしいにんげんさんもいるんだなぁ…」 「またにぇー!」 二匹は気がつかなかったが、その時怪しい視線が二匹の姿を捉えていた。 2. 次の休日、男はあのゆっくり一家が気になり、その場所を訪れることにした。 土手に来てみるとあの二匹と成体まりさが確認できた。 「おっす」 「あ、あのときのおにーさんだ!」 「こんにちはなのじぇ!」 男が自転車を止めて声を掛けると元気に返事をした。 自転車を降りて土手に下ると、成体まりさが寄ってきて話し始めた。 「先日は妻と子がお世話になりました。」 男は吹き出しそうになった。 しっかりとした言葉遣いで礼儀正しく話しかけられるとは思ってもいなかったのだ。 それによく見ると、顔つきも凛々しい気がした。 「あ、あぁ。それにしても流暢な言葉遣いだな…」 「元のご主人様によく学ばせて頂いたものですから。」 「そうか…」 それから話を一通りしてからお弁当を広げることにした。 今回は一家に会うという目的の元来ていたため、お弁当はやや多く作ってきた。 「それじゃあみんなで食べようか」 「ゆゆ!またいっしょにたべていいの!?」 「ありがとう!おにーしゃん!」 「こんなに良い物を頂けるなんて、とても嬉しく思います。本当にありがとうございます。」 和やかに食事と会話をし、帰り支度をしようとした時、成体まりさから声を掛けられた。 「あの、少し話をする時間を貰えないでしょうか」 「あぁ、少しなら別に構わないぞ」 そんなに急ぐこともなかったので男は話に付き合うことにした。 成体まりさは成体れいむと子まりさに他で遊んでくるように言い遠ざけてから話を始めた。 内容は成体まりさの昔話であった。 話によると、このまりさは少し前まで老夫婦の飼いゆっくりとして過ごしていたらしい。 文武両道を志し、礼儀にも厳しかったために、今のようなゆっくり離れしたゆっくりになったということである。 そして、何故野良になったかということに差し掛かると、涙を目に蓄え始めていることが見てとれた。 御婆様が亡くなり、御爺様の気力がすっかり衰えたところにろくでもない息子が上がり込んだというのである。 御爺様の世話を全くせずに財産を食いつぶし、挙げ句の果てに借金まで作ってしまったらしい。 その間まりさは御爺様の世話を頑張ったらしいのだが、結局助けることができなかった。 その後、親族によって目の敵にされ追い出されたというところで話は終わった。 「お兄さん。私は無力なのでしょうか。守るべきものを守れない駄目な生き物なのでしょうか」 成体まりさは真剣な眼差しで男を見つめた。 「…それを決めるのは俺じゃないからなんとも言えないがな」 男は言葉を止めて視線を遊んでいる二匹に目をやった。 同時に成体まりさも二匹を見つめた。 「今のあいつらを守れてるのはお前のおかげだろう。できた、できなかったを考えるより今を大切にしようぜ」 「…」 「少なくともあいつらはお前を信頼していたぞ。それに応えてやったらどうだ?」 「…はい!」 「じゃ、俺帰るわ。あいつらにもよろしくな」 考えがすっきりしたのだろうか、成体まりさは満面の笑みで力強くしっかりとした返事をした。 男は自転車に跨り帰路についた。 怪しい視線は今日も一家を捉えていた。 3. さらに次の休日。また来るという約束はしていないものの一家が気になるのでまた出掛けることにした。 土手に来てみるとそこには今までとは明らかに異なる状況があった。 成体まりさがボロボロになり、黒ずみかけてぐったりとしていた。 男は明らかに異様な事態に驚き、すぐさまその場に駆けつけた。 成体まりさの片眼にあたる部分に棒きれが突き刺さっていた。 「おい!どうかしたのか!?」 「あぁ…その声はお兄さんですか…?」 消え入るようなか細い声で成体まりさは応えた。 そした涙ぐみながら続けた。 「ゲスれいむに我が子を盾に取られてこの様です…恐らく今は妻がいる巣に向かっているでしょう…」 「分かった。俺が見てくる。」 「…結局、私は誰も守れないんですね」 「…」 男はリュックからオレンジジュースを取り出して成体まりさにかけだした。 そして諭すように話しかけた。 「…暫く経ったらまた動けるようになるだろう。それから先はお前次第だ」 「…」 男は自転車に跨り橋のたもとに巣に向かった。 近づくにつれ声が聞こえてきた。 「くそじじいからたべものをまきあげるなんてずるいよ!さっさとれいむにぜんぶわたしてね!」 「にんげんざんのだべものなんでもっでないでずぅぅぅぅぅ!」 「だりぇかたしゅけてぇぇぇ!」 「うそをつくげすなれいむはせいっさいだよ!」 「やめでぇぇぇぇぇぇ!」 「ゆんやぁぁぁぁぁぁ!」 巣に来てみると、普通の成体ゆっくりよりも一回りも二回りも大きいゲスれいむがれいむを踏みつぶしていた。 なるほど、あのまりさでも適わないのも当然であると思える大きさである。 子まりさは半ば囓られているといった状況であった。 「おい!」 「あっ!おにーしゃん!」 「だずげでぐださぃぃぃぃぃぃぃ!」 「ふん!どれいはれいむにたべものさんをわたしてさっさとしんでね!」 このゲスれいむは無謀にも挑発するような言葉を投げかけてきた。 これが本心であるということは分かるものの男にとっては呆れる発言でしかなった。 「それは無理だな」 男はそう言いつつゲスれいむのもみあげを掴みぶら下げた。 「ゆぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「おい、お前らは今の内に避難してろ」 「おにーしゃん!ありがとう!」 「ありがどうございまずうぅぅぅぅぅぅ!」 男は嘘を言った。 この場から二匹を遠ざけたのは避難させるためではなかったのである。 これから始める制裁を見られたく無かったからだ。 「ばなぜぐぞじじぃぃぃぃぃぃぃ!」 「さーてと」 男はリュックからピーラーを出した。 これは一家のためにリンゴを剥こうと持ってきたものである。 「これが何か分かるかな?」 「わがるわげないでじょぉぉぉぉぉぉ!?」 「じゃあ教えてやろう。こう使うんだ」 男はピーラーを使いゲスれいむの表皮を剥ぎ始めた。 同時に凄まじい叫び声が空に響き渡った。 「ゆぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「うるせえ」 表皮を薄く剥いでいくのだ。その痛みは計り知れないものだろう。 剥ぐ度に耳を劈くような悲鳴が聞こえるので男はうんざりし始めてきた。 「これでも咥えとけ」 男がゲスれいむの口に突っ込んだものはその辺にあった石だ。 重さも大きさもなかなかな物である。 「あががががががが…」 「さて、続きをしようか」 悲鳴は無くなったものの激痛がゲスれいむを襲い続ける。 声にならない叫びが体内にこだましているのだろうか、ゲスれいむの体は細かに振動している。 「大分薄くなったな」 ゲスれいむは皮や髪やお飾りをも殆どはぎ取り薄皮一枚という状況になっていた。 さらに自分の涙で顔のあたりはぐしゃぐしゃになって原型を留めていない。 「このまま川に投げ捨ててもいいけどどうしようかな…」 「…!」 どうやらやめてくれという意思表示をしているようであるが男には伝わらない。 そして男はあることを思い出した。 「あ、そうだ」 男はゲスれいむの目玉をえぐり取った。 同時にゲスれいむの体がびくんと動いた。そして気絶したのか動かなくなった。 「これでよし」 男は満足そうに微笑むとゲスれいむから石を取り出し、土手の向こう側に蹴り飛ばした。 鈍い着地音が聞こえた。 4. 「お兄さん!ゲスれいむは!?妻と子は!?」 ワンテンポ遅くあの成体まりさが棒きれを携えてやってきた。 接地面が酷くボロボロになっている。どうやらゆっくりなりに急いで来たようである。 「追い払った。お前の妻とお子さんは避難させてるよ」 「そうですか…何から何まで本当にありがとうございます」 「いや、別にいいよ。…お前も頑張ったじゃないか」 「私は何も…」 「その持っている棒きれとボロボロの足がなによりの証拠だよ。よく勇気を出したな」 「お兄さん…」 成体まりさは感涙していた。 自分をこんなにも認めてくれる人に会えて嬉しかったのである。 「あぁ、そうだお土産だ」 「なんですか?」 「ちょっと痛いが我慢しろよ…」 男は成体まりさの片眼に刺さっている棒きれを抜き取った。 目玉ごと抜けた。 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「悪い!今新しいの渡すから!」 男は先ほどゲスれいむからえぐり取った目玉を成体まりさの眼に急いで入れた。 同時に激痛が走る。 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「ごめん!でも勘弁してくれ…」 「…?あれ、見える…!」 「あのゲスから奪い取ったんだ。あいつよりお前の方が有効活用してくれるだろう」 「お兄さん…本当に、本当にありがとうございますっ!」 成体まりさは土下座するような勢いで顔を突っ伏した。 同時に嗚咽の声が漏れた。 「おとーしゃんだいじょうぶなのじぇ!?」 「まりさー!」 土手の上の方から成体まりさを呼ぶ二匹の声がした。 その声は段々と大きくなる。 「ほら、お前らの大事な家族が来てるぞ。笑顔で迎えてやれ」 「はい!」 涙が残るその笑顔で成体まりさは家族を迎えた。 感動の再会といったところであろうか。 「あ、れいむ。お前にもお土産があるぞ」 「ゆ?ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 晴れ渡った青空に悲鳴が響いた。 5. 眼に新しい光を手に入れた二匹と食事を楽しんだ後、挨拶を交わし男は帰っていった。 「いいにんげんさんだったね…」 「おにーしゃんはしゅぎょいにんげんしゃんだじぇ!」 「あぁ、本当に素晴らしい人だったよ…」 成体まりさは男との交流を思い返し、満足そうな笑みを浮かべた。 空には綺麗な夕焼けが輝いていた。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓ごめんなさい、3、4、5もでした。 (これはまりさが敬語を使い始めたのが5 のため。) -- 2018-03-12 19 07 14 ↓それは「老夫婦とまりさ」の1、2を見れ ばわかると思います。 まぁあくまでも個人的な仮説ですが… こんな素晴らしい作品に巡り会えたことと これを書いてくださった作者さんに 心から感謝しています。 -- 2018-03-12 19 01 10 いきなりの敬語口調のまりさに吹いたwwwww 調教しても「ですます口調レベル」にしかならないゆっくりに、 老夫婦はどんな教育をしたのだろうか? -- 2018-03-07 07 31 38 にんげんしゃんはしゅごくないのじぇ くしょどれいなんじゃよ さっさとちんでね ちーんぽ おちびちゃーん -- 2017-12-12 02 16 21 ↓↓ゆんやぁぁぁぁぁ←ゲス目玉返して貰ったんじゃないですかね?まりさからぬいたもの。落ち着いて見れる作品ありがとうございました -- 2016-05-21 01 14 38 敬語はすごいなぁ・・・ -- 2015-12-21 22 10 44 え?ゆんやあああああああって何ですか? -- 2015-09-01 04 58 47 このような作品などをさがしていました、本当にありがとうございますまた書いてくれると、とてもうれしいです! このような作品などを探していました、また書いてくれますとまことにうれしいです! -- 2015-08-04 18 51 52 優しいゆっくりと人間さんの -- 2014-10-07 14 44 24 ヒャッハー!! ゲスは制裁だぁ! -- 2014-08-07 16 37 47 まりさすごいなおい -- 2014-06-15 13 22 23 あのまりさがすごすぎる ゲスいでいぶは、制裁だZE!! -- 2014-02-22 11 19 11 これじゃまりさより人間の方がクズに見えてくる不思議 -- 2013-12-03 15 43 02 お兄さんナイス ゲスはしね -- 2013-07-12 05 58 12 ものすごくゆっくりできる -- 2013-03-07 02 52 56 お兄さんナイスアイディア -- 2012-10-24 23 01 48 魔理沙ですらない。明かにオリジナルより礼儀正しいw -- 2012-10-10 22 08 57 ちょwww敬語www 思いっきり吹きましたwww違和感はあるけどこのまりさ、もとい魔り沙好きだなぁ -- 2012-09-02 16 21 20 まりさというか魔理沙だな・・・・・ -- 2012-07-27 10 25 19 これ本当にまりさか? -- 2012-05-09 18 39 06
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注意 ※「ゆっくりしんぶん <1面>」の続きです。 ※確実に罪の無いゆっくりが・・・。 「ゆっくりしんぶん <2面>」 今朝も巣穴の出口に日の光が差込み始め、普段なら元気な長女まりさの声が巣穴に響き始める頃だった。 その日ゆっくり一家のほとんどが悪夢に悩まされ、十分に睡眠をとる事ができなかった。 「ゆうぇぇぇぇぇん!! おきゃーしゃんこわきゃったよぉぉぉおお!!!」 「大丈夫だよ、おちびちゃん。今日もおかあさんとゆっくりしようね。ゆっくり・・・ゆっくり・・・」 「おきゃーしゃぁぁぁん!! いぎでいだんだねぇぇ!!!」 「もうブチュゥゥゥいやあぁぁぁぁあ!!!」 「ゆっくりだいじょうぶだよ・・・。ゆっくり・・・ゆっくり・・・」 子ゆっくり達は親ゆっくり2匹に飛びつき、わんわんと泣きじゃくっていた。 親ゆっくりは子ゆっくりの流す涙をペロペロと舐めとってやった。 「ゆ!! みんな悪い夢の事は忘れて、ごはんを食べて元気になるよ!!」 「ゆぅぅぅ!♪ まりさおなかいっぱいすいたよ!!」 「れいむもいっぱい食べるよ!!」 「ゆっくりわかったよ。きょうはおかあさん、いっぱいごはん採って来るね!!」 「やったー!! おきゃーしゃん、いってらっしゃい!!」 そうして親まりさは巣の出口へと向かった。 そして昨日と同じ、きれいに畳まれた紙束を発見するのだった。 「ゆぅぅぅ・・・」 昨日の衝撃を完全には忘れる事が出来ず、その紙束に不安を覚える親まりさであったが、 「ゆっくりよんでね!!ゆっくりしんぶん!! きょうも ゆっくりできるニュースが いっぱい!!」 というコピーと昨日とは違う可愛いイラストを目にすると、そんな気持ちもすっかり吹き飛んでしまった。 親まりさはその紙束を咥えると、巣の奥へと引き返した。 「ゆ? おきゃえりなしゃい、おきゃーしぁん! おいちいごはんいっぱいとれた?」 葉っぱを咥えて朝食の準備を始めたばかりの末っ子れいむが、期待に満ちた笑顔で迎える。 実際には親まりさは巣の外にすら出ていない。 「ゆっくりこんな物を見つけたよ!みんなで見ようね!」 親まりさの声に一家が集まってくる。 「「「「「「ゆぅぅぅ・・・」」」」」」 はじめは親まりさと同様に不安を隠せない一家であったが、紙テープに書かれたコピーと イラストを目にすると「ゆっくりみんなで読もうね」と嬉々として新聞の周りに輪になった。 『ゆっくりしまい ビーだまと たわむれる』 「「「「「「「ゆぅーー!♪」」」」」」」 見出しの横には、水槽に敷き詰められたビー玉の中にまじり、3匹のゆっくり達がはしゃぐ写真が掲載されていた。 『さくじつ ×□さんのおうちで ゆっくりビーだまであそぶかい がひらかれました。』 「ゆわぁーー!!! きれーーーーぃ!!!」 「ビーだまさんキラキラしてるぅ!!」 「まりさもビーだまさんとあそびたい!!」 「れいみゅもキラキラコロコロしちゃいよ!!」 「とってもキレイキレイだね。それじゃあ次のページをめくるよ。」 そう言って親まりさは紙面をめくった。 「「「「「「「ゆぎゃあぁぁぁぁああああっぁぁぁぁ!!!!」」」」」」」 さもありなん。そこに広がった光景は昨日のものにも匹敵する惨状だった。 昨日と同じように”一盛り上がり”した一家は、ゆっくり急いで紙面をめくった。 『きょうの ゆっくり いっく』 『きょうもまた かえってみたら だいさんじ』 (□□県 26歳 男性 会社員) 「ゆぃ?」 『こまりさの ちいさなあなるが きもちいい』 (××村 3ヶ月 女性 とはいは) 「ゆごぇ??」 『ブチブチと れいむのかみを ぬきとるぜ』 (○○都 20歳 女性 フリーター) 「ゆげぇ!??」これにはさすがに反応したようだ。 『やめてよね そんなしぐさが にくらしい』 (○×県 24歳 男性 HPデザイナー) 「ゆうぇうぇ・・・」 「やっぱりゆっくりできないよ・・・」 相も変わらずゆっくり一家は、その胸中にモヤモヤとした不快感を覚え、記事を読み進めた。 『ありすの とかいは てくにっく』 「ゆぅ?」 そんな見出しと共に、可愛いゆっくりありすのイラストが描かれている。 昨日ならここで『きょうの あかゆっくり』が掲載されていたのだが、今日は違うコーナーが掲載されていた。 赤ゆっくりを見るのが楽しみだった一家であったが、とりあえず読んでみる事にした。 『とかいはありすは れんあいじょうず。きょうはそんなありすの 「とかいはれんあいテクニック」をおしえてあげる。 まず、はじめてのであいは 「うしろから」。あたりまえのように まえからであっても トキメかないわ。 おもいのダーリンをみつけたら きづかれないように うしろからアタック!! 「であいはとつぜんに」がコツよ。 こんかいはここまでね。じかいのつづきを ゆっくりまってね。』 その横には、ありすが他のゆっくりに後ろから飛び掛るまでを再現した4コマ風のイラストが添えられていた。 「ゆぅ、とかいはなありすはこんなテクニックで恋愛してるんだね。」 「まりさは何も考えず、前かられいむにアタックしちゃったよ。アハハ」 「もうっ! まりさったら!」 赤くなる親ゆっくり二人。 「ゆぅ・・・。れんあいってむずかしそうだよ・・・。」 「大丈夫だよ。おちびちゃん達も大きくなったら恋愛できるようになるよ。」 「ゆ!! まりさもがんばって、いっぱいダーリンつくるよ!!」 そんな会話を交わしながら、親まりさはゆっくり紙面をめくった。 『きのうの あかゆっくり』 最後の紙面の見出しにはこう書かれていた。 昨日のコーナーと少し名前は違うが、赤ゆっくりを楽しみにしていた一家にとっては些細な事だった。 「ゆわった~~!! あかちゃんにまたあえるよ!!」 「きのうのあかちゃん、げんきにしてるかな?」 「れいみゅも、あかしゃんといっしょにコロコロしゅるよ!!」 待ち望んでいたコーナーに、一家は笑顔で記事の周りに集まる。 間近で赤ゆっくりの写真を見ようと思っていたのだが・・・。 「「「「「「「ゆぐうぇええええええぇぇぇぇぇぇ????!!!!」」」」」」」 「な゛ぁぁに゛こべぇえええええええぇぇぇぇぇ!!!!!」 そこには”昨日号に掲載された『きょうの あかゆっくり』5匹”の変わり果てた姿の写真が並んでいた。 ある1匹は何本もの釘で貫かれ、ある1匹はぐちゃぐちゃに潰され、ある1匹の顔面は溶けてただれ落ちていた。 どうみても5匹とも無事では済まない状態だった。 「あがぢゃんがぁぁぁっ!!! あがぢゃんがぁぁぁぁぁ!!!」 「どぼぉぉぉぉじでぇごんなごどずるぼぉぉぉぉぉっ!!」 「ゆぼげぇぇぇぇ!! ゆぼげぇぇぇぇ!!!」 再び一家の心は奈落の底に突き落とされ、親まりさはゆっくり急いでその新聞を巣の外に投げ捨てた。 「ゆうぇん・・・、ゆうぇん・・・」 子ゆっくり達が泣き止んだ頃だった。親れいむが一つの提案をする。 「ゆゆっ・・・。きょうはみんなでピクニックに行こうね。」 「ゆぅー!! まりさも賛成だよ。みんなお外で元気になろうね!!」 「「「「「ゆぅっ・・・!!」」」」」 久々の「ピクニック」という単語に反応する子ゆっくり達。 徐々に元気を取り戻した一家は、親まりさを先頭に、親れいむを最後尾にして1列に並んで巣を後にした。 「「「「「「「ゆぅ~♪ ゆゆ~♪ ピ~クニ~~~ク~~♪」」」」」」」」 一家揃って歌いながら森の中を進む。目的地の大きなどんぐりの木の下に着く頃には、皆いつもの元気を取り戻していた。 どんぐりの実をおなか一杯にたいらげ、子ゆっくり達は仲良く「だるまさんがゆっくり」をやって遊んでいる。 そんな子ゆっくり達の様子を、親ゆっくり2匹は寄り添って眺めていた。 子ゆっくり達が「だるまさんがゆっくり」にも飽きて、次の遊びを考えていた、その時だった。 すぐそばの茂みがガサガサと音を立てたかと思うと、キラキラと光るいくつかの球体が、 子ゆっくり達の輪の中へと飛び込んだ。 「ゆゆゆ!??」 親ゆっくり達は、はじめ危険な捕食動物かと身構えたが、よく見るとそれは5つのビー玉だった。 「ゆゆぅーー!! ビーだまさんだよ!!」 「ゆわぁーーー!! きれーーーぃ!!!」 子ゆっくり達は初めて見るビー玉に歓声を上げた。 しかし喜びもつかの間だった。 今朝見た新聞の記事が、ゆっくり一家の脳裏に蘇る。 「おぢびぢゃんだぢぃぃぃぃ!!!! にげでえええええぇぇぇぇ!!!」 「ゆぎゃあぁぁぁぁん!!!! ビーだまざんごないでぇぇぇぇ!!!」 「ゆぎいいいいい!!! ビーだまざんに裂かれぶぅぅぅぅぅぅ!!!!」 「ゆわぁぁぁん!! ゴロゴロはいやぁぁあぁぁっ!!!」 今朝の記事が相当ショックだったのだろう、ゆっくり一家は散り散りばらばらに逃げていった。 長女まりさはカタツムリより早く、ウサギよりも遅い速さで茂みの中を跳ね抜けていた。 跳ねつかれて、立ち止まった長女まりさは、家族の姿がどこにも見当たらなくなっている事に気がついた。 「おかーーーさーーーん!! れいむーーーー!! どこーーーー???!!」 返事は返って来ない。 突如一人ぼっちになってしまい、泣き出したい気持ちに駆られる。 しかし長女まりさはそれを我慢して、来た道を引き返す事にした。 「おね゛ぇぇえ゛しゃぁぁぁん!!! おぎゃぁぁぁじゃぁぁぁん!!! ゆわ゛ぁぁぁぁぁん!!」 しばらく進んでゆくと、茂みの向こうから末っ子れいむの泣き叫ぶ声が聞こえてきた。 「も゛ういや゛ぁぁぁぁぁ!!! おうぢがえるぅぅぅぅぅぅ!!!!」 「れいむぅぅぅぅっ!!! まっててね!! いまいくよーーー!!!」 「ゆわぁぁ?? ばりざおねぇぇじゃあぁぁぁん??!! だずげでぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 茂みの中を跳び抜けた長女まりさは、わんわんと泣き叫ぶ末っ子れいむの姿を見つけた。 「れいむぅ!!もうだいじょうぶだよ!!おねぇさんが・・・、ゆわっ???」 末っ子れいむの横には2本の長い足がそびえ立っていた。 長女まりさが初めて見るその足を見上げると、そこには一人の青年がこちらを見下ろして微笑んでいる。 青年の握る指の隙間からはキラキラと光る球体が覗いていた。 思い思いに逃げ回っていたゆっくり一家だったが、 親ゆっくり達の呼びかけで、なんとかどんぐりの木の下に集まる事ができていた。 しかし長女まりさと末っ子れいむの姿が見当たらない。 「ばりざぁぁぁぁ!!! れいぶうぅぅぅぅ!! どごおおおおぉぉぉ???!!」 「おぎゃぁぁぁさんはごごだよお゛おおおおぉぉぉぉ!!!!」 「「「おねえええじゃぁぁぁん!!! れいぶぅぅぅぅ!!! ぼうでできでねぇぇぇぇ!!!」」」 必至に呼びかける一家であったが、2匹の声はどこからも聞こえてこない。 やがて日も傾き始め、一家は已む無く巣へと帰っていった。 日が沈んでからも、一家は巣の中でわんわんと泣き続けた。 その夜、2匹の姉妹が巣に戻る事は無かった・・・。 翌朝。 ゆっくり一家は絶望の空気に包まれていた。 元気に姉妹を起こしてまわる、長女まりさの声も聞こえない。 最後まで起きない、寝ぼすけ末っ子れいむの姿もそこには無い。 「ゆぅ・・・。まりさぁ・・・、れいむぅ・・・。」 「・・・・。まりさはごはんを採って来るよ・・・。みんなげんきだし・・・て・・・」 「・・・・・。」 親まりさはそれ以上何も言わず。巣の出口へと向かった。 そこには昨日までと同じ様に、新しい新聞が置かれていた。 「ゆぅ・・・」 新聞を止める紙テープには、 『ゆっくりよんでね!!ゆっくりしんぶん!! きょうも げんきがでるニュースで いっぱい!!』 と書かれていた。 もしかしたら、本当に元気がでるニュースがあるかも知れない。 そう考えた親まりさは、その新聞を咥えて巣の奥へと引き返した。 「・・・・・。」 無言で紙テープを解く親まりさ。 他の家族も少し離れたところでその様子を見守る。 『○△さんちの ゆっくりありす 1さいのたんじょうびパーティー』 その記事は○△さんの飼うゆっくりありすが1歳の誕生日を向かえ、近所の飼いゆっくり達を集めて 誕生日パーティーを開いたという愛で記事だった。 最後まで、幸せそうなゆっくりありすと、招待された飼いゆっくり達の楽しげな様子が伝えられていた。 「ゆぅ・・・。ありす、ゆっくりできて良かったね。」 「みんなとてもゆっくりしてるよ・・・。」 「おっきなケーキさん、おいしそうだよ・・・。」 「おちびちゃん達も、もうすぐ誕生日だね。」 実際には生まれて3ヶ月も経ってない。 「おちびちゃん達も、お母さん達がお誕生日パーティーを開いてあげるよ。」 「その時はきっと、お姉ちゃんもれいむも一緒にね。」 「「「ゆっ!!ほんとうに!?ありがとうおかーさん!!!」」」 親ゆっくり達の言葉に、少しだけ元気を取り戻した子ゆっくり3匹。 今日の記事は愛でニュースで占められ、ゆっくり一家はゆっくりと記事を読み進めた。 『きょうの ゆっくり いっく』 「・・・・。」 『ぱちゅりーの ことわざ じてん』 「ぱちゅりーは物知りだね。」 『きょうの あかゆっくり』 「「「「「ゆわわぁぁぁ~!!」」」」」 そこには、先日の赤ゆっくりとは別の赤ゆっくり5匹が、幸せそうな顔で写っていた。 知る人が見れば、それは「死の宣告」以外の何物でもなかった。 「ゆぅ~!! みんな可愛いね。」 「みんな”てんしさん”みたいだね。」 「おちびちゃん達もおかあさん達の”てんしさん”だよ。」 可愛い赤ゆっくり達の写真を見ていると、ふと、いなくなった2匹の姉妹の事が思い出される。 「まりさぁぁ・・・・、れいぶぅぅぅぅぅああああああぁぁぁん・・・」 「おかーさんなかないでぇ、まりさたちもかなしぐ・・ぅぅううぁぁぁぁぁぁぁん!!」 滝のように涙を流し、泣き出す一家。 ひとしきり泣き続けると気も落ち着いたのか、一家は再び新聞を読み始めた。 親まりさが最後の紙面を開くと、そこには目を疑う写真が掲載されていた。 「ばりざっ?!!!!れいぶ??!!!」 「「「「ゆわわっ?!!!」」」」 一家は最後の記事に釘付けになった。 『さがしています』という見出しの下に、何故か黒いビニールテープで目隠しをされた、 長女まりさと末っ子れいむが『ゆっくりしんぶん』デビューを果たしていた。 普通、捜索願いの写真を掲載する場合は、その人が無事な時の写真を掲載するのが常識である。 写真中の姉妹は明らかに強制的に目隠しをされており、これではまるでテロリストの脅迫状だった。 しかしそんな深い事は餡子脳では考える由も無く、写真からは2匹が生きている事が確認できた。 それだけでも一家にとっては朗報だった。 「ゆわぁぁん!! ばりざもでいぶも生きでるんだねっ!!!」 「「「おねえぇぇぇぢゃぁぁぁん!!! れいぶぅぅぅぅぅ!!!!」 「みんなゆっくり落ちついてね!! ゆっくり読むよ!!!」 そう言って親まりさが記事を読み進める。 『さがしています』 (写真) 『そーさくねがい まりさとれいむの かわいい しまいが いなくなったよ みつけたひとは ゆっくり おしえてね!!』 もちろんこのゆっくり一家には捜索願いを出した覚えなどなかった。 しかしどこかの誰かがこの事に気づいて、代わりに「そーさくねがい」を出してくれたのだろう。 そのどこかの誰かに一家は感謝した。 「ありがどうございまずっ!! ありがどうございばずぅぅ!!!!」 「ゆわぁぁぁん!! おねえちゃんたち、いきてるんだね!!!」 「これならすぐに二人も見つかるよっ!!!」 「みんなでゆっくりして待ってようね!!」 思いがけない報せに、一家に活気が戻ってきた。 その日の午後、近所に住む別のゆっくり一家がやって来て、自分達も協力する旨を伝えてきた。 「ゆっくりありがとうね!! ゆっくりありがとうねっ!!」 「『ゆっくりしんぶん』のおかげだね!!」 その一家はこの後「ゆっくりポスタルパークに行く」と言い残して巣を去った。 協力すると言っておいて、さっそく遊びに行くとは何事か。 しかしながら親まりさ達は着実に「そーさくねがい」の効果がでていると確信した。 翌朝。 親まりさはゆっくり急いで『ゆっくりしんぶん』を取りに行った。 しかしこの一家、朝飯喰わなくていいんだろうか・・・。 『ゆっくりしんぶん』を咥えて巣の奥へと戻る親まりさ。 「みんなぁ!! ゆっくり読むよ!!」 新聞の周りに集まる一家。親まりさが紙テープを破り、新聞を開く。 『ゆっくりしんぶん ○月△日号』 『まいごの ゆっくりしまい みつかる!!』 と1面の見出しを読んだ家族は、歓喜の声を上げて、はしゃぎ回った。 親ゆっくり2匹は、わんわんと泣いて喜び、 次女の子まりさに至っては、巣の外まで跳ねていってしまう喜びようだった。 「ゆわったぁー!! やったね、おかーさん!!!」 「ゆっくりよかったよ!! ゆっくりよかったよ!!! ゆぐっゆぐっ・・・」 「おねーちゃんたち、みつかってよかったねっ!!」 しかしである。しかしである。 当の一家の前に、いなくなった姉妹の姿は無かった。 「ゆぅ?・・・おねーちゃんたちどこ??」 シーン・・・と静まり返る巣の中。 「ゆ? ゆっくり待ってね。ゆっくり続きを読むよ。」 再び新聞の周りに集まる一家。 『おととい まいごになった にひきのゆっくりしまい(写真1)が さくじつ みつかりました。』 (写真1)には、妹をかばって頬を膨らます長女まりさの姿と、 その影から覗く末っ子れいむの姿が写されていた。 「「「「ゆー!!やったぁぁぁぁー!!」」」」 再び一家から歓声が上がる。 『にひきは それぞれ とうめいなはこに いれられていました。(写真2)(2面につづく)』 (写真2)の中では、2匹はそれぞれ別の透明な箱に入れられて並べられている。 箱のサイズは子ゆっくりにとっては大きく、いくらかの余裕があった。 写真右の箱には長女まりさ、左の箱には末っ子れいむが入れられていた。 しかし安い印刷のため、ゆっくり一家には透明な箱がよく見えない。 泣き叫ぶ末っ子れいむと、怒りを爆発させた長女まりさの顔がこちらを向いていた。 「ゆゆゆ??」 「ゆぅ? おねーちゃん「ドッカーン」してるよ!!」 「れいむもすっごく、こわがってるよ。やめてあげてね・・・」 「れいむのかわいいおちびちゃん、どうしたの?? ゆっくり喜んでねっ!?」 せっかく見つかったというのに、2匹がこんなにも怯えている理由が ゆっくり一家達にはわからなかった。 親まりさは、早く娘達に会いたいと紙面をめくった。 2面には5枚の写真が掲載されていた。 (写真3) 写真のアングルは(写真2)と同じだったが、長女まりさの両目には 1本ずつ赤い筒のような物が刺さっていた。 さらにその口には同じく赤い筒がありったけに詰め込まれ、 そこから伸びたひもに火がついているのが確認できた。 となりの箱では末っ子れいむが、長女まりさの入った箱の方に顔面を押し付けて、 凄まじい形相で泣いている。 「「「「「ゆぎゃああぁぁぁあぁぁわぁぁぁあっ!!!!!!!!!!」」」」」 「なにごれべえええぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 「おげええぢゃんがぁぁぁ!!! おげええぢゃんがっぁぁぁぁ!!!」 「やべであげでべっ!!! やめであげでげっ!!!」 (写真4) 右の箱の中では閃光に包まれた餡子の塊が炸裂していた。 左の箱では、驚いて反対側の壁まで吹っ飛んだ末っ子れいむが転がっていた。 「ばりざのがわいいおぢびぢゃんがぁぁぁっぁ!!!」 「でいぶのがわいいおちびぢゃんがぁぁぁっぁ!!!」 親ゆっくりは必至に叫びながら、記事の上で跳びはねる。 子ゆっくり達は目の前の光景に反応が追いつかず、泣いた表情のまま固まっていた。 15秒ほどすると、ふたたび声を上げ始める。 (写真5) 右の箱は餡子が飛び散り、中の様子が分からなくなっている。 代わりに今度は左の箱の上の方から、黒く長い物体が進入してきているのわかった。 それは末っ子れいむの5倍もの大きさのムカデであった。 写真手前の壁に背中を寄せて怯える、末っ子れいむの後姿が確認できた。 「でいぶぅぅぅ!! にげでえ゛え゛え゛えぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」 「でいぶにはぶりだよぼおおおおおああああああ!!!!」 「「「ゆぎゃあああああああ!!」」」 (写真6) 左の箱の真ん中では、末っ子れいむがムカデに雁字搦めにされて食べられていた。 すでに左半分を失っている。 「でいぶうぅぅぅx!!! でうぶぅぅっぅぅ!!!」 「ブカデざあぁぁん!!! じねえええぇぇぇぇぇぇ!!!」 「やべであげでねぇ!! いだがっでるよぉっ!!!」 「がわいいいぼうどがぁぁぁぁぁ!!!」 「どうじでにげないのおぉぉぉぉぉっ!!!!」 (写真7) 左の箱に末っ子れいむの姿は無く、ムカデが箱から出たそうに壁をよじ登っていた。 箱の角には小さな赤い髪飾りが転がっていた。 『ゆっくりしてたら たすけるのが まにあいませんでした。 (写真3)(写真4)(写真5)(写真6)(写真7)』 「「「「「ゆがあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」」」」 親まりさは記事の上で跳びはね、『ゆっくりしんぶん』を押し潰そうとした。 それが叶わないとわかると、今度は『ゆっくりしんぶん』の端に齧りつき、ブンブンと振り回す。 ビリビリと破れる『ゆっくりしんぶん』。 「ごれでもがぁぁぁ!!! ごれでもがぁぁぁぁ!!!!!」 やり場の無い怒りを『ゆっくりしんぶん』にぶつける親まりさ。 『ゆっくりしんぶん』はズタボロに引き裂かれていった。 子ゆっくり3匹は、仲良く並んで力一杯に巣の壁にその身を打ちつけていた。 「「「ゆばげぇぇぇっ!!! ゆばげぇっ!!!! ゆぼがぁぁっ!!!・・・」」」 親れいむはと言うと、子ゆっくり3匹の隣で、同じくその身を巣の壁に打ちつけていた。 「お゛ぢびっ!! ゆがっ!! ぢゃん!!! ゆぐぅっ!!! がぁっ!!! ゆべっ!!・・・」 親まりさはビリビリに破れた『ゆっくりしんぶん』の破片を集めると、巣の出口へと向かった。 「も゛ぉぉぐるなあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」 巣の外に『ゆっくりしんぶん』の破片をぶちまけた親まりさは、 散乱する破片に向かって怒りの限りに叫んだ。 そして「ゆぜぇ・・ゆぜぇ・・・」と息を荒げたまま、巣の奥へと戻っていった。 巣の外に散乱する『ゆっくりしんぶん』の破片に、一粒の灰色の染みができる。 空は雲に覆われ、ゆっくりと雨が降り始めていた。 翌朝。 外はゆっくり一家の心境を映したかのような激しい大雨だった。 ゆっくり一家は丸1日何も食べていなかった。 壁にその身を打ちつけていた子ゆっくり3匹は、皮肉にも同じく壁に頭をぶつける事で正気を取り戻した 親れいむによって、なんとかその一命をとりとめていた。 しかしながらその内の1匹はもはや虫の息だった。 「・・・・・ゅぅ・・・・・。」 「・・・・・。」 「・・・・・。」 「「・・・・・・。」」 巣の中には、ザァァァ・・ザァァァ・・ザァァ・・・・と雨の音だけが虚しく響き渡る。 親まりさは無言で巣の出口に向かった。 「・・・・・。」 巣の外の紙片は無くなっており、 出口にはビニール袋に入れられた紙束が置かれていた。 「・・・・・。・・・・・ゅぅ?」 ふと親まりさはそのビニール袋の横に、二つの物体が置かれているのに気がついた。 近づいて見ると、それは破れた小さな黒い帽子と、さらに小さな赤い髪飾りだった。 見間違えようが無い。それは長女まりさと末っ子れいむの物だった。 出口でワナワナと震える親まりさを不安に思ったのか、親れいむと2匹の子ゆっくりが巣の奥から出てきた。 そしてそこに置かれた、2つの見覚えのある物体に気がついた。 一家4匹は揃って、暗雲に覆われた天を仰いだ。 そして大きく口を開いて・・・・。 別にのどが渇いて雨を飲もうとした訳ではない。 一家の叫び声を激しい雨の音が打ち消していった・・・。 おわり ※おまけ※ 『ゆっくりしんぶん』○月△日号1面下部 お詫び より (昨日号の『さがしています』記事内にて、誤って別の画像が掲載されておりました。) (編集者の餡子脳をゆっくり反省すると共に、ここにゆっくりお詫び申し上げます。) (修正したけどまだまだありそう・・・。) 今まで書いたもの 「おでんとからし ~おでん~」 「おでんとからし ~からし~」 「トカゲのたまご ~たまご~」 「トカゲのたまご ~とかげ~」 「ゆっくりしんぶん <1面>」 「ゆっくりしんぶん <2面>」 このSSに感想を付ける
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各キャラ紹介文 プチゆっくり ここは ちいさな かわいらしい プチゆっくり たち を ほかんする ページ すれを やさしく いたわる しょうえね せっけい だよ! ゆっくり かわいがってあげてね!!! _人人人人人人人人人人_ _,,_ > ゆっくりしていってね! < -'' \ ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ | ;ノ´∨\_,. -‐ァ _ __ _,.!イ,.ヘーァ'ニハ'ヽ、ヘ,_7 r , -`―'- 、イ、 . rー''7コ|_,‐"リ´V、!__ハ イi イ人ルレ ン、 !イ´,'イ ノヒソ _ ヒンY.i ! /ヒン__ ヒン)| i、| ( ,ハ" ヽノ ノ人 (" ヽノ " []ノ i ,)、 .ヘ,、)― ‐'´''レヽ ー―――'レル' _,,_ -'' \ | ;ノ´∨\_,. -‐ァ _ __ _,.!イ,.ヘーァ'ニハ'ヽ、ヘ,_7 r , -`―'- 、イ、ノ rー''7コ|_,‐"リ´V、!__ハ イi イ人ルレ ン、!イ´,'イ ノr=- r=ァY.i ! /r=- r=ァ | i、| これで満足か? ( ,ハ" ー=‐' "ノ人 (" ー=‐' "[]ノ i ,)、 .ヘ,、)― ‐'´''レヽ `ー―――'レル' +プ.プチゆっくり1 プ.プチゆっくり1 ■プチゆっくり ■おお、こわいこわい ■いっしょに泣くプチゆっくり ■プチゆっくりのむーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!! ■ぷち霊夢とタイ焼き ■就寝 ■泣く ■怒る ■笑顔 ■ウインク ■キモんげ ■みんなで就寝 ■みんなのふれあい ■なめなめ ■KEEP OUT ■プチゆっくりとタイ焼き ■横取り ■横取り その2 ■横取り その3 ■グレたプチゆっくり霊夢 ■レミリアとプチゆっくり ■2段ゆっくり ■プチアリス ■ヲタ ■プチプリズムリバー三姉妹 ■三原則 ■愛娘 ■特訓 +チ.プチゆっくり2 チ.プチゆっくり2 ■縮小版 ■縮小版ブラック ■ミニ ■プチ秋姉妹 ■ミニキャラ姉妹 ■MT姉妹 ■マッスル・トレーサー ■プチゆっくりVSにちょり ■新・クリーチャー ■プチ鈴木山蝶子 ■プチリリー ■プチレミリア ■柱の男 ■Myぶーむ ■八頭身 ■ゲラゲラゲラ ■どんな気持ち? ■小尻 ■箕条晶 ■縮小版お燐&お空 +ゆ.プチゆっくり3 ゆ.プチゆっくり3 ■ペルソナ3 ■饅頭ライダー ■やわらか戦車 ■エビフライ ■スイーツ ■合体 ■いっぱい食べて大きくなりました ■車の代わり ■静葉舗装 ■草むしり ■ぃゃゃゎ(ボコスレより) ■スザク ■ルルーシュ ■月光蝶 ■プチパチュリー ■ハト帽子 ■静葉逮捕 ■縮小版みすちー ■一緒にお菓子を食べませんか? ■アンパンマン ■聖剣伝説 ■車のオモチャ ■餅!? ■ロックマン ■ミニ姉妹でゲラゲラゲラ +っ.プチゆっくり4 っ.プチゆっくり4 ■ちび橙にデレデレな藍しゃま ■プチルーミア ■お断りします ■媚びるプチ秋姉妹 ■プチみすちー ■プチ橙 ■ドス黒い感情 ■マトリックス ■魔理沙の独占 ■弾幕はパワー ■うるさい黙れ ■パン ■ののワさん ■首輪付き ■松岡修造 ■ょぅι゛ょ(全部小文字で会話するスレ) ■0080 ■全員集合 ■ちびゆっくり ■プチリグル ■チョコボみすちー ■アーマード・コア ■北斗の拳 ■グスタフVSトキ ■クリスマス ■プチヤマメ ■捕まった宇宙人 ■八頭身風 +く.プチゆっくり5 く.プチゆっくり5 ■おうちができたよ!!! ■ゆっくり育ってね!!!○グロウアップ ■行け!我が眷族達 ■ちびゆっくりのごはんとり ■ヴィクセン ■フォックスアイ ■ゆっくり魔理沙と霊夢 ■昇龍拳 ■チャーハンつくるよ! ■土曜夜の龍魚の怒り ■穣子とネタ帳 ■プチゆっくりプレゼント ■ミニ着ぐるみさくや ■プチ大ちゃん ■プチリリー ■プチ映姫 ■キャプ翼体型閻魔○こう見えた ■プチ小町 ■プチ映姫とプチ小町 ■プチパルスィ ■プチ萃香とプチ勇儀 ■プチ綿月姉妹 ■プチ秋姉妹とプチ綿月姉妹 +り.プチゆっくり6 り.プチゆっくり6 ■縮小版咲夜さん ■さいたま ■プチきめぇ丸 ■プチ咲夜 ■幽香さんと天子 ■プチお空とお燐 ■プチ古明地姉妹 ■プチさとり一家 ■東方風神録セット ■東方地霊殿セット ■東方永夜抄セット ■東方緋想天セット ■静HARD ■プチ神奈子 ■プチ諏訪子 ■縮小したら許されるとでも思ったか? ■ソッコーマン ■プチパチュリー ■プチ荒ぶるグリコのポーズ ■プチ荒ぶる秋のポーズ ■穣子が拡声器 ■ケロケロスワッチ ■プチ藍 ■温泉プチルーミア +も.プチゆっくり7 も.プチゆっくり7 ■フィーバータイム終了のお知らせ ■プチナズーリン ■プチ小傘 ■プチ一輪&雲山 ■プチブロントさん完全版 ■うまか姉妹 ■プチ幽々子 ■プチヨコサクさん ■どどんまい ■格の違い ■イモウマ状態 ■プチ白蓮 ■プチ寅丸 ■プチ村紗 ■プチぬえ ■東方星蓮船セット ■プラモデル ■流石の私もそれは引くわ ■ミニミニ魔理沙 ■AA表示環境チェック +ゆ.プチゆっくり8 ゆ.プチゆっくり8 ■ミニミニ魔理沙とミニミニ霊夢 ■霊夢の私服 ■体育座り ■星空 ■ダブル魔理沙でゲラゲラゲラ ■可動船長ムラサ ■落ち着け永江 ■雨宿り ■ごろ寝 ■溢れ出る親父臭 ■扇風機 ■Ex静葉 ■タクシー ■ちいさなてるよ ■ゲラゲラ穣子 ■サッカー ■モンスターエンジン ■たわしずはストラップ ■というお話だったのサ ■ドラグノフ ■自動的にHARDする銅像 ■タモリア ■秋魔超神 ■支援ジャー ■プチ三妖精 ■さよなら三月また来てサニー ■ゆったり ■こいし・てるよ ■でかピース ■卓上妖夢 ■お座りうつほ ■立ち上がりうつほ ■諏訪子熟考 ■プチリリーとごじゃえもん帽 各キャラ紹介文 プチゆっくり
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※現代社会に当然のようにゆっくりがいます。 ※オリ設定満載です。 ※ぬる虐めです。そして割と愛で気味です。 ※fuku2278の続きですが、読まなくても問題はありません。 数年前に突如現れ、急速に社会に浸透していった(ような気のする)ゆっくりと呼ばれる新たなる生命体。 人間の生首が膨張したような容姿のそいつらは饅頭のクセに生きていたり、どこから来たのは全く不明だったりとあまりに謎が多すぎる。 が、目新しいものや珍しいものを好む人々はその「ゆっくりしていってね!」とか「ゆーっ!」などと珍妙な鳴き声をあげる未知の存在をあっさりと受け入れた。 そしてまりさはそんな不思議に満ちた生命体そのものだけど、自分たちが不思議だとは思ったことが無い。 「ゆっへっへ・・・まりさはこのもりでいちばんゆっくりはやくはしれるんだぜ!」 さっき、かけっこで今まで一度も勝ったことの無かったゆっくりちぇんに勝った。 ちぇんは凄く巧みに尻尾を使うから普通のまりさ達の3倍以上の速さで走ることができる。 でも、まりさはそのちぇんに勝った。ゆっくり頑張ったおかげでまりさはこの森でいちばん速いゆっくりになった。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「すごいよまりさ!ちぇんにかっちゃったよ!」 そういってまりさを褒め称えるのはこの森でいちばん可愛いれいむ。まりさの恋人だぜ。 「ゆゆっ!でもまりさはもっとうえをめざすんだぜ!」 「ゆぅ?でも、まりさよりはやいこなんてこのもりにはいないよ?」 「だからにんげんとしょうぶするんだぜ!」 「ゆゆっ!?まりさ、にんげんはこわいよ!!」 「ゆっ!だいじょうぶだぜ!にんげんがまりさのあしにかなうわけがないんだぜ?」 まりさを必死に引きとめようととするれいむ。可愛いやつだぜ。 でも、今のまりさは誰にも止められないんだぜ? 「でも、でもぉ・・・」 「れいむ、まりさをしんじてほしいんだぜ!」 そういって半ば強引にれいむにちゅっちゅして口を塞ぐ。 「ゆ、ゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅう・・・」 すると、れいむは恥ずかしさで顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。 「れいむ、かえってきたら・・・いっしょにすっきりしようぜ!」 「まりさ・・・!うん、れいむゆっくりまってるよ!」 それからまりさは2日ほどかけて、人間の町に到着した。 「ゆ!ここがにんげんのまちなんだね!」 まりさがきょろきょろと町の様子を見ていると、後ろからいきなり話しかけられた。 「ねえ、そこのゆっくりまりさ。こんな朝早くに何してるんだ?」 「れいむたちもこんなあさはやくだよ〜!」 「ゆっくりはやおき〜!」 「「「「「「ゆっきゅり〜!」」」」」」 「・・・あんたらは黙ってなさい。ねえ、あんた、飼われ?それとも野良?」 「ゆ!まりさはまりさだよ!」 振り返ると、猫車(と言うらしい)にたくさんのゆっくりを乗せて、服の中にも2匹のゆっくりを隠している変なおねーさんが立っていた。 「いや、そんなトートロジーはいいから。じゃあ、どこから来たんだ?」 「まりさはもりからきたんだよ!それでね、いままちについたの!」 おねーさんはいつの間にかまりさの目の前にしゃがみこんでいた。 胸が邪魔で表情は良く見えないけど、酷いことをする人間ではなさそうだ。 「ふーん。で、何しに来たんだ?」 「ゆ?ゆゆっ!そうだ、おねーさん!」 「んあ?」 「まりさとかけっこでしょうぶしてね!」 「・・・なんで?」 おねーさんは首をかしげている。けれど猫車に乗っているゆっくり達は事情を察してくれた。 「ゆ!まりさはすごくはやいんだね!」 「ゆっくりはやいゆっくりなんだね!」 「・・・何のこっちゃ」 それでもやっぱりおねーさんは事情を飲み込めない。仕方ないからまりさがゆっくり説明してあげることにした。 「まりさはね!もりでいちばんはやいゆっくりなんだよ!」 「・・・ゆっくりにとって速いのは名誉なのか?」 「ゆん!そんなことどーでもいいんだよ!」 おねーさんがいちいち話の腰を折るからほほを膨らませつつ注意してあげた。 「ああ、ごめんごめん。で、その速いまりさが何しに町に来たんだ?」 「にんげんとしょうぶしにきたんだよ!」 「そうかそうか、勝負か、それは良かった、きっとどこかの気前のいい愛好家が日が暮れるまで付き合ってくれるよ。 そんな訳であと3時間もしたら大学で忙しく寝なければならない私はとっととどこかに消えるわ、それじゃさよなら」 首をかしげるのを止めたおねーさんはまくしたてるそれだけ言い切ると猫車を押して歩いていこうとする。 「ゆ!ゆっくりまってね!!」 立ち去ろうとするおねーさんをまりさは必死で追いかける。けど、おねーさんは速すぎてぜんぜん追いつけない。 どんなに急いで跳ねてもどんどんおねーさんとの距離は広がっていく。 「おねーさん、はやいよ〜」 「すぃ〜」 「「「「「「ゆっきゅりー!」」」」」」 そして、猫車に乗っているゆっくり一家もそれが当然と言った様子で楽しそうにしている。 まりさは一心不乱におねーさんを追いかける。途中、どこからかカーンカーンと甲高い音が聞こえてきたけど、気にせずまりさは跳ね続けた。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 疲れたから少し休んで呼吸を整える。足を止めておねーさんの方を見てみるとさっきより少しだけ距離が縮まっていた。 「ゆっ!まりさがんばるよ!」 まりさが少しずつ距離をつめていく間もおねーさんは黄色と黒色の縞々の棒の前でじっとしている。 「ゆっ!・・・ゆっ!・・・ゆっ!・・・ゆっ!・・・ゆっ!」 あと3歩・・・あと2歩・・・あと1歩・・・追いついた! そして、まりさがおねーさんを追い抜こうとしたとき、頭上からチョップが飛んできた。 「ゆぎぃ!?」 「待て待て待て待てっ」 チョップを仕掛けてきたのはおねーさん。きっとまりさに抜かれるのが悔しくて邪魔したんだろう。 でも、それはルール違反だから、おねーさんにゆっくり注意してあげようとしたとき・・・ ものすごい速さで、信じられないほど大きな緑色の何かがまりさの目の前を通り過ぎた。 「な、なな、なななななな・・・なにあれえええええええええええ!!?」 「あれはね、でんしゃだよ〜♪」 まりさの質問に答えてくれたのは猫車の上のれいむ。 「おねーさんがとめてくれなかったらゆっくりしんでたん・・・!」 猫車の上のまりさが喋っている最中に、またものすごく大きな何かがまりさの前を通り過ぎた それは白色で、さっきのよりもずっと速かった。 「ゆぎゅうううううううううううううう!!?」 そのでたらめな速さを目の当たりにしたまりさは何だか気持ち悪くなってきた。 エレエレエレエレエレエレエレ・・・・・・ そして、気がついたらあんこを吐き出していた。 「うおっ、こいつ餡子はいてるぞ?」 「だいじょうぶだよ!そのこはゆっくりできないものをみてきぶんがわるくなっただけだよ!」 さっきのゆっくり一家とおねーさんの声だろうか?どこか遠くの方から声が聞こえてくる。 「でも、アンタらは大丈夫だよね?」 「れいむたちはなれっこだからだよ!」 「ああ、なるほど。・・・で、こいつどうしよう?」 「おねーさん、ゆっくりたすけてあげてね!」 「やだ!」 「「どぼぢでぞんなごどいうのおおおおおお!!」」 「「「「「「ゆーっ!!」」」」」」 「・・・・・・はぁ、わかったよ。でも、飼ってやるつもりは微塵も無いからな?」 「「ありがとう、おねーさん!」」 「「「「「「ゆっきゅりー!」」」」」」 目を覚ますと、見慣れない場所にいた。辺りを見回すとさっきのゆっくり一家とおねーさんがまりさを囲んでいる。 「・・・・・・ゆう〜?」 何があったんだっけ?よく思い出せないなぁ・・・。 「お〜い、何ぼけっとしてるんだ?」 そういって心配そうにまりさの顔を覗き込んだおねーさんは目の前で手のひらを思いっきり左右に振った。 「ゆぎぃいいいいいいいいい!?」 エレエレエレエレエレエレエレエレ・・・ また、意識が遠のいた。 「またかよ・・・」 「おねーさん!なにやってるの!?」 「何って、無事を確認しようと・・・」 「そんなゆっくりしていないてをみせられたらゆっくりできないよ!」 「アンタら・・・本当に難儀な生き物だね」 「「「「「「ゆーっ!」」」」」」 「あとでゆっくりあやまってね!」 「はいはい、わかったよ。それより、そろそろご飯食べないか?」 「ゆっ!おねーさん、はなしをそらさないでね!れいむはたくあんがたべたいよ!」 「文句言うか、素直に話を逸らすかどっちかにしろ」 「まりさはさけかすがほしいよ!」 「「「「「「ゆっきゅりー!」」」」」」 そこでまりさの意識は途絶えた。 「清く正しく」 「きめぇ丸です」 何度目になるかわからないけど、またまた目を覚ますとまりさの周りを2匹のきめえ丸と呼ばれるゆっくりがぐるぐる回っていた。 エレエレエレエレエレ・・・ また、意識が遠のいていく。 「あなたもゆっくり飼っていらっしゃるなんて意外だわ」 「んー、まあちょっとした成り行きで」 「でも、ゆっくりは飼い主に似ると言う言葉通り、貴女の胸同様締りの無い面構えですわ」 「あー、はいはい、そうだねぇ」 「人の話を聞き流さないで下さらないかしら?」 「おねーさん、まりさがきめぇまるにいじめられてるよ」 「苛めは良くないなぁ・・・で、ゆっくりと飼い主がなんだっけ?」 「・・・な、なんでもありませんわッ!?」 おねーさんのお友達はちょっと高飛車な感じだな、と思った。 そして、またまた意識を失った。 またまたまたまた目を覚ますと今度は知らないおにーさんが目の前にいて、おもむろに手を左右に振り始めた。 エレエレエレエレ・・・ もう何度目だろうか。またまたまたまた意識が遠のいていく。 「なるほど・・・これは非ゆっくり過敏症だね」 「何すか、それ?」 「文字通り、ゆっくりしていないものを見ると気絶するゆっくりの性質が過剰に出てしまう症状だよ」 「で、それに何か不都合でも?」 「さっきの俺の手の動きがゆっくりしていないように見えたかい?」 「いや、遅すぎるくらいだったような・・・」 「そう、さっきのは時速3km程度。でも、この子にとっては自分より速いから非ゆっくりなんだよ」 「へぇ・・・でも、今朝は私が歩いているのを見ても平気でしたよ?」 「話を聞く限りだと・・・自分より圧倒的に速いものを立て続けに目の当たりにしたことで自尊心を打ち砕かれたのが原因だろうね」 「ふぅん・・・無力と貧弱を体現したような饅頭の癖に難儀なやつ・・・」 「おねーさん、このこかわいそうだよ!なんとかしてあげてね!」 「で、どうすれば治るんです?」 「人間のそばにいて定期的にカウンセリングを受けさせるしかないね」 「えーっと・・・先生!私からの気持ちです、受け取ってください!」 「いらん」 「ゆぅ・・・おねーさぁん・・・・・・」 「・・・はぁ、はいはい。わかったよ・・・」 こうしてまりさのゆっくり出来ない人里生活が始まった。 −−−あとがき−−− 雪辱は晴らすものではありません。 何と言うかね、ひたすらゆっくり出来ないものを見たまりさがエレエレするだけ。 斬新というか横着以外の何者でもない。これは酷い。 オリキャラは叩かれ易いという話がチル裏であったけど、オリキャラ(というか固有名詞持ち)って便利なんだよなぁ・・・。 (東方キャラで良いじゃないかって人もいるが、東方キャラだとそのキャラのイメージを変に気にするから書きづらくなる) スゥさんちのメアリーが色々アレでナニだけど、名前があると文章を書くときに色々便利だし。 特に自分みたいにキャラを使いまわす人はつけれるものなら名前をつけたいんじゃなかろうか? そんな訳でおねーさんの名前を考えていたら、思いついた名前が戸須磨 理沙(どすま りさ)。 だめだこりゃ。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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※これはfuku1783 ゆっくり腹話術(前)の続きになります 子れいむと親れいむを失い、残り四匹となったゆっくり一家の後を追う。 親れいむが人間に連れ去られたショックはあるものの、ゆっくり一家にあるのは悲壮感ばかりではなかった。 残ったものが死んでいったものたちの分までゆっくりしよう、という思いなのだろう。 「ゆぅ、おにゃかちゅいたね…………」 ポツリ、と子れいむが呟いた。 「「ゆぅ……」」 その言葉に賛同するように声を漏らす二匹の子まりさ達。 このゆっくり一家は食べ物を求めて人里にやってきたが、狙った食べ物にはことごとくありつけなかった上に死ぬかもしれない思いまでしている。 空腹は既にかなりのものになっていることだろう。 腹を空かせる我が子の姿を直視できないのか、なんでもいいから食べ物を探そうとしたのか、親まりさは視線をキョロキョロと辺りに飛ばす。 すると、 「お~い、ノブナガ~。メシだぞ~」 近くの民家から一人の老人が皿を持って外へ出てきた。 どうやら飼っている犬にエサを与えに来たようだ。 老人が犬小屋の前にエサを盛った皿を置くと、バネ仕掛けのおもちゃのように勢いよく一匹の柴犬が犬小屋から飛び出してきた。 ガツガツと勢いよく食べる飼い犬の姿を満足そうに眺めた後、老人は家の中へと戻っていった。 「「「……………」」」 視線をゆっくり達へ戻すと、案の定というか子ゆっくり達は羨ましそうに犬のエサを見つめ、口の端からはだら~、とよだれまで出ていた。 親まりさも私と同じくその姿を見たのか、 「ゆっ、まりさにまかせてね。いぬさんからごはんをもらってくるよ!」 そう子ゆっくり達に言い残してすぐさまその場を駆け(跳ね)だした。 本来は人里の美味しい食べ物を狙いにきたのだろうが、犬のエサまで狙うとは。 余程腹を空かせていたのだろう。 「ゆっ、おとうしゃんがんばっちぇね!」 「むのうなおかあしゃんとはちがうもんね!」 「いぬしゃんなんかぶったおちちゃえ!」 親まりさの背後からは子れいむや子まりさの声援。 その声援を受け親まりさは犬のもとへ向かう速度を更に加速させると、そのままの勢いで食事中の犬のどてっぱらに体当たりを仕掛けた。 「ゆぉぉぉぉぉぉ!!」 「キャウンッ!?」 突然のことに思わずよろめき、その場から退く犬。 それを自分の勝利と思ったのか、親まりさは子ゆっくり達に「みんな~、おいで~。ごはんだよ~」と呼びかけていた。 「やっちゃー、さすがおとうしゃん!」 「おなかちゅいたよ~」 すぐさま親まりさの元へ結集する子ゆっくり達。 そしてゆっくり一家は犬のエサが盛られた皿に一斉に殺到した。 「「「む~しゃむ~しゃ、ちあわせ~」」」 犬のエサといえど野生のゆっくりの常の食事に比べれば豪勢だ。 子ゆっくり達の幸せそうな顔を、子の幸せは我が子の幸せだという顔で見つめる親まりさだったが、自分も腹を満たさねばと皿のエサを食べようとするが 「バウッ!!」 犬の鳴き声に驚き飛び上がった。 「ゆっ、ゆっ!? び、びっくりさせないでね! これはまりさたちのごはんなんだからいぬさんはさっさと────い゛だい゛いいい!!!!」 親まりさは抗議の声をあげたが、犬に言葉が通じるわけもなく、頭の一部を噛み千切られていた。 噛み千切られ失った左半分の頭部からは餡子が漏れ出ている。 「ゆっ、おとうしゃん!?」 「おとうしゃんににゃにするのぉぉ!!」 「だめぇぇぇぇ!! にげてぇぇぇぇ!!」 親の仇だ、と犬に突進しようする子まりさ達を諌める親まりさの声に、この犬も人間同様敵わぬ相手と悟ったのか、すぐさま逃亡を図る子ゆっくり達。 親まりさも噛み付かれたが頭部は千切られていたため、すぐにその場を離れることができた。 だが、子れいむが一匹、逃げ遅れていた。 犬から一番遠い位置に居て、犬に突っかかろうともせずに逃走の体勢に入っていた子れいむ。 本来ならば真っ先に逃げられていたであろうが、子まりさが子れいむを踏みつけていったため逃げ遅れていたのだ。 「ゆっ~、まっちぇぇ!」 背後からは犬が外敵を排除せんと追ってきている。逃げ遅れている自分。 恐らく子れいむは最初に死んだ自分の姉妹のことを思い出していたことだろう。 しかし、ここで子れいむを殺してしまっては私の計画が狂ってしまう。 私は子れいむを踏みつけていった子まりさに狙いを定めると、『腹話術』を使用した。 「ゆっ!? 〝ガメラが飛ぶ時の回転数すごすぎぃぃぃぃぃ!!!〟」 『腹話術』をかけられた相手はその間気を失う。 つまり、気を失った子まりさの足は止まるということだ。 足の止まった子まりさを追い抜いていく子れいむ。 理由は分からないだろうが助かったので特に気にすることはないだろう。 「…………ゆっ!? なんでれいむがまえにいりゅ────ゆ゛ーーーーー!!!!!」 子まりさが気が付いた次の瞬間には、子まりさは犬に咥えられていた。 「いだいよ゛ぉぉぉぉ!!! おどうじゃんだずげでよ゛ぉぉぉ!!」 噛まれ、宙に浮く子まりさは泣き叫び親に助けを乞う。 しかし親まりさは無力である。ゆっくりが自分より体の大きいものに敵うはずもない。 「ゆっ、ゆっ……!」 犬は鎖に繋がれているため鎖の長さ以上の距離を逃げている親まりさ達は襲われることはない。 だが犬の行動範囲内に飛び込もうものなら今度こそ問答無用に殺されてしまうだろう。 子まりさを助けることは最早不可能だった。 「ゆ゛っ、ごべんね、ごべんねぇぇぇぇ!!」 親まりさは涙を流しながら子まりさを見捨てた。 残った子まりさと子れいむを連れて全速力でその場を逃げ出したのだ。 「ゆっ、おとうしゃん、まりさのいもうちょがぁぁぁぁ!!!」 「だめだよぉぉぉ!! みんなしんじゃうよぉぉぉ!!」 親まりさに咥えられた子まりさは犬に咥えられた子まりさを助けるよう求めるが、それは叶わぬ願い。 子れいむも子まりさを助けようとしたのかいくらか逡巡していたが、やがてどうやっても助けられぬと分かったのか去り行く父親達の後を追っていった。 「どぼぢでぇぇぇぇ!!! なんでまりしゃを……ゆがべぺ……ゆ゛っ!!」 助けられなかった子まりさは、身の程を弁えぬ所業と身内を蹴落とすという外道な行いの報いを受ける。 子まりさは少しずつ咀嚼されるという苦しみの中息絶えていった。 その死に顔は私の胸がすっ、とするほどの絶望と苦しみに彩られていた。 「…………くふっ」 思わず笑いが漏れる。 遂に半分にまで数の減ったゆっくりの一家はその歩を人里の中心に向けていた。 だが当人達は気づいてないだろう。ただ襲い来る脅威から逃げていただけにすぎない。 やつらは気づいていない。自分達から危険に近づいていることに。 「……ゆっ? おとうしゃん、いいにおいがするよっ!」 それまで俯いてしょこしょこと小さく跳ねていた子まりさがその場で嬉しさを表現するように跳びはねた。 言われ親まりさと子れいむもその場で立ち止まり鼻(?)をひくひくさせて臭いを嗅ぎ取ろうとする。 「ゆっ、ほんちょだ! おいちしょうなにおいがしゅるよ、おとうしゃん!」 「ゆゆっ、ほんとうだね! こっちからするよ! ゆっくりできるよ!」 それまで沈んでいた家族の間に笑顔が戻ってきた。 ゆっくり一家はその笑顔のまま臭いのする方へとぴょこぴょこと進んでいった。 だがゆっくり一家がその先で「しあわせ~」になることはないだろう。 ゆっくり達の向かった先、「いいにおい」の出所は、焼き鳥屋だった。 私もよく行く馴染みの店だ。 夜になると人間や妖怪達が一緒に酒を飲み騒いでいる。 今日も店の中からは様々な笑い声や上手そうな焼き鳥の匂いが漏れ出ている。 中の者だけではなく近くを通りかかった外の者まで陽気にさせる、私の好きないつもの雰囲気だった。 「ゆっ、ここからおいしそうなにおいがするよ」 「ゆっ♪ ゆっ♪ これでゆっくりできるね~♪」 パンドラの箱に残った希望を見つけた人間のような表情をしながら焼き鳥屋の方へと跳ねていくゆっくり一家。 焼き鳥屋の入り口は引き戸なのでゆっくりには開けられないかと思ったが、誰かが閉め忘れたのか若干開いており、そこに親まりさが自分の頬を突っ込んでむりやり戸をこじ開け入っていった。 私は店に入るか入るまいか若干迷ったが結局入ることにした。 「ゆ~♪ おいちちょ~♪」 中に入ると子ゆっくりが歓喜の声をあげていた。 店の者達は入ってきたゆっくりを気にもとめず(というか気づいていない)皆好き勝手に飲み騒いでいた。 まだ日が沈んでから一刻も経っていないというのに気の早い連中だ。 ぴょこぴょこと跳ねながらゆっくり一家はカウンター席の方へと向かっている。 私もゆっくりの後に続いてカウンター席へと向かう。 普通に歩いてはゆっくりを追い抜いてしまうから牛歩戦術だ。 ゆっくり一家はカウンター席の下まで辿り着くと、親まりさが空いている席の椅子へとジャンプした。 そして椅子からカウンターへと再びジャンプ。カウンターの上に乗った親まりさはカウンターの向こう側で焼き鳥を焼いている店主(私達は敬意と親しみを込めて〝マスター〟と呼んでいる)に向かってこう要求した。 「ゆ~、おじさん! まりさたちにもごはんちょうだいね!」 どうやらマスターが客に注文された酒や焼き鳥を渡すのを見て、マスターが食べ物をくれる人だと勘違いしたようだ。 「おぉう? なんだ、ゆっくりじゃねぇか」 親まりさにマスターよりも先にすぐ隣の席で酒を飲んでいた客が気づいた。 って、誰かと思えば飲み癖と悪食とロリコン趣味で有名なタケさんじゃないか。 流石に稗田家の当主はやめておいた方がいい、と今日こそ言うべきか? 「なんだ? 誰がゆっくり入れたのは」 タケさんが親戚のわんぱく坊主でも見るかのような反応を示したのに対し、マスターは明らかに不機嫌そうだった。無理もないか。 「いや、店の戸が半開きだったんですよ」 タケさんの隣の席に座り、誰かに濡れ衣が着せられる前に私がフォローに入った。 「おぉう、なんだ、お前がゆっくりを連れてきたのか? ……ゥィック」 「違いますよ」 やんわりと否定しておく。どっちかっていうとゆっくりが私を連れてきたようなものだ。 というかタケさんもう酔ってるんかい。 「ゆっ! ゆっくりむししないでね! さっさとまりさとまりさのこどもたちのためにごはんをよういしてね!」 見ると親まりさがその体を膨らませて怒っていることをアピールしていた。 それを見てタケさんがゲラゲラと笑い、マスターが更に不機嫌そうな顔になり、私の虐待エナジーが高まる。 「ちょうだちょうだ! さっさとまりしゃたちにごはんをよういしてね!」 カウンター席の下、タケさんの足元で子まりさも親に続き抗議の声をあげる。 タケさんがその声で子ゆっくりが居ることに気づき視線を下に向け 「おぉう、ちみっこもいるのか~」 と陽気に笑った。 …………決めた。 親まりさ、貴様を潰すのは後だ。 ここでは子まりさを潰す。 私は『腹話術』を、今度はゆっくりではなく、タケさんに向けて発動させた。 「〝おぉう、マスター! ちょいとこの子ゆっくり焼いてくれや!〟」 「「ゆっ!?」」 親まりさと子まりさが跳ね上がる。 私は『腹話術』をかけられ自分が注文したことを知らないタケさんに代わり、床にいる子ゆっくりを拾い上げた。 「ゆっ!? まりしゃをどうちゅるの! ゆっくりはなちてね!」 「はなちぇ~!!」 掴まれた子まりさがジタジタと身をよじり、側にいた子れいむがピタンと体当たりをしかけるが効果は無し。 なんの障害もなく子まりさは私からマスターへと手渡された。 「まったく、タケさんの悪食っぷりは相変わらずだねぇ」 マスターはそうぼやくだけで特に疑問ももたず子まりさの調理にかかった。マスターも馴れたものだ。 「まりさのごどもがえせぇぇぇぇぇ!!!」と私が子まりさを掴んだあたりから親まりさが騒いでいたが、タケさんが面白がって押さえつけていたので何もできていない。 マスターは子まりさを軽く水あらいして「ゆぐがぼべっ!!」、さっと振って水気を飛ばすと「ゆゆゆっ!?」、焼き鳥を焼く金網の上に子まりさを乗せた。 「あ゛ぁぁぁつ゛つづっっいいいぃいぃよおおぉぉ!!!」 ボロボロと涙を流す金網の上の子まりさ。零れ落ちた涙はすぐにジュッと蒸発する。 なんとか金網の上から逃れようとするもマスターが上から菜箸で押さえつけているため動けない。 「ゆぎゃ"ぁ"ぁぁ"!!!ま゛り゛ざのごどもがぁぁぁ!!いぎゃ"ぁ"ぁ"!! タケさんに押さえつけられている親まりさがカウンターで泣き叫ぶ。 ガハハハハハと笑いながらタケさんに押さえつけられている無力な親まりさは素晴らしい程に滑稽だった。 「ぶわっはっはっはっは」 とついつい私も笑ってしまう。 私のことを知らない他人が見ればどこの大根役者だと思うことだろうが。 「おどうじゃん、だずげでよぉぉぉ!!! いぎゃ"ぁ"ぁ"!! まりじゃのあぢがぁぁぁぁ!!」 金網の上で泣き喚く子まりさを、マスターは無慈悲に菜箸で転がす。 今度は顔面が金網のつく形になった。 「ゆ゙ーーっ゙!!! も゛う゛や゛め゛でえ゛えええ!!」 ハッキリ言って煩いが顔面を焼かれているためすぐに大人しくなるだろう。 もう一つのうるさい親まりさはと言うと 「グワッハッハッハ、なんだお前、頭ないじゃんぶわっはっはっは」 と欠けた頭部からタケさんに箸を突っ込まれ頭の中の餡子をグチャグチャにされていた。 「ゆ゛! ゆ゛! ゆ゛! ゆ゛…!」 なんだか白目を向いて痙攣していた。はっきり言って気持ち悪い。キモイじゃなくて気持ち悪い。 「へい、焼きゆっくり一丁!」 やがて子まりさが焼き上がり小皿に乗せられタケさんの前に置かれた。 「ま"り"ざのごどもがぢんじゃっだぁ"ぁ"ぁ"!!どぼじでごんなごとずるのぉ"ぉ"!!」 「あれ? 俺焼きゆっくりなんて頼んだっけ?」 「なんだい酔っ払いすぎだよタケさん」 「そうだよタケさん、酔いすぎだよ」 焼きゆっくりの注文は私が『腹話術』で頼んだためタケさんは覚えているはずがないのだが、マスターの言葉尻に乗って酔ったせいにしておく。 「んあ~、そう言われれば頼んだ気も…………でもいらねぇや」 タケさんはそう言って子まりさを掴むと床に叩きつけて草履の踵部分でグリグリとすり潰した。 その光景を子れいむは間近で見ることになったことに、私は気づいていた。 「あぁ、もう。やめてくれやタケさん、掃除するの俺なんだから」 「おっと、わりぃなマスター。代わりにもう一杯くれや」 「何が代わりなんだか」 「ゆぐ……ぐずっ……なんでごんなごどするのぉ……まりざのごどもがぁ……」 「なんだ、まだいたのかこのゆっくり」 「あ、私が外に出しておきますよ」 マスターの不機嫌が本気でヤバい段階にいきそうだったのでマスターに潰される前に私は親まりさを抱えて外に向かっていく。 もちろん子れいむも忘れずに足で外へと蹴飛ばしながらだ。 「飲みにきたんじゃないのか?」 「焼き鳥を家で食おうかな、と思っただけです。後でまたとりにきますから焼いといてください」 「あいよ」 成り行きで今晩の飯が決まった。 だが飯の前に、最後の仕上げだ。 ふっふっふっ、最後は私自ら手を下そうぞ。 どこのラスボスだよ。 私は親まりさを抱え子れいむを蹴りながら焼き鳥屋と隣の酒屋の間の狭い路地に入った。 その間親まりさを子れいむも子供のようにボロボロと涙を流し続けていた。 「さて、と」 子れいむを蹴飛ばすのをやめ、子れいむの脇に親まりさを置いた。 ゆっくりと視線を合わせようと、その場にしゃがみこむ。それでも私の方が視線が上だが。 「おいゆっくり。なんでこんなことになっているかわかるか?」 「ゆっ、ゆぐっ……まりざのごどもがぁぁぁ……」 「質問に答えろよクズ饅頭」 親まりさの口に拳を突っ込む。喉までだ。 そして体の奥底の餡子を一握り掴むと勢いよく引っ張り出した。 「ゆべぇぇぇぇぇ!!!」 叫び、咽る親まりさ。 その顔に親まりさの体から抜き出した餡子を叩き付け、もう一度問う。 「なんで、こんな、ことに、なって、いるか、わかるか?」 脳の足りないゆっくりにも分かりやすいように一語一語区切りながら。 それで流石に理解したのか親まりさは泣きながら答えた。 「ゆぶっ、にんげんだぢがまりざだぢのじゃまずるがらだよぉぉぉ!!」 「残念、不正解だ」 罰として今度は親まりさの歯を引っこ抜いてやる。 もちろん道具など使わない。素手だ。 左手で上顎を掴み、右手で前歯の一本(歯は飴だった)を情け容赦なく引っこ抜いてやった。 「ゆぼぉぉぉ!?」 「ゆゆっ、おとうしゃん!!」 それまで親まりさの後ろでガタガタ震えていただけの子れいむも恐怖を忘れて親まりさを心配する。 だが子れいむ。貴様は今は後回しだ。 「正解を教えてやるよ」 私はそう囁きかけながら引っこ抜いた歯を親まりさの右目にぐりぐりとおしつけてやる。 「ゆがっ、べぽ……ぜいがいっでな゛に゛ぃぃぃぃぃ!!!」 「お前らが身の程も弁えず人間の里に来たこと。それと家族を見捨てたことだ」 親まりさはその言葉でカッと目を見開く。何故知っているのかという顔だ。 だが今はそこを言及する場合ではないと分かっているのか、口にしたのは弁解だった。 「ゆっ、だっで、だっで、ごはんがもうないんだよっ! にんげんのごはんをもらわないといぎでいげないんだよっ!」 「それはお前等の怠慢だ」 罰として頬をちぎってやる。 「ゆ゙ーーっ゙!!! …………ぞ、ぞれに、みずでだわげじゃないんだよっ! あぁじないど、みんなゆっぐりでぎないがら、じがだがなかったんだよっ!」 「ほぉ、つまりお前は多数を助けるために少数を尊い犠牲としたと?」 「ゆ゛っ! そうだよ! まりさはかぞくをたすけるためにしかたなく────!」 私は親まりさの行動を思い返す。 確かに、親れいむほど悲しみに打ち震えていなかったが、子まりさほど死んだ者を罵倒してもいなかった。 子れいむの足を引っ張って死なせたのも子まりさだ。親まりさじゃない。 親のほうのまりさは、割といい親だったのかもしれない。 こいつの言い分を鵜呑みにするならば、必要以上に悲しみに暮れなかったのも、一家の大黒柱の責任故だったのかもしれない。 でもそんなの関係ねえ。 「でもな、まりさ?」 「ゆっ?」 「そのまりさが助けたようとした家族、子れいむ以外みーんな死んじゃってるけど?」 「ゆっ!? ゆゆゆゆっ……!」 私の言葉にガタガタを震える親まりさ。 気づいたのだ。多数を助けるために少数を犠牲と成すやり方で、助かったのは少数なのだと。 「で、でもっ! れいむはいぎで────」 「こんなクズな親のもとにいたられいむゆっくりできないから、この子は私がもらっていくね?」 「「ゆっ!?」」 それまで黙っていた子れいむまで驚愕する。 そんなゆっくりには構わず私は子れいむを掴むと着ていた服の懐に入れた。 くぐもった「ゆ゛っーーー!!」とした声がわずかに聞こえてくるが無視しておく。 「ゆ゛ぅぅぅぅ!! ゆっぐりやめてね!!! まりざのごどもがえじでね!!」 子供を取り返そうと飛び掛ってくる親まりさの顔面を掴んでやると私は立ち上がり、そのまま表まで歩いていった。 手の中で「ゆがぁぁぁぁ!! はなぜぇぇぇぇ!!」と親まりさが喚いている。 吐息が気持ち悪かった。 私は人里の中を親まりさを掴んだまましばらく歩く。 道行く人、妖怪が親まりさの叫びに気づいてこちらを見やるが、私がゆっくりを掴んで歩いているのを見ると「なんだ、ただの虐待お兄さんか」と視線を外した。 そして私は人里の中で、二つの通りが交差する場所まで来ると、親まりさを地面へと落とした。 「ゆべっ!?」 ずでん、と転がる親まりさを一回蹴った後、私は懐からさっきの子れいむを取り出した。 「ゆっ! れいみゅをかえちてくれりゅの?」 無視。 「さてまりさ。選ばせてやる」 「ゆっ、ゆっ、まりざのごどもをがえ────」 「黙れクズ饅頭。喋っているのは私だ」 まともに会話できそうにないので口元を踏みつけて黙らせた。 しばらく「ゆ゛ーーー!! ゆ゛ーーー!!」と身を捩じらせていたが私が足をどけないと分かると少し静かになった。 「さて、お前に選ばせてやる」 そういいながら手の中の子れいむを眼前に突き出してやる。 子れいむも煩いので指を口に突っ込ませて黙らせている。 「お前があくまでこいつを返して欲しい、と私に戦いを挑むのであれば、こいつは死ぬ」 「「────っ!?」」 ゆっくりの目が見開かれる。 「だが、お前がこいつの命を助けて欲しいと願うのであれば、私はこいつをゆっくりさせてやるし、お前も逃がしてやろう」 私はそこで足をどけてやる。 「ゆっ! おじさんほんと!?」 「おにいさんだクズ饅頭」 口に蹴りをぶち込み歯を二、三本折ってやる。 「あぎゃぁッああ!! …………ゆ゛っ、おにいさん、ほんどう? そのごゆっぐりざぜでぐれる?」 「ああ、もちろんだとも」 「このまままりざががえれば、そのごゆっぐりでぎるの?」 「その通りだ」 このやり取りの間、子れいむはずっと声も出せず泣いていた。 目の前で親が見るも無惨にやられている。 悔しいのか、悲しいのか。 私にとってはどちらでもどうでもいい。 ただ指にたれてきた涙の生暖かさが、こいつは〝私流〟にゆっくりさせてやろうと決意させただけだ。 私は親まりさの頭をつかむと後ろを向かせてやった。 「道が二つある。どちらでも好きな方へ行って帰れ」 そう言ってやると、親まりさはしばらくその場で悩んだ。 だが、答えはもう決まっているだろう。 「ゆ゛っ、わがっだよ。まりざはおうぢがえるよ。だから、まりざのごどもゆっぐりざぜてね?」 「ああ、約束だ」 「じゃあね…………バイバイ……」 そう呟く親まりさの語尾は尻すぼみに消えていった。 やがてとぼとぼと左右のうちの右の道から里の外へと向かっていく親まりさ。 私は子れいむの口を塞いでいる指を抜いてやった。 「ゆぐっ……! おとうしゃぁぁぁぁぁん!!」 親を呼ぶ子の声。 今生の分かれとなる親子の、最後の会話。 親まりさは子れいむの声に振り返ると、くしゃり、とその顔を涙で崩すと、精一杯の声で叫んだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 それで最後。 親まりさは子れいむの反応も見ずに全力で駆け出した。我が家へと。 親まりさの選択は正しかった。 命あってのものだねだ。 最後は二匹になってしまったが、全滅はしていない。 あの親まりさも私が見逃してやったことによって、やがてまた新しい所帯を持つことだろう。 この悲劇を教訓に、次こそゆっくりとした生涯を送るであろう。 次こそ、そう次こそ────。 「見逃してあげても、よかったんだけどねぇ」 君が悪いんだよ、まりさ。 私は選ばせてやった。〝どちらの道で帰るか〟を。 なのに君はそっちを選んだ。 あぁあ、なんてこったいまりさ。 君が逆の道を選んでいれば、幸せになれたかもしれないのに。 君が、いけないんだよ。 君がそっちの道を選ぶから 「君は、彼女へのプレゼントだ」 親まりさが選んだ道。 そこにはある伝統の家系の家がある。 幻想郷を見続けてきた、幻想郷縁起を編纂してきた名家。 稗田家が、ある。 全力で駆けるまりさが、稗田家の前に来た瞬間、私はまりさに『腹話術』をかけた。 「〝あっきゅうちゃ~~~ん。あっそびましょ~~~う〟」 おわり 子ゆっくりの運命は…… ───────── あとがきのようなもの コミックス版「魔王」最新刊五巻を読み終わった勢いで書いてしまいました。 そのため文体が安定していないかもしれません、申し訳ありません。 他に書いたもの:ゆっくり合戦、ゆッカー、ゆっくり求聞史紀、ゆっくり腹話術(前) このSSに感想を付ける
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ゆっくりいじめ系122 ゆっくりアリス愛の劇場-1 それからのアリスはゆっくり一家とうち解けた日々を過ごす。 ゆっくり姉妹や母とは少し距離が開いていたが、それが逆にほどよい距離感となって、神経質になっていた姉妹も許容できるつきあいとなっていた。 一方、退屈な冬ごもりの日々に突然あらわれた多種に興味津々だったのは赤ちゃんゆっくり。 すぐにアリスになついて、今はアリスの額の上でぽんぽん跳ねて遊んでいる。 「ゆっゆっゆ~、楽しいよアリスお姉ちゃん!」 「ゆっくり遊んでね!」 アリスの顔もまんざらではない。 自分の巣穴にいれば、昨日まで吹きすさんでいた地吹雪に巻き込まれ、飢えながら凍え死んでいただろう。 だが、今はおうちの中でみんなの体温で暖まれる幸せ。食べ物だって満足な量ではなかったが、ゆっくり一家と同じ食事なのだから文句は言えない。むしろ、差別されないことに感謝すべきだろう。 、そして何より、誰かと遊びながら日々を過ごせる幸せ。 幸福が増長させたのだろう。アリスはいつのまにか、今年はこのまま冬を越せると思いこんでいた。 最初の雪が止むまでという話はすでに忘れ去っている。 その日の夕方、赤ちゃんゆっくりが遊び疲れて寝入るのを見守るゆっくりアリス。 気がつけば、自分を取り巻くように母ゆっくりとゆっくり姉妹が自分を見つめていた。 意を決した一家の眼差しに気づかず、アリスはようやくみんなにかまってもらえるとばかりに満面の笑み。 「赤ちゃんも寝たから、これからゆっくりしようね!」 だが、アリスに向けられたのは寂しげなほほえみだった。 「ううん、アリスはあまりゆっくりできないよ!」 「ゆ!?」 姉ゆっくりの気遣うような表情に、きょとんとなるアリスの顔。 姉ゆっくりの後の言葉を、妹ゆっくりが続けた。 「天気もゆっくりよくなってきたね!」 「うん! 明日からお外でもゆっくりできるね!」 一緒に暮らせるのは天候が回復するまで。 その約束を、ただ一匹アリスだけが気がついていなかった。 アリスが自分から言い出すことを期待していた妹ゆっくりは少し失望の表情。 「それじゃあ、陽がのぼったらアリスは自分のおうちに戻ってね」 「……ゆ?」 「五日分ぐらいのたべものをわけてあげるから、その間に食べられる木の皮とか自分で集めてね!」 折角のアドバイスにもかかわらず、アリスが笑顔のまま凍り付いていた。 そのまま、目を見開いてぷるぷると震える。 「……ゆゆゆゆゆ?」 震えがどんどん大きくなる。 体がはじけるんじゃないかと姉妹が思った頃、アリスの感情が先に弾けた。 「どうぢで、ぞんなごどいうのおお!」 血走った目で咆吼するアリス。ゆゆっと寝かしつけたばかりの赤ちゃんが飛び起きるのもかまわず、アリスはわんわんと泣き続けた。 「ゆっぐ……ひっく……っ! アリスはずっとここにいるよおおお! ここが、あ゛り゛ずの゛お゛う゛ち゛な゛の゛お!!!」 そんなアリスの傍らへ、ぴょんぴょんと跳ねて近づくのは赤ちゃんまりさ。 大泣きするアリスのそばに寄りそう。 「よちよち」 アリスお姉ちゃん泣かないでと、かつて自分がそうしてもらったとおりに慰める赤ちゃんゆっくり。 だが、その優しさもアリスには届かない。 「アリスを追い出すくらいなら、役に立たない赤ちゃんを追い出せばいいのにいいいいいい!!!」 とてつもないアリスの言葉に呆気にとられるゆっくり一家。 ゆっくり一家にとって、今最も大切なものは赤ちゃんゆっくり。アリスなどと比べられる存在ではなかった。 次第に姉ゆっくりの顔に色濃く浮かぶ失望。あれだけ辛い思いをさせて教えたことが本当はまったく身についていなかったことへの徒労感。 それは、事情がわからない赤ちゃんゆっくり以外、すべてのゆっくり一家に浮かんでいた。 「今日ゆっくりしたら、明日は出ていってね」 「い゛や゛、い゛や゛、い゛や゛だよおおおお!」 ぐずり続けるアリスに冷ややかに告げて、各々のねぐらに入る母ゆっくりと妹ゆっくり。 ただ一匹、姉ゆっくりが気の毒そうな視線をアリスへ向ける。 「おうちの入り口を塞ぐときは手伝ってあげるからね!」 「……ゆっぐ、ひっぐ……」 最大の譲歩と慰めを示したのに関わらず、アリスは一向に泣き止まない。 仕方なくため息を残して、姉ゆっくりも家族を追ってねどこに入っていった。 すやすやと眠る姉ゆっくり。 ふかふかの寝藁の上で、家族揃って寝入っている。 心地よい寝息を立てるその口元には、やんわりとした笑み。 姉ゆっくりの夢の中に、一匹のゆっくり霊夢の姿があった。 アリスが邪魔をしてくるまで、姉ゆっくりが一番遊んだ親友。穏やかな気性で、傍にいるだけで優しい陽だまりにいるような気分にさせてくれた、本当の親友。 夢にあらわれた親友といるのは、懐かしい景色。紅葉の赤が映える秋口の川原で、二匹寄り添って落葉に見入っていたあの時の光景。 親友に連れられて、せせらぎの川原をずっと歩いていく。 やがて、たどりついた目的地。 「誰も住んでないよ!」 声を弾ませるれいむの前にあるのは、大樹の根元にできた自然の洞穴。 ゆっくりまりさたちが住んでいる洞穴とほとんど同じ大きさだった。 だが、さらに優れているのは洞穴を守るように力強く張っている木の根。 「んゆーっ! ゆっくりしたおうちーっ!」 この森には先住のゆっくりがいない未踏のほら穴は数少なかった。 ゆっくりまりさが興奮気味にはしゃいでいると、ゆっくりれいむが意を決したように口を開く。 「まりさ!」 いつもはおっとりして魔理沙の後を追いかけがちなゆっくり霊夢には珍しい強い声。 「ゆっ!?」 思わず振り返るゆっくりまりさ。 どうしたのと覗き込むと、ゆっくりれいむの顔色がみるみる真っ赤になっていく。 「ここだと、二人でゆっくりと暮らせるよ!」 その言葉に、今度はゆっくりまりさが顔を真っ赤にする番だった。 「ゆ、ゆー!」 驚きと喜びが同時にはじけて、ぷるぷるとまりさの体が揺れる。 二匹だけでゆっくり暮らす。 それは、お互いが家族を離れて新しい家庭を築くという、いわば求婚に近いものだった。 同時に、それは姉ゆっくりまりさがれいむと出会って以来、待ち望んでいたことでもあった。 「ゆっ! ゆっ! ずっとずっと、ゆっくりーっ!」 興奮気味にまくし立て、ゆっくりれいむに飛び込んでいく。 はあはあと身を寄せ合い、体を絡ませる。向かい合い、御互いの舌を相手の奥深く差し入れて、ちゅぱちゅぱと絡ませあう。 だが、まだ交尾までは至らない。 姉ゆっくりの体は交尾に耐えられる大きさだったものの、今無計画に子供をつくっては近づく冬を揃って乗り越えられなかった。 ちゅるぽんっと、湿った音とともに離れる唇。 「ゆっくり雪がとけるころ、一緒に暮らそうね!」 「うん、春になったら家族をゆっくりつくろうね!」 れいむの言葉に、まりさはまた嬉しくなって体をすりよせる。 ふうふうと荒くなる息を交わして、擬似の交尾で熱い体を慰め合う二匹。 濃厚な愛の語らいが続いていく…… が、姉ゆっくりの夢はそこでもやがかかりだす。 いつしか、目覚めようとしていた。 さっき寝入ったばかりだというのになぜだろう。 朦朧とした目をしばたかせる姉ゆっくり。 もう少し夢の続きを見たいのに、急速に意識が鮮明になっていく。 同時に、体を覆う気持ち悪い感触も明らかになっていった。 まず最初に感じたのは、全身をべっとり濡らす湿り気と、息苦しいほどの体圧だった。 開いた目がぼんやりと肌色をうつす。 焦点を顔のすぐ前に合わせると、じんわりと映像をむすんでいく。 自分の顔の真正面に、真っ赤な顔でよだれをまきちらすアリスの顔があった。 息苦しいと思ったら、唇を奪われていた。荒い息を吐きながら懸命に舌をこじ入れようとして、滴るアリスのよだれが姉ゆっくりの半身をぬめぬめと輝かせている。 ぞわわわわと、姉ゆっくりに湧き上がる鳥肌。 「むぐぐぐうううううう!」 唇をふさがれて言葉にならない悲鳴。 ふるふると震えるが、がっしりとアリスに押さえ込まれて後ろに下がることもできない。 荒い息遣いにさらされて、姉ゆっくりの目に恐怖でじんわりと涙が浮かぶ。 やがて、ぷはっとようやく唇される唇。 だが、それは次の段階へ移るための支度でしかなかった。 べろんと、アリスの舌が姉ゆっくりの強張る全身を舐め上げる。 「ひぐううう!」 嫌悪でうめく姉ゆっくり。 アリスの舌は、姉ゆっくり顎のあたり、成長したゆっくりなら子供を生み出す部分を執拗に舐め上げようとする。 「や゛め゛でええええ!」 交尾を前提とした意図を露骨に感じて、衝撃で震えていた体を必死に動かす姉ゆっくり。 ごろんと横に転がると、姉ゆっくりいた空間にアリスが顔面から沈みこむ。 よほど夢中なのか、アリスはそれにも気づかず、何もいない寝床にぶるぶると体をこすりつけている。 が、空虚な感触にすぐに身を起こした。 「どこなの、まりさあああ」 ねっとりとした口調で周囲を見回し、腰を抜かしたようにずるずると後退する姉ゆっくりを見つけた。 よだれを垂れ流しながら近づいてくるアリス。 姉ゆっくりは壁に後ろをつけて、しわくちゃな泣き顔でいやいやをする。 「どう゛じで、ごんな゛ごどずるのおおお!」 姉ゆっくりの悲痛な声。 ゆっくり一家の見立てでは、アリスはまだ発情期ではなかった。 凶悪な本能ではなく、アリスは理性による思考の果てに動いているはず。なぜ、一方的な交尾というゆっくりといえど許されない行為にはしるのか、姉ゆっくりにはまるでわからない。 すると、アリスはにっこりと善意に満ちた笑顔を浮かべた。 「アリスがいなくなると、アリスのことが大好きなまりさは寂しいよね! だから、代わりにアリスの赤ちゃんをあげるね!」 目の前がまっくらになる姉ゆっくり。 アリスは理屈と相手への善意から行動している。問題はその前提は大きく狂っていることだった。今さら修正が聞くとは思えないほどに。 「ぞんな゛の゛、い゛ら゛な゛い゛いいいいいいい!」 後ろを向いて巣穴の奥へ逃げ込もうとする姉ゆっくり。 だが、アリスの行動はすばやかった。 「別にまりさだから、子供をつくりたいってわけじゃないからね!」 叫びながら、後ろからとびかかる。 背後から姉ゆっくりの黒い帽子と髪を噛み、飛び上がろうとした姉ゆっくりは地べたに落下した。 「ゆべ」 反動でつぶれかける姉ゆっくりの体。 アリスはその機を逃さない。姉ゆっくりの上にのしかかって、逃げられないように体重をかける。 「ゆーっ♪ アリスのことが大好きなくせに、最初は嫌がってみせるのがかわいいよおおおお!」 「ゆぎいいいいい!」 身をくねらせるアリスに、姉ゆっくりの大きく見開いた目が白目になっていく。同時にあふれ出す滂沱の涙。 アリスは自分と交尾できることをそこまで喜んでくれる姉ゆっくりに感動し、その耳元でそっと囁く。 「こども、たくさんつくろうね! まりさのためなら三十回はすっきりできるからね!」 「やだああああ! だずげでええええええええ! れいむぅううう! おかあさああああああん!」 姉ゆっくりが泣き喚いたその瞬間、姉ゆっくりにかけられていたアリスの重みが消えうせた。 「ゆべらああああ!」 悲鳴とともに吹き飛んだのは、アリスの体。 ふーっ、ふーっと、獣のような息に気がついて見上げれば、母ゆっくりの鬼神のごとき表情。その後ろには青ざめた表情の妹ゆっくりと、不思議そうに姉ゆっくりを見下ろす赤ちゃんゆっくりがいた。 一方、アリスは母ゆっくりの体当たりで壁に平べったくはりついている。 へにょりと剥がれ落ちるなりこちらを振り向いて、母ゆっくりの表情に気づいた。 「ゆ!? そんな顔、怖いからやめてね!」 アリスがぷんぷんと、怒ったそぶりで母ゆっくりを責める。 「皆にもアリスの子供をつくってあげるから、嫉妬しないで待っていてね!」 母ゆっくりは応えない。 ただ、どすどすとアリスの傍へかけていき、その不埒者を頭からまるかじりしただけだった。 「あ゛っ、あ゛ーっ!」 あまりの予想外のことに、アリスは混乱した。 頭からたれてくる母ゆっくりの唾液。そして自分の餡子。 「だめ゛ええええ! いくらアリスのことをあいしていでも、だべるの、ら゛め゛ええええ!」 母ゆっくりは、こんな汚物を食べたくなかった。 そのまま、ずりずりと引きずって補修したばかりの出入り口の壁にぎゅうううと押し付ける。 「むぎゅうーっ!」 圧力のまま、へにょりと体がよじれるアリス。 「ゆっくり消えてね!」 当初は姉への暴行に血の気が失せていた妹ゆっくりも、今はふつふつと怒りがたぎっている。 母に続いてアリスを押しつけると、今日応急処置を施したばかりの壁がみちみちと鳴った。 「やめでええ! ぎづいいいいいい! ……ゆっ! ざっ、ざむ゛い゛いいい!」 アリスの体が裂けた隙間に沈みこんでいく。 ついには、そのまま穴を抜けて外に放り出されると、突貫工事で穴を塞いでいくゆっくり一家。 「どうじでええ! みんな、均等にあいじであげるのにいい!」 壁の向こうのアリスの声も次第に遠くなり、やがて完全にふさがる壁。 ゆっくり一家に、もはやアリスへかける情は無い。 アリスが必死に外から壁に体当たりしても知らないふり。 やがて、外から聞こえるのは吹きすさぶ風の音だけになっていた。 翌日、見渡すばかりの快晴。 雪が降り始めて以来の好天に、ゆっくり一家は出入り口の壁を壊し始める。 頑丈な壁に作り直すのと、外にでてそのための資材を探すためだが、さらには閉じ込められていた子供たちの気分転換の意義もある。 特に昨日のアリスのことは、姉ゆっくりの心に若干の影を落としていた。 同情という善意を示して、つけこまれるという裏切り。最初はすべてのゆっくりがそうではないかと、ゆっくり不信に陥りつつあった。だが、落ち着くにつれ、姉ゆっくりはゆっくりアリスだけが異常なのだと思えるようになっていた。ほとんどのゆっくりは、ゆっくりれいむのような掛け値ない優しさを持っているのだと思い直し、調子を取り戻しつつある。 巣穴のすぐ傍で青白く固まったゆっくりアリスを確認したのも、姉ゆっくりを安心させる一因となった。 そんなわけで、母、姉、妹、赤ちゃんの順で雪原に飛び出したゆっくり一家。 どんな資材がいいだろうねとゆっくり話し合い、姉がゆっくり霊夢との思い出から川原に大きくてへらべったい石があるよと提案。 親子は一列になって雪の上を歩いていった。 残されたのは、青白く丸まったゆっくりアリス。 よく見れば、その蜂蜜色の髪が外気にさらされていた。髪の先端から滴るしずく。 おりしもの日差しが、薄氷を少しづつとかしていく。 そのことに、ゆっくり一家は誰も気がつかなかった。 ゆっくりいじめ系124 ゆっくりアリス愛の劇場-3に続く
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実に投棄場行き 虐待成分薄めどこか0 ――――――― ゆっくりを虐めたい、そう思い立ち山を歩くこと数分、ゆっくりまりさを見つけた。 草を千切り、口に詰め込んでいるが食べている様子はない。 巣に持って帰るのだろうと思い、ゆっくりまりさの後をつける、 しばらくするとゆっくりまりさの巣であろう小さなほら穴に到着した。 「ゆっくりもどったよ!」 「おかえり、まりさ」 家族がいるようだ、後をつけてよかったと口をゆがめる。 そっと中を覗き込むとにんっしんしているのであろうゆっくりれいむが一個、 幸せでないと胎生の出産はしないと聞くが、心なしかそのゆっくりれいむは悲しそうに見える。 「ここをあかちゃんのねるばしょにしようね!」 ゆっくりまりさは運んできた草をゆっくりれいむの前に広げた なんという幸運、ゆっくりの出産まで見ることができそうだ、 饅頭の事情なんぞ知ったことではない、子ゆっくり共々どうやって虐めてやろうかと思いを馳せる。 「…まりさ、あっちにいってもいっしょにゆっくりしようね」 「ずっといっしょだよ!やくそくするよ!」 あっちに行く?逝く?、出産で死ぬということなのだろうか、どちらにしても意味がわからない。 「ゆげっ…げぷぅ…ぇ゙っ…お゙げぇ゙ぇ゙゙ぇ゙」 エレエレエレエレ 突然ゆっくりれいむが"何か"を吐き出しはじめた、 カエルの卵のような"何か"を。 出産が始まるとばかり思っていたのだがそれよりおぞましい光景に目が釘付けになる。 数分後、いや数秒のことだっただろう、残ったのは白目をむき、苦悶の表情のままピクリとも動かないゆっくりれいむ、 カエルの卵のような"何か"、そしてゆっくりまりさ。 「れいむ、いっしょにゆっくりしようね…ゆぶぅっ…げべぇ…ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙」 エレエレエレエレ 一言放ちゆっくりまりさは白くてどろどろした"何か"を、カエルの卵のような"何か"に吐きかける。 やせ細り、この世の終わりのような表情を浮かべ、ゆっくりまりさも動かなくなった。 後に残されたモノは気持ち悪い"何か"、動かなくなった二つの饅頭、静寂。 「うわああああああああああ!」 何故だかとても恐ろしくなった俺は大声を上げ、その場から逃げ出した。 逃げながら心のどこかで思った、俺は虐待お兄さんにはなれない、と。 ――――――― 最後まで読んでくれた人ありがとう!そしてごめんなさい。
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お兄さんに引き渡された子供は怯えていたただ2匹はまだ余裕かましていた「さて、では殺すね」 「ゆ?劣った種族の人間が何言ってるの?ばかなの?死ぬの?」 「そうだぜクソ人間なんてったって魔理沙には最終兵器があるんだよ?このエクスカリバーが」そう言ってそんなに尖っていない鉛筆を取り出してきた「うわー強そうだなーわかった奴隷になるよ(棒)」「ゆっへっへそうしないとこれでクソ人間ぐらいひと刺しだぜ」すっかり罰を受けにきたのを忘れたらしいまあ好都合だが俺はそうやって油断させておいたそしてすぐさま奪ったついでに帽子も「ゆゆっ?クソ人間何するんだぜ!早くお帽子さんとエクスカリバーを返すんだぜ!そうしないと殺すよ?」返事は帰って来ない そしてお兄さんは帽子びりびりに破いた「ゆわぁぁぁぁぁ!!まりしゃのお帽子さんがぁぁぁぁぁ!!」「·····」霊夢は黙って見ていた「おい!!クソ人間!!!!もう殺してやるぅぅぅぅぅ!!!!!」そう言って突進していったもちろん全然効かない「ゆゆっ何でぇぇぇぇぇ!?ゆわぁぁぁぁぁ!!なんでだぜ!?なんでだぜ!?」「黙れ」パーン!!お兄さんのビンタが炸裂した「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!いぢゃいいぢゃいいぢゃいよぉぉぉぉぉぉ!!霊夢!助けてくれだぜ!」魔理沙は霊夢と一緒に戦えばこんな人間すぐやっつけられ、群れに報復できて里を乗っ取れると思っていた だが霊夢は予想を裏切った ドーン!ポスっポスっポン「ゆ?霊夢?なんでだぜなんでだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」「1人で勝てないゲスはしねえぇぇぇぇぇ!!」 「ふーん なら霊夢は勝てるかな?」「ゆ?当たり前でしょ?霊夢は最っ強なんだよばかなの?死ぬの?」また同じように突進してきたもちろん全然効かない「ゆぅぅぅ!!こんのっ!こんのっ!!こんのぉぉぉぉぉぉっ!!!」「ん?それで本気なの?俺に1人で勝てないならここの全員敵に回すことになるよ?」「ゆ?ゆ?ゆ!?ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!?!?」「ゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりぃぃぃぃぃぃ!!」どうやらプライドが崩れたのと全く効かないので狂ったらしいただ 数分後には息を切らしながら戻っていたそして数分後には死ぬだろうと言うものを食らわしてやった『ゆ?ゆ?何で?何で最強の霊夢が負けたの?何でこうなったの?そうだすべての原因は魔理沙だ魔理沙が勝てないから霊夢はやられたんだくそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!魔理沙めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』「魔理沙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」霊夢は最後に魔理沙を恨みながら死んでいったさて次は子供だだけど子供は雑に潰していった3分後···さてこいつで最後か「ま 待ってだぜぇぇぇぇぇ魔理沙を殺すとおとーさんとおかーさんに殺されるよぉぉぉぉぉぉだからやめてねぇぇぇぇぇ!!」「おかーさんは死んでるけどね」「何でなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぶっ!?」さて後は魔理沙だけか ん,そうだこいつは山に捨てよう!「魔理沙安心しろお前だけは怪我させずに山に戻してあげる!」「ゆ?本当かぜ?」「ああ」魔理沙はその瞬間最高の喜びを感じた シュルッ 気づくとリボンがほどけていたこれで手として使うこともできない「ゆ?何でなのぉぉぉぉぉぉ!!お兄さん約束が違うんだぜなんでリボンさんほどくのぉ!」「約束は守ってるよだってまだ怪我はさせてないだろ?」その瞬間魔理沙は直感したどういう目的かをだが時既に遅しもう山の方に飛んでいた「お空をとんでるみたべっ! ゆ?ここはおやまさん!ついに生きて戻ってきたのぜ!また群れに入るのぜ!」まだ魔理沙は気づいていない帽子がないことに「ゆ?あそこに群れだぜ!おーい」パ「ん魔理沙?」ア「都会はな魔理沙の声だわぁぁぁぁぁん!!」「魔理沙どこなの?」「魔理沙どこぉぉ」「魔理沙ー」「ゆ?ここにお帽子のないゆっくりがいるよ?」「ほんとだわ帽子のないゆっくりだわ」「ゆ?」「魔理沙ーすっきりしましょうねぇぇぇぇぇ!!」「嫌だあぁぁぁぁぁすっきりーすっきりーすっきりー」数分後あとには茎のはえた黒ずんだだけだった 完
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ゆっくりいじめ系123 ゆっくりアリス愛の劇場-2 ゆっしょ! んっしょ! ゆっくり親子ののんびりした声が雪原に響く。 同時に、ざくっざくっと雪をきる鈍い音。 ゆっくり一家が転がす、母ゆっくりほどもある大きな石だった。 この石を元に再び入り口を囲えば、もうアリスが飛び込んできたようなアクシデントがあっても大丈夫。 後は一家でゆっくりと冬を過ごすだけ。 「ちゅかれたー」 赤ちゃんゆっくりがへこたれたというように足を止める。 懸命に押してきた赤ちゃんゆっくりだが、実際にはほとんど道中の助けとなっていない。ただ、自分たちが冬を越すため、どうやってものを集めたか教えるために真似事をさせていただけだ。 だからこそ、赤ちゃんゆっくりに合わせて他のゆっくり一家も休憩する。 「家に帰ったら、たくさん食べてゆっくりしようね!」 母ゆっくりの言葉。 アリスという予定外の来訪者さえいなければ、食料に不安はない。 うわーいと、盛り上げる家族たちを暖かい眼差しでみつめる母ゆっくり。 一行はそれから一時間後、ようやく巣穴に戻る。 一端、部屋の中央に石を据えて、まずは家族で食卓の団欒を味わおうとする。 が。 「ゆー? ご飯どこー?」 一番に食料庫へ走っていった赤ちゃんゆっくりの、戸惑ったような声が聞こえた瞬間だった。 砂がこぼれるようなサラサラという乾いた音が聞こえてきた。 何事から周囲を見渡すゆっくり一家。 その目の前、巣穴の入り口に雪の一塊が落ちる。 それが発端だった。 重い地鳴りのような音ともに、すさまじい量の雪が入り口に積み重なっていく。 次から次と、止まる気配もない雪崩。 ゆっくり一家はとめる術もなく、呆然と出入り口が密閉されるのを見つめていた。 やがて、雪崩が止んで静寂が巣穴を包むものの、かわってゆっくり一家の絶叫が巣穴に響き始めた。 「なんでええええ!?」 「いやだ、だじでええええ! お゛う゛ち゛、でだいいいいいい!!!」 「ゆっくりできないよおおお!」 だが、最も深刻なのは最後の赤ちゃんゆっくりの悲鳴だった。 「ごはん、どこおおおおおおおおお! おなが、ずいだよおおほおおおおお!!!」 赤ちゃんの言葉にまさかと、慌てて奥の食料庫へ殺到するゆっくり一家。 予想は最悪の形で実る。 食料庫にあれほど溜め込んでいたご飯は、植物の根一本たりと残さず消えうせていた。 「こ゛んな゛の゛、う゛そ゛た゛あああ!」 「どうぢでな゛の゛おおおお!」 ゆっくり姉妹が泣き叫ぶと、母ゆっくりは身を翻して出入り口へ。 積み重なった雪の層へと歯を突き立てるが、脳天まで響くような堅さと冷たさを味わっただけだった。 先ほどの雪崩の中に、氷の板と化した根雪が混じり、しっかりとこの巣穴を閉ざしている。 ここにおいて、母ゆっくりはもう自分にどうしようもない事態になったことを思い知る。 「ゆ、ゆ、ゆ」 呟く声が震えている。 ゆっくりできない。喉がカラカラで、恐怖で焼け付くよう。 心底、恐れていた事態だった。 それだけに万全を期していた冬の備え。 しかしそれも全てこの瞬間に無となった。 後は氷が解けることを願いながら、巣穴でひたすら飢えに耐えるだけ。 冬は後三ヶ月近く続くというのに。 「お゛があ゛ざあん……」 背後からかけられた娘たちの声に振り返る。 みんな、母へ期待を込めた眼差しで見つめていた。お母さんなら、何とかしてくれる。そんな希望の表情。 だが、それも母ゆっくりがそっと目を閉じて涙を一筋こぼすと、目をひんむいて戦慄く絶望の顔へと代わっていった。 そんな悲しみに包まれた巣穴の上、入り口の上で元気に飛び跳ねる一匹のゆっくり姿があった。 「ゆっくりしね!」 高らかに叫ぶのは、雪崩を引き起こす振動を与え続けていたゆっくりアリス。 その血色はつやつやとして実に健康そう。 まりさ一家の巣穴に残った食料を満腹になるまで食べたからだろう。残りもすでに自分の巣穴へ搬送済み。 冬を遊んで暮らしてもあまりある食料。 その余裕が、アリスの心を少し寛大にさせた。 「でも、しぬのはかわいそうだね!」 ゆっくりまりさ一家のことを考えると、少し気の毒になるゆっくりアリス。 自分を慕ってくれたゆっくり赤ちゃん。愛を受け入れてくれた姉ゆっくりと、同じく愛していたがゆえに嫉妬して自分を攻撃した妹ゆっくり。さらには、アリスを愛していながらも、母ということで怒ったふりをしながら娘とアリスの間にわけいった母ゆっくり。 みんな、感情の表現が下手なだけでアリスのことを愛してくれていたのだ。そう、納得するアリス。 「うん、きっとアリスはみんなの愛にこたえる方法を考えるからね!」 頼もしい言葉を残して、アリスは自らの巣へと戻っていった。 一週間。 閉じ込められて、ゆっくり一家が水だけで過ごした日数だった。 巣穴の中は死に絶えたような沈黙。 三日目までは赤ちゃんゆっくりのおなかが空いたという訴え、啜り泣きが常に聞こえていた。 今聞こえるのは、もはや短く張り詰めた呼吸の音だけ。 時折の母ゆっくりによる「ゆっくりしていってね……」という点呼に、かすれた声で「ゆ……」と応じるのが唯一の反応だった。 姉妹ゆっくりも頬がこけ、瞳から力が失われていた。飢えに強い母ゆっくりも朦朧とした意識でずりずりと巣穴を這いずりまわり、子供たちがまだ死んでないことを確認する日々。 すでに限界を踏み越え、破滅に差しかかろうとしている有様だった。 巣を覆う氷は、ここ数日の好天で少しずつ融けはじめてはいる。うっすらと入り口に浮き上がる太陽の輝き。母ゆっくりがアリスを追い出したよな体当たりを見せれば砕け散るかもしれない。 だが、すでに遅すぎた。もはやゆっくりたちに跳ねる体力はない。 明日、このまま氷が融けとしても餌を探しにいけるかどうか。なめくじのように地を這うしかない体で、餌を手に入れられる可能性は限りなくゼロに近い。もし明日の天気が吹雪となれば、もはや可能性を論じるまでもなく終幕。朽ち果てた骸が四つできるだけ。 ここまでくれば、母ゆっくりは最後の決断をするしかなかった。 母ゆっくりは、閉じ込められて幾度流したかしらない涙を壁にこすりつけて拭い、ゆっくり姉妹を呼び寄せる。今にも朽ち果てそうな赤ちゃんゆっくりは、そこに置いたままに。 何かの予感があったのか、神妙な顔つきで集まる姉妹。 母ゆっくりは姉妹たちの様子に微笑を投げると、表情を改めて毅然と告げた。 「明日になったら、お母さんの体をゆっくり食べてね!」 その言葉の内容に、唖然と口をあけるゆっくり姉妹。 だが、理解できないわけではなかった。 ゆっくりの親子は情が深い。ゆっくりまりさであろうがなかろうが、わが子のためなら命を捧げるのが本能。 「ゆっ……っぐ!」 それでも妹ゆっくりはこみあげる悲しみが堪えきれない。 姉ゆっくりは静かな眼差しで母ゆっくりの続きの言葉を待っていた。 「もし、食べ物が見つけられないまま吹雪に閉じ込められてしまったら……」 皆まで言わせず、こくんと頷く。 「まりさが妹と赤ちゃんのごはんになるね!」 母と同じく、悲しみを感じさせない宣言。 母ゆっくりの表情が悲しみを浮かべたまま、愛情の微笑みを形作る。 「そして、もしそれでも食べるものがなくなったら……」 「う゛ん! 赤ちゃんまりざは、絶対に死なせないよ!」 妹ゆっくりは、自分の運命を受け入れて泣いていた。 つられて、堪えていた涙を同じように流すゆっくりたち。 低い嗚咽の声が、薄暗い巣穴に響いていた。 誰もが口にしない疑問。 もし、それでもご飯がなくなったらどうするの? 聞くまでも無い、全滅するだけだ。 そして、例年通りであれば冬の終わりまで後二ヶ月以上。到底、ゆっくり家族の死骸だけで補える期間ではなった。 わかっていたからこそ、ゆっくりたちは全力で無視した。 母ゆっくりは泣きながら、自分に言い聞かすように呼びかける。 「必ず、誰か、い゛き゛の゛こ゛ろ゛う゛ね!!!」 「う゛ん゛っ!」 ゆっくり一家は美しく、それでいて滑稽な結束を誓い合っていた。 その時、入り口から響いたくぐもった重い音。 続いて、にわかに差し込む陽光。 振り向いたゆっくりたちが見たのは、日差しを背にシルエットを浮き上がらせる一匹のゆっくりの姿。 姉ゆっくりは愚かなことを思った。親友で恋人のゆっくりれいむが助けにきてくれたのかと。 だが、姉ゆっくりの夢想はへし折られる。 「ゆっくりしていたよ!」 暢気な挨拶とともに巣穴に入ってきたのは、この地獄の元凶、ゆっくりアリスだった。 「……ごっ、ごのおおおおっ!」 自失から回復し、代わって激昂した姉妹たちがかけよるが、空腹による消耗は気力を根こそぎ削り落としていた。急激な運動についていけず、ふらりとよろめく体。そのまま、無様にアリスの前につっぷす。 母ゆっくりも重い体をひきずって動き出すが、元気ハツラツといったアリスには、今の一家の力を全て合わせても勝てるとは思えなかった。 「焦らないでね! アリスとはいつでもゆっくり愛し合えるから!」 その宣言は、ゆっくり一家にとっては恐怖以外の何者でもない。 ひいひいと、慌てて母の元へ戻ってくるゆっくり姉妹。 だが、アリスは慈悲深い笑顔でそれを見逃す。 「みんなが可哀想だから、少しだけアリスの集めたご飯をわけてあげるね!」 集めた? ゆっくり一家の目が点になる。 もはや、空腹がひどくて怒りすらこみあげない。 ただ、アリスが何を言い出すのか恐れ、見つめていた。 「でも、そんな優しいアリスに暴力を振るういなかものがいるよね!」 母ゆっくり、妹ゆっくりの順で視線を動かすアリス。 「とかい派のアリスは、そんな野蛮な人には怖くて近づけないよ!」 アリスは、これまで見せたことの無いニヤけた笑みを浮かべていた。 「だから」 言うなり、入り口まで戻るアリス。 そして、あるものを口にくわえ、引きずりながら再び姿をあらわした。 アリスの口からのびるもの。それは数本のロープ。 ゆっくり一家が補強用の資材として集めたものの、その一部だった。巣穴から餌を持ち出したその紛れもない証拠。だが、もはや指弾しても叶わないことだった。 ゆっくりアリスは縄を加えたまま、姉ゆっくりの傍へ。 その傍に縄を落とす。 「いっしょに田舎ものをしばろうね!」 「で、でぎないよお!」 家族を縛れという誘いに応じることなんてできるわけがない。 だが、アリスの知能は普通のゆっくりも若干上だった。 「そうしたら、みんなや赤ちゃんにご飯をあげるからね!」 これは、命を懸けてまもろうとした赤ちゃんが助かる唯一の道。 姉ゆっくりがふりむくと、暗然たる表情の母ゆっくりが、静かに頷いていた。 「ゆ……うぐ……」 泣き声ともうめきともとれない声が洞窟に響いていた。 すでに十字に縛られて身動きのできない母ゆっくりと、同じ運命をたどりつつある妹ゆっくり。 姉ゆっくりはしゃくりあげながら作業を続けて、アリスは姉ゆっくりとまるで戯れるような朗らかさで、その作業を手伝う。 そこに、奥から地を這うささやかな音が聞こえてくる。 「……おねえちゃん……お母さんに……」 赤ちゃんゆっくりが干からびた体を引きずって、異様な雰囲気の立ち込めるこの場にあらわれた。 「ひゃんでもふぁいからふぇ!」 なんでも無いからね。 母ゆっくりが不自然に陽気な声で赤ちゃんの動揺をさけようとするが、口元まで縛られての不明瞭な言葉は逆効果だった。 「ゆぐっ!」 追い討ちは縛られた妹ゆっくりの苦しい吐息。 そして目の前の、申し訳なさそうなのにその締め付け緩めない姉ゆっくり。 「お゛ね゛え゛ち゛ゃんんん! な゛に゛し゛て゛んのおおお!」 赤ちゃんゆっくりの慟哭を向けられて、姉の表情が心の苦痛にゆがむ。 が、締め付けを緩めるとアリスから餌がなくなる。無視して作業を続けるしかなかった。 対して、ゆっくりアリスは作業を止めて赤ちゃんの傍へよる。 「ゆっ♪」 楽しげな挨拶に、戸惑う赤ちゃんゆっくり。 「ゆっ? アリスおねーちゃん?」 どうしてここにいるのと小首を傾げるが、アリスは答えるより早く行動に移っていた。 アリスのにやりと目じりに笑みを残して、大きく口を開く。 そのまま、ゆっくり赤ちゃんにのしかっていった。 「ゆ゛っ、な゛に゛し゛て゛んのおおおお!?」 姉ゆっくりがつかれきった体で精一杯の足取りで近づくと、悪戯っぽい表情で振り返るアリス。 「ゆ゛ぐううう!」 その口のなかに、ゆっくり赤ちゃんが顔だけを外にだして収まっていた。 まるで、成長しきったゆっくりが出産するかのような体勢。 実際、アリスの意図はそのとおりだった。 「ありふぇのあふぁちゃんだよー」 いいながら、赤ちゃんを口から半分だしたり引っ込めたり、出産遊びを開始するアリス。 何かの拍子で飲み込むのではないかと手出しができない姉ゆっくり。 その動けない姉ゆっくりの側に、ぴったりと身を寄せるゆっくりアリス。 「このふぉで……」 そこまで話しかけて、言いづらいのかぺっと赤ちゃんゆっくりを吐き出した。 顔面で地面を擦ってぴくぴくと震える赤ちゃんには目も向けず、アリスは続けた。 「この子で、おままごとしようね! アリスがお母さんだよ!」 もはや、ここはアリスの独り舞台だった。 青ざめる姉ゆっくり。 これ以上、赤ちゃんゆっくりに何かすれば、たやすく死んでしまいかねない。 「だめええ! それより、赤ちゃんにご飯あげてくだざいいいいい!」 這いつくらんばかりの懇願だった。 アリスは地面まで限界近く下がったその頭を、熱の冷めた目で見つめる。 「わかったよ! でも、その前に……」 姉ゆっくりは自分の体に巻きつけられていく縄の感触を感じながら、どんなひどいことになろうとも、赤ちゃんだけは無事であるように願っていた。 「ご飯の時間だよ!」 約束は一応果たされた。 アリスは自分の食べ残しを、思い思いに家族へと口移ししていく。 赤ちゃんゆっくりも含めて、全員が縛られたゆっくり一家。家族全員でもってきた大きな石にくくりつけられ、身動きもできない。 だが、一週間ぶりの食べ物にほっと一息をついた。それが、例え憎い相手からの口移しであろうとも。 それでも、与えられた食料はまったく足りていない。 特に衰弱を始めた赤ちゃんゆっくりにとっては、砂漠に落ちた水一滴。未だ、朦朧とした表情で揺れていた。 母ゆっくりが与えられた餌を舌にのせ、正面につきだす。 「赤ちゃんにあげてね!」 ゆっくり姉妹はその言葉を聞いて、自らも口内に残る食べ物を舌をだして突き出した。 アリスはそんな三匹に向けて、親しげな微笑を向ける。 「ゆっ! みんなアリスの赤ちゃんを心配してくれてありがとう!」 先ほどの未遂のおままごと以来、アリスの認識がどのように変容したのだろうか。 否定の言葉を飲み込んで震えるゆっくりたちの舌。 「大丈夫だよ、みんなは自分のご飯を食べてね!」 アリスは自分用に足元にもってきた食べ物を赤ちゃんゆっくりの元へもっていく。 思わぬ行動。だが、アリスの赤ちゃんという認識のためか、ゆっくり一家はそれを信じてしまった。 言われるがまま自らの餌を飲み込み、「しあわせー」ととろけた表情を浮かべる。 だが、それを確認した赤ちゃんゆっくり手前にご飯を投げ捨てるゆっくりアリス。 「ゆっ!?」 ざわめくゆっくり姉妹の前を向け、母ゆっくりの元へ。 アリスは母ゆっくりの前でにっこりと微笑んだ。 「その代わり、アリスをすっきりさせてね!」 すっきりさせる。 その言葉の指す意味は、交尾。家族の前での恥辱。 「ゆぐうううう!」 怖気が走って身をよじる母ゆっくり。 姉妹ゆっくりは呆然と事の成り行きを見守るしかなかった。 「いやなら、いいよ! とかい派のアリスは無理やり何てしないからね!」 死にかけている赤ちゃんゆっくりを横目に見ての、アリスの問いかけ。 一応、発情期ではないアリスならば言ったとおりなのだが、この場合は相手が断れないのは承知の上だった。 眉間に深い皺を刻んで赤ちゃんゆっくりを見つめる母ゆっくり。 やがて、ぽつりと言った。 「ぜ、ぜったいなの?」 「アリスはとかい派だから、恋のルールは守るの!」 「……うん、わかった……すっきりしてね」 心の大切なものを放り投げるかのような母ゆっくり。 途端に、アリスは踊りかかった。 「ゆぐぐぐぐぐぐぐぐううううう!」 母ゆっくりの堪えがたい悲鳴。 目を閉じ、歯を食いしばるゆっくり姉妹。 アリスは母ゆっくりのふくよかな体を、舌で、唇で、全身で、ひたすらに貪る。 赤ちゃんゆっくりの意識が朦朧としていることだけが唯一の救いだった。 アリスの体が、母ゆっくりの強張る体にあたって、ばちんばちんと餅で硬いものを叩きつけるような音が響く。 その音も次第に小刻みに、情熱的に変わっていった。 「まっ、まりさささささささっんほほおおおおおお、いいよおおおおおおあ゛あ゛あ゛っんっ! すっきりーっ!」 「……ゆー」 心のそこが裂けたかのような、どん底の母ゆっくりの声。 視線を家族からそらし、潤んだ目で遠くを見つめる。 ともかくも、これで終わったんだ。 母ゆっくりが悲嘆のため息をもらそうとしたその時。 「物憂げなまりさっ、どでも素敵いいいいい!」 再び飛び掛ったのはゆっくりアリス。 発情前だというのに、もうアリスは止まらなかった。 「まっ、まりさささあああああまだまだいぐよおおおんんっほおおおおおおおっすっきりー! 泣いでるのが、がっがわいいよおおおほほほほおおおおおあいじでるううううううすっきりー、ずごぐよかったああああああんんんほおおおおおもっとおおおおおおおおすっきりーっ!!! まだまだいげるがらねええええええイグうううううううううんんおおおすっきりー!」 もう、母ゆっくりは声もでない。 発情前なのでにんしんはなかったが、体の芯がもうぼろぼろだった。 娘たちもその只ならぬ激しさに口々に泣き叫ぶ。 「や゛め゛でえええ、おがあざんが、じんじゃうううううう!」 事実、そこで止めなければ母ゆっくりは昇天していただろう。 ゆっくりアリスは興をそがれたような表情で姉妹たちを省み、にたりと笑った。 「じゃあ、代わてあげてね!」 姉ゆっくりの顔が恐怖でゆがむ。 「お母……は、ゆっく……し……よ……」 矛先を子供へ向けないよう声を絞り出す母ゆっくりだが、途切れ途切れの声は逆に姉ゆっくりに覚悟を与えた。 姉ゆっくりの脳裏に浮かぶ、親友のゆっくりれいむの存在。 涙といっしょのその姿を流し去って、姉ゆっくりはアリスに向かい合う。 「うん、ゆっぐりするう。すっぎり゛ざぜるううう!」 「だめええええ」 母の悲痛な声。 だが、姉ゆっくりは気丈に涙を流しながら笑っていた。 「へいきだよ、なんてことないよ! 体も大きくなったしへっちゃらだもん!」 ぷるぷると震える唇で強がった。 だが。 「ようやく素直な気持ちで愛を受け入れてくれるのねええええええ!」 「ゆぎい!!!」 一息の呼吸で目の前に現れた、紅潮したアリスの顔に決意も鈍る悲鳴がもれる。 のけぞる姉ゆっくりの体。 だが、アリスは一度口にした相手を容赦したりはしなかった。 「はあはあはあはあはあはあはあはあ!」 「……っ!」 熱い、湿った息が顔面をじっとり濡らす。 「ひひふう、ひひふう」 「ぐうう……」 笑ったようなアリスの顔が、小刻みに震えながら体重をかけてくる。 ねちょるん。 そのまま、舌がゆっくりまりさの顔をなめあげた。 姉ゆっくりの決意を打ち砕く、生ぬるくべとべとにしたたる感触。 「やっぱりいやだああああ」 生理的な嫌悪に、姉ゆっくりが震えていた。 ぽろぽろとこぼれる涙。 もう一秒たりともアリスが触れることを、心が許さない。 「い゛や゛た゛ああああ! おがーぢゃーん! れいむうううう、れいむうううううう!!!」 ありるの体が姉ゆっくりを貪るたび、姉ゆっくりの絶叫が響くが。 「一度嫌がって見せるのが、慎ましくてかかわいいっ!」 ますますアリスの息を荒くするだけだった。 「かわいいよ、たべちゃいたいよおおおほほほおおお」 ついには噛み付きながら、絶頂へとむかっていく。 「やめで、やめで、だずげで、おがああざああああああん! おがああぢゃああああんぐぐぐごめんねれいむううう、もうれいむうう、れいむうううううううっ!!! ずっぎり゛ーっ!」 涙をぼろぼろとこぼしながら、白目をむいて姉ゆっくりは果てた。 繁殖前ゆえか子供はできなかったが、姉ゆっくりの心の大切な部分が朽ち果てたようなものだ。 その一瞬にゆっくりれいむのことを思えたのは、せめてもの心の慰めだったかもしれない。 しばらくは、「ふうう! ふうう!」と獣のような息を吹き上げていたゆっくりアリス。 だが、息が整うなりゆっくりアリスは行動に移る。 今度は隣で目を塞ぎ、震えていた妹ゆっくりの元へ。 「妹ちゃんも、寂しがらせてごめんねええええ!」 「ゆぐううううう! いやだああああ!!!」 もはや、その凶行は止まる気配を見せない。 行為の終わった巣穴の中、すすりなくゆっくり一家と、赤ちゃんゆっくりの食べ物を咀嚼する音だけが響いている。 アリスはただ一匹、にこにこ顔でゆっくり一家を見渡していた。 「春になるまで、ずっとずっと、すっきりさせてあげるからね!」 それはこれから何ヶ月も続く、新たな地獄の始まりの合図だった。 続く
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~ゆっくりえーきの生涯(前編)~ 前書き このSSには東方キャラが登場します。また、東方キャラと加工場職員との関わりもあります。 登場するゆっくりえーきの性格などは殆ど私が勝手に考えたものです。(一部他から取り入れました) 以上のものを受け入れられる方のみ本編へお進みください。 ゆっくりえーき 四季映姫を模したゆっくり。語尾に「--ぞ~。」とよくつけて話すのが特徴。 教養のある人物の名前がついているゆっくりではあるがその知能はゆっくり魔理沙や霊夢と大して変わらない。 性格はとても温厚で滅多なことでは怒らずいつもニコニコしている。 三途の川周辺に最近になって現れだした。 中身は鶯餡で幻想郷ではまだ発見されていない新種のゆっくり。 ~本編~ 「ふぁぁ~よく寝た。今日も良い天気だね~。」 三途の川のほとりで一人の少女が目を覚ました。 彼女の名前は小野塚小町、三途の川の船頭をしている。かなりのマイペースなため上官である四季映姫の目を盗んで はこうして仕事をサボっている。 しかし、小町がサボりたいと思うのも仕方ないのかもしれない。 最近幻想郷でゆっくりという奇妙な生き物が大量発生し、その魂が毎日のように押し寄せてくるのだ。 「しっかしこう毎日ゆっくりの魂ばかりじゃねぇ、やる気が出ないよまったく。」 小町は以前、幻想郷の人間の魂を船に乗せた際、ゆっくりがなぜこうもたくさん死ぬのか聞いていた。 ゆっくりの中身は食材であるため幻想郷では毎日大量のゆっくりが中身を抜かれ殺されており、また知能も低く生意 気な性格のため人間や妖怪、はたまた同族にさえ殺されてしまうのだと。 「はぁ、いったいあんな妙な生き物誰が作ったんだか。」 小町がぼやいているとなにやら背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。 「よいぞ~よいぞ~。」 小町の眠気は一瞬にして吹っ飛び即座に後ろを振り向いた。 「え、映姫様違うんです!これは決してサボっているわけでは・・・ん?」 目の前には想像していた人物はいなかったが、代わりに妙な生き物が2匹飛び跳ねていた。 「「ゆっくりしてよいぞ~!」」 ニコニコ笑った顔に豪勢な帽子をかぶった緑色の髪のゆっくり、上官である四季映姫にそっくりなゆっくりであった。 「えーと、なんだおまえたちは?」 小町は多少困惑しながら目の前で跳ねている2匹のゆっくりに話しかける。 「「ゆ?わたしたちはゆっくりえーきだぞ~!」」 2匹同時に返事が返ってきた。予想通り目の前にいるのは紛れも無く上官である四季映姫のゆっくりであった。 しかもよく見ると2匹は死んではいなかった。生きて三途の川を訪れることができるのは特別な力を持った人間や妖 怪くらいであり、生きたゆっくりなど今まで見たことはなかった。 「お前達はどうやってここまで来たんだ?」 「ゆっくりしてたらここにいたぞ~!」 「ゆっくりいたぞ~。」 期待はしていなかったが、予想通りの答えが返ってきた。上官に似ているとはいえ所詮ゆっくりであった。 「はぁ、お前達に聞いたあたいが⑨だったよ。」 小町は顔に片手を当ててため息をついた。 生きたゆっくりが三途の川に現れるのは初の事なのでとりあえず2匹を映姫に見せる事にした。 「よし、お前達ちょっとあたいについてこい、ゆっくりさせてやるぞ。」 ゆっくりという単語を使えばゆっくり種は基本的にその相手を信用する。これも船に乗せた魂から聞いていた。 「ゆ!おねえさんについていくぞ~!」 「ゆっくりついていくぞ~。」 小町は船着場へ向けて歩き出し、その後ろを2匹が飛び跳ねながらついていく。 途中2匹の進む速さが遅かったのでしかたなく小町は2匹を抱えて歩くことにした。 歩き出すと2匹の後頭部にゆっくりの肌よりも柔らかいけしからんものが押し付けられる。 「やわらかいぞ~♪」 「きもちいいぞ~♪」 セクハラめいた言葉を発する2匹であったが小町は無視して船着場を目指した。 船着場に着くとゆっくりの大家族らしき魂がふよふよと浮いていた。 「はぁ、なんで毎日こんなにくるんだよ・・・」 既に今日小町はゆっくりの魂を100匹は対岸へ渡していたの。 小町は2匹をその場へ置きでゆっくりしているように言うと、うんざりしながらもしかたなくゆっくり達の魂のもと へ歩いていく。 親と思われるゆっくり霊夢と魔理沙が1匹ずつ、子供と思われるゆっくり霊夢と魔理沙が8匹ずつの少し多いがよく 見かけるゆっくり一家であった。 「ゆ?おねえさんだぁゆ゛!」 小町を見つけたゆっくり一家は代表してお母さん霊夢がお決まりのセリフを言おうとした。 しかし、小町はどこからともなく取り出した鎌の柄でお母さん霊夢を殴り気絶させた。 ゆっくりが現れた当初はきちんと話して対応していたのだが、あまりにも数が多いのとうるさいと言う理由で今では 見つけ次第気絶させて運ぶことにしている。 死んでいるのでいくら殴っても死ぬことは無いのだ。 「れいむうぅぅぅ!おねえさんなにゆ゛!」 お母さん霊夢が殴られるのを見てすぐさま抗議をしようとするお父さん魔理沙であったが同じく即気絶させられる。 親が目の前で殴られるのを見たプチゆっくり達は一斉に逃げ出す。 しかし次の瞬間逃げようとするプチ達の目の前に小町が一瞬で姿を現す。 小野塚小町の能力は距離を操る程度の能力。この力を使えば一瞬で距離をつめることができるのだ。 何が起こったかわからないプチ達はガクガクと震え泣き出した。 「「「いや゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」」」 「「「おがあざぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん!」」」 泣き叫ぶプチ達を無視して次々と気絶させていく。 「ふぅ、これで全部か。」 気絶させたゆっくり一家を船に投げ入れる。 小町は待機させておいた2匹のもとへ戻ると、小町の乱暴さを見ていた2匹はガクガクと震えていた。 「「ゆっくりできないぞ!ゆっくりできないぞ!」」 ぞ~と語尾を伸ばしたいようであったが恐怖のあまり早口になってしまっていた。 「怖がらなくても大丈夫だ、さっきあたいが殴っていたのはゆっくりの魂だ。生きているお前達は殴らないよ。」 小町の言葉を聞いて2匹の震えは止まり笑顔に戻った。 「おねえさんこわかったぞ~」 「ゆっくりできなかったぞ~」 「はいはい悪かった悪かったさっさと川を渡るよ。」 小町は2匹を再び抱えると先ほど気絶させたゆっくり一家が乗っている船に乗り込み三途の川を渡っていった。 「おい着いたぞ、さっさと起きろ!」 未だに気絶しているゆっくり一家を鎌の柄で軽く殴って目覚めさせる。 「・・・ゆっ・・・。」 軽い衝撃が体に走るとゆっくり一家は目を覚ました。 「おいお前達、あそこに見える建物に行けばゆっくりできるかもしれないぞ。」 目を覚ましたゆっくり一家が喚き散らす前に小町は裁判所へ行くように指示する。 もちろんゆっくり一家は向かう場所が裁判所だと言うことなどわかっている筈もなかった。 一家の柱であるお母さん霊夢が小町の言葉を聞いて目をキラキラさせていた。 「ゆ!みんなさっさとおきてね!ゆっくりポイントをみつけたよ!」 お母さん霊夢の言葉を聞いたお父さん魔理沙やプチ達は皆船を下りて裁判所へ向かっていった。 「まったく、さっき殴った相手の言葉を鵜呑みにするなんてどこまで頭が⑨なんだか・・・。」 小町は2匹のゆっくりえーきを抱えると船から降りた。 ちなみになぜ2匹がゆっくり一家と一緒に裁判所へ行かなかったかというと、ゆっくり一家が気絶している間に2 匹には船を勝手に降りるとゆっくりできなくなると言っておいたからだ。 「ゆっくりいくぞ~。」 「ゆっくりすすむぞ~」 ご機嫌な2匹を抱えて小町は裁判所へ向かっていった。 「「「「「いや゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」」」」」 裁判所へ入ると先ほどのゆっくり一家の悲鳴が聞こえてきた。 法廷の中心に円形の黒い沼が出現しており、ゆっくり一家が飲み込まれている最中であった。 「案の定地獄行きか。」 最後まで粘っていたお父さん魔理沙が絶望の表情を浮かべ飲み込まれると黒い沼は消え元の床に戻った。 「今日の法廷はこれにて閉廷とします。」 裁判長の席から降りて歩いてきたのは小町よりも小柄な少女であった。 彼女は四季映姫・ヤマザナドゥ、四季・映姫が名前でヤマザナドゥは役職名だ。 ヤマは閻魔、ザナドゥは楽園(幻想郷)を意味している。 「ご苦労様です小町、ところであなたの抱えているのは何ですか?」 「お疲れ様です映姫様、実は生きたゆっくりが三途の川のほとりに現れたもので対処について伺いに参りました。」 映姫は小町の抱えているゆっくりえーきの1匹を両手で持つとまじまじと見つめた。 「・・・ひょっとして私を模したゆっくりですか?」 認めたくなかったのか答えを出すので少々時間がかかった。 「大変申し上げにくいのですがその通りです。」 「おねえさんはだれ?わたしはゆっくりえーきだぞ~!」 えーきと言う単語が発せられたとき映姫の顔が一瞬ひきつったように見えた。 「私は四季映姫・ヤマザナドゥ、この裁判所の裁判官です。」 映姫は律儀にも2匹に自己紹介をした。 「「やまだなどぅ~♪やまだなどぅ~♪」」 2匹にはヤマザナドゥがどういった意味かはわかるはずもなかったが、語呂が気に入ったのか連呼していた。 正しく言えてはいないが本人達はヤマザナドゥと発音しているつもりらしかった。 「山田ではありません、ヤマザナドゥです。」 引きつった顔ですぐに映姫は修正したが2匹の山田コールは収まらなかった。 映姫は無言のまま手に持っている1匹を近くの傍聴席に置くと尺で殴った。 「ゆ゛!」 手加減をしているので潰れることはなかったが、殴られたゆっくりえーきは泣き出した。 「いたいぞ~いだいぞ~なにずるんだぞ~。」 「なぐるなんてひどいぞ~!」 「黙りなさい!ヤマザナドゥとは崇高な役職です。それを山田などとバカにした様に呼ぶのは許しません!それ以上我 が職を侮辱すると死後二度とゆっくりすることができなくなりますよ。」 それは死後は地獄行きだと言う映姫からの警告だった。 2匹には映姫の言っている意味がわからなかったが、ゆっくりできなくなると言う言葉だけは頭の中に深く刻み込ま れた。そして泣き止み、やまだなどぅ~と言うの止めた。 「わかれば良いのです。ゆっくりと言えど善行を積めば死後天国へ行くことは可能なのですから。」 映姫は先ほど殴ったゆっくりえーきの頭を軽くなでて抱えるように持ち上げた。 「小町、2匹は元の場所へ放してあげなさい。ゆっくりと言えどその生涯を全うする権利はあ・・・。」 「やわらかくないぞ~。」 映姫に抱えられていたゆっくりえーきは事も有ろうに映姫の胸の辺りに頬ずりをしていた。 空気が凍った。 (な、ななななななんてことするんだぁぁぁぁぁ!) 小町は心の中で叫んだが、声に出すことはできなかった。 「あっちのおねえさんのほうがやわらかいぞ~。」 「そっちのおねえさんはぺったんこだぞ~。」 映姫は下を向いて体をプルプル震わせていた。 そして震えを止めると笑顔を浮かべて小町に微笑みかけた。 その笑顔は見たものを震え上がらせるほどの恐ろしい笑顔であった。 「ねぇ小町、この2匹の饅頭と一緒に生きたまま地獄に落ちるのと私の目の届かないところへ今すぐに捨ててくるので はどちらがいいですか?」 「い、いいいい今すぐ捨ててきます!」 小町は2匹を掴むと己の能力をフルに使って顕界を目指した。 そして映姫は無言のまま裁判所を後にした。 しかし映姫は後にこの判断が大きな誤りであったと深く後悔することになるのであった。 End(前編) 作成者:ロウ 後編へつづく このSSに感想を付ける