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※このSSはfuku1450の続きというか、アナザーストーリーです。 ※作者の762さん、勝手に設定を使ってしまい、すいません。 その日、フラワーマスターの異名を持つ風見幽香は酷く機嫌が悪かった。 ゆっくりゆうかのせいである。 本当は違うのかもしれないが、ゆっくりゆうかのせいだと思わなければ、彼女はやっていられないのだ。 苛立ちを、近くにいるゆっくりを全て叩き潰す事で僅かに晴らしつつ、幽香はそこら辺をぶらぶらと散歩し続けた。 『ゆっくり後悔し続けてね!』 その数日前。 幽香は、好奇心に満ち溢れた顔で、道を急いでいた。 自分に似たゆっくりがおり、そのゆっくりは花畑を作っていると言われたためである。 花の妖怪である自分に似ているのだから、ゆっくりだとしても花畑を作り出すのは当然という思いから、幽香は道を急いでいた。 ――ここはこの花よりこっちが良いわ。それに、あそこはもっと肥料をあげないと。あなたが肥料になるかしら? ――あぁ、こんな所に肥料をやっちゃダメじゃないの。あなた、本気で花を育てる気があるのかしら? そんな、大量のダメ出しを夢想している幽香は、自分の口が笑いの形に歪んで来ているとは思いもしなかった。 このフラワーマスター、真性のドSである。 ともあれ、幽香は目的の花畑にたどり着いた。 「なにこれ……」 口だけが笑っていた幽香の表情が、驚愕のそれに変わった。 小さい。 いや、ゆっくりが育てると考えると、大きめなのだろう。そもそも、花畑の大小はその美しさに関連はないと幽香は考えている。 種類が4種類しかない。 これも、ゆっくりが育てている事とここの土壌の質を考えると、これが限界だろう。下手に手を加えては自然の美しさが損なわれてしまう。 全体的に肥料が少ない。 ここに肥料をぶちまけようとする者がいたら、幽香によるマスタースパークでチリと化すだろう。肥料はこのままで良い。 そして、美しい。 幽香が驚いてしまうほどに、多数の花が、最も美しく見える様に考え抜かれた配置で置かれている。 その真ん中にいるゆっくりゆうかを見て、幽香はより驚いた。 泥だらけになりながら、本当に楽しそうに、大事な宝物を扱う様に花を慎重に手入れしている。 ――似ているなんてもんじゃないわよ、あれ。 それは、ただ花と一緒に生きられる事だけで嬉しかった、数百年前の風見幽香そのものの姿だった。 幽香は、無言でその場を後にした。 ダメ出しも何もない。ここは、既に完成した花畑である。 確かにフラワーマスターとしての目から見るとまだアラはあるが、それでも、一個の完成しようとしている作品に手を入れる事はできなかった。 その一時間前。 幽香は、何となく面白くない顔で、道を急いでいた。 自分に似たゆっくりが作り続けている作品の果てを見届けるためである。 果てと言っても、マスタースパークをブチ込んで破壊しようという意味ではない。 むしろ、そんな事をしようとする相手に幽香自身のマスタースパークが5発ほど打ち込まれるだろう。 幽香は、一個のまだ荒削りな芸術作品の完成を見届けようとしているのである。 完成後のダメ出しならばいくらでもするつもりだ。自分が手本を見せても良い。何なら連れ帰っても良い。 太陽の畑を、まだ荒削りなその技術で整えようとして何度も失敗を繰り返し、涙を流しながらも何度もやり直すゆっくりゆうか。 そして、叱りつつも段々と成長を遂げていくゆうかを眺めて良い気分になる自分……幽香の脳裏に、そんな未来が現実感を持って迫っていた。 叱る想像をしたから機嫌が直ったのか、笑顔になって更に道を急ぐドS……もとい、幽香。 だから、幽香は途中で5つの饅頭とすれ違った事に気が付かなかった。いや、気が付けなかった。 その数分後。 幽香は、その場に立ち尽くしていた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪」 「こっちもうめぇよ! ゆっくりできるよ~♪」 「ここはさいこうのゆっくりプレイスだね!」 「ちがうよ! でんせつのゆっくりぱらだいすだよ!」 「ゆっくりぱらだいす!?」 「しっているのかみょん!」 「ちちんぽ……ぜんぜんしらないちーんぽ!」 「じゃあなんでしってるみたいなこといったの? わからないよーwww」 饅頭どもの爆笑に包まれるそこを見た時、幽香は記憶違いだったかと思ってしまった。 それほどに様変わりしてしまった元芸術作品の片隅で、幽香はただ立ち尽くしていた。 ――そう。 4つあった花畑は、全てが色とりどりの薄汚い饅頭どもによって食い荒らされていた。 ゆっくりゆうかはいない。どのゆっくりがやったのかは分からないが、恐らくは殺されたのだろう。食われたのかもしれない。 ――あの子は、もういないのね。 「あれ、そういえばあのこたちとめーりんは?」 「しらなーい、まだいじめてるんじゃない?」 「あのこたちもめーりんいじめがすきだよねーw」 「ほんとーw ゆっくりするほうがたのしいのにねーw」 ――『ゆっくり』理解させてもらったわ。 「そういえば、ここをかってにせんりょうしてたゆうかはどこ?」 「ゆっくりこっちにすてたよ! あれ、いないよー?」 「あのこたちがつれてったよ、きっと、ゆっくりたべるんだよ!」 「れいむたちもたべたいなー」 「あとでもらいにいこうね! よにんだけなんだから、おねがいしたらすぐくれるよ!」 食べる。あの子を『四人組』が食べる。 太陽の畑へと連れ帰る予定だったあの子を。こいつらが、食べる。 ――お礼に『ゆっくり』させてあげるわ。永久にね。 幽香の頭のどこかから、ブチンと何かが切れる音が聞こえた。 同時刻、ゆっくりの群れ。 「あのこたちはすごくゆっくりしてるよね! こんなにいっぱいごはんあるところをしょうかいしてくれたんだもん!」 「だよね! ほんとにあのこたちはゆっくりしてるよ! おれいに、みんなでゆっくりしてあげようね!」 このゆっくりの群れは、今、心の底から幸せだった。 たくさんのごちそうがある。たくさんの仲間と一緒にいる。たくさんゆっくりできる。 それだけの状況が揃っていて、幸せじゃないゆっくりなんてゆっくりじゃない。そう思うほどに、幸せだった。 不意に、パチンと手を叩く音が響いた。 それと同時に、何か粉の様な物体が辺りを舞う。 日の光で美しく輝くそれは、ゆっくり達が初めて見るものだ。 「うわー、あれなにー?」 「ゆっくりしてるね! すごくきれいだよ!」 「ここはみんなのゆっくりプレイスだけど、ゆっくりできるこならたくさんゆっくりしていってね!」 キラキラと輝くそれを、ゆっくり達は幸せそうに眺めていた。 また、ぱちんと手を叩く音が響く。 影が、それに応じてゆっくりの群れの方へと近づいてくる。 ゆっくり達は、自分の願いが聞き入れられたと思い、嬉しくなって飛び跳ねた。 「ゆっくりしていっぐびゅぅ!?」 気の早いゆっくりがそれに頬をすり寄せようと近づいた……と思った直後、突然その場でぶるぶると震え出す。 異様なその状況に、群れのゆっくり達はざわざわと騒ぎながら近づいていった。 「どうしたの? ゆっくりしてよ!」 「どこかいたくしたの? ゆっくりすればなおるよ!」 「なんでなにもいわないの? おくちのなかいたくしたの……ゆびゃぁぁぁ!!! なにごれぇぇぇ!!!」 近づいたゆっくり達が、一斉にその場から飛び跳ねて逃げる。 そこに「あった」のは、もうゆっくりではなかった。 真ん中に杭が打ち込まれた様に、みっちりと何かが詰まっている何か。 仲間だったものの目から口から、皮を突き破ってどんどんと成長を遂げていくそれを見て、ゆっくり達の群れは恐慌に襲われた。 「ゆぎゃぁぁぁ!!!」 「なにごれぇぇぇ!!!」 「ごわいよぉぉぉ!!!」 それぞれに泣き叫ぶゆっくり達。 だが、真の恐怖はこれから始まるのである。 「ゆぎゅっ! ……ぺっぺっ! けむいよ! なにこれ!」 「くちゅん! ゆっくりできないよ! くちゅん!」 仲間だったそれは、今や完全に樹木と化している。 それの先端からぶわっと煙の様な何かが撒き散らされ、周囲は大量の花粉に覆われた。 「ゆぎゃぁぁぁ!!! いだい! いだいよぉがぶぅ!!!」 「なにごれ! なにごれぇぇぇぎゃらっば!!!」 「だずげで、ゆっぐりざぜでぇぇぇえひぃぃ!!!」 ばつんばつんと、音を立ててゆっくり達の体内から、柔らかい饅頭の皮を突き破って樹木が生えていく。 ゆっくり達の群れは、ほどなく樹木の群れへと生まれ変わったのである。 フウバイカ 「風媒花。どう? とてもゆっくりできるでしょう?」 ぽつりと、無表情に幽香は呟いた。 風媒花とは、その名の通り風を花粉の媒介として利用する種類の植物である。 虫を引き付ける必要がないために花びらがないものもあり、またあっても目立たず、香りもほとんどない。花と言えるかどうかも怪しい。 「本当、生物としても食物としても中途半端なこいつらにはお似合いの墓標ね」 その一言を残して、幽香はその場を後にした。 その一時間後。 幽香は、無表情に道を歩いていた。 その目は暗く光っており、下手に触れると消滅させられてしまうのではないかと思われるほどの恐ろしさに満ちている。 幽香は、時々立ち止まっては何かを探す様に周囲を眺めている。 本来ならば、どんな奥地に潜むものであろうと、草花ですぐに探し出す事が出来る。 だが、幽香はあえて自力で見つけ出そうとしていた。 頭に浮かぶのは、僅か数日前に見つけた、泥だらけで楽しそうに花の世話をする数百年前の自分の姿。 その頃は、自分はここまでの大妖怪ではなく、花との関係も友達のそれであった。 数百年前の幽香は、花の妖怪ではなく、花の世話をするのが好きなだけのただの妖怪未満の少女であった。 ならば、花を利用して探し出すなどできっこない。 幽香は、道の途中途中で見つけたしおれた草花を優しく癒してやりながら、無表情に道を歩き続けた。 「見つけた」 呟きが、風に溶けていく。 目の前には、やけに楽しそうな四匹のゆっくり達と、一匹の四角いゆっくり。 幽香は、誰が見ても分かるだろう作り笑顔で憎むべき饅頭どもの前に降り立った。 「こんにちは、ゆっくりしているかしら?」 「ゆっ! おばさんだれ?」 「ゆっくりできるひと? ゆっくりできないならさっさとどっかいってね!」 「ありすはとかいはなんだからさいこうにゆっくりしてるにきまってるでしょ!? おばさんばかなの?」 「むきゅーん! ばかなおばさんとはゆっくりできないよ! さっさとどっかいってね!」 「うーうー♪」 ただ笑顔で話しかけただけの幽香にここまでの暴言を吐く四匹のゆっくりと、何が楽しいのか分からないが、ただ笑っている四角いゆっくり。 だが、ここまでの腐れた根性の持ち主が良く生き延びられたものだと感心するのはまだ早いだろう。 もうすぐ、五匹は終わる。完膚なきまでに。 幽香は内心の感情を押し込めて、張り付いた様な笑顔のままで誘いをかけた。 「残念ね。もっとゆっくり出来る場所に案内しようと思ったのだけれど」 「ゆゆっ! ゆっくりできるところならいきたいよ! さっさとあんないしてね!」 「ゆっくりプレイスはみのがさないよ! さっさとつれていってね!」 「いなかものはむだにもったいぶるからきらいよ! でも、ゆっくりできるならいってあげなくもないわよ!」 「むきゅきゅん! ゆっくりできるところならぱちぇもたくさんしってるけど、おばさんのいってるとこはもっとゆっくりできるでしょうね!?」 「うーうー♪」 早く早くと急かすゆっくり四匹をなだめながら、幽香はゆっくりと歩き出した。 後ろからフラフラと追いかけてくるうーパックも、せっかくだから連れて行く。 その方向は、太陽の畑。 その二時間後。 「「「ここがゆっくりできるばしょなの!?」」」 「うー、ううー♪」 太陽の畑。 そこは、ひまわりが咲き誇る幽香の庭であり、故郷であり、砦でもある場所。 四匹のゆっくりにうーパックを含めた五匹は、珍しそうに辺りを眺めていた。 「ええ、あなたたちにはここで永遠にゆっくりしていただくわ」 そんなゆっくり達に、幽香はキラキラと光る何かを振り掛けた。 「ゆゆっ!? このきらきらしたのなに? きれー」 「あまくないけど、きれいでしあわせー」 「むきゅん! これはきんぱくね! きらきらしてきれいだわ!」 「きんぱくくらい、とかいはのアリスはしってるわ! とかいのマナーのひとつだわ! おばさんにしてはわかってるじゃない!」 「うーうーうー♪」 キラキラと光る何かを振りかけられて、うーパックは素直に喜び、四匹のゆっくり達も口調が悪いが嬉しそうにしている。 「本来ならばあなた達には絶対に寄生しない菌類なのだけど、特別にあなた達のために性質を変えさせてもらったわ」 嬉しいでしょう? と微笑む幽香に、ゆっくり達は大喜びで跳ね回りだした。 「ありがとう! じゃあ、おばさんにはもうようはないからゆっくりどっかいってね!」 「ゆっくりしたかったらべつのところでしてね! ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!」 「ここはとかいはのアリスたちのゆっくりプレイスにしてあげるわ! ありがたくおもいながらどっかにきえなさい!」 「むきゅ、にんげんがいたらゆっくりできないから、さっさときえてね!」 「う、ううー?」 豹変する仲間についていけないのか、オロオロとしだすうーパック以外のゆっくり達が口々に出て行けと叫ぶのを聞いて、幽香は穏やかに頷いた。 「分かったわ、じゃあ、私はこれで失礼させてもらうわね。あなた達は、永久にそこでゆっくりしていきなさい」 じゃあね、と口の端のみに浮かべた笑顔を残して消える幽香。 「ゆぎゅっ、きえちゃったよ!?」 「にんげんはゆっくりしてないね!」 「むきゅ、これはてじなね、あのおばさんはマジシャンなんだわ」 「ま、まじしゃんくらいはとかいのじょうしきよね! もちろんアリスもおせわしてあげたわ! あのおばさんもアリスをそんけーしてるはずよ!」 ゆっくり達は目の前からいきなり消失した人間に少々面食らったが、ゆっくりできるのだから言う事はない。 お腹が空いたらそこら辺にあるひまわりをかじれば良いし、この辺りには危険な捕食種もいない様だ。 ゆっくり達は、思い思いにゆっくりし始めた。 うーパックはまだオロオロとしていたが、仲間がゆっくりしているのを見て、一緒にゆっくりしたくなったようで、大人しく近くに羽を休めた。 その二時間半後。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 ゆっくり達は、ゆっくりするのにもう飽きたらしく、跳ね回って遊んでいた。 「ゆっくりたのしいねー!」 「すごくゆっくりできるよ! さすがまりさたちのゆっくりプレイスだね!」 「むきゅ、ゆっくりできるね。おばさんにごほんもってきてもらえたらもっとゆっくりできたんだけどね。きがきかないわねあのおばさん」 「パチェはほんだいすきなゆっくりだからね! とかいはのアリスは、ほんがなくてもゆっくりできるよ!」 「むきゅ、ただのうてんきなだけよ。アリスは」 「アリスはどっかのゆっくりと『ゆきずりのすっきり』ができたらいいんだもんね! ゆっくりしようよwww」 げらげらと笑い合うゆっくり達。 その様子をのんびりと見守っているうーパックは、ゆっくりしているためか、自分の体内に不思議なかゆみが出てきた事に気付けなかった。 それが、自分の生命を左右するとも知らずに。 その三時間後。 「うー……うー……うぐっ!」 「ゆぎゅ!?」 「ゆあっ!?」 「あぎゃ!?」 「むぎゅ!?」 びくんと、五匹同時にその場に立ち止まった。 異常な何かが、物体となって自分の内側からどんどんと膨れ上がっていく感触。 おぞましいその感覚に、五匹は身を震わせた。 「おばざん! まじじゃんのおばざん! なんがへんだよごれぇぇぇ!!!」 「なにごれ、ぎもぢわるいぃぃぃ! おばざん、ざっざどだずげでよぉぉぉ!!!」 「ぎもぢわるいぃぃぃ! ぎもぢわるいよぉぉぉ! どがいはになんでごどずるのぉぉぉ!!!」 「むぎゅ……きぼぢわどぅい……げほっ、エ”ホッ! ばぎぞうだよぉ……」 「うぐぐぐ……うー! うー! うー!!!」 いくらもがいても、自分の内側から膨れ上がってくる感触が押さえられない。 四匹は、泣き叫んで様々な者に助けを求めた。うーパックは、感触を少しでもどうにかしたくて、ただただ暴れまわっている。 「「「おばざん! おがーぢゃん! ……ぐずめーりん! ざっざどだずげろ!!!」」」 ゆっくりめーりん。ずっとバカにしていたそいつは、先ほど自分達の手で二度とゆっくり出来なくした。 だが、そんな事もアンコ脳には残っていないのか、ゆっくり達は延々と文句を喚き続ける。 「なにゆっぐりじでんのよぉぉぉ! ざっざどごっぢぎでだずげろばがめーりん!!!」 「おまえにやれるのはぞれだげなんだがら、まりざだぢのやぐにだであほめーりん!!!」 「ありずのがわりにいながもののおまえがどうにがじろまぬげめーりん!!!」 「むぎゅ……いらないごっていわれだぐながっだらざっざどだずげにごいぐずめーりん」 口々に怨嗟の声をあげるゆっくり達の目はにごり、もうどれだけの愛好者であってもこんなゆっくりだけは愛せないだろうと思えるほどに醜かった。 そんな中、症状の重かったうーパックが、凄まじい悲鳴を上げた。 「うぎゅあぁぁぁぁぁ!!!」 「「「ゆ……ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!」」」 がくがくと震えるうーパックの口から目から、様々な場所から、黒色の植物の芽の様なものが次々にはみ出してくる。 そのおぞましい光景に、ゆっくり達は悲鳴を上げる。 だが、慌てて口を閉じ、目を硬くつぶった。 いつ、自分からもあの芽が伸びてくるかわからない。それを考えると、目を開ける事も口を開く事も恐ろしかった。 「無駄よ、それはあなた達の体を突き破って出てくる。口を閉じようが目を閉じようが結末は何も変わらない」 不意に、近くからニンゲンの声が聞こえてきた。 その声が先ほどのマジシャンだと分かったまりさは、即座に口を開いて抗議しだした。 「おばざん! ざっざどまりざだぢをだずげでよ! おばざんがごごにづれでぎだんだがら、おばざんがなんどがじろぉぉぉ!!!」 抗議と言っても、ゆっくりではダダをこねる程度の事しか出来ない。 幽香は、笑顔で一言だけ答えた。 「あなた達を助ける気なんて毛一本ほどもないわ」 更に何か言おうとしたまりさの口から、数本の芽が飛び出してくる。 まりさは、文句を言う気など消えうせ、芽が様々な場所から生えだそうとするその感触を耐える事しか出来なくなった。 四匹のゆっくり達は、完全に寄生植物の宿主と成り果てたのである。 トウチュウカソウ 「冬虫夏草。あなた達に植え付けたのは、そういう名前の植物よ」 あえぐゆっくり達に対して、無表情なままの幽香は、独り言を漏らす様に告げた。 冬虫夏草とは、虫や植物に寄生して成長するタイプの菌類……キノコやカビなどの一種……である。 普通の冬虫夏草ならば、ゆっくりに寄生する事はありえないし、宿主を殺してから成長するのだが、これは幽香の特製である。 このゆっくり達は、もう死ぬ事も動く事も出来ず、冬虫夏草の奇妙な茎部分としてこれからずっと生き続けるのだ。 「あなた達に潰された草花の気持ち、そこでゆっくり理解すると良いわ」 じゃあ、さよなら。一言だけ残して、幽香はその場を後にした。 「まっでぇぇぇ! ゆっぐりざぜでよぉぉぉ!!!」 「おば……おねえざんんん! まりざだげでもだずげでよぉぉぉ!!!」 「ありず、いながものでいいでずがらだずげでぇぇぇ! おねがいでずぅぅぅ!!!」 「むっぎゅー!!! ばぢぇじんじゃう! ほんもよめないごんなどごじゃじんじゃうぅぅぅ!!!」 「うぎゅ……うー……」 五匹がそれぞれに境遇を嘆くその姿を、ひまわりがあざ笑うかの様にゆらゆらと揺れながらただ眺めていた。 花を食べたゆっくりは花に仕置きされるという事で、幽香りんにいじめてもらいました。 このゆっくりは、うーパックも含めて永久に苦しみ続ける事でしょう。 by319 このSSに感想を付ける
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どすまりさの話 ちょっと微妙ですが、一応一方的な暴力はあります カーンカーンカーン 「…ああ、もうこんな時間か」 昼の鐘の音が辺りに響いてきたので俺は農作業をやめて腰を上げた。少し痛い。 だがこの時間になるといつもの恒例とも言うべき日課があるのだ。サボるわけにもいかんだろう 「時間だから行ってくるわ」 「おー、いってら」 近くの友人に出ることを伝えると俺は近くの川に行って泥を落とし、いろいろな荷物とごみ袋を持って森に入った。 目的地はどすまりさの集落である。 「おーい、いつものように来たぞ」 「ゆゆっ、おにいさんだ」 『ゆっくりしていってね!!』 群れのいるところに向かうと早速歓迎された。つっても歓迎される理由は単純だが 「おら、餌だ」 『ゆゆ~』 ごみ袋を逆さにして生ゴミを出すとあっという間に群がるゆっくりども。実に浅ましい たぶんこいつらの頭の中だと俺は食べ物を持ってくるへんなやつだろう。実際は全然違うが 「あ、お兄さんいらっしゃい」 少し遅れてどすまりさがやってくる。こいつはゆっくりの中でもかなりまともだ 知的生物として対等に扱うことができる。他はただ本能のままに生きるねずみと大差ないと思う 「ああ、来たぞ。それじゃあ早速教えてもらおうか」 「ゆぅ、最近来たのは…」 俺がどすまりさの所に生ゴミを持ってくるのは伊達や酔狂なんかではもちろんない。 村に害をなすと思われるゆっくりをこのどすから聞いて駆除するためである 群れが近くに引っ越してきたのは去年ぐらいのことだ。 こいつらが近くの森に来たとき、人里ではどうするか話し合った。 ゆっくりの群れというのはかなり増長しやすい。そのため群れたまま里を襲うことがある そうなると畑への被害はとんでもないことになるのだ。 最初は皆殺しにすべきという意見が圧倒的でそのまま実行されようとしたが、 森に来たときどすまりさがある提案をしてきた。 それは人里の頼みを聞くから自分達の群れだけは殺さないでほしいということである。 ゆっくりに頼むようなことはあるとも思えないが、 その自分の立場をわきまえた態度に里の人も関心したのでひとまず生かしたわけである。 そしてその後集まって話し合いが行われたとき、俺がふと思いついた意見が採用された。 それはこのどすまりさにほかの野生のゆっくりの情報を提供してもらうということ。 ゆっくりのことはゆっくりに聞くのが一番手っ取り早い。 できるかぎりあのどすが周囲のゆっくりを管理してくれればそれだけ畑への被害が減る。 後は群れとは関係ないゆっくりを情報を元に効率よく駆除すれば被害はほぼ皆無になる。 それらをこの群れのどすまりさに伝えたところ、このどすはあっさりと受け入れた。 こうして人里とゆっくりの群れの妙な共存が始まったのだった。 共存とはいうが殺さない代わりに他のゆっくりを探し出して差し出すから、実質群れが人里に従属しているというほうが正しい。 ゆっくり相手担当は発案者の俺。ついでに近くのゆっくりを駆除する役目もある。 きちんと働いた分村から給料が出るので心置きなく引き受けさせてもらった。 ちなみにうちの生ゴミを配るのはちょっとしたサービス。 これを配らないと他のゆっくりがさっさと出て行けコールを行うのだ。 群れのゆっくりを傷つけない約束があるので攻撃するわけにもいかないが、かなりうざい。 そのため生ゴミでひとまずどすまりさとの会話を邪魔させないようにするわけだ。 もともと捨てる物だったから有効活用といったところか。できることなら持ってきたくないのだが 「ほうほう、了解。早速駆除するからな」 ちなみに駆除した後畑に被害が出た場合。責任をとってこいつらから仲間を出してもらい、加工所に売り払う。 そのためその情報はかなり正確である。 「それとおにいさんにお願いがあるんだよ」 「あん?なんだ?」 「またうちの若いゆっくりに人間の強さを教えてほしいんだよ」 その言葉に思わずため息がでる。 「…またか」 「ごめんなさい」 「いや、お前が謝ることじゃねぇけどな。なんでゆっくりは自分が一番と思うんだろうな」 「ゆぅ…」 まりさにも分からないといった感じでどすまりさがため息をついた。 しばらくたって平原。ここに群れの全てのゆっくりが集まっていた。 「げっへっへ、きょうはまりさたちがにんげんをたおすきねんすべきひなんだぜ」 「れいむたちはまりさたちのかっこいいすがたをみてるんだぜ!!」 「にんげんなんてひとひねりだぜ!!」 誇大妄想を吐いて他の若いゆっくりから声援をもらうゆっくりまりさ三匹組。 はっきりいって若いゆっくりの中でなら強いほうかもなってだけの普通のまりさだった。 どう考えても人間は倒せそうに無い。 「あいつらをぶっ飛ばせばいいわけだな」 「ゆゆ、後遺症が残らなければ好きなだけなぐっていいよ」 「ほいほい」 どすまりさからぼこぼこにする許可をもらい軽く準備運動する俺。 よくあることだが若いゆっくりは人間なんてたいしたこと無いと思うことが多い。それはこの群れも例外ではなかった。 何度もどすまりさが注意しても聞かず、中には畑を襲おうとするやつも出る始末である。 そのため二回ほど人里と群れの仲が悪くなったが、そのたびにどすまりさが土下座して賠償する事で揉め事を収めていた。 だがそんなことではすぐに限界がくる。群れとしては喧嘩を売りたくは無いのだ。 そのため俺がじきじきに群れのゆっくりの前で若いゆっくりをぼこぼこにして人間の強さを教えるのである。 口で言っても聞かないなら直接経験させるのが一番手っ取り早いというわけだ。 ちなみに授業は決闘形式。普通に戦って勝ったほうに賞品が渡されるというもの。 対等に戦って一方的に負けるのだということを他の若いゆっくりに見せつけなくてはいけないからだ。 たまにどすまりさは苦労症だと思う。 「それじゃあルールを説明するよ!戦うのはこの平原! 時間無制限一本勝負で、武器を使うこと以外はなんでもあり! 相手チームを全部戦闘不能にしたほうが勝ち! 勝ったチームには賞品としておいしい果物が送られるよ!」 『ゆうううううぅぅっっ!!!』 ゆっくりにとって果物はとてつもなく高級品である。何せ簡単にとることが出来るのは背の高いどすまりさだけ。 他のゆっくりは樹に登る技術が必要だし、下手に高いところに登ると落ちて死ぬ可能性もあるのだ。 そしてその希少性と何よりゆっくりできる味のため、すべてのゆっくりがあこがれる食べ物というわけだ。 まあ必ず俺が授業料として持って行くのだが。 「くだものとはふとっぱらだぜ!」 「にんげんひとりあいてならいただいたもどうぜんだぜ!」 「おいじじい!ころされたくないならあやまればいまならゆるすんだぜ!!」 あほ三匹が何かほざいとるが華麗にスルー。もう慣れた。 「それじゃはじめるよ!スタート!」 それと同時にすぐにばらける三匹。戦い方としては悪くない動きだった。 あっという間に半包囲状態になる。 「あれはまりさたちのれみりゃもたおしたひっしょうじんけいだよ!!」 「いっきにかちにいくつもりね!」 若いゆっくりが騒ぎ出す。どうやらこいつらの必殺技のようだ。 普通自分達の数が多い場合、戦術として包囲するのって当たり前なんだが…まあその辺は饅頭だしな。 「ゆっへっへっへ、もうじじいはしんだもどうぜんだぜ!」 「くだものがかかってるからてかげんはしないんだぜ!!」 「いくぜ!まりさたちのひっさつ…」 『じぇっとすとりーむすぱーく!!』 三匹の掛け声とともに同時に飛びかかってくる。 うん、それだけなんだすまない。 …必殺技ちがくね? いや、ゆっくり相手なら必殺なのか。でも三対一になったら普通勝つだろうし…これは何のための技だろう。 少し悩んだがとりあえず俺は少し下がった。 『ぶべし!!』 見事に俺がいた場所で正面衝突する三匹。同時に突っ込んだらまあそうなるわな 「そんな…」 「まりさのじぇっとすとりーむすぱーくをあっさりよけたわ!!」 「わ、わからないよー!!」 騒ぎ出す若いゆっくり達。 この程度でさわぐなよほんとに 「ぐぎぎぎ…」 「このわざをよけるとは…」 「なかなかやるみたいだぜ…」 気づくのおせぇ 俺は立ち上がろうとしているまりさの一匹をつかむと上へと放り投げた。 「ゆぅ!?」 着地の衝撃を和らげるためにとっさに膨らむまりさ。まぁその判断は悪くないな。 そして落ちてきたところを… 「そぉい!!」 「ゆげらぁぁっっ!!」 思いっきり殴りつける。 まりさは吹っ飛ばされ、綺麗に回転しながらどすまりさにキャッチされた。 膨らんでいたので死にはしないが気絶は確実だろう。とりあえず一匹。 「まりさがやられたんだぜ!?」 「こうなったらおくのてなんだぜ!!」 まだあるんだ。 二匹のまりさは(ゆっくり基準で)すばやく集まると同時にジャンプをする。 よく見ると微妙に片方が高めにジャンプしているようだ。 「ひっさつ!!」 「すたーだすとめてお!!」 そしてなんと高く飛び上がったまりさが低く飛び上がったまりさを足場にさらに高く飛んだのである。 『おおおおおおっっ!!!!』 「へぇ…」 曲芸のような技に驚く周りのゆっくり達。さすがに俺も驚いた。 確かまりさ種は自分を優先させることが多いはず。そのまりさ種が連携技をするのだ。 さっきも連携といえばそうかもしれないがこれと比べたら月とすっぽんだろう。 「げっへっへ、このわざをくらっていきのこったやつはいないんだぜ!!」 「さっさとしぬんだぜ!!」 二匹が笑う。が、 「てい」 べしっ 「ひでぶっ!」 高く飛び上がったまりさをはたき落とす。まりさは地面に叩きつけられ気絶した。 こいつらは二匹で協力することで確かに普通のゆっくりより高く飛んだ…のだが それでも俺の身長くらいがせいぜいであった。いや、ちょっと低かったか? ゆっくりあいてだったら強かったんだけどなー 「ゆげげげえええぇぇっっ!!!???なんできかないんだぜ!?」 「お前らが知恵を絞ったって人間には勝てないってことだな」 そう答えながら残り一匹のまりさにゆっくり近づく。 「ゆ、ゆゆっ!!お、おにいさんごめんなさいなんだぜ!!だからいたいのはやめてほしいんだぜ!!」 いきなり土下座(らしき行動)をするまりさ。さっきまでの自信満々な態度とは天と地の差だ。 その行動に周りのゆっくりもあきれている。 「ふーむ。勝てないと理解したなら別に殴る必要もないんだが…」 「ゆゆ、ゆるしてくれるんだぜ?」 「その前に聞いておくが、お前勝負を決めるためのルール覚えてるか?」 「ゆゆ!それぐらいおぼえてるぜ!あいてをたおしたほうのかちなんだぜ!」 「うんうん、それ以外で決着をつける方法はあったかな」 「ゆっゆっゆ、そんなこともおぼえてないの?あいてをたおさないかぎりおわらない…」 ようやくきづいたのかがたがた震えだすまりさ。お兄さんはその餡子脳で気づいてくれてうれしいよ。 「そう、謝ったって勝負はどっちかが倒されるまでおわらないんだぜ?」 そう教えてやると俺はまりさを思いっきり蹴り飛ばした。 「このように人間に立ち向かってもゆっくりできなくなるだけだから、人間の畑に入ってはだめだよ。わかったかな?」 『ゆっくりりかいしたよ!!』 どすまりさの言葉に返事をする若いゆっくり達 理解していたやつは改めて心に刻み、理解してなかったやつは恐ろしいことを考えていたと思うだろう。 よきかなよきかな。 ついでに三匹のゆっくりは試合が終わった後、パフォーマンスとして足の部分をさらに何発か殴っておいた。 腫れ上がってたからしばらくは痛くてはねることもできないだろう。人間にたてつこうなどとは二度と思うまい。 この後俺はどすまりさからもらった果物をかじりながら、近くのゆっくりを駆除していった。 今日も幻想郷は平和のようだ。 ~~~~~~~~~ SSの整理してたら発掘したのでちょっと書き直してうp どうも続きものだったようでこの続きが中途半端に書いてあるけどどうしたものかね 過去作品? 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 ゆっくり埋め どすまりさの失敗 原点 ゆっくり駆除ありす まきぞえ なぐる ゆっくりのある田舎 現実的なドスまりさ ゆっくりゃの飼育 崩落 狩人 このSSに感想をつける
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人間と山のゆっくり 古緑 「コレが目を開いてから三日目の写真でな、 コレが初めて喋った時の写真、キーホルダーみたいだろ?」 「えぇ、そうですね」 「なぁA」 「んでこれが初めて牛乳パン食べた時の写真、 こっちの写真はれいむが初めて」 「A!」 「何?B」 「もういいだろ」 「何が?」 「その…それだよ 写真見せたりお前ん家のゆっくりの話するのだよ ちょっと反応に困ってるだろ」 「何で?」 「……いやもういい」 「そんでコレがな…」 僕は今電車の中でA先輩の持ってきたアルバムを見ている(見せられている) 挟んである写真は先輩の飼っている4歳になるゆっくりれいむ。 先輩は地元の家の近くの叢でこのゆっくりれいむを拾って来てから4年間もの間 そのゆっくりれいむを愛し続け、写真ももうアルバム7つ分にもなっているという。 正直その写真を半強制的に見せ続けられるのは少し辛いが、 全く興味の無い事でもない。 これから行く場所には写真の中のものと同じ生き物が数多く生息しているというのだから。 今日も見れるかもしれないとB先輩も言っていた。 電車の向かう先は○○山のある○○駅。 15kg超えのザックを背負い、700gの新品の登山靴を履いた僕は 初めての登山に赴く○○高校登山部の高校一年生だ。 A男先輩は高校三年生の同部活の先輩だ。 今回の山行では A男先輩がチーフリーダー(山行の企画をし、登山時は最後尾で班員を見守る)を務める。 登山歴は中学の頃かららしく、頼れる先輩だ(少し強引だが) B太先輩はA男先輩と同じく二年生で 今回はサブリーダー(登山時に先頭に立ち、班員を導く役割)を務める。 どこかミステリアスな雰囲気(暗くてなんか怖い)を漂わせる先輩だが 普段から優しい人でAさんの親友だ。 あとは僕と同じ一年生が二人。太ってるC君と痩せてるD君。 この一年生親睦山行で仲良くなれると良いんだが。 目的地を告げる電車のアナウンスを聞き、僕達はザックを荷台から降ろしてホームへと降りた。 改札口を出て見えるのはカラフルなザックと登山者風の服装の中高年。 今回行く山はやはり登山者にとって人気の山という事なんだろう。 駅にある水道で2リットル程水筒に水を入れてから バスに乗って山の麓まで行く。 そこからが脚を使う登山のスタート地点だ。 バスの中は人こそ少ないが大きなザックがスペースを取るのでやはり座席は埋まってしまう。 バスが赤信号で止まってる間、 ぼんやりとガラス窓から見える林を眺めていると 赤のリボンと黒いトンガリ帽子の球体が林の方に跳ねて行くのが見えた。 「先輩、今なんか…」 「あ、見てたか?アレがゆっくりだよ」 振り返って後ろの座席にいたA先輩に ゆっくりらしきモノを見たと言おうとしたところ先輩も見ていたようで、 このあたりのゆっくりの説明を受ける事になった(少し後悔した) 山と人の住む場所の境にはゆっくりが良く現れるらしく 特にこの山では多いらしい。 最近は数が減ってきたのか見れる機会は少し減ってきているそうだ。 A先輩の話を聞きながら田んぼばかりの田舎道をバスが青信号を進んで行く。 「ゆっ?れいむ、にんげんがおりてきたんだぜ! おいにんげんども!まりささまにごはんよこすんだぜ!」 「おにいさん!かわいいれいむにごはんちょうだいねぇ~ん?」 目的地のバス停で降りると見慣れない生物が出迎えてくれた。 先に降りた中高年夫婦の登山客にまとわりついている。 先輩二人には見慣れた光景のようで特に気にしている様子はない。 「先輩、アレ…」 「あー酷いだろ アレがここら辺のゆっくりだよ 人の集まるバス停に溜まるんだ」 ゆっくり好きの筈であるA先輩に訊いたところ、 全く興味無さそうに答えてくれた。 「なにモタモタしてるんだぜぇ?はやくよこぶぇ!!」 「ばでぃざぁぁぁああぁあぁ!?」 その時前にいた中高年夫婦の旦那さんの方がトンガリ帽子を蹴ってどかした。 まさかあんな温和そうな人が…と僕はその光景に驚いたが、 B先輩が言うには 「さっきの駅前でもそうだが、バス停付近で人にタカろうとするゆっくりは 後片付けをするならお前等も殺してもいいぞ」 らしい。 この辺じゃゆっくりを殺す事自体は禁止されているそうだが 殺しても誰も咎めないし、誰もそれを守っていないそうだ。 中高年夫婦は後片付けまでする気がないのか ある程度動けなくなるまで踏んだところで山道に入って行った。 B先輩が地図を広げて現在地を確認すると、 B先輩を先頭、一年生を挟み、A先輩を後尾にして5人は一列となって山道に入って行った。 肩に食い込む荷物と、登山靴がしっかりと土を踏み込んで行くのをその足に感じながら、 僕等は今日の目的地であるテント場へと歩いて行った。 「ゆっ?ゆっくりしていってね! ここをとおりたければ『つうこうりょう』をはらってね! あまあまでいいよ!」 「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ! にんげんさんたちはあまあまをゆっくりちょうだいね!」 テント場に行くまでには歩いて数時間かかる。 その間一時間に一本取る十分間の休憩の中でガサガサとどこかからまたゆっくりが現れた。 紅いリボンのが二匹。 どこかさっきのバス停の奴等よりもマイルドな話し方だ(初めて『ゆっくり』というのを聞いた) 「先輩、コイツ等は…」 「あぁ、コレが山の入り口あたりのゆっくりだよ 人間にタカってくるのは変わりないけどさっきのよりはちょっとはマシだろ? コイツ等オレ達のザックの中にメシが入ってる事知ってるんだよ」 B先輩に訊いてみたところ山の入り口のゆっくりは ザックの中の僕等のオヤツやご飯が有る事を知っているらしい。 この時先輩から受けた注意によると、 主に登山初心者がやってしまうミスの一つに、 ゆっくりにカロリーメイト等のお菓子を与えてしまうのがあるそうだ。 与えられれたその味を一度知ってしまったら最後、 町に降りて来たり、人が来る入り口付近等でタカってくるのを止めないらしい。 そういえばこの休憩場所のちょっと向こうにある看板に 『ゆっくりに餌を与えないで下さい』と書いてある。 (この時休憩時間の10分を過ぎたらしく、A先輩が皆にザックを持つよう言いだした) 「山の中の如何なる物に対しても出来る限り人間の影響を残してかないのが 登山者のマナーだと俺は思うんだがね、 まぁコイツ等も所謂人間の被害者って事かな…」 「ゆっくりあまあまをちょぶぇ!!」 「どぼじでごんなごどずるのぉおぉぉぉ!?」 そう言いながらも笑顔でゆっくりを蹴りどかして行くB先輩。 『ちょっとは痛い目に遭った方が人の住む所に近づかなくなる』そうだ。 山に影響を与えず云々とは言っていたが、難しいところだ。 予定通り6時間程歩いた僕等は無事テント場に辿り着いた。 歩いてる間、ずっとA先輩と話していたC君とD君も 疲れているようだが問題は無さそうだ(僕は脚がガクガクだ) テントを建てる前にA先輩達は顧問への電話、 B先輩はテント場管理人への連絡の為、僕等一年生はその場に残されてしまった。 僕は親睦の為の良い機会だと思ったので、テント場にある山小屋で ココアを飲みながら一年生だけでトランプで遊びながら親睦を深めた。 二人とも面白い人みたいで仲良くやって行けそうだ。 夕方5時半にお米をコッヘルで炊いて、レトルトカレーと海鮮サラダを食べ終えた僕らは テントの中で学校の話、倶楽部の話、一年生の話、さっき見たゆっくりの話等、色んな話をした。 その話の中でB先輩がゆっくりを飼っているA先輩以上に 『異様に』ゆっくりの体の構造や習性に詳しい事が分かり、 D君がちょっとした冗談を言った。 「もしかしてB先輩ゆっくり虐待とかしてるんじゃないですか?」 僕もどこかのニュースで『ゆっくりに対して拷問や暴力を働くのを 止められないと言う男』がモザイク付きでインタビューに答えているのを見た。 『ゆっくり虐待』って言うんだな。 そりゃ失礼だろ、とC君がフォローしようとしたその時 「はああぁぁああぁぁ!!?虐待とか無いし!! 俺ゆ虐とか全然興味ねーから!!赤ゆとか大好きだし!!超可愛いし!!」 「「「………………」」」 まるで何百回と口にしたような流暢な発音で出て来た『ゆ虐』とは恐らく 『ゆっくり虐待』を略したモノなのだろうか? 『赤ゆ』ってなんだろう? 踏み込んではいけない領域に踏み込みそうになったので 一年生が沈黙し出すとA先輩がポテチとジュースとUNOを出し始めたのた。 それを見た僕等はこの話をお流れにした。 「ゆっくりしていってね!」 「ン?」 カードを片手にポテチを食い終えようとしたその時 テントの外から例の声が聞こえた。 外を覗くとトイレに行っていたC君の近くにトンガリ帽子がいる。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 「何だ、コイツ?」 またゆっくりだ。 でもさっきの奴みたいに横柄な口を利く事も無く、 ただ『ゆっくりしていってね!』としか言わない。 その姿は見ようによっては少し愛らしくもある(僕はちょっとキモイ生物が好きだ) 「先輩…アレって…」 「あぁ、アレがテント場近くのゆっくりだよ ラッキーだな、色んなゆっくりが見れて 奴等はもう寝てる時間だろうが人の声を聞きつけて来てたんだろ」 B先輩に訊いてみたところテント場には 食べカスを残して行ってしまう人がたまにいるらしく、 それを知っているゆっくり達は『人の近くはゆっくり出来る』と思ってしまい、 夕方の人のテント近くに集まって来る事があるらしい。 「C、ちょっとそのゆっくりまりさ小突いて追っ払ってやれ」 「えっ…」 「いいんだよ、そいつ等の為にもなる それにこれからはお前等がやる事になるんだから」 A先輩が言うにはテント場に集まるゆっくり達も 心の何処かで『人がゆっくりさせてくれる』と思ってしまっており、 人がその状態のゆっくりと関わるのはゆっくりにとって良くない事らしい。 小突いて追っ払えば『人とはゆっくり出来ない』と思ってくれるそうだ。 これは人にとってもゆっくりにとっても良い事だ。 このゆっくりに安易に『人はゆっくり出来る』と思わせてしまうと 多くのゆっくり達が人の住む町に来しまうとA先輩が言っていた。 さっきの山の入り口にいたようなゆっくりに変わってしまうんだろうか? 「ホレ、アッチ行きな」 「ゆっ?やめてね!やめてね!ゆっくりできないよ!」 C君が登山靴から履き替えたサンダルの先っぽで トンガリ帽子(ゆっくりまりさという名前らしい)を小突いて追い返した。 あれでゆっくりまりさは人に近づくのを止めるだろうか。 止めた方がいいのだろう。 あのバス停のゆっくり達や入り口近くのゆっくりの様になってしまうのなら。 それからまた暫く遊んでから僕等は夜の8時には寝袋を敷いて就寝する事になった。 朝の4時半に起床。 最低限の荷物を小さな鞄に持ち替えて、 僕らはテント場から山の頂上まで朝日を見に登って行く。 雲は無いしきっと綺麗な朝日を見れるだろう。 そうA先輩はアキレス腱を伸ばしながら僕らに言うと デジカメをポケットから出してカメラのチェックを始めた。 山の朝はとても寒く、暗い道を頭につけたランプで照らしながら進んで行く。 隊列は昨日と同じ。 だが歩き始めてから一時間と40分程でその隊列は変わる事になった。 馴れない早朝の運動にヘバってしまったのか、休憩を申し出て来た。 「B先輩…ちょっと休憩貰っていいですか…」 「頑張れC、頂上もう見えてるからよ オイA、ちょっとCに先頭行かせるか?」 A先輩が言うには先頭に立って自分のペースで歩かせた方が 疲労感が抑えられるらしい。 B先輩はCにポカリを飲ませるとCとの位置を交換した。 そしてCはゆっくりと自分のペースで山頂までの岩だらけの道を歩き出した。 「おぉーし!お疲れ!C、あそこの平らなトコまで行って休憩だ」 ようやく頂上まで辿り着いたC君は安堵の顔を見せながらも完全にヘバっており、 ホッとしながら死にそうな顔という器用な顔を見せている。 C君はA先輩に言われた通りに平らなところに向かって歩き始めた。 「ゆっくりしていってね!」 「ちょっと…通してって」 どこからかまたゆっくりれいむが現れた。 へとへとにヘバっていたC君は道を阻まれた事で少し苛立ったのだろうか テント場のゆっくりにした様にゆっくりを小突いてどかそうとした。 その時 「待てC!!」 突然B先輩が叫んだ。 休憩場所で容赦なくゆっくりれいむを蹴りつけていた人とは思えないような発言だ。 だがB先輩が叫ぶまでもなく、C君は脚を止めていた。 「ゆっくりしていってね?」 「…あぁ、ゆっくりしていくよ」 C君はザックを背負ったままそのままそこにゆっくりと座り込むと、 丁度出て来た太陽光をその体に浴びて日光浴を始めた。 ゆっくりれいむはその一年生の膝まで跳ねて行くと 膝の上に乗ってその一年生と同じ様に目を閉じて日光浴を始めた。 B先輩が言う。 「今回はツイてるな、やっぱり」 「あのゆっくり、なんか…どっかおかしくないですか? どこから出て来たんですかアレ」 班員の皆も気付いていると思うが、 山頂付近は石や岩ばかりで樹も草も無く、前方の視界を遮る物が無い。 あんな紅いリボンが灰色の道で動いていたら気付かないわけが無い。 あのゆっくりれいむは浮かんで来るように現れたのだ。 「あれが人の影響を全く受けてない山奥のゆっくりだよ 晴れの日の山頂にも稀に出てきてな、落ち着いてない生き物を落ち着かせるんだ 急に現れた様に見えたのは…まぁ『湧いて出て来た』っていい方は変だが そんなところだ。まだよく分かってないらしい 滅多に見られるもんじゃないぞ」 Aさんが解説する。 よく見るとそのゆっくりれいむは丸い体を包み込む様に 僅かな光を纏っている様に見える。 ゆっくりれいむを膝に乗せたC君はまるで 晴れの日に縁側で昼寝をする猫のように目を細めていた(その顔はゆっくりみたいだった) 「二年ぐらい前はそれ程珍しくも無かったんだけどな やっぱ山頂でもエサやる人間がたまにいるからどんどん山を下って行っちまうんだ コイツ等は元々、人の食い物が欲しくて人に近づくってワケじゃないのにな… そうなったらもうコイツ等は別物になっちまう あの肉を持たない妖精のような存在から、昨日見た醜く口汚い生物になっちまうんだ」 B先輩が少し辛そうにそう言った。 「どうしてそうなっちゃうんでしょうね?」 C君を見ながらD君がA先輩に訊いた。 「人と同じなんじゃないかな? 自分にとってとてつもない快楽が手の届くところに有れば どうしてもそれを得ようと必死になっちゃうモンだ 奇妙な事だが、人に干渉出来る様に肉体を持つのもそのせいかもしれない きっとゆっくりも同じなんだろうな」 僕はこの日初めてこのゆっくりと出会い、 班員達はC君の膝の上でゆっくりしているゆっくりれいむの周りで休憩しながら 30分間の休憩の予定を倍の1時間にしてしまった。 僕はゆっくりさせてくれたゆっくりれいむに感謝すると共に あぁ、山に来て良かったな。そう思った。 そして一時間後、十分ゆっくりしていった僕等は ザックを背負って頂上から降りようとしていた。 「またいっしょにゆっくりしようね!」 「あぁ、またゆっくりしに来るよ」 それを聞いたゆっくりれいむは嬉しそうに目を細めると 風景に融ける様に消えて行った。 そして僕等はリラックスした気分でテント場まで下り、 テントを片付けて、バス停まで戻って行った。 その日のスケジュールはハードだった筈だが 何故かこの日は辛いなんて思わなかった。 きっとあのゆっくりの御陰なのだろう バス停近くのアスファルトの道を登山靴で鳴らしながら 僕はまたあのゆっくりれいむに会いたい、そう思った。 「んほぉぉぉぉおぉおぉぉぉおぉ!!!」 「やべるんでぜぇごのぐぞれいばぁあでぃず!!」 「ゆ”っ!かわいそうなれいむにごはんをもってきてね!はやくしてね! なにしてるの?れいむはにんっしんしてるんだよ?もたもたしないでね!」 「つんでれまでぃざがわいいぃぃいちゅばちゅばしであげるわぁああぁ!!!」 「ばぁ~きゃ!とっととあまあまよこちぇじじぃ!」 「「「………………」」」 バス停の前でまた出迎えてくれたゆっくり達を見て A先輩は萎えきった顔になって降ろしたザックの上に座り込んだ。 バスが来るまでの二十分間コイツ等と待ち続けなければならない A先輩はウンザリした顔つきで僕等に向かって言った。 「オイ、昨日も言ったがバス停付近に出てくるゆっくり殺しても 片付けるんなら誰も困んないから、そうしたければ殺ってもいいぞ ゴミ袋もほら、ここに」 僕らを使わないで下さい。 急にそんな事言われても困る。 ウザくてもイキナリ殺すなんて事は 「ん?しょうがねぇな!美しい町づくりの為だからな!うん!」 B先輩だけはノリノリのようで ぷくーっと膨らんで威嚇?するお腹の大きい不細工なゆっくりれいむの方に向かって行った。 「オイB、駅まで水道とか無いから産道に手突っ込んで 中身取り出したりすんなよ、いつもみたいに」 「はぁああぁぁあぁあ!?いつもそんな事してないし!! 子供引きずり出して親に見せつけるとかないし!!」 「「「…………………」」」 ー完ー
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無垢なゆっくりの虐待注意。 Dear ○○ お久しぶりです。お返事遅くなってしまい申し訳ありません。 ○○さんはお変わりなく優雅に虐待を嗜んでいらっしゃいますでしょうか? 私は最近は仕事に追われて、なかなか満足するほど心行くまで虐待、 とはいかない日々を送っております。 (私個人の名誉の為に付け加えさせていただきますと、 返事が遅くなった理由も多忙により手紙に書くような虐待ネタを仕入れられなかったからで、 決して筆不精ゆえのものではなかったと釈明させていただきます) そんな充実とは言いがたい虐待ライフを過ごしていた私ですが、 先週末の虐待では中々のネタを仕入れることができましたので、報告しようかと思います。 あなたに虐待趣味に染められてから半年が過ぎようかという11月23日。 そろそろ私も虐待の基本としての殴る蹴る千切る燃やすの暴行から ステップアップしたいな、なんて思いながら虐待のネタを考えていると、 ふと、料理に使っている白ワインのボトルが目に付きました。 それで閃いたんです。今度の虐めは、毒にしようって。 あ、「酒が毒って子供じゃないんだから」なんて思いませんでしたか? アルコールを舐めてはいけませんよ。 エタノールを摂取した時に中間代謝物として生成されるアセトアルデヒドは、 最近話題になっているシックハウス症候群の原因物質で、発ガン性もある強い毒物なんです。 人間には脱水素酵素の働きでアセトアルデヒドを酢酸に分解する機能がありますが、 ゆっくりはどうでしょうか。考えるだけでもわくわくしてきませんか? なんて、教養豊かな○○さんには余計な説明だったでしょうか。 能書きを垂れるのはこの辺にして、実践の報告に移ろうと思います。 今回の虐待では、ターゲットはゆっくりれいむにしました。 ほら、何となくまりさ種ってれいむ種よりお酒に強そうな気がしません? まずは手始めに普通に飲ませてみます。 「お姉さん!これがゆっくりできるジュースなの?」 なんて、疑いもせず目を光らせて聞いてくるれいむを見ていると、早速ゾクゾクしてきます。 こんな純粋で無垢なれいむがこれから虐められるなんて、可哀想。 でも、ゆっくりは生きている事が罪ですからしかたありませんよね(笑)。 「そうだよ、これを飲むとすっごくゆっくりできるんだよ」 と私が言うと、 「飲ませて飲ませて!」 って愚かにもねだってきます。扱いやすいなあ。 「ほんとだ。このジュースすっごくゆっくりできるね!」 今回は子供でも飲めるようなかなり甘口のワインを使ってみました。 半分ジュースみたいなものですからゆっくりにも好評のようです。 ゆっくりが美味しい思いをするかと思うと多少腹も立ちますが、 死刑囚に与える最後の食事みたいな物だと思えば、まあ悪くないかなって。 れいむは瞬く間にボトル1本分を飲み終えてしまいました。 「お、お姉さん~、目がゆっくりま、まわるよお~」 かなり軽い酒とはいえ、ゆっくりの体重を考えればボトル1本は相当の量です。 器官が単純な事もあってか、すぐに酔いが回っていきました。 何を食べても餡子にしてしまう出鱈目な生命体ということもあり不安だったのですが、 どうやらゆっくりも呑めば酔うようです。 そうとわかれば、後はじっくり観察させてもらうだけです。 人間と同じなら、呑みすぎた後には地獄の苦しみが待っているはずですから。 30分もすると、早速れいむは苦しみ始めました。 「ゆぅ~、お姉さん~、気持ちが悪いよう~。助けて~」 ふらふらと千鳥足で歩きながら助けを求めるれいむ。ソソります。 せっかくですから酔いが更に回るように思いっきり転がしてみました。 「ゆ、ゆぅ~!?お゛ね゛えざん、ゆっぐりやべでね~」 酔いのせいで踏ん張る事もできずに向こう側の壁にぶつかるまで転がるれいむ。 「びどいよ、おね゛えざ……ゆ!?お゛え゛ぇぇえ゛~」 目も虚ろで視点も定まらないれいむ。ついには餡子を吐いてしまいました。 愉しくなって参りました。いいゆっくりは苦しんでいるゆっくりだけですからね。 しかし、吐かれてはせっかく飲ませたアルコールが無駄になりかねません。 「れいむ、これを飲めば気持ち悪くなくなるよ」 それを防ぐ為、もう1本用意しておいたワインをとりだし、れいむに差し出します。 「ゆぅ~、ゆ、ゆっくり飲ませてね~」 よしきた。ゆっくり飲ませますよ。 「ゆ!?れいむこのジュースはもう飲みたくないよ!?」 うるさい。黙れ下等生物♪ れいむの悲鳴を無視してワインを更に注ぎ込みます。 「ゆ゛、ゆゆ゛ぅう゛~~!!やべでね~~!!」 さすがに注ぎすぎたのか、皮はぱんぱんに膨れ上がり、中からはたぷたぷと音が聞こえます。 まあそのうち餡に馴染むでしょう。ゆっくりですし。 さらに待つこと10分。れいむは本格的に苦しみ始めます。 「ゆげえ゛えぇぇぇ!お゛え゛えぇぇ!」 ううん。いとをかし。と、いうには少し汚い光景でしょうか。 「お゛ね゛えざん、だずげで~、げいぶ、ごのばばじゃ、死……ゆげえ゛ぇぇえ」 わかるわかるよー。呑み過ぎたときって本当辛いですからね。 自らの吐瀉物で出来た餡溜まりの中を転げまわるれいむ。 絵面的にも露骨に悲惨で中々いいですね。あ、同封してある写真はこの時に撮ったものです。 「お゛があざぁぁん゛、ぐるじい゛よ~、だずげで~」 ついにはここには居ない母親にまで助けを請い始めました。 おいおい。もうとっくに独り立ちした成ゆっくりでしょうに、情けなくないのかしらん。 「う゛ぅぅぅ。いっぞ、だれ゛が、ごろじでえ゛ぇぇぇ、ゆげえ゛ぇぇえ」 あまつさえ死を求めるなんて。いつもアルコールランプで炙ったりしてもそう簡単には 殺してなんて言わないのに。でも何となくわかります。 酔いの苦しみって心ごと弱っていくような感覚がありますもんね。 「も゛う゛いやぁぁあぁ!ゆげっ、ごぷぅわぁっ!」 晴れやかな気持ちで眺めていると、れいむは一際大量の餡を吐き出しました。 いくらあれだけの量飲ませたとはいえ、 あんなに吐いたらそろそろ死んじゃうかもしれませんね。 というより、度重なる嘔吐で餡の逆流防止弁が壊れたのでしょうか。 単に酔って吐く量としては異常です。 実際、れいむの頬は落ち窪み、ワインを飲ませる前より体積が減っている気もします。 そう思ってみると、うめき声も、単に気持ち悪いというより、 痛みを苦しがるものが混じっているように感じますね。 では、そろそろ止めと行きましょうか。 私はえいっと、れいむを軽く蹴飛ばしました。 「ごぷっ、かはっ、げぼぉうぁあ゛ぁぁぁ」 酔いが回りきっている状態で餡子脳を揺さぶられたれいむは更に盛大に餡を吐き出します。 経験上そろそろ致死量と思われる量の餡子を吐き出してもまだ嘔吐が止まりません。 大量のアルコールが混じった餡を吐き出すことで顔色そのものはよくなってきていますが、 これだけ出餡してしまっては先は長くないでしょう。 「ゆ、ゆっくりしたかった……よ……ごぷっ」 あ、死にましたね。お疲れ様でした。 以上です。いかがでしたでしょうか? ゆっくり虐待に関してはベテランの○○さんには、今更って感じかもしれませんが、 私は初めての経験だったのでとても楽しむ事ができました。 いつもみたいにギャーギャー悲鳴を上げるのもいいですが、 今回みたいにグデングデンになって苦しむゆっくりも非常に趣があるものですね。 ちなみに、今回のゆっくりの死体も一口いただきましたが、 フルーティな風味の中にお酒の香りもして、中々に美味しかったですよ。 1粒で2度美味しいこの虐待、まだでしたら試してみてはいかがでしょうか? P.S. 今度仕事の関係で○○さんの住所の近くまで出張するのですが、 もしよかったら会えませんか? お宅の地下にあるという、ゆっくり虐待施設を見せていただけたらなー、なんて。 あ、嫌だったら全然断ってくれておっけーですよ。でも気が向いたらお願いしますね。 Your friend ×× (完) 初めての虐待SS。 というかこの長さの文を書いたのも初めてなので、 色々未熟な所が隠せませんね。 しかもネタとしては激しく既出なんだろうな。 2日酔いネタもやろうかと思ったのですが、 結局れいむが呻き苦しむだけで助長かとも思い、省きました。 皆様のお口に合えばいいのですが。 このSSに感想を付ける
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ゆっくりの加齢 5KB 考証 実験・改造 野良ゆ 赤子・子供 現代 独自設定 ボリュームに欠ける ------------------------------------- 虐待成分ほとんどない、と思います。 作者は設定厨です。俺設定が出ると思います。 今まで書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 326 膨張合体ダイラタンシー ふたば系ゆっくりいじめ 337 YUKURIZONE ------------------------------------- TV番組「ゆっくりずむ」 ドキュメンタリーを中心としたゆっくりバラエティー番組である。 * * 都市部にある公園の一角での情景です。 付近には住宅街があり遊びに来た子供にゆっくりが寄り集まってきます。 「そこのじじい!とっととそのあまあまをよこすんだぜ!」 「まりさはつよいんだよ!いたいめをみないうちに みつぎものをれいむにちょうだいね!」 「じじぃはあみゃあみゃをわたちてぇとっととちんでんにぇ!」 こういった光景はもはや日常的なものになってしまいました。 野良のこういった食物を要求する行動やそれにともなう暴言は全国的に問題となっています。 また一方で、よく躾のされたゆっくりを見てみると。 「おにいさん!おさんぽいこ!おさんぽ!」 「ゆゆ~ん!れいむ!おにいさんはおねえさんとゆっくりしてるのぜ!ゆっくりじゃましちゃだめなのぜ!」 こういったように、前とは違いおにいさん・おねえさんと呼んでいます。 また素行のいい野良の個体もこういった呼び方をすることが知られています。 しかしながら、どちらの例も話しかけられているのは小学校入学前の児童です。 都市部に住むゆっくりの大半が生後2年も経過してはいないとはいえ、 人間としては明確に子供といっていい年齢の子供たちに対して、お兄さん・お姉さんと呼ぶのはなぜなのでしょうか?どうもゆっくりには人間と異なる年齢の判別方法があるようです。 では本日はゆっくりの成長と老化の過程を覗いて、その謎を解明していきたいと思います。 * 「ゆゆ~ん!おちびちゃん ゆっくりしていってね~!!!」 「「ゆっくち!おきゃーしゃんもゆっくちちちぇいっちぇね!」」 「ゆふー!ゆふー!まりさとれいむのおちびちゃんはゆっくりしてるのぜ!」 ゆっくりの誕生は体外型と体内型に分けられますが、誕生直後はどちらもゆっくりのよびかたは「あかちゃん」もしくは「おちびちゃん」です。 「おちびちゃん!おさんぽにいくから ゆっくりおかあさんのおぼうしのうえにのってね!」 「「ゆわーい!おさんぽ!」」 生まれて間もないゆっくりは外皮が大変脆く、地面を飛び跳ねるどころか這って移動することもままならないため、しばらくは巣の中で育てられます。この時期は底部も損傷しやすいため外出する際には親に移動を手伝ってもらわなければ怪我をする危険があり、ときには死に至ることすらあります。 「ずーり!ずーり!」 「ゆゆん!れいむはおそいのぜ!まりさはもうぴょんぴょんできるのぜ!」 「ゆわー!おねえしゃんはすごいにぇ!」 体外型では4日から7日、初めから大きい状態で生まれる体内型では1日程度で支障なく這っての移動ができるようになり、それからおおよそ3日程度のうちには跳ね回ることができるようになります。 跳ね回れるようになるくらいからが一般的に子ゆっくりとよばれる時期で、ゆっくりとしても「おちびちゃん」と「おとな」の間の時期のようです。 「「「「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!!!」」」」 「ごはんさんをたべたら しょくごののーびのーびするのぜ!」 「れいむものーびのーびできるよ!」 「ゆゆーん とってもゆっくりしたのーびのーびなのぜ!」 「れいむものーびのーびするよ!」 「れいむはおとうさんになってもまだまだわかいのぜ~」 「ゆゆ~ん…てれるよぉ」 若い固体はよく「のーびのーび」と呼ばれる体を伸ばす動作で競い合います。ゆっくりのあいだでは「のーびのーび」がうまい「おちびちゃん」は「しっかりしたおちびちゃん」で、うまい「おとな」は若々しいゆっくりという評価がなされます。 より柔軟に伸び縮みできることはゆっくりにとって、運動能力の証明であると同時に若さの象徴でもあるようです。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!とてもゆっくりしたまりさなんだねーわかるよー!」 「ゆゆーん!ちぇんこそとってもゆっくりしたゆっくりなのぜ!」 生後三週間ほどたち順調に「おとな」と呼ばれるほどに成長すると、その後は長期にわたり運動能力や柔軟性の変化はほとんどなくなり、成体のゆっくりの間では年齢は経験の多さを示すだけのものであまり意味を成さなくなります。 ゆっくりどうしの呼び方も、同年代に対する呼び方で統一され、罵るときでさえ「じじい」や「ばばあ」といった年上にむけた言葉は用いなくなります。 * ここまで見ていただいたゆっくりは、すべて人間に対して「おにいさん」「おねえさん」と呼ぶゆっくりたちでした。 ゆっくりたちは、ほとんどの場合あまり大きな数がかぞえられないこともあり、過ごしてきた年月そのものは重要視しないようです。 ではどのようにしてそれぞれの年代を見分けているのでしょうか。この疑問に答えるために大学と共同である実験を試みました。VTRごらんください。 * まず、生後1日・1週間・1ヶ月のゆっくりをれいむとまりさそれぞれに見せて判定をさせます。 「あかちゃん おちびちゃん まりさ だよ! こたえたからあまあまちょうだいね!たくさんでいいよ!」 「おちびちゃん おちびちゃん れいむ なのぜ! ゆっくりできないれいむなのぜ」 つぎに先ほど見せたゆっくりたちと同じ大きさにつくられたゆっくりのぬいぐるみで同じ判定をさせます。 「ぜんぶおちびぢゃんでず! ごだえばしだ!ずびばべんべびば!」 「みんなおちびちゃん?なのぜ!ゆっくりしていってね!」 最後にすべて成体のサイズで素材をかえたもので判定させます。左から順にウレタン・ゴム・プラスティックです。 「おちびちゃん!までぃさ!おばぁでゃんでづ!ゆっぐでぃ!」 「おちびちゃん わかいまりさ ちょうろうになるくらいのまりさ なのぜ」 どうやらゆっくりはその硬さで年齢を判定しているようです。 * ゆっくりたちは、過ごした年月よりもその成長段階における大きさや柔軟性などによって大人と子供を分けるようです。なかでも動きの柔軟性と表面の硬さは大きな部分を占めます。 胴体を付属物として重要視しないゆっくりは、人間を頭部のみで評価します。骨格により一定の形に保たれるわれわれの顔は、ゆっくりにとってはさぞかし年寄りにみえているのでしょうね。 * ゆっくりサイエンスでした。 つづいては、今日のゆっくりです。今日は鶏のお世話をするれいむちゃんです… * * ------------------------------------- 分量が増えなくて没にしようと思ったけど、 他の人の肥やしになればいいじゃないか、と俺の中の我威亞が囁いた。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 面白い考察だった!こういう矛盾しない設定好きだわ~ ゆっくりは視力が実は悪いって設定もあるから、 ・年齢は柔かさ ・美ゆっくり度は匂い ・強さは頭の大きさ で判断していると思ってる。 視力は、お飾りの欠損(キズはワイルド、大きな欠損は障害ゆっくり)程度かな? -- 2018-01-10 00 15 16 興味深い観点だ -- 2014-07-21 19 34 50 目から鱗だな…。素晴らしい着眼点だ。 -- 2013-03-04 16 18 44 この設定は面白い。一般的な描写と矛盾しないし。 -- 2011-07-11 21 27 37 なるほど、骨があるから爺だったのか…凄く納得した^^ -- 2010-10-24 16 13 08 なんと勉強になることだろう -- 2010-10-24 10 47 01
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多分既出ネタです、すみません それに加えて色々と俺設定が入ってます。 俺はゆっくりの虐待が好きだ 三度の飯よりも虐待が好きだ しかし、本当に虐待ばかりでは、生計を立てられない そこで、俺は考え付いた 趣味と実益を兼ねるのだ 「ゆっくり菓子職人」 今日も俺のゆっくり菓子製作が始まる。 ゆっくりはそもそもお菓子じゃないか、と思いの貴方、それは間違いである。 ゆっくりが恐怖・絶望を与えると甘くなるのは周知の事実でしょう。 これを利用することによって、至高のお菓子を作り上げることが俺の使命。 さあ思う存分虐待を…いや、菓子作りを始めることとしましょうか。 まず用意するゆっくり。これは野生のなるべく元気なゆっくりを選びましょう。 頭がお幸せで、世界は自分を中心に回っていると思っているような奴を。 早速、1匹のゆっくりれいむを捕まえてきました。 おお、頭にゆっくりが生っています!これは貴重な料理素材です。 赤ゆっくりは味に変化を持たせることができるので、とても重宝します。 しかし、親子でないと味が反発しあうことがあるんですねー。 今回捕まえたゆっくりはちょうど出産直前ですので、最適なわけです。料理のし甲斐がありますね! とりあえず、生まれてきた赤ゆっくりには、発情させたゆっくりありすの出す透明な粘液を塗って放置しておきます。 こうすることで、表皮が柔らかくしておくのです。 さて、親のゆっくりれいむですが、今の状態では髪の毛やリボンが邪魔です。 そこで、まずリボンを取り外しておきます。このリボンは後で使うので取っておきます。 髪は雑味の原因となるので、火で炙って、全て燃やしてしまいます。 こうして見事にハゲゆっくりが出来上がります。 あ、そうでした。今後の調理がしやすいように、あんよもしっかりと焼いておきます。 こうしておけば調理中にゆっくりがテーブルから落ちて潰れる心配がありませんね。 こうしてゆっくりを安定させたら、ゆっくりありすを取り出します。 もちろん発情した状態のありすです。 これを置いておくと、勝手に行為を始めてくれるので、しばらく待ちます。 おっとすっきりしてしまいそうでした。危ない危ない。 すっきりしてしまうと台無しです。ありすはもう使わないので捨てておきましょう。あ、食べますか? 適度にホクホクになったハゲゆっくり。 つぎはいよいよ赤ゆっくりを使います。 赤ゆっくりは丹念に潰していきます。これには力の調節が必要です。ゆっくりと、握るように潰していきます。 一気に力を入れると形が崩れてしまうので、力を徐々に入れていき、餡子をひねり出すのです。 握りつぶした餡子をハゲゆっくりに塗ります。丁寧に、目と口の周りにも、擦りこむように塗っていきます。 餡子は少し残しておいてください。これも後で使います。 完全に塗り終わったら、上から小麦粉を練って作った生地を被せて、形を整えます。これで元通り。 さらに、れいむの髪型を、赤ゆっくりの餡子を使って再現します。そして、取っておいたリボンをつけます。 これでとりあえず出来上がりました。 しかし、まだお出しするわけにはいかないんです。 最後の仕上げ、今回調理したれいむのお相手のまりさです。 こちらはあんよを焼いてあるだけなので、割と正常です。 これらを一緒に二つセットで皿に乗せて完成! 最後に一つ。 お召し上がりになる際は、れいむのリボンを解き、髪の毛(の形をした餡子)からお食べください。 これには理由があります。 ゆっくりは、主に装飾品や外見で仲間を認識します。 よって、禿げゆっくりになったれいむは、もうまりさに相手にされません。 これによって、食べられる最期までお互いを支え合っていた2匹の関係は一瞬にして無くなります。 自分の子供を失い、パートナーも失った、絶望の渦中のゆっくりはさぞかし美味しく頂けるようになっていると思われます。 では、ごゆっくりお楽しみください。
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※この作品は1639.txt,1641.txt,1649.txtの続きです。 ※何の罪も無いゆっくりがナニでアレされます。そういうのが苦手な人は回れ右。 やあ、みんな!元気かな?俺はいつも元気いっぱいのおっ勃てボッキッキーズだよ! 今は帰り道で出会った魅惑的なモテカワスリム・・・否、餅皮ぱちゅりなゆっくりぱちゅりぃを連れて図書館に来ているんだ。 「ぱちゅりー、この図書館はどうだい?」 「ぱちゅりぃほどのけんじゃがつかうにはちょっとせまいけど、わるくないわね!」 そんな強気な発言が俺の獣欲を激しく掻き立てる。もうズボンの中は臨戦態勢だ。 「そうか、気に入っていただいて何よりだよ!それじゃ、一緒に入ろうか?」 そう言って入館するように促すが、驚くべきことに扉を開ける力が無いらしく、扉を開けようと必死になっている。 「むきゅ~~~~!」と唸りながら死にそうな表情で頑張るぱちゅりぃ。しかし扉は一向に開く気配を見せない。 「・・・・・・ほほう」 そう呟きながら何の予告もなしに扉を開けてあげる。 するとどうなるかはするぐ分かるだろ?そう、勢いあまってつんのめって、ずっこける。 「むきゅん!?」 勢い良く地べたにキスするぱちゅりぃ。のろのろと起き上がると、少し間をおいて泣き始めた。 「むっぎゅーーーー!!いだいよーーーー!!」 ぼろぼろと流れる大粒の涙。く、美少女の涙は反則だろ、常識的に考えて・・・。少し先走り汁が出て来ちゃったぜ! そんなわけで、俺はぱちゅりぃをいわゆるお姫様抱っこで抱きかかえるとこう言ってやった。 「ぱちゅりぃ程の賢者がそんなに簡単に泣いたらおかしいだろ?」 ゆっくりには無駄に高いプライドを逆手に取る形で行動を促してやると上手く行く。 「む・・・むきゅう。なにをいっているの?けんじゃのぱちゅりーがなくわけないじゃない」 凡百どもならここでぱちゅりぃを叩き落すのだろう。が、俺にとってはツンデレ的魅力に他ならない。 そして、俺はお姫様だっこしたまま受付のほうへ向かっていった。 「例の場所、使わせてもらいますよ?」 俺がゆっくりを連れていることにしかめっ面をした受付の女性だったが、その言葉を聞くとにこやかな笑顔になり、すぐにある部屋に案内してくれた。 その部屋はゆっくりの虐待・奇形・ポルノ関係の資料が大量に収集されている。 「むっきゅ~♪ここはぱちゅりぃのとしょかんよ!」 しかし、そんなこととは露知らず、パチュリーは大量の書籍を前に大はしゃぎ。ああ、可愛いなぁ~。 「むっきゅー!おじさんはゆっくりでてってね!」 同時に調子に乗り始めて、お約束の「出て行け」発言を始めるが、俺はそんなものに取り合うほど馬鹿ではない! すぐに適当な本棚にある一冊を指差して「あの本が凄いよ!」と言ってあげた。 すると、俺を追い出すことも忘れてその本に一目散!本を取ろうと手を伸ばす。が・・・ 「むぎゅう~~。とどがない・・・」 そりゃそうだ。この部屋はゆっくりぱちゅりぃに対するお仕置き用の部屋で、手を伸ばしても1mほどの高さまでしか届かないぱちゅりぃにはぎりぎり取れないような高さのところに1段目があるのだから。 「むきゅ!おじさん、ぱちゅりぃのごほんとっ・・・で!?」 さっき出て行けと言ったのも忘れて俺に命令しようとしたぱちゅりぃはふっリ帰った瞬間に驚愕した。 まあ、当然だろう。 振り返ったそのとき、俺は全ての服を脱ぎ捨てた格好でえらそうに両腕を組んだまま、力強く反り返ったイチモツを天高く掲げていたのだから。 しかも、そのイチモツの先端部の玄爺を何故か小さなゆっくりれいむが咥えている。が、今は邪魔なので尾トン四句しているように言い聞かせてから外して、適当な場所に置いた。 「む、むぎゅ~~~~!ぱちゅりぃのとしょかんでなにしてるの!?」 「ははは、ご本を取りたいんだろう?だったら取らせてあげよう!」 そう言うが早いか、混乱に最中にあるぱちゅりぃの股下にMy白楼剣を通すと、珍力を最大限に生かして彼女を持ち上げた! 「そうそう、落ちると危ないから竿をしっかり握っておくんだよ!」 「む、むきゅ?」 ぱちゅりぃは状況を飲み込めないながらも言われるがままに竿を握る。 「ふおわっ?!」 非力さゆえの柔らかなタッチが俺のブツの玄爺の口辺りになんともいえない心地よい刺激を与えて来る。 思わずもっと強烈な快感を得るための作業に移行したくなるが、ここはぐっとこらえて、ぱちゅりぃを持ち上げた格好のまま本棚に近づく。 「ほぅら。これでご本が取れるだろ?」 そう言うと、当初の目的を思い出したぱちゅりぃはおもむろに本棚から1冊の本を取り出す。 「むきゅ!おじさん、おろしてね!」 言われなくてもそのつもりさ。ぱちゅりぃを下ろした僕は彼女の視界の外に移動し、様子を見守ることにした。 「むきゅ~♪ぱちゅりぃのごほん~♪」 ゴキゲンな様子で鼻歌交じりに本を開くぱちゅりぃ。しかし、一番最初のページを見た瞬間、その手が止まった。 そのページにあったのは1枚の写真。その写真には全裸の俺が体中に塗りたくった蜂蜜に群がる30匹以上のゆっくりの中で極上のスマイルを浮かべる姿が映っていた。 「む、むきゅ~・・・」 呆然とその写真を見つめるぱちゅりぃの表情は少し赤みを帯びている。どうやらそれがいやらしいものだと言うことは理解できるようだ。 そのまま、ぎこちない仕草でページをめくるぱちゅりぃは次のページを見た瞬間に完全に硬直してしまった。 今度の写真はじぶんとおなじ体つきのゆっくりぱちゅりぃが陰部を俺のグングニルに刺し貫かれたまま、珍力だけで駅弁の体勢を取らされている写真だった。 「おい、ぱちゅりぃ!」 元も動揺していたこともあってその声を聞いた瞬間、ゆっくりらしからぬ速さでこちらに振り向いた。 そして俺はその瞬間を見逃すことなく、口内強制挿入(スペルカード発動)した。 「!?!?!!?!?」 あまりに突拍子も無い事態に混乱の境地に達したぱちゅりぃは抵抗することも無くただ、ばたばたと手を動かす。 その様子をしばし観察するのも面白そうだが、今はまず逃がさないことを最優先して、ぱちゅりぃの顔を両手でむんずと掴み・・・いつも通り腰を振り始めた。 「うぎゅーーーーー!!!!」 直後、顔を真っ赤にして抵抗し始めた。しかも苦しそうと言うより痛そうな表情をしている。 理由は到って簡単。今回は人間の図書館に侵入したお仕置きもかねているのでブツには蜂蜜ではなく、ジョロキアを大量に振りかけているのだ。 え、お前が案内したんじゃないかって?それはそれ、これはこれ! ジョロキアってのは世界で最も辛い唐辛子と言われる代物。そんなものを振りかけた俺のぺにぺにもなかなかにデンジャラスな状態だ! しかし、俺ほどの漢になればその痛みさえも快感に変えることが出来るのさ。 と言うわけで、辛さを超越して激痛の域に達した唐辛子の味に悶絶するぱちゅりぃ。 しかし、顔が真っ赤なのは何も辛さのせいだけではない! 実は図書館の入り口でお姫様抱っこしたときや、イチモツの上にぱちゅりぃを乗っけた時、本人には気付かれない程度の微細な振動を与え続けていたのだ。 そうやって知らないうちに蓄積されていた快感が・・・今、口姦や両手の振動をきっかけに解き放たれるッ! 「うぎゅーーーー!んぶーーーー!!きゅきゅ・・・きゅぅ~・・・」 必死で辛さから逃れたいのに、解き放たれた快感がそれを許さない。辛さを感じては悲鳴を上げ、悲鳴を上げながらも切なげに喘ぐ。 信じられないって?でも実際、つたない舌使いで俺のあまあまとは程遠いぺにぺにに必死にご奉仕しているんだぜ? 「さあ、ぱちゅりぃ君。辛いならやめても良いんだよ?」 「・・・うきゅ?きゅっ・・・うぎゅう・・・」 やめたい、でもすっきりしたい。その葛藤で舌の動きが止まるぱちゅりぃ。 そこですかさず更に激しく腰を振る。勿論、両手の振動も今までより更に強力なものへとギアをあげていく。 「ぎゅぅぅぅうううう!?むきゅ・・・きゅきゅきゅきゅきゅ・・・」 こうして、ぱちゅりぃは実にたやすく欲望に屈した。 まさか、ぱちゅりぃは気付くまい。この常軌を逸した辛さにこそ俺の罠があったとは。 つり橋効果ってあるだろ?女性がつり橋の上で男性に会うと心臓がバクバク言ってるのはときめいているからだ、って錯覚するやつ。 辛いものを喰うと体が火照るな?でも、辛いよな?そこに性的快感を加えるだろ? すると体が火照るのは感じているからだと認識することで辛さから意識を遠ざけようとするわけさ。 「むきゅ・・・きゅきゅきゅきゅきゅ・・・」 そういう理由で自分でも理解できない理由でMy白楼剣の虜になったぱちゅりぃは辛さを忘れてしまったかのように一生懸命むしゃぶりついている。 「よし、良い子だ。そろそろご褒美をあげよう!」 更にピストン運動と手の振動のペースを上げていく。それに従ってさらに呼吸が荒くなるぱちゅりぃ。 「きゅ・・・きゅきゅきゅ・・・むきゅ・・・!」 「ぬぅん!!」 そして、献身的な舌遣いと愛らしい小さな唇のもたらす快感は俺を絶頂へと昇り詰めさせた。 「むきゅううううううううううううううう!!すっきりいいいいいいっゴホンゴホン・・・!?」 そして、同時にぱちゅりぃも俺のビッグサンと神の手によって絶頂に達した。 しかし、体つきには下半身の天の岩戸もあることを・・・俺が忘れるはずも無い。 クリトリスって、アマテラスと響きが似ているよな。お兄さんの息子はタヂカラオ!! ---あとがき?--- またしても変態お兄さんシリーズです。 ゆっくりボール6とかゆっくりさくやとかも書きたいんだけど時間が無いぜ。 今回は変態分控えめ。次回はもう少しはっちゃけたいと思います。 ちなみに、扉を開ける力も無いことを知らなかったお兄さんにぱちゅりぃとの性交経験があるのは 「昔、人里の通りで見かけた可愛いぱちゅりぃをその場で抱いて、たまたま通りかかった烏天狗に撮影してもらった」 からですのであしからず。 byゆっくりボールマン 作品一覧 ゆっくりボール1~5 ゆっくりみだら1~3 びりゃーど ゆっちぇす ディスコミュニケーション このSSに感想を付ける
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※虐待パート小休止中。虐待のほかにもいろいろ書きたいことはある。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』14 この群れの中で、私たちは飼われることになった。 どれだけ懇願しても聞き入れられなかった。 群れはもとより、私のあのれいむさえ、私の懇願に耳を貸さなかった。 「おねえさん、いいかげんにしてね! むれのみんながそろそろおこりはじめてるんだよ!! ききわけがわるいとおもわれるとおしおきされちゃうよ!!」 「れいむ。本当に、お世話してくれるのは有難いと思うわ。 だけど、私たち人間は、あなたたちゆっくりとは違うの。ここではゆっくりできないわ」 「おねえさんはまだほんとうのゆっくりをしらないんだよ!! にんげんさんのむれより、ここのほうがずっとゆっくりできてるよ! ほんとうのゆっくりをおしえてあげようって、おねえさんのためにみんながんばってるのに、 おねえさんがすなおにいうことをきかないからみんながおこってるんだよ! ゆっくりりかいしてね!!」 「れいむ……」 「きょうのごはんだよ!!ゆっくりたべていってね!!」 上から落とされるのは、私たちの食事だった。 野草、茸、芋虫、蝶の死骸。 とてものこと食べられる代物ではない。 「こんな……食べられないわ。人間はこういうものは食べないのよ」 「もんくをいわないでね!! むれのみんなが、とくべつゆっくりできるごはんをおねえさんたちのためにわけてくれてるんだよ!! ごはんはそれしかないからね!すききらいをいうともうあげないよ!!」 れいむのその言葉を、私は苦い気持ちで聞いていた。 それは、かつて私がれいむに言っていた言葉だった。 『ご飯はそれしかありませんからね。好き嫌いするならもうご飯はあげませんよ』 『ゆゆぅ~!ごみぇんなちゃい!!むーちゃむーちゃ、それにゃりー……』 『わあ、ちゃんと残さず食べられたじゃない。偉いわよれいむ!』 『ゆっへん!れいみゅはしゅききりゃいしにゃいよ!』 『いい子のれいむはなでなでしてあげましょうね』 『ゆゆっ!おねえしゃんのなじぇなじぇだいしゅき~!』 「れいむ……お願いよ、せめてここから出して。逃げたりしないわ」 「ゆっ!おねえさんはまだゆっくりできてないからだめだよ!」 「でも……」 「くちごたえしないでね!むれのなかには、にんげんさんをきらってるゆっくりもいるよ!! ゆっくりできないままでそとにでたら、ほかのゆっくりにいじめられちゃうよ!! いいこになったらおそとにつれていってあげるからね!!ゆっくりいっしょにがんばろうね!!」 『おしょとにでちゃいよ!!おしょとにでちゃいよ!!おしょとでゆっきゅりしちゃいぃ!!』 『まだ駄目よ、れいむ』 『なんじぇえぇ!?おしょとであちょびちゃいぃ!!おちょもだちちゅくりちゃいいぃ!!』 『お外には、野生のゆっくりを嫌っている人もいるの。 今のままで外に出たら、そういう人たちに苛められちゃうわよ』 『ゆゆっ!?いじめりゃれるのはいやぢゃよ!!ゆっきゅりできにゃいよ!!』 『そうね。でもね、れいむが言うことをよく聞くいい子になれたらバッジをもらえるわ。 バッジをもらえば、もう人間さんにいじめられないの。 そうしたらお外に連れていってあげられるのよ』 『ゆっ!!ゆっきゅりわかっちゃよ!!れいみゅがんばっちぇいいきょになりゅきゃらね!!』 『うふふ、一緒に頑張りましょうね』 毎日、ゆっくり達は丈夫な蔓を垂らし、 その蔓に掴まってこの穴の底まで下りてきた。 その蔓を奪って上に登る手も考えたが、蔓がどこに繋がれているかもわからない。 ゆっくりが地上で蔓を掴んでいるだけかもしれず、だとしたら、 ゆっくり程度なら支えられはしても、人間が体重をかけたとたんに蔓ごと落ちてきかねない。 何より、そういう時は決まってドスまりさが笑顔で見守っていた。 ドススパークという兵器を備えているドスの監視下では、どんな抵抗も無意味だろう。 「ゆっゆっ!!おねえさんはゆっくりできてる?!」 「だめだよ!きょうもごはんさんをたべてないよ!!」 「ゆっくりできないね!!おねえさん!ぐずぐずしないでごはんをたべてね!!」 群れのゆっくり達は、降りてくるたびに食事をすることを要求した。 私はその度に首を振ったが、ゆっくり達の苛立ちは日増しにつのるようだった。 「なんでごはんさんたべないのおぉぉ!!?ゆっくりできないでしょおおぉぉ!!」 「わかるよー、すききらいするにんげんさんはゆっくりできないよー」 「むきゅう、あまやかされてしたがこえちゃってるのかしら? みんな、しんぼうづよくしつけましょう!」 「ゆっくりわかったよ!おねえさん!!さっさとごはんをたべてね!!」 施設から運び出したあのゆっくり達も毎日降りてきていた。 この子達の目的は明確に長浜圭一だった。 「ゆっへっへ!!ごみくず!!きょうもかわいがりにきてやったんだぜ!! かんしゃするんだぜ!!どげざしておれいをいうんだぜええ!!」 「ひきょうなてをつかってまりささまにかったぐらいでかんちがいするなだぜぇ!! いまこそけっちゃくをつけるんだぜ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっくりしね!!」 「しね!!しね!!あかちゃんかえせぇぇぇ!!!ゆっくりするなあぁぁ!!!」 「ごみくず!!よくもよくもあんなことができたね!!なんとかいってねぇ!!」 「すっきりするな!!ゆっくりするな!!いなかものおぉぉぉ!!!」 「あやまれ!!あやまれえぇぇ!!」 十三匹のゆっくりが、寄ってたかって長浜圭一に体当たりを浴びせる。 本来なら人間にとってたいした痛手ではないが、 折れた脚をかばっている状態では相当辛いらしく、 長浜圭一は黙って受けながら、しばしば苦痛に顔をしかめていた。 「ゆっ!ころしちゃだめだよ!!つがいがしんだらおねえさんがゆっくりできないよ!!」 群れのゆっくりは止めるでもなく、遠巻きに声をかける。 「ゆっくりわかってるよ!!」 「いわれなくてもすぐにはころさないのぜ!!いっしょういじめぬいてやるのぜぇ!!」 長浜圭一は何も言わず、うつむいたままただ黙って耐えていた。 この男があのゆっくり達にしてきたことを考えれば、止める気は起こらなかった。 ざまあみろ、という子供じみた心情がなくもなかったが、 しかし、正直、見ていて楽しい光景でもなかった。 「ゆっ!!おねえさん、よくみててね!! ゆっくりをいじめたにんげんさんはああいうめにあうんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 「ああなりたくなかったら、とかいはなありすたちのいうことをよくきいてせれぶなにんげんさんになりましょうね!!」 「ゆぅ~、れいむのおねえさんはだいじょうぶだよ!!あんなふうにはならないよ!!」 「でもこのおねえさん、わがままだよ!!いうことをきかないよ!!」 「ゆっ、とまどってるだけなんだよ!!そのうちおちついたらいうことをきくはずだよ!!」 群れのゆっくり達が諭してくる。 しかし、私は頭上に開いた穴から覗きこんでいるドスまりさに向かって今日も訴えた。 「ねえ、私の言うことを信じて! 本当に危ないの。もうすぐここに人間さんがやってくるわ!」 「ゆゆぅ~、それはききあきたよ!!もういいよ!!」 「取り返しがつかないことになるのよ! あのゆっくり達が、いいえ、もしかしたら他のゆっくり達も巻き添えになるかもしれない。 次に人間に捕まったら、本当の地獄の苦しみを与えられることになるわ! それこそ、あのお兄さんがやったことなんてままごとよ!それぐらいの目に逢うのよ!!」 「ゆふぅ~、どすはにんげんさんなんかにまけないよ!! ゆっくりできないにんげんさんはどすがどすすぱーくでやっつけるよ! どすのむれはどすがまもるからね!ゆっくりあんしんしてね!!」 「ゆぅぅ、どすはゆっくりできるね!!」 「どす!!どす!!ゆっくり!!ゆっくり!!」 この話を持ち出すたびに、いつもこのパターンでうやむやにされる。 威勢のいいことを言うドスに、群れのゆっくり達は興奮して飛び跳ね騒ぎ、私の言うことになど耳を貸さない。 無力感に襲われながら、私はもう一つの訴えを口にした。 「ねえ、春奈はどこ!?」 「ゆっ?ちいさいおねえさんのこと?」 何度も名前で呼んでいるが、人間の名前は覚えてくれない。 「私の子供、おちびちゃんなのよ。お願いだから子供に会わせて!」 「むきゅ、なんどもいってるわよ!!だめよ!!」 今度はぱちゅりーが口をはさんでくる。 周囲のゆっくり達がひそひそと言葉を交わした。 「ゆぅ、やっぱりにんげんさんはあたまがわるいんだね!」 「なんどもいってるのにおぼえられないみたいだよ!かうのはむりだよ!!」 「ゆゆっ、れいむのおねえさんならだいじょうぶだよ!! なんかいもいっていればおぼえてくれるよ!みんな、がんばってしつけようね!!」 ぱちゅりーは私に向かって続けた。 「おねえさんのおちびちゃんはほかのところにかくりして、むれのためにはたらいてもらってるわ! だからあんしんしなさい、むきゅ!」 「一目でもいいから会わせて!食べるものもないのよ!」 「むきゅ、ちゃんとたべてるからしんぱいしなくていいわ!」 「たべてないよ!」 群れの中から、口を挟むゆっくりがいた。 「ごはんはあげてるけど、ちいさいおねえさんもたべてないよ!」 「むきゅ、よけいなことをいわないでね!! よけいなしんぱいをさせたってなんにもならないでしょ!!あんしんさせようときをくばってるのに、むきゅ!!」 「ゆゆっ!!ゆっくりごめんなさいだよ!!」 ぱちゅりーの一喝でそのゆっくりは口をつぐんだ。 「ねえ、食べてないの!?お願い、会わせて!!ここじゃ生きていけないのよ!!」 私はそのゆっくりにすがったが、そのゆっくりは口をつぐんだままそそくさと群れの後方へ引っこんでしまう。 代わりにぱちゅりーが言葉をかぶせてきた。 「おだまりなさい、むきゅ! かんたんなことよ!にんげんさんがいいこでいれば、すぐにこんなところはだしてあげるし、 おちびちゃんにもあわせてあげるわ! いまおちびちゃんにあわせたら、にんげんさんだけでゆっくりしすぎて、むれではいきていけなくなるおそれがあるのよ! ゆっくりりかいしてね!」 群れの他のゆっくり達が、ぱちゅりーに同調して飛び跳ねる。 「おねえさん!れいむたちだって、おねえさんにおちびちゃんとゆっくりしてほしいよ!!」 「そうだよ!!かぞくでいっしょがいちばんゆっくりできるよね!!」 「だけど、いまゆっくりしすぎたらゆっくりできるにんげんさんになれないよー。 ちぇんたちだってつらいんだよー、わかってねー」 「ねんをおすけど、すっごくかんたんなことなのよ、むきゅ! みんなのいうことをすなおにきいて、ゆっくりできるにんげんさんになればいいだけよ! おちびちゃんにあいたかったらよくかんがえなさい!」 夜になれば、穴はふさがれた。 ドスまりさが蔦を結び合わせて作った大雑把な網が穴の口に差し渡され、 葉の多い木の枝が何本も網にかけられてカモフラージュされた。 この穴は、もともとゆっくりの巣だったらしい。 地下に掘られていた巣が、天井が崩れて大穴があいたために捨てられたのだろう。 空腹と心労で眠るどころではなかった。 ここに来てからもう三日が経つ。その間何も食べていないし、飲んでもいない。 腹がぐうと鳴り、みじめな気分になる。 穴の壁にもたれかかり、私は呻いた。 「腹が減ったか?」 見ると、長浜圭一が近付いてきていた。 暗がりでよくわからなかったが、片膝立ちでこちらににじり寄ってきたらしい。 「あなたは?」 「俺はいい。あんたは?」 「お腹すいてるわよ」 「食うものならあるぞ」 そう言って、長浜圭一は右手に何かを載せて差し出してきた。 暗くてよくわからなかったが、近付いて目をこらすと、餡子らしかった。 「あなた……どうしたの、これ?!」 「別にゆっくりを潰したわけじゃない。 昼の間、あのゆっくり共が俺をいじめていたろう。 その時に糞もかけられた。それを集めたんだ」 「………うんうんなの?」 「人間にとっちゃ、ゆっくりの排泄物はただの餡子だ。問題なく食えるだろう」 「……あなたは食べないの?」 「俺の分はもう食った。食え」 差し出されるまま、私はその餡子を受け取って口に入れた。 水がほしかったが、それでも餡子はとてもおいしかった。 私が食べるのを見届けると、長浜圭一はすぐに離れ、 穴の反対側の暗がりに引っこんでしまった。 すでに三日目の夜がふけようとしていた。 進退きわまり、私はこの穴の底で思い悩んでいた。 予想していたよりも遅すぎる。 あの車の発信機で、長浜圭一はバイクですぐにここをつきとめた。 長浜圭一と須藤春奈、計画の首謀者が二人行方不明となっている今、捜索が始まっていないということはないだろう。 捜索が始まったなら、足跡を辿るなり付近のゆっくりを問い詰めるなりして、 一日もかからずにここは突き止められるはずだ。 しかしすでに三日が経とうとしている。 想像していたよりも捜査が困難なのか、 それとも、考えにくいことだが、なにかの事情で見捨てられたか。 携帯電話があれば知人に連絡がとれるのだが、 悔しいことに、携帯を含めた荷物はすべて車の中に置いてきてしまった。すぐに戻ってくるつもりだったからだ。 長浜圭一はといえば、目隠しをしている間になにかの拍子に落としたと言っている。 外界と連絡する手段は一切が立たれていた。 本来、望ましい成り行きのはずだった。 あのゆっくり達を追っ手から逃がすためにここまで来たのであり、 探しても見つからないのであれば喜ぶべきなのだ。 しかし、私はどうなる? 穴の底から這いあがれず、ドスまりさに見張られてどうすることもできない。 助けがこないなら、私と長浜圭一は、ここでどうすればいいのか。 いや、どうなるのか? ゆっくりの排泄物を口にしながら、ここでずっとゆっくりに飼われながら生きていく? その可能性に思い当たり、私は心底ぞっとした。 悪寒、屈辱、閉塞感。 冗談じゃない。 「おねえさん…」 暗闇の中に、声が響いてきた。 見上げると、穴の口をふさぐ枝の一部をどかし、一匹のゆっくりが見下ろしているようだ。 声のニュアンスで、私のれいむだと知れた。 「おねえさん、ゆっくりできてる?」 「…………ゆっくりできてないわ」 「ゆゆ~、ゆっくりしていってね……」 私は立ち上がって叫んだ。 「れいむ!お願いだから話を聞いて!!」 「ゆゆっ?なんでもいってね!」 「今すぐここから出して!春奈にも会わせて! ドスまりさのいない今ならできるわ!」 「ゆっ!だめだよ、おねえさん!! ここじゃないとほんとうにゆっくりできないんだよ!!おねがいだからゆっくりりかいしてね!!」 もしかしたら助けに来てくれたのではないかという淡い期待はもろくも裏切られた。 本心から、このれいむは私をペットだと思っている。 「おねえさん……どうしてみんなのいうことをきかないの?」 「人間はここじゃ暮らせないのよ。 あなたたちゆっくりの食べ物は私たちは食べられないわ!」 「ゆっくりがまんしてね!ここのごはんさんはそれしかないよ!」 「私の家に住んでいた時は、あなたももっとおいしいご飯を食べていたでしょう?」 「ゆゆっ!あまあまはゆっくりできたよ! でもむれのみんなとむーしゃむーしゃするほうがもっとゆっくりできるんだよ!! にんげんさんのむれはゆっくりできなかったよ!!」 「にんげんさんはゆっくりできる」、それがこのれいむの口癖だった。 そのれいむが今、人間はゆっくりできなかったと断定していた。 いざという時のことを考え、日頃から甘くない食事をする訓練をしていたことを、 私は初めて後悔した。 いっそのことあまあまばかりを食べさせて舌を肥えさせておけば、 野生の群れに溶け込むこともできず、私の脱出に協力してくれただろう。 「そんなにここがゆっくりできるの?」 「ゆっ!あたりまえだよ!!ここはさいこうのゆっくりぷれいすだよ!! おねえさんもすなおになってこころをひらけばすぐにわかるよ!!」 「群れは楽しいことばかりじゃないのよ?冬籠りは辛いわよ。 森の食べ物なんてすぐに食べつくして、いつも移動しているのがゆっくりの群れ。 れみりゃやレイパーに襲われることだってあるのよ?」 「ゆゆぅ~、だいじょうぶだよ!みんなとちからをあわせればのりこえられるよ!!」 ゆっくりの群れに初めて参加したばかりのれいむは舞い上がっているようだった。 大勢の同種の仲間ができたことを今はひたすら喜んでいるが、 自然の厳しさがまるで実感できていない。 人里に近い群れでは、冬籠りを初めとした自然の厳しさに苦しみ、人里に下りてくるゆっくりが後を絶たないというのに。 冬が来れば、人家の庇護に慣れきったれいむが早々に根をあげることは目に見えている。 しかし、今は夏だった。 どれだけ言葉をつらねても、「みんなとちからをあわせればへいきだよ」の一点張りで一蹴された。 「おねえさんはゆっくりできてなかったよ!」 れいむはそう言った。 「にんげんさんのむれは、みんないつもいそがしそうにうごきまわっててゆっくりしてないよ! おねえさんだって、まいにちおそとにいって、れいむたちとあそんでくれなかったよ!!」 「それは……しょうがないのよ、れいむ。 人間の群れでは、みんな働かないと御飯が食べられないのよ。 ゆっくりだって狩りをするでしょう?」 「そんなのおかしいよ!ゆっくりよくかんがえてね!! かぞくやおともだちといっしょにゆっくりするのがいちばんだいじなおしごとでしょお!? かりもだいじだけど、それがおわったらみんなずっとゆっくりしてるんだよ!! おねえさんのかりはながすぎるよ!!ぜったいおかしいよ!!」 『おねえしゃん!!どきょいきゅのおぉぉ!?』 『お姉さんはお仕事よ。いい子でゆっくり待っててね』 『いやぢゃ!!いやぢゃ!!ここにいちぇよおぉ!!あしょんでよぉぉ!!しゅーりしゅーりしちぇえぇ!!』 『めっ!わがまま言わないの。おしおきよ?』 『ゆうぅ!おしおきはやめちぇぇ……ゆっきゅりわかっちゃよぉ……』 『いい子ね。帰ってきたらたっぷり遊んであげるわ。お土産買ってくるからね!』 『ゆうぅぅ!!はやきゅ!はやきゅかえっちぇきちぇにぇぇぇ!! おねえしゃんもゆっきゅりしちぇねえぇえ!!』 「……れいむ、ごめんなさい………」 「ゆっ!だいじょうぶだよ!!ここならおねえさんもゆっくりできるんだよ!! たっぷりゆっくりしていってね!!」 私は首を振るしかなかった。 れいむはそれからも説得を重ねてきたが、私はうなずくわけにはいかなかった。 こんなところで一生を過ごすなんて考えられない。 ついにはれいむが癇癪を起した。 「いいかげんにしてよおぉ!!なんでわかってくれないのおぉぉ!!? れいむやむれのみんながきびしいことをいうのはぜんぶおねえさんのためなんだよぉ!! にんげんさんなんてゆっくりできないのに、 みんなはやさしいからおいださないでめんどうをみてくれてるんだよ!! おねえさんがわがままをいってもがまんしてかってくれてるのに、 なんでおねえさんはじぶんのことしかかんがえられないのおおぉぉぉ!!?」 「れいむ…………」 れいむは怒鳴り、そのまま穴の淵から消えてしまった。 『わがままを言うんじゃありません!なんでわからないの?』 『ゆゆっ……』 『おねえさんはれいむには厳しく見えるかもしれないわ。 でも、れいむが憎いわけじゃないの。 れいむがいじめられたりしないように、れいむにはバッジが必要なのよ。 今はつらいけど、一緒にがんばりましょう』 『ゆゆぅ~……ばっじしゃんはゆっきゅりできりゅ?』 『ええ、とっても!』 『ゆっ!れいみゅ、がんばりゅよ!』 『そうね。そのためには自分のことばかり考えてちゃだめよ? 他の人やゆっくり達がゆっくりできるにはどうするかを考えられるのが本当のゆっくりなの』 『おねえしゃん……でも、れいみゅにはわきゃらにゃいよ……』 『それはこれからお姉さんが教えてあげるわ。少しずつ覚えていきましょうね』 『ゆっ!!みんにゃをゆっきゅりさせりゅよぉ!!』 苦い回想を噛みしめていると、数分後にれいむが再び顔を出した。 れいむは言った。 「……おねえさん。 ついきびしいことをいったけど、ほんとうにおこってるんじゃないよ。 れいむはいつもおねえさんのみかただからね。 みすてないからあんしんしてね。……ゆっくりおやすみなさい」 それきり、れいむは本当に行ってしまった。 私は泣いた。 悔しかった。 生まれたときから何年も躾け、愛し、人間との上下関係を教えてきた。 生来プライドの高いゆっくりを辛抱強く訓練し、 私の方が飼い主であり、人間に飼われているという立場を自覚させ、 その線引きをわきまえてこそゆっくりできるのだと教えてきた。 ゆっくりの本能に打ち勝ち、れいむの心身に沁み込んだと思いこんでいたその教えが、 ゆっくりの群れに入ったとき、一瞬でたやすく覆されてしまった。 今、私のれいむは、大勢の仲間たちに同調し、私をペットとして下に見ている。 理性では、当然のこととして理解できていた。 違う種族よりも、自分と同じ種族の言うことに従うのは生物として自然なことだろうし、 人間のもとで躾られ、様々なことを我慢させられてきたれいむにとって、 ゆっくりすることが何より優先され、正義とされるこの群れはまさに天国だろう。 今のれいむがやっていることに、生物として、不自然なところは全くなかった。 しかし、理屈でそう理解できても、感情まではコントロールできなかった。 私は地面に突っ伏して泣きじゃくった。 「あらゆるゆっくりと、考えうるかぎりの接し方を経験し、ゆっくりと仲良くなる方法を研究してきた」 長浜圭一が、暗がりの奥で喋っていた。 「あんた、そう言ったな」 「…………」 「ゆっくりに飼われる、というパターンは試さなかったのか?」 返答する気力もなく、私は泣きつづけた。 四日目の昼が訪れようとしていた。 「ゆっ!!ゆっくりしないでごはんさんをたべてね!!」 「おちびちゃんたちもおしえてあげてね!!」 「ゆゆっ、おねえしゃん!!ごひゃんしゃんはゆっきゅりできりゅんだよ!! みちぇちぇにぇ!!むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ~♪」 「ほら、おちびちゃんにだってできるんだよ!おねえさんもがんばろうね!!」 ゆっくりに囲まれながら私は苦しんでいた。 服の下を脂汗がしたたる。 切実な問題が私の体を襲っていた。 便意だ。 もともと多少便秘気味ではあったが、いいかげん限界だった。 オシッコの方は、真夜中に暗がりの奥でなんとか気付かれないようにすませたが、 大きいほうは気付かれないようにというわけにもいかない。 なにしろ証拠が残るのだ。 とうは立っているが、女として、排便を見られるのだけは避けたい。 そんなところを見せるぐらいなら死んだほうがましだ。 そう思って耐えてきたが、もう限界だった。 痛む腹を抑えながら、私はゆっくり達に訴えた。 「お願い……お願い、ここから出して……」 「またわがままいううぅぅ!!」 「いいきゃげんにしちぇにぇ!!れいみゅもおきょるよ!!」 「駄目よ。本当に駄目なの………あの、あれ、うんうんしなきゃ……」 「ゆゆゆっ!!」 ゆっくり達が顔を見合わせた。 「ゆっ!おといれさんをおしえるちゃんすだね!!」 「おねえさん!うんうんはきめられたところでしかしちゃいけないんだよ!!」 「いまおといれさんをつくってあげるからね!!」 見る間に数匹のゆっくりが、上から草の束を運んで洞窟の端に積み上げた。 「ちょっと……何、それ……?」 「ゆっ!おといれさんだよ!!うんうんはここでしてね!!」 血の気が引いた。 どうあってもここでしろというのか。 「い、嫌!嫌よ!絶対に嫌!!」 「なんでいうこときかないのおぉぉ!!?」 「おねえさんのためにせっかくつくってあげたんだよおぉ!!もんくいわないでつかってねえぇ!!」 私は拒否したが、拒否したところで事態は好転しそうになかった。 私は、せめてもの譲歩を願った。 「わかった……そこにするわ、するから……見ないで。みんな上に上がって待ってて」 「ゆっ!!だめだよ!!」 「そうだぜ!!まりさたちがおしえてあげないと、きっとまちがえるのぜ!! なれるまではうんうんのしかたをおしえてあげるんだぜ!!」 「間違えない……間違えないから!!」 「いいかげんにしてねぇ!!さいしょからじょうずにできるわけがないでしょおぉぉ!!? だまってれいむたちのいうとおりにしてねぇ!!」 ゆっくり達が意地になって飛び跳ねる。 私は長浜圭一の方を見た。 長浜圭一はいつもの様に、施設のゆっくり達に取り囲まれて体当たりを受けていたが、 今の話を聞いていたのか、こちらには完全に背を向けてうずくまっていた。 気遣いはありがたかったが、それでも踏ん切りがつかなかった。 わめきたてるゆっくり達に、私は首を振り続けた。 その時、施設のありす達が蔦に捕まって降りてきた。 今日も長浜圭一を苛めにきたようだが、遅れてきたのは珍しかった。 「ゆっ!おそかったね!」 施設のまりさがありす達に声をかける。 ありすは紅潮した頬を震わせて答えた。 「ゆふぅ~……きょうもたっぷりすっきりしちゃったわ! にんげんはやくたたずのいなかものだけど、おはだとまむまむだけはとかいはね!!」 人間? すっきり? 「どういう事?」 私は思わず聞いていた。 「ゆゆ?かちくのくせにありすにはなしかけないでね! ごみくずとちがってありすはこうきなせれぶなのよ!」 「すっきりって何!?人間って誰のこと!?」 「ゆゆっ、きまってるじゃない。おねえさんのおちびちゃ――」 「よけいなことをいわないでね!!」 私のれいむが遮った。 「むれになれて、けいかいしんがとけるまでいっちゃだめっていってるでしょおぉ!? せっかくおねえさんがなつきそうなのにいぃ!!」 「ゆふんっ、おしえてあげればいいじゃない!」 嗜虐を顔に浮かべて、ありすは言い放った。 「おねえさんのおちびちゃんは、むれのすっきりようにんげんとしてはたらいてもらってるわ。 にんげんのおはだはとってもすべすべですっきりできるってことを、 とかいはなありすがみんなにおしえてあげたのよ! それからみんなあのおはだとまむまむにむちゅう。 やくにたたないくそどれいだったけど、むれでのおしごとができてよかったじゃない。 にんげんがあいてならあかちゃんはできないから、めんどうごとがなくてべんりよね!」 「いいかげんにしてね!おねえさん、ぜんぶうそだからね!!ね、みんな!!」 私のれいむが群れに賛同を求めると、不自然に統一された返答が返ってきた。 「ゆゆっ!れいぷなんてしてないよ!おねえさんはあんしんしてね!!」 「まりさもしてないのぜ!!あんしんするのぜ!!」 「しんぱいしないでおねえさんはゆっくりにしゅうちゅうしてね!!」 「にんげんさんはきもちいいけど、れいむはしてないよ!!あんしんしてね!!」 「おねえさんはしんぱいしなくていいから、みんなのいうことをきいてね!!」 ドスまりさも頭上から叫んでいる。 春奈。 まだ十一歳になったばかりの私の娘。 私の春奈が、おそらく食事もできないまま、何十匹ものゆっくりの慰みものにされている。 私は生まれて初めて、ゆっくりを潰したいという強い衝動にかられた。 しかし自分の力では穴から出ることもできず、ドスまりさが見張っている状況下ではそれもできなかった。 「私の子供には手を出さないで!」 「ゆゆっ!だからなにもしてないよ!!ゆっくりしんじてね!!」 「だいじょうぶだよ!! にんげんさんはほかにおしごとがないからしかたないんだよ!!」 「おしごとをしないにんげんさんはおいておけないよー、わかってねー」 「そうなんだぜ!!でもまりさたちはなにもしてないのぜ!!」 「すっきりしたいなら私がしてあげるから!子供は許してよ!!」 私は叫んだが、あの施設のありすが断定してきた。 「くそばばあじゃすっきりできないわよ!いなかものね! おちびちゃんのおはだのほうがすべすべですっきりできるわ!! いちばんすっきりできるのは、うまれたばかりのおちびちゃんよ!! わかったらもっとあかちゃんをつくりなさい!!」 「そんな……!」 「ゆゆっ!!」 群れのゆっくり達が色めきたった。 「おねえさん!!あかちゃんつくってね!!」 「れいむたちはなにもしないよ!!あんしんしてあかちゃんつくってね!!」 「あかちゃんはすっきりできるよ!!……まちがえたよ!!ゆっくりできるよ!!」 「おちびちゃんにはなにもしないからね!!あかちゃんつくってね!!」 満面の笑顔で、ゆっくり達は要求しつづけていた。 一縷の望みでもあれば、土下座でもなんでもして懇願しただろう。 悪意からの監禁であれば、相手の気がすむように自分を貶めてみせただろう。 しかし、このゆっくり達は、善意で私を監禁していた。 こうしたほうが私のためになると、心底から信じこんでいた。 私が何を懇願しようと、万が一にも聞き入れられることはないだろう。 私の願いを聞けば、私のためにならないと思っているのだから。 道は一つしかなかった。 このゆっくり達に服従し、群れのペットとして言われるままに従う。 そうやって安心させれば、ここから出られる。 出られさえすればチャンスもあるだろう。 長浜圭一が依然として背を向けているのを確認した後、 私は泣きながら、ズボンのベルトに手をかけた。 「やったよおぉぉ!!うんうんできたよおおおぉぉ!!!」 群れのゆっくり達が飛び跳ね、はしゃいでいる。 「ここがおといれさんだからね!!うんうんはいつもここでしてね!!ゆっくりおぼえてねぇ!!」 「みんな!れいむのおねえさんはやっぱりいいこだったでしょ!!ゆっへん!!」 「みんなでがんばったかいがあったねえぇ!!」 「えらかったね!!えらかったね!!」 「すーりすーりしてあげるね!!すーり、すーり!」 「おねえさん、そのちょうしだよ! これからもいうことをよくきくいいこでいれば、いつもすーりすーりしてあげるからね!!」 「ごほうびをあげるね!!まりさのだいじなたからもののいしさんだよ!! おねえさんがはじめていうことをきいたきねんだよ!! これからもみんなのなかまになれるようにがんばろうねぇぇ!!」 「ゆゆぅ~、くちゃいよ!!にんげんしゃんのうんうんはゆっきゅりできにゃいよ!!」 「ゆゆっ、そんなこといっちゃだめだよ!!おねえさんはがんばったんだよ!!かわいそうでしょ!!」 自分たちの努力と勝ち取った美談に酔い、互いに頬を取り合って屈託なくはしゃぐゆっくり達。 そのどれもが、一点の曇りもない善意と達成の確信に満ちた表情を浮かべ、満ち足りている。 私は、うつむいてただ泣いていた。 泣いても無駄だとわかっていたが、どうしても涙を止めることができなかった。 その日から、私はゆっくり達の命令に服従した。 虫はどうしてもだめだったが、それ以外の食事はなんとか口に押し込んだ。 「うぶ……うぐっ」 「ごはんさんをたべたらむーしゃむーしゃしあわせーしてね!! しあわせーをしないとゆっくりできないよ!!」 「む……むーしゃ、むーしゃ、しあわせー……」 「もっとおおきなこえでわらいながらいってね!!ゆっくりできるよ!!」 「むーしゃむーしゃしあわせー!!」 「よくできたね!えらかったね!!ごほうびにすーりすーりしようね!!」 『むーちゃむーちゃ、しあわちぇー!』 『こら!しあわせーはまだ駄目!黙って食べなさい』 『どぼちちぇえぇ!?むーちゃむーちゃちあわちぇーちにゃいとゆっきゅりできにゃいよ!!』 『食べながらしあわせーを言ったらご飯がこぼれちゃうでしょ? ほら、こんなに散らばっちゃってるじゃない』 『ゆゆっ!!でもちあわちぇーちにゃいとおいちくにゃいよ!!』 『しあわせーは全部食べおわってからならしてもいいわ。 たくさん我慢してから最後にしあわせーしたほうがゆっくりできるわよ?』 『ゆぅぅ……ゆっきゅりわかっちゃよ……むーちゃ、むーちゃ』 『むーちゃむーちゃもだめよ。静かにお行儀よく食べてね。お行儀のいいゆっくりになればバッジがもらえるわよ』 『ゆゆぅ~………しあわせー!!』 『はい、よくできました!明日は「ごちそうさま」を覚えましょうね』 『れいみゅがんばっちゃよ!!なーでなーでしちぇにぇ!!』 「うんうんちゃんとしてるね!!いうことをきくおねえさんはゆっくりできてるね!!」 「うんうんをかたづけてくるからね!!おといれさんをきれいにしてあげるよ!!」 「おにいさんもおねえさんをみならってね!!そんなところにうんうんしちゃだめだよ!!」 長浜圭一のほうは、さすがに私の傍で便を処理するわけにもいかず、 夜中に反対側の壁に穴を掘ってすませているらしかった。 「おうちのなかでおといれさんいがいにうんうんするとゆっくりできないよ!!」 「おねえさんはいいこだからもうわかってるよね!!」 「ゆっくりできるね!!」 『これは何!?』 『ゆっ!おねーしゃん、おきょっちぇるにょ?れいみゅわりゅいこちょしちぇにゃいよ!』 『いいから答えて。これは何かしら』 『ゆゆっ!きゃわいいれいみゅのうんうんだよ!!』 『こら!決まったところ以外でうんうんしちゃいけません!』 『ゆっ!?れいみゅはうんうんがしちゃかっちゃんだよ!!ゆっきゅりきゃいしちぇにぇ!!』 『言い訳になってません!謝らないとおしおきよ?』 『ゆゆっ!やめちぇにぇ!やめちぇにぇ!!ごめんなちゃいぃ!!』 「ゆっくりおうたをうたおうね!!れいむがうたうからよくきいてね!! ゆっゆっゆ~~♪ゆゆゆゆゆ~♪ゆ~ゆ~♪」 「れいむのおうたはゆっくりできるんだぜ!! おねえさん、まねしてうたってみるんだぜ!!」 「……ゆっゆっゆ~~♪」 「ゆゆっ!やめてね!ゆっくりできないよ!!」 「きたないこえだね!!ゆっくりしたおうたをうたえないとなかまにはいれないよ!!」 「ゆっくりおしえてあげるからね!!がんばってゆっくりうたえるようになろうね!!」 「ゆっゆっゆ~~♪ゆゆゆゆゆ~……」 「きくにたえないんだぜぇぇ!!まじめにやるんだぜぇ!!」 『ゆゆ~ゆっゆ~♪ゆゆゆゆ~ゆ~♪』 『れいむ、静かにしなきゃだめよ。お隣さんの迷惑になっちゃうでしょ?』 『ゆゆっ!!れいみゅはおうちゃをうちゃいたいよ!!おうちゃはゆっきゅりできりゅよ!! おねーしゃんもれいみゅのおうちゃでゆっきゅりしちぇにぇ!!ゆっゆっゆ~♪』 『だめよ!むやみに歌っちゃだめ。ゆっくりのお歌が嫌いな人間さんもいるんだから』 『にゃんでぇぇぇ!?うちょいわにゃいでにぇ!!』 『嘘じゃないわ。これからは、お姉さんがいいと言った時だけ歌うようにしてね。 明日は広い野原に連れていってあげるから、そこで一杯歌ってね』 『ゆゆゆっ!たのちみ~♪』 いつまでたっても助けはこなかった。 夏場の洞窟はひどく蒸し、服を変えることもできず、 汗や便の悪臭が洞窟内に充満した。 その悪臭のために、ここに下りてくるゆっくりはやや減少したが、 教育熱心なゆっくりや、長浜圭一への復讐にかられた施設のゆっくりは毎日やってきた。 一週間が過ぎたころ、私の心にはあきらめの影が差しこみはじめていた。 本当に、一生をこの群れの中で過ごすのかもしれない。 よしんば仲間と認められて外に出られたところで、私に割り当てられる仕事は何になるのか。 まさか本気で、私に子供を産ませ、それをすっきりに使う気でいるのか。 人間の常識も倫理もここでは一切通用しない。 まして家畜の子供など、鶏の卵のように利用されるだけだとしても不思議はない。 自殺の可能性さえ頭をよぎる。 助かりたかった。 この地獄から一刻も早く抜け出したかった。 同時に悲しかった。 自分の中でのゆっくり像が、憎々しいものに変わっていくのをどうすることもできなかった。 毎日ゴミ同然の雑草を食べさせられ、大勢の注視のもと排便させられ、罵られながら喉が涸れるまで歌わされた。 この生き物を、もはや前のように愛することはできないだろう。 そしてまた、自分自身も悲しかった。 確かに、私が今されていることは、かつて私がゆっくり達にしてきたことなのだ。 食事中の「しあわせー」を禁じ、歌も制限し、好き嫌いを許さなかった。 ゆっくりの要求を殆ど抑えつけ、一方的に人間に都合のいい常識を押し付けてきた。 それでも、ゆっくり達は曲がりなりにも私になついてくれた。 私のれいむがここで私の躾をしているのも、私を愛しているからこそだろう。 意趣返しというか、上に立つことの優越感は十分楽しんでいるようだが、私にそれを責める権利はない。 ここで世話をされながら、私はゆっくりに感謝することができなかった。 かつて私のゆっくりたちがしてくれたようには、自分の常識を曲げてまで相手の善意に報いることができない。 あれほどゆっくりを愛していたはずなのに、その善意に応えることができない。 ゆっくりのように、自然に無邪気に、強者の膝元に這いつくばることができればどれだけ楽か。 明らかに相手より弱い立場にいながら、私は弱肉強食という自然の摂理に逆らい、 人間としてのプライドに縛られて相手を怨むしかできない。 あれほど、ゆっくりを愛しているつもりでいた。 それは結局のところ、自分のほうが上に立っているという安全地帯での傲慢なままごと遊びでしかなかった。 いまや私は、 はやく見つけ出してもらい、娘ともども助け出してほしいというただそのことのみを願い、 ゆっくりをあの悪魔のような計画から守るという当初の大義は雲散霧消してしまっていた。 そんな私の弱さが何よりも悲しかった。 やがて八日目の昼になると、助けが現れた。 続く
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いうまでもなくこのSSのみの設定です。虐待なし。オリキャラ登場注意 幻想郷の辺境に一人の魔法使いがいた。名前はおろか性別も知られていない。 その行動を見るに、おそらくは格の低い魔法使いなのかと思われる。 その魔法使いは甘味をこよなく愛していた。なかでも和菓子を。 甘味好きが高じて、自作するまでにもなっていたが、魔法使いはとても不精でもあった。 買いに行くにせよ、自分で作るにせよ、その手間を省く方法はないかと長い間考え続けていた。 ひとつの方法として、菓子を作る人形を作ろうと試みたが、うまくいかなかった。 人形は作れたものの、納得できる品質の菓子を作らせることができなかった。 だが、この失敗からひとつの着想を得ることが出来た。 それは人形ではなく菓子の方に生命を付与するという手段だった。 そして、動物のように繁殖させるのだ。元の菓子が美味しければ、子供も美味しいに決まっている。 魔法使いは試行錯誤を繰り返した果てに、植物、動物、饅頭、大福を混ぜ合わせたような性質を持つ、まったく新しい菓子を作り出した。 魔法使いはうぉ~と叫んだことだろう。 生ゴミのような粗末な食物でも育ち、急速に殖えることができ、どのような環境化で育とうとも常に美味。夢の菓子生物が誕生したのだった。 「ゆっくりしていってね!」 生きている饅頭は生れ落ちてすぐさま第一声を放った。 なぜゆっくりなのかというと、おそらくは魔法使いのサボりたい気持ちが移りこんだ結果こうなったのだろう。 バグに近いものだったが、魔法使いはそのままにした。 来客に供された饅頭が「ゆっくりしていってね!」と言ったとしたら、面白いもてなしの趣向ではないか。 食べ物なのだからゆっくりしてくれた方が好都合でもある。作り直すのが面倒でもあったのだろう。 魔法使いはいい加減な性格だったので、この饅頭をそのまま「ゆっくり」と呼ぶことにした。 ちなみに、この原種ゆっくりは饅頭に目と口がついただけのシンプルな姿である。ハゲまんじゅうを想像してもらえればよい。 こうして魔法使いは寝ているだけでも三食甘味三昧の生活を手に入れたが、そこで欲が出てきた。 (売り物にならないだろうか?) 食物兼ペット兼家畜兼玩具として大流行するに違いないと魔法使いは安易に思い込んだのだ。 (これだけでは弱いな……) このままではただの生きている饅頭だ。なにかもうひとつ“売り”になる要素を追加したかった。 そこで魔法使いの目に着いたのが、幻想郷の歴史を綴った一冊の書だった。また、魔法使いは新聞もとっていた。 それらの書には幻想郷で起きた異変や、それを解決した巫女、弾幕合戦のことが書かれていた。 (これだ!) 魔法使いはゆっくりを一種のキャラクター商品として売りこむことに決めた。 ゆっくりを幻想郷の少女たちをかたどった饅頭にするのだ。 まず最初にもっとも有名な二人の人間を題材に、ゆっくりれいむとゆっくりまりさを作り上げた。 とにかく殖えてもらう必要があったので、れいむには強めの母性本能が付与された。 これにオリジナルの神社を守るという設定が組み合わさって、縄張り意識が強まり、“おうち宣言”の習性を得ることになったのだろう。 まりさは偏見込みのモデルそのままだ。野菜を盗むのは、図書館から本を盗むという記述に影響されたのだろう。 こんな調子で、モデルの性質を奇妙にゆがめた(顔面もゆがんだ)幻想郷のゆっくりたちが作られていった。 だがさっぱり売れなかった。 理由はいろいろあるが、やはり喋る饅頭は気持ち悪かったのだろう。 モデルの不興を買うことを恐れたというのもあるだろう。言うまでもなく許可などとっていない。 欲に目の眩んだ魔法使いは大量の在庫ゆっくりを抱えることとなった。 この在庫が意図的に投棄されたか、管理がずさんなせいで逃げ出したのか、 野生化し、増殖し、里に現れ……あとは皆のよく知るところである。 魔法使いは儲けられなかったが、ゆっくりは幻想郷に定着することとなった。 今更出てきて権利を主張することはないだろう。前述の通り、モデルに許可を取っていないし、 方々でゆっくりによる少なくない被害が出ている。 魔法使いは今でも知られざる庵にて、ゆっくりたちと暮らしている。 そこには捕食種、希少種、変異種も含めたすべてのゆっくりたちがいる、ゆっくりの故郷だ。 魔法使いはたまに創作意欲が湧き上がると、新たな種類のゆっくりを生み出して野に送ると噂されている。 これらはすべて人づてに聞いた話である。真偽のほどは定かではない。 ところで、もしこの記述を目にしたゆっくりがいたのなら警告しておく。 この魔法使い、ゆっくりの創造者を探そうなどとは考えないことだ。 「どぼじでー? そのひとはゆっくりのかみさまなんでしょ? きっとそこならすごくゆっくりできるにきまってるよ!」 などと言い返すかもしれないが、この創造者が、ゆっくりを食べるために生み出したことを忘れてはならない。 魔法使いはゆっくりを愛している。だが、それはあくまで甘味としてだ。 書き忘れたが、この魔法使いは大層大食いだそうな。 自分を食べられないためには、ひたすら子供を産み続けるしかないということだ。
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「冷静な子たちのお部屋」と可愛らしい文字で書かれた部屋に 八意永琳は入っていく ここはゆっくりアリスたちの性欲の減退を試みる施設 野生のゆっくりアリスが飼いゆっくりをレイプする事件が多発する事を受けて 永琳は薬物散布による野良ゆっくりアリスへの性欲減退処置を提案。 それは妖怪からも、人里からも、承認を受け、これはそのための実験である。 妖怪や人間の中にはあんなもの皆殺しにしてしまえば良いと毒薬の散布を支持する者もいたが、 それぞれの代表者によってどうにか説得されたらしい。 それほどに嫌悪感を覚えるのか、永琳は少し期待をしてしまう。 「・・・」 「あら、不愉快?」 「そんな顔してました?」 明らかに嫌悪と分かる表情を鈴仙は指摘され、思わず顔を逸らす。 今まで見ていた方向には三匹のゆっくりアリスによってレイプされるゆっくりまりさの姿があった。 「倫理観なんてどうでもいいわ。ここに入ってくるゆっくりは全員何らかの形で死ぬのよ。あのゆっくりアリスたちが憎くても何かしてやろう何て考えない事ね」 「は、はい」 「じゃ、はじめましょうか」 永琳は三匹のゆっくりアリスからゆっくりまりさを取り上げる。 「ゆ?なにするの?アリスのまりさをかえしてね」 「まだすっきりしたいんだから、なにするの?」 「ゆー!!アリスのまりさかえしてよ!!」 ゆっくりまりさは助かったと思った。このままお姉さんに抱きかかえられ、 元いた場所かもっと良い場所にいけるのだと勝手に思っていた。 しかし、ゆっくりまりさは返してと騒ぎゆっくりアリスの目の前で床に叩きつけられ殺された。 「ゆ!!なにするの?!べつのまりさをよういしてね!!」 「そうよ。アリスはすっきりしたいんだから」 「とかいはのアリスはすっきりしたいのよ!!」 三匹のゆっくりアリス達はそれまで好きだ愛していると言っていたゆっくりまりさに関して何ら触れず、 自分達がすっきりするため、別のゆっくりを要求した。 「この子達、自分が殺されるとは思わないのね」 そう小さな声で、永琳は鈴仙に伝える。 「たぶん、都会派の自分は殺されないとか思ってるんでしょ」 鈴仙はとても不愉快そうに答えた 「あら、ごめんなさい。あなた達のゆっくりまりさ、つい手が滑って落としちゃったわ。代わりを用意するから少し待ってくれるかしら」 「とかいはのアリスをまたせないでよ!」 「アリスはできるおいんなだからストレスがたまるのよ!」 「はやくすっきりさせなさいよ!!」 師匠に対して、ゆっくりは本当に命知らずというか身の程知らずというか 鈴仙は今までの不愉快な思いが消え、今はゆっくりアリスに対する同情の気持ちに変わっている。 「お詫びと言っては何だけど、私の作った栄養剤を飲んでみない?お肌がぷるぷるになって、元気も出るし、よりすっきりできるようになるわ」 「ゆ?とかいはのアリスにぴったりね!!」 「ゆっくりしてないでだしてね!!」 「おねーさん、アリスはとかいはだからおねーさんのことゆるしてあげるね」 永琳は三匹にそれぞれ薬の入った砂糖水を与える。その隙に鈴仙がヘアバンドに甲乙丙と書かれたタグをつける。 それからしばらく二人は部屋の隅でお茶をしながら様子を観察していた。 ゆっくりアリスはせっかく三匹いるというのに三匹で遊んだりせず、用意してあげた巣に引きこもり木や土で何か作って過ごしていた。 「同種間での性行為はしないんですね」 「元々、コミュニケーション能力が低い種だから、一方的な押し付けしかできない。同種だとそれがぶつかり合うから」 「・・・なんだか、自分勝手ですね」 「あら、珍しい。あなたがゆっきりをそんな風に言うなんて。でも、勘違いしちゃいけないわ」 永琳はカフェオレを一口飲むと話を続ける。 「私達から見ればアレは一方的な感情の押し付けしかできない不具合のある種族だけれど、アレらは自分に何ら問題があるとは思ってないのよ」 「それが自分勝手なんですよ」 「常識を考えなさい。アレと私たちの常識は違うのよ。この実験はアレの常識を捻じ曲げる行為。自分勝手なのは私達の方よ」 「・・・」 「それでも私は倫理観なんてどうでもいいのよ」 その後、他のケージと違って静かでいいわねと永琳はつけたし、クッキーに手を伸ばした。 ~甲のゆっくりアリス~ 「あら・・・」 「師匠、この子には何を入れたんですか?」 「甲にはただの性欲減退剤よ・・・。濃度は若干高かったけれど」 ゆっくりアリスは自殺していた。巣にしていた小屋の壁にカスタードクリームがへばりついている事から、 何度も壁に体当たりしたのだろうという事が分かる。 「性欲減退剤って、どういう効果が現れるんですか?」 「今回のは性欲を強く否定するのよ。性欲が高まるとストレスを感じるようにしたものなんだけど」 そんな事を言いながら二人は監視カメラの映像を再生する。 『すっきりしたくなちゃった・・・ゆゆ!!』 「ああ、これよ。身体的な負荷ではなく、精神的な負荷にしたのがこの薬の良い所なんだけど」 『すっきりしたく・・・ううん、とかいはのアリスはすっきししないとストレスが、ゆぅ!!』 すっきりしたいと思う度にゆっくりアリスの体は痙攣する。 「効果がありすぎなんじゃないですか?」 「ゆっくりまりさで実験した時には同じ濃度で痙攣するなんて事はなかったわ」 『すっきりしたいのに、ゆぎぃ!!すっきりしたくない!!』 狂ったように小屋の中を転げまわるゆっくりアリス。 「性欲が強すぎるのかしら、それを押さえつけるために薬の効果が強く出てるのね。ふむ・・・」 『ずっぎりじだい!!ずっぎりじだぐない!!』 ゆっくりアリスが小屋の中を駆け回ると、永琳はぷっと思わず吹き出す。 「こんなに効果があるなら別の用途に使えそうね」 『ゆぎぃ、いやぁ!!なにごれ、ぎもぢわるい!!ずっぎりずっぎり!!』 そう言ってゆくりアリスは壁に何度も衝突する。 何度もカスタードクリームを吐き出し、しばらくすると動かなくなった。 「ああ、残念。一番シンプルで簡単だと思ったのに」 あまり残念そうな感じもなく永琳は監視カメラの映像を止める。 ~乙のゆっくりアリス~ 「あれ、巣にいませんよ」 「うーん、一匹ずつ観測員をつけた方が良かったわね」 永琳は今度は残念そうに言い、監視カメラの映像を再生する。 「この子には何を与えたんですか?」 「少しでもすっきりしたくなると、ある特定の記憶を繰り返し再生する薬」 「ど、どんな記憶ですか?」 「ゆっくりまりさが黒ずんで死ぬ所」 鈴仙は言葉を失う。 「さ、見るわよ」 再生機にゆっくりアリスの姿が映し出される。 『ゆー、すっきりしたい・・・ゆ?』 あたりをゆっくりアリスはキョロキョロ見渡す。 『まりさ?ゆ?・・・いないよね。まりさのことかんがえたらすっきりしたく、なちゃ・・・ゆ?』 「あら、あまり効果は無いのかしら?」 「だってほら、ゆっくりアリスって相手が死んでも関係ないって感じですから」 永琳は失敗かしらと呟くが、次第にゆっくりアリスに変化が出てくる。 『まりさ・・・しんじゃった?アリスのまりさが』 「ふむ、いつも発情と同時に性行為を行うから、もしかすると他者の死を見直すのはこれが初めてなのかもしれない」 「意外に繊細なんでしょうか」 「つまり、ゆっくりの死に対する悲しみがあるって事?」 『すっきりしたら・・・まりさが、まりさ!!』 ゆっくりアリスが泣き出す、自分の強姦でゆっくりまりさが死んでしまった事を思い出し。 『・・・ゆ!まりさごめんなざい』『・・・ゆ?!まりざもうゆるじで!!』『・・・ゆひぃ!!まりざ、おねがいもうゆるじでよ!!』 すっきりしたいと思う度に自分が殺したゆっくりまりさの事が思い浮かぶ。 「あー、これは結構・・・いいかも」 『ゆ!!まりさ、こないで。まりざ、ごないで!!』 そう言ってゆっくりアリスは巣を飛び出す。あとはずっと、誰もいなくなった巣が映っているだけだった。 その後でしばらく巣の周辺を探すと池にヘアバンドが浮いていた。そのヘアバンドには乙のタグがついていた。 ~丙のゆっくりアリス~ 「おーい、大丈夫?」 「ゆっくりしていってね」 「あ、師匠、この子はげん・・・あれ?」 ゆっくりアリスは笑顔だった。笑顔なのだが顔を真っ赤にし汗をダラダラかいていた。 「あの師匠、これは?」 「いくら、ゆっくりアリスでも高熱を出していれば強姦はできないと思って試しに作ってみたんだけど」 鈴仙がゆっくりアリスの頬に触れてみる。 「うわ、凄い熱さじゃないですか」 「やめで、おねえざん、ほっぺがいだいよ!!」 「あ、ごめんなさい・・・師匠、熱のせいですか?」 「それはオピオイド拮抗薬よ。痛覚を高めてあるの。これなら強姦もできないでしょ?」 鈴仙はゆっくりアリスに同情した。 「頬に何かが触れれば激痛が走るはずよ。ああ、勿論飛び跳ねる事も無理ね。這いずり回る事なら、できるかしら?」 そう言って、ゆっくりアリスの少し前辺りに飴玉を置く。 「おねーさん、アリスはびょうきなんだよ。こっちまでもってきてね」 「嫌よ。でも、この飴を食べたら楽になるわ。ほら、頑張って食べなさい」 ずりずりと這い蹲ってゆっくりアリスは進む。その度に身体中に激痛が走る。 「あの、師匠。何でこの子、こんなに痛がってるのに笑顔なんですか?」 「例えば、私が何かを食べて凄く苦しそうな顔をしたとするわ。あなた同じものを食べる気になる?」 「いいえ・・・」 「だから、笑顔のまま顔を硬直させてあるのよ。この技術が一番難しかったんだから」 永琳は楽しそうに飴玉をゆっくりアリスから遠ざける。 「どうじでぞんなごどずるの!!」 「叫ぶ事すら苦痛なはずよ。さ、もう少し頑張って」 「ゆぎぃ!!・・・ゆぎぃ!!」 唸り声と叫び声を挙げながらゆっくりアリスは進む。 目は真っ赤になり、涙を浮かべているが、飴玉を一心不乱に見つめている。 ようやく、辿り着き、舌を伸ばす。これで楽になれる。慌てて飴玉を口に運ぶ。 「よくできました」 おめでとー、そう言って永琳は拍手をする。 全身の痛みがなくなっていくのが分かった。熱も下がっていく、 ゆっくりアリスは楽になった。つまり死亡したのだ。 実験の結果を元に人や妖怪の間で話し合いが持たれ丙の薬が採用される事になった。 最後まで他のゆっくりに害がないのか聞いていた人間もどうにか納得してくれ、薬品の入った飴玉の散布が行われた。 3ヶ月もすると、ゆっくりアリスを見かける事はめっきり減り、 人間達が飴玉の散布をやめる頃にはゆっくりアリスは絶滅危惧種に指定されるほど数を減らしていた。 ある日、買い物の帰りに鈴仙はゆっくりアリスを見かける。 酷く衰弱してはいるが、顔立ちの良いゆっくりの中でも美形なゆっくろアリスだった。 そこへゆっくりまりさがやってきて、「アリス、かわいいね。まりさとすっきりしない?」と声をかけた。 ゆっくりアリスは酷く怯え、森の中に逃げ込む。 その表情はとても笑顔で、まるで私を捕まえてと逃げる女の子のようだった。 現にゆっくりまりさは「おいかけっこだね。ゆっくりつかまえるね!!」とゆっくりアリスを追いかけた。 鈴仙は二匹を追いかけてみる。茂みの中でゆっくりアリスはゆっくりまりさに捕まっていた。 頬ずりをされ、ゆっくりまりさはとても気持ち良さそうにしている。 ゆっくりアリスはと言うと涙を流し、やめてと訴えていた。 「ゆ?アリスもうこんなにほおをあつくして」「なくほどうれしいんだね」「アリスはつんでれだね」 勝手な事を言うゆっくりまりさを鈴仙は思いっきり蹴り上げた。 かつて実験室で見た。ゆっくりアリスへの嫌悪感と同じものが胸の中でこみ上げてきた。 ~あとがき~ ゆっくりアリスに腹が立ったんで、 できれば、しばらく殺し続けます。 by118