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~注意書き~ 虐待描写が少ないです!純粋に虐待を愉しみたい人には向いてないかもしれません! オリ固有の名前が出てきます!名無しだと不便な場面が出てきたので便宜上付けただけですが! オリ設定らしきものが含まれます!オリだらけで泣きそうです! 以上のことをしっかりと踏まえたうえで、それでも読んでくれるという心の広い方は、以下に続く作品をお楽しみ下さい。 男と女がゆっくりと 広い広い平原を、二人の男女が一緒に歩いていました。 彼らは夫婦というわけでも、恋人であるわけでもありませんでしたが、しかしとても仲のよい友人でした。 二人は今日も仲良く、楽しい会話を始めます。 「ねぇ、ジョン?なんでそんなキモイ格好してるの?さっさと死んだほうが私のためね」 ジョンと呼ばれた白人の男は、彼女の言葉に意外そうな顔をしながら、自分の服を見つめなおします。 ワックスを使ってかっこよく整えたちょんまげに、ケンドー部員から貰った篭手と垂(たれ)を取り付け勇ましさをアピール。面と胴はもらえなかったようです。 そして体にはぴちぴちのスク水と、自分の太ももまで届くフリルつきの黒のハイ・ソックスを装着したその姿は、男の中でも自慢の服装でした。 「オゥ!コレのドコがオカシーのデスカ?ワタシのフレンドも『オタクとサムライの、超融合や~!』ってゼッサンしてましタ! ソレにヨーコたんの服装こそ、ベリーストレンジネー!この子もソ-言ってマース!」 男は背負っていた両肩にかけるタイプのバッグからかわいらしい女の子のお人形を取り出し,腕と指の関節を動かしてお人形さんの指を女性のほうに向けます。 「いや、ソレはあんたの友人が変なだけでしょ……。つーか、私の服装のどこがおかしいのよ」 ヨーコと呼ばれた黄色人の女は,男がしたように自分の服を眺め回します。 彼女が着ているものはGパンにTシャツにスニーカーという、男に比べれば一般的と呼べるものでしたが,その全てには星条旗が描かれています。 そして肩、ひじ、ひざには星型のサポーターをしており、頭と腰にも同じ星型がいっぱいついたベルトを巻いていました。 男は、彼女の腰にまいてある星型のついたベルトに、ぐりぐりと人形の指を押し付けます。 「コレに決まってマース!その服装もそうですが,あなた悪趣味すぎデース」 「このアメリカのすばらしさを体全体で表した,荘厳かつ大胆なファッションはあなたのような日本かぶれの変態ヤローなんかには到底わからないでしょうね! あんたはさっさと自分のお母さんのところに帰って木の根っこでも食ってろ!」 女は一気にそうまくし立てると,男の靴に向かってつばをペッ、と吐きました。 その唾は目標より少し情報を通過し,男のハイ・ソックスに当たって、唾特有のネチョリとした感覚が布越しに男の皮膚を刺激します。 男はさすがに怒ったのか、自分の顔を真っ赤にして女に突っ掛かりました。 「シット!女だからってあまく見るとオモッたらオゥ間違いデス!コレでもくらいなサーイ!」 男は、「カミカゼ!カミカゼ!」といいながら女の頬を人形の指でぷにぷにとつつき始めました。 女は最初のうちは鬱陶しそうに男の突きを払っているだけでしたが,男があまりにもしつこいので,女もしまいには反撃をするようになってしまいました。 「だーもう鬱陶しいのよこのだぼがぁ!撃ち殺してやるから覚悟しなさい!」 女は背負っていた星型のリュックから同じく星型の飾りのついた銃を取り出し、それを男に向けて引き金をひきました。 その瞬間、気の抜けた音とともに紐のついたコルクが飛び出し、男の額に当たります。どうやら、その銃はおもちゃのようです。 女は紐がたれている銃口を口元まで持っていき,ふっと息をかけて熱くもないのに冷ましました。 「ふん、銃社会なめないでよね……って、こら、やめなさい!あんた撃たれたでしょやられなさいよ!ちょ、やめ、つつくな!」 男は女の言葉を無視して、「タケヤリ!タケヤリ!」といいながら女の頬をつつき続けます。 男がこのように、空気を読まず女にちょっかいを出し続けるのは、彼らにとってはよく見る光景でした。 そして、いつもならこれから女が本気で怒り出し、ガチで喧嘩になって殴りあったあと意気投合して夕日に向かって走り出すのですが、今日は意外な介入者が現れました。 「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」 家族連れでしょうか。五匹の、人の顔を模した饅頭が喧嘩をしている二人に向かってそう叫びました。 饅頭たちは、赤いリボンを付けていたり、またはリボンのついた、大きな黒い三角帽を付けています。 その家族の親と思われる、それぞれにリボンと帽子をつけた大きな饅頭が一匹づつと、あとはリボンと帽子を付けた小さい饅頭がそれぞれ一匹と二匹いました。 いきなりの介入者に、彼らはひとまず喧嘩をやめてその饅頭に向き直ります。 「オォウ!ジャパニーズ・スロゥレイームアーンドスロゥマリーサ!」 「違うわよ。アメリカン・ゆっくりれいむとゆっくりまりさでしょう。で、何の用かしら?」 饅頭は、自分の名前の前にあるよくわからない接頭語に戸惑いながらも,しっかりと二人を見据えました。 そして人が好みそうな愛想のよい笑いを浮かべて,彼女達に話しかけます。 「よくわからないけどれいむはれいむだよ!わかったらかわいいれいむとまりさとこどもたちにおかしとじゅーすをちょうだいね!みんなのどがかわいておなかへったよ!」 「まりさにへんななまえつけないでほしいんだぜ!おかしななまえつけたばいしょーとしておいしいものをよこしてね!」 「ちょーだい!ちょーだい!」 「おかしくれるの!?さっさとちょうだいね!」 「のろまはきらいだぜ!」 そのかわいい?笑みとは裏腹に、言っている内容はポツダム宣言のようなきつい内容です。 普通はここで蹴り飛ばして人間の怖さを教えてあげるところですが,彼女達はそれを選択しませんでした。 それどころか、一緒になって笑いあいながら、リュックからゆっくりれいむに上げるための飲み物と食べ物を取り出し始める始末です。 「いいわよ。まずは飲み物がいいわね。はい、みんな。いっぱい飲んでね」 女は取り出した水筒をゆっくりれいむに差し出しましたが,同じくリュックから水筒を取り出した男が、それを押しのけて自分のものを差し出します。 「そんな似非アメリカンの飲み物より、こっちの方がとってもデェリシャスネー!こっちを飲むといいデース!」 「な、何いってるのよこの変態やろうが!あんたは黙ってそこで米磨いでりゃいいのよ!」 二人はゆっくりの前で、自分がゆっくりに飲み物をあげるんだと主張しあって再び喧嘩を始めます。 それをみたゆっくりたちは困った表情を作りながら、喧嘩をやめるように二人に呼びかけます。 「ゆっくりやめてね!れいむのためにあらそわないでね!れいむはふたりのものがほしいよ!」 「そうだぜ!まりさがいくらかわいいからってけんかはよくないぜ!さっさとちょうだいだぜ!」 「ちょーだい!ちょーだい!」 「けんかするならまりさにおいしいものくれてからにしてほしいんだぜ!」 「のろまはきらいだってさっきもいったでしょ?ばかなの?」 いっせいに口々から不満をたれ始めるゆっくりたち。 言っていることは、喧嘩してないで両方さっさとよこせということなのですが。 しかし彼らはゆっくりの言葉に従って、おとなしく喧嘩をやめました。 「……そうね、みんなのいうとおりだわ。喧嘩は後にしましょう。そしてみんなにどっちがおいしいか味比べをしてもらおうじゃない」 「ナイスアイディア!そうと決まればゼンはイソゲネー!」 彼らはカップに水筒に入っている液体を入れて饅頭に差し出します。 みんながそのカップを覗き込んだところ、両方ともおどろおどろしい真っ黒な液体がたっぷりと入っています。 ゆっくりたちは驚いて二人にその飲み物を改めましたが,二人とも「「おいしいから,飲んでみて」」というばかりで取り合いません。 試しに彼女らに自分の水筒の中身を飲ませましたが、二人ともとてもおいしそうにそれを飲むので、 親のゆっくりれいむとゆっくりまりさは色はともかく中身は大丈夫だと判断しました。 そして二人の男女がこわばった作り笑いで見守る中、ゆっくりれいむによる味比べが始まります。 まず、男の飲み物からです。 毒見役のつもりか、ゆっくりれいむは一人でゆっくりとカップに口をつけ、そして一気に中身を自分の口の中に放り込みました。 二人とも、その様子をただじっと見つめます。 「しあわぜぼっ!?」 ゆっくりれいむをその液体を飲み込んだとたん、急に咳き込み始めました。 そのせいで口に含んだ液体の一部は吐き出されたようですが,大部分はもう体に吸収されて戻ってきませんでした。 ゆっくりれいむの様子に男が慌てて,女は呆れながらゆっくりれいむに駆け寄ります。 「なにごれぇぇぇぇ!!がらいよぉぉぉぉぉ!!」 「おがぁざん、どうじだの!?」 「じっかりしてぇぇぇぇ!!」 「オォウ!どうしたのですカー!?しっかりしてくだサーイ!」 周りのゆっくりたちもみんなだゆっくりれいむの元に駆け寄ります。 男はゆっくりれいむの後頭部をさすってやりますが,一向によくなりません。 ただただゆっくりれいむは「がらいよぉぉぉぉ!!いだいよぉぉぉぉ!!」と悲鳴を上げるだけです。 女は途方に暮れる男を、呆れを含んだ嘲笑で見下します。 「まったく、何を飲ませればこんなに苦しめることが出来るのかしら。ねぇ、ジョン?これはなんという名前の毒かしら?」 「……毒じゃないデス。ジャパニーズ・ショーユデース」 男はようやく少し落ち着いてきたゆっくりれいむをみながら、そう力なくつぶやきました。 「はぁ!?あんたあんな塩分の塊のようなやつあげたの!?つーかあんなの飲んでたら血圧がやばいことになるわよ!」 「ノー!ショーユはれっきとしたジャパニーズの伝統的な健康食品デース!私にショーユを紹介してくれたフレンドはなんにでもあれをかけて食べてマース! 私も毎朝飲んでマース!ショーユ健康法デース!」 女はその男の言葉に完全に呆れたようで、もう顔から嘲笑は完全に消え失せています。 ただかわいそうな目で、男を見るだけです。 「……ま、とりあえず私の番ね。客に毒薬を飲ます馬鹿はどいてなさい」 男は一度きつく女の方を睨みつけましたが、結局何も反論できずがっくりとうなだれます。 女は男と入れ替わるようにゆっくりれいむの前に立ち、今度は自分の水筒から入れたカップを差し出します。 しかしゆっくりれいむはさっきの男の飲み物にこりたのか、なかなか飲もうとしません 「ああ、ごめんね。あの馬鹿が変なの飲ませたせいで怖がってるのね。でも大丈夫。私のはあんなのと違って辛くなんてないから」 ゆっくりれいむはまだ警戒していたようでしたが、やはり口の中の塩辛さゆえに水を欲していたのでしょう。 恐る恐る下をカップの中につけ、それが塩辛くないとわかるとそのまま一気に飲み干しました。 「し、しあわせー!」 女はそのゆっくりれいむの様子ににっこりと微笑みながら、男に見せ付けるようにゆっくりれいむをさすります。 男は悔しそうに唇をかんでいましたが、何も言うことができませんでした。 「れいむ、おいしかった?」 「わからないけどからくなくてすっきりー!しあわせすっきりー!」 「ああ、かわいそうに。どっかの馬鹿が醤油なんてもの飲ませるから舌がおかしくなってるのね。 口の中まだ塩辛いでしょう?いっぱいあるからいくらでも飲んでちょうだいね」 女はゆっくりれいむの口の中に次々と水筒の中の液体を流し込んでいきます。 それを見た周りのゆっくりたちも、今度こそ安全だと思ったのか、女に近寄ってその液体を次々と飲ませてもらいます。 ゆっくりたちは口の中に飲み物を入れられるたび、「すっきりー!」だの、「しあわせー!」などといっていましたが、不思議とその瞳はひどく濁っていました。 男はその異変に気付き、女の手を掴んで行為をやめさせます。 「ウェイト!少し様子が変デース」 女は至福の時間を邪魔されて不機嫌そうにしていましたが、ゆっくりの様子を見て表情が一変します。 ゆっくりは確かに笑っていましたが、目は異常なまでに見開かれ、緩んだ口からはだらしなくよだれを垂れ流し続けていました。 「お、おねえさん、なんかへんだよぉぉぉ!おめめがぱっちりしすぎてとじないのぉぉぉぉぉ! す、すすすすすすすすっきりぃぃぃぃぃ!!!」 「え、ちょっとどうしたのれいむ。もしかして飲みすぎておなかいたいの?」 れいむは答えず、ひたすら意味不明の言葉を叫ぶのみです。 周りのゆっくりたちも,それに呼応するかのようにおかしな行動をとり始めます。 「すすすっきりぃーー!ゆ゛、ゆ゛っくりしていってべべべべべべべべべべ」 「しあわせぼーーーーー!!!」 「あばばばばばばばばば」 「ちょ、ちょっと、みんなどうしたの!?大丈夫!?」 女が何が起こったのかわからず困惑する中,ついにゆっくりたちは泡を吹いて白目をむき、動かなくなってしまいました。 ゆっくりたちの口からぶくぶくと細かい泡が作られては割れ、異臭を周囲に撒き散らします。 「オォゥマイッガァァァァーッ!!ヨーコたんはいったい何を飲ませたんデスか!?」 「ア、アメリカンコーヒーよ。私流にちょっと改変したけど」 「ドコをドーユー風にしたら客が泡吹くコーヒーを作れるんデスかー!!」 男のその剣幕に、さっきまで余裕を保っていた女もたじたじです。 「な、なによう。ちょっとカフェインの含有量増やしただけよ。そんなに騒ぐことじゃないでしょう?」 「イッタイ、含有量をどのくらいにしたんデスか!?殺人コーヒーを作るノに!」 自分の作ったものを殺人コーヒーと言われ女は不満そうでしたが、目の前の惨状を否定することも出来ず、しぶしぶ答えます。 「99%」 女はさも当然のごとく答えますが、男はその言葉に固まってしまいました。 いや、男でなくてもそれを聞いたら固まっていたことでしょう。なんてったって99%、9割9分カフェインという恐ろしいコーヒーなのですから。 ちなみに、女の言っていたアメリカンコーヒーとは、紅茶の色に似るように生豆を浅く煎ってたてたコーヒーのことを指します。 紅茶が手に入れられなかったアメリカ人が、紅茶の代用品としてコーヒーを使ったというのは有名ですね。 よって、女の作ったようなカフェイン含有量99%という狂気のコーヒーはアメリカンとは言いません。コーヒーとも言いません。単なるカフェインです。 「……ヨーコたんは悪趣味だと自分でも言い続けていましたが,ここまでとは思いませんでしタ」 「これのどこが悪趣味なのよ!これは、カカオ99%チョコレートを参考に私が長い年月をかけて作り上げた究極の……」 「どぼでぼいいがら、さっさとでいぶとみんだをだすげべべべっべべ」 再び喧嘩を始めようとする二人を,泡を吹いているゆっくりれいむが必死になって止めます。 ゆっくりたちは馬鹿な人間に当たってしまったことを内心後悔していましたが、今の自分を助けられるのも目の前の人間だけです。必死の懇願を続けます。 二人はゆっくりの必死な様子にすぐに争いをやめ、その饅頭を助けるために動き始めます。 「このことは後にしましょう。まずはみんなを助けないと。近くに大きな湖があったわよね?そこに連れて行ってきれいな水を飲ませましょう。 認めたくないけど、私たちの飲み物じゃあゆっくりを苦しめるだけのようだわ」 「……そうデスね。レイクは、ウェル、ここからホクトウへ少しいったところにありマス」 すばやく女がゆっくりたちを抱え、男が地図を持ち先導します。 彼らはゆっくりを助けることに目的を切り替えると,今までのことが嘘のようにてきぱきと連携して動き始めました。 やはり、二人は相性がよいのです。よく喧嘩するのだって、もともと仲がよいからでしょう。 役割が逆な気がしないこともないですが、昨今は男女平等参画社会です。気にしてはいけません。 二人はゆっくりたちを介抱しながら十数分歩いたところ、きちんと目的地の湖まで辿り着くことができました。 「オォゥ、地図によるとここのはずデース。急いで水を飲ませまショウ!」 「そうね。もう瞳孔が開きかけてるわ。……ほら、口を開いて?ゆっくり飲んでね」 水を近付けても飲まなかったので、女がゆっくりたちの口を開いて固定し,男がそこに湖から汲んできた水を入れていきます。 ゆっくりたちはもはや抵抗する気力もないのでしょう。なすがままに水を飲み続けました。 そして、みんなに5杯くらいの水を与えたところでしょうか。 ゆっくりたちが急に飛び跳ね、そのままごろごろと地面を転がり始めました。 「ぎぃぃぃぃぃぃ!!がらいぃぃぃぃぃぃ!!」 「またなのぉぉぉぉぉぉ!?」 「もうがらいのいやぁぁぁあぁっぁ!!」 「どぼじでごんなごどずるどぉぉぉぉぉ!!」 「びぃぃぃぃぃぃ!!」 苦悶の表情をして泣き叫ぶゆっくりたちを見て、二人は戸惑いました。 なんできれいな水を与えたはずなのに、まるで醤油を与えた時のような反応をするのだろう。 男は、何かに気付いたようで、自分の持っているカップについた水を指でとって少しなめました。 「シッツ!何てことダ!」 「どうしたの?なにかわかった?」 男は自分の持っているカップを女に渡し、彼女にもなめるように言いました。 女は訝しがりながらも、男の言うように指につけてそれをなめとります。 「し、塩辛いわ!まさか……海水!?」 「ノー!これは、ジャパニーズ・シカイデース!」 女は驚愕の表情を浮かべます。男から地図を奪ってみてみると、そこには確かに『死海』と書いてありました。 どうやら、ゆっくりたちにとっては不運なことに、女も男もこの文字を見落としてしまっていたようです。 「なんてこと……!アメリカの奥地にあるという伝説の湖がこんなところにもあるなんて……!」 「そうデース!シカイの癖に,私たちのシカイから逃れていたのデース!」 男のギャグには、誰も反応しませんでした。 ちなみに、死海とは海水よりも塩分濃度が十倍も濃く、そのため生き物がまったく住むことが出来ない死の湖のことです。 所在地はアラビア半島北西地、大まかに言うと東アフリカに存在します。当然ながら日本にもアメリカにもありません。 そんな説明をしている間にも、ゆっくりたちは口の中のあまりの塩辛さに暴れまわります。 「からからからふとちしばぁぁぁぁぁぁ!!」 「だいじょーだいじょーぶるぅぅぅぅ!!」 「ゆっくりさっさとあるくようなはやさでゆ゛べべべべべべべ」 「オォウマイッガーッ!どうしまショー!?」 ついには意味不明な言語を垂れ流すようになってしまったゆっくりたちに、男は頭を抱えてしまいます。 しかし、女は平静を保っていました。何かゆっくりれいむを助ける方法があるのかもしれません。 「落ち着いて、ジョン。私に策があるわ」 「リアリィー!?それはマジですかヨーコたん!」 女は男が食いついてきたのを見て満足そうにしながら,自信ありげに自分の策について語り始めます。 そんな女の自信の結晶があのカフェイン99%コーヒーだったりするのですが、この際それは置いておきましょう。 「いい?今ゆっくりが苦しんでいるのは何故か……もちろん、塩分の取りすぎよね」 「そうデスね。人間でもあまりに塩分をとり過ぎたら死んでしまいマス。あんな小さかったらなおさらでショウ」 毎朝醤油がぶ飲みしている男がいますが、それは恐らく特殊体質なのでしょう。 普通の人間が塩分をとりすぎると血圧がやばいことになり、浸透圧の関係で細胞がパーンとなるのでよい子でなくとも決してまねしてはいけません。 「そう。ましてやあの子の中身はあんこ……つまり、砂糖の塊になっているわけ。 そんな中に塩を入れたらどうなると思う?」 「ムムム……じらしていないで早く教えてくだサーイ」 「ふふふ、焦らないの。ヒントは,酸性とアルカリ性よ」 「しおあるかりとゆ゛べべべべべ」 「ぷるさーまるうんたるまーる」 「まどからてがでてこっちこないでぇぇぇえ!!」 そんな悠長な会話を続けている間にも、後ろではゆっくりれいむが奇怪な叫び声を上げながら暴れまわっています。 しかし二人は無反応。熱中すると互いにのめりこんでしまうタイプなのでしょう。 「酸とアルカリ……?オォウ、ァイゴットイッツ!わかりましタ!中和デスね!」 女は大きくうなずいて,正解の意図を表します。 「そう。砂糖を入れすぎたコーヒーに塩を入れて中和するように、ゆっくりも自身のあんこの砂糖が大量に入ってきた塩で中和してしまったの。 まるで酸とアルカリを混ぜた時のようにね。 そしてゆっくりは今砂糖にも塩にも属さない、かなり中性に近い特性を持っているのでしょう。だから、あんなことになってしまったの」 決して砂糖に塩を混ぜたからといって中和なんか起きるわけないのですが、それを突っ込めるものはここにはいません。 砂糖入れすぎたからといってコーヒーに塩を入れるのも、おそらく世界中で彼女くらいでしょう。 しかし、男は合点がいったという様に納得してしまいます。 男も女の問いに中和だとか答えていたので、恐らく彼も本気で塩と砂糖で中和が起こると考えているのかもしれません。 「それで、どうしたらいいのデスか?私たち,砂糖はそんなにもっていないデスよ?」 二人のリュックの中には砂糖を含むものがほとんど入っていませんでした。 入っていたのは非常食とキャンプ道具、そして大量の水筒だけです。もちろん中身はすべて黒い液体です。 「ジョン、逆に考えるのよ。砂糖はほとんどないじゃなくて、塩なら大量にあるって考えるの」 「確かにそうデスが……ま、まさかヨーコたん!」 「そう。そのまさかよ。塩分を大量に与えて、ゆっくりを砂糖属性から塩属性に切り替えるの。方法はこれしかないでしょうね。 今のままだったら、いずれ自己を見失って確実に死んでしまうわ」 なぜそんな結論を持ってきたのかはわからないうえ証拠も皆無ですが、女はやたらと自信満々でした。 その女の見つけた謎の突破口に、男も大はしゃぎです。 「グッーーー!さすがヨーコたんデース!ジャパニーズ・ドクサラの考え方デスね!」 「アメリカ流で言うなら子羊を盗んでしばり首になるよりは親羊を盗んでそうなったほうがましだ、かしら。とりあえずその通りよ」 二人の言っていることとは、毒を食らわば皿まで、のことですね。 英語で書くとどうなるのか気になる人は、ググって見るとよいでしょう。英語版毒皿を直訳するとヨーコの言っている意味となります。 「じゃあ、ゆっくりを助けるために作業に取り掛かるわよ。暴れるといけないからゆっくりを押さえて口を広げてちょうだい」 「オッケィデース。でも全部は無理デスよ?」 「それは仕方ないわ。水をあげる時に1,2匹抑えててちょうだい」 それからは、ゆっくりたちにとっては地獄の時間となりました。 「がらいよぉぉぉぉ!いだいよぉぉぉぉぉ!」 「我慢してね。あなた達のためなの」 嫌がっているのに無理矢理死海の水を飲まされたり、 「ひぎぃぃぃぃぃ!めが、めがしみい゛ぃぃぃぃぃ!」 「暴れないでくだサーイ!危ないデース!」 口に入れるはずの塩水が目に入ってしまったり、 「ゆぎがいぁぁいぃぁぃぃぃぃ!!」 「おがーざん!ごっじごないでね!やべでべばっ」 あまりの塩の痛みに暴れまわる親ゆっくりが自分の子どもを潰してしまったり。 そして二時間ほど経ったでしょうか。ようやく二人の作業はようやく終了しました。 五匹いたゆっくりはもう、親の二匹を残すのみです。 「ああ、三匹も死なせてしまったわ……。なんてことなの」 「……私達は精一杯やりマシた。二匹生きていただけでも,よくやったというべきデス。さぁ、彼女らの冥福を祈りまショウ」 「ジョン……。そうね、もう死んでしまったものは取り返しがつかないものね」 誰のせいで死んだのかは棚に上げたまま,男は手を合わせ、女は十字を切ります。 その間、彼らの後ろで動くものがありました。そう、あのゆっくりたちです。 女の言っていた治療が功を奏したのか、先ほどよりは多少回復しているように見えます。 「ゆ!いまだよ、れいむ!さっさとにげないところされちゃうよ!」 「で、でももううごけないよ……」 「いまにげないとゆっくりできなくなるよ!がんばって、れいむ!」 「むむむ、わかったよ!れいむがんばるよ!」 そして二人はこそっとそこから立ち去っていきましたが、黙祷をささげていた二人には気付きませんでした。 ようやく二人が目を開けて助けたゆっくりを探しましたが,ゆっくりたちはすでに遠くへ離れてしまっていたので見つけることは出来ませんでした。 「どうしよう、ジョン!あの二匹が見当たらないの!」 「こっちにもいませんでしタ……。たぶん、私たちに礼を言うのが恥ずかしくテ、ひっそりと去っていってしまったのでショウ」 「そう、なのかしら……。彼女たち、元気でやっていけるといいのだけれど……」 落ち込む女に、男は元気付けようとわざと明るく話しかけます。 「大丈夫サ!なんてったって、死の淵から這い上がってきた、ホトケさまのご加護を受けたゆっくりだからネ!」 女も自分を励まそうとしている男の意図に気付いたのでしょう。無理やり不敵な笑みを作って、男に返します。 「ふふっ、それを言うならキリスト様の、ね」 そして二人は互いに肩を寄せ合い、ゆっくりたちの無事を祈りつつ、一緒に笑いあいました。 終わりよければすべてよし。たぶん彼らの中では今回のことは美談として記憶されるのでしょう。ポジティブなのはいいことですね。 ――場面は移って。 そんな謎の加護がかかっているというゆっくりたちはというと,無事に自分達の集落まで辿り着くことができました。 二匹はぼろぼろになりながらも、なんとか生き延びることが出来たのです。 「ゆ!?だいじょうぶ!?みんなしんぱいしてたんだよ!」 二匹に気付いた集落のゆっくりたちが、彼らを心配そうに見ています。 二匹は、みんなに自分達が今までされたことを多少誇張を加えながら話しました。 人間に毒を騙されて飲まされたこと、その後に拷問があったこと、いつの間にか自分の子ども達がつぶされてしまっていたこと…… その内容は、集落に改めて人間への敵愾心と、警戒心を持たせることになりました。 どうせ明日には忘れているんでしょうが。 そして話が終わった後、集落のゆっくりたちは解散することになりました。 二匹は心配してくれたみんなに向かって、感謝の言葉を言います。 「「みんな、しんぱいしてくれてありがとう!ゆっくり――――ってね!」」 とたんに、動きが止まる集落のゆっくりたち。 そしていきなりみんなでその二匹のゆっくりを取り囲みます。 その目には、ぎらぎらと殺気のようなものが見て取れました。 「ど、どうしたの?こわいかおしないでね!」 その様子に二匹のゆっくりは怯え、二匹で寄り添うように体をあわせて震えます。 しかし周りのゆっくり達のさっきは収まりません。他のゆっくりより一回り大きな、集落のリーダー格と思われるゆっくりがずずいと前に出ます。 「さっきいったことを、もういっかいいってね!ゆっくり……なんていったの!?」 二匹のゆっくりは戸惑うように顔を合わせました。しかし、そんなことでみんなが怖い顔しなくなるなら安いもの。 ゆっくりたちは一緒に、感謝の言葉をみんなに言います。 「「ゆっくり――――ってね!」」 「こえがちっちゃいよ!もっとおおきなこえでいってね!」 どうやらまだ許してはもらえないようです。いまだ自分に浴びせかけられる殺気は減るどころか心なしか増えている気がします。 その殺気から逃れたい一心で、二匹はあらん限りの声で,こう叫びました。 「「ゆっくり塩くってね!!!って、え?」」 二匹は自分の出した声に戸惑います。何故こんな言葉を喋っているのか?二匹にはまったくわかりませんでした。 これはすべて塩分過多のせいだったりするのですが,他のゆっくりたちがそんなことをわかるはずもなく。 「ゆゆ!やっぱりこいつらにせものだよ!ゆっくりしんでね!」 「れいむにせものじゃないよ!みんなゆっくり塩くってね!……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!なんでいえないのぉぉぉぉ!!」 「ゆっくりしていってね!もいえないばかなゆっくりはさっさとしんでね!」 「ぶべっ!みんなやべでね!ゆっくりお塩くっておじづいてね!」 もう完全に二匹は塩属性のゆっくりとなっていました。意外にも、女の推測は正しかったようです。 集落のゆっくりたちはその二匹のゆっくりを異分子だと判断し、集団で襲い始めます。 そうなれば二匹はかなうはずもなく。数の暴力に押されて瞬く間に中のあんこ(塩味)をひねり出されてしまいます。 「ぺっ!なにこれ、しょっぱいよ!やっぱりこいつらはにせものだね!」 「ちがうよぉぉぉぉ!でいぶにせものじゃないよぉぉぉぉ!ながみだべないでぇぇぇぇ!」 「ほんとだ!しょっぱくてくえたもんじゃないよ!しょっぱいゆっくりはさっさとしね!」 ゆっくりは必死に説得しますが、塩の体ではそれも聞き届かず。 結局、みんなのリンチにあって死んでしまいました。 二匹は死ぬ間際、自分達がこんな目にあうきっかけとなった人間たちを恨みに恨みました。 ですが、そのころ二人はそんなことなど露知らず、一緒に自分の黒い液体を飲んで優雅なティータイムを送っていました。 自分達が助けたゆっくりのことで会話に花を咲かせながら。 おしまい ――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあとがきーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―――― まーた変なのかいちまいましたね。しかも長い 短編作るつもりだったのになぁ… ~おわび~ 以前ゆっくりハンターの生活とやらを書いたものですが,ゆっくりハンターってほかの人が使ってたんですね…… ゆっくりハンターの人、申し訳ありません。 自分は、ゆっくりハンターの人とは別人です。誤解を招くようなタイトルにしたことを深くお詫び申し上げます。 区別を付けるために、自分のことは味覚障害の人とでも呼んでください。 何故か自分の作るものには舌がイカレているやつが多いので。 これまでに書いた作品 ゆっくりハンターの生活1,2 ゆっくりハンターの昔話 男と女がゆっくりと
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出来た・・・。ゆっくりれいむはゆっくりしながら感慨に浸っていた。 ゆっくりのゆっくりによるゆっくりのための安住の地、ゆっくりハウス。 ゆっくりれいむそのままのゆっくりな外観、 ゆっくりできるのに十分、いやゆっくりにはかなり大きすぎるほどのゆとりあるスペース、 ゆっくりの安全を確保する強度のある壁。 ゆっくりがどうこしらえたのかはさておき、実に完成度の高いゆっくりした住居だ。 「これでゆっくりできるね!」 さっそくゆっくりまりさたちと落成記念ゆっくりと洒落込もう。そう思うとゆっくりれいむは今夜のためのご馳走を調達しに向かうのだった。 たっぷりごちそう(といっても果物程度)をもって帰り、ゆっくりハウスにもどってきたれいむ。しかし戸を開けると、思わぬ先客がいた。ヒトだ。 「おう、ゆっくりさせてもらってんぞ」 「ゆ、ゆっくりしていってね!!」 「そうさせてもらってる、狭いな」 ・・・反射的に挨拶をしてしまったが、これは困った。どうも留守の間に勝手に上がりこんで来たらしい。ゆとりがあるとはいえゆっくり用の住居にヒトが入るとは・・・いや、感心している場合じゃない。 「こ、ここはれいむのおうちだよ!!おじさんはゆっくりできるひと?」 「おーそうかそうか。俺はゆっくりできる人だ。見ての通り、今ゆっくりしてるだろ?」 確かにムカつくぐらいにゆっくりとゴロゴロしてくれている。が、れいむにとってはちっともゆっくりではない。 「いやー住むところがなくてなぁ、今日の寝床はどこにすんのか物色してたらこれだろ?つい入っちゃってなーはっはっは」 勝手に上がりこんでおいて今晩とまらせろとでも言うのだろうか。たまったものではない。落石記念どころか、こんなデカいヒトがギチギチに入っていては一人でも満足にゆっくりできやしない。少々気の毒だが、寝床は他に探してもらうことに・・・。 「お、なんだメシまであるじゃないか。ひとつもらうかな」 「ゆ?!おじさんこれはれいむn・・・」 「まぁまぁまぁまぁいただきまーす。あーん」 そういうとヒトはれいむのもっていたりんごを奪い取り、あっさり口に運ぼうとする。 「おじさんやめて!!それはれいむの!!おじさんのじゃないの!!」 「うっせーなちょっと黙ってろ」 そういうとヒトは片手でれいむの頭・・・もとい体を押さえつけ、もう片方の手でむしゃむしゃとりんごを頬張る。くやしい。しかし、かなわない。 「ゅー!!ゆー!!おじさんひどい!!」 「んー、まぁまぁかな。まだあるみたいだからもらっとくぜ」 「ゆっくりやめてよね!!」 「そうかーゆっくりかー。じゃぁ全部食う頃まで時間をかけて、ゆっくりやめてやるよ。なーんてなハハハ」 れいむはつぶれるかつぶれないかギリギリの圧力に押さえつけられながら、持ってきたご馳走を全部平らげてしまった。 「あー食った食った。ちょっと横になるかぁ」 そういうとヒトはずうずうしく横になる。そのとき。 クシャッ。 ヒトの足元で音がした。 「ん?なんか踏んだか?」 「ゆっ!?」 ゆっくりれいむの大切にしていた、お母さんのリボンが踏んづけられていた。 「なんだゴミか」 「ゆー!!ゴミじゃないよ!!おかあさんのリボンだよ!!」 「へー、そいつぁわるいことしたなーごめんなさーいっと」 もう我慢ならない。勝手に居座られて、ご馳走は食われて、宝物は汚れてしまった。有無を言わさず出て行ってもらうしかない。 「おじさんとはゆっくりできないよ!さっさとでていってね!!」 「んー、ここ悪くないな。決めた。ここ俺の家な。お前でてけ」 「ゆっ?!」 ・・・な、何言ってんだこいつ。 「ここはれいむのいえなの!おじさんのいえじゃないよ!」 「今俺の家になったんだよ。ゆっくりのくせに、自分らの常套句も分からないのか?いつもいってるだろ、勝手に上がりこんでおいて「ここはゆっくりのいえだよ!!」宣言。だから俺もやるの」 「だ、だってゆっくりはゆっくりだもん!おじさんゆっくりじゃないもん!」 「理由になってねーよバーカ。やっぱしょせん餡子ブレインだなこの糞饅頭が」 ここまでコケにされては、もうだまってはいられない。話し合いで決着がつかないなら、力でねじ伏せるまで。ゆっくりれいむは渾身の力をこめて体当たりをした。 「・・・んー、いいマッサージだー。おいおいゆっくり、そんなんじゃおじさんは痛くも痒くもないなー?」 やはりヒトとゆっくりの差は歴然だった。ダメージは皆無だ。そして。 「ゆっくり、よく覚えとけよ。攻撃って言うのはな、」 ヒトが拳を固めると、 「こうやるんだよ」 ゆっくりれいむに向けて、勢いよく振り下ろした。 「・・・ゅー・・・ゅー・・・」 ゆっくりな外観のゆっくりハウスの玄関、体半分がひしゃげロボトミー化したゆっくりれいむが呻いている。なかではヒトが我が物顔で、新しい寝床に満足しながら眠りこけていた。 「自分の家宣言」を逆にしてみた
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ゆっくり。その響きは嫌いではない。 私もどちらかといえばゆっくりした人間であるからかもしれない。 10年ほど前であろうか。 世の中でゆっくり種という謎の生物が発見され、その後爆発的に繁殖したと聞く。 しかし当時それを見たことのない私には、まったく実感の無い話であった。 その数年後、こんなゆっくりした私にも愛する人ができた。 妻と結ばれ、子を授かり、ゆっくりと平凡ながら幸せな生活を送るようになっていた。 丁度その頃に初めて、ゆっくりという生物を目撃した。 そのゆっくりは家族で楽しそうに野原を駆け回っていた。 後で調べたところ、ゆっくりれいむという種別だったらしい。 見た瞬間は正直面を食らった気分になったが、あまりに楽しそうなその姿を見てこちらも和んだ。 散歩に来ていた私と家族は、ゆっくりれいむ家族に食事を分け与え、ゆっくりとした時間を満喫した。 その後は私も妻も育児と仕事に必死で、ゆっくり達と出会う事も無くなっていたが、、 そんな思い出もあって、ゆっくり達に悪い印象は無かったと言い切れる。 しかしさらに数年後のある日。転機が訪れた。 その日は我が子が風邪をひいて寝込んでいたこともあり、いつもより早めに仕事を切り上げた。 栄養のつくもの食わせてやろうと、市場によっていつもより良い野菜と果物を購入して帰宅した。 ……私はただただ、呆然とした。 庭の畑が何者かによってぐちゃぐちゃに荒らされており、その横では妻が倒れていた。 幸い、気を失っているだけということはわかったが、その時点で私は気が動転していた。畑は妻が趣味と実益を兼ねて始めた小規模な物だったが、我が家の大事な食料源でもあった。 その後、無造作に家の扉が開かれているのに気づき、急いで中を確認しに入った。 強烈に悪い予感がした。 ……私はただただ、呆然とした。 4尺はあろうか。 ゆっくり種としては突出して重量感のあるその物体は我が子の寝床でドスンドスンと激しく跳ね続けていた。 「ゆっくりしようよ! ゆっくりしようよ!」 巨大なゆっくりれいむが大きな声でそう言っていた。 ……私はただただ、呆然とした。 その寝床には風邪をひいて高熱で倒れた我が子が横たわっていたはずだ。 私は寝床の上で跳ねているその物体に全力で体当たりし、寝床の上からどかした。 「れいむになにするの! ゆっくりできないひとはでていってね!」 その物体が何やら抗議してきたようだが、私の耳には入ってこなかった。 ……私はただただ、呆然とした。 我が子はやはり寝床で横たわっていた。息も絶え絶えに。 「ぜんぜんゆっくりできないよ! おうちかえる!」 そう言った巨大なゆっくりれいむはいつの間にかどこかへ消えていった。 ……私はただただ、呆然とした。 その後落ち着きを取り戻すまでは時間がかかった。 妻が起きてきた所でハッと我を取り戻し、医者を呼んだ後に妻に事情を聞くことにした。 曰く、突然巨大な物体が大事な畑を荒らしているのに気づき、それを阻止しようと畑にでて口論になったところ、その物体に体当たりを食らわされて失神してしまったらしい。 ゆっくり種の体はやわらかい。しかしあれだけ重量感があれば話は別だ。 あんなのに体当たりされたり、上で飛び跳ねられたら…… 大の男ならまだしも、女子供は命が危ないことは明白である。 そして事実……我が子は事切れてしまった。 医者は間に合わなかったが、間に合っても手の施しようは無かったかもしれない。 数日もすると、事実に耐えられなくなった妻は気をおかしくしてしまい、当分実家で預かってもらうことになった。 私もしばらく茫然自失となり、職を解雇されるまで至ってしまった。 そんな私がゆっくり種を憎む側の人間になるのに、さほどの時間はかからなかった。 しかし時として好機は来るものである。 近くの山にゆっくり加工所が開設されたのである。 私はそこの日雇いから入り、事あるごとに研究所に顔を出し、ゆっくりの生態について学ばせてもらった。 それから5年の月日が経ち、私はゆっくり加工所の研究員として活躍するに至っていた。私はこの5年間、ゆっくり種についての知識だけをひたすら溜め込んだ。 たった1つの目標のためなら、どんな事も苦にならなかった。 その中で、例の巨大なゆっくりれいむについてわかったことがある。 明らかにゆっくりとしては規格外のその巨体は、やはり突然変異的な物である。 環境汚染か、相当な悪食だったか、その辺りの理由が重なって産まれてきた、 生まれながらにしての巨体。 あんな化け物は恐らくこの地域には他にいないであろうことも予想できた。 そんな化け物の餡子はとてもじゃないが人間の食事に出すことなどできない。 何が混ざっているかわからない、極めて粗悪な餡子であるという仮説もたった。 日々研究を続けていた私も、ついに運命の出会いを迎えることになった。 野生のゆっくり種の生態調査のために出かけた山中で見つけた巨大な洞窟の中にゆっくりの巣を発見した。 遠目に見てもわかる。身の丈4尺はあろう、ゆっくり種としては突出して重量感のあるその物体。 あの日から一時として目から離れなかった醜悪な光景。 忌まわしき巨体がその子供達と思われる小さいゆっくり達と共に、ドスンドスンと跳ね続けていた。 子供達は通常のサイズな辺り、やはり突然変異なのか。 「ついに……見つけた……!」 私の本能が反応した。間違いなく奴であろう。 この時私の浮かべた笑みは、傍から見れば薄気味悪い事この上なかったであろう。 職場に戻るや、私は研究準備のため1週間の休暇を願い出た。 5年間土日もまったく休まずに研究を続けていた私が、である。 私の上長は急な願いにも関わらず、快く休暇を与えてくれた。 その日は早めに仕事を切り上げ、加工場で不要になった餡子を分けてた後に、早速先ほどの洞窟に向かった。 「ごめんくださーい、ちょっと中でゆっくりさせてもらいますよー」 私は洞窟の入り口でそう告げると、ゴザを広げて座りこんだ。 「「「ゆっ!?」」」 相変わらず洞窟の中を跳ねている子ゆっくり達が反応し、サッと親ゆっくりの後ろに隠れてしまった。 「おじさんだれ? ゆっくりできるひと?」 「ここはれいむたちのおうちだよ。 ゆっくりできないひとはでていってね!」 「ゆっくりできるひとなら、たべものをもってきてね!」 いきなり食料の要求ときた。しかしそんなことは想定済みである。 その時ふと例の巨大な親ゆっくりが声をかけてきた。 「おじさん、どこかであったことある?」 私は心底慌てたが、なんとか取り繕う。 「ははは、初めてだよー。キミ、すごくおおきいねー。」 我ながら白々しいが、ゆっくりには充分だったようだ。 「えっへん」 褒められていると思ったようだ。皮肉もこめたのだが全く通用するわけもない。 しかし、その愚かな点も今はありがたい。さらに追い討ちをかけることにした。 「さあどうぞ、甘くて美味しいよ! ゆっくりたべていってね!」 工場で分けてもらった餡子を取り出し、地面にぶちまけると、母ゆっくりの後ろに 隠れていた子ゆっくり達が、目にも見えない速さで食いついてきた。 「うっめ、メッチャうっめ、これ」 「むーしゃ、むーしゃ」 「はふはふ、あまあま」 気づけば、一番疑っていた親ゆっくりが我先にと餡子に食いついている。 餡子の正体を知れば少しは動揺するのだろうか。それとも理解すらしないだろうか。 「おじさん、いいひとだね!」 「ゆっくりしていってね!」 「これおいしいから、もっといっぱいもってきてね!」 完全に気を許したようだ。しっかり食料を要求する辺り、どうにも分かり合えない気もしたが、もはや分かり合う必要も無いであろう。 日も落ちてきてそろそろゆっくりの行動時間もわずかだ。 早く計画を実行したい私は少し強引ながら、次の行動に移った。 「でもごめんね、ここではあんまりゆっくりできないんだ。おじさんがゆっくりできる所があるから、そこに行ってゆっくりするよ。」 「ゆっ!?」 「ゆっくりできるの!?」 「ゆーっ!ゆっくりしたいよ!」 「つれていってー!つれていってー!」 ありがたいことに、まんまと乗ってきた。 私はゆっくりれいむ一家を我が家に招待し、畑で取れた野菜を煮物にして食べさせてやった。 隠し味には少々睡眠薬を盛ってやった。明日からが楽しみである。 翌日。 寝室にいた子ゆっくり達が目を覚ました。 「「「ふぁー、すっきりー」」」 随分と熟睡されたようで何よりである。 「お? 起きたようだね。寝心地はどうだったい?」 心底どうでもいいのだが、一応軽く声をかけてみると反応が返ってきた。 「「「おじさんだれ?」」」 ……これだ。 ゆっくりを飼っている愛好家達はどうやって主人の事を覚えさせたのであろう。 あるいは強い心的外傷でも与えてやれば、嫌でも忘れられなくなるのであろうか。 私がこやつらの親ゆっくりを一時でも忘れたことが無いように。 邪悪な気持ちが噴出してしまう前に話を進めなければならない。 「おじさんはね、君達のお母さんのお友達だよ。」 「「「……ほんとに?」」」 今のこやつらにとって、私は初見の人間でしかなくなったためか、やはり警戒されている。面倒なことこの上ない。 「本当だよ。今はお母さんが食べ物を探しにいっているからね。戻ってくるまで、ゆっくりしていってね!」 その言葉に子ゆっくり達の体はピクンと反応し、強張った表情も一瞬にして氷解した。 「ゆっくりー!」 「ゆっくりまっているね!」 「おじさんもゆっくりしていってね!」 単純で扱いやすい。 食や住処への異常な貪欲ささえ見せないでくれれば、かわいい愛玩動物になり得るのかもしれない。 しかし今はその貪欲さを利用させていただく。 まずは食べ物を与えて手懐け直す必要があるため、私は子ゆっくり達の食事を用意した。「うっめ、メッチャうっめ、これ」 「むーしゃ、むーしゃ」 「はふはふ、あまあま」 まったく意地汚い。もっとゆっくり食せばいいのに。 一通り食べ終わってゆっくりしている子ゆっくり達の警戒心が薄れている内に、さらなるゆっくりを与えてやることにした。 「ところで君達、もっとゆっくりできる所があるんだけど、行ってみるかい?」 加工場に勤務する者にとって、もはや常套句である。しかしそれゆえに効果は高い。 警戒心の無くなった子ゆっくり達の反応は異常に速かった。 「もっとゆっくりできるの!?」 「ゆーっ!もっとゆっくりしたいよ!」 「とっととつれていってね!」 どうしてこうも苛立たせるのか。これに関しては天賦の才能なのであろうか。 しかし、私は苛立ちを押さえ、とっとと畑の一角に子ゆっくり達を案内してやった。 「さあ、ここが新しいおうちだよ。これからはずっとここでゆっくりしていってね!」 私が一晩かけてこやつらのために作った、ゆっくりれいむを模った特製の小屋である。 「ゆーっ!」 「おかあさんにそっくりー!」 「いっぱいゆっくりしていくね!」 予想以上の大好評。作った甲斐があるという物だ。感謝の言葉のひとつもないが。 子ゆっくり達は早速家に駆け込むと、すやすやと眠りについた。 それも仕方ない。満腹な上にゆっくりを保障された空間が確保できたのである。 自画自賛になってしまうが、この子ゆっくり達がこれ以上ゆっくりできる空間は他には無いと断言してもいいだろう。 ……何せ母親の胎内なのだから。 昨晩、ゆっくり一家を眠らせたあと、一晩かけて親ゆっくりの体に手を加えた。 体内につっかえ棒を埋め込み、口内に一定のスペースを保てるようにした。 舌も下あごに固定し動かないようにした。おそらく喋ることも適わないだろう。 仕上げに口には扉を設置した。ゆっくりハウスの完成である。 ……ここまでやっても目覚めないことに、むしろこちらが戸惑ったのであるが、それは余談である。 やや突貫工事となってしまったが、おかげで安心してゆっくりできる環境を子ゆっくり達に提供してやることができた。 事実、子ゆっくり達はゆっくりハウスの中で「ゆー……ゆー……」と寝息を立てている。 ……一方の親ゆっくりは子供達を飲み込んでしまわないように必死であろう。 子ゆっくり達が親ゆっくりの口内に入っていく瞬間の親ゆっくりの表情は私の心に爽快感を与えてくれた。こんな気分は何年ぶりだろうか。 その夜は前日の徹夜の影響もあり、久々にゆっくり眠ることができた。 翌日、また子ゆっくり達が騒ぎだした。 母が帰ってこない、食事が無い、と。 実際は母は身近にいるし、食事も新しい住居の内部にあるのだが…… しかしまだまだ子ゆっくり達にはゆっくりハウスでゆっくりしていただきたいので 仕方なく食事を与えることにした。 「おじさんだれー?」 ……またか。 「ここはれーむたちがみつけたおうちだよ!ゆっくりできないひとはかえってね!」 ……いい加減にしろ。 「いっしょにゆっくりしたいなら、はやくたべものをもってきてね!」 ……この場で踏み潰してやりたい。 しかし再び湧き上がる邪悪な気持ちを、ここで発散してしまっては台無しである。 私はゆっくりハウスを作る際にできた副産物を、今日も振舞ってやった。 「うっめ、メッチャうっめ、これ」 「むーしゃ、むーしゃ」 「はふはふ、あまあま」 昨日今日と与えた食事は餡子である。 人間が食すには粗悪すぎる餡子だが、ゆっくり達には気にならないようだ。 子ゆっくり達の食事量を考えれば2~3日分になるであろう量がとれた。 あまり取りすぎては親ゆっくりが死んでしまうので、最小限にとどめたのだが、 それにしてもこの量である。 無駄に巨大な親ゆっくりが私の役にたった唯一の瞬間であろう。 食事をするのを見届けた後、私は家に戻ってゆっくり休暇を満喫することにした。 その後、しばらくして子ゆっくり達がまた騒ぎ出した。 「おかあさん、どこー?」 「おかーさーん、はやくかえってきてね!」 「おうちでいっしょにゆっくりしようよ!」 食事中はすっかり忘れていたであろう母親の事をようやく思い出したのであろうか。 まったく薄情な奴らだ。 母親はこやつらのために何も食せず頑張っているというのに。 さらに翌日。 ゆっくりハウスにヒビが入っていることに気がついた。これはまずい。 子ゆっくり達を野原で遊ばせて、ゆっくりハウスの補修作業を行う事にした。 といっても、干からびない程度の水を与えるだけなのであるが。 あまり早く親ゆっくりが死んでしまっては興ざめである。 もっとゆっくりと苦しんでいただきたい所存であるのだから。 夕方になると子ゆっくり達が帰ってきたので、家に残っている最後のゆっくり餡子を振舞った。 もうこれ以上こやつらに何かを与えてやる気はない。 その後2日間、私は家の戸締りを厳重にした上で、家の中から隠れてゆっくり達の行動を観察していた。 母がいなくなり、食事がなくなった子ゆっくり達。 年長であろう姉ゆっくりが年少のゆっくり達をはげましているが、だんだん疲弊してきたことは手に取るようにわかった。 しかし少しすると、ゆっくりハウスの中から、何か喜んでいる声が聞こえてきた。 どうやら、ゆっくりハウスの中に存在していた餡子に子ゆっくり達が気付いたようである。 おそらくはゆっくりハウスの内部にヒビが入って漏れ出したのであろう。 おかげで親ゆっくりは痛みに耐えるようなすごい形相になってきている。 外から観察している私にとっては、非常に興味深い展開となってきた。 親ゆっくりは極度の飢餓状態に加えて、内部から餡子が漏れ出したことにより、意識が朦朧とし始めているようだ。 子ゆっくり達はそんなことなどまったくしらずに餡子にむしゃぶりついているようだ。 さらには体躯の左右バランスが悪くなってきている。 おそらく餡子流出の影響で体内に入れたつっかえ棒も倒れ、その意味を成さなくなっているのであろう。 親ゆっくりはもはや精神力のみでゆっくりハウスの形状を保っているのだ。 ゆっくりハウス崩壊の時はゆっくりと着実に近づいていた。 そしてその日の夕飯時に、ついにその時は来た。 子ゆっくり達の「「「いただきまーす」」」の声。 「うっめ、メッチャうっめ、これ」 「むーしゃ、むーしゃ」 「はふはふ、あまあま」 いつもの食事風景が終わって半刻ほどしたところで、それは起きた。 ガタン! ゆっくりハウスが縦につぶれ、口の部分の扉がひしゃげてはずれてしまった。 つっかえ棒なしで口の中のスペースを確保し続けることに、限界がきたのであろう。 親ゆっくりももはや気力が尽きていたようである。 1週間何も食していない親ゆっくりの口に閉じ込められる子ゆっくり達。 「ゆ? ゆゆーっ!?」 「くらいよ、ゆっくりできないよ!」 「はやくだしてよ! もっとゆっくりしたいよ!」 もう親ゆっくりは、こやつらを自分の子供なんてことは認識できていないであろう。 そして親ゆっくりは本能の赴くまま、口内の物体を食しはじめた。 「うっめ、メッチャうっめ、これ」 「むーしゃ、むーしゃ」 「はふはふ、あまあま」 久しぶりの食事を、涙を流しながら咀嚼する親ゆっくりれいむ。 悲しいほどに幸せそうである。 固定されていた舌も先ほどの衝撃の際に動かせるようになっていたのであろう。 畑の一角にはもはやゆっくりハウスの跡形はない。 ただ1匹の巨大なゆっくりれいむがゆっくり食事を楽しんでいるだけであった。 「ゆ゛ぐう゛ぅ゛!?」 「や゛め゛でえ゛え゛え゛え゛え゛!!」 「お゛があ゛ざん゛だずげでえ゛え゛え゛え゛!!!」 口内から何が起こっているかもわからない子ゆっくり達の悲鳴が聞こえてきたが、程なくしてその声も弱まっていった。 「むーしゃ!むーしゃ!ごっくん」 「しあわせー!」 親ゆっくりは相変わらず涙を流しながら、1週間ぶりの食事を堪能したようである。 それを見て、私の中で燻っていた邪悪な気持ちが昇華されたような気がした。 翌日、一週間の休暇を有意義に過ごした私は、いつもより早めに加工場へ出勤した。 あらたに手を入れなおしたゆっくりハウスを台車で運ぶためである。 栄養も与えてやり、肌艶ももどってきた。餡子も補充してやった。 おかげで過去の記憶があやふやになっているようだが、どうせ記憶力などは必要無い。 さしたる問題はないであろう。 私はこれをゆっくり加工場の新商品として、さらに機能を高めていこうと考えている。 私と同じようにゆっくりに辛い目に合わされた人間の気持ちを晴らすためにも。 これは害ゆっくり種の駆除にその青春を捧げた1人の男の戦いのドラマである。
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このページには、ゆっくりいじめ系251~500まで一覧となっています。 作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 250以前および501以降につきましては下記から。 ゆっくりいじめ.250 ゆっくりいじめ.750 ゆっくりいじめ.1000 ゆっくりいじめ.1250 ゆっくりいじめ.1500 ゆっくりいじめ.1750 ゆっくりいじめ.2000 ゆっくりいじめ.2250 ゆっくりいじめ.2500 ゆっくりいじめ.2750 ゆっくりいじめ.3000 ゆっくりいじめ.3250 ゆっくりいじめ.3500 ゆっくりいじめ系251 ゆっくりえーきの生涯(前編)制家 ゆっくりいじめ系252 ゆっくりえーきの生涯(後編)虐性 ゆっくりいじめ系253 ゆっくりまりさとないた赤鬼 後編虐そ無 ゆっくりいじめ系254 素敵な箱虐環薬無 ゆっくりいじめ系255 ゆっくりのっとっていくね制環家共無 ゆっくりいじめ系256 猟ゆっくり虐そ無 ゆっくりいじめ系257 ほほえみの村_1そ家性環捕 ゆっくりいじめ系258 ほほえみの村_2そ家性環捕 ゆっくりいじめ系259 ほほえみの村_3そ家性環捕 ゆっくりいじめ系260 ほほえみの村(永琳の報告書)そ環 ゆっくりいじめ系261 大好き!ゆっくり魔理沙_1虐環性家無 ゆっくりいじめ系262 大好き!ゆっくり魔理沙_2虐環性家無 ゆっくりいじめ系263 くろすゆっくりそ無外 ゆっくりいじめ系264 幻想郷のみにくい生き物虐そ家料無 ゆっくりいじめ系266 ケシの実2制薬無 ゆっくりいじめ系267 愛の劇場 -背徳の饅頭-そ性無 ゆっくりいじめ系268 後のまりさ虐性 ゆっくりいじめ系269 雪中のゆっくり前編制無 ゆっくりいじめ系270 ゆっくりスイーツ(笑)虐無 ゆっくりいじめ系271 ゆ民虐共料無 ゆっくりいじめ系272 出産ゆっくり_1虐家無 ゆっくりいじめ系273 出産ゆっくり_2虐家無 ゆっくりいじめ系274 れみりゃの帽子そ家捕 ゆっくりいじめ系275 妖怪とゆっくり虐そ家 ゆっくりいじめ系276 ゆっくりコルホーズ虐制環性無 「ゆっくりいじめ系277 ゆっくりのあねきィィ!は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系278 永夜緩居― 二匹のゆっくり_1虐そ環家 ゆっくりいじめ系279 永夜緩居― 二匹のゆっくり_2虐そ環家 ゆっくりいじめ系280 ゆっくり達の奮闘記制家無 ゆっくりいじめ系281 冬眠ゆっくりの子守唄そ環性家 ゆっくりいじめ系282 ゆっくり踏み虐家薬無 ゆっくりいじめ系283 山でゆっくり虐制家 ゆっくりいじめ系284 花屋の娘制無 ゆっくりいじめ系285 ペロ・・・これは・・・ゆっくり虐制家料無 「ゆっくりいじめ系286および287は作者さん要請により削りました。by管理人」 ゆっくりいじめ系288 ピタゴラゆっくり2虐機無 ゆっくりいじめ系289 詰め替えゆっくり虐環無 ゆっくりいじめ系290 崩壊ゆっくりずむ虐そ ゆっくりいじめ系291 原点回帰虐家捕 ゆっくりいじめ系292 ゆっくりの守護者虐制無 ゆっくりいじめ系293 愛はゆっくりすれ違うそ性 ゆっくりいじめ系294 ドスまりさ1そ ゆっくりいじめ系295 ドスまりさ2虐制性共 ゆっくりいじめ系296 まりさの誕生 1虐家 ゆっくりいじめ系297 中に俺しかいませんよ虐無 ゆっくりいじめ系298 まりさの誕生 2制家無 ゆっくりいじめ系299 強制ゆっくり虐制家環性無 ゆっくりいじめ系300 天井のゆっくり虐家環無 ゆっくりいじめ系301 ゆっくりゃかわいがり(笑)虐無 ゆっくりいじめ系302 ゆっくりになった男虐家無 ゆっくりいじめ系303 ゆっくりCUBE虐家機 ゆっくりいじめ系304 ゆっくりと男制環家料無 ゆっくりいじめ系305 まりさの誕生 3そ共 ゆっくりいじめ系306 ゆっくり改造職人のお話 前編虐そ無 ゆっくりいじめ系307 ゆっくりの思い込み制捕無 ゆっくりいじめ系308 ゆっくり達の夏そ家無 ゆっくりいじめ系309 ゆっくりれいむのぎゃくしゅうーハシノシター虐家捕無 「ゆっくりいじめ系310 ゆっくりと青い石_後は作者さんの要請で削除されました。」 「ゆっくりいじめ系311 Killer -scarlet- queenは作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い虐性無 ゆっくりいじめ系313 ゆっくり家族とエターナルフォースブリザード制家無 ゆっくりいじめ系314 まりさの誕生 4 まりさの幸せそ ゆっくりいじめ系315 夏のとあるゆっくり虐環無 ゆっくりいじめ系316 虐待おねーさん制家無 ゆっくりいじめ系317 ケロちゃんカナちゃんのラブラブ生活そ家性 ゆっくりいじめ系318 ドスまりさの誕生 5 ドスまりさの最期虐性 ゆっくりいじめ系319 ゆっくり競馬虐捕無 ゆっくりいじめ系320 雪中のゆっくり後編虐制家機無 「ゆっくりいじめ系321 東方玄精阿は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系322 ゆっくりボール虐道無 ゆっくりいじめ系323 ゆっくりハンターの生活虐家無 ゆっくりいじめ系324削除 ゆっくりいじめ系325 因果応報ご用心虐そ性家 ゆっくりいじめ系326 因果応報ご用心_2虐そ性家 ゆっくりいじめ系327 ゆっくりのすくつ虐家無 ゆっくりいじめ系328 ドスまりさの誕生 番外編1 多分こんなこともあったかもしれない制共 ゆっくりいじめ系329 都会派と甘い罠虐性無 ゆっくりいじめ系330 電子生命ゆっくり誕生そ制捕無 ゆっくりいじめ系331 ゆっくりゆゆこを餓死させてみた虐家機捕無外 ゆっくりいじめ系332 大会に行こう! そして、それから…虐家無 ゆっくりいじめ系333 ドスまりさの誕生 番外編2 多分こんなことがあったかもしれない制共 ゆっくりいじめ系334 ドスまりさ暗殺虐無 ゆっくりいじめ系335 ドスまりさの誕生 番外編3そ性家 ゆっくりいじめ系336 ゆっくりアリス愛の劇場-4虐家性 ゆっくりいじめ系337 あるドス魔理沙の記録虐 ゆっくりいじめ系338 ゆっくりの因果_1そ性家 ゆっくりいじめ系339 ゆっくりの因果_2そ性家 ゆっくりいじめ系340 ゆっくりダイビング虐環無 「ゆっくりいじめ系341 Yukkuri Genocider DOSは作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系342 優しいお母さんゆっくり_1虐そ性家 ゆっくりいじめ系343 優しいお母さんゆっくり_2虐そ性家 ゆっくりいじめ系344 ゆっくり調教虐無 ゆっくりいじめ系345 ゆっくり塊魂虐 ゆっくりいじめ系347 孤独のゆっくりゆゆこそ共捕 ゆっくりいじめ系348 ゆっくりのある生活虐そ家共捕料無 ゆっくりいじめ系349 ゆっくり研究してね!そ ゆっくりいじめ系350 ゆっくりアリスの撃退記録制性家 ゆっくりいじめ系351 臭い付きゆっくり!(上)虐無 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり虐制無 ゆっくりいじめ系353 ゆっくりボール3虐環無 ゆっくりいじめ系354削除 ゆっくりいじめ系355 ゆっくりハンターの生活2制無 ゆっくりいじめ系356 ある可能性虐性無 ゆっくりいじめ系357 ゆっくりボール3-2虐環捕無 ゆっくりいじめ系359 踏みにじられた花虐共 ゆっくりいじめ系360 ゆっくり野球虐そ道無 ゆっくりいじめ系361 ゆっくりVSブロントさん虐家無 ゆっくりいじめ系362 ユロンブスの卵虐無 ゆっくりいじめ系363 ゆっくりプリン虐家共無 ゆっくりいじめ系364 ゆっくりれてぃの生活虐捕 ゆっくりいじめ系365 ゆっくりボール3-3虐制無 ゆっくりいじめ系366 ゆっくりハンターの昔話_1虐制家無 ゆっくりいじめ系367 ゆっくりハンターの昔話_2虐制家無 ゆっくりいじめ系368 ゆっくりメーリン制家捕 「ゆっくりいじめ系369 ゆっくりと青い石_DCは作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系371 ゆっくり虐待選手権01虐性家無外 ゆっくりいじめ系372 ゆっくり手品虐家共無 ゆっくりいじめ系373 ゆっくり虐待選手権02虐性家無外 ゆっくりいじめ系374 親の心子知らず、子の心親知らずそ性家無 ゆっくりいじめ系375 ゆっくりボール4虐家捕無 ゆっくりいじめ系376 ちゃりおっとで一本虐制無 「ゆっくりいじめ系377は作者さん要請により削りました。by管理人」 ゆっくりいじめ系378 ゆっくりと大根制無 ゆっくりいじめ系379 鏡を知らないきめぇ丸虐制無 ゆっくりいじめ系380 公衆便所ゆっくり※年齢制限内容を含むため、本文は外部ページ ゆっくりいじめ系381 ゆっくり駆除委員会虐家無 ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話制 ゆっくりいじめ系383 畑番めーりん制そ ゆっくりいじめ系384 永夜緩居[ゴミクズ]_1虐そ環家性 ゆっくりいじめ系385 永夜緩居[ゴミクズ]_2虐そ環家性 ゆっくりいじめ系386 永夜緩居[ゴミクズ]_3虐そ環家性 ゆっくりいじめ系387 ゆっくりの越冬(アクシデント編)虐家捕 ゆっくりいじめ系388 おしくら虐性共 ゆっくりいじめ系390 ゆっくりリグルそ道 ゆっくりいじめ系391 論破制家無 「ゆっくりいじめ系392 お兄さんの生活は作者さんの要望で削除しました。」 ゆっくりいじめ系393 ゲンフェス制無 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸制 ゆっくりいじめ系395 タイル虐家無 「ゆっくりいじめ系396 みんなのゆるフ1は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系397 臭い付きゆっくり!(下)虐環 ゆっくりいじめ系398 ゆっくりの形をした生き物_プロローグそ無 ゆっくりいじめ系399 ゆっくりまりさ爆破って楽しいねヒャッホーイ制家無 ゆっくりいじめ系401 びりゃーど虐家道無 ゆっくりいじめ系402 ゆっくリズム虐無 ゆっくりいじめ系403 ゆっくり横とび虐無 ゆっくりいじめ系404 ゆっくりできない町虐そ 「ゆっくりいじめ系405 みんなのゆるフ2は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系406 それいけ! ゆっくり仮面制無 ゆっくりいじめ系407 波乗りまりさ(平穏編)虐環無 ゆっくりいじめ系408 ゆっくりまりさの水上生活虐そ環家無 ゆっくりいじめ系409 きれいなれいむ虐無 ゆっくりいじめ系410 ゆっくり焼き土下座(前)_1制環 ゆっくりいじめ系411 ゆっくり焼き土下座(前)_2制環 ゆっくりいじめ系412 必殺コンボ?虐 ゆっくりいじめ系413 ゆっくりフルフォース_1?虐制環共料性家無 ゆっくりいじめ系414 ゆっくりフルフォース_2?虐制環共料性家無 ゆっくりいじめ系415 ゆっくりフルフォース_3?虐制環共料性家無 ゆっくりいじめ系416 ゆっくりフルフォース_4?虐制環共料性家無 ゆっくりいじめ系417 ドスまりさ暗殺 mission-Ⅱ虐無 ゆっくりいじめ系418 大乱交!ゆっくりファミリー虐性無 ゆっくりいじめ系419 かわいいかわいいゴミクズ決定戦虐 ゆっくりいじめ系420 ボナンザそ無 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん虐制 ゆっくりいじめ系422 ゆっくりCUBE2虐環機 ゆっくりいじめ系424 ゆっくりの歌虐家 ゆっくりいじめ系425 三匹が死ぬ虐そ共 ゆっくりいじめ系426 ゆっくりぱちゅりぃ2虐共 ゆっくりいじめ系427 原点回帰っぽく虐無 ゆっくりいじめ系428 ゆっくり花火虐そ道無 ゆっくりいじめ系429 ゆっくり合戦虐家無 ゆっくりいじめ系430 少年と戯れるゆっくり_1虐性家無 ゆっくりいじめ系431 少年と戯れるゆっくり_2虐性家無 ゆっくりいじめ系432 少年と戯れるゆっくり_3虐性家無 ゆっくりいじめ系433 私のゆっくり虐制性無 ゆっくりいじめ系434 親とは?前編制家無 ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありすそ家無 ゆっくりいじめ系436 ゆっくりみだら1そ家性無 ゆっくりいじめ系437 ゆっくりゼルとゆっくりーテル虐料無 ゆっくりいじめ系438 ゆっくりみだら2そ家性無 ゆっくりいじめ系439 仲良し家族制家無 ゆっくりいじめ系440 親とは?中編制家無 ゆっくりいじめ系441 ゆっくりと理科実験虐機無 ゆっくりいじめ系442 ゆっくりみだら3そ家性無 ゆっくりいじめ系443 ゆッカー虐そ道 ゆっくりいじめ系444 ゆっくり整形手術制家無 ゆっくりいじめ系445 親とは?後編虐制家共無 ゆっくりいじめ系446 ゆっくり研究してね!赤ちゃん食い研究虐環家無 ゆっくりいじめ系447 無限ループ制制家共無 ゆっくりいじめ系448 ディスコミュニケーションそ無 ゆっくりいじめ系449 あるゆっくり姉妹の話そ家 ゆっくりいじめ系450 あれから○年虐そ環無 「ゆっくりいじめ系451 つゆっくぽえむは作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系452 表札制家共 「ゆっくりいじめ系453 ゆっくりふらんを殴り倒すは作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系454 ドスまりさのお仕事(前編)そ ゆっくりいじめ系455 ドスまりさのお仕事(後編)制 ゆっくりいじめ系456 昔の遊び虐 ゆっくりいじめ系457 ゆっくり戦争虐外 ゆっくりいじめ系458 ゆっくりみだら4そ性無 ゆっくりいじめ系459 色つきゆっくりの結末虐 ゆっくりいじめ系460 旦那さんだってすっきりしたいんだよ制性 ゆっくりいじめ系461 まさかの時のゆっくりしていってね!!制性 ゆっくりいじめ系462 虐待お兄さんプロフェッショナル虐家 ゆっくりいじめ系463 ゆっくり競泳制 ゆっくりいじめ系464 森に魚を求める虐家無 「ゆっくりいじめ系465 ふらん拘束鞭えろ攻めは作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系466 ゆっくりに激しいぼうこうを加えるお話虐 ゆっくりいじめ系467 ゆっくりFaithそ ゆっくりいじめ系468 弓っくりそ ゆっくりいじめ系471 俺とゆっくりの話 1そ 「ゆっくりいじめ系472 農家ちぇんいじめは作者さんの要請で削除されました。」ゆっくりいじめ系473はデッドリンクのため一時外しました。by管理人 ゆっくりいじめ系474 ゆっくりにっく_1そ ゆっくりいじめ系475 ゆっくりイクと俺虐 ゆっくりいじめ系476 永夜緩居[胎動]_1そ ゆっくりいじめ系477 永夜緩居[胎動]_2そ ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦)そ環 ゆっくりいじめ系479削除 ゆっくりいじめ系480 ストーキング虐 ゆっくりいじめ系481 うーパックとゆちゅりー虐制家無 ゆっくりいじめ系482 ゆっくり仮面の憂鬱~邪悪な心~_1制 ゆっくりいじめ系483 ゆっくり仮面の憂鬱~邪悪な心~_2制 ゆっくりいじめ系484 鬼意さんVSドス 1虐 ゆっくりいじめ系485 鬼意さんVSドス 2虐性 ゆっくりいじめ系486 鬼意さんVSドス 3_1制 ゆっくりいじめ系487 鬼意さんVSドス 3_2虐 ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます制 ゆっくりいじめ系489 ゆっくり焼き土下座(中)_1制 ゆっくりいじめ系490 ゆっくり焼き土下座(中)_2制 ゆっくりいじめ系491 まんじゅう女房虐 ゆっくりいじめ系492 レミリアと森のゆっくり_後編その1※年齢制限内容を含むため、本文は外部ページ ゆっくりいじめ系493 ゆっくりペットショップ制無 ゆっくりいじめ系494 ゆっくりミックス制無 ゆっくりいじめ系495 ゆっくり腹話術(前)制無 ゆっくりいじめ系496 落ちたゆっくり虐無 ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた虐無 ゆっくりいじめ系498 色違いのれいむ制無 ゆっくりいじめ系499 ゆっくりアイス虐無 ゆっくりいじめ系500 ゆっくりみだら5虐無
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『ゆっくり地に還れ』 四日前、私の所有する農場がドスまりさを有する 大規模なゆっくりの群れに襲撃を受けた。 農場を任せている管理人の報告を受けて慌てて駆けつけると そこには千を超える飢えたゆっくりの大群が 苦悶の声を上げながら農場中でひしめいていた。 たいした下調べもせずに『巨大な人間の畑』という事で襲ったのだろう ゆっくりどもには未知の植物だったのだろうが、この農場では『綿花』しか育てていない。 群れは期待していた餌にありつけず ドスや側近のぱちゅり種を罵倒しながら 共食いを始める寸前まで飢えている様子だった。 だが饅頭の事などどうでもいい、私の目に映ったのは つい先週、視察に訪れた時には広大な農場中に整然と並んでいた綿花が 薄汚い饅頭どもに「ぺっ!たべられないくささんはゆっくりしねっ!」等といわれながら 踏まれ、手折られ、蹂躙され尽くしている光景だった。 今でこそ私は、ほかにもいくつもの農場を所有・経営している。 その中では、この農場は大規模ではあるが大して利益を上げては居ない。 高価な果物を育てている果樹園や、羊毛の取れる牧場に比べれば ほんの微々たる収益しか上げていない。 だが、ここは私にとっての唯一の『原点』だったのだ。 両親を亡くし、いじけて自堕落に生活していた私に 早世した両親や先祖が残してくれた土地を、遊ばせて置くのも勿体無いと 後見人に強引に勧めらて渋々開墾を始めたのがまだ十代の頃 ここは土壌が悪く、乾燥しているので 手間をかけて育てられる植物を探し、いろんな人の知恵を借りて綿花を育て始めた。 莫大な財産を食いつぶしながら、ダラダラと生きていた私が 初めて沢山の人の手を借りながら、初めて成功させたのが…この畑だ。 高齢だった後見人が、幾許も無い余命に焦りながらも 私と共に奔走し、死の床で誇らしげに笑い語った農場だ。 そんな農場が…無残に荒らされている。 怒りの余り、意識が遠のく 憎悪や殺意すら沸かない、私を襲うのは途方も無い疲労感だけ。 速やかに加工場に連絡を取り 加えて近隣のゆっくりハンター、我が家の使用人たち、 そして何処からか現れて無償で手伝ってくれた数十人の自称『虐待お兄さん』という謎の人物とともに ほぼ丸一日がかりで農場を完全包囲し、『一匹も逃がすことなく』群れに壊滅的な打撃を与えたのだ。 長いといえば長く、短いといえば短い戦いが終わり 加工場の職員やハンターたちが謝礼を受け取って帰った後 私は使用人たちにある『作業』を命じた。 私自身も使用人らと共に、鍬を振るい 誰よりも必死に作業に没頭した。 『作業』の後、使用人たちには、この農場を『一年間閉鎖』する事にした旨を伝えた。 皆戸惑いを隠せないようだったが、当面の生活費となるだろう臨時給与と 人里近くの果樹園での再雇用を約束すると、納得して帰っていった。 今農場に残っているのは、(頼んでも居ないのに)何故か嬉々として『作業』を手伝ってくれた 『虐待お兄さん』達だった(心なし人数が増えている気がする) 農場全体を見渡せる場所で佇む、私と『虐待お兄さん』達 口を開くものは誰一人居らず 皆一様に、風に聴き入っている。 虐待お兄さんの中には陶酔した表情で涙を流す者も居るようだ。 私は閉じていた瞼を開き、夕日に染まる農場を一望する 数日前まで幻想卿でも最大規模の綿花畑だった眼前に広がる広大な敷地 今、この大地には 無数のゆっくりが『生きたまま』埋められている。 乾いた大地に隙間無く敷き詰められた苦悶の表情 この地域特有の砂塵混じりの風に乗って 饅頭たちの苦痛・飢餓・憎悪・悔恨・絶望と怨嗟の声が絶えることなく響いている。 ―――嗚呼、コレはまるで 地獄の風景ではないか――― 真っ赤に染まる大地を瞼に焼付けて、私は農場に背を向ける この地は年間を通して雨が降らない 食べるものが無いため、獣は愚か鳥すらも近づく事はない。 この地を埋め尽くす饅頭どもは、雨に打たれて溶け朽ちる事も無く、 外敵に命を奪われる事も無く、ただ風に吹かれて枯れ朽ちていく。 これから一年 ココに訪れるのは、私だけだ。 埋設する際に与えた固形栄養剤は、ゆっくりを飲まず食わずで一月生かすと言う。 私はこの地を後にする 一月後の再訪を誓いながら、真紅の地獄に背を向ける。 「貴様らは…苦しめ 花も咲かせず、実も種子も結ばず――不毛の荒野の地に還れ。」 私の口から漏れた呟きが、風に乗って届いたのだろうか 一際激しい叫びが、背後で大気を振るわせた 「「「「「「「ゆ゛ っ゛ ぐ り゛ ざ ぜ で ぇ゛ ぇ゛ ぇ゛ ぇ ゛ぇ゛ ぇ゛ ぇ ゛!!!!!!! 」」」」」」」 END スレで土からはえるゆっくり、というネタが投下されていたので思わず描いてしまいました。 なんか微妙な出来になったかもですが…というかキモい文になった気がしますが、ご容赦の程を… さておき、みなさん聴いてみたくありません? れいむ・まりさ・ぱちゅり・ありす・ちぇん・みょん・らんしゃま・etc… 無数無尽の膨大な数のゆっくりの悲鳴と絶望の調和…… 多数のゆっくりを時間をかけて虐待するSS…もっと増えるといいなぁ…(邪笑) このSSに感想を付ける
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ゆっくりいじめ系3251 まりケツの魔力やゆっくりいじめ系3252 れいぱーありすと本当の愛に登場する人物が再登場しますが、読んでも精神が汚染されます。 「 」はゆっくり、『 』は人間のセリフです。 独自設定(ガバガバ)があります。 あたおかな人間が登場しますが、因果応報の部分がありますのでご注意ください。 チート性能のゆっくりが登場します。 汚い話でごめんねー! すまない…またなんだ… みょんの朝は早い。 早朝の人通りの少ない時期。捕食種もいないこの時間帯は野良ゆっくりたちの狩りの時間だ。狩りといってもゴミを荒らすだけなのだが みょんは、いつもの散策ルートを駆け抜ける。十字路を抜け、公園の近くまで行くと、公園の向かい側のゴミ収集場にいつもの糞袋がもぞもぞしているのを発見した。 「あいつらまたいるみょん。やっつけるみょん」 そしてみょんは、はくろーけんを口に咥えると、全速力で糞袋たちの方に突入した。どすん!どすん!どすん!! 「ゆぎゃあああああ!!!!」「こわいのじぇええ!!」「くそにんげんさんたすけてぇええ!!」「おねがいしますぅうううう!!!」 「うるさいみょん!ここににんげんさんはいないみょん!とっとときえるみょん」 そう言って、みょんは、ゆっくりたちを蹴散らしていく。 「いだいぃいい!」「ゆ”っ…」「おかあさまぁあ!」 一匹まりちゃを踏み潰したような気がするが、収集場から糞袋たちが退散した。 「ふん、これでもうここらはあんぜんになったみょん。あとは、このへんののらをぜんめつさせるだけだみょん」 みょんの朝の仕事は、街に住む野良ゆっくりの駆除である。最初に野良を逃がしたのは、彼女らの居場所を突き止めるためだ。 みょんは、こっそり逃げていく糞袋のあとを追う。実際のところ、ゆっくりは基本的に鈍いので、真後ろにいても気が付かないこともよくあるが、一応念のため距離をあけていた。 糞袋たちは、公園から少し離れた路地裏に入っていった。 「ここ、このあいだくじょしたばしょみょん。またすみついてるみょん」 みょんは、数日前に駆除をした路地裏へと入る。路地裏の中腹に一つ、行き止まり付近に一つ、行き止まりの塀に沿って一つ、それぞれ段ボール箱のおうちがあるのを発見した。 「きりがないみょん…さっさとおわらせるみょん」 みょんは、はくろーけん…ではなくペーパーナイフのようなものを取り出し、咥える。そして、手前の段ボールハウスの入り口に向けて駆け抜け、一気に切りつける。 「みょんっ!」 「「ゆぎゃっ!!」」 おうちの中にいた糞袋2体は、あっけなく切り裂かれ動かぬ饅頭となった。 続けてみょんは、行き止まりに向けて駆け出す。行き止まり付近のおうちには、まりさとれいむ、2匹の子であるまいちゃが暮らしていた。 れいむは元飼いゆっくりであったが、子どもを作ることを飼い主に禁止されたことに反発し、げっとわいるどの挙句、まりさと知り合い、2分間の大恋愛の末、即合体。 こうして、2匹の子であるまいちゃと慎ましやかではあるが、ゆっくり暮らしていた、とかいうテンプレを嫌ったみょんに即切り裂かれた。 「てんぷれすぎてあきるみょん!さっさとしぬみょん!」 「まりさまともにしょうかいされてないのぜえ!もぶさんのまま、しにたくないのぜえええ!!」 「れいむちゃんとしょうかいされたよ!れいむ、かわいくってごめんねー!」 「まいちゃをたしゅけろおお!このくしょおやぁぁ!」 各々に好き勝手なことを言い残して滅された一家を尻目に、みょんは最後のおうちに標的を定める。 「これでおわりみょん」 路地裏のゴミを狩ったみょんは、ゴミ袋にゴミを詰め、収集場に持っていった。 「みょん…つぎのぽいんとにいくみょん」 立ち去ろうとしたみょんに『おー。みょんか。お疲れさん!』と声がかかる。 振り向くと、加工所の制服を着た職員がいた。 「おはようだみょん」 『ああ、おはよう。こっちも早起きして来たつもりだったが、また先を越されたなあ。これ以上早く来ても給料でないし、まあいいや』 「にんげんさんもいろいろたいへんだみょん」 『人手不足だからな。この業界もいろいろあんだよ。特にこの街ではな』 みょんに加工所業界の事情など分かるはずもないが、とりあえず適当に相槌を打つ。 『加工所所属でもないお前が何でゆっくりハンターを続けてるのかは知らんが、最近この辺の事情がキナ臭いから注意しておけよ』 「わかったみょん。さっきのろじうらは、このまえかりをしたところみょん。さいきん、ごみがふえるのがはやいみょん」 『予算不足で忌避剤が撒けないんだよなー。それにしても数日は早いな。一応上には報告しとく』 「ありがとうみょん」 みょんは、加工所の人間と別れると、街の中心にある大きな公園に向かった。公園には、ゆっくりの餌となる雑草が大量に生えている。これを狙って沢山の野良ゆが集まってくるのだ 「きょうは、ゆっくりできそうだみょん」 ベンチの上に寝転び、目を瞑りながら、これからのことを考える。 まず、野良ゆが多く集まるポイントを把握し、迅速かつ確実に一網打尽にする。一斉駆除のような人海戦術は使えないので、いかに効率的に駆除を行うかがキモとなる。「う~ん…」 しばらく悩んだ後、あるアイデアを思いつく。 「そうだみょん!みんなまとめてぱくっといってしまえばいいんだみょん!」 みょんは、はくろーけんを手に取ると、勢いよく飛び上がった。 みょんが向かったのはこの公園の長の家。ドア(笑)を叩き割り、侵入すると、長をはくろーけんで切り捨てる。そして、長のおかざりを奪い、自ら被った。 長に変装したみょんは、公園のゆっくり達をすべて公園の中央に集める。 「きゅうにみんなをあつめてどうしたのぜ?」 「きっとおさはだいじなはなしがあるんだねー わかるよー」 「でいぶにさっさとあまあまもってこい!!」 ワーワー言っている糞袋達をみょんはじっと観察する。考えるのは効率的な狩り方。そして腕が立ちそうなものの位置を把握し、シナリオを構築する。何事もリスク管理は大事だ。 そして、方針が定まったみょんは、集まったゆっくり達に、一気にはくろーけんを振り下ろしていく。 「「「ゆぎゃっ!!?」」」 「「「ゆぴぃっ!?」」」 「さっさとしぬみょん!」 「「「ぐぎゃっ!!」」」 「「「ゆげぇっ!」 急に偽物の長に襲撃された糞袋達は成すすべもなく切り捨てられた。 「まりささまをかばえっ!!」 「まりささまにちかづくなぁ!!」 「どぼじて、まりささまをきるのぉ!!」 数匹のまりさが勇敢にも立ち向かってきたが、いずれも瞬殺された ほかにも抵抗したものはいたが、ペーパーナイフに武器を切り替えたみょんの前には無力であった 10分後、全ての糞袋を滅したみょんは園内の清掃をしていた。 「みょん♪みょん♪みょん♪♪」 予定よりも早く事が済んだのでみょんはご機嫌だ。気分よく掃除を終わらせ、公園を出る直前に『ヒャアア!!お前なかなかやるじゃねーか』と声がかかる。 「みょん?」 みょんが振り向くと、目の前にはモヒカンヘアーの男。全く気配を感じることができなかったみょんは一瞬動揺するも、すぐに立ち直る。 「こんにちはみょん」 『おう。それにしてもさっきのお前のアレ、すごかったぜ。あんなにアクロバティックに動いてるゆっくりは久々だ!』 「どういたしましてだみょん?」 『褒め言葉として受け取ってくれ。てか、そもそもお前は何者なんだ?』 「みょんは、みょんだみょん。ゆっくりはんたーだみょん!」 『ゆっくりハンターか。飼いゆっくりっぽいし、飼い主の趣味だろうなあ。飼い主はこの辺にいないのか?』 「おにーさんはおうちにいるみょん!」 『本当はいろいろ聞きたいことはあるんだが、用事があってな。また機会があったらあの動き見せてくれ』 「わかったみょん!」 モヒカンは満足そうにすると、一瞬でどこかに飛び去ってしまう。みょんも次の獲物を求めて歩き出す。 その日の夜、加工所の職員が街の見回りを行っていた。 『最近、野良ゆっくりの活動が盛んになってるらしいから気をつけろよー 普通の野良じゃないような報告も上がってるからな』 『ゆっくりハンターも巡回してるようだし大丈夫じゃないですか?』 『それでもだよ。最近は色々と物騒だからな。というか、ゆっくりハンターに頼りすぎるのもどうなんだって話だ。こちらの存在意義がなくなるからねえ』 『そうですけども。ゆっくりハンターってなんであんな強いんですかね』 『そんなの知るか。希少種じゃなくても、たまに変な性能を持っているやついるだろ。そんな感じだろ』 『よくわかんないです…』 「みょん?」 『うおっ、噂をすれば』 偶然通りかかったみょんが反応する。 「みょんがどうしたみょん?」 『いや~何でそんなに強いのかって話』 「みょんはただのゆっくりだみょん。かこうじょのどうぐをつかってるみょん」 『やっぱあの武器は加工所製か。飼い主の趣味で作れる代物じゃないからな』 『それにしても、”ただのゆっくり”の概念が…』 「ところで、さっきのはなしみょん。ふつうののらじゃないってどういうことだみょん?」 『ああそれか。それなんだが、普通の野良よりも耐久性が高くて繁殖が早いやつらが現れたっていう噂だ。俺は見たことないが情報提供がされてる。まあ眉唾物だけどな』 「ふーん。どんなゆっくりみょん?」 『なんか赤い帽子をかぶってるそうだぞ』 「ありがとうみょん」 『おう。気をつけて帰れよー』 『じゃあなー』 みょんはその場を離れ、再びあの路地裏に向かう。 路地裏につくと、そこにいたのは糞袋、ではなく、知り合いの行商ちぇんだった。 「そこにいるのはみょんなんだねー ひさしぶりなんだねー」 「ひさしぶりだみょん。ちょうしはどうみょん?」 「しょうばいあがったりなんだねー わかれよー」 「なにかあったみょん?」 みょんと行商ちぇんは野良時代からの長い付き合いである。行商ちぇんは、当時放浪の旅をしていたみょんが必要とする道具を用意してくれた非常にありがたい存在であった。もちろん代金はそれなりに取られたが 別の街まで遠征し、各所に隠れ家を作っているという噂であり、裕福であるイメージがあったが、商売あがったりとは一体どういうことなのか ちぇんは不満げに語りだす 「さいきんのらのちょうしがおかしいんだねー なかなかかいわがつうじなくなってるんだねー わかってねー」 「もともとかいわなんてつうじないみょん」 「もっとつうじなくなってるんだねー しょうばいにならなくていらいらするんだねー わかれよー」 「まあまあみょん、おちつくみょん」 「わかったねー でも、このろじうらがおかしいんだねー わかるよー」 「みょん?とりあえず、ここをはなれるみょん」 「わかるよー」 路地裏の入口まで引き返す2匹。人間もまばらな夜なので、特に蹴り飛ばされる心配もないし、れみりゃに襲われても粉砕するのは容易い。 「ろじうらのなにがおかしいみょん?」 「さいきん、よるにへんなおとがきこえるってはなしだねー へんなおとがするのはここだけじゃないけど、おとがするところののらはかいわがつうじなくなってるんだねー」 「おと?」 「ちぇんは、げんいんをみつけるためにいろいろさがしてるんだねー はやくみつけないとしょうばいできないんだねー わかってねー」 「でもここにはなにもいなかったみょん。べつのところをさがしたほうがいいみょん」 「たぶんここなんだねー ここがいちばんおとがおかしいんだねー わかるよー」 「みょん…あしたまたくるみょん」 「きょうもきてるはずなんだねー」 「みょん!?…」 「ほら、そこなんだねー うしろにいるんだねー」 行商ちぇんの指差す方向、路地裏の奥には、確かに何かがいた。もぞもぞとする何かがそこにはいたのだ。しかしそれは一瞬にして消えてしまう。その光景を見たみょんは確信した 「やっとでてきたみょん!」 「ゆわぁぁああ!!どぼぢでばれてりゅのおおお!?」 普通にれいみゅだったのでハズレだった。でも、さっきは誰もいなかったはずなのに、何故こいつはわいてきた… みょんはれいみゅを潰すと、おかざりを行商ちぇんに渡す。行商ちぇんは臭そうにしながらも受け取った。 「はずれなんだねー あしたまたくるんだねー」 「もうはずれはこないでほしいみょん…つぎはきっとみつかるはずだみょん」 「がんばるんだねー じゃあみょん、さようならだねー」 「さようならだみょん。じゃあみょん」 2匹のゆっくりは解散する。 そして次の日の夜、路地裏にて。 「やっぱりいないみょん」 「おかしいねー どこいったんだろうねー わからないよー」 「わからないみょん。でも、あそこになにかいたのはまちがいないみょん。たぶんきしょうしゅだみょん」 「きしょうしゅあいてだとたいへんなんだねー」 「きしょうしゅはほかくするひつようがあるみょん」 「またあしたくるんだねー」 そして3日目の夜 みょんと行商ちぇんが路地裏に向かうと、奥の方で何か大きな影がうごめいている。何やら激しく動いており、甲高い音が鳴り響いている 「これなんだねー かなりやばいおとなんだねー」 「いったいなにがいるみょん…?」 みょんは、ペーパーナイフを咥え、おそるおそる路地裏を進む。そして相手との間合いを詰めると、一気に相手のもとへと突入する 姿がはっきり見える位置まで進み、みょんが相手の方を見ると… そこには… 全裸の男が必死にまりさのケツを叩いている現場であった。 「み、みょおおおん!?」 みょんは急停止する。みょんの声に男も気が付いたようで、驚いた様子でこっちを見てきた。 「に、にんげんさん。いったいなにをしてるみょん?」 男は落ち着きを取り戻した。 『どうも。俺は、まりさのケツを叩いていたんだ。別に変質者じゃないよ』 「どうみてもへんしつしゃだみょん。やばいみょん…」 『いや~警察とかはやめてほしいなあ。せっかくの執行猶予中なんだから』 何と言ってよいかわからないみょん。後ろから行商ちぇんがやってくる 「なにがいたんだねー だまってないでおしえるんだねー わかれよー」 「これがすべてのげんきょうだみょん。このにんげんさんのせいで、いろいろゆがんだみょん」 「だいぶさがしたんだねー」 『元凶って何!? 俺、数日前まで拘置所だったんだけど。何が起きたかは知らないけど、無関係だよ』 「じゃあなんでここにいるみょん!」 『いや~それは~ちょうどよい隠れスポットだなあと思って』 「たぶんちがうんだねー いろんないみではずれなんだねー わかるよー」 「はずれだみょん。たぶんにんげんさんのせかいのゆがみだみょん。けいさつよぶみょん」 『警察はゆっくりできないからやめてね!』 泣きそうになる男。交番までは少し距離がある。どうしようかと悩むみょんに男が提案する。 『じゃあ、俺が渾身のまりケツ叩きを披露するから、それで手打ちはどうだ』 「いみがわからないみょん」 『そんなこと言うなって。見てみろ。これが俺のライフワークだ』 「よくわからんみょん」 そう言いながらも、とりあえず見ることにしたみょん。行商ちぇんも、興味津々の様子である。 男は、自分のバックパックの中から取り出したのは… 赤い帽子だった。 「これ、だうとみょん!めっさだうとだみょん!」 数日前に加工所の人間から教えられた情報はたぶんこいつだ。執行猶予中に何をやっているんだ。行商ちぇんも、びっくりしている。 「すごいひとだねー あれはれあなおぼうしだねー」 『ああ、これは確かにレアな帽子だ。まりさの変種の帽子そう手に入らないぞ?』 「むかしにみつけたことがあるんだねー なつかしー」 『まあ、これで許してくれよ。頼むよ。俺が悪かったからさ。ほら、ケツを叩くよ?いくぜ!!』 男はちぇんに帽子を渡すと、両手を振り上げながらまりさに向かって走り出す。そして全力でまりさの尻を叩いた!! 「ぴぎゃあ!!」 まりさと男の体が宙に舞う。そして地面に激突した。 「はげしすぎるんだねー」 「あまりにもひどいみょん」 『イエエエエエアアアアアア!!』 落下した痛みに目もくれず、ひたすらケツを叩く男 「ぴぎゅあ!!!」 1人と1匹は再び地面を転がる。そして、壁にぶつかる。 「もうやめるみょん」 みょんは止めに入った。だが、それを止めたのは行商ちぇんであった。 「ちょっとまつんだねー ここからがほんばんなんだねー」 「どうみてもあたまおかしいみょん!みてるみょんまでおかしくなるみょん!」 『ふぅ…なかなかいいケツだ…』 「だめだみょん…」 「おもしろいひとだねー でも、じんせいおわってるんだねー」 『ありがとう…君たちのことは忘れない…』 「すぐにでもわすれたいみょん」 起き上がり、息を調える男。そして、奇妙なポーズをとる 「まさかみょんたちもおそうみょん!?」 すると、男はポカンとしながら 『まりさのケツ以外興味ないよ。ここからがメインパートだ!』 再びまりさに飛び掛る男。 「ぴきゃあ!」 1人と1匹はまた吹っ飛んだ。今度はみょんの頭上を飛び越えて行った。 『はぁはぁはぁはぁ…』 「はやすぎなんだねー ついていけないんだねー」 跳躍しながらもケツを叩き続ける男の姿はもはや芸術の領域に達していた。 『あー気持ちー』 男は満足そうに言う。 「ぜんぜんきもちよくないみょん…」 辟易するみょんであったが、確かにあの人間の腕裁きは素晴らしい。一糸乱れぬ動きは、ゆっくりハンターであるみょんにとって、参考になるものであった。非常に不快ではあるが…。 『はぁはぁはぁ…ふう』 「そろそろしんでほしいみょん」 『よし、次行くぞ!』 「まだやるのかみょん!?」 『おうともさ』 「にんげんさん、たのしそうだねー」 行商ちぇんは、新たなビジネスを思いついたようで嬉しそうにしている。 男はまた奇妙な体勢をとり、まりさに語りかける 『よおまりさ、元気か?』 「どおみてもげんぎなわげないでしょおおおお!?」 ケツが腫れ上がったまりさがウネウネ動きながら抗議する。 『そうか。それは残念だ』 「まったくざんねんそうじゃないみょん」 『じゃあ、次は俺の番だ』 「いみわからないみょん」 『いくぜえ!!』 男はバックパックから取り出したのは、赤い帽子だった。さっきのものよりも大きめだ 「まだもってるみょん!?」 『この帽子は俺の大切な宝物なんだ。だから大切に使わせてもらうぞ』 「だからいみわからないみょん」 『さあ、こいよまりさ。俺はお前のことなんか、何とも思ってねえ。ただのケツ太鼓だ。俺が好きなのはお前のケツだ。遠慮なく叩かせてもらおう』 「なにいってるのぜ!やめるのぜええ!」 『さあ、来い!さあ!!』 「いやあああ!!」 まりさの絶叫が響く中、男とまりさの気持ち悪い死闘が始まった。 「なにやってるんだみょん…」 呆れるみょん。だが、戦いを見守るうちに、男のケツ叩きに魅入られている自ゆんがいることに気付いた。 「すごいみょん…なんでこんなにうまいんだみょん?」 みょんは気付いたのだ。彼のケツ叩きの極意を。 『うおおおお!!』 男のケツ打ちは、まりさを宙へ打ち上げていた。 「す、すごすぎるみょん…」 そして男は着地と同時に振り向き、再び尻を叩く。 『まだまだあああ!!』 「ゆべええええええ!!」 「こいつ、できるみょん!!」 みょんは感動していた。あの男の動きを自分のものにしたいと。 『うりゃあ!』 「ゆべっ!」 『おりゃあ!!』 「びぎゅあ!!」 そしてついに決着がついたようだ。 『そろそろ終わりだ!さっさとゆごくにイゲエエエ!!』 男が思いっきり振りかぶり、まりさのケツにクリーンショットをかます。 「ゆびょおおおおおおおお!!!」 まりさの身体は勢いよく上にぶっ飛び、そのまま爆散した。汚らしい餡子が周囲に撒き散らされ、みょんたちに襲い掛かる。 みょんは、軽やかに餡子を避けつつ、はくろーけんで塊を弾き飛ばした。 「とってもくさいんだねー わからないよー」 何ともいえない表情で行商ちぇんが文句を言う。しかし、どういう訳か、ちぇんには全く餡子はかかっていない 「そのからくりをおしえてほしいみょん…」 「きぎょうひみつなんだねー わかってねー」 一方、まりさをぶっ飛ばした男は、餡子まみれで仁王立ちをしたまま動かない。 「にんげんさん、だいじょうぶかみょん?」 『…』 返事がない。どうやら意識を失っているようだ。 男はしばらく気絶しているようだったが、やがてゆっくりと動き、みょんに話しかけてきた。 『あーびっくりした。あまりの衝撃で死んだかと思ったよ。ところで君、誰?見たことないけど……』 「みょんはみょんだみょん。さっきからずっといたみょん」 『え…?あーそっか。うん。わかった。』 (絶対わかってないみょん) 『それで、君は俺を助けてくれたのか?』 「まあ、そうみょん(めんどいからそういうことにしとくみょん)」 『ありがとう。助かったよ』 「みょんは、ゆっくりはんたーだみょん。さいきんこのへんがあぶないから、ぱとろーるしてたみょん。でもいちばんあぶないのとそうぐうしたみょん」 『この辺も治安が悪くなってるのか。そうか…俺も気を付けなきゃなー』 (いちばんあぶないのはこのにんげんだみょん…) 能天気な男に呆然としつつも、 「じゃあみょんはもうかえるみょん」 「ちぇんもかえるんだねー」 『そうか。夜も遅いから用心しろよ。達者でな!』 みょんと行商ちぇんは、路地裏をそそくさと離れた。あんな変質者といてもロクなことにはならない。 近くの公園につくと、みょん達は解散した。 「じかんをそんしたきぶんだみょん…」 「ちぇんはおぼうしをてにいれたから、もうかったんだねー みょんはけっこうみとれてたんだねー」 「さすがにえるものよりも、うしなうもののほうがおおいみょん。もうこりごりみょん」 そして男はというと… 『ふう、さて俺も帰るか。あれ、なんで全裸なんだ?』 驚いた男が振り返るとそこにはいつもの警察官。 『ちょっと君さあ、何回言えば分かるの?刑務所に行きたいのかい』 『どおしてお巡りさんがここにいるのおお!?』 「どうして、じゃないよ。最近この辺は変な音が聞こえるって通報が多くなってるんだよ。やっぱり君だったよ」 『俺、今日しかいないっすよ。最近やっと拘置所から出たんだから。執行猶予取り消されちゃうから逮捕はやめてね!』 『だめだ。今回もちゃんと連れてく』 『ごべんなさいいい!俺が悪かったんですううう!!許してください!!!』 『いや、来なさい』 『許してくれないとぷくーするよ!ぷくーー どおしておまわりさんいなくならないのおおお! ゆんやあああ!!』 こうして今日も町には平和が戻ったようだ。 たぶん。
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※善良なゆっくりが出てきますが、虐待成分ほとんどありません ※舞台はゆっくりが出現してからしばらく経った現代です ※ネタ満載です。石を投げないでください ハチノコ獲り式ゆっくりの捕まえ方 「~♪」 森の中を、鼻歌交じりで一人の男が歩いている。 彼は、ある生き物を獲りにこの森へとやってきたのだ。 「ゆっゆっゆっ」 彼の耳に、かすかな鳴き声が聞こえてくる。彼は、耳を澄ますと、足音を立てないようにその音のする方へと近づいていった。 そして、彼はある茂みのところで足を止めた。気配を押し殺して、感づかれないようにそっと向こうを覗き込む。 すると、そこにはバスケットボールくらいの紅白饅頭がもぞもぞと動いていた。 「むっしゃ♪むっしゃ♪しあわせ~♪」 胸糞悪くなるような声で歌いながら、その紅白饅頭は、俺が見ていることにも全く気づかずにもぞもぞと動いていた。 どうやら、食事の真っ最中であるようである。それを確認すると、俺はポケットの中に入れておいたチョコレートを茂みの向こうに投げ入れると同時に、頭を引っ込めた。 「いいにおいがするよ!もっとゆっくりするよ!」 「おかしがあるよ!いいにおいがするよ!これでれいむももっとゆっくりできるね!」 そう言いながら、その饅頭は、俺の投げ入れたチョコレートを食ってくれたようである。なんて低脳。曲りなりとも野生生物なんだから、もう少し警戒しろよ。 だが、しかし。この事実は俺にとっては最も望んでいた結果でもある。 計画通り。 そう心の中で、某死神ノート漫画の主人公のような笑みを浮かべる俺。しかも、あのド饅頭のやつ「れいむも」なんて言ってやがった。どうやら、こいつはつがいらしい。 その事実は、俺の心をいっそう高ぶらせる。なんて幸運…!なんて僥倖…!ざわ…ざわ… 俺は、このド饅頭…ゆっくりが好きなのだ。特に、家族もちや出産直前のゆっくりが好きなのだ。もう、様々な意味で。 ゆっくり。突如出現した謎の饅頭生命体にして史上最悪の害獣。 異常なまでの繁殖能力と自分こそが生態系の頂上に立っていると信じて疑わない思い込みの強さ、自己の本能に忠実という性格を持つこの生物は出現してからあっという間に人里への 被害を出し始めた。 その主なものは、農作物の食害と人家への不法侵入および器物損壊である。ひたすら荒らした挙句の果てに「ゆっくりぷれいす」などとほざき、その場所の占有権を主張するのである。 その態度にむかついた人間達によって、即座に害獣認定されて駆逐されるようになるまでそうたいした時間はかからなかった。 その後の研究で、ゆっくりにはさまざまな種類があるということ、その全ての体組織が饅頭そのものであること、それらは食用として適していること…などが判明する。 そのため、ゆっくりの研究機関および処理・食品加工所としての機能を持つ「加工所」や、ゆっくりに対する様々な製品を開発・販売する企業、駆除を専門とする業者が次々に現れることとなる。 それは、この国のあり方と食糧事情を変えるものとなった。 ある者は食料や楽しみとしてゆっくりを狩り。 ある者は癒しとしてゆっくりを求め。 ある者は労働力としてゆっくりを欲した。 俺? 俺はもちろんその全てさ! 秘書兼メイド兼番ゆっくり兼ペットとして希少種のゆっくりさくやを飼っているし、ゆっくり回し車で発電し、ゆっくりコンポストで生ゴミ処理して、ゆっくり農場で作物を栽培している。 その上、こうやってゆっくり狩りに来ているんだしね! しかも、ゆっくり商品を開発している企業の社員なのさ! 閑話休題 紅白饅頭…ゆっくりれいむがその場から居なくなると、俺はおもむろに立ち上がってかけていたメガネのフレームについている小さなボタンを何回か押す。 すると、眼鏡のレンズの上に薄い緑色に発光する文字や線と、赤く発行する点が表示された。 まるで頭脳は大人体は子供の某探偵漫画に出てくるようなこのメガネは、特別行政法人ゆっくり狩人組合公認ゆっくりハンターに支給される特別品である。 その名も、ゆっくりレーダーという。 公認ゆっくりハンターはその性質上、巨大に成長・進化したゆっくり…通称ドスゆっくりを討伐・捕獲する任務や、大量発生したゆっくりを殲滅する任務を請け負うことがある。 その際に、目標の位置や周囲の地形情報などを逐一確認しながら行ったほうが効率がよいということで、この眼鏡が開発されたのである。 MAPWやABC兵器などという大量破壊兵器が開発されているこの時代、現代兵器とゆっくりではその彼我戦力差は明らかなのだが人力が推奨されているのには理由があった。 まず、現時点において世界中でゆっくりが出現した国や地域はこの国しかないこと。 ゆっくりの生息地域は山岳・森林地帯から街中まで広がっているため、おいそれと現代兵器を使うわけにはいかないこと。 後は、対外的な国の政策やこの国で最大かつ最強の戦力を保有する団体のいろいろな大人の事情があったためである。 それに、結局のところ様々な地形に対応し任務を遂行するのに最適なものは人力なのである。ご先祖様は遥か有史以前からそうやって文明を発展させてきたのだからね。 そうこうしているうちに、赤い点がゆっくりと移動しているのが視界に入ってきた。後は、この点を追いかけていけば、あのゆっくりの巣へとたどり着くはずである。 俺は、ボタンを押して、周囲の地形情報と目標までの距離、目標までのナビゲーターを表示して移動を開始した。 しばらく移動すると、あのゆっくりと思しき声がかすかに聞こえてきた。 ここからは、気配を殺して少しずつ移動することにする。一気に距離をつめてゆっくりを捕獲、拷問して巣まで案内させた後一網打尽にする方法のほうが簡単かつ手っ取り早いのだが、それで はこの狩りの方法を選択した意味がない。狩りの過程を楽しむことも、ゆっくり狩りの楽しみの一つであるのだから。 息を殺して、匍匐前進をしながらゆっくりに近づいていく。気分はまるで某潜入アクションゲームの主人公である。大佐やオタ知識満載の科学者はいないけどね。 時計に目をやると、すでに時刻は午後3時を回っていた。そろそろ帰巣しないと、ゆっくりの足では暗くなるまでに巣にたどり着けない。 夜の森は、ゆっくりにとっては恐怖に満ち溢れた世界である。ゆっくりれみりゃやゆっくりふらんといった肉食で飛行可能な種族の狩りの時間だからである。だから、たいていの通常種のゆっくり は、夕方までには帰巣して辺りが暗くなるとゆっくり眠りにつく。そして、日が昇るとゆっくり起きて活動を開始するのだ。 そういった習性と現在時刻から、このゆっくりも帰巣すると予想した俺は、そのままあとをつけて行った。 10分ほど移動すると、ゆっくりれいむは一本の大木の前で止まった。そして、ひとしきり周囲を確認した後、大木に開いた大きなうろの中へと入っていった。 それを見届けた俺は、足音を殺してゆっくりとそれに近づく。 そばまで近寄ると、立派なクヌギの根元に大きな穴が掘ってあるのを俺は見つけた。 落ち葉や小枝で入り口はカモフラージュされているものの、そのつくりは雑でここに何かがいますよと言わんばかりであった。まぁ、ゆっくりは知能が低いし、これでも十分なのかもしれないが。 さて、ここからは時間との勝負だ。暗くなるまでに捕獲を済ませて森を出なければならないのだ。少しでも遅れると、捕食種が捕獲したゆっくりを狙って襲撃してくる可能性が高いからである。 俺は、背負っていたデイパックの中から、捕獲用ゆっくり袋と発煙筒を2本取り出した。そして、発煙筒2本を着火させる。そして、煙を上げているそれをおもむろに巣穴の中へと突っ込んだ。 巣穴から立ち上る煙が二本。 んー、そろそろかなー?俺がそう思っていると、巣穴からゆっくりたちがあわてて飛び出してきた。みな一様に体から鼻水と涙とよだれをたらしている。どうやら発煙筒の刺激は強すぎたらしい。 次々にゆっくりを捕獲用ゆっくり袋の中に詰め込んでいく。 袋がいっぱいになったので、それの口をしっかりと縛ると、次の袋を取り出してゆっくりを詰めていく。 逃げ惑うゆっくりをみて、俺は口笛で「盆回り」を吹きながら楽しそうに袋に詰めていく。 「ほう、これはこれは」 最後に出てきたゆっくりをみて、俺はにやりと嫌らしい笑みを顔に浮かべた。なんと、そのゆっくりれいむからは蔦が伸びており、その先にはプチトマトくらいの大きさの赤ちゃんゆっくりが実って いた。大きさからするに、そろそろ出産が近いようである。 俺は、赤ちゃんゆっくりを潰さないように気をつけながら別の袋の中に詰め込む。 結局、ゆっくりを詰めた袋が五つできた。これだけの大家族、早々お目にかかることのできるものではない。 大漁に気をよくした俺はそれを見て満足そうに叫ぶ。 「ゆっくり獲ったどーーーーーー!!!!!」 嬉しそうな俺とは対照的に、ゆっくり達はこの状況に混乱しているようだった。 「このままじゃゆっくりできないよ!」 「めがー!めがー!!」 「ゆ”ゆ”ゆ”」 「おがあざんぐるじいよぉー!」 うるさい。俺がせっかく嬉しさをかみ締めているのに邪魔をする無粋な饅頭達だな。 少し黙らせるために、俺は魔法の言葉を叫んだ。 「ゆっくりしていってねっ!!!!!!」 「ゆっくりしていってね!」×多数 「お「さて、これから君たちのことを組合に連れていきたいと思います!静かにゆっくりできない子はその場でお兄さんが食べてあげるから、そのままゆっくりしていってね!」 テンプレどおりの会話が嫌な俺は、そう言い放つと、手首に着けていた腕輪のボタンを押してゆっくり達の入っている袋に向ける。 すると、袋が光の粒子となってその腕輪の中に吸い込まれた。 この腕輪も公認ゆっくりハンターに支給されるもので、NTと呼ばれている。約四メートル四方のものなら、何でも中に収納できるこの腕輪は、ゆっくり狩りのみならず、ハンター達の日常生活にも有 効活用されていた。 全て袋が吸い込まれたのを確認して、俺は巣穴の中を覗き込む。すっかり煙が消えた巣穴の中は静まり返っていた。 「ゆっくりしていってね!」 巣穴の中に向けて俺はそう言った。 しーん。 地面に耳をつけて耳を澄ます。 音はまるで聞こえない。 それを確認した俺は服についていた土ぼこりを払いながら立ち上がった。本来ならば、この後は巣穴の処理を行うのだが、今回は任務ではなく趣味のゆっくり狩りである。それに、たとえゆっくりが中に 残っていたとしても、今回のことで人里には迷惑をかけないだろうし、今後生き残っていけるかどうかも怪しい。そう判断した俺は、その場を立ち去った。 小一時間後 俺は町にあるゆっくり狩人組合の出張所の前にいた。 中に入ると、受付嬢の「いらっしゃいませー」という声が聞こえる。 「いらっしゃいませ。今日は何か御用ですか?」 胸を強調したデザインのメイド服を着た受付嬢がそう言うと、俺はポケットから免許証サイズのカードを受付に出した。 その紫色に輝くカードは、公認ゆっくりハンターである証である。これがないと、ゆっくり狩人組合の施設を利用することや、ゆっくり狩人組合に来る依頼を受けることができないのである。 「狂帝様ですね。今日はどんな御用ですか?」 営業スマイルを浮かべてそういった娘に、俺は困ったような顔をして口を開いた。 「君、新人?」 「はい。新人研修を終えて、ここの配属となりました。今後ともよろしくお願いいたします」 「ああ、よろしく。んで、俺のことはその称号で呼ばないでもらえるとありがたいんだけどな」 「どうしてですか?今ではどこの加工所でもあなたのことを知らない方はおりませんよ?新人のハンターさんのなかにも、あなたに憧れてハンター登録試験を受けに来た方も多いんですよ?有名人じゃない ですか」 「…そんな虐待お兄さんの代名詞のように言わないでくれ。俺は分け隔てなくゆっくりを愛しているんだ。別に虐待お兄さんじゃないんだからね!」 最後はツンデレっぽく言うと、彼女はくすくす笑って言った。可愛い子だなぁ…まるでうちのふぁーふぁーゆっくりみたいだ。そんなことを思いながら、俺は口を開いた。 「で、今日はゆっくりを捕獲してきたから選別所を使わせてもらいたいんだけど」 「どのくらい捕獲されてきたんですか?」 「親ゆっくりに二匹と、子ゆっくりが十五匹。母親ゆっくりのほうはにんっしんっ中で、数日中には生まれそうな状態。出産形態は植物型で、十匹ほどついていた」 俺がそう言うと、彼女は驚いたような声を出した。 「はややや、それは大漁ですねぇ…。どうやって捕まえたんですか?」 「簡単さ。ゆっくりに発信機をつけたお菓子を食べさせて、後はゆっくりレーダーで確認しながら後をつける。で、巣に帰ったところを確認したら、巣を場所を確認して発煙筒を突っ込むんだ。すると、煙 に燻されて、ゆっくりが巣穴より飛び出してくるから、後は一網打尽にするだけさ」 「まるでハチノコ捕りみたいですね」 「蜂に刺される危険がない分、こっちのほうが簡単さ。ちょっと手間がかかるけどね」 「そうですか…じゃ今度試してみようっと。あ、選別所のご利用でしたね。では、これをもって2番選別所をお使いください」 そう言って、彼女は組合カードと鍵を差し出した。それを受け取ると、俺は鼻歌交じりで選別所へと歩いていった。 選別所で加工所行きのゆっくりを選んで、加工所への引取りを依頼したら残ったゆっくりの使い道は家に持ち帰って考えることにしよう。あ、あの母親ゆっくりは家に持ち帰ろう。子持ちゆっくりを虐待す るのはとても気分がすっきりする。虐めなくても、食料や加工所行きとして繁殖させれば良いし、いざとなったら潰してさくややふぁーふぁーゆっくりの餌として利用できる。 これからのことを思うと、俺は思わず笑みがこぼれていた。 これだから、ゆっくり狩りはやめられないのである。 終わり あとがき 勢いで書いた初SSに引き続き、2作目です。 楽しい虐待方法を思いつかなかったため、虐待成分まるでなしの作品に仕上がりました。勢いがないと楽しい愛のある虐待方法を考え付かないものだから困る。 読んでみてわかる人にはわかると思いますが、ネタはモ○ハンとP○Uです。ちょびっとジャンプ漫画やサンデー漫画、M○SとE○Oが入っているかも。 これが2作目で、SS書き初心者ですので、たくさんのご意見・ご感想お待ちしています。 ゆっくり虐めスレ29 602の人改め602の人 代表作(と言ってもこれしかない) ゆっくりあいす(題:ゆちゅりーのゆっくりあいす) このSSに感想を付ける
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冬。 吹雪の吹き荒れる中、雪原をゆっくり這うゆっくりまりさの一家がいた。 この寒い中何時間も雪原を彷徨い、ご自慢の黒帽子も雪に塗れて白くなっている。 「・・・ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「さむいよ・・・ゆきさんゆっくりやんでね」 「かぜさんはゆっくりできないから、とっととやんでね・・・」 母ゆっくりまりさは、子ども達の疲労を声で感じ取り、極度の焦燥感と悲しみに襲われていた。 冬の初めになっても、相も変わらずゆっくりした結果がこれだよ! 巣穴を寒波から守る資材もなければ、飢えを凌ぐだけの食料もない。 このまま篭っていたところでは、フローズンゆっくり詰め合わせになるのがオチだ。 当てがないのは分かっていても、皮を刺すような寒さの中、少しでも役立つものを求めて彷徨わざるを得なかった。 「ゆ・・・おかあさん、ねむいよ・・・まりさをゆっくりねむらせてね・・・」 「・・・だめだよ・・・ねるとずっとゆっくりしちゃうよ・・・ゆっくりすすんでね・・・」 「ゆぅ・・・つかれたよぅ・・・」 「おうちにかえったら、ゆっくりしようね・・・」 もう限界だ。やはり、この時期に外を出歩くことは無謀だったのだ。 おうちで待つよりちょっとだけ早く、ずっとゆっくりすることになるだけ。 そう思ったとき、後ろの子ども達の動きが止んだ。 まずい。何とかしなくてはと思った刹那、母まりさの体からも力が抜けていった。 「・・・ゅ・・・ゅぅ・・・」 崩れ落ち、雪の上に埋もれる。雪原に動かなくなった饅頭が5体、静かに横たわった。 雪に顔を埋め、子どもたちの前ではけして見せなかった涙を流しながら、思った。 もうだめだ。ごめんねみんな。ごめんねれいむ、もうゆっくりできないよ。 そのまま母ゆっくりの意識は深い闇に沈んでいった。 母ゆっくりまりさが目覚めると、そこは暖かく明るい空間だった。 壁や床は清潔感のある白いつるつるしたパネルで構成されており、幾つかの壁にはボタンのようなものがある。 光源は殆どないが床と壁のパネル自体が柔らかい光を出して空間全体を明るくしている。 高さは母ゆっくり2体分程度で、それほど広くはないがゆっくりたちにとっては十分すぎるほどのゆとりがある広さだ。 1箇所だけ壁が透明になっており、そこから外の様子が見える。外はまだ雪が降りしきっているようだ。 子どもたちは?!・・・ゆぅゆぅと寝息を立てながら、周りでまだ寝ている。帽子を包んでいた雪もない。 ・・・助かったのか?そしてここはどこなのか?母まりさが頭に?を浮かべていると、フラットな声質の声か聞こえた。 「お目覚めですか?」 声のした方向にふりむくと、壁のパネルの一部にヒトの顔が映っている。 部屋を構成するパネルは一種のモニターのようなもののようだ。 理屈はよく分かっていない母まりさだったが、警戒心はあるようで(ゆっくりなりに)身構える。 「心配しなくてもよいですよ。私はあなた方の味方です」 「ゆ?お姉さんがたすけてくれたの?」 「そういうことになります」 ゆっくりできる人のようだ。ゆっくりブレインなりの解釈で、母まりさはあっさりと警戒を解いた。 「随分お疲れのようだったので、こちらに運ばせていただくことに致しました」 「ゆ!そうだ、ここはいったいどこ?」 「あなたがたの新しいおうちです」 新しいおうち?ここが?・・・確かに今あるおうちに帰るのはもはや自殺行為だが、ここはここで勝手がよく分からない。 「ゆ!よくわからないよ!」 「こちらは皆様がゆっくり冬を過ごせるように弊社の技術の粋を結集して製作された、最高のゆっくりプレイスなのです」 「ゆ!ゆっくりできるの!?」 それから画面の中のヒトは、この空間の説明をしてくれた。 曰く、外部からは強固な壁に守られ、唯一外界に通じるドアは強化ガラス製で、ピストルの弾が当たってもびくともしない。 更に電力がある限り暖房が効き、壁に設置された色つきのボタンを押すことで随時いろいろな機能が稼動するという。 おなかがすいたら黄色のボタンを押せば、食料庫から甘いお菓子が送られ、壁に開いた穴から出てくる。 ゆっくり歌が歌いたければ青色のボタンを押せば、ゆっくり向けの歌(というか、ゆーゆー言っているだけ)が流れる。 ゆっくりしたきれいな風景を見たければ緑色のボタン。空間全体を取り巻くモニターパネルが美しい景観を見せてくれる。 その他たくさんのボタンと機能を紹介し、この空間はゆっくりのために作られた、最新鋭のゆっくりハウスであると彼女は語った。 ちょっと前まで吹雪の中をじりじりと歩いていたことから比較するまでもなく、天国のような場所だ。 ・・・こんなうまい話を聞けばヒトなら疑いそうなものだが、ゆっくりブレインはおめでたくできているようで 「ゆっくり!それじゃあここはまりさのおうちにするね!!」 と大満足のようだ。 最もヒトのほうも特に悪意もなければ妨害するつもりもないらしく、いたって優しい笑顔でそれを認めた。 (実はこの"ヒト"もまたこのゆっくりハウスに搭載されたサポートAIである) 「そういうことです。快適な冬越しをお過ごしください。そう、1つ申し上げ忘れたことが」 「ゆ?なあに?」 「申し訳ありませんが、このハウスの食料庫とバッテリーに限りがございます。 冬越しには十分な量をご用意させていただきましたが、枯渇してしまうと当ハウスの機能は停止します。 春をお迎えになられましたらこのハウスからの退出手続きをお取り下さい」 「ずっとゆっくりできるわけじゃないの?」 「はい」 「しかたないから、やさしいまりさはゆるしてあげるね!でもてつづきってなあに?」 「壁にある赤いボタンを押すことで退出手続きに移行し、完了後あちらのドアが開きます」 「ゆ!わかった!でるときはあかいのをおすんだね!」 「その通りです。それでは・・・"ゆっくりしていってね!!"」 「ゆっくりしていくね!!」 本能に焼きついたワードで子どもたちも目が覚めたようだ。早速この天国のような場所の機能を教えてあげよう。 そして心ゆくまでゆっくりしながら、悠々自適な冬篭りを過ごすのだ。 それからたっぷり3ヶ月、ゆっくりハウスはその機能をフルに活用され、 ゆっくりまりさ一家は得もいえぬようなゆっくりライフを満喫した。 おなかがすいたらあまーいおやつを「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!!」 歌いたくなったらすてきなお歌を、ゆっゆゆっゆの大合唱。 風景に飽きてきたらぼたん一つで見たこともない美しい風景。 さっぱりしたければオートシャワー。サポートAIもお話の相手をしてくれる。 あまりにも幸せ。あまりにも快適。夢ならば覚めないでほしい。 想像だにしなかった、ゆっくりとした生活がそこにあった。 やがて時は過ぎ、冬ごもりも終わりを迎えた。 ガラスのドアごしから、ほんのりと暖かみを取り戻した陽の光が、 冷たい雪をやんわりと溶かしていく光景が見える。春は近い。 「皆様、お外も暖かくなってきましたね。そろそろ退出手続きをとることをおすすめします」 サポートAIが夢の終わりを告げる。 正直外にいるよりも快適な生活だっただけに、ゆっくりたちもはじめは 「ゆ!まりさずっとここにいたいよ!」「まりさもいたいよ!」 「まりさも!」「もっとゆっくりしたいよ!!」とぐずっていたが、 少々派手に使いすぎたこともあり、ハウスの食料と電力がもう底をつきかけているときくと、 渋々「ゆっくりでていってあげるね!」と了承した。 「退出手続きについてですが・・・」 「ゆ!おぼえてるよ!あかいぼたんをおせばいいんだね!」 「はい。メイン電源が切れても予備電源で6時間ほど受付できますが、なるべくお早めにお願いします。パs」 プツン。 お姉さんの顔といっしょに、部屋中のパネルが一斉に暗くなってしまった。メイン電源が切れてしまったようだ。 何か言いたかったようだが、まぁいい、赤いボタンを押せば出れるんだろう。 母ゆっくりまりさが数ヶ月でまるまる太った体を引きずり、 名残惜しそうに赤いボタンを押すと、壁のパネルが回転し、 JISキーボードと「12桁のパスワードを入力してください」と表示された画面が現れた。 ピストルの弾を受けてもびくともしないガラスのドアから、 ほんのりと暖かみを取り戻した陽の光が、冷たい雪をやんわりと溶かしていく光景が見える。 春は近い。 おわり 設定はよく考えてない
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~注意書き~ 虐待描写が少ないです!純粋に虐待を愉しみたい人には向いてないかもしれません! オリ固有の名前が出てきます!名無しだと不便な場面が出てきたので便宜上付けただけですが! オリ設定らしきものが含まれます!オリだらけで泣きそうです! 以上のことをしっかりと踏まえたうえで、それでも読んでくれるという心の広い方は、以下に続く作品をお楽しみ下さい。 男と女がゆっくりと 広い広い平原を、二人の男女が一緒に歩いていました。 彼らは夫婦というわけでも、恋人であるわけでもありませんでしたが、しかしとても仲のよい友人でした。 二人は今日も仲良く、楽しい会話を始めます。 「ねぇ、ジョン?なんでそんなキモイ格好してるの?さっさと死んだほうが私のためね」 ジョンと呼ばれた白人の男は、彼女の言葉に意外そうな顔をしながら、自分の服を見つめなおします。 ワックスを使ってかっこよく整えたちょんまげに、ケンドー部員から貰った篭手と垂(たれ)を取り付け勇ましさをアピール。面と胴はもらえなかったようです。 そして体にはぴちぴちのスク水と、自分の太ももまで届くフリルつきの黒のハイ・ソックスを装着したその姿は、男の中でも自慢の服装でした。 「オゥ!コレのドコがオカシーのデスカ?ワタシのフレンドも『オタクとサムライの、超融合や~!』ってゼッサンしてましタ! ソレにヨーコたんの服装こそ、ベリーストレンジネー!この子もソ-言ってマース!」 男は背負っていた両肩にかけるタイプのバッグからかわいらしい女の子のお人形を取り出し,腕と指の関節を動かしてお人形さんの指を女性のほうに向けます。 「いや、ソレはあんたの友人が変なだけでしょ……。つーか、私の服装のどこがおかしいのよ」 ヨーコと呼ばれた黄色人の女は,男がしたように自分の服を眺め回します。 彼女が着ているものはGパンにTシャツにスニーカーという、男に比べれば一般的と呼べるものでしたが,その全てには星条旗が描かれています。 そして肩、ひじ、ひざには星型のサポーターをしており、頭と腰にも同じ星型がいっぱいついたベルトを巻いていました。 男は、彼女の腰にまいてある星型のついたベルトに、ぐりぐりと人形の指を押し付けます。 「コレに決まってマース!その服装もそうですが,あなた悪趣味すぎデース」 「このアメリカのすばらしさを体全体で表した,荘厳かつ大胆なファッションはあなたのような日本かぶれの変態ヤローなんかには到底わからないでしょうね! あんたはさっさと自分のお母さんのところに帰って木の根っこでも食ってろ!」 女は一気にそうまくし立てると,男の靴に向かってつばをペッ、と吐きました。 その唾は目標より少し情報を通過し,男のハイ・ソックスに当たって、唾特有のネチョリとした感覚が布越しに男の皮膚を刺激します。 男はさすがに怒ったのか、自分の顔を真っ赤にして女に突っ掛かりました。 「シット!女だからってあまく見るとオモッたらオゥ間違いデス!コレでもくらいなサーイ!」 男は、「カミカゼ!カミカゼ!」といいながら女の頬を人形の指でぷにぷにとつつき始めました。 女は最初のうちは鬱陶しそうに男の突きを払っているだけでしたが,男があまりにもしつこいので,女もしまいには反撃をするようになってしまいました。 「だーもう鬱陶しいのよこのだぼがぁ!撃ち殺してやるから覚悟しなさい!」 女は背負っていた星型のリュックから同じく星型の飾りのついた銃を取り出し、それを男に向けて引き金をひきました。 その瞬間、気の抜けた音とともに紐のついたコルクが飛び出し、男の額に当たります。どうやら、その銃はおもちゃのようです。 女は紐がたれている銃口を口元まで持っていき,ふっと息をかけて熱くもないのに冷ましました。 「ふん、銃社会なめないでよね……って、こら、やめなさい!あんた撃たれたでしょやられなさいよ!ちょ、やめ、つつくな!」 男は女の言葉を無視して、「タケヤリ!タケヤリ!」といいながら女の頬をつつき続けます。 男がこのように、空気を読まず女にちょっかいを出し続けるのは、彼らにとってはよく見る光景でした。 そして、いつもならこれから女が本気で怒り出し、ガチで喧嘩になって殴りあったあと意気投合して夕日に向かって走り出すのですが、今日は意外な介入者が現れました。 「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」 家族連れでしょうか。五匹の、人の顔を模した饅頭が喧嘩をしている二人に向かってそう叫びました。 饅頭たちは、赤いリボンを付けていたり、またはリボンのついた、大きな黒い三角帽を付けています。 その家族の親と思われる、それぞれにリボンと帽子をつけた大きな饅頭が一匹づつと、あとはリボンと帽子を付けた小さい饅頭がそれぞれ一匹と二匹いました。 いきなりの介入者に、彼らはひとまず喧嘩をやめてその饅頭に向き直ります。 「オォウ!ジャパニーズ・スロゥレイームアーンドスロゥマリーサ!」 「違うわよ。アメリカン・ゆっくりれいむとゆっくりまりさでしょう。で、何の用かしら?」 饅頭は、自分の名前の前にあるよくわからない接頭語に戸惑いながらも,しっかりと二人を見据えました。 そして人が好みそうな愛想のよい笑いを浮かべて,彼女達に話しかけます。 「よくわからないけどれいむはれいむだよ!わかったらかわいいれいむとまりさとこどもたちにおかしとじゅーすをちょうだいね!みんなのどがかわいておなかへったよ!」 「まりさにへんななまえつけないでほしいんだぜ!おかしななまえつけたばいしょーとしておいしいものをよこしてね!」 「ちょーだい!ちょーだい!」 「おかしくれるの!?さっさとちょうだいね!」 「のろまはきらいだぜ!」 そのかわいい?笑みとは裏腹に、言っている内容はポツダム宣言のようなきつい内容です。 普通はここで蹴り飛ばして人間の怖さを教えてあげるところですが,彼女達はそれを選択しませんでした。 それどころか、一緒になって笑いあいながら、リュックからゆっくりれいむに上げるための飲み物と食べ物を取り出し始める始末です。 「いいわよ。まずは飲み物がいいわね。はい、みんな。いっぱい飲んでね」 女は取り出した水筒をゆっくりれいむに差し出しましたが,同じくリュックから水筒を取り出した男が、それを押しのけて自分のものを差し出します。 「そんな似非アメリカンの飲み物より、こっちの方がとってもデェリシャスネー!こっちを飲むといいデース!」 「な、何いってるのよこの変態やろうが!あんたは黙ってそこで米磨いでりゃいいのよ!」 二人はゆっくりの前で、自分がゆっくりに飲み物をあげるんだと主張しあって再び喧嘩を始めます。 それをみたゆっくりたちは困った表情を作りながら、喧嘩をやめるように二人に呼びかけます。 「ゆっくりやめてね!れいむのためにあらそわないでね!れいむはふたりのものがほしいよ!」 「そうだぜ!まりさがいくらかわいいからってけんかはよくないぜ!さっさとちょうだいだぜ!」 「ちょーだい!ちょーだい!」 「けんかするならまりさにおいしいものくれてからにしてほしいんだぜ!」 「のろまはきらいだってさっきもいったでしょ?ばかなの?」 いっせいに口々から不満をたれ始めるゆっくりたち。 言っていることは、喧嘩してないで両方さっさとよこせということなのですが。 しかし彼らはゆっくりの言葉に従って、おとなしく喧嘩をやめました。 「……そうね、みんなのいうとおりだわ。喧嘩は後にしましょう。そしてみんなにどっちがおいしいか味比べをしてもらおうじゃない」 「ナイスアイディア!そうと決まればゼンはイソゲネー!」 彼らはカップに水筒に入っている液体を入れて饅頭に差し出します。 みんながそのカップを覗き込んだところ、両方ともおどろおどろしい真っ黒な液体がたっぷりと入っています。 ゆっくりたちは驚いて二人にその飲み物を改めましたが,二人とも「「おいしいから,飲んでみて」」というばかりで取り合いません。 試しに彼女らに自分の水筒の中身を飲ませましたが、二人ともとてもおいしそうにそれを飲むので、 親のゆっくりれいむとゆっくりまりさは色はともかく中身は大丈夫だと判断しました。 そして二人の男女がこわばった作り笑いで見守る中、ゆっくりれいむによる味比べが始まります。 まず、男の飲み物からです。 毒見役のつもりか、ゆっくりれいむは一人でゆっくりとカップに口をつけ、そして一気に中身を自分の口の中に放り込みました。 二人とも、その様子をただじっと見つめます。 「しあわぜぼっ!?」 ゆっくりれいむをその液体を飲み込んだとたん、急に咳き込み始めました。 そのせいで口に含んだ液体の一部は吐き出されたようですが,大部分はもう体に吸収されて戻ってきませんでした。 ゆっくりれいむの様子に男が慌てて,女は呆れながらゆっくりれいむに駆け寄ります。 「なにごれぇぇぇぇ!!がらいよぉぉぉぉぉ!!」 「おがぁざん、どうじだの!?」 「じっかりしてぇぇぇぇ!!」 「オォウ!どうしたのですカー!?しっかりしてくだサーイ!」 周りのゆっくりたちもみんなだゆっくりれいむの元に駆け寄ります。 男はゆっくりれいむの後頭部をさすってやりますが,一向によくなりません。 ただただゆっくりれいむは「がらいよぉぉぉぉ!!いだいよぉぉぉぉ!!」と悲鳴を上げるだけです。 女は途方に暮れる男を、呆れを含んだ嘲笑で見下します。 「まったく、何を飲ませればこんなに苦しめることが出来るのかしら。ねぇ、ジョン?これはなんという名前の毒かしら?」 「……毒じゃないデス。ジャパニーズ・ショーユデース」 男はようやく少し落ち着いてきたゆっくりれいむをみながら、そう力なくつぶやきました。 「はぁ!?あんたあんな塩分の塊のようなやつあげたの!?つーかあんなの飲んでたら血圧がやばいことになるわよ!」 「ノー!ショーユはれっきとしたジャパニーズの伝統的な健康食品デース!私にショーユを紹介してくれたフレンドはなんにでもあれをかけて食べてマース! 私も毎朝飲んでマース!ショーユ健康法デース!」 女はその男の言葉に完全に呆れたようで、もう顔から嘲笑は完全に消え失せています。 ただかわいそうな目で、男を見るだけです。 「……ま、とりあえず私の番ね。客に毒薬を飲ます馬鹿はどいてなさい」 男は一度きつく女の方を睨みつけましたが、結局何も反論できずがっくりとうなだれます。 女は男と入れ替わるようにゆっくりれいむの前に立ち、今度は自分の水筒から入れたカップを差し出します。 しかしゆっくりれいむはさっきの男の飲み物にこりたのか、なかなか飲もうとしません 「ああ、ごめんね。あの馬鹿が変なの飲ませたせいで怖がってるのね。でも大丈夫。私のはあんなのと違って辛くなんてないから」 ゆっくりれいむはまだ警戒していたようでしたが、やはり口の中の塩辛さゆえに水を欲していたのでしょう。 恐る恐る下をカップの中につけ、それが塩辛くないとわかるとそのまま一気に飲み干しました。 「し、しあわせー!」 女はそのゆっくりれいむの様子ににっこりと微笑みながら、男に見せ付けるようにゆっくりれいむをさすります。 男は悔しそうに唇をかんでいましたが、何も言うことができませんでした。 「れいむ、おいしかった?」 「わからないけどからくなくてすっきりー!しあわせすっきりー!」 「ああ、かわいそうに。どっかの馬鹿が醤油なんてもの飲ませるから舌がおかしくなってるのね。 口の中まだ塩辛いでしょう?いっぱいあるからいくらでも飲んでちょうだいね」 女はゆっくりれいむの口の中に次々と水筒の中の液体を流し込んでいきます。 それを見た周りのゆっくりたちも、今度こそ安全だと思ったのか、女に近寄ってその液体を次々と飲ませてもらいます。 ゆっくりたちは口の中に飲み物を入れられるたび、「すっきりー!」だの、「しあわせー!」などといっていましたが、不思議とその瞳はひどく濁っていました。 男はその異変に気付き、女の手を掴んで行為をやめさせます。 「ウェイト!少し様子が変デース」 女は至福の時間を邪魔されて不機嫌そうにしていましたが、ゆっくりの様子を見て表情が一変します。 ゆっくりは確かに笑っていましたが、目は異常なまでに見開かれ、緩んだ口からはだらしなくよだれを垂れ流し続けていました。 「お、おねえさん、なんかへんだよぉぉぉ!おめめがぱっちりしすぎてとじないのぉぉぉぉぉ! す、すすすすすすすすっきりぃぃぃぃぃ!!!」 「え、ちょっとどうしたのれいむ。もしかして飲みすぎておなかいたいの?」 れいむは答えず、ひたすら意味不明の言葉を叫ぶのみです。 周りのゆっくりたちも,それに呼応するかのようにおかしな行動をとり始めます。 「すすすっきりぃーー!ゆ゛、ゆ゛っくりしていってべべべべべべべべべべ」 「しあわせぼーーーーー!!!」 「あばばばばばばばばば」 「ちょ、ちょっと、みんなどうしたの!?大丈夫!?」 女が何が起こったのかわからず困惑する中,ついにゆっくりたちは泡を吹いて白目をむき、動かなくなってしまいました。 ゆっくりたちの口からぶくぶくと細かい泡が作られては割れ、異臭を周囲に撒き散らします。 「オォゥマイッガァァァァーッ!!ヨーコたんはいったい何を飲ませたんデスか!?」 「ア、アメリカンコーヒーよ。私流にちょっと改変したけど」 「ドコをドーユー風にしたら客が泡吹くコーヒーを作れるんデスかー!!」 男のその剣幕に、さっきまで余裕を保っていた女もたじたじです。 「な、なによう。ちょっとカフェインの含有量増やしただけよ。そんなに騒ぐことじゃないでしょう?」 「イッタイ、含有量をどのくらいにしたんデスか!?殺人コーヒーを作るノに!」 自分の作ったものを殺人コーヒーと言われ女は不満そうでしたが、目の前の惨状を否定することも出来ず、しぶしぶ答えます。 「99%」 女はさも当然のごとく答えますが、男はその言葉に固まってしまいました。 いや、男でなくてもそれを聞いたら固まっていたことでしょう。なんてったって99%、9割9分カフェインという恐ろしいコーヒーなのですから。 ちなみに、女の言っていたアメリカンコーヒーとは、紅茶の色に似るように生豆を浅く煎ってたてたコーヒーのことを指します。 紅茶が手に入れられなかったアメリカ人が、紅茶の代用品としてコーヒーを使ったというのは有名ですね。 よって、女の作ったようなカフェイン含有量99%という狂気のコーヒーはアメリカンとは言いません。コーヒーとも言いません。単なるカフェインです。 「……ヨーコたんは悪趣味だと自分でも言い続けていましたが,ここまでとは思いませんでしタ」 「これのどこが悪趣味なのよ!これは、カカオ99%チョコレートを参考に私が長い年月をかけて作り上げた究極の……」 「どぼでぼいいがら、さっさとでいぶとみんだをだすげべべべっべべ」 再び喧嘩を始めようとする二人を,泡を吹いているゆっくりれいむが必死になって止めます。 ゆっくりたちは馬鹿な人間に当たってしまったことを内心後悔していましたが、今の自分を助けられるのも目の前の人間だけです。必死の懇願を続けます。 二人はゆっくりの必死な様子にすぐに争いをやめ、その饅頭を助けるために動き始めます。 「このことは後にしましょう。まずはみんなを助けないと。近くに大きな湖があったわよね?そこに連れて行ってきれいな水を飲ませましょう。 認めたくないけど、私たちの飲み物じゃあゆっくりを苦しめるだけのようだわ」 「……そうデスね。レイクは、ウェル、ここからホクトウへ少しいったところにありマス」 すばやく女がゆっくりたちを抱え、男が地図を持ち先導します。 彼らはゆっくりを助けることに目的を切り替えると,今までのことが嘘のようにてきぱきと連携して動き始めました。 やはり、二人は相性がよいのです。よく喧嘩するのだって、もともと仲がよいからでしょう。 役割が逆な気がしないこともないですが、昨今は男女平等参画社会です。気にしてはいけません。 二人はゆっくりたちを介抱しながら十数分歩いたところ、きちんと目的地の湖まで辿り着くことができました。 「オォゥ、地図によるとここのはずデース。急いで水を飲ませまショウ!」 「そうね。もう瞳孔が開きかけてるわ。……ほら、口を開いて?ゆっくり飲んでね」 水を近付けても飲まなかったので、女がゆっくりたちの口を開いて固定し,男がそこに湖から汲んできた水を入れていきます。 ゆっくりたちはもはや抵抗する気力もないのでしょう。なすがままに水を飲み続けました。 そして、みんなに5杯くらいの水を与えたところでしょうか。 ゆっくりたちが急に飛び跳ね、そのままごろごろと地面を転がり始めました。 「ぎぃぃぃぃぃぃ!!がらいぃぃぃぃぃぃ!!」 「またなのぉぉぉぉぉぉ!?」 「もうがらいのいやぁぁぁあぁっぁ!!」 「どぼじでごんなごどずるどぉぉぉぉぉ!!」 「びぃぃぃぃぃぃ!!」 苦悶の表情をして泣き叫ぶゆっくりたちを見て、二人は戸惑いました。 なんできれいな水を与えたはずなのに、まるで醤油を与えた時のような反応をするのだろう。 男は、何かに気付いたようで、自分の持っているカップについた水を指でとって少しなめました。 「シッツ!何てことダ!」 「どうしたの?なにかわかった?」 男は自分の持っているカップを女に渡し、彼女にもなめるように言いました。 女は訝しがりながらも、男の言うように指につけてそれをなめとります。 「し、塩辛いわ!まさか……海水!?」 「ノー!これは、ジャパニーズ・シカイデース!」 女は驚愕の表情を浮かべます。男から地図を奪ってみてみると、そこには確かに『死海』と書いてありました。 どうやら、ゆっくりたちにとっては不運なことに、女も男もこの文字を見落としてしまっていたようです。 「なんてこと……!アメリカの奥地にあるという伝説の湖がこんなところにもあるなんて……!」 「そうデース!シカイの癖に,私たちのシカイから逃れていたのデース!」 男のギャグには、誰も反応しませんでした。 ちなみに、死海とは海水よりも塩分濃度が十倍も濃く、そのため生き物がまったく住むことが出来ない死の湖のことです。 所在地はアラビア半島北西地、大まかに言うと東アフリカに存在します。当然ながら日本にもアメリカにもありません。 そんな説明をしている間にも、ゆっくりたちは口の中のあまりの塩辛さに暴れまわります。 「からからからふとちしばぁぁぁぁぁぁ!!」 「だいじょーだいじょーぶるぅぅぅぅ!!」 「ゆっくりさっさとあるくようなはやさでゆ゛べべべべべべべ」 「オォウマイッガーッ!どうしまショー!?」 ついには意味不明な言語を垂れ流すようになってしまったゆっくりたちに、男は頭を抱えてしまいます。 しかし、女は平静を保っていました。何かゆっくりれいむを助ける方法があるのかもしれません。 「落ち着いて、ジョン。私に策があるわ」 「リアリィー!?それはマジですかヨーコたん!」 女は男が食いついてきたのを見て満足そうにしながら,自信ありげに自分の策について語り始めます。 そんな女の自信の結晶があのカフェイン99%コーヒーだったりするのですが、この際それは置いておきましょう。 「いい?今ゆっくりが苦しんでいるのは何故か……もちろん、塩分の取りすぎよね」 「そうデスね。人間でもあまりに塩分をとり過ぎたら死んでしまいマス。あんな小さかったらなおさらでショウ」 毎朝醤油がぶ飲みしている男がいますが、それは恐らく特殊体質なのでしょう。 普通の人間が塩分をとりすぎると血圧がやばいことになり、浸透圧の関係で細胞がパーンとなるのでよい子でなくとも決してまねしてはいけません。 「そう。ましてやあの子の中身はあんこ……つまり、砂糖の塊になっているわけ。 そんな中に塩を入れたらどうなると思う?」 「ムムム……じらしていないで早く教えてくだサーイ」 「ふふふ、焦らないの。ヒントは,酸性とアルカリ性よ」 「しおあるかりとゆ゛べべべべべ」 「ぷるさーまるうんたるまーる」 「まどからてがでてこっちこないでぇぇぇえ!!」 そんな悠長な会話を続けている間にも、後ろではゆっくりれいむが奇怪な叫び声を上げながら暴れまわっています。 しかし二人は無反応。熱中すると互いにのめりこんでしまうタイプなのでしょう。 「酸とアルカリ……?オォウ、ァイゴットイッツ!わかりましタ!中和デスね!」 女は大きくうなずいて,正解の意図を表します。 「そう。砂糖を入れすぎたコーヒーに塩を入れて中和するように、ゆっくりも自身のあんこの砂糖が大量に入ってきた塩で中和してしまったの。 まるで酸とアルカリを混ぜた時のようにね。 そしてゆっくりは今砂糖にも塩にも属さない、かなり中性に近い特性を持っているのでしょう。だから、あんなことになってしまったの」 決して砂糖に塩を混ぜたからといって中和なんか起きるわけないのですが、それを突っ込めるものはここにはいません。 砂糖入れすぎたからといってコーヒーに塩を入れるのも、おそらく世界中で彼女くらいでしょう。 しかし、男は合点がいったという様に納得してしまいます。 男も女の問いに中和だとか答えていたので、恐らく彼も本気で塩と砂糖で中和が起こると考えているのかもしれません。 「それで、どうしたらいいのデスか?私たち,砂糖はそんなにもっていないデスよ?」 二人のリュックの中には砂糖を含むものがほとんど入っていませんでした。 入っていたのは非常食とキャンプ道具、そして大量の水筒だけです。もちろん中身はすべて黒い液体です。 「ジョン、逆に考えるのよ。砂糖はほとんどないじゃなくて、塩なら大量にあるって考えるの」 「確かにそうデスが……ま、まさかヨーコたん!」 「そう。そのまさかよ。塩分を大量に与えて、ゆっくりを砂糖属性から塩属性に切り替えるの。方法はこれしかないでしょうね。 今のままだったら、いずれ自己を見失って確実に死んでしまうわ」 なぜそんな結論を持ってきたのかはわからないうえ証拠も皆無ですが、女はやたらと自信満々でした。 その女の見つけた謎の突破口に、男も大はしゃぎです。 「グッーーー!さすがヨーコたんデース!ジャパニーズ・ドクサラの考え方デスね!」 「アメリカ流で言うなら子羊を盗んでしばり首になるよりは親羊を盗んでそうなったほうがましだ、かしら。とりあえずその通りよ」 二人の言っていることとは、毒を食らわば皿まで、のことですね。 英語で書くとどうなるのか気になる人は、ググって見るとよいでしょう。英語版毒皿を直訳するとヨーコの言っている意味となります。 「じゃあ、ゆっくりを助けるために作業に取り掛かるわよ。暴れるといけないからゆっくりを押さえて口を広げてちょうだい」 「オッケィデース。でも全部は無理デスよ?」 「それは仕方ないわ。水をあげる時に1,2匹抑えててちょうだい」 それからは、ゆっくりたちにとっては地獄の時間となりました。 「がらいよぉぉぉぉ!いだいよぉぉぉぉぉ!」 「我慢してね。あなた達のためなの」 嫌がっているのに無理矢理死海の水を飲まされたり、 「ひぎぃぃぃぃぃ!めが、めがしみい゛ぃぃぃぃぃ!」 「暴れないでくだサーイ!危ないデース!」 口に入れるはずの塩水が目に入ってしまったり、 「ゆぎがいぁぁいぃぁぃぃぃぃ!!」 「おがーざん!ごっじごないでね!やべでべばっ」 あまりの塩の痛みに暴れまわる親ゆっくりが自分の子どもを潰してしまったり。 そして二時間ほど経ったでしょうか。ようやく二人の作業はようやく終了しました。 五匹いたゆっくりはもう、親の二匹を残すのみです。 「ああ、三匹も死なせてしまったわ……。なんてことなの」 「……私達は精一杯やりマシた。二匹生きていただけでも,よくやったというべきデス。さぁ、彼女らの冥福を祈りまショウ」 「ジョン……。そうね、もう死んでしまったものは取り返しがつかないものね」 誰のせいで死んだのかは棚に上げたまま,男は手を合わせ、女は十字を切ります。 その間、彼らの後ろで動くものがありました。そう、あのゆっくりたちです。 女の言っていた治療が功を奏したのか、先ほどよりは多少回復しているように見えます。 「ゆ!いまだよ、れいむ!さっさとにげないところされちゃうよ!」 「で、でももううごけないよ……」 「いまにげないとゆっくりできなくなるよ!がんばって、れいむ!」 「むむむ、わかったよ!れいむがんばるよ!」 そして二人はこそっとそこから立ち去っていきましたが、黙祷をささげていた二人には気付きませんでした。 ようやく二人が目を開けて助けたゆっくりを探しましたが,ゆっくりたちはすでに遠くへ離れてしまっていたので見つけることは出来ませんでした。 「どうしよう、ジョン!あの二匹が見当たらないの!」 「こっちにもいませんでしタ……。たぶん、私たちに礼を言うのが恥ずかしくテ、ひっそりと去っていってしまったのでショウ」 「そう、なのかしら……。彼女たち、元気でやっていけるといいのだけれど……」 落ち込む女に、男は元気付けようとわざと明るく話しかけます。 「大丈夫サ!なんてったって、死の淵から這い上がってきた、ホトケさまのご加護を受けたゆっくりだからネ!」 女も自分を励まそうとしている男の意図に気付いたのでしょう。無理やり不敵な笑みを作って、男に返します。 「ふふっ、それを言うならキリスト様の、ね」 そして二人は互いに肩を寄せ合い、ゆっくりたちの無事を祈りつつ、一緒に笑いあいました。 終わりよければすべてよし。たぶん彼らの中では今回のことは美談として記憶されるのでしょう。ポジティブなのはいいことですね。 ――場面は移って。 そんな謎の加護がかかっているというゆっくりたちはというと,無事に自分達の集落まで辿り着くことができました。 二匹はぼろぼろになりながらも、なんとか生き延びることが出来たのです。 「ゆ!?だいじょうぶ!?みんなしんぱいしてたんだよ!」 二匹に気付いた集落のゆっくりたちが、彼らを心配そうに見ています。 二匹は、みんなに自分達が今までされたことを多少誇張を加えながら話しました。 人間に毒を騙されて飲まされたこと、その後に拷問があったこと、いつの間にか自分の子ども達がつぶされてしまっていたこと…… その内容は、集落に改めて人間への敵愾心と、警戒心を持たせることになりました。 どうせ明日には忘れているんでしょうが。 そして話が終わった後、集落のゆっくりたちは解散することになりました。 二匹は心配してくれたみんなに向かって、感謝の言葉を言います。 「「みんな、しんぱいしてくれてありがとう!ゆっくり――――ってね!」」 とたんに、動きが止まる集落のゆっくりたち。 そしていきなりみんなでその二匹のゆっくりを取り囲みます。 その目には、ぎらぎらと殺気のようなものが見て取れました。 「ど、どうしたの?こわいかおしないでね!」 その様子に二匹のゆっくりは怯え、二匹で寄り添うように体をあわせて震えます。 しかし周りのゆっくり達のさっきは収まりません。他のゆっくりより一回り大きな、集落のリーダー格と思われるゆっくりがずずいと前に出ます。 「さっきいったことを、もういっかいいってね!ゆっくり……なんていったの!?」 二匹のゆっくりは戸惑うように顔を合わせました。しかし、そんなことでみんなが怖い顔しなくなるなら安いもの。 ゆっくりたちは一緒に、感謝の言葉をみんなに言います。 「「ゆっくり――――ってね!」」 「こえがちっちゃいよ!もっとおおきなこえでいってね!」 どうやらまだ許してはもらえないようです。いまだ自分に浴びせかけられる殺気は減るどころか心なしか増えている気がします。 その殺気から逃れたい一心で、二匹はあらん限りの声で,こう叫びました。 「「ゆっくり塩くってね!!!って、え?」」 二匹は自分の出した声に戸惑います。何故こんな言葉を喋っているのか?二匹にはまったくわかりませんでした。 これはすべて塩分過多のせいだったりするのですが,他のゆっくりたちがそんなことをわかるはずもなく。 「ゆゆ!やっぱりこいつらにせものだよ!ゆっくりしんでね!」 「れいむにせものじゃないよ!みんなゆっくり塩くってね!……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!なんでいえないのぉぉぉぉ!!」 「ゆっくりしていってね!もいえないばかなゆっくりはさっさとしんでね!」 「ぶべっ!みんなやべでね!ゆっくりお塩くっておじづいてね!」 もう完全に二匹は塩属性のゆっくりとなっていました。意外にも、女の推測は正しかったようです。 集落のゆっくりたちはその二匹のゆっくりを異分子だと判断し、集団で襲い始めます。 そうなれば二匹はかなうはずもなく。数の暴力に押されて瞬く間に中のあんこ(塩味)をひねり出されてしまいます。 「ぺっ!なにこれ、しょっぱいよ!やっぱりこいつらはにせものだね!」 「ちがうよぉぉぉぉ!でいぶにせものじゃないよぉぉぉぉ!ながみだべないでぇぇぇぇ!」 「ほんとだ!しょっぱくてくえたもんじゃないよ!しょっぱいゆっくりはさっさとしね!」 ゆっくりは必死に説得しますが、塩の体ではそれも聞き届かず。 結局、みんなのリンチにあって死んでしまいました。 二匹は死ぬ間際、自分達がこんな目にあうきっかけとなった人間たちを恨みに恨みました。 ですが、そのころ二人はそんなことなど露知らず、一緒に自分の黒い液体を飲んで優雅なティータイムを送っていました。 自分達が助けたゆっくりのことで会話に花を咲かせながら。 おしまい ――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあとがきーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―――― まーた変なのかいちまいましたね。しかも長い 短編作るつもりだったのになぁ… ~おわび~ 以前ゆっくりハンターの生活とやらを書いたものですが,ゆっくりハンターってほかの人が使ってたんですね…… ゆっくりハンターの人、申し訳ありません。 自分は、ゆっくりハンターの人とは別人です。誤解を招くようなタイトルにしたことを深くお詫び申し上げます。 区別を付けるために、自分のことは味覚障害の人とでも呼んでください。 何故か自分の作るものには舌がイカレているやつが多いので。 これまでに書いた作品 ゆっくりハンターの生活1,2 ゆっくりハンターの昔話 男と女がゆっくりと
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