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第?話 正義の味方?参上 今までに確認されたことのない魔力が発生したため確認にいくなのは。 そこには一人の男が立っていた。 男は赤く長い髪をたなびかせ奇抜なデザインの白と黒のロングコートを着ていた。 そして極めつけは顔の半分以上を隠す白いドラゴンの形をした兜を被っていた。 なのはは男に尋ねた。 「あなたは誰なの?」 「いいだろう、教えてやろう!俺は」 男はどこか威厳のある声で名乗った。 「正義の味方カイバーマンだ!!」 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
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このSSを、リリカル遊戯王GX氏に捧ぐ。 リリカル遊戯王GX番外編 「最強! 華麗! 究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)~前編~」 古代エジプトには、「三幻神」と呼ばれる精霊がいた。 「オシリスの天空竜」、「オベリスクの巨神兵」、「ラーの翼神竜」の3体である。 無論、歴史に名を連ねる強力な精霊・魔物は、何もその3体だけではない。 ファラオの守護者たる「幻想の魔術師」しかり、王宮の守護神たる「エクゾディア」しかりである。 そして、純白の鱗と青き瞳を有した幻獣――「白き龍」もまた、しかり。 ――ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーッ!!! 耳をつんざく咆哮に、スバルは身を震わせる。 動けなかった。 何がそうさせるのか。思い当たる要素はいくらかあるが、それすらも動機としては不十分だった。 要するに、空気なのだ。 目の前の「それ」がまとう空気が、過去に味わったことのない根源的な恐怖となって、スバルの身に降り注いだ。 横に立つ相棒のティアナが、その場にへたり込む。 向けられたのは、圧倒的なまでの存在感と、冷徹なまでの殺意。 それら全てが恐怖という形で、彼女らの全身に満ちてゆく。 上空を見た。 「それ」と対峙するのは、管理局の2人のエース。 どんな困難にも迷うことなく立ち向かう、高町なのはとフェイト・T・ハラオウン。 だが。 震えていた。 なのはの白いバリアジャケットが。 何者にも屈せぬはずのエース・オブ・エースの身体が、今は目の前の「それ」の放つ恐怖に当てられ、ただの娘同然に震えていた。 純白の鱗と青い瞳を輝かせる、3つの頭を持った「白き龍」を前に。 この状況に至るまでの経緯を説明するには、少々時間を遡らねばなるまい。 ちょうどレイが重傷を負って倒れた直後のこととなる。 きっかけは、外を見張っていたオブライエンが、「おかしな奴がいる」と皆に報告したことだった。 深夜のデュエルアカデミアを訪れたその男は、白いコートに身を包み、頭には妙なマスクをかぶっていた。 「あ、アンタ、カイバーマンじゃないか!?」 そしてその男は、十代の知り合いだった。 (…何だかおかしな人だね…) (ツッコまないでおいてあげよう、なのは…) なのは達はこの男――カイバーマンのセンスにまるでついて行けず、奇異な視線で彼を見つめていた。 それも当然である。「正義の味方 カイバーマン」は普通の人間ではない。デュエルモンスターズの精霊だ。 「そういえば、そんなカードもあったわね…」 奇抜な格好ばかりに気を取られて、すっかり存在を失念していた明日香が呟く。 明日香のようなデュエリストでさえも存在を忘れていたのは、何もカイバーマンがただの弱小カードだからという理由ではない。 その特殊効果が原因で、デッキに組み込む者がほぼ皆無と言っていいカードだからだった。 「十代、こいつのこと知ってるのか?」 当然カイバーマンには会ったこともないヨハンが尋ねる。 「ああ、2年前にちょっとな。俺以外には、翔と万丈目が会ってる」 「サンダー!」 「やっぱり夢じゃなかったんだ」 十代以外の2人は、かつてのカイバーマンとの遭遇を夢か何かだと認識していた。 デュエルの精霊の存在、出会うまでの過程…それら全てがあまりに荒唐無稽だったためである。 「…そうだ。なぁカイバーマン、アンタがいるってことは、やっぱりここはデュエルモンスターズの世界なのか?」 「知らん。気がついたらここにいた。俺もこのような場所は覚えにない」 正義の味方などという二つ名の割には、あまりに尊大で突き放すような口調でカイバーマンが返す。 「だが、俺達精霊が実体を持てるという点では共通している」 「なんだぁ…結局分からないままかよ」 精霊の世界の住人たるカイバーマンからなら、有力な情報を得られるのではと期待していた十代だが、 それも叶わずがっくりと肩を落とす。 「…確かなことと言えば…」 だが、カイバーマンは更に言葉を重ねた。 「この地には…何やら禍々しい、妙な気配が渦巻いている。それらはどうやら、貴様らに向けられているらしい」 「ひょっとして、俺達をここに飛ばした奴…!?」 「だろうな」 そこまで言うと、カイバーマンは、そのマスク越しに十代の目を見た。 竜の頭をかたどったマスクの青い目が、じっと十代を見据える。 「遊城十代…貴様には、いかに巨大な相手が立ちはだかろうと、それに立ち向かう覚悟があるか?」 強い口調で、カイバーマンが問いかけた。 対する十代は、それまで真剣な顔つきで彼を見返していたが、ふっとその顔にいつもの強気な笑みを浮かべる。 「…もちろん! 俺は誰のデュエルだって、受けてやるさ」 「ククク…ならば、もう一度俺と戦って証明してみるか?」 カイバーマンはさぞ愉快そうに笑うと、自らの左腕にはめたデュエルディスクから、1枚のカードを引き抜いた。 その手に輝くのは、白いドラゴンの絵柄を持ったモンスターカード。 「…俺の青眼(ブルーアイズ)と」 「なっ…!?」 その場のデュエリスト達に衝撃が走った。 一方、目の前のカードが何かも知らない管理局の面々は、突然の反応についていけない。 「ヨハン君、あのカードって…?」 「そっか…なのはさん達は知らなかったな。 …あのカードは、『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』…世界に3枚しかない、究極のレアカードだ」 ―青眼の白龍― 攻撃力3000 防御力2500 通常モンスター この世に生まれたのは、デュエルモンスターズの創成期。 その圧倒的なパラメータは、当時の水準ではあまりに過ぎた力だった。 故に、僅かな枚数しか生産されないうちに、その生産そのものが中止されたという。 今でもこのカードを超える通常モンスターは存在していない。だが、このカードの価値はそれだけでついたものではない。 世界最大のアミューズメント企業「海馬コーポーレーション」の若社長・海馬瀬人。 決闘王・武藤遊戯の唯一無二のライバルにして、彼と共に史上最強に名を連ねるデュエリスト。 その海馬が絶対的な信頼を置く下僕こそが、青眼の白龍なのだ。 あらゆるデュエリストのあらゆるモンスターを粉砕する、最強のドラゴン。 「三幻神」のカードがエジプトの遺跡に返還された今では、まさに世界中のデュエリスト全ての至宝だった。 「…いや、やめておこう」 ふと、カイバーマンは気が変わったのか、十代に向けた視線をそらす。 その代わりに、彼の目にとまったのは――なのはだった。 「え? 私…?」 「貴様らはただの人間であるにも関わらず、デュエルモンスターズの上級モンスター並のエネルギーを発している… …特に一際優れた貴様の力、何より戦士としての戦う意志…この目で見てみたくなった」 カイバーマンはそう言うと、後方へと後ずさって距離を取る。 広く取った間合いは、戦いのステージのつもりだろうか。 「さぁ、来るがいい異世界の女! 俺と青眼にその力を見せてみろ!」 カイバーマンは高らかに喊声を上げた。 「ええと…これは、私が出ていくべき…なのかな?」 唐突な展開についていけないなのはは、困惑しながらも足を進める。 と、それを制した者があった。 「え…」 「あたしが行きます」 その者――スバルはそう言うと、バリアジャケットを展開し、カイバーマンの前に立つ。 「貴様がやるのか?」 「なのはさんを傷つけさせたりはしない。そのドラゴンとはあたしが戦う!」 リボルバーナックルの拳を硬く握り、スバルが宣言した。 彼女は怒っていたのだ。突然現れ、なのはと戦うなどと言い出した、この男に。 「ふん…まぁいいだろう。ちょうどいい前座だ」 しかしカイバーマンは、至極余裕な様子でそう言い放つ。 「ぜ…前座ぁ!?」 余興呼ばわりされたスバルは、思わずオーバーリアクションで返した。 「見せてやろう…俺の強く気高く美しき下僕の姿を!」 「あんまり嘗めてかかると痛い目見るよっ!」 「青眼の白龍、召喚ッ!」 カイバーマンがデュエルディスクに、そのカードをセットした。 力は姿を帯びる。 人間の何倍…いや、十何倍にも匹敵する巨大な身体。全身を包む白い鱗。真っすぐに標的を見据える青い瞳。 『…ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオーンッ!』 雄たけびが上がる。 最強のドラゴン・青眼の白龍が、遂に真夜中の砂漠にその姿を現した。 「出た…!」 「青眼の白龍…実物を見るのは初めてだ…!」 デュエリスト達から次々に声が上がる。そして、その登場に驚いたのは、管理局の面々も同様だった。 「すごい…」 「こんな奴までいるんだ…」 目の前の青眼の白龍が放つオーラに、なのは達は釘付けになっていた。 全身からにじみ出る、圧倒的なまでの力。神々しささえも感じられる、純白の光。 これほどまでに強く雄雄しき存在を目にしたことがなかった。 果たしてキャロのフリード…いや、ヴォルテールでさえも、これほどの存在感を持つことができるだろうか。 「うわぁ…」 今まさに、その青眼の白龍と相対するスバルでさえ、一瞬見とれるほどだった。 それだけの絶大な存在感をもって、「白き龍」はこの世に顕現したのだった。 「ククク…どうした? 見惚れていては勝負にならんぞ」 「はっ…!」 余裕を含んだカイバーマンの声に、ようやくスバルは我に返る。 そうだ。今から自分は、この竜と戦うのだ。 スバルは気持ちを切り替えると、真っ向から青眼の白龍を睨みつけた。 見れば見るほど強そうなモンスターだ。 日中に戦ったハーピィ・レディ三姉妹の攻撃力は、サイバー・ボンテージの効果も相まって2450だったが、 こちらの攻撃力はそれすらも凌駕する3000である。 加えて言えば、スバルがティアナとのコンビネーションの末にようやく撃破した3万年の白亀の守備力ですら2100だという。 攻撃力3000。その破壊力は、最早彼女には見当もつかなかった。 故に、スバルはカートリッジをロードし、魔力スフィアを形成する。 (最初っから全力でぶっ飛ばす!) 決意を込め、その拳を振りかぶった。 カイバーマンもまた、必殺技の気配を察し、青眼の白龍へと指示を出す。 「いきなり全力か…いいだろう、気に入った! 正面から迎え撃て、青眼!」 『グオオオオオオオオオオオオオッ!』 太い咆哮と共に、青眼の白龍の口元で、青白い光がスパークする。 「ディバイィィーン…バスタァァァァァァーッ!!!」 「滅びのバーストストリィィィィィィィームッ!!!」 少女とドラゴン。双方から青い光の束が、一直線に相手目掛けて放たれた。 衝突の瞬間、 「う…うそぉっ!?」 あまりにもあっけなく、スバルのディバインバスターが押し返されていった。 一瞬の膠着もなく、青眼の白龍の放つ閃光が、無情にもスバルへと迫っていく。 「うわうわうわうわうわーっ!」 冗談ではない。こうも易々と自分の最大技を押し返してくる攻撃を喰らっては、最悪命まで持っていかれるのではないか。 故にスバルは焦った。 だが、そうしたところで既に無駄なことだ。攻撃態勢のスバルは、そう簡単に回避行動を取ることはできない。 遂に滅びのバーストストリームは彼女が立つ地面を殴りつけ、凄まじい爆発を引き起こした。 人1人などあっという間に蒸発させてしまう熱量と、周囲の十代達さえも吹き飛ばさんとするほどの衝撃波。 「ス…スバルーッ!」 ティアナが絶叫する。 死んだ。 誰もがそう思った。いくら魔導師と言えど、防御魔法も展開していない状況では、この暴力的なまでの破壊の前では無力である。 「粉砕! 玉砕! 大・喝・采ッ! ワハハハハハハハハハハハハ!」 カイバーマンが勝利宣言をする。高らかに上がる笑い声は、滅びのバーストストリームの爆音の中でなお轟いていた。 やがて壮絶な破壊の後、ようやく土煙も晴れた着弾点には、案の定何も残っていなかった。 「…ん?」 しかし、それは青眼の白龍の攻撃が、スバルの身体を残らず灼き尽くしたからではない。 カイバーマンがふと上空を仰ぐと、そこには彼女を抱える黒い服の魔導師。 「…へ? フェイト…さん?」 ようやく状況を把握したスバルは、自らを救出した者の名を呼ぶ。 「大丈夫だった、スバル?」 「あ、はい…」 間一髪、ソニックムーブでスバルを助け出したフェイトは、地上に着地すると、スバルの身体を降ろす。 「スバル!」 「よかったぁ…心配しましたよ、スバルさん!」 ティアナ達が口々に声をかけながら、死んだとばかり思ったスバルの元へと駆け寄り、無事を喜ぶ。 そんなスバル達を安堵の表情で見やると、 なのはは真剣な面持ちでカイバーマンを――その頭上に浮かぶ青眼の白龍を見据え、瞬時にバリアジャケットを展開する。 「ふん…ようやくその気になったか」 カイバーマンはすっかり待ちわびた様子で言う。 なのははそれに応えることもなく、戦闘フィールドへと歩を進める。 フェイトもそれにならい、彼女のすぐ隣へと立った。 「確かに…あの威力は、もう私が相手するしかないね」 「そうみたいね」 なのはの言葉をフェイトが肯定する。 「…少し、頭冷やさせないといけないかな?」 「許可するわ。私もそうするから」 キッと最強のドラゴンを睨むと、なのははレイジングハートを、フェイトはバルディッシュを構え、同じ高さまで昇った。 「ククク…まぁいいだろう。だが、貴様ら2人がかりでは、流石の青眼もただでは済むまい… …そこで、俺はこれを使わせてもらう!」 カイバーマンが新たに引いた3枚のカード。そのうち1枚は… 「マジックカード・融合を発動!」 「まさか!?」 青眼がフィールドに立っている状態で、更にモンスターを2体追加した上での融合。 その条件から導き出される最悪の結果に、明日香は信じられないといった様子の声を上げる。 「そのまさかだ。奴のデッキは、あの海馬瀬人のデッキと同じ…つまり、奴のデッキには…」 万丈目の声と、残り2枚のカードを表へと向けるカイバーマンの動作が重なる。 「青眼の白龍が、3枚入っているんだ!」 「今こそ融合せよ、青眼!」 カイバーマンが号令した。 2枚のカードから、更に2体の青眼の白龍が飛び出し、既に出現していた1体と共に天空へと羽ばたく。 3体のドラゴンの身体が強烈な光を放ち、やがて光そのものとなり、複雑に混ざり合う。 雷鳴が鳴った。 暗雲が渦巻いた。 3つの光は1つの巨大な光となり、青眼の白龍さえも優に凌ぐ、絶対的な力の権化を降臨させる。 「強靭! 無敵! 最強!」 カイバーマンが、力をこめてその名を叫ぶ。 「これぞ我が下僕の究極なる姿…青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)!」 ――ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーッ!!! 咆哮が轟いた。 ―青眼の究極竜― 攻撃力4500 防御力3800 融合モンスター 小山のような巨体。白い鱗に青い瞳。地獄の番犬を彷彿とさせる、3つ並んだ竜の首。 これこそ、青眼の白龍の究極形態。史上最強の殺戮兵器。 最強のドラゴンたる青眼の白龍。それを3体も束ねた存在だ。であれば、その力は最早神にも等しき存在なのではないか。 究極竜は語る。 言葉ではなく、気配で。 圧倒的なまでの存在感と冷徹なまでの殺意が、強烈な恐怖の刃となって、その場の者達を容赦なく貫く。 幾多のデュエルを切り抜けてきたデュエリスト達でさえ、その迫力に、ただただ打ち震えていた。 目の前の青眼の究極竜は、紛れも無い本物。 ソリッドビジョンなどでは到底伝わらない、本物の存在感が、デュエリスト達の身を震わせる。 そして、それを眼前で見せ付けられたなのは達の心境は、いかなるものであっただろうか。 恐怖。 今までのありとあらゆる戦場でも経験してこなかった、圧倒的なまでの恐怖。 自分の腕には自信があるはずだった。 しかし、このドラゴンの前では、それにいかほどの意味があるだろう。 防御魔法は障子程度の壁にしかなるまい。通常の魔力弾など豆鉄砲ほどの価値もない。 ありとあらゆるものを蹴散らす、暴力的な力。 エース・オブ・エースの身体が、小刻みに震えていた。 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
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世界は数多のifによって構成されている。 人が様々な世界を望み、分岐していくことで無限に増え続ける。 そこで行われる出来事は全てが現実であり、そして事実として残っていくことになるのだ。 世界を作り上げるのは自分たち自身であることを人は知る必要がある。 第1話魔王誕生 ジェイル・スカリエッティ事件…管理局全体を揺るがした事件は、機動六課を中心として無事解決を図ることとなった。 多くの犠牲を残し。 機動六課での中心的な攻撃人物であった高町なのはの娘として可愛がられたヴィヴィオは、その小さな命を散らした。 高町なのはは、責任を感じ、管理局から身を引くこととなった。 一方、他のもの、機動六課の責任者であった八神はやては六課の功績から管理局本局の上層部にへと出世していくことになる。 フェイト・T・ハラオウンもまた、なのはがいなくなった部分を埋めるため、軍事部門で力を出すこととなっていた。 『ついては…このような事件が二度と起きないため、管理局は今まで以上に強力な力を持つことが必要なのです』 新聞に大々的にな見出しにのっているはやての姿を見つめる高町なのは。 …今ではほとんど会うことが出来ない人物を見つめながら、なのはは息をつく。 「どうしたの?なのはちゃん?」 それは月村すずかとアリサ・バニングス。 高町なのはが魔法世界から身を引くこととなった今では、彼女達との関係が深くなっていた。 「ううん。なんでもない」 なのははそういって新聞を荷物にしまう。 「なのはも新聞を読むなんてすっかり社会人だね」 「そういうアリサちゃんだって、すっかり大人の女性って感じだよね」 「そうかな?」 なのはたちは、休日を利用して町に遊びに出ていた。 折角の休みを満喫し、嫌なことを忘れたいという思いがなのはにはあった。 「カラオケでもいこっか?」 「いいね~いこういこう!」 なのはは、彼女達と一緒にいるときは、あの辛い日々を忘れることが出来た。 フェイトや、はやてたちと会うとイヤでもヴィヴィオのことを思い出してしまうから。 このまま忘れてしまっていいものなのか…そういった思いがなのはの心のそこにはあった。 なのはに引っかかっている部分。 それはヴィヴィオが直接死んだところ見ていないということ。 ヴィヴィオは管理局上層部に回収され、監禁されているという噂を事件当初に耳にしていたのだ。 はやてに聞いたが、それはないという。でも……。 「どうしたの?なのは?置いてくぞ」 「ごめん…」 やっぱりそんなことはないのかな…私は、ヴィヴィオのことを受け入れられないだけなのかな。 なのははそんな二つの思いの狭間に苛まれていた。 なのはは、カラオケにいっても気が晴れず、部屋を出て非常階段で息をついていた。 青空を見つめるなのは…。 「なのはー!!」 そのどこか聞きなれた声に、なのはは振り返る。 そこにいたのはフェレット型のユーノの姿だった。 「ユーノ君!?」 「探したよ!匿ってほしいんだ」 「なにかあったの?」 「ひとまず、話は後で…」 ユーノはなのはをつれて、カラオケの空いている部屋の一室に隠れる。 「誰に追われているの?管理局の連中だよ。僕はまずいものを見つけてしまったらしい」 ユーノはそういうと、人型に変身する。 「なのはにこの場所にいってもらいたいんだ」 それは地図だった。 それは、神社がある場所…まだ私が小さいきに、ジュエルシードを含んだ怪物と戦った場所でもあった。 「頼んだよなのは…」 そういうとユーノは部屋を飛び出していく。 「ユーノ君……」 なのはは彼を追うことが出来なかった。 なのはは、アリサとすずかに事情を説明して、神社に1人でむかうこととなった。 どこか不安を感じながら、神社に向かうとそこには1人の緑の髪の女子がいた。 自分と同じくらいの女子は、なのはをみつめる。 「あ、あなたがユーノ君がいっていた…」 「なるほどな。お前が適正者というわけか…あの男、なかなか見る目があるようだな」 「あなたは?」 なのはの事を見ていろいろと言い出す女子に問いかけるなのは。 緑色の髪の女子は見据えたまま 「私は、C.C.という…」 「え?シー…ツー?」 その人間とは思えない名前に違和感を感じるなのは。 「いたぞ!!」 その声の主はすぐに現れた。 管理局の職員…というよりも実戦兵たちである。 なのはには何がなんだか分からない。 「既に覚醒済みか…目標物および、それを見たものは誰であろうと殺せというはやて総督の命令だ」 管理局の職員たちは、魔法を唱え始める。 「ちょっと待って!一体なんのことをいて、それにはやてちゃんってどういうこと!?」 なのははそういうが、彼らは無視をする。そして…1人が放った攻撃がなのはを狙った。 「やめろ!!」 飛び出したC.C.がなのはをかばう。 命中したC.C.はそのまま、力なく倒れる。 おびただしい血がながれ、彼女は簡単にやられてしまった。 「酷い…どうして、こんな」 「ちっ。かまわん!!あのフェレットのように、こいつも…」 「ユーノ君!?」 まさかユーノ君まで…どうして、なんで? わけがわからないなのはだが、そんなことは、向こうには関係がないのか、すぐに次の攻撃の準備がされる。 こんなところで死んじゃうの?まだ私は…何も知らないまま? そんな…フェイトちゃん…はやてちゃん……ヴィヴィオ。 「力を望むか?」 それは、さっきの緑色の髪の女子の声だった。 「果てしない、世界を変える力を」 彼女は問いかける。 「運命を変え、真実をしる王の力を…」 なのはは彼女を見つめる。 「知りたい…真実を、そして、運命を変えたい」 「王の力はお前を孤独にする…それでも私との契約を果たしすか?」 「結ぶよ…その契約」 「…ねぇ。真実を変えるには、世界を変えるには、まずは破壊しないといけないんだよね。今までのことを…、私自身も…」 その言葉の意味がわからない職員達は首をかしげる。 「すぐにお前は壊れる。これで最後だ!」 魔法を唱える職員達を見つめるなのは。 「……高町なのはが命じる。お前達は……壊れろ」 すると職員達の身体が突如、膨張して破裂する。 それは神社に、真っ赤な血で染めることとなった。 「私は立ち向かう。そして偽りのすべてを……壊す」 なのはは口元を微笑ませた。
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一歩、また一歩と自身に歩み寄って来る朱雀に対し フェイトはなのはの盾になりながら彼にどう立ち向かうべきかを思案していた (・・・こんな狭い場所では砲撃魔法は使用出来ない・・・。かといって近接戦闘では 以前のカレンさんの時の様に逆にこちらが追い込まれてしまう・・・ そうなると、バインドで彼を一時的に押さえ込んで、その隙に私の全ての魔力を込めた 一撃で彼を打ち倒す・・・それしか、無いか・・・) 「バルディッシュ、御願い。」 (Yes sir.Sealing Form. Lightning bind,get set.) 意を決したフェイトがバルディッシュに命じ、不可視型の拘束方陣を展開する 「・・・くっ・・・!」 その直後・・・ 朱雀はその拘束方陣に足を踏み入れ、両手両足を円環型のバインドで縛られ動けなくなってしまう 「・・・手を貸そうか・・・?」 ジェレミアが冷淡な笑みを浮かべて言う 「・・・いえ、大丈夫です・・・」 朱雀は冷静に彼の助けを拒否する 「・・・ここで仕留めるっ!ハァァァァァッ!!」 フェイトがバルディッシュの先端に有りっ丈の魔力を込めて朱雀に向け全速で突撃する (捉えた・・・!) バルディッシュの魔力刃が彼の胸元に迫り、勝利を確信した、その直後だった・・・ 「・・・えっ・・・?、キャァッ・・・!!」 突然朱雀の姿が自身の前から消えたかと思った刹那・・・ 朱雀はフェイトの左腕を掴み、足払いを仕掛けて彼女を投げ飛ばした・・・ 「・・・ああっ・・・」 宙を舞い背中を直で打ち付け悶絶するフェイト・・・ 朱雀はそんな彼女の上に乗り掛かり、彼女の両肩を押さえつける。そして・・・ 「・・・済まない・・・」 朱雀がフェイトにそう詫びた直後、彼は両腕に意識を集中し、光を発する。その光は 彼女の魔力を急速に奪い拡散させていく 「・・・・・・あ・・・・・・・・・あ・・・・・・」 急に魔力を奪われた事による身体の拒絶反応で痙攣を起こし、フェイトは 身動きが取れなくなってしまう・・・ 「そんな・・・フェイトちゃん・・・」 友を打ち倒され、恐怖に震えるなのは 朱雀は動けなくなったフェイトを置き去りにして今度はなのはの許へと歩み寄って行く 「・・・嫌・・・来ないで・・・」 なのはの言葉を前にしても朱雀は歩を止めず一歩、また一歩と彼女の許へ進んでいく 「来ないで・・・!来ないでぇぇぇぇっ・・・!!!」 (Accel shooter) 恐怖に駆られたなのはは無意識の内にアクセル・シューターの発動をレイジングハートに命じ、 朱雀に向けそれを放ってしまう・・・だが・・・ 「どうして・・・?」 朱雀はなのはの放つアクセル・シューターを避けようとも防ごうともせず 自身の身体で全てを受けきっていた 彼のバリアジャケットと”能力”で魔力的なダメージはほぼ皆無だったが それによって生じた物理的衝撃まで無効化出来る訳も無く、彼の身体に無数の裂傷を 負わせ出血させていく・・・だが、それでも彼は障壁を張る事無く 少しずつ、少しずつ彼女の所へと進んでいくのだった・・・ 「・・・ダメっ・・・ダメぇっ・・・!!」 朱雀の惨状を目の当たりにしたなのはは慌ててレイジングハートを待機状態に戻す やがて朱雀はなのはの目の前に到達し、屈みこみ・・・ 「・・・ごめん・・・」 朱雀はそう言ってなのはを抱きしめるのだった・・・ 「・・・朱雀さん・・・朱雀さんっ・・・!!」 これまでの恐怖が嘘の様に晴れ、なのはは朱雀の胸の中で泣きじゃくっていた・・・ 「ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!!私・・・私・・・!!」 朱雀を二度も撃った事をなのはは泣きながら詫びた 「いいんだ・・・!君は悪く無い・・・!」 「でも、私・・・!朱雀さんの事を撃った・・・!」 「大丈夫だ。僕も、シグナムさん達も、ちゃんと生きてる・・・!」 「朱雀さんに、辛くあたった・・・!」 「解ってる・・・!嘘をついていたのは僕の方だ・・・全ては僕の所為だ・・・!」 「朱雀さん・・・!」 なのはは朱雀の言葉を聞きながらも自分の気持ちを抑えきれず泣き続ける・・・ 朱雀はそんな彼女の後頭部に右手を当て、彼女の魔力を少しずつ奪っていった 彼女の頭部の魔力を奪い脳内の活動を弱め気を失わせようと、そう考えていた。だが・・・ (・・・何だ・・・?) 朱雀の魔力となのはの魔力が同調し、朱雀の頭になのはの記憶が浮かび上がる・・・ 朱雀の魔力がなのはの魔力の記憶を読み取り、朱雀の頭にそれを投影しているのだ (・・・なのはちゃん・・・) 朱雀の頭の中が真っ白になり、そこからなのはの記憶・・・思い出が彼の目の前に飛び込む 彼女の成長の記録、家族や友達とのふれあい、突然の”魔法”との出会い、 フェイトとの邂逅と親交、フェイトの”母親”が起こした事件の顛末、そして・・・ (そんな・・・僕が彼女を・・・こんなに苦しめていたなんて・・・!) 今回の事件で受けたなのはの余りに大きすぎる慟哭を、朱雀は一心に受け止めていた そして一方・・・ (えっ・・・何、これ・・・?) なのはもまた、同調した朱雀の魔力から彼の記憶を読み取っていた なのはの頭の中に、朱雀の記憶が浮かび上がる・・・ 彼とはやての闘病生活、シグナム達との突然の出会い、彼女達との楽しい時間、 はやての容態の急変、ランスロットとの出会いと彼女との不幸な再会 彼の二重生活と士郎や恭也、そして彼女に嘘をついた罪悪感、そして・・・ (そんな・・・はやてちゃんが・・・そんな・・・!) ルルーシュより語られた闇の書の本性、そして彼とはやての過酷な運命・・・ その事態の深刻さになのはは絶望し、そして・・・ 「済まない・・・!本当に済まない・・・!!」 「ごめんなさい・・・!私、朱雀さんの気持ちも知らないで・・・!」 二人は、溢れる涙を抑えきれず互いを強く抱きしめながら啼いて謝っていた・・・ 「私・・・朱雀さんや・・・はやてちゃん、シグナムさん達の事を・・・助けたい・・・!」 なのはは朱雀にそう嘆願する 「いいんだ・・・!君はもうこんな事をする必要は無いんだ・・・!」 朱雀は彼女にこれ以上迷惑を掛けまいと、それを拒否する 「でも・・・このままじゃ朱雀さんやはやてちゃんが・・・!」 「・・・大丈夫。僕が必ずはやてやシグナムさん達を助ける・・・!闇の書の事も 僕が必ず何とかする・・・!だからっ・・・!!」 「嫌っ!!私もっ・・・!!」 「・・・だめだっ!!!」 朱雀は後頭部にあてていた右腕を彼女の胸元に当て、意識を集中する・・・ そしてまばゆい光とともに彼女のリンカーコアを、ゆっくりと取り出していった 「・・・朱雀・・・さん」 「君はもう・・・こんな戦いに参加すべきじゃ無いんだ・・・!君には・・・師範や恭也さん 桃子さんに美由希さん・・・家族がいるんだ・・・!皆を苦しめる様な事は・・・してはいけない! 君は・・・まだ・・・引き返せる・・・!僕の様に・・・なったら・・・もう・・・戻れなくなる・・・!だから・・・!」 「朱雀・・・さ・・・・・・ダ・・・・・・メ・・・・・・・・・・・・」 「本当に済まない・・・!もし、出来たら・・・師範や・・・恭也さんにも・・・済まないと・・・言って・・・!」 その直後、なのはの身体からリンカーコアが引き抜かれ、やがてそれは朱雀の右腕に 収められていった・・・ 「うっ・・・ぐっ・・・あっ、ああああああああああああああああああああっ!!!」 朱雀の左腕の上で眠るなのはの顔に落ちる涙・・・ 朱雀は自らの犯した罪に対し只泣き尽す事しか出来なかった・・・ 「よくも・・・よくもなのはを・・・!貴方は・・・貴方だけはっ・・・!!」 朱雀の嗚咽の後ろでフェイトがおぼつかない足取りで涙を流しながら朱雀を睨みつける それを聞いた朱雀は自らの涙を隠さずに彼女の方に振り向く 「・・・彼女は・・・無事だ・・・」 「・・・えっ・・・?」 朱雀の言葉に驚くフェイト 朱雀はそんな彼女の前になのはを担ぎ上げ、そっと降ろす 「・・・彼女は君にとって心の支えであり、大事な人だ・・・その彼女の命を奪うなんて事・・・ 僕には出来ない・・・」 フェイトは朱雀に自分の心が鷲掴みにされた様な気分になり、呆然としていた・・・ 「君に・・・頼みがある・・・もう、彼女を・・・こんな事に、巻き込まないで欲しい・・・ 彼女には・・・家族がいる・・・どうか、普通の生活に・・・彼女を・・・!」 「・・・そこまでだ。これ以上は待てん、行くぞ。」 ジェレミアが朱雀の肩を叩きそう言い放つ 朱雀は涙を拭き、頷く 「・・・解りました・・・」 朱雀はなのはとフェイトに悲しそうな表情を向けた後、ジェレミアと共に 彼女達の許から走り去っていくのだった・・・ (他者の魔力との融合、情報の共有・・・”ユニゾン”も出来る様になったか・・・ ”デヴァイサー”の力、使いこなせる様になったか・・・?) 朱雀の横でジェレミアはそう考えていた・・・ そして一方・・・ カレンやクロノ達は負傷した局員たちを引き連れ救護室に向かっていたが、 朱雀の言葉にショックを受け呆けていたフェイト、そしてリンカーコアを抜かれ 倒れていたなのはを見かけ、慌てて彼女達を介抱する 「フェイト!フェイトっ!!一体、どうしたのさっ!?」 「フェイト!しっかりしろっ!!何があったんだ!?」 アルフとクロノが呆けていたフェイトの気を覚ます 「アルフ・・・クロノ・・・私・・・私・・・!」 二人の前で泣きながら詫びるフェイト アースラの通信機能が回復したのは、この直ぐ後の事だった・・・ 戻る 目次へ 次へ
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ルールを守って楽しくデュエルしよう! 今までこんなに手数の多い魔術師とは交戦した事は無かった。 眼前の少年は使い魔を巧みに使い、バインドや自動追尾の呪文を回避する。 幸いヴォルケンリッターのように高度な知性や強さは無いが、数が多いのだ。 いくら倒しても新しい使い間を召還する。今まで倒した使い魔の数は12匹、全て異なる容姿と能力を持っていた。 それに加え妨害や攻撃、使い魔の強化といった呪文も使用する。 「これで13種類の呪文と12匹の使い魔・・・手数が多すぎで流石に疲れちゃうかな」 さすがに膨大な魔力量を持つなのはでも消耗戦は避けられなかった。 だが勝機はある、少年のデバイスはカードを読み込ませて発動させるらしく、 デバイスにセットされているカードは半分近く減っていた。 「俺の手数を数えてるなんてよく見てるな。そうだなこれで俺の手札は半分を切った、俺の手札が無くなればあんたの勝ちだ」 「・・・!?」 少年は自ら弱点を言ったのだ、だがその眼は全く勝利を諦めていなかった。 「今度の使い間は一味違うぜ・・・あんたと同じ魔術師だからな」 少年は勝負に出る気を感じたなのははレイジングハート変形させる、勝つには大出力の魔術で一気に攻撃するしかない! 「待たせたな・・・マハード!お前の力を見せてやれ!」 ちゃ~ちゃららっら♪ちゃらっららら~♪ ヽ(`Д´)ノHA☆NA☆SE 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
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ユーノがなのはと一緒に風呂に入ったことがあると聞いてアテムまじギレ アテム「覚悟しろよ、この淫獣野郎!」 ユーノ「な、何で怒ってるのさ!?」 アテム「ドロー!モンスターカード!」 デーモンの召還 ユーノ「うわあああ!」 アテム「ドロー!モンスターカード!」 カースオブドラゴン 淫獣 「ああああ!」 アテム「ドr(以下略 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
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「なのはさんのお兄様だけあって、やっぱり格好いいですね~」 あいさつが済むと同時に、スバルは目をキラキラと輝かせ、ブリッコのポーズを取りながら言った。 「ちょ、ちょっとスバル! いきなり馴れ馴れしくするんじゃないわよ!!」 ティアナに怒鳴られるが、スバルはしゅんとした表情で人差し指同士を合わせながら反論する。 「でも、本当にそう思うんだもん」 「ははは、どうもありがとう」 恭也は笑顔で二人に言うのと同時に、店の入り口から恭也と同じ翠屋のエプロンをつけた、半袖の Yシャツに作業用ズボンと運動靴というシンプルな服装の、四十代前半の男性が出てきた。 「おい、いつまで―――おお、なのはか」 男性はなのはたちの姿を見ると、顔をほころばせる。 「あ、父さん」 「お父さん、忙しいところをごめん」 なのはの父で、翠屋の店長である高町士郎に、アリサとすずかは「今晩は」と挨拶する。 「ええと君たちは、確かなのはの教え子で…ティアナさんとスバルさんだったね」 士郎そう言って挨拶すると、スバルは「はい、そうです」と、ティアナは「覚えていただいて、恐縮 です」と言って挨拶を返す、士郎はしばらく考え込んだ後、なのはに言った。 「なのは、皆さんを家に連れてってくれ。夕食は、みんなで揃ったときにしよう」 「うん、分かった」 「あ、あの…お寛ぎのところを邪魔しては――」 ティアナがそう言いかけた時、士郎はそれをにこやかに遮った。 「いえいえ、娘の部下の方々でしたら、私の家族も同然ですよ。どうぞご遠慮なさらずに」 「あ、ありがとうございます」 ティアナは、多少緊張気味に士郎へ礼を言った。 数時間後、高町家居間の食卓には和洋様々な種類の豪華な料理が並び、部屋全体にいい香りが漂っていた。 「うわぁ~、おいしそう~」 「すごい…」 スバルとティアナは、ミッドチルダでも当たり前に食べられているものから生まれて初めて目にする料理 まで、技巧を凝らした様々なご馳走の数々に目を輝かせ、息を呑んだ。 「さぁ、召し上がれ」 士郎の左隣に座っている、幾何学模様のワンピースという服装と綺麗な顔のため、士郎と同年代とは思え ないほど若々しいなのはの母、高町桃子がにこやかにスバルたちへ言った。 「では、お言葉に甘えて…」 「いただきま~す」 ティアナは桃子に丁寧に礼を言い、スバルは、手を合わせながら快活に言って箸を取り上げた。 スバルたちがおいしそうに食べ始めたのを契機に、高町家の面々となのはの友人達も食事を始める。 しばらくの間、居間の全員は食事に集中して、会話が途切れる。 全員程よく胃が満たされ、落ち着いて来た時、桃子がスバルたちに尋ねた。 「スバルさんとティアナさんは、なのはの教え子なんですってね」 その質問に、ティアナが答える。 「はい、機動六課に所属していたとき、教導官として色々と教えていただきました」 「その時のなのはって、あなたたちから見てどう?」 「そうですね…」 ティアナは、フォークを置いて天井に頭を向けながら考えてから、答えた。 「厳しいですけど、基礎から順序立って教えてくれる、分かりやすい教導をしてくれる方…って感じです」 「あはは。ティアらしくていい答えだね」 スバルはそう言って笑いかけると、ティアナは顔を赤くして顔を伏せる。 「スバルさん、あなたはどう思った?」 桃子が尋ねると、スバルは真剣な表情で桃子を見つめながら答えた。 「私は…、初めて会った時からずっと憧れの方です」 スバルは、ここで昔を思い返すような、遠い目をしながら話を続ける。 「小さい時、私はなのはさんに助けて頂いて、その時に自分の力の無さを実感して、なのはさんみたいな 強い人になりたいって心の底から思って、それからずっと…今もなお追いかけてますけど、まだ遥か先の… 雲の上の人、そんな感じですね」 「スバル、それ持ち上げすぎ」 なのはは、顔を赤くして恥ずかしそうに言うと、桃子は微笑みながら娘を見つめた。 「あら、いいじゃないの。娘が人の尊敬を得られるほど立派になるなんて、母親としてこれほど嬉しい事 はないわ」 士郎も笑いながら頷く。 「そうだな。ちょっと前までは小さな子だと思ってたけど、それがあっという間に教官として人に尊敬される までになってるなんて、そうそうある事じゃないぞ」 「多分、我が家で一番の出世頭じゃないかしらね?」 ベージュのブリッジシャツにローライズスキニーデニムパンツという服装の、金縁の眼鏡が知的な雰囲気を 醸し出しているなのはの姉、高町美由希が箸できんぴらごぼうをつまみ取りながら言った。 「ああ、俺も美由希もそんな立場までは行ってないし、稼ぎも我が家で一番じゃないか?」 恭也が自分の境遇を憂えるように、腕を組んで難しい表情をしながら言うと、桃子は恭也の頭に手を伸ばし、 優しく撫でながら答えた。 「いえいえ、恭也も美由希も立派にがんばってますよ」 頭を撫でられている恭也は、恥ずかしそうに顔をしかめて、母親の手から逃れる。 「ちょちょっと母さん、もう子供じゃないんだから」 突然、それまで黙ってサラダを食べていたヴィヴォオが、士郎と桃子に振り向いた。 「士郎おじさんに桃子おばさんも偉いと思うよ、だって二人が居たから、ヴィヴィオはなのはママと出会えた んだもん」 「ありがとうね、ヴィヴィオ」 桃子はヴィヴィオの頭を撫で、士郎は張り切って腕まくりしながら宣言する。 「ようし、ヴィヴィオの為に今まで一番おいしいキャラメルミルクを作ってあげよう」 士郎の言葉に、ヴィヴィオも満面の笑みで返した。 「ありがとう、士郎おじさん」 「いやぁ~、実に幸せなそうな事で…」 「私たち、お邪魔だったかも…」 アリサとすずかが、気まずそうに縮こまっているのを見たなのはは、慌てて二人を宥めに入った。 「アリサちゃん・すずかちゃん、そんな事無いから」 食事が終わると、スバルは庭で恭也とシューティングアーツの手合わせを始め、ティアナは、アリサたちと ミッドチルダと地球の文化について色々話を始める。 士郎と桃子は、ヴィヴィオのキャラメルミルク作りのために台所へ行き、ヴィヴィオも二人について行く。 そしてなのはは、コーヒーの入ったカップを手に、縁側でスバルと恭也の手合わせを眺めながら、美由希と 雑談に興じていた。 「…なのはが、初めてヴィヴィオを連れてきた時は、上へ下への大騒ぎだったわね」 美由希がからかう様に言うと、なのはは苦笑しながら答え。、 「うん。管理局に入ってからの事を、総て話した時もかなりの騒ぎだったけど、あの時はそれ以上だった」 「でも、今じゃ一緒に飲み物作ったりするぐらい仲がいいんだから、良かったんじゃない?」 「うん。多分ヴィヴィオがいい子だったから、お父さんもお母さんも打ち解けられたと思う」 そう言って二人は台所の方に目を向ける。 台所からは、キャラメルミルクのいい香りと、楽しそうに話すヴィヴォオたちの声が聞こえてきた。 「で、クラナガンの方はどうなの? リンディさんから、分離主義勢力についてちょっとは話を聞いてるけど」 なのはは、顎に手を当てて考え込みながら話し始めた。 「最近、情勢が不穏になってきてる。魔術を使える人たちと、そうでない人たちの対立が段々悪化してきてて、 街中でデモが暴動になるなんて事が結構多くなってて…」 「そうなんだ」 「私も、時々暴動の鎮圧に呼ばれる事があるんだけど、正直言って気が乗らない」 そう言った時のなのはの表情に陰りが見えたのを、美由希は見逃さなかった。 「どうして?」 「それだけ今の状況を不満に思う人が沢山居るって事でもあるから」 なのははそこで一旦言葉を切って、空に目を向ける。 「ミッドチルダって、魔法以外の技術に対して本当に冷淡なの。魔術の技能を持たない人たちって選挙権がないし、 就職に関しても色々と制約があるから、彼らが怒るのも当然だって思う」 コーヒーを飲んで一息つけてから、再び話し始めた。 「暴力行為は悪い事だけど、ほとんどの人たちは自分の生活をより良いものにしたくて、間違っていると感じている 事を変えたいから、そうやって抗議している…そんな人たちの思いまで、一時の過ちとして片付けているような気が するの」 美由希は、なのはの肩に手を置いて言った。 「なのはは優しいね。昔、ユーノを拾ってきた時もそんな風に一生懸命だった」 振り向いたなのはを真正面から見つめながら、美由希は話を続ける。 「なのはがそう思うなら、同じように感じている人は他にも居ると思う。魔法の力を持たないけど、懸命に世の中の ために頑張っている人たちに正しく報われるようにしたいって思っている人が」 美由希はそこで言葉を切り、手合わせを終え、庭石に相対して座りながら話をしている、スバルと恭也の方に目を 向けながら話を再開した。 「その人たちと一緒になって、より良い方向に解決できるよう頑張るといいと思うよ。今のなのはならそれが出来る、 それはお姉ちゃんが保証する」 「そうだね。ありがとう、お姉ちゃん」 なのはは小さく微笑んで、空になったコーヒーカップを見つめる。 「ちょっと、新しいコーヒー入れてくるね」 そう言って立ち上がったなのはに、美由希は笑って手を振った。 台所で両親達と話をしながら新しいコーヒーを淹れ、居間に戻ろうと廊下に出た時、首に下げてあるレイジングハートが 点滅を始めた。 「どうしたの、レイジングハート?」 「マスター、八神はやて様から個人向け秘匿通信が入っております」 「はやてちゃんから!?」 なのはは急いで自分の部屋に行き、空間ウィンドウを開く。 「はやてちゃん、どうしたの?」 モニターに映るはやては、緊迫した表情で話を始めた。 「なのはちゃん、お休み中のところ申し訳ないんやけど、こっちでえらい事が起きてな」 「何?」 はやての話を聞いたなのはの表情が凍りつき、コーヒーカップを床に取り落としてしまう。 カップからコーヒーが溢れ、カーペットに黒い染みを作る。 「フェイトちゃんが…」 なのはは、呆然とした表情で呟いた。 前へ 目次へ 次へ
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Design01 高町なのは×CW-AEC02X Strike Cannon&レイジングハート・エクセリオン(単独飛行形態) Design02 スバル・ナカジマ×マッハキャリバーAX&CW-AECX07X Sword Breaker Design03 トーマ・アヴェニール×ディバイダー996第2形態&戦闘防護服第2形態「黒騎士」 Design04 ヴィータ×CW-AEC03X War Hammer Design05 フェイト・T・ハラオウン×バルディッシュアサルト ライオットブレードII&ライオットザンバーII Design06 高町なのは×CW-AEC00X Fortress Design07 アイシス・イーグレット×アーマージャケット&パフュームグラブ Design08 アルナージ×ディバイダー718 Design09 サイファー×ディバイダー944ケーニッヒ・リアクテッド Design10 ドゥビル×ディバイダー695 Design11 ステラ×飛翔戦艇フッケバイン Design12 リリィ・シュトロゼック×エンゲージスーツ Design13 カレドヴルフ・テクニクス社製CW-ADX(アーマーダイン)ラプター
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黒い宵闇の中、岩場を歩く白い人影が1人。 栗色の髪をツインテールにし、右手には桃色と金で塗られた、魔導師の杖。 防護服・バリアジャケットを身につけたまま、その女は手頃な石に腰かけた。 「…はぁ、はぁ…はぁ…」 ずっと歩き詰めだったのか、女の息は荒い。 女はそんな息を整えると、1人夜空を仰ぎ見る。 いくつもの星々。そしてその中でも一際目立つ、異様なまでに巨大な彗星。 (どれだけ経ったんだろう…) 女は思う。 この奇妙な世界に飛ばされ、帰る手立てもなく、仲間達ともはぐれた、1人の旅。 いつになったら皆と再会できるのだろう。いつになったら帰れるのだろう。 否。 果たして皆に会った時、自分は彼らと共に歩めるだろうか。果たして帰る機会が生まれた時、自分はそのまま帰れるだろうか。 (…できるはずないか…) 今の自分に、ぬけぬけと仲間達の隣に立つことはできそうにない。 今の自分に、ぬけぬけと皆の待つ世界へ帰ることはできそうにない。 何故なら、 「――何だ、お前?」 「っ!?」 いつ頃からそこにいたのだろうか、女の目の前には、1体の悪魔が現れていた。 ミストデーモン。攻撃力2400の上級モンスター。 「見たところ魔法使いみたいだが、見慣れねぇ顔だな…」 漆黒のデーモンは、爛々と輝く赤い目で、女の顔を覗き込む。 (このモンスター、パッと見ではかなり強そうだけど…) ただでは逃れられないと悟った女は、反射的に相手の力量を計る。 そしてその瞬間、「しまった」、と思った。 しかし、そう後悔した時には、既に遅かった。 「お前、ひょっとするとデュエリストじゃないだ…」 「ねぇ」 女の声が、ミストデーモンの詰問を遮る。 「あん?」 不意に話しかけてきた女に対し、ミストデーモンは不満気な声を上げる。 目の前の女からは、いつの間にか、先ほど空を見ていた時までの物憂げな表情が消えていた。 その代わり、淡々と相手を見定めるような無感情な視線と、冷酷な冷たい微笑みが貼り付いていた。 「貴方、強いの?」 その顔には、「虐」の一文字が赤々と輝いていた。 「何だ急に?」 いきなり訳の分からないことを尋ねられ、ミストデーモンは逆にその意味を問う。 相手の豹変は特に気に留めていないようだ。もとより今会ったばかりの人間の変化など、分かるはずもない。 「言葉通りだよ。私は貴方が強いかどうか、それが知りたいの。ねぇ…貴方は強い? 弱い?」 対する女は、手にした杖を槍のような形に変え、その穂先を悪魔に向ける。 「ヒャハハハハ! 見くびるなよ! 俺は覇王軍でも指折りの悪魔だぜ」 敵対の意志ありと判断したミストデーモンは下品な笑い声を上げると、その太い腕を持ち上げる。 「少なくとも、お前みたいな細っこい女1人へし折るぐらいはわけな…」 「…そう」 閃光が走った。 轟音と共に、ミストデーモンの腕が吹き飛ばされる。 「ギ…ギャアアアアアアッ!」 直後に襲ってきた激痛に、ミストデーモンはその身をよじらせた。 「なんだ、それぐらいか…じゃあ…」 相手の底が見えた瞬間、女の品定めをするかのような目に、嗜虐的な光が宿る。 「好き放題いたぶらせてもらうね」 邪悪な笑みを浮かべ、女は杖から、尚も砲撃魔法の光を放った。 黒い悪魔が原型も分からぬ形までその身を崩され、命の消えた身体が自壊した後、女は杖を元の姿に戻す。 「…ぷっ…くくく…」 そして、不意に口元を歪ませ、そこから抑えた笑い声が漏れたかと思うと、先ほど見上げた夜空に向かい、思いっきりその口を開いた。 「…あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」 白いバリアジャケットの女は、狂ったように笑い出す。 加虐心を満たしたのか、その美しい顔から、「虐」の文字がすっと消えた。 「あはははははははははははははははははははは! あははははははははははははははははははははははははははは!」 女の頬を涙が伝ったのは、それが消えた直後だった。 それでも女はそれを拭うこともなく、ひたすらに声を上げ続ける。 「あはははははははははははは! 私…またやっちゃったよ! あはははははははははははははははははははははははははははははは!」 狂喜の声は、いつしか悲しい笑いに変わっていた。 ひとしきり笑い終え、落ち着いた女は、元の石へと座り込んだ。 「………」 しばらくの間、女は無言だったが、再びその目に涙が込み上げてくる。 「…くっ…うう…っ…」 抑えた嗚咽が、無音の闇の中に溶け込んでいった。 こんな自分に、一体何が望めようか。 誰か敵に会う度に、感情が爆発する。 強ければ強いほど、戦いを楽しみたくて仕方なくなる。弱ければ弱いほど、虐殺を楽しみたくて仕方なくなる。 「う…ぁ…あああああああああ…っ…!」 遂に堪えきれず、女は思いっきり泣き出した。 こんな自分が、仲間達と共にいられるものか。こんな自分が、元の世界に帰れるものか。 (こんな私が…) 高町なのはを名乗れるものか。 やがて女――なのはは、笑い疲れたのか泣き疲れたのか、そのままゆっくりとまどろんでいった。 明くる日も、なのはは1人だった。 暗い空の下を、1人歩いていた。 今のなのはにできることは、せいぜいそれぐらいだった。 と、不意に上空から、巨大な羽音が鳴った。 「!」 降りてきたのは、金の身体を持つ異形の竜・カース・オブ・ドラゴン。 そして、その背中に跨がっていたのは… (覇王…十代君…) 一目で理解できた。豪華な彫金の施された漆黒の鎧に、背中に羽織った見事な赤いマント。 何より、見知った少年の冷たい瞳が、その存在を物語っていた。 「お前か。我が兵士を次々と殺しているのは」 十代の言葉には何の感情もない。伝わるのは、覇王の覇王たる所以――圧倒的な闘気のみ。 なのはの身が震える。 そこらの低俗なモンスターとは明らかに異なる、高潔かつ絶対的な力。 戦いたい。 胸が疼く。 戦って試したい。 なのはの心が叫ぶ。 自分の攻撃にどう応えるのか、それを見てみたい。 その冷徹なまでの自信を、完膚なきまでに叩き壊してやりたい。 (駄目…) 仲間だった十代を嬉々として手にかけるなど、なのはには到底許せることではなかった。 なのは必死に己の内なる激情と戦い、抑え込もうとする。 戦いたい。 (駄目…!) 戦わせろ。 (駄目、駄目、駄目…ッ!) しかし、そんな抵抗など無意味だ。 闘争を求める負の心は本能。闘争を抑える正の心は理性。 どちらが強いかは明らかだ。何より、抑えられるのなら、今まで苦労していない。 「…ねぇ」 あの声が響いた。 冷たく、相手に問いかける、あの声が。 「虐」の一文字が、冷酷な笑顔に貼り付いた。 「貴方…強いの?」 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
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キャラクター スキル スキルは「ロングレンジパワー」「MPガード」 技性能 連続技