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――その日以来、普段の生活と闇の書の纂集とを交互に行うという”二重生活”を 僕は始める事となった・・・ ――闇の書の纂集を行う為にシグナムさん達に連れて来られた世界・・・ そこはかつて彼女達が仕えていたという歴代の闇の書の主達が住んでいた世界だった だが、それらの世界の全てが砂漠、荒地、火山、森林といったかつての地球そのままの 様相を呈しており、そこには昔絵本で見た様な恐竜やモンスターといった巨大生物が 多数生息していた・・・ 僕はその中で初めての”生きるか死ぬかの実戦””を経験し、悪戦苦闘していた・・・ 出力が高すぎて対象を殺めてしまうかも知れない、との理由で”ユグドラシル・ドライブ”の 使用を禁じられ、僕はランスロットの固定武装である”メッサー・バイブレーション・ソード”と 両腕にある魔力誘導式射出アンカー”スラッシュ・ハーケン”の二つのみでの戦闘を 余儀なくされていた 幼い頃から剣術を習ってきたので戦闘には多少の自信があるつもりだったが この世界の巨大生物達にこれまでに習ってきた剣術の常識が通じる筈も無く シグナムさんに何度も命を助けられながらも僕は戦いを続けていた・・・ それにしても・・・これらの世界には人間の集落はおろか、かつて人が住んでいたという 文明の名残すら一切存在していなかった・・・ シグナムさんにその理由を尋ねても、”それは自分にも分からない、だが主が変わった時に 闇の書の纂集を行う為にかつての主の世界に戻ってみると、その世界はいつも この様な状態に変貌しているのだ・・・”と要領の得ない答えが返ってくるばかりだった この世界の有様と、纂集の為にリンカーコアを抜き取り虫の息の魔物達・・・ 僕はそれらの姿の見る度に”自分達のやっている事は本当に正しいのか”と、 疑問を抱かずにはいられなかった・・・ そんな中で、僕は未だに翠屋でのアルバイトを続けていた シグナムさん達には辞めるべきだと強く勧められていたが 僕はどうしても辞める気にはなれなかった・・・ あの時に出逢った少女が本当になのはちゃんだったのか、気になって仕様が無かったからだった・・・ だが・・・あの日以来、なのはちゃんは明らかに僕を避ける様になっていた・・・ 僕が挨拶をしても素っ気無い返事のみをして逃げる様に僕の許から立ち去り、 時折遠くから僕を不安そうに見つめていた・・・ かくいう僕もそんな彼女を恐れるかの様に距離を取る態度を崩す事が出来ずにいた・・・ それにしてもおかしい・・・ ランスロットに常にジャミングを掛けてもらっているので、サーチの面では問題が無いはずだが、 未だに僕や妹に時空管理局の追っ手が迫っている気配がしない・・・ なのはちゃんがあの時の少女でなかったとしても 僕の人相から素性はとうに明かされているはずなのに・・・ だが、こんな状態が十日程続いたある日の事・・・ 朱雀「えっ、なのはちゃんが・・・?」 ――彼女が久し振りに僕の家に来て妹に会いたいと言い出したのだ・・・ 恭也「ああ、うちのなのはがはやてさんに会って話がしたいって言ってるんだが・・・ 明日はうちの定休日だろ?どうだろう?予定があれば無理には・・・」 ――恭也さんの後ろでなのはちゃんが不安そうに僕を見つめていた・・・ 朱雀(まずい・・・!シグナムさん達の事を気付かれるわけには・・・!) ――僕は迷った挙句、その場での思い付きをつい口に出した・・・ 朱雀「・・・じゃっ、じゃあ僕が妹を連れて来ますよ、その方が妹も喜ぶし・・・ それに久し振りに僕も師範の稽古を受けてみたいですし・・・どうですか?」 恭也「ふっ、そうだな・・・お前の剣を久し振りに受けてみたいしな・・・ どうだ、なのは?その方が皆で夕食も食べられるし・・・」 なのは「うっ、うん・・・」 ――なのはちゃんは渋々ながらもこれを了承してくれた 次の日・・・ 僕はシグナムさんに事情を話し、当日の妹の護衛を僕とシャマルさんの二人にしてもらった そして学校が終わった後に僕とシャマルさんは妹を車に乗せ、師範の家へと向かった はやて「なのはちゃんの家に行くんは久し振りやからホンマうれし~わ~! ありがとな、朱雀兄ぃ、シャマル!」 ――妹が喜ぶ裏で僕は後ろ暗い気分で一杯だった・・・ シャマル「ふふっ、どう致しまして、あっ、そろそろ着きますから準備してくださいね」 はやて「は~い」 そうこう言う内に僕達は師範の家に到着した 家の前では師範や桃子さんに恭也さん、美由希さんになのはちゃん、それと なのはちゃんの友達だという少女達が僕達を出迎えてくれていた はやて「なのはちゃん、今日は誘ってくれてホンマにありがとな!うれしい~わ~」 なのは「うっ、うん・・・久し振りだね、はやてちゃん・・・」 桃子「さあさあ家にあがってはやてちゃん、私も今日ははやてちゃんの為に お料理がんばっちゃったから」 はやて「うわ~ありがとうございます!朱雀兄ぃ、シャマル!はよ上がろ!」 シャマル「・・・」 ――シャマルさんは固まっていた・・・ 無理も無い、かつてシグナム達さんが戦った少女達が自分の目の前にいるのだから・・・ 僕はそんなシャマルさんの肩をポンと叩き・・・ 朱雀「・・・行きましょう、シャマルさん」 シャマル「えっ!?えっ、ええ・・・」 ――僕はシャマルさんを焚き付けて師範の家へと入っていった、そしてちょっと用事があると いって師範の家の廊下でシャマルさんと二人きりの時間を作った・・・ シャマル「朱雀さんっ!これは一体どういう事なんですか!?あの子達は・・・」 朱雀「シャマルさん、大きな声を出さないでもらえますか?」 シャマル「でも、あの子達は管理局の・・・」 朱雀「・・・まだそうだという確証はありません・・・ここは僕に任せてもらえますか?」 シャマル「でも、私はともかく、朱雀さんは・・・」 朱雀「・・・僕の予想が正しければ、もし彼女達が本当に管理局の人間だったとするなら 僕たちはとっくの昔に管理局に捕まっている筈です・・・」 シャマル「・・・」 朱雀「それに・・・もしそうだったとしても、僕は彼女達に危害を加えたくないんです・・・ ここは僕が必ず何とかします・・・僕を、信じてもらえますか・・・?」 シャマル「朱雀さん・・・」 朱雀「それと・・・この事はシグナムさん達には内緒にしてもらえませんか?」 シャマル「えっ!?でも・・・」 朱雀「もしこの事がシグナムさん達に知れたら、おそらく、皆は・・・ 御願いします、僕は師範や彼女達をこんな事に巻き込みたくないんです・・・ 約束して、もらえますか・・・?」 シャマル「・・・わかりました・・・」 ――僕はシャマルさんを説得して騒ぎを起こさぬ様約束させた・・・ そしてシャマルさんや妹を家の方に残し、僕は隣にある剣道場へと向かった・・・ 恭也「お前とこうして仕合をするのも久し振りだな・・・ 腕は鈍っていないだろうな?」 朱雀「どうでしょう・・・?僕自身こうやって剣を取る事自体久し振りですし・・・ まぁ、お手柔らかに御願いしますよ」 ――僕と恭也さんは腕試しという事で師範の前で仕合をする事となった・・・ だが・・・僕は師範や恭也さんに嘘を付いている・・・ 僕が幼い頃より師範から習ってきた剣術、小太刀二刀・御神流・・・ 本来は力無き人々を守る為の剣・・・ でも・・・僕は・・・妹を助ける為という名目で、自分の欲望のままに・・・ 僕は・・・師範や恭也さんの思いを影で裏切っている・・・ そんな背徳感に僕は苛まれていた・・・ 士郎「準備はいいな、二人とも・・それでは、始めっ!!」 ――師範の合図と共に僕は恭也さんの許へと走り寄って右手の木刀を振り下ろした しかし恭也さんはそれをひらりとかわし僕の胴に向けて突きを繰り出す 朱雀「くっ・・・!」 ――僕はすんでの所でそれを払うが、ろくに反撃態勢を整える事が出来ずに 恭也さんの連続攻撃の前に防戦一方になってしまった・・・だが・・・ 恭也「・・・何だ・・・?朱雀の奴・・・」 朱雀(見える・・・!) ――恭也さんの剣筋が、どう攻撃を仕掛けてくるのかがわかる、そんな感覚に襲われていた・・・ あの巨大生物達との戦いに比べたら・・・あんなどこから攻撃を仕掛けてくるか 分からない様な化物共に比べたら・・・恭也さんの剣術はまだ相手の体の動きをちゃんと 見ていれば的確に対処できる・・・!そう、確信していた・・・! あの二週間足らずの実戦がまさか自分をここまで強くしているとは・・・! そんな状況に僕自身驚いていた・・・ 恭也「剣のキレが格段に増している・・・だが、それ以上に・・・隙が無い・・・!」 ――恭也さんの剣筋が僅かに鈍り、僕は両手の剣を前に突き出し彼を押し返して距離を取った 恭也「・・・お前、本当に剣術の稽古をしていなかったのか・・・?」 朱雀「ええ、そうです・・・」 恭也「だが、お前の剣のキレ、そしてその気迫・・・」 朱雀「・・・恭也さん、仕合はまだ終わっていません、続けましょう」 恭也「あっ、ああ・・・そうだな」 ――その後は両者共に一進一退の攻防が続き、鍔迫り合いの音のみが場内にこだましていた 美由希「嘘・・・兄さんの剣をここまで・・・」 士郎「・・・」 ――僕を含めた皆がこの状況に驚いていた・・・ そして互いに攻め手を欠いたまま打ち合いが続いていたが・・・ 恭也「・・・くっ!強い・・・!だがっ・・・!」 ――恭也さんが左肩を突き出して僕をひるませ、その隙に足払いを喰らわせた・・・ 朱雀「ぐっ・・・!」 ――そして彼は僕がバランスを崩した隙を突いて左の剣で僕の頭部めがけて振り下ろそうとした 僕は咄嗟に左手を前に出して・・・ 朱雀(シールドを・・・!) ――纂集の時の戦闘でクセがついたのかシールドを展開しようとした・・・ だが、その時、前方に居た一人の少女の姿が僕の目に映った・・・ 朱雀(・・・なのは・・・ちゃん・・・) ――僕と恭也さんの仕合の事を聞きつけて、なのはちゃん達が道場に来ていたのだ・・・ そして彼女の姿を見た事で一瞬硬直してしまい、僕は恭也さんの振り下ろしを左腕で まともに受け止めてしまった・・・ 朱雀「ぐっ!!、ああっ・・・!!」 ――左腕に激痛が走る・・・!!だが、僕の頭の中で何かが弾けた感じがした・・・! 朱雀「うあああああああああああっ!!」 ――無意識での事だった・・・ 僕は左腕で恭也さんの剣を振り払い、空いていた右腕で彼を斬り上げようとした 恭也「なっ・・・!?」 ――恭也さんは咄嗟に体を後ろに仰け反らせて僕の斬り上げをかわしたが 彼の左頬には血が滲み出ていた・・・ 士郎「・・・!?それまでっ!!」 ――師範の掛け声で仕合は急遽打ち切られた・・・ 朱雀(何を・・・何をやっているんだ・・・!?俺は・・・!) ――僕は左腕の激痛に耐えながら、己の行いに悔いていた・・・ はやて「朱雀兄ぃ!大丈夫か!?」 ――妹や皆が僕の許に駆け寄り僕を気遣ってくれた そんな皆に僕は”大丈夫だ”と言い皆を宥め、手当ての為に家の方に行くと言って 僕は剣道場を後にした・・・・ 士郎「・・・気付いたか?恭也・・・」 恭也「ええ、何だったんだ・・・?朱雀のあの殺気は・・・?」 士郎「ああ、まるで手負いの獣の様なあの気迫・・・一体彼に何が・・・?」 ――その後僕は皆で夕食を楽しんでいた 大きなテーブルの上に沢山の料理、親しい人達との楽しい会話・・・ 僕も腕の痛みなど忘れてその和の中に打ち解けていた・・・ だが・・・その席での事だった・・・ なのはちゃんが突然僕に質問を投げかけてきたのだ・・・ なのは「あの・・・朱雀さん、ちょっと・・・聞いても、いいですか・・・?」 朱雀「ん?なんだい、なのはちゃん?」 なのは「先々週の木曜日の夕方に・・・私と会いませんでしたか・・・?」 朱雀(・・・!?) ――僕とシャマルさんは動揺した、それを察知したのか 彼女の友達の一人であるフェイトという少女が僕達を睨みつけていた・・・ 恭也「ああ、そういえば俺も聞きたかったんだ、お前のお手伝いさんの事で・・・」 ――僕は咄嗟に手に持っていたジュースをわざとこぼし会話を中断させた 朱雀「あっ!すいません・・・」 恭也「大丈夫か?腕がまだ痛むのか?」 朱雀「いっ、いえ・・・僕の不注意です・・・」 朱雀(まずい・・・!僕の事やシグナムさん達の事をなのはちゃんにもはやてにも 知られるわけにはいかない・・・!だがどうやって誤魔化す・・・!? いや・・・待てよ・・・はやて・・・?・・・!?そっ、そうだっ!!) 朱雀「・・・恭也さん、なのはちゃん・・・、実はその事で大事な話があるんですけど・・・ これははやてには知られたく無い事なんで・・・ちょっといいですか・・・?」 恭也「えっ?あっ、ああ・・・」 なのは「あっ、はい・・・」 ――僕は師範と桃子さん、恭也さん、なのはちゃん、そしてシャマルさんの五人を 剣道場の方に連れ出した・・・ 朱雀「・・・これははやてには絶対に言わないで欲しいのですが、実は・・・ はやての病状が悪化しつつあるんです・・・このままでは入院する事になるかも知れません・・・」 ――皆は驚愕した・・・ 桃子「そんな・・・!治る見込みはあるんですか・・・!?」 朱雀「・・・担当医のいう話では原因は不明だと・・・」 士郎「何と言う事だ・・・」 なのは「そんな・・・はやてちゃんが・・・!」 朱雀「先月末にはやてが倒れたんです・・・その時にここにいるシャマルさんが はやての病状の悪化を聞かされて・・・それで担当医から当人にはその事は言うなと 言われていたんです・・・そうですね?シャマルさん?」 シャマル「!?・・・えっ、ええ!その通りです!」 ――シャマルさんは僕のついた嘘に気付いたらしく、力一杯に応答してくれた・・・ 朱雀「・・・その時は僕も学校にいましたし、僕に心配を掛けたく無いと・・・ 皆はこの事を僕にも黙っていたんです、それで恭也さんにお手伝いさんが剣道場を 辞めたという話を聞いて初めてその事を知ったんです・・・」 恭也「じゃあそのお手伝いさんが朱雀に黙って辞めたというのは、もしかして・・・」 朱雀「・・・僕に気を遣っての事だったんです・・・」 恭也「・・・そうだったのか・・・」 朱雀「それでその後僕は家に帰って皆を問い詰めてはやての病状の事を聞いたんです・・・ 僕自身その時の事がとてもショックだったので、いてもたってもいられずに 病院に直行して担当医の先生に詳しい話を聞きに行ってたんです・・・」 なのは「じゃあ、朱雀さんはその時は病院にいたんですね・・・?」 朱雀「・・・一応夜まで病院にいたんだけど・・・なのはちゃんもその時に 病院に来ていたのかい?」 なのは「いえ・・・多分、私の人違いです・・・ごめんなさい・・・」 (やっぱりあの時の人は朱雀さんじゃ無いんだ・・・良かった・・・) 朱雀「・・・ともかく今すぐはやての病状がどうこうなるじゃありません、と 担当医の先生も言っていましたし、幸いはやての容態も今は安定しています・・・ ですが、この事はどうかはやてには内密にしてもらえないでしょうか・・・」 士郎「・・・わかった、こちらも気を付ける様にしよう、皆も、いいな?」 ――師範達は僕の嘘を素直に信じ、賛同してくれた・・・ 朱雀「・・・それとなのはちゃん、もしもまたはやてに会いたいと思ったら 先ずは僕かシャマルさんの携帯に電話かメールをしてくれるかな?」 なのは「えっ・・・?」 朱雀「僕やシャマルさんに連絡をしてくれれば、はやてと遊ぶ時間を前もって 作ってあげられるし、それにもしかすると病院に行ってて家には誰も居ないっていう時が あるかも知れないから・・・」 シャマル(上手い・・・!) 士郎「なのは、そうしなさい」 なのは「・・・はい・・・」 ――僕は皆を口先だけで上手く丸め込み、嘘を嘘で塗り固めている・・・ 僕は今のそんな自分自身に強い自己嫌悪を覚えていた・・・ ――皆との楽しい時間も終わり、僕やはやては家路に就こうとしていた はやて「なのはちゃん、皆、今日はホンマにありがとうな!楽しかったわ! ほんなら、ウチ家に帰るさかい・・・おやすみな!」 なのは「うん、はやてちゃんも体には気を付けて・・・」 ――なのはちゃんはひどく悲しそうな瞳で妹を見送っていた・・・ 恭也「・・・朱雀、俺達も出来うる限り力になる、だから、気をしっかり持てよ・・」 朱雀「・・・有難う御座います、恭也さん・・・」 ――自分でも不謹慎だとは思うが、恭也さんの激励の言葉は本当に嬉しかった・・・ 僕やはやては師範や皆に礼を述べつつ、家を後にした・・・ ――家に帰っている途中、僕は車の中で考えていた・・・ なのはちゃん、そして僕を終始監視するかの様に見続けていたあのフェイトとか言う少女・・・ 間違いない・・・あの時の二人だと・・・僕は確信していた・・・ なら何故、彼らは僕やはやてを未だに捕まえに来ない・・・? あんな少女たちですら僕の事を疑っているというのに・・・ 僕の事位戸籍やら何やらで直ぐに調べられる筈なのに・・・ん?待てよ・・・?戸籍・・・!? ――僕の脳裏に一人の人物が思い浮かんだ・・・ そんなまさか”あの人”が・・・?でも確かに”あの人”はシグナムさん達の事を 使い魔(守護騎士)だと見抜き、法的な身分証明をも作ってくれた・・・ それにミッドチルダや時空管理局の事にも詳しかったし・・・ いや、いくら何でもそれは考え過ぎか・・・そもそも”あの人”がそんな事を 意味なんて無いし・・・でも・・・ ――僕はその時、自分に絡みついている繰り糸に、少しずつではあるが気付きつつあるのだった・・・ そして彼女たちもまた・・・ フェイト「なのは、あの朱雀という人、もしかしてあの時の・・・!?」 なのは「・・・違う・・・」 フェイト「でも・・・!あの人の顔はどう見たってあの時カレンさんを倒した・・・!?」 なのは「違うのっ!!・・・だってあの時に居た人は地球の人じゃないって エイミィさんも言ってたじゃない・・・!!」 フェイト「・・・!?」 なのは「朱雀さんも、はやてちゃんも・・・私の幼馴染で・・・昔から海鳴市に住んでて・・・ だから・・・違うの・・・絶対に・・・違う・・・!」 フェイト「・・・そうだよね、ごめん、なのは・・・」 なのは(違う・・・絶対に・・・違う・・・!) 戻る 目次へ 次へ(改訂前) 次へ(改訂後)]
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魔法戦記リリカルなのはForceNEXT Design06 待ち望まれたこのとき、「高町なのは」の新しいカタチ。ついに明らかにされたシリーズ4期の新設定、その名も「Fortress」! 高町なのは×CW-AEC00X Fortress CW-AEC00X Fortress CW社製AEC装備の「到達点にして開始点」となる、航空魔道師用の総合支援ユニットである。 魔力非結合状況化での飛行制御ユニットと他ユニットの管制のためのメインユニットのほか、 3つの「多目的盾」で構成される武装で、それぞれの盾は「砲戦用の大型粒子砲」「中距離戦用プラズマ砲」「近接近用実体剣」を内蔵している。 浮遊状態で使用者の周囲に滞空する盾は、 術者に対する自動防護障壁として機能するほか、任意のひとつを腕部に装備することによって手持ち武装としても使用可能。 現状ではごく短時間短距離のみながら、3機の盾を遠隔操作することにより、空間制圧戦術を取ることも可能で、 まさに「要塞」の名に相応しい、堅牢な航空防衛能力を持つ。 同じAECシリーズである「ストライクカノン」とは両者の設計時から連結併用が視野に入れられており、 メインユニットによる統括コントロールを行えるようになっている。制御系統がいまだ発展途上であるため、 現時点では運用・操作に極めて高度な技術と習熟が必要となること、 ほかのAEC武装と同じく稼働時間の問題などが存在するが、個人用の汎用航空武装としてはひとつの完成形となり、 小型化・運用の簡易化・機能の取捨選択などは、この機体が実戦の中で得ていくデータによってなされていくことになる。 脅威から人々を護る要塞として、明日に繋がる道を拓く槍として、「フォートレス」と「カノン」はその機能を果たしてゆく。 CW-AEC00X Fortress設定原画 Fortress・メインユニット※背面~腰部にかけて装着 Fortress本体です。オプションで各種シールドを換装することで様々な局面に対応できます。 カートリッジ排出 キャップが上にスライドしてここから排出 カートリッジ装填 カートリッジユニットは左右一対二機。一機に3発装填で計6発 武器使用時やウイング展開時に使用します。 シールドの攻撃モードを使用する際は、左手の手甲に接続し、本体カートリッジからのエネルギー供給を必要とします。 コード※肩後ろのパーツと手甲を繋いでいる ここから※肩後ろのパーツ カートリッジ使用でアクセルフィン的なウイングを形成します。ティンカーベル的な雰囲気 ShortRangeBlade MiddleRangeBurstCannon LongRangeBeamCannon Fortress Shield Middlle/Small プラズマ砲ユニット・ブレードユニット 基本は振動剣ですがシールドで刃を覆うことで巨大なエネルギーブレードを形成する…とかどうでしょう? ※ブレードはシールド上先端部から伸び、プラズマ砲はシールド下半分が左右に割れて展開 展開時はミドルレンジのプラズマ掃射で面の制圧に適した攻撃をします。火炎放射機みたいなイメージ シールド発生スリット 排気スリット シールド発生スリット 裏にグリップ(Large参照) 展開 ウォーハンマーと同じ機構を搭載しています Fortress Shield Large 粒子砲ユニット シールド発生スリット 排気スリット1 排気スリット2 展開※シールドの下先端部から2本の針状物体が伸びる ここに手甲のひじの部分を接続します。カバーが上がります←このへんにグリップ 1砲撃時は、伸びた針が帯電した後 2発射します。 大きさ比較・シールド展開 こんな感じでエネルギーシールドを展開します シールド発生スリットの近くはこんな感じに線入れます。 ※なのはの体全体より少し大きい範囲で展開
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高町なのは 年齢:16歳 所属:時空管理局本局武装隊 航空戦技教導隊 役職:戦技教導官 階級:二等空尉 出身:第97管理外世界(現地惑星名称「地球」)極東地区日本・海鳴市 魔法術式:ミッドチルダ式 魔導師ランク:空戦S+ランク 魔力光:桜色 デバイス:レイジングハート・エクセリオン デバイス種別:インテリジェントデバイス 特技・特記事項:特殊技能「魔力集束」 武装隊の「エースオブエース」の称号を持つ一流の魔導師。 優しく面倒見が良い性格。ちなみに左利き。 休暇を利用して実家の海鳴市に戻った際に偶然、イデアゴーストと戦うゆうきと遭遇。 ゴーストを送り込んでいるのが管理局だと誤解したゆうきと敵対することになる。 二度目の戦闘でゆうきに敗北するが、ゆうきがなのはを悪人とは思えなくなったため和解する。 デバイスはベルカ式カートリッジシステムを搭載したインテリジェントデバイス「レイジングハート・エクセリオン」
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CCなのは クロス元:ファイナルファンタジーⅦ クライシスコア プロローグ TOPページへ このページの先頭へ
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ここでは、第1期について書いてあります。 第2期、第3期、第4期、劇場版に関しては↓を参照してください。 魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st 魔法少女リリカルなのはA s 魔法少女リリカルなのはStrikerS 魔法少女リリカルなのはViVid 魔法戦記リリカルなのはForce ゴメン、準備中
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リリカル遊戯王GX番外編 「最強! 華麗! 究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)~後編~」 『グウウウウウウウウウ…』 唸りと共に、生暖かい吐息が高町なのはの顔をなでる。 3つの首が、6つの青い目が、じっとその顔を見つめていた。 青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)。デュエルモンスターズ史上、最も偉大なドラゴン。 強さ、雄雄しさ、神々しさ…全てを内包したその巨体が、なのはとフェイトの目の前にあった。 動けない。 見開いた目は、まばたきすらできない。口を開け、声を発することすらできない。 怖い。 そんな感情を抱いたのは、もう何年ぶりのことだろう。 どんな巨大な敵にも、臆せず立ち向かってきた。どんな辛い目に遭っても、迷わず前進してきた。 だが、この敵は違う。 身体中の全神経が警告を発している。勝てないと。どう足掻いても、人間にどうこうできる相手でないと。 否、それだけならば、まだ無謀なりに戦いを挑むこともできただろう。 それだけでなかったのが問題なのだ。 勝てる勝てない以前に、怖れている。目の前の敵を。 怖い、怖い、怖い…怖くて怖くてどうしようもない。恐怖が身体をしばりつける。 エース・オブ・エースは、完全に目の前の究極竜に圧倒されていた。 「ワハハハハ! どうだぁぁぁ!」 眼下のカイバーマンが、再びあの高笑いを上げる。 「これぞ史上最強にして、華麗なる殺戮モンスターの姿だ!」 攻撃力4500、守備力3800。今までの低レベルモンスターとは明らかに次元の異なる力。 かつてデュエルモンスターズの頂点に君臨した「三幻神」すら脅かす力。 「ククク…最強のドラゴンを前に、臆して声すら出ないか」 図星を突かれても反応することすらできない。それほどまでに、なのはは追い詰められていた。 「ならば、その身でとくとその力を味わうといい!」 青眼の究極竜の3つの口が光を放つ。 全てを破壊する滅びのバーストストリームが束ねられ、巨大な光球と化した。 「アルティメットバァァァァーストッ!!!」 爆音が轟いた。 これまでに経験したことのない熱量と質量が、圧倒的な破壊力となってなのはの元へと殺到する。 「なのはっ!」 間一髪で我に返ったフェイトが、なのはを伴ってその一撃を回避した。 アルティメットバーストは虚空を直進し、僅かにアカデミアの校舎を掠める。 校舎のガラスが、衝撃波で次々と粉々に砕けていった。 恐ろしい破壊力だ。やはり見かけだけではないということか。 仮にアカデミアの全ての人間がこの場にいたとしても、青眼の究極竜ならば全て灼き殺すのに数分とかかるまい。 『ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーッ!!!』 3つ首の竜王は、再びあの雄たけびを上げた。 「なのは…大丈夫?」 フェイトがなのはを気遣うように言う。 自身もあの圧倒的な力を前に戦慄していたというのに、大した気丈さだ。 同時に、なのはの中に1つの疑問が生まれた。 何故フェイトは回避行動を取れたのに、自分は1歩も動けずにいたのか? 感じていた恐怖は、なのはもフェイトも同じはずだった。ではそこにあった差は何だったのか。 あの時、自分が感じていたのが、恐怖だけではなかったとしたら…? (…あぁ、そうか…) その仮定が脳裏に浮かんだ瞬間、疑問は全て氷解した。 自分は、恐怖故にその身を縛られていただけではない。もっと別の感情が、同時に自分をあの場に押し留めていたのだった。 「…ふつくしい…」 思わず、呟いていた。 なのはは究極竜に恐れを抱くと同時に、その姿に見惚れていたのだ。 全身から発せられる、凄まじいまでの殺意と尊厳、そして力。 戦う者が持つべき全てを凝縮した、正に究極の戦士の姿。 青眼の究極竜は、なのはの中に宿る武士(もののふ)の心を揺り動かしたのだった。 「えっ…?」 事情を理解できないフェイトは、怪訝そうな顔をしている。 「…ごめん、フェイトちゃん。少しだけ、私のわがままに付き合ってくれる?」 『Exceed mode.』 レイジングハートの声が響き、なのはのバリアジャケットが変形した。 「なのは…?」 突然の全力解放に、フェイトは戸惑いも露わな声を上げた。 「どうしても、あのドラゴンと戦いたくなった!」 戦ってみたい。 敵わないにしても、自分の力がどこまで通じるのか試してみたい。 10年以上に渡って磨き続けた自分の魔法に、究極のドラゴンはどう応えるのかを見てみたい。 何より、自分は1人ではない。ならば… 「力を貸して、フェイトちゃん」 2人ならば、どこまで行けるのか。 なのはの瞳からは恐れが消え、異界の神にふれた喜びと、未体験の戦いへの高揚感に満ちていた。 「…止めても無駄なんでしょ?」 やれやれといった様子でありながらも、その顔に浮かぶのは穏やかな笑顔。 フェイトもまた、バルディッシュをザンバーフォームへと変形させる。 「行くよ、フェイトちゃん!」 「ええ!」 2人のエースが、巨大な竜目掛けて突っ込んだ。 「ククク…そうだ、そうでなくては面白くない! 迎え撃て、究極竜!」 カイバーマンもまた歓喜の声を上げ、青眼の究極竜へ指示を出す。 向かってくるなのは達は二手に分かれ、なのは上方、フェイトは下方から肉迫した。 3つの頭それぞれが滅びのバーストストリームを放ち、2人の魔導師を狙い撃つ。 両者はそれらの間を縫うように、素早い動作で避けていく。 「はあぁぁぁっ!」 遂にフェイトが敵の懐へと到達し、バルディッシュの金色の刃を振り下ろした。 対する究極竜は、その太く長い尾をしならせ、閃光の戦斧を殴りつける。 「くぅぅっ…!」 青眼の究極竜の尾は、びくともしなかった。 守備力3800を誇る竜鱗は、普通に斬りつけた程度では到底貫けるものではない。 加えて、その筋力だ。尾の形を成した巨大な塊は、じりじりとフェイトの身体をバルディッシュごと押していく。 一方のなのはは、3つ首の正面まで迫ると、真っ向からレイジングハートを構え、魔力をチャージする。 「ディバイィィィーン…バスタァァァァァァーッ!!!」 掛け声と共に、極太の魔力の線が、ドラゴンの頭目掛けて放たれた。 『グオオオオオオオオオオオッ!』 無論、黙って喰らってやるほどこの究極竜は穏やかではない。 中央の頭がバーストストリームを撃ち、ディバインバスターと激突させる。 先ほどのスバルと異なり、威力は完全に拮抗状態。桃色と水色の波動が、空中で正面衝突していた。 そこへ、右の頭から追撃のバーストストリームが撃ち込まれ、バランスは崩壊する。 2つのエネルギーは接触面で大爆発を起こし、なのはの身体を突風で煽った。 更に左の頭が、駄目押しのバーストストリーム。 「きゃああぁぁぁぁぁっ!」 辛うじてなのははプロテクションを展開したが、その衝撃全てを相殺するには至らず、盛大に吹き飛ばされる。 否、そもそもこの防御が成功したこと自体が偶然だった。次も同じように守れるはずがない。であれば防御は捨てるしかない。 (フェイトちゃん!) 普通にやり合っても勝てないという当然のことを再認識し、なのはは念話でフェイトを呼び戻した。 (どうするの、なのは!?) 巨大な尾から逃れつつ、フェイトは合流を急ぐ。 (1人1人の攻撃では、どうやっても傷1つつけられない…なら駄目もとで、一点同時攻撃しかない!) (…分かったわ、やってみましょう!) 遂に2人は並んで宙に浮き、なのははデバイスを構え、フェイトは左手を突き出す。 『Load cartridge.』 カートリッジが3つ連続でロードされた。両者の足元に、桃色と金色の魔法陣が浮かぶ。 この時、フェイトは確かに横目で見ていた。 なのはの顔に、かつてシグナムとの模擬戦で垣間見せた、凄絶なまでの笑みが浮かんでいたことを。 高町なのはは、修羅と化していた。 「エクセリオォォォーン…バスタアァァァァァァーッ!!!」 「トライデントスマッシャアァァァァァァァァァーッ!!!」 桃色の一直線の波動と金色の3つの波動が、複雑に絡み合い、青眼の究極竜を貫かんと迫る。 「ほぉう…確かにそれならば、究極竜に手傷を負わせることもできるだろう。…だが!」 カイバーマンの声を、大爆発がかき消した。 凄まじい閃光が周囲に満ち、なのはとフェイトの視力を奪う。 光が晴れた頃には、そこにはあの小山ほどの巨体を持った竜の姿は、跡形もなかった。 「やったの…?」 信じられないといった様子でフェイトが呟く。 そうだ。これはおかしい。 元より、今の一撃で青眼の究極竜を倒せるなどとは思っていない。 そこから開いた突破口をこじ開け、撃破するつもりだったのだ。それが何故、こうもあっけなく姿を消したのか。 『…グオオオオオオオオオオオオオオオオオン!』 答えはすぐに判明した。 気がつくと、なのは達の背後には、あの青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)。 それだけではない。斜め右前に2体目、さらに左前に3体目が姿を現した。 「速攻魔法・融合解除を発動した!」 攻撃の寸前に分裂した3体の青眼(ブルーアイズ)が、完全になのは達を取り囲んでいた。 「ククク…十代はこのコンボで俺と青眼に敗れた。さぁ、貴様らはどう切り抜ける?」 余裕たっぷりにカイバーマンが問いかけた。 答えるまでもない。戦うだけのこと。 それどころか、この状況は、なのはにとっては正に望むところだった。あれだけで倒れてしまうようでは張り合いがなさすぎる。 「一斉射撃をお見舞いしてやれ、青眼!」 分かりきった答えを聞く前に、カイバーマンは竜達へ号令を出した。 三方向から、あの滅びの光がなのは達に迫る。 「フェイトちゃん!」 「分かってる!」 意志疎通を図るまでもなかった。2人は瞬時にその場を離れ、行き場を失った砲撃はぶつかり合って爆発する。 なのはは3体のうち1体に狙いを定めると、レイジングハートを構えて攻撃を仕掛けた。 「ディバイィィィーン…バスタァァァァァァーッ!!!」 再び放たれた桃色の光が、青眼の白龍を狙い撃つ。 『ギャオオオオオオオオオオオオオオオッ!』 直撃を受けた青眼の白龍は、苦しげな声を上げて悶えた。 融合を解除したことで、個々の守備力は今や2500まで落ちている。これならば、何とか1人でも対応できた。 『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!』 と、背後から2体目のドラゴンの口がなのはへと殺到した。どうやら彼女を飲み込もうとしているらしい。 とっさにレイジングハートを支えにし、その口をふさぐものの、このままでは身動きが取れそうにない。 青眼の白龍は、凄まじいまでの顎の力で、なのはの身体を噛み砕こうとしていた。 「クロスファイア…シュートッ!」 なのはは右手から4つの魔力弾を放った。ドラゴンは苦しみもがき、彼女を吐き出す。 体内めがけて撃ち込むというあまりにあまりな攻撃法に、少々罪悪感を抱いたものの、そんなことは言っていられなかった。 一方のフェイトは、バリアジャケットをソニックフォームへと変形させ、最後の青眼の白龍へと迫っていた。 レオタードを思わせる軽装のソニックフォームは防御力を大幅に落とすが、 元々避けて当てるタイプのフェイトには大した問題でもない。 そもそも、今回は相手が相手だ。一撃でも直撃しようものなら、インパルスフォームでも即刻あの世逝きである。 『グオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!』 雄たけびを上げ、青眼の白龍はバーストストリームをフェイト目掛けて放つ。 「撃ち抜け、雷神!」 『Jet Zamber.』 バルディッシュから衝撃波が放たれ、バーストストリームを一瞬押し留めた。 続けて延長された長大な刃で、真っ向からその光を斬り裂きにかかる。 「はああぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」 気合いと共に突き出された刃が、滅びの光を掻き分け、遂にドラゴンの身を捉える。 『ギエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!』 強烈な斬撃を受け、青眼の白龍は鼓膜をつんざくかのような悲鳴を上げた。 なかなかのダメージを与えることはできたが、まだまだ戦うことはできるらしい。フェイトはバルディッシュを握りなおす。 「戻れ、青眼!」 と、そこへカイバーマンの指示が響いた。 すぐさま3体のドラゴンは、彼の上空へと引き返す。 なのは達もまた合流し、距離を置いて青眼の軍団と相対する。 「…よくぞここまで戦い抜いた」 カイバーマンからかけられた言葉は、意外にも賞賛だった。 「貴様らの力、そして闘志…この目でしかと見届けさせてもらった。まさか青眼をここまで追い詰めるとはな」 そこまで言い終えると、彼の口元がにぃと歪む。 「その褒美として、最大最強の一撃を以って幕としてやろう!」 カイバーマンはデッキから、新たなカードをドローする。 「ククク…十代と戦った時の俺では、よくてここまでが限界だった。 …だが、俺は最早あの時とは違う! 過去とはただの足跡に過ぎん! 装備魔法・再融合を発動!」 「馬鹿なっ!?」 オブライエンが叫びを上げる。 再融合はライフを800ポイント払うことで、融合モンスターを蘇生させるカード。この戦いで消えた融合モンスターと言えば… 「再び舞い戻れ、青眼の究極竜! 3体の青眼の白龍と共に…その怒りの業火で、全ての敵をなぎ払うがいいッ!!!」 悪夢。 まさに目の前の状況は、それ以外の何物でもないのではないか。 逆に言えば、これほどまでに分かりやすい「悪夢」など、そう簡単には存在しないのではないか。 ――ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーッ!!! 青眼の究極竜が咆哮する。 ――ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーッ! ――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーッ! ――ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーッ! 3体の青眼の白龍が合唱する。 なのは達の目の前には、6つの同じ顔があった。 ―青眼の究極竜― 攻撃力4500 防御力3800 融合モンスター ―青眼の白龍― 攻撃力3000 防御力2500 通常モンスター ―青眼の白龍― 攻撃力3000 防御力2500 通常モンスター ―青眼の白龍― 攻撃力3000 防御力2500 通常モンスター 合計攻撃力、13500。 最早ありとあらゆる手立てが、まったくの無意味だった。 今更ライオットフォームを起動したところで、何の足しになるだろう。 今更ブラスターモードを発動したところで、何が変えられるのだろう。 絶対的な力、恐怖、絶望。 否、それらの言葉で語ることが、もはや無意味であった。 最も尊いドラゴンが3体に、神にも等しきドラゴンが1体。 こんな状況を、言葉を尽くして語ろうというのが馬鹿げている。言葉はそこまで高尚なものではない。 なのは達は覚悟を決めた。 「よくぞ俺にこの手を使わせた。…ククク…今一度褒めてやろう」 「どうも」 冷や汗を浮かべながら、なのはは皮肉を返す。 「では、これで終わりだ! その力を示せ、青眼の竜達よ! この世の全てを打ち砕く、絶対的な破壊をもたらしてやれ! バーストストリーム6連弾ッ!!!」 6つの頭が、一斉に光を撃ち出した。 なのは達の一点射撃を再現するかのように、バーストストリームが混ざり合い、1つとなる。 大気さえも焦がすかのような攻撃。否、最早攻撃ですらなかった。 これは天災だ。 4体の竜によってもたらされた、避けようのない天災だ。 (来る!) なのは達は固く目をつぶる。 「――トラップ発動! 攻撃の無力化!」 一瞬と経たず、2人の女性を残らず蒸発させるかと思われた一撃は、しかしその手前で押しとどめられた。 「――マジック発動! 光の護封剣!」 続けて、青眼の白龍達を、天から降り注ぐ無数の光剣が遮る。 「…これは…?」 なのは達は目の前のことについていけず、思わず周りを見回した。 ふと下を見ると、そこには、2枚のカードをデュエルディスクにセットした十代の姿。 「十代君…!」 「へへっ、危ないところだったな」 元気に笑うと、十代はカイバーマンへと視線を向ける。 「もういいだろ、カイバーマン? 勝負はなのはさん達の負け、アンタの勝ち。アンタも満足できたみたいだしな」 「チッ…余計な真似を」 カイバーマンは不満げに反論する。 「どうかな? ホントは、俺ならこうするってこと、分かってたんだろ?」 挑戦的な笑みを浮かべ、十代が問いかけた。 「フン…」 それに答えることなく、カイバーマンはなのは達を見上げた。 「見事だったぞ、異世界の女。十代達と同じ、デュエリストとしての意志…見せてもらった。 貴様らがこの先その意志を絶やすことがなければ、元の世界に戻ることも可能だろう。…できるな?」 「もちろん!」 なのはもまた、笑顔で応じるのだった。 (いや…あのまま行くと、なのはが鬼になっちゃうような…) 一方、修羅の表情を垣間見たフェイトは、何故か脳裏に般若の面を浮かべながら苦笑いするのだった。 「おのれぇぇ…迷惑なことしてくれるじゃないか…」 オレンジ色の影が、冒頭のアルティメットバーストの流れ弾をモロに受け大変なことになっていたのは、また別の話。 スバル「ねぇねぇ翔、ものすごくカッコイイロボットのカードがあるって本当?」 翔「え? それってひょっとしてステルスユニオンのこと? いやぁ~照れるなぁ~」 剣山「誰も丸藤先輩のことは褒めてないザウルス…」 次回 「勇者王対決! スバル対スーパーステルスユニオン!」 なのは「当然そんな話はないからね♪」 スバル「え~…」 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
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スレ住人の皆様 遊戯王系単発SS クロス元:遊戯王 294氏 無題(仮) 294氏 一発ネタ(仮) 301氏 1発ネタ 遊戯vsなのは 294氏 第?話 正義の味方?参上 反目のスバル氏 リリカル遊戯王GX番外編 「最強! 華麗! 究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)~前編~」 反目のスバル氏 リリカル遊戯王GX番外編 「最強! 華麗! 究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)~後編~」 反目のスバル氏 無題(仮) エラッタ氏 無題(仮) 三十七代目スレ403氏 キャロが千年リングを見つけたそうです TOPページへ このページの先頭へ
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リリカルなのはGX 第??話「最強の魔法使いデッキ」 「俺のターンドロー!」 遊城十代は、左腕に付けたデュエルディスクからカードを引いた。 デュエルの相手は、コスプレなのだろうか白いショートコートにミニスカートな格好の女性だ。 「俺は、E-HEROスパークマンを召喚!カードを一枚伏せターンエンド」 十代のターンが終了し、白服の女性のターンが来る。 「私のターン…ドローなの!私は、ティアナ・ランスターを攻撃表示で召喚!」 現れたのは、二丁拳銃を持ったツインテールの女性だった。 「ティアナ・ランスター攻撃力1650・防御力1200のモンスターか」 「私は、カードを一枚伏せティアナで攻撃!」 『クロスファイヤーシュート!』 白い服を着た女性なのはの攻撃宣言により攻撃を開始するティアナ。 「そうは行くか!トラップカードオープン!」 十代が伏せていたカードは、トラップカード・ヒーローバリアだった。 「ヒーローバリアの効果で、E-HEROへの攻撃を無力化する!」 「私のターンは終了よ」 「そんじゃ、俺のターン…ドロー!俺は、手札のE-HEROクレイマンと場のスパークマンを融合! 現れろ、E-HEROサンダー・ジャイアント!」 十代の持つ融合のカードで現れたのは、雷をまとった巨大なヒーローだった。 「サンダー・ジャイアントの特殊効果発動!ヴェイパー・スパーク!」 その効果で場にいるティアナは、激しい雷に撃たれ破壊される。 「キャァー!」 「ティアナ!」 ティアナが破壊され、少し表情が曇るなのは。 「ザンダー・ジャイアントの攻撃は終わってないぜ!行けぇぇぇ!ボルティック・サンダー!!」 攻撃力2400のダイレクトアタックが決まり、なのはのLPが1600まで削られてしまう。 「くっ、罠カードオープン、魂の綱!1000ライフポイントを払うことでデッキから☆4以下のモンスターを特殊召喚!」 現れたのは、守備表示のフェレットだった。 「(ん?トラップのタイミングミスか。サンダー・ジャイアントの攻撃時に召喚すればダメージを受けずに済んだのに)」 十代が、そんなことを考えているとデュエル相手の女性が話しかけてくる。 「十代くん、バトルフェイズが終わったけどターン終了はまだかな?」 「あ、えーと、カードを1枚伏せターン終了だ」 十代がターン終了を宣言したのを聞いたなのはは、カードをドローする。 「私は、ユーノくんの効果でライフを500回復」 なのはが表側守備表示で出していたユーノくん攻撃力500守備力2050は、 スタンバイフェイズに一度ライフを500回復させる効果がある。 「そして、ユーノくんを生贄にフェイトちゃんを召喚!」 生贄召喚されたのは、☆6つの上級モンスターフェイト・T・ハラオウンと言う女の子だ。 攻撃力2500守備力1500の魔法使い族だ。 「すげぇぇぇ!そんなカードがあるなんて、翔が見たら喜びそうだなぁ」 「そして、装備カード・使い魔の援護を発動!この効果で攻守700ポイントアップ!」 攻撃力3200と成ったフェイトには、更なる効果があった。 「フェイトちゃんで、サンダー・ジャイアントを攻撃!」 「バルディッシュ!」 『Haken Saber』 金色の刃が黒い斧杖から発射され、サンダー・ジャイアントを切り裂き破壊する。 「ぐっ」 十代のライフは800削られLP3200となった。 伏せカードを使おうと考えた十代だったが、サンダー・ジャイアントの破壊前に使えなかったのだ。 「何故、伏せカードが使えないんだ?」 「フェイトちゃんの効果なの。一ターンに一度相手の場の伏せカードを1枚封じるの」 「すげぇ効果」 「そして、カードを1枚伏せターン終了なの!」 なのはの出した少女にサンダー・ジャイアント破壊されながらも、楽しくて仕方がない十代。 「ドロー!俺は、フレンドッグを守備表示で召喚!そして、カードを1枚伏せターン終了」 十代は犬型機械族モンスターを召喚し、伏せカード2枚目をセットしターンを終了した。 「私のターン、ドローなの!」 彼女は引いたカードをほほ笑む。 「私は、儀式カード・白き戦神を発動なの!☆8以上のモンスターを生贄に…出でよ!高町なのは!!」 手札のクロノ・ハラオウン☆8を儀式のコストとし、☆8の儀式モンスター・高町なのはを召喚したのだ。 その攻撃力は3200、守備力は2800と凄まじい。 「さぁ、私の攻撃!フェイトちゃんでフレンドッグを攻撃!ハーケン・セイバー」 金色の刃によって切断されるフレンドッグ。 「フレンドッグの効果発動!墓地に送られた時、墓地のE-HERO1体と融合を手札に加える」 「まだ、私のバトルは終わってないの!ディバイーン・バスター!!」 『Extension』 凄まじいピンク色の光が十代を襲う。 「伏せカードオープン!」 「フェイトちゃんの効果で1枚封じるよ!…そのカードを封じるわ」 「ラッキー!俺が発動するのはこっちだ!」 なのはが封じたのは融合解除だったのだ。 十代が発動させたのは、もう一つの方だった。 「ヒーロー・シグナルで、デッキからE-HEROを特殊召喚する!現れろ、バースト・レディ!」 炎のヒーローE-HEROバースト・レディが守備表示で召喚された。 なのはの攻撃は、バースト・レディを粉砕する。 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
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「じゃ~ん!」 もったいぶった動作でアリサが披露したのは、ゼネラルモーターズ社製の車、シボレーカマロの最新型モデル。 ブライトイエローに黒のレーシングストライプの真新しい塗装が、夏の陽射しを反射してきらきらと輝いている。 「アリサちゃん、車買ったの!?」 なのはは驚きの声をあげ、ヴィヴィオも興味津々で車を見つめる。 「ふふ~ん、驚いた?」 なのはの反応に、アリサは満足そうに笑みを浮かべて腕を組む。 「うん、前に会った時免許を取ったのは知ってたけど、その時はお父さんの車だったんだよね」 アリサは、なのはの言葉に頷きながら、しみじみと語る。 「誕生日の時に、一学期の学科でオールAの成績を取れれば、車を買ってやるって父さんが言ったの。それを 聞いてもう必死で勉強したのよ」 続けて、すずかが当時のアリサの猛勉強ぶりを、 「その時のアリサちゃん、本当に凄かった。分からない所があったら、どんな些細な部分でも先生に色々と 聞いたり、ノートを書き切れなかったら私や他の友達から借りて、内容が一致しているかどうかも徹底的に確認 取ったりして。だから、私も一緒に色々手伝ったの」 アリサはすずかの方を振り向いて、彼女に笑いかけながらその後を続ける。 「すずかには色々と助けられたわね。テスト前の勉強を夜遅くまで付き合ってくれたり、レポート作成の時には 色々とアドバイスをくれたり…」 「でも、前日の深夜にいきなり電話してきて“もうダメ!”って叫んだ時は、流石に参ったけどね」 次の瞬間、アリサの顔がこれ以上ない程赤く染まり、すずかの肩をポカポカと両手で叩く。 「しょ…しょうがないじゃない! 出題範囲内の問題で分からないのが多過ぎて、どうなるか分からなかったんだから!!」 「ごめん、ごめん! だってその時のアリサちゃん、とっても面白かったんだもん!!」 「もう、すずかっ!!」 すずかは、笑いながらアリサの攻撃から逃げ、アリサは頬を赤く染めながら追いかける。 そんな二人の様子に、なのはに抱かれたヴィヴィオが笑い出す。 「面白いね、ヴィヴィオ」 なのはが微笑みながら言うと、ヴィヴィオも笑いながら頷く。 「うん、ママ」 なのはとヴィヴィオが、笑いながら様子を見ているのに気付いて我に返ったアリサは、相変わらず赤い顔のまま、 両手を拍手するように叩きつつカマロのところへ戻って来る。 「はいはい、悪ふざけはここまで! そろそろ街へ行くわよ!!」 澄ました表情と冷静な口調を装っているが、真っ赤な顔は取り繕いようがない。 アリサのその様子に、なのは・ヴィヴィオとすずかの三人は、互いに顔を見合わせて笑う。 「もう! 置いてくわよ!!」 アリサがドアを開けながら不貞腐れたように怒鳴ると、三人は笑顔のまま「はぁーい」と答えた。 海鳴市の目抜き通りを、カマロは軽快に走り抜けていた。 ヴィヴィオは、眼前を流れる街並みや人、追い抜いたり抜かれたりする車やバイクを夢中になって見つめている。 「速いね、ヴィヴィオ」 なのはが言うと、ヴィヴィオは窓に手を当てて外を見つめながら答えた。 「うん、ママ。すごく速いね」 「ふふ…ヴィヴィオちゃん、すっかり夢中になってるね」 なのはとヴィヴィオのやり取りを、すずかは微笑みながら見つめている。 赤信号で停車したとき、アリサが言う。 「ラジオでも入れる?」 なのはとすずかが頷くと、アリサはカーラジオのスイッチを入れる。と、いきなりDisturbebの「This moment」が超重低音で車内に響き渡った。 「ちょ、ちょっと! 何これ!?」 アリサは慌ててチューニングダイヤルを回し、NHKのクラシック音楽に切り替える。 「い、今のは一体…?」 アリサはチューニングダイヤルから手を離して呟き、驚きの余りすずかは目を白黒させている。 「ふえ…」 突然の大音響にびっくりしたヴィヴィオが、涙目でなのはを見つめる。 「びっくりしちゃった?」 なのはは慌ててヴィヴィオを抱きしめると、あやしながらアリサに尋ねた。 「アリサちゃん、最近音楽の趣味変わった?」 なのはの問いかけに、左手をハンドルから離し、首と一緒に横に振りながら否定した。 「そんな訳ないじゃない。あんなハードロック、聞くだけで頭が痛くなるわ」 信号が青に変わり、前方で停まっていた車が次々と発進する。 アリサも、アクセルペダルを踏んで車を発車させると、ハンドルを握って前を見ながら話を続ける。 「多分、ラジオを切る時にチャンネル回っちゃったんだと思う」 「そうだね」 落ち着きを取り戻し、再び外に顔を向けたヴィヴィオの頭を撫でながら、なのはは答えた。 黄昏時、夏の陽が水平線に沈み、空が美しい茜色に染まる頃、カマロは海鳴市商店街の有料駐車場に入った。 なのは達四人は車から降りると、買い物客で賑わう商店街を少し歩いて「翠屋」という看板の掲げられた、 喫茶店兼洋菓子店へと向かう。 チャイムつきのドアを開けて中に入ると、店内は観光客や買い物帰りの主婦・カップル等で大変な賑わいを見せていた。 「うわぁ、すご~い」 「はぁ…相変わらず大盛況ねぇ」 店内の様子にヴィヴィオは目を丸くし、アリサは溜息と共に呟く。 「以前より、人が増えてる気がするんだけど…」 なのはが店内を見回しながら言うと、その疑問に対してすずかが答えた。 「最近“ぴあ”で紹介されたんで、県外からのお客さんが増えたんだって」 「へぇ、凄いね」 なのは達が話し合ってると、MLBの半袖Tシャツとストレートジーンズを着てスポーツシューズを履き、翠屋のエプロンを付けた男性店員が、少々ぎこちない営業スマイルでやって来た。 「いらっしゃ…おお、なのはか」 なのはの兄、高町恭也が心からの笑顔で話しかけると、なのはも笑顔を返す。 「あ、お兄ちゃん久しぶり。ドイツから帰ってたんだ」 「ああ、1週間程休みをもらってな」 「今日はお店のお手伝い?」 なのはの問いに、恭也は店内を見回しながら答える。 「そうだ。雑誌に紹介されてからお客さんが大変増えたから、帰国した時は、出来るだけ手伝うようにしてるんだ」 「うん、すずかちゃんから聞いた。お父さんたちも大変だね」 「でも、来てくれたお客さんの多くが、リピーターとなってくれてるから有難いよ」 恭也はそう言って微笑むと、カウンターの方に振り向いて大きな声で言った。 「悪い、ちょっと席を外すよ」 カウンターからは、「速く戻って来いよ」と、男の声が返ってきた。 「ここじゃ何だし、ちょっと外へ出よう」 そう言って恭也となのは達は、店外に出る。 「恭也お兄ちゃん、今晩は」 ヴィヴィオが挨拶すると、恭也は笑ってヴィヴィオの前に座る。 「今晩は。ヴィヴィオはいい子にしてるかい?」 「うん」 ヴィヴィオが返事すると、恭也は優しく頭を撫でる。ヴィヴィオが笑顔で恭也に抱きつくと、恭也も笑って抱きしめた。 なのはも恭也の横に座って、その様子を見つめる。 「お兄ちゃん、ずいぶん表情が柔らかくなったね」 「そうか?」 「うん、私が子供の頃は結構怖い感じだったけど、いい笑顔をするようになったと思うよ」 なのはへ飛びつくヴィヴィオの背中を軽く押してあげながら、恭也は答えた。 「そうか、自分じゃあまり解らないけど、なのはが言うから間違いないな」 「恭也さん、凄く素敵になったと思います」 「そうだよね~、忍さんと結婚したからかな?」 すずかとアリサが、笑いながらからかう様に言うと、恭也の顔が赤くなった。 「お・おい」 狼狽した恭也がアリサたちの方を振り向いたとき、二人組の女性が、こちらへと歩きながらなのはへと声をかけてきた。 「なのはさーん」 やって来たのは、マジョリカブルーのスラッシュネックTシャツに青のバギージーンズという服装が、紫色のショートカットな髪型と相俟ってボーイッシュな雰囲気を漂わせる女性。 「スバルと…ティアナ?」 「えへへ…お久しぶりです」 紫髪の女性は、にこやかに頭を下げる。 「ご無沙汰しております」 オレンジ髪の女性は、緊張気味に敬礼を返した。 「ティアナ、別に部隊に居る訳じゃないんだから、そんなに畏まる必要はないよ」 「あ、はい。どうも」 なのはに指摘されたティアナという名の女性は、顔を赤くしながら頭を下げる。 「なのは、その人たちは?」 恭也が尋ねると、なのはは笑顔で。 「紹介するね。二人とも機動六課時代、私の教え子だったの」 「スバル・ナカジマです」 紫髪の女性がそう言って、笑顔で頭を下げる。 「ティアナ・ランスターと申します」 オレンジ髪の女性は、凛とした表情で軍人調に頭を下げる。 「で、こちらは私のお兄ちゃん」 「高町恭也と言います」 恭也は、店の手伝いで培った丁重な仕草で頭を下げた。 前へ 目次へ 次へ
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※(第2話としての「高町なのは」の概要はこちら 「大丈夫の前に、海鳴を放っておくほど、私は故郷捨ててないからね。それに私を指名した理由も、気にはなるから」 概要 この物語の主人公にして魔導師。地球、海鳴市出身の、元時空管理局一等空尉(大尉にあたる)。 声優は田村ゆかり。 療養を勧められていたこともあり、管理局から身を引いて、ミッドチルダで小さい喫茶店を開いていた。営業成績はそこそこの模様。 だが3月15日の20歳の誕生日に、時空管理局の次元牢、拘置所から犯罪者の大量脱獄を聞いた彼女は、 多数の犯罪者たちが海鳴に向かっているということもあり、再び戦いの場に赴くこととなった。 なお、前回海鳴に来たのは成人式の出席のため。 フェイトやアリサ、すずか、はやてとは子供の頃からの親友にあたる。 特にフェイトとはお互いを守りあう、支えあうと約束した本当の親友同士。 ヴィヴィオは彼女の娘(血のつながりはなく、彼女が引き取った)。現在は単身赴任状態なので ヴィヴィオとは電話や通信での連絡がせいぜい。 穏やかで元気印の誰にでも好かれる明るさが、周りの人間を集めていく不思議さを持つ。 以前に比べると性格が穏やかで平和主義気味にやわらかくなっている。喫茶店の営業と子育てで 自然と肩の力が抜けたらしい。 (メタなことを言うと、原点「とらいあんぐるハート3」の性格に寄っただけなのだが) また本人の自覚は薄いが、正義の心はとても熱い。 ユーノとは今だ友達以上、恋人未満の状態が続いている。が、そのことをつつかれるとあたふたすることから、本人もまんざらではないのかもしれない。 事件では海鳴を拠点として動いている。実家に戻っている状態である。 リーバルト・ダイオスはある種気になる犯罪者であるとともに、「さん」付けしている 唯一の犯罪者。 前述のとおり今回も主人公ではあるが、登場は1話の最後と遅かった。 むしろその話の主役はフェイトだったし…… + 彼女が管理局を辞めた理由 なのはが管理局を辞めた理由だが、療養自体は嘘ではないのだが、実は深い理由があった。 喫茶店を開く前から、夢で見るもの。 頻繁に見る悪夢、死人の山の中にいたり、血濡れの丘に立っていたり、声をかけたとたんにその人がいなくなったりという悲惨な状況などの夢ををしょっちゅう見るようになって、 自分が怖くなっていたのである。 第30話で洗脳されて以降、さらにそのトラウマは強くなり始めてくる。 それが因果なのか、下記の魔力の正体にもつながってくるのであるが。 + 彼女の魔力の正体 なぜ一介の地球人の彼女が、ここまで高い魔力を持っていたのか。それは彼女の前世に関係があった。 その前世とはミッドチルダにかつていた魔導師、エルリア・エムループ。 強大な魔力を持ちながらも周りから疎んじられていた人間である。 のちのキング・ハーツ首領となるディアブロ・カルソニクスの以前の名前であるセラフィム・タイロープとは恋人のような友達のような、不思議な関係が続いていたが、 「破壊と絶望」の力で本人が望まずともすべてを壊してしまう状況が続いていた。 そしてその滅ぼす力でセラフィムを捕縛、呪いをかけたのだが、その時にエルリアも砲撃魔法によって致命傷を負い、その場に倒れた。 セラフィムに、次元等から出られない呪いを残して。 そしてその口から出た言葉は…… 「……一人では、行かせない……なぜなら……私は……君が好きだから……」 愛するが故の、呪いと言う事であろうか。 + 結末は…… 魔導師が次元中から消えてしまうという現実を目の当たりにしたこと、セダンから追い打ちをかけられたことで、 ついになのはは倒れてしまう。 彼女の目を覚まさせたのは、ユーノの存在だった。 ここで、なのはとユーノはお互いに絆以上の絆、恋心ではっきりと結ばれることとなった。 それ以降の展開は、本編、ストーリー展開を参照してほしい。 + レイジングアーマー 戦闘スタイル 魔力の収束と放射が得意で、攻撃力と防御力はかなり高いものの、唯一の弱点ともいえる 機動力の弱さがあり、近接戦闘は苦手(それでも、子供の頃と比べるとだいぶ進歩している)。 ステータス 魔導師ランク AAA 攻撃力 A 防御力 A 機動力 D 魔法防御力 B 以前のSクラスからAAAクラスに魔力が減少している。 以前からの無理強いが祟ったというのが強く、回復はあまり見込めないということ。