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超栄養食シーチキン* シーチキンにはおよそ必要とされるものは大抵入っており 唯一の弱点であるビタミン類をさえ補えば保存・栄養の両面で 最強といえるのである。 シーチキンを柱としたお勧め装備は以下の通り ○シーチキン(主軸) ○醤油 ○海苔 ○玄米(シーチキンに次ぐ超栄養食。玄米食って水飲めば死なない) ○ホールトマト缶(補強) ○マヨネーズ ○マ・マースパゲッティ(気分転換) ○乾パン(息抜き) ○粉末辛子(アクセント) ○塩 さあ、備えたまえ 家が無事かつライフラインも無事な場合* 新型インフルエンザに備えた家庭用食料品備蓄ガイド 農水省 http //www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/pdf/gaido.pdf 缶入りフリーズドライ食品 フリーズドライした食品を缶に詰めていて、湯か水で戻すだけで食べられる保存食。 保存可能期間が10~25年と非常に長いため、保存食買い替えのコストと手間を省くことが可能。 初期コストは高いが、一度購入しておくと25年間、買替の手間、コストが掛からない。 普段から食品をランニングストックしておくにしても、最後の切り札として備蓄しておくと安心。 フリーズドライ食品は保存食中心の食事で欠乏しやすい野菜類の補完としても有用。 サバイバルフーズ http //www.sei-inc.co.jp/ 保存期間:10年、24℃以下での保存なら25年 「暮らしの手帳」で23年物の実食レポートあり。 チキンシチュー、野菜シチュー、クラッカー、雑炊など。 アルパインエア http //alpineaire.jp/index.html 保存期間:保管温度5~35℃で10年、24℃以下なら25年 多彩なメニューをラインナップ。 ファーメスト http //farmest.com/ 保存期間10年 野菜スープや米のほかに、じゃがいも、にんじん、キャベツなど調理素材のフリーズドライ缶も用意しているのが特徴。 サバイバルカプセル http //www.healthy-food.co.jp/aen-etc/aen-02.html#aen12 賞味期限5年 カレーや鮭ごはんなど、日本人好みのメニューで廉価だが、賞味期限として明記されているのは5年。その先は自己責任で。 缶詰の賞味期限について (社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会 Q A 51. 賞味期限が切れた缶詰やびん詰、レトルト食品は食べられますか? http //www.jca-can.or.jp/useful/qa
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20話「人の話を聞かない女」 聖徳太子は激怒した。 必ず、倭国の摂政たる自分にこのような仕打ちをしたあのセイファートなる女に、 必殺天誅を下してやると心に誓った。 今彼はF-1市街地に存在するスーパーの精肉コーナーに立っている。 店内は非常灯しか点いておらず薄暗い。 「くっそ~セイファートだか何だか知らないが、 この聖徳太子をこんな馬鹿げたゲームに参加させるとは! 許せぬ!」 頭から煙が出るのではないかと言う程怒りを露わにする太子。 そして拳を天井に向け振り上げ、声高らかに反逆宣言を行う。 「殺し合いだと! そんな事するか! 馬鹿め! 見てろ、絶対にこんなゲーム滅茶苦茶にしてやるぅ~!」 しかし彼は大声を出す事は危険な行為だと言う事に気が付かない。 まあ、馬鹿だし。 「とにかく、まずは妹子の奴を探しに行こう。妹子め、まさかもう殺されているなんて事は無いだろうな」 太子は早速この殺し合いに呼ばれている自分の部下を探しに行こうとする。 その時だった。 ヒュンッ 何かが太子の被っていた烏帽子を撃ち抜いた。 そしてそれは惣菜コーナーの壁に突き刺さって静止する。 壁に太子の烏帽子が貫かれたままの、太いボウガンの矢が突き刺さっていた。 突然の出来事に状況が上手く飲み込めず混乱する太子。 「はあ……困った事になったなあ」 不意に少女の声が聞こえた。 太子が声のした方向へ向くと、そこにはかなり大型のボウガンを構えた学生服姿の少女が。 「な、何をするんだいきなり!」 「今度は別の殺し合いだなんて」 「死ぬ所だったぞ!」 「何だか忠信とか他のクラスメイトもいるみたいだけど、英人様はいないみたい」 「後ちょっとでもズレていたら私の頭を貫通していたじゃないか!」 「こうなったらさっさと優勝して、英人様の所に帰ろうかな」 少女は太子の言葉を全く無視している。いや、聞いている様子すら無い。 「聞けぇええええ!!」 これで怒らない太子では無い。こめかみに典型的な怒りマークが浮かび上がっている。 ただでさえ殺し合いなどというふざけたゲームに無理矢理参加させられ怒り心頭な所に、 少女のこの態度、彼にとって到底受け入れられる事では無かった。 「ああ、ごめんなさい。次は外しませんのでご安心を」 やっと太子の言葉に耳を貸した少女は、ボウガンに矢を装填し再び太子に向ける。 そして、引き金を引く。 高速で放たれた鋼鉄製の矢が太子に襲い掛かる。 「ヒャアッ!」 しかし太子はそれを華麗な身のこなしで間一髪回避した。 「やりますね」 「くっそー! 覚えていろ!」 こちらは丸腰、このままでは圧倒的不利、殺されると感じた太子は少女からの逃走を決行。 商品が陳列された棚の間の通路を全速力で駆け抜ける。 当然、相手が逃げれば追う。少女もボウガンを構えながら太子を追走した。 その間も矢は何本か太子に向けて放たれたが、その度に通常考えられないような身のこなしでかわした。 「ゼエ……ゼエ……ゼエ……」 どうにか振り切ったようだ。聖徳太子は市街地の裏路地、古びた室外機の裏に隠れていた。 愛用の烏帽子を失ってしまったのは痛かったが、命があるだけマシと思うしか無い。 「早い所妹子と合流しないと……」 そして更に部下との合流の思いを募らせる。 先程のように殺し合いに乗っている参加者がいるという現実が、その思いを更に加速させていく。 そして太子は自分が重大な過ちを犯している事に気が付かない。 ――支給品の確認を行っていないという事に。 【一日目/深夜/F‐1市街地裏路地】 【聖徳太子@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和】 [状態]:肉体的疲労(小)、烏帽子無し [装備]:無し [所持品]:基本支給品一式、ランダム支給品(1~2) [思考・行動]: 0:このゲームを滅茶苦茶にしてやる! 1:妹子はどこにいるんだ? [備考]: ※単行本第九巻第168幕「聖徳太子の持っている木の棒」より後からの参戦です。 ※支給品の確認を行っていません。 ◆◆◆ 少女――吉良邑子は先程まで追っていたジャージ姿の男を見失ってしまった。 「逃げられたか……悔しいなあ」 獲物を取り逃がしてしまった事を悔やむ邑子。 その表情からは殺人に対する忌避感や罪悪感、躊躇といった感情は全く感じ取れない。 「待ってて下さい英人様。私は必ずあなた様の所へ戻ります!」 そう宣言すると、邑子はデバイスと地図で現在位置及び方角を確認し、ボウガンを携え夜の通りを歩み始めた。 【一日目/深夜/F‐1市街地表通り】 【吉良邑子@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]:健康 [装備]:ドーラのボウガン@FEDA(1/1) [所持品]:基本支給品一式、ボウガン予備矢(24) [思考・行動]: 0:ご主人様(玉堤英人)のため、優勝し帰還する。 1:参加者を見つけ次第殺す。例えクラスメイトであっても容赦しない。 2:忠信は……。 [備考]: ※本編死亡後からの参戦です。 ※F-1スーパー内、惣菜コーナーの壁に聖徳太子の烏帽子が刺さったボウガンの矢が突き刺さっています。 ≪支給品紹介≫ 【ドーラのボウガン@FEDA】 フォックスリングの女スナイパー、ドーラ・システィールが愛用する大型ボウガン。 扱いこなせれば強力。 BACK:妖艶淫狐降臨ノ巻 時系列順 NEXT:For an irreplaceable younger sister BACK:妖艶淫狐降臨ノ巻 投下順 NEXT:For an irreplaceable younger sister GAME START 聖徳太子 NEXT:がんばれ聖徳太子 GAME START 吉良邑子 NEXT:全てはご主人様のために
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211~240へ 本スレ20 NO. タイトル 作者 場所 登場人物 241 殺意×不殺×轟く雷光 ◆sUD0pkyYlo F-8/廃墟群外周部 弥彦、キルア 242 許されざる者(前編) ◆iCxYxhra9U A-4/森の中、A-3/工場東側、工場内 エヴァ、パタリロ、アリサ、リンク、インデックス、なのは 許されざる者(後編) A-4/森の中、A-3/工場東側、工場内 エヴァ、パタリロ、アリサ、リンク、インデックス、なのは されど赦す者(前編) A-4/森の中、A-3/工場東側、工場内 エヴァ、パタリロ、アリサ、リンク、インデックス、なのは されど赦す者(後編) A-4/森の中、A-3/工場東側、工場内 エヴァ、パタリロ、アリサ、リンク、インデックス、なのは 本スレ21 243 幸せな嘘、嘘の幸せ ◆Xdenpo/R4U H-1/市街地・住宅内二階 ヴィクトリア、イエロー、ひまわり 244 ノーザンクロス ◆wlyXYPQOyA F-1/桜の木と東の橋の間 蒼星石、小太郎、タバサ ノーザンクロス -epilogue- F-1/桜の木と東の橋の間、G-1/民家、F-1/桜の木近く トリエラ、小太郎、タバサ、雛苺、桜 doll(Lapislazuri Stern version.) D-2/森 蒼星石 245 臨時放送、あるいはイレギュラー ◆iCxYxhra9U ジェダ、Q-Bee 246 殿下がいく! ◆7KR.e180t. A-4/森 パタリロ 247 奪う覚悟があるのならば ◆2l/FbkSG0. C-3/塔の前 蒼星石 248 ワルプルギスの夜/宴の支度 ◆sUD0pkyYlo C-3/塔の前 千秋、イヴ、グレーテル、ヴィータ、紫穂、蒼星石、エヴァ ワルプルギスの夜/宴の始末 ◆sUD0pkyYlo E-3/水辺、C-2/森の出口、C-4/神社、C-3/塔の前 千秋、イヴ、グレーテル、ヴィータ、紫穂、蒼星石、エヴァ 本スレ22 249 拭えぬ過去を振り返り(前編) ◆v5ym.OwvgI H-5/シェルター地下、H-5/シェルター入口 ベッキー、トマ 拭えぬ過去を振り返り(後編) H-5/シェルター地下、H-5/シェルター入口 ベッキー、トマ 250 Kirsch Maiden ◆o.lVkW7N.A F-1/桜の木の上空 雛苺、桜 251 Compare ◆wlyXYPQOyA F-3/グランバニア城内一階宿屋 レックス、アルルゥ、梨々、ベルカナ 252 非常灯だけが見ていた ◆sUD0pkyYlo G-7/病院1階・診察室、病院1階・霊安室 弥彦、キルア、Q-Bee 253 星影のワルツ ◆aAwQuafMA2 F-3/グランバニア城内最上階 雛苺、木之本桜 254 ワスレナグサ ◆v5ym.OwvgI A-3/工場仮眠室 リンク、なのは、インデックス、アリサ 本スレ23 255 月の下で ◆HdShbvQu96 G-1/民家、ちょっと良い家、H-1/市街地・住宅内二階 タバサ、小太郎、トリエラ、ヴィクトリア、イエロー、ひまわり、レミリア 256 霧けむる城 ◆v5ym.OwvgI F-3/グランバニア城内 レックス、アルルゥ、梨々、ベルカナ、イヴ、千秋、雛苺 グランバニア防城戦 ◆v5ym.OwvgI F-3/グランバニア城内 レックス、アルルゥ、梨々、ベルカナ、イヴ、千秋、雛苺、桜 悲しみの記憶 ◆v5ym.OwvgI F-4/橋、F-3/グランバニア城一階、一階宿屋 レックス、アルルゥ、梨々、ベルカナ、イヴ、千秋、雛苺、桜 257 この結末は── ◆S4WDIYQkX. G-7/病院の外 弥彦、キルア、Q-Bee 258 クリンナップ・ステップ(前編) ◆CFbj666Xrw G-1/民家、H-1/住宅内一階 トリエラ、ヴィクトリア クリンナップ・ステップ(後編) ◆CFbj666Xrw G-1/民家、H-1/住宅内一階 トリエラ、ヴィクトリア 259 冷たい私、冷たい私達 ◆VE1vtHVvsw F-3/グランバニア城一階宿屋、F-4/城の向かい岸 レックス、ベルカナ、アルルゥ、イヴ、桜、千秋、雛苺 260 消せない罪 ◆CMkRVF7vjM F-3/グランバニア城一階廊下/宿屋 レックス、アルルゥ、イヴ、ベルカナ、桜、シャナ 本スレ24 261 壁に耳あり障子に目あり ◆v5ym.OwvgI C-6/ラブホテル リリス、パタリロ、Q-Bee 262 川音が喧しく響いていた ◆tcG47Obeas F-4/城から移動中 雛苺、南千秋 263 遺。(前編) ◆T4jDXqBeas D-4周辺、D-4/体育館内、D-3/森 ニケ、メロ、ブルー、エヴァ、グレーテル、蒼星石 遺。(中編) ◆T4jDXqBeas D-4周辺、D-4/体育館内、D-3/森 ニケ、メロ、ブルー、エヴァ、グレーテル、蒼星石 遺。(後編) ◆T4jDXqBeas D-4周辺、D-4/体育館内、D-3/森 メロ、ブルー、エヴァ、グレーテル、蒼星石 264 ギップリャアアアの謎 ◆tcG47Obeas H-5/シェルター地下 トマ、ベッキー 265 高町なのはの過ごした一日(前編) ◆S4WDIYQkX. A-3/工場仮眠室 なのは 高町なのはの過ごした一日(後編) ◆S4WDIYQkX. A-3/工場仮眠室 なのは 266 裸で私はこの世に来た ◆enneaLXxK6 G-1/ちょっと良い家 レミリア 267 彼女たちはこの島から逃れたい ◆tcG47Obeas G-1/民家・洗面所、H-1/住宅内一階 トリエラ、小太郎、ヴィクトリア 268 死者を求めて ◆S4WDIYQkX. C-6/ラブホテル、C-6/市街地 リリス、Q-Bee、パタリロ 269 優しい微笑みを浮かべて ◆S4WDIYQkX. F-3/グランバニア城上空、F-3/グランバニア城一階・宿屋 シャナ、ベルカナ、桜、レックス、アルルゥ、イヴ 本スレ25 270 口のない死人はよく喋る ◆PJfYA6p9PE A-7/南部の研究所(B.A.B.E.L本部)敷地内、守衛室 弥彦、パタリロ 271~300へ
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種類ごとに分けてアップロードしてください。 画像などは該当するページ(アップロードするページ)にアップロードしてください。 関連ページ > 通勤型 / 近郊型 / 特急型 / 気動車 / 新幹線 題名 103系3550番台 作者 えちごあかつか 投稿日 2017年9月17日 DLリンク 置き換え対象 103系エメラルドグリーン コメント 加古川のアレ。近郊路線用に個人的に作った物ですが一応。 再改造 ○ / 再改造した物の公開 ○ / 動画やスクショでの使用 ○ 題名 103系岡山色 作者 マリン 投稿日 2016年2月1日 file1240.jpg DLリンク 置き換え対象 103系戸袋無しオレンジor水色 コメント 103系岡山色のテクスチャです。 再改造 ○ / 再改造した物の公開 ○ / 動画やスクショでの使用 ○ 題名 105系0番台更新車 作者 マリン 投稿日 2016年2月1日 file1244.jpg DLリンク 置き換え対象 107系0番台 コメント 105系0番台更新車岡山色・広島色・末期色のテクスチャです。種車の都合上ライトにズレがあります 再改造 ○ / 再改造した物の公開 ○ / 動画やスクショでの使用 ○ 題名 桜井線105系 作者 シン 投稿日 2015/12/18 file1197.jpg DLリンク 置換え対象 101系 コメント 桜井線105系タイプです。 元クハ103の顔と105系の顔を足して2で割った感じです。103系の戸袋窓非閉鎖車と窓データが共用のため、共存はできません。 再改造 ○ / 再改造した物の公開 ○ / 動画やスクショでの使用 ○(動画など、名前を出してもらえると嬉しいです) 題名 323系 作者 サラザァル 投稿日 2014年12月8日 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nolink) DLリンク 置換え対象 西武30000系 コメント 大阪環状線の新型車両323系のテクスチャです 再改造 ○ / 再改造した物の公開 ○ / 動画やスクショでの使用 ○ 題名 207系 作者 kkwtk 投稿日 8月17日 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nolink) DLリンク 置換え対象 207系1000番代 コメント コレジャナイ 再改造 ○ 題名 105系(103系改造車)新広島色 作者 Suma 投稿日 8月6日 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nolink) DLリンク 置き換え対象 101系(南武線) 呉線、可部線、宇部線、小野田線などで活躍する105系テクスチャです。このテクスチャは「名無しT」様の「103系1000番台」を元に製作しました。。名無しT様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。 題名 103系西日本仕様セット 作者 オール京阪 投稿日 2013年2月8日 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nolink) DLリンク 置換え対象 103系各色 103系の西日本仕様各色をセットにしました。オレンジ色は既公開ですが、今回は方向幕なし、クーラーなど一部を差し替えています。 再改造:○ 公開:○ 題名 201系(大阪環状線風) 作者 片翼の人 投稿日 2013年1月20日 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nolink) DLリンク 置換え対象 201系(バーミリオンオレンジ) コメント 201系(バーミリオンオレンジ)を、大阪環状線で使用されている車両に近くするテクスチャです。添付のテキストファイル記載のアドレスは、Version2.0 build050のものです。※前面スカートは変更していません。※片側先頭車の側面方向幕の位置が実際と異なります(テクスチャの構造上変更は困難)。※窓ファイルは201系(カナリアイエロー、スカイブルー)と共用のため、これらの車種とは併用できません。低クオリティのため、吹田統合車両所様作「201系N40パック」をおすすめします。 再改造 ○ / 再改造した物の公開 ○ / 動画やスクショでの使用 ○ 題名 103系大阪環状線(豚鼻) 作者 オール京阪 投稿日 2013年1月11日 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nolink) DLリンク 置換え対象 103系(バーミリオンオレンジ) コメント 103系の大阪環状線仕様の豚鼻バージョンです。 再改造 ○ / 再改造した物の公開 ○ / 動画やスクショでの使用 ○ 題名 103系大阪環状線 作者 オール京阪 投稿日 2013年1月8日 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nolink) DLリンク 置換え対象 103系(バーミリオンオレンジ) コメント 103系の大阪環状線仕様です。 再改造 ○ / 再改造した物の公開 ○ / 動画やスクショでの使用 ○ 題名 103系 オレンジバーミリオン 作者 非常灯 投稿日 2017年4月6日 file1344.png DLリンク 置き換え対象 103系 オレンジバーミリオン コメント 大阪環状線仕様。何人も出してるのに何故作ったかなあ。 再改造 ○ / 再改造した物の公開 ○ / 動画やスクショでの使用 ○ 種類ごとに分けてアップロードしてください。 画像などは該当するページ(アップロードするページ)にアップロードしてください。 テンプレート 題名 作者 投稿日 画像 #ref error :ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。 DLリンク 置換え対象 コメント 再改造 (許可する場合は○ ダメな場合は×を書いてください。) (※DLリンクについて…このページにアップロードするか、外部アップローダを使用してください。基本的に直リンク推奨です。 また、画像の大きさは1MB以下かつ、400*500以下まで下げてください。ご協力お願いします)
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占い師と少女 マッドガッサー決戦編 16 ○月×日 22:43 黒服さんを倒してから十数分。 私たちは気絶した黒服さんを床の一角に寝かせ、大将の能力で操ったGを扉付近に配置することで、休養出来る状況を整えていた。 そんな一時の休養を楽しんでいた最中に、占い師さんが金さんに話しかける。 「…………なあ、金さん」 「はい?」 「聞きそびれていたんだが、今の状態のあんたはどれくらい戦えるんだ?」 占い師さんの言葉に、そういえば、と私が声をあげた。 「……金さんが『動く二ノ宮金次郎像』だって事だけでしたっけ、私たちが知っているの」 「そうですね……普段の身体なら、石像ですから拳や薪で殴ったり、薪を爆弾にしたり出来るんですが……」 そう言って、腕を軽く振る。 途端、手から何か白銀に光る物体が飛び出し ストン 軽い音を立てて、教室の一角にある連絡用のボードに突き刺さった。 壁にほぼ垂直に突き刺さり、非常灯の光を浴びて鈍く輝くそれは―――― 「……ナイフを出現させる能力、か」 「はい。後出来る事を言えば……」 そう言って室内を見渡す金さん。 少しして、その視線が教室の一角に止まった。 先程の戦闘で占い師さんが蹴り上げたタイル。その割れた端を、金さんは手にとり、ヒュンと、ボードに突き立てたナイフに向かって、放り投げた。 その破片がナイフにぶつかる寸前―――― ボウンッ!! ――――破片が、爆発した。 小規模ながらも、威力のある爆発。 煙が去った後、そこには黒焦げになったボードと、ひしゃげたナイフが残されていた。 「さっき言っていた薪の代わりに、石やコンクリート片を爆発させる事が出来ますね、一応」 「ほう……これで全部、か?」 「そうですね」 「そうか、わざわざ教えてもらって悪いな。出来るだけ仲間内の戦力は知っておきたいんだ」 「いえ、構いませんよ」 パタパタと手を振る金さんに、占い師さんは軽く会釈をして立ち上がった。 そのまま私の方へとやってくる。 「……何で、金さんにあんな事を聞いたんですか?」 占い師さんが近くにまでやって来た時、私は小声でそう尋ねた。 私のすぐ前に座りながら、占い師さんは聞き返した。 「あんな事?」 「金さんの能力について、ですよ。占い師さんなら、自分の能力で幾らでも調べられますよね? 何だか疑ってるみたいでしたよ」 「ああ……いや、さっきのTさんの事もあって、ちょっとな」 「Tさんの?」 頭をかきながら言った占い師さんの言葉に、小さな疑問を覚えた。 「え、でも、Tさんの事は信用してたんですよね?」 「信用って言うよりは敵意なしにつき……って感じか。まぁ、向こうも同じような感じだとは思うが」 「それでも、嘘はついてなかったんでしょう?」 「いや……問題はそこだ」 占い師さんが肩を竦め、視線を上にあげる。 その目に何が映っているのが先程Tさんに出会った時の情景なのか、はたまた他の何かなのかは、私にはわからなかった。 「Tさんの言っていた能力に虚偽はなかった。少なくとも俺があの時間内で読み取った範囲では」 「だったら…………」 そう言う私を、占い師さんは手で遮る。 「今まで何千、何万の人間や都市伝説の中を見てきたが、Tさんの中は特に複雑だったし、包み隠された部分を多かった」 それだけなら、まだいい。そう占い師さんは続けた。 「誰にだって隠したい部分はあるさ、もちろん。だが、Tさんの都市伝説としての力……そこに、『寺生まれで霊感の強いTさん』以外の何かがあった」 「何かって……何ですか?」 「さて、な。あの短時間だからな、俺はそれ以上読み取れなかった」 正確に何年かは聞いた事がないので分からない。 けれど、少なくとも数百年以上生きている占い師さんの能力で読み取れない物は、恐らくほとんどないはずだ。 それでも読み取りきれないTさんの隠された部分……一体、何なのだろう。 「……ま、そういう事だ」 あれこれと考えていた私の頭にポンと手を置いて、占い師さんが立ち上がった。 「今までそういう人間に出会わなかったわけじゃないが、少なくとも都市伝説でああ言ったタイプに会うのは初めてだった」 だから、と。占い師さんは続ける。 「都市伝説には隠したい能力の一つや二つ、あるかもしれないからな。俺の能力で読み取って、その上でちゃんと相手に聞いておいた方がいいと思ったんだよ。もし隠された能力があったとしても、相手が自分からそれを言わなきゃ下手な追及はしないし、それに合せて行動するつもりだ」 立ち上がったまま腰を伸ばし、肩を回す。 「……まぁ、少なくともこの中には、人間にしろ都市伝説にしろ、特に隠された能力はないみたいだけどな」 そう言って軽く笑った占い師さんを見て、私は少しだけ驚いた。 今までなら、例え隠された事があっても、それに頓着せずに読み取っていた占い師さん。 それが今、こうして相手を気遣うような行動を取っていた。 ――――この戦いで、占い師さんも何か変わってきているのだろうか。 そんな事を考え、しかし占い師さんには何も言わなかった。多分、言い方を間違えるとショックを与えてしまう。 「ん? 人の顔なんか見て、どうした、未来」 「…………いえ、何でもありません」 だから、そう答える。 何となく占い師さんが釈然としていないような雰囲気を感じ取り、それ以上の追撃を避けるため、壁にかけられた時計へと目を写した。 時計の指している時刻は夜の10時47分。 黒服さんも起きないし、特にこれと言った爆音や衝撃もない。 あるのは、昆虫の歩く音と、不良教師さん達が話す声だけ。 そんな中、ふと二階で分かれた人たちの事を思い出した。 ……説得は、上手くいっているだろうか。 前ページ次ページ連載 - 占い師と少女
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歯ブラシを動かしながら考える。 どうも今日のふたりは様子がおかしい。 その原因に心当たりが全く無いからさらに不気味。 のっちなんか変なことしたかなぁー…と考えをめぐらすも、毎日のように変なことをしてるから見当もつかない。 3人のうち1人が元気ないなら、2人で相談に乗ることができるけれど。 2人があんなに悲しそうな顔をしているのは見たことが無い。 優しいあ〜ちゃんやかしゆかが今ののっちの立場なら、1人でもきっとうまいこと元気付けるんだろうけれど・・・ 残念ながらのっちにはそんな気は利かせられる自信はないです。 なんてのっちはダメな子なんだろう。 とか考えてるうちに、口の中にたまった歯磨き粉が辛くて、急いでうがいをして歯磨き終了。 こりゃ由々しき事態だ。 あの2人があんなになるのは、初めてだもん。 寮生共有の洗面所を出て、これまた共有のトイレに。 そのわずかな廊下の距離。 前方に、ゆかちゃんが見えた。 夜の廊下は足元の非常灯しかつかないのだけれど、そんな薄暗さの中でも、すぐにわかる。 スウェット姿のゆかちゃんは重い足取りだった。 「ゆかちゃん!」 もう消灯時間も近いから、小声だけれども強く、その名を呼んだ。 「・・・・・・」 かしゆかはゆっくり顔を上げてこちらを見たけれど、逃げるようにして自分の部屋の扉に手をかけた。 「え、ちょっと!」 自分でも驚くくらいの速さで駆け寄り、ゆかちゃんの腕をつかむ。 そのとき、初めて気づいた。 彼女の目に涙が浮かんでることに。 少ない灯りの中で詳しい表情は窺えなかったけれど、 目と鼻を赤くして涙を流す彼女は、今にも崩れそうなくらい儚くて。 その憂い顔に言葉が憚られたけれど、肩に手をかけて精一杯優しく尋ねる。 「どうしたの?」 from K そう真剣な表情で尋ねてくるのっちの眼差しが鋭くて、彼女がのっちを好く理由を改めて実感した。 ううん、ずっと前からわかってた。 二人のことは、誰よりもわかってる。 いいところも、ちょっと悪いところも、好き嫌いも、いつもの癖も、どんな絵や字を書くかも、手の暖かさも。 誰よりも、みんながみんなを知ってる。 のっちは、こうやってふたりが弱っているときには必ず助けに来てくれる「スーパーガール」だから。 その不器用だけれどまっすぐな優しさが、私だって好きだよ。 でも、私がのっち以上に好きなあ〜ちゃんは、私以上にのっちのことを愛しているんだ。 のっちはいつものようにハの字眉で、私をなだめようとしてくれる。 その優しさが、私には痛すぎた。 そうしてほしいのは、きっと今寒い中ひとりでいるあ〜ちゃんだよ。 「——あ〜ちゃん・・・。おく、・・・じょ・・う・・・、」 そう搾り出すのが精一杯で、声は詰まるのに、涙はどんどん滲んでくる。 声にならない溢れた感情は、こうやって涙になっていくんだろうななんてどうでもいいことを考えた。 「・・・・・屋上?」 「・・・行って」 早く、行ってあげて。 「でも・・・」 誰よりものっちのことを想う人のもとに。 「いいから」 彼女が笑ってられるなら、私だって笑えるから。 のっちを自分でそう突き放しておいて。 あ〜ちゃんが、遠い国へ飛んでいってしまった気がした。 from N ゆかちゃんの強い語気に気圧されて、彼女の言うとおりにするべきだと、直感的に悟る。 その細い体を強く抱きしめてから、最後に頭を撫でて、乱れた長い髪を手櫛で直す。 ゆかちゃんはずっと俯いたまま震えていた。 屋上への外階段へ向かう途中、もう一度振り返った。 ゆかちゃんの姿は、開いたドアでちょうど見えなくなっていた。 ゆっくりとドアが閉まり、廊下には静寂が戻る。 部屋でひとりでいる彼女のことを考えたら心が居たたまれなかったけれど。 一度長く目を閉じて、深呼吸する。 彼女の言葉通り、屋上に居るらしいあ〜ちゃんのもとへ階段を上った。 重い扉を開くと、冷たい風が体にぶつかる。 粗末な屋外灯しかない殺風景な屋上に、ぽつんと、いた。 「あ〜ちゃん」 しゃがんだまま丸くなっているあ〜ちゃんが肩にかけていたコートは、ゆかちゃんのものだとすぐにわかった。 そこから覗く顔が泣き顔だということは想像ついたけれど、実際に彼女の涙を見てしまうとかける言葉が見つからなかった。 何があったのかはわからない。 そんな詮索より何よりも、とっさに彼女を抱きしめていた。 いつものアロマキャンドルのバニラの香りがした。 どれだけ外に居たのか、彼女の体はとても冷たくなっていた。 震えを抑えるように、ぎゅっと強く抱きしめる。 気の利いた言葉ひとつも見つからなくて、こんなことしかできない自分がもどかしい。 「・・・・・痛い」 涙涸れした声のその言葉に慌てて体を離す。 「ごっ、ごめん!」 思った以上に力が入ってしまっていたらしい。 「ちがうよ」 あ〜ちゃんは静かにそう言って、私の手に指を絡ませてくる。 細いたおやかな指は冷えきって真っ赤になっていた。 そのまま私に体を預ける。 言動とかみ合わないその行動に戸惑ったけれど、黙ってあ〜ちゃんの背中に手を回した。 そのうち理解した。 「痛い」のはきっと、あ〜ちゃんの心や、ゆかちゃんの心なんだろうって。 どれだけの時間そうしていたかはわからないけれど、不思議と寒くはなかった。 「聞かないんだね。何も」 「・・・うん」 余計な言葉は付け加えず、返事だけした。 きっと、聞かないほうがいいことだってある。 「・・・よし」 途端に、あ〜ちゃんはいつもの声色でそう言うと、立ち上がった。 「ありがとう。のっち」 月明かりの逆光に照らされる中、あ〜ちゃんは今までに見る最高の甘い笑顔だった。 その笑顔を見たら、自然とまた笑顔になる私がいた。 やっぱり、あ〜ちゃんには笑顔が一番似合うよ。 あ〜ちゃんは夜景を見下ろしながら、長くうねった髪を風に揺らす。 振り返って微笑むあ〜ちゃんの瞳にはもう涙はなくて。 代わりに太陽みたいなきらきらした輝きが戻っていた。
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1話 平穏レ☆プ! バトロワプレイヤーと化した先輩 野獣先輩(田所浩二)は冷たいアスファルトの上で目が覚める。 「クォクォア……」 立ち上がって周囲を見回す。 自分が今居るのは、街灯がぽつりぽつりと灯る夜の商店街のようだった。 「俺は……どうしたんだっけか。 確か、クラスのみんなで修学旅行に出かけて……」 殺し合いが始まる以前の記憶を辿る野獣。 彼はとてもそうは見えないが中学三年生である。 クラス全員で修学旅行に出掛けたが、途中のバスの中で眠ってしまい、起きた時にはクラス全員が眠っており、 そして直後にガスマスクを被ったバスガイドに鈍器で殴られ、気絶した。 「それで目覚めたらこの殺し合い……どうなってんだよ……これがBR法って奴なのか?」 野獣の住む国には「BR法」なるものが存在していた。 有り体に言えば、中学三年のクラスから抽選で対象クラスを選んで殺し合いをさせると言う物で、 今回のゲームの内容と殆ど一致している。 野獣は自分達がBR法に選ばれたのだと思った。 だが、そこで一つの疑問が生じる。 (でも、クラスの奴らも居たけど、知らない奴らの方が多かった……) 開催式が行われたあのホールには野獣のクラスメイトも数人居たが、 それより見知らぬ人間の方が多かったように思えた。 BR法だとすればクラス単位で行われる筈であるし、何より対象者は中学生の筈なのに、 あの場には明らかに中学生では無い者も居た。 中学生に見えない自分が言える事では無いとも思ったが。 (いや、難しい事は後だ。まず今はどこかに隠れよう) 見晴らしの良い場所で考え事はまずいと判断した野獣は、取り敢えず近くの文具屋の入口に近付く。 驚いた事に施錠はされていなかった。 店の中は薄暗い非常灯が灯っていて辛うじて行動出来るぐらいには明るい。 カウンターの奥に隠れ、野獣は支給品を確認する。 「竹刀か? これ?」 出てきた物は剣道で使われる竹刀だった。 「脅しには使えるか……どうすっかな~これからな~」 これからの事について考える野獣。 首には首輪――下手に外そうとしたり逃げようとしたりすれば、開催式の時の赤ん坊のようになる。 あの時の赤ん坊の家族の悲痛な叫びは今も野獣の耳に残っていた。 ならば殺し合いに乗るか? 「いや、無理だろ……遠野やクラスのみんなを殺すなんて出来ない」 野獣は殺し合いを拒否する。 遠野、MUR、KMR――大切な友人、クラスメイト達を殺してまで生き残ろうとは思えなかった。 まずクラスメイト、そして、この殺し合いに乗っていない参加者を捜そうと野獣は決心する。 ガララ……。 「!」 文具店の入口扉が開く音が聞こえ、野獣は硬直する。 そして店内を照らす懐中電灯の光。 誰かが入ってきたと言う事は良く考えなくても分かる。 一体誰が? 果たして殺し合いに乗っているのかいないのか? 接触を図るべきか? 緊張の中考える野獣。 「おい、誰かいるのか?」 声が聞こえる。若い男の声だ。 野獣は迷ったが。 「カウンターの奥に居る。俺は殺し合いには乗っていない。そっちは?」 接触は不可避だと思い、自分からも声を掛ける事にした。 「そうか、俺もやり合う気はねぇ。出てきてくれねぇか?」 「本当か?」 「本当だ」 「……今から行く」 意を決してカウンターから出ていく野獣。 懐中電灯の光を当てられ眩しそうに顔の前に手をやる。 光に目が慣れてきて、侵入者の顔が分かるようになってきた。 学生服姿の背の高い少年のようだった。 ◆◆◆ 「俺は田所浩二……名簿には『野獣先輩』で登録されてるけど。 野獣で良いよ。そっちは?」 「太田太郎丸忠信。太田で良い」 どうやら危険な人物では無さそうだと、太田太郎丸忠信は判断し自己紹介する。 「あんたがこの店の中に入っていくのが見えたからよ」 「そ、そうなのか……やっぱり道路の真ん中で考え事してたのはまずかったなぁ。 でも乗っている奴じゃなくて良かったよ」 「ああ……」 どうも、この野獣なる男は警戒心は強い方では無いようだと太田は考える。 ならば好都合だ、とも。 太田は確かに殺し合いには乗っていないが、かと言って殺し合いの打倒を目指す積極的な反主催の立場を取っている訳でも無い。 自分が生き残る事こそ最優先事項。 その為に利用出来る者は利用する。 「前の殺し合い」でもそうやって生きてきた――結局は殺されてしまったが。 死んだ筈の自分が今こうして生きているのは何故かとも思ったが、そんなものはどうでも良いだろう。 重要なのは「再び殺し合いに居る」と言う事で、再び生き残るための行動を取らなければならないと言う事だ。 「乗っていないのなら一緒に行動しないか? 太田」 「ああ、良いぜ」 「良いねぇ~、それじゃ、はい、ヨロシクぅ!」 この野獣先輩――田所浩二ははっきり言って戦力としては期待出来ないが、 いざと言う時には盾には出来るだろう。 太田はそう判断する。 【深夜/D-4商店街西区文具店】 【野獣先輩@ニコニコ動画/真夏の夜の淫夢シリーズ/動画「迫真中学校、修学旅行へ行く」】 [状態]健康 [装備]竹刀@ニコニコ動画/真夏の夜の淫夢シリーズ [所持品]基本支給品一式 [思考・行動]基本:殺し合う気は無い。遠野達や殺し合いに乗っていない参加者を捜す。 1:太田と行動する。 [備考]※動画本編、バスガイドピンキーに気絶させられた直後からの参戦です。 【太田太郎丸忠信@パロロワ/自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]健康 [装備]??? [所持品]基本支給品一式、??? [思考・行動]基本:自分が生き残る事を最優先とする。その為には手段は選ばない。 1:野獣と行動する。いざと言う時は盾に使う。 [備考]※本編死亡後からの参戦です。 《支給品紹介》 【竹刀@ニコニコ動画/真夏の夜の淫夢シリーズ】 ひでと虐待おじさんの原作にて、虐待おじさんがひでを叩くのに使っていた竹刀。 前:余りの惨劇に精神崩壊寸前!! 戦慄の殺人ゲームへようこそ…… 目次順 次:RUN,RUN,RUN GAME START 野獣先輩 次:Everybody plays the game GAME START 太田太郎丸忠信 次:Everybody plays the game
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8月18日、午後14時。 「あかねー、あたし達これから買い物行くんだけど来る?」 「……」 柳茜は、大学の講義室で留学生の松原エレナと他の二人の友人に囲まれていた。 声を掛けてきたのはエレナで、茜にとってはそこそこ親しい間柄と思っているが、隣の二人の事は、特になんとも思っていなかった。 ロリータ風の格好の小さい子は佐伯佳奈(さえきかな)、対してラフな格好が春日井晶(かすがいあきら)という友人だ。 この夏休みの間、ハンターの講義だけは休みにならないので、このメンツが顔を合わせることも多い。 エレナはすぐに他二人と仲良くなり、何度か茜にも遊びの誘いをかけてきているが、茜は彼女達と一度だけ遊びに行き、決定的に違うなと思った事がある。 それはゲームセンターに行った時だ。 エレナと茜で対戦をしていたのだが、佳奈が「私こういうの無理~」、晶が「オタクがやるもんでしょこれ」と見下して笑っていたのが悪印象として残っているからだ。 エレナがその場は何とか取り繕い、茜もさすがに声を荒らげ怒ったりはしなかったものの、なんとなく絡みづらいという印象を抱いている。 茜がどう断ろうか迷っていると、エレナが苦笑してアイコンタクトをしてくれた。 「あー、無理か。確か今日だっけ?じいちゃんが茜の持ってる靴を見せてくれっていってた日」 「ああ、そうそう。だから無理だ、ごめんね」 エレナに合わせて茜は軽く謝ってみせた。 いいよいいよー、またな柳!と佳奈と晶も言ってくれたが、どことなく心からはそう言ってはいなかっただろう。 「じゃあね、エレナ。二人も」 早々に退散しようと決めた茜だったが、一つの着信音にこの場が凍りついた。 佳奈の携帯に、知らない番号から着信が入っているのだ。 「や、やだ……!これあれでしょ!今噂の奴でしょ!!出たら死ぬっていう……!」 「出なきゃいーじゃん」 「大丈夫だって佳奈、晶の言うようにほっとけばいいよ」 そっかぁ、と何とか取り乱すのが収まったようで、まだ怖さからか震え声ではあったが、佳奈も音をミュートにして晶とエレナに笑ってみせた。 そして、おもむろに携帯電話を自分の耳元へと持っていった。 「ちょっと、何やってんのさ!!」 茜はあべこべな佳奈の行動を非難するように、講義室に通る声で叫んだ。 皆帰って茜を含め4人しかいない講義室だったので、他の者の視線は無い。 それどころか、晶もエレナも佳奈の携帯電話を驚きの表情で見ていた。 「わ、わかんないよぅ……手が勝手に……!」 泣きながら、戸惑いながら言う彼女の親指は、携帯の通話ボタンへ向かっていく。 「ああもう!佐伯さん、ゴメン!」 すんでの所で、茜は彼女の携帯を奪い、破壊する。 正確には、奪おうとしてもぎっちりと掴んで離そうとしなかったので、思いっきり殴って壊した。 「ちょっと、あかね!」 「大丈夫なのか……?」 エレナと晶が、心配そうな顔で茜を見た。 へーきへーき、と殴った手を見て言う彼女に、そうじゃなくて!とエレナが怒った。 少し困った茜だったが、今度は彼女の携帯が鳴り始める。 見ると、知らない番号。 今度は自分に来たか、と思った。 「あかね……!絶対出ないでよ、今あたしが壊すから」 「なんだったら、あたしがやってもいいよ」 「柳さん……!」 心配する3人に、小さくため息をつく。 エレナや晶が破壊したところで、今度はどっちかにまたかかってくるだろう。 何度も同じ手がはたして通じるのだろうか。 茜は、自分の携帯を取り、通話状態にする。 ノイズ音と共に、小さく声が聞こえてきた。 『…シテ…ワタ…ノニン…』 「いい加減にしろっつの!」 言うだけ言うと切った茜に、その場にいた全員が呆気に取られていた。 そして、次に三者三様の反応を見せた。 「何やってんのさ!今自分でしたことわかってんのあかね!?」 「柳すげーな!今の格好よすぎだろ!」 「や、柳さん大丈夫なの……!?怖くないの……!?」 面倒臭くなった茜は、少し考えてから全員へと呟く。 「さ、帰るよ」 呆れる者、尊敬するような視線を送る者、困惑する者を一蹴するように、彼女は帰り支度を始めた。 ☆☆☆ 8月18日、午後16時。 事が事だっただけに、買い物はキャンセルになり、茜はエレナと一緒に帰路についていた。 「本当に大丈夫なの?じいちゃんに見てもらったら?」 「大丈夫だって、結局死ななかったし」 「まったく……」 これ以上無駄と悟ったのか、エレナはそれ以上は説教はしてこなかった。 しかし、気まずい沈黙が続く。 結局、それ以降は別れるまで会話が無かった。 「じゃ、あたしこっちだから。あかね、本当に何かあったらいつでも連絡してきなよ?」 「わかってるって。じゃーねエレナ」 繁華街の交差点でエレナと別れ、帰路へつく前に歩き出す。するとすぐに電話が鳴り始めた。 きたな、と思ったら、手が勝手に携帯へと伸びる。 はいはい、強制イベントね。と諦めるように、茜は電話にでる。 『カ…シ…ウ…』 「だからさぁ、言いたい事あるならはっきり言いなよ!」 先程より聞き取りづらくなった通話に、苛々した茜がそう返した時だった。 辺りが、既に使われていない病院のような場所へと変化した。 「……は?」 と、そこで再度電話がかかる。 今度はエレナからだった。 「エレナ?」 『あかね!!大丈夫!?心配で引き返してみたら、あかねが今、目の前で消えたんだけど!』 茜はなんとなく自分の置かれた状況を理解する。 先程の電話がキーとなり、ここへと転送?したのだろう。 「エレナ、あの辺りで廃病院ってあった?」 『廃病院……?ちょっとまって、調べてみる。一応ギルドにも連絡入れて応援呼んでおくから、何かあったらすぐ電話してきなよ!』 これでまずはやることはやった。 次に茜がやる事は……。 「ここか」 誰もいない、非常灯のあかりが薄らとついているだけの廃病院。 ここが何処か、手探りで探さなければいけなさそうだ――。
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見滝原市中心部からやや遠ざかった、郊外に位置するショッピングセンター。 食料品に始まり、老若男女を問わず様々なニーズに応じた服や靴、家具や家電にペットetc……果ては医薬品まで。 ここに来れば揃わない物はほとんどないとされ、映画館やクリニックも備えた大型モールは、 市民の憩いの場として平日休日の別なく、朝から晩まで人で賑わっている。 優に千を超える人間が溢れるモールは、午後6時が迫っても全く静まる気配がない。 そんな中を連れ立って歩く女子中学生が三人。彼女たちもまた、その内の一部に過ぎなかった。 「あ~、疲れた~」 美樹さやかは、大きく息を吐いて椅子にもたれた。 ここはモール内のカフェの一角。さやかの前には、隣り合って座る鹿目まどかと志筑仁美。 三人は学校の帰り、モールに立ち寄っていた。 珍しいことではない。三人は月に何度か、こうして寄り道しに来ている。 中学からもほど近いショッピングモールは同じ制服はもちろん、近隣の学校の制服も多く見られた。 とはいえ、流石に午後6時ともなれば大人の目も気になる。あまり長く居座れば補導の対象にもなりかねないのだが。 「もう、さやかちゃんったら。疲れたなんて言っても、ほとんど何も買ってないよ?」 「あはは。だって色々目移りしちゃうんだもん。これじゃ見てるだけでも疲れるよ」 まどかの言う通り、文房具などの日用品をいくつか買っただけで、かさ張る物は購入していなかった。 悲しいかな、中学生のさやかやまどかには自由になる小遣いは少ないのである。こうして飲み食いする代金だって馬鹿にならない。 ……筋金入りのお嬢様である仁美はそうでもないようだが。 それならいっそのことウィンドウショッピングで我慢して、ゆっくりお喋りに費やす方が楽しいだろうと考えた。 店内は雑然として、多少声を張らないと向かいの席にも声が届かない。それでも、さやかはこの空気が嫌いじゃなかった。 この心地良い気だるさが好きだった。 気に入った服を手にしてあーだこーだと言い合ったり、本屋で立ち読みしたり、ペットショップでショーケース越しに動物を愛でたり。 そんな漫然とした、良く言えばのんびりした時間が楽しい。 そして今日最もホットな話題は、転校生、暁美ほむらについてだろう。 今日転校してきたばかりの彼女は、才色兼備という熟語が的確に当てはまる、黒髪の美少女。 それだけでも話題性抜群なのだが、そこへ更に話題を提供したのがまどかだ。 なんとまどかは、暁美ほむらに既視感を覚えたと言う。しかも向こうは笑うでもなく、気味悪がるでもなく、謎めいた忠告を残していった、と。 まるでマンガかアニメの序章のような展開にさやかは一しきり爆笑した挙句、仁美にたしなめられてしまった。 まさか、そんな前世の絆みたいなものが本当にあるとは思えないが、まどかは随分と気にしているようだ。 まだ引きつる腹筋を休ませる為、コーヒーを一啜り。それから、そういえばと思い出す。 今朝すれ違った白いコートの男性。ほむらがまどかの関心を惹いているように、今日のさやかは妙に彼が気に掛かっていた。 授業中も度々、彼の姿が頭をチラついていた。 と言っても、まどかのそれのような運命だとか奇跡だとかいったものでは断じてない。 後にして思えば、自分の中に眠る何かが感じ取った予兆だったのかもしれないが。 それから話は適当に雑談へとシフトし、それも一段落したあたりで仁美が腕時計を一瞥して席を立つ。 「あ……ごめんなさい。お先に失礼しますわ」 「お稽古の時間? 大変だね、仁美ちゃん。今日は何?」 「ピアノです。昨日はお茶で、明日は日本舞踊。ほんと毎日毎日、嫌になりそうですわ」 深々と溜息をつく仁美。 お嬢様にはお嬢様なりの苦労や苦悩がある。しかし、彼女を労わる人間は少ない。 こういった場合まず家族だろうが、仁美に習い事を課しているのは他ならぬ両親だ。 クラスや学校の人間にしてもそう、嫉妬や羨望の眼差しで見ても、 彼女がどれだけ努力しているかなんて知りもしない。 容姿、成績、家柄。彼女は人より一段高い場所に立っているだけに理解もされ辛いのだろう。 さやかにも、彼女を羨ましいと思うことはある。かつては嫉妬もした。友達の自分ですらそうなのだから、 赤の他人からすれば、憧ればかり先立って同情なんて持ち得ないのかもしれない。 かくいうさやかも庶民である。共感はできないし、完全に理解もできない。 昔、「嫌なら止めれば?」と軽々しく言ったら、酷く怒らせた上に泣かれてしまった。 以来、不用意な助言は慎み、彼女の選択を応援している。あと、できることと言えば気晴らしに誘うぐらいか。 「あ、今日もだっけ? ごめん、付き合わせちゃって悪かったかな?」 それにしても今日は少し遅くなり過ぎた。外はすっかり薄暗い。 そろそろ帰って夕食かという時間だ。これから習い事なんて、想像するだけでげんなりする。 なのに仁美は、にっこり笑って答えた。 「いいえ、お気になさらず。近くですし、好きで来たんですから。 私としても、お二人とお喋りしたり店を見て回る方が楽しいですもの」 「ん、ありがと仁美」 「でも今日はピアノですから、まだいいですわ。音楽は好きなんですの」 「そっか。仁美ちゃん、音楽の授業でも上手いもんね。他にも色々やってるの?」 仁美は宙に目をやり、指折り数える。片手が全て握られ、また開いていくのを見て、さやかは苦い顔を禁じ得なかった。 「ピアノとフルートとヴァイオリンも少々……手習い程度ですけど。興味がおありでしたら、今度お話しますわ。では、御機嫌よう」 にこやかに微笑んで立ち去る仁美を、さやかとまどかは手を振って見送る。 「じゃあね、仁美ちゃん。頑張って」 「バイバイ。また明日ね」 ――また明日。 何気なく放った一言で、そこに大した意味なんてない。 だってそう、ずっとそうだったから。これからもそうだと思ってた。 明日が来ればまた学校で会って、いつも通りの日々を笑って過ごせるって。 だから考えもしなかった。知る由もなかった。 夜を乗り越え、朝を無事に迎えられることが、どれだけ大変で幸せなことか。 あたしがそれを嫌ってほど思い知る瞬間が、もうすぐそこまで迫っていたなんて――。 仁美が帰ってから数分。特にこれといった話題もなく、すぐに両方のカップが空になる。 先に立ち上がったのはまどかだった。 「それじゃ、私たちもそろそろ帰ろっか」 仁美もいなくなったし、確かに時間も遅い。さやかも頷いて立ち上がる。 店を出るなり、さやかは今思い出したかのように、まどかを呼び止めた。 「あ、そうだ。ねえ、まどか。ちょっとだけCD買いに寄ってもいい?」 「うん、いいよ。いつもの?」 しかし見抜かれていた。だからと言ってからかいもせず、無邪気な笑顔で答えるまどかに、 さやかは照れ臭そうにはにかむ。彼女のそんなところが、さやかは好きだった。 「えへへ……まあね」 そうしてCDショップに向かうことにした二人。 その背中を、同じ制服を着た金髪の少女が見送っていたのに、二人は気付かない。 そして金髪の少女もまた気付いていなかった。その後ろ姿を、雑踏に紛れた男が――革ジャンを着た不良が見ていたことに。 CDショップに来たさやかは、まどかと離れて一直線にクラシックのアルバムが並ぶ棚に行った。 自分の趣味かと聞かれれば、そうでもない。 普段なら、まどかのようにJ-POPの棚が似合うさやかだが、今日ばかりは違った。 真剣な瞳で棚を睨み、一枚一枚を手にとってはジャケットを確認する。 全ては一人の少年の為。事故で入院している幼馴染への差し入れの為だった。 「う~ん……」 だが、さやかは棚の前で唸っている。何を選んでいいのか迷っているのだ。 こうして見ても、良し悪しなんてわからない。知っているのは大まかな彼の好みと、有名な演奏家くらい。 自分の知識なんて、所詮は付け焼刃である。 クラシックにも造詣の深い仁美の知恵を借りた方が良かったのだろうが、なんとなく気が乗らなかった。 あくまで自分の目利きで彼に喜んでもらいたい。仁美に頼ったら、負けてしまう気がした。 「何言ってんだろ、あたし……。勝ち負けなんかじゃないのに……」 仁美か、それとも自分自身か、何に負けるのかは自分でもわからない。たぶん、ただの空意地。 しかし譲れない意地だった。 結局、その後も数分間、さやかは棚の前で悩み続けた。まどかが思い詰めた表情で店を出ていくまで。 さやかがCDを物色する間、まどかも適当なCDを見て暇を潰していた。 さやかも一人で選びたいだろう。そう思ってのことだった。 そうして気になった曲を選び、試聴していた時のことである。 ふと、ヘッドホンから流れる音楽とは違う声が聞こえた。 『――助けて!!」 最初は気のせいかと思ったが、 『――助けて、まどか!!』 二度目は聞き間違えなかった。 女性のような子供のような声。 正体はわからないが、ともかく切迫した声が助けを求めている。それも自分に向けて。 ――行かなきゃ! この時の思考は、彼女自身にも上手く説明できないだろう。 ただただ得体の知れない焦燥感に突き動かされるようにして、まどかは店を飛び出した。 白い影が走る。闇の中を、ただひたすらに。 逃げているのは猫のように敏捷な小動物だが、追跡者も負けじと追い縋ってくる。 周囲にはコーンや資材など障害物も多く、非常灯の僅かな明かりしか頼れないにも拘らず、 追跡者は執拗に、そして正確に小動物を追っていた。 紫色の光が小動物の背後から迫る。咄嗟に危険を感じ取って身をよじった。 跳ねてから一瞬遅れて、光弾が直前までいた場所を穿つ。 辛うじて直撃は避けたものの、光弾が足をかすめた為、バランスを崩した小動物は大きく床を滑った。 「あぅっ!」 血塗れになってもなお立ちあがって逃げようとする彼の前に、追跡者は立ちはだかる。 非常灯に照らされて浮かび上がった追跡者は、黒髪の美少女だった。 名前は暁美ほむら。 まだ中学生ながら、恐ろしく冷酷な目で小動物を見下している。 左腕には盾のような円盤が付けられており、ほむらは袖と円盤の間に右手を差し入れる。 そして取り出したのは、黒光りする拳銃。彼女は迷わず、それを突き付け、撃鉄を起こした。 「ひっ……!」 獲物が怯えた声と瞳で見上げてくるが、ほむらは微塵も揺れなかった。もとより、命乞いに貸す耳など持っていない。 この小動物はキュゥべえ。愛らしい容姿をしていても、ほむらには醜悪なケダモノにしか映らない。 引き金に指を掛け、狙いを定める。たとえ一時の時間稼ぎにしかならないとしても、逃がすわけにはいかないのだ。 自身の果たすべき目的の為に。 それに、どれだけ逃げようと、ほむらには暗闇でも苦にならない能力があった。 五感の強化と、培った第六感。 故に、この暗闇でも誰かが忍び寄ってくれば察知できるはずだった。 しかし狩りを始めた時から、ほむらの注意はキュゥべえを追い詰めることのみに向いていた。 加えて、狩りに興じる心が全くなかったとも言い切れない。 だが、それは彼女が加虐趣味の持ち主だからではなく、このキュゥべえが憎むべき仇敵だからである。 これは、その場凌ぎだとしても、積もり積もった恨みを晴らす一発だった。 だからこそ気付けなかった。 引き金に掛けた指に力を込めるほむら。そこへ闇の中から声が届くまで。 「いい趣味をしているな。こんなところで動物を追いかけて虐めているとは」 「誰!?」 落ち着いた男の声だった。続いて、カツン、と乾いた靴音。 やがて非常灯の幽かな光に照らされて、その姿が徐々に明らかになる。 最初に、闇の中でも目立つ白のロングコート。次に、闇と完全に同化したインナーと靴。 最後に、茶髪だが精悍な男の顔が露わになった。 その名を魔戒騎士、冴島鋼牙。 この時はまだ、互いに目的も名前さえ知らない二人。 ただ、ほむらは狙いこそ逸らさなかったが、鋼牙を全身で警戒していた。 いくら狩りに集中していても、この距離まで接近されて気付かないなど考えられない。 おそらくは、先にこちらを察知するまで気配を殺していた。となれば、まず只者ではない。 ほむらは相手の出方を窺っている。こうして姿を現したということは、すぐに攻撃の意思はないだろう。 会話するつもりがある。仕掛けるなら、先に仕掛けられたからだ。 何かあれば、すぐに銃口を向け直すつもりで鋼牙の言葉を待つほむら。しかし、次に喋ったのは鋼牙ではなかった。 『と言うより、狩り立てると言った方が正しいな、これは。銃まで用意して、ご苦労なこった』 鋼牙の指にはめられた髑髏の指輪。名は、魔導輪ザルバ。 カタカタ顎を鳴らす喋る指輪に、ほむらの警戒心は否応なく高まる。 魔女や使い魔の中にも人語を操る者はいない。鋼牙の爪先から頭の天辺までを睨め回しても、やはり正体は判然としなかった。 何故、自分に話しかけた? 目的は? その喋る指輪は何? 聞きたいことは山ほどあったが、あえて呑み込んだ。敵か味方かもわからない相手に、 こちらから何の情報も持たないことを教えるのは危険だからだ。 話したからと言って、それが真実という保証はどこにもない。 だからほむらは動揺を表に出さず、努めて平静を装って、こう言った。 「あなたに、何か関係が?」 ザルバを見ても動揺する素振りを見せないほむらを、鋼牙も訝しげに睨んだ。 と言っても、この男、無愛想な性質で、普通にしていても睨んでいると取られがちなのだが。 寡黙な彼は、自己紹介も状況の説明も求めなかった。ただ、質問にだけ端的に答える。 「ないな」 「だったら構わないで。通報でも何でも、したければするがいいわ」 ほむらには確信があった。 自分も、このキュゥべえも、この世界の常識や摂理とは一線を画した存在。証拠はどこにも残っていない。 探しても出てこない。 警察に通報したとしても、写真や映像でも残っていなければ無意味。少々の面倒はあれど、証拠不十分となるだろう。 その気になれば仮に残っていても、どうとでもなる。 つまり、恥を掻くのはそっちの方だと。 それにこの男も、こんなところを気配を殺してうろつくのだから、どうせまともな人間ではない。 ここは大型ショッピングモールの改装中のフロア。一般人は立ち入り禁止の上、事故があったとかで、工事も中断されている。 電気も落とされ、窓も塞がれている、こんな場所に好んで立ち入る人間は工事関係者でもなければいない。 思考を巡らすほむらが鋼牙を分析している間、キュゥべえは機会を窺っていた。 そしてほむらが鋼牙に向き、会話が途切れた瞬間、脱兎の如く駆け出した。 「くっ……逃げられた――!」 一瞬の虚を突かれたほむらは、しまった、と歯噛みする。 誰よりよく知っていた。忘れたくても忘れるはずがなかったのに。 アレが見た目に反して恐ろしく狡猾な生き物だと。 力尽きたように見せかけて、まだ足を残していたのか。 まだだ、今すぐ追えばまだ間に合う。 闇に消えたキュゥべえを追おうと、全力でコンクリートの床を蹴って走る。 「待て」 いや、走ろうとする寸前で、鋼牙に右腕を掴まれた。この状態では能力も使えない。 初めて苛立ちを露わにほむらは振り向き、 「まだ何か――っ!?」 抗議の声は眼前に突き出された鋼牙の手で遮られた。 その手に握られていたのは、鈍色のライター。 全体は楕円に近い形で、側面には大きな赤い目。その他にも複雑な模様が施されている。 鋼牙は親指で蓋を弾き開けると、ドラムを回して着火した。 ほむらは、またしても言葉を失う。 何故なら、その炎の色は鮮やかな緑。薬品でも使っていなければ、通常あり得ない色だった。 それでも、ほむらは表情を変えなかった。内心では驚いていたが、あくまで表面上はポーカーフェイスを保つ。 これまでの全ての事象を含めても、一度たりとも現れていない未知の存在。 そもそも、常人には見えないキュゥべえが見えることからしておかしい。 初めて遭遇したイレギュラーに、これ以上の隙を見せたくなかった。 暗闇に突如として点された火。自然とほむらの視線はライターの火に、そして向こう側の鋼牙の目に吸い寄せられる。 鋼牙もまた、ほむらの目を間近で覗き込む。 緑の炎を挟んで、ほむらは鋼牙の、鋼牙はほむらの瞳を凝視した。 ――嫌な眼をしている。 互いに同じ感想を抱いた。 鋼牙から見た少女の瞳は、まるで夜闇のような暗く深い色。 その色が意味するものは老成――いや、達観か。 しかし悟りを開いたとか、そういったものとはまた異なる。 様々なものを諦め、苦痛と喪失に慣れた者の眼。幾多の死線を潜った兵士の眼に近いだろうか。 感情に乏しく、虚無的な印象を受ける。 それでいて、捨てられない何かを必死に追い求めているような、そんな強い執念の炎も奥深くに宿している。 彼女が何故、こんな超然とした目をしているのか不思議だったが、この年頃の少女がしていい目ではなかった。 何者をも恐れず、何事にも動じない。 いかなる手段を以てしても屈伏せしめることは叶わぬであろう黄金の魂。 ほむらが見た男の眼光は、そう感じさせるだけの力を持った、鋭く強靭なもの。 彼は、さしずめダイヤモンドの如く純粋で強固な意志の塊なのだろう。 おそらく、それは一つの使命に何もかも捧げたが故の強さ。 闇の中で見る彼は、浮世離れどころか人間離れした異質な雰囲気を漂わせていた。 気持ち悪い、と素直に思った。 揺るぎない信念なんて、赤の他人からすれば薄気味悪いだけ。 それとも、これは嫉妬だろうか。 緑の炎――魔導火は偽りを暴き、真実を照らし出す炎。 それを挟んで対峙した両者は、互いに心の奥底を垣間見た気がした。 だが、自分が相手に抱いた印象と、ほぼ同じ印象を相手も抱いているとは知らず、二人は睨み合う。 冴島鋼牙と暁美ほむら。 どちらも譲れない目的を持ち、ここに立っている。 誰に何を言われようが、決して曲がらぬ一念を愚直に貫いている。 そして何より、不器用で無愛想だ。 その点で、この二人はよく似ていた。 鋼牙がほむらの瞳を見つめて数秒ほどして、鋼牙はライターを消した。 「ホラーではない、か」 魔導火は魔獣の姿を焙り出す。ホラーに憑依された人間に魔導火を見せると、魔戒文字が浮かび上がる。 魔戒騎士がホラーを判別する方法だった。 こんな時間に、こんな場所で異常な行為に及んでいる少女。ザルバを見ても、魔導火を見ても、表情一つ変えない。 可能性は高かったが、鋼牙の勘は最初から否定していた。 あれは、ホラーにはできない眼、人間だけが持てる輝きだ。 そうとは知らず、ほむらは鋼牙をまだ睨んでいる。 当然だ、この男の邪魔のせいでキュゥべえを取り逃がしてしまったのだから。 今からでは、もう追い付けない。このままでは彼女が……そう思うと憎くもなる。 ホラーとは何かも、緑色の炎の正体も、今は置いておく。 いつだって大事なことは一つだけ。それを邪魔をする者は誰であろうと排除するのみ。 明らかに怒気を孕んだ声で、ほむらは鋼牙を問い正す。 「何のつもり? 何故、私の邪魔をするの……!」 「一つ、言っておく」 だが鋼牙は問いに答えず、ライターをしまうと一方的に告げた。 鋼牙もまた、最優先事項である使命を果たす為なら、他人の都合は関係ない。 「お前が何をしようが興味はない。だが、ここでやられると仕事の邪魔だ。さっさとここから逃げろ。さもなくば……」 「さもなくば……?」 ほむらは言いながら、鋼牙から見えないよう指を伸ばして引き金に添えた。 一触即発。 相対する二人は無言で火花を散らす。最早、いつ爆発しても不思議はなかった。 腕が強張る。全身が緊張している。鋼牙の答え次第では、ほむらは初めて人間を撃つかもしれない。 殺す気はないが、そんな余裕が通用する相手ではないだろう。 それはきっと、越えてはならない一線。それでも、彼女は行かなければならなかった。 そして鋼牙が、答えをを口にした。 ただ一言―― 「死ぬことになる」 ――と。 「――ッ!」 ほむらの目がカッと一際大きく見開かれ、次の瞬間、鋼牙の形相も険しさを増す。 ほむらの右腕を掴んでいた鋼牙の右腕が弛緩した。掴んでいては鋼牙も右腕が使えないからだ。 すぐさま、ほむらは拘束を振り解き、銃口を跳ね上げる。 一撃で決める。でければ、倒れるのはこちらだ。 連動するように、鋼牙も左手でコートを払い、右手は素早く左腰に伸ばされた。 左腰には、赤い鞘に収まった《魔戒剣》を帯びている。 後から動いたにも拘らず、ほむらが照準を合わせるより早く、鋼牙の腕は赤い柄を握っていた。 ほむらの拳銃が火を噴くのと、鋼牙が腰に帯びた魔戒剣を電光石火の速さで一閃するのは全くの同時。 銃声と鞘走りが鳴り響く。 この間、僅か一秒にも満たない、まさしく刹那の一撃。 ほむらの銃火が闇に瞬き、鋼牙の剣閃が一瞬の光跡を残した。 二人は"横に並んで"各々の得物を構え、微動だにしない。全神経を集中させて闇の深奥に目を凝らす。 呼吸さえ止めていた。 やがてその先から、 「キキィ……」 「ォォォ……」 と、甲高い鳴き声と低い唸り。 常人にも視認できる距離――せいぜい、半径1m程度といったところか――まで来て、 初めて声の主が非常灯に照らし出される。 片やナイフを両手に持ち、黒いローブを着た影。 片や蝶から髭面が生えたような奇怪な生物。 ローブは真っ二つに両断され、髭面は額を撃ち抜かれていた。 ふらふらと二人に近寄るが、どちらも届かずに倒れ伏す。 最期に、か細い断末魔を残して霧散、消滅した。 それを確認した二人は武器を下ろし、目線だけを合わせる。 「……斬られるかと思ったわ」 「お前が撃たないのなら、その必要はない」 ほむらは小さく溜息を吐く。 正直、肝が冷えた。 普段からほとんど使わない表情筋は、こんな時でも固まって動かなかったが、 背中や手に流れる大量の汗は、極度の緊張と重圧を如実に表していた。 鋼牙が「死ぬことになる」と言った瞬間、ほむらは鋼牙を撃つつもりだった。 だが、撃てなかった。やはり魔女でも魔法少女でもない人間を撃つのは躊躇われた。 彼女の為なら、どんな罪も犠牲も厭わない覚悟があったはずなのに、土壇場で迷いが生じてしまったのだ。 しかし、動いてしまった身体は止められない。その捌け口が、蠢く微かな殺気だった。 それを感知できたのも、咄嗟に銃口を向けられたのも、ほとんど偶然。 鋼牙が動いた瞬間は、どちらを撃つべきか限界まで悩んだ。 能力も使っていないのに、刹那よりも短く、極限まで圧縮された時間を生きていた。 かつてなかった感覚。魔女との戦いでも未経験だった。あれこそが、人間同士の生死を賭けた命のやり取りなのだろうか。 そして今、ほむらは命を拾って立っている。 どうやら、この男。少なくとも、今は敵ではないらしい。 撃たなくて正解だったと、ほっと胸を撫で下ろした。 緊張を感じていたのは、ほむらだけではない。鋼牙も、ほむらほどではないにしろ、選択を迫られていた。 と言っても彼の場合は、ほむらの発砲をどう凌いで、彼女を庇いつつ敵を迎撃するかが悩みだったのだが。 魔戒騎士の剣は、人に仇なす者にのみ向けられる物であって、ほむらを斬るなどという選択肢は端から頭になかった。 たとえ、彼女が自分に銃口を向けたとしても。 迫りくる敵の気配を感じたのは、ほむらが目を見開いたと同時。柄を握るまでは、ほむらへの攻撃も考えた。 柄頭で鳩尾を突き、返す刀で応戦するか。 或いは懐に潜り込んで銃弾をかわしつつ、彼女を抱いて敵との距離を取るか。 だが、鋼牙は見た。 彼女の瞳は揺らぎ、重心と注意は微妙に敵の殺気に傾いていた。 だから信じた。 彼女が既に危険を察知していると。何より、自分が敵でないと信じることを。 最悪、どちらかの足に一発喰らう覚悟はしていた。 いくら近距離では剣の方が早いと言っても、鋼牙は受け身で、初動の遅れもあった。 速さで勝っていたのは、根幹での迷いの有無と経験の差だった。 しかし、こうして互いに無事ならそれでいい。 重要なのは、少女が何者であるかということだが……。 そこへ鋼牙の心理を読んだかのように、ザルバが話し出した。 『なるほどな。やっぱり、お嬢ちゃんが魔法少女って奴か』 「どうして、それを……」 ほむらは答えるべきか逡巡して、質問で返すしかできなかった。 その反応は、鋼牙とザルバからすれば肯定したも同然である。 「やはりか……。ザルバ、どうして黙っていた?」 『一度やり合えば、すぐにわかることだ。お前なら言わなくても自分の身は守れるし、お嬢ちゃんも傷つけないだろうしな。 それに話す間もなかった。こうならなきゃ、そのうち俺様から話していたさ』 「調子のいいことを……」 鋼牙の表情が、若干だが渋くなる。 ほむらは、そんな鋼牙とザルバのやり取りをじっと見ていた。 喋る指輪――ザルバは、やり合った末に彼が倒れる危険はおろか、 こちらが斬られる可能性すら微塵にも信じていない。鋼牙も、ザルバの言葉を疑いなく信じている。 その間にあるものは信頼。自分にはないものだ。信頼する相手も、信頼してくれる相手も。 それを少しだけ羨ましく思いながら、ほむらは話に割り込んだ。 「そっちの話は後にして。先に私の話を――」 『待てよ、それだけじゃないぜ。お嬢ちゃん、あんたと同じだ。 自分が何を知ってて何を知らないか、よくわからない相手にカードは慎重に切らなきゃならないだろ?』 だからこそザルバは、ほむらに聞かれるところで余計な情報を与えなかった。 ザルバの言に、ほむらは続く言葉を呑み込む。 情報を要求するなら、こちらも提供する必要がある。 彼らが信用できるか否か、今後も関わってくるか否か、まだ判断できない。 「鋼牙、こいつらは使い魔だぜ。それも魔女とホラー、両方のな』 「ああ、わかっている」 これで終わるはずがない。言われるまでもなく、鋼牙は理解していた。 隣の少女も、何やら思い詰めているようだが、同様だろう。 二人は素早く腰を落とし、身体を開いて身構える。 場の空気が変わった。歴戦の戦士だけが感じ取れるレベルで。 何かが接近している。数秒遅れて、周囲の景色が歪んだ。 「こんな時に……!」 これは魔女の結界だ。こうなった以上、逃げられない。 キュゥべえを追うにしろ、まずはこの場を切り抜けなくては。 「話は後だ……やれるな?」 鋼牙は一歩前へ出ると魔戒剣を構えた。周囲の警戒は絶やさず、声だけでほむらに問う。 彼女は共闘する気はないだろう。また、その必要も。 それでも守りながら戦うより楽だ。彼女は魔女と戦う魔法少女であり、十分な戦闘力を持っている。 「……ええ」 ほむらは一言、そう伝えると振り向いた。図らずも、鋼牙と背中合わせの形になる。 これは、背中を任せるという解釈でいいのだろうか。 確認する時間はない。 ただ今この瞬間だけは、彼の立場や人柄でなく、実力を信頼しようと決めた。 今さら隠れる気はないのか、鳴き声と蠢きが大挙して襲い掛かってくる。 『来るか……! 抜かるなよ、鋼牙!』 ザルバの声を合図に、鋼牙とほむらは床を蹴り抜いて、同時に飛び出した。 BACK 牙狼―GARO―魔法少女篇 4 Next 牙狼―GARO―魔法少女篇 6 目次に戻る
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──あの時は、間違いなく死んだと思った…… 薄い暗闇に包み込まれた部屋で、影が蠢いた。 影はその独特の体躯をせわしなく動かせて、死んだように横たわる黒みをおびたパイプ や、無理矢理引き伸ばした血溜りを連想させるコード、惚けたように天井を眺め続けるく すんだ銀色の機械、等に埋め尽された部屋のあちこちを行き来していた。その部屋の中心 には、闇に薄暗く着色された壁に淡い光を投げ掛ける円筒状の機械が直立していた。 ふと、影が立ち止まって光を見据えた。 ──これに、あんな力があるとは思わなかった…… 影は、愛しむようにそれを見つめ続け、思い出したように溜息を吐いた。 綺麗だ。 それが影の感想だった。今まで見てきたあらゆる技術と一線を画す美貌を持つ光は、影 の心を完全に虜にしていたが、惹かれたのはその美しさにではなかった。 いきなり影は顔を顰めた。嫌なものを思い出した、と言わんばかりの顔で、自分の脳裏 に映像を結んだ。影は光の先にある何かを睨みつけるように渋面を作り、先程まで平静そ のものだった胸中はどす黒いもので掻き乱されている。 関係ない人間全員をを船ごと爆破した男。 反抗を企て勇敢に戦う同志を悉く殲滅した男。 そして…… 影の表情には一層皺が増え、胸中の思いそのものをはっきりと表した。 自分の緻密かつ周到な計画をぶち壊し、逃げる背中を躊躇なく撃ち抜こうとした男。 そこまで思考を進めた影の顔が、いきなり穏やかなものとなった。眼前の光をより愛し く見つめ、鎮座する円筒を撫でた。 変わらず部屋を照らす光は、背中から迫る自分が最も嫌う物質の奔流を防ぎ、一挙に転 送らしき処理をして主を守ったのだった。そのことに影は心から驚嘆し、感謝した。この 光が、自分が今まで調べてきたどんな技術よりも頑強で、精悍で、信頼に値することが分 かったからだった。 それ以来、影はこの光に関する研究を続けていた。その姿は、まるで意中の女性を理解 しようとする若い男のようにも見えた。 ──とにかく、今はこの光のエネルギーのことを調べよう…… 影が背を向けて、またせわしなく動き出した。 それ故、影は気付かなかった。円筒の中で光が大きく揺れたことに。 光が刻むダンスは悲しむように、だが何処となく嗤っているように見えた。 それは誰も知らない、暗黒の彼方の出来事だった。 「研修……ですか?」 「そうだよ。経験を積むことは大事だからね~」 エイミィ・リミエッタは、応接室のソファから腰を浮かしてそう言うと、合成繊維製の 腕章を、目の前できょとんとする金髪と茶髪の少女にそれぞれ手渡した。 「あの……、具体的には何をするんですか?」 高町なのはは、三色ラインが入った腕章をおずおずと右腕に通しながら言った。白を基 調とした武装局員士官候補生の制服が目に眩しい。 「そんなに構えなくても大丈夫だよ」エイミィは笑顔を浮かべて宥めるように言った。 「多分、やるのは簡単な書類仕事ぐらいだから」 私もそうだったしね、と付け足した執務官補佐兼管制官に、なのはとは対照的な黒色の 執務官候補生制服に身を包んだフェイト・T・ハラオウンが尋ねた。 「期間はどれくらいなの?」 「今から二週間。その間、二人はこの艦のクルーとして扱われるけど、皆知ってる人だ から大丈夫だよ。」 心配しないでね、と言って空間モニターを呼び出し、指を動かして操作した。 すると、顔を向かい合わせていた二人の目の前に冊子状の文書ファイルが現れた。 「それ、読んでおいてね。あたし、ちょっと行く所あるから」 そう言うと、エイミィは応接室のドアを開けて、さっさと出ていってしまった。呆気に とられた二人はただ、言われた通りに書類を読み始めるしかなかった。 「二人にはとりあえず、書類整理をお願いしてね」 柔和な笑みを浮かべながら、リンディ・ハラオウンは空間モニター越しに言った。はい 、と返事をした自分の部下の顔がモニターと共に消え、先程まで目を滑らしていた今回の 研修についての書類が視界に戻ってくる。 「いきなりですね。彼女達の研修」 「確かにね。」 艦長席の隣に立つクロノ・ハラウオンが呟くような声を聞き、リンディは振り向きもせ ずに緑茶を啜った。 「大方、上の意向でしょうけどね。」 「何故?」 「さぁ?分からないわ」 漆黒のバリアジャケットを着た執務官が諦めたように溜息を吐いたが、緑髪の女艦長は 何食わぬ顔で続けた。 「まぁ、彼女達のことだから、問題は起こさないでしょうし…。大丈夫よ。ちょっとや そっとでは折れないわ」 クロノは何か言いたそうに口を開いていたが、嫌なものを見た表情をして黙ってしまった。やけに疲れた表情だった。 ──駄目だ…臨界点を突破した…… 常ならば薄暗い部屋に、光が撒き散らされていた。それはひどく暴力的で粗雑なものだ ったが、佇んでいる影には、部屋を刺す光にそこはかとない拒絶の意思を感じた。 「結局、この光については何も分からなかったな……」 彼は諦感を顔に滲ませながら自嘲気味に言った。焦る時期はとうに過ぎていた。打つべ き手は全て打ったのだ。 ──光を調べようとしたことが間違いだったのかもしれない。或いは何らかの外部的要因が── やめろ。カタは付いたんだ。影はしぶとく論理的に考えようとする思考を止めようとした。一度は助けられた光に自分が消されようとしている。それが事実なのだ。 ──まるで奇跡だった……次元の違いすら感じた…… 今だに生きている思考は、光に対する率直な思いを打ち明け続けていた。その間、影はうんざりしたような顔で黙っていた。 ──どんな願いでも叶える存在……魔法……そう、魔法のようだった…… 魔法か……。影はつまらなそうに言った。 既に光は自身の視界を白色に塗り潰し、今まさに、蓄えたエネルギーを爆発力として放出しようとしていた。仮に逃げても、数秒後には完全に気体になる未来はねじ曲げられないだろう。 「…なら、どうにかして欲しかったよ。あの男を、ウルト──」 次の言葉は出てこなかった。その時、既に膨大な力は外界に解き放たれていたからである。 力は円状に広がり、空間を振動させた。その時、奇妙な紋章が力の中心地点にあること を垣間見たものがいたかどうかは定かではない。 衝撃は何の前触れもなく起きた。 床から鋭く突き上げたそれは、艦内で多くの両足を掬い取ったに違いあるまい。 だがそれだけではなかった。少しずつ視界が暗くなり、体から力が抜けていくように感 じた。方向感覚が狂い、天井と地面が断続的に入れ替わる。得体の知れない恐怖に襲われ たなのはとフェイトは、整理した書類を放り出し、無意識の内に両膝を抱えてその間に顔 を埋めようとしていた。不思議なことに、その光景は艦の至る所でも見られた。誰も彼も が同じ奇妙な姿で硬直し、彼女らの乗る艦もまた、光を恐れて暗がりを求める動物のよう に次元の海をのろのろと進んで行った。 帰ってきたウルトラマン×魔法少女リリカルなのは 第一話 侵犯 事務用デスクの前で蹲っていたなのはは、自分に何かを強要していたものが、徐々に消 えていくように感じた。自分が両膝をしっかりと抱き、胸をその膝に苦しい程押し付けて いると知覚した時、全身の硬直が解け、深く息を吐き出した。ゆっくりと目を開いたが、 視界は一向に明瞭にならなかった。 ──電気が消えてるのかな…… 今だに霞掛っている思考をフル回転させ、何が起こったのかを理解しようとしたが、全 く検討が付かなかった。体を起こした時に体のあちこちの筋肉が伸びる感じでは随分長く そうしていた筈なのだが、記憶は一瞬で途切れていた。妙な感じだった。 突然、はっとした表情になったなのはは辺りを見回して親友の姿を捕えた。先程の自分 と同じ奇妙な格好をしているフェイトの肩を揺り動かし、呼び掛ける。 「フェイトちゃん!起きて!フェイトちゃん!」 すると、これまた自分と同じ動作をして身を起こしたフェイトは、眠そうな目を擦りな がら大丈夫と言った。安堵するなのはを見て罪悪感を感じたのか、困ったように眉をハの 字にしていたが、薄暗い室内が弱々しい赤色の非常灯で申し訳程度に照らされているのに 気付いたのか、凛々しい声で質問した。 「なのは、何が起こったの?」 「分からないよ……。わたしが起きた時にはもう、こうなってたから……」 不安そうに答えたなのはだったが、次の言葉は彼女に内在する力に満ちたものだった。 「ここにいつまでもいたら何も変わらないよ。行動しなくちゃ」 彼女はこういう人間だった。常に前向きに考えて行動する、強い意志を持った人間だった。 わかった、と答えたフェイトは艦橋に行くことを提案した。艦の中枢とも言える場所な ら少なくとも何が起こったかぐらいは分かるだろう。 大きく頷くことで了承の意を表したなのはは、事務室のノブを捻った。かちゃりと金属 の触れ合う音が通路に木霊したことに僅かな戸惑いを覚えた。 通路は事務室と同じ非常灯によって一定の間隔で照らされていたが、長く続いている為 に灯りが届かない部分がより強調されていて、全体的に暗い印象を受けた。 二人はドアを閉め、艦橋に向かって駆け出したが、足を動かす毎に得体の知れない圧迫 感を感じていた。静か過ぎるのだ。まるで時間が止まってしまったかのような完璧な静寂 は耳を刺激し、心を蝕んでいく。 今の二人には赤色の非常灯と黒色の闇が不吉なものに思えた。 艦橋の扉を開くと、不可解なことに先程の自分達と同じ格好で艦橋内の人間が全員倒れ ている光景が視界に飛び込んできた。手分けして肩を揺すり、起こして回っていくとフェ イトはあることに気付いた。艦長席の横で目を開いたクロノの質問がそれと結び付いたからであった。 「艦長は……何処に行ったんだ?」 「えっ…。クロノは知らないの?」 「いや、僕が気絶する前から艦長席に座ってた筈なんだが……」 強かに打ち付けたらしい頭を押さえ、姿の見えない艦内最高責任者の痕跡を見つけよう としたクロノだったが、もう一人の少女の声にその行動は中断された。 「クロノくん、フェイトちゃん、みんな!モニターを!」 頭を上げて艦橋の前方に浮かぶ空間モニターを見た艦橋の全員が一瞬にして固まった。 毒々しい程、清々しい映像だった。 前方に広がる緑は強靭な生命力を想起させる木々が林立していた。その向こうにはやや 低い起伏が青み掛った緑に覆われているのが見えた。モニターの上辺に視線を移すと、何 処までも続くような雲ひとつない青空が天球を包み込んでいて、太陽の光が万偏なく降り 注いでいるのが分かった。 クロノ、艦橋内のクルーは総じてぽかんと口を開けていた。 「……何処だ…ここは……」 共通の疑問文が艦橋の天井に付きそうな位、数多く浮かび漂っていった。こうして艦の 中枢部は再び静寂に支配されたのだった。 空は澄み渡っていて視界は無限大。穏やかな風が吹き、既に葉を付けた深緑が揺れてい る早春の日は、いつもよりも気温が高くて気分も晴れやかになる。そんな日だった。 「いい天気だなぁ」 独りごちた男はキャノピの外に広がる蒼穹を見上げた。太陽光が大気圏を突き抜け、地 表をやわらかく照らしているのが感じられた。男は満足そうに唇を上げ、第三者が聞けば 無責任ともとられかねない言葉を水鏡のように穏やかな心中に響かせていた。 だが、 「……!」 頭の中に鋭い何かが触れたように感じた。急いで周囲を見渡し、耳をすませるが、小刻 みに揺れる座席と機体外から響くエンジンの叫声以外には何も知覚することが出来なかった。 男が眉を顰めていつの間にか前に乗り出した姿勢を直した時、僅かな電子音が鼓膜に響 いた。右手でヘルメットからマイクを引き出してシステムを入れ、通信を接続する。 男は答えた。 「はい。こちらMATアロー1号、郷です」 MATとは、Monster.Attack.Teamの略称である。国際平和機構の地球防衛組織に所属し、 本部をニューヨーク、支部を世界各地に置いている。その内、MAT日本支部は国家組織「 地球防衛庁」に属し、東京湾海底に基地を構えている。 彼らの使命は、人々の自由を脅かす者と命を懸けて戦うことにあった。 「宇宙船?」 無線の向こう側から聞こえる音声にはしばしばノイズが乗っていたが、通信を行なうの に支障はなかった。 ええ、午前11時27分。遠見市北、瀬礼州地区で宇宙船らしき物体が発見されたとの報告 が入りました 事務的な口調で淡々と情報を告げる声に耳を傾けながら、郷秀樹は先程の謎の感覚より も幾分鈍いものの、体中に纏わりつくような感触を頭の端で得ていた。 郷隊員はパトロールを中断。ただちに現場に急行して下さい 「了解」 短く答えて操縦悍を傾ける。スロットルバーを前に押し出し、出力を上げた。 耳を劈く爆音を空間に撒き散らすアロー1号は、まるで電車に弾かれた小石のように大 気を切り裂いて進み、青い空へ吸い込まれていった。 強い太陽光を反射してちかちかと白く瞬く船体に反して、艦内の状況は最悪だった。 まず、艦内乗組員の3割が軽傷を負っていた。これは全乗組員が意識を失う前に起こっ た唐突な衝撃によるものと推測されたが、詳しいことはよく分かっていない。 次に、各種レーダー、探知機、及びシステムの7割が中破。これには艦の電子機器担当 の管制官も頭を抱えていたが、今は全力でその復旧を行なっている。 だが、その作業を大幅に遅延させる要因があった。 「エンジンが動かないと、どうしようもないよね……」 うん…… 染め抜かれた青に白色のスカートが静かに舞い、空に一点の刺繍を縫い付けていた。見 下ろすパノラマには緑が広がり、同色の起伏の向こうには灰色の波が押し寄せているのが わかる。 アースラ上空で空中警戒の任をまかされたなのは、フェイトの二人は今だに回復の兆し が見えないらしい艦機能に不安を抱きながら、取り留めのない話をしていた。本来ならば 艦付きの常勤武装局員が行なうべきなのだが、前述の負傷した乗組員がそれに集中してい た為、有能なインテリジェントデバイスと、それを巧みに扱う魔導士である二人が選抜さ れたのだった。 彼女らは生き残ったレーダーの死角を埋めるかたちで空中警戒を行なっているが、最低 限の注意は受けているだけで、実戦に即した局地的警戒任務に関しては素人同然だった。 「……けど、大丈夫だよ」なのはは努めて明るい調子で言った。「クロノくんもエイミィ さんも、アースラのみんなが頑張ってるんだから、きっとすぐ直しちゃうよ」 ……そう、だね。…うん、きっとそうだ フェイトの顔が綻ぶのがなんとなくわかる。今は効率的な警戒の為に別々の場所にいる が、念話越しの彼女の声は先程よりも幾分、力強いものとなっていた。 なのはは満足そうな微笑を浮かべながら顔を上げ、地平線の彼方を見つめた。 「?」 視界の中心に黒い点が浮かんでいる。目を擦って凝視するが、黒点は消えるどころか徐 々に大きくなっているような気さえする。 得体の知れない何かが近付いている。親友が自分の安否を問う声以外の何かが、遠くか ら耳に張り付こうとしているのがわかった。 紛れもない音。なんということのない日常の中で何度か聞いたそれが、何故か怪物の雄 叫びのように思えた。 それは──甲高い轟音。飛行機械の咆哮だった。 ──くそっ…何故無線が通じないんだ? ヘルメット内蔵の小型無線通信機は機体内に配置してある大出力通信機と既にリンクし ていたが、耳に聞こえるのは体に悪そうなノイズだけだった。郷は今の状況をすぐにでも MAT本部に伝えたかった。 視線を滑らせて右主翼の先を『飛んでいる少女』を見遣る。 ──酷く若い。下手すると、次郎君よりも幼いかもしれないな… 身長は小さく、手足もまだ伸びきっていない印象を受ける体駆だった。人間ならちょう ど小学生だろう。だが、郷が最も注意を向けていたのは細い首の上に乗っている頭──と りわけ、顔だった。 「目が大きい……」 耳よりも大きい瞳、それを内包する瞼。ぱっちり、という言葉では描写仕切れない程肥 大化した目は、普通の人間とは明らかに違う箇所だった。それ以外が人間に近い分、際立 って印象に残ってしまう。 その硝子細工の様な目が機体右だけでなく左からも──則ち機体両方向から向けられて いる。監視しているらしく、視線は固定されたままだった。 機体は、先程から操縦悍を傾けているにも関わらず全く動かなかった。 原因不明の操縦、通信不能に謎の少女の出現。それが郷を取り巻く現状だった。 「あれ?エイミィさん何処にいたんですか?探してましたよ?みんなが」 「ん~……。ちょっとね……」 歯切れの悪い返事をしたエイミィは言葉少なにコンソール前の席に座った。艦内の非常 灯は既に消され、備蓄電源による予備電灯が次元航行部隊の制服を薄暗い艦橋に浮かび上 がらせている。 「なのはちゃんから報告はあった?」 「え?ぁ、いえ、まだありませんが……」 出し抜けに発せられた質問に若い管制官はしどろもどろになりかけながら答えたが、エ イミィは表情ひとつ変えずに口を動かした。 「なら不味いね。艦の前方750に巨大な生物反応があるから」 ──っ!! 耳の奥で何かが声を上げた。少しずつ、這い寄るように外界へ移動する予感が頭を、次 いで体を侵食していく。 はっとした郷は意識を視界に広がる樹木の群れを隙間に集中した。風防ガラスの向こう にある地面が隆起し、『それ』独特の触角のような二対の尾が現れ、やがて奇怪な巨体を 太陽の元に晒した。 ──怪獣! 首を振り、両脇の少女達の様子を伺う。幸いにも目の前の怪獣に気を取られているらし く、大きい目を更に見開いて呆気に取られている様子だった。 祈るような気持ちでゆっくりとスロットルバーを引き、操縦悍を倒す。機体は郷の思惑 通りに少女二人の間を下降して行った。 気付いた時には遅すぎた。眼前に展開する光景に驚いた一瞬を突かれ、アースラが見付 からないコースを辿らせようとした戦闘機は樹木を薙ぎ倒しながら進む巨大生物に突進し ていった。何故?という疑問を頭の片隅に追い遣り、思わず声を荒げてフェイトを呼ぼう としたが、その声は連続した爆音に遮られた。 「フェイトちゃんっ!」 なのはが凛々しい表情で叫んだ。その真意を汲み取ったフェイトが、眉をハの字にして 頭を振る。 「でも──」 一際大きな爆音が響いた。振り返って見ると、戦闘機が黒煙を吹きながらどんどん高度 を下げている。 そのまま、あっと言う間に近くの山に吸い込まれ、爆発してしまった。 「……」 声が出ない。あの戦闘機には間違いなく人が乗っていた。それが今、間違いなく……。 戦闘機が突っ込んだ部分は赤い炎に覆われている。巨大生物はそれを見て嬉しそうに体 を揺らした。喉の奥から捻り出す様な声を上げ、体を捻った。 「……不味いっ!アースラに向かってる!」 巨大生物は長い尾を振り、進み始めた。 なのはの瞼の裏に撃墜され、鉄の塊と炎に成り果てた戦闘機がフラッシュバックし、ア ースラにそれが重なる。 とてつもない悪寒がなのはを襲った。一瞬だけ視界が黒く染められ、周囲から自分だけ が隔絶されたように感じた。 ──嫌だ。そんなことは、絶対に。 左手に握る金と白のデバイスを振り下げ、巨大生物を見据えた。……が、同時にアース ラと巨大生物との間に、魔力とは違う別の力のうねりが発生しているのに気付いた。 それは徐々に大きくなり、激しくなり、そして一点に纏まっていく。フェイトもそれに 気付いたらしく、力の集中する空間を凝視していた。 そして────光が、瞬く。 死者を思わせる様な暗闇の中でそれは蠢めいていた。その姿は人間の造形とは一線を隔 すものだった。 ピンポン球の様な球形の目。蝉を連想させる顔。爪先が釣り上がった足。闇の住人にふ さわしい灰と黒の体色。そして、腕についた巨大なハサミ。 「これでいい……」 彼は俄かに呟いた。そして、独特の体躯を揺らし始める。最初は小さく、徐々に大きく。 嗤っていた。彼の種族にしか出せない声で。 「さぁ!試合再開といこうじゃないか!まだ一回の裏だ!楽しもうじゃないか!」 新たな力をその身にひっさげ、彼は『帰ってきた』のだった。 「そうだろう?『ウルトラマン』」 彼は地球ではこう呼ばれていた。 『バルタン星人』と。 フォッフォッフォッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォフォッフォッ フォッフォッフォッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォフォッフォッ フォッフォッフォッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォフォッフォッ フォッフォッフォッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォフォッフォッ フォッフォッフォッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォフォッフォッ フォッフォッフォッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォフォッフォッ フォッフォッフォッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォフォッフォッ フォッフォッフォッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォフォッフォッ フォッフォッフォッフォッフォフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォフォッフォッ フォッフォッフォッフォッフォフォッフォッ…………………………………………………… 目次へ 次へ