約 4,030 件
https://w.atwiki.jp/kwskp4/pages/21.html
じらいや 公式 花村陽介専用ペルソナ アルカナは「魔術師」。 主に疾風属性のスキルを得意とする。物理 回復、補助魔法もこなすオールラウンドプレイヤー。 アニメ等では、掌に付いた手裏剣による遠距離物理攻撃も行う。 召喚時の掛け声は「行け、ジライヤ!」 『P4D』での担当楽器はギター。楽器を持つ都合か、手裏剣は手の甲に移動。 神話 日本の読本・歌舞伎に登場する人物。 感和亭(かんわてい)鬼武(おにたけ)による読本『自来也(じらいや)説話(ものがたり)』に初登場。空想上の忍者。また「児雷也」とも表記される。大蝦蟇を呼び出すことで有名。 そのルーツは宋の沈俶撰がまとめた説話集「諧史(かいし)」に記される実在の盗賊・我来也に遡るといわれる。 能力 初期lv 4 ガル(初期) 突撃(初期) ディア(初期) スクカジャ(5) デカジャ(10) ソニックパンチ(14) マハガル(18) テンタラフー(23) ガルーラ(29) ディアラマ(34) マハガルーラ(40) 疾風ブースタ(44) 疾風ガードキル(49) ガルダイン(53) マハスクカジャ(60) マハガルダイン(64) ブレイブザッパー(69) 疾風ハイブースタ(73) 疾風耐性 電撃弱点 陽介が想像したジライヤのイメージ 陽介は「児雷也という忍者なり盗賊なりの義賊がいた」程度の知識しか持ってないらしくそして絵心があまり無いらしい。 陽介は何かをビジュアル化する際の想像力は結構単純でチープらしい。 陽介はジライヤが義賊=ヒーローだったと聞くと「ヒーローにはやっぱ赤いマフラーでしょ!」 忍者=隠れる人なら「迷彩柄だろ!」 こんなノリで想像しただろうというほどジライヤは完全に陽介の趣味でデザインされたペルソナらしい。 製作秘話 副島氏がジライヤでこだわったのは関節が無いデザインで、昔あった外側がゴムで中にハリガネを入れてあって色々なポーズが取れる人形をイメージして作った。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8440.html
前ページ次ページゼロのペルソナ タバサが起きたのは昼過ぎであった。エルザを夜通し見守っていたためである。 夜中にぐっすりと眠り朝には起きていた陽介はタバサに連れられ村の様子を見回った。 「タバサ、これからどうするんだ?」 陽介をすっと指差し「囮」と短くタバサは答えた。 「いやあ、酒飲むのはもう勘弁したいんですけど……」 陽介は二日酔いで痛む頭を押さえた。 タバサは二言三言囁いて、陽介に次の策を話した。 その内容に驚いた陽介はタバサに思わず聞き返す。 「いいのか?」 タバサは頷いた。 「じゃ、しょーがねーか」 こほんと息を整えてから陽介はタバサを怒鳴りつける。 「バッカ!お前は本当に役に立たない従者だな!」 その声に村人たちが集まってきた。十分人が集まってきたことを確認して陽介は再び大声を上げた。 「さっき、俺の杖を蹴飛ばしたよな!不注意で足が当たっただなんて言うなよ?お前は……あれだ……そう!魔法使いと貴族への敬意が足りていない!」 タバサは従順に頭を下げた。 「すいません」 「わかったら今日俺が寝たあとしっかりと杖を朝まで磨けよ!」 「はい」 何度も何度もタバサは陽介に頭をさげた。 村人たちはその光景をしかと見ている。このやりとりはすぐに村中に広まるだろう。 日が傾き……、再び恐怖の夜が始まった。 村長たちは集められた女性たちの声で孤児院のような騒ぎであった。 タバサ、陽介は同じ屋敷の自分たちにわりふられた部屋にいた。エルザも一緒だった。 タバサたちのもとに夜食が届けられた。 「うんめえ、あったまる」 と陽介はベッドの上で嬉しそうに言う。気分よさそうに付け加えのサラダも口に入れる。 次の瞬間、陽介は勢い良く口に入れたサラダを噴き出した。 「あんじゃこりゃあ!苦っげえ!」 おほおほっと激しくせきをする。給仕の娘が慌てて説明する。 「し、失礼しました。村の名物でムラサキヨモギっていうんです。物凄く苦いんですけど、身体にはよくって……」 「身体にはよくてもムリだろ、これは……ん、なんだ?」 タバサが陽介に近寄り、サラダ皿のムラサキヨモギを平らげた。キョトンとする陽介を尻目に皿の底を覗き込んだ。 「あ、あの……おかわりならありますけど……」 こくりとタバサは頷いた。運ばれてきた山盛りのムラサキヨモギのサラダを再びあっという間に食べきってしまう。 陽介はあきれたような、驚いたような表情をしている。 「よくこんな苦いの食えるな……」 タバサは口いっぱいに三杯目のサラダを頬張っている。 「ねえおねえちゃん、野菜も生きているんだよね?」 サラダを咀嚼しているタバサにそう問うたのはエルザだった。 「スープの中に入ってたお肉も、焼いた鳥も、全部生きてたんだよね?」 「うん」 「全部殺して食べるんだよね。どうしてそんなことをするの?」 「生きるため」 すると、きょとんとした声でエルザは言う。 「吸血鬼も同じじゃないの?生きるために人間の血を吸うんじゃないの?」 タバサはいつもの声で答える。 「そう」 「だったらなんで邪悪なんていうの?やってることは同じなのに……」 「なんでわたしに聞くの」 「おねえちゃんなら答えてくれそうな気がするんだよ」 「どうして」 「よくわかんない。きっと……、目が冷たいからかな。まるで冷たい風がふいているみたい。冷たい風。 冬のね、雪が降ってる日に吹いてる風みたいな……。そんな冷たい風を感じるの。その風は冷たいけど……、本当のことしか言わない気がするの」 タバサはじっとエルザを見つめた。沈黙が流れる。 その時、陽介が大きな声で言った。おそらく沈黙に耐えかねたのであろう。 「さーて、腹もいっぱいだし、眠るとしますか。タバサ、しっかり磨いておくんだぜ」 それから陽介は打ち合わせどおりタバサに杖を渡してきた。 タバサはこれから一階に行くつもりであった。魔法使いと杖が離れているとなれば、 無防備な魔法使いか、使い手から放された武器である杖のどちらかを襲うとタバサは踏んだのだった。 「おねえちゃん、どこ行くの?」 「一階」 「わたしも行っていい?」 少し考えてからタバサは頷いた。 そしてエルザを伴って廊下へ出ようとした瞬間……。 バリーンッ!と窓の割れる音がした。 隣の部屋だ。 タバサは駆け出した。陽介も付いて来る。 隣の部屋に駆けつけるとそこにはいるはずのないアレキサンドルがいた。 それも尋常ならぬ様子である。長い牙が生え、獣のように口からは、ふしゅるふしゅると獣のような息遣いが聞こえる。はたしてアレキサンドルは屍人鬼だったのだ。 タバサに気付いたアレキサンドルは手近くの娘の髪を掴み逃走を図ろうとする。 タバサにもう魔法使いであることを隠す余裕はなかった。小さく呪文を唱え、杖を振る。 「イル・ウィンデ」 風の刃が腕を切り裂き、アレキサンドルは娘の髪を手放す。 屍人鬼は手ぶらで入ってきた窓から逃げ出す。タバサは部屋を横断し、アレキサンドルと同じく窓から飛び出す。 屍人鬼の足は獣並みだ。人間の足では追いかけられないが、タバサは“フライ”の呪文で飛んで追いかけた。 アレキサンドルの前に回りこむ。彼は傍らの杭を引き抜いた。熊のような力だ。 一度、“屍人鬼”になってしまっては、もう元には戻れない。先住の“水”の力で動く死体と同様、死して操られているに過ぎない。 それでもタバサは目を瞑ると小さく祈りの言葉を口にした。 「始祖よ。不幸な彼の魂を癒したまえ」 ついで、呪文を詠唱。跳び掛ってきた屍人鬼に杖を振る。 「ラグース・イス・イーサ……」 “ウインディ・アイシクル” タバサお得意の氷の矢の呪文である。 矢が四方八方から屍人鬼を串刺しにする。 「くっそ、道に迷ってエラい時間が……うおっ、なんじゃこりゃ!?」 早くも追いついてきた陽介は氷で串刺しになったアレキサンドルに驚く。 自分の使い魔はずいぶんと足が速いようだ。とタバサは思った。 タバサは倒れた男の身体に土をつかんでかける。 「イル・アース・デル……」 “錬金”で土を油に変える。 「ウル・カーノ」 ついで“発火” “屍人鬼”は荼毘に付された。犠牲者の身体は灰へと変わっていく。 陽介は驚きながらもその光景を見ていた。その顔にいくらかの苦々しさを乗せて。 タバサが視線を来た道へ返すと驚くべきものが目に入った。 「本当にアレキサンドルが屍人鬼だったのかよ……っておい!?」 タバサは陽介を無視して飛んだ。陽介もすぐに気付いたようだ。 「燃えてる……!」 村の一角から火の手が上がっている。そこにあるのはおそらくアレキサンドルとマゼンダの家。 陽介とタバサがたどり着いた時、すでにマゼンダの家はもうもうと燃えていた。 「くそっ、なんてことしやがんだ……!」 家の周りを村人たちが熱狂的とすら言える様子で取り囲んでいる。 アレキサンドルが屍人鬼であったことが火種となり、村人の怒りが爆発して火を放ったのであろう。 「燃えちまえ!吸血鬼!」 「俺たちを騙しやがって!」 タバサは唇を噛むと杖を振り、呪文を唱えた。 杖を中心に渦が起こり、風の渦は天へと駆け上がり、やがて氷の粒を含む嵐となる。 “アイス・ストーム”と呼ばれる氷の嵐のトライアングル・スペル。 氷の竜巻は燃え盛る家を包み、竜巻が消えるころ、炎は完全に消えていた。 しばしタバサの魔法に見入っていた村人たちだったが、我に返り不満の声を上げた。 「何をするんだ!」 「証拠がない」 厳しい顔つきでタバサは言った。 「証拠?息子が屍人鬼だったのがなによりの証拠じゃねえか!」 「んなもん証拠になってねえだろうが!」 陽介も負けじと声を張り上げる。タバサと陽介は同意見であった。 マゼンダ以外が吸血鬼でも、アレキサンドルを屍人鬼にすることは十分可能なはずだ。 陽介とタバサにとって、確かな証拠もなく人を焼き殺すことなど容認できることではない。 タバサたちと村人たちの間に一触即発の空気が流れる。 その時あばら家を調べ始めた村人たちから歓声が上がる。 「見ろよ!吸血鬼は消し炭だ!ざまあみやがれ!」 タバサが消し止める前に家の中はすっかり燃え尽きていたようた。 「こないだ、あんたたちが止めたなかったらもっと早くに解決していたんだ!」 村人たちが指を突きつけて騒ぐ。 タバサは繰り返した。 「証拠がない」 そこへ以前、マゼンダを調べた村人レオンが仲間を引き連れやって来た。 「証拠ならあったぜ」 タバサたちの前に布きれを投げ捨てる。 タバサはそれを拾い、陽介も見る。赤い布キレであった。 その染めに二人とも覚えがある。間違いなくマゼンダが着ていた寝巻きの一部だ。 「それが、犠牲者の部屋の煙突の中に引っかかってた。マゼンダ婆さんの着物の切れ端だ。 そんな派手な染めはこのあたりじゃあ誰も着ない。あの枯れ枝のような身体なら煙突だってくぐれただろうな」 村人たちは安心した顔で家に帰り始めた。 使えねえ騎士さまだよ、とか、あの小さいほうがメイジさまだったんだね、とか、俺たちまで騙しやがってどういうつもりだ?とかそんな声が聞こえてくる。 エルザを連れた村長がやって来てタバサたちにぺこりと頭を下げた。 「ご苦労さまでした、騎士さま。村人たちの非礼をお詫びします。でも……、彼らは家族を亡くして気が立っているんです。許してくださいじゃ」 村長の陰からエルザがタバサをじっと見つめていた。 手に握った杖を睨み、 「嘘つき!」と悲しそうな声で怒鳴った。 タバサも陽介も村人たちが去っていくなかたたずんでいるだけだった。 自分たちの寝床に戻ってから誰も言葉を発していない。タバサはもちろんのこと、普段は饒舌な陽介も考え込んでいたようであった。 整理がついたのか陽介は確認するようにタバサに言った。 「なあ、煙突ってちゃんとスミズミまで調べたよな?」 こくりとタバサは頷く。 「……そっか、じゃあこの事件はまだ……」 「しっ」 タバサが指を口に当てる。 廊下からだれかがどうやら誰かが歩いてくるようだ。そして部屋の前で立ち止まり扉を開けた。そこには泣きそうな顔のエルザが立っていた。 「さ……、さっきはごめんなさい。おねえちゃん、みんなのために頑張ってくれてたのに……失礼なこと言っちゃった」 タバサは首を振った。 「もう行っちゃうの?」 「夜明けに出発する」 と短くタバサは答えた。 陽介が何か言いたげに口を挟もうとしたがタバサは視線を投げかけ黙らせる。 「そう……」 エルザはさびしそうに呟いてから、顔を上げた。 「あ、あの!おねえちゃんに見せたいものがあるの!ちょっとならいいでしょ?ちょっとだけだから!」 「見せたいもの?」 「うん。おねえちゃんの大好物。おみやげに持って帰って」 タバサはちょっと考え込んだようだったが頷いた。 じゃあ、とエルザはタバサを促す。それから握った大きな杖を見て、怯えた表情を浮かべる。 その顔に気付いたタバサは「持ってて」と話の除け者にされ憮然と座っていた陽介に杖を渡す。 「ありがとう」 エルザは安心した顔になった。 エルザはタバサを村外れまで案内した。村を出て森に入るとそこにはムラサキヨモギの群生地なのだ。 「すごいでしょ、こんなにたくさんはえてるの!ほら!」 月明かりの中でエルザは楽しそうに駆け回る。 「おねえちゃん、この苦い草、おいしいってたべてのよね!だからいっぱい摘んで!」 タバサはしゃがみこむとムラサキヨモギを摘み始めた。エルザはもくもくと摘むタバサの周りを跳ね回る。 しばらくするとタバサの両腕はムラサキヨモギでいっぱいになった。エルザは近寄って囁いた。 「ねえ、おねえちゃん」 タバサは振り向いた。 エルザを見る目は冷たい冬の風のようだ。 努めて、というわけではない、自然と無邪気な声が出る。 「ムラサキヨモギの悲鳴が聞こえるよ?いたい、いたいってね」 タバサはムラサイヨモギを放り捨て駆け出した。 「枝よ。伸びし森の枝よ。彼女の腕を掴みたまえ」 エルザは“先住”の魔法を使った。 走るタバサを、伸びる木の枝が掴む。タバサは動けなくなってしまった。 「おねえちゃん、恐怖に歪む顔をわたしに見せて。それが最大のわたしのご馳走なの。恐怖に歪む顔が、すてきなスパイスなの」 エルザは白く光る牙を見せ付けるように口を開く。 「吸血鬼」 独り言のようにタバサはその単語を口にした。 エルザはにっこりと微笑んだ。吸血鬼とわかっても、その笑顔はやはり子供のようで愛らしかった。 「そうだよ、吸血鬼はわたし。煙突をくぐって血を吸ってたの」 マゼンダは煙突を通って密室の部屋に侵入して血を吸ったと村人たちは考えた。くしくもそれは真実の一片をついていた。 ただし、侵入したのは枯れ枝のような老婆ではなく小さな子供だった。 タバサは枝から離れようともがいた。しかし枝はゆるむことすらない。どれほど力を有したメイジでも杖がなければただの人である。 無駄な抵抗をするタバサにエルザは静かに語りかける。 「色んな村を回って生きてきたわ。村で怪しまれないためにはね、コツがあるの。 住んですぐには獲物をとらないの。少なくとも半年以上たってから。 新しい人が引っ越してきた時なんかは仕事を始めるチャンスね。それが占い師の親子なら最適、“屍人鬼”にしちゃえば完璧ね」 引っ越してきた親子を吸血鬼に仕立て上げるというエルザの目論見は完全に成功した。 人間とはバカな生き物だと思わずにいられない。 村人たちは、エルザのことを欠片も疑わず占い師の親子を吸血鬼だと思い、そして退治してしまったのだ。 だいたい怪しいと思うなら太陽の下に引きずり出せばいいのだ。そうすれば吸血鬼はあっという間に死んでしまうのだから。 真実かどうかなどどうでもいい、彼らは自分が真実だと思えればそれでいいのだ。 そんな彼らを、エルザは煙突にマゼンダ婆さんの服の布キレを仕込んで後押しをした。 人間は見たいものだけを見たいように見て生きる。 彼らは自分の知りたい答えを示す証拠を見つけ、その証拠が本物かどうか考えもせずに安易に答えに飛びついたのだ。 マゼンダも這ってでも太陽の下に出て、身の潔白を証明すれば老い先短い人生をもう少し堪能できただろうに。 もっともそんなことをしようとすれば屍人鬼となったアレキサンドルを操って止めたが。 エルザはふふふと笑うが、タバサはただ黙している。 エルザは視線でタバサの顔を撫でた。 「ねえ、おねえちゃん。もう一度聞くわ。 おねえちゃんがムラサキヨモギを摘むのと、わたしがおねえちゃんの血を吸うのとどう違うの?」 タバサは無言で、エルザを睨みつける。 「ねえ教えて?」 構わずにエルザは質問を重ねた。 「どこも違わない」 エルザの心はうきうきとした。ああ、おねえちゃんはなんてすばらしいんだろう! 「そうだよね。ああ、わたしおねえちゃんがすき。だから血を吸ってあげる」 エルザの声には邪気はないが、それは死刑宣告であった。 だがそれでもタバサの表情に変化は現れない。 ふうん、とエルザはタバサの目を覗き込む。 「怖いって顔しないね……あの茂みにいるおにいちゃんがいるから?」 無表情だったタバサの顔に見て取れるほどの衝撃が走る。 「枝よ、伸びし枝よ。彼の腕を掴みたまえ」 木々の枝が森の中に隠れていた男を捕らえる。 「くそ、放せ!」 陽介の悲鳴がエルザの立つ野まで届いた。 「これであの偽者のメイジのお兄ちゃんは動けないわ。おねえちゃんが魔法使いってことはあっちが従者さんよね?」 エルザは首を傾けてタバサに尋ねる。 返答はないが、タバサの顔に浮かんでいるものを見てエルザは満足した。 タバサは彼に杖を渡してもらい一発逆転を図るつもりだったのだろう。 しかし、彼女の目論見は崩れた。 まだ道があると思っている人間を、最後の最後でその道を奪ってやる快感はたまらない。 その快感を補強するのは彼女の顔に浮かぶ驚愕と焦燥、なにより恐怖。 それらが混ざり合い、顔を今までで一番人間らしいものにしている。 たまらなかった。それがエルザのご馳走で、食事を彩りスパイスなのだ。 もう少しその様子を見たいとも思うが、エルザはそのご馳走を前に我慢することができなかった。 エルザがタバサのあごをつかみ、ついと持ち上げる。タバサは顔を振って、その手を振りほどいた。 その非力な抵抗が、無意味な抵抗がエルザにはたまらない。 タバサの体は小刻みに震え、はあはあと息遣いをしている。 吸血鬼の体に快感がめぐる。一秒でも早く彼女の血を吸いたい。 エルザは先ほどより強引にタバサの体を捉える。小さな顔を左手でつかみ、右手で締め付けるように首を捉える。 手の中で、もがく顔をベロリとなめ上げた。味覚がタバサの味を伝える。恐怖によるものだろう、汗の味がかすかにした。 「これからわたしの中でおねえちゃんは生き続けるんだよ。それって素敵……」 森の中で陽介が叫んでいるが、構わずに少女はその小さな牙をタバサの首筋に運ぶ。 エルザの牙がもがくタバサの肌に触れようとした瞬間――。 彼女の身体は無数の刃で切られた。エルザは尻餅をついて倒れた。 「いたっ!な、なに?」 エルザの体が無数の刃で切りつけられると同時に、タバサの身体を縛っていた植物も切り裂かれていた。 タバサもエルザ同様に事情が飲み込めないのか呆然としていたが、それは刹那、すぐにエルザから離れるように駆け出した。 タバサが魔法を使ったのではないのはその様子から明らかだ。エルザはきっと森の中の男を見やる。 するといつの間にか彼を縛る木々が断ち切られているではないか。 彼はタバサの使った杖を握っている。メイジだったのか?タバサがメイジであることは魔法を使ったのは明らかだ。 ということはどちらもメイジ?いや、彼がメイジでも一つの杖を共有などはできないはず。 だがすぐに思考を断ち切り、エルザはタバサを追った。 今、必要なのは考えることではない。魔法が自分を襲ったのは事実だ。 ならば必要なことは目の前の少女を人質に取ること。それが生き残るための手段だ。 エルザの手がタバサに届くというかときに再び陽介の声が二人の少女に届く。 「吠えろ!スサノオ!」 それからの一瞬は彼女の体感時間で実際の何十倍にも長く感じられた。 エルザの前にそれは現れた。それは人間と同じような肢体を持っているようだ。変わった青い服でしなやかに見える身体を覆っている。 炎のようなたてがみ――いやたてがみのような炎だろうか――を持ち、輪状の大きい刃と小さい刃がその身体の周囲を回っていた。 それは拳を振りかぶっている。 音速の拳――ソニックパンチが刹那を破り彼女の頭を捉えた。 エルザは顔から地面に叩きつけられた。 「タバサ、大丈夫かって……うっお、やっべえ!」 タバサは枝で服を切り裂かれほとんど裸体に近かった。 陽介も同じ魔法で捕まったはずだがタバサほど服はボロボロになっていない。 とりあえず、応急処置にマントがかけようとした時に、タバサの体が震えていることに気付いた。 戸惑う陽介からタバサはマントと彼女の杖を奪うように取った。 「後は任せて」 そう言った時、タバサはいつもの無表情で、震えてなどいなかった。 陽介は先ほどの様子を心配しつつもタバサに後は任せることにする。 タバサはエルザに近寄った。吸血鬼は地面に伏したままだ。クリティカルで入ったソニックパンチのダメージで立ち上がれないのだろう。 だが意識はあるようで、息を切らしながら哀願を始めた。 「……ハア、お願い…殺さないで……。わたし、わるくない…ハアハア。人間の血を吸わなきゃ、……生きていけないだけ。 人間だって……獣や…家畜を殺して、肉を食べる……ハア、ハア。どこも違わないでしょ……おねえちゃん、そういったよね……?」 タバサは頷いた。 「ハア、だったらこのまま放って行って……。別の村に…行く。迷惑、かけないから……」 しかしタバサはそれをよしとしなかった。 屍人鬼となったアレキサンドルにしたように土をエルザにかけ、燃やした。 エルザは炎上し始める。 「どうして……悪く、ないのに……」 エルザの弱々しい声は、炎の中に消えた。 白み始めた空の下、淡々とタバサは言った。 「わたしは人間なの。だから人間の敵は倒す。……それだけ」 陽介はその様子を黙って見ていた。 タバサと陽介は村を去り、再び馬上の人となっていた。 「ホント、無茶するよな……。一歩間違えれば確実に死んでたな、あれ」 陽介はいやはやと回想する。身につけているものは学ランである。 もう魔法使いのふりをする必要がないということもあるが、着ていた服をタバサに渡したからだ。 彼女の服はもはや服とは呼べない布キレになってしまったのですぐに代わりの服が必要だったのだ。 というわけで今タバサは男性服を着ており、しかも小柄な少女であるタバサには大きすぎてダボダボだった。 ちなみに服と共に傷つけられたタバサの体に傷はない。陽介のペルソナで治したのだ。 擦り傷のようなものばかりで初級回復呪文ディアで十分なほどであった。 陽介は回復魔法が得意なわけではないのでずいぶん使っていなかったが、やはり回復魔法は便利なものだと再認識した。 「見つかられなければあそこまで危険じゃなかった」 厳しい返答に陽介はう、とつまってしまう。 「あ、いや、そうなんだけど……。ま、まあ、助かったし結果オーライってことで」 タバサは返事をしない。 陽介は目の前……といよりは目線を下げた先にいる少女のつむじをみながら考えていた。 彼女の人間らしさ、そして優しさについてだ。 タバサは村を去る際にエルザは親類のところへ行ったという手紙を残したのだ。 陽介は実を言うとエルザが吸血鬼であったことを村人たちに教えてやりたかった。 間違った人物を殺してしまったこと……。彼らの選択の結果がどのようなものであるかを知らなければならないと思った。 しかしタバサは波風を立てない方法を選んだ。面倒を避けたのではないはずだ。それならマゼンダの家を燃やしている村人たちを対立してまで止めたりしない。 彼女はおそらくエルザという少女を愛した人たちに悲しんで欲しくなかったのであろう。 そしてエルザの最期を見てから言った言葉……。 タバサは常に無表情のようだが、感情がないわけではない。 陽介は一瞬だけだが怯えた表情を見た。小さな体を恐怖で震わしていた。 だがそれだけではない。 感情はしっかりとどこかに表れる。そしてその感情は非常に人らしく優しいものだと陽介は考える。 ダボダボの服のポケットはムラサキヨモギで膨らんでいた。 前ページ次ページゼロのペルソナ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8551.html
前ページ次ページゼロのペルソナ 話し合いが終わり、退出しようとしたタバサはアンリエッタに呼び止められた。 「先ほどは偉そうなことを申し上げてしまいましたわ。ごめんなさい」 「気にしていません」 アンリエッタはタバサの手を取り、両手を包みこんだ。 「アルビオン王家は絶え、ロマリアがなくなって、始祖の流れを継ぐのはもはやわたしとあなただけなのです。 これからは手を取り合いましょう。 ……ウェールズさまとの約束を果たすのもこの戦いが終わってからになりますね」 最後は自分に言い聞かせるようにして言った。微笑んでいたがどこか悲しげだった。 タバサはどういえば分からず黙っていた。 「それからシャルロットさま。あなたに会いたいという人がいます」 「誰ですか?」 「あなたのよく知る人です。そしてあなたの王位継承を推した人です。 わたしは一緒に話をしようとも申し上げたのですが、まずはあなたとそして使い魔さんにだけ会いたいと」 「えっ俺も?」 タバサにも陽介にも心当たりの人物が思い浮かばなかった。いったい誰が彼らに会いたがっているのであろうか。 使用人に連れられてきた部屋の中には、陽介も、そして冷静沈着なタバサも驚いてしまう人物がいた。 「い、イザベラさん……!?」 ロマリアを滅ぼしたガリア王の娘がトリステインの来客用の寝室にいたのだ。 「久しぶりね、ヨースケ……それにシャルロット」 イザベラは二人の驚いた顔が見れて嬉しいのか笑っている。 「あなたがどうして?」 対象の定まらない漠然とした質問はタバサがそれだけ驚いていることを示している。 イザベラは目を細めた。 「どうして……か。色々な理由があるわね……。父上がロマリアを攻めたのは知ってるわね?」 タバサはこくりと陽介はこくこくと頷いた。 「あんなことをしたら国はお終いよ。 他国だけじゃなくて民からも敵視されて、貴族たちだって言うことを聞かなくなるでしょうね。 だから新しい王が必要なのよ」 「ならあなたがなればいい」 イザベラは苦笑しながら首を振る。 「わかってるでしょ、シャルロット。父上はかつてオルレアン公派と争って王位についたわ。 なら父上の娘が王位を継いだところで誰も納得なんてしないわ」 それに、と言葉を続けた。 「あなたはわたしなんかよりずっと王に相応しいわ。この王位はもともとあなたのものよ」 タバサは困ったという表情を浮かべる。 「わたしは王になる気は……」 「ないの?」 タバサはどう言ったらいいのか分からないという様子だ。 「それもそうよね。つい先日までは王族から追放で、いきなり王になれなんて言われたら混乱するわよね……」 それから二人は押し黙ってしまう。どちらも言葉を見出せないようだ。 だが伝えたいことがないということではないはずだ。陽介はそう確信している。 「なあ、王になるとかならないとかそーいうのはひとまず置いといて、 それよりもっと言いたいことがあるんじゃーねーのイザベラさん」 はっとしたイザベラは探り探りと言った感じで喋り始めた。 「ねえ、シャルロット……あなたは父をわたしの父に殺されてきっとわたしを憎く思ってると思うの」 タバサは首をふってそれを否定した。 「あなたの父がやったこと。あなたは関係ない」 「でもあなたに今までひどいことをしてきたわ」 「それもあなたの父が決めたこと」 「ひどいいたずらをしたわ」 「気にしてない」 イザベラが気に病んでいたことをタバサは次々と否定していく。 だがイザベラの顔は完全には、うしろめたさはなくならない。 彼女はもじもじとしている。言いたいことをうまくいえない。どう切り出せばいいのかわからないといった様子だ。 陽介は彼女に代わってタバサに言った。 「タバサと仲良くしたいってことじゃね?」 陽介の主人はそうなの?というように視線を遣る。 「ちがっ……」 彼女は顔を赤くしながら否定の言葉を口に仕掛けたが押し止めて、代わりに黙って頷いて肯定した。 「わたしは構わない」 それがタバサのなんとも味気ない返答であった。 それから二人は子供のころからしたことのない家族としての抱擁をしたが、なんともぎこちなかった。 二人のぎこちない抱擁が終わると形容しがたい微妙な雰囲気が部屋に流れた。 そりゃ、そう簡単に仲良くなるなんて出来ないよな。と陽介が考えているとタバサが尋ねてきた。 「どうすればいい?」 どうすればいいとは主語も目的語もないなんともシンプルな質問文だが、陽介にはちゃんとその意味は伝わった。 タバサはイザベラと仲良くなる方法が知りたいのだろう。 さすがは付き合いが深いだけあるぜ。と、心の中で自画自賛する。 それはさておいてもタバサもイザベラと仲良くしたいと思っていることは歓迎すべきことに陽介には思えた。 だが具体的な方法を提案しようというと難しくなる。 んー。と陽介は首をひねった。自分は親友とどうしたっけか?と元の世界に居た相棒を思い出す。 冬でも学ランの前を閉めることがなく、灰色の髪を妙な形に切っていた親友の姿を思い浮かべる。 そういえばあいつ何を思ったのか、ちょうど今の二人みたいに突然抱きしめてきたな……。 案外悪い気分じゃなかった…ってこれだけだと何か怪しいヤツみたいだな。完二じゃあるまいし。 えーと、んでもってその後、自分があいつと本当に心を通わせたのは…… 「川原で殴り合いの喧嘩……」 「それにする」 陽介が懐古して呟いたことをタバサは受け入れた。当然、陽介は慌てる。イザベラも驚いている。 「ちょっ、待てよ、タバサ!」 「なに?」 「えーと……ホラ、ここ川原じゃないし」 「ここでする」 「それに女の子が殴り合うってのは一般的じゃないような……」 「あなたはしたの?」 「いや、親友としたことがあるけどさ……」 「ならそれにする」 タバサは何を思ったのか殴り合うという意見が気に入ったようだった。 陽介が止めようとすると、イザベラが笑った。 「ははっ、なに?殴り合って分かり合おうっての?」 タバサはこくりと首を立てに振る。 「いいわ。あなたがそれで満足するっていうならわたしもそうするわ」 陽介の思惑とは反対になぜかイザベラも乗り気になってしまったようだ。 なんでこんなことに……。 呆然とする陽介に彼の主から、邪魔になるとマントを脱いでわたされる。 「手加減はしない」 戸惑う陽介を置き去りにして少女たちの喧嘩が始まった。 二人は示し合わせたように同時に拳を突き出した。 イザベラの腕の方が長いが先に相手に拳を当てたのはタバサの方だった。 より早い小さな拳はイザベラのボディに入った。 その拳を受けながらイザベラの拳は半瞬遅れて相手の薄い胸を打つ。 ダメージはイザベラのほうが大きかったが、下がったのは体格が小さいタバサの方だった。 タバサは右拳を構えて地面を踏みしめる。 腰の入ったタバサの拳はイザベラの頬に当たり、イザベラはタバサの横っ腹を殴った。 次にイザベラは顔を、タバサはわき腹を……というように拳の押収が続く。 避けることはしない。ただひたすらお互いの拳を相手に届けようとする。 さながら言葉の代わりに思いを届けようとするように。 トリステインの国賓クラスを迎えるための客室で、喧嘩っ早い少年だろうとたじろぐような喧嘩が行われている。 息を切らして戦う少女を見ながら陽介は結局見ているだけだった。 この争う物音を聞いて誰かやってくるかと心配だけはしていたが誰も来なかった。 そういや、あいつ今はどうしてだっけか?自分たちがこの世界に来たころには海外にいたはずだ。 親もとに帰った後、すぐにまた親の短期の出張が決まったから今度は旅行も兼ねて親についていったとか。 とはいえこの世界に来て一ヶ月くらいになるのでそろそろ帰って来ているだろうか。 八十稲羽には女子勢が残ってるはずだからきっと帰ったらめちゃくちゃ怒られるんだろうなあ。シンパイかけんなっつって。 そういえば、いつか完二とも殴り合いしようかと冗談交じりに約束したことがあったけど未だにしてねーな。 などと同じ部屋にいながら一人取り残されている陽介は少女同士の喧嘩が終わるまで仲間たちのことを考えていた。 一歩も引かない殴り合いは長く続いた。5分以上はやっていたかもしれない。 全力の殴り合いである。少女どころか男でさえ生涯にやるかどうかの激しい喧嘩をそれだけやったのだ。 その結果として、二人の少女は当然ながら満身創痍で、仲良く巨大なベッドで仰向けに転がっている。 ちょうど互いにベッドの反対側から倒れこみ、お互いに頭が当たりそうなくらいの距離だ。 二人とも汗を流しハアハアと息が荒い。 イザベラの頬ははれてドレスはところどころ破れて、タバサのメガネは傾いて白いシャツはボタンが飛んで下に着ているショーツが見えていた。 陽介は破れた服を隠すようににマントを主に返す。 「どうだ、スッキリしたか、二人とも?」 その答えは否定だった。 「ぜっんぜん!はあはあ…。顔も、お腹も、体中痛いし…。バカじゃないのあんた……」 「わたしもそう思う…」 確かに提案したのは陽介だが、彼の反対を無視して始めたのにひどい言われようだった。 「でも…エレーヌのことがわかった気がするわ…。小さな体なのにすっごく強くて……」 「鍛え方が違う」 そう言ってタバサは荒く息継ぎをする。イザベラは従妹のらしくない憎まれ口に苦笑した。 「そうよね…。わたしが…わたしたちがあなたをそんなに強くしたのよね…」 それから二人の荒い呼吸だけが聞こえた。 「わたし…あなたに嫉妬してた…。魔法の才能に恵まれてて…みんなに愛されてて…。 わたしが持ってないもの…あなたは全部持ってた……。だからうらやましかった……」 また息使いが支配する沈黙が流れる。 「……ありがとう、エレーヌ」 「……わたしもありがとう」 それから二人の間に言葉はなくなった。 言葉はもう要らなくなったのだ。それを陽介は理解した。 ボロボロの二人の顔に浮かぶのは明らかな笑顔だった。 人のことバカとか言っておきながら、お前らスッキリしてんじゃねえか。 そう思っても陽介は口に出さなかった。代わりに別の現実的問題を口にする。 「で、その怪我どーすんだ?」 「どうするって?」 「治さないのかってことだよ?」 「治す……そっか治さないといけないわね」 「みんなが心配する」 「そうよね、エレーヌ……。ふふっ、まさか王族同士殴りあってるなんて知られたらみんなどう思うからしら」 その想像が愉快なのかイザベラは笑った。 確かに現王女が自分ではなく別の人物を王位に推しておきながら、 その二人が平民も真っ青な殴りをしたとなればきっと彼女が想像するように面白い顔の一つもするであろう。 「なんだか治すのもったいないわね……」 イザベラは愛おしそうに腫れ上がった自分の頬をさすった。 同じようにタバサも腕をなぜる。次に腫れ上がった顔に触れながら陽介に言った。 「あなたに治して欲しい」 「えっ、俺?」 「以前治してもらったことがある」 確かに陽介は回復魔法が使える。吸血鬼退治のときに戦いで傷ついたタバサを直したこともある。 とはいえクマの方が優れた回復魔法の使い手なので、普段はあまり使わないが。 「ヨースケってメイジなのかい?」 ペルソナ使いを知らず、当然陽介がペルソナ使いだと知らないイザベラは質問した。 「いや、メイジじゃねーんだけどよ……なんて言ったらいいかな……」 「回復魔法が使える」 タバサが端的に必要なことを言った。 「もしかして先住魔法?何でもいいか。わたしもヨースケに治して欲しいな」 「まあ、イザベラさんもそう言うなら……」 陽介はペルソナスサノオを召還して中級回復魔法ディアラマを二人に使った。 イザベラは突然現れたその亜人のようなものに驚いたが、自分の怪我が一瞬で治ったのにも驚いた。 完全回復する上級回復呪文ディアラハンには及ばないがディアラマも少女の喧嘩の傷くらいなら一発で治せる。 処置を終え、陽介は息をついてベッドに腰かけた。二人の少女のように横になったりはしない。 傷はいえたはずなのに二人の少女は未だにベットで仰向けになっていた。 怪我がなくなったところをさすりながらイザベラは仰向けのまま尋ねた。 「いったいなんなんだい、その力?」 「ペルソナっつーんだけど……説明が難しいな……」 「彼は別の世界から来た」 タバサも仰向けのままがあっさりと重要な秘密を暴露した。 「ってタバサさん?そんなあっさりとそんなこと言っていいわけ?」 「ふーん、別の世界から。なるほどねえ」 「信じてるし!」 「なに、じゃあ嘘なの」 イザベラはじろりと陽介を見てくる。 なんだか下から見下ろされるような不思議な気分になった。 「嘘じゃねえけど普通信じっか?別の世界から来ました、なんて」 「あんたは普通じゃないから、別の世界から来たって言われても信じるわよ」 「なんか、イザベラさんヒドイこと言ってない……?」 陽介はタメ息をつきたくなった。 「ねえ、そのイザベラさんってやめくれないかしら。中途半端に他人行儀よ」 「えっ……。いやでもイザベラさんって姫さまだし……」 「もう姫じゃないわ。だいたい敬語もあんたロクに使ってないじゃない」 「いや、敬語はイザベラさんがいいって言ったから……」 「とにかく呼び捨てでいいわよ。だいたい姫とか言い出したらエレーヌなんて王よ」 「タバサは王になるかどうかまだ決めてねーだろ」 そう言って陽介はタバサを見る。 タバサは横になったまま陽介を仰ぐようにして視線を返す。 「あなたはわたしが王になっても助けてくれる?」 陽介はきょとんとした顔を浮かべたが、すぐに笑った。 「あったりまえだろ。お前がなんだろうと助けてやるよ。元の世界に帰るまででよければな」 ありがとう、そう小さな声で聞こえた。 イザベラは仰向けのまま探るように手を動かして、タバサの手を握った。 握った手は同じように握り返される。 「ねえ、エレーヌ」 「なに?」 「父上を助命して欲しいの……」 タバサは手を握ったまま無言だった。 「わかってるわ。無理を言ってるってことは。父上は許されないことをしたということを。それでもあの人は……」 イザベラは手をさらに強く握る。 「あの人もわたしの家族だから」 タバサは答えを返せなかった。 しかし二人の手は強く、固く結ばれている。 タバサとイザベラは幼少時代から仲がよくなかった。 正確にいうならイザベラが一方的にタバサを嫌っていた。 それでも彼女らはまるで自分たちが生まれてからそうであったように、あるべき姿であるように、彼女たちは家族となった。 翌日、トリステインはアンリエッタ姫が王位を継承することを発表。 またトリステイン、ゲルマニア、ロマリア連合皇国の連名でオルレアン公の遺児シャルロットがガリアの新王になることが発表され、 その正当性は支持した各国、そして前ガリア王女イザベラがそれを保障した。 前ページ次ページゼロのペルソナ
https://w.atwiki.jp/persona4/pages/152.html
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ未発生) 雪子 えっと…話? その、特にない、かな…? >まだ少し雪子はぎこちない… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ1)&陽介 雪子 話…えっと、そうだな… その、進路とかって…考えてる? 陽介 わ、重い話題をストレートに振るなあ… 雪子 あっ、ご、ごめんね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ1)&千枝 雪子 話…えっと、そうだな… その、進路とかって…考えてる? 千枝 やめて~! 何で今、その話題!? 雪子 あっ、ご、ごめんね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ1)&クマ 雪子 話…えっと、そうだな… その、進路とかって…考えてる? クマ しんろ? …クマ、すっごい考えてるクマよ! いつかクマ、しんろになりたいの。 …ユキチャンの。 …キャー! 雪子 …どういう意味? ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ1)&キツネ 雪子 話…えっと、そうだな… その、進路とかって…考えてる? >キツネは興味無さそうに聞いている… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ2)&陽介 雪子 あ、そうだ… アルバイト、少しずつやってるよ。 結構、楽しいね。 陽介 天城、バイトしてんの? 雪子 うん。 あのね、封筒貼ったりして… 陽介 封筒!? …そんなヤバいのか、旅館。 な、何か俺で力になれることあったら… 雪子 えっ? だ、大丈夫… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ2)&千枝 雪子 あ、そうだ… アルバイト、少しずつやってるよ。 結構、楽しいね。 千枝 聞いた? 雪子、封筒貼ってるんだって! もーちょっとマシなバイト、 あるんじゃないのかなあ。 雪子 えっと…○○くんのアドバイスで… 千枝 あっ、ご、ごめん! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ2)&クマ 雪子 あ、そうだ… アルバイト、少しずつやってるよ。 結構、楽しいね。 クマ ユキチャン、アルバイトしてるクマ? クマも一緒にやりたいクマ~! 雪子 え…クマくんはもうやってるじゃない。 ジュネスの屋上で。 クマ …あー、アレがアルバイトクマか… じゃあいいです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ2)&キツネ 雪子 あ、そうだ… アルバイト、少しずつやってるよ。 結構、楽しいね。 キツネは不思議そうに雪子を見上げている… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ3)&陽介 雪子 伊勢エビって、身が少ないよね。 お鍋の中で溶けて消えちゃった。 陽介 えと…その鍋のダシかなんかで…? 雪子 ううん、身が無くなったから捨てちゃった。 陽介 勿体ねえ! …つか、そういう問題でもねえな! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ3)&千枝 雪子 伊勢エビって、身が少ないよね。 お鍋の中で溶けて消えちゃった。 千枝 高級食材ってそんなもんじゃない? 美味しい肉は、口の中で とろ~っと消えちゃうもん。 雪子 ああ、そっか! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ3)&クマ 雪子 伊勢エビって、身が少ないよね。 お鍋の中で溶けて消えちゃった。 クマ クマは身がたっぷりクマよ。 しかも美少年と来てるからお得クマ。 雪子 そっか、じゃあ煮込んでも… クマ ダ、ダメ! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ3)&キツネ 雪子 伊勢エビって、身が少ないよね。 お鍋の中で溶けて消えちゃった。 >キツネは何故かうなだれている… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ4)&陽介 雪子 きっと次のお弁当は成功させるから… その、また、食べてね… 陽介 お? お? なんですか、リーダー。抜け駆け? …てか、弁当? 抜け駆けで命がけ? 雪子 わ、語呂がいいね! 陽介 …そ、そうだな。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ4)&千枝 雪子 きっと次のお弁当は成功させるから… その、また、食べてね… 千枝 ……。 雪子 どうしたの、千枝? 千枝 知らない間に、雪子と○○くんって 仲いいんだなーって。 うー、何か置いてけぼりみたいで 寂しいじゃん! 雪子 そ、そんなこと無いってば。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ4)&クマ 雪子 きっと次のお弁当は成功させるから… その、また、食べてね… クマ むむっ… クマセンサーが発動しました! 微弱ながらもトキメキ警報が出てるクマ! た、退避クマー! 雪子 ク、クマくん!? ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ4)&キツネ 雪子 きっと次のお弁当は成功させるから… その、また、食べてね… >キツネは興味無さそうに聞いている… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ5)&陽介 雪子 資格っていっぱいあるよね。 インテリアコーディネーターもいいけど、 色々と目移りしちゃって困るな。 陽介 ああ、旅館に活かす感じ? 天城、先のことまで考えてんだなー。 尊敬するぜ、俺。 雪子 …そんなこと、無いよ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ5)&千枝 雪子 資格っていっぱいあるよね。 インテリアコーディネーターもいいけど、 色々と目移りしちゃって困るな。 千枝 資格、あたしも取りたいんだよねー。 足技五段! とか、カッコよくない? 雪子 えっ、そんなのあるんだ? 千枝 …無いよ。 あったらいいなーって話? 雪子 そ、そっか。 楽しそうって思ったのに… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ5)&クマ 雪子 資格っていっぱいあるよね。 インテリアコーディネーターもいいけど、 色々と目移りしちゃって困るな。 クマ インテリ…はっはーん。 クマのような知的フェロモンに目移りするクマ? それは仕方無いことクマ。 世の常クマ。 雪子 そ、そう… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ5)&キツネ 雪子 資格っていっぱいあるよね。 インテリアコーディネーターもいいけど、 色々と目移りしちゃって困るな。 >キツネは興味無さそうに聞いている… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ6)&陽介 雪子 旅館の人たち、毎日私に色々聞いてくるの。 どんな男だとか、ハンサムかとか… …ふふっ、ごめんね? 陽介 …俺、どっか行ってた方がいい? 雪子 えっ、やっ、そんなんじゃないから! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ6)&千枝 雪子 旅館の人たち、毎日私に色々聞いてくるの。 どんな男だとか、ハンサムかとか… …ふふっ、ごめんね? 千枝 雪子、どうしたのー? なんか、顔赤くない? 雪子 な、何でもないよ! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ6)&クマ 雪子 旅館の人たち、毎日私に色々聞いてくるの。 どんな男だとか、ハンサムかとか… …ふふっ、ごめんね? クマ 言っとくといいクマ。 手触りのいい毛の下には輝く美貌の少年という 一粒で二度お得な存在、それがクマ… 雪子 う、うん… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ6)&キツネ 雪子 旅館の人たち、毎日私に色々聞いてくるの。 どんな男だとか、ハンサムかとか… …ふふっ、ごめんね? >キツネは興味無さそうに聞いている… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ7)&陽介 雪子 あ…あのね。 そのウチの…葛西さんが、ごめんね? でも、いい人なのよ。 料理だけじゃなくて、何でも親身になってくれて… 陽介 へー、いい人に恵まれてんな、天城。 やっぱ、天城自身がいいやつだからかね。 雪子 そ、そんなんじゃないよ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ7)&千枝 雪子 あ…あのね。 そのウチの…葛西さんが、ごめんね? 雪子 でも、いい人なのよ。 料理だけじゃなくて、何でも親身になってくれて… 千枝 雪子の旅館とこの人、みんないい人なんだよー。 千枝 愛されてるよねー、雪子。 雪子 そ、そうかな… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ7)&クマ 雪子 あ…あのね。 そのウチの…葛西さんが、ごめんね? でも、いい人なのよ。 料理だけじゃなくて、何でも親身になってくれて… クマ クマもユキチャンに親身クマ。 だからユキチャン、クマに相談するといいクマ。 ほれ、してみい。 雪子 え、えっと… せ、洗濯物が乾かないときはどうしたら… クマ そこは気合! 雪子 そ、そっか… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ7)&キツネ 雪子 あ…あのね。 そのウチの…葛西さんが、ごめんね? でも、いい人なのよ。 料理だけじゃなくて、何でも親身になってくれて… >キツネは優しげに雪子を見上げている… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ8)&陽介 雪子 とりあえず、テレビ局からは 何も言われてないよ。 このまま落ち着いてくれるといいけど。 …また何か言われても、 返り討ちにしちゃうけどね。 陽介 …何か天城、ちょっと変わったな。 雪子 え、そ、そうかな? 陽介 やっぱ○○のせい? 雪子 えっ、な、何言ってるの!? ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ8)&千枝 雪子 とりあえず、テレビ局からは 何も言われてないよ。 このまま落ち着いてくれるといいけど。 …また何か言われても、 返り討ちにしちゃうけどね。 千枝 何か、雪子ちょっと変わったね。 うー、ちょっと寂しいかも… 前は何でもあたしに相談してくれたのにー。 雪子 えっ… い、今もいっぱい話してるよ!? ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ8)&クマ 雪子 とりあえず、テレビ局からは 何も言われてないよ。 このまま落ち着いてくれるといいけど。 …また何か言われても、 返り討ちにしちゃうけどね。 クマ ユキチャン、何だかステキクマ。 笑顔が力強いクマ… 雪子 笑顔が力強い… な、何かカッコいいね! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ8)&キツネ 雪子 とりあえず、テレビ局からは 何も言われてないよ。 このまま落ち着いてくれるといいけど。 …また何か言われても、 返り討ちにしちゃうけどね。 >キツネは優しげに雪子を見上げている… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ9親友)&陽介 雪子 みんなのこと、ちゃんとお願いしてきたから きっとご加護があると思うよ。 陽介 天城~! 何ていいやつ! 雪子 あっ、花村くんのことお願いするの忘れてた。 陽介 え、ちょ、前言撤回!! 雪子 ふふっ、冗談だってば。 花村くんも、大事な人だから… 陽介 うおっ、何か俺、グラッと来たわー。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ9親友)&千枝 雪子 みんなのこと、ちゃんとお願いしてきたから きっとご加護があると思うよ。 千枝 お願いって、あの神社? 雪子、昔から行ってるよねー。 雪子 うん、落ち着くし好きなんだ。 千枝のことも、守ってくださいって お祈りしたからね。 千枝 ありがと、雪子! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ9親友)&クマ 雪子 みんなのこと、ちゃんとお願いしてきたから きっとご加護があると思うよ。 クマ ゴカゴ… 難しい言葉、出たクマ。 雪子 あ、えっと、ご加護っていうのは… クマ …きっと完二も知らないから、 クマも知らんでいいクマ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ9親友)&キツネ 雪子 みんなのこと、ちゃんとお願いしてきたから きっとご加護があると思うよ。 >キツネにニヤリと笑われた気がした… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ9恋人)&陽介 雪子 ○○くん、怪我は無い? 陽介 天城、そんな心配しなくても コイツはちょっとやそっとじゃ… …って、仕方ねーか。 気になるモンだよな? 雪子 え、だ、だってその… 仲間だから、当然だよ! 陽介 へー、仲間だから、ねえ? ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ9恋人)&千枝 雪子 ○○くん、怪我は無い? 千枝 もー、雪子は心配しすぎ。 ○○くん、○○くんって… あ、ひょっとして… 雪子 え、だ、だってその… 仲間だから、当然だよ! 千枝 …ま、それもそっか。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ9恋人)&クマ 雪子 ○○くん、怪我は無い? クマ センセイはセンセイゆえ、全然平気クマ。 だからユキチャンは、どうせ心配するなら クマの浮気とかを心配するクマ! 雪子 うっ浮気? クマ ふふん、クマはユキチャン一筋クマけど! 雪子 って、千枝とかにも言ってるんでしょ? クマ ドッキーン! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(コミュ9恋人)&キツネ 雪子 ○○くん、怪我は無い? その…心配で。 >キツネは優しげに雪子を見上げている… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(MAX)&陽介 雪子 友だち…って、何だか嬉しいね。 男女間の友情なんて無いって言われるけど、 私はそうは思わないな。 陽介 いっやー、俺は“無い”派だな。 だってやっぱ、 好きになっちゃったりするもんじゃん。 …てワケで、天城。 いつでも俺との友情は壊していいぜ? 雪子 あははっ。 その日は来ないと思うな。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(MAX)&千枝 雪子 友だち…って、何だか嬉しいね。 男女間の友情なんて無いって言われるけど、 私はそうは思わないな。 千枝 うんうん。 何だかんだ言って、あたしも花村には 友情感じてるからなー。 雪子 うん、お似合いだよ、二人。 千枝 え、それはちょっと嫌だな… ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(MAX)&クマ 雪子 友だち…って、何だか嬉しいね。 男女間の友情なんて無いって言われるけど、 私はそうは思わないな。 クマ …クマとの関係も、友情? 雪子 うーんと… クマ や、やっぱ聞きたくないクマ! 希望は持っておきたい主義クマ! ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(MAX)&キツネ 雪子 友だち…って、何だか嬉しいね。 男女間の友情なんて無いって言われるけど、 私はそうは思わないな。 >キツネは優しげに雪子を見上げている… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(恋人MAX)&陽介 雪子 …あはは、なんかちょっと… 恥ずかしい、かも。 ……。 陽介 おい、○○! あとで詳し~くっ、報告な! 雪子 だ、だめ!! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(恋人MAX)&千枝(親友) 雪子 …あはは、なんかちょっと… 恥ずかしい、かも。 ……。 千枝 え、雪子ってばまさか… 雪子 な、なに? 千枝 ○○くんの前で どんな大失敗したの!? 雪子 ち、違うってば! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(恋人MAX)&千枝(恋人) 雪子 ……。 ご、ごめん… なんか急に恥ずかしくなって… 千枝 ……。 へ、変な雪子っ! ね、○○くん? ……。 何でも無いよね…? >何だか空気が重苦しい… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(恋人MAX)&クマ 雪子 …あはは、なんかちょっと… 恥ずかしい、かも。 ……。 クマ おおっと、このビキビキトキメキ光線… どうせクマは、いらんクマですよ… 雪子 そ、そんなことないから! ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 雪子(恋人MAX)&キツネ 雪子 …あはは、なんかちょっと… 恥ずかしい、かも。 …。 雪子が優しく見つめてる… その隣でキツネが冷たい目をしている…
https://w.atwiki.jp/45kssos/pages/78.html
「ったく、どうなってんだよぉ!!!」 臆病な声が、ただ広いだけの教会内に響き渡っている。 声の主はただの高校生。 ついさっき目が覚めたが、彼はまだルールを理解できていないようだ。 彼の名前は花村陽介。 デパート「ジュネス八十稲羽店」店長の息子で見た目は、ヘッドホンをつけているただの高校生。 ただ、ペルソナを使用できると言う以外は──── (どうすればいいんだよ!?) 彼の頭の中は、混乱しきっている。 ついさっき、目の前で、3人が殺されてた。 二人は何もしていないのに、殺された。 もう一人は、勇敢に立ち向かって死んだ。 そして、勇敢に立ち向かって殺された男の腕は奇妙に変形していた。 つまり、化け物みたいな奴が普通にいるということだ。 デイパックからはみ出ているのは、木製の野球のバット。 一目見るだけで分かる。─────これで、人は殺すことは不可能に近い。 ガタン 彼から見て、背後。 そこから奇妙な音が聞こえた。 戸惑う、彼の前に現れたのは青髪の男。 男の腹部にはパックリと穴が開き、片腕は無かった。 ──────つまり、もうこの近くで、殺し合いが起きている 「おい、アンタ!!!何が起きたんだよ!!!」 だが、彼の返答は意外なものだった。 「うるせぇ。ガキ。」 青髪のリーゼント頭の男は、花村陽介の頭を鷲掴みにする。 花村陽介は理解できていない。 男が、何故、腹部に穴が開いているのに生きているかと言うこと。 そして、自分が今から何をされるかと言うことと。 もう一つ、今から、何が起きるかと言うことと。 声すら出せなかった。 男の手の平がわずかに光る。 そして、花村陽介の上半身は閃光に包まれていく。 【花村陽介@ペルソナ4 死亡】 ――――― 下半身だけとなった、花村陽介の死体。 破面の能力。虚閃(セロ)によって、上半身は吹き飛ばされている。 花村陽介を殺した男───元第6十刃(セスタ・エスパーダ)グリムジョー・ジャガージャック。 (黒崎一護は何処にいやがる?) 黒崎一護。死神代行。 現世進行の際に、付けられた傷の跡は彼の身体に刻み込まれている。 グリムジョーにとって、黒崎一護と決着をつけないと気が済まない。 「貴様、何故この少年を殺した?」 教会の影から、青いドレスを着た少女が現れる 金髪の少女。名前は――騎士王アーサー・ペンドラゴン。 片手には、自分の斬魄刀を持たない死神が使う斬魄刀、浅打。 「死神……じゃねぇな。」 「何故だと聞いている。」 まだ誰も知らない。 今から始まる戦いが、史上最悪のシナリオを引き起こすということに。 【C-2 教会/未明】 【グリムジョー・ジャガージャック@BLEACH】 【装備:不明】 【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】 【状態:健康】 【思考・行動】 1:手当たりしだい、参加者を殺していく 2:黒崎一護と決着をつける。 【備考】 ※片手が無い時期からの参戦です。 ※虚閃(セロ)は半日に一発と言う制限です。(本人は気づいていません。) 【セイバー@Fate/stay night】 【装備:浅打@BLEACH】 【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】 【状態:健康】 【思考・行動】 1:士郎を保護する。 2:何故……!? 【備考】 ※参戦時期は他の書き手さんにお任せします。 ※Fate/Zeroのメンバーが参加していることに気づいていません。 ※花村陽介の遺体はC-2教会に放置されています。(下半身のみの状態) ※花村陽介の支給品一式は虚閃(セロ)によって消し飛ばされました。 ※教会の一部が吹き飛びました。 【浅打@BLEACH】 自らの斬魄刀を持たない下級の死神に渡される、名前のない斬魄刀。 【木製のバット@現実】 硬式野球用の木製バット。 032 運命に抗う者 時系列 028 少女の戦 016 男はつよいよ 投下順 018 バトルロワイアル狂奏曲 START グリムジョー・ジャガージャック 037 悪がもう一人の自分をつくる(前編) START セイバー START 花村陽介 DEAD END
https://w.atwiki.jp/kwskp4/pages/163.html
こにしさき CV 役名表示なし(ゲーム版) / なかせひな(テレビアニメ版) 公式 八十神高校の3年生で、主人公達の先輩にあたる女子生徒。作中でストーリーに関わるキャラとして登場する3年生は彼女のみ。 稲羽市中央通り商店街の一角にある「コニシ酒店」の娘。 弟に小西尚紀がおり、序盤で陽介が彼の存在に言及している。 連続誘拐殺人事件の2人目の被害者である。 ジュネスでアルバイトをしており、花村陽介は彼女に仄かな思いを寄せていた。早紀の方も商店街から敵意を向けられる陽介を気にかけ、面倒見よく接していたが内心では両者の軋轢による板挟みに苦しんでいたらしい。 マヨナカテレビにおいて出現した異様な商店街にあるコニシ酒店では「陽介の事は内心ウザイと思っていた」「仲良くしてたのは店長の息子でたまたま都合が良かっただけ」という彼女のシャドウらしき声が聞こえ、陽介を打ちのめした。 ※しかし、シャドウのこの発言はマイナス感情のみを抜き出したものであり、早紀が亡くなっていることからも彼女自身がこの声を受け入れられなかったと推測できる。初めに仲良くなったきっかけが店長の息子で都合が良さそうと思っていた部分や、軋轢の中心ともいえるジュネスの息子である陽介のこともウザイと思っていた部分も“なくはなかった”のだろう。 学内における彼女の評価は別段芳しくはない(諸岡金四郎には死後あからさまに批判され、陽介が憤る場面もある)が、4月15日の講堂でのイベントでは彼女のファン(女子)の発言や、終盤の聞き込みでは同級生らしい女生徒から「悪く言われることが多いけれど、本当は良い子だ」という評判を聞くことが出来る。 同性や年下に慕われる面倒見の良い性格だったようで、弟・尚紀のコミュでは「変なところで長女ぶる」「一人で抱え込む」などと評されている。ジュネスでのアルバイトの経験が実家の酒屋に役立つと考えていたことも語られ、姉弟仲はごく普通に良かったようだ。 同コミュでは、彼女が幼少期足場の悪い石が並ぶ鮫川を軽々と渡って行った事やシュークリームを二人で食べた思い出など、日常的なエピソードが語られる。 また小説「キリノアムネジア」は彼女がメインヒロインとなっているが、登場人物全体の性格描写の違和感からゲーム本編とは別物として考える向きもある。 漫画『The Magician』によると、陽介とは文化祭の時に出会った。本人が言うには陽介に興味があったらしい。 非公式 今作のキーパーソンの1人。しかし出番は少なく序盤に一度だけ主人公らの前に姿を見せ、すぐに退場する。 外見的にも設定的にも地味なキャラだが、異様な商店街での衝撃的な声をフォローするエピソードが特に無いこと、魔術師コミュでは交際相手の大学生との経緯が最後まで不明であるなどその本心や生活に謎を残したキャラでもある。 境遇に加えて殺害された理由やその際受けた誤解が犯人に伝わらないままになってしまったりと、彼女自身は何も悪い事をしていないにもかかわらずかなり不幸な目に遭わされている。 登場人物の中では一番の被害者と言っても過言ではない。 完二とは面識があると思われる(巽完二は早紀の弟小西尚紀と古い付き合いがある)が、彼女の死に関しての反応は特に描写されていない。 体型・服装・髪型的には海老原あいに近いように見受けられる。 彼女の声を担当した声優(恐らくアニメと同じなかせひな女史。旧名は村上仁美でスタッフロールに名前が載っている)は小西早紀以外にも複数のサブキャラの声をあてているが、人数がやたら多い上どのキャラも声が同じなせいか某動画サイトではネタにされている。
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/1098.html
PERSONA4 Broken Destiny 5話 Reach Out To The Truth -First Battle- 八十神高校 体育館 4月15日金曜日、雨。 午後の授業中、急に全校集会が開かれた。 整列する生徒達の中で一際暗い顔をしている生徒が居る。 「はぁ」 シンが本日一番の溜息を吐いた。 どうしてシンがこんなに元気が無いのかというと、堂島が仕事の為に朝早く出て行き、心配していた菜々子が笑顔を見せなかったからである。 昨日の疲れをその笑顔で癒すつもりであったが、見れなかったために昨日の疲れを残していた。 「雪子、午後から来るって言ったのに…」 シンの前に並んでいた千枝が携帯を見ながら言う。 雪子のことを心配しているようだ。 隣の陽介も暗い顔をしている。 彼らの周りは空気が少し淀んでいた。 そうこうしているうちに校長の話が始まった。 白い立派な髭を蓄えた仙人みたいな校長である。 「三年三組の小西早紀さんが…亡くなりました」 シンは自分の耳を疑った。 小西早紀、一昨日初めて会ったばかりの彼女は少々お節介であるが、憎めない人物である。 近しい人の死にシンは唇を噛み締めた。 周りの生徒の話に拠ると、小西は今朝、電柱に吊るされて遺体で発見されたらしい。 「遺体で発見ってそんな…」 千枝が振り向き陽介を見る。 陽介は俯いていた。 集会が終わり、シンと千枝が教室に帰る途中にも小西の話は校舎のあちこちで話されている。 その中には小西を誹謗中傷する内容もあった。 「なあ…お前ら、昨日あの夜中のテレビを見たか?」 いつの間にか後ろに花村が立っていた。 夜中のテレビと言うのはおそらくマヨナカテレビのことだろう。 昨日あのまま寝てしまったシンは首を振る。 「あんた、こんな時に何言ってんの? 先輩死んじゃったんだよ?!」 千枝が激昂する。 「いいから聞けって!!」 陽介が声を荒げる。 陽介の真剣な瞳に、何かを察したシンは千枝を宥めた。 「…あのテレビに何かあったのか?」 「俺…どうしても気になって昨日も見たんだよ。 映ってたの…あれ小西先輩だと思う」 「まさか…」 「見間違いなんかじゃない。 先輩、なんか…苦しそうに、もがいているみたいに見えた。…それでそのまま画面から消えちまった」 「なによそれ…」 「先輩の遺体、山野アナと似たような状態だったんだろ? …前にクラスで山野アナが運命の相手だって言ってた奴がいたんだ…」 「運命の相手…マヨナカテレビに山野アナが映っていた…そう言いたいのか?」 陽介が静かに頷く。 「じゃ、じゃあ、あのテレビに映った人は、死んじゃうって言いたいわけ?」 「そこまでは言い切らないけどさ…偶然にしちゃひっかかるっていうか…テレビの中にいたクマって奴も誰かが人を放り込むって言ってたし あそこの部屋も明らかに事件に関係性がありそうだし、繋がってると思わないか? なあ、俺の言ってることどう思う?」 「…まだ確実なことはわからない。 だけどあの場所は臭すぎる」 「お願いだアスカ、俺をもう一度あの世界に連れて行ってくれ。 もう一度あそこに行って確かめたいんだ、先輩が何で死ななきゃならなかったのか…」 陽介が俯く、どうやら泣いているようだ。 シンが陽介の肩に手を置く。 「行こうか、陽介」 「ええっアスカくん!?」 「い、良いのか?」 シンが頷く。 大切な人を失った悲しみは、シンにも良く分かる。 陽介の力になりたい、シンはただ純粋にそう思った。 「じゃ、じゃあ、準備してジュネスで待ってるからよ!」 嬉々として陽介が走り去っていった。 隣の千枝が対照的な顔をしている。 「大丈夫さ、多分」 「多分って…かなり心配なんですけど」 ジュネス 家電売り場 テレビコーナーに辿り着いたシンと千枝を待っていたのは、ロープを腰に巻きゴルフクラブを持った陽介だった。 その姿はシュールであったが、真剣な眼差しの陽介を見て、あえてそこには突っ込まないことにした。 「来てくれたのか!」 「約束しただろ?」 「ちょっと二人とも止めなって、危ないよ」 千枝が二人を止める。 しかし、二人は聞く耳を持たない。 「千枝はここに居たほうがいい。 陽介、早速行くぞ。 その格好でここに居るのは、明らかに目立つしな」 「こ、これは…里中、コレ持っててくれ」 腰に巻いていたロープの先を千枝に渡す。 戸惑いながらも千枝は受け取った。 「コレッて…花村、まさか命綱?」 「お前にはコレ渡しとく」 そう言って陽介は、手に持っていたゴルフクラブをシンに渡す。 確かに武器を持っていた方が心強いとは思うが、ここでクラブなんて持っているのは恥ずかしい。 「は、早く行こう!」 シンは陽介の手を取り、急ぎテレビの中に突入した。 画面に大きな波紋を残し、二人はテレビの中へ消えた。 その場に残された千枝がロープを少し引っ張ってみる、テレビ画面の中からロープの先が現われ床に落ちた。 「早速ダメじゃん…」 深い霧がかかった、スタジオらしき場所にシンと陽介が放り出された。 二人が周りの景色を確認する。 昨日と同じ場所に出たようだ。 「入り口と出口はリンクしているみたいだな」 「キミたち、なんでまた来たクマ」 声が聞こえた方向を二人が見る。 特徴的な形の着ぐるみを着たこの世界の住人、クマがいた。 「わーかった! 犯人はチミタチだクマ!!」 クマが突然声を荒げてシン達に詰め寄る。 怒っている様だが全く怖くはない。 「お前、クマ! ってか、今なんつった!? 犯人!?」 「それって昨日お前が言ってた、誰かが人を放り込んでいるってやつのか?」 「そうクマ。 そのせいで、こっちの世界はどんどんおかしくなってるクマ」 元からおかしいじゃないか、という突っ込みをシンは心の中に留めた。 「キミたちは自分達でココに来れる。 よって、一番怪しいのはキミたちクマ! キミたちこそココへ人を入れてるヤツに違いないクマ!!」 したり顔でクマがシン達を指差す。 『デスティニー。 こいつ殴っていいか?』 『思いっきりやっちゃって下さい』 シンがクマに拳骨をお見舞いする。 あまり手ごたえはない、着ぐるみが衝撃吸収剤になっているようだ。 「痛いクマ! 何するクマ!!」 「ここに放り込まれた死んじまうかも知れねーだろ! そんな危ねーこと…ってまてよ!!」 「どうした陽介?」 「誰かがここに入れてるって話、先輩や山野アナの話か? その誰かってのが二人をここに放り込んだのか?」 「だからそれがキミタチクマ!!」 再びクマがしたり顔でシン達を指差す。 シンの拳骨が飛んだ。 「俺達じゃないって言ってるだろ!」 「証拠あるクマか!? 放り込んでるのキミらじゃないって証拠!!」 「そ、それは…」 三度クマがしたり顔をした。 すかさずシンの拳骨が飛ぶ。 「ぼ、暴力反対クマ…」 「俺達の世界では霧が出る度に死体が上がってる。 その事件とこの世界の関係を調べに来たんだよ!!」 「霧が出る度に死体…? そっちで霧が出る日は、こっちだと霧が晴れるクマよ。 霧が晴れるとシャドウが暴れるから、すごく危ないクマ」 『シャドウ?』 聞きなれない言葉にシンが反応する。 「ははーん、やっぱりキミタチが犯人クマね!!」 本日四度目のしたり顔、今度は陽介が切れたらしく、クマの後ろに有ったジッパーを一気に外す。 顔と身体が切り離された。 「中身が無い…?」 着ぐるみの中には人もコンピュータの類も入っていない、文字通り中身が無いのである。 顔と体が別れながらもクマはまだ動いていた。 クマが落ちた顔を拾い、体とくっつける。 「もう乱暴クマね。 しょうがないクマ、キミタチが犯人じゃないって信じてあげてもいいクマ」 こんな世界があるのだ、どうやって動いているか分からない、着ぐるみがいても不思議ではないと、シンは無理矢理納得することにした。 「キミタチが真犯人を見つけるクマ。 そしてこんな事を止めさせて欲しいクマ。 約束してくれないなら出口を出してあげないクマ」 「へへん、こっちにはロープが…って切れてんじゃん!!」 陽介が腰に巻いているロープを確認する。 しかし、ロープは陽介が巻いている分と少しを除いて切断されていた。 『…なあ、デスティニー、俺をこっちに飛ばした奴が言ってた謎っていうのはこのことか?』 『さあ。 私が頼まれたのはマスターの案内だけです。 謎の中身は聞かされていません』 『案内って…それすらまともに務めてないだろ、お前』 「頼めるのキミタチしかいないクマ…約束してくれるクマか?」 先程とはうって変わり、弱々しい声でクマが言う。 シンも鬼ではない、助けを求める者がいれば放っておけない。 それに帰れなくなるのは非常に困る。 「わかった、約束する」 「よ、よかったクマ」 クマの顔に笑顔が戻る。 というかどうして着ぐるみに表情が付くのだろうとシンは心の中で突っ込んだ。 「半ば脅されたみたいなもんだけどな。 とりあえず俺は花村陽介、でこいつがアスカ・シン。 お前の名前は?」 「クマはクマクマ」 「まんまだな…」 そのままの答えに二人は苦笑する。 「でも捜すったってどうすりゃいいんだよ?」 「それはクマにもわからんクマ…でもこの前の人間が入り込んだ場所はわかるクマ」 「小西先輩のことか!?」 クマの言葉に陽介が反応する。 「センパイ? この前消えた人間クマ。 何か手がかりがあるかも知れないから、そっちに案内してみるクマ」 シンが頷く。 それに続き陽介も力なく頷いた。 「あ、そうだ、案内の前に二人ともこれをかけるクマ」 そう言うと、クマが何処からともなくメガネを取り出し、シン達に渡した。 「メガネ?」 渡されたメガネをシンがかけてみる。 すると、辺りに掛かっていたはずの霧がなくなっていた。 「視界がクリアになった!?」 「じゃあ、行くクマ。 あ、クマに出来るのは案内だけだから自分の身は自分で守るクマ」 『少なくとも、役に立つアイテムをくれた分、どこかの案内係さんよりは役に立つみたいだな』 『マスター、聞こえてますよ』 クマが先導し辿り着いた場所は、空の色が黒と赤のストライプとおかしいが、どう見ても寂れた商店街であった。 陽介の話によると町の稲羽中央通り商店街に酷似しているらしい。 商店街の出口付近、コニシ酒店と書かれた店の前で陽介が足を止めた。 店の入り口は空のように不気味なストライプがかかっている。 『コニシ…千枝が小西早紀の家は酒屋だって言ってたな。 じゃあ、ここが小西早紀の家か』 『そうみたいですね』 店先に二機並んだ自動販売機にシンは見覚えがある。 そこはマヨナカテレビで女がいた場所に背景も構図も似ていた。 「先輩の家…先輩ここで消えたって事なのか? …一体何が」 「ちょ、ちょっと待つクマ。 そ、そこにいるクマ!」 突然クマが騒ぎ出す。 シンが周りを確認してみる、シン達以外の人影も気配もない。 「何がいるんだ?」 「…シャドウ。 やっぱり襲ってきたクマ!」 クマがそう言った、次の瞬間、コニシ酒店の入り口から何かが出現した。 青い仮面を被った黒い二体の軟体動物、彼らは空中に浮かび丸まると、クマと同等の大きさの唇の化け物へと変貌した。 シンと陽介に戦慄が走る。 刹那、シンの頭の中に声が響き頭痛が起きた。 頭を抑えるシン。 『我は汝、汝は我。 双眸見開きて念じ、今こそ発せよ!!』 謎の声はそこで途切れた。 シンは謎の声に聞き覚えがあった。 マヨナカテレビを視聴した時の声と同じであった。 頭痛が治まる、シンの手にはいつの間にかカードが握られていた。 シンがカードを返す、カードには何も書かれていない。 次の瞬間、手の内でカードが突然発光を始めた。 怪物の一体がシンを飲み込もうと大口を開けて飛んで来ている。 シンが不敵に笑った。 「ペ・ル・ソ・ナ」 カードに何かが記されるとともに蒼い炎が巻き起こった。 全てを焼き尽くすかのような蒼い炎。 だが、シンは燃え盛る炎に恐怖を感じなかった。 シンが無意識にそれを握りつぶす、シンの体が発光するとともに、身体の裡から人型をした“何か”が現われた。 人型は白の仮面に赤いコート、額には黄の鉢巻をしている。 手にはシンにも見覚えがある武器、ソードインパルスのエクスカリバーを携えていた。。 「ア、アスカ!!」 怪物の一体が今にもシンを飲み込もうとしていた。 しかし、シンは動じない。 「逃げろアスカ!!」 陽介の視界からシンが消える。 「クソッ! 食われちまった…」 膝を付く陽介。 そんな陽介の耳に何かが倒れる音が聞こえた。 陽介が音の聞こえた方向を見る。 そこには、怪物の切断された死体とシンが居た。 「ア、アスカ!!」 怪物がゆっくりと消えていく。 それを見た残った怪物が、怖気づいたのか逃走を始めた。 「切り裂け“イザナギ”」 刹那、逃げ去ろうとした怪物が人型に一刀両断された。 怪物が消え去ると人型はシンの裡に消えていった。 辺りに静寂が訪れる。 唖然としていた陽介がシンに走り寄って来た。 「すっげ、何だよ今の!? “ペルソナ”って言ったよな!? あれ、どういう…ってか一体何したんだよ!?」 凄い勢いで詰め寄る陽介、シンにも何が何だかよく分からない。 「いや、何か頭に浮かんで…とにかく無意識に身体が動いて…あーもう俺も何が何だか分からない」 「落ち着け、ヨースケ。 センセイが困ってらっしゃるクマ」 「セ、センセイ?」 「いやはや、センセイは凄いクマね! クマはまったくもって感動した!」 クマがシンに擦り寄ってくる。 「もしかして、この世界に入れたのもセンセイの力クマか?」 「アスカが最初にテレビに入って、俺達も一緒に入れたんだったよな」 「やっぱり凄いクマねセンセイは!!」 クマがシンをもてはやす、正直悪い気はしない。 「ってかお前何、急に俺だけタメ口になってるんだよ! チョーシのんな!」 「は、はい…」 「はぁ、取りあえず先に進もうぜ」 陽介の提案にシンとクマが頷き、酒店の入り口に移動する。 誰もいないはずの商店街から話し声が聞こえてきた。 『ジュネスなんて潰れればいいのに…』 『ジュネスのせいで…』 「何だよこれ…」 『そういえば小西さんところの早紀ちゃん。 ジュネスでバイトしてるんですってよ』 『まあ、お家が大変だって時にねえ…』 聞こえてくる声は、どれもジュネスや小西早紀を中傷する内容ばかりだ。 寂れた商店街と大型ショッピングセンター、その間にある溝はかなり深いようだ。 「おいクマ!! 今の何だよ!!」 「ここに来た人間の現実クマ…多分」 「クソッ上等だ!! アスカ、クマ!! 行くぞ!!」 陽介が店内に突入する。 それに続いてシンとクマも突入した。 コニシ酒店 店内 コニシ酒店の中は大型の冷蔵庫数台と酒樽が数樽、それとテーブル置いてあるだけのさっぱりした場所であった。 店内に突入したシン達にまた声が聞こえてくる。 小西早紀の父親が早紀のジュネスでのバイトを叱る内容であった。 「バイト楽しそうだったし…俺にはそんなこと一言も…」 陽介がテーブルの上に有った写真立てを取る。 ジュネスでのバイト仲間と撮った一枚のようだが、無残にも切り裂かれている。 所々切断されているが、辛うじて小西と陽介が確認できた。 「何でこんなこと…」 陽介の顔が暗くなっていく。 『ずっと…言えなかった…』 また声が聞こえた。 この声にシンは聞き覚えがある。 声の主はこの酒店の娘、小西早紀だった。 「先輩!?」 『私ずっと花ちゃんの事…』 「え…俺の事?」 『…ウザいと思っていた』 小西早紀の声が残酷な言葉を陽介に叩きつけた。 『仲良くしてたの店長の息子だから、都合いいってだけだったのに…勘違いして盛り上がって…ほんと、ウザい…』 「ウザい…?」 『ジュネスも家の酒店もなくなればいい。 全部なくなってしまえばいい!!』 小西早紀が秘めた思いをぶちまける。 それは誰もが秘めているかもしれない心の闇だった。 「ウ、ウソだよ…こんなのさ…先輩はそんな人じゃないだろ!!」 陽介が叫ぶ。 シンにはかける言葉が見つからなかった。 『悲しいなあ…可哀想だなぁ、俺』 背後から突然声がした。 シン達が振り向くとそこには陽介がいた。 「よ、陽介お前双子だったのか!?」 「んなわけねーだろ!! だ、誰だお前!!」 『なにもかもウザいと思ってんのは俺のほうだよなぁ? 商店街もジュネスも田舎暮らしも全部ウゼーんだろ?」 「そんなこと俺は思ってない!!」 もう一人の陽介に駆け寄る陽介。 『お前は孤立すんのが怖いから、上手く取り繕ってヘラヘラしてんだよ。 一人は寂しいもんなぁ、皆に囲まれていたいもんなぁ 小西先輩の為にこの世界に来ただぁ? お前がここに興味を持った本当の理由は…』 「や、やめろ!!」 狼狽する陽介、かまわずもう一人の陽介が続ける。 『俺には全部お見通しなんだよ。 だって俺はお前なんだからよ。 お前は単にこの場所にワクワクしてたんだ! ド田舎暮らしには、ウンザリしてるもんなぁ? 何かおもしろいものがあんじゃないか…ここへ来た理由なんて要はそれだけだろ?』 「違う…やめろ、やめてくれ…」 反論する陽介の声は弱々しかった。 『あわよくばヒーローになれるって思ったんだよなぁ? 大好きな先輩が死んだっていうらしい口実もあるしさ…』 「違う!! お前何なんだ! 誰なんだよ!?」 『くくく、言ったろ? 俺はお前…お前の“影”…全部お見通しだってな!』 「ふざけんな…お前なんか知らない…お前なんか俺じゃない!!」 陽介が“影”を否定する。 “影”は陽介の言葉に高らかに笑い始めた。 『ククク、そうだ、もうお前なんかじゃない。 俺は俺だ』 “影”が不敵に笑う。 次の瞬間、“影”は十メートル近くある巨大な蛙の背に、上半身だけの人型が付いた怪物変わった。 「うっ…」 突然陽介がその場に崩れ落ちる。 意識を失っているようだ。 『来ます!!』 デスティニーが頭の中で叫ぶ。 今まで聞きの一手だったシンがゴルフクラブを構えた。 「我は影…真なる我。 退屈な物は全部ぶっ壊す、まずはお前からだ!!」 怪物の咆哮で大地が揺れる。 踏ん張っていなければ確実に吹き飛ばされていた。 案の定クマは吹き飛ばされのびている。 「この野郎!!」 持っていたゴルフクラブで怪物を叩きつける。 しかし、怪物の柔らかい皮膚に跳ね返された。 『マスター、ペルソナを使ってください』 『ペルソナ?』 『さっき使ったじゃないですか。 使いたいと思えば使えるはずです』 「いつまで耐えられるかな!!」 怪物が飛び上がり派手に着地する。 着地の際の衝撃波がシンに襲い掛かった。 「なっ!?」 対人間では考えられない攻撃にシンの反応が遅れた。 まともに衝撃波を喰らったシンは吹き飛ばされ、積まれた酒樽の中に突っ込んだ。 酒樽が破壊され中身が床に飛び散る。 「くそ…」 よろめくシンに怪物が追撃する。 前足での強打、シンは壁に叩きつけられた。 インパクトの瞬間、ゴルフクラブで防御したため致命傷は免れたが、常人であれば確実に死んでいた。 「ハァハァ…コーディネーターで良かったと言うべきかな…?」 立ち上がったシンはすでに虫の息だった。 唯一の武器であるゴルフクラブも先程の攻撃で先がへし折れている。 シンの頭の中に『死』の文字が浮かぶ。 『マスターこのままじゃ死んじゃいますよ!! 菜々子ちゃんを守るんじゃなかったんですか!?」 「菜々子…そうだ…俺はこんなとこで負けられないんだ!!」 シンの中で何かが弾ける。 先が折れたゴルフクラブでシンは怪物に突進した。 ささくれだった先端が前足に突き刺さる、だが怪物には全く効いていないようだ。 すかさず怪物がシンを前足で叩きようとしたが、超人的な反応速度のバックステップで回避する。 『マスター、ペルソナを早く!!』 「だから何だよそれ!?」 シンがデスティニーに突っ込む。 その隙を怪物は見逃さなかった。 怪物の前足がシンに向かって振り下ろされる。 撒き散った酒に足を滑らせ回避は間に合わない。 「くっ…ああ、もうペルソナ!!」 “ペルソナ”。 シンがそう叫ぶと手にカードが現われた。 先程の様にシンがそれを握りつぶす。 同時に強烈な打撃音が響く。 「やっと壊れたか…な、ギャァァァァァァァァ」 怪物が悲鳴を上げる、怪物の前足はシンのペルソナによって切断されていた。 「これがペルソナか…感じる、凄い力を」 『マスター…ここから巻き返しますよ!!』 「ああ!!」 激昂した怪物のもう一つの前足が、シンに向かって振り下ろされる。 しかし、ペルソナのエクスカリバーの一振りにより、一瞬にして切断された。 前足を失った怪物が前のめりになり、人型の部分をシンの前に晒す。 「止めだ!!」 シンがペルソナを操り、怪物に突進させる。 エクスカリバーが怪物の人型の部分に突き刺さった。 シンの頭の中に、フリーダムを撃墜した場面がフラッシュバックする。 「まだだ“イザナギ”、斬り上げろ!!」 イザナギがそのままエクスカリバーで斬り上げる。 人型の部分が真っ二つに裂かれた。 怪物はそのまま崩れ去り、消滅した。 それを確認すると、イザナギもシンの裡に消えた。 「ふぅ…なんとか倒したか」 「俺は…」 陽介の意識が戻ったようだ。 シンは、いつの間にか起き上がっていたクマと共に陽介に駆け寄った。 「大丈夫か?」 「あ、ああ…一体何が起こったんだ…?」 クマが陽介の後ろを指差す。 そこには陽介の“影”がいた。 「お前…お前は…俺じゃ…ない」 「あれはもともとヨースケの中にいたものクマ。 ヨースケが認めなかったらさっきみたいに暴走するしかないクマよ」 陽介は戸惑っている。 “影”を認めたくないようだ。 正直、また戦うのは辛い。 「誰だってそんなもんだ。 ヒーロー願望なんて誰だってある。 だけど先輩の死の真実を知りたいっていうのもウソじゃないだろ?」」 「お前…ちくしょう…ムズいな、自分と向き合うってさ」 「まあな」 アスランに負けたことで、シンは自分の全てが否定されたように思えた。 そんなシンも、大切な人の声で過去の自分にも少しだけ向き合えた気がした。 陽介が立ち上がり、“影”と向き合う。 「分かってた…けど、みっともねーし、どーしょもなくて、認めたくなかった…お前は俺で、俺はお前、全部ひっくるめて俺だって事だな」 “影”が静かに頷き、陽介の裡に消えていく。 「これが、俺のペルソナ…」 陽介がその場に崩れる。 「あの時、聞こえた先輩の声…あれも先輩が心のどっかで押さえ込んでる先輩の声だったのかな…ずっとウザいと思ってたか…」 「フラレたクマね」 「うるせー…はあ」 シンが座り込んでいる陽介に手を差し伸べる。 「お前がいてくれて助かったよ、アスカ。 いやこれからはシンって呼ばせてもらっていいか?」 「ああ」 陽介がシンの手を取り立ち上がる。 紛れもなく二人の間に友情が芽生えた。 「…なあ、先輩はここで殺されたって事かな。 自分の“影”に…」 「多分そうだと思うクマ。 ここにいるシャドウも、元は人間から生まれたものクマ。 でも霧が晴れると、みんな暴走する」 「それが、町で霧が出た日にこっちで人が死ぬ原因なのか…」 陽介の膝が落ちる。 どうやら疲れが溜まっているらしい。 「こっちの世界は人間にはちっとも快適じゃないクマ。 もう何の声もしなくなったし、これ以上、ココには何も無さそうクマ。 いったん戻るクマ」 「ああ、そうしよう」 元いた場所に戻ったシン達。 一息付いた陽介がクマに話しかけた。 「なあ、あの商店街って先輩が入ったから出来たのか? それにあの異常な部屋も山野アナが入ったから出来たんじゃないのか?」 「今までこんなことなかったから分からないけど…ここで消えた人たちもさっきのヨースケみたいになったクマね…」 「先輩達、たったひとりでこんなトコに…」 「二人とも、ここが晴れた日に消えたけど、それまではシャドウに襲われなかったクマ。 それなのにさっきは襲われたクマ 探索してるクマたちを敵とみなしてるのかも…危険だけどクマたちなら戦って救えるかもしれないクマ」 「俺達ならココに入れられた人を助けられる!?」 「それよりもまず犯人を見つけることに力を入れたほうがいい」 「そうだな、未然に防げば誰も危ない目にあわなくて済む」 陽介が頷く。 犠牲者はマヨナカテレビに映った人間。 当分はマヨナカテレビを確認した方がいいようだ。 「ちょっと聞いていいクマか?」 「なんだ?] 「シャドウは人間から生まれたのなら、クマは何から生まれたクマか?」 「そんなこと俺達にわかるわけねーだろ」 「自分のことはわからないクマ…ちゅーか今まで考えたことないクマ」 落胆するクマ。 「また…ここに来てくれるクマか?」 恐る恐るクマがシンたちの返事を待つ。 「約束しただろ」 シンが笑顔で返す。 「ホ、ホント?」 「じゃなきゃ出してくれないんだろ?」 「そうだったクマ、じゃあ出してあげる前に、お願いクマ。 キミタチがここに入る時は同じ場所から入るクマ。 違うところから入っちゃうと違う場所に出ちゃうクマ」 「わかったわかった。 じゃ、出口ヨロシクな」 「リョーカイだクマ!!」 ジュネス 家電売り場 「うわっと」 シン達がテレビから抜け出す。 ジュネス内にはテレビに入った時と変わらず、テーマソングが流れていた。 「あ…」 テレビの前に蹲っていた千枝が声をあげる。 「帰っでぎたぁ~!!」 千枝の顔には薄っすらと涙が浮かんでいる。 どうやら泣いていたようだ。 「里中、どうしたんだよその顔?」 千枝が立ち上がり持っていたロープを投げつける。 陽介の腰に巻いていたロープはいつの間にかなくなっていた。 「どうした、じゃないよ! ほんっとバカ! 最悪! もう信じられない、アンタらサイテー」 千枝の勢いに圧倒されるシンと陽介。 そんな二人に構わず千枝は続ける。 「ロープ切れちゃうし…どうしていいかわかんないし…心配…したんだから」 大粒の涙を流し千枝が泣きじゃくっている。 それも束の間、激昂し、走り去っていった。 「ちょっとだけ悪い事したかな?」 「いや、やベーだろ、これは…まあしゃーない、明日謝ろ」 「そうだな…かなり疲れた」 「ああ、今日はよく眠れそうな気がする…じゃあまた明日、学校でな」 「またな…あ、そういえばゴルフクラブ…」 「あ…しょうがねーよ…ああ親父に怒られる」 陽介が落胆する。 そのままシンは振り返らずに疲れた身体を引きずり、家路へと急いだ。 河川敷 『おい、デスティニー』 雨の河川敷をトボトボと歩いていたシンが、頭の中の愛機を呼ぶ。 『なんですかマスター?』 『なんでお前ペルソナのこと知ってるんだ?』 『それは…秘密ですよ』 予想された答えにシンは溜息をつく。 『お前はそれ以外に言えないのか?』 『マスターの為ですよ』 「あれ…アスカ君」 河川敷の公園にある屋根付きベンチで休んでいる女性に名前を呼ばれた。 桃色の和服を着て学校での様子と違うが、女性は雪子だった。 雪子は暗い顔をしている。 旅館の手伝いで疲れているのだろうか。 流石のシンも挨拶だけで通り過ぎるのは不味いと思い声を掛けた。 「…雪子隣いいか?」 「うん…」 力なく雪子が頷く。 雪子はかなり疲れているようだ。 雪子の隣に座るシン、しばらく沈黙が続く。 『マスター何か言わないと、かなり空気が重いですよ』 『って言ってもなあ。 こういう時どんな会話をすればいいのか分からないんだよ』 『着物を褒めたらどうですか? よく似合っていますし』 デスティニーの助言に心の中で頷く。 「着物似合ってるな」 「え、ありがと…でも、いつも着ているわけじゃないよ。 家のお使いだったから」 「そうなのか」 沈黙が続く。 耐えかねた雪子が話題を振った。 「えっと…この町とか、学校には慣れた?」 「町にはまだかな。 学校には大分慣れたと思う」 『マスターずっと寝てるじゃないですか』 『うるさいぞ、デスティニー』 「ほんと?…けど知らない場所に転校してくるって大変なんだろうね」 『俺の場合は知らない世界だけどな…』 「私は、この町から出たことないから、転校ってどんな気分か、分からないけど…あ、えっと千枝とかはどう?」 「千枝? ああ、仲良くやってるよ」 今日、泣かせてしまったけど。 と心の中でシンは付け足した。 「そう、よかった」 雪子の顔に笑顔が戻る。 それからは雪子による千枝自慢が始まった。 改めて、シンは二人の友情の深さを確認する。 「あ…そろそろ戻らなきゃ。 板長と明日の打ち合わせしないと」 「そうか、悪いな引き止めて」 「ううん、あまり話せなかったし。 ありがと」 そう言うと雪子は脇に置いてあった番傘を拾い、席を立つ。 「えと、また学校でね」 「ああ」 シンも席を立ち、雪子と別れた。 堂島家 居間 居間では夕食終え一休みしていたシンと菜々子がテレビを見ていた。 堂島はまだ帰ってこない。 やはり菜々子は心配そうな顔をしている。 そんな菜々子をよそにテレビでは明るい音楽と共にニュースが始まった。 ニュースは小西早紀の事件を取り上げていた。 山野アナの事件との関連性から警察は連続殺人として捜査を進めているらしい。 小西の死亡は昨晩の一時頃で現場には濃い霧が掛かっていたらしい。 本当だとすれば、マヨナカテレビに映った直後に自分の“影”に殺されたのだろう。 度重なる事件に、菜々子も今以上に忙しくなり、帰宅も遅くなるであろう堂島を心配している。 「俺がついてるよ」 シンの口から無意識に言葉が出る。 言ってからかなり臭いことを口走ったことに赤面する。 「だいじょうぶだよ。 いえの事やるの、手つだってくれる?」 菜々子が健気な笑顔を見せる。 シンから鼻血が噴出する。 「お兄ちゃんに任せとけ!! これからは俺がご飯を作ってあげるからな」 「おにいちゃん、おりょうりできるの?」 「もちろん!!」 力強くシンが頷く。 菜々子が尊敬の眼差しでシンを見ていた。 鼻血の勢いも凄くなる。 『菜々子ちゃんの鼻血のスルースキルは半端じゃない…菜々子、恐ろしい子!』 「事件後、女将が一線を退き、今はこちら、一人娘の雪子さんが代わりを務めています」 シンは雪子の言葉に反応し、視線をテレビに移す。 テレビには大きな旅館とテレビリポーターが映っていた。 奥に和服姿の女性が居る。 女性はどうやら雪子らしい。 雪子にリポーターが下心丸出しの質問を投げかけている。 「つまんない…おさら、あらわなきゃ」 菜々子が立ち上がり、台所へ向かう。 テレビではまだリポーターの質問が続いている。 雪子はかなり困惑していた。 「頑張れよ、雪子」 シンもテレビを消して台所に向かった。 シンの自室 午前0時前、シンは自室でゆっくりしていた。 テレビの女子アナが、稲羽市の異常気象について語っている。 どうやら、ここ最近の濃霧は異常で、原因も分かってないらしい。 テレビの音声以外に微かに雨音が聞こえている、雨はまだ降り続いているようだ。 「雨の日の午前0時…」 シンがマヨナカテレビの噂を思い出す。 もうすぐ0時だ、シンはテレビを消した。 午前0時。電源の切れたテレビが光りだす。 画面にはシルエットだけが映されている。 体つきからおそらく女性だ。 『今、手を入れたら助けられるんじゃないか?』 テレビに手を差し込んでみる。 波紋が浮かび、シルエットが消えた。 急ぎ、手を引き抜くが、テレビにはもう何も映っていなかった。 「…明日陽介に話してみるか。 ふぁ、今日はもう疲れた、寝よ」 そのままシンは布団を敷き眠りに落ちた。 ??? 気が付くとシンはなぜか車内のソファに座っていた。 目の前には長い鼻の白髪の老人と長い銀髪の女性が座っている。 シンがこの世界に来る前に見た、夢の登場人物と風景に酷似している。 老人の名前はイゴール、女性の名前はマーガレットだと記憶している。 だが以前とは少しだけ違っていた、シンの隣に白いワンピースを着た、黒の長髪に紅の瞳を持つ少女が座っているのである。 「ようこそ、再び見える事が出来ましたな」 老人、イゴールがシンの隣にいる少女には触れず挨拶をした。 「ここは、どこだ…? 隣の奴は誰だなんだ?」 以前とは違い、自由に言葉を発せるようだ。 シンが早速疑問をぶつける。 「私を忘れたんですか、マスター?」 「マスター? ってお前デスティニーか!?」 「そうですよマスター。 どうです、私かなりの美人でしょう?」 シンがデスティニーの顔を見てみる。 確かにデスティニーの顔は整った顔をしていたが、美人というよりは美少女といった方が正しい。 「どっちにしろ自分で言うことじゃないだろ…というか何でお前がいるんだよ」 「ここはマスターの夢の中ですよ。 私が自由に出てきてもいいじゃないですか」 「いや、その理屈はおかしい。 って言うか夢なのかよ!!」 反射的に突っ込んでしまうシン。 デスティニーがニヤニヤしながら口を開く。 「マスターはホント突込み人間ですねぇ。 夢といってもここで聞いたり見たりしたことはホントのことですよ」 「矛盾してるじゃないかよ…」 夫婦漫才を続けるシンとデスティニー。 放置プレイされていたイゴールが咳払いをした。 「…ここは、何らかの形で契約を果たされた方のみが訪れる部屋…」 「契約?」 デスティニーの事は後に回して今は話を聞くことにした。 「貴方は日常の中で無意識に目覚めを促され、内なる声の導く定めを選び取った…」 「内なる声…デスティニー…いやペルソナを出した時の声か!?」 「そう…そして見事、“力”を覚醒されたのです」 女性、マーガレットが言っている“力”というのは恐らくペルソナのことを指しているのだろう。 「ペルソナって何なんだ?」 シンが二人に問う。 「あなたが手に入れたペルソナ。 それは、貴方が貴方の外側の事物と向き合った時、表に現われ出る人格、様々な困難と相対するため自らを鎧う 覚悟の仮面…とでも申しましょうか」 「覚悟の仮面…」 「しかも、貴方のペルソナ能力はワイルド…他者とは異なる特別なものだ。 からっぽに過ぎないが、無限の可能性も宿る。 言わば、数字のゼロのようなもの」 小難しい話にシンの頭が混乱する。 そんなシンにデスティニーはウィンクをする。 話を聞くのを任せて欲しいという意味だろうか。 「ペルソナ能力とは心を御する力、心とは絆によって満ちるもの。 他者と関わり、絆を育み、貴方だけのコミュニティを築かれるが宜しい」 「コミュニティーは単にペルソナ能力を強くするものだけではありません。 お客様を真実の光で照らす輝かしい道標ともなってゆくでしょう」 「それって、俺が災難に会い、謎を解くってやつか? 謎っていうのはテレビの世界のことなんだな?」 「…これを」 イゴールがシンの問いには答えずに、何かを目の前のテーブルに置いた。 シンがそれを受け取る。 どうやら鍵のようだ。 「鍵…?」 「今宵から貴方はベルベットルームのお客人だ、貴方は力を磨くべき運命にあり、必ずや私共の手助けが必要となるでしょう 貴方が支払うべき代価は1つ、契約に従い、ご自身の選択に相応の責任を持って頂く事です」 「また秘密主義か…」 「要するに謎に立ち向かい自分の行動に責任を持ちなさい、そうすれば力を貸しますよって事ですよ。 とりあえずクマくんとの約束を守るためには力が必要なんじゃないですか?」 隣のデスティニーがシンに囁く。 あの世界で行動するには確かにペルソナの力が必要だ。 ペルソナに詳しそうな二人ならば確かに力になるだろう。 イゴールはシンの返事を待っている。 正直、何がなんだか分からないが頷くことにした。 「…わかった」 「フフ…ご一緒に旅をして参りましょう。 では再び見えます時まで…ごきげんよう」 視界が光に包まれていく。 シンの意識はそこで途切れた。 06へ進む 04へ戻る 一覧へ
https://w.atwiki.jp/allstarrowa/pages/16.html
XX-weakness 性質の悪い悪夢だと思い込むには、あの光景は余りにもリアル過ぎた。 響いた炸裂音は、安っぽい花火のようだった。 砕け散る外皮と飛散する赤とぶちまけられる中身は、スイカ割りで思い切り砕かれたスイカによく似ていた。 けれどその出来事は、夏の爽やかさとはかけ離れた残酷さで構成されていた。 網膜に焼き付いているのは肌が破け筋繊維が爆ぜ細胞と鮮血がぶちまけられる瞬間だった。 鼻腔に燻っているのは髪が焼け肉が焦げる気色悪い臭気でしかない。 手の甲にはべとりとした粘つきの感触が未だ残っている。 その全てが狂おしいほどに生々しく拭い去れないほどに鮮烈だった。 そんな目に遭って尚、目を覚まさないという事実こそが、あの出来事も現状も、決して夢ではないと雄弁に物語っていた。 人が、死んだ。 抵抗をする猶予も逃亡を図る隙も与えられず、悲鳴を挙げる時間さえ認められないまま、一人の人間の命が奪われた。 その叩きつけられた死を想起し、歯を食い縛り肩を震わせる、茶髪の少年がいた。 ガードレールにもたれかかる細身の少年――花村陽介は、眼前でぶちまけられた無惨な死を、胸の奥でわだかまらせていた。 そのわだかまる死のイメージは、陽介が初めて死というものを意識した日へと結びつく。 4月14日。 小西早紀が、遺体となって見つかった日だ。 小西早紀の記憶は、陽介の心に居場所を作っていた。笑顔も声も仕草も一生懸命さも、簡単に手繰り寄せることができる。 好きだった。 実は鬱陶しがられていたのだとしても。本当は嫌われていたのだとしても。叶うはずのない想いだったとしても。 陽介は、小西早紀が好きだったのだ。 けれどもその想いは、小西早紀の喪失を以って行き場を失うことになる。 心にぽっかり穴が空いた、というような表現の正しさを、陽介は、彼女の死で初めて知ったのだった。 もう逢えないと思うと悲しかった。二度と話せないと思うと寂しかった。共にいられないと分かってしまうと、辛かった。 味わいたくはない。 あんな想いは、もうたくさんだ。 「……くそッ!」 思わず衝いた悪態は、虚しくも真夜中の空気に呑み込まれて果てる。 その様はまるで、この殺し合いの場において、個人の意志などは無力であると伝えてくるようだった。 やらない夫とかいう男の前では、無惨にも首から上を吹き飛ばされた男のように、すべての命が無力であると、この仮想空間そのものが告げているようだった。 身震いが止まらない。 歯の根ががちがちと音を立てていた。 スプーンで石壁を削るようにじわじわと、陽介の心は恐怖によって削られていた。 特別捜査隊の仲間と共にテレビの中に飛び込んで、様々なシャドウと戦ってきた経験がある。痛い思いをしたこともあるし、死ぬかと思ったときだってあった。 けれどそのときは、一人ではなかった。 頼れる仲間がいた。いざというときは彼らが助けてくれたし、彼らのためならば尽力することも厭わなかった。 その身を盾にして、仲間を――親友を庇うときだってあった。 それなのに、今のザマはどうだ。 たった一人になっただけで、死の恐怖に支配されてしまっている。 情けなくてみっともなくて堪らなくて、辛かった。 「……ダセぇ。ダサすぎんだろ、俺……」 呟いてみても、返答などあるはずもなく、一人であることをより深く実感してしまうだけだった。 とはいえ、だ。 陽介の戦闘能力は、決して低いわけではない。 普通の高校生活を送っているだけでは決して体験することのないほどの戦闘経験を、陽介は積んでいるのだ。 先ほど試してみたところ、テレビの中と同様にペルソナの召喚は可能であったし、支給されたのは使い慣れたナイフだった。 慣れ親しんでいるが故に陽介は、そのナイフを、手慰みのように弄ぶ。 軽く回し、ジャグラーのように軽く放り投げ、柄を掴み取る。くるくると回る刀身は、街灯の明かりを反射して妖しく煌めいていた。 そんな芸当を無意識で行えるくらいには、陽介は荒事に慣れていた。 だから戦える。戦えてしまう。 この場所で。 命を握られ殺し合いを強要されるこの仮想空間で。 シャドウではなく。 生きた、本物の、命ある人間と、戦えてしまうのだ。 足立透と戦ったときとは、決定的な違いがある。 それは、殺しに来る相手が罪人でも咎人でもなく、ただ、自分と同じように、必死で生きようとしているだけである可能性が高いということだ。 そんな相手を――生きるために必死の人間と、戦えてしまう能力を持っているということが、怖かった。 もしも。 もしも、仮に、だ。 見知らぬ誰かと出会い、そいつが陽介を殺しにきたとしたら、戦わざるを得ないだろう。 抵抗しなければ、間違いなく殺されてしまう。 無惨にも頭部を爆ぜさせられた、あの男のように。 そうなってしまった場合、なまじ力が在るだけに。 そいつを――殺してしまうかもしれないのだ。 そう認識した瞬間、一際大きな震えが陽介の背筋を駆け抜けた。 それは善悪や倫理を超越した、根源的な恐怖だった。 誰かの命を脅かしてしまう可能性。誰かにかつての自分と同じ想いを味わわせてしまう可能性。 この手で、誰かの生命を奪ってしまうかもしれないという事実は、抗いがたい恐怖となって陽介を苛んでいた。 誰かを殺すことは、恐い。 誰かに殺されるのも、怖い。 その恐れを掻き消してくれる仲間が、側にいてくれたらと思う。 特別捜査隊のメンバーが側にいてくれれば、きっとこれほどまでに恐れることはないのだろう。 里中千枝。天城雪子。巽完二。久慈川りせ。クマ。白鐘直斗。そして、鳴上悠。 みんなに逢いたかった。 みんなに逢えればどれほど心強いことだろうか。 みんなと一緒であれば、きっとこんな悪夢じみたイベントに踊らされず帰れるに違いないのに。 この場所にいてくれたらと願うのは不謹慎なのだろう。こんな殺戮劇に誰も巻き込まれていないのであれば、それこそがきっと最善なのだ。 けれど皆がいてくれればと、陽介は思ってしまう。 ――アイツらとなら、できやしないことなんて、ねぇんだ。 それは絶対的な信頼だった。 彼らならばこのような殺し合いなどを是とせず、ふざけた現状を打開するために行動しているであろうという、疑念なき想いだった。 殺し合いの果てで、生き残った一人だけが帰ることができる。 やらない夫が告げたそんなトチ狂った言葉さえ、仲間とならぶっ飛ばせると思った。 けれど、彼らがいないなら。 この血生臭い場所で独りぼっちであるならば。 陽介は、自分を保てなくなるような気がした。 最後に残った一人だけが、元の世界に帰れる。 そんな言葉が、耳の奥で残響し心を震わせ理性を揺さぶってくる。 揺れる理性の先で見え隠れする生存本能は、間断なく囁いてくるのだ。 友人がいないというのなら、何を恐れることがある、と。 仲間がいないというのなら、何を迷う必要がある、と。 独りぼっちであるというのなら、生き残るために取るべき手段は一つだろう、と。 ――なあ、そうだろう? “俺”? そんな仄暗い囁きを、頭を振って振り払う。 「できねぇよ。できるかよ。そんなこと……ッ!」 心の奥から浮かび上がる囁きを押し留めているのは、殺人に対する猛烈な忌避感だった。 この手で誰かを殺してしまう恐れと、かつて自分が受けた悲しみを広げてしまう怖れが、皮肉にも、陽介の理性を支えていたのだった。 だとしても、その恐怖を抱き続けるのは苦痛だった。独りぼっちで握り締めるには、余りにも辛かった。 苦痛であるからこそ、陽介は、不謹慎な希望的観測に縋ることを選択する。 それは、この仮想空間の何処かに、特別捜査隊の仲間もいる可能性だ。 仮に殺戮を強要されたとしても、仲間たちならば絶対に殺し合いをするはずがない。 たとえこんな状況に巻き込まれても、仲間たちがならばそう簡単に死ぬはずがない。 逢えるものならば逢いたいと思う。同じように仮想空間上にいてほしいと思う。 頼むから誰かいてくれとさえ、思うのだ。 それは信頼であり、陽介が抱くエゴめいた弱さでもあった。 そして、だからこそ。 それが分かってしまっているからこそ。 「本当に、ダサ過ぎるだろ、俺は……ッ!」 絞り出すようにして呟いて、陽介はガードレールから腰を浮かせる。 あり得るかどうかも分からない希望を道標に、陽介はアスファルトの硬さを靴裏で受け止めた。 無意識で宙へと舞わせていたナイフを掴み取り、伸びる道の先に仲間がてくれると信じて、先を見て――息を、呑んだ。 深く昏い二つの銃口が、陽介へと向けられていたのだった。 銃把を握り締めるのは、赤茶色の髪を両側でまとめた、つり目がちな女の子だった。 陽介と同い年くらいの彼女の青い瞳は、握り締める銃と同様に、真っ直ぐ陽介へと向けられていた。 真っ直ぐに。 真っ直ぐに、だ。 銃という武器の威力がどれほどのものなのか。 吐き出される弾丸その身に受ければ、どれほどの傷を負ってしまうのか。 そのことを、日本に住む一般的な高校生よりも、陽介はよく知っていて、それ故に。 撃たれたらどうなってしまうのか、ありありとイメージができてしまう。 リアリティのある死のイメージが、陽介の恐怖を焚きつける。 見知らぬ他者から突き付けられた武器が、他人に対する不信感を激しく煽り上げる。 焚きつけられた恐怖と煽られた不信感は、思考や冷静さをまとめて薙ぎ倒し、陽介を動かした。 「――じ、ジライヤぁッ!」 陽介の背後に、細身のシルエットが浮かぶ。 頭部は黒く、瞳にあたる箇所に浮かぶのは黄色の手裏剣だ。 紅のスカーフを靡かせ、胸部にはブーメランを思わせる巨大な装飾が象られている。 迷彩柄の身に纏う白いスーツに、紅のスカーフがよく映える。 心に潜む影<シャドウ>を受け入れ、手にした力<ペルソナ>――ジライヤが、その腕を振り上げる。 瞬間、空気がたわんだ。 凪いでいた大気がざわめき乱れ逆巻いて色を得る。 笛のような風鳴を上げ、生まれたのは翠の風。 一陣の突風は、陽介と相対する双銃使いへと吹き荒ぶ。 風の向こう、目を見開いてその腕で身を庇う少女の姿を尻目に、陽介は舗装された道路を蹴り付けて駆け出した。 ◆◆ 風が止む。 不意に巻き起こった突風はその発生と同様に、前触れもなく消え去った。 戻ってきた凪いだ大気の中、ティアナ・ランスターは急ぎ状況を確認する。 風の発生源と思われる、やけにヒーロー然としたシルエットはない。それを呼び出した少年の姿も見当たらない。 けれどティアナは気を許さずに二丁の拳銃――ソード・カトラスを周囲に向けて警戒する。 ティアナの身には痛みも出血もない。あの風が目眩ましであると判断するのは容易だった。 背後および上空からの奇襲、突風による急襲、ナイフによる斬撃および投擲、あるいは、あのシルエットによる全く予測不可能な攻撃。 やや強迫観念じみたシミュレートを行うティアナは、警戒の手を緩められなかった。 緊張に心身を支配されているせいか、正確な体感時間が分からない。 掌には汗が滲んでいた。心臓の働きは過剰だった。口の中がカラカラに乾いていた。 そうして張り詰めた意識が、もはや周囲に少年の気配はないと判断した時点で、ティアナはようやっと銃を降ろしたのだった。 それでも、決して緊張は解けはしない。額を手の甲で拭っても、じわりと汗は滲んでくる。 ティアナは大きく溜息を吐き、眉根を寄せて唇を噛み締めた。 ――駄目だ。余裕、なくなってる……ッ。 そう自覚できるくらいに、ティアナの心にあそびは存在しなかった。 不安と焦燥と自己卑下で満たされていて、そんな余地などありはしなかった。 機動六課に配属されてからの毎日は、厳しい訓練続きだった。 教官たちの実力を改めて目の当たりにして、感じるのは憧れだった。 その強さを手にしたいと焦がれた。あの高みに至りたいと願った。 焦がれ願うだけでは手にできると思うような愚かな令嬢ではない。 ティアナは決して努力を怠らなかった。訓練でも根を上げはしなかった。ひたすらに研鑽に研鑽を重ねてきた。 その結果は確かに表れた。強くなったという実感は確かにあった。 それでも。 だとしても。 遥かな高みにある教官たちや、類稀なる才能を持ちめきめきと実力を伸ばしていく同期生たちの前では。 ティアナ・ランスターの力など、何の自信にもなりはしなかった。 兄を無能と謗った者たちを見返すため、時空管理局入りを志したのに。 これでは、わざわざ無能の証明を立てにいったようなものではないか。 だからこそ、止まない焦燥に突き動かされた。消せない不安に呑み込まれた。 やってはならない、失敗をした。それを取り戻そうと焦り、更に失敗を重ねて不安に陥った。 度重なる失敗経験が、ティアナの自信とプライドを斬り付ける。そうして生まれた傷に塗り込まれる焦燥と不安が、ティアナから冷静さを奪っていく。 だから。 だから、つい。 ほんとうに、つい、あの少年へ二丁の拳銃を向けてしまったのだ。 その行動の基盤は下らないほどに単純で、馬鹿馬鹿しいほどに短絡的だった。 ガードレールにもたれかかっていた彼が、手慣れた様子でナイフを弄ぶ姿を見て。 微かな明かりを照り返す不気味な鈍色の刃を見て。 その刃で切り裂かれる自分を、イメージしてしまったのだった。 この場所に、どんな人物がいるか分からない。 どれほどの実力者がひしめき合っているのか、想像するだけで怖気が走る。 事実、先の少年が巻き起こした風の正体は分からないのだ。 未知の力を目の当たりにして竦んでしまい、風が目眩ましであると即座に気付くこともできなかった。 情けない。 本当に情けないと思う。 こんな無様さではいけない。こんなザマでは。 自分のような凡人は、決して生き残れない。 自信のなさが生んだその仮定は大きすぎて無視などできず、ティアナを衝動的に動かしてしまったのだ。 今にして思えば、相手の意志を確かめず無言で銃を突き付けるなどと、軽率でしかなかった。 ティアナの行動の結果として、あの少年はこの場から立ち去り、見失ってしまった。 もはや、彼が殺し合いを肯定しないのは明白だ。彼が殺す気でいたのなら、今頃ティアナの身には大なり小なりの傷が刻まれているはずであった。 ならば、彼とはぐれてしまったのは手痛いミスだと言える。 ティアナはこの理不尽で不条理な殺し合いを打破すべきだと思っていた。 そのためには、多くの人物の協力が必要だと分かっているはずなのに、手を取り合うチャンスを逃してしまった。 それどころか迂闊さが原因で、殺し合いを由とする人物であると誤解されている可能性もある。 だからまず、彼を捜そうとティアナは思った。 ――まず、謝らないといけないな。逢えれば、いいんだけど。 はぐれてしまった少年を捜すべく、ティアナは動き出すことにした。 そう決めたとしても、燻る焦燥もこびりついている不安もそのままで。 その足は微かに震えてしまっていて、歩みは到底重くて。 無性に、スバル・ナカジマの声が聞きたかった。 【1日目・深夜/C-3 中野区 路上】 【ティアナ・ランスター@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】不安、焦燥、自己嫌悪 【装備】ソード・カトラス@BLACK LAGOON(残弾15/15) 【道具】支給品一式、ランダム支給品0~2 【思考】 基本:生き残り殺し合いを打破する。敵だと判断すれば即座に打倒する。 1:少年(花村陽介)を捜し謝罪し、共に行動するよう提案する。 2:殺し合いを打破する仲間を捜す 【備考】 ※第7話「ホテル・アグスタ」直後からの参戦です。そのため、ヴィヴィオのことは知りません 【1日目・深夜/B-3 中野区 路上】 【花村陽介@ペルソナ4】 【状態】殺されることへの恐怖、殺すことへの恐怖、自己嫌悪 【装備】ハンティングナイフ×2@現実 【道具】支給品一式、ランダム支給品0~1 【思考】 基本:生き残り、稲羽市へ帰る。今のところは殺す気も殺される気もないが…… 1:特別捜査隊のメンバーが参加していると信じて、彼らを捜す。彼らが参加していなければどうするかは考えていない。 2:知り合い以外は信用できない。 【備考】 ※アメノサギリ戦後~黄泉比良坂突入前からの参戦です ※ティアナ・ランスターを殺し合いに乗った人物であると認識しています 005 Fake World? True World? 投下順 007 一般人たちのバトルロワイヤル 時系列順 START ティアナ・ランスター START 花村陽介
https://w.atwiki.jp/persona4_g/pages/20.html
チャート 5月 日 曜 天気 イベント 自由行動 01 日 曇 データ連動放送が利用可能になる昼 マリー(永劫)クエスト『幻の酒が欲しい』雪子姫の城8階に新ボス出現 昼/夜 02 月 雨/曇 試験1週間前 陽介/千枝と勉強可能冷蔵庫に干からびた漬物(勇気UP)クエスト『天使の像が欲しい』『悪魔の像が欲しい』『リッツ線が欲しい』夜 運動部(剛毅) 放課後/夜 03 火 曇/晴 菜々子とジュネス 正義(菜々子)コミュ開始夜:陽介(魔術師) 夜のみ 04 水 晴 陽介から電話(陽介、一条 長瀬、菜々子の好感度♪×2上昇)、断れば自由行動昼 千枝(戦車)、マリー(永劫)冷蔵庫 ひからびた漬物(勇気UP)夜:千枝(戦車) 昼/夜 05 木 晴 駅前(リボンシトロン)と食品売り場(ポテロング)と神社のいずれかに行ける駅前かジュネスを選んでもその後神社に行く/隠者(キツネ)コミュ開始 自室のみ 06 金 曇 夜 堂島遼太郎と会話→法王コミュ開始四目内堂書店『弱虫先生、今日も行く(1500円) 事務作業マニュアル(2800円)』 発売縁結びのおみくじが利用可能になる(神社) 放課後/自宅 07 土 (雨)雷/晴 授業 「月が綺麗ですね」→知識UP落雷で停電「なぐさめる」→千枝♪×1(戦車ペルソナ影響有り)番組表「江戸川教授の放送教室 第二回」開始 放課後/夜 08 日 晴 千枝から電話でコミュのお誘い夜、菜々子と母の日花作り 昼/夜 09 月 曇/晴 中間試験1日目 超回復→西暦1年 - 10 火 曇 中間試験2日目 結婚数→夏目漱石 - 11 水 晴/曇 中間試験3日目 ピタゴラス→オリンポス山 - 12 木 曇 中間試験最終日料理 「落とし蓋で煮込む」→ほくほく肉じゃが 放課後/自宅 13 金 曇 ジュネスで足立透と会話→道化師コミュ開始 放課後 14 土 雨 マヨナカテレビ 夜(居間のみ) 15 日 曇/雨 マヨナカテレビ「どっちも好み」で寛容さUP「どっちもイマイチ」で勇気UP 夜(居間のみ) 16 月 曇 巽屋訪問 夜(居間のみ) 17 火 晴/雨 マヨナカテレビ『ハッテン!ボクの町』雪子(女教皇)コミュ開始(雪子との会話選択肢「来たら守ってやる」は勇気3以上が必要) 夜(居間のみ) 18 水 晴 愚者コミュ2→3 完二の捜索開始(完二の母親→ジュネスの常連客)クエスト16『机の修繕』17『カーメンの課外授業・1』開始放課後 運動部(剛毅)冷蔵庫 がぶ飲みメロンクリームソーダ(効果なし,時間経過なし) 放課後/夜 19 木 晴 試験結果発表(10位以内で堂島から小遣い20000円、祖父江(カーメン)から宝箱の鍵×3がもらえる)(1位なら堂島から小遣い30000円、菜々子から似顔絵付きメダル)捜索続き 直斗、ジュネス(火木休日)→クマ※最短でこの日から熱気立つ大浴場攻略可能放課後 運動部(剛毅)、文化部(太陽)あい(月)コミュ最短開始(要勇気)マーガレット(女帝)コミュ最短開始(知識3以上) 放課後/夜(10位以内/自宅) 20 金 晴 夜 陽介、雪子、文化部 放課後/夜 21 土 曇 放課後 運動部(剛毅)、学童(節制) 放課後/夜 22 日 曇 家庭菜園スタート 根気UP 「手伝うよ」→菜々子♪1(P有♪2) 昼/夜 23 月 (雨)/曇 クエスト18『本と交換』開始冷蔵庫 ハムが一枚だけ夜 運動部(剛毅)、足立(道化師) 放課後/夜 24 火 曇/晴 料理 「片栗粉」→つやとろスブタ(完二救出済み) 放課後/夜 25 水 晴 町内掲示板 病院清掃(根気ランク3)と家庭教師(寛容さランク5)のバイト解禁スナック皿洗いのバイト解禁上原小夜子(悪魔)コミュ&中島秀(塔)コミュ条件付きで開始夜 千枝(戦車)、足立(道化師) 放課後/夜 26 木 曇 授業 「出勤簿」→伝達力UP+陽介♪1放課後 雪子(女教皇)、千枝(戦車) 放課後/夜 27 金 曇 放課後 あい(月)夜 陽介(魔術師)、雪子(女教皇)、文化部(太陽)、足立(道化師) 放課後/夜 28 土 (雨)/晴 放課後 陽介(魔術師)、千枝(戦車)、運動部(剛毅) 放課後/夜 29 日 曇 一条から電話 選択肢"もらう"で「魔女探偵ラブリーン」入手(剛毅コミュランクが5~6の間・完二未救出では発生しない)この日から毎週日曜日から3日間、自室テレビで『時価ネットたなか』がスタート時価ネットたなか アディオスシューズ+ダイエットフード真×2(5980円)or緊急医療セット×1+傷薬×4(2980円)昼 陽介(魔術師)夜:雪子(女教皇)、千枝(戦車) 昼/夜 30 月 曇 授業 自動知識UP放課後 陽介(魔術師)、雪子(女教皇)、千枝(戦車)冷蔵庫 賞味期限切れ牛乳(勇気UP 時間経過有り)夜 運動部(剛毅)、足立(道化師) 放課後/夜 31 火 曇 料理 「醤油」→醤油たっぷり焼肉弁当放課後 雪子(女教皇)、千枝(戦車)、運動部(剛毅)夜 陽介(魔術師) 放課後/夜 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
https://w.atwiki.jp/flowermania/pages/84.html
あ アイコンタクト 蒙古タンメン中本で店長にすると青い葉っぱのキャベツを2.3枚、麺が4.5本多く入っていたり、野菜が多くなったり肉が多くなったりする常連仕様のラーメンが提供される 挨拶 店員がふらわ(高橋陽介)氏の入店に気づかずこれを忘れるとブログでケチョンケチョンにかかれます 大声で挨拶をすると氏が芸能人と勘違いされると勘違いします ラーメン店関係者が氏の日記にコメントをする際には必ず挨拶をしなければいけない決まりがあります 愛犬 たまに散歩に連れて行く飼い犬、運動不足で飼い主と全く同じ体型(要するにデブ)、エア愛犬散歩疑惑を出されると写真を撮られる アイフォーン Apple社製のスマートフォン、iPhone3GSと思われる。最近は電池の持ちが悪く修行に出た際、必ず乞食をする。iPhoneと記述しないのがふらわ(高橋陽介)氏のこだわり 青トマト 秦野市では昔は簡単に手に入った成熟前のトマト、朝、漬けて食べる 味玉 ふらわ(高橋陽介)氏にサービスしないと根に持たれ、その後わざわざ来店してから日記に糞味噌に書くアイテム。 私の大好きな嶋さんだったら、先ず間違いなく「申し訳ありません」と自身の名刺を訪問者に渡して「注文の際に名刺を出していただければ(この場合はラーメン屋さんだから)味玉をサービスさせていただきます」と伝えるでしょう。 後で直しておきます 間違いを素直に認められない意味、意地でも修正しないことを宣言します アドバイス そのラーメン店を潰すための ふらわ(高橋陽介)氏の最終兵器、これを出され粘着された店は臨時休業多発、最終的に「愛の貧乏脱出大作戦」に出演することになる現在の標的は五反田のORAGA NOODLES 兄貴(ウォッチャー用語) ホモっぽい顔してるからと名づけられたふらわ(高橋陽介)氏のこと、実は逆に超女好き アルバイト ラーメン店では店員とは別として取り扱われる 仕事が出来ない侮蔑の対象として呼ぶ場合が多い 淡路島 ふらわ(高橋陽介)氏が異常にライバル視している島、50歳を過ぎて「電車が通っている秦野のほうが都会」という ど田舎の小学生レベルの比較をしたため笑いものになる アンブレイカブル 信じられない (と言いたいのだと思われる) 一般的には「破壊不可能」、まさに氏をあらわす言葉 京都の有名ラーメン屋さんで開店待ちをしている時にその店主さんが私の後ろに並んでいたのを見掛けたので、その話を振ったら「そうそう、覚えていますよ」と返されてすんごくびっくり。アンブレイカブル、私のように何回顔を見ても覚えられない人の反対側には1回顔を見たら何年も忘れない人もいる。 い 家系ラーメン ふらわ(高橋陽介)氏が愛するチェーン店のひとつ、氏は香川の人が「いえけい」ではなく「かけい」と読むと思い込んでいる 椅子から転げ落ちそうになりました あまりにも美味しかったときに使用する、中本に対して多用される 田舎 ふらわ(高橋陽介)氏が馬鹿にしている場所、比較対象は秦野市 自分が一番田舎者だと言うことに相当なコンプレックスがある模様 イベント 「祭り・イベントと名前が付くものは参加するのも苦手なので批判的な日記しか書かない」と宣言しているがラーメン店のプレオープンイベントは呼ばれなくても何故か参加しようとする 飲酒運転 ふらわ(高橋陽介)氏はビールを飲んで2時間でアルコールは分解されるので車を運転しても問題は無い う Webサイト 「ほーむぺーじ」とは区別される 最終兵器アドバイスに付属するアイテム 目が回るトップページデザイン、商品名を間違えたまま1ヶ月間放置、販売終了商品を永久紹介、一度進むと他ページへ移動できないナビゲーションなど、営業妨害スレスレのツール 牛丼太郎の社長はこの攻撃を跳ね除けたが麺屋翔のオーナーは跳ね除けられず現在もやりたい放題の状態となっており、その他ホルモンビックなど一部の店舗は既に・・・ ウォッチャー ネット上最大の敵、ウォッチャーは皆、氏を愛しているのに・・・ 嘘 本人はついているつもりはない、これは脳内では起きたと思い込んでいるためと思われる そのため嘘に嘘を重ね、限界が来ると逆ギレをする 梅乃屋 「竹岡式」と呼ばれる調理方法の発祥のお店 創業当時から変わらない調理方法とは「生麺ではなく乾麺を使う」「ダシを取らずにチャーシューの煮汁をスープにする」のが特徴。氏の説明どおりだと超しょっぱい高血圧作成スープとなる え HTML 沢山の言語を使えるふらわ(高橋陽介)氏が使いこなせないマークアップ言語 氏は3.0が限界で4.0は初心者以下のレベル、5.0は・・・ エコ箸 環境問題を常に意識するふらわ(高橋陽介)氏がラーメンで使用するよう提案し続ける使いまわしの箸 箸を洗う際に洗剤を使用することから「エコ箸が完璧なエコとは言えない説」を唱えるラーメン店も都内には存在することをラーメニスト志望の氏は知らない お オープンイベント イベント全般が苦手だと言うふらわ(高橋陽介)氏はラーメン店が新規オープンする際、関係者のみであろうと無かろうとスルッと参加するイベント 中本の場合、鉢巻やTシャツを着て気合を入れて参加する お答えできません コメント封じでごまかしたつもりがツイッターに現れてしまい もうお手上げの状態 お喋り ラーメン店でまれに禁止の張り紙があると「みんなでお喋りしながらラーメン食べたいじゃないですか」と反論するポイント 最近、飲み会に参加するときには食べ物の写真を全て撮らず、また飲み物も控えてお喋りに重点を置くようにしている しかし割り勘になると豹変、元を取るためお喋りそっちのけで飲食する お・と・う・し お通し(おとおし)では無いと思われるのでマカロニサラダの事と思われる お話しできないこと 知らないのに知っていると言ってしまい困っている様子、嘘の限界が来ているからこれ以上突っ込んで聞くなと警告している様子 麺屋翔に対しての質問で多用される お弁当 弁当男子目指して2006年4月17日から開始、cookpadに弁当の写真を掲載し伝説を作る 後にウォッチャーから「お弁当」ではなく「汚弁当」と名づけられてしまう ふらわ(高橋陽介)氏の開発料理ツナキャベ、う○こにしか見えないカレーなど、某大型掲示板では汚弁当写真はブラクラ扱いとなっている 思い出横丁 新宿西口商店街の中通り、あくまで線路側のやきとり横丁がしょんべん横丁だと言い張る場所、すっかり観光飲み屋街化していて激安飲食店街では無いがふらわ(高橋陽介)氏はディープで激安だと思い込んでいる ふらわ語辞典あ行 ふらわ語辞典か行 ふらわ語辞典さ行 ふらわ語辞典た行 ふらわ語辞典な行 ふらわ語辞典は行 ふらわ語辞典ま行 ふらわ語辞典や行 ふらわ語辞典ら・わ行