約 24,297 件
https://w.atwiki.jp/vana/pages/211.html
3月MVPランキング 月間MVP 長門有希 総MVP数 18 トロフィー獲得者 JIZAI(ゼピュロス) 4回 長門有希 3回 炎狐さん 2回 眩惑のねないこ 1回 〈 =ω= 〉 東方紫電 銀ギツネ DaGama JIZAI あびげいる様 mil 踏まれる快楽 たきたて
https://w.atwiki.jp/haruhi_best/pages/13.html
涼宮ハルヒ系 涼宮ハルヒの軌跡 長門有希系 長門有希の憂鬱 罪と罰※R18 SOS団系 涼宮ハルヒの覚醒 幸せの連鎖 キョン系 涼宮ハルヒの微笑 ループ・タイム※R18 もう一人の秘された神 長門ユキの牢獄※R18 TFEI、機関、その他 機械知性体たちの輪舞曲
https://w.atwiki.jp/haruhi_best/pages/34.html
涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 ループ・タイム コンピ研部室を乗っ取り、夏休みの間に行った工事でつなげて、小型のヤクザの事務所くらいに広くなったSOS団部室で、長門有希と俺は、SOS団活動方針秘密会議を開いていた。 俺はいつもの団長席で、パソコンに向かいながら、深海にひっそりと住む、静かなチョウチンアンコウのごとく、黙々と本を読んでいる長門に声をかける。 「なあ、長門、ハルヒがまたこの八月を繰り返しちまうってことはないか?」 「ない」 お気に入りの、ふかふかの椅子に深く腰掛けた長門有希は、読んでいる本から目を上げずに即答した。今日読んでいるのは、ハインラインのSF小説のようだ。有名な、猫の登場するやつである。 「現在、涼宮ハルヒの精神状態は、非常に安定している……あとは、私たちが適切なイベントを用意すればよいだけ」 そうだな。そう願いたいもんだ。 俺は、再びパソコンとの不毛な睨めっこに戻った。早いところ、この『SOS団夏休み特別行事予定表』を仕上げてしまいたい。 予定表のトップにあるのは、もちろん明日の市民プールだ。 長門が、パラとページをめくった。 ……おそらく、そのとき既に、長門は二週間後について静かに考えていた、と今にして思う。 ……………… 市民プール、夏祭り、虫取りとアルバイト、天体観測、バッティングセンター、花火大会、肝試しなどなど。夏野菜のサラダのように、盛りだくさんのSOS団の行事が、その後二週間に渡って、滞りなく行われた。 特筆すべきことはないな。 最終日には、俺の家で皆でわいわいと宿題を終わらせ、ハルヒも十二分にこの夏を満喫したようだった。 俺は、やれやれとベッドにもぐりこみ、次の瞬間には既に眠りの国に落下していた。 こうして、SOS団の夏は終わった。 長門のメッセージのように簡潔に、繰り返しもなく。 だから、ここからは、後日談になるのだろう。 やけに騒がしい蝉の声で、俺は眠りの世界から連れ戻された。 やれやれ、九月に入って、少しは奴らも大人しくなるだろうと思っていたのにな。蝉取りでキャッチ・アンド・リリースしたのが間違いだったのかも知れない。 世界の終わりに向かってわめきたてる蝉の鳴き声を聞きながら、俺はゆっくりと目を擦る。今日は、どうやら妹の目覚ましダイブはないみたいだ。ああ、今日から新学期か……。 そのときになって、ようやく、俺の寝ぼけた脳みそは、自分を取り巻く異常に気が付いた。 ここは俺の部屋じゃない。 光が朝の光じゃない。 俺が寝ているのがベッドじゃない。 ……そして、俺は一人で寝ていない。 「……んん」 横で寝ている少女が、身じろぎして寝返りをうつ。かかっていた薄い布団がずれて、その小ぶりな胸が露になった。 まじまじとそのピンクの突起物――じゃなくて、そいつの安らかな寝顔を眺めて、俺はやがて、地面を突き抜けてブラジルまで届きそうなほど、深く深く溜息を吐き出した。 OK――、落ち着こう、素数を数えろよ。 ――と、俺の携帯の着信音が、突然マンションの一室に鳴り響いた。 俺は慌てて電話をとる。電話をかけてきたのは……やっぱり涼宮ハルヒだ。 『今日、あんたヒマでしょ』 おいおい、いつかどこかで聞いたぜ、このセリフ。 『二時ジャストに駅前に全員集合だから。ちゃんと来なさいよ。……そうそう、持参物があったわ』 ハルヒはマシンガンのような早口で、俺に持ってくるべきものを告げた。 『それとあんたは自転車で来ること。それから充分なお金ね。おーばー♪』 切れた。 「……でんわ?」 長門有希が、裸のまま、目を擦りながらゆっくりと起き上がった。 『ループ・タイム番外編――エンドレス・エイト――』 「遅いわよ、キョン、有希!」 頭に、黄色いリボンつきのカチューシャをつけたハルヒが、満面の笑みを浮かべて、俺と長門に指を突きつけた。手にはビニールバッグをブンブンと振り回している。 「やあ、お久しぶりです。長門さんとご一緒に、どこかへ旅行でも行かれていたのですか?」 古泉一樹は、歯ブラシのCMに登場するような、真っ白い歯を見せて、実に爽やかに微笑んだ。その横には、手にバスケットを提げた朝比奈さんが、ニコニコと笑っている。 ちょうど、一年前、終わらない八月に見た光景そのままだ……ただ一人を除いて。 長門有希は、俺の自転車の荷台から、トンと降りると、すこし恥ずかしそうに、俺の腕に自分の腕を巻きつけた。 「それじゃあ、全員そろったから出発!そうそう、自転車で行くわよ。みくるちゃん、古泉くんに乗せてもらいなさい。有希はキョンのに乗って」 おい、ハルヒ、お前はどうするんだ?まさか、三人乗りとか……恐怖と苦痛の思い出がよみがえる。 「あたしはタクシー拾っていくわよ。だから、キョン、お金頂戴」 ハルヒはまったく悪びれることもなく手を出した。だったら団員みんなで乗って割り勘しろよ。そっちの方が安上がりだろ。 「んー、そうねえ……じゃ、古泉くん、みくるちゃん、タクシー乗りましょ」 「では、僕の知り合いに、たまたまタクシーの運転手が居ますので、そちらを……」 古泉が携帯を取り出してタクシーを呼ぶ。そんなたまたま知り合いにタクシーの運転手がいたところで、勝手に呼びつけられるのか大いに疑問だ。まあ、おそらく、新川さんあたりが運転手だろうな。 「待てよハルヒ、俺と長門はどうなるんだ?」 あら、なに言ってるのかしらこのマヌケ、といった顔で、ハルヒはこっちを見た。 「バカねえ、あたしだって、青春の一コマを邪魔するほど野暮じゃないわよ。有希、たっぷり甘えてきなさいねー」 ハルヒは、まるで内気な妹を可愛がるように、俺の腕に抱きついている長門の頭を、目を細めてなでなでする。 「ふぁ、タクシーきましたぁ……あ、新川さん」 「お久しぶりでございます、涼宮さま、朝比奈さま」 予想通り、新川さんが運転するタクシーが、ハルヒと古泉と朝比奈さんを連れ去り、俺と長門だけが呆然と後に残された。 はあ、何がどうなっているんだか……。 「……行くか?長門」 コク、と長門は頷いて、また荷台に横座りになる。俺がペダルを踏み込むと、慌ててぎゅっと腰に手をまわし、背中におでこを乗せた。 やれやれ、心躍るシチュエーションではあるのだけど。 長門が世界改変したんだろうな、たぶん。 俺はまた深い溜息を吐き出した。そう考えると、いろいろなことの辻褄があう。 たとえば、ポニーテールじゃなく、黄色いカチューシャをつけたハルヒ。この世界で、長門有希が俺の恋人だとしたら、ポニーテールのハルヒ……つまり、俺の恋人としてのハルヒは邪魔だろう、やっぱり。 ちょうど、いつかの世界改変で、ハルヒと古泉を別の学校に飛ばしてしまったように。 長門有希の望む世界、か。 俺はぼんやりと考える。 宇宙人でも、ヒューマノイド型インターフェイスでもなく、普通の人間……少しだけ無口で内気な、文学少女の長門有希。 俺の恋人で、自転車の二人乗りをすると、そっと背中に頭をつける長門。 確かに、長門有希は幸せそうだったさ……だが……。 長門、本当にこの世界が望みなのか?いままで居た世界の全てを捨てて、この世界にずっと居たいと思っているのか? 「どうしました?なにかお悩みのようですが……」 俺が顔を上げると、目の前には、古泉のいつもどおりのにやけた面があった。 「……ああ、悩ましいよ」 お前の所属している「機関」の連中は、どうしてああもネジが一本飛んでる変人ばかりなんだ? 俺は、50メートルプールをあごでしゃくる。 きわどい競泳水着で腰をくねらせ、気持ち悪いぐらいに筋肉質な新川さんがジャリを掻き分けつつ、バタフライで泳いでいた。 ……新川さん、お仕事はいいんですか? ざぱりとプールサイドに上がって、爽やかにゴーグルを外した新川さんに、俺は尋ねる。 「タクシーの運転手とは世を忍ぶ仮の姿……本当は無職でございます」 やれやれ。 ……………… プールから帰ると、例によってファミレスでハルヒの夏休み計画表を見せられ、古泉が盆踊りの会場を探しておくと宣言した。やれやれ、一年前とまったく同じ流れだ。 ……ここまで同じだと、なんだか、長門の世界改変じゃなくて、ハルヒがループを創っちまったように思えてくるな。 「じゃ、みんな、また明日ね。キョン、ちゃんと有希を送って行きなさいよ!!」 涼宮ハルヒはそういいのこすと、ひらひら手を振って駆け出した。古泉と朝比奈さんも、俺と長門に手を振って帰っていく。 後には、俺と長門と新川さんが残された。 「……人の一生は、実に儚いものです」 新川さん、その人生訓話は今度聞きますから、とりあえず帰ってください。 なんとも寂しそうに新川さんが自前のタクシーで去り、ようやく俺と長門は二人になった。 「帰るか?」 長門有希が、江戸時代のからくり人形のように、コックリと頷いた。 ……………… 「ときどき、差し入れをしてくれて、一緒にご飯を食べた……それぐらい」 朝倉涼子について何か知っていることはないか、と尋ねると、そう長門は答えた。さほど親しいって感じでもなさそうだ。 さっきあったことは、とても長門には言えないな。 俺のスペックの低い脳内に、さきほど聞いた朝倉涼子の声がエコーのように響く。 『残念だけど、あなたを殺すわけにはいかないの』 やれやれ……俺の本能的な危機回避能力は、退化の過程の中で、とっくに壊滅しているみたいだ。今にして思えば、少しぐらい勘が働いてもよさそうなもんだった。 俺は軽く溜息をつく。 こちらは、長門有希のマンションの一室である。エプロン姿の長門は、戦後の炊き出しのごとく大量に米を炊いて、ただ今、カレー作りの真っ最中だ。 ちなみに、家に、夕食を食べてくるとの旨を伝える電話をしたところ、二週間は、長門の部屋に泊まることになっているはずだと、マジな声で母親に言われた。 あんた、高校生の息子が、女の子の部屋に、二週間も泊まりこんで気にならんのか!? 『キョンくーん、有希ちゃんと、まだけっこんしないのー?』 妹の、五歳児のごとく無邪気な質問である。ああ、俺と長門の関係が、家族にはどう認知されているのか、おおよそ分かったよ。 『長門さんは、あなた宛にメッセージを残したわ……本に挟まっているはずだから、探してみたら?』 「長門……本、見せてもらってもいいか?」 「いい」 俺は、長く厳しい冬を待つ、まめなリスのごとく、長門が家に溜め込んである大量の本を、片っ端からめくっていった。 ちなみに、この世界の長門の部屋には、ちゃんとしっかりした本棚がある。文芸部室で見た本が、長門らしくきれいに整頓されて収まっていた。 やがて、一冊のSFの文庫本――ああ、これ、ハインラインの『夏への扉』か――の中ほどに、探していたものが見つかった。 長門有希特有の、きっちりとした楷書体の字が書かれた、一枚の紙。俺がそれを見ようとしたとき―― 「ごはん」 エプロンをつけた長門が、キッチンから顔を出した。俺は慌てて、ポケットに紙をしまう。 あっちの世界の長門有希からのメッセージは、飯の後でゆっくり読むことにしよう。 ……………… すこし、回想シーン。 長門をマンションに送り届け、マンションの部屋で、長門が入れてくれた熱いお茶を、一服する。 「……夕食の準備」 長門がキッチンに向かう。その背中に、俺はちょっと家に電話してくるといって、長門の家から出た。 もちろんただの口実だ。当然のことだが、家への電話ぐらい、別に長門の部屋でもできる。 俺は、まっすぐ、そいつの家に向かった。同じマンションの、505号室。 皆で市民プールに行ったときから、ずっと思っていた。 ――やっぱり、こいつがいないSOS団は、本物のSOS団に思えないんだ、俺には。 長門は、確かにこいつをSOS団から消した。だが、この世界から完全に抹消してしまうとは、俺には絶対に思えない。 だから……ここにいるはずだ。単なる、俺のクラスメイトとして。 俺は、505号室のインターホンをぐっと押しこんだ。 ……今にして思えば、地雷原にはだしで突っ込むぐらいに軽率だった。 「………」 ガチャ……一瞬の間の後、ドアが開く。 やれやれ、居たか。 「あら、キョンくん。こんばんは」 朝倉涼子がドアから笑顔を覗かせている。 「わざわざ来てくれたの?……ありがと、キョンくん」 朝倉は、にっこりと微笑む……ひょっとして、こいつは記憶を改竄されていないのか? 「実は、お前にちょっと聞きたいことがあって――」 「うん、それ、無理」 ―――!! いつか聞いたことがあるセリフに、一気に血の気が引いた。違う、やばい。こいつは、俺と一緒にこの夏を過ごした朝倉涼子じゃない。 「あら、バレたかな?じゃあ、死んで」 瞬間、朝倉が右手に隠し持ったサバイバル・ナイフが、一閃、俺に突き出された。 ……………… 「冗談よ」 トン、俺の前にお茶を出しながら、朝倉は言った。まったくつまらないし笑えないぞ、正直言って。 「残念だけど、あなたを殺すわけにはいかないの……私には、最優先コードで、あなたの生命活動の維持が命令されているから」 朝倉はお茶をすすりながら、どこかの殺人狂の奇術師のように、器用に片手でくるくるとナイフを回した。 「やっぱり、お前は統合思念体の作ったインターフェイスなのか?……というか、その自覚があるのか?」 「もちろん」 朝倉は、カタンと湯のみを置く。 「いつか言ったでしょ。私は長門さんのバックアップだって。長門さんが何らかの機能停止をしたとき、必ず緊急プログラムとして私が再構築されるの。覚えてるでしょ?長門さんが前に世界改変した時のこと」 忘れるかよ。脳に刻まれたというより、実際に体に、ぐりぐりとナイフで刻まれた記憶である。 「で、今回は、長門さんが、あなたを助けるように、予め私に命令を下したの。前回の改変で、緊急プログラムの存在に気が付いたのね、きっと。まあ、優先順位から言えば、涼宮さんの観察が上だけど」 なるほど……やれやれ。 「それで、今回の騒ぎは、一体なんなんだ?記憶を維持しているお前なら分かっているはずだろ、教えてくれ」 「うん、それ、無理」 しゅっと朝倉が手首を返すと、ナイフがいつのまにか二本になった。左手に持ち変えるときにそれは三本に分裂し、朝倉は、涼やかな顔で、ナイフで、ポンポンと危険きわまりないジャグリングを始める。 「それも命令で規制されているわ。個別のインターフェイスは同期しないから、そもそも長門さんの考えの全部が分かるわけでもないしね」 長門、一体、俺に何を隠しているんだ……?また分からないことが増えちまった。 「ねえ、キョンくん」 ぱし、ぱし、ぱし、と落ちてくるナイフを受け止めた朝倉が、俺の顔を覗きこんだ。 「あたしのこと、怖くないの?」 「怖い」 0.5秒で俺は即答した。サバイバル・ナイフを持ってるんだ、怖いに決まってんだろ、ファイナル・アンサー。 「そうじゃなくて。今、あなたは、私もSOS団のメンバーにしているでしょ?なんでそんなことができるのかな?自分の命を狙った相手じゃない」 「……さあな。有機生命体は、けっこう意味不明な行動ができるんだよ」 朝倉涼子は、ふと、やけに真剣な表情になって、興味ある研究対象を見つけた科学者のように、まじまじと俺を見つめる。やがて、ふうと息を吐いた。 「前に、有機生命体の、死の概念がよく分からないって言ったよね?」 ああ。そういえば、いつかそんなこと言ってたな。 「最近、なんとなく分かるの」 「………」 「あたしの中にメモリがあるのよ……あたしが、キョンくんや涼宮さんたちと一緒に、不思議なことを探したり、野球大会に出たり、孤島に合宿に行ったりね。そんなメモリと、認識にバイアスをかけるエラーが、一緒になってるの」 記憶と感情……と、一般的な有機生命体なら呼ぶだろうな。 「それが全部、消滅しちゃうこと……それが有機生命体にとっての、死なんじゃないかしら?そんな風に思うのよ……ときどき恐怖さえ感じたわ。お笑いぐさだけど」 朝倉涼子はすっと立ち上がった。 「そうそう、最後に……長門さんからのメッセージがあるわ。彼女の部屋にある本の一冊に挟まっているから、頑張って探してね」 「……分かった」 「長門さんに優しくしてあげて。彼女、そのためにこの世界にきたんでしょう?」 ああ……たぶんな。 俺はお茶の礼を言って、朝倉涼子の家を出た。 ドアから出るとき、唐突に朝倉が、俺の腕をぐっと掴んだ。そのまま俺を引き寄せ、軽くキスをする。 「……なんのつもりだ?」 「有機生命体の、恋の概念が、まだよく分からないの……SOS団にいる私は、あなたに恋していたはずなんだけど」 やっぱり今の私には分からないな、と言って、朝倉涼子はドアを閉めた。 ……回想終わり。 …………… 長門特製のカレー(といっても、もちろんレトルトだが)を腹いっぱい食べ、長門が食器を洗っている間に、俺はあっちの世界の長門有希が送ってきたメッセージを取り出して読んだ。 ――どういうことだ……? きっちりとした長門の楷書体の文章。俺に安心しろと繰り返す内容。だが…… さっきからいやないやな予感が、頭の中を時速120キロで掠めているのが、どうしても止まらない。 エプロンをつけて、食器を洗っている長門有希の背中を眺める。心なしか、いつもより、その後姿は小さく見えた。 『 何も心配しないで欲しい。あなたに危害はないから。あなたに全てを説明できないことを謝りたい。 今回は、緊急脱出プログラムは存在しない。でも、あなたは元の世界に戻ることができる。平気。 できれば――そこにいる私に、やさしくしてあげて。その私は、何も知らないから。 二週間で全て終わる 長門有希 』 食器を洗い終わった長門有希が、頬を染めながら、うつむきがちに、俺と一緒に風呂に入りたいと言った。なんだか、呆然としたまま、俺は頷く。 長門は、恥ずかしそうに服を脱いだ。ごしごしと俺の背中を流すと、これまた恥ずかしそうに俺に体を洗わせて、一緒に、二人だと体が密着してしまう、やや窮屈な風呂につかった。 『二週間で全て終わる』 長門のメッセージの最後には、簡潔に、ただその一言だけが書かれていた。 長門――何が終わるんだ? なぜ、自分の記憶を消した? 長門、頼むから教えてほしい。何がお前に起きた?何がお前に起きようとしている? ……統合思念体は、あと二週間で、お前を処分しようとしているのか? ……………… 「……んっ……んっ……ああっ……」 俺の上に跨った長門有希は、今にも泣き出しそうな、切ない喘ぎ声を上げた。細くて雪のように白い華奢な体が、布団に横たわった俺の上で、激しく腰を動かす。 長門が達する瞬間、俺は長門の体を強く強く抱きしめていた。長門が、体を激しく震わせ、ひときわ大きく喘いだ。 「……んああああっ!」 長門は、ビクビクと、俺の腕の中で、快感に悶えている。 やがて、俺が抱きしめているうちに、長門はすうすうと寝息を立てて、寝てしまった。そっと体を離し、裸の長門に布団をかける。 ゴムを棄て、ぼんやりとした頭でシャワーを浴びる。もともと空っぽの頭の中が、さらに空っぽになってしまったみたいで、上手くものが考えられなかった。 ふと、部屋にあるドアの、どれか一つが、夏に通じてると信じて、『夏への扉』を捜し求める猫のことが頭に浮かんだ。 長門……お前は夏への扉を見つけ……俺を一緒に連れてきたのか? 翌朝、完全に睡眠不足の俺をハンマーの一撃のように叩き起こしたのは、例によってハルヒからの呼び出しの電話だった。皆で浴衣を買いに行くと言う。 ああ、そういえば、一年前も、浴衣を買いに行った。そして、夏祭りでは縁日を巡ったはずだ。 低血圧なのか、寝ぼけ眼の長門を起こし、急いで服を着せ、また駅まで二人乗りの自転車で向かう。 『長門さんに優しくしてあげて』 ……言われるまでもないさ、朝倉。 決して認めたくはないが、もしかしたら、この二週間が長門有希と過ごす最期になるのかもしれないんだ。 『彼女……そのためにこの世界に来たんでしょう?』 そうだ、おそらく……俺とこうして過ごすために。 ちょん、ちょんと、長門が俺の服を引っ張った。 「……へんじゃ、ない?」 幾何学模様の浴衣姿に着替えた長門有希は、頬を少し染めて俺をじっと見上げていた。 「……よく似合ってるよ」 「こーら、このアホキョン!有希にちゃんと可愛いって言ってやりなさい!!」 パカーンとハルヒに頭を叩かれ、ようやく、俺はその言葉をごにょごにょと呟いた。もちろん、俺だって初めから可愛いと思っていたさ……ただ……ええい、ちょっと照れたんだよ、悪いか。 クス、と長門有希が微笑む。 ……………… 盆踊りの会場では縁日がセットになっていて、俺は長門有希と腕を組んで縁日を回ることになった。 「長門、なにか食べたいか?」 「……わたあめ」 よしよし。俺が綿アメを買って、長門有希に差し出すと、長門は、割り箸を手で受け取らずに、そのままそっと綿アメに口をつけた。 「いやあ、甘いですねえ、実に……いえ、綿アメが、ですよ」 古泉、あとでお前のケツにロケット花火をさしてやるよ。泣いて喜べ。 ハルヒや朝比奈さんにも、目いっぱいからかわれ、ひやかされながら、俺は、長門有希が食べ終わるまで、じっと綿アメを持っていた。 「……つぎは……りんごあめ」 やれやれ。 「ふふーん、ホント、甘いわねぇ、あら、りんごあめが、よ」 「ふえ、甘いですぅ……、あっ、いえ、その、りんごあめのことです」 「いやいや、実に甘いですねえ、ええ……おやおや、もちろん、りんごあめのことですよ?」 お前ら……覚えてろよ。 「つぎは、みずあめ……」 「………」 ……………… 夜……ハルヒの「せっかくだから」の一言に、俺たちは、自宅で爆弾を作る危ない中学生のように、安物の花火を大量に買いこんだ。 ハルヒが俺に向けてロケット花火を打ちまくり、逃げ惑う俺。あぶねーよ。あ、古泉の尻に刺さった。実にいい気味だ、ざまあみろ。 一方、朝比奈さんと長門は、線香花火を楽しんでいる。目を丸くする朝比奈さんと、じっと火花を見つめる長門有希。 線香花火が、はじめは威勢良くパチパチと火花を放ち、やがて、小さなオレンジの玉になって、ジジジ……と微かに震え、やがて、ポトリと地面におちる。 「……落ちちゃった……」 どこか、さびしげな、諦めたような口調で、ポソッと呟く長門に、なんだか、俺は腹の底の方が、すうっと冷たくなったような気がした。 長門の姿が、まるで線香花火のように、儚いものに見えたから。 『……人の一生は、夢のように儚いものです』 ……まさか、な。頭をぶんぶんと振って、新川さんの人生訓話を打ち払う。 夏祭りの夜は、そうしてゆっくりと更けていった。 ……とまあ、だいたいがこんな調子で、夏休み最後の二週間は、あっという間に過ぎていった。 虫取りでは、怖くて蝉が触れずに、長門は半べそをかいていたし、長門の住んでいるマンションの屋上で行った天体観測では、疲れていたのか、すぐに寝息を立てていた。 アルバイトでは、なぜかバニーガールの衣装で客引き、ハルヒの一存で、バイト代は長門のウサギさん衣装に化けちまった。真っ白な有希ウサギが、絶対的に可愛いからすべて許そう。 昼間はSOS団の活動で長門有希と一緒だった。 夜には長門と一緒に飯を食べた。ただし、途中から基本的に料理担当は俺に代わったがな。カレーだけ食っていると、肌がミカンみたいに黄色くなりそうだ。 夜は二人で抱き合って眠る。そんな繰り返しがずっと続いていた。 ……だが、こんな日々がいつまでも続くはずがない。 終わりは、刻一刻と迫っていた。 八月三十一日。 全国の小中学生が宿題に追われる夏休み最後の一日だ。ちなみに、昨晩、肝試しを終えたハルヒが、「明日は予備日ね」と宣言していたので、SOS団の活動はない。宿題なんてものをする気もさらさらない。 ひょっとしたら、俺と、「この世界の長門有希」の過ごす、最後の一日になるかもしれないからな。 「長門」 俺は、あいかわらず裸で寝ていた長門に声をかける。 「……天気もいいし、どこか出かけないか?どこがいい?どこに行きたい?」 長門は、マージャンの勝負どころで何を切るか悩むように、しばらく、切ったら血が出そうなほど真剣に考え込んでいたが、やがて、きっぱりと言った。 「図書館」 ……そう言うと思ってたよ、実のところ。 ……………… 長門と自転車で二人乗りしながら、市立図書館に向かう。 「長門……お前に言っておきたいことがあるんだ」 「なに?」 「この二週間、お前と一緒に居られて楽しかった。本当に楽しかったんだ……きっと、絶対に忘れることができない夏になると思う……長門、お前のことが――」 ガタッ 「おっと」 ちょっとした道路の段差で、自転車がガタンと揺れた。長門は、慌ててぎゅっと俺の体に回した腕に力を込める。 「…………」 なんだか、タイミングを外しちまって、言いにくくなったな。貝のように黙り込む俺に、後ろから抱きついている長門有希が、そっと呟いた。 「あなたが……だいすき」 やれやれ、ひよっている間に、先に言われちまった。 「……着いたよ」 俺は自転車を止めた。 ……………… ソファーに座って、長門のメッセージが入っていた、ハインラインの小説を読む俺。さすがにちょっと時代がかっていてアナクロだが……嫌いじゃないな、こういう話も。 長門有希は、俺の隣で、そっと俺の肩に頭を乗せて、これまた古いSFを読んでいる。金色の目で、色の浅黒い火星人の出てくるお話。もっとも、それを読んでいる宇宙人の肌は、雪のように真っ白だが。 「今読んでいるのは、どんな話なんだ?」 「火星に一人取り残された男が……死んだ妻と子供たちにそっくりの自動人形を作る話……」 「…………」 長門が、真剣な表情で読んでいるその話の最後は、果たしてハッピーエンドなのだろうか? それとも……。 そんなことを考えているうちに、ふと頭に浮かんできた 火星に、たったひとりだけ、ぽつんと残された、長門有希の寂しそうな姿。 どこにもつながっていない電話を取り上げて、誰も出るはずがないと分かっていながら、ダイヤルをゆっくりと回す長門。 ひとりで、暖炉の前に置いた椅子に腰掛けて、なんどもなんども読んだ本を、また読み返しながら、決して聞こえるはずのないノックの音に、じっと耳を澄ます。 こつん、と音がして、あわててドアを開けると、風に飛ばされた小石がひとつ、ドアを叩いた音だった……。 長門は、それでも、しばらくの間あたりを丹念に見回し、居るはずのない来訪者を探す。お茶の用意さえできている。あとは、客が来るだけなのに。 やがて、長門有希は諦める。そっと静かにドアを閉め、また集中できない読書に戻るだろう。今度は、ぴったりとドアに鍵をかけて……。 やめろ。 そんなのは寂しすぎる。 俺はゆっくりと頭を振って、想像を打ち消した。 ……だが、北高に入学して、俺たちに出会うまでは、きっと長門はそんな生活をしていたんだろう。 たった一人で、静かに本を読みながら。 ……………… 「帰ろうか」 「うん」 自転車を漕ぎ出すと、空は見事な夕焼けだった。雲が夕日に照らし出されて、燃えるように真っ赤に染まっている。 「……きれい」 俺も息をのんだ。こんなに見事な夕焼けを見たのは、一体いつ以来だろう? 長門のマンションに向かう間に、それは赤紫を経て、だんだん濃紺に近づいていく。そして、雲の隙間に、最初の星の光が瞬く。 この夏の、最後の日の光だった。ゆっくりとそれは建物の群れに遮られ、やがて、ふっと消えた。 ……………… 久々に、長門にお願いして、特性のカレーを振舞ってもらった。腕まくりして作った、長門有希渾身の――レトルトカレーである、もちろん。 当然茹でるだけのレトルトであるため、長門の気合は、カレーにではなく、空中で三回転半して、キャベツの千切りとご飯の圧倒的な量となって着地した。十点満点、二人で食えるかよ、この量。 ふと、あることを思いついた。思い付きを長門に話すと、長門もコックリと頷いて賛同してくれた。 「もしもし……ああ、もう、夕飯食ったか?……よかったら、長門の作ったカレー食べないか?……あと、ナイフは持ってくんな」 『もう。持っていかないわよ、そんなの!』 十分後、にこにこと笑う朝倉涼子が現れた。手に持っているのは、大型のサバイバルナイフ……ではない。よかった。 「食後にたべようと思って……夏だもの、ね」 実に見事な、大玉のスイカだ。 三人の夕食……考えて見れば、変なメンバーだ。宇宙人が二人と、地球人がひとり……暗殺者とそのターゲットとターゲットの命を守った少女が、仲良くテーブルを囲んでカレーを食べている。 だが、こんな非日常的な日常こそ、俺が求めたものじゃないか?……かつて、長門有希の作ったあの世界で、Enterキーを押し込んだ時に。 だから、自信を持っていえるのさ……本当に、本当に楽しい夕食だった。 夕食が済んでスイカを食べると、朝倉涼子は帰っていった。 玄関先まで送った俺に、朝倉涼子は、それまでの笑顔から、ふと真顔になる。 「今日の終わりに、何が起こるか分からないけど……ちゃんと、最後まで、長門さんの側にいてあげてね」 分かってるさ。 「じゃあね、キョンくん……また会えるといいわね」 ああ、さよなら、朝倉涼子。 ………………… 一緒に風呂を浴びた俺と長門は、ぼんやりと二人で麦茶を飲んでいたが、やがて、長門が、顔を赤くして、立ち上がった。 「……いこ」 ああ。俺は、長門の頭をクシャクシャと撫でる。長門有希はくすぐったそうに俯いている。 「よっと」 軽い長門を、お姫様だっこで抱えあげた。 「……な、なに……?」 とっさのことに、長門はわたわたと慌てていたが、やがて、俺の首に手をまわすと、恥ずかしそうにキスをした。 ………………… 布団の中では、普段の控えめさと代わって、長門有希は非常に積極的だった。 服を脱いで、俺の上に跨ると、艶かしく腰をくねらせ始める。白い胸板に膨らむ二つの控えめな胸が、それでも生き物のように揺れ動いた。 「……ふっ……はっ……あ……」 長門はしだいに汗を浮かべ、ぎゅっと俺の胸に自分の胸を合わせた。薄い胸を俺に押し付けながら、俺の唇を求め、その間中、腰を動かすスピードを少し上げる。 「ちゅっ……ちゅく……んふ……」 ぷは、と唇を離し、泣き出しそうなほどに潤んだ瞳で、長門有希はじっと俺を見つめた。 「……いまだけ、キョン、と呼んでもいい?」 ああ。好きなように呼んでくれ、長門。 「……私のことは、有希、と呼んで欲しい……」 「有希。俺のことは、お前の好きな呼び方で呼べばいいさ」 長門は、クリスマスプレゼントを貰った子供のように、嬉しそうにニッコリと笑うと、コクリと頷いた。 さらに、くねらせる長門の腰の動きが速くなり、比重の重い液体が、ゆっくりと俺の下半身に溜まっていくような感覚がしてくる。 「キョン……あなたのが、深く……深く私の中に入っている……とても……」 大丈夫か……痛くないか、有希? 「……平気……とても……幸せ」 俺の腰に溜まっていく液体は、次第に溢れ、こぼれそうになってくる。どうも、そろそろガマンがきかなくなりそうだな。発射の感覚が、引き伸ばされた向こうに待っている。 「そろそろ……いきそうだ」 「……いい……きて……あくっ……あううっ……あはあっ!……」 「有希、大好きだ……」 「うん……私も……あん、ああ、ああっ……!!」 長門がもらす切ない声に、俺の我慢の堤防は完全に決壊した。 「あんっ!……んああああああっ!!」 長門がひときわ大きな声で、泣き出すような喘ぎ声を漏らし、同時に頂点に達した俺は、長門の中に自分を解き放った。ビクビクと長門の腰が震え、きつく俺の息子を締め上げる。 「……はぁ……はぁ……」 ポト、と俺の胸に倒れこんだ長門有希は、本当に嬉しそうな……満足した表情を浮かべて、俺にやさしく微笑んだ。 「……あなたのことが……だいすき――」 ――その瞬間だった。 「……長門?」 突然、長門は、まるで、パチンとスイッチを切られた、電気仕掛けの人形のように、そのまま動かなくなった。 「おい、長門……」 まさか、まさか、まさか……。 「おい、嘘だろ、長門、長門!!」 汗が吹き出る。俺はガクガクと長門を揺さぶった。だが、長門は、突然に魂の消えてしまった人形のように、身じろぎ一つしなかった。 「長門!!!」 俺の携帯電話が鳴る。一体誰からだ――? 『朝倉涼子』の表示が目に飛び込む。 「おい、朝倉、長門が動かなくなって――助けてくれ!!頼む!!」 『……うん、それ、無理。私の情報連結が解除され始めたわ……聞こえにくい?手がなくなるから、机に携帯を置いて話しているの』 ……情報連結の解除……朝倉が?……嘘だろ? 『このまま消えちゃうとしたら、すこし怖いな……また復元されると思うんだけど、ちょっと自信ないの。けっこう独断専行しちゃったからなあ。 もし、長門さんが起きたら、カレー、ありがとうって伝えてね……なんとなく、最期にキョンくんの声が聞きたくなったから』 「おい、待てよ、朝倉!!」 『そのまま喋ってて……口が消えても、耳は残ってると思うから……ねえ、これが死なの?』 朝倉の疑問に答えられない。 「いいか、絶対お前は消させたりしない。ハルヒをたきつけてでも何でも、統合思念体を脅してでも、お前は死なせないから――」 『ありがとう……そうだ。ねえ、キョンくん、私、恋って何か分かった気が――』 朝倉の言葉は、そこでぷっつりと途切れた。 「朝倉!!おい、聞こえるか、朝倉っ!!」 それっきり、携帯電話からは、何も聞こえてこない。俺は片手に死んだ携帯をもち、片手に動かない長門を抱えていた。 長門有希は動かない。 ……どれだけ経っただろう?ずいぶん時間が経ったように思ったが、あるいは、たいした時間じゃなかったかもしれない。 ガラ、と後ろで、ふすまが開く音がした。あんなところにふすまがあったか? 「心配しなくていい。現在、凍結した記憶の解凍プログラムを実行しているだけ。じき、目覚める」 ……一体、何がどうなっている? 俺の後ろに立っているのは、紛れもなく、長門有希だった。セーラー服を着て、俺を見下ろしている。 長門は……世界改変をして、自分を二人創ったのか? 「違う」 じっと立ったまま、長門有希は答える。 「そこにいる私は、そもそも世界改変をしていない」 ………………… セーラー服姿の長門有希の説明に、俺は唖然とした。なんだ、そりゃあ。 「なんで、長門はそんなめんどくさいことをした?」 「あなたの恋人として、この夏を過ごしたかった……と推測される。同期は行っていないが、間違いなく、そう」 なぜ、そう思う? セーラー服を着た長門有希は、なんだかひどく無機質に感じる、無表情な目で、俺の目を見つめた。 「私が、今そう感じているから」 ……そうか。俺は、くしゃっと長門有希のくせっけを撫でた。長門はくすぐったそうに目を閉じる。 プールに一滴だけインクをたらしたように、淡い、感情のような何かが、長門の顔にさっと広がり、消えた。 「未来でまた会おうな……すこし待たせるかも知れないけれど」 「いい。時間は問題ではない……そろそろ完了する」 布団に寝ている、裸の長門が、ゆっくりと目を開く。 俺は、長門の顔を覗きこんだ。 長門有希はわずかに微笑んで、俺を見た。ああ、二週間ぶりに会う長門だ……間違いない。 「帰るか」 「……うん」 長門有希は、こっくりと頷いた。 ……………… 簡単に言えば、俺と長門は二人で時間遡行した、ということになる。それも、ハルヒがループを起こした、一年前の八月に。 『ここは、3124回目のシークエンス』 もちろん、その時間平面には、その時間の俺と長門がいる。この時間の長門は二週間待機、俺はその隣で、冷凍マグロのごとく、時間凍結されていたってわけだ。 情報操作されて、あることさえ気がつかなかった、開かずの部屋の中に寝ていた、ピクリとも動かない自分の姿を見たときは、ぞっとしたよ、まったく。 『なんだってそんなややこしいことを……』 俺はセーラー服の長門有希に聞いた。 『世界改変は、未来に非常に大きな影響を及ぼす。彼女は、それを回避しようとした』 それはなんとなくだが分かる気がする。前に長門が世界改変したとき、俺と朝比奈さん(大)がしゃかりきになって働く羽目になった。 『この二週間の間ならば、なにが起ころうとも、必ず、涼宮ハルヒの能力によってリセットされる。未来に影響はない。 彼女は、あなたと時間遡行し、周囲の人間の記憶に情報操作を行ったのち、自らも擬似記憶を作成、自分の本来の記憶は二週間の期限を設定して凍結した――』 ややこしすぎるぞ。 『あなたの、元の時間平面には、ちゃんと消えずに朝倉涼子も居る。安心して』 ……よかった。なによりだ……。 元の時間平面に戻ってきた俺と長門は、長門のマンションを出て、俺の家に向かって歩いていた。九月一日には、俺は自分のベッドで目覚めるはずだからな。 長門有希は、送っていくと言い張り、二人で、しんと静まり返った街をゆっくりと歩く。 「いくつか、聞いていいか?」 「……なに?」 街灯に照らされた長門の白い横顔が、こっちを向く。 「なんで、自分の記憶を消して、偽の記憶を入れるとか、手間のかかることをした?お前、それに合わせて、SOS団メンバーの記憶もいじっただろ」 さも当然のことのように、俺と長門は恋人になっていたからな。その上、長門は宇宙人でなく、普通の人間だった。 「一つは――私が、この私のままでは、あなたは恋人の振りをしてくれなかったと思うから。でも、あなたの記憶だけは、改変したくなかった」 もう一つは? 「宇宙人ではなく、普通の人間として、あなたと恋がしてみたかった――ただ、それだけ」 「…………」 俺は長門のくせっ毛を、くしゃくしゃと撫でた。 やれやれ、言いたいことは、なかなか言いたいときに出てこないものだな、まったくもっていまいましい。 「……それで、楽しかったか?」 「……うん」 長門有希は、顔を赤くして頷いた。 「二週間、ずっとあなたと一緒だった。あなたと一緒にご飯を食べた。あなたと沢山肌を触れ合わせた。沢山あなたの声を聞いた。沢山あなたとキスをした。沢山あなたとSEXした」 まあ、確かに。だが、それをそのまんま言うのは勘弁してくれ、こっちも赤面する。 「とても――素敵な、体験だった」 そう言って微笑んでいた長門は、ふと、心配そうな顔になって俺の顔を覗き込む。 「あなたは……怒っていない?急に、過去に連れて行かれて……」 「……いいや」 まあ、ちょっとはびっくりしたさ。いきなり何が起きたやら分からなかったからな。だが―― 「俺も楽しかった。もう一度行きたいぐらいだ……ありがとな、長門」 長門は、照れたように、俺の腕をぎゅっと掴んで、立ち止まった。 「目を、閉じて……」 俺は、少し戸惑いながらも、長門に言われた通りに目を閉じた。つまりまあ、キス――をされると思ったのさ。 はっきり言おう、一生の不覚だった。 なんだかいやな感覚が、すうっと体を通り抜ける。吐き気がこみ上げるこの感覚は……おいおい、時間酔い? まさか、まさか、まさか……。 目を開けると、ああ、昼間だ。長門のマンションの天井が見える。俺は布団に寝ていた。 「……ん……」 隣で寝返りをうつ、裸の長門有希。 ちくしょう、長門め、また過去につれてきやがった。 がら、とふすまを開けて、セーラー服の長門有希が入ってきた。 「……これは、3125回目のシークエンス。彼女が再び記憶を取り戻すのは、今から二週間後……頑張って」 それだけ淡々と言うと、長門は無慈悲にもパタンとふすまの向こうに消えた。 「おい、たのむ、長門、待ってくれ――」 と俺が叫ぶのも空しく、けたたましく俺の携帯が鳴りはじめる。 『今日、あんたヒマでしょ』 俺に構わず、早口で喋りまくるハルヒ。俺はなんとか途中でハルヒの早口を遮って、もうひとり追加で、市民プールに連れて行く、とハルヒに言った。 『え、でも、カナダに引越ししたんでしょ?』 夏休みの旅行かなんかで、二週間ばかし、こっちに戻っているんだ。そういうことにしておいてくれ。 電話を切る。 ……俺は溜息をついた。 やれやれ、まだまだ俺の夏休みは続きそうだ。長門有希と一緒の、長い長い休暇――。 終わらない八月――エンドレス・エイトが。 ……ちなみに、その後、何回、俺が長門によってこの八月に連れてこられたかは、ご想像にお任せする。 さて、朝倉涼子に電話するか。二時に、プールの道具をもって駅前に集合だ、と。まさかとは思うが、ナイフは持ってこないようにと、一応、釘を刺しておこう。 やがて、長門有希が、布団から裸の体をゆっくりと起こして、ごしごしと目をこする。 「……でんわ?」 おしまい 涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 ループ・タイム
https://w.atwiki.jp/josocodotp/pages/53.html
演奏者基本情報 名前:REINA 通称:有希ちゃん 使用楽器:ギター よく使われるタグ: 作品、演奏の傾向、特徴 セッション中のコメントを受けて、ソロ演奏では長門有希キャラと同系統の白のSG(not Gibson)を使用するようになった。 女装の傾向、特徴 ハルヒ県立北高校制服+黒ニーソ+黒マント 「SOS団がなぜか経験値上昇中☆を弾いてみた!」ではリボン紛失したようで、この動画のみ黒のリボンタイを使用している。 公開動画 公開マイリスト 【ニコニコ動画】演奏してみた。 水樹奈々さんの「Pray」を弾いてみた。 ?でわっしょい を弾いてみた 関連動画(セッション等) SOS団がなぜか経験値上昇中☆を弾いてみた! 勢いでシャナと長門がJOINTセッションしてみた! 関連リンク
https://w.atwiki.jp/koebu_wiki/pages/306.html
K …こえ部を O …大いに盛り上げるための S …涼宮ハルヒの 団 台詞や歌でコラボする予定 団長 :涼宮ハルヒ miki 涼宮ハルヒの他にこなた・神楽の声真似をする 団員からみっきーと呼ばれているらしい 団長なのにドMキャラ 団員その1 :キョン はてん キョンの他に銀さんなど銀魂キャラの声真似をする ビビリンの称号が与えられている 団員その2 :長門有希 和泉恋 長門有希の他に鶴屋さんの声真似をする 団員からはいずみんと呼ばれている 天然で本よりホラー系が好き 団員その3(書記・副々団長) :朝比奈みくる 星雫 朝比奈みくるの他に涼宮ハルヒ・長門有希・朝倉涼子・キョン妹の声真似をする みくる担当だがドS 副団長(団員その4) :古泉一樹 変タイム(旧:古泉 時) 古泉のほかにもキョンの声真似をする 運動神経がよくイケメン!!…でも変態 ↓KOS団ページ http //koebu.com/user/kos005 ↓KOS団を大いに盛り上げるためのカオスなサークル http //koebu.com/circle/6919 KOS団が作成しているサークル
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2210.html
とある2月14日の断片 蚊帳の外と内。 組織と個人と立ち位置。 愛情と友情。 敵と味方。 策略と対立と協調。 守りたいものと必要な犠牲。 未知と既知。 不確かな未来と不確かな過去。 それでも、確かな決意。 ・ ・ ・ ・ ・ キョンは、勤務先から自宅に帰る途中、長門有希に会った。 (キョン)「よぉ、長門。久しぶりだな」 (長門有希)「久しぶり」 長門有希は、包装された小箱を差し出した。 (長門有希)「これ」 (キョン)「なんだ、これは?」 (長門有希)「今日は2月14日」 (キョン)「ああ、そうか。そうだな……」 キョンはいささか複雑な表情でそう答えた。 小箱の中身は、チョコレートなのだろう。 (長門有希)「お返しはいらない」 (キョン)「そういわけにもいかんだろ。こういうのは、形だけでも……」 (長門有希)「あなたは、妻である涼宮ハルヒを尊重すべき」 (キョン)「いや、確かにそうだけどな……」 長門有希は、キョンの反論を聞かずに立ち去ろうとして、ふと立ち止まった。 しかし、それは一瞬のことで、足早に去っていった。 彼女は、彼に警告を告げようとして止めたのだった。 彼を不安にはさせたくなかったから。 キョンが自宅に帰ると、涼宮ハルヒが待ち構えていた。 キョンはなんとなく後ろめたい気がして、小箱を後ろに隠す。 (涼宮ハルヒ)「隠さなくてもいいわよ。有希にもらったんでしょ? さっきまでそのことについて話してたのよ」 (キョン)「そうか……」 (涼宮ハルヒ)「有希、なんていってた?」 (キョン)「お返しはいらないとさ」 (涼宮ハルヒ)「そう……やっぱり、有希は今でもあんたのことが好きなのね……」 長門有希は、それが本命チョコだからこそ、お返しの拒否をはっきりと宣言したのだった。 もう彼は妻がいる身であるから。 川沿いの桜並木。 朝比奈みくるがベンチに座っていると、見慣れた姿の人物が近づいてきた。 (古泉一樹)「今日はどんな任務でこちらへ?」 古泉一樹が単刀直入にたずねる。 朝比奈みくるは、微笑んだ。見る者すべてを恋に落としそうな微笑。 それは、彼女の組織における彼女の評判を彷彿とさせるものだった。 朝比奈みくるの時間工作員としての唯一の欠点は、女性としての魅力がありすぎること。 (朝比奈みくる)「ただの散歩ですよ」 (古泉一樹)「時空を超えた散歩とは、剛毅ですね」 古泉一樹は、朝比奈みくるの言葉などまるっきり信じていないような口調で、そう言い放った。 朝比奈みくるは、時間工作任務でここに来ている。 今も、現代の技術では傍受不可能な通信手段を用いて、部下たちを指揮統制しているに違いないのであった。 (朝比奈みくる)「バレンタインデーもまもなく終わろうというのに、古泉君はお仕事ですか?」 (古泉一樹)「ええ。あなたがたのせいでね。時間工作活動が行なわれているとなれば、『機関』も対抗措置をとらなければなりませんから」 「機関」はあからさまに朝比奈みくるの未来組織を敵視していた。未来の操り人形になるのはごめんだという極めて自然な感情の発露として。 しかし、未来組織にとっては、「機関」も工作対象の一つでしかなく、敵対しているつもりなどまるでない。 未来組織のそういう態度が「機関」をますますいらだたせているというのが現状だった。 古泉一樹は何とか口を割らせようといろいろと誘導尋問を試みるが、朝比奈みくるが口をすべらすことはなかった。 この間にも、森園生が「機関」の人員を動員して、時間工作員たちの動きを探り出そうとしているはずだ。 すべては後手後手なのだが、主導権が未来組織側にある以上、いかんともしがたいところがあった。 (朝比奈みくる)「古泉君は、今年はチョコレートをもらえる当てはあるんですか?」 (古泉一樹)「ないですね」 (朝比奈みくる)「森さんとは全然進展してないんですか? 古泉君も案外奥手なんですね」 古泉一樹は、涼宮ハルヒへの恋が破れて以降、いささか慎重になりすぎる傾向がないではなかった。 そして、森園生は、生粋の「機関」員であり、恋愛については最初からあきらめているようなところがあった。 朝比奈みくるは、二人の仲に干渉する必要性について検討すべきだろうかと思い始めていた。 将来「機関」総帥となる女性に夫がいる場合といない場合とで、規定事項にどのような影響があるのか、一度はシミュレーションしてみる必要があるように思われた。 (古泉一樹)「僕が奥手なのは否定はしませんが、相手も手ごわいんでね。僕と彼女との関係が、規定事項に何かかかわりでも?」 (朝比奈みくる)「私は、友人のことを心配していっているんですよ。そういう言い方をするなんて、古泉君も随分とひねくれちゃったんじゃないですか?」 (古泉一樹)「ひねくれた性格は元からです。あなたみたいな人を相手にしてると、ますます磨きがかかってしまいましてね。それに、ひねくれたといえば、あなたの方がより顕著だと思いますが。あのころの純真なあなたはどこに行ってしまわれたのか」 皮肉の利いた物言いに対しても、朝比奈みくるの微笑は崩れない。 (朝比奈みくる)「時間移動を繰り返すうちに、時空の狭間にでも飛んでいってしまったのでしょう」 それは皮肉ではなく、紛れもない本音だった。朝比奈みくるは、時間工作の経験をつむたびに、自分が汚れていくのを自覚していた。 それでも、それをやめないのは、そこまでしてでも守りたいものがあるから。 (古泉一樹)「ところで、朝比奈さんこそ、チョコレートを贈るお相手はいらっしゃらないのですか?」 (朝比奈みくる)「今回の任務が終わったら、部下たちにはふるまうつもりではおりますよ。日ごろから苦労をかけてますからね」 (古泉一樹)「本命はなしですか」 (朝比奈みくる)「そうね。初恋の終わりとともに、もうそういうことには興味がもてなくなっちゃったわ」 (古泉一樹)「そうですか。長門さんといい、あなたといい、『彼』も罪な人だ」 しばし、沈黙。 (古泉一樹)「ああ、そうだ。忘れるところでしたが、今回の件とは別件で、あなたに確認したいことがあるんですよ」 (朝比奈みくる)「何でしょうか?」 (古泉一樹)「ご存知でしょうが、涼宮さんは現在妊娠中でしてね。まあ、それ自体はおめでたいことなのですが、妊娠中というのは精神状態が不安定になりやすいです。 この機会に敵対勢力が干渉してくる可能性について、あなたがたの組織はどう見ているのかを確認したいのですよ。未知の敵が現れないとも限りませんし」 (朝比奈みくる)「涼宮さんの妊娠期間中の時間帯については、監視体制を強化中です。今のところ、特に敵対勢力の干渉行為は観測されてません」 (古泉一樹)「そうですか。ならば、一安心ですね。僕も警戒態勢はとっているのですが、未来からの干渉は厄介ですから」 (朝比奈みくる)「何かあれば、古泉君と長門さんにもお知らせしますよ」 「そうしてもらえるとありがたい」 突然降り注いだ声に、二人は思わずそちらを向いた。 そこには、長門有希がいた。少なくてもそれまでは気配が全くなかった。忽然と現れたとしかいいようがない。 (朝比奈みくる)「長門さん。お久しぶりですね。涼宮さんたちのところにいたのではなかったのですか?」 (長門有希)「空間移動を使用した。今の私には申請なしで空間移動を自由に使えるだけの権限が与えられている」 (朝比奈みくる)「涼宮さんたちのところから離れてもいいですか?」 (長門有希)「涼宮ハルヒ及び『彼』の周囲には、常に複数のインターフェースを配置して警戒に当たらせている。問題はない」 (朝比奈みくる)「そうですか」 (長門有希)「あなたにひとつ確認したいことがある」 (朝比奈みくる)「何でしょうか?」 (長門有希)「あなたの部下たちがさきほど殺害した人間たちの素性について知りたい」 朝比奈みくるは、苦笑を浮かべた。 (朝比奈みくる)「『機関』の方はうまくかわしたと思ったんですけどね。長門さんの目はごまかせませんでしたか」 (古泉一樹)「どういうことです?」 古泉一樹が怪訝そうな顔で、そう尋ねる。 (朝比奈みくる)「現在、森さんの部下が追跡しているのは、すべてこちらの囮要員ですよ。本隊は、既に任務を完了して帰還してます」 古泉一樹は絶句した。 (朝比奈みくる)「どうしても話さなければ駄目ですか? 長門さんの情報分析能力を用いれば、それぐらいは簡単に分かると思うですが」 (長門有希)「あなたに直接訊いた方がより簡便。それに、状況が不安定化する可能性がある現状では、情報を共有化した方がよいと判断した」 長門有希はそういって、古泉一樹の方に視線を向けた。 (古泉一樹)「ご配慮いただけるとはありがたいですね」 (朝比奈みくる)「任務に関することを外部に話すのは、越権行為なんですがね」 (長門有希)「あなたには、SOS団関連事項についてある程度の裁量権が付与されているはず」 (朝比奈みくる)「そうですね。そういう言い訳で通してみることにしますか。上層部には理解のある知り合いもおりますから、なんとかなるでしょう」 そして、朝比奈みくるは、説明を始めた。 (朝比奈みくる)「結論からいえば、殺害されたのは、私たちの敵対組織の残党グループです。全く活動を停止してこの時代に潜伏していたのでこれまで全く気づかなかったのですが、最近になって活動し始めたために、こちらの監視網に引っかかりましてね。 何かよからぬことをしでかす前に対処しておいた方がいいだろうというのが、上部の決定でした。未来人同士の問題ですから『機関』の横槍は避けたいということで、対『機関』工作で実績のある私に白羽の矢がたったんですよ」 (古泉一樹)「そして、我々はまんまと囮に引っかかったというわけですか。長門さんがここに来なければ、真相を知らされることすらなかったというわけですね」 (朝比奈みくる)「私たちは基本的に秘密主義ですから」 (長門有希)「その残党は、涼宮ハルヒの妊娠状態にあわせて何らかの行動を起こす予定だったのか?」 (朝比奈みくる)「さあ、それは分かりません。情報を得る前に、殺してしまいましたからね。できれば、捕縛して情報をとりたかったのですが、抵抗が激しくて、部下たちの禁則事項──殺人禁止条項──を解除せざるを得ませんでした」 (長門有希)「状況は了解した。これからも、あなたには積極的な情報開示を要望する。涼宮ハルヒの保全を図るという点では、『私たち』の目的は一致しているはず」 (朝比奈みくる)「私の権限内でできることについては努力いたしましょう」 (古泉一樹)「情報の共有ということであれば、彼にも話しておいた方がいいのではないでしょうか?」 (朝比奈みくる)「私は反対ですね。キョン君は、涼宮さん以上にイレギュラーを起こしやすい人です。不確実な情報を与えれば、かえって状況を混乱させるだけですよ。むしろ、敵対勢力に付け入る隙を与えることになります」 (長門有希)「私も、その意見に同意する。それに、不確実な情報で『彼』を不安にさせることはしたくない」 (古泉一樹)「仲間はずれにしていると、いざ事が起こったときに彼は怒り狂いますよ」 (長門有希)「事が起こらなければ問題は発生しない。その可能性のひとつは、さきほど朝比奈みくるによって未然に防がれた。我々は、まずすべてが杞憂に終わるように努力すべき」 (古泉一樹)「多数決ではかなわないようですね。まあ、いいでしょう。今回は多数意見に従うことにいたしますか」 キョンは、目の前の光景に思わず立ちすくんだ。 (キョン)「なんだ、これは?」 (涼宮ハルヒ)「見てのとおり、チョコのフルコースよ! 有希のより絶対においしいんだから! 感激のあまり涙にむせびながら食べなさい!」 本来夕食が並んでいるはずのテーブルの上には、板チョコから始まって、チョコケーキ、チョコクッキー、チョコバナナ……果てはチョコ鍋(?)まで、チョコ料理がずらりと並べられていた。 (キョン)「みんなおまえが作ったのか?」 (涼宮ハルヒ)「そうよ! 文句ある?」 (キョン)「あのなぁ。妊娠中なんだから、あんまり無理すんなよ」 (涼宮ハルヒ)「……うん……」 てっきり文句を言われるかと思っていた涼宮ハルヒは、悄然とした表情でうなずいた。 (キョン)「まあ、せっかく作ってくれたんだから食わせてもらうか」 涼宮ハルヒに笑顔が戻った。 長門有希は、自宅に帰ると、部下のインターフェースたちからの報告を受けた。 保全対象に、異常なし。 そして、間接観測を開始する。 『彼』と涼宮ハルヒは、相変わらず仲のよい夫婦であるという事実を確認する。 まことに結構なことだった。 そこに、喜緑江美里が訪ねてきた。 (喜緑江美里)「こんばんは」 長門有希は黙ってうなずいてから、端的に尋ねる。 (長門有希)「用件は?」 (喜緑江美里)「監査役として、プレジデントに勧告をしに来ました」 プレジデント。 それは、地球上に存在するすべての対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースの最高統括指揮権限者を示す言葉。 そして、喜緑江美里は、そのプレジデントに対する勧告権をもつ唯一のインターフェースであった。 長門有希は黙って後を促した。 (喜緑江美里)「観測対象に対する過剰な刺激は避けるように」 数時間前の涼宮ハルヒ及びキョンに対する行為に関しての勧告だというのはすぐに分かった。 「過剰」という言葉はそれこそ過剰なような気がするが、いいたいことは分からぬではない。 妊娠状態にある涼宮ハルヒを刺激するのは避けた方がいいのは確かである。 あの二人がいくら優しいからといって、自分はいささか甘えすぎな傾向がある。自重しなければならない。 二人の幸福を保全すると決意したのは、ほかならぬ自分であるのだから。 だから、ただ一言だけ返答する。 (長門有希)「了解した」 古泉一樹は、「機関」のアジトで、不機嫌な上司の相手をしていた。 (森園生)「我々は、朝比奈みくるにまんまといっぱい食わされたわけね」 (古泉一樹)「結論としてはそういうことになりますね。でも、代わりに有力な情報が得られたので、差し引き0では?」 (森園生)「その情報とて、あのTFEIがいなければ得られなかった。あれはあれで警戒する必要がある。彼女が本気になれば、たった一人で『機関』を意のままにすらできるんですからね」 (古泉一樹)「そうですね」 (森園生)「まったく、気に入らないわね」 (古泉一樹)「他の二勢力に比べれば、『機関』が不利なのは昔から分かっていたことです。いまさらですよ」 宇宙からも未来からも、今のこの世界を守りたい。 森園生のその決意は、古泉一樹も共有するところではあるが、不利な状況はいかんともしがたかった。 (森園生)「とにかく、敵対勢力が動いていたことが判明した以上は、涼宮ハルヒの周辺警備体制を強化しておきなさい」 (古泉一樹)「そのように手配しておきます。長門さんの方でも警戒はしているようですが、念には念を押しておきましょう。いざ事が起こったときに、現地にこちらの手駒が少ないという事態は避けたいところですし」 (森園生)「あとは、朝比奈みくる対応の方ね。抜本的に対策を練る必要があるわ」 森園生は、依然として、不機嫌な表情のままであった。 (古泉一樹)「少し冷静になられた方がよろしいのでは? 乱れた心ではいいアイデアも浮かびません。いささか遅くなってしまいましたが、これからディナーでもいかがですか? 今日は、僕がおごりますよ」 (森園生)「新川」 それまで黙って待機していた新川が答える。 (新川)「はっ」 (森園生)「車を出しなさい」 (新川)「かしこまりました」 結局のところ、三人での夕食となるのであった。 それでも、古泉一樹に不満はなかった。 「機関」の有力派閥のボスである森園生に最も近いポジションを確保しているのは、自分であるのだから。 そのポジションはロマンチックな意味合いとは程遠いものではあったが、それでも他者よりは有利に違いない。 まあ、見目麗しくても性格のきついこの女性を好きになるような物好きは、そうはいないであろうが。 未来。 地球衛星軌道、「機関」時空工作部第二軌道基地。 任務を終えて自分の時代に帰還した朝比奈みくるは、ある老人の出迎えを受けた。 「機関」時空工作部の最高権力の一端を担う長老は、淡々とした声で、こう告げてきた。 「上級工作員朝比奈みくるの情報漏洩行為には、裁量権逸脱の疑いがある。よって、最高評議会において審問を行なう。1時間後に出頭せよ」 朝比奈みくるは、あえて堅苦しい口調でこう答えた。 「かしこまりました。長門有希最高評議員殿」 自室に戻った長門有希最高評議員は、本を読み始めた。 審問については全く心配していない。朝比奈みくるには、それを乗り切れるだけの力量がある。 いざとなければ、自分の能力で他の評議員の精神を操ってしまうことも可能だ。 「彼」と涼宮ハルヒの子孫である朝比奈みくるを守るためならば、そのぐらいの労をとることにためらいはない。 それは、涼宮ハルヒの子孫の保全という自分の任務に合致する行為でもある。 朝比奈みくるは、そのまま自室に戻った。 審問については全く心配していない。乗り切れる自信はある。こんなことは今まで何度もあったことだ。 今まで軽微事案で戒告処分を受けたことは何度もあったが、重大事案で懲罰を受けたことは皆無であった。 情報通信デバイスを通じて、不在中の出来事を確認する。 朝比奈みくるに関係するのは1件。地球からカカオパウダーが届いたということだけだった。 審問が無事終わったら、義理チョコの作成に取りかかる予定だ。明日までかかるだろう。彼女が今いる時間は、地球標準時ではまだ2月13日であった。 カカオパウダーから作るというのはかなり本格的だが、義理チョコとて手を抜くつもりはないというのは、いかにも彼女らしいとはいえた。 審問までまだ時間があったので、先に帰還していた副官の古泉茂樹を呼びつける。 (古泉茂樹)「何か御用ですか?」 彼は、見れば見るほど、古泉一樹にそっくりだった。 今回の任務では彼には本隊の直接指揮を任せていた。朝比奈みくるは、全体の統括指揮と囮部隊の直接指揮をとっていたのだった。 (朝比奈みくる)「あなたの先祖、あのままだとくっつきそうにないわよ」 (古泉茂樹)「おやおや、それは一大事ですね」 (朝比奈みくる)「規定事項管理局にその辺も含めてシミュレーションをかけるようにねじ込んできなさい。私の要請だといってかまいません」 (古泉茂樹)「かしこまりました。そこまで御配慮いただけるとはありがたいですね」 (朝比奈みくる)「あなたが消えてしまったら、私の仕事が倍に増えますからね」 この世界と思い出を守り続けるために、有能な副官の存在は有用なものであるから。 (古泉茂樹)「では、さっそく行ってまいります」 古泉茂樹は去ろうとしたが、ふと立ち止まった。 (古泉茂樹)「あっ、そうそう。部下たちはみな、明日のあなたからのプレゼントを心待ちにしておりますよ。もちろん、私も」 (朝比奈みくる)「いっておくけど、全部義理よ」 (古泉茂樹)「分かってますよ。私は、あなたにフラれた身ですからね。でも、正直なところ、まだあきらめてはいませんが」 (朝比奈みくる)「それが、上級工作員への昇級を拒否して私の副官にとどまっている理由? いくら待っても結論は同じよ」 (古泉茂樹)「少なくてもあなたの夫となる幸福な男が現れるまでは、あなたに最も近いこのポジションを他人に明け渡す気はありません」 古泉茂樹は、そういい残すと去っていった。 いくら愛妻家であるキョンでも、さすがに、チョコのフルコースを平らげることはできなかった。 残った大量のチョコは、冷蔵庫に入れられた。今後しばらくは、おやつの類はすべてチョコになりそうだ。 涼宮ハルヒは、チョコを冷蔵庫に入れ終わると、しばしぼうっとしていた。 (キョン)「ん、どうした、ハルヒ?」 (涼宮ハルヒ)「みんな、今ごろどうしてるかなと思って……」 (キョン)「元気にやってるだろ。なんだったら、適当な口実をつけて、呼びつけてやればいい。団長殿が一声かければ、みんなかけつけてくるさ」 (涼宮ハルヒ)「うん、そうね」 彼女の顔に笑顔が戻る。 (キョン)「だけど、今はあんまり無理すんなよ。大騒ぎするのは、子供を無事に生んでからだ」 (涼宮ハルヒ)「分かってるわよ」 終わり
https://w.atwiki.jp/ranoberowa/pages/110.html
第070話:不正アクセス 作:◆gfFjaqv/HU 匂宮出夢は退屈していた。 入り込んだ城のテラスで坂井悠二と長門有希の2人に遭遇して以来、 床に尻を着き、壁に背を預けて直立不動の長門有希を見つめている。 1時間ほど前に「何してんだ?」と尋ねたら、「作り直してる」と返ってきてそれ以来口を利いてない。 坂井悠二の方はやめときゃいいのに城の中を探検中だ。 何かあるかもしれないとかなんとか。危険だが死んでも別に気にならないのでほうっておいた。 「あ~あ、つまんねぇ・・・」 長門有希は、情報統合思念体が作成したヒューマノイド・インターフェイスとしての能力をフルに活用し 状況の把握と空間情報の改竄、情報統合思念体へのアクセスを行っていた。 状況は未だ不明確だ。蓄積したデータからは涼宮ハルヒの現実改変能力が原因かと考えられたがその可能性は低いと判断された。 空間の形成パターンが今までの例からは著しく異なるのだ。 涼宮ハルヒの作る世界は、その願望が元になっているので情報の偏りが歪なのだが、ここはそうではない。 空間情報は整然として、いや整然としすぎていて簡単になんらかの目的で作られたものだとわかる。 今までの例から言えば、一番可能性が高いのは情報統合思念体の中の過激派による工作の線だが、 その可能性も低い。手間がかかりすぎている。ハルヒが目的の場合、明らかに不必要だと思われるファクターが混ざりすぎている。 しかし、情報はまだ少ない。感知できる範囲は狭められているが、情報を引き続き収集する必要がある。 現在、滞在している城のテラスを中心に空間構成情報の改善を進めている。 シェルターを作るためだ。完成すれば例え核爆弾が振ってきたとしても耐えることができる。 が、能力が制限されているため時間がかかる。最優先で実行しているが後11時間はかかるだろう。 ゲームが開始した直後にした80億4025万1684通りのシミュレーションでは、97.4%の確率で 時間切れによるゲームオーバーは発生しなかった。 そしてシェルターに引きこもった場合だと、12.7%で自分が生き残ることができる。 そうでなかった場合の0.00054%に比べれば明らかに有利だ。 過負荷により疲労が蓄積しているが、シェルターが完成すれば倒れてしまっても問題はない。 そして、情報統合思念体へのアクセス。 これは全く繋がらない。602452/秒回アクセスを試みているが、なんの応答も得ることができていない。 この空間の有様から推測するとおそらく位相がずれているのだろう。 だが、いつか情報統合思念体の方がこの空間を知覚する可能性はある。 そうなれば、情報解析は一瞬で終わる。空間全体を改竄しての問題解決も容易だろう。 長門有希は直立不動の姿勢で少しずつ、解析と改竄を進めている。 「戻ったよ」 自動ドアが開き、天使の美貌をもった青年が入り込んでくる。 「遊びがすぎるぞ」 部屋の中でモニターを見つめていた長髪の男は不機嫌な声でそれを出迎えた。 しかし、美しい青年はそれを意に介さずモニターを覗き込む。 「あれ? ERRORが出てる。おかしいな、正当な手続きは踏んだはずなんだけど」 「君が原因じゃない。ここだ」 長髪の男が手袋をはめた手でモニターの一角を指す。 「G:4063-4:3997-0:2699・・・。城の中からだね。不正アクセスだ。 君の他にもこんなことができる人間がいるんだねイザーク」 「正確には人間ではないがな・・・。長門有希、人の形をしてはいるがコンピュータそのものだ」 「で、どうするのこれ? まさかほっときはしないよね?」 長髪の男はフッと息を吐く。 「いいや、放っておくさ」 「どうしてさ?」 「できることは限られている。どうやったところであそこから抜け出すことはできん。もし・・・」 「もし?」 「もし、抜け出ることができたとしても外は亜空間だ。元の世界を見つけることはできんよ。 それよりも、だ」 長髪の男はモニターから顔を放し、青年の方へと向く。 「おまえの方こそ干渉を控えろ。予定が狂えば計画が意味をなさなくなる」 「フフ・・・、イザークはお堅いな。君にとってはこれも所詮茶番にすぎないんじゃないの?」 「そうだとあってもだ」 長髪の男は席を立ち上がり、部屋を出て行き、青年もそれに続いた。 【残り 101人】 【長門有希&匂宮出夢】 【G-4/城のテラス/03:05】 【長門有希】 [状態]:若干の疲労。 [装備]:ライター [道具]:デイバック一式。 [思考]:シェルターの形成/情報収集/ハルヒ・キョンの安全確保 【匂宮出夢】 [状態]:健康。 [装備]:??? [道具]:デイバック一式。 [思考]:退屈中。暇をつぶせることを探している。 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第069話 第070話 第071話 第150話 時系列順 第131話 第051話 匂宮出夢 第088話 第051話 長門有希 第088話 第001話 ケンプファー 第173話 第063話 ディートリッヒ 第173話
https://w.atwiki.jp/ogachansroom/pages/6.html
涼宮ハルヒの憂鬱キャラクターソング 今週(7/16)朝比奈みくるが20位で長門有希が19位!そして涼宮ハルヒが16位。 さすが涼宮ハルヒの憂鬱ですね。20位以内に3枚同時に入るのは すごいですね。 涼宮ハルヒの憂鬱好きなキャラ投票 選択肢 投票 涼宮ハルヒ (1) 長門有希 (0) 朝比奈みくる (0) 鶴屋さん (0)
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4739.html
ある晴れた休日(キョン&古泉) 「LOVE」 お客様は宇宙人 ドライブ セリフ九割で展開してみた~こいずみくんはガチじゃない~ エンドレス・エラー 蝉しぐれ Kへの挽歌 カミングアウト・パニック スマイル 台風の溜息 涼宮ハルヒの創世秘話 一万年と二千年前から キョンの評価 普通?の高校生の会話 長門さんはロッテに興味を持ったようです。 コーヒーシリーズ 機関の事情 酒乱女 前兆 キョンの子育て奮闘記 彼は団の緩衝材 『ビール×月見酒×オールスター球技大会ポロリもあるよ』(喜緑さん×生徒会長) 生徒会長の不良3人の倒し方 古泉一樹の苦笑 燃えろ!球技大会! やや黒古泉 切ない同窓会 白雪姫の真相 彼岸花……その花言葉は…… ちょっとみくる救済保守 ある曇った日のこと 無限輪舞 マッガーレで保守 古泉一樹のピロートーク もしくは、長門有希と古泉一樹の作戦会議 早すぎるリハーサル。 恋ってなに? 涼宮ハルヒの作文 エチケット 世界が終わった夜 スパイゲーム 世界が始まる朝 後日談 クリスマスイブ、独り身の女二人 ハルヒ、初めての番号交換 パンジー藤原の優雅な休日 神への反逆 インターフェースのとある未来 平穏な冬の日 涼宮ハルヒの送別 ダーク・黒みくる 三人娘の結論 涼宮ハルヒの進路 光、残響、聖夜にて。 未来の初詣 長門有希の短編 流転する腕章 長門有希の書肆(しょし) before generation 失う前に 恋の編み物 涼宮ハルヒのぬいぐるみ ハルヒの反動 ……回目の2月14日 キョンだって思春期なんです St. Ballantine s Day 暖かい場所を求めて 「。」 涼宮ハルヒの霍乱? 「につき」 When she is 78. 長門有希の勝負 解釈問題 When he is 38. -What the Gran ma!- 爆発 涼宮ハルヒのあの日 「フライ、シンプル」 長門有希の春色 サムデイ・イン・ザ・スコール 猫マノイド・インターフェース曰く 朝比奈みくるの生活 キョンの懐事情 チェリーブロッサム・レイン キョン子な日々~団員との日常~ 日常・文芸部・七夕・太陽 周防九曜に捧ぐ唄 罰と愛情(鬱モノ注意) ダメ上司タマちゃん保守 涼宮ハルヒと佐々木の無題 二人の3月末日 五月の風 五月の風、ふたたび 和歌に思いを 少年は恋をしていた Any day in the rain. Live a life アンドロイドは赤く染まる アンドロイドは真夜中に歌う 寝ぐせ 一夜限りのlove song(阪中とキョン) 同じ夜(エンドレスエイト・天体観測の続き) 涼宮ハルヒの舞台裏 短編集 「オープンキャンパス」「三十路」 「秋雨」「春雨」 「蛍光灯」「メリークリスマス」 「メモ帳」 「大雨」 「死と生」「彼岸花」「ハンガー」「風車」「弥七」「花火か夏祭り」 「銀河鉄道の夜」「トトロ」「ハルキョンについて語る古泉」 「学校に行きたくない○○キョン」 「朝比奈みくるの秘密」 三枚目の短冊 雨上がりとコーヒー 思いつきのネタ ~その後~ ゆうぐれメランコリー ノクターン・ロマンス スカイブルーの恋愛写真
https://w.atwiki.jp/playyugiohvip/pages/106.html
トリップ:◆frrBWn4FBU 長門有希関連の酉 河合ほのか関連の酉 コテハン:宝玉・・・いや黄泉帝の人 フリガナ:ハッキリシナイソンザイ SEX:ふたなり好きのふたなりかもしれないがたぶんどちらか 精霊:宝玉獣 ルビー・カーバンクル φ冫、 最近あんまりいないと見せかけて別の酉で潜伏中 フェイバリットカード 宝玉獣全般 究極宝玉神レインボー・ダークドラゴン (ちょっと待て、使ったことないぞ?←はいはい嘘乙 黄泉ガエル 光帝と地帝と闇帝以外の帝のみなさん ダイスポッド 嫁 長門有希 河合ほのか 所有デッキ一覧 なんだろうね なぜここを開いたのか正直に白状するんだ - 長門ジャンキーが珍しく更新してたんで… -- ガーゼター (2009-09-13 15 21 40) 長門ジャンキーが珍しく更新してたんで… -- 肴 (2009-09-13 22 24 39) なんかカオスだ ウィキ関連単語 精霊 コテハン 更新 ジャンキー 炎帝 レインボー 長門有希 所有 ふたなり @wiki -- じゃんきぃ (2009-09-27 08 36 25) 長門ジャンキーが珍しく更新してたんで… -- 天然カエル (2009-11-09 20 42 46) ぽっぽ -- 名無しさん (2010-03-28 03 13 51) 名前 コメント