約 3,568,081 件
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/4144.html
17話 食わなきゃやってられない時もある 安野賢史は幼少期から肥満気味だった。 何度か痩せようとしてはみたものの全てにおいて失敗。 本人の意思が強くないのもあるがどうやら賢史は元々太りやすい体質のようだった。 肥満体型で、そして外見のイメージ通り鈍い彼は良く同級生からからかわれていた。 そのストレスが元で更に食べ、太ると言う悪循環を賢史は辿ってしまっていた。 賢史は無人のコンビニを訪れる。 電気は点いているが、店員も客もいない。 彼は店内を物色し始める。 店員がいないのなら、物色して物を持っていったとて誰も咎めやしないだろう。 カゴを持って目に付いた弁当やおにぎり、お菓子、ジュースを片っ端からカゴに突っ込む。 後はこれを食べるだけだ、どこで食べよう? 賢史は辺りを見回し「STAFF ONLY」のプレートが貼られたドアを見付ける。 あの先は従業員用の事務所等があるのだろう。 ならあそこで食べよう、と、賢史はカゴに入れた食糧を持って歩き出す。 そしてドアノブに手を掛け、押し開いた。 恐らく自分と同年代と思われる少女の姿。 その手には金槌が握られている。 少女はその金槌を振り上げて――――賢史の頭目掛けて振り下ろした。 頭部に衝撃を受け、賢史は手と足が痺れるのを感じた。 食糧の入ったカゴを落としてしまう。 そして再び頭に衝撃。 一気に意識が遠のいていった。 賢史は自分は気を失うのだと思っていたが、実際に失ったのは命だった。 金槌で人の頭を殴るとこういう風になるのかと、若干呼吸を乱した少女、成沢由枝は思った。 殴った金槌に血が付着している事は勿論だが、 殴った相手の肥満気味の少年の頭部は殴られた部分が見事に凹み血が溢れていた。 頭蓋骨も脳も酷い損傷を受けている事は良く考えなくても分かる。 しかし、初めて殺人を犯したが、思ったよりも自分の動揺は少ない。 感覚が麻痺を起こしているだけかもしれないが。 由枝は肥満少年の所持品を漁る。 しかし、出て来た物はただの錆止め用スプレー。 もっと良い物が欲しかったと落胆する由枝だったが、このスプレーも目潰しぐらいには使えると考え、 結局持って行く事にした。 少年の衣服で血を拭い、由枝はコンビニの裏口へと向かう。 【安野賢史 死亡】 【残り39人】 【F-2/コンビニエンスストア/早朝】 【成沢由枝】 [状態]健康 [装備]金槌 [持物]基本支給品一式、錆止めスプレー [思考] 基本:殺し合いに乗り、優勝を目指す。 《人物紹介》 【安野賢史】 読み:あんの・さとし 17歳、高校生。生まれた時から肥満気味。鈍く大人しい性格故にからかわれいじめられている。 そのストレスで更に食べると言う悪循環を繰り返す。 【成沢由枝】 読み:なるさわ・ゆえ 16歳高校生。生徒会役員を務めている。 特に目立つ所も変な性的趣味も無い普通の子。 016:残影 目次順 017:克服出来る? 出来ない? ゲーム開始 安野賢史 死亡 ゲーム開始 成沢由枝 030:三人の修羅
https://w.atwiki.jp/shimada-university/pages/40.html
学校における〈教える〉が、つねに子どもの合理的・批判的な判断というものを不可欠の前提にして成り立つものだとすれば、学校で信念や信条あるいは特定の価値を「教える」ことはできないことになる。 学校で「カミさまは存在する」かどうかを教えることができないのは、それが合理的に検証できる事実ではなく、非合理な信念だからである。 ただし、合理的に根拠づけられないからといって、そうした信念が誤りだとはけっしていえない。 吟味しようがないのだから、正しいとも誤りだともいえないだけの話である。 価値についても事情は同じであって、たとえば物理学は核爆弾の作り方を私たちに教えるが、現実にそれを作ったり使ったりすることが良いか悪いかについては何もいわない。 核爆弾が一瞬にして数百万の人間を殺傷することに心を痛めるのは、物理学者の人間としての良・10ではあっても、けっして物理学そのものではない。 つまり、科学は道徳的な価値についてはまったく無関心なのだが、それはそもそも科学が価値一般に対して中立を守るからである。 島田雄貴
https://w.atwiki.jp/emp3037/pages/657.html
J-482 背中を見せられない乙雅三(きのとまさぞう) J-482 C [[キャラ]] [[ダイヤモンドは砕けない]] 幽 P1 S1 T(1) ☆ ▼わたしをまたいで お先に二階へどーぞ スタンドの付いていない、アタックしてきた敵1人を、そのアタック解決後に持ち主の手札に戻す。 悪・幽・幽 乙 人間 出典: スタンドを使う際のルールの関係で J-520 チープ・トリックを使う際は場に乙がいなければならない。 ただし、乙を経由せずに敵に直接付けることはできる。 J-456 怒りのトニオに似た能力を持つ。 こちらの能力自体は少々劣るが、 消滅タイプではないので何度でも使えるのが強み。 が、下手をするとアタックしてきたキャラが再登場するだけなので(もちろん未行動状態で)使いどころには注意が必要。
https://w.atwiki.jp/game_rowa/pages/214.html
「――ちゃん、起きて」 「……」 「――美希ちゃん!」 「……あふぅ」 「よかったぁ……おはよう、美希ちゃん」 「ん……雪歩……おやすみなの」 「寝ちゃダメだよ、美希ちゃん!? もうレッスン場が閉まっちゃうから、出ないと……」 「む~、もうそんな時間なの?」 「はう!ご、ごめんね、待たせちゃって……。 私ばかり何度もレッスンし直したから……。 結局、終盤はほとんど私のソロレッスンみたいになっちゃって……。 美希ちゃんはどの振りも一発オッケーだったのに、私本当にダメダメですぅ……」 「まったくなの」 「うぅ……」 「それにしても、ミキと雪歩のユニットなんて珍しいよね」 「そうだね……で、でも、私と美希ちゃんだと不釣り合いだし、やっぱり辞退した方がいいかな……」 「ミキは楽しみだよ?」 「えっ、楽しみ?」 「うん。ミキは気づいたの。765プロのみんな、それぞれ個性があるって」 「個性……」 「ミキね、学校の先生に、お前は勉強もスポーツもなんでもやればできるって、褒められたんだ。 でも、気づいたの。ミキと雪歩で同じ歌を歌っても、それは同じ歌じゃないの。ダンスもお芝居も同じ。 ミキは雪歩にはなれないし、雪歩もミキにはなれない。みんなそう。どこかにマネできない部分があるの」 「……」 「それが、個性。その個性をかけあわせたとき、もっとドキドキするんだ」 「かけあわせる……ユニット、ってことだよね」 「ピンポーン!だから、雪歩とのユニット、楽しみなの」 「美希ちゃん……」 「雪歩はどう?楽しみじゃないの?」 「……ううん、私もすごく楽しみ! 私も私の個性を出せるように……あと足をひっぱらないように、がんばるね!」 「うん、がんばるの!」 □ 「ふあぁ……よく寝たの。やっぱり事務所のソファは最高なの」 「おや、美希。いま帰るところですか?」 「うん。貴音は屋上に用?」 「ええ。今宵は月がよく見えるので、少し見ていこうかと」 「ふーん……」 「美希もどうです?」 「じゃあ、せっかくだし行ってみるの」 「ふふっ……では、行きましょう」 「うわぁ、本当に月がおっきいの。 そういえばお姉ちゃん、今日はスーパームーンだって言ってたかも」 「月は古来より、多くの人の心を捉えてきました。 かぐや姫の伝承しかり、ウサギが住むという言い伝えしかり」 「十五夜のお団子もそうだよね」 「ええ。では、どうしてそれほど月は魅力的なのだと思いますか?」 「うーん……キレイだからかな」 「それもあるでしょう。しかし、それだけではないと私は考えています」 「じゃあ、どうして?」 「月を見る人は、月に自分自身を重ねているのです」 「自分自身を重ねる?どういうこと?」 「月はみずから光ることはできず、太陽の光を反射して光っています。 すなわち、他者の力がなければ輝くことのできない存在ということなのです」 「……言われてみると、そうかもね」 「ええ。この私も、プロデューサーをはじめ多くの方々に助けられて、アイドルをしている」 「そっかー。だから月に自分自身を重ねているんだね」 「そう……ただ、中には特別な人もいると思います」 「特別な人?」 「みずから強い光を発して、周囲を光らせる……太陽のような人です」 「ふーん……」 「ふふっ。小難しい話をしてしまいましたね」 「ううん。なんとなく、わかる気がするの」 □ 静謐な空気に包まれた美術館の、入口から近い展示室にて。 眠りから目覚めた美希はゆっくりと、床から上半身を起こした。 カメラのピントが合うように、ぼんやりとした視界がクリアになっていく。 そうして、ここがレッスン場でも事務所でもなく、美術館であることを思い出す。 「さっきまでの、夢?ってコトは……」 先程まで見ていた光景は、それを夢だと認識したとたんに、美希に悪い想像をもたらした。 雪歩や貴音が夢に出てきたのは、いわゆる予知夢のようなもので、何かの予兆ではないか。 最初の放送で春香の名前が呼ばれたように、雪歩や貴音にも良くないことが起きているのではないか。 「そんなの、やなの!」 これまで美希は、大切な存在を喪う経験などしたことがなかった。 家族は両親も姉も健在で、そもそも“死”に触れた経験自体ゼロに等しいのだ。 加えて、天海春香を喪ったからこそ、仲間を喪いたくないという気持ちが何より強い。 ただの夢であってほしいと思いながら、周囲を見渡す。カミュとハンターの二人は床で寝ていた。 誰かに相談したかったが、ナインズくんの姿はなかった。ケータイも無いから、メールを送ることもできない。 「……ううん、悩んでもしかたないの。 たしか亜美と真美もそんなカンジで歌ってたよね」 美希は双海亜美と真美ふたりの持ち歌を脳内で再生して、不安な気持ちを紛らわせる。 生まれつきのマイペースさもあって、悪い想像を抑え込むことに成功する。 そのとき、近くで落ち込んだ声がした。 「むううん……」 「あれ?おはなちゃん、しょんぼりしてるの」 おはなちゃんことムンナは、美希の近くでふわふわと浮いていた。 その頭から出ている煙は、これまでのピンク色とは微妙に異なっている。 煙はわずかに黒みを帯びており、その表情にも陰りが見える。 「うーん。どうしたんだろ?」 「……むう」 美希はムンナの頭部をやわらかく撫でた。しかし、反応は鈍い。 全身をくまなく観察してみても、わかりやすい怪我の傷や病気の兆候は見られない。 こうなると美希には判断がつかない。なぜなら美希には、ポケモンどころか一般的な動物の知識もろくにないのだから。 それでも頭をひねって考えると、あるひとつの可能性に思い至る。 「あ!もしかしたら、イヤな夢でも見たのかも。どう?おはなちゃん」 美希と同様、悪夢を見てしまったせいで落ち込んだのではないか。 そう問いかけても、ムンナの表情は変わらない。 どう対処したものかと、美希は首を傾げる。 「そうだ、こんなとき響なら……!」 美希はふと、同じアイドル仲間の我那覇響がしていた話を思い出した。 響は何匹もの動物たちと暮らしており、普段は仲がいいが、たまにケンカをすることもあるという。 ケンカのあとはどうしても、響自身も動物たちも、気分が落ち込んでしまう。 そんなときに、響はいつも得意の歌やダンスの力を借りるのだそうだ。 浮いているムンナに手招きをしながら、美希は口ずさむ。 「MOONY GOOD NIGHT 真夏に光る~♪」 いわく、楽しい雰囲気を好むのはヒトもイヌも変わらない。 歌やダンスを楽しむことで、自分自身も周囲の動物たちも楽しい気分になるのだと。 「お月様 お願い良い夢を~♪」 表情に陰りがあるのは落ち込んでいるからだと、美希は判断した。 ムンナを膝の上に置いて、頭部を撫でながら、やさしく語りかけるように歌う。 選んだのは、美希の楽曲のレパートリーの中でも、とくに穏やかであり、夢見心地になれる曲だ。 「むううん!」 「おはなちゃんもいっしょに歌うの!」 「むぅ~ん♪」 「あはっ!」 膝の上のムンナは美希の歌に合わせて、ぴょこぴょこと身体を左右に揺らしはじめた。 目を細めながら調子外れな音を出すさまを見て、美希もつられて笑顔になる。 それからまるまる一曲、美希はムンナと心ゆくまで歌を楽しんだ。 □ ふむ、あの娘以外の二人は眠り、もう一人は美術館の外。 しばらく頃合いを見計らっていたが、この好機を逃す手はあるまい。 あのとき塗料にし損ねた人間が現れたときには驚いたが……。 わらわに気づいた様子もない。今度は確実にまる飲みにしてくれよう。 それにしても……この身はいちど消滅したはず。 それを復活させていただき、ふたたびお役に立てるとは、まさに無上の喜び。 あの方からは「首輪をはめた人間を吸収しろ」と命じられた。 その理由まではわからないが……もとより、偉大なるあの方を疑う必要などない。 あの方の寛大なお心遣いは、わらわへの信頼あってこそ。 そうであるならば、その信頼に応えることで感謝の意を示すべきだろう。 さて、まずは能天気な娘からだ。 寝ている男どもに比べれば、まだいい色になりそうだ。 カカカ……ひとりずつ塗料にしてくれる。 この美術館を訪れたのが、貴様らの運のツキよ。 □ 「ふう……」 美術館の女子トイレの洗面台で、美希は一息ついた。 ひとまず、ムンナのテンションを元通りに戻せたことに安堵していた。 ムンナには美希がトイレに行く間、カミュとハンターの様子を見てもらっている。 「それにしても、カミュもハンターさんも、ぐっすり寝てたの」 二人の寝顔を思い出しながら、蛇口をぐいと回す。 美希とムンナの歌声を聞いても、起きるそぶりを見せなかった二人。 彼ら二人はこの美術館に来るまでに、激しい戦闘を繰り広げたと話していた。 「ほんとうに疲れてたんだね。ご飯モリモリ食べてたし。 あ、ちゃんとセッケン付けないと、律子…さんに叱られちゃう」 備え付けのハンドソープのポンプを押す。 765プロの事務所では、体調管理の一環として手洗いの習慣化を促されていた。 面倒で適当に済ませてしまう美希は、ルールを決めた秋月律子から説教されることもしばしばあった。 たあいのない日常のひとコマを思い出して、美希は笑みをこぼした。 「そうだ、ナインズくんどこ行ったんだろ。眠くないのかな。 あれ?アンドロイドは寝なくても平気、って言ってたっけ?」 しっかりと泡立ててこすり、流水で泡をすすぐ。 美希たち三人が寝ていた部屋に、9Sの姿はなかった。 さきほどまでの会話の流れからすれば、三人を放置して去るとは考えにくい。 それに、9Sから美希へとされた宣言のこともある。 「貴方を護ります、かぁ……。 そんなこと言われたの、はじめてかも」 ゆっくり流れて消えていく泡を、じっと見つめる。 数時間前、美希と9Sの二人は互いに約束を交わした。 独りにしない。その言葉に込められた感情は異なるとしても。 「ナインズくんは、ウソはつかないって思うな」 その言葉に嘘偽りは無いことだけ、美希は確信している。 ただし、不安要素もある。9Sの精神は安定しているとは思えない。 「……いなくなったり、しないよね」 ヨルハとは何なのか。 9Sは何を抱えているのか。 記憶を取り戻すことで、何が起こるのか。 どれも、美希には見当もつかないことだった。 「……あっ」 備え付けのハンドペーパーで濡れた手を拭いて、ゴミ箱に投げ入れる。 丸めたペーパーはゴミ箱のふちに当たり、床にぽとりと落ちた。 「……」 無言のままそれをひょいと拾い上げて、あらためてゴミ箱へと入れる。 ただそれだけのことなのに、美希の手は震えていた。疲労ではない。 脳裏に浮かんできた9Sの言葉が、美希の不安を噴出させたのだ。 「とにかく、このままだとダメ」 美希はそう呟いて、洗面台の鏡にうつる自分を見つめた。 胸元にチョウの模様をあしらったグリーンのキャミソールと、紺色のスカート。 いつもとまるで変わらない、そのままの星井美希がそこにいる。 「今のままだと、なにかあったときに動けないの」 このまま、9Sに護られているだけの状況ではいけない。 互いに大切な約束を交わしたのだから、美希も9Sの力になりたい。 美希の心には、これまでに交わした約束よりも能動的な感情が芽生え始めていた。 「ミキもナインズくんを護りたい。 でも、そのためには戦えないといけない……」 ぽつりぽつりと呟いて、美希自身のするべきことを確認する。 目標のオーディションに合格するためには、レッスンが必要不可欠。 アイドル活動を初めたての頃の美希は、そんな当たり前のことも知らなかった。 しかし、初の単独ライブを終え、プロデューサーから新人卒業と評された今の美希は違う。 目標達成のためには行動が必要だと身に染みて知っている。だからこそ、するべき行動を導ける。 現状の美希にとって、目標とは護ること、そして行動とは戦うことだ。 「だから、ナインズくんには止められたけど、これを……」 ゆえに、美希は行動を選択する。 洗面台のそばに置いた、とある支給品を見つめる。 支給品を確認した9Sからは使用を控えるように言われたアイテム。 いずれ使用することになるかもしれないそれを握りしめて、美希は再び鏡へと視線を移した。 すると、知らない幼女が鏡に――しかも美希の背後に――写り込んでいた。 「わっ、びっくりしたー!」 少し驚いて振り向くと、トイレの入口付近に幼女が佇んでいた。 服装は洋風で、低身長の高槻やよいと比べても背が低い。年齢は十歳にも満たないだろう。 とつぜん現れた相手に、どう対応しようかと逡巡している間に、幼女の方から声をかけてきた。 「お姉ちゃん。わたしのパパとママ、知らない?」 「パパとママ?……キミもここに連れてこられたの?」 「え?ええと……よくおぼえてない。 この美術館にパパとママといっしょに来たんだけど、はぐれちゃって」 目元を拭うしぐさをするメルを見て、美希は弱ってしまう。 小学生の女の子から告白されたこともある美希だが、励ましたり慰めたりするのは不得意だ。 もし三浦あずさならどうするか。美希はあずさのことを思い浮かべながら、言葉をかけることにした。 「……迷子になっちゃったんだね。キミ、名前は?」 「わたし、メル……ぐすっ」 「メル……かわいい名前なの」 両親とはぐれて、いつの間にかここに辿り着いていたと、涙声で話すメル。 そんなメルの様子を眺めた美希は、わずかながら違和感を覚えた。 「……?」 メルの話によると、メルは美術館にパパとママと来て、いつの間にかはぐれたという。 しかし、ずっと美術館にいたのにもかかわらず、美希は誰の姿も確認していない。 そして他の三人も、誰一人として親子の話などしていない。 「お姉ちゃん、おねがい。パパとママを探して! きっとこの美術館のどこかにいるはずなの……」 「うーん、そう言われても……」 美希は当惑を隠さずに口ごもる。 わずかな違和感は疑惑へと変わりつつある。 それに、言葉だけではなく、見た目にも違和感がある。 このままメルという幼女を素直に信じるべきか否か、美希は決めかねた。 「……あっ!思い出した!」 「え?」 「パパとママがいなくなる前、きれいな絵を見てたよ」 「きれいな絵って、どんなやつ?」 「えっと、ろうかにあった美人さんの絵」 「廊下……ああ、そういえばあった気がするの」 美希は古めかしい女性の絵画のことを思い出した。 横を通り過ぎたとき、視線のようなものを感じたことも。 そのときに抱いた率直な感想を、つい口にしてしまった。 「ミキ的にはあの絵、あんまりイケてないって感じ」 「…………」 「そんなに美人ではないと思うの」 「ねぇ、パパとママのこと、探してくれないの?」 小首をかしげて尋ねてくるメル。 その雰囲気に剣呑さが増したことを、美希は肌で感じていた。 「ううん。でも、いちどナインズくんに尋ねてから……」 「もういい!」 「あっ、メル!?」 慎重な策を取ろうとした美希の言葉を遮って、メルはトイレを飛び出した。 そして、カミュとハンターの寝ている部屋とは反対方向、女性の絵画のある廊下へと向かう。 まるで美希の態度に業を煮やしたように。 「……」 美希は考える。メルが虚偽の発言をしている疑惑はある。 しかし、本当にメルが両親とはぐれている可能性も否定はできない。 その場合、メルの両親には姿を現わせない理由があることになる。監禁されているのか、さもなければ――。 「――それは、ダメなの!」 メルの両親は殺害されている可能性がある。そのことに思い至り、美希は駆け出した。 独りになったメルが、もし危険な人物と遭遇してしまったら。美希は絶対に後悔する。 ほどなくして、女性の絵画のある廊下へと辿り着く。付近には誰もいない。 「これ、だよね……」 あらためて目にした女性の絵画は、柔和な笑みをたたえていた。 解説文によると、壁画の模写らしい。デザインや配色はシンプルながら丁寧に描かれている。 とはいえ美希からすると面白味のない絵画だ、という評価は変わらなかった。 それよりも、と美希は周囲を見回す。メルも近くにいるはずだった。 「お姉ちゃん、来てくれたんだね」 すると背後から、幼い声をかけられた。 メルの無事を確認して、美希はひとまず安堵する。 「メル!よかったの……」 振り向いた美希。その安堵は即座に警戒心へと変化する。 メルが悠然と構えていた。怯えた態度など、毛ほども感じられない。 「あはは……ははは……」 「!?」 とつぜん笑い出したメルを、美希は理解できずにいた。 このときの美希に不足していたもの、それは何よりも経験である。 これまでに異常事態を経験してきた者であれば、あるいはその場から離れることもできたかもしれない。 そう、カミュやハンター、あるいは9Sであれば。 「カカカ……カカカカカ……!」 しかし、美希は態度を急変させたメルに意識を割いてしまった。 そのせいで、絵画から――正確には女性の胸元にあるカギから――放たれた怪しい光に反応するのが遅れた。 哄笑しながら雲散霧消していくメルと、驚愕する美希。 「えぇっ――!?」 そして思考よりも速く、まばゆい光は美希を飲み込んだ。 □ 「うっ……ここは……?」 気がつくと美希は奇妙な場所に倒れ込んでいた。 そこは石造りの歩道のようで、ただし中空に浮いていた。 「不気味なところなの……」 恐怖心に身震いして、美希は周囲を見渡す。 まっすぐ伸びた歩道には、等間隔で炎が揺らめいているものの、それでも暗い。 そして、歩道以外の周囲の空間は、その上下左右すべてが暗雲に包まれていた。 「ナインズくん!カミュ!ハンターさん!」 大声で名前を呼んでも、返事は無い。 目を凝らすと、前方に人影らしきものが見えた。 美希は駆け出した。今は誰かと合流するのが最善だ。 ゆっくりと近づいてくる人影。その輪郭と容姿が次第に明瞭になる。 「ひっ……!な、なにコレ!?」 土気色の肌。ぎょろりと飛び出た眼球。開いた口の隙間から垂れるよだれ。 リビングデッド。それは生者を呪うために墓場よりよみがえった、ゾンビである。 美希の全身に怖気が走る。嫌悪感はもちろん、強い悪意に触れること自体、初体験だった。 「こいつら、何匹もいる!?」 リビングデッドは背後を向いて手招きのような動きをした。 すると、地中から同じリビングデッドが這い出てきた。 その数は二体、三体と次第に増殖していく。 「近寄らないで欲しいの……っ!」 リビングデッドの動きは緩慢ではあるものの、明確に美希を追跡している。 このまま歩道に留まっていても、体力が尽きて捉えられてしまうことは容易に想像がついた。 なおも増え続けているリビングデッドを遠巻きに見て、美希はひとつ息をついた。 「もう……ぶっつけ本番だけど、やるしかないの!」 美希は震える手で、あるアイテムを髪に装着した。 それは“シルバーバレッタ”と呼ばれる銀の髪飾り。 その穴には既に、マテリアがひとつセットされている。 「……」 マテリアの使用方法は、解析した9Sから説明を受けていた。 目を閉じて、9Sの説明を思い出す。曰く、精神を集中させるのだと。 (集中……集中するの……) 美希は魔力という概念を知らない。 それでも、アニメや漫画で魔法を使うときのイメージを脳裏に浮かべる。 相手に魔法を命中させる。その一心で、精神を極限まで集中させていく。 「いっけー!サンダー!」 そうして放たれた雷の魔法は、リビングデッドの群れへと降り注いだ。 するどい雷光は死体の精神と肉体を駆け巡り、電気信号を遮断する。 リビングデッドの動きは止まり、そのまま崩れ落ちた。 「ハァ……ハァ……」 一方の美希は、肩で息をしていた。 魔力を持たない人間にとって、魔法の行使は体力を消耗する行為だ。 サンダーは下位の魔法であるが、それでも美希の体力の消耗は激しい。 「でも、なんとか……」 「カカカ、無駄な抵抗よ」 リビングデッドを一掃できた、その事実に安堵したのも束の間。 天から不気味な声が降る。その笑い方に、美希は聞き覚えがあった。 「メル……!」 「カカカ、ただの小娘かと思えば魔法を扱えるとは。 驚かせてくれる……しかし、威勢がいいのもここまでよ」 指パッチンのような音と同時、歩道の向こうから新たな人影が現れた。 美希は息をのむ。リビングデッドには嫌悪感を抱いたが、このモンスターには違う感情を抱いた。 それは暴力への恐怖。四本の腕はどれも丸太と見間違うほどの剛腕で、トゲつきのグローブを嵌めている。 マッスルガード。頑丈な肉体を活かした攻撃を主とするモンスターである。 「そんな……」 「おぬしの首であれば、掴んだだけでへし折れるであろうな」 美希はへたり込む。その目には絶望が浮かんでいた。 体力的に、もういちど雷の魔法を唱えることはできない。 なまじできたとしても、その場で体力が尽きて倒れてしまうのは確実だ。 「もうダメ、なの……?」 「カカカ……」 勝利を確信した笑い声を、どこか遠くに感じながら、美希は目を閉じた。 マッスルガードの装着した鎖から鳴る、ガチャガチャという音が近づいてくる。 (これじゃあ、ぜんぶ中途半端になっちゃうね……。 ナインズくんとの約束も……おはなちゃんのことも……) 「むううん!」 「――え?」 美希は聞き覚えのある声に、驚いて目を開けた。 するとそこには、サイケこうせんを真正面から食らい、仰向けに倒れ込むマッスルガードの姿があった。 勢いよく振り向く。そこにはおはなちゃんことムンナの姿があった。 美希は満面の笑みを浮かべて、ムンナへと駆け寄った。 「むううん」 「おはなちゃん!助けに来てくれたんだ!」 「むう~ん」 「ありがとーなの!ホントに……」 涙目の美希はムンナをぎゅっと抱きしめた。 その頭上から、ふたたび不気味な声がかけられた。 「ほう。モンスターをそこまで飼い馴らしていたか。 つくづく貴様は予想外の存在よ。ならば、わらわ手ずから吸収してくれる!」 美希は頭上を仰ぎ見た。今は警戒を緩めるべきときではない。 天の不気味な声は、まだ余裕綽々の態度を崩していないのだ。 魔力と呼ぶべきエネルギーが、その空間に凝縮していく。 「わらわは美と芸術の化身メルトア! 貴様はこの場所で、わらわの塗料となり果てるのだ!」 宣言の直後、絵画の女性に似た雰囲気の、緑髪の巨大な女性が空中に出現した。 青と紫を基調とした西洋風ドレスに、黄金の王冠と胸元に光るカギ。 さながら王女のような佇まいで、見るものに威圧を与えている。 メルトアの深紅に光る双眸が、美希とムンナをじっとにらんだ。 「しかし残念だ、メインディッシュが控えているのでな……。 ゆっくり味わうことはできそうにない。すぐに吸収してやるわ」 「メインディッシュ……?ナインズくんたちのこと!?」 「カカカ!さて、どうかな?」 「そんなこと、絶対させないの!」 「むううん!」 美希はメルトアに対して毅然と言い放つ。 ムンナと合流できたことで、絶望感は和らいでいた。 圧倒的な大きさの敵に対しても、立ち向かえるくらいには。 「カカカ。小娘とはいえ愚かよのう。 よいか?わらわに吸収されることで、貴様は絵の塗料となる。 わらわという至高の芸術を彩れることこそ、得がたい幸福と知れ!」 そう言い放ち、メルトアは深紅の瞳を閉じた。 「むううん……!!!」 「うん、なにか来る……!」 美希はムンナの声に応じて、メルトアをじっと見つめた。 ムンナは特性の“よちむ”で、美希は直感的に、メルトアから危険を感じ取る。 しかし、それに対応するよりも、メルトアの瞳が開かれる方が、何倍も速かった。 「むううん!」 「マズいの!」 メルトアの瞳から、高熱のレーザーがほとばしった! →
https://w.atwiki.jp/gamemembarzu/pages/252.html
第58話「負けられない戦い!」 ブレード「急いで呪印だ・・・」 シューーーー・・・ 一護「姿が・・・」 ブレード「グルルルルルル・・・覚悟しろよ・・・?」 フォルテ「遅過ぎないか?」 ブルー「大丈夫だ・・・ブレードが呪印すれば奴らなんて・・・」 一護「獣・・・?」 ブレード「クックック・・・俺の姿にビビってるのか?」 一護「そんなことねえ!月牙天衝!」 ブレード「フン・・・」 ドーーン! 一護「早い!」 ブレード「当たり前だろ・・・獣なんだからよ」 一護「ク・・・」 ブレード「次は俺だ!」 一護「グッ!あのデカイ爪に引っ掻かれたらキツイ・・・」 ブレード「逃さねえぞ!」 ザシュシュシュシュシュシュ! 一護「がああああ!」 ドタン! 一護「はぁ・・・はぁ・・・」 ブレード「俺の呪印を使えばお前の卍解でも敵じゃない」 一護「ク・・・クソ・・・」 ロックマン「一護遅いな」 悟空「まさか・・・アイツに殺されたんじゃねえか?」 ナルト「そんなこと言うな!」 悟空「そ・・・そうだな・・・」 クラウド「ここで喧嘩してる場合じゃないだろ!」 ナルト「ゴ・・・ゴメン」 マリオ「今はゼロを取り戻すのが優先だろ!喧嘩してる場合じゃないんだ」 一護「大風車」 ブレード「フ・・・」 ブレード「どーした?卍解してから弱くなったのか?」 一護「はぁ・・・はぁ・・・」 ブレード「そろそろ終わりと行こうか・・・」 一護「!。(何するつもりだ・・・?)」 ブレード「はあああああ!」 ザシュン! ドーーーーーーーーン! ドカッ! 一護「ガハッ!」(血を吐いた時の音) ブレード「アーハハハハハハ!」 一護「(俺は・・・俺は負ける訳にはいかない!)」 ブレード「何!?あの攻撃を受けてまだ立つのか!?」 一護「俺は負けるわけには行かないんだ!!」 ブレード「ならば・・・もう一発・・・」 ガシッ! ブレード「何!?」 一護「次は俺の番だ・・・卍解・月牙天衝!!!」 ブレード「や・・・やめろ!」 ドーーーーーン! ブレード「ぐあああああああああ!」 一護「はぁ・・・はぁ・・・」 ブレード「ク・・・クソ・・・立てねえ・・・」 一護「俺の勝ちだな・・・」 ブレード「何言ってる・・・お前もボロボロじゃねえか・・・」 一護「お前のほうがボロボロだろう・・・」 ブレード「そんなにゼロが大切なのかよ・・・?」 一護「当たり前だ・・・」 ブレード「フン・・・俺には分からねえよ・・・」 一護「・・・はぁ・・・はぁ・・・すまねえ・・・ナルト・・・悟空・・・」 ブレード「・・・ブルー・・・頼んだ・・・ぞ・・・」 次回 ブルー・スパイクマン・フォルテ・ブライとの戦闘開始! 勝つのはクラウド率いるスマッシュブラザーズか!? ブライ率いる闇の6戦士か!? 次回「奪還戦!マリオVSブライ!」お楽しみに
https://w.atwiki.jp/83452/pages/5759.html
~~~~~~~~~~~~~ 唯「おなかいっぱ~い」 律「次どこ行くー?」 澪「最後の方普通にシェイク飲んでたな」 梓「私はどこでもいいですけど…」 律「じゃあゲーセン行こうぜ!ドラムのゲームやりたい!」 ~~~~~~~~~~~~~ 律「どおりゃーっ!」ズダズダズダッ! 梓「律先輩あんまり強くやらない方が…」 律「ふはははっ!どりゃりゃりゃー!」ドカドカッ 紬「りっちゃんかっこいい~♪」 ~~~~~~~~~~~~ 唯「点数低かったね…」 律「うん…」 梓「まあ本物とゲームは違いますから…」 紬(あ、あのうさぎのぬいぐるみ可愛い) 紬(となりの変なのは何かしら…マリモ?) 律「おーいムギーっ!太鼓の○人やろうぜー!」 紬「あっ、は~い!」 唯「りっちゃん何で太鼓の達人って言わないの?」 律「折角伏せたのにお前…」 紬「私これ初めてなの~♪」 律「ふふ…実力の差を見せ付けてやるぜ!」 唯「二人とも頑張れ~」 ~~~~~~~~~~~~~ 梓「律先輩が負けましたね…」 澪「お前ドラム向いてないんじゃないのか?」 律「うるせーっ!!」 紬「り、りっちゃんごめんね?」 律「情け無用!!」 ~~~~~~~~~~~~~ 唯「じゃあ皆ばいばいっ」 律「おー、あ、澪この後ちょっと付き合ってくれよ」 澪「別にいいけど…」 紬「わ、私も一緒に行っていい?」 律「え?あ、いや、悪いしいいよ」 紬「あ……そう、じゃあね」 律「また明日なー」 澪「別に一緒に来ても良かったんじゃないか?」 律「だめだめー」 ~~~~~~~~~~~~~ 紬(やっぱり律澪なのね…)ふぅ ~~~~~~~~~~~~~ 次の日 律「ほらムギこれやるよ!」 紬「えっ?」(昨日のマリモっぽいぬいぐるみ…) 律「なんか昨日欲しそうに見てたじゃん?」 唯「わ~可愛い!いいな~ムギちゃん」 律「昨日澪に付き合ってもらって取ったんだー!」 澪「律はユーフォーキャッチャーうまいよな」 律「わはは」 紬「あ…ありがとうりっちゃん!!」 律「ムギにはいつもケーキとかご馳走になってるからなー」 紬「ありがとう!ほんとにありがとう!絶対絶対大切にするわ!」 律「くるしゅうないくるしゅうない」 澪(しかしあの人形センス悪いな…) 紬「♪♪♪」 唯「いいな~ムギちゃん」 紬「えへへ♪」 律(しかしあの人形センス悪いな) ~~~~~~~~~~~~~ 紬「梓ちゃん見て見て♪」 梓「どうしたんですかそれ?」 紬「りっちゃんが私のために取ってくれたの~」 梓「へ~良かったですね」 紬「うん♪」 梓(しかしこの人形センス悪いな) ~~~~~~~~~~~~~ 紬「りっちゃんが私のために…」 紬「おーきにいりーのマリモちゃん抱いてー♪」 紬「…なんちゃって」 紬「今夜もおやすみ♪」 ~~~~~~~~~~~~~~ 澪「え?律の好きなキャラクター?」 紬「うん、澪ちゃん知らない?」 澪「確かスポンジボブ好きだったんじゃないかな」 紬「スポンジボブ…ありがとう澪ちゃを ~~~~~~~~~~~~~ 紬「今日の夜りっちゃんの家に行っていい?」 律「え?なんで?」 紬「内緒♪すぐ済むから、お願い」 律「うん、別にいいよ」 紬「うふふ♪」 紬「じゃありっちゃん後でね」 律「おー」 澪「なんなんだろうな、ムギ」 律「さあ?」 澪「……あ」 律「なに?」 澪「…いや、律ってスポンジボブ好きだったよな」 律「え、好きだけど…あたしの誕生日はまだまだだぞ?」 ~~~~~~~~~~~~~ ぴんぽーん 律「はいはーい」 紬「こんばんは~」 律「おーっす、車で来たのか」 紬「うん、ちょっと運べなくて」 紬「じゃ~ん♪」 律「…」 律「でか!!!」 紬「澪ちゃんがりっちゃんこれが好きだって聞いたの」 律「うわちょっ…でかっ!!てか可愛い!!!でか!かわっ、かわいい!!」 紬「喜んでくれて嬉しいわ♪」 律「えっ、てかどうしたんだこれ?」 紬「この前もらったマリモのお返しよ」 律「えーアレはいつものお返しにあげたのに、こんなの貰っちゃったらまたお返ししないと!」ケラケラ 紬「そしたら私もまたお返しするわ♪」 律「いつ終わるんだよ!」 紬「取りあえず中に運ばないと…上がらせてもらっていい?」 律「おう、じゃあ行くぞ!せーのっ」 ボフッ 律「ど、ドアにつっかえた…」 紬「大丈夫よりっちゃん!こう…斜めに…」 律「いたたたた!挟まった!プレス!」 紬「ご、ごめんなさい…じゃあ逆に…いたたたた挟まった」 ~~~~~~~~~~~~~ 紬「なんとかりっちゃんの部屋まで運んだわね」 律「ここまで来るのにあたしが5プレス、ムギが3プレスされたけどな」 律「しかしどこに置くか…こいつベッドくらいあるぞ」 紬「ごめんなさい…大きすぎたわね」 律「あっ…分かった!」 バサバサ 紬「どうしたのりっちゃん」 律「こう…ベッドのマットを退けて…よしムギ、ボブをよこせ!」 紬「ボブ!?…ああ、はい」 律「やべえマジ可愛い…スポンジボブベッド…あたし天才だ」 紬「ベッドのマットの代わりに私のあげた巨大スポンジボブをひいたのね!すごいわりっちゃん!」 律「よせやい!」 紬「じゃあねりっちゃん」 律「おう、ありがとうなー!」 紬「どういたしまして♪」 ブロロロロ… 律「そうだ写メ取ってみんなに自慢しよう」 パシャッ 律「すごいだろー、っと一斉送信!」 唯『なにそれすっごい可愛い!!』 澪『ムギからか?良かったな』 梓『なんですかそれ?』 律「はっはっは!すごいだろ!」 ~~~~~~~~~~~~~ 紬「りっちゃんが喜んでくれて良かったわ~」 紬「…りっちゃん私があげた人形で寝るのよね…ふふふ…♪」 ~~~~~~~~~~~~~ 律「スポンジボブの顔の凹凸が痛い…特に鼻…」 ~~~~~~~~~~~~~ 唯「どうしたのりっちゃん」 律「いや…ちょっと寝違えて」 唯「へ~」 律「唯、可愛いだけじゃ世の中やってけないんだよ…」 唯「り、りっちゃんどうしたの?」 澪「しかしよくピッタリ収まったな、ボブ」 律「ボブ!?…ああ、私もビックリだよ」 紬「みんなおはよ~」 律「おームギ、昨日はありがとうな!」 紬「いえいえ♪」 唯「りっちゃんばっかりずる~い」 律「にゃはは、いいだろー!」 ~~~~~~~~~~~~~ 梓「ああ、昨日のあれ大きいスポンジボブだったんですか」 律「すごいだろ!」 梓「確かにすごいですね、ムギ先輩」 律「あたしをスルーすんな!」 澪「なんか最近仲いいな」 律「澪ちゃんヤキモチ?ヤキモチ?」 澪「ち、違う!律とつるんでムギまで律になったらどうするんだ!」 律「『律』を悪い単語みたいに使うな」 紬(最近律澪に萌えられない) 律「拗ねるなってー今日遊びに行ってやるからさ」 澪「別に来なくていい」 律「素直じゃないなーこのこのっ」 澪「やめろ!////」バキッ 律「ボブッ!」 紬「…」 唯「どうしたのムギちゃん、大丈夫?」 紬「…あ、うん大丈夫よ、ちょっとぼーっとしてただけ」 唯「そう?」 紬「さ、唯ちゃんの分のお茶よ♪」 唯「わーい!」 3
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/53547.html
【検索用 いれない 登録タグ UTAU い カゼヒキ 是 曲 曲あ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:是 作曲:是 編曲:是 唄:カゼヒキ 曲紹介 アルバム『水商売』収録曲。 歌詞 (piaproより転載) 遠く続いている 熱の抜けた車道 ずっと続いていく 態(わざ)とらしい感情 広い世界の端で 息をしていた 啼いていたのは 抑え込んだ自分 わたしらしい声 は絞らないと出ない 何を求められて どれを好むのか なりきれない自分を いつも呪った 足元が見えないまま わたしなら 何処まで行ける? 視えるとこだけ見ないで そんなの言えないよ 絶対 眠ることだけしないまま 街の灯(ひ)が消えるのを見てた 彼女では、入れない様な場所 傷付いたのは 偽った方の自分 物憂げな顔 も作っているような。 もしも 今、あの時、 無理をしてたら? やりきれない自分を 今も叱ってる 虚しさを消せないまま わたしだけ 何処まで行ける? 出来ることなら見ないで そんな強くないよ 実際 先のことだけ見ないまま 1日が終わるのを待ってた 誰にも言えないよな 気持ち悪がられては したいことも我慢して 必死に役割り演じてた 誰か?の為に ウソも「ほんとうだよ」と 嘘吐いてたから、 期待を蹴ってしまう。 足元が見えなくても わたしまだ 何処へでも行ける? 向き合えなくて、ごめんね そんなに癒えないよ 一生 未だ夜は明けないから 暗がりに隠して終わる 彼女では、容れない様な人 彼では、居れないから 多様な人や価値観があって きっと多様な仲間外れがある 与えられた居場所が苦しかったら そんなの疑ったって構わない 利き手を直したくない 変わるのは怖い 拒まれるのはもっと怖い 叫びたい言葉は輝いている 必要以上に自分を否定しないこと 心に抱えた尽(まま)だったわたし スゴく遅くなったけど わたしは今、 いれる コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/10971.html
262 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 15 51 55.68 ID 8txVdRa/0 [2/2] 260だけでは何なので、「助けられないヒロイン」で思い出した困ったちゃん報告 ・PCは邪教団に狙われている人物を保護して護送中のキャンペーン ・道中で立ち寄った村で、村人から 「(邪教団らしき連中に)村娘がさらわれました、助けてください」と依頼される ・GMは依頼を無視して護送を優先しても良い旨を伝え、PCは依頼を受けた ・PC達は急いで助けに行ったが、村娘はすでに邪教団に惨殺されていた GMとしては“邪教団の邪悪さを演出するイベント”だったんだが、 「急げば村娘も助けられる」と思ったPLにはトラウマで 10年以上経っても「あれは無いわー」と言われている まあ大体わかると思うが、困ったちゃんGMは俺だったんだ 今になって考えると、PCはリスク覚悟で助けに行ったんだから 頑張れば村娘も助けられる方が当然だと思う 263 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 16 01 39.94 ID 523MLq0k0 [1/2] 262 邪教団の邪悪さというより、チーム総意で「護送を中断して村娘の救出」をしてくれたからよかったが 俺がPLの一人だったら「いや、村娘もかわいそうだけど護送を中断するわけにいかんだろ」とか 言ってしまいそう。 そういうことを言って、PL同士で争いにならなかっただけラッキーと思おう。 つか、護送対象の人物の方は「俺を放っておいてどこに行く?」なんて言わなかったのか? 水戸黄門じゃあるまいし「困ったときはお互い様です。行って御上げなさい」とでも 言ったのだろうか。 264 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 16 03 16.35 ID sYwoGcxI0 262 失敗を開き直らずに自戒してるならいいんじゃないの?乙 265 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 17 03 12.78 ID wX0kUzb70 [2/2] 村娘だからなお叩かれたというのはありそうだな。 何も持ってないようなおっさんだったら見捨てて行ってもおかしくない。 でもGM反省の姿勢は良いと思う。 266 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 17 11 16.89 ID Vu2GCaXA0 [1/2] 彼らにとっては『うら若い娘は資源』だからな 単なるいちイベントのために殺すとは何事だ、となる。 262の場合なら、義憤に燃えさせるのが目的なら 「さらわれた娘がいたのだが、遺体で発見された」の伝聞一言で 済ませるべきだったのだろうな 267 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 17 15 31.03 ID 7KBW9OJQ0 [2/2] 262 あーそりゃ駄目だ 行為に対して報酬が無くて懲罰しかないんだもの 報酬・懲罰は心理学的な意味の方ね 俺がそれされたらそのキャンペーンでは二度と善意の行動しなくなると思うし 助かるか助からないか分からない時は助からないと思って行動するようになる 268 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 17 17 33.44 ID B9vSE6DC0 263 sw2.0とかだと 邪教集団を放置して置く=凶悪テロプラグだから 全力で潰すor情報収集して確実に帰還の二択だけどね 269 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 17 21 29.04 ID Vu2GCaXA0 [2/2] 依頼選択型の形で話が出ると「成功の余地がある」とPLは思ってしまうという、 GMとの意識差を生じさせる心理的落とし穴もあるんだろうな 270 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 19 22 34.47 ID CKhJD4cx0 徒労感はあれど好き嫌いの範疇だと思うけどなぁ 強制NPC死亡イベントからの強制ペナルティくらいでないと困認定はしづらい 271 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 19 28 48.80 ID b9iN7g6b0 邪教団の一味だけ捕えて賞金もらえたならまぁ 272 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/11/22(日) 19 39 03.86 ID oN9s91Tu0 [2/2] 確かに助けさせてくれよとは思うけどこいつ頭おかしいとまでは 「全てを救える訳じゃないというリアリティと悲劇性のためにあえて殺しました 余計なことをしたせいで護衛対象も死にます(なぜかドヤ顔)」くらい言ってくれたら困かな スレ428
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3486.html
※このお話は『渋皮やさしく剥いたなら』の後日談です※ 女心と秋の空、とはよく言ったもので。妙に暑いなと思ってたら急に肌寒くなったり、はたまたジメジメとした小雨が長く続いたりもする、そんな季節の頃。 要するに秋の半ばだな。空を覆うように広がるいわし雲の下を、俺はハルヒ宅に向かって自転車を走らせていた。別に呼び付けられた訳でもなけりゃ、大した用事でもない。単なる気まぐれと言うか、たまにはちょっとしたプレゼントでもあいつにくれてやろうかと思ってね。お、見えてきた。 ハルヒの部屋の窓の端で、白いレースのカーテンが揺れている。日曜の昼下がりだし、もしかしたら家族で出掛けてるかも、なんて可能性も考えていたが、どうやら都合よく部屋に居るみたいだな。よしよし。 路傍に自転車を停めた俺は、そよ風にふわふわ揺れるカーテンを見上げながら、ピッと携帯のコールボタンを押した。 「あによ、キョン。何か用?」 「…だから、一体どうすれば『もしもし』と言えるようになるんだお前は」 呆れました全開の語調で、はーっと溜息を吐く。すると電話の向こうのあいつも負けず劣らず、ふざけんじゃないわよ全開の舌鋒で反論を叩きつけてきた。 「どこにそんな必要があんのよ。誰が掛けてきたのか着信音で最初から分かってんのに、いちいち丁寧な挨拶なんて使ってられるもんですか」 「ほーう、団長様は一団員のために、わざわざ着信音を設定してくださっておられましたか。それはそれはありがたい事で」 「な、なに言ってんのよ! だいたい何、その気色悪い喋り方!? あんた絶対あたしを馬鹿にしてるでしょ!」 「あースマン、俺が悪かったからそう大声を上げるな。お互い、ご近所さんに変な目で見られたかないだろ?」 「なによ! あたしがどんな目で見られようとあんたには関係な………。って、お互い? ちょ、ちょっと待ちなさいよ。あんた、まさか!?」 電話越しの声が上ずったと思ったら、バッと見慣れたカチューシャ頭が窓の向こうから飛び出した。目と目が合ったので軽く片手を上げてやると、ハルヒは逆上したように、かーっと顔一面を紅潮させる。 「アポ無しで悪いが、昨日また田舎から届け物があったんでな。こうしておすそ分けに来てやったんだが、いま出て来れるか?」 「~~~っ! もう、あんたって奴は!」 で、俺は今こいつと対面してる訳だが。何故に自分の部屋から玄関先へ出てくるまでに10分ほども時間が掛かるのかね。そういえば今日はスウェットパンツとかの部屋着じゃなく、ちゃんとスカートに、淡い黄色のセーターなんぞ着込んでいるんだな。 「ちょうど出掛けようかなって考えてた所だったの! あと少しタイミングが悪かったら、あんた思いっきり無駄足だったんだからね、あたしに感謝なさい!」 「人から差し入れを貰うのに、えらく居丈高だな」 「うっさいわね! 恩着せがましい事言ってないで、渡すならさっさと渡しなさいよ!」 ふん!とそっぽを向くハルヒに、俺はやれやれと自転車のカゴの中から新聞紙で包んだ大き目のタッパを取り出し、突きつけてやった。 「ほらよ、今回は調理済みだから皮剥きに苦労したりする必要は無いぞ。なにしろ松茸ご飯だからな」 「へっ、松茸って…あの松茸?」 ぱちくりと目を瞬かせるハルヒに、俺は事も無げに頷いてみせた。 「アノもコノもあるか。松茸は松茸だ」 「うそ、あんたの田舎ってそんなのも採れるわけ!?」 「まあな。去年の栗をハルヒが喜んでたって伝えたら、婆ちゃんが張り切っちまったみたいでさ。山から採ってきてくれたそうだ。なんでも今年は豊作だそうだし、ま、遠慮なく喰ってくれ」 「う、うん…。お婆ちゃんのご好意は無下に出来ないものね。あ、ありがたく頂く事にするわ」 何やらゴニョゴニョと言いながら、ハルヒは両手で包みを受け取った。ふむ、さすがのハルヒも松茸には少々畏まるか。 まあ分からんでもない。大げさに言えば、松茸って奴にはある種の魔力があるからな。こいつの場合、単に喰い意地が張っているだけという可能性も無きにしも非ずだが。 「とにかく、確かに渡したぞ。じゃ、また明日」 「あっ、ちょっと待ちなさいよ、キョン! 貰いっ放しなんてあたしの名がすたるし…その、お茶とお菓子くらい出してあげても…」 「いや、今日もおふくろからお使い頼まれてるんでな。明日にでも感想聞かせてくれればそれで十分だ。じゃあな」 やや強引に話を切り上げて、俺はさっさと自転車を漕ぎ出した。なにせ、このままハルヒの前に居たら思わず吹き出しちまいそうで、俺は内心、笑いを堪えるのに必死だったからな。 と、ここでネタばらし。俺が『松茸ご飯』と称してハルヒに渡したタッパの中身、実は真っ赤なニセモノ。本当はエリンギをそれらしい形にカットした物を醤油と松茸風味のお吸い物に漬け込んで色と香りを付け、スライスしたそれを炊き込みご飯に混ぜ込んだ、ニセ松茸ご飯なのだ。 まあ俺はニセ松茸の仕込みをしただけで、調理そのものはおふくろに頼んだんだがな。もちろん本当の目的は内緒のままで。 だいたい、松茸がそう簡単に採れてたまるか。希少価値があるからこそ、国産の松茸ってのはあんなに高いんだよ。うちの田舎は確かに小さな山を有してはいるが、秋に採れるのはせいぜい、あけびやむかごくらいだ。鶴屋さんクラスのブルジョワジーでもなけりゃ、この日本で松茸が採れるような山になんて入れやしないっての。 なに? そもそも、どうしてこんな世界まる見えじみたドッキリを仕掛けてるのかって? よくぞ訊いてくれた。実は昨日、つまり土曜日の出来事なんだがな。例によって不思議探索で集合した喫茶店で、俺は久々にホットな飲み物でも注文しようかと考えてたんだ。 「有希は野菜ジュースね? あとは…キョン、さっさと決めなさいよ。本当にあんたはいっつも優柔不断なんだから」 「なんだハルヒ、その言い草は。俺はこれでも常に沈思黙考してるんだよ。 じゃあ、ブルーマウンテンをお願いします」 俺がウェイトレスさんに告げた銘柄に、意図など無かった。メニューを開いた中で、単に目に付いただけさ。ところがこれに、ハルヒが変に喰いついてきた。 「なーにがブルーマウンテンよ。キョンのくせに格好つけちゃって」 「俺が何を頼もうと、俺の勝手だろ」 「味の分かんない人間に飲まれたんじゃ、コーヒー豆の方が可哀想だってのよ。いいわ、だったらテストしてあげる。こっちのモカってのと利き比べてみなさい」 ウェイトレスさんの前で、ハルヒがメニューの一部をビッと指差す。やれやれ、どうやらこいつのイベント好きの血が、また騒ぎ出したようだ。 「アホか、どうせここの支払いは俺だろうに。何が悲しくて、無駄に2杯もコーヒーを飲まなきゃならんのだ」 「みみっちいわねえ。いいわよ、あたしの分で注文したげるから。 って事でウェイトレスさん、注文変更ね。シナモンティー取り消しでモカを頂戴。もちろんテーブルへ置く時に、どっちがどの銘柄なのか言っちゃダメよ。あたしにだけこっそり教えてよね。 さーてキョン、あんたご自慢の舌はどの程度のモノかしら?」 俺は単に本格的なコーヒーが飲みたかっただけで、舌の自慢などしていないんだが。勝手な事をほざきつつ、ウェイトレスさんにあれこれ指図しながらニマニマと瞳を細めるハルヒの表情が、あんたらにも思い浮かぶだろうか。 その後に運ばれてきたふたつのコーヒーの利き比べがいかなる結果に終わったかも、とりあえずご想像にお任せする。ちなみにハルヒはしてやったりの澄まし顔でモカの残りを豪快に飲み干し、あまつさえ俺のブルマンにまでも手を出した挙句、 「にっがいわねえ、これ。胃を悪くしそうだわ」 などとほざいて、勝手にミルクと砂糖をぶち込んで突き返してきたのだった。泣く泣くそれをすする俺の様相に、朝比奈さんたちも、ウェイトレスのお姉さんまでクスクス笑ってたし。 「ふふ、見事なまでの尻に敷かれっぷりですね」 古泉のくだらない冗談が、さらに俺の神経を逆撫でする。くそ、ハルヒの奴め要らん恥をかかせやがって。コノウラミハラサデオクベキカ! いや、さすがに藤子不二雄A調なまでに憤っている訳じゃないが、俺だってそうそう大人物じゃないからな。胸に復讐の炎が燃え上がったのも当然と言えよう。かくして今日この日、ニセ松茸ご飯作戦は決行されたのだった。 くくく、月曜の朝が楽しみだぜ。「昨日の松茸ご飯、まあまあだったわ」とでもほざいたらハルヒめ、指差して嘲ってやるからな? はーっはっはっはっは! そうして、明くる月曜日。 少年時代のピンポンダッシュの際にも似た背徳的緊張感を内心に秘めつつ、教室に一歩足を踏み入れた俺がちらりと隅の方を見やると、そこには窓の外を向きながらも背中に上機嫌オーラを漂わせたハルヒの姿が! ぷぷっ、見事に引っ掛かってくれたようだぜ。ついついニヤケてしまいそうになるのを懸命に堪え、努めて何でもない風を装いながら俺はハルヒに歩み寄り、声を掛けた。 「よう、ハルヒ。どうだった、昨日の…」 「あ、キョン! ようやく来たわね、待ってたんだから!」 すると、いきなり席から立ち上がったハルヒは、そう言って俺の真正面に向き直ったのだ。なんだ? 松茸ご飯の礼にしては大仰すぎる。まさか、バレたのか!? 思わず背筋に寒い物が走ったが、何の事は無い、ハルヒは全く気付いていない様子で、ばっしばっしと俺の両肩を叩いていた。 「本当に美味しかったわよ、あの松茸ご飯! 味も香りも最高! あんなに松茸がたくさん入った松茸ご飯なんて、久々だったもの。もう親父と奪い合うように夢中で掻っ込んだわ! 家族全員、大満足よ! あんたは届けただけだけど、とにかく近年稀に見る良い働きをしてくれたわね。うん、褒めてつかわす!」 はあ、そりゃどーも。って、人を褒めるのにも大上段からか。こいつらしいといえばこいつらしいんだが、いやはや呆れるのを通り越して、むしろ感心しちまうね。 それにしてもこのハルヒ、ノリノリである。いやまったく、100万Wを軽く超えちまいそうなくらいに満面の笑みだよ。あまりのご機嫌さに、なんだかこっちの方が罪悪感を覚えてきちまうぜ。ほんの軽いイタズラのつもりだったんだが、こりゃ度を過ぎない内に、さっさと本当の事をバラしておくべきだな。 だがしかし、ハルヒのけたたましい大歓声にクラス中の注目がこっちに集まっているようで、今ここで真相を明かすのはタイミング的にまずいか…? などと俺が考えていると。ハルヒの奴は急に、ふっと声のトーンを落とした。 「でね、夕飯の後、親父たちと話したのよ。キョンには立派な田舎と優しいお婆ちゃんがいて、羨ましいなあって。あたしの家は両親とも都会育ちで、田舎の存在そのものが経験無かったからさ。 そしたら、母さんがこう言ったの。あら、だったら良い方法があるじゃない、ってね」 珍しくしんみりした口調で話してたかと思うと、突然ハルヒは俺の頬に左右の手を沿え、強引に顔と顔を向き合わせた。見上げるハルヒはえらく楽しそうで、大きな瞳が宇宙を凝縮させたみたいにキラキラ輝いている。この短い時間にこの表情の変わりよう、まさに女心と秋の空だね。 などと、落ち着いている場合じゃない。おいこらハルヒ、お前いったい何を…。 「言ったでしょ、貰いっ放しじゃ涼宮ハルヒの名がすたるって。去年の栗もそうだし、あんたのお婆ちゃんには本当に良くして貰ってるわ。 だからキョン、そのお礼として、あたしはあんたの所にお嫁入りする事に決めたから!」 朝の教室に、うおーっ!?だの、キャー!といった黄色い悲鳴が飛び交う。そんな中、俺は目の前で得意げに胸を張っている団長様を、呆然と見つめていた。 はい? そのお礼に………なんだって? 「だーかーらー、あたしがあんたの嫁になったげるって言ってんの! そうすればあたしには田舎が出来るし、あんたは分不相応なくらいすてきな奥さんを迎えてお家も安泰、お婆ちゃんも安心させられるでしょ? みんな万々歳、うん、こんないい話は無いわね!」 一人で盛り上がっているハルヒのセリフは、俺の耳を右から左へ2、3周していた。 いいや、盛り上がってるのはハルヒだけじゃない。クラスの男子も女子も十重二重に俺たちの周りを取り囲んで、既に異様なほどハイになっている。いつの間にやら俺の隣で腕と腕を絡ませたハルヒには、女子連中からのおめでとうコールが引っ切りなしだし、阪中など感極まって泣き出してしまう始末だ。 向こうの隅じゃ別の意味で男泣きの谷口が、国木田に慰められてるし。これは一体何の祭りだ? 俺とハルヒの電撃婚約祭り? ああ、そうでしたか。 って、納得してる場合かーッ! ととととと、とにかく落ち着けハルヒ、そう、こういう事はその場の思い付きなんかじゃなく、もっと真剣にだな…。 「当たり前でしょ。あんたまさか、冗談であたしが結婚したげるとか口にしたと思ってんの?」 「い、いや…そういう訳じゃないが、しかし…」 「このあたしが嫁に行くって言ってあげたのよ!? 本来はそっちから言うべき事なのに、あんたってば本当にいつまで経っても鈍感で優柔不断なんだから! そうよ、あたしは目一杯譲渡してあげたんだから…だから、ちゃんと幸せにしなさいよね。じゃなかったら許さないんだから…」 憎まれ口の割には耳たぶまで真っ赤にして、こちらを見上げながらすがるようにそう呟くハルヒから、俺はどうしても目を逸らす事が出来なかった。 やれやれ、ハメるつもりがハメられた。いや、ハマっちまったのか? とにかく今は、とても事の真相を話せるような状況じゃなさそうだ。だから俺は仕方なく、そう、本当に仕方なくこの場の雰囲気に流されるまま、両腕にハルヒを強く抱き締めたのさ。教室一杯の祝福の声に包まれながら、な。 ああ、あとこれは別にどうでもいい事なんだが。 次の年の秋から、何故かうちの田舎の山で、急に“ある物”が採れるようになった。はてさて、これは地球温暖化か何かの影響なんだろうかね? 「なーにを独りでゴチャゴチャ言ってんのよ、このバカキョン。せっかくの松茸ご飯が冷めちゃうでしょ? あんたの味覚オンチを是正するために! このあたしが! 愛情たっぷり込めて! 作ったげたんだからね。しっかり味わいつつ、さっさと食べなさい!」 「へいへい」 嘘から出た松茸 おわり
https://w.atwiki.jp/utauuuta/pages/4343.html
【登録タグ い カゼヒキ 是 曲】 作詞:是 作曲:是 編曲:是 唄:カゼヒキ 曲紹介 アルバム『水商売』収録曲。 歌詞 (piaproより転載) 遠く続いている 熱の抜けた車道 ずっと続いていく 態(わざ)とらしい感情 広い世界の端で 息をしていた 啼いていたのは 抑え込んだ自分 わたしらしい声 は絞らないと出ない 何を求められて どれを好むのか なりきれない自分を いつも呪った 足元が見えないまま わたしなら 何処まで行ける? 視えるとこだけ見ないで そんなの言えないよ 絶対 眠ることだけしないまま 街の灯(ひ)が消えるのを見てた 彼女では、入れない様な場所 傷付いたのは 偽った方の自分 物憂げな顔 も作っているような。 もしも 今、あの時、 無理をしてたら? やりきれない自分を 今も叱ってる 虚しさを消せないまま わたしだけ 何処まで行ける? 出来ることなら見ないで そんな強くないよ 実際 先のことだけ見ないまま 1日が終わるのを待ってた 誰にも言えないよな 気持ち悪がられては したいことも我慢して 必死に役割り演じてた 誰か?の為に ウソも「ほんとうだよ」と 嘘吐いてたから、 期待を蹴ってしまう。 足元が見えなくても わたしまだ 何処へでも行ける? 向き合えなくて、ごめんね そんなに癒えないよ 一生 未だ夜は明けないから 暗がりに隠して終わる 彼女では、容れない様な人 彼では、居れないから 多様な人や価値観があって きっと多様な仲間外れがある 与えられた居場所が苦しかったら そんなの疑ったって構わない 利き手を直したくない 変わるのは怖い 拒まれるのはもっと怖い 叫びたい言葉は輝いている 必要以上に自分を否定しないこと 心に抱えた尽(まま)だったわたし スゴく遅くなったけど わたしは今、 いれる コメント 名前 コメント