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487 :ナイ神父MK-2:2016/01/15(金) 22 32 23 日蘭世界 サブカル 歴史に消えた兵器達~とある雑誌記事の断片より~ 本誌のご購入ありがとうございます。創刊100周年を迎えた本誌では今回、歴史の闇に埋もれた兵器達を紹介して 頂かせたいと思います。此処で紹介する兵器達は陸海軍監修の元に編集され、そのどれもが計画又は試作された 兵器達です。この事を踏まえて読んで頂ければ、先人達の試行錯誤や努力の証をより強く感じてもらえるかと 思われます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~P28 13式 装甲飛行船【富嶽】 此処で紹介させて頂く兵器は、まだ空の支配者が飛行船だった頃、その末期に開発が計画されたといわれている怪物です。 その名も13式 装甲飛行船富嶽 全長349mを誇り設計図では対地、対艦を想定した15.5cm三連装砲を備え船体の下部に 爆撃用の火中車発射口を複数備えている。更に船体の全体に対する装甲化と当時発達してきた航空機に対する備えとして 対空機関銃も準備され、もし完成すれば世界最強の飛行船と言って良い飛行船であったが。当時の航空機の急激な 進化に加え、装甲化の際に起るであろう重量の増加は当時の飛行船技術では解決することが出来ず、最終的にはペーパープランのみと成った しかし、この飛行船の情報が世界に流された際は、各国で装甲飛行船の設計が目指されたが、何れもペーパープランのみで終わっている。 余談 この飛行船が遺した衝撃は後の世にも残り、特にアニメ作品に対して強く影響が出ている。天空の城ラピュタではコレを元に下と思われる ゴリアテが登場し、ゲームサクラ大戦では主人公達が話しの中で第一次大戦の際計画された巨大飛行船について話が成されているなど、 大正ベースの世界観の作品や空を舞台にした作品では、巨大な飛行戦艦や飛行船の存在が強大な敵あるいは頼もしい味方として描かれている。 ~~~~~~~~~~~~~~~~P36 34式80cm列車砲 P28で紹介した飛行船富嶽が空の王者だとしたら此方は陸の王者、あるいは陸の連合艦隊旗艦と呼ぶにふさわしい存在だろう。 その名も34式80cm列車砲である、全長は約50mに至りこの巨大兵器を動かす為だけに4000人の兵士と技術者、更に専用の 貨物列車まで必要なまさに怪物と言って良い巨大列車砲で有るが、その分威力も凄まじいこの列車砲4機が投入された旅順要塞では コレに加えて36cm列車砲・40cm列車砲が多数投入され、ロシア軍が降伏する頃には旅順要塞は地下の弾薬庫や避難していた戦艦も含めて 原型を留めていなかったとされている。しかし、運用する為の莫大な人員とその馬鹿げた重量の弾薬、が負担となり実戦使用されたのは この旅順要塞攻略戦が最初で最後といわれている。後にこの反省を生かして海軍の戦艦の主砲と互換性を持たせた直接の後継である 51cm列車砲は要塞化されたハワイやアラスカ防衛線、各海峡要塞に複数が配備されその威容によって米国を驚愕させたという。 また、列車砲としては使用不可能であったこの巨砲であるが、ハワイのとある島が要塞化される際に基地に要塞砲として組み込まれ、 専用の弾薬製造設備と共に運用が成されているが、基地の近代化や兵器の飛距離が上がるにつれ不必要となり、現在は四国にある 列車砲博物館にて2機が列車砲の形でもう2機が要塞砲の状態で展示されている。 余談 この巨大砲もまた、幾多の創作物に影響を与えガンダムシリーズで出てきたヨルムンガンドはこれがモチーフとされ さらにアーマードコアではグレートウォールの専用対AF兵器としてモデルにしたと思われる巨大実弾砲が搭載され、 主にSF作品で使われる大型砲のモデルとして用いられる姿が多く見られている。 488 :ナイ神父MK-2:2016/01/15(金) 22 32 55 ~~~~~~~~~~~~~~~~P43 第二次六六六艦隊計画 第二次世界大戦の折、もしも軍縮条約が締結された居なければ、おこなわれていたかも知れない艦隊計画である。 概要としては、アメリカが計画していたビンソン計画に対抗するため、新たに56cm搭載型の超大和型戦艦を6隻、 大和型を新たに6隻、グットホープクラス以上の新型装甲空母6隻の計18の主力艦とそれに付随する新型巡洋艦及び艦載機を 就役させる為の計画とされ、これが完成した暁には旧式化した現一航船と88艦隊計画を他国に販売するという計画が立てられていた。 しかし、当時の大蔵大臣に予算がないと蹴られ、さらに諜報の結果アメリカが設計したサウスダコタ級に対してはならば 現状就役している艦隊の戦力で問題はないと結論付けられ、この計画は無期限凍結されている。だが、この計画が全くの 無駄だったとは言えず、この計画で出された新型艦載機は後の烈風や疾風の後継機として採用され、更に装甲空母の一部設計は 後に作られる加賀型原子力空母の設計に活用されている。 余談 架空戦記や戦略ゲームではIF展開としてこの艦隊が完成した場合の架空戦艦が多く容易され、そのいずれもが史実で設計できる 大鳳型や大和型より遥かに高性能なユニットして位置づけられており、人気を博している。さらに、一部メディアでは艦これの に未完成枠として入るのではないかと推測されているが、現在の所正式な発表はなされていない。 ~~~~~~~~~~~~~~~~P68 黄泉国(よもつくに)型水爆 命名は皇軍一の変わり者富永恭次陸軍中将である。現状、我が国の持つ最大威力の水爆である禍津日型水爆以上の兵器として 開発が予定され、完成した場合の威力は禍津日型水爆よりも最低で10倍、最高レベルで1000倍以上の威力が出るとされていた 水爆であるが、時の陛下が開発中止を命令、完成には至らなかったとされている。当時、強硬派で有名であった嶋田総帥が 公の場で珍しくこの水爆を名指しして恐ろしいと口にしていたこともあり、それが以下に恐ろしいもであったかを物語っている。 余談 現実に近い世界観で描かれる作品で、日本に近い勢力が黄泉国を出現させる又はそれに近い発言をした場合は自国の強硬派で さえ警戒するほどの威力や効果のある兵器が登場する合図であり、ネット上では掲示板では通常の倍に近い速さでスレが消費されていくことで 知られている。
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502:弥次郎:2023/01/08(日) 00 25 05 HOST softbank060146109143.bbtec.net 憂鬱SRW 融合惑星 マブラヴ世界編SS「鋼鉄の裁定 -あるいは天空神の見定め-」3.5 C.E.世界 融合惑星 β世界 β世界主観1999年9月後半 15:44 朝鮮半島周辺南部海域 大洋連合海軍笠置型航空母艦「薬来」 急遽艦橋を離れ、別室に移動した柴島は信じられない報告を受け取っていた。 先ほどまで起こっていた、執拗なまでの米国艦隊へのBETAの攻撃。その理由が、判明してしまったのだ。 「間違いない、のか」 通信の先にいるのは、セオドア・ルーズベルトにいるスタッフだった。 艦載機として搭載されたヘリからパンテオンと共にセオドア・ルーズベルトに乗り移り、BETAへの対処などを行っていた彼ら。 彼らは、艦内において執拗なまでにBETAに追われる乗員を助け、負傷した彼らを治療することも行っていた。その中において、その事実に突き当たってしまったのだ。 『複数の人員において確認されました、ほぼ間違いないです。 簡易センサーではありますが、反応も確認されていました』 それは、と医療スタッフが硬い言葉で続ける。 『G元素です。グレイ・ナインやイレブンが確認されました』 そう、G元素。 ハイヴやカナダに落ちてきた落着ユニットの残骸から回収された、人類が手に入れた新元素。 その元素が、何と人間の体内から確認されたのだ。それも、最悪と言っていい形で。 セオドア・ルーズベルトにいるスタッフの操作により、多少荒いにしてもその画像が転送され共有された。 レントゲン写真のようなそれは、人の身体の一部を切り取っており、そして体内に明らかな人工物があることを映し出していた。 『G元素を封じ込めた容器が、確認されただけでも十数名以上の体内に確認されました。 事情を聴いたところ、健康診断において異常がみられ、外科手術を受けさせられたとのことです。 恐らくですが……』 「その際に体内にG元素を入れられた、か」 呻くように柴島はスタッフの言葉の先をつぶやく。 そう、確かに連合はG弾もしくはG元素の持ち込みがないかの調査を行った。 持ち込まれる物資、武器弾薬、戦術機、そして艦艇に隠されていないかの綿密な調査を行っていたのだ。 G元素のサンプルがあったからこそ、それを検知する検知器の開発は完了しており、それが大いに役立てられた。 しかし、その調査が行われたのはあくまでも物が対象だった。衣服までも徹底して調べたが、兵士たちまでは調べていなかったのだ。 そうであるがゆえに、検査を潜り抜けて、艦内にG元素を持ち込むことができたのだろう。 まさかそうまでしてもG元素を持ち込むとは、と今更ながらに後悔するが、どうにもならない。 『また、このG元素の容器の密封は完全ではありませんでした。 構造はまだ特定中ですが、時間経過により容器の密封が解除。そして体外にG元素が漏洩する仕組みと推測されます』 「個人個人に埋め込まれた量はおそらくは微量。しかし、それが多数の人間に及べばまとまった量を持ち込める……」 そうすれば、G元素に目敏く反応するというBETAの目にも留まることだろう。 その結果に生じることは一体何であろうか?想像する必要もない。 柴島の部下の梶原少佐が、青い顔で起こることを、そして実際に起こったことを述べる。 503:弥次郎:2023/01/08(日) 00 26 41 HOST softbank060146109143.bbtec.net 「そしてG元素に誘引され、BETAは集中的に米国からの派遣艦隊を、特にセオドア・ルーズベルトを攻撃する。 やがては撃沈に至り、ついでのように他の艦艇も攻撃を受けることになりますね」 ああ、と梶原の言葉を柴島は肯定する。 「いつ頃BETAが気が付いたのかは不明だが、奴らはこれらを手に入れるために一斉に襲い掛かった。 BETAに対して、これほど有効な誘蛾灯は存在しない。督戦していた潜水艦隊よりも優先したのも納得だ」 「提督、これはもしや……」 「ああ」 こんなことをした理由など、考えるまでもない。 米国が担当するエリアが存在する朝鮮半島東部方面の艦隊が崩壊すれば、それはかなり大きな作戦進行の躓きとなる。 同じく東部方面に展開している連合艦隊はその救援と収容、救助などに人員を割かれ、東部からの攻略の遅延あるいは戦力の分散につながる。 現場の兵士は、艦隊の兵士たちは必死に戦っていたのだし、そういう意図があったとは知りもしない。むしろ作戦の遅延を懸念するだろう。 何もなければたまたま米国艦隊が集中的に被害を受けた、と連合さえも判断していたのかもしれなかった。 だが、これを計画し、実行させた米国は自国の戦力さえも犠牲にしてまでも、艦隊一つを捨ててまでも邪魔をしたかったということだ。 「なんてことだ……」 事実が究明されたことによる喜びは全くない。 むしろ真逆だ。事実に突き当たってしまったことが、むしろ悪感情を招いてしまった。 こぶしを握り締めつつも、何とか冷静さを維持し、柴島はスタッフに問いかける。 「G元素の容器の取り出しは可能か?」 『場所さえ特定してしまえば、すぐにでも。 外部に漏れ出ないように該当の人員を隔離するだけでも、BETAの誘因は止められるでしょう』 「そうか。すまないが、早急に頼む」 何しろ、文字通り虫食いにされた米艦隊の能力は大幅に落ちている。 先ほども第二波の攻撃を受け、何とかしのぎ切ったばかりと聞く。 このままG元素で誘引してしまう人間を艦隊に置いていては、やがて防ぎきれなくなることは明白だ。 「それと、米国が兵士の引き渡しを要求してくるだろうが、絶対にしないでくれ。 米国からの人員が接触することも阻止してほしい。これほどのことをしてきたのだから、口封じをしてきてもおかしくない」 『もちろんです』 彼らは米国が細工を施して作戦を妨害したという事実の証拠となる。 この作戦完了後には、これを絶対に追求するように上申する。その強い意志が、柴島にはあった。 そして、彼は指示を出す。感情は強火の竈の如しだが、冷静さを失うことはなかった。 「梶原少佐、この事実はまだ伏せておけ。味方にも、人知れず協力してしまった彼らにもな。 下手に広めれば、作戦自体が滞ってしまう。米国への報復に走りかねない。 それと、少し早いかもしれないが、戦力の揚陸を急ぐ。BETAもそうだが、米国の妨害が入る前に行動するように参謀たちにも伝えてくれ」 「了解です」 怒りや憤りは、彼だけでなく、事実を知ってしまった人員に共通していた。 けれども、その感情を今ぶつけない理性だけは残っていた。 さりとて、許してやるつもりなどこれっぽっちもなかった。むしろ何倍何十倍にして報復することさえも厭わない。 (超えてはならないものを、越えたな……!) 指示を出し終え、しかし、憤懣やるせない柴島は、その思いを強くした。 この国家の垣根を超えた共同作戦は、もはやとんでもない爆弾となってしまったことを、意識しながらも。 504:弥次郎:2023/01/08(日) 00 27 13 HOST softbank060146109143.bbtec.net 以上、wiki転載はご自由に。 こういうことをやるよねって……
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戦争なんて大っ嫌いだ。 なにせ人が死ぬ。沢山人が死ぬ。日本人が死ぬし、米国人が死ぬ。英国人も死ぬし、独逸人も死ぬし、伊太利亜人も死ぬ。 兵士が死ぬ。市民が死ぬ。犬や猫だって死ぬ。若い奴が死ぬ。老いた奴もそれなりに死ぬ。街が焼かれれば女や子供だって死ぬ。 飛行機が爆弾を落とせばそこに居た人達が木っ端微塵に死ぬ。船が沈めば数百人単位で死んでいく。嗚呼あまりにも馬鹿馬鹿しくて語る気すらも起きないが、火の玉になって死ぬ奴もいる。 陣取り合戦がしたいなら将棋でもやってりゃあ良いんだ。その辺の畜生の縄張り争いじゃないんだから、自分たちが今持ってる陣地の中で、こじんまりとしていりゃあ良いんだ。 だってえのに、なんで人は戦争を始めるんだ。 喧嘩を売られた。喧嘩を買った。開戦した。勝った、勝った、勝った、負けた、負けた、負けた負けた負けた負けた負けた負けた負けた。 その度に兵隊は目減りしていくっていうのに、人は死んでいくっていうのに、耳障りのいい言葉だけを市民に与えて、兵士達は下で必死こいて神経磨り減らせて戦わなきゃならねえ。 エースパイロットなんて聞こえは良いが、そんなもん、一人でいくつも落とさなきゃどうしようもならなかっただけだ。 最強戦艦なんて聞こえは良いが、一艦で全部ひっくり返さなきゃどうしようもならなかっただけだ。しかもそいつはただの時代遅れときた。 本当にくだらなくて仕方ない。だったらさっさと、負けたって認めてもいいじゃないか。 食い物は減っていく。甘い物を食う機会も無くなっていく。ゆっくり腰を落ち着けることもできなくなる。枕を高くして眠れなくなる。 常に炎に怯えなきゃいけない。常に憎しみを持たなきゃいけない。常に殺す、殺すと殺意に満ちていなきゃならないんだ。 こんなものを喜々としてやる奴の気持ちが分からない。どいつもこいつも、本当は平和が一番だなんて分かってるのに。 嗚呼、わかってるよ。全部理想論だ。こんなの綺麗事でしかない。戦争は手段だ、兵士は駒だ、市民は資源だ、そんなのは俺もよく分かってるんだ。 色んな事情がある。戦争をしなきゃいけない事情がある、戦争を止められない事情がある、人が死ななきゃいけない事情がある。俺が喚いたって、いつの時代もそれは変わらないんだ。 それでも、これくらいは言わせてくれよ。終わった今くらいは言わせてくれ、別に無責任だって罵ってくれたって良い。それでも、俺は……ずっと昔から、そう思っていたんだよ。 ――――戦争なんて、大っ嫌いだ。 ■ 「讃州中学勇者部所属、結城友奈です!」 この聖杯戦争において、与えられた自室において、少女結城友奈は目前のサーヴァントへと向けてそう元気良く挨拶した。 蒼く光る軍服を身に纏った、坊主頭の中年男性――――ライダーのクラスを与えられたサーヴァントは、その元気さに少々困惑した。 先ずライダーは、自身のクラスと聖杯戦争というものの概要について説明した。その上で、ライダーは彼女へと名乗る事を求めた……のだが、その反応は全く以て予想外極まりないものであった。 なにせ、全く怖気づいていないのだ。聖杯戦争という蠱毒壺に突っ込まれておきながら、彼女はそれに対して全く感情を動かした様子もなく、実に元気良く、人好きのするとても良い笑顔を見せていた。 「それじゃあ、これからよろしくお願いします、ライダーさん!!」 「……あー」 ビシッ、と。誰かに仕込まれたのだろうか、と思うくらいに……陸軍式の、しかも帽子を被っていない状態では有るが、中々整った敬礼を繰り出す彼女に対して、ライダーは思わずそんな風に声を漏らしてしまった。 溢れ出すその若さが生み出す元気さに、英雄たるライダーは思わず後手に回っている……由々しき事態であった。 「……お嬢さん、ああいや友奈ちゃん。あんた、歳はいくつだ?」 「はい、14才です!」 思わず、ライダーはそんな風に年齢を聞いてしまった。とんだ若さだった。ライダーとは、没年で数えても孫と爺の差程にあった。 そしてライダーはその明るさに一つ仮設を立てた。それは若さ。若さが生み出す、勇気、或いは無謀。或いは……死、と言うものに対する者に対する認識の浅さが作り出すものではないのか、と。 そういう人間を、数多くライダーは見てきた。そして、そういう人間から死んでいった。殺し合いがどれ程恐ろしいことか、それを最後の最後に理解して、でもそのときには手遅れで死んでいく、そんな人間を。 なるほど、だから俺はこの少女に召喚されることを選んだのかと今更ながら理解したつもりになっていた。戦争なんか大嫌いだ……それなのに、呼ばれた理由が何となく理解できたとして。 「殺し合いが、怖くねえのかい?」 だから、ライダーは敢えて彼女にそう問い掛けた。大した答えは期待していなかった。 怖い、とはいっても、彼女達くらいに死を知らない者達にとっては、その感覚なんてせいぜい『高いところから落ちる』程度のものでしかないだろう。 怖くない、と言うくらいならば寧ろ話は早いくらいだった。なにせ、そう言われてしまえば無理矢理でも彼女を縛り付けて聖杯戦争を単独で終わらせればそれで済むだけの話なのだから。 だから、大凡そんな答えだろうと思っていたし、そうであってほしいと思っていた。そして少女が、結城友奈が返した一言は、その予想から逸脱しないものであった。 「……怖いです」 少女は、その元気な笑顔を少しだけ困ったように歪めた後、少しだけ逡巡した後に、そう言った。結城友奈は、ライダーへと向けて怖いと。 ああ、彼女はやはりその通りだ。年頃の少女が殺し合いに投げ出されて、なんとなく現実感のない恐怖感に苛まれている状態だ。であれば、やることはやはり決定していた。 ライダーが口を開こうとした瞬間、友奈はそれに重ねて言葉を続けた。 「……ここは、西暦の世界なんですよね。 実は私、ずっとずっと未来から来たんです。西暦の時代よりももっと後、神樹歴っていう時代から」 はるか未来から来た少女――――とは言われても、ライダーにはそこまで驚かなかった。 そもそも自身が過去の英雄であり、英霊の座にはそれよりも遥かに、千年だって昔の英霊が存在している世界なのだ。であれば、未来のマスターが……この、聖杯戦争に呼ばれることになっても在り得るだろう。 黙ってライダーは言葉を聞いていた。彼女が連ねる言葉を、穏やかに、然し真剣に。 「神樹歴は、バーテックスっていう生き物に侵略されて……私達の住んでる四国以外が、焼き尽くされちゃって。 私達は東郷さん達……同じ中学の仲間と一緒にバーテックスと戦う、勇者だったんです。 取り敢えず、バーテックスは、一旦は抑えられたんですけど。……それと同じくらいに、ううん、同じ『人』と戦わなきゃいけないなんて、それよりも怖い」 そこで、ライダーは目を細めた。 バーテックス、焼き尽くされた世界――――それは、文字通り焼き尽くされたのか、それとももっと酷い状態なのか。恐らくはそこは検討もつかないし、きっとそれは彼女の話を理解する上で重要じゃないことだった。 それよりも……彼女達が戦わなければ奈良に世界というのが問題だった。果たして、その世界の四国はどれ程追い詰められているのか……追い詰められているだろう。四国以外が存在しないとは、成立しているのが奇跡だ。 果たして、何か別の何かが世界を成り立たせているのか。それもまたどうでも良い話だ。問題なのは……彼女のような子供達が、戦わなければならない世界にあり。 「でもそれでも! 私には、戦う力があるから、勇者としての力があって、マスターとして選ばれたなら! こんな悲しい戦いを止めたい、止めたいんです。バーテックスと戦うのだけでも辛かったのに、人間同士で戦うなんて。きっと悲劇を生むだけで。 だから、ライダーさん! だから、だから―――― ――――結城友奈、頑張ります!」 ようやく、ライダーはその少女の本質を理解した。 彼女は、嗚呼、年相応に弱いだろう。恐怖も感じる。死ぬのは怖い。けれど彼女は、それでも膝を折らずに立つ人間だ。例え、例えどんなに悲惨な状況にあったとしても。 例えどんな理不尽であったとしても、例えどんな困難であったとしても、例え、例えどんな悲劇に見舞われたって、彼女は立って、戦う、そんな人間であるのだと理解した。 彼女は、そうだ。彼女は『勇者』だ。 「……って、いきなりごめんなさい。神樹歴、とか言っても分からないですよね、私説明下手くそだし……えっと、つまり」 「いいや、友奈ちゃん。分かった」 ライダーは……友奈に向かって正座をする形で、向かい合った。 直前までどうしようどう説明しようと頭を捻らせていた友奈は、頭にクエスチョンマークを浮かべながら、ライダーのことをその真剣で、それでいて……後悔に満ちた瞳に射抜かれていた。 そしてライダーは、掌を地につけ、額を床に擦り付けて。謂わば土下座の形を取った。 「――――本当に、済まなかった」 「……え、え、えええええええええ!!!!!!???????」 その唐突な行動に、友奈は困惑してそんな大声を上げた。 そうして顔を挙げたライダーの目尻には、涙すら浮かべていた。 「本当に済まない。俺達大人が戦わず……あんた達みたいな嬢ちゃんに戦わせるなんて。あまりにも、あまりにも――――情けないにも、程がある」 「え、ええ、そんな!? 違うんです、勇者っていうのは女の子にしかなれなくて、だからぁ……」 「そんなことは関係ない。あれだけ若い奴らを俺は戦わせて、結局未来にはまた若い奴らを戦場に送り込む。……嘗て戦争をしていた人間として、耐えられない」 直接的には、ライダー達に責任などない。 バーテックスに対抗できる力を得る勇者には、一部の選ばれた少女達しか変身できない。次世代型のシステムではより広範囲が対象になるが、少女であることは変わらない。 資格がそもそも少女達にしかない以上、誰が悪いとも言えない。それでも、ライダーは……『戦場に彼女達を出し、そしてそれに頼るしかない』という事実が、余りにも、先に死んだ英霊として情けなくて仕方なかった。 少年を導入してでも戦争に勝とうとし、徒に若者を死なせ結局戦争には勝てなかった。未来には少女達にだけ戦わせて、自分達だけが蚊帳の外。そんな状況が、余りにも情けない、と。 「――――俺は、戦争が大っ嫌いだ」 「ただでさえ人が死ぬってのに、その上若い奴から死んでいく。俺達老人は後ろで踏ん反り返って若い奴を駒として死なせる。 それが嫌だった。本当に嫌だった。英霊の座に抱えられた後も、聖杯戦争なんてまっぴらゴメンだった、だが、だが……今回は、どうしても呼ばれなくちゃいけないと思った。 友奈ちゃん、その理由がよく分かった。これは償いだ。俺は同じことを繰り返したくないんだ。もう、若い奴が戦争で死んでいくのを見たくないんだ。 本当は俺が代わりに、そのバーテックスとやらと戦いたい。でもそれは出来ない。何が英霊だ、結局俺は無力だ。……だけど、だから。せめて、友奈ちゃんが、元の世界に帰るまで。 俺に君を、守らせてくれ」 嘗て、護国を掲げてライダーは戦った。兵が死んでいくのを知っていながら指揮を執った。聯合艦隊の頂点に立った。本当は戦争なんてどうでもよくて、ただ人が死ぬのが嫌だった。けれど大きな力、流れには抗えず。 それを繰り返したくはなかった。聖杯戦争という流れの中で、彼女を殺し殺されの世界に放り込むなんて嫌だった。少なくとも、彼女を、少女を、未来ある若者を、徒に死なせるのはもう嫌だった。 戦争なんて大嫌いだった。だから、この聖杯戦争を彼女が覆すというのであれば――――彼女を、最も良い形で。彼女の世界で、ライダーはどうすることも出来ないけれど、それまではせめて、彼女を護るために。 頭をもう一度床に擦り付けた。今度は、結城友奈は――――微笑みながら、ライダーへとその右手を差し出した。 「ライダーさん、私ね、戦うのは怖いけれど。勇者になれたことには感謝してるんだ。勇者システムのお陰で、東郷さんに会えて、風先輩や樹ちゃん、夏凛ちゃんや園子ちゃんにも会えたから。 それに、それにね、東郷さんがいつも言ってるんだ……軍人さんのこと、『御国を護った英霊』だって。私もそう思う。 確かに戦争では残酷な事もあったかもしれないけれど、若い人達が戦争に出たこと、後悔してくれてるのかもしれないけれど。でも、でもライダーさんたちが戦ってくれたから、だから、今の私が、私達がここにいる。だから。 立って、ライダーさん。私達、もうとっくに、一緒に戦う仲間だから」 嗚呼、それは正しく輝きであった。戦争を防げなかったライダーの罪であり、そして――――ライダーが、確かに未来へと繋げたはずの輝きであった。 ライダーの心には、未だ戦争を防げなかった後悔、若者が先に死んでいくことへの理不尽が刻まれていた。それでも、それでも――――彼女が、そう言うのであれば。 軍帽を手に取って、立ち上がる。それを綺麗に被り直して、背筋を伸ばして友奈に相対する。そうして、脇を締め肘を前に、掌を見せぬよう――――海軍式の、全霊の敬礼を彼女へと捧げる。 「サーヴァント、ライダー。真名は山本五十六……これより貴官の指揮下に入ります」 「ふふ、東郷さんが見たら喜ぶだろうなぁ……よーし、頑張ろう! 勇者部五箇条、なせば大抵なんとかなる!」 ――――戦争なんて、大っ嫌いだ。 だから、今度こそ。今度こそ、抗ってやると。『勇者』になってやると、そう思った。 【クラス】 ライダー 【真名】 山本五十六 【属性】 秩序・善 【ステータス】 筋力:D 耐久:D 敏捷:D 魔力:E 幸運:EX 宝具:EX 【クラススキル】 騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 対魔力:E 魔術に対する守り。無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。 【保有スキル】 嵐の航海者:A 船と認識されるものを駆る才能。 集団のリーダーとしての能力も必要となるため、軍略、カリスマの効果も兼ね備えた特殊スキル。 先見の明:C あらゆることの「先を予想」する能力。 現状を冷静に把握し、的確に次の状況を導き出すことが出来る心眼に近い論理思考と、直感的な状況把握を複合している。 黄金律:A 身体の黄金比ではなく、人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。 大富豪でもやっていける金ピカぶり。一生金には困らない。 不屈の意志 A 後述の宝具によって付与されるスキル。 あらゆる苦痛、絶望、状況にも絶対に屈しないという極めて強固な意思。 肉体的、精神的なダメージに耐性を持つ。ただし、幻影のように他者を誘導させるような攻撃には耐性を保たない。 一例を挙げると「落とし穴に嵌まる」ことへのダメージには耐性があるが、「幻影で落とし穴を地面に見せかける」ということには耐性がついていない。 【宝具】 『聯合艦隊司令長官・山本五十六』 ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 聯合艦隊司令長官としての山本五十六、という存在そのものであり、最早それは五十六にとって加護であり、一種の呪いとも言える物。 真珠湾攻撃を展開し、ミッドウェイ海戦、い号作戦等の大きな日本の海戦を指揮し、聯合艦隊の象徴とも言える存在になった、最早海軍という"概念"そのもの。 その存在には、日本海軍の名将……山口多門や南雲忠一、そして名も無い航空兵の魂すらも、山本五十六を慕い、その力となっている。 その為、ライダーには撤退は許されない。諦めることは許されず、屈することも許されない。課せられる責務は、只管に進軍あるのみである。 『菊花栄光・聯合艦隊』 ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:1 #65374;99 最大捕捉:1000人以上 聯合艦隊旗艦にして日本軍最高の戦艦、『大和』を実体化させ操作する。 単純に巨大な船体を出現させる他にも、一部分を霊体化して船体を地中に埋め込ませる、主砲や副砲、機関銃の一部を攻撃手段として出現させる、装甲を防御手段として使用する等その操作は手足の如く可能。 その上大和自体は宝具全体の一部でしかなく、真名解放を経由することなく大和単体を運用することが可能である。 その真なる姿は、ライダーが嘗て理想とした聯合艦隊の再現。 真名解放により、旗艦を戦艦『大和』とし、『武蔵』、『長門』、『陸奥』、『赤城』、『加賀』、『飛龍』、『蒼龍』等。 日本海軍の名だたる艦、其の全てを一斉に現界させる。此の手段で現界した艦隊は全てガンナーのクラスを有し、全艦がDランク相当の単独行動スキルを備えている。 更に山本五十六を慕う前述の名将や兵士たちも実体化し、搭載されている装備を万全に再現、空を覆い尽くす艦載機や、主砲や機銃の群れが敵対者を焼き尽くしていく。 但し、艦隊召喚は事実上の英霊召喚にすら等しく、全力発動には膨大な魔力量が必要となり、少なくとも令呪でのバックアップは最低限必要。 【人物背景】 大日本帝国海軍の軍人であり、二十六、二十七代目聯合艦隊司令長官。最終階級は元帥海軍大将。 1884年に誕生し、父親の五十六才での子供という事で"五十六"と名付けられた。この際、苗字は現在の山本では無く高野であった。 甥の病死によって言われた言葉を切っ掛けに軍人を目指す事となり、海軍兵学校に入校。この際の成績は200人中2番目で、卒業時には192名の中で11番という優秀な人物だった。 1905年には装甲巡洋艦「日進」に配属となり、同年5月27日に日本海海戦に参加しており、この際に敵砲弾によって大きな怪我を負っている。 その後は様々な艦を渡り歩きつつ、海軍砲術学校、海軍水雷学校にも通い、その後二つの艦を経て練習艦配属となり、少尉候補生訓練等を行っていた。 1936年時点で海軍時間に就任する。 日独伊三国同盟締結には最後まで反対しており、反対派の要となって最後まで反対し、太平洋戦争直前時点まで一貫して開戦には反対派の姿勢を取っていた。 1939年に第26代連合艦隊司令長官に任命されるが、当初そうなることを強く拒み、撤回を要求したが認められなかった。 これは指揮能力を上層部に買われた物では無く、三国同盟反対派の山本五十六を海軍中枢から遠ざける目的であった。 1941年には第27代連合艦隊司令長官に再任され真珠湾攻撃を実行。大戦果を挙げるが、宣戦布告の令状が届かなかったことがきっかけで汚名を被る事になる。 当初はそれをアメリカの宣伝と思っていたものの、段々と本当にそれが届かなかったのではないかと考え始め、後々に後悔と思われる文言を残してもいる。 ミッドウェー海戦においては南雲艦隊の空母を四隻失う程の大敗北を喫するも、その報告に対してそれを山本はまるで分っていたかのように一言だけ呟いたと言う。 その後、ガダルカナル島、い号作戦を経て、い号作戦での兵士をねぎらう為にラバウル基地から発信後、アメリカ陸軍航空隊の戦闘機16機に撃墜され戦死する。 これに関して、山本は最低限の護衛しか付けず、またその前に戦いに疲れたような手紙を何人かに送っていた事から自分が死ぬことを望んでいたようだ、とも言われている。 【特徴】 お気に入りの、特注の蒼く光る軍服を身に纏った坊主頭の中年男性。小柄で小太り、細い目をしていて口は締まっており髭は生えておらずどことなく面長。 また、過去での戦闘が原因で左手人差し指と中指を失っており、サーヴァントとしての姿にもそれが反映されている。 特に他人に対して威圧感を与える人間、という訳でも無ければ、一目で誰からも好かれるような見た目をしている訳でも無い、つまるところ特徴の少ない人間である。 だが、その瞳には優しくも厳しく、また強い意志を感じさせる光が灯っており、"間違いなくただ物では無い"とそれだけで思わせる程。 常に冷静沈着で在りつつ、冗談や茶目っ気を好む人間。自分に厳しく他人に寛大で、懐は広く、また深い。 【サーヴァントとしての願い】 必ずマスターを守り抜き、元の世界へ送り返す。 【カードの星座】 魚座 【マスター】 結城友奈@結城友奈は勇者である 【能力・技能】 『勇者』 神樹から勇者に与えられる、バーテックスと戦うための力。 変身するとモチーフの山桜をイメージしたピンク色の装束に身を包む。 親に習った武術を得意としており、勇者としても近接格闘攻撃を得意とする。 必殺技は勇者パンチと勇者キック。また、精霊として牛鬼と火車がいる。 尚、精霊はいるが端末はゆゆゆい仕様のため満開は出来ない、筈。 【人物背景】 いつでも元気な女の子。 一見して脳天気なように見えるが、その実とても周りの事によく気づき、そして気を使う良い子。 実は主人公なのだが主要人物の中でもかなり私生活が謎めいていたりする。 その鋼メンタルで本編を駆け抜け、神樹様に人間の可能性を認めさせるまでに至った。 きっと新作でも元気にやってくれると思いたい。 【マスターとしての方針】 この聖杯戦争を打ち壊す。成せば大抵なんとかなる。 【参戦時期】 結城友奈は勇者である-花結の章-にて神樹様に招集された直後。
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678: 加賀 :2020/12/20(日) 14 57 08 HOST om126156135104.26.openmobile.ne.jp 「橋本はよくやってくれたよ」 「沖縄で連合軍艦隊を壊滅か……」 「だがやり過ぎてしまった……」 「強硬派は?」 「蜂起寸前ですが……今頃は閻魔の下でしょうな」 「それと海軍は……沖縄沖で消滅したよ」 「五艦隊と残存艦艇はいますけどね」 「それでも大掛かりな艦隊運用は出来ないし実質の消滅だよ」 「それで講和交渉は……?」 「連合国の主張は無条件降伏だとさ」 「あれだけ壊滅しておいてですか?」 「だがアメリカとは和平停戦は出来る」 「……まさか……」 「そのまさかだよ」 「何なんだこの被害は!?」 4月27日、ルーズベルトはそう発した直後に心臓発作が再発し意識不明で昏倒。そのまま29日には帰らぬ人となった。副大統領のウォレスはルーズベルトが死去してから数時間後には新大統領として就任し最初にした事は海軍作戦部長のキング元帥のクビを承認するサインだった。 4月29日にキングは海軍を追われ作戦部長にはウィリアム・リーヒ元帥が再度就任し作戦会議にてリーヒはウォレスに日米和平を主張した。 「プレジデント、我々は太平洋で血を流し過ぎました」 「それは分かる」 「次なる敵はソ連です。奴等はドイツとの戦いで失った全てを手に入れるためにヨーロッパを極東を支配するでしょう。そのために味方は必要です」 「……イギリスとフランスでは駄目かね?」 「ヨーロッパでなら必要です。ですが太平洋は日本、彼等の協力が必要となります」 「彼等は我々と和平をすると思うかな?」 「日本は日露、シベリアで血を流しました。ロシアを、ソ連を相手にです。ソ連の南下を防ぐなら彼等も我々と協力するでしょう」 「……分かった。日本はスイスに窓口を作っていた。こうなる事を予想していたのだろう、直ちに作業に移ろう」 斯くしてアメリカは動いた。時は少し戻り4月27日、皇居にて古賀は陛下に上奏の時、ただ一言述べた。 「陛下、我が連合艦隊は本日を以て消滅しました」 古賀は沖縄沖海戦の結果報告書を陛下に提出、それらを全て読んだ陛下は涙ながらに頷いたのである。一方、スイスでもアレン・ダレスと重光葵(吉田や下村も同行)が密かに和平交渉に動いていた。 「こ、これは……」 「全ては事実です」 679: 加賀 :2020/12/20(日) 14 58 39 HOST om126156135104.26.openmobile.ne.jp 驚愕するダレスに下村がズイッと身を乗り出す。ダレスが持つ報告書の内容とは「米国のマンハッタン計画に関する基本情報及びソ連がそれを完成させるまでの時期推定」が記載されていた。しかも米国内に存在していた「レッドセル」、ソ連の協力者や情報提供者の名簿とその行動内容がその中には含まれているのである。 「……確認のための調査をしても?」 「構いません。ですが今はまず沖縄での現時点での戦闘停止です」 「うむ。プレジデントもそれについては承諾している。では5月1日で?」 「構いません」 斯くして5月1日を以て日米は戦闘を停止する停戦協定が受諾。(調印式は戦艦『コロラド』で実施された)アメリカは直ちに調査を開始する。その間、米海軍も大鉈を振り回す事を始めた。 沖縄沖海戦で米海軍は戦艦(新式及び旧式)を全て喪失し残ったのは大破しても尚沖縄に居座る『コロラド』のみである。空母については正規空母7隻が残ってはいるが五航艦の攻撃で2隻が大破してハワイへ帰還途中だった。 本来であればウルシー泊地を使用するはずだがウルシー泊地は『剣号作戦』の攻撃でほぼ使用不能でありまた潜水艦隊により通商破壊作戦が活発を増しておりそのためハワイへの直接帰還だったのだ。 一応、残存連合軍艦隊と金武湾で勢力を維持しているが連合軍艦隊も第五艦隊との戦闘でプライドはほぼ消滅しているので口の悪い水兵等からは「ジョンブルは弾除けすらなれんのか。まだ海の戦争に慣れてないフランスやブランクがあるイタリアのが根性あるじゃないか」と罵倒すらしていた。 それはさておき、キングが更迭されたのを皮切りに多くの海軍の高級官僚が更迭され表舞台から叩き出された。哀れだったのは臨時で機動部隊を率いていたミッチャーである。 本来であれば機動部隊を率いていたマケインが責任を負うのだがマケインが心臓発作で死去した事で臨時指揮官にのしあがったミッチャーに白羽の矢が建ってしまったのだ。更にキング派と対立していた太平洋艦隊司令長官タワーズ大将も更迭された事で米太平洋艦隊は一時的な人事不省に陥るのであるがそれでも腹の虫が治まらないのは米陸軍と政界である。 米陸軍はフィリピンに続き沖縄でも戦力を壊滅させられバックナー中将をも戦死させられているのだ。政界は政界でダレスからもたらされた紙爆弾(後にジュネーブ爆弾とも言われる)により親ソ親中で固まっていた政界グループが一掃される羽目になり和平派が浸透する事となる。 そして5月5日、再び開催された和平交渉でアメリカは『無条件降伏』から『条件付き降伏』に変更し日本への進駐を求め日本もそれを受け入れる形で『日本は連合国ではなくアメリカに降伏をする』事になったのである。 その報にイギリスのチャーチル達は激怒するも大統領のウォレスにしてみれば「ほぼ太平洋で何も役に立っていないイギリス軍がしゃしゃり出たら日本の進駐計画が遅くなるだろう」と鼻で笑うのである。 実際、沖縄沖海戦後にイギリス軍はビルマにて反撃をしていたが直前でインパール作戦を中止していた陸軍第15軍は防衛に転じており転生者等の活躍でビルマに攻め込む英軍の輸送機を第五飛行師団が積極的に撃墜したりと逆飢餓状態にさせたりしていた。 そのためビルマ方面はやや日本側が優勢だったりするのだ。そして日本も日本で内地の戦力を密かに北方や満州に派遣していた。新たなる脅威に備えるためにである。 そして5月15日にワシントンにて条件付き降伏を宣言したワシントン宣言が発せられた事で日本も条件付き降伏を承諾するのだがそこに待ったをかけたのが陸軍強硬派だった。 「海軍は消滅したが我が陸軍は消滅していない!! 本土決戦にて米軍を叩きのめしてやるのが唯一無二の選択だ!!」 5月20日、陸軍強硬派は後に『5・20事件』と言われるクーデターを決行、強硬派は近衛師団司令部を占拠するに至る。しかし強硬派に出来たのはそこまでだった。 強硬派は直ちにラジオ放送をして戦争継続を主張しようとしたが近衛師団司令部に仕掛けられて時限爆弾により司令部ごと破壊され瓦礫に押し潰されたのである。 「馬鹿どもが。地獄の鬼達と戦争ごっこをしていろ」 海軍省で近衛師団司令部爆破の報を聞いた栗田中将はそう呟くのであった。クーデターを鎮圧した日本はワシントン宣言を受諾、斯くして6月1日に日米はワシントンにて『ワシントン講和条約』が締結され日米の戦争は終わりを告げたのであるがそうは問屋が下ろさない国がいたのである。 680: 加賀 :2020/12/20(日) 15 05 55 HOST om126156135104.26.openmobile.ne.jp さらばキング、仕方ないよね リーヒ、再登板 日米和平 陸軍強硬派のクーデター でも爆破される(長門損傷してるからね 次回は杉山さん最期の活躍 今回は朝鮮戦争はせずに大戦終結で終わりたいと思います。あまり風呂敷を拡げると収集が付かないと思うので……。 だがしかし!だがしかし!一つ忘れているだろう、そう戦艦『信濃』√だ! 『信濃』のために、今度こそ、『信濃』を戦艦として活躍させるために! 『信濃』√、やりますよ大いに!!(なお、『瑞鶴』は修羅になる模様) 現在、『信濃』√のキャスティング及びプロローグを構想中です
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登録日:2020/01/02 Thu 21 47 04 更新日:2023/11/19 Sun 12 53 23 所要時間:約 10 分で読めます ▽タグ一覧 Vガンダム ※金曜夕方17時です。 ガンダム ガンダム戦争項目 ザンスカール帝国 ベスパ リガ・ミリティア 世紀末 仁義なき戦い 内ゲバ 地球連邦軍 女たちの戦場 宇宙世紀 宇宙戦国時代 憎しみが呼ぶ対決 戦争 戦艦が地ならし 架空の戦争 機動戦士Vガンダム 終わりのないディフェンス 老体に鞭打つ連邦軍 概要 ザンスカール戦争とは機動戦士Vガンダムにおいて描かれた架空の戦争。 サイド2に勃興した新興国家「ザンスカール帝国」と民間の武装組織リガ・ミリティア及び地球連邦軍との間で行われた争いである。 時代背景 宇宙世紀が140年代に入った頃、 地球連邦政府の強大な権力は著しく形骸化が進み、それに伴ってコロニー間の武力衝突が頻発するようになっていた。 いわゆる「宇宙戦国時代」の到来である。 この時代の大きな特徴は「かつてのスペースノイド対アースノイド」から「スペースノイド対スペースノイド」という形に対立構造が移り変わっていることであろう。 地球に住む者と宇宙に住む者との軋轢は決してなくなっていた訳ではなかったが、宇宙に慣れ切った人々にとっての地球はシャアの反乱の時のように最早特別な存在ではく、単なる一惑星以上のものではなかったのだ。 そういったこともあって、いくつかのコロニーは政府としての自治権を欲しはじめ、連邦政府もこれを容認。 やがてコロニー間での経済格差や住民意識の隔たりが大きくなると、自治を認められたコロニーは独自の軍事力でもって争い始めるようになっていった。 自治権獲得運動の再熱と連邦政府の不干渉が引き起こした戦乱の時代は、後のザンスカールの勢力拡大とリガ・ミリティアといういびつな武装集団が誕生する契機となったのである。 ……まあぶっちゃけ「連邦は宇宙に干渉するな! スペースノイド国家が自立するのに邪魔するな!」と一年戦争のころから散々言ってきたのがいざ実現したわけだが、 やってみたら思ったよりもうまく行かないし大変だし(*1)、慌てて連邦に泣きつこうとしたら、 「お前らがやりたい放題してきたせいで連邦軍も連邦政府も地球環境自体も何もかもガタガタなんだよ! 念願の自立だろうが! てめえのケツぐらい手前で拭け!!!」と突き放されたという、 スペースノイドの長年の理想がかなった結果の無惨な末路、というしかない事態である。 マリア主義、ガチ党の台頭 宇宙戦国時代が始まって数年がたった頃、サイド2のアメリアでは「マリア」という一人の女性が支持を集めていた。 幼少期に両親の離婚で社会に投げ出された彼女は売春婦の傍らで弟を育てる極貧生活をおくっていたが、0141年に娘を妊娠したのを機にヒーリング能力を中心とした不思議な力に目覚め、それを使う人生相談所または代替医療的な医院を設立。少なからず人々の支持を集めて行く。 0144年にはマリアを信奉する集団が発足し、そのメンバーの1人が彼女の御言葉をまとめた本を出版すると、それは宇宙戦国時代に対する不安を背景に大きな反響を呼んだ。 そしてマリアを信奉する集団は「マリアの光の教団」という団体を設立し、いわゆる「マリア主義」という新たな宗教を打ち出した。 と、ここまではマリアのカリスマによって成り立っている新興宗教に過ぎないマリア主義であったが、これに木星公団の重役であったフォンセ・カガチが着目。翌0145年にはマリアとの接触を果たし、協力を取り付ける。 0146年 カガチは政治的武闘集団として政治結社「ガチ党」を結党。 ガチ党は急進的に成長を遂げているマリアの教団と手を結んだことで彼女を信奉する民衆の支持を獲得し、瞬く間にサイド2アメリア政庁の第三勢力にのしあがる。 0147年 ガチ党は贈収賄で起訴された首班グループをギロチンにかけて処刑。 救済や慰謝を基調とするマリア主義を支援していたガチ党が極刑を実行した事実はサイド2の人々に大きな衝撃を与えた。しかし、同時にスペースコロニーという人工環境に慣れすぎて、血を目にする事の無くなっていた当時のスペースノイドにとって、「血の粛清」は人間の内側に眠る狩猟本能を刺激し、同時にギロチンはスペースノイドに取って新鮮な物にもなった。 カガチはこの処刑を「時には血であがなわなければならない人の業がある」と演説した上で民衆に理解を求め、そして受け入れられた。 彼はこの時、民衆の結束と反抗勢力の恫喝を同時になし得ることに成功したのである。 リガ・ミリティア結成 0148年 民間ネットワーク内にてかねてより持ち上がっていた「神聖軍事同盟構想」が有志らの手によって「リガ・ミリティア」という実戦的な組織として再結成がなされた。 連邦政府の形骸化・弱体化やそれを契機とする各コロニーの自立化などにより発生した紛争が、再結成を促したと考えられる。 ザンスカール建国、V 計画発動 0149年 ガチ党はマリアを女王に押し立て「ザンスカール帝国」の建国を宣言(*2)。 この際にサイド2駐留の連邦軍部隊とサナリィのサイド2支社、月面のアナハイムの都市やサイド4の一部のコロニーを接収したり、志願兵や学徒兵を集め軍備の増強を推し進め、それはやがて「ベスパ」と呼ばれる強大な軍隊を形成していくことになる。 これに対して尚も無関心を決め込む連邦軍に業を煮やしたリガ・ミリティアは独自の対抗手段をとるべく、新たなモビルスーツの開発計画「V計画(ヴィクトリープロジェクト)」を発動。 月面にて基本型MSであるガンイージを開発後、ゲリラ構想に基づいてマルチプルMSを計画し、往年のガンダムタイプを模したMSヴィクトリーガンダムを抵抗運動のシンボルとして開発することになる。 アナハイム・エレクトロニクス社やサナリィ等からの支援を得て開発されたこれらのMSは、レジスタンスが運用するものでありながら、その性能は当時の連邦軍のそれを大きく上回っていた。 降下作戦開始~ラゲーン占領 0152年 10月 ベスパは地球侵攻の第一歩として東欧のラゲーンを制圧。 同地にある航空施設を接収して軍事・陸戦MSの開発拠点とした。 一方、V計画の責任者であるオイ・ニュング伯爵は大型トレーラー「カミオン」で各地に点在する秘密工場を周って新たなガンダムのパーツを回収し、運用テストを始めた。 ウーイッグ空襲~伯爵の処刑 0153年 4月5日~11日 ラゲーン基地所属のMS部隊イエロージャケットは、地下にリガ・ミリティアの拠点がある連邦の特別区ウーイッグに空襲を仕掛け、街を壊滅に追い込む。 その2日後、遅れて到着したカミオン隊はヴィクトリーガンダムの実戦テストも兼ねてイエロージャケットと交戦。 遂に完成したヴィクトリーはイエロージャケットのMS数機を撃墜せしめる戦果を挙げ「ガンダム伝説の復活」を内外に知らしめたが、驚くべきことにこの新たなガンダムを操っていたのは熟練パイロット…では無く年端もいかぬ13歳の少年ウッソ・エヴィンであった。 だが、その途上でニュング伯爵が潜入していたベスパのクロノクル・アシャー中尉によって捕らえられギロチンにかけられてしまう。 バグレ隊の奮起 4月17日~19日 ザンスカール帝国は降下作戦と並行して衛星軌道上に宇宙要塞カイラスギリーの建造を進めていた。 このカイラスギリーは巨大な2つの丸い粒子加速装置とそれに挟まれるような位置にある垂直に長く伸びた砲身からなる「ビックキャノン」と呼ばれるビーム砲で地上のありとあらゆる場所を狙い打ちして地球側を恫喝することのできる恐るべき兵器だったのである。 この状況を打破すべく、いくつかの連邦軍の艦艇が集まってバグレ隊を名乗り、タシロ・ヴァゴ大佐の率いるカイラスギリー艦隊に攻撃を仕掛けるものの、奮闘も空しく返り討ちにあう。 カイラスギリー攻防戦 4月20日~24日 ビームでの恫喝をなんとしてでも阻止すべく、ヨーロッパに集結していたリガ・ミリティアの戦力は連邦軍のアイルランド駐留部隊と共にスペース・アーク級リーンホースに乗り込み、宇宙へと上昇。 カイラスギリーから派遣された艦艇との戦闘を経てアレキサンドリア級ガウンランドと合流した。 4月27日 リガ・ミリティアは再びカイラスギリー艦隊と交戦。 マイクロウェーブガンの照射やガウンランドをおとりに使う等して敵を撹乱し、旗艦のスクイード1を拿捕することに成功。カイラスギリーは陥落することとなった。 リガ・ミリティアはこの時手に入れたスクイード1に先の戦闘で大破したリーンホースとガウンランドのパーツを溶接して新たなる戦艦リーンホースJr.を建造し、組織の新たなる旗艦とした。 首都空襲~ビック・キャノン発射 5月4日 カイラスギリー艦隊を打ち破ったその一方で、連邦軍とサイド2の反ザンスカールコロニーによる連合艦隊がベスパの中核をなすズガン艦隊の前に敗北を喫していた。 ズガン艦隊の注意を引き付け、敗走する連合艦隊の生き残りを逃がすべくリガ・ミリティアはザンスカールの首都アメリアに奇襲を敢行した。 帰還したズガン艦隊に包囲されたリーンホースJr.であったが、どうにかして戦線から離脱。しかし、ウッソ・エヴィンら一部のメンバーが離脱に失敗しベスパに捕らえられる。 5月6日 マリアの恩寵を経て行われたギロチンの儀式で、タシロ大佐他拘束されたパイロット二名が処刑されそうになるがリガ・ミリティアと連邦軍のMS部隊による妨害で儀式は中断。二名はアメリアより脱出。 その後、リガ・ミリティアによってカイラスギリーのビック・キャノンが発射されズガン艦隊は戦力の半分を失う。 地球クリーン作戦 5月19日 月面に潜んでいたベスパのモトラッド艦隊が地球へ向けて発進しこれを阻止せんとするリガ・ミリティアのMS部隊と衝突。 旗艦であるアドラステアはV2ガンダムのコア・ファイターによる特攻でダメージを受け、侵攻が一時停止する。 5月24日 モトラッド艦隊がメキシコ湾のタンピコ村より上陸し特別区の街々を艦のタイヤで踏み潰しながら北米大陸を北上。 対するリガ・ミリティアの作戦は後手に後手にまわり、停戦協定が結ばれるまでの4日間まで有効な手立てを打つことができなかった。 停戦協定発効 5月28日 リーンホース部隊とモトラッド艦隊の交戦の最中、連邦とザンスカールの停戦協定が発効される。 だが、ザンスカールにとってこの協定は「最終兵器」を完成させるためのいわば時間稼ぎで、戦争を辞める気等毛頭なかったのだ。 それを示すかのようにリガ・ミリティアのホワイトアーク隊がベスパのドゥカー・イク隊やゲリラ化したラゲーン基地の残党部隊から攻撃を受けている。 6月8日には極めつけとばかりに連邦軍が駐屯していたラゲーン基地が長距離狙撃を受けて壊滅。 ザンスカールが戦争を続けるつもりだと悟ったリーンホース部隊は再び宇宙へと上昇する。 連邦軍集結 6月10日~12日 ムバラク・スターン大将が率いる連邦軍の艦隊とリーンホースJr.が合流。急編成の「リガ・ミリティア艦隊」として行動を始め、2日後にはモトラッド艦隊から分離したラステオ艦隊を打ち破る。 最終兵器、起動 6月18日~21日 ザンスカールの最終兵器であるエンジェル・ハイロゥ(以下AH)は中心部にある「キールーム」と呼ばれる部屋でコア・ユニットが祈りを捧げると、中心を取り囲んでいるリングに格納されたサイキッカー達がそれをサイコウェーブとして放射する仕組みになっている。 カガチはマリアに「闘争心を忘れさせ、争い無く地球圏を平定させるため」と説明してキールームで祈るように誘導しているが、その真なる目的はサイコウェーブによって地球圏の人間たちから闘争心を忘れさせるに留まらず、強制的な眠りに陥らせて最終的には衰弱死に追いやるという恐るべき計画だったのだ。 18日からの起動テストで地上への絶大な効果を確認したカガチは21日に地球へとリングを降下させる。 タシロ反乱 6月22日 AHの恐るべき効果を目の当たりにしたリガ・ミリティ艦隊は前衛のタシロ艦隊に攻撃を仕掛ける。 分が悪いと見たタシロは、土壇場でエンジェル・ハイロゥのキールームから女王マリアを自身の旗艦であるシュバッテンに連れ去る反乱行為に及ぶ。 マリアを人質にして戦線からの離脱を図ろうとするタシロであったが、リガ・ミリティア艦隊の追撃を振り切れずに艦隊は壊滅。 追い詰められて女王マリアを射殺する凶行に走った彼は、V2ガンダムのビームサーベルによって絶命した。 天使の輪、崩壊 6月23日 タシロ艦隊の撃破によって勢いに乗った連合艦隊は、エンジェル・ハイロゥの陥落を目指してベスパのモトラッド艦隊やズガン艦隊に攻勢を仕掛けるものの、AHの大気圏突入によって中断を余儀なくされる。 この間、シュラク隊らリガ・ミリティアのMS隊がAH内部に侵入して中枢機能の破壊を試みていたが、大気圏突入には間に合わなかった。 AHが降り立った成層圏で再び戦闘を開始した両軍は旗艦同士の衝突等によって互いに戦力を消耗しあう統制のとれない戦闘を展開。 そんな最中、マリアに代わってキールームに入ったシャクティ・カリンの祈りによって、AHは当初の想定にない超常的な力を発揮。光の粒子を撒き散らしながらリングを形作っていたパーツを切り離し、両軍の艦艇やMSを巻き添えにして宇宙の彼方へと飛翔し、戦闘はなし崩し的な形で終了した。 その後 連邦軍ではなくレジスタンス組織にすぎないリガ・ミリティアが中心となってザンスカールを打ち果たしたという事実はもはや連邦にかつての勢力がないという現実をより内外に知らしめる結果となる。 他方、リガ・ミリティアも単独で勝ったのではなく、実際には連邦軍ムバラク艦隊と合流してやっと優位に立てたという事実は、各コロニーやスペースノイドにも問題を自力解決する能力がないことの証明でもあった。 連邦にはもはや宇宙をまとめる権威がなく、かといって各コロニー国家やコロニー勢力にも連邦に取って代わるだけの権力機構が存在しない、という全宇宙で権力の空白が生じた結果、 独立していく各コロニーは急速に暴走を始め、いつしかそれは互いに勢力を消耗するだけの泥沼のような混戦となっていく。 そしてわずか十数年後には文化・技術までもが大幅に衰退し、その影響で、かつての戦争で活躍した巨人(MS)達は再び目を覚まし、塵どもの物語が始まる。 余談 あまりにも大きいエンジェル・ハイロゥは守るには不向きであり、シミュレーションでも防衛は不可能と判断されていた。なのでザンスカールはAHを守るために別の切り札を入手しようと企んでいたが、それを巡る戦いの末断念し、AHのみで最終決戦を強行した。 この頃になると一年戦争からの戦乱続きで地球圏を本格的に見限る者も出ており、そうした者達を集めてスペースコロニー「ダンディ・ライオン」を宇宙船に改造し、外宇宙に進出する計画が企てられた。出発直前でザンスカールにコロニーの改造をコロニーレーザーにするつもりかと勘違いされ、交戦に入ったが辛くも撃破し旅立っている。 追記・修正してください! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ザンスカールの暴虐を止めてもそれが原因で結局宇宙戦国時代につながるんだから救われない… -- 名無しさん (2020-01-02 23 02 18) 結構、濃いドラマだけど(Vガンが1年やってたから)実際は2ヶ月半くらいの短い紛争みたいな感じだよね -- JET (2020-01-02 23 28 03) スケジュールがギチギチすぎて中々Vガンの外伝、というかウッソの絡む話が作れないともっぱらの話よね -- 名無しさん (2020-01-02 23 38 58) ↑3だからこそはるか未来で「最終戦争アーマゲドン」と呼ばれるんだろう -- 名無しさん (2020-01-02 23 42 52) ザンスカールがサイド2統一の軍事行動を始めてからAH崩壊まで3年以上続いた一年戦争より長い戦争なのにウッソが関わったラスト3ヶ月以外はまともに掘り下げられたことが無いっていう… -- 名無しさん (2020-01-03 00 13 36) ネオジオンのバカ(直球)みたいになんであと少しで勝てるタイミングで自軍の足を引っ張る奴が生まれるんですかね -- 名無しさん (2020-01-03 00 21 34) そりゃ自分がトップに立てばもっと上手くやれる、と思う奴が出るからでは。軍隊ってマッチョ組織だし、上が不甲斐ないと思われれば下克上でしょう -- 名無しさん (2020-01-03 01 20 37) ネオ・ジオンはハマーンの独裁に不満をいだいてたザビ家の血統派とかに付け込んだ結果だけど、ザンスカはまず組織内の空気が最悪だからな……艦隊司令を有無を言わさずギロチンにかけようとした後、いけしゃあしゃあと再び艦隊司令に戻すとか頭おかしいわ -- 名無しさん (2020-01-03 06 24 27) 切り札クラスの大作戦二つ、一つは秘密裡に実行出来るくらい超優勢で鼻ほじってても勝てるレベルから、カサレリアつついてウッソを巻き込んでしまうというミス一つが致命傷になって二ヶ月で全軍崩壊に至るなんてなぁ… -- 名無しさん (2020-01-03 10 41 02) この後に何がどうなってGレコに繋がっていくのか… -- 名無しさん (2020-01-03 12 03 54) ↑直接的な繋がりはないよ。これも何百という戦争の一つでしか無い -- 名無しさん (2020-01-03 12 36 16) この次のシリーズもあわや宇宙戦国時代になりかけたけど代理戦争を各国が飲んで回避できたな。あの世界の各国首脳はなかなか思考が柔軟だったのが救いか -- 名無しさん (2020-01-03 12 47 02) ギロチンに対してのマリアの考えはテレビ版では語られなかったけど、小説版だと「ギロチンを使うのは人間が血を流す生き物だから」や「近いうちに出産の痛みを嫌う女性が現れてしまうから」と語ってたな。まぁ後者は現実問題でフェミニスト側が似たような主張してるから、富野は先見の明があるなと。 -- 名無しさん (2020-01-03 13 03 34) ↑4リギルドになるまで数百年経ってるから、何がどうしてとか一気には繋がらない。Gセイバーまでの間をつなぐクロスボーンDUSTが現在連載中だからね。 -- 名無しさん (2020-01-03 18 55 21) Vガンダム本編の出来事って1クールくらいの出来事だったのか…濃すぎるだろ…。 -- 名無しさん (2020-01-04 12 17 42) ↑4 Gガンの世界は、リングにされる地球こそいい迷惑だが、・血を流さずスポーツ的なファイトでケリをつける ・最後は人類が一丸となって危機に対処 と、ガンダムシリーズでも屈指の理想的な時代だとよく思う。登場人物も、敵も味方もまっすぐな奴が多いし。 -- 名無しさん (2020-01-04 15 14 28) 作中2ヶ月半くらいしかたってないのか…訓練くらいはしてただろうけどオデロさんとトマーシュの成長速度すごかったんだなぁ、もう少し長かったらエースパイロットも夢じゃなかったのかもしれない -- 名無しさん (2020-01-04 15 29 58) ↑3 言うてファーストガンダムもあれ3か月ぐらいの話やで。「一年戦争」って言葉で勘違いしがちだけど、第一話が9月半ばで年明け早々で終わってるし -- 名無しさん (2020-01-06 09 42 11) 放送時間と作中時間がきっちり1年で終わったのってGガンくらいかね -- 名無しさん (2020-01-06 09 46 44) 1986年3月1日から1987年1月31日放映のΖΖも最終回の旅立ちシーンを除けば第一次ネオ・ジオン抗争が0088年2月29日から0089年1月17日だからきっちり1年ではないもののほぼ放映期間≒作中時間と言える -- 名無しさん (2020-03-08 12 40 22) ザンスカールはサイド2内の反抗勢力を抑えきっていないのに地球に攻め込んでるのが驚き -- 名無しさん (2020-09-22 15 55 29) 連邦の「てめえのケツぐらい手前で拭け!!!」ってのが本当に魂の叫びだな。 -- 名無しさん (2021-03-19 12 03 09) 正規のパイロットじゃないから年単位の戦争とかまず保たんやろって都合上でも丁度いい期間かな -- 名無しさん (2021-06-11 18 22 22) こうやって概要をまとめたのを読むと、ユーゴ紛争モチーフってのがよくわかる -- 名無しさん (2021-06-11 20 13 19) ↑3 そうは言うが、各サイドにちゃんと自治権を譲渡しつつ段階を踏んで自立させればここまではこじれなかっただろ。搾取するだけしといて後は放置した結果でもあるぞ -- 名無しさん (2021-06-27 22 52 57) そもそも公式設定だとコロニーは余裕で自給自足できてたし(この設定はF91小説版の時点で文中に出てる)むしろ困窮したのは地球側で今後農業コロニーを脅してまでコロニーから地球への食料輸入をしないと地球が飢えるとかいう事態に陥ってるからな… -- 名無しさん (2023-02-28 12 58 16) ↑11亀レスだがGガンって師匠が人類抹殺しようとするほどに危機感を抱いていた各種問題に関してはノータッチのまま劇中は終わったことになるから、何も改善されていないという方向で考えると屈指の闇になる -- 名無しさん (2023-03-12 20 24 19) 当然デビルガンダム放置とかのが良かったかっていうと全くのNOだけれど -- 名無しさん (2023-03-12 20 25 49) 宇宙戦国時代、Vガンダム(とクロボンゴースト)でコロニーたちの中で一番力を持ってたザンスカールが連邦に喧嘩売ってみた!ってところをクローズアップしてるだけで宇宙全体に目を向けると細かいイザコザがめちゃくちゃ起きてそうよね -- 名無しさん (2023-11-18 21 56 17) カガチ個人の思想以外に地球に攻め入る理由がなさすぎて勝手に虎の尾を踏んで自滅したようにしか見えない -- 名無しさん (2023-11-19 12 53 23) 名前 コメント
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571: リラックス :2020/11/23(月) 14 09 17 HOST 119-228-232-201f1.kyt1.eonet.ne.jp さて、ネタが出来たので投下 日本が超巨大化したことについて語るスレ7818 1名前:名無しさん[sage] 日本が超巨大化したことについて語るスレです。それに伴う影響やバックグラウンド、何でもOKどんどん話し合いましょう。 追記 アラシ行為をしていた方々について一定の解決を見たと運営からの報告があった為、例の戦争に関してのスレをこちらに再統合することになりました。 勿論、それに対する諸外国の反応などについての話も同様です。 395名前:名無しさん[sage] 【どんな表情】中国海軍、オレラ化【すればいいの】 ttp/XXXXXXXXX.XXX どうしよう、俺は今、物凄い中国に親近感というか仲間意識を感じる…… 396名前:名無しさん[sage] 知的財産権とか肖像権とか色々と問題があるような気がしないでもない 397名前:名無しさん[sage] でも、あのイラストが公式(?)として認められたってのは嬉しい…… 398名前:名無しさん[sage] 包帯は狙い過ぎでしょ。まあ、何というか……難しいことは置いといてGJ 399名前:名無しさん[sage] 向こうのでは地味に政府への評価が上がってるらしいぞ。やはり戦艦って皆さんお好きなんですね ttp/XXXXXXXXX.XXX それはそうとして、世界の艦○を読んでみたが、国防軍の艦艇が凄いラインナップになっていて驚いた。 400名前:名無しさん[sage] やまと型やふじ型だけが国防海軍の船ではありませんからな。 だとしてもいずもの空母化で騒いでいたあの頃から、随分遠くまで来てしまった気はする内容ではありました。 ま、離島奪還任務とか離島防衛任務とかを考えると、あれくらいあると心強いよね 401名前:名無しさん[sage] 大型輸送ヘリの設計者が「アレが医療機器や医薬品の輸送にしか使われないなんて、そんなことあると本気で思ってるのか?例えお前がそう考えて設計したとしても、国は離島奪還任務とかの軍事作戦に導入することを考えるに決まってるだろ!!」とテロリストに責められて反論も出来ず黙り込む映画が今世紀に入ってから普通に作られていたと思うと、ホント隔世の感がありますよ 402名前:名無しさん[sage] 愚かな日本から可哀想な東南アジア諸国を助けてあげてくださいって国連に手紙出して肯定的な反応されたのってアレは二十一世紀に入ってからだっけ? 403名前:名無しさん[sage] ティ連が現れてから一度民族浄化を肯定したこともあり、国連への幻想が醒めるどころか冷め切ったのは良かったかもね 404名前:名無しさん[sage] あの戦争の時も酷かったからな。「民間船への攻撃?戦争になったら敵国の船を沈めるのは当然!!自衛隊が防げなかったのが悪い!」「宣戦布告前の攻撃?国際法上、呼び方が「戦争」から「紛争」に変わるだけだから問題なし!」要約するとこんな感じ 国連 572: リラックス :2020/11/23(月) 14 09 52 HOST 119-228-232-201f1.kyt1.eonet.ne.jp 405名前:名無しさん[sage] まあ、宣戦布告云々は実際、反則したとして反則負けを取ってくれる存在はいない(作れない)以上は実質的に紳士協定でしかないし 国家相手に反則負けを取れるような組織作ろうとしたら、多分沈○の艦隊みたいなのになっちまうんじゃないかなぁ 406名前:名無しさん[sage] 沈○の艦隊 海江○艦長の言わんとすることが何か理解できたかも、あんなやり方はどう足掻いても認める気にならんが ああ、あと関連動画に対して集団的自衛権ダイマの為に子供達の犠牲を政治的利用するなって感想板に粘着してる連中もいたな Wikipedi○のページにもこの手の記事を書き込んで、記事を書き換えないよう見張っていた連中がいたらしい 407名前:名無しさん[sage] 子供を襲った犬を撃退した飼い猫の動画にも似たようなの書き込んでるのいたから、それの同類かねぇ 408名前:名無しさん[sage] 407、あー、一時期凄い流行ったあのニュースか。懐かしい。 409名前:名無しさん[sage] あそこまで一方的なのを戦争というのか、暴挙というならあそこまでのオーバーキルを叩き込んだ日本のやったことこそが暴挙だって言ってる奴もいるし、結局言ったもん勝ちで引き下げた方が負けだってことなんじゃね? 410名前:名無しさん[sage] 406、過去系表現なのがちょっとだけ怖いかなって 411名前:名無しさん[sage] 防衛省へのサイバーテロやら何やらで騒ぎになって以降、マネーロンダリングやっていた会社の取り締まりが物凄い順調だとかスマホみたいな情報端末の契約にクレジットカードと同じくらいの社会的信用が必須になったとか、色々と察せられるよね。 あの辺りから疑わしい連中の羽振りが悪くなったとか色々と風の噂が流れて来たり、実際その手のサイトでも大分静かになったのも何というか、言葉に出来ないよ 412名前:名無しさん[sage] ちょっと色々とシンドいから、ちょっと別の話題で気分転換しない? 413名前:名無しさん[sage] なら、こんな架空戦記はどうだ 新生!日台連合艦隊! 20XX年、拡大を続ける中国海軍に警戒を強めるアメリカは、台湾海軍と自衛隊を連携させ東シナ海における海軍力を強化し、“領土回復”の野望を抱く中国を牽制することを目論んだ。日本からの技術供与により中国海軍の戦艦定遠に対抗して建造された新型戦艦東鯷、しきしまの2隻を中核にした日台連合艦隊に中国の魔の手が襲い掛かる! 414名前:名無しさん[sage] ああ、あの大和型戦艦の主砲を作った施盤とか出て来て、試行錯誤の末に定遠級の主砲を超える46cmガンランチャーを完成させるってやつね 日本が超大陸化してない設定なこともあって、そこそこバランス取れていたと思う 415名前:名無しさん[sage] しかし、ガンランチャーって本当に一躍注目されることになったな 【また】「ガンランチャーは人類の生み出した奇跡の技術」【お前か】 ttp/XXXXXXXXX.XXX まーた妙なこと語り出しやがりましたよ、この○○○○(自主規制 416名前:名無しさん[sage] そもそもにしてガンランチャーが廃れた理由って何だっけ? 417名前:名無しさん[sage] 確か普通の砲から撃ち出せる対戦車ミサイルと対戦車ミサイルに負けない強力砲弾の開発に成功したから、ミサイルを撃ち出せるように砲の方を改造する必要がなくなったからだったはず それにしても、流石にこの期に及んでガンランチャーじゃない主砲を搭載したやまと型やふじ型はクソ!とまでは言ってないようだが(或いは誰か検閲でも入れたか)、俄かに人気が出始めたガンランチャーに着目したのは何なのか…… 418名前:名無しさん[sage] 実際にスパホが飛んでるのを見て感動したという理由で推しにしてる方もいるし、主砲の試射動画を見て感動したからという可能性もあるんじゃないかな もし、同じ理由でリト○デーヴィットを主砲にするネタを実現する方が今後現れたら、その人を先生と呼ばせてもらおう 573: リラックス :2020/11/23(月) 14 10 53 HOST 119-228-232-201f1.kyt1.eonet.ne.jp 419名前:名無しさん[sage] リトルデーヴィッ○だと…… それはもう、戦艦と呼んで良いのだろうか? 420名前:名無しさん[sage] ??「戦闘用艦艇を縮めて申し上げたのです!今重要なのはそのような言葉遊びではありません、話を逸らさないでください!」 421名前:名無しさん[sage] 420、うーん、懐かしいと言える程度には過去の妄言と断じれるようになったのは良かったのか悪かったのか 時に、東鯷って何? 422名前:名無しさん[sage] 421、 『漢書地理志』の中の「会稽海外有東鯷人、分為二十余国、以歳時来献見……」って記載に東鯷が台湾を指す名称であると主張している学者が一部にいるので、それを台湾そのものを指す別称として引っ張って来たんじゃないかと 423名前:名無しさん[sage] 確か東鯷とは海上の島嶼群を漠然と示した名称で、台湾の呼称とするには今一歩根拠に乏しいって話じゃなかったっけ? それは別にしても創作であろうと、この名称を選択しましたってのが通る辺りが台湾への評価なんかねぇ 424名前:名無しさん[sage] リアルだと支援するにしてもせいぜい流されたらヤバい物を抜いてからFー15JとFー2を払い下げるくらいだろうってのが主流だし、まあ、多少はね? 425名前:名無しさん[sage] 東南アジア「あの……」 426名前:名無しさん[sage] 425、はいはい、お小遣いなら中国おじちゃんに貰いに行ってねー 427名前:名無しさん[sage] 東南アジア「アンタ達は長年在日米軍に守られてズルい!今度はアンタが他の誰かを守るべきじゃないのか!?」 日本「アメリカがあの条件でウチに基地を置くようになったのは古くはソ連、今は中国の太平洋方面における前線基地として都合がいいという地勢条件があったからですけど、ウチとアンタらとでこの関係は成り立たんでしょ?ついでに言えば思いやり予算だ何だと言われながらも、基地の土地の借用費とか貰うどころか、逆に金払ってますからね?」 東南アジア「だとしても中国が外に打って出る可能性は政治的に見れば非常に高いはず!我々と協力する理由は十分にあるはずだ!!」 日本「協力するのと全部やるのは違いますよ?だから憲法違反だ何だと何故か国外からも叩かれながら(この憲法押し付けた張本人の意向もあって)自衛隊を持った訳ですし、そもそもアンタらを守るなら北朝鮮と台湾と最前線を構築して圧力かける方が遥かに効率的でしょうに」 A・L「ああ、また東南アジア諸国を安心させる為の地方巡りが始まるお…… CoC○壱のカレー食べてゆっくりしたい」 428名前:名無しさん[sage] AL級は東南アジアにおけるアイドル枠ですかな?かつては威圧の方が主目的なグレートホワイトフリートが安心させる為になるなんて素晴らしい世の中になったね 429名前:名無しさん[sage] 昔、教科書にはASEANは急成長して日本は置いてかれるでしょう、だの第三世界(アジア-日本)が世界の覇者になるだの米中交代論だのあったのになぁ…… あの頃の我々に今の構図を見せても信じないだろうな 574: リラックス :2020/11/23(月) 14 12 16 HOST 119-228-232-201f1.kyt1.eonet.ne.jp 430名前:名無しさん[sage] そりゃ二十倍に肥大化(物理的に)って誰が信じられるんだよ それを別にしても、中国に対抗する為に日本を担ぎ上げようと動くアジア諸国というのは違和感が強いけど 431名前:名無しさん[sage] 担ぎ上げるを矢面に立たせると表現するとあんま変わらないからセーフセーフ。 日本が東南アジア諸国の力を求めて協力に動いたらお前が矢面に立てよ、と塩対応されていただろうし、まあ、こんなもんでしょ。 ASEANやEUに日本は勝てないって意見に関しては一人より大勢が強いに決まってるって思って疑ってなかったから、違和感はやはりあるけど 432名前:名無しさん[sage] 431、船頭多くして船山に上るって言葉を出した人は天才だと思う(↓具体例。数が多けりゃそれだけ利害調整や意思統一も大変になるし、長い付き合いになれば過去の確執や怨恨も生まれる、それらが問題にならずに協力し合えるってんなら、別国に分かれてない やらかし戦闘機ユーロファイター・タイフーンは何故失敗したのか ttp/XXXXXXXXX.XXX 何がダメだったのか?EUの内実について解説! ttp/XXXXXXXXX.XXX ASEANの抱える問題について ttp/XXXXXXXXX.XXX 433名前:名無しさん[sage] 散々にバカにされてる似たような例があってな、元勲亡き後の大日本帝国って言うんだけども あれ、大日本帝国だけが抱えてる固有の問題じゃなく、かなり汎用性ある問題だってのが 434名前:名無しさん[sage] 仮にも社会人で国家権力を預かる身で緊急時にまでそんなアホやることは有り得ないと主張してる連中はいるが、アメリカですら陸海軍で戦争して、その余力で枢軸国と戦っているって表現されるし、ソ連に到っては粛清で軍が機能不全起こすまで徹底的に最高権力者がナタを振るった訳で まあ、一致団結なんて背負うモンが増えると早々出来ないという話だね 435名前:名無しさん[sage] それはそれとしてこんなニュースが 日本に戦艦の建造を?各国で署名運動 ttp/XXXXXXXXX.XXX 436名前:名無しさん[sage] まず整備は出来るのか、そして建造したブツの情報を他国に流さないのか、そこら辺の信頼を築いてバックグラウンドを整える方が先じゃないかな 運用費用とか動かす人員とか、その辺りの計画も必要だよ? 437名前:名無しさん[sage] ボーナスでローンを組んで新車を購入したらローンと保険料、駐車場代に維持費諸々で生活が破綻した新社会人を彷彿とさせるな ASEAN連合海軍構想というAUMXの参加国数 参加艦艇数って実情を考えると何が出来るんだって構想もてんでんばらばらに唱えられてるらしいが 438名前:名無しさん[sage] まあ、実現するかはアメリカ次第だろう。アメリカが責任を持って運用管理するなら36cm砲搭載戦艦の建造を請け負うことも吝かではないかもしれないと言えないこともない可能性がなきにしもあらず、多分、きっと、恐らく、メイビー 575: リラックス :2020/11/23(月) 14 12 57 HOST 119-228-232-201f1.kyt1.eonet.ne.jp 439名前:名無しさん[sage] 名言しない表現をこれでもかとぶち込んでくる物言いにワロタ 似たようなことやってる商業もあったが、これでチョイスした名称がマニラというのは大丈夫なんだろうか ASEAN艦隊出撃す!戦艦マニラの死闘 ttp/XXXXXXXXX.XXX 440名前:名無しさん[sage] 米西戦争のマニラ湾の戦いから取ったなら、まあ、有りじゃね?レキシントンだって元は巡洋戦艦につけようとしていた名前だろ 441名前:名無しさん[sage] リアルで同じことやったら絶対に名称を定めるだけで一悶着あるな、国民投票という手もあるが、総人口に差があって不利になる国は一国一票にしろとか絶対文句つけるだろうし 442名前:名無しさん[sage] それを考えるとマニラは割とマシな落とし所かもしれんな…… 443名前:名無しさん[sage] 揉める理由ってのはいくらでも発生し得るんだなってのがよくわかる 444名前:名無しさん[sage] 戦艦も良いけど、以前のスレで触れられていた何とか創意工夫で戦艦を撃破しようという心意気を感じさせるイロモノ兵器達も悪くないと思うんだ 445名前:名無しさん[sage] 444、わかる。あーゆーのが活躍するアニメなんぞ如何でやしょうか?背景とかはひとまず置いといて、PVだけでもやってくれたら喜ぶよ。 446名前:名無しさん[sage] それは俺も見たいけど、どんな作風にするかにもよるな。硬派路線も良いが、アル○みたいな路線も捨て難いし、変な思想を盛り込まないのであれば旭○や紺○のようなとんでも兵器が次々と現れては活躍する作品でも嬉しい 447名前:名無しさん[sage] それはまあ、見た目は面白くなるだろうね(作画の手間からは目を逸らしながら 448名前:名無しさん[sage] ブリティッシュサイドは美味しいってか、良いよね 449名前:名無しさん[sage] 踊る阿呆に見る阿呆、どっちもアホなら踊らにゃ損損、ってか!w そうだそうだ、理性や自重を捨ててバカをやるから可笑しく楽しく生きられるんだ!みんな、バカをやろうぜ!! 450名前:名無しさん[sage] ところで一つ聞いても良い?やはり、あの手の苦肉の策って、実用性があるというよりは、そっちよりの代物? イロモノ 451名前:名無しさん[sage] (目逸らし) 452名前:名無しさん[sage] ピーピピ~、ヒュー(口笛) 新着スレを表示する 576: リラックス :2020/11/23(月) 14 13 37 HOST 119-228-232-201f1.kyt1.eonet.ne.jp 以上、特に山もなければオチもなく
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51. yukikaze 2011/12/05(月) 00 05 42 前スレ『アメリカ本土決戦』ネタ 1943年夏。アメリカ合衆国は滅びに瀕していた。 日米戦争直後に起きた大西洋大津波によりアメリカ東海岸は事実上消滅。 その後、東海岸を中心に流行した「アメリカ風邪」こそ、徹底的な封じ込め政策 を強行したことによって、何とか抑えることに成功したものの、皮肉にもそれが 合衆国の運命を決めることになった。 何故か? それは皮肉にも、今回の災害によって、合衆国大統領の権限が建国史上 類を見ないほど強化されたことにあった。 内においては大津波と疫病。外においては戦争。この未曾有の事態に対応する為に、 ロングの死を受けて急遽大統領となったガーナーは、「この事態を乗り切るためには 大権が必要である」として、全権委任法を制定。従わない州には、連邦軍を以て 制圧させるという苛烈ぶりと、ハースト系新聞の煽りによる国民の支持を受けて 1月までには、東海岸の感染区域を完全に切り捨てた代わりに、国内を安定させたのだが この強力な権力が、ガーナーに誤った認識を持たせることになる。 それが何かというと、この未曾有の災害の混乱を曲がりなりにも安定させたことで ガーナーは「連邦政府の存在こそ合衆国にとって絶対であり、それを脅かせるような真似は 絶対に許されない」という確信から、こうした行動を邪魔するものに対して病的なまでの拒否感を 抱くようになったのである。 無論、国家の安定という観点からみれば、ガーナーの考えも間違ってはいないのだが、 それを他国政府まで順守するよう求めている時点で、ある種狂っているといわれても仕方がなかった。 それを端的に示していたのが、4月1日に出された、通称「エイプリルフール宣言」であり、 既に太平洋艦隊が壊滅し、戦争が誰の目から見ても不利であったにもかかわらず、 アメリカの正義と日本の悪辣さを並び立て、日本に対してハルノートの順守および賠償金を支払いを求める 宣言を発し、夢幻会をして「エイプリルフールだからと言って、真顔で冗談いう必要ないだろ」と、 完璧に呆れ果てさせることになる。 この頃には、財界もガーナーを見離し始めていたのだが、彼らにとって誤算だったのが、ガーナーに変わる 国際的視野の広い政治家はすでに全滅しており、軍の理性派と呼ばれる面々も逮捕拘禁されていた。 そして何より、病的なまでに猜疑心が強くなっていたガーナーが財界の面々を注視していない筈がなく、 彼らが気づいた時には、銃が彼らの前に突き付けられた後であった。 こうして、反対意見を抹殺する傍ら、ガーナーは本土決戦の計画を次々と命令していた。 彼にしてみれば、広大なアメリカを日本が制圧するなど不可能であり、そしてそれは日本も自覚はしていた。 彼にとって不幸だったのは、日本は「征服は出来なくとも滅ぼすことはできる」能力を持っていた事であった。 以下、時系列を以て、アメリカの滅亡を述べる。 1943年3月29日 アラスカ占領。アメリカ国内に動揺が広がる。 4月 1日 エイプリルフール宣言。 5月15日 ハワイ陥落。日本条件付き講和(グアム割譲。太平洋のアメリカ領土の非武装化。海空軍の実質消滅)提示 5月16日 アメリカ政府拒絶。「猿に人間が講和できるか」発言に、日本は和平案を捨てる。 6月 6日 初めてアラスカから五大湖に弾道弾が発射される。以後、終戦まで続く。 6月30日 連合艦隊による西海岸攻撃開始。以後15日間にわたる攻撃(途中ハワイへの帰島あり)により シアトル・ロサンゼルス・サンフランシスコが壊滅。 7月15日 日本軍サンディエゴ上陸。同月末にはサンディエゴより富嶽による空爆開始。 テキサスの油田は消失。 8月1日 アメリカに対して再度降伏宣言。従わない場合は原爆使用も行うことを通達。アメリカは同日拒否。 8月6日 日本による最初の原爆がデトロイトに落とされる。同9日にはダラスに投下される。 8月14日 シカゴに原爆投下。ガーナー死亡。翌15日、合衆国降伏。
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楼商会。 それは中立地帯である『延方海域郡』の小島『全』に根拠地をかまえた通信・運送業を基幹事業とした組織であり、 『大延海史』全般において、大延国軍、鬼族連合軍のどちらの陣営にもつかず、中立の立場を固持しひたすら事業推進をはたしていた組織の一つである。 ただし中立を固持し続けた、というのは正確ではない。 楼商会の3代目会長ロウ=ヨンシクの孫娘であるロウ=メイシンは鬼族連合軍の第肆独立遊撃艦隊『有馬艦隊』に所属しており、ロウ会長自身も数度に渡って有馬艦隊や鬼族連合軍へ助成しているからである。 また、大延国軍とのつながりも近年の研究によって明らかになっている。つまるところ楼商会は両陣営にとりなしていた、と言うことである。 鬼族連合軍提督有馬雪久はこの状態を肯定していた。軍需産業をまかなう以上その態度はある意味において健全である、という彼独特の理論においてである。 また、ロウ=メイシンが自らの艦隊にいる事によって、ロウ=ネットワークと呼ばれる楼商会の私設情報機関を完全に把握する事ができていたのも、彼にそうさせた要因である。 メリットがデメリットを上回ったがゆえの処置だとも言える。 もうお判りだと思うが、ロウ=メイシンが有馬艦隊に配備されたのは、ていの良い人質であった、ということなのである。 両陣営に取りなしているというリスクに対してロウ会長が払った代償は、有馬艦隊に人質として自分の孫娘を軍に送り込むことであった。 後に艦隊への増援、弾薬補給等、一層の援助体制を図るが、天秤が常にどちらに傾いていたかは別問題である。 大延国軍や鬼族連合が楼商会の援助を受けたがっていた最大の理由は、単純に中立海系への進出、および貿易独占状態の維持が困難であったと言うものである。 つまり、大延国海軍と鬼族連合による小競り合いの中期から末期にかけて戦線があまりにも莫大な範囲に拡大してしまったのが、その原因なのである。 両陣営ともに中立海域まで手中におさめるだけの経済的余裕が無かったのである。 (そして当時の鬼族連合最高司令官であったジャパンガプ大将は、補給線の増大を嫌っていた。単純に外交上、戦略上の問題ではなかったのである) 楼商会は、その状態に目を付けたのである。 もともとコングロマリットとしてはこの時代最大級の勢力を誇っていたが、灰縁王を中核とする折王会とのシェア争いをリードするための処置とし(灰縁王は大延国内部に独自の艦隊組織を保有するほどの勢力となっていた) 鬼族連合の有馬艦隊への援助を図り、なおかつ鬼族連合の情報を大延国軍にリークする。そして技術力等を蓄積して有利な陣営に肩入れし、最終的には自分たちの手による中立海域の支配体制の確立を図る。という計画であった。 ゆえに楼商会自身も抗争初期から中期にわたり相当数の戦力を保有していた。専守防衛を題目にしてキャッスル級戦列艦10隻以上、陸戦部隊5個師団、諸島防衛戦隊多数と言った戦力であった。 特にキャッスル級戦列艦を保有しているというのは尋常ではなかった。この時代最強の存在であったキャッスル級戦列艦は、一隻で一艦隊の戦力規模に相当する。 逆に言えば、その維持には一艦隊規模の予算、人員が必要なのである。彼らはその戦力維持に、合法、非合法を問わず全力を注いでいた。最も、彼らの目指した経営方針は極めて非合法な物であったが。 最盛時に保有していたキャッスル級戦列艦は、慶山王、千歳王、千世之王、北斗王、爆進王、星王、そして楼麗であった。 慶山王をネームシップとする6隻は、主に非合法な活動を行う組織、ありていに言えば海賊艦隊に艦隊旗艦として給与され各地を転戦した。 つまり楼商会は私掠船団を保有しその旗艦として製造していたのである。経営戦略でまかないきれない分は非合法の暴力を用いたのである。 キャッスル級戦列艦としての扱いはされてはいないが、戦力の維持を目的とした上では弐級戦列艦を改造して建造された『燭台』が重要な戦力と言えよう。 この艦は、戦列艦の特徴とも言える圧倒的な制圧火力を誇る重火器(とくに機関に負担をかけすぎる精霊制御系主砲)を全て取り外し、その余剰スペースを利用し艦載竜の搭載巣を設けたのだ。 (従来の戦列艦では艦載竜は5匹程度であるが、燭台は実に100騎近い搭載数に設定されている。過去に趨勢を誇った母竜艦なみの搭載数である)。 燭台はこの艦載数を利用し惑星攻撃への支援、ゲリラ戦の敢行、艦隊後方の支援を行っていた。 この当時『大航海時代』は未だ終演を迎えてはおらず、楼商会は一海域すべてを掌握しており、その影響力は他の海洋国家に匹敵する物であった。企業国家として捉えても差し支えは無い。 私掠行為は国家としての対外政策の一環として認識しなければならないのである。実体はマフィア同然であるとしてもである。 大戦中期になり、海賊船団『ネヴァー=セイ=ダイ』を有馬艦隊が打倒し、ロウ=メイシンが船団をその指揮下におき、それを核として分艦隊を編成する。 それに呼応する形で、楼商会は慶山王級戦列艦4隻の任務を解除し、鬼族連合軍第肆独立艦隊『有馬艦隊』の分艦隊主力として送りこむ事となる。 そして第肆拾逸分艦隊旗艦として、楼商会最強の戦列艦を目指して製造された『楼麗』を有馬艦隊に譲渡するのであった。 艦隊内部では(そして鬼族連合軍上層部では)楼商会のこの様な動きに対し少なからず嫌悪感を示したが、現実に戦力は不足しており利用できる物は悪党だろうと何だろうと利用せざるを得ない状況だったのである。 しかし大戦末期になり、戦局は楼商会の思惑から外れてくる。 灰縁王艦隊と鬼族連合艦隊との総力戦となった『決戦海域の戦い』において、主な給与戦列艦はほとんどが沈み、楼商会のネットワークが何者かの手により壊滅する。 さらに予測と異なり、主な戦場であった門春茄海域だけではなく、楼商会がその根拠地とする海域にまで戦禍が及び、小島『全』も数十発の精霊弾の直撃にて壊滅の憂き目にあう。 この時、会長であったロウ=ヨンシクは死去。事実上、楼商会は歴史から姿を消すこととなる。 一説によれば、この事態を引き起こしたのは、かねてより楼商会の、そしてそれを率いるロウ=ヨンシクの存在を嫌悪し、その消滅を願っていたロウ=メイシンであったという。 彼女と有馬雪久、そして自分以外のネットワークの根絶を狙う神『ディルカカ』が画策した事態である、というのが一部の歴史学者の主張である。 楼商会。それは歴史に翻弄された組織の一つである。同時にその顛末の重要なファクターの一つでもあったのである。 西暦2012年11月 A.P.インディ著 <単艦決戦思想> 文字通り、一艦によって敵性勢力を無力化する事を原則とした思想である。 これは複数の艦によって艦隊を編制し、他用途の局面、作戦に対応させるという従来の軍事的常識とは根本的に相容れないものである。 超高出力の精霊駆動機関、尋常ではない装甲厚と耐精霊兵器膜、常識の範疇を越える精霊制御能力、莫大な航続距離、1万人の兵士に糧秣を供給できるほどの艦内加工工場、 そして艦首軸線上にそって配置される史上最大級の光精霊式破壊兵器、さらには艦載竜を多数搭載した最大最強の戦艦を一艦造り上げ、それによって”ある目的地”まで敵勢力を殲滅しつつ進撃し、 帰還をはたすという軍事プログラムをクルスベルグ海軍のある青年将校が開発し、ある程度の現実性があると報告された時から、この思想が一部の若年将校達の間で流行した。 あまりにも非常識なために(特に泳ぎの苦手なドワーフ達の国であるクルスベルグが舞台となっているため)世間では無視され続けたが、 のちにあらわれるキャッスル級戦列艦の基礎概念となったのは、この単艦決戦思想に見られる”史上最強の戦艦”であったと言われている。 ちなみにそのプログラムの戦列艦には『ヤハト』というミズハミシマ風の名前が付けられていたと言われるが、真偽は不明。 直接関係していたしていない含めて当時の様子を語るのは想像を喚起させてくれる -- (としあき) 2012-11-22 23 11 14 キャッスル級の艦名がかっこいい。鬼族艦隊VS大延国艦隊がいつ頃だろうか。あと楼商会は地球のロスチャイルド家並の資金とネットワークを保持してそう -- (名無しさん) 2012-12-06 19 56 32 SLG好きにはたまらんデータ集みたいな内容だ -- (としあき) 2012-12-16 20 27 29 名前 コメント すべてのコメントを見る
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小国の苦悩 第十一話 バルミアス公国港町バズ・ラグーンは町を挙げての大祭となった。 『本日は、帝國軍大陸東方平定十周年記念艦観式にようこそいらっしゃいました』 帝國語と大陸共通語で同じ文言が繰り返される。 『ご参列の帝國属領及び同盟諸国、友好国の皆様方 本日の参加者をご紹介いたします』 『ヴァンシュタイン帝国皇帝、ヨハン・ヴァルトラウス陛下』 意外な名前に、あちこちから驚きの声が聞こえる。 「反帝國同盟の・・・」 「どういうことだ・・・?」 「ヴァンシュタインは寝返るのか?」 皆が一様に一般席より10mは高く作られた特別席を見つめる。 驚き戸惑う、参加者を無視してナレーションは続く。 『帝國属領、ボローエン大公国大公シュヴァルツ・ハインラント陛下 帝國属領、ザイーツェン王国国王ガイラス・ザイーツェン陛下 ヴァシュタイン正教会最高司祭フランツ・ヴォーゲル閣下 帝國同盟国、ハイド王国国王ランツ・ハイト陛下 帝國保護国、ヴィアンツ王国女王レネ・ラティーレ陛下 帝國属領、ガズ王国国王ガライ・フランツ5世陛下 ・ ・ ・ 以上、152ヶ国が参加されます』 20分も続いたアナウンスがやっと終了する。 貴族の参加者はこうした無駄に長い案内に慣れていたが、平民の招待客はかなりうんざりしていた。 『それでは開催宣言を帝國海軍連合艦隊長官山本大将よりお願いいたします』 『えー、本日はお日柄も良く、誠に・・・』 始まってしまったどうでもいい演説に平民招待客はさらにウンザリした。 『えー、それでは艦観式の開会を宣言するものであります!』 ジャーンジャンジャンジャカジャンジャンジャカジャカジャーン! 大音量で楽器ががなり立てられ、式典の始まりが告げられる。 ジャーンジャカジャカジャカジャーンジャカジャーン 『大陸方面艦隊第一防衛戦隊です。』 第一防衛戦隊旗艦、神通(二代目、大淀型)に率いられた16隻の駆逐艦が飛沫を上げて観艦式会場となった海面を疾走する。 その先には、大型の戦列艦の姿があった。 その船に気づいた、特に王国連合寄りの招待客の顔色が変わる。 ある商会の商人と言う肩書きで来ていた、大陸連合の高官は唖然とした。 (なぜ、アレがあそこにある!) シュタインメッツ王国製最新鋭主力戦列艦ツァスタバ型。 大陸連合が、魔法技術の粋と要塞並の予算をかけて建造した新型艦である。 コスト度外視の魔法障壁は、攻城戦級魔法の直撃を物ともせず、超大型カタパルトは、帝國駆逐艦クラスなら打撃を与えられる威力がある。・・・筈だ。 結局の所、建造された3隻の前線配備は行われなかった。 余りに高すぎて、量産不可能な上、沈められるのが怖かったのである。 それが、ここにある。 存在しないはずの四隻目。 神通と駆逐艦群が発砲する。 神通から放たれた6発の15.5cm砲弾が戦列艦の上空で何か・・・魔力障壁に衝突し光る・・・ そして船自体が大爆発した。 黒煙が戦列艦のあった辺りを包み、何も見えない。 神通と駆逐艦は見事な一列縦隊を組み、ターンしていく。 「ほぉ~、凄いですなぁ」 近くにいた豪華な衣装の男が話しかけてきた。 「・・・え・・・ええ」 (誰だコイツは!) 格好からして、おそらく帝国属国か同盟国のそれなりの貴族だろう。 ・・・なぜか綿飴を食べているが 「貴殿はどこの国から?」 「・・・ライゼン王国の商業ギルドで交渉を担当しております」 「ほう、ライゼン王国はやはり帝國の様子が気になりますかな?」 「・・・ええまぁ。貴方様は何処の国の方でしょうか?」 「ほっほっほ、名乗る程の国でも有りませんよ」 思いっきり怪しい。 「ああ! こんな所に居たんですか!!!」 後から耳が痛いほどの大声が聞こえる。 「おや、。何を慌てておる」 「何をじゃありませんよ! 警護を置いて遊びに行かないでくださいと何度・・・」 「分かった!分かったから引っ張るな!」 ・・・どこかの大貴族か・・・見覚えがないが・・・目を付けられたのは不味いな・・・ 男は、冷静な顔を装ったまま、身を翻した。 黒煙が晴れた海面には木切れが浮かんでいた。 「あいつ、相当焦っていたのぅ」 ゴンザレス5世は腹を抱えて大笑いしていた。 「悪趣味ですな・・・、あれは確かシュタインメッツの軍務大臣だったと」 ピエール男爵は思い出すように言った。 「ほう、軍務大臣まで来るとは相当ビビっとるのぉ」 地域大国だった名残から、ゴンザレス王国には大国の大貴族の顔位なら覚えている人間も多い。 一方、極小国であるゴンザレス王国関係者の顔を覚えている人間などまず存在しなかった。 「それはそうでしょう・・・たった数年で大陸の半分を制圧したんですから」 「大国も大変じゃ・・・さて、タコヤキなる物を食いに行かねば!」 とても老人には見えぬ速度で走り出すゴンザレス5世。 「あ、お待ちください!」 慌ててピエール男爵はそれを追いかけて行った。 『続いては、第一大陸防空隊による・・・』 1週間後・・・ シュタインメッツ王国軍務大臣ガリアス公爵は自室で苦悩していた。 あの時、声を掛けてきたどこかの貴族らしき人物が、未だに誰だか分からないのである。 外務大臣にも貴族院にも諜報部にも問い合わせても誰だか分からない。 最初は大して気に留めていなかったが、こちらの内心を見透かす様な態度が気になった。 そして次第に様々な考えが浮かんでくる。 まさか帝國陣営の国の諜報関係者か? ひょっとすると、未だに姿すら現さぬ帝國の諜報員か? 不安が不安を呼び、公爵は何かの陰謀に掛かっているのではないかという疑心暗鬼に苛まれていた。 「誰なのだ・・・奴は!」 ガリアス公爵は両手で机を叩いた。 「タミヤはこの辺りのディテールがいいのう」 自ら組み上げた1/700木製ウォーターライン帝國海軍高速戦艦コンゴウ(大陸上陸作戦時)を眺めながらご満悦のゴンザレス5世。 辺りには、"模型画像"などの帝國の模型誌と筆が乱雑に散乱している。 「ああ! また遊んでる!」 ピエール男爵が大声を上げる。 「王族たるもの美術品を愛するのは当然であろう! 見よこのディテール! ドワーフの技師が彫り上げた木造彫刻の素晴らしさが分からんか! それを組み上げ色を塗るときの達成感!」 突然豹変した国王にビビる騎士団長。 「は・・・はぁ・・・」 「次回の観艦式は来年かのぅ・・・」 青い空を見つめる国王。 ゴンザレス王国は今日も平和だった。
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941: yukikaze :2021/01/17(日) 19 42 24 HOST p149168-ipngn200303kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp 寄り道は仕方ないよねということで、ヨークタウン完成。 ヨークタウン級航空母艦 全長:230.8メートル 全幅:35.4メートル 喫水:8.9メートル 基準排水量:2万5千トン 満載排水量:3万1000トン 機関:バブコック ウィルコックス式重油専焼水管罐9基 ウェスティングハウス式オールギヤードタービン4基4軸 12万馬力 速力:31ノット 航続距離:15ノットで12,000カイリ 武装:55口径20.3センチ砲連装装2基 25口径12.7センチ単装高角砲6基 28ミリ4連装機銃4基 12.7ミリ機関銃 単装24基 装甲:舷側 114ミリ(傾斜角なし) 水平 76ミリ(飛行甲板) なお、格納庫甲板側面に114ミリ、格納庫甲板も76ミリ装甲が張られている。 搭載機数 1943年度で50機(露天係止含む) 同型艦 ヨークタウン エンタープライズ ホーネット ワスプ エセックス バンガー・ヒル タイコンデロガ オリスカニー (解説) 第二次大戦開戦前にアメリカ海軍が保有していた唯一の正規空母である。 そのタフネスぶりから『マイティ・ヨーキィ』と、艦隊から絶賛されたものの、海軍行政に振り回された挙句、最後は囮として終焉を迎えるなど、その悲劇的な最期から、今なおファンの多い艦である。 東京海軍軍縮条約によって、20万トンの航空母艦の建造枠を得たアメリカ海軍であったが、実のところ、この新たな艦種については持て余していた。 ある意味当然な話で、この時期の航空機の能力を考えれば、艦艇に打撃を与えることができるかといえば難しく、偵察任務に使うにしても能力不足といった有様で、海軍としては「こんなもん貰ってもなあ・・・」という有様であった。 これに対し、アメリカ海軍において沸き起こったのが『航空巡洋艦』構想である。 彼らの主張としては「航空機なんて使えるかどうかわからんものを主兵力とするからこんがらがるのであって、巡洋艦をベースに航空機運用能力を持たせるとすれば、問題ないのでは?」というものであったのだが、この提案は予想以上に多くの海軍士官から賛同を受けることになり、実際に設計までもされるところまで行った。 これが後に『No.39計画航空巡洋艦』と呼ばれるものであったのだが、これに危機感を覚えていたのが、アメリカ海軍でも絶滅危惧種扱いされていた航空主兵派であった。 彼らにしてみれば、こんな異形の艦を作られても、砲撃戦こそが主となり、航空機が従となるのが明らかであった。 故に彼らは「まともな航空母艦」の建造を望んでいたのだが、問題は海軍航空の大ボスであるウィリアム・A・モフェット少将が好んでいたのが、「飛行船」、「小型空母」および「航空巡洋艦」であり、『No.39計画航空巡洋艦』に諸手を上げて賛同していたことであった。 このままではどうにもならないことから、航空主兵論者は、モフェットの後継を狙っていたアーネスト・キングを旗印に巻き返しを図ることになるのだが、パイロットに絶大な人気を誇るモフェットの力は強く、このままでは海軍航空が『No.39計画航空巡洋艦』と1万トンクラスの小型軽空母の2極化になるのは確実であった。 事ここに至って、キングは思い切った手を打つことになる。 彼は頑として認めなかったものの、日本海軍が建造に着手している『装甲空母』に着目し、これを「艦隊決戦時に、制空権と着弾観測を継続して行うことで、アメリカ海軍の砲撃戦を圧倒的に有利にする」というプランを、上層部に提出したのである。 キングにしてみれば「とにかく、あの『No.39計画航空巡洋艦』を潰すのが先決であり、これさえ潰せたら、あとは新型空母を基準として議論することができる」という、次善の産物であったとされるが、この提案は、大艦巨砲主義を信奉していた海軍提督達からも好意で迎えられ、何よりモフェットが、自分の後継者としてタワーズを昇進させていったことに、海軍上層部が「海軍の秩序を乱す行為」と、敬遠していたこともあって、最終的にはキングの案を基に、航空母艦の建造が進められることになる。(このことで、モフェットとキングの関係は決定的に悪化することになる。) 942: yukikaze :2021/01/17(日) 19 43 14 HOST p149168-ipngn200303kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp もっとも、キングにとっても痛恨だったのは、アメリカ海軍上層部は、キングの意見を是としながらも、あくまでこの艦については、『航空機運用ができる巡洋艦』という認識のままであったということであろう。 これが、同級において、目に見えない欠点を生み出すことに繋がる。 以下、同級について解説する。 同級最大の特徴は、航空機格納庫の重防御であった。 色々と誤解されがちであるが、同級については、蒼龍型のそれとは違い、重点とされたのは格納庫内部にある搭載機を守る事であり、飛行甲板を守ることではなかった。 無論、キング達の意識としては、「飛行甲板の装甲化による継戦能力の向上」であったのだが、海軍上層部は「搭載機を守らなければ意味はない」という認識であり、そうであるが故に、同格納庫については、日本海軍巡洋艦の主砲である15.5センチ砲相手に撃たれても十分に耐えれるようになっている。 一方、それ以外の防御については、そこまで頑丈ではなく、エレベーターも無装甲であり、格納庫部分以外の飛行甲板の装甲も38ミリ程度に留まっている。 舷側装甲については、114ミリ装甲を前後64ミリの隔壁で繋いでバイタルパートを形成。格納庫~外舷に至る水平装甲は76ミリとした。 この他機械室上面も76ミリ装甲が貼られ、艦内縦通隔壁は38ミリの厚みが確保された。 このように、直接防御については、巡洋艦に準じて頑丈であったが、水中防御については幾分問題はあった。 アメリカ海軍艦船の標準的な防御手段というべき液層防御を採用していたのだが、戦艦と比べると防御層の幅がやや狭かったこと、更に本級で初めて溶接構造を大々的に取り入れたのだが、溶接に関するマニュアルに誤りがあり、実際に計算された強度を達成できておらず、これが、同級が爆撃には強かったものの、雷撃に対して予想以上に弱かった要因となっている。(マニュアルのミスは戦後になって判明) 次に兵装であるが、巡洋艦の延長線上という考えから、アメリカ海軍巡洋艦の主砲でもある20.3センチ連装砲を2基搭載している。 艦橋の前部及び煙突の後部に載せられたこの砲塔は、4門しかないことから、水上砲戦に使うには難があり、航空機運用には邪魔であると非常に不評(しかも重心の問題から、左舷にバルジを付ける必要があり、これが速度低下につながっていた)であったのだが、「敵の小型艦艇が来ても追い払える」として最後まで撤去されることがなかった曰く付きの代物であった。 実際、この砲が使われた形跡は殆どなく、全く無意味な装備と言ってよかったのだが、アメリカ海軍でもこの問題点は重々承知していたらしく、装甲板の供給の遅れで、1944年度にようやく就役した『タイコンデロガ』と『オリスカニー』には、同砲は装備されていない。 高角砲については、当時のアメリカ海軍のメイン高角砲である25口径12.7センチ単装高角砲が装備されている。 この高角砲については、能力的に不満が多く、艦隊でも後継の38口径に変えるように陳情がなされていたものの、こちらについては、戦艦への装備が重視されていたのと、日英の艦載機を舐め切っていたこと、更に重量の問題等もあって、換装はされていない。 これについても、彼らは第二次大戦中盤から猛烈なツケとして払う羽目になる。 何より同級における最大の欠点が、航空燃料の搭載量が全搭載機(54機)に対して5回分の航空燃料しか持たず、爆弾も250kg爆弾を80発しか搭載していないというのは、航空打撃戦力として致命的と言ってよい代物であった。 これは、アメリカ海軍が航空魚雷開発に失敗してしまった(なお、その理由が、酸素魚雷開発に成功したことで、航空魚雷も酸素魚雷にしようと固執したことが原因であった。)事が大きいのだが、この航空打撃能力の弱さは、アメリカ海軍の空母機動艦隊への発展に大きなマイナス要因となってしまうことになる。 同級は、第二次大戦開戦当時、国内の混乱と、主に装甲板の供給の割り当てに失敗していたことで、4番艦までは就役、5番艦と6番艦がようやく就役間際という体たらくであった。(7番艦と8番艦は進水済み) とはいえ、その防御力はお墨付きであり、アメリカ海軍会心の勝利と言われた『第一次ニューファンドランド沖海戦』においては、イギリス海軍をいち早く発見。イギリス空母の爆撃を受けても平然と航行し、艦隊決戦時の制空権確保に成功するなど、アメリカ海軍の想定通りの活躍を示すことになる。この時数発の爆弾を受けながらも『へなへな弾で沈むほど本艦はやわにあらず』と、『ヨークタウン』艦長が啖呵を切ったことで『マイティ・ヨーキィ』の愛称を受けることになる。 943: yukikaze :2021/01/17(日) 19 43 46 HOST p149168-ipngn200303kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp 一方、太平洋の戦場は次元が違っており、ハルゼー提督が指揮するヨークタウン級2隻は、圧倒的な機数を誇る日本海軍航空隊に手を焼く羽目になる。 初戦の『パラオ沖海戦』においては、戦闘機の数がそれぞれ36機あったことで、日本海軍の航空攻撃を防ぐことに成功したものの(これは日本海軍の空母機動部隊の戦術の拙さも大きいが)、マリアナ沖海戦においては、マリアナの基地航空部隊と空母航空艦隊の波状攻撃の前に、凌ぐのがやっとという有様であった。 この時、基地航空艦隊と空母機動艦隊の連携ができれば、ハルゼーの空母部隊か、戦艦部隊の何隻かは沈んでいた可能性もあり、この一件と、戦艦部隊の砲戦によって、豊田連合艦隊司令長官が負傷したこともあって、嶋田首相及び山本海軍大臣による海軍上層部の粛清劇に繋がることになる。 その後、海軍軍令部第一部長に任命された真田少将は、アメリカ海軍に奪われたトラック基地に対して、輸送破壊作戦を命令。 マリアナ諸島からのハラスメントの爆撃から始まり、潜水艦のみならず空母機動艦隊を利用しての徹底的な輸送船狩りにより、大西洋側と比べて輸送船やタンカーの割り当てが少なかった太平洋艦隊の補給路は寸断状態に陥る。 この事態にハルゼー中将は「とにかく連中の空母部隊を叩き潰さないことにはどうにもならん」として、アメリカ海軍として初めて、空母を1隻単位ではなく、2隻まとめて運用を行い、『エニウェトク環礁沖海戦』で『蒼龍』と『翔鶴』を中破にまで追い込むも、『飛龍』と『瑞鶴』による反撃を受け、『エンタープライズ』『ワスプ』が沈められるという大敗を被ることになる。 以降、アメリカ海軍においては、空母を、攻撃の槍として使うのではなく、あくまで艦隊の防御として使うのが適当であるという認識が決定的となってしまい、『ヨークタウン』級も、専用の爆撃機ではなく、爆弾も搭載できる戦闘機を重点的に載せるようになるなど、日英の空母と比べると異端の道を走ることになる。 そして、レイキャビク沖海戦における『ホーネット』、第二次ソロモン海戦における『エセックス』の喪失により、航空機の数の暴力の差の前には戦闘機の比率を変えてもどうにもならないことを悟ったアメリカ海軍は、大型装甲巡洋艦を空母として改装した『フィリピンズ』これに生き残っていた『ヨークタウン級』4隻を集めた空母機動艦隊を編成する。 だが、このアメリカ海軍最後の空母機動艦隊は、圧倒的な戦力を誇る日英空母機動艦隊に対し、戦艦部隊への戦闘機の傘をさすこと、並びに囮役として、その打撃を受け続けるという、悲壮極まりない任務を負うことになる。 イギリス空母機動艦隊を統括するフレーザー提督並びに日本の空母機動艦隊を統括する五藤提督による4度にわたる波状攻撃により、アメリカ海軍最後の空母機動艦隊は、ミッチャー提督とともに海神の御許に送られ、スプルーアンス大将の戦艦部隊も、日英連合艦隊の切り札でもあった、大西提督率いる空母機動艦隊(大鳳級及び播磨級空母)による攻撃によって半壊。 後に『ロイヤル・ネイビーの百倍返し』と言われる、フィリップス提督指揮下のイギリス戦艦部隊によって、一方的に打ち据えられ、完全勝利を献上することになる。(ただし、海戦の最後で、別動隊であったオルテンドルフ艦隊により、あわや上陸船団に突入されそうになる一幕があり、4提督は護衛部隊を指揮していた西村提督に土下座で謝罪することになる。) ヨークタウン級空母は、アメリカ海軍において空母機動艦隊の第一歩を踏み出せる潜在能力はあったものの、不幸なことに、アメリカ海軍の方針の間違いにより、悲劇的な最期を迎えることになる。 946: yukikaze :2021/01/17(日) 19 59 15 HOST p149168-ipngn200303kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp 投下終了。元ネタはイラストリアス+レキシントン。 アメリカ海軍が『戦艦による艦隊決戦』に拘るのならばこういう艦になるだろうなあと。 史実アメリカ海軍も、割と艦隊航空どうするかは迷走しておりまして、その元凶がモフェット。 キングやミッチャーなんかを航空派に転じさせるなど精力的に活動しているんだけど、同時に小型空母や航空巡洋艦、飛行船にかなり拘っていたり、愛弟子のタワーズに対して情実人事したりと色々とアカンこともしております。 この時の確執で、キングとタワーズ、それぞれが海軍人事で色々とやらかし、正直アメリカが日本に負けた場合、間違いなく敗因の一つに数えられるだろうなあと。 『No.39計画航空巡洋艦』については史実でも真面目に計画されていた艦です。 蒼龍原案と同じことアメリカ海軍も考えていたんだと、中身最初に見た時、苦笑いしたものです。 ヨークタウンの弱点ですが、これまんまイラストリアスの弱点です。 本級の場合は、8インチ砲弾の置き場所確保のために、航空燃料なんかが圧迫されたと思っていただければ。 なお、日本海軍はこいつらの防御力過剰に評価しており、43式徹甲爆弾(長門型の砲弾改良して、緩降下爆撃に使えるようにした代物)なんてものを採用したりもしています。 まあ50番までは確実に跳ね返しますからねえ。 フィリピンズはひゅうが氏ネタを拝借。イメージ的には大鳳ですが、予算と工期の関係から、非装甲甲板空母だったりします。まあ工作精度が甘すぎて、第一撃目でお役御免になりましたが。 2番艦として作られたサモアは、ニューヨーク沖海戦に間に合わせるための回航中に伊47によって、護衛艦ごと消し飛ばされ(なお竣工して沈没するまでの最短記録を打ち立てている)、アメリカ海軍空母部隊はほぼ終了しています。 しかしまあ・・・量で押しつぶされるアメリカ海軍っていうのは、ほんと新鮮だよなあ。