約 5,754 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3959.html
※ゆっくりによく似た姿をした汚物が登場します 俺がまだ10歳、11歳の頃…子供の頃の話だ。 ある秋の昼間に友人と三人で『山でお散歩』していた俺が偶然転んだその時、 偶然ゆっくりの巣を見つけた事があった。 俺達は偶然な事に三人とも全員ゆっくりの事が大好きだったから 引きずりだしてや…野生のゆっくりとお喋りしたくなって巣を覗いたたんだが 成体のゆっくりは不在だった。 その代わりに5~10cm程の小さな赤ゆが8匹程、 少し肌寒いのか一カ所に固まって暖まっていた。 仲間の死体に集るゴキブリみたいだな、そう幼心に思ったものだ。 「「ゆ?」」 「「「「ゆっきゅちちていっちぇにぇ!!」」」」 「「「ゆゆ?おにいしゃんたちはゆっくちできりゅひちょ?」」」 その赤ゆ達の歯を砕…『虫歯』を抜いてあげたり、 ゴミのついた髪の毛を抜いてあげたり、 普通に目玉を抉ったりしている間に 俺は次の様な事実に気付いた。 赤ゆ程ムカつく存在は他に無い 古緑 「お座り!」 「ゆ!」 「お手!」 「ゆ!」 「伏せ!」 「ゆ!」 「よ~しよし!れいむはかわいいな!」 「ゆっくちー!」 「な?すげぇだろ?ウチのれいむ!」 「……………」 なんだそりゃ? お座りだのお手だの、犬かよ。 何もしてねーじゃねーか。 そのモミアゲみたいの掴んで引き裂いて良いのか? あんなんで死ぬまでおまんま食えるんなら ゆっくりに生まれりゃ良かったぜ。嘘だけど。 少年の頃に友達を一緒に山でゆっくりを虐めていた俺は イイ歳こきながらまだその趣味を捨てきれていなかった。 そんな俺の下宿先のアパートに久しぶりに兄が来た。 明日の朝早くに俺の家の近くの公園で友人と花見をやるそうで、 遠くの住まいから朝早くの電車に乗るくらいなら 前の日から俺のアパートで泊まって行った方が楽だそうだ。 そんな暇があったらお袋達に顔見せたらどうだ? そんな意見はこの面倒くさがりは聞かないだろうけどな。 そんな事はどうでもいい。 俺にとって問題なのは兄貴の手の上にいる体高10cm程の 不敵な笑みを浮かべている小さな虫けらの事だ。 犬猫が面倒だってんならカブトムシでも飼ってろよ。 独り身で寂しいのかもしれないけどゆっくりとはな。 しかも何でわざわざ面倒くさがりなアンタが赤ゆから飼い始める? 「いや~ペットショップで一目惚れしちゃってよ! この瞳を見て一発で好きになっちゃっちまったよ!」 「おにいしゃんはきゃわいいれーみゅに ぞっこんにゃんだよ!」 偶然だな兄貴。 俺もゆっくりの瞳が好きなんだよ。 目の前で我が子の眼球を抉り出された時の親の瞳とか 絶望の末発狂した時の瞳とかがな。 特にアンタのその手にへばりついてるゴミ虫なんかは 良い瞳を見せてくれそうだ。 「おい○○、お前大丈夫か?」 「あぁ…なんも問題無いよ…」 問題が有るとしたら俺がゆっくりが嫌いだって事だろ。 アンタもそれは知ってた筈だがな。 忘れっぽいアンタの事だから忘れたのかもな。 俺はここじゃ周りの目も有る事だしゆっくり虐待なんて事は出来ないが 赤ゆだけは周りの目なんか無視してでもやってやりたいと思ってる。 俺はゆっくりの中でも特にこの赤ゆという存在には反吐が出るんだよ。 「ゆっきゅちちちぇいっちぇにぇ!」 人に媚びきった様な、舐めきった様な喋り方、 上目遣いの目つき、イラが来て頭が痛くなってくる。 『ゆっきゅちちちぇいっちぇにぇ』だと?何様のつもりだ? 「……あー…」 「……まぁ、大丈夫だってんならいいけどよ じゃあいつも通りあっちの部屋借りるぞ」 「ゆっくちできにゃいおにいしゃんだにぇ!」 舐めた事抜かしやがって。 随分『お厳しく』育てられてるみてーだな? 兄は明日の花見に備えて俺のアパートに遊びに来た。 兄はペットとして最近赤れいむを飼い始め、そいつとは常に一緒にいる。 つまり現在夕方の6時から明日の昼前までは クサレ赤ゆが俺の半径10m以内に存在するって事か? それは俺にとっちゃクソゆっくり出来る事だな。 「ゆっくち!ゆっくち!ゆっく」 ビタン 「ゆぅっ!」 段差に下膨れんトコ当てやがった。 兄貴の住まいには無いモンだから 馴れないうちはそういう事もあるかもな。 「ゆびえぇえぇぇぇえぇえぇん!!」 うっせぇな 隣のおっさんが怒るだろうが。 「おいれいむ大丈夫か?」 「いじゃいよおぉぉぉおおぉぉぉ!!! ゆえぇえぇぇえん!!ゆええぇぇぇぇぇん!!」 「…………」 大袈裟過ぎる。 俺の嫌いな鳴き方だ。 お前等は親に食い殺される寸前か 姉妹を目の前で引き裂かれた時、 もしくは目ん玉抉られた時にだけ鳴いてりゃいいんだよ。 「ゆっぐ…ゆっぐ… おにいしゃん!このおうちはゆっくちできにゃいよ!」 それは正解だ。 お前の同族を300匹は餡子祭りにあげた俺もいるしな。 「そうだなれいむ、でも我慢してゆっくりしような?」 なんだと!? 「ゆぅ~…しょうがにゃいから れーみゅ、ゆっくちがみゃんしゅるよ…」 兄貴はこんなタマ無しじゃなかった。 俺が中学の頃、3つ歳上の兄は 反論には鉄拳を、反撃には更なる鉄拳をと言うジャイアンの母親だった筈だ。 それから今までの間で随分マシになったが 赤ゆの側にいる今のコイツはまるでアイツだ。のび…否、ドラえもん? こんなヘナチンになるぐらいだったら 昔のままのがいくらかマシだった。 こうなったのはあのフローリングの上にあるゴキブリそっくりなゴミのせいか? 「…オイ○○兄、ちょっとスーパー行くけどよ なんか食いたいモンあるか?」 あまりのショックに少し一人になりたくなって来た。 夕飯時だしメシでも買いに行くか。 「おぉ?そうだな、テキトーでいいよテキトーで! でもコンビーフとかレバーは簡便な!」 買わねーよそんなモン。 適当に焼そばでも買っとくか。 「れーみゅはね~!れーみゅはね~!」 お前は排水溝にこびり付いてる生ゴミのカケラでも舐めてろ。 見ろよホラ、みかんの皮は比較的新鮮だぞ。 勿論これは心の声だ。兄貴を怒らせるのは今でも怖い。 クソヘタレみたいになったとしてもいつ戻るか分からないからな。 「ぷりんしゃん! れーみゅぷりんしゃんをゆっくちたべちゃい! ぷりんしゃんがいいよ!ぷりんしゃん!」 チッ…だろうな。っていうか俺の顔見て言え。兄貴に言ってどうする。 どうやら俺の兄貴はゆっくり飼ったはいいが 躾やら食事やらのゆっくり関連の情報に関しては疎いようだ。 室内とはいえ何一つとして飼いゆ登録関連の飾りをつけてないのもそのせいか? ジャリの頃から甘いモンばっか食わせたら舌が肥えるだけだ。 このぐらいの段階ならお湯でふやかしたゆっくりフードがベストなんだよ。 「だってよ○○、まぁ希望通りプリン買って来てくれや」 「あー」 「あ、それと暇だからよ スーファミ貸してくれよな?」 「あー」 開口一番『プリン』等と抜かす赤ゆにゆっくりフードなんて与えても食うまい。 日常的にあげちゃってるみたいだし言っても無駄だろうな。 大人しくプッチンプリンでも買ってくか。 ドブに105円投げ捨てるようで勿体無いが仕方ないだろう。 閉まっておいたゲーム機のコードをいじくる兄貴を尻目に 俺はスーパーに赴くべくスニーカーを履いて未だ寒い4月の夜を歩いて行った。 「おーい○○!ちょっとさ!」 「あー!何ー!?」 三人分の焼そばパックと豚肉とキャベツ、牛乳、 そしてプリンの入ったビニール袋をキッチンのテーブルに置くと 兄貴の使ってる部屋から呼び出しがかかった。 またザンギで詰んでんのかよしょうがねーな。 兄貴はドアの間から少し顔をのぞかせると次の様に言った。 「おお○○!とりあえずれいむにプリンあげてやってくれるか? さっきからうるせーんだ」 確かに五月蝿い。 『おにゃかしゅいたおにゃかしゅいちゃ!! はやきゅゆっくちちちゃいよぉお!』 等といった俺の胃に穴を開けそうな声が兄貴の部屋の中から聞こえる。 兄貴のモンじゃなけりゃ無理矢理にでも生ゴミ突っ込んでやるトコなんだがな。 まぁ今夜限りの付き合いだ。 適当に相手して静かにしといてくれりゃ俺も文句ねぇよ。 でもな兄貴、ゆっくりの躾に関しては俺はそこまで詳しくないが 自分よりも先にメシ食わせるのはあんま良くないと思うぞ。 プチン、プリーン。 俺は適当な皿にプリンを乗せて兄貴に差し出してやると 上着を脱いで今度は兄貴と俺のメシを作るべくビニール袋に手を伸ばした。 兄貴は焼そばが好きだったな。 久しぶりに来た事だしもてなしてやるのもいいだろう。 「こんにゃにょぷりんしゃんじゃにゃいよ!ぴゅんぴゅん! こんにゃにょじゃじぇんじぇんゆっくちできにゃいよ!!」 「あぁー言い忘れてたな… れいむお前、焼きプリンが好きなんだっけか 我慢しろよ、な?」 「やぢゃやぢゃやぢゃぁああぁあ!!! れーみゅがみゃんできにゃいよ!! もーおうちかえりゅ!!」 「…………」 ○してーマジで。 再認識したわ。 赤ゆ程ムカつく存在は他に無い。 我が侭な赤ゆでもそうでなくても同じだけど前者だと更に威力が違うな。 『おうちかえる』っつってたけどまさか兄貴のアパートにに帰るつもりか? 玄関のあるこっちの方に跳ねてくる気配が無いんだけど? 「…………」 まさか!? 「ゆ!?きょきょはれーみゅのおうちだよ! ゆっくちできにゃいじじいはゆっくちでていっちぇね!!」 いやな予感を胸に兄貴の部屋に駆け込んだ俺を迎えた光景は 喰いちらかされて床に散らばったプリンと 部屋の隅に『巣作り』に使ったのであろうボロボロの新聞紙とティッシュ、 それらの上に被せられた俺のお気に入りの焦げ茶色のシャツ。 そしてその下で偉そうにふんぞり返っている赤ゆだった。 更にその口ぶりからすると、どうやらこの一時間程度の間で この家における俺の地位を足りない赤ゆなりに判断したらしい。 兄貴に何か要らん事でも吹き込まれたか? 恐らくこの脳足りんの中じゃこうなってる事だろうよ。 (赤ゆの脳内ヒエラルキー) 兄:一番上、 俺:それ以下、 赤れいむ:一番と同等=俺より上 まぁ50%ぐらいは正解だがな。ムカつく認識だぜ。 子供とか動物ってそう言うトコロは敏感なんだよね。 恐らくヤツの餡子脳内じゃ あの巣の周り一帯、(つまりこの部屋)は既に兄と自分のお家と認識している筈だ。 そしてその認識は力づくで分からせる事しか矯正する方法が無い。 「オイなんだよコレ? ○○兄、お前なんでコレ止めなかった?」 「あぁコレな、ウチでもやるんだよ ゆっくりなりの『巣作り』ってやつだな」 誰に解説してるつもりだ? んな事は重々承知してんだよ話聞いてないだろお前。 躾が行き届いてないとは思っていたが酷いもんだ。 巣作り、お家宣言をさせないのなんて初歩の躾だ。 今だからティッシュや新聞紙で済んでるが デカくなったらそんなもんじゃ済まんぞ。 流石にコレは許せない。 そう思った俺はまずバッと巣に掛かってるシャツを奪い、 薄汚い赤れいむを摘んで(触りたくもなかった)兄の膝まで持って行った。 「はなちぇくちょじじいぃいぃぃぃ!!!」 酷いなこりゃ。 お手だのお座りだのクソにも劣る芸もどきを仕込む前に もっとする事があったようだ。 兄貴よ、俺に任してくれりゃこの躾のなってない駄れいむを 半日で生きてるのかどうかも分からないぐらい静かに躾けてくれる 躾の天才を紹介してやるよ。 「オイ○○!!何やってんだてめぇ!!」 !? 「れーみゅわるいことちてにゃいにょに!! どぼじちぇこんにゃこちょしゅるのぉぉおぉぉおぉ!? おにいしゃあぁあぁぁあん!! ゆっくちできにゃいじじいがれーみゅをいじめりゅよおぉぉぉ!!」 「おーよしよし!大丈夫だからねー!」 「ゆへへ~ん!ばぁ~きゃ!」 コイツは想像以上だな。 醒めた目で兄の背中を見ながら 俺はようやく事の本質を掴み始めて来た。 兄はあの汚物に支配され始めてる。 コイツはもう『タマ無し』なんてレベルじゃない。 俺の最も嫌いな類いの人間に変わりつつある。 それにあのクソ赤ゆの勝ち誇った目ー 「おい○○、メシは?」 「…カップ麺があるから適当に食いな 買って来たのはプリンと牛乳だけだよ」 嘘だ。 兄貴の好きな焼そばは冷蔵庫の中だが こんなのは兄貴じゃない誰かに作ってやるメシは無い。 それ以前に俺の青筋はそろそろ限界だ。 とっくのとうに顔も真っ赤なんだよ。 これ以上この場にいたら本当にヤッちまうかもしれん。 「兄貴、今日はもう眠いから俺寝るわ」 「あぁ」 「ゆ!ばきゃじじいがにげてきゅよ! ゆっくちでていっちぇにぇ!」 赤ゆ程ムカつく存在は他に無い。 「じゃあな○○、またな」 結局腹立たしさでなかなか寝れなかった俺は 兄貴が出て行く昼前になってようやく目を覚ました。 いい天気だ。春らしい柔らかな日差しが窓から入ってくる。 風も爽やかだ。俺の気分とは逆にな。 俺が起きた時、黄色いシャツに着替えた兄貴は 酒入りのクーラーボックスを片手に家を出ようというところだった。 頭の上にはあの汚物が乗っかっている。 「あぁ、そうだ この時期あの公園、花見にはいい感じだからよ 近いうちにまた来るわ、多分来週末かな」 「…そいつと一緒にか?勘弁してくれよ 忘れたか?俺はゆっくりが嫌いなんだよ」 「ゆ!?」 これ以上俺の側にそいつを置いておく事は アンタにとっても都合の悪い事が起きるよ。 俺なりの精一杯の警告のつもりだ。 「我慢しろよ 確かにコイツはちょっと我が侭だけどよ まだほんの赤ん坊だぞ?」 「ゆっ♪ゆっ♪ゆんゆ~♪」 ゆっくりの脳みそは赤ん坊も成体も大差ねーんだよ。 つまりアンタの可愛がってるのは リボンの色がくすみ始めても我が侭なまんまって事だ。 「…わかったよ、行っちまえ 来週末俺が家にいるかは分からんが鍵はいつも通りだからよ あと、たまにはアンタも実家に顔出せよ」 「おぉ分かった分かった じゃまたなー」 来週末までに仮の宿をさがさなきゃな…。 駄目だったらゆっくりが静かになる香でも作っとくか…。 兄貴の後ろ姿を見ながらそんな事を考えていると あの汚物が兄貴の頭の上でこちらをニヤニヤと見ているのに気付いた。 「ゆん!れーみゅの『どれー』のくちぇに なみゃいきなこちょいわないでにぇ!くちょじじい!!」 「おいれいむ、そんな言葉使うな」 「ゆんゆんゆー♪れーみゅしりゃにゃいもーん♪」 今さら注意か? もうおせぇんだよ、兄貴 「おぉ俺、○○、 あぁ、ちょっと手伝って欲しい事あんだけどよ」 物事には限度ってモンがあるんだよ。 ゴキブリ以下の脳みそしか無い お前のその短いゆん生じゃ分かりようも無かった事だがな。 「どうせ暇だろ?あぁそうだ、今回は飼いゆだよ 何?安全だよ、飼い主が馬鹿でよ、バッジも登録も無い野良同然のヤツだ 笑うなって…あぁ、お前もそう思うだろ?」 恨むなよ兄貴。 恨むんなら馬鹿な自分を恨んでくれ。 弟の大嫌いなモノを持ってノコノコその家に持ち込んだ手前の馬鹿さをな。 その汚物が生きてアンタの周りにいると せっかく良好だった兄弟の関係と、 俺の堪忍袋にヒビが入りかねないんだよ。 「希少種狩りの時みたいにお前のれみりゃを使ってくれ そう、ノロい胴付きじゃなくて…そうそう、あの改造した胴無しの二匹だよ 柔らかい赤ゆが大好きだって言ってたろ? 出来るだけじっくりと空中で食い散らかしてやれ、 そう、この前のヤツみたいにな…ん?あぁ、標的はなー」 俺という人間はな、昔のアンタみたいな反論には鉄拳を、 反撃には更なる鉄拳をといった人間が近くに居た事で 鉄拳には忍耐を、更なる鉄拳には告げ口を、といった類の人間になったんだよ。 「桜の下で酒盛りしてる黄色いシャツを着た男の近くにいる筈だ いや?簡単だよ、その男は昼間に酒飲むといつも寝ちまうからな そうでなくともクソ呑気に頭の上に乗せてるときもあるし あとは便所に立った時でも何でも良い…ターゲットの周りが薄くなった時を狙え アイツ等なら朝飯前の獲物だよ。なるべく腹ぺこにさせておくといい 報酬は…そうか?ありがとよ」 アンタは馬鹿だからその事に気付かなかったかもな これから教えてやるから覚えておけ。 アンタの無知の御陰で野良同然の扱いを受けるアンタの可愛い赤ゆが 『どれだけ酷い目』に遭っても保障してくれるヤツなんて一人もいないって事をな。 それとアンタが仕込んだつもりになってる芸なんて 足元にも及ばない程の技を仕込まれたゆっくりも特別に見せて貰うと良い。 「そうだ!なんだったら殺さずに攫わせて○○の家で遊ばせてやるのもいいかもな あの変態野郎、他人が我が侭放題に育てた赤ゆでじっくり楽しみたいって言ってたろ? そうだな!そっちのが面白いな!ギャハハ!そうすっか! じゃ、アッチに着いたらまた電話してくれ あぁ、また後で、メシでも奢るよ」 最後に、この国にはそいつ等が幸せなら無条件でブッ殺してやりたい、 そんな風に思ってる人間も結構いるって事も知っておけ。 「ゆー!?おしょらをとんじぇるみちゃ……?」 「…………………………!?」 「ゆ”ぅ”う”ぅ”う”ぅ”!?お”に”い”じゃぁああぁん!! だじゅげじぇ!!お”に”ぃじゃだじゅげえぇぇえぇえ!!!」 お前には俺へのツケを ゆっくりと払わせてやるよ。 ーーーーーーーーーーあとがきーーーーーーーーーーーーーーー ゆっくりは赤ちゃんになったり子持ちになったりした瞬間に 可愛くなくなると思うのは俺だけじゃないはず。 というわけで赤ゆヘイトss。コイツ等は愛でられない。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2249.html
※ゆっくりによく似た姿をした汚物が登場します 俺がまだ10歳、11歳の頃…子供の頃の話だ。 ある秋の昼間に友人と三人で『山でお散歩』していた俺が偶然転んだその時、 偶然ゆっくりの巣を見つけた事があった。 俺達は偶然な事に三人とも全員ゆっくりの事が大好きだったから 引きずりだしてや…野生のゆっくりとお喋りしたくなって巣を覗いたたんだが 成体のゆっくりは不在だった。 その代わりに5~10cm程の小さな赤ゆが8匹程、 少し肌寒いのか一カ所に固まって暖まっていた。 仲間の死体に集るゴキブリみたいだな、そう幼心に思ったものだ。 「「ゆ?」」 「「「「ゆっきゅちちていっちぇにぇ!!」」」」 「「「ゆゆ?おにいしゃんたちはゆっくちできりゅひちょ?」」」 その赤ゆ達の歯を砕…『虫歯』を抜いてあげたり、 ゴミのついた髪の毛を抜いてあげたり、 普通に目玉を抉ったりしている間に 俺は次の様な事実に気付いた。 赤ゆ程ムカつく存在は他に無い 古緑? 「お座り!」 「ゆ!」 「お手!」 「ゆ!」 「伏せ!」 「ゆ!」 「よ~しよし!れいむはかわいいな!」 「ゆっくちー!」 「な?すげぇだろ?ウチのれいむ!」 「……………」 なんだそりゃ? お座りだのお手だの、犬かよ。 何もしてねーじゃねーか。 そのモミアゲみたいの掴んで引き裂いて良いのか? あんなんで死ぬまでおまんま食えるんなら ゆっくりに生まれりゃ良かったぜ。嘘だけど。 少年の頃に友達を一緒に山でゆっくりを虐めていた俺は イイ歳こきながらまだその趣味を捨てきれていなかった。 そんな俺の下宿先のアパートに久しぶりに兄が来た。 明日の朝早くに俺の家の近くの公園で友人と花見をやるそうで、 遠くの住まいから朝早くの電車に乗るくらいなら 前の日から俺のアパートで泊まって行った方が楽だそうだ。 そんな暇があったらお袋達に顔見せたらどうだ? そんな意見はこの面倒くさがりは聞かないだろうけどな。 そんな事はどうでもいい。 俺にとって問題なのは兄貴の手の上にいる体高10cm程の 不敵な笑みを浮かべている小さな虫けらの事だ。 犬猫が面倒だってんならカブトムシでも飼ってろよ。 独り身で寂しいのかもしれないけどゆっくりとはな。 しかも何でわざわざ面倒くさがりなアンタが赤ゆから飼い始める? 「いや~ペットショップで一目惚れしちゃってよ! この瞳を見て一発で好きになっちゃっちまったよ!」 「おにいしゃんはきゃわいいれーみゅに ぞっこんにゃんだよ!」 偶然だな兄貴。 俺もゆっくりの瞳が好きなんだよ。 目の前で我が子の眼球を抉り出された時の親の瞳とか 絶望の末発狂した時の瞳とかがな。 特にアンタのその手にへばりついてるゴミ虫なんかは 良い瞳を見せてくれそうだ。 「おい○○、お前大丈夫か?」 「あぁ…なんも問題無いよ…」 問題が有るとしたら俺がゆっくりが嫌いだって事だろ。 アンタもそれは知ってた筈だがな。 忘れっぽいアンタの事だから忘れたのかもな。 俺はここじゃ周りの目も有る事だしゆっくり虐待なんて事は出来ないが 赤ゆだけは周りの目なんか無視してでもやってやりたいと思ってる。 俺はゆっくりの中でも特にこの赤ゆという存在には反吐が出るんだよ。 「ゆっきゅちちちぇいっちぇにぇ!」 人に媚びきった様な、舐めきった様な喋り方、 上目遣いの目つき、イラが来て頭が痛くなってくる。 『ゆっきゅちちちぇいっちぇにぇ』だと?何様のつもりだ? 「……あー…」 「……まぁ、大丈夫だってんならいいけどよ じゃあいつも通りあっちの部屋借りるぞ」 「ゆっくちできにゃいおにいしゃんだにぇ!」 舐めた事抜かしやがって。 随分『お厳しく』育てられてるみてーだな? 兄は明日の花見に備えて俺のアパートに遊びに来た。 兄はペットとして最近赤れいむを飼い始め、そいつとは常に一緒にいる。 つまり現在夕方の6時から明日の昼前までは クサレ赤ゆが俺の半径10m以内に存在するって事か? それは俺にとっちゃクソゆっくり出来る事だな。 「ゆっくち!ゆっくち!ゆっく」 ビタン 「ゆぅっ!」 段差に下膨れんトコ当てやがった。 兄貴の住まいには無いモンだから 馴れないうちはそういう事もあるかもな。 「ゆびえぇえぇぇぇえぇえぇん!!」 うっせぇな 隣のおっさんが怒るだろうが。 「おいれいむ大丈夫か?」 「いじゃいよおぉぉぉおおぉぉぉ!!! ゆえぇえぇぇえん!!ゆええぇぇぇぇぇん!!」 「…………」 大袈裟過ぎる。 俺の嫌いな鳴き方だ。 お前等は親に食い殺される寸前か 姉妹を目の前で引き裂かれた時、 もしくは目ん玉抉られた時にだけ鳴いてりゃいいんだよ。 「ゆっぐ…ゆっぐ… おにいしゃん!このおうちはゆっくちできにゃいよ!」 それは正解だ。 お前の同族を300匹は餡子祭りにあげた俺もいるしな。 「そうだなれいむ、でも我慢してゆっくりしような?」 なんだと!? 「ゆぅ~…しょうがにゃいから れーみゅ、ゆっくちがみゃんしゅるよ…」 兄貴はこんなタマ無しじゃなかった。 俺が中学の頃、3つ歳上の兄は 反論には鉄拳を、反撃には更なる鉄拳をと言うジャイアンの母親だった筈だ。 それから今までの間で随分マシになったが 赤ゆの側にいる今のコイツはまるでアイツだ。のび…否、ドラえもん? こんなヘナチンになるぐらいだったら 昔のままのがいくらかマシだった。 こうなったのはあのフローリングの上にあるゴキブリそっくりなゴミのせいか? 「…オイ○○兄、ちょっとスーパー行くけどよ なんか食いたいモンあるか?」 あまりのショックに少し一人になりたくなって来た。 夕飯時だしメシでも買いに行くか。 「おぉ?そうだな、テキトーでいいよテキトーで! でもコンビーフとかレバーは簡便な!」 買わねーよそんなモン。 適当に焼そばでも買っとくか。 「れーみゅはね~!れーみゅはね~!」 お前は排水溝にこびり付いてる生ゴミのカケラでも舐めてろ。 見ろよホラ、みかんの皮は比較的新鮮だぞ。 勿論これは心の声だ。兄貴を怒らせるのは今でも怖い。 クソヘタレみたいになったとしてもいつ戻るか分からないからな。 「ぷりんしゃん! れーみゅぷりんしゃんをゆっくちたべちゃい! ぷりんしゃんがいいよ!ぷりんしゃん!」 チッ…だろうな。っていうか俺の顔見て言え。兄貴に言ってどうする。 どうやら俺の兄貴はゆっくり飼ったはいいが 躾やら食事やらのゆっくり関連の情報に関しては疎いようだ。 室内とはいえ何一つとして飼いゆ登録関連の飾りをつけてないのもそのせいか? ジャリの頃から甘いモンばっか食わせたら舌が肥えるだけだ。 このぐらいの段階ならお湯でふやかしたゆっくりフードがベストなんだよ。 「だってよ○○、まぁ希望通りプリン買って来てくれや」 「あー」 「あ、それと暇だからよ スーファミ貸してくれよな?」 「あー」 開口一番『プリン』等と抜かす赤ゆにゆっくりフードなんて与えても食うまい。 日常的にあげちゃってるみたいだし言っても無駄だろうな。 大人しくプッチンプリンでも買ってくか。 ドブに105円投げ捨てるようで勿体無いが仕方ないだろう。 閉まっておいたゲーム機のコードをいじくる兄貴を尻目に 俺はスーパーに赴くべくスニーカーを履いて未だ寒い4月の夜を歩いて行った。 「おーい○○!ちょっとさ!」 「あー!何ー!?」 三人分の焼そばパックと豚肉とキャベツ、牛乳、 そしてプリンの入ったビニール袋をキッチンのテーブルに置くと 兄貴の使ってる部屋から呼び出しがかかった。 またザンギで詰んでんのかよしょうがねーな。 兄貴はドアの間から少し顔をのぞかせると次の様に言った。 「おお○○!とりあえずれいむにプリンあげてやってくれるか? さっきからうるせーんだ」 確かに五月蝿い。 『おにゃかしゅいたおにゃかしゅいちゃ!! はやきゅゆっくちちちゃいよぉお!』 等といった俺の胃に穴を開けそうな声が兄貴の部屋の中から聞こえる。 兄貴のモンじゃなけりゃ無理矢理にでも生ゴミ突っ込んでやるトコなんだがな。 まぁ今夜限りの付き合いだ。 適当に相手して静かにしといてくれりゃ俺も文句ねぇよ。 でもな兄貴、ゆっくりの躾に関しては俺はそこまで詳しくないが 自分よりも先にメシ食わせるのはあんま良くないと思うぞ。 プチン、プリーン。 俺は適当な皿にプリンを乗せて兄貴に差し出してやると 上着を脱いで今度は兄貴と俺のメシを作るべくビニール袋に手を伸ばした。 兄貴は焼そばが好きだったな。 久しぶりに来た事だしもてなしてやるのもいいだろう。 「こんにゃにょぷりんしゃんじゃにゃいよ!ぴゅんぴゅん! こんにゃにょじゃじぇんじぇんゆっくちできにゃいよ!!」 「あぁー言い忘れてたな… れいむお前、焼きプリンが好きなんだっけか 我慢しろよ、な?」 「やぢゃやぢゃやぢゃぁああぁあ!!! れーみゅがみゃんできにゃいよ!! もーおうちかえりゅ!!」 「…………」 ○してーマジで。 再認識したわ。 赤ゆ程ムカつく存在は他に無い。 我が侭な赤ゆでもそうでなくても同じだけど前者だと更に威力が違うな。 『おうちかえる』っつってたけどまさか兄貴のアパートにに帰るつもりか? 玄関のあるこっちの方に跳ねてくる気配が無いんだけど? 「…………」 まさか!? 「ゆ!?きょきょはれーみゅのおうちだよ! ゆっくちできにゃいじじいはゆっくちでていっちぇね!!」 いやな予感を胸に兄貴の部屋に駆け込んだ俺を迎えた光景は 喰いちらかされて床に散らばったプリンと 部屋の隅に『巣作り』に使ったのであろうボロボロの新聞紙とティッシュ、 それらの上に被せられた俺のお気に入りの焦げ茶色のシャツ。 そしてその下で偉そうにふんぞり返っている赤ゆだった。 更にその口ぶりからすると、どうやらこの一時間程度の間で この家における俺の地位を足りない赤ゆなりに判断したらしい。 兄貴に何か要らん事でも吹き込まれたか? 恐らくこの脳足りんの中じゃこうなってる事だろうよ。 (赤ゆの脳内ヒエラルキー) 兄:一番上、 俺:それ以下、 赤れいむ:一番と同等=俺より上 まぁ50%ぐらいは正解だがな。ムカつく認識だぜ。 子供とか動物ってそう言うトコロは敏感なんだよね。 恐らくヤツの餡子脳内じゃ あの巣の周り一帯、(つまりこの部屋)は既に兄と自分のお家と認識している筈だ。 そしてその認識は力づくで分からせる事しか矯正する方法が無い。 「オイなんだよコレ? ○○兄、お前なんでコレ止めなかった?」 「あぁコレな、ウチでもやるんだよ ゆっくりなりの『巣作り』ってやつだな」 誰に解説してるつもりだ? んな事は重々承知してんだよ話聞いてないだろお前。 躾が行き届いてないとは思っていたが酷いもんだ。 巣作り、お家宣言をさせないのなんて初歩の躾だ。 今だからティッシュや新聞紙で済んでるが デカくなったらそんなもんじゃ済まんぞ。 流石にコレは許せない。 そう思った俺はまずバッと巣に掛かってるシャツを奪い、 薄汚い赤れいむを摘んで(触りたくもなかった)兄の膝まで持って行った。 「はなちぇくちょじじいぃいぃぃぃ!!!」 酷いなこりゃ。 お手だのお座りだのクソにも劣る芸もどきを仕込む前に もっとする事があったようだ。 兄貴よ、俺に任してくれりゃこの躾のなってない駄れいむを 半日で生きてるのかどうかも分からないぐらい静かに躾けてくれる 躾の天才を紹介してやるよ。 「オイ○○!!何やってんだてめぇ!!」 !? 「れーみゅわるいことちてにゃいにょに!! どぼじちぇこんにゃこちょしゅるのぉぉおぉぉおぉ!? おにいしゃあぁあぁぁあん!! ゆっくちできにゃいじじいがれーみゅをいじめりゅよおぉぉぉ!!」 「おーよしよし!大丈夫だからねー!」 「ゆへへ~ん!ばぁ~きゃ!」 コイツは想像以上だな。 醒めた目で兄の背中を見ながら 俺はようやく事の本質を掴み始めて来た。 兄はあの汚物に支配され始めてる。 コイツはもう『タマ無し』なんてレベルじゃない。 俺の最も嫌いな類いの人間に変わりつつある。 それにあのクソ赤ゆの勝ち誇った目ー 「おい○○、メシは?」 「…カップ麺があるから適当に食いな 買って来たのはプリンと牛乳だけだよ」 嘘だ。 兄貴の好きな焼そばは冷蔵庫の中だが こんなのは兄貴じゃない誰かに作ってやるメシは無い。 それ以前に俺の青筋はそろそろ限界だ。 とっくのとうに顔も真っ赤なんだよ。 これ以上この場にいたら本当にヤッちまうかもしれん。 「兄貴、今日はもう眠いから俺寝るわ」 「あぁ」 「ゆ!ばきゃじじいがにげてきゅよ! ゆっくちでていっちぇにぇ!」 赤ゆ程ムカつく存在は他に無い。 「じゃあな○○、またな」 結局腹立たしさでなかなか寝れなかった俺は 兄貴が出て行く昼前になってようやく目を覚ました。 いい天気だ。春らしい柔らかな日差しが窓から入ってくる。 風も爽やかだ。俺の気分とは逆にな。 俺が起きた時、黄色いシャツに着替えた兄貴は 酒入りのクーラーボックスを片手に家を出ようというところだった。 頭の上にはあの汚物が乗っかっている。 「あぁ、そうだ この時期あの公園、花見にはいい感じだからよ 近いうちにまた来るわ、多分来週末かな」 「…そいつと一緒にか?勘弁してくれよ 忘れたか?俺はゆっくりが嫌いなんだよ」 「ゆ!?」 これ以上俺の側にそいつを置いておく事は アンタにとっても都合の悪い事が起きるよ。 俺なりの精一杯の警告のつもりだ。 「我慢しろよ 確かにコイツはちょっと我が侭だけどよ まだほんの赤ん坊だぞ?」 「ゆっ♪ゆっ♪ゆんゆ~♪」 ゆっくりの脳みそは赤ん坊も成体も大差ねーんだよ。 つまりアンタの可愛がってるのは リボンの色がくすみ始めても我が侭なまんまって事だ。 「…わかったよ、行っちまえ 来週末俺が家にいるかは分からんが鍵はいつも通りだからよ あと、たまにはアンタも実家に顔出せよ」 「おぉ分かった分かった じゃまたなー」 来週末までに仮の宿をさがさなきゃな…。 駄目だったらゆっくりが静かになる香でも作っとくか…。 兄貴の後ろ姿を見ながらそんな事を考えていると あの汚物が兄貴の頭の上でこちらをニヤニヤと見ているのに気付いた。 「ゆん!れーみゅの『どれー』のくちぇに なみゃいきなこちょいわないでにぇ!くちょじじい!!」 「おいれいむ、そんな言葉使うな」 「ゆんゆんゆー♪れーみゅしりゃにゃいもーん♪」 今さら注意か? もうおせぇんだよ、兄貴 「おぉ俺、○○、 あぁ、ちょっと手伝って欲しい事あんだけどよ」 物事には限度ってモンがあるんだよ。 ゴキブリ以下の脳みそしか無い お前のその短いゆん生じゃ分かりようも無かった事だがな。 「どうせ暇だろ?あぁそうだ、今回は飼いゆだよ 何?安全だよ、飼い主が馬鹿でよ、バッジも登録も無い野良同然のヤツだ 笑うなって…あぁ、お前もそう思うだろ?」 恨むなよ兄貴。 恨むんなら馬鹿な自分を恨んでくれ。 弟の大嫌いなモノを持ってノコノコその家に持ち込んだ手前の馬鹿さをな。 その汚物が生きてアンタの周りにいると せっかく良好だった兄弟の関係と、 俺の堪忍袋にヒビが入りかねないんだよ。 「希少種狩りの時みたいにお前のれみりゃを使ってくれ そう、ノロい胴付きじゃなくて…そうそう、あの改造した胴無しの二匹だよ 柔らかい赤ゆが大好きだって言ってたろ? 出来るだけじっくりと空中で食い散らかしてやれ、 そう、この前のヤツみたいにな…ん?あぁ、標的はなー」 俺という人間はな、昔のアンタみたいな反論には鉄拳を、 反撃には更なる鉄拳をといった人間が近くに居た事で 鉄拳には忍耐を、更なる鉄拳には告げ口を、といった類の人間になったんだよ。 「桜の下で酒盛りしてる黄色いシャツを着た男の近くにいる筈だ いや?簡単だよ、その男は昼間に酒飲むといつも寝ちまうからな そうでなくともクソ呑気に頭の上に乗せてるときもあるし あとは便所に立った時でも何でも良い…ターゲットの周りが薄くなった時を狙え アイツ等なら朝飯前の獲物だよ。なるべく腹ぺこにさせておくといい 報酬は…そうか?ありがとよ」 アンタは馬鹿だからその事に気付かなかったかもな これから教えてやるから覚えておけ。 アンタの無知の御陰で野良同然の扱いを受けるアンタの可愛い赤ゆが 『どれだけ酷い目』に遭っても保障してくれるヤツなんて一人もいないって事をな。 それとアンタが仕込んだつもりになってる芸なんて 足元にも及ばない程の技を仕込まれたゆっくりも特別に見せて貰うと良い。 「そうだ!なんだったら殺さずに攫わせて○○の家で遊ばせてやるのもいいかもな あの変態野郎、他人が我が侭放題に育てた赤ゆでじっくり楽しみたいって言ってたろ? そうだな!そっちのが面白いな!ギャハハ!そうすっか! じゃ、アッチに着いたらまた電話してくれ あぁ、また後で、メシでも奢るよ」 最後に、この国にはそいつ等が幸せなら無条件でブッ殺してやりたい、 そんな風に思ってる人間も結構いるって事も知っておけ。 「ゆー!?おしょらをとんじぇるみちゃ……?」 「…………………………!?」 「ゆ”ぅ”う”ぅ”う”ぅ”!?お”に”い”じゃぁああぁん!! だじゅげじぇ!!お”に”ぃじゃだじゅげえぇぇえぇえ!!!」 お前には俺へのツケを ゆっくりと払わせてやるよ。 ーーーーーーーーーーあとがきーーーーーーーーーーーーーーー ゆっくりは赤ちゃんになったり子持ちになったりした瞬間に 可愛くなくなると思うのは俺だけじゃないはず。 というわけで赤ゆヘイトss。コイツ等は愛でられない。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2351.html
赤ゆのたのちいイス取りゲーム (中) 37KB 虐待 愛情 不運 仲違い 家族崩壊 親子喧嘩 同族殺し 番い 野良ゆ 姉妹 赤ゆ ゲス 希少種 都会 透明な箱 現代 虐待人間 うんしー ぺにまむ 長い 【3】 --------------------------- ゆっくりに溢れた生活。 社会人になったお兄さんは満たされているはずだった。 かわいいゆっくりたちの世話をして、家に帰ってからもゆっくりと遊ぶ。 愛でお兄さんからすれば、夢のような生活のはずだった。 仕事が辛いわけではない。 気のいい仕事仲間。 笑顔を向ければ笑顔を返してくれるゆっくりたち。 何故だろう。 自分自身でも、何故なのか理解できなかったお兄さんであった。 --------------------------- 鬼意山の顔に笑顔が戻る。 ゆっくりにゆっくりを感じさせる、才能といってもいいような笑顔。 そんな素質が虐待鬼意山と出会ってしまうなんて。 お兄さんの笑顔はゆっくりを捕食するための蜘蛛の巣になっていた。 「そうだ。忘れないうちにあまあまをあげよう」 「「「「ゆゆっ!?」」」」 濁り始めていた赤ゆたちの瞳に光が戻る。 六匹の赤ゆたちは一応第一回戦の勝者なのだ。 鬼意山はテーブルにしあわせフードを撒く。 コーヒー豆サイズのフードが20個ほどテーブルに転がる。 先ほど食べていたのはそれなりフードで、こちらはそれよりも美味しい物だ。 「「「「ち、ち、ちあわちぇええええ!!!!」」」」 こんなの、はじめて……!! 死臭を抜いたゆっくりの餡子にさらに甘味料を大量に混ぜた品だ。 甘過ぎて人間の口には合わないが、ゆっくりにとっては狂おしいほど美味しい。 吐餡で死んだりしないようにアメとムチを心がけるというのは、赤ゆ虐待では大事なことだ。 この賞品設定もその辺りを含めて考えられているものである。 「しあわせえしでるばあいじゃないでしょおおおお!!!!」 「おねえちゃんがしんじゃったんだよおおお!!!」 親ゆたちはいまだ悲しみにくれているが、 ゆっくりで一杯になった赤ゆの頭にそんな言葉は届かない。 あまあまがぺろりと無くなると、鬼意山はイスたちを整え始める。 「でも、殺し合いをさせるのは少し胸が痛むからね。次は人数分のイスを用意してあげるよ」 「「「「ゆゆっ?」」」」 テーブルの上には、先ほどと同じく六つのイスがあった。 赤ゆたちが、よく分からないといった表情で鬼意山を見る。 「全員分のイスがあるってことは、全員座れる。つまり誰も死なないってことだ」 テーブルの上には確かにイスが六つあった。 ゆっくりには数えられないが、人間の目には六つ見えるのだ。 イス取りゲームにしてはあまりにぬるい設定だが、はてさて。 赤ゆたちはそこまで聞いてやっと理解したようで、ほっとした表情。 親ゆたちは警戒しつつも、とりあえず危機は去ったと安堵したらしい。 「ゆっくちできりゅにぇ!」 「あんちんだにぇ!」 赤ゆたちがまあるく並んだ後、イス取りゲームの第二回戦が始まった。 ♪~ 「はいはい、イスさんたちの周りをくるくるしてね!」 お兄さんが音楽に合わせ、リズムよくゆっくりと手を叩く。 「「「ゆっくち♪ ゆっくち♪」」」 赤ゆたちも楽しそうだ。 にこにこな笑顔でゆっくちゆっくち回っている。 お兄さんが手拍子をするごとに、赤ゆたちが一歩進む。 パン! パン! パン! パン! ゆっ♪ ゆっ♪ ゆっ♪ ゆっ♪ ゆっくり出来ないことはすぐ忘れる、それがゆっくり。 赤ゆっくりのような中枢餡の小さいアホの塊のようなものだと 寸前の姉妹の死すら頭から抜け落ちてしまう。 イスの数が多く、ゆっくりできたことも原因だったのだろうが……。 長女まりちゃも草葉の陰で泣いているだろう。 「じじい……」 しかし親たちはさすがに忘れていない。 れいむはやはり歯茎をむき出しにし、歯ぎしりを繰り返している。 このままでは歯がすり減って無くなってしまうのではないか? まりさの方はといえばゆっくりできない目で鬼意山を睨んでいたが、 このままゆっくりできるお兄さんに戻ってくれないかとも思っていた。 この世の人間さんは虐待派と愛で派に分けることが出来る。 まりさがぱちゅりーから教えられた数少ない知識だ。 まりさが最初に鬼意山に会った時、この人間さんは「めでおにいさん」なのだと感じた。 とてもゆっくりできるごはんをくれた。 おからだを綺麗にしてくれた。 おちびちゃんたちもとてもゆっくりしていたし、 ゆっくりがゆっくりするためのゆっくりプレイスまであった。 どれもこれも虐待鬼意山のすることとは思えなかった。 ただの鬼意山なら、こんなゆっくりできる気持ちにはなれないはずだ。 まりさはまだ受け入れていなかった。 お兄さんはきっとまたゆっくりさせてくれる。 イスがいっぱいあるのも、やさしいお兄さんに戻ったから。 だっておちびちゃんはあんなにゆっくりできるんだから。 それを見てる鬼意山もゆっくりできるはずだから。 半ば祈るような気持ちで、そんなことを空想していた。 そして赤ゆたちがぐるっと二周ほど回った頃、ホイッスルはまた鳴らされた。 今度の動きもゆっくりしたものだ。 殺されないと思っているからだろうが。 六つのイスに、ゆっくりが六。 確かに普通は死ぬことなんて考えない。 「ゆっくちすわりゅよ!!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 ぴょんぴょんとイスに飛び乗ってゆく。 六匹の赤ゆと六個のイス。 ぴょんぴょん飛び乗り、どんどんゆっくりしてゆく。 イスに座れた赤ゆは姉の死も忘れ、気楽に左右に揺れている。 そして誰も死ぬことは無い。 みんなゆっくり、あまあまをもらえるはずだった。 「あぢゅいいいいいいいい!!!!!」 一つのイスに座ったまりちゃが、なぜか一気に飛びあがる。 そのあんよは火傷で赤みがかっており、ひりひりと痛そうだ。 「「おぢびちゃあああん!! どぼぢだのおおお!!??」」 おにいさんは全員生き残れるなんて生ぬるい遊び、するつもりがなかった。 火傷したまりちゃが座ろうとしたイスは上部が発熱する仕組みになっており、 その温度はすでに300度を超えていた。 ゆっくりは40度程度の温度でもゆっくりできないと嫌うのだ。 夏の東京に行けば、暑さのあまり永遠にゆっくりする家族が山ほど見れる。 300度に熱されたイスなんて座れる余地もない。 無理に座ればあんよが焦げて二度と歩けなくなる。 「言っとくけど、時間切れになっても座って無かったゆっくりは殺すからね」 「ゆっぐち!!」 びくっと震える。 このままでは殺されてしまう。 ゆっくりせずに理解した。 あんよの痛みも我慢して、赤ゆはずーりずーりをする。 涙を流しながら必死でずーりずーりする。 あんよが痛くてはねることができないのだろう。 そうしてイスの前にやってきたまりしゃ。 「ゆっくちすわりゅよ!!」 あんよの痛みに耐え、なんとか灼熱のイスに座る。 そして当然、まりしゃのあんよは煙とともにおいしく焼かれ始めた。 「ゆぎっ! ゆぎぎぎゅぎゅううう!!!」 イスからの激しい熱分子の突撃で、まりしゃのあんよはすでに茶色に変色している。 そんな苦しみに赤ゆが何秒も耐えられるはずがない。 「ゆぎゃああああ!!! あぢゅいよおおお!!!」 「どぼぢでおりちゃうのおおおお!!???」 あまりの熱さにまりさは再びころげ落ちる。 「はやく、はやくすわってねっ!! すぐでいいよ!!」 親れいむの叫びで赤まりしゃはまたゆっくりできないイスを目指そうとする。 イスに座ってないと、鬼意山に殺されてしまう! 親ゆも姉妹たちも、はらはらとゆっくりしないで見守っていた。 「ゆっくちすすみゅ……どぼちてまりちゃのあんようごきゃないにょおおおおお!!!???」 「おちびちゃあああああんん!!!!!」 ついにまりしゃのあんよは焼けきり、二度と使い物にならなくなった。 無理して数秒ガマンしたせいだった。 まあ、座らないなら座らないで、殺されてしまうのだが。 そのまままりさは箸でつかまれる。 ぶにゅりとまりちゃの形がゆがむ。 「はい、時間切れ」 「ゆぎゃああああああ!!!!」 「「おぢびちゃんんんん!!!!!!!!」」 その声を聞いて赤まりしゃは暴れる。箸にはさまれながらおしりをぷりんぷりん振る。 「まりぢゃわるきゅないよおおおおお!!!! いすしゃんがあちゅいかりゃああああ!!!!」 まりしゃはわんわん泣く。 「ゆわああああ!!!」 「どぼぢてちーちーふってくりゅのおおお!!???」 おそろしーしーや涎までとびちるし、汚いったらない。 おかげで赤ゆたちは右往左往逃げ回る羽目になる。 しかし姉妹の命がかかっている局面だ。 「ゆっ! いすさんはいもーちょにあやまっちぇね! ぴゅんぴゅん!!」 「いじわるしにゃいでね! すぐでいいよ!」 うんしーの臭いを我慢する。 姉妹たちも加勢して、制裁すべきなのはイスさんのほうだと喚きたてる。 「うーん、まりしゃのお尻にうんうんがついたままで、それを怒ったのかなあ」 お兄さんはわざとらしくも首をかしげながら、赤まりしゃに話しかける。 赤まりしゃのあにゃるには、おそろうんうんのかけらがべっとり。 いつもはおかーさんにぺーろぺーろで綺麗にしてもらっているのだ。 もちろん実際はうんうんがついていることとイスが熱かった事とは何の関係もないのだが。 ゆっくりたちにとっては何となく納得がいく理由であった。 何にでも「さん」をつけるゆっくり。 土も石も草も、生き物なのだと考えている。 例:「ゆっゆっ! かべさんはゆっくりこわれてね!!」 「ところで、さっきの子みたいに、この子に席を譲ってくれる子はいないのかな?」 「ゆゆ?」 赤ゆたちは首をかしげる。 「席を譲ってくれれば、このまりちゃは助かるんだけどなぁ」 「ゆゆっ!? たしゅかりゅ!?」 赤まりしゃはその言葉に食い付き、他の姉妹に視線を投げる。 「ゆっくちしてるまりしゃに、いすしゃんをちょうだいにぇ!」 その目はキラキラとしていた。 ゆっくちしたまりちゃだから、誰かが譲ってくれるに違いない。 そういう期待がこもっていた。 しかし姉妹はみな体ごと視線を逸らし、譲ろうとする者は誰も居なかった。 待っても待っても、誰も名乗り出なかった。 そして、こればかりは親ゆも口をつぐむしかない。 席を譲らせても、それは結局他のおちびちゃんを殺すことにしかならないのだから。 「どぼぢてむししゅりゅのおおおお!!???」 今回は命がかかっているのだから、当然の結果ではあったが。 「おとーさんもおかーさんも、みんなもまりしゃに死んでほしいってさ」 「にゃんでええええ!!???」 ぽろぽろ涙をこぼすまりしゃに、鬼意山はもう一つ提案をする。 「それじゃあイスさんにごめんなさいして、座らせてもらうのはどうかな? 本当は時間切れだけど、もし座らせてもらえたら助けてあげてもいいよ」 「ゆ!」 お兄さんの助けてあげてもいい発言に、赤まりしゃは俊敏に反応した。 「ゆっくちごめんなちゃい! だからすわらしぇてにぇ! すぎゅでいいよ!!」 にっこり笑いながら、謝罪めいた言葉を吐く。 ぷりんとケツを向ける。 かわいいポーズのつもりだろうか。 いかにもゆっくりらしい謝罪の姿勢だった。 他の家族はゆるしてあげてね!などとイスさんに呼びかけている。 「そんな謝り方じゃイスさんは許してくれないよ! ほら、もっと近くじゃないと!! ジュウウウウウ……。 箸でつままれているまりさを、既に400度を超えようとしているイスさんに当てた。 今度はあんよではなく、顔面を直接。 おでこが、ほっぺが、煙をあげながら焼けてゆく! 灼熱のフライパンとちゅっちゅだなんて、人間さんでも拷問だ。 痛みに弱いゆっくりなら、なおさらである。 「ゆっぎゃあああああああ!!!!」 耐えられないほどの熱さ、痛さの洪水が赤まりしゃを襲う。 生後十日も経っていないゆん生。その中でも圧倒的に一位を記録できるほどの酷い苦痛だ。 「ほらほら、イスさんがまだ怒ってるよ! ごめんなさいはどうした?」 「ごべんなぢゃいいいい!!! ごべんなちゃいいいいい!!!!」 意味のない謝罪を繰り返す赤まりしゃ。 顔面もみるみる焼け、ところどころ破れはじめている。 「やべであげでええええええ!!!!」 「ぞのごはまだあがちゃんなんでずうううううう!!!!」 イスさんにか、鬼意山にか、両親はおでこをこすりつけ土下座をしている。 だがそんな鳴き声を聞いて手を差し伸べるほど、優しい鬼意山ではなかった。 赤まりしゃの目玉はどろどろに溶け始める。 口から、目から、あにゃるから、傷口から。 あつあつになった餡子を吐き出し、そのうち永遠にゆっくりした。 残ったのは真っ黒焦げの、食えもしないゴミだけだった。 箸の先にへばりついた真っ黒なゴミは、赤ゆたちの前にそっと置かれた。 ほかほか。 湯気が立っている。 「おねーぢゃんぎゃあああああ!!!」 「いぼうぢょおおおおお!!!!」 「おちびぢゃああああああん!!!」 リアクションはそれぞれで、叫ぶものもあれば気絶するものもある。 「ゆっくちできにゃいいすしゃんは、せいっしゃいだよ!!」 そんなことを言いながらイスに体当たりを仕掛けるまりちゃは、 ほっぺを焼かれて泣きながらUターンしていった。 「あーあ、酷いなあ。イスさんがまりしゃを殺しちゃった」 しかし黙っていないのがれいむである。 「おばえがじゅうじゅうしたんだろうがあああああ!!!!!」 イスさんが怒っていようがいまいが、 箸でつまんだ上に赤まりちゃを焼き殺したのは鬼意山である。 しかしそんな泣き声、鬼意山には痛くも痒くもない。 しあわせフードを取り出し勝者を祝福する。 赤ゆたちの大好きな、あまあまなご褒美。 しかし二人目の犠牲者が出た後だ。 赤ゆでも深刻な面持ちにならざるをえない。 口数も少なくなる。 姉妹のことはともかく、自分の命まで危機にさらされているのだ。 いくら美味しくてもしあわせーの声は控えめである。 「むーしゃ、むーしゃ……」 「しあわせ……」 それでも一応しあわせらしい。 そこでお兄さんは意地悪な質問を始めた。 「姉妹を見殺しにして食べるあまあまはおいしいかな?」 「「「「ゆゆっ!?」」」」 赤ゆたちは、まりしゃに席を譲らなかったわけである。 それを見殺しと言ったのだ。 命がかかっていたのだから、当然そうするだろうと知っていた。 ただ落ち込んでいる赤ゆたちを精神的に追い詰めるためだけに、傷口を塩を塗っているのである。 「特にそこの小さい赤れいみゅ。お姉ちゃんに譲ってもらったのに、自分では出来ないんだね。お前のお姉ちゃんはゆっくりしてたのになあ」 「ゆ゛っ……」 れいみゅは名指しされ、涙ぐみながらまた下を向いてしまった。 「いいんだよ。お兄さんは怒ってないよ。家族すら殺してでも自分だけがゆっくりする、それがゆっくりだ」 親ゆたちはただ歯ぎしりしながら黙っているしかない。 ちがうよ! ゆっくりはかぞくをたいせつにするよ! などと言ってしまえば、おちびちゃんたちの心を傷めつけることになる。 家族を見捨てる自分達は、ゆっくり失格。 そうなる。 「君達はまだ赤ゆなんだから、まだまだゆん生はこれから。生き残りたいだろう? みじめに殺し合って、最後の一匹になってね!」 おにいさんはまた、にこにこと笑い始めた。 【4】 --------------------------- 家でもお兄さんはゆっくり漬けだ。 ちぇんとらんに餌をやると、パソコンで軽く巡回する。 もちろんお気に入りもゆっくりづくし。 ゆっくり嫌いが見たら胃が爆発しそうなラインナップである。 しかしインターネットには罠が多い。 望まぬサイトにアクセスしてしまうこともある。 不用意にリンクをクリックしたため、 ゆーtubeのゆ虐動画に飛んでしまった。 用心深いお兄さんは普段、こんな失敗はしないのだが。 ふらんちゃんがあんなことやこんなことも!? という煽り文句が気になって、つい……。 大荒れに荒れた動画だった。 川辺に住むゆっくりの一家が殺される動画だった。 愛でから始まり、虐殺で終わる。 動画の半ばで×ボタンを押した。 「酷いことをする人もいるもんだな……」 しかしその日の夜。 永久凍土に春が来たかのようなすっきりした気分で、 お兄さんは眠りに就くことが出来た。 --------------------------- 次の戦いは、直後に始まった。 ♪~ ここで事件が起きる。 既にれいみゅ3、まりちゃ2までに数を減らしていたころである。 五匹の赤ゆに四つのイス。 そういう設定だから、一匹があぶれることになる。 そのあぶれたゆっくり、赤まりちゃがイスを占拠したれいみゅを殺したのである。 その赤まりちゃは姉妹を焼き殺したげしゅなイスに攻撃を仕掛け、 その結果ほっぺに火傷を負う怪我を負った。 跳ねるたびに傷が痛み、ゆっくりにしか跳ねられなかったのだ。 またホイッスルが鳴らされ、音楽が止まる。 「ゆっくちしないですわりゅよ!!」 「れいみゅのいすしゃん、まってちぇにぇ!!」 どんどん座っていく赤ゆ。 ここまでくると、赤ゆでもゆっくりしてはいけないのだと理解している。 だんだんと競争の様相を帯びてきた。 「きょきょはまりしゃのゆっくちぷれいしゅだよ!!」 「ここはれーみゅのだよ! のろまないもうとはあっちいってね!!」 四つのイスが占領される。 そしてまりしゃは傷のために一歩おくれ、気付いた時にはイスは無かった。 「ゆぅぅ……」 イスが無いとは死と同義である。 必死にきょろきょろする。 充血した瞳で。 無い。 どうしようもなくなった。 それでまりしゃは末っ子のれいみゅのところへ駆け寄る。 どうもイスを奪うつもりらしい。 末っ子なぶん、れいみゅは体が小さかった。 だから狙われたのだろう。 「まりちゃおねーちゃんに、いすさんをちょうだいにぇ!!」 「ゆ、ゆぅ……?」 れいみゅは目をまん丸くする。 イスから降りろとは、死んでしまえと言うに等しい。 そんなこと、絶対に了承できない。 れいみゅにはまだ、バラ色のゆん生が残されているのに! 「やじゃよおおお!! れいみゅちにたくないいい!!!!」 「いいかりゃどいちぇにぇ!!」 まりちゃの体当たり。 「ゆぎぃ!」 イスから落ちた末っ子れいみゅはそのままころころ転がってゆく。 同じ茎から生まれた赤ゆでも大きさは違う。 茎の根元に近いゆっくりほど餡子をたくさんもらえる。 その結果早く生まれ体も大きくなる傾向がある。 このまりちゃは三女だったが、それに対抗するには末っ子は非常に不利である。 餡子の量は、ゆっくりの戦いの全てを決める。 果てはゆん生のゆくえまでも。 「ゆううう!!! れいみゅのいすしゃんにすわらにゃいでにぇ!!」 それでもれいみゅは負けじと対抗する。 助走をつけ、イスを奪った姉まりちゃに体当たりしたのだ。 そう力強いとはいえない、しかし命をかけた渾身のもの。 「ゆぐっ!」 転がすほどの力はなかったが、イスからずりおちてさかさまになってしまったまりしゃだ。 あにゃるを晒して目をぱちくりさせる。 「ここをれーみゅのゆっくちぷれいしゅにしゅるよ!!」 イスを奪還したれいむは満足そうに笑うと、すかさずおうち宣言をした。 おうち宣言はゆっくりのルールであり、宣言した場所はおうちになる。 ここは姉まりちゃの場所じゃないという宣言だ。 しかしそんなことをされて、黙っている姉まりしゃではない。 おしりを振る勢いで体勢を立て直すと、再び攻撃姿勢に入る。 「ゆがあああ!!! げしゅのでいびゅはゆっくちちねええ!!!!」 命をかけたゆっくり出来ない戦い。 その中でついに「しねえええ」という言葉が出てきた。 ゆっくりは基本的に率直な生き物なのだ。 死ねと発言する時、そのゆっくりは殺意を持っていることが多い。 尻振りで狙いを定め、れいみゅに本気で体当たりをした。 先ほどよりも何倍も力強い一撃。 「ゆびゃっ!!」 末っ子れいみゅは床に墜落し、餡子を吐いてしまう。 しかしそれだけでは終わらない。 姉まりしゃはイスの上から飛び上がり、れいみゅの頭を踏みつぶした。 「ゆげえええ!!!」 「ちね! ちねえ!! ゆっくりできないげしゅはちね!!!」 何度も何度も飛び上がる。 何度も何度も踏みつぶす。 その度に口とあにゃるから、ぶりぶりと餡子が漏れ出てくる。 「やべでえええええええええ!!!!」 「おちびちゃんたちはかぞぐでじょおおおおおお!!!」 親ゆたちは必死で止めようとしている。 「……」 一方、他の赤ゆたちは無関心を装っていた。 殺し合いの矛先がむけられてはやっかいだったからだ。 家族の存在について、親ゆたちと赤ゆたちでは温度差が生まれている。 赤ゆたちはゆっくりできないゲームをしなければならず、お兄さんの言葉による心理操作もあり、 表向きはともかく心の底では姉妹を生き残るための障害とみなしはじめていた。 その変化はゆっくりなものだが。 しかし親ゆたちは安全な場所で観戦し家族の絆というものを信じている。 反応に違いが出た原因、要はそこだった。 「ぢねっ!!」 たび重なる攻撃によりすでに片目は飛び出て、歯はぼろぼろに抜けてしまっていた。 末っ子れいみゅが痙攣をおこしはじめ、這うことも出来なくなった頃。 姉まりしゃはとどめとばかりにイスに乗り、その高さから思い切りれいみゅを踏みつぶした。 「もっちょゆっぐちちたかった……」 さらに餡子を殆ど失った末っ子れいみゅ。 もちもちだった肌は茶色に変色し、やがでゆっくりできない黒灰色になった。 殺されたのだ。 小さくてかわいいかぞくのあいどるは、今では無残な死相を晒している。 飛び出た目、ばらばらの歯、ずたずたの皮。 「ゆぎゃあああああああああ!!!!」 「どぼぢてっ!! どぼぢてぞんなごどずるのぉおぉおぉおおお!!!!」 家族のきずなが壊れてゆく。 一方姉まりしゃは、なんら後悔するところもなかった。 「ゆっくりできにゃいげしゅだったにぇ!!」 妹の死を喜び、ゆわーいとばかりに跳びはねる。 少し前には一緒に遊んだ実の姉妹だったのに。 そして妹のものだったイスに、もっちりと座る。 「ここをまりちゃのゆっくりぷれいしゅにしゅるよ!!!」 「はい、おめでとう。死んだれいみゅ以外の四匹、勝ち抜けだ」 しあわせフードが撒かれ、死体はゴミ箱に捨てられた。 姉妹同士の殺し合いの後だ。 今までのように警戒なくむちゃむちゃなどする余裕はどこにもない。 お互いがお互いを、取って食われまいと見張り合っている。 それぞれの距離は十分にとられ、すーりすーりのようなふれあいは一切ない。 ぎょろぎょろと目を左右に踊らせ、近寄ってくるゲスに警戒している。 一粒づつ、一粒づつ。 ゆっくりと消費されてゆく。 フードが無くなるまで空気はずっとピリピリしていた。 日常はすでに無い。 れいむは怒りのあまり震えた。 どうしてこんなことに、そう叫びたい気持ちだろう。 壁から微笑みかけるゆっくりした絵すら、今となっては憎らしい。 れいむにとっておちびちゃんは命よりも大切なものだ。 ゆっくりできないゲス親から生まれた母れいむは、 おちびちゃんと一緒のゆっくりできる家庭を築くことが夢であった。 そしてその家庭ではたくさん、おちびちゃんをゆっくりさせてあげるのだ。 この時期に山から降りてきたのも、少なくなった山のごはんではおちびちゃんを作れないと思ったからであった。 そこまで思っているおちびちゃん。 これ以上ゆっくりできない目にあわすわけにはいかない!! このままでは家族の絆がずたぼろにされてしまう。 「じじい、ていっあんがあるよ……」 れいむは鬼意山に声をかける。 「なにかな? じじいなんて呼び方。お兄さんゆっくりできないんだけど」 「うるさいよ……」 怒りと悲しみととゆっくりできなさで、すでにぐったりしているれいむ。 むっすりした顔のまま続ける。 「いすとりげーむはれいむたちにやらせてほしいよ……」 お兄さんは笑顔で聞き返す。 「どうして?」 れいむが唇をぎゅっと噛んでいる。 鬼意山をキッと睨んでいる。 そしてまりさは、何が何だかという表情でれいむを見ている。 「れ、れいむ!! どういうことなの!?」 「ゆっくりせつめいするよ」 鬼意山がイス取りゲームをさせて遊びたいなら、れいむたちが代わりにやる。 そのかわり【おちびちゃんを帰してあげてほしい】。 それがれいむの提案だった。 まりさは急な話に戸惑ったが、やがて深刻な面持ちでうなずく。 このまま黙っていては三匹のおちびちゃんが死んでしまうのだ。 お兄さんはこれを受け入れることにした。 残った赤ゆたち四匹は別の透明な箱に閉じ込められ、かわり両親が取り出された。 箱に入ってもなお、赤ゆたちはお互い警戒しあい、距離をとっている。 お互いが信じられない。 その一方でれいまり夫婦はおたがいにすりよって、これから来るであろう別れに涙していた。 「まりさ、れいむのことはいいから、まりさがおちびちゃんをゆっくりさせてね」 「そんなの、ゆっくりできないよぉ……!!」 れいむとまりさは一ヶ月間のゆっくりからすれば長い交際をへてつがいとなった。 そのぶんお互いの信頼は強固である。 れいむは自分が死ぬことを宣言。 まりさとおちびちゃんを思ってのことである。 「まりさはかりがうまいよ……。だから、おちびちゃんにはまりさがひつようだよ」 「で、でもぉ……!!」 まりさはゆっくりできない顔で、すでにべそをかいている。 「別れの挨拶は終わったかな? そろそろ始めようか」 「お、おにいさん……」 まりさは振り向く。 後ろにはお兄さんが立っていた。 まりさとは正反対の、本当に楽しそうな顔で。 絨毯の上にバケツが一つ。 夫婦のうちの一匹しか生き残れない。 まりさはいよいよ悲しくなり、涙は滝のようになってしまった。 「おにいざあああああああああんんんん!!!!!! おでがいじばず、おでがいじばずううう!!! びんなで、みんなでゆっぐちしだいでず!!! おぢびちゃんど、でいぶど、まりざで!! ゆっくぢしだいでずううう!!!」 「駄目」 まりさの必死の願いは、あっさり却下された。 ♪~ 一つのイス。二匹のゆっくり。 どちらもお互いを愛している。 ちょうどおちびちゃんたちが殺し合ってくれた通り、 ゆっくりとは、ゆっくりするために残酷になれる生き物だ。 生き物とはそもそもそんなものなのかもしれないが。 そしてその一方でこの夫婦。 このつがいは稀有な例外であろう。 楽しい音楽の中で号泣しながら、口をまげてお互いの思い出を語り合っている。 鬼意山の手拍子の中で、くるくると回りながら。 「でいぶどむーじゃむーじゃじだおはなざん!! おいじがったよおおおお!!!!」 「ばりざとのあのよるは、どっでもあづがったよおおお!!!」 「でいぶどぶーじゃぶーじゃじだあばあばは、どっでもじあわぜだったよおおお!!!」 「ばりざとおぢびぢゃんどのぜいがつは、どっでもたのじがったよおおおお!!!」 ぴょんぴょん、くるくる。 鬼意山は頬笑みながらその様子を眺めている。 らんが死んでしまう時も、ちぇんはあんな風に呼びかけて、 返事もないのに叫び続けてたな。 そんな最後のお別れも、無情なホイッスルにより終わりを告げた。 二匹はなごりおしそうに見つめ合っている。 バケツの上にはまりさ。 れいむの言うとおり、まりさが座って生き残ることにしたらしい。 「それじゃあ生き残るのはまりさだ。それでいいかな?」 鬼意山は二匹に尋ねる。 しかし二匹とも泣くばかりで全く返事が出来ない状態だ それを黙認ととった鬼意山はもみあげさんを掴み、れいむを持ち上げた。 そしてれいむは別れの言葉を 「ばりざ、おちびちゃんどゆっぐりし……おそらをとんでるみたい!!!」 れいむの顔はぱっと明るくなった。 そして次の瞬間、床に叩きつけられた。 「ゆげべぇっ!!!」 「で、でいぶううううううう!!!!!」 鬼意山は鼻歌交じりにれいむを叩きつける。 何度も何度も。 もみあげがちぎれそうなぐらい振りあげられ、振り下ろされ。 床へのちゅっちゅを繰り返した。 一撃目で歯が折れた。 二撃目で目が飛び出た。 そのぐらい強烈な叩きつけ方だった。 「やべでぐだざいいいい!!! でいぶがじんじゃうでじょおおお!!!!」 しかしまりさの叫びも、鬼意山は聞く気がない。 足元すがりついてれいむの助命を願っているが、そんな行動何にもならなかった。 れいむのあんこが飛び散り、壁や床に茶色をつける。 まりさも例外にならず餡子をべちゃべちゃと浴びていた。 れいむが跡かたもなくなるまで三分とかからない。 れいむの痕跡は真っ赤なおかざりと、鬼意山が掴んでいたもみあげのみになった。 あとの部品は餡子か皮かすらわからないほどぐちゃぐちゃである。 ぼとり。 もみあげが一本、手から床に落ちた。 小さな餡子のシミが、そこら中に広まっている。 その様子は、まりさ餡子の奥にある一斉駆除の惨劇を想起させた。 「でいぶ……、ゆっぐりじでいっでね……」 れいむの姿はもうどこにも見えなかった。 人間にとってはくそ饅頭でも、まりさにとっては大事な伴侶だった。 犠牲は大きかった。 しかしこれでやっとおうちに帰れる。 れいむを失った悲しみは反転し、まりさの心は春の兆しを見せ始める。 鬼意山はれいむは約束した。 【れいむとまりさがイス取りゲームをすれば、おちびちゃんを帰してあげる】と。 「ゆっぐ……、おちびちゃん!! ば、ばりざたちはかえれるんだよおおおお!!! おちびちゃんたちゆっくりしていってねええええ!!!」 まりさは大声でゆっくりを叫ぶ。 赤ゆたちはきょとんとした表情でまりさを見た。 「れーみゅたち、かえれりゅにょ……?」 「もうまりしゃたち、しんだりしにゃいにょ?」 緊張の糸がほぐれたのか、赤ゆたちはお互いの距離を戻し始めている。 すーりすーりしている者さえいる。 ゆっくりは記憶力の無い生き物。 一生恨みを抱いて生きるゆっくりは珍しい。 争いがすぎれば、一緒にゆっくりすることもできる。 餡子脳が良い方向に働けば、こういうこともあるのだ。 「おちびちゃん! まりさと、まりさとおうちにかえろうね!!」 笑顔でそう言ったまりさは、 「おそらをとんでるみたい!!!」 透明な箱に逆戻りした。 いつのまにかまた、透明な壁さんに囲まれている。 まりさは鬼意山を見上げた。 「お、おにいさん! まりさはそろそろかえることにするよ!!」 まりさは透明な壁に体当たりしながらおにいさんを見る。 「だ、だからこのかべさんをどかしてね!!」 れいむは鬼意山と約束した。 それなのに透明な壁さんが邪魔をする。 おちびちゃんの方もそれは同じであるようで、壁にほっぺをくっつけ喚きだす。 「ゆっくちしてにゃいかべしゃんはどいちぇにぇ!!」 「れいみゅおこりゅよ!! ぷきゅうううううう!!!」 ほっぺをつぶすその姿がとても滑稽だ。 鬼意山はただ笑うばかり。 そして言った。 「【れいむとまりさがイス取りゲームをすれば、おちびちゃんを帰してあげる】。約束は守るよ。おちびちゃんは帰してあげよう。イス取りゲームが終わった後にね」 まりさは切ったスイカのような笑顔のまま固まる。 死にたくなった。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2608.html
『拾った赤ゆが大きくなったので』 0KB 愛で 小ネタ 思いやり 愛情 お家宣言 飼いゆ 現代 愛護人間 熟年ロマンス 部屋飼いゆのまりさが大きくなってきたので、庭で遊ばせてやることにした。 ほんの10分くらい目を離したらもう死んでいた。傍らには隣のおばあちゃんが竹箒を持って立っている。 「あ、としちゃん。今ね、このゆっくりが…ちょっと種類が分からないけど…お家宣言しようとしてたから、 おばあちゃんびっくりして、慌てて潰しちゃったんだけど。ごめんね、お庭汚しちゃって。 でもすぐに潰せてよかったわぁ。ほら、このゆっくり、子持ちでしょ。番いがどっかにいるのよ。 うっかり宣言されたら他のゆっくりが来てどんどん増えちゃうから大変らしいわよ。良かったわぁ、すぐに見つかって。 ほら、3丁目の木偶さん、窓ガラス割られて侵入されちゃって大変だって聞いたし…。」 「ああいや、いいんすよ。すいません、助かりました。そうだ、お礼にお茶でも、良いお菓子貰ったんで…。」 うーむ…わずか10分で壮絶なゆん生を送ったようだなぁ…すまん、まりさ。俺はお前の分までおばあちゃんと幸せな午後を過ごすよ! by 4byte
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2352.html
赤ゆのたのちいイス取りゲーム (後) 39KB 虐待 愛情 不運 仲違い 家族崩壊 親子喧嘩 同族殺し 番い 野良ゆ 姉妹 赤ゆ ゲス 希少種 都会 透明な箱 現代 虐待人間 うんしー ぺにまむ お暇なときに 【5】 --------------------------- 「ゆっくりしていってね!!!」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!」 「おそらをとんでるみたいっ!!」 「そろーり、そろーり!!」 「ぷくううううう!!!」 お兄さんは分かってしまった。 ゆっくりは単純な生き物だ。 思考も言葉もシンプル極まりない。 そんなゆっくりに25年も付き合ってきたお兄さんである。 ゆっくり漬けが過ぎて、ゆっくりの笑顔に飽きてしまったのだ。 満たされない感じはそれが原因だった。 それが分かった鬼意山。 柄の長いハエ叩きを調達し、ドキドキしながら家に帰る。 もっともそのハエ叩きを振るうのに、二週間ばかりの覚悟が必要だったが。 --------------------------- もとのもくあみ。 鬼意山の屁理屈(?)により、また地獄まで突き落とされたまりさ一家。 一度持ち上げられただけに悲しみは激しい。 絶望も激しい。 四匹の赤ゆはまたテーブルの上だ。 「おちょーしゃんのうしょちゅきいいいい!!!!」 「でいびゅかえれりゅっておぼっちゃのにいいいい!!!」 「ゆっくりちねええええ!!!!」 「ばりぢゃのゆっぐりをがえぜえええええ!!!」 鬼意山にさんざん脅された赤ゆたちは鬼意山に逆らえない。 生還できなかったことへの怒りは父まりさにぶつけられることになった。 赤ゆたちの罵倒に、親まりさは泣くしかない。 こんなはずじゃなかったのに……。 まさにそんな表情であった。 「さて、ようやく四回戦目だな」 「「「ゆっくち……」」」 すでに三匹の赤ゆが死んだ。 残るはれいみゅ2.まりしゃ2。 イスは三つ。 この戦いでようやく半分を割ることになる。 ♪~ 「はい、音楽にあわせて」 赤ゆたちも慣れたもので、手拍子と動きが完全に一致していた。 しかしこれは遊びではない。 音楽に乗る様子には、もう最初の様な楽しさが無くなっている。 これは殺し合いだ。 「どぼぢて……」 「ゆっくちできにゃい……」 ゆぐゆぐ泣きながら回る。 回る。 回る。 「ぼうやべでよぉ……」 一方親まりさはゆん生の落伍者のような面持ちでその様子を見ていた。 少し前まで、あんなにゆっくりしていた家族だったのに。 つがいだったれいむはもうこの世に無い。 その上その死はまりさ一家に何ももたらさなかった。 犬死にである。 出しゃばったがために、散らさなくてもよい命を散らした。 れいむがその事を知らずに逝ったことが唯一の救いだろうか。 まりさがもっと約束の内容を確認していればこんなことには……。 (とはいえどんなにしっかりした約束でも、鬼意山が守るという保証すらないのだが) おちびちゃんからの罵倒もあり、まりさは精神的に追い詰められていた。 くるくる。 くるくる。 回る赤ゆを目で追う。 このうちの三匹が死ぬと考えると、まりさの目尻に涙が浮かんだ。 どれもまりさの大切なおちびちゃん。 絶対ゆっくりさせるって誓ったのに。 くるくる。 くるくる。 おちびちゃんはぐるぐる回っている。 まりさの涙は止まらなかった。 れいむの死はまりさの価値観をも揺るがしていた。 れいむが死んだ事でまりさは人間さんがゆっくりできないものだと理解できた。 家に入った瞬間のゆっくりできた記憶が、まりさを油断させた。 もう人間さんにはかかわらない。 生きて帰れたら、山へ戻ろう。 おちびちゃんも少なくなってしまったから山でもやっていける。 まりさは歯ぎしりをしながら、町へやってきたことの間違いを悟った。 まりさのおちびちゃんへの愛情も余計に深まった。 つがいを失って、役割を補完しようとしているのだろうか。 れいむが命をかけて守ろうとした、かわいいおちびちゃん。 このままじゃ駄目だ! 何とか、何とかしておちびちゃんに生き残って貰おう。 そしてたとえ一匹しか残らなかったとしても、 そのおちびちゃんを立派なゆっくりに育てよう。 ……。 おちびちゃんはまだ回っている。 音楽はそろそろ3週目に入っている。 思考に気を取られていたまりさは、そこでやっと気づいたらしい。 「……ゆゆ? ちょっとまわりすぎなきがするよ?」 親まりさが気付いた通り、まわりすぎである。 回り始めてそろそろ五分。 とっくにホイッスルが鳴ってもいいころなのに。 「ゆひぃ、ゆひぃ」 「ゆっ、ゆっ……」 「ちゅかれ、ちゅかれたよぉぉ……」 「ゆぅうう、ゆぅぅ……」 赤ゆたちは延々と回らされている。 皮は汗だく、息も荒い。 三回のイス取りを経て、一度趣向を変えてみようと思った鬼意山。 第四回戦はイス取りゲームを装った体力勝負となっている。 ホイッスルを鳴らさないのも、忘れているからというわけではない。 許容量以上の運動を強いるゆ虐なのだ。 「もうぢゅかれたあああああ!!!!」 一匹のれいみゅがぐたっと倒れる。 ぷんにゃり横になって、疲れをいやそうとする。 しかしそんな怠け者を見逃すほど鬼意山は甘くない。 「れーみゅはゆっくりしゅ<バチン>いぢゃいいいいいい!!!!」 赤れいみゅは一瞬で飛び上がった。 鬼意山の強烈デコピンだ。 容赦ない。 れいみゅのお尻は真っ赤に腫れあがってしまった。 「止まろうとするようなルールを守れない子はお兄さんのデコピンだよ」 れいみゅは疲れた体をおして跳びはねる。 おしりが腫れたので余計に苦しむ羽目になった。 10分、15分、20分。 止まったゆっくり、リズムにあわせて飛ばないゆっくり、ゆっくりすぎて後ろの姉妹においつかれたゆっくり。 鬼意山は容赦なくデコピンを喰らわせた。 間抜けな赤ゆはデコピンを喰らうほど不利になるっていうのに何度もルール違反をする。 どの赤ゆもほっぺや尻が真っ赤に染まっている。 黒っぽい内出餡(?)の痕も現れ始めている。 手拍子に疲れたお兄さんはその役目をメトロノームにまかせ、 オレンジジュースでゆっくりしているようだ。 「頑張るなあ」 あまあまをごくりと飲み干す。 まさか20分耐えるとは思っていなかった鬼意山。 素直に感心している。 「おばえだげゆっぐりずるなああああああ!!!!」 れいむの霊が乗り移ったかのように、怒りながら透明な壁を叩くまりさ。 しかしそんな行動もやはり空しく終わる。 破れない壁。 加工所は一年を超える長期ゆ虐にも耐えうるように、透明な箱を設計している。 一日で破壊できるようなものでは決してない。 一方赤ゆたちはボロボロで、瞳は真っ黒に濁っている。 そして非ゆっくち症の初期症状が現れているのが、一匹のれいみゅだった。 「ゆげぇぇ、おげえぇええ……」 軽く吐餡をしている赤まりしゃがいるのである。 「おぢびちゃあああああんん!!!! あんござんはがないでねえええ!!!!」 まりさが騒いでいるが、現実は動かなかった。 そしてついに。 「ゆぐっ!?」 一匹のれいみゅが止まる。 「ゆげっ!! ゆげえええええ!!!!」 非ゆっくち症を発症したれいみゅの大量吐餡。 口からゆっくりできない餡子がもりもり溢れてくる。 もう限界らしい。 「ゆげっ! ゆげえげげげええええええ!!! げほっ!! ごほっ!!」 咳と吐餡の波状攻撃。 もう助からないだろう。 すでに大半の餡子を吐き出してしまっている。 「おぢびぢゃあああああんん!!!!! おぢびぢゃああああんん!!!」 まりさは体当たりを繰り返す。 そんなことをするせいで親まりさ自身、傷だらけになっているのだが、 まったく気にもしていない様子だ。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 吐餡から一分も経っていない。 あっという間に痙攣が始まった。 「ゆんやああああ!!!! ゆんっやああああああ!!!!」 親まりさは半狂乱になってどしどし透明な壁を叩く。 何の意味もない。 そして赤まりしゃへのトドメとなったのが、 魂が抜けた抜け殻のような顔で回っていた赤まりしゃのしかかりである。 殺意もなにもなく、通るべき道の上で倒れていたから踏んでしまっただけだった。 赤ゆたちは三つイスの周りを、同じルートをぴょんぴょん跳ねていたのだ。 「ゆぎょ! ぼっどゆっぐち……」 自分以上の重さが圧力としてかかり、餡子が減って無防備な中枢餡がつぶれる。 その潰れ方は深刻なものであり赤れいみゅが永遠にゆっくりするには十分だった。 脳を潰された動物が生きていけないのと同じだ。 一際大きな痙攣をおこすとそのまま永眠してしまった。 音楽が止められる。 鬼意山は勝者に拍手とあまあまを贈る。 「れいみゅちゃんが死んだから、残った子たちは不戦勝だ。おめでとう!」 「ゆがあああああああああああああああ!!!!!!」 喉が枯れるかというほどまでの大声。 それでもまりさは無力だった。 残ったのはいよいよ三匹。 れいみゅ、まりちゃ、まりちゃ。 一匹目のまりちゃはその優しさのために死んだ。 二匹目のまりちゃは運悪く熱したイスを選び死んだ。 三匹目のれいみゅは席を争い姉によって殺された。 四匹目のれいみゅは吐餡を繰り返し、姉妹にのしかかられ結局死んだ。 ここに残った三匹は本当に運が良い。 しかし体はぼろぼろで、心も本当にぼろぼろだった。 生まれて間もないこの時期に命がけのお遊びをさせられ、 性格も大いに歪んでしまったことだろう。 どの子供が残っても、親まりさは苦労するに違いない。 お互い傷だらけなのに、ぺーろぺーろすらしなかった。 近づいてきたとしても、ぺろぺろなんてさせなかっただろう。 傷を癒し、痛みを和らげ、親愛を示すぺろぺろ。 そんなことをすれば次の戦いで不利になる。 そんな打算があったに違いない。 希望の光により一度回復の兆しを見せた姉妹の仲は、 絶対に取り返しのつかないところまで悪くなってしまった。 「……」 黙り込む親まりさもすでに満身創痍だった。 最初に食らった金槌はまりさのあたまの皮を傷つけている。 そしてたび重なる、透明な壁への体当たり。 半ば自滅するような形で皮は傷だらけになっていた。 そして続く家族の死。 つがいのれいむとおちびちゃん。 あわせて五匹が永遠にゆっくりしている。 ゴミ箱にはおちびちゃんの死体。 部屋中に飛び散ったれいむの死体。 それを見るたびにまりさの精神は削られていった。 親まりさはもう、いつ発狂してもおかしくなかった。 ぼろぼろになった家族。ぼろぼろになった絆。 そろそろ限界か。 鬼意山は決断した。 「次でラストにしよう。次のイス取りで生き残った子を帰してあげよう」 鬼意山がカーテンを開けると、青みがかった家の庭がまりさたちの目に飛び込んできた。 夢にも願った外の世界。 ゆっくりたちの目に明るい外の光が入り込む。 次で、この地獄が終わるんだ。 【6】 --------------------------- に゛ゃああああああ!!!!! らんじゃまあああああ!!!!!! だれがごんなひどいごどおおおおお!!!!! わがらないいいいいいい!!!!! 友ゆんの家から帰って来た時、ちぇんのつがいは息を引き取っていた。 「お兄さんが帰って来た時には、もう……」 ちぇんは泣き、一晩中ゆっくりできなかったが、 そのけなげな姿を見た鬼意山は、とてもゆっくりしていた。 --------------------------- れいみゅ1、まりしゃ2。 赤ゆが三匹、イスは一つ。 鬼意山は赤ゆたちを等間隔で置いてゆく。 赤ゆたちはお互いをゆっくりできない目で睨んでいる。 ♪~ 最後の戦いは唐突に始まった。 三匹の赤ゆっくり。 勝利を確信しているゆっくりは一匹もおらず、笛の音を警戒し続ける。 イスの数から言うと、生き残れるゆっくりは一匹だけだ。 「はいはい、イスさんたちの周りをくるくるしてね!」 お兄さんが音楽に合わせ、リズムよくゆっくりと手を叩く。 「「 …… 」」 最初のころのような楽しさはかけらもない。 歯茎をむきだしにした表情で、イスのみに視線を送っている。 お兄さんが手拍子をするごとに、赤ゆたちが一歩進む。 音楽と手拍子だけが鳴り続ける、静かな戦いだった。 「おちびちゃん……」 まりさはもうなにも出来なかった。 助かるのは一匹だけなのだ。 どの子も応援できない。 パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン! 今度は一分もたたず、笛の音が鳴る。 ホイッスルのキンと高い音色。 一個のイスをめぐる、醜い争いが始まる。 「ゆっくちすわりゅよ!!」 「れーみゅのいすしゃん、まっててにぇ!!」 「げしゅどもはゆっくちしにゃいでちんでね!!」 最初に座ったのはれいみゅだった。 一匹だけ生き残ったれいみゅ。 最初にまりしゃが潰された時、かじょくなんだよ!!と鬼意山にさからった赤ゆだ、 「ゆゆーん♪ ここはれーみゅのゆっくちぷれいしゅだよ!! げしゅないもーちょはゆっくちしにゃいでちんでね!!」 ゆっへんと胸を張るれいみゅ。 しかしまだ戦いは終わっていない。 「げしゅはおみゃえだよ!!」 まりしゃのうちの一匹が、回転体当たりでれいみゅを落とそうとする。 胸を張って完全に無防備になっていたれいみゅは、あっさり命のイスから転げた。 「ゆげっ!?」 「ゆびょびょ!?」 しかし勢いあまってそのまりしゃまで一緒に転がってゆく。 そこで断然有利になるのが、もう一匹のまりしゃだ。 末っ子れいみゅをぶち殺して生き残った、一番ゲス化の激しい赤ゆである。 「ゆひひっ!! いきのきょるのはまりしゃだよ!!」 ぴょいんとイスに飛び上がる。 しかし転がっていった二匹は、何も脱落したわけではない。 「ふじゃけりゅなああああああああ!!!!」 「きょのゆっくちでなちいいいいいいいい!!!!!」 すぐに体勢を立て直し、赤ゆにあるまじきスピードで迫ってゆく。 その速さは、おそらくGを超えている。 ゆっくりは思い込みの力を持っているという説があり、 いざという時に限って発揮されないというあてにならない力だが、 生命の危機がその力を呼び起こしたのだろうか。 「ゆわああああ!!!」 自分と同じ大きさの饅頭が、歯茎をむき出しにしてせまってきたらどう思うだろうか。 イスの上のまりしゃは、すでにおそろしーしーを漏らしている。 まりしゃは右のおさげに、そしてれいむは左のおさげに噛みついた。 引きずりおろしてやろうというつもりなのだろうか。 「やめちぇにぇ! ゆっくちできにゃいよ!!」 「ちるかあああああ!!!」 「でいびゅのいすしゃんかりゃはやきゅどけえええええ!!!!」 走る力も凄まじければ、引っ張る力も恐ろしかった。 あくまで赤ゆを基準にしての話だが。 「いだいいいいい!!!」 おさげを引っ張られるまりしゃは、どんどん横に伸びてゆく。 すでに縦1:横2のワイドサイズになっている。 「やべであげてね!! いだがってるよ!!!」 何の意味も無いと分かっていながら、親まりさもつい本能から言ってしまう。 やはりおちびちゃんが痛がっている所を見ると、 親心が刺激されてしまうのだ。 とはいえ引っ張ることをやめるというのは、イスを譲ることに等しい。 「だばれええええ!! ぐじょおやああああ!!!」 「でいびゅはゆっぐぢずるんだあああああああ!!!!」 かえって怒りを招き、まりしゃはイスの上で余計に伸びることになった。 それにしても、赤ゆは餡子脳だ。 二匹が同じ方向に引っ張ればすぐにでも引きずり降ろせるのに、 それぞれが逆方向に引っ張ってしまうのでまりさは殆ど移動していない。 まりしゃがイスの上で踏ん張っているのもあるのだが。 鬼意山はその様子を観察しながら笑みをこぼす。 「ゆぎ! ゆぎぎぎぎ!!!」 まりしゃはあにゃるをキュっと絞め、イスを譲るまいと闘っていた。 その様子に変化が起こり始めたのだ。 あにゃるが切れ痔を起こしている。 イスの下の姉妹の怪力に、まりしゃの皮が負けつつあるのだ。 「ゆぴいいいい!!!! おじりがいぢゃいいいいい!!!!!」 突然襲い掛かる新たな痛み。 「どぼぢだのおおお!!???」 親まりさの叫び。 そしてちょっとづつ、ちょっとづつ広がってゆく切れ痔。 びりびりと嫌な音を立てながら、その裂け目は誰にでも分かるほどまでに広がってきた。 まむまむの部分まで裂け、あんよから餡子が漏れ始めている。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!! やべであげでよおおおおおお!!!!!」 まりさはおちびちゃんを守ると誓った。 一匹になってもその子を守ると覚悟した。 しかしそんな決意、ゆっくりの心には重すぎるものだった。 現実の殺し合い。 先ほどとは違う、今度は姉妹全員の殺し合い。 三回戦目の殺ゆんでは一匹のゲスのせいだと考えればよかった。 今回の殺し合いは姉妹全員が、自分の命の為に殺ゆんも躊躇わない。 まりさが信じていた絆はとうに崩壊している。 その象徴がこれだった。 「ぱぴぷぺぽ!! ぱぽぷぺぽ!!!」 まりさはおかしくなり、ついにはくるくる踊る。 そして少量の餡子を吐きそのまま気絶してしまった。 べりょべりょべりょ。 まりしゃの皮はさらにめくれてゆく。 「ゆぎゃああああ!!! ばりぢゃのびゅーちふりゅなおはだぎゃあああ!!!!」 赤まりしゃはようやく自分に起こっている変化を理解したらしい。 しかしもう遅かった。 目と目の間が裂け始め。 ついに。 「ゆわっ!!!」 「ゆっぴょ!!!」 おさげを引っ張っていた二匹は、対抗する力が無くなったことでころころ転げて行った。 各々の口には、金色のおさげがのこっている。 そしてその先にはべろべろの皮。 イスの上に残ったのは、皮を剥がされた餡塊だけだった。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ……」 つるりと剥けたので、本当に綺麗な真っ黒餡子だ。 目はむき出し。 歯茎はむき出し。 その姿のまま痙攣している。 「ゆっくちすわりゅよ!!」 「こんどこしょ、れいみゅのいすしゃん!!」 ライバルの一人はすでに死にかけだ。 これであいつを蹴落とせば……。 しかし二匹がイスに近づいた所で、鬼意山はそれを取り上げてしまった。 「はい、時間切れ」 「ゆ゛!?」 切り株を模したイス。 生き残るためのイス。 それを鬼意山に取られ、れいみゅとまりしゃは茫然としている。 「れいみゅのいすしゃん!!」 「まりしゃのいすしゃん!!」 二匹は追いかけようとする。 しかしテーブルの周りのプラスチック壁に激突し、それ以上は進めなかった。 鬼意山はイスを持ったまま、まりさに近づいてゆく。 すると親まりさは気絶していたので、鬼意山は箱を蹴飛ばしてみた。 「ゆゆっ? まりさのけーきさんは??」 びっくり飛び起き、ぱちぱちと瞬きをする。 意外にあっさり起こせるものだ。 「ほらまりさ、帰れるおちびちゃんが決まったよ」 まりさは鬼意山を見上げる。 寝ぼけ眼のまりさは、10秒ぐらいの間をとって鬼意山の言葉を理解した。 「ゆゆっ!? まりさのおちびちゃん!!」 鬼意山はまりさの箱の前に、勝者のイスを置く。 そこにいたのは、得体のしれない餡塊だった。 「ゆ゛!?」 まりさは思い出し始めていた。 イスの上の塊は、姉妹に引っ張られ皮を破られていたおちびちゃんだ。 帽子がそれを証明してくれる。 「ばりざのおちびちゃんがあああああ!!!!」 餡塊は蠢く。 かすむ視界の中で父の姿を見つける。 「お、ど、お、しゃ……」 餡塊は一歩踏み出すと、重力に耐えられず自壊してしまった。 ぶよぶよの目玉がころころ転がり、透明な箱をこづく。 勝利のイスを手にしたまりしゃ。 その喜びを味わうことすらなく、永遠にゆっくりした。 「残念だね。おちびちゃんは一匹助かるはずだったのに」 優勝したおちびちゃん。 一緒に帰れるはずだったおちびちゃん。 そのおちびちゃんがまりさの目の前で永遠にゆっくりしたのだ。 つまり。 「さて、負けちゃった子にはどんなお仕置きをしようかな?」 テーブルの上を逃げ惑い始めるれいみゅとまりしゃ。 「ゆんやああああ!!!」 「ぎょないじぇえええええ!!!!」 まりさと一緒に帰れるおちびちゃんは、一匹も居ないということだ。 まりさは口をぱくぱくさせ、何も言いだすことが出来なかった、 おちびちゃんと帰れるはずだったのに。 最悪の結末だった。 「何で殺してあげようかなぁ」 「ゆぴいいいい!!!!」 「でいびゅまだちにたくにゃいいいい!!!」 鬼意山はプレイルームの箱をがさごそとやっている。 今思えばこの中にも、虐待用品が一杯詰まっていたのだろう。 「これにしようか」 その中からこれまた小さい箱を開けると中には注射器が二本そろっていた。 そのうち一本を取り出すと唐辛子エキスをとくとくと注いでゆく。 「これは毒だよ」 真っ赤な注射器がギラギラ光る。 赤れいみゅと赤まりしゃはカチカチ歯を鳴らしながら震えていた。 「これを注射されればあっという間に死ねるだろうね」 針の先からエキスが漏れ、液体の玉になり、真下に落ちてれいみゅのほほにかすった。 「ぢ、ぢみりゅううううう!!!!」 れいみゅの傷に唐辛子が触れ、その部分は酷いただれを起こしてしまった。 それだけで、その毒の恐ろしさがはっきりと分かる。 「それじゃあ、まりしゃちゃんからお注射だよ」 「ゆっぢいいいいいい!!!!」 つまみあげるとそのまりしゃはぶりんぶりんと、体中を振り回して逃げようとする。 ゆん生をかける最後の抵抗。 赤ゆっくりまりしゃが発揮できるうちの、最大の力でケツを振っていた。 しかし鬼意山に対抗するには、あまりにもしょうもない力である。 そして針が触れ、皮を破ろうかというその時。 親まりさの大声が耳に入った。 「ゆっぐりやべでね!!!!」 鬼意山はまりさの方を振り返る。 まりさの目は、決意に満ちた目だった。 「どうした?」 「ばりさのいのちとおちびちゃんのいのち、こうかんしてほしいよ!!」 【7】 まりさは、おちびちゃんを助けるのだと誓った。 一匹だけでも助けるのだと誓った。 しかし帰れるはずのおちびちゃんは死に、 まりさの手元には一匹のおちびちゃんも残らなかった。 残った赤ゆは親と一緒に帰ることが出来る。 最初に鬼意山が言ったその言葉を信じるなら、親まりさは一応生きて帰ることが出来るわけだ。 けれども。 おちびちゃんを残して帰って、本当にそれでいいのか? 母親役のれいむが死んだ結果、まりさの母性はますます強くなっていた。 まりさの提案は単純だ。 生き残れるはずの自分が死ぬ。 そのかわりおちびちゃんは助けてほしい。 それだけである。 「ばりざは、ばりざはぜったいおちびちゃんをゆっぐりざぜないどいけないんだよ……」 「そうか……。分かったよ、おちびちゃんを助けてあげるよ。ただし……」 鬼意山はまりさの提案に条件をつけた。 「交換できるおちびちゃんは、二匹のうちのどっちか一匹だけだ」 親まりさは箱から出され、テーブルの上に置かれた。 親まりさ、れいみゅ、まりしゃ。 久しぶりに、家族が一箇所に揃った。 まりさはこみ上げてくる感動を抑えきれない。 「しあわせ……」 最初から考えればすでに六匹も欠けているのだが。 それでもまりさは幸せだった。 一方鬼意山は赤ゆたちに事情を説明している。 赤ゆでも理解できるように、分かりやすく。 「つまり、おとーさんに選んでもらえた子だけが生き残れるんだ」 「ゆゆ!?」 「ゆっくち!??」 明らかに目の色が変わった。 痛い痛いデコピンに苦しめられることもあった。 儚い希望に踊らされ、ぬか喜びをしたこともあった。 最後の最後で負けて、殺されかけたこともあった。 その苦労が、おとーさんに選んでもらえれば報われる。 「ゆっくちれいみゅをえらんでにぇ!!」 「まりしゃだよ!! まりしゃがゆっくちしてりゅんだよ!!」 二匹の赤ゆは生き残りをかけて媚びを売りはじめた。 糞親とまで言ったそのまりさに、すーりすーりなどを始めている。 「おとーしゃんだいしゅきー!! だかられいみゅ!!! あっちのごみはむしちてね!!」 「ごみはおみゃえだろおおおおお!!!! あんなきたないのより、まりしゃだよ!!」 「れいみゅはおうちゃをうたえるよ~♪ ゆっくち~♪」 「ま、まりちゃはだんちゅができりゅよ!! ゆっくちまりちゃのだんちゅだよ~♪」 「ゆぴゅぴゅ!! まりちゃのだんちゅはへたくちょだにぇ!!」 「ゆゆ!! れいみゅのおうたこしょ、ざつっおんだよ!! みんにゃにめーわくだよ!!」 可愛らしさをアピールしているつもりのようだが、 言葉や行動の端々からすでに取り返しのつかないほどのゲス性が読み取れる。 ゆっくりしたいという感情がむき出しになっている。 相手をこきおろそうとするその言動。 侮辱するときの表情の汚さ。 ここ数時間で深刻なほどのゲスになってしまっていた。 確かな手ごたえを感じた赤ゆたちは、おうたやだんちゅのアピールに移る。 優柔不断な親の心を鷲づかみにするつもりのようだが。 おうたは音程がそもそもあってない。 だんちゅはくるくる回っているだけである。 親まりさは、そんなおうたやだんちゅなど気にもしていなかった。 まりさは目をつむって考え事をしていた。 この世で一番可愛いおちびちゃんたち。 それぐらいにまでおとびちゃんが好きなまりさの目にすら、この二匹はゲスのように映っていた。 それでもまりさは、この子たちは鬼意山のせいで一時的にゲスになってるだけだと信じている。 だから、時間がたてばもとの優しいおちびちゃんにもどってくれるはず……。 ゆんゆん考える。 残すべきなのは、どっちだ? おちびちゃんとの一週間の思い出が蘇ってくる。 そうしてまりさは、やっと決心がついた。 舌がぺろりと現れる。 「まりさのほうのおちびちゃん……、おとーさんのおくちにはいってね……」 おくちに入れる。 それはおちびちゃんを守る時に行う行動だ。 守られるのは赤れいみゅじゃなくて、赤まりしゃ。 「ゆぎゃあああああああ!!!! でいびゅばだぢにだぐないいいいいいい!!!!!」 死の宣告をされたようなものだ。 狂ったように泣き叫ぶれいみゅ。 滝のようなちーちー。 そして赤まりしゃの瞳は、ダイアモンドのようにピカピカ輝き始めていた。 親まりさの口を目指しながら、勝利宣言をする。 「ゆわぁぁああいい!!! まりしゃは!! かわいいまりしゃはいきのきょったんだよおおお!!!!」 ゆったりした坂をのぼり、暖かい口内がまりしゃを出迎えてくれる。 「かわいきゅって! ご・め・ん・にぇ!!!! ゆぷぷぷぷぷぷ!!!! おおみじめみじめ!!! みじめなれいみゅ!!!! ゆぷぷ!!! かわいくなきゅて、くずで、のろまで、ばきゃなれいみゅはゆっくちしんでにぇ!!! まりしゃは、まりしゃはひとりでゆっくちすりゅよ!!!! ゆやっほおおおお!!!! ゆやっほおおおお!!! ばらいろのゆんせいが、まりしゃさまを<ブチブチブチィッ!!!>ゆぎゃあああああああ!!!!」 親まりさは吐きだす。 それは真っ二つになった赤まりしゃの体だった。 「れいむのほうのおちびちゃんを、かえしてあげてね……」 赤まりしゃをおくちに入れたのは理由があった。 親まりさが殺す方が、鬼意山の手にかかるよりも苦しみも少ない。 そう思ったのだ。 「ぐじゅ……お、や……」 赤まりしゃは親への恨みを抱きながら死んでいった。 まりさが自分で決めたことだ、後悔はない。 「それじゃあれいみゅちゃん、玄関まで送ろうか。まりさにも見送りだけはさせてあげよう」 まりさと赤れいみゅは鬼意山に抱えられ、玄関までやってきた。 暖かくすべすべの床を初めて味わった廊下。 家族であまあまを食べて、しあわせーをした居間。 つがいのれいむがうっとりと自分を眺めたあの鏡。 永遠にゆっくりしていった家族を思い出し、見るもの全てが悲しかった。 そしてまりさも、これから永遠にゆっくりするのだ。 赤れいみゅを助けるかわりにまりさは死ぬ。 これは揺るがない条件だった。 「助けると言っても、ここから出発した後のことは知らないからね?」 「りかいしてるよ……」 町は、赤ゆ一匹には辛い場所だ。 かといってここから山に帰ることは絶望的である。 しかし偶然、やさしいゆっくりがおちびちゃんをゆっくりさせてくれるかもしれない。 偶然町の群れに拾われ、すくすくと育ってくれるかもしれない。 分の悪いギャンブルである。 しかしまりさは、おちびちゃんのゆっくりを祈ることしかもうできない。 玄関の扉がゆっくり開けられる、 すでに太陽が出て、空は水色に染まり始めている。 しかしぽかぽかの暖かさは、そこにはない。 「ゆゆ……、しゃむいよ」 れいみゅは冬目前の寒さに体を震わせた。 「おちびちゃん、まりさたちはてんごくでみまもってるよ!!」 一匹でも生還させられたことに、涙を流して喜ぶまりさ。 「うるしゃいよ!!! くしょおやがこんにゃおうちにこにゃければ、れーみゅはもっとゆっくちできちゃんだよ!! くじゅなおとーしゃんはゆっくちちんでね!!!」 鬼意山の手から降りると、れいみゅはそんな捨て台詞を吐いてぴょんぴょん跳ねて行った。 まりさにも落ち度はあり、だから反論することはできなかった。 「ゆっくち!ゆっくち!」 少々寒いが、爽やかな朝であった。 れいみゅは久々の自由を満喫していた。 じじいとも、くそおやとも無縁の生活がこれから始まるんだ! れいみゅの心には、謎の万能感が芽生えていた。 くそおやがいなくなれば、これからは何をするのも自由だ。 うんうんをする場所や、ちーちーをする場所だって自由だ。 ようやく鬼意山の家の敷地を出て、歩道をぴょんぴょん横断してゆく。 まりさはまだ見守っていた。 赤ゆが見えなくなるまで、鬼意山は潰さないでおくつもりらしい。 運命はすでに、鬼意山の手から離れている。 あの赤ゆがこの後どうなるのか、それは分からない。 まっすぐまっすぐ跳ねてゆく。 歩道をわたりきったれいみゅはやがて車道に入り込んだ。 そこでまりさははっとする。 赤れいみゅは車道を横断するつもりだ。 まりさとれいむがこの町に降りて来た時、外はすでに寒かった。 しかし町の現実を知らない二匹は見よう見まねでダンボールのおうちを作り、 そしてゆん生のはつすっきりーを体験する。 それで生まれたおちびちゃんが、あの七匹だ。 あのおちびちゃんがおうちを出たのは、 人間さんのおうちを回った時が最初だ。 お外の危険なんて、何も教えられていない。 あのれいみゅは車道の、車の恐ろしさを知らないのだ! 「おちびぢゃあああああんん!!!!! ぞごはあぶないよおおおお!!!!」 鬼意山の腕の中で、おちびちゃんに呼びかけるまりさ。 ついさっきもドスのようなトラックが通り過ぎて行くのを見た。 車というものは、ゆっくりがいてもおかまいなしに殺してゆく。 まりさ町について初めて知った危険だ。 しかしまりさの忠告はとどかない! 「くじゅおやはだまってね!! れいみゅはこっちにいきちゃいんだよ!!」 「ゆぎゃあああああ!!! おどーざんのいうごどをきいでええええ!!!!」 ずんずん進んでいく。 大きなエンジン音が、また聞こえてくると言うのに。 「ゆゆ?」 あんよに伝わる振動。 それでようやくれいみゅはせまりくるタクシーに気付いた。 しかしれいみゅの感想は、「なんだか速くてゆっくりできない」というだけ。 危機感は一切ない。 「きめーまりゅみちゃいで、ゆっくちしてにゃいにぇ!!」 れいみゅはタクシーと対峙する。 れいみゅの位置は、丁度タイヤが通過する部分だ。 「おぢびちゃんにげでええええええ!!!!」 まりさの声なんて、もう聞いてすらいなかった。 「ぷきゅうううう!!!! ゆっくちちてないやちゅは、あっちいっ<ベチャ>」 「ゆぎゃああああああああああああああ!!!!!」 れいむとまりさの愛の結晶は、七匹全てこの世から消え去った。 まりさの命がけの行動は、れいみゅの命は数十分ほど延命するだけの意味しかなかった。 「ばりざは、ばりざはなんのためにぃ……」 結局一匹も守れなかった。 「さて、そろそろまりさにも死んでもらおうか」 鬼意山はまりさに宣告する。 まりさはすでに廃人のようになっていた。 目はどこを向いているのか、泣いて水分を失い肌はがざがざだ。 鬼意山は両腕に力を入れる。 皮を破り、真っ二つにしてしまうつもりらしい。 「ごんなの、ごんなのぉ……」 涙はまだ溢れてくる。 「ひどずぎるよぉ……」 まりさは絶望の中、息を引き取った。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 鬼意山はまりさをゴミ袋につめた後、そう広くも無い庭の土を踏む。 虐待向けのゆっくりを切らしていたところで偶然戸を叩いたのがまりさ一家だった。 季節は冬に向かいつつあったし、秋の一斉駆除も行われた後だ。 単品ならともかく、野良ゆの家族はなかなか見つからない時期である。 そこにやってきた一つの家族。 虐待してみた。 しかし鬼意山は満足できなかった。 「愛着のないゆっくりを殺しても、そこまでQNQNできないんだよなぁ」 ゆ虐を初めて一年。 鬼意山最初のゆ虐は人生最高のゆ虐だった。 可愛いゆっくりを虐待したいという性癖をもつ鬼意山なのである。 とても愛着のある、大事なゆっくりを虐めるのは特別だった。 「また、赤ゆから育ててみようか。こんどはありすでも……」 庭の片隅には二つの墓。 その下には二匹分の苦悶のデスマスクが埋まっていることだろう。 おわり
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1891.html
ホントは各季節の間の、赤れいむ→親れいむ成長期間を描いたSSとか、別に書く気なかったんですが、 気になるとのことなので一応書きます。無論俺設定。 内容については季節的なものに触れることはありません。 『町の赤ゆの生きる道』 D.O 「ゆぅぅ、おきゃーしゃん・・・。」 町と言わず森と言わず、ゆっくりにはよくあることだが、 この赤れいむも、家族の全てを不幸な事故で失い、途方に暮れていた。 「あら、おちびちゃん。どうしたの?おちびちゃんひとりだとゆっくりできないわよ。」 赤れいむに声をかけたのはたまたま通りかかったありす。 この町のゆっくりたちの間には、いわゆる『群れ』とはまた違った相互扶助の関係があり、 こういうゆっくりしていない状況に置かれた赤ゆっくりには、相応の扱い方が確立されていた。 「・・・それはざんねんだったわね。でもおちびちゃん。 おちびちゃんはおかあさんのぶんまでゆっくりしないといけないわ。 ありすが『ほいくえん』につれていってあげるからついてきてね。」 「ほいくえんしゃんはゆっくちできりゅ?」 「・・・れいむがゆっくりしたゆっくりなら、ほいくえんさんもゆっくりさせてくれるわ。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆーん。ここがほいくえんしゃん?」 「そうよ。じゃあ、ありすはおうちにかえるから、れいむはここでおせわになってね。」 赤れいむはありすに連れられ、雑草生い茂る敷地に造られたプレハブ小屋、その床下へと入っていった。 『ほいくえん』とは、おそらく初めに名付けたゆっくりが勘違いをしていたのだろう。 その実態は、身寄りのない赤ゆっくり達を集めて大きくなるまで育てる、要は孤児院である。 赤ゆっくりのうちに親を亡くした場合、運が良ければ周囲に住むおとなのゆっくり達によって拾われ、 最寄りのほいくえんに連れてこられる。運が悪ければのたれ死ぬだけだ。 たどり着ければ、10年近く町で生き延びている、年季の入ったゆっくり達により保護を受けることができる。 無論、家族と一緒に暮すようなゆっくりが得られるわけではないが。 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ。」 「ゆっくち、ゆっくち!」 「ゆっゆーん。しゅーりしゅーり、ちあわちぇー。」 虐待趣味の人間に危害を加えられた場合、赤ゆっくりが生き延びれるはずもなく、 ここに集まる赤ゆっくりは、もっぱら自然災害の生き残りである。 当然時期はかぶるので、プレハブの下には同世代の赤ゆっくりが何百匹もうぞうぞする異次元空間が広がることとなる。 「ゆっくり静かにしてね!おちびちゃんたちは、今日からまりさ達が面倒をみるよ! ゆっくり言うことを聞いて、ゆっくりしたゆっくりになってもらうからね!ゆっくりしないでいってね!」 「「「ゆーん!ゆっくちしちぇい・・・?」」」 こうして、孤児ゆっくり達の過酷な生活が始まった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「しゅーや、しゅーや。ふしあわしぇー・・・。」 「しゅーりしゅーりしちゃいよ・・・。」 「うんうんくしゃいよぉ。だちてにぇ、だちてぇ。」 日の出前。 赤ゆっくり達は、すやすやと寝息を立てているが、その表情はあまりゆっくりしていなかった。 プレハブの下の地面には一段低く、浅いくぼみが作られており、それが段ボールや板きれで数百の小部屋に区分けされている。 小部屋はせいぜい大型の子ゆっくり一匹入る程度のサイズ。 孤児ゆっくり達は一匹一部屋づつ割り当てられるので、上から見ると、卵パックが敷き詰められている感じだ。 言うまでもなく失踪防止と赤ありすのすっきりー防止の措置なのだが、 夜間はこの上に段ボールがかぶせられ、上には保育ゆっくり達が重しとして乗っかっているので、 うんうん、しーしーすら好きにできない。我慢できなければ、悪臭に苦しむのは自分なのだ。 などと言っている間に日の出である。保育まりさは赤ゆっくりのおへやの蓋をはずして起床時刻を告げる。 「あさだよ。おきてね。」 「「「「「「ゆっゆーん!ゆっくりしちぇい・・・」」」」」」 「静かにしてね!朝からうるさいとゆっくりできないよ!」 「・・・ゆぇーん。どうちてしょんなこというにょー。」 「朝は人間さんたちも寝てるんだよ。うるさくするとゆっくりできないんだよ。」 「にゃんなにょ?あいさつしゃんはゆっくちできるんだよ!」 「しょうだじぇ!にんげんしゃんがなんなのじぇ!まりしゃはゆっくちごあいしゃつするのじぇ!」 断わっておくが、保育まりさ達に悪意はない。はずである。 この『ほいくえん』は、あくまでも孤児ゆっくり達に町で生きる術を叩き込むための施設なのである。 体罰上等の超スパルタ教育であったとしても。 「・・・どうしても元気に朝のご挨拶がしたいおちびちゃん達は、ゆっくりしないでまりさ達の近くに集まってね。」 「「「「ゆーん!ゆっくちごあいしゃつしゅるよ!」」」」 元気な朝のご挨拶は、とってもゆっくり出来る。 そう、今は亡き母達からそう教わってきたおちびちゃん達が、保育まりさ達の元に集まる。 「それじゃ、おちびちゃん達、とってもゆっくりしたごあいさつを見せてね。」 「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!ゆっくちし『ザクッ』・・・ゆぴぃい・・・ゆびぇっ・・・」」」」 保育まりさ達は、いつの間にか口にくわえていたつまようじを、大きくお口を開けた赤ゆっくり達ののどに突き刺した。 「ゆ・・・・ぴぅ・・・ゆきっ・・・?」 「ゆ・・・ゆぁぁぁああああ!まりしゃおにぇーしゃん、なにちてりゅのぉぉおおおお!」 「ご挨拶は人間さん達に聞こえないように、ゆっくり静かにするんだよ。できない子たちは喋れなくていいよ。」 「「「ゆぁぁぁあああああん!ゆっくちさせちぇぇぇぇえええ!」」」 「・・・うるさいよ。」 「「「・・・・・・・・・・っ!!!」」」 ここに到り、ついに赤れいむ達は、ここが自分たちをゆっくりさせてくれる場所ではないことに気づかされたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「朝ごはんさんは、自分たちで集めるんだよ。おちびちゃん達は、早く自分たちだけで生きていけるようになってね。」 「ゆぁーん。ごはんしゃんはおきゃーしゃんたちがもってきちぇくれりゅんでしょぉぉおお!」 「あかちゃんはゆっくちさしぇなきゃいけにゃいんでしょぉぉおおお!ばきゃなの?ちぬにょ?」 「なら、お腹を空かせてゆっくり死んでね。」 「「・・・ゆっくちりきゃいしちゃよ・・・。」」 保育まりさ達は本気である。 朝の一件でそれを理解している赤ゆっくり達は、さすがに物分かりがよい。 とはいえ、さすがに保育まりさ達も赤ゆっくりにはゴミ漁りができないことなど承知の上である。 ならば、ご飯とは、何を指すのか・・・ 「おちびちゃん達のご飯さんは、お外に生えてる草さんたちだよ。捕まえられるなら虫さん達も食べていいからね。」 「ゆぇぇ、にぎゃいぃぃぃ。」 「くさしゃんゆっくちしちぇないよぉぉ。」 「ばったしゃん、まっちぇにぇ!」 「いもむししゃん、ゆっくちおりてきちぇぇ!」 「もっちょたべちゃいよぉ。」 「なら、草さんがたくさんあるから食べてね。」 「ゆぁーん。おきゃあしゃんがとってきちぇくりぇたたまごやきしゃんたべちゃいよぉぉ。」 「むーしゃむーしゃしたいなら、自分で取ってきてね。」 たとえ生ゴミといえども、捨てたての人間さんの食べ物は、ふわふわのあまあま、雑草よりはごちそうだ。 それを親の生存中に食べさせてもらった赤ゆっくり達は、たとえ今後成長できたとしても、限りある生ゴミを求めて飢え続けることになる。 好き嫌いを無くす、これは、保育まりさの愛の鞭なのだ。おそらく。 たとえ、こうしている間中、まりさの息遣いが荒く、ぺにぺにがギンギンだったとしても。 「むっきゅーん!もうぱちぇはがまんできにゃいわ!ゆっくちちたごはんしゃんのあるところにつれていっちぇにぇ!」 「ダメだよ。おちびちゃん達には危ないよ。ゆっくりしたご飯さんは、人間さんが守ってるんだよ。」 「むきゅ!おきゃーしゃんはゆっくちしたごはんしゃんをもってきちぇくれちゃわ! まりしゃおにぇーしゃんは、あまあましゃんをかくしちぇるのよ!きっとそうにちがいにゃいわ!」 「「「ゆゆっ!?まりしゃおにぇーしゃんは、ゆっくちあまあましゃんをちょーらいにぇ!」」」 「ゆぅぅ。ぱちぇはゆっくちがまんしちぇにぇ。おにぇーしゃんたちにおこられりゅよ。」 「「「おにぇーしゃんがおこりゅとゆっくちできにゃいよぉ。」」」 町赤ゆっくりの数少ないゆっくりであるむーしゃむーしゃである。 多少のわがままも仕方がないところではあるが、それですまされないのがこの施設であった。 「ゆん、しょうがないよ。ここにあるご飯さんだけで、どうしてもゆっくり出来ないおちびちゃん達はこっちに来てね。」 「「「「ゆっくちー。」」」」 「ふわふわさんを配るから、おっきくお口を開けてね。」 「「「「ゆっくちむーしゃむーしゃしゅるよ!・・・『ひょい。ぱくっ!』ゆっ!ゆぴぃぃいいいいいい!!!」」」」 まりさが赤ぱちぇ達の口に放り込んだのは、廃棄餃子のパックに入っていた、ラー油を薄めたもの、 それをスポンジに染み込ませたものだ。 ギリギリではあるが、一応命に影響は無い。 「ゆぴぃ・・・お、おみじゅしゃん・・・・っ!!!」 「お水さんなら今無いから我慢してね。」 「ゆ・・・・ぱちぇをだましちゃわにぇ・・・ちにぇ、くじゅ・・・っ!」 「ゆーん!これで、もうご飯さんの味はわからなくなったから、草さんもおいしくむーしゃむーしゃできるよ。よかったね。」 舌が肥えすぎているならば、いっそのこと味がわからなくなってしまえばいい。 これを見て、周囲の赤ゆっくり達も、保育まりさのやり方を完全に理解した。 問題点があるなら、言葉で教え込むことなどせず、問題の元から丸ごと削り取っていくのだ。 以降、ご飯について不満を言う赤ゆっくりはいなくなり、 結果としてはその味にも徐々に慣れていったので、保育まりさの目的はいつもどおり達成されたのであった。 ちなみに、この施設には卒園生達や優しいゆっくり達が差し入れにあまあまを持ってきてくれているので、 赤ぱちぇの勘は完全に当たっていたりする。無論、孤児ゆっくりの口にあまあまが入ることはない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 食料事情が解決すれば、次はすっきりーの問題となる。 なんだか早い気もするだろうが、衣・食・住の内の衣・住、つまりおうちやおふとんについては、 結局町に出なければ教育のやり様もないので、ゆっくりの場合はこれでいいのである。 「ゆーん。れいむは、まりさのおちびちゃんがほしいんだよ!」 「まりさがすっきりーできたらいいんだけど・・・。ごめんなさいだよ、れいむ。」 「ちぇんはけっこんっしたくないけど、おちびちゃんはほしいんだよー。」 「むほぉぉぉおおおお!ありすのまむまむですっきりしてぇぇぇえええ!!!」 ほいくえんには、連日にんっしんを求めて、町ゆっくりがやってくる。 つがいが事故でぺにまむを失ってしまったり、つがいは欲しくないがおちびちゃんは欲しかったり、 いずれにしても、普通の手順ではにんっしんできないゆっくりなど、町では珍しくない。 そんな彼女たちに若くて新鮮な精子餡を提供するのも、ほいくえんの役割である。 無論保育まりさの目的は、町ゆ達からの謝礼などではない。断じてない。 「ゆっゆっゆっゆっ、しゅっきりー。」 「ゆーん。かわいいおちびちゃんができたよー。」 「ゆっゆっゆっゆっ・・・」 「おちびちゃん、もうにんっしんしたからすっきりーはいいよー。」 「ゆっゆーん。ありしゅはもっとしゅっきりしちゃいわ!」 「ダメだよおちびちゃん。すっきりーは、一人と一度だけだよ。何度もしちゃうと永遠にゆっくりしちゃうからね。」 「しょんなのしらにゃいわ!きっとあのちぇんおにぇーしゃんもつんでれしゃんなのよ!」 「・・・それに、たくさんおちびちゃんが出来たら、誰が育てるの。シングルマザーじゃ限界があるんだよ。」 「しょんなのちぇんおにぇーしゃんがそだてればいいでしょぉぉおおお!!!ありしゅはしゅっきりーしちゃいのよ!」 「ちぇ、ちぇんはもういくよー。おちびちゃんはありがとうだよー。」 「まっちぇにぇ!ありしゅはもっちょしゅっきりしちゃいわ!」 「まりさ、あとはよろしくだよー。」 「まっちぇぇぇぇえええ!もっちょしゅっきりしゃせちぇぇぇぇえええ!」 これも、よくあることである。 相手が自然の脅威とは言え、本当に賢いゆっくりならば、赤ゆを残して簡単に死んだりはしない。 当然そんな親の子供である孤児達も、餡子の出来はいい方ではない。 レイパーとまでは言わないまでも、後先考えず、欲望に忠実な者は後を絶たないのが現状である。 「ゆふん!今日のご奉仕で、何度もすっきり―しようとしたおちびちゃん達はこっちに来てね!」 「「「「もっとしゅっきりしゃせちぇにぇ!」」」」 「それじゃあ、こっちに来てゆっくりしたお顔さんを見せてね。」 「ゆっふーん!きゃわいくってごめ『めりめりめりっ!』・・・ゆぴぃぃぃいいいい!!!」 レイパー候補の赤ゆ達のまむまむ(ぺにぺに)には、保育まりさ達が隠し持っていた、短く切った割りばしが深々とねじこまれていた。 これでは、人間さんでもなければ、二度と摘出は出来ないだろう。 「「「「ど・・どぼじでこんにゃことしゅるにょぉぉおおおお!!!」」」」 「レイパーはゆっくりできないよ。これでぺにぺには使えなくなったから安心だね。」 「「「「にゃんなのしょれぇぇぇえええ!」」」」 「後はすーりすーりでもすっきり―出来ないように、ほっぺも使えなくするよ。」 まりさのくわえているのは、スポンジにラー油(今回は薄めていない原液)を染み込ませたもの。 赤ありす達のスベスベほっぺに、これをたっぷり塗りつければ、ほっぺの感覚は完全に失われ、 すーりすーりの快感は以降永久に得られなくなる。 「ゆびぃぃいいいいい!!!いじゃい、いじゃいぃぃいいいい!!!」 「ゆびゃぁぁあああ!ごんなのどがいばじゃにゃぃぃいいいい!!!」 「ぬーりぬーり。よかったね。これで、二度とすっきりーしないでよくなったよ。」 「・・・にゃんでぇ・・・しゅっきりしちゃいよ・・・」 町のゆっくりはとにかく死ぬ。 すっきり死などしている余裕はないのが現状だ。 レイパーの芽はこうして、確実に摘まれていくのである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− その後も『ほいくえん』での厳しい教育は続いて行く。 「まりさ達はお帽子を使って、川さんに浮くことができるんだよ。やり方はこうだよ。」 「「「ゆっくちー。ぷーかぷーかしちぇ、とってもたのちいよ!」」」 「・・・でも、絶対にやっちゃだめだよ。」 「「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉおおおお!!!」」」 「川さんは死亡フラグだよ。出来るだけ近づいちゃだめだよ。」 「しょんなのへいきだじぇ!まりしゃたちはゆっくちじょうずにおよげりゅのじぇ!」 「・・・まりさにも、ゆっくりしたお帽子を見せてね。」 「ゆーん!みしぇてあげりゅのじぇ!ゆっくちしちぇるの『ザクッ』・・・どぼじであなしゃんあけりゅのぉぉおお!」 「よかったね。これでお帽子さんで川さんに浮けないよ。」 「ゆぁぁぁ。まりしゃのゆっくちちたおぼうしが・・・。」 * o + # * o 。 こうして、輝くような笑顔をした赤ゆっくり達が、すっかりうなだれ元気を失くした子ゆっくりになる頃、 ついに卒園試験が行われることとなった。 孤児ゆっくり達は、陰気に曇った表情の中に、わずかに光を取り戻した。 ようやくこのゆっくりできないプレイスから解放される。 お外に出たら、これまでゆっくり出来なかった分までいっぱいゆっくりするのだ。 そして保育まりさ達くらい大きくなったら、みんなで制裁してやるのだ。 その表情には、怒り、悲しみ、憎しみ、恨み、様々な負の感情が見て取れる。 その姿からは彼女たちが、今この町にいるゆっくりの中でも、もっともゆっくりしていない者たちであろうことが見て取れる。 「それじゃあ、最後の試験の内容を言うよ!」 「「「・・・・・・。」」」 「ほいくえんのお外で3回太陽さんが顔を出すまでゆっくりしてね!」 「「「・・・・・・!?」」」 卒業試験、その内容は、『ほいくえん』の外で2泊3日、であった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− その内容は、お弁当(と言っても虫と雑草だが)持参可、何をやっても、どこに行くのも自由、というもので、 最終的に3日目の朝以降に『ほいくえん』に戻ってくればいいというものであった。 孤児ゆっくり達は狂喜し、我先にと『ほいくえん』を飛び出していく。 そして、『ほいくえん』のある広場の出入り口には保育ゆっくり達がバリケードを築き、孤児ゆっくり達が帰って来れないようにした。 これは、3日後まで取り除かれることはない。 「みょーん。まりさ?こんかいはなんにんくらいもどってくるかみょん。」 「ゆん?生きてたらみんな戻ってくるよ。」 「みょーん・・・。」 レイパー候補とされ、まむまむに割りばしをねじ込まれたありすは、自分が生まれ育った路地裏へと帰っていた。 そこには当然というか、新しいゆっくり達がおうちをつくっていた。 がっかりして帰ろうとすると、ちょうどよく、現在の住民が顔を出す。お肌がヌメヌメと濡れた、2匹のありすだった。 「むふぅ、おちびちゃん。なにかごようかしら。」 「ゆぅぅ。ありすはもっとおちびちゃんだったころに、ここにすんでたの・・・。」 「むふぅ、むふぅ。そうなのぉ。せっかくきたんだから、おうちのなかにもはいっていいのよぉ。」 「ゆーん。でも、ありすは・・・」 「むほぉぉぉおおおおお!!!おちびちゃんはおそとですっきりしたいのねぇぇぇえええ!!!」 「ゆ、ゆひぃぃぃいいい!なんなのぉぉおおお!?」 「むほ、むほ、むほぉぉおおおおお!!!・・・むふぅ?おちびちゃん、まむまむがへんねぇ?」 割りばしありすは、レイプ防止のためにまむまむ(ぺにぺに)に割りばしを突っ込まれているので、 れいぱーに襲われても当然すっきりーはできない。 「むふぅぅ、すっきりーできないなんて、とってもいなかものねぇ。」 「へんなまむまむのありすはどっかいってほしいわ。きもちわるいこねぇ。」 「ゆ、ゆぅぅぅ・・・。」 その時、割りばしありす達の周囲で、サイレンが鳴り響いた。 みょーん、みょーん、みょーん・・・ 「やっと見つけたみょん。」 「むふぅぅ、なんのようかしら。」 「むふぅ。きっとみょんは、ありすたちのとかいはなあいをうけとめたいのねぇぇぇええ!」 「「むほぉぉぉぉおおおおお!!!」」 「「「「「みょーん。いなかもののれいぱーはっけんだみょーん!!!」」」」」 「「むほっ?」」 「この田舎者のありす姉妹は、まりさ一家のレイプ殺し犯だみょん。処刑だみょん!」 「「「「みょーん、みょーん、みょーん!」」」」 「「こんなのとかいはじゃないわぁぁぁあああ!!!」」 みょん自警団。 ゆっくり同士の殺傷や、行き過ぎた行為を取り締まる、ゆっくりのゆっくりによるゆっくりのための組織である。 彼女たちは、特に森育ちの田舎者レイパー(ヤリすぎて殺しちゃう、ゆっくり最底辺の奴ら)に厳しい。 「やべでぇぇぇ!ゆぎぃぃぃいいいいい!」 「いじゃいぃぃぃいいいいい!ぺにぺにがっ、ありすのとかいはなぺにぺにがぁぁぁぁあああ!」 みょん自警団から与えられる罰は、レイパー候補ありすが、『ほいくえん』で受けたものと概ね同じ処置である。 ただし、割りばしの本数がケタ違いではあるが。 「やべでぇ、いじゃい!いじゃいぃぃぃいいい!ありすちんじゃぅぅぅうううう!!!」 「レイパーはしぶといみょん。あと十本くらい刺しとくみょん。」 「ゆぴぃぃいいいいいい!」 割りばしありすがしーしーを垂れ流し、ガタガタ震えながら見ている前で、 レイパーありす達は、ぺにまむとあにゃる、ツタが生える額のあたりにそれぞれ30本づつ割りばしを突き刺され、 出来そこないの「たわし」の様になって気絶してしまった。 息をしているのでまだ生きている。 「みょーん。こっちのおちびはどうするみょん。れいぱーのつれみょん?」 じっと、みょんの探りを入れるような視線にさらされ、割りばしありすは声も出ない。 「おちびのまむまむを見るみょん。このおちびは『ほいくえん』育ちだみょん。田舎者じゃないみょん。」 「・・・・・・『ガクガクブルブル』。」 「そうかみょん。こわがらせてわるかったみょん。なにもしないからゆっくりするみょん。」 その言葉と同時に、割りばしありすは気を失った。 一方同じ頃、お帽子に穴をあけられた、元川渡り大好きまりさは、未練が捨てられないのか、河川敷にやってきていた。 寂しそうにじっと川を眺めていると、堤防の地面に穴を掘って暮らしている川まりさ達が、うじゃうじゃと這い出てきた。 慣れた風にお帽子に乗って、川の水草を収穫し始めるのが見える。 岸の近くでは、子まりさ、赤まりさ達が水に浮く練習をしている。 その微笑ましい姿は、孤児ゆっくりであることと併せて、ますますまりさをゆっくりさせなかった。 「ゆぅぅ。まりさもおぼうしにあなさんがなかったら、いっしょにゆっくりできたのに・・・。」 保育まりさのゆっくりした表情を思い出すたび、憎悪が餡子の奥まで煮えたぎらせる。 と、その時、川に架かった橋の上から人間さんの子供の声が聞こえてきた。 「あ、ゆっくり達が川に浮いてるぞ。」 「石投げようぜ、石。」 「男子達ったら野蛮ね!」 「でも、父ちゃんが『川に住むゆっくり達はクズばっかりだから、ぶっ殺しちまえ』って言ってたぜ。」 「ほらー。やっぱりいいんじゃねえか。触美も優等生ぶってんじゃねえよー。」 「むー。」 間もなく、川に浮かぶゆっくり達に大量の石つぶてが降り注いだ。 「ゆぁぁぁあああ!やめてね!いしさんはゆっくりできな『ボチュッ』・・・」ぼちゃん・・・。 「ゆゆっ!はしさんからはなれるよ!ゆんせ、ゆんせ!」 何とか橋から離れると、所詮は小学生の肩。 ゆっくり達には石つぶても届かなくなった。 「ちぇっ、つまんねえのー。」 「こりゃー!川に石を投げちゃいかーん!わしらに当たったらどーするつもりじゃー!」 「やっべ!みんな逃げるぞー!」 川のど真ん中にはいつの間にか、二人乗り程度の手漕ぎボートが浮いていた。 船上には、ゆっくり型の帽子をかぶった老人夫婦が乗っている。 ボートには、『河川管理』と書かれていた。 「それじゃあ、M枝。そろそろはじめるぞい。」 「はいはい、わん五郎さん。準備できてますよ。」 「うおほん。本日は晴天なり、本日は晴天なりー。えー、ゆっくりしていってね。ゆっくりしていってね。」 「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」 わん五郎爺さんの挨拶に合わせて、川に浮かぶまりさ達も元気よく挨拶を返し、 その拍子に全員がオール(として使っている木の棒)を口からぽろりと落とした。 「「「「「「まりさのゆっくりしたおーるさんがぁぁぁああああ!!!」」」」」」 完全に自力での移動手段を失った川まりさ達。 彼女たちが川の流れに任せてゆっくりと流れていく中、老夫婦は、先端に発泡スチロールの浮きをくくり付けた、 T字型の道具を取り出す。校庭の整地に使われる、トンボという道具に似ている。 「ゆっくりたすけてね!まりさはかわいそ『とんっ。ぼちゃん。』・・・。」 そして、逃げ場のない川まりさ達を、一匹一匹丁寧にお帽子から突き落としていく。 「やめてね!まりさをつきおと『とすっ。ぼちゃ。』・・・。」 「まりさにはかわいいおちびち『とん。ぽちゃん。』・・・・。」 「やじゃぁぁぁあああ!まりさしにた『とすんっ。ぼちゃん。』・・・。」 突然川の中央付近で生まれた地獄のような光景から、穴帽子まりさが目を離せないでいる中、 川岸周辺で水に浮く練習をしていた子・赤まりさ達は、自分達もオールを失いながら、 命からがら岸までたどり着き、ゆっくりしたお父さんまりさ達がなすすべもなく水中に突き落とされる姿に絶叫していた。 「ゆあーん。どうちてしょんなことしゅるのぉぉおお!」 「ぴゃぴゃー。ゆっくちにげちぇぇぇぇえ。」 「おとーしゃぁぁぁん。ゆっくちしちぇぇぇぇ。」 ゆっくり達が絶叫し続けるその背後では、なぜか毎週決まった曜日・時間帯に現れる、 くたびれたスーツを着た中年サラリーマン達が、河川敷に集結し始めていた。 全員が、その手に金属バットかゴルフクラブを持ち、豪快に素振りを繰り返している。 相当な回数素振りをしているはずだが、その表情は全く歪むことがない。 その後まもなく、河川敷では絶叫に包まれたゴルフの練習が始まった。 降り注ぐ餡子の雨の中、穴帽子まりさは、餡子の泡を吹いて気を失ったのであった。 朝のご挨拶を強行しようとしたために、喉をつまようじでつぶされたゆっくり達は、 朝の元気なご挨拶と同時に、おうちの上からボウリング球を落とされつぶされたれいむ一家を見た。 あまあまを欲しがったために味覚を奪われたぱちゅりー達は、あまあましか食べられなくなり、 草さんも虫さんも吐き出してゆっくりと餓死した赤ゆっくり達を見た。 3日目の朝。 町での生活を生き延びた孤児ゆっくりはおよそ3割。 その全員が『ほいくえん』に戻ってきた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「まりしゃおにぇーしゃん、いままでわがままでごめんにゃしゃいぃぃ!」 「ゆっくりありがじょぉぉおおおごじゃいまじだぁぁぁ!」 「ゆんゆん。まりさもこれまでみんなに酷い事してごめんね。」 卒業試験の前まではあれほどゆっくりしていなかった子ゆっくり達。 しかし、全ては保育まりさの愛の鞭であったことを知った孤児ゆっくり達は、 そのあふれる愛に包まれてとてもゆっくりしていた。 『ほいくえん』、それは、町に住むゆっくり達の絆の象徴なのである。 「全ては計画通りだよ。ゆっふっふっふぅ。」 こうして保育まりさは、一年また一年と、安全な『ほいくえん』から離れることなく、 卒園生から贈られるあまあまと、自分の暗い性欲のはけ口を確保していくのであった。 まあ、こんな感じで町の赤ゆっくり達は大きくなっていきます。 さすがに赤ゆ一匹で生き延びれるほど甘くはないですよね。 ちなみに、この『ほいくえん』の敷地の入口には、『餡生物個体数調整地』と書かれた看板が掛かってます。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. 本作品 (おまけ) 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 挿絵:M1
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/981.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 462 赤ゆ出産テンプレ虐待/コメントログ」 短い!! -- 2010-07-21 01 52 07 つづいてほしい!! -- 2010-08-04 13 07 05 つづいてくださいー! -- 2010-08-22 21 04 38 もっと! -- 2010-09-29 10 35 32 やっぱりテンプレは最高にゆっくりできる・・・ テンプレは偉大なる先人の生み出した英知の結晶だね! -- 2010-11-07 16 38 22 赤ゆ -- 2011-05-25 00 38 30 母親の産道前で父親に口を開けさせ、ゴミが口に飛び込んだ瞬間に口を閉じて飲み込ませる。 どうかな? -- 2011-11-04 20 54 14 ↓最高! -- 2012-01-29 10 39 03 短いがすっきりー!!! -- 2012-01-29 12 32 01 実にテンプレだが、こういうシチュエーションを最近みないからな。 却って新鮮に見える。 -- 2012-05-12 00 31 55 悲鳴丸 -- 2012-07-21 21 07 40 面白かったけどまさかのれいまり。そこだけテンプレじゃないのね -- 2012-11-01 07 22 38 さいきんのはネタがこりすぎてゆっくりできないよ でも、これはゆっくりできるね -- 2013-01-13 02 51 18 ぜんっぜんゆっくりしてないおはなしだね!けしてね!あとあまあまさんもってきてね!すぐでいいよ! -- 2014-05-28 20 17 14 テンプレ ショート··· 大いに結構!一瞬でスッキリできる!たまにはいいね! -- 2018-01-11 12 48 49
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/457.html
町の赤ゆの生きる道 23KB ホントは各季節の間の、赤れいむ→親れいむ成長期間を描いたSSとか、別に書く気なかったんですが、 気になるとのことなので一応書きます。無論俺設定。 内容については季節的なものに触れることはありません。 『町の赤ゆの生きる道』 D.O 「ゆぅぅ、おきゃーしゃん・・・。」 町と言わず森と言わず、ゆっくりにはよくあることだが、 この赤れいむも、家族の全てを不幸な事故で失い、途方に暮れていた。 「あら、おちびちゃん。どうしたの?おちびちゃんひとりだとゆっくりできないわよ。」 赤れいむに声をかけたのはたまたま通りかかったありす。 この町のゆっくりたちの間には、いわゆる『群れ』とはまた違った相互扶助の関係があり、 こういうゆっくりしていない状況に置かれた赤ゆっくりには、相応の扱い方が確立されていた。 「・・・それはざんねんだったわね。でもおちびちゃん。 おちびちゃんはおかあさんのぶんまでゆっくりしないといけないわ。 ありすが『ほいくえん』につれていってあげるからついてきてね。」 「ほいくえんしゃんはゆっくちできりゅ?」 「・・・れいむがゆっくりしたゆっくりなら、ほいくえんさんもゆっくりさせてくれるわ。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆーん。ここがほいくえんしゃん?」 「そうよ。じゃあ、ありすはおうちにかえるから、れいむはここでおせわになってね。」 赤れいむはありすに連れられ、雑草生い茂る敷地に造られたプレハブ小屋、その床下へと入っていった。 『ほいくえん』とは、おそらく初めに名付けたゆっくりが勘違いをしていたのだろう。 その実態は、身寄りのない赤ゆっくり達を集めて大きくなるまで育てる、要は孤児院である。 赤ゆっくりのうちに親を亡くした場合、運が良ければ周囲に住むおとなのゆっくり達によって拾われ、 最寄りのほいくえんに連れてこられる。運が悪ければのたれ死ぬだけだ。 たどり着ければ、10年近く町で生き延びている、年季の入ったゆっくり達により保護を受けることができる。 無論、家族と一緒に暮すようなゆっくりが得られるわけではないが。 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ。」 「ゆっくち、ゆっくち!」 「ゆっゆーん。しゅーりしゅーり、ちあわちぇー。」 虐待趣味の人間に危害を加えられた場合、赤ゆっくりが生き延びれるはずもなく、 ここに集まる赤ゆっくりは、もっぱら自然災害の生き残りである。 当然時期はかぶるので、プレハブの下には同世代の赤ゆっくりが何百匹もうぞうぞする異次元空間が広がることとなる。 「ゆっくり静かにしてね!おちびちゃんたちは、今日からまりさ達が面倒をみるよ! ゆっくり言うことを聞いて、ゆっくりしたゆっくりになってもらうからね!ゆっくりしないでいってね!」 「「「ゆーん!ゆっくちしちぇい・・・?」」」 こうして、孤児ゆっくり達の過酷な生活が始まった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「しゅーや、しゅーや。ふしあわしぇー・・・。」 「しゅーりしゅーりしちゃいよ・・・。」 「うんうんくしゃいよぉ。だちてにぇ、だちてぇ。」 日の出前。 赤ゆっくり達は、すやすやと寝息を立てているが、その表情はあまりゆっくりしていなかった。 プレハブの下の地面には一段低く、浅いくぼみが作られており、それが段ボールや板きれで数百の小部屋に区分けされている。 小部屋はせいぜい大型の子ゆっくり一匹入る程度のサイズ。 孤児ゆっくり達は一匹一部屋づつ割り当てられるので、上から見ると、卵パックが敷き詰められている感じだ。 言うまでもなく失踪防止と赤ありすのすっきりー防止の措置なのだが、 夜間はこの上に段ボールがかぶせられ、上には保育ゆっくり達が重しとして乗っかっているので、 うんうん、しーしーすら好きにできない。我慢できなければ、悪臭に苦しむのは自分なのだ。 などと言っている間に日の出である。保育まりさは赤ゆっくりのおへやの蓋をはずして起床時刻を告げる。 「あさだよ。おきてね。」 「「「「「「ゆっゆーん!ゆっくりしちぇい・・・」」」」」」 「静かにしてね!朝からうるさいとゆっくりできないよ!」 「・・・ゆぇーん。どうちてしょんなこというにょー。」 「朝は人間さんたちも寝てるんだよ。うるさくするとゆっくりできないんだよ。」 「にゃんなにょ?あいさつしゃんはゆっくちできるんだよ!」 「しょうだじぇ!にんげんしゃんがなんなのじぇ!まりしゃはゆっくちごあいしゃつするのじぇ!」 断わっておくが、保育まりさ達に悪意はない。はずである。 この『ほいくえん』は、あくまでも孤児ゆっくり達に町で生きる術を叩き込むための施設なのである。 体罰上等の超スパルタ教育であったとしても。 「・・・どうしても元気に朝のご挨拶がしたいおちびちゃん達は、ゆっくりしないでまりさ達の近くに集まってね。」 「「「「ゆーん!ゆっくちごあいしゃつしゅるよ!」」」」 元気な朝のご挨拶は、とってもゆっくり出来る。 そう、今は亡き母達からそう教わってきたおちびちゃん達が、保育まりさ達の元に集まる。 「それじゃ、おちびちゃん達、とってもゆっくりしたごあいさつを見せてね。」 「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!ゆっくちし『ザクッ』・・・ゆぴぃい・・・ゆびぇっ・・・」」」」 保育まりさ達は、いつの間にか口にくわえていたつまようじを、大きくお口を開けた赤ゆっくり達ののどに突き刺した。 「ゆ・・・・ぴぅ・・・ゆきっ・・・?」 「ゆ・・・ゆぁぁぁああああ!まりしゃおにぇーしゃん、なにちてりゅのぉぉおおおお!」 「ご挨拶は人間さん達に聞こえないように、ゆっくり静かにするんだよ。できない子たちは喋れなくていいよ。」 「「「ゆぁぁぁあああああん!ゆっくちさせちぇぇぇぇえええ!」」」 「・・・うるさいよ。」 「「「・・・・・・・・・・っ!!!」」」 ここに到り、ついに赤れいむ達は、ここが自分たちをゆっくりさせてくれる場所ではないことに気づかされたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「朝ごはんさんは、自分たちで集めるんだよ。おちびちゃん達は、早く自分たちだけで生きていけるようになってね。」 「ゆぁーん。ごはんしゃんはおきゃーしゃんたちがもってきちぇくれりゅんでしょぉぉおお!」 「あかちゃんはゆっくちさしぇなきゃいけにゃいんでしょぉぉおおお!ばきゃなの?ちぬにょ?」 「なら、お腹を空かせてゆっくり死んでね。」 「「・・・ゆっくちりきゃいしちゃよ・・・。」」 保育まりさ達は本気である。 朝の一件でそれを理解している赤ゆっくり達は、さすがに物分かりがよい。 とはいえ、さすがに保育まりさ達も赤ゆっくりにはゴミ漁りができないことなど承知の上である。 ならば、ご飯とは、何を指すのか・・・ 「おちびちゃん達のご飯さんは、お外に生えてる草さんたちだよ。捕まえられるなら虫さん達も食べていいからね。」 「ゆぇぇ、にぎゃいぃぃぃ。」 「くさしゃんゆっくちしちぇないよぉぉ。」 「ばったしゃん、まっちぇにぇ!」 「いもむししゃん、ゆっくちおりてきちぇぇ!」 「もっちょたべちゃいよぉ。」 「なら、草さんがたくさんあるから食べてね。」 「ゆぁーん。おきゃあしゃんがとってきちぇくりぇたたまごやきしゃんたべちゃいよぉぉ。」 「むーしゃむーしゃしたいなら、自分で取ってきてね。」 たとえ生ゴミといえども、捨てたての人間さんの食べ物は、ふわふわのあまあま、雑草よりはごちそうだ。 それを親の生存中に食べさせてもらった赤ゆっくり達は、たとえ今後成長できたとしても、限りある生ゴミを求めて飢え続けることになる。 好き嫌いを無くす、これは、保育まりさの愛の鞭なのだ。おそらく。 たとえ、こうしている間中、まりさの息遣いが荒く、ぺにぺにがギンギンだったとしても。 「むっきゅーん!もうぱちぇはがまんできにゃいわ!ゆっくちちたごはんしゃんのあるところにつれていっちぇにぇ!」 「ダメだよ。おちびちゃん達には危ないよ。ゆっくりしたご飯さんは、人間さんが守ってるんだよ。」 「むきゅ!おきゃーしゃんはゆっくちしたごはんしゃんをもってきちぇくれちゃわ! まりしゃおにぇーしゃんは、あまあましゃんをかくしちぇるのよ!きっとそうにちがいにゃいわ!」 「「「ゆゆっ!?まりしゃおにぇーしゃんは、ゆっくちあまあましゃんをちょーらいにぇ!」」」 「ゆぅぅ。ぱちぇはゆっくちがまんしちぇにぇ。おにぇーしゃんたちにおこられりゅよ。」 「「「おにぇーしゃんがおこりゅとゆっくちできにゃいよぉ。」」」 町赤ゆっくりの数少ないゆっくりであるむーしゃむーしゃである。 多少のわがままも仕方がないところではあるが、それですまされないのがこの施設であった。 「ゆん、しょうがないよ。ここにあるご飯さんだけで、どうしてもゆっくり出来ないおちびちゃん達はこっちに来てね。」 「「「「ゆっくちー。」」」」 「ふわふわさんを配るから、おっきくお口を開けてね。」 「「「「ゆっくちむーしゃむーしゃしゅるよ!・・・『ひょい。ぱくっ!』ゆっ!ゆぴぃぃいいいいいい!!!」」」」 まりさが赤ぱちぇ達の口に放り込んだのは、廃棄餃子のパックに入っていた、ラー油を薄めたもの、 それをスポンジに染み込ませたものだ。 ギリギリではあるが、一応命に影響は無い。 「ゆぴぃ・・・お、おみじゅしゃん・・・・っ!!!」 「お水さんなら今無いから我慢してね。」 「ゆ・・・・ぱちぇをだましちゃわにぇ・・・ちにぇ、くじゅ・・・っ!」 「ゆーん!これで、もうご飯さんの味はわからなくなったから、草さんもおいしくむーしゃむーしゃできるよ。よかったね。」 舌が肥えすぎているならば、いっそのこと味がわからなくなってしまえばいい。 これを見て、周囲の赤ゆっくり達も、保育まりさのやり方を完全に理解した。 問題点があるなら、言葉で教え込むことなどせず、問題の元から丸ごと削り取っていくのだ。 以降、ご飯について不満を言う赤ゆっくりはいなくなり、 結果としてはその味にも徐々に慣れていったので、保育まりさの目的はいつもどおり達成されたのであった。 ちなみに、この施設には卒園生達や優しいゆっくり達が差し入れにあまあまを持ってきてくれているので、 赤ぱちぇの勘は完全に当たっていたりする。無論、孤児ゆっくりの口にあまあまが入ることはない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 食料事情が解決すれば、次はすっきりーの問題となる。 なんだか早い気もするだろうが、衣・食・住の内の衣・住、つまりおうちやおふとんについては、 結局町に出なければ教育のやり様もないので、ゆっくりの場合はこれでいいのである。 「ゆーん。れいむは、まりさのおちびちゃんがほしいんだよ!」 「まりさがすっきりーできたらいいんだけど・・・。ごめんなさいだよ、れいむ。」 「ちぇんはけっこんっしたくないけど、おちびちゃんはほしいんだよー。」 「むほぉぉぉおおおお!ありすのまむまむですっきりしてぇぇぇえええ!!!」 ほいくえんには、連日にんっしんを求めて、町ゆっくりがやってくる。 つがいが事故でぺにまむを失ってしまったり、つがいは欲しくないがおちびちゃんは欲しかったり、 いずれにしても、普通の手順ではにんっしんできないゆっくりなど、町では珍しくない。 そんな彼女たちに若くて新鮮な精子餡を提供するのも、ほいくえんの役割である。 無論保育まりさの目的は、町ゆ達からの謝礼などではない。断じてない。 「ゆっゆっゆっゆっ、しゅっきりー。」 「ゆーん。かわいいおちびちゃんができたよー。」 「ゆっゆっゆっゆっ・・・」 「おちびちゃん、もうにんっしんしたからすっきりーはいいよー。」 「ゆっゆーん。ありしゅはもっとしゅっきりしちゃいわ!」 「ダメだよおちびちゃん。すっきりーは、一人と一度だけだよ。何度もしちゃうと永遠にゆっくりしちゃうからね。」 「しょんなのしらにゃいわ!きっとあのちぇんおにぇーしゃんもつんでれしゃんなのよ!」 「・・・それに、たくさんおちびちゃんが出来たら、誰が育てるの。シングルマザーじゃ限界があるんだよ。」 「しょんなのちぇんおにぇーしゃんがそだてればいいでしょぉぉおおお!!!ありしゅはしゅっきりーしちゃいのよ!」 「ちぇ、ちぇんはもういくよー。おちびちゃんはありがとうだよー。」 「まっちぇにぇ!ありしゅはもっちょしゅっきりしちゃいわ!」 「まりさ、あとはよろしくだよー。」 「まっちぇぇぇぇえええ!もっちょしゅっきりしゃせちぇぇぇぇえええ!」 これも、よくあることである。 相手が自然の脅威とは言え、本当に賢いゆっくりならば、赤ゆを残して簡単に死んだりはしない。 当然そんな親の子供である孤児達も、餡子の出来はいい方ではない。 レイパーとまでは言わないまでも、後先考えず、欲望に忠実な者は後を絶たないのが現状である。 「ゆふん!今日のご奉仕で、何度もすっきり―しようとしたおちびちゃん達はこっちに来てね!」 「「「「もっとしゅっきりしゃせちぇにぇ!」」」」 「それじゃあ、こっちに来てゆっくりしたお顔さんを見せてね。」 「ゆっふーん!きゃわいくってごめ『めりめりめりっ!』・・・ゆぴぃぃぃいいいい!!!」 レイパー候補の赤ゆ達のまむまむ(ぺにぺに)には、保育まりさ達が隠し持っていた、短く切った割りばしが深々とねじこまれていた。 これでは、人間さんでもなければ、二度と摘出は出来ないだろう。 「「「「ど・・どぼじでこんにゃことしゅるにょぉぉおおおお!!!」」」」 「レイパーはゆっくりできないよ。これでぺにぺには使えなくなったから安心だね。」 「「「「にゃんなのしょれぇぇぇえええ!」」」」 「後はすーりすーりでもすっきり―出来ないように、ほっぺも使えなくするよ。」 まりさのくわえているのは、スポンジにラー油(今回は薄めていない原液)を染み込ませたもの。 赤ありす達のスベスベほっぺに、これをたっぷり塗りつければ、ほっぺの感覚は完全に失われ、 すーりすーりの快感は以降永久に得られなくなる。 「ゆびぃぃいいいいい!!!いじゃい、いじゃいぃぃいいいい!!!」 「ゆびゃぁぁあああ!ごんなのどがいばじゃにゃぃぃいいいい!!!」 「ぬーりぬーり。よかったね。これで、二度とすっきりーしないでよくなったよ。」 「・・・にゃんでぇ・・・しゅっきりしちゃいよ・・・」 町のゆっくりはとにかく死ぬ。 すっきり死などしている余裕はないのが現状だ。 レイパーの芽はこうして、確実に摘まれていくのである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− その後も『ほいくえん』での厳しい教育は続いて行く。 「まりさ達はお帽子を使って、川さんに浮くことができるんだよ。やり方はこうだよ。」 「「「ゆっくちー。ぷーかぷーかしちぇ、とってもたのちいよ!」」」 「・・・でも、絶対にやっちゃだめだよ。」 「「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉおおおお!!!」」」 「川さんは死亡フラグだよ。出来るだけ近づいちゃだめだよ。」 「しょんなのへいきだじぇ!まりしゃたちはゆっくちじょうずにおよげりゅのじぇ!」 「・・・まりさにも、ゆっくりしたお帽子を見せてね。」 「ゆーん!みしぇてあげりゅのじぇ!ゆっくちしちぇるの『ザクッ』・・・どぼじであなしゃんあけりゅのぉぉおお!」 「よかったね。これでお帽子さんで川さんに浮けないよ。」 「ゆぁぁぁ。まりしゃのゆっくちちたおぼうしが・・・。」 。 こうして、輝くような笑顔をした赤ゆっくり達が、すっかりうなだれ元気を失くした子ゆっくりになる頃、 ついに卒園試験が行われることとなった。 孤児ゆっくり達は、陰気に曇った表情の中に、わずかに光を取り戻した。 ようやくこのゆっくりできないプレイスから解放される。 お外に出たら、これまでゆっくり出来なかった分までいっぱいゆっくりするのだ。 そして保育まりさ達くらい大きくなったら、みんなで制裁してやるのだ。 その表情には、怒り、悲しみ、憎しみ、恨み、様々な負の感情が見て取れる。 その姿からは彼女たちが、今この町にいるゆっくりの中でも、もっともゆっくりしていない者たちであろうことが見て取れる。 「それじゃあ、最後の試験の内容を言うよ!」 「「「・・・・・・。」」」 「ほいくえんのお外で3回太陽さんが顔を出すまでゆっくりしてね!」 「「「・・・・・・!?」」」 卒業試験、その内容は、『ほいくえん』の外で2泊3日、であった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− その内容は、お弁当(と言っても虫と雑草だが)持参可、何をやっても、どこに行くのも自由、というもので、 最終的に3日目の朝以降に『ほいくえん』に戻ってくればいいというものであった。 孤児ゆっくり達は狂喜し、我先にと『ほいくえん』を飛び出していく。 そして、『ほいくえん』のある広場の出入り口には保育ゆっくり達がバリケードを築き、孤児ゆっくり達が帰って来れないようにした。 これは、3日後まで取り除かれることはない。 「みょーん。まりさ?こんかいはなんにんくらいもどってくるかみょん。」 「ゆん?生きてたらみんな戻ってくるよ。」 「みょーん・・・。」 レイパー候補とされ、まむまむに割りばしをねじ込まれたありすは、自分が生まれ育った路地裏へと帰っていた。 そこには当然というか、新しいゆっくり達がおうちをつくっていた。 がっかりして帰ろうとすると、ちょうどよく、現在の住民が顔を出す。お肌がヌメヌメと濡れた、2匹のありすだった。 「むふぅ、おちびちゃん。なにかごようかしら。」 「ゆぅぅ。ありすはもっとおちびちゃんだったころに、ここにすんでたの・・・。」 「むふぅ、むふぅ。そうなのぉ。せっかくきたんだから、おうちのなかにもはいっていいのよぉ。」 「ゆーん。でも、ありすは・・・」 「むほぉぉぉおおおおお!!!おちびちゃんはおそとですっきりしたいのねぇぇぇえええ!!!」 「ゆ、ゆひぃぃぃいいい!なんなのぉぉおおお!?」 「むほ、むほ、むほぉぉおおおおお!!!・・・むふぅ?おちびちゃん、まむまむがへんねぇ?」 割りばしありすは、レイプ防止のためにまむまむ(ぺにぺに)に割りばしを突っ込まれているので、 れいぱーに襲われても当然すっきりーはできない。 「むふぅぅ、すっきりーできないなんて、とってもいなかものねぇ。」 「へんなまむまむのありすはどっかいってほしいわ。きもちわるいこねぇ。」 「ゆ、ゆぅぅぅ・・・。」 その時、割りばしありす達の周囲で、サイレンが鳴り響いた。 みょーん、みょーん、みょーん・・・ 「やっと見つけたみょん。」 「むふぅぅ、なんのようかしら。」 「むふぅ。きっとみょんは、ありすたちのとかいはなあいをうけとめたいのねぇぇぇええ!」 「「むほぉぉぉぉおおおおお!!!」」 「「「「「みょーん。いなかもののれいぱーはっけんだみょーん!!!」」」」」 「「むほっ?」」 「この田舎者のありす姉妹は、まりさ一家のレイプ殺し犯だみょん。処刑だみょん!」 「「「「みょーん、みょーん、みょーん!」」」」 「「こんなのとかいはじゃないわぁぁぁあああ!!!」」 みょん自警団。 ゆっくり同士の殺傷や、行き過ぎた行為を取り締まる、ゆっくりのゆっくりによるゆっくりのための組織である。 彼女たちは、特に森育ちの田舎者レイパー(ヤリすぎて殺しちゃう、ゆっくり最底辺の奴ら)に厳しい。 「やべでぇぇぇ!ゆぎぃぃぃいいいいい!」 「いじゃいぃぃぃいいいいい!ぺにぺにがっ、ありすのとかいはなぺにぺにがぁぁぁぁあああ!」 みょん自警団から与えられる罰は、レイパー候補ありすが、『ほいくえん』で受けたものと概ね同じ処置である。 ただし、割りばしの本数がケタ違いではあるが。 「やべでぇ、いじゃい!いじゃいぃぃぃいいい!ありすちんじゃぅぅぅうううう!!!」 「レイパーはしぶといみょん。あと十本くらい刺しとくみょん。」 「ゆぴぃぃいいいいいい!」 割りばしありすがしーしーを垂れ流し、ガタガタ震えながら見ている前で、 レイパーありす達は、ぺにまむとあにゃる、ツタが生える額のあたりにそれぞれ30本づつ割りばしを突き刺され、 出来そこないの「たわし」の様になって気絶してしまった。 息をしているのでまだ生きている。 「みょーん。こっちのおちびはどうするみょん。れいぱーのつれみょん?」 じっと、みょんの探りを入れるような視線にさらされ、割りばしありすは声も出ない。 「おちびのまむまむを見るみょん。このおちびは『ほいくえん』育ちだみょん。田舎者じゃないみょん。」 「・・・・・・『ガクガクブルブル』。」 「そうかみょん。こわがらせてわるかったみょん。なにもしないからゆっくりするみょん。」 その言葉と同時に、割りばしありすは気を失った。 一方同じ頃、お帽子に穴をあけられた、元川渡り大好きまりさは、未練が捨てられないのか、河川敷にやってきていた。 寂しそうにじっと川を眺めていると、堤防の地面に穴を掘って暮らしている川まりさ達が、うじゃうじゃと這い出てきた。 慣れた風にお帽子に乗って、川の水草を収穫し始めるのが見える。 岸の近くでは、子まりさ、赤まりさ達が水に浮く練習をしている。 その微笑ましい姿は、孤児ゆっくりであることと併せて、ますますまりさをゆっくりさせなかった。 「ゆぅぅ。まりさもおぼうしにあなさんがなかったら、いっしょにゆっくりできたのに・・・。」 保育まりさのゆっくりした表情を思い出すたび、憎悪が餡子の奥まで煮えたぎらせる。 と、その時、川に架かった橋の上から人間さんの子供の声が聞こえてきた。 「あ、ゆっくり達が川に浮いてるぞ。」 「石投げようぜ、石。」 「男子達ったら野蛮ね!」 「でも、父ちゃんが『川に住むゆっくり達はクズばっかりだから、ぶっ殺しちまえ』って言ってたぜ。」 「ほらー。やっぱりいいんじゃねえか。触美も優等生ぶってんじゃねえよー。」 「むー。」 間もなく、川に浮かぶゆっくり達に大量の石つぶてが降り注いだ。 「ゆぁぁぁあああ!やめてね!いしさんはゆっくりできな『ボチュッ』・・・」ぼちゃん・・・。 「ゆゆっ!はしさんからはなれるよ!ゆんせ、ゆんせ!」 何とか橋から離れると、所詮は小学生の肩。 ゆっくり達には石つぶても届かなくなった。 「ちぇっ、つまんねえのー。」 「こりゃー!川に石を投げちゃいかーん!わしらに当たったらどーするつもりじゃー!」 「やっべ!みんな逃げるぞー!」 川のど真ん中にはいつの間にか、二人乗り程度の手漕ぎボートが浮いていた。 船上には、ゆっくり型の帽子をかぶった老人夫婦が乗っている。 ボートには、『河川管理』と書かれていた。 「それじゃあ、M枝。そろそろはじめるぞい。」 「はいはい、わん五郎さん。準備できてますよ。」 「うおほん。本日は晴天なり、本日は晴天なりー。えー、ゆっくりしていってね。ゆっくりしていってね。」 「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」 わん五郎爺さんの挨拶に合わせて、川に浮かぶまりさ達も元気よく挨拶を返し、 その拍子に全員がオール(として使っている木の棒)を口からぽろりと落とした。 「「「「「「まりさのゆっくりしたおーるさんがぁぁぁああああ!!!」」」」」」 完全に自力での移動手段を失った川まりさ達。 彼女たちが川の流れに任せてゆっくりと流れていく中、老夫婦は、先端に発泡スチロールの浮きをくくり付けた、 T字型の道具を取り出す。校庭の整地に使われる、トンボという道具に似ている。 「ゆっくりたすけてね!まりさはかわいそ『とんっ。ぼちゃん。』・・・。」 そして、逃げ場のない川まりさ達を、一匹一匹丁寧にお帽子から突き落としていく。 「やめてね!まりさをつきおと『とすっ。ぼちゃ。』・・・。」 「まりさにはかわいいおちびち『とん。ぽちゃん。』・・・・。」 「やじゃぁぁぁあああ!まりさしにた『とすんっ。ぼちゃん。』・・・。」 突然川の中央付近で生まれた地獄のような光景から、穴帽子まりさが目を離せないでいる中、 川岸周辺で水に浮く練習をしていた子・赤まりさ達は、自分達もオールを失いながら、 命からがら岸までたどり着き、ゆっくりしたお父さんまりさ達がなすすべもなく水中に突き落とされる姿に絶叫していた。 「ゆあーん。どうちてしょんなことしゅるのぉぉおお!」 「ぴゃぴゃー。ゆっくちにげちぇぇぇぇえ。」 「おとーしゃぁぁぁん。ゆっくちしちぇぇぇぇ。」 ゆっくり達が絶叫し続けるその背後では、なぜか毎週決まった曜日・時間帯に現れる、 くたびれたスーツを着た中年サラリーマン達が、河川敷に集結し始めていた。 全員が、その手に金属バットかゴルフクラブを持ち、豪快に素振りを繰り返している。 相当な回数素振りをしているはずだが、その表情は全く歪むことがない。 その後まもなく、河川敷では絶叫に包まれたゴルフの練習が始まった。 降り注ぐ餡子の雨の中、穴帽子まりさは、餡子の泡を吹いて気を失ったのであった。 朝のご挨拶を強行しようとしたために、喉をつまようじでつぶされたゆっくり達は、 朝の元気なご挨拶と同時に、おうちの上からボウリング球を落とされつぶされたれいむ一家を見た。 あまあまを欲しがったために味覚を奪われたぱちゅりー達は、あまあましか食べられなくなり、 草さんも虫さんも吐き出してゆっくりと餓死した赤ゆっくり達を見た。 3日目の朝。 町での生活を生き延びた孤児ゆっくりはおよそ3割。 その全員が『ほいくえん』に戻ってきた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「まりしゃおにぇーしゃん、いままでわがままでごめんにゃしゃいぃぃ!」 「ゆっくりありがじょぉぉおおおごじゃいまじだぁぁぁ!」 「ゆんゆん。まりさもこれまでみんなに酷い事してごめんね。」 卒業試験の前まではあれほどゆっくりしていなかった子ゆっくり達。 しかし、全ては保育まりさの愛の鞭であったことを知った孤児ゆっくり達は、 そのあふれる愛に包まれてとてもゆっくりしていた。 『ほいくえん』、それは、町に住むゆっくり達の絆の象徴なのである。 「全ては計画通りだよ。ゆっふっふっふぅ。」 こうして保育まりさは、一年また一年と、安全な『ほいくえん』から離れることなく、 卒園生から贈られるあまあまと、自分の暗い性欲のはけ口を確保していくのであった。 まあ、こんな感じで町の赤ゆっくり達は大きくなっていきます。 さすがに赤ゆ一匹で生き延びれるほど甘くはないですよね。 ちなみに、この『ほいくえん』の敷地の入口には、『餡生物個体数調整地』と書かれた看板が掛かってます。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. 本作品 (おまけ) 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 挿絵 byM1 D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 「やあまりさ君」 「なんかようがあるの」 「突然だけど、君クビね」 「うそ・・でしょ」 「本当たよ」 「そして、園児にやってきたこと君にもやる」 そして、保育まりさは、自分が園児にやったことをうけた。 そして園児は元保育まりさにいままでの鬱憤をぶつけた 「しね!ゆっくりできなくしたゆっくりはしね!」 「ぼうしをびーりびーりしてあげるね。」 「むきゅ、うんうんをたべなさい」 「ゆっくりできないからだにしてあ・げ・る」 -- 2015-08-23 18 36 01 理想個体の厳選かな? -- 2015-02-01 22 56 10 いいゲスもあるんだねww -- 2014-05-06 17 17 39 まちがえるな -- 2013-11-08 22 05 58 このまりさはゲスな本性だが結局は善行やってるから憎めないな -- 2012-11-27 23 00 55 「みょーーんみょーーんこのきょういくまりさをロリコン・変態ようぎでぺにぺにつぶしのけいだみょん! -- 2012-09-10 01 24 54 川さんは死亡フラグ←吹いてしまった。 -- 2011-12-11 00 25 22 全部殺せよ -- 2011-01-17 11 42 49 赤ゆっくりにとってはいい学校いい学び舎でよかったじゃないか。 ここ育ちのゆっくりなら飼いやすそう -- 2010-10-31 11 41 17 調整も何も個体数0でいいだろ。動くゴミなんだから -- 2010-10-25 17 43 11 ゆっくりの愚かさと、付け焼き刃のような賢さの対比が面白かった 虐げるにも、愛でるにも向いたD.O.さんのゆっくりは兎に角ゆっくりできるなぁ -- 2010-09-19 21 13 53 ゴルフに興じるサラリーマンがテラシュールwゆっくりを撃ってんのかw -- 2010-07-30 05 35 24 保育士まりさのぺにぺにぎんぎんのとこで吹いたわww 趣味かよww -- 2010-07-24 21 14 05 がんばれ -- 2010-07-12 01 54 11
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/458.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道/コメントログ」 がんばれ -- 2010-07-12 01 54 11 保育士まりさのぺにぺにぎんぎんのとこで吹いたわww 趣味かよww -- 2010-07-24 21 14 05 ゴルフに興じるサラリーマンがテラシュールwゆっくりを撃ってんのかw -- 2010-07-30 05 35 24 ゆっくりの愚かさと、付け焼き刃のような賢さの対比が面白かった 虐げるにも、愛でるにも向いたD.O.さんのゆっくりは兎に角ゆっくりできるなぁ -- 2010-09-19 21 13 53 調整も何も個体数0でいいだろ。動くゴミなんだから -- 2010-10-25 17 43 11 赤ゆっくりにとってはいい学校いい学び舎でよかったじゃないか。 ここ育ちのゆっくりなら飼いやすそう -- 2010-10-31 11 41 17 全部殺せよ -- 2011-01-17 11 42 49 川さんは死亡フラグ←吹いてしまった。 -- 2011-12-11 00 25 22 「みょーーんみょーーんこのきょういくまりさをロリコン・変態ようぎでぺにぺにつぶしのけいだみょん! -- 2012-09-10 01 24 54 このまりさはゲスな本性だが結局は善行やってるから憎めないな -- 2012-11-27 23 00 55 まちがえるな -- 2013-11-08 22 05 58 いいゲスもあるんだねww -- 2014-05-06 17 17 39 理想個体の厳選かな? -- 2015-02-01 22 56 10 「やあまりさ君」 「なんかようがあるの」 「突然だけど、君クビね」 「うそ・・でしょ」 「本当たよ」 「そして、園児にやってきたこと君にもやる」 そして、保育まりさは、自分が園児にやったことをうけた。 そして園児は元保育まりさにいままでの鬱憤をぶつけた 「しね!ゆっくりできなくしたゆっくりはしね!」 「ぼうしをびーりびーりしてあげるね。」 「むきゅ、うんうんをたべなさい」 「ゆっくりできないからだにしてあ・げ・る」 -- 2015-08-23 18 36 01
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3124.html
『にんっしんと赤ゆのそれぞれ・卵生型』 13KB いじめ 観察 不運 日常模様 妊娠 番い 赤ゆ 自然界 現代 人間なし 独自設定 ぺにまむ ラスト 16作目 短編の集まりみたいなものなので前作を読まなくても問題ない、はず *注 多数のリスペクト(パクリとも言う)あり ・ゆっくりの性行為あり 独自解釈多数 ・ストーリーなど、無い ・テンプレ万歳! 『にんっしんと赤ゆのそれぞれ』 ケース3:卵生にんっしん(野生ゆっくり) 自然、それは母なる大地であると同時に厳しい環境をも併せ持った世界だ。 とある場所にある森、そこもまた肥沃とは言えぬ、厳しい環境にあった。しかしそんな場所にも野生ゆっくりは生きている。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎ!うばれるぅぅぅぅ!!」 「がんばってね!れいむがんばってね!」 今、ある木の根元に住む野生ゆっくりの番が出産を迎えようとしていた。母体の親れいむのお腹はプックラと膨れており、十分な大きさだ。 親れいむは歯を食いしばり全身から汗のような液体を流しながら力んでおり、その呼吸も荒い。 「ゆぎぎいぃ!!ゆぶふぅぅぅ!!」 「がんばって!まりさがついてるから!がんばってね!」 「れいむがんばるよぉぉぉ!!!ゆっぎいいいいいいいいい!!!」 番の親まりさが親れいむに励ましの言葉を送り、ハラハラとしている。親れいむもそれに答えるようにお腹に力を入れており、そのまむまむが徐々に開き始めた。 だが、そこから見えるのはおちびちゃんではなかった。 「ゆ~ん!ゆっくりしたたまごさんだよぉ!れいむ、あとすこしだよぉ!!」 「ゆっぐうううぅぅうぅ!!」 親まりさが言うように、親れいむのまむまむから覗いて見えているのは卵であった。 大きさは鶏のそれよりも2周りほど大きく、表面が砂糖菓子のようになっている。 「ゆっぎいいいいいぃぃぃ!!」 すぽん! そして親れいむが一際大きく力んだその瞬間、スッポーン!と卵が親れいむの開ききったまむまむから転がりだした。 「ゆ~!!うまれたよぉ!たまごさんがゆっくりうまれたよぉ!!」 それを親まりさが優しくキャッチし、嬉しそうにすりすりする。 「ゆっぎぎぎぎぎぎぎぎ!!」 「ゆっ!つぎだね!!」 だが親れいむの方はそんな余裕は無さそうだ。休む間もなく、次の卵をひりだし始めていた。 ・ ・ ・ 「ゆふゅ・・・・・・ゆふぅ・・・・」 「ゆっ、ゆうっ、しょっと!」 数分後、そこには卵を全部産んだことで疲れきっている親れいむと、その卵を大事そうに扱いながら、草で編んだ特性のベットへと移している親まりさの姿があった。 「れいむのかわいいたまごさん・・・・・・あかちゃんがたのしみだよぉ、まりさ・・・・・・」 「そうだね・・・それまでだいじにあたためてあげないとね、れいむ」 親れいむは消耗しながらも、慈しむ表情で嬉しそうに卵を見ながら話している。親まりさの方も、そんな声に答えながら器用に舌を使って卵をベッドへ移し続けている。 このゆっくりの卵、実はあまり見られないものだったりする。 卵生にんっしんは植物型のそれと比べると母体のゆっくりにかかる負荷が大きく、必要なエネルギーも多い。 そのくせ生まれる子供は胎生型のように丈夫で優秀とは言えないのだ。 卵として産むことで母体と子供が早々に切り離されることになり、餡子の量と鮮度が限られることが原因だ。 だがメリットも当然ある。 「あしたのかりはまりさひとりにまかせて、れいむはゆっくりしてね」 「ゆぅ~・・・そうするよ。でもそのつぎからはれいむもてつだうよ」 「むりはしないでね、れいむ?」 「だいじょうぶだよ、まりさはしんぱいしょうだね」 それは母体のゆっくりが自由に動けるようになるまでが早いということだ。 卵自体はすっきりをしてから数日で産まれる。その後は他のにんっしん形態のように行動を縛られるということが無いのだ。 つまり早々に動けるようになり、その分狩りなどの番にかかる負担が少なくて済む。 結果、痩せた土地や冬場で餌が少ない時など、そんな時にこの卵生にんっしんは選ばれることになる。 まあ、そんな場所や時期に子供を産もうとするゆっくり自体少ないのだが。 「あかちゃん、たまごさんのなかでゆっくりそだっていってね」 「おとうさんたちがまもってあげるからね、すーりすーり」 ベッドに置いた卵に両親は愛情を込めたすーりすーりをしている。 その両親の体温とベッドの暖かさ、それらを受けながら卵の中で赤ゆっくりはゆっくりと育っていくのだ。 もっとも、 「うー!うーー!!」 「れみりゃだぁぁぁ!?れいむ!はやくにげ 」 「ゆひいぃぃぃ!?まりさぁぁ!?」 「うー!」 「だめぇ!やべでぇぇ!?!?れいむたすけてぇ!!」 「まりさぁぁぁ!?」 「う~~~~!!」 「やだぁ!れいむはたまごさんを!あかちゃんがうまれるまでいきないとダメなのにぃ!ゆああああぁぁぁぁ!!?」 それまで両親が生きていられれば、という条件がつく。 子供が生まれる前に番揃って狩りに出ることができるということは、番揃ってその命を落とす可能性もある、ということだ。 このケースでの両親は捕食種に襲われその命を落とした。 結果、彼女たちの巣である木の根元の穴には未だ生まれるまで時間がかかる卵だけが残される。 しかしこの卵、決して生まれることができないという訳ではない。これも卵生にんっしんの場合のメリットと言えるだろう。 だがその場合、卵から子供達が生まれるのは容易ではない。 ほとんどが生まれる以前に死に絶えるのだ。 ・ ・ ・ (ゅぅ・・・・・・ゅ・・・・ゅぅ・・・・・・・) れいみゅはその卵の中にいた。未だ赤ゆっくり未満のサイズであるれいみゅだが、思考や体は形を成し始めている。 卵の中は餡子に満ちており、それをれいみゅは肌から直接吸収することで成長していた。 このままいけばれいみゅは元気に生まれ出ることができただろう。 だが、 (ゅ?しゃみゅい?) その望みは無さそうであった。れいみゅはある時から寒さを感じるようになり始めたのだ。 それはれいみゅが入っている卵が冷え始めている証拠である。れいみゅの卵はベッドの外側の方にあり、外気に直接ふれる場所だったのだ。 そのためいつもならば両親のすーりすーりで保たれる卵の温度が、日数が経つにつれ徐々に冷えていっている。 (ゅぅぅぅ・・・しゃみゅい・・・・ぽかぽかしゃんは?・・・・・・・ぽかぽきゃ・・・ゆぅぅ・・・) れいみゅの体はまだ小さく、自分自身の体温で温度を保つことができない。外部から卵を温めてやらねば、れいみゅが感じている寒さは緩和されないのだ。 むしろ現状ではどんどんとその寒さは強くなっていくだけである。 (しゃみゅい・・・・・・しゃみゅいよぉ・・・・・・) れいみゅは一向に暖かくならないことを嘆くが、卵を温めてくれる両親は今頃うんうんとなっている。 (しゃみゅ・・・・・・しゃみゅしゃみゅ・・・・・・・しゃむ・・・・・・しゃ・・・・む・・・・・・・) 徐々にれいみゅの思考は鈍くなっていく。卵だけでなく、れいみゅの体内の餡子までも凍え始めたようだ。 れいみゅの皮は卵の餡子を直接吸収するために薄くなっている。そのため卵が冷えることはそのままれいみゅ自身が冷えることに繋がっていた。 (しゃみゅ・・・・・・ぃ・・・・・・) れいみゅの餡子は奥の奥までどんどんと冷えていく。そして温度低下により、れいみゅの小さな中枢餡の働きも徐々にその機能を停止していく。 (ゅ・・・きゅぃ・・・しちゃ・・・・・・・) れいみゅの周りにはゆっくりにとって万能薬である、餡子というあまあまがまだ大量に存在している。 だがあまあまはケガや病気には効果があっても、寒さを和らげることもれいみゅの体温を上げることもできない。 今のれいみゅに必要なのは温もりであり、そしてそれは両親亡き今では決して手に入らないのだ。 (・・・ゅ”・・・・・・・ゅ・・・・・・) 結局れいみゅはそのまま寒さでゆっくりできなくなり、生まれることなく永遠にゆっくりした。 ちなみに同じ死に様をしたのはれいみゅ1匹だけではない。 ベッドの外周部に置かれていた卵、それら全ての中身は同じく寒さにヤラれ、永遠にゆっくりしていた。 無事なのは運良くベッドの内側に置かれていた卵のみであり、それらは死した卵によって外気から守られている。 だが、それらにも別の受難が待ち受けているのだ。 ・ ・ ・ 暫く時は過ぎ、ベッドの内側に置かれていた卵、そのなかの一つがピクリピクリと動き始める。 「ゆっ!ゆっきゅり!まりちゃうみゃれるよ!!」 その卵の中では、餡子を全て吸収しきって成長したまりちゃがいた。 まりちゃの体は赤ゆっくりと呼んで問題ない状態になっており、後は殻を破って外へと飛び出すだけになっている。 「ゆ~、ぺーりょ、ぺーりょ」 まりちゃは本能に従って卵の殻を内側から舐めることで溶かしていく。 「ぺーりょ、ぺーりょ・・・ゆふぅ、ちょっとつかれちゃったよ」 まりちゃは小休憩を挟みながら動いている。卵の殻は砂糖で出来ているため栄養価が高い。それは殻を舐め溶かすための体力補給の効果があるのだ。 「まりちゃがんばりゅよ!」 少しの休憩をしたまりちゃは再び殻をぺろぺろして溶かしていく。そのペースは実にゆっくりであり、舐めては休みの繰り返しだ。 それでもゆっくりゆっくりと舐め溶かしていき、着実に殻が薄くなり始めたその時、 ぴきぴき 「ゆ?」 卵が勝手に割れ始め、ヒビが広がり始めた。 「ゆぅ~~!!てちゅだっちぇくれちぇるんだにぇ!まりちゃもがんばりゅよ!」 そのことを、まりちゃは両親が手伝ってくれているのだと判断した。まりちゃが生まれるのに気が付き、石などで突っついてくれているのだろう、と。 外部のことなど分からないのだから無理はない勘違いだが、実際には両親はすでに土に返っているころだ。 当然それは両親による手伝いなどでは無い。 ぴきぴきぴきぴきぴきっ 「ゆぅ~ん!まりちゃみょまけにゃいよ!ぺーりょぺーりょ!」 ヒビが広がっていくことにまりちゃは勇気づけられ、一層舐める速度を上げていく。 外から手伝いがある、それはつまり自分が早く生まれることを求められているのだ、という思いがまりちゃにはあった。 そのためまりちゃには、ヒビから漏れてくる外の光が自分を迎えてくれているように思えてならなかった。 ぴきぴきっ びき びっき! 「ゆんっ!ゆんっ!ぺりょぺりょ!ぺーりょぺりょ!」 ヒビはどんどんと広がっていく。そして次の瞬間 べき ぐしゃ!! 「ゆ?ゆぶぅぅぅぅぅぅ!?」 卵の殻が『内側』に割れ、まりちゃを押しつぶすように何かが圧し掛かってきた。 「たまごしゃん!?にゃんでぇぇぇ!?どいちゃよぉぉぉぉぉ!!?」 それはまりちゃとは別の卵の底だった。まりちゃの卵はベッドの底の方に位置していた。 結果、まりちゃの卵よりも上にある姉妹の卵の重さで、まりちゃの卵が押しつぶされたのだ。 外に出ようと殻を舐め溶かして薄くしてしまったための不幸である。 「ゆぅぅぅぅ!!おみょいいぃいぃぃぃ!!ゆっぐぅぅぅぅ」 その卵はまりちゃの体を半分潰すような形で圧し掛かっていた。そのためまりちゃはその重みでそれ以上動くことができないでいる。 まりちゃがその状態から脱出して助かるには上の姉妹が生まれて、かかる重さが軽くならないといけない。 「ゆぶぶぶぶ・・・・おみょいぃ・・・・・・・・ゆげぇ・・・あんこしゃんがぁ・・・ゆげえぇぇ・・・・」 が、それまでまりちゃが持つ可能性は低そうだ。すでに重さに耐えかねてまりちゃは餡子を吐きはじめていた。 殻という元々密閉されていた空間の内側に向かって潰されたことで、まりちゃの餡子は最小限しか吐けないでいる。 だがそれは助かる可能性が上がったわけではない。死ぬこともできなくなっただけだ。 「ゆぐぅぅぅ・・・・・・・おにゃかしゅいちゃぁ・・・・・・おみょいぃぃ・・・・たしゅけちぇぇ・・・・・・」 まりちゃはこの後、何も食べれない飢えと圧迫される苦しみを存分に味わうことになる。 その上、その状態は体力が尽きるその時まで続くのだ。それはきっと、何一つゆっくりできない時間になることだろう。 ・ ・ ・ 結局、このケースではほとんどの卵が途中で寒さ等の要因によって生まれるまでいかずに死んでしまっていた。 しかしそれでも、運がいい卵というものも存在している。 かたっ かたかた 押し潰されたまりちゃの卵、それとは別の卵が動いている。 ぴきっ ぴきっぴき ぴきき ぴきぴきぴき そしてその卵は、内側からノックされているかのように揺れ、表面にヒビを生やしていく。 ヒビは広がっていき、卵全体にそのヒビが広がった次の瞬間、 パリっ ぽんっ! 「ゆ~~~~~!!」 殻をやぶって1匹の赤れいむが外へと飛び出した。 そしてしっかりと地面に着地すると、その頭に卵の殻の一部を乗っけたまま、元気よく 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」 その産声を響かせた。 その赤れいむは可愛さアピールのつもりなのか、目をつぶって体をクネッとさせたポーズを取った状態で停止している。 どうやら両親や姉妹からの返事を待っているようなのだが・・・ シーン・・・ 「・・・・・・ゆ?」 残念ながらその期待に答える存在はどこにもいなかった。 赤れいむの後ろにある卵の山、それらも赤れいむのように生まれていい時期なのに、どれ一つとしてピクリとも動いていない。 両親はもちろん、他の姉妹についても駄目なようだ。 「ゆぅ・・・?ゆっくりしちぇいってにぇ・・・・・・?」 違和感を感じた赤れいむがつぶっていた目を開けるが、そこに広がる光景は誰もいない巣の中の景色だけだ。 動くものが自分以外いないその場所に、赤れいむは1匹だけポツンといる。 このケースでの親れいむと親まりさは自分たちの子孫を残すことに成功した。 1匹だけとはいえ無事に卵から赤ゆっくりが孵り、そのあんよを大地につけたのだから。 「ゆ??ゆゆゆ???・・・・・・・・・・・・おちょうしゃん?おきゃあしゃん?れいみゅ、ゆっくりきゃわいくうまれちゃよ・・・・・・・・・・・・????」 もっとも、せっかく生まれた赤れいむがこの後も無事に成長できるかどうかは分からない。 親の庇護も知識の継承も無い赤れいむでは、むしろ途中で死ぬ可能性の方が高いだろう。だが0ではない。 生き抜けるかどうか、それは赤れいむ自身の問題であり、すでに死んだ両親にはどうすることもできないのだから。 「みんにゃ、どきょ・・・・?ゆ・・・・・・・・???」 自然の基本法則は弱肉強食である。 それは優しさと同時に厳しさをも併せ持った、誰にも平等な世界だ。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 以上、様々なケースでの例を見てもらった訳だが、どうであっただろうか? 大体のケースで子供は死ぬ。どのような環境でも、ゆっくりには生き難い世界なのだ。 だが、 ―― ゆっきゅりしちぇいっちぇね! ―― ゆっくりしてね、おちびちゃん! ―― ゆっくりしていってね!! それでもゆっくりは子供を作り育て、今でも尚、その脆弱な体で一生懸命に生き続けている。 いつかきっと、ゆっくりできる時が来ると信じて・・・ ~終~ ~おまけ~ ケース論外:分裂 「さぁ!おたべなさい!!」 「・・・・たべないとぉ」 「「 ふえちゃうぞ!! 」」 「「「「 ふえちゃうぞ!! 」」」」 「「「「「「「「 ふえちゃうぞ!! 」」」」」」」」 「「「「「「「「「「「「「「「「 ふえちゃうぞ!! 」」」」」」」」」」」」」」」」 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「 ふえちゃうぞ!! 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 「誰か!!!誰かぁ~~!!手伝って!誰か手伝ってぇ!!潰さないと!早く全部潰さないと!!!埋まる!世界が埋まっちゃう~~~~~~!!!!」 ~おまけ 終~ 後書き 自分はこれが一番QNQNするんです 過去の作品 anko2643 ある変わったれいむのお話 anko2658 もの好きなゆっくりの日常 anko2677 アグレッシブてるよ anko2682 オーソドックスなものたち anko2704 アクティブこまち anko2711 妖精たちの幻想郷 anko2716 足りないものが多いぱちゅりー anko2823 愛するが故に anko2840 ポジティブぱるすぃ anko2858 スカーレット・チャレンジャー 前編 anko2859 スカーレット・チャレンジャー 後編 anko2872 ゆ食世界の風景・朝食 anko2891 ゆ食世界の風景・昼食