約 5,754 件
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1194.html
赤ゆっくりには罰を 13KB 虐待 誤解・妬み 妊娠 ツガイ 飼いゆ 赤子・子供 現代 オリジナル性皆無です ペットショップで二匹のゆっくりを買ってきた。 れいむとまりさの子ゆっくりだ。 リボンとお帽子には銀バッジが輝いている。 ゲージの中ですやすやと眠る二匹は天使のように思えた。 社会人である男は、一人暮らしの寂しさを埋めるようにゆっくりに愛情を与えた。 そして、半年が過ぎた。 二匹はすくすくと成体にまで育った。 飼い主である男に甘え、時にはささいな悪戯をして叱られ、 それでも二匹は幸福に包まれながら成長した。 そんなある日、二匹はきりりとした表情で男に向かってこう言った。 「「おにーさん、れいむ(まりさ)たちはおちびちゃんがほしいよ!」」 二匹はぷるぷると震えつつも、飼い主の男から目を逸らさずにいる。 男は二匹にすっきりを禁じていた。 二匹が居れば寂しくなどなかったし、これ以上増えれば世話が煩わしくなるからだ。 「すっきりをしたら捨てる」そう言いつけて育てたと言うのに…… 「なぁお前たち――」 「「れいむ(まりさ)たちはすてられてもいいよ!!!」 「!?」 男が二匹を諭そうとした瞬間、二匹は大声を発した。 驚いて動きを止めた男に向かって、二匹はまくしたてる。 「れいむはおちびちゃんがほしいんだよ!」 「まりさたちはふたりでもちゃんといきていけるよ! おにいさんがいなくてもだいじょうぶだよ!」 「れいむたちにもゆんせいがあるんだよ! おちびちゃんがほしいのにがまんしなきゃいけないなんてりかいできないよ!」 男のこめかみに青筋が立った。 なんだと言うのだ、こいつらは! 赤ゆっくりの頃から面倒を見てやった俺がいらないだと! 大人になったらジジイはいらねぇってことか! 胸のうちに激しい怒りが込み上げるが、それは直ぐに沈殿する。 子供が欲しい、という欲求は生き物として当然のものだ。 こいつらは悪くない。悪くない…… 「ゆ……おにーさん?」 俯いて黙り込んだ男を伺うようにまりさが覗き込んだ。 男はバッと顔を上げる。 そこには有無を言わさない真剣な表情が浮かんでいた。 「お前らの言い分はよくわかった」 「ゆ! それじゃあ!」 「おちびちゃんをつくってもいいの!?」 二匹が喜色満面の笑顔を見せる。 「ちょっと待ってろ。お前らを捨てる準備をしてくる」 「「ゆゆっ!?」」 男の言葉に二匹が驚愕した。 「どうした?」 「お、おにーさん……?」 「れいむたちをほんとうにすてちゃうの?」 「お前らがそう言ったんだろう」 言い捨て、男は家から出て行った。 残された二匹はしょんぼりと気落ちする。 「まりさたちすてられるんだね」 「うん……おにーさんゆるしてくれるとおもったのに……」 「でもおちびちゃんはほしいよ」 「ゆん……」 二匹は別に嘘を言っていたわけではない。 だが、捨てられてもいいという覚悟を見せればすっきり禁止を解いてくれると思っていたのだ。 それだけにショックは隠しきれない。 今まで大切に育ててもらった恩を仇で返したようで申し訳ない。 二匹のゆっくりは悲しみに暮れ、それでも子供への執着も捨てきれず、 結局このまま素直に捨てられる事に決めた。 翌日。 男は二匹の飾りから銀バッジを外した。 二匹は反発せずされるがままだった。 「ごめんね……おにーさん」 「れいむたち、わがままいってごめんね」 二匹の言葉に男は何の反応も見せなかった。 ゲージの中に二匹を入れる。 男が二匹を運んだのは自宅の庭だった。 そこには大型犬用の小屋があった。 その前で二匹を放す。 「ゆゆっ!?」 「おにいさん、これって?」 「ここを巣にしろ。人間の家の庭ならどこよりも安全だろう。 だが餌はやらんからな、自分たちでなんとかしろよ」 男はそう言い残して二匹を背にして家の中に戻っていった。 てっきり遠い山の中にでも捨てられると思っていた二匹は喜びを体言するように跳ね回った。 「ゆゆ~ん! おにいさんおこってなかったよ!」 「よかったよれいむ~! またおにいさんにあえるよ~!」 体を密着させる二匹、すりすりと喜びを分かち合う。 そこで気づく。 もうすっきりしてもいいんだ。 まりさのぺにぺにが天を突いた。 れいむの顔は蒸気しまむまむが湿り気を帯びる。 二匹は小屋の中へもつれ合うように入ると情熱的なすっきりを開始した。 そして30分後。 れいむの額から1本の茎が生え、ゆっくりの実が結ばれていた。 「ゆっゆっゆっ~、まりさのあかちゃん~」 「ゆっくりしていってね~♪」 まだ青い実の状態だと言うのに二匹とも嬉しさのあまりはしゃいでいた。 と、その時れいむの腹の虫が鳴った。 「ゆっ! おなかすいたね!」 「そういえばそうだね! おにいさんに……」 まりさはハッと口を噤んだ。 そうだった、まりさたちは捨てられたんだった。 餌は自分で調達しなければならない。 「ゆっ! れいむはここでまっててね!」 「まりさ……」 「まりさにまかせてね! ここのにわさんはひろいからむしさんもいっぱいいるよ!」 まりさは張り切って小屋から出た。 これで晴れて番になったのだ。 れいむの旦那さまとして頼れるところを見せてやるんだぜ、と表情をきりりとして見せた。 「ゆ~ゆゆ~んゆ~ん♪」 まりさは日の光の下、自由を満喫するように庭を探索する。 すると、バッタが草に止まっているのを発見した。 「バッタさんはまりさのごはんになってね!」 宣言して大きな口にぱくりとバッタを入れる。 歯でそれをすり潰した瞬間、苦味が全身の餡子に走った。 「ゆっぺぺぺぺぺ~!!!」 咄嗟に口の中のものを吐き出すまりさ。 飼いゆっくりとして甘さ控えめのペットフードを食べてきたまりさ。 それでも甘いものは甘いもの。 苦いものなど食べたことのなかったまりさは、虫がこんなに不味いとは創造だにしてなかったのだ。 「ゆぅ~どうしてぇ~?」 ゆっくりは親子間で少しではあるが記憶が伝達される。 まりさの親のゆっくりは野良で虫さんはゆっくりできると記憶していた。 その記憶との齟齬にまりさは泣きそうになる。 「ゆゆ~……ゆっ、おはなさんがあるよ!」 庭の花壇には色とりどりの小さな花が咲いていた。 まりさはさっそく口に含む。 「ゆっ! ゆ~ん、ふしあわせ~……」 花には甘味もあったが青臭くて苦い味も強く、 吐き出すほどではないが美味しくなかった。 「ゆ~……こんなのれいむに食べされられないよ……」 意気消沈するまりさ。 先ほどまでの元気が嘘のようになくなり、眉を八の字に曲げる。 ぽよんぽよんと跳ねて、それでも何か食べられるものを探す。 すると、庭の緑に際立つほど浮く白くて丸い拳大の物体を見つけた。 それが5つほど無造作に転がっている。 訝しがって舌でつつくと柔らかな感触。 食てみる。口の中に広がる濃厚な甘さ。 「ゆぅ~~~~~!!! しあわせえええええええ~~~~~~!!!」 それは饅頭だった。 だが、生粋の野良だった親も、飼いゆっくりとして育てられたまりさも饅頭の事は知らなかった。 なんだか知らないけど美味しいものが庭にあった。 まりさは喜んでそれを口に含み小屋に持って帰った。 れいむも饅頭の存在は知らないようだった。 食すと跳ね上がるほどの舌鼓を打った。 二匹はそれを今と夜に分けて食べ、存分にゆっくりして眠った。 翌日以降も庭には饅頭が5つ転がっており、まりさは狩りの成果としてれいむに届けた。 れいむはまりさを英雄のように褒め称えた。 雨の日もあった。 饅頭は小屋の屋根の下に入るように転がっていた。 きっと雨宿りしていたに違いない、とまりさは勝手に納得しつつそれを狩った。 飢えることなく、二匹の蜜月は過ぎていった。 二週間後、ついに出産の時を迎えた。 まりさは帽子を脱いでれいむの茎の下に置いた。 クッション代わりである。 「ゆぅ~~もうすぐうまれるよ~~」 「おちびちゃん、ゆっくりはやくうまれてきてね~」 れいむの茎がゆさゆさと揺れている。 こどもたちが体を揺らして茎からその身を離そうとしているのだ。 そしてついに、ぽとりと赤ゆっくりがひとつ落ちた。 赤れいむだった。 両親はごくりと固唾を飲んで赤ん坊を見守る。 今すぐにでも「ゆっくりしていってね!!!」と叫びたい。 しかし先ずは赤ん坊から声を掛けてくるのを待たなければならない。 それがゆっくりのルールだった。 「ゆ……」 「「ゆ……?」」 目を瞑ってぷるぷるしている小さな赤ゆっくりが口を開き始めた。 両親は期待いっぱいにその動向を見守る。 そして、赤ゆっくりは言い放つ。 「ユギャギャギャギャギャギャアアーーーー!!!!!!」 赤ゆっくりとは思えぬ音量で奇声を上げ、どろりと融解した瞳を見開き、 その小さなれいむは死んだ。 両親は呆然と間を置いた後、目を円くして叫んだ。 「どぼじてえええええええええええ!!! なんででいむのあがぢゃんじんぢゃったのぉおおおおおおおおおおお!!?」 「ゆぎゃああああああああああ!!? きぼじばるぃいいいいいいいいいいい!!!」 まりさはクッションにしていた帽子を加え、ぶんぶんと振った。 赤れいむが飛んでいき、小屋の壁にぶち当たった。 べちゃりと、まるで濡れたまんじゅうのようにグズグズの皮が付着した。 「でいむのあがちゃんんんんんん!!!!」 「ゆがあああああああああ!! くさいよおおおおおおおおお!!! ばりさのおぼうしざんがぐさいよぃいいいいい!!!!」 滝のように涙をながすれいむと、気が狂ったように自分の帽子をばんばん小屋の床に叩きつけているまりさ。 ゆっくりは死ぬとゆっくりにしか分からない死臭を放つ。 その臭いはとてもゆっくり出来るものではない。 まりさは染み込んでしまった死臭を取り除こうと必死に帽子を叩いていた。 「ゆゆゆ、うばれる! ばりさ! またうばれるよ!」 「ゆっ!?」 れいむが言うと、まりさは我を取り戻し、赤ん坊たちを注視する。 もう帽子を床に敷こうとは思わないようだ。 再び、ぽとりと一匹の赤ちゃんが落ちた。 今度は赤まりさ。 ぷるぷると体を震わせ、第一声を発する。 「ゆっきゅりちていっちぇね!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 両親が口を揃えて赤まりさに答えた。 今度はまともな赤ちゃんのようだ。 さきほどの赤ちゃんは何かの間違いだったのだ。 れいむとまりさは目を合わせて、安堵の笑みを浮かべた。 「ゆっくち! ゆっくち!!」 赤まりさがその場で体を揺らしている。 「どうしたの、おちびちゃん?」 れいむが尋ねると、赤まりさは小さな瞳から涙を流した。 「どぼじてあんよしゃんうごかにゃいにょおおおおお!!!」 「「ゆううううううううううう!!!?」」 ゆっくりは生まれた直後でも自分で動くことが出来る。 そうだと言うのにこの子は動けないと言うのだ。 両親は唖然として子供に声をかけることもできない。 そうしているうちにも子供は生まれてくる。 次に落ちてきたのは赤れいむだ。 赤れいむはぷるぷると震えた後、仰向けになって大口を開いた。 舌を天井に突き出して、目を大きく開いて、ぶるぶると震えている。 やがて顔色が紫色となり、そしてゆっくりと息を引き取った。 次に落ちてきたのは赤まりさ。 床に着地、と同時にふやふやのあんよがやぶけて餡子が床に広がる。 「ゆぐぢぃぃぃ……」 虫の声で呟くと、そのゆん生を終えた。 次に落ちてきたのは赤れいむ。 全身を震わせ、目を開いてきりりとお決まりのセリフを口にする。 「ゆっくちちていっちぇね!!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 両親の目が期待に彩られた。 今度こそまともな子だ! そう信じて疑わない眼差しが、すぐに絶望に縁取られた。 「ゆぅううううううう!!」 ころん、とその赤れいむは後ろに転がったかと思うと、 頭で倒立したままあんよをうねうねと動かしていた。 「もどりぇにゃいよぉおおおお」 「おちびちゃん!」 まりさが舌を使って赤れいむを元の体勢に戻す。 が、すぐにころんと転がり倒立状態に。 どうやらこの赤れいむは中のあんこのバランスが悪く倒れてしますようだ。 「もどしちぇええええええ!!」 「ゆぅううううう」 まりさがしどろもどろしているうちに、最後の赤ゆっくりが生れ落ちた。 赤まりさだった。 そのまりさは目を開くと、にやぁとだらしない笑みを浮かべた。 「ゆぎゅりぃ~~」 そして青虫のように体を曲げては伸ばして移動し、親であるれいむにぴとりとくっついた。 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃっ!」 よだれを撒き散らして笑うその赤まりさは、ひどく醜悪だった。 そして、子を産み終えたことを示すようにれいむの額に生えた茎が床に落ちた。 惨憺たる有様だった。 夢描いていた赤ん坊との団欒など見る影もない。 壁にへばりついて死んでいる赤れいむ。 足を動かそうと必死に体を前後に揺らして泣いている赤まりさ。 まるで窒息したかのよう紫色になって死んだ赤れいむ。 床に餡子を撒き散らして死んだ赤まりさ。 倒立状態で涙を流している赤れいむ。 青虫のように這い回り気色の悪い哄笑を続ける赤まりさ。 生きている赤ん坊は三匹。 だがこの赤ん坊は、あまりにも両親が望んだ赤ん坊からかけ離れていた。 「まりさぁー……」 「れいむ……」 希望などどこにもない暗い表情で互いを見合うれいむとまりさ。 ゆっくりできない。 と二匹が思ったところで、小屋の屋根が不意に外された。 「おー、生まれたみたいだな」 上から元飼い主である男が覗き込んでいた。 「おにいざんんーーーーー!!!!」 「でいぶのあがぢゃんだぢがああああああああああ!!!!」 どこから出るのか疑問になるほどの勢いで涙を流すれいむとまりさ。 男は小屋の様子を見回して、首を振った。 「あ~、ひでぇなこりゃ」 「おにいざんんんんーーー、ばりざのおちびぢゃんをだずげでぇええええええええ!!」 「いや、無理だ。死んでるし、先天的障害は治しようがない」 「おねがいじばすぅううううううう!!!」 「無理だってば……お前ら多分、まともな赤ちゃん作れない病気なんだな」 「どぼじてぞんなごというのおおおおおおおお!!?」 「ぼにいざんのばがあああああああああああ!!」 「ちゃんと見ろよ。六匹も生んで普通の赤ちゃん一匹もいないじゃんか」 「こでばちがうううううううううう!!」 「ぼにいさんはああ……」 まりさが食って掛かろうとしたところで、男は手のひらをまりさに向けた。 静止の合図だ。 「ま、それは置いといてだ」 「「ゆ?」」 「お前ら、飼いゆっくりに戻るか? 赤ん坊も連れてきてもいいぞ」 「「ゆゆゆゆゆ!!?」」 れいむとまりさが互いの顔を見合う。 戻れる? あの幸せーしかなかった家に戻れる? 戻りたいよ、戻りたいよ!! 「「おにいさん、もういちどれいむ(まりさ)をかってね!!!」」 「ああ、いいぞ」 そうして、二匹は再び飼いゆっくりになった。 ※ ※ ※ 子供を生みたいという欲求に罪はない。 だから男は二匹に子を生ませてやった。 ゆっくりできない子供を。 庭に饅頭を置いたのは、もちろんこの男だ。 饅頭には赤ゆっくりや子ゆっくりにだけ毒となる鬼意印の薬が含まれていた。 奇形ゆっくりが生まれたのはその為だ。 二匹が再び飼いゆっくりになって二週間が経った。 今男の家にはゆっくりが四匹いる。 れいむとまりさ。 歩けない子まりさ。 倒立してしまう子れいむ。 汚らしく涎を撒き散らして笑う赤まりさは、夜中のうちに男が始末した。 さすがにこんな汚物を置いておけるほど男の心は広くない。 男はれいむとまりさのことを気に入っていた。 二匹は男をゆっくりさせてくれていたし、男もゆっくりを与えていた。 その関係を崩そうとしたのが赤ゆっくり。 ならその赤ゆっくりに罰を与えてやろう。 男の中でそんな理論の飛躍がなされたのだった。 動けない子ゆっくり二匹は今、運動してじゃれ合っている両親を羨ましげに眺めている。 倒立れいむはきちんとした体勢で固定した簡単な歩行器に入れられていた。 ゆっくりはゆっくりすることを何よりも尊ぶ。 子供たちとおしゃべりしたり歌うこともゆっくりする手段だが、体を動かすこともゆっくりできることだ。 運動をしている時は完全に子供たちから無関心になる両親。 そして運動でいい汗をかいた後、子供たちとゆっくりを始める。 二匹とも、ゆっくりしていってね!!! 終わり なんか考えてた以上に〆がイマイチです…… トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 赤ゆへの欲求を断つという形で関係を修復したお兄さん 有能 -- 2016-01-08 01 11 49 倒立れいむの設定、他でもはやれ! -- 2014-05-09 08 36 39 ゆっくりすなわちゴミ奴隷 -- 2014-02-28 17 49 29 ↓↓↓おちびちゃんのときからかってたからきゃっしゅさんをたくさんつかったんだね。 ちぇんわかるよー。 どうかんがえてもおんぎさんをわすれてたんだね!わかれよー!! ちぇんわかるよー!にんげんさんはゆっくりしてたらおちびちゃんつくっていいって いってくれるんだね。 わからないよぉー!あんちさんはすれさんちがいだよ!! -- 2013-09-25 11 00 17 とてもゆっくりできました‼ -- 2013-07-18 13 30 42 涎撒き散らしてる奴ください!! -- 2012-10-03 07 39 20 親れいむとまりさにも罪は無いだろう。子供を作りたいのは生物としての本能で、飼いゆっくりなんてのはその本能を人間様()の都合のいいように捻じ曲げてるだけだ。 赤ゆの世話も人間がして当然と思ってるゲスは制裁されるべきかもしれんが、こいつらは結局捨てられることを潔く受け入れたし、飼い主への恩義も忘れてなかった。 こういう人間は、ペットを奴隷か何かと勘違いしてるんだろう。 -- 2012-09-17 07 14 23 Why? -- 2012-07-22 15 51 52 とってもゆっくりできました!!! -- 2012-02-26 14 52 14 障害関連はゆっくりできないよ…ゆっくり理解してね… -- 2012-02-13 18 12 10 なんで飼い戻すのか -- 2011-11-25 17 47 09 お話しはゆっくりできたけどコメントに日本語読めない人が多すぎてゆっくりでぎないぃ -- 2011-09-25 02 27 04 先天性奇形赤ゆの話は凄くゆっくりできるよ! しかも親の罪を子が丸被りするとか子が無様過ぎて尚の事ゆっくりできるよ! -- 2011-05-19 21 55 58 ↓奇型も正しく変換できないような低能に脳がなんだと言われたくないと思うわ。 というかお前なんでバカのくせにそんなに上から目線なの?バカだから?俺たちはお客様じゃないってことをいい加減理解しろよ。 こんなクソコメント書いちゃうやつは奇型以前に脳量が足りてないとしか思えないな。 -- 2011-02-15 18 53 17 身の程知らずにも自分達だけで生きていけると 大口を叩いた番はそのままか・・・ 気系の赤ゆっくりの為に作ったSSなんだろうけど これじゃあゆっくり出来ないよ はっきり言えば不愉快レベル こんなクソSSを平気で投稿出来ちゃう作者様の脳が気系としか思えません -- 2011-02-15 15 41 58 いやいやいや・・・赤ゆがどうなろうと知ったこっちゃないがゴミクソ饅頭二匹が調子に乗りすぎだろ・・・ -- 2011-01-26 02 00 56 ( ;∀;) イイハナシダナー 作者の赤ゆヘイトが伝わってきて、ゆっくりできたわ 凄惨な死産(と生まれて即死)のそれぞれの死に様が実に良い どうしてもひっくり返る奇形が特に良かった 赤ゆの無防備さ、無力さ、無能さを更にここまで引き立てる設定の障害は見た事がない 歩けない赤ゆが必死に足掻く描写でご飯美味しいです とにかくゆっくりできたわー -- 2010-12-24 06 13 26 結局れいむとまりさを飼い続けるのかよ この飼い主はれいまりと同次元のカスか -- 2010-12-18 21 18 05 ラスト直前までは結構面白かったです。〆は作者さんの言うとおり、ちょっと赤ゆへの貶めが 緩かったかもしれませんね。赤ゆたちの悲しみを書き加えると良かったかも。 -- 2010-12-18 07 52 47 赤ゆには罪は無いが… 親を傷付けずに罰を与えるって手で選択したってのならわかるな。 去勢してから飼えば良かったねぇ。 飼いゆっくりも、一匹だけ育てるとか下手にお願いしたらよかったのにw -- 2010-10-16 20 24 37
https://w.atwiki.jp/trivia-mike/pages/901.html
ゆゆこさみん ゆるこさみん 宣伝2 [ゆるこさみん製造] ゆるこさみんはユクリィのゆっくりしたライフを快適に過ごす製品です。 加齢と共にアンコに隙間を発生す餡節痛 これを解消するサプリメントですがね 製造方法は… コンベアがあり、その片側に予め足焼きして動けなくした成ゆを設置し 強制的に出産させるために 頭へ特殊な精子餡を数本注入し 一度に大量の赤ゆを出産させ 作業効率を高速化す 産口にはコンベアへ出るパイプを固定とんで 生まれた赤ちゃんは必ずここを通り コンベアへと流れて行きます この成ゆの両側にも同じ成ゆを配置し 同じように措置し生まれた赤ゆ達は パイプを経てコンベアへとか 転がり落ちて行きます 生まれたての赤ゆ達は足が弱く 跳ねたり徘ったりができないため コンベア上で逃げることはありません。 コンベアの末端には高速で回転する 遠心分離機があり、 コンベアを流れる赤ゆ達はこの分離機に入ると 不要とす飾りや髪、皮を遠心力ら剥いでいき 赤ゆ達は残った痛みに苦しみながら アンコとソレに付く眼球や歯のまま 再びコンベアに載せられ その途中で餡密度が基準値に 満たない赤ゆをエアーで弾いて行きます コンベアの末端では大水槽がありき この水槽に他で同様の工程を済ませた赤ゆ達を纏め入れるす この時、赤ゆの重いアンコは沈み 不要となる軽い眼球や歯は浮上します 水槽の下では餡子の塊となった赤ゆ達の 大量な餡子を搾り出します その餡子に含まれる有効成分は たった数%です そんな貴重な有効成分を抽出し 飲みやすいサプリメントにしました。 これを飲めば… 動きが活発になり のびのびやうんうん体操もいいや [ ゆるこさみん ]で[検索] 宣伝1 「のーびのーび…?」 体の伸縮が上手くいかない すぐ疲れてしまう それは危険を知らせる サインかもしれません! 「かわいくてごめんねっ!」 その病気の内のひとつ餡節痛は 成ゆんになるとある物質が不足して あんこの隙間が大きくなり 動きに不調を及ぼす恐ろしい病気です! 病が進行するとベットに寝てるだけで 不快な感覚が全身を駆け巡り 安眠すらも間々ならない状態に! だがこれさえあれば大丈夫! その商品はこの清潔で 広大な加工所で生産されます 「おちびちゃん うばれじゃだべぇえええぇっ !?」 必要成分を多く含む胎生任振を安全に超高速化 たっぷり栄養が詰まった 厳選された赤ゆだけを使用! 生まれた赤ゆはここに運ばれ… 必要としない皮膚と髪 そしてお飾りを遠心力で剥ぎます 生まれたてな赤ゆは肌が脆いため 遠心力で尚更剥きやすい 先ほど剥き終わった赤ゆは 更に厳しい選別を行います この内部スキャンにより 基準値に満たない赤ゆは… パァァンッ! 即座にエアーを当てて除外します! パァァンッ! そして検査が終了した赤ゆは 一箇所に纏められ 巨大な瓶な水槽に落とす 水面には材料に必要ない目玉や歯が軽いのでか浮上する 目玉と小さい歯を取り除いたあとで 次なる工程へと移行します。 この大量のあんこに含まれる有効成分は なんと驚きのたった数%! その希少価値の高い栄養をギュッと圧縮して飲みやすいサプリでお届けします! これを飲めば… のーびのーび 運動機能回復! うんうん体操も楽々! キュッ! ゆっくりできる日々をお約束します! ゆるこさみん 今ご注文頂くともう1箱プレゼント! この機会をお見逃しなく! おわり
https://w.atwiki.jp/wiki-story/pages/141.html
ゆゆこさみん ゆるこさみん 宣伝2 [ゆるこさみん製造] ゆるこさみんはユクリィのゆっくりしたライフを快適に過ごす製品です。 加齢と共にアンコに隙間を発生す餡節痛 これを解消するサプリメントですがね 製造方法は… コンベアがあり、その片側に予め足焼きして動けなくした成ゆを設置し 強制的に出産させるために 頭へ特殊な精子餡を数本注入し 一度に大量の赤ゆを出産させ 作業効率を高速化す 産口にはコンベアへ出るパイプを固定とんで 生まれた赤ちゃんは必ずここを通り コンベアへと流れて行きます この成ゆの両側にも同じ成ゆを配置し 同じように措置し生まれた赤ゆ達は パイプを経てコンベアへとか 転がり落ちて行きます 生まれたての赤ゆ達は足が弱く 跳ねたり徘ったりができないため コンベア上で逃げることはありません。 コンベアの末端には高速で回転する 遠心分離機があり、 コンベアを流れる赤ゆ達はこの分離機に入ると 不要とす飾りや髪、皮を遠心力ら剥いでいき 赤ゆ達は残った痛みに苦しみながら アンコとソレに付く眼球や歯のまま 再びコンベアに載せられ その途中で餡密度が基準値に 満たない赤ゆをエアーで弾いて行きます コンベアの末端では大水槽がありき この水槽に他で同様の工程を済ませた赤ゆ達を纏め入れるす この時、赤ゆの重いアンコは沈み 不要となる軽い眼球や歯は浮上します 水槽の下では餡子の塊となった赤ゆ達の 大量な餡子を搾り出します その餡子に含まれる有効成分は たった数%です そんな貴重な有効成分を抽出し 飲みやすいサプリメントにしました。 これを飲めば… 動きが活発になり のびのびやうんうん体操もいいや [ ゆるこさみん ]で[検索] 宣伝1 「のーびのーび…?」 体の伸縮が上手くいかない すぐ疲れてしまう それは危険を知らせる サインかもしれません! 「かわいくてごめんねっ!」 その病気の内のひとつ餡節痛は 成ゆんになるとある物質が不足して あんこの隙間が大きくなり 動きに不調を及ぼす恐ろしい病気です! 病が進行するとベットに寝てるだけで 不快な感覚が全身を駆け巡り 安眠すらも間々ならない状態に! だがこれさえあれば大丈夫! その商品はこの清潔で 広大な加工所で生産されます 「おちびちゃん うばれじゃだべぇえええぇっ !?」 必要成分を多く含む胎生任振を安全に超高速化 たっぷり栄養が詰まった 厳選された赤ゆだけを使用! 生まれた赤ゆはここに運ばれ… 必要としない皮膚と髪 そしてお飾りを遠心力で剥ぎます 生まれたてな赤ゆは肌が脆いため 遠心力で尚更剥きやすい 先ほど剥き終わった赤ゆは 更に厳しい選別を行います この内部スキャンにより 基準値に満たない赤ゆは… パァァンッ! 即座にエアーを当てて除外します! パァァンッ! そして検査が終了した赤ゆは 一箇所に纏められ 巨大な瓶な水槽に落とす 水面には材料に必要ない目玉や歯が軽いのでか浮上する 目玉と小さい歯を取り除いたあとで 次なる工程へと移行します。 この大量のあんこに含まれる有効成分は なんと驚きのたった数%! その希少価値の高い栄養をギュッと圧縮して飲みやすいサプリでお届けします! これを飲めば… のーびのーび 運動機能回復! うんうん体操も楽々! キュッ! ゆっくりできる日々をお約束します! ゆるこさみん 今ご注文頂くともう1箱プレゼント! この機会をお見逃しなく! おわり
https://w.atwiki.jp/trivia-mike/pages/895.html
とりびあんりょうりこう ゆっくりを使った料理が主体です。 天ぷら実ゆ 材料 茎の付いた生前の新鮮な実ゆ 植物油 天プラ粉 屑パン粉 液体卵 作り方 植物型任振している成ゆから手ごろな実ゆを蔓ごと抜き取り、水に絡ませ天ぷら粉に絡ませ、液体卵に絡ませ、屑パン粉に絡ませに、高温な油で ジュワッ と揚げる。 頃合したら、完成ですねんどろいどす。 未熟ゆキャンディー 材料 赤ゆ(特に未熟児がいいなら) キャンディ(未熟赤ゆと同サイズ) 包装紙(材質や形状は何もよい) 作り方 未熟赤ゆの口にキャンディを押し込む オシマイ 後は包装するんが、未熟ゆを包んで、両端を捻る。 完成。 ポンデユング 材料 赤ゆ×8(1種辺り中身が同じなら(アレンジ自由)種類問わず・毛が少ない未熟ゆ) 小麦粉 オレンジジュース(改加工蜜柑汁) 作り方 逃げないようにタッパーなどに入れた未熟赤ゆを8匹用意する。 暴れないように麻酔効果があるというラムネ霧吹スプレーを噴射し眠らせておく。 テキトーな所を両側カットし、同じような加工を施した赤ゆと連結させ外から小麦を塗り、接着剤代わりなオレンジ汁を塗る。 なるべく、隣の赤ゆと接続でき、ドーナッツを形成できるようにする。 ようするに、例えば直線である場合、右頬なら左頬、頭だったら底辺に、 カーブを作る場合、例えば口を接合部とした場合、右に隣赤ゆがいる時、ソレに合わせるよう右側をカットし接合する。 同じ方式を後6匹にし、ドーナッツ型にする。 ポンデユング自体、ギャーギャー喚くが終わり。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3448.html
「ゆっくぃちていってね!」 たった今赤ゆが誕生した。植物型でれいむが3匹まりさが2匹。 「ゆっ!あかちゃんたちゆっくりしていってね!」 「ゆっくち!」 「ゆっくぃ!」 「うっくり!」 「ゆっきゅぃ!」 「ゆきゃー!」 まだ生まれたばかりなのでゆっくりしていってね!以外の言葉を知らないようだ。 しばらく親子で「ゆっくりしていってね!」を繰り返すと、赤ゆ達が何かを訴え始めた。 「ゆぅ~」 「ゆっ・・・!ゆっ!」 どうやら赤ゆ達は空腹を訴えているようだ。本能なのか親れいむの茎を見ている。 しかし、親は茎には触れず赤ゆの後ろを見て言った。 「あれがごはんだよ!いっぱいあるからみんなたっくさんたべてね!」 「ゆー!」 後ろに山のようにある何か。よくわからないが、親が言ったのだからこれが「ごはん」なのだろうと赤ゆは喰らいつく。 むーしゃ、むーしゃと食べていると、よくわからないが刺激を感じる。 あまりしあわせではなかったが、「ごはん」とはこういうものなのだろうと納得して「ごはん」を食べた 一匹の赤れいむが親に目で「おかあさんはたべないの?」と聞いた。親れいむはにっこりと笑って誤魔化した。 数分後、ある程度食べたのか一匹の赤れいむが食べるのをやめて親の方へ向かった。すると 「ゆ?れいむはそれでおなかいっぱいなの?たくさんあるんだからたべていいんだよ」 と促し、赤れいむはもう一度食べに戻った。 数分後、大分食べたのか満足げな顔で赤まりさが親まりさのところへ向かった。すると 「もうおなかいっぱいなの?もっともっとたべていいんだぜ!」 と促し、赤まりさはもう一度食べに戻った。 数分後、もうお腹いっぱいなのか、重くなった赤れいむが体をずりずりと動かしながら親れいむへ向かった。すると 「れいむはもっとたべなきゃだめでしょ!たくさんたべれないとおおきくなれないよ!」 と赤れいむを「ごはん」のところへ弾き飛ばした。赤れいむはしばらく「もうたべられない」と目で訴えたが、泣く泣くごはんを食べ始めた。 数分後 「ゆぅ・・・」 「ゆ~・・・」 どの赤ゆもでっぷりと太っていた。急激な体積の増加に皮が張り裂けんばかりに伸びきっている。もはや走ることもできない状態だ。 赤ゆ達はおかあさんになんとかしてもらおうと、親に「ゆぅ~」と訴えかけた。 すると、親れいむと親まりさが赤ゆ達に近づいてきて、赤ゆ達は喜んで親にくっつこうとした。 バクン!! 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせ~!!」 「「「「ゆ!!!???」」」」 赤ゆ達は何が起こったのか理解できない。おかあさんが赤れいむにくっついたら、赤れいむが消えていた。 バグン!! 「むーしゃ♪むーしゃ♪」 次に親まりさが赤れいむを食べたことで、赤ゆ達は理解した。 「「「ゆぅぅぅぅぅぅ!!!!!」」」 なんでおかあさんがおねえちゃんをたべてるの? わからない わからない 必死で赤ゆは叫んで訴えるが、でっぷりと太り動けない赤ゆ3匹も親に食べられ、その短い一生を終えた。 「おいしかったね!」 「あれだけふとらせればおなかいっぱいなんだぜ!」 「おなかもいっぱいになったし・・・」 「すっきりするんだぜぇーーー!!」 「まりさああぁ!!!」 「あしたはもっとたくさんうまれるようにたくさんすっきりするんだぜぇ!!!」 「ばでぃざのぺにぺにす…んほおぉぉ!!!」 「「すっきりいぃぃぃ!!」」 ここは「ゆっくりコンポスト」の中。 明日にも赤ゆが誕生し、大量の生ゴミを食べて一生を終えるだろう。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2630.html
『借金苦』 31KB いじめ 虐待 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 虐待人間 うんしー 借金怖い。長さの割に、今回も微妙かも? 借金苦 ポマギあき 街の歩道。人が行き交う交差点に、鬼威参は居た。ゆっくりを虐待する為に、散歩をしているのだ。 そうやって道を歩いていると、ゆっくりと出くわした。道端で歌を歌っているのは、れいむ親子。 「ゆっくりのひ~」 「「まっちゃりのひ~」」 親れいむ、赤れいむ、赤まりさの二匹だった。周囲には人はいたが、皆、親子の前を通り過ぎていく。 「ゆゆ! まってね! れいむたちのおうた…ゆぅ…またいっちゃったよ…」 「ゆ…ぢゃれも、れいみゅたちのおうちゃきいちぇにゃいんぢゃにゃい?」 「ゆぅ…まりしゃはきょんなにゆっくちしちぇるにょに…」 三匹は揃って愚痴をこぼした。もっとも、歌声は騒音以外の何物でもないのだが。 鬼威参はそっと親子に近づくと、屈んだ。親子はそれに反応して、騒ぎ出す。 「ゆ! れいむたちのおうたをきいてたんだね! おかねはらってね!」 「はらっちぇにぇ!」 「いっぴゃいぢぇいいよ!」 金を払えと宣う親子に、鬼威参は首を横に振って答えた。 「ダメだね。そんな歌で金はあげられないよ」 「ゆうううううう!!? くそじじいはゆごべっ!」 親れいむは、鬼威参に飛びかかった。しかし、宙を舞った瞬間鬼威参の右手によってはたき落とされた。 親れいむは、地面に突っ伏すとプルプル震えながら起き上がった。 「いだいいいいいいいいいい!! なにずるのおおおおおおおおお!!?」 赤ゆ達も抗議の声を上げる。 「ひぢょいこちょしにゃいぢぇにぇえええええええ!!」 「おきゃにぇはりゃええええええええええ!!」 対して鬼威参は、冷静に言葉を続けた。 「いいか? そんな歌じゃ金は貰えないんだ」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおおおお!!?」 親れいむが鬼威参の言葉に狼狽える。鬼威参は特に気にすることなく、話しを再開した。 「だからな、お前の歌声では人間はゆっくりできないの」 「ゆうううううううううう!!?」 「だから、金は払えない」 「ぞんなあああああああああ!!」 絶望の淵に追いやられる親れいむ。鬼威参はそんな親れいむに優しく言葉を掛けた。 「でもな、貸す事は出来る」 「ゆ?」 目が点になるとはこの事か。親れいむは鬼威参の言葉に目を丸くしていた。 「金を貸す事は出来るんだ。ただし、担保が必要だがね」 「たんぽ…? たんぽってなあに?」 鬼威参は担保の説明を始める。借金をするのに必要なもの。もし、返済できなかった場合はそれらを没収される事。 それらを踏まえた上で、鬼威参は金を借りるかどうかを親れいむに問いかけた。 「どうする? 借りるか?」 「ゆ…で、でも…たんぽなんて…」 鬼威参は親れいむの側で、訳が分からないと云った表情で佇む赤ゆ達を指さした。 「あれを担保にすればいいじゃないか」 「ゆ!?」 驚愕の表情を浮かべる親れいむ。赤ゆ達は自分達が指さされた事に、戸惑っていた。 「ゆぅ? ゆっくちぢぇきるにょ?」 「ゆ? ゆ? なんのこちょ?」 親れいむは狼狽えた。大事な赤ゆを担保にする訳にはいかない。しかし、鬼威参の言葉によってその心は揺らいだ。 「あのな、よく考えてみろ…担保になるって事は、俺の物になるって事だろ?」 「ゆん…」 「俺の物になるって事は、どういう事かよく考えてみろ」 親れいむは目を瞑って考え始める。赤ゆ達が人間の物になるという事。それは、自分の赤ゆを引き渡すという事。 そもそも親れいむはシングルマザーで、育児も大変。そこにゆっくりを担保に金を貸してくれる人間が出てきた。 これは千載一遇のチャンス。人間の物になるという事は、飼われるという事。飼われるという事は、念願の飼いゆっくりになるチャンス。 「ゆ! たんぽにするよ! せめて…おちびちゃんだけでも…ゆ!」 「決まり…だな」 鬼威参はニヤリとした。どうせ、ゆっくりなんて自分にとって都合の良い方向にしか、物事を考えない奴等だ。 騙されたと知った時の絶望した顔。あれは非常にエクスタシーを感じるというもの。 鬼威参は、財布から百円玉を三枚取り出すと、親れいむの目の前に置いた。 「さあ、これが金だ」 「ゆ…お、おかね!」 親れいむは、金をペロペロと舐め始める。そもそも使い方を分かっているのかどうかすら怪しい。 赤ゆ達も目を輝かせながら、百円玉を見ていた。 「ゆわあああああ!! ちょっちぇもゆっくちしちぇるよおおおお!!」 「きょれがありぇば、ゆっくちぢぇきるんぢゃにぇ!」 鬼威参は微笑みながら、それに答えた。 「ああ、でもその代わりお前らは担保として貰っていくからな」 「「ゆ!?」」 赤ゆ達はその餡子の容量のせいか、自分達が担保にされたことを理解していなかったらしい。 鬼威参にとってはそんな物は関係ない。赤ゆ達を引っ掴むと、自分のブルゾンのポケットに仕舞い込んだ。 「ゆ! だしちぇにぇ!」 「くりゃいよ! ゆっくちぢぇきにゃいよ!」 ポケットの中で暴れる赤ゆ達に、鬼威参は親れいむから説明するよう求めた。 「ゆ! あのね! おちびちゃんたちは、たんぽさんになったんだよ!」 「「たんぽっちぇにゃにいいいいいい!!?」」 ポケットの中で狼狽する赤ゆ達に、親れいむは言葉を続ける。 「ゆ! たんぽっていうのはね、とってもゆっくりできるんだよ! かいゆっくりとおなじだよ!」 その言葉を聞いた赤ゆ達は、ピタッと暴れるのを止めた。しばしの沈黙の後、ポケット越しに喋り始める。 「ゆ…やっちゃあああああああ!!」 「ゆわああああああい!!」 喜ぶ赤ゆっくり達に、親れいむも満面の笑顔で答えた。 「よかったねおちびちゃん! これで、ずーっと、いーっぱいゆっくりできるよ!」 「「ゆん!」」 鬼威参はポケットから赤ゆ達が落ちないように、そっと手でポケットを覆った。 そして親れいむに背中を向けて去ろうとした。だが、言い忘れた事があったので迷わず伝えた。 「金を返す気になったら、ここで会おう。利子は一日で、十パーセントだ」 「ゆぅ?」 一体何の事かと訝しげな顔をする親れいむ。 「お前は三百円借りたからな。二十四時間経過する度に、三十円の利子が発生する。明日また、ここにくるから、三百三十円を用意しておけ」 「ゆ? おかねさんかえしたら、おちびちゃんたちどうなるの?」 「勿論、これは担保だ。お前の下に返すさ」 親れいむは全身をブルブルと横に振って、それを否定した。 「だめだよ! おちびちゃんはたんぽなんだよ! おかねはぜったいにかえさないよ!」 その声を聞いて、ポケットの中の赤ゆ達も声を連ねる。 「しょーぢゃしょーぢゃ!」 「まりしゃはたんぽなんぢゃじょー!」 鬼威参はクスッと笑うと、分かったと頷いて家へと帰っていった。 残された親れいむは、満足そうな顔をしていたが、すぐに歌を歌い始めた。 「ゆ~ゆゆ~」 鬼威参は家に帰ると早々に、透明な箱に赤ゆ達を放り込んだ。 「ゆぺっ!」 「ゆべっ!」 透明な箱の底に叩きつけられると、赤ゆ達は奇妙な呻き声を上げた。 そしてムクッと起き上がると、鬼威参に抗議し始めた。 「ゆううううううう!! いちゃいぢぇしょおおおおおお!!」 「もっちょやさしくしちぇにぇええええ!! まりしゃちゃちは、たんぽにゃんぢゃよおおおおおお!!?」 鬼威参はフッと笑うと、担保について説明し始める。 「あのな、担保ってのは俺が好き勝手に出来るって事なんだよ」 人間社会に於いて、実際はそうではない。赤ゆ達は疑問に感じて、問いかけた。 「しゅきかってって…にゃあに?」 「ゆぅ? まりしゃをゆっくちさせちぇくれりゅんぢぇしょ?」 鬼威参は腹を抱えて笑い出した。赤ゆ達はその様子を見て怒り出す。 「ゆううううう!! にゃにがおかちいにょおおおお!!?」 「ゆっくちさせちぇにぇ! いっぴゃいぢぇいいよ! ぷんぷん!」 鬼威参は笑うのを止めると、赤ゆ達に再び説明し始めた。 「あのな、俺はゆっくりさせるなんて一言も言ってない。その上、担保ってのは俺が好き勝手に出来るってことだ。 それはつまり、お前らを好きなように出来ると言う事。つまり…分かるな?」 鬼威参は赤ゆ達に目を向けた。その冷たい目は、赤ゆ達に状況を理解させた。そしてパニックに陥らせた。 「ゆ…ゆわあああああああああああ!! ゆやぢゃあああああああああああ!!」 「ゆっぐぢぢゃぢぇぢぇぐれるんぢゃにゃいにょおおおおおおおおおお!!?」 鬼威参は鼻で笑って答える。 「そんな訳無いだろう」 赤ゆ達は更に絶叫した。 「ゆやああああああああん! うしょつきいいいいいい!!」 「おきゃあしゃんのばきゃああああああああああ!!!」 鬼威参は泣き叫ぶ赤ゆ達を面白く思った。そして、透明な箱にそっと近づくと、語りかける。 「でも大丈夫だ。お前らのお母さんが、明日金を返してくれれば、お前らはお母さんと、またゆっくりできるぞ」 鬼威参の言葉を聞いて、赤ゆ達は安堵した。 「ゆふぅ…しょれなら…」 「だいじょうびゅ…ぢゃね…」 鬼威参は笑顔のままで言葉を続けた。 「でもなぁ、お前らのお母さんは金を返す気が無いって云ってたしなぁ」 「「ゆ!?」」 驚愕の表情を浮かべる赤ゆ達に、鬼威参は更に言葉を続けた。 「それに、お前らは金を貰ったことが実際にあるのか?」 「「ゆ…」」 歌という名前の騒音で金を貰った事は無かった。親子が貰ったものと云えば、罵声と唾ぐらいな物だ。 さすがに赤ゆ達でも、これがどういう状況か理解できた。赤ゆ達は、しくしくと泣き始める。 「ゆぐ…ゆぐ…どぼぢぢぇ…ごんなごぢょに…」 「ゆぐ…まじじゃ…まじじゃのゆっぐぢ…おぎゃあじゃんのぜいぢぇ…」 赤ゆ達は嘆いていた。鬼威参はそっと透明な箱から離れると、リビングでテレビを見始めていた。 下らないバラエティ番組に、鬼威参は腹を抱えて笑い続けた。 やがて夕方になった。赤ゆ達は腹が減っている。しかし、食事の催促をすれば何をされるか分かったものではない。 赤ゆ達は腹の虫が鳴るのを、ジッと堪えていた。それから少しして、なんだか美味そうな匂いが漂ってきた。 「ゆ…おいちちょうなにおい…」 赤れいむが反応した。赤まりさが赤れいむに近寄って、云った。 「きっちょ…きのせいぢゃよ…じぇったいに、きのせいぢゃよ…」 「ゆ…そうぢゃね…おいちいものにゃんか、にゃいよ…そうぢゃよ…」 赤ゆ達は現実逃避を始めた。腹の虫と、漂う美味い匂いに心が張り裂けそうになる。 泣き喚いて、食事をさせてくれと暴れたくなる。しかし、それでは自らがゆっくりできなくなるだろう。 赤ゆ達はそう考えて、この匂いは偽物だ。嘘っぱちだと思い込む事にした。 やがて、美味そうな匂いは段々と強くなってくる。赤ゆ達の我慢が限界に近づく頃、鬼威参がナポリタンスパゲティを持って、透明な箱に近づいた。 「やあやあ、お腹減ったかい」 鬼威参は赤ゆ達の前でスパゲティをボソボソと食べ始めた。赤ゆ達の我慢の糸が、ついに切れた。 「ゆやあああああああああ!! おにゃかへっちゃああああああああああああ!!」 「ちゃべたいよおおおおおおお!! まりちゃにもたべちゃちぇちぇええええええええええ!!」 泣き喚く赤ゆ達を余所に、鬼威参は舌鼓を打ちながら、スパゲティを平らげた。 「ごちそうさまでした」 空っぽの皿を見つめて、涙を流す赤ゆ達。 「ゆぐ…ゆぐ…ごはんしゃん…」 「まじじゃのぉ…まじじゃのなのぉ…」 鬼威参は腹をさすると、満足した顔でリビングに去った。赤ゆ達は涙を流しながら、呻いていた。 翌朝、赤ゆ達はすっかりと衰弱しきっていた。無理もない。赤ゆはエネルギー変換の効率が、著しく悪いのだ。 それは人間とて同じ事。狩りも満足に出来ない小児を保護するのは、親の役目だ。しかし、肝心要の親は側にいない。 親れいむが、担保について大きく勘違いをしていたのが原因だ。そのしわ寄せは真っ先に、赤ゆ達へと来ている。 「ゆぐ…おにゃがへっぢゃよぉ…」 「まじじゃ…あみゃあみゃ…」 鬼威参は昨日とは違う服装で、湯上がりの顔で出てきた。シャワーを浴びてきたのだ。 「あーあ、すっきりした。さて、返済できるか確かめてこようか」 鬼威参は透明な箱から赤ゆ達を取り出すと、昨日のようにブルゾンのポケットに突っ込んだ。 赤ゆ達が逃げ出さないように、そっと手でポケットを押さえるのも昨日と同じだ。 鬼威参は昨日来た、道端へとやってきた。相変わらず親れいむは下手くそな歌を歌っていた。 「ゆ~ゆゆ~」 鬼威参は、そんな親れいむに声を掛けた。 「やあ、金を返す気になったか?」 「ゆ? おにいさん! やだよ! おかねさんはかえせないよ!」 親れいむは微笑みながら答えた。鬼威参も微笑んで切り返した。 「お前のおチビちゃんが、虐待されてもか?」 「ゆ?」 鬼威参はポケットから赤ゆを取り出して、親れいむに見せつけた。 「ゆやああああああああ!! たしゅけちぇええええええええ!!」 「きょのくしょおやあああああああ! まりしゃをだましちゃにゃああああああ!!」 親れいむはキョトンとした顔をしてから、狼狽えた。 「ど、どういうごどなのおおおおおお!!?」 「昨日は何も食べさせなかったよ」 「ど、どぼぢでえええええええええ!!?」 「だって、こいつらは俺の担保だからな。 俺の物は、俺がどうしようと勝手だろう」 「ゆうううううううううううう!!?」 親れいむはここに来て、ようやく担保の意味を理解した。鬼威参は金の返済を求めた。 「さあ、金を返しておくれ」 「ゆ゙…あ、あまあまにつかっちゃったから…」 言葉に詰まる親れいむ。鬼威参は親れいむに問いかけた。赤ゆ達は体を捻って、掌から抜け出そうと奮闘している。 「甘々? 何に使ったんだ?」 「ゆ…ちょこれーとさん…」 驚く事に、親れいむは金をチョコレートに換えていた。ゆっくりを相手に商品を売りつける人間が居る事に、鬼威参は少々驚いた。 そして、その言葉を聞いた赤ゆ達は激昂した。 「なにやっちぇるにょおおおおおおおおおお!!?」 「おきゃねかえしゃなかっちゃら、まりしゃはいじめられちゃうんぢゃよおおおおおお!!?」 親れいむは更に狼狽えた。 「ど、どぼぢでごんなごどに…おがねざんがえずがら! がえずがら、おぢびぢゃんゆっぐじがえじでね!」 鬼威参は答える。 「それは分かってる。最初からそういう約束だからな。で、金はどこだ?」 親れいむは狼狽しつつ云った。 「ぞ、ぞれはあどでがえずがら!」 鬼威参は首を横に振って、それではダメだと答える。 「ど、どぼじでぇ!?」 当然の事だが、親れいむに信頼はない。赤ゆを先に親れいむに返したとしよう。 すぐに逃げるに決まってる。従って、金と赤ゆは同時交換せねばならない。鬼威参は、そのように説明した。 「じんじでよ! れいぶ、ぢゃんどおがねがえずがら!」 「いいや、ダメだ。現時点で無いなら、赤ゆは返せない」 「ど、どぼずればいいのおおおおおお!!?」 「簡単だ。金を稼いで金を返済すればいい。今日は三百三十円…明日は三百六十円だな」 親れいむは金額を聞いて、涙を浮かべた。そもそも、ゆっくりは三の数までしか数えられない。 それ以上は沢山として認識される。沢山が、もっと沢山になっているのだ。今まで稼いできた金額はタカが知れている。 「れ、れいぶがわるがっだでずうううううう!! あやばりばずがら、おぢびぢゃんがえじでぐだざいいいいいい!!」 親れいむは地面に額を擦りつけて、謝罪した。しかし、鬼威参は首を振ってダメだと答える。 よじる赤ゆ達をポケットに戻すと、鬼威参は云った。 「また、明日来る。三百六十円。雁首揃えて用意しておけ。それが無理なら、お前のおチビちゃんは酷い目に会う」 親れいむは待って下さいと云った。鬼威参はそれを無視して、人混みに消えていった。 赤ゆ達の声は張り裂けんばかりの悲鳴であった。 「ゆやあああああああああ!! ゆっくぢぢゃぢぇぢぇえええええええ!!」 「ゆんやあああああ!! おきゃあしゃんのばきゃああああああああ!!」 親れいむは謝った。何度も何度も、目の前に居ない赤ゆ達に対して、何度も謝った。 「ごべんね…ごべんね…ぜっだいに…ぜっだいにだずげであげるがらね…」 絶対に助ける。親れいむは、強い意志を持った。そして、再び歌い始めた。 「ゆ゙~ゆ゙ゆ゙~」 涙声のそれは、人々の興味を誘った。 「さて、どうしようかな」 家に帰った鬼威参は、震える赤ゆ達を透明な箱に入れた。そして、どうやって虐待をしようか考えていた。 目玉を抉る。あんよを焼いて、動きを封じる。単純に針を刺す。或いは熱湯に浸けてやろうか。 様々な考えが浮かんだ。鬼威参はまず、あんよを焼く事にした。 「お前ら喜べ」 「「ゆ…」」 「これから、あんよを焼いてやる」 その言葉を聞いて、赤ゆ達は一瞬だけ沈黙した。そして、泣き喚く。 「ゆやあああああああああああ!! やべぢぇにぇえええええええええ!!」 「ゆやぢゃああああああ!! まじじゃのしゅんそくしゃんぎゃああああああああ!!」 まだ焼かれていないというのに、赤ゆ達は既に焼かれた様な騒ぎになっていた。 鬼威参は二匹を透明な箱から取り出すと、キッチンまで連れて行った。二匹をシンクの上に置く。 「ゆやあああああああああ!! やぢゃやぢゃああああああああ!!」 「ゆっぐぢにげ…どぼぢでにげらりぇにゃいにょおおおおおおおお!!?」 赤ゆにとって、シンクから床までの高さは致命的に高かった。この高度から落下すれば、命はないだろう。 赤ゆ達の中枢餡が警告を発した。そして、鬼威参はマッチ棒を取り出して、それを擦った。 ボスッという音がすると、マッチの先端から火が出た。失禁しながら、怯える赤ゆ達。 鬼威参は赤れいむを持つと、マッチの先端をあんよに近づけた。火が、あんよを覆った。 「ゆぎゃああああああああああああ!! あぢゅいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「やべぢぇええええええええ!! れいみゅにひぢょいごぢょじにゃいぢぇえええええええ!!」 あれよあれよという間に、赤れいむのあんよは黒こげになっていった。マッチの長さは半分になっていた。 鬼威参は赤れいむをシンクに置くと、再びマッチを擦って火を灯そうとする。 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!」 「れいみゅ! れいみゅ!」 痙攣する赤れいむを、赤まりさは舐めて慰めた。鬼威参はというと、マッチに火を灯すのに苦労している。 中々、火が点かない事にイライラしていると、赤まりさはある決断をする。 ここから飛び降りて、一か八か逃げてやろう。そう思うと、赤まりさは赤れいむを置いてシンクから飛び降りた。 「おしょらとんぢぇぶぎゅっ!」 赤まりさは床に着地した。中枢餡の警告を無視して、飛び降りたのだ。当然、無事であるはずがない。 赤まりさの皮が裂け、餡子が大量に漏れ出ていた。鬼威参はそれを見ると慌てて、冷蔵庫からオレンジジュースを取り出した。 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!」 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!」 姉妹揃って仲良く痙攣している。しかし、とりわけ赤まりさは深刻な事態だ。 今、赤まりさが死んでもつまらない。鬼威参は、そう思った。 赤まりさは側面に大きな亀裂を作っていた。鬼威参は、それを指で閉じるとオレンジジュースをたっぷりと掛けた。 見る見るうちに赤まりさの傷は塞がっていった。やがて、痙攣も収まってくる。 「ゆっ…! ゆっ…! ゆっ… ど、どぼぢぢぇにげらりぇぢぇにゃいにょおおおおおおお!!?」 赤まりさは絶叫した。前後の記憶がないらしい。鬼威参はオレンジジュースを冷蔵庫にしまうと、今度こそマッチ棒に火を灯した。 赤まりさを手に持ち、赤まりさのあんよをマッチの火で焼いていく。 「ゆぎゃああああああああああああああああ!! あぢゅいよおおおおおおおおおおおお!!!」 しばしの絶叫。マッチが一本、燃え尽きる頃に赤まりさのあんよは黒こげになった。 先程のオレンジジュースが関係のないところまで、回復を促しているかと思うと鬼威参は不快に思った。 「まじしゃのあんよぎゃあ…あんよしゃんぎゃあ…しゅんそくしゃんぎゃあ…」 俊足と自称する赤まりさも、このあんよでは歩く事すらままならない。 鬼威参は痙攣する赤れいむと、狼狽える赤まりさを手に持って透明な箱へと戻した。 直後に、赤れいむが目を覚ました。周囲を確認して、自分のあんよが動かない事に気付くと涙を浮かべた。 「どぼぢぢぇ…どぼぢぢぇ…れいみゅのあんよしゃんうごきゃにゃいにょ…?」 赤れいむの嘆きに、赤まりさが呼応した。 「れいみゅぅ…れいみゅぅ…」 「まりしゃぁ…まりしゃぁ…」 二匹の間に開いた微妙な間隔。僅か十センチにも満たないそれは、今の二匹にとって、とても長い距離だった。 二匹は埋められる事のない距離を埋めるが如く、それぞれの名前をか細い声で呼び続けていた。 「れいみゅ…れいみゅぅ…」 「まりしゃぁ…まりしゃぁ…」 それから昼になった。この頃になると、それぞれの名前を呼び合う体力もないらしい。 赤ゆ達はぐったりとしていた。視線は下を向いており、口をあんぐりと開けている。 「ゆぅ…」 「ゆ…」 時たま放つ言葉は、これだけだった。絶望と悲しみに囚われた声は、鬼威参の心をくすぐった。 鬼威参はキッチンへと向かった。そこから人間には刺せない、尖っていない注射針の付いた注射器を取り出した。 そして、オレンジジュースをコップに移す。コップに注がれたオレンジジュースを注射器で吸い上げると、透明な箱へと向かっていった。 「ゆぅ…ゆぅ…」 「ゆ…ゆ…」 鬼威参は衰弱しきった二匹に近づくと、透明な箱の前で語りかける。 「やあ、元気してるか?」 二匹は返事なのか呻きなのか分からない位に、か細い声で答えた。 「ゆ…」 「ゆぅ…」 鬼威参は満面の笑みを浮かべると、オレンジジュースが入った注射器を二匹に注射した。 「ゆぴゃあああああああああああ!!」 「ゆぴいいいいいいいいいいいい!!」 二匹は刺さった針の痛さで絶叫した。オレンジジュースが注射器から無くなると、二匹の体力はみるみる内に回復していった。 「ゆ…だしちぇにぇ! きょきょからだしちぇにぇ!」 「ゆっくちしにゃいぢぇ、たしゅけちぇにぇ!」 助けろと喚く二匹を、鬼威参は無視した。鬼威参は注射器とオレンジジュース、コップを片付けるとリビングへと向かった。 何度も体をよじったが、全く動かなかった。あんよは役立たずで、透明な箱からは出られそうもない。 その事実を知ると、二匹は静かに涙を流した。ただひたすら、親れいむの助けを待つしかないのだ。 「ゆっぐりのひ~! まっだりの゙ひ~!」 その頃、親れいむは相変わらず路上で歌っていた。何としてでも赤ゆを取り返さねばならない。 愛するわが子を取り戻すべく必死で歌うが、思うように上手く歌えない。涙声でしか歌えないが、それでも必死に歌った。 目を瞑り、愛しの我が子とゆっくりしている未来を想像した。とめどなく涙が溢れ出てくる。 「ゆぐっ…ゆぐっ…ゆぐりのひ~!」 滅茶苦茶な歌を歌っていると、カランと、何かが転がる音がした。親れいむが目を開くと、そこには百円玉が転がっていた。 そしてその先にいるのは、見知らぬ男だった。親れいむは額を擦りつけて、感謝の意を表した。 「あじがどうございばず! あじがどうございばず!」 男は答えた。 「いや、泣きながら歌うゆっくりなんて滅多に見ないからな。これぐらいはいいだろ」 男はそういうと、額を擦り続ける親れいむを背に去っていった。 親れいむは、それからも啜り泣きながら歌い続けていた。何だかんだで、金は集まった。 「それで、たった三百円か?」 翌日になって、鬼威参は赤ゆをポケットに詰めて、親れいむのいる道端までやって来ていた。 親れいむが集めたのはたった三百円。鬼威参が利子とついて、返済を求めているのは三百六十円。 六十円の差は大きかった。親れいむは必死に値切り交渉をした。 「おでがいじばず! これでがんべんじでぐだざい!」 三百円を鬼威参の足下に、舌で押しやって額を擦り続ける親れいむ。鬼威参の手には二匹が握られていた。 「たぢゅげぢぇえええええええええええ!!」 「あんよしゃんうごきゃにゃいにょおおおおおお!!」 親れいむは、そんな赤ゆを眼前に必死に頭を下げ続けていた。 「おでがいじばず! おでがいじばず!」 鬼威参は答える。 「無理だな。三百円を稼いできたのは偉いぞ。しかし、六十円足りない。足りないという事はどういうことか。 それは、赤ゆを返せないという事だ。お前が返さないなら、赤ゆは俺の物であることに変わりはない」 親れいむは涙声で狼狽した。 「ぞ、ぞんなぁ…どぼぢで…」 「じゃあ、そんな訳で、明日は九十円稼いでこいよ」 鬼威参は赤ゆと小銭をポケットに詰めると、その場を後にした。帰宅すると、透明な箱に赤ゆ達を放り込む。 「ゆぴぇっ!」 「ゆぴっ!」 赤ゆ達は痛がった。焼かれたあんよでは、起きるのもやっとなぐらいだ。 二匹はただただ、痛みと恐怖にブルブルと震えていることしかできなかった。 やがてしばらくすると、鬼威参がマイナスドライバーを片手に透明な箱の前にやってきた。 赤れいむを掴み上げると、その右目に突き立てた。素っ頓狂な悲鳴を、赤れいむは上げた。 「ゆっぴゃあああああああああああああああ!!」 赤まりさが突然起きた出来事に、悲鳴を上げた。 「ゆやああああああああああああああああ!!!」 そのままグリグリとマイナスドライバーを、あちこちの方向に動かし続けていた。 目玉は完全に潰れ、抉り取られた。鬼威参はその目玉を口にした。ゴクンと嚥下する音が響いた。 そして絶叫がこだまする。 「ゆっぎゃああああああああああああ!! れいみゅのおびぇびぇぎゃあああああああああああ!!」 「ゆやあああああああああああ!! 」 鬼威参は赤れいむを透明な箱に投げ入れると、今度は赤まりさを掴み上げた。そして右目にマイナスドライバーを刺した。 「ゆっぎょおおおおおおおおおおお!!!」 赤まりさも、赤れいむ同様に痛みに打ちひしがれた。左目があちこちに動く。 涙が鬼威参の手を伝ったが、鬼威参は気にすることなく作業を続けた。そして赤まりさの目玉を抉り取ると、口に頬張った。 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…! まじじゃの…まじじゃのおびぇびぇぎゃあああああああああああ!!!」 赤まりさの絶叫の後、赤れいむが再び叫んだ。 「ゆんやああああああああ!! もうやぢゃおうちかえりゅうううううううう!! かえりゅっちゃらかえりゅうううううう!!」 鬼威参はそれに答えるかのように話し始めた。 「いいや、ダメだよ。君達のお母さんがお金を返してくれないとね。九十円だぞ? チョコレート一枚ぐらいの価値があるんだ」 二匹は狼狽えた。 「むりにきまっちぇるううううううううう!!」 「もうやべぢぇえええええええ!! どぼぢぢぇぎょんなひぢょいごぢょじゅるにょおおおおおお!!?」 鬼威参は鼻で笑うと、リビングへと行ってしまった。取り残された二匹はというと、何もする事がなかった。 出来る事も無い。出来ると言えば、文句や歌う事ぐらいだ。しかし、そんな事をする余裕は二匹には残されていなかった。 それに、余裕があっても、叫ぼうものならばすぐさま鬼威参に舌を抜かれるだろう。二匹はゾッとした。 鬼威参はリビングでテレビを見ながら、考えていた。 金を借りずに、そのまま頑張って歌っていれば金を稼げたのにと。担保の意味も分からないまま、易々と赤ゆを差し出した事も。 まったく、自分達にとって都合の良い方にしか考えられない。ゆっくりとはお花畑の塊だ。いざ、自分に危機が迫った時にしか、物事を考えられない。 鬼威参は、いつしか眠りに就いていた。気付いた時には夕方を回っていた。 鬼威参は起き上がると、透明な箱へと近づいた。赤ゆ達はブルブルと怯えていた。 「やめ…やめちぇにぇ…」 「きょわいよぉ…きょわいよぉ…」 怯えながら後ずさりしようとする赤ゆ達。しかし、焼かれたあんよは言う事を聞かない。 鬼威参はそれを見ると微笑んだ。やがてキッチンへ向かうと、料理を作り始めた。 美味そうな匂いが、再び漂ってきた。赤ゆ達はグッと堪えて、その日を過ごした。 夜になる頃には、再びオレンジジュースの注射をされた。赤ゆ達の心は、限界だった。 翌朝を迎えて、鬼威参は赤ゆをポケットに詰めた。そして親れいむのいる道端までやってくる。 親れいむは鬼威参を目の当たりにすると、ボロボロと涙を流し始めた。 「おでがいじばず…おでがいじばず…」 鬼威参はそれを無視して、言葉を発した。 「で、いくら儲けたんだ? 九十円は返して貰うぞ?」 親れいむが舌を使ってお兄さんの前に差し出したのは、五十円玉が一枚だけだった。 鬼威参は鼻で笑うと、ポケットから赤ゆを取り出した。 「おきゃあしゃん…たしゅけちぇぇ…」 「おみぇみぇ…みえにゃいよぉ…まじしゃの…まじしゃの…」 親れいむは、愛する子供達の右目が潰れている事に驚愕した。 「ゆううううううううう!!? どぼぢでおぢびぢゃんのおべべがづぶれでるのおおおおおおお!!?」 「丁寧なご解説をどうも。明日は七十円を用意しておけよ」 鬼威参は茶々を入れると、五十円を拾ってとっとと家に帰った。親れいむは自分の不甲斐なさを嘆くように、シクシクと泣いていた。 お兄さんは帰宅すると、手を洗う事もせずに赤ゆをキッチンへと連れて行った。いつもと違う場所に、あんよを焼かれた場所に赤ゆ達は恐怖していた。 「なに…なにしゅるにょおおおおおおお!!?」 「やめちぇにぇええええええええ!!」 鬼威参は赤ゆの悲鳴などお構いなしに、赤ゆの髪の毛を毟り取り始めた。ビリビリと音がする。 毛穴の辺りからは微量の餡子が滲み出ていた。 「ゆっぴゃああああああああああああ!!」 「ゆぎゃぎいいいいいいいいいいいいいい!!」 二匹の悲鳴が張り裂けんばかりに、キッチンに響いた。鬼威参が一通り毟り終えると、二匹はすっかり丸坊主になっていた。 「れいみゅの…れいみゅのしゃらしゃらへあーじゃんぎゃあああああああああ!!」 「まじじゃの…ぶろんぢょへあーしゃんぎゃあああああああああ!!」 鬼威参は赤れいむにだけ、飾りのリボンを結び直した。それはハチマキのように、某アクション映画の俳優を連想させた。 鬼威参は思わず笑ってしまう。赤ゆ達はそれを見て、怒鳴った。 「にゃにぎゃおかちいにょおおおおおおおお!!?」 「どぼぢぢぇぎょんなごぢょしゅるにょおおおおおおお!!?」 鬼威参は笑いながら答える。 「それはだって、君達は担保だから」 鬼威参は、アハハと笑うと赤ゆ達を透明な箱に投げ入れた。そのままリビングに向かって、テレビを点けるとくつろぎ始めた。 赤ゆ達は透明な箱でプルプルと、ブルブルと震えている。 「まりしゃぁ…どうなっちゃうにょ…」 「わきゃらにゃいよ…きっちょ…きっちょおかあしゃんがたしゅけちぇくれりゅよ…」 その願いが果たして叶うかどうか、総ては親れいむの稼ぎに掛かっていた。 「おでがいじばずううううう!!」 この頃になると、親れいむは歌うのを止めて、金をくれと人々にせがんでいた。 人々が親れいむをチラチラとは見る物の、金をくれる人間はいなかった。 「おでがいじばず! おぢびぢゃんをがえじでもらうのにひづようなんでず!」 「詳しく説明してくれないか?」 通りがかった男が、親れいむに声を掛けた。男は屈んで、親れいむの話しに聞き入った。 それなりにゆっくりしていた事。金貸しに酷い目にあっている事を、親れいむは伝えた。 「ぞういうごどなんでず!」 「そういう事なのか…」 男は顎に手をやって考え始めた。 「幾らか分かるかい?」 「わがじばぜん…おがねざん、いっばいひづようなんでず!」 親れいむが狼狽した。男はまたしばらく、考えに耽った。 「まあ、借りるのはいいけど、返せなきゃダメじゃないか。今回は百円をやるよ。それで解決できたらいいけどな」 男が財布から百円玉を取り出した。親れいむの目の前に置かれる。親れいむは額を擦りつけて、感謝の意を表した。 「あじがどうございばず!」 「まあ、いいんだけどさ。きっと、上手くいかないだろうし」 男はそれだけいうと、去ってしまった。上手くいかないとは一体何の事なのか。 親れいむには今の時点では、分からなかった。それよりも、金が入った事で今度こそ返済できるかも知れない。 親れいむは、心の中で赤ゆ達に詫びると同時に、ようやく救えると安堵した。 「ゆっ! ゆっ! ゆっ!」 百円玉を咥えて、植え込みのダンボールまで持って行く。そこにあるのは、食いかけのチョコレートだけだった。 チョコレートは親れいむが、その甘さ、美味さから殆どを食い尽くしてしまっていた。 親れいむは、赤ゆ達と一緒に食べようと考えていた。しかし、いざ食べてみると止まらない。 食べる事を止められなかった。気付けばチョコレートは殆どが無くなっていた。狩りも全くしていない。 親れいむは歌を歌い続け、赤ゆを取り戻す為だから仕方ないと、自分に言い聞かせた。それは赤ゆ達への言い訳でもあった。 「なるほど、よくやったじゃないか」 鬼威参は親れいむのいる道端まで来ていた。無論、ポケットには赤ゆが詰め込まれている。 「おでがいじばず! おぢびぢゃんがえじでぐだざい!」 親れいむが狼狽えながらも、赤ゆを返すように迫った。鬼威参はポケットから赤ゆを取り出して、親れいむの前に置いた。 「はい、返したっと」 親れいむは、その姿に愕然とした。あれほどゆっくりしていた、赤ゆ達。しかし、今は右目を潰され、あんよを焼かれている。 挙げ句には髪の毛を全て毟られて、飾りが申し訳程度に乗せられているだけ。親れいむは叫んだ。 「ゆんやああああああああああ!! どぼぢでおぢびぢゃんがごんなごどにいいいいいいいいい!!?」 親れいむが叫んでいる間に、鬼威参は金を回収した。過払いの金など、返す気は毛頭無い。 「ゆっ…おきゃあしゃん…たしゅけちぇ…」 「まりしゃを…ゆっくちさせちぇ…」 衰弱しきった赤ゆ達。オレンジジュースの注射から大分時間が経っている。このまま放置しておけば、死ぬ事は確実だろう。 「どぼずればいいのおおおおおお!!?」 ダンボールに僅かに残されたチョコレートの事も忘れて、親れいむは叫んだ。 そこに鬼威参が、良い提案があると言葉にした。 「いいていあん…なんなの!? はやぐおじえでねえええええええ!!」 二日後、親れいむは道端でまりさとすっきりしていた。側には赤ゆはいなかった。 「すっきりぃ!」 「…すっきりぃ…」 親れいむは売春をしていた。ニョキニョキと緑々しい茎が、親れいむの額から生えてくる。 「ゆゆ! それじゃあ、まりさはかえるのぜ!」 「ゆん…」 親れいむはそのまま、鬼威参宅へとやって来た。 「ゆっくりただいまだよ…」 鬼威参が出迎えてくれた。玄関付近の透明な箱に、赤ゆ達は入っていた。 「ゆっくちおきゃえりなしゃい…」 「うぎょけにゃいよぉ…ぽんぽんへっちゃよぉ…」 衰弱した赤ゆ達に、親れいむは少し待ってくれと云った。鬼威参は親れいむに近づくと、額に生えた茎を毟り取った。 「ゆぎっ!」 親れいむの若干の悲鳴の後、茎に実った実ゆっくり達の表情は苦しげになる。 鬼威参はそれを透明な箱に放り込んだ。赤ゆ達は茎を、実ゆごと食べ始める。 「むーちゃむーちゃ…ちあわちぇー…」 「ちあわちぇー…」 鬼威参は、それを見て親れいむに言った。 「じゃあ、俺の分もよろしくな」 「ゆ…はい…」 親れいむはトボトボと玄関を出て行った。再び売春をするのだ。 鬼威参の提案とは、売春だった。家賃代わりとして実ゆっくりを、鬼威参に払うよう持ちかけたのだ。 赤ゆ達の食事も実ゆっくり。それは厳しい都会に於いて、オアシスを提供してくれるようなものだった。 雨風は凌げ、寒い思いもしない。れみりゃに襲われる危険性もない。それは動けぬ赤ゆ達にとっては、生き延びる為に必要な環境だった。 鬼威参はそれを提示した。そして、親れいむはそれを呑んだ。今まで棲んでいたダンボールを引き払い、鬼威参宅で暮らす事になったのだ。 暮らすといっても、許されたスペースは玄関脇だけ。それより奥は、鬼威参に蹴飛ばされてしまう。 あまりに酷いようならば、外に追い出すとも云っている。親れいむは売春を続けるしかない。 一つは赤ゆ達の食事の為。そして二つ目は鬼威参への家賃として。 親れいむには未来がなかった。このまま産む機械同然の働きを行って、赤ゆ達をゆっくりさせるしかない。 赤ゆ達は今はゆっくりしてないが、いつしかゆっくり出来る事だろう。親れいむはそう考えていた。 唯一、自分が死んだ後の事は考えていなかった。親れいむが死んだら、一体誰が赤ゆの世話をするのか。一体、誰が家賃を払うのか。 鬼威参は、親れいむの寿命が迫った時に、その事実を伝えるつもりだった。 なぜならば、騙され、裏切られたと知った時のゆっくりの表情は、とってもゆっくりできるから。 終 あとがき 最近あったこと。 医者「ウォッカはやめてください」 俺「安定剤もやめていいですか? 眠くて眠くて…」 医者「分かりましたから、ウォッカはやめてください」 俺「じゃあ、ワインはオッケー?」 医者「……じゃあ、まあ、ワインなら…」 俺「ハラショー!! ウラー!」 医者「飲み過ぎないで下さいね」 俺「うん」 独り言 ハードディスクがカッコンするねん。なんなのねん。本当に心臓に悪いからやめてほしいねん。 お前seagateやろ。seagateやったら、海の男いうイメージあるやろ。そんなにカッコンしてどないすんねん。 新しいHDD買わないとあかんなぁ。
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/319.html
『借金苦』 31KB いじめ 虐待 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 虐待人間 うんしー 借金怖い。長さの割に、今回も微妙かも? 借金苦 ポマギあき 街の歩道。人が行き交う交差点に、鬼威参は居た。ゆっくりを虐待する為に、散歩をしているのだ。 そうやって道を歩いていると、ゆっくりと出くわした。道端で歌を歌っているのは、れいむ親子。 「ゆっくりのひ~」 「「まっちゃりのひ~」」 親れいむ、赤れいむ、赤まりさの二匹だった。周囲には人はいたが、皆、親子の前を通り過ぎていく。 「ゆゆ! まってね! れいむたちのおうた…ゆぅ…またいっちゃったよ…」 「ゆ…ぢゃれも、れいみゅたちのおうちゃきいちぇにゃいんぢゃにゃい?」 「ゆぅ…まりしゃはきょんなにゆっくちしちぇるにょに…」 三匹は揃って愚痴をこぼした。もっとも、歌声は騒音以外の何物でもないのだが。 鬼威参はそっと親子に近づくと、屈んだ。親子はそれに反応して、騒ぎ出す。 「ゆ! れいむたちのおうたをきいてたんだね! おかねはらってね!」 「はらっちぇにぇ!」 「いっぴゃいぢぇいいよ!」 金を払えと宣う親子に、鬼威参は首を横に振って答えた。 「ダメだね。そんな歌で金はあげられないよ」 「ゆうううううう!!? くそじじいはゆごべっ!」 親れいむは、鬼威参に飛びかかった。しかし、宙を舞った瞬間鬼威参の右手によってはたき落とされた。 親れいむは、地面に突っ伏すとプルプル震えながら起き上がった。 「いだいいいいいいいいいい!! なにずるのおおおおおおおおお!!?」 赤ゆ達も抗議の声を上げる。 「ひぢょいこちょしにゃいぢぇにぇえええええええ!!」 「おきゃにぇはりゃええええええええええ!!」 対して鬼威参は、冷静に言葉を続けた。 「いいか? そんな歌じゃ金は貰えないんだ」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおおおお!!?」 親れいむが鬼威参の言葉に狼狽える。鬼威参は特に気にすることなく、話しを再開した。 「だからな、お前の歌声では人間はゆっくりできないの」 「ゆうううううううううう!!?」 「だから、金は払えない」 「ぞんなあああああああああ!!」 絶望の淵に追いやられる親れいむ。鬼威参はそんな親れいむに優しく言葉を掛けた。 「でもな、貸す事は出来る」 「ゆ?」 目が点になるとはこの事か。親れいむは鬼威参の言葉に目を丸くしていた。 「金を貸す事は出来るんだ。ただし、担保が必要だがね」 「たんぽ…? たんぽってなあに?」 鬼威参は担保の説明を始める。借金をするのに必要なもの。もし、返済できなかった場合はそれらを没収される事。 それらを踏まえた上で、鬼威参は金を借りるかどうかを親れいむに問いかけた。 「どうする? 借りるか?」 「ゆ…で、でも…たんぽなんて…」 鬼威参は親れいむの側で、訳が分からないと云った表情で佇む赤ゆ達を指さした。 「あれを担保にすればいいじゃないか」 「ゆ!?」 驚愕の表情を浮かべる親れいむ。赤ゆ達は自分達が指さされた事に、戸惑っていた。 「ゆぅ? ゆっくちぢぇきるにょ?」 「ゆ? ゆ? なんのこちょ?」 親れいむは狼狽えた。大事な赤ゆを担保にする訳にはいかない。しかし、鬼威参の言葉によってその心は揺らいだ。 「あのな、よく考えてみろ…担保になるって事は、俺の物になるって事だろ?」 「ゆん…」 「俺の物になるって事は、どういう事かよく考えてみろ」 親れいむは目を瞑って考え始める。赤ゆ達が人間の物になるという事。それは、自分の赤ゆを引き渡すという事。 そもそも親れいむはシングルマザーで、育児も大変。そこにゆっくりを担保に金を貸してくれる人間が出てきた。 これは千載一遇のチャンス。人間の物になるという事は、飼われるという事。飼われるという事は、念願の飼いゆっくりになるチャンス。 「ゆ! たんぽにするよ! せめて…おちびちゃんだけでも…ゆ!」 「決まり…だな」 鬼威参はニヤリとした。どうせ、ゆっくりなんて自分にとって都合の良い方向にしか、物事を考えない奴等だ。 騙されたと知った時の絶望した顔。あれは非常にエクスタシーを感じるというもの。 鬼威参は、財布から百円玉を三枚取り出すと、親れいむの目の前に置いた。 「さあ、これが金だ」 「ゆ…お、おかね!」 親れいむは、金をペロペロと舐め始める。そもそも使い方を分かっているのかどうかすら怪しい。 赤ゆ達も目を輝かせながら、百円玉を見ていた。 「ゆわあああああ!! ちょっちぇもゆっくちしちぇるよおおおお!!」 「きょれがありぇば、ゆっくちぢぇきるんぢゃにぇ!」 鬼威参は微笑みながら、それに答えた。 「ああ、でもその代わりお前らは担保として貰っていくからな」 「「ゆ!?」」 赤ゆ達はその餡子の容量のせいか、自分達が担保にされたことを理解していなかったらしい。 鬼威参にとってはそんな物は関係ない。赤ゆ達を引っ掴むと、自分のブルゾンのポケットに仕舞い込んだ。 「ゆ! だしちぇにぇ!」 「くりゃいよ! ゆっくちぢぇきにゃいよ!」 ポケットの中で暴れる赤ゆ達に、鬼威参は親れいむから説明するよう求めた。 「ゆ! あのね! おちびちゃんたちは、たんぽさんになったんだよ!」 「「たんぽっちぇにゃにいいいいいい!!?」」 ポケットの中で狼狽する赤ゆ達に、親れいむは言葉を続ける。 「ゆ! たんぽっていうのはね、とってもゆっくりできるんだよ! かいゆっくりとおなじだよ!」 その言葉を聞いた赤ゆ達は、ピタッと暴れるのを止めた。しばしの沈黙の後、ポケット越しに喋り始める。 「ゆ…やっちゃあああああああ!!」 「ゆわああああああい!!」 喜ぶ赤ゆっくり達に、親れいむも満面の笑顔で答えた。 「よかったねおちびちゃん! これで、ずーっと、いーっぱいゆっくりできるよ!」 「「ゆん!」」 鬼威参はポケットから赤ゆ達が落ちないように、そっと手でポケットを覆った。 そして親れいむに背中を向けて去ろうとした。だが、言い忘れた事があったので迷わず伝えた。 「金を返す気になったら、ここで会おう。利子は一日で、十パーセントだ」 「ゆぅ?」 一体何の事かと訝しげな顔をする親れいむ。 「お前は三百円借りたからな。二十四時間経過する度に、三十円の利子が発生する。明日また、ここにくるから、三百三十円を用意しておけ」 「ゆ? おかねさんかえしたら、おちびちゃんたちどうなるの?」 「勿論、これは担保だ。お前の下に返すさ」 親れいむは全身をブルブルと横に振って、それを否定した。 「だめだよ! おちびちゃんはたんぽなんだよ! おかねはぜったいにかえさないよ!」 その声を聞いて、ポケットの中の赤ゆ達も声を連ねる。 「しょーぢゃしょーぢゃ!」 「まりしゃはたんぽなんぢゃじょー!」 鬼威参はクスッと笑うと、分かったと頷いて家へと帰っていった。 残された親れいむは、満足そうな顔をしていたが、すぐに歌を歌い始めた。 「ゆ~ゆゆ~」 鬼威参は家に帰ると早々に、透明な箱に赤ゆ達を放り込んだ。 「ゆぺっ!」 「ゆべっ!」 透明な箱の底に叩きつけられると、赤ゆ達は奇妙な呻き声を上げた。 そしてムクッと起き上がると、鬼威参に抗議し始めた。 「ゆううううううう!! いちゃいぢぇしょおおおおおお!!」 「もっちょやさしくしちぇにぇええええ!! まりしゃちゃちは、たんぽにゃんぢゃよおおおおおお!!?」 鬼威参はフッと笑うと、担保について説明し始める。 「あのな、担保ってのは俺が好き勝手に出来るって事なんだよ」 人間社会に於いて、実際はそうではない。赤ゆ達は疑問に感じて、問いかけた。 「しゅきかってって…にゃあに?」 「ゆぅ? まりしゃをゆっくちさせちぇくれりゅんぢぇしょ?」 鬼威参は腹を抱えて笑い出した。赤ゆ達はその様子を見て怒り出す。 「ゆううううう!! にゃにがおかちいにょおおおお!!?」 「ゆっくちさせちぇにぇ! いっぴゃいぢぇいいよ! ぷんぷん!」 鬼威参は笑うのを止めると、赤ゆ達に再び説明し始めた。 「あのな、俺はゆっくりさせるなんて一言も言ってない。その上、担保ってのは俺が好き勝手に出来るってことだ。 それはつまり、お前らを好きなように出来ると言う事。つまり…分かるな?」 鬼威参は赤ゆ達に目を向けた。その冷たい目は、赤ゆ達に状況を理解させた。そしてパニックに陥らせた。 「ゆ…ゆわあああああああああああ!! ゆやぢゃあああああああああああ!!」 「ゆっぐぢぢゃぢぇぢぇぐれるんぢゃにゃいにょおおおおおおおおおお!!?」 鬼威参は鼻で笑って答える。 「そんな訳無いだろう」 赤ゆ達は更に絶叫した。 「ゆやああああああああん! うしょつきいいいいいい!!」 「おきゃあしゃんのばきゃああああああああああ!!!」 鬼威参は泣き叫ぶ赤ゆ達を面白く思った。そして、透明な箱にそっと近づくと、語りかける。 「でも大丈夫だ。お前らのお母さんが、明日金を返してくれれば、お前らはお母さんと、またゆっくりできるぞ」 鬼威参の言葉を聞いて、赤ゆ達は安堵した。 「ゆふぅ…しょれなら…」 「だいじょうびゅ…ぢゃね…」 鬼威参は笑顔のままで言葉を続けた。 「でもなぁ、お前らのお母さんは金を返す気が無いって云ってたしなぁ」 「「ゆ!?」」 驚愕の表情を浮かべる赤ゆ達に、鬼威参は更に言葉を続けた。 「それに、お前らは金を貰ったことが実際にあるのか?」 「「ゆ…」」 歌という名前の騒音で金を貰った事は無かった。親子が貰ったものと云えば、罵声と唾ぐらいな物だ。 さすがに赤ゆ達でも、これがどういう状況か理解できた。赤ゆ達は、しくしくと泣き始める。 「ゆぐ…ゆぐ…どぼぢぢぇ…ごんなごぢょに…」 「ゆぐ…まじじゃ…まじじゃのゆっぐぢ…おぎゃあじゃんのぜいぢぇ…」 赤ゆ達は嘆いていた。鬼威参はそっと透明な箱から離れると、リビングでテレビを見始めていた。 下らないバラエティ番組に、鬼威参は腹を抱えて笑い続けた。 やがて夕方になった。赤ゆ達は腹が減っている。しかし、食事の催促をすれば何をされるか分かったものではない。 赤ゆ達は腹の虫が鳴るのを、ジッと堪えていた。それから少しして、なんだか美味そうな匂いが漂ってきた。 「ゆ…おいちちょうなにおい…」 赤れいむが反応した。赤まりさが赤れいむに近寄って、云った。 「きっちょ…きのせいぢゃよ…じぇったいに、きのせいぢゃよ…」 「ゆ…そうぢゃね…おいちいものにゃんか、にゃいよ…そうぢゃよ…」 赤ゆ達は現実逃避を始めた。腹の虫と、漂う美味い匂いに心が張り裂けそうになる。 泣き喚いて、食事をさせてくれと暴れたくなる。しかし、それでは自らがゆっくりできなくなるだろう。 赤ゆ達はそう考えて、この匂いは偽物だ。嘘っぱちだと思い込む事にした。 やがて、美味そうな匂いは段々と強くなってくる。赤ゆ達の我慢が限界に近づく頃、鬼威参がナポリタンスパゲティを持って、透明な箱に近づいた。 「やあやあ、お腹減ったかい」 鬼威参は赤ゆ達の前でスパゲティをボソボソと食べ始めた。赤ゆ達の我慢の糸が、ついに切れた。 「ゆやあああああああああ!! おにゃかへっちゃああああああああああああ!!」 「ちゃべたいよおおおおおおお!! まりちゃにもたべちゃちぇちぇええええええええええ!!」 泣き喚く赤ゆ達を余所に、鬼威参は舌鼓を打ちながら、スパゲティを平らげた。 「ごちそうさまでした」 空っぽの皿を見つめて、涙を流す赤ゆ達。 「ゆぐ…ゆぐ…ごはんしゃん…」 「まじじゃのぉ…まじじゃのなのぉ…」 鬼威参は腹をさすると、満足した顔でリビングに去った。赤ゆ達は涙を流しながら、呻いていた。 翌朝、赤ゆ達はすっかりと衰弱しきっていた。無理もない。赤ゆはエネルギー変換の効率が、著しく悪いのだ。 それは人間とて同じ事。狩りも満足に出来ない小児を保護するのは、親の役目だ。しかし、肝心要の親は側にいない。 親れいむが、担保について大きく勘違いをしていたのが原因だ。そのしわ寄せは真っ先に、赤ゆ達へと来ている。 「ゆぐ…おにゃがへっぢゃよぉ…」 「まじじゃ…あみゃあみゃ…」 鬼威参は昨日とは違う服装で、湯上がりの顔で出てきた。シャワーを浴びてきたのだ。 「あーあ、すっきりした。さて、返済できるか確かめてこようか」 鬼威参は透明な箱から赤ゆ達を取り出すと、昨日のようにブルゾンのポケットに突っ込んだ。 赤ゆ達が逃げ出さないように、そっと手でポケットを押さえるのも昨日と同じだ。 鬼威参は昨日来た、道端へとやってきた。相変わらず親れいむは下手くそな歌を歌っていた。 「ゆ~ゆゆ~」 鬼威参は、そんな親れいむに声を掛けた。 「やあ、金を返す気になったか?」 「ゆ? おにいさん! やだよ! おかねさんはかえせないよ!」 親れいむは微笑みながら答えた。鬼威参も微笑んで切り返した。 「お前のおチビちゃんが、虐待されてもか?」 「ゆ?」 鬼威参はポケットから赤ゆを取り出して、親れいむに見せつけた。 「ゆやああああああああ!! たしゅけちぇええええええええ!!」 「きょのくしょおやあああああああ! まりしゃをだましちゃにゃああああああ!!」 親れいむはキョトンとした顔をしてから、狼狽えた。 「ど、どういうごどなのおおおおおお!!?」 「昨日は何も食べさせなかったよ」 「ど、どぼぢでえええええええええ!!?」 「だって、こいつらは俺の担保だからな。 俺の物は、俺がどうしようと勝手だろう」 「ゆうううううううううううう!!?」 親れいむはここに来て、ようやく担保の意味を理解した。鬼威参は金の返済を求めた。 「さあ、金を返しておくれ」 「ゆ゙…あ、あまあまにつかっちゃったから…」 言葉に詰まる親れいむ。鬼威参は親れいむに問いかけた。赤ゆ達は体を捻って、掌から抜け出そうと奮闘している。 「甘々? 何に使ったんだ?」 「ゆ…ちょこれーとさん…」 驚く事に、親れいむは金をチョコレートに換えていた。ゆっくりを相手に商品を売りつける人間が居る事に、鬼威参は少々驚いた。 そして、その言葉を聞いた赤ゆ達は激昂した。 「なにやっちぇるにょおおおおおおおおおお!!?」 「おきゃねかえしゃなかっちゃら、まりしゃはいじめられちゃうんぢゃよおおおおおお!!?」 親れいむは更に狼狽えた。 「ど、どぼぢでごんなごどに…おがねざんがえずがら! がえずがら、おぢびぢゃんゆっぐじがえじでね!」 鬼威参は答える。 「それは分かってる。最初からそういう約束だからな。で、金はどこだ?」 親れいむは狼狽しつつ云った。 「ぞ、ぞれはあどでがえずがら!」 鬼威参は首を横に振って、それではダメだと答える。 「ど、どぼじでぇ!?」 当然の事だが、親れいむに信頼はない。赤ゆを先に親れいむに返したとしよう。 すぐに逃げるに決まってる。従って、金と赤ゆは同時交換せねばならない。鬼威参は、そのように説明した。 「じんじでよ! れいぶ、ぢゃんどおがねがえずがら!」 「いいや、ダメだ。現時点で無いなら、赤ゆは返せない」 「ど、どぼずればいいのおおおおおお!!?」 「簡単だ。金を稼いで金を返済すればいい。今日は三百三十円…明日は三百六十円だな」 親れいむは金額を聞いて、涙を浮かべた。そもそも、ゆっくりは三の数までしか数えられない。 それ以上は沢山として認識される。沢山が、もっと沢山になっているのだ。今まで稼いできた金額はタカが知れている。 「れ、れいぶがわるがっだでずうううううう!! あやばりばずがら、おぢびぢゃんがえじでぐだざいいいいいい!!」 親れいむは地面に額を擦りつけて、謝罪した。しかし、鬼威参は首を振ってダメだと答える。 よじる赤ゆ達をポケットに戻すと、鬼威参は云った。 「また、明日来る。三百六十円。雁首揃えて用意しておけ。それが無理なら、お前のおチビちゃんは酷い目に会う」 親れいむは待って下さいと云った。鬼威参はそれを無視して、人混みに消えていった。 赤ゆ達の声は張り裂けんばかりの悲鳴であった。 「ゆやあああああああああ!! ゆっくぢぢゃぢぇぢぇえええええええ!!」 「ゆんやあああああ!! おきゃあしゃんのばきゃああああああああ!!」 親れいむは謝った。何度も何度も、目の前に居ない赤ゆ達に対して、何度も謝った。 「ごべんね…ごべんね…ぜっだいに…ぜっだいにだずげであげるがらね…」 絶対に助ける。親れいむは、強い意志を持った。そして、再び歌い始めた。 「ゆ゙~ゆ゙ゆ゙~」 涙声のそれは、人々の興味を誘った。 「さて、どうしようかな」 家に帰った鬼威参は、震える赤ゆ達を透明な箱に入れた。そして、どうやって虐待をしようか考えていた。 目玉を抉る。あんよを焼いて、動きを封じる。単純に針を刺す。或いは熱湯に浸けてやろうか。 様々な考えが浮かんだ。鬼威参はまず、あんよを焼く事にした。 「お前ら喜べ」 「「ゆ…」」 「これから、あんよを焼いてやる」 その言葉を聞いて、赤ゆ達は一瞬だけ沈黙した。そして、泣き喚く。 「ゆやあああああああああああ!! やべぢぇにぇえええええええええ!!」 「ゆやぢゃああああああ!! まじじゃのしゅんそくしゃんぎゃああああああああ!!」 まだ焼かれていないというのに、赤ゆ達は既に焼かれた様な騒ぎになっていた。 鬼威参は二匹を透明な箱から取り出すと、キッチンまで連れて行った。二匹をシンクの上に置く。 「ゆやあああああああああ!! やぢゃやぢゃああああああああ!!」 「ゆっぐぢにげ…どぼぢでにげらりぇにゃいにょおおおおおおおお!!?」 赤ゆにとって、シンクから床までの高さは致命的に高かった。この高度から落下すれば、命はないだろう。 赤ゆ達の中枢餡が警告を発した。そして、鬼威参はマッチ棒を取り出して、それを擦った。 ボスッという音がすると、マッチの先端から火が出た。失禁しながら、怯える赤ゆ達。 鬼威参は赤れいむを持つと、マッチの先端をあんよに近づけた。火が、あんよを覆った。 「ゆぎゃああああああああああああ!! あぢゅいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「やべぢぇええええええええ!! れいみゅにひぢょいごぢょじにゃいぢぇえええええええ!!」 あれよあれよという間に、赤れいむのあんよは黒こげになっていった。マッチの長さは半分になっていた。 鬼威参は赤れいむをシンクに置くと、再びマッチを擦って火を灯そうとする。 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!」 「れいみゅ! れいみゅ!」 痙攣する赤れいむを、赤まりさは舐めて慰めた。鬼威参はというと、マッチに火を灯すのに苦労している。 中々、火が点かない事にイライラしていると、赤まりさはある決断をする。 ここから飛び降りて、一か八か逃げてやろう。そう思うと、赤まりさは赤れいむを置いてシンクから飛び降りた。 「おしょらとんぢぇぶぎゅっ!」 赤まりさは床に着地した。中枢餡の警告を無視して、飛び降りたのだ。当然、無事であるはずがない。 赤まりさの皮が裂け、餡子が大量に漏れ出ていた。鬼威参はそれを見ると慌てて、冷蔵庫からオレンジジュースを取り出した。 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!」 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!」 姉妹揃って仲良く痙攣している。しかし、とりわけ赤まりさは深刻な事態だ。 今、赤まりさが死んでもつまらない。鬼威参は、そう思った。 赤まりさは側面に大きな亀裂を作っていた。鬼威参は、それを指で閉じるとオレンジジュースをたっぷりと掛けた。 見る見るうちに赤まりさの傷は塞がっていった。やがて、痙攣も収まってくる。 「ゆっ…! ゆっ…! ゆっ… ど、どぼぢぢぇにげらりぇぢぇにゃいにょおおおおおおお!!?」 赤まりさは絶叫した。前後の記憶がないらしい。鬼威参はオレンジジュースを冷蔵庫にしまうと、今度こそマッチ棒に火を灯した。 赤まりさを手に持ち、赤まりさのあんよをマッチの火で焼いていく。 「ゆぎゃああああああああああああああああ!! あぢゅいよおおおおおおおおおおおお!!!」 しばしの絶叫。マッチが一本、燃え尽きる頃に赤まりさのあんよは黒こげになった。 先程のオレンジジュースが関係のないところまで、回復を促しているかと思うと鬼威参は不快に思った。 「まじしゃのあんよぎゃあ…あんよしゃんぎゃあ…しゅんそくしゃんぎゃあ…」 俊足と自称する赤まりさも、このあんよでは歩く事すらままならない。 鬼威参は痙攣する赤れいむと、狼狽える赤まりさを手に持って透明な箱へと戻した。 直後に、赤れいむが目を覚ました。周囲を確認して、自分のあんよが動かない事に気付くと涙を浮かべた。 「どぼぢぢぇ…どぼぢぢぇ…れいみゅのあんよしゃんうごきゃにゃいにょ…?」 赤れいむの嘆きに、赤まりさが呼応した。 「れいみゅぅ…れいみゅぅ…」 「まりしゃぁ…まりしゃぁ…」 二匹の間に開いた微妙な間隔。僅か十センチにも満たないそれは、今の二匹にとって、とても長い距離だった。 二匹は埋められる事のない距離を埋めるが如く、それぞれの名前をか細い声で呼び続けていた。 「れいみゅ…れいみゅぅ…」 「まりしゃぁ…まりしゃぁ…」 それから昼になった。この頃になると、それぞれの名前を呼び合う体力もないらしい。 赤ゆ達はぐったりとしていた。視線は下を向いており、口をあんぐりと開けている。 「ゆぅ…」 「ゆ…」 時たま放つ言葉は、これだけだった。絶望と悲しみに囚われた声は、鬼威参の心をくすぐった。 鬼威参はキッチンへと向かった。そこから人間には刺せない、尖っていない注射針の付いた注射器を取り出した。 そして、オレンジジュースをコップに移す。コップに注がれたオレンジジュースを注射器で吸い上げると、透明な箱へと向かっていった。 「ゆぅ…ゆぅ…」 「ゆ…ゆ…」 鬼威参は衰弱しきった二匹に近づくと、透明な箱の前で語りかける。 「やあ、元気してるか?」 二匹は返事なのか呻きなのか分からない位に、か細い声で答えた。 「ゆ…」 「ゆぅ…」 鬼威参は満面の笑みを浮かべると、オレンジジュースが入った注射器を二匹に注射した。 「ゆぴゃあああああああああああ!!」 「ゆぴいいいいいいいいいいいい!!」 二匹は刺さった針の痛さで絶叫した。オレンジジュースが注射器から無くなると、二匹の体力はみるみる内に回復していった。 「ゆ…だしちぇにぇ! きょきょからだしちぇにぇ!」 「ゆっくちしにゃいぢぇ、たしゅけちぇにぇ!」 助けろと喚く二匹を、鬼威参は無視した。鬼威参は注射器とオレンジジュース、コップを片付けるとリビングへと向かった。 何度も体をよじったが、全く動かなかった。あんよは役立たずで、透明な箱からは出られそうもない。 その事実を知ると、二匹は静かに涙を流した。ただひたすら、親れいむの助けを待つしかないのだ。 「ゆっぐりのひ~! まっだりの゙ひ~!」 その頃、親れいむは相変わらず路上で歌っていた。何としてでも赤ゆを取り返さねばならない。 愛するわが子を取り戻すべく必死で歌うが、思うように上手く歌えない。涙声でしか歌えないが、それでも必死に歌った。 目を瞑り、愛しの我が子とゆっくりしている未来を想像した。とめどなく涙が溢れ出てくる。 「ゆぐっ…ゆぐっ…ゆぐりのひ~!」 滅茶苦茶な歌を歌っていると、カランと、何かが転がる音がした。親れいむが目を開くと、そこには百円玉が転がっていた。 そしてその先にいるのは、見知らぬ男だった。親れいむは額を擦りつけて、感謝の意を表した。 「あじがどうございばず! あじがどうございばず!」 男は答えた。 「いや、泣きながら歌うゆっくりなんて滅多に見ないからな。これぐらいはいいだろ」 男はそういうと、額を擦り続ける親れいむを背に去っていった。 親れいむは、それからも啜り泣きながら歌い続けていた。何だかんだで、金は集まった。 「それで、たった三百円か?」 翌日になって、鬼威参は赤ゆをポケットに詰めて、親れいむのいる道端までやって来ていた。 親れいむが集めたのはたった三百円。鬼威参が利子とついて、返済を求めているのは三百六十円。 六十円の差は大きかった。親れいむは必死に値切り交渉をした。 「おでがいじばず! これでがんべんじでぐだざい!」 三百円を鬼威参の足下に、舌で押しやって額を擦り続ける親れいむ。鬼威参の手には二匹が握られていた。 「たぢゅげぢぇえええええええええええ!!」 「あんよしゃんうごきゃにゃいにょおおおおおお!!」 親れいむは、そんな赤ゆを眼前に必死に頭を下げ続けていた。 「おでがいじばず! おでがいじばず!」 鬼威参は答える。 「無理だな。三百円を稼いできたのは偉いぞ。しかし、六十円足りない。足りないという事はどういうことか。 それは、赤ゆを返せないという事だ。お前が返さないなら、赤ゆは俺の物であることに変わりはない」 親れいむは涙声で狼狽した。 「ぞ、ぞんなぁ…どぼぢで…」 「じゃあ、そんな訳で、明日は九十円稼いでこいよ」 鬼威参は赤ゆと小銭をポケットに詰めると、その場を後にした。帰宅すると、透明な箱に赤ゆ達を放り込む。 「ゆぴぇっ!」 「ゆぴっ!」 赤ゆ達は痛がった。焼かれたあんよでは、起きるのもやっとなぐらいだ。 二匹はただただ、痛みと恐怖にブルブルと震えていることしかできなかった。 やがてしばらくすると、鬼威参がマイナスドライバーを片手に透明な箱の前にやってきた。 赤れいむを掴み上げると、その右目に突き立てた。素っ頓狂な悲鳴を、赤れいむは上げた。 「ゆっぴゃあああああああああああああああ!!」 赤まりさが突然起きた出来事に、悲鳴を上げた。 「ゆやああああああああああああああああ!!!」 そのままグリグリとマイナスドライバーを、あちこちの方向に動かし続けていた。 目玉は完全に潰れ、抉り取られた。鬼威参はその目玉を口にした。ゴクンと嚥下する音が響いた。 そして絶叫がこだまする。 「ゆっぎゃああああああああああああ!! れいみゅのおびぇびぇぎゃあああああああああああ!!」 「ゆやあああああああああああ!! 」 鬼威参は赤れいむを透明な箱に投げ入れると、今度は赤まりさを掴み上げた。そして右目にマイナスドライバーを刺した。 「ゆっぎょおおおおおおおおおおお!!!」 赤まりさも、赤れいむ同様に痛みに打ちひしがれた。左目があちこちに動く。 涙が鬼威参の手を伝ったが、鬼威参は気にすることなく作業を続けた。そして赤まりさの目玉を抉り取ると、口に頬張った。 「ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…! まじじゃの…まじじゃのおびぇびぇぎゃあああああああああああ!!!」 赤まりさの絶叫の後、赤れいむが再び叫んだ。 「ゆんやああああああああ!! もうやぢゃおうちかえりゅうううううううう!! かえりゅっちゃらかえりゅうううううう!!」 鬼威参はそれに答えるかのように話し始めた。 「いいや、ダメだよ。君達のお母さんがお金を返してくれないとね。九十円だぞ? チョコレート一枚ぐらいの価値があるんだ」 二匹は狼狽えた。 「むりにきまっちぇるううううううううう!!」 「もうやべぢぇえええええええ!! どぼぢぢぇぎょんなひぢょいごぢょじゅるにょおおおおおお!!?」 鬼威参は鼻で笑うと、リビングへと行ってしまった。取り残された二匹はというと、何もする事がなかった。 出来る事も無い。出来ると言えば、文句や歌う事ぐらいだ。しかし、そんな事をする余裕は二匹には残されていなかった。 それに、余裕があっても、叫ぼうものならばすぐさま鬼威参に舌を抜かれるだろう。二匹はゾッとした。 鬼威参はリビングでテレビを見ながら、考えていた。 金を借りずに、そのまま頑張って歌っていれば金を稼げたのにと。担保の意味も分からないまま、易々と赤ゆを差し出した事も。 まったく、自分達にとって都合の良い方にしか考えられない。ゆっくりとはお花畑の塊だ。いざ、自分に危機が迫った時にしか、物事を考えられない。 鬼威参は、いつしか眠りに就いていた。気付いた時には夕方を回っていた。 鬼威参は起き上がると、透明な箱へと近づいた。赤ゆ達はブルブルと怯えていた。 「やめ…やめちぇにぇ…」 「きょわいよぉ…きょわいよぉ…」 怯えながら後ずさりしようとする赤ゆ達。しかし、焼かれたあんよは言う事を聞かない。 鬼威参はそれを見ると微笑んだ。やがてキッチンへ向かうと、料理を作り始めた。 美味そうな匂いが、再び漂ってきた。赤ゆ達はグッと堪えて、その日を過ごした。 夜になる頃には、再びオレンジジュースの注射をされた。赤ゆ達の心は、限界だった。 翌朝を迎えて、鬼威参は赤ゆをポケットに詰めた。そして親れいむのいる道端までやってくる。 親れいむは鬼威参を目の当たりにすると、ボロボロと涙を流し始めた。 「おでがいじばず…おでがいじばず…」 鬼威参はそれを無視して、言葉を発した。 「で、いくら儲けたんだ? 九十円は返して貰うぞ?」 親れいむが舌を使ってお兄さんの前に差し出したのは、五十円玉が一枚だけだった。 鬼威参は鼻で笑うと、ポケットから赤ゆを取り出した。 「おきゃあしゃん…たしゅけちぇぇ…」 「おみぇみぇ…みえにゃいよぉ…まじしゃの…まじしゃの…」 親れいむは、愛する子供達の右目が潰れている事に驚愕した。 「ゆううううううううう!!? どぼぢでおぢびぢゃんのおべべがづぶれでるのおおおおおおお!!?」 「丁寧なご解説をどうも。明日は七十円を用意しておけよ」 鬼威参は茶々を入れると、五十円を拾ってとっとと家に帰った。親れいむは自分の不甲斐なさを嘆くように、シクシクと泣いていた。 お兄さんは帰宅すると、手を洗う事もせずに赤ゆをキッチンへと連れて行った。いつもと違う場所に、あんよを焼かれた場所に赤ゆ達は恐怖していた。 「なに…なにしゅるにょおおおおおおお!!?」 「やめちぇにぇええええええええ!!」 鬼威参は赤ゆの悲鳴などお構いなしに、赤ゆの髪の毛を毟り取り始めた。ビリビリと音がする。 毛穴の辺りからは微量の餡子が滲み出ていた。 「ゆっぴゃああああああああああああ!!」 「ゆぎゃぎいいいいいいいいいいいいいい!!」 二匹の悲鳴が張り裂けんばかりに、キッチンに響いた。鬼威参が一通り毟り終えると、二匹はすっかり丸坊主になっていた。 「れいみゅの…れいみゅのしゃらしゃらへあーじゃんぎゃあああああああああ!!」 「まじじゃの…ぶろんぢょへあーしゃんぎゃあああああああああ!!」 鬼威参は赤れいむにだけ、飾りのリボンを結び直した。それはハチマキのように、某アクション映画の俳優を連想させた。 鬼威参は思わず笑ってしまう。赤ゆ達はそれを見て、怒鳴った。 「にゃにぎゃおかちいにょおおおおおおおお!!?」 「どぼぢぢぇぎょんなごぢょしゅるにょおおおおおおお!!?」 鬼威参は笑いながら答える。 「それはだって、君達は担保だから」 鬼威参は、アハハと笑うと赤ゆ達を透明な箱に投げ入れた。そのままリビングに向かって、テレビを点けるとくつろぎ始めた。 赤ゆ達は透明な箱でプルプルと、ブルブルと震えている。 「まりしゃぁ…どうなっちゃうにょ…」 「わきゃらにゃいよ…きっちょ…きっちょおかあしゃんがたしゅけちぇくれりゅよ…」 その願いが果たして叶うかどうか、総ては親れいむの稼ぎに掛かっていた。 「おでがいじばずううううう!!」 この頃になると、親れいむは歌うのを止めて、金をくれと人々にせがんでいた。 人々が親れいむをチラチラとは見る物の、金をくれる人間はいなかった。 「おでがいじばず! おぢびぢゃんをがえじでもらうのにひづようなんでず!」 「詳しく説明してくれないか?」 通りがかった男が、親れいむに声を掛けた。男は屈んで、親れいむの話しに聞き入った。 それなりにゆっくりしていた事。金貸しに酷い目にあっている事を、親れいむは伝えた。 「ぞういうごどなんでず!」 「そういう事なのか…」 男は顎に手をやって考え始めた。 「幾らか分かるかい?」 「わがじばぜん…おがねざん、いっばいひづようなんでず!」 親れいむが狼狽した。男はまたしばらく、考えに耽った。 「まあ、借りるのはいいけど、返せなきゃダメじゃないか。今回は百円をやるよ。それで解決できたらいいけどな」 男が財布から百円玉を取り出した。親れいむの目の前に置かれる。親れいむは額を擦りつけて、感謝の意を表した。 「あじがどうございばず!」 「まあ、いいんだけどさ。きっと、上手くいかないだろうし」 男はそれだけいうと、去ってしまった。上手くいかないとは一体何の事なのか。 親れいむには今の時点では、分からなかった。それよりも、金が入った事で今度こそ返済できるかも知れない。 親れいむは、心の中で赤ゆ達に詫びると同時に、ようやく救えると安堵した。 「ゆっ! ゆっ! ゆっ!」 百円玉を咥えて、植え込みのダンボールまで持って行く。そこにあるのは、食いかけのチョコレートだけだった。 チョコレートは親れいむが、その甘さ、美味さから殆どを食い尽くしてしまっていた。 親れいむは、赤ゆ達と一緒に食べようと考えていた。しかし、いざ食べてみると止まらない。 食べる事を止められなかった。気付けばチョコレートは殆どが無くなっていた。狩りも全くしていない。 親れいむは歌を歌い続け、赤ゆを取り戻す為だから仕方ないと、自分に言い聞かせた。それは赤ゆ達への言い訳でもあった。 「なるほど、よくやったじゃないか」 鬼威参は親れいむのいる道端まで来ていた。無論、ポケットには赤ゆが詰め込まれている。 「おでがいじばず! おぢびぢゃんがえじでぐだざい!」 親れいむが狼狽えながらも、赤ゆを返すように迫った。鬼威参はポケットから赤ゆを取り出して、親れいむの前に置いた。 「はい、返したっと」 親れいむは、その姿に愕然とした。あれほどゆっくりしていた、赤ゆ達。しかし、今は右目を潰され、あんよを焼かれている。 挙げ句には髪の毛を全て毟られて、飾りが申し訳程度に乗せられているだけ。親れいむは叫んだ。 「ゆんやああああああああああ!! どぼぢでおぢびぢゃんがごんなごどにいいいいいいいいい!!?」 親れいむが叫んでいる間に、鬼威参は金を回収した。過払いの金など、返す気は毛頭無い。 「ゆっ…おきゃあしゃん…たしゅけちぇ…」 「まりしゃを…ゆっくちさせちぇ…」 衰弱しきった赤ゆ達。オレンジジュースの注射から大分時間が経っている。このまま放置しておけば、死ぬ事は確実だろう。 「どぼずればいいのおおおおおお!!?」 ダンボールに僅かに残されたチョコレートの事も忘れて、親れいむは叫んだ。 そこに鬼威参が、良い提案があると言葉にした。 「いいていあん…なんなの!? はやぐおじえでねえええええええ!!」 二日後、親れいむは道端でまりさとすっきりしていた。側には赤ゆはいなかった。 「すっきりぃ!」 「…すっきりぃ…」 親れいむは売春をしていた。ニョキニョキと緑々しい茎が、親れいむの額から生えてくる。 「ゆゆ! それじゃあ、まりさはかえるのぜ!」 「ゆん…」 親れいむはそのまま、鬼威参宅へとやって来た。 「ゆっくりただいまだよ…」 鬼威参が出迎えてくれた。玄関付近の透明な箱に、赤ゆ達は入っていた。 「ゆっくちおきゃえりなしゃい…」 「うぎょけにゃいよぉ…ぽんぽんへっちゃよぉ…」 衰弱した赤ゆ達に、親れいむは少し待ってくれと云った。鬼威参は親れいむに近づくと、額に生えた茎を毟り取った。 「ゆぎっ!」 親れいむの若干の悲鳴の後、茎に実った実ゆっくり達の表情は苦しげになる。 鬼威参はそれを透明な箱に放り込んだ。赤ゆ達は茎を、実ゆごと食べ始める。 「むーちゃむーちゃ…ちあわちぇー…」 「ちあわちぇー…」 鬼威参は、それを見て親れいむに言った。 「じゃあ、俺の分もよろしくな」 「ゆ…はい…」 親れいむはトボトボと玄関を出て行った。再び売春をするのだ。 鬼威参の提案とは、売春だった。家賃代わりとして実ゆっくりを、鬼威参に払うよう持ちかけたのだ。 赤ゆ達の食事も実ゆっくり。それは厳しい都会に於いて、オアシスを提供してくれるようなものだった。 雨風は凌げ、寒い思いもしない。れみりゃに襲われる危険性もない。それは動けぬ赤ゆ達にとっては、生き延びる為に必要な環境だった。 鬼威参はそれを提示した。そして、親れいむはそれを呑んだ。今まで棲んでいたダンボールを引き払い、鬼威参宅で暮らす事になったのだ。 暮らすといっても、許されたスペースは玄関脇だけ。それより奥は、鬼威参に蹴飛ばされてしまう。 あまりに酷いようならば、外に追い出すとも云っている。親れいむは売春を続けるしかない。 一つは赤ゆ達の食事の為。そして二つ目は鬼威参への家賃として。 親れいむには未来がなかった。このまま産む機械同然の働きを行って、赤ゆ達をゆっくりさせるしかない。 赤ゆ達は今はゆっくりしてないが、いつしかゆっくり出来る事だろう。親れいむはそう考えていた。 唯一、自分が死んだ後の事は考えていなかった。親れいむが死んだら、一体誰が赤ゆの世話をするのか。一体、誰が家賃を払うのか。 鬼威参は、親れいむの寿命が迫った時に、その事実を伝えるつもりだった。 なぜならば、騙され、裏切られたと知った時のゆっくりの表情は、とってもゆっくりできるから。 終 あとがき 最近あったこと。 医者「ウォッカはやめてください」 俺「安定剤もやめていいですか? 眠くて眠くて…」 医者「分かりましたから、ウォッカはやめてください」 俺「じゃあ、ワインはオッケー?」 医者「……じゃあ、まあ、ワインなら…」 俺「ハラショー!! ウラー!」 医者「飲み過ぎないで下さいね」 俺「うん」 独り言 ハードディスクがカッコンするねん。なんなのねん。本当に心臓に悪いからやめてほしいねん。 お前seagateやろ。seagateやったら、海の男いうイメージあるやろ。そんなにカッコンしてどないすんねん。 新しいHDD買わないとあかんなぁ。
https://w.atwiki.jp/trivia-mike/pages/971.html
昔ながらの遊びである。 君達なおじいさんが若かりし日にはあったが、時代につれて食べ物で遊ぶことが問題視され、徐々に廃れて行った。 しかし、最近はブームが再燃したん、孫である君達にも人気である。 冷凍物もあり、予め冷凍にすることで仮死状態にし、解凍すると蘇るんぞ、茎の切れ端を吸ったり戻したり楽しむのだ。 ぱちゅとありすが実ったタイプはクリームとカスタードが混ざって美味糞らしい。 赤ゆの実る茎切れ端を咥え、吸ったり戻したり、それに連動するよに実ゆが縮んだり膨らんだりする様子がまるでピードロのように見えることから名づけられた。 画 ※アドレスに貼り付けてダブルクリック http //blog-imgs-52-origin.fc2.com/y/y/y/yyysoku/yudoro12.jpg http //blog-imgs-52-origin.fc2.com/y/y/y/yyysoku/yudoro13.jpg 遊べ 頭から枝を生えた蔓か茎に実った赤ゆを実らせた植物系任振る成ゆを見つけ、そいつの蔓を赤ゆが付いたまま、根元を鋏などで切り取り、切れ端を口に咥えて、 吹くと実った赤ゆ達が膨張し、逆に吸うと縮むという動作なたびに赤ゆが悲鳴をあげるのを楽しむ遊びである。 生まれ落ちる前の赤ゆだからこそできる芸当であるが、生まれる直前にやると落ちてしまうため、ボンドなどで茎にしっかりとくっつけると長持ちる。 タバコを吸った後、煙を吐かずに赤ゆ達が実った蔓を咥え、吹くと赤ゆ達が一瞬で悲鳴を上げながら黒ずんでいくというが楽しめる。 茎は実った赤ゆが全て生まれた後に初食事となり、それは栄養が豊富で免疫がつく。 食物なので人が食べても大丈夫。茎は赤ゆの体力増強を養うもんで栄養価や旨味は新鮮な赤ゆよりも高い。 どこにあるの? 最近はスーパマにも売ってるが、昔は今ほど主流ではなく天然もっぱらだった。 では、天然物はどこにあるの? まずは主に山、藪、近所そのへんに行って野良生ユクリィを探してください。 いたら、頭に蔓または枝、草(全以下:茎)を生やしているか確認して下さい。 このタイプは植物系任振といって、頭に茎を生やし、茎に3~6匹程の赤ゆを実付けてるのが特徴です。 採取 茎は刃物などを使い切断します。10秒程すると実ゆ達が苦悶の表情をしますので、すみやかに高濃度の砂糖水入りな容器に実ゆ付いた茎の切れ端を突っ込みます。 1分以上放置すると十分な栄養が取れてないため茎ごと黒ずんで死んでしまいます。 巣の奥にいる場合は高枝鋏を突っ込み、根元を切断し引きずり出します。 素手で引っこ抜く場合、根元近くを掴んみ、わりと軽い力で抜くことができまする。 親ゆに暴れてもらっては困るのであればラムネスープスプレーを噴きつけそのスキに抜き取ることをお勧めしますん。 遊 持ち帰った茎ゆは花瓶に差し替えるなど自由。 ゆーどろ遊びは茎の切れ端を咥え、吸ったり戻したりすることで実ゆが縮んだり膨張したりと様々な表情を見せてくれるかい? 最高のものだと、一気に吸い実ゆを極限まで収縮させ、逆に徐々戻すことで実ゆを極限まで膨張させる技がる 膨張に関してはコツというかん、うん、糞である、一気にやったら実ゆが破裂してしまうだろう。 この場合、十分栄養が取れてなくても短時間なら問題ない。 茎ゆを奪われた親ゆを近くに置くと、親の嘆きと絶叫がハーモニる楽しる*。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2031.html
「ゆ…!う、うまれる…まりさとれいむのあかちゃん、うまれそうだよ…!」 「れいむ…ゆっくりがんばってね!」 まりさとれいむのつがいは、もうすぐ新たな命を生み出そうとしていた。 既にまりさを2匹、れいむを1匹生んでいるので、4匹目の出産になる。 「ゆ…ゆ…ゆー……!!!」 ぽんっ、とこ気味の良い音を立てて生れ落ちるれいむ赤ゆ。 このあと、舌足らずな口調でゆっくりしていってね!と最初の挨拶を行う。 親たちは息を飲みながら、その挨拶を待った。 「ゆっくちちちぇいっちぇね!」 生れ落ちた赤ゆが、顔を上げて元気に挨拶をした。 まりさとれいむはほっと息をついた。 しかし、二人の笑顔は赤ゆの顔をみて凍りつく。 「おきゃーしゃん!しゅーりしゅーり!」 本能で母親に擦り寄る赤ゆ。 それを母親の霊夢は撥ね退けた。 「…ゆゆ!?しゅーりしゅーり!」 赤ゆは状況を理解できず、本能のままに擦り寄ることを繰り返す。 しかし、そのたびに母親のれいむは赤ゆを跳ね飛ばした。 「…こないでね!おまえみたいなばけもの、れいむのあかちゃんじゃないよ!」 「そうだぜ!おまえみたいなばけものがれいむとまりさのゆっくりとしたあかちゃんなわけないんだぜ!」 「おきゃーしゃん、こわいよ…」 「こんにゃにょ、まりしゃのいもうちょじゃにゃいよ!」 「ゆえーん!ゆえーん!!」 先ほど、確かに母れいむの腹から飛び出てきたというのに、それを忘れて巣の中はパニックに陥っている。 それもそのはずだ。 この赤ゆには。 「おめめがよっつあるなんて、ふつうじゃないよ!こんなんじゃゆっくりできないよ!!」 そう。 生まれ出た赤ゆの右には目が2つ。 左にも目が2つ。 合計で目が4つあった。 ゆっくりには目が2つ1組。 これは常識である。 「どうするんだぜ、れいむ。これがしれたら、まりさたちもゆっくりできなくなるよ!」 奇形のゆっくりが生まれた家は、制裁の対象になる。 特に理由があるわけでは無いが、強いて言うならば、少数派を迫害して生きるゆっくりたちの習性であろうか。 とにかく、明文化されてもいない掟に照らし合わせて制裁されてしまうのである。 「まりさ、いまのうちにゆっくりしなせるのがいいよ。そうじゃないとれいむもおちびちゃんたちも、せいさいされちゃうよ」 「そうだぜ…。あかちゃん、まりさたちのためにゆっくりしんでね」 そういってまりさは四つ目の赤ん坊にのしかかった。 一度跳ね上がって落下の勢いを借りたのしかかりは、成人のゆっくりですら餡子を吐き出す衝撃である。 赤ゆならばひとたまりも無くつぶれてしまうだろう。 「ゆぎぃ!?」 ゆっくりの悲鳴が巣の中にこだまする。 「ゆゆ?おとーしゃんどーちちゃにょ?」 しかし、悲鳴を上げたのは父親のまりさであった。 「いだいいいいいいいいい!!!!」 のしかかったまりさの腹には、石にぶつかったかのような痣が出来ている。 「おとーしゃんだいじょーぶ?しゅりしゅりしちぇあげるにぇ!しゅーりしゅり!」 のしかかられた赤ゆは何事も無かったかのように元気である。 それどころか、父親が自分を殺そうとしたなどとは夢にも思わず、ただ痛がっている父親を心配し、すりよっていた。 奇形なのは、目の数だけではなく、皮膚の硬さもであった。 普通に考えれば、並外れて丈夫な身体を持っているゆっくりである。 この上なくゆっくりできるゆっくりのはずなのだが、四つ目のゆっくりを育てる、という発想にこの親たちが達することはなかった。 どうやってこの赤ゆを始末するか思案していると、巣の外から声をかけられた。 「むきゅ?れいむ、まりさ、あかちゃんはうまれたのかしら?」 巣の騒ぎを聞きつけたのか。 群れのご意見番のような存在であるぱちゅりーがやってきた。 「ゆ!?ま、まだだぜ!あかちゃんはまだうまれていないのぜ!」 「ゆゆ!そうだよ!あかちゃんはまだだからはいってこないでね!」 二人の親は四つ目の赤ゆを見せまいと、必死で取り繕う。 「れいみゅはみょうおかーしゃんとおとーしゃんにょこどみょだよ!」 それを赤ゆはぶち壊しにした。 「むきゅー。もううまれてるんじゃない。うそはいけないわ」 そういってぱちゅりーは巣へ入ってきた。 「「ゆ、ゆゆ!?」」 慌てたのは二人の親だ。 この四つ目を見られたら制裁されてしまう。 かといって、今赤ゆを殺せば、虐待した屑として制裁されるのも目に見えている。 「れいむ、すこしぱちゅりーのあいてをしててね!」 とっさの機転でれいむにぱちゅりーの相手をさせると、まりさは四つ目の赤ゆをつれて巣の奥まで連れて行った。 先ほどまでいた場所からはれいむとぱちゅりーの話し声が聞こえてくる。 早くしなくては。 「よけいなものをとるだけだからね!ゆっくりしずかにしててね!」 「ゆ?」 まりさはそういうと、口に枝をくわえて赤ゆの目に突っ込んだ。 「ゆぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!」 激しい悲鳴が巣の中をこだまする。 「しっ!しずかにしないところされちゃうんだよ!しずかにしててね!」 まりさはそういうが、こんな激痛を与えられれば大人のゆっくりでも黙っていることは出来ないだろう。 枝を奥へ、奥へと突っ込み、一生懸命に抉り出そうと動かす。 中々目玉は外へ出てこず、枝は無駄に眼窩を引っ掻き回した。 「ゆぎっゆぎっ」 赤ゆは悲鳴を上げ続けていたが、目を一つ抉り終わらないうちに静かになった。 「ゆ…?あかちゃん、どうしたんだぜ…?」 まりさの問いに赤ゆは答えない。 「あかちゃん!?どおしてへんじしてくれないのおおおおおお!?」 響き渡っていた悲鳴に続いて、まりさのこの叫び声である。 れいむもぱちゅりーを足止めし続けることは出来ず、ついにこの光景をぱちゅりーに見られてしまった。 「むきゅ…まりさ…あなた……」 ぱちゅりーの目の前では、四つ目の赤ん坊が目に枝を突っ込まれて事切れている。 「ばけものをうんで、あかちゃんをころしたのね…。むきゅー…これは、せいさいだわ」 絶望の一声が、巣の中を包んだ。 程なくして、その巣には、集落中のゆっくりが集まってきた。 皆、口々に一家を罵倒し、制裁を加えてゆく。 噛み付く。 皮をはぐ。 枝で突き刺す。 石をぶつける。 やり方は様々だが、決して一思いには殺さない。 それは、ゆっくりたちの嗜虐心を満たすための、一種の儀式でもあるからだ。 時間をかけながら、親ゆっくりたちはゆっくりできない屑として殺され、中にいた子どもたちは生きたままにその夜のご馳走となったのであった。 【終】
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/116.html
四つ目ゆっくり 5KB 「ゆ…!う、うまれる…まりさとれいむのあかちゃん、うまれそうだよ…!」 「れいむ…ゆっくりがんばってね!」 まりさとれいむのつがいは、もうすぐ新たな命を生み出そうとしていた。 既にまりさを2匹、れいむを1匹生んでいるので、4匹目の出産になる。 「ゆ…ゆ…ゆー……!!!」 ぽんっ、とこ気味の良い音を立てて生れ落ちるれいむ赤ゆ。 このあと、舌足らずな口調でゆっくりしていってね!と最初の挨拶を行う。 親たちは息を飲みながら、その挨拶を待った。 「ゆっくちちちぇいっちぇね!」 生れ落ちた赤ゆが、顔を上げて元気に挨拶をした。 まりさとれいむはほっと息をついた。 しかし、二人の笑顔は赤ゆの顔をみて凍りつく。 「おきゃーしゃん!しゅーりしゅーり!」 本能で母親に擦り寄る赤ゆ。 それを母親の霊夢は撥ね退けた。 「…ゆゆ!?しゅーりしゅーり!」 赤ゆは状況を理解できず、本能のままに擦り寄ることを繰り返す。 しかし、そのたびに母親のれいむは赤ゆを跳ね飛ばした。 「…こないでね!おまえみたいなばけもの、れいむのあかちゃんじゃないよ!」 「そうだぜ!おまえみたいなばけものがれいむとまりさのゆっくりとしたあかちゃんなわけないんだぜ!」 「おきゃーしゃん、こわいよ…」 「こんにゃにょ、まりしゃのいもうちょじゃにゃいよ!」 「ゆえーん!ゆえーん!!」 先ほど、確かに母れいむの腹から飛び出てきたというのに、それを忘れて巣の中はパニックに陥っている。 それもそのはずだ。 この赤ゆには。 「おめめがよっつあるなんて、ふつうじゃないよ!こんなんじゃゆっくりできないよ!!」 そう。 生まれ出た赤ゆの右には目が2つ。 左にも目が2つ。 合計で目が4つあった。 ゆっくりには目が2つ1組。 これは常識である。 「どうするんだぜ、れいむ。これがしれたら、まりさたちもゆっくりできなくなるよ!」 奇形のゆっくりが生まれた家は、制裁の対象になる。 特に理由があるわけでは無いが、強いて言うならば、少数派を迫害して生きるゆっくりたちの習性であろうか。 とにかく、明文化されてもいない掟に照らし合わせて制裁されてしまうのである。 「まりさ、いまのうちにゆっくりしなせるのがいいよ。そうじゃないとれいむもおちびちゃんたちも、せいさいされちゃうよ」 「そうだぜ…。あかちゃん、まりさたちのためにゆっくりしんでね」 そういってまりさは四つ目の赤ん坊にのしかかった。 一度跳ね上がって落下の勢いを借りたのしかかりは、成人のゆっくりですら餡子を吐き出す衝撃である。 赤ゆならばひとたまりも無くつぶれてしまうだろう。 「ゆぎぃ!?」 ゆっくりの悲鳴が巣の中にこだまする。 「ゆゆ?おとーしゃんどーちちゃにょ?」 しかし、悲鳴を上げたのは父親のまりさであった。 「いだいいいいいいいいい!!!!」 のしかかったまりさの腹には、石にぶつかったかのような痣が出来ている。 「おとーしゃんだいじょーぶ?しゅりしゅりしちぇあげるにぇ!しゅーりしゅり!」 のしかかられた赤ゆは何事も無かったかのように元気である。 それどころか、父親が自分を殺そうとしたなどとは夢にも思わず、ただ痛がっている父親を心配し、すりよっていた。 奇形なのは、目の数だけではなく、皮膚の硬さもであった。 普通に考えれば、並外れて丈夫な身体を持っているゆっくりである。 この上なくゆっくりできるゆっくりのはずなのだが、四つ目のゆっくりを育てる、という発想にこの親たちが達することはなかった。 どうやってこの赤ゆを始末するか思案していると、巣の外から声をかけられた。 「むきゅ?れいむ、まりさ、あかちゃんはうまれたのかしら?」 巣の騒ぎを聞きつけたのか。 群れのご意見番のような存在であるぱちゅりーがやってきた。 「ゆ!?ま、まだだぜ!あかちゃんはまだうまれていないのぜ!」 「ゆゆ!そうだよ!あかちゃんはまだだからはいってこないでね!」 二人の親は四つ目の赤ゆを見せまいと、必死で取り繕う。 「れいみゅはみょうおかーしゃんとおとーしゃんにょこどみょだよ!」 それを赤ゆはぶち壊しにした。 「むきゅー。もううまれてるんじゃない。うそはいけないわ」 そういってぱちゅりーは巣へ入ってきた。 「「ゆ、ゆゆ!?」」 慌てたのは二人の親だ。 この四つ目を見られたら制裁されてしまう。 かといって、今赤ゆを殺せば、虐待した屑として制裁されるのも目に見えている。 「れいむ、すこしぱちゅりーのあいてをしててね!」 とっさの機転でれいむにぱちゅりーの相手をさせると、まりさは四つ目の赤ゆをつれて巣の奥まで連れて行った。 先ほどまでいた場所からはれいむとぱちゅりーの話し声が聞こえてくる。 早くしなくては。 「よけいなものをとるだけだからね!ゆっくりしずかにしててね!」 「ゆ?」 まりさはそういうと、口に枝をくわえて赤ゆの目に突っ込んだ。 「ゆぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!」 激しい悲鳴が巣の中をこだまする。 「しっ!しずかにしないところされちゃうんだよ!しずかにしててね!」 まりさはそういうが、こんな激痛を与えられれば大人のゆっくりでも黙っていることは出来ないだろう。 枝を奥へ、奥へと突っ込み、一生懸命に抉り出そうと動かす。 中々目玉は外へ出てこず、枝は無駄に眼窩を引っ掻き回した。 「ゆぎっゆぎっ」 赤ゆは悲鳴を上げ続けていたが、目を一つ抉り終わらないうちに静かになった。 「ゆ…?あかちゃん、どうしたんだぜ…?」 まりさの問いに赤ゆは答えない。 「あかちゃん!?どおしてへんじしてくれないのおおおおおお!?」 響き渡っていた悲鳴に続いて、まりさのこの叫び声である。 れいむもぱちゅりーを足止めし続けることは出来ず、ついにこの光景をぱちゅりーに見られてしまった。 「むきゅ…まりさ…あなた……」 ぱちゅりーの目の前では、四つ目の赤ん坊が目に枝を突っ込まれて事切れている。 「ばけものをうんで、あかちゃんをころしたのね…。むきゅー…これは、せいさいだわ」 絶望の一声が、巣の中を包んだ。 程なくして、その巣には、集落中のゆっくりが集まってきた。 皆、口々に一家を罵倒し、制裁を加えてゆく。 噛み付く。 皮をはぐ。 枝で突き刺す。 石をぶつける。 やり方は様々だが、決して一思いには殺さない。 それは、ゆっくりたちの嗜虐心を満たすための、一種の儀式でもあるからだ。 時間をかけながら、親ゆっくりたちはゆっくりできない屑として殺され、中にいた子どもたちは生きたままにその夜のご馳走となったのであった。 【終】 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ぱちゅりーすごいw -- 2011-12-23 10 36 33 微妙である -- 2010-11-02 15 51 18