約 5,748 件
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1769.html
南の島の天の河 38KB 観察 自業自得 群れ 希少種 自然界 現代 独自設定 うんしー ぺにまむ 南の島のスカーレットクロス続編です。完結します。 南の島のまりさ、南の島の生命賛歌、南の島の葬送行進曲 南の島の風葬墓、南の島のスカーレットクロスの続編です。 いろいろ独自設定が入っています。ご注意ください。 南の島のまりさシリーズ追補編3 『南の島の天の河』 みんなの死体、ろりすの死体、そして我が子の死体… 風葬墓はまるで古代の様相を取り戻したかのように死臭にあふれていた。 そして、その中で息をする三匹のゆっくり… るいずは傷ついた体を床に横たえ、何も言えず、ただ視線を中に浮かせていた。 そして、しょうとなずーりんは、盟友同士は、片方は力のない、怯えた視線を、もう片方は憎 悪の煮えたぎった視線を交わしていた。 「しょう…ごめんよ…」 最初に沈黙を破ったのはなずーりんだった。同志と呼ぶことをすっかり忘れていた。 「殺すつもりはなかった…分かるよね?殺されたくなかった…」 しょうは何も言わず、涙を流しながらなずーりんをにらみ続けていた。 なずーりんは逃げ出したかった。脱兎の如く逃げ出したかった。だが、今逃げれば殺されるの ではないか?その恐怖がなずーりんの心を鷲づかみにして放さなかった。 「すまない…」 なずーりんはもうそれ以上何も言うことができず、その場にうずくまった。洞窟中の空気がす べてなずーりんにのしかかっているかのように重たかった。 「…なんで…こんな……ゆっくり…できない…」 しょうは絞り出すような声でそれだけ言うと、潰れてしまった我が子のもとで泣き崩れた。 なずーりんは少しだけほっとした。あのまま無言でにらみつけられているのが、一番ゆっくり できなかったからだ。 「おちびちゃん…あんなにゆっくりした…おちびちゃん…ごめんよ…おちびちゃん…ごめんよ …るいず…」 しょうはひたすら「ごめんよ」を連呼しながら泣き続けた。 るいずはずりずりと、怪我したあんよを庇いながら、這いずって来ると、子しょうの亡骸を何 回かぺーろぺーろしたが、すぐに無駄を悟ると嗚咽を漏らし始めた。 そこへやっとふぁらんくすの生き残りがやって来た。なずーりんはその姿を認めると安堵した。 しかし、巣内の惨状に、ふぁらんくすのゆっくりたちはとてもゆっくりできなかった。 「どぼじでみんなえいえんにゆっぐりじちゃっでるのおおおお゛!!!」 「ありずのどがいはなあがじゃあああん!!どこおおおおお!!」 「れいむ!目を覚ましてね!まりさだよ!!!ぺーろぺーろするよ!!ぺーろぺーろ…どぼじ で目を開けてぐれないのおおおお゛!!!」 「ちぇえええええええええええええええええええええええんっ!!!」 しょうはただ泣きながら、子しょうの散った花飾りを集めていた。 「同志しょう、どうか落ち着いてほしい。僕が巣の守りを疎かにしたばかりにすまない。だが、 同志しょうのおちびちゃんの犠牲によって群れは救われたのだ。これは…」 その一言が余計だった。捕食種による攻撃は仕方のないもの、なずーりんの行動も他に方法が なかった、しょうはそう思っていた。しかし、なずーりんの不用意な一言によって、抑えてい た感情が爆発した。盟友だと思っていたなずーりんにとっては、群れのみんなも、しょうの子 供も、そして恐らくはしょう自身も、どうでもいい存在になっていたのだ。 「ばかかああああ!おばええええ!!だれがすぐわれだあああ!?みんなじんだぞっ!!!」 爆発した感情は暴力となり、しょうは全力でなずーりんに体当たりをした。 「みっぎいいい!!!」 なずーりんはしたたかに岩に打ち付けられた。 「なんでおばえはながない!?みんなじんだぞ!!なんでだあああ゛!!!」 「ゆぐ!!!やべで!!!やべでえええ!!!」 なずーりんの嘆願を聞かず、ただひたすらなずーりんに体当たりを続けるしょう。 なずーりんは泣きじゃくり、その口から、傷口からチーズが飛び出す。 「ゆぎゃああ!!!おい゛!!ふぁらんぐず!だじゅげろ!しょうをだいほじろ゛!」 なずーりんは思わずふぁらんくすに助けを求める。 「助けろ!!お前ら!!…どうした!!動け!!何をじでいる゛!!!」 だがふぁらんくすは動かなかった。もうしょきちょうのために動くことの意味が誰も分からな かった。 「じね!!じね!!じねええ!!!」 「ゆぎゃああ!…ゆべ!…うぎゅう!…やべで!」 しょうは体当たりを続けた。傷口が開き、潰れた目から再び透明な汁が出てきたが、構わず体 当たりを続けた。 「ばが…ばがああ゛…なずーりんのばがあ゛……」 「いじゃいいいいい゛だじゅげで…だずげで…」 しょうは体当たりを止めた。助かったのか?とばかりに後ろを振り返るなずーりん。 「出てけ…」 「しょう?」 月の光が逆光で、しょうの顔は見えなかった。 呼吸を整えたしょうは静かな、ただし異論を挟ませぬ口調でもう一度言った。 「…出てってください…なずーりんは…殺せない…お願いだから…出て…て…ゆっぐりしない で出てって…」 もうしょうには憤怒の表情はなかった。ただ泣きじゃくっていた。 なずーりんはもう一度、助けを求めるかのようにふぁらんくすを見たが、彼らは自分の家族の 亡骸を探すのに必死だった。 なずーりんは力のない足取りで、崖の風葬窟から出て行った。 赤い満月は、天高く上り、青い光を島に投げかけていた。 弁舌の力で権力を手に入れたなずーりんは、舌禍によって全てを失った。 6月 雨季になり、島の降雨量は増えた。 この頃、若ぱちゅりー率いる海岸の群れは、個体数も全盛期の八割を越えるまでに回復し、新 しく発見した横穴にゆん口の一部を分散させることで、群れの防御機能を損なうことなく、居 住空間にも余裕を持てるようになった。 また、まりさ種が減少したために、れいむ種、ありす種、ちぇん種、そして最近になって数を 増やしてきたみょん種が狩りに積極的に出るようになり、彼らの体にも島の環境への適応が見 られるようになってきた。 それまで、夏場の日光はゆっくりから水分を奪うだけでなく、強い紫外線による皮の光劣化を もたらすため、まりさ種以外のゆっくりは外出を控えてきた。光劣化した皮はがさがさになり、 餡子からの水分蒸発が発生するため、そのままの状態で屋外活動を続けることは高確率での死 を意味してきた。 しかし、屋外活動用のモンパノキ帽子の開発、まりさ種の急速な減少による食糧事情の悪化は、 それまで外出を控えてきた他種による狩りを促した。その間に、屋外の環境に耐えられず、ゆ っくりしてしまう個体も生じ、過酷な屋外環境で短命に終わるゆっくりも多かった。 その一方、他種が屋外に出るようになったのが晩秋の弱い太陽光線下であったことが、屋外環 境への漸進的な適応を促した。結果的に生じたのが体色の黒化である。 焼き饅頭とでも表現するべきだろうか? 褐色の肌を持ったれいむ、みょん、ありす、ちぇんたちは、昼の太陽光線下での活動性、光劣 化への耐性が大幅に向上し、海岸の群れの食料収集効率は急上昇した。 この現象は依然として大きな帽子に頼るまりさ種(時折現れるるいず種も同様である)、また、 海と違い、太陽光線への遮蔽物が多い、林野で活動する崖の風葬窟のゆっくりには見られなか った。 まさに、ゆっくりの亜熱帯の海岸環境への適応と言える現象であった。 余談だが、後にこの褐色れいむ、褐色みょんから、それぞれがんぐろれいむ、きりんみょんと 呼ばれる愛玩用変種が人工的に作成され、新たな喜劇・悲劇を生むことになる。 ある日、海岸の巣に帰ってきた隊長まりさは親友の「パン屋の二代目」ちぇんを呼び出した。 「どうしたのまりさ?相談事なんだんね~分かるよ~!」 「ちぇん!ゆっくり聞いてね…実はまりさ、ゆっくりぷろぽ~ずしようと思ってるんだよ!」 「それは素敵なんだね~分かるよ~!で、お相手は誰~?分からないよ~?」 隊長まりさはただ黙って前方を見つめていた。ちぇんが、ふとその視線の先を追うと、そこに いたのは 「ぱぱ!!そろそろれいむも狩りさんに行きたいよ~!!!」 まだ親の保護がなければやっていけない子れいむだった。 「…!?…」 いぶかしげな表情で隊長まりさを見つめるちぇん、 そんなちぇんに隊長まりさは力強くうなずいた。 「まだおとなじゃないよおおおお゛!!わからないよおおおおお゛!?」 「ちぇん、まりさは…まりさはね…」 ちぇんは驚愕の表情のまま、隊長まりさの次の言葉を待った。 「まりさは…ろりこんなんだ…」 「!?」 待って損した。なお、ろりこんとはろりーゆこんぷれっくすの略語である。 「か、ゆっくり勘違いしないでね!!ゆかりんみたいなばばあだって大歓迎だよ!!!」 「???」 その眼に曇りはなかった。 「ただ、今好きになったのはたまたまあのれいむだったってだけなんだ!だからってどうっ てことはないんだよ!まりさはまりさだよ!!」 「……」 「パン屋の二代目」は何も言えなかった。 隊長まりさがあにゃるに日傘を突っ込まれて倒れていたのは翌日、隊長まりさと子れいむが 番になったのは、その翌々日のことである。子れいむの方も、「隊長さん」と隊長まりさの ことを呼び、懐いていた。また、隊長まりさはこの群れの中では優秀と名高く、相手の両親 も反対しなかった。ふぁーすとすっきりは大分後のことになりそうだったが。 その頃、海岸の群れに珍客があった。かつての崖の風葬窟のしょきちょう、なずーりんであ る。 「れみりゃの襲撃によって群れを壊滅に追い込まれた責任により、群れをゆっくり離れるこ とになりました。ぜひとも、ぱちゅりーさまのような優秀な指導者に率いられた群れで余生 をゆっくりしたいのです。無能非才の身ですが、お願いします。」 なずーりんは平身低頭して、海岸の群れに加えてもらえるよう若ぱちゅりーに頼んだ。そこ にはかつての傲岸不遜な態度は微塵も感じられなかった。ただ、その張り付いたような笑顔 だけは変わらなかった。 「むきゅう…どうしましょう…」 若ぱちゅりーは、隊長まりさの報告からこのなずーりんにあまりいい感情を持っていなかっ たが、以前、こちらの群れの余剰ゆん口を受け入れてもらった恩はある。実際に、群れの中 でのなずーりんの振る舞いを見ていたわけではないので、判断しかねたのである。 若ぱちゅりーは群れの幹部―隊長まりさ、「パン屋の二代目」ちぇん、そしてふとっちょの 褐色れいむ、通称「デイヴ」の三匹に相談した。 ちぇんは一匹遅れて若ぱちゅりーのもとにやってきた。その口には今朝海岸に打ち上げられ ていたアオリイカの卵がくわえられている。 若ぱちゅりーの避難がましい視線が、その卵を射抜く。 「?…ああ、噛み切れないイカのたまごさんでも、ずっと噛んでると美味しくいただけるん だよ~!分かるね~!」 完全に論点がずれていた。若ぱちゅりーはため息をつくと、なずーりんのことをみんなに相 談した。最初に口を開いたのはデイヴだった。 「かつてのりーだーがあんなに頭下げてるんだよ!ゆっくり受け入れてやろうよ!!」 話す度にそのほほのたるんだ肉が震える。 「でも、なずーりんは群れをゆっくりできなくしたんだよ!!」 「捕食種はしょうがないよ!!もし、なにかみんながゆっくりできないことをするようなら、 その時はこのデイヴがせーさいするよ!」 その後も議論は続くが平行線だった。隊長まりさはなずーりんにある種の不気味さを感じて いたが、ちぇんはご馳走してもらった恩があるせいかあまり気にしていなかった。そして、 何より、彼らはなずーりんが群れを追い出された詳細など知らなかったのである。 若ぱちゅりーはなずーりんを呼び出した。 「むきゅう、なずーりんを受け入れるわ。ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!この群れのためにこの身を粉にしてゆっくりするよ!!」 こうしてなずーりんは海岸の群れの一員になった。 なずーりんは見事な手際で巣を作ると、とあるまりさの巣を訪ねた。 「なずーりんか、待ってたよ!ゆっくりしていってね!」 それは武闘派であるデイヴのぶれーんを努めているまりさ、その舌の長さから「蛇の舌」と 呼ばれているまりさだった。幹部として君臨しているのはデイヴだったが、デイヴはある種 の筋肉馬鹿であり、実質的にデイヴとその一派をコントロールしているのは「蛇の舌」だっ た。なずーりんは「蛇の舌」まりさに多大な賄賂を贈り、デイヴが自分に味方してくれるよ う頼んだのである。 「ありがとうまりさ、おかげでこの群れの一員になれたよ。」 そう言ってなずーりんは、シダの葉の包みをまりさに渡した。その中には、身軽ななずーり んでしか取れないバッタがたくさん包まれていた。 「ゆへへへ、なずーりんのとってくるごはんさんはゆっくりできるよ…」 「蛇の舌」まりさは包みを受け取ると、それを帽子の中にしまいこんだ。 「デイヴは今、赤ゆたちがうるさくてなかなかゆっくりできないでいるよ。赤ゆたちにごは んさんやあまあまさんを持っていけば、デイヴもゆっくりできるよ。」 「ありがとう、そうさせてもらうよ。」 なずーりんが「蛇の舌」まりさの巣から帰ろうとしたとき、「蛇の舌」まりさはなずーりん を呼び止めた。 「今日は帰らずにまりさとすっきりしてゆっくりしてほしいよ!!ゆへへ、なずーりんみた いな美ゆっくりとすっきりしたいよ!!まりさはなずーりんのためにゆっくりしないで働い たよ!」 なずーりんは一瞬冷たい目をしたが、すぐにいつもの笑顔に戻り、 「本当かい?僕もまりさみたいな素敵なゆっくりとすっきりしたかったんだ。」 と言って、赤く熟した果実を取り出した。 「ゆ?」 「それは何度もすっきりできるようになる果物さ、今夜はたっぷりすっきりしようよ!!」 「ゆゆ?それはゆっくりできるよ!むーしゃむーしゃ…」 そして数分後、そこには口とあにゃるから餡子を吐き出し、しーしーを垂れ流し続ける 「蛇の舌」まりさの姿があった。なずーりんが「蛇の舌」まりさに食べさせたのは、アルカ ロイド系の毒を有するあのミフクラギの実だったのである。 「ゆげげ…ゆげえ…だじゅげで…なずーぢん…だじゅげ…」 「きたないまりさはゆっくり死んでね!!」 なずーりんは尻尾でまりさの帽子を取り上げると、それをまりさのうんうんの中に突っ込ん だ。 「ゆべべえええ゛!!!までぃざの…おぼうじ…なんじぇ…」 「くそぶくろはくそぶくろらしく、うんうんとでもすっきりしてなよ。じゃあね!!」 なずーりんが去った後、「蛇の舌」まりさはまもなく死んだ。ぶれーんを欠いたデイヴの派 閥の中で、なずーりんの存在が大きくなるのに、そう時間はかからなかった。 その日は快晴だった。隊長まりさは新婚ほやほやの幼な妻に見送られ、漁に出た。 「ほくすぽくす・ふぃじぶず、ほくすぽくす・ふぃじぶず…」 幼な妻れいむが何やら、隊長まりさの背中で呪文のようなものを唱える。 「ゆゆ?れいむはなにをしてるの?」 「ゆふふ、これは隊長さんがぶじ帰ってこれるおまじないよ!ゆっくり漁をしてきてね!」 「ゆ~!れいむはとてもゆっくりしているよ!!ゆっくりしないで帰るよ!!」 でれでれでまりさが漁に出かけた。海岸は干潮によって沖まで潮が引き、あちこちでゆっく りたちが漁をしている。去年の夏と違うところは、褐色の皮に包まれたゆっくりたちが帽子 を被ってせっせと漁に励んでいる点だった。 隊長まりさはまず、海岸に打ち上げられていたアオリイカの卵を採集した。半透明のエンド ウマメのような鞘に入った卵が房ごと打ち揚げられている。大収穫だ。 「たくさんの卵さんはゆっくりできるよ~!!!」 次に隊長まりさは貝やカニを捕ろうと干上がった海岸を歩き回った。そこで思いもかけず出 会ったのは、屋外行動用のモンパノキ帽子被ったなずーりんだった。 「やあ!まりさ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆゆ!なずーりん!ゆっくりしていってね!!」 なずーりんはもう同志を名前の前に付けなかった。 「まりさ、僕は海での狩りはあんまり経験ないんだ。教えてくれないかな?」 特に断る理由もなかったので、隊長まりさはなずーりんに漁の仕方を教えた。 ヤドカリは触っている間は貝殻に引っ込んで逃げないこと、カニははさみにやられないよう に後ろから捕まえるか、叩いて軽く潰すこと、岩盤などに付着している二枚貝の捕り方、注 意しなければいけない有毒生物などなど…隊長まりさはかつての父まりさに勝るとも劣らな い、漁の達人に成長していた。 「ありがとうまりさ!!おかげでたくさんのエサを取ることができたよ!これだけあればと てもゆっくりできるよ!!」 なずーりんが集めたエサは一人で食べる量ではなかった。明らかに大勢で食べるような量だ った。隊長まりさはなずーりんに家族ができたのか?といぶかしがったが、すぐに愛する幼 な妻のもとへ一刻も早く帰るため、エサ集めを再開した。 なずーりんはゆっくりたちに説いた。なぜ、みんな苦労してエサを集めなければいけないの かと。なぜもっとゆっくりして生きていけないのかと。 それは、一部の者が、狩りで必要以上にエサを取り、貯蓄しているから。そして彼らはそれ を努力の差と勝手な評価を下し、ゆっくりできないみんなを見下している。それさえなけれ ば、もっと多くのゆっくりがゆっくりできるはずだ。 なずーりんは崖の風葬窟でやったのと同じように扇動した。ゆっくりたちは努力して生活を 向上させるよりも、暴力によって向上させる方を選んだ。そういう見方もできるだろう。 ある日、ちぇんはアダン林で狩りをしていた。近くの草花にとまっていたハナムグリをゆっ くりにしては素早い動作で捕まえ、帽子の中にしまい込む。今は、子供が食べ盛りなのだ。 ちぇんには、今は亡きありすとの間に作った子ありすがいた。母ありすは海岸で漁をしてい る時に大きなカニに襲われ、永遠にゆっくりしてしまったのである。 「こんにちは、同志ちぇん…」 ちぇんが振り向くと、そこにいたのは、かつて崖の風葬窟で何度も見た、あのしょきちょう がいた。 「なずーりん!ゆっくりしていってね!」 だがその挨拶とは裏腹に、なずーりんの目に宿る光はとてもゆっくりできそうになかった。 ちぇんはいつの間にか、ゆっくりの一団に囲まれていた。 「みんなをゆっくりできなくしているくずはせーさいするよ!!!」 「お前みたいくずが群れででかい顔してるかられいむがゆっくりできないんだよ!!!」 「みんな何言ってるの?分からないよ~!!」 ちぇんはこのゆっくりたちが何を言いたいのか分からなかった。 「まりさたちだって頑張ってるのに、楽していいものむーしゃむーしゃしてるげすちぇんは せーさいするよ!!」 「自分たちだけいい思いしているくずはれいむがせーさいするよ!!!」 「みんなのゆっくりを踏みにじるくずは死ぬがいいみょん!!」 なずーりんはゆっくりたちを扇動した演説をちぇんにも披露した。 「同志ちぇん、君は自らの罪を償い、そしてその死がこの群れにおけるかくめーの号砲とな るんだ。」 「そんなのはかくめーなんてものじゃないよ~!分かるね~!」 「?」 ちぇんは顔色一つ変えずに言い返した。 「単なるやけだね~!分かるよ~!!なずーりんは頭いいけど、結局のところおばかさんな んだね~!分かるよ~!」 なずーりんは激昂した。風葬窟での優越感と特権に満ちた生活は、なずーりんの自我を必要 以上に肥大させていたのである。そして肥大した自我は、自身への批判に過敏だった。 「えらそうな口をきくなああああ!!おいっ!!連れて来い!!」 なずーりんの後ろから、一匹のゆっくりが現れる。そのゆっくりは口の中に小さな子供をく わえていた。ちぇんの子ありすだった。 「ゆわあああああん!!ちゃしゅけて!!ぴゃぴゃ~!!!」 子ありすは口の中から解放されると、ちぇんに向かって跳ねていく。 「ぴゃぴゃ~!ゆえええ゛ごわがっだぶぶっ!!!」 なずーりんは子ありすの上に飛び乗った。 子ありすの体後部がつぶれ、口から勢い良くカスタードクリームが吐き出される。 「おじびじゃん!!!」 本当は「最期の大隊」のメンバーであるちぇんに抵抗されたときのために拉致したのだが、 もうそんなことはどうでもよかった。 なずーりんはさらに尻尾を子ありすの右目に突き刺した。 「ゆぎゃあああああああああ゛!!!ありじゅのおべべがああああああ゛!!!」 「やべろ!!おじびじゃんはがんげーないよ!!!わがらないのおおお!?」 泣き叫ぶちぇんの顔を見てなずーりんは満足した。主導権を握ってよいのはなずーりんだ けのはずなのだ。 「いい顔だね、同志ちぇん!!だいじょーぶ、君が抵抗せずに死んでくれれば、この薄汚 いおちびちゃんは解放してあげてもいいよ!!」 「…わかった…よ…」 ちぇんを取り囲んでいたゆっくりたちが、先の尖った木の枝を取り出し、ちぇんに詰め寄 る。 「…ちぇんを殺したら、自分たちがゆっくりできると本当に思っているのなら…殺してみ るといいよ…?分かるといいね~?」 ちぇんは最期の瞬間を覚悟して堂々としていた。誰もこの丸腰の「パン屋の二代目」を前 に動けなった。その目から発せられる鋭い視線に気圧され、本当に殺していいものなのか、 躊躇していた。 「何をしてる!」 なずーりんは苛立った声で怒鳴った。しかし、誰も動かない。いや、動けないのだ。 なずーりんはゆっくりの一人から枝を奪うと、ちぇんの腹部に深々と刺し込んだ。 「ゆ゛!!!」 それを合図にしたかのように、他のゆっくりたちが一斉にちぇんに枝を刺す。なずーりん はそれでも飽き足らず、ちぇんの両目を枝で掻き出し、髪を口でむしり取った。 「死ね!死ね!死ねええええ゛!!!」 「ゆぎ…ゆ゛…」 ちぇんは必死にこらえていた。悲鳴を挙げても、なずーりんを喜ばせるだけ、ならば一言 も聞かしてやるものか。 「ぴゃぴゃ~!!!!」 「ゆ゛!!おじびじゃ!!!」 なずーりんは開いたちぇんの口の奥深くに棒を刺し込んだ。棒はちぇんの体を貫通し、後 頭部へと突き抜けた。 「ゆぷ!!!」 ちぇんの中枢餡は破壊され、ついに事切れた。 「ぴゃぴゃ~!!!にゃにずんだこのくじゅ!!じね!ぴゃぴゃをがえぜ!!!」 たまらず、子ありすはなずーりんに体当たりをする。なずーりんはちぇんから枝を引き抜 くと、頭から、その子ありすに枝を刺し込んだ。 「ゆぎゅびゃああああああ゛!!!」 子ありすはカスタードを吐いて死んだ。 「片づけておけ!!!」 なずーりんは怒気を含んだ声でゆっくりたちに命じ、帰っていった。 翌日、ちぇん一家の不在に気づいた群れのゆっくちたちは捜索にあたったが、二匹の遺骸 が見つかることはなかった。隊長まりさは親友の死を悲しみ、何か嫌な感覚を感じたが、 それが何なのかは分からなかった。 悲しみにくれるちぇんの親族を慰め、その面倒を積極的に見たのはデイヴだった。そして、 周りのゆっくりたちは、それはデイヴの群れでの立場からすれば自然なことのように思っ ていた。 その日もなずーりんはたくさんのエサをデイヴのところへ持参した。「なずーりんのおる がん」で採集したスジエビや、海岸の二枚貝、ハンミョウの幼虫やヒルガオにつくのイモ ムシ、よく熟したアダンの実などである。二枚貝はすべて割ってあり、すぐに食べられる ように処理されていた。 「なずーりんにはいつもお世話になっているよ!!ゆっくりしていってね!!」 デイヴがほくほく顔で献上されたエサを見つめる。このデイヴは元来、ふぁらんくすを率 いて第一線で巣を守ってきた個体だが、なずーりんの贈り物と甘言によって、かつての質 実剛健な雰囲気はすっかり錆び付いていた。 「デイヴさまには群れに加えていただいた恩があります。いつまでもお役に立ちます。」 平身低頭し、忠臣を演じるなずーりん。 「おい!!どれー!!きゃわいいきゃわいいれいむにあまあまよこちぇ!!!」 「まりちゃにも!!はやきゅもってくればいのちだけはきゃんべんしてやるじぇ!!」 デイヴの子供たちがあまあまを見て騒ぎ出す。 「ゆ~…ごめんよなずーりん、おちびちゃんたち、でいぶがだらしないから、すっかり言 葉遣いが悪くなってしまって…」 「かわいいおちびちゃんが喜んでくださるならゆっくり気にしませんよ。」 なずーりんは笑顔を張り付けたまま、アダンの実を軽く潰して、赤ゆたちのところへ運ん だ。 この赤ゆたちが、なずーりんの甘言と甘やかしによってゲス化してしまったことなど、デ イヴは知る由もなかった。 「ぺーちゃぺーちゃ…ちあわしぇ~!!!」 「おいちいあまあまもってきちゃから、どれーのことゆるちてあげるんだじぇい!!!」 「ありがとうございます、れいむちゃん、まりさちゃん。」 「どぼじでれいむさまっていわないのおおお゛!!!ぶをわぎまえてよねええええ!!」 「どれーはめうえへのことばづかいゆっくりかんがえてねええ!!ばきゃなの!?じね よ!」 「申し訳ございません、れいむさま、まりささま。」 赤ゆたちは、なずーりんが持ってくるあまあまや美味しいエサに舌が肥えてしまっていた。 そのため、デイヴが持ってくるエサでは満足できなくなっていた。おまけに、性格がゲス 化してしまい、デイヴは赤ゆたちの扱いにほとほと困っていた。結果として、ますますな ずーりんを頼るしかなくなったのである。デイヴは最早なずーりんの傀儡と化していた。 「おい!どれー!!ちゅぎはかにさんがたべちゃいよ!!」 「ゆゆ!!まりちゃもかにしゃんがたべちゃいよ!!ちゃっちゃととってきちぇね!!」 「きゃわいいれいみゅにえさをけんじょーできるなんて、こーえーにおもっちぇね!!」 「まりちゃをあがめていいよ!!!きゃわいきゅてごめんにぇー!!!」 食べたばかりだというのに、赤ゆたちはまた騒ぎ始めた。なずーりんが来る以前は考えら れなかった増長ぶりである。 「なずーりん、次はカニさんをとってきてほしいよ!」 武闘派で鳴らしたデイヴも子供には弱い、なずーりんは満面の笑顔で快諾した。 「最近、良い場所を見つけました。大きなカニがたくさんいます。明日ゆっくり取って来 ますので、デイヴさまやおちびちゃんだけでなく、はばつのみなさんにもご馳走したいで す。」 「それはとてもゆっくりできるよ!!明日みんなを集めて待つよ!!ゆっくりとってきて ね!」 「「ゆっくりしないでとってきちぇね!!」」 なずーりんは馬鹿に合わせることにいら立っていたが、デイヴたちの態度は満足すべきも のだった。「パン屋の二代目」ちぇん亡き後、デイヴは最大派閥を形成した。その中には ちぇんの親族も含まれていた。そしてその派閥の中心にいるのはなずーりんだった。 なずーりんはいずれはデイヴに取って代わり、じゆーとびょーどーを合言葉に、この群れ で権力を握る算段だったのである。 そのために、多大な賄賂を贈り「蛇の舌」まりさを買収、一番オツムが弱いと思われたデ イヴに取り入った。そして「パン屋の二代目」ちぇんは葬られ、残るは隊長まりさと若ぱ ちゅりーだけだった。 隊長まりさは派閥らしいものを持っていないが、父まりさは前幹部、自身は「最後の大隊」 の指揮官という経歴を持つ英ゆんであり、七英ゆんの一人にも数えられていた。 なずーりんはできれば味方にしたいと考え、今まで隊長まりさに対する行動を控えてきた。 しかし、今は気にしていなかった。デイヴ派を操って若ぱちゅりーを倒し、そこで味方に なりたいと請うなら良し、抵抗するなら圧倒的な戦力差で潰せば良いだけの話だった。 その日、なずーりんはいつもとは違う海岸へ漁に向かった。ここは、なずーりんが自慢の 跳躍力を生かして発見した穴場であり、大きなカニがたくさん棲息していた。 なずーりんは道具を巧みに使い、カニを一匹、また一匹と仕留めていった。そして、その カニを手下となったゆっくりたちが帽子に仕舞い、デイヴの巣へと運んでいく。 なずーりんはこの宴会の席で再度扇動し、早ければ明日にも決起するつもりだった。 デイヴ派を乗っ取り、その力でこの群れを支配する。そしていずれ崖の風葬窟に対して熱 狂的再征服を行う、それがなずーりんの思い描く絵図だったのだ。 そんななずーりんの野心も知らず、デイヴたちはカニの第一陣が到着したその瞬間から、 食事をはじめていた。 「こんなカニさんはじめてだわ!!!おっきくてとかいはね!!!」 「うっめ!めっちゃうっめ!!!」 「まるで味のらすとじゃっじめんとやー!!!」 「むーしゃむーしゃ…しあわせええええええ!!!」 あのデイヴの赤ゆたちも、このカニにご満悦だった。 「うっみぇ!めっちゃうっみぇ!!!」 「ちあわしぇええええええ!!!どれーもたまにはいいちごとちゅるんにぇ!!!」 なずーりんの取ってきた大きなカニに舌鼓を打つ、デイヴとその一派のゆっくりたち。既 にそのほとんどのゆっくりがなずーりんに取り込まれていたなど、デイヴは気づく由もな かった。 なずーりんは潮が満ちてきたことを知ると、デイヴのところに帰ることにした。その道す がら、扇動するための演説の文句を考えながら跳ねていく。 なずーりんがしばらくして、デイヴの巣についたとき、そこにあったものは… 「あばばばばばばばばばばばばば」 「だばばーだーばーだばばーだばばーだばばーだーばー」 「あばばばばばばばばばばばばば」 何やら発狂した様子で口から泡を吹きながら奇声をあげる、デイヴ一派の変わり果てた姿 だった。 「!?これは…いったい何が!?」 なずーりんには何がどうなっているのかさっぱり分からなかった。 「ぱんぴょろすぽ~ん!!!」 あるれいむは奇声をあげ、ひたすら高速でぶりぶりとケツを降りながら、スプリンクラー のようにしーしーを散布していた。 「んほおおおおお゛!!!んほほほほほほほほっほほほほほおおおおお゛!!!」 あるまりさは、水上移動時に使用するオールをあにゃるに突っ込み、それを壁にこすりつ けながらうんうんを漏らして悲惨なことになっている。 「そのとき轢死がうごいたああああああああああ゛!!!」 あるありすは何か意味不明なことを喚きながら、自分の赤ゆの上でごーろごーろして、赤 ゆをすり潰していた。 なずーりんは、いや、群れの誰も知らなかったことだが、なずーりんが取ってきたカニに は毒が含まれていた。毒成分の名はドウモイ酸、アミノ酸の一種で、記憶喪失性貝毒の原 因物質である。 貝毒と名がついているものの、毒そのものを産生するのは珪藻である。それが捕食を通し て貝や、その貝を食べたカニに蓄積されるのだ。 記憶喪失性貝毒と名前の通り、摂取すれば海馬の特定部位を選択的に破壊し、重症患者に は見当識障害、記憶障害をもたらし、長期の記憶喪失に苦しんだ患者もいたという。 ゆっくりの餡子にこのような毒がどう作用するかは不明だが、なずーりんが見たのは足り ないどころか突き抜けてしまったゆっくりたちの姿だった。 「デイヴなにしてるんだ!?しっかりしろ!デイヴ!!」 デイヴはもう出ないにも関わらず、うんうんするよ、うんうんするよと息張っていた。そ のうんうんを赤ゆたちが喜んで食べている。デイヴの巣の中には一面に混沌がぶちまけら れていた。 「うっめ!これめっちゃうっめ!!んほほほほほほほほ!!!」 「あまあまさんはまりちゃだよ!!まりちゃはおぼうじざんともーりもーりするじぇ!!」 「ごはんさん見つけたよ!!!」 一匹の子まりさが何を思ったのか、なずーりんの頬に噛み付き、食いちぎった。 「ぎゃああああああ゛!!!」 「ごはんさんたべるよ!むーしゃむーしゃ…しあわべっ!!」 なずーりんは怒りに任せて子まりさを尻尾で引っぱたいた。 「ゆわああああああ゛!!!」 子まりさは勢いよく転がって行き、壁にぶつかって、染みになった。 「もっちょ…ゆっぐ…」 なずーりんの頬からは少しチーズが漏れていた。 「デイヴ何してるんだ!みんなに止めさせろ!!」 デイヴはそのうち口から泡を吹き出した。 「あばばばばばば」 「しっかりしろ!!デイヴ!!!僕が狩りに行っている間に何があったんだ!!!」 その一声が掛け声となった。 「狩りだ!!!狩りにでかけるよ!!!」 デイヴが音頭を取り、皆が一斉に外へと跳ねていく。 巣の中に残ったのはドウモイ酸を摂取しすぎて死亡したゆっくりの死体だけだった。 「あばばばばばばば」 「あまあまなカニさんのあにゃるをふろーらるに捕まえにいくよ!すっきりー!」 奇声をあげつつ行進する団体に、巣の中は騒然となった。しかし、彼らは周囲を気にする こともなく潮が満ち始めた海に向かっていく。そして、曇天下で狩りが始まった。 あるまりさつむりは、 「獅子天雷閃迅槍・絶牙!!」 とシャコガイに頭から突っ込んだ。シャコガイは熱帯の海に生息する比較的大型の二枚貝 で、最大では200kgにも成長する。その貝殻は頑丈であり、貝殻を閉じる力は大根程度なら 簡単にへし折ってしまうとも言われている。 まりさつむりは貝殻のおかげで頭を切断されずに済んだが、そこから脱出することができ なくなっていた。 「ゆゆ~!!!はなじでね!!まりじゃはがりをずるんだよ!!!はなじでね!!!」 じたばたと貝殻からあんよのみが飛び出して動いている。そこに毒の作用なのか、れいぱ ー化したありすが襲い掛かった。 「んっほほほほほ!!!とかいはなまむまむを見つけたわああああ゛!!!」 「ゆぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!?」 「すっきりすっきりすっきりすっきりいいいいい゛!!!」 シャコガイに挟まれて動けない状態のまま、何度もすっきりさせられるつむり、栄養状態 が良かったせいか黒ずむことはなかったが、シャコガイの中で何本も茎が伸びていた。 「ゆべべ…ゆべ…あぎゃやぎゃがお…!!!」 「まだまだいくわよおおおおぎょおおおおおば!!!」 次の瞬間、れいぱーありすはぺにぺにの付け根は巨大なノコギリガザミのハサミ脚によっ て挟まれていた。そして、ハサミ脚は一気に閉じられる。 ぶち 「ぺぺばねdすいwqljんうぇjjsjpjふぉえわ0うふぁh!!!」 ありすは声にならない声をあげて悶絶した。潮が満ちてきたことで、隠れていた、あるい は沖の方に移動していた捕食者たちが帰ってきたのである。 「ゆ゛あああああ゛!!!ありじゅのめとろぼりだんなぺにぺにがあああああ!!!」 そろそろ毒の効果も切れてきたのだろうか?ありすは現状を理解したようだ。もっとも、 もうどうにもならなかったが… ノコギリガザミはそのまま、ありすのかちゅーしゃや髪を少しずつ引きちぎっては口に 運んでいった。 「いじゃじゃっじゃじゃあああ!!!ありじゅのがみざんがあああああ゛!!!」 別のれいむは複数のカニに一度に挟まれ、 「いじゃいよおおおおお゛!!!はなじで!!がにざんはなじでえええええ!!!」 あんよを滑らせて、ごつごつしたフジツボが生えた岩場に転落してしまった。 「ゆ!ぉじょらをどんででででででででで!!!!」 そして、フジツボの生えた斜面を滑走していき、その体は大根おろしのように削られてい く。 「ゆぎゃああああ゛あんよが!!!れいぶのあんよがああああ゛!!!」 そのれいむはあんよから背中がごっそり削り取られ、餡子がぼろぼろと漏れ出していた。 「ゆんやあああ゛!!!やべでね!!れいぶのからだざんこわれないでねえええ!!!」 無駄な足掻きだった。 「どぼじでえええええ゛!!!べべ!!!」 れいむはそのままフジツボによって、体をずたずたにされ、岩の上に餡子を撒き散らして 叩きつけられた。その衝撃で目が飛び出、口からはあふれ出た餡子は山盛りになっていた。 デイヴは潮が満ち、孤立した岩の上にぽつんと取り残されていた。 「やべてね!!おみずさんこないでね!!やべでね!!」 体の大きさが幸いしたのか、すっかり毒は抜けていたが、もうあんよは海水にひたひたと 浸かっていた。次第に皮がふやけてくる。 「だじゅげで!!!だれかだじゅげで!!!までぃざ!!!おぼうじ!!おぼうじでだず げでええええ!!!」 デイヴは恐怖に駆られ、番のまりさを呼ぶ。しかし、まりさはシャコガイに挟まれ、胴体 を寸断されてとっくに永遠にゆっくりしていた。 海水は次第にあんよから口のあたりまで上ってきた。もうデイヴのあんよはぐずぐずにな りつつあった。 「やだああああ゛!!!じにだぐない!!!だじゅげでええ!!!おみずじゃんはゆっぐ りできないいいいいい゛!!!」 叫んだ瞬間に口から海水が入り込み、のどが焼かれる。 「げぼっ!!げぼぼっ!!!」 デイヴは意を決して、隣の岩まで飛び跳ねることにした。しかし、その距離はどうひいき めに見てもゆっくりが跳躍できる距離ではなかった。 「できるよ…デイヴならきっとできるよ!!!ゆあああああ!!あ゛!?」 あんよに力をこめて飛びはねようとした瞬間、ぐずぐずだったあんよは崩壊した。 「あああああ゛でいぶのあんよがあああああああああ゛!!!」 そして上半身?だけがちぎれて飛び、デイヴは頭からサンゴに突っ込み、四散した。 「ひでヴっ!!!」 デイヴの赤ゆ二匹は、親とは別の場所で、やはり満ちた海水によって孤立していた。 前方は満ちた海水、後方は急な斜面、小さな足場の上で赤れいむと赤まりさは限られた足 場を巡って醜い争いを繰り広げていた。 「きょきょはきゃわいいれいみゅのばしょだよ!!!きちゃないまりちゃはうみにおちて ちんでね!!!」 「ちがうよ!!まりちゃのばしょだよ!!あほづらのれいみゅこそちんでね!!みんなよ ろこぶよ!!」 ぽよんぽよんと、お互いに体当たりを繰り返し、相手を破滅させようとする。 そうこうしている間に、海水面は上昇を続け、足場はさらに狭くなっていった。 「まりちゃ!!!ちね!!ちね!!いらないきょはちね!!!」 「ゆぎぎぎぎぎ!!いらないのはれいみゅだよ!!じゅようないよ!!!」 その時、まりさは閃いた。帽子に乗れば、ここから脱出して巣に戻れるのではないかと。 初めての狩り、その土壇場で野生の勘が閃いたのだろうか? 「ゆゆゆゆ~ん!!!まりちゃはてんざいだね!!まりちゃはおぼうじにのってゆっくり すにもどるよ!!れいみゅはずっとそこにいちぇね!!まりちゃのあたまよくってごみぇ んにぇ~!!!」 言うが早いか、帽子を海面に浮かべ、飛び乗る赤まりさ。 「ゆがああああん!!!なにちてるのおおお!!!れいみゅをひっちになってたちゅけな きゃだめでちょおおおおお!!」 必死に抗議する赤れいむ、しかし、赤まりさは器用に海へと乗り出してしまった。 「ゆゆゆ~!ばいば~い!!ちんでねれいみゅううう!?」 その瞬間横波が赤まりさを帽子ごと飲み込み、赤まりさは岩に叩きつけられた。 「ゆぴゃ!!!」 餡子の染みだけが岩に残ったが、すぐに洗い流されてしまった。 成体のまりさ種ですら、潮が満ちてくる時間は波が荒いため、水上に繰り出すのを禁止し ていた。 赤まりさでは、どうすることもできなかったのだ。 一匹だけ、足場に取り残された赤れいむ。その姿を見ている動物に気がついたのは次の瞬 間であった。その動物は急な斜面に難なく張り付き、赤れいむのことをじっと見ていた。 「おい!!ちょこのへんにゃの!!れいみゅさまをたちゅけろ!!そうすればどれーにち てあげてもいいよ!!きゃわいくてごめんにぇええええ☆!!」 その動物は何も言わず、ただじっと赤れいむを見つめていた。 「おい!!きこえないにょおおお!?ばきゃなの!?しにゅの!?はやくれいみゅをたち ゅけろ!!」 ぴこぴこともみあげを上下させて怒りをあらわにする赤れいむ。 「はやくたちゅけないときょろしゅべべ!?」 ぱく 赤れいむはオオヒキガエルによって一飲みにされてしまった。オオヒキガエルは「海のヒ キガエル」とも呼ばれるカエルであり、浸透圧に弱いとされるケロちゃんの中では例外的 に海水にも耐性がある種である。 「ゆわああああああ゛!!くらいよおおおおお゛!!!だじゅげろ!!れいみゅをだじゅ げろおお!」 赤れいむはしばらくオオヒキガエルの腹の中で騒いでいたが、オオヒキガエルは気にせず、 森の方へ帰っていった。小うるさい赤れいむの声は数時間もすると何も聞こえなくなった。 海岸にはたくさんのゆっくりの死体、あるいはその一部が打ち揚げられていた。 ドウモイ酸を多量に摂取したゆっくりは錯乱したまま死亡し、そうでなかったゆっくりは 錯乱から覚めた後で絶望して永遠にゆっくりした。 そして、自分が用意したエサで、自分の手足を壊滅させたとは知らないなずーりんは、海 岸でただ途方に暮れていた。 その周りを褐色みょんによって構成された群れの警ら隊「よーム戦士団」が囲んでいた。 「なずーりん、みんなに毒を盛った容疑があるみょん。りーだーのところまで同行しても らうみょん。」 なずーりんはおとなしく従い、若ぱちゅりーの前に現れた。 若ぱちゅりーは人払いをし、なずーりんに問いかける。なずーりんは今でもなお、定番の 笑顔を張り付かせていた。 なずーりんは知らなかった。「パン屋の二代目」ちぇんが放った密偵によって、自分のデ イヴ一派での行動が若ぱちゅりーにほとんど筒抜けだったことなど。 若ぱちゅりーはただ、もっと早く対応しなかったことだけを悔いていた。 「あのデイヴたちは困りものだったのよね。なずーりんが毒を盛ったんなら、罪は問わな ければならないけど、せーせーはしたわ。」 若ぱちゅりーはかまをかけた。 「ぱちゅりーさま、あれは事故なのです。僕の話を聞いてくれれば、ゆっくり理解しても らえます。それにここの群れは僕がいた群れよりもみんな活き活きしている!素晴らしい! まだまだ僕はここでぱちゅりーさまのお役に立ちたいのです。いや、お役に立ちますよ!」 「なずーりんは自分の昔の群れは嫌いなの?」 「愚かな連中でした。ぱちゅりーさまと僕の素質の違いでしょうが、自分のゆっくりしか考 えられない連中でしたよ。」 「素敵なりーだーね。」 若ぱちゅりーの皮肉に対して、なずーりんは自己陶酔の色が見える表情でしゃべり続けた。 なずーりんは理解できていなかった。自分と異なる考え方で群れをまとめようとするゆっく りがいることなど。だから安心してぺらぺらとしゃべった。 結局、なずーりんは権勢を得てからは、自分しか見ていなかったのだ。 「群れなんて、りーだーという名の主役を目立たせるための舞台に過ぎません。僕はもっと 素晴らしい役が演じられる舞台があるなら、自分の作り上げた群れでも罵倒して見せますと も!」 「気に入らないわ。むきゅ!!」 なずーりんの体に痛みが走った。若ぱちゅりーがなずーりんの腹部に深々と五寸釘を突き刺 したのだ。それはあのうふふまりさが使っていた五寸釘だった。 「群れをダメにしたのは、なずーりんでしょう?」 なずーりんは信じられないといった表情で、しばらくぱくぱくと口を動かしていたが、第二 撃がなずーりんの右目を貫いた。 「ゆぎ…!!!この…くずがああああ!!!」 「むきゅ!?」 なずーりんは若ぱちゅりーを突き飛ばし、反撃に転じようとした。しかし、 「ほくす・ぽくす、以下省略!!!」 「ゆ゛!!?」 物陰に隠れていた隊長まりさが、後ろからなずーりんに木の枝を突き刺した。 なずーりんは腹と眼窩からチーズをぼとぼととこぼし、数分して動かなくなった。 それはもうなずーりんではなくなっていた。 死んだからではない。しゃべれなくなったからである。 島の中にどこからかやってきたゆっくりたちは、島の生態系を構成する一つの歯車として定 着しつつあった。もし、ゆっくりがいなくなれば、イノシシは、ヤマネコは、アカマタは、そ して多くの生き物が食料不足となり、個体数を減らしてしまうだろう。 ゆっくりの侵入による生態系の混乱の時期は終わり、ゆっくりを構成要素として迎え入れた新 しい食物網は完成しつつあった。彼らは幻想の世界から来た不思議な饅頭ではなくなり、島の 生物となったのだ。 ゆん口が一気に減ってしまった崖の洞窟の中では、しょうが傷を癒しながら、愛する妻とわが 子とともにゆっくりしていた。 「ぴゃぴゃがはやくなおってくれるよう、ぺーろぺーろするよ!!!」 「ありがとうおちびちゃん!!ぱぱはすっかりよくなってきました。」 るいずはもうどこへも行こうとしなかった。例え、自分の本能に逆らおうとも、ずっとここで しょうと添い遂げようと決意したのだ。しょうはそんなるいずに提案した。子供が大きくなっ たら、一緒に島を見て回ろうと。 「るいず…もう一回すっきりしませんか?しょうはもっとおちびちゃんが欲しいです…」 頬を赤くしてるいずに見上げるように懇願するしょう。 「ベッドの中では『疾風うぉるふ』のくせに…」 「ゆえええええええ゛!!ぞんなごどいわないでぐだざいいいいいい゛!!!」 しょうは気にしていることを言われ、深く傷ついた。 「そうね、この子がもう少し大きくなったら、ゆっくり考えるわ!」 「本当ですか!!良かったぁ!!!」 だが、しょうは湧き上がる衝動を抑えきれない様子だった。 「るいず!るいず!るいず!るいずぅぅうううわぁあああああああああああああああああああ あああん!!!あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!るいずるいずるい ずぅううぁわぁああああ!!!あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハ ースーハー!いい匂いだなぁ…くんくんんはぁっ!るいずたんのブロンドの髪をクンカクンカ したいお!(以下略)」 (…明日出て行こうかしら…) るいずは黙ってしょうの頭に乗っている花飾りを取り上げた。 「ゆあああああああ゛!!!しょうのおばなざんんん!!!ぞれがないどゆっぐりでぎまじぇ えん!がえじでぐだざいいいいいいいい゛!!!」 「ゆゆ!おほしさまきれいだよ!!!」 洞窟から見える夜空には天の河がかかっていた。生まれたばかりの赤しょうには、初めて見る 天の河だった。 「おほしさまぺーろぺーろするよ!!ぺーろぺーろ…」 夜空の星をあまあまさんか何かと思っているのだろうか?子しょうは星をぺーろぺーろしよう と小さな舌を必死に伸ばした。 島の生態系の均衡の中で、彼らは毎日数を増やし、そして減らしていくだろう。 通常種であろうが、希少種であろうが、すべてを包み込む、無慈悲な自然は公正だった。 それは何の変哲もない、自然の中のありふれた一幕に過ぎなかった。 幻想が終わり、自然の摂理が始まる 完 神奈子さまの一信徒です。 南の島シリーズは以上で閉幕となります。読んでくださった皆様、ありがとうございました。 自然の中でのゆっくりの生き死にを描写してみようとして、途中変な方向にひゃっはーしなが ら、終幕を迎えることができました。 本作品を面白がってくれた皆様ありがとうございました。ゆっくりできなかった皆様、機会あ れば次はゆっくりしていただけるよう精進したいと思います。 余裕があれば、洒落でゆっくりの生態論文でも書いて、ぬえあたりに投稿してみようと思いま す。興味があるという奇特な方はゆっくりお待ちください。 最後に感想を書いてくださった皆様と、素晴らしいSSや絵を書かれている他の作者の皆様に心 からの感謝を。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ナズーリンは権力を手にしてからは本当にどうしようもなかったな。 シリーズ前半と後半でだいぶ空気が変わったけど、面白かった。 -- 2012-01-29 00 15 56 なんか隊長まりさは空気だったなあ 隊長まりさが主役の南の島生態記と なずーりんが主役の南の島の赤い行状記は分けた方がよかったね 途中までは早く隊長まりさを殺せとか思ってたけど最後の方は空気過ぎてどうでもよくなったよ -- 2011-10-02 23 33 47 銀河英雄伝説ネタとかが散りばめられていて面白かったですね -- 2011-09-18 19 19 42 まあこのSSのネタを面白くないと感じるかどうかはその人の見識の広さによるだろうな。 シリーズ通して非常に楽しめた。自然との付き合いからなずーりんの政略戦争まで全部面白かったよ。 -- 2011-01-06 02 38 40 最後www しょうww げすなずーりんが制裁されてすっきりー! 確かに、しょうはでいぶと同じような感じにみえたな。 物をなくしてなずに頼るとか…だめだめにしか思えない。 ろりす達の方が頑張ってたし、死ぬのが惜しいかったわ -- 2010-11-13 22 13 46 最後のやりたかっただけだろww -- 2010-09-16 14 25 20 まぁなんだ、なずーりんが制裁されたから良しとしようや。 -- 2010-08-27 04 10 48 このシリーズを続けて読んでて、ムカついたね、なずーりんには 優秀なんだけど他ゆんを洗脳して自分の良いようにする宗教の教祖みたいなゲス感がある 存在自体が不快なゆっくりを見たのははじめてだわ このシリーズはこの方向性に話を持っていったのは失敗だと思うけどなあ、中途半端なネタも面白くないし -- 2010-07-22 02 25 12 変にドラマ性つけようとしておかしくなったな南の島とか関係ないし そしてナズーリンを悪者として描きたかったんだろうが 餌場をきっちり見つけてきたり率先して餌取りに出かけたりと働き者な上 しょうのほうは描かれ不足なのかはわからないがなにもしてなくて 子供作ってゆっくりしてるだけというのがでいぶと同じ行動に見える いろいろ失敗して残念な感じがする -- 2010-07-22 00 20 55 だんだん変な方向に向かっていったなあ・・・。 -- 2010-06-13 12 39 09 途中まではいいゆっくりと思ってたなずーりんがゲスで きちんと制裁してくれたのはゆっくりできた ただもうちょっと苦しんでほしかったなぁ -- 2010-04-05 14 12 48
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/720.html
『れみりあが愛したおちびちゃん』 ○○あき 作 れみりあとぱちゅりーの組み合わせで何か・・・・と考えていたらこんなのが出来ました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 梅雨の合間に輝く月に照らされる森、そして闇に響く悲鳴。 それは世の理の底辺を生きる者達の声。 捕食種であるれみりあに巣を襲われ、既にその命は風前の灯。 『や・・・やめるんだぜぇぇ!たべるのならまりさをたべるんだぜぇ! おちびちゃんだけはみのがしてほしいんだぜぇ!』 『おねがい・・・・ぱちゅはどうなってもいいの・・・おちびちゃんだけは・・・おちびちゃんだけは・・・』 足を噛み切られて身動きの取れないまりさは、我が子の命だけでもと懇願する。 しかしこの世に、餌に懇願されて見逃す捕食種はいない。 『うぅ~おぜうさまのでぃなぁ~にしてあげるんだどぉ~』 月明かりに紅く光を放つその瞳は、まりさ親子を餌以外の存在としては受け入れなかった。 その場で父まりさと母ぱちゅりーは、その脆弱な命を他者に奪われ死に至る。 最後まで助命を請うたその我が子は、持ち帰りの食料として捕獲されてしまう。 生まれたばかりで状況を理解出来ない赤ぱちゅりーは、ただ呆然とれみりあに咥えられながら夜の森を空から眺める。 大きな橡の大木に出来た虚に作られた巣。 我が子への手土産を楽しみに帰ったれみりあが目にした物それは・・・・・ 『どぼじでおじびじゃんがじんでるんだどぉぉぉぉぉぉぉぉ!』 番であるさくやとその2匹の、愛すべき赤子の惨たらしい亡骸。 れみりあが狩に出ている間に、ふらんの玩具としてその生涯を奪われた。 捕食種と言えども、気を抜けば食われるのも世の理。 れみりあは、先程のまりさ家族に己を重ね見た。 我が子の助命を懇願する両親の姿は、まさに今ここで我が子の命を奪われた自分の想う事。 無意識的にれみりあは、赤ぱちゅりーを己の巣に優しく降ろす。 結局この夜、赤ぱちゅりーはその命を奪われなかった。 『むきゅう・・・おにゃきゃちゅいちゃ・・・・・』 目覚めた赤ぱちゅりーが最初に感じた事は飢え。 しかし両親は既にいない、ここにいるのは己を攫った捕食種のみ。 『そうきゃ・・・・ぱちゅはつきゃまっちゃちゃたのにぇ・・・・・』 両親の賢い餡を受け継いだのか、赤ぱちゅりーは一夜を明けて己の状況を漠然と理解する。 横に眠るれみりあの側を離れ、虚から顔を出して下を眺める。 とてもではないが赤ゆどころか、大人のゆっくりでも降りられそうにもない。 捕食されるために監禁されたのだから、諦めるしかなかった。 赤ぱちゅりーは大人しく諦めて、れみりあが起きるのを待つ。 だが昼過ぎに目を覚ましたれみりあは、赤ぱちゅりーを眺めるだけで何もしない。 時折、涙を流しながらただ見つめるだけ。 『じゃあいってくるんだどぉ~』 そう言うと、通常は夜間しか活動しないはずのれみりあは、まだ明るい外へ飛び出していった。 夕刻戻ってきたれみりあの口に咥えられていたのは、木の実と柔らかい草が少し。 『さぁたべるんだどぉ~』 『むきゅ?たべちぇもいいにょ?ぱちぇをたべにゃいにょ?』 赤ぱちゅりーは困惑する。 れみりあが戻って来た時が、己の最後の時だと覚悟していたのだから・・・・ だが1日何も食べていない飢えは、赤ゆには抑える事が出来ない。 『むちゃ~むちゃ~ちあわちぇ~~~』 貪り食べる赤ぱちゅりーの姿を、何故かれみりあは優しい顔で眺めている。 次の日もれみりあは、赤ぱちゅりーのために御飯を集めに飛ぶ。 同属を食べれない赤ぱちゅりーのために、木の実や軟らかい草花を集めて食べさせる。 そんな生活が2ヶ月も続くと・・・・・ 『むきゅう!おかあさまおかえりなさい。』 『うぅ~ただいまなんだどぉ~いいこにいていたのかだどぉ~』 ソフトボール程度にまで育ったぱちゅりーは、いつの間にかれみりあを母と呼ぶ様になった。 れみりあもその言葉に喜びを感じ、我が子として大事に育む。 だが捕食種と通常種、いつまでも一緒には暮らせない。 飛べないぱちゅりーの為に巣は洞窟へと変え、食料も植物や昆虫に限定される。 そんな生活の中で、れみりあはその捕食種としての力を失っていく。 『うぅ~なんだかつかれたんだどぉ・・・・』 れみりあは狩の最中に、猛烈な疲れを感じ木陰で休憩をとった。 なんとか休み休みで狩を続けたのだが、巣に戻ると堪えきれずに倒れこむ。 『むきゅ?おかあさま?どうしたの?おかあさま!しっかりしてぇぇぇぇぇ!』 子ぱちゅりーの声にも反応出来ないほど、れみりあは衰弱している。 次の日かられみりあは、狩に出るどころか飛ぶ事すらままならない。 『むっきゅ!おかあさま!きょうはおいしそうないもむしさんがとれましたわ、さぁむ~しゃむ~しゃしてね。』 義母の代わりに狩を始めた子ぱちゅりー、幸いにもここはれみりあのテリトリー。 このエリアに侵入するような通常種はいない、それ故子ぱちゅりーでも狩を出来るくらいに食べ物に溢れていた。 『さすがはこのれみりあのおちびちゃんなんだどぉ~ れみりあはゆうしゅうなおちびちゃんをもってしあわせなんだどぉ~』 自分のために甲斐甲斐しく狩をする子ぱちゅりーを、れみりあは本気で頼もしく感じ嬉しくも思う。 だが衰弱していく身体は、悪くなっていく一方。 そんな義母に子ぱちゅりーも、どうにかしないといけないと焦りを募らせる。 その想いが子ぱちゅりーにある決断をさせた。 『さぁここがぱちゅのおうちよ、えんりょなくゆっくりしていってね。』 『ゆゅ~りっぱなおうちだね、とってもゆっくりしてるよぉ~』 近くの通常種の群れから、子れいむを招待と偽って連れてきた。 それはもちろん義母に食べさせるために・・・・・・ 『どぼじでれみりあがいるのぉぉぉぉ!いやだぁぁじにたくないぃぃぃ!いだいぃぃぃぃ! れいむのうつくしいあんよがぁぁぁぁぁぁ!もぅいやだぁぁぁおうちにかえるぅぅぅぅぅぅ』 恐怖に打ち震える子れいむが逃げられない様に、あんよに枝を突き刺す子ぱちゅりー。 そして義母に子れいむを差し出す。 『むっきゅ!おかあさま、む~しゃむ~しゃしてください。もぅぱちゅもこどもではありませんわ。 おかあさまはほしょくしゅなのですから・・・・・』 『おちびちゃん・・・・・・・』 れみりあは、子ぱちゅりーの優しさが嬉しかった。 この日から子ぱちゅりーは毎日とはいかなかったが、たまに子ゆっくりを騙して連れてくる。 この豊富な餌場をネタに誘えば、馬鹿な子ゆはホイホイと乗せられてついてきた。 子ゆを喰らう様になったれみりあの身体は、みるみる体力を取り戻す。 だが何度も騙して連れ去っていれば、いくら思慮に欠けるゆっくりと言えども気づかれる。 『ぱちゅとかりにいっしょにいかない?いもむしさんやおはなさんがいっぱいいるのよ。』 『い・・・いい・・いっしょにいくんだじぇ』 この日も子まりさに狩にいこうと声をかけた、だがそんな子ぱちゅりーを監視する視線には気がつかない。 子まりさは何やらぎこちない笑顔で承諾し、子ぱちゅりーについていく。 いつも通りの事で子ぱちゅりーは、何の疑問にも感じなかった。 森を進む2匹、あと少し進めば義母の待つ洞窟である。 『むっきゅ、このさきにどうくつさんがあるからそこできゅうけいしましょ・・・』 子ぱちゅりーの言葉は最後まで話せない、知らない間に成体のゆっくりに囲まれている。 その殺気立った雰囲気に気圧される子ぱちゅりー。 『おそらくあそこなんだぜ・・・・・』 10匹以上ものまりさやみょん等の、戦闘に長けたゆっくりが洞窟を囲む。 その間、子ぱちゅりーは口を塞がれて離れた場所に囚われる。 『おちびちゃんのかたきなんだぜぇぇぇぇぇぇ!』 『なんなんだどぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?』 洞窟内へと突入するまりさ、中にいたれみりあは驚きの余りに思わず外へ逃げ出してしまう。 しかし外で待ち受けていた別働隊が、れみりあに石礫を浴びせて撃ち落す。 地面に落ちたれみりあの羽を、まりさやみょんが踏みつけて飛べなくされてしまう。 『はなすんだどぉぉぉぉ!おぜうさまはえらいんだどぉぉぉぉ!』 『うるさいんだぜぇ!おちびちゃんをころしたげすのいうことなんかきかないんだぜぇ!』 あんよに枝を刺され羽を毟られ、身動きがとれなくなったれみりあの前に、子ぱちゅりーが連れてこられる。 れみりあは背筋に寒気を感じて思わず叫ぶ。 『おちびちゃんになにをするんだどぉぉぉぉぉぉ!』 まりさ達はその問いに対する返答代わりに、子ぱちゅりーの右目に枝を突き刺し目玉を抉り出す。 1瞬の事だったので子ぱちゅりーは、抉られた右目を残った目で眺めてから状況を痛みで理解する。 『むきゅうぅぅぅぅぅうぅうぅぅぅぅ!ぱちゅのおめめさんがぁぁぁぁぁみえないわぁぁぁぁぁぁぁ』 涙としーしーを流してのたうちまわる。 そんな子ぱちゅりーのあんよに枝が突き刺される。 『むぎぃぃぃぃぃ・・・いだいわぁぁぁぁ!えださんをぬいてぇぇぇっぇぇぇぇぇぇ』 『おまえみたいなげすもようしゃしないんだぜぇ!いっしょにせいさいしてやるんだぜぇ!』 れみりあの目の前で繰り広げられる制裁、それはかつての子ぱちゅりーの両親を殺した時の再現。 我が子を失ったまりさ達の怒りは深く、れみりあを殺しただけでは納得いかない。 『やべるんだどぉぉぉぉぉぉぉ!せいさいなられみりあにするんだどぉぉぉぉぉぉぉ!』 『このげすなちびを、たすけてほしいのかだぜぇ?』 叫ぶれみりあの前に立ち、まりさは薄笑いを浮かべながら問う。 かつての己の様に、このまりさは決して助けてくれるはずがないとは思いながらも懇願する。 『たすけてほしいんだどぉぉ・・・おちびちゃんのためならなんでもするんだどぉぉ・・・』 『じょうけんしだいでは、たすけてやるんだぜぇ』 『うぅ?ほんとなんだどぉ?』 懇願をあっさりと了承するまりさ、しかし無条件ではない。 まりさの出した条件それは・・・・・・・ れみりあが群れの奴隷として仕える事だった、子ぱちゅりーはゆん質として囚われる。 だが生き残る術は他に考えられない、れみりあはこの条件を呑んだ。 次の日から食料を求めて森を駆け回る。 羽を?がれ慣れない跳ねながらの移動は、れみりあにかなりの苦痛を強いた。 だが子ぱちゅりーの命がかかっている、逃げる事は出来ない。 『ごはんさんをもってきたんだどぉ・・・・・』 この日、れみりあが集めた食料は芹やクレソンなどの野草。 上空から見るのとでは勝手は違ったが、生えている場所は把握していたので取りにいくだけ。 移動に苦労はするが、それでも優秀すぎる成果である。 『はぁぁぁぁぁぁぁ?たったこれだけなのぉ?ばかなのぉ?しぬのぉ? これだけじゃみんなおなかいっぱいむ~しゃむ~しゃできないでしょぉぉぉぉぉぉぉ!』 『うぅ~これいじょうはむりなんだどぉ・・・・・』 『いいわけはきかないんだぜぇ!げすなちびをせいさいされたくなかったらもっととってくるんだぜぇ!』 いくら持ってきてもあるのは罵声だけ、最初から苛めるためだけに奴隷にしたのだ。 それでもれみりあは、歯を食いしばり堪えるしかない。 『わかったんだどぉ・・・でもさきに、おちびちゃんにあわせてほしいんだどぉ・・・・・・』 食料と引き換えに、子ぱちゅりーに会わせて貰える約束。 だがまりさは面倒臭そうに、汚れたお帽子をれみりあの前に投げ捨てる。 『ごはんさんをちゃんととってこないげすは、おかざりをみせてやるだけでもありがたくおもうんだぜぇ! やさしいまりささまにかんしゃするんだぜぇ!』 『うぅ・・・・ひどいんだどぉ・・・・やくそくがちがうんだどぉ・・・・・・』 約束を守ってもらえなくても強硬な手段にはでれない、子ぱちゅりーの命は群れが握っている。 幸いにお帽子からは死臭はしない、元気かどうかはともかくまだ生きてはいる。 こんな日々をれみりあは続けた、だが無闇にしたがっていたのではない。 奪還のチャンスを窺っていたのだ。 月夜にもかかわらず雲が多く、見通しが悪い日にそれは決行される。 皆が寝静まった深夜にこそこそと、子ぱちゅりーが囚われている洞窟に忍び込むれみりあ。 当然、子ぱちゅりーには、昼夜問わず監視がつけられている。 だが最近は日中は見張りはいるが、夜は名目上は交替となっていながらも誰もいない。 欲を優先するゆっくりが、睡眠欲に勝てるはずがなかった。 さぼっても誰も見てはいないので、当番の者が見張りを遂行したと言えばそれが通る。 今夜なら夜目も利かない、通常種を出し抜く事も可能と思ったのだ。 『おちびちゃんまんまなんだどぉ・・・いるんだどぉ?』 この日も見張りはついておらず、すんなりと洞窟に侵入できた。 だが子ぱちゅりーの返事はない、寝ているのかと奥へとさらに入るれみりあ。 聞こえるのはこーこーと言う空気の漏れる音だけ。 『おちびちゃん?ま・・・・・!!』 れみりあは絶句する。 そこにいたのは両目を抉られ、口を閉じれない様に棒を咬まされ。 そのまま地面に上向きに寝かされて、動け無い様に杭を打たれている子ぱちゅりー。 開いた口に詰められているのは、群れの出したうんうん。 子ぱちゅりーは群れのトイレとして虐待されていた。 『ひどいんだどぉ!まんまがすぐにたすけてやるんだどぉ!』 れみりあは、子ぱちゅりーに刺さった杭を抜いてやる。 咬まされた棒を取ってやると、子ぱちゅりーはうんうんと一緒に中身をも吐きだす。 『ぐぇへ・・・・えろえろえろえろえろえろ・・・・』 『くり~むさんをはいちゃだめなんだどぉぉぉぉ!』 『お・・・おか・・・・あ・・さ・・・ま・・・ぱちゅは・・もうだめ・・みたい・・・ ぱちゅはいいから・・・・に・・・げ・・・・・・て・・・・・・むきゅ・・』 子ぱちゅりーは非道な最後を遂げる。 また守れなかった・・・・・ れみりあの中で後悔の嵐が弾け、雄たけびとなって空気を響かせる。 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』 それは声にならない声、空気を振動させて群れ中に響く。 れみりあを哀れんでか、雲は晴れ月が大地を蒼く照らす。 『なんなんだぜぇぇぇぇ!きーんとひびいていたいんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』 『ゆっくりできないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ』 『きゅぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ』 振動に耳鳴りを覚えて、群れ中のゆっくりが巣穴を飛び出す。 れみりあが放ったのは超音波、聞こえていながらも認識出来ぬほどに高まった音。 『おまえがぁぁぁぁぁぁぁぁ!まりさをゆっくりさせないげすはしぬんだぜぇぇぇぇぇ!』 洞窟の前で悲しみの雄たけびを上げる、れみりあにまりさは体当たりする。 誰が振動の犯人と理解しての行動ではない、目の前にいたから責任を被せただけの思いつき。 それは盲目的な行動が、偶然にも真実を掴んだだけ。 『げすはしねぇ!しねぇ!しねぇぇぇぇぇぇぇ!』 まりさは何度もれみりあを踏み続ける、奴隷としてこき使われたれみりあに抵抗する余力はない。 その時、月が陰り群れを再び闇が覆う。 『れ・・・みりあとお・・ちびちゃん・・・のかたきをたのんだんだどぉ・・・・・・・・』 それがれみりあの最後の言葉となった、誰に残した言葉かまりさには理解出来ない。 息を切らしながらも不思議に思う。 『ゆふぅ~ゆふぅ~げすがだれにいってるんだぜぇ・・・・』 『それはおぜうさまたちにたのんだんだどぉ・・・・』 『ゆゅ?・・・・・・・ゆ”!!』 声は空から聞こえた、驚いて見上げたまりさは驚愕する。 闇夜を埋め尽くさんばかりの紅く光る目、そこには大量のれみりあが飛んでいた。 先程の超音波は通常種に対する攻撃ではない、それは仲間を呼ぶ魂の叫び。 『ゆわわわわ・・・どぼじでれみりあがいるのぉぉぉぉぉぉぉ!』 まりさの悲鳴を合図に群れを襲い始めるれみりあ群。 れみりあの住んでいた周辺には、最初からたくさんのれみりあが住んでいた。 これまで子ぱちゅりーが、狩りをしていても襲われなかったのは、昼間行動していたのと。 夜はれみりあが守っていたからなのである。 それを最後の叫びで呼びよせた、決して仲間想いで集まった訳ではないが。 れみりあが願った事と、仲間が通常種の群れへ意図する行為は一致している。 月夜の虐殺が始まった。 『ゆんやぁぁぁぁぁ!!あんこさんすわないでぇぇぇぇぇぇ!!』 『はなぜぇぇぇぇぇごのいながものぉぉぉぉぉぉぉぉ!』 『みゃみゃちゃちゅけちぇぇぇっぇぇ!』 大人子供を問わず上がる悲鳴、だがこれはまだ甘味を増すために遊んでいるに過ぎない。 大量のれみりあは群れを囲み、赤ゆ1匹たりとも逃がす気はなかった。 『おそらをとんでるみたいぃ~・・・・・ぐしぇ・・・ぼっどゆっぐ・・じ・・じだが・・・だ』 『いだいぃぃぃぃぃぃばりざのかもじかなあんよさんがぁぁぁぁぁぁ!』 『みえないんだみょんんん!まっくらだみょん!たすけてほしいみょんんんん!』 それぞれ落とされたり噛まれたり目を抉られたりと、様々な方法で弄られる。 一方的な搾取が静かになった時には、空がしらじんでいた。 成体は全て食べられ、赤ゆや子ゆはそれぞれの巣へと持ち帰っていく。 残ったのはペラペラとなった皮と、黒や黄色などの染みだけとなった。 子供を思う気持ちに違いはない、だが生きる事によって重ねられる罪は誰が償うのであろう? 今日のれみりあも、いつかこの罪を償う事となる。 世の理の底辺を生きる者には、世界は重過ぎるのかもしれない・・・・・・ おわり ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 面白い事に、1週間で会社辞めちゃいましたw 血反吐って奴をリアルに体験してしまい、病院に行くより先に会社を辞めてしまいました。 メンタル弱いねぇ~でもたった1週間であそこまで追い込まれるとは・・・・・・ 人間関係恐るべし!! 就活より先に身体治さないといけなくなってしまいました・・・・ははははは 笑うしかない ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板 http //jbbs.livedoor.jp/otaku/13854/ ○○あきのSS感想はこちらへ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1275503703/ 誤字・脱字等あれば勘弁して下さい これまで書いた物 anko1218 ゆ虐ツアー anko1232 ゆ虐ツアー お宅訪問編 anko1243 ゆヤンワーク anko1495 ゆ虐にも補助金を anko1785 ゆうかにゃんはアイドル anko1237 デスラッチ01 雪原のまりさ anko1250 デスラッチ02 まりさの思い出 anko1274 デスラッチ03 まりさとつむり anko1282 デスラッチ04 まりさとおにいさん anko1314 デスラッチ05 まりさとおちびちゃん anko1337 デスラッチ06 まりさとリボン anko1341 デスラッチ07 まりさと春 anko1711 デスラッチ08 まりさの子ぱちゅりー anko1296 デスラッチ外伝01 まりさとまま anko1505 デスラッチ外伝02 まりさとめぐりあい anko1276 ゆっくり種 anko1278 ゆっくり種2 anko1291 ゆっくり種3 anko1310 ゆっくり種4 anko1331 ゆっくり種5 anko1350 ゆっくり種6 anko1391 ゆっくり種7 anko1482 ゆっくり種8(終) anko1362 ケーキ anko1527 極上 anko1612 砂の世界 anko1768 永遠の命 anko1779 塗りゆ _・)ジ- ↓ 挿絵:我慢あき
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/210.html
『れみりあが愛したおちびちゃん』 ○○あき 作 れみりあとぱちゅりーの組み合わせで何か・・・・と考えていたらこんなのが出来ました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 梅雨の合間に輝く月に照らされる森、そして闇に響く悲鳴。 それは世の理の底辺を生きる者達の声。 捕食種であるれみりあに巣を襲われ、既にその命は風前の灯。 『や・・・やめるんだぜぇぇ!たべるのならまりさをたべるんだぜぇ! おちびちゃんだけはみのがしてほしいんだぜぇ!』 『おねがい・・・・ぱちゅはどうなってもいいの・・・おちびちゃんだけは・・・おちびちゃんだけは・・・』 足を噛み切られて身動きの取れないまりさは、我が子の命だけでもと懇願する。 しかしこの世に、餌に懇願されて見逃す捕食種はいない。 『うぅ~おぜうさまのでぃなぁ~にしてあげるんだどぉ~』 月明かりに紅く光を放つその瞳は、まりさ親子を餌以外の存在としては受け入れなかった。 その場で父まりさと母ぱちゅりーは、その脆弱な命を他者に奪われ死に至る。 最後まで助命を請うたその我が子は、持ち帰りの食料として捕獲されてしまう。 生まれたばかりで状況を理解出来ない赤ぱちゅりーは、ただ呆然とれみりあに咥えられながら夜の森を空から眺める。 大きな橡の大木に出来た虚に作られた巣。 我が子への手土産を楽しみに帰ったれみりあが目にした物それは・・・・・ 『どぼじでおじびじゃんがじんでるんだどぉぉぉぉぉぉぉぉ!』 番であるさくやとその2匹の、愛すべき赤子の惨たらしい亡骸。 れみりあが狩に出ている間に、ふらんの玩具としてその生涯を奪われた。 捕食種と言えども、気を抜けば食われるのも世の理。 れみりあは、先程のまりさ家族に己を重ね見た。 我が子の助命を懇願する両親の姿は、まさに今ここで我が子の命を奪われた自分の想う事。 無意識的にれみりあは、赤ぱちゅりーを己の巣に優しく降ろす。 結局この夜、赤ぱちゅりーはその命を奪われなかった。 『むきゅう・・・おにゃきゃちゅいちゃ・・・・・』 目覚めた赤ぱちゅりーが最初に感じた事は飢え。 しかし両親は既にいない、ここにいるのは己を攫った捕食種のみ。 『そうきゃ・・・・ぱちゅはつきゃまっちゃちゃたのにぇ・・・・・』 両親の賢い餡を受け継いだのか、赤ぱちゅりーは一夜を明けて己の状況を漠然と理解する。 横に眠るれみりあの側を離れ、虚から顔を出して下を眺める。 とてもではないが赤ゆどころか、大人のゆっくりでも降りられそうにもない。 捕食されるために監禁されたのだから、諦めるしかなかった。 赤ぱちゅりーは大人しく諦めて、れみりあが起きるのを待つ。 だが昼過ぎに目を覚ましたれみりあは、赤ぱちゅりーを眺めるだけで何もしない。 時折、涙を流しながらただ見つめるだけ。 『じゃあいってくるんだどぉ~』 そう言うと、通常は夜間しか活動しないはずのれみりあは、まだ明るい外へ飛び出していった。 夕刻戻ってきたれみりあの口に咥えられていたのは、木の実と柔らかい草が少し。 『さぁたべるんだどぉ~』 『むきゅ?たべちぇもいいにょ?ぱちぇをたべにゃいにょ?』 赤ぱちゅりーは困惑する。 れみりあが戻って来た時が、己の最後の時だと覚悟していたのだから・・・・ だが1日何も食べていない飢えは、赤ゆには抑える事が出来ない。 『むちゃ~むちゃ~ちあわちぇ~~~』 貪り食べる赤ぱちゅりーの姿を、何故かれみりあは優しい顔で眺めている。 次の日もれみりあは、赤ぱちゅりーのために御飯を集めに飛ぶ。 同属を食べれない赤ぱちゅりーのために、木の実や軟らかい草花を集めて食べさせる。 そんな生活が2ヶ月も続くと・・・・・ 『むきゅう!おかあさまおかえりなさい。』 『うぅ~ただいまなんだどぉ~いいこにいていたのかだどぉ~』 ソフトボール程度にまで育ったぱちゅりーは、いつの間にかれみりあを母と呼ぶ様になった。 れみりあもその言葉に喜びを感じ、我が子として大事に育む。 だが捕食種と通常種、いつまでも一緒には暮らせない。 飛べないぱちゅりーの為に巣は洞窟へと変え、食料も植物や昆虫に限定される。 そんな生活の中で、れみりあはその捕食種としての力を失っていく。 『うぅ~なんだかつかれたんだどぉ・・・・』 れみりあは狩の最中に、猛烈な疲れを感じ木陰で休憩をとった。 なんとか休み休みで狩を続けたのだが、巣に戻ると堪えきれずに倒れこむ。 『むきゅ?おかあさま?どうしたの?おかあさま!しっかりしてぇぇぇぇぇ!』 子ぱちゅりーの声にも反応出来ないほど、れみりあは衰弱している。 次の日かられみりあは、狩に出るどころか飛ぶ事すらままならない。 『むっきゅ!おかあさま!きょうはおいしそうないもむしさんがとれましたわ、さぁむ~しゃむ~しゃしてね。』 義母の代わりに狩を始めた子ぱちゅりー、幸いにもここはれみりあのテリトリー。 このエリアに侵入するような通常種はいない、それ故子ぱちゅりーでも狩を出来るくらいに食べ物に溢れていた。 『さすがはこのれみりあのおちびちゃんなんだどぉ~ れみりあはゆうしゅうなおちびちゃんをもってしあわせなんだどぉ~』 自分のために甲斐甲斐しく狩をする子ぱちゅりーを、れみりあは本気で頼もしく感じ嬉しくも思う。 だが衰弱していく身体は、悪くなっていく一方。 そんな義母に子ぱちゅりーも、どうにかしないといけないと焦りを募らせる。 その想いが子ぱちゅりーにある決断をさせた。 『さぁここがぱちゅのおうちよ、えんりょなくゆっくりしていってね。』 『ゆゅ~りっぱなおうちだね、とってもゆっくりしてるよぉ~』 近くの通常種の群れから、子れいむを招待と偽って連れてきた。 それはもちろん義母に食べさせるために・・・・・・ 『どぼじでれみりあがいるのぉぉぉぉ!いやだぁぁじにたくないぃぃぃ!いだいぃぃぃぃ! れいむのうつくしいあんよがぁぁぁぁぁぁ!もぅいやだぁぁぁおうちにかえるぅぅぅぅぅぅ』 恐怖に打ち震える子れいむが逃げられない様に、あんよに枝を突き刺す子ぱちゅりー。 そして義母に子れいむを差し出す。 『むっきゅ!おかあさま、む~しゃむ~しゃしてください。もぅぱちゅもこどもではありませんわ。 おかあさまはほしょくしゅなのですから・・・・・』 『おちびちゃん・・・・・・・』 れみりあは、子ぱちゅりーの優しさが嬉しかった。 この日から子ぱちゅりーは毎日とはいかなかったが、たまに子ゆっくりを騙して連れてくる。 この豊富な餌場をネタに誘えば、馬鹿な子ゆはホイホイと乗せられてついてきた。 子ゆを喰らう様になったれみりあの身体は、みるみる体力を取り戻す。 だが何度も騙して連れ去っていれば、いくら思慮に欠けるゆっくりと言えども気づかれる。 『ぱちゅとかりにいっしょにいかない?いもむしさんやおはなさんがいっぱいいるのよ。』 『い・・・いい・・いっしょにいくんだじぇ』 この日も子まりさに狩にいこうと声をかけた、だがそんな子ぱちゅりーを監視する視線には気がつかない。 子まりさは何やらぎこちない笑顔で承諾し、子ぱちゅりーについていく。 いつも通りの事で子ぱちゅりーは、何の疑問にも感じなかった。 森を進む2匹、あと少し進めば義母の待つ洞窟である。 『むっきゅ、このさきにどうくつさんがあるからそこできゅうけいしましょ・・・』 子ぱちゅりーの言葉は最後まで話せない、知らない間に成体のゆっくりに囲まれている。 その殺気立った雰囲気に気圧される子ぱちゅりー。 『おそらくあそこなんだぜ・・・・・』 10匹以上ものまりさやみょん等の、戦闘に長けたゆっくりが洞窟を囲む。 その間、子ぱちゅりーは口を塞がれて離れた場所に囚われる。 『おちびちゃんのかたきなんだぜぇぇぇぇぇぇ!』 『なんなんだどぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?』 洞窟内へと突入するまりさ、中にいたれみりあは驚きの余りに思わず外へ逃げ出してしまう。 しかし外で待ち受けていた別働隊が、れみりあに石礫を浴びせて撃ち落す。 地面に落ちたれみりあの羽を、まりさやみょんが踏みつけて飛べなくされてしまう。 『はなすんだどぉぉぉぉ!おぜうさまはえらいんだどぉぉぉぉ!』 『うるさいんだぜぇ!おちびちゃんをころしたげすのいうことなんかきかないんだぜぇ!』 あんよに枝を刺され羽を毟られ、身動きがとれなくなったれみりあの前に、子ぱちゅりーが連れてこられる。 れみりあは背筋に寒気を感じて思わず叫ぶ。 『おちびちゃんになにをするんだどぉぉぉぉぉぉ!』 まりさ達はその問いに対する返答代わりに、子ぱちゅりーの右目に枝を突き刺し目玉を抉り出す。 1瞬の事だったので子ぱちゅりーは、抉られた右目を残った目で眺めてから状況を痛みで理解する。 『むきゅうぅぅぅぅぅうぅうぅぅぅぅ!ぱちゅのおめめさんがぁぁぁぁぁみえないわぁぁぁぁぁぁぁ』 涙としーしーを流してのたうちまわる。 そんな子ぱちゅりーのあんよに枝が突き刺される。 『むぎぃぃぃぃぃ・・・いだいわぁぁぁぁ!えださんをぬいてぇぇぇっぇぇぇぇぇぇ』 『おまえみたいなげすもようしゃしないんだぜぇ!いっしょにせいさいしてやるんだぜぇ!』 れみりあの目の前で繰り広げられる制裁、それはかつての子ぱちゅりーの両親を殺した時の再現。 我が子を失ったまりさ達の怒りは深く、れみりあを殺しただけでは納得いかない。 『やべるんだどぉぉぉぉぉぉぉ!せいさいなられみりあにするんだどぉぉぉぉぉぉぉ!』 『このげすなちびを、たすけてほしいのかだぜぇ?』 叫ぶれみりあの前に立ち、まりさは薄笑いを浮かべながら問う。 かつての己の様に、このまりさは決して助けてくれるはずがないとは思いながらも懇願する。 『たすけてほしいんだどぉぉ・・・おちびちゃんのためならなんでもするんだどぉぉ・・・』 『じょうけんしだいでは、たすけてやるんだぜぇ』 『うぅ?ほんとなんだどぉ?』 懇願をあっさりと了承するまりさ、しかし無条件ではない。 まりさの出した条件それは・・・・・・・ れみりあが群れの奴隷として仕える事だった、子ぱちゅりーはゆん質として囚われる。 だが生き残る術は他に考えられない、れみりあはこの条件を呑んだ。 次の日から食料を求めて森を駆け回る。 羽を?がれ慣れない跳ねながらの移動は、れみりあにかなりの苦痛を強いた。 だが子ぱちゅりーの命がかかっている、逃げる事は出来ない。 『ごはんさんをもってきたんだどぉ・・・・・』 この日、れみりあが集めた食料は芹やクレソンなどの野草。 上空から見るのとでは勝手は違ったが、生えている場所は把握していたので取りにいくだけ。 移動に苦労はするが、それでも優秀すぎる成果である。 『はぁぁぁぁぁぁぁ?たったこれだけなのぉ?ばかなのぉ?しぬのぉ? これだけじゃみんなおなかいっぱいむ~しゃむ~しゃできないでしょぉぉぉぉぉぉぉ!』 『うぅ~これいじょうはむりなんだどぉ・・・・・』 『いいわけはきかないんだぜぇ!げすなちびをせいさいされたくなかったらもっととってくるんだぜぇ!』 いくら持ってきてもあるのは罵声だけ、最初から苛めるためだけに奴隷にしたのだ。 それでもれみりあは、歯を食いしばり堪えるしかない。 『わかったんだどぉ・・・でもさきに、おちびちゃんにあわせてほしいんだどぉ・・・・・・』 食料と引き換えに、子ぱちゅりーに会わせて貰える約束。 だがまりさは面倒臭そうに、汚れたお帽子をれみりあの前に投げ捨てる。 『ごはんさんをちゃんととってこないげすは、おかざりをみせてやるだけでもありがたくおもうんだぜぇ! やさしいまりささまにかんしゃするんだぜぇ!』 『うぅ・・・・ひどいんだどぉ・・・・やくそくがちがうんだどぉ・・・・・・』 約束を守ってもらえなくても強硬な手段にはでれない、子ぱちゅりーの命は群れが握っている。 幸いにお帽子からは死臭はしない、元気かどうかはともかくまだ生きてはいる。 こんな日々をれみりあは続けた、だが無闇にしたがっていたのではない。 奪還のチャンスを窺っていたのだ。 月夜にもかかわらず雲が多く、見通しが悪い日にそれは決行される。 皆が寝静まった深夜にこそこそと、子ぱちゅりーが囚われている洞窟に忍び込むれみりあ。 当然、子ぱちゅりーには、昼夜問わず監視がつけられている。 だが最近は日中は見張りはいるが、夜は名目上は交替となっていながらも誰もいない。 欲を優先するゆっくりが、睡眠欲に勝てるはずがなかった。 さぼっても誰も見てはいないので、当番の者が見張りを遂行したと言えばそれが通る。 今夜なら夜目も利かない、通常種を出し抜く事も可能と思ったのだ。 『おちびちゃんまんまなんだどぉ・・・いるんだどぉ?』 この日も見張りはついておらず、すんなりと洞窟に侵入できた。 だが子ぱちゅりーの返事はない、寝ているのかと奥へとさらに入るれみりあ。 聞こえるのはこーこーと言う空気の漏れる音だけ。 『おちびちゃん?ま・・・・・!!』 れみりあは絶句する。 そこにいたのは両目を抉られ、口を閉じれない様に棒を咬まされ。 そのまま地面に上向きに寝かされて、動け無い様に杭を打たれている子ぱちゅりー。 開いた口に詰められているのは、群れの出したうんうん。 子ぱちゅりーは群れのトイレとして虐待されていた。 『ひどいんだどぉ!まんまがすぐにたすけてやるんだどぉ!』 れみりあは、子ぱちゅりーに刺さった杭を抜いてやる。 咬まされた棒を取ってやると、子ぱちゅりーはうんうんと一緒に中身をも吐きだす。 『ぐぇへ・・・・えろえろえろえろえろえろ・・・・』 『くり~むさんをはいちゃだめなんだどぉぉぉぉ!』 『お・・・おか・・・・あ・・さ・・・ま・・・ぱちゅは・・もうだめ・・みたい・・・ ぱちゅはいいから・・・・に・・・げ・・・・・・て・・・・・・むきゅ・・』 子ぱちゅりーは非道な最後を遂げる。 また守れなかった・・・・・ れみりあの中で後悔の嵐が弾け、雄たけびとなって空気を響かせる。 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』 それは声にならない声、空気を振動させて群れ中に響く。 れみりあを哀れんでか、雲は晴れ月が大地を蒼く照らす。 『なんなんだぜぇぇぇぇ!きーんとひびいていたいんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』 『ゆっくりできないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ』 『きゅぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ』 振動に耳鳴りを覚えて、群れ中のゆっくりが巣穴を飛び出す。 れみりあが放ったのは超音波、聞こえていながらも認識出来ぬほどに高まった音。 『おまえがぁぁぁぁぁぁぁぁ!まりさをゆっくりさせないげすはしぬんだぜぇぇぇぇぇ!』 洞窟の前で悲しみの雄たけびを上げる、れみりあにまりさは体当たりする。 誰が振動の犯人と理解しての行動ではない、目の前にいたから責任を被せただけの思いつき。 それは盲目的な行動が、偶然にも真実を掴んだだけ。 『げすはしねぇ!しねぇ!しねぇぇぇぇぇぇぇ!』 まりさは何度もれみりあを踏み続ける、奴隷としてこき使われたれみりあに抵抗する余力はない。 その時、月が陰り群れを再び闇が覆う。 『れ・・・みりあとお・・ちびちゃん・・・のかたきをたのんだんだどぉ・・・・・・・・』 それがれみりあの最後の言葉となった、誰に残した言葉かまりさには理解出来ない。 息を切らしながらも不思議に思う。 『ゆふぅ~ゆふぅ~げすがだれにいってるんだぜぇ・・・・』 『それはおぜうさまたちにたのんだんだどぉ・・・・』 『ゆゅ?・・・・・・・ゆ”!!』 声は空から聞こえた、驚いて見上げたまりさは驚愕する。 闇夜を埋め尽くさんばかりの紅く光る目、そこには大量のれみりあが飛んでいた。 先程の超音波は通常種に対する攻撃ではない、それは仲間を呼ぶ魂の叫び。 『ゆわわわわ・・・どぼじでれみりあがいるのぉぉぉぉぉぉぉ!』 まりさの悲鳴を合図に群れを襲い始めるれみりあ群。 れみりあの住んでいた周辺には、最初からたくさんのれみりあが住んでいた。 これまで子ぱちゅりーが、狩りをしていても襲われなかったのは、昼間行動していたのと。 夜はれみりあが守っていたからなのである。 それを最後の叫びで呼びよせた、決して仲間想いで集まった訳ではないが。 れみりあが願った事と、仲間が通常種の群れへ意図する行為は一致している。 月夜の虐殺が始まった。 『ゆんやぁぁぁぁぁ!!あんこさんすわないでぇぇぇぇぇぇ!!』 『はなぜぇぇぇぇぇごのいながものぉぉぉぉぉぉぉぉ!』 『みゃみゃちゃちゅけちぇぇぇっぇぇ!』 大人子供を問わず上がる悲鳴、だがこれはまだ甘味を増すために遊んでいるに過ぎない。 大量のれみりあは群れを囲み、赤ゆ1匹たりとも逃がす気はなかった。 『おそらをとんでるみたいぃ~・・・・・ぐしぇ・・・ぼっどゆっぐ・・じ・・じだが・・・だ』 『いだいぃぃぃぃぃぃばりざのかもじかなあんよさんがぁぁぁぁぁぁ!』 『みえないんだみょんんん!まっくらだみょん!たすけてほしいみょんんんん!』 それぞれ落とされたり噛まれたり目を抉られたりと、様々な方法で弄られる。 一方的な搾取が静かになった時には、空がしらじんでいた。 成体は全て食べられ、赤ゆや子ゆはそれぞれの巣へと持ち帰っていく。 残ったのはペラペラとなった皮と、黒や黄色などの染みだけとなった。 子供を思う気持ちに違いはない、だが生きる事によって重ねられる罪は誰が償うのであろう? 今日のれみりあも、いつかこの罪を償う事となる。 世の理の底辺を生きる者には、世界は重過ぎるのかもしれない・・・・・・ おわり ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 面白い事に、1週間で会社辞めちゃいましたw 血反吐って奴をリアルに体験してしまい、病院に行くより先に会社を辞めてしまいました。 メンタル弱いねぇ~でもたった1週間であそこまで追い込まれるとは・・・・・・ 人間関係恐るべし!! 就活より先に身体治さないといけなくなってしまいました・・・・ははははは 笑うしかない ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板 http //jbbs.livedoor.jp/otaku/13854/ ○○あきのSS感想はこちらへ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1275503703/ 誤字・脱字等あれば勘弁して下さい これまで書いた物 anko1218 ゆ虐ツアー anko1232 ゆ虐ツアー お宅訪問編 anko1243 ゆヤンワーク anko1495 ゆ虐にも補助金を anko1785 ゆうかにゃんはアイドル anko1237 デスラッチ01 雪原のまりさ anko1250 デスラッチ02 まりさの思い出 anko1274 デスラッチ03 まりさとつむり anko1282 デスラッチ04 まりさとおにいさん anko1314 デスラッチ05 まりさとおちびちゃん anko1337 デスラッチ06 まりさとリボン anko1341 デスラッチ07 まりさと春 anko1711 デスラッチ08 まりさの子ぱちゅりー anko1296 デスラッチ外伝01 まりさとまま anko1505 デスラッチ外伝02 まりさとめぐりあい anko1276 ゆっくり種 anko1278 ゆっくり種2 anko1291 ゆっくり種3 anko1310 ゆっくり種4 anko1331 ゆっくり種5 anko1350 ゆっくり種6 anko1391 ゆっくり種7 anko1482 ゆっくり種8(終) anko1362 ケーキ anko1527 極上 anko1612 砂の世界 anko1768 永遠の命 anko1779 塗りゆ _・)ジ- ↓
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1883.html
anko0202 アントクアリウムでゆっくり 【挿絵】 anko0203 1人は みんなのために anko0204 ゆっくりぷくーしていってね! 【挿絵】 anko0205 れいむとまりさがだーい好き!! 【挿絵】 anko0206 ゲスとかレイパーとかでいぶとか、みんな死ねばイイのに anko0207 数は罪 数は暴力 数は罰 上 anko0209 れいむ視点と人間視点 anko0210 俺の嫁ゆっくり anko0211ある日の加工場の一幕 2 anko0212 それをしてはいけないわけ 【挿絵】 anko0213 れいむの失敗 anko0214 つむりはとってもゆっくりできるんだよ! 【挿絵】 anko0215 真夏はゆっくりできるね 【挿絵】 anko0216 割とどうでもいい話 anko0217 ゆっくりのみるゆめ anko0218 おまえはなにもわかっちゃいない anko0219 ゆっくりにあったこわいはなし anko0220 ゆうかりんのご奉仕授業 【挿絵】 anko0221 おまえはなにもわかっちゃくれない anko0223 ぼくはぼくをわかっちゃいない anko0224 夏の公園にて anko0225 雨さんはゆっくりしてるね anko0227 陰口 anko0228 ここはみんなのおうち宣言 anko0229 鞭打 anko0231 守るべきもの anko0232 ゆっくりみわけてね! anko0233 ぐずはきらいだよ! anko0234 モンスターゆアレント 【挿絵】 anko0235 竜巻さんでゆっくりしようね anko0236 糞饅頭 anko0237 ゆっくりに選ばせる青年 anko0238 ぱちゅりおばさんの事件簿 anko0239 虐待派不虐待日記 anko0240 ユグルイ その1 anko0241 寄生生物とゆっくり anko0242 春の恵みさんでゆっくりするよ anko0245 ユグルイ その2 anko0246 バトルゆ虐! anko0247 かわいいおちびちゃん 【挿絵】 anko0248 お姉さんのまりさ飼育日記 anko0249 ゆっくり繁殖していってね! anko0250 ちぇんの素晴らしきゆん生 【挿絵】 anko0251 ユグルイ その3 anko0252 ゲス愛で派 anko0253 相棒 anko0254 おんもでゆっくりしよう!① anko0255 とてもゆっくりした蛇口 anko0256 ユグルイ その4 anko0257 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ anko0258 やめられない虐殺 anko0259 ゆっくりちるのの生態(前編) anko0260 人間の畑だと説得してみよう anko0261 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい anko0262 にんげんさんはゆっくりできない anko0263 ゆっくりばけてでるよ! anko0264 ゆっくりばけてでるよ!後日談 anko0265 どすすぱーくをうつよ! anko0266 ミント anko0267 ケツ anko0268 選ばれしゆっくり anko0269 台風さんでゆっくりしたいよ 【挿絵】 anko0270 頭でなく心に訴える anko0271 ユグルイ その5 anko0272 もうわからない anko0273 子まりさはゆっくりできない anko0274 屠殺 anko0275 長寿と繁栄を・・・前編 anko0276 おんもでゆっくりしよう!2 anko0277 おいまりさ、涙の味はおいしいか? anko0278 ゆうかの花 anko0279 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 anko0280 数は罪 数は暴力 数は罰 中 anko0281 それでもゆっくりは畑を守る 【挿絵】 anko0283 ゆっくりたねをまいてね! 【挿絵】 anko0284 長寿と繁栄を・・・後編 anko0285 ゆっくりはじけてね! 【挿絵】 anko0286 そして家族の崩壊 【挿絵】 anko0287 まりさのだいじな anko0288 餡小話の感想れいむ・その後 anko0289 末っ子れいむの帰還 anko0290 町の赤ゆの生きる道 【挿絵】 anko0291 ゆっくりせいいをみせてね! anko0292 ゆっくり見ていってね anko0293 ゆっくりした教育 anko0294 ぱちゅりーのお話 第1話 anko0295 むかしなつかしゆーどろ遊び 【挿絵】 anko0296 下卑た快感 anko0297 制裁は誰がために 【挿絵】 anko0298 ルームランナー 【挿絵】
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3143.html
すっかりー! ……ぢがうもん!がんでないもん!でいぶぢゃんどずっぎりっでいえだもん!乙 -- 2009-01-06 01 04 04 乙どす -- 2009-01-06 01 04 16 乙! -- 2009-01-06 01 06 45 乙! でいぶはすっかりー!でいぶが定着してきたな 元の名前忘れちゃったよ -- 2009-01-06 01 09 03 でいぶも、ばでぃざも、でびりゃも、 みんなかわいいわぁーーーー!! -- 2009-01-06 01 15 33 「あでぃずはかわいくないね」 「ちっともかわいくないぜ」 「う゛ーう゛ー」 「ドボじでぞんなごどいうのぉぉぉ?!」 -- 2009-01-06 01 17 55 本家霊夢が可愛く無い分でいぶに注目が集まってるんだな (チラッ -- 2009-01-06 01 47 12 2009-01-06 01 47 12 でいぶ乙 -- 2009-01-06 01 58 37 スレの連中が本気であいつのSS絶賛してるの見て もう駄目だと思った -- 2009-01-06 02 22 12 あれは好みの問題ってここですらいわれてただろw 価値観押し付けるのはよくないぜ。 いや俺も嫌いだけどな。 -- 2009-01-06 02 47 06 あいつって言われても誰の事だか いや、なんとなくわかるけどさ。 俺もうっかり事故で読んだの以外全部読んでないし -- 2009-01-06 02 47 53 あと、あいつのSSの後に来たのが駄作だったからな。 話題が移行しなかったってのもあるだろ。 -- 2009-01-06 02 49 52 本来、読者様としては全SSを読むべきなんだろうけど あいつのSSだけは読むと間違いなく不快になれる気がするからなぁ スレでの反応も(俺にとって)不快なスタンスに偏ってる物ばかりだし 誰かめんどくさいから毒抜きしてあらすじだけ書いてくれよ -- 2009-01-06 02 56 47 人それぞれ。 俺は二世代よりかは好きだよ。 -- 2009-01-06 03 12 00 あらすじ ゆっくりがゆっくりだいかつやくしたよ!!! -- 2009-01-06 03 12 52 某所から退避して参りました あそこってありす=レイパーがもう大前提なんだな・・・ -- 2009-01-06 03 20 42 んほおおお!!!すてきなとのがただわあああ!!!!! -- 2009-01-06 03 30 27 1~2ヶ月前のスレの流行を後追いしてるだけだ 来月には別の設定が流行してるだろう -- 2009-01-06 03 31 53 ゆっくりに「来月」はあるのか -- 2009-01-06 03 34 46 レイパーじゃないありすを書いてやりたいが キリストが狂喜するの見えてるからなぁ…… -- 2009-01-06 03 35 31 よそで言われて気付いた マタニティゆっくりの中編ってwikiに収録されてないんだな 前編が収録されてるんだから中編も是非して欲しいが……つか後編は無いのか -- 2009-01-06 03 37 51 2009-01-06 03 34 46 少なくとも初夏辺りまでは生き延びてると思う その頃にはSSの投下頻度がどんなことになってるか予想もつかんがね・・・ -- 2009-01-06 03 38 43 俺は春ぐらいになったらもう廃墟になってると思うぜ そして苔に包まれてゆきながら一人穏やかに笑う腕まりさ氏 -- 2009-01-06 03 42 55 今確認してきたらマタニティの中編105KBもあるw -- 2009-01-06 03 43 56 それは収録する人も面倒だろうな(分割的な意味で) -- 2009-01-06 05 12 11 今のペースだと書きかけのネタが春になっても終わってないから 少なくとも俺は存在してるだろう スレやここに人がいるかはともかくとして -- 2009-01-06 05 33 36 既にゆっくり中毒になってる人多いと思うから大丈夫じゃない? -- 2009-01-06 08 37 03 いかん、いつの間にか制裁系じゃないSSを読むとストレスマッハになる体に… マタニティの中編で自覚してしまった。 -- 2009-01-06 10 56 20 二世代のレイプに期待してたけど、逆転お兄さんと赤ありす覚醒を読んで今後のレイプは期待できない気がしてきた 二世代、書きたいものしか書かなさそうだしな このまま、ちょっと面白いぬるいじめ作家で終わってしまうのか -- 2009-01-06 11 01 15 本職(?)のバトルもご無沙汰だしな 玉男のおりんちゃん倒せるのかね 早く続編投下しないとキャラ忘れちゃうよな -- 2009-01-06 11 16 25 ゆっくりを焼く描写があるとだいたいアルコールランプを使うのはなんでなんだぜ? リスペクトとかいう行為だろうか? -- 2009-01-06 11 58 37 個人的にろうそくの方がリアルだがまあ先駆者のネタそのまま使ってるだけじゃね? -- 2009-01-06 12 31 03 実は蝋燭の火は、それで何かを炙ろうとすると消えやすい上に 火が割りと小さいので、焼くという行為には向いていなかったりする そもそも長く細く火を灯すための道具だからね… 蝋燭は蝋を垂らす方式の虐待の方が向いてるかな ゆっくり自身は冷えて固まった蝋を取るのに苦労するから二度美味しい 「あづいいいいい!」 ↓ 「おべべがひらがないいいいい!」 -- 2009-01-06 12 38 45 れいむは今年 二月で 八ヶ月 顔の 傷は 増えて ゆくばかり 育児に追われ このごろやっと ゆとりができた れいむの 自慢の 子供は 黒ずんだ それは ありすに レイプ されたから 黒ずむ子供 自慢の子供 じっと見ている ゆん生が 二度あれば おお ゆん生が 二度あれば おおお -- 2009-01-06 12 41 35 最近朝が冷え込むなぁ。 これだけ寒いと寝て起きたら赤ゆっくり全滅とかありえるよな。 「ゆっくりおはよう! ・・・ゆ? なんであかちゃんおきないの?? なんでこんなにつめたいの??」 -- 2009-01-06 13 03 00 久々に来たけど スレの方は相変らずどうしようもなかったな SSでいいのあった? -- 2009-01-06 14 45 41 無いね。あいつがやたら乱発してるけど俺には毒でしかないし。 ここの小ネタの方が面白いとかどうにもこうにも。 あ、カービィは面白かったw -- 2009-01-06 14 58 31 まりさつむりの人大暴れだなw -- 2009-01-06 15 03 46 なんや自分のページおかしなっとるんやけどあれ仕様なんかなぁ? -- 2009-01-06 16 58 51 今見たらあねきの作品集のページ消されてるんだが また荒らしが沸いたのか -- 2009-01-06 17 01 58 荒らしの嵐 -- 2009-01-06 17 08 41 最近本当にどうしようもない奴らが湧くな… 俺はアネキのSS大好きだぜ! -- 2009-01-06 17 10 44 荒らしの中で輝いて -- 2009-01-06 17 11 16 作家一覧からも消されちまったぜー もう嫌だ!こんな所でSSなんか書いてられるか! ゆっくり虐待なんて二度としねぇよバーーーーーカ!うわーーーーーーん!! とか言うと思ってるんだとしたら指差して哄笑してバーカバーカって言ってやる -- 2009-01-06 17 12 40 さすがに真っ赤すぎてワロタ どっちとは言わないが -- 2009-01-06 17 16 29 復元してきたぜあねきィィィ! -- 2009-01-06 17 18 39 どっちがよりアカいか -- 2009-01-06 17 19 29 ツンデレ「べ、別に復元してもらっても嬉しくなんかないんだからねっ!」 -- 2009-01-06 17 20 22 なんか連載飽きてきた。 自分でもつまんないしもう打ち切っちゃえ。 -- 2009-01-06 17 31 03 リスト復元したらトップコメに報告してやってくれ。 修復依頼が宙ぶらりんになってる。 -- 2009-01-06 17 35 55 2009-01-06 17 35 55 報告完了だぜ -- 2009-01-06 17 38 53 ここに来て4ヶ月ちょっと。俺も荒らしに目をつけられる程度には名を上げる事ができたのか…… -- 2009-01-06 17 40 29 ☆って他所の板の創作系スレでも 感想とか批判とか好き勝手言う割りに大部分が的外れで 具体的な事も何一つ言わないのに教授してやってるとか思ってる 勘違い野郎粘着にそっくりだなとか思った 主に感想の文体とかが まあゆっくりなんて縁も関わりも無いジャンルでまで再会する なんて事は無いと思うから別人だと思うが… -- 2009-01-06 17 46 54 >2009-01-06 17 46 54 そんなアホが複数人いる方が嫌だから同一人物にしておこうぜ。 -- 2009-01-06 17 50 44 2009-01-06 17 38 53 ゆっへっへっ、おつかれさまなんだぜ。 てんこからぶんどったももをおごってやろうなんだぜ。 2009-01-06 17 40 29 ここんとこの集中投稿で目立ってるしね。 それ以上にチル裏で目立ってるしとか思っても口に出さない俺はやはり謙虚だった。 -- 2009-01-06 17 51 03 2009-01-06 17 51 03 なん……だと……? 目立ってるなんて……俺ほど地味で控えめな人間に何を言うんだ -- 2009-01-06 17 55 07 腕がないのにぶん取る・・・・・・? -- 2009-01-06 18 03 51 この味は嘘をついてる味だのどうのこうの -- 2009-01-06 18 08 33 そうですかありがとうインテルすごいですね -- 2009-01-06 18 09 19 目立ってるんじゃなくてつまらないからだろうjk -- 2009-01-06 18 09 53 成る程つまらないからか。一番説得力がある理由だ。 -- 2009-01-06 18 15 22 俺は割りと好きだがな -- 2009-01-06 18 16 27 くだらないから面白い! そういうものもあるのか -- 2009-01-06 18 19 59 好意的な意見を聞くと何か裏があるんじゃないかと勘繰ってしまう俺は軽い人間不信 -- 2009-01-06 18 24 03 ☆がこっちに来てるのか。珍しいな。 スレで話題になったから興奮してるのか? -- 2009-01-06 18 25 19 え、スタちゃんいるの?どこ? -- 2009-01-06 18 28 15 こ☆こだどぉ~~♪ おぜうさまが、ぱそこ~~んでかきこんであげたんだどぉ~~♪ れ☆み☆りゃ☆う~♪ -- 2009-01-06 18 30 23 つまらなかったら相手にされないってこと忘れるなよ -- 2009-01-06 18 36 46 どうでもいいけどチノレ裏ログ185の最後の方保管されてないよね -- 2009-01-06 18 52 10 ふと某直死のようなものでゆっくり見たらどれ位死点見つかるんだろ。 -- 2009-01-06 19 15 07 休み入ったんで残してた長編型SSすべて読了 そのうえで言わせてもらいたい 3匹のゆっくり読んでて気になったんだけど チェンジリング氏某所で某魔法先生のSS書いてないか? これ見てたら返事くれ -- 2009-01-06 19 17 28 2009-01-06 19 15 07 死点は中枢餡だけじゃないかな? あとは線だらけ -- 2009-01-06 19 20 30 2009-01-06 19 20 30 線だらけのその姿はまさに黒ゆっくりってわけか -- 2009-01-06 19 24 19 黒ゆっくり美味しそう・・・ -- 2009-01-06 19 25 18 そろそろスタンドでるぞ -- 2009-01-06 20 06 37 黒ゆっくりっておせち料理に入ってそう -- 2009-01-06 20 07 30 チル裏ゆっくりしすぎ -- 2009-01-06 20 31 23 チラ裏まりささんが 一瞬スーパーマリオRPGのケーキのボスに見えた -- 2009-01-06 20 54 28 最近ゆっくりしてるよな>チル裏 -- 2009-01-06 20 57 44 「すごくゆっくりしたちるうらだね!」 「ここをまりさたちのゆっくりぷれいすにしようね!」 「おっと入っちゃいけない!実はチル裏は早く動きすぎて逆にゆっくりに見えてるんですよフォー!」 「「ゆっぐりでぎないぃぃぃ!!」」 -- 2009-01-06 21 25 48 2009-01-06 20 57 44 じゃあチル裏らしくどうでもいいような事でも書くか ゆっくりの虐待が認められる世界ってなんなんだろうな・・・ 店には虐待用のゆっくりが普通に売られても何も言わない ゆっくりは虐待されて当然て考えの奴らが蔓延っている 親が子を、子が親を心配するのを無様って言い捨てる人間 家族を心配するのってそんなおかしいことなのかな? 赤の他人がもし死にそうになってるとき、たまたま居合わせてその人の家族が泣き叫んでるのを見て無様って言えるのかな・・・笑えんのかな・・・ -- 2009-01-06 21 47 40 2009-01-06 19 17 28 ちょwwwwwwww なwwぜwwそwwれwwをwwしwwっwwてwwるwwwwww -- 2009-01-06 21 48 47 世間ってせまいんだな -- 2009-01-06 21 49 46 よく分からんが、何が決め手だったんだろうな?文体? -- 2009-01-06 21 54 12 世間は狭い、か…… じゃあvipの某スレで冗談で読者に死ねって言ったのをバッシングされて休載、その後復活するがやはり引退し、名前を変えて(しかしバレバレだった)再デビューしたが今度は卑屈な態度が気に食わないと言われて業界から姿を消した俺の事を知ってる奴もいるかもしれないのか。 -- 2009-01-06 21 56 33 2009-01-06 21 48 47 魔法先生のとこの作家さんだったか・・・・。 東方創想話作家だと予想してたが違ったか・・・。 -- 2009-01-06 21 56 49 2009-01-06 21 48 47 やっぱりかw 文体が某SSのまんまだからな 伊達にあんたのところに粘着してないぜw よそで東方のSS書いてるって言ってたしバーロー好きだしw -- 2009-01-06 21 59 23 2009-01-06 21 59 23 おwwまwwえwwはwwだwwれwwだwwあww!?wwwwww 2009-01-06 21 56 49 創想話でも書いてるwww -- 2009-01-06 22 01 37 2009-01-06 22 01 37 ひょっとしてeratohoの口上書いてたりする? 夜伽話に投稿してたりする? -- 2009-01-06 22 03 57 2009-01-06 22 01 37 いい加減ヒトカゲの憂鬱の続編かけw -- 2009-01-06 22 05 52 2009-01-06 22 01 37 夜伽では書いてないな -- 2009-01-06 22 06 23 2009-01-06 22 06 23 eraの口上は誰やったの? -- 2009-01-06 22 08 29 2009-01-06 22 01 37 ちょwwwww人の過去の恥部を晒すなあああぁぁぁぁぁぁぁぁ\(^o^)/ メールのやり取り晒すのはいけませんってマミーに教わらなかったのかああぁぁぁぁwwww てかお前「ゾンビパウダー」かよwwww なんでこんなとこにいんだよwwww -- 2009-01-06 22 09 32 2009-01-06 22 06 23 いや、俺に言われても…… -- 2009-01-06 22 10 09 話についていけないぜ・・・読んでくるからタイトルおせーて -- 2009-01-06 22 10 50 2009-01-06 22 09 32 あんたを追ってきたのさ -- 2009-01-06 22 15 13 ゾンビパウダーってなんかオシャレな名前だな -- 2009-01-06 22 16 15 2009-01-06 22 10 50 勘弁してください、マジでwww 2009-01-06 22 09 32 つーかゾンパ余計なこと言うな こんなとこで書いてんのばれたら、もう余所で書けなくなんだろうがwww -- 2009-01-06 22 17 47 2009-01-06 22 17 47 確かに配慮が足りなかった すまん☆ -- 2009-01-06 22 21 38 ゆっくり以外のSSは興味なかったのに、そこまで言われると気になっちゃうよぉおおお -- 2009-01-06 22 24 45 2009-01-06 22 24 45 いや、マジで勘弁してorz -- 2009-01-06 22 27 35 ここはスタンド使いも棲んでそうだなww -- 2009-01-06 22 28 22 チェンジリングの人がヒトカゲの憂鬱書いたって本当なの? だとしたら本気で続き書いてほしい。 当時スレに張り付いていたファンの一人です。 ピザサトシLOVE♡ -- 2009-01-06 22 31 22 2009-01-06 22 27 35 しかたなーいね。大人しく次のゆっくりSSを楽しみに待ってるよ -- 2009-01-06 22 32 59 住んでるわけねけーだろ -- 2009-01-06 22 34 55 2009-01-06 22 17 47 エロ書きながら虐待書いてるのもいるんで安心汁 -- 2009-01-06 22 36 58 バイト自重w -- 2009-01-06 22 46 22 某バイトのSSにはお世話になってるよ! -- 2009-01-06 22 49 03 2009-01-06 22 49 03 あー読んでくれてる人がいた 最近コメント少なかったから落ち込んでたんだよね -- 2009-01-06 22 51 25 2009-01-06 22 51 25 俺もここ最近は神バ氏の最新作と例のヤツはしょっちゅう見直してるぜ -- 2009-01-06 22 55 44 2009-01-06 22 27 35 すんまへん 2009-01-06 22 31 22 あれは当時酔った勢いで書いたものが、たまたま人気出ただけだからなあww その後も勢いのまま書いてただけだし、今続きを書くとかなり作風が変わると思う vipらしく。を使わなったりとか -- 2009-01-06 22 59 29 チェンジリングの人がヒトカゲの憂鬱書いたって本当なの? なん・・・だと? ttp //hitokagematome.bakufu.org/ -- 2009-01-06 23 05 10 ウハーッ!ヒトカゲの憂鬱ナツカシスw 次の日仕事なのに深夜まで保守してたよ ぜひ続きを求む -- 2009-01-06 23 15 38 いきなり伸びていきなり止まったなwww -- 2009-01-06 23 26 29 昨日だってショップの小ネタが書き込まれたときだけ伸びたよな 最近のチル裏は振り幅が激しい -- 2009-01-06 23 34 53 懐かしいものが出てきたな。 あれはネタの宝庫だった。 特にサトシの目が翠星石だったシーンでは冗談抜きでお茶吹いた。 -- 2009-01-06 23 36 58 読んでみた 滅茶苦茶面白いな・・・ ますますファンになっちまったぜ -- 2009-01-07 00 25 24 ゆっくりSS読みにきたのにポケモンSS読みふけってるとかどういうことなの・・・ -- 2009-01-07 00 50 04 ここが初投稿だったから話についていけない…… -- 2009-01-07 00 51 35 それ以前にポケモン知らない・・・ -- 2009-01-07 00 53 13 てっきり七草粥をお題に持ってくると思ったんだが -- 2009-01-07 00 55 37 火の用心 もこう1体火事の元 七ゆ粥はめんどくさかったのでやめました -- 2009-01-07 00 56 28 もこたんにインしたいお -- 2009-01-07 00 58 17 七草取る季節は、イツにもましてゆっくりが邪魔者にされる気がする 「そのくささんはれいむのだよ!! ゆっくりかえしてね!!」 「ヒャッハー!! 我慢できねぇ(ry」 ……あれ? -- 2009-01-07 00 58 39 ゆっくり七草 アセビ、イラクサ、キンポウゲ、ハシリドコロ バイケイソウ、ヨウシュヤマゴボウ、トリカブト -- 2009-01-07 01 12 02 れみりゃなら七つ道具そろいそうじゃないか? -- 2009-01-07 01 16 36 七ゆ粥 でいぶのリボン ばりざのぼうし んほおおのカチューシャ だどぉ☆の羽根 むきゅの月マーク ちんぽのしっぽ おりきゃら姉のカニ 最後がかなりのレアアイテムなので難しい -- 2009-01-07 01 24 29 「れみりゃ様、今日は七草プリンですよ♪」 「う~~☆ぷっでぃ~~ん♪」 -- 2009-01-07 01 26 20 ゆっくりには七臭粥で十分だな -- 2009-01-07 01 28 30 2009-01-07 01 26 20 「うーー!! まっずいぞぉーーー!! ぽいっ!! するどぉ~~♪ ぽいっ♪」 -- 2009-01-07 01 29 15 2009-01-07 01 29 15 「おのこしするなんて、まんまぁーえれがんとぅじゃないどぉー♪」 「すききらいよくない・・・おねぇーさま、ほんとだめりゃ」 「良い子のお二人には、七ゆプリンですよー☆」 -- 2009-01-07 01 43 53 おぜうさまでありながら、その再生能力から平均収入者に 飼われることが多いれみりゃ -- 2009-01-07 01 46 26 あぶり日記の人といい、ゆーどろの人といい 最近は可愛いゆっくりをズタボロにしてくれる絵師が増えて嬉しい -- 2009-01-07 01 51 14 2009-01-07 01 46 26 もし実在したとしたら、飼いやすいと思うんだよなー。 ケガしたってほっときゃ治るし、食費もプリンで済むんだから。 あー、れみりゃ飼いたいわー。 -- 2009-01-07 02 34 03 もうだど口調は古い これからはうふふ -- 2009-01-07 02 46 06 2009-01-07 02 46 06 だっどぉ~~~☆にぱ~~♪ -- 2009-01-07 02 47 50 ちょ、こことは関係ないけど、yukkuri.shiteitte.netの赤ゆシリーズの感想言わせて…… 虐待してるのが当のお兄さんだと気づかずに、ゆーゆーなつく赤ゆが、めっちゃくそかわええ ずっと前、ここのSSにも、お兄さんがゆっくりを透明箱に閉じ込めて、 その前でそ知らぬふりで他のゆっくりと仲良くして見せて嫉妬させるっていうのがあったけど あれと同じ良さだわ 虐待に気づかずに感謝するほどのおバカってのが、俺大好物…… -- 2009-01-07 03 08 14 あれは最高だ 散々お兄さんの手で死にそうになるまで炙られてるのに 「おど…しゃ…だぢゅげでぐれぢぇ…あ゛っ…りがちょ…」だぜ? 正直あれで抜いた。 久しぶりに作者名でフォルダ作って全保管とかやるくらいツボだわ -- 2009-01-07 03 11 35 あそこまで盲目的だと お兄さん自ら信頼をメチャクチャにした時の赤ゆたちの表情を とても見たくなるのだが 少数派かな -- 2009-01-07 03 51 56 少数派ではないだろうが 永久に盲目のまま死んでもらうのもそれはそれでたまらない -- 2009-01-07 04 05 23 絵柄もシチュもかなり好みなのに何故か物足りなく感じたのは 多分赤ゆ達がお兄さんを信用しきって「絶望」してないからかもと思った あのまま死ぬのもいいけど 「おとうさんはお前達のこと大嫌いだよ」って思わせたまま死なせたり 「お前達は二度とお父さんと会えないよ」って孤独のまま殺したり 信頼を壊してから死なせたり 赤ゆを絶望させて殺す展開に もしなったとしたら(俺的に)最高の作品だわ -- 2009-01-07 07 17 43 ゆっくりしていってねっとにあがっている 「今日ゆっくり」ってのは「きょうのゆっくり」を 意識してつけてるのかしら まさかね -- 2009-01-07 10 38 00 なんつぅか個人的にあのお兄さんは気持ち悪かった。 -- 2009-01-07 10 47 30 評価してる奴が多いけど俺もどうもダメだなあ -- 2009-01-07 10 52 57 制裁厨の俺も駄目だわ -- 2009-01-07 11 35 03 ゆゆゆゆゆっくーりしていってね~♪ -- 2009-01-07 12 49 01 あの、ぷくぅってするれいむ一家の絵も好きだ -- 2009-01-07 12 51 45 ああ、久々の休日だ。ゆっくり満喫させてもらうさ。 ゆっくりを虐待してなァ! ヒャア我慢しねえエエ! -- 2009-01-07 12 52 41 ゴミクズうんこゆっくりばっかりの昨今、実に素晴らしいマンガだった -- 2009-01-07 13 26 08 スレがやばいwww 二世代作品は一波乱起こさずに入られないのか あの文章で吼えちゃう奴も相当問題だと思うけどな こんな所でギャーギャー言ってるから正社員になれないんだよ -- 2009-01-07 15 56 49 まぁ、今の情勢下でネタ書くほうも悪いがあの感想書くならチル裏で書けと。 -- 2009-01-07 16 02 12 「社会的に問題がある作品を投下する方が荒らし」だってさ ゆっくり虐待もちょっと人には言えない趣味だって自覚しろよ 派遣って言うのがよほどクリティカルだったみたいだな -- 2009-01-07 16 07 01
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/244.html
『鍵のない檻』 序、 人里離れた森の奥深く。そこには群れを治めるリーダーはいないものの、自然に集まってできた天然のゆっくりぷれいすがあ った。群れのリーダーも掟も存在しないゆっくりの集団など瞬時に崩壊してしまうような印象を受けるが、この界隈のゆっくり たちは総数こそ多いものの互いに強く干渉しないせいか争いも起こさず平和に暮らしていた。ゆっくりたちの言葉を借りるなら ば、とても“ゆっくりしている”群れであると言えよう。 季節は春。ここ数日の間に降った雨が春一番の風に耐えた桜の花びらを落とし、春の代名詞はすっかり葉桜となってしまって いる。気温も少しずつ上昇し始めていた。人間にとってもゆっくりにとっても過ごしやすい季節。その群れのゆっくりたちは皆、 思い思いに春を満喫していた。 「ゆゆん! まりしゃ! こーろこーろでどっちがはやく、おきゃーしゃんのとこりょにいけりゅかきょうそうしようにぇっ!」 「ゆっくちりきゃいしちゃよっ!!!」 ピンポン玉サイズほどの赤ちゃんゆっくり姉妹が並行に転がり、親ゆっくりの元へとたどり着く。親ゆは子供たちの愛らしい 姿を見て悦の表情を浮かべながら、頬についた泥を舌で綺麗に舐め取ってあげていた。くすぐったそうに笑う赤ゆたちは、その まま親ゆの頬に自分たちの頬をすり寄せた。こーろこーろ、ぺーろぺーろ、すーりすーりの三連コンボである。その筋の人間が この光景を見てしまえば発狂さえしかねない。 また別の場所ではバスケットボールほどのサイズにまで成長した二匹のゆっくりが、ぷろぽーずの真っ最中である。訪れた春 を喜び有頂天になっているこの季節のゆっくりは、全体的にガードが甘くなっており告白の成功率は年間通じて高い数値を示し ていた。やがて数多の“らぶらぶかっぷる”が誕生して、家族仲良く森の中を跳ね回る姿を見ることができるだろう。 森はこれほどの数のゆっくりを養えるだけの自然を有していた。人間たちも開発などで手を出すことのない未開の地であった ため、ゆっくりたちにとってはまさに楽園と言っても過言ではない。組織として群れを成しているわけではないので、ふらふら とこの地にたどり着いたゆっくりも多い。それらの間で揉め事が発生しないのは全てのゆっくりたちが等しく自然の恩恵を受け ることができているからだろう。衣食足りて初めて礼節を知るのは、人間の世界でもゆっくりの世界でも同じことらしい。 「ゆ?」 地にあんよをつけた数匹のゆっくりたちが反応を示した。大地が小刻みに震えている。その振動が徐々に大きくなっていく。 「ゆゆゆゆ……っ!!」 地震である。最近よく発生しているが小規模な揺れであるため、それを気にしているゆっくりは一匹もいなかった。もちろん、 地震に対して恐怖心は抱くものの揺れが収まってしまえば何事もなかったかのようにまたゆっくりし始める。もともとそういう 危機感からはかけ離れた存在のゆっくりであるが、ここ数日は頻繁に地震が起きているので慣れてきてしまっているのもあるだ ろう。 「ゆぅ……じしんさんはゆっくりできないよ……」 「れいむ! あっちにちょうちょさんがいたのぜ!!!」 「ゆゆーん! まりさ、いっしょにむーしゃむーしゃしようね!!!」 「ちょうちょさん! まってねっ! ゆっくりまりさにむーしゃむーしゃされてねっ!!!」 「れいむもぉ!! れいむもだよぉ!!!」 ふらふらと現れた蝶々を追いかけて跳ねていく二匹のゆっくり。周りもそういう姿を見ているとすぐに感化されてしまう。の ーびのーびしたり、むーしゃむーしゃしたり。森のあちらこちらから「しあわせー!」という声が聞こえてくる。 先ほど蝶々を追いかけていた二匹のゆっくりは森を抜けて開けた場所まで出てきていた。遠くに人間たちの街が見える。その 風景に目を奪われ蝶々を見失ってしまった。 「れいむ……? あれはなにかな……?」 「ゆぅ……?」 空を見上げていたまりさの言葉にれいむも上空に目を向ける。二匹にはそれが何か理解することはできなかったが、一機のヘ リコプターが人間たちの街へ向けて飛行している最中だった。 「すごいね~……れいむもおそらをとびたいな……」 「ゆふふ……れいむは“ゆめみがち”なゆっくりだねっ! でも、その……っ、そんなところも……か、かわいいよ……」 「ゆぇっ?!」 茹で饅頭と化してしまった二匹はしばらくお互いの顔をチラッ!チラッ!と見合った後、そっと身を寄せ合った。後は若い二 匹にゆっくりとしてもらうことにして、別の場所に視点を移そう。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせぇぇぇ!!!!」 木の根っこに生えていたキノコを口に入れながら涙目で叫ぶれいむ。キノコ狩りにやってきた数匹のゆっくりたちが固まって うろうろしている。草をかきわけたぱちゅりーも数種のキノコを採取していた。森の自然はゆっくりたちの空腹を満たすのに一 役も二役も買っていた。食料の豊富さのおかげで越冬に失敗した家族はほとんどいない。これほどの環境下で越冬に失敗するよ うなゆっくりは真性の馬鹿である。それでも、越冬成功率が百パーセントに達することがないのが、ゆっくりらしいと言えばゆ っくりらしいのだが。 「むきゅっ! みんな! きのこさんをさがすのにむちゅうになっていると、どうぶつさんにむーしゃむーしゃされてしまうか のうせいがあるわっ! きをつけてそろーりそろーりもどりましょう!」 「「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」」 ぱちゅりーの心配は杞憂だった。ここ最近、動物たちの数が減ってきている。越冬前は狩りに出たゆっくりが野犬やイノシシ に食い殺される事は日常茶飯事だったが、春が訪れてからと言うものぴたりとその姿を見かけなくなってしまった。ゆっくりに とっては願ったり叶ったりである。れみりゃやふらんなどと言った捕食種であれば“けっかいっ!”を張っている限り巣穴に逃 げ込めばやり過ごすことができるが、野生動物を相手にするとそうはいかない。動物たちは嗅覚でゆっくりを追い詰めるため、 対抗する手段が皆無なのだ。 ぴょんぴょんと飛び跳ねながら森の“居住域”に向かうゆっくりたちがあんよを止めた。前方から地鳴りが聞こえてきたのだ。 「ゆっくり……」 最初は地震と勘違いしていたゆっくりたちだったが、すぐに顔色が変わった。土煙を上げながら一直線に自分たちに向かって くるのは動物たちの群れである。 「ゆ……ゆあああ!! まってねっ! まってねっ!! かわいいれいむをたべないでねっ!! こっちこないでね!!!」 途端に騒ぎ出すゆっくりたち。ぱちゅりーは既に他界していた。残りのゆっくりたちも恐怖であんよを一歩も動かすことがで きない。生きたまま食われて殺される。それを悟り、大粒の涙を流しながら震えるゆっくりたちには目も暮れず動物たちが一直 線に駆け抜けていく。だからと言ってゆっくりたちが助かったわけではない。粉塵に視界を奪われ、無数の足で踏みつけられ、 中身を押し出されたゆっくりたちは、まるでダンプカーにでも轢かれたかのようにぐちゃぐちゃに潰れて絶命していた。 「も……と、ゆ……く、り……した……かっ――――」 ここだけではなかった。同じような現象が森のあちこちで起こっている。同じように大地を唸らせ駆け抜ける動物たちの一団 を見たという話は森の各地から報告されていた。ゆっくりたちの中には自分たちが動物たちを追い払ったと勘違いして喜び跳ね 回る者もいた。動物たちの意図はともかく、自分たちの生活を脅かす存在がゆっくりぷれいすからいなくなってしまうのはあり がたい。このゆっくりぷれいすはますます発展していくだろう。 やがて陽が落ち、静寂が森を包み込む。巣穴の中に戻ったゆっくり一家たちは五、六匹の単位でぴったりと体をくっつけて寝 息を立てていた。 「ゆぅ……ゆぅ……」 「ゆぴー……」 「……まりさたちはこんなにかわいいちびちゃんたちといっしょにゆっくりできて、しあわせだね……」 「ゆぅん……まりさ、れいむといっしょにずっとずーっとゆっくりしてね……」 「ゆっくりするよ……すーりすーり……」 「すーりすーり……」 ……幸せ。 その頃。 ゆっくりたちの元には届かないが、人間の街ではテレビのニュースやラジオを使って“情報”が絶え間なく流れ続けていた。 ――双葉岳上空です ――四月に入ってから活発な火山活動を続けている双葉岳ですが、先日“火山観測所”が噴火の警戒レベルを“2”に引き上げ たことを発表しました ――付近の住民はこれまで以上に火山噴火の情報に耳を傾け、各市町村のハザードマップなどを頼りに避難経路の把握を今一度 確認して有事の際に備えてください ――なお、これに伴う小規模な地震が発生していますが………… 一、 動物たちがゆっくりたちの周りからいなくなってから一週間ほどが経過していた。 外敵が極端に少なくなったことに歓喜した群れのゆっくりたちは、日増しに頻度を増す小規模な地震に怯えながらも静かに暮 らしている。地震が起きるといっても巣穴が崩落するほどのものではない。それを理由にこの理想郷から離れようとする者は一 匹もいなかった。 「ゆっくりのひ~ まったりのひ~」 呑気に歌を歌いながらたわむれる数匹のゆっくりたち。豊富な餌は健在だ。ここで暮らしていく分には何の問題もなかった。 「れいむぅ。 それじゃあまりさはかりにいってくるのぜ!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 そんなやり取りをしているのは人間の街を眺めながらプロポーズを行っていた二匹である。結局あの後、二匹は“けっこんっ!” して一緒に暮らしていた。まだ子供を作る時期には来ていないようだが、周りから見てもパルパルしてしまうくらいに仲が良い。 まりさがぴょんぴょんと草の向こうに消えてしまった後。 「……ゆ?」 空を見上げるれいむ。上空から音が聞こえてきたのだ。それはヘリコプターのプロペラ音。木々の隙間から一瞬だけヘリコプ ターの機体が覗いた。れいむが怪訝そうな表情を浮かべる。四月にしては湿った風がれいむの頬を撫でた。 「ゆっくり……していってね……?」 呟く。まるで心の中を覆う暗雲を払うかのように。れいむの言葉を聞いているゆっくりは周囲に一匹もいなかったが、それで も呟かずにはいられなかったのだろう。ヘリのプロペラ音はその日一日中ひっきりなしに森のゆっくりたちの元に届いた。 「ねぇ、ぱちゅ……あのおとはいったいなんなのかしら……? うるさくてとかいはじゃないわ……」 「むきゅぅ……ぱちゅにもよくわからないわ……」 「わからないよー……」 ぱちゅりー、ありす、ちぇんの三匹がれいむ同様に不安そうな顔でお喋りを続けている。空はこんなにも晴れ渡っているのに、 ゆっくりたちの表情は心なしか曇っていた。 「ゆっくちできにゃいよぉ……」 「おきゃあしゃん……ありしゅ……きょわいよ……」 「ゆ……ゆぅ……」 ある巣穴の中では親ゆっくりにぴったりと頬をくっつけて震えている赤ゆの姿があった。 群れの中で争いが起きているわけでもない。動物や捕食種の集団に襲われて死の危険に晒されるわけでもない。食料が足りな くなっているわけでもない。 それどころか、本当なら長く苦しい冬を乗り切って皆で仲良く暮らしていたはずだ。そんなに長く生きているわけではないが、 皆一様に違和感を感じていたのだろう。越冬を終えても、ゆっくりできる日々は訪れない。いや、決してゆっくりできていない わけではないのだ。だからこそ戸惑いを隠すことができなかった。それぞれが、何に対して怯えているのか理解できない。 そのとき、大地が小刻みに振動を始めた。ゆっくりたちが不安そうな顔になる。もう慣れたとはいえ、ゆっくりできない事に は変わりない。おろおろはしながらもしばらくすれば地震は収まる。 「……ゆ?」 「ゆゆっ?」 巣穴の中で隠れて震えていた数単位の家族が飛び出してきた。 「どお……して……?」 地震は収まらない。それどころか、徐々に揺れが激しくなっているような気がする。そして、それは気のせいなどではなかっ た。 「ゆ……ゆわああ!!!」 激しく震える大地に数匹のゆっくりたちがころころと転がった。あんよに力をかけていなければその場に留まっていることが できない。一度転んでしまった赤ゆはいつになっても起き上がることができなかった。同じような事態が森の各所で起きている らしい。あちらこちらから泣き声が聞こえてくる。 「ゆゆっ! じしんさんっ! ゆっくりしないでおさまってね! れいむたち、こまってるよっ!!」 「とかいはじゃないわっ!! ありすもいいかげんにしないとおこるわよっ?! ぷ……ぷくぅぅぅぅ!!!!」 地面に向かって威嚇を始める成体ゆっくりたち。それに対して怒りを露わにするかのように大地が跳ね上がった。思わずあん よが地から離れ投げ出されるゆっくり。 「ゆぎゃあああ!!!!」 「たしゅけちぇぇぇぇ!!!」 巣穴の入り口が崩落してしまい、取り残された赤ゆが外にいる親ゆに向かって悲痛な叫び声を上げる。しかし、体勢を保つこ とのできない親ゆにはどうすることもできない。大地が唸りを上げる。その衝撃以降、巣穴の中から聞こえてきた赤ゆの悲鳴は 途絶えてしまった。天井が崩落し、押しつぶされて絶命したのだろう。親ゆが絶叫するが、他のゆっくりはどれも気づかない。 突如起きた“異変”に思考がまったくついていかず、歯をカチカチと鳴らして震えているだけだ。 「ゆっくりにげ……」 遅い。と言わんばかりに大地が咆哮を上げた。これまでにない強い衝撃である。球体に近い体型のゆっくりたちはまとめて宙 に放り出されてごろごろと地面を転がっていく。頭を、顔を、頬を、土や小石が蹂躙していく。 「ゆあああああ!!!」 「じめんさん!! ゆっくりしてね!! ゆっくりしてね!!!」 体中をそこかしこに打ち付けながら物言わぬ大地に対して必死にお願いを続けるゆっくりたち。木に叩きつけられて止まった 一匹のありすが表情を凍りつかせた。冷や汗がだらだらと頬を伝う。口をぱくぱくと動かしながら一点を見つめていた。未だ揺 れの収まらぬ中でありすの元に駆け寄る別のゆっくり。 「あ……。 あ、あぁ……」 駆け寄ったまりさがありすの見つめる方向に視線を向ける。 「あれは……いったい、なんなのぜ……?」 木々の隙間から遥か彼方に“山”が見える。その山も唸り声を上げていた。まりさが見たのは山頂から天空に向けて昇る巨大 な火柱。まるで生き物のようにうねりながら噴き出される炎。見えている炎はほんの一部でしかなかった。同様に吐き出された 分厚い噴煙のヴェールが紅蓮の柱の大部分を覆っている。 澄み切った青を埋め尽くすかのように広がっていく黒。不気味なコントラストを生み出し己の存在を誇示し続ける赤。それは まりさやありすを含め、群れのどのゆっくりが一度も見たことがないような光景である。 森中からゆっくりたちの泣き叫ぶ声が上がった。 ――平成二十二年 四月十三日 午前十一時三十七分 双葉岳噴火。 「ゆっぎゃあああ!!!!」 「だずげでぐだざいぃぃぃ!!! おでがいじばずぅぅぅ!!!!」 「ちびちゃん!!! ちびちゃん!!! かくれんぼじないででてきでねっ!!! すぐでいいよ!!!!」 地面の揺れ事態は収縮しつつある森の中でパニック状態に陥っている無数のゆっくりたち。火山噴火の際の衝撃で跳ね飛ばさ れた際にケガを負ってしまい動けなくなった者や、ピンポン玉サイズしかない赤ゆとはぐれてしまった者。それぞれがそれぞれ の危機的状況に晒され右往左往していた。 刹那。 凄まじい轟音と衝撃が響き渡った。大地を抉り砂塵を巻き上げる“それ”がゆっくりたちには何か理解できなかった。数匹の ゆっくりが“それ”に押し潰されて死んだ。“それ”が生み出した衝撃の波はゆっくりを大きく宙に吹き飛ばした。 火山弾、である。 火山弾とは噴火の際に溶けて宙に投げ出された岩の破片が空中を飛んでいる際に冷えて固結したものである。噴火の規模が大 きければ大きいほど、山の岩を吹き飛ばした範囲は広くなる。それは、双葉岳を中心にまるで流星のように降り注いだ。木々を なぎ倒し、大地を削り、森を徹底的に破壊していく。ゆっくりたちの叫び声や絶叫は少しも聞こえてこない。着弾の際の轟音が その全てを掻き消しているのだ。 瞬間的な衝撃は地震のそれを上回る。耳をつんざくような音。襲いかかる衝撃。それらが森に住んでいたゆっくりたちを殲滅 させるかの如く続いて行く。 「ゆっくりにぎゅべっ!!!!」 火山弾の餌食になったゆっくりの数は凄まじいものがあった。規模は大小さまざまではあるが空から突如襲ってきた侵略者に 対して為す術などない。運まかせにあんよを動かして逃げるしかないのだ。広がる樹木の葉っぱに遮られてどこから火山弾が降 ってくるか予測がつかない。仮に予測がついたとしても、気付いたときにはもう潰されてしまっているのだろうが。 「い゛だい゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!」 上空高くに投げ出された拳大の岩でさえ凶器となる。巨大な火山弾に潰されて即死したゆっくりはまだ幸せだったのかも知れ ない。一匹のれいむは顔の三分の一を陥没させた姿で地面の上をのた打ち回っていた。助けてくれるゆっくりなど一匹もいない。 激しい痛みに体を滅茶苦茶に動かす。破れた皮から餡子が四方に飛んでいく。 「むっきゅううううん!!! む゛ぎゅうぅ゛ぅ゛!!!!」 火山弾に髪の毛を挟まれて身動きが取れなくなっているのはぱちゅりーだ。次々と降り注ぐ自然の弾丸に怯え、汗と涙としー しーを大量に噴射している。ぱちゅりーの近くに火山弾が落ちてくるたびに凄まじい衝撃が顔を襲う。土煙によって視界を遮ぎ られたぱちゅりーが、誰へともなく助けを求め続ける。そのとき、火山弾が木に直撃してそれを真っ二つに破壊した。それを見 て顔面蒼白になっているぱちゅりーを更なる悲劇が襲う。木が、ぱちゅりー目がけて倒れてきたのだ。 「む゛ぎゅぇっ!!!!!」 視界を倒れてくる木で覆われ、潰される最後の一瞬まで絶望に苛まれながら、ぱちゅりーはようやくこの恐怖から解放された。 「おきゃああしゃああああん!!!」 「ちびちゃんたち!! ゆっくりしないでにげるよっ!!!」 ぴょんぴょんと飛び跳ねながら森を逃げ回っているのはまりさ親子だ。既につがいであったありすは死んでいる。泣き叫ぶ子 供たちを引き連れて、山頂に現れた真紅の悪魔から少しでも遠くに離れようと必死だ。まりさが子供たちを振り返る。 「ゆ゛げぇ゛ッ?!!」 間抜けな叫び声を上げるまりさの視界に映し出されたのは一直線に自分たちのもとへと転がってくる巨大な火山弾だった。そ の足色たるやとてもゆっくりのあんよで逃げ切れるようなものではない。助かるための選択肢はいくつか残されていたが、正し い判断を下すことはできなかった。それどころかその場でぴたりと立ち尽くし、迫る火山弾を見ていることしかできなかった。 「ぎぴっ!!」 「ぴゅげっ!!!」 まるで計算されていたかのように二匹の赤ゆを叩き潰しながらまりさに襲いかかる火山弾。まりさは頬に空気を溜めて火山弾 に対し威嚇を試みた。次の瞬間、まりさがいた場所は小さな水溜まりの餡子が残されているだけだった。 一瞬にして群れを壊滅の危機にまで追い込んだ火山弾はその勢いを留めることはない。ゆっくりたちだけではない。木や草や 花。あらゆる命を破壊していった。 火山弾の直撃を逃れたゆっくりたちは巣穴の中や岩陰に身を潜めてがたがた震えていた。この場所もいつ崩落してしまっても おかしくない。それを分かっていながら外に出ることはできなかった。出たら火山弾によって潰されてしまう可能性がある。八 方塞がりのゆっくりたちは泣きながら地獄と化していく森の姿を眺めていることしかできないのだ。 「おきゃ……しゃ、れーみゅ……あちゅくて……ゆっくち……ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 突如、巣穴の中の温度が上がり始めた。それにいち早く反応したのは体の小さな赤ゆたちである。空気が焼けるように熱い。 「もっちょ……」 一瞬にして体中の水分を奪われた赤ゆがばたばたと死んでいく。まるで巣穴という窯の中で蒸し焼きにされているかのような 熱さだった。かろうじて生き残った親ゆがたまらず巣穴の外にあんよを向ける。干からびた赤ゆを見て流した涙は一瞬で蒸発し てしまった。切れ切れの呼吸で巣穴から顔を出した親ゆは一瞬で消し炭となって死に絶えた。 火山弾に加えて群れを蹂躙する新たな脅威が現れたのだ。まるで生き物のように斜面を滑り落ちるのは高温の火山ガスと火山 灰。灼熱の霧のようにも思えるその正体は“火砕流”である。森を焼き払いながら山頂から流れてくるその姿はまるで悪魔の魔 手のようにも見えた。まるで獲物を探して腕を伸ばすかのように地形に合わせて流れを変化させていく火砕流が、一匹のありす をその手中に捕えようとしていた。他のゆっくりたちとはぐれてしまったありすは単身森を逃げ続けていた。 「や……やめて……、い、いや……」 目の前に迫る火砕流はもはや動く壁にも等しい。怯えて動けないでいるありすを飲み込もうとその勢いは衰えるところを知ら ない。 「いやぁ……ッ――――――――……っ、かはぁぁぁぁッ!!!!!!」 ありすが一瞬で焼きつくされる。高温の火山ガスに触れた皮は焼けただれ、吸いこんでしまった高温ガスにより体内を焦がさ れる。それはあまりにも熱く情熱的な無慈悲なる灼熱の抱擁。灰塵となったありすには脇目もふらずにその手を次の獲物へと伸 ばしていく火砕流。それが通過した後には真っ赤な炎が咲いていた。徐々に燃え広がっていく。 降り注ぐ火山弾。全てを焼き尽くしながら森を飲み込んでいく火砕流。自然が引き起こした圧倒的な暴力が何もかもを破壊し ていく。 「ゆっくりして……ゆっくりしてね!! おねがいだからゆっくりしてね!!!」 まだ夜が訪れる時間ではないはずなのに周囲が暗くなっていく。火口から吹き上げられた噴煙が上昇気流に乗って空高く登り、 太陽を覆い隠してしまったのだ。 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 ますます悪化していく状況に適応することなどできるはずもなく、次々に命の灯を消して行くゆっくりたち。粉塵や噴煙。焼 き払われていく木々から伸びる黒煙が視界をどんどん奪っていく。そして、突如闇の中から現れる悪魔の洗礼に訳も分からない まま殺される。 「だれか……だれでもいいからたすけてねっ!!! かわいいかわいいれいむたちをたすけてねっ!!! おねがいだからたす けてねっ!!!! れいむたち、なんにもわるいことしてないのにぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」 二、 未だに地鳴りと共に小規模な爆発が山頂から響いている。降り続いた火山弾はようやく落ち着きつつあった。火砕流もそれ以 上流れ出すことはなく、巣穴の中に隠れて奇跡的に生き残っていたゆっくりたちがようやく外に這い出てくる。薄暗い森の中。 額にじんわりと汗をかく。周囲の気温が極端に上昇しているらしい。視界の悪い中でお互いの顔を確認することができたゆっく りたちは泣きながら頬を寄せ合い、それぞれの無事を喜んでいた。そこへぴょんぴょんとまりさが一匹跳ねてくる。その表情は お世辞にもゆっくりしているとは言い難い。 「た……たいへんなのぜ!! もりが……もりが、もえてるのぜ!!!」 「――――ッ?!」 火砕流の高温ガスと熱風が熱源となり、木に燃え移ったのである。そして秒速十メートルものスピードで斜面を一気に駆け抜 けるそれは強い風を生み出す。燃え盛る炎は強風で煽られ燃焼範囲を一気に広げてしまった。火砕流による二次災害がこの時既 に発生していたのである。 妙に息苦しいのも気温が高くなっているのもそれが要因の一つに間違いないだろう。しかし、生き残ったゆっくりたちはどこ に向かって逃げればいいのかがわからない。大規模な山林火災が発生しているのは間違いないが、その炎がどこからやってくる かまでは予測できないのだ。 「ゆゆっ!?」 深い霧の中にいるような状態だが、れいむは気づいた。霧の向こう側がやけに明るくなっている箇所がある。他のゆっくりた ちもそちらに意識を向けると微かに枝木が燃えて弾ける音や、倒されていく木々の凄まじい音が聞こえてきた。それぞれの顔を 見合わせたゆっくりたちは、そこから火の手が迫ってきていることを理解した。焦げくさい匂いが漂う砂塵の霧に向かって飛び 込むゆっくり。前が見えなくても前に向かって逃げるしか道が残されていなかった。そこら中に転がった火山弾に移動ルートを 限定されながらも必死になって跳ね続ける。 「た……たすけて……」 れいむ以下三匹のゆっくりたちは微かに聞こえた助けを求める声に反応し、霧の中を一生懸命に探し始める。ゆっくりたちは 根元から倒れた木に挟まれて動けなくなっているありすを見つけると、頬をすり寄せたり破れてしまった皮の周りを舐めて癒そ うとしたりし始めた。ありすはそれらの行動に少しだけ安心したのか静かに涙を流し始めた。れいむたちからは見ることができ ないが、ありすの後頭部は完全に木によって押し潰されて既に形を成していない。それでもありすがかろうじて生きているのは “自分はまだ動けないだけだ”と思い込んでいるからだろう。虚ろな視線をれいむたちに向け、涙交じりの声で“たすけて”を 繰り返す。 「まっててね、ありす! れいむたちがぜったいにたすけてあげるよっ!!!」 「ゆぅ……れいむ、ありがとう……ほんとうにありがとう……」 「こまったときはおたがいさまだよっ! それっ……ゆーえす! ゆーえす!!」 れいむの掛け声に合わせてゆっくりたちが木をどかそうと頬を押し付けるがそれで動くはずなどない。必死の形相で木を動か そうとしているにも関わらず、びくともしないのを見てありすが半ば諦めたような表情を浮かべた。ぽろぽろと涙がこぼれてく る。 「れ……、れいむっ……!」 想像以上に火の回りが早い。当然だ。ここは森の中である。拡大していく炎を遮るものは一切存在しない。気がつくとれいむ たちの周囲に火が迫りつつあった。苦虫を噛み潰したような顔で炎を睨みつけるれいむ。 「もう、むりよ……ありすのことはいいから……みんなはにげて……」 「……ゆーえす……ゆーえす……っ!!」 「れいむ……ありすのことは……」 「ゆ、ぎぃぃ……っ!! はやくどいてね!! ゆっくりできないよっ!!!」 「おねがい……っ! もういいから……っ! れいむたちまでゆっくりできなくなっちゃう!!!」 目の前で燃え上がった木が崩れ落ちる。炎から発せられる熱風がゆっくりたちの頬を軽く撫でた。がたがた震えながら眩しそ うに炎を凝視して涙を流す一行。まるでドミノ倒しのように崩れていく無数の樹木たち。辺りが火の海と化していく。れいむも ぶるぶる震えていた。震えて泣きながら、ありすの頬に自分の頬をすり寄せた。 「ゆっくり……ごめんなさい……」 「いいのよ……ありがとう、れいむ。 ありすはれいむのこと……ぜったいにわすれないから……」 見ず知らずのれいむとありす。それでもれいむはありすを助けてあげたいと願った。ありすも、自分の命よりもれいむの無事 を願った。何が二匹をそうさせたのかはわからない。 「れいむ……っ!! はやくにげるのぜっ!!」 唇を噛み締めて涙を流すれいむの姿を見て、ありすがにこりと微笑んだ。ありすは飛び跳ねて行くれいむの後姿をいつまでも 見送っていた。せめて、あなたは生き伸びてほしい。そんなことを願いながら。ゆっくりは情に弱い生き物である。 「……っ!!!」 ありすの視界に映るのは自分を動けなくさせている木に燃え移った炎。ゆらゆらとその残酷なまでの赤と熱がじわりじわりと 這い寄ってくる。ありすがぎゅっと目を閉じる。もう理解できているのだ。今から自分は焼かれて死ぬ。目の前でボロボロにな って壊れていく木々と同じような末路を辿る。ありすの金髪に炎が触れた。 「あ……あぁぁぁ……っ!!!」 そこから一気にありすの全身を炎が包み込んだ。ぶすぶすという音を立てながら髪が、カチューシャが、目が、舌が焼かれて いく。熱い。痛い。苦しい。 「ゆ゛ぎゃああ゛あ゛あ゛あ゛っ!!! あ゛づい゛よ゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛!!!!」 森の中を逃げ続けるれいむたちがあんよを止める。どのゆっくりも振り返るようなことはしない。後方から聞こえてくるあり すの恐ろしい叫び声を聞いて全身が硬直してしまっていた。時間にしてほんの僅かな出来事だったはずだ。それなのに、ありす の絶叫は永遠に続くのではないだろうかと思うぐらい長い時間に感じた。ありすの声が完全に聞こえなくなってから、ようやく 後ろを振り返る。まるで炎で全身を覆われたありすがその場にいてこちらに近づいてきているかのような錯覚を起こす。 「ご……ごわ゛いよ゛お゛ぉ゛!!!」 「もうやだぁ!! おうちかえるぅぅぅ!!!!」 炎の鮮やかな色を反射させながらオレンジ色の霧が迫ってくる。同じように森の中を逃げ惑っているのはこの一団だけではな い。あちらこちらで焼け饅頭の残骸を見たり、火だるまになった他のゆっくりが徐々に焼け死んでいく姿を見てしまった。体力 的にも精神的にも限界が近付いており、中身もほとんど底をつきそうになっている。燃え盛る森の中で食料を探し出すのは不可 能である。程なくして一歩も動くことができなくなったれいむたちをありすと同じように炎が蹂躙し、焼け饅頭の仲間入りを果 たした。 山火事の勢いが弱まる気配は一切なかった。恐らくこの森を焼き尽くすまで山火事は続くのだろう。それでも未だに逃げ続け ているゆっくりたちもいるにはいた。もはやゆっくりたちの生死には関係のないことではあるが、噴火口から溶岩が流れ出して きた。谷の部分をゆっくりと流れてくるその姿はまさに巨大な紅蓮の大蛇である。既に火山弾と火砕流で周囲を焼け野原に変え つつあると言うのに、自然の猛威は一切の情け容赦を持ち合わせてはいないようだ。 一瞬にして森は死んだ。同時にゆっくりぷれいすも壊滅した。豊富な食料も残らず焼き尽くされてしまったのである。この地 で生物が生きていくことは、事実上不可能に近い状態にまで陥っていた。 真夜中になっても火の勢いは衰えない。まるで真昼のように夜空を赤く染め上げながら時間をかけて森を蹂躙していく。生き 残ったゆっくりたちは呆然としながらその様子を見つめていた。息を吸い込むと喉が熱くなり咳き込んでしまう。そんな環境の 中でも食料を見つけて口にしなければ生きていくことはできない。いつまでも呆けているわけにはいかなかった。かろうじて焼 けずに残った雑草などに口をつけた数匹のゆっくりが、苦悶の表情を浮かべてそれらを吐き出した。 「ゆげぇっ!! ぺっ、ぺっ!!!」 しきりに唾を吐き出す。草は砂まみれだった。正確には火山灰が降り積もっているのである。爆発の際に上空高く舞い上がっ た火山灰がこの時間になってようやく降灰し始めたのだろう。気がつけばゆっくりたちのあんよは汚れにまみれている。基本的 に綺麗好きなゆっくりたちは、泥や砂の付着した食料を食べるようなことはしない。 「……ゆっ、ゆっ……」 それでも食料を口にしなければいずれは死んでしまう。口の中でじゃりじゃりと灰混じりの草を咀嚼していく。 「むーしゃ、むーしゃ……それなりー……」 火の勢いが弱まってきた場所ではなんとか食料を探すくらいの余裕が生まれてきているのだが、森全体に目を向けてみれば山 火事はまだまだ続いている。あちらこちらで火だるまになったゆっくりたちがのた打ち回っていた。生きながらにして火で焼か れるのは想像を絶する苦痛だろう。 夜の闇を激しく照らし続けた炎は一晩中燃え続けた。火山灰と黒煙がゆっくりたちの行動を著しく制限する。巣穴の中に隠れ ているわけにもいかない。引きこもっていては変化していく状況についていくことができなくなるのだ。一晩かけて麓まで流れ 出した溶岩流もようやくその動きを止めた。未だ液状の形態を保っており、焼け落ちた木屑などがそこに触れると一瞬にして溶 けてなくなる。溶岩流は森を東西に分断してしまった。 翌朝。 溶岩流の中央に大きな岩が顔を出している部分があった。 「おでがいじばずぅぅぅ!! れいぶだぢをだずげでくだざぃぃぃぃ!!!」 「ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛……」 岩に取り残された親れいむと子れいむ、子まりさが必死になって助けを求めている。子れいむは顔の一部が真っ赤に膨れ上が り、髪の毛とリボンも燃え屑のような状態になってしまっていた。炎に包まれた森の中を逃げてくる途中に引火してしまったの を親れいむと子まりさが必死になって消したのだが、間に合わず顔まで火傷を負ってしまったのである。更に子れいむの火を消 すのに夢中になっている間に溶岩流が流れてきた。進路も退路も塞がれたれいむ親子は少しでも高い岩の上によじ登り、迫りく る溶岩流から逃げようとしたのだが、現在は炎の河の中州に取り残されている状態となっている。 溶岩流の熱が岩に伝わり、激しく熱されていく。それはまさに自然が生み出した天然のフライパン。溶岩流から吹きあがる熱 気とあんよに直接伝わる岩の熱が三匹に地獄の責め苦を味わわせようとしていた。 「おぎゃ……じゃ、まり……しゃ……おみじゅしゃん……ごーきゅ……ご……しちゃい……」 体内の水分をほとんど失ってしまった子まりさが、消え入るような声で親れいむに訴えかける。表面積の小さな二匹の子ゆた ちのあんよは既に焼けただれており、岩にくっついてしまっている。最初は狂ったように泣き叫んでいたが、今となっては泣き 叫ぶ力も残されていないのだろう。乾燥しきった目玉が親れいむの方向を向いたまま動かない。ゆっくり、ゆっくりと焼き上げ られて変わり果てた姿となっていく我が子の姿を見て、親れいむもまた発狂しそうなほどに怯えていた。 「あぢゅいよぉ……あちゅいよぉ……」 ほぼ全身を火傷している子れいむも力なく訴える。親れいむもまた岩にあんよをつけていられるような状態にはない。しきり にその場で小さく飛び跳ねていた。しかし、それは親れいむの死期を早めることとなる。二匹の子ゆたちも今の親れいむと同じ ことをした。そのせいで中身の餡子をどんどん消費してしまい、最後は動けなくなってあんよを丹念に焼き焦がされた。では、 どうすればいいのか。答えは簡単である。諦めるしかないのだ。人間の跳躍力を持ってしても岩からどちらかの岸に飛び移る事 は不可能である。溶岩流が冷えて固まってしまった後ならその上を飛び跳ねて脱出することはできるだろうが、それを待ってい れば家族揃って焼け死ぬだけだ。頭の悪い親れいむが考えても理解できた。この状況を打開する方法は何一つしてない。ただ、 岩の上で意識を失うまでじわじわと皮を焼かれるしか道は残されていなかった。 「おぎゃ…………――――」 損傷の激しかった子れいむがついに永遠にゆっくりしてしまった。それはある意味幸せだったとさえ思えるほど、現実は酷い ものだった。涙も枯れ果てた子まりさは、もうまともに言葉を喋ることができなくなっていた。カサカサになった舌がだらりと 垂れる。目を見開き、びくびくと痙攣を起こしていた。時折、“がひっ、こひっ……”などと咳き込むように呼吸らしきものを 行う。 「あ……あ゛づい゛……っ!! ゆっぐりでぎな゛い゛……っ!!! どぼじで……どぼじでぇぇぇ??!!!」 あんよに感じていた熱が強くなっていく。既に親れいむにも耐えることができない温度まで岩は加熱されていた。親れいむが 暴れ始めるとほぼ同時に子まりさがぴくりとも動かなくなった。死んだのだ。 「あ゛づい゛よ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!! ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 絶叫しながら身を捩る親れいむ。どれだけ抵抗しても、どれだけ泣き叫んでも岩の熱が弱まることはない。懇願する相手も、 呪詛をぶつける相手もいない。孤独の中、ひたすらあんよを焼かれ続ける。 「ゆ゛ぎいぃぃぃぃ!!!」 熱さはやがて痛みと化していく。歯を食いしばり苦悶の表情を浮かべる姿は、ゆっくり本来の表情など微塵も残されていなか った。ひたすら激痛が親れいむの全身を蝕む。溶岩流の熱気が親れいむを包み込んでいるため呼吸をするのも息苦しい。あまり の苦しさに体を滅茶苦茶に動かす親れいむ。そのとき、振り回された揉み上げが既に息絶えた子れいむに当たった。 「ゆぁっ……!!」 岩の下に落ちて行く子れいむ。溶岩流に触れた瞬間、じゅっ……という音を立てて跡形もなく溶けて消えた。燃えたのではな く、溶けたのだ。親れいむの額を冷汗が伝う。もうどこにも逃げられない。溶岩流が岩の上まで到達することはないものの、高 温となった岩に触れている限り安息の時は決して訪れないのだ。 「だ……だれがぁぁぁ!!! だずげでぇぇぇぇ!!!!」 天空に向かって叫び声を上げる。もちろんそれに応えてくれる者などいない。 「ゆゆっ?!」 一瞬の出来事だった。熱さに耐えることができずに暴れ回っていた親れいむはあんよを踏み外して岩から落ちてしまった。 「おそらを……」 仰向けに落下していった親れいむが最後に見たのは灰色の空。溶岩流に“着水”した親れいむは一瞬で溶けてその一生を終え た。 三、 炎による蹂躙は三日三晩に及んだ。ようやくその勢いを弱めつつある山火事の片隅では、奇跡的に生き残ったゆっくりたちが 這いずりまわっている。都会に住んでいるわけでもないのにどの顔も泥だらけだ。 辺り一面が焼け野原である。体力のあるゆっくりたちが食料集めを兼ねて付近を散策していたが、徒労に終わってしまった。 破壊の限りを尽くされた森の中には食料など残されていなかったのだ。かつてのゆっくりぷれいすは跡形もなく消え去ってしま った。もちろん、全てのゆっくりが火山弾や火砕流、溶岩流に飲み込まれて死んでしまったわけではない。群れの半数は死滅し てしまったが、なんとか無事に逃げることができたゆっくりも少なくはないのである。 しかし。本当の地獄はここからだった。 太陽は厚い噴煙に覆い隠され森に陽の光は届かない。四月の半ばであるということも手伝って気温がなかなか上がらないのだ。 それどころか肌寒さすら覚えるので、巣穴の中に籠ったきり出て来ないゆっくりたちが多かった。春を迎えたゆっくりたちは、 予期せぬ越冬に嘆き苦しんでいる。食料の備蓄は皆無に等しい。突然越冬を強いられたゆっくりたちは家族単位で死んでいった。 それでも果敢に食料を集めようとするゆっくりもいた。しかし、堆積した火山灰に埋もれとてもじゃないが口に入れることは できない。この時、双葉岳噴火の際に噴出された噴煙による火山灰は直径二十キロメートルほどの範囲を埋め尽くしていた。そ の山の麓に存在していたゆっくりぷれいす。十キロもの道のりを飛び跳ね続けることのできるゆっくりはいない。根性論などで はなく、成体ゆっくりでも途中で中身が尽きて動けなくなってしまうのだ。この時点で、生き残ったゆっくりたちも、死から逃 れることはできない運命を背負わされていたのである。 真綿で首を絞められるような長い長い苦痛。中身が失われていくのをゆっくりは理解しているという。だからこそ、必死にな って食料を集めようとするのだ。しかし、ありもしない食料を探して飛び跳ねることは自殺行為としか言いようがない。実際、 志半ばで永遠にゆっくりしてしまう者が多かった。死んでしまったゆっくりから沸き立つ死臭は森全体を漂っている。晴れる見 込みのない粉塵の霧に、大地を灰色に染め上げる火山灰。これに死臭までが加わってしまった。視覚、嗅覚、味覚を同時に奪わ れながらも、それに対抗する手段を思いつくものは一匹もいなかった。 「おきゃあしゃん……まりしゃ、おにゃかすいちゃよ……」 やつれた一口饅頭が巣穴の中で情けない声を漏らした。巣穴の中を見回してみると、確かにそこには何もなかった。食べ物を 乗せていた葉っぱも口の中に入れたのだろう。あまりにも殺風景なゆっくりのおうちである。どうすることもできない成体ゆっ くりのまりさとありすは、ぺーろぺーろと子供たちを舐めながら空腹を紛らわせようとしていた。当然、そんなことは無意味で ある。 「ゆゆ……ん、きょんなとこりょに、いもむししゃんが……いちゃよっ。 ゆっくち、むーちゃ……むーちゃ、しゅりゅよ……」 「ゆゆっ?」 赤まりさの言葉にまりさとありすが視線を向ける。赤まりさは小石を口に咥えてそれを飲み込もうとしていた。小石が芋虫に 見えたのだろう。慌ててその小石を払いのける親ありす。 「ゆぐぇ……どおちて……こんにゃこちょ、しゅりゅのぉ……?」 「ちびちゃん! ゆっくりりかいしてね!! いまのはいもむしさんなんかじゃないよ!! むーしゃむーしゃなんてできない んだよっ!!」 「まりしゃの……いもむししゃん……いもむししゃん……ゆっくちしにゃいで……まりしゃに……たべられちぇにぇ……?」 「ちびちゃ……」 二匹の親ゆの声は届いていないらしい。ずりずりとあんよを這わせて小石の元へとたどり着き、それを口の中に入れた。 「むーちゃ、むーちゃ……」 などという台詞とは裏腹にゴリッ、ゴリッという音が聞こえ赤まりさの歯が粉砕されていく。 「ちあわちぇぇぇぇ……」 口を開いた瞬間、親ゆたちは絶句した。砕けた歯でズタズタになった舌が露わになったのだ。激しく餡子を吐きながら、 「ちあわちぇ。 ちあわちぇ。 ちあわちぇ……」 とうわ言のように繰り返す。親まりさと親ありすは互いに身を寄せ合って震えていた。やがて、ゼンマイが切れた人形のよう にぴくりとも動かなくなる赤まりさ。顔面蒼白のまま固まってしまっている赤まりさの口から小石がころりと落ちる。 「う……うわああああ!!!!」 絶叫する親ありす。ぶるぶると震えながら、親まりさにぴったりと頬をくっつける。親ありすは親まりさにすーりすーりで慰 めてもらうのを期待していた。しかし、親ありすに与えられたのは安堵感ではなく鋭い激痛である。 「いだい゛ぃ゛ぃ゛!!!」 突如自分を襲った激痛に思わずその場から飛びのいて状況を確認しようとする。大好きな親まりさを視界に入れて安心したの も束の間だった。 「むーしゃ、むーしゃ……しあわせ……」 「ま……までぃざぁあ゛あぁあ゛ぁ゛ッ??!!!」 親まりさが咀嚼をしているのは噛みちぎった親ありすの頬の皮である。親ありすが激痛の意味をゆっくりと理解した。親まり さによって噛みちぎられた箇所から中身のカスタードが滴り落ちる。親まりさが親ありすの元へとにじり寄ってきた。親まりさ の目は正気の沙汰ではなかった。繰り返される大異変。次々と死んでいく仲間、友、家族。それらすべてが親まりさを狂わせた のだろう。その狂気は長い間一緒にゆっくりしてきた親ありすへと牙を向けさせた。親まりさが親ありすに飛びかかる。恐怖で あんよを動かすことができなかった親ありすがあっさりと捕捉される。親まりさの下で苦悶の表情を浮かべながら足掻く親あり す。 「ゆっくり……しないで、はなし……て……っ!!!」 振りほどこうとするものの、親まりさを押しのける力は残されていない。それどころか力をかけると破れた皮からカスタード がぴゅるぴゅると飛び出してしまう。 「ゆぐぅ……っ!!」 一瞬の隙をついて、親まりさが親ありすの左頬にかぶりつく。親まりさの親ありすを求める力は凄まじいものがあった。これ ほど激しく自分を求められたことなどない。そして、それが恐ろしくてたまらなかった。親まりさは、親ありすの事をもはや食 料としか見ていないようである。一思いに皮をぶちぶちと噛みちぎる。 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 再び襲う激痛。親まりさは親ありすの皮を乱暴に咀嚼しながら、親ありすの破れた皮に自分の顔を突っ込んだ。中身に直接侵 入されてそこを食い散らかされる凄まじい激痛に、痙攣を起こし二度三度と体を跳ね上げる。もう枯れ果てたと思っていた涙が まるで噴水のように噴き出す。親まりさは親ありすの皮と中身を滅茶苦茶に食い荒らした。 「い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 体が、心が激痛に蝕まれていく。大好きな親まりさが捕食種のごとく自分の体に食らいついている。ぐちゃぐちゃと音を立て ながら親ありすの顔に何度も、何度もその歯を立てる。目玉を、口を、舌を、次々と飲み込まれていく。親ありすは自分の体が 少しずつ崩れていくことに恐怖し涙した。親まりさは一心不乱に親ありすを食い続けた。やがて親ありすはその意識を完全に閉 ざした。耐え難い苦痛に心が崩壊してしまったのである。親まりさはそれでもなお、親ありすの皮を破っては口の中に入れてい った。 「むーしゃ……むーしゃ、…………しあわせええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」 巣穴の中に狂ってしまった親まりさの絶叫が響き渡る。親まりさは、親ありすの髪の毛一本も残さないようにその全てを自身 の腹の中に収めた。 「ゆぎゃああああああ!!! やめでぇぇぇぇ!!! れいむはおいしくないよぉぉぉぉぉ!!!!!」 巣穴の外からも他のゆっくりたちの悲鳴が聞こえてくる。極限状態のストレス。耐え難い飢え。その全てがゆっくりたちを狂 わせてしまったのだろう。森のあちこちで、ゆっくりを食うゆっくりの姿が散見される。一匹のれいむは数匹のゆっくりに追い 回されている最中だった。 「ゆんやああああ!!!」 追い詰められたれいむが子供のような悲鳴を上げる。れいむを追いかけていたゆっくりたちの口周りには餡子や生クリームが べったりと付着していた。真っ先に運動が苦手なぱちゅりーが狙われたのだろう。 「やべでええええええ!!!!!」 れいむの視界に映るは無数の口、口、口。動物のように鋭い歯を持たないゆっくりたちが皮を噛みちぎるのには時間がかかる。 その間中、れいむを耐え難い激痛が襲うのだ。四方から皮を引っ張られ、やがてそれが弾けるかのように引きちぎられる。 「うっめ!! これめっちゃうっめ!!! ぱねぇ!!!!」 先ほどの親まりさ同様にれいむの皮を咀嚼するゆっくりたち。すぐに飲み込んでしまい、第二陣がれいむを襲う。離れた位置 から見るとそれはゆっくりとはいえ、恐ろしい光景だった。数匹のゆっくりたちが固まって頭を上下に動かし、顎を震わせてい るのである。 「もっど……ゆっぐり……じだが……」 同族に食われて殺されるという最悪な形で死を迎えたれいむがこと切れる。ぐちゃぐちゃのボロ雑巾のような姿になったれい むが森に放置された。何もかもを火山灰で覆い隠されてしまったゆっくりたちの食料は皆無に等しい。生き延びるためには、同 じゆっくりを食らうしか道は残されていなかったのである。 それは檻だった。自然が作り上げた巨大な檻。その中に閉じ込められてしまったゆっくりたちに生きる術は残されていなかっ たのである。脱出しようと思えばいつでも脱出できるのに、決して脱出することはできない無情の檻の中で、ゆっくりたちは最 後の一匹になるまで互いの皮を食らい続けた。 やがてその最後の一匹も、孤独の中で餓死してその命の灯を消すこととなる。 圧死。焼死。餓死。共食い。火山の噴火はゆっくりたちに様々な死の洗礼を浴びせた。かつて、南九州を襲った七千三百年も 前の大噴火。鹿児島の鬼界カルデラをその端とする巨大な爆発による火山灰は西日本一帯を覆ったという。 その圧倒的な力を前に、ゆっくりたちが抗うことができるだろうか。 いや。できない。 絶対に。 おわり 日常起こりうるゆっくりたちの悲劇をこよなく愛する余白あきでした。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4574.html
『は?っていうぐらい強いドス まりちゃ編』 4KB いじめ 愛情 不運 妊娠 越冬 戦闘 群れ 野良ゆ 赤ゆ 捕食種 自然界 人間なし 初投稿です読んでいただければ幸いです。 「ゆぎいいいい!いたいいい!」 「がんばるのぜ!れいむ!」 このれいむはどうやら胎生妊娠のようだ、。苦しんでる姿がおもしろい 「ゆう・・・ゆっくりかわいいまりちゃがうまれるよ!」 ぽーん 謎の擬音が出るのはゆっくりの不思議なので気にすることはない 「おとうしゃん!おかあしゃん!まりさはまりさだよ!ゆっくちしていっちぇね!」 「ゆっくりしていってね!まりさ(れいむ)のおちびちゃん!」 とある平凡な山のごく平凡な群れの一家にいずれドスになるまりちゃが生まれた。 は?っていうぐらい強いドス 長い長い冬が明け、春の陽気が差し込む中、群れ中ですっきりをしまくっていた といっても冬にすっきりして自滅した家族がほとんどだが。 どのゆっくりもゆっくりしていた。 このまりちゃだが、他のゆっくりとほとんど能力的に変わらない平凡な個体だった。 とある事件があるまでは。 「きょうもおちびちゃんのためにゆっくりかりをするよ!」 「まりさ!がんばってね!」 「それじゃいってくるのぜ~」 「おちびちゃんたちもいってらっしゃいをおとうさんにいおうね!」 「おとうしゃんゆっくちいっちぇりゃっしゃい!」 「ゆー♪たいっりょうなのぜ~」 「うー!うー!」 「ゆ?ゆゆ?れ、れみりゃだあああ!」 「あまあまさんだどぅ♪いただきますなんだどぅ♪」 「まりさはゆっくりしないでにげるよ!」 「そうはさせないんだどぅ!」 10分後・・・ 「つかまえたんだどぅ♪やっとたべられるんだどう♪」 「ゆんやー!まりさをたべないd」 「こんどこそいただきますなんだどぅ!」 「すわれるううううう!」 「ふう・・・まんぞくなんだどぅ♪」 「まりさは・・・れい むとおちび ちゃんの もと へ・・・かえるの・・・ぜ・・・」 「ただいま・・・なのぜ・・・」 「まりさあああああ!どうしたのおおおお!」 「ゆんやー!おとうしゃんが・・・おとうしゃんが・・・」 「さいごに2ゆんをみれてしあわせだったのぜ・・・」 「まりさああああ!そんあこといわないでええええ!」 「もっと・・・いっしょに・・・いたかった・・・」 「おとうしゃあああん!」 最愛の父のが死んだ事でまりちゃはとても悲しかった。それと同時に自分の無力さを語った。 そこでまりちゃは心の中で呟いた。もう失いたくない、失ってたまるものか、と。 そこからまりちゃは赤ゆっくりとは思えないほどの特訓をした。親であるれいむは狩りに勤しみながらもまりちゃを気遣うと同時に心配していた。 群れの援助が幸いにも受けれたので食料にはあまり困らなかった。しかしまりちゃは食べる時間削ってでも特訓に時間をまわしていた。 「ゆうぅ・・・おちびちゃん・・・すこしはやすんだらどうなの・・・」 「だいじょうぶなのじぇ、おかあしゃんはしんぱいしなくてもだいじょうぶなのじぇ。」 「おちびちゃんはしんだまりさにちかってれいむがまもるからだいじょうぶだよ!だからあしただけでもやすんでね!」 「・・・わかっちゃよ、あしたはゆっくりやすむのじぇ!」 「じゃあきょうはもうゆっくりおやすみなさい・・・ゆわぁ・・・」 「おやすみなしゃいなのじぇ・・・」 「ゆっくちおはようなのじぇ!」 「おはよう、おちびちゃん!」 「おかあしゃん・・・」 「なあに?おちびちゃん?」 「きょうはやすむってきめちゃけどぐちゃいちぇきになにをしゅればいいにょかわからないのじぇ・・・」 「ゆーん・・・そうだ!むれなかでもおさんぽしてきたらどうかな?ゆっくりしながらしておさんぽしたらたのしいとおもうよ! 「ゆっくちわかっちゃのじぇ!じゃあいってくるのじぇ!」 「ゆん、ゆーん♪たまにはおやすみもわるくないのじぇ~♪」 「おい!そこのちびゆっくり!」 「ゆゆ?」 「なーんかきにいらないのぜ、ひまだからせいっさいなのぜ!」 「どういうりくつなのじぇえええ!!」 まりちゃVS子まりさ 「くらうのぜえええ!」 ひょい。残念ながら鍛えているまりちゃには子まりさの攻撃など避けるのは簡単だ。 「ゆ?かんたんによけれたのじぇ?」 「なんでよけれるのぜええ!あたるのぜええ!」 ひょい。ひょい。 「そっちからこないならこっちからいかしてもらうのじぇ」 ぼすっ!ちなみに普通の子ゆっくりの体当たりの音は「ぽよん」だが鍛えているまりちゃの体当たりなら「ぼすっ!」なる。 「ゆぎゃああああ!いだいいだいいだいいいいいい!」 「ゆ・・・?そんなにちからはいれてなかったじぇ?そんなにいたかったのぜ?だいじょうぶなのじぇ?」 「だいじょうぶなわけあるかあああああ!もうおうちかえりゅうう!」 「・・・なんだったのじぇ」 それからまりちゃは子まりさになるのですが、それは次のお話しで・・・ 子まりさ編に続く・・・ あとがき 初投稿でしたがどうでしたか?個人的にはかなり頑張ったのですが・・・ もっと上手く書けるように精進していきたいと思います。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/47.html
anko1500 ある愛でお兄さんの午後 anko1501 ゲス一家 case2 ~とかいは~ anko1502 平等なルールの群れ anko1503 山彦恋慕 anko1504 トス 【挿絵】 anko1505 まりさとめぐりあい anko1506 新種ゆっくりもみじ anko1507 楽しい黄金週間 anko1508 その台詞は言わせない2 anko1509 妬ましい anko1510 ちょっとの時間にゆっくり虐め anko1511 そうしそうあいっ! anko1512 やけぶとりっ anko1513 ゆっくりと中華なべ anko1514 俺達は幸せになった 【挿絵】 anko1515 ゆっくりできないにおい~A-sade~ anko1517 ゆっくり愛護法改正案可決 完結編 1 anko1517 ゆっくり愛護法改正案可決 完結編 2 anko1518 ムシゴロウ王国~でいぶの生態~ anko1519 ゆっくりトラブルを解決するよ! anko1520 ちょっと変な生活 anko1521 その台詞は言わせない3 anko1522 ごはんが取り持つ多少の縁 anko1523 なにもなかった anko1524 箱庭の中で anko1525 何処でも一緒(ゆ虐) 【挿絵】 anko1526 初心者お兄さんのコンポスト anko1527 極上 anko1528 おぉみじめみじめ 【挿絵】 anko1529 ゆっくりしていってよー! anko1530 どうして・・・ anko1531 花一輪 anko1533 クラブ紅魔郷 【挿絵】 anko1534 わがままれいむ anko1535 れいむにありがとう anko1536 僕は友達が少ない anko1537 でいぶ更生計画 anko1538 思い出の数だけ anko1539 ろんどさん anko1540 でぶめで! anko1541 生物兵器 anko1542 でいぶの忠実な奴隷 anko1543 でいぶ刑 【挿絵】 anko1544 反省してます! 謝ります! anko1545 きれいになろうね anko1546 私のなかのでいぶ anko1547 まりしゃと遊ぼう! 【挿絵】 anko1548 よわいものいじめはゆっくりできないよ!(前編) anko1549 素直なれいむ anko1550 胴付きの謎 anko1551 でいぶは死ななきゃ治らない anko1552 昔は可愛かったのに anko1553 でいぶの島 anko1554 れいむ hard pain anko1555 悪い見本 anko1556 夜のコンビニ帰りに anko1557 れいむとれいむとDVD anko1558 食べ物 anko1559 三つ編み狩り+おうち破壊+お飾り没収=? anko1560 でいぶ専 anko1561 とある発明のもたらしたもの anko1562 でいぶお姉さんと 【挿絵】 anko1563 私のれいむ anko1564 でいぶにも実力は必要 anko1565 れいむの義務 anko1566 家族のあいどる末っ子れいみゅ! anko1567 口を開けると 【挿絵】 anko1568 突然変異種まりさ anko1569 「2」 anko1570 証言ゆ達 anko1571 コンポストに入りたくない anko1572 これがわたしのれいむ様 anko1573 権利と anko1574 いつでも、傍に居る anko1575 森の賢者ぱちゅりー anko1576 でいぶ・オン・ザ・ヒル anko1577 トランクス現象 anko1578 かわいくってごめんねっ!! anko1579 緑と赤はゆっくりできないい!! 【挿絵】 anko1580 しんこーしてもらいます anko1581 手の平の上でフラメンコ anko1582 でいぶ最強伝説 anko1583 満月の夜に anko1584 げんそうきょーのみこ anko1585 まがいもの anko1586 ユグルイ~幕間 ビギンズナイト れいむ~ anko1587 たいっけつ!でいぶVSでいぶ! anko1588 ゆっくり供の日 【挿絵】 anko1589 空へ続く風の階 01 anko1589 空へ続く風の階 02 anko1590 奴隷の願い anko1591 けーねとちょっとSなお姉さん anko1592 赤ゆが凄い生えちゃった事件 anko1593 あまあまがほしかったれいむのおはなし anko1594 ちぇんの復讐 anko1595 風船ゆっくり anko1596 ゆっくりinトイレット 【挿絵】 anko1597 きっかけは小さな事 anko1598 希少種の品格 anko1599 グロテスクなれいむ(前)
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4641.html
『ドスまりしゃ』 8KB いじめ 戦闘 ドスまりさ 独自設定 勢いで仕立てたまろやかなSSです。 とおりすがりです。 今回はあまり深く考えずに書いてみました。 ツナギジャナイヨ、ゼッタイ 「」はゆっくり 『』は人間 過去作 anko4545 ゆっくりしていくがいいさ anko4555 おにいさんはゆっくりする anko4561 鬼意山と遊ぼう! anko4580 ゆっくりしつもんするよ! anko4591 ゆたんぽ ドスまりしゃ 「まりしゃはどすなのじぇ!せいっしゃいしゃれたくなきゃったらあみゃあみゃもってきょい、くしょじじい!」 「ゆゆ~ん!おちびちゃんがすっごくりっぱだよぉ!」 私は極普通極一般的なおにいさんだ。 決して鬼意山や鬼威山ではない。 私が小腹がすいたため、近所のコンビニへ食パンを買いに出かけたのだが、 その道中でドスまりしゃなるものとエンカウントしてしまった。 たしかドスって、人間よりも大きくて「どすすぱーく」という光線を発射する ゆっくりの中では危険なゆっくり、だったっけ? 専門的なことはよくわからないが、確かそんな感じだった。 で、目の前にいるこいつは、確かに子ゆっくりよりは大きいものの、 親と思われるれいむより少し大きい程度であった。 主に横方面に。 …というかこいつは 『ただのメタボまりさじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』 まぎれもなくこいつはただのでぶまりさ。 サイズ的にも成ゆんサイズより少し横に大きいだけで、 別段でかいわけでもない。 「なにいっでるのぉぉぉぉぉぉ!?おちびちゃんはどすなんだよぉぉぉぉぉぉ!!」 ただ単に太っただけの、ただのまりさだ。 『何言ってんのはこっちのセリフだよぉぉぉぉぉ! こんなメタボまりさがドスなんて片腹痛いよぉぉぉぉぉぉぉぉ! 片腹の治療費を請求するよぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!』 「なにいってるのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! まりしゃはどすなのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!ぷきゅー!」 といいながらぷくーをするドスまりしゃだが… 『なにがぷきゅーだよどまんじゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!! だいたい成体になっても赤ゆ言葉が抜けないドスなんてみたことないよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』 「ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!ぷくーこわいよぉぉぉぉぉ!!」 なんと、ぷくーでとなりにいた親れいむがおそろしーしーをもらしてしまった。 『こんの馬鹿親子がぁぁぁぁっ!! こっちは漫才が見たいわけじゃねぇんだぞぉぉぉぉぉ!』 「おきゃあしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん! ごめんにぇ!ごめんにぇ!すーりすーり…」 「ゆう…おちびちゃんのぷきゅーがあまりにもすごくてび『だまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』 どうしようもないダメ親子に、ついにおにいさんの怒りが爆発した。 『まずはこのゲス親ぁ!貴様の根性を叩き直してやるッ!』 「なにいって『ホォア!』ゆべぇ!?」 おにいさんのしゃがみ状態からのキックが炸裂し、 親れいむは自販機の隣の塀にぶつかった。 「おきゃあしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!? くしょにんげん、もうゆるしゃないのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「ゆぐぐ………いだい…おもにぜんしんがいだい…」 痛みを訴える親れいむと、怒りをあらわにするメタボまりさ。 だがおにいさんのターンはまだ終わっていない。 れいむを鷲掴みにすると、そのまま親れいむを引きずりまわした。 「ゆ゛べべべべべべべべべべ!??」 もちろん親れいむはアスファルトとちゅっちゅしたまま引きずられているので、 皮が破れ中身もはみ出ている。 『まだだぁぁぁぁぁぁぁ!!』 そういうが早いかおにいさんは親れいむを空高く放り上げ「おそらをとんで(ry」 空から帰ってきた親れいむに向かい、その拳を突き上げたのだ 『貫け、俺の拳よ!』 グギョ、と生々しい音を立てたおにいさんの拳は親れいむを貫いていた。 そこには、餡子にまみれた手の甲と、 薄汚い泥饅頭が転がっていた。 「おきゃあしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんんんんんんん!!!!!」 ようやく状況を理解したメタボまりさが叫んだ。 『安心しろ、中枢餡は外しておいた…』 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 『………失敗したみたい♪てへ♪』 「お、おきゃあしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 数分後、親れいむは物言わぬ饅頭となった。 「くしょじじいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! みょうにゃいであやみゃってもゆるざにゃいのじぇえええええええええええええええええええ! どしゅしゅぱーきゅでゆっきゅりちねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 そういいながらメタボまりさは帽子から器用に『なにか』を取り出すと、 「むーしゃむーしゃ…」 それを食べ始めた。 『ほう………おもしろい。 その威力、どの程度かみせてもらおうじゃないか…!!』 おにいさんはあえて、その攻撃を受ける選択肢を選んだ。 油断しているわけではない。 侮っているわけでもない。 ただ、一度でいいからどすすぱーくを見てみたい、受けてみたい、という好奇心が勝っただけだった。 「ゆぷぷ、くしょじじいはもうおしまいなんだじぇ! こうかいしゃせてやりゅのじぇ!くりゃえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 そういいながらメタボまりさは… 「どしゅ!」 あにゃるをおにいさんにむけ、 「しゅぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁきゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅううう!!!」 もりもりと、うんうんを出した。 「ゆっぷっぷ…ざまぁにゃいのじぇ……… まりしゃをおきょらしぇるから、きょうなりゅんだじぇ…?」 『…………………』 なんてことはない。ただのうんうんだ。 そもそもメタボまりさが取り出したのは雑草で、 どすすぱーくなんて出せる訳がないのだ。思い込みにもほどがある。 「ゆ!?にゃんだかくしゃいのじぇ!! だりぇかはやくまりしゃをたしゅけるのじぇ!」 そういいながらケツをもるんもるんと振り続けるまりしゃに対し、 おにいさんは落ちていた小石を拾い、 『そぉい(棒)』 投げつけた。こつん、と言い音がなった。 「ゆわぁぁぁぁぁ!?いちゃいのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! まりしゃはどしゅなんじゃよ!はやきゅたしゅけろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 そういいながら暴れるメタボまりさを、おにいさんは難なく踏みつけた。 『ほれ、大人しくしろ』 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!なんじぇくしょじじいがいきちぇるのじぇぇぇぇぇぇ!?」 そりゃどすすぱーくをくらったわけでもないし、 第一うんうんではよほどのことがない限り人間は死なない。 『なあ、これでもまだドスと言い張るのか?』 「あたりまえなのじぇぇぇぇぇぇ!! まりしゃはどしゅなのじぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 『でもお前、弱いじゃん。こんな弱いドス聞いたことないぞ』 弱いというのは力だけではなく、おつむのほうも含められている。 「なにいっちぇるのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! くしょじじいがひきょうなてをちゅかわなきぇればまりしゃがきゃってたのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 『は?卑怯な手って?どんな?』 「しょんにゃのはしらにゃいのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! くしょじじいはひきょうもにょなのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! まりしゃがしゃいきょうなのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 おにいさんはメタボまりさを見下すと、静かに言いはなった。 『…俺はな、どうしても許せない奴がいるんだよ』 「にゃにいっちぇるのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!? はやきゅどきぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 『一つは人をだます奴』 「しょんなきょとはどうでもいいのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 『一つは人から幸せを奪う奴』 「いいきゃらどきぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! しぇいしゃいしゅるぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 『…そしてもう一つは』 その瞬間、周りの空気が凍てついた。 メタボまりさは初めて感じる感覚に、言葉を失ってしまった。 それは、怒りでも憎しみでも殺意でもない 『貴様のように、自分「だけ」を正当化しようとする奴だ…!』 ―――――――――『覇気』だった。 「ゆ゛?ゆぴ? ゆ、ゆわわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」 初めてメタボまりさは恐怖した。 この男―――格下だと思っていた糞ジジイ――――が、 自分とは段違いの力を持っていることに、気付いてしまったのだから。 『大丈夫だ、殺しはしない…』 「ゆ!?」 やった、自分は助かる、 そう思った瞬間、メタボまりさが目にしたのは 『ドライブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥトォォォォォォォぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』 …おにいさんの足だった。 『やべぇ、うんうん踏んじまった…落ちないかな…』 おにいさんが靴を砂利にいれてゴシゴシしていると、 ドスン…ドスン… と、地響きのような音が聞こえた。 『…まさかな』 そしてそれは次第に近づき…そして 「おにーさーん、さがしたよー」 全長二メートル程の大きなゆっくりまりさが市街地に姿を現した。 『なんだ、まりさか』 そう、このまりさはおにいさんが飼っている飼いゆっくりである。帽子には金バッチが輝いていた。 赤ゆの頃から面倒を見ているため、本当の親子のように仲が良い。 最近ではおにいさんよりも身長が高くなっていた。育ち盛りなのだろう。 『あー、またおまえゆっくり踏んだろー』 よくみるとまりさの足元には、つぶあんやらカスタードやらがついていた。大量に。 「だってのらがよってくるんだもん」 まりさに悪気はなかった。 ただ移動する際に、何故か野良ゆっくりが自ら近づいてくるからなのだ。 「おにーさん、もうごはんさんのじかんだよ」 『おおそうかい。じゃあ一緒に帰るか』 「ゆん!いっしょはゆっくりできるね!」 そういっておにいさんとまりさは 仲良く手(とおさげ)をつないで帰って行った。 空ではきれいな夕焼けが、おにいさんとまりさを照らしながら沈んでいた。 後日… 『あれ、おまえ頭にキノコ生えてるぞ?』 「ゆゆ!?きのこさん、まりさはきのこさんのおかあさんじゃないよ?」 『どれ一口………ん、結構うまいなコレ。何キノコだろ?』 「おにーさん、まりさもたべたいよ!」 『はいはい、今とってやるからな』 おにいさんがドスについての知識を知ったのは、 その一週間後だったという。 あとがき これがしんやのてんしょんですね。わかりません。 こういう叫びっぱなしのほうが書いてて楽しんだけど、 読みづらいと言われるんだよね。難しい。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2467.html
『ああ、無情。』 5KB 虐待 番い 赤ゆ 現代 虐待人間 台詞は一切無し。 ・虐 ・一切の台詞なし ・短いです れいむは逃げている。 ゆっくりできないにんげんさんから逃げている。 どうしてこうなったのだろう?どうしてこんなことをするんだろう? 自問自答の繰り返し。答えはでない。 れいむは野良ゆっくりだった。 生まれた時から野良で、生まれた時から苦しい生活を送ってきた。 それは慣れしまうとまだ辛い事ではなかったし、何より家族がいたからゆっくりできた。 でもそれも今さっき崩れた。にんげんさんがれいむたちを捕まえに来たのだった。 れいむには理解できない。自分たちは別に何もしていない。 にんげんさんの家に入った事も、ましてやにんげんさんに会ったことすられいむには無かったのだから。 しかし人間は違う。人間はゆっくりの識別などつかない。ゆっくりはみな同じ。 たとえその固体が何かしたわけでないにしても、似たものが何かをすればほかも一緒である。 だが、れいむたち一家を襲った悲劇は、別に駆除などを理由としたものではなかった。 れいむは見た。母に命がけで逃がされた時に父を甚振っていたにんげんさんの顔を。 れいむは見た。悪魔のような行為を笑顔で行うにんげんさんの顔を。 れいむは見た。歯が折れ、皮が破れ、口が裂けて涙と糞尿をたらす父を笑うにんげんさんの顔を。 怖かった。怖くて動けなかった。母が叫んで突き飛ばさなければ、父と同じ目にあっていただろう。 うしろを振り向けない。父の悲痛な叫び声がれいむの体を強張らせ、涙を流させ、足を止めそうにさせる。 けれども振り向けない。ここでとまれば、ここで戻れば、母の行動は意味を成さなくなる。 自分たちを犠牲にしてでも自分を助けようとした母の愛が無駄になってしまう。 れいむたちはにんげんさんには勝てない。絶対勝てない。わかってる。わかってても父と母にんげんさんに挑んだ。 れいむを助けるために。れいむを逃がすために。 だかられいむは振り向かずに全力で飛ぶ。今までこんなに全力で、こんなに長く飛んだことは無い。 少しでも早く、少しで遠くに逃げる。その一心で跳ねた。 ―――母の悲鳴が聞こえた。 戻りたくなる。母を助けたくなる。無謀だと思っても、唯一の肉親。助けたくないわけが無い。 だが戻れない。戻ってはいけない。 父の罵声が聞こえる。 鈍い音とともに父の言葉が途切れる。 母が父を呼ぶ。母が父の名を叫ぶ。 地面にたたきつける音が聞こえる。 同時に母の鈍った声が聞こえた 二人のくぐもった声が聞こえる。 また鈍い音がする。 父は声にならない悲鳴をあげている。 あんな父の声、聞いたことが無い。勇敢で優しくて、とてもゆっくりした父が、今では―――。 母の声は聞くに堪えないほど濁っている。 もうおうたも歌えないだろう。もう優しい声でれいむとお喋りすることも―――。 逃げる。 逃げる。 逃げる。 逃げる。 もうどれだけ跳ねただろう。 父と母の声も、ついさっきした何かが潰れる音以降聞こえない。 大分離れたらしい。 れいむの体も限界を超えていた。れいむは足を止める。 振り返りたくは無い。 しかし確認しなければならない。 どれだけ離れたかがわからなければ安心もできない。 振り返ったれいむは――― ―――にんげんさんから逃げ切れなかった事を知った。 なんてことはない。 れいむは赤ゆっくりなのだ。 栄養状態も良いわけではない環境。 生きるため程度しか栄養が取れていないれいむは、体が赤ゆっくりからたいして変わっていなかった。 そんな小さな体でどれだけ跳ねても、数分程度で巨利をとることなど出来るわけが無い。 結局、れいむが進んだ距離は2mにも満たなかった。 当たり前だ。一度の跳躍で動ける距離はたった数cm。 しかも体が小さいがために一度跳ねるごとにどんなに急いでも数秒立ち止まってしまう。 逃げられるわけも無かった。 父と母の決死の覚悟も、結局無駄になってしまった。 れいむは見た。 自分のほぼ目の前で、飾り以外まったく原形をとどめていないぐちゃぐちゃな両親を。 れいむは見た。 その両親の死体を踏み躙りながら笑っているにんげんさんを。 れいむいは見た。 にんげんさんの、れいむにむける、その、悪意に満ちた、笑顔、を。 青年は今日も人気の無い路地を行く。 ゆっくりを見つけるためだ。 昨日の家族は傑作だった。 子供を逃がして自分が盾になったのは素晴らしかったのだが。 止めをさす前に、勝ち誇った顔で子供を逃がせたことを喜んでいたの見た時は死ぬかと思った。 笑いがこみ上げてたまらない。 子供の大きさを考えていなかったのか、そんな余裕が無かったのか。 踏み潰す前に自分たちの子供をみせてやると、途端に顔色を変えた。 その絶望しきった顔は青年にとって素晴らしいごちそうとなる。 自らの行動がまったく役に立たなかったことが悔しいのだろう。 そんな顔のまま、青年を見上げたその親は踏み潰された後まで青年の大好きな表情で死んだ。 そして、逃げ切ったと思って振り返った赤ゆっくりも、青年を見た時絶望した。 青年はたまらなかった。 安堵を得ようと振り向いたのに絶望を直視する羽目になったあの表情。 青年はそのれいむをじわりじわりと握りつぶした。 絶望に彩られたその表情のまま、死にたくないと叫びながら爆ぜたれいむ。 青年の心はとても満たされていた。 青年は今日もまた、人気の無い路地を行く。 ゆっくりを見つけるために。 ~終~ 作 anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』 anko1257 ゆっくり教材Vol.2『大人になれないまりさ』 anko1272 ゆっくり教材Vol.3『ゆっくりありすの注意点』 anko2390 ゆっくり教材Vol.4『ゆっくりぱちゅりーの弱さ』 anko1246 特集『ゆっくりに脅かされる農家』 anko2421 生きてるのは知ってるけどそれが何か? anko2426 ゆっくり研究所