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餡小説のゆっくりボタンランキングです。200票以上の作品を掲載。 299票 anko2310 殺ゆん鬼 299票 anko2600 冬の別れ 298票 anko3588 受け入れられない 298票 anko3839 おいしいご飯 297票 anko2284 お前の家(前編) 297票 anko2952 おかんのゆっくり駆除 297票 anko3837 つつゆっくり 297票 anko4013 ゴミ箱の中のゴミ 296票 anko2173 かりのめいしゅ 296票 anko3139 生命落花 296票 anko3376 はるごもり 296票 anko3658 ほんとうのゆっくり(前編) 295票 anko3981 ゴミクズまりさ 294票 anko3305 お花を食べたいよ 294票 anko3721 きたないまりちゃ 293票 anko2394 目覚めたれいむ 293票 anko2508 いのちはたいせつ 後篇 293票 anko3686 蟻ゆのゆっくりパレス 293票 anko3861 ひとりじめはゆっくりできない 293票 anko4020 微笑みゆっくり 292票 anko1956 缶コーヒー 292票 anko3059 ゆっくり駆除 292票 anko3458 まけいぬとゆっくり 292票 anko3551 ゆっくりつみをあがなうよ!(後編) 291票 anko2035 流されないまりさ 291票 anko2597 土に埋めてみた 291票 anko2632 帰省(前日談) 291票 anko3545 霊園の野良ゆ対策 291票 anko4001 きゅうきょくのかんぜんせいぶつ 290票 anko1979 シュガースナップ・シュガースナッフ 289票 anko2713 金バッジ 288票 anko3688 れいみゅゆっくちしてるもん! 288票 anko4045 たまには まりさを見逃そう 287票 anko2219 ゆっくり爆発していってね 後編 287票 anko2319 全否定(収束編) 287票 anko2374 大嫌いなものは 287票 anko2391 いきてるんだよ! 287票 anko3478 ぷーすぷーすぷーす! 287票 anko3500 三日饅頭 287票 anko3936 赤れいむを閉じ込めよう 285票 anko2663 帰省(連戦)前編 285票 anko2755 野良ゆっくり越冬物語(前編) 285票 anko2966 まりさ、ちょこばななさんがだーすき! 285票 anko3266 最強まりさ 285票 anko3594 ゆっくりの鳴き声 285票 anko3911 飼ってもいいでしょ? 284票 anko3217 ゆっくりへんっさいっしてってね 284票 anko3346 家族愛だってさ 283票 anko2318 全否定(発散編) 283票 anko3081 くそにんげんに挑んだ結果 後編 283票 anko3639 ゆっくりは戦いを舐めたっ! 282票 anko2347 ゆっくり退化していってね!5 282票 anko3408 まりさのおしごと 282票 anko3681 かけがえのない命 281票 anko3528 悪いのは誰? 281票 anko3540 砂場さんはゆっくりできる? 281票 anko3758 おいわい 280票 anko3401 たすけあい 279票 anko2715 行動と責任 279票 anko4130 くそったれいむ 278票 anko2334 限りなく透明に近いはこ 278票 anko3684 自家製ゆっくり忌避剤 278票 anko3950 拾われいみゅ 277票 anko3257 赤ゆ十連発(前編) 277票 anko4080 まりちゃヨットスクール 276票 anko3387 助けてやるよ 275票 anko2055 ~都会のゆっくりとその顛末~ 「夏の一幕」 275票 anko3728 めんどくさい 275票 anko3772 ゆん生の賽 274票 anko2726 平日はゆっくりできない 274票 anko3089 欲張ってしまったゆっくりの末路 274票 anko3431 アイスを食べたさせてね! 274票 anko3633 無知の罪 後編 274票 anko3862 人工ドススパーク 273票 anko2228 保母らん(後) 273票 anko2626 主食ゆっくり 273票 anko2668 ぐるぐるわーるど before 273票 anko2714 さいっきょうVS最弱 273票 anko3340 おかんのゆっくり駆除再び 273票 anko3416 選んだのはお前だ 273票 anko3694 『野良れいみゅは飼いゆっくちになりちゃい』 272票 anko2126 なつかないちぇん 272票 anko3238 ゆ虐思考 272票 anko3307 間違い 272票 anko4135 ドスはみんなでゆっくりしたい:塵袋編 271票 anko1856 条件 271票 anko1922 鉄籠 271票 anko1936 拷問 271票 anko2103 ゆっくり熟年離婚 271票 anko2497 ゆっくり虐待 271票 anko3226 初めてのゆ虐 271票 anko3263 赤ゆ十連発(後編) 271票 anko3444 追放ゆっくり -野生ゆっくり- 後編 271票 anko3479 この世はでっかいゴミ捨て場 270票 anko2404 れいむ、あかちゃんがほしいよ!! 270票 anko2728 きれいなおかざり 270票 anko3041 さかり場 270票 anko3446 まりさ一家の転落ゆん生 270票 anko3689 かわいいでしょ! 270票 anko3970 まりちゃのくりすます 269票 anko2544 崩壊 269票 anko3300 何もしない 赤ゆ編 269票 anko3360 可哀想なゆっくり 269票 anko3480 がしゃん。 269票 anko4095 てーとまりしゃ 268票 anko2607 要求 268票 anko3419 優秀or無能 268票 anko3455 雨のち晴れのち 267票 anko2329 人間になったまりさ 267票 anko3185 まりさのくつみがきやさん 266票 anko2799 畑さんでゆっくりしようね 266票 anko3813 公園で野良ゆっくりに絡まれただけの話 265票 anko3008 一寸まりちゃ 265票 anko3290 ゆっくりと少年たち 265票 anko3608 餡子の雨 265票 anko3821 ゆっくり交通ルールを守っていってね! 265票 anko3971 おうち宣言を歓迎するよっ! 264票 anko2120 線香台 264票 anko2216 真夏のオアシス 264票 anko3356 親バカれいむのスパルタ教育(後編) 264票 anko3662 川 264票 anko4099 てーとまりしゃとれいみゅのおとーさん 264票 anko4121 まりちゃつむり 263票 anko1913 奇形児 263票 anko2229 シュガースナッフ・メロウスイート 263票 anko2375 優しい両親とジュース 263票 anko3285 思いあがりの代償 263票 anko3585 賢いゆっくり 261票 anko2088 とんでもないゲス(後編) 261票 anko2270 超弩級饅頭ゆっくり赤れいむ 261票 anko2847 知識/言葉/凶器 261票 anko3233 おちぶれいむ 261票 anko3677 ゆっくりだまってね! 260票 anko1788 そんなの常識ですよ? 260票 anko1941 野良まりさたちの行く末 260票 anko2424 かけがえのないいのちなんだよ!(前編) 260票 anko2590 エゴだよ、それは 260票 anko3184 やさしい町の人々 260票 anko3240 ゆっくりの価値観 260票 anko3347 道路さんはゆっくりできない 260票 anko3792 猫とまりちゃ 260票 anko3934 まりちゃのたからもの 260票 anko3953 しんぐるまざーの朝は早い 260票 anko4116 放置飼い~赤れいむ編~ 259票 anko2327 夏ゆさいのフルコース 259票 anko2381 大人のゆ学 259票 anko2513 お手軽 259票 anko3189 おちびちゃんは大切だよ! 258票 anko2170 よわいものいじめはゆっくりできないよ!(後編-1) 257票 anko2096 れいむはいい飼いゆっくりさ 257票 anko2585 決戦!双葉城 257票 anko3335 少女とゆっくり 257票 anko3520 ゆん生のロープ 257票 anko4167 コンポスト入門 256票 anko2277 空き缶の記憶 256票 anko2593 借金苦 256票 anko2631 いろいろ 256票 anko3351 卵ゆっくり 256票 anko3597 声をきかせて 256票 anko3691 ゆっくり最高 256票 anko4037 ありすのおにんぎょーさん 255票 anko1898 となりにいるのは 255票 anko2311 野生の掟 前編 255票 anko2604 GRAVITY 255票 anko3306 ゆん生最悪の日のまりさ 255票 anko3685 れいむとまりさのうた 255票 anko3715 ゆっくりに餌を 255票 anko3823 ゆっくりとしたむれ 254票 anko2428 はんせいしてますごめんなさい 254票 anko2466 トンボを捕まえたかっただけなのに・・・ 254票 anko2582 あまあまこわいよ 254票 anko2699 ゆんやモンドは永遠の輝き 254票 anko3474 ゆっくり一家の平凡な一コマ 253票 anko2430 ああ、無情。 253票 anko3379 親の罪は 253票 anko3581 肌色の花壇 252票 anko2346 ゆっくり退化していってね!4 252票 anko2567 噴水 252票 anko3213 れいむのおべんとうさん(下) 252票 anko4131 トランポリンゆっくり 251票 anko2044 がっかり 251票 anko2235 れいむへの愛情 251票 anko2488 もう戻らない 251票 anko2487 サボテンとれいむ 251票 anko2949 野良れいむ 251票 anko3614 アイスを食べてゆっくりしてね!! 250票 anko1970 浪人 250票 anko2232 少女と奴隷とグリル鍋 250票 anko2621 人が見たら飼うとは言わないだろうな 250票 anko2627 絶叫バーガー 250票 anko2992 ゆっくり呑もうゆっくり酒 249票 anko3000 anko3000をお知らせします 249票 anko3159 ゆっくりはねるよ!! 249票 anko3850 子まりさ物語 249票 anko4049 ゴミ掃除 248票 anko2054 むしさんのあまあまをよこしてね!クワガタver 248票 anko4089 れいみゅとまりちゃ 247票 anko3200 残骸処理係 247票 anko4171 ゆっくりそだっていってね!(前編) 246票 anko1916 選ぶんだ。 246票 anko2166 ゆっくり虐殺お兄さんの休日 246票 anko3365 ゆっくり釣り 246票 anko3451 ゆっくりの越冬 後半 246票 anko3619 がんばれ 246票 anko3806 戦場のゆっくり利用法 245票 anko2135 ぱちゅりー銀行 後編 245票 anko2291 一番ゆっくりしてるのは 245票 anko2591 学校:秋(後編) 245票 anko3508 まりさの素敵なゆん生 244票 anko1903 えっとうっするよ! 244票 anko2286 赤ゆを虐殺してみた 244票 anko2372 金バッジの価値 後編 244票 anko2451 ゆっくり退化していってね!7 244票 anko2660 ドライアイスをせいっさいっ 244票 anko2895 なんか来る来る 244票 anko2915 でいぶの常識 244票 anko3087 野良ゆを駆除する一日 244票 anko3162 ゆっくり絶叫シリーズ01巻 灼熱! 家族焼き 244票 anko4152 ゆっくりのびねじってね 243票 anko2392 ゆっくりならば 243票 anko2938 羽根の追憶 243票 anko3359 検問ゆっくり 243票 anko3499 まりちゃの雨宿り 243票 anko3754 飢えるか死ぬか 243票 anko4156 『ゆー蘭』 242票 anko2925 幸せなあまあま 242票 anko3333 ジグゾーパズル(前編) 242票 anko3739 毒入りゆっくり 242票 anko3790 お馬鹿一家の冬ごもり 242票 anko3805 消える声 241票 anko2748 まりさはゆっくりできない 241票 anko2839 石焼ゆっくり 241票 anko3011 夢見るれいむ 241票 anko3014 親バカれいむのスパルタ教育(前編) 241票 anko3154 雪の後には 241票 anko3425 びっくり饅頭 241票 anko3726 きょせいきょうせい(前) 241票 anko4063 ミキサーゆっくり 240票 anko1887 ドスをフルボッコにしてみた 240票 anko2053 ゆっくり地獄鍋 240票 anko2083 暑さにご用心 240票 anko2200 けんっりょく 240票 anko3592 ゆっくり燃えつきろ 240票 anko3646 ゆっくり教育 240票 anko3787 共存の形 240票 anko3802 おてつだい 240票 anko3859 『ある温泉街のゆっくり対策』 後編 239票 anko2433 ゆっくりは繰り返す 239票 anko2650 小学生の観察日誌的な何か 239票 anko3227 募金 239票 anko3248 犠牲になったのだ 239票 anko3297 ある遊びとれいむ一家 239票 anko3384 玩具のまりさ 239票 anko3841 秋の風物詩 238票 anko2864 つむりの学校 238票 anko3649 ゆっくりみしゅらん(後編) 237票 anko2124 生きにくい 後編 237票 anko2583 とある人間の数日間 237票 anko3221 根本的な間違い 237票 anko3843 野球部のゆっくり 236票 anko1982 れいむはゆっくりできない 236票 anko2256 追われるれいむ 236票 anko2574 戦い方を教えてみたり 236票 anko2810 ドスまりさが あらわれた! 236票 anko3249 お兄さんは興味が無い 236票 anko3524 トンネルズアンドドスズ 236票 anko3745 ゆっくり一家の炸裂する熱い夜 236票 anko3762 もげ遊び 235票 anko3640 優しいおにいさん 235票 anko3885 可愛いは正義 234票 anko2563 代償は誇りと・・・ 234票 anko2919 いいにおい 234票 anko2927 ゆっくりを袋に詰めて思う存分ボコるよ!! 中 234票 anko3793 反面教師 234票 anko4009 ゆっくりごっこ 234票 anko4017 僕は野菜が嫌いだ 233票 anko2669 自分勝手 233票 anko3516 この世はゆっくりできない 233票 anko3577 たすけてね! 233票 anko3964 福引きとゴミ拾い 233票 anko4094 普通の人とゆっくり 232票 anko1893 ゆっくりできるひと、ゆっくりできないゆっくり 232票 anko2431 RAIN 232票 anko2552 ゴルフ場でゆっくりと 232票 anko3117 しゅっさん! 232票 anko3624 ありふれたつまらない疑問 232票 anko3848 リアクション 232票 anko4067 自由万歳 232票 anko4120 人間とゆっくり 231票 anko2121 生きにくい 前編 231票 anko3415 ばっちぃ家ゆはれみりゃも食わぬ(修正版) 231票 anko3598 檻の中のゆっくり外界を知らず 231票 anko3710 とろろ 231票 anko3744 ユックリマン 231票 anko3968 おちびちゃんが欲しい 後編 231票 anko4126 choice 230票 anko2099 家に帰るとれいむが必ず死んだふりをしています 230票 anko2177 公園の 230票 anko2345 まりさを探せ! 230票 anko2558 憧れの飼いゆっくり 230票 anko2841 ゲスの連鎖 230票 anko3157 ケーキ屋さんのゆっくり 230票 anko3403 WP 230票 anko3519 孤独なれいむと森に住むぱちゅりー 229票 anko1899 まりさ一家のおうち宣言成功 229票 anko2354 処分品の愛玩用まりさ 229票 anko2467 花壇の罠 229票 anko3100 お兄さんとの3の約束 229票 anko3600 踏みにじる 229票 anko3816 お飾り遊び 229票 anko3951 新しいゆっくりプレイス 228票 anko1767 あなたは、食べてもいい○○○○? 228票 anko1859 めーりん ON BACKSTREET 227票 anko1790 ~都会のゆっくりとその顛末~ 「親子れいむ」 227票 anko2161 まりさには不幸がよく似合う 227票 anko2723 まっちょ売りのゆっくり 227票 anko2752 まりさが可愛くて 227票 anko3311 夕暮れと不平等な世界 227票 anko3435 追放ゆっくり -野生ゆっくり- 中編 227票 anko3697 れいみゅがおそうじするよっ! 227票 anko3770 ゆっくりお月見 227票 anko3914 異界の知識を得て 226票 anko2226 ゆっくりふーどの秘密 226票 anko2322 消費期限切れのお菓子を与えてみた 226票 anko2551 雪が降った日 226票 anko3056 れいむは話を聞かない 226票 anko3550 ゆっくりつみをあがなうよ!(前編) 226票 anko3675 ひまつぶし 225票 anko2458 どっちが本当? 225票 anko2644 間食ゆっくり 225票 anko3469 たまたま 225票 anko3632 無知の罪 前編 225票 anko3774 シティ・ジャーロ 225票 anko3818 捨てられた水上まりさと一握りの優しさ 225票 anko3910 まっすぐな気持ちで挿し込んで 224票 anko2047 露店のゆっくり 224票 anko2363 まりちゃはゆっぐぢしてるにょにいいい!!! (前) 224票 anko3250 ゆうかと一人暮らし 224票 anko3591 浜辺にて 224票 anko3671 しゅくふくっ 223票 anko1854 存亡を賭けた戦い(後篇) 223票 anko2014 屍 223票 anko2223 まちかどで 223票 anko2798 汚錬痔渋酢 223票 anko2967 ゆっくり飼うのは大変だよ! 223票 anko2988 虐待ライフに幸多からんことを 223票 anko3144 燃えるゆっくり園 223票 anko4062 愛とチョコとお返しと 222票 anko1731 人間の世界でゆっくりが見た夢(下) 222票 anko2153 家族百景 222票 anko2266 長の資質 前編 222票 anko2825 つむりとまりさ、それぞれのゆん生とその終わり 222票 anko3036 お水をよこせ 222票 anko3462 ゆっくりウォッチング 222票 anko4005 燃える、お兄さん 222票 anko4164 野良ゆが虐待お兄さんに目をつけられる話1 221票 anko1863 れみりあが愛したおちびちゃん 221票 anko2605 笑顔のままで 221票 anko2886 若者のゆ虐離れ 221票 anko3161 どーしてくれないの? 221票 anko3275 越冬明けまりさ失踪事件 221票 anko3279 死を覚悟したにとり 下 221票 anko3602 ゆっく死ー 221票 anko3718 ろーりんぐゆっくり 221票 anko3760 伝えたい言葉 221票 anko3937 子まりささいっきょう論 221票 anko3993 れいむのお仕事 220票 anko2079 しんぐるまざー 220票 anko2367 あー虐待したいなぁ 220票 anko2602 ゆっくり退化していってね!9 220票 anko3010 あるれいむの一生 いつまでもその笑顔を 220票 anko3012 ここはれいむのおうちだよっ!にんげんさんはゆっくりしていってね! 220票 anko3271 手を触れずに殺害せよ 220票 anko3778 びっくりしていってね!! 220票 anko4101 ゆっくりと犬のう○ち袋 219票 anko1919 とってもゆっくりできるはずの群れ 219票 anko2576 奴隷にするために 219票 anko2643 ある変わったれいむのお話 219票 anko2863 ぼくは重機 219票 anko3327 虐待15年目 後編1 218票 anko2314 『とある秋の恵みの攻防戦』 218票 anko3080 くそにんげんに挑んだ結果 前編 218票 anko3106 学校:冬(後編) 218票 anko3576 おちびちゃんとゆっくりできたらいいな! 218票 anko3756 家畜ゆっくり 前編 218票 anko3782 ゆっくりくさっていってね!!! 218票 anko3907 こなさん 218票 anko3972 冬のまりちゃ 218票 anko4026 事情聴取 217票 anko2198 撲殺隊2 217票 anko2360 『馬鹿一家と賢いぱちゅりー』 217票 anko3426 追放ゆっくり -野生ゆっくり- 前編 217票 anko3692 ゆっくり逝くよ 216票 anko1961 ゆ虐の基本 216票 anko2095 飼いゆっくりになりたいの? 216票 anko3363 ゆっくりを飼うよ! 216票 anko3418 まりちゃを助けよう 216票 anko3733 ゆっくりさせてあげてね! 216票 anko3781 どすまりちゃ再び 216票 anko4124 野良ゆっくりは ゆっくりしている 215票 anko2107 たこつぼ 215票 anko2528 れいみゅのはじめてのおさんぽだよ! 215票 anko2596 趣味は登山です 215票 anko2906 ゆっくりまりさのサプライズ 後編 215票 anko2985 ゆっくりを袋に詰めて思う存分ボコるよ!! 下の1 215票 anko3245 れいむに募金してまりさに募金しない話 215票 anko3269 魂の救済 215票 anko3536 ゆっくりに生まれた罪 214票 anko2385 ぼーきゃくろくっおん 214票 anko3220 にんげんにもいる。 214票 anko3317 さくらさんはゆっくりできる 214票 anko3445 ある群れの越冬方法 214票 anko3605 ゆっくりできるモノを分け合う 214票 anko3997 お正月ゆっくり 214票 anko4103 ゆっくりと人間は違う 213票 anko1798 ~都会のゆっくりとその顛末~「捨てありす親子」 213票 anko1958 はんぶんこのれいむ 213票 anko3905 厄焼くところ、益あり 213票 anko2999 呪言 212票 anko1951 ゆっくりの住む牧場 212票 anko2063 家出の代償 212票 anko2292 にんげんさんにふくしゅうするよ! 212票 anko2530 武装農業地帯(後編) 212票 anko2616 とあるまりさのスーパーノヴァ 212票 anko2957 てっぺきっ(苦笑) 212票 anko3522 野性のゆっくりとゆっくりしてみた 212票 anko3670 ゆっくりの住みにくい町 212票 anko4112 まりさは、今日もお仕置きされている。 212票 anko4122 てーとありしゅのおかーさん 211票 anko2059 ゆっくりおばさんの船旅 211票 anko2064 狭間に見た夢 211票 anko2521 ゆっくりが農業について学んだようです 211票 anko2898 氷上のゆっくり 211票 anko3052 ゆっくり駆除業者のお仕事風景 211票 anko3076 足りてるゆっくり 211票 anko3361 嫌われゲスまりさと猫のちび 211票 anko3368 ぷりぷりもるんもるん 211票 anko4034 チョコレートをください 210票 anko2218 ゆっくり爆発していってね 前編 210票 anko2584 Yukkuri Tradition 210票 anko2589 学校:秋(前編) 210票 anko2920 ゆっくりを、愛してる! 210票 anko2972 醜いれいむの子 210票 anko2995 ゆつぶし 210票 anko3131 れいむはすーぱーおかん:発動編 210票 anko3294 ベーカリーレストラン 210票 anko3345 仏の顔も三度まで 210票 anko3381 理由 210票 anko4092 おどるゆっくり 209票 anko2450 ゆっくり退化していってね!6 209票 anko2610 禁句 209票 anko2639 振り返ると、そこには 209票 anko2653 とてもがんばったまりさの末路(後編) 209票 anko3443 おめでとゆっくり一位だよ! 209票 anko3476 どなどな 209票 anko3763 かわいいれーみゅ 209票 anko3814 あるドスの受難 209票 anko3892 はつめいかぱちゅりー! 209票 anko3932 ゆっくり観察日記 209票 anko4107 れいむ 208票 anko1792 箱庭・チェイサーズ 208票 anko2326 朝のゴミ捨て場で 208票 anko2568 餌 208票 anko2867 ゆっくり雑煮 208票 anko2945 さあ、お眠りなさい 208票 anko3336 誕生日パーティー 208票 anko3465 意味なんてない 208票 anko3628 約束 208票 anko3933 ゆっくりと子供 207票 anko1993 50% 207票 anko2087 とんでもないゲス(前編) 207票 anko2237 ゆ出 207票 anko2269 ある公園で 207票 anko2306 ゆっくりホスティングサービス 207票 anko3337 奇祭! ゆんやー祭 ゆっくり絶叫シリーズ03巻 207票 anko3559 ある怖がりな群れの話 207票 anko3570 自画自賛 207票 anko3761 家畜ゆっくり 中編 207票 anko3800 投稿!ゆっくり王国 207票 anko3973 街の片隅 207票 anko4123 賢い野生ゆっくり ※r2 206票 anko2106 プラント 206票 anko2191 とある虐兄の日常風景 206票 anko2542 俺のれいむがゲスなわけがない 206票 anko2747 ゆっくりまりしゃと聖夜のシンデレラガール 206票 anko3013 れいむの幸せなゆん生 206票 anko3022 何もかも、何もかもが 206票 anko3028 ゆっくりを袋に詰めて思う存分ボコるよ!! 下の2 206票 anko3256 夢のような生活 206票 anko3267 虐待15年目 中篇 206票 anko3456 れいむのゆん生 206票 anko3503 じゃまもの 206票 anko4054 ゆっくりできるまりちゃのおぼうし 205票 anko2335 赤ゆっくりと… 205票 anko2445 ワンス・アポンナ・タイム・イン・ニジウラシティ(後編) 205票 anko2932 ゆっくり遊び 205票 anko3093 ゆっくりハンマー 205票 anko3216 愛するでいぶ 205票 anko3232 虐待15年目 前編 205票 anko3262 屋根の上のゆっくり 205票 anko3502 あみゃあみゃはあみゃあみゃだよこのきゅじゅ!! 204票 anko1838 まりさつむりはゆっくりできない 204票 anko1921 理想郷 204票 anko3035 ゆっくりを袋に詰めて思う存分ボコるよ!! 下の3(完結) 204票 anko3400 自販機 204票 anko3412 親の心子知らず 204票 anko3921 冬の日の水上まりさ 204票 anko4168 ゆっくり食べようえだまりちゃ 203票 anko1901 あまりにも蒸し暑いから・・・ 203票 anko2547 絶対に渡さない 203票 anko2687 夕暮れと信じる者の幸福 203票 anko3201 そんな都合の良い設定は…… 203票 anko3584 ゆかりんナイス・スメル! 203票 anko3630 ゆっくり観察日記 203票 anko4096 いつもの風景にゆっくりの狩場を見た 203票 anko3925 嫉妬するのはやめてね!? 202票 anko1707 飛蝗に喘ぐ 202票 anko1745 よわいものいじめはゆっくりできないよ!(中編-2) 202票 anko2145 赤ゆの玩具 202票 anko2328 マッチ箱をポッケに入れて、公園へ 202票 anko3673 加工所だって生きてるんだよ! 202票 anko3785 ゆっくりさとっていってね!!! 202票 anko3904 名物 201票 anko2339 ぼくのいえ ぼくのゆうじん 201票 anko3252 そんな酷い奴らじゃなくね? 201票 anko3636 未熟ゆ遊び 201票 anko3866 れいむの超母性 200票 anko1704 ボトルゆっくり 200票 anko1716 彼方にこそ 200票 anko2197 お猿さんのおてて 200票 anko2680 汚い 200票 anko2833 成人式 200票 anko3844 不幸なれいむ 200票 anko4097 ゆっくりと横断歩道橋
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『空へ続く風の階』 目次 prologue~ chapter 1 「暴君」 chapter 2 「別れ」 chapter 3 「森の賢者」 chapter 4 「裏切り」 chapter 5 「永遠の墓標」 chapter 6 「まりさ」 ~epilogue 【 prologue~ 】 そよ風が木々の間を抜ける。 枝葉を、草花をゆらゆらと揺らしながら。 地平線に接するように広がる青空のキャンパスに小さな黒い帽子が舞った。 「ゆんやぁぁ! まっちぇにぇっ! まっちぇにぇっ!! まりしゃのだいじにゃおぼうししゃんがぁぁぁ!!!」 それを追いかけているのはまだ赤ちゃん言葉が抜けきっていないゴムボール程の大きさの子まりさである。 子まりさをあざ笑うかのように風で運ばれる大事なお帽子。 風に攫われてしまったのだろう。 小さな体を一生懸命に動かし、草原の上をたむたむと跳ね続ける。 しかし、子まりさの帽子はなかなか地面に落ちてこない。 糸の切れた凧のように空を縦横無尽に泳ぎ続けていた。 疲れ切った子まりさが涙目になって上空の帽子を見上げる。 「ゆ……、ゆんやぁぁぁぁ!!!!」 「ちびちゃん。 どうしたの?」 叫び声を上げるのと同時に子まりさの後ろから声をかける者があった。 振り返るとそこにはサッカーボールほどの大きさにまで成長した成体ゆっくりのまりさ種が佇んでいる。 自慢の金髪とお下げを風になびかせ、見下ろすように子まりさを見つめていた。 「おきゃあしゃああああん!!!」 ぴょんぴょんとあんよで草を蹴り、その大きなまりさの元へと跳ね寄る子まりさ。 二匹は親子なのである。 親まりさは泣きじゃくる子まりさの頬をぺーろぺーろしながら優しく尋ねた。 「ちびちゃん。 なにがあったのか、まりさおかあさんにゆっくりとはなしてね……?」 「ゆぐっ、ひっく……まりしゃのおぼうししゃんが……いじわりゅしゃれて……ゆぇぇぇぇぇぇぇん!!!!」 親まりさが視線を上に向けた。 あの高さまで飛ばされてしまった帽子を取り戻すのは、子まりさはおろか親まりさにも不可能だ。 子まりさが大泣きするのも無理はない。 ゆっくりにとって、リボンや帽子、カチューシャ、ナイトキャップは命の次に大事なものであるとされており、それらを失った ゆっくりは“ゆっくりできないゆっくり”として、生涯迫害され続けることとなる。 親まりさは子まりさの頬に優しくすーりすーりをすると、にっこりと笑って言葉を紡いだ。 「だいじょうぶだよ、ちびちゃん」 「ゆぇ……?」 「いつか、かならずおりてくるよ。 ふきやまない“かぜ”さんなんてないから。 ちびちゃんがそんなのじゃ、おぼうしさん がゆっくりおりてきたときに、つかまえられるものもつかまえられなくなくなっちゃうかもしれないよ?」 子まりさにその言葉の意味を理解するのは難しかったのか、首をかしげるような仕草をして困った表情を浮かべる。 親まりさは穏やかな笑みを浮かべると、 「ゆっくりしていれば、おぼうしさんもおりてくるよ。 ずっとあんなたかいところにいるのはつかれるからね」 囁くように呟いた。 やがて。 空を流れる風の道から外れた帽子がまりさ親子の元にふよふよと降りてくる。 子まりさは必死になってその帽子が落ちた先に向かって跳ね続けた。 ぴょんぴょん、ぴょんぴょん。 やっとの思いで目指す場所にたどり着いた子まりさが小さな帽子をさらに小さな口ではむっと咥え、器用にそれを頭に乗せる。 子まりさが上目遣いで自分の元に帰ってきた帽子をチラリと見上げた。 帽子のツバに刺繍された真っ白なフリルが自分に微笑みかけてくれているような気がする。 「……ゆ、ゆっくち~~~!!」 子まりさの上げた嬉しそうな声に親まりさはにっこりと笑った。 戻ってきた子まりさの頬にすーりすーりをする親まりさ。 子まりさの方は泣いたカラスがどこへやら。 嬉しそうに親まりさの頬ずりに身を任せ、うっとりした表情を浮かべている。 一陣の風。 子まりさの頭から再び帽子が逃げ出そうとする。 親まりさがその帽子をそっと押さえた。 帽子が飛ばされてしまいそうになっていた事にも気づいていない子まりさは、嬉しそうに小さなあんよで一生懸命に地面を這っ ている。 親まりさの視線の先。 風に運ばれてどこまでもどこまでも飛んでいく緑色の葉っぱ。 親まりさはその葉っぱに向けて羨望の眼差しを送っていた。 「まりさたちは……おそらをとべないもんね」 呟く。 子まりさが親まりさの前でぴょんぴょん跳ねながら叫んだ。 「ゆゆっ?! まりしゃ、おしょらさんをとべりゅよっ!! おきゃーしゃん!! “たきゃいたきゃい”をしてにぇ!!」 はしゃぐ子まりさの笑顔を見ていると、願いを叶えてあげずにはいられなかった。 頭を下に向けて、子まりさを帽子のツバの上に乗るように促す親まりさ。 子まりさが定位置に着いたことを確認すると、親まりさは小刻みに頭を上下に揺らした。 帽子のツバがトランポリンの役割を果たし、跳ね上げられる子まりさ。 「ゆっゆーん!! まりしゃ、おしょらをとんでりゅみちゃいっ!!!」 親まりさが上下運動を終えると、子まりさが帽子のツバから原っぱに飛び降りた。 「ゆゆ……? もう、おわりにゃの……?」 「ゆぅ……ごめんね? ちびちゃんもおおきくなってきたから、ずっとおそらをとばせてあげるのはむずかしくなってきたよ」 「ゆゆっ!? じゃあ、まりしゃがもっちょもっちょ、おおきくなっちゃら、おきゃあしゃんを“たきゃいたきゃい”してあげ りゅにぇっ!!!」 「それはたのしみだね。 ゆっくりまっているよ」 「ゆゆーん!! ゆっくちりきゃいしちゃよっ!!!」 キリッとした表情になった後、勇んで親まりさの前を力強く跳ね続ける子まりさの後ろ姿。 親まりさはゆっくりと理解している。 大きくなればなるほど、空を飛ぶことが難しくなってしまうということを。 草原の遥か上空を数羽の鳥が横切る。 ゆっくりに空を飛ぶことなどできない。 それでも、親まりさは願う。 あの空へ羽ばたくための翼が欲しい……と。 【 chapter 1 「暴君」 】 森の中央に“お城”が佇んでいた。 その“お城”には一騎当千の力とそこそこの小賢しさを持ち合わせた一匹のゆっくりが住んでいた。 “お城”の主の名は“れいむ”。 ドスのように体が大きいわけでもなければ、他のゆっくりのように強い個性を持っているわけでもない一匹のれいむ種が、群れ 単位の数を誇るゆっくりたちを支配していた。 “れいむ”は人間の住んでいた街から逃げてきたらしい。 都会という荒波に揉まれ、それを乗り越えて森に帰還した“れいむ”にとって、野生で暮らすゆっくりたちは平和ボケした馬鹿 饅頭にしか見えなかった。 そんな“れいむ”にとって力で群れを支配するのは、いともたやすい事である。 平和的に群れを治めていたリーダーは“れいむ”によって倒されてしまった。 圧倒的な力による暴力の前に、森の中でのんびりと暮していたゆっくりたちの生活は激変してしまったのである。 “れいむ”に逆らったゆっくりたちは一匹残らず殺された。 自らを“最高にゆっくりしているゆっくり”と称し、森のゆっくりたちに自分に相応しいおうちを作らせた。 それなりに頭の良いぱちゅりー種に基本構造を練らせ、まりさ種、ちぇん種、みょん種が肉体労働。 ありす種が“れいむ”の趣味の悪い要望に無理矢理応えさせられて、“こーでぃねいと”を施した。 そうして完成したのが、岩山の空洞を利用した天然の要塞。 “れいむ”が誇らしげに言うところの“お城”である。 “お城”を作り上げるのには膨大な時間と労力を要した。 その作業の中で永遠にゆっくりしてしまったゆっくりの数は百や二百ではない。 逆に言えばそれだけの数のゆっくりを“れいむ”は力だけで支配していたのである。 「むきゅ……“れいむ”におこられないかしんぱいだわ……」 「なにをいってるのぜ……これいじょう、“れいむ”にごはんさんをむーしゃむーしゃされたら、まりさたちがゆっくりできな くなっちゃうのぜ……」 「しっ……。 “へいたい”にきこえちゃうわ……」 丁寧に編みあげられた草の籠に溢れんばかりの食料を入れて、ぱちゅりーとまりさが“お城”に向かっていた。 二匹は夫婦である。 “れいむ”は狩りをしない。 森のゆっくりたちに狩りを行わせて食料を得るのだ。 だからと言って“れいむ”は森に生息している大部分のれいむ種のように狩りが苦手というわけではない。 むしろ、森に住むどのゆっくりよりもその手の労働に長けていると言えるだろう。 「“れいむ”さまにごはんさんをもってきたみょん?」 “お城”の入り口で睨みを利かせているのは“兵隊”と呼ばれている“れいむ”の傘下に入っているみょん種だ。 みょんはじろじろとぱちゅりーとまりさを隅々まで眺めた。 “れいむ”は警戒心の強いゆっくりである。 それは都会で生き抜くために得た知恵であった。 “れいむ”は“お城”の“兵隊”たちに、少しでも怪しい素振りを見せたゆっくりはすぐに殺すように指示を出していたのだ。 そして、“れいむ”に対して無礼を働いたゆっくりを“お城”の中に入れた“兵隊”は、そのゆっくり同様に処刑される。 “兵隊”たちも必死なのだろう。 「“れいむ”さまと、ちびさまたちがおなかをすかせているからさっさともっていくみょん」 ぱちゅりーとまりさが、ずりずりとあんよを這わせて“お城”の中に入っていく。 “お城”の中は薄暗く注意をして移動しないとすぐに地面から隆起した岩に顔をぶつけてしまう。 凛とした冷たい空気が二匹を包み込んだ。 前へ進むたびに冷や汗が頬を伝う。 二匹が目指す場所はそこだけスポットライトが当てられているかのように照らされていた。 岩壁の裂け目から太陽の光が入り込んでいるのだ。 「ゆっくち……。 ゆっくち……」 どこからともなく赤ゆの声が聞こえてくる。 二匹を囲むようにその声の重なりが大きくなっていった。 カチカチと歯を鳴らして震えるありす。 「ごはんさんをもってきたの?」 ゆっくり特有の言葉が冷厳な口調で放たれた。 その瞬間、びくっと体を震わせてあんよを止める二匹。 そこには森の支配者である“れいむ”が悠然と佇んでいた。 顔中に小さな傷の跡が残されている。 それは“れいむ”が幾度となく修羅場を乗り切ってきた証なのだ。 “れいむ”はずりずりとあんよを這わせて二匹の元へとやってきた。 「ゆっくり……ごはんさんをもって、きたよ……」 まりさが咥えていた草のかごを地面に下ろす。 ぱちゅりーもそれに続いた。 “れいむ”は無表情のまま、かごに入った食料に視線を落とす。 「これだけなの?」 「ゆゆっ?!」 「これだけなの、ってきいてるんだよ? ばかなの? ……しぬの?」 お決まりのセリフも“れいむ”が口にするとその意味は大きく変化する。 「ご……ごめんなさいっ! みんな、おなかがぺーこぺーこで、ゆっくりできなくて、それで……」 “れいむ”が顔を勢いよく横に振って揉み上げをまりさの左頬に叩きつけた。 「ゆ゛ぎぃ゛ッ?!」 まりさの左頬が真っ赤に腫れ上がる。 そこから、じわりと痛みが広がっていく。 まりさは涙目にながら必死に「ごめんなさい」を繰り返した。 “れいむ”が溜め息をつく。 「みんなのおなかがぺーこぺーことか、れいむにはどうだっていいよ。 ごはんさんはこれだけしかないのってきいてるんだけ ど……りかいできる……?」 「できます!! りかいできまずぅぅ!!! これだけしかないでずぅぅぅ!!! ごべんな゛ざい゛ぃ゛ぃ゛!!!!」 「……ゆっくりりかいしたよ。 かわいいかわいいれいむのちびちゃんたち、ゆっくりしないで、でてきてね」 「ゆっくち~~~~♪」×108 「ゆ……ゆああああああああ!!!!」 叫び声を上げるぱちゅりーとまりさの周囲に集まったのは百八匹もの赤れいむの大群である。 どの赤れいむもかごの中の食料を凝視して、ぼたぼたと涎を地面に垂らしていた。 「さぁ、ちびちゃん。 ゆっくりごはんさんをむーしゃむーしゃしてね」 「ゆっくちりきゃいしちゃよっ!!」×108 円を描くように待機していた赤れいむたちが一斉に一点を目指し収束する。 赤れいむの波に呑まれた二匹は成体ゆっくりであるにも関わらず押しのけられてしまう。 百八もの赤れいむがかごの中に我先と頭を突っ込み餌を奪い合うその様は醜悪な光景だった。 「むーちゃ、むーちゃ、しあわちぇぇぇ!!!」 「うっめ! これめっちゃうっめ! ぱねぇ!!!」 ぐちゃぐちゃと不快な音を立てながらかごの中の食料を食い漁る赤れいむたちを“れいむ”が微笑みながら眺めている。 それも束の間。 鋭い視線をぱちゅりーとまりさに突き刺した。 「なにみてるの? れいむはまだごはんさん、むーしゃむーしゃしてないよ?」 「そ……それは……」 「れいむは、おんこうなゆっくりだから、おひさまさんがさよーならするまえに、ごはんさんをもってくればゆるしてあげるよ」 「で、でも……」 「ゆっくりしないでさっさとごはんさんもってきてね!!! ぷっくうぅぅぅぅ!!!!!」 「「ゆひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」」 “れいむ”のぷくーは、森のゆっくりたちにとって恐怖の象徴とも言える。 あまりの恐ろしさにしーしーを漏らしながら“お城”の外へと一目散に飛び出す二匹。 “れいむ”はそんな二匹の間抜けな後姿を見ながらゲラゲラ笑っていた。 「さぁ、ちびちゃんたち。 ごはんさんをむーしゃむーしゃしたら、ゆっくりすーやすーやしようね」 「しゅーやしゅーやすりゅよ……っ」 “れいむ”の声に一斉に寝息を立て始める赤れいむたち。 耳障りな寝息の音に混じってどこからかすすり泣く声が聞こえてきた。 暗闇の中、岩壁に頬を押し付けて涙を流す別の赤ゆたちがいる。 種類は実に様々で、まりさ種、ありす種、ぱちゅりー種、ちぇん種、みょん種、と勢ぞろいだ。 「まりしゃたちも……むーちゃ、むーちゃ……したいのじぇ……」 「わきゃらにゃい……わきゃらにゃいよぉぉ……」 “れいむ”はとりあえず赤れいむに餌を与えてから、残り物をその他の赤ゆたちに食べさせる。 当然、その量は赤ゆたちが満足できるようなものではない。 “お城”の中にいる赤ゆたちは驚くべきことに全て“れいむ”の子供である。 “れいむ”は群れのゆっくりたちの大半を“れいぽぅ”して自分の子供を作らせた。 子供を宿したゆっくりは“お城”の中に監禁し、子供を生み終えた後、即座に叩きだすのだ。 そして、れいむ種は“れいむ”の寵愛を受け、それ以外の種は凄惨な迫害を受ける。 “お城”の中で僅かながら共に過ごした母体のゆっくりは自分の子供が気が気ではない。 “れいむ”にとって赤ゆは、群れ全体の人質でしかなかった。 仮に人質が死んでしまったとしても、また別のゆっくりに子供を生ませれば良いだけの話である。 “れいむ”は自らの圧倒的な戦闘能力と群れ中のゆっくりの子供を盾にすることで強力な支配体制を確立させていた。 一度、成体ゆっくりたちが十数匹で徒党を組み、“れいむ”に戦いを挑んだが返り討ちにあっている。 その後、反乱を起こしたゆっくりの子供は例外なく皆殺しにされた。 つがいのゆっくりも死ぬまで“れいぽぅ”されて辱めを受けながらその命の灯を消す。 誰も“れいむ”に逆らえるゆっくりはいなかったのだ。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 巣穴の中にうっすらと光が差し込む。 小鳥のさえずりが外から聞こえてきた。 目覚めの朝である。 「ゆっくりしていってね!!!」 一番最初に目覚めた親まりさが元気に第一声を上げた。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」 それに呼応するかのように目を開けたばかりの親ありすと子まりさが返事を返す。 ゆっくりの一日はこのやり取りから始まる。 もぞもぞと巣穴を這って朝食の準備を始めるのは親ありすだ。 巣穴の奥に敷いてある葉っぱの上に僅かながら備蓄された食糧を咥えて運んでいく。 一家は同様にしょんぼりとした表情を浮かべた。 皿代わりの葉っぱに盛られた食料は、育ち盛りの子まりさを含めた一家にとって十分な量はまかなわれていない。 親まりさと親ありすに促され、申し訳なさそうに木の実や雑草を口に含んで口をもぐもぐと動かす子まりさ。 「むーちゃ、むーちゃ、それなりー……」 芋虫などのご馳走は“れいむ”に献上しなければならない。 お世辞にも美味しいとは言えない食料を口にして、幸せな声を上げることはできなかった。 両親も後に続き同じ言葉を漏らす。 ゆっくりは基本的には雑食なのだが他の野生生物と比べて味覚が強く、無駄に味にうるさい。 口の中に入れてしまえばどうせ餡子に変換されるだけなのだが、それに気づいている者などいるはずもなく。 味にさえこだわらなければ何を食べても生きていけるのにも関わらず、それを頑なに拒むため短い寿命をさらに縮めてしまうこ とが多々ある。 ただでさえ脆弱な存在が自らの首を絞めるような真似をするので、ゆっくりたちは“動く死亡フラグ”などといった二つ名を与 えられてしまうのだ。 「ゆゆっ! ごはんさんをむーしゃむーしゃしたら、まりさはかりにいってくるよ」 「おきゃあしゃん。 まりしゃもがんばりゅにぇっ!」 この子まりさは風で飛ばされた帽子を追いかけて泣いていた子ゆっくりである。 子まりさには姉妹がいたが、みんな様々な理由で永遠にゆっくりしてしまった。 姉妹の思い出は少ない。 一緒に過ごした時間はあまりにも短すぎた。 「おちびちゃんはだめだよ。 ありすおかあさんといっしょにゆっくりおるすばんをしててね」 「どおしちぇぇ?! まりしゃだって、もうごはんしゃんをあちゅめられりゅよっ! ぷんぷん!!」 「ちがうよ。 まりさおかあさんがかりにいっているあいだ、ありすおかあさんをまもってあげてね」 ふくれっ面の子まりさに親まりさが穏やかな口調で言葉を返した。 それでも子まりさは納得がいかないらしい。 まりさ種が一人前として認められるのは狩りの腕次第なのだ。 生後二カ月弱の子まりさにとっては大事なことなのである。 そんなまだまだ幼さの抜けきらない子まりさに親ありすがそっと頬を寄せた。 「ちびちゃん。 ありすおかあさんをまもってくれないかしら……? とってもつよくて、とってもゆっくりしているちびちゃ んにまもってもらえたら、ありすおかあさん……すごくうれしいんだけどな……?」 「ゆ……ゆゆー……。 そ、それじゃ、しかたにゃいにぇ……。 ありしゅおきゃあしゃんのことは、まりしゃがまもっちぇあ げりゅよっ!!」 得意気な顔で体全体を“むんっ”といからせる子まりさ。 その様子を見て親まりさと親ありすは互いに目配せをしたのち、一呼吸置いて小さくクスリと笑った。 親まりさがぴょんぴょんと飛び跳ねて巣穴の入り口へと向かう。 子まりさは親ありすにぴったりと寄り添いその後ろ姿を見つめていた。 「ちびちゃん! ありすおかあさんのことをよろしくね!」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ!!!」 振り返りざまの親まりさの言葉に元気よく返事を返す子まりさ。 親まりさは自信に満ち溢れた覇気のある声を聞き遂げた後、森へ向けて力強くあんよを蹴った。 「ゆぅ……ゆっくりおそくなっちゃったよ……」 親まりさが出かけた目的は狩りではなかった。 今日は群れの一部のゆっくりたちと“れいむ”に対する会議を行う日だったのだ。 群れの疲労は日を追うごとに大きくなっていく。 自然の恩恵にも限界があるのだ。 それを“れいむ”が際限なく貪るため、その他のゆっくりへの被害は甚大なものである。 そこで、何度か“れいむ”を倒す話し合いを秘密裏に行ってきた。 正攻法でぶつかって“れいむ”を倒すのは不可能だ。 群れのゆっくりが総出でかかればこれを撃破することも可能だったか知れないが、“お城”は内部も入り口も狭く、一度に襲い かかることは難しい。 これに加えて“お城”の周辺には“兵隊”たちがいる。 怪しい動きを見せれば即座に捕えられ、“れいむ”によって処刑されてしまうだろう。 「ゆぅぅ……れいむは、もう、げんっかいっ!だよ……」 集まったゆっくりたちのうち、一匹のれいむが会議の第一声を上げた。 そのれいむ種はボサボサの髪に傷だらけの顔、大事なリボンもところどころ破れているという惨めな姿をしている。 “れいむ”とそっくりというだけで群れのゆっくりたちから迫害を受けていたのだ。 おかげでまだ若いゆっくりであるにも関わらず、友達を作ることも恋をすることもできずに一匹寂しく巣穴の奥で日々を過ごす。 暴君“れいむ”はあらゆる意味で群れにとっての癌そのものだった。 「むきゅっ……きょうはみんなにこれをみてほしいの……」 そう言ってぱちゅりーが取り出したのは赤トウガラシである。 初めて見る赤トウガラシに、集まったゆっくりたちは一斉に注目した。 しかし、見た感じではただの植物でしかない。 これを使ってあの“れいむ”をどうやって倒そうと言うのか皆目見当がつかなかった。 「いったい、これでどうするの……?」 「こんなものじゃあ“れいむ”はやっつけられないよ……」 「……とかいはじゃないわ……」 「わからないよー……」 それぞれが顔を傾けながら困惑の表情を浮かべ、赤トウガラシをつついたりしている。 「これを……」 「なにをやっているのぜッ?!」 説明をしようとしたぱちゅりーの声を遮るように“兵隊”まりさが集まったゆっくりに向けて怒鳴り声を上げた。 途端に顔面蒼白になり、震えだすゆっくりたち。 そこへ悠然と“兵隊”まりさがやってきた。 “兵隊”まりさはゆっくりたちの中央にポツンと置かれた赤トウガラシを見ながら、 「これはなんなのぜ?」 問いかける。 「……よければ、まりさもいかがかしら……? おしごとさんは、たいへんでしょう?」 ぱちゅりーが務めて冷静に言葉を返す。 “兵隊”まりさが「ゆふん」とわざとらしく息を上げ、偉そうに赤トウガラシの元へとやってくる。 そして赤トウガラシを口に咥え、可能な限り低い声で宣告をした。 「“れいむ”さまにかくれてごはんさんをむーしゃむーしゃするようなゲスは、“れいむ”さまにせいっさいっ!してもらうこ とにするのぜ!! げらげらげらげら!!!!」 笑い声を上げる“兵隊”まりさをよそに、俯き涙目でその場を一歩も動けないでいるのは集まったゆっくりたちである。 “兵隊”まりさが赤トウガラシを歯で噛み砕く。 口をもごもご動かしながら、 「むーしゃ、むーしゃ……ゆ゛ぶべばっはぁ゛あ゛あ゛ぇ゛ぉ゛ぁ゛あ゛ぁあ゛ッ???!!!!!!」 次の瞬間、飛び出さんばかりに目を見開き顔を文字通り真っ赤にしながら中身の餡子を大量に吐き出す“兵隊”まりさの姿があ った。 滝のように涙を流し、狂ったように草の上を転げまわる“兵隊”まりさはなおも餡子を吐き続けている。 やがて中身を失った“兵隊”が永遠にゆっくりしてしまった。 開いた口が塞がらないゆっくりたち。 「ど……どういうことなの……?」 「むきゅ……これには、ものすごい“どく”がはいっているのよ」 「……“どく”……ッ?!」 口を揃えて身を寄せ合いながら、赤トウガラシを改めて注視する。 「まだ、ぱちゅがあかちゃんだったころ……ぱちゅのいもうとがこれをむーしゃむーしゃして、えいえんにゆっくりしてしまっ たわ……。 これを“れいむ”にむーしゃむーしゃさせれば、“れいむ”をえいえんにゆっくりさせられるはずよ」 「と……とかいはだわっ! ぱちゅりー!! あなたはさいこうにとかいはなゆっくりだわ!!」 「わかるよー!! すごいんだねー!!」 「でも、ひとつだけもんだいがあるわ……」 表情を輝かせているゆっくりたちは裏腹にぱちゅりーの表情は暗い。 浮かれた声を出すのをやめて真剣な眼差しをぱちゅりーに送る。 「“れいむ”がこれのことをしっていたら……これをたべさせようとしたゆっくりが……“れいむ”にえいえんにゆっくりさせ られてしまうはずよ……」 ぱちゅりーの言葉に絶句する一同。 “お城”を築き、“兵隊”に守らせ群れを支配している“れいむ”のことだ。 赤トウガラシの存在を既に知っている可能性のほうが高い。 チラチラと互いの顔を見合わせる。 この危険な任務を自ら進んで請け負うような勇敢な者はいないだろう。 集まったゆっくりのどれもがそう思っていた。 「まりさがやるよ」 「――――ッ!?」 名乗りを上げたのは、子まりさに留守を任せ会議に遅れてやってきた親まりさである。 赤トウガラシに向けられていた視線が一斉に親まりさへと向きを変えた。 「まりさ……あなた……」 「だれかがやらないといけないんだよね? だったらまりさがやるよ。 ゆっくりまかせてね」 「……ま、まって。 そんなにかんたんにひきうけてもいいの?」 「まりさにはちびちゃんがいるんだねー……。 まりさになにかあったら、ちびちゃんがかなしむよー……?」 「………………」 「そんなにあわてるひつようはないのよ……? もっとよくしらべてからでもおそくはないわ」 「……でも、そのあいだにも“れいむ”は、むれのゆっくりたちにめいわくをかけるよ」 「まりさ……」 親まりさの決意は固い。 群れの疲労は限界が近かった。 手を打つのなら早い方がいい。 “れいむ”に群れを支配されてからの生活で、親まりさの子供は二匹も死んでしまった。 一匹は空腹に耐えることができず。 もう一匹は“兵隊”とぶつかったという理由だけで潰された。 親まりさはこの生活に終止符を打ちたかったのだ。 そして、それは群れの悲願でもある。 心配そうに見つめるゆっくりたちに親まりさは笑みを浮かべた。 「だいじょうぶだよ!」 「ま、まりさ……かんがえなおしたほうがいいわ……あなたには……」 「ちびちゃんのことならだいじょうぶだよ。 ちびちゃんは、もうりっぱな“おとな”だから」 ぱちゅりーから赤トウガラシを受け取る親まりさ。 親まりさはそれを器用に帽子の中に入れるとぴょんぴょんと跳ねて戻っていった。 残されたゆっくりたちが親まりさの後姿を見送る。 「……まりさは、やっぱりせきにんをかんじているのかしら……?」 「むきゅぅ……」 「あれはしかたのないことなんだねー……」 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 「ゆっくりただいま!! 「ゆっくりおかえりなさい!!」 「おきゃえりなしゃい!!」 巣穴の中に戻ってきた親まりさを迎えるのは親ありすと子まりさ。 親まりさの顔についた汚れを舌で綺麗に舐め取る親ありす。 「まりしゃおきゃあしゃん!! ごはんしゃんはたくしゃんとれたにょ?」 親まりさはバツが悪そうに顔を横に振った。 子まりさがふくれっ面になって親まりさに文句を言いだす。 「ゆゆぅ! だかりゃ、まりしゃもいっちょにいくっちぇいったにょにぃ……!」 「ごめんね、ちびちゃん。 でもおみやげがあるんだよ」 「ゆゆっ?!」 子まりさの前に芋虫が置かれた。 まだ動いており鮮度は抜群である。 子まりさは久しぶりに見た御馳走を前にして思わず涎を垂らした。 芋虫と親まりさの顔を交互に見る。 「た……たべちょも、いいにょ……?」 「あたりまえだよ。 それはちびちゃんのごはんさんなんだよ!」 「ありしゅおきゃーしゃ……」 「よかったわね。 ちびちゃん。 ちゃんとまりさおかあさんに“ありがとう”してからたべるのよ?」 「ゆ……ゆわああ!! まりしゃおきゃあしゃん!! ゆっくち、ありがちょう!!!」 親まりさと親ありすが微笑む。 子まりさは芋虫を少しだけかじった。 弾力のある食感が歯と舌を通じて子まりさをゆっくりさせていく。 「むーちゃ、むーちゃ……しあわちぇぇぇぇ!!!」 涙目で叫ぶ子まりさ。 久しぶりにゆっくりたちの大好物である芋虫を食べさせてもらえて感無量のようだ。 与えられた芋虫を食べ終わった子まりさは、しばらく巣穴の中ではしゃいでいたが疲れてしまったのだろう。 いつのまにか、すーやすーやと寝息を立てていた。 親ありすは子まりさにそっと葉っぱをかぶせると、親まりさの方に向きを変える。 「それで……どうだったのかしら……?」 「ゆゆ……ゆっくりはなすよ」 親まりさは会議の内容をかいつまんで親ありすに伝えた。 まりさ一家同様に群れ全体の疲労がそろそろ限界に来つつあること。 赤トウガラシを使って“れいむ”を倒す計画。 そして、その計画の実行者が親まりさであること。 話の内容を聞いて、親ありすは静かに目を閉じ頷いた。 「……とかいはだわ。 ありすのだいすきなまりさなら、きっと“れいむ”をやっつけられるとおもうの」 「ありす……」 「はんたいするとおもったの? とかいはなありすは、まりさのことならなんでもおみとおしだわ」 「ごめんなさい……」 「……とかいはじゃないわ。 そんなにあやまられたら……なに、も……もんく……いえなぃ…………っ!!!」 気丈な親ありすがぽろぽろと涙をこぼし始めた。 親まりさが何も言わなかったのは、いや、言えなかったのは親ありすの瞳が滲んでいくのに気付いていたからだ。 “れいむ”を倒すための危険な賭け。 賭けに負ければ親まりさは間違いなく命を落とすだろう。 そして親ありすもまた、ただではすまないはずだ。 二匹の大切な最後の子まりさも。 「ありす。 それでも、まりさは……やるよ」 親ありすが泣きながら頷く。 親まりさと“れいむ”の間には因縁があった。 “れいむ”が初めてこの群れにやってきたときのリーダーは、親まりさの母親だったのだ。 “れいむ”はたった一匹でリーダー率いるゆっくりたちを叩きのめし、残るリーダーに戦いを挑んだ。 その力はほとんど五分と五分。 “れいむ”のほうがスタミナが勝っていた分、長期戦にもつれ込むにつれてリーダーの動きが鈍くなっていく。 このときの親まりさは、ちょうど今の子まりさぐらいの大きさだった。 リーダーの子供として様々なことを母親から教わっていたが、初めて目の当たりにした命のやり取りを前に、当時の親まりさは 一歩たりともあんよを動かすことができなかった。 もしも、自分がリーダーの加勢に入り、二対一で戦っていたら……“れいむ”を倒せていたのかも知れない。 そんな事を考えて毎日毎日巣穴の奥で泣いて過ごした。 群れ中のゆっくりたちが、「ちびちゃんのせいじゃない」と言ってくれてもその時の親まりさは聞き入れなかったのだ。 程なくして“れいむ”による恐怖政治が始まる。 “れいむ”は、あの日戦ったリーダーに子供がいたことは知らなかった。 だからこそ、親まりさは今日まで生きている。 暗い巣穴の中から、親ありすが外に引っ張り出してくれなかったら、一匹寂しく巣穴の中で生涯を終えていたことだろう。 「……わかってるから……。 だから、もぅ……なに、も……いわ……ないで……っ!!!」 泣き止まない親ありすの頬に自分の頬をすり寄せる親まりさ。 あの頃の、弱虫で泣き虫だった自分に手を差し伸べてくれた親ありす。 掴んだその手を今度は自ら離すのだ。 過去の自分と決別するために。 最愛の親ありす。 かけがえのない子まりさ。 二匹の永遠の幸せを願って。 【 chapter 2 「別れ」 】 あの会議の日から一週間が経過した。 “お城”に向かってずりずりとあんよを這わせるのは、親まりさと親ありすの二匹である。 “れいむ”は午前中と午後の二回、必ず食料を届けるように命令をしていた。 一日のうちに二家族が餌集めに奔走することになる。 子まりさは他のゆっくりたちと一緒に別件で狩りに出かけていた。 「…………」 二匹とも無言であんよを進める。 やがて、独立した岩山とその麓にぽっかりと口を開ける洞窟が視界に入った。 仇敵“れいむ”が誇る牙城である。 親まりさは誰にも気づかれないように唇を噛み締めた。 「まつんだねー!!」 “兵隊”のちぇんが二匹を呼びとめた。 親まりさと親ありすの周りをくるくると回り出す。 「とおっていいんだねー! わかるよー!!」 “兵隊”ちぇんが“お城”の入り口を顎で指して中に入るよう指示をする。 「そろそろくるかとおもっていたよ。 れいむをまたせるとかゆっくりしてないね」 思わず呆気に取られてしまった。 “れいむ”自らが“お城”の中から現れたのである。 “兵隊”ちぇんは突然キリッとした表情になり動かなくなった。 ……敬礼のつもりなのだろうか。 「ゆゆっ? そこのありすは、なかなかの“びゆっくり”だね。 れいむがすっきりー!してあげてもいいよ!!」 そう言って素早く親ありすの横に移動し頬に舌を這わせる。 「や……やめて……とかいはじゃないわっ!!」 あまりのおぞましさに思わず声を上げる親ありす。 “れいむ”は親ありすの嫌がる表情を見て陰鬱な笑みを浮かべた。 「ゆふふ……。 れいむはね。 むれの“りーだー”なんだよ。 “りーだー”はつかれるんだよ? だから、むれのみんなは れいむにやさしくしないといけないんだよ? れいむは“いやし”がほしいんだよ? りかいできる……?」 冷たく低い声。 親ありすを見て一瞬だけはしゃいでいた時の声と表情が嘘のようだ。 いや、こちらが“れいむ”の素顔である。 涙目になって“れいむ”から視線を外そうとする親ありすをますます気に入ったのか高らかに宣言した。 「ゆっ! ありす。 いまきめたよ。 きょうはありすとすっきりー!するよ」 「そ、そんな……っ!!」 「そんなにらんぼうなことはしないよ……。 じっとしていればすぐおわるよ……。 ……ゆふふ」 親ありすが涙を流す。 そこに親まりさが割って入った。 “れいむ”が訝しげな表情で親まりさを睨みつける。 (……れいむにむかってこんな、なまいきなたいどをとるゆっくりがまだいたんだね……) 親まりさが口を開く。 「“れいむ”さま。 おそくなってごめんなさい。 きょうのぶんのごはんさんをもってきたよ。 ゆっくりうけとってね」 「……ゆっくり、りかいしたよ」 “れいむ”の前に草で編んだかごを降ろす。 親ありすかごを降ろそうとしたとき、“れいむ”がその頬に自分の頬をすり寄せた。 「い、いや……っ!!」 「ありすは、“びんっかんっ!”なゆっくりだね……。 ……こんなかわいいゆっくりをひとりじめしている、まりさには“せ いっさいっ!”がひつようだね……」 「おかしなことをいわないでっ!」 「いちいちはんのうしないでいいよ。 ちょっとまりさがうらやましいな、っておもっただけだから。 ……えいえんにゆっく りさせてやりたいくらいに……」 冗談めかして冷え切った台詞を連発する“れいむ”に親ありすは生きた心地がしていなかった。 それでなくとも、今夜は“お城”の中で“れいむ”に“れいぽぅ”されてしまうのである。 気が狂いそうだった。 “れいむ”がかごの中の食料をチェックしていく。 やれ、「いもむしがすくない」だの、「きのみはかたくてゆっくりできない」だのと言いながら。 「……ゆっ?」 “れいむ”があんよを止めた。 口で咥えて引きずり出したのは例の赤トウガラシである。 親まりさと親ありすが表情を強張らせて“れいむ”の動きを注視した。 “れいむ”はそれを見つめながら、まるで匂いを嗅ぐような仕草をしたり舌の先をちょん、と当てたりしている。 親まりさの頬を冷汗が伝う。 「これはなんなの? はじめてみるたべものだよ」 「それはおいしいごはんさんだよ。 めずらしくてなかなかてにはいらないから、“れいむ”さまにもってきたよ」 「……ふーん……」 考え事をしている時の表情は他のゆっくりと対して変わらない。 “れいむ”はしばらく「ゆんゆん」唸っていた。 そして。 「ゆゆっ! そんなにおいしいものなら、ありすにたべさせてあげるよ! きょうはありすといっしょにすっきりー!するから いっぱいたべてげんきになってね!」 二匹の表情が凍りつく。 “れいむ”はそれを見逃さなかった。 ずりずりとあんよを這わせて親まりさの眼前へと詰め寄る。 「……どうしたの? ゆっくりできない……? おいしいごはんさんをありすがむーしゃむーしゃできるんだよ? よろこばな いの?」 「そ……それは……」 親まりさがしどろもどろになって俯く。 “れいむ”は赤トウガラシをそっと口に咥えた。 そのまま親ありすへと向き直る。 親ありすの表情が見る見る青ざめて行った。 “れいむ”が口元を緩める。 「さぁ、ありす。 たくさんむーしゃむーしゃしていいよ!!」 親ありすの口に無理矢理赤トウガラシをねじこもうとする“れいむ”。 親ありすはそれを必死になって拒んでいた。 それでも“れいむ”の力に抗うことができない。 同じくらいのサイズとは思えないほどの力だった。 歯に押し付けられた赤トウガラシが徐々にそれをこじ開けて行く。 「……んぅっ!! …………ゆ゛ぅ゛ぅっ!!!」 一瞬。 親ありすが目を丸くした。 「ゆ゛ぐぅっ??!!!」 “れいむ”の体が草むらの上を転がる。 親まりさは鬼のような形相で“れいむ”を見下ろしていた。 「ま……まりさっ!!!」 「ありす……ごめんね」 「どおしてこんなことするの? れいむ、すっごくいーらいーらしてきたよ。 まりさみたいなよわいゆっくりがれいむにはむ かうとかばかなの? しぬの? ……ゆっくりできない、まりさは……ゆっくりしんでね」 両者が互いの体をぶつけ合う。 勢いよく弾き飛ばされたのは当然親まりさのほうだ。 親まりさの攻撃は体当たりだが、“れいむ”の攻撃はぶちかましとでも言えばいいだろうか。 とにかく力の差が歴然だった。 一度不意打ちを食らっているはずの“れいむ”が一方的に親まりさを攻撃し始める。 「まりさがいけないんだよっ!! ……れいむにっ、ひどいことっ!! するからっ!!!」 感情的になりながら親まりさの顔に体当たりや踏みつけを繰り返す“れいむ”。 次第に親まりさの顔が変形していく。 それでも、歯を食いしばりながらワンサイドゲームの攻撃に耐えていた。 “お城”の中から“兵隊”たちが飛び出してくる。 あっという間に二匹は囲まれてしまった。 「ゆ……ゆあああああああ!!!」 親ありすが一直線に体を“れいむ”にぶつける。 「あ……ありすっ!!! やめてねっ!!!」 「いやよっ!!!」 ぽろぽろと涙をこぼしながら親ありすが“れいむ”を睨みつけた。 騒ぎを聞きつけた他のゆっくりたちも集まってくる。 “お城”の前が騒然となっていく。 ボロボロになった親まりさの姿を見たゆっくりたちが一様に“れいむ”を睨みつけた。 かつて自分たちのリーダーを理不尽に奪った暴君に、その忘れ形見まで奪われてなるものか。 「みんなっ!!! ゆっくりたたかうよっ!!!!」 群れ中のゆっくりたちが“れいむ”と“兵隊”たちに向かって突撃を開始する。 すぐに両陣営の先頭が激しくぶつかり合った。 その様子を見ながら“れいむ”が舌打ちをする。 親まりさは瀕死の状態で“れいむ”に笑顔を見せた。 「……ゆっくり、しんでね」 その笑顔に応えるかのように“れいむ”が穏やかな笑みを浮かべた。 親まりさがあまりにも自然なその笑顔に表情を凍りつかせる。 “れいむ”はぴょんぴょんと“お城”の中に入ると口に数匹の赤ゆを咥えて戻ってきた。 そのまま大声を張り上げる。 「みんな!!! じぶんたちがなにをやっているかわかってるの? ばかなの?!」 群れのゆっくりたちと“兵隊”がその場で動きを止め、“れいむ”へと視線を移す。 「おきゃああしゃああああああん!!!」 「たしゅけちぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆんやあああああ!!!!」 「ちびちゃああああああんッ!!!!」 赤ゆたちの悲痛な叫び声に一匹のゆっくりが悲鳴を上げた。 人質に取られた赤ゆの親なのだろう。 泣き叫ぶ赤ゆたちを見て金縛りにあったように動きを止めるゆっくりたち。 “れいむ”が不敵な笑みを浮かべた。 “兵隊”たちによって一方的に暴行を受けるゆっくりたちに抗う術などない。 赤ゆたちを盾に“れいむ”たちによる反乱の鎮圧が始まる。 その主たるメンバーは親まりさと共に会議を行っていたゆっくりたちが中心だ。 みんな、親まりさが心配でこっそりと後をつけてきていたのだろう。 リーダーの子である意識がそうさせるのか、泣きながら必死に仲間の命を助けるように懇願する親まりさを“れいむ”は嘲笑し ていた。 「ゆるすとおもったの? れいむをゆっくりできなくさせようとする、ゲスなゆっくりは……せいっさいっ!してやるよ!! げらげらげらげら!!!!」 「やべでぇぇぇぇぇ!!!」 そこに更に遅れて騒ぎを聞きつけたゆっくりたちが集まってくる。 その中には子まりさもいた。 親まりさの表情が青ざめていく。 子まりさはボロ雑巾のようになった母の姿を見てぷるぷると震えていた。 恐怖で声を発することができないのだろう。 それでいい、と親まりさはにっこりと子まりさに笑顔を向けた。 その顔が癇に障ったのか“ れいむ”が親まりさを潰さないよう注意しながら踏みつける。 苦痛に表情を歪めながらも決して子まりさから視線を外そうとはしない。 数匹の“兵隊”に押さえつけられた親ありすも子まりさをずっと見つめていた。 (ちびちゃん……。 ちびちゃんは……まりさのちびちゃんだから……そこからあんよをうごかせないはずだよ……。 でも、 それでいいよ……。 まりさやありすのことはいいから……せめてちびちゃんだけでもゆっくりして――――) 「おきゃあしゃんを……いじめりゅにゃああああッ!!!!」 懇親の叫び。 “兵隊”たちの怒号とゆっくりたちの悲鳴しか聞こえないその中において、突如上がった子まりさの絶叫は皮肉にも全てのゆっ くりの動きを止めてしまった。 “れいむ”が子まりさを睨みつける。 子まりさも“れいむ”を睨みつけていた。 両者の視線が空中でぶつかる。 親まりさと親ありすが思わず目を見開く。 全身を震わせてはいるものの凛と鋭い視線をぶつける子まりさの瞳に涙は滲んでいない。 目の前で繰り広げられる仲間たちの凄惨な最期。 見るに耐えない状態にまで痛めつけられている両親の姿。 それを目の当たりにしながら、子まりさは自分よりも倍以上のサイズを誇る“れいむ”を睨み続けていたのだ。 「……そこのちびちゃん」 ついに“れいむ”が口を開く。 親まりさと親ありすは子まりさの無事を願い顔面蒼白になり歯をカチカチと鳴らしている。 「……まりしゃは、まりしゃだよっ!!! ちびちゃんにゃんかじゃにゃいよっ!!!」 抜けきらない舌足らずな口調で子まりさが啖呵をを切った。 見下ろす“れいむ”。 見上げる子まりさ。 まるで吸い寄せられるように子まりさの元へと移動していた事に気づいた“れいむ”が思わず目を丸くする。 もしも、子まりさが成体ゆっくりであればこの一瞬の隙を突いて先手を打つこともできたかも知れない。 “れいむ”もそれに気がつき眉をしかめた。 バスケットボールほどものサイズの成体ゆっくりがソフトボール程度の大きさしかない子まりさに対して一瞬でも呑まれてしま った。 「おでがいじばずぅぅぅ!! ちびちゃんにびどいごどじないでぇぇぇぇ!!!」 動かしかけたあんよを止める“れいむ”。 戦いが始まっていれば子まりさは即死していただろう。 「おきゃあしゃん!! じぇったいにまりしゃがたしゅけちぇあげりゅよっ!!!」 悲痛な親まりさの声に応えるかのように子まりさが雄々しい声を発した。 それを取り巻く“兵隊”たちもゆっくりたちも、その親子の様子を無言で見つめていることしかできない。 群れのゆっくりたちが今にも泣き出しそうな表情で佇む。 諦めの念が見て取れる。 かつてのリーダーを殺され、その子供である親まりさも瀕死の重傷を負わされ、更に子まりさまでも殺されてしまうのか。 この、突然森に現れた残虐なる支配者。 暴君“れいむ”によって。 これから起こるであろう凄惨な結末を予測し、もはや己を奮い立たせるほどの心は持ち合わせていない。 「ちびちゃん……。 れいむはやさしいゆっくりだから、ちびちゃんにひどいことはしないよ」 「……ゆっ?」 「でも、れいむになまいきなたいどをとったゆっくりには、せいっさいっ!がひつようだよ。 りかいできる?」 「りきゃいできにゃいよっ!! せいっしゃいっ!されりゅのはれーみゅのほうじゃよっ! ゆっくちりきゃいしちぇにぇっ! !!!」 “れいむ”の揉み上げが勢いよく子まりさの頬を叩いた。 瞬間、「ゆぴっ」と短い悲鳴を上げる子まりさ。 ころころと草の上を転がりようやく止まった時には、既に起き上がり“れいむ”を睨みつけている。 打たれた左の頬を真っ赤に腫らして。 “れいむ”はそれ以上、子まりさに危害を加えるつもりはなかった。 子まりさを潰してしまえば、“お城”の中に監禁してある赤ゆたちも同様に潰されてしまっているということを周知する形にな ってしまうからだ。 “れいむ”の支配体制は赤ゆという盾があって初めて成立する。 盾が失われれば群れ中のゆっくりが玉砕覚悟で“お城”に攻め入ってくるだろう。 いくら“れいむ”でも一匹でその相手をするには手に余る。 狭い“お城”の中であれば戦いで負けることはないだろうが、体力的な問題で全てのゆっくりを返り討ちにするのは難しい。 「ゆんやああっ! はなしちぇにぇっ!! はなしちぇにぇっ!!!」 “れいむ”によって口に咥えられた子まりさが必死になってあんよを振る。 身動きの取れない両親がその様子を怯えながら見つめていた。 子まりさを“兵隊”のうちの一匹に預け、ゆっくりたちへ高らかに宣言する“れいむ”。 「みんな!! ゆっくりきいてね!! いまかられいむをゆっくりできなくさせようとした、ゲスなまりさをせいっさいっ!す るよ!!!!」 ざわつく群れのゆっくりたち。 会議に参加していたゆっくりたちは悔しさのあまりに唇を噛み締めた。 赤ゆたちさえ人質に取られていなければ。 暴君の言いなりになる必要もないというのに。 「ゆぐ……ゆっくり、はなして……っ!!」 二匹の“兵隊”によって親まりさが“お城”の近くに突き出た平たい岩の上に乗せられ、動きを封じられる。 “れいむ”は自分に対して無礼を働いたゆっくりをこの岩の上で処刑するのが好きだった。 より多くのゆっくりたちに制裁対象が潰される様を見せつけることができるからだ。 「いやああぁぁぁぁっ!!!」 親ありすが叫ぶ。 処刑台の上の親まりさはご丁寧に目の前に連れてこられた子まりさをじっと見つめていた。 「ちび……ちゃん……」 「おきゃあしゃん……っ!! おきゃあしゃん……っ!!」 風に舞う木の葉。 草木の揺れる音。 静まり返る群れ。 “れいむ”が親まりさの顔を何度も何度も踏みつける。 「ゆ゛ぶっ!! ぎゅべっ!! ゆ゛ぎぃッ?! ゆ゛ぼぉッ??!!!」 「ゆんやあああああああああああ!!!!!!」 「ちびちゃ……ゆ゛げぇ゛っ??!!!」 「まりさああああぁぁぁあぁぁ!!!!」 「ゲスはゆっくりしないでしね!!!!」 親まりさの顔が潰れ中身の餡子が飛び散った。 ぼさぼさになってしまった金髪が頭皮ごと地面にぱさりと落ちる。 飛び出した目玉がころころと転がり、子まりさの前でその動きを止めた。 “れいむ”のあんよにはべったりと餡子が付着している。 風に乗って辺りに死臭が漂い出す。 そのゆっくりできない臭いが、群れのゆっくりたちにかつてリーダーを失ったときの焦燥感をフラッシュバックさせていく。 子まりさは変わり果てた親まりさの姿を呆然と眺めていた。 穏やかな笑顔を見せてくれた母親の面影はそこにない。 ぐしゃぐしゃに潰された餡子まみれの皮が岩の上に張り付いているだけだ。 「うわああああ!!! ごろ゛じでや゛る゛ッ!!! じね゛ッ!!! でいぶぅぅぅ!!!! じね゛ぇ゛ぇ゛ッ!!!!」 親ありすが表情を破壊させながら“れいむ”に罵声を浴びせる。 “れいむ”は贈られる呪詛さえも心地よいと言わんばかりに口元を緩め、絶望に染まった子まりさの表情を眺めていた。 子まりさが一歩も動く事ができないのを確認すると“兵隊”に指示を出し、“お城”の中に運び込ませる。 “兵隊”の口に咥えられぷらぷらと揺れながら、子まりさは無言でぽろぽろと涙をこぼしていた。 その姿が親ありすの目に入る。 「はなしてえぇぇぇっ!!!」 一瞬の隙をついて“兵隊”の拘束から逃れる親ありす。 “れいむ”が振り返る。 親ありすは赤トウガラシを咥えていた。 子まりさを運ぶ“兵隊”もあんよを止めて視線をそちらに向ける。 「れいむ!! あなたなんかにすっきりー!させられるぐらいなら、えいえんにゆっくりしたほうがましよ!!!!」 「ありしゅ……おきゃ……」 「ちびちゃん。 ――――ゆっくりしていってね!!!」 親ありすが赤トウガラシを噛み潰し咀嚼する。 「むーしゃ、むー……ゆ゛があ゛あ゛ぁ゛あ゛ッ???!!!!」 顔を真っ赤にした親ありすの顔中に嫌な汗がぽつぽつと浮かぶ。 舌から全身に広がっていく熱と痛みが親ありすを蹂躙していく。 その痛みに耐えきれず、四方八方に転げ回り、何度も額を地面に打ち付ける。 半分飛び出しかけた目玉。 垂れ流される涙、涎、汗、しーしー、うんうん。 強く食いしばった歯が負荷に耐えきれず砕けて地面に落ちた。 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛!!! い゛だい゛よ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!」 ゆっくりのものとは到底思えない禍々しい絶叫が響き渡る。 「お゛ぎゃあ゛じゃあ゛あ゛ぁ゛ん゛!!!! ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」 小さなお尻をぷりんぷりんと振って抵抗をしながら叫ぶ子まりさ。 恐ろしい形相で子まりさを凝視するその姿に、大好きな親ありすの面影は微塵も残されていない。 狂ったように歪み切った顔。 親ありすは最後の最後まで愛おしそうに子まりさを見つめていた。 しかし、見つめられた子まりさは恐ろしさのあまりにしーしーを大量に漏らしてしまう。 視界が暗くなっていく。 子まりさは親ありすが最後に呟いた唇の動きを見ることもなく、気を失ってしまった。 ――――だ い す き よ 。 ま り さ と あ り す の … … ち び ち ゃ ん 。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 闇に閉ざされた空間の中に子まりさがうずくまるような姿勢で転がっていた。 泣き疲れて眠ってしまっていたのだろう。 与えられた苦痛は肉体的にも精神的にも子まりさの心の限界を超えるものだ。 目尻から頬にかけて残る涙の痕が痛々しい。 その子まりさの後頭部付近に水滴が一粒、二粒。 「……ゆ……」 もぞもぞとあんよを動かしながら体を起こす。 なかなか開こうとしない目を懸命に開いた。 それでもその瞳に光は差し込まない。 子まりさは自分がどこにいるのかわからなかった。 その場で顔をひねりきょろきょろと周囲を見回す。 一面に広がる闇。 枯れ果てたかに思えた涙が自然に溢れてくる。 そのとき子まりさの頬に何かが触れた。 「ゆぴっ!」 短く悲鳴を上げる子まりさを制するように言葉をかけられる。 「まりしゃ……あんしんしちぇにぇ……」 「ゆぇ……?」 「まだおめめがみえにゃいんだにぇ……そのうち、みえりゅようになりゅよ」 子まりさが目をこらす。 まだ暗闇に慣れていない子まりさの目に声の主は一向に視界に映し出されなかった。 目の前にいたのは子まりさよりも少し小さいくらいのサイズのありす種のゆっくり。 その後ろに隠れるような形で赤ぱちゅりーが覗き込んでいた。 「むきゅ……まりしゃはあたらしくつれちぇこられちゃのかしら……?」 「ゆ……? ゆっくちまりしゃにおしえちぇにぇ……。 ここはどきゃにゃの?」 ようやく暗闇に目が慣れてきた子まりさが再び辺りに視線を泳がせる。 突き出した岩の壁。 ごつごつした岩の隙間に隠れるように何匹か別の赤ゆの姿が見える。 声をあげないようにすすり泣いているもの。 壁に顔を向けたまま無言で震えているもの。 その様子は様々であったが、一匹たりともゆっくりできていないことだけは理解できる。 子まりさが不安そうな表情を浮かべた。 赤ぱちゅりーがずりずりとあんよを這わせ子まりさの元にやってくると、 「まりしゃのおきゃあしゃんも……“れいむ”に“れいぽぅ”されちぇしまっちゃにょ……?」 瞬間。 餡子に刻まれた記憶がよみがえる。 “れいむ”によってぐしゃぐしゃに踏み潰されていく親まりさ。 赤トウガラシを自ら口に含みその命を絶った親ありす。 そして、それを目の前に何もすることができなかった自分自身。 子まりさがカタカタと震え始めた。 ゼンマイの切れかけたオモチャのように力なく震える子まりさを見て、二匹が頬をすり寄せて慰めようとする。 質問をした赤ぱちゅりーは涙目で謝罪をしながら、 「むきゅぅ……ごめんなしゃい、ごめんなしゃい。 ぱちゅ、しょんなつもりじゃにゃかったにょ……」 泣きながら謝る赤ぱちゅりーを見て申し訳なく思ったのか、子まりさが震えを止めて二匹に向き直った。 「まりしゃも……ごめんにぇ……。 ぱちゅりー、きにしにゃいでにぇ……?」 一呼吸置いて、子まりさが二匹に質問を始める。 「ここは……どこにゃの?」 「ここは“れいむ”の“おしろ”よ……みんにゃ、つかまっちぇいりゅの……」 「“れいむ”……!!」 「むきゅ……もしかしちぇ、“れいむ”をやっちゅけようとしたちびちゃん、って……まりしゃのこちょにゃのかしら……?」 「……まりしゃは、なんにもできにゃかっちゃよ……」 赤ありすと赤ぱちゅりーが互いの顔を見合わせた後、強い意志の宿った瞳で子まりさに視線を向けた。 「ありしゅやぱちゅのおきゃあしゃんたちが、“れいむ”にまけちゃうのは、ありしゅたちがここでちゅかまっちぇいりゅから にゃの……」 悲しみに暮れようとしていた子まりさが思い出していく。 あの時、確かに群れのゆっくりたちは両親に助け船を出そうとしていた。 それを見た“れいむ”は“お城”の中から赤ゆを咥えてきている。 すると攻撃を仕掛けようとしていたゆっくりたちはピタリとあんよを止めてしまった。 二匹の言うことは正しいのだろう。 一瞬だけ。 ほんの一瞬だけ、両親が殺されてしまった原因の一つが捕らわれの赤ゆたちだと気づき憎しみの感情がわいた。 しかしそれを責めることなどできない。 好きでこんなところにいるわけでもないだろうし、何より自分も今捕まってしまった。 苦しめ続けられている群れのゆっくりたちにとっての足かせになってしまったのだ。 「だかりゃ、にぇ?」 赤ありすと赤ぱちゅりーが顔をずいっ、と寄せて子まりさに告げた。 「ありしゅたちが……“れいむ”をやっちゅければいいのよ……」 表情は興奮している様子だったが大声を出せば“れいむ”に気づかれてしまう。 必死に声を抑えながら、それだけを子まりさに囁く。 「むきゅぅ……ぱちゅたちとかわらにゃいくらいのちびちゃんが、“れいむ”にむきゃっていったときいちぇ……きめちゃのよ ……」 「それはできにゃいよ」 ばっさりと斬り捨てる子まりさの一言に二匹が顔をしかめた。 「“れいむ”にはまりしゃたちみちゃいな、ちいしゃいゆっくりだけじゃ、じぇったいにかちぇにゃいよ」 「ゆぅ……」 赤ありすがしょぼくれる。 赤ぱちゅりーも諦めたように表情を曇らせた。 「だかりゃ……まりしゃたちをたしゅけちぇくれりゅ、みかたをつくらにゃいといけにゃいよ」 「「みかた……?」」 子まりさの言葉に二匹が口を揃えて問い返す。 「ときゃいはじゃにゃいわ……みんにゃ、“れいむ”にはさきゃらえにゃいわよ……」 「だから……“れいむ”のこちょをしらにゃい、ゆっくりにたしゅけちぇもらえばいいんだよっ」 キリッとした表情で子まりさが自分の意見を述べる。 「むきゅぅ……にゃにをいいだしゅのかちょおもえば……」 「まりしゃ? この“おしろ”からはでられにゃいのよ……。 もしでられちゃとしちぇも……おそとには“へいたい”しゃん がいるわ……」 反論する二匹の表情が暗闇の中でぼんやりと浮かぶ。 「さっきからうるさいよ。 ばかなの? しぬの?」 少し離れた位置から声が聞こえてきた。 空気がピンと張り詰めていくのが理屈でなく直感でわかる。 “れいむ”の声だ。 怯えて声の主へと顔を向けることができない赤ありすと赤ぱちゅりーをよそに、子まりさはじっと一点を睨みつけていた。 その視線の先には大好きな両親を死に追いやり、群れのゆっくりをゆっくりできなくさせているすべての元凶。 視線を外そうとしない子まりさの顔を見ながら二匹はなおも震えている。 こんな態度を取っていれば只では済まされない。 それを理解しているからこそ沸き上がる感情だった。 「ちびちゃん」 子まりさが一歩あんよを踏み出す。 「れいむがきらい?」 予想だにしない質問に思わず歯を食いしばる子まりさ。 それを見た“れいむ”が下卑た笑みを浮かべる。 「ちびちゃんのやさしいおかあさんを、えいえんにゆっくりさせてごめんねっ?!」 ゲラゲラと笑いながらそれだけ告げた。 「ゆがあああっ!!!」 雄叫びを上げて“れいむ”に飛びかかる。 子まりさの体当たりが“れいむ”の頬に当たるも当然びくともしない。 まるでまとわりつくハエを払うかのように子まりさを咥えて地面に投げる。 「ゆぴゃっ!」 子まりさの悲鳴に二匹がしーしーを漏らし始めた。 「ゆぐぅうぅ・・・っ」 「ゆっくちしんじぇにぇっ!!」 起き上がろうとした子まりさの周囲で蠢いている何かがそう叫んだ。 その正体は数匹の赤れいむたちである。 赤れいむたちは次々に子まりさに体当たりを仕掛けた。 からみつくように四方から攻撃される子まりさは身動きが取れない。 「ちびちゃん。 れいむのかわいいかわいいちびちゃんたちを、ひとりでもえいえんにゆっくりさせたら・・・こっちのちびち ゃんたちをえいえんにゆっくりさせるからね・・・?」 そう言った“れいむ”の傍らには赤ありすと赤ぱちゅりーがいた。 泣きながら子まりさを見つめている。 子まりさは歯を食いしばり赤れいむたちの攻撃を受け始めた。 子ゆと赤ゆでは大きさにそれほどの差はない。 その上、数匹がかりで飛びかかってこられては子まりさの受けるダメージも予想以上に大きく、ぶつかられた箇所がうっすらと 腫れていく。 自分よりも遙かに体の小さな赤ゆに痛めつけられる子まりさ。 「ゆっゆーん! れーみゅはちゅよいんだよっ!!」 「れーみゅたちよりも、おっきいまりしゃなんきゃにもまけにゃいよっ」 「れーみゅたちがきょわくて、まりしゃはにゃんにもできないんだにぇっ!!!」 嬉々として子まりさに襲いかかる赤れいむたちが口々に勝手なことを繰り返す。 子まりさがちょっとジャンプして踏みつければ即座に潰れて死んでしまう程度の存在が、まるで自らを最強の種族と言わんばか りに高笑いをする。 子まりさへの蹂躙は、赤れいむたちが疲れて寝息を立て始めるまで続いた。 薄汚れた赤れいむたちのあんよで顔を泥だらけにされた子まりさが俯いている。 「げしゅな……まりしゃを……やっちゅけ……むーにゃ、むーにゃ……」 夢の中ででも悪の子まりさを制裁する自分に酔っているらしい。 涎を垂らしながらヘラヘラと笑う赤れいむたちの顔はその筋の人間が一目見れば、たちまちこの場を地獄絵図に変えてしまうほ ど醜悪なものだった。 「ゆふふ……ちびちゃんたちとあそんでくれて、ゆっくりありがとう」 “れいむ”が赤ありすと赤ぱちゅりーを解放して子まりさの元へとあんよを向ける。 「……あしたも、よろしくね」 ギリギリと歯を食いしばる子まりさ。 そして。 「……やっと、ありしゅとぱちゅりーをはなしちぇくれちゃにぇ……」 「……ゆ?」 「ゆっくちしにぇっ!!!」 叫んで飛び上がる。 “れいむ”が目を丸くした。 それは子ありすと子ぱちゅりーも同じである。 「ゆぴー……ゆぴぶりゅぇ゛ッ??!!!」 ひと思いに。 あんよを踏み抜く。 赤れいむの餡子がどろりと地面に飛び出る。 水たまりのように広がる餡子の上に、子まりさがいた。 「ま……まりしゃ……」 がたがた震えながら赤ありすが子まりさを見上げる。 そのとき、“お城”の中がうっすらと明るくなった。 雲に隠れていた月が顔を出し、その光が岩の裂け目から入ってきたのだ。 子まりさはその一点を見つめている。 「この……くそちびがぁぁぁっ!!!!!」 気が狂ったように絶叫する“れいむ”。 それに呼応するかのように“お城”の外を見張っていた“兵隊”ゆっくりが六匹ほど入ってくる。 捕らわれの赤ゆっくりたちも一様に飛び起きた。 両者の視界に飛び込んだのはあまりにも意外な光景である。 般若のような表情の“れいむ”。 原型を失いひしゃげて動かなくなった赤れいむ。 その上で暴君を睨み上げる子まりさ。 差し込む光の角度はまるで三者の姿をその場にいた者に見せつけるかのように伸びていた。 「みんにゃっ!!! ゆっくちきいちぇにぇっ!!!!」 子まりさが高らかに声を上げた。 まどろみの赤れいむたち。 飛び起きた数多の赤ゆっくり。 呆然と立ち尽くす六匹の“兵隊”ゆっくりたち。 凄まじい形相で子まりさを睨みつける“れいむ”。 子まりさの言葉は捕らえられていた赤ゆっくりたちに向けられたものだ。 「まりしゃが・・・まりしゃが、じぇったいにみんにゃをたしゅけちぇあげりゅよっ!!!」 刹那。 “お城”の中に突風が舞い込んだ。 入り口から吹き込んだ強烈な風は子ゆっくりたちや赤れいむをころころと転ばせた。 子まりさが起き上がった瞬間、声が響く。 「まりしゃぁっ!! そこのあなしゃんからおしょとにでれりゅかもしれにゃいわっ!!!」 “兵隊”たちも“お城”の中だ。 赤ありすの言葉に子まりさが意を決する。 月の光が差し込む岩の裂け目に向かって、傷ついたあんよを蹴る。 「ぴょんぴょんしゅりゅよっ!!!」 「ゆゆっ!! みんな!! あのくそなまいきなちびをつかまえてね!! すぐでいいよっ!!!!」 “れいむ”の指示に“兵隊”たちが一斉に動き出す。 しかし。 「は・・・はなすのぜっ!!! なんなのぜっ??!!!」 「はなすんだみょぉぉぉん!!!!」 “兵隊”たちの髪の毛や皮に噛みついて動きを制しているのは赤ゆっくりたちだ。 “れいむ”が歯ぎしりをする。 「ゆっくちがんばりゅよっ!!!」 「まりしゃっ!! ちぇんたちのぶんまじぇ、がんばりゅんだにぇーー!!!」 赤ゆっくりたちが懸命に“兵隊”たちを抑えつけ、“れいむ”に対して威嚇を行う。 “れいむ”は激怒した。 しかし、目の前にいるのは群れを支配する為の盾だ。 易々と潰すことはできない。 “お城”の中に捕らわれている赤ゆっくりたちを大量に潰されてしまったとあれば、親ゆっくりたちは死なばもろとも最後の抵 抗を見せるだろう。 「ゆ゛んぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ッ!!!!」 岩の裂け目に到達した子まりさが“お城”の内部を見下ろす。 「ゆっゆっおー!」 「えいえいゆー!!」 どの赤ゆっくりたちも必死に戦っていた。 “兵隊”の一匹も倒すことはできないが、子まりさを“お城”の外に逃がすという目的だけで。 そして、赤ゆっくりたちはその戦いに勝利した。 子まりさは月の光に照らされている。 「みんな……ッ!!!」 “お城”の中のゆっくりたちが一斉に子まりさを見上げた。 「ゆっくち……ありがとうっ!!!!」 そう言い残して裂け目から出て行く子まりさ。 脇目もふらずに岩肌を駆け降りる。 固い岩を蹴ってあんよが痛みを訴えていたが気にしない。 自分を逃がすために命を賭してくれた仲間のためにも、弱音を吐くわけにはいかなかった。 月夜の森が子まりさを妖しく迎え入れる。 振り返ることもせず。 ただひたすらに。 「ゆっくりまつのぜ!!!」 「にがさないんだねー!!!」 「つかまえるみょんっ!!!」 追っ手が差し向けられたらしい。 まりさ種、ちぇん種、みょん種。 いずれもゆっくりたちの中では攻撃・移動に特化したメンバーだ。 子ゆっくりと成体ゆっくりというハンデを抜きにしても、この難を乗り切ることは厳しい。 それでも、子まりさはあんよを蹴り続ける。 目の前に川が飛び込んできた。 (そんにゃ……っ!!!) 「ゆっくりしねぇっ!!!」 “兵隊”まりさによって体当たりを受ける子まりさ。 宙に投げ出され草むらの上をごろごろと転がる。 ぶつかられた拍子に脱げてしまった帽子が川の端に着水した。 逆さになって水に浮かぶ帽子を見た子まりさが、反射的にその上に飛び乗った。 「ゆゆゆゆぅぅぅぅぅぅッ??!!!」 野生の水上まりさはなかなかお目にかけることはできない。 三匹の“兵隊”たちは水に浮かぶ帽子の上に乗るまりさ種を初めて見た。 ちぇんやみょんが、恐る恐るあんよを水につけるがとてもじゃないが無事でいられるようには思えない。 下流に向かって流されていく子まりさ。 ここに来るまでの疲労。 先ほど受けたまりさの体当たりなどにより満身創痍の子まりさは眠るようにその瞳を閉じた。 水の流れる音が心地よい。 どんどん小さくなっていく水上の子まりさを見つめながら呆然となる“兵隊”たち。 「ど……どうするのぜ?」 「わかるよー……あのちびちゃんは、かわにおちてえいえんにゆっくりしたことにするんだねー」 「さすが、ちぇんだみょん!!」 夜の冷たい風が子まりさの頬をそっと撫でる。 まるで、今はもういなくなってしまった親まりさと親ありすにすーりすーりをしてもらっているかのような感触に、子まりさは 思わず口元を緩めた。 【 chapter 3 「森の賢者」 】 「むきゅー……。 おかあさん。 このちびちゃんはだいじょうぶかしら……?」 「けがをしているようだけれど、えいえんにゆっくりしてしまうようなことはないわ……。 ちびちゃんがそばにいてあげてね」 「むきゅ……。 おかあさん。 ぱちゅ、もう、ちびちゃんじゃないよ……」 「むきゅきゅ。 それじゃあ、よろしくね。 ちびちゃん」 淀み、濁った意識の中に聞いたことのない声が届く。 子まりさは葉っぱで作られた布団の上に寝かせられていた。 重い瞼を開けることはできなかったが、自分の周りをずーりずーりと這う何者かの存在を感じる。 その正体は一匹のぱちゅりーだ。 まだ成体ゆっくりになったばかりのぱちゅりー。 子まりさよりも少し早く生まれたのだろう。 時折、子まりさの頬をぺーろぺーろしたり、顔色を窺ったりしている。 「ゆ……」 微かに子まりさのお下げが揺れた。 その反応を見たぱちゅりーが懸命に声をかける。 「むきゅっ! まりさ! まりさ! ゆっくりおきてね!」 今度ははっきりと声が届く。 子まりさがゆっくりと目を開いた。 それを見たぱちゅりーが嬉しそうに微笑む。 そんなぱちゅりーをようやく視界に入れた子まりさは安心したのか思わず。 「ゆ……まりしゃは……おなかがすいちゃよ……」 「わかったわ。 ちびちゃん、すこしだけまっていてね。 いまからぱちゅがおかあさんをよんでくるから」 「ゆぁ……」 ぴょんぴょんと飛び跳ねるぱちゅりー。 病弱で有名なぱちゅりー種にしては比較的元気な個体のようである。 それよりも、子まりさは“お母さん”という単語に反応し、小さな体をぷるぷると震わせていた。 目の前で非業の死を遂げた最愛の両親。 “お城”の中で自分を助けてくれた子ゆっくりたち。 全ての元凶である“れいむ”。 キリッとした表情のまま子まりさの頬を涙が伝う。 無言で涙を流す子まりさの元にぱちゅりー親子がやってきた。 子まりさの様子を見たぱちゅりーがぴょんぴょんと飛び跳ねて頬をすり寄せる。 「むきゅぅ……だいじょうぶかしら……? どこかいたい……?」 子まりさは何も答えない。 ぱちゅりーは悲しそうな顔で子まりさを見つめていた。 ずりずりとあんよを這わせ、少し皮の張りが衰えたもう一匹のぱちゅりー種が寄ってくる。 老ぱちゅりーは、子まりさの目の前に移動するとにっこりと微笑んだ。 「ちびちゃん。 なにもしんぱいしなくてもいいわよ。 ここにはちびちゃんをゆっくりできなくさせるような、わるいゆっく りはいないわ……」 「……まりしゃは……」 「「?」」 「まりしゃは……おかあさんたちを……えいえんにゆっくりさせられちぇ……。 ゆぐっ……ひっく……」 自分のこれまでを振り返るように呟く子まりさに、ぱちゅりーと老ぱちゅりーが思わず互いの顔を見合わせる。 「まりしゃを……“おしろ”からにがそうとしちぇ……みんにゃががんばってくれちぇ……」 流れ続ける涙。 「みんにゃ……すごく……ゆっくりしているゆっくりなのに……“れいむ”みたいな、わるいゆっくりのせいで……」 「ちびちゃん……。 よければ、ぱちゅりーにくわしいおはなしをきかせてもらえないかしら……?」 老ぱちゅりーが諭すように囁く。 子まりさはしばらく嗚咽を繰り返した後、顔を小さく縦に振った。 “れいむ”によって支配された群れ。 捕らわれの子ゆっくり。 目の前で殺された親まりさ。 自ら赤トウガラシを口に含みその命を絶った親ありす。 赤れいむたちによる集団リンチ。 “お城”からの脱出。 そして、何よりも強い想い。 「まりしゃは……“れいむ”をやっつけて、あのもりでみんなといっしょにずっとゆっくりしていきたいよ……っ!!!」 話を聞いていたぱちゅりーは目に涙を浮かべていた。 老ぱちゅりーも居た堪れない表情をしている。 泣きながら言葉を紡ぐ子まりさの意思は強いのだろう。 しかし、たった一匹で群れを支配するような“れいむ”に体の小さな子まりさが太刀打ちできるはずがないのだ。 大袈裟な言い方をすれば、蟻が象に戦いを挑むようなものである。 「ちびちゃん……?」 「まりしゃはまりしゃだよっ!! ちびちゃんじゃないよ!!!」 泣きながら叫ぶ。 自分とまったく同じことを言っている子まりさに思わず顔を赤らめて老ぱちゅりーの表情を窺うぱちゅりー。 老ぱちゅりーはクスリと笑った。 「むきゅきゅ……。 ごめんなさいね、まりさ。 たしかにあなたはちびちゃんじゃないわ」 「むきゅぅぅぅ?! どおしてぇ? ぱちゅだって、もうちびちゃんじゃないわよぉぉぉ!?」 本当に元気なぱちゅりーだ。 群れの中のぱちゅりーはみんな暗い表情をしていたように思う。 今にして思えばあれは“れいむ”によって支配されていたからだったのだろうか。 子まりさは百面相のように表情を次々に変える年上のぱちゅりーを見て思わず笑みを浮かべてしまった。 ぱちゅりーが目ざとくそれに気付く。 「むっきゅーー!! ちびちゃん!! いま、ぱちゅをわらったでしょ?! ぷんぷん!!!」 「ゆっくり……ごめんなしゃい」 「まだ、ちびちゃんことばもぬけてないのにぃぃぃ」 「……ゆふふ」 子まりさの笑顔を見て老ぱちゅりーが安心したような表情に変わる。 ぱちゅりー親子のおうちは穴を掘って作られたシンプルな巣穴だ。 巣穴の外は、子まりさが“お城”を脱出した時から丸一日が経過しているのか薄暗くなってきている。 三匹は少し早目の晩御飯を食べた。 夕食に出された芋虫を咀嚼しながら、お土産と称して親まりさが食べさせてくれた芋虫を思い出してまた泣きそうになったが、 ぱちゅりー親子に心配をかけるまいと堪えた。 「むーしゃ、むーしゃ……しあわせぇぇぇ!!!」 食事中、涙目になっての幸せ宣言。 嬉し涙を装い、子まりさは与えられた食事を次々に口の中に入れていった。 悲しみの涙を誰にも悟られるようなことがないように。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 「せっせ! せっせ!」 サッカーボールほどの大きさにまで成長したまりさが森を駆け抜ける。 帽子の中には大量のキノコや芋虫が入っていた。 “お城”を脱出してから既に一月ほどが経過している。 ぴょんぴょんと力強く飛び跳ねながらぱちゅりー親子の巣穴へと向かう。 まりさはそこに居候をしていたのだ。 本当ならすぐにでも群れに引き返して“れいむ”を倒したいところだが、老ぱちゅりーによって制されていた。 “あなたのおかあさんたちが、いのちをかけてまもった、あなたじしんを……たいせつにしなさい” それを言われると言葉を返すことができなかった。 しかし、いつまでもこの巣穴で暮らしているわけにはいかない。 だから決意した。 “まりしゃが、もっとおおきくなっちゃら……じぇったいに“れいむ”をやっちゅけにいくよ!!!” 老ぱちゅりーは呆れたような顔をして何も言葉をかけてはくれなかった。 その日以来、まりさと老ぱちゅりーの会話が少なくなる。 板ばさみにされたぱちゅりーは戸惑うばかりだ。 まりさは毎日森に出かけて狩りをするようになった。 たくさん食べて早く大きくなること。 少しでも体を鍛えて“れいむ”に対抗するだけの力を身につけること。 無言で自分をおうちに置いてくれているぱちゅりー親子に美味しいものを食べさせてあげること。 理由はいくつかあれど、やはり最大の目的は“れいむ”打倒の下準備なのである。 あれから月日も流れ、体のサイズだけは“れいむ”と同じくらいにまで成長した。 毎日強く地面を蹴っているあんよの皮もちょっとやそっとでは傷つかない。 少なくとも小石を踏んだくらいで転げまわるようなヤワなゆっくりのあんよとは違う。 それでも、まりさはまだ“れいむ”を倒せるとは思っていない。 “れいむ”の顔には無数の傷がついていた。 多くの修羅場をくぐりぬけてきた証だろう。 それに比べて自分の顔のなんと綺麗なことか。 狩りは、食料に対しての一方的な暴力でしかない。 まりさには実戦経験が明らかに不足している。 百戦錬磨の“れいむ”を相手に満足のいく戦いができるはずがないのだ。 だからと言って、ぱちゅりーを相手に喧嘩の練習をするわけにはいかない。 元々ぱちゅりー種は大人しいゆっくりだ。 巣穴の中のぱちゅりーも、まりさが採ってきたキノコをもそもそと食べては老ぱちゅりーとお喋りをし、一日を終える。 「ゆっくりただいま!!」 「むきゅ。 ゆっくりおかえりなさい」 「きょうはたくっさんっ、きのこさんがとれたよ!!」 「おいしそうなきのこさんね。 まりさ、いつもありがとう……」 「ゆゆっ! まりさはぱちゅりーたちにおせわになっているんだから、とうぜんだよっ!!」 「むきゅぅ……ぱちゅのことは、ぱちゅとよんでちょうだい」 「ゆっくりりかいしたよ、ぱちゅりー」 「むっきゅぅぅぅぅぅ!!!」 ぱちゅりーは他のぱちゅりー種に比べれば活発なほうだった。 お姉さんぶって失敗することのほうが多く、まりさにもこうしてよくからかわれている。 老ぱちゅりーは頭の良いゆっくりのようだったが、子供のぱちゅりーにはあまり受け継がれてはいないようだ。 とは言ってもまりさよりは多くの知識を身につけている。 まりさはぱちゅりーとの会話の中で多くのことを学んだ。 その際に何度かぱちゅりーに“れいむ”を倒す方法について聞いてみたが答えは返ってこなかった。 「ぱちゅりー……。 ぱちゅおばさんはゆっくりできてる……?」 夕食の準備をしながらまりさがぱちゅりーに問いかける。 ぱちゅりーは黙って顔を横に振った。 老ぱちゅりーは天寿を全うしようとしていたのである。 短命な上にあらゆる死亡フラグを立て続けるゆっくりが、寿命で永遠にゆっくりしてしまうということは自然界では珍しい。 奇跡と言っても過言ではないだろう。 老ぱちゅりーはいつの頃からか眠っている時間が長くなった。 朝、目覚めの挨拶をしてもなかなか返事をしてくれない。 誰も何も言わなかったが、それぞれがどういうことかを理解していた。 老ぱちゅりーは自分の死期が近いことを。 ぱちゅりーは母親との別れが近いことを。 まりさは老ぱちゅりーがそう遠くないうちに永遠にゆっくりしてしまうのだろうということを。 「まりさ、がんばってごはんさんをたくさんとってくるよ。 だから、ぱちゅりーもげんきだして……ね?」 「むきゅ……ありがとう」 ぱちゅりーがわざと明るく振舞っていることにまりさは気づいている。 それが痛々しくて見ているのが辛い。 まりさはぱちゅりーから顔を背けながら葉っぱの上に芋虫やキノコを乗せていった。 「げほっ、げほっ……」 巣穴の隅で壁によりかかるような姿勢で眠っている老ぱちゅりーが時々咳き込む。 元から決して良いとは言えない顔色も心なしか悪くなってきている。 ぱちゅりーはまりさには絶対に悟られないように涙を浮かべていた。 「…………」 まりさはそんなぱちゅりーの後姿を見つめている。 理解していた。 ぱちゅりーが泣きたくて仕方がないのをずっと我慢していることを。 共に過ごした時間は短いが、まりさにはぱちゅりーの気持ちが分かる。 大好きな親を失う悲しみ。 心の中に風穴が開くかのような感覚は大切な何かを失った者にしか分からない。 それでもまりさはぱちゅりーに対して声をかけなかった。 本当なら優しい言葉の一つでもかけてあげるのが普通なのかも知れない。 しかし。 その悲しみを理解するまりさだからこそ、かける言葉が思いつかなかったとも言える。 まりさの言葉はぱちゅりーの心の奥深くにまでは届かないだろう。 「ぱちゅりー。 いっしょにごはんさんをむーしゃむーしゃしようね」 「ゆっくりりかいしたわ」 まりさにできることはあくまでぱちゅりーと自然に接することだけだ。 「むきゅ……。 まりさのとってくるごはんさんがどんどんふえていくわね」 「ぱちゅりーのおかげだよ。 ぱちゅりーがまりさにいろんなことをおしえてくれるからだよ」 「まりさ。 たまには……ぱちゅがきいてみてもいいかしら……?」 「ゆん? なに……?」 「……おかあさんが、えいえんにゆっくりしてしまったときは……かなしかった……?」 「…………!」 ぱちゅりーは真っ直ぐにまりさを見つめたまま動かない。 まりさもぱちゅりーの真剣な表情から冗談でこんなことを聞いているわけではないということに気付く。 いろんなことを知っていても、分からないのだろう。 当然だ。 かけがえのない存在を失うということの悲しみは経験して初めてわかるものだ。 それは知識として得るものではない。 どれだけ勉強をしても、決してわからないことがたくさん世の中にはある。 「ゆげぇっ!!! えれえれえれ……ッ!!!!」 老ぱちゅりーが辛そうに咳き込んだ後、その仲間を吐き始めてしまった。 まりさとぱちゅりーが互いの顔を見合わせる。 すぐに老ぱちゅりーの元へと駆け寄った。 まりさが俯く。 両親のことを思い出しているのだろう。 唇を噛み締めたまま、まりさはぱちゅりーの後ろをついていった。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 「ぱちゅりー……」 「むっきゅうぅぅぅ!! おかあさん!! おかあさん!!!」 弱々しくぱちゅりーを見つめる老ぱちゅりーの瞳。 老いのせいか少しだけ濁っているように見えるが、凜としたその眼差しはぱちゅりーを捕らえてしっかりと離さない。 ぱちゅりーは泣きながら老ぱちゅりーの頬にすーりすーりしたり、ぺーろぺーろしたりしている。 その様子を見てまりさが静かに目を閉じた。 不謹慎にも、“ぱちゅりーは幸せだな”などと思ってしまう。 まりさにはできなかったのだ。 親まりさにも親ありすにも、永遠の別れを嘆いて頬をすり寄せることや最期の言葉を交わすことが。 老ぱちゅりーはまりさに視線を移した。 瞬間、その瞳に吸い込まれるような錯覚を覚え、老ぱちゅりーから視線を外せなくなる。 森の賢者の瞳に、世界はどのように映し出されていたのだろうか。 最愛のぱちゅりーと共に二匹だけで過ごす決して長くはない時間。 「まりさ……ぱちゅのこえが……きこえるかしら……?」 静かに語りかけてくる。 「“れいむ”をやっつけようとするのは、やめなさい」 「?!」 まりさもそうだが、ぱちゅりーも目を丸くして老ぱちゅりーを見つめていた。 まりさがぴょんぴょんと老ぱちゅりーの元に駆け寄る。 今にも消え入りそうな命がつぶやくように言葉を繋いだ。 「“れいむ”にはかてないわ……あなたの、おかあさんの、おかあさん……。 ぱちゅのしっているかぎりで、もっともつよく てやさしい……あのむれのリーダーだったまりさ……」 「なにを……いっているの……?」 「あのまりさですら……“れいむ”にはかてなかったのだから……」 訝しげな視線を向けるまりさに淡々と昔話を語って聞かせる老ぱちゅりー。 「ぱちゅは……あなたとおなじむれでくらしていたのよ……」 「……?!」 「リーダーだったまりさと、およめさんのちぇん。 ふたりがまとめていたむれは、ぱちゅたちにとって、じまんの“ゆっくり ぷれいす”だったわ」 「まりさのおかあさんの、おかあさんが……むれの……リーダー……?」 「むきゅ……そうよ」 「まりさおかあさんも、ありすおかあさんも……そんなこと……いってないよ……?」 在りし日の両親の姿が瞼の裏から蘇る。 そういうことだったのだろうか。 群れのどのゆっくりも手を出せない状況の中で、それでも“れいむ”に挑み倒そうとしたの両親の行動は。 「……あなたのおかあさんがまだちびちゃんだったころ、おうちのなかでまいにちないていたわ」 「……どうして……?」 「リーダーのまりさが、“れいむ”とたたかっているとき、じぶんはこわくてなにもできなかった、って。 いっしょにたたか っていれば、“れいむ”をやっつけることができたかもしれないのに、って……」 「…………ゆぁ…………」 同じだった。 まりさも、目の前で親まりさがいたぶられている時、何もできない無力な自分を呪っていた。 「まりさも……おかあさんとおなじだよ……」 「……それはみんなおなじなのよ……。 “れいむ”におびえてリーダーといっしょにたたかうことができなかった。 ……こ ろされるのは、ほんとうにこわいことだから」 まりさとぱちゅりーが息を呑む。 老ぱちゅりーの言葉は二匹の心の奥深くを抉るに十分な迫力を持っていた。 まりさは考えていなかったのだ。 “れいむ”を倒すということ以外を。 “れいむ”に負けてしまった場合のことなど考えていなかった。 戦いに負ければ、自分は惨たらしく殺されるだろう。 まりさの体が一瞬だけ、ぶるっと震えた。 老ぱちゅりーはそれを見てにっこりと笑う。 「こわいでしょう……?」 「…………」 無言のまま、まりさが頷く。 「……それでいいのよ。 しんでしまうのはだれだってこわいわ。 ……ぱちゅだって、いま、こわくてたまらないのよ……?」 「……おかあさんっ!」 ぱちゅりーが叫ぶように老ぱちゅりーに呼びかける。 「まりさ。 こわがることは、すこしもはずかしいことじゃないのよ……?」 「……でも、……でもっ!」 「……こわがったうえで、“れいむ”にたたかいをいどみなさい」 まりさとぱちゅりーの動きが止まった。 老ぱちゅりーはまりさが無策で“れいむ”に戦いを挑もうとしていることを憂いていたのだ。 無謀と勇気は違う。 “れいむを倒す”ために戦うのではなく、“生き残る”ために戦うのだ。 その二つは似ているようで決定的に違う事だった。 まりさがしょぼくれた表情に変わる。 それを見た老ぱちゅりーは「むきゅきゅ」と笑いながら、なおも消え入るような声で言葉を紡いだ。 「がんばって。 ……“こわい”とおもいながらたたかうことができれば、きっとむちゃなことはしないはずよ。 それができ なければ、“れいむ”にかつことはできない……」 「……“れいむ”は、“こわい”なんておもってないのかな……? もし、そうなら……」 「いいえ。 “れいむ”はこわがりよ」 「?」 「こわがりだからこそ、“れいむ”はとてもつよいのよ……。 なにかおもいあたることはないかしら?」 まりさが思考を巡らせる。 群れのゆっくりたちに作らせた“お城”。 それを守る“兵隊”。 人質として捕まえた子ゆっくり。 まりさが悟ったように小さく頷いた。 それを見た老ぱちゅりーが満足気な笑みを返す。 「む゛ぎゅっ!!! げほっ!! げほっ!!!」 「お……おかあさん!!!!」 勢いよく咳き込む老ぱちゅりーに頬をすり寄せながらぱちゅりーが叫ぶ。 「むきゅ……きゅ。 ぱちゅは、しあわせなゆっくりだったわ……」 「むきゅうぅぅぅぅん!!! “だった”ってどういうことなのっ? ずっと、ずっと、しあわせなおかあさんでいてよぉぉ!!」 「ぱちゅりー……。 あなたも、……しあわせに。 ……ゆっくりしていってね……?」 「おかあさあああああん!!!!!」 「……まりさ」 ゆんゆんと大声で泣き続けるぱちゅりーをなだめながら、まりさに向けて唇を動かす。 「ぱちゅりーのことを、よろしくね」 「……ゆっくりりかいしたよ」 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― まりさとぱちゅりーは老ぱちゅりーの墓を作ってあげた。 二匹で一生懸命に小さな穴を掘って、その中に老ぱちゅりーの亡骸を収めた。 土をかぶせた後も、その場を凍りついたように動こうとしないぱちゅりー。 地面に頬をすり寄せては大粒の涙をこぼす。 寂しくて、寂しくて、堪らないのだろう。 まりさが声をかけてもぱちゅりーはそこを動こうとしない。 ぱちゅりーの気持ちが分かるからこそ、まりさは無言のまま巣穴へとあんよを向けた。 巣穴の中に集めていた食料を葉っぱでくるんだものをいくつか用意して、帽子の中に器用に入れて行く。 まりさは“れいむ”を倒すべく、あの森に帰ることを決意したのだ。 自分用に残していた芋虫を口の中に入れる。 それを飲み込んだ後、お決まりのセリフも言わずに巣穴の入り口へと這って進む。 「どこにいくの……?」 巣穴を出た瞬間、ぱちゅりーに声をかけられる。 泣き腫らした目でまりさを凝視するぱちゅりー。 「……まりさは、まりさたちのくらしていたもりに、かえるよ」 「……ぱちゅは?」 「ゆ?」 「むきゅぅ……。 ぱちゅのおかあさんにいわれなかったかしら……? ぱちゅのことを、よろしく、って」 「……“れいむ”はつよいよ。 ぱちゅりーをきけんなめにあわせたくないから、いっしょにいくことはできないよ……」 「まりさ」 ぱちゅりーは真剣な眼差しをまりさに向けていた。 まりさも、目を離したりはしない。 ぱちゅりーは老ぱちゅりーの墓を振り返ると、 「……まりさたちのむれでは……みんな、ぱちゅみたいにかなしいおもいをしているんでしょう……?」 「……そうだよ」 「それじゃあ、ゆっくりできないわね」 「……そうだよ」 ぱちゅりーがまりさへと向き直る。 「ぱちゅもいっしょにいくわ」 譲るつもりはないらしい。 「おかあさんがいっていたこと……」 かつてのリーダーを助けてあげられなかったこと。 老ぱちゅりーはずっと後悔し続けていた。 群れから、“れいむ”から、たった一匹逃げ出したことを。 ぱちゅりーはまりさの群れとは何の関係もないはずだ。 それでも、まりさと共に行こうとするのは母の遺志を継ぐためだろう。 老ぱちゅりーは、まりさに“れいむ”と戦うように言った。 まりさなら、それができると。 それがどういうことか。 老ぱちゅりーにとっても、“れいむ”打倒は悲願だったのだ。 「おかあさんがかなえられなかったねがいを……ぱちゅがかなえてあげたいわ」 過去、“れいむ”に挑んだゆっくりたちは例外なく戦いに敗れ、永遠にゆっくりさせられてしまった。 かつてのリーダーまりさも。 親まりさも。 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 親子三代にわたる因縁のゆっくりである“れいむ”を討つべく、まりさは群れが暮らす森へとあんよを向ける。 その後ろをぱちゅりーがずりずりとついていく。 程なくしてまりさが流されてきた川へとたどり着いた。 目指すべき場所はこの川の向こうだ。 ぱちゅりーはまりさに川の上流へと向かうように伝えた。 ぱちゅりー曰く、上流に水深の浅い場所があり水面から顔を出した石の上を飛んで渡ることができる場所があるらしい。 二匹は並んで川沿いにあんよを進めた。 普通のぱちゅりー種であればこれほどの距離を進んできた時点で体力を使い果たしていてもおかしくないはずだが、意外なこと に平気そうな顔をしている。 水の流れる音を聞きながら真っ直ぐに進む。 出発してからそれほど時間は経過していないが、二匹はお互いに一言も口を利いていなかった。 ぱちゅりーの前を行くまりさは無言のままひたすら前へ、前へと進んで行く。 「…………」 特有のジトッとした目つきでその後ろ姿を見つめるぱちゅりー。 その表情は少しずつ訝しげなものに変わっていく。 ずりずりとあんよを這わせ続けるまりさ。 仮に今、ぱちゅりーがあんよを止めたとしてそれに気付くだろうか。 まりさは明らかに余裕を失っていた。 ただ一点を見つめて離さない。 ぱちゅりーはまりさの後ろで小さく溜め息をついた。 意を決して声をかける。 「まりさ」 呼ばれたまりさが一瞬だけビクッ、と体を震わせて振り返る。 少し強張った表情。 額にうっすらと浮かぶ汗。 定まらない視点。 「……どうしたの?」 努めて冷静に答えたつもりなのだろうが、その声は上ずっている。 まりさは不思議そうにぱちゅりーの顔を覗きこんでいた。 「むきゅ。 ちょっとだけきゅうけいしましょう?」 一瞬だけ間を置いた後、ぱちゅりーの申し出を承諾するまりさ。 休憩すらも聞き入れないような状態だったとしたらどうしようかと考えていたぱちゅりーが少しだけ表情を緩める。 「ぱちゅりー。 おうちからごはんさんをもってきたよ。 ゆっくりむーしゃむーしゃしようね」 「むきゅきゅ。 ゆっくりりかいしたわ」 声をかけられれば冷静になれるのだろう。 それならば少しはマシというものである。 しかし、やはりナーバスになっているのかキノコを口の中でもぐもぐさせていても、まりさの表情は固まったままだ。 ぱちゅりーが心配そうにそれを見つめる。 それに気付いたまりさが口を開いた。 「どうしたの……?」 「……むきゅう。 まりさ? おちついてきいてちょうだいね?」 「ゆっくりわかったよ」 「まりさ……すこしだけ、あわてていないかしら?」 「……まりさが?」 「むきゅん」 まりさは少し考え込むような仕草を取った。 これで思い当たる節がないと言うなら少し落ち着かせなければならない。 そんな事を考えているぱちゅりーに向けて、まりさは照れ笑いをしてみせた。 「ゆふふ。 そうだね。 もう、かわのむこうがわにわたることしかかんがえていなかったよ」 それからペロリと舌を出す。 思わず口元を緩めるぱちゅりー。 ぱちゅりーにとっては、まりさは年下だ。 種の違いもあって、物事を冷静になって考える力もぱちゅりーよりは遥かに劣って然るべきである。 しかし、このまりさはどうか。 指摘された事を素直に認め、自身を振り返ることができる。 まりさは改めてぱちゅりーに問いかけた。 「ぱちゅりー。 かわのむこうがわについたら、まずは“おしろ”とむれのみんながよくみえるばしょをさがすよ」 「そうね。 ぱちゅはまだ“おしろ”をみたことがないから……。 “れいむ”もそのなかにいるんでしょう?」 「よるはまちがいなく“おしろ”のなかにいるとおもうよ」 「むきゅぅ……」 「ゆ? どうしたの?」 「ぱちゅのかんがえをきいてもらってもいいかしら?」 「もちろんだよ! ゆっくりきかせてね!!」 まりさは嬉しそうにぱちゅりーへ向けて微笑んだ。 強い意志を内に宿していても、無邪気な表情はまだまだあどけない。 それもそうだろう。 成体ゆっくりになってまだ一カ月弱しか経っていないのだ。 それを思えば、二匹がこれから挑もうとしている“れいむ”は圧倒的に長く生きている。 生きている、と言うよりも生き残るだけの力を持っている、という言い方のほうが正しいだろうか。 ぱちゅりーの考えはこうだ。 “れいむ”、“お城”、“兵隊”を一度に相手にしては勝てる見込みがない。 まずはこの三つを分断する必要がある。 現段階で戦力はまりさと、ぱちゅりーの二匹。 “れいむ”はもちろん、“兵隊”を倒すことも難しいだろう。 となれば、まずはなんとしてでも“お城”を制圧する必要がある。 その中に人質として捕らわれている子ゆっくりたちがいるというのなら、なおさらだ。 “れいむ”が作り上げた盾を奪い去ることで、群れのゆっくりたちが反撃できる状況を生み出す。 群れ中のゆっくりたちが総攻撃を仕掛ければ、“兵隊”を倒すことができるだろう。 しかし、“れいむ”は別だ。 これまでの話を総合すると、“れいむ”の戦闘能力は桁外れに高い。 “兵隊”との戦いで疲弊しきった群れのゆっくりたちでは、数で勝っていても“れいむ”を倒すのは難しくなる。 この流れで戦いを挑むとすれば、やはり“れいむ”を直接倒すのはまりさとぱちゅりーの二匹になるだろう。 しかし、確実に“れいむ”を仕留めるための知恵が浮かばない。 まりさはここまでのぱちゅりーの案を聞いて、思わず呆けてしまった。 端的に言えば、まりさはぱちゅりーと二匹でどうやって“れいむ”を倒すかしか考えていなかったのだ。 “れいむ”を取り巻く環境から潰していくことなど、思いつきもしなかった。 ぱちゅりーはゆっくりであり、人間ではない。 人間であれば当たり前のように思いつく作戦ではあっても、ゆっくりがそれを思いつくというのは次元の異なる話だ。 そもそも、まりさが“お城”で捕まっていたとき、子ぱちゅりーと子ありすに何と言っていたか。 “まずは味方を作る”ようなことを言ってはいなかっただろうか。 まりさはそれすらも忘れていた。 無論、その後にまりさを襲った幾多の困難を思えば記憶から消えてしまっていても仕方がないのかも知れなかったのだが。 ぱちゅりーはやはり、森の賢者と称えられた老ぱちゅりーに育てられただけのことはある。 「できれば、かわさんをわたるまえに……“おしろ”をみておきたいのだけれど……それはむずかしそうね……」 「このあたりは、もりにかこまれてるから……“おしろ”はなかなかみえないとおもうよ……」 「むきゅ……こそーりこそーりすすむしかなさそうね……」 「ゆぅ……。 ぱちゅりーにはむずかしそうだね……」 「ど……どぉしてそんなこというのぉぉぉぉ??!!!」 まりさの一言に“むっきゅーー”とふくれっ面になって声を上げるぱちゅりー。 ぱちゅりーは冷静だが不意を突かれると感情が大袈裟に溢れだす。 ある意味、ゆっくりらしいと言えばゆっくりらしいのだが。 この辺りが老ぱちゅりーとぱちゅりーの決定的な違いなのかも知れない。 散々大きな声を出したあと恥ずかしそうに俯くぱちゅりー。 まりさがそれを見て小さく笑った。 小休止を終えた二匹が川の浅瀬にたどり着く。 ぱちゅりーが言うようにここからなら石の上を飛んで向こう岸に渡ることができそうだ。 既に空は薄暗くなりつつある。 一日で移動できる距離はこのくらいが限界だろう。 川の向こうは“れいむ”のテリトリーである。 疲労を溜めた状態でその中に飛び込むのは危険極まりない。 “れいむ”を倒すための決定的な策も見つかっていない状態ではここを越えることはできないのだ。 しかし、故郷の森は近い。 いつまでもこの周辺に留まっていては見回りに来た“兵隊”や捕食種に見つかってしまう可能性もある。 急ごうとすればするほど、目の前に深い霧が立ち込めていくような焦燥感。 それは、まりさもぱちゅりーも同じだった。 迂闊に敵の懐に飛び込むことはできない。 「……むれのゆっくりのふりをして……まぎれこむのはむずかしいわよね……?」 「ゆぅ……。 “れいむ”も“へいたい”もよく、ゆっくりのおうちをあらしにくるよ」 「まりさは……“れいむ”におかおをおぼえられているでしょうしね……」 木の根元を掘って作った即席の巣穴に身をうずめて話し合いを続ける。 二匹がやっと入れる程度の窪みでしかないが、野ざらしで夜を明かすよりは幾分かマシだろう。 明確な解決策を見いだせないまま、二匹は頭上に広がる星空を見上げていた。 ぱちゅりーが呟く。 「まりさ。 しっているかしら? おつきさまはおおきくなったり、ちいさくなったりするのよ」 「どういうこと……?」 「む、むきゅ……ぱちゅもよくはしらないのだけれど……。 ちいさくなったおつきさまは、ぱちゅたちからはみえなくなって しまうのよ」 「ふぅん……。 そういえば、きょうのおつきさまはちいさくて、くらいね。 まんまるなおつきさまのときはすごくあかるく てきれいなのに」 「おつきさまも、まいにち、げんきなわけじゃないのよね……」 「…………」 「むきゅ。 あしたはどうしようかしら……? いつまでもここにいるわけには……」 「ぱちゅりー」 不意にまりさが真剣な顔でぱちゅりーに向き直り呟く。 頬を染めるぱちゅりー。 しどろもどろで言葉を発する。 「な、なにかしら?」 「まりさが“おしろ”からにげだしたとき、“おしろ”のかべのすきまからおつきさまのひかりがはいってきてたんだよ」 「それがどうしたのかしら?」 「ぱちゅりーがいってたみたいに、おつきさまがみえなくなったときなら、“おしろ”のなかはまっくらになるはずだよ!!」 「…………」 「そのときに“おしろ”にしのびこめば……」 「だめよ」 「ゆゆ?」 「しのびこんでどうするの? “れいむ”もねむっているかもしれないけれど、まっくらのなかではたたかうこともできないわ。 もともと、“おしろ”は“れいむ”のおうちなのよ? “おしろ”のなかのことは“れいむ”のほうがくわしいから、こっちが まけてしまうかのうせいのほうがたかいはずよ」 「ゆぅ……」 「……まりさ」 ぱちゅりーが静かな口調で囁くように呟いた。 困ったような表情のまま、まりさが顔をかしげる。 「むれのゆっくりたちと、おはなしができないかしら?」 「ゆ?」
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『お掃除まりちゃ』 2KB いじめ 小ネタ 赤ゆ いつもの小ネタです。ちょっと短いです。 「ぺーりょぺーりょ…ゆぅぅ…くっしゃいのじぇ…なんかきたないのじぇ…」 顔をしかめながら舌を伸ばして、真っ白な床を舐めなる一匹の帽子なしの赤まりさ。 一舐めする事に身を震わせて涙をこぼし、聞かれてもいないのに感想をボソボソと呟く。 この赤まりさは、生まれる寸前で親まりさに無理やり茎からもぎ取られ、最初の食事も済ませぬまま床を舐めろと強く命令され、訳も分からずにそれに従っている。 「ゆっくち…ゆっくち…どーしちぇ…にゃんで、こんなことしなくちゃだめなの…じぇ?おとーしゃ…ゆっひぃ…ゆっくち…ゆっくちしちゃい…」 生まれてすぐの重労働で、そろそろ疲れてきた赤まりさは上目遣いで親まりさの顔色を伺う。 だが親まりさはそんな赤まりさを人睨みすると、お下げで掴んだ小さな帽子を見せびらかすようにゆらゆらと揺らした。 赤まりさは親まりさと自分の帽子を見比べると、唇を噛みながら涙をこぼして小さく唸る。 「ゆっくち…ゆっくち…きちゃない…ゆっく…くっしゃい…ゆっくち…ゆっくち…もうやだ…ひっく…おうちかえりゅ…ゆっくち…ゆっくち…ゆびぇぇ…」 チラチラと親まりさの顔を横目で見つつ、舌を動かして床を舐める赤まりさ。 体は自らの涙と唾液でベトベト。 床に付着した汚れや臭いにまみれてたせいで目も虚ろだ。 それでもなんとか白い床を全て舐め終わると、暗い表情のまま親まりさを見上げる。 「ゆぅ…おとーしゃ…ゆっくちおわったの…じぇ…ゆぐぅ…だから…まりちゃのおぼーちかえしちぇ…」 両目を潤ませながら首をかしげるように体を傾け、わざとらしくブルブルと震えてみせる赤まりさ。 「ふむ、ご苦労。でもあんまり綺麗にはならなかったな…」 「ゆぅぅ…ゆっくち…」 「じゃあな。トイレットまりさ、さよならだ。そびえ立つうんうん帽子にもお別れだ」 だが親まりさは持っていた帽子をお下げで破ると、赤まりさの目の前の水たまりの中に投げ捨てた。 「ゆ…ゆっ?…ゆぅ…?…ゆっ!…ゆんびゃぁぁぁぁ!まりちゃのおぼーち!おしょらにそびえる、くろがねのおぼーち!ゆんやぁぁぁぁぁ?!」 親まりさがそう言うと、赤まりさの周囲に突然水が流れ出す。 水に浮かんだ帽子に向かって、必死に舌を伸ばしていて泣いていた赤まりさは、その流れに乗って水たまりの中に落ちる。 「ゆっぴぃぃぃ!なにこぼべぇぇぇ?!ゆごぼげぼぼぶごぼぉぉ…」 流れはそのまま小さな渦を作ると、赤まりさを巻き込んで吸い込まれるように何処かに消えてしまう。 親まりさは帽子を取ると、赤まりさの入っていた白い床を眺めるような位置に置かれた鉢植えの上に鎮座する、肌色の物体の上に帽子を乗せた。 ぐぶぅ…ぶぶぶ…ぐぶ!…ぶんぶんぐぶぶぅぅ…!! 唸っているのか震えているのか、口を縫い付けられた鉢植えに押し込められたゆっくりは、涙目で帽子をかぶっていた男をを睨みつける。 「そんな怖い顔をするなよ、『おとーしゃん』。お前がこの家の庭に現れなければこんな事にはならなかったんだぞ?まあ、可愛い我が子を見られて『しあわせー!』だろ?なあ、トイレットまりさ君」 男は鉢植えのゆっくりを馬鹿にするかのように語りかけると、和式トイレを後にした。 鉢植えのゆっくりは悔しそうに顔を歪めてブルブルと震えるが、額から生えた茎に実った二匹の実まりさを見上げて悲しそうに涙をこぼすのだった。 完 徒然あき
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『優しい両親とジュース』 11KB 虐待 観察 共食い 番い 子ゆ 細かいところは適当です。 酔った勢いで適当に書いた初SSの上に 他の方のSSを網羅的に読むほどのゆ虐ファンではないのでネタが被ってないか心配ですが、 まぁ色々とご容赦下さい。 朝焼けの穏やかなオレンジの光が、すやすやと寝息を立てる四匹のゆっくりを照らした。 成体のれいむとまりさの番、その子供の子れいむと子まりさ。 「ゆっゆっ、ゆっくりちていってにゅぇ~」 穏やかな光の中いつも通りの声をあげて、子れいむは目を覚ました。 すると 「「ゆっくりしていってね!」」 母親であるれいむと父のまりさが挨拶を返してくれる。 両親の声に、妹の子まりさも目を覚まし 「ゆっくりしていくのじぇ!」 と声をあげた。 一家四匹の昨日と同じ、とてもゆっくりした朝であった。 「おきゃーしゃん、ぺーろぺーろしてほしいのじぇ」 起きて早々、妹の子まりさが母に甘えて擦り寄る。 「ゆぅん~きょうもれいむのおちびちゃんはゆっくりしているょぉ」 そういって母れいむは子まりさに”ぺーろぺーろ”をする。それを見た子れいむも羨ましくなって 「れいみゅもれいみゅも~」 とこちらは父まりさに擦り寄る。 父まりさに”ぺーろぺーろ”して貰い、朝のスキンシップを満喫すると子れいむはお腹が空き始めた。 「あしゃのごはんたべてくるにぇ」 子れいむはそう宣言すると一度にゅっと伸びをして、歩き出す。 「まりさもたべるのじぇ」 妹もそれに続く。 「ゆっくりいっぱいたべてきてね!」 「いっぱいごーくごーくするんだぜ!」 と両親がとてもゆっくりできる声で見送ってくれる。 硬くて平らな床は歩きづらかったが、野球ボールサイズに成長した子れいむと子まりさはさほど苦にせず進んでいく。 少し進むと透明な壁がある。そこに空いた小さな穴を潜って向こう側へ行き、また暫く歩く。 そこにはとてもゆっくりできるジュースの池がある。 赤ゆの頃はこの移動もかなり大変だったが今はお散歩程度の労力だった。 「ゆっくりごきゅごきゅするよ!」 「ゆっくりごきゅごきゅちゅるのじぇ!」 「「ごーきゅごーきゅ、ちあわせ~~」」 二匹は仲良く、あまあまのジュースを飲んだ。 とてもゆっくりできる味で、幸せを感じた。 「ゆぅ~ん、きょうもじゅーしゅさんはゆっくりできるにゅぇ」 「じゅーしゅさんゆっくりまりさにのまれちぇくれてありがとにぇ~」 お腹がいっぱいになると、二匹は両親の元に戻るため、来た道を引き返していく。 ソフトボールより一回りぐらい大きな穴を抜けると、笑顔の両親が待っている。 「れいみゅきょうもごくごくしたょ~」 「まりさもごくごくのじぇ~」 幸せそうな子供達に母れいむもとてもゆっくりできている様子だ。 「ゆっ、たくさんごくごくするおちびちゃんたちはおりこうさんだよ、かわいいよ」 ごはんを終えた子れいむ達は再び大好きな母親に甘え始める。 「おかあしゃん、すーりすーりちてぇ」 「いいよぉかわいいおちびちゃん」 母れいむが子れいむに体をよせ”すーりすーり”をはじめる。 「まりちゃもまりちゃも~」 妹のまりさも母にすり寄り、それを父まりさが優しそうな顔で眺めていた。 子れいむはとてもゆっくりできる生活をしていた。 毎日とても美味しいあまあまジュースを飲んで、両親に”すーりすーり”や”ぺーろぺーろ”をして もらい、妹のまりさと遊んで、うんうんして、しーしーして、ゆっくり眠る。 そして朝が来るとまたゆっくりした一日が始まるのだ。 子れいむは自分はとてもゆっくりした最高の両親の元に生まれた特別なゆっくりだと思っていた。 この巣も最高の”ゆっくりぷれいす”だと思っていた。 もっとも何一つ不満がないわけではない。お外に出られないことだけは少しつまらなかった。 子れいむ達はこの巣から一度も出たことがない。外の世界には興味があったが両親はもう少し大きく なってからでないと危ないと言って出方も教えてくれなかった。 大きくなったら一緒に狩をして日向ぼっこして、お歌を歌いましょう、との母の言葉を楽しみに、 早く大きくなろうと毎日ジュースをたくさん飲んでいた。 数日後、子れいむ達はソフトボールサイズまで成長していた。 固形の食事こそしていないものの栄養たっぷりのオレンジジュースを毎日大量に飲んだ結果だ。 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 四匹の一日が今日も始まる。 だが今日は少しだけいつもと様子が違った。母れいむが子供達をじろじろと見ている。 「ゆっゆ~おちびちゃんたちもだいぶ大きくなったね~」 母れいむがそう言うと、父まりさも口を開け 「これならあしたはおそとにつれていってもいいのぜ」 と続けた。 「ほんちょ!!!」 子れいむは喜び、ぴょんぴょんと親の隣で飛び跳ねる。 「まりさもおそとでれるの!まりさおとうさんとかりするよ!!」 子まりさも期待に胸を躍らせ嬉しそうに体を左右に揺らす。 子供達にとって待ちに待った日がやってくる。二匹は大喜びだった。 生まれてこのかた空腹も寒さも危険も、一切感じたことのない子ゆっくり達は外への不安など微塵もない。 今でも十分ゆっくりできているが明日からはさらにゆっくりできるのだと素直に思っている。 「さぁ、あしたにそなえてきょうも、たくさんごくごくしてくるのぜ」 父まりさが促すと二匹は 「「ゆっくりごくごくしてくりゅよ」」 と声を揃えて返した。 その日も子れいむ達はとてもゆっくり過ごした。ジュースを飲んで、お母さんとお歌の練習をして、 またジュースを飲んで、明日の狩に備えて体操をして、更にジュースを飲む。 結局その日子ゆっくり達は6回もジュースを飲んだ。明日に備えて。 子れいむは夢を見ていた。 暖かな日差しの中ふかふかの草原で大好きなお母さんの歌にあわせて妹と二人で踊る夢だ。 伸びをして左右に体を揺らし、寝転がってごろごろと転がり、そんな二匹の様子を見て母親はゆっくり と微笑んでいる。 ごろごろ、ごろごろ 転がって遊ぶ。 そして、突然あんよが熱くなった。 「ゆんぐゃぁ゛ああああああ゛あ゛!!!!」 叫び声をあげて、子れいむは目を覚ました。 何が起きたのかさっぱり分からない、ただとにかくあんよに焼けるような激痛がはしった。 子れいむは生まれてこの方痛い思いなどしたことがなかった。 だから自分の状況を理解するのに時間がかかる。 のたうち叫ぶ。 「いだぁい゛ぃぃおきゃーさんいだぃよぉぉ゛ぉ!!」 「そりゃいたいのぜ、あんよをはんぶんくいちぎったら。そんなあたりまえのことさけぶなんて、このえさはばかなのぜ」 父まりさの声、だが生まれて始めての激痛で錯乱状態の子れいむにはその言葉を理解する余裕はなかった。 「いだぃよぉぉぉおぉ!!」 「おお、あわれあわれなのぜ」 暫くして子れいむはようやく自分を見下ろす父まりさに気が付いた。 「おとーしゃん、あんよがいたいの、れいむをたしゅけてねー、すぐにでいいよぉ」 子れいむは父親に助けを求めるが、父まりさは今まで見せたことのない、ゴミを見るような目で子れいむを見ているだけだった。 「おーきゃーしゃん!やめるのぜやめるのぜぇ!!!」 突然妹まりさの叫びが響いた。 子れいむが声の方向に目をやると大きく口を開けた母れいむが妹まりさに飛び掛るところだった。 そしてガチっと口が閉じられ、妹まりさの顔が抉れた。 「もっちょ、ゆっくり、ちたかっ……」 妹が最後の言葉をつぶやき、動かなくなる。 そして母れいむは 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~~」 満面の笑みで妹まりさの顔を食べていた。 「れいむ、だめなのぜ、たくさんたたいてからのほうが、おいしいのぜ」 「ごめんなさい、まりさ。おめめだけたべるつもりがしっぱいしちゃった」 「まったく、れいむはしかたないのぜ。せっかくだからまりさも一口いただくのぜ」 子れいむは両親の会話が理解できない。 父まりさはぴょんぴょん歩いて妹まりさに近づくと口を開けて噛み付く。 「うめっ!ごれまじうめ゛ぇ!!むーしゃむーしゃしわせなのぜぇ!!」 父まりさの興奮した声が響く。 子れいむは妹に駆け寄りたかったがあんよが動かない。 子れいむはようやく自分のあんよが半分近く失われ、餡子が一部露出していることに気が付いた。 「れいみゅのあんよがぁあああああ!!!」 叫び声に母れいむが振り返る。目が合うと母れいむは子れいむに近寄ってくる。 「おきゃーしゃん、たしゅけてね、あんよがいたいの、れいみゅこまってるよー」 助けを求めるが、母れいむの子れいむを見る目は冷たかった。 「うるさいえさ。でもこっちはちゃんと、たくさんたたいてからころすよ」 子れいむは頬に衝撃を受け、転がる。母れいむの”ぴこぴこ”による一撃だった。 「いじゃぃい゛ぃぃ!!」 転がった先には父まりさと、顔を失った妹まりさがいた。 「れいみゅのいもうとぎゃぁぁ゛!!」 間近で妹の死骸を見た子れいむが悲痛な叫びをあげる。と同時に子れいむは再び衝撃を受け転がった。 父まりさの体当たりだ。 転がった先には母れいむが待ち構え、再び子れいむを殴る。 「ゆぎゃ」 父まりさの体当たり 「ゆぎっ」 母れいむのぴこぴこパンチ 「ゆぐぅ」 体当たり、パンチ、体当たり、パンチ、体当たり、パンチ、体当たり、パンチ、体当たり、パンチ、 体当たり、パンチ、体当たり、パンチ、体当たり、パンチ、体当たり、パンチ、体当たり、パンチ…… 「ゆぎぇぇぇ、もっとゆっくりちかきゃった」 子れいむは息絶えた。優しいお母さんがどうして、優しいお父さんがどうして、と嘆き続け、 最後まで何が起きているのかを理解できずにその短いゆん生を終えた。 「おお、食ってる食ってる」 青年はモニター越しに子れいむ達が食われる様を見て笑っていた。 男は虐待鬼威惨だった。 それも手の込んだ、金も時間もかかった虐待でネット上でもひそかに有名な鬼威惨だ。 男が最近嵌っている虐待がこれだった。 四畳半の部屋をアクリル板で北と南の二つに区切り、アクリル板には子ゆっくりまでなら楽に通れるが、 成体ゆっくりには通れない程度の大きさの穴を空けておく。 北側には自動でオレンジジュースが補充される餌やり機を設置する。 後は番と赤ゆをセットで捕まえるなり買うなりして部屋の南側に置いて放置するだけ。 これが虐待装置の概要だ。 成体の親ゆっくりは唯一の餌であるジュースにたどり着くことはできないが、 赤ゆや子ゆはジュースを飲むことができる。 固形の餌と違い子供が親のところまで餌を持っていくのは難しい。 そしてその結果がモニターの子供食いだ。 このれいむとまりさの番は今25匹目の我が子を食している。 最初は親れいむ、親まりさ、赤れいむ3匹に赤まりさ1匹の6匹家族だった。 大量のジュースで育った子供を食い殺して栄養を蓄え、すっきりして子供を作り同じことを繰り返す。 もはや一遍の罪悪感も感じていない様子だ。 それでいて子供を食うまでの”優しい両親”の演技は異常に上手い。まぁそうでなければ生き残れない。 実際親の側も際どい立場に置かれている。もし子供に警戒されてしまえば子供は北側から出てこなくなる。 そうなれば親は餓死する他ない。 男はもう既に何組もの家族をこの部屋に入れている。 色々なケースがあった。 子供を食って生き延びようとしたものの子供に北側に逃げられ、親が餓死した家族。 父親が子供を食べたが、それに怒った母親が父親を殺し、母自身も餓死した家族。 食事を取らない親を不審に思った子供が北側に篭り、親が餓死した家族。 ジュースを飲める子供を妬んだ親が南北の入り口を塞ぎ、全員餓死した家族。 一組だけ全員生き残った家族もいた。親は子供のうんうんやしーしーを食べて体の餡子を減らしながらも数日間生き延びた。 その間にテニスボールサイズまで成長した子供は口に僅かなジュースを含み、一日中必死に親のところにジュースを運んだ。 子供は大きくなると北側に住み、アクリルの穴越しにジュースを親に与え続けた。 男は家族の愛を失わず歯を食いしばって生き延びたゆっくり達を開始から60日が経ったところで解放し、森に返してやった。 室内で育った子供が狩を覚えるまでの繋ぎとして30日分のゆっくりフードも付けたから、きっと今も森で暮らしていることだろう。 モニターの中では番がすっきりーを始めていた。さっそく次の餌の養殖準備を始めるようだ。すっきりーが終わると再び子供の残骸を食べ始めた。 大好きな親に突然裏切られ、苦しんで死んだ子供の餡子は余程甘いのか、心底美味しそうに食べている。 子を貪るれいむの顔が、生き延びた家族が故郷の森に帰ったときの笑顔よりずっと幸せそうに見えるのは男の気のせいだろうか。 親れいむと親まりさはここに連れて来られる前30匹程の小さな群れでゆっくり暮らしていた。 決してゲスではなかった。れいむは子供をかわいがりお歌を歌って子育てしていたし、まりさも家族の為に毎日狩に出かけていた。 この異様な部屋の中で、飢えていた親達も何もすぐに子供を食べた訳ではない。 我が子の「じゅーしゅののめないおやはゆっくりできないね。 ばきゃにゃにょ。きゃわいいれいみゅのうんうんあげりゅよ。ぷりっ」という言葉にぶち切れるまでは。 だが一度その味を知ってしまえばもう引き返すことは出来なかった。 最初の子供がもう少し出来が良ければ運命は変わっていたかもしれない。しかしいずれにせよ既にこの番はゲス以上の狂気に落ちた。 もう以前のゆっくりした生活に戻ることは決してできないだろう。
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・餡子ンペ10夏作品 ・書いたのは麦茶あき ・餡子コンペじゃなくて餡子ンペだったんだねー間違えて恥ずかしいよ お兄さんはペットショップでれいむを買った。 れいむは嬉しそうに「ゆっくりしていってね!!!」と挨拶をした。 お兄さんもれいむに挨拶し、れいむはめでたくお兄さんの飼いゆっくりになった。 しかし、これが悲劇の始まりである。 れいむはいい飼いゆっくりさ 「おにいさん!れいむにおちびちゃんができたよ!!」 「ゆふ~ん♪れいむとまりさのおちびちゃんだよ、おにいさんはまりさをかいゆっくりにしてね!」 ある日お兄さんが家に帰ると飼っていた飼いゆっくりのれいむが妊娠していた。 相手は隣にいる汚いまりさだろう。 一発で野良だということがわかる。 窓は閉まっていたはずなのに開いている。 おそらくれいむが開けたのだろう、器用な奴だ。 れいむの頭には自慢のおちびちゃんとやらが実っていた。 全部で六匹。 植物型妊娠では多いほうである。 六匹の赤ゆっくりは幸せそうに眠っていた。 「おにいさん!まりさをかいゆっくりにしてほしいよ!」 「おねがいだよ!まりさをかいゆっくりにしてね!!」 どうやらこのまりさ飼いゆっくりになりたいがためにれいむとすっきりしたそうだ。 ちなみにれいむはまりさと自分の子供が欲しかったためすっきりーした。 もちろんお兄さんは・・・・ 「駄目」 「「どぼじでえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ????!!」」 当たり前である。 「なんで?!すっきりしたらかいゆっくりになれるんじゃないの??!」 「ゆゆ!!おにいさん!いじわるしないでね!!」 すっきりーしたから飼いゆっくりになれるとはどこまで餡子脳なのだろう。 もちろんそんなバカなことが起こることは一切ない。 後は飼い主の逆鱗に触れたまりさは制裁され、れいむは飼いゆっくりとしての価値を失い捨てられる。 というのが本来の筋書きなのだが・・・ このお兄さん、怒るどころか逆に喜んでいるように見える。 「まりさ、飼いゆっくりにはなれないけどこのれいむと番になることは許してあげるよ」 「「ゆ??!」」 お兄さんの予想外の言葉に戸惑う二匹。 どうやらこのお兄さん、飼いゆっくりになることは駄目と言ったがまりさと番になることは許すと言ったのだ。 れいむはそのことで喜んだが、まりさは飼いゆっくりになれないことに落ち込んでいた。 「なんでまりさはかいゆっくりになっちゃいけないの?!」 「まりさ、世の中にはそのまま人間に潰されるゆっくりだっているんだぞ。 君は運がいい立場にいると考えたほうがいい」 「ゆぅ・・・」 まりさは納得できなかったが、渋々お兄さんの言葉を理解した。 しかしこのお兄さんどういうつもりなのだろう。 「野良としての生活をまた送ってもらう、だがその代わりこちらから飯を食えるだけの食料を提供しよう」 「ゆっ??!いいの!?」 なんとこのお兄さん、まりさが野良のままでいる代わりに食べ物を分け与えようというのだ。 一体なにを考えているのだ? 「じゃあ、れいむもまりさと・・・」 「お前は飼いゆっくりのままだ」 「どぼしてええ??!」 れいむがまりさと共に行こうとしたがお兄さんに止められてしまった。 納得がいかないれいむ。 「なんでなの、おにいさん!!」 「お前はこのまま俺の飼いゆっくりだ。まりさとはいわいる別居生活だな」 「ゆ~・・・」 「別に会えないわけじゃない。別居してもらうだけさ、面会もさせてやる」 れいむはお兄さんの言葉に従った。 まりさとの生活が名残惜しかったが仕方が無かった。 「れいむ・・・・あしたあいにいくよ」 「わかったよ、まりさ」 まりさとれいむは互いに別れを告げそれぞれの家へ帰っていった。 まりさのお帽子には沢山のお菓子が入っていた。 れいむにはわからないことがあった。 何故まりさと一緒に居させてくれないのか。 お兄さんにその疑問をぶつけてもはぐらかすだけだった。 だがお兄さんは「れいむにはまりさとの子供がいるじゃないか」と言った。 そうだ、れいむにはまりさとのおちびちゃんがいた。 嬉しそうに眠っている自分のおちびちゃん。 そんな時お兄さんが「おちびちゃんに早く会いたくないか?」と言ってきた。 れいむ自身おちびちゃんにも会いたかったし、何よりまりさやお兄さんも喜ぶはずだと、 れいむはお兄さんにお願いした。 お兄さんはれいむにオレンジジュースを飲ませた。 これでおちびちゃんが早く生まれるらしい。 そして・・・・ プルプル・・・ ポテッ・・ 「「「「「「ゆっくちしちぇいっちぇね!!!」」」」」」 「ゆっくりしていってね!!!」 茎から子供が落ち無事に産まれた。 赤れいむ 3 赤まりさ 3である。 みな元気そうでゆっくりしていた。 れいむは自分の子供にす~りす~りをし、頭に生えていた茎を子供たちに与えた。 「「「「「「む~ちゃ、む~ちゃ・・ち、ちあわせー!!!」」」」」」 赤ゆっくりたちは初めて食べる茎の味に感激しながら食べていた。 れいむはそのことに喜びながら自分の子供を見つめていた。 だがその時一匹の赤ゆっくりれいむがお兄さんに持ち上げられた。 赤ゆっくりは「おしょらちょんでぇりゅみちゃい!!」なんて騒ぎ、 他の赤ゆっくりたちはそのことで羨ましがっていた。 れいむはきっとお兄さんが自分のおちびちゃんと遊んでくれるのだろうと思っていたが、 お兄さんのした行動はれいむの思考と180度逆だった。 お兄さんは赤ゆっくりを握りしめるような状態にして・・・ 力をそのまま入れた。 ギュウウウウウウウウウ・・・・・ 「ゆぎいいいいいいいいいいい!!!」 「おちびちゃああああああああああああああああああああんん??!!」 突然赤れいむが苦しみ始めた。 お兄さんが握り締めているせいである。 何故そんなことするのかれいむには理解できなかった。 「やめてね!!!いたがってるよ!!」 お兄さんはれいむを無視し、そのまま握り続けた。 ギュウウウウウウウウウうううう・・・・・ 「ちゅ・・・ぶれりゅうう・・・・・・!!」 「くるちい・・・・!!!」 赤れいむは握り締められて体が圧迫されている。 すでに顔は赤くなっており、口からは餡子が出ている。死の兆候だ。 「たしゅ・・・・け・・・!!」 「おにいさああああああああああああああん!!!やめてええええええええええええ!!!」 そして・・・ ブシュウッ!!! 「ゆべえ!!」 赤れいむの口、目、まむまむ、あにゃるから餡子が一斉に出た。 お兄さんは赤れいむだったものをれいむの目の前に捨てた。 れいむは目を開き、目の前で起きたことがわからなかった。 どうしておちびちゃんがしんじゃったの・・・? なんでおにいさんこんなことするの・・・? れいむ・・・わるいこと・・・した?? そんなことを思いお兄さんを見つめていた。 お兄さんはそんなことは知らずに次の赤ゆっくりを持ち上げた。赤まりさである。 「おきゃーしゃんたしゅけちぇええええええええ!!!」 赤まりさの助けの声で我に返ったれいむ。 必死で赤まりさを助けようとしたが高さがありすぎて届かなかった。 「はなしてね!!おちびちゃんをはなしてね!!!」 もちろんお兄さんは無視。 お兄さんは赤まりさを台所へ持っていくとコンロに火をつけた。 れいむはお兄さんが何をするか理解できた。 やめて欲しいと叫んだが無視された。 お兄さんは赤まりさを串に刺し、 ブスッ・・・ 「いじゃいいいいいいいい!!!」 そのままコンロの上へ持っていった。 「あじゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!いじゃいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「おちびちゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん????!!」 直火焼きのようである。 お兄さんは串を回し始め赤まりさの全身を焼き始めた。 赤まりさは「あつい!!」「やめて」と叫んでいたが全身が黒くこげかけた頃から段々と声が小さくなり、 「ゆ・・・・・ぇ・・・いじゃ・・・・・ぃ」 「・・・・・」 「もっちょ・・・・・ゅ・・・・・」 永遠にゆっくりした。 れいむにはわけがわからなかった。 優しいお兄さんがどうしてこんなことするのか全然理解できなかった。 れいむはお兄さんを非難しようとしたがれいむは見てしまった。 お兄さんの顔が笑っている・・・・ 何故笑っているんだ?? おちびちゃんを殺して何故?? れいむはわからなかった。 「どぼじてぇ・・・??」 「教えてあげようか?れいむ・・・・」 その声はいつもと同じ優しいお兄さんの声だった。 「なんで赤ちゃんを殺しちゃったか・・・・・それはね・・・俺がそうしたかったからさ」 れいむは驚愕した。 お兄さんがそんなこと言うなんて!!! 酷い、酷過ぎる!! 「別に侮蔑してもいいよ、やりたくてやってるわけだし」 お兄さんは赤ゆっくり全員を持ち上げれいむが届かない位置に移動させた。 れいむは助けようとしたが届かなかった。 赤ゆっくりたちはお兄さんに怯えていて一箇所に固まっている。 一匹はしーしーを漏らしてしまったようだ。 お兄さんは赤れいむを摘み、赤れいむを見て何か考えているようだ。 「さて、どうしようかな・・・・そうだ」 何か思いついたようだ。 お兄さんは引き出しの中から爪楊枝を出した。 「典型的な虐待だが・・・・エイッ」 ブスッ 「いじゃああああああいいいいい!!!!」 ブスッ ブスッ ブスッ ブスッ ブスッ 「いじゃいいい!!いじゃいいよ!!やめちぇえええええええ!!!」 「これだけ刺しているのに元気な奴だ」 お兄さんは赤れいむに爪楊枝を刺しまくり赤れいむを虐待した。 ある程度虐めたらオレンジジュースをかけてやり傷を治す。 そしてそれの繰り返し。 何度か刺していたら赤れいむは「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」と痙攣し、 「もっちょゆっくちしちゃかっちゃ・・・」と言って死んでしまった。 「おち・・・び・・」 れいむはもう放心状態になりかけている。 お兄さんは次に赤まりさを選んだ。 引き出しから霧吹き器を出したお兄さんは水を入れ赤まりさにかけてやった。 プシュッ! 「ゆ!!きょれおみじゅしゃんじゃ!!」 霧吹き器の霧をかけられた赤まりさは微妙に濡れた。 お兄さんは何度も何度もかけてやり赤まりさに霧を浴びせた。 すると大量に水分を吸ってしまった赤まりさの体が溶け始めて原型を保てなくさせた。 「ゆぎいぃぃぃ!!!とけちゃうううう!!!」 お兄さんはそれでもかけてやりその様子を見て嬉しそうだった。 赤まりさはもうほとんど溶けてしまっていた。 「ゆぅ・・・・ぎぃ・・・・・・・」 完全に溶けきり物言わぬ何かになってしまった。 「お前はこっちな」 お兄さんは最後の赤まりさを霧吹き器の中に入れた。 赤まりさはなんとか抜け出そうとしたが出れずに落ちてしまった。 そのまま水が溜まっているところに落ちるかと思ったが帽子が下に落ちたのでなんとかその上に乗ることができた。 赤まりさは自分の安全を確認するとお兄さんに「はやくここからだせ」と言ってきた。 だがこの状況はお兄さんにとっては好都合だった。 お兄さんは赤れいむを電子レンジの中に入れた。 レンジを操作し、作動させた。 ゆっくりが電子レンジの中に入って温めたらどうなるか・・・・ 答えは簡単だ。 「ゆ?なんだきゃあったきゃくなっちゃよ!」 それも今のうち・・・ 「あちゅいよ!!きょきょきゃらだちてね!!」 「あちゅいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!れいみゅちんじゃうううううううううう!!!」 「やじゃあああ!!!ゆぎいぃ??!ゆがが・・・!!!」 パンッ!!!・・・・ 赤れいむは電子レンジの高温に耐え切れず破裂してしまった。 中に餡子が飛び散りお兄さんは「しまった・・・」と後悔した。 赤まりさの方にも異変は起きた。 自分を支えてくれた帽子が溶けているのだ。 赤まりさは助けてくれと言ってきたが、 お兄さんは無視してどうなるか期待の目でまりさを見ていた。 赤まりさの帽子に水が入ってきてついにやばくなった。 赤まりさは「助けて!」「いい子になりますから!」と懇願してきた。 だがお兄さんはもちろん無視した。 帽子に水が溜まり赤まりさは水の中に落ちてしまった。 赤まりさは生きようと水の中で泳ぐが、そのせいで体の方が崩れてしまった。 「ぼか・・・・がぼ・!・・が・・・」 何が言いたかったかわからないまま赤まりさは溺れて溶けてしまった。 れいむは呆然としていた。 するとお兄さんが注射器のようなものを持ってきてれいむのまむまむに挿し込んだ。 れいむは自分のまむまむに異物が入ってきたことに嫌がっていたが、 お兄さんはまむまむに何かを注入した。 すると・・・・・ ニョキニョキ・・・・・ れいむの頭に茎が生えた。 「なんでれいむがにんしんしてるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお???!!」 お兄さんが入れたものはゆっくりの精子餡だ。 当然そんなものを入れればゆっくりは妊娠してしまう。 お兄さんは先ほどのオレンジジュースをれいむにかけてやった。 すると茎についている実ゆっくりは次第に成長し始めた。 「成長剤入りと栄養剤たっぷりのオレンジジュースが気に入ったようだな」 実はこのオレンジジュースには実ゆっくり用の成長剤と栄養剤が混ざっているのだ。 そんなものを妊娠しているゆっくりに飲ませればどうなるかは一目瞭然。 実ゆっくりはすごい速さで成長し、 実ゆっくりは赤ゆっくりとなり生れ落ちた。 「「「「ゆっくちしちぇいっちぇね!!!」」」」 赤ゆっくりが元気に挨拶するが親であるれいむから返事が来ない。 れいむはハッと気づき赤ゆっくりたちに逃げるよう伝えた。 「おちびちゃんたち!!いますぐにげてね!!」 「「「「にゃんで??」」」」 赤ゆっくりにはわけがわからなかった。 何で自分たちが生まれたのに母親は挨拶をしてくれないんだろうと、 赤ゆっくりたちは怒り始めた。 「「「「ぷきゅー!!」」」」 「そんなことしてるばあいじゃないでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお???!!」 れいむはわからなかった。 何で自分の言うことを聞いてくれないのか。 そんなあほなことしているうちにお兄さんが赤ゆっくりたちに近づいて・・・・ シュッ・・・・ 「「「「ゆっ・・・??!」」」」 最初赤ゆっくりたちは何をされたかわからなかった。 だが突然自分たちの体に激痛が走った。 「いじゃいいいいいいいいいいいいい!!!」 「くるちいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「あっがががががg!!!」 「ゆびゃああああああああああああああ??!!」 赤ゆっくりたちは激痛でのた打ち回った。 お兄さんは赤ゆっくりたちに先ほどの霧吹き器をかけたのだ。 といっても中身が違った。 中に入っていたのは水で少々薄めただけの激辛エキスだ。 薄めているとはいえそんなものを赤ゆっくりにかければどうなるかはさっきの結果である。 お兄さんは赤ゆっくりたちにもう一度かけてやり反応を見た。 「いじゃ・・・・・・・・・ぃ」 「ゅ・・・・・・・ゅ・・・・・」 赤ゆっくりたちは激痛で動けなかった。 動かせるものはもう自分たちの思考だけだ。 なんでこんな目にあっているのかと赤ゆっくりたちは必死に考えた。 すると赤ゆっくりたちはれいむの方を見て・・・・ 「「「「ゆ・・・くち・・させて・・くれない・・おやは・・・・・・・・・ちね!!!!」」」」 そう言った次の瞬間お兄さんに霧吹き器をかけられ餡子を吐いて死んでしまった。 れいむは自分の目の前で起きていることに全く理解ができなかった。 お兄さんはそんな困っているれいむにこう答えてくれた。 「なんで赤ゆっくりにこんなことするか聞きたいかい?」 「なんで・・・???」 「それはね・・・・・・ 俺は赤ゆっくりが死んでいくのがみたいからだよ」 「・・・・・・・・・ゆえ??」 れいむはお兄さんが何を言ったか理解できなかった。 「俺はさぁ・・・こういう小さい生き物が死んでいくのを見るのが大好きなのさ。 おかしいだろ?ガキの頃はそうやって遊んでいたもんな・・・・・・・ でもさ、大人になっていくにつれそのことに罪悪感が芽生えてきたんだよ・・・何でこんなことしてるのかって・・・ でも俺はそう考えるのはやめたんだ。 考えるのやめたらなんかすっきりしたよ、むしろやっていく内に楽しくなってきてね・・・」 お兄さんはベラベラとれいむに話した。 その内容は最早狂気だ。 「一番楽しかったのはゆっくりだな、特に赤ゆ。 あいつら虐待していくとすごくすっきりできた。」 れいむはもうお兄さんが何を言っているのかわからない・・・ 「だかられいむを飼ったんだよ」 れいむはその言葉に耳を疑った。 そんな理由で自分を飼ったのか?! 「なんでれいむなの??!」 「その方が都合がよかったからね、赤ゆっくりを産んでくれるのに」 「??!」 「れいむってのはさ、他のゆっくりに比べて子供を産む数が多いんだよ、だからさ。 俺がより多くの赤ゆっくりを潰せるために沢山赤ゆを産んでくれるお前を飼ったのさ。 あとは妊娠なんだけど、どうしようかと迷っていたうちにまさかれいむから妊娠してくれるなんて思わなかったよ。 あのまりさにお菓子を与えたのもお礼のつもりさ、野良は金が掛からないしね」 れいむは自分がしたことに後悔した。 きっとお兄さんはまりさと勝手にすっきりーしたから怒っているんだと思っていた。 「ごべんなさいいい!!!もうまりさとあいません!!おちびちゃんはいりません!!!」 「何で謝るのさ、むしろ俺は大歓迎だよ」 れいむは必死に謝ったがお兄さんには伝わらなかった。 それどころかどんどんすっきりして子供を産んで欲しいとまで言ってきた。 「ごべんなさい!!!ごべんなさい!!!」 「だから謝る必要なんてないよれいむ。 これからもおちびちゃんを作ってね!」 「やだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 れいむはもう三回もすっきりーさせられた。 産まれた赤ゆっくりは当然のごとくお兄さんに殺されてた。 気がつけば次の日の朝になっていた。 お兄さんが「まりさが来たぞ」と言ってきた。 れいむは急いでまりさの元に駆け寄った。 自分の愛しのまりさ。 番のまりさ。 会いたかった。 れいむは相変わらず汚いまりさに挨拶し、す~りす~りをした。 そしてお兄さんが自分たちのおちびちゃんにやったことを全て話した。 だがまりさかられいむの予想もつかない返答をされた。 「しってるよ」 「ゆうう!!?ど、どいうことなの??!」 なんでまりさがそのことを知っているのかわからなかった。 「さっきおにいさんがおしえてくれたんだよ。まりさたちのおちびちゃんはころしちゃったって」 「だったらまりさ!れいむをたすけ・・「やだよ」ゆうぅぅぅぅ!!!??」 まりさがれいむを拒絶した。 なんで拒絶したかれいむには理解できなかった。 「まりさはれいむとのおちびちゃんをつくることであまあまをもらえるんだよ、そんなことできるわけないじゃない」 「ま、まりさああああああああああ!!!おちびちゃんがかわいそうじゃないのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!??」 「わるいけど、まりさがいきるためにひつようなぎせいだよ。そもそもれいむとすっきりーしたのもまりさがかいゆっくりになりたかったからだよ」 「れ、れいむをだましたの・・・?うらぎったの・・・??」 「さいしょからそのつもりだったけど、もうそのひつようはないよ。だってまりさはあまあまもらえてゆっくりできたから・・・ れいむにはすごくかんしゃしてるんだ。あとおにいさんにもね」 「こ、このゲスがああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 「かまわないよ、のらのたいはんがみんなゲスだから・・」 れいむはまりさの裏切りに怒りを隠せなかった。 自分が愛した相手はこんな奴だったのかとまりさに怒りをぶつけた。 そんなことしていたらお兄さんがやってきた。 「こらこら、喧嘩は駄目だろ?・・・じゃあまりさ、頼むよ」 「・・・・・・わ、わかったよ」 まりさは少し怯えながらお兄さんの指示に従った。 まりさはれいむの後ろに行き、す~りす~りをし始めた。 「ゆ??!まりさなにしてるの?!」 「・・・・・・」 まりさは黙ったままれいむとす~りす~りし続けた。 やがて二匹とも顔が赤くなり激しく擦り合わせた。 交尾である。 「ゆぅぅぅぅっぅうううううううううう!!!すっきりーしちゃうううううううううううううううううう!!!」 「・・・ッ!!・・・・!」 二匹が絶頂を迎え・・・ 「「すっきりー!!」」 すっきりーした。 れいむの頭に茎が伸び始めた。妊娠したのである。 「ありがとう、まりさ」 「・・・・・・・ゆぅ・・」 「今度はお友達も連れてくるといい、いつまでも同じ種類じゃつまらないからね。 みんなの分のお菓子もあげるから呼んできてくれたまえ」 「・・・・・わかったよ」 まりさはお兄さんにお菓子をもらうと帰っていった。 すっきりーされたれいむは頭に生えた茎を見て絶望した。 また自分の子供にあんなことするのかと・・・ 「さて、始めよう」 「!!!」 お兄さんがオレンジジュースを持ちながられいむに近づく。 れいむはお兄さんに逃げるように後ずさるが壁にぶつかってしまった。 上を見ると、 お兄さんは笑っている。 その笑顔は穢れが無い笑顔に見えた。 「赤ゆ虐待♪」 「ゆわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 あれかられいむは何度もすっきりーさせられ妊娠し、目の前で赤ゆっくりを潰された。 すっきりーさせられる相手は野良まりさとその仲間だ。 お兄さんの家に上がらせてもらいれいむとすっきりーしてあまあまを貰っている。 今その最中だ。 「いやだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ずっきりいいじだぐないいいいいいいいいいいいいいい!!!」 「んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!すっきりいいいいいいいいいいいい!!!」 「わかるよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!きもちいいんだねえええええええええええええええええ!!!」 「ビックぺにすううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!」 またれいむの頭に茎が生え始めた。 今度のは尋常じゃないほどの茎が生えてきた。 それもそうだ、3匹相手にすっきりーさせられたのだ。 お兄さんはれいむにオレンジジュースを浴びさせ実ゆっくりを成長させた。 その動作を続けながらまりさたちにお菓子を大量を与えていた。 「今日の分だ。仲良く食べろよ」 「「「「ゆっくりりかいしたよ・・・・」」」」 まりさとちぇんは帽子にお菓子を入れ仲間と共に帰っていった。 帰り際赤ゆっくりたちの悲鳴が聞こえたという。 「まりさ・・・・これでいいのよね」 「うん・・・れいむにはわるいけど・・・しかたないよ」 まりさたちはお兄さんのやっていることに怯えていたのだ。 自分の飼いゆっくりにあそこまで酷いことをやってきた人間は見たことが無かったからだ。 しかもその目の前で赤ゆっくりを虐待している。 そんな凶行にまりさたちはもう野良から飼いゆっくりになろうとは考えなくなった。 そんなことされる位ならまだ野良の暮らしの方がマシだからだ。 まりさたちは明日もそんなことを繰り返す・・・・ れいむは目の前で赤ゆっくりたちが殺されるのを見守るしかなかった。 今日大量に産まれた赤ゆっくりたちはお兄さんの手で殺し合い、共食い、すっきりをさせられた。 れいむの前には大量の飾りが積まされていた。 お兄さんはその様子を見て嬉しそうだった。 「もうやめてくださいいいいい!!れいむがわるかったです!!!!」 「悪いことなんてやってないじゃないか、だってお前は・・・ 俺をゆっくりさせてくれる素直でいい飼いゆっくりさ」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 れいむは子供が産めなくなるまでお兄さんの飼いゆっくりでいたという・・・・・・・・ おしまい
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人通りの多い繁華街の隅、ゆっくりの親子がそこにいた。 成れいむ1と赤れいむ5のシングルマザー家庭だ。 「ゆゆっ! おちびちゃんよくきいてね! これからにんげんさんにおねっだりっをするよ!」 「おねっだりっ! ってにゃあに、おきゃーしゃん?」 「にんげんさんはいろんなものをもってるから、おねがいすればごはんをくれることもあるよ! そしてすごくゆっくりしたひとならかいゆっくりに……、そうすればあまあまたべほうだいの ばらっいろっのゆんせいだよ!」 「「「「ゆゆーん! ゆっくちりきゃいしちゃよ!!」」」」 赤ゆ達の口の周りは既によだれまみれだ。 「でもそのためにはね、おぎょうぎをよくしないといけないよ! よだれをふいてね!」 「「「「ゆ! それもりきゃいしちゃよ!!」」」」 子ゆたちはそのもみあげでお口をぐしぐしする。 「まずおかーさんがゆっくりしてるにんげんさんをさがすから、おかーさんがにんげんさんに こえをかけたらゆっくりでてきてね! ゆっくりしてないにんげんさんもいるからね!」 ☆☆☆ 母れいむは周りを見回す。 沢山の足、沢山の人、このなかからどうゆっくりしている人を探そうというのか。 「ゆゆっ! きっとあのおにーさんがいいよ! かいゆっくりにしてくれそうだよ!」 あながち外れたわけでもないようだ。 その右手にさげている袋から、ゆっくりフードのLサイズパッケージがちょこんと顔を出している。 ということは飼いゆっくりをもつほど、ゆっくりに興味がある……、まあ母れいむはそこまで考えて 声をかけようとしたわけではなかったが。勘で決めたらたまたま当たりだったのである。 (だいいちいんしょうがたいせつだね、まずはごあいさつだよ) この母れいむは飼いゆっくりの餡統で、先祖のバッジ教育の成果の三割ぐらいは引き継いでいた。 まずはごあいさつ。銅バッジ程度の教養はある。 「ゆっくりして【ぴょこっ『ゆゆゆゆ!!! かいゆっくちにしてにぇ、このくしょどりぇい!!!』 『あみゃあみゃでもいいよ! はやくしちぇにぇ! ばかにゃの!?』(しりふりしりふり) 突然れいむのおちびちゃんが一匹躍り出てずうずうしい要求を並べ立てる。 お兄さんの顔は一瞬で汚物を見るようなそれになった。 「うわ、なんだこりゃ、いかにもなゲスだな」 重度のゆっくり愛好家にすらゲスは嫌われるのだ。 「なにじでるのおおおおおおお!!!!!!」 「にゃにって! どれいかりゃあまあまをもらってあげようとちたんだよ!」 母れいむはカンカンだ、真っ赤になって歯茎まで見えている。 「ぞんなごどいうゆっぐりにあばあばをぐれるおにいざんがあるがあああああ!!!!」 ぴこぴこさんでバシバシ叩く。ゆっくりの教育には体罰が効果的だ。 そんなこともしらず、ゆっくりさせる親が多いが。 「ばかはなぐらないとなおらないよ!!!」 「ゆえええええええんん!!!!!! おかーしゃんがぎゃくたいしゅるよおお!!!!!」 「お取り込み中のとこ悪いけど」 「ゆゆっ! おにいさん? このおちびちゃんちょっとたりないこで……」 母れいむはあきらめていなかった。 まだ、まだだ! れいむのかわいい笑顔さえあれば、まだ! 「ゆっくりしていってね! ごはんちょうだいね!」←うつくしい顔で れいむ会心のごあいさつ! 「僕は野良ゆにごはんはあげないようにしてるんだ。 野良ゆって他の動物の何倍も迷惑かけるし。 飼いゆを怪我させるし、愛でおにいさん・おねえさんの肩身を狭くするし。」 「「「「「ゆがーん!!!」」」」」 「じゃあね、うちのちぇんにブラッシングしてあげないと」 愛でおにいさんはそのまま雑踏の中に消えていった。 ☆☆☆ 「まったく! ゆっくりはんせいしてね!」 「ごめんなしゃい……」 母れいむの涙ながらの虐待、いや愛の鞭で、一応悪いことだと理解させたようだ。 「ゆっ! はんせいしたならいいよ! つぎはあまあまをもらおうね! できればかいゆっくりにしてもらおうね!」 話してるあいだに小さい女の子と三十路ぐらいのお母さんがゆっくり歩いてきたのを、目ざといれいむは見逃さなかった。 ゆゆ、ゆっくりかわいがってくれそうだよ、と母れいむは直感した。 (ひそひそ)「あのおねえさんにいっせいにごあいさつだよ、めろめろにしようね」 (ひそひそ)「「「きゃわいくってごめんにぇ」」」 (ひそひそ)「さっきおいたをしたおちびちゃんはもうなにもしなくていいよ」 (ひそひそ)「どぼじてえええ」 失敗要因は出来るだけ取り除く、それだけだ。 親子がゆっくりの方向へ歩いてくる。 3m、2m、1m……今だ! 「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」 「わあ、ゆっくりだ! おかーさーん、ゆっくりがいるよ!」 好感触! 母れいむはほくそえんだ。 「あら、野良ゆっくりね」 対して女の子の母親はなんだかゆっくりしていない表情だ。 めろめろにできなかったのは惜しいが、まあいい。第一関門突破。母親はこれから落とせばいい。 「ゆっくり、かわいいー!」 「「「かわいくっちぇごめんにぇ!!」」」 赤ゆっくりたちはすでに女の子とうちとけている。 「ゆっくりいいなー、飼いたいなー、一匹でいいんだけどなー」 「「「「れいみゅたちはかいゆっくちになっちぇもいいよ!」」」」 「だめよ、見るだけ。お母さんから離したらかわいそうでしょ。」 「えー!」 風向きは完全にれいむの方向だ。れいむはますますほくそ笑んで、歯茎が見えた。 (ゆふふ、やっぱりれいむのおちびちゃんはゆうっしゅうっだよ! こそだてじょうずでごめんね!) これで母れいむごと一家で飼いゆっくりになれるのも時間の問題だ、れいむはますますにやついた。 と、突然。 「うんうんすりゅよ!」(ぶりぶりぶり) 「しーしーしゅるよ!」(しーしーしー) 「すかっとろっひとりすっきりするよ」(どぴゅ) 先ほどゲス発言をしておいてきぼりになっていた赤れいむだ。 暇を持て余してうんしー、さらにどこで覚えてきたのかひとりすっきりまでしている。 「うんうんをたべてもういっかいうんうんするよ!」 うんうんプレイにご執心のようだ。 固まる空気。 「なにじでるのおおおおお!!!!!!!」 「たのちいうんうんぷりぇいだよ! おとにゃのあそびだよ!」 母れいむは鬼の形相だ、真っ赤になって歯茎の付け根まで見えている。 「ぞんなごどずるゆっぐりをがうおねえざんがあるがあああああ!!!!」 ぴこぴこさんでバシバシ叩く。ゆっくりの教育には体罰が効果的だ。 とはいえ最近のゆっくり学会ではゆっくりを叩くと中枢餡が傷んでバカになるという報告もある。 ハリセンで100回殴ったゆっくりのIQは平均で9ポイントも減少したという。 「ばかはいたいめをみないとなおらないよ!!!」 「ゆえええええええんん!!!!!! おかーしゃんがぎゃくたいしゅるよおお!!!!!」 そうこうしてる間にゆっくりの親子と人間さんの親子の間には大きな溝ができてしまった。 「……」 「ほら、ゆっくりってああいう汚い所があるのよ。お誕生日にゆっくりっち買ってあげるから。 そっちのほうがいいでしょ?」 母れいむはおちびちゃんから女の子にぐりんと向きなおる。 「ゆゆ! まってね! ゆっくりしていってね!」 しかしもう女の子の心は離れてしまった。 「……うん、本物のゆっくりはいらない、不潔だもん」 「「「「「ゆがーん!!!」」」」」 ☆☆☆ 「まったく! つぎへんなことしたらすてるからね!」 「ごめんなちゃいいいい!!! ちゅてないでええええ!!!」 母れいむの怒りのこもった半ば殺しにかかるような虐待で、いや愛の鞭で、なんとか反省させたらしい。 「おちびちゃんはわざわいのもとだから、おわるまであそこのでんちゅうさんにかくれててね!」 「……ゆう、ゆっくちりかいしちゃよ」 とぼとぼ跳ねてゆく、そしてゆっくり100個分も向こうにある電柱に辿りつくと、 その陰にゆっくりと隠れた。 その後ろ姿に母れいむはぼせいを刺激されたが、これは仕方がない。 このままおねだりを一回も成功できないのでは生死にかかわる事態になる。 禍の種は完全に断たなくてはならない。 そして人間さんの選択も慎重に行わなくてはならない。 そう、れいむたちの輝かしい未来のために! 「ゆゆっ、あのひとがいいよ! おちびちゃんたち、ぜんりょくでいくからね!」 「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!!!」」」」 そして物陰から飛び出す1と4の影。 その笑顔は今までで最上のものだった。もしこの笑顔でゆっくりにむけてごあいさつすれば あまりのれいむたちのゆっくりっぷりに永遠にゆっくりしてしまうだろう。 と母れいむが妄想するほど凄いものだった。 ゆん生史上最高のものだった。 これでごあいさつが決まれば! 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 三度も奇跡は起こらない。 れいむ達が笑顔で挨拶したのは血も餡子もない虐待鬼意山だった。 ☆☆☆ 「れいみゅのいもーちょがあああ!!! おねーしゃんぎゃああああ!!!!」 赤れいむが泣いている。 ご挨拶したおちびちゃんはみんな鬼意山に踏まれ、事切れてすでに虫がたかっている。 母れいむも無事ではない、皮がやぶれ餡子を漏らし、動くこともままならないのだ。 「どぼちてこんにゃこちょにいいいい!!!!???」 泣き叫ぶのはさっき電柱に追いやられたちょっと空気の読めない赤れいむだった。 母れいむの視線はその赤れいむに注がれていた。 「お……お……」 「おきゃーしゃああああん!!!」 ふるえる母れいむ。 そして。 「おばえがよげいなごとしなぎゃ、ぎゃぐたいおにいざんにもあわながっだんだあああああ!!!!!」 母れいむは最後の力を振り絞って、非ゆっくりの元凶にとどめを刺した。 おわり ・ゆっくりした過去作さん anko1621 れいぱーは人気者 anko1609 幸せ崩壊丼 anko1592 赤ゆが凄い生えちゃった事件
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独自設定満開はデフォ。 なんだか救われない気がします。かぶってたらごめんなさい 虐なしだとおもいます 書いた人は取り立てあきです よろしくお願いします! 私は現在無職のおねーさん 勘違いしないでほしい。ニートではない! ちゃんと働いていたのだが会社が人員削減となりその煽りをくったのだ。 希望退職だったため通常より多めに退職金も貰った。 幸い数年働いていたので失業手当も支給されている。 人生の夏休みのようなもの。 来月くらいからはきちんと職探しを始めようと思っているが いかんせん前の職場でゴタゴタしたので疲れているのも事実だ。 1か月ぐらい休んでいてもいいだろうと思う。 そんな私はれいむとまりさを飼っている。 基本的な組み合わせだがかわいいとおもう。 二匹は別のペットショップで買ってきたのだが、はじめはドギマギしていた。 月日が流れていくうちに仲よくなり、当たり前のように番となった。 私自身、舌足らずで無邪気な子ゆは結構好きな方なのですっきりー!の制限は設けていない。 まぁ、にんしんっ!したらその数をみて、そのあと制限しようと思っていた。 「ゆーん!ゆっくりしたおちびちゃんがほしいよ!おねーさん!れいむのあかちゃんみたい?」 「まりさはあかちゃんみたいよ!おねーさんもみたいよね!?」 「そうねー。きっとかわいい子たちだと思うからおねーさんも見たいわ」 少し押しつけがましい提案ではあるが、ゆっくりなので仕方ないことだ。 二匹はとてもうれしそうにすりすりしていた 。 その次の日の朝、やっぱりというべきかあっさりれいむの額に茎が伸びている。 二匹とも初めてのにんしんっ!ということもあるのだろうか、実ゆが二つ。 「ゆ~ん!おちびちゃんかわいいよぉぉぉお!!!」 「まりさとれいむのおちびはとってもかわいいよぉぉ!!」 素直に嬉しそうな二匹をみていると癒される。 このまましあわせー!なゆん生を送るのだろうと、このときは考えていた。 「おねーさん!おねーさん!!おちびちゃんがゆっくりうまれそうだよ!」 実ゆが出来てから数日後、リビングで寛いでいた私にあわてた様子のまりさが報告してきた。 まりさも初めての経験なのでドキドキしているのだろう。 ハウスのれいむを見ると、茎に実ったゆっくりがふるふると震えていた。 ぽとん 「ゆっくりうまりぇたよ!ゆっくりしちぇいっちぇにぇ!!!」 まず1匹。まりさ種が元気に産声を上げた。 「ゆわぁぁあああ!!!れいむすごいよぉぉ!!かわいいおちびちゃんだよぉ!!!」 感動にうち震えるまりさ。 そして程なく二匹目がぽとりと生まれ落ちた。 「ギュ・・・ュピィ!!!!!!!」 生まれたのは辛うじてれいむ種と認識できる程度のものだった。 黒くきれいなはずの髪の毛はボサボサ。 真っ赤な飾りは左右非対称でアンバランス。そして小さい。 表情は言うまでもなく、ゆっくり基準でゆっくりしていなかった。 「・・・ゆ・・・????」 「ゆ・・・ゆっくりしていってね・・・?」 心配そうに二匹は挨拶をするが、帰ってくる返事は 「ユッチ!ュッチィィイイイ!!!!!」 その日かられいむの過酷な子育ては始まった。 さすが取り柄が母性のれいむ種。 れいむは二匹に対して分け隔てなく、はた目から見てもかなり懸命に子育てをしていた。 飼いゆなのでごはんの心配はないものの、れいむ種としてお歌はアイデンティティー。 「おちびちゃん!ゆっくりれいむのおうたをきいてね!ゆっくりまねしてね! ゆっくりのひ~♪まったりのひぃ~♪・・・どう?かんたんだよね!?」 「ュッチィィ~!ュッチュィィ~!!!!」 真似をしているようだが、母れいむのそれとは大きくかけ離れていた。 「・・・ゆん!まだおちびちゃんにはむずかしかったね!ゆっくりおしえるよ!」 「ュピィ・・・・!!!」 「おちびちゃん!ぴこぴこさんをゆっくりうごかすよ!」 少しワサワサした感じのもみあげを母れいむは左右上下に動かす。 「ピィ!!!!!!・・・ュッッピィィイイイイイイ!!!!!!!!」 なかなか上手く動かすことができない。 そして突然癇癪をおこす未熟ゆのれいむ。 「ゆぅぅぅ!!!おちびちゃぁぁん!どうしたの!?ゆっくり!ゆっくり!」 何度同じことをいっても処かまわずうんうんをする。 しかもあにゃるのしまりが悪いのかうんうんがついたままだ。 そのたびにれいむは口でうんうんをといれっとさんまで運んであにゃるをぺーろぺーろしてあげた。 まりさも手伝ってはいたが、 「おかーさんはれいむなんだよ!れいむがんばるよ!まりさはおちびちゃんのまりさにいろいろおしえてあげてね!」 と、なかなかの母性を発揮していた。 しかし何日かするとれいむはすこしやつれていた。。 それを見ていたまりさもれいむの苦労がわかるのかとても心配している。 「れいむ?だいじょうぶ?つかれてるみたいだから、まりさのごはんさんすこしわけてあげるね」 「ゆー・・・まりさ・・・ゆっくりありがとぉだよ・・・!」 「おきゃーしゃん!まりちゃのもあげりゅ!」 「ゆぅぅ!!!おちびちゃん・・・!!!!おちびちゃんはとてもゆっくりしているね・・・」 れいむは少し涙ぐんでいる。 私も少しかわいそうになっていた。 「れいむ。こっちきなさい・・・元気出すのよ?」 「ゆん!おねーさん・・・!れいむがんばってるんだよ・・・でも・・・でもっ!」 「うんうん。れいむは頑張ってるわ。おねーさんも理解してるわ。元気出してね」 そっとれいむにカステラの切れ端をあげた。 「ゆぅぅん!ゆっくりありがとぉぉぉ!!!!むーしゃむーしゃ・・・」 やはり少し涙ぐみながら食べていた。 おちび達が生まれてから二週間ほど。 未熟ゆはそもそも体が弱かったらしい。 れいむの懸命な子育てにも関わらず、その短いゆん生を終えようとしていた。 「・・・・ュ・・・ュ・・・」 何日か前からうまく動けなくなっていた。 「・・・ュッピィ・・・・・・・・」 そして、ついに餡子の活動が停止した。 「・・・ゆんやぁぁぁぁ!!!!れいむのかわいいおちびちゃぁぁあん!!!!!」 「・・ゆ!れいむは・・れいむは・・がんばったよ・・まりさちゃんとみてたよ・・・」 号泣するれいむに優しくまりさとまりちゃは声をかけていた。 れいむはすっかり元気がなくなった。 まりさが気分をかえて遊ぼうと誘っても気分じゃないと断っているようだった。 そんなある日、意を決したように私にまりさが話しかけてきた。 「おねーさん!ゆっくりまりさのおはなしをきいてね!(キリッ!)」 「ど、どーしたの・・・?」 「れいむはすごくしょんぼりさんなんだよ!おちびちゃんがえいえんにゆっくりしちゃったせいなんだよ!」 「そうね・・・かわいそうだったわ・・・」 「おねーさんにおねがいさんだよ!もういっかい!おちびちゃんがほしいんだよ!」 「・・ん?」 「おちびのまりさはいるけどおちびのれいむはいないんだよ! きっとれいむもおちびのれいむがいればゆっくりできるとおもうんだよ・・・!」 赤ちゃんれいむがいれば気が晴れるだろうということらしい。 それも一理ある。 れいむだって自慢のお歌を歌ったり、ゆくゆくは子育てを教えたりしたいはずだ。 「それも・・そうね。いいわよ」 「・・・ゆ!ゆー!ゆっくりありがとうだよっ!!!!!」 ぽゆんぽゆんまりさはハウスへ帰っていった。 はじめはれいむも気乗りしなかったようだが熱心なまりさの説得により再度すっきりー!をすることになったようだ。 今度もれいむに茎が生えている。 実ゆが3つ気持ちよさそうにゆらゆら揺れていた。 「ゆぅぅ~!!!おちびちゃんっ!!!!やっぱりかわいいよぉぉぉ!!!!」 まりさも説得した甲斐があった。れいむは全身で喜びを感じているようだった。 そして・・・ぽとんぽとんぽとん! 三匹の赤ゆは無事生まれ落ちた。 「「「ゆっきゅりしていっちぇね!!!」」」 今回は未熟ゆはいないようだった。 二匹も前回のことが頭にあったようでほっとした表情だった。 「ゆ~ん!れいむがおかーさんだよぉっ!!!ゆっくりしていってね!」 「ゆわぁぁ!!かわいいおちびちゃんたち!!まりさがおとーさんだよ!!!」 「あかちゃんはゆっくりできるね!!まりさがおねーしゃんだよ!!!」 れいむ種が2匹、まりさ種が1匹だ。これで家族構成的にも丁度良い感じになる。 家族仲よくすーりすーりしている。 今度は心配なさそうだ。 未熟ゆでも頑張って育てていたれいむの母性のことだ。 正常で生まれたならばまず大丈夫だろう。 私は赤ゆ達の成長を見守ろうと思う。 次の日 「・・・えぐっ・・ぐすっ・・おねーだん・・・・!」 まりさの様子がおかしい。 泣きながら私のところに来たのだ。 「どうしたの??なんかあったの???」 「ゆっぐ・・・ゆっぐ・・・おちびの・・・おちびのれいむが・・・っ!」 どうやら生まれたばかりのれいむに何かあったらしい。 急いでゆっくりハウスにいくとれいむが泣きながら子守唄を歌っていた。 「ゆ・・ゆ~っくり~♪・・・す~やす~や~♪・・・えぐっ・・」 れいむの足元をみると元気だったはずの赤れいむ1匹の眼が泳いでいた。 「・・・・ゅっぐちぃぃ!!!・・・ゅぴぃ!!!!!・・ゆぴょぴょ・・・」 そして少し足を引きずっていた。 「・・・・ちょっと見せてみて・・・」 そう言ってその赤ゆを持ち上げようとした瞬間 「ゆ!!!!!!おねーさん!!!!やめてね!!!!」 ものすごい勢いでれいむに怒られてしまった。 「おちびちゃんはきっとつかれているんだよ!!れいむががんばってゆっくりできるように おうたをうたってるんだよ!?じゃましないでね!!!!」 無理もないだろう。昨日まで幸せいっぱいだったはず。 それが一夜にして悪夢の再来になったのだから。 神経質にならない方がおかしいのかもしれない。 私はそっとしておくことにした。 やはりれいむは懸命に子育てをしているようだった。 お歌を教え体を動かすことを練習させちゃんと話せるように発音練習までやっていた。 わたしもかわいそうに思い、時々一緒にYHKの子供番組を見せたりした。 餡子が良くなるようにオレンジジュースをあげたり、疲れた様子のれいむにクッキーを焼いたりもした。 しかし不幸な事は繰り返されるのだった。 「ぉぉ・・・おちびちゃぁぁああああんんん!!!????おめめゆっくりあけてねぇええ!!????」 「ゆぅぅうう!!!かみさまはずるいんだよぉぉ!!まりさたちはゆっくりしたいだけなのにぃぃ!!!」 まりさとれいむは号泣している。 二匹の赤ゆと姉まりさも今起こっていることが理解できてるのであろう。 ポロポロと涙を流していた。 れいむとまりさは至って元気な個体だった。病気らしい病気だってしたことない。 なのに。 なぜ未熟ゆができてしまうのか。しかもれいむ種ばかり続けて。 餡統になにかゆっくりできない欠陥があるのだろうか。 人間でもよくある話だ。 本人たちは問題ないものの生まれてくる子になんらかの障害が出てしまうことが。 幸い他の子ゆたちは現状問題なさそうだし、100%未熟ゆが生まれるわけではないのだろう。 それならば今いる子たちを頑張って育てればいい。 それでも幸せなゆん生だとすら思う。 傷心であろう一家に、真心と労いを込めてクッキーとホットケーキを用意してあげた。 もそもそと沈んだ様子で食べ始めた一家は食べ終わる頃にはすっかりごきげんになっていた。 その日から何日かはとてもゆっくりした日々だった。 赤れいむにおうたを歌い、まりさはまりさでやることはないであろう狩りについてお話していた。 まりさはとてもれいむを愛しているのかこんな提案をしてきた。 「おねーさん・・ れいむをみまもってほしいんだよ!」 「んん??」 「れいむはいまげんきさんだよ・・でもまだずっとゆっくりしちゃったおちびちゃんのことを きにしてるみたいなんだよ。だからすこしでいいかられいむをみまもっててほしいんだよ!」 まりさなりの愛情なのであろう。まりさはまりさのちびたちを見ているので忙しいということか。 「あと・・・すこしきになることがあるよ・・・おちびのれいむがときどきくるしそうなんだよ・・・」 またれいむ種に異変・・・? 私も暇なのでその提案を受けることにした。 ハウスにこっそりとカメラをとりつけPCを開いているときに端の方に表示するようにした。 行為に気がついたのはそのすぐあとだった。 「ゆー!おかーしゃんれいみゅもういやだよぉ!」 「ゆん!だいじょうぶだよ!おかーさんのゆうことをきいてればびょうきさんにならないからね!」 「ゅぅぅ・・・・いじゃいぃぃぃ!!!」 まりさ不在時のことだった。 れいむがちびになにかしている。 カメラでは詳細はわからないのでハウスに急行した。 そこには細いストローとぐったりした赤れいむがいた。 「ゆん!おねーさん!ゆっくりしていってね!」 「・・・れいむ・・・なにしてたの・・・?」 「ゆっ!!??な、なにもしてないよ!!!」 私は赤れいむを取り上げようとした。 「ゆ!!!ゆっくりやめてね!!!れいむのあかちゃんはれいむがそだてるんだよっ!!!?? まえのおちびちゃんがてんしさんになってきずついてるんだよ!?おねーさんはりかいしてね!」 「でも、あかちゃんが・・・」 私がそこまで言いかけると真剣な表情で言葉を挟んできた。 「そんなことよりたいへんなれいむをゆっくりいたわってね!れいむはかわいそうなんだよ!?」 「えっと。まってねれいむ。痛いのは赤ちゃんでしょ?」 「ゆん!いたいいたいさんでかわいそうだよ!ゆっくりできないおちびちゃんができたれいむは とってもかわいそうなんだよ!」 「いや、だからそうじゃなくて」 「ゆー!!!おねーさんはなんにもわかってないよっ!こそだてはたいへんなんだよ!? おねーさんはおちびちゃんがいないからりかいできないんだよ!! がんばっているれいむをいじめるなんておねーさんはゆっくりできないよ!!」 自分の子供を傷つけて同情を引く。優しくしてもらう。 それで自分はゆっくりした気持ちになる。 れいむの母性は子供の為ではなかった。 普通のれいむ種であれば子ゆがたくさんいることで精神的充足感を得るという。 しかしうちのれいむは子ゆを育てることで注目され優しくされる自分が快感になってしまったようだった。 同族であるれいむ種ばかりこうなってしまったのも、より注目されるからであろう。 そのとおりにまりさは心配していたし私だって随分心配した。 思えば初めての赤ちゃんは偶然の不幸だ。 その赤ちゃんの介護で私やまりさにやさしくされたのが仇となってしまったのか。 そう考えると私にも責任がある・・・。 「わかったわ。れいむ。疲れているのね・・・。これでも食べなさい」 「ゆん!おねーさんありがとぉ!むーしゃむーしゃ・・・しあわせぇ・・・・」 私は考えた。 できれば処分したくない。 しかしこのままではいずれ他子ゆにも被害が及んでしまう。 眠ったれいむを透明な箱に入れて他の部屋に移動させた。 まりさがハウスに帰ってきた。 「おねーさん!きょうはおちびたちとだいどころさんをぼうけんしたんだよ!」 楽しそうにまりさたちが出来事を私に報告してきた。 「ゆ・・?れいむは・・・?」 「まりさ。ゆっくりきいてね?れいむ病気さんになっちゃったみたいなの。」 「ゆぅぅぅ!!!!れいむぅぅ!!!!!」 「でも大丈夫。おねーさんがなんとかするから。元気になったらもどってくるかもしれないからね?」 「ゆ・・・かなしいけどゆっくりりかいしたよ!!!おねーさんありがとう!」 少し涙ぐんだがまりさは持ち直した。 片親になってしまったことで自分がしっかりしなければとでも思ったのだろう。 赤れいむはどうにか手遅れにはならなかった。 言語障害もおきていない。 どこでそんな知識を得たのか餡子に水をストローで注入されていたようで、すこしたぷんたぷんとしている。 まりさのもとで健やかにそだてばいずれ治ると思う。 れいむ種ペットショップでも他の種にくらべ格段に安い。 繁殖しやすいというのもあるのだろうが、育て方を間違えるとすぐ駄目になってしまいやすい。 そんなことを考えていると。 「おねーさんどうしたの?ゆっくりしてないよ?まりさしんぱいだよ?」 と話しかけてきた。まりさ種は善良なものが多い。 まれにゲスとよばれるものに当たるがそれ以外はすこぶる飼いやすい。 「大丈夫よまりさ。心配してくれてありがとうね。一緒にあそぼっか」 「ゆん!おねーさんといっしょにあそぶよ!おちびたちもいっしょにあそぶよ!」 元気にまりさたちと赤れいむはこーろこーろしている。 れいむは薄暗い所にいた。 さっきまでゆっくりしていたはずなのに、ここはどこだ。 『ュッキュリ!』 声がした。 「おちびちゃん!?おかーさんはここだよ!」 手探りでそれにたどり着く。 「ゆうぅぅ!またびょうきさんになっちゃったんだね・・・! れいむがおせわしてあげるよ!!!だいじょうぶだよ!!!」 また健気に子育てを開始する。 数時間してドアが開く音がした。 バラバラとそれなりのゆっくりふーどが足元に転がった。 「むーしゃむーしゃ・・・それなりー。あかちゃんもゆっくりたべてね」 柔らかくしたごはんをそれにあげる。なかなか食べてくれない。 れいむはゆっくりするおうたを歌った。 『ュッキュリ!ュッキュリ!』 それしか返してくれない。 「ゆーん!れいはがんばってこそだてしてるよ!」 もう誰も、れいむを褒めてはくれない。 『ゆっくり子育てするよ!ばーじょん3!』という商品。 話す内容などはPCと接続することで自分で決められる便利なおもちゃ。 通常であればすっきりー!が禁止されているれいむ種を満足させるためのゆー具だ。 私はあえて未熟ゆ設定にしてれいむに与えた。 未熟ゆを育てることによる充足感をできるだけ忘れさせるようにと思ったのだ。 子育てはそもそも大変であり、他人に褒められるためにするものではないというのを教えたい。 時間はかかるだろう。気がふれてしまうかもしれない。 殺処分は選択したくない私にはこれしか方法が思いつかなかった。 まりさに見てもらってる子ゆ達が大きくなり、もしれいむが再度愚行に及びそうな場合に 自分たちで逃げられるぐらいまではれいむは隔離しておくつもりだ。 もちろんれいむの病気が治ってくれれば言うことは無いが念を入れなければ。 病状がおちついたら去勢しよう。 子ゆも3匹。十分だ。 ぼんやりとテレビのニュースを見ていた。 「人間にもあるんだもの。ゆっくりにだってるんだよね・・・」 独り言をつぶやいているとまりさたちが膝にのってきた。 「おねーさん。ゆぅー。おひざさんぽかぽかするよぉ・・・」 気持ちよさそうに眠ってしまった。 すべすべぷにぷにのほっぺをつつくと「ゆ~ん♪」と気持ちよさそうに寝言をいった。 少しだけ、救われた気がした。 アトガキ あぅ。ハッピーエンドじゃない・・・気がする・・・ 頭のなかで考えた時はもっと制裁ありきのはっぴーえんどさんだったんですが、 暗いですね。ごめんなさい。 次はなんかアホなものを書いてみたいと思います。・・・できるかなぁ・・・ 前作で挿絵いただいた車田あきさま! 気がついてすぐ感想に書いたんですけどすぐ感想が消えちゃったの。ぐすん。 この場でお礼さんです。ありがとうございました!!☆ 過去に書いたもの anko1396 しゃっきんさん anko1427 しゃっきんさん その後。 anko1439 むしゃくしゃさん anko1445 おりぼんさん anko1470 しんぐるまざーって大変だね! anko1494 はとぽっぽ anko1633 不運な俺とまりさ anko1646 水ゆ anko1654 懲りずに水ゆを飼ってみた。 anko1658 にょーう anko1685 夏にありがちな話。 挿絵:車田あき
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旧wikiより ※ゆくドナルドの続編です。 ※主に一人語りの文章です。 ※後輩の語尾に「っす」っていうのが付きます。 ども、ゆくドナルドの後輩っす。 今日も厨房は先輩と二人のシフトのはずだったんすけど、 噂によると、先輩はおっぱいに挟まれて怪我をさせられて、 遅刻だそうです。まったく下品な話っす。 ってな訳で、今現在一人でゆっくりサンドを作っているっす。 深夜時間帯とかは基本的に一人で作っているものっすけど、 今みたいに夕方の5時位だと大抵は二人以上いるもので、なかなかきついっす。 ピッ 『まりサンド』 あぁ、またオーダーが入ったっす! ストック溜めたいのになぁ、もうっ。 なんかイライラするから普段の先輩みたいに 妄想しながらアッセンブルするっす。 さぁさぁさぁ!取り出したるは、一組のバーガーパン! 真ん中にスリットが入っていてちょっとかっこよくなったっす。 前回のデスマスクパンも自分は好きでしたが、 最近では、質の向上のためにパン専用のゆっくりを養殖して 使っているらしいっす!なんでそうなったのかって? お客様からのクレームがあったから? 供給が追いつかなかったから? たぶんそうじゃないとおもうっすよ。 一説では、加工所の方針が原因だって言われているっす。 まぁ、あくまでも人づてに聞いた話なんで、確証はないっすけど。 加工所という組織は、ゆっくりを絶望のどん底に叩き落すことで、 良質な餡子饅頭やカスタード饅頭を生産しているっす。 その苦しみが強ければ強いほど、その悲しみが深ければ深いほど、 饅頭共を食する人々に幸福感を与えることが出来るっす。 だから生産の過程で、食品加工においては 本来なら非効率的なプロセス― 例えばアマギり、例えばあんよ焼き、例えばコミュニケーションの断絶 例えばむーしゃむーしゃの禁止、例えばうんうん・しーしーなどの排泄の禁止など、 数えたらキリが無いくらいの虐待を生産量を度外視してでも施しているっす。 だからこそ、加工所からゆっくりの悲鳴が止むことはないっす。 出来るだけゆっくりを苦しめよう、出来るだけゆっくりを痛めつけよう。 そのような思想が蔓延する加工所の中においては再利用なんて、 『虐待効率』の低い行為はゆるさなえなところがあったんでしょうっす。 だからこそ、ただパンの材料にされるためだけに殺される存在の ゆっくりというものを作った、そう言われているっす。 痛めつけると、饅頭皮が美味しくなるのかというのところは 正直はっきりしてないらしいっすけど、ゆっくりを痛めつけられる理由があれば それだけで十分だと自分は思うっす。 おっ、パンが焼けたっす。 じゃあさっそく味付けっす。 まりサンドは、れいむサンドと違って、赤ゆディスペンサーを使わないっす。 赤ゆディスペンサーの餡子ソースは、通常の食用ゆっくりの餡子と比べて味が さっぱりめになっているっす。でも、まりサンドは具材が具材なんで、あまり 薄味だと、物足りなさみたいなものを感じちゃうっす。 だから、まりサンドにはもっとふさわしい調理器具があるっす。 その名も・・・ 「ぺにぺにすがん!!!」 いけねっ!つい声に出しちゃったっす。めっちゃ恥ずかしいっす。 構造はいたって簡単! まず空洞の円柱を想像してください。 そして、その中身を空洞にしてください。円柱は底部以外は覆われているっす。 更に、円柱の上部に銃の引き金のようなものを取り付けてくださいっす。 最後に引き金を引くと、下がっていく円盤のようなものを中に入れるっす。 形は大体こんなもんっす! 次に使い方ぁ! 活きのいいれいぱーありすを頭からぺにぺにすがんの底部へ押し込むっす。 ここで重要なのは、ぺにぺにがぺにぺにすがんの底部から見えるように入れることっす! しっかりれいぱーを入れたら、はみだしているぺにぺにを思いっきり引き千切るっす! ちゃんとぺにぺにを引き千切ることができたら、 「あ゛でぃずのどがいばなぺに゛べに゛がぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」 っていう若干篭った音声が、聞こえるのでよーくチェックするっす。 パンにソースを打ち込む時は、 ぺにぺにの切り口をパンの方向に向けて、引き金を引けばいいっす。 すると、中にいるありすが、金属の円盤によってプレスされるっす! ガシャコン!「ゆぎぃ!!」 ね、簡単でしょ? ぺにぺにすがんは、その特殊な構造によって、トリガーを引かない限り、 カスタードが流れないようになっているっす。だから、れいぱーが死ぬことは無いし、 かといって、千切れっぱなしなので痛みが止むことは無いし、そもそも、発情中なのに 精子カスタードを発射できなくて、すーぱー生殺しタイム! 加えて動けないのでストレスが発散できることは無いしと、 れいぱーありすを非常にゆっくりできない状態で長時間保存することが出来るっす。 地獄の苦しみから解放されるのは、高頻度で使用されて体中のカスタードがなくなったときっすね。 おお、悲劇悲劇。 さて、お次はトッピングっす! まりサンドのトッピングは、唯一つ! 大小様々なまりさ種のおぼうしっす。 いいっすね~。色んな形、色のおぼうしがあるっすね~。 でもただのおぼうしじゃないっすよ。 常にゆっくりの美味しさを追求する加工所がそんな甘いことをするわけが無いじゃないっすか。 実は全部死臭つきのおぼうしさんだったりするっす。 どぼしてそんなことするのーーー??って? 至極簡単なことっす。 そうすればゆっくりが苦しんで、ゆっくりがおいしくなって、人類が幸せになるからっす。 おぼうし生産専用のまりさたちは、 ある一定の成長基準を満たした瞬間から、おぼうしを美味しくする虐待にかけられ続けるっす。 全身にうんうんを塗りたくられたり。自分のおめめを食べさせたり。 おさげを体に突き刺されて中枢餡ぎりぎりの位置で固定されたり。 六面全部しっかり焼きを入れられたり。他のゆっくりの舌をまむまむに突っ込んだり。 そして、他のゆっくりの死臭の付いたおぼうしを被せられたまま、 じっくりじっくりと踏み殺されていく・・・。 ―・・・ゆぎぃぃぃ!!!ぐざいぃぃぃ!!! ―どぼじでうん゛う゛んざんばりざにつげるのぉぉぉ!!! ―ゆぐぅぅぅぅ!!!まりしゃのおべべさんゆっくりもどってねぇぇぇぇ!!! ―ゆ・・・?おべべざんはだべられるわけないでしょぉぉぉぉ!!!! ―ピギッ!・・・ュげッ!・・・や・・・やべて・・・ ―あじゅぃぃ!!!ま゛りじゃのき゛ゅーと゛なぶろん゛どのかみのけさんがぁぁぁ!!! ―あッ!!!あにゃるがこげるぅぅぅぅ!!! ―ぎ、ぎぼちわるのぜ!!!まむまむがぬめぬめするのぜ!!! ―はやくとるのぜえぇぇぇ!!!まむまむさんがとけちゃうんだぜぇぇぇ!!! ―ぐざいのぜ、いやなのぜ!こんなものかぶせるなだぜ!!! ―ゆんぐぐぐぐぅ!!!ちゅぶれるのはいやなのじぇぇぇぇぇぇぇ ―ゆ゛・・・・ゆ゛・・・・ゆ゛ごばッ!!!も・・・と・・・ゆ・・た「グチャ」 ってな感じでおいしく加工されてると自分はおもうっす。 この間赤ゆディスペンサーの中の赤ゆを一匹取り出して、この死臭まみれのお帽子の 切れ端を被せてやったら、一瞬で吐餡してデスマスクが出来上がったっす。もしかしたら、 自分の想像なんて目じゃないくらい虐待してるかもしれないっすね! いよっ!世界の加工所! おぼうしの切れ端を一掴みトッピングして、次は メイン子まりさをパンに乗せるっす! でもここで少し時間を遡るっす。 ・ ・・ ・・・ 「え~っと、今のストックレベルは2匹が2トレーっすね。で今1トレーしかないから2匹作るっす」 ゆくドナルドのメインの具材は、トレーで管理してるっす。セールスに合わせて臨機応変に変えられて非常に効率がいいっす。 「子まりさが2匹っと・・・」 冷凍庫から子まりさを取り出すっす。 本当は取り出したらすぐに調理しないといけない物だったりするんすけど、 先輩やマネージャーが見てないときはちょっとしたお楽しみをするっすよ! 「ゆゆぅ・・・なんだかあったかいのじぇ・・・」 「ぽーかぽ−かさんだよ!ゆっくちしてるよ!」 「ゆっくりできそうなのじぇ!・・・ゆ!もしかしてまりさはまりさなのきゃじぇ?」 「そうだよ!まりさはまりしゃだよ!ゆっくりしていってね!おねえしゃん!!!」 「ゆっくりしていってねなのじぇ!!!」 「おねえちゃん!ここはどこなの?ゆっくりできりゅの?」 「まりさにもわからないんだじぇ!でも、まりさがいるからにはゆっくりするんだじぇ!!!」 「たのもしいね!おねぇちゃん!ゆっくりしちぇるね!!」 と、まぁこんな寸劇を見ることが出来るっす。 でも、この寸劇はホンのおまけでメインはこの後っす。 「にんげんしゃんがいるよ!!!ゆっくりしていってね!!!」 「まりさのゆっくりぷれいすなんだじぇ!!!ゆっくりさせてほしけりゃあまあまよこしゅのじぇ!!!」 「はいはいゆっくりっす。」 このだじぇまりさは地味にゲスっぽいっすね。まぁどーでもいいっすけど。 ゆっくりの鳴き声にいちいち腹を立ててもしょうがないっすもの。 子ゆっくりがスッポリ入る形状が横に2個、縦に3個並んでいるステンレス製のバスケットへ 仲良し子まりさ姉妹を放り込むっす。ポイントはゆっくり共の顔面が天井を向いていることっす。 「ゆぎっ!!!だすのじぇ!!!このくそにんげん!」 はいはい。くそでで結構。コケコッコウ。 「まりさをあまくみてるといたいめをみるのじぇ!せいっさいしてやるのじぇ!」 どうぞ御自由に。やめるもんならやってみそ(笑 「ゆがぁぁぁぁ!だぜぇぇぇぇぇ!だじぇぇぇぇ!!!」 おお、うるさいうるさい 「ゆっぐ・・・だすのじぇぇぇぇ!!!」 ゲスっぽいくせに意外とメンタル弱いっすね。さすがへたれのまりさ種っす。 「やめちぇね!いたいのはいやだよ!かっこいいおにいさんはゆっくりしないでやめてね!!!」 ・・・ ・・・・ ・・・・・ 「自分は・・・自分は・・・女だぁぁぁぁっあ!!!!!!」 ひとの・・・ひとのコンプレックスをォォォォォォォ!!!! ゆるさん!ゆるさんぞぉぉぉ!!! そんなに自分には胸が無いって言いたいっすか!!! じわじわと嬲り殺してやるっす!!! バスケットの蓋を閉め、熱した油の中に子まりさズをぶち込むっす!! ジャボン。ジュワーッ、パチパチパチパチ! 「あじゅぃぃぃ!!!」 「だずげでぇぇぇぇぇぇ!!!!」 タイマーをポチッとなっす! 時間は60秒!ここがゆっくりが死ぬか生きるかの瀬戸際っす! 「やめるのじぇぐぞばばぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」 「ばりしゃしにたくないぃぃぃ」 「・・・」 (20秒経過) 「だすのじぇぇぇ!!!いぼうどはどうなってもいいからばりざをたずげるのじぇぇぇぇぇ!!!」 「どぼじでぞんにゃごどいうのぉぉぉぉいもうとのばりざががわいぐないのぉぉぉぉ!!!」 「ぶざいぐないぼうどなんでいらないのじぇぇぇぇぇ!!!」 「お゛ねえじゃんのぼうがぶざいぐでしょぉぉぉぉぉ!!!」 ・・・おお、ぶざまぶざまっす (40秒経過) 「じにだくない・・・じにだくないじぇ・・・・・」 「ゆ゛ひ・・・・ゆ゛ひ・・・・」 (60秒経過) パポパー、パポパー、ポチ。ガタン。ガチャン。 「た・・・たすかったのじぇ・・・」 「ぼうやだ・・・おうちがえる・・・」 加工所さんのゆっくりに帰る家なんて何処にもないっす。 あるとすれば、今は亡き両親のまむまむ位っすね。 ここで備品のオレンジジュースをかけるっす。 ジャバー! 「「さっぱりーーー!!!」」 「さ~て!ここにいるとってもキュートな女の子のことを、野郎呼ばわりしたのは 妹ちゃんでちたね~!」 「ぢ、ぢがうよ!おねえしゃんだよ!!!」 「こ、このくしょいもうと!!!うそをつくなぁぁぁぁぁ」 ありゃ?どうやら妹もゲス性をちょっとお持ちみたいだったっす。 いや、でもさっき裏切られていたから当然といえば当然っすか。 「にんげんさん!!!あのげすなまりさをせいっさいしてね!!!」 「ゆんぎぃぃぃぃぃ!!!」 あんだけ傷めつけたの元気っすね~。さすがオレンジジュース! 余すとこなくついていた衣も、奇麗さっぱり取れるっす。 「まぁまぁ、落ち着いて・・・温泉につかってゆっくりするっすよ!!!」 ガチャン!「やめりゅ・・」バチン「いだ」ジャボン「い゛い゛い゛い゛い゛い゛」 ジュワー。ポチッ「あぢゅいじぇぇぇぇぇ!!!!」 50秒経過 妹子まりさがなんだかおとなしいと思ったら、逆さまに入れちゃってたっす。 ぶりんぶりんさせていたおしりも、もうおとなしくなったっす。 あにゃるも締りがなくなって、小指くらいなら入れられそうっすね。 パポパーパポパー、ポチッ、ガシャン。 「ゆ゛・・・ゆ゛・・・」 「・・・・・・・・・・」 妹の方はお陀仏っすね! 辞世の句も言えず、ホント「ざまぁ!!」ってかんじっすね! 「じねぇ・・・ばばぁは、じぬんだじぇ・・・」 散々傷めつけたせいか、だじぇだじぇうるさかった奴が呪詛はき始めたっす。 正直こうなっちゃうと、商品価値が下がるっす。だから・・・ 「じねぇ・・・・」 「???なにもってるのじぇ・・・?」じりじりっ・・・ 「きんぞくさんをまりさにむけるなだじぇ・・・」じりじりっ・・・ 「こ・・・こっちにくるにゃだじぇぇぇぇ!!!」じりじりっ・・・ うーん!いい悲鳴っす!自分は今持っている器具はただの鋏っす。 何に使うかというと・・・ 「かわいい、かわいいまりさちゃん(笑)ちょっとだけ黙るっす。」 自分が手に持ちたるは、さっきからダジェダジェと不思議な起動音を鳴らしている、 子姉まりさの舌っす。別に切り取ったりはしないっすよ。食べられる箇所が減ってしまうのは、 お客様も満足できないっすから。もっと効率のいい方法があるっすよ。 「ふぁひふるふぁひぇ!!!」シャキン 縦に切るっすよ。そうすりゃ、悪口は聞こえないけど、悲鳴は聞こえる。 ムキムキさせられる事はないけど、一方的に痛めつけることは出来る。 ゆくドナルドは虐待お兄さん以外も利用するんで、あまり普通の人を刺激したくはない、 ってことなんすかねぇ。まぁ、さすがに愛での人は滅多に来ないとおもうっすけど。 「!!!!!ふぃふぁぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」 あっ!ちなみにグリルオーダーで呪詛吐きやゲス・善良種などを用意することできるっす! ちょっとお時間はかかるっすけど、こだわりや宗教上の理由で、 ゲスまりさしか食べられない等という方は是非オーダーのときにいってっくださいっす。 これぞ、MFY(めいど・ふぉー・ゆ~)ってヤツっすね! ・ ・・ ・・・ とまぁ、こんな感じでストックを作っていたっす。 何?ずっと前から妄想しているじゃないかって? いや、そりゃ一人だから仕方ないじゃないっすか。 トレーを引き出して、トングでふぁふぇ(だじぇ)子まりさをパンに乗せるっす。 おお、まだ生きてるっす! ピッ! 「▲おめめ」 んっ!おめめカットっすか。そういう事は先に言って欲しいっす。 顔面の一部以外カリッカリの子まりさのおめめ。 揚げたてのまりさはすりすりのしあわせは感じられず、 舌を裂かれたまりさはおしゃべりもむーしゃむーしゃのしあわせも感じられないっす。 もし、しあわせを得ることが出来るとしたら、おめめでゆっくりできるものを見ること位なのに、 それを奪う。ゆん生のしあわせ全てを奪う。 運命と言うものはいかでか残酷っすかね。 まぁゆっくりなんて所詮人の言葉で鳴く、ただの食べ物なんで、 あいつ等の幸福なんて心底どうでもいいことっすけど。 「ふぁふぇふぇふぁふぇぇぇぇぇぇぇ!!」 いやっす。プチプチ! 空っぽの二つの眼から、餡子と砂糖水が溢れてきたっす。 おめめカットを頼む人は、だいたいこの汁がドバドバ溢れている感じが堪らなくいいから 頼んでいるって、友達が前に熱く語ってたっす。自分はおめめのプチプチ感が好きなんで、 頼むことは無いと思うっすけど。 後はパンに挟んで、包装!カウンターの方に流して終わり! 我ながら素晴らしいオペレーションっす。 「まりちゃ、M(おめめ)カットっす!」 「うふふ。あいかわらずつくるのがはやいわね、後輩ちゃんは」 「いやいや、そんなことないっすよ。れてぃさん。自分はまだまだっす」 今話しているのは、カウンターパーソンのれてぃさんっす。 胴付きのゆっくりだけど、プラチナバッチ持ちの優秀なゆっくりで、 うちのゆくドナルドでも主戦力となる存在っす。 れてぃ種は一般的にふとましいということが言われているっすけど、 多分それはおっぱいのことを言ってるっす!れてぃさんのおっぱいふとましいっす。 先輩はいつもれてぃさんと話すときおっぱい見てるっす。なんだかねたましいっす。 「うふふ。後輩ちゃん、もうしわけないんだけど、パイをだうんしてもらえないかしら?」 「えっ!おっぱい!じゃなくて何パイっすか?」 「うふふ。べーこんごはんさんパイを5つ。ぱしたさんパイを5つおねがいね。」 「ヒャッハーっす。でも、パイよく出るっすね。ゆーポンでもでてるっすか?」 「うふふ。ええ。どっちも一個50円のゆーポンがでてるわ」 「そりゃ出るっすね。」 メイン商品に甘いものが多い、ゆくドナルドにはしょっぱめなパイが置いてあるっす。 べーこんごはんさんパイはまりサンドと一緒に、 ぱしたさんパイはれいむサンドと一緒に買われることが多いっす。 ゆーポンがあろうが、無かろうがそういうジンクスがあるっす。不思議っすね。 「おはようございまーす!」 「うふふ、おはよう」 「あっ、先輩おはようございますっす!おっぱいに挟まれて怪我したんじゃなかったんすか?」 「なんでそう伝わってるんだ?おっぱいなら俺も挟まれたいよ。今日遅刻したのは、 大学の野良ゆっくり駆除を手伝っていたら、胴付きてゐのうんうん落とし穴トラップに引っかかったからだよ」 「災難だったっすね。うんうん先輩」 「割とショックだったからやめて」 「ご、ごめんなさいっす」 「でも、俺に罠を仕掛けた胴付きてゐは、大学の胴付きゆっくりをアツく愛でる会っていう HENTAIお兄さんのサークルに簀巻きにして渡してあげたからもう大丈夫」 「先輩地味に鬼畜っす。」 「まぁ今頃十人掛かりでHENTAIお兄さんがはぁはぁしてるよ思うよ。 てゐもお得意のハニートラップを、涙が出るほど楽しんでるんじゃないかな」 「絶対楽しんでないっす。多分てゐの目が死んでるっす。」 「さて、待たせたな。ストックは何万円だ?」 「15000円っす。れいむとありすを多めにストックしてるっす。 れみりゃはタイムアウトしてるから置かなくていいっす。」 「OK。じゃあ、クローズまで頑張ろうぜ」 「――ヒャッハーっす!!!」 ゆっくりを弄くりまわすのはとっても楽しいっす。 でも、自分がユックを続けている、一番の理由は、 気の合う仲間と仕事が出来るからっす。 賃金が安くても自分、 当分やめる気はないっすから!!! <終わり> <おまけ> ぐちゅっ!ぐちゅっ!ぐちゅっ!ぐちゅっ!ぐちゅっ!ブビュウゥゥゥ!!! 「おお・・・胴付きてゐのおくちまむまうは最高だなァ!!!」 「っっっぶはぁ!!!もうやめるうさ!てゐはこんなこといやだうさ!!!」 「またまたそんな嘘ついちゃって~! かわいいなぁ!じゃあ次はあにゃる千本ノックいってみようか!!!」 「「「「「「「「「ヒャッハァァァァァァァァッァァァ!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」 「や、やめるうさっ!てゐのあにゃるにぺにぺになんてはいらないうさっ! いっしょうのおねがいだからやめるうさ!!!」 「・・・さすがてゐ!!!随分とそそる嘘をついてくれるなぁ!!! お兄さん達てゐをただのうさびっちだとおもってたよ!反省反省」じりっ・・・じりっ・・・ 「くるなうさっ!・・・い・・・・・いやうさぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」 HENTAIお兄さんと胴付きてゐのアツい夜はまだまだ続く・・・ <後書き> 前作の感想欄に揚げまりさというものを見つけたので書いてみました。 作者はオペレーション一筋の人間ですが、 機会があればカウンターの方の仕事も書いてみたいですね。 ちなみに、本作中のシフトマネージャーは、ストックチャートを更新しています。 何匹ゆっくり共を殺してやろうかと、ニヤニヤしながら仕事をしています。 このSSに感想を付ける 選択肢 投票 しあわせー! (146) それなりー (10) つぎにきたいするよ! (9)
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『ゆ虐ツアー』 虐待普通 パロディ 小ネタ 現代 独自設定 初投稿です 本日は当方鬼月観光のゆ~楽満喫田舎体験ツアーをご利用頂きありがとうございます このバスはこれよりSS村へと向かわさせていただきます 2時間程ではありますが道中のお楽しみとして各座席前に今朝もぎたての新鮮枝付赤ゆをご用意させていただきました 新鮮な味を楽しむも良し 幼い鳴き声を楽しまれるのも良いでしょう 思い思いのゆっくりをお楽しみ下さいませ ではSS村までの時間を・・・・ 『ゆっくりしていってね』 「「「「ヒャッハァー!!」」」」 バスガイドに応える奇声と共に客らは赤ゆを手にする 目の前の椅子背には針や爪切りペーパーナイフに塩や唐辛子 ドリンクホルダーにはオレンジジュースと至れり尽くせりだ ちなみに車内は火気厳禁なので火を使ったゆ虐はできない 『キュピィ!ユックチヤメチェエ~』 『プスプスシャンハユックチデキナイ~』 早速あちらこちらの席から拙い悲鳴の心地良いBGMが流れる このツアーは過疎化に苦しむ田舎の起死回生の村興し事業で企画された 念のため擁護派に配慮してツアー名やガイドの台詞からはゆ虐色は出来るだけわかりにくくしてある このゆっくりとゆう生物は少し人が手を貸すだけで爆裂に殖える 自然しかない田舎でも事業資金に悩まずに殖やす事ができる しかもゆ虐用だから躾や品質を問われる事はない むしろゲスであればあるほど鬼井山に喜ばれるとゆうのだから楽なもんだ 山一つを柵で囲い、その中で繁殖させる 柵には網を張り既にヒャッハーされた個体の飾りを括りつけておけばゆっくりらは柵に近寄る事もなく逃げる事もない 山一つ分のスペースは幾つもの群を養うのに十分であった 後は彼女らの餌となる草のクローバーや蓬等の野草の種をばらまくだけで軟らかい草やそれを食べる虫が勝手に育ってくれる それらを食べゆっくりは育ち殖えてゆく 若者の少なくなった高齢化著しい村でも十分に対応出来る位に簡単な作業であった 『じじいはやくまりさにあまあまよこすんだ「うりゃ死ねぇ!」おそらをとんでる~ぐちぇ!』 『も゛っどゆ゛っぐぢじたかっだ』 まずバスを降りた観光客を出迎えるのは可愛いゲスゆっくり達 ウェルカムキックで軽く準備運動をこなし各自昼ご飯用の弁当やゆ虐キットの入った袋を受け取る 「えーこれより皆様にはゆっくり触れ合い体験をしていただきます。」 拡声器を持った案内人である男性の声に注目が集まる 「住まい訪問を希望される方はあちらの幟を掲げた係員が放牧場へご案内させていただきます。」 案内役の『ゆ愛』と描かれた幟を掲げた凛凛しい細身でありながら逞しい青年が手を挙げ山道へと歩きだし希望者がついて行く 「ふれあい広場を希望の方は私が案内をさせていただきます」 こちらの希望者はやや少ないようで大半は山へと既に移動している 案内役について行くとふれあい広場と可愛いらしく描かれた看板は廃校となった小学校のにあり校内には沢山のゆっくりが徘徊しているのが外からでも伺える 学校ならば広い敷地をしっかり囲われた壁があり門を閉めてしまえばゆっくりには逃げようのないうってつけの空間であった 「えー皆様ようこそゆっくりふれあい広場にお越しいただきました。」 広場入口にて敷地使用についてレクチャーを受ける ?火を使う場合はグランド中央にある煉瓦で仕切られた(あったかぷれいす)で使う事 ?水を使う場合はプール場の中で使う事 ?潰したゆっくりは係員が回収いたしますのでそのまま放置して下さい ?各種道具のレンタルは校舎にて無料にて受け付けています ?お持ち帰りはできません 以上が大まかな決まり事だそうだ 「では心ゆくまでゆっくり達とのふれあいをお楽しみ下さい」 「「「ヒャッハー」」」 客は奇声を高々とあげ校内をうろつくゆっくりへと駆け出してゆく よほど待ちきれなかったようだ それもそのはず、このツアーの客層のターゲットはズバリゆ虐をしたいけど世間の目が気になるとゆう人が中心 家では悲鳴が近所に響くし世間体も気になるためにじっくり愉しむ事ができないとゆう隠れ鬼井山ばかりである ここなら日頃の鬱憤を晴らせると今この時を心待ちにしていたのだからもう誰にも止められない 「まぅりぃぃさぁぁああああ」 一人の鬼井山が成体まりさに猛烈にダッシュ 『ゆゅ?おにいさんはゆっくりした・・・ゆゆゅ?』 駆け寄る鬼井山に不穏な空気を感じるまりさに対応させる事なくこの時の為に鍛えた必殺技が炸裂する 「ネオタイガーショット!!」 地面に爪先を引っ掛けて蓄えた力を一気に開放する ドゥォォーン 『ゆ゛ぅう゛う゛う゛』 解き放たれた力はまりさの右半身だけを木っ端みじんに吹き飛ばす 餡子脳では何が起きたのかは理解出来ないらしくしきりに剥き出しになった餡を地面に擦りつけながら懸命に舌を伸ばし半身と共に吹き飛んだ帽子を戻そうとあがいていた 『ば・・ばり゛ざの・・ぢゅでぎな・・・・お・・』 舌が限界ギリギリまで伸びたところに第2撃 「ヒャッハァァァ!!」 ブチュッ! 舌が下顎と一緒に吹き飛ぶ 後に残されたのは左目で砂糖水を垂らし生き絶える土饅頭であった 「これだぁ!この感触だ!もっとだ!もっと味わわせろ!ヒャッハハハハハハハハハハハァ!!」 初めてのゆ虐に感動に打ち震える鬼井山であった。 この叫びに合わせるが如くそこらじゅうから悲鳴と奇声と雄叫びがこだまする 『ゆ゛ゅ゛ゆ゛ゅ゛』 あったかぷれいすでは炉で真っ赤に焼けた鉄棒をあにゃるに突き刺されて声も出せずに中から焦げてゆくれいむやバットやハンマーで潰されたありす 『わがらないよぉぉぉぉ』 足に自信のあったちぇんは後ろから迫る足から逃げきれずに踏み抜くかれ死んだ 危機感の薄いゆっくりであっても流石にこの状況ではゆっくりできない様であった 『ゆゅ?これはゆっくりできないよ!れいむはゆっくりにげるよ』 『どぼじでとびらさんがとじてるの~』 『わがらないよ~ゆっくりしないではやくひらくんだよ~』 校門の前には逃げだそうとしたゆっくりが集まりだす 「おい糞饅頭」 門の施錠を担当の男性がゆっくりに声をかける 『ゆゆゅ?おにいさんれいむはゆっくりかえるからゆっくりしないでとびらさんをあけてね』 『じじぃははやくまりさをたすけるんだぜ』 『わがってね~』 口々に開場をせまるがいちいち取り合ずに男性はグランドを指さして尋ねる 「いいのかこんなとこに集まってて?」 『『『ゆゅ?』』』 指差す方向をみて驚愕する 「「「むふおぉぉぉ~!!」」」 興奮してまるでれいぱーの如く奇声をあげて獲物を求めて鬼井山達が走ってくるではないか 『ゆゆゆゆ!!!ゆっくりしないでれいむはにげるよ・・・・どぼちてとびらさんがしまってるの~』 慌てるゆっくり達 『みんなあっちににげるみょん!ここはみょんがひきうけたみょん!』 殿を引き受けたみょんにゆっくり達は驚く 『ひとさんとたたかったらだめだよ~えいえんにゆっくりしちゃうよ~』 みょんは引き止める仲間達に背を向けて答える 『みょんはれいむやありすにおおきなかりがあるみょん! みょんはこんなかたちでしかかりをかえせないゆっくりなんだみょん・・・』 言うやいなや鬼井山へと駆け出す 鉄棒のアシスト台を駆け登り大きく跳ねて鬼井山の上から襲い掛かった 『せめてあいうちくらいにはしてやるみょーん!!』 この高さから落ちればゆっくりではただでは済まない玉砕覚悟の一撃だったのだが 「うぬの動き見切ったわぁ!!」 ブゥワサァ 鬼井山は汗拭きに首からかけていたタオルを投げる 空中に投げられたタオルに絡まり身動きを取られるみょん 「死ねぇぇぇぇ」 ズブァァ 鬼井山の声に振り向いたれいむ達が見たのはあにゃるに人差し指を突き刺されてアヘ顔によがるみょんであった 『く・・・くつじょくだみょん・・みきられたうえにいかされてしまったみょん・・・』 ぺにぺにを震わせ快楽の中事切れるみょん 「むぅ!あれは補ゆ糖浸拳!」 思わず技に見とれてしまっていた他の鬼井山の一人が呟く 「知っているのか鬼井山?」 尋ねる鬼井山Cに鬼井山Bは頷く 補ゆ糖浸拳とはゆっくりを専門とするゆ菓子職人に伝わる一子相伝のゆ虐拳法である この拳法で死んだゆっくりは屈辱と恐怖と痛みによって余す事なく餡に滑らかさと味わい深さを増してゆくとゆう食用拳法なのだ 鬼井山達は怖れおののく 「「「なんて無駄に素敵な拳法なんだ・・・・」」」 他にもお飾りだけを集めて回る鬼井山やありすを揺らして発情させてにわかれいぱーに仕立てて襲わせる者 人のゆ虐をみてこっそりすっきりーする者も ふれあい広場を選んだ鬼井山は初心者が多く一撃で永遠にゆっくりさせてしまい悲鳴や呻きを楽しむ余裕のない鬼井山ばかりだった そんな鬼井山達の満面の笑みを遠目に眺めながら村長は満足毛に頷き役場職員に語りかける 「来月からはわしの山をもう一つ追加して狩場を倍にしよう、わしはこの村を日本一のゆ虐の村にしてみせるぞ!」 職員は 「それは素晴らしいですね」 と相槌を打ってはいたが内心では そんな精神病な村こさえてどうすんだよ?しかも日本一?そんな事したら廃人の集まる村として住みたくは無い村ランキングに載り続けるぞ・・・・・ はぁ~不景気でなけりゃこんな仕事即辞めしてやんのに・・・・・ と歎いていたのであった 澄み渡る快晴の山々に悲鳴と奇声が響いていた
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ゆっくりたちの地雷行進 11KB 虐待 不運 番い 野良ゆ 現代 独自設定 ゆっくりが地雷で死ぬSS 加工所公式サイト、キッズページで「しゃかいこうけん」という項目をクリックすると、こんなページが出てくる。 【加工所はアフリカの土地で、ゆっくりを使った地雷除去を行っています】 ゆっくりんピースの活動などにより、一部では悪い印象を持たれているのも事実。 イメージ戦略の一環として、こういうこともしているようだ。 右下にはかわいくデフォルメされたれいむとまりさが、笑顔で喋っているイラストが付いている。 そのセリフは? れいむちゃん「れいむたちはみんなのためにがんばりたいよ!」 まりさちゃん「ゆゆ~ん♪ かこうじょのゆっくりはこんなところでもかつやくしてるんだね!」 ● どん、どん、どん、どん……。 ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……。 太鼓の音が響く。 かつての内戦地。じりじりと暑く草一つない亜熱帯アフリカの大地にて。 横一列×十行に並んだゆっくりたちが一糸乱れぬ調子で前進していた。 ひとつドンと鳴るたびに一歩進む。機械のように、ただただリズミカルに進む。 (おちびちゃん! れいむは、れいむはぜったいにしなないよ……!) 横のゆっくりとの間に、スキマはまったくない。ほっぺとほっぺをくっつけて、決して遅れないよう進んでゆく。 どんどん。ドン! 「ゆびっ!!」 どんどん。ドン! 「ぼっぢょっっ!!」 どんどんどん。ドン! 「ゆがぼべ!!」 立て続けに三匹、永遠にゆっくりした。れいむの頬に、爆風と爆音。ゆっくりの断末魔が突き刺さる。 そして餡子の底から不快になる死臭が風に乗ってやってくる。 しかしどのゆっくりもまったく歩みを止めようとしない。 はねるたびに、大地の暑さによって染み出てきた汗がとびちる。 どんどんどん。 突然に、風が一吹きあった。 「ゆゆっ! まりさのおぼーしさん! まってね!!」 このまりさは、ただちょっとお帽子を取りたかっただけだ。 「ぺぎょっ!!」 そこで小さい爆風。まりさは中枢餡を爆破されこの世を去った。 止まったり列を離れたりしたゆっくりはどんな理由であれ、体内にうめこまれた爆薬でぶち殺されるのである。 自由な行動を許しては、地雷の除去はままならない。 どんどんどん。 一歩おきに、地雷に殺される可能性がある。その恐怖。 どのゆっくりも泣きそうな顔をして、死への道をただただ進むのだ。 顔を真っ赤にして号泣して、それでも死にたくないから止まれない。 「むっぎょおおおお!!! ぼういやああああ!!! ばちゅおうぢにがえるううううう!!!!」 また爆風。 このぱちゅりーのように恐怖のあまり狂って、走ったり暴れたりするゆっくりもいた。 恐怖に耐えられないゆっくりも、列からずれ次第爆破される。珍しくない出来事だ。 どんどんどん。 死と隣り合わせの極限状態。また。しずかに、ただ太鼓の音だけが響きはじめた。 れいむは祈りながら、一歩ずつ慎重に進む。地雷がないように、あっても何かの間違いで爆発しないように。 交通の発達とともに世界中に繁殖したゆっくり。 れいむはこの暑く草もまばらな土地から少し南の、あるジャングルで生まれ育ったゆっくりだった。 雨が多いことが熱帯雨林に住む上での唯一の難点である。 しかし食べ物が多く、なんといっても越冬する必要がないことがゆっくりの繁殖を許した。 それぞれの力は弱くても種全体としては力強いゆっくりは、凶悪な外来種としてここでも猛威をふるっているという。 そんなれいむが地雷除去ゆになったのは、人間さんたちのゆっくり狩りが原因だった。 豊富に繁殖した熱帯雨林のゆっくり。そこのゆっくりを使うのが量の面でも、コストの面でも良いと担当職員は考えたのである。 れいむは捕えられたあの時を、いつも反芻している。 あの時ふらんに捕まってさえいなければ、今だってゆっくりできたはずなのに。 ~~~~~~~~~~ ツルや低木がごちゃごちゃと並ぶ中、高い木の根元、そこに巣をつくってれいむたちは暮らしていた。 夫のまりさ、そして十五匹のおちびちゃん。食べ物は豊富で、最高にしあわせーな家庭であった。 「「おちびちゃんたち、おかーさんとおとーさんはかりにいってくるよ!」」 「「「「「ゆっくちいってらっちゃい!!」」」」」 天使のような子供たちの笑顔。れいむとまりさもついついにっこりしてしまう。 しかしこれが親子でした最後の会話となってしまった。 おちびちゃんとふれあったあの日々。れいむは、もうずいぶん前の事の様な気がしている。 育ち盛りの赤ゆを抱えたれいむとまりさ。沢山ごはんを採るため群れで有名な狩りスポットへ行こうとした。 ぱぱいやさんも生っているゆっくりした場所。しかしそれが運の尽き、そこはすでに地獄だった。 ゆっくりが集まることを見越して、捕獲用ふらんが大量に放たれていたのだ。 「しね! しね!」 「「「うー☆」」」 「ゆんやあああ!!! ありちゅをたべにゃいでええええ!!」 「おぢびぢゃああああああんんんん!!!!」 「ばりざおいしぐないよおおおお!!!」 「でがばらぢんぼおおおおお!!!」 「みんなあああ!!! みんなにげでえええええ!!!」 逃げ回るゆっくりはいとも簡単に捕まり、次々と巨大なバケツに放り込まれている。 重量がない子ゆ・赤ゆは軽過ぎて地雷除去ができないので、食べられるか殺されるかだ。 にげてと叫ぶ長ぱちゅりーも、まばたきした一瞬に連れ去られ、バケツ行きになった。 ふらんが群れのみんなを捕まえている! 捕まって食べられてしまう、そんなの冗談じゃない! れいむはまりさにふりかえった。 「ゆゆ! ゆっくりしないで、れいむたちもにげるよ!」 自分達も逃げないとゆっくりできない目にあいそうだ。はやく逃げなければならない。 しかしまりさの返答は、漢気あふれる勇敢な物。みんなのことを考え命を捨てる、そんなゆっくりにしかできない答えだった。 「まりさは……にげないよ! れいむとおちびちゃんたちだけでにげてね!! まりさはふらんとたたかって、むれのみんなをまもるよ!!」 「ま、まりさ!! なにいってるの!? いくらまりさがむれでいちばんつよいからって!」 まりさは成ゆ三匹を相手にしてなお無傷で立つ。この群れ十年に一度の戦士だった。 その自信もそこからきているのだろう。まゆげはキリリと伸び、表情は自信に満ち溢れている。 れいむは悲しくなり涙を浮かべたが、これが自分の愛したまりさだと思うと、それ以上止める気にはならなかった。 まりさならふらんたちを倒せるかもしれない。 「わかったよ……、でも、ぜったいいきてかえってきてね! まりさがしんだられいむもおちびちゃんもないちゃうよ!!」 「もちろん! しんぱいしないでね! ふらんなんてちょちょいのちょ……おそらをとんでるみたい!!」 まりさはキリリとした顔のまま、ふらんにおさげを掴まれあわれバケツ行きとなった。 「ばりざああああああああ!!!!」 れいむも同じ道をたどったことは言うまでも無い。 ~~~~~~~~~~ (ぜったいにいきのこって、おちびちゃんとゆっくりするよ! ぱぱいやさんをたべて、ゆっくりするよ!) つがいのまりさはあっけなく爆死したが、れいむはまだ死んでいない。 れいむは希望を持っていた。地雷除去ゆたちは、がんばったゆっくりから群れに帰れるとふきこまれている。 だが現実、ゆっくりがおうちに帰ることはは二度とない。 ゆっくりを働かせるための口実だろう。この土地の地雷処理が終われば次の土地に輸送されるだけである。 地雷を踏んでしまうその日まで、この地獄は終わらないのだ。 「Back!」 人間さんの鋭い掛け声とともに、ゆっくりたちは反転する。 Go aheadで進み、Backで戻り、Waitで止まる。その三つ以外の事は求められない。地雷処理ゆ全てだ。 (ゆふぅ、かわいいれいむはきょうもいきのこれたよ) 反転したゆっくりたちは、自分が歩いてきた土をまた踏むことになる。 念のためということで、一つの場所を何度も往復するのだ。 一度踏んだ土の下に地雷は無いはずだからと、ゆっくりたちもここにきてやっと安堵の表情を見せる。 ただ運よく何週間も地雷除去を続けているゆっくりはそんな簡単に安心できず、不安そうな顔をしている。 ここから死ぬゆっくりも沢山いるのだともう知っているのだ。 その瞬間、れいむの視界はスローモーションになった。 大きな音。大きな音。どこから? それは、れいむの下から。 「ぶぎょっ!!」 れいむの体の真下。餡子の重みで地雷が爆発した。 筋餡も中枢餡も、なにがなんだかわからないぐらいまざりあって、粉々にふきどんだ。 れいむは死んだ。走馬灯を見る暇すらなかった。 軍事上の理由から複数回踏まなければ爆発しない地雷、誤作動により爆発できなかった地雷。 二度目以降でも爆死するゆっくりはいる。 しかしなんてことはない。ゆっくりが死ぬのはいつものこと。 人間さんも、周りのゆっくりも、れいむの死などなかったかのように行進を続けた。 行進が終わったあと、残されたのは死んだゆっくりたちのバラバラになったおかざりと、ぶちまけられた大量の中身だけであった。