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てぃあ 名前:湯布院てぃあ(ゆふいん・てぃあ) 種族:ファードラゴン系竜人 年齢:24歳 誕生日:5月4日 身長:158cm 体重:55kg 魔法属性:癒 体色:純白 髪の色:ごく薄い銀色の髪 瞳の色:ブルー 「どうしたの? お熱でもあるの?」 龍ノ目高校の保健教諭。いわゆる「保健室の先生」である。 竜人の中でも珍しい「ファードラゴン(哺乳類系ドラゴン)」であり、輝くような純白の毛並みと、鳥のような羽毛の翼を持つ。 その美しい外見(本人は童顔なのをやや気にしているが)と優しい性格から、男子生徒の間では非常に人気が高く、保健室は下心ありありの男子生徒でいつもあふれている。 一度、彼女がウプシロン教団に誘拐されるという事件が起きた時は、男子生徒の間で救助隊が結成され、決死の大救出作戦が展開された。 龍ノ目市中央病院に医師(専門は心臓外科)として勤める兄がいる。父母も開業医であり、まさに医者一家である。 こぼれ話 やっぱ保健の先生っていいですよね。生傷絶えない人もいっぱいいますし。 苗字は九州の誇る温泉地、湯布院から。そして名前はティアマト女神から頂きました。 (OXY_GEN)
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ホーギー 名前:Hoagy デビュー:『ピートとドラゴン』(1977年) 概要 自称医者で詐欺師のドクター・ターミナスの助手。ターミナスにいい良いように使われている腰巾着。ドジなところがあり気弱な性格。 エピソード ピートとドラゴン 港町パッサマクオディを訪れた自称医者のドクター・ターミナスと助手のホーギーはかつての詐欺で町の人々から嫌われていたが、言葉巧みに町に取り入る。老人のランピーからドラゴンの目撃情報を聞き馬鹿にするターミナスだが、ホーギーはランピーと共に洞窟へ向かいドラゴンのエリオットに遭遇する。エリオットは透明になれるため、町の人々は彼の存在を信じていなかった。 ホーギーから報告を受けたターミナスはドラゴンが商売道具になると確信し、エリオットと一緒にいる少年ピートに交渉するが拒否される。その後、かつてピートをこき使っていたゴーガン一家が町を訪れてピートを取り返そうとするが、透明状態のエリオットに妨害される。エリオットが欲しいターミナスは、ピートが欲しいゴーガン一家に協力を申し出たが、ゴーガン一家はドラゴンを信じるターミナスを馬鹿にする。 エリオットをパッサマクオディにおびき出すため、彼と面識のあるホーギーは「ピートが誘拐された」と嘘をつく。激怒したエリオットはゴーガン一家からピートを奪還し、ターミナスとホーギーもドジを踏んで自滅した。 登場作品 1970年代 1977年 ピートとドラゴン 実写 レッド・バトンズ(1977年) 声:牛山茂(1987年) 声:岩崎ひろし(2005年)
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……記憶が混濁している。 見たことない景色にデジャブを覚える。 夢の中で私は、首輪を着けて殺し合えと言われていた。 そして男の子と出会い、盗んだ車で走り出し、人を跳ねて、救助して、侍に襲われた。 自分でもわけのわからない夢だと思う。夢はそういうものだけど。 なら、今、この首にある。 この首輪は、ナニ? 「KOOLに、KOOLにならないと、竜宮レナ……」 落ち着いてないのはわかってるけど、意識して声を出す。 なぜか、本当になぜか、今、私の首には首輪が着けられている。 こうして見知らぬ町に放り出されたのは、つい数十分前にもあったような感じがしていた。 町には建物に入ると、武器になりそうなものがたくさん落ちている。それも夢と同じだ。 私が入ったのは、レストランだ。お店のトイレに急いでいく。鏡には、ふだんのセーラー服姿の私がいた。 「私だ……私だよね?」 夢から覚めるとき、ものすごく、熱くて痛かった気がする。まあ、夢だから怪我なんてしてるわけがないけど、わかっているのに、なにか怖い。 「変だ……どうしたんだろう……こんな……」 「あの〜、すみませ〜ん。」 (誰だ!) 突然かけられた声に、私は周囲を見渡した。 しまった! 敵だ! 逃げないと、ダメだ、トイレじゃ逃げられない、武器も、そうだ、取ってない! 「柿沼直樹っていいます。同じ中学生ですよ。中学生ですよね? 高校生だったりします?」 「……」 「ノーリアクションはキツイぜ……えっと、首輪してるってことは、おんなじように誘拐されたんですよね? 協力しませんか?」 私は柿沼という男の声に答えなかった。10秒、20秒、30秒……沈黙の時間が流れる。5分ぐらい経って、「もしかして見間違えたか……」という声がして、店から出ていく音がした。 私はそれでも動けなかった。柿沼という名前には、覚えがない。ただなんとなく、何か信用できない感じがした。それにあの話し方、組むに値しない。 ……違う。本当は怖かった。変になった頭と、このイカれたゲームと、すぐに声をかけてきたアイツが。 柿沼を信じる理由がない。こんなに武器が落ちていて、殺し合えと言われているのに、初対面の男を信用できるはずがない。 ……本当に、初対面か? 覚えがないか? 柿沼直樹。カキヌマナオキ。その名前に何かを感じないか? 「やっぱり変だよ。私の頭……ここに来て、から……?」 おかしい。 変な感じだ。 これじゃ転校する前と同じだ。 いや、違う。あの感じとは全然別だ。これは、私の知らない私の記憶だ。 私が知っているはずのないことを、私は思い出している。 私はいつまでたっても、トイレから出ていくことができなかった。 「マジで見間違えたか……?」 柿沼直樹は、レストランの冷蔵庫から取り出したケーキと、これまた厨房にあったアイスコーヒーのポットをテーブルに置くと、3時のおやつをしながらひとりごちていた。 柿沼は誘拐慣れしている。柿沼たち仲間の中で、誘拐といえば柿沼だし柿沼といえば誘拐だ。 今回もいきなりさらわれて気がついたら知らん場所、さすがにその所作はどうに入ったものとなる。 とりあえず食事だ。食えるときに食っとかないと動けなくなる。それに今は人を待つ身だ。 「さすがに女子トイレに踏み込むのはハードル高いしなぁ。銃持ってたりトラップ仕掛けられてたらマジで死ぬし。どうしようかなぁ。」 柿沼がレナに声をかけた理由は簡単だ。彼は自分をプレイボーイと自認している。本人と対照に浮ついた噂は皆無だが、同じく誘拐された少女を見つければ当然に助けようとするのが彼だ。 とはいえレナを追いかけて入った店を見てビビらずにはいられなかった。一つ拳銃を手にした感じ、モデルガンとは違う凄みを感じた。もちろん弾丸は装填済み。となると少々困ったことになる。 はじめて誘拐されれば誰だってビビる。柿沼だってビビる。そんなビビりに拳銃を持たれたら何が起こるかわからない。 しかも相手がいそうなのは女子トイレ。女子トイレにズカズカ入ってたらズガン!なんてこともあり得る。今までもそんな感じで割り食ってたし。 「これで、『実はとっくに裏口から出てました!』とかなったら泣けるぜ。下手に動くと死ぬからなあ。」 だが怖いのは女子トイレにいない場合だ。 誘拐された時は下手に動かない。それが柿沼の経験則だ。いつでも動けるようにしながらも、チャンスを待つ。それが仲間によって救出されてきた柿沼が立てる生存戦略である。 この数十分、レナ以外誰とも会ってないことから考えると、このデスゲームはそんなに人が多くない。だから最初の位置から動かない方が、体力を使わないし、かえって人も相手より見つかる。 これが車でもあると話は変わるのだが、ないものねだりはしょうもない。 そう思ってとりあえず糖分と水分を補給していたのだが、その考えが正解だというように、街を走ってくる人影を見つけた。 白い道着のようなものを着ている青年だ。見た感じだが武器はない。たいしてこっちはリボルバー。 「そろそろ動くか。おーい! ちょっと人見つけたから店出るんで。ケーキ食べかけだから食べちゃ困るぜ。」 判断は早い。声をかけることを決断すると、女子トイレの方に叫んで店を出る。直ぐに走ってくる青年もこちらに気づき、速度を落として駆け寄ってきた。 「その様子だと、お前も巻き込まれた口か?」 「柿沼直樹です。じゃ、お兄さんも?」 「ああ。相楽左之助。話がよくかんねえが、人に言われて殺しなんてやる気はねぇ。」 「ですよねぇ。良かった〜。」 「あったりめぇだろ。つうか、あんなウサギ見てえな妖怪の言う事聞くやつがいるかよ。」 柿沼はリボルバーを突っ込んでいたポケットから手を離した。よし、グッドコミュニケーションだ。果報は寝て待てって言うけれど、起きるタイミングが重要だよな。などと思いながらレストランに案内する。 「──で、そこのトイレにもう一人女の子がいるかもしれないんですよ。」 「なんだそりゃ? それでずっとこの食いもん屋にいたのか?」 「そうなんです。」 「見てくる。」 「ステイステイステイステイアッー!」 入って早々に左之助はトイレへと直行した。隠すわけにも行かないのでレナのことを話したのだが、思っ以上にアグレッシブな人だ。これはミスったか?と思いながら一応リボルバーを手にする。 「なんだよ誰もいねぇじゃねぇか。」 それは杞憂に終わった。左之助は戻ってきた。変わって柿沼も女子トイレに踏み込む。どこにも人がいる痕跡は無かった。 これでよかったのだろうか。 自問自答しても答えが見つからない。 もどかしさでいつからか、空回りしていた。 自分の記憶も行動も、正しさがわからない。 レナは柿沼が店から出ていった音を聞くと一気にトイレから飛び出し、机を踏み越えてフォークを手にした。 彼女の中では、3割方罠だと思っていたが、いちおう待ち伏せも警戒して突っ込む。武器は使い慣れない銃ではなく、テーブルの上にならどこにでもあるフォーク。こっちのほうが信用できる。 「アイツ、本当に店の外にいる……」 その結果わかったのは、柿沼は言葉通りの行動をしていたということだ。 店の外では男に声をかけていて、テーブルにはケーキとコーヒーが置かれている。 レナが悩んでいる間、ティータイムを楽しんでいたようだ。 「……信じていいの、かな?」 脱力を覚えずにはいられない。 自分が怯えていた相手は、窓際のテーブルでモンブランを食べていた少年だった。ただそれだけなのに、得体のしれない相手にしか見えなかった。 だが、とも思う。得体のしれないのは依然として変わりない。たしかにコーヒーを飲んで寛いでいても、それは人間性を保証しない。 「それにあの男。背中に悪なんて書いてある服を着ている。怪しい。」 あと左之助の格好がなんかヤバい。背中に悪はないだろう悪は。しかも旧字体だ。絶対ヤンキーである。 迷った末に、レナは喫茶店を出ていくことにした。あからさまに不良を仲間にしようとした時点で、やはり柿沼と組むという選択肢はなくなったのだ。 そうして彷徨うこと数十分。無人の街を歩くと、後悔が押し寄せてくる。 本当にこの選択は正しかったのか? 何度も何度も自問自答する。 レナはすっかり己を見失っていた。 その時だった。レナが爆音を聞いたのは。 少し前から聞こえていた謎の警報音。一向に終わらないそれを気にしながら も、遠そうだったので無視していたのだが、今の爆発はそれなりに近かったように思う。 それに警報音が爆発から同時に止まった。これは何を意味するのか。 わからないことがどんどん増えていく。 そしてそれは、更に積み重なった。 「っ……! カエル?」 デッカいカエルが死んでいる。道の真ん中で、カエルが首を飛ばされて死んでいた。 いや、カエルではないだろう。明らかにサイズが大きすぎる。 しかし、カエルは死んでいる。何かのマスコットキャラにしか見えない珍妙な巨大カエルは、しめやかにその死体を晒していた。 「……幻覚か?」 そしてレナは結論づけた。 たぶん自分は薬物を盛られていると。 誘拐はわかる。 毒の首輪もわかる。 銃が落ちてる町もわかる。 でもこんなにデカいカエルはいないだろう。 あと空が赤くて霧が赤くて町にある看板の文字が日本語じゃない。 これはたぶん覚醒剤かなにかの影響だ。 (よ、良かった〜! 頭がおかしくなったのかと思ったよ〜!) レナは、それはそれは嬉しそうにガッツポーズをした。 相手を間違えたなと鑑隼人は思った。 前のループと同様に警報音を鳴らして参加者を狩ろうとした隼人は、今回も現れた大太刀を最初の相手とした。 その異様に気圧されないわけはない。しかし、火の国で訓練を受け、人間離れした身体能力を持つ自分なら、人間が相手ならなんとかなると思った。 人間じゃないと外見でわかりそうなものだが、そのときは冷静さを失っていたと言わざるを得ない。遠目だったからちょっと顔が大きいだけだろうと思ったら、接近されると上半身に比べて下半身が貧弱すぎるその体形に唖然とした。 そしてなにより、強いのだ。 隼人も腕にはそれなりの自信があり、人間相手に遅れを取る気はないのだが、相手はそもそも人間ではないので追い込まれていた。 これには両者の武器の差もある。大太刀はその名の通りの大太刀を武器として持ち込んでいる。使い慣れた得物は十全に威力を発揮する。一方の隼人が使うのは慣れない火薬式の銃と古典的に思える手榴弾。特に銃の使い方が困り物で、その弾道に悪戦苦闘している。隼人が撃ったことのあるのはレーザ銃で、火薬式など殆ど無い。その反動は狙いを外すし、その放物線を描く軌道はレーザとは異なる狙いの付け方を要求する。初めて撃つ銃で、敵に追われながらそれを修正するのは容易ではない。 「二重の極み!」 「!?」 思ったよりだいぶ早かったなと隼人は思った。 大太刀から逃走する中で、人の多そうな方へと逃げていた。こうすれば別の参加者になすりつけられて一石二鳥というわけだが、なんと幸運にも自分を助けてくれる参加者が現れた。 「なんだこいつ!? 人間か?」 「斬左さん頼んだ! おいお前、こっちだ!」 「ありがとう。」 しかも同行者までいた。たぶん殺し合いに反対して人を集めているのだろう。強くて頼りになる参加者にホッとせずにはいられない。 (ちがう、殺さなきゃ。なにホッとしてるんだ。パセリだって巻き込まれてるはずなのに。) そんな自分に、隼人はすぐに喝を入れた。 隼人がマーダーとなるのは、幼なじみであるパセリのため。復讐のために、パセリを生け捕りにする必要がある。立場を考えれば確実に巻き込まれているだろうし、性格を考えれば、斬左と呼ばれた男のように厄介事に首を突っ込んでいくだろう。それではまずい。 「なんか向こうで火事とか起きてるけど、大丈夫だったか? とにかく逃げようぜ。あ、カッキーって呼んで。」 「はぁ……はぁ……ありがとう……隼人って……はぁ……」 「ムリして話すな。こっちだ。」 ……今はこれでいい。自分も疲れている。今は好意を利用すべきだから まだゲームは始まったばかり。あんな化物もいるのなら、身の振り方を考えなければ。 隼人は柿沼の後ろを駆けながら、ふと弟の秀人ならどうするのかなと思った。 たぶん、止めろと言うんだろうなと思って、また柿沼たちに感謝した。 いいカモフラージュができた。 【0105 市街地】 【竜宮レナ@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 上(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】 ●小目標 これ幻覚かぁ! 【柿沼直樹@ぼくらのデスゲーム(ぼくらシリーズ)@角川つばさ文庫】 ●大目標 殺し合いから脱出する。 ●中目標 仲間を探す。 ●小目標 隼人と一緒に逃げる。 【相楽左之助@るろうに剣心 最終章 The Final映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】 ●大目標 殺し合いをぶっ壊す。 ●中目標 仲間を探す。 ●小目標 大太刀をぶちのめす。 【鑑隼人@パセリ伝説 水の国の少女 memory(3)(パセリ伝説シリーズ)@講談社青い鳥文庫】 【目標】 ●大目標 復讐完遂のためにはパセリを生き残らせる。 ●小目標 カッキーと一緒に逃げる。 【大太刀@映画刀剣乱舞@小学館ジュニア文庫】 【目標】 ●大目標 皆殺し。 ●中目標 鱗滝とアキノリは、絶対に自分の手で殺す。 ●小目標 道着男(左之助)を殺す。
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【名称】ティズ=カローニ 【サイド】魔術 【能力】ルーン魔術、「乾きの剣」 【設定】 「乾きの剣」 「laguz」「naudiz」「isa」「sowilo」の文字が刻まれた西洋剣。 『水を乾かす氷の太陽』、「ラニソー」と読める。 いわゆる『冷凍光線』と呼ばれる、青い光を放つ。 ただしそれの光自体が冷気を持つわけではなく、 光を照射された『水』の温度を下げていく魔術であり、 相手が濡れていなければほとんど効果を持たない。 その為、「laguz」が刻まれたコインをばらまくことで水を生み出し、能力の補佐に用いる。 【特徴】 薄い青に染められた髪を持つ少年。十代半ばと言った顔つきである。 常にスーツ姿で、青いネクタイを着用している。 手に持ったアタッシェケースは、「乾きの剣」を収めるためのもの。 【概要】 イギリス清教、必要悪の教会所属の魔術師の一人。 必要悪の教会に入って日が浅く、まだ仕事には慣れていない。 魔術師の手によって誘拐された一般市民の救出等を主目的として活動する。 父親が魔術師であり、母親と姉は一般人。 母親は魔術師の存在を知っているが、姉は知らない。 これは、父親も母親も、そういうものとは無縁でいて欲しいと願ったためである。 ティズは、魔術師になるかならないかを選択できる立場に立たされたが、ある思いから魔術師の道を選んだ。 魔法名は『守るべき者の為に(munio845)』。 魔術を知らず、一般人として生きる彼の姉を思った言葉。 【台詞】 「僕の魔術はそんなに温くないですよ。骨まで凍りつくほど、冷たいです」 「ね、姉さん!? な、なんでここに・・・。え、職場で上手くやってるかどうか見たい・・・って、別にいいから、そういうの!」
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【性別】女 【口調】一人称:玉藻ちゃん 「ゆらぁりぃ」が口癖で呼吸。 【性格】常に情緒不安定 【能力】狂戦士 【備考】 人と会話するのが苦手で、他人と3語以上話すことはめったに無い。 「なんとなく」で人を殺すとんでもない女の子。 元々はある大企業の令嬢だったが、武装組織に誘拐され、その武装組織と萩原子荻を除く救出部隊の全員を皆殺しにしたことから澄百合学園に引き取られる。 その後初等部にして実戦部隊となるが、あまりの狂戦士振りから子荻以外にはまるで扱いきれない。 以下、バトルロワイアルにおけるネタバレを含む +開示する 西条玉藻の本ロワにおける動向 初登場話 真庭狂犬の災難 登場話数 9 参戦時期 クビツリハイスクール 初期支給品 毒刀・鍍@刀語 スタンス 不明 現在状況 死亡 現データ 零崎舞織の暴走 キャラとの関係(最新話時点) キャラ名 関係 呼び方 解説 初遭遇話 真庭狂犬 殺害 不明 不明 真庭狂犬の災難 貝木泥舟 襲撃 不明 ナイフと着替えをもらう 偶然目が合ったので 零崎人識 知り合い ひとしきくん ナイフをもらう 冒し、侵され、犯しあう(中編) 零崎双識 襲撃 不明 ナイフが欲しい 冒し、侵され、犯しあう(前編) 江迎怒江 襲撃 不明 不明 何に狂うか何に病むか 羽川翼 襲撃 不明 刀を奪われた つばさゴースト 哀川潤 同行 潤さん ついていく 再覚醒 想影真心 敵対? 不明 『死ぬ』……って、思いました 撒き散らす最終(吐き散らす最強)
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・セブンスドラゴンの世界。ドラゴンいなくなって10年後設定。 ・ネタバレ、独自設定、独自解釈あり。 ・眼鏡メイジ(グラスト)×ルシェ侍(ナムナ)。他にも出てきます。 ・名前はちびキャラ準拠。でもこれじゃない感がひどい。 ・全体的に好き勝手やってる。 ナムナはグラストが苦手であった。正直に言うならば、かなり苦手であった。 別に、ルシェでないからという理由なき理由で嫌悪しているわけではない。 ギルドのメンバーはルシェもルシェ以外も含まれていたし、メンバー同士もお互いを大切な仲間として信頼し合っている。 だからといって性格が嫌いというわけでもない。嘘つけ、と突っ込まれるだろうがこれは本当である。 グラストという人物を一言で表すならば"秀才"だ。 齢18という若さで炎属性と無属性二種の魔法を巧みに操るだけの技量を持ち、かといってそれに驕ることはせず日々修練を重ね、 他者へ接する際は柔らかい物腰と丁寧な姿勢を保ち、常に穏やかで、大声を上げる姿など戦闘中以外では見たことが無い。 豊富な知識を有しているからか本人の性格か、偏見や固定観念に囚われることもなく、老若男女二つ名外見関係無しに人と接する。 当然、チーム内外問わず、年齢性別種族も問わず、色々なところから引っ張りだこである。まさに人気者であった。 ここまでの話を聞くと、多くの人が首をかしげるだろう。いったいどこにグラストを苦手とする要素があるのかと。 どちらかというと、完璧な彼を妬んでいるのではとか、負け犬の遠吠えだとかも言いたくなるであろう。もっともな意見である。 だが、残念ながら、苦手とする理由はそれなりにあるのだ。 ナムナとて、初めて会った時から苦手意識を持っていたわけではない。むしろ、第一印象は割と良いものであった。 前述した通り、グラストは穏やかな人間である。 自他共に認めるほど男勝りで、良く言えば元気の良い、悪く言えばじゃじゃ馬と形容されるほどに女らしさの欠片もないナムナ相手でさえ、紳士的な対応を崩さなかった。 大柄で、尚且つサムライという職業の自身に対してそのような対応を取るものは少数だったので、それなりに感じていた緊張が和らいでホッとしたのと同時に、 丁寧な人間なのだと好感も持てた。仲良くやれそうだと安心した。……のだが。 一つ。思い返してみれば初期のほうから、グラストはナムナと距離を取っている。 最初のうちは違和感など感じていなかった。無視をされているでもないし、少し人見知りをするのだろうかとか、まぁ気のせいかと流していた。 しかし、チームを組んで1ヶ月も経ったのに、直接話をした回数が両手の指で足りた時、流石にこれは不自然だと思った。 加えて、その数回とてまともな話をしたとは言い難く、せいぜい、今日は良い天気だのこの料理は美味しいだの、当たり障りのないやり取りを二言三言交わした程度なのだ。 他の面々とのやり取りを見ていても、明らかに自身との差は感じられた。ナムナよりも遅く知り合ったハルカラ相手でさえ、ほんの数時間も経たないうちに喜びのハグを交わす仲である。 どう考えても自分一人との距離感があり過ぎだ。 二つ。まともにナムナの目を見ようとしない。大体目を逸らす。もしくはそっぽを向いたまま。 貴重な会話の時でさえ、ナムナがグラストの目をまっすぐ見たことはあまりないのだ。思い返してみれば、最初の時でさえそうであった。 とにかくひたすらに、目を逸らすそっぽを向くナムナの目を見ようとしない。 ナムナ自身は相手の目を見て話すことを好んでいるが、世の中にはそうでない人がいることも理解している。 決して無理強いしようとか、目が合わないヤツは碌でもないとか思っているわけではないのだが、 他の人と話をしているときは普通に相手の顔を見ている姿を見てしまうと、どうしても思うところがある。 些細なことかもしれないが、それでも積もっていけば中々気になるものである。 三つ。ナムナを避ける。取り合えず避ける。本当に避ける。 これも最初のうちはあまり気にしていなかったが、グラストは、ナムナとの接触をひたすらに避けるのである。 話を早々に切り上げられたり、誰かと話していてもナムナが声をかけた途端さっさとその場を離れたり、 本を読んだりしていてもナムナが近付くとすぐにどこかへ行ってしまったりと、どんなに能天気に考えても避けられているとしか思えないのだ。 それでもめげずに関わろうとしてみたのだけれど、ナムナが声をかけたことで、 グラストとあまり話せなかった…と落ち込んでいる声を聞くことが増えてしまってからは、それ以上強引にいくこともはばかられるようになった。 流石に耐え切れなくなって、何度か、腹立たせるようなことをしてしまったのかと、 もし不満があるようであれば言ってくれと直球をぶつけてみたりもしたのだが、 なにもない不満など無い仲間として信頼している、の一点張りで、とりつくしまもないのだ。 嫌いだとか、ここが腹立つとか、気に食わないとか。 直接伝えてくれればナムナもやりようがあるのだけれど、 なにもないと言われるばかりであんな行動をとられては、もう、どうすればいいのかも分からない。お手上げだ。 結局、ナムナのほうも自然とグラストを避けるようになり、今となっては挨拶と戦闘時のやりとりのみが主な接点である。 ハントマンとしても人としても、中々出会えないであろう良い人物であるだけに、 薄っぺらい関わりしか出来ないことが寂しいところであった。 「……なるほど」 ナムナが説明を終えると、静かに聞いていたケイトは呆れ交じりの溜め息をついた。 現在、ギルド"クラフター"のギルドハウスにはナムナとケイトの二人しかいない。 クエストだのなんだので全員出払っているのだ。 残された二人はいつも通り軽く手合わせをしていたのだが、ケイト曰く普段のキレの良さが無いとのことで 早々に切り上げられ、ナムナの自室で相談をしていたのである。相談内容は、もちろん、グラストのことだ。 「最初のうちは、気のせいかとも思ってたんだけどさ。さすがに三か月もこのままだと…ちょっと、ね」 「そうだな。ナムナがそう思うのも無理はない」 「……やっぱり、あたいが嫌なことしちゃったのかな」 「そうとは限らないと思うが」 「ええー…?」 どういうこっちゃ、と口をへの字にしたナムナだが、ケイトは落ち着いたままだ。 「私の予想が合っているかは不明だが…グラストを見ていると、負の理由でナムナを避けているようには思えないんだ」 「どういうことだい?」 「相手のことを嫌っていなくとも、相手との関わりを避けてしまう場面は存在するからな」 「グラストのはそれだってこと?」 「確信は持てないが」 慎重な言葉とは裏腹に、ケイトの顔は妙な自信に満ちている。 しかしながら、彼女が何の意図を持ってそういうのかは分からない。思わず首を傾げてしまう。 「あまり心配するな。メンバー同士がぎくしゃくするのは避けたいし、 そうでなくともナムナは大切な友人だ。出来得る限り協力するよ」 「……ん、ありがとね」 そう言って微笑んだケイトの笑顔に、僅かばかり、心が軽くなった。 それが、三日ほど前の話。そして現在。 「というわけだから、ナムナ、グラスト。二人で行ってきてくれ」 「……えっ?」 ナムナは、ケイトに頼った自分自身を全力で殴りたい気分になっていた。 事の次第はケイトが引き受けてきたとあるクエストである。 依頼主は姫と付き人の二人組。曰く、トドワ山岳を超えたいんだけど二人じゃ不安だから護衛を、とのこと。 その内容自体は全く問題ない。戦慣れしていない人間が護衛を雇うのはよくある話だ。しかし。しかしだ。 思いっきり避けられてる相手と(姫と付き人はいるとはいえ)二人っきりで仕事してこいって…! 心の中で悲鳴を上げたナムナの一方で、グラストも困った顔をしていた。 「…お言葉ですが、ケイト。護衛というのであれば、もう少し人数が必要ではありませんか?」 「問題ない。どうやら、それなりに腕に覚えはあるお方のようでな。二人、と指定してきたのはあちらだ」 「……そうですか」 「ちょ、ちょっと待っておくれよ。それなら、ケイトとケビンとか、グラストとハルカラとかのがいいんじゃないのかい?」 このまま押し切られては非常に気まずい。 そう思って、ナイトとヒーラーの堅実コンビや、メイジとファイターの高火力コンビを提案してみたナムナだったが。 「あちらはローグとプリンセスだ。回復はできるから、連携がとりやすいサムライと、 もう一人は知識が豊富な人物をと希望されている。私たちのギルドに、グラスト以上に物を知っている人間はいないだろう」 「……分かったよ」 よどみなくすらすらと答えられ、結局、了承することになってしまった。 「えーと…プリンセスとローグの二人組、だっけか?」 「はい。待ち合わせ場所はここで合っているはずなのですが…」 二日後、ナムナとグラストはミロスの正門前にいた。 依頼主であるローグ、プリンセスの二人を待っているのだ。 「準備もあるだろうしな。のんびり待ってようか」 「そうですね」 待っているのだが、気まずい。 普段に比べたら驚くほどの言葉を交わしているとはいえ、先ほどから、 ナムナが話しかけてグラストが一言二言答えるという形式は変わっていない。 視線も合わないし。今も通りに目を向けたままだし。目を合わせるのすら嫌ってのかこの野郎。 ここのところ、ずっと抱え続けている不安や不満が限界に近付いているのを感じて、ナムナは長めに息をはいた。 自分がグラストと良い関係を作れていないことと、今回のクエストは関係無い。 私情に駆られて妙なポカをしないように、と心の中で気合を入れていたところで、 「…あ。あの人たちのようですね」 通りの向こうから仕事の依頼者たちがやって来た。 プリンセスのルシェの少女はモモメノ、ローグの青年はヤックと名乗った。 今回の山越えの目的は、二人の故郷であるトドワ山岳の麓の村へ里帰り、らしい。 「へえ、じゃ、あんたたちは幼馴染ってやつなのかい?」 「ああ。どっかのギルドに入ることも考えたんだけど、どーも二人旅に慣れちまってさ」 「で、ちょっと厳しい時はこうやってハントマンを雇ってるのか。それはそれで楽しそうだねぇ」 「…うん…」 ナムナの言葉に、ヤックとモモメノは顔を見合わせて楽しそうに笑った。 濃い青の長い髪を二つに縛って紫色のドレスを着たモモメノと、淡い桃色の髪以外は黒一色な服を着たヤックの組み合わせを見た時は、 自分の胃の安否が不安になったナムナだったが、彼女の心配は――少なくとも依頼人二人に対しては――杞憂であった。 二人とも、戦闘面では四人で行動するなら全く問題が無い技量を持っているし、今まで接してきた感じでは人好きのする正直な人間だ。 特にヤックは気さくで話しやすく、どことなく馬が合う感じがする。モモメノも、内気ではあるようだが懸命に頑張っているのが伝わってくる。 うん。やっぱり外見だけで人を判断するのはよくない。 「もう少し休憩を取ったら先へ進みましょうか。この調子だと、今日中に山頂辺りまで行けるかもしれません」 「おうよ。モモメノ、絶景見るためにがんばろうなー」 「うん。がんばる…」 にこにこと笑顔を交わす二人を見ていると、なんだか微笑ましい気分が伝染してきて、知らずのうちにナムナの頬も緩んでいた。 ふと視線をずらすと、グラストも同じように優しい笑顔で二人を見つめている。 こっちの方が本当の姿なんだよなぁ、と何とも言えない気分で眺めていると、ナムナの視線に気づいたのかこちらを見て、 「っ……!」 何故か顔を赤らめる。 反応が不思議で首をかしげたら、何やら一層赤くなって、視線を逸らしかけて、ハッとなって、もう一度ナムナと視線を合わせ、 「…そ、ろそろ、さきに、進みましょう、か」 ひじょーにぎこちない様子ではあるものの、恥ずかしそうに笑いかけてきた。 「…そうだね。そうしようか」 そんなグラストの様子に、何故か、不思議と、どことなく、 今までナムナの中にたまっていたもやもやが晴れていって、自然と笑顔を返せたのだった。 もう少しで山頂、という所で一行は野宿の準備を始めた。 日が落ちきるにはまだ時間があったが、暗くなる前に寝床を確保するのは基本中の基本だ。 「いやー、野宿の準備とかするとさ、やっぱ、ハントマン! って感じがあるよなー」 「安全な場所で寝れるに越したことはないけどね」 「そりゃオレだって寝袋よりはベッドが好きだぞ?でもこう、なんつーか…こう…」 「あはは、いいよいいよ。あんたの言いたいこともなんとなく分かるよ」 「おっ、やっぱりそうか!」 軽口を叩きながら手を動かす。 「…ナムナたちは、なんで、ハントマンになったの…?」 「んー…あたいは、もっと強いヤツと戦いたかったからだね。国も落ち着いたから良い機会だと思ってさ」 「おお、さすが、豪気だな! おまえはどうなんだ?」 「私ですか?…そうですね…自分の持つ知識を、誰かのために使えたらと思ったのもありますが…」 グラストらしい理由だ、と思いながら耳を傾けていると、少し間を置いて恥ずかしげな声が聞こえてきた。 「…色々なものをこの身で体験したい、というのが一番の理由です。あまり胸を張っては言えませんけれど」 「……どうして? すてきなのに」 「はは、ありがとうございます。…あなた方は、どうしてハントマンに?」 グラストの問いに、ヤックとモモメノは楽しそうに顔を見合わせる。本当に仲が良い。 「ありがちなんだけどさ、オレたちは"英雄"に憧れてハントマンになったんだ」 「ああ、なるほど」 「よく分かるよ。あたいも、あの人たちのこと尊敬してる」 「…うん。すごいよね」 ハントマンの間で"英雄"といえば、十年前の竜災害の時に全ての国の先頭に立って戦い、 七の帝竜と真竜を倒してエデンを救ったギルドのことだ。 直接会って話したことは無いが、ハントマンにとって、"英雄王ドリス=アゴート"と彼に導かれた"英雄"たちは、 絶対的な憧れの的であり、同時に、いつか追いつき追い越してやると思う目標でもある。 ヤックたちが彼らに憧れてハントマンになったというのも納得だ。 「実はさ、オレたち、会ったことがあるんだ」 「え?……会ったって、まさか、"英雄"に!?」 思わず大声を出すと、ヤックとモモメノはにこりと笑って頷いた。なんということだ。 「もう何年も前のことなんだけどさ。モモメノのお袋さんの病気を治すために、ゼンダ竹林で採れる特別な薬草が必要だった。 でも、村の人間じゃ、あそこのマモノには敵いっこない。あわや泣き寝入りかって時に現れたのが…」 「…"英雄"だったと?」 未だ驚きを隠せない様子のグラストに、再び二人の動きが同期する。 「つっても、そん時は必死で、どこの誰とか考えてなかったんだけどな。 お袋さんが元気になったあとに教えてもらって、そりゃあたまげたもんだよ」 「へえぇ…!」 「わたし、お礼言えなかったから…いつか会えたら、ちゃんとお礼しようって」 「…なるほど。それで、ハントマンになったんですね」 「そーゆーこと。今はまだ弱いけど、もっともっと強くなって、いつか絶対礼を言うんだ。それが、オレたちの目標!」 「うん…!」 それから、ナムナたち四人は"英雄"話に花を咲かせた。 どんなメンバーだったのか、どのような武器を使っていたのか、メンバーの職業はなんだったのか、など。 ヤックとモモメノの記憶も曖昧ではあったが、グラストとナムナの好奇心を満たし、想像力を働かせるには十分だった。 今になって、あの時の自分たちは興奮しすぎていたかもしれない、とナムナは思う。 一応安全な一角を確保したとはいえ、ナムナたちがいたのは街中ではなく、 いつどこから敵が飛び出してくるか分からないフィールドだ。慎重になってなりすぎることはなかったのに。 一言で言うと、不意を打たれたのだ。 日が落ちきる前に食事をしてしまおうと四人が僅かに離れたところを襲われた。 敵の気配を感じて振り返るのと、マッドライオンがナムナを弾き飛ばしたのはほとんど同時だった。 反射的に腕で体を庇ったのと、攻撃に合わせて地面を蹴ったおかげで腕の傷こそ大したことはなかったが、 「っ、ナムナさんっ!」 「うわぁぁぁああああっ!?」 そこまで広くない登山道から、暗い山の中へと転げ落ちる羽目になってしまった。
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誘拐と人食い 13 髪の毛を編み込んで作られた縄で手足をがっちりと拘束され、廃材で作られた檻に閉じ込められたπ-No.1ことポーラ 檻の前には『ソニー・ビーン一家』の子供達が絶えずうろうろとしている 「……のっとえすけーぷ」 今脱出を企てれば、奴らは彼女を捕まえるために子供達をあちこちに散らせるだろう そうなれば、水攻めの計画に予想外の生き残りが出る可能性が高くなる 自分にできる事は、かつての家族と共に下水の藻屑となる事なのだ 「気分はどうかね、我が娘よ」 檻を開けて中へと踏み込んでくる『ソニー・ビーン』 敵意に満ちた芽で睨みつけてくるポーラの襟首を掴み、強引に引き起こし ナイフを手に、動物の皮を剥ぐように慣れた手付きでポーラの服を切り裂いていく 「お前を改めて我が一族に取り込むために、これからたっぷりと家族で戯れて貰うぞ?」 家長の後ろに控えているのは、ポーラよりやや年下の小柄な子供達 「本当ならば身体を重ね精を注ぎ子を成すのが手っ取り早いのだがな。ユニコーンごと取り込むにはそうもいかん」 よく見れば子供達の中には男は居ない 全て幼い容姿の少女である 「お前の体液をこの子らに取り込ませ、この子らの体液をお前に流し込む。性交渉で出来ないせいで時間は掛かると思うが、そこは試練と思って我慢するのだな」 子供達はわらわらとポーラの身体に群がり、その肌に舌を這わせる 「ぁぅっ!?」 未経験の感触にひっくり返った声を上げるポーラ だがその声も、子供達の一人に飲み込まれるように唇を重ねて塞がれ、くぐもった音を漏らすだけだった 唾液を、汗を、涙を 丁寧に丁寧に舐め取られる度に、その存在そのものを少しずつ少しずつ削り取られていくような 子供達の唾液が口腔に、肌に触れる度に、その存在そのものが少しずつ少しずつ染み込んでくるような 「我が一族に戻り、そのユニコーンの力を我らのものとできたのならば」 細い足に手を這わせ、その奥へと指を滑り込ませる 「ひっ、んっ!」 身を強張らせ、一際強くその身を強張らせるポーラ 「子をまだ為せぬ子供達にその力を譲らせ、たっぷりと一族の繁栄のために奉仕してもらおうではないか」 子供達の唾液で濡れた指を拭い、『ソニー・ビーン』は静かに檻から出て行った ――― 下水道の一角、『ソニー・ビーン一家』の住処へと向かう排水管 哨戒中の子供達が数名、外部からの侵入者を警戒して武器を手に闇の奥を睨みつけていた その警戒をすり抜けて、その傍らに立つπ-No.0、ピーター 手に一枚の薄い金属製の板のようなものを持って、無線に向かって静かに語る 「現場に着いたよ、ターゲットは6人」 《了解、逃げられる前に静かに片付けるよ》 ピーターが手にした金属板は、一枚の交通標識 そこに描かれた図柄は、手を繋いだ大人と子供の『歩行者専用道路』の標識 その大人の図柄がむくりと膨れ上がり、音も気配も何も無く子供達のうち一人の腕を掴み、一瞬で標識の中へと引き摺り込んでいった ――― どさりと尻餅をついて、『ソニー・ビーン一家』の子供の一人は周囲を見回す そこは先程まで居たはずの下水道の一角ではなく、コンクリートで囲まれた広い部屋 手にした人骨製のナイフを握り、周囲に家族が居ないと確認した瞬間に脱兎の如く逃げ出した 逃げ出した、はずだった どちゃりと無様にコンクリートの上に倒れ、何が起きたか判らないといった顔で自らの身体を確認する それまで何でもなかったはずの足が、切断されたわけでもないのにぽろりと外れていた 「一丁あがりネ」 「一丁あがりヨ」 チャイナドレスの双子の少女が、ぱんと手を打ち合わせて小躍りしながら、外れた足を拾い上げる すぐさま手にしたナイフを振るおうとしたその腕が、足と同じようにぽろりと取れる 「達磨さんの出来上がりネ」 「達磨さんの出来上がりヨ」 取れた腕からはすぐに力が抜けて、こつんと軽い音を立ててナイフがコンクリートに落ちる 「材料ネー」 「材料ヨー」 腕や足を拾い上げ、そして手足を無くして動けなくなった『ソニー・ビーン一家』の子供を軽々と持ち上げ、コックコートの中国人女性とドイツ人男性の元へ運んでいく 「それじゃあ早速始めましょうか」 「久々だねぇ、最近は不況で売上が悪いから事業を縮小してたし」 「うちなんて中国産ってだけで敬遠されちゃって。ダンボールなんか使わない、肉100%なのにね」 まな板の上に転がされた『ソニー・ビーン一家』の子供は、家族の調理風景を思い出し 自分が何をされるか理解して悲鳴を上げた 「あらあら、食べるのは良いのに食べられるのは嫌なんて、そんな我侭は言わないわよね?」 「大丈夫だよ、ちゃんと美味しくしてあげるから」 巨大な中華包丁を軽々と振り回す女と、使い込まれた巨大な肉挽き器をごとんと調理台に上げる男 『達磨女の見世物小屋』の双子姉妹 『人肉饅頭屋』の女 『殺人肉屋のソーセージ職人』の男 合計4人の手によって、一人だけ攫われてきた『ソニー・ビーン一家』の子供は為す術もなく解体されていく 「はーい、息の根止めたら次攫うよー。100人ぐらいいるらしいから、ガンガンやってかないとダメだよー」 『誘拐結社』のリーダー『交通標識のモデル』は、ぱんぱんと手を打ち鳴らしながら急かす 「5人以上連れ込んだら殺せなくなるからねー、調理は後回しにして仕込みで流していってねー」 「それはダメよ、料理の素材は鮮度が命なんだし」 「手早くやるのできっちり調理させたまえ」 「しょうがないなぁ、その代わりペース上げてねー」 空中に浮かび上がる標識に腕を突っ込むと、その向こうからまた一人 この殺人キッチンに引き摺り込まれた『ソニー・ビーン一家』の子供は、次々と解体され次々と挽肉にされていく 「いくら人数で優れば無敵、やたらと増えて集団行動すると言ってものぅ。一人ずつ攫ってしまえばこんなもんじゃて」 老人はそう言いながら、キッチンの片隅で煎餅を齧る 「情報があり、人材があり、それが上手く噛み合えばこんなもんじゃ。化物は策を以って倒すのが神話からの慣わしじゃろうて」 「仕留め方がえげつねぇがな」 キッチンの様子を不快そうに睨みながら、紫煙を吐き出すサロリアス 「半端なやり口で、生きている人数がこっちを上回っても困るじゃろうて」 「確かにな……そういや、奴らには女も多いみたいだが、その辺は気にしないのか、ジジイ」 「ち○こ喰い千切られそうな女の子は流石に勘弁じゃろう、常識的に考えて」 「あんたの口から常識なんて言葉が出てくる事に驚きだ」 「そうかのぅ。儂は一度手を出した女の子は終生面倒見とるし、産ませた子供もちゃんと育てとるし。あそこの甲斐性無しより常識的じゃろ?」 その言葉に、『誘拐結社』のリーダーの顔が微妙に歪む 「都市伝説に常識求めないでよ。そりゃ子供はずっとほったらかしだったけどさぁ」 「もう小学校に上がったんじゃろ? ちゃんと面倒見てやらんと良い女に育たんぞ」 「こないだ調べたら、都市伝説と契約して『組織』に拾われたそうだから。僕が面倒見るわけにもいかないんじゃないかなぁ……それにさ」 ひょいひょいと次から次へと子供達を引き摺り込みながら、暢気に語る 「うちの組織に協力してもらってる教授さんがいるんだけどさ。彼なんて高校生になる娘さんを十数年前からほったらかしなんだよ? 僕とかずっとマシじゃない?」 「お前ら、悪い例を挙げて自分の事を棚に上げてんじゃねぇ」 「実はさー、うちの奴がこないだ間違ってその教授の娘さん攫っちゃったんだけどさ? 一応謝りに行ったのに『そんなどうでもいい事で時間を取らせるな』って怒られちゃったんだよ?」 「どっちも大概だな。今回の事が済んだらまとめてくたばっとけ」 呆れ果てた顔で煙草を灰皿に押し付けるサロリアス やや暢気なやり取りを挟みながらも、『ソニー・ビーン一家』を文字通りじわじわと食い潰していく 「リーダー、肉足りないよー」 「次攫ってきてー」 「はいはい、現地の協力者が移動中だから少し待ってねー」 饅頭やソーセージが積み上げられたキッチンは、言うなれば異形の坩堝 互いの尾を食い合う蛇のような、そんな雰囲気を漂わせていたのだった 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
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第234話:王者は嘘つき姫の剣となる 作:◆I0wh6UNvl6 「じゃああんたたちも日本の、しかも東京から来たっていうわけ?」 男と女が小洒落た喫茶店の奥で話し込んでいる。 端から見ると兄と妹のようにも見えないし年の近い親子のようにも見えない。 それっぽいのはお嬢様とその護衛、または誘拐犯とその対象といったところか。 だが護衛にしては相手に対し敬意が足りないし誘拐されたものとしては緊張感が足りない。 「まあな」 店の構造的に入口から誰かが入ってきたら音が鳴るようにできていてかつ気付かれずに非常口から外に出ることが可能なので選んだのだった。 彼らは4時頃にここにきて以来ずっと話し込んでいる。 …というよりほとんど朱巳が一方的に話しかけているだけだが。 「けどあたしたちの世界の新宿はそんなもんじゃないわよ。 あたしたちの世界の東京は…なんつーか飲み込まれそうな場所よ、流れの中心なんだけどだからこそなのか、穴ぼこの底って感じなのよね」 「こっちも似たようなもんだ…まさに掃き溜めみたいな場所だ」 「はあ…どこの世界も変わらないものね~、なんか面倒くさ」 「死にたくなったら好きにしろ、止めはしない」 「あんたっていっつもそうなの? そんなんじゃあ…」 彼の手が言葉を遮る。 彼女も察してトーンを落とす。 『誰かきたの?』 答える前にドアが開く、カランカランと言う音が来客を告げた。 『しゃーない、退散しますか』 非常口から出ようとする。 「そこに誰かいるのは分かっている、出てきてくれないか?」 店内に低い声が響き渡った。 「嫌だっていったら?」 朱巳は聞いてみる、特に深い意味はない。 「この状態で話を続けるだけだ」 答えを聞いて朱巳は姿を表した、刑四郎は見えない位置の座席に座る。どうやら見学を決め込んだようだ。 「話って何?」 相手を見る、えらくファンタジーな格好をしている。どことなく騎士や侍を連想させる雰囲気を持つ男だった。 「人を探している、銀髪の髪で目元を隠す仮面をつけているんだが…」 「この島どころかあたしのこれまでの人生でも出会ったことないわね」 物怖じせずに答える、こういうところが彼女の強さのあらわれか。 「そうか…あと十字架の形をしたものを探している。見たことないか?」 「何それ、えらくアバウトね。なんで探してんの?」 「ある男に言われてな、なんでも俺に必要な物らしい。 殻を破るとかどうとか…」 彼女にはその話を聞いて思い当たるふしがあった。 「あんたあの単細胞に目ぇつけられたの? とんだ災難ね~」 相手はどうやら驚いたようだ。 「あいつを知っているのか?」 「ええ、なんつったって同僚だから」 なんだかだるそうに答える。 「そうなのか? だがあんたが戦いに向いているようには…」 「組織のやつがみんなあんな単細胞みたいだったら世界はとっくに滅亡よ」 本気とも冗談ともつかない調子で言う。 「だがじゃああんたは…」 「そう、十字架がどういうものかも知ってるわよ、組んで損はさせないわ」 相手と同時に刑四郎も『は?』と目を丸くする。 「いいでしょ? あんた強そうだし、今のパートナーとだと話もイマイチ盛り上がりに欠けるのよね~」 刑四郎は深く溜め息をついた。 こんなところで話を盛り上げても意味ないだろうが。 「あたしはあんたの目当てのものを見たらすぐに教える、代わりにあんたはあたしを守る、取引よ」 「…いいだろう、今から目標が見つかるまでの間だが」 相手は了承した。 「あたしは九連内朱巳。で、そこにいんのが屍刑四郎」 「なんで勝手に話を進める」 多少怒りながら姿を表す。 「ヒースロゥ・クリストフだ、よろしく頼む」 風の騎士は名乗った。 「さてと、とりあえず移動しましょうか。 フフン、なんだかお姫様になった気分ね」 自分の両脇に立つ男達を見ていう。 その言葉に対し、彼らは、 『まあ確かに月柴姫に通じるものはあるな』 『お姫様より女王様のほうがあってんだろ』 とそれぞれ心の中でつぶやいた。 【嘘つき姫とその護衛たち】 【A-2/喫茶店/一日目8 00】 残り90人 【九連内朱巳】 【状態】上機嫌 【装備】なし 【道具】パーティゲームいり荷物一式 【思考】エンブリオ探しに付き合う、とりあえず移動。 【屍刑四郎】 【状態】呆れ気味 【装備】なし 【道具】支給品一式 【思考】とりあえずついていってみるか。 【ヒースロゥ・クリストフ】 【状態】背中に軽い打撲 【装備】鉄パイプ 【道具】荷物一式 【思考】EDを探す。九連内朱巳を守る。ffとの再戦を希望する。 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第233話 第234話 第235話 第178話 時系列順 第236話 第138話 九連内朱巳 第348話 第160話 ヒース 第348話 第138話 屍刑四郎 第348話
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imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 《 ちと厳しいか。まぁ勝てるだろ。俺だし。 》 『 …俺の体なのになぁ。 』 12/03/03 リタイア 名前 Mealey・Rosy/メアリア 性別 男 年齢 19歳 属性 変化系 誕生日 11月18日 身長 178cm(人間の時) 体重 58kg(施設を出た時) 髪色/目の色 黒/黒 趣味 読書、人を見ること 好きな食べ物 コーラ、珈琲、鳥肉 嫌いな食べ物 野菜全般、アルコール飲料 好きな事 人を理解しようとすること 嫌いな事 大勢の人が居る空間 欠点 協調性のなさ、方向音痴 癖 考え事をする時上を見る 能力 【石像魔物】 いわゆるガーゴイル。 炎をふき火球や放射などある程度操れる。 硬質化することであらゆるダメージへの抵抗をあげられる。 体は固く飛べるが硬質化すると動きは遅くなり火は出力が落ちる。 短時間ならば人に姿を変えることが出来る。 +【覚醒】 【覚醒条件】 自身の四肢のいずれかを欠いた場合。 【覚醒】 覚醒状態では人の姿にはなれない。 覚醒発動時にどちらかの手に自身の身の丈ほどもある 紅蓮の鎌『ヴァジート』を召喚する。 この鎌は能力をによる攻撃によっては破壊されない。 自身の硬質化した部分、鎌の刃の部分に接触した物体は発火する。 容姿 通常時:背中に大きな羽が生え体中に鋭い鱗のあるガーゴイル。 短い間本来の人としての姿に戻ることができる。 因みに不老。飲まず食わずでも死なないが、致命的な外傷を 負った場合死に至る。 人間時:黒いショートカットに喪服。皮肉にもイケメン。 但しこの状態ではガーゴイルの能力を使えない。 特例時:見た目は通常時と一緒だが人格が『α』と入れ替わる。 こちらはより好戦的、克つ戦略的。 生い立ち 元は貴族の生まれ。 しかし子供の頃に誘拐され 戦魔としての改造を受ける。 この時に二つ目の人格『α』が生まれ今の容姿になった。 数年を施設で過ごし16歳の時に施設を脱走。 その施設の経営責任者は彼の祖父であり後に それを知った彼は家族との一切の円を絶った。 その後各地を転々をし今に至る。 現在迷い込んだ『孤児院』で生活している。 ひょんなことから 『ランカーズ』NO.28【不遜】を請け負うことになる。 ランカーズに所属しているが彼は戦いを好んではいない。 戦いになるとついつい先走り、致命的なミスをやらかしたりする。 +補足情報 メアリアとは幼少期の渾名。 貴族の生まれだが不倫相手との間に出来た子供だったので実験で殺すはずだった。 『α』は彼の云わば『光』。自分のやり場のない怒りと悲しみを全て背負い込み幸せを捨てた結果『α』が生まれた。 『α』への人格の切り替えはいつでも行える。が、メアリアは其れを良しとは思わないようだ。 勝手に人に渾名を付ける癖がある。 喪服を着ているのは葬式の後に誘拐されたから。 考えはあまり口に出さないタイプ。しかし顔に出る。 人生の多くを施設で過ごしたため人との関わりを持ったことが無い。人との関わりを持ちたいと望んでいる。 最後に体重を測ったのは施設を脱出する二日前。 施設を脱走したときに肉体を操ったのは『α』。恐らく彼の精神が恐怖で使い物にならなくなったため肉体を明け渡したと考えられる。 蛇が嫌い。 同じ中の人 【奏滅雷腕】【弐丁反斧】 一応コメント欄付けてみた。使わないだろうけど。 -- がーごいるの人 (2011-08-29 22 09 43) 11/8/27迷い込んだ『孤児院』プチ・ボヌールにて【月光官能】さんと暫しお話。なんと『孤児院』に住まわせてもらうことに。 -- がーごいるの人 (2011-09-07 15 59 49) 孤児院のクリスマスパーティーに参加しました。騎士回生さんが入りにくく遠くから眺めていた所お招きしていただきました。色々話せたし、満足です。 -- がーごいるの人 (2011-12-23 17 04 24) 名前 コメント
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――試合まであと1日と迫った頃、 次の日に試合を控えている鏡星のグラウンドはいつになく静まり返っていた。 夏も近いこの季節、強豪野球部の練習の音も無く不気味な雰囲気を出しているのは異例の事だった。 無理も無い……明日行われる戦いは全てが異例なのだ。 「はこみんとの試合は明日だからな……」 「ああ……ただ緊張するって言うより何か嫌な空気が漂っているんだよなぁ……」 別に練習したくなくて練習していないのではない、 ただ明日の試合に疑問が多いのだ。 監督が入院で不在の中、山塚広樹が急に持ってきた試合。 それはかつてこのチームに伝説的な影響を与えた弾箱壬の率いるチームとの試合である。 部員たちからしてみれば2年前に共に戦って甲子園優勝を制した仲間であり彼に憧れて入学してきた者も居ただろう。 しかしあまりにも突発的、“3日後に試合を組んできた”といきなり山塚に言われたチームメイトたちは呆然。 主将になった瞬間“実力を武器に自分を主張する男”に変わってしまった彼、 誰かと比較されるのが嫌で仕方なく、常日頃“弾箱壬”の名を語る後輩に対し厳しく当たったりする男だ。 何故こんな男がキャプテンになったかと思われているが、努力は誰にも負けないし彼を否定できるものがこの中にはいないのだ―― 心の中では山塚なんかを信頼してはいないし、寧ろ箱壬を知っている者は誰一人として彼を良いとは思っていないだろう。 「今回の試合――アイツは何でこんな時期に組んだんだろうな」 「まぁ……自分の力を見せしめたいって所だろ? だけどいくらアイツでも相手ははこみんだぞ?」 そこへ恐らく同年代だろうと思われる一人の選手が現れて口を挟む。 「それぐらいにしておけ……あの野郎に聞かれたらたまったもんじゃねぇ」 「今丘……、お前はこのまま山塚の言い成りになって最後の夏を迎えていいのかよ!」 突如現れた褐色の男、彼は唯一山塚と対等に話す事が出来るこのチームの副主将“今丘勇次(いまおか ゆうじ)” 二年前、入部し初めての上級生と対決する紅白戦。 例年だったら1年の完敗だといわれている紅白戦でマスクを被り一番最初に弾箱壬とバッテリーを組み 勝利へと導いた男である。 1年前は公式戦で起用される事は無かった彼だがそんな彼も今ではチームの正捕手、 嫌いではあるが山塚とバッテリーを組みチームも安泰だと自分に言い聞かせていた…… そんな時に飛び込んできたのは自分の中で神格化された至高の投手“弾箱壬”との対決話。 変になっていく心は彼の平常心を奪う。 “あいつに会ったら何を言おう”とか“箱壬に何か頼みたい事”とかそんな浮かれた気分では居られない。 ましては大会で活躍するはずの山塚が大会前最後に行うであろう調整試合だ、山塚をリードする捕手として全力を尽くさなくてはならない。 彼の中はこれからの戦いの事のほうが重要であることは間違いないだろう。 例え弾箱壬が相手であろうと、それは関係の無い事。 山塚を勝たせなくては役割を果たす事ができないのだ。 彼は不信感を募らせ愚痴る仲間を見て……苦しそうに言う。 「遅かれ早かれ、俺達は後3ヶ月もしないうちに引退だ、 もう後ろなんざ見る暇なんてねぇだろ……」 「だけども……」 「だけどじゃねぇ!!……悔しいが、山塚が居れば甲子園優勝も出来る、 だが山塚が居なかったら俺たちは非力なんだ……それだけだ」 そういいながら、今丘は黙ってその場を立ち去って行った―― 誰一人本心を打ちまける事が出来ない仲間達を残して―― 所変わって鏡星高校地下倉庫―― 山塚は人目を憚るようにたくさんの食べ物を持ってとある地下倉庫の中に入っていく。 本来なら極限られた教員しかやって来れないような場所に彼は無断で侵入。 そしてその倉庫を鍵を勝手に作り出入りしているのだ。 山塚がドアを開けるとそこには二人の子供が壁に寄りかかりながらつまらなさそうにゲームをしている姿があった。 山塚はその二人に凄くやさしく声をかけた。 「ごめんね、夕御飯の時間遅れてね」 二人はゲームの電源を消しそれを充電器の方まで持って行く、 別に緊張した気持ちでもなんでもなく、そこにはただ単純に子供としての姿があった。 「きにしないでもいいよ……」 「それよりおそとであそびたいよー」 山塚に話しかけている二人の子供、彼らは間違いなく誘拐された“成瀬優雨”と“楠明灯”であった。 しかし誘拐されたような怯えの状態とは彼らは無縁の状態、それどころかゲームをして退屈を凌いでいる状況だ。 これは一体どういうことなのだろうか。 「まだ――外には出せないよ でも安心して、必ず――明日には開放するから」 「はこみんがまけてもかっても?」 「そうだよ……明日が終わったらもう僕らが会う事は永遠に無いだろうね」 山塚は心の底から笑顔だった。 何故誘拐した子に対して心から笑みを浮かべる事が出来るのであろうか。 これから待つ未来がどんなに暗いものなのか――まるで分かっていないかのように。 『明日……俺の全てが決まるんだ―― もう後が無い、俺には最後に絶対に手に入れたいものがある 箱壬よ――俺は必ず貴様を倒し手に入れてみせる』 何かに縛られたかの様な山塚の覚悟―― それに気づく者は……誰もいない 第二十二話 足立原くん<戻 次>第二十三話 全員集合