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平時であれば活気に溢れ和気藹々としていたであろう商店街。 だが殺し合いの舞台と化した今、人気は無い。 その商店街の交通路を村岡耕作は走っていた。 否、追われていた。 「クソ!何者なんだアイツは!」 『耕作!右後ろから来るぞ!』 青い光の線が耕作の背中を目掛け飛んでいく。 すんでのところで耕作は近くにあった商品置き場に身を隠した。 光線が命中した箇所から置き場は凍り付き始め、数秒後には氷のオブジェと化していた。 冷凍光線、という単語が耕作の脳裏をよぎる。 エクシードラフト隊員である耕作にとってそれは、SF作品の中にしかない空想の産物ではない。 彼らの装備の中にもそれを生じさせるものはある。 まさか自分の身に脅威となって降って来るとは思いもしなかったが。 そんな思考はすぐに遮られることになった。 『今度は正面だ!』 「分かってる!」 自分の左腕から聞こえてくる声に応え、耕作は咄嗟に林檎の詰まったダンボール箱を盾にする。 瞬時に林檎は冷凍されアップルシャーベットと化した。 更に箱を支える手の付近まで凍っていく事に気付いた彼は慌てて手を離した。 あと数秒離すのが遅れていれば、自分も掌から凍り付いてしまっていただろう。耕作は戦慄した。 「せめて実装が出来ればなぁ…」 思わず愚痴をこぼしながら、凍った箱の影から頭だけを出し襲撃者の姿を確認する。 するとそこには身体の半身が機械化され、セーラー服を着用している少女の姿があった。 肌は異様なまでに白く、とても人間とは思えない。 その白い肌を見て耕作は中国映画に登場するキョンシーを連想した。 もしやあの少女も死人なのであろうか。 いずれにせよ、ただの人間ではない事は明らかであった。 (サイボーグ、それともアンドロイドか…?) その少女はまるで自分達エクシードラフトが使うような、大げさな外見の銃を構えていた。 その銃から冷凍光線が発せられている事は耕作にも察せられた。 「止まれ!」 耕作とてただ黙ってやられているだけではない。 支給されていたハンドガン―エクシードラフトの共通装備、EDRT-001 リボルバックG-3―を構えた。 狙いは冷凍銃を持つ少女の手だ。 一発、二発、三発。 箱の影から上半身を乗り出し、彼は連続で発砲した。 発射した弾丸は正確に襲撃者の少女目掛けて飛んでいく。 内二発は冷凍銃のグリップ部分に命中した、だが少女は動ずることなく依然銃を握ったままであった。 残った一発は少女の手の甲を掠めた。 だが― 「何!?」 カン、と音が響いて弾丸は弾かれた。 見れば弾丸が掠めた少女の手の甲は肌が破れ、下から金属が露出していた。 『耕作!何をやっているんだ!』 「分かってるよ!武装解除させられる相手じゃない…!人間でないなら…!」 即座に反撃の冷凍光線が飛んでくる。 耕作は再び身を物陰に隠して回避した。 そしてすかさず今度は少女のボディにリボルバックG-3の照準をあわせて発砲する。 だが、命中した箇所から僅かに火花が散るだけであり、少女の動きを止めるには至らなかった。 (近づいてきている…!) 少女は冷凍光線を撃ちながら、耕作のいる場所へジリジリと接近していく。 近づかれて撃たれたら一巻の終わりである。 耕作は距離を取るべく立ち上がり、一歩を踏み出そうとした。 その時であった。 「あっ―――」 冷凍銃の余波を受けて凍った床。 それに耕作は足をとられてしまい、態勢を崩しその場にすっ転んでしまった。 マズい。彼はそう思った。 少女のいる方角を見れば、寸分狂わず自分に冷凍銃の照準をあわせていることが確認できた。 『耕作!こうなれば私を…』 左腕から聞こえてきた声は轟音に掻き消された。 ◇ 「早く乗って!」 轟音の正体は車のエンジン音であった。 その車は四輪駆動で全体が赤く、車体上部にはキャノン砲のようなものが取り付けられている。 冷凍光線の射線を遮るように突っ込んできたその車体は、耕作にとって見知った物であった。 「スクラムヘッド!」 耕作はその車の姿を確認するとすぐに中へと飛び乗った。 「よし、この場を離れよう!」 車を運転してきた男が言う。 だが耕作と、彼の左腕の返答はこれに同調するものではなかった。 「『その必要はない』」 耕作の左腕からの声に気付いた運転手は目を見開いた。 「あーっ!ゲキリュウケン!お前こんなところにいたのかよ!」 『ああ、どうやら私は支給品としてこの男の元に送られていたらしい。耕作、私を彼に手渡してくれないか』 「何故だ?」 『説明は後だ!』 「あ、ああ…」 その行為にどのような意味があるのか、耕作には分からなかったが、とにかくそれに従うことにした。 左腕に付けられた腕輪のような物を外し、運転手へと渡す。 すると運転手はそれを自分の左腕へと装着した。 『よし、行くぞ剣二!』 「おう!」 剣二と呼ばれた運転手の男は、腕輪の声に応え勢いよく車外へと飛び出した。 引き留めるべきか、と耕作は一瞬考えたが、今自分のなすべき事をする方が先決だ。 と考え、支給されていた多目的小型無線機を取り出す。 エクシードラフトの共通装備、EDRT-003 アクセスロックSだ。 「実装!」「撃龍変身!」 車内の耕作と、車外にいる運転手の男―鳴神剣二―が声を発したのは、殆ど同時であった。 ◇ 「ゴッドリュウケンドー、ライジン!」 車外へと出た耕作―トライジャケットを実装した今は、ドラフトブルース―が見たのは、剣を構え名乗りを上げる、装甲に身を包んだ青い剣士の姿であった。 「その姿は一体…」 「あっ、あんたさっきの人か?…もしかしてSHOT?」 驚いているのは青い剣士も同様であった。 耕作の今の姿も剣士同様青い装甲服に包まれた、メタルの戦士であったからだ。 だが、驚愕に浸っている間は無かった。 不意を突く形で冷凍光線が青い剣士の元へと飛んできたのだから。 「あぶね!」 咄嗟に剣士は左腕の盾でこれを防ぐ。 更に身を傾けて光線を逸らし、盾が凍り始めるのを回避した。 「話は後だ!今はアイツを止めるぞ!」 ドラフトブルースの言葉に、青い剣士―ゴッドリュウケンドー―は頷く。 二人の青い戦士は襲撃者に向き直り構えを取った。 「ターボユニット!」 足首に備え付けられた加速装置を起動し、高速移動で冷凍光線を回避しながらブルースは襲撃者の少女へと肉薄していく。 そしてその走る勢いを殺さず、体重を乗せた飛び蹴りを見舞った。 ブルースの脚に硬い物を蹴った感覚が伝わる。 少女は怯んだが、すぐに顔を上げると、視線をブルースの体へと向けた。 目に備え付けられたスコープが光ったかと思うと、レーザービームが放たれブルースのトライジャケットの表面を焦がした。 「うわっ!」 仰け反ったブルースに対し少女は冷凍銃での追撃を仕掛けようとする。 だがそれより早く、ゴッドリュウケンドーは剣による一撃を少女に見舞った。 「はぁ!」 更にゴッドリュウケンドーは袈裟切りを機械の少女へ浴びせる。 斬られた箇所から火花が飛び散り、少女は大きく後ろに下がった。 「サンダーグレネード!」 ブルースがリボルバックG-3に特殊警棒EDRT-002 トライシャフトを装着し、電撃ビームを少女へと浴びせる。 機械系統がショートしたのか少女の身体からは黒い煙が立ち上る。 ―「ふむ、やはり不利か。もういい。戻れ、メカニ牛乳」 と、突然辺りに声が響いたかと思うと、少女は黒い靄に包まれ、数刻後には跡形もなく消え去っていた。 『…ブラッディか?』 ◇ 機械の少女が去った後、ドラフトブルースはメットを脱ぎ村岡耕作に、ゴッドリュウケンドーは変身を解除し鳴神剣二へと戻っていた。 「ありがとう、おかげで助かった。俺は村岡耕作、エクシードラフトだ」 「いやぁどうも、俺は鳴神剣二。あけぼの署で刑事をやってる。…エクシードラフトって?」 「何?あんた刑事なのにエクシードラフト知らないの?」 「悪い、知らない。SHOTの関係者かなにか?」 「さっきも聞いたけどその"ショット"ってのは何の事なんだ?それにさっきの姿…警察の秘密装備か何かか?」 どうにも二人の会話は噛み合わない。 そこで剣二の左腕に付けられた腕輪は提案した。 『どうやら、お互いの事について話し合う必要がありそうだな』 耕作はその腕輪に対しても疑問を呈する。 「その喋る腕輪とあんたはどういう関係なんだ?そもそもそれは一体何なんだ?」 それに対して剣二は笑みを浮かべながら答えた。 「こいつはゲキリュウケン、俺の相棒さ」 【一日目/深夜/B-5 あけぼの商店街】 【村岡耕作@特捜エクシードラフト】 【状態】疲労(中)、軽傷 【装備】リボルバックG-3@特捜エクシードラフト 【所持品】基本支給品一式、アクセスロックS@特捜エクシードラフト 【思考】 0 主催者を逮捕する。 1 叶隊長、拳と合流したい。 2 剣二と情報交換する。 3 機械の少女が気にかかる。 【備考】 ※33話以降からの参戦です。 【鳴神剣二@魔弾戦記リュウケンドー】 【状態】疲労(小) 【装備】ゴッドゲキリュウケン@魔弾戦記リュウケンドー 【所持品】基本支給品一式、スクラムヘッド@特捜エクシードラフト、ランダム支給品×2 【思考】 0 この殺し合いを食い止める。 1 不動さん、白波と合流したい。 2 耕作と情報交換する。 3 ブラッディを警戒。 4 ジャークムーン、死んだはずじゃ…? 【備考】 ※29話以降、アルティメットキー獲得以前からの参戦です。 ◇ 「リュウケンドーの登場も予想外だったが、まさか魔弾戦士以外にもあのような力を持った人間がいたとは、上手くいかないものだな」 機械仕掛けの魔法使いか幽霊のような姿の怪人、血煙伯爵ブラッディは呟く。 彼の目の前には、耕作剣二らを襲った機械の少女が物言わず立っていた。 「このメカニ牛乳だけでは少々心もとないということだな。さて、何かいい案はないものか…」 この怪人には、意志を持った支給品が手渡されていた。 名を「牛乳」と呼ぶ。 何故、彼女が支給品扱いされているのか。 何故、「牛乳」なのか。 何故、小麦粉とセットではないのか。 そんな事は誰にも分らない。 分かっているのは、この物言わぬ少女はブラッディにより改造され、忠実な手足に変えられてしまったという事だけである。 【ブラッディ@魔弾戦記リュウケンドー】 【状態】健康 【装備】牛乳@霊夢と魔理沙のチョコレート☆ハート(メカ遣い魔のパーツ@魔弾戦記リュウケンドーによって改造済み、コールドガン@THE FLASH/フラッシュ装備) 【道具】基本支給品一式 【思考】 0 優勝する。 1 何か利用できるものを探す。 2 魔弾戦士と青い戦士(=ドラフトブルース)に警戒。 3 ジャークムーンは利用したい。 ハルカナケツイ 時系列順で読む Next 爆発!無言の怒り ハルカナケツイ 投下順で読む Next 爆発!無言の怒り GAME START 村岡耕作 Next [[]] GAME START 鳴神剣二 Next [[]] GAME START ブラッディ Next [[]]
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【検索用 ひっとあんとあうぇいのこせんにし 登録タグ VOCALOID okoge shirt ひ まかぎ 初音ミク 曲 曲は】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:okoge 作曲:okoge 編曲:okoge イラスト:まかぎ 動画:shirt(Twitter) 唄:初音ミク 曲紹介 バーン!ズドドッドドドみたいな曲ができました。 曲名:『ヒットアンドアウェイの午前二時』(ひっとあんどあうぇいのごぜんにじ) okoge氏のVOCALOID曲3作目。 歌詞 (本人投稿動画説明欄より転載) 廃墟のビルを仰いだ 崩れるその日咲き乱れる証明 売買あの子は語った そこに希望はもう無い 32度の気温が うなされる悪夢を育てて孔明 最後列の私は すでに後には引けない くるり回す その銃口に 何か思わずとも 再構成だ 狂えよ 何かあると信じたいから 大丈夫 救えよ その自慢の右手で 大体正義は満足? ほら孤独 刷り込む洗脳 問題定義の価値観 すべてを 気のすむまで笑ってろ 余裕しゃくしゃく気分は上々? 抗うホープも 生きてちゃ悪いか サイコロゲームを暇した 夜中に朝にほら叩けよ総督 ライクを滅した気持ちは 相槌さえも打たない どろり混ざる その唇に 吐き捨てないように 大成功か 踊れよ 思い通りになって最高か 立ってる 足元 抄われて気づけよ ああ 曖昧正義は満足? 勝ち誇ったお顔を 重ねる 集団心理の価値観 すべてを 何がいいのかわからずに その石を投げることも簡単 廃れる光景も時代が悪いか 確かな言葉を見るのは難しい 気づいた時にはもどかしくなるが ほら何もなくなったビルを見て あなたは何を思うだろう 任されたその先に 陰った 未来は そこに行くことさえ大層だ 抱いた 空想が 思い空を切ったから ほらね始まる 逃げた 襲撃者 ここは誰かとの代行だ 震えた 左手 迎える不安を打て 大概正義は満足 変わる創造妄想混ぜあう 存在名義の発言 続けろ 変化していく世の中に 食いついていく力はまだある? さあさあまだまだ行こう斜めの毎日を コメント 名前 コメント
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ミアさんが入室しました ミア- (深夜の喫茶。店内の整理と片付けをしているメイド ニャコンhpさんが入室しました ニャコンhp- (机に置かれた、白虎風の携帯電話 ニャコンhp- (スマフォではなくガラケーである ミア- …(スマホ八犬伝 ミア- (ガラケーだった ミア- (手に取る。…忘れ物? ニャコンhp- (ピバッポーニャオンニャオン(着信?音 ミア- …、もしもし? ニャコンhp- 「私だ」(ニャコンボイス) ミア- 貴方でしたか。 ミア- 鰹節ですか? 例のブランドでしたら朝にでも入荷予定ですが。 ニャコンhp- 「ミアさん、私は猫ではないし鰹節も好まない」 ミア- …昇り鯉の飾り皿も入荷予定ですが。 ニャコンhp- 「惜しいところだが、私は留守が多い。そのため、これを置いておく」 ニャコンhp- 「聞けば、先日もうろんげな輩が喫茶を襲撃したと」 ミア- ええ、DT(デリュージョン・テラーズ)と名乗る襲撃者でした。 ニャコンhp- 「そこで、転移装置を組み込んだものを置いておいた」 ミア- 転移装置。 ニャコンhp- 「喫茶の有事に留守が多いのでは、ガーゴイルの名折れ」 ミア- 確かに。客寄せになりませんからね。 ニャコンhp- 「有事に携帯を追れば、すぐに駆けつけよう」 ニャコンhp- (折れば) ミア- はい。頼りにさせていただきますね。 ミア- 特にリン様などが来られた際など、期待されていますし。 ニャコンhp- 「ミアさん。使い捨て転移ゆえに、有事の(強調)際に使ってくれ」 ミア- …再発行できないのですか。 ニャコンhp- 「心なしか残念そうに聞こえるが、緊急用だ」 ミア- かしこまりました。辛抱たまらなくなれば、お呼び致します。 ニャコンhp- 「ではこれより戦闘行動に入るので失礼する。ミストグローヴはやりにくい」 ニャコンhp- 「(応答終了)」 ニャコンhpさんが退室しました ミア- …(ぱたん ミア- (ポケットに携帯を仕舞うと、残りの清掃を終えてしまう ミア- デコレーションしてみるのも、良いかもしれませんね(不敵な笑みを浮かべつつ ミア- (店の奥へ消えていく ミアさんが退室しました
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「ねえ、アカネちゃん」 「ん?」 白波家へ向かう道中、アカネの隣を歩くスザク……の姿をした琴音が話しかけてきた。 「シュロちゃんって、確かランカちゃんの友達よね? 御持て成しとかっているのかしら」 「あら、友達どうこうは関係ないわ。こういうことはキッチリしておかないと」 アカネにとっては、知人だろうと友人だろうと、家を訪ねて来た人は須らく持て成すものであるらしい。 概ね間違ってはいないのだが、 「ですけど、それはあくまでアカネさんのお友達の話では?」 「そうでもないわよ。私の友達なら私が、ランカの友達ならランカが。最低限のマナーよ、これは」 ただねぇ、とここで意外にも案ずるような表情になる。 「あの子、しっかりしてるけど変な所で天然なのよね……私の言ったこと、ちゃんと理解してるといいんだけど」 「……それはある、大いに。ランカのことだから多分、おもてなし云々を『今から来る誰かへ』だと思ってるかも知れない」 マナの意見を否定できる材料は、誰も持っていなかった。 ただ、 「……でも、尋ねて来た人をもてなすのはある意味当然。だから、ランカが勘違いしていても、実際に困ることは何もない」 という補足つきだったが。 白波家。 ゲンブの危報を聞き、仲間内のリーダー格(ということに一応なっている)ランカの許に飛び込んできたシュロは、相変わらず苛々と机を指先で叩いていた。 目下の家主であるところのランカは、人化したアズールと共に忙しく立ち働いていた。無論、これからアカネが連れて来るという客人に対してのものだ。 「マスター、お茶が沸きました」 「ん……じゃあ、急須に移して、湯呑み出しておいて。私はお茶菓子取って来るから」 忙しなく立ち回ること10分あまり、仕度が整ったところで二人もテーブルに戻る。 急須からは沸かしたての日本茶が湯気を立て、簡素ながら茶菓子も用意されていた。 一見すると和む光景だが、当人たちはそんな気分では到底ない。 「大さんが負けるなんて……」 「獏也さんの話じゃ、脳天に一撃喰らって、それで終わったらしい……」 「ゲンブさんを一撃とは……どういう強者ですかそいつは」 アズールの問いには、二人とも答えられなかった。 ゲンブの強さはアースセイバーでも知らぬ者がないほど。以前誰かにボロ負けした以外、敗退したという記録は片手に足りない程度だ。 その彼を一撃でKOした襲撃者とは、果たして何者なのか。 答えの出ない問いに頭を巡らせていると、 「ただいま」 「おぅわっ!?」 シュロの背後から突然声。跳び上がった彼女が振り向いたそこには、音もなく佇んでいるマナの姿があった。 「お、驚いた……マナ、頼むからもっと普通に出て来てくれって」 「声はかけた、一応」 確かに。 「お帰り、マナちゃん。どこに行ってたの?」 「スザクの所。もうすぐみんな……」 ピンポーン、 「……来た」 マナが言い終わる前に、玄関のベルが鳴った。ランカがすっ飛んで行った先で、ドアを開いて入って来たのは、 「ただいまー。……ん、ちゃんと用意はしてるわね、OK」 ランカの母・アカネ、 「お、お邪魔いたしますわ」 スザクの双子の妹・アオイ、 「ここに来るのも久しぶりねぇ……」 「……え? あ、綾ちゃん?」 そして、アオイそっくりの姿をし、山吹色の髪を持った少女。 それが誰なのか、家の中にいた3人は一瞬わからずに混乱した。その答えは、真っ先に帰ってきたマナから齎された。 「ランカ、シュロ、アズール」 「な、何?」 「一体どちらさん……って、何でっしゃろ?」 「あの、スザクの姉御にそっくりなのは……?」 「火波 琴音さん。簡単に言うと、スザクとアオイのお母さん」 沈黙が一瞬。しかる後、 『……えぇええぇ――――!?』 吃驚の叫びが、部屋を満たした。 アオイやマナから事の次第を聞いた3人は、スザクがほぼ死んでいたという事実にまず衝撃を受け、ついでアカネと琴音、マナの連携プレーで何とか命を繋いだことを知って安堵し、最後に琴音がスザクの体に憑依したまま戻れなくなっていることを聞いてまた驚いていた。 「琴音さんのことは、私達も一応知ってはいたけど……」 「スザクさんに乗り移るってのは予想外でしたなぁ」 「スザクの姉御が無事、いや無事でもないのか……まあ生きてたのはいいけど、これはなぁ……」 確かにシュロの言うとおり、スザクの精神は底の底に落ちて眠った状態にある。事実上空になった肉体に琴音が何かのはずみで憑依し、そのまま定着してしまった、というのが目下の現状だったりする。 「ヒナちゃん、力は使える?」 「私の方は問題ないわ。スザクの力は……」 思いつつ、右手(スザクのだが)に意識を集中する琴音。一瞬もかからず、その手に赤い幻龍剣が示現する。 「……問題ないわ」 「なら、自衛は出来ると考えてよさそうですわね」 胸をなで下ろすアオイ。そんな彼女をよそに、シュロが口を開く。 「ともかく……ゲンブの兄貴に続いて、スザクの姉御までやられたとなると……」 「襲撃者と実際に戦ったのは、この中だとアオイだけ。何か知らない?」 マナが問うが、 「も、申し訳ありませんわ……頭に血が昇っていて、ほとんど覚えておりませんの」 答えはこれ。印象を残してほとんど記憶に残っていなかった。 ただ、 「何だか、攻撃を悉く打ち払われたような、そんな記憶がありますわ」 「打ち払われた? 反撃とか?」 「そうではなく、何というのか……その、相殺というか……」 「アオイさん、無理して思い出さなくてもいいから」 アオイが無理やり記憶を引き出そうとしているのを察し、ランカが止めに入る。 彼女が襲撃者に関する記憶を引き出すということは、取りも直さずスザクの惨状を思い起こすことに他ならない。スザクに対して恋情に近い想い入れを持つアオイにとっては、それは何より辛いことだろう。 「す、すみません」 さすがに当人も堪えたのか、それ以上記憶を探るのはやめたようだ。 話題を変えるように、アズールが一同を見回して言う。 「それで、これからどないします?」 そうねえ、とまずアカネが口を開く。 「ええと、百物語組だったかしら? ヒナちゃん、ああなってから結構付き合いがあったみたいだから、連絡しておかないと」 「そうね。色々と問題も抱えてるし……」 続いてシュロが、 「あたしは一回戻る。獏也さんに現状報告だけはしとかないと」 最後にアオイが、 「私は……その、母様と一緒におりますわ。心配ですもの……」 彼女が心配なのはどちらかというとスザクの方なのだが。無論琴音の方もそれはわかっている。 「それなら、一緒に来る? 私はこれから秋山神社に行こうと思ってるんだけど」 「……はい。ご一緒しますわ」 火波姉妹、もとい母子の話がついたところで、アカネも言う。 「ランカ、アズール、マナちゃん。迂闊に外を出歩いちゃダメよ?」 「はい、お母さん」 「心得とります」 「……わかってます」 それぞれ現状とこれからの行動を確認し、実行に移る。 そこはかとなく気迫のようなものが漂う中で、思い出したようにランカが「あ」と声を上げた。 「ランカさん?」 「……琴音さん、アオイさん」 「学校、どうするの?」 「「…………」」 盲点だった。琴音がスザクの体から離れる手段がない現状、諸々の事情もあわせるとこのまま通学するしかない。 頭から飛んでいた可能性に固まる母子に、シュロがとりあえずの提案を示す。 「あ、あー……とりあえず、アオイがフォローしてやるしかねぇんじゃ……?」 提案というか「こうする」というだけの話だったが、こればかりは他の誰にも代案がない。 スザク組、波瀾万丈 (数分後、白波家を飛び出した彼女は) 「でっ!?」 「む、すまん……よそ見をしていたようだ」 「い、いやこっちこそ……ってお前は!?」 (……やはり、そうなるか……) (「奴」によく似た藍色の男と、ぶつかっていた)
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再会、そして再出発 ◆n7WC63aPRk 一回目の放送からもうじき1時間が経過する。 九条は歩みを進めながら、凡田とともに様々な情報の交換、ならびに推理・憶測を行っていた。 まず、放送が流れると同時に、九条は凡田にメモを命じ、自身は変わらずに地図の確認を行い、ホテルへと向かっていた。 すぐにでも参加者、そして死者の確認をしたいところではあったが、 一刻を争う時にいちいちそのことで一喜一憂はしていられない。 とりあえずはメモだけ凡田に任せ、後で確認をすることにしたのだ。 凡田もすぐさまにそれに応じ、「わかったでやんす」と言って筆記用具を取り出し、放送を歩きながらではあるがメモに取った。 「凡田くん、この中に知り合いの人はいるかな?」 しばらく歩いたところで立ち止まり、腰を下ろし、先ほどの放送の内容を二人で確認することにした。 既に凡田の知り合いに関しては本人に尋ねてはいたのだが、この放送を聞いて新たな情報が得られないかと期待を寄せて尋ねてみる。 「そうでやんすね……二朱くんと、オーナーと……う~ん……これはどうなんでやんすかねぇ……」 二人の名前を指差してからしばし唸っている凡田に、どうしたのかと尋ねると、どうも名簿に記載されている『愛』という名が気になるらしい。 「わからないんでやんすよね~。何で名字が書いてないでやんすかねぇ……」 「それは確か、君のチームの……」 「監督の娘さんでやんす」 それを聞いてああそうか、と呟く。 九条も同じようなことを気にかけていたのだ。 名簿に記載されている中での彼の知り合いと言えるのは、椿、准、太田、ピエロ、東、レッド、七味、ブラウンの8名。 なぜいるのかと多少疑問の残る者もいたのだが、時間移動が可能であるならばこれも納得である。 しかしそこで彼が疑問に思ったのは、『タケミ』という名の存在であった。 以前に滞在していた商店街。 その一角に気まぐれな漢方屋があるのだが、そこの店主も『タケミ』という名であったのだ。 彼女には『広川武美』という氏名がしっかりと存在し、名前だけとかカタカナで名前を記載される道理は全くもってない。 本人なのか、全くの別人なのか、まるで予想ができない。 また、彼の中にはそれ以上に強く衝撃を受ける内容が、他にあった。 それは、名簿の中の『夏目准』という名前であった。 維織やカンタ、奈津美の名が刻まれていないことに胸をなでおろしていた矢先にその名前を見つけてしまった。 自分よりも10歳近く年下の癖に、タメ口をきいてきて、小生意気で、 そしてなぜかいつもメイドの服装をしていて、なんかいつも絡んでくる女の子。 散々からかわれてきたのだが、嫌いだったわけではない。 それどころかこんな状況である、今この瞬間も無事でいてくれることを願うばかりであった。 (あいつのことだから意外とケロッとしているかも…………いや、いくらなんでもそれはないな。 こんな状況だ、怖がっているに決まってる。…………自棄になって人殺してたりしたらどうしよう……) そんなことを思いながら、九条は横にいる凡田のことを眺める。 恐らく彼も心配しているのだろう。 二朱という名の、仲の良い青年のことを。 「なあ凡田くん」 「なんでやんすか?」 「君の友人の、その二朱くんと言う人はどんな人なんだい?」 互いに不安なことが多いだろうから、とりあえずは何気ない話でもして場の空気を和ませよう。 そんな気持ちで質問をしたのだが、凡田の口からは予想だにしないような言葉が返ってきた。 「そうでやんすね………………一言で言っちゃえば………『ラブハンター』でやんす!」 「え?」と目を点にしながら九条が固まっていると、凡田はすぐに付け加えて解説を行ってくれた。 一言で言ってしまえば、女にだらしのない男、ということだった。 スキャンダルにこそならないが、女と聞けば鼻の下をのばしているらしい。 それをチームメイトらの中では、『ラブハンター』というニックネームを付けてからかっているということだ。 ……なんか心配して損したなぁ、と思いながら、再び地図に目を落とす。 「今どこまで来たんでやんすかね? 結構歩いた気がするでやんす」 そう言いながら隣に凡田が座り込んでくる。 方向は間違っていないのだが、九条自身もどこを歩いているのかはあまり把握しておらず、凡田に言われて初めて確認する形となった。 2時間くらいずっと歩き続けており、疲れも溜まってきているだろう。 そろそろ安全に休める場所の確保が求められてくるところだ。 「う~ん……島全体の大きさが分からないから何とも言えないけど、たぶんこのあたりまでは来てると思うんだよね」 「へぇ。目印とかはないんでやんすか?」 「そうだなぁ…………この泉と、コンクリートの道路はさっき通ってきたから、E-5の……左手に倉庫が見えるあたりだと思うけど」 「そうでやんすか。随分と歩いたでやんすねぇ……倉庫でやんすか~……あれ?」 九条が地図を指で追って説明し、凡田がそれに従って周りの景色を見る。 あたりはすでに日が昇り、非常に見通しが良くなっていた。 そして、倉庫があると思われる方向を眺める凡田が何かを発見したようだ。 「ん? どうしたんだい、凡田くん?」 「いや、あっちの草むらが動いたような気がしたでやんす」 「えっ……!!!」 それを聞くと九条は、すぐさま凡田をその場に伏せさせ、自らも身を低くする。 そして、デイパックの中のスタン・グレネードに手を伸ばし、様子を窺う。 今の凡田の言ったことが100%信頼できるものであるかは分からない。 しかし、この見通しの良い場所で襲撃されたら、流石のナイスガイもただでは済まされないだろう。 数秒間様子を見るが、特に草むらが動いている様子はない。 だが、僅かながらに人の気配を感じるのも確かである。 かすかに草の根を分けるような音も聞こえる。 「凡田くん、あの辺りで間違いないかな?」 「そうでやんすね。……確かめてみるでやんすか?」 すると、九条の返事を待たずに、凡田は近くにあった小石を思いきり投げつけていた。 九条が止めに入るのも遅く、凡田の放った小石は、弧を描いて飛んでいく。 流石プロ野球のピッチャー、とでも言ったところか。 小石は50メートルほど離れた草むらの中にきれいに落下していった。 そして、それと同時に、「うわあ!」という叫び声が聞こえた。 「ヒットでやんす!」 喜々とする凡田を尻目に、九条は立ち上がる。 突然石を投げる、という行為自体はとんでもないものであったが、お陰で草むらの中にいるのがどんな人物かがおおよそ把握できたのだ。 恐らくは、小学生くらいの男の子だと九条は考えた。 まず第一に、聞こえてきた声が声変わり寸前の少年のそれであったこと。 そして、殺人者であるかもしれない人物を目の前にして、叫び声をあげてしまうような不用意さから、こちらに敵意のない少年であると判断した。 ともなれば、まずは安心させることが第一である。 100%そうと決まったわけではないので、念のため袖の中にスタン・グレネードを忍ばせながら、手をあげて草むらへと近づいていく。 「さっきはすまなかった。……そこにいるんだろ? 出てきなよ?」 声をかけながら近づいてみるが、今のところ反応がない。 後ろからは凡田がついてくる。 一歩、また一歩と歩みを進めていく。 草むらまで15メートルほどの場所へ差し掛かったとき、九条の耳に先ほどとは違う物音が聞こえた。 ヒュンッという風音。 そして、身をかがめて当たりをやり過ごす。 直後、バキッと言う音とともに「ぐへっ……でやんす!」という叫び声が後ろから聞こえた。 振り返ると、宙を舞う凡田の姿がそこにあった。 ☆ 追撃とばかりに、見えない襲撃者による攻撃を受けた凡田は地面に叩きつけられ、「ぐえっ」という変な声をあげ、気を失った。 そして襲撃者は、風を切るような速さで九条の元へ駆け寄ると、一発、二発と打撃を繰り出す。 しかし、その二発は確実に九条へと命中したのだが、九条は直撃を免れ、逆にその見えない襲撃者に対して蹴りを放った。 「ドスッ」という鈍い音とともに、その場に相手が崩れ落ちるのを九条は感じていた。 恐らく腹への直撃。 襲撃者はせき込んでその場へ倒れこんでいる様子である。 姿を消して近づいたはいいが、ここが草むらの上であることを襲撃者は忘れていた。 草むらに刻まれる足跡をしっかりと確認し、冷静な対処をした九条に軍配が上がることとなった。 「もしかして……ブラックか?」 九条がそうつぶやくと、姿の見えなかった襲撃者がうっすらとその姿を現した。 それは黒いヒーロー……からすっと少女へと姿を変える。 ヒーローのひとり、ブラックこと、芹沢真央だ。 「……やっぱり…貴方だったの……どおりで……ケホッ…」 九条を見上げてそれを確認すると、再び真央はせき込んでうずくまる。 本来なら蹴り一発くらいでここまでダメージを負うこともないのだが、どうもこの島に来てから体力の消耗が非常に激しくなっていた。 その後も数十秒間苦しそうにしていた真央だったが、ようやくせきが治まると、立ち上がって九条を見つめる。 最初の蹴り以降に追撃がないということは、九条には真央に対しての敵意、少なくとも殺す意思はないということだろう。 真央も、九条がこんな理不尽な殺人ゲームを容認するような男でないことは知っていた。 「君は……このゲームに乗っているのか?」 真央と顔を合わせると、逆に九条がこんなことを尋ねてくる。 それもそのはず、である。 敵意のない相手に突然襲い掛かっていったのだから、疑われても仕方がない。 真央は申し訳ない、といった表情で、ひとつひとつ事情を説明していく。 八神・カズ・走太のこと、暴走している浜野のこと、それを追って出ていったカズのこと、 更にそれを追いかけて飛び出した走太のこと、それを追って出てきた自らのこと。 そして、つい先ほど九条と凡田を発見し、何者か分からないものとコンタクトをとるのをためらっていた時に、石を投げられたことで思わず飛び出して行ってしまったこと。 九条は、その真央の口から語られる一言一言に時折頷きながら耳を傾けていた。 そして、目の前でこちらを見つめる真央の瞳をのぞき込む。 真央も、ブラウンと同じように、九条が旅の途中で出会ったヒーローの一員だった。 九条の知る真央は、「ブラック」を名乗り、その名の通り、黒い衣装に身を包んだヒーローであった。 しかしそのとき、九条は他のヒーローにはない、無垢で、純粋な、真っ直ぐな思いを、ブラックから感じていた。 そして、今目の前にいるこの少女も、その時と何ら変わることのない思いをその瞳に宿しているのを、九条は強く感じた。 ☆ 「本当に……ごめんなさい……」 「いいでやんす、いいでやんすよ。慣れっこでやんすから」 ボコボコに顔を腫らした凡田がちらりと目をやると、思わず隣にいた九条は目をそらす。 「でも……本当にそっくり…」 「湯田くんでやんすか? ……よく言われるんでやんすよ。……あまり気にしないでくれでやんす」 お互いに事情を共有し合った九条と真央は、とりあえず安全な場所を確保して話し合おうと、凡田を担いで先ほどの草むらの中へと入って行った。 そこには畳2枚分くらいのスペースがあり、ちょこんと小学生くらいの男の子―――小波走太が座っていた。 最初は走太も見知らぬ男2人の出現に驚いていたが、真央が丁寧に説明をしてくれたお陰で、すぐにその硬さもなくなっていた。 野球をやっているということもあり、気も合いそうだ。 凡田のこともどこかで見たことがあると言っている。 その後は凡田が目覚めるまで互いに細かな情報を交換していった。 大きく共有すべきことはなかったが、九条からは、信頼できる人物として、七原正大、布具里、四路智美、二朱公人などが、 注意すべき人物としては、椿、黒羽根あやかが挙げられた。 真央の挙げた人物は大体が九条も知るようなものばかりであったが、走太からは芽森わん子の名が挙げられ、それぞれがそれらをメモに記した。 凡田が目を覚ました後はこの後の動きをどうとるか、という話になった。 「私たちは……」 真央がちらりと走太の顔を窺うと、走太が前に出る。 「…俺は……やらなきゃいけないんだ。たとえ死ぬことがわかっていたとしても……」 力強く一言一言を噛みしめるように走太がいう。 その瞳には強い決意と信念が宿っていた。 それを聞き、九条は腰を落として走太と顔を合わせる。 「走太くん」 「は、はいっ…」 「……君の言う通りだ。僕たちにはやらなきゃいけないことがある。 だから僕らはこれから仲間を探しに行くし、君らもその大江さんという人を探しに行くんだろう。」 一呼吸を置いて九条は続ける。 「だけどね……死にに行くんじゃない。たとえどんな危険なところに行くとしても、死にに行ってはいけない。 ……僕らはね、死ぬために戦うんじゃないんだ。必ず生きて帰ってくるために戦うんだよ」 その言葉を聞き、走太は八神に言われたことを思い出していた。 ―――だけど忘れないことだね。 ―――君は人を守るためにそれを使うんだってことを ポケットにしまってあるレーザーカッターを握りしめ、走太は思った。 (そうか……俺……死ななきゃいけない……死ななきゃ意味がないってどこかで思ってたかもしれない。 だけど違うんだ。本当に人を守るってことは……お姉さんや八神さんや、九条さん、みんなの…親父のためにも……生きて帰らなきゃならないんだ!) 「……俺、わかったよ」 走太は顔をあげ、九条の目を真っ直ぐに見つめる。 「俺はこのゲームをやめさせたい。……それで帰って、親父を助けるんだ!」 それを聞き、九条は走太の頭にポンと手をおいて笑顔を浮かべながら言う。 「ああ、しっかりお姉さんを守ってやってくれ」 「はい!」 元気に返事をすると、走太は真央の手を引いて駈け出して行く。 真央は少し戸惑ってはいたが、九条の顔をちらりと見ると走太とともに駈けていった。 「ホテルで会おうなー」「気をつけてくれでやんすー」 残された二人がそう声をかけると、「ありがとうおじさん!」という走太の声が聞こえてきた。 「………行っちゃったでやんすね」 「そうだね」 「ヒーローがついてるし大丈夫でやんすよね?」 「うん」 「……なんか…元気ないでやんすね?」 心配そうに凡田が九条の顔を覗き込むと、顔をひきつらせている九条がそこにいた。 「はぁ……おじさん……か」 【E-5/一日目/朝】 【小波走太@パワポケダッシュ】 [状態]:健康、軽い擦り傷 [装備]:ガンバーズのユニフォーム、スニーカー、高出力レーザーカッター [道具]:支給品一式(ランダムアイテム不明) [思考] 基本:生還し親父を復活させる 1:殺し合いを止める。 2:人は殺さない。 3:真央、八神、和那、九条、凡田を少し信頼。 4:浜野朱里を警戒。 [備考] ※参加時期は最後の大会の前から、誰ルートかは後続の書き手さんにお任せします ※八神、大江、九条、凡田と情報交換をしました。 【芹沢真央@パワプロクンポケット7】 [状態]:疲労、腹に軽い痛み [装備]:私服 [道具]:支給品一式、ランダムアイテム1~3個 [思考] 基本:弱きを守り悪を挫く『正義の味方』を貫く 1:走太についていく 2:人を守る。 3:浜野朱里を警戒。 4:時間になったらホテルに向かう [備考] ※参加時期は黒打くんにアメコミのヒーローについて教えてもらった後 ※八神、大江、九条、凡田と情報交換をしました。 【E-5/草むら/一日目/朝】 【九条英雄@パワプロクンポケット9】 [状態] 健康、正義の味方としての決意 [装備] ギター [参戦時期] 維織GOOD後からアルバムまでの間 [道具] 支給品一式、ロケット弾、スタングレネード、野球人形、大正編の仲間の名前が書かれたメモ [思考・状況] 基本:参加者全員を助け出し、亀田を倒す 1:ホテルに向かいながら仲間を集める。 2:彼女(森友子)を埋葬したい。 [備考] ※七原、真央、走太と軽い情報交換をしました。 【凡田大介@パワプロクンポケット2】 [状態] 全身に打撲 [装備] 無し [参戦時期] 本編終了後 [装備]:お守り [道具] 支給品一式、鍵 [思考・状況] 基本:ガンダーロボを救出したい 1:ホテルに向かいながら仲間を集める。 2:基本人殺しはしたくない。 3:九条を信頼。 4:チームメイトにH亀田がいる [備考] ※七原、真央、走太と軽い情報交換をしました。 投下順に読む 057 野丸太郎にとっての『普通』← 戻る →059 人間交差点 時系列順に読む 057 野丸太郎にとっての『普通』← 戻る →059 人間交差点 前へ キャラ追跡表 次へ 041 時間移動か洗脳か 九条英雄 075 アンドロイドは笑わない 049 友情 小波走太 066 焦燥 049 友情 芹沢真央 066 焦燥 041 時間移動か洗脳か 凡田大介 075 アンドロイドは笑わない
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ゼミサイト内「100の遺産プロジェクト BBS」の投稿数が90を超えた記念に 「遠くから見守る者」 と名乗る人物よりメールが届く。 短冊奪還計画に警告を発する。 計画は成功するのか?似顔絵の人物とは? ----- Original Message ----- From closelink_distance05☆yahoo.co.jp To nishiya_bakumatsu_semi☆yahoo.co.jp Sent Wednesday, July 01, 2009 13 01 PM Subject 九十を過ぎた記念に 「Xの襲撃が執拗で、連絡が遅くなってしまった。 短冊を奪還する計画には私は反対だ。 諸君自らが敵に接触するのは、あまりに危険が大きい。 短冊を奪われたことは痛恨だが、 内容を知るためならば、他の手段もあるだろう。 教授に否やはないはずだ。 香月・坂上両氏、 いや、書き込みから推測される性情からするに、 特に坂上氏の意向と強引さに引きずられている気がしてならない。 坂上氏は、この機に乗じてXの手の者に接触し、 何かを引き出そうと考えているのか? 無論、その衝動を抑え難いことはわかる。 Xに振り回されることに、業を煮やすのもわかる。 しかし、危険過ぎるやリ方だ。短慮だ。 これまであえて段階を踏んで、諸君に忍耐を強いて、 試すようなやり方をしてきたのは、何のためだったか? しかし、いくら止めても、諸君が考えを変えないのであれば、 私も方策を練らねばならない。 瑞慶覧君のブログおよび書き込みで、 桧垣君が回復しつつあることを知った。 添付ファイルは、桧垣君から聞き取った襲撃者の似顔絵だ。 桧垣君には負担を強いてしまったが、 今の私にできることで諸君を援護するしかない。 似顔絵の人物は、ボイスメッセージに出てきた コードネーム【ヘンゼルとグレーテル】本人か、 そのかたわれと思われる。 忘れないでほしい。 諸君が真相を追究する影には、Xの危険があることを。 諸君の選択が、誰かに引きずられたものでないことを願う。 九十を過ぎた記念に。遠くから見守る者より」
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聖(せい)なるバリア-ミラーフォース-:Mirror Force 通常罠(制限カード) 相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。 相手フィールド上に存在する攻撃表示モンスターを全て破壊する。 解説 関連カード 邪悪なるバリア -ダーク・フォース- 閃光のバリア-シャイニング・フォース- 白銀のバリア-シルバーフォース- 邪神の大災害 コアキメイルの障壁 細胞爆破ウイルス 棘の壁 フロッグ・バリア 時限カラクリ爆弾 ジャスティブレイク 生贄の抱く爆弾 万能地雷グレイモヤ 炸裂装甲 ゲーム別収録パック No.44095762 DS2011パック:パック:-(P)11 PSPTF6パック:パック:-(P)TF6 WiiDT1パック:パック:-(P)DT1 XBOXLiveパック:パック:-(P)XBL1 DS2010パック:パック:-(P)10 PSPTF5パック:パック:-(P)TF5 DS2009パック:パック:-(P)09 PSPTF4パック:パック:-(P)TF4 DS2008パック:パック:-(P)08 PSPTF3パック:パック:-(P)TF3 DS2007パック:パック:-(P)07:-(P)07 DS SSパック:パック:-(P)SS DS NTパック:パック:-(P)NT PSPTF2パック:パック:-(P)TF2 PSPTF1パック:パック:-(P)TF1 PS2TFEパック:パック:-(P)TFE OCGパック:パック:GOLD SERIES(OCG):BEGINNER S EDITION 2(OCG):DUELIST LEGACY Volume.4(OCG) OCGパック:パック:鋼鉄の襲撃者-METAL RAIDERS-(OCG):Vol.7(OCG) OCGパック:パック:STARTER DECK2011(SD):ドラグニティ・ドライブ(SD):マリク編(SD):遊戯編2(SD):遊戯編(SD) ご購入はこちら クリック!クリック! 遊戯王&トレカ販売 カード&ホビー「KeyGrip」
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(実装 Ver. 1.4.0 β13 / 最終更新 Ver. 3.1.0 α2) 表示 蟲狐 所属 妖狐陣営 / 子狐系 判定 占い結果 「村人」 / 霊能結果 「子狐」 夜投票 無し 処刑投票 【処刑カウンター】処刑されると1名に[熱病]を付加 他能力 【仲間リスト情報】相互「子狐」 / 閲覧「妖狐」 / 掲載「狐の主」 耐性 【襲撃カウンター】人狼の襲撃で死亡すると[熱病]を付加呪殺 無効 / [憑狼][犬神]から憑依されない / [猟師]に狩られる[管狐]の毒に中らない / [蟲狐]による[熱病]の対象外【生贄】[白蔵主](対襲撃) 登場 (Ver. 1.4.0 β13実装)超闇鍋村 / ×強心村 ログ表記 [蟲狐] / [蟲狐] 説明 子狐系役職です。基本事項は子狐系を参照して下さい。 処刑や襲撃によって死亡した場合、[熱病]が発生します。 [猟師]による狩り対象 全ての子狐系は、[猟師]の狩り能力を受けると「狩人に狩られて」死亡してしまいます。 処刑カウンター [熱病](処刑投票者1名) 処刑されると、処刑投票者のうち1名が[熱病]にかかります。 判定前に死亡していた処刑投票者、狐カウント、特殊耐性所持者は対象外です。 襲撃カウンター [熱病](襲撃者) 人狼の襲撃で死亡した場合、襲撃した人狼系が[熱病]にかかります。 [憑狼]の襲撃で死亡した場合、[憑狼]本体が[熱病]にかかります。 LW[天狼]に襲撃された場合は無効です。 固有の能力 上記のような処刑に対する反撃能力と襲撃に対する反撃能力として、[熱病]を発生させます。 それぞれで対象外となる相手が異なります。 他役職との関係 子狐系も参照してください。 特殊耐性所持者 [蟲狐]を処刑しても、特殊耐性所持者は[熱病]にかかりません。 [蟲狐]の襲撃カウンターを無効化できるのはLW[天狼]だけで、[難題][織姫]では無効化できません。 [憑狼] [憑狼]の襲撃で死亡した場合、[憑狼]本体が[熱病]にかかります。 他者に憑依中の場合、[熱病]をやり過ごされます。 オプションなど 関係のある天候に関しては、子狐系を参照してください。 配役オプション ショック死を引き起こすサブ役職を発生させる役職の為、オプション「出現率変動I 強心村」を適用すると配役されなくなります。 過去バージョン情報 Ver. 1.4.0 β13~Ver. 1.5.0 α4 処刑投票の際、狐カウントも[熱病]の対象になることがあります。
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┏━━━━━━━━━━━━━━━┓ ≪クラス≫:アサシン┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┓ 【真名】:チェーザレ・ボルジア 【レベル】:45 【アライメント】:秩序/悪┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┓ 【筋】:30 【耐】:25 【敏】:25 【魔】:15 【運】:25 【宝】:30┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫ 【令呪残数】:毒 【魔力量】120/120 【魔力供給の不足】:なし┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ ___ ------ ___ x<////////////> ___ ////}ト、/}////////////∧ //////i} {//} //////////∧ ////////}゙゙゙゙゙゙゙∨i} //////////i∧ ,///////// ヽ、 ∨/////////////} ムイ///////____ノ ゝー―ト////////} レイ/////______ x-。Ⅵト//////ゝ {/// 了¨O ヽ.{ ´====´ }i|i///// ∨/i `⌒´. | {i|/ヽ/´ |/ゝ} ゝ-= , レ-イ/ |//} ム ` 、----------イ }///} ._{ヽr-、 ∧/i} ム \ニニニ_/ /////} __∨ ヽ }==x__ ∧// ム  ̄こ ̄ / }////} ヽ ヽ∨∧三≧ 、{///} -x x イ {////} | ∧∨∧三i{ . |>//}≦ x ゝ---イ > ///// .} ∧∨ ∧、} }三>|ii} . ,┌‐< ///// /三{ ∨ / ∧三三} ∨ /u-u ムイ/ニト、三∧ ゝx | ハ三三} ∨ / } //三}三≧、_ 三ニ∧ .ヽ、 ハ三ニ} ∨} {} /ム三三ii}三三三>、_三三i∧ . } |三ニ} {____,/ ゝイ/三三三}三三三三三>、_三> x { /三ニi} / レ } ./三三三ニ}三三三三三ニ///xンi∧ x_ ∠,´ 三三i} / { /三三三三i}三三三三三/ ///////∧ >x 三三ニi} / } /三ヽ、三三i}三三三三 ///////////>x_ / 三三ニi}V { /三三三≧x_´三三三ニ //////////////>< 三三三ii} /三三三三>´三三三三/ /////┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 【スキル】 ○気配遮断:D+ 戦闘時、相手が初見のキャラクターのみの場合、勝率に+10%の補正を得る。 アサシンとしてのクラススキル。気配を遮断し、不意打ちを可能とする。 武芸にも通じており、基本はその延長線上のスキルだが、 政敵を始末するための行動を起こす際にのみ、ランクがガン上がりする。 ○黄金律:C- 聖杯戦争開始時、好きな礼装を3種類入手する。 身体の黄金比ではなく、人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。 金銭には困らぬ人生を約束されているが、大部分は簒奪して得る財なので失う時には一気に失われる。 ○カリスマ:D- 戦闘時、『自分以外の参戦人数×5』だけ、自陣の好きなステータスの合計値にプラスする。 ただし、アライメント:善のキャラクターは参戦人数から除外する。 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。 アサシンの場合はいわゆる『悪のカリスマ』なので、人を選ぶ。 ○芸術審美:C 装備などからある程度、相手の能力を類推することが可能。 このランクだと基礎成功率は40%だが、敵の時代が自分と同等かそれより古い場合+20%の補正を得る。 こちらの効果で得られる情報はGMが決定する。 芸術作品、美術品への深い造詣。 数々の美術品や骨董品も簒奪してきたため、それなりに目は肥えている。┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 【宝具】 ○名称不明 ランク:C 種別:対国宝具 消費魔力:30 1.ランダムイベント時、表の種別に関わらず気に入らない結果が出た場合、 その対象をランダムで変更することができる。 ただし、ランダムの対象には必ず自身も含むこと。 2.襲撃を受けた場合、襲撃者と敵対する可能性がある組を即座に呼び寄せる。 可能性がある組が複数いる場合はランダムに決定。 実際に敵対するか否かは襲撃者の思考ルーチンに委ねられる。 カンタレラ ○ボルジア家の毒薬 ランク:C 種別:対人宝具 消費魔力:30(60) 戦闘時、【運】か【宝】が選ばれた場合に任意で発動。 敵の勝率に-10%の補正を与え、相手メインキャラクターのレベルと【筋】【耐】【敏】を毒によって-10する。 ステータスの低下は戦闘後も継続し、治療には2ターンの経過か令呪一角の消費を必要とする。 また、魔力30を追加消費することで、相手サーヴァントの【耐】を用いた暗殺判定に挑戦可能。 成功率は『60-相手サーヴァントの【耐】%』。 判定に成功した場合、令呪一画を消費しなければその場で敗退するものとする。 並の人間ならば容易に死に至らしめる家伝の毒薬。 それだけでなく、処方により即効毒にも遅効毒にも自由に操れた甘美な粉薬。 宝具化している以上、それなりの神秘が宿っており、 即死には至らないもののサーヴァントにも有効である。 だが、この効果自体は数々の政敵を葬った『毒』の一端でしかない。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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ミドル・フェイズ シーン10 ―リバースチルドレン― シーンプレイヤー:大山 太 襲撃者を一蹴したトウマたちだが、施設が受けた被害は軽いものではなかった。 セキュリティは完全にダウンし、多数の負傷者が出てしまった。 そして、何より問題なのは、襲撃者たちの正体だった。 GM このシーンは、前のシーンと直結している。戦闘後、芝崎を保護したところからだ。 天羽 芝崎は無事なのか? GM 大丈夫、君たちが襲撃者を倒すと目を覚ます。そして、トウマとオオヤマさんは 倒れた襲撃者たちに見覚えがあることに気づく。 トウマ・オオヤマ え? GM それは、つい数日前、共に任務をこなした者たち。そして、 この施設で共に育った者たちだ。 オオヤマ UGNチルドレン!? 何故! トウマ 3人とも・・・そうなのか。 天羽 貴様ら、ここで何をしていた? GM チルドレンたちは傷口を押さえながら『リザレクト』。立ち上がりながら 芝崎をにらむ。「そいつを・・・殺しに来た」 天羽 悪いが、それはさせない。日本の法律では殺人罪に問われる。オレの目の前で 殺人者を作らせない。 GM(チルドレン) 「殺人者? だったらそこの男こそ殺人者だ。そいつのせいで 狂い、死んでいった者が数多くいるのだから」 オオヤマ ・・・どういうことだ? 状況が掴めない。 GM 芝崎はしばし呆然としていたが、やがて、はっとした表情を浮かべる。 「君たちは・・・まさか、あの事を知ったのか?」 天羽 ・・・? 事情はわからんが、ここで引くか、くたばるか選べ。 GM 「くっ・・」と呻きつつも、チルドレンたちは即座に撤退しようとする。 が、ここで、部屋の扉に1人の人物が現れる。 GM(???) 「思わぬ邪魔が入ってしまったか」 トウマ この「匂い」は・・・! GM そう、それはトウマがよく知る人物だった。君の兄弟であり先輩である 藤井エイジ、その人だ。 トウマ 先輩、どうしてここに・・・このチルドレンたちを指揮したのは、あなたなのか? GM エイジは答えない。だが、その沈黙が肯定を表している。 トウマ 何をやろうとしてるんですか、先輩! GM(エイジ) 「トウマ・・・お前を巻き込みたくなかった。できればこの街から 去ってほしかった」 GM エイジは静かに告げると、藤崎へと視線を向ける。 オオヤマ (視線を受けつつ)芝崎さんを安全圏に確保する。 GM(エイジ) 「俺たちはそいつを、UGNを殺しにきた。殺す権利がある。なぜなら、 俺たちがこんな身体になった原因が、そいつにあるからだ」 トウマ それはどういう・・・ GM(エイジ) 「少しずつ自分でない何か・・・レネゲイトに侵されていく苦痛。 いつか来るジャーム化に怯える日々。お前たちもオーヴァードなら わかるだろう、この恐怖が」 オオヤマ それは・・・たしかに俺たちは、その恐怖のまっただ中にいる。 GM(エイジ) 「だから復讐する。俺たちをこんな風にしたそいつに。UGNに」 天羽 自分の未来を自分で開こうとしないのか? GM(エイジ) 「俺たちにもう未来などない。あるのはジャーム化か暴走だけだ」 天羽 仕切りなおすことも出来ないのか? 弱虫だな。 GM(エイジ) 「そうだ。日々襲ってくるジャーム化の恐怖に、もう耐えられない。 だから俺たちは俺たちも殺す。だがその前に、復讐を遂げる」 天羽 なら・・・芝崎の代理はオレがやる。芝崎を殺したければ、まずオレを殺せ。 GM(エイジ) 「・・・いいだろう。今夜だ」 殺気を含んだ静かな声が、部屋に響く。それは襲撃予告だった。 「今夜0時、俺たちはもう一度この訓練施設へ襲撃をかける。そして施設の全てを破壊し UGNの手の者を全員殺す」 GM(エイジ) 「トウマ、これが最後の警告だ。お前は来るな」 トウマ 先輩・・・ GM それだけ告げるとチルドレンたちは撤退していく。 オオヤマ おい、行っちまうのか!? GM(チルドレン) 「隊長、すんません・・・けど、これはアンタには関係ないこと。 これ以上首を突っ込まないで欲しい」 オオヤマ それはそうだけど・・・なんか嫌じゃないか・・・ 呆然と呟くトウマとオオヤマ。だが、その言葉も彼らには届かず、復讐者となった チルドレンたちは去っていった。再び復讐を果たしに来ることを告げて。 ・・・夜がやってこようとしていた。 ミドル・フェイズ シーン11 ―罪と罰と― シーンプレイヤー:天羽 早牙 UGNに反旗を翻したチルドレンたち。彼らをそうさせたものは、一体何なのだろうか? その答えを知る者は、おそらく、ただ1人だけ。 GM これがミドルのラストシーンとなります。チルドレンが撤退した後、君たちは・・・ オオヤマ 柴崎さんから話を聞こう。 GM 了解。場所はUGNの訓練施設にある医務室。芝崎さんの治療を行ないつつ 話を聞くということで。 トウマ ここは全員登場していい? GM いいよ。侵蝕率上げてね。 オオヤマ ほっ(ころころ)うわー上がらない。まだ侵蝕率66%だよ、どうしよう。 天羽 戦闘で『水刃』ぶっぱなしたのに、まだ52だ。 オオヤマ 低っ! GM (ニコニコと)まあまあ、まだ衝動判定もありますし。 オオヤマ いや、嬉しそうに言われても(笑)。 衝動判定:オーヴァードは精神的なショックを受けたとき、衝動が湧き上がって くることがある。(破壊衝動や殺戮衝動など) この判定をすると成否に関わらず侵蝕率が上がり、クライマックスでは 必ず衝動判定が行なわれる。 トウマ 芝崎さん、何があったのか話してもらえませんか? GM 芝崎は、やや躊躇しながらも口を開く。 「・・・あの子たちの、言うとおりなんだ。彼らには僕を裁く権利がある。 そしてトウマ君、君にも僕を裁く権利があるんだ」 トウマ それは・・・どういうことですか。 GM 今度は天羽に視線を向け、芝崎は1枚のデータチップを君に渡す。 「天羽君、チルドレンたちのデータを調べたとき、プロテクトがかかっていただろう? それはプロテクトを解除したデータだ。 ・・・見てみるといい、そこに僕とUGNの罪がある」 オオヤマ 大体どんなものか、想像がついてしまったが・・・ 天羽 見たら衝動判定起こしそうだ。うん? むしろ見るべきか?(笑) GM ではデータを開くと、以前見たチルドレンたちのデータが出てくる。 だが、それだけではない。各人のデータに、こんな記述が追加されている。 チルドレンA:○月×日○○時、対象は重傷。死亡前にレネゲイトウイルスを注入。 数時間後ジャーム化。 チルドレンB:○月×日○○時、対象は重傷。死亡前にレネゲイトウイルスを注入。 拒絶反応あり、ジャーム化。 チルドレンC:○月×日○○時、対象は死亡。レネゲイトウイルスを注入。反応なし。 チルドレンD:○月×日○○時、対象は重傷。死亡前にレネゲイトウイルスを注入。 数時間後ジャーム化。 チルドレンE:○月×日○○時、対象は・・・ それは記録だった。チルドレンたちがチルドレンとなったときの記録。レネゲイトウイルスに 侵蝕された瞬間の記録だった。 GM ジャーム化、ジャーム化、ジャーム化・・・レネゲイトに犯されたチルドレンの 半数以上に、その一文が記録されている。 オオヤマ なんだ、こりゃ・・・ GM そして、その中に見知った名前を発見する。 藤井エイジ:○月×日○○時、対象は重傷。死亡前にレネゲイトウイルスを注入。数時間後、 傷が完治。ジャーム化の傾向あり。以後、施設にて保護、観察。 神楽マオ:○月×日○○時、対象は重傷。死亡前にレネゲイトウイルスを注入。数時間後、 傷が完治。拒絶反応あり。以後、施設にて保護、観察。 GM そして、君たちが最もよく知る人物の名もここにあった。 トウマ ・・・・。 沢城トウマ:○月×日○○時、対象は死亡。レネゲイトウイルスを注入。十数時間後、蘇生。 ジャーム化の傾向なし、拒絶反応なし。以後、施設にて保護、観察。 トウマ 死亡ーっ!? オオヤマ (気づいて)あっ! トウマの覚醒は『死』だ! トウマ 本当だ・・・だからか。 覚醒:オーヴァードがレネゲイトに感染した原因を表す。死、感染、忘却など様々。 トウマ 死んだ理由は書いてない? GM それは芝崎が説明してくれる。彼はうつむきながら言葉を続ける。 GM(芝崎) 「十数年前、この群青市に現れた1体のジャーム。それが全ての始まりだった。 UGNは討伐部隊を派遣したが逃げられ、そばにあった保育園で被害者が出た」 トウマ ・・・。 GM(芝崎) 「僕は、UGNは、人命救助の名の下、被害にあった子供たちにレネゲイトの 使用を求めた。けど・・・それは詭弁だ。いまだ未知の部分の多かった レネゲイトの、データがほしかったんだ」 その結果、子供たちの半数以上がジャームとなり、生き残った子供たちも過酷な道を 行くことになった。チルドレンとなり、来る日も来る日も、人を、人だったモノを殺す方法を 覚え、戦い。さらに自らもジャーム化という恐怖に耐えていかねばならなくなった。 GM(芝崎) 「君たちを作ってしまったのは僕だ。ずっと真実を伝えず騙し続けてきたんだ。 だから・・・トウマ君。君たちには僕を裁く権利があるんだ」 トウマ 先輩は、知ってしまったのか。この事実を。 GM そう。数日前、エイジはこの施設にやってきた。そのとき、偶然にも 知ってしまったんだろう。 トウマ ・・・・。 オオヤマ ・・・・。 しばし、重苦しい沈黙がその場を支配する。が、その沈黙を最初に破ったのは天羽だった。 天羽 ・・・芝崎。お前が罪を犯したと思うなら、それ以上に償っていけばいい。 死んでしまったら、そこで何もかも終わっちまう。 GM(芝崎) 「天羽君・・・」 天羽 現にお前は、ここにいる1人の人間・・・トウマに生きる道を与えたじゃないか。 GM 「そうだよ教官」と声がする。見れば医務室の扉には、蓮沼さんに抱えられるように 神楽が立っていた。 トウマ 話を、聞いていたのか。 GM うん。神楽はフラフラとした足取りでやってくる。 GM(神楽) 「天羽さんが言ったとおりだよ。たとえレネゲイトに感染した原因が教官でも、 あたしは感謝している。辛いことも多かったけど、楽しいことも一杯あった。 だから、助けてくれてありがとうって言えるよ」 オオヤマ ああ。たしかに子供たちを助けるだけならともかく、実験材料にしちまったのは いただけねえ。人間として許されることじゃねえと思う。だが、お前さんが 手を出さなかったら、死んでいた子供もたくさんいたんだろう? GM(芝崎) 「だが、レネゲイトを使わなくても助かった命があったかもしれない。 それが分かっていたのに、僕はレネゲイトを使ったんだ。 データを得るために、自分のために・・・」 トウマ けど・・・僕は死んでいたのに、生き返らせてもらった。 GM(芝崎) 「しかし、そのせいで、君は明日ジャーム化するかもしれないという 恐怖と戦うことになった」 トウマ それでも・・・生きていた方がいい。 きっぱりと言い切るトウマに、芝崎はわずかに顔を上げる。 GM(神楽) 「そうだよ教官。エイジだって本当は、怖くて泣いているだけなんだよ」 オオヤマ ・・・よし、わかった! エイジたちに説教してきてやるよ。 助けてくれてありがとうって、礼を言わなきゃならないんだから。 GM(神楽) 「隊長・・・ありがとう。エイジたちのことお願い。叱ってやって。 もう一度、信じさせてやって」 オオヤマ おう、俺にまかしとけ! ここで芝崎にロイスを取る。 「あんたも、今度こそ、ちゃんとエイジたちに詫びるんだぜ?」 GM 芝崎は何も言えずに、頷く。何度も、何度も・・・ 別れてしまった道。同じ運命を背負わされたはずなのに、子供たちは別々の道を 歩むことになってしまった。 だが、まだ終わってはいない。別れた道は、再び1つへと戻る可能性があるのだから。 トウマとエイジ。2人の道が交わり、ぶつかるときがやって来ようとしていた。 <<前のページへ 次のページへ>>