約 666,481 件
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/346.html
2: 名前:ゆいもん☆03/11(金) 18 02 26 君の目の前にはいつも愛梨がいる。 私の前には君がいる。 芽瑠の前には宙斗がいる。 私はどうすればいいの? 君は私の思いに気付いてくれない。 鈍感だね…… 私は君に気付いてほしいんだよ 3: 名前:ゆいもん☆03/11(金) 18 27 25 第1話 君への思い 「ふぁぁぁぁ……」 私は加田 柚希(かだ ゆずき)! どこのでもいそうな14歳。 「おーい早く起きなって」 姉の柚花が朝ごはんを作るので私は急いで、制服を抱えスクールバックに教科書を詰め込んだ。 「はーい!」 私はドタドタと階段を下りた。 柚花はフライパンを持ちながら私を待っている。 私は和室の仏壇の前で手を合わした。 「お父さん、お母さん。今日も一日頑張ります!」 そういうとテーブルの椅子にあわてて座り、トースターにパンを詰め込んだ。 読者のみんなも疑問に思わない? そう!うちのお父さんとお母さんは、買い物の途中で事故って私と柚花だけが生きちゃった。 いつものように朝ごはんを食べ、慌てて玄関を出た。 「言ってくるね、姉ちゃん!」 「言ってらっしゃい!」 私たち二人はこうして父と母の死を乗り越えた。 4: 名前:ゆいもん☆03/12(土) 08 41 41 私には好きな人がいる。 小学2年から思い続けてた私にとって大事な人。 朝、その子が私のバックに掴みかかってきた。 「……! は、はらしょー!」 『はらしょー』っていうのは『原島 省多』の略。 「よっ!かっだー!」 『かっだー』加田柚希の苗字あだ名。 はらしょーとは、2年の時からの親友。 だけど…… 好きなんだ…… 「あのさ、今日あのカフェ行かねぇ?」 「う、うん……」 ふ、二人きりーーーー!? 「あ、くっきーも、誘ったから!」 あ、やっぱり。二人っきりって話がよすぎ! 私はそう思いながら朝の通学路を歩いた。 「ゆずぅー!」 「ま、愛梨!」 愛梨は、私の親友。 そして、一番私の恋を押応援してくれる神! その代わり、私も、愛梨の恋を応援している! 「あっ! 省ー多ぁ……!」 「愛梨ぃ……!」 「「わーッ!」」 これは毎朝愛梨と、省多が喧嘩交えて鬼ごっこする光景。 楽しくやっているみたい。 愛梨って私がスキって知ってるよね? そう思うと胸が苦しかった。 漫画でよくある、喧嘩する男女は、両思い。 それを信じる私もおかしいけど、ホントかもしれない。 そういう気持ちを顔に出さないように 私は無理やり笑った。 学校についても二人は私を置いて 走り回っている。 「愛梨ぃぃぃぃぃ!」 「きゃー! 食べられるぅぅぅぅぅ!」 「ハハッ! 頑張れ―愛梨!」 私は無理やり笑って愛梨を応援する。 ―――ホントに私の恋、応援してるの?でも信じてる。 ―――ホントは応援なんかしてないサッ!本当は好きなんだよあいつのこと! 私の心は真っ二つ。 愛梨を信じるか信じないか…… すると、別の心が生まれた。 ―――馬鹿ッ!なんで愛梨を信じないの?親友と思ってるなら信じなきゃ! そうだよ……私の親友は愛梨だけ。信じないと! 私はその追いかけっこを見るたび心の中で唱えていた。 5: 名前:ゆいもん☆03/12(土) 08 53 00 「おいっ! 愛梨ー!」 「あ! 姉ちゃん! 今から行くから」 愛梨は姉の琴梨のとこへとかけて行った。 ―――やっと愛梨が消えたぁ ……!?この心は何?消えたって…… こういう自分が情けなくて、恥ずかしくって。 ときどき消えたいって思ったこともある。 でも、それを止めてくれたのは…… 宙斗。 元林宙斗。愛梨の好きな人。 いつもS・Mになる。 私がSで宙斗がM。 私が元気をなくすと、いつも心配してくれる。 といっても私は恥ずかしくって 「何心配してんの!? あんたに心配されたくないし―」 そう言ってごまかしたりする。 如何して素直になれないのかな? 馬鹿な私。 「おいっ! 早く行こう」 はらきょーはそう言って私の腕を掴んだ。 ドキっ…… こういうときが一番幸せ……。 何だけど…… 私は知ってしまった。 6: 名前:ゆいもん☆03/12(土) 09 04 05 第2話 宙斗の好きな人 「……!」 「……!」 私は見つけた。私の獲物ちゃん、元林宙斗! 宙斗は私に気付いたのか、即どっかへ行ってしまった。 「おはよーッ! そうそうそう!大ニュース」 「何……?」 「あのね……」 私の友達、平戸玲羅は私の耳元で囁いた。 「えぇーッ!?」 「本当本当! 隆吉が言ってた!」 玲羅はそういうと仲間と走って行った。 皆知りたい? 玲羅が言ったこと。 宙斗が私は好きってこと。 ないないない。 ってか、もし仮に好きでも私は避けないといけない。 愛梨がかわいそうだから。 私はその日から宙斗を避けるようになった。 7: 名前:ゆいもん☆03/12(土) 09 18 31 だけどやっぱり宙斗が気になっちゃって。 愛梨と二人で帰るたびに宙斗と、隆吉とあってしまう。 愛梨は宙斗とはあんまり喋らなくてついつい私と話す。 そして、愛梨を応援するたびに宙斗を…… 好きになって行く気がするんだ……。 そんな自分が大っ嫌い! 自分の気持ちがわからなくて、後悔する。 そんな時 8: 名前:ゆいもん☆03/12(土) 09 31 02 第3話 大きな転機 「えっと、机どうしよっかなー」 先生が独り言をつぶやいた。 すると委員長がその声に反応した。 「えっ? 誰か来るんですか?」 「はい……転入生が来るんですよ」 「……えぇ!」 委員長はびっくりしている。 もちろん私も。 「いつ決まってんですか!?」 「一昨日かな……」 「へえ」 私は転入生をすごく楽しみにしていた。 9: 名前:ゆいもん☆03/12(土) 09 57 44 翌朝 「今日から仲間です! 井藤君入りなさい」 「……えっと、井藤大貴です! 宜しくお願いします」 「「「宜しくお願いします!」」」 井藤大貴君はすっごくイケメンで背は高かった。 放課後 「どうしたの? 顔赤いよ」 「い、いやーね? あたしそのー」 「まさか大貴君、好きになったとか?」 「そうっ!」 やっぱり…… すると、また心がしゃべりだした。 ―――愛梨応援しないと! ―――宙斗に気使わなくてもいいね! ちがう!私は愛梨が大好き! 省多も……? 私は自分の気持ちが分からなくなった。 10: 名前:ゆいもん☆03/12(土) 10 13 23 第4話 揺れる恋心&決心した気持ち 「ねぇ! 好きな人教えてよ」 私は帰り、ずっと、宙斗に言っていた。 本当かどうか。 「じゃあ質問するからね」 「それならいいけど」 宙斗はすんなりいいよと言ってくれた。 私はどんどん質問した。 「クラスは一緒?」 「一緒」 「どっち方面に住んでる? ○○方面? △△方面?」 「△△方面」 「地域は宙斗と違う?」 「違う」 「はらしょーの身長より上? 下?」 「上」 全部私に当てはまる。 私のクラスの女子は17人でそのうち私ともう一人。 益々好きな人が気になってきた。 まって!私の気持ちはどうなるの? 今決めなきゃ自分も困るし…… 私はずっと考えていた。 11: 名前:ゆいもん☆03/15(火) 20 58 40 私はまだ知りたいよ。 君の好きな人。 私はまだ知ってないよ。 君の好きな人。 ################# 翌朝 「おはよー!」 愛梨が肩はドンと叩いてきた。 私はびっくりした。 「やっぱり今は宙斗より、大貴君?」 「……うん」 「ふーん」 私はそれだけ言うとすたすたと歩いて行った。 「ちょ、ちょっと待ってよー!」 愛梨が5メートル先にいる私めがけて走って来る。 「ねえどうしたの……?」 「ううん、ちょっと悩み事」 私はそういうと普通に歩いて行った。 少し行くと向こうに宙斗がいる。 私はいつものように『ドS』スイッチが入った。 私が蹴る寸前のポーズをとると 宙斗は大きく叫びながら向こうへと走って行った。 「うわぁぁぁぁ!」 「ハハハッ!」 こう笑ってごまかしているけどホントは辛いんだよ。 私の気持ちは 宙斗から避けて行くうちに 宙斗に向いていた。 省多の気持ちは どこに行ったのだろうか。 あのウキウキは何なんだろうか。 今更自分に問いかけてみたが 何も分からない。 この気持ちはどう撤去すればよいでしょうか 誰か教えてください。 12: 名前:ゆいもん☆03/15(火) 21 25 25 放課後、柚希はいつものように宙斗にくっ付いて帰っていた。 もちろん愛梨と、隆吉も。 柚希は、前の玲羅から聞いた話と一緒の噂を何件か聞いていたので、探偵風にふざけながら宙斗の好きな人を明かしていった。 「まず……この前質問した人と変わってないね?」 「うん」 「じゃあ……その質問で絞られた女子は2人」 「その人は私と里香」 「そして噂で聞いたことを照らし合わせると1人になるの。その人は……」 「おーい! ここまでおいでぇ」 「!? あぁぁぁぁぁ!」 愛梨は隆吉の言動にいらっと来たのか一目散に走り寄った。 すると、宙斗が 「今ならいいよ」 「うん……えっと、わ、私?」 13: 名前:ゆいもん☆03/16(水) 18 07 12 「うん……えっと、わ、私?」 「……うん」 私はそう答えた、宙斗に眼差しを向け、思いっきり叫んだ。 「わーいッ! 推理当たってた!」 「えぇ!? 誰? 誰なの?」 「おっしえなぁい」 「えー!」 そう笑った……けど、また生まれる複雑な気持ち。 もし……はらしょーと愛梨がくっ付いたら……? もし……私と宙斗がくっついたら……? また嫉妬が生まれるのかな……? 私は決めた。 宙斗と くっ付くことを。 私は、そっと宙斗に耳打ちをした。 「付き合って」 14: 名前:ゆいもん☆03/16(水) 18 29 52 私はそう言った。そして宙斗の胸のところにメモ紙を突っ込みこう叫んだ。 「これに返事ねッ!」 私は一目散に掛けて行った。 宙斗が見えなくなるまで振り返らずに。 私はいつの間にか家の前まで来ていた。 「はぁ、はぁ、はぁ……」 明日の返事にドキドキの気持ちと 省多への複雑な気持ち。 その気持ちが入り交ざって変な気持ちが生まれた。 私は最低なやつ。 省多と 愛梨のあの姿を 勝手に 両想いって決めつけて、 それにその気持ちをかき消すために 宙斗を使う―――…… でもそんな私を きっと宙斗は 受け止めてくれるはず。 ごめんね省多 ごめんね宙斗 そして ごめんね 省多を好きだった 前の自分。 15: 名前:ゆいもん☆03/16(水) 19 02 29 翌日 私は朝、教室に入ってすぐに 宙斗に声をかけた。 「ねえあれは?」 「う、うん」 宙斗は机の中をガサゴソと探し始め、やっと私のもとに渡した。 その時の顔は真っ赤に染まっていた。 私はゆっくりとメモ紙を開いた。 『いいよ、僕から言いたかったんだけど 先に言われた。だから一応恋人ね』 「フフフッ」 「な、何で笑うの?」 「いいから……」 私はそのメモ紙をポケットに突っ込んで 気分よく教科書を机に入れた。 次の日の昼休み 「ねえ一緒食べない?」 「うん、いいけど人目の付かないところにね」 「うんッ!」 私は弁当箱を取り出し、宙斗と少し離れて 体育館の裏にある木漏れ日のかかる中庭で食べることにした。 私が少し休憩していたら手元に小さいがぬくもりを感じた。 手元を見るともうひとつの手が握っていた。 その手の先をゆっくり見て行くと リンゴみたいに真っ赤になっていた、宙斗の姿があった。 「あ、あの好きだから」 「へ?」 「まだちゃんと僕から言ってないから」 「うん……じゃあ食べよっか」 「そうだね」 それから黙々と食べ始めた。 そして最初に口を開いたのは私。 「あのさ、デートいつにする?」 「明日の9時」 「明日?土曜日か……」 それから食べ終わるまで黙っていた。 「それと皆の前ではいつものようにね。あと柚って読んで」 「うん。分かった。僕のことは宙でいいから」 「じゃあもどろっか」 私たちはそれから何も話さなかった。 20: 名前:ゆいもん☆03/18(金) 18 16 10 第5話 目の前で起きた嫉妬 デート当日。 「楽しみだね」 「そうだな」 私と宙斗はバスに乗って、デートで有名なところに来ていた。 私は手を掴んでいた。 自分がこれからどうなって行くのか怖くて怖くて掴んでいる。 私は無理やりエスカレーターに乗せ、一番最上階まで連れて行った。 「おいっ! どこ行くの?」 「いいから!」 私が連れて行ったのは雑貨屋。 ナチュラルな雑貨がいっぱい並んでいる。 私は宙斗を引っ張ってカンケースの所に目を付けた。 「ねえ、どれがいい?」私は少し上目づかいをした。 「どれでも……「良いから選べ! ……!」 私はデート中は「s」スイッチ切ったつもりなのにぃぃ! 「ごめん……えらんで?」私は機嫌を戻すように言った。 「じゃあこれ」 「じゃあ買うね」 私は宙斗が選んだカンケースを二つ取り、レジへ向かった。 意外にすいていたすんなり払えた。 私は手をさっきと同じようにつかむ。 そしてゲームセンターにプリクラを取りに行こうとしたときに私は見た。 「ねえ似合うかなぁ」 「似合うんじゃない?」 「だよね」 私が見たのは仲良しそうに肩を並べ、歩いている 愛梨と省多。 愛梨と省多は腕に、色違いの腕時計。 愛梨はピンク、省多はブルー。 「……!」 「ど、どうしたの?」宙斗は私を心配そうに見ている。 「あ、あっち行こう……」私は予定していたところの反対側に向かって歩いた。 後方からまた賑やかな声が聞こえる。 「絶対似合う!」 「だな」 その声を聞いたとき私の頬に一筋の涙が流れ落ちた。 そのあとにもどんどんと流れ落ちる涙。 ――私、省多諦めたはずでしょ? 今宙斗と付き合っているはずでしょ? 何で今更嫉妬するわけ? 自分の気持ちがわからないっ! 私の心はいろんな気持ちで満ち溢れていた。 嫉妬、憎み、幸せ、羨ましさ。 この気持ちは全部私の本音。 これからどうすればいいでしょうか 21: 名前:ゆいもん☆03/19(土) 12 39 29 私がしばらく考えていた時。 「柚……? 本当にどうしたの?」 「…………!あっ。ご、ごめんいこっか」 私は強く強く握っていた。 ゲームセンターにプリクラを取りに。 ゲームセンターは結構賑わっていて声も通らないほどだった。 「あ! あのさ! あっちだよ! プリクラ機!」 「じゃあ! あっちいこうか!」 私は引っ張り引っ張りしながらいった。 22: 名前:ゆいもん☆03/19(土) 14 08 20 『3、2、1、パシャッ!』 柚希と宙斗はプリクラを撮っていた。 『右から進んで落書きコーナーに移ってね♪』 柚希たちは言われた通り行った。 「あ、あのさ、柚の顔いつもより全然元気ないよ? どうしたの?」 「……ん? え?」 宙斗は落書きするために画面に映し出されているプリクラと 今の私を見比べている。 「顔が……その……泣いているっていうか…… 悲しそうな眼してる」 「……!」 「誰かをまだ引きずっているような……」 宙斗は本当に心配そう。 だけどその時の柚希は思ったことを言ってしまった。 「誰も引きずってないっ! なんで彼女疑うの!? ひどいよ! そんな人だとは思わなかった……じゃあね……」 柚希はバックを取り、ゲームセンターを出ようとした。 「ちょ、ちょっと待てよ! 柚!」 宙斗は出る寸前の柚希を止めた。 すると歩いていた柚希が立ち止った。 「もう……帰るぅ……」 振り向いて言った言葉。 大泣きしていた。 23: 名前:ゆいもん☆03/21(月) 10 38 54 柚希がドタドタとゲームセンターを出たとき 入ろうとしてた愛梨と省多と肩がぶつかった。 「す、すいません……」 柚希は泣いている目をシャツの袖で拭きながら言った。 「あっ! すいません」 省多は持っていた、バックの中身をぶちまけた。 「……柚希?」 愛梨が省多の荷物をかき集めている柚希の顔を覗き込む。 それに気付いた柚希は、 「……っ!」 走り出した。 24: 名前:ゆいもん☆03/21(月) 11 17 40 「いやぁぁぁぁっ!」 「可愛い子猫ちゃん。静かにしてくれないかなぁ?」 「お兄ちゃんたち困っちゃうよぉ」 ************** 皆の視線が私に集中しているのがわかる。 何故ならぼさぼさの髪に裸足。破れているワンピ。 さっきチャライ男にナンパされて暴行された。 あっけなくそいつらは別の女めがけてどっかいったけど 私は身も心もボロボロだった。 蹴られて、殴られて、宙斗のために買ったワンピも荒らされて…… そして今日何よりつらいのが 唯一頼っていた宙斗にまで疑われて。 省多と愛梨が一緒にいるの見て。 もう嫌だ。 ――死のうかな? そしたら楽になれるかな もう迷惑かけないよね。 私は空きビルの屋上めがけて走り出した。 雨も降って来た。涙が雨と交じっている。 私は屋上に着いた。 屋上の淵までふらつきながら行く。 下では私のよううを見てざわついていた。 だが私はそんなの気にしない。 今は死ぬことだ……け……。 『ドンっ』 鋭い音が私の耳元で大きく聞こえた。 「キャァァァッ!」 通行者の悲鳴も聞こえる。 すると通行者の中に見覚えのある顔…… その人はこう叫んでいた。 「柚ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!!!」 私はそのまま気を失った。 25: 名前:ゆいもん☆03/21(月) 11 35 01 あっ! 今きづきました! プロローグの「芽瑠」は愛梨です(笑) いつの間にか芽瑠になっていましたww すいません(/・△・;) とりあえず今まで書いてきた中で出てきた人を書きます! 遅いですが。 登場人物 ☆加田柚希 活発でボーイッシュな女の子。 男子のある一部では「ドSの女王」、「柚姫様」などど 呼ばれている。前は原島省多が好きだったが今は宙斗が好き。 ★元林宙斗 優しくてイケメンだが、皆からはいじられキャラ。 柚希からはいつも蹴られているが、柚希が好き。 ★原島省多 イケメンだが、イマイチ性格がはっきりとしない。 柚希とクラスは小2から親友。 省多の好きな人は誰にも知らない。 ☆木藤愛梨 柚希の親友。 頼りになるお姉さんだが時には甘えてくる。 いわゆるツンデレ。宙斗が好きだったが転入生を好きになった。 こんな感じです! 4人って多く感じますがそこも含めて見てくださいっ! 26: 名前:ゆいもん☆03/21(月) 11 58 17 ではでは改めてスタート! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 第6話 新しいスタート 「柚……」 誰かがそう言っている。 だが私の目の前は真っ暗。 何も見えない。 すると向こうに光が見えた。 私はそこに走って行った――。 「……!」 「柚……!」 目の前にいたのはさっき通行者の中にいた男の子。 ココは病室。 えっと…… 元林宙斗。 良かった覚えてて。 「1週間ずっと寝てたんだよ!?俺とお姉さん、二人で交代交代見てた」 有難う…… 私は自然に涙が出た。 「ねえ何かしゃべってよ」 ん?今ありがとうって言ったんだけど。 「おーい! 大丈夫?」 大丈夫だって!こんなに元気元気! 「……?」 何で無視するの? 宙斗は病室を出た。 聞こえないの?宙の耳がおかしくなった? 私はベッドの横にある鏡を見て叫んだ。 「んー……!」 ……!何で声が出ないの? 声にならない声。 「あの! お姉さん! 柚が何もしゃべらないんだけど……」 「えぇ!? なんで?」 お姉ちゃんが部屋に入ってくる。 宙斗もそれに続いて入ってくる。 「おーい! 柚希! どうしたの?」 私は元気だよ? こんな風に! 私は腕をモリモリと動かし、笑顔を見せる。 どうにか伝わらないかな? 「い、一応元気みたいだけど……先生に聞いてみるね」 お姉ちゃんは先生を呼びに出て行った。 「ねえ、ちょっとこの髪に言いたいこと書いてみて」 宙斗は私の前に紙を出す。 私はカリカリと書いた。 【なぜかしゃべれない。 だけど全然元気だよ(^▽^)/】 「そっか……まあ良かった……」 私は笑顔を見せた。 だけどなんでしゃべれないの? 一生しゃべれないって 訳じゃないよね? 27: 名前:ゆいもん☆03/23(水) 19 54 26 1週間たったある日。私は退院することになった。 意外と怪我は浅いほうで、右、足手を骨折。 毎日宙斗とお姉ちゃんが来てくれるので退屈はしなかった。 でも一人になると、寂しい時もあった。 私は、明日から学校に出ることになる。 お姉ちゃんが宙斗に朝一緒行ってというお願いをしたみたい。 「有難うございました! また会った時はよろしくです」 「いえいえ! またね!」 私担当の看護師さんが挨拶をする。 私とお姉ちゃんはタクシーに乗り込み進み始めた。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ちょっと切ります! 30: 名前:ゆいもん☆03/24(木) 08 36 18 翌朝。 「一緒いこっか」 宙斗が私の手を引っ張る。 若干顔を赤めているが、手を握ったのはあっちだもん。 「ちょっと待って」 私は宙斗を呼び止めた。 私も顔が赤い。 「やっぱいこ」 私は少し遅れを取りながらも 松葉杖をとんとんと鳴らした。 ちょうど、教室の前に着いたとき、やけに騒がしい。 宙斗がドアを開けた。 すると、一気に教室は静かに。 黒板には 【宙斗と柚希って付き合っているらしいよ! しかもHまでしたって! M・K】 と書かれていた。 私まだHしてない! そう思うのが私のせい一杯だった。 「Hだってよぉきもー」 「早すぎね?中2でHとか」 「あの二人ヒミツで付き合っていたって」 コソコソしゃべる声聞こえる。 やはりHのこと。 「……ッ……俺たちHなんかしてねぇーよっ付き合ってるだけだ」 「じゃあこれは何? 誰が書いたの」 一人の女子が黒板をとんとんと叩く。 それは、愛梨。 「……しらねーよ!」 そう言った時私は一つのことを注目した。 「あのさぁ、『M・K』って誰?」 「そうだな! こんな嘘着いたの誰だよっ!」 皆考え始めた。 私も考えた。 M・K? M…… あっ! 「……一人いたよ」 私は低い声でしゃべった。 「誰だよっ! 31: 名前:ゆいもん☆03/24(木) 08 40 57 「誰だよっ!」 「愛梨……」 「愛梨?」 愛梨の顔は青ざめていた。 「おいっ! お前柚希の友達じゃねえのかよ!」 「私は柚希が羨ましかった。柚希なんか大っ嫌いッ!」 「……! ひどいよ!」 私は教室中に響くような鳴き声を上げた。 34: 名前:ゆいもん☆03/24(木) 12 02 46 あッ!30れす目の 4行目と7行目の所! あれ口パクです! 恋と嫉妬と友情と 続き
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/275.html
2: 名前:ブラックスター☆11/28(日) 18 27 05 プロローグ 林桜中学校(リンオウチュウガッコウ)2-Bの生徒。 森岡 優(モリオカ ユウ)。 学校では、無愛想で有名。 友達なんて、要らないよ。 その人の顔の色ばかり気にし合って。 ストレスが、たまるだけじゃん? でも、そんなあたしも『演劇部』に属している。 私の両親、どっちとも同じ演劇団に属してるの。 まぁ、言うとそれで出会ってめでたく結婚みたいな? ま、夢みたいだよね。 ん? 夢って言うより、漫画か。 まぁ、それは置いといてその影響。 そして、今日は……、役決めの日。 言うと、1番詰まらない日か……な? もちろん私は、悪役決定。 ま、レギュラー入れて良いんだけど。 そんな、馬鹿げた私の物語。 3: 名前:ブラックスター☆11/28(日) 18 44 05 第01話 練習 「ほい、じゃあ、発表しまーす」 このチャラけた人が、部長。 でも、結構演技力凄い。 名前は、大竹 秋(オオタケ ミノル)。 学年関係なくモテルらしい。 でも、彼女は居る見たい。 同じ部活の、副部長。 愛川 凛香(アイカワ リンカ)。 「ちょっとー、皆ー。 秋の話静かに聞いてよー」 この人も、モテル。 だから、お似合いカップル。 「まず、主役の王子は、モチ俺さー」 批判の声が飛び交う。 「いやいや、ちゃんと顧問のセンセーとも話し合った訳だから、文句はナッシング」 そう言うと、皆は静かになった。 「で、姫役は凛香」 「はーい! 宜しく」 「で、姫の妹ま、悪役は森岡ちゃん」 「はい。 頑張ります」 そうして、ドンドン決まって行く。 「はいはーい。 では、読み練習だけしますからねー。 本気で読めよ!」 「はい!」 皆で、そう返事した。 「じゃ、ナレーターから」 「ある国の物語。 姫君は何時も、窓の外をみているのです」 その時、効果音の穏やかな音楽が流れた。 私の時は、鋭い音楽なのに。 「今日も、小鳥は唄い。 民衆は、笑う。 私(ワタクシ)は!? 私の生活は!?」 次私だ。 正直、姫役はやだなー。 喋り方、キモいしー。 「あら? 姉上何をなさっているの?」 「あら。 愛しき妹よ」 「私(ワタシ)と違い、国の次期王女に選ばれた姉上は、お暇などないのでしょう。 それとも、1人、生活の窮屈さに憐れみを抱いていたの?」 ……40分後。 「はーい! ここまで。 凛香と、森岡ちゃん良かったよ?」 「ありがと―ございます」 「はは! 秋、大げさ~」 4: 名前:ブラックスター☆11/29(月) 19 19 14 その後、部活は終了。 「各自かいさーん」 部長の声が響くと、私はすぐ部室をでた。 他の部活は、終わっていない様子。 それでも構わず私は、堂々とグランドの真ん中を自分のペースであるった。 男女構わず、私の話をしているのが分かる。 それも、構わない。 1月の下旬。 薄い制服に、コートだけでは物凄く、寒かった。 マフラーとか、手袋あればいいのに。 そう思いながらあるった。 手は、コートのポケットの中。 風は、冷たい。 北風。 ふと思った。 なんで私、独りなの? ふと思ったそんな気持ちが、とっても苦しいものになった。 なんで、お父さんもお母さんも私を独りきりにするの。 寂しかった。 「なんで私……、惨めなの?」 ふとこぼした『言葉』と共に『涙』まで出てきた。 その涙は、温かった。 なのに、心は冷え切っていた。 「寂しいよ……」 誰も居ない路上で、1人、涙をながした。 ガチャン 重い音と共に家の中の様子が分かる。 『ただいま』なんて、何年言っていないだろう。 私は、リビングで炬燵(コタツ)に線を入れるとその中に入り込み、台本を手にした。 練習するためだ。 いくら辛いことがあっても、休めない。 私は、台本と一緒にノートを取り出した。 そのノートに、重要な点や、その場面でおもったことを書くノート。 「隣国の王子様! 姉上の様な方に、本気で恋に落ちるのですか!?」 違う! ここだけは、何回よんでも駄目。 何かが違う。 妹の感情と、私の感情は違う? 「はぁー」 大きな溜息と、欠伸をした。 そして、もう一回、挑む。 次は、第4場面の妹の見せどころの台詞。 「あぁ! 姉上! 姉上が……、憎いわ! どうして!? どうして、姉上ばかり良い思いをするの? 何の努力もしていない姉上。 私は、しているのに! ただ、私より先に生まれたと言うだけの!」 この長い台詞。 ここが、見せどころ。 それより、やっぱこういうシーンは出来てる。 自分でも、分かる。 「隣国の王子様! 姉上の様な方に、本気で恋に落ちるのですか!?」 違う。 妹は、『嫉妬』しているんじゃないの? 5: 名前:ブラックスター☆11/29(月) 19 36 55 第02話 優の恋心 「……」 無言で教室に入る。 多分、挨拶したって虚しいだけだろう。 だって、教室には誰も居ない。 なんで、1番に来るのか? それは……、家に入れないから。 別に、親子仲が悪い訳じゃない。 ただ、なんて話せばいいの? それが、不安だった。 その時、目に入った紙切れがあった。 ――――――――――――― 女子へ 女子全員に回すんだよ(森岡以外) なんと、愛川先輩、浮気してるよ! by ほのか ―――――――――――――― は? そんな訳無いじゃん。 その紙を、ゴミ箱に捨てた。 ピロロロローン メールだ。 可笑しいな。 ケー番しか、愛川先輩に知らせてない。 だから、愛川先輩? あ、愛川先輩は、部活のこ全員のケー番を知っている。 それは、驚く人からだった。 ―――本文――― ども! 秋でぇす☆ 凛香からケー番聞いて、赤外線で送ってます! 何か……、悪いな。 個人情報、勝手に……。 てか、きのー泣いてなかった? なんか、気になって。 わり END―――――――― え? 見られた。 なんでか、私の頬は熱かった。 私は、すぐ返信した。 ―――本文――― どうも。 森岡です。 何時も、部活ではお世話掛けてます。 昨日? すみません。 泣いてません。 では×2 さよーうなら END―――――――― 6: 名前:ブラックスター☆11/30(火) 19 59 42 何時もは、すぐ携帯を閉じる。 けど、今はずっと画面を見つめている。 もしかしたら……、返信されるかもしれない。 そう期待しした。 けど、いくら待っても返事はこなかった。 「はぁあ」 気づいたら、重い溜息をついていた。 私は、台本に手を伸ばした。 『姫と王子の恋愛』 そんなありきたりの名前。 この物語は、1年の編集係が作っている。 「隣国の王子様! 姉上の様な方に、本気で恋に落ちるのですか!?」 もう1度読む。 違う。 私は、台本はそのままにして携帯を見つめた。 この文は、先輩が書いた。 そう思うと、嬉しくも、恥ずかしかった。 そう……、これは『恋』。 でも、先輩には可愛い彼女がいる。 先輩……、一瞬で良いから……、私に恋して。 彼女じゃなくて、私を選んで。 ! 分かった! 「隣国の王子様……! 姉上の様な方に……、本気で恋に落ちるのですか?」 そうだ! 妹は、姫を憎んだんじゃない! 王子に、好きになってもらいたかった。 ……、そう。 姫への笑顔を、自分へにしてもらいたかったんだ。 まるで……。 今の私と同じ。 「フフ」 ふと、笑みがこぼれた。 7: 名前:ブラックスター☆12/01(水) 20 43 11 ピロロロロン 携帯の着信音が部屋に響く。 私は、画面をガン見した。 ―――本文――― 返信遅れてごめん! 他のダチと遊んでて……。 そっか×2 わりぃ じゃあ END―――――― 先輩 先輩。 私、こんなにも愛してた。 愛しくて仕方ない。 夢の中にいるみたい。 そんな気分。 あぁ、人を愛すってこんなにも気持ちが良いんだ。 「先輩、会いたいよ」 ガラー…… 今日も、教室には誰もいない。 静かな教室。 私は、窓から先輩が到着するのを見ていた 8: 名前:ブラックスター☆12/02(木) 20 25 53 何分かたったら、愛川先輩と登校してきた。 ……、みなきゃ……、良かった。 『恋した』と分かると、先輩が女の人と仲良くしているのを見ると悲しくなる。 ―私は、選ばれていないんだ。 窓越しで、先輩と目があった。 優しく、手を振ってくれた。 私も静かに手を振り返した。 すると、隣にいた愛川先輩が私の事を『キッ』と私の事を睨んだ。 私は、重い足取りで女子更衣室に入った。 今日から、衣装を着て練習なのだ。 ガラ―…… そこには、数名の1年と私のみの2年、愛川先輩だけだった。 「こんにちはー」 元気よく1年が挨拶する。 私は、黙礼ですませた。 その時だった。 「ねぇ。 良く堂々と部活くれるのね。 森岡ちゃん」 愛川先輩の冷たい声。 私は、とても声を出せる緊張感ではなかった。 「あの……、あれは」 「あはっ。 暗いアンタと、秋が釣り合うとでも!?」 愛川先輩……。 「そうですね。 私は、先輩のこと、好きです。 愛川先輩という彼女が居ても……」 私は、そう言い残すと、屋上に走った。 策に背をもたれかけ、静かに泣いた。 「怖かった……」 愛川先輩。 9: 名前:ブラックスター☆12/03(金) 18 38 58 第03話 先輩への愛 私は、ずっと屋上に居た。 でも……、そろそろ行かなきゃ。 顧問の先生が心配してくる。 「はぁ」 重い足取りで、部室へ向かう。 ドアの向こう側には、一部始終を見ていた1年。 私の事を嫌っている愛川先輩。 そして……、大好きな先輩。 ガラ―…… 後ろのドアを開けた。 もちろん全員目線は私。 「あのっ。 遅れてごめんなさい!」 私は、先輩に謝礼の言葉を捧げた。 なのに……。 「はぁ。 おそいんですけど。 やるきあんの? 俺ら、この劇が最後なんだよ! お前1人のせいで、ぶっこわさないようにしろよ! 今日は、見学!」 先輩の冷たい言葉。 心が、冷え切った。 1年は、気まずそうに。 愛川先輩は、冷たく私に笑った。 先輩は、厳しい顔をしていた。 不幸中の幸いに、同じ学年はいない。 正直、泣きたい。 泣きたいけど、ここで泣いちゃ駄目。 そう思うと、胸が痛くて痛くて仕方がなかった。 ……、先輩。 きっと私の事嫌いになりましたよね? 更衣室であったこと全て言えば、同情して 『そっか』って言ってくれますか? 「姫よ! 僕と、森へお付き合いしてくださりませんか!?」 王子は、この後……。 姫と森ではぐれる。 そして、姫は気を失って倒れている。 見つけるのは、王子ではなく。 私……、そう妹。 そして、姫を殺そうとする。 でも、王子はそれをみて姫をかばい自分が死ぬと言う話。 そう。 まさに私は、最低の悪役。 「お疲れさまでした~」 先輩が言うと、全員それぞれ廊下に出て、帰宅の準備をした。 「森岡ちゃん、残ってくれる?」 「秋! 私も残って」 「駄目だ」 先輩は、キツメに言った。 愛川先輩は、分かったと大人しく出て行った。 今、この個室では先輩と2人きり。 緊張で、胸が張り裂けそう。 「なぁ、何時も熱心な森岡チャ……」 「その言い方止めてください」 「何で……?」 先輩が、今まで通りに優しくするから期待しちゃう。 私は、俯いていた。 「……分かった。 森岡、今まで遅れた事なんてなかったよな? もしかして、保健室で……」 「違います。 私は、元気です。 ただ、行きたくなくて屋上に居たんです」 「どうして来たくなかったん?」 「めんどくさいんです。 別に、良い役な訳でもないのに……頑張って」 「そんなこと言うなよ!」 「先輩は、気づいてますか? 妹が、姫を殺そうとした訳」 「そりゃ……。 姉ばっか良い思いして……憎くて仕方なかったんだろ」 なんか、先輩に勝てた気がする。 「私も、最初そー思い込んでいました。 でも、違くて。 妹は、王子の気持ちを変えたかったです。 姉を、殺して……。 妹へ変えたかったんです」 10: 名前:ブラックスター☆12/04(土) 13 34 53 「……、やっぱ、お前演技力すげーわ。 それに応じて今日は見逃してやる。 じゃあな」 そう言って、先輩は、帰って行った。 もうちょっとで、告白できそうだったのになぁ。 私も部室を後にした。 「はぁ」 重い溜息をついた。 その時……。 「キャ!」 何かに足をつまずかせ、転んだ。 しかも、私らしくない声をだして。 「『キャ!』だってー。 にあわねぇ~」 そうつまずいたモノは、愛川先輩の足。 その後ろには、1年がいる。 なんだ、部活のメンバーを使って、私をいじめるんだ。 「来い」 そう言われついていくとそこは、屋上。 イジメの有名スポットだ。 「あ、別にトイレでも良かったんだけどね~。 臭いし~」 そう言われ、キャハハと1年が笑う。 「ねぇ、言いたい事分かる?」 「はい。 先輩から手を引けと?」 12: 名前:ブラックスター☆12/04(土) 14 56 15 「まっ、そーゆーこぉと!」 「……言われなくても、引きますよ!」 ヤケクソで、そう言ってやった。 すると、愛川先輩と1年はフッと笑って……、屋上を後にした。 「うっ……ふゎ……」 涙が、出てくる。 「なんで、私は……、こんなっ! こんな、泣き虫なのぉ?」 泣きながら自問する。 可笑しいよね。 でもね。 先輩から手を引くなんて無理な話。 でも、先輩は、愛川先輩を愛してるんだ。 泣きやんだら家に帰った。 ガチャッ 「お帰りー」 懐かしい声がした。 「おっ……、お母さん! お父さん!」 私は、玄関で立ち止まってしまった。 「仕事は?」 冷たく言い放つと、お母さんは悲しそうな顔をした。 お父さんは、俯いていた。 沈黙を破ったのは、お父さんだった。 「すまない。 何時も、孤独な思いをさせて……」 「何それ! そんな綺麗な言葉を嘆かれければいい父親を演じれると思った?」 私は、そう言うとすぐ私の部屋へ入った。 ホントは、あそこで止めてほしかった。 『すまない』じゃなくて、『これから、一緒に……』の方が嬉しかったな。 14: 名前:ブラックスター☆12/04(土) 20 19 14 第04話 現実は、冷たいもの ガラ…… 何時もより、勢いはなく女子更衣室に入った。 女子更衣室には、愛川先輩だけだった。 ……チャンスだ。 「愛川先輩! この前は、失礼な事をしました!」 そう言って、頭をさげた。 愛川先輩は、無言。 「あの……ですから、何時も通りに!」 「何だ……、そんなこと? 勿論YESよ。 ね?」 私は、頷いた。 これで良かったの。 そう自分に言い聞かせた。 「あぁ! 王子よ……、もうお国に戻られるのですか!?」 「あぁ……。 勿論、僕も寂しい。 ……、姫。 お互いの……愛しあっている証を!」 ココは……、キスシーン……。 カレカノだから平気だよね。 普通、展開的にはやめてと叫ぶべき。 でも、そんなことする勇気何か無い。 私は、無愛想なんじゃなくて臆病なの。 だから強がっているの。 私は、こうして、練習から本番の日まで、この先輩と愛川先輩のキスするところを見て、苦しみ、もがかなければいけない。 私は、俯いていた。 あぁ、私の出番。 出たくない。 でも、でなきゃ。 ……。 「姉上……? 何をなさられてるの?」 「あぁ。 ジュリアン(妹の名)よ! お主は、何している」 「姉上。 庭を散歩することが悪いことですの?」 ザ―…… 雨が降る音……。 ホントなら、この雨と共に溶けてしまいたい。 「雨だわ。 城へ帰りましょうね」 「おっかれさーま!」 「じゃぁ、サヨナラー」 独り、帰り道を歩く。 ザ―…… 「雨……」 私は、鞄から折り畳み傘を取りだした。 バサッ 傘を開いて、ゆっくり歩く。 「スぅぉこの人ぉォ!」 後ろからでかい声で叫びながら走ってくる。 「誰だよ……」 私は、そのまま歩き続けた。 でも、その人は遂に、私の隣に来た。 「ねぇー。 傘ないんだー。 いぃれぇて!」 15: 名前:ブラックスター☆12/05(日) 13 01 20 何コイツ? 知らない人を入れる訳ないじゃん。 「ゴメンなさい。 私、急ぐので」 そう言って、早歩きした。 「ちょっと、待ってよ! さっきから、めちゃのんびりじゃん」 「……、分かったよ。 ハイ。 この折り畳み傘貸す!」 私は、鞄から一ヶ所ほあ折れてしまっている傘を取りだした。 ホントは、一昨日にでも、捨てようと思ったんだけど、お気に入りの柄だから捨てたくなかった。 「マジッ!? いいんすか!?」 「良いよ……」 そう言うと、そいつは、満面の笑みを浮かべた。 「俺ね、門松 和生(カドマツ カズキ)。 私立蒼堺男子中学校(シリツアオサカイダンシチュウガッコウ)2年A組 7番!」 「……、ッフフ! そこまで、言わなくていいのに。 ていうか、貴方、蒼堺って……頭良いんだ!」 「まぁねぇ」 「私は、林桜中学。 同じく2年! 森岡 優です!」 普段、人に心を通わせられない私は、なぜか、和生君には心を通わせられた。 その後、メアドを交換した。 ガチャッ…… 今日は、居ないみたい。 私は、自分専用のお菓子棚からキャラメルポップコーンを取りだしたら、食べながら劇の練習をしていた。 黙読を、していた時。 ピロロロロン 携帯が鳴った。 先輩かと思うと、ドキドキした。 ……でも、さっきからちらちら和生君の事が、頭に出てくる。 ―――本文――― どぉもぉ! ミノルンパでぇす! 何してたぁ? あ……。 最近、ようなくメールしてごめーん。 ヒマなんだ。 だから……。 あ。 ごめーん。 リンカ姫が遊びに来た。 今度お前も、遊びに来いなー END―――――― ……なんか、テンション下がった。 なんでだろ。 手にする前は、あんなにドキドキしてたのに。 ―――本文――― どぉも! 森岡ちゃんです。 ……、遊びになんて滅相もない。 控えさせていただきます END―――― ……! そうだ。 私から、メールしててもいいんだ! ―――本文――― 先ほどの、優です(V3V) よーは、無いけどさ。 まァ、ヒマ潰し? 今度会おうね(←ドキドキ) END―――――― 16: 名前:ブラックスター☆12/05(日) 17 33 18 何分かすると、返信が来た。 ―――本文――― オぅ! 今度、会おうぜ。 ……マジバナ。 優と会うと思うとめちゃドキドキするすぃ。 明日の……5時30分にでも、会えないか? 良い返事を! END―――――― 私は、この文を読んだらとっても嬉しかった。 「ケー番も教えといてもらって良かった」 そう言うと、和生君の携帯に電話をかけた。 プルルル すぐに出てくれた。 「あっ! 和生君!?」 『おい、どーしたんだよ』 ……和生君の声だ。 「なんか、メールなんかじゃなくて……。 その、和生君の声が聞きたかったの!」 『ハハっ。 なんだそれ。 てれんじゃん』 「明日! 明日、会おうね!」 『おう! 林中の前でまっててやるよ!』 「うん! じゃーね!」 『おう!』 プツン……ピー 切られた後の音が切なかった。 「いってきまーす!」 朝、何時もは絶対言わない『行って来ます』。 でも、今日は大きい声で言った。 すると、階段の所で、お母さんとお父さんが不思議そうに見てた。 私は、にこっと笑った。 お母さん達は、笑い返してくれた。 走りながら学校へ向かう。 早く、早く! 放課後にならないかな。 その思いでいっぱいだった。 今日の授業は、まともにノートを書いた。 なんか、良い子にしてれば、和生君が褒めてくれそうな気がしたから。 18: 名前:ブラックスター☆12/05(日) 19 07 35 「姉上! ……この世から出ていけぇぇ!」 私は、そう叫びながら愛川先輩の胸に偽物のナイフを突き刺そうとする。 「やめろぉ!」 そう王子役の先輩がやってくる。 「あぁ。 私は! なんて過ちを犯したのでしょう!」 「……、何泣いているの? ジュリアン……!? おう。 王子様!」 「おっつかれさーん。 あ、みぃーんな! 今日、発表丁度1ヶ月前記念でカラオケ行かなーい?」 「あ、ゴメンなさい! 今日は……先約が」 「そっか仕方ないね」 愛川先輩に許可を取ると走って校門へ向かった。 「和生君!」 私は、息を切らしながら和生君の肩に右手を乗せた。 「ハハ! 走ってきてくれたの?」 「うん! ……はぁ。 はぁ」 和生君は、私に笑顔を向けてくれた。 「ねぇ、何処行きたい!?」 和生君の問いに私は迷わず言った。 「クレープ食べたい!」 「じゃ、駅前のカフェいこっか」 「うん!」 学校での私を知られたくない。 だから、明るくふるまった。 「私、生クリーム&キャラメル」 「じゃあ、生クリーム&キャラメル1つと、チョコ&苺1つ」 「かしこまりました」 そう言うと、店員さんは素早く動いてクレープを作ってくれた。 「1200円です」 19: 名前:ブラックスター☆12/05(日) 20 57 10 「んま! 何このクレープ王族が食べる奴じゃないのかよ!?」 「はは。 大げさ~」 こんなふとした会話が楽しくて仕方なかった。 「あれー? 森岡ちゃん!?」 この声……。 「先輩! 愛川先輩!?」 と、後輩。 「ん? 知り合い?」 「う……ン。 部活の先輩&後輩」 どうしよ。 こんな明るい性格先輩達に見せられない。 かと言って、和生君に暗いとこみせらんない。 「えー、森岡ちゃん! こんなイケメン知り合いなの?」 先輩が、言う。 「ども!」 和生君が、元気よく先輩に挨拶する。 「えぇ! その制服!? 蒼堺中!?」 「YES!」 私は、気がついた。 愛川先輩の目線に……。 もしかして……。 私は気がついた。 愛川先輩が、居る限り……私は、理想の人と恋仲に慣れない。 現実は、冷たすぎる。 20: 名前:ブラックスター☆12/06(月) 19 51 00 第05話 揺れる その後、一緒にお茶することになった。 ただ、後輩たちとは別行動。 私は、ホットココア。 和生君は、ホットレモンティー。 先輩と愛川先輩は、ホットミルクティー。 注文し終えた丁度、 「ねぇ、森岡ちゃん。 一緒にグロス直し行くのついてきて~」 「良いですよ」 そう言って、2人で席を立った。 「ねぇ、森岡ちゃんじゃなくて、優って呼んでいい?」 「ハイ……。 でもどうして急に?」 先輩は、ニヤッと笑った。 「私達の仲でしょ? 彼紹介してよ?」 「じゃあ。 後で」 「先行ってるよ」 愛川先輩が去ったあと鏡に映る自分を見つめた。 決して、可愛いとも綺麗とも言えない顔。 性格も冷たいし。 私に良い所なんて有るかな? 「!」 ふと思った。 愛川先輩……、浮気してる……? 私は、すぐに戻った。 席に着くと小声で遅いと言われた。 「あ。 そうだ! 紹介してなかったよね? こっちが、門松 和生君」 「よろしく~」 「で、こっちが先輩の大竹 秋先輩」 「ちぁーす」 「で、この人が、愛川 凛香先輩だよ!?」 恋愛物語 続き1
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/98.html
64: 名前:海☆07/22(木) 21 23 21 『約束…ですか?』 『絶対に12時までに帰ってくるんだ。守れるな?』 『はい分かりました。大丈夫です』…… 65: 名前:海☆07/22(木) 21 34 39 シンデレラは階段から駆け降りた。 「どこに行くのですか!?」 王子はそれを追いかけようとした。 しかし、 「絶対に私についてこないでくださいっ…!」 強く王子に言った。 赤くなった階段を下りて行ったシンデレラ。 その姿を王子はただ、ただ 見ているだけしかできなかったのでした。 66: 名前:海☆07/22(木) 21 38 00 シンデレラの姿が見えなくなったころ。 下に転げ落ちたお姉さま方の姿もなくなっていた。 ただ白かった階段が、 赤く染まっているだけでした。 67: 名前:海☆07/22(木) 21 41 36 赤くなった階段。 その赤の中から、かすかに白く光るものが見えた。 「あれは……?」 王子は、その光ものを拾いあげた。 それは、小さなガラスの靴でした。 70: 名前:海☆07/23(金) 14 50 50 ――――ハァ、ハァ… カボチャの馬車はすでに、ただのカボチャに。 綺麗な白いドレスも、 汚い服に戻っていた。 そんなシンデレラは、お城から出来る限り遠くに行こうと 森の中を走っていた。 「お姉さまが死んだ! お姉さまが死んだ! お姉さまが死んだ! お姉さまが死んだ! お姉さまが死んだ! お姉さまが死んだ! あははははははははははははははははっっっっ 死んだぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁあ!」 シンデレラの心も頭も、 次第に壊れていっていた。 71: 名前:海☆07/23(金) 15 13 03 舞踏会から2、3日がたったころ… お姉さま方の事は、奥様にも伝えられていた。 けれど シンデレラが舞踏会に行った事と、 シンデレラが殺した事は、 奥様は知りませんでした。 72: 名前:海☆07/23(金) 15 16 05 「あぁ…私の娘たちよ……ぁぁああああぁぁああぁぁあああ」 およおよ毎日のように泣く奥様。 そんな奥様にシンデレラは、 こう言った。 『お母様……大丈夫よ』 73: 名前:海☆07/23(金) 15 21 12 『お母様も、後少しでお姉さま方に会えますから……』 そう不気味に呟くのでした。 74: 名前:海☆07/23(金) 17 37 53 そう言い、 シンデレラは手に持っていたナイフを 振り上げた。 その時、 ――――――――コン、コン 75: 名前:海☆07/23(金) 17 43 49 シンデレラは、ハッとした。 手で顔を覆い泣いている奥様と 手に持っていたナイフを置き、 ドアへと急いだ。 「どなた様ですか…?」 ガチャリと大きなドアを開けた。 「あー私城の使いの者ですが。 中に入れてもらってよろしいでしょうか」 なんとも貴族らしい方が、立っていた。 76: 名前:海☆07/23(金) 17 59 51 シンデレラは、とりあえず中にいれた。 なんですか?とも言う前に、 城の使いは、ベラベラと話だしました。 「王子様が、このガラスの靴が履ける娘と 結婚するというのです…」 状況を把握し、 家にいる若いものを片っ端から呼び出した。 「はい、お前!履いてみな」 奥様のさっきまでの、よわよわしい姿はなかった。 77: 名前:海☆07/23(金) 18 18 09 そしてシンデレラを抜かした、 家の中の娘最後の順番がきた。 「……奥様、小さすぎて入りません」 「何を言ってんだいっ! あんたで最後じゃないかっ!」 家のメイドの足を 手に取り、奥様はテーブルに置いてあった 小さいリンゴを切るようなナイフをてにとり、 メイドの親指を切りました。 78: 名前:海☆07/23(金) 18 21 14 「きゃあぁぁぁぁああああああああああぁぁああああああぁぁぁああああああっっっっ!!!!!」 家に響く叫び声。 周りの人も目を当てていられないくらい、 痛いさまだった。 79: 名前:海☆07/23(金) 19 41 04 ボタボタと指から流れる血。 「あ……あ………」 震える声。 無くなった親指。 切断された親指は床にポツリと落ちていた。 「これで履けば問題ないでしょ」 そういいガラスの靴を履かせた奥様。 確かに、靴はスッポリはいった。 だが、これには誰も何も言えませんでした。 80: 名前:海☆07/23(金) 19 42 19 輝く透明のガラスの靴。 それが一瞬にして、 81: 名前:海☆07/23(金) 19 44 00 赤くどす黒いガラスの靴へと、変わった瞬間だった。 シンデレラ 続き3
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/414.html
290: 名前:+椎名+☆2011/08/26(金) 16 48 35 今日はなんか色々あるな… これで教室のドア開けるの何回目だよ。 よし、犯人さがすか… 俺は佳暖の前に立ち、ドアを開ける。 やはりいつものこの視線… しかし佳暖への視線は睨みつけるように見ていた。 ほぼ全員じゃねーか。 これじゃわからない…… 「おかえりぃ、暁君」 俺にはいつもの態度で接してくるのに… 「あ、山下さんいたんだ」 「くすくす…ていうかびしょびしょ…」 佳暖に対してはみんないつも以上に冷たい。 「ちょっと、そこのポジション私達の!どいて!」 女子の一人が佳暖の肩をどんと押す。 ……こいつら… 「んな…」 「…あ、鈴地君。これねー……」 「触んな!」 俺は咄嗟にそいつの胸ぐらを掴んだ。 あーあ、やっちった。 もうここまできたら俺多分暴走するよ。 「ここはてめぇなんかのポジションじゃねぇ!」 俺はそのまま突き飛ばしてしまった。 その女子は怯えて泣いていた。 それにも関わらず リミッターが切れたした俺は近くの机を蹴りとばした。 「鈴地…」 その姿を見て嬉しそうに笑う佳暖。 まあ、この女子自己中な性格前から気に入らなかったんだよな。 「鈴地、もういいよ。ありがとう」 「…あ?そ、そうか…悪い……」 これは守れているのか…? でも佳暖が嬉しそうにしてるならいいか。 293: 名前:+椎名+☆2011/08/27(土) 10 10 15 それからも相変わらず女子は近づいてくる。 さっき泣いてた子も。 しかし… 「鈴地、ここ教えてよ」 「…げ……」 佳暖が俺の方に来ると佳暖を避けるようになった。 これも相変わらず、か。 でもいじめはまだ起きているけどな。 まったく…静かに暮らしたいのに勘弁してくれよ… いじめの主犯が必ずいるはず… そいつをさがして…… …俺はそれからどうするってんだ…… 「鈴地?」 「…あ?あ、えーとここはだな…」 もういいや。 その時はその時。 その瞬間に考えればいい。 俺達はまあ美男変女として結構有名だった。 いい迷惑だけどな。 「あの…っ暁君…いますか…?」 教室の方から声が聞こえる。 おどおどした喋り方には聞き覚えがあった。 「…宮本さん?」 「お、覚えててくれたんですか…ありがとう…」 そう、屋上で出会ったあの女の子。 「二人でお話…したいのですが…少しよろしいですか?」 「あぁ」 「鈴地も行くなら…佳暖も行くよ」 こいつ…話聞いてたか? 二人でって言っただろ…… 「佳暖…待ってろって」 「…わかった」 はぁ、疲れる。 「では屋上へ……」 俺達は屋上へと向かう。 ったく…次から次へと忙しいな。 295: 名前:+椎名+☆2011/08/27(土) 10 21 53 俺は屋上の壁にもたれかかる。 「で、なんだ?」 「…あの、暁君。私…… 暁君のこと、ずっと前から好きでした」 ……えっ? ま、まさかの告白…!? いや、彼女一応いるの知ってるだろ。 「えーと…」 「私、今付き合っているのは知っています… でも…小学生の時から好きで…想いだけでも伝えたくて…」 小学生…… 「例え今付き合っていても…その…… 諦めたくないんです… だから……答えは別れた後に……聞かせてください…」 ん? ちょっと待て…… 「別れるまで待ってるのか?それに…」 「…多分、あなた達はすぐ別れると思います」 え? 「わかるんです。見ていても…勘ですけど。 多分…あなたから別れる話を持ち出すと思います」 …何言ってんだこいつは…… 「何を……」 「いずれ分かると…思います……それでは……」 彼女はそう言って屋上から立ち去った。 どういう意味だ……? 296: 名前:+椎名+☆2011/08/27(土) 10 36 09 俺達は…まわりから見たら釣り合っていないのか? 気づかなかった…… 「……」 俺は教室に戻る。 「……!」 さっきまでそこに座っていた佳暖がいない。 どこ行ったんだ…… 「鈴地!やばいんじゃないか?さっき女子に佳暖連れて行かれた ぞ」 斎が焦りながら言う。 …確実に何かされる。 「どこ行った?」 「………」 「斎?」 下を向きながら斎が言う。 「…言うつもりなかったけどさ、 お前達別れた方がいいと思う」 ……!? 「わからないか?まわりから見ているとお前達は……」 さっき言われたことを思い出す。 …同じだ。 「俺の意見だけど、お前は佳暖を守ってるんじゃない。 佳暖に振り回されてるんだと思う」 …俺が佳暖に? 振り回されてる? 「今までの友達の関係じゃ駄目なのか? 俺はとても見ていられない……」 …なんでだよ。 そんなことない… ……っ! 俺は斎を通りすぎて教室を出ていった。 297: 名前:+椎名+☆2011/08/27(土) 11 14 45 佳暖が俺を振り回しているだと? いくら斎でもそんな風に言うのは……! 「ちょっと、山下さん」 どこからか声がする。 山下…?佳暖のことか! 俺は声のする方へ走る。 …体育館裏? またベタな…… 「何?」 「暁君、きっとあんたのこと嫌いだから」 「そうよ!」 …本人から聞きもしないで言うなよ。 佳暖は笑って答えた。 「ふふ、鈴地は佳暖のこと大好きだよ? だから佳暖も鈴地のこと大好き」 …大好き、か。 俺はそんな風にお前のこと思ってないかもな… でもお前は…俺をそんなに…… 「キモい。あなたナルシスト?」 「ううん、違うよ。でも多分鈴地はあなた達のこと嫌いじゃない かな」 「…なんだって!?」 佳暖は相変わらず表情を変えない。 逆にそれが女子達の怒りを買う。 「ふざけんな!」 一人が佳暖を突き飛ばす。 「ありがとう」 「…は?」 「ありがとう、 あなた達が私に何かしてくれるから鈴地といる時間が増える の。 そして鈴地はもっと私を好きになってくれる」 俺は唖然とした。 …なんだよ。 俺が…守ろうと頑張ってるのに佳暖は女子を利用してたのか? 俺は必死なのに…お前はそんなことを考えてたのかよ… 俺は今斎の言っていることがわかった気がする。 …俺達やっぱり釣り合わないんだな。 …でも俺はどうしたらいいのかわからない… 「えっ…何こいつ…気持ち悪い……」 女子達はそう言うと去って行った。 ……… 俺も静かにその場を立ち去った。 298: 名前:+椎名+☆2011/08/27(土) 11 30 23 俺は教室に入り、斎の所に行く。 「斎…その、悪い」 「…いや、いいんだ、俺も悪かったな」 俺は親友のことを信じてなかったんだ… 本当に情けないな。 「鈴地」 また聞き覚えのある声がする。 「……佳暖」 「鈴地、ごめんね心配かけて。 ちょっと突き飛ばされただけだから平気だよ」 …あぁ、そうか。 今までならその言葉で佳暖を心配してたな。 でも…お前の気持ちがわかってから今はそうは思わない。 「別に心配なんてしてねーよ」 「…えっ?」 さすがに笑っていた佳暖も驚きの表情を見せた。 佳暖には悪いけど…今は何も思わない。 俺はそのまま教室を出ていく。 今日もまた…サボるか。 304: 名前:+椎名+☆2011/08/28(日) 04 42 30 俺は保健室にしんどいと言って入る。 まぁお約束のパターンだけどよ。 「またサボり?受験に響いても知らないわよ?」 「大丈夫、学年上がったら本気だすって」 以前も言ったが俺は先生と仲がいい。 だから先生はサボりとわかっていても言わない。 そしてサボらせてくれる。 いい先生だよなー…(違う) 「そういえば、最近山下さんとどうなの?」 直球で飛んできた質問に俺は戸惑う。 「…みんなまわりから見ると俺が振り回されてるって言うんだけ ど… 先生もそう見えるか?」 「見える」 早っ! 即答って…でもやっぱり見えてるんだな… 「別れたらいいじゃない。あ、先生と付き合う? 年下は嫌いじゃないから♪」 「慎んで遠慮させていただきます」 何言い出すんだこの先生… でも俺はなんだか元気出てきた。 先生はやっぱり俺のことわかってるなぁ。 先生も俺の理解者の一人だと思ってる。 その時、保健室のドアがノックされる。 先生はドアを開け、俺はベッドのあるカーテンから覗く。 …また佳暖かよ。 「先生、鈴地来てますよね?」 「…何してるの?山下さん。今授業中よ」 「鈴地を迎えにきました」 「暁君は…少し疲れていて寝てるわ」 「なら私が付き添います」 佳暖しつこいな… てか重い…… 「部外者は邪魔になるから戻りなさい」 そう言うと先生はドアを閉める。 この先生きついな…… 「先生、なんで……」 「…まあなんでもいいじゃない? 早く寝ないとサボりを伝えて点数下げるわよ?」 生徒を脅すなんて…なんて先生だ…… 俺、勝てる自信がない… 俺はそれ以上何も言わずに寝る。 305: 名前:+椎名+☆2011/08/28(日) 11 45 21 ……あれ? ここは…… みんな黒い服を着てる… 葬式…? 「鈴地、早くなさい」 「…?」 それにしても一体誰の葬式だ? 誰か身内…… え…… 嘘…だろ? 俺は入り口にある看板を見る。 [山下佳暖様葬式会場] か…佳暖……の…? するといろんなところから声が聞こえた。 「あの子が彼氏?」 「たしか遺書には彼氏に愛されたかったって書いてたわよね」 「あの子最低ね。怖いわぁ」 彼氏…俺の事か? 彼氏に愛されなかったから自殺したのか…? じゃあ…俺が殺したのと同じじゃないか… みんなが冷たい目線で俺を見てくる。 そんな目で見ないでくれよ…… やめろ…! やめろ…!! 「鈴地君!」 …! 俺は慌てて起き上がる。 …夢? 「大丈夫?うなされてたわよ」 先生…… 「大丈夫…」 「…嘘ね。…目」 俺は先生に言われて目を触る。 ……俺、泣いてる? 「…怖かったの?」 「…っ先生!大丈夫だから!」 保健室の先生が俺を強く抱き締めた。 先生からは時々母親のような暖かさを感じる。 やっぱり先生は俺の理解者だ。 [[7日間の醜いゲーム。 続き19]
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/85.html
旭が泥酔してしまったので、地の分は第三者目線となります。 「笑うなっての! 真剣なんだぞ、俺は」 真っ赤な顔をして旭は慎也をにらみつけた。 が、そんな攻撃は慎也に通用しない。さらっと笑顔でかわすだけだ。 「旭がそんなこと言ってくれるなんて。…嬉しいな」 「なーにが嬉しいだよ。大体お前、本当に俺のこと好きなんか? 四年間もほったらかしにしやがって」 旭はなおもスパークリングを飲み続けている。 もう意地になっているようだ。 慎也の方はというと、一杯目から殆んど口をつけていない。 たぶん、酔わずにこの光景を覚えておきたいのだろう。…酔ったら記憶がなくなってしまうから。 「寂しかったのか?」 にやりと笑って慎也は言う。…言わしたいのだろう、寂しかったと。 「あ? 俺に聞いてんのか? どーせ"寂しかったぁ"って言わせたいって思ってるんだろ」 「ふ、よく分かったな」 「お前はそういうことしか頭に無いんだな。あとは下ネタ。ろくな大人になんねえぞ」 「もう大人だ」 「人の揚げ足をとるな! 嫌われっぞ」 持っていたグラスを、テーブルの上に静かに置くと、慎也は身を前に乗り出した。 「俺は、お前に好かれていたらそれでいい」 低音の美声で旭の鼓膜を貫くように囁くと、旭はスパークリングを飲む行為を一瞬止めた。 「好きだよ、旭。好きとか言う次元じゃない。言葉では言い表せない。死ぬほど愛してる」 旭の頬が紅潮したのは、アルコールを摂取したからだけではないようだった。 「…俺も」 目はとろませ、顔は赤らみ、心臓は爆発するくらい高鳴っている。 それでも旭は最大限に勇気を出し、次の言葉を発した。 「慎也のこと、大好きだ。…ホントに、本当に寂しかったんだ」 涙腺が緩んで視界が見えなくなっているようだった。 俯きながらも旭は言葉を紡ぐ。 「お、…お願いだ。もう…もう俺を置いてアメリカなんて行かないでく…ッ」 最後の一文字、"れ"が言えなかったのは、慎也が旭の唇を塞いだためだった。 熱く溶けそうな舌を慎也が突っ込むのを、旭は慣れない舌遣いで懸命に応える。 口元から唾液がだらだらこぼれた。 「は…ん、んぅ」 椅子から離れ、旭の身体を抱きしめたまま慎也はダブルベッドへ飛び込んだ。 「ん…っぁ」 更にキスを続ける。 慎也の性格で四年間も性行為を我慢してたのだから、歯止めが利かないのはおよそ当たり前のことだ。 「…ふぅッ、ぁ」 旭に息継ぎの時間を与えてやるとまた、彼は口内にむさぼるように舌を入れる。 舌が舌を這うとそれは気持ちが良いようで、旭の感覚神経はがくがく刺激された。 「…愛してる。もうダメだ。抱いていい?」 唇を離すと今度は耳攻めだ。というか言葉攻めか? 「聞くなよ…っ」 酒に酔っている旭は、慎也の目にはいつもの百倍は妖艶に見えた。 「旭、俺に"抱いてくれ"って言ってみろ」 「何なんだその宣言プレイは。お前好きだな、そういうの」 「抱いて欲しいのか、欲しくないのかどっちだ?」 一旦言わせると決めた慎也は一歩も譲ろうとしない。 気になる女の子をからかう小学生男子のような心持ちの中に慎也はいた。 「……欲しい」 旭はバスローブのタオル地をぐっと掴んで言った。 「ん? 聞こえないな」 「んなワケねーだろっ」 じっと自分を見つめる慎也を旭は睨み返す。 それを見て慎也は笑った。 「あはは、悪い。冗談だよ。お前が可愛すぎるからからかってみたくなっただけだ」 心臓が勢い良く波打って血潮が身体全体に伝わる。 特に顔。クーラーをギンギンに効かせてあるのに、旭の顔は発熱したように熱い。 「旭、好きだ。…アメリカに一人で行ったのは謝る、ごめん。お前と一緒に暮らすために色々準備とかしてきた」 慎也は俯き加減にそういった。 言った直後に、旭が着ているバスローブのタオル地の紐を解く。 「ごめん…」 いろんな意味の謝罪の言葉を言うと、慎也は旭の身体に触れた。 「ぅあ…っ」 すぐに旭の身体は反応する。さっき、風呂の中でイけなかった分、快楽に敏感になっているのだ。 「あ…ぁんッ…ん…」 肌を慎也の舌が這うと、旭は堪えずに素直に嬌声を上げた。 「し、慎也」 チクビが唾液で濡れ始めたころ、旭が何かを思い出したように慎也の名を呟いた。 「何だ?」 「今日…お前の、誕生日…」 そう、9月11日は慎也の誕生日である。 「そんなこと…今言わなくていい」 「ご…ごめっ、俺…何も用意してない」 アメリカに行っても慎也は旭に誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントを贈っていた。 旭もそうだったのだが、肝心な今日、忘れていたことに腹が立っていたようだ。 「何も? 最高のプレゼントがあるじゃねえか」 「…え? 何だ、それ?」 きょとんとする旭の耳元で、そっと慎也は呟いた。 「旭」 「おまっ…よくそんな恥ずかしいことを…」 それを聞いた旭の顔は更に赤みを増す。 「抱かれることだけ考えてろ、お前は」 にっこりと微笑むと、再び行為を再開する。 既に感じて尖ったチクビを慎也は甘く噛んだ。 「ッあ…、ぁあ!」 チクビでこれだ。下半身を今刺激されるとどうなるのだろう。 バスローブ姿の旭はもちろん、下着なぞ付けているわけもなく、性器がむき出しになっている。 慎也の愛撫でそれはどんどん大きくなった。 快楽をどこに表現してよいかわからず、旭はぎゅっとシーツを掴む。 その握力のせいでシーツはしわくちゃになっていた。 旭の下部分に指を這わせると、本体の方はびくびくと跳ねる。 面白がって慎也は何度も同じように指を使って愛撫した。 「イきたい?」 「…イか、ッせて」 指のみでそれを刺激し、快感の絶頂へ誘導する。 間もなくして白い精液がその先端から飛び出た。 「あ…はぁ、ッはぁ」 身体のいたるところが痙攣しているのが、徐々に落ち着いてきた。 「慎也…ッ」 求めるように旭は愛しい人の名を呼ぶ。 「何?」 「い、挿れて…ッ」 旭は蕩けそうな甘い顔で言った。 「慎也が…欲しい」 「お前は…俺を萌え殺す気か?」 口元を緩ませ、小さな声で慎也はこう呟くと、旭の穴の入り口部分に触れた。 「…ぅあッ…あ、ん…」 そこはくぷっと慎也の指を簡単に吸い込んだのだった。 「旭…、何でこんなに緩いんだ?」 「ッや、ぁ…な、…んて…?」 「誰かとヤったのか、俺がいないうちに?」 慎也は怒声をあげてそこに触れるのを一旦止めた。 「は…? 何言って…?」 「俺以外のヤツとセックスしたんなら正直に言え」 「はぁ!? ヤってねえし!!」 「じゃあ何でこんなに緩い?」 旭の内部を、指三本でかき回す。 と、そこはくちゅくちゅ鳴った。 「あ…慎ッ、やめ…」 「…ヤったのか? 俺以外の誰かと」 その慎也の声には怒りは含まれてなかった。 代わりに、とても不安そうに、悲しそうに聞こえた。 「違う、違うんだ…。お…お前と一緒だよッ」 いきなり大声を上げた旭の頬は紅潮しきっていた。 慎也はというと、旭の言った言葉の意味が理解できていないようだ。 「その…、だから! し…慎也を想って………察せよ、言うの恥ずかしいから」 慎也はきょとんとした目をしていたが、旭がそういった三秒後にはゆるやかな目付きに変わっていた。 「…どうしよう、旭。俺、嬉しすぎて心臓ドキドキ言ってる」 頭をかきなで、ついでに旭の口元にキスを落とす。 「悪かった、疑って。旭を愛するが故だ」 「アホなこと言ってないで早くしろ」 「わかったよ」 と言って頷き、慎也は旭の両脚をぐいと引き寄せた。 慎也の下半身を旭は軟膏の助け無しにいとも簡単に飲み込んだ。 「んッ…」 奥部に先端があたって旭は嬌声を漏らす。 「可愛い…旭」 初めはゆっくり、徐々に速く腰を動かす慎也。 その度に淫猥な音を立て、その部分はもう精液でぐちゃぐちゃになっていた。 「い…ぁ、ッあ…ん…」 突かれるごとに旭は快楽へ堕ちていった。 「あさ…ひッ、」 下半身を抜くことなく慎也は全裸の旭の身体を抱きしめた。 お互いにお互いの体温が感じられる。 行為が性行為なだけに平熱より確実に肌は熱い。 「…ん、やぁ」 密着した二人の距離はわずかに5センチと言ったところだ。 「慎…也……」 抱きしめられた状態で、旭は慎也の唇にキスをした。 旭自らキスするのは初めてだ。 酔った勢いなのか、それともシラフか、分からないが確実に唇をふさいでいる。 「ん…ふ、ぁ…」 された側の慎也は戸惑ったが、すぐに旭のキスに応えた。 舌をかき回す、深いキス。 愛しい人と過ごす最高に幸せの時間を二人は感じていた。 ………どうも、雪代旭です。 ようやく正気に戻りました。醜態を見せてしまって申し訳ない。 俺はもともとそんなに酒に溺れるタイプじゃなかったのになぁ。 …え? 溺れたのは酒じゃなくて慎也? すみません、今は突っ込む気には…。 あー、腰が痛い。ケツも痛い。 「おはよう旭」 普段より数段明るい声で横に寝ていた慎也が言った。 「…おはようってなぁ、一睡もしてねえだろ」 「でも朝だからおはようだろ?」 こっちはこんなにも体力奪われてるのに、何で慎也はこんなに元気なの? 不公平だ。 「つかお前、一晩に4回って何考えてんだ」 「4年分抱けって言ったじゃん、お前が。一年に1回は少なすぎるだろ」 「一気にヤるんじゃねーよ! こっちの身にもなれボケが」 俺はそう吐き捨てると慎也とは逆の方を向いてわざとらしく掛け布団をかぶった。 「ごめん、無理させちゃった? でもお前が誘ったんだぞ」 誘った…まぁそうかもしれないけど。 アルコールの摂取は気をつけないといけないな。 と俺は痛感した。 「さっさと着替えろ。お前の家に行くんだからな」 俺に笑顔を振りまくと慎也はベッドから降り、シャワールームに向かった。 「え…本気かよ…」 「当たり前だ。チェックアウト9時だから早くしろ」 やべ…止めないと俺、親に勘当されてしまうかもしれない。 こんな変態、ほっといたらダメだ。 「あーさーひー。早くー」 全裸からすぐに服を身に着けた慎也は俺を急かす。 あぁもううるせーな。こっちは疲れてるんだよ一晩中突かれまくって。 ようやく俺が着替え終わると、キャリーを持った慎也はすかさず手を引いて部屋を出た。 「ちょ、…なんだよ」 イヤに急く慎也に疑問を抱く。 「善は急げって言うだろ? 旭のご両親に早くお会いしたいんだよ」 そういや会ってなかったかも。 俺の方は会ったけど。 善は急げじゃねえよ。今から起ころうとしてることは全然"善"じゃねえよ。 カウンターにいる従業員さんに向き合ってチェックアウト と支払いを済ませる。 一応俺は慎也に言った。 「俺も半分払う」 幸い財布は持ってるし。 だが答えは、 「いらん。俺が予約したんだからお前が払う必要はない」 だ。 まぁ予想はしてたけど。 一旦そう言われるとテコでも揺るがないと思うので、俺はそれ以上言わなかった。 電車に乗った。 休日の昼間なのに珍しく車内は空いていて、二人とも座ることが出来た。 「お前のそれ」 慎也は俺の首元を指差して言った。 「前にも言ったかもしれないけど、婚約指輪がわりな」 「おま…っちょ、バカか!!」 もう一度言う。電車の中だ。 だから普通のトーンでそういうこと口走るな!! 空いてるっていっても乗客がいるんだ。一般人に聞こえたらどうする。 ……って、もう慎也には言うだけ無駄だけど。 はぁ。 その溜め息をついてからは、俺は慎也が喋りかけるのに"うん"とか"ああ"とか、曖昧な言葉でのみ返した。 疲れるぜ。私生活ならいいが、公共の場でコレだと、精神的に色々やられていく。 諦めるしかないってか? 「昨日の旭は可愛かったなぁ。俺を誘う姿勢がもう。な、また一緒に酒飲もうぜ?」 …どうやらそのようですね。 「ちょ、ちょっと待て。本気なの!?」 半ば強引に俺の家に入ろうとする慎也、を俺は必死で止めようとしているところだった。 「俺が冗談言ってると思うのか?」 いや、ま、今からやろうとしている行為は慎也ならやりかねないんだけども。 冗談言ってる姿ではないってことも分かるけども。 「大丈夫。絶対分かってくださると思うよ?」 「いやいやいやいや、お前は俺の両親の何を知ってそう言ってるんだ? 大体俺、慎也と…結婚するとか……言ってないけど」 「…そうか、"プロポーズ"忘れてたな」 慎也は歩を止め、少し考え込んだ。 それからキラキラした目で俺を見つめ、こう言った。 「旭、名字を"中田"にしろ」 「…は?」 俺は疑問の表情を浮かべる。 「ダメか。もっと違う言い方…」 また慎也は熟考し始めた。 ……そんな考え込まなくても。俺、結婚とか言われても…ピンと来ないんだよなぁ。 「旭。俺は浮気はしない。…子育ては出来ないけど、家事も手伝う。お前が"帰れ"って言った時間に必ず帰る。 経済面も、お前に苦労は絶対にさせない。だから、俺と結婚してくれ」 真剣な眼差しで慎也はそういう。 長い付き合いでよく分かる。コレは冗談を言っている目ではないと。 確かにアメリカなら州によっては同性でも結婚できるけど。 いやでも、男が男にプロポーズなんて違和感にも程があるってものだ。 俺はこういう場合、何て言えばいいんだ? 幸せにして下さいと言って慎也に右手を差し出すか。 ごめんなさいと頭を下げるか。 迷った俺の脳裏にこんな考えが過ぎった。 「…じゃんけんしよう」 「じゃんけん?」 「ああ。それで決める。慎也が勝ったら言うこと聞くよ」 「俺が負ければ別れるってことか?」 怪訝そうに慎也は問う。 「違う。俺はお前のこと、好きだか……そういう意味じゃなくって! 結婚とか考えないでオツキアイしましょうってことだ!」 ポロっと出てしまった本音に羞恥を覚えた俺は意味なく言葉の後半、大声を出してしまった。 「そんなことで運命を決めるのか?」 「いいんだよ、じゃんけんに決められることが運命なの!」 全然自分でも言ってる意味が分からない。 「じゃ、俺が勝ったら速攻ご両親に挨拶だからな」 「うっ…それは…」 俺は言葉を詰まらせた。 それとこれとは話が別…でもないか。 はぁ…、ま、なるようになればいいさ。 頷くと慎也は利き手を前に差し出した。 一発目で出たパーとチョキ。 "最初はグー"無しでやったのになぁ。 チョキは形を作りにくいから、相手が第一回目に出すのはグーかパー。 つまりパーを出しさえすれば負けることがないという戦法がある。 まして、"最初はグー"を行っていないとなおさら効果があるらしい。 だがその勝利方法はあっけなく崩された。 「最初はグーは無し、って言うからだろ。バカか」 慎也はくすくすと笑いながらからかうように言った。 …うん。そういわれるとそうだ。俺、頭悪すぎる。 だが。 じゃんけんに負けたことで一瞬は悔しいと思ったが、不思議と俺の心にマイナスな感じの気持ちはなかった。 「よし、じゃあ行くぞ」 今まで立ち止まっていた慎也は再び俺の家に入ろうとする。 「あ…、あー……」 俺がちょっと待って、とか言う間もなく慎也は俺の実家の扉を開けた。 あ、よい子は他人の家のドアを勝手に開けたりしちゃダメだぞ。 「お邪魔します」 ハキハキした声でそう言い、脱いだ靴を揃えると俺より先に慎也はずかずかと奥に進む。 一応、礼儀と言うものは携えてるんだな。 きれいに揃った靴を見て俺は思った。 アメリカで暮らしてたので土足で上がるのではないかとさえ思ったが、それは杞憂だったようだ。 「あーっ、慎也お兄ちゃん!!」 来客者を見に来たみぞれが嬉しそうに声を張り上げる。 「みぞれちゃんか? 成長したな。色々」 上から下まで視線をずらした後、慎也はみぞれの胸部に触れた。つーか揉んだ。 「何やってんだコラ。しばかれてえのか!?」 何だこのエロオヤジみたいなヤツは。そういうところは変わってねーんだな。 俺は平手を構え、慎也をはたこうとした。 「や…、くすぐったいよ」 しかしみぞれの方はそれを特に嫌がることなくけらけら笑っている。 ………おい。いいのか、妹よ。 思い返してみるまでもないが、中学生になった今でもみぞれは俺と一緒に風呂に入りたがったりする。 いや、入ってませんよ!? 流石にアレなので俺の方から断るくらいだ。 性に無頓着というか…。恥を感じないというか。 そのうち変なヤツに口車に乗せられてAV女優になっちゃうんじゃねーか? …はっ、これは失言だな。悪い、みぞれ。 まぁみぞれのことは置いといて。 来たこともないのに慎也はまるで住んでいるかのように家の構造を把握し、リビングに通じる扉を開けた。 え? 偶然だよな?? 休日とあって両親とも家にいる。 母さんも父さんもテレビを見ていた。 慎也が入っていくと二人とも酷く驚いた。 そりゃそうである。インターホンを鳴らさずして見知らぬ男が入ってきたのだから。 後から俺が追いかけるように部屋に入ると、両親は元の表情に戻った。 「お邪魔します。俺は中田慎也と申しまして――」 「えっと…ああ! 旭と恋人同士の? アメリカから帰省なさったんですね」 母さんがにこやかに言う。気のせいか必要以上に慎也を見つめながら。 …だから恋人同士とか誤解だって! 大分前に変な誤解をされたまま、両親とも俺と慎也は恋人だと思い続けているらしい。 いや、間違いでは…ないのだけども。 「ご存知だったんですね。なら話が早いです」 ぱっと顔が明るくなって慎也が言う。 「長旅お疲れでしょう? どうぞお掛けになってください」 と、父さんが椅子を引く。 すみませんと告げ、慎也は座った。遠慮知らずだ。 「それにしても…おキレイな顔立ちですね」 「お褒めいただいてありがとうございます」 みぞれは自分の部屋に戻ってしまって、ここには四人しかいない。 で、四人中三人がにこにこと笑顔。俺だけがフクザツな顔を浮かべて黙って座っていた。 「もう。ウチの息子なんかのどこに惹かれたんですか? 慎也くんとは全然不釣合いなのに…」 「そんなことはありません。俺にとっては物凄く魅力的に見えます」 …それってお前以外の人からは魅力的に見えないってことか? 何か腹立つな。 あと普通に慎也と、如何わしき会話を普通にしている両親もどうなのだろう。 こんなに楽観的な人たちだったっけ? 「実は旭とのことでお話があって今日、うかがったのですが」 うわ来たよ。二言目にはアレですよ。 いいじゃんもう! いい加減腹決めろよ、俺。 「お父さまお母さま、俺と旭の結婚を許してください」 はい言ったー。俺、今人生最大の難関を感じてるんじゃね? 俺は恐る恐る、目の前にいる二人の顔を見た。 もちろん、驚いている。そりゃそうだ。 「結婚? ではアメリカで暮らすということですか?」 「はい。旭には何の不自由もさせません。絶対幸せにします」 両親はお互い、顔を見合わせた。 そして、次の瞬間には…驚いたことに笑っていたのだった。 「あはははは、それはいいですね!」 へ? はぁ??? 何、何が起こってんの? 俺が驚愕すること、分かってくださいますよね? だって普通、同性愛はどうしても偏見をもたれるから、世間体とかを気にして絶対反対だといわれると思ったんだ。 実際、俺が男である慎也を好きだってことを両親は親戚にも誰にも言わなかった。 家の中でたまに話題に出ることはあったが、俺は両親とも内心不安を感じているのではと思い込んでいた。 結婚となると、いつかみんなにバレるんですよ? いいのか、両親。 「アメリカに住んで英語が喋れるようになったら、旭も少しは賢く見えるわよ」 「いやぁ、就職先がなかなか見つからなかったからなぁ。でも嫁ぎ先が見つかってよかったなぁ」 二人とも朗らかに笑いながら言ってる。 …こんなに呑気な人たちだったんだ。 21年間付き合って初めて知ったよ。 「では、許してくださるということですか?」 「こちらからお願いしたいくらいですよ。もう人間一人いるのといないのでは全然かかるコストが違いますもの」 コストって何だ。 っていうかいいのか? それでいいのかー? 「ありがとうございますッ!」 椅子から立ち上がり、大袈裟に慎也は礼をした。 「旭も慎也くんと一緒に暮らす方が良いだろう?」 と、父さん。 …え。頷く場面じゃん。 ここで頷かなければどんだけ空気の読めないヤツであることか。 俺は父さんの問いかけに渋々頷く。 あ、ごめん。訂正。本気もかなり交じっている。 「じゃあ早速手続きを始めさせていただきます。旭、パスポートって持ってる?」 もう始動するのか? と聞く前に俺は慎也の質問に答えた。 去年に研修旅行でイタリアに行ったから、パスポートは持っている。 「良かった。じゃあ向こうに持って行く分の荷物、まとめてくれるか? まとめさえすれば後は俺がするから」 何か展開早いなぁ。 わかったと頷き、俺は物置に向かった。ダンボールを引っ張り出してくるためだ。 「俺も手伝うよ」 慎也はそういうと、両親に向かって再び頭を下げて俺の後ろについてきた。 旭は何も心配しなくて大丈夫。俺が全部やるからな。 慎也がそう言ったとおり、一週間もすれば俺がアメリカに移住するための手筈が整っていた…らしい。ピンとこないが。 荷物は全て、新居に既に届けてあるという。 俺は財布やらパスポートやらを入れるための小さめのカバンのみを持ち、空港に到着した。 みぞれと父さん、母さんも付いてきた。 向こうで2、3日過ごすらしい。 「ごめんね、慎也くん。新婚なのに邪魔しちゃって」 「いえ、とんでもございませんよ」 またもや慎也と両親は呑気に喋りあっている。 「わーいッ! あたしお仕事以外で外国なんて始めて~」 みぞれは無駄にテンション高い。 まぁそんなこんなで搭乗時刻になった。 ずっと前は置いていかれた搭乗口に差し掛かる。 今日は…慎也と一緒。 スーツケースを預け、パスポートと搭乗券を提示していざ、飛行機に乗る。 出発準備は完璧だ。あとは寝て待つのみ。 「旭、愛してるよ」 エコノミーの指定席に座り、シートベルトを締めて一息ついたときに慎也は俺にそう言った。 「…あっそ」 普通の人がたくさんいるんだぞ、とはもう突っ込まない。無駄だ。 「お前のセリフは"あっそ"じゃねえだろ?」 「は? 相槌打つ以外に何やればいいって言うんだ?」 「俺もだよ、とかさぁ」 「ハイハイ、俺もだよ」 溜め息つきつつ俺は面倒くさそうに言った。 すると慎也はいきなり俺の顔を自分の方に向け、おもむろにキスを始めた。 「は…っん、……?」 突然の事で驚く。が、慎也は気にしていない。 「ん…ぅ、」 くちゅっと口の中をひと舐めすると、慎也は唇を離した。 「ぷはぁッ、…いきなり何だ?」 「旭、愛してる」 慎也は真剣な目でもう一度そう言った。 「え…? あ、えっと…」 視線は自然にそれて言葉もどもる。 「お、俺も…愛してる、よ…」 そう言わないと何度でもやってきそうだからな。慎也は。 「よし、よく出来ました。向こうについたら嫌になるまで抱いてやる」 そう勝ち誇った笑みで言うと、俺の頭をくしゃくしゃ撫でた。 …あぁ。 なんでこんなに変態なんだ。 普通だったら警察に速攻御用になるくらいの変態さ。 人目を気にしない傍若無人っぷりで根拠はたくさんあるけど自信家で。 でも俺はそんな慎也が、好きなんだよなぁ。 向かうは自由の国。これからは今までの比でないくらい変態生活が待っていることだろう。 しかし俺は、想像して恥ずかしいと思うことはあっても、嫌だ、とはもう思わなかった。 完 完結後 番外編
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/409.html
213: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 17 21 10 私は秋山に刺した包丁を抜き、女の子に近づく。 女の子は怯えているのか逃げようとしない。 「ねぇ、あなた・・・名前は?」 私は怖がられないように優しく問いかける。 まぁ殺すことにはかわりないけど。 「・・・あなたこそ誰?」 えー?めんどくさいな。 「質問に質問で返さないでよ。答えになってないし。 もう一度聞くけど・・・誰?」 だんだんいらいらしてくる。 私は赤い包丁を光らせる。 「・・・森永芽衣子」 私は微笑みかける。 その一方で彼女は笑わない、いや、表情ひとつ変えない。 あきらか警戒されてるなぁ。 「私は佐野蘭。よろしくね、芽衣子ちゃん」 え?なんであっさり名前を言うかって? そんなの・・死ぬ子に聞かれても問題ないでしょ? 「で、もう1つ聞くけど・・・ どこから見てたの?」 「・・・・」 だいたいなんでこんなところにいるの? ていうか芽衣子ちゃんって何者? こんなとこで何してるの? まぁ相手も同じ事を思っているとおもうけど。 「あなたが・・・俊の顔にボールを投げてたとこからずっと」 ふーん、結構最初じゃん。 「というか何者?あなた」 「私は俊の彼女よ!あなたこそ・・」 なんかだんだん強気になってる。 こっちはあんたを今すぐ殺すこともできるのに・・・ 「私・・?私は・・・・」 自分でもわからない。 何者なんだろう・・ でもひとつははっきりとわかる。 「狂った殺人鬼」 214: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 17 35 47 「殺人鬼・・?俊を殺す気なの!?」 いや、今までを見てたら明らかそうでしょ。 「うん」 「ふ・・ふざけないで!」 彼女ねぇ・・・ あー、いいこと思いついた。 「山田!芽衣子ちゃんをエスコートして?」 「・・・っはい」 山田は茂みから姿を現し、芽衣子ちゃんの両腕を掴む。 さすがに力はあるでしょうね。 「だ、誰?警察?放して!」 必死に抵抗するが、びくともしない。 私はそのまま彼女の手をロープで縛る。 さてさて、愛の関係ももはやここまでね。 「二人とも、私どっちか一人を殺すわ。 芽衣子ちゃんを殺すなら秋山を、 秋山を殺すなら芽衣子ちゃんを助けてあげる。 さぁ、選んで」 究極じゃないけどこういう選択肢、あなたならどうする? 二人の答えは予想通り・・・ 「し、俊を殺して・・」 「芽衣子・・っ!」 お互い相手の名前を言う。 はい、残念。 これがお互いの本心。 結局は両方殺すけどね。 「じゃあ二人ね。山田、あんたは芽衣子ちゃんね」 私は山田にナイフを渡した。 山田は迷うことなく芽衣子ちゃんの胸に突き刺す。 「きゃああぁぁ・・・ぁ・・」 芽衣子ちゃんの声はどんどん弱っていく。 芽衣子ちゃんはすぐに動かなくなった。 「で、秋山。あんたはここでね」 私は秋山を引きずって神社の裏に連れて行く。 私が手を汚さなくても出血死するだろう。 あーあ、次のターゲットは誰にしようかな。 215: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 17 45 45 「山田、あんたは予想以上の働きを見せてくれるわね」 「・・どうも」 あまり嬉しくなさそうに言う。 あー昼って暇。 龍が死んでショックで学校もバイトも辞めたし。 友達にも・・合わす顔がない。 同情されたくない・・・ ! 私は窓から外を見ているとあるものに目が行く。 「山田、止めて」 私は車を止めて近づく。 「・・・捨て猫・・か」 二匹いたが、もう片方の大きめの猫はもう死んでいるようだった。 もう一匹の小さな猫はにゃーにゃー鳴いている。 「・・かわいそうにねぇ・・きっと兄弟なのね」 私と同じ立場か。 家族が死んで一人きりで・・・ でもまったくかわいそうとは思わない。 「・・・・」 私は無意識に猫を持ち上げ、電柱に投げつける。 猫はその衝撃で死んでしまった。 「兄弟のとこへいきな・・」 私のココロは完全に壊れてしまった。 もう嫌になってきた。 いきなり自分のしてることがばかばかしくなってきた。 もう龍の学校の生徒を殺して終わりにしよう・・・ 216: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 17 55 37 時はどんどん過ぎていき、龍の学校でマラソンが行われる日がくる。 「・・・これで目標を・・」 「・・・・・」 山田にはどんどん笑みが戻っていく。 多分もうすぐ私を殺せるからね。 「さぁ、あんたの最後の仕事・・・ 山田として一緒に味噌汁を作って毒を入れてきなさい」 やっと龍の無念が晴れる・・・ まってて龍。もうすぐだから。 同時にここで私の人生も幕を閉じるから。 217: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 18 00 34 時間は流れ、あっという間にマラソンは終わった。 「みんな、味噌汁できたぞ」 「わー美味しそう!」 「いただきます」 みんながつがつ食べておかわりする。 毒入り味噌汁だって気づかずにね。 山田は誰にも見つからないように抜け出してくる。 「よくやったわ。山田」 「・・・俺はこれで解放・・ですか?」 「えぇ、家に帰ったらね」 山田はギュっと拳をにぎって喜びを表現する。 そんな・・・ハッピーエンドな訳ないじゃない。 山田、あんたにはバットエンドがお似合いよ。 218: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 18 19 31 しばらくすると生徒達が体調不良を訴える。 「先生・・・俺気持ち悪い・・」 顔が? 「先生・・・苦しい」 ざまぁみなさい。 生徒達はやがてどんどん倒れていく。 そして泡を吐いて次々と死んでいく。 先生も。 一年生も。 ふふ、いい気味。 これでようやく死ねるわ。 「山田、開放したげる。家にきなさい」 そして・・・ 私の人生の幕が閉じようとしていた。 219: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 18 37 44 数分後、家に着いた私は先に家に入る。 山田を外に待たせて・・・ 電話をかけるためにね。 どうせ開放されてすぐ殺す気なら・・。 警察に見てもらおうかなって。 「も、もしもし!銃を持った男が・・・!きゃっ・・」 私はそのまま演技に拍車をかけ、わざと電話を落とす。 多分そんなに遠くないからすぐ着くでしょうね。 私は山田を呼ぶ。 「あんたは今日で解放。お疲れさん」 山田は嬉しそうにし、何もしない。 「銃とか返すわ」 山田の笑みは銃を渡すとともに最高になった。 「私を殺すんでしょ?」 「・・・!」 気づいてないと思ったのかしら? 「もううんざりだ。お前はここで俺が殺してやる!」 あーあ、言っちゃった・・・ 気づいてる? 電話はまだ繋がってるのに・・・ 「山田、私を殺すとあんた不幸になるよ?」 「命乞いなんか聞かん!」 本当のことなのに。 「やめて!山田さん!」 私は電話に届く声で言う。 「死ねぇ!佐野蘭!」 バーン!! 私の胸に銃弾が打ち込まれる。 そして私の人生は幕を閉じた・・・ 7日間の醜いゲーム。 続き14
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/328.html
127: 名前:HARU☆02/02(水) 18 42 54 昨日は奏太くんにも会わず、しかもメールもなかった ……なんかあったのかな 「予算オーバーだから、もっと格安な案考えてっつーの!」 今は朝のHR 今月末にある文化祭の案を今日中に提出しなきゃいけない満里奈は 朝から予算内ですむ案をクラスでもう一度取り直してるんだけど… 「教室一体お化け屋敷にしてさ」 「いやいや、格安っぽい芸能人呼んで」 「てかいっそのこと校外でやる?」 「馬鹿かあんたらはーっ!」 この通り、みんな言いたい放題で全然話がまとまらない 満里奈怒らせると機嫌治らないんだからーっ 「コスプレ喫茶」 みんなの意見がピタリと止まる 挙手をして発言をしたのはクラスのムードメーカー、八尾くん 「こ、こすぷれ?」 「演劇部に衣装を借りればそこに費用は発生しないし 飲食代と装飾品くらいだったら余裕で予算内じゃない?」 満里奈が顔を困らせて聞き返したが八尾くんの発言には筋が通っている 周りも少しずつ賛成の声が盛れ始める 「いいんじゃねー、楽しそうだし!」 「なんかわくわくしてきたあっ」 「満里奈っ、予算内だしオッケーだよねっ?」 「ま、まじか…」 満里奈は悩ましそうな顔をしたが時間も迫っているため 「じゃあ…、コスプレ喫茶で…」 仕方なく同意し、決定を下した 128: 名前:HARU☆02/02(水) 18 57 44 昼休憩、満里奈が演劇部からいくつか衣装を借りてきてくれた 軽い試着会みたいなものだ 「ねぇねぇっ、似合うーっ?」 くるみはメイドの格好に着替え、教室に登場 ふわりとした黒い長めのスカートに、それに合ったカチューシャ そして柔らかい髪の毛を耳より高く二つに結んでいる ぴょこっ、という効果音がぴったりだ 満里奈とのりのもとへ走り、くるりと一周する 「おー、似合うじゃん」 「くるみはそれで決まりね」 他の女子でさえ、くるみに見とれてしまう 男子はというと心の中で大興奮状態 ご主人様と言われたい、などと悶えている様子 「そうだっ、奏太くんに見せてこよーっと!」 「ちょ、くるみっ?」 メイド姿のまま教室を出て、校内を走る 他のクラスの人も他学年も顔を赤くし、くるみを凝視する 「奏太くんに見せるって…」 「この前どんな顔して会おうって言ってたのに、どーするんだ?」 満里奈とのりは教室で心配しているような呆れたような様子だ 129: 名前:HARU☆02/02(水) 19 35 31 一年の教室に着く前に友達と廊下を歩いている奏太くんを発見した 「かっなたーくーんっ!」 「え…、って、うわ!」 振り向いた奏太くんに飛びながら抱きつく それを慌てて受け止める 「なっ、なんですかその格好!?」 「メイドさーんっ。ねねっ、萌える?」 「萌えってゆーか…」 いつも萌えさせてもらってるから今度は私が萌えさせたいなーっと ……あれま、黙っちゃった? 「それ、…反則でしょ」 「相沢先輩!萌えます!」 後方の子の発言はおいといて、…反則? メイドさんより家庭教師の衣装の方がよかったとか? 「ご主人様、なんちゃってーっ」 「またそういうこと言う…、あのね「あぁあっ!」 奏太くんの言葉を遮って大声を出す お、思い出した…! 私、奏太くんに襲われて…、や!未遂だけども! メイド服見せたい一心で忘れてた…! 「くるみ先輩?」 「え、わっ!なんでもない!…っまたね!」 自分の顔がみるみる赤くなるのがわかる 握っていた奏太くんの腕を慌てて離し、走って教室に戻る 「……奏太くーん、あなたも顔が赤いですよ」 「…うっさい」 くるみと同じく顔を赤くしている奏太がいた 133: 名前:HARU☆02/03(木) 20 59 19 慌てて走りながら教室に戻る 「うわあっ」 「相沢っ?」 曲がり角から出てきた八尾くんの胸に軽くぶつかる 私の身長じゃまあ…、普通に胸にしかぶつかんないわな 「まだメイド服だったん?」 「なんかテンション上がっちゃって、えへへ」 そう笑うと八尾くんが頭をぽんぽんと叩き ぶつかってごめんね、と言ってくれた 私が跳びだしたのに…、優しいなあ 「周りも騒がしいし戻ろっか。教室でしょ?」 「うんっ」 八尾の言った、周りも騒がしいとは メイド服のくるみを見る他人の声のこと いつものことながらくるみ本人は自覚なし 「文化祭楽しみだねーっ」 「ぷっ、なんか相沢子供みたい。遠足楽しみな小学生?」 「ひっどー!列記とした高校二年生です!」 ぷんっ、とわざとらしくはぶててみる 八尾くんはごめんごめんと笑って謝る あ、八尾くん笑った顔ってなんか幼いな うんうん、新発見だ 137: 名前:HARU☆02/04(金) 18 26 21 「相沢彼氏いんでしょ?」 八尾くんが会話の最中に聞いてきた この間のことを思い出し、顔が赤くなる 「い、いるよ?」 「あらら?赤くなっちゃって可愛い~」 「ちっ、違うの!もう!」 いやらしく笑ってくる八尾くんに余計恥ずかしくなる あぁ~っ、今奏太くんの話されると本当どうしていいやら! 「この学校の一年だっけ?サッカー部の」 「う、うんっ」 「ねねねっ、どこを好きになったわけ?」 楽しそうに面白そうに聞いてくる 男の子とこういう話したことないから恥ずかしい! しかもなんて答えればいいやら… 「か、可愛いんだけど、男の子なとこ…?」 「やっぱ年下だもんなあ、可愛いよなあ」 八尾くんはそっかそっかと頷く でも…、なんてゆうか 「今は…、年下だから好きっていうわけじゃないかなあ」 「へ?だって相沢、有名なくらい年下好きじゃん。 告白の返事には定番の答えになってるくらいさ」 確かにずっとそうだったけど…、最近ちょっと変わったかも 「…奏太くんだから、好き。…みたいな?」 「ふうん」 「…わ、私何言ってんだろねっ!ささっ、帰ろ帰ろ!」 自分で言って自分で恥ずかしくなる 本当私、奏太くんと付き合って変わったんだなあ… 138: 名前:HARU☆02/04(金) 19 22 16 八尾くんと教室に戻る途中、数学教室から一年生が出てきた もうすっかり見慣れた人 その子は私に気付きこっちを向く 「…何その格好」 「文化祭の準備。朱美ちゃんは?」 「数学教室から出てきたら数学の先生に用があったに決まってんでしょ」 面倒くさそうな顔をして話す朱美ちゃん 相変わらず言葉がとげとげしてる 「なんか強気な一年生だね。相沢の後輩?」 「いやー、後輩ってゆうか「赤の他人」 私が答える前にザクッと朱美ちゃんが答える しかも超棒読み 「…相沢くるみ」 「は、はい」 急に真っ直ぐな瞳で言うからドキンとした なんだか…、雰囲気違う 「奏太に自分の気持ち伝えた」 「え……」 心臓が大きく鳴った 自分の気持ちって…、 私が硬直してると横を通り、去り際に 「あんたになんか負けないから」 と真っ直ぐな声を残していった ……嘘、 どうしたらいいかわからない 朱美ちゃんが自分の気持ちを自覚したことに 奏太くんに既に想いを伝えたことに てゆうか全部に驚きを隠せない… 「相沢」 「え、あ…っ、何?」 「大丈夫?」 八尾くんが気遣ってくれる 今の話、普通に聞いてたもんね 「だ、大丈夫!信じてるもん!」 八尾くんは無理しないでね、と言ってくれた 全然平気と私は笑った ……笑ったけど、不安の渦に巻かれている 144: 名前:HARU☆02/05(土) 17 30 03 自分の気持ちに素直になった方がいい 嘘をつくと自分が辛いよ そう朱美ちゃんに言ったのは確かに私だった もしかして本当に上から目線になってた? 私なら大丈夫だって思ってた? ……確かめなくちゃ 6限が終わり放課後になると勢いよく席を立ち 先生よりも圧倒的に早く教室から飛び出す 行き先は一年五組、北條奏太 部活に行く前に聞かなくちゃ…! 「奏太くん!」 教室に着くなり、奏太を呼ぶくるみの声に奏太以外の人も振り向く それは驚きだったり、有名人のくるみ見たさだったりと様々 「くるみ先輩?びっくりしたー、どうしたんで「こっち来てっ」 教室に入り、奏太の腕を引っ張りながら外に連れて行く その姿を見ていた奏太のクラスの男子の心の中は (う、羨ましいっ…) (生くるみ先輩超可愛い) (俺も握られたい…) (むむむ胸があたってる!) と、表情も心も下心も丸見え状態であった 145: 名前:HARU☆02/05(土) 17 50 15 清掃に使われていない北階段の方へと連れて行く 「なんで言ってくれなかったの!」 「な、何をですか?」 奏太くんは?マークをたくさん浮かべている 遠回しに言ったって仕方ないこと 「…朱美ちゃんのこと!」 目を丸くし、口に手をあてる やっぱり…、本当だったんだ 「いつ…」 「へ?」 「い・つ・告白されたの」 「き、のう」 「なんで言ってくれなかったの」 「…や、言うタイミングなかったし…。 俺と朱美の問題なのかなあー、…と思いまし、て」 ぎこちなく説明をする なんか…、むかつく 「奏太くんの彼女だったら関係ないことなの? 奏太くんが誰に告白されようが私には関係ないことなの?」 「いや、そういうわけじゃ…、ね?」 なーにが「ね?」よ! むかつくの可愛いの萌えるの! 今、萌えさせなくてもいーじゃん! 「大馬鹿奏太ーっ!」 「うえぇっ?」 奏太くんは気の抜けた返事をする 「信じろって言ったじゃん!じゃあ隠すなっての! こんな話の最中にもいちいち萌えさせんなってーのーっ!」 「あ、あのね、隠すつもりはなかったし、 途中から話変な方向に曲がってるんですけど…」 困った表情をする奏太くん そんな顔も好きだよくそうっ! 「だ、大丈夫です。今日の朝、朱美にはちゃんと断りましたから」 「でも朱美ちゃんは諦めてないもん。宣戦布告されたもん」 「はあ?」 また抜けた返事をする "負けない"って、 そう言われたんだもん 147: 名前:HARU☆02/05(土) 18 08 18 私より朱美ちゃんの方が学校で奏太くんと一緒にいられる 何が起こるかわかんないじゃん… 「ご主人様のメイドは私だけなのーっ!」 「げほっ、……んなっ、何言ってるんですか!」 奏太くんはむせて顔を赤くする 「だって私メイドさんだもん」 「文化祭の話でしょ…」 「あ、そういや似合ってた?私のメイドさん」 お昼に奏太くんにメイド姿を見せた時に それらしいコメントを貰ってないことに気付き尋ねてみる やっぱり気になるじゃん 「…似合ってました」 「ほんとっ?やったあっ」 そう言われるだけでテンションが上がる 文化祭頑張っちゃお! 「…じゃあ、そろそろ部活行かなきゃなんないんで」 「あ、うん。なんか、ごめんね?」 そう言うと優しく笑って頭をぽんぽんとしてくれた 「とにかく、信じてて下さい」 「了解っ」 敬礼のポーズでそう答える 奏太くんと目が合うと唇が重なり 5秒くらい経った後、普通に唇が離れる 急な出来事すぎて私は硬直状態 「…部活前に、充電」 私の唇に人差し指をあてて低い声でそう言うと 奏太くんは一人、教室へと戻っていった ……なんだあいつ 顔がカァーッと赤くなる は、ははは反則でしょ! 萌えます。年下男子 続き6
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/72.html
297: 名前:灰人☆11/12(木) 20 13 02 【さぁ、受け入れ準備を】 「んっ……」 啄むような接吻けを何度か唇に落とされて、不意に深く口内を貪られた。それに応えればゆっくりとベッドに押し倒される。 気付けばいつの間にか、おれは一糸纏わぬ姿にされていて、何もかもを目の前の彼に曝す事になっていた。もちろん恥ずかしさもあったけど、そんな事すぐに気にしていられなくなる。 「あっ…… そこだめ……」 膨らみも、柔らかくも無い平らな胸を執拗に触られる。指先で小さな乳首を摘まれて、指の腹で擦られて。たまに思い出したように爪で引っ掛かれればピリッとした痛みとなんだか危ない感覚が背筋を走った。 「可愛いな。こんな小さいのに自己主張が激しい」 「そんな、弄るな……」 細やかな抵抗を試みるけど「なんで?」と敢え無く却下される。その上、片手は胸を弄ったまま、もう片方の手が下半身の方に伸びてきた。 胸を弄られて僅かに反応していた股間を掴まれてやわやわと揉まれる。 「あ…… あっ、あ……」 自分のそれが、あいつの手の中で硬度を増していくのが分かる。腰が重い。何かが奥の方でぐるぐると渦巻いているようだ。 いつの間にかおれはもっと強い刺激が、快感が欲しいと思い始めるようになっていた。早くこの腰の辺りに滾るものを放出してしまいたくて仕方がない。 「あ、あん……ね、舐めて……」 「良いよ」 「あっ……! あぁ、ああっ!」 温かくてぬるつく口内におれのが包まれる。 やば……気持ち良い……。 「や、あ……あ、もう……もう、あぁっ」 「んふ……イク?」 「やぁ、喋っ、ちゃ、だめだ……て!」 おれのを銜えられたまま上目に聞かれて喋った息と窺うような視線に身体と顔がカッ、と熱くなった。 頭を振ってやり過ごそうともするけど、どうにもならない。どんどん絶頂へと追いやられる。 「あ、あっ……イク、あぁ--……ッ!」 昇り詰める感覚。強烈な快感に目の前が真っ白になった。なんだか違う空間にでも投げ出されてしまった感覚。地に足がつかない、それこそ空へと飛び立ったようなそれ。 自分でも訳が判らない。 「……濃いな。溜まってた?」 身体の熱が急激に沈下する。未だ達したせいで朦朧とした意識の中、あいつが自分の手の平に何かを吐き出したのを確認。それが何なのか判ったのは、吐き出したものを後ろの窄まりに塗りたくられてからだった。 「俺も、気持ち良くさせてな?」 「ん…… 一緒に、気持ち良くなろ……」 さぁ、受け入れ準備を。 ここからが本番だ--。 ※※ 久し振りのエロw でも寸止め…orz 313: 名前:灰人☆11/13(金) 21 34 57 312 まさかの改行忘れ← 焦り過ぎだ自分ww← 改訂版です。すみませんm(_ _)m にしてもさっきの読みずら過ぎる…orz 横書きはこれだから…← ※※ 赤ずきん、って知ってる? そう、お婆さんの所にお見舞いに行こうとして狼に食べられちゃうんだけど、最後には猟師さんに助けられてめでたしめでたし、って終わるあの赤ずきん。 じゃあ、その赤ずきんちゃんにはもう一つのお話があるのは知ってるかな? 今から紹介するお話は赤ずきんちゃんが好きな人は読まない方が良いと思うよ? 大丈夫? それじゃあ、話すね? 【狼と乱交する黒ずきん】 「ふふっ、あぁッ! っもう」 深い緑に囲まれた森の奥の更に奥深くにあるお花畑に高めの声が響いていた。 その声は子供特有のものであるのと同時に、娼婦のような妖艶さも兼ね備えているなんとも不思議なもので。 声の主でもあるその少年はいつも小さな頭を黒い頭巾ですっぽりと覆っている為に普段皆からは黒ずきん、と呼ばれていた。 そんな黒ずきんの側には美味しそうな香りを立ち上ぼらせるパンの入ったバスケットが無造作に置かれていたが、きっと今の黒ずきんの頭の中にはバスケットの事など一欠片も残されていないだろう。 トレードマークともいえる黒ずきんだけでなく、身に着けている衣類の全てがお花畑の至る所に脱ぎ散らかされている。 「あ、あぁんッ! 狼さんって、ばぁ!」 黒ずきんはお花畑の真ん中辺りに肌を晒したまま寝転がり、自分に覆い被さって好き勝手揺さぶる相手に抗議にも似た声を発した。 「なんだい? 黒ずきん」 黒ずきんの鈴を転がしたような可愛らしい声とは真逆の、低めの響く声が返事をする。 狼と呼ばれた男は闇に溶けてしまいそうな漆黒の髪を揺らしながら、絶えず黒ずきんを揺さぶる動きを止めようとはしない。 自分の下であられもなく白い肌を晒し、淫売染みた嬌声を上げる小さな少年は狼の征服欲を煽る要因としては十分過ぎた。 それを理解している上で、黒ずきんは狼とこうして戯れているのだからどうしようもない。 「もうイカせてよ、狼さんっ」 そう言った黒ずきんの中心では、未発達の小さい身体とは不釣り合いな程に巨大で赤黒い性器が先端の穴から先走りを溢れさせ、自身の腹部を汚していた。 自らも腰を揺らし解放を切望する黒ずきんの様子に、狼は真っ赤な舌で自分の唇をペロリと舐めて濡らした。そしてすん、と鼻を鳴らす。 「イキたいかい?」 「うんっ。狼さんの大きいアソコで僕をイカせて?」 恥ずかしがる様子も見せず、むしろ挑発的ともいえる様な妖しい笑みを浮かべた黒ずきんに狼はそれまでも十分に激しかった律動を更に激しいものにする。 自分の内部を狼の凶器ともいえる雄に掻き乱されながら黒ずきんは恍惚とした表情で狼を更に煽ろうと声を上げた。 「ああんッ! イイッ、狼さんそこイイよぉッ! あッ、あッあ、はぁああンっ!」 「ココ、かい? 黒ずきん」 「あん、そこっそこぉぉっ! 気持ちイイのぉっ、ぼく壊れちゃうよぉぉ!」 黒ずきんの思惑通り、乗せられた狼は黒ずきんに満足して貰おうと必死に腰を動かせる。かく言う狼も、自分自身に絡み付いてくる様な熱く柔い黒ずきんの内壁に限界が近かった。 見れば、いつの間にか黒ずきんも小さな手で手に収まりきらない程猛る己の性器を扱き絶頂へと駈け登っている所だった。 それに魅せられた狼もまた自身の絶頂の為に腰を更に振り、打ち付けた。 「イクッ! 狼さんイクイクッイクゥッ!」 「うッ……ぁあッ!」 黒ずきんの性器から白濁が迸るのとほぼ同時に狼のタネが黒ずきんのうねる腸内に植え付けられる。 しかも、黒ずきんの射精がすぐ終わったのに対し狼の射精は長かった。 確実に子孫が残せる様にと作られている狼の身体の構造上、長い射精が続いている間は性器もぱんぱんに膨らみ抜けないようになっている。 まるで尿をされているかの様な程に長い狼の射精を胎内に受けている黒ずきん。 長い射精で恍惚とした狼と同じ様な表情で黒ずきんも、狼の長い射精の感覚を自分は胎内で共有していた。 「狼さん。終わったのは良いんだけど、狼さんの長い射精のせいで僕のアソコ、また大きくなっちゃったよ」 「本当だ。もう一回しようか?」 少々赤味が差した頬を膨らませた黒ずきんに促され黒ずきんの中心を改めて視認した狼は、一度抜きかけた自身を再び黒ずきんの奥深くへと埋める。 狼の返答に満足した黒ずきんは、今度は狼の腹の上に馬乗りになって逆に狼を散々食らったそう。 「あ、ああぁンッ」 当分は森に静けさは戻らなそうだ。 気付いた時にはパンなんてカチコチで、 お婆さんなんて餓死してるかも。 314: 名前:灰人☆11/13(金) 23 27 53 【暗闇遊戯】 僕の彼氏は少し、いやかなり変わった所がある。 「今日は目隠ししたいな!」 これだ。二人、ベッドに乗り上げ一糸纏わぬ姿になったところで言われたそれ。別に僕にしたいんなら、彼は僕を抱いてくれる側だし“かなり”変わってるとは言わないかもしれない。 「あぁ、うん。良いんじゃない?」 「ほんと!? やった! じゃあ早速……」 一気にテンションの上がった彼が、手にしていた黒い布で自分の目を塞ぐ。 そう。彼は自分が“抱く側”なのにも拘らず、自らを拘束したりするのが好きなのだ。 これが変わっていないとなると、何が変わっていると言うのだろう。ぜひ教えて欲しい。 目は見えずとも、興奮しているのが見て取れる彼に僕は思わず小さく溜め息を吐いた。 それでも文句一つ言わずに付き合う僕を誰か、褒めて欲しい。 「ね、良い……?」 「あ。ちょっと待って」 目隠しをした彼に低く聞かれて、反射的に頷きそうになりながら僕はハタと思い出したこの部屋で唯一の光源だったスタンドライトを消した。 いっそ真っ暗にしちゃえ。 とはいえ、僕は夜目が利く方だから彼の姿は見えている。 「良いよ。--キて? ここだから」 「うん」 見えていない彼の腕を僕の身体に導く。探るような動きをする彼の手は、次にどんな事、触れ方をしてくるのかが分からないんだ。 「んんっ!」 「これは……乳首かな?」 感触で分かっているくせに。 わざとらしく聞いてくる彼はサドなのかマゾなのか本気で分からないよ。 「あ、ちょっ……ひあぁっ!」 「ん? これは何だろ? 硬くてぬるぬるしてるけど……ねぇ、教えて?」 サドに一票。 それこそ分からない訳が無いのに、わざとゆっくりと手を上下させながら聞いて来るけど、とてもじゃないけど答えられる訳がない。 喘ぎながら頭を振る。でも見えていない彼にはそんな事は分からないから、僕を責め立ててくる手も言葉も止む気配がない。 「やっぱり君はイヤらしいね」 「あ、あっ……見えて、ないくせに……」 暗闇遊戯。 夜が明けない限り終わる事はない--。 315: 名前:灰人☆11/14(土) 13 24 13 【散らす言葉】 俺の恋人は俗に言うMだ。因みにドMとまではいかない。言うなればちょいMってところだ。 「あ、あっ、だめ、ぇ……」 「ダメ? 嘘吐くなよ。お前のココ、もうびちょびちょなのにさ」 そんな可愛いコイツが一番好きなのは所謂“言葉責め”ってやつ。自分の痴態を口にされるとただでさえ感じやすいのが更に感度を増す。 今だって、ぬるつくモノの事を言われて更に蜜を垂らして俺の手を濡らした。いやいやをするように頭を振って、違う、と言ったところで身体は本当に正直だ。 「ちが、違うぅっ……ぁあっ!」 「へぇー? それなら、俺の手を濡らしてるこれは何なんだ? 嘘つきには、お仕置きが必要だな?」 俺の方もなんだか乗ってきて、こいつを更に追い詰める様な事を口にする。こいつの被虐趣味は今に始まった事じゃ無いが、俺も同じようなものだ。 組み敷いた相手が恥ずかしがったりする表情や仕草は堪らなくそそる。 「どうする? このはしたなく汁を漏らすモンの根本を縛るか? それとも、いっそ蓋でもするか?」 言いながら張り詰めているそれを根本から先端の小さな穴まで濡れた指先でなぞってやると、こいつはもっとしてくれと言わんばかりに腰を上擦らせた。 その光景はまさに眼福だが、そう簡単には望みは聞いてやらない。 「どうして欲しいか、言えるよな?」 「あ……や、あぁ……」 あくまで尋ねるような口調。だが、その中に有無を言わせない雰囲気をしっかりと感じ取ったこいつは、逡巡する様子を見せた後に、耐え切れなくなった様に口を開いた。 「イ、イカせて……下さい……」 俺は敢えて答えずに、屹立し震えるそれを根本からゆっくりと扱き上げた。 最初は口でしてやろうかとも思ったが、甘やかしすぎるのは良くないからな。これで十分だ。 「あ、ああっ、うあっ、んっ、あっ--」 扱く手の早さを上げればそれに合わせて嬌声の間隔が短くなり、絶頂が近いのが分かる。追いやるように敏感な先端部分を指の腹で強く擦ってやった瞬間、俺の手の中でそれが弾けた。 ぶるぶると腰を痙攣させて白濁を自分の胸や腹に飛び散らせて汚す。 「ほんと、イヤらしいな--」 散らす言葉。 俺が呟いた時、確かに俺の下にある身体が期待に震えた。 318: 名前:灰人☆11/15(日) 15 23 00 【与え合う快楽】 俺の恋人は年上で、頭が良くて、優しくて。同じ男とは思えないくらい綺麗なんだけど、たまに少し抜けた事を言ったりする俺からすればとても可愛らしい人なんだ。 「っ…… 春樹、さん」 そんな彼が今、俺の足の間に顔を埋めて欲望に猛った俺のモノを銜えている。 苦しそうにその端正な眉を寄せて、鼻で呼吸をしているらしい彼は時折喘ぎの様な息を洩らした。 「ふ、んぅ……どう、したの?」 名前を呼ばれて、一度俺のモノから口を離した春樹さんが俺を首傾げで上目に見遣ってくる。さっきのは思わず呼んでしまっただけだったんだけど、俺はなんだか中断させてしまった事が申し訳なくなってある提案をした。 その提案を何故だか渋々といった様子で受け入れてくれた春樹さんが早速、今まで座っていたベッドに仰向けに横たわった俺の上を逆向きで跨ぐ。 「ボクが准くんにシてあげたかったのに」 ボソリと聞こえた春樹さんの呟きに、俺はさっきの春樹さんの渋い表情の理由を漸く悟った。内心、苦笑しながら目の前にある春樹さんの分身に指を絡める。 「んっ…… ん」 どことなく甘さを含ませた声が鼓膜に心地良い。その声をもっと聞かせて欲しくて俺は指を絡めていた春樹さんのそれに、そっと唇を寄せた。 ちゅ、とリップ音を立てながら接吻ければ短い声を上げた春樹さんの背中が僅かに撓った。 「春樹さん、俺のもお願いします」 「ん。分かってる、よ……っふ」 春樹さんの両手が添えられていた俺のそれが、再び温かいものに包まれる感覚。それは間違いなく春樹さんの口腔で、俺ははやる気持ちを抑えながら春樹さんのへの愛撫を再開した。 「んむ……ふ、んんっ……」 春樹さんのくぐもった喘ぎ。俺の位置からじゃ表情は窺えないけど、その声だけでも十分腰にクる。 やっぱり俺はさっきみたいに一方的に快感を貰うよりは、こうやって一緒に気持ち良くなる方が良いし好きだ。 もちろん春樹さんにして貰えるのは嬉しいけど俺だって気持ち良くしてあげたい。 「ぁ、ん……准、く……」 「……イキそうですか?」 「そ、だから……やめ……っん」 「良いですよ。イッて下さい」 春樹さんが止めるのも聞かずに、中途半端にしていた春樹さんのを一気に奥まで銜えた。尖らせた舌先で敏感な先端の小さな穴を突いて、じゅるっ、と音をたてながら吸い上げる。 「あっ、ばかっ……ああっ--!」 呆気なく俺の口に放出した春樹さんの恨めしそうな声が聞こえたけど聞こえなかった振り。 「春樹さん。俺も春樹さんの中でイカせて下さい」 「……早くすれば」 「もう。拗ねないで下さいよ」 与え合う快楽。 何でも“一緒”が良い--。 ※※ 年下×年上。 最近寸止め(笑)性描写が多い← 性描写の練習だとかなんとか思って下さいW ま、練習言っても駄文なのは変わりませんが…orz 319: 名前:灰人☆11/16(月) 18 58 34 なんだこれ^p^ 意味不注意報発令die☆←うざw とにかく精神的に…ね?← 久し振りに甘さの欠片も無いのを書いた気がします。…あれ、作文? ※※ 【自由に踊る肢体】 その姿はさながら、激しく振り回したお陰で糸が絡まってしまった操り人形の様だった--。 「ふぁ! あ、あぁっ……!」 目の前に置かれた姿見に映るオレはとてもじゃないが見ていられない。 日に当たらないでいるせいで男にしては白過ぎる肌。筋肉も殆どついていない薄い胸には幾つも紅い華が咲かされている。 ……気持ちが悪い。 「気持ち良いのかい?」 オレの下に仰向けに横たわるジジイが言ってきた。ウザイから快楽に溺れてて聞こえて無い、でいこうと思う。 「あっ、あぁっ! ひあぁぁっ!」 わざとらしいまでに声を上げる。腰を振って、ジジイを不本意だけど喜ばせようと画策。 ニタリと気色悪い笑みを浮かべているところを見ると騙されてくれたらしい。クソジジイが。 心の内ではそんな毒を吐いて、表面では男のそれを目一杯銜え込んで悦に浸る淫乱を演じて。 オレは一体なんなんだろうか。 「っ!?」 「うん? どうかしたのかね?」 ハッとして演技を再開。 自分で聞いていて吐き気がするような猫撫で声を上げながら頭の中は今まで生きてきた培った色々な情報、そして記憶が物凄い速さで駆け巡っていた。 一瞬、目の前の鏡に映っていた“オレ”が真っ青な顔に虚ろな目をしてこっちを見てた気がした。 そんな事は有り得ない。思い詰めてたせいで変なものが見えてしまったんだ。 必死にそう、思い込もうとする。 「あん、や、ああっ…… イ、クぅ……」 「く……私も、だ……うっ!」 半ば無理矢理果てたところで、そこには何の感情もない。 目の端で“金”が入っているであろう厚みのある茶封筒が置かれたのと、そこから暫くして耳で、ジジイが部屋から出て行ったのを確認。さっさと風呂場へと向かう。 「…… ひでぇ顔」 風呂場の鏡に映る自分に向かって吐き捨てて。ふと、さっき見たアレを思い出す。 「うっ…… げえぇっ」 急に込み上げて来た吐き気。耐えようとする暇もなく吐瀉物を風呂場の床に撒き散らした。 そして顔を上げて絶句。真正面にある鏡に、先程見た真っ青な顔に虚ろな目をした俺の顔が。しかも先程のとは違って、今度は鏡の方の“俺”が男のモンを銜え込んでいる。 紅い斑が映える白い肌を曝して男に良いように弄ばれている俺。生気なんてものは無い。まるで屍の様で。 オレはついにおかしくなってしまったんだ。 そう思う外なかった。 自由に踊る肢体。 実際は偽りの自由に踊らされている。 324: 名前:灰人☆11/17(火) 19 27 40 誰かーーっ!!!私に性描写の書き方を、コツを教えて下さーーいっ!!!!← 特に喘ぎとか喘ぎとか描写とか!!!!!← あとギャグの書き方も← ※※ 【目覚める本能】 切っ掛けなどは分からないが、最近所謂恋人との“愛の営み”がご無沙汰気味だ。もうかれこれ一ヵ月も。 初めの頃は俺の方も「それなら仕方ないか」と言うしか無いような理由で断られていたんだが、ここ最近はあからさまにそれを避けているような気がする。でもそれ以外は相変わらず順調だ。 「なんでエッチしたがらねぇんだよ……」 もう何度目かも判らない台詞。恋人が遊びに来てるっていうのに当のあいつ、将尚は見るからに高級そうな革張りのソファで優雅に愛用のマグカップに入ったコーヒーを口に運んでいた。 そんな無駄に格好良い姿を見つめていてふと、コーヒーで思い付く。 「将尚。おかわり、入れようか?」 「ん? あぁ。頼む」 「わかった」 きっと今の俺は今にも鼻歌なんかを歌いだしそうな顔をしているだろう--。 「…… はい。入れてきた」 そう言ってあくまで普段通りを意識しながら、コーヒーを入れた二人分のマグカップをソファの前にあるテーブルに置く。片方はブラックで将尚の。もう片方はミルクの入った俺の分だ。 将尚の隣りに腰を掛けながら自分の分のコーヒーに口をつける。横目で将尚を見れば俺と同じようにコーヒーに口をつけていて、俺は心の中でガッツポーズ--……の筈だった。 確かに性生活がご無沙汰で物足りないとは思ってた。思ってたけど--。 「ふ、あぁっ! まさな、お、ぁっ!」 「っ……お前、何しやがった」 死ぬ。これ死ぬ。ていうかマジで俺おかしくなる。壊れるって。 後ろから、それこそ壊れるんじゃないかって思うくらいに突き上げられて、犯される。 俺が将尚のコーヒーに盛った薬の効果は絶大だったらしい。それか盛る量をミスったか。 背後から将尚の苛立った声が聞こえる。でもその間にも揺さぶられるのは止まらない。 「あっ、ひあぁっ! くす、薬ぃ……っ!」 「薬? 盛ったのか?」 将尚の言葉に肯定するようにガクガク頷く。そうしたら「なんでそんな事を」だってさ。 お前の所為だっつーの! 「あひぃ! あ、だって、も、一ヵ月もしてな……っぁあああ!」 「あぁ……まさか薬盛るとはな」 「ふ、ぇ? ……ああっ! 将尚、だめ、だっ!」 一瞬。ほんの一瞬、気が緩んでしまった瞬間一気に奥まで捩じ込まれた。あまりの衝撃に息が止まる。 そしてワンテンポ遅れてやってきた焼け付くような快楽に意識と身体、全部を持っていかれた。 最後に感じたのは自分の腹と胸、そして最奥にそれぞれの弾けたものが掛かった感覚だった--。 あとから聞いた話だけど、将尚は俺がお預けを食らったらどうするのかを知りたかっただけらしい。 にしても将尚の本気はヤバ過ぎる。 328: 名前:灰人☆11/18(水) 20 51 08 250の二人のその後(?)です。 クソ長いです← ※※ 【foolish - 愚かな -】 セオが壊れてから数ヶ月。 もう逃げだそうとする事も無いだろうと例の地下室から出してやったセオは、今では初めの頃の抵抗が嘘みたいに大人しくなった。しかも家事なんかの雑用を任せればまるで俺の妻にでもなったかの様な働きっぷりだ。 夜の方だって、俺が教える事を一生懸命実行しようとする。 欲を言えば、最初の頃の死に物狂いの抵抗やギラついた瞳が無くなったのは正直物足りないが、悪魔が俺に尽くしてるんだと思えば日が経つにつれどうでも良くなっていった。 「デザイア! デザイア!」 夜。自室に籠っていた俺の耳に入ったのはセオのどこか意気揚揚とした声。声のする方を振り返ってみればコッチの方へ駆けてくるセオの姿が。 悪魔の漆黒の羽根と尻尾は今は隠させてて身体は人間のそれと変わらない。そして人間のより尖った耳はこればっかりは悪魔でもどうにも出来ないらしく、普段は帽子を被せて隠している。が、今は必要無いからそのままだ。 耳に関してはセオ“が”出来ないだけの可能性が高いが敢えて触れなかった。 「おい。走るな。転ぶ--」 「デザイ、むぎゃ!」 ……遅かったか。 これは手足の拘束を解いて、外に出してやるようになってから分かった事だ。セオは悪魔のくせしてかなり、どんくさい。 今では大分マシにはなったが、初めの頃は良く洗濯し終わった衣類等を外に干しに行こうとしたセオが、なんでか何も無い場所で躓いて、持っていた洗濯物の入った籠を中身諸共ぶちまける、なんてのが毎回の事だった。しかも毎回同じ場所で転ぶ。 歩いててこれなんだ。走ったりなんかすれば十中八九転ぶ。今だってこの通り。 「痛いよ……ふぇ……」 転んで打ったのか、赤くなった鼻を押さえて涙目になってるセオ。初めがアレじゃなかったら悪魔だなんて到底、信じられない。むしろ今でも疑ってるくらいだ。 「泣くな。ウザイ。で、用事は」 「あう……デザイア、今日はしないの?」 何を、なんて聞かない。 セオのどこか期待に揺れる紅い瞳を見れば一目瞭然だ。 何も言わないまま手招きをしてやればトテトテと歩いてくる。俺の側までやってきてから俺を見上げてきたセオの深紅の瞳はいつの間にか熱っぽく潤んでいた。 「デザイアぁ……」 「……シて欲しいなら先ず、スる事があるだろ?」 「ん……わかった」 コクリと頷いて、ベッドの縁に座った俺の足元にセオが跪く。今では慣れた手つきで俺のスラックスのフロント部分を寛げられる様になったが、最初の頃は……いや、やめておこう。こんなの俺らしくない。 思考を中断してセオの方を見ればセオはうっとりした表情で俺のソレに接吻けようとするところで、俺はふと思い立ってそれを制した。セオがあからさまに「なんで」という顔で見上げてくる。 「先に全部脱げ」 「おれが脱ぐの……?」 首を傾げながらもセオは身に着けていたモノを一枚一枚俺に見せつけるように脱いでいく。 うっすらと頬に朱を散らしながら最後の一枚が床に投げられ、パサリと下着が床に落ちたのとほぼ同時に素肌を完全に俺の目の前に曝したセオが再びしゃがみこんだ。 先程の続きと言わんばかりに俺の、まだ僅かの兆しもみせていないソレにまるで慈しむような、悪魔にはとてもじゃないが似合わない表情で接吻ける。 「んっ……」 俺のを両手で包んで、下の方から先端へ向かって舐めあげて。チロチロと先端の小さな穴を、元々尖っているのを更に尖らせた舌先でくすぐって、たまに突いて、抉るかのように弄ってくる。 「ぁ……はむっ……」 こう、俺が仕込んだままに丁寧にされるとわざわざ一から教えたかいがあるってモノだ。 「……セオ。もういい」 「ん……なんで? おれ、下手だった?」 俺のを手にしたまま上目遣いに聞いてくるセオは本気で自分が上手く出来なかったから途中で止められたと思ってるようだ。 危ない。顔がニヤけそうになった。 「いや。俺はオマエのナカでイクから、セオ。自分で挿入れてみろ」 「自分、で……? 慣らすのも?」 頷けばセオは「分かった」とだけ言ってからベッドに乗り上げてきた。見ればセオの幼い中心は健気にも精一杯頭を擡げて震えている。 「自分の指、舐めてしっかり濡らせよ」 「わ、かった……んっ」 セオが自分の指を口に含んだ。俺が言ったようにたっぷりと唾液を絡めて濡らしていく。くちゅ、と濡れた音をたてながら己の指をしゃぶるセオの、薄いピンク色の唇の隙間から時折覗く、赤く人間のソレよりも尖った舌が妙に艶めかしい。 暫くしてセオが唾液で濡れそぼつ指を自らの秘所に宛てがい、一気に挿入した。セオの指は楽に飲み込まれていき、セオの喉からは喘ぎが洩れる。 「ひあぁっ……!」 セオが指を動かしたり抜き挿しをする毎にぐちゅぐちゅと粘着質な音が俺の耳に入り、セオの嬌声に鼓膜を揺さぶられた。 不意にセオの指が抜かれ、無意識なのか勃ちあがっているソレに触れようとする。 「ソッチは勝手に弄るな。イッたら犯してやらねぇ。慣らしたら、自分で挿入れな」 「はぅ……上、乗っていいの……?」 あからさまに残念そうな顔を見せた後に首を傾げたセオ。 普段は正常位だったりバックに縛ったりで、自分で好きに出来る体位でさせた事は無かった。今回のはハッキリ言ってただの気紛れだ。 頷いて「来いよ」と促せば、セオがおずおずと窺うような視線をチラチラと向けて来ながら俺の膝の上に乗ってくる。セオは小柄だし体重も軽いから特に負担にもならない。 「そのまま、腰を下ろせ」 「んぅ……! おっき……っひぅ!」 苦しそうな表情で俺のを飲み込んでいくセオ。そんな表情は俺を煽るに値したが、ゆっくり過ぎて若干イラつく。セオの肩に手を置いて一気に飲み込ませた。 多少、無理をしようともセオは悪魔だ。どうって事はない。 「っふ……苦し、っ……むぅぅ……」 そんな風に喘ぐセオの眉間には深い皺。 あぁ、堪らない……。 「ほら、腰使えよ。俺がイカないと終わらないんだぞ」 「う……あぅ……んんーっ」 浅く呼吸を繰り返すセオが俺に言われた通りに腰を使いだす。それはお世辞にも堪能とは言わないが、その拙い感じが俺好みに悪魔を仕込んでいる段階だと、これからいくらでも好きなように出来るんだと、思わせた。 「あっ、あ……ん、デザイアぁ……」 「ほらセオ。もっと頑張らないと俺はイカせられないぞ」 「あぅぅ…… ふぁ、も……むり--っ」 なにが無理だ。人間ならまだしもオマエは悪魔だろ。粘れよ。 「早い。オマエ、仮にも悪魔だろ」 「だ、てぇ……んあぁっ!」 粘れ、の意味でセオの色の白い尻を叩いた瞬間まさかのセオが白濁を放出した。 本来なら、ここで“粗相”をしたセオにお仕置きをするところなんだが、もうここまで来たらそれもすらも面倒臭い。 勝手に達した余韻に身体を震わせるセオをベッドに俯せにさせて後ろから容赦無く腰を打ち付けてやる。 達したばかりでうねるセオの媚肉は一際敏感になってるらしい。セオの甲高い嬌声が部屋に響く。 「あ、あぁっ! デザイア、デザイアぁ!」 「ッ……!」 悪魔だからなのか、それともセオ自身の素質なのか、早くも復活していたセオの雄蕊が再び弾けた。それに不本意ながら半ば持っていかれる形で俺もセオのナカに放った。 行為も終えて、セオのナカから己のを引き抜けば下に居るセオがその刺激にも小さく喘ぐ。だけど見てみればセオは意識を飛ばしてしまったらしく、俺が名前を読んでもピクリともしなかった。 顔に掛かる前髪を払ってやれば、なんとまぁ無防備というか阿呆っぽい寝顔。 「オマエ、ホントに悪魔かよ」 可哀相な奴。 人間に、しかも敵対するであろう神に使える神父に良いようにされて、その上壊された。 愚かな悪魔。 俺の退屈凌ぎで可愛い奴隷--。 331: 名前:灰人☆11/19(木) 18 15 03 いやー 330 は我ながら痛いですねー(笑)← ……だからなんだって話なんですけどね ← ※※ 【いと甘き抱擁】 「あっ、ふあぁっ」 僕の背中に回されている、男らしい逞しい腕。大好きな彼の膝に乗せられて、彼の首に両腕を回しながら揺さぶられる感覚に身を委ねる。 すぐ側で聞こえる彼の少し乱れた呼吸音でさえも、僕の官能をこれでもかという程刺激してきた。 「ンッ……気持ち良い?」 「あ、あっ……ん。気、持ち、いぃ……」 素直に答えれば彼が嬉しそうな表情を見せてくれる。堪らない幸福感に全身を包まれる感覚に僕はその笑みだけで達してしまいそうになった。でも今達してしまったらこの熱を感じられなくなる。それが嫌だから僕は絶頂感をぐっと耐えれば、彼の微かな笑い声が聞こえた気がした。 「あ、あぁぁ……っ」 「イッて良いよ?」 「やっ……! まだ、我慢できる……っ、もっと繋がっていたい……っ」 優しいけど、どこか男の色香を滲ませる低い声に首を振る。 「もっと、もっとぎゅってして……っ」 縋るように懇願。彼はそんな僕に目元を優しく緩めて僕の額に一つ、接吻けをくれる。 それから僕の背に回されていた腕に力が入った。胸同士がぴったりと合わさって、体温までもが混ざりあっている様な感覚を覚える。 「一緒に、ね?」 いと甘き抱擁。 逝くのなら彼の腕の中で--。 332: 名前:灰人☆11/19(木) 22 54 28 【……あ、怒られてる】 ふと窓側の自分の席なら外を見れば、外で体育してるクラスが。しかもあいつ、俺の悪友のクラス。 授業中だってのに他の奴とふざけてめっちゃ笑ってる。すっげーいい笑顔だ。 俺もあの中に入りたいとか思ったら、数人でふざけあってるとこに担任が近付くのが見えた。 ……あ、怒られてる。 真面目の授業を受けてる奴等の前であいつが怒られてるのが面白い。自分でも顔がニヤけるのが分かった。 「おい。余所見するな」 やべ。俺も授業中だった。 窓の外に夢中になってたら頭を軽く叩かれた。驚いて見れば目の前には丸めた教科書を持った科学の教師。 最悪だ。これもあいつのせい。 後で絶対ど突きに行ってやる。 ※※ ど突きに行く為であって、決して会いたいから行くんじゃない! ……素直になれよ少年。 そんな話。←どんな話だ。 短いですね。 333: 名前:灰人 (L/G6UpmrlY)☆11/20(金) 22 00 28 トリップ付いてるのは気分です← ※※ 【拘束恋愛】 心も身体も縛ってやりたい。 そうやって恋人に対して思う俺はおかしいんだろうか? 「痛っ……」 俺の下には両手首を纏めて縛られる雫。手首を戒める麻縄が食い込んでるのか顔を歪めている。 可哀相だとは思うけど戒めを解いてやるつもりは無かった。 「ね、痛い……取ってよ……っ」 懇願にも似たそれに、俺は静かに首を振る。そうしたら雫は悲痛そうな表情を見せてから再び口を開いた。 「せめて、緩めて……血、止まる……」 俺は再度首を左右に振った。 血が止まろうが、手が痺れようが、拘束を解くのはもちろん、緩める事すらもしたくなくて。このまま心も縛れれば良いのにとさえ思ってしまっていた。 俺は“痛み”に涙を流す雫をただ見つめる。透明な綺麗な涙。指先でそっと拭ってやれば、目元を赤くさせた雫が俺を見遣ってきた。 「雄、す、け……?」 雫の、涙を流すせいか少し掠れてしまった声さえも愛しい。 もっと名前を呼んで。そう、言葉にする代わりに雫の赤く艶めく唇に自分のを落とした。涙のせいか少ししょっぱかったけど特には気にならない。 そのまま雫の瞼に唇を移す。眦に溜まった涙を吸い取って、漸く唇を離した。 「ねぇ、雄輔……。やっぱりこれ解いて? ぎゅってしたい。雄輔を、僕で縛りたい」 俺は思わず目を瞠った。 涙ももう止まったのか、真剣な表情で俺を見つめてくる雫。「ねぇ」ともう一度呼び掛けられて、俺は何故だか逆らえなかった。 キツく縛った麻縄は中々解けなくて、仕方なしに雫の身体を傷付けない様に縄を切る。戒めが無くなった雫の手首を見れば、縄で擦れてしまったせいでついた赤い痛々しい痕。 「そんな顔しないでよ。僕は大丈夫」 微笑んだ雫が、俺よりも小さな身体で俺の身体を包もうとする。 なんだか俺は雫に心までも奪われた様な錯覚を覚えた。 ここで抱き締め返せば俺も雫を“縛る”事が出来るんだろうか。 「雄輔も、僕を抱き締めて? 縛って?」 拘束恋愛。 きつい抱擁と言う名の優しい“拘束”。 【……あ、怒られてる】 ふと窓側の自分の席なら外を見れば、外で体育してるクラスが。しかもあいつ、俺の悪友のクラス。 授業中だってのに他の奴とふざけてめっちゃ笑ってる。すっげーいい笑顔だ。 俺もあの中に入りたいとか思ったら、数人でふざけあってるとこに担任が近付くのが見えた。 ……あ、怒られてる。 真面目の授業を受けてる奴等の前であいつが怒られてるのが面白い。自分でも顔がニヤけるのが分かった。 「おい。余所見するな」 やべ。俺も授業中だった。 窓の外に夢中になってたら頭を軽く叩かれた。驚いて見れば目の前には丸めた教科書を持った科学の教師。 最悪だ。これもあいつのせい。 後で絶対ど突きに行ってやる。 ※※ 雄輔(攻め)の台詞が無いのは仕様です。 あえて喋らせませんでした。 だから何? ……なんでしょうね← 335: 名前:灰人 (L/G6UpmrlY)☆11/21(土) 20 02 58 286 の二人です。 雑談で出たネタで書いた話なので何時にもましてグダグダです← 【診察台での×××】 本日もやってきたストーカー、基、掛布 凛。 普段なら病院に居るのがそもそも可笑しいって程に元気でうざったいテンションな掛布は、今日はなんだかいつもと様子が違った。 「どうした?」 「圭吾先生、敬語じゃなくて良いの、っ。あれ、駄洒落になっちゃった……。けいご先生がけいご--」 「阿呆な事言ってんな。どうしたって聞いてんだ。それに、お前に敬語を使う必要は無い」 いつも血色の良い掛布の顔色は文字通り真っ青。額には脂汗まで浮かんでる。そんな状態のくせに「あはは」なんて笑ってるがその笑みも乾いたもので、無理してるのが見え見えだ。 腹を押さえている所を見れば腹痛なんだろうが、それは聞いてみないといけないからな。 「なんかね……お腹痛くてさ……っ」 「どの辺だ? もしかしたら盲腸かもしれないな」 「あー……それはない。俺もう切ってる」 「そうか」と一つ頷いて、ひとまず聴診器で胸の音を聞く。それから診察台に横になるように言えば、掛布がノロノロとした動きで診察台に仰向けに寝た。 シャツを捲ればそれなりに鍛えられた腹筋が。 「どの辺が痛い? ここは?」 声をかけながら腹部に置いた指に力を込める。すると掛布が「うっ」と呻いた。 「痛いか? ……エコーするか」 「痛い……っ。エコー、?」 奥からエコー検査の為の機材と、ジェルを持って来る。 「冷たいぞ?」 医療用のジェルを掛布の腹部に出して伸ばす。それに機械を当てて、画面に映った掛布の腹ん中を探った。 「ははっ、なんかヤらしー……。お腹の中見られてる……」 「ヤらしいのはお前の頭の中だろ」 軽口を叩ける位ならそこまで大袈裟になる事は無さそうだが、一応見ておくに損は無いだろう。 超音波画像を細心の注意を払いながら、見逃しが無いように見ていく。 「……これを見る限り特に問題は無いな。なんか思い当たる事は?」 掛布が「うーん」と唸って思案する様子を見せる。数秒して、はたと何か思い付いた表情を見せた。 「昨日、賞味期限の切れたあんぱんと牛乳食べて飲んだ」 それだ。どう考えてもそれが原因だ。 こいつ馬鹿だ。救いようのない馬鹿だ。 「お前馬鹿だな。頭腐ってる。初めにそれを言え」 「そこまで言わなくても……。ていうか、腐ってたのはあんぱんと牛乳……」 「それを食って飲んだお前はそれ以上に腐ってる」 掛布がついに黙る。「これじゃあ精神科のお世話にもならなくちゃ」とか小さな声でごちゃごちゃ言ってるが丸無視だ。 いっそそのまま発酵しちまえ。 「とりあえず薬出しとくから。腹拭くぞ」 タオルで掛布の腹のジェルを拭き取る。ふと、その様子を掛布がジッと見つめて来てるのに気付いた。「なんだ」と聞けばニタリと気色の悪い笑みを浮かべられる。 「なんかエロいね。ぶっかけられ--」 「死にたいのか?」 全てを言う前に顎を掴めば、相も変わらず学習しない掛布が涙目で首を振った。 「先生。先程頼まれたカルテが--」 そんな所にやってきたのはこの前舌打ちしたのを見られた看護師。 俺と掛布の格好--見ようによっては今にもキスをしそうな図--に固まった。 「ち、違っ……これは--」 「キャー! 薔薇よ薔薇だわ! リアルに薔薇よーっ!」 俺の話も聞こうとせず奥に消えていった看護師。 ところで薔薇、ってなんだ。花? 「圭吾先生。いっそ恋人宣言しちゃう?」 そう言った掛布の腹に重い一撃。 診察台に沈んだ掛布を残して俺は先程の看護師に事情説明に向かうのだった--。 ※短編だらけ※ 続き8
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/106.html
第5章 193: 名前:刹那☆09/29(火) 20 55 49 う~ん、どうやってごまかそう…。 沙菜もエミリーもいなくなっちゃったしな~…。 そんなことを考えてるうちに教室の前まで来てしまった。 まあいい、どうにかなる。 「あっ、香織~!何か手がかりあった?」 「あれ?沙菜は?」 みんなが沙菜がいないことに気付いたようだった。 ざわつくみんな。 私が殺っちゃいました~。 「香織…泣いてるの…?」 へ…私泣いてなんか…。 198: 名前:刹那☆10/08(木) 20 28 13 そうか……。 雨降ってるし、その粒が涙に見えるんだ…。 いい事考えた! 「う…」 私はそのまま泣きまねをした。 うわ…私って結構女優向いてたりして! 「え?香織落ち着いて!何があったの?」 私を座らせてくれる。 哀れね。 まんまと騙されてしまって。 「私…沙菜とい…っしょに…庭…へ行って…」 207: 名前:刹那☆10/21(水) 20 14 35 「庭に行って…?それでどうしたの…?」 私は続ける。 「そした…ら、沙菜がいきなり倒れこんで…見たら…首がとんで…て……」 作り話だけど…ま、ホントのことだしね。 「き…きゃあああ!」 数人の女子が悲鳴をあげる。 「エミリー先生も…ナイフが…刺さってて…」 「ちょっと待った!」 …え? 「そこにはエミリー先生もいたのか?」 竹下透…何で勝手に割り込んでくるの? 208: 名前:刹那☆10/22(木) 20 04 18 「う…うん…エミリー先生には…腰にナイフ…が…」 続けて言う。 なんかだんだん面白くなってきたわ。 「私…はッ…ト…イレにいって沙菜…は先にい…ちゃったんだけど……」 そこで私は顔を青くする。 怖くもないのにね。 さっきの出来事を考えただけで楽しくてぞくぞくするわ…。 「そしたら…沙菜とエミリー…せんせ…が何だか言い合ってて…それで…」 「もういい。もう言わなくても、分かってるから」 透が私の話をさえぎった。 「そ…それじゃあ、沙菜とエミリー先生は……」 1人の女子が私に聞いた。 私は… 「死んでいた」 209: 名前:刹那☆10/26(月) 21 17 39 「え……」 みんな驚いてるわ…。 「だって…うそでしょう?悠君の次は…エミリー先生と沙菜が…?」 「いや…!この学校は呪われてるんだよ…!」 呪われてる…? いいえ、違うわ。 私をバカにする人が多いのよ。 「透クン?ちょっといいかしら…」 212: 名前:刹那☆10/28(水) 20 22 31 私は竹下透を廊下に連れ込んだ。 「おい…なんだよ」 透クンはぶっきらぼうに言った。 でも拳は震えてるわ。 緊張するわよね、そりゃ。 さすがに透クンも驚いているみたい。 好きな子に呼び出されたんだから。 「透クン?」 透クンは、私の一言、一言にびくつく。 フフフッ…。 まだこれからよ。 楽しい楽しいショータイムわね。 215: 名前:刹那☆10/30(金) 21 19 13 「透クンさぁ…私のことスキでしょ?」 もう分かってるんだからね。 「は?」 ほら、透くん驚いてるじゃない。 「誰がお前なんか!」 そうやって答えてるけど… 答は顔に書いてあるわ。 ね?真っ赤だもん。 「あのね?香織のお願い聞いてくれないかなぁ…?」 上目使いでおねだりしてみる。 これ以上、邪魔されると困るからね。 「透クン、あの日のこと見てたでしょ?」 216: 名前:刹那☆10/30(金) 21 27 10 「あの日…何のことだ…?」 「とぼけないで。見てたでしょう?」 私は透クンを追い詰めていく。 「悠を殺した日」 やっぱり…思い出すのは悲しいけど。 「だから…透クンをそのまんまってわけにはいかないの」 私は制服からポケットナイフを出した。 「そ…れは…?」 透くんが震えてる…。 殺されるとでも思ってるのかしら。 「見たら分かるでしょう?ナイフよ、とても切れ味のいい…ね」 どうせ殺すけど。 でも、私が殺すんじゃない。 「真実を知っている俺を…殺すのか…」 「まさか。そんなことしないわ。汚らわしい」 透クンは汚らわしいの一言で眉をあげたが…おさえた。 「じゃあ…どうしろっていうんだ…香織を殺すことは出来ないぞ」 「殺せれないわ。こんな楽しいことはないのに」 私はナイフを透クンに渡した。 「自殺してね?透くん」 217: 名前:刹那☆10/30(金) 21 32 07 「自殺…?」 透クンは唖然としていた。 「好きなんでしょ?だったら聞いてくれるわよね」 「そ…んなことできるわけないだろ!?」 私はポケットからまた一枚の写真を出した。 そこにはタバコを吸っている悠と…友達と、そして透が写っていた。 「いいの?未成年がタバコなんか吸っちゃって」 これは悠とデートの帰りにとった写真だ。 何かに役に立つと思ったけど。 でも…これは悠の最後の写真。 「香織…どうしてそれを…?」 「これ?私もその時コンビニにいたからよ。貴方達をを見たときとっさにカメラを買って撮ったのよ」 224: 名前:刹那☆11/05(木) 21 14 04 「まだ未成年なのにタバコ?いいの?」 「そ…それは……」 戸惑ってるみたい。 私の言うことの聞くのか…。 「タバコだけじゃないよね~?私見たもん」 「…何を」 驚くかな? 驚いても仕方ないけど。 「透クンが…白い包み紙をポケットに入れたこと。それって……」 よくニュースでやってるアレ。 「麻薬…よね?」 「……」 透クンは黙ったままだった。 225: 名前:刹那☆11/05(木) 21 26 30 「この証言と写真を警察に見せたらどうなるかなぁ……」 警察へ行くのか…。 でもそんなの絶えられないよね? 今は青春まっさかり。 刑務所入りだなんて可愛そう。 「しかも麻薬って~…今の警察は昔ほど甘くないからね。どういう処罰を受けるんだろうね~?」 「く……ッ……」 227: 名前:刹那☆11/06(金) 20 28 52 「もちろん、生贄……よね?」 透クンはナイフを握り締めた。 「どうするの?……自殺か、それとも生きたまま苦痛を味わうか……」 可愛そう。 どっちにしても殺されるんだもんね。 せめて自分の終わり方は選ばせてあげるわ。 「どうするの?はやく決めてよ、男でしょ?」 「お……俺は……」 透クンが震えてる。 どちらも嫌よね。 でも貴方にはこの2つしか選択肢がないの。 「刑務所に行くの?怖いよ~」 私は透クンの前で写真を見せびらかした。 228: 名前:刹那☆11/06(金) 20 58 54 透クンはナイフを自分の腹に当てた。 どうやら決意に決めたようだ。 「俺は……」 どっちを選んだのかしら。 「俺は…!自分で手で……逝く」 よく言ったわね。 私、生の自殺は見たことないから。 この眼にしっかり焼き付けておかないとね。 234: 名前:刹那☆11/08(日) 21 17 23 覚悟を決めたようだ。 だか微妙に震えがある。 このまま最後ってワケにもいかないしね……。 「最後に……言いたいことは?」 私は出来るだけ優しく問いかけてみた。 その言葉にホッとしたのか、透はこんなコトを言い出した。 「死にたくない……」 「だめ」 それじゃあ約束が違うもの。 「貴方には必ず死んでもらうわ」 これは花咲家の家訓だもの。 (邪魔ナヤツハ消シテシマエバイイ) どうやら私の中でこの言葉が蘇ってしまった。 透クン……運が悪いわね。 「なぜ…なぜ俺なんだ…!」 透クンが叫んだ。 237: 名前:刹那☆11/16(月) 20 34 12 ……「なぜ」ねぇ。 もう聞き飽きちゃった。 沙菜も言ってたっけな~。 私、そういうのが一番嫌い。 「なぜ」って言って、自分のしたことを忘れている。 だから……嫌い。 そうして、私を「なぜ」怒らせたかも忘れていくんだわ。 「あんたね……言ったでしょ?あの日のこと」 怒りがふつふつと沸いてくる。 勘は鋭いんでしょ? 何でそれくらいわかんないの? 242: 名前:刹那☆11/28(土) 21 01 57 人間って哀れよね。 自分が不利になると、どんな手を使っても逃げ出す。 「だから、ね?私にとって『あの日』のことを見られていたことは私にとっては……分かる?」 243: 名前:刹那☆12/01(火) 21 22 11 3行しかかけませんでした;; 更新します^^ ☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆ 「邪魔者なの」 私は邪魔者を強調して言った。 「いい?邪魔者はね、いなくなければいいのよ。そしたら証拠がなくなるからね」 証拠……きっと透君も分かってるハズ。 「だからあんたも……いなくなればいい」 私の影がゆらりとゆらいだかと思えば透君の胸元をつかんでいた。 もう、こうなったら止められない。 コントロールがきかない。 自分の体なのに……この私でも、ね。 「いいか、よく聞いとけよ。邪魔者はゴミなの。たった小さな紙切れみたいなね。そのゴミは片付けなきゃならない。歩行者の邪魔にならないようにね」 透君は、震えることも出来ずに私の瞳だけを捉えていた。 247: 名前:刹那☆12/04(金) 22 07 16 「あらやっだぁ!口調が変わっちゃった!」 言葉と顔が一致していない。 「透く~ん、しつこいよ?さっさとしてくれない?」 もうゴミの相手するのは疲れたの。 「でも……!」 私は透の持っていたナイフ取り上げ、首に突きつけた。 「茶番はここまで。さぁ、逝きなさい」 そして、ポケットから写真を取り出す。 「いいのぉ?ふ~ん、いいんだ」 これで終わり。 「俺は……俺は!!」 私は透を背に向け、歩き去る。 私ハ悪クナイ 続き7
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/291.html
3: 名前:杏☆01/02(日) 09 48 18 卒業式まで後4日‐―* 「後4日で卒業だよっ!!」 とこの声ばかり耳に入るようになった。 あたしは何故、記憶喪失になったのかは未だに分からず……。 でもあの時― 『龍かもねっ……』 『あーっそうかも』 って話してた気がするけど……。 龍がなんだろう…? 「あたしなんで記憶失った?」 あたしがこう聞いたとしても、記憶が戻ったとしてもみんなは教えてくれなかった。 「さぁ? なんか衝撃映像みたからじゃね?」 くらいしか、言ってくれない。 ねぇ、あたしに何を隠してるの…みんな……。 「彩花? 大丈夫?」 「……えっ!? 何が?」 「いや、ぼーっとしてるから」 「なんでもないよ…」 あたしは首を横に振って否定した。 やっぱ聞けないや…。 今日と言う今日はもっとも最悪な日…。 でたよ…こいつ等のらぶらぶタイム……。 こいつ等ってのわ…勿論梓と太一のらぶいカップルさんたちのことです。 いつもは遊びに来ないくせに…今日だけ人の目の前でイチャイチャしやがって! 「あのさ、梓…太一とイチャイチャすんなら他でやれ!」 「イチャイチャしてないし―っ! お前は八つ当たりすんな!」 「八つ当たりじゃないし!」 「八つ当たりだろ―っ。」 「お前は会話に入ってくんなや!」 「いや、入る!」 あーっダメだ、こいつ等うざいし…ムカつくは……。 「じゃ、あたしが行くから一生らぶらぶタイムしてろ!」 「彩花…ありがと」 ん―お礼されてもある意味困ったりするんだな― あたしなんもしてないし まぁ幸せに…って感じ― 「あの2人やっとくっついたんだってね」 「……龍!」 「くっついたも何も、あいつ等は元々くっついてたんじゃない?」 「そうかもな」 2人で話すなんてありえなかったあたし達。 もう諦めてるあたしだけど。 心の中に好きって思いはまだあるんだよね。 「じゃ」 「うん」 嬉しい時間は速く過ぎ 詰まらない時間は遅く過ぎ それが反対だったら何より嬉しいか― 6: 名前:杏☆01/02(日) 14 05 14 もし、言えるとしたら 「ねぇ、待ってって」 って言えるとしたらどんなに嬉しいか― 言えるわけない……もう振られたの当然だから 返事がないなんて振られたのと一緒じゃん こんな醜い女…嫌いだよね、龍 あたしがあの時告らなかったら あたしがあの時龍にチョコ渡さなかったら あの関係は壊れなかったのかもしれない― 「彩―! 次音楽だよ? 行こ―!」 「…うん。」 もう、諦めなきゃいけないのに 自分でも冷めたからもういいやって思ったのに どうして、どうして アイツ目で追ってしまうんだろう― でも、それは誰のせいでもない あたしの責任なんだから あたしはそのままちぃ達と音楽室まで向かった。 「彩?」 「ん? 何?」 「どうかしたの?」 「どうもしないって!」 はぁ…1人で悩んでるって言うのかな…こういうの 「それならいいけどさっ!」 「うん! 心配はいらないよ!」 「あぁーぁ心配したあたしが馬鹿だった!」 「アハハハッ!」 心配なんてしないでいいよ― あたしなんかのために 7: 名前:杏☆01/02(日) 14 19 29 放課後‐― 「文集委員残りなさいよっ!」 「えぇっ―!」 っと文集委員からのブーイング。 あたしは文集委員じゃないから遊べるけど…― 帰れる人がねぇ…いるけど…やっぱ遊びたい! そういうわけで、放課後遊ぶことになった。 「彩~? 早く!」 「待って、待って!」 今から久々のバスケ! バスケばっかやってるねみたいな思われてると思うなぁ―っ。 でもバスケ好きだからどうこう言われる筋合いないんだけどね。 * 「ねぇバスケじゃなくてやっぱけりっこしよ~!」 「あっいい! 優花あっち行って!!」 「はーい」 やっぱフライ上げんのいいわぁー! フライ上げらんなくて扱けるのってどうかと思うけど 自分も蹴ろうとした石蹴れなかったからなんも言えないけど。 なんか自分でも意味分からないことを口走ってる…。 なんか、最近やたらおかしなことを口にするような気がするわ……。 こんなあたしでも引かないでください皆さん。 「うっわぁ~上がった上がった!!」 「やはり、優花となっつのフライは高っけぇーなぁ!」 ダメだなぁこの2人に何も叶わない。 勉強も、スポーツもなんにも、 こんなにできる2人が羨ましいよ。 こんな優しい優花が幼なじみなのにかたっぽの仔は(彩花)は全然優しくないって思われてそう― もう、卒業式まであと3日になろうとしていた― 16: 名前:杏☆01/05(水) 08 58 03 卒業まで3日‐―* 「うわぁ―っ! 今日で委員会終了じゃん!」 「じゃぁさ、今日あれじゃない?…えーっと…」 「あぁ! あの5年生と4年生に受け渡す式みたいなの?」 「そうそう!」 現在、受け渡し式のことを話してます。 あたし…いつも話し聞いてないから本当に 『受け渡し式』かは、分からないです。 そしたら先生が教室に入ってきて― 「はーいっ! 廊下に並んでねぇー!」 と言ってあたし達は廊下に並んだ。 あたしの前は優花 あたしの隣は優奈、或は勇気 あたしの後ろは、ちぃ(ちひろ) ってなってる。 今日の隣は勇気。 あぁーあ…幼なじみと隣ってさぁ…特に勇気はぁ 色々とあたしのこと知ってるから、嫌なんだよな。 「あーやかっ!」 「えっ!?」 驚かしてきたのは勿論勇気 いやぁマジでこいつには手を妬くよ……。 「あのさぁーアンタには男女が分からんの?」 「ん―…分かるけど、お前は男だろ?」 えぇーお言葉ですがあたし一応女ですけど こいつこそ女じゃねぇの?って思う。 「ゆーき…5秒以内に謝らなかったら殴る」 「えっ…!? あ、……」 「3・2・1・0! はい終了!」 「5秒間短けーよっ!!」 「じゃぁー殴らせてもらうよ―っ?」 「いや、ゴメン、マジで」 「ダーメ! じゃぁ―っ」 ドスッ 「ぐへっ…お前手加減しろよ」 「アンタが悪いんでしょ?」 「多分他の女子だったら屋上から落とされるわよ?」 「はぁ~!? お前等恐ろしいわぁ―!」 「女を甘く見るなよ…?」 そんなの嘘に決まってる、屋上から落とすなんて ある意味犯罪、いやある意味じゃなくても犯罪だな。 「ねぇはとこなんだから言ってやってよ! 優奈!!」 「ゴメン…はとことして情けない…、」 「はとこに見捨てられたぁ―っ!」 実は、優奈と勇気ははとこだったりするんだよね。 まぁあんまり一緒にいるとこは見ないけど でも、はとこどうしで『らぶらぶ』されても困るけどね。 そうして体育館へ向かった。 * 「あぁーやっと終わったよ―っ!!」 「ってかさ、あの桃香ちゃん可愛くない?」 「確かにぃ!! あの仔めっちゃかわいい!」 「委員会一緒でホント良かったよ―!!」 体育館に向かってから2時間 ずっとその『委員会受け渡し式』らしき奴をずっとやってました。 えぇ―っと、ただ単に校長先生の話がない…そういうことでしょうね……。 今女子で、お気に入りの女の子 それが4年生の『桃香ちゃん』そして、4年生なのに彼氏持ち、という凄すぎる女の子。 とっても可愛くて、おしゃれで、こんな女の子が彼女がいる彼氏君、最高に嬉しいんだろうなぁ― んで、その彼氏君ってのも、めっちゃイケメン! お似合いのカップルなんだよね。 「ってかさ、ちぃって彼氏つくらなそう!」 「あ―! 確かに! 友達と『ワイワイ』やってそうなイメージ」 「そう? まぁあたし好きな人できたことすらないし」 「「はぁ―っ!?」」 現在、優花、ちぃ、あたしで恋バナ中― 「まぁ、あたしも好きな人できたことないけど…―」 「彩花だけっしょ!」 「えっ! やっぱあたしだけ??」 え―だったらなんで恋ばなしてんの!? 「龍とは、どうなった奥さん!」 「奥さんじゃないし、」 「ってか最近話してなくない?」 「うん、話してないよ?」 「うわぁー夫婦喧嘩?」 「だから違うって」 夫婦喧嘩ねぇ、そんな軽いものだったら良いのに あたしのはすでに振られたから、もう夫婦喧嘩よりも最悪なほうだよ。 「あたし、振られちゃったし? それも2回も~!」 と、あえてルンルンで言うあたし。 それに返ってきた言葉は、 「知ってるよ、だから彩花は、そのストレスで記憶喪失になったんだよ。」 初めて聞いた、あたしが記憶喪失になった原因。 原因は、龍に振られたから―? 17: 名前:杏☆01/05(水) 10 59 34 「ねぇ、あたしの記憶喪失は、龍に振られたから?」 「あたし、この前の彩花が龍と話してるとこ目撃して」 えっ……あの時のを―? 「それで、あたし教室に隠れてたんだよ、」 「えっ? でも誰もいなかった…」 「隠れてたって言ったじゃん!…そしてその後、龍のとこ行ったんだけどさ……。」 その後の言葉は何が来るの? 優花と龍がくっついた? それとも、龍が予想以上にあたしを嫌ってた? そんなことしか頭に浮かばなかった、 「龍さぁまだ決心がつかない」 「えっ……?」 「そう、言ってたよ」 決心がつかない―? なんの決心がつかないの―? 「とにかく、龍のせいで記憶喪失になったのは忘れないでねっ!」 「…うっ……うん」 『忘れないでねっ!』 あたしは、はっきり言うと― 忘れてしまいたいよ、そんなこと 記憶喪失のときの記憶はないんだから もう、どうだっていいじゃん、って。 「いやぁ…もう3日でココの学校とお別れかぁ―!」 と話をづらす優花 ねぇ、優花あたしもう無理だよ その前にココ卒業したくないよ 龍と離れ離れになってしまう、 もう会えなくなってしまう。 ねぇどうやったら諦められるの? 龍の事を― * 「彩花―!」 「なに~?」 「あのさ、あのさ! 卒業式、袴? 制服っぽいの?」 「ん~…本番くれば分かる!」 うーん、多分袴じゃないと思うんだよなぁ― 18: 名前:杏☆01/05(水) 12 51 13 ってか、振られたからって記憶喪失って相当ひどいなあたし。 そうしか思わない。というかそうしか思えない。 どれだけ、龍を思ってたかって思うと顔がみるみる赤くなってしまう。 「何顔赤くしちゃってんの?」 「ん!? なっ、なんでもないよ~」 と言った。こんなこと考えてるあたしはさすがに見られたくない。 「ってかぁひぃちゃんと海って付き合ってたんだねっ!」 「……え―! 今更!?」 「うん…彩花知ってた?」 「もちろん! バレンタイン前からだよ?」 結構前からなのに…。 ってかわかんないかなぁあの2人のラブラブさ……。 ラブラブオーラめっちゃしてるよ…あんた達みたいに 「ってかぁあんた等kissしましたぁ?」 「っ!?」 「あぁーその表情はしたなぁ~?」 「してない、ってかできないって!」 なーんだ! すればいいのにさっ! でも、小学生でされてても困るけど― * 卒業まで残り2日‐― 「ねぇみんなしずかにして!!」 と集会からの号令がでた。 「松野先生と、佐々木先生に、今までありがとうのメッセージを1組2組どちらにも、色紙にかくので、まず佐々木先生からの奴にかいてねぇー」 といわれた。 「何枚書くの?」 と言われた 「それぞれ、2枚渡すから、1組2組別で、だから4枚です」 とあたしが答えた 「4枚~!?」 「先生にばれないように!」 「はーい」 これから、メッセージ色紙書き開始です 25: 名前:杏☆01/06(木) 12 12 59 卒業まで残り1日‐― 「ねぇ、なんて書いた?」 「えっとぉ『今までありがとうございました!』って書いた」 「えぇー普通だよ! あたしなんか『早く結婚してね』って書いたけど!」 「はぁ―!? そりゃぁやばいよ!」 「だいじょぶ、だいじょぶ!」 残り1日となった小学校生活 今日と明日学校で過ごす時間は残り11時間と本当に少ない。 後悔する事ばかりの小学校生活だった。 『なんであの時あんな事してしまったんだろう』 そう思う。 もう、こうやって、笑いあうことはできないかもしれない もう忙しすぎて遊べないだろう 小学校が1番楽しいそう今実感してるあたしがいた。 「ねぇやっぱ、なっつ(夏海)袴?」 「ん―っ……多分?」 「何? その最後のくえっションマークは!」 「あたしは多分制服っぽいのだと思う」 「あたしも1回でイイから袴着て見たいなあ―っ!」 と卒業式の服装について皆で話し合ってた あたしは……普通の制服っぽい奴…。 スカートなのはいいけど…足見せたくないよ~! 「やっぱ足見せたくないよねぇ―?」 「アレ? なんだっけ…あの1年の人レギンスはいてなかった?」 「でも、もし1人だけレギンスだったらちょっとね?」 「確かに―っ!」 と足見せたくないのは皆も同じようで……。 レギンスでもいいけど…絶対みんな、ソックスなんだし 皆に合わせたんだからそれでいっか。 あたしって、いつもリーダーとか押し付けられるけど みんなの意見に流れていってしまうほうが多いかもしれない と1人で思ってた。 「ねぇ、今日ってなんか体育ってかお楽しみ会あるらいしよ?」 「えぇ―!? マジ?」 やっぱ、最後の小学校生活は『パーッ』と楽しみたい! 「みんなぁ―今日は何したいですかぁ?」 「野球―!!」 「パソコン!」 えっ……野球はともかく、パソコンは家でできんやろ! 「バイキング!」 「賛成―っ!!」 と女子から「バイキング」ってお話が合って 家庭科室で女子が料理つくって 男子がネタ考えるっとなった、 「じゃぁ女子―っ!! 2組と作るよ―っ!」 ってかあたし等以外…知ってたの? この企画…男子がある意味準備万端 CD持ってるし……。 「はーい」 2組となら全然OK! もしあの最悪グループだたっら、あの…B2くるかもしんないし…。 (現在2時間目) 「何作ろ―?」 「やっぱ豪華なのがいっぱいがいいよねぇー」 と皆で盛り上がる1組&2組の料理グループ そしたら 「彩―教室からあの…アレだ! 筆箱! 持って来て!」 「イイよー!」 と頼まれて、1組教室に戻った。 そしたら、男子達もノリノリ…。 喧嘩の無いようこの大切な1日過ごせたらいいな― 34: 名前:杏☆01/07(金) 12 50 06 そして、楽しい時間もあっという間に過ぎていった― 「いやぁ―! 明日で卒業じゃん!!」 「ホント! 早いねぇー6年は…!」 と帰り道に優花とあたしが話してた。 「ってか、あれから龍と会話交わした?」 「なんで…?」 「いや…なんか良い不陰気に見えたから。」 「いつ?」 「ずっと前」 そう言って優花は教えてくれなかった。 もし、その答えが本当だったら、良い不陰気だとしたら、 ずっと前のこと…去年の事だと思う。 今年に入ってから、最悪なことしかないんだから― そうして卒業式を迎えた 42: 名前:杏☆01/11(火) 16 30 55 卒業式当日‐― 「可愛いねぇ」 「えぇーそっちのほう可愛いよ―っ!!」 と女子の騒ぎ声があちら此方から聞こえる 黒板には、新聞委員会からのメッセージが書き残されてた あたしも去年は書いてたのに…今はメッセージを見るほうになっていた。 あっという間の6年生。 もうすぐ終了しようとしている。 そして…龍とも お別れだ― 44: 名前:杏☆01/15(土) 10 32 34 「卒業生退場」 5年生が演奏する中、あたしたちは体育館を出た。 大粒の涙を流しながら― 「じゃ、集合写真撮るよー!」 5・4年が帰った後、あたし達はもう一度体育館に入り、 ステージを後ろにし、全員で集合写真をとった。 * 全員が大粒の涙を流していたはずが、もう皆が笑顔になっていた。 卒業証書は、自分たちで作ったもの、やっぱり良い。 「ばいばい…」 そういい残して、あたしは学校を卒業してった。 45: 名前:杏☆01/15(土) 10 40 56 1年後‐― 「いやぁ…もうなんかねぇー凛ちゃん?」 「彩花さぁ…なんか無理してない?」 「ハア? してるわけないじゃん!」 他の小学校から来た人たちとも全員と仲良くなり、小学校を卒業してから、1年が経とうとしていた― クラスは4クラスで、明菜たちと離れた。 一緒に居るのは、梓、摩耶、優花とかワイワイ騒げる仔たちと一緒だった。 そして、今結構仲良しなのが、「凛ちゃん」 他の小学校から来た、女の子だ。 「ッてかぁ、今日入学式じゃん!」 「かっこいいこ…いると思う??」 いるわけない…うちらの学校では― 「凛ちゃんどんだけ、年下好きなんだよ!」 「だって、可愛いじゃん!」 「可愛いって……」 そっかぁ…こんな季節がやってきたのかぁ…。 「凛ちゃん、梓の彼氏君がくるぞー」 「まじ!? 見てみたい! この前見れなかったからー!!」 「梓、良かったじゃん!」 「べ、別…この前あったし」 「うわぁー梓ちゃん、何会ってんの~?」 と凛ちゃんとあたしで冷やかす。 そうだ、太一が来るんだよね― あいつが来ないとしても― 好きって言ってよ。 続き28