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450 :もしハサ ◆yfIvtTVRmA:2008/07/12(土) 13 18 16 (お館様、この者はどういたしますか。我らに従ってはきましたが忌々しき切嗣に 育てられた子、必要のなくなった今、そろそろ切り捨てる時かと) (私とてそうしたいのは同じ。だが残念な事にこの男は生き残っておる遠坂や マキリとも親交がある。こいつを消せば御三家の二つを敵に回す羽目になるぞ) (では、どういたします) (我らに関する記憶を奪い森の外に置いておけ。今回の件の隠蔽に奔走しておる言峰 あたりが何とかするだろうよ、さあ我らは最後の準備に取り掛かるとしよう) (上手くいくのでしょうかお館様) (今回の戦争は前回以上に予想外の展開だった。大聖杯が上手く起動するとは正直私も 思ってはおらんよ、しかし結果として七騎の英霊が倒されるという条件は得た。ならば やらねばなるまい。アインツベルンの千年間全てはこの日の為にあったのだ、 例え失敗しようとイリヤも本望だろうよ) エピローグ1 「もしもの事なんて今は考える必要はない」 「さあ、もう帰りなさい衛宮君」 「はい、ありがとうございます神父」 「くれぐれも寄り道せず真っ直ぐ帰るように。それと君に襲われた人を探して謝りに いこうとか決して考えない様に。いいか、彼らは君を避けて今は遠い所にいる。 もしも、彼らが君と会って話しをしたいと思ったときには私がその場所を設けるから その時まで待つんだ。君は今は自分の事だけを考えていればいい」 「はい、分かっています」 心地よい夜風が頬を撫でる、こんなに気分がいいのは実に一ヶ月ぶりだ。 俺は衛宮士郎。ごく普通の高校生だった。だった、というのはここ最近の俺は普通では 無かったから。 半年ぐらい前から友人の慎二が病気で学校に来なくなった。 それが切っ掛けになったのだろう、俺の精神は不安定な物となり、夜が来ると無意識の 内に町へ出て喧嘩に明け暮れていた・・・らしい。俺が暴力を振るったであろう人達には いくら謝っても許されるものではないが、今の俺にはその時の記憶が無い。しかし、 両手の潰れたマメが自分が何者かに対し暴力を振るっていた何よりもの証拠だと訴え かけてくる。 俺がこの教会で治療を受ける様になった切っ掛けは、慎二の妹で俺と同じ弓道部にいる 桜ちゃんと慎二の友達の遠坂だ。俺が暴れているのを偶然見つけた二人が、こういった 病気の専門家である知り合いの神父の所に無理やり引きずっていったのである。 以来、教会にて神父による治療と説教を受ける日々が続き、最近では慎二の事や学校 での事、記憶がすっぽりと消えている数週間分の夜中の事も余り気にならなくなって きた。そして、晴れて今日、帰宅してもいいという許可が神父からもらえたのである。 記憶が無かろうが罪は消えない。しかし罪に囚われたままうじうじとしていたら前に 進む事も出来ない。俺は慎二や俺を教会まで連れていった遠坂達の為にも今まで通りに 普通に振舞わなければ。 「って全部あの神父さんの受け売りなんだけどな。ただいま」 誰もいないだろうが、ひさしぶりの我が家につい声を掛けてしまう。これが日本人の サガか。 「おかえり」 返ってくるはずの無い返事が返ってきた。藤ねえではない女性の声、しかし俺が 割とよく知るこの声。客間の窓からは灯かりが漏れている。 俺は鍵の掛かっていない扉を開け真っ直ぐ客間に向かった。そこには―、 「「「「せーの、おめでとう衛宮士郎!!!!」」」」 皿の上には大量のフライドチキンとおにぎり、テーブルを挟んで左右に二人ずつ拍手で 俺を出迎える最近の俺がよく知る人々。 「先輩ごめんなさい、藤村先生に頼んでここの鍵開けてもらいました」 そう言い、ペロッと舌を出すのは俺の恩人その1間桐桜ちゃん。 「まあ、そんな事より楽しみましょう間桐さん。またこのメンバーで集まれる事は 無さそうだし」 ご飯粒の付いた手で優雅に髪をかき上げる恩人その2遠坂凛。 そして、教会で事務仕事をしていたバゼットさんに、最後の男の人は・・・名前は知らない けどたしか俺と同じ様な理由で教会に来ていた人だ。 その夜俺達五人は一緒に食事をし、朝まで桜ちゃんが持ってきたカラオケをして楽しんだ。 もし全員が揃っていたらもっと楽しかったんだろうな。病気で来れなかった慎二と、 そして一番一緒にいたかったもう一人―、 皆が帰り、風呂にでも入ろうとした時玄関のチャイムが鳴った。 こんな時間に誰だろうか、いや、もう朝だったな。 「しろー、いるー?おねえちゃんが向かえにきたわよー!!」 「おねえちゃん――ああ、藤ねえか。もうそんな時間か」 懐かしい声を聞き少しだけ目が涙で潤む。 今日からまた元通りの日常が待っている。 俺は風呂に入るのは諦めシャワーで眠気を払い、学校へ行く準備を始めた。 [選択肢] イ.桜 ロ.凛 ハ.バゼット ニ.イリヤ 投票結果 イ:5 ロ:2 ハ:1 ニ:3 もしハサ もしハサ 第49話
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★★★★ ☆☆☆☆☆ 「見つけた」 黒いドレスをなびかせながら、人間離れした脚力で屋根から屋根へ飛び移りながら移動していた金髪の少女がつぶやいた。 黒いバイザー越しの視線の先には一人の男が居た。 白髪交じりの頭に、火傷でも負ったのか、あちこち焼けた色になった肌……歳はどんなに老いていても20歳ぐらいだろうが、見るからに弱弱しい病人のような男だった。 手には一応日本刀のような武器を握っているが、とてもそれを振るえるようには見えない。 (この剣のテストにもならないかな?) だがなんにせよ全員殺さなければならないのだ。 そう切り替えて彼女、犬吠埼風の手には黒一色に血のような赤の線の入った西洋剣が握られている。 少女はそれを大上段に構えると、屋根が崩れるほどの勢いで飛び出すと、弱弱しい男にめがけて振り下ろした。 「同調開始(トレース・オン)」 男が手にした武器、シンケンマルの白い鍔を回転させる。 一瞬の白い光に包まれたそれは、何と瓜二つのもう一本のシンケンマルが現れ、二刀がかりで風が振り下ろした剣を逸らしてみせた。 (こいつ!説明が本当ならこの力はアーサー王の力なのよ?! それを特別な武器でとは言え生身で逸らすなんて……) (こいつが新しいセイバーの使い手か。 黒くなってるが、あれは間違いなく約束された勝利の剣(エクスカリバー)。 一筋縄じゃ行かないな) 剣を構え直した男は、バイザー越しにこちらを睨んでいるであろう彼女に小さく問うた。 「なあ、お前はなんで戦うんだ? こんな俺にもその剣を容赦なく振り下ろすあたり、 よっぽど叶えたい願いがあるみたいだけど」 「……アタシが、私が妹やみんなの未来を奪ったから! アタシが絶対に、取り戻さないといけない!」 そう言って大きく腰を下ろす風。 そんな彼女に士郎は一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに 「は、ははは。はっはっはっはっは!」 耐えきれないというように笑いだした。 「!? 何がおかしいの!?」 「いやぁ、悪い悪い。別に馬鹿にしたつもりはないんだ。 そうだよなあ、妹の為なら、仕方ないよな……」 「ーーーーッ!」 そう言った男の目に、思わず風は飛びのいた。 凄まされたわけではない。 殺意を向けられたわけでも、憎悪を抱かれたわけでもない。 その目に宿った名状しがたき感情は、全て、風ではなく自身に向けられていた。 「俺も妹がいてさ、その為ならなんだってしなきゃいけないんだ。 だから、恨んでくれるなよ?」 所々髪の毛が白い物に、肌は褐色の物に”置換”された彼が自嘲気味に呟いた。 彼の名前は衛宮士郎。 二刀のシンケンマルを構え直すと、 かつて墓所を荒らしながら親友の父を討ち取ったのと同じように、 悪しき一歩を踏み出した。 【衛宮士郎@Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ3rei!!】 [状態]:健康(?)英霊エミヤが侵食 [装備]:シンケンマル@侍戦隊シンケンジャー 複製したシンケンマル@侍戦隊シンケンジャー 双ディスク@侍戦隊シンケンジャー、 共通ディスク@侍戦隊シンケンジャー [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1 [思考・状況]基本方針:妹を救うために優勝を目指す 1:まず目の前の彼女を殺す。 2:もし、ハ・デスにそれだけの力があるなら、この子の妹も救う。 [備考] ※参戦時期はイリヤたちがエインズワースの工房に潜入した後です。 【犬吠埼風@結城友奈は勇者である】 [状態]:健康、左眼の視力が散華、夢幻召喚による変身中 [装備]:サーヴァントカード セイバー@Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ3rei!! [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考・状況]基本方針:妹や仲間の未来を取り戻す為に優勝する。 1:まず目の前の男を殺す。 2:私は絶対に…… [備考] ※参戦時期は諸々の真相を知って自棄になっていた時期です。 ※英霊召喚やカードそのものの制限に関しては、後の書き手様にお任せします。 【シンケンマル@侍戦隊シンケンジャー】 シンケンジャーの初期メンバー5人の日本刀型の共通武器。 セットした秘伝ディスクの力を解放して、 必殺技を発動したり、折神を召喚したりと、様々な能力を発動する。 シンケンマルを烈火大斬刀、ウォーターアロー、ヘブンファン、 ウッドスピア、ランドスライサーのいずれかに変化させる秘伝ディスク、 共通ディスクが付属する。 【双ディスク@侍戦隊シンケンジャー】 対象を双つに増やすモヂカラが込められた秘伝ディスク。 シンケンマルや固有武器を増やす能力を持つ。 【サーヴァントカード セイバー@Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ3rei!!】 ある世界の聖杯戦争において使われる魔術礼装。 高度な置換魔術とピトスの泥を用いて成立している。 英霊の座と繋がっており、礼装に通して繋がっている英霊の宝具や武具に変化させる限定展開(インクルード)、 英霊をその身に宿し、使用者自身を一時的に英霊化させる夢幻召喚(インストール)の二種類の機能が有る。 夢幻召喚する場合は、使用者によって武器や服の意匠が変化する。 このカードはアーサー王の座と繋がっている。
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セント・マデリーナ島の自然公園は、緑豊かな観光名所として有名だ。 島の南半分は人工的な要素が強いのに比べて、北半分は出来るだけ人の手を加えずに、島本来の姿を維持することに重点が置かれている。 園内の散歩道はある程度整えられていたが、コンクリートなどの舗装はほとんどされていない。 無機質な都会に息苦しさを感じる人にとっては、優しい安らぎを得られる憩いの園として有名だ。 だが、島の他の地域と同様、その麗しき園にも、この世ならざる存在が跳梁跋扈していた。 振り下ろした一撃が、頭をざくろのように割り、ゾンビはその場に崩れ落ちた。 「畜生、これで何体目だよまったく……」 衛宮士郎は吐き捨てるように呟いた。周囲には彼が倒したゾンビの遺体がいくつも転がっている。景観を損ねる存在だが、そんな事に構っていられない。 彼の手には杖のような棒が握られていた。強度的に頼りなさそうな外見だが、幸いにも「強化」の魔術が成功して、鋼のように硬くなっていた。 「疲れたな……。ちょっと休もう」 士郎は呟いて1m程の草木が密集している茂みの奥に身を潜めた。ゾンビは目がそれほど見えないようだし、何より知能が低い。 音を立てずにじっとしていれば、奴らに見つかるリスクはかなり軽減できる。 士郎は姉的存在の藤村大河とともに、この島に来ていた。彼女曰く、弓道部の合宿をセント・マデリーナ島でやるので、その下見に行くのだと言う。 それはもう合宿じゃなくバカンスだろうと思ったが、大河はとっくに弓道部を辞めていた士郎を無理矢理同行させてきた。 そもそも下見が必要かどうかも疑わしいが、要は口実が欲しかっただけなのだろう。彼は話し相手兼荷物持ちというわけだ。 最初は渋々ついて来たのだが、ほどなくして士郎も島の素晴らしさに魅了された。 大河は元々子供っぽい性格だったが、ここではそれに拍車がかかって、はしゃぎまくっていた。 (こういうのもたまには良いか) 融通がきかな過ぎる面のある士郎でさえ、そう思っていた。ほんの数時間前まで……。 「藤ねえ、大丈夫かな。無事だといいけど」 士郎は今朝から今までの経過を回想していた。 朝ホテルを出る前は何事もなかった(筈だ)。公園に着く頃、悲鳴やパトカーのサイレンらしき音がして、案外物騒だなと呑気に考えていた。 そのまま公園を2人で散策していたら、悲鳴に怒号が混じるようになり、何か変だという思いが強くなった。 大河に声をかけて、ホテルに戻るようにさりげなく話題を誘導する。 最初は反対していた大河だが、実は射撃場で銃を撃ってみたい、と言うと、 「なあんだ、そういう事か。なんだかんだ言って、やっぱり士郎も男の子よねぇ」 と苦笑混じりに言った。士郎は彼女を説得できて、ほっと息をつく。だがすでに手遅れだったらしい。 「ヒッ」と大河の息を呑むような悲鳴に周囲を見回せば、ゾンビ達が遠くから近づいてくる光景が目に入ってきた。 それを見た士郎は自分の「志」を思い出した。今こそ「正義の味方」になる時だ。 大河の制止もきかず、ゾンビに襲われる観光客や地元住民を助けるべく動いていた。 「強化」に成功した棒を持って、逃げ遅れた母親と幼児がゾンビに囲まれている所に飛び込むと、手当たり次第ゾンビを殴りつけてどうにか助け出すのに成功する。 さらに他の人達を助けようとゾンビに戦いを挑んでいる内に……いつの間にか大河と離ればなれになっているのに気付いた。 今になって士郎は後悔した。大河の安全を優先して考えるべきだったのだ。だが自分の「正義の味方」を意識するあまり、後先考えずに行動しすぎていた。 (いや、藤ねえなら大丈夫だ。あんな奴らに簡単にやられたりするもんか!) 彼は無理矢理自分に言い聞かせる。何と言っても大河は剣道五段の腕前で、かつては「冬木の虎」の異名で呼ばれた女傑だ。彼女なら自力でどうにか――。 (馬鹿、何勝手な事考えてるんだ。俺は! いくら藤ねえが強くても、超人でも何でもない、1人の女だ。男の俺が助けないでどうする!) 士郎は自分を罵倒すると、立ち上がった。 まだ疲れが残っているが、そんな事を気にしている場合ではない。こうしている間にも大河がゾンビに襲われる危険は増えている。 士郎が茂みから注意深く出てきた時、悲鳴が聞こえた。若い女の声だ。 「藤ねえ!?」 士郎は駆けだした。声の大きさからすると、それほど遠くではない。 程なくして、少し開けた場所に出た。ここはアスレチック場のようだ。丸太やネット、ロープ等を使った遊具がいくつも見える。 その一角、50mほど離れた場所で、1人の女性が10体ほどのゾンビ達に襲われていた。 「やだ! こっち来ないでよ。誰か、誰か、助けて!」 年齢は士郎と同年代ぐらいか。女の子はハイキングに行くような服装で、腰まで届きそうなロングヘアを振り乱して必死にゾンビから逃れようとしていた。 だが、どの方向に逃げてもゾンビがいる。すぐにジャングルジムのような遊具の所で包囲されてしまった。 もちろん、そんな光景を黙って眺めている士郎ではない。すでに士郎はゾンビに気付かれないように動き出していた。 ギリギリまでゾンビに気付かれないように近づいて、最小限の戦いで女の子を確保して、素早く逃げるつもりだった。 女の子は今にも泣き出しそうな顔で周囲を見回すと、上に逃げようと思ったのか、ジムの縄梯子を登り始めた。 だが、恐怖で体が思うように動かせないらしく、手足の動きがもどかしいまでに悪い。1mも登らない内にゾンビに足を捕まれた。 「キャアッ!」 女の子がゾンビを振り払おうと足をバタバタさせた時、手が滑ったのか縄梯子から落ちてしまった。 「嫌、来ないで……」 絶望的な表情を浮かべながら、尻餅をついたまま後ずさりする。 ゾンビは哀願の声を完全に無視して、女の子に迫っていく。その頃士郎は、ゾンビに気付かれずに、女の子にあと10mの所まで近づいていた。 だが1体のゾンビが女の子に噛みつこうと、覆い被さるような姿勢になる。(危ない!)咄嗟に士郎は絶叫した。 「止めろ、この怪物野郎!」 ゾンビの動きがピタリと止まり、ゆっくりとこちらを振り向く。 こうなったら突撃あるのみだ。 女の子への直進ルート上にいたゾンビを横殴りに倒し、続いて右から迫っていた奴の胸を突き飛ばした。 さらに、唯一士郎の声を無視して、女の子に噛みつこうと屈んでいたゾンビの襟首を掴み、渾身の力で引っ張った。 引きずられるように倒されたゾンビが恨めしげ(?)に士郎を見上げる。士郎は構わず、「強化」しておいた靴で、思い切り顔を踏みつけた。 壁にトマトを叩きつけたような呆気なさで、ゾンビの顔が潰れた。 女の子は、一連の光景を呆然とした表情で見ていた。死の絶望が一瞬で消え、代わりに生の希望らしきものが現れて混乱しているのだろう。 「立てるか? とりあえずここから逃げるぞ」 言うが早いか、士郎は女の子の手を掴んで、半ば強引に立ち上がらせた。 この状況で上に登るのは下策だ。たとえ一時的にゾンビから逃れられても、狭い足場で逃げ場も、水も食料もなく、下はゾンビの集団。 精神的にも肉体的にも耐えられないのは目に見えている。包囲を突破する可能性に賭ける方が、まだ望みはあった。 「え、あの……」 女の子が何か言いたそうにしているが、ゾンビが目前に迫っている。ゆっくり話している暇はない。 「いいか、絶対に俺から離れるな」 強く念押しして、士郎は女の子の手を引きながら走り出した。棒は牽制程度に振り回して、ゾンビ達の間をすり抜けるように走る。 ――10分後。 どうにかゾンビを撒く事に成功した2人は、さっき士郎が隠れていたのとは、別の茂みに潜んでいた。 「ここなら一息つけそうだな。俺は衛宮士郎。君、名前は? 大丈夫? 怪我は無いか?」 ゾンビ突破戦の興奮が抜けきらないまま、士郎は畳みかけるように尋ねた。 「……離してくれる?」 女の子の口から予想外の台詞が漏れる。「え?」となった士郎は、まだ彼女の手を強く握ったままなのに気付いた。 「ご、ごめん!」 慌てて手を離す。女の子は掴まれていた所をさすりながら、 「……さっきはありがとう。私の名前は、成瀬川なるよ。衛宮さん」 成瀬川なると名乗った女の子は、疲れた口調で自己紹介した。 「礼なんていいよ。女の子を守るのは当たり前の事じゃないか」 士郎は何でもないような顔で言いながら、背中のリュックからペットボトルを出して、なるに差し出した。 「ほら成瀬川さん、飲みなよ」 「え?」 「喉渇いただろ。水分補給は大事だぜ」 「でも、衛宮さんは?」 「気にしなくていいよ。まだ予備もあるし」 それを聞いたなるは少し躊躇った末、女子としては豪快な勢いで飲み出した。 「ングング……っぷはぁ!」 やはり相当喉が渇いていたようだ。一気に半分ほど飲み下した。だが、はしたない飲みっぷりに気付いたのか、顔を赤くする。 「ま、待って。私普段はこんなんじゃなくて、えとそのもっと上品に」 なるは少し焦った調子で弁解し始めた。 「はは、気にしなくていいよ。こんな状況でマナーもへったくれもないし」 そう言った瞬間、士郎は思い出した。 (そうだ、『こんな状況』でのんびりしている場合じゃない。藤ねえを捜さないと!) 急に立ち上がった士郎に、なるは目を丸くした。 「どうしたの?」 「俺、人を捜してるんだ。その人と島に一緒に来ていたんだけど、ゾンビと戦ってる内にはぐれてしまったんだ」 「人を?」 なるの顔が驚愕に満ちた。かと思うと、一転、真剣な面持ちになる。 「大丈夫、成瀬川さん、君を安全な所まで連れて行ってからにするから、心配いらないよ」 (ごめん、藤ねえ。少しだけ我慢してくれ。必ず助けてやるから) 大河には悪いが、なるを見捨てる訳にはいかない。士郎は心のなかで大河に謝った。 「私も手伝うわ」 なるが立ち上がった。 「だからそれまで我慢……って、手伝う? それは危険だ。またさっきの連中、多分ゾンビって奴だろう、あいつらに襲われるぞ!」 士郎としては、彼女をそんな危険な目に遭わせるつもりは全くない。 「もちろん、覚悟の上よ」 「それが分かっていてどうして……」 「私も捜しているから、大事な人を」 なるが決然とした表情で言った。 士郎の目が驚愕に見開かれる。 「そんな……君も、なのか?」 「ええ、私もその人と一緒に島に来たんだけど、あなたに助けられる少し前に離れ離れになったの」 なるが目を伏せる。 「お願い、私と一緒に捜すのを手伝って。その代わり衛宮さんの人捜しも手伝ってあげるから」 「うーん。お互いの知人を協力して捜索するわけか」 どうするべきか、士郎はしばしの間思案した。 (そうだな、今のままじゃ手がかりもないし、1人より2人の方が何かと好都合だ。それに、彼女を安全な場所に連れて行ける保証もないしな) 「衛宮さん?」 黙って考え込む士郎を、なるが不安そうに見つめる。 「分かった。成瀬川さんの提案に乗ろう」 「え、それじゃ……」 なるの顔に喜色が浮かんだ。 「とは言っても、お互い手がかりらしいものはないしなあ。そうだ、俺の連れは藤村大河っていう女の人なんだ。髪はショートで……」 と士郎は大河の身体的特徴や服を説明した。 「うん、大体わかったわ。私の連れの名前は浦島景太郎。で、メガネをかけてるの……」 今度はなるが彼女の連れ――浦島景太郎――の説明をする。 「よし、これで一応、把握したな。早速捜しに行くとしよう。あ、ところでちょっと聞きたいんだけど」 「どうかした?」 「その浦島っていう人は、成瀬川さんの彼氏なのかい?」 「な……! バ、バカ、そんな訳ないでしょう! あんなバカでドジでスケベな奴が彼氏な訳ないじゃない! ただの浪人仲間以外の何でもないんだから!」 なるは顔を真っ赤にして、すごい剣幕でまくし立てた。 「いやちょっと気になっただけなんだ。気に障ったなら謝るから落ち着いてくれ」 士郎がなだめるが、なるの勢いは弱まらず……と思ったら不意に剣幕が止まった。 「でも、あの時、私のために、ゾンビ相手に立ち向かってくれた。臆病な癖に、棒きれ一本で奴らに殴りかかって、大声で奴らを引きつけて、 私の周りからゾンビが大分減った頃『今だ成瀬川、逃げろ! 大丈夫、後で追いつくから!』って言って、ますます遠ざかって……」 なるはいきなり士郎のTシャツを掴んで、顔を士郎の胸元にうずめた。表情は伺えないが、嗚咽のような声が漏れている。 (わわっ、成瀬川さんの胸が当たってる……うーん困ったなあ、こんな時どうすればいいんだ?) 女性の扱いに慣れていない士郎はどうしていいか分からず途方に暮れてしまう。 幸い、なるは10秒ほどで顔を上げた。目から大粒の涙が滝のように流れている。 「ごめんなさい。景太郎は1人で大変な目に遭っているかもしれない。だから早くみつけてあげないと……」 「もういいよ、よく分かった。浦島君は強くて、優しくて、勇敢な男だ。きっと無事でいるよ」 「衛宮さん、ありがとう……」 士郎は堅く誓った。藤ねえも、成瀬川なるも、浦島景太郎も、必ず助けると。 【D−05/アスレチック場近くの茂み/1日目・日中】 【衛宮士郎@Fate/stay night】 [状態]:疲労(小)。擦り傷。過剰な正義感と責任感。 [服装]:原作と同じ服装。 [装備]:「強化」魔術で鋼の強度を持つ棒。 [持物]:リュック。日用品(パスポート、携帯電話、500mlペットボトル×1、観光ガイド兼地図) [方針/行動] 1:成瀬川なるを守る。 2:藤村大河と浦島景太郎を捜す。 3:2人を捜しながら、水、食料を確保する。できれば武器も。 4:無事な島の住民や観光客を助けて、協力し合う。 [備考] ※ 「強化」の魔術の適用範囲は自分の「身の回り」程度に限定されます。また、体力を消耗(100m走の全力疾走並み)し、失敗もよくある設定です。 ※ 固有結界「無限の剣製」は絶対に発動しません。 ※ 構造把握能力は健在で、機械類の構造を把握可能なので、しかるべき工具があれば修理できます(扱えるかどうかは別です)。 ※ 「正義の味方になる」という目標のため、他人を見捨てるという行為が基本的にできません。 【成瀬川なる@ラブひな】 [状態]:疲労(中)。擦り傷。不安と焦慮。少し安心。 [服装]:ハイキング向きの服装。コンタクトレンズ装着(裸眼視力だと0.1未満)。 [装備]:なし。 [持物]:ウェストポーチ。日用品(パスポート、携帯電話、500mlペットボトル×1(残り半分)、観光ガイド兼地図)。予備のメガネ。 [方針/行動] 1:衛宮士郎の方針に従う。。 2:藤村大河と浦島景太郎を捜す。 [備考] 共通事項 ※ 士郎もなるも、互いに景太郎と大河の容姿や服装を把握しています。 自然公園のかなり奥に、普段の散策コースからかなり離れいて、森林を定期的に手入れする業者でもなければ、誰も立ち入らない場所があった。 衛宮士郎と成瀬川なるが出会う30分ほど前、1人の青年がその場所を彷徨っていた。 青年の名は浦島景太郎。彼も、なるのようなハイキング向きの服装をしており、デイパックを背負っている。 荒い息づかいで、足取りはかなりおぼつかない。普段運動をしていない人が、急にマラソンをした時のような状態だった。 「もう、駄目だ、歩けない〜」 景太郎は、力尽きたように、その場にへたり込んだ。 デイパックから缶ジュースを1本取り出すと、一気に飲み干し、やっと人心地がついた。 「成瀬川の奴、無事かな。俺より運動神経良いから大丈夫だと思うけど……」 あの後――ゾンビをなるから引き離してから――、景太郎はオオカミの群れに放り込まれた羊のような状態だった。 幸い、「オオカミ」の運動能力が低かったお陰で、「羊」はどうにか逃げ切れた。問題は、ここがどこか全く見当がつかない事だ。 観光地図を広げてみるが、公園の散歩道については、それほど詳しく書いていない。詳しい見取り図でも手に入ればいいのだが。 「考えても仕方ないな」 景太郎は地図を畳むと、音を立てないように注意深く歩き出した。じっとしていたら、いつまで経ってもなるを見つけるのは不可能だ。 しばらく歩いていると、少しずつ目の前が開けてきた。散策ルートに近づいたのだろう。 (よし、これで成瀬川を捜しやすくなるぞ!) 景太郎は少し駆け足になった。まだ少し息が切れる。 そして、草むらを掻き分けて舗装道路に出た瞬間、 「うわあああぁっ!!」 目の前に1体のゾンビが現れた。客観的に見れば、景太郎の方からゾンビに近づいていた事になるのだが。 ゾンビは痰が詰まったような唸り声をあげながら、景太郎に掴みかかる。 彼の手元に武器になりそうな物はない。逃げようと身を翻したら、反対側にもゾンビがいた。 「あわあわわわわ」 半ばパニックに陥った景太郎は、別の方向に逃げようとして、足をもつれさせて転倒してしまった。そこにゾンビが寄ってくる。 「畜生、来るなあっ!」 景太郎は道路に落ちていた石ころを拾って、無茶苦茶に投げつけた。一発がゾンビの胸に当たるが、その程度でどうにかなる筈もない。 立とうとしたが、疲労とパニックで体が思うように動かない。 (もうだめだ、成瀬川、ごめん……) 観念したように目を閉じる。 「そこっ! 諦めるんじゃないっ!」 いきなり若い女性の声が響いてきた。 (え!?) まさか成瀬川、と目を見開いた景太郎の視界の端に、突進してくる人影が映った。 誰なのか景太郎が確認する間もないまま、人影は持っていた金属棒を振りかぶって、 「とりゃあぁっ!」 裂帛の気合いと共にゾンビの側頭部に振り下ろした。 金属棒はゾンビの耳までめり込んで止まったが、人影はそれをあえて引き抜かずに、ゾンビを突き出すように押して、もう1体のゾンビにぶつけた。 無傷のゾンビが仲間を支えきれずに倒れた所で、人影は金属棒を抜いて、両方のゾンビを殴りつける。 2体とも完全に動かなくなるのを確認すると、人影は景太郎に向き直った。 やはり若い女性だった。年齢は20代半ば、髪はショートカットで、身長は170?弱といった所だろう。 「あなた、大丈夫だった?」 その声で景太郎は我に返った。 「は、はい。ありがとうございます」 「どういたしまして。ところで」 女性は少し小声になぅた。ゾンビを警戒しての事か。 「はい?」 「あんなアッサリと諦めるなんて何考えてるの、まったく! あなたが死んだら家族や友達をどれだけ悲しませると思ってるの? 命を粗末にしちゃいけません。最後まで生きる努力をしなさい!」 女性は押し殺した声で叱りつける。その口調は出来の悪い生徒に対する教師のそれだった。 「すいません。気をつけます……」 景太郎はシュンとなった。 確かに、いきなりゾンビと鉢合わせて動転していたとはいえ、成瀬川を助けるという重大な使命があるのに、あまりにも情けない態度だった。 「うん、分かればよろしい」 女性はニッコリ微笑んだ。とても爽やかな笑顔だった。 「そうそう、自己紹介がまだだったわね。私の名前は藤村大河。あなたは?」 「あ、俺、浦島景太郎っていいます。藤村さん」 「あはは、大河でいいよ、景太郎君」 「そうですか。じゃあ、よろしくお願いします。タイガーさん」 「タイガーって言うなーっ!!」 「どわああああっ!?」 突然の魂の叫びに景太郎は飛び上がった。い、一体何がどうしたんだ? 「私の名前は大きな河と書いて、た・い・が! 断じてタイガーじゃありません。そこんとこよーく覚えとく事! いい!?」 「わ、分かりました。大河、さん」 「そう、その調子。それはそうとして、聞きたい事があるんだけど」 大河はマイペースな調子で景太郎を相手にする。 「何ですか?」 「景太郎君は、こんな人を見なかった?」 と、大河は衛宮士郎の容貌や服装を説明した。 「……いや、俺は見てません。奴らに襲われて、それどころじゃなくて」 実際、ゾンビ発生以来、なる以外の人を気にかける余裕はなかった。 「そう……」 「すいません。役に立てなくて」 「あー、いいわよ気にしなくて。駄目元のつもりだったし」 「あのう、俺も聞きたいことがあるんですが」 「いいわよ、何でも聞いてちょうだい」 それを受けて、景太郎は成瀬川なるについて同様の説明をした。 「う〜ん。士郎と離れてから、しばらくは他の人と一緒だったけど、その中にいなかったと思うし、 1人になってから無事な人を見たのは、あなたが最初だから、悪いけど分からないわ」 「そうですか……」 景太郎が肩を落とした。 「私達、お互い尋ね人がいるのね……。そうだ、一緒に捜しましょう!」 「え、ええっ?」 「だから、協力しましょうって言ってるのよ。1人より2人の方が何かと心強いし、助け合えるでしょ。ね、いいと思わない?」 「そうか……そうですよね! 俺からもお願いします!」 景太郎が頭を下げる。 「あはは、そんな畏まらなくてもいいわよ。あ、そうだ、じゃあこれはあなたに渡しておいた方がいいわね」 大河がショルダーバッグの中を探る。景太郎が怪訝そうにしていると、大河は目当ての物を見つけたのか「これ」を取り出して、景太郎に渡した。 「はい、これ。あなたにあげる。上手に使ってね」 それは1丁の拳銃だった。ゾンビに襲われた警官――すでに致命傷だった――が落としたのを(心の中で手を合わせながら)拾った、と大河は説明した。 「お、俺こんなの使えませんよ!」 「私だって使えないわよ。でも男の子ならアクション映画とかよく見るでしょ。それの真似をすれば何とかなる筈だから、任せたわよ」 景太郎は仕方なく、銃を受け取った。幸い、上着のポケットに入る大きさだったので、そこに入れてファスナーで閉じた。 「よし、それじゃ早速出かけるとしましょうか。と、その前に」 大河が右手を差し出した。景太郎は一瞬戸惑ったが、すぐに察して握手した。 絆が一つ、結ばれた。 【B−07/B-07の舗装道路付近/1日目・日中】 【浦島景太郎@ラブひな】 [状態]:疲労(中)。擦り傷。安心、協力。 [服装]:ハイキング向きの服装。 [装備]:グロック26拳銃(9mmパラベラム弾。13/17発、予備弾倉なし)。 [道具]:デイパック。日用品(パスポート、携帯電話、軽食×2、缶ジュース×1、観光ガイド兼地図) [思考] 1:成瀬川なるを捜す。 2:藤村大河と協力する。 3:2人を捜しながら、水、食料を確保する。できれば武器も。 【藤村大河@Fate/stay night】 [状態]:疲労(小)。擦り傷。安心、協力。 [服装]:原作と同じ服装。 [装備]:ゴルフクラブ(3番アイアン)。 [道具]:ショルダーバッグ。日用品(パスポート、携帯電話、350mlペットボトル×1、観光ガイド兼地図)。 [思考] 1:衛宮士郎を捜す。 2:浦島景太郎と協力する。 3:2人を捜しながら、水、食料を確保する。できれば武器も。 4:後の事は、4人揃ってから考える。 [備考] 共通事項 ※ 景太郎も大河も銃の名前、正確な使い方、使用する弾薬の種類を知りません。 ※ 景太郎も大河も、互いに士郎となるの容姿や服装を把握しています。
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舞台は閉幕を迎えた。 偽りの四日間は終わりを告げ、それを望まぬ観客(骸)たちは永遠のアンコールを求めてステージ上へあふれ出す。 「ソラへと続く光の階段、それに手を繋いで歩く男女、か……少女マンガの主人公とヒロインみたいだね」 とある高層ビルの屋上。 第五次聖杯戦争において最大のイレギュラーである別次元の住人高町なのはは、遥か上空を行く二人を見て驚嘆の言葉をこぼす。 地上(深山町)に跋扈する残骸たちさえなければさぞかしメルヘンな光景であったことだろう。 町を覆い尽くす赤い灯し。 それは終わりを迎えようとする自身を殺すためだけに存在する自殺回路。 瞬きのうちに街を覆いつくし、阿鼻叫喚の地獄絵図をつくりだしている。 「あなたは続くために終わる事を選ぶんだね」 願いの具現した、この世界。 いくら求めても与えられなかったあらゆるものが、ソラへ歩むたびに遠のいている。 アンリマユと称えられた少年が、衛宮士郎(殻)の正義を是として、黄金の日々の終わりを受け入れた。 皮肉なものである。 なにせ、秩序を重んじる管理局の魔道師である自分は彼の正義に反発し、この世全ての悪がそれを肯定したのだから。 思えば半年前の聖杯戦争で、衛宮士郎とはずいぶん衝突したものだ。 自分の力量も省みず、誰かを助けるためならば自分を捨てて無茶をして、それを正そうともしない。 自身の幸福を手に余るとして受け入れようとせず、どうでもいい他人を救うために奮闘する。 自分を棚に上げて「女の子があんな戦いをしちゃ駄目だ」なんて言われたときはさすがに反論すら出来ずに目を丸くしたものだ。 "他人のことばかり考える"身勝手さでは自分も大概だと思っていたが、彼はその比ではない。 初めから"自分"が一切勘定に入っていないなんて、すでになのはの理解の範疇を超えている。 "強い信念のもと、人を助けたい"という共通の想いを持ちながらも、その一点が決定的に違いすぎた。 なのはが常に念頭に入れていることは"生きて帰ること"だ。 幼き日の自分。 限界など知らず、自らの力を過信していた愚かな日々。 自覚はなくとも、少しずつ、しかし確実に己の身体を蝕んでゆき、そして起こるべくして破綻した。 その結果に家族は涙し、仲間は憔悴し―――共に戦った小さな騎士には、必要の無い後悔を背負わせてしまった。 そんな若気の至りを経て、なのはは生き方を改めた。 自分の限界を知り、出来うる限り余力を残し、冷静に周りを見渡すことを覚えた。 猪突猛進で守れるものは意外なほど少ない。 人の上に立つ立場になり、さらにそれを実感した。 時には、命の一つもかけなければ何一つ守れない場面ももちろんある。 そんな状況でも無茶をするななどと、無理難題を押し付けるつもりはない。 しかし、それでも知っていて欲しい。 勇気と蛮勇の違いを。 命を落とすことで、悲しませる人間がいることを。 一人一人の価値を。 一時の過ちで、取り返しのつかない後悔を負ってしまわない様に。 教導する際に、それだけは何をおいても全力で叩き込むことにしている。 だからこそ、ひたすらに自分の価値を認めない衛宮士郎を、なのはには認められなかった。 他人の人生を全否定できるほど偉くなったつもりもないが―――正直、肩を並べて戦う戦友には欲しくない。 人柄は信用できても、行動が全く信用できない。 でも、そんな人間だからこそ―――愚直なまでの正義が、報われなかった者の心に届いたんだろう。 それはなのはには真似できない、彼だからこそ放てた価値ある輝きのはずだ。 「さて、どうしようかな。流石に数が多すぎる」 改めて地上の惨状を見渡して、思わず愚痴がこぼれる。 あの程度の相手なら問題は無いが、さすがにキリがない。 オーバーSランク級の魔道師といえども、人間である以上は限界がある。 有限では無限に勝てない。 骸は際限なく増殖し、いつかはこの身を容易く引き裂くことだろう。 ―――なら 「よお、マスター」 背後からの呼びかけ。 十年来の友人にでも声をかけるような気安さで、なのはのサーヴァントたる彼、ランサーがそこにいた。 思わず、目をぱちくりとさせるなのは。 「どうしたんですか?」 「は?」 聞きなれない言葉でも聞いたというふうに、首を傾げるランサー。 あんたこそどうしたんだ、自分はここにいて当たり前だろう、とでも言いたげである。 いや、疑問にも思うだろう。 既に役目を終えた以上、彼の性格上、ここでお節介を焼くようなことはしない。 精々、彼なりの義理を果たした元マスターの行く末をそれらしい感慨もなく見守るくらいかな、とか想像していた。 そんな彼が愛槍を手に、闘志ビンビンの完全武装モードで現れたのだからなのはとしては、予想外以外の何者でもない。 心外だな、と顔をしかめるランサー。 「俺の現マスターは誰だ?」 「……私?」 「そう、あんただ。なら、なのはが戦う以上、俺が戦わない道理は無いな」 マスターに従うのがサーヴァントの役目。 そんな、基本にして最大の役目が残っているのに、大人しくしているはずがないだろうと、そう言いたい訳だ。 「―――そうですね。あなたはそういう人でした……四日間であまり構ってくれなかったので、あなたの人柄を見誤りました」 「……構ってってな。なんだ、寂しかったのか、マスター」 「そんなのじゃありません。ただ私よりも前のマスターの方にご執心だったようですし?」 頬を膨らませて、プイッとそっぽを向く。 何故だろうか。前マスターである彼女を忘れずにいてくれたことは文句無しに嬉しいはずなのに、心のどこかで、こう、なんというか "面白くない"なんて自分らしくないことを思っちゃてたりしている自分がいて、ほんの少し戸惑いを覚える。 ああ、つまりなんだ。 「妬いてんのか?」 「妬・い・て・ま・せ・ん」 知らず知らずのうちに顔が紅潮する。 カラカラと笑いながら、なのはの膨らんだ頬を指で突くランサー。 抜ける空気。溜まる怒気。 やっぱり面白くない。 てゆうかなんだ、自分はこんなキャラではないはずだ。 大きなため息を一つ。いい加減、本題に入りたい。 「気を取り直して……一緒に戦ってくれるということで、良いですか?」 「おおよ。最後の祭だ。遠慮なく大暴れさせてもらうぜ」 勇猛な牙を研ぎ澄ませ、不敵に笑う。 今宵、この時のみ、共に夜を駆け、何よりも頼もしく映った相棒に戻ったのだ。 「それにな。誰かと背中を預けあって戦うっていうのも、悪いもんじゃねえ。それが良い女ならなおさらだ」 「……はいはい。では、大元を潰しにいきましょう。これだけの数を相手にしていてもキリが無いので」 つれないねえ、とぼやきつつ、力強く地を蹴り、ビルを飛び移っていく。 それに遅れぬよう、フライヤーフィンを発動させて、空を切る。 ―――僅かな感傷。 各々の意思、各々の再会、各々の別離がこの夜の内に終わる。 偽りの日々は記憶には残らず、それでも、こうして存在した以上はきっと意味がある。 ランサーとの共闘。そして、なのはがまともに戦うのも、恐らくこれが最後になるだろう。 若くして身体を酷使した代償は、こうして自らに跳ね返っている。 魔力値の減少、身体に残る鈍痛は既に軽視できるものではなく、前線を続けるのはここらが潮時だろう。 それでも、後進を育てあげることはできる。 それぞれの輝かしい未来への後押しができる。 つぎはぎだらけの自分でも、こんなにも大切なことが成せる。 それが、何より誇らしく思えた。 未来あるものに道を譲り、後進を育み、一人一人がそれぞれの空へと飛び立っていく。 きっと何億何兆と繰り返されてきたであろう人の生き様。 その連鎖に、自分も連なることになる。 人は弱いから、きっといつまでも間違える。 それでも、何かが成せる以上、その意味を求めて生を謳歌していくのだ。 道はああして、今も続いている。 なら―――自らが信じたその道を、振り返ることなく歩み続けよう。 小ネタへ
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【Fate/Zero】8/8 ○衛宮切嗣/○セイバー/○言峰綺礼/○アーチャー/○ランサー/○ウェイバー・ベルベット/○ライダー/○バーサーカー 【カゲロウプロジェクト】6/6 ○如月伸太郎/○如月桃/○木戸つぼみ/○鹿野修哉/○小桜茉莉/○瀬戸幸助 【刀語】6/6 ○鑢七花/○とがめ/○鑢七実/○否定姫/○左右田右衛門左衛門/○真庭鳳凰 【バトル・ロワイアル】5/6 ○七原秋也/●中川典子/○川田章吾/○桐山和雄/○相馬光子/○清水比呂乃 【魔法少女リリカルなのはStrikerS】5/6 ○スバル・ナカジマ/○ティアナ・ランスター/○エリオ・モンディアル/●キャロ・ル・ルシエ/○ゼスト・グランガイツ/○ルーテシア・アルピーノ 【リトルバスターズ!】6/6 ○直枝理樹/○棗鈴/○棗恭介/○宮沢謙吾/○神北小毬/○来ヶ谷唯湖 【シークレットゲーム-KILLER QUEEN-】4/5 ●御剣総一/○八幡麗華/○綺堂渚/○手塚義光/○高山浩太 【スーパーダンガンロンパ2-さよなら絶望学園-】5/5 ○日向創/○七海千秋/○狛枝凪斗/○九頭龍冬彦/○辺古山ペコ 【とある魔術の禁書目録】5/5 ○浜面仕上/○滝壺理后/○木原円周/○木原加群/○木原病理 【魔法少女まどか☆マギカ】4/5 ○鹿目まどか/○暁美ほむら/●美樹さやか/○佐倉杏子/○巴マミ 【ひぐらしのなく頃に】4/4 ○前原圭一/○竜宮レナ/○園崎詩音/○北条沙都子 【Fate/stay night】4/4 ○衛宮士郎/○アーチャー(エミヤ)/○葛木宗一郎/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 【ONE PIECE】4/4 ○モンキー・D・ルフィ/○ポートガス・D・エース/○エドワード・ニューゲート/○エネル 【空の境界】2/2 ○両儀式/○黒桐幹也 68/72 ここより先ネタバレ注意 【主催者陣営】 ○ジェイル・スカリエッティ@魔法少女リリカルなのはStrikerS ○ナンバーズ@魔法少女リリカルなのはStrikerS ○プレシア・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは ○薊@カゲロウプロジェクト 【見せしめ】 ●フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
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00~50 No. タイトル 作者 登場人物 000 ――はじまり。 ◆awaseG8Boo氏 源千華留、柚原このみ、河野貴明、向坂環、ノゾミ、ミカゲ、言峰綺礼、神崎黎人 No. タイトル 作者 登場人物 001 Einsatz ◆eQMGd/VdJY氏 葛木宗一郎、高槻やよい、吾妻玲二(ツヴァイ) 002 To all people ◆AZWNjKqIBQ氏 黒須太一 003 そして始まる物語 ◆guAWf4RW62氏 向坂雄二、桂言葉、千羽烏月 004 月夜に踊る隠密少女 ◆aa/58LO8JE氏 支倉曜子 005 世界で一番NGな出会い? ◆LxH6hCs9JU氏 小牧愛佳、菊地真 006 Piova ◆J1Yqz32Be.氏 クリス・ヴェルティン、藤林杏 007 I AM SACRIFICE BLOOD ◆DiyZPZG5M6氏 羽藤桂、アル・アジフ 008 Spicy Drop Marble Jenka ◆wYjszMXgAo氏 西園寺世界、棗鈴、間桐桜 009 狂ヒ咲ク人間ノ証明 ◆PELOaKeBfU氏 鉄乙女、杉浦碧 010 Let s Play? ◆iDqvc5TpTI氏 ドクター・ウエスト 011 固有の私でいるために ◆CKVpmJctyc氏 対馬レオ、山辺美希 012 真逆 ◆CMd1jz6iP2氏 ティトゥス、直枝理樹、真アサシン(ハサン・サッバーハ) 013 I am bone of my sword ◆WAWBD2hzCI氏 椰子なごみ、衛宮士郎、リセルシア・チェザリーニ 014 天から舞い降りたシ者 ◆awaseG8Boo氏 蒼井渚砂、鮫氷新一、古河秋生 015 激突!?究極の筋肉VS至高の筋肉! ◆jRWsRROwBY氏 井ノ原真人、アントニーナ・アントーノヴナ・二キーチナ 016 私と貴方は似ている。 ◆UcWYhusQhw氏 棗恭介、トルティニタ・フィーネ 017 彼等の本気 ◆nrFxk81wlQ氏 如月千早、岡崎朋也 018 Memento Vivere ◆GWJrhWwbC6氏 柚原このみ、ドライ 019 希望、あるいは絶望への最初の一歩 ◆lcMqFBPaWA氏 清浦刹那、ウィンフィールド 020 誰が為に刀を振るう ◆rb7ZL.QpjU氏 一乃谷愁厳・一乃谷刀子、宮沢謙吾 021 熱く、強く、私らしく、たとえ殺し合いの舞台でも ◆56WIlY28/s氏 伊達スバル、玖我なつき 022 Battle Without Honor Or Humanity ◆PELOaKeBfU氏 アイン、深優・グリーア 023 愛する人の元へ ◆bD004imcx.氏 藤乃静留 024 偽りの空の下で狂人は変人に魅入られ、そして始まるたった2人だけの演奏会。 ◆UcWYhusQhw氏 クリス・ヴェルティン、来ヶ谷唯湖 025 少女の求めるもの ◆aa/58LO8JE氏 佐倉霧、若杉葛 026 The Course Of Nature~秒速5メートル~ ◆eQMGd/VdJY氏 浅間サクヤ、神宮司奏、大十字九郎 027 幸せになる為に ◆guAWf4RW62氏 ファルシータ・フォーセット、伊藤誠、柚原このみ 028 ドゥー・ユー・リメンバー・ミー ◆nrFxk81wlQ氏 小牧愛佳、菊地真、古河渚 029 死の先にあるモノ ◆CMd1jz6iP2氏 九鬼耀鋼 030 えきぞちっく・といぼっくす ◆LxH6hCs9JU氏 蘭堂りの、源千華留 031 殺す覚悟 ◆jRWsRROwBY氏 如月双七 032 月光カプリッチオ ◆WAWBD2hzCI氏 ユメイ、加藤虎太郎、橘平蔵 033 Fearing heart ◆WAWBD2hzCI氏 ドクター・ウェスト、岡崎朋也、藤林杏 034 True Love Story/堕落のススメ ◆UcWYhusQhw氏 ファルシータ・フォーセット、伊藤誠、古河渚、菊地真 035 HEART UNDER BLADE ◆AZWNjKqIBQ氏 支倉曜子、衛宮士郎 036 To hell ,you gonna fall ◆GWJrhWwbC6氏 鮫氷新一、古河秋生 037 吊り天秤は大きく傾く ◆eQMGd/VdJY氏 対馬レオ、山辺美希、鉄乙女、杉浦碧、一乃谷愁厳・一乃谷刀子 038 降り止まない雨などここにはないから(前編)(後編) ◆wYjszMXgAo氏 棗恭介、トルティニタ=フィーネ 039 死を超えた鬼と少女 ◆CKVpmJctyc氏 佐倉霧、九鬼耀鋼 040 蒼い鳥に誘われて ◆aa/58LO8JE氏 千羽烏月、岡崎朋也、クリス・ヴェルティン、椰子なごみ、来ヶ谷唯湖 041 GET TO BURNING ◆iDqvc5TpTI氏 ドクター・ウェスト、藤林杏 042 World Busters! ◆CMd1jz6iP2氏 如月千早、棗鈴 043 王達の記録 ◆DiyZPZG5M6氏 浅間サクヤ、蘭堂りの、源千華留 044 契約、そして ◆guAWf4RW62氏 羽藤桂、アル・アジフ 045 まこまこクエスト~狸と筋肉とスライムと呪われし血脈 ◆CMd1jz6iP2氏 菊地真、アントニーナ・アントーノヴナ・ニキーチナ、伊藤誠、井ノ原真人 046 求めなさい、そうすれば与えられる ◆lcMqFBPaWA氏 西園寺世界、柚原このみ 047 GO MY WAY!! ◆LxH6hCs9JU氏 高槻やよい、葛木宗一郎 048 クモノイト ◆WAWBD2hzCI氏 黒須太一、吾妻玲二(ツヴァイ)、真アサシン、藤乃静留、直枝理樹 049 胸には強さを、気高き強さを、頬には涙を、一滴の涙を。 ◆UcWYhusQhw氏 ティトゥス、宮沢謙吾、蒼井渚砂 050 何気ない遊園地に、数々の出会い ◆eQMGd/VdJY氏 アイン、ユメイ、佐倉霧、橘平蔵、加藤虎太郎
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時系列 2st 【夜】(18 01~ 20 00) 放送後 045 Spitfire 名無しさん 上条信哉、衛宮士郎、ランサー 18 10 042 禍福は巡る 名無しさん 涼宮茜、周防院奏、高峰小雪、渡良瀬準 18 15 046 EXTRAVAGANZA ~蟲愛でる少女~ 名無しさん 森来実、御薙鈴莉 18 15 052 オレと彼女は主従なカンケイ 名無しさん 澤永泰介、香月夕呼、西園寺世界 18 30 043 黒き福音 名無しさん 高溝八輔、珠瀬壬姫、加藤乙女、黒セイバー、小日向すもも、小日向音羽 18 30 050 誰かのために出来ること 御剣冥夜編 名無しさん 御剣冥夜、葛木宗一郎 18 30 053 のぞきみユ~レイ!! 名無しさん 高島一子、タマちゃん、白銀武、鑑純夏 18 45 054 KISS×100 名無しさん 白銀武、鑑純夏 19 00 051 華の悲鳴 ~壊れた硝子の心~ 名無しさん 神坂春姫、清浦刹那、アーチャー 19 15 055 彼女たちの流儀 名無しさん 氷室鐘、御門まりや、宮小路瑞穂、白セイバー 19 30 056 魂響 名無しさん 式守伊吹、十条紫苑、柳洞一成 19 45 057 うちの妹のばあい 名無しさん 桂心、桂言葉、???????? 20 00 047 光を求めて 名無しさん 厳島貴子、柊杏璃、三枝由紀香、上岡由佳里、美綴綾子、小日向すもも、間桐慎二、高溝八輔 20 00 048 どきどきビーチ! 胸騒ぎの予感 名無しさん 鎧衣尊人 【夜中】(20 01~ 22 00) 20 10 049 Dancing Crazies 名無しさん 厳島貴子、柊杏璃、三枝由紀香、上岡由佳里、美綴綾子、小日向すもも、間桐慎二、高溝八輔、イリヤスフィール 20 15 059 ノストラダムスに聞いてみろ♪ 名無しさん 小鳥遊圭、高根美智子 20 30 044 吊り橋の果てに 名無しさん 伊藤誠、間桐桜、菅原君江、戎美凪 20 45 058 フォレスト・イン・ザ・ダーク 名無しさん 神宮寺まりも、高峰小雪、渡良瀬準
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浅間 サクヤ(あさま さくや) 【出典】アカイイト 【声優】真田アサミ 【性別/年齢】女/約1700歳(自称20歳) 【人称】 一人称:あたし 二人称:あんた、または名前呼び捨て。 (これは作中に同格以上の相手がいなかったため) 三人称:名前呼び捨て、または名前+さん、あいつ、あの子など 【関連人物への呼称】 羽藤桂 →桂 ユメイ →柚明 若杉葛 →葛 千羽烏月 →烏月 ノゾミ →ノゾミ ミカゲ →ミカゲ 【能力】 通常時の身体能力は人間より少し高いくらいで、 片手で自分と桂の体重を保持できる握力を持つ。 また、嗅覚が鋭い。 電気もガスも無かった時代から生きているためにサバイバル能力は高い。 料理も得意。 獣人変化:鬼に変身する。 見た目はあまり変化しないが、身体能力が大きく向上する。 サクヤは桂の血などによる強化が無ければ使えない。 【キャラ紹介】 フリーのルポライター兼フォトグラファー。 一般人を装っているが、人間とは種族を異にする観月の民の生き残りであり、 およそ1700年を生きてきた鬼。 桂の祖母の代から羽藤家を見守り続けている。 姐御肌で面倒見がよく、義理堅い性格の持ち主。 観月の民:石長比売の眷属。人間とは別種の生物。 1700歳で見た目20代のサクヤですら「成長が早い」とされるほど長命な種族。 通常は月神の守護を受けているが、月蝕の夜に生まれたサクヤは守護を受けられなかった。 その代わりにサクヤは蝕の神である須佐之男命の守護をうけ、羅喉の力を扱う。 60年前に鬼切部によって滅ぼされた。 以下、ギャルゲ・ロワイアル2ndにおけるネタバレを含む +開示する 浅間サクヤの本ロワにおける動向 初登場話 026 The Course Of Nature~秒速5メートル~ 登場話数 5話 スタンス 対主催 現在状況 098 Steelis my body, and fireis my blood/絡み合うイト(後編)時点 026【F-7駅】神宮司奏、大十字九郎と情報交換。放送時にF-7駅で落合う約束。 043【G-4別荘地】源千華留、蘭堂梨乃と情報交換。放送時にF-7駅で落合う約束。 068【F-4森林】蒼井渚砂・尾花と出会う。愁厳に襲われて渚砂は死亡。 079 【F-4森林(北東)】知り合いである千羽烏月と再会。烏月がゲームに乗っていることを知る 098 【G-5歓楽街】羽藤桂を襲っていた衛宮士郎を撃退し、血を与えて桂を助ける。しかし市民会館を出たところを狙撃され爆死。 122 【G-6歓楽街】羽藤桂とアル・アジフにより桂の右腕と共に埋葬される。 今ロワでの強さ 嘆きノ森の少女 渚砂一人を小脇に抱えてなお、常人を遥かに超える速度(愁厳と互角)で森を走り回る 右腕の直撃を受けた背後の木に、痛々しい穴が穿つ 鼻が利き、相手に染み込んだ血の匂いはどこまでも追跡できる 愁厳の放った正確な斬撃はサクヤの腕によっていなされ、避けられる 敵の腕力のレベルは愁厳とは段違い Steelis my body, and fireis my blood/絡み合うイト(後編) アーチャーの腕により強化された士郎と力比べをして圧倒した 3メートル以上跳躍する身体能力と刀を素手で受け止められるほどの腕の硬度をもつ 疾風のような速さと伸びた爪による攻撃で士郎を撤退させる キャラとの関係(最新話時点) キャラ名 関係 呼び方 解説 初遭遇話 大十字九郎 協力 情報交換後、別れる 026 The Course Of Nature~秒速5メートル~ 神宮司奏 協力 情報交換後、別れる 026 The Course Of Nature~秒速5メートル~ 源千華留 協力 千華留 情報交換後、別れる 043 王達の記録 蘭堂りの 協力 りの 情報交換後、別れる 043 王達の記録 蒼井渚砂 協力 渚砂 067 嘆きノ森の少女 一乃谷愁厳 敵対 067 嘆きノ森の少女 千羽烏月 敵対? 烏月 烏月を止める 079 この地獄に居る彼女のために 羽藤桂 保護対象 桂 098 Steelis my body, and fireis my blood/絡み合うイト(前編) アル・アジフ 協力 098 Steelis my body, and fireis my blood/絡み合うイト(前編) 衛宮士郎 敵対 098 Steelis my body, and fireis my blood/絡み合うイト(前編) 最終状態 【F-4 森林(北東)/1日目 朝】 ※『参加者情報』と書かれたディスクの閲覧には、PCなど他の媒体が必要です。 ※神宮司奏・大十字九郎、源千華留、蘭堂りの、蒼井渚砂と情報を交換しました。 ※第二回放送の頃に、【F-7】の駅に戻ってくる予定。 ※黒須太一(と名乗った一乃谷愁厳)を危険人物と判断。 【装備:尾花@アカイイト、今虎徹@CROSS†CHANNEL ~to all people~】 【所持品:支給品一式。『全参加者情報』とかかれたディスク】 【状態:健康、悲しみと怒り】 【思考・行動】 0:烏月の大馬鹿野郎…… 1:羽藤桂の発見(単独ならば保護) 2:島にいる参加者の情報収集。及び、お互いの認知 3:首輪を外せる人物の確保 4:脱出経路の確保 5:可能ならばユメイは助ける。葛と鳥月は放置 6:蒼井渚砂から受けた伝言をリトルバスターズに伝える 7:1が済み、3と4が成功したならば、禁止エリアに桂と退避する 8:烏月を止める? 【尾花@アカイイト】 【状態:健康、悲しみ】 【思考】 基本方針:葛と桂を捜すため、サクヤと同行する 踏破地域 1 2 3 4 5 6 7 8 A■■■■■■■■ B■■■■■■■■ C■■■■■■■■ D■■■■■■■■ E■■■■■■■■ F■■■□■■□■ G■■■□□■■■ H■■■■■■■■
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男の話をしよう。 男は正義の味方になりたかった。正義の味方になれなかった者の未練を継ぎ、男は正義の味方であろうとした。 運命の出会いを経て、戦争に身を投じ、そうして男は一つの選択を迫られた。 正義の味方であることを諦めるか、貫くか。男は鉄の心でもってその手を血に染め正義の味方であることを選んだ。 それからも男は正義の味方であり続けた。世界を蝕む淫婦、そしてその女を支持する民衆を相手どっても正義を貫き続けた。――その過程で、騙されているだけの無辜の民を手にかけても、彼の日常の象徴であった者をその手にかけることになってしまっても。 その果ては、なんとも哀れな物に過ぎなかった。 淫婦は男の決意を嘲笑うかのように、その手にかかることなく自死を遂げる。 殺戮の末に囚われた男は法の裁きを受ける事もなく、その実力を惜しまれた政府により表向きは存在を抹消され名もなき公共の正義として政府の抑止力となった。 かつて抱いた志を忘れ、感情は希薄になり、虚無を抱え続け、鉄心は腐り果てていく。 そうして男はある任務を境にその姿を何処かへと消えさった。 これは、そんな終わった筈の男の蛇足の話だ。 どこかの倉で男が意識を取り戻す。 自分が何者であったのか、辛うじて覚えている。 自分が何をしていたか、朧気だがくだらないものだったという自覚がある。 ここはどこか、酷く見覚えのある場所ではあるが男がこの場所で目覚めることはありえないとう確信を持っている。 そして、男の眼前には一つの影が立っていた。 小山の様な筋骨隆々の男だった。纏われた襤褸の様なマントの隙間から死神の如く赤く光る瞳が覗いている。だが、なによりも異質なものは体の至る所に装着された刀剣だろう。形状・刀身・雰囲気、そのどれもが異なる無数の魔剣。その出で立ちを一言で形容するならば剣鬼と呼ぶのが相応しいおぞましさだ。 男が僅かに眉根を寄せる。かつての、とうに忘れたと思っていた記憶が錆びついた脳髄の底から染み出てきた。例え腐り果てたとしても完全に忘れ去ることなど出来なかった、運命との邂逅。反射的に、男は口を開いていた。 「セイバー、のサーヴァントか?」 「ああ、そういうものらしい」 男の言葉に淡々と剣鬼は応えた。 夜の闇を照らす月の光が倉の入り口から入り込み、剣鬼の背から照らす。かつて、男が剣の英霊と出会った場面を再現するかのように。 「問おう、お前が俺のマスターか」 『問おう、貴方が私のマスターか』 あの時と同じ問いかけに腐り果てた男、衛宮士郎と呼ばれていた名無し(ロストマン)は、愚直に正義の味方であろうとした時分、騎士王たる女性と出会った時であれば決して浮かべることなどなかった皮肉気な笑みをその顔に浮かべた。 ◇ 決着はあっという間だった。 標的はセイバーとランサーの二人、相応の実力者だっただろう。 まず、彼らのマスターが狙われた。遠距離からの銃撃により二騎の騎士はそれぞれのマスターを護ることに意識を向けてしまう。それが命取りとなった。 己が主の銃撃を合図に駆けだした剣鬼が20mは先にいるセイバー目がけて細剣を抜き打つと、遥か彼方にいた筈のセイバーの脳天に穴が穿たれる。無論、致命傷だ。 同盟相手が屠られたランサーが激昂しながら槍をなぎ払うがそれは跳躍しながら躱され後方へと回られる。 霊基が消滅していく最中のセイバーの真横へと降り立った剣鬼が、セイバーの携えていた両刃の西洋剣を掴みあげた。するといかなる異能か、粒子となって消滅するセイバーを尻目に彼の得物であった剣だけが消滅を止め元の形を保って剣鬼の手に収まったではないか。 僅かな期間とはいえ仲間であった者から武器を強奪するという行為にランサーは額に青筋を浮かべて牙を剥く。怒りを力へと変えながら真名を解放しようとし、驚愕に体を強張らせた。 「■■■、■■■■」 剣鬼が強奪した剣の真名を口にする。 ありえないことだ。真名を口にしたということはその宝具の本来の性能を発揮できるということだ。如何にして剣鬼がセイバーの宝具と真名を知りえたというのか、いや、知りえたとして他者の宝具の解放など余程縁の深いサーヴァント同士でもなければ出来よう筈がない。しかし彼の眼前に確たる事実として他者の宝具を解放してみせた剣鬼がいる。 その動揺・驚愕・困惑が致命的な隙となった。剣鬼の強奪した剣から放たれた光弾がランサーの胴体を穿ち焼失させる。 恨み言を呟きながらランサーの霊基もまた粒子の塵となって消滅していき、そこで大勢は決した。 真名解放の影響か今度こそ霊基が崩壊していく剣を見やった後に、剣鬼は今しがた自身が屠った二騎の英霊が守ろうとしていた者達へと向き直ろうとした矢先、二発の乾いた音が鳴り響きドサリと何かが倒れる音が続けてする。 剣鬼が音のした方へ視線を向けると、いつの間にそこにいたのか彼のマスターである士郎がその仕事を終えていた。手にした拳銃から紫煙が立ち上りその傍らには物言わぬ死体となった物が二つ転がっている。 「周囲にサーヴァントの気配はない。ひとまず今回の戦闘はここで終わりだろう」 「そうか」 セイバーの言葉に淡々とした声色で士郎が返す。一仕事を終えた剣鬼に労いの言葉もないが、彼は特に気にした様子もない。 聖杯戦争の概要を把握した後、衛宮士郎が選択した方針はこれまでの彼が歩んできた方法をなぞる物だった。 聖杯という危険物の破壊、そして聖杯に願いを託そうとしている者達の殺害である。 相手が誰であろうと、どんな願いであろうとも平等にすべてを否定し殺す。数多の死を積み重ね血塗れの道程を歩んできた自身にはそれ以外の選択肢など許されるものではないと士郎は結論づけていた。 士郎にとって幸運だったのは彼のサーヴァントである剣鬼、おぞましきトロアがその方針に異を唱えなかったことだろう。 まず最初に願いを尋ねられた時、トロアは士郎に願いはないと答えた。生前、おぞましきトロアとしてすべきことを行えた彼に聖杯に賭ける程の未練はなかったのだ。そのうえで士郎の目的を聞いた時にトロアが思い出したのは彼の義理の父である本物のおぞましきトロアのことである。魔剣によってもたらされる災いの抑止力と自己を定義し、関わる物を全て殺して回った先代のトロアの姿が聖杯を破壊すると宣言した士郎に重なって見えた。 恐らく自分が呼ばれたのはそういう縁もあるのだろうと自分の中で納得し、トロアは二つ返事で士郎の方針に賛同したのだ。 交わす言葉すらなく士郎は路地裏の闇にその身を隠し、追従するようにトロアの姿が霊体化により姿を消す。後には死体だけが残された。 ◇ 夢を見ている。自分とは異なる者の人生という名の夢を。 おぞましきトロアと俺に名乗ったサーヴァントらしき男が、奴の腰ほどもない背丈の小男と食卓を囲んでいる。その会話から小男こそが本来のおぞましきトロアであり、あいつはヤコンという名の男であるらしいことは理解できた。 真のトロアは争いを生む魔剣という道具をそれに関わる全てを皆殺しにし収奪を行い、魔剣を不吉なものと認知させ関わろうとする者をなくすことにより抑止力足らんとしたようだった。目撃した罪のない民すら殺したと呟くその声色に後悔の念を感じとる。 ――脳裏に、あの女を守るために自分に立ちはだかった人々が脳裏を過る。そして銃口を俺へと向けたあの人も―― トロアは魔剣の抑止者であることを自分の代だけで終わらせると口にした。自分の行いは誤りであると。正義感から端を発した行いは血に濡れ後悔に満ちた取り返しのつかない物に成り果てたと。 だが、ヤコンはトロアの言を否定した。 「……俺は父さんの息子だ。父さんのやってきたことを間違いだなんて言わない」 「そうか。ありがとう」 『――そうか、安心した』 義息の言葉に穏やかな表情を浮かべるトロアが、一人の男と重なった。 視界が暗転し、映る景色が変わる。 新しく映った光景は一言で言えば死地だった。 上空から急襲する飛龍を迎え撃つのは剣の丘の最中に立つトロアの姿。その姿に微かに既視感を覚える。 地面に刺さった無数の剣と飛龍が繰り出す多種多様の秘宝の応酬が始まる。互いに実力は伯仲し一つ何かが誤っただけで瓦解するであろう絶妙な拮抗状態が生まれていた。 そして決定的な瞬間が訪れる。飛龍に強奪された光の刃がトロアの上半身と下半身を両断し、そして勝利を確認する事もなく飛龍は死地から飛び去った。残されたのは無力に震えていたヤコンと死に行くトロアだけだ。 己の無力と怯懦を嘆き、謝罪をしながらもヤコンが続ける。 「父さん……!父さん!俺がやる!俺が、光の魔剣を取り返す!父さんの後を継ぐ!全部、大丈夫だから……!父さん!」 涙に濡れながら決意を口にするヤコンを前に、自分の代で伝説に幕を降ろそうとしていた筈の男はどこか嬉しそうな、穏やかな笑みを浮かべて事切れた。 そうしておぞましきトロアは死んだ。伝説といえど誰も無敵ではない。だが、その伝説の意思を継ぐ者はいた。ヤコンはトロアとなった。今はあの男こそがおぞましきトロアであった。 『うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ。爺さんはオトナだからもう無理だけど、俺なら大丈夫だろ。』 『まかせろって、爺さんの夢は ────俺が、ちゃんと形にしてやっから』 月の光る夜の下でした約束が脳裏にフラッシュバックする。とうに忘れたものだと思っていたが、存外しつこく残っていたらしい。もっとも、そんな志など腐りきった俺にはもはや意味のないものであるのだが。 だが、なるほど。こんな俺にあてがわれるにしては随分と人の出来たサーヴァントだと思っていたが、合点はいった。ある意味では縁召喚と言えるのかもしれない。 もっとも奴の口ぶり、そして奴の武器の中にあった光の剣らしき剣からしてしっかりと『おぞましきトロア』を完遂して終われたようではある。そんな男を正義の味方の成り損ないに充てるとは、いやはやここの聖杯に意思があるとするならばさぞかしいい性格をしていることだろう。 次第に俺の意識がぼやけていく。目覚めが近いのだろうか。 果たして目が覚めた俺はこの夢で見た物を覚えているだろうか。まあ、どちらでも構わないな。 ここで見た物がなんであれ、俺がやることは変わらない。先代のトロアと俺は同じだ。 今更この在り方を変えようなど許されない。そうやって俺は生き、終わった男だ。 だからここでもそうやって生きてそうやって終わりを迎える。俺はそれでいい。 名も失った死人が最後に骨をうずめるのが冥府だなんて、こんなに似合いの話もないさ。 【CLASS】 セイバー 【真名】 おぞましきトロア@異修羅 【性別】 男性 【属性】 秩序・中庸 【ステータス】 筋力A 耐久A 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具D 【クラス別スキル】 対魔力:D 魔術に対する抵抗力。詠唱が一工程(シングルアクション)の魔術を無効化。魔力除けのアミュレット程度の耐性。 騎乗:B 乗り物を乗りこなす能力。Bランクでは、大抵の乗り物は乗りこなせるが、幻想種は乗りこなせないレベルである。 【固有スキル】 心眼(真):C 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が数%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 仕切り直し:C 戦闘から離脱する能力。 また、不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。 怪力:C 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。 使用する事で筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。 魔剣士:A 数多の魔剣を自在に使いこなす剣士に畏怖とともにつけられた称号。 自身の所持する無数の魔剣を使用した判定に有利な補正を得、また最適な魔剣を最適なタイミングで使用できる状況判断能力を持つ。 【宝具】 『レイテの死神は死せず(おぞましきトロア)』 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 あらゆる魔剣・聖剣に『使われる』才能が宝具化したもの。初見であろうともそれが魔剣であるならばトロアは十全にその剣の性能を引き出すことが出来る。対象の剣を強奪し本来の使い手と同じ、あるいは本来の使い手以上にその性能を引き出して使用することが出来、真名解放すら可能とする。ただし本来の使い手ではない関係上、真名解放までした場合は代償として開放後に強奪した剣は消滅する。 魔剣というがこれはセイバーの世界において魔剣という呼称が使われているだけであり、聖剣など魔剣以外の呼称を持つ刀剣であってもこの宝具の対象となる。 それはかつての怪談に等しい技量を持ちながら、それを遥かに上回る膂力を持つ。 それは長き時代の全てよりかき集めた、無数の魔剣を所有している。 それは本来の自我すら超えて、全ての魔剣の奥義を操ることができる。 冥府の底よりなお蘇る、呪いの運命を取り立てる死神である。 魔剣士。山人。 おぞましきトロア。 【weapon】 魔剣:おぞましきトロアが所持する無数の魔剣。一振りごとに固有の特異能力をもつ 【人物背景】 魔剣の所有者の前に現れ、所有者と目撃者を殺戮して魔剣を奪っていくという伝説上の存在。先代のおぞましきトロアではなく、彼に両親を殺された後に養子となった聖域のヤコンというドワーフが死亡したトロアの名とその使命を受け継いでいる。 魔剣を狙う物や敵対者に対しては容赦も慈悲もないが本人の平素の性格は純朴で善人寄りである。 【サーヴァントとしての願い】 ない。聖杯は破壊し聖杯で願いを叶えようとする者も排除する。かつてトロアが魔剣を奪い纏わる者を皆殺しにすることで血濡れの平和を築こうとしたように。 【マスターへの態度】 悪感情は持っていないが厭世的な態度のマスターに対して持ち前の人の良さから心配をしている。 【マスター】 衛宮士郎@Fate/Grand Order ‐Epic of Remnant‐ 亜種特異点EX 深海電脳楽土 SE.RA.PH 【マスターとしての願い】 聖杯は破壊する。願いを叶えようとしている参加者は全て殺す 【能力・技能】 投影魔術:物を投影して作り出す魔術。干将・莫耶という双剣を銃器に改造したものを良く投影して武器として使用する。 【人物背景】 衛宮士郎のIF。鉄の心を持つことを選んだ世界線の成れの果ての一つ。 ある女性が興した新興宗教の危険性に気付き、自分の信念を曲げて無辜の民や衛宮士郎にとっての日常の象徴すらもその手にかけながらも首魁である女性に死に逃げをされ、決定的に道を違えたことによって魔道へと堕ちた。 その後は政府との取引によって秘密裏に活かされ「公共の正義」として政府の抑止力となって殺戮を繰り返し、摩耗し、最後はその姿を晦ませた。 性格や口調こそサーヴァント:エミヤ・オルタに近いが彼はサーヴァントではなく生きている人間であるためFGOの様に霊基再臨による霊基崩壊や記憶の喪失および混濁は発生しない。 【方針】 全参加者に対して敵対的。だまし討ちを前提として同盟などは考慮する。 【サーヴァントへの態度】 聖杯戦争を勝ち抜くために必要な道具としては信用している。
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212 名前: 仮面ライダールート#interlude5 (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/22(月) 01 11 ――――interlude 扉の隙間から差しこむ月光が、淡く土蔵の中を照らし出す。 その中央に蹲るようにして座りこんでいるのは、衛宮だ。 「――み、つづり……?」 「どうした衛宮、そんなに汗びっしょりになって?」 ゆっくりと脚を踏み出す。 静かな足音――――それから、あたしと衛宮の呼吸音だけ。 「あ、う――ん。えっと、だな……」 「鍛錬、だろ?藤村先生から聞いてるよ」 衛宮の隣にしゃがみ込む。 ――――その顔は、本当に汗びっしょりで。 コイツは、ここまでして何をしたいんだろう。 そう想った時には、素直に口が動いていて、あたしは衛宮に問いかけていた。 「なあ、衛宮………そんなになってまで、何をしたいんだ?」 「―――――――なりたいものが、あるんだ」 「なりたいもの?」 うん、と小さく頷く。 それから何処か照れくさげに頬を掻いてから、衛宮は言った。 「仮面ライダーに、なりたいんだ」 「…………仮面ライダー、か……」 朝、衛宮から唐突に言われた言葉が蘇る。 ――あの時は、ただ笑う、というか腹が立っただけだった。 何を馬鹿なことを言っているんだろう。 仮面ライダーになりたい、なんて幼稚園児くらいしか言わないだろう。 ―――――藤村先生から、衛宮があの大火災の生き残りだと教えてもらったのは、昼休みの事だった。 困っている人間を見ればソイツが嫌な奴でも良い奴でも見知らぬ他人でも関係無しに助けようとし、喧嘩をしているのを見れば割って入って両方から撲られる。 そして、仮面ライダー。 多分、衛宮は――――。 「うん……良い夢じゃないか」 「―――美綴は笑わないんだな」 「そりゃあ、朝は驚いたけど……人様の夢を笑う奴は馬に蹴られて死んでしまえ、だ。 あたしは応援するよ、衛宮の夢」 そっか、と頷いて、衛宮は嬉しそうに笑う。 衛宮士郎は、嬉しそうには笑っても――――楽しそうには笑わない。 だから、 ―――――多分、衛宮は、まだあの赤い空の下にいる。 あたしは――― 1.そんな衛宮を見るのが、溜まらなく辛かった。 2.そんな衛宮に凄く腹が立った。 ――――interlude out 投票結果 1 5 決定 2 4