約 2,050 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/41859.html
登録日:2019/04/18 Thu 23 55 34 更新日:2024/09/17 Tue 13 23 22NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 SCP SCP Foundation SCP-1152 Safe Vorcha アライグマ 認識災害 身体欠損 このアライグマ、なんか変なんだ。 SCP-1152はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。 オブジェクトクラスはSafe。 項目名は『A Common Raccoon/アライグマ』。 ▷ 目次 概要 インシデント記録 最後に 関連オブジェクトSCP-2938 - Unpredictably Reactive Substance(予期せぬ反応性物質) 概要 SCP-1152は表面的にはProcyon lotor (アライグマ)種の一般的な個体に類似している。 つまりおーざっぱにいえばこれはどうみてもアライグマなのだ。 害獣とされることもしばしばあるものの、『あらいぐまラスカル』の影響からペットとして一時期も人気だったあのアライグマ。 しかし栄養失調なのに75kgも体重がある。 さらにさらに、どういうわけか、こいつのゲノムはヒトゲノムに近いのである。 『なに!?アライグマのゲノムはアライグマゲノムではないのか!?』 という融合使いの叫びも虚しく響く。 そして人にしか感染しない病原体などには敏感であり、アライグマにしてはやけに長い寿命を持つ。 同種のアライグマを含めた他の肉食動物に引き合わせるとそいつらが敵意を向けるという認識災害特性もあり、 基本的に隔離されてサイト-92の檻に入れられている。 現在はうつ状態であり、第五指を欠損しているほか、上述の病気にかかるなどの健康問題が多いため、 財団の獣医によって定期的に検査されている。 財団がこいつのゲノムをサーバーに登録した所、 なんととあるエージェント(黒塗りのためここでは仮にエージェント・新井(仮名)とする)のゲノムと99.87%の一致を示した。 このエージェント・新井(仮名)だが、かつてはサイト-98のエージェントであった。 13ヶ月の間行方不明になっていてKIAとされている人物だが、現在でも死体は発見されていない。 インシデント記録 そんなアライグマだが、こいつはどうやら人間と同じくらいの知能を持つらしく、 またアライグマの前足でできる範囲を超えた器用さをもち、ドアの開閉はおろか、 簡単なマニュアル鍵のピッキングくらいならできてしまう。 そのため、こいつの収容されている檻はマニュアル錠ではなくキーカード式になっているが、 一度派遣されてきたエージェントのキーカードを奪い、サイト-92から脱走したことがある。 その後こいつは再収容されるまでの間に、なぜかサイト-92を飛び出してサイト-98まで移動し、 そこで働いていたエージェント・新井(仮名)の携帯電話を見つけ出し、 エージェント・新井(仮名)の妻に電話を5分間かけていたことが判明している。 その通話記録はもちろん、アライグマの声であったが。 どうやってアライグマは気付かれずにサイト-92まで移動し、サイト-98の間取りを知ったのだろうか。 そしてなぜエージェント・新井(仮名)の妻に電話をしていたのか。 ともかく、アライグマの収容担当者はアライグマに接触する際、キーカードを隠すように推奨されている。 最後に これがそのアライグマである。 画像出典:http //www.scp-wiki.net/scp-1152 ,by Vorcha, 2020/05/18閲覧この画像は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 うーん、どっからどう見てもふつうのアライグマだよなあ…。 関連オブジェクト SCP-2938 - Unpredictably Reactive Substance(予期せぬ反応性物質) ネズ公に摂取させると、ネズ公の循環系を置換したり、 水と混ぜると合計した質量のDHMOが発生したり、 冷やすと0℃で水の結晶個体になる謎の液体。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-1152 - A Common Raccoon by Vorcha http //www.scp-wiki.net/scp-1152 http //ja.scp-wiki.net/scp-1152 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 追記・修正はアライグマにはさせないでください。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 父アライグマのために -- 名無しさん (2019-04-19 00 12 43) 例によって解説されてないから確認したいんだけど、周りがアライグマと認識するようになってしまったエージェントってこと? -- 名無しさん (2019-04-19 02 04 31) ↑それで合ってるはず。本来は○○なのに周りからは××に見えるってSCPオブジェクトで割とみかける話 -- 名無しさん (2019-04-19 04 47 48) これは確かに解説ないほうがおもしろいやつ。みたらわかるし -- 名無しさん (2019-04-19 06 01 32) SCP けものフレンズの同人誌で案の定ネタにされていた 「ツライのだ・・・。」 -- 名無しさん (2019-04-19 07 31 38) なんかこのアライグマ大きくね?檻が小さいのか・・・? -- 名無しさん (2019-04-19 08 26 17) 75kgもあるからでしょ -- 名無しさん (2019-04-19 08 31 13) この記事を書くためだけに、わざわざ檻に入って、あんな顔までした投稿者氏に拍手w(メタ -- 名無しさん (2019-04-19 09 19 09) なんでこのアライグマ服着てるの? -- 名無しさん (2019-04-19 09 24 36) なんかアライグマっぽくねえなぁ?なあ?なんか足んねえよなぁ? -- 名無しさん (2019-04-19 09 48 10) アライさんじゃねーか -- 名無しさん (2019-04-19 10 48 22) シンプルイズベスト -- 名無しさん (2019-04-19 11 05 59) やめるのだ -- 名無しさん (2019-04-19 11 18 14) 元記事の作成者は、実はけもフレのファンだった可能性が微レ存……? ↑1,3 -- 名無しさん (2019-04-19 11 27 05) アッハイ、アライグマです(認識災害) -- 名無しさん (2019-04-19 11 44 49) 誰か気付いても良さそうなのに誰も気付いてないのが泣ける。スパイ猫には気付いてんだからさぁ…… -- 名無しさん (2019-04-19 11 51 09) 新井が悪い。 -- サイト33-4監督官 岡田 (2019-04-19 12 01 06) SCP-836-JP-Jに似た何かを感じる -- 名無しさん (2019-04-19 12 12 43) 妻と話したかったのはわかるが、こいつが一番やるべきだったのは、適当な紙に「俺がエージェント○○なんだよ!なんでお前ら俺がアライグマに見えてるんだ!!」って書く事だったと思うんだよなあ -- 名無しさん (2019-04-19 20 04 14) ↑落書きに見えて終わったりして -- 名無しさん (2019-04-19 22 45 17) マーベルのアイツかと思った -- 名無しさん (2019-04-20 10 42 39) 唐揚げ博士やカナヘビ博士や機械疑惑博士やブライトがいるんだから、アライグマエージェントがいたっていいじゃない -- 名無しさん (2019-04-20 11 23 26) アッハイこれはアライグマです -- 名無しさん (2019-04-20 12 06 18) 検査してもヒトの遺伝子持ってるアライグマ扱いになるなら、どう足掻いても気づくの無理だよな… -- 名無しさん (2019-04-20 17 37 17) 紙に書いたりしてもも「アライグマとしてはおかしい」程度の扱いしかされないだろうな -- 名無しさん (2019-04-25 00 12 30) もしこれがどっかの要注意団体が故意にやったとすれば「財団ってチョロいなw」って思われてそう -- 名無しさん (2019-06-22 23 23 15) アライさんのパパなのだ。 -- 名無しさん (2019-07-04 11 37 17) これ、認識災害だけじゃなく他の状況証拠から「これ本当は人間じゃね?」という推論を立てることすらできないっていう779-KOに似た情報災害も持ってると言えないか? -- 名無しさん (2019-07-04 20 00 18) 本家の記事の「里親募集ポスター バンディット!」……こいつもどこから見ても…… -- 名無しさん (2019-09-26 21 52 27) 毛色は違うけどSCP-922-JPも好き -- 名無しさん (2019-09-26 22 28 30) ↑5要注意団体「財団ってチョロいなwところでなんで俺達アライグマに見える認識災害をアライグマに使ったんだ?」 -- 名無しさん (2019-09-27 02 51 06) 関連オブジェクトに「ミスター・まいご」や日本支部の「不在の人」はどうだろう -- 名無しさん (2019-09-27 18 56 28) >同種のアライグマを含めた他の肉食動物に引き合わせるとそいつらが敵意を向けるという認識災害特性 >認識災害特性 ←これだけ解っててなぜ誰も「これがアライグマに見える聞こえる認識災害を持つ人間」だと気づかないのかw -- 名無しさん (2019-10-07 07 13 51) アライさんまた(収容違反)やってしまったねぇ -- 名無しさん (2019-12-23 20 57 42) カードキーを貸してほしいのだ -- 名無しさん (2020-02-16 21 08 44) 写真一枚で趣旨が全て理解出来る秀逸なオブジェクトだと思う -- 名無しさん (2020-02-16 21 50 36) ちょっと待て! おかしいだろう。どうしてアライグマが服着てるんだよ! これはアライグマじゃない! ……犬用の服を着せられた犬だっ!!(ソッチカイ -- 名無しさん (2020-04-09 15 43 50) 元記事の画像が差し代わってます -- 名無しさん (2020-04-09 17 03 47) ↑画像の変更を行いました -- 名無しさん (2020-05-18 21 50 53) ↑7 かつて図書館だったアレや、た空箱と同じような性質持ってるんじゃねぇかなぁ、この認識災害… -- 名無しさん (2020-05-18 22 04 11) これは笑い話だけど。別のオブジェクトでJPだったかでもっと悲惨なのあったよね、「腕に付けるぬいぐるみが勝手に動いてる!確保!収容!」→「何か保管庫が臭いぞ…腐臭がする」っていう -- 名無しさん (2021-04-07 07 41 29) 「アライグマとしか認識されない人間」が1152なら収容できているけれど、新井(仮)は1152-Aで「特定の人間をアライグマとしか認識できなくなるミーム災害」が1152だとしたら、収容違反の上、奥さんへの電話で一般人にも拡散してしまっている -- 名無しさん (2021-08-03 02 22 14) WWSに狸とセットで引き取られてさらなる地獄が生まれてしまった……どうしてこんなひどい事を思いつけるんだ -- 名無しさん (2021-08-19 22 09 38) 認識阻害系は見ててツラいのだ 認識阻害を使われると認識阻害されていることにすら気付けないって何気に財団ヤバイな? -- 名無しさん (2021-09-23 11 28 33) 昨今のSCPは諸々の理由で画像が削除されてるけどこいつの画像が削除されたら意味不明になるのだろうか -- 名無しさん (2022-10-17 21 30 07) まあ著作権も肖像権もはっきりしてるだろうし、画像削除されるときはオブジェクトごと削除されるんじゃね? -- 名無しさん (2022-10-17 21 53 12) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/i_jinrou/pages/243.html
サブタイトル 神はたいへんなホモォを量産していきました村 見所 共有の占い先の采配 LWの眩いばかりの白さ 狩人の見事な潜伏 ホモォを巡る争い プロから始まっていた、替え歌合戦 あらすじ 海に面しており、冬になると流氷が見られるほど北に位置する、寒い村。 流氷見物に、観光客がちらほら来るので、それなりの賑わいを呈していた。 が、そんな平和は続かなかった。 近隣の村で騒がれている人狼の噂が、ついにこの村にも届いたのだ。 「人狼?そんなの居ないさ。寝てて良い?家の建て替えするんで、みんな先に会合始めてて!」 と、自宅へ向かってしまった楽天家ニッツ。 呼び止める事は叶わず、彼を除いた15人で、会合は始まった。 話によると、他の村と同様に、この村にも特殊な能力を持った者がいるという。 村人は、早速その人物に名乗り出る事を要望した、が。 待てど暮らせど、その人物は出てこない。 痺れを切らしたのか何なのか、一人の男が叫んだ。 「『これ』に名が無い人物は、人間ではない!!占師CO!」 やっと動き始めた議論。 しかし、本格的に動き始めたのは日が昇ってからだった。 「これで僕も今日から占師だね!」 「実は私も小さい頃からお母さんの影響でその人が分かるんだ……!」 占師候補は3人。 内訳は? 誰が嘘を吐いている? 本物は誰だ? なぜこのタイミングで出て来た? 発言からして、この人はこう見える……。 議論が暖まってきた、そんな時だった。 「遅れてすいません……占師頑張ります!!!」 響き渡る声……そう、4人目の占師候補が発言したのだ。 未だ出てこない共有……恐らく、この中に紛れ込んでいるのだろう。 誰もが、そう思っていた。 「僕が共有でした。相方は灰に潜伏していますので、占師に共有はいません」 占師候補以外から名乗り出た共有者。 4CO、内3人が人外による騙りだと判明。 ざわつく村人、焦る人外。 「本決定!今日の占い先はこれでお願いします」 そして、夜が更ける……死体となって見つかったのは――――。 ↓ネタバレ 勝敗 人勝利 作戦 村側の作戦 【1d】 共有CO 占師CO 占い方法:相互占い(4CO且つ共有混じりではなかったため) 【2d】 占い方法:ゾーン占い(白なら翌日遺言、黒なら日付変更後すぐ発表) 霊能遺言CO 霊能非対抗遺言CO 【3d】 占い方法:自由占い 真占の灰雑感を伏せる 【5d】 まとめ役による、寡黙吊り禁止令ブラフ(思考停止の防止、翌日占師が襲撃された際の情報収集) 狼側の作戦 【1d】 占師CO(狂人2番目、人狼4番目) 【2d】 占師→霊能スライドCO(狂人) 【3d】 潜伏2Wによるライン切り 【4d】 占いにより露出した人狼による、農夫とのライン偽装 【5d】 白狼による潜伏 狐の作戦 【1d】 占師CO(3番目) 名・迷場面 【2d】 神父による呪殺 【全日通し】 少年アルト(ホモォ)に関するRP全て 村娘アリシアの神父プッチ鉄板っぷり 少年、負傷兵アレフ、木こりヨゼフのライン切り 名・迷台詞 【2d】 共有相方への手紙(ならず者エル) 「理由は…理由は… 僕が悲しいからでした… 相方は、もういません…。 アンパンマンと一緒にパトロールに行って帰ってきませんでした。 ずらずら…ずらずら… 楽しみにしてた皆すみません。」(ならず者エル) 【3d】 「別に光栄とかはいらないからお金くださいなのです。 金銭がないなら作り出した変な生き物動物園にうるです。 はい。 とりあえずそこの黄色い生き物持っていって見積もりだすです。 アルトくんおいでなのです。 つ[薄い本]」 【4d】 「最後まで付き合うのが礼儀というものだ」(負傷兵アレフ) 「最後の仲間は…いや、やめておこう できるだけ悩んで欲しいからな それがこの村にきた俺の使命だ みんな、最後まで頑張ってくれ」(負傷兵アレフ) 【6d】 「ずらずらずらずらずらずらずらずら ずらずらずらずら ずらずらずらずら ずらずらずらずら ずらずらずらずら ずらずらずらずら ずらずらずらずら」(ならず者エル) 「大丈夫、今度の少年(クローン)はきっと前よりうまく殺ってくれるでしょう」(少年アルト) 流氷の村テーマソング 『神はたいへんなホモォを量産していきました』 じんろうさんに じんろうさんに じんろうさんに ごっすん ごっすん ごすんくぎ~ 灰考察 灰考察 one two three one two three いち にぃ さん(残り人外カウント) 灰考察 灰考察 one two three one two three いち にぃ さん(残り人外カウント) 灰考察 灰考察 one two three one two three いち にぃ さん(残り人外カウント) ラストウルフ ステルス ノイズ 潜伏 騙り わんわんわんわん ひふみ ひふみ ひふみ ひふみ ひひふ~ ひふみ ひふみ ひふみ ひふみ ひひふ~ ひふみ ひふみ ひふみ ひふみ ひひふ~ ひひひひひひひひひひひひひふみよひふみよ(手数計算) DAWN TO DAWN TO DAWN TO DAWN TO DAWN TO ……… DAWN TO さっさと金払え DAWN TO DAWN TO DAWN TO DAWN TO DAWN TO ……… DAWN TO 修繕費払え GJ GJ GJ ……… CO CO CO ……… 村人 村人 村人 村人 人狼 人狼 人狼 共有 占師 霊能 狩人 狂人 村人 狐 共有者 嫌いキライ loving(あんああんあんああんあん♪) 誰がダレガ カップリング組むの どうしてなぜかしら(あんああんあんああんあん♪) why with you a lot forever. 知らないわ そんな狐 呪殺を出さなくちゃ噛まれちゃう あなたとは 違うから ひとの命まで簡単に盗まないで ずららー ずららー ずららー……… ※本家の歌詞と照らし合わせたりして、若干改変いたしました。 エピに記載されているものとは、異なる部分がございます。 登場人物紹介 楽天家ニッツ 村人 2d襲撃 家の建て替えで会合に参加しないまま、襲撃されてしまった悲劇の楽天家。彼の家の建て替えが終了した暁には、パーティを開く筈だった。 学者クラフト 村人 生存 学者、と名乗ってはいるものの、研究をするよりも、麻雀を打っている姿をよく目撃されている。寡黙ぶりから黒視されており、突然死ケアの為に処刑されかけるも、ギリギリで生存する事ができた。しかし、この事を切っ掛けとして占われ、確白となる。結局、麻雀は上がれないまま終わったようだ。 ならず者エル 共有 3d生存 「~ずら」という、特徴的な語尾をつける男性。共有相方、パン屋ルークをギリギリまで待ち続けたが、とうとう来ず、共有者として表に出る。占い先の采配により、初日呪殺を起こさせる事に成功した。しかし、灰を狭めない為に3d、襲撃されてしまった。 神父プッチ 占師 生存 「『父』なる神……即ち、神父。」という理論で、自らを神と称する男性。司書に修繕を頼んだ聖書により、人間とそうでない者を判別する。1d呪殺、3d共有襲撃により、ほぼ全権を握る事となる。だが、遺言発表では得意では無いらしく、早過ぎて確白の花屋メルを襲撃されたり、学者の確白発表が翌日最初の発言となってしまっていた。 司書カエデ 村人 4d襲撃 ホモォと化した少年の正体を探るべく、様々な文献に目を通した。が、分からなかったので放っておく事にしたらしい。ほとんどの人間から白視されており、神父プッチの占い枠からも外れていた。また狩人の線も0%ではない、という事で襲撃されてしまった。 少年アルト 人狼 7d処刑 ある朝、目を覚ますとホモォになっており、薄い本に引かれる身体になってしまった少年。腐臭を感じると影分身が出来たり、一瞬にして背後に現れる等の俊敏性を持っている。だが、その実態は少年に擬態した人狼(CN アベル)であり、更にそこからホモォに擬態していたらしい。赤ログ潜伏も目論んでいたが、あまりにも誰も出て来なかったので、序盤から不安そうにしていた。 村娘アリシア 狩人 生存 ずっとこの村に住んでいて、隣の村の雑貨屋で仕事をしているらしい。謎の薄くて高い危ない本所持者。そして、実は狩人であり、黒視と白視を良いバランスで取りつつ、潜伏し続ける事に成功。人知れず、神父を毎晩護衛し続けていた。 少女リーア 村人 生存 薄い本を大量に所持している様子が見受けられる。発言は中庸、且つ無難な印象を周りに与えていた。白ログの発言よりも、灰ログでのRP考察の方が見応えがある。本命である司書カエデが襲撃された際はかなり落ち込んでいた。 羊飼ルカ 狂人 4d処刑 ペーターとは古き良き友達、とは本人談。楽天家ニッツの、建て替え後の家でパーティをしようと言い出した張本人。しかし、人狼の噂を聞いた彼は、人狼達の虜になってしまう。占師騙り→霊能騙りを行い、場の撹乱には成功するが、対抗である旅人サンジとの勝負に信用負けし、処刑されてしまった。 旅人サンジ 霊能 生存 微妙に胡散臭い喋り方 時折人格が豹変する、謎の男性。その実態は霊能者(兼モンスターハンター)であり、解剖によって死者が何者か判断する事が出来る。実は、占師騙りからの霊能COスライドを行うか迷っていたが、結局取りやめにし、その判断が各陣営の明暗を分けた。 宿主ライア 狐 2d呪殺 やたらとテンションの高い、意外と若い女性。3番目に占師騙りを行った、『アグレッシブコンコン』。まさか4CO確定するとは思っていなかったのだろう。残念ながら、2dに呪殺されてしまった悲劇の狐。 花屋メル 村人 3d襲撃 話の節々に花の名前をねじ込んでくる女性。少しSGにされそうな位置だったため、占われる事となる。結果、白ではあったものの、神父の発表遺言が少し早く、確白と知れ渡った時には襲撃されてしまっていた。 負傷兵アレフ 人狼 5d処刑 軍人らしく、しっかりとした口調で話す男性。人狼(CN:あかさ)であり、仲間の木こりヨゼフによくアドバイスをしていた。占われさえしなければ、少年アルトとのタッグで、狼陣営の勝利を勝ち得ていたかもしれない。 農夫タッド 村人 6d処刑 寡黙な男性。一日1~2発言しかしなかったにも関わらず、5dまで生き延びた村人。占師騙りの木こりヨゼフ、信用勝負に負けた羊飼ルカ、確黒となった負傷兵アレフ、次は寡黙と、6dに処刑されるのはほぼ決定だった。しかし、神父プッチの「寡黙による処刑は行わない」というブラフにより、いくらかの情報を引き出す事が出来た、と考えれば少しは村に貢献したのかもしれない。 パン屋ルーク 共有 2d突然死 口下手、と自称する男性。彼の突然死により、多少村の混乱を呼んだが、ならず者エルの遺言により、その正体が発覚する。アンパンマンと一緒にパトロールに行ったまま、帰ってこなくなった共有。彼が生きていたなら、また違った結末を迎えたのかもしれない。 木こりヨゼフ 人狼 3d処刑 この寒さにも負けず、山の方へ赴いては木を切って生計を立てている男性。人狼(CN:ヨゼフ)であり、真共共の可能性を捨て切れなかった人狼達の相談の結果、占師騙りを行う。結果的に彼自身は処刑されてしまったが、名前そのままなCNのおかげで、負傷兵アレフが確黒となった際、撹乱する事が出来た。 ふはははは!何か不愉快な点があったなら、即座に申し立てるか修正したまえ! -- (神) 2013-01-25 21 04 10 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/5177.html
平沢家の居間、夕飯時 唯「モグモグ…」ペラ… 憂「…」 唯「モグ…」ペラ… 憂「…」 唯「モグ…モグ…」ペラ… 憂「おねえちゃん!!」 唯「ん~?」ペラ… 憂「お行儀悪いよ!!」 憂「昨日だって一昨日だってその前だって…」 憂「ご飯食べてる時は食べるのに集中してっ!!」 憂(それにさ…最近ずっと…その本に構いっきりじゃない…) 結局、怒りの大もとはシス魂(こん)由来である。 唯「分かったよ~モグモグ…」ペラ… 憂「プルプル…」 憂のボルテージが飛躍的に上昇する。 珍しいことだ。 憂「おねえちゃん!!」 テーブルを思いっきり叩く憂。 その衝撃で、烏賊の塩辛を盛ってある小皿が倒れ、 中身の一部が唯のアヴェスターにかかってしまう。 唯「ああぁぁぁーーー!!?」 憂「!?」 憂「ご…ごめん…!」 開いているアヴェスターの、右側のページに、肌色の液体と烏賊の切り身が点々とつく。 唯「あ…あぅあぅ…」 憂「ご…めん…」 涙目になる憂。 小さい頃の思い出―唯のおもちゃを誤って壊してしまった―が頭をかすめる。 塩辛がかかったページには、文章でなく絵が描かれている。 あご髭を持つ男性が、トカゲのような竜のような、 爬虫類のような何かを踏付けている絵だ。 髭の男性は長いゆったりとしたローブを着込み、背中に光背と羽根(翅?)を有している。 爬虫類のような何かは、苦悶の表情を浮かべながら、 その目に憎悪をたたえて本の外界を睨みつけている。 憂「ごめんなさい…」 一層、シュン、とする憂。 唯「…」 憂「おねえ…ちゃん…」 唯「ま…」 憂「『ま…』?」 唯「…あ、いいや。読めなくなったわけじゃないし~」 憂「えっ…」 大雑把というか、無頓着というか、大度量というか… 唯「ティッシュで軽く吹いて…」 唯「ぽぽいのぽいっ…と。」 憂「…怒ってない?」 唯「ぜーんぜん。『あべすた』に夢中だった私も悪いし。」 憂(よかった…) ご存じの通り、憂がこの世でもっとも恐れるのは、愛姉に嫌われることである。 唯「一区切りだから、ご飯食べ終わったらおフロ入ろっと。」 唯「久しぶりに憂も一緒に入る?」 憂「!」 憂「うん!」 唯のアヴェスターからは、烏賊の醗酵臭とともに、 微かに、それ以外のにおいが発せられていた。 先ほどの平沢家の一件から二時間後 中野家、居間 梓父「あずさ、お母さんから氷のおかわりもらって来てくれ。」 梓「うん!」 梓の父が同年代の男性と透明な酒を飲んでいる。 この間の古本屋の店主だ。 店主「ごめん、あずさちゃん、水もお願い!」 梓「はいっ♪」 店主「泡盛は薄めて飲みなさいよ!割ってさ!」 梓の父「先輩と違って、生(き)を味わいたいんですよ♪」 店主「肝臓にも胃にも悪いっんだよ!」 梓「はい、氷、とお水です♪」 梓は、部室や学校ではあまり見せない、人懐っこい表情を浮かべている。 店主「ありがとね、あずさちゃん!」 店主「…っと、お前は本屋一つしかないオレと違って、奥さんと梓ちゃんがいるんだから!」 梓の父「本屋一つだけって…」 梓の父「そういえば、この間も、梓の部活の…唯ちゃんだっけか、あの子に…」 梓の父「…高価な本を何冊も、タダ同然で大判振る舞いしたらしいじゃないですか?」 店主「いいんだって、読みたい人間が読みたい本を読めばさ。楽器と同じさね。」 店主「それに、何千冊もあるうちの、ほんの少しだ。」 そういうと古本屋の店主は、傍らに置いてある紙袋から何冊かの古書をとりだす。 店主「あずさちゃん、これもあのお嬢ちゃんにあげてやってくれ!」 梓「!」 梓の父「はぁぁ…先輩…」 梓「小父さん!これ以上はホントに悪いですから!」 唯先輩を甘やかすと…、と続けたくなる梓。 店主「いーからいーから!」 こういうタイプの人間は、自分の気に入った相手へ モノを贈り与えることに矜持を持っているようだ。 店主が差し出した本は、日焼けが目立つのが二冊、真新しいのが一冊、計三冊。 梓「『ブンダヒシュン』、『ミスラ讃歌』…」 古いほう二冊の背表紙を読み上げる梓。 店主「『ブンダヒシュン』はイスラム教が今のイランを覆った時代のもんで ゾロアスター教の創造神話が書かれてる。」 店主「『ミスラ讃歌』はミスラに捧げられた『うた』を集めたもんだよ。」 真新しいほうの名前も読み上げる 梓「『アーリマン讃歌』?」 店主「それは眉唾もんだよ。イラン各地でここ最近発見された碑文や石碑を元にしてるらしいけど…」 店主「悪神アーリマンに捧げられた『うた』らしい。」 店主「『らしい』ってのは、どうも捏造されたモノみたいなんだよな、その内容。」 店主「まあ、珍しいもんだから、一応ね!」 梓は『アーリマン讃歌』を手に取る。 見開き部分には、トカゲのような竜のような、爬虫類のような何かが 涙を流しながら、本の外界を無意思の瞳で見つめている。 次に数ページ捲ってみる。 そこはちょうど、アーリマンと腐敗の神秘について謳われた箇所だ。 梓父「アーリマンですか…昔、大学の講義で聞いたことがありますね。」 店主「キリスト教でいう、サタンみたいなもんだ。 まあ、堕天使じゃなくて、主神アフラマズダーの兄弟神なんだが…」 店主「学者さんの弁だと、イスラム教以前のイランには アーリマンを奉ずる一派もいたらしいんだと。」 梓父「いわゆる悪魔崇拝みたいな?」 店主「今の俺らの感覚からすればな。 もっともさ、昔のイラン人の宗教感覚なんて全くわからんだろ?」 店主「なんともいえんさ。」 店主「とにかく、その本は、アーリマンを奉ずる一派が残した文書を集積したもの、」 店主「ということなってるわけ。」 梓は読め進める。 次の讃歌は、アーリマンと老いについて謳われた部分だ。 その内容は、自然の移り変わりと老いの意味について書かれている。 率直で醜悪な表現も目立つ。 はたして、これも唯に渡していいものか、と梓は考えてしまう。 店主「おっと、もうすぐ日が替わりそうじゃないか。」 店主「そろそろ、お暇するわ。」 梓父「せっかくだから泊まっていって下さいよ!」 店主「いいっていいって!」 店主「あ、あずさちゃん、その本お願いね。」 そして、また、平沢家。 唯は夢を見ている。 これは唯本人にも分かっている。 まわりは全くの真っ白。 色がない。 そして目の前には、七色に輝く竜のような、大きな生き物が、 長い首をもたげて、大きな、少し細長い目で、唯を見つめている。 唯はパシャマを来たまま、正面の竜と向き合っている。 竜のような生き物は、長い首と、少し寸胴な胴体を持ち、 視界の端にはヒョロッとした、長い尾がある。 瞳の色は、その輝きのため窺い知れない。 竜の胴体はぷっくりと膨れて、まるで臨月間近の妊婦のよう。 そして竜の傍らには、光りを放つ人型があった。 背中に羽根(翅?)のようなものを生やして、 ローブのような物を羽織っている、ように見える。 あまりにも発する輝きが強く眩しく、それ以上は判別できない。 『わたしは…』 竜が突然、声をあげる。 『ズルワン。』 『供物、いたみいる。』 竜は長い首を、一層、唯に近付ける。 輝く人型のほうは黙ったまま。しかし、視線は感じる。 『これは、我が子。』 竜は、輝く人型を、我が子、といった。 『さて、ユイ。』 『お前は何を望む?』 『なんなりと言え。』 竜は唯に問う。 唯は答えない。 かわりに、輝く人型へ顔を向ける。 唯は、人型を指さす。 そして呟いた。 唯『ドゥルジ。』 ドゥルジ(虚偽)と。 その瞬間、まわりの白が解け始める。 白はどんどん溶けて黒が現れる。 全くの暗闇になる。 『戯れだ。』 竜はそう発した。 大変低く、不快なほど湿って響き渡るようは声。 その瞬間に竜の体が腐り始める。 膨れていた胎(はら)も無くなっている。 高速度写真の映像を見ているようだ。 骨と腐肉にまみれると、竜は朽ちるのを止めた。いや、今でもゆっくりと朽ちているのだ。 時折どす黒い血だまりを作って、腐肉が崩れ落ちる。 暗闇でよく見えないはずなのに? 唯『デーウァの君。』 『いかにも。ダエーワを統べている。…いや、デーウァを統べている。』 『お前の言葉に則ろう。』 竜は瞳の無くなった、ぽっかりと穴の空いた目で、唯に頭を近付け、唯を見つめる。 竜が近付くほど、その腐臭は強くなる。 唯は少し顔をしかめる。 そのとき、耳に酷く障る哄笑が響き渡った。 ドゥルジと呼ばれた人型が笑い声をあげているのだ。 すでに光りを失っており、のっぺりとした白色をしている。 本当に大きな紙で作った人型のようだ。 唯が人型のほうに視線を向けると、哄笑は一層大きくなり。人型の形が歪む。 そしてその刹那、見るもおぞましい人型の生き物に姿を変えた。 大きさは小学校低学年の児童ぐらい。 そのかたちは、一言でいえば、単眼症の赤ん坊が成長したような、 そんなかたちをしている。 ゆえに、顔の真ん中には大きな一つ目と、その下にほんのわずかの鼻、裂けた口。 その口内から笑い声が聞こえてくる。 腕は二本だが足は一本。 体色は気持ちの悪いほど血の気の全くない白。死人のそれだ。 メソポタミア神話のフンババにも似ている。 『我が子だ。』 朽ちつつある竜、アーリマンはかしらを人型に向けて、そう言う。 唯『あむしゃすぷんたと争う六柱の君の一柱、ドゥルジ。嘘を統べる君。』 ドゥルジ『フフ…ハハ…いかーにもっフフフ…フハッ…フッハハハハハハハ!!』 一つ目の人型が声を発する。 男子児童の声とも、女子児童の声とも、甲高い老人の声ともとれる、不快な音だ。 ドゥルジが声を発し終えたあと、 アーリマンのまわりの暗闇から五つの物体があらわれる。 あるものは爬虫類と人が融合したかたちをし、地を這い、 あるものはどす黒い血塗れの肉塊として空中に浮かんでいる。 あるものは… そのような醜悪なかたちをした物体が五柱、ドゥルジと合わせて六柱。 『我が子たちだ。』 竜はそういう。 『わたしは、ユイ、お前が気に入った。』 ドゥルジ『うそだうそっ!ヒヒッ…ヒーヒッヒハハハハ!!』 おぞましい笑みを浮かべた後、ドゥルジは口を挟む。 アーリマンは続ける。 『お前は麗しい。身も心も。』 アーリマンがそう言った後、突然、先ほどの肉塊のような物体から声が発せられる。 『げに…眩しい…げに…ウォフと争うた…時のよう…』 唯『アカ・マナフ、あむしゃすぷんたが一柱ウォフ・マナフと争う、悪思を統べる君。』 唯は肉塊を指して、そう言う。 アカ・マナフ『いかにも。』 肉塊は答える。 アカ・マナフ『ダエーワの主よ、眩しいからこそ…染め甲斐があるというもの。』 『その通り。』 アーリマンは答える。 4
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4650.html
『腐れ饅頭』 18KB いじめ 駆除 幻想郷 独自設定 初投稿 イメージは幻想郷の農家の1コマです れいむとまりさはゆっくりしたゆっくりだよ いつもいっしょにごはんをたべるよ いつもいっしょにおひるねするよ いつもいっしょにたのしくあそぶよ まいにちまいにちゆっくりしているよ まいにちまいにちゆっくりしていたよ れいむとまりさのすみかからはなれたところにどすがきたよ れいむとまりさはもっとゆっくりするためにどすのむれにいくことにしたよ れいむとまりさはゆっくりしてるゆっくりだからゆっくりどすのむれについたよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさがきたのにどすはでかけてたんだよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさをでむかえないなんてゆっくりしてないどすだよ でもゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさはゆっくりしているからゆっくりまつことにしたよ むれのぱちゅりーのはなしでは どすはゆっくりしてるごはんのおやさいさんをにんげんのところにもらいにいってるんだって ゆっくりしてるゆっくりのれいむとまりさのためにおやさいさんをよういするなんてゆっくりしたどすだよ ゆっくりうきうき ゆっくりわくわく してまってるとどすがかえってきたよ ずたずたのおかざりとぼろぼろのおさげとぐちゃぐちゃのおかおのかわだけになって・・・ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさのためにおやさいさんをもらいにいった ゆっくりしていたどすはゆっくりしてないにんげんにえいえんにゆっくりさせられたよ ゆっくりしてないにんげんはゆっくりできないことをいうとかえっていったよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさをゆっくりさせられないなんてゆっくりしてないどすだよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさはどすのいなくなったむれからでていくことにしたよ むれにのこったありすやぱちゅりーはゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさをひきとめたよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさはとってもゆっくりしているからね でもゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさにはしめいっができたんだよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさをゆっくりさせられなかったどすをえいえんにゆっくりさせた とってもゆっくりしていないにんげんといういきものにあわなくちゃいけなくなったんだよ とってもゆっくりしていないにんげんにあって ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさがゆっくりさせてあげないと なにかとってもゆっくりできないことがおこると ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさのちょっかんっがつげてるんだよ それからゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさは ゆっくりゆっくりおやまをおりてにんげんのところにむかったよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさはゆっくりしたゆっくりだから ずりずりあるくときもゆっくりゆっくりあるいたよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさはゆっくりしたゆっくりだから ぴょんぴょんするときもゆっくりゆっくりぴょんぴょんしたよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさはゆっくりしたゆっくりだから こーろこーろするときもゆっくりゆっくりこーろこーろしたよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさはゆっくりしたゆっくりだから ゆっくりゆっくりにんげんのすむところまできたよ そこには なにもなかったよ・・・ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさのために おやさいさんがかってにはえてくるゆっくりぷれいすのはたけさんがなかったよ にんげんがせんっりょうっしてるゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさのために かってにはえてくるりっぱなおうちもなかったよ なにより いつもなにもせずにうろうろしておやさいをどくっせんっしてる とってもゆっくりしていないにんげんがひとりもいなかったんだよ!!! ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさのちょっかんっはあたってしまっていたんだよ にんげんをゆっくりさせてあげないとなにかとってもゆっくりできないことがおきる ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさはにんげんをゆっくりさせてあげられなかったから すべてはきえてしまった 「ゆっくりしたけっかがこれだよ」 ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさはゆっくりおおきなこえでないたよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさのために おやさいさんがかってにはえてくるゆっくりぷれいすのはたけさんがきえたことにないたよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさのために はたけさんにかってにはえてくるおやさいさんがきえたことにないたよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさのために かってにはえてくるかいてきでりっぱなおうちがきえたことにないたよ ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさがゆっくりさせてあげようとしたにんげんがきえたことにないたよ きえたせかいに ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさのゆっくりしたしゃざいっとばいっしょうのこころをこめて ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさのゆっくりしたせいぼのようなじあいっのこころをこめて ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさはゆっくりおおきなこえでないたよ ********************************************* 山に近い畑の傍で糞饅頭が大声を出していた。 「「ゆ゛わ゛ぁ゛ーーーーーん゛!!! ゆ゛わ゛ぁ゛ーーーーーん゛!!! ゆ゛わ゛ぁ゛ーーーーーーーーーーん゛!!!」」 「まったく糞饅頭は態度と声だけはでけえな。 あ、欲もでかい・・・か・・・・ いや欲は・・・深い・・・だな。」 と、一人の男が箱を手にれいむとまりさに近づき 慣れた手つきでれいむとまりさを掴み上げ 「「おそらをとんでるみたい!!!」 流れる様に箱に叩き込む。 「ゆべしっ!!!」「ゆばわっ!!!」 放り込まれた衝撃におどろいたれいむとまりさだが、 人間が居た事に安堵してさらに騒ぎ出した。 「「まりさ(れいむ)にんげんだよ!!!にんげんがいたよ!!!」」 「これでにんげんをゆっくりさせてやれるよ!!!」 「せかいはすくわれるんだよ!!!」 糞饅頭の上からに目線にカチーンと来た男だが休憩がてら問いかけてみた。 「おい、世界が救われるとかどういうこった?」 「「ゆ?」」 「まりさこのにんげんひょっとして!」 「ゆん!にんげんはあまりにもゆっくりしてないからおつむがあんーこしちゃって せかいがきえていってることにきがついてないんだよ!」 ヒソヒソと内緒話してるつもりのれいむとまりさだが、 ゆっくり特有の声の大きさで全部まる聞こえである。 「はぁ?世界が消えて行ってる? 何言ってんだお前ら・・・って、 ああ、そうかそうか、 お前らにはそう見えてるのか。」 得心した男は笑いながら箱を持ち上げ歩き出した。 「「おそらをとんでるみたい!!!」」 「れいむとまりさをどこにつれていくきなの!!!」 「だいじょうぶだよ!!! まりさとれいむはゆっくりしたゆっくりだから きっとにんげんのおうちにしょうったいされるんだよ!!!」 「ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさをしょうったいしたいなら いちばんいいおうちにつれていってね!!! ごうっていいでいいよ!!!」 「それにごはんさんもちょうだいね!!! おおもりでいいよ!!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 男が否定しなかったので、 言ってる要求が叶えて貰えると思ったらしく、 期待に緩んだ顔を進行方向に向けて、 男が向かおうとしてる所を知った。 男は何も無い所へ向かって歩いていた。 「とまってね!!! そっちにはなにもないんだよ!!!」 「にんげんのおめめはくさってるの!!!」 なにもないっていうのがみえないの!!!」 「いくられいむとまりさがゆっくりしてるからって しっとしてしんっじゅうなんてゆっくりできないよ!!!」 「ばかなの!!!しぬの!!!しぬならひとりでしんでね!!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 ゆっくりと名付けられてはいるがその名に反して 男の歩みを止め様とマシンガンの如く言葉を発するが、 男はどこ吹く風と気持ちよ~く無視して いや、しっかり横目(?)で焦りまくるれいむとまりさの様子を堪能しながら れいむとまりさが何も無いと言う所へ入っていった。 「「ゆ゛わ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っっっっっっっっっっ!!!!!」」 カラン 「目、開けてみろ。」 「「ゆ? ゆぅ・・・ ゆわあぁぁぁぁぁ!!!!!」」 硬く閉じていた目を恐る恐る開けて見ると、 辺り一面に瑞々しい野菜があった。 見渡してみると、そこは、 野菜が勝手に生えてくるゆっくりプレイス、畑であった。 「すごいよまりさ!!!」 「すごいよれいむ!!!」 「「れいむとまりさがゆっくりしてたから おやさいがかってにはえてきたよ!!!」」 「「ここをれいむとまりさのゆっくりぷれいすにするよ!!!」」 大声でおうち宣言をし、キリリと眉を吊り上げドヤ顔をするれいむとまりさ。 そのウザい顔のまま男に向き直ると、 「にんげんはゆっくりしてないけど とくっべつにどれいにしてあげるよ!!!」 「ゆっくりしたゆっくりのれいむとまりさは かんっだいでじひぶかいからかんしゃしてね!!!」 「かんっげきしたらおれいのことばをいってね!!! どげざでいいよ!!!」 「「やさしくってごめんねー!!!」」 畑を見て、野菜を見て、その感動のあまり れいむとまりさは自分たちの「しめいっ(笑)」を忘れしていた。 しかし、男は好き勝手に鳴くれいむとまりさを無視して 足で大きなふたを開けている。 「どれいのにんげんはさっさとおやさいをたべさせてね!!! とくもりでいいよ!!!」 「どれいのにんげんはおみみがくさってるの!!! ごしゅじんさまのめいっれいにしだがわないと ゆっくりさせてあげないよ!!!」 「「ばかなの!!!しぬの!!!」」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 足でふたをずらし終わった男は 箱の中のれいむとまりさに向かって言った。 「お前たちが食うのはこっちだ。 特別製のあまあまだぞ。」 「ゆ!!!」 「あまあま!!!」 「ゆっくりしてないどれいにしてはきがきくね!!!」 「かんっだいなごしゅじんさまにかんっしゃしてね!!!」 「「じゃんぴんぐどげざでいいよ!!!」」 男はれいむとまりさの入った箱を逆さにして下に落とした。 畑の隅に作られた肥溜めに落とした。 人糞こそ入っていないがそこは臭かった。 その臭さは糞尿の臭さではなく 甘いものが腐った臭さであった。 「この前来たどすとその仲間の中身だ たーんと召 し 上 が れ (音符)」 「「ど゛ぼ゛じ゛で゛ご゛ん゛な゛ご゛ど゛ず゛る゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」」 同属の死臭を嗅いでれいむとまりさは思い出した。 人間がゆっくりしていない存在だという事を思い出した。 「れ゛い゛む゛た゛ち゛は゛ゆ゛っ゛く゛り゛し゛て゛な゛い゛に゛ん゛げ゛ん゛を゛ ゆ゛っ゛く゛り゛さ゛せ゛て゛あ゛げ゛に゛き゛た゛ き゛ゅ゛う゛っ゛せ゛い゛っ゛し゛ゅ゛な゛ん゛だ゛よ゛!!!」 「ま゛り゛さ゛た゛ち゛が゛せ゛か゛い゛を゛ゆ゛っ゛く゛り゛さ゛せ゛て゛あ゛げ゛な゛い゛と゛ せ゛か゛い゛は゛き゛え゛ち゛ゃ゛う゛ん゛だ゛よ゛!!!」 「ど゛れ゛い゛も゛み゛た゛で゛し゛ょ゛!!! れ゛い゛む゛た゛ち゛が゛し゛ぬ゛と゛ せ゛か゛い゛が゛お゛わ゛っ゛ち゛ゃ゛う゛ん゛だ゛よ゛!!!」 れいむとまりさは同属の臓物の海の中でのた打ち回りながら、 必死に自分たちの「しめいっ(笑)」を男に訴えかける。 その無様なダンスを見ながら男はにやけながらも否定する。 「いや、世界は消えてないし、 お前たちが死んでも世界は消えない。 っていうか、お前らゆっくりが消えてくれることの方が世界が喜ぶ。」 「「う゛そ゛た゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」」 「どれいもみたでしょ!!! れいむたちがゆっくりしたから ゆっくりしたゆっくりのために はたけさんがはえてきたところを!!! 「まりさたちがゆっくりしたから ゆっくりしたゆっくりのために おやさいさんがはえてきたところを!!! 「いや、そうじゃない。 世界が消えてたんじゃなく、 お前らゆっくりに見えなくしてただけ。」 「ゆ゛?」 「これを見てみろ。」 男は横を指差して示した。 肥溜めの傍にもう一人ニンゲンが立っていた。 ボロボロのお飾りを付けたみすぼらしい姿で、 体の前と後ろに変な板をつけたニンゲンが立っていた。 そのカラダはこの無礼な人間よりずっと大きかった (べつの・・・おおきい・・・あたらしい・・・どれい・・・そうだ!!!) 「あたらしいどれいはれいむとまりさをたすけてね!!!」 「たすけたらこのくそどれいをころしてね!!! すぐでいいよ!!!」 「おわったらほんとうのあまあまをもってきてね!!! めがもりでいいよ!!! 「ぶふぅーっっっくっくっくっっっあははははははははは」 「「な゛に゛を゛わ゛ら゛っ゛て゛る゛ん゛だ゛ぁぁぁく゛そ゛じ゛じ゛い゛ぃぃぃ!!!」」 「ころされるのがこわくなっておかしくなったの!!! いまそらおそいよ!!!」 「でもゆっくりしてないにんげんとはちがって ゆっくりはうみよりひろいこころをもっているからね!!! あんよをなめてちゅうっせいをちかったら いきることをゆるしてやってもいいよ!!!」 「げらげらげら!!!」 「いやいやいや。 これは案山子って言って、 人間の姿をした偽者、作り物、動かないぞ。 だから、お前たちを助けないぞ。」 「げらげらげら!!!」 「いまさらこわくなってそんなうそついてもむだだよ!!!」 「まりさたちはゆっくりしたゆっくりだから ぜんせかいがまりさたちをたすけるんだよ!!! じょうっしきだよ!!!」 「さあ!!!あたらしいどれい!!! そのくそじじいをせいっさいしてね!!! いますぐでいいよ!!!」 「せいっさいされたくなかったら しゃざいとばいっしょうをよういしてね!!! あまあまぎがもりでいいよ!!!」 「げらげらげら!!!」 好き勝手わめくゴミを無視して、 男は案山子の首を引っこ抜いて見せてやった。 「ゆ? ゆぁぁぁぁ!!!!!」 それはボコボコに殴られて腫れ上がったゆっくりありすの死骸だった。 同属の死骸を突きつけられたショックで黙ったのを機に、 「お前たちが見るのは此処だ」 そう言って案山子の首からぶら下げられた板に注目させた。 ありすの死骸にビクビクしながら、 れいむとまりさはじーっと板を見上げている。 「なんだかちかちかしてゆっくりしてないよ!!!」 「なんだかもやもやしてゆっくりしてないよ!!!」 「なんだかぼけぼけしてゆっくりしてないよ!!!」 「なんだかぼやぼやしてゆっくりしてないよ!!!」 男が板を裏返す。 カラン と、乾いた音とともに、 「なんだかすけすけしてゆっくりしてないよ!!!」 すけすけ? 「ゆ? ゆうぅぅぅ!!!」 目の前で案山子が消えていった。 男は餡子の肥溜めの中で固まるれいむとまりさに得意そうに説明しだした。 「あの板は結界札と言ってな、 お前ら糞饅頭が巣穴に張るけっかいを、 人間が超強力にしたものだ。 つ~ま~り~。 人間はお前たち糞饅頭から見えなくなる結界を張れるようになったんだ。 世界が消えたんじゃない、 お前ら糞饅頭の目に映らなくなっただけだ。」 れいむとまりさには男の言ってる事が難しくて分からなかった。 人間がれいむが得意な「けっかい」をつかえるなんて信じられなかった。 しかし、人間がゆっくり出来ない事をしているのだけは分かった。 「「どうしてにんげんはゆっくりできないことばかりするの!!!」」 「いくらゆっくりがゆっくりしてるのがうらやましいからって いじわるしないでね!!!」 「しっとはゆっくりできないよ!!!」 「にんげんのけっかいはゆっくりできないよ!!! せかいがないてるよ!!!」 「ゆっくりがゆっくりすればみんなゆっくりできるんだよ!!!」 「せかいがえがおにつつまれるんだよ!!!」 「それがわからないにんげんはゆっくりできないよ!!!」 「ゆっくりできないにんげんはしね!!! いますぐしね!!!」 感情のままに口を動かし、自分達の正当性(笑)を主張する言葉を男にぶつける。 「はっはっはっ。 何とでも言え、 これからのお前たち糞饅頭に出来る事は、 その肥溜めの中で腐って肥料になる事だけだ。」 元は餡子やクリームなど砂糖たっぷりのゆっくりだが、 原型も無いほど腐らせてしまうとその糖分は消えてしまう。 さらに糞饅頭を腐らせて作った肥料は上質の堆肥であり、 農家の経費削減問題を助けていた。 「さあ、死んで腐って役に立ってね」 笑顔の男が背負う澄んだ青空の様な殺意を感じ、れいむとまりさはやっと理解した。 男は嫌がらせで自分達を肥溜めに放り込んだのではない。 殺す気なのだ。 此処に死ぬまで閉じ込める気なのだ。 いや、腐るまで閉じ込める気なのだ。 死んでから腐るのか、 腐りながら死ぬのか、 どちらにしても、 ゆっくりできない ゆっくりできないゆっくりできない ゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできない ゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできない ゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできない ゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできない ゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできない ゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできない ゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできないゆっくりできない 「「いいいぃぃぃやややゃゃゃだだだあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」 「にんnんにnげんさんにんgんげんsん!!!!!」 「ゆっkりゆyゆっくrゆっkkkり!!!!!」 「ゆっくりくりだよゆっくりdよゆっくreee!!!!!」 「おoおにーさんおにnnにーさん!!!!!」 「ゆっくりゆっくりゆっくり!!!!!」 「ゆっkりしていっtねゆっくりSていってNゆっくりsていってeeeee!!!!!」 「れiれいむとtとまりりrさがゆっくりsせてAげるからっっっ!!!!!」 「「れいむとまりさがゆっくりさせてあげるからたすけてねぇぇぇ!!!!!」」 「「すぐでいいよ!!!!!!!!!!」」 れいむとまりさは焦りすぎながら男を懐柔(笑)しようとした。 「あー、はいはい、ゆっくり、ゆっくり」 鳴き声を無視して男は雨除けの板を手にする。 男はれいむとまりさを助けようとしない。 「おやさいさんがかってにはえてくるゆっくりぷれいすのたけさんはにんげんさんのものでいいですぅ!!!」 「ゆっくりをゆっくりさせるためにかってにはえてくるおやさいさんもにんげんさんのものでいいですぅ!!!」 「ゆっくりしたゆっくりがかいってきにすごすはずのりっぱなおうちもにんげんさんのものでいいですぅぅ!!!」 「おいしいあまあまもにんげんさんのものでいいですぅぅぅ!!!」 「だからたすけてくださいぃぃぃ!!!」 れいむとまりさは最大限の譲歩(笑)を口にした。 「あー、はいはい、ゆっくり、ゆっくり」 男は鳴き声を無視して雨除けの板を持ち上げる。 男はれいむとまりさを助けようとしない。 「ゆっくり!!!ゆっくりぃぃぃ!!!」 「どれいといってすみませんでしたぁ!!!」 「しねといってすみませんでしたぁぁ!!!」 「どげざしろといってすみませんでしたぁぁぁ!!!」 「たすけてくださいおねがいしますぅぅぅ!!!」 れいむとまりさはプライド(笑)を捨てて謝罪した。 「あー、はいはい、ゆっくり、ゆっくり」 男は鳴き声を無視して雨除けの板を引き寄せる。 男はれいむとまりさを助けようとしない。 「れいむはゆっくりしてないゆっくりですぅぅぅ!!!」 「まりさはゆっくりしてないゆっくりですぅぅぅ!!!」 「おにーさんはゆっくりしてますぅぅぅ!!!」 「にんげんさんはゆっくりしてますぅぅぅ!!!」 「たすけてくれたらおにーさんのあんよをなめます!!!」 「だからはやくたすけろおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」 れいむとまりさはゆっくりの尊厳(笑)をかなぐり捨てて男に助けを求めた。 「あー、はいはい、ゆっくり、ゆっくり」 男はれいむとまりさを助けようとしない。 そのそぶりさえ見せなかった。 男は鳴き声を完全に無視して雨除けの板を戻しながら呟いた。 「腐りきって堆肥になったら言ってやるよ」 ゆっくりしていってね 雨除けの板の下、 未だ死臭を発する餡子の腐臭・腐汁の中、 れいむとまりさは互いを罵りながらも同じ問いを繰り返していた。 どうしてこうなった? れいむはゆっくりしたゆっくりなのに? まりさはゆっくりしたゆっくりなのに? どうしてこんなめにあうの? 肥溜めの中で、 じわじわと生きながら腐る頭で、 同じ問いを何度も何度も繰り返して答えを探していました。 やがて先に入れられていたドス達の死臭が消える頃、 (自称)ゆっくりしたゆっくり(笑)のれいむとまりさにも終わりがやってきました。 死んでから腐るのではなく、 腐りながら死んでいったので、 互いの発する腐臭を浴びながら(浴びせながら) れいむとまりさはゆっくり出来ずに死んでいきました。 めでたしめでたし おまけ 収穫時の畑にて 「今回も糞饅頭の被害は無いな」 「その代わり他の動物たちの被害が目に付くな」 「そうだな、でも、微々たるもんだ。よいしょっと」 「だな・・・って、大根担いでどこに行くんだ?」 「山の上の神社さ あのお札を作ってくれた巫女さんにちょっとばかりのお礼にと思ってな」 「あれ?あのお札、お寺の尼さんが作ってくれたんじゃ?」 「そうだっけ?」 「???」 「???」 「???」 「・・・ああ」ニヤニヤ 「こここまけぇことはいぃんだよ!」 「じゃ、こっちのむしゃぶりつきたくなる足の様な大根は尼さんとこに届けよう」 「HAHAHA」 農家は今日も平和のようです。 後書き(という言い訳) 結界で糞饅頭を隔離して無視系のSSを書こうとしたんだ 添削に次ぐ添削をしたら何故かこんなSSになっていんた 何を言っているか(ry 演出を狙って読み難くなった点についてはご容赦ください 最後までお読み頂きありがとうございました
https://w.atwiki.jp/p2rdj/pages/492.html
ツリーレイザー Treerazer 「破壊された小湖の王」を自称するツリーレイザーは、アビスそのものの支配者、デーモン・ロードの一人たる真の力に至りつつある、強力なデーモンである。今でさえ、新生デーモン・ロードとして、ツリーレイザーは危険な敵である。 ツリーレイザーはキョニンのフィエラニ森のすぐ南にある、汚染された葉と腐敗した残骸の巨大な茂み、タングルブライアの沼地を離れることはめったにない。しかしその有毒な泥濘の中のどこでも遭遇する可能性があり、多くの場合デーモン、堕落したフェイ、その他の危険な味方で構成される小さな軍団を伴っている。ある種の伝承儀式は彼をタングルブライアから呼び出す力を持ち、これは彼が追放された領域を離れてその悪事を直接に執り行う機会を彼に与える。ツリーレイザーを含んだ魔力はなく、彼が望めば、彼はゴラリオン獣をなんの成約もなく移動でき、彼が触れることで与えるねじれた祝福とその存在がもたらす腐敗を広めることができると信じるものもいる。しかし、破壊された小湖の王は、彼が危険であるだけではなく狡猾で賢く、その悪夢の領域で安全にいながらにして、世界に悪を働くことを好む。 “知識の想起”――フィーンド(〈宗教〉) DC 60 一般的な知識 DC 58 専門知識 DC 55 ツリーレイザー Treerazer クリーチャー25 ユニーク CE 超大型 水陸両生 デーモン フィーンド 出典 Bestiary 312ページ 知覚+46;暗視、トゥルー・シーイング 言語 奈落語、共通語、エルフ語、森語;テレパシー300フィート 技能 〈威圧〉+46、〈運動〉+45、〈隠密〉+40、〈軽業〉+40、〈自然〉+49、〈宗教〉+45、〈伝承学〉+38、〈秘術〉+38 【筋】+12、【敏】+9、【耐】+11、【知】+7、【判】+8、【魅】+8 アイテム ブラックアックス AC 54;頑健+42、反応+40、意志+43;魔法に対する全てのセーヴに+2の状態ボーナス HP 550、再生50([善]により不活性化);完全耐性 即死効果、病気、[精神]、[毒];抵抗 [強酸]20、[氷雪]15、[火炎]15、物理20(冷たい鉄を除く);弱点 [善]20 腐敗のオーラ/Aura of Corruption (オーラ、植物、始原、変成術) 120フィート。ツリーレイザーの知覚の植物はねじれ、奇妙な形になり、棘が生えたりその本来の姿をした菌類のおもちゃのようになる。範囲内の生きているクリーチャーは毎ラウンドDC47の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると部分的に植物のような物質に変化してしまう。このセーヴィング・スローに失敗したものは、植物クリーチャーが他のクリーチャーよりも害を受けたり不利益を被ったりする効果に対して植物として扱われる。この効果により、植物クリーチャーであることで得られる利益は得られない。この効果は、クリーチャーが腐敗のオーラの中にいる間と、そこから出た後1分の間持続する。 機会攻撃 [reaction] 移動速度 60フィート、飛行60フィート、水泳40フィート; フリーダム・オヴ・ムーヴメント 近接 [one-action] ブラックアックス+47[+42/+37](強酸、混沌、悪、魔法、間合い:15フィート、薙ぎ)、ダメージ 4d12+15[斬撃]、加えて1d6[強酸]および1d6[混沌]、加えて植物に対して1d6[悪]および2d6[斬撃] 近接 [one-action] 顎 +45[+41/+37](機敏、混沌、悪、魔法、間合い:15フィート)、ダメージ 4d10+18[斬撃]、加えて2d6[混沌]および2d6[悪] 始原生得呪文 DC 49、攻撃+43;10レベル ウォール・オヴ・ソーンズ、タイム・ストップ、ホリッド・ウィルティング;9レベル ディスペル・マジック(回数無制限);6レベル タングリング・クリーパーズ(回数無制限);5レベル アビサル・プレイグ(回数無制限);3レベル アースバインド(回数無制限);2レベル テレキネティック・マニューヴァー(回数無制限);キャントリップ (9レベル) テレキネティック・プロジェクティル;常時 (8レベル) トゥルー・シーイング;(4レベル) フリーダム・オヴ・ムーヴメント 始原儀式 DC 49;5レベル プレイナー・アライ;1レベル アビサル・パクト 落葉/Defoliation [two-actions] (始原、死霊術、植物) ツリーレイザーは半径30フィートの放射の範囲に病的な緑色の光の波動を放つ。この範囲内のすべての植物(腐敗のオーラの効果を受けているクリーチャーを含む)は、黒ずんで枯れてしまう。クリーチャーでない植物は即座に枯れて死んでしまう。植物クリーチャーはDC49の基本頑健セーヴを持つ20d8の[負のエネルギー]ダメージを受ける。このセーヴに失敗したクリーチャーは不調状態3となり、1分の間凶兆状態1となる。ツリーレイザーはこの効果の目標からオーラ内の任意の植物を外すことを選択できる。一般にそうするのは、ねじれて腐敗した植物や菌類、あるいは彼の目的において味方となる植物クリーチャーを選択する。1d4ラウンドの間、ツリーレイザーは落葉を再使用できない。 解呪打撃/Dispelling Strike [free-action] (防御術、始原) 頻度 1ラウンド1回;トリガー ツリーレイザーが武器による打撃もしくは“落葉”の攻撃をクリーチャー、物体、呪文効果に命中させた。効果 ツリーレイザーは生得ディスペル・マジックを発動する。その目標は“打撃”が命中したクリーチャーか、そのクリーチャーに効果を及ぼしている呪文1つである。 よろめき化打撃/Staggering Strike ツリーレイザーが近接攻撃でクリティカル・ヒットを確定させると、目標は朦朧状態2になる。 追加の知識:シス=ヴサグの落とし子 Spawn of Cyth-V'sug ツリーレイザーはかつて、菌類と寄生虫の王であるデーモン・ロード、シス=ヴサグの部下にして腹心であった(子供だというものさえいる)。アビスでその地位をシス=ヴサグから奪い取ろうとして失敗した後、ツリーレイザーは物質会へと逃れた。シス=ヴサグは追いかけることはなかったが(気が乗らなかっただけかもしれない)、ツリーレイザーを追放し、ツリーレイザーのアビスとの絆を断ち切ることで、ツリーレイザーがその場に留まることを確実にする手段を講じた――破壊された小湖の王が殺されたとしても、その憎しみはアビスに戻って改心することはないだろう。ツリーレイザーに取って、氏は永遠のものだ。 助言とルール:ツリーレイザーのカルト Treerazer's Cultists ツリーレイザーはないかい地域全域でカルト教団の信仰を集めている。これらの狂った手のつけられない存在の大部分は、菌類によって汚染されたフェイ、堕落したエルフ、その他の邪悪なデーモン崇拝者である。タングルブライア以外では、彼のカルト教団員はほとんどおらず、単独あるいは非常に小さな集団の指導者であることが多い。ツリーレイザーの宗教印は半分に割られた血を流す枯れ木だ。 ツリーレイザー[混沌にして悪] Treerazer 爆破された小湖の王 出典 Bestiary 312ページ 爆破された小湖の王、ツリーレイザーは自然の汚染と腐敗のデーモン・ロードに至ろうとするものである。デーモン・ロードに成り代わろうとして失敗した後に追放されたシス=ヴサグによって排斥された従者あるいは落とし子だと多くのものに信じられている。ツリーレイザーはデーモン・ロードに至ろうとするものであり、真なるデーモン・ロードの力を備えてはいない。しかし彼はかつてエルフの国キョニンの南端にあった腐臭の沼、タングルブライアの中での物理的な存在感を持つ。そのため、そのような存在の中でゴラリオンに最も強い利害関係を持つ特筆すべき存在かもしれない。彼はキョニン国内とその近隣の熱狂的な信者に奉じられているが、ゴラリオンにはその昇格の際に彼の好意を得ようと、彼を解放しようと活動する信者の一派が見られる。ツリーレイザーの宗教印は半分に割られた血を流す枯れ木だ。 区分 デーモン・ロード 布告 植物の命を悪と菌類の繁茂で堕落させよ、エルフを殺せ、腐肉と菌類で宴を行え 不義 エルフを赦す、木を植える、自然の植物の成長を促す 関心のある範囲 自然の汚染と腐敗 信者の属性 中立にして悪、混沌にして悪 信者の利益 信仰能力値 【筋力】もしくは【耐久力】 神泉 治癒もしくは危害 信仰技能 〈自然〉 好む武器 バトル・アックス 領域 破壊、自然、悪夢、暴君 クレリックの呪文 1レベル:グリム・テンドリルズ、3レベル:ウォール・オヴ・ソーンズ、6レベル:タングリング・クリーパーズ ブラックアックス Blackaxe アイテム25 ユニーク アーティファクト 始原 呪い 力術 出典 Bestiary 313ページ 使用方法 両手で保持;バルク 2 このツリーレイザーが使用する強力な武器は+4グレーター・コローシヴ・メジャー・ストライキング黒曜石製グレートアックスであり、攻撃ロールに+4のアイテム・ボーナスを、植物に対して2d6の追加ダメージを与え、アダマンティンの特徴を備える。 起動 [one-action](占術、念視);必要条件 使用者がブラックアックスを装備していないが、真の所有者である。;効果 使用者はブラックアックスの周囲を、あたかもその場所にいるかのように感じ取り、そのリンクを通じて使用者の生得呪文のいずれでも、それが呪文の発生源であるかのように使用できる。他のクリーチャーがブラックアックスを装備している場合、DC50の意志セーヴに成功しなければ、その武器を手放すまでの間減速状態2になる。 起動 [free-action] 合言葉(召喚術、瞬間移動);必要条件 使用者がブラックアックスを装備していないが、真の所有者である。;効果 ブラックアックスは元の場所から即座に瞬間移動して、使用者の手に現れる。 起動 [one-action] 合言葉(即死、治癒、死霊術);頻度 1分に1回;効果 ブラックアックスを用いて、生きている木に対して“打撃”を1回行う。命中したなら、木は枯れて塵になり、使用者はヒット・ポイントを250回復し、レストレーション(6レベル)とレストア・センシズの利益を得る。
https://w.atwiki.jp/crackingeffect/pages/137.html
PREVいつかあの花が咲いたなら -what a beautiful hopes- ふらつく足元が、木の根や石に躓きかける。 流れ出る血が寒々しく、急激に体温が失われていくのが自覚できた。体力も既に限界であったが、咳も息切れも起きない。それだけの余裕は存在しない。 かの戦場から逃げ出した士郎は、暗闇が満ちる雑木林の中を、ひたすらに進んでいた。 ───死ねるか、こんなところで…… 気力だけを頼りに足を動かす。しかし地面に張った根に躓き、力なく倒れ伏す。 あたりに水場などないのに、派手に響く水音。枝に引っ掛かり深く抉れた頬に痛みは感じない。 抵抗する力も無ければ、立ち上がる力も無かった。 心ばかりが先行して、体が言うことを聞いてくれない。当初は荒々しかった吐息すら、今は漏れるような小さな音しか出せていなかった。 分かっている。自分が最早助からないことなど。 けれど、それでも諦めるわけにはいかなかった。 ───俺が死んだら、誰が美遊を…… 考えることはそればかり。事ここに至って、士郎は自らのことなど露とも考慮していなかった。 美遊。大切なたった一人の家族。 彼女さえ守れるなら、自分は何もいらなかった。 受け継いだ矜持も。 自分の命も。 ちっぽけな幸せも。 差し出すことで美遊が幸せになれるなら、躊躇いなどしない。だからこそ、他者の命を奪って奇跡と為す聖杯戦争にだって、彼は表情一つ変えず臨んだのだ。 人類を裏切った自分が、碌な死に方はしないなどと、とうの昔に覚悟はしていたはずだった。 だが、まだだ。まだ自分は死ねない。 美遊を救えてない自分は、死ぬことなど許されない。 だからせめて、この願いを託せる誰かを求めようと。 力を無くした腕を尚も、前へ伸ばそうと足掻いて。 「───え……?」 はっ、と。その動きを止めた。 葉の擦れる音に紛れて聞こえる、誰かの足音。先程まで戦っていた者たちではない。もっと小さな、そうだ、美遊と同じくらいの誰か…… じりじりと顔をあげ、目を見開いた。 銀色の髪に、赤い瞳の少女が、そこにはいた。 妖精のように儚げな気配を湛えて、あの日出会った少女の姿が、そこにはあった。 「きみ、は……」 頭の中が真っ白になった。 どうしてここにいるのだと、そう考えるだけの余裕はない。反射的に、士郎はその少女へと手を伸ばした。 少女は、差し出された腕をそっと握ると、安心してと言うかのように笑いかけた。 その光景を前に、士郎の頬を一筋の涙が伝った。 蘇るのはかつての記憶。 エインズワースの牢に閉じ込められて、全てが徒労に終わったのかと絶望していた自分のかけられた、彼女の決然とした言葉。 ───友達だから助けます。ミユを不幸にする人がいるなら、私が絶対許さない! その言葉に、自分はどれほど救われたか。 彼女がいてくれたから、俺の願いは半分叶った。 美遊を傷つけない優しい世界は確かにあった。そして、美遊の友達が彼女を助けようとしてくれる。 ああ、それは、なんて…… ───そうか。 ───お前はもう、独りじゃないんだな。 ───美遊。 なんて、遠い遠い回り道。 自分にとっての救いはすぐそこにあったのに、どうして今まで気付けなかったのか。 不明な我が身を恥じる気持ちが湧いてくる。そしてそれを上回るほどに、暖かな想いが胸の奥から溢れてきた。 「たのむ……みゆを、たすけ……」 二人の間に、もう言葉は必要なかった。 決意を湛えた表情で、彼女は一つ頷いた。白い少女はそのまま踵を返し、背中を向ける。 ああ、それでいい。美遊を救ってくれるなら、俺はもう何も望まない。 俺の役目は、ここで終わりだ。 白い少女の姿が消える。もう行ったのだろう、それを見ることなく、士郎は再び倒れ伏した。 見上げた空には、夜半の星が輝いていた。 それを見て、士郎の口元に浮かぶのは、何かをやり遂げたような小さな微笑み。 星の輝きを掴むように、もう一度だけ、そっと手を伸ばして。 ───切嗣……星が、見えるよ…… 奇跡はなく、希望もなく、理想は闇に溶けて消えた。 見えない月を追い掛けて、それでも星を仰ぎ見て。 夜闇を照らす輝きに、一縷の小さな願いをかけた。 正義の味方にも悪の敵にもなれなかった自分は、ここで死んでしまうけれど。 それでも、託せたものがあったなら。 ───ああ。なんて、きれいな…… それは、確かに救いだろうと。 奇跡へ伸ばした手を落としながら、衛宮士郎と呼ばれた男は静かに瞼を閉じた。 あの日見つけた希望を胸に抱き、残せた希望を後に託して。 果て無き旅路を往った男の人生は、かくの如きに終わりを迎えた。 【衛宮士郎@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 死亡】 ▼ ▼ ▼ 「いや、稀なほどに醜悪な愚物よな。醜いからこその希少性を考慮しても尚、その腐臭は耐えがたい。 贋作者の更に偽物などと、道化にすら劣る身で剣の丘の主を気取り、偽りの奇跡などに手を伸ばして一体何処を目指していたのやら」 ……また、訳の分からないこと言ってる。 イリヤが傍らの男の言葉に抱いた感想は、概ねそんなところであった。 バーサーカーの襲来を退けて幾ばくか、イリヤとギルガメッシュは衣張山から麓までを繋ぐ参道を歩いていた。 イリヤを介抱(と言うには些かぞんざいな扱いだったが)し終えた後、それなりに時間が経っており、目覚めたイリヤがこれからについて聞くと、「我に続けば良い」という有難い返事を貰ったという経緯がある。 それは要するにアテがないってことじゃないのか、という内心は口には出さなかった。 「だから、"あれ"を殺したの?」 「愚弄しているのかイリヤスフィール。斯様な汚物、我が態々手を下してやる義理などないわ。 勝手に朽ちるに任せればよかろうよ。あのザマでは死を免れまい」 つい先ほど、ほんの数分ほど前。イリヤたちの前に"誰か"が現れた。それは、聖杯戦争のマスターだった。 どうやら死にかけだったようで、その人物はイリヤたちのすぐ目の前で倒れ込んだ。死にかけで声も出さず、イリヤも目が見えなかったのでそいつがどのような人間なのかは分からなかったが、感じられる魔力の残滓からそいつが魔術師であることだけは理解できた。 サーヴァントを失い自身も力尽きようとしているマスターになど興味はなく、イリヤはさっさと踵を返したのだが、どうにもギルガメッシュは無関心どころか嫌悪の感情さえ抱いているようだった。 「訳分かんない。つまり死にかけの負け犬がいたってだけなんでしょ。 それともまさか、何か関係あるとか脅威になるようなことでも……」 「はは」 薄っすらと、ギルガメッシュが笑みを浮かべ。 「イリヤスフィール、面白いぞ。貴様も冗談が言えるようになったか。 そういう機能を積んでいたか、アインツベルンは」 「……何よ、いきなり」 「訂正しよう。二つだ」 イリヤの言葉を待つこともなく、ギルガメッシュは勝手に話を進めていく。 「一つ目。あれは既に脅威と成り得ない。言ったはずだぞ、最早死は免れんと。 二つ目。あれは貴様に縁ある者ではない。その身は剣製そのものだが、あれは正義の味方ではなく世界の敵だ。 三世の果てたる、遥か遠きあちらのものだ」 「分かるか。これが何を意味しているか」 全くもって分からなかった。 このサーヴァントは、時々変なことを言う。しかしイリヤには、それが戯言であるとは何故か思えなかった。 思えなかったが、それでも意味が分からないことに変わりはなく。 「だから、分からないわよ」 「そうか。まあ仕方あるまい。貴様が望まれた役割とは意味合いを異とするものであろうからな」 金色の男は目を細める。 それは、遥かな果てを見据える瞳か。 透き通った色の瞳で彼は、今や偽りとなった空を見つめる。 彼は、星々の浮かびつつある天を見上げて。 僅かに唇開いて。 誰にでもなく呟いた。 「だが……ああ、そうだな。これだけは言っておかねばなるまい。 イリヤスフィール、いと儚き造花の妖精よ。かの娘と同じく聖杯の器となることを運命付けられた者よ」 そしてその瞳は、空からイリヤへと向けられて。 「美遊とは、何者なるや」 「ミユ?」 イリヤは、眼窩に刻み込まれた傷を更に歪めるように、眦を曲げて。 「誰それ」 ───ギルガメッシュは、笑みを浮かべたままだった。 【C-3/常栄寺近くの雑木林/一日目 夕方】 【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】 [令呪]二画、魔力消費(中)、疲労(中) [状態]健康、盲目 [装備] [道具] [所持金]黄金律により纏まった金額を所持 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を手にし、失った未来(さき)を取り戻す。 1:ある程度はアーチャーの好きにやらせる。 [備考] 両目に刻まれた傷により視力を失っています。肉体ではなく心的な問題が根強いため、治癒魔術の類を用いても現状での治療は難しいです。 【ギルガメッシュ@Fate/Prototype】 [状態]健康 [装備] [道具]現代風の装い [所持金]黄金律により纏まった金額を所持 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争を勝ち抜き、自分こそが最強の英霊であることを示す。 0:????? 1:自らが戦うに値する英霊を探す。 2:時が来たならば戦艦の主へと決闘を挑む。 3:人ならぬ獣に興味はないが、再び見えることがあれば王の責務として討伐する。 [備考] 叢、乱藤四郎がマスターであると認識しました。 如月の姿を捕捉しました。 バーサーカー(ウォルフガング・シュライバー)を確認しました。 ▼ ▼ ▼ 常栄寺のすぐ近く、暗闇が満ちる雑木林の奥底で。 たった一人うつ伏せに倒れる青年がいた。脇腹に大きな風穴を開けて、骨や内臓が垣間見える。夥しい出血は、彼の命がそう長くないことを告げていた。 彼は地に顔を伏せたまま手足の一つも微動だにせず、何事かをぶつぶつと呟いていたが、程なくしてそれも途切れると、二度と動くことはなかった。 星が、彼を照らしている。 月が、彼を照らしている。 けれど、彼の顔は最期の瞬間まで地に伏せられたままで表情は伺えず。彼が星の輝きを見ることはついぞあり得なかった。 BACK NEXT 0 ]]|投下順|0 [[ 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 036 夢は巡る アイ・アスティン 052 葬送の鐘が鳴る セイバー(藤井蓮) すばる アーチャー(東郷美森) 死亡 032 血染めの空、真紅の剣 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 054 夢より怪、来たる アーチャー(ギルガメッシュ) 043 機神英雄を斬る みなと 死亡…? ライダー(ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン) 死亡…? 衛宮士郎 死亡 アサシン(アカメ) 死亡
https://w.atwiki.jp/mtg2384p/pages/278.html
開催日:2011 / 04 / 08 参加人数:32名 フォーマット:Pauper(~MBS) Constructed Pauper Event #2255933 on 04/08/2011 in Daily Events 4-0:赤単ゴブリン/Goblin 4-0:白単アグロ/White Aggro 3-1:白単アグロ/White Aggro 3-1:黒単コントロール/Black Control 3-1:青単コントロール/Blue Control 3-1:白単アグロ/White Aggro 3-1:赤単バーン/Burn 3-1:赤単ゴブリン/Goblin 3-1:金属術親和/Metalcraft Affinity 3-1:赤単ゴブリン/Goblin 4-0 赤単ゴブリン/Goblin 使用者:magicdomain Main Deck 16《山/Mountain》 4《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist》 4《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》 4《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》 4《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》 4《ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar》 4《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》 4《モグの下働き/Mogg Flunkies》 4《モグの略奪者/Mogg Raider》 4《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》 4《Chain Lightning》 4《稲妻/Lightning Bolt》 Sideboard 2《死の火花/Death Spark》 4《炎の斬りつけ/Flame Slash》 2《鋭い痛み/Flaring Pain》 2《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》 3《紅蓮破/Pyroblast》 2《倒壊/Raze》 4-0 白単アグロ/White Aggro 使用者:BraveGhostOfYou Main Deck 21《平地/Plains》 4《バリーノックの群勢/Ballynock Cohort》 4《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》 4《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》 4《コーの空漁師/Kor Skyfisher》 4《Order of Leitbur》 4《剃刀のゴーレム/Razor Golem》 4《トロウケアの影/Shade of Trokair》 3《サルタリーの強兵/Soltari Trooper》 4《未達への旅/Journey to Nowhere》 4《忘却の輪/Oblivion Ring》 Sideboard 4《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》 4《塵は塵に/Dust to Dust》 4《Holy Light》 3《虹色の断片/Prismatic Strands》 3-1 白単アグロ/White Aggro 使用者:Morten269 Main Deck 22《平地/Plains》 4《バリーノックの群勢/Ballynock Cohort》 4《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》 4《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》 4《コーの空漁師/Kor Skyfisher》 2《孤独な宣教師/Lone Missionary》 4《Order of Leitbur》 4《剃刀のゴーレム/Razor Golem》 3《トロウケアの影/Shade of Trokair》 3《サルタリーの強兵/Soltari Trooper》 4《未達への旅/Journey to Nowhere》 2《忘却の輪/Oblivion Ring》 Sideboard 4《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》 4《塵は塵に/Dust to Dust》 2《孤独な宣教師/Lone Missionary》 1《忘却の輪/Oblivion Ring》 4《虹色の断片/Prismatic Strands》 3-1 黒単コントロール/Black Control 使用者:MagicLaTen Main Deck 23《沼/Swamp》 4《騒がしいネズミ/Chittering Rats》 3《墓所のネズミ/Crypt Rats》 2《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi》 4《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》 3《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》 2《よじれた嫌悪者/Twisted Abomination》 4《見栄え損ない/Disfigure》 3《破滅の刃/Doom Blade》 4《血の署名/Sign in Blood》 3《堕落の触手/Tendrils of Corruption》 3《発掘/Unearth》 2《精神ねじ切り/Wrench Mind》 Sideboard 4《押し寄せる砂/Choking Sands》 4《強迫/Duress》 3《闇の掌握/Grasp of Darkness》 2《腐臭の地/Rancid Earth》 2《精神ねじ切り/Wrench Mind》 3-1 青単コントロール/Blue Control 使用者:ManuGodineau Main Deck 20《島/Island》 4《流砂/Quicksand》 4《海門の神官/Sea Gate Oracle》 4《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》 4《尖塔のゴーレム/Spire Golem》 4《対抗呪文/Counterspell》 2《除外/Exclude》 4《魔力の乱れ/Force Spike》 4《誤算/Miscalculation》 2《ウーナの寵愛/Oona's Grace》 4《海賊の魔除け/Piracy Charm》 4《熟慮/Think Twice》 Sideboard 2《鎖の呪い/Curse of Chains》 1《剥奪/Deprive》 2《払拭/Dispel》 2《遍歴のカゲロウ獣/Errant Ephemeron》 2《妖精の計略/Faerie Trickery》 2《水流破/Hydroblast》 2《否認/Negate》 2《ウーナの門の管理人/Oona's Gatewarden》 3-1 白単アグロ/White Aggro 使用者:aaron breider Main Deck 20《平地/Plains》 3《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》 3《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》 4《コーの空漁師/Kor Skyfisher》 4《孤独な宣教師/Lone Missionary》 4《Order of Leitbur》 4《剃刀のゴーレム/Razor Golem》 4《トロウケアの影/Shade of Trokair》 4《サルタリーの強兵/Soltari Trooper》 4《未達への旅/Journey to Nowhere》 4《マナの税収/Mana Tithe》 2《忘却の輪/Oblivion Ring》 Sideboard 2《黒の防御円/Circle of Protection Black》 3《Holy Light》 3《今わの際/Last Breath》 4《虹色の断片/Prismatic Strands》 3《軍旗の旗手/Standard Bearer》 3-1 赤単バーン/Burn 使用者:_megafone_ Main Deck 4《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》 16《山/Mountain》 4《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》 4《窯の悪鬼/Kiln Fiend》 4《Chain Lightning》 3《癇しゃく/Fiery Temper》 4《火炎破/Fireblast》 4《火葬/Incinerate》 4《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》 4《稲妻/Lightning Bolt》 4《針落とし/Needle Drop》 4《裂け目の稲妻/Rift Bolt》 1《焼尽の猛火/Searing Blaze》 Sideboard 1《癇しゃく/Fiery Temper》 1《鋭い痛み/Flaring Pain》 3《灰の殉教者/Martyr of Ashes》 4《溶鉄の雨/Molten Rain》 2《焼尽の猛火/Searing Blaze》 4《粉々/Smash to Smithereens》 3-1 赤単ゴブリン/Goblin 使用者:CFCPUNKED Main Deck 16《山/Mountain》 1《ぐらつく峰/Teetering Peaks》 4《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist》 4《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》 4《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》 4《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》 4《ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar》 4《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》 3《モグの下働き/Mogg Flunkies》 4《モグの略奪者/Mogg Raider》 4《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》 4《Chain Lightning》 4《稲妻/Lightning Bolt》 Sideboard 4《炎の斬りつけ/Flame Slash》 3《鋭い痛み/Flaring Pain》 4《紅蓮破/Pyroblast》 4《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder》 3-1 金属術親和/Metalcraft Affinity 使用者:May_19 Main Deck 1《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》 4《大焼炉/Great Furnace》 4《教議会の座席/Seat of the Synod》 4《伝承の樹/Tree of Tales》 4《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》 4《エイトグ/Atog》 4《甲殻の鍛冶工/Carapace Forger》 4《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》 4《金属ガエル/Frogmite》 4《マイアの処罰者/Myr Enforcer》 2《彩色の宝球/Chromatic Sphere》 4《彩色の星/Chromatic Star》 4《感電破/Galvanic Blast》 1《無残な収穫/Grim Harvest》 2《水蓮の花びら/Lotus Petal》 2《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》 4《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》 4《物読み/Thoughtcast》 Sideboard 2《古えの遺恨/Ancient Grudge》 2《破滅の刃/Doom Blade》 4《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》 4《水流破/Hydroblast》 3《紅蓮破/Pyroblast》 3-1 赤単ゴブリン/Goblin 使用者:Digwen Main Deck 16《山/Mountain》 1《ぐらつく峰/Teetering Peaks》 1《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist》 4《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》 4《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》 4《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》 4《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》 4《モグの下働き/Mogg Flunkies》 4《モグの略奪者/Mogg Raider》 4《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》 4《火花鍛冶/Sparksmith》 4《Chain Lightning》 2《死の火花/Death Spark》 4《稲妻/Lightning Bolt》 Sideboard 3《鋭い痛み/Flaring Pain》 2《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》 4《紅蓮破/Pyroblast》 2《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder》 3《粉々/Smash to Smithereens》 1《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》
https://w.atwiki.jp/jaganou/pages/54.html
邪眼探偵ゆき兄捜査1【何でも屋】 ※この話は一種のパラレルワールド的な物です。 ありえねーだろこれはという部分があっても深く考えずに読みましょう。 「ああ、もうこんな遅くなるとは思わなかった…」 バイトが長引いてしまい、すっかりと深夜になった道を歩く男が1人いた。 男の名前はショックといった。 誰もいない深夜の道は考え事をするのには丁度いい。 しかし我に返り自身を覆う闇を認識した時に恐怖感が生まれる。 ショックも最初は明日の予定などを考えていたがふと考え事が止まった時に闇を認識した。 「…」 自然と早足になり、家までの道のりを歩く。 こういう時、人間は不安が不安を呼び、ネガティブなイメージを沸き立たせる。 振り向いて後ろに幽霊がいたりしたら?ナイフをもった男がいたら? 「馬鹿馬鹿しい」 そんなこと普通に考えればあるはずはない、可能性が無いとは言い切れないがそれは宝くじに当たるぐらいの確立なんじゃないだろうか そうは思うものの1度気になってしまうとどうしても振り切れないのが人間の性だ。 ショックは振り返って見る。 何も無い、ただ今まで歩いていた道がポツポツと街灯に照らされてるだけだった。 「そりゃそうだよな…」 再び前に向かい歩き出した時に後ろからコツ、と足音が聞こえた。 驚いてまた振り返る。何も無い。それでも不安は無くならない。 聞き間違いじゃなく、確かに聞こえたのだ。 しかし振り向いても誰もいない、まるで怪談のようだ。 ショックは走り出した。この角を曲がれば大通りに出る。そこまで行けば安心だと自分に言い聞かせて。 だけど彼は大通りに出ることは出来なかった… 翌日、大通りから少し離れた場所にある雑木林の中に沢山の人間がいた。 「これで2件目か…」 「ぼろにがざぁん…」 「…吐くなら現場検証の邪魔にならないところに吐けよ」 「ずびばぜん…」 「気持ちはわかるがな…全くどういう奴がこんな事件起こしてんだろうな…」 目の前には右腕が付け根からバッサリ切断されたショックの死体。 口には土が詰め込まれ、目は恐怖で開ききっていた。 「ほろにがさーん」 「おう、目撃証言あったか?」 「いえ、大通りならともかくこの辺りは深夜になると人通りが全く無くなるそうで…」 「つまり、特に情報は無し…と」 「あ、でも近くの家の方が深夜2時頃にゴッとかガッて感じの鈍い音を聞いたと」 「ふむ…」 「しかしこれ、前の事件と同一犯ですかねぇ」 「可能性は高いな、前回の右足で今度は右腕が切断されて持ち去られてる」 「なんのためにでしょうか…」 「さぁな…」 1週間前、少し離れた場所で右足を切断された男の死体が見つかった。 死後5日ぐらい立っていたその死体は明らかに誰かの手によって殺害されたものだった。 警察の捜査が始まったが、これといった目撃情報も手掛かりになりそうな物も何一つ出てこず。 唯一わかったのは殺された男の名前が外道ということ。 怨根の線で捜査は進められたが、捜査はいきなり暗礁に乗り上げ始めていた。 そうしてるうちにこうして新たな犠牲者が出来てしまった。 「連続四肢切断殺傷事件ってところか…」 ほろにが刑事は煙草を吸いながらそう呟いた。 同日、近辺某学校 「ねぇ聞いた?」 「聞いた聞いた、また出たんだって、怪人ディスメンバー」 「マジ怖くね?」 「今度は右腕だって」 「じゃあ次は左足?」 あちこちで事件についての噂が立っていた。 いくら警察が隠そうとしても情報というものは多かれ少なかれ確実に漏れるものだ。 「おい、聞いたかよ蝶」 「うん、また出たんだよな」 「こええよなぁ、先生たちも遅くならないうちに帰れってうるさいしな」 「死ぬよりかはマシだけど…」 「いっそ、何でも屋にディスメンバーを捕まえてもらうように頼むか?w」 「何でも屋?」 「あれ?お前しらねぇの?」 「初耳」 「この近くにな、何でも屋がいるらしいんだ、でもただの何でも屋じゃない 頼めば迷子のペット探しから殺人まで本当に何でもしてくれるらしい」 「噂だろ?」 「俺もそう思ってたんだけど…なんか他の学校の奴が実際に会ったとか」 「どこで?」 「間岸市の駅前のマックに日曜の夕方に橋渡し役が現れるらしいぜ」 「それ見たの?」 「見に行ったけど誰かわかんなかったさ」 「そりゃそうだw」 その話はそれで終わった。 学校が終わり、蝶は家に帰り自分の部屋の机から1冊のスクラップ帳を取り出した。 スクラップ帳の中身は、今や連続四肢切断殺傷事件と呼ばれる猟奇殺人に関する物だった。 「…もしも何でも屋が…本当なら…僕のこの望みも叶えてくれるんだろうか…」 蝶はそう呟いた。 翌日、晴れた土曜日の朝、警察署内。 煙草を吸いながら険しい顔で書類を読むほろにが刑事。 「…最初の犠牲者の外道と次の犠牲者のショックに接点はない… 怨根の線で調べていたが…無差別なのか…?それとも何か共通点が…?」 情報が余りにも少ない、このままでは何も掴めない。 ほろにが刑事はそんな焦りを感じていた。 この町の夜の闇は深い、切断した四肢を持ち去るという異常な犯行。 なのに目撃証言はまるで出てこない。 そしてほろにが刑事にはある確信があった。 「このままではきっとまた誰か殺される…」 「ほろにがさん」 「ん、どうした?」 「第2の被害者のことですが、死因は右腕切断による失血死で間違いないそうです。」 「ふむ」 「あと、頭部に裂傷があったようです。恐らく道端でまず頭部に打撃を加えられ意識を混濁させた後に 林の中に連れ込み、そこで右腕を切断されたというのが検死の結果出ました。」 「道具の特定は?」 「頭部の傷は固い棒状の物で殴られたとしか。 右腕の切断に使われた物は力任せに引きちぎったような切断面から鉈やその類のものではないかと推測されてます。」 「わかった、最近鉈などを購入した客がいないか近辺の店をしらみつぶしに当たってくれ」 「わかりました」 しかしほろにが刑事はきっと有力な手掛かりは一つも出てこないだろうと思っていた。 この犯人は異常だが、非常に狡猾で頭が切れる。 そう簡単に尻尾を掴ませてはくれないだろうと… その頃、蝶はある女学生と合っていた。 「うん、何でも屋にあったの私だよ」 「本当にいるんだ…詳しく聞かせて欲しいんだけど」 「いいよ、間岸市の駅前のマックに日曜の夕方5時から6時の間の1時間だけ2階の窓際の1番右端の席に 橋渡し役がいるの、かなりのイケメンなんだよ」 「ふんふん」 「その人にあったらこう言うの……………ってね」 「わかった」 「あと、やっぱりお金取られるからちゃんと持っていったほうがいいよ」 「いくらぐらい?」 「私は5万円ほど払ったよ」 「5万!?高すぎないか!?」 「でも…あんなこと頼めるのは…他に誰もいなかったから」 「君は…何を頼んだの?」 「…秘密」 蝶は女学生と別れ、家に帰ることにした。 明日は日曜、そう、橋渡し役が現れる日。 同日、深夜。 「痛みは…苦輪の海泳ぎ…」 血と腐臭が漂う場所で誰かが呟いていた。 「怖がるなかれ…其は新たな生を何れ受ける…」 「まだ足りない…まだまだ…足りない…」 翌日、日曜、夕方5時10分 「2階の…窓際の1番右端の席…」 蝶はマックにいた。そう、橋渡し役が現れるという場所に。 だけど、その席には誰もいなかった。 「…担がれたのかな…俺」 曜日と時間と場所も間違えてない、橋渡し役がいない時もあるなんて話も聞いてない。 これはやはりあの女学生に一杯食わされたと考えるべきなのか。 噂を信じてノコノコやってきた僕を騙してやろうとかそういうことだったのだろうか。 何にせよ、ここにいる意味はもうない。 帰ろうとして歩き出した時に、階段を上がってきたイケメンとすれ違った。 咄嗟に振り向くと、そのイケメンは窓際の1番右端の席に座った。 しばらく迷った、だけど蝶は意を決して話しかけた。 「あの…」 「はい?」 「ここに来れば…何でも屋に会えるって聞いたんですけど…」 「…」 無言。 おいおい、もし違ったら大恥じゃないか。 コイツ何言ってんだって思われてるんじゃないのか。 しかし返ってきた言葉は予想外のものだった。 「符丁は聞いたのかい?」 「え…っと…確か…」 【リベラ・メ・ドミネ・デ・モルテ・エテルナ】 それから、付いて来いと言われて歩き出した。 建物と建物の隙間を通り抜けてややこしい道をあちこち通って 到着したのはボロボロのアパートだった、人住んでるのかここ。っていうか人が住めるのか。 「おーい、入るぞー」 言うが早いか、橋渡し役はドアを開けた。 途端に大量のゴミが部屋の中から雪崩のように飛び出してきた。 「うわぁ!…おい!!ゴミぐらい捨てろ!!入るぞ!!!」 ゴミを飛び越えて中に入るので続いて僕も入った。 「おい!!ゆき兄!!」 ゴミの上に置かれたソファの上で漫画を読んでる人が視界に入った。 これが噂の何でも屋? 簡単に折れそうなほどに細い体に、あまり生気を感じられない。 ダルそうに漫画を投げるとその人は言った。 「いらっしゃいませ…か?」 「ああ、客だ」 「あ、あの…僕は」 「ストップ!!!」 「う…?」 「ルールがある、1つ目は依頼前に金を出す 2つ目は内容を聞いたらそれがどんな依頼だろうが俺は絶対に引き受ける 3つ目はそれがどんな依頼であろうとも達成する、だ」 そう言われて僕はなけなしの貯金から出した5万円を差し出した。 「…いいよ、ただし依頼達成後に5万じゃ割に合わないと思ったらまた請求する」 「それじゃ話が…」 「なら帰れば? ここに来たってことは、ここじゃないと取り合ってもらえないような依頼なんだろ?」 見透かしている、こいつは何もかも見透かしている。 そう、僕の依頼は恐らく誰も聞いてくれない。それほど異常なんだ。 だけど僕はこの願いを、どうしても叶えたい。 「…わかりました」 「…約束だぜ? それじゃ聞かせてくれよ、俺に何を依頼する?」 「連続四肢切断殺傷事件…ご存知ですか?」 「しらねぇ」 知らないって本気かこの人。 あれほど毎日ニュースや新聞で取り上げられてるのに。 そう思ってると橋渡し役のイケメンがそっと耳打ちしていた。 「…なるほど、ああ、わかったわかった、で、その事件がどうした?」 「犯人を見つけて欲しいんです」 「…見つける、だけでいいのか?」 「いえ、会いたいんです」 「なぜ?」 「会って頼むんです」 「何を?」 「僕の足を切り落としてくれって」 .
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5151.html
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 四五〇 体力点一を失う。 樫の若木の杖は持っているか? なければこの術は効かず、≪始祖の祈祷書≫は屋根から落ち、怪物どもに呑み込まれてしまう。二一八へ。 杖を持っているなら、掲げて術を使え。 間一髪だった! ≪始祖の祈祷書≫は屋根から滑り落ちたその瞬間に、君の術によって空中に固定される。 君は屋根のへりに立って祈祷書に手を伸ばす。 ルイズは、君が無事に≪始祖の祈祷書≫を取り戻すところを見て安堵の溜息をつき、 「よ、よかったぁ……トリステインの国宝が……」とつぶやく。 よけいな冷や汗をかかされて不機嫌になった君は、振り返ってルイズに本を押しつけると、悪態をつく。 そんなに大事なものなら自分の部屋の戸棚にきちんとしまって鍵をかけておけ、どういうつもりで旅先まで持ってきたのだ、と。 「な、なによ。だって、わたしは姫さまに約束したんだもん。祈祷書の秘密を調べて、もういっぺん文字が見えたらすぐに報告するって」 ルイズは憮然として言い返す。 「わたしはあれから毎日、祈祷書を開いてなにか変わったことが起きないかと調べてきたわ。タルブに居るあいだも、それを怠るわけにはいかないのよ!」と。 君はいらだち、無駄なことをしてきたものだ、何千年にもわたって白紙のままだった頁に文字があらわれるものか、姫君と謁見したときに見えたものも眼の錯覚だろう、と言う。 この言葉を聞いてルイズは眉を吊り上げる。 「そんなことないわ! あのときは確かに、この最初のほうのページに……」 そう言うといささか乱暴な勢いで≪始祖の祈祷書≫を開くが、すぐに手を止め、とある頁を食い入るように見つめる。 その眼は驚きに見開かれ、ぽかんと開かれた口からはときおり奇妙な呟きが漏れる。 「……我が知りし真理を……小さな粒より為る……」 ルイズはまばたきひとつせずに祈祷書に見入っており、いったいどうしたのだという君の問いかけにも反応しない。 「さらに小さな粒……四にあらざれば零……虚無の系統……」 どうやら彼女は、白紙だったはずの≪始祖の祈祷書≫に忽然とあらわれたとおぼしき文章を読み上げているようだ。 ルイズにもう一度声をかけようとした瞬間、ふたたび足元が大きく揺れたため、君は屋根から落ちぬように両脚を踏んばる。 ルイズも前のめりによろめくが、それでも祈祷書から眼を離そうとはしない。 君は彼女のすさまじい集中力になかば感心し、なかばあきれる。 ぬらぬらとした≪混沌≫の怪物が腐臭を撒き散らしながら足元にひしめき、自分たちの立つ足場はいつ崩れ落ちるかわからぬというのに、夢中で太古の書物を読みふけっているのだから! 「相棒、娘っ子! 古本のことは後にしてさっさとずらかろうぜ。この家はもうもたねえ」 デルフリンガーの言葉にあいづちをうち、脱出のための術を使おうとするが、君は致命的な間違いを冒していた。 先刻の言い争いで、貴重な時間を無駄にしてしまったのだ! 足元から響く音が大きくなる──柱が折れ、壁が崩れる音だ。 君たちの立つ屋根はぐらぐらと上下左右に揺れ、立っていることさえ困難なありさまとなる。 君は四つん這いになってルイズに近づく。 この期に及んでも≪始祖の祈祷書≫に見入っているルイズの腕をつかもうとしたところで、奇妙な浮遊感を覚える。 支えを失った屋根全体が落下しているのだ! 君はルイズに飛びつくと、その華奢な体を抱きかかえて衝撃にそなえる。 サイコロ二個を振り、出目の合計を自分の技術点と比較せよ。 君の技術点と同じかそれ以下なら、君は落下の衝撃に耐え、ルイズも無事だ(二〇〇へ)。 出目が君の技術点より大きければ、君とルイズは屋根が落ちた拍子にその上から転げ落ちてしまう(三一二へ)。 二〇〇 三階ほどの高さから落ちたにしては、その衝撃はさほどのものではない。 地面になにか柔らかいものが敷き詰められていて、それが君たちの乗った屋根を受け止めたのだ。 その『柔らかいもの』の正体に思い当たり、血が凍るような戦慄を覚える。 君とルイズは、村じゅうに大海のように拡がりのたうちうごめく、おぞましい怪物どものまんなかに居るのだ! 四方も、足元も、すべてが≪混沌≫の怪物で埋めつくされている! 「相棒、これ……やばくねえか? ものすごくやばくねえか?」 デルフリンガー話しかけてくる。 「俺にゃわかる。あの韻竜の言ってたとおりだ、こいつらはなんでも腐らせちまう。こいつらに呑み込まれちまったら、六千年生きてきた俺だってきっと、ただじゃ済まねえ。 なあ、早く空飛んでずらかろうぜ!」と、 彼には珍しい怯えた声を上げる。 息が詰まるような臭気が鼻を襲うなか、ルイズは信じがたいほどの集中力で≪始祖の祈祷書≫の頁をたぐっており、 「『四の系統』の指輪を嵌めよ……ブリミル……初歩の初歩の初歩……」と、 意味のわからぬことを呟いている。 この様子では、今しがたの落下に気づいたかどうかもあやしいものだ。 君はいい加減にしろと怒鳴り、ルイズから≪祈祷書≫を取り上げようとするが、周囲が急に暗くなった――まだ日没には早い――のに驚いて手を止める。 慌てて顔を上げた君が見たものは、その体の一部を蛇の鎌首のようにもたげ、今まさに君たちにのしかかろうとしている怪物の姿だ! 急いで決断しなければならない。 ルイズを抱きかかえて横っ飛びに身をかわすか(三〇一へ)、それとも君ひとりで後ろに飛びすさるか(一〇八へ)? それとも、術を使って身を守るか? ZEN・四九七へ HUF・四〇〇へ GAK・四六八へ DET・三四九へ ZAP・四一六へ 四一六 体力点四を失う。 君たちを押しつぶそうとする怪物に指でねらいをつけ、稲妻を放つ。 稲妻は命中し、腕状の塊は破裂して焦げた肉片を周囲にばらまく。 なんとか死の一撃を防いだ君だが、危機は去っていない。 周囲を取り巻く怪物の中から、大木のように太い触手めいた突起が、新たにいくつも生まれる。 さらに、君たちの立つ屋根自体が怪物の中に沈み込もうとしている。 どうすべきかを考える君に、≪始祖の祈祷書≫を読み終えたらしきルイズが言う。 「その……もしかしたら、わたし、どうにかできるもしれない」と。 「この祈祷書に書かれていることがほんとなら、この呪文が本物なら、あの化け物を……やっつけられるかもしれない」 彼女はなかば独り言のような口調で言う。 意外な言葉に君は面喰らい眉根を寄せるが、ルイズは構わずに続ける。 「これから呪文を詠唱するから、終わるまでのあいだわたしを守って。だめでもともと、やってみるわ!」と。 君はどうする? ルイズの言葉に従って、彼女を守ることに全力を尽くすか(八七へ)、今は逃げ出すことだけを考えるべきだと説得するか(一八四へ)? 一八四 「いいから、言うとおりにしなさい! あんたはわたしの使い魔! 使い魔は主人の言うことに従い、主人の身を守る!」 ルイズが君を怒鳴りつける。 「あんた、ギーシュが大怪我した日に誓ったでしょ。故郷に帰るときまでわたしに忠誠を誓う、命ある限りわたしを守る、って。 今こそあの誓いを果たすとき、あんたの勇気と献身を示しなさい!」 こうなっては説得するだけ時間の無駄だと考えた君は、大きく溜息をつくと、わかったと告げ、自分たちの身を守る方法を考える。八七へ。 八七 ルイズはその大きな鳶色の瞳で君の眼をじっと見つめ、 「それじゃ、いくわよ。……お願いね」と言うと、 片手に小さな杖を、もう一方の手にとある頁が開かれた≪始祖の祈祷書≫を持つ。 細い指に嵌った≪水のルビー≫が、沈みかけた夕陽を受けてきらりと輝く。 周囲にたちこめる悪臭をものともせず大きく息を吸い込むと、祈祷書に記された呪文──覗きこんだ君の眼には、あいかわらずなんの文字も映らぬのだが──を詠みあげる。 君はどうやって彼女を守る? 武器か(二二八へ)、それとも術か(七へ)? 七 どの術を使う? DEN・四八九へ FOF・四一七へ RUS・三七四へ ZIP・四〇一へ HOT・四六五へ どの術も使いたくない、もしくは使えないなら武器をとって二二八へ。 四一七 体力点四を失う。 術を使うと君たちの周りに眼に見えぬ防壁が張りめぐらされる。 形のない怪物は君たちめがけて津波のように押し寄せてくるが、この防壁に衝突してせき止められる。 怪物は下からも襲いかかり、君たちが足場にしていた屋根がついに粉々に砕けてしまうが、防壁は足元をも覆っているため安全だ──少なくとも当面は。 “エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ” ルイズのさえずるような声が、ひとつの長々とした呪文を紡ぐ。 君にとってまったく未知の言語で構成されたその呪文は、高く、低く、歌のような旋律をともなってルイズの喉から流れ出す。 見開かれたその眼には防壁に張りついた怪物の醜い姿が映っているはずだが、恐怖によって詠唱が途切れるようなことはない。 「……おでれーた。この呪文は≪虚無≫じゃねえか! まさか娘っ子が『担い手』だったってのか!?」 デルフリンガーが興奮気味に言うが、防壁の制御に手いっぱいの君はその言葉を聞き流す。 “オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド” 周囲が闇に閉ざされる。 ≪混沌≫の怪物が、君の作った防壁を完全に包み込んだのだ。 「だが、相棒は『使い手』じゃあねえ……。こいつはどういうこった?」 呟き続けるデルフリンガーに君は、集中の邪魔になるから黙っていろと唸る。 “ベオーズス・ユル・スヴェユル・カノ・オシェラ” ルイズの詠唱は止まらない。 一筋の光もなく、鼻をつままれてもわからぬほどの暗闇に包まれているはずなのだが、 どういうわけか彼女には祈祷書に書かれた文字が読み取れるようだ。 「たしかに、この魔法なら化け物どもを始末できるかもしれんね。だが詠唱がやたら長げえときてる。相棒、詠唱が終わるまで、この障壁は持つのかね?」 君はなにも答えない。 君も今まさに、デルフリンガーと同じ不安を覚えたところなのだ。 “ジェラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル……” 怪物は防壁ごと君たちを押しつぶすつもりらしく、荷重が増すにつれ、防壁がぶるぶると震えだす。 この術はけっして無敵ではない。 土砂崩れや雪崩のような、圧倒的な重みをくい止めるほどの効果はないのだ。 「相棒、あとひとふんばりだ! 娘っ子の呪文はもう少しで完成する!」 デルフリンガーが叫ぶ。 しかし、もはや術の効果は失われようとしている。 君がルイズのほうを振り返ってもう限界だと叫ぼうとした瞬間、眼の前で光が炸裂する。 太陽神グランタンカが地上に降り立ったかのような凄まじい光を前にして、君は思わず両手で眼を覆う。一四二へ。 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/tamagrail/pages/23.html
―――女の話をしよう。 女はただ現実に在っただけだ。何も語らず、何も語らせず、さもありなんと在り続けた榲桲の花。 誰かが彼女を淫売の娘と侮蔑した、誰かが彼女を被害者と哀れんだ、誰かが彼女を加害者と考えた。 誰かが彼女を殺さなければならない毒婦と恐怖した、誰かが環境によって歪んだ被虐孤児と考察した。 然して、女の内面は女にしかわからない。女は何も変わらない。 然して、女の内面は女にしかわからない。女は何も変わらない。 視点が変われば世界は別物だと誰かが言った。 正しくその通り、女が見る世界と、女を見る世界は隔絶している。 観測者は周囲を俯瞰的に観察できるが、観察されている当人にそんな柔軟な思考は出来るはずなど無い。 要するに、女の心の内は彼女の中に締まったままであるのだ。モノローグを漏らさない誰かの思考や感情など、誰にも分かるわけがない。 彼の者がそう思うのならそうであろう、彼の者がそう考えるのであればそうであろう。 だから誰にも理解できない、誰にもわからない、誰も知ることは出来ない。 女の深層は、誰かにとっての写し鏡としか認識できないのだから。 何? 結局女は何者だって? その認識こそ、押し付けというものではないのかな? かく言う語り手もまた、認識の押しつけという点では何ら変わらないのであるのだが。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ありふれたマンション。街の外れに屹立する真っ白な壁に包まれて、テラスから清潔に干された布団が布団掛けにぶらさがり風に吹かれる。 外から見るだけで、パンパンパンと布団を叩く主婦の姿が疎らに見えるであろうし、今さっき洗濯物を干している主婦の姿も見える。 マンションと言いつつも都会等で見るマンションと、下町等で見かけるマンションとは天と地の差だ。 それは俗に言う子供たちの理想と言うなのフィルターで覆われた幼稚な幻想。薄汚い外壁と、小綺麗さと嫉妬のどちらかで構築されるご近所付き合いの関係。 そんな人間関係の縮図という名の箱庭の、そんな中の一室。開きっぱなしの扉と、扉の内に貼り付けられたであろう、落書きながらも家族愛に溢れた父と娘たちの一枚絵が冷たいコンクリートに横たわり、風に吹かれて向こう側に飛んでいく。 扉の向こうからは匂いが漂っている。血の匂い、腐臭が漂っている。それはまるで稚拙な強盗殺人犯が入り込んだような杜撰さのように、何の考えもなくただ何かをしたという幼稚な思考で。 部屋の中には血溜まりがあった。血溜まりの中心は大人一人のしたいと子供3人の死体。アジの開きの如く真っ二つに切り開かれて、誰かが何かを探していたのように中身はグチャグチャになっていた。 それは、飲み込まれた玩具を探していた子供が無造作に引っ剥がしたかのような、そんな無軌道な衝動で。 それを、何の感情もなく見つめているのは一人の少女。 薄汚い、と一般の誰彼ならそう言い表しても致し方ない程に見窄らしい少女である、泥と埃と塵塗れで黒く汚れたシューズに単ズボンに、白いシャツ。 その顔立ちも薄汚れていて、親の育て方が透けてみる細い顔立ち、その頭にはそんな汚らしさに反したドクダミの髪飾りがちょこんと乗っかっている。 その手は血で染まっている。それも触れただけではつかないような、中身を穿り返したような行為でないと染まらないであろうぐらいの血の量で。 「……チャッピー、いなかった。」 何の興味もないであろう声色で、少女はただ呟いた。飽きた玩具に目を向けるような、養豚場の豚を見るような表情で、動かなくなったものをただ見つめていた。例えそれが、少女の父親だった男と、その娘たちだったとしても。彼女はそれに眉一つすら動かさず、そう呟いていた。 「満足しましたか?」 「………。」 女の声が、部屋にこだました。 振り返り、死骸と少女以外居ないはずの世界に全く新しい誰かが、まるで魔法のように部屋の床に立っている。 少女にとっては見たことのない服装であった。白い頭巾のようなもの被り、体のラインが目立つ黒い服を着込み、淫靡さと悍ましい何かを兼ね備えた、女がそこにいた。 「……うん。」 少女の肯定が、静寂に流れてすぐに消える。 この惨劇を起こしたのは、信じられぬが紛れもなく女だ。少女はただ願っただけだ、ただ考えて、願って、女に命じて、こうなった。 ただこうなっただけだ、少女はただ『チャッピー』という存在の一つを優先しただけだった。 それ以外、どうでも良かった。 「しかしよろしかったのでしょうか?」 「……何が?」 「私は特に言うことはありませんが、一応、父親だったのでしょう?」 「いいよ。でも、チャッピーは居なかった。」 何の感情も籠もっていない言葉を、女は少女に向けて告げた。 少女もまた、何の感慨も抱かない言葉で、女に返した。 「もうお父さんはお父さんじゃなかったから。お父さんじゃなかったらどっちでもいいでしょ?」 もし、この場にまともな論理感の人間が居たならばまともな怒号が飛んでいたであろう。 然して、ここにはまともな論理感を持ち得られなかった二人しかおらず、女は少女の言葉を聞いて興味なさげに言葉を発することにした。 なぜなら女は、サーヴァント・アルターエゴは己がマスターである少女の内情などまだわかっては居なかったのだから。 「……して、マスターはこの後如何様に?」 「'聖杯'を手に入れたら、チャッピーとまた会える?」 女の言葉に、少女はまた『チャッピー』の事を考えていた。 聖杯戦争、英霊、令呪、そして聖杯。究極の願望機。文字通りの『魔法』を知ってなお、少女の錆びついた感情から発せられる思考は固着してる 「ねぇ、アルターエゴ。私ね、魔法なんて信じなかったんだ。」 少女の言葉が続く。 「でもね、タコピーがまりなちゃんを殺してくれて、奇跡も魔法もあるんだねって、そう思ったの」 透き通った瞳の内に、濁った黒が埋めいて。 「でも、タコピーはもう私を助けてくれなくなった。」 少女の瞳から、涙が一滴こぼれ落ちていた。 「……ねぇ、アルターエゴは、私を助けてくれる?」 少女は願うように、言葉を振り絞って告げた。 「ええ、マスター。マスターがそう望むなら、私はマスターの願いを叶えましょう。」 女はその問い笑みを向けて少女に答えた。 「そっか。―――ありがとう、アルターエゴ。じゃあ聖杯とって、チャッピーに会いに行こう、アルターエゴ。」 少女はそれに、満面の笑みを浮かべ、女に言い返したのだ。 女はただ、誰も気付かない薄ら笑いを浮かべ、じっと見つめていた。 【クラス】 アルターエゴ 【真名】 殺生院キアラ 【属性】 混沌・悪・獣 【ステータス】 筋力 D 耐久 A+ 敏捷 B+ 魔力 EX 幸運 E 宝具 EX 【クラススキル】 『獣の権能 D』 対人類とも呼ばれるスキル。ビーストからアルターエゴに変化したため大幅にランクダウン。通常の単独行動:Bほどに収まっている。 『単独権限 E』 アルターエゴに変化した事で自己封印している。自重、というヤツである。とはいえ、単独顕現がもつ「即死耐性」「魅了耐性」を備えている。 『ロゴスイーター C』 快楽天としての特性。「万色悠滞」から派生した特殊スキル。どのような規模・どのような構造の知性体であれ、知性(快楽)を有するもの全てに強力なダメージ特攻を持っている。ただし、クラスチェンジに伴い大幅ランクダウンし、もはや"さわり"のようなものに。まさに前戯に等しい。ビーストⅢは人類愛なので、当然人類を愛している。ただしキアラにとって人間とは彼女だけ。キアラにとって自分以外のヒトは、自分という人間を満足させるための玩具でしかない。 『ネガ・セイヴァー A』 救世主(セイヴァー)の資格を持ちながら、自身の世界のみを救世しようとした獣の末路。 かつて月に誕生した快楽天はその存在規模こそビーストⅢに勝るものの、このスキルを有していないため、救世主の前には撤退する他なかったという。 【保有スキル】 『千里眼(獣) D』 視力の良さ、より遠くを見通すスキル。Aランクに達すると相手の心理や思考、未来や過去さえ知ることが出来る。千里眼としてのランクは低く、"遠く"を見通せるものではないが、目の前の人間の欲望や真理を見抜き、暴きたてる。……それだけなら賢人としてのスキルなのだが、相手の獣性・真理を暴いた事でキアラ自身が高ぶり、随喜を得てしまう。獲物を前にして舌なめずりをする毒蛇のように。 『五停心観 A』 ごじょうしんかん。メンタルケアを目的として作られた電脳術式で、精神の淀み・乱れを測定し、これを物理的に摘出する事で精神を安定させる。もともとは患者の精神マップを作り、これを理解するためにキアラが開発した医療ソフトウェアの名である。 『女神変生 EX』 人の身から神に変生するスキル。強力なバフデパート状態。 『人理昇天式 A』 ゼパルを吸収し、体内で魔神柱を飼育することで、キアラは魔神柱を支配する魔人となった。キアラが扱うのは「七十二柱の魔神」ではなく「名も無い、無個性の魔神柱」。だがその数は無限とも言えるもので、キアラはこれを自在に操る。 わたしを みすてないで キアラさま 【宝具】 『快楽天・胎蔵曼荼羅(アミダアミデュラ・ヘブンズホール)』 ランク EX 種別 対人宝具 レンジ 最大補足 七騎 対人理、あるいは対冠宝具。 体内に無限とも言える無名の魔神柱を飼育するビーストⅢの専用宝具。 もはや彼女の体内は一つの宇宙であり、極楽浄土となっている。 その中に取り込まれたものは現実を消失し、自我を説き解(ほぐ)され、理性を蕩かされる。 どれほど屈強な肉体、防御装甲があろうとキアラの体内では意味を成さず、生まれたばかりの生命のように無力化し、解脱する。 ビーストⅢは現実に出来た『孔』そのものだが、 その孔に落ちた者は消滅の間際、最大の快楽を味わい、法悦の中キアラに取り込まれる。 苦界である現実から解放されるその末路は、見ようによっては済度と言えるだろう。 【Weapon】 会得した詠天流の武術や法術 【人物背景】 類い希なる救世主としての資質をすべて己の為に使い、人ならざるものに変生した者。 【サーヴァントとしての願い】 ??? 【マスター】 久世しずか@タコピーの原罪 【能力・技能】 なし、おそらくは。 【人物背景】 誰かにとってのファム・ファタル。 実際は、ただの少女。……そのはず。 【マスターとしての願い】 チャッピーに会う。