約 374,340 件
https://w.atwiki.jp/crackingeffect/pages/207.html
【2日目の脱落者】 時間 脱落者 加害者 場所 退場作品 死因 凶器 午前零時 キーア ディー・エンジー・ストラトミットス 世界塔 111 慟哭のメテオライト シャルノス沈降 雲笈七籤・墜落の逆さ磔 午前零時 すばる ディー・エンジー・ストラトミットス 世界塔 111 慟哭のメテオライト シャルノス沈降 雲笈七籤・墜落の逆さ磔 午前零時 アリス・カラー チクタクマン 世界塔 111 慟哭のメテオライト 消滅 不明 午前零時 ディー・エンジー・ストラトミットス アイ・アスティン 世界塔・紫影の祭壇 112 きっとその手は何かを掴めるから シャルノス沈降 雲笈七籤・墜落の逆さ磔 午前零時 チクタクマン ▅▆▆▂▅▆▂▅▆▇▇ 世界塔・黄金螺旋階段 116 ここは天国じゃないけれど 消滅 不明 40億年前 アーサー・ペンドラゴン なし 黄昏の浜辺 120 待て、しかして希望せよ 消滅 聖杯消滅による座への帰還 最期の台詞 名前 台詞 キーア 「あたしは、希望を持って前に進む」 すばる 「わたしは、希望を持って前に進む」 アリス・カラー 「悪いな。俺、お前に……」 ディー・エンジー・ストラトミットス 「ボクは……幸せになりたかっただけなのに……」 チクタクマン 『お前は……』 アーサー・ペンドラゴン 「良き青空を!」
https://w.atwiki.jp/rentalitem/pages/101.html
「あーあ、つまんないのー。皆穴倉決め込んじゃってヒマでしょうがないわ」 ザッ、ザッ 「先日のお山のコンビはそれなりだったけど、本気出したらすぐ壊れちゃうだろうしなぁ……どこかにいないのかしらね、すぐ壊れない玩具は」 ザッ、ザッ 「そういえばランサーの主従も良かったわね。外来にしては良くやったわ」 ザッ、ザッ 「あとはセイバーとアーチャーとライダーなんだけど……」 ザッ、ザッ 「ま、いっか。歩いていればその内出会えるでしょ、多分」 ザッ、ザッ 「どうしようかなー……あ、そうだ。バーサーカー、海行こう、海!」 ザッ…… 「この前の場所に行けばいいから……あちゃー、逆方向ね。バーサーカー、ランサー達と戦ったところ行くわよ」 コクッ 「それじゃ、レッツゴー!」 ■ 西日本地方都市の一つ、冬木市。 中央を流れる未遠川を境に、古くからの町並みを残す西側の深山町、近代的に発展をした東側の新都へと分かれている。 冬の名を冠する土地ではあるが、実際には温暖な気候も相まり厳しい寒さに襲われる事は滅多に無い。 早期から諸外国に開かれた土地でもあり、市内には数多くの外国人が住んでいる。 以上が、大まかな冬木市の概要。 そんな冬木市の一画。 中央を流れる未遠川に沿うように下流へと下ると、無味乾燥なプレハブ倉庫街へと出る。 冬木海浜倉庫街。 港湾施設を兼ね備えた一帯は、陽の出ている内ですら人通りは疎らであり、夜ともなれば異界のような雰囲気すら漂わせている。人の眼を忍ぶ必要のある事柄には、うってつけの場所だ。 コツコツ、と自身の足音を倉庫街に響き渡らせながら、言峰士郎は奥へ奥へと進んでいた。 時刻は、夜の九時過ぎ。 それほど遅い時間でも無いが、他に人影は見られない。 しばらく進むと、立ち入り禁止の札が掛けられた大通りへと出た。札の向こうには特別なモノなど無い。来た道と同じような、無味乾燥なプレハブ倉庫が続くだけ。 札のすぐ傍で立ち止まると、士郎は右手を空中に彷徨わせた。そうして何かを掴むと、ソレに沿うように一歩を踏み出した。 途端に、景色が変わる。 「……あーらら、うらら」 緊張感の欠片も無い声を漏らして、士郎はその場にしゃがみ込んだ。無味乾燥なプレハブ倉庫街はどこへ。視線の先には、爆撃に晒されたような破壊の跡。 驚くことなかれ。 壊滅という表現すら生温い有様は、つい一時間にも満たない間の出来事である。 「……また派手にやってくれたもんだ」 平和な日本じゃ言い訳一つにも苦労すんだよ、時代遅れの馬鹿共が。ガシガシとやや乱暴に髪の毛を掻きまわしながら、士郎は悪態を吐いた。 「帰ってきて早々に仕事増やしやがって……」 校舎の件といい、倉庫街といい、他人を巻き込むことに躊躇しない輩が多すぎる。 前回の聖杯戦争で、もしかしたら糞親父は自分と同じ感想を抱いていたのだろうか。 そんなくだらないことが頭を過り、思わず士郎は顔を顰めた。アレがそんな殊勝な心がけをする輩かよ。養父とはいえ、敬愛の欠片も見られない感想だった。 「……まぁいいさ、ちゃっちゃと終わらせたる」 横道に逸れた思考を、無理矢理に元に戻す。 幸いにして、既に対策は立てられている。優秀な実行部隊が粗方の片づけは済ましてくれた。後は、自身の手で最後の不備を直すだけだ。 「立ち入り禁止、だな」 適当に結界を張り、聖杯戦争が終わった頃に辺りの修理をする。昼間でも人気が無い場所というのが、不幸中の幸いと言ったところか。 何せ、今回の聖杯戦争は前回からたったの十年しか経過していない。あの惨状が冬木市民に強く根付いている以上、無暗な刺激は避けるべきである。 (ったく、本当に面倒な) 本来ならば六十年周期の聖杯戦争が、何故十年の期間で顕現してしまったのか。 一年前に他界した養父の言葉を信用するならば、前回の所業のせいらしい。が、まぁ、胡散臭さが服着て歩いている輩の言葉だ。信ずるだけ無駄というモノだろう。 溜息もそこそこに、士郎は作業を開始した。右手の爪に刻まれたルーン魔術を使用しての結界維持。二十七本もの魔術回路を持ち合わせていながら、魔具を使用し、言峰の刻印を使用し、こうして予め刻んだ魔術補佐が無ければ一人前に魔術を行使する事も出来ない。それは彼が聖堂教会に所属しているから――ではなく、ただ単純に今に至るまで魔術の方向性が見い出せないからだった。 一点特化型であることは間違いがない。奇妙なことに、素のままでは基礎中の基礎でもある強化一つにすら士郎は手間取るのである。こうともなれば才能以前の問題である。 腐れ馴染み兼師匠の凛には何度溜息を吐かれた事か。理不尽な暴力に十年近く耐えてきたが、未だに方向を見い出せない現状は異常とも言えた。得意と言えば、相手を真似する事くらい。そこに鍵があるのではないかと腐れ馴染みは睨んでいるが、士郎からすればその程度はどうでもよかった。魔術が使用できる事に、何ら重要性は見い出していないからだった。 「おーわり、っと。さ、帰るか」 現状認識と綻びを修復する程度なので、思考の片手間に全ては終わらせられた。寧ろ今の士郎の脳内を席巻するのは、学校に仕掛けられた結界についてだった。 戦略は悪くない。誰が仕掛けたかは知らないが、着眼点は魔術師として当然でもあった。彼らに問題があるとすれば、遠坂凛と監督役に結界の規模と危険性と所在を知られてしまったことだろう。知ったからには、一般人に被害が及ぶまでに全力を挙げて阻止しなければならない。問題は、その方法だった。 誰が仕掛けたかは不明だが、解除される可能性は低い……いや、皆無であろう。わざわざあれほどの規模の結界を張ったのだ、解除するのは当人にとって損でしかない。また監督側としても、実際に被害が出ていない状況では無理強いも出来ないのだ。 ならば、当面は凛に頑張ってもらおう。自分は裏で策を練る。幸いなことに、まだ一週間以上の猶予があった。 「ハァ……ったく――――っ!」 締めくくりに溜息を吐き捨て、いざ帰ろうと身支度を整えた、その矢先。 近づいてくる膨大な魔力と存在に、思わず士郎は上を見上げた。そして見上げると同時に横っ跳びでその場から離れた。 轟音と衝撃。 アスファルトを易々と砕く一撃が上から振り下ろされる。その余波だけで、士郎はさらに数メートル分転がさられた。結界を破壊されたフィードバックと衝撃波で身体が痛みを訴える。が、少しでも離れるタイミングが遅れれば、こうやって痛みを感じることすら出来なかっただろう。 気だるさと痛みを抑えながら、どうにか上体を起こす。土煙で仔細までは見えぬが、其処に何かがいることは分かった。 「クソッタレが……」 悪態もそこそこに姿勢を直す。スタコラさっさと逃げ出したいところだが、目の前からはソレを許さぬ威圧感が発せられていた。無防備に背を見せれば、容赦なく貫かれるだろう。それは予感では無く確証だった。 突風が、土煙を吹き飛ばす。 「レディーに対して随分な口調ね。慎みの一つくらいは身につけたら?」 「そーゆーそっちこそ随分な肉体言語じゃねぇか。アレか、最近のレディーとやらは口より先に手が出る輩ばっかりか?」 晴れた先。視界に映った人物を理解するよりも早く、二人の口からは優雅さの欠片も無い悪態が飛び出た。口に出してから、互いが互いを認識していた。 何だ、コイツ。 何よ、コイツ。 初対面の相手同士とは思えない邂逅の仕方でありながら、去来する考えは全く持って同じものだった。 ■ 「ゆー、あー、あいんつべるん。おーけー?」 一瞬の間の後、先手を取って言葉を発したのは士郎だった。馬鹿にするような口調と発音。ワザと崩して言葉にしているのは明白だ。顔を見ると、薄気味の悪い笑みが張りつけてあった。 士郎の言葉に少女は露骨に顔を顰めた。礼儀を見せる気の無い相手に対して遠慮など不要である。可能であれば従者の一撃で擦り潰したいところだが、少女の考えが正しければ、そう易々と行動するわけにはいかない。 「……ええ、そうよ。それで、貴方は監督役で良いのかしら」 「いぇす」 肯定の言葉に少女の額がひくついた。どうも目の前の監督役は、相対した相手を不快にさせるのが得意らしい。そしてその考えは七割方当たっている。 ぶち殺そうかしら。不穏な考えが頭を過るが、殺した後の事を考えれば、感情に振り回されるわけにはいかない。まがりなりにも相手は監督役。そのバックには、厄介な奴らが控えている。 沸き立った感情を無理矢理抑え込むと、少女は顔に笑みを張りつけた。可憐でありながら、どこか凄惨さを感じさせる笑みだった。 「初めまして、監督役殿。此度のアインツベルン家マスターの、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと申します」 一礼と名乗り。洗練された一連の動作は、貴族を名乗るだけの気品を兼ねていた。その所作の一つ一つが凡俗とは一線を画していた。其処にいるのは、一人の気高く麗しき淑女だった。 「……此度の聖杯戦争監督役を任ぜられました、言峰家長男、言峰士郎と申します。以後、御見知り置きを」 礼には礼を。述べられた口上は、監督役を名乗るだけの響きを含んでいた。その所作の一つ一つが先ほどまでとは一線を画していた。年齢に似合わぬ落ち着きと胆力が、余計に目についたが。 「で、このような場所に何用で? アインツベルン」 自己紹介の後。先に口を開いたのは士郎だった。折角張り直した結界を壊された以上、この質問は当然のモノだった。 「特別な理由は無いわ。羽虫がいたから、少し進路を変えただけよ」 さも当然と言わんばかりにイリヤスフィールは答えた。自身の正当性を何一つ疑わない口調だった。 対して士郎は、そうか、と頷いただけだった。相手は魔術師。ロクな答えが返って来ない事は分かっていたことだし、終わった事を糾弾しても仕方が無い。突然の襲撃で身体が痛んだが、言ってしまえば被害はそれだけである。無駄に言い張るよりも流した方が楽である。 「分かった。じゃ、さっさと帰れよ」 犬でも追い払うような仕種で士郎は話題を打ち切った。既に少女と巨漢への興味は失われている。というかそもそも最初からそんなものは無かった。 意識の範囲から二人を追い出すと、早速士郎は結界を張り直す。魔具を使用した結界だったので、士郎自身へのフィードバックは少ない。ルーンを刻んでいた指の爪が割れていたくらいか。さっさと張り直して、今日は寝よう。帰って来てからロクな事が無い。 「……随分と複雑な手順を踏むのね」 素っ気ない態度にもイリヤスフィールに気分を害した様子は見られない。それどころか、僅かな驚きすら含んだ言葉が口から出ていた。 魔具の使用とルーン文字の起動。魔術回路という管を通って、魔力に似た何かが注ぎこまれる。 その奇妙な光景を、イリヤスフィールは異常だと感づいた。一目見ただけでの確信。流石はアインツベルンと言うべき観察力である。あの天才的な腐れ馴染みも、一度目の当たりにしただけでは分からなかった。 或いは、アインツベルンだからこそ、か。 「あら、帰るの?」 無言で踵を返した士郎の背中に向けて、イリヤスフィールは言葉を投げた。一転して、面白がるような口調だった。不愉快な言葉だった。 士郎は振り返る事をしない。代わりに手を軽く揺らした。打ち切るように左右へ。振り返ることはおろか、言葉を発する事さえ億劫だった。 だが、問いかけられた以上は答える責務がある。 「……馬鹿共の後処理が残っているんでな」 吐き出された言葉に感情は無い。呆れたような響きをもっただけで、どこまでも空虚であった。大儀そうに名目を掲げただけの言葉だった。答えたというよりは返しただけだった。 それっきり。 イリヤスフィールはこれ以上の言葉を発するでもなく。 士郎は以降の事を気にかける素振りすら見せず。 二人の距離は離れて行く。 ――――ドクンッ ただ一鳴き。 鼓動とは言い難い、不自然な跳ね上がりを残して。
https://w.atwiki.jp/matesaihai/pages/12.html
情報 正式名(図鑑等参照) ふつうの小学生 月束 樒(つきつか しきみ) 出場杯 ふつうの小学生杯 参加した戦い 第一次名都聖杯戦争 召喚したサーヴァント:宇治のランサー/井上 狭筵 特筆技能 支配魔術(蝙蝠、虫)、束縛の魔眼 聖杯にかける願い 人のように成長し、人のように老いて死ぬ身体になりたい。 聖杯戦争に参加した経緯 令呪が発生したため。 吸血種である自分が聖杯に選ばれた理由は不明だが与えられたチャンスには手を伸ばしたい。 サーヴァントの呼び方 (クラス名)or あなた 設定 地球の内海で発生し、表層管理のため名都で急速に受肉した自然霊。 真祖や死徒とは形態が違う吸血種であるため吸血衝動こそないが一定周期でエナジードレインをしなければ消滅してしまう。 身長/体重:143cm・39kg 地域:名都 属性:秩序・中庸 性別:女性 受肉後、数年の放浪の末に小学生に入学した。 受肉精霊として過ごした年月よりも人に紛れ共に過ごした年月の方が長かったため人間とは違う自分の身体を気に入っていない。 生まれ持った身体能力に加え、外界から魔力を汲み上げられる能力を持つが急造品の受肉体であるため他の吸血種と比べると出力は低い。 蝙蝠や虫を支配魔術によって操っており、小学校周辺の不審者や事故情報を全て把握している。 支配下に置いた生物を偵察や強襲に用いる事も可能。 最近初めて友達が出来た。
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/187.html
502 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/09/13(水) 04 13 20 なにはともあれ、これはキャスターに返しておこう。 「これはキャスターに返すけど、それでいいよな、遠坂」 「え? 返すのそれ」 「なんでさ、借りた物は返すべきだろ」 「そりゃそうだけど、もう少し調べたい……」 「とか言いつつ質に流したりしないだろうな」 「そんなことせんわー!」 ストレート。 今度は顎ではなく頸動脈を狙ってきた。 咄嗟のガードで防いだが、直撃ならば危険だった。 「遠坂、最近凶暴になってないか、カルシウム摂ってるか?」 「摂ってるわよ! 士郎が怒らせるような事言うからでしょ!」 和室の日本刀(切嗣いわく鎌倉土産の安物だが、刃引きはされていない)売ろうとした過去があるので信用できませんがな。 「直接聞けば良いと思うが……調べるならキャスターに許可を取るんだぞ?」 「分かったわよ、とにかく行きましょう、夕飯なんでしょう? 行くわよ、桜」 「あ、はい」 桜が本を閉じ、本棚にしまう。 「桜、後片づけは後で良いんじゃないか? 遠坂が許可を取れば夕飯の後また調べるだろ?」 「そうですけど、この位はやっておかないといけないんじゃないですか?」 「ま、本くらいはしまっておくか……宝石は桜が持っててくれ」 置きっぱなしはまずかろう。 夕食の時間、キャスターはあっさりと許可を出した。 「さっきの宝石を調べる? 別に良いよ? あ、ルヴィアさん、このソーセージみたいなのはなんですか?」 キャスターはむしろルヴィアの料理の方に興味があるようだ。 ジャガイモメインのグラタンを突きながら他の皿にも目移りしている。 「マッカラの事ですか? これもソーセージで……さっきライダーさんに庭で焼いて頂きました。 火で直接炙るので焦げてるように見えますけど中はまだ冷たいでしょうから気をつけて」 「わ、ホントだ、なんとなく味わった事があるような……でも意外な味ー」 世界に名だたる宝石なのに、この執着の薄さはなんなのだろう。 執着しすぎても嫌だが、この状態も少し不気味である。 ……ま、確かに料理は美味いけど。 結局キャスターの正体は不明のまま夕食は終わった。 「さて、では本題に入りましょう」 皿を洗った後ルヴィアが言った。 桜と遠坂は部屋に籠もって調べ物を始めてしまっており、茶の間にいるのはルヴィアと士郎、ライダーとキャスターの四人だけだった。 「キャスターさん、衛宮士郎の仲間として、真名は無理としても、貴方の宝具についての説明を求めます」 「そうですね、出来れば全員の前で説明した方がいいかもしれません」 ライダーが同調する。 「そんなに凄い宝具なのか? ライダー」 「ええ、彼女の説明から判断して、その扱いの難しさと"嵌った"際の威力は私の宝具の比ではありません」 とはいえ、使いやすさや具体性等は私の方が遙かに上ですが、とライダーは髪の毛をさらりと流しながら続けた。 「……わかったわ、説明する」 「待った、長くなりそうだから茶を入れよう、ライダーは桜と遠坂を連れてきてくれ」 「わかったわ」 503 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/09/13(水) 04 14 10 「いざこうやって説明するとなると難しいね……」 全員が揃った後、キャスターはそんな事を言った。 ならば簡単な説明だけをして、それに対して質問をするという形ではどうかと言う遠坂の提案を受けてキャスターが話し始めた。 「まずバーサーカーとの戦いで最初に見せたように、私の宝具は空間を展開、その中でのみ効力を発揮するものよ」 普段はただの布と大して変わりませんと彼女は言った。 「つまり、その空間を展開する間もなく攻撃されたら対処不可能って事か?」 「そうね、空間の範囲はそれほど変化させられないし、私が移動したから移動できるという類のものでもないし」 「じゃあその空間内でどんな事が可能なの?」 「その空間内の現実をねじ曲げるのよ」 「現実を、ねじ曲げる?」 キャスターが頷く。 「まず最初の空間展開の段階で周囲の現実を飲み込むわけだけど、一般人はその空間から一時的に消滅するわ。 サーヴァントとマスターのように宝具を持つ存在と、それに繋がった人は消滅しないようだけど」 「ちょっと待った、消滅した人間はどうなる?」 「特に何も、その人を消滅させようとしない限りは空間が消滅すれば元通りよ」 「消滅っていうと……あの体がフワフワして気持ち良いような悪いような、あの感覚の事でしょうか?」 ルヴィアが聞く、そう言えばあの戦いの時空間に自分の次に近かったのは彼女だと、士郎が思い当たる。 「私は経験した事が無いからなんとも、でも多分それだと思うわ」 「あの気持ち悪さは何とも言えませんが、被害がそれだけならば許容範囲、と言えるのでしょうか?」 「その辺りは……どうだろうね」 「とにかく、現実をねじ曲げ、その存在が許容しうる現実への復元力を突破させれば、その存在は現実へ戻る事は不可能となるの」 つまり、宝具の限界までね。 「それじゃあ、バーサーカーの力を無力化した……あれは? 空間の力みたいだけど」 「ああ、あれは……そうね、バーサーカーの力だけで現実を歪める事は不可能なのよ、現実で破壊する事は出来てもね。 一方、宝具の発動クラスの現実歪曲性ならば、空間内の現実を歪める事も可能なの」 「つまり宝具を展開しない限り空間内では戦闘が不能となるということです」 ライダーが捕捉する。 「じゃあキャスターはどうやって戦うんだ? 真名を発動させなかったら意味がないんだろ?」 「それがこの子の偉い所よ」 そう言って彼女は宝具をちゃぶ台の上に置く。 「この中央の宝石と周囲の宝石、これによって宝具の能力は発動するわ、真名を言うことなくよ」 「つまり……貴女は真名を言うことなく宝具の能力を発動させられる、相手は宝具の真名を解放しなくては攻撃にならない……」 遠坂が考え出す。 「……途方もないアドバンテージじゃない」 結論はすぐに出た。 「ええ、でもだからといって必ずしも有利というわけじゃないのよ。 最初に言ったように展開前に攻撃されたら駄目だし、勿論宝具でやられたら駄目だし」 「なるほど、絶対無敵というわけではないのね」 あのバーサーカー ムッシュー・ド・パリ はマスターの承認なしに能力を発動させられない。 故に絶対的なアドバンテージを得て、結果撤退させられたと言うことか。 「まあ、宝具の説明はそんなところですかねー」 キャスターがくだけた口調になり、テレビをつける。 「ああ、ちょっと待った」 聞いておきたいことがあった。 イ:「女子高生のお前がどうしてそんな物を所持するようになったんだ?」 リ:「あの宝石はどうやって手に入れたものなんだ?」 ヤ:「結局その宝具はいったい何なんだ?」
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/990.html
注)この作品は『ラーヴァナvsバートリー』の、自覚的な「悪役」として行動するラーヴァナ、という設定のパロディです。 ラ「フハハハハ! なんと素晴らしいことだ! 時空を超えて各地から現れる英雄たちと矛を交えられるとは! 余を華々しく散らせてくれる機会もより取り見取りに違いないわ! どういう死に様がよいだろうか。やはり花形たるセイバーの剣で一刀両断にされるのが悪党の末路らしいかのぉ」 神武天皇「すまん、今回のセイバーは朕だ。貴公も困るであろうが、正直朕も勝ち目がなくて困っている」 ラ「orz ……まあよい、まだ他のクラスが残っておる。バーサーカーが余の怪力を腕っぷしでねじ伏せる展開辺りも悪くない」 バトラズ 「■■■■■ーーー!」 ラ「帰れーーーーっ! 神性:A+などというやつの顔も見たくはないわあっ!」 ラ「うむ……、人型の英霊に期待したことが間違いじゃった。そもそも英雄とは神の子孫などという設定が付き物なのだからな。 だが、ここは聖杯戦争。何かの拍子で反英雄や獣の一人や二人くらいは来てもおかしくない。 不満がなくはないが、そのような者どもで我慢するとでも……」 悟空「ムヒー」 プテさん(牛化)「モー」 ラ「クソッ、畜生ごときが神になるとはなんて酷いご時世じゃ! 獣ならば獣らしくせんか!」 悟空「ムヒッ(いやいや、あんた生前に猿の神様と出会ってるじゃないか。つーか、あんたの故郷じゃ象頭の神様もいるって聞いてるけど)」 ラ「なんということだ……。余を殺せる者はおらんのか?! はっ、殺す? そうじゃ、神ともなれば暗殺などという卑劣な手段は取らんじゃろう。この際アサシンでも……」 セミラミス「……ご愁傷様。それと、暗殺なら北欧の最高神は平気でやるわよ」 ラ「戦争オワタ\(^o^)/ ……そ、そうだ。まだアーチャーのクラスが残っておる。 こういう時こそ我が宿敵ラーマが来るはずだ。再び雌雄を決する、という燃えるシチュエーションをやつならば逃すはずはない。 そうだ、来てくれるに決まっている! だから余は泣くものか! 待っておるぞ、ラーマ。頼むから来てくれ。でなくば、余は、余は……」 クリシュナ「あ、どーも。前世でお会いしましたっけ? それとも来世でしたっけ? いやー、化身があまりにも多いもんでして記憶があいまいなんですよ」 ラ「おまえじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ! ラーマで来い、ラーマで!」 ラ「ま、まさかここまでどうしようもない面子だとは……。……いや、英雄に倒される、と思い込んでいた余が悪かったのだ。 今時のマスターはかのバビロニアの英雄王やアイルランドの光の御子、はては他者を石化させる怪物とさえも善戦できる剛の者が揃っておると聞く。 うむうむ、取るに足らんはずの人間にやられる余、という展開は実によい。これならば満足できるぞ!」 龍之介「ちっす、クールなタトゥーが浮かび上がった殺人鬼っす」 イリヤ「やっちゃえバーサーカー!」 みこと「勝たなきゃ、他の人たちを犠牲にしてでも、私が勝たなきゃ……」 夏海「……望みなんてない死者と契約しちゃっただなんて、早まったかなぁ」 ファナ「えぐえぐえぐ……、なんでルイスさんがいない時に私がマスターになるんですか……」 慎二 プスプス・・・・・・ ←プテサンに手を出して雷を落とされたアホ ラ「はぁぁぁぁ??! まさかの戦闘力皆無なマスターぞろいだと?!」 ラ「ひ、ひどい、ひどすぎる……。攫ったシーターに拒まれた時でもここまでの屈辱は感じなかったというに! もはやこんな聖杯戦争やってられん! おい、余のマスター! とっとと令呪で余を自害させよ、でなくば……」 崇徳上皇「まあ、その、なんだ……。すまん、儂が手駒として呼んでしまったんだが。 ちなみに、儂を喚んだどこぞのトマスタァはとうの昔に廃人にしてしもうたわ」 ラ「………………ぐすん」 崇徳院「ああもう、泣くでない! いい年こいたバケモンが涙目になってどうする、怪物萌えなんてないのだぞ! 萌えキャラ化と縁のない儂が言ってるのだから真面目に聞け! わかった! 限界まで話が盛り下がったら『血書大乗経』使ってみんなの神性反転させてやるから泣くのやめんかこのバカ!」 (『血書大乗経』:対象の持つ地位・血統に由来する全ての加護・能力を反転させる。神性は地位・血統に由来するものが多い) ラ「……マジで?」 崇徳院「マジで」 ラ「マスター、感謝するぞ! あなたが余を倒してくれる英雄だったのだな!」 崇徳院「とんでもねぇ、わたしゃあ神様だよ」←神性:C おしまい
https://w.atwiki.jp/letsrebirth/pages/64.html
「…できない…僕にはできない…でもあいつを、ダンブルドアを殺さないとあの人が…」 姿をくらますキャビネット棚の前でブロンドヘアの少年が震えながら座り込んでいた。 彼の名前はドラコ・マルフォイ。普段はデカブツでウスノロの子分を引き連れて傲慢不遜に歩く彼であったが、 今はその面影も見えない。 一年前、彼の父親、ルシウス・マルフォイは名前を言ってはいけないあの人から与えられた指令で 大失態を犯してしまった。その罰としてドラコは到底成功するはずのない命令を与えらた。 ダンブルドアの暗殺という、16歳の少年には荷の重すぎる命令を… 何度も暗殺を試みたがすべて失敗に終わり、もはや後がなかった。 このまま成果を出せなければあの人は嗤いと侮蔑と共に殺すだろう。 父も母も、そして自分自身も… 嫌だ。考えるだけで恐ろしくなって今にも死んで逃げたくなる。 だけど死ぬのは嫌だ。 嫌だ。嫌だ。嫌だ。死にたくない。死にたくない。死にたくない。 キャビネット棚のガラスを見ると恐怖で塗りたくられた自分の顔が映っていた。 じっと見ていると、ガラスの中の自分の髪の毛がパラパラと抜け、鼻が凹んで切れこみだけとなり、 瞳は薄いグレーから青色へと変化した。その姿はまるで蛇のようで… 「わかっているだろうなドラコ。俺様の言葉は全てが絶対尊守の法なのだ。 それに逆らうというならばお前には死よりも恐るべき罰を与えねばならんな」 そしてガラスの中のあの人は笑いながらマルフォイに杖を向けて呪文を唱え、緑色の閃光が… 「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 マルフォイは絶叫しながら駄々をこねる子供の様に杖を振り回した。 あちらこちらに杖から飛び出た閃光が命中して、古ぼけた本やらガラス瓶やらがパラパラと棚から落ちた。 埃が舞い散ってしばらく物が床に落ち壊れる音が続いた。物音がやんだ後肩で息をしながらもう一度キャビネット棚のガラスを 見ると、さっき映っていたあの人の顔は自分の恐怖心が映し出したビジョンであったことにようやく気付いた。 力を失ったようにマルフォイはへなへなと尻から崩れ落ちて、頭を抱えて小さくうずくまった。 「ハア、ハア、ハア、嫌だ…怖い…怖いよ…助けて、父上、母上…逃げ去りたい。あの人も知らないどこか遠くに…」 その言葉を吐いた時だった。ポンと音を立てて、マルフォイの体はホグワーツから消え去ってしまった。 仮初の町で再現されたマルフォイの館、その瀟洒な館の中の絢爛な装飾品で彩られた客間の暖炉の前で、 マルフォイは自身のサーヴァントである三日月を象った姿の英霊と対峙していた。 「くそ、なんてこった…あの人の知らない場所に逃げられたと思ったら、今度は聖杯戦争だって? 地獄から地獄じゃないか…まるで悪夢だ」 自身の今陥っている状況、聖杯戦争の概要を聞いて、マルフォイはサーヴァントにそうこぼした。 「なあキャスター。僕は元の世界に戻ってあの人に殺されるのは嫌だ。 だけどこのままこの世界で戦い抜くのも怖い。…僕はどうすればいい?」 今のマルフォイには純血の誇りも、憎きポッター相手に張り合った傲慢さもない。あるのはただ一つ。 死の恐怖だけである。 うつむいて震えているだけのマルフォイに、キャスターは優しく答えた。 「あなたにできることはただひとつ。戦い勝利することです。この聖杯戦争で」 「そ…そんなことできるわけないだろう!聞いただけでも無理な話だ。たった一人で勝ち残るなんて」 「いいえ、一人ではありません。貴方には私がいます。私、クレセリアが」 その言葉を聞いてマルフォイは顔を上げてキャスターを見た。 「希望を捨ててはダメ。自分を信じて戦えばきっと道は拓けます。くじけそうになったときは私があなたを支えましょう。」 「…キャスター」 「マルフォイさん。貴方はあの人を恐れていますね。」 キャスターの問いに、マルフォイは力なく答えた。 「ああ、そうさ。あの人は今世紀最強の魔法使いさ。とても僕なんかじゃ敵うわけ…」 「いったい何を恐れる必要があるのですか?」 「…え?」 予想もしなかった言葉に、マルフォイは虚を突かれた。 「確かに通常ならば、例のあの人という人物に勝つことは難しいでしょう。しかしあなたは今、聖杯戦争に招かれたのです。 もし聖杯を手にしたのならば、例のあの人から逃げることも、勝利さえ、聖杯は叶えてくれるでしょう。 あの人から逃げる必要も恐れる必要もどこにもありません」 「僕が…あの人に勝つ」 それは想像しただけで背筋が凍るほどの恐怖であり、しかしそれは今まで自覚さえ許されなかった腹の底から湧きたつほどの渇望であった。 「マルフォイ…貴方には聖杯を手にする相応の実力があります。さあ、強く思い、望み、そして言うのです。貴方の願いを」 キャスターが囁くたびに、マルフォイの内のどす黒い恐怖心は灰色に色褪せていき、代わりに銀色に輝く欲望が満ちていく。 「キャスター…僕は聖杯を獲る…聖杯を獲ってあの人を、いや…ヴォルデモートを打ち倒して、代わりに僕が魔法界に君臨する!」 口に出すことさえ禁じられたその人の名前を言ったとき、自分を囲んでいた檻が砕けるのを感じた。 もはやそこには恐怖に呑まれた落ちぶれた少年の姿はなかった。 狡猾で機知に富み、己が為ならば他人を陥れることも厭わぬ純血の一族の末裔、スリザリン生の鑑たるドラコ・マルフォイがそこに居た。 その姿を見てキャスターは口元をゆがめていた。 轟々と燃え盛る暖炉の前、意匠を凝らした椅子にマルフォイは座っていた。 しかしその眼は何も捉えてはおらず、ただ欲望の夢に酔いしれている。 マルフォイの傍ら、漆黒のローブを纏った相貌のサーヴァントが、実に厭な笑みを浮かべていた。 (くっくっく…マスターを優勝狙いに持っていくことは成功といったところか) 心の中でキャスターはうまくマルフォイを誘導できたことに笑う。 マルフォイは知らない。キャスターの狙いが自分を傀儡にして、聖杯を取ろうとしていようとしていることも。 (マルフォイよ…オマエはただ浅き夢に溺れているがいい…聖杯を獲り…暗黒世界の王になるのは私だけだからな) マルフォイは気づかない。彼の言葉も姿も名前もすべてが悪夢が嘯いた偽りであることに。 キャスター――――真名はダークライ。 新月の夜、彷徨いながら人々を悪夢へと誘うあんこくポケモン…悪夢の王。 【クラス】 キャスター 【真名】 ダークライ@ポケモン不思議のダンジョン空の探検隊 【パラメータ】 筋力C 耐久D 敏捷B 魔力A 幸運C 宝具C 【属性】 混沌・悪 【クラス別スキル】 陣地作成:B 自らにとって有利な陣地を作り上げる。 とくにキャスターは夢のなかに陣地を作り上げる技能に長けている。 道具作成 B 魔力を帯びた道具を作成する技能。 主にふしぎだまやスカーフ、バンダナ、たね、わざマシンなどの作成が可能。 【保有スキル】 ナイトメア B 眠っている相手に悪夢を見せて毎ターンダメージを与える。 威圧感 C キャスターに対して攻撃が行われるとき判定が行われ、稀に相手を怯ませて攻撃を失敗させる。 判定の成功は幸運値に依る。 回復体質 D バッドステータスからの回復が通常よりも早くなる。 悪タイプ C 悪タイプに属するポケモンであることを示すスキル。 エスパー、悪、ゴーストの属性の攻撃に対して耐性を持つが、格闘、虫の属性の攻撃には追加ダメージを受ける。 また、悪タイプのわざを使うとき、威力が増加する。 【宝具】 『悪夢の最奥で嗤う影(ダークライ)』 ランクC 種別:対夢宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:30人 悪夢を見せ、悪夢の中に巣食う、キャスターの能力が宝具となったもの。 対象の夢に入り込み内容を自在に書きかえ、悪夢を見せる。 夢と現実の境界が見えなくなるほど、現実に近い夢も見せられる。 また、キャスターは相手を眠らせるわざも覚えているので、現実世界で戦っていたのに、 気づかないうちに夢を見せられていたということもありうる。 【weapon】 Lv53までに習得可能なわざ。 またわざマシンで新たなわざを覚えることも可能。 主なわざ かなしばり ノーマルタイプ 相手一体をまひ状態にする あやしいかぜ ゴーストタイプ 視界内の敵に攻撃 稀にその戦闘中に限り筋力、耐久、敏捷、魔力が上がることがある でんこうせっか ノーマルタイプ 多少離れている敵にも届く さいみんじゅつ エスパータイプ 敵一体をすいみん状態にする だましうち あくタイプ 敵一体を攻撃 必ず当たる あくむ ゴーストタイプ 相手を眠らせあくむ状態にする。すいみん状態よりも持続ターンが長く目覚めた時にダメージ。 かげぶんしん ノーマルタイプ 回避率を少し上昇させる 【人物背景】 時限の塔の崩壊を行い星の停止を招き、歴史を変えるためにタイムスリップした主人公とジュプトルを攻撃し、 主人公がポケモンとなってしまった原因でもあるすべての元凶。 世界を暗黒で包むことを目的としており、時限の塔の崩壊を防いだ主人公とパートナーを危険視し、排除することを計画する。 決して表に出てこない性格だと彼の宿敵であるクレセリアに評されており、事実主人公たちの夢の中でクレセリアに化け、 主人公たちが空間の歪みを招いていると嘘をついたり、パルキアをだまして襲撃させるなど搦め手を好んで用いる。 闇の火口にて主人公に悪夢を見せて闇の世界に誘おうとするが、悪夢を破られて失敗。最終決戦に入る。 敗北後、時空ホールを作り過去の世界から支配しようとするが、パルキアの攻撃を受けて全ての記憶を失い彷徨うことになる。 【サーヴァントの願い】 復活して再び世界を暗黒に包み支配する 【マスター】 ドラコ・マルフォイ@ハリー・ポッターシリーズ 【マスターとしての願い】 例のあの人を打ち倒して自分が魔法界の頂点に立つ 【weapon】 杖 本体はサンザシ、芯は一角獣のたてがみ、25センチ、ある程度弾力性がある。 輝きの手 蝋燭を差し込むと手を持つものだけにしか見えない灯がともる。泥棒、強盗の最高の味方。 【能力・技能】 ホグワーツ6年生までで習う魔法。 5年生の時にスリザリン監督生に就任し、磔の呪文も使用できることから、技能は平均よりは高いと思われる。 閉心術 心を閉ざして、思考を読ませなくする術。マルフォイはこの術において高い才能を持つ。 【人物背景】 主人公ハリー・ポッターのライバル的存在。スリザリン生で純血の一族マルフォイ家の長男。 純血主義者で、穢れた血や血を裏切るものを見下している。 敵を蹴落とすためなら卑怯な手も躊躇わず使う典型的スリザリン生だが、臆病な面もある。 父ルシウスがヴォルデモートの指令に失敗したのち、死喰い人見習いに任命され、ダンブルドア暗殺を命じられる。 失敗すれば自分だけでなく家族も命も保証できないことを知り、強い恐怖に苛まされる。 必要の部屋で怯えているときに、聖杯戦争に呼ばれる。 【方針】 キャスターと協力して、ほかの参加者を打ち倒して優勝する。 卑怯な手を使っても構わないが自分の命が危険になるような手段は嫌だ。 ただしマルフォイはその思惑がキャスターに操られているということに気づいていない。
https://w.atwiki.jp/fate_495112834sandy/pages/82.html
────警視庁本部庁舎。 それは、東京都二十三区内を管轄する警察組織の本部。 不可解犯罪が蔓延る時勢、警視庁は都内でも特に激動を走っていた。 聖杯戦争参加者の一組が居るのは、警視庁の中。 割り振られたロールの都合上、警視庁本部庁舎に在籍している。 部署は、刑事部捜査一課。階級は、巡査部長と定められていた。 その一人、刑事で『仮面ライダー』であった。 ◎ ◎ ◎ ◎ 中心の回転台に停車するスポーツカー、"トライドロン"。 部屋に通じる扉の上には、「R」を図案化したエンブレムクレストの存在。 ここは、庁舎地下。秘密裏に設置されている、トライドロンの整備場「ドライブピット」。 ホワイトボードに書かれている二十三区のマップ。 各地には赤点と時刻が記入され、渋谷区一帯は、赤線で囲まれている。 箇条書きの各発生日時と詳細の要点に、容疑者・被害者の写真が貼られていた。 ボードの前には顎に手を置く男性と赤を基調としたクレードル。 男性の名は、"泊進ノ介"。二十三区に呼び寄せられた聖杯戦争参加者の一人である。 「……一体、何の目的があって聖杯戦争が行われているんだろうな。」 進ノ介が疑問に思うのは、聖杯戦争の意味。 無関係の人間を呼び寄せ、この閉じられた二十三区内で戦わせている。 今も見知らぬ何者かの狙い、聖杯戦争を行う理由があまりにも不可解な話だ。 「う~む……。情報に乏しい現時点では、理解できない問題だね……。」 「それもそうだよなぁ……。」 ベルトから発せられる機械音声。 ディスプレイから発信される表情は、どこか苦々しさを示していた。 "ドライブドライバー"。通称、「ベルトさん」。 「仮面ライダードライブ」としての進ノ介をサポートする友であった。 「……だが、"記憶を改竄されたまま放置していた"ということに、何らかの意味があるのではないだろうか?」 「意味?」 ベルトさんに視線を向ける進ノ介。 「シンプルに聖杯戦争の運行のみを目的とするならば、覚醒に至るまで経緯はさほど必要にならなかっただろう。 "改竄された状態から記憶が戻り、サーヴァントを従えて戦っていく状態"そのものに、主催側の意図がある筈だ」 「つまり、俺達の記憶が戻るまで放置していたのも、こっちを"試していた"ということか……。」 進ノ介とベルトさんの記憶が覚醒したのは、急に起きたことではない。 ドライブドライバーとシフトブレスを装着し、イグニッションキーを回したことがきっかけで記憶が覚醒したものだ。 つまり、改竄の時点は何者かの干渉があったが、一方で覚醒に対する干渉や対策は一切ないということになる。 不完全な仕組みこそ、何者かの「目的」に繋がるのではないかと考えられる。 単に戦いが目的なら、記憶の改竄など手間でしかない。あるいは、このまま傀儡として利用する手もあった筈。 自らのきっかけで記憶を覚醒させ、自らの意志で二十三区の中で生きていくことに意味がある、と踏んだのだ。 「泊殿?お茶が入ったで────うぉ!?玩具が一人でに動いた!」 奥の部屋からお盆を持った青年が入ってきた。 だが、一人で動き出したミニカーの存在に反応し、警戒態勢に移る。 「あぁ、それはシフトカーといってね。それぞれが意志を持ったミニカーなんだ。」 ベルトさんのディスプレイは笑顔にも見える表情に変わる。 シフトカーとは特殊なミニカー。単独で人工知能を有し、人間に奉仕する存在である。 「付喪神か!?」 「い、いや?そんな超常的な存在ではないのだがね?」 ただ、人工知能のわからない青年には"付喪神"しか思えなかった。 彼は現代の知識が与えられているとはいえ、昔の時代を出身とするサーヴァント。 現代よりも高度な科学技術の産物には着いていけず、新鮮な目で捉えていた。 「それで……改めて聴くが、アンタがあの"永倉新八"でいいんだな?」 「うん?ああ、如何にも。拙者は永倉新八。セイバーで召喚されたサーヴァントだ。」 彼は進ノ介が召喚したサーヴァント、"永倉新八"。 江戸時代、幕府の治安維持部隊「新選組」の二番隊隊長として名を残す剣士。 「池田屋事件」や「戊辰戦争」といった事件を生き延び、新選組を後世まで語り継がせた男である。 「サーヴァントシステム、英雄を現世に召喚するシステムか。……う~む、科学では説明の付かない技術のようだ。」 「ああ、拙者とて、生前はこのようなことになるとは思わなんだよ。」 永倉はお盆の上に乗ったお茶をデスクに置く。 「それはそうとして、泊殿はこれからどうするつもりかな?」 「ん?」 永倉に視線を向ける進ノ介。 「拙者には小難しいことはわからん!聖杯戦争など、なんせ未知の存在でしたからな!」 自信満々な顔で、意思を示す永倉。 しかし、段々と真剣な顔付きに変わっていく。 「……だが、わからぬものにいつまでも気を取られていても仕方なかろう。 目を向けるべきは、これから何をどうするか、ではないか?」 進ノ介の目を見る永倉。それは、"度量を計る"という意思表示であった。 「ああ、その通りだ。もう考えるのはやめた。今、重要なのは市民や聖杯戦争の犠牲者を救うことだ」 進ノ介はそう言って、ネクタイを締める。 その答えを聴き、永倉も"ハッハッハ!"と高らかに笑う。 泊進ノ介は警察であり、市民を守るために戦う仮面ライダー。 皆を見捨てるつもりはない。二十三区の都民や聖杯戦争の被害者は守る。 何者かによって創り出されたであろう偽りの物であったとしても、その意志は変わらない。 「市井の者を守ることついては、同感だ! 時代は変わり、偽りであれど、我が故郷の江戸。 かつてのこの地の者と交わした義理は、破られることはないからな!」 笑顔を浮かべる永倉。軽く微笑みを返す進ノ介。 永倉にとっても、意志は変わらない。 彼が武士として辿り着き、新選組に就くまでに育った場所は、江戸。 時代は変わり、特異点になろうとも、義理が破られることは決してない。 「セイバー……いや永倉新八。」 手を差し出す、進ノ介。 「────ひとっ走り、付き合えよ!」 言葉を聴いて、ニカっと笑みを返す、永倉。 「我武者羅に走るのが、拙者の取り柄だ!」 差し出した手を握り、握手を交わす主従。 心のエンジンに火が点いた。ここからは"ドライブ"の始まりだ。 ◎ ◎ ◎ ◎ 二人の男と、一台の車はその運命を変えられるのか。 ────Start Your Engines──── 【クラス】 セイバー 【真名】 永倉新八@史実(江戸時代末期) 【属性】 秩序・中庸 【パラメータ】 筋力B 耐久A 敏捷C+ 魔力E 幸運B 宝具C 【クラス別スキル】 対魔力:D 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 騎乗:E 騎乗の才能。大抵の乗り物なら何とか乗りこなせる。 【保有スキル】 戦闘続行:A 往生際が悪い。 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、 その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。 勇猛:A 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。 龍飛剣 :- 種別:対人魔剣 最大補足:1人 絶的な技巧と速さが生み出した、破壊の『魔剣』。 次元屈折現象を引き起こし、下段からの斬り上げと全く同時に、上段への斬り下ろしが行われる。 ただし「同じ物体が同じ軸に存在する」という時間的修正力(タイムパラドックス)により、物体崩壊現象が引き起こされる。 現象の余波から衝撃波が発生し、通常の挟撃では起こり得ない破壊力を生む。 使用者であるセイバーへの反動もあり、ダメージを伴う なお、刀も一時的に崩壊してしまうが、魔力によって再構成が可能なものなため、支障は来さない。 【宝具】 『誓いの羽織』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1 幕末に京を震撼させた人斬り集団「新選組」の隊服として有名な、袖口にダンダラ模様を白く染め抜いた浅葱色の羽織。 サーヴァントとして行動する際の戦闘服と呼べるもので、装備する事によりパラメータを向上させる。 『誠の旗』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1~200 新選組隊士の生きた証であり、彼らが心に刻み込んだ「誠」の字を表す一振りの旗。 一度発動すると、かつてこの旗の元に集い共に時代を駆け抜けた近藤勇を始めとする新選組隊士達が一定範囲内の空間に召喚される。 各隊士は全員が独立したサーヴァントで、宝具は持たないが全員がE-相当の「単独行動」スキルを有しており、 短時間であればマスター不在でも活動が可能。また、魔剣の域に達した剣術を使える隊士も居り、総合的な攻撃力は高い。 ちなみにこの宝具は新選組の隊長格は全員保有しており、効果は変わらないが発動者の心象によって 召喚される隊士の面子や性格が多少変化するという非常に特殊な性質を持つ。 【weapon】 「播州住手柄山氏繁」 永倉新八の愛刀。 地鉄は板目肌、刃文は打ち寄せる波の形をした濤瀾刃風。 【人物背景】 新選組二番隊隊長として有名な幕末の武士。 近藤勇の道場・天然理心流「試衛館」の食客となって、新選組の前身「浪士組」に参加。 近藤勇や土方歳三からの信頼もあり、新選組後は副長助勤(補佐)に抜擢される。 「池田屋事件」や「戊辰戦争」といった新選組の前線を奮闘するなど活躍を見せたが、 鳥羽・伏見の戦いの後に、当時不仲にあった近藤勇と袂を分かつこととなり、新選組から離脱。 明治後は家督相続により「杉村治備」と改名、北海道樺戸集治監(刑務所)の剣術師範に赴任していたとされる。 新選組の数少ない生き残りとなった永倉は、後に取材を受け、新選組の顛末は語り継かせていったという。 性格は、真面目で我武者羅な熱血漢。 道端で絡んできたヤクザ者を鋭い眼力と一喝で追い払うほどの豪胆さの持ち主。 また、局長の近藤勇にさえも恐れずに対立し、脱退(切腹)覚悟で上に訴え出るほど信念を曲げない人物であったという。 【外見】 オールバックの短髪に、糸目のように細い目つき。 刑事という職種に順応するため、ライトグレースーツに赤ネクタイという正装を着用している。 『誓いの羽織』使用時は、白の着物に黒色の袴となった衣装。 【サーヴァントとしての願い】 東京の平和を守るためにも聖杯戦争を終わらす。 【方針】 基本的に作戦や事件解明は泊殿に任せるとして、自分は戦闘を務めることにする。 【マスター】 泊進ノ介@仮面ライダードライブ 【能力・技能】 「戦闘スタイル」 警察が行う逮捕術に近い格闘技を主体とした戦闘スタイルが特徴。 また、下記のシフトカーやフォームを自在に駆使し、戦闘を優位に運んでいく。 「推理力」 人物の言動や事件の行動から相手の真意を読み取り、事件を解決させるほどの推理力や洞察力を持つ。 事件の真相が解明できた際、「繋がった。」と「脳細胞がトップギアだぜ!」が口癖。 【weapon】 「ドライブドライバー&シフトブレス」 「仮面ライダードライブ」に変身する変身ベルトとアイテム。 開発者であるクリム・スタインベルトの自身の意思、記憶、知識、性格を人格プログラム化して移植され、ベルトさんとしてサポートしている。 装着者の健康状態を記録・管理する機能が搭載され、また生命維持装置としての役割を担うことも可能としている。 イグナイターを押すことでフルスロットル状態にさせシフトカーを操作、必殺技を発動する。 □タイプスピード 「シフトスピード」で変身するドライブの基本形態。 優れたスピードを持つ形態。 □タイプワイルド 「シフトワイルド」で変身するパワーとタフネスに優れた形態。 パワーの大きいタイヤを軽々と扱える。 □タイプテクニック 「シフトテクニック」で変身する技術力に優れた形態。 機械構造を瞬時に分析して使いこなす他、精密射撃などを得意とする。 □タイプデッドヒート 「シフトデッドヒート」で変身する強化形態。 稼働エネルギーと熱を利用し、爆風を伴う超高熱の攻撃を繰り出していく。 一方で、バーストして進ノ介の意志を無視した暴走状態に入るという欠点がある。 リスクを加味してか、ベルトさんも使用は認めていない。 「シフトカー」 それぞれが意思を持ったミニカー。小型の道路を作り出し、独自に移動する。 ドライブを状況に先述したタイプへの変身や、タイヤを装着させドライブに応じた能力を与える効果を持つ。 ◎マックスフレア:炎を身に纏う ◎ファンキースパイク:トゲで攻撃 ◎ミッドナイトシャドー:分身/手裏剣型エネルギー弾 ◎ジャスティスハンター:鉄柵生成 ◎スピンミキサー:コンクリート弾 ◎ドリームベガス:コイン攻撃 ◎マッシブモンスター:カミツキ攻撃 ◎ディメンションキャブ:ポータル生成 ◎ランブルダンプ:ドリルを装備 ◎マッドドクター:治療効果 ◎フッキングレッカー:フックによる牽引 ◎バーニングソーラー:発光による目潰し ◎ファイヤーブレイバー:アームを伸ばせる。 ◎ローリングラビティ:シフトカーの進路生成 ◎ロードウィンター:冷気を操る ◎カラフルコマーシャル:立体映像を映す ◎デコトラベラー:突進攻撃、演歌調の演出 ◎アメイジングサーカス:パフォーマンス演出 なお、能力はシフトカー単体でも使用可能。 「ハンドル剣&ドア銃」 主にドライブ時で使用する武器。 ハンドル剣はハンドル操作により急激にターンしながら斬撃が可能。 ドア銃はドアを開閉することでリロードを行うが、半ドア状態だと撃てない。 「トライドロン」 進ノ介が主に乗用する車両。 基本のスポーツカー形態、オフロードカー形態、特殊車両形態の3つに変形機構を持つ。 操作系統がベルトさんと共有しており、遠隔操縦することも可能。 【人物背景】 この男、刑事で仮面ライダー!! 機械生命体ロイミュードによって引き起こされる怪奇事件専門の部署「特状課」に就く警視庁の刑事。 「ドライブドライバー(ベルトさん)」達の後押しを受け、錆びたエンジンに火が点き、以後「仮面ライダードライブ」として戦うことになる。 人をからかったり、茶目っ気のあるジョークを交えるなどもコミカルな面もあるが、素直で熱血漢な性格。 燃え尽きる覚悟で挑む相手の思いに応え、自らも相討ち覚悟で付き合おうとする場面や 「人間として生きていたい」と願うロイミュードに歩み寄って受け入れる場面など 立場や境遇に捉われず、相手と真摯に向き合う高潔な面も持ち合わせている。 その一方で、感情任せの行動を取ってしまうこともあり、当人もその点を反省することも多い。 ベルトさんの評では、「頭は回るが根は素直でお人好し、そして何度止まっても諦めず心のエンジンを動かす男」とのこと。 殉職した父"泊英介"の影響もあってか、警察として市民を守ることに誇りを抱いており、 ドライブとなってからは真面目に事件や被害者達とも向き合い、警察官として職務を全うしている。 しかし、隠された過去の真相については、この時系列ではまだ知らない。 【マスターとしての願い】 警察として市民の平和を守り、聖杯戦争を終わらせる。 【方針】 二十三区内各地に起こる事件を洗っていき、各マスターや聖杯戦争の真相を突き止めていく。 同じく戦争を望んでいないマスターの場合、警察での保護も検討する。 【ロール】 警視庁刑事部捜査一課に属する巡査部長。 なお、この世界では「仮面ライダードライブ」に関する記録はない。 【把握媒体】 特撮ドラマ『仮面ライダードライブ』をご参照ください。 時系列上はシフトデッドヒートが登場した17話後の想定です。
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/649.html
444 名前:隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・朝:喧嘩するほど仲が良い] 投稿日: 2007/02/23(金) 04 42 35 「藤ねえ、お、ち、つ、け……」 薄れ始めた意識を総動員して腕を掴んで抵抗する。 「ええぃ、抵抗するかこの色魔!」 「人聞きの悪いことを……言うんじゃ」 拮抗している。 単純な力なら勝っているだろうけど、このマウントポジションの体勢はまずい、上手く力を入れられない。 「間桐嬢、いつもこうなのかあの二人は」 平然と食事を続けながら質問する。 「ははは……時々ですよ、どっちかが素っ頓狂な事をしちゃって喧嘩になっちゃうんです」 「ああ……成る程、先生にしろ衛宮にしろ何となく分かる、特に衛宮は普段から自己献身の度が過ぎるからな……」 どこか抜けていたとしても不思議はないか、と続ける。 「そうですね、誰かがそんなに凄いってことは無いことですからね、それに喧嘩するほど仲が良いって言葉もありますし」 人の精神を杯に例える思考法がある。 どのような人間もその杯の形は変わらないとする物だ。 もしかしたら杯の大きさも少しは違うのかも知れないが、それとてそう変わる物ではない。 普通の人間を台座に置かれた杯だとすれば、天才、奇人と呼ばれる類の人間は傾けられた杯だ。 一部は深くなるが、それ以外の部分は逆に浅くなる。 彼女はそう言っているのだと言うことをきちりと理解した桜の表情は慈愛に満ちている。 「あ、あの……二人、止めないんですか?」 「む、由紀香、不安なのか?」 「う、うん、なんだか二人とも全力で喧嘩してるように見えるんだけど……」 「さすがにそれはあるまい、兄弟のような二人なればある程度加減はしているだろう」 実際の所は全力なのだが。 「なに、心配はありませんよ」 二人の会話にセイバーが参加する。 「兄弟……家族というのは時々喧嘩するくらいが正常だと思いますよ、喧嘩も無くなったらそれは寂しい物です、互いを無視しているのと変わりませんからね」 ま、喧嘩ばかりというのも多少問題ですがと、少し寂しげに続ける。 「でも、兄弟喧嘩はいけないと思います……」 「なに、取っ組み合いをしろと言っているわけじゃありません、互いに意見を戦わせて切磋琢磨できると言う意味でも、必要だと言うことです。 ……まあ、今回の件は士郎君が迂闊だったとは思いますがね」 「あの、なのはちゃんと、フェイトちゃんも喧嘩、するんですか?」 「……ええ、時々は」 「しますよー」 二人が笑みを向ける。 実際二人が全力で喧嘩をすればこの家、どころか近隣区画位はまとめて吹き飛ぶだろうが。 「ぜはーっ!」 筋力の限度を超え、倒れ込む。 のし掛かるようにぐったりと身を寄せ合って息を乱すその姿は、見ようによっては事後のようで非常にエロチックである。 「……士郎、反省した?」 身を寄せたまま聞く。 「誤解ではあるけど、誤解されるようなことをしたってことは反省する……」 「ん、それでこそ士郎」 「……それはそれとして、本気で首を絞めるのは良くないぞ、藤ねえ」 「……それは反省するわよ」 胸元で少しだけ頬を膨らませて返答するその姿は少女の仕草とそう変わらない。 「なるほど、すぐに仲直りしたな」 「いつものことですから……それはそれとしてあんまりくっついちゃダメですー!」 その後は特に大したことはなく、朝食の時間は終わる。 445 名前:隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・朝:朝食後の光景] 投稿日: 2007/02/23(金) 04 43 44 見事に綺麗に食べ終えた皿の一群を満足げに台所へ運んでいく。 こういう風に綺麗に食べて貰えると洗う方も嬉しい物だ。 桜も嬉しげに流しに水が張られるのを待っている。 「こういう風に食べて貰えると、作る方も嬉しいですよね」 「そうだな……ところで桜、今日の御飯いつもと微妙に味が違ってたみたいだけど、新しい米に変えたんだっけ?」 この家でいつも炊いているのは標準米だが、この前藤村組からお裾分けして貰った新潟産の米があったはずだ。 「あ、気付いちゃいました? お米はいつもの通りなんですけど、テレビでやってたので炊くときにちょっとお酢を入れてみたんです……ダイエットの効果もあるらしいので」 少し顔を赤らめながら蛇口を捻って水を止める。 「ああ、成る程、でも気にすることはないと思うぞ?」 桜に限らず、我が家の女性陣は別に太っているわけではない。 まあ、女性というものは得てして過剰に気にする物らしいが。 「さて……」 皿を洗いながら考えに沈む。 気付いてしまえば、あの格好でノインの服を買いに行くというのはできない。 朝食の時に言われて助かったと言ったところか。 とにかく、こういう事になれば一人で買いに行くか、誰かに服を借りるか、と言うことになる。 かといって女の子の服を一人で買いに行く、というのは避けたい。 ただでさえ色々言われそうな状況なのに一人で女の子の服を買いに行ったら何を言われる事やら想像するのも恐ろしい。 つまり誰かに服を借りるという事になる。 では誰が適任だ? あのサイズの服ともなれば、イリヤが適任だろうが、替えの服があるとすればあの城だろうから取りに行くというのは止めておこう。 と、すれば―― ウサギに水:桜は物持ちが良さそうだ、聞いてみよう 犬にたまねぎ:遠坂は思い出にと取っておきそうだ、聞いてみよう 猫に小判:三枝さんは兄弟が沢山いるって聞いたことがある、借りられるか聞いてみよう 虎に翼:藤ねえならなんか持っていそうな気がする、聞いてみることにしよう 投票結果 ウサギに水 3 犬にたまねぎ 0 猫に小判 5 決定 虎に翼 3
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/650.html
460 名前:隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・朝:ライダープロジェクト] 投稿日: 2007/02/26(月) 03 15 30 ……多少、気は引けるが、三枝さんは兄弟が沢山いるって聞いたことがある。 貸してくれるかは別として三枝さんならば確実に持っているだろうし、借りられるか聞いてみよう。 「三枝さん」 「あ、はい、どうしました?」 縁側で日向ぼっこをしている三枝さんに声を掛けた。 「あ、うん、悪いんだけどさ……三枝さんの服、貸して貰えないかな」 「え? ふ、服、ですか!?」 慌てている。 ボタンが取れていたり、薄切れしている部分があるのかと服を軽く引っ張ってちらちらと見ている。 そして段々と顔が赤くなっていく。 服を貸せというのを着ている服、と勘違いした場合の反応としては怒り出すかこうなるかだろうが、それは勘違いだ。 「あ、いや、そうじゃなくて、えーっと、そう、ノイン用にさ、古着とかあったら貸して貰えないかな……って思って。 その、ほら、買いに行くって言っても流石にあの格好じゃどうかと思うし」 「あ……」 掌をポンとあわせる。 「勘違いしちゃいました」 「いや、その、言い方も悪かったし、こっちもゴメン」 「えっと、こちらこそ」 互いに頭を下げる。 その姿に、ちょっとだけ笑みがこぼれた。 「それで、良いかな? 服」 「あ、はい、良いですけど……ちょっと時間かかりますよ? 歩きですから」 ちらりと居間の時計を見る。 まだ朝は早いが、時間がかかるのは悪い気がしたらしい。 「うん、別に急がなくてもいいよ、こっちが頼んだことだし」 「それじゃあ、その……家に一回戻りますね」 「うん、ありがとう」 「急ぐのなら私が連れて行っても良いのですが?」 「シャリフさん?」 そう言ったのはライダーだった。 いつ運び込んだのか、土蔵から大型のバイクを運び出している 「昼の間に街の状況をちょっと知りたいから、街の案内もして欲しいのだけど」 「は、はい、別に構いませんけど……」 乗れるのかなあとか、いいのかなあと、不安そうにそのバイクを見つめる。 「三枝さんがいいのなら、頼む」 「えっと……その、大丈夫ですか?」 「安心して、安全運転よ」 まあ、しっかり捕まってもらうけど、と続けると、ヘルメットを放る。 土蔵の中に長い間放置されていたそれは、少しだけ埃っぽい。 「あー……ちょっと待っててくれ、何か拭く物を持ってくる」 ヘルメットを軽く拭いていると、ふと気付く。 「あ、これバイザー付いてるんだ」 小気味の良い音と共に遮光バイザーを引き出す。 太陽に翳してみると、眩しくない。 ついでに顎下のベルト部分も確認、ちゃんと作動する。 「うん、コレで大丈夫だと思う、被ってみてくれるかな?」 ひょいと手渡す。 「えっと、こう、ですか?」 ちょっと頭のサイズが大きめだったが、ベルト部分を調整してあわせた。 「うん、大丈夫そうだ、似合ってるよ三枝さん」 「えっと……ありがとう」 ヘルメットが似合っていると言われて、どう答えたらいい物か、とりあえず苦笑いを浮かべた。 461 名前:隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・朝:ライダー発進] 投稿日: 2007/02/26(月) 03 16 17 道路までバイクを転がしていくと、ライダーがさっと跨る。 その姿は実にサマになっている。 「さ、乗って」 手で軽く促す。 「は、はい」 緊張した面持ちでヘルメットを被り、バイクの後ろに跨る。 「それじゃあ、行ってきます」 三枝さんが緊張したまま言う。 普段の習慣はそう簡単には抜けない。 「ひとまず大通りまで出るわ、しっかり捕まっていなさい」 「は、はい」 ぎゅっと捕まったことを確認する。 爆音が響き、後輪が一瞬空転して煙を放つ。 数秒のウィリーと共にバイクは衛宮邸の前から吹っ飛んでいく。 そのまま速度を殺さず数十メートル先のコーナーにターンイン。 突き出るようにサイドマウントされたミラーが火花を一瞬散らすのが見えた。 「うわ……」 その姿に目を丸くする。 足が抉れそうな角度とあの速度……ライダーはともかくとして、三枝さんは大丈夫だろうか。 自分で頼んだことだが、三枝さんのことがどうしても気になってしまう。 「……心配しても仕方ないけどな」 頭を一度掻いく。 ああなってしまっては自分に止められるわけではない、とにかく無事を信じる他はない。 帰ったら他の人は乗せないように言っておくことを心に決めて。 自室に置いたままの鍵のことを思い出す。 あれはどうするべきか。 新都の駅の近く、そこにあるアパートの一室の鍵だというあの鍵。 あの夜死んだ男は武器がある、と言っていた。 出来れば無駄にしたくない。 とはいえ、昼間の往来のなかで銃火器をガチャガチャと持ち歩くというのは問題があるだろう。 というか逮捕されるだろう、間違いなく。 「うーん……」 考えを次々と浮かばせて、軽くまとめる。 ライダーのあのバイク、かなりの大型だった。 全部は無理としても、あれなら拳銃の幾つかは運び込めるだろう。 他には……ジェネラルのあの部隊、あの部隊に配備してしまう、と言う手もあるだろう。 どれだけの火器かは知らないが、現存する火器ならば多少の戦力向上にも繋がるかも知れない。 なのは達の飛行を……ダメだな、昼間だし怪我人だし、あの子達に銃、というのはどうにも考えにくい。 勿論、自分が夜に行く、と言う選択肢もある。 ……どうするにせよ、アパートが引き払われるまで放置して火器が回収されるのは不味い。 昨日の事件でテロだ何だと騒がれていることはテレビを見て分かった。 それと関連付けられてしまえばどうなるかは分からないが、大変なことになるだろう。 ライダー運送:ライダーに頼んでみようか 輸送部隊:ジェネラルに頼んでみることにしよう 日常の味:夜に行くことにして、今は日常を満喫しよう 遠坂先生:どうしたものか、遠坂と相談してみようか 投票結果 ライダー運送 2 輸送部隊 5 決定 日常の味 1 遠坂先生
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/348.html
510 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/10/04(水) 04 20 24 「これからS市に向かい情報収集を行います」 バゼットが立ち上がった。 「何かあれば連絡を入れます、連絡先は……」 「ええっと、この家の電話にお願いします、番号は……」 「了解した、では」 足音と、玄関の開き、閉まる音が聞こえた。 「……さて、まだ日も高い、我々はどうするね?」 S市に到着して、まず向かったのは書店だった。 地図を確認し、地形を頭に叩き込む。 港と駅の位置は分かっているが、この市が戦場となるならば詳しい地形は必要となる。 特に戦場候補として選ばれうる人通りの少ない場所は直接現地にて確認するのがセオリーだ。 続いて港へと向かう。 数日前にシベリアトラを輸送した密輸船だ。 「船長」 「おぅ、バゼットの姉ちゃんか、どうした?」 「ここ数週間この港に搬入された品目、特に『人間』について表裏問わず調べていただきたい」 どこかの組織に所属しているならばともかく、どこぞの魔術師ならば密輸されて来るはずだと彼女は考えた。 そしてそれは己が調べるよりも蛇の道は蛇、彼らに任せるのは最適だろう。 「調べる……? そりゃ別に構わないが……」 「勿論報酬は先日の密輸とは別口で支払いましょう、但し急いでお願いします」 「ああわかった、日本円かユーロでな、米ドルは駄目だぜ?」 「ええ、分かっています」 用件は済んだ、あとは市内を調べるだけだ。 まず交通の要衝である駅前の探索を行う。 さすがに人通りは多く、戦いの痕跡もごく僅かしか残っていない。 言い換えれば夜はこの場所も戦場となったということだ。 駅前から少し離れた場所に廃ビルを見つけ、屋上へ向かう。 探索のルーンを描くと、高らかに魔術反応を示した。 「残留魔力……なるほど、恐らくアーチャータイプの遠距離攻撃……ここからならば駅まで障害物はない……」 手摺りから駅を注意深く観察する。 「しかし、ここにも魔力が残っているということは……駅前からこの屋上に向かって攻撃を?」 だとしても、手摺りなどに破壊の跡や修復の痕跡は見られない。 「すると……召還、か?」 その考えはすぐに立ち消える。 冬木という優れた霊地が近くにある以上召還するとすればそちらだろう。 「なんにせよ、ルーンだけでの探索は難しいか……だとすれば次に探索するべきは……」 既に日は傾き始めている。 出来るとしてもあと一つか二つといったところだろう。 「ふむ、ならば……」 俺を孕んでくれ:別荘地帯を調べる 貴様が生まれる気か:杜王町商店街を調べる だが良かろう:ぶどうヶ丘高校・中学近辺を調べる ドリルハリケーン!:霊園・教会付近を調べる