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登録日:2009/05/26 Tue 20 57 26 更新日:2024/06/06 Thu 12 49 45NEW! 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 1341398 5面ボス DIO Dio Lynn THE WORLD ─╂三_ お茶目 さっきゅん どうも息子がお世話になってます キッチンドリンカー ザ・ワールド ディエゴ・ブランドー ナイフ フラワリングナイト ボブカット マイペース ミニスカート メイド メイド長 一生死ぬ人間 三つ編み 上坂すみれ 主に忠誠心は鼻から出る 人間 今井麻美 伊藤静 働き者 優秀 優秀な掃除係 冬馬由美 加隈亜衣 十六夜咲夜 吉田聖子 同人誌のエース 名塚佳織 咲乃藍里 外来人 夜霧の幻影殺人鬼 天然 太もも 小夜嵐 庄司宇芽香 従者 従者同盟 忠義 忠臣 悪魔の犬 手品師 投げナイフ 掃除係 料理上手 新井里美 時止め 時間 時間を操る程度の能力 時間停止 時間操作 月時計~ルナダイアル 朝日奈丸佳 木下紗華 木村珠莉 本名不明 杉山里穂 東方 東方Project 東方紅魔郷 武田華 武装メイド 水橋かおり 沢城みゆき 深川芹亜 清都ありさ 渕上舞 渡部紗弓 瀟洒 猫舌 田中あいみ 田中理恵 直田姫奈 石川由依 空間操作 立花理香 米澤円 紅魔郷 紅魔館 自機 花守ゆみり 藤田咲 謎が多い 鉄壁スカート 銀髪 電光石火 青木瑠璃子 黒タイツ あー、お掃除が進まない!お嬢様に怒られるじゃない!! 私は一生死ぬ人間ですよ。大丈夫、生きている間は一緒に居ますから 十六夜(いざよい) 咲夜(さくや)とは、東方Project第6作『東方紅魔郷』の5面ボスを務める人物である。 『紅魔郷』以降も登場することが多く、以下それをまとめる。 東方紅魔郷(5面ボス&6面中ボス) 東方妖々夢(自機) 東方萃夢想(プレイヤーキャラ) 東方永夜抄(夢幻の紅魔チーム) 東方儚月抄(ロケット組) 東方花映塚(自機) 東方文花帖(LEVEL 7) 東方緋想天(プレイヤーキャラ) 東方非想天則(プレイヤーキャラ) 東方輝針城(自機) 弾幕アマノジャク(七日目ボス) 東方虹龍洞(自機)←NEW! 【概要】 種族 人間 二つ名 紅魔館のメイド(紅魔郷など) 完全で瀟洒(しょうしゃ)な従者(萃夢想など) 危険な手品師(文花帖) 小夜嵐(さよあらし)のメイド(緋想天) 紅い悪魔のメイド(輝針城) 瀟洒なメイド(虹龍洞) 電光石火のメイド(茨歌仙) 吸血鬼のメイド(鈴奈庵) 紅魔館のキッチンドリンカー(酔蝶華) 能力 時間を操る程度の能力 テーマ曲 月時計~ルナダイアル(紅魔郷) フラワリングナイト(花映塚) 紅魔館のメイド長。紅魔館で人間なのは彼女だけである。 紅魔館の主であるレミリア・スカーレットに心からの忠誠を誓っている。 紅魔館のメイド達は妖精なので知能が低く、大して仕事が出来ない。人選ミスならぬ妖精選ミスである。 よって紅魔館の仕事の殆どは彼女が時間を止めて纏めてやっている。 また仕事以外にも休憩も時間を止めてとっているので、彼女が仕事や休憩をしている姿を見た事がある者は皆無である。 【ゲームでの性能】 ゲームでは概ね魔理沙ほどではないがスピードが高めで、威力は高くないが速度・範囲・弾数に優れる弾幕を扱う傾向が高い。 作品によってはワイドショットを根元で当てるとバカにできない火力を発揮する事もある。 黄昏ゲーでも手数とスピード重視のキャラ設定になっている。 同じスピードキャラの射命丸 文と異なるのは手数に優れるという点で、いわゆる「固め」が非常に強いキャラとなっている。「殺人ドール」などの時間差攻撃の手段も持ち合わせており、相手の起き上がりに重ねて固めを継続する能力が高く、熟練者ならば相手を何もさせずに倒しきる事が可能。 ただしそれ以外の性能については一芸に秀でるというほどの尖ったものが少ないため、読みあいやキャラ対策などで固めを凌がれてしまうと力負けする事も少なくない。 【容姿】 容姿は銀髪のボブカットに、もみあげ辺りからリボンで三つ編みを結っているのが特徴。 またメイドということもあって、東方キャラの中では珍しくモブ(妖精メイド)と恰好が同じ。 一応袖にRed Magic(レミリアのスペカ)やエプロンにローマ数字(時計のイメージ)といった彼女用のメイド服はあるようだ。 身長は妖々夢までのキャラの中で八雲 紫、紅 美鈴同様高い部類に入る。 【性格】 性格は一言でいうと天然。プレイ中はもちろん、漫画でも周りがあきれることがあるほど天然。 だが、二次創作では二つ名に引っ張られてか、クールビューティな性格になっていることが多い。天然キャラが聡明に描かれる稀有な例だろう。一応鋭い部分もあるので間違いではないが。 レミリア相手でも思わず「どこでそんな話聞いたの?」みたいなタメ口のツッコミをしたことがあったり、 吸血鬼の弱点である銀のナイフを武器にしているが、それを許しているあたり、レミリアも信頼しているようである。 レミリア自ら咲夜を吸血鬼にして永遠に一緒にいるように誘うなど、その絆は非常に固い。 だがその信頼をよそに紅茶には普通に毒を入れる。これは別に主人を殺そうとしているわけではない。 例として、「心臓に刺激を与える成分があるらしいから、人間の血に近い飲み物ができるかも」と福寿草を煎じたモノをためらうこと無くレミリアに飲ませたりする。吸血鬼には効かないことは分かっているようだ。 また、紅魔郷6面道中では、”1ボムでも潰さないと”と、攻撃を仕掛けてきたにもかかわらず、倒すと1ボムを置いていってくれるという、ドジっ子メイドの片鱗優しさも見せている。 レミリアのストッパーとしての役割もあり、紅魔館では意見できる唯一の存在。 レア物なら何でもコレクションにしたがるレミリアに対して、咲夜はレア物食材コレクターである。 喰えそうな相手なら人型でも調理しようとするらしい。 そのためか映姫には人間に対して冷たすぎると言われ、そのまま死ねば三途の川を渡り切れない可能性があると言われた。 つまり川底にある地獄行き。(*1) 主人のレミリアや主の友人パチュリーには敬語を使い、部下(?)の紅 美鈴にはやや命令口調。 他キャラに対しては、東方キャラ全般に言えることだが安定していない。 概ね初対面の相手には敬語が多いが、あまりにもムカついた相手には敬語が取れる(天子など)。 【能力】 ◆時間を操る程度の能力 世界の時間を止めたり物体の時間を早めたり緩めたりできる便利能力。 咲夜は主に時間を止めている間に家事を済ませたり休息をとったりする目的で使用している。 ただし蓬莱山 輝夜のように時間を戻すことだけはできない。 自分以外の時間を極限まで遅らせたり完全に停止させることで、他者からは咲夜が光速を超えた速度で行動してるという感じになっているのが公式での解釈である。輝夜の場合は完全な停止ではない為、移動速度換算だと咲夜が最も速いことになる。 ようするに真の幻想郷最速称号持ち。 なお茨歌仙第35話で自身の能力について霊夢へ説明した際に「他人の時間の進みを止めるような器用なことは出来ないわ」とも語っていたが、 スペルカードの時計「ルナダイアル」は“時間停止領域を込めた時計を投げ命中した敵の時間を止め一方的に攻撃が可能な状態にしてしまう” と解説されておりこれに関してはブラフか作者が設定を知らなかったか。 儚月抄第6話では短時間で作ったヴィンテージ物でレミリアやパチュリーと乾杯しており、やはり自分以外の時間も能力の対象にしている。 また時間を操る能力は空間を操る能力も兼ねていて、空間も多少いじることが出来る。 彼女はこの能力を使い、紅魔館のあちこちの空間を拡張している。故に紅魔館は見た目以上に中がかなり広い。 時符「トンネルエフェクト」や「デフレーションワールド」では時空に干渉して、投げたナイフの過去と未来を発現させる芸当まで披露している。 儚月抄では綿月 依姫を最も警戒させており、能力としてのポテンシャルの高さが窺い知れる。 総合的に本来なら神や大妖怪が持つような強力な能力で、それらを相手にしてもそのまま通用してしまうので人間としては完全に規格外である。デメリットなども特にないようだ。 ~程度の能力という概念の初期に考案されたキャラな上に能力を多用するタイプなので少々バランスブレイク気味なところがある。そのためか後に出された書籍で「時間停止中は咲夜が無質量状態になるので他の物体に干渉出来なくなる」という設定が設けられるなどして調整されたりしている。設定上で無双出来てしまうと色々と物語が破綻してしまうので致し方ない事だろう。 また、空間や時空に作用させる能力の時点で仙術の一種であるらしく、仙人である豊聡耳 神子は輝夜の永遠の能力を解除できる為、恐らくこちらも解除できてしまう。 神霊廟で自機だったらピンチだったかもしれない。 なぜ只の人間である咲夜が仙術の一種を習得してるのかは分からないが出生に関係があるのかもしれない。 また、ナイフ投げも得意であり、その技術は二十間離れた場所にいる、頭上に林檎を載せた妖精メイドの”額”に命中させるほど。 ナイフの腕は料理の腕に比例するらしく料理もかなり得意で、他のキャラからも絶賛されるほど。 この投げナイフを弾幕として使用している(ルール的には投げつけられればそれでいいため)。 我々の目には一瞬でナイフの弾幕が現れることになるが、咲夜からすれば止めている間にせっせとナイフを設置するという作業を黙々とこなしているのだ。 ナイフには数に限りがあるため投げ切ると時間を止めて回収しているらしい。 【出生】 幻想郷の生まれではないとの事。どうやって博麗大結界を越えて来たのか謎である。 求聞史紀において阿求は、彼女が元は吸血鬼ハンターだったのではと述べているが推測の域を出ない。(*2) 八意 永琳は彼女を見た時かなり驚いた反応をしたため、一時期、永琳と咲夜は過去に接点があったのではないかと話題になった。 しかし、両者の関係に対する設定が公式に語られることはなく、その後永琳が咲夜に対して「誰?」と言っていることから推測の域を出ていない。 『東方儚月抄』が上記の設定のヒントになるとかなんとか言われていたけどそんなことは無かったぜ!! というより儚月抄のせいで永琳の勘違い説まで浮上してきた。 仙術に近い時間停止系をただの人間が使うこととか、輝夜に能力が似ていた為に月の人間か何かかと思ってよく見たら人間だったことに驚いていたのだろうか? ちなみに十六夜咲夜という名前はレミリアが与えたもので本名は不明。 由来は満月説が有力(咲夜を昨夜と読むと十六夜昨夜。十六夜の前夜は十五夜で、満月となる)。 『全世界ナイトメア』『不夜城レッド』などのスペルカードを持つお嬢様にしてはなかなかのネーミングセンスである。 【二次創作】 カップリング相手は多岐に渡り、レミリア、美鈴、魔理沙、アリス、妖夢、等々。二次創作におけるキャラ付けがブレブレで、上記(性格)にも書いてあるように完璧で瀟洒な従者という名のクールビューティから、時間停止AVさながらの所業でお嬢様を愛でる変態駄目イドまで何でもござれの芸人枠。忠誠心は鼻から出る。 時止めは拡大解釈され、紫はおろか現状で最強のヘカTすら一方的に叩きのめす最強キャラになることも。 よく彼女はPAD長などと呼ばれるが、これは登場作品ごとに胸のサイズが違うため、胸パッドを入れているというのでは、というネタ。(*3)ただし現在では衰退傾向にある。 この設定を凄く嫌悪するファンもいるため使い所に注意。 妖々夢での八雲藍のセリフなどから「犬」要素を合わせたケモキャラ化も存在している。 出身が謎(紅魔のメンバー自体過去設定は特にない)、紅魔館唯一の人間(=寿命差)、月との関係性、自機、チート能力と二次創作し甲斐があるキャラのようで、シリアスからギャグまで登場が非常に多い。 彼女のテーマ曲であるルナダイヤルとフラワリングナイトをミックスしてアレンジした「ナイト・オブ・ナイツ」が有名になった事でも知られる。 Bad Appleでもそうだがアレンジ曲が原曲の知名度を上回るという逆転現象が起こっており、「十六夜咲夜のテーマ曲はナイトオブナイツ」という誤解も少なくない。 これの音MADが多数投稿されているためここから東方を知った者も多いのではないだろうか。 【余談】 なお、公式ではないものの東方Wikiでの人気投票では毎回TOP5以内で、第1位を経験したこともある。 第5回東方ニコ童祭の東方人気投票キャラクター部門でも第6位と、やはり人気は高い。 黄昏作品以外では、『花映塚』以降長らく自機キャラからは外されており、神主のメイドブームは去ったと思われていたが、 近年の作品の準レギュラーである東風谷 早苗や、咲夜と同じ永夜自機で『神霊廟』で自機復帰した妖夢にバカにされるネタなどもしばしば見られた。 しかし、『東方輝針城』で自機復帰が公表され、8年振りのSTG自機復帰が叶った。その瀟洒な姿を久々に見ることができた。 あー、追記・修正が進まない! お嬢様に怒られるじゃない!! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ナイフを持つ姿は、黒鍵を構えたカレー大好き代行者シエル、Fate/Zeroの言峰綺礼にも見える。 -- 名無しさん (2013-08-02 00 15 59) “二十間離れた場所にいる、頭上に林檎を載せた妖精メイドの額に命中させる”……………………ん?えっ? -- 名無しさん (2013-08-02 00 23 05) お茶に色々混ぜてみたり宇宙に空気があると思って窓全開にしてみたり、中々愉快な人なんじゃないかな? -- 名無しさん (2013-08-02 00 44 04) ゲーム本編とか書籍みれば愉快かつ天然な人でクールビューティなんて印章まったく浮かばないよな -- 名無しさん (2013-08-07 14 39 04) 「黙っていれば」クールビューティ -- 名無しさん (2013-09-07 11 06 15) 東方よく知らないからカッコいいお姉さんかと思ってた -- 名無しさん (2013-09-08 22 58 21) いつもは血の滴るステーキとかしか食べない的な発言していたが、本当に牛の肉なんだろうか…?いや、まさかそんな -- 名無しさん (2013-09-08 23 51 31) ↑限りある資源は有効に活用すべきだと思う、食べれるのに捨てるなんて勿体無いだろう? -- 名無しさん (2013-11-27 19 56 26) 少し未来の幻想郷みたいな話だと大抵死んでる人 -- 名無しさん (2013-12-28 05 54 38) ↑人間やめなきゃそうなるわな。おぜうさまが中学生相当の年になった頃にお迎えが来そうな感じ。 -- 名無しさん (2014-01-18 14 12 58) 生きてるうちは一緒にいるってお嬢様に言ってるし多分人間やめるつもりはなさそうだな -- 名無しさん (2014-01-18 14 17 49) 小学生高学年相当になったおぜうさまに「本当に人間のままでよかったの? 」と聞かれ、笑顔でうなずく咲夜おばあちゃん、とか -- 名無しさん (2014-01-18 14 30 55) 天然な咲夜さんの姿を見たい人は東方香霖堂オススメ -- 名無しさん (2014-01-23 19 19 52) 元、吸血鬼ハンター。なら丸太を使っていたこともあったのだろうか… -- 名無しさん (2014-02-08 01 27 19) 背筋をきれいに張っていて猫背とは最も程遠い、そして貧乳なイメージ。 -- 名無しさん (2014-02-23 21 01 08) かつて吸血鬼同士の抗争があり、咲夜さんはおぜうさまのボディーガードを兼務していた、というのはどうだろうか。これなら吸血鬼ハンターが吸血鬼に仕えているという状態に説明がつく。 -- 名無しさん (2014-05-10 18 31 57) 咲夜寿命ネタなど何度見たか知れないよ。それを逆手にとってレミリアが死んだ場合の話とか作ってた人もいたな -- 名無しさん (2014-05-25 03 09 14) すげえ能力なのに「人間が持つ能力では」最大級とか大した評価でもないんだな。その辺が東方のぬるさ(良い意味で)の一つなんだろうな -- 名無しさん (2014-05-30 14 38 36) ↑そんな表現じゃあ「東方のクリリン」ってイメージになっちゃうじゃないかw -- 名無しさん (2014-05-30 16 36 56) ↑6 ナイフは嵩張るから丸太に持ち帰る咲夜さんですか -- 名無しさん (2014-05-30 18 38 15) ↑3 時間操作は便利能力だけど妖怪はパワーとタフネスでゴリ押しするからねえ -- 名無しさん (2014-07-17 18 22 04) きみまろにネタにされそうな年になった咲夜さんが後任育成に取り組む話とかは、ウケないだろうなあ -- 名無しさん (2014-08-20 10 34 02) 昔読んだ、美鈴が咲夜の最期(寿命)を看取る話には泣かされたわ。そうだよな、妖怪と人間には超えられない壁があるんだよな。 -- 名無しさん (2014-08-24 21 22 18) この人は二次で寿命ネタをよく見かけるけど求聞史紀で仄めかされてた”時間操作の能力で成長、老化を止めている可能性”が悉くスルーされているのは何故なんだろうな? -- 名無しさん (2014-08-24 22 27 43) ↑時間を止めても咲夜自身の時間が止まっていないんだから、結局寿命問題の解決にはならないのでは? -- 名無しさん (2014-08-24 22 33 23) 対して魔理沙は元気なババアやってることが多いよな。霊夢は唐突に死んでたりするけど。 -- 名無しさん (2014-08-24 22 38 40) ↑2求聞史紀にて時間を操れるから何百年も前から生きているのでは?という疑いが書かれているよ。読んでみてはどうでしょうか? -- 名無しさん (2014-08-31 11 56 25) 輝針城のスクナ丸との会話で霊夢は「あら博麗神社の巫女じゃない」魔理沙は「巷で有名な魔法使いさん」なのに咲夜は「あら人間なにか用?」とか一人だけ素性が認知されてなくて笑った。まあそんな館勤めで派手に動き回らないしね・・・ -- 名無しさん (2014-11-12 09 36 10) 幻想郷はサザエさん時空だからこまけえことはいいんだよ -- 名無しさん (2014-11-28 16 40 20) 咲夜さんって紅魔館で働いてるしどの道後天的な妖怪にはなりそう -- 名無しさん (2014-11-28 17 37 50) ↑2最近ちゃんと時が経ってると明言されてる。あれでも霊夢と魔理沙はもう大学生位だ。 -- 名無しさん (2015-04-09 19 38 19) 二次で婆になる率と死亡率はおそらく一位 -- 名無しさん (2015-04-14 14 47 50) 某東方MMDでは893 -- にゃかむら (2015-06-16 07 05 39) 空間操作タグの月人率の高さ -- 名無しさん (2015-09-16 14 09 57) ↑ 能力モノじゃ空間操作系はだいたい一種の上位スキル扱いだしな -- 名無しさん (2015-09-16 15 54 36) ↑5 見た目が若いのも霊力や魔力の影響で老いにくいとかなんだろうな -- 名無しさん (2015-10-21 17 22 36) ↑2 小町は…空間操作だったけ? -- 名無しさん (2015-10-22 21 03 42) まあ小町の距離操作も空間操作の一種だろう -- 名無しさん (2015-10-30 17 57 12) この子ってなんかめっちゃ事務的に人殺して死体解体できそう でも(吸血鬼異変の主犯がレミリアなら)殺人より楽だし面倒起こす必要もないからって理由で素直に提供された食料の人間使ってそう -- 名無しさん (2016-03-03 14 00 49) 例のレビューでの咲夜のパチュリーへの評価すげえ低いんですが・・・レミ10点妹9点美鈴8点でパチュ2点て 2点て -- 名無しさん (2016-07-02 15 33 52) 時止めキャラ代表格の1人だよねえ、他はDIO とほむらかな? -- 名無しさん (2019-07-09 11 24 19) さすがに代表格はない。しょせん同人あがりのキャラであることと忘れてはならない -- 名無しさん (2020-02-13 17 09 30) 代表格だろ、こっからジョジョや月姫知った奴色々いるし -- 名無しさん (2020-05-29 07 52 07) ↑お前の周りの話だけ出して代表格扱いとかアホか -- 名無しさん (2020-06-14 21 25 13) 東方から離れて久しいんだけど結局咲夜の正体って確定したの? いくつかの説のまま? -- 名無しさん (2020-07-21 05 07 18) 2021年新作の東方虹龍洞にて8年ぶりに自機として登場 -- 名無しさん (2021-03-02 06 54 18) 本当に久々の自機である -- 名無しさん (2021-03-20 17 59 18) ↑3 確か未だに不明のはず変に提示するよりむしろこのままの方が良い気もする。 -- 名無しさん (2021-03-26 15 29 00) ↑今の所世間知らずな紅魔館のメイド以上の確定した情報は出てない、個人的には虹龍洞4面のアレよろしくいつかポロッと提示されそうな気はしないでもない -- 名無しさん (2021-05-07 12 02 25) ミス、↑4だった -- 名無しさん (2021-05-07 12 03 59) そういや、この人、怪物くんネタをたまにやるけど、どこで知ったんだろ? -- 名無しさん (2022-06-25 18 38 37) ↑美鈴とおぜうが漫画の貸し借りしてるから図書館にあるのでは? -- 名無しさん (2023-04-06 09 11 22) 長く活躍してきた自機組の中でも底が知れないというかいまだに謎の存在の天然面白お姉さん -- 名無しさん (2023-07-16 17 04 45) 咲夜「幼い仕草からお嬢様のカリスマが生まれるのではありません。お嬢様のカリスマがあるから、仕草が幼く見えるのです…!(中の人ネタ)」 -- 名無しさん (2024-03-13 23 44 15) もしかしたらダンピールなのでは? -- 名無しさん (2024-06-03 13 06 00) 名前 コメント
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キャラクターカード 紅魔館のメイド 十六夜 咲夜 名前 雑感 スペルカード 奇術「ミスディレクション」 名前 雑感 幻象「ルナクロック」 名前 雑感 幻在「クロックコープス」 名前 雑感 幻幽「ジャック・ザ・ルドビレ」 名前 雑感 幻符「殺人ドール」 名前 雑感 奇術「エターナルミーク」 名前 雑感 幻葬「夜霧の幻影殺人鬼」 名前 雑感 傷魂「ソウルスカルプチュア」 名前 雑感 銀符「パーフェクトメイド」 名前 雑感 時符「シルバーアキュート360」 名前 雑感 サポートカード 時間減速 名前 雑感 時間加速 名前 雑感 ルナ・ダイアル 名前 雑感 チェックメイト 名前 雑感 イベントカード 離剣の見 名前 雑感 ナイフ回収 名前 雑感 時間停止 名前 雑感 咲夜の世界 名前 雑感 パーフェクトスクウェア 名前 雑感 タネの無い手品 名前 雑感 タイムパラドックス 名前 雑感
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1.10からの変更点 特筆点 追加技解説 新コンボ 固め考察 1.10からの変更点 +... 3C 追加 DC グレイズ付加高速化 H3A 硬直増加 J3C 追加 スクウェアリコシェ 性質変化 タイムパラドックス 下ガ誤ガ化, 二段目クラッシュ属性付加 ダンシングスターソード HJC 付加 パラレルブレーン アンビシャスジャック化 パーフェクトメイド B 版当身受付加速, ダメージ増加 傷符「インスクライブレッドソウル」 カス当たりしづらく 移動起き上がり 速度増加 速符「ルミネスリコシェ」 霊力削り増加 JA:受身不能時間低下 特筆点 +... 1.10と比べてもあまり変わりがない、plusでは珍しいキャラクター。 3Aがなぜか空ガ可能0.11で3Aが従来どおり空ガ不可に。 緋時代の2C追加や、アンビシャスジャックの追加、スクウェアリコシェが緋の仕様に戻るなど、懐かしい強化が見られる。 もっとも強化されたのはおそらくPメイド。発生が6,7Fまで高速化しており、レベル1で2000ダメージをたたき出す。 JA受身不能時間低下によりコンボが一部弱体化しているが、固めは強化されている。 追加技解説 +アンビシャスジャック アンビシャスジャック 壁により乱反射するナイフを4本発射する。強度はC。削りは全段命中で0.9ほど。 制圧力、拘束力、発生どれをとってもそこそこ優秀な類。 0.11で弱化はされたがまだまだ強い部類だろう。 新コンボ +... アンビシャスジャック DA Cアンビシャス JA J2B JA AAAA 2465 端 ○ 固め考察 +... アンビシャスジャックの登場により拘束力が増加。{端では6A 2C Cアンビシャス J2Bまで連続ガード}となる。 ルミネスリコシェの削りが咲夜のしゃがみでも1.3程度削るようになった。遠Aで立たせれば2以上はほぼ削り、固めを継続できる計算となる。 タイムパラドックスもクラッシュ属性の付与により相対的に隙が軽減している模様? これら以外は非と変わらない感覚で固めることができる。
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咲夜13 うpろだ1430 門番に賄賂を渡し、一気に走り抜けるとそこは愛しの桃源郷。 大福2個とは、紅魔館の門も安いものだ。 妖精メイドと軽く挨拶を交わすと、目当てのその人が見えた。 「さっくやさーーーん!」 声をあげると、彼女が気づいてくれた。 「あら、いらっしゃい。」 「こんにちは咲夜さん。紅茶を――」 「ごめんなさい。いまちょっと忙しいの」 本当に忙しそうな表情で、笑えるほどの即答だった。 「それなら仕方ない。日を改めますか」 肩をすくめ、そういって踵を返すと、不意に声をかけられた。 「待って。せっかく来ていただいたお客様を手ぶらで帰らせては、紅魔館の名が廃ります。 幸いもうすぐ終わりそうですし、そうね……図書館で待っていてくださる?」 「喜んでぇっ!!」 そんなことをにっこりと言われたら、これ以外の選択肢はない。 予想外の展開だ。今日は何かいいことがあるに違いない。 諸君、私は本が好きだ。漫画が好きだ。小説が好きだ。歴史本が好きだ。学術書……はあんまり好きじゃない。 魔理沙からこの図書館を聞いたときは心が躍って、体まで踊りだしそうだった。 そうだ、咲夜さんに始めて会ったのもあのときが最初だったな―― 「何やってるの○○?ぼーっとして」 「あ、パチュリー様。」 図書館の主に声をかけられ、トんでいた意識が戻ってくる。 「いえ、ちょっと昔を思い出していて…」 「なにジジくさいこと言ってるのよ。私よりずっと幼いくせに」 そうだった。見た目にだまされがちだけど、この屋敷の人々は大半が年上なんだ。 備え付けの椅子に腰掛けると、小悪魔が紅茶をくれた。礼を言って喉を潤す。 「で?今日は何を借りるの?」 「あ、今日は借りません。咲夜さんのお仕事の終わりを待たせていただきます」 「あらそう?」 なんだか残念そうな顔をされた。 と思いきや、真剣な顔つきになっている。今日は表情の忙しい日のようだ。 「ねえ」 「ん、何ですか」 「あなたって、咲夜が好きなの?」 紅茶吹いた。 「……行儀が悪いわよ。」 「すみません……でも、いきなりなんですか」 「いきなりかしら?私は、切り出すのにずいぶん時間をかけたつもりよ」 心なし、不機嫌な顔をしている。 考えてみれば、そうかもしれない。半年、いや、もっとか。彼女に会ってから、俺は―― 「返事が無いのが、一番失礼よ」 顔を上げる。どうやら、また呆けていたらしい。 「で、どうなの」 やたら真剣な表情でこちらを見つめてくる。これは―― 「…パチュリー様。俺、実は――」 ――これは、答えないわけにはいかない類の話だ。 「実は、メイドさん萌えなんです」 「…………は?」 「ヘッドトレスとかエプロンドレスとか、そういうものになんかこう…リビドーを感じるんです」 「ちょ、いや…え?」 困惑している。まあそりゃあそうだろうな。 だけど、こうなりゃ意地だ。止めるわけにはいかない。 「この図書館に来て、彼女に会って……始めはもの珍しさで。 だんだん、ヘッドトレスを見てると、綺麗な銀髪やかわいいみつあみに目が行って、 エプロンドレスを見てると胸に目が行って、さすがにまずい、と顔を上げると目が合って……。 そうこうしているうちに、もう目が離せなくなっちゃったんです」 パチュリー様は黙って聞いている。下を向いていて、表情は見えない。 「動機は不純ですけど、道理は純粋です。俺は……彼女が、十六夜咲夜が好きです」 俺が黙ってから、図書館はしばらく静かだった。 こんな空気は嫌いだった。昔からこんな空気になると、壊してしまおうと適当なことを話していた。 今は違う。これは、俺が壊していい空気じゃない。 パチュリー様が、何かを言おうとしているのが感じて取れた。 「あの子は……レミリアの大事なもの。貴方が適当な人なら、あの子はきっと壊れてしまうと思った。 そうなればレミィはとても、とても傷つく。 なんてこと。この私が杞憂なんてすると思わなかったわ」 「……」 びしっ、とでも擬音の付きそうな指を突きつけられた。 「合格点にしておいてあげる。頑張りなさい」 「……はい」 自然と、笑みが顔に浮かんだ。 「そろそろあの子の仕事も終わっているでしょう。いってらっしゃい」 返事をして椅子から立ち上がる。 「それと、今貸してる本に紅茶なんかかけないでよ?」 信用が無いのか。思わず苦笑が浮かんだ。 「本当なら、貸し出しなんかしてないのよ?貴方は特別。あの黒白から本を取り返してくれたんだから」 「大丈夫ですよ。――いってきます」 扉をぬけ、ロビーを目指す。 ○○が図書館を出たら、私は一人になってしまった。 小悪魔には仕事を言いつけていたから、きっと奥のほうにいるのだろう。 「……はぁ」 彼が出て行った扉に額を寄せる。 『私は?』 それが聞けない私は、きっと長く生きすぎて臆病になってしまったのだろう。黒白がうらやましい。 「そうよ。貴方は……特別、なんだから」 ため息は、冷たい扉が吸い込んでくれた。 涙は、絨毯に染み込んでいった。 「あら丁度いい。これから呼びにいこうと思ったところよ。」 廊下を走っていると、妖精メイドに走るなと怒られた。 仕方ないので早歩きをしていると、曲がり角で咲夜さんに出くわした。これはなんだ。運命か。 「じゃあ、テラスにでも行きましょうか。」 春の二時過ぎの陽気は、人をやわらかくする何かがあると思う。 そんな優しい日差しの中で、好きな人と紅茶を嗜む。なんという幸福だろう。 これは俺が始めて紅魔館に来たときに、パチュリー様の『咲夜の紅茶はおいしいわよ』の一言から始まった。 それが本当においしくて。 たしかにおいしいけど、なんだか最近は手段と目的が入れ替わってる気もする。まあいいか。 「魔理沙に連れてこられたのよね、あなた」 いまの話題は、俺がここに初めて来たときの話だ。 「そんな拉致みたいな言い方……でも、そうです。面白い図書館があるからこないか?って。 もともと本が好きでしたし、断る理由も無くて」 「そういえば、どうやってあいつから本を取り返したの?まさか力づくってわけじゃないでしょう?」 「それはですね、あの直前に宴会があったでしょう?」 ふんふん、と咲夜さんは話に食いついてくる。気にされてるって、いいなあ。 「酔っ払ってるうちに、こう持ちかけたんです。『なあ魔理沙、お前が持ってる本、貸してくれないか?』」 「……それ、やってることは一緒じゃない?」 あ、あきれた目してる。 「失礼な。正当な持ち主に返しただけですよ。」 「それもそうね。パチュリー様も助かってるし」 ああもう、ほんとうに咲夜さんは笑顔が似合う人だ。 ああ、本当に幸せだ。いつまでもこうしていたい。 けど、俺は今、この手でこの幸せを壊そうとしている。 「ところで、咲夜さん」 一か無か。 懸けてみるのも――悪くない 「今、好きな人とかいますか?」 なにを言われたのか、よくわからなかった。 好きな人?なにを言っているのだろう、この人は。 そんなこと、考えたことも無かった。 本当に? 思い返してみる。いつの間にか、彼がいるのが日常になっていた。たった半年程度なのに。 あるいは、それだけ彼が大きな存在になっていたのかもしれない。 ○○が来ない日は注意が散漫になっていた。 来ないと事前に聞かされたのに、時計を何度も確認したりした。 「私、は……」 言いよどむ。だって―― ――こんなの、初めてなんですもの 「……わからない。」 期待した答えでも、最悪の想定でもなかった。ある意味、一番困る。 そして、それが顔に出てしまったらしい。 「そんな顔しないで。私だって、わからないことくらいあるわ。自分のことなんて、特に。 教えて。あなたを見てるとどきどきするの。 あなたが来ないと不安になるの。 あなたがいると、安心するの。 これは――好きってことなの?」 小さな机で助かった。 その答えを聞いた瞬間、机越しに抱きしめてしまっていたから。 「……紅茶、こぼれちゃうわ」 「拭けばいいさ」 背中に手が回ってきた。 「私、普通じゃないのよ?」 「普通の人間がじゃない、十六夜咲夜が好きなんだ。」 力を込める。あわせて、強く抱きしめられる。 「教えて。あなたは、私が好き?」 「好きだよ。世界中の誰よりも」 見詰め合えば、あとは一瞬だった。 二つが一つになるのに、時間なんて概念は無粋なだけ。 能力なんて使わなくても、時は止められた―― 「これがあの人と私の馴れ初めよ」 老婆は二人の孫に語りかける。おしどり夫婦として評判だった私たちの話に興味を持ったらしい。 「それから!?それから!?」 少女は興味津々なのか、目を輝かせて続きを促す。 「おねぇちゃん、きっともうおばあちゃん疲れてるよ。ぼく達ももう寝よう?」 男の子は優しく姉を諭す。 少女は、しぶしぶといった風に、つかんでいた私の服を離し、おやすみなさいを告げた。 たくさん喧嘩をした。それ以上に愛し合った。 少し前にその旦那に先立たれてからも、子供たちのおかげで寂しいことだけは無かった。 孫の成長も見れた。思い残しなんて何も無い。 ああ、○○。愛しい私のあなた。 もうすぐ、そちらへ行きますわ。 瞳を閉じ、肘掛に手をやる。 その手は空を切り、力なく垂れ下がった。 冥界にうっとうしいカップルができた、と西行寺が八雲に愚痴をこぼすのは、また別のお話。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1489 「・・・ぅん」 新年早々、寝不足だ 今日が楽しみで眠りが浅かったか、子供じゃあるまいし 時間に遅れるといけない、そう思いベットから出ると、とても寒い カーテンを開け、外を見た 「・・・ホワイトロックが頑張ってるわね」 これだけ積もっていれば寒いのは納得だ 着替えを済ませると、外出のために、少し用意をした 「咲夜さん明けましておめでとう御座います!」 部屋を出ると美鈴と出会った 「おめでとう、今日は冷えるわね」 「外は辛いですよ~。あ、そういえば○○さんがいらしてますよ」 ちょうど約束してたぐらいの時間か 「ありがと・・・行ってくるわね」 言ってらっしゃいという美鈴の声を背に受け、私は彼の元に向かった 「やぁ咲夜、明けましておめでとう」 「お、おめでとう御座います」 一昨日あったはずなのだが、少しの緊張 しかし、新しい年に出会う彼は、いつも通りで少し、安心した 「あ、○○さん、少ししゃがんでもらえますか?」 「ん?」 私は彼の髪についていた雪を払った どうやら雪が降っているようで、溶けていないという事はまだ来たばかりと言う事か 待たせなくて良かった、なんて思ったり 「ありがとう・・・じゃあ行こうか」 「あら、珍しいものを見たわ」 思わずそんな台詞が口からこぼれた 「初詣なんて柄じゃないでしょうに・・・やっぱり男ができると違うわね」 「ち、ちがっ!?」 「ああ、違うの」 「いやちがわなくもないことも・・・・」 顔を赤くして何やらごにゃごにょ言ってるが、独り身としてはちょっと嫉妬しちゃうわね 「・・・まぁその幸せを分けると思ってお賽銭のほうよろしくね」 「お、霊夢、あけましておめでとう」 「ん、おめでと・・・ほら二人でなんか願掛けでもしてきなさい」 もうちょっとからかっていたかったが、今年は忙しいのだ、特に金銭面で重要な一日である 賽銭箱に向かう二人を見送りながら、小さなため息をついた ちゃりん がらんがらん ぱん ぱん 「何をお願いしました?」 彼が熱心に祈っていたようなので、気になってきいてみた 「今年も面白おかしく異変を眺めていられますように、ってね」 なるほど、彼らしいといえばそうか 彼は私はなにを?ときいてきたが、それは恥ずかしくていえない 食い下がる彼に、乙女の秘密です、と言ったのだがそれのほうが恥ずかしかった お神酒を飲んで、お守りを買って、甘酒を飲んだ おみくじも引いた こんな普通の人間みたいな事をしている自分を、不思議に思う 少し前ならば考えられなかっただろう、隣が、暖かいなんて 「あの・・・○○さん・・・これどうぞ」 神社からの帰り道、彼にあるものを渡した 「?・・・おお、マフラーか」 袋から出して全体を繁々と見ている、私も改めて見てみる どこか不出来なほうが編み出しか、最後のほうはだいぶ上手くなっているが・・・アンバランスだ 「ちょっと長いね、最後のほうはコツがつかめてきて思わず余分に編んだって感じかな」 完全にお見通しのようだ この寒いのに体が熱くなる、もしかしたら湯気が出ているのではないだろうか 「○○、さんが首元が、さむそうだったから・・・」 「・・・ありがとうな、咲夜」 彼は首にいろんな感じで巻いて試行錯誤するが微妙な長さが残る 「・・・嗚呼、こりゃあ良いな」 何を思いついたのか私の隣に来ると、そのマフラーを私の首にも回した 「え?え?ふ、二人でするには短いです、よ?」 「ほら、こうやってくっつけば、ちょうど良いだろ?」 彼と私は、非常に密着した状態である 「ああ、歩きづらくないですか?」 「問題ない・・・この方があったかいじゃん」 心臓が2倍速ぐらいで鼓動しているようだ どきどきと、彼と触れている場所をいしきしてしまう 「咲夜、どきどきしてるな」 そう言って笑うと、最後に俺もだよ、とつけたした 雪が積もった道を、二人でぎこちなく歩く 歩き辛いけど、暖かくて この動き辛さも良いかもしれないと思った だってその分長く、彼とこうしていられるのだから ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ47 ―紅魔館 咲夜「お疲れ様○○。あとは私がやっておくから、そろそろ休みなさい」 ○○「ああ、でも咲夜さんも休んだほうが・・」 咲夜「私は大丈夫よ、ずっとやってきてる事ですから。」 ○○「じゃあ、甘えます。お疲れさまっす」 紅魔館で働くようになってから数ヶ月経つけど 咲夜さんっていつ休んでるんだろうか・・ 夜中もお嬢様の相手だし、24時間働いてるんじゃ・・ 要領が良く、無駄も無く、隙も無く、一度も疲れた顔すら見せない彼女。 ○○「メイド長の鑑なんだろうな、憧れるなあ」 それでもやっぱり心配ではある。 無理してポーカーフェイスしているんじゃないかとね。 俺は与えてもらった部屋へ足を運ぶ。 ○○「あー疲れたぁ、今日はもう早めに寝よう。」 俺は布団にもぐりこみ、死んだように眠りに付いた。 その時、なんの夢を見たかは覚えていなかったが すごくいい匂いがして、そしてすごく居心地がいい。そんな夢を見た。 ―早朝。 ガチャ ドアの開く音で目が覚める。 入ってきたのは紅魔館の主、レミリアお嬢さんだった。 レ「あれ~?いないか~」 ○○「・・ん。どうしたんすか、まだ朝早いっすよ」 レ「ああ寝てたの、ごめんごめん、ところで咲夜見なかった?」 ○○「咲夜さん?いや、知らないけど・・」 レ「そっかー、いやね、昨日の晩からずっと居なかったのよね~ 今までこんな事なかったのに。」 ○○「はぁ。確かに珍しいすね・・」 レ「なのよー。んでこっちに来てないかと思ったんだけど、 まあ、邪魔したわね、それじゃ」 バタン ていうか、こんな所に居るわけないのにな。 それだけレミリアお嬢さんも必死って事か・・ でも本当にどうしたんだろう、あの後、夕方くらいに別れて、その後姿を消したのかな。 まさか過労で嫌になって・・ ハハ、咲夜さんに限ってそんなわけないか。 まだ少し早いのでもう少しだけ横になろう・・ふぁ・・あぁぁ~。 俺はもう1度布団にもぐり横になった。 ・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・ 寝返りをうつと鼻先に生温かい風が当たった。 目を開けると、そこには熟睡している咲夜さんの顔があった。 咲夜「すぅ・・すぅ・・」 ○○「・・!!!!!?????」 ワケが分からなかった。 なんで俺のベッドに咲夜さんが・・?そしてこのゼロ距離! ○○「え・・ちょ・・咲夜さん!?何でここに・・!?」 咲夜「・・ん、なんか騒がしいわね・・」 目を覚ました咲夜さんと目が合う。 キョトンとした咲夜さんの目。普段みせた事のない表情。 そして次第に顔が赤くなっていく咲夜さん。 咲夜「えっ・・!? えぇぇぇーー!?なんでなんで!?」 ○○「・・俺の台詞っすよ・・」 咲夜「って、なんで朝になってるの!?って何で○○が動いてるのよっ」 こんなに取り乱す咲夜さんは初めてみたかもしれない。 しかし何をわけのわからない事を言っているのやら・・ 咲夜「・・こんな事って・・。・・・まさか・・あ、やっぱり・・」 ○○「・・・もしかして・・・ 時間を止めたつもりで、ちゃんと発動してなかったとか・・?」 後ろ向きに座り込んだままの咲夜さんが、小さくコクっと頷いた。 ○○「は・・はは、咲夜さんもそんなミスするんだ・・」 咲夜「う、うるさいわねっ、多分疲れてたから発動忘れたのよっ はぁ~、もうなんでこんな情けない所を・・しかも貴方に見られてしまうなんて・・ あ”ぁ~~~もう最悪よーーーーー!!」 自分の頭を両手でくしゃくしゃ掻きながら悶える咲夜さん。 その姿がまた可愛かった。 ○○「いいじゃないすか、俺は安心しましたよ。」 咲夜「どういうイミですか・・」 頭がボサボサになって言う咲夜さん ○○「咲夜さんもやっぱり人間だったんだな~って、 人間らしいミスもすれば、人間らしく体力も限界があって」 咲夜「・・あなたずっと私を妖怪と思ってたのね・・失礼ねえ・・」 ○○「あ、はは、そんな事ないすよ、・・あ、でもちょっと思ってたかも。」 咲夜「もう・・これ内緒よ・・?特に美鈴とかに知られたら何て言われるか・・ はぁ・・私の完璧なメイド長が・・こんな所で崩れてしまうなんて・・」 ○○「・・・・」 俺は苦笑した。 ―そして 咲夜「お嬢様、申し訳ありませんでした。ただいま戻りました」 レ「おかえり咲夜、○○もおはよう」 ○○「おはようございまっす」 レ「あ~、さっそくだけど最近この椅子がキシキシ言うから 新しいのと取り替えて欲しいんだけど、あ、それとこのテーブルあちこち傷が・・あとは、」 咲夜さんに今までどこで何していたかレミリアさんに問われると思ったが・・ 咲夜さんもそう思ってたのか、不思議そうな顔をしていた。 ―昼休み。 ○○「モグモグ、そういえば咲夜さん」 咲夜「ん?何かしら」 ○○「寝る時は毎晩、俺の部屋で時間止めて寝てるんすか? いやぁ、なんで俺の部屋なのかなーと思って。」 咲夜「・・・・・」 そう聞くとみるみる咲夜さんの顔が赤くなっていったと思ったら ○○「咲夜・・さん・・?ってうお!」 ヒュン! カッ! カッ! カッ! カッ! ○○「ひぃ!?」 咲夜さんが顔を真っ赤にしながらナイフを飛ばしてきた。 俺は慌てて逃げる ○○「うわぁああああ!ちょっと~~、えぇー俺何かマズイ事言ったかなぁー!?」 メイド妖精1「こら~、廊下走るとメイド長に怒られますよー?」 メイド妖精2「あ、あれ?今、メイド長も一緒に走っていったような・・」 メイド妖精3「えー、まさかぁ~」 今日も紅魔館は騒がしい。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ54 豪奢な調度がいたるところに置いてあるホテルのロビーで、○○は自分一人が浮いた存在のように感じていた。 場違いもいいところじゃないかと……。 紫主催の『神無月限定外界デート』に申し込んだところ咲夜がこの日じゃなくてはダメだと押しに押してきたため その日に決めたのはいいがまさかこんなホテルだったとは○○は思わなかった。 ○○は分不相応な気がしてロビーの隅っこで俯き加減に固まっていた。 「○○、おまたせ」 不意に咲夜の優しげな声が聞こえて、○○は顔をあげた。 と、同時に口をぽかんと開けて、目の前の女性を食いいるように見つめる。 そこには、ドレスアップした咲夜の姿があった。 彼女は、一見素顔のようなナチュラルメイクを施し、瀟洒なドレスを身にまとっていた。 細い鎖骨と片方の肩をおしげもなくさらけだしている。 肩を覆った側の袖は大きく膨らみ、まるで中世の姫君のようだ。 襟元は繊細なレースがいく重にも折り重なっており彼女の胸を優しく覆っていた。 裾は長く、彼女の足元まで覆っている。ここにも襟元と同じ種類のレースが存分にあしらわれている。 「綺麗……です」 不意に○○の口から正直な感想がもれでた。 たちまち、咲夜の頬がバラ色に染まる。 「……あ、ありがとう」 はにかみながら、咲夜は○○にそっと手を差し伸べた。 ○○は己の心臓が高まるのを感じながら、そのほっそりとした小さな手を握りしめる。 まるで骨がないように柔らかだった。 「さ、今夜は存分に楽しみましょう」 特別な夜が今、始まろうとしていた。 「あ、あの、俺こんな豪華なところ来るの初めてなんですけど……」 「私だってそうよ」 「でも咲夜さん平気そうじゃないですか」 「いつもお嬢様の傍に付き添っているからこういう雰囲気に慣れているだけよ」 緊張でがちがちになっている○○に普段と変わらない咲夜。 二人は窓際の席に座っていた。 大きな観覧車を中心に、色とりどりのネオンが煌めいているが、その光の瞬きを楽しむ余裕が○○にはいっさいなかった。 (うへぇ……テーブルマナーなんて俺知らないぞ) ずらりと目の前に並べられたカラトリーを不安そうに見つめる○○。 そんな彼に笑いかけると、咲夜はささやいた。 「大丈夫よ。そんな緊張しなくても。食べ方やマナーなら私が教えてあげるから。せっかくの料理が美味しく感じられないのはつまらないじゃない?」 シャンパングラスを手にすると、咲夜は○○に向かってその手を差し出した。 ○○も慣れない手つきでグラスを手にして、彼女のグラスに近づける。 澄んだ音を立ててグラス同士が軽く触れ合った。 前菜が運ばれてきて、優雅な咲夜の仕草を見よう見まねで○○は必死にナイフとフォークを動かす。 そんな様子を、咲夜は目を細めてうれしそうに眺めている。 「う……? ど、どうしたんですか? そ、そんなに見て……。どこか変ですか?」 「ねぇ、何で今日を選んだか分かる?」 考えつくかぎりでは○○の頭には何も浮かばない。 その様子から分かってないと察した咲夜は軽くため息をついて○○を睨んだ。 「あのね、今日はあなたと私が出会ってちょうど1年になるのよ」 「あ……!」 「……まぁ、今回は許すけど、次忘れたら承知しないわよ……?」 咲夜は射るような視線を○○に向け微笑む。 場所が場所ならナイフが飛んできただろう。 ○○は絶対忘れないようにしようと肝に命じた。 咲夜は、うっとりとした表情で夜景を眺めている。 ネオンが彼女の群青の瞳に映ってゆらぐ。 「今日までいろいろあったわね……良いことも、悪いことも」 「悪いことって俺が間違えてお風呂に入ってきたことですか?」 咲夜が○○の言葉に噴き出した。 広い大浴場で誰が入っているかなどは解るはずもなく、みごとに中で鉢合わせしたのであった。 思いっきり頭に桶をぶつけられたのは言わずもがな。 「まったく……そういうどうでもいいことは覚えているんだから」 そう微笑むいつもの咲夜がそこにいた。 「ケンカもたくさんしたわね。でも、いつも○○から謝ってきてくれて。私、我が強くて自分から謝れなくて…… あと、風邪引いたときも看病してくれたわね。初めてにしては悪くなかったわ……あの御粥。 美鈴と一緒に薬草取りに行っただけなのにやきもち焼いて困らせたわね。 それから……」 次から次へと彼女の口からは、二人の思い出が紡ぎだされる。 ○○もそのときのことを思い出しながら何度も何度もうなずく。 どれ一つとして全てが一致する思い出などはない。受け取る人によって、思い出の細部はまるで変わってくるからだ。 気がつけば○○の緊張は完全にほぐれていた。 ただ、ひたすら夢中になって彼女と出会ってから今に至るまでの話に花を咲かせる。 おいしい料理にワインを楽しみながら、二人は二人だけのまったりとした特別なひと時を過ごしたのだった。 フルコースを堪能した二人は、今ホテルの最上階に来ていた。 予約してあった部屋は、なんとスイートルームだった。 今まで紅魔館で働いていた仕事の量から換算して紫から円に換金してもらったらしいのだが、まさかこれほどとまでは○○は思わなかった。 広さはレミリアの部屋と同等くらいあるだろうか。 天井は高く、えんじ色のじゅうたんはふかふか。凝った細工がいたるところにちりばめられているいかにも高そうな調度品がそこここに構えている。 ホテルの部屋を予約している。その意味するところは一つしかないだろう。 ○○ははるか彼方に広がる夜景を見つめながら、体を硬直していた。 「シャワー終わったわ。○○も浴びる?」 咲夜の涼やかな声がする。窓ガラスは夜景を存分に楽しめるよう、全面ガラス張りになっているため、咲夜の全身も映っている。 ガウンを羽織った彼女が○○にゆっくりと近づいてきた。 不意にふわりと彼女の両手が○○に差しのべられた。 咲夜はそのまま背中から手をまわすと、彼をそっと抱きしめた。 咲夜の濡れた髪としなやかな手と、密着した乳房を背中に感じて更に体を硬くする。 「ふふっ、そんなに緊張しなくても」 「あぅあぅ……。今日の咲夜さん大胆ですね……」 「んー? 酔っているからかしら?」 咲夜が○○の耳もとで熱い吐息まじりの声でささやいた。 ○○はぞくりとして首をすくめる。 咲夜のつややかな声が耳から侵入して、彼の体全体へとひろがっていく。 「○○、抱いて……」 「はははは、はいぃっ!?」 咲夜がつぶやいた言葉に○○は絶句した。あまりにもストレートな愛情表現だったからだ。 ○○は窓ガラスに映る咲夜の姿を食い入るように見つめる。 その目をまっすぐに見つめ返してくる咲夜の目は熱っぽく大きく潤んでいる。 「私、○○のこと、好きなのかもしれない。こういうこと初めてだからよくわからない……。 けどあなたはもう私の中で欠かせない存在なの……好きって言葉じゃ足りないくらい……そうね、たぶん愛しているって言った方がいいかしら……」 かすかに震えているのだろう。肩が小刻みに揺れている。 初めての告白に咲夜も緊張しているのだろう。 ○○は振り返ると咲夜の細く、火照った体を力いっぱい抱きしめた。 「ずるいですよ……。俺だって咲夜さんのこと好きで好きで堪らないのに……そんな告白の後じゃ何言っても陳腐にしか聞こえないじゃないですか」 「そんなの気にしないわ……。あなたの言葉で私に伝えてくれればいいの」 「……好きです。大好きです。あなたのこと、好きすぎて狂ってしまいそうなくらい……」 「ああ……うれしい。好きよ○○。大好き……」 頬を真っ赤に染めた咲夜が胸の中で幸せな表情を浮かべる。 ○○は彼女の顔を上に向かせて、唇を寄せた。 柔らかな互いの唇を感じながら、二人は情熱的に舌を絡めていく。 唾液が絡み合い、舌は生き物のように口内をまさぐる。 「んっ……ふぁっ……んぅっ!」 吐息まじりの喘ぎ声が咲夜の口からもれでる。 ○○は彼女の下唇を軽く甘噛みしながら、ガウンのベルトに手をかけた。 緩く結んであるだけのベルトは、すんなりと床に落ち、同時に咲夜の前衣が大きくはだけた。 純白のブラジャーやショーツに派手な装飾はない。それが咲夜の美しさに拍車をかけている。 すらりと伸びた脚は黒のガーターベルトとストッキングをまとっている。 白黒のコントラストが妖艶で、なおかつ清らかさをけして損なわない品のある最高のデザインの下着を身につけた咲夜はひどく魅惑的だった。 「さぁ、これから先は私の時間は○○のもの……。好きなように私をあなた色に染め上げて……」 ○○がゆっくりと咲夜をベットに横たえたところでプツリと映像が途切れた―― 「はいざんねん!! ここから先はそこまでよ! になるので映像はおしまいでーす」 「えーーーー!!!!」 宴会で各々のデートシーンが流され、他のカップルもそうだが自分たちの番になって紫はこんなところまで見ていたのかと改めて彼女のデバガメ癖に気がついた。 酔いまくった酔っ払いどもの大ブーイングの中、○○は俯いて震えている咲夜に声をかけた。 「だ、大丈夫ですか?」 「ええ、大丈夫よ。ちょっとあの妖怪を黙らせてくるから」 ゆらりと立ち上がった咲夜を慌てて羽交い絞めにする。 「さ、咲夜さん! 落ち着いてください!!」 「は、離して○○! あの紫ババア一回痛い目みせてやらないと気が済まないのよー!!」 暴れる咲夜を止めるため○○は彼女の弱点を攻撃した。 ふぅっ、と耳に息を吹きかけささやく。この間のデートで見つけた咲夜の弱いところだ。 びくびくっと身体を震わせポロリとナイフが手から落ちる。 「ダメですよ。あんまり暴れちゃ」 「いやぁん、でも○○これじゃオチがつかないわ……」 「もうこの状態で十分落ちてますよ」 あむあむと耳を甘噛みされるたびに猫撫で声をあげ、身をくねらせる。 「ああん、そういう強引なところもすきすきぃ。もっと噛んでぇ」 完全に別世界に行ってしまった二人の空気にやられ、早々と宴会はお開きになりみんな自分のうちでイチャイチャはじめたそうだ。 ───────────────────────────────────────────────────────────
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咲夜12 うpろだ1062 紅魔館――――――――幻想郷に来てから身を寄せている場所だがここに来てまだ2年ほどだ。 待遇的には「傭兵」。とはいえ館内が主で外出は稀だ。 「○○。お疲れ様。悪いけどちょっと手伝ってくれる?」 十六夜咲夜。ここに来るきっかけになった人物だ。通称「咲夜さん」。 「了解。援軍が来たからには安心かと」 こういう仕事は慣れている。ここに来るまでこの傭兵の肩書きのおかげで多種多様な仕事をしてきた。 ちなみに今日の収穫は街で買った懐中時計。 「ふぅ…依頼終了と。ところでこのビー玉もどきの正体とか知らない?」 ここに来てからなぜか持っていた赤・青・緑・白・黄の「ビー玉もどき」。正直自分でもよくわからない。 「頭の中までは完璧じゃないし…図書館にでも行けばいいんじゃない?」 「あ。そっか…パチェならわかるかな」 夜が明けてから着替えて行ってみる。結構図書館には行く方だ。 ―――傭兵移動中&受講中――― ヴワル魔法図書館。幻想郷の中で本の量が一番多そうなこの館の書斎。ちゃんとノックはする。 「開いてるからどうぞ…ゲホっ…」 極端に短い相槌。パチュリー・ノーレッジ。この図書館の主で喘息持ち。見ていてハラハラする。 「珍しいモノ持ってるじゃない。興味深いから見せてくれる?取ったりしないから」 ………新手のカツアゲかこれは。流し目で見られると妙な緊張感が走る。いや…むしろ威圧感か。 見せてみると大体分かったのかジト目で話し出した。正直ジト目は怖いが結構いい話は期待できる。 「この5つの玉には霊獣が宿ってる…それぞれ強大な力を持つ霊獣がね。とりあえず座って」 霊獣なんて見たことも信じたこともなかった。淡々と話されるこの玉の能力。とりあえず座る。 「この4色…四神は今の状態で使えるけど黄色は今はダメ。下手すれば――死ぬ場合もあるから」 そんな現代で言えば核兵器やら放射能やら地雷原みたいな代物が混じってるとは思っても見なかった。 「この黄色い玉は麒麟…この子達のリーダー格…言って見れば頂点に君臨する存在」 黄色い玉はまだ無理だとしても意外に使える能力が多いことがわかっただけでも収穫だ。 「死にたくないならこれは絶対使わないこと。どんな状況でも。泣く人…いるでしょ?」 咲夜さんのことはバレてたらしい。紅魔館のブレインには及ばないか。 「守ってあげてね…あの子…ホントはすごく脆いから」 ここまで洞察力があると敬服どころか畏怖に値する。そろそろ戻るか。 ―――傭兵移動中――― 「どう?答えは出た?…何その目。この私と弾幕張ろうって目?」 「ちょっと四神の力ってのを試したくてさ。時間あれば軽くでいいから」 「アンタねぇ…後悔しても知らないからね。少し待って。用意してくるから」 場所は近くの森上空。早くも咲夜さんは本気モード。軽くヤバい。むしろ軽くない。ヘビーだ。空気的に。 「じゃあ…早めにチェックメイトにしてあげる。幻在『クロックコープス』!!」 「結構しっくり来るな…。朱雀『紅煉獄炎翔』!!」 飛んでくるナイフが炎で相殺されるが次の手が早い。相手に取って不足なしだ。 「アンタが敵じゃなくてよかったわ…ホントに。傷符『インクライブレッドソウル』!」 「まぁそれはお互いに!白虎『白刃裂風牙』!!」 ピンポイントでナイフを風で吹き飛ばして回避する。正直驚いた。さすがは霊獣。 「嘘…――――ふーん。じゃあ本気出すから。奇術『ミスディレクション』!」 「前から――後ろ!?手加減ナシか…玄武『翠林城塞砲』!!」 地面から林のような緑色の柱が立って全方位のナイフを防いだ後で左右に展開。その後砲撃。 「ここまでとはね…でもこれで最後。幻世『ザ・ワールド』――――その頑張りは認めてあげる」 「遠慮ナシだ!青龍『蒼穹逆鱗葬』!!―――――――――――――え?」 青い激流が暴走するが時を止められる。直立不動の金縛り。その隙に1つだけナイフが飛来する。 「チェックメイト。ほら。戻って傷口診るからさっさと立って」 「やっぱ敵わないか。この通り戦術的敗北だよ」 読まれていた。敢えてスペルを展開しこちらの手の内を探り最後の最後に時間を止めて一撃を見舞う。 「でも久々に苦戦したのは事実。その努力の成果は凄いって言えるから。でも麒麟は禁止。いい?」 「痛ぅ―――――…練習あるのみ…か。頑張らないとな」 それでも努力は認めてくれた。 「ジョーカーは…切り札は最後まで残しておくもの。力に頼り過ぎると必ずツケがくるの」 「それが今の状態…か。また一つ学んだよ」 紅魔館で手当てを受ける。パチェが麒麟のことを言ってくれたらしい。 それから自分に用意された休憩時間で各スペルの発動までのタイムラグを埋める。 1週間後―――――よりによって紅魔館の幹部クラスが咲夜さん以外留守の日に災厄は来た。 「アンノウン接近!妖怪の部類かと思われます!数…計り知れないです!!」 物見が叫ぶ。計り知れないなら上等だ。咲夜さんに内緒で先陣切ってアンノウンに向かう。 弾幕を張って応戦するが数が数。減る気配は皆無に等しい。スペルは一応温存しておく。 どうやら頼もしい援軍が来たらしい。というか門番どこ行った。戻ってきたら生存率めっさ低いぞ。 「○○!アンタはもう…この戦闘が終わったら一応覚悟はしておくこと――怪我したら許さないから」 「一応心配はしてくれるんだ?…了解。お手柔らかに!」 減らない。むしろ増えてきている。これがアンノウンの正体じゃない。これは『攻撃手段』――弾幕。 「ちょっとコレどこから湧いてくるの!?一向に減らないじゃない…ゴキブリ以上に性質悪いわ」 「これが敵ならとっくに消滅してる――本体を探して集中的に叩けばこれも消えるはず…!」 攻撃方法・正体・形状・特徴・弱点・そして存在全てが未知数にして未確認…正真正銘の「アンノウン」。 「攻撃が向こうに…咲夜さんに集中して…チィっ!霊獣『四神結界』!!」 相手の考えはアバウトにだが読めた。能力が高い方から潰す。シュミレーションゲームの鉄則だ。 「あ…ありがと…これに免じてさっきのはチャラにしてあげる」 助かった。とはいかないみたいだ。弾幕が止む。ボスの登場ということらしい。 「何コレ…ホントに妖怪!?やってやろうじゃない…!!」 ヒドラ。海蛇座のモデルになった9本の頭を持つ大蛇。こんな蛇が幻想入りしていたこと自体驚きだ。 「通りで弾幕が多いわけだ…早いとこ潰して終わらせる!」 とはいえ巨大さでは向こうが数段上だ。周期的にスペルを使って順調に首を落とす。 でも異変が一つ。咲夜さんが身震いしている。下手したら被弾しかねない。 ここは四神結界で防御させながら戦う。 朱雀「紅煉獄炎翔」。 白虎「白刃裂風牙」。 玄武「翠林城塞砲」。 青龍「蒼穹逆鱗葬」。 なんとか親首以外を叩き落として浄化したが少し力加減をミスったらしい。激痛が走る。 「万策尽きたってところかな…違うか。まだ手はある…よな。使ってみるか…麒麟」 単なる独り言。麒麟を使う。生死を賭けた大博打。聞こえて――ないな。 「ダメ…怪我したら許さ…ないって言っ…たでしょ…?」 目の前に気を取られすぎて後方が見えなかった。この掠れた声で思い浮かぶ状況は1つしかない。 結界がブチ破られていた――相当被弾しているはずなのにこんなバカを心配してくれる。 「下がってな…さい。すぐ…終わる…から」 無理だ。その傷で時間なんか止めたらその後無事じゃ済まない。 「関係ないね!――バカだからさ。ゴメン。フルパワーでぶっ放すから下がってた方がいいって」 持っていたナデシコの柄の袋を投げる。咲夜さんナイスキャッチ。 明日が満月。明後日は「十六夜」。いつも足引っ張ってドジ踏んで… それでも認めてくれるせめてものお礼。そのための懐中時計。 『守ってあげてね』――パチェから言われた一言。もちろんそのつもりだ。 「死んでも…知らない…。骨も…拾わない…!」 どんな顔かは声でわかる。 泣いてる顔は見たくない。だから振り向かずに。躊躇わずに。冷徹なる雷をこの手で目の前の災厄に。 「麒麟――――――『雷帝閃煌覇』――――――これで終わらせる」 雷が縦・横・斜め・正面から飛び交う。 ヤバい。意識が飛びそうだ。ここまで強大な雷は操作不可能で逆流しないのが唯一の救いだ。 まだ息絶えないか。あと少し…せめてあと一撃。あと一撃あれば確実に仕留められる。 「それじゃ…最終兵器の登場だ。ジョーカーってのは最後の最後で切るんだよ」 パチェの「賢者の石」を元にアレンジを加えた最後の「リーサルウェポン」。 特攻用に編み出したリミッター解除の最大出力。5つの神の真骨頂を融合させ覚醒させるスペル。 「何を!?それ以上やったら大怪我レベルじゃ済まない!まして麒麟を使った後に!」 最後の最後…むしろ最期にカッコつけさせてくれて感謝はしている。ここに来れてよかった。 「今はちょっと自分の限界ってヤツに挑みたいだけだから。この程度じゃ死なないって」 「この―――――――――――――――――バカ」 ターゲットは目の前のバケモノ。コイツだけは刺し違えても倒す。 「消滅させてやる――聖獣『破邪獣神結界』――まだ――神獣『五芒星滅殺陣』――デッドエンドだ」 これが限界突破の最終兵器。高威力かつ高火力の多段式波状攻撃。おまけに霊獣の加護つきときた。 ここまでは作戦通り。麒麟を呼ばないとこのスペルは使えない。だからあえて逆らってみた。 後はヒドラの浄化を見届ける。一応これで99.9%策は成った。 どうしても0・1%が欠ける策。むしろ99・9%が100%の策。 「明後日…生きてるか死んでるか…どっちかの0.1%に賭けてみるかな…」 意識が途切れる前の生命のコイントス。表か裏かで生死が分かれる。 最後の0.1%――それは自分が死んでも生きても達成される。その段階で初めて真の100%になる。 この策は敵を「ハメる」策でなく「殲滅する」策。いかなる犠牲を払っても。それが自分であっても。 咲夜さんの「誕生日」。わからないから毎年「十六夜月」の日に決めていた。今年は――無理かな。 せめて自力で渡したかったな――懐中時計。絶対泣いてるよ――。 それから何分…何時間…何日経ったのかわからないが目は覚めた。ここは…紅魔館。 「25時間…44分…35秒。――――――ホントに…ほっとけないんだから」 「持ってたんだ…懐中時計。ほら…死んでないし」 冷徹ないつもの声じゃない。泣いてるけど優しい声。 「また足引っ張っちゃったかな…痛ぇ!傷!傷開く!…でもまぁ…いっか」 抱きつかれたところが傷口だったのは言うまでもない。絶対わざとじゃないがこれはダメージがデカい。 それから約1日半。十六夜が出る日。まだ夜には早すぎるが。 「○○!!速効でケリつけて。まだ依頼はあるから覚悟することね」 ちょ…仮にだけど誕生日…今日だってこと確実に忘れてるなこれは。 それでもすれ違い様に呟いてみる。 「咲夜さん――――――誕生日―――――ーおめでと」 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1126 「少し風邪でも引いたかな…」 紅魔館の自室でオフ時間に呟く。 いやリリーホワイトが「春ですよ~」とここまで伝えにきてくれるわけだが何しろ季節の変わり目だ。 「そろそろ戦線復帰ね。この頃調子悪そうだから仕事は多いけど軽めにシフト組んだから」 「了解…っと。やる事はさっさと片付けますか」 上司の咲夜さんが軽めにシフトを組んでくれたみたいで助かった。とはいえ仕事は多いが。各段階のメモが渡される。 「えーと…最初は庭の水やりと買い溜めした食糧を運ぶわけか」 ポケットに入れたビー玉もどき。たまにこの中から霊獣が手のひらサイズに実体化して出てくる。ちょっと可愛い。 ちょっと早めに終わらせる。これで第1段階と第2段階が同時に終わったわけだ。 「次は…え?借りてる本があるから図書館に返してくればいい?」 第3段階が私用っぽいがまぁ気にしない。箱で買った栄養ドリンクも1本出して持っていく。こういう時期に心配な人物が図書館に約1名。 「返却ならその棚に入れてくれればいいからね…差し入れありがと」 「いつも本貸してもらってるから粗品でゴメンな」 「そういえば麒麟も使えるようになったみたいじゃない?」 「お陰さまでこの通り」 …元気だな。パチェ。とりあえずまた本を借りて図書館を出る。自室に本を置いて第3段階終了。 「次が難関だな…紅茶の葉の分別。『葉脈で種類ごとに分けること』…」 第4段階で難易度一気に急上昇。これが難しいらしい。 「一応これで前半戦終了か。結局ボスクラスは最後に来るわけな」 約30分経過。ようやく半分だ。「感想は」とか聞かれたら即「長い」の一言で済むくらい地道な作業だ。 「結構な種類だったよなぁ…後半戦のメモでも貰いに行きますか」 一応は区切りがついて帰還。部屋の中でドサッと鈍い音がしたが物でも落ちたか。 「咲夜さーん?後半戦のメモもらいに――――――!?」 「カッコ悪いとこ見せたみたい…でも大丈夫」 「いやでも今倒れて…」 「大丈夫だって言ってるで…しょ」 そうだ。よく考えたら目の前にいつ倒れてもおかしくない上司がいたのに気付けない自分の洞察力のなさを呪いたい。 「大丈夫そうに見えないって!指示さえ貰えれば代わりくらいできるし部下の意見も聞かないと」 「部下にはできないことだってあるでしょ…」 よろけながら言われても正直説得力がない。だったら失敗してもできるところまで突き進むまで。 「何もしないよりマシかと思う」 「ホントにもう…優しすぎ。なら後半戦はカット。各段階ごとに終わったらここに来て。指示は○○に一任。夕食には復帰するから」 これまでにない大役。代理とはいえ咲夜さんの仕事を任されたわけだ。一人でできる事は極力こなす。 「慣れない事するとさすがにキツいな…これは」 この紅魔館には咲夜さんの部下のメイド精鋭部隊が30人以上いる。だがここはある意味戦場だ。言い出した以上は退けない。 「あと少しで夕食って…時間的にヤバいか…!進んじゃいるが指揮はキツいな…」 「時間よ止まれ――――――――――」 この声と能力は…どうやら援軍が来たみたいだ。一瞬背筋が凍りそうになった。 「まだ動いちゃダメなんじゃ…」 「お陰さまで完全復活。その子にも手伝ってもらうけどいい?」 「了解!」 丁度いいところに思い通りの指示。 「そして時は動き出す――――1、2班はすぐに食事の用意!3、4班はその補佐!周期的に状況を報告!5、6班は遊撃!」 早くも本領発揮。ここまで来ると威圧感がある。 「援護は任せるからよろしく。ここの火力が低いから上げて!」 「久しぶりに出しますか!炎符『ヴァーミリオンブレイズ』!」 ミニ朱雀大活躍。スペルの有効活用法…とは言えないか。正直なところは無駄遣いかもしれない。いや確実に無駄遣いだ。 そして無事に夕食終了。咲夜さんの声に一瞬ホントにビビった。 その後は普段と同じ。個人で入浴を済ませてその日の任務は完了だ。 「あれ…ダルいのが取れてる…」 「お疲れ様。あれだけ動いて汗かいたでしょ」 「ビビったなぁ…咲夜さんか」 いつの間にいたんだ…というツッコミはナシ。 「今日はホントによく耐えてくれたわ」 「100点中75点くらい…かな?」 「今回だけ96点にしてあげる」 何とも100点に近いとはいえ微妙な…いや…ここは素直に受け取ろう。 「じゃあ増えた21点はコイツに分けとこ」 そういえばフランとお嬢様がそろそろ起きてくる頃だ。 「「夜更かし決定!?」」 声がシンクロした。どこぞの紫色の暴走メカもビックリのタイミングで。目の前にはお嬢様が。 「あら…休まないの?2人して珍しい」 「休む暇があるなら借りの清算が先なので」 「たまには徹夜もいいかと思ってるんすよ」 言い方は違ってもほぼ内容的には同じだ。ここで前方から猛スピードで突っ込んでくる人物が。鳩尾に鉄拳がめり込む。二重の極みかこれは。 「あー!!○○ー!咲夜ぁー!今日はフランと遊べそう?」 「痛ぇ…今はフルじゃないから弾幕は無理な?余裕がある時には一戦頼む。ゴメンな?」 「ちぇー」 いやでも正直なところ弾幕はカンベンしてくれと言いたくなる。まぁそれでもフランは無邪気な分許せるが。 「じゃあ…チェスやろ!チェス!」 「地下室にあったっけか?確かなかったような…」 「フラン。私の部屋のチェスを貸すから心配しないで。壊さないこと。いい?あと紅茶が飲みたいわ」 「お嬢様。用意ならここに」 とまぁお嬢様の部屋でお茶会決定。さすがにフランを封じる策も考えているらしい。 「フラン…もう一度言うけど壊さないこと。―――いい?もし万が一壊したらその時は…分かるわね?グングニル投げるから」 「ひっ―――!?」 「返事は…?」 「はい…」 お嬢様すげぇ。すーげーぇ!何だいそのボムは!?フランが涙目に。心の中で思った。「フランを止められるのはこの人しかいない」と。 「じゃフランと一回やって!いいでしょ?」 「久しぶりだな…チェス。頑張ってみるかな」 そんなこんなで30分後。 「ほい。チェックメイト」 「えー!?○○つーよーいー!!手加減してくれなきゃこの部屋ブッ壊すかんねー!!」 ここでまさかの衝撃発言。それは言っちゃダメだ。そして逃げちゃダメだ。その奥から冷たいお嬢様の声が。これはキレてるぞ…!? 「フラン…?今何て言ったかもう一回言ってみなさい」 「え――――?」 「ゆっくりと一字一句滞りなく私に聞こえるようにハッキリとね。グングニル投げられたくないでしょ」 「うん…。でもフランは…まだ…何も…」 「嘘吐きは――――弾幕の始まりよ。グングニルの破壊力はフランが一番よく知ってるはず…私の能力もね」 「ふぇぇぇ…」 「ただの冗談。真っ直ぐなのもいいけどもっと周りを見なさい。私の部屋を残骸にする気?」 いやそこは弾幕じゃなくて泥棒だろ。しかも冗談とは言っているが声がマジだ。 「マズいわ…この部屋より先に私達が残骸になる…○○…逃げる用意はいい?頭の中で3回数えたら一気に壁際に下がるから。できる?」 「勿論…感覚はまだあるみたいで」 (*1) 一応咲夜さんと壁際に退避。一方フランは半ベソ状態だ。 「ごめん゛…なざい゛…」 「気にしないの。悔しいのは分かるけどその気持ちをぶつける相手が違うでしょ…?」 あー。泣かせたー。でも優しいところは初めて見た。気持ちよか先にグングニルをぶつける相手がまず違うだろと自虐的ながらも心の中でツッコんでおく。 「咲夜さん…いつもこんなん?」 「そ。喧嘩しない分まだマシよ…本気で喧嘩した日には阿鼻叫喚の地獄絵図なんだから。生きた心地しないもの」 咲夜さんの苦労が分かった気がする。ここまで言わせるんだから相当ヤバいと思われる。 「○○…フランの仇を取らせてもらおうかしらね?」 「…ハイ?これ何て死亡フラグ?」 「行ってきなさい。骨は拾ってあげるから」 「え!?ちょ…咲夜さん!?――――チェスで特攻…か」 チェスでこんな威圧感を感じたのは生まれてこの方初めてだ。 かれこれ20分後。 「チェックメイト。フラン…仇は討ったからね」 「お嬢様…ちょっとは手加減を…」 「絶 対 ヤ ダ」 大人気ないことこの上ない。仮にも相当年上だろ。…とは言えない。言った時点で人生がゲームオーバーだ。ここで意外な来客が。 「随分とまぁ…派手に騒いでるじゃない…寝れやしないわ。ねぇ?レミィ?ここで提案があるんだけど」 「提案って…パチェのは理不尽な条件が多いけど聞くだけ聞くわ」 「ベリーインレイクかプリンセスウンディネならどっちがいい?制限時間は2分。答えが出ない場合は両方ぶっ放すわ」 「パチェ…それ私に喧嘩売ってるの?水は吸血鬼の天敵だってのに」 ちょ…パチェ!?その一言でここが阿鼻叫喚の地獄絵図三つ巴バージョンになりかねないのに何てことを…!! 「嫌なら混ぜて。それが条件」 「最初からそう言えばいいのに…」 うーわー…パチェがドス黒い。お嬢様の表情が引きつってる。ある意味で紅魔館最強かもしれない。 「ふーん…チェスね…咲夜。一戦だけ相手お願いできる?」 「――――へ!?私…ですか!?」 ドサクサに紛れてマヌケな声が聞こえた気がするが気にしない気にしない。 「それと時間巻き戻したりしたら秘密を大暴露するからよろしくね」 「秘密って何ですか!?」 どこまで黒いんだよ今日のパチェは…。そして30分後。 「はい。チェックメイト」 「秘密の件は…」 「最初から秘密なんて知らないけど?でもその顔は…ねぇ?」 「何もないですっ!」 ここでも静かな戦闘が終わったらしい。何だこの紫孔明は。咲夜さんが押されてる。 「この本…結構面白いの。歴史が元ネタでね」 「はぁ…」 そしてさらに意外すぎる人物が。例えれば集合写真の端っこに欠席者で写っている感じだ。 「寒ぅ~…声くらいかけてくれても…」 中g…違う。危ない危ない。美鈴がここに来るのが意外だ。 「「「「「あ。忘れてた」」」」」 「うぅ…酷い…」 そこに魔の手が。フランの目が輝いてるということは… 「あぁー!美鈴!外行って遊ぼ!外!ねーぇー!外行かなきゃ地下室で弾幕やーりーたーいー!」 「はぁ…って…そんな「泣くからね」みたいな目はやめてください!」 やっぱりな。そして美鈴はフランに引きずられて戦場に。敬礼。 「ちょ…助け…お嬢様ー!咲夜さーん!パチュリー様ー!○○ー!まだ逝きたくないですよぉー!!」 「普段の失態を返上するチャンスと思うことね。勝てたらチャラにしてあげる」 「少しフランと遊んであげて。全力出してもいいから」 「門番なんだし…図書館の本の整理より退屈しないと思うけど」 うわ酷ぇ。ここで否定的な意見出したらグングニルと殺人ドールと賢者の石が炸裂するかもしれない。 ――外―― 「遊んでくれてもいーじゃんケチー!禁忌『レーヴァテイン』!!」 「悲しいけどこれ…弾幕なのよね…」 「行っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「嫌……アッ――――!!!!」 ――中―― 「ちょ…咲夜さん…今すげぇ悲鳴聞こえたんだけど大丈夫かね…」 「美鈴はあれでも妖怪らしいからあの程度じゃ死なないでしょ。後で包帯とか持ってくけど」 サラッと惨いことを…でもこれだけ言わせるんだ。それだけ強いんだと思う。 「ただいまー!ふぁ~…ぁ…眠い…ちょっと寝てくるね」 「この紅美鈴…帰還…もとい生還…しまし…た…」 「そろそろ図書館開けなきゃいけないから私はこれで退散するわ」 「朝食まで私も少し仮眠取るわ」 お疲れ様。美鈴すげぇ。レーヴァテインに耐えてる。ボロボロだが。 そして個人でバラバラに散開してお茶会終了。 午前6時。もう明るい。 「では朝食の用意をしますので。○○。手伝って。美鈴は任務に戻ること」 「「り…了解!」」 ナイスフォロー。あのお嬢様の威圧感はもう物理的な領域だ。指先一つでダウンどころの騒ぎじゃないぞアレは。ニュータイプか? 「助かった…」 「私より先に死なれちゃ困るもの…別に…心配だからじゃないからね。アンタも十分悪運強いんだから」 悟った。ツンデレ属性潜伏中だな。 「今日は昨日の後半戦も含めるからよろしくね」 「え゛…!?」 「さっき『もう少しで上司の秘密を握れるぜ』みたいな顔したからその罰よ」 「そんな理不尽な…」 「アンタ文句あるわけ!?あるなら操りドールと殺人ドールの2択から末路を選ぶことね。上司に殉じられるなら本望でしょ?」 「皆無です!」 「ならよし」 今日はホントにくたばる可能性が大きいな。 まぁ…賑やかだし飽きないからそれもいいか。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1086 暖かな風が桜の花弁を舞わせる頃になった。 春が、幻想郷にやってきていたのだ。 そんなある日、博麗神社では宴会が開かれていた。 目的は言うまでも無く、夜桜。 夜桜の宴。 人妖が集う、美しく華やかな宴―― そして賑やかな宴ならば、それに裏方がいるのもまた道理。 ○○は酒の肴の追加を作りながら、新しい皿や椀を準備していた。 「ふう、こんなものかな」 勝手知ったる――とまでは行かないが、宴会の度にその腕を振るっているので、博麗神社の台所はよくわかっている。 それに、今は紅魔館で執事染みたことをやっているが、そうなるまでの少しの間、ここで世話になっていたこともあった。 出来上がった料理を皿に適当に盛ったところで、戸口の方から彼に声が掛かる。 「お疲れさま、追加は出来た?」 「ええ、咲夜さんもお疲れさまです。はい、こちらが」 声の主は咲夜だった。片付けの分なのか、皿と空き瓶を幾つか抱えている。すぐに重そうなそれを受け取って、代わりに料理を渡した。 「宴も酣ですから、逆に軽めのものに」 「そうね、その方が良いかも。だいぶ出来上がってる面子も多いしね」 「咲夜さんは?」 「今回はあまり飲んでないから。貴方も?」 「料理がすぐに無くなってますからね。少し飲んではこちらに、と言ったところですか」 皿を水に漬けながら、○○は少し迷った後、こう提案した。 「もし宜しければ、それを置いてきた後で一献どうですか?」 「え?」 「いや、まあ、その、ゆっくり桜を楽しむ余裕もそろそろ出来そうですし、どうせなら、と」 少し慌てたように言葉を探す○○を見て、咲夜は軽く微笑する。 「いいわよ。ただ、お嬢様方の様子を見てからになるけれど」 「あ、はい、大丈夫です。では、何か肴を用意してますね」 「ええ」 去っていく咲夜を見送った後、○○は簡単なつまみを用意することにした。 小半刻の後、咲夜と○○は二人して宴の片隅に腰を下ろしていた。 「いや、絶景ですねえ」 「そうね、毎年のことだけど、やっぱり綺麗だと思うわ……外は、違うのかしら?」 「今、これほどの桜を、こんなに落ち着いて見れる場所がどれほどあるか――僕は、知らないです」 そう言って、彼は徳利を掲げ、咲夜の手にしている小さな猪口にそっと注いだ。 「メイドに御猪口というのも、妙な組み合わせですね」 「これしかなかったものね。はい、貴方にも」 「ありがとうございます」 ○○の手にある盃に、咲夜が酒を注ぐ。軽く挙げて、乾杯の代わりにした。 一口喉に流し込んで、○○は空を仰いで大きく息をついた。満天の星に十六夜月、それに映える夜桜。 「しかし良い気分です。良い月夜に夜桜、旨い酒に……それに何より、こうして咲夜さんと一緒に居られて、本当に言うこと無いですね」 「あら、もう酔ったのかしら?」 「まだ素面のつもりですけれど」 その返答にくすくすと微笑って、咲夜も猪口を傾けた。 「貴方はあまり強くないんだから、程ほどにね。あの酔っ払い達の様子を見るに、後片付けが回ってくるのは必至よ?」 「大丈夫ですって」 そう言いつつ手酌をしようとした○○の手を遮って、咲夜が盃に注ぎ足す。 「いいけれどね。酔っ払った貴方は面白いし」 「……それ言われると逆に酔えなくなりますが。何してるんですか僕」 「さあ、何でしょうね?」 楽しそうに、咲夜ははぐらかした。やれやれと思うが、どうやらこのささやかな二人飲みを気に入ってはくれているようで、ほっと胸を撫で下ろす。 「何かやらかし始めたら止めてくださいよ?」 「大丈夫、いざとなったらナイフで止めてあげるから」 「それ止まるのは息の根ですよね?」 じゃれあうような会話をしながら、○○もまた咲夜に酒を勧める。 「咲夜さん、どうぞ」 「ええ、ありがとう」 喧騒を少し離れた、どこか静かな夜桜見。 「心地良い、わね」 「ええ」 何気ない会話を交わしてると、不意に、咲夜が肩に寄り添ってきた。 「さ、咲夜さん?」 「少し、こうしていてもいいかしら」 「……ええ、いくらでも。他ならぬ貴女のお願いですし」 「ふふ、ありがとう」 喧騒が遠い。静かに何も言わず、二人で桜を見上げる。 天には月、地には桜、手には盃、傍らには愛し人。 君、何を以って愉しまざるや。 静かな時間も、杯を重ねるうちに少し変化が起こる。 「あれ……」 「飲みすぎね」 ぐら、と○○の身体が揺れる。瞳に酒精が混じっていた。 「やっぱり、弱いわね」 「申し訳ない……」 「いいわよ、ほら」 咲夜は微笑うと、膝の上に○○の頭を乗せた。 「これで落ち着くかしら?」 「ありがとう……」 うとうとし始めた○○の頭を撫でてやると、すぐに寝息を立て始めた。 この青年はある程度酔うと、前後不覚になるよりも先に寝入ってしまう。 年上の癖に、寝るとあどけない少年のようで、何となく微笑ましくて。 「貴方のこんな姿なんて、こういう時でもないと見れないものね」 眠る彼に向かって、優しい言葉をかける。 宴席の喧騒も、少しずつ小さくなってきた。酔いつぶれた者、まだ静かに呑んでいる者、様々なのだろう。 直に宴も終わる。そうすれば、また彼女達の仕事も出てくるだろう。 だからせめてそれまでは、穏やかに眠る愛しい人と夜桜を、独り占めにしてしまおう。 舞い散る夜桜を眺めながら、咲夜は心の中だけでそう呟いた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1123 「咲夜さん」 紅魔館の長い廊下、その窓を磨くのも私の仕事だ 少しとおくから、呼ばれた 「あ、○○さん・・・どうしました?」 彼は日光に当たらないように廊下の曲がり角から顔だけ出して、私を呼んでいた 「いえ、救ちゃんから言伝を頼まれまして」 窓を磨いていた手を止め、彼の元まで歩いていった そして廊下の影までいくと、彼は申し訳なさそうに、頭を下げた 「スイマセン、面倒な身体で」 何を今更、もうなれたことだし、仕方のないことだ 「・・・それで、あの子は何て?」 「ええと・・・包帯やらなんやらのストックがなくなってきたので確認に来てできればそのまま買いに行ってください、だそうです」 「ああ、そろそろだと思ってもう注文しておいたわ」 そろそろかと思い注文だけはしていたのだが、実に丁度良いタイミングだった 「流石ですねメイド長」 「まぁ、ね・・・もう慣れたわ」 自分を最強だと疑わず、自らを超える力がないと、決め付けていた ここに来るまでは 生き死にを超越する、運命を操る、万物境界をいじる 驚きと絶望の連続、そして それにすら慣れて、この世界で、生きている自分がいる 「咲夜さん?」 「・・・なんでもないわ」 目の前の彼もだ どうやって吸血鬼に成ったかは知らないが、なんとも吸血鬼らしくない、頼りない、弱い でも、彼のような存在は、私にとって・・・何かとても新鮮だった 「さーくやさーん」 「・・・ねぇ○○さん、この後時間いいかしら?」 「?別に構いませんが・・・」 「一度貴方とはじっくり話して見たいと思ってたんだけどね」 なかなか時間が無くてね、と彼女は笑った 女性の部屋に入るのはすごく、緊張する しかし部屋に招かれるとは思ってなかった 「ほら、貴方も飲んだら?」 咲夜さん、真っ昼間から強そうな酒飲んでますね(棒読み 「だいたい貴方ねぇ、妹様以外の吸血鬼がここに居られるって事がどういうことかわかってる?」 とっくに酔ってるのか、いつもより饒舌な気がした 「歯牙にもかけないということ・・・ですか?」 「そう、その通りよ」 そして興味半分おふざけ半分で、俺を雇っている 彼女の興味の対象は、俺がいかにして、成ったか 「ほら、飲みなさい」 奨められるがままに酒を飲まされた 喉が焼ける、そう思ったとき、グラスを彼女と共有している事に気がついた 唇に変な感触、口紅?いやリップクリームか・・・へ? 「あら、顔が真っ赤よ?もう酔ったの?」 うぁ、メイド長の顔が、近くに 丸いテーブルに手を着いて、俺のほうに身を乗り出して 手の着きどころが悪かったのか、テーブルが古かったのか 俺のほうにつんのめる様に、倒れこんできた ひっくり返るテーブル、滑っていくボトル 転がるグラス、酒を飲んで鈍くなったのか、彼女の力が発動する気配が無い やけに速い頭の回転と、ゆっくり流れる周りの光景 ボトルを掴んで、グラスは、届かない 何より、こっちに飛び込んでくる咲夜さんを がこっ、どすん、パリーン 「・・・」 「・・・なんとか、なるもんだ」 放心したように、と言うかそのものか、ぽーっとしている咲夜さん 俺は椅子に座ったまま、咲夜さんを身体で受け止めて、左手でボトルを持ったこの状況 固まって動けない 「あ・・・○○・・・あ、ありがと」 「い、いえ・・・怪我は無いですか?」 頼りないと思っていた彼の身体は、大きくて 包み込まれるような感覚、ドキドキと早い鼓動 吊橋効果と言う奴か、危ない状況と、異性との接触が重なって、でもこれは 「・・・咲夜さん?もしかして立てませんか?」 「え?・・・ぁうっ!?」 自分が今彼に抱きついて、ぽーっとしている状況をやっと理解し、驚いて、飛びのいた 「さ、咲夜さん?大丈夫なんですか?」 ちがう、このドキドキは、火照った身体は、そんな感情じゃ無い 私が、そんなありえない、こんな拍子に、彼に対して、そんな気持ちを 「○、○・・・」 「さ、咲夜さん?」 心配そうに見つめる彼の目が、止めだった 「ご、ごめんなさいっっ!!」 脱兎の如く部屋を飛び出た 彼の驚いたような声と、引き止める台詞 それを聞こえなかった振りをして、逃げた 初めて感じた、感情に戸惑い、竦んでしまった 彼が追ってこないようにと、日当たりのいい中庭ににげこんだ 「なんなのよ、これは」 これじゃあまるで、物語の中の少女のようだ、と 自分には一切関係ない、そう思っていたのに 「○、○さん」 彼の顔を思い出しただけで、顔がかぁっと熱くなった 数分、数十分前まで、大して意識していなかった相手を たった一度の接触で、こんなことになるなんて いや、彼がここに来た時から、意識はしていた 唯一の男手、出来損ない そうか、意識はしていたんだ それの方向性と、見る位置が変わった 嗚呼、なんだか面倒なことになってしまった よりによって同じ職場、顔を合わせないわけにも行かないのだ どうにか明日までには、この惚けた頭が、冷める事を祈るしかないようだ ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1157 ペットのヤドカリを観察する時、俺は床にへばりついて横から観察する。そんな 観察をしている時、部屋に咲夜さんが入ってきた。 「ん?何してるの○○?」 「ああ。咲夜さん。ヤドカリの観察ですよ。」 むぅ。この角度からスカートの下はおろか顔さえ見えんな。とりあえず起きあが る。 「そう。面白い?」 「ええまあ。俺のペットなんで。」 「ふーん。じゃ、私も観察させて欲しいわね。」 「どうぞどうぞ」 断る理由は無いだろうし。ヤドカリを踏まないように俺は後ろに退いた。 「んじゃ、お邪魔するわね。」 さっきの俺みたいに床にへばりついて横から観察する咲夜さん。なぜだか微笑ま しい。咲夜さんも結構楽しいらしく。ヤドカリを弱くツンツンしながら笑顔を見せ ていた。 「ん?」 待てよ。落ち着け○○。咲夜さんは、今床にへばりついている。そして咲夜さん はミニスカだ。つまり、これは視線を下に落としたら見える物がある。そうか。こ れは俺が無意識のうちに立てた計画だったのだ!!!1!! 「フフフ。計画通り・・・」 「?」 ようし。ならばその色が何色か見せて頂こうじゃあありませんか。どれどれー。 お? 「白か・・・」 「?!」 しまった。つい口に出してしまった。ヤバィ。これはヤバィ。 「○○・・・」 「いや、これはですね。あの」 何というか。その赤面しつつすぐに起き上がろうとしてずっこけそうになる姿た まりません。はい。 ん?俺何考えてるんだ?咲夜さんは鬼の様な形相をしているじゃないか。さっさ と言い訳を考えて素数を数えなければ・・・1、2、3、5、7、⑨・・・あれ? だが咲夜さんはその鬼の様な形相を解いてため息を吐いた。 「・・・。まあいいわ。○○なら。どうせ見られるの覚悟でやった訳だし。」 「へ?」 ん?「○○なら」?。ん。これはまさかの咲夜さんフラグktkr? 俺は脳内を整理しながら警戒を解く。咲夜さんはにっこりと笑っていた。 そして、 ・・・その次の言葉を俺は理解する時間さえ与えられなかった。 「殺人ドール一発だけで許してあげる。」 にっこりとした笑みが不敵な笑みへと変貌を遂げる。そして俺の周りに発生する 無数の青や赤の柄のナイフ達。 外の世界のお母さん。お父さん。僕はもうオシマイみたいです。 アッー! ───────────────────────────────────────────────────────────
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完全で瀟洒な従者 十六夜 咲夜 Ver1.04の対策の追記です。 銭を撒いて相手の射撃の隙間に通し、咲夜の動きと射撃を妨害する。 対空2BにはJ2Cを見せる。地上は有利ですので強気でいいと思います。 浮遊霊は封印で。地縛も難しいが封印するほどではない。 通りすがりがメイン。射撃に付き合わずに、「妨害する」を徹底。 有効な必殺技 236系 迷わず × 通りすがり △ 大鎌 ○ 遠距離で通りすがりがあたったら良いね。なレベル。 射撃では勝ち目が無いのでほぼ封印。大鎌の奇襲は当たるかも。 ↓1.02の対策です。↓ 「C射を出していたのに一瞬で消えた」 弾の相性最悪。C射を出すのが馬鹿らしくなるほど。 ナイフ弾の速度が早く、地縛や浮遊霊を撒く隙を与えない。 基本は逃げ、相手の上を取りJ2CやJ2Aなど、一度ダウンを取ってからでないとまともに弾を撒けない。 ダウンを取り弾を撒いたら、同じく相手に射撃をさせる隙を与えずにそのままラウンドを奪う・・・ぐらいしか思いつかない。 具体的な対策ある方、加筆修正お願いします。 むしろC射を使わないのもいいかもしれない。 咲夜は射撃は強いが打撃は普通なので近づいても怖くない。いやコンボは痛いけれども。 リーチは有利なのでJ6Aの間合いでひたすら張り付いて逃げようとする相手を狩ろう。相手の打撃はよく見て対応すること。 固めの途中で抜けてから向き変わるまでに八重霧をすると面白いことになるかも。 基本相手は射撃中心なのでグレイズに徹する。相手の霊力が少なくなったら空から割に行くぐらいの気持ちで。 各種技について。 近A 発生で負けてる。見てから反応なんて意味がない。 遠A 実は小町の近Aの間合いが最短。その位置なら同時押しでも発生勝ち出来る。しかし小町の遠Aの間合いだと一方的に負ける。 6A 芋の下段クラッシュ。あまり怖くない。 2A 下段蹴り。連打も出来ないのであまり怖くない? 3A 芋の中段クラッシュ。当たればコンボ痛い、かなり痛い。 DA 蹴り。ジャンプ狩られるかも。 B 固まる上弾がいっぱいでるので小銭カス当たりも狙えない。台風時は常にこれに気をつける必要がある。 2B 対空射撃。発生早め。迂闊にJ2Aを振りに行くと落とされる。固めにも使われて辛い辛い。 DB ブレイドシンカー。発生がかなり早く起き攻めに使われる。スペカキャンセルでダメージは加速する。 C 硬くて早い。霊魂はこれに潰される。地面に反射するがあまり怖くはない。 6C 硬くて早い。霊魂はこれに潰される。真っ直ぐ飛んでくる。通りすがりを当ててあげよう。入れてないけど。 2C 劣化離剣。怖くない。 DC グレイズ付きのダッシュ切り。何気に空ガ可。判定がかなり前に出ているのでこちらの攻撃が良くスカる。 JA 小町のJAより幾分性能がいいようで。バックダッシュJ6Aでたたっ切ろう。 J2A 専らグレイズ潰し。前ダで逃げようとするとよく刺さる。対地技としても一度止まるので近Aがスカされることもあるかも? J6A 小町のJ6Aで判定の長さの違いを思い知らせてあげましょう。 JB ガード厳禁。空中版B射撃。これも注意。 J2B 対地B射撃。これによる固めと霊力削りが辛い。 JC 壁に跳ね返って戻ってくるナイフ。硬いので霊魂は消される。グレイズするように。 J2C 対地射撃。早い。この時の咲夜さんのポーズがよくわからない。 J6C 空中版6C。これも投げてるポーズがよくわからない。硬い早い格好いい?の三拍子。 スキルカード マジックスターソード 6Cの強化版っぽい感じ。上下の幅が広くそれなりに痛い。全段ガードで霊力削り2.0。 離剣の見 芋の時よりは弱い。設置を重ねることが出来ないので起き攻めとしても弱め。Ver1.03からナイフの本数が増えた。 クロースアップマジック 対空技。発生が早くグレイズ付だあが打撃無敵ではない。空中可。 プロペリングシルバー 打撃を封じてくるので厄介だが、唯一の打撃技に上書きされる。射撃を撒いても特に意味がないのでお迎えで引っ張り出そう。 バウンスノーバウンス いっぱいナイフを投げる。手を出しにくいのが辛い。対空で出されて当たる時があり、注意。 スクウェアリコシュ 1本だが硬くてよく跳ねる。軌道を覚えて上手くかいくぐれ。コンボ中断されても泣かない。 バニシングエブリシング ワープ。芋の時より性能良くなってる気がするが、それだけ。 パーフェクトメイド J2Aの天敵。スカして小銭を投げてあげよう。 スペルカード 殺人ドール 同時攻撃可能で痛い。逃げるが吉だが起きあがりに打撃と重ねられるとかなり削られる。DBが驚異。 夜霧の幻影殺人鬼 すごい痛い。殺人ドールと違い一度画面外に出てから来る。さっさと逃げてしまおう。 プライベートスクウェア 弾幕は消せない。遅くなるけど予備動作見てから高飛びで逃げよう。相手は油断しきっているので余裕があればJ6Aで返り討ちに出来る事も。 咲夜の世界 ザ・ワールド。相手が完全で瀟洒な場合、最低2000程度は食らう覚悟を。しゃがみor高空でガードが安く済むか? ルミネスリコシュ よく見てグレイズしよう。縦と横にも出る。けっこう痛い。 エターナルミーク 後ろが安地。密着は安地ではない。無敵技でもない。コンボ以外で出してきたらグレイズしてフルコン。下段ガードで被害半減。 インスクライブレッドソウル 実は射撃なのでグレイズ可。ぶっぱで当たってもあまり痛くはないと思おう。 ソウルスカルプチュア こちらも射撃なのでグレイズ可。完全無敵になってかなり強化された。4000貰っても泣かない。 シルバーバウンズ ぶっぱしてきたらJ6Aで吹っ飛ばせ。起きあがりに撒かれてもあまり怖くない。多分。 咲夜特製ストップウォッチ 時計の数が増えたがやはりネタ気味。趣味の領域か。 空対空は有利、空対地も有利、地対空は五分、地対地は不利。射撃戦では勝てない。 昇竜にはグレイズが付いている。強化されたJ2Cで牽制しようとして良く刺さる。 空対地では相手の裏に回り込んでJ2A。2Bをスカせるけれどバウンスには当たってしまう。 空中戦ではグレイズに徹してJ6Aの間合いに入って叩き切れ。射撃撒かせたら不利になる。 地対地は避けよう。無理に逃げてもいい。DAで蹴られるかも知れないが。近Aの先端は咲夜の遠Aの間合いなので距離感いい人なら狙うのもいいかも。 地対空は5Aが蹴られるかも知れない。発生の早くなった3Aも読めたら振っていこう。下方向への射撃に注意。当たったらそこから痛いのを貰う。 相手のスペカはグレイズ可なのでよく見て反応するように。遠Aに合わされたら泣いてもいい。 まとめ 咲夜戦で最も重要なのが間合い。これは全キャラ対応だが。 咲夜さんは打撃も射撃も優秀だが打撃の間合いはやはり小町の方が有利。打撃が届かなくて射撃毎潰せる位置を張り付き切れれば勝てる。 実際は無理なので、最低でも対空、固めの抜けどころ、スペカ性能、打撃の間合いは把握しておく。敵を知りry 射撃撒かれると辛いことしかないが、間合いの広さを生かして、下手に射撃を撒いたら狩られると言う意識を植え付けること。 つまりチキンプレイに走るより大胆に打撃で牽制していった方がいい。咲夜さんも嫌がるに違いない。でも外した隙が大きいのは忘れてはいけない。 通りすがりは使う間合いでは咲夜さんの方が有利。不意打ちは当たるかも知れないけど、基本変えなくても困らないかも。 射撃を捨てて空間を掌握すれば勝てないことは無い相手。なので今すぐプラクティスで遠Aを千回素振りしてこよう。 遠A>6A>お迎えがDCで突っ込もうとするメイドに良く当たる。でも6Aの判定短くなったから中尉かなくて注意。 回避結界ポイントはJ2Aガード後。昇竜されたらどうするんだろ?
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作成者 ミスト 名前 神凪咲夜(かんなぎ さくや) 年齢 15歳 性別 女 血液型 AB型 生年月日 1月12日 身長 153cm 体重 43kg クルセイド学園高等部1-2 所属部活 無し 一人称 アタシ 二人称 キミ、アナタ、~さん等。友達に対しては~ちゃん、~君 好き 昼寝、美味しい食べ物(主に甘い物)、体を動かす事 嫌い 雷(へそを盗られると今でも信じている) 特技 修理費の計算(主に能力による被害) 設定 クルセイド学園に通う能力者。 突き抜けるほど明るく能天気な性格の持ち主、オブラートに包まず言うと馬鹿。馬鹿は馬鹿でもいい馬鹿なので友人は多い。語尾に「~ッス」という癖がある。 最近は喫茶店「日向」のチーズケーキが気に入ってるらしく一週間の内に4回ほど入店したのが目撃されている。 実は貴瀬本霧が目当てなんて噂も無くも無い。 能力「無限攻撃力」 この能力は単なる肉体強化でなく自身の攻撃力を最強に引き上げる事の出来る能力。能力発動時の攻撃に当たった場合、いかなる攻撃方法でもどんな敵も一撃で沈める(気絶させる)事が出来る、が。 自身に向けられた攻撃も最強化されるので先手を打たれると沈むのは自身である。 しかし、あまり喧嘩などをしないので主に使われるのは間違えて能力を発動して壁などを破壊してしまう時だけである。 フェイティア「万能ナオース君」 借金が6桁に到達した(校舎の修理費)あたりでコレはまずいと考えていたら生まれた 壊れたものを直してくれる小型ロボの軍団型?フェイティア。 しかし、直せるのは壊れる前の強度の六割が限界。 もちろん生物は直せない。 神凪咲夜 サクヤ,女性, AAAA, 130 特殊能力 底力,1 援護Lv1,5 130, 132, 141, 144, 136, 143, 普通 SP, 55, 信頼, 1, 集中, 4, 応援, 8, 加速, 19, 友情, 27, 癒し, 32 .bmp,-.mid 神凪咲夜 サクヤ,(人間(神凪咲夜専用)),1,2 陸,4,M,3000,500 特殊能力 ハイパーモードLv1=能力発動 神凪咲夜(無限攻撃力) 気力発動 3000,150,900,100 AAC-,-.bmp 投石, 500, 1, 3, +0, 10, -, -, AAAA, +5, 射 キック, 600, 1, 1, +0, -, -, -, AAAA, +5, 格 タックル, 900, 1, 1, +10, -, 10, 120, AAAA, +10, 接 神凪咲夜(無限攻撃力) サクヤ,(人間(神凪咲夜専用)),1,2 陸,5,M,3000,500 特殊能力 ノーマルモード=神凪咲夜 回数制限 100,150,50,10 SSS-,-.bmp 一撃決技,99999,1,1,+0,1,150,120,SSSS,+0,死接 #ハイパーモードが発動した場合確実に一撃必殺がモットー 。 #ただし先制されたり避けられたりすると一撃で落ちる 。 #ラスボスをも一撃で落とせるかもしれないバランスブレイカー
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咲夜11 11スレ目 721 3,2,1・・・はっぴぃニュウイヤァァ!! ラジオから流れているらしい音、ちょっと気になって覗いたのがいけなかった 彼女は俺が見ているのに気付いていないのかカウントダウンの瞬間にジャンプした 「・・・俗に言う年が変わる瞬間に地球に~とか言う奴か?」 こちらに気付いた様子はなくラジオから流れる曲に鼻歌で合わせたりしている 「咲夜さん?こんな時間にご苦労様です」 「え?あ、○○さん、こんばんは」 手元には・・・何処からどう見てもおせちだな 「おせち料理ですか」 「ええ、霊夢が面倒だから頼むとか言うし、お嬢様も食べてみたいとおっしゃるものだから・・・」 こんな時間まで頑張って作ってるというわけか 「それで一人寂しく年を越す瞬間を満喫してたわけですね」 「・・・・・・み、見てたんですか?」 「いや、私が見たのは年が変わる瞬間にジャンプして地球にいなかったとか言う子供のようなむぐぉ」 いきなり口に卵焼きを押し込まれた 「だ、誰にも秘密ですからねっ!」 「むぐむぐ・・・了解・・・ちょっと甘めですね」 「ちょっと砂糖を入れすぎたかしら?」 「ですね、まぁ俺はこれぐらいのほうが好きですけど」 焦げ目も無く綺麗に巻かれた卵焼き 他の料理を見ても日本食が下手ではない事が解る 「咲夜さんって家庭的だよね、料理も掃除も、家事全般ばっちぐーですもんね」 「まぁ・・・仕事だから」 「凄くいい嫁さんになれますよ」 「あ、ありがと・・・まぁ相手がいなきゃ結婚はできないけどね」 「相手?そんな山ほどいるでしょう?」 「あら?お世辞言っても何もでないわよ?」 といいつつ豆みたいなものを一口くれた、鶯?とても甘い 若干機嫌もよさそうな気がする 「少なくとも一人はいますよ」 「あら、何処のどなた?」 「貴女の目の前の俺」 きょとんと、目を丸くしている咲夜さん お得意の時間を止めるのが自分に作用しているように、ぴたりと動きが止まった 「え、あ・・・し、新年早々たちの悪い冗談は」 まな板に向かう咲夜を後ろから抱きしめた 握っていた包丁や里芋が鈍い音を立てて落ちる 「・・・嫌なら行動より言葉でお願いしますね、年明けて速攻串刺しは嫌ですから」 「今日は・・・冷えますね」 「?」 「もっと・・・その・・・ぎゅってしてくれますか?」 もう少し体を密着させて、抱きしめる力を強めた 「あー・・・咲夜さん」 「なんですか?」 「今年も・・・よろしく」 「は、はい!こちらこそふふ不束ものですがど、どうぞ宜しくお願いします!」 人生最高の年越し そして人生最高の元旦(予定 来年もこうして彼女と過ごす事が出来れば、それが最高のお年玉だろう ─────────────────────────────────────────────────────────── 11スレ目 992 たったの一言だけ・・・ 咲夜さん・・・貴方を愛しています。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 320 「○○さーん、ちょっと荷物を・・・」 「ほいほい、何処に運びましょうか?」 頼まれた大型荷物を倉庫やら私室やらに運んでいく お役に立てるのはこれぐらいしかないのだ 「ありがとうございました・・・すいません色々押し付けちゃって」 「いえいえ、いいんですよ・・・これぐらいでしかお役に立てませんから」 「そんなこと・・・ないですよ」 残念ながら自分のことは自分が一番解っている 掃除も料理も満足に出来ない私では荷物運びか夜の見回り警護くらいしかできない 昼間出歩ければもう少し何か出来るのだろうが・・・ 「○○さんが毎朝起こしてくれて皆助かってますし、気持ちよく挨拶してくれるから、皆喜んでます・・・ 夜だって今まで交代でやってた見回りを全部お任せできて楽になりましたし、今まで運べなかった家具とか お嬢様の気まぐれの模様替えとか、とても助かってます、○○さんがいないと、みんな困ります・・・だから・・・」 早口でいろいろ一気に言われたのでちょっと混乱した でも彼女の一所懸命な気持ちが伝わってきて、瞼が熱くなった、でも頑張って我慢した 感極まって、気がついたら抱きしめていた 「あ・・・」 行動の後にしまった、早まったなんて思った 殺人ドール?俺終了のお知らせ? しかし、予想に反して咲夜さんは抱き返してきた、柔らかい体の感触に、鼓動が早まるのが解った 「・・・私も、○○さんが居ないと駄目だから・・・一緒に頑張ってくれますか?」 「は、はい・・・もちろん・・・一緒に、頑張ります」 彼女が一緒なら、頑張れる、頑張っちゃう、張り切って相当頑張れる だから、彼女と二人三脚で、いっそ抱えて走るぐらいの勢いで頑張ろう 「咲夜さん」 「・・・なに?」 「これから・・・咲夜さんのために頑張らせてください」 「わ、私も・・・○○さんのために頑張りますからっ」 誰かに望まれて、必要とされて、居場所がある、それはとても素晴しい事だ そして私が望む人が、それに応えてくれる それは最高に素敵で、幸せな事に違いない ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 567 「お嬢様の花婿候補になりましたから修業を兼ねて私が色々教えて差し上げますね」 とか口実に咲夜さんと暮らす夢を見た。 色々って本当に色々なんだがとりあえず、 二人羽織だった。 やっぱりあれはパッドじゃないね。 「残念ながらお嬢様は貴方を選ばなかった様です。あんな事した責任取りますね」以下略 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 960 うpろだ899 「咲夜さん、ちょっとお時間よろしいですか?」 「ん?いいけど・・・」 ある晴れた日のことでした お嬢様の部屋の掃除を終え、洗濯物を洗い場に持っていこうというときでした 周りをキョロキョロと見回しながら現れた○○さん 彼は私を探していた様で、私のほうへ駆け寄ってきました 何の用事かは知らないけれど、彼の表情が真剣だったのでとりあえず仕事を中断し、彼についていくことにした つれてこられたのは中庭 ちょうど日も昇って暖かい 「それで・・・何の用事ですか?」 「・・・咲夜さん、私は・・・貴方の事が好きです、宜しければ・・・お付き合いしてください」 「・・・・・・・・・」 私は頭が真っ白になってしまった 人間は予想だにしない出来事が起こると、その状況を受け入れようとしない 「咲夜・・・さん?」 「え、あ、うぁ・・・・・っ!」 なにを思ったか、私は脱兎の如く、その場から逃げ出した 「ちょ!?咲夜さん!!?」 「ふぅん、それで・・・混乱して逃げてきたわけね」 今日も変わらず、本を読んでいた いつもと違う事と言えば・・・咲夜が取り乱して図書館に逃げ逃げ込んできた事ぐらいかしら 訳を聞いてみればなにやら訳の解らない状況になっているではないか 「頭が真っ白になっちゃって・・・気がついたら走り出してて・・・「パチュリー様ッ!」 図書館のドアが乱暴に開けられた、それと同時に低い、聞きなれた声が聞こえた 「ああっ!いらっしゃった!!」 反射的に逃げ出そうとした咲夜の襟を掴んで、○○の方へと向き直らせた 「くぁwsでrtgyふじこ」 「落ち着きなさい、ほらほら、○○もしっかり抑えて」 「ぱぱぱパチュリー様!離して下さいっ」 面倒なので咲夜の後頭部をつかんで○○と向き合わせ 「咲夜、落ち着いて・・・○○と目を合わせなさい」 「・・・・・・」 「咲夜さん・・・」 あらあら、体温が上がっている、耳も赤い こちらからは見えないがきっと顔はもっと真っ赤になっているだろう 「咲夜、貴方は○○の事はどうなの?」 「どどどどどうといわれましても」 「・・・○○の事、好きか嫌いか大好きかで答えなさい」 「パチュリー様、そ「○○は黙ってなさいっ!」 「わ、私は・・・その・・・・・・だ、大す、き・・・です」 よし、言った やっと言った まったく、その一言の為にどれだけの手間をかけさせるというのかしら 「さ、咲夜さん・・・お、俺も大すk「終わったなら出て行ってくれるかしら?静かに本を読みたいし・・・ここでいちゃつかれても困るわ」 幸せオーラに包まれている二人を外に追いやり、読書に戻ろうとした 「・・・疲れた」 他人の恋路なんて応援しても残るのは疲労と、ちょっとした安心感 「はぁ、誰か私の恋路を応援してくれないかしら」 言っては見たものの相手を見つけるところからはじめなきゃいけないなぁ 「たまには里にでも行ってみようかしら・・・なんてね」 そのときは下らない考えだと思ったパチュリーだが 咲夜と○○を見ているうちに恋人ウラヤマシスと思い、里まで出かける決意をするのだが、それはまた別のお話 終ワル ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 938 うpろだ909 バレンタイン。 それはある種のきっかけと成り得るものだ。 例えば、愛を告げるためのきっかけ。あるいは、お世話になった人へ感謝の思いを伝えるためのきっかけ。 さらに、たくさんのお返しをもらうためのきっかけ、というものもある。 私、十六夜咲夜にとっても今日は一つのきっかけとなるはずだった。 そう……、好きな男性に想いを伝えるための……。 最初は、ここで働くようになった外の世界から来た人間、というぐらいの認識しかなかった。 しかし、いつからか彼のことを目で追うようになっていた。 それだけでなく、いつも彼のことを考えるようになった。 今日は一度も話せなかった。今日は彼と手が触れた。今日は彼の笑顔が見られた。考え出すときりがない。 そして、彼の事を考えれば考えるほど、鼓動が速くなり、顔が赤くなる。 ああ、そうだ。私は彼に恋をしているのだ。そのことに気がついたとき、私は目に見える世界の全てが素晴らしいものであるように感じた。 それからは仕事が忙しいこともあり、その仲はあまり進展しなかった。 そんな私にとって今日という日は絶好のチャンスだった。けれど……。 私は溜息を吐き、机の上に置かれた箱に目をやった。 それは赤いチェック模様の紙に包まれ、薄いピンクのリボンが巻かれてある。 これは今日の朝に、他ならぬ○○から受け取ったものだ。 曰く、日頃のお礼です、だそうだ。 バレンタインは女性から男性へ贈り物をする日ではないかと問えば、男でもお世話になった人に渡す人はいますよ、と。 私自身も、他のメイド達からチョコを受け取ったことがあり、そのことは理解できなくもない。 しかし、お世話になった人、彼の中での私の評価がその位置にあるという事実は、私の小さな決意を打ち砕くには十分だった。 いや、今一度考えてもみれば、私が一方的に好意を抱いていただけなのだ。 このことで彼を責めるのは酷と言える。 だが、私はどうやってこの沈んだ気持ちに整理をつければいいのだろうか? 私は椅子に深くもたれかけて、両手を上げ、大きく体を伸ばした。 懐から取り出した時計を見ると、昼休みも残り十五分といったところだった。 いや、まだきっとチャンスはある。 今日伝えることはできないが、いつかは伝えられるだろう……。 と、私は顔を左右に振り、その思考を否定する。 今まで、そんな風に考えていて、想いを伝えられなかったことを忘れたのか。 だから、今日という日に賭けたのではなかったのか。 しかし、それも……。 考えれば考える程、思考はどうどうめぐりを繰り返す。 まるで、夜霧に迷い、行き場所がわからなくなってしまったみたいだ。 いくら考えても埒があかない。 何度目かの思考でようやく気付いた私は、とりあえず気を紛らわせるために、彼からの贈り物を開けてみることにした。 リボンを外し、包装を丁寧に剥がす。中から現れたのは品の良い白い小箱。 私はさらに小箱のふたを開けた。 中に入っていたのは、六種類の小さなチョコレート。 どれも綺麗な形で、それでいてそのどれもが違う形をしていた。 もしかしたら、中に入っているものや、味が違うのかもしれない。 そこで私は初めて、ふたの裏側に二つ折にされた小さなカードが貼り付けてあるのに気がついた。 私はそれを手に取り、開いて読み始めた。 十六夜咲夜さんへ 今回、私は自分の想いを伝えるために、このような手段を取らせて頂きました。 その不甲斐無さを笑って頂いても構いません。 しかし、それでもあなたに伝えたいことがあるのです。 私はあなたのことが好きです。 初めて会ったときから、あなたのことが好きでした。 そして、その想いは日増しに強くなっていきました。 あなたの凛とした姿、時折見せる優しさ、全てが好きです。 あなたにとっては、いきなりのことで驚かれたと思います。 けれど、もし良ければ返事を下さい。 ○○より その文章はとてもぎこちないものだった。けれど、誰よりも丁寧に書かれたものであることは理解できた。 私はそれを読み終えたとき、自分の顔がこれまでにないくらい紅潮していくのを感じた。 何というか、ストレート過ぎるというか、思ってもみなかったというか、さっきまで悩んでいたのが馬鹿みたいというか。 しかし、私は今間違いなく、嬉しいと感じている。 それだけは断言できる。 私は彼が作ったチョコの一つを口に運んだ。 それは上品な甘さのミルクチョコレート。 どことなく彼らしい味だ。不思議とそんなことを感じた。 それを食べ終えた私は、自分の机の引き出しを開け、そこに入っていた一つの小箱を取り出した。 それは青い包装紙に包まれた、愛する彼への贈り物。 まだ昼休みが終わるまでには時間がある。 私はさっそく行動することに決めた。 私の返事と想いと贈り物と少々の憎まれ口を彼に叩きつけるために。 私をあれだけ悩ませたのだ。もっと男らしく告白しろ、の一言ぐらい言っても罰は当たるまい。 私は白い小箱にふたをして、椅子から立ち上がり、上機嫌で自分の部屋を後にした。 その右手に、青い小箱を持って。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 13スレ目 77 俺は咲夜さんを探して図書館まで足を運んでいた。 「なぁ、パチュリー咲夜さんどこにいるか知らないか?」 「咲夜だったら今ここにきているわ。なにか用なの?」 「ああ、ちょっと探し物をしていて見つからないから探すのを手伝ってもらおうと思ってな」 「そう。あ、ちょうど今戻ってきたわよ」 そう言われて視線を向けるとこちらに向かってきている咲夜さんが見えたので声をかけた。 「あ、お母さん」 どんがらがっしゃーん 凄まじい音を立てて咲夜さんがすっころんだ。と一瞬で俺の首筋にナイフをあてて笑っている咲夜さんがいた。 うわぁい、すごくいい笑顔なのにマジデコロスって殺気がビンビン伝わってきます。正直たまりません(恐ろしくて) 「うふふふふ、おもしろいこと言ってくれるわね○○? もう一度言ってくれるかしら?」 「いや、ちょっと間違えただけですって。良くあるでしょ? 上司や先生を間違えてそう呼んじゃうこと? ね?ね?」 「へぇ、つまり○○は私のことオバサンっていいたいことかしら?」 あぁ、何を言っても悪いほうにしかとってくれない…… 「パ、パチュリーたすけて……」 しかしパチュリーは顔を本で隠してプルプル震えていた。ダメだこりゃ。 「ぷっ、あははははっ。だ、だめ、ツボにはいった。さ、咲夜がお母さんって、あははははっ」 「ちょっ、パチュリー様までなにいってるんですかっ!?」 「でも、咲夜ってたしかにお母さんって感じはするわね。メイド長って肩書きがなければ○○が言ったこともあながち間違いじゃないわね」 「い、いやでもっ」 よし、パチュリーの相手に夢中になって俺の方に注意が薄れた! チャンスは今しかないっ! 「隙ありっ!」 俺は手を伸ばして咲夜さんの胸を鷲づかみにした。 「やあんっ!?」 急に胸をつかまれてひるんだ咲夜さんの脇をすり抜けて一気に逃げ去ろうとした。 「ちょっと! ○○待ちなさい!」 「嫌でーす! 今度捕まったら何されるかわかりませんからー! あと今日はP○D入れてなかったんですねー、おっぱいすごくやわらかかったでーす!」 「ほう……いい度胸ね……いいわ私も本気でいかせてもらおうかしら……」 咲夜さんがスペルカードを取り出そうとしているのを見て俺は更にスピードを上げて逃げ出した。 その後ス○ーク並みのスニーキングを行ったが結局見つかってしまい、今は縄で縛られた状態で椅子に座らされて頭にはリンゴが載せられている。 「はぁ、まったく手間をかけさせてくれたわね」 「すみません。反省してますのでこの縄解いてください」 「だめよ。まだ私の気が済んでないもの」 いきなりナイフを投げてくる咲夜さん。それがリンゴの横スレスレに投げてくるのが恐ろしい。 「それにあのあと大変なことになったんだから」 そう言って咲夜さんは語り始めた―― ○○を見失って私はしばらく屋敷中を探して歩いたが○○の姿形も見当たらなかった。逃げ足だけは本当に速いのだから。 途中でメイドからお嬢様が紅茶を持ってきて欲しいと伝言を頼まれたと聞き、一時捜索を中断してお嬢様に紅茶を持っていった。 「お嬢様。紅茶をお持ちいたしました」 いつものようにお嬢様から労いの言葉がかけられるはずだった。 「ん、ありがとう。お母さん」 ぎごんっ ありえない音を立てて私は頭からすっころんだ。 「おおお、お嬢様?」 「パチェから聞いたわよ? あなた○○にお母さんって言われたそうね?」 「あ、あれは言い間違いだって本人も認めていますっ」 「けれどいいえて妙ね。たしかにメイド長もお母さんも本質的には近いのかもね。今度から完全で瀟洒なお母さんって名乗ってみれば?」 「お嬢様? いい加減ふざけるのはやめてもらえませんか?」 「あら? ふざけてる気はないんだけど? その証拠にほら」 「あー、お母さんだー」 その声に振り向くとフラン様が私を指差してそう呼んでいた。 「あ、あのフラン様? なぜ私をお母さんと?」 「え? お姉様がそう呼べって言ってたからだけど」 「ふふ、そういうこと。これからはみんながあなたのことをお母さんって呼ぶようにしたから。ほんと○○が来てから退屈しないですむわぁ」 私は目の前が真っ暗になったような気がしてがっくりと膝をついた…… 「それから会う人会う人にお母さんって呼ばれてついにはあの白黒にまで言われたわ。でも中国がお母さんって言ってきたときはハリネズミにしてやったけど」 うわぁ、めーりんヒサン。しかも話しながらナイフを寸分違わず投げてくるのはやっぱりスゴイ。主に俺の顔面脇スレスレに。 「それでもね、みんなからそう言われてきてお母さんも悪くないかなって思ってきたのよ。ただしお父さんは○○じゃないとダメだけれど」 やわらかく微笑む咲夜さん。俺はおもわず見とれてしまった。 「でも、お母さんって呼ばれるには子供がいないとだめなのよね」 いきなり俺を持ち上げるとベットまで運んでいって縄を解き始めた。 「え? え? 咲夜さんちょっと?」 「一姫二太郎って言葉もあるし始めの子は女の子がいいわね。それじゃがんばりましょう、お父さん」 そのまま俺にキスをした咲夜さんはしゅるりと胸のリボンをほどいて俺に覆いかぶさってきた―― (省略されました。続きが見たい方は紅魔館でPAD長と叫んだ後一日咲夜さんから逃げ切ってください) ─────────────────────────────────────────────────────────── 13スレ目 165 「〇〇・・・また解雇されたわ・・・これで五軒目よ・・・」 帰ってくるなり咲夜は玄関でがっくりとうなだれる。 …あそこをクビになるのはそんなに屈辱なのだろうか? 「・・・あぁ、まあ、次があるさ。 就職先が見つかるまで家に居ていいからさ」 「ええ・・・ごめんなさいね・・・家事位しか出来なくて・・・」 なんて言いながらも一瞬の内に台所へ移動し、 冷蔵庫の中身で夕餉の支度を始める。 「うん、こちらこそいつもありがとうね」 「ところで咲夜さん、」 「どうしたの?」 ふぅ、深くため息をついた咲夜さんに聞いてみる。 …結構無理そうなのに、 「何であの職にこだわるの?」 「・・・だって、幻想郷に帰った時に腕が鈍ってたら、お嬢様に申し訳ないわ」 「・・・多分咲夜さんは向いてないよ、あれ」 「む・・・私は完璧で瀟洒に仕事をしてるつもりだけど?」 いや、多分それが問題だよ。 「うーん・・・じゃあさ」 …言って、みるかな。 「こ、ここでメイドとして住み込みで働くのは駄目なの?」 そうすれば一緒にいれるし、 働いているって面子も・・・ 「勿論無理ね」 あらあ・・・orz 「好きな人から搾取するのは趣味に会わないわ」 そう言って、咲夜さんは微笑んだ。 「って、何も解決してない気がする・・・」 「あら、ロマンが足りないわね。 ・・・それに、メイドだったらこんな事も出来ないじゃない?」 ぎゅ 咲夜さんはメイド喫茶で働いてもなんか上手くいかない気がするぜ。 完璧過ぎてry ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1050 十六夜咲夜は瀟洒にして従順な悪魔の狗である。 故に主の指示は絶対。何においても優先されるべき事項であらねばならない。 だから、 「咲夜。貴方は少し時間操作に頼りすぎるキライがあるわ。それでは現状からの脱却は図れない。成長なんてあるはずもない。なので当分の間使用禁止ね。いいって言うまで時間止めちゃ駄目だから」 等という無体極まりない事を言われたとしても遵守せねばならないのだ。 それ絶対今思いつきましたよね。なんて思ってても口に出さず、ただ一言、了承の意を表す。 現状からの脱却、新たなステージへの扉。結構ではないか。 お望みとあらば如何なる私にでも成りえましょう。この身は常に、髪一本から血液に至るまで貴方だけの物なのだから。 「あ、当然だけど職務上の失態にはペナルティーを課すから。とりあえずワンミスにつきスカート膝丈マイナス1cmね」 「……ハイ」 うるさい。泣いてなんかない。 「場合が場合だし否も応も言ってられないわ。不本意ではあるけど私の手が回らない分はサポートをお願い」 「期待してたわけじゃないですけど、わざわざ呼び出されて上にそこまで言われたんじゃ流石に凹みます」 能力を制限しての職務遂行に不安を感じた私は、まず補佐をつける事を考えた。 美鈴は(仮にも)門番なので持ち場を離れさせるわけにはいかないし、小悪魔も立場上、パチュリー様の傍を離れるわけにはいかないだろう。妖精メイドでは、とてもではないが任が務まるとは思えない。 そこで白羽の矢が立ったのは、先日湖畔で行き倒れていた所をお嬢様の気まぐれで拾われた○○という男。 捨ててきなさいと主張する私やパチュリー様に対してお嬢様はしたり顔で「これも運命よ」等とのたまったものだが、そんなノリで近い将来紅魔館が浮浪者だらけにならないか、密かに胸を痛める日々である。 さりとて、○○も全くのゴクツブシというわけでもないようだった。 労働力の足しにでもしてくれと言う彼にとりあえず仕事を与えてみたのだが、これが存外に覚えも早くその仕事ぶりもなかなか配慮が行き届いたものだったので、これには正直驚かされた。 現に今も不満を口にしながらも呼び出しに素直に応じる辺り、職業意識も悪くない。 だというのに、ただ一つ、どうしてもこの男に素直な評価を下せない理由がある。 「しかし能力制限とはまた思い切った事を始めたもんですね」 あたかも自分が難題を仰せつかったかのように、難儀そうに言う○○。 「だからといって完成度の低い仕事をするつもりはないわ。無論手を抜くつもりもね」 「立派ですけどあまり無茶はしないで下さいよ」 そう言って今度は苦笑交じりにこちらを気遣ってくる。こういう所は素直に好感がもてる。 そこでふと、○○は何かに気付いたかのように真剣な顔で考え込み始めた。 時折こぼれる「そうか、普通の人と……」という呟きが、何やら不穏な気配を感じさせてやまない。 「あの、○○?」 放って置くべきかとも思ったが、異様な雰囲気にのまれてつい声をかけてしまう。 そしてそれはすぐに失敗だったと後悔する破目になった。 名前を呼ばれた○○は俯き加減だった顔をガバッと上げて、妙な決意を宿した眼をこちらに向けて一息にまくし立てた。 「つまり今の咲夜さんは普通の婦女子となんら変わらんわけですね!? 今なら勢いに任せて強引なイチャイチャ展開も可だと!」 「ちょっと落ち着きなさい。○○」 「大丈夫。心配はいりません。腐ってもこの○○、紳士です。普段と違う状況下で内心小動物のように震えているであろう貴方の心ごとエスコートして差し上げます」 「妄想なら自分の部屋でやってもらえるかしら」 「っていうか正直、辛抱たまりません。咲夜さん愛してr」 いい加減うんざりしてきたので、取り出したナイフで頬をペチペチ叩いてやると○○はおとなしくなった。 「さっき言ったわよね?『手を抜くつもりはない』って。部下の躾も然りよ。オワカリ?」 「・・・いえす、まむ」 「よくできました。それじゃ別命あるまで待機。以上」 「ラジャー」と力無く答えてトボトボと去っていく○○。 本当に、ああいう所さえなければ評価してあげてもいいのだけど。 「○○」 「なんすか」 「後で買い出しにいくから里まで付き合いなさい。荷物持ちよ」 俄かに○○の顔が喜色に染まっていく。 「デートですか!」 「だから荷物持ちだって……あぁ、もう如何とでも取ればいいわ」 なんにせよ、こんな事で子供みたいにはしゃぐ○○を見ていると、こう思わなくも無い。 当分はこのままでも良いかもしれない。と。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1058 ガシャーン けたたましい音と共に調度品がコナゴナになった。 「ああ、また……」 「咲夜さん、大丈夫ですか?」 「いえ、さすがにこれほどコナゴナになってると直すのは無理ね……」 「いや、俺が言っているのは咲夜さんの方ですが」 「私のことはいいから、ほらホウキとチリトリ持ってきて」 「はい」 言われた通りにホウキとチリトリを持ってきて粉砕された壷を二人で掃除しながら俺は咲夜さんを見ていた。 今日の彼女はどこかおかしい。さっきみたいな普段しないようなミスをしたりボーッとして話しかけても上の空だったりしている。 紅茶に間違えてトカゲの血を入れてお嬢様が噴出した時は笑いを堪えるのが大変だったが。 「本当に平気ですか?」 「……え、ごめんなさい。聞いてなかったわ。それでなに?」 「咲夜さん、やっぱり休んだほうがいいですよ」 「そうもいかないでしょ、私が休んだら誰が紅魔館の仕事を行うの?」 「それはそうですが……」 「ムダ口はそれ位にして、これを捨ててきてちょうだい」 渡されたゴミを持ってゴミ捨て場に向かおうとしたら、背後でパタリと何かが倒れる音がした。 慌てて振り返るとそこにはうつ伏せになっている咲夜さんがいた。 「あ、あれ? おかしいわね、なんで急に」 無理に体を起こそうとするが腕に力が入らないのか、また倒れこんでしまう。 「ほら、やっぱり無茶してたんじゃないですか」 「な、何言ってるのよ。これは転んだだけよ、すぐ立ち上がるからあなたは別の仕事をしてなさい」 そう言って三度起き上がろうとするが、その姿はまるで病人が無理をしている風にしか見えない。 「咲夜さん、失礼します」 「きゃっ!?」 彼女の背と膝の下に手を入れて抱きかかえるようにして立ち上がる。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。 「ちょ、○○! 下ろしなさい!」 「だめです。このまま部屋まで連れて行きます。で、場所は何処でしたっけ?」 じたばたと暴れていた咲夜さんだったが、逃げられないことを悟るとしゅんとして大人しくしてくれた。 「……そこを右に曲がって突き当たりの部屋が私の部屋よ」 「わかりました」 部屋のドアを開けて中に入り、ベットに咲夜さんを寝かせる。ここまでほんの少しの時間しか経ってないのに彼女は気を失っていた。 布団をかけて俺は永遠亭に足を運んだ。 「疲労ね。しかも疲れがとれてない状態でかなり無茶をしているわね。今日は一日休養を取らせなさい」 「わかった。ありがとう永琳」 永琳を見送ったあと部屋に入ると咲夜さんはベットから起き上がろうとしていたので慌ててベットに寝かす。 「と、とめないでちょうだい、まだ仕事が残ってるんだから……」 「駄目ですってば。今日一日はゆっくりしていなくちゃいけないって言われたばかりでしょう?」 「で、でも掃除が……」 「それは小悪魔とメイド妖精がやってくれてます」 「せ、洗濯もまだ……」 「美鈴が今干してます」 「う……それじゃあ料理にお嬢様のお世話は……」 「料理はパチュリー様が、お嬢様は自分でできることは自分でしてわからないことは明日聞くそうです。 あとお嬢様の言付けで、「咲夜にそんなに負担をかけていたなんて主失格ね。今日は一日休むこと。これは命令よ」とのことです」 「……わかったわ。で、あなたは何をするの?」 「咲夜さんの監視だそうです。放っておくと何かしら始めるだろうからそれを食い止めなさいって。実際起き上がろうとしてましたし」 「い、痛いとこ突いてくるわね……。わかった、今日は休養を取らせてもらうわ」 ようやく落ち着いて休みを取ってくれることになり、ほっと一安心だ。 が、何故か顔を赤くしてこちらをチラチラと見てくる。何だろう、何か言いたいことでもあるのだろうか? 「あ、あの○○……着替えたいのだけれど」 「あ、そ、そうですね、俺がここにいたら着替えられませんよね。じゃ外にいますので着替え終わりましたら声をかけてください」 ギクシャクとした動きで部屋の外に行き、声がかかるまで待つ。あー顔が熱い。 しばらくして、もういいわよと言われたので中に入ると部屋着に着替えた咲夜さんがベットに寝ていた。 「……こうして二人きりになるのは久しぶりね」 「そうですね、会ったとしても会話はほぼ仕事のことばかりでしたからね」 「ねぇ、何か話して」 「話っていってもこれといって面白いことはないですよ」 「それでもいいわ」 「ええそれじゃあこの間神社であったことなんですけど……」 ――少女、青年談笑中―― 「で、結局魔理沙が一番被害を被ったわけで」 「まあ、自業自得というやつね」 と、ドアをノックする音が聞こえたので開けるとそこには茶器を持った美鈴がいた。 「お見舞いにきちゃいました。大丈夫ですか? 咲夜さん」 「あんまり良くはないわね。ところでそれは何?」 「ふふふ、これは特製の漢方茶です。これさえ飲めばたちどころに疲れなんか吹き飛びますよ!」 「……美鈴、あんまり言いたくないけどそれ高麗人参とかガラナやにんにくなんて入れてないよね?」 「失礼ですね○○さん。普通のお茶ですよ。ささ、冷めないうちに飲みましょう」 テキパキとお茶の準備をする美鈴。普段は門番としての姿しか見ていないので手際のよさに驚いた。 それは咲夜さんも同じようだった。 そして彼女の淹れてくれたお茶を飲んでみる。ふむ、甘い香りが鼻を通り抜けお腹の中からぽかぽかと暖めてくれる。すごくおいしい。 けれどもこのお茶、めちゃくちゃ眠気を誘う。なんでもない俺が眠気を耐えるのが精一杯なほどだ。 咲夜さんの様子を覗うとうつらうつらとして心ここにあらずという状態だ。 「……○○さん、どうやら効いてきたみたいですね」 「美鈴いったい何したのさ」 「このお茶元々リラックス効果が高いんですが、寝つきを良くする茶葉を多めに入れてみたんですがどうやら成功したみたいですね」 「なるほど、その薬草の力で眠らせてしまおうってことだったのか」 お茶を飲み終えると美鈴は茶器を片付けると部屋を出て行ったがドアから顔を出してこっちを見ていたので 何かまだあるのかと思っていたらニヤニヤと笑いながら俺に話しかけてきた。 「○○さ~ん、いくら咲夜さんがぼ~っとしてるからってネチョいことしちゃダメですよ~」 「ばっ、誰がそんなことするかっ!!」 「きゃ~怒られた~」 まったくいつも一言多いんだからな美鈴は。 俺はベットの側に行き、咲夜さんに話しかけた。 「咲夜さん眠そうだから、俺はこれで失礼します。何かして欲しいことありますか?」 「えっと……それじゃあ」 布団で顔を半分隠して上目遣いでこう言った。 「……お休みのキスをちょうだい」 「ああ、お休みのキスですね。わかりました……ってええっ!?」 うう、急にそんなことを言われるとは思わなかった。 だっていつもは完全で瀟洒なあの咲夜さんが今は普通の女の子になっているんだぜ!? そしてさっきから軽く目をつぶっていつでもどうぞっていわんばかりの姿だし。 しかし、ここで期待に応えなければ男じゃない! 俺はおずおずと彼女に覆いかぶさり 「い、いきます」 「ん――」 彼女と唇をそっと合わせた。 「――これでいいですか?」 「うん、元気も貰ったし明日にはいつも通りになると思うわ」 「それはよかった」 「本当なら続きもしてあげたいんだけれどこんな状態じゃあね。だから元気になるまでお預け。 そうしたらキスもその先もいっぱいいっぱいしてあげるから」 「あ、あぅぅ……」 「あら、赤くなっちゃってかわいい。あふ……それじゃおやすみなさい」 すぅ、と咲夜さんの吐息が落ち着く。眠ってしまったようだ。 俺はドアと開けると咲夜さんを振り返って最後にこう告げた。 「お疲れ様です。メイド長」 静かにドアを閉めると部屋を後にした。 ───────────────────────────────────────────────────────────
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咲夜15 新ろだ344 「○○様、紅茶をお入れしました」 本から目を離し、振り返る テーブルの上には紅茶が湯気を上げていた 「ありがとうメイド長」 彼女は一礼すると部屋を出て行った レミリアの世話になり始めてもう何か月か 幻想郷は居心地良く、だらだらと長居している といっても基本的に紅魔館の中にばかりいる、たまに散歩には出るが 「・・・パチュんとこで魔導書あさるか」 空になったカップを持って、部屋を出た カップを置いていこうと途中でキッチンに寄ると 「やぁメイド長、昼食の支度かな」 何人かの妖精メイドがキッチンをせわしなく飛び交っていた 「○○様?紅茶のお代りですか」 「いや、図書館に行こうと思ってね、カップだけでも返しておこうかと」 「わざわざありがとうございます」 カップを流しにおいてその場と後にしようとし、足を止め忘れていたセリフを 「美味しかったよ、また頼む」 「は、はいっ!」 おれはその返事を聞いてその場を後にした 「いつにもまして気持ち悪いわね」 「黙れ魔女、夜中にひゅうひゅう苦しそうに息してた時に助けてやっただろうが」 「押しつけがましいわね、大体何かしたわけじゃないじゃないじゃない」 「一晩一緒にいてやったじゃねーか」 少し前のことだ、夜中にふらふらしてるとこいつが苦しそうにしてたので一晩ついてやったのだ 「だからこうしてここで本を読むことを許可してるんでしょ」 「ああ、そうだな・・・確かに大きな見返りだ」 本に視線を戻した、ここにある貴重な書物、それは退屈しのぎには実に程よい 「それで、なんで機嫌がいいのかしら」 「んー、そうだな・・・紅茶が美味しかったから」 パチュリーはあきれ顔で俺を見ると数秒硬直した 「随分と些細な幸せね」 鼻で笑うように、俺を茶化す 「ああそうだな、しかしそういうものこそ得難いものだ」 「ふぅん」 理解できないか、彼女にはどうでもいいことなのか、今度こそ本当に、本へ意識を向けた 「やぁメイド長、夕食ごちそうさま」 夕食を食べ、ふらふらと屋敷を歩いていると、メイド長に会った 「御口に会いましたか?」 「うん、美味しかったよ、君みたいなメイドが我が家にもいればなぁ」 「あ、ありがとうございます」 「そうだ、後で紅茶を持ってきてくれないか?君の入れる紅茶はとてもおいしくてね」 「は、はいっ!喜んで」 「なぁレミリア、いつまで付いてくるんだよ」 咲夜と別れた直後、後ろの気配に言葉をかける 廊下の角からレミリアが姿を現した 「いやぁ、咲夜といちゃいちゃしてるものだから、気になるじゃない」 くすくすと笑いながら、彼女は近づいてきた 「のぞき見とは趣味が悪いな」 「咲夜を持っていくつもり?」 「ああそうだな、彼女が付いてきてくれるならうれしいけどなぁ」 「頑張って口説きなさい、私は邪魔するけどね」 それじゃあお休み、そういうと彼女は身をひるがえして 「おい、ちょっと待て、なんで神槍持ってんだ」 どこに持ってたのか、馬鹿でかい槍を肩に乗せて振り返る 「あなたは私の友人だけど、だからと言って容赦しないわよ(はぁと」 吸血鬼のくせに太陽みたいな明るい笑顔で言いやがった 「・・・頑固おやじかあいつは」 娘は貴様にやらん!なんて幻聴が聞こえたりした気がしなかったり 部屋に戻ると、扉が開いていた 部屋の中をのぞくとメイド長が椅子に座ってぼうっとしている 「メイド長?」 「え、あ、○○様」 彼女は跳ねるように椅子を立った 「すみません!紅茶をお持ちしたのですがお部屋にいらっしゃらなかったので、勝手に、その」 「いや、こちらこそすまない・・・紅茶、もらえるかな?」 「は、はい!」 ポットから注がれた紅茶は湯気を上げていて、入れたばかりのようだった 彼女に紅茶を頼んで、レミリアと会って話して・・・30分ほどか? これの時を止めていたということか、なるほど便利だ 「まぁ座ってくれ、少し話し相手になってもらいたいんだが・・・いいかな?」 「そ、それでは、失礼します」 「・・・そうだ、お礼というかお詫びというか、これを上げよう」 棚の中をあさり、あるものを取り出した 「・・・板?ですか」 「チョコレート・・・こっちじゃこういう趣向品が貴重だっていうからいろいろ持ってきたんだけど」 いまいちセンス悪く人気がないのだ 「レミリアに土産を上げたんだが返品された」 「な、何を上げたんですか」 「インドネシアの魔よけの木彫り人形をやったんだ」 上げてから3日目に「夜中に動いたバカー!怖いだろー!」と言って突き返されたがね お前それでも吸血鬼かと 「ぶっ、お嬢様・・・可愛い」 何やら肩を震わせて悶えてるぞ、鼻から赤い物体が見えた気がしたけど気のせいだ それから少し話をした 彼女とお茶を飲むのは、なかなか楽しかった 本当は昼間に庭でお茶したいのだが、彼女はなかなか忙しそうで誘いづらい 「長々と悪かったね」 「いえ、お話できて・・・楽しかったです」 「・・・夜に食べると虫歯になるぞ」 彼女にあげたチョコを指して、そういうと 「う、気をつけます・・・」 カップやソーサーやらを片づけながら、彼女は意を決したように、こちらを見た 意気込みというか、気圧された な、なんだ、何かしたか? 「あの・・・よろしかったらまた、ご一緒してもよろしい、ですか?」 間 一瞬理解が遅れた 「あ、ああ・・・良かった、もしよかったらまた、って言おうと思ってた」 「そ、それでは、おやすみなさい」 「紅茶美味しかったよ・・・おやすみ、咲夜」 「え・・・」 「あ、いやメイド長って呼びにくいなって思ってて・・・いやだったか」 「いえ!そんなことはっ」 「そっか・・・よかった」 「あの、私も・・・」 「ん、呼び捨てでも、好きに呼んでくれ」 「で、では・・・○○さん」 「・・・ひと文字しか変わらんではないか」 「いいんです、これが呼びやすいんです」 彼女はそういうと胸を張った まぁ好きなように呼べと言ったし 「そ、それではおやすみなさい」 「おう、おやすみ」 ばたん ドアを閉じる、静かなせいか 咲夜が歩いてゆく音が、はっきりときこえていた 振り返るとカーテンの向こうで何かが動いていた 「・・・・・・」 カーテンを勢い良く開く そこには吸血鬼姉が窓に張り付いていた 「・・・みなかったことにしよう」 そっとカーテンを閉めた がたがた 諦めて窓を開けた 「何の用だレミリャ」 「いちゃいちゃしてるじゃない、あんたって昔こんなだったかしら?」 あざ笑うように、小馬鹿にしたように 「あんたって、ジゴロ?」 窓の縁にかかった手、そして足を手で払う とん、と軽く突き飛ばした あ、という短い声を残して、窓枠という画面からフェードアウトした 「夜行性につきあってたらきりがないな」 ベットに上がって布団かぶった 窓がガタガタと言っていたが、きっと風が強いに違いない 俺は音を遮断して、眠りについた 終ワル 痛くて苦いマリッジブルー(新ろだ527) 「ほんとはもう、今日から誰も中に入れちゃいけないことになって るんですけど……いいですよ、○○さんなら……」 「ありがとう」 僕は扉を開け、滑り込むようにして中に入る。真っ暗な部屋の中 は、蝋燭の灯りだけが頼りだった。沢山の服が並ぶ、所謂ドレス ルームの中を、気を遣って歩きながらとある場所を目指す。 そしてある一角に辿り着くと、それに向かって蝋燭の火をかざし た。すると暗闇の中に薄っすらと目的のものが浮かび上がった。 ――ウェディングドレス。 本来昼間であれば純白のそれは、今では黒がかったオレンジ色に 染まっている。それを見て僕は思わず息を飲む。改めてその繊細で 豪奢な意匠に圧倒された。 ……僕はこれを見て一体どうしたかったのだろう? 見張りの妖 精メイドが偶然仲の良い子だったからか? それもあるけど、ただ の切欠に過ぎない。 ――ビリビリに破って明日の式を台無しにしたい? ――これを着た彼女が自分の隣に立っているのを想像して、悦に 入る? その何れかだったかもしれないし、そのどれでもないのかもしれ ない。言葉に出来ない想いが身体の中に不純物のように溜まってい て、それをどうにか処理しようと全身の細胞がもがいている。今に も四散してしまいそうな心をかろうじて繋ぎ留めているという感じ だ。 ……こんなことをしていても仕方がない。明日は早朝から準備が あるんだ。会場の準備は概ね終わっているものの、予行や料理や接 遇は当日でなければ出来ない。特に予行は、式の陣頭指揮を執るお 嬢様がギリギリまで注文をつけてくることは確実だ。その為にも、 少しでも休んで英気を養わなくちゃいけない。 だからもう戻ろう。僕はドレスに背を向けて部屋を出て行こうと した。 「…………○○?」 暗がりから突然名前が囁かれて、僕は身体がびくっと震えた。そ の足音は蝋燭も付けずに徐々に僕に近づいてくる。そして灯りの範 囲に入ると、滲み出るように見慣れたその姿が露わになった。 「咲夜、さん……?」 「○○……どうしたの? こんな夜更けに。貴方には、明日の準備 のために、ちゃんと休んでおくようにと言っておいたはずよ?」 「それを言うなら、咲夜さんこそ……。明日は大事な日なのに、こ んなことをしていていいんですか?」 目の前に姿を現した咲夜さんは今だメイド服のままで、僕はひど くうろたえた。こんなところにいるのを見つかったのも勿論だが、 それ以上に……あってはならないことだったからだ。 「ちょっと眠れなくて。だからこの服に着替えて、いつものように していようと思ったんだけど……気がついたら、足がこちらに向い ていたの」 咲夜さんは熱い眼差しでウェディングドレスを見やった。それは 憧れや不安がない交ぜになったような、複雑な色彩を帯びていたよ うに思う。 普段は落ち着いている咲夜さんも、やはり人生の重大事を前にし て、冷静ではいられないということなんだろうか……。僕の胸がき りきりと痛む。早く、ここから立ち去ってしまいたい衝動にかられ る。これ以上、苦しいのはたくさんだ……。 「やっぱり、前日ともなると咲夜さんでも緊張するんですね」 「まあ失礼しちゃうわね。私だって、色々なことをしてきたつもり だったけど、こういうことは初めてだし……冗談みたいに聞こえる かもしれないけど、やっぱり落ち着かないわね」 「いえ、そういうつもりじゃなくて……なんというか、その……」 「……○○こそどうしたの? 最近元気が無くて、ちょっと心配な のよ」 「そ、そんなことありませんよ! 僕は元気です、元気! 仕事も ちゃんと咲夜さんに言われたとおりやってますよ」 僕の顔を覗き見る咲夜さんに気恥ずかしくなって、力こぶを作っ て強がって見せる。結局こうやって、お茶を濁すしかないのだ。 「くすくす……ありがとう。久しぶりにそういう○○を見たら、ち ょっと元気が出てきたみたい」 「あは、ははははは……それは良かった」 僕は無理にでも笑った。……自分では見えないが、泣きそうな顔 をしていないことを祈る。咲夜さんは笑い止むと、どこか遠い目で 語りかけてきた。 「……○○、覚えてる?」 「はい? 何のことでしょう」 「貴方がここに来たときのこと」 「……忘れもしませんよ」 ……一目惚れだったんだ。 里に買い出しに来ていた紅魔館のメイドさんに、僕はどうにかお 近づきになれないかと思って、里の人たちが止めるのも聞かず悪魔 の館の使用人になりたいと紅魔館の門を叩いた。 うちは妖精しか使わないの、と僕が土下座して頼みこむ前で困り 果てる咲夜さんの顔は、今でもありありと思いだせる。 『絶対役に立ちますから! 妖精よりも絶対役に立って見せますか ら! だからどうか僕を紅魔館で雇ってください!!』 ただただ必死だったんだ、あの時は。しかしそこを偶然通りかか ったレミリアお嬢様が 『いいんじゃない、咲夜? 敵意はないようだし、外から来た人間 を館の中に入れておけば、色々使えるかもしれないわ』 『ですがお嬢様……』 『咲夜、私に口応えをするつもりじゃないわよね。私が使うと言っ たら使いなさい』 そう口添えをしてくれたおかげで、咲夜さんは僕の採用にしぶし ぶOKし紅魔館の使用人としての道を歩み始めることとなった。 それから僕はどうにかして咲夜さんに認めてもらおうと、この閑 静な紅魔館には似つかわしくないほどの必死さで働いた。 家事もろくに出来ない僕に、咲夜さんは一から仕事を教えてくれ た。妖精メイドたちに交じって弾幕から逃げ回った。門番の仕事も ときどき交換した。大量の本を抱えて大図書館を走り回った。ご機 嫌取りのためにお嬢様に見せるための宴会芸を練習したこともあっ た。パチュリー様の魔法の実験台にされて、とんでもない目に遭っ たときもあった。 そんなことに耐えていられたのも、せめて一人前になるまではこ の気持ちは伝えまいと考えてのことだった。そうしているうちに、 僕にも紅魔館内での立ち位置らしきものが出来てきた。そんな矢先 の出来事だった―― 『咲夜さんが里の人間とお見合いする』 ――その時僕の身体に電流が走った。そのことは咲夜さん自身も 驚いていた。レミリアお嬢様が勝手に決めたことだったのだ。 人間の里との関係をより盤石にするため、里の有力者の息子と十 六夜咲夜をお見合いさせる……というのが表向きの理由だったが、 咲夜さんはお嬢様の顔を立てて、一応その男とお見合いをした。 ……咲夜さんは全然乗り気ではなかったので、僕はすっかり安心 してしまっていた。……それがいけなかった。 お見合いから帰ってきたときの咲夜さんはとても困惑した表情を していた。 『デートというのに誘われてしまったわ。どうしましょう、こんな こと初めてよ』 その相手は里長の長男で、僕は直接話したことはなかったが、そ こそこ顔立ちもよく、里人の人望も篤いという、里とのパイプを太 くするのにはまさにうってつけの相手と言えた。……僕とはあまり にも差があり過ぎる。 『ご愁傷様……貴方、ついてなかったわね……』 『だ、大丈夫ですって! ○○さんの気持ちは伝わりますって』 『こんなにお似合いの人が近くにいるのに、お嬢様も咲夜さんも見 る目がありませんね!』 『そんなどこの誰かもわからない人間、連れてきたら壊しちゃって もいいよね?』 よっぽど酷い顔をしていたのか、色んな人から慰めの言葉をかけ られたが僕の気持ちは安まらなかった。いつも咲夜さんからかけら れる 『御苦労さま』 の一言のほうが、どれだけ僕の支えになっていたか改めて思い知 らされる。それがあったから、こんな僕でも頑張ってこれたんだ。 それが今はどうだ……。 結局僕の手の届かない所で交際は続き、盛り上がった両方の親… …主? が結婚を推し進めていった。 これには、咲夜さんに幸せになってほしいという思惑がレミリア お嬢様にあったということを館内の噂で聞いてしまったため、強く 言うことができなかった。 ……続く交際、そして里から帰ってくる咲夜さんの満更でもなさ そうな顔。あんな顔、僕といるときには見たことがない。結婚の話 にも、やがて嫌悪感を示さなくなり、咲夜さんも、あの男との結婚 を決めた。 そして今が、その前夜。 「あの時は驚いたわ。まさか里の人が使用人に雇ってくれなんて言 ってくるだなんて。今さらだけど、美鈴もよくあなたを通したもの だと思うわ」 「い、いいじゃないですか。そのおかげで今があるんですし」 それもそうね、と言って咲夜さんが笑う。かつてはエネルギーの 源となっていたその微笑みが、今は針の筵のように感じられた。 「……でも、貴方が来てくれてよかったわ」 「僕が人間だからですか?」 「それもあるけど……うふふ、貴方に色々教えるの、結構楽しかっ たから。まさかお掃除すら満足にできないなんて、思ってなかった もの」 「すみません、出来そこないで……今は咲夜さんのおかげで、少し は出来るようになったと思います」 「いいのよ、そうやって誰かを育てるのって今までにない経験だっ たから……そういう意味では充実してたわ。妖精じゃ物覚えが悪す ぎて張り合いがないんだもの。 でも今は、こうして貴方に後を任せられるわ。お勤めは続けるけ ど、ずっと紅魔館にはいられないでしょうし……でも、時間も距離 も、私にはあまり関係ないから、そんなに心配しなくてもいいの よ?」 咲夜さんの能力なら、時間も距離も関係ない。でも、もう想いが 通わないことは僕だけが知っていた。……僕だけが。 「……咲夜さん、明日は……これを着るんですよね。きっと良く似 合うだろうな、咲夜さん、美人だから」 「どうしたのよいきなり。褒めても何も出ないわ……最近そう言わ れることが多くなったんだけど、本当なのかしら?」 「嘘じゃ、ないと思いますよ。……咲夜さんならきっと幸せになれ ますって」 「うふふ、ありがとう―― ――ねえ、○○……こんな風に考えてみたこと、あるかしら?」 咲夜さんはおもむろに僕に背を向けて、語り始めた。 「もし……もしもよ、貴方が幻想郷で生まれて……お嬢様が見初め たのが貴方だったら――」 「――もう夜も遅いです。明日に備えて早く休みましょう」 僕は嫌な予感がして咲夜さんの言葉を遮る。もしそれを全部聞い てしまったら……僕はきっと無様な泣き面を彼女の目の前に晒すこ とになってしまいそうだったから。 「っ…………そうね……幸いお嬢様も、今夜はお目覚めにならない そうだし」 「……咲夜さんは疲れてるんですよ。無理にでも眠ったほうがいい。 新婦が倒れたりするようなことが、あっちゃいけませんから。咲夜 さんは強いから、大丈夫だとは思いますけどね」 「…………ありがとう、○○。貴方と話して、ちょっぴり気分が晴 れたわ。これでどうにか眠れそうね」 咲夜さん背を向けたまま、先に部屋を出ようとする。蝋燭の灯り から離れ、影が完全に暗闇に溶けたときに聞こえた一言を、僕はず っと忘れることはできないだろう。 「……ごめんなさい、○○」 新ろだ618 一人の男と一人の女と、それと多くの妖精達が紅魔館傍の湖畔を駆け抜けていた。 紅魔館門番の美鈴は脇に、それ以外は四列縦隊のその集団は、足並み乱さぬよう掛け声を出し合いながら走っている。 Mama Papa were Laing in bed Mama rolled over and this is what s she said Oh, Give me some Oh, Give me some P.T.! P.T.! Good for you Good for me Mmm good 時折何かが風を切る音が聞こえる。 先頭を走る彼は、耳の傍で風が渦巻いているせいだろう程度にしか思っていなかった。 Up in the morning to the rising sun Gotta run all day.till the running s done Ho Chi Minh is a son of a bitch Got the blueballs, crabs and seven-year itch しかして後続の妖精たちは風切音のするたびにばたばたと倒れていき、もう残りは半分というところにまで減っている。 とはいえ、後ろを振り向くことはなく、そもそのような余裕のない彼と彼女らはそれに気づきようはずもない。 隣がいなくなったと思ったら、即座に自分も転ばされ置いて行かれるのだから気づいたところで手遅れでもある。 I love working for Uncle Sam Let me know just who I am 1,2,3,4, United States Marine Corps! 1,2,3,4, I love the Marine Corps! my Corps! your Corps! our Corps! The Marine Corps! 走る最中、また幾本ものナイフが茂みから飛び出し、後の一列をまとめて倒す。 すぐ後ろがいなくなり、美鈴は異変にやっと気づくが、そのときには彼女もナイフをわき腹に受けていた。 とはいえ彼女も妖怪の端くれ、それしきのことで足を止めるはずもなく、腹を押さえながら声を出していた。 I don t know, but I ve been told Eskimo Pussy is mighty cold Mmm good feels good is good real good tastes good mighty good good for you good for me 美鈴が数本のナイフを受ける間にも妖精メイドは続々と倒れゆき、後は二人が走るだけ。 それも美鈴が7本目のナイフを額に受けると、残るは唯々一人となった。 I don t want no teen-age queen I just want my M14 If I die in the combat zone Box me up and ship me home Pin my medals upon my chest Tell my Mom I ve done my best 「あら」 やがて紅魔館正門前に到着し、ランニングを止めた男の前に、一人のメイドが顔を出す。 「じゃあ私はいらないのかしら」 そう問いかけながら、そのメイドは彼の首に白いタオルをかけ、汗をぬぐってやった。 「ああ咲夜さんありがとうございます、それで何ですって?」 「だって若い女はいらないんでしょう」 彼は暑そうに上着をばたつかせながら訊くと、咲夜と呼ばれたメイドは答えた。 それを聞いて彼は一瞬驚いた顔をしたが、返事はわかりきっている、とでも言いたげな彼女の目にすぐに表情を苦笑いに変えた。 「そうですね、もういりませんね」 「もう?」 眉間に皺を寄せて咲夜が尋ねる。どうやらいささか予想とは違った返答だったらしい。 「ええ、一人いれば満ち足りますし」 言いながら彼は咲夜の腰に腕を回すとぐいと引き、咲夜も逆らう素振りを見せずに体を寄せた。 汗の吹き出るのにも構わずにひしと抱き合いながら、お互いの目を見詰め合う。 先に口を開いたのは咲夜のほうだった。男の肩に置いていたいた手を首の後ろで組み、二人離れないようにしている。 「でも私は一人じゃ足りないわよ」 微笑みながらに咲夜は男の顔を見、次いで自分の腹を見た。 その意味に気づいた彼は、また苦笑いを浮かべながら咲夜の顔を見つめ言う。 「それじゃあこれから頑張らないといけませんね。まず手始めにどうしましょう」 「そうね、ならとりたてて今はこれね」 言って咲夜は目を閉じ、そして二人は口付けを交わした。後ろに横たわる屍には目もくれずに。 「それにしても、どうしていきなりランニングなんて始めたの」 ナイフの餌食になった妖精たちが復活するころ、ひとしきり密着を終え、二人は門の近くに移動していた。 怪訝そうな顔をしてたずねる咲夜に、彼は酷くいい難そうに答える。 「いや、この間妖怪に襲われた時に走って逃げたんですが、どうにも体力が続きませんでね」 「それで体力づくりに走りこみ?」 彼は咲夜の言葉に何も言わず、ただ苦虫を噛み潰したような顔をする。 「外に出ないでずっと紅魔館の中にいれば良いじゃない」 「買い物とかは里まで出ないと駄目でしょう」 あきれたような声色で咲夜が言うが、彼には懲りた様子もなく肩をすくめて見せた。 「まあ、今度からは気をつけますよ。適当に猟銃でも持って出かけます」 ここに銃があるかは知りませんが、と付け加えながら男が言う。 咲夜はその言に頭を抱え、大仰にため息をついて不満の意をあらわにしながら言った。 「今度から外に出るときは言いなさい。私も一緒について行くから」 だがその言葉に、今度は男のほうが渋面を作り拒否を示した。 「咲夜さんは夜の仕事が忙しいでしょう。昼間は眠っておかないと」 それに、咲夜は何のこともないと言いたげに答えた。しかし男は下がらない。 「大丈夫よそのくらいは。時間をとめて眠ればいいんだし」 「無理しちゃいけません。それにそれじゃあ早く老けますよ」 これには流石の咲夜も堪えたようで、眉間を押さえて何か考えるような悩むような態度を取っている。 「まあ、老けるのはいやだけれども……」 態度を改めて様に見える咲夜に、男はそうでしょうと満足げに頷く。 「私とデートするのは嫌なのかしら?」 腹の前で手を組み、もの悲しげにする咲夜。彼女は少し俯き加減で男に言った。 今にも泣きそうな調子の咲夜に、男は仕方がないと言いたげに一瞬眉間に皺を寄せ、やがて破顔して言った。 「それなら後で付き合ってもらえますか。妖怪のやっている店なんで、夜遅くに開くんです」 「ええ、よろこんで」 言って二人はまた抱き合い、そして手をつないでゆっくりと扉のほうへ歩いて行った。 「ところであの卑猥な軍隊ソングはどうにかならないの?」 「なりません」 新ろだ845 「はい、チェックメイト」 その言葉を同時にピタッ、と喉元に突きつけられるナイフ。 その前に足払いを食らい、地面に仰向けに倒れこんでいる私には回避手段は無く、 こちらを悠然を見下ろすメイド長に降伏を宣言する。 「……参りました」 「はい、これで10戦9勝0敗0引ね」 スッ、と喉元のナイフが引かれ、ヒュンヒュンと風邪を切る音を立てながら メイド長……十六夜 咲夜さんがナイフを片手で回している。 チャッ、と足に巻かれている皮帯にナイフを格納し、私に手を差し伸べる。 「立てるかしら?」 「すみません、ありがとうございます」 差しのべられた手を借りて立ち上がり、服に着いた埃などを払う。 「最初に比べればマシになってきたけど……まだまだね○○」 「……面目ありません……」 「まあ、素人の貴方が私相手に30秒保つだけでも褒める事は出来るわよ?」 はあ……それ、全く褒められた気がしません…… 「でも、あと1戦で私に勝てるようになるのは……限りなく無理でしょうけれども」 そう、あと1戦……あと1戦しか無いんだ。 何故私が咲夜さんと戦っているか……それにはちょっとした説明が必要だ。 簡単に説明すると、咲夜さんに告白した時、 咲夜さんから付き合う為の条件を提示されたのだ。 それが、10戦する間に一度でも良いから咲夜さんに勝つ事。 勿論、武芸ド素人で弾幕ごっこすら出来ない私に、マトモにぶつかって勝てるわけがない。 その為、咲夜さんにはハンデとして以下の条件が付けられている。 1つ、時を止める事を禁止(止められたら私には分からないけど……) 2つ、ナイフは相手に降伏を宣言させる時だけ使用する。 3つ、私は何を使用しても構わない。 と、ここまでハンデを付けて貰っているにもかかわらず、先ほどの様に惨敗している。 「諦めるますか?」 そりゃここまで手も無く捻られているのだ。 諦める……っていう選択肢も出てくるのかも知れない、だが…… 「いえ、私はまだ諦めませんよ? まだ後1回ありますから」 諦めてしまっては可能性は零になってしまい、 何があろうと実現出来なくなってしまう。 勝つ可能性が千に一つ、万に一つ、例えそれが那由他の彼方でも…… 私にとって賭ける価値には十分過ぎる!! ……と思えたんだけどなあ…… 「ふふっ……そう、諦めが悪いのね。それじゃあ一週間後の同じ時、 この時計塔前でね」 「はい、よろしくお願いします」 ペコッ、と頭を下げる。 咲夜さんだって暇じゃないのに、私の為にわざわざ時間を作って 対決してくれているのだ。 礼儀はしっかりしなくてはいけない。 「明日も早いわ、早く自室に帰って寝なさいね? それじゃ」 パッ、と数枚のトランプを残して消える咲夜さん。 おそらくこれからお嬢様方のお世話をしにいくのだろう……凄いよなあ…… 「おっと、長い時間居たら冷えますね……さっさと帰りますか」 次の日、自身の仕事(紅魔館に居候させて貰っている為、簡単な雑務業務を命ぜられている。 妖精メイド達には出来ない細かい計算や、 (妖精達には何となく数が合えば良いよね、と思う風潮があるらしい) 在庫管理(これも同じ様に何となく数が合えば良いよね、 の考えでちょろめかす奴が居るらしい) 等を基本的に、メイド長(咲夜さんの事だ)の指示に従って臨機応変に仕事をこなす、 遊撃みたいな扱いになっている。 まあ、今日の仕事は簡単に終わってしまったので、中庭で自己鍛錬 (と言っても走ったりするだけだが)をしている途中だ。 「あはは……その様子だとまた咲夜さんに捻られてきたみたいですね」 「紅さん」 門番である紅 美鈴さんが声をかけてくる。 見た目通り武術が得意らしく、私も何回か格闘術の基本を教えては頂いたのだが…… 「申し訳ありません、また負けてきました」 「でも前回より時間が稼げたみたいですね、つまり全く無駄では無かった…… と言う事ですね」 「10秒だけですが……」 紅さんに教わった通り、相手との距離を目視で確認して距離を取り、 自身のペースを作ってから落ち着いて反撃を…… つまり防御主体でカウンター狙いの戦法だ。 武術でド素人な私に、攻撃し続けるという選択肢は存在しない、 相手からのカウンターを確実に受けてしまう。 「たかだ10秒、されど10秒ですよ。塵も積もれば山となる。千里の道も一歩から、 ちょっとずつ成長していけば良いんですよ」 「成長する時間があれば……良いのですけどね」 「あはは……」 最後の決闘まであと6日、それまでに何とかして咲夜さんを倒す方法を 考えないといけないなんて…… 「う~ん……正攻法では無理、ならば搦め手からいくしか無いでしょうけれども、 ……そうですね、こんな作戦ではどうでしょうか?」 紅さんの提案してくれた作戦は確かに正攻法では無く、小細工と不意打ちに頼る芸当だ。 しかしそれ以外何も思いつかない上、今まで真正面から戦って惨敗しているのだから…… やるしかない。 「咲夜、今日で最後だったな……○○との決闘」 「はい、お嬢様」 紅魔館の主人、レミリア スカーレットに紅茶を注ぎつつ咲夜が答える。 「今宵は私も観戦させて貰おう」 「まあ、でしたら完璧な勝利で幕を閉じなければなりませんわね」 「くくくっ……咲夜、あいつを舐めたり手加減をしたりしない事だ。 奴の瞳には珍しい、純粋だが力強い力が見てとれる。 土壇場で巻き返すかもしれないぞ?」 「はい、心してかかりますわ」 以上、咲夜さん側の最終決戦前の光景。 従者と主人は何時も通り時間を過ごしています。 「さて、時間丁度ね」 カツン、と時計台の針が動く。 スカーレット様や紅さん、ノーレッジ様が見守る中私と咲夜さんが構える。 「では、○○……」 「はい、咲夜さん」 「「参ります!!」」 ザッ、と何時も通り咲夜さんが私の手を取ろうと跳躍する。 私もその跳躍に合わせて、バックステップしながら距離を保とうとするが、 咲夜さんの方が速い!! 「もらっ……」 咲夜さんの手がのびてくるが、私もそうそう何度も同じ方法で倒されたりはしない! 「でええい!!」 腰に下げていた玉を掴み、思いきり叩きつける。 地面に叩きつけられた玉は閃光を放ち、闇夜に瞬間的な太陽を生み出す。 紅さんの提案に従って、咲夜さんの視界を一時的に奪う……閃光玉と名付けた。 それをノーレッジさんに作って頂き、咲夜さんが私の手を掴むその瞬間、 勝利を確信したその隙を突く不意打ちだ。 「くっ!?」 サッ、と視界を奪われた咲夜さんが後退しようとするが、 それを許してしまったらもう勝ち目はない。 「でやああああっ!!」 咄嗟に咲夜さんの肩を掴み、全体重を相手側にかけると、 姿勢を崩し、床に倒れこむ咲夜さんと私。 「いたた……あ、咲夜さん、大丈夫ですか!?」 「…………」 思いっきり両手で肩を押さえつけ、咲夜さんの上に覆いかぶさる様に……え? 「ほう、○○も大胆だな。 こんな大衆の前で押し倒すとは……」 ハハハッ、何を馬鹿な事を仰るのですかお嬢様。 紅さんはやれやれ……と言った様な表情で顔を手で押さえ、 ノーレッジさんはため息を吐いている。 「……○○さん?」 「も、申し訳ございませんでした咲夜さん!!」 咄嗟に謝りながら咲夜さんの上からにげr……もとい退く。 「……責任とって頂きますからね」 すれ違い様にボソリ、と咲夜さんが呟いた。 それってどういう意味? なんて聞く暇も無く咲夜さんとレミリア様は館へと戻ってしまう。 ……え、私は明日からどうなるの? 新ろだ864 チク、タク、チク、タク――。 時計の音。 チク、タク、チク、タク――。 針の音。 トクン、トクン、トクン――。 貴方の鼓動。 カチッ――。 停止。 無音――。 死んでる貴方。 ――チク、タク、チク、タク。 ――トクン、トクン。 蘇生。 「――咲夜? どうかしたのか?」 貴方は、毎回尋ねてくる。私の自室で貴方と二人、貴方の胸に抱きついて、胸に耳を当ててると。 仕事が終わった後の時間、貴方と二人のこの時間。貴方の鼓動に耳を澄ませる――。 「――いいえ、何でもないのよ。」 私は毎回そう答える、本当に何でもないのだから。ただただ勝手に不安なだけで。 ドクンドクンと脈を打つ、貴方の心臓(ココロ)に思いを馳せる。 「――貴方は、まるで時計のようね。」 「……それは、どういうことなんだ?」 「毎秒毎秒脈を打つから。それはとても不規則だけれど、貴方の心臓(ココロ)は、貴方の時(いのち)を刻んでる。 そんな貴方は時計のよう。」 そう言い、私は指を這わせる。耳は胸に当てたまま、貴方の胸に手を這わす。 ほら、また心臓(ココロ)が加速した。焦っているの? 困っているの? ――興奮してくれたのかしら? 「そうか、私は時計なのか……。」 「そうね、貴方は時計だわ。大きなノッポの置時計。」 早鐘を打つ、貴方の鼓動。どんどん加速をしていった。それは勿論この私も――。 愛する人と密着するのだ、心臓(ココロ)が踊らぬ訳がない。 「咲夜、こんな話を知っているか? 人を含めて生物の、その内哺乳類と呼ばれるものの話だが。生涯その心臓が刻む鼓動の数は凡そ一定なのだそうだよ。」 「へぇ……。」 そんなことを聞かされても、私は反応のしようがないのだけれど。でもそうね、彼のこの心臓も、刻々(とくとく)時(いのち)を消費している。 それはとても不思議な感覚。永遠なんぞに興味は無いけど。でもそうね、いつかは死ぬんだわ。彼と勿論この私も――。 「……あまり興味が無さそうだな? まぁでも話はここからだ。」 「……別に、興味が無かったわけじゃないわよ? 本当よ?」 繰り返すのがうそ臭いのだと、彼は苦笑し言っていたけど、本当に興味はあったのだ。 ……ただ反応に困っただけで。続けて彼はこう言った―― 「――咲夜が居ないと遅くなり、咲夜が触れると加速する。そんな私の鼓動が、そんな私が時計なのなら 私の心臓(ココロ)は、私の時間(いのち)は、咲夜、貴女のものなんだ。」 「――っ。」 彼は本当に困った人だ、自然に私を口説いてくる。殺し文句を言ってくる。 「それは勿論君も同じだ。私に触れて鼓動を早める、そんな君も時計(にんげん)ならば 君の心臓(ココロ)は、君の時間(いのち)は、既に、私のものなんだ――。」 「――――っっっ!!」 あぁもう本当にどうしようもなく……彼は、困った人なのだ――。 私は優しく抱きしめられて、額にキスを落とされた。 そのまま瞼に、次に頬。私の腕を持ち上げて、今度は手の甲、掌に、順番にキスを落とされた。 そして最後は手首にキスして、口付けたままに真っ直ぐと、私の瞳(ひとみ)を見つめてくるのだ。 今夜も、私は抱かれるのかしら? 私を抱いてくれるのかしら? だけど―― 最初に『友情』、そのまま『憧憬』、次に『厚意』。私の腕を持ち上げて、今度は『尊敬』、『願望』に。そして最後に『欲望』を。 キスする場所には意味がある。それは彼から聞いた事で、当然彼も知っている事。ねぇ○○……、一箇所足りないんじゃないかしら? 私も彼に顔を近づけ、強請るようにキスをする。 それは彼の狂気(くびすじ)に向けて。 「……今夜もするの? 相当鼓動が早まるわよ。 一生の鼓動の数が決まっているなら、かなり時間(いのち)を削られるんじゃない?」 「……言っただろう、私の時間(いのち)は君のもので、君の時間(いのち)は私のものだ。 ならただ互いの為だけに、時間(いのち)を消費するのも悪くない。」 そう言って彼はキスをするのだ。 それは私の唇(あいじょう)に――。 チク、タク、チク、タク――。 行為の後の、独りの時間。先に寝るのはいつも貴方だ。 それはちょっと寂しいけれど、貴方の寝顔を観察できる、それはちょっと貴重な時間。 チク、タク、チク、タク――。 貴方の時間は私のもので、私の時間は貴方のもので……。それは本当に幸せなこと。 だけど貴方には出来なくて、私には出来ることがある。 トクン、トクン――。 隣で眠る貴方の胸に、そっと耳を当ててみる。とても穏やかなその鼓動。 貴方の心臓(ココロ)、貴方の時間(いのち)――。 カチッ――。 停止。周囲の全てが停止する。私に出来て、貴方に出来ない、そんな程度のこの能力。 時間を操る程度の能力――。私は再び耳をつけ、貴方の鼓動に耳を澄ます。 無音――。 停止しているこの世界で、動いているのは私だけ。勿論貴方は止まっている。 鼓動も、心臓(ココロ)も、そして時間(いのち)も……。貴方の全てが停止する。 停止しているこの世界で、動いているのは私だけ。勿論貴方は止まっている。 鼓動も、心臓(ココロ)も、そして時間(いのち)も、私の全ては動いているのに――。 これは未来の暗示なのかしら? 貴方は只の人間で、特別な能力は何も無い。 これは未来の暗示なのかしら? 空も飛べなきゃ、魔法も撃てない。奇跡なんて以ての外だ。 これは未来の暗示なのかしら? 生きてる私と、死んでる貴方。動く私と動かぬ貴方。 貴方の心臓(ココロ)は私のもの。それは事実で、分かってるけど―― 貴方の時間(いのち)は私のもの。それは事実で、分かってるけど―― どうしようもなく不安になるのだ、見知らぬ所で逝かないか。危険の溢れる幻想郷で、貴方は本当に只の無力。 どうしようもなく不安になるのだ、私を残して逝かないか。貴方の居ない停まった世界を、私に残していかないか。 だから―――― ――チク、タク、チク、タク。 ――トクン、トクン。 そして再び動き出す。鼓動に心臓(ココロ)に貴方の時間(いのち) ……この瞬間は、とても幸せ。貴方が蘇生を果たすから。 そしてまだまだ加速する。時間(いのち)に心臓(ココロ)に私の鼓動。 ……それからの時間は、とても幸せ。貴方の時間(いのち)に触れるから。 だから――、今日も私は彼に抱きつく。……あなたの心臓(ココロ)に触れるため。 チク、タク、チク、タク――。 時計の音。 チク、タク、チク、タク――。 針の音。 トクン、トクン、トクン――。 貴方の鼓動。 カチッ――。 停止。 無音――。 死んでる貴方。 ――チク、タク、チク、タク。 ――トクン、トクン。 蘇生。 それは毎晩繰り返す、私の秘密の確認作業――。 (了) (チルノの裏) 咲夜さんって凄くセクシーですよね。大人のようで子供のような。妖艶なようで無垢なような。下世話な話、近くに居るだけで情欲を刺激されそうです。 パチェは猫度が足りないと言うけど、咲夜さんは彼氏に対しては猫のようになるんじゃないかな? と勝手ながら思ってます。 普段クールでいて、夜になると途端にくっついてきて静かに甘えだす。みたいな。そんな咲夜さんは好きですか? 私はとても好きです。 彼の胸に抱きついて、胸板に指でのの字書いたりするんですよ! たっ、タマリマセンワー!! さて、本編中のキスの件(くだり)ですが、ご存知の方ばかりだと思いますけど、知らない方の為に一応の解説を。 手の上ならば、尊敬のキス 額の上ならば、友情のキス 頬の上ならば、厚意のキス 唇の上ならば、愛情のキス 瞼の上ならば、憧憬のキス 掌の上ならば、願望のキス 腕の上ならば、欲望のキス さてその他は、狂気の沙汰 という話があるのです。キスする場所によって意味があるのだとか。ロマンチックですね。 本編中の○○は咲夜さんに向けて愛情と狂気以外のキスをしました。 それを受けて咲夜さんは、愛情が無かったことに不満を抱き、狂気(首筋)のキスを持っておねだりしたわけですね。エロいね、エロいよ咲夜さん。 ともあれ読んで下さった方々に心からの感謝を。イチャスレの全ての兄弟達に幸あれ!!
https://w.atwiki.jp/aniwikigalaxystar/pages/602.html
『十六夜 咲夜(いざよい さくや)』とはZUN制作の弾幕STG「東方Project」のキャラクターである。 概要 紅魔館に住んでいる唯一の人間で実質的に紅魔館の一切を取り仕切る立場におり、家事一切をほぼ一手に引き受けているメイド長。 館の空間操作まで行っているので、実質彼女無くして今の「紅魔館」は成り立たないと思われる。 館の主人「レミリア・スカーレット」やその友人「パチュリー・ノーレッジ」などに対しては畏まった敬語を使い『東方永夜抄』ではフレンドリーで主従と言う上下関係を感じさせない仲の良い友人の様な会話を繰り広げつつ異変を解決した。 『東方儚月抄』ではメイドらしく畏まった敬語を使うが、レミリアとパチュリー以外の人物に対しては砕けた口調になる。 性格は瀟洒(意味は垢抜けている、洒落ている)で完璧そうに見えるが、少しズレた思考を持つマイペースな天然キャラでそつがないようでどこか抜けている。 また猫舌である。 得意技はナイフ投げとタネ無し手品(時を止める能力を使用して行っている) 銀製のナイフを投げナイフ用として多数所持しており、体術を最も得意とする。 投げナイフの射程は20間(約36m)もあり、頭にリンゴを乗せた妖精の額に命中させることができる程の腕前でタネ無し手品は戦闘中にもよく取り入れている。 神主によると、投げナイフの技術は料理の腕に比例するため料理上手である。 彼女の仕事の中には「人間を食料に加工する」という事柄まで含まれており、地下に幽閉(引きこもり説もある)されているレミリアの妹「フランドール・スカーレット」に紅茶とケーキに加工された人間を提供している。 だがフランドール自身は食糧に加工された人間以外見たことがないと言っているので、直接の面識は無いのかもしれない(もしくはフランドールが彼女を人間と認識していない所為だろうか?) 『紅魔郷』時点では、ただ日々の食事を求めて紅魔館で働いていた。 『永夜抄』の時点では紅魔館で働くことを衣食住に困らず快適だと感じている一方、レミリアに対して心からの忠誠を誓っている。 咲夜は幻想郷の生まれではなく「十六夜 咲夜」という名前も主人であるレミリアが与えた物である(求聞史紀やZUN氏よりの回答メールより) 『求聞史紀』では阿求が、彼女は元吸血鬼ハンターではないかと推測している。 特徴、年齢、など 身長は「高」 瞳の色は登場作品によって異なっている。 年齢は、神主の直接の言では「多分けっこう10代前半のキャラ(2007年8月11日の『萎えラジDNA C72 直前スペシャル』より)」 『求聞史紀』での稗田阿求によれば「本人は10代後半だと言っている」 ちなみに年齢不詳の多い幻想郷で10代後半を自称している数少ない人物でもある。 時を止める能力から来る実年齢とのズレがあるとの声もある。 寿命 彼女は紅魔館で唯一の人間であるため、よく寿命の問題が二次創作などのタネになる。 咲夜の場合は吸血鬼化して長寿を得るという手段があるため、同じく寿命問題として挙げられる「霧雨 魔理沙」と同様いかに人間らしく生きたかが強調される。 その一方で、ただの人間なのかあまりにも怪しい部分が多く、かなり昔から紅魔館にいたという話があったりする上に「時間を操る程度の能力」を持っているため、寿命は妖怪並みかそれ以上ではないかと解釈する人もいる。 なお、咲夜の寿命の話は二次創作だけに限ったことではなく、東方永夜抄でも主のレミリアから心配されており、レミリアから蓬莱人の肝による不老不死を勧められた時『生涯人間』であることを表明している。 テーマ曲 『東方紅魔郷』 ・「月時計〜ルナ・ダイアル」 『東方萃夢想』 ・「メイドと血の懐中時計(アレンジ) ・「月時計〜ルナ・ダイアル(アレンジU2) 『東方花映塚』 ・「フラワリングナイト」 『東方緋想天』 ・「フラワリングナイト(アレンジ、あきやまうに) 二つ名 ・紅魔館のメイド(紅魔郷、妖々夢、永夜抄、求聞史紀) ・完全で瀟洒な従者(萃夢想、緋想天) ・完全で瀟洒なメイド(花映塚) ・危険な手品師(文花帖) ・小夜嵐のメイド(緋想天) 能力 ・時間を操る程度の能力 彼女は時間を操る能力を持っており、時間を止めることができる。 さらに、時間を止めて自分だけ移動したり、時間の流れを遅くして超高速で動いたり、時間の流れを速めて存在を変化させる(林檎ジュースを林檎酒に変える等の)能力である。 しかし、起きてしまった出来事を無かったことにするのは難しく、特殊な場合を除いて難しい。 壊れたり燃えてしまったり、物を食べてしまった場合は時間を戻しても元には戻らないため、事実上、時間を戻すことはできないとされる。 ただし、移動していた物を元の場所に戻す程度の事は可能。 時間と密接に関係する空間も弄ることができ、空間を狭くしたり広くしたりも出来る。 元から広い紅魔館内の空間は彼女によってかなり拡張されており、その広い紅魔館のほぼ全てを1人で掃除していおり、そのため「時間でも止めない限りやってられない」と彼女は言っていた。 時間を圧縮して、短期間の過去や未来のナイフを同時に発現させる攻撃もできる。 この方法を応用して、自身の擬似的な分身を作り出すことも可能。 時間、空間をどの程度まで操れるのかは定かではないが、作中でのスペルカード「咲夜の世界」で止めている時間は約5秒である。 その能力は人間の域を完全に逸脱していると皆から評されている。 攻撃力は他のキャラクターと比べると若干低めで能力で時間を止めてナイフを設置するというけっこう地道な攻撃であり、同時に投げるナイフには限りがあるので手持ちが無くなると時間を止めて回収しにいく。 しかし時間を止めればどんな攻撃も避けられると思われるが、東方儚月抄では依姫の攻撃を時を止めて回避しようとしたが、弾幕に体を通す隙間すらなければ時を止めても回避できないという点を突かれ敗北した。 種族 ・人間 呼称 基本的には「咲夜」「咲夜さん」と呼ばれる。 「さっきゅん」という愛称もある「 ※ちなみにネット上ではたまに「PAD長」を用いられるがこの呼称に悪感を抱く人もいるので注意されたし。※ スペルカード 十六夜 咲夜の項目に記載。 概要2