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七七七夕/ Mono. + uynet Lv CHAIN 譜面属性 BPM TIME Version Genre Illustrator Effect NOVICE 06 0749 192 EG98 FLOOR Minonoru kamuy noko ADVANCED 13 1137 EXHAUST 16 1261 MAXIMUM 18 2255 + 難易度投票 NOVICE 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 ADVANCED 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 EXHAUST 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 MAXIMUM 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 攻略・解説 譜面・楽曲の攻略についてはこちらへどうぞ 見辛さ解消の為に改行や文頭の編集、不適切なコメントを削除することがあります 名前 コメント ※文頭に[ bgcolor(#aaf){NOV}]、[ bgcolor(#ffa){ADV}]、[ bgcolor(#faa){EXH}]、[ bgcolor(#888){MXM}]をコピー ペーストすると見やすくなります コメント 楽曲やイラストなどのコメントについてはこちらへどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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運命の出会い 1 「上条!お前さっさと進路希望調査の紙をださんか!」教室中に響き渡るほどの大声で上条当麻は担任教師に叱られる。「ふふっ、また上条君怒られてる」「上条のおかげで、また助かったわ」ひそひそ声が教室を満たしていた。中学三年も折り返し地点にさしかかった秋。上条は進路に関して明確な答えも出ないまま、結論を先送りにしていた。その結果、クラスメイトの前で怒られるという状況に至ったわけである。とはいうものの、他にも未提出者はいたはず。なぜ自分ばっかり、と思った上条は心の中でいつもの言葉をつぶやいていた。(…不幸だ……)進路希望調査の用紙が配られたのは、一ヶ月も前のことだった。上条も何もせずにいたわけではない。学力。部活。授業料…色々な特徴を見いだしては、自分の思い描く未来に一番近いと思える学校を探した。上条は学力が高いわけではない。むしろ低い。学年順位は、下から数えて一桁台という不名誉なものだ。能力も、無能力。入ることの出来る高校も限られていた。それでも、二三〇万人の暮らす学園都市だ。一〇校くらいは、上条の成績でもギリギリ合格できる。なぜか一八学区の高校からオファーが来ていた。能力開発のトップ校が集う一八学区からなぜ?と思ったが、話を聞いてみると、イレギュラーな能力を専門に扱う学校らしい。どうやら、上条の「特殊能力」を、科学的に開発された能力と勘違いしているみたいだった。上条は、休みの日を利用して、何校か回ってみた。時間的に余裕がなかったり、一八学区の様に遠いところにある学校は、パンフレットを取り寄せたりもした。しかし、どこもピンとくるものがない。一八学区の高校は、何か誤解しているようなので除外するとして、それ以外はどこの学校も、大差はなく決め手に欠けていた。結果、上条は一ヶ月近く、進路希望調査の用紙に何も記入できないまま、担任教師に叱られる羽目になったのである。担任教師には、一週間以内に提出することを約束して、上条は解放された。『約束した』とは言うものの、何か決定的なものが見つかる確証もなかった。とりあえず次の日曜日に、何校か回るとして、それでも決めあぐねたら、クジか何かを作って決めることにした。次の日曜日、上条は予定通り何校か回ったが、やはりというか、なんというか、結論は出ないままであった。しかしあと、一校回って帰ろうかと思ったとき、事件が起きた。郵便局の前を通りかかったとき、パァンという乾いた声が鳴り響いた。(な、なんなんだ!?)上条はなんの音かすぐにはわからなかった。しばらく辺りを見回していると、郵便局からけたたましいサイレンが鳴り響いた。そして、同時に防犯シャッターが下ろされる。(…郵便局強盗……)上条は先ほどの音が、銃声であったことを理解する。中から爆発音もしてきた。中で誰かが闘っているのか?しかし、上条は何も出来なかった。どんな異能の力を打ち消すことが出来る右手があっても、このシャッターをぶち破ることは出来ない。例え中に入れたとしても、相手が拳銃であれば幻想殺しは全くの無力だ。上条は、自分の無力さに歯がゆさを感じていた。自分が不幸になることで、誰かが不幸でなくなればそれでいい。そう思ってきたのに……防犯シャッターの中からは、誰かが殴られているような音が聞こえた。女の子の悲鳴も聞こえてきた。(俺には何もできねえ…のか…)上条はくやしかった。ただ、傍観しているしかない自分が悔しかった。「え?え?外?」突然、防犯シャッターの前にカチューシャをつけた小学生くらいの女の子が現れた。郵便局の中からテレポートされてきたのだろう。いきなり転換した状況に混乱しているのか、しばらくおろおろしていた。しかし、何かを決意したのか、しっかり地面を踏みしめると、「お願いします。助けてください。中で風紀委員の人が…」少女は涙を浮かべながら、通りすがりの人に助けを求めている。上条は強い娘だなと思った。ただ呆然と見ているしかなかった自分に比べて、この子は、しっかりと地に足を付けて、自分の出来ることを精一杯していた。(情けねーー)次の瞬間、大きな音がしたとおもったら、防犯シャッターに大きな穴が空いていた。それは常識を覆すような破壊力だった。(能力者?な、ならば…)能力者ならば右手で何とか出来る。無力な自分でも、何かの役に立つかもしれない。上条は、防犯シャッターに空いた大穴に向かって、進み始めた。しかし、目の前で立っていた中学生くらいの女の子が、何かを始めようとしているのに気付いた。その動作は華麗で、あまりにも華麗で。上条はつい目を奪われた。その刹那、ものすごい閃光が辺りを包んだ。上条は、何が起こったのか理解できなかった。しかし、その中学生が何かをしたのだけはわかった。少しの間を置いて、郵便局の中から歓声が聞こえた。すべてが終わったのだろう。その少女も、それが聞こえたのだろう。さも、何事もなかったようにその場を去っていた。上条は、少女のことは後ろ姿しか見ていなかった。それでも、彼には十分だった。どこの誰だかわからずとも、しっかりと地に足を付けて行動していた女の子。危険な状況にも関わらず、誰かを守るために行動するテレポーター。そして、さも当然のように助けて、何も言わずに立ち去っていった少女。彼女たちのいる街でなら、無力な自分でも、誰かを守るために行動できる。そう思えていた。次の日、上条の提出した進路希望調査の用紙には、当然のごとく、あの郵便局の近くの高校が書かれていた。 運命の出会い 2 寮の近くにあるファミレスで、上条は冬休みの宿題と格闘していた。今回は、美琴の協力もあってか、数学やら英語やらの宿題は早々に片付いていた。しかし、最後に残された宿題。国語の課題だけは、どうにもこうにも解けないものとして、上条の前に立ちはだかっていた。課題の内容は、『この高校を選んだ理由』高校を紹介するためのパンフレットやホームページに載せるためらしい。そんなもの課題じゃなくて、有志から募集すればいいものをと思われたが、上条の高校はそれほどレベルも高くなく、有志なぞ殆どいないらしい。果たして、迷惑なことに冬休みの宿題と相成ったわけである。上条にとってはこの課題は、他の宿題と違って容易に解決の出来るものではない。なぜなら、彼は記憶喪失だから。今年の八月以前の記憶はすべてなくしており、すなわち高校の志望理由もすっかり消えていた。小萌先生にすべてを打ち明けて相談しようと思ったが、その考えはすぐに否定された。記憶喪失になった理由は、魔術がらみのこと。さらにインデックスも絡んでいるとなると、小萌先生の警戒は強くなる。下手をすれば、彼女が学園都市から追い出される事態に発展するかもしれない。また、インデックスと小萌先生は知り合い同士だ。インデックスに記憶喪失のことが漏れるのも、上条は避けたかった。(今まで通り隠し通すしかないか…)何度繰り返しても同じ結論に達したところで、上条は小さなため息を一つついた。ただ、今回は少しばかりヒントがあった。上条のクラスには、偶然同じ中学出身のヤツがいたが、冬休みにはいる前、そいつから課題のことが話題に上っていた。しかも、ありがたいことに話題を振ってきたのは向こうの方。自然な感じで情報を聞き出すことに成功したのだった。「この課題どうしようか…まさかクジで決めたなんて書けないし…」「適当にでっちあげればいいじゃねーか?」「それで、原稿用紙埋めるのはつらいぞ。上条はいいよな、運命的な出会いがあったんだから… 確か、郵便局強盗のあった翌日だったか?お前、運命だーなんて叫びながら志望校決めて。 次の日から人が変わったみたいに厄介な人助けまでしだすし。 おまけに女子からモテるようになりやがって!!」「いやいや、上条さんは女子にモテた覚えなんて、ございませんことよ」「どの口が言いやがる!!」と言う会話があった。なお、当然のごとくこの後男子全員からボコボコにされたが、それはまた別のお話。これまでの情報を整理すると、郵便局強盗のあった日、何か運命的な出会いがあった。それ以来、厄介な人助け― おそらく、不良から救ったりとか、危険な ― までするようになった。ということだ。----(固法先輩が私に用って、なんなんだろう?)美琴は風紀委員一七七支部に向かって歩いていた。今日は黒子が非番の日のはずである。ならばパートナーの初春も非番のはずだ。そんな日に、しかも黒子に内緒でと断られた上での呼び出し。何かあると考えるのが普通であろう。(私、何かやらかしたかしら? ここのところ、アイツの宿題見てただけだし… まさか固法先輩、それを監視カメラで見てて…)と、最近何かと思考が上条に結びついてしまう彼女だった。自分で想像して、頬を赤らめて…すでに重症である。一七七支部を通り過ぎてしまっていることに気付かないほど…美琴は慌てて引き返し、一七七支部に入っていった。「こんにちわ~固法先輩」「あぁ~御坂さん。わざわざ呼んじゃってごめんなさいね」といいながら、固法は美琴に席を勧め、紅茶を出してくれた。美琴は一言お礼を言い、のどが少し渇いていたので、紅茶を一口飲んだ。それを合図とばかりに、固法は話し始めた。「今日来てもらったのは、見てもらいたいことがあったのよ」そういうと、ノートパソコンを美琴の方に向けた。そこに映っていたのは、監視カメラの映像。美琴は、まさか!と思ったが、それは違った。一年以上も前の日付が表示されていたからだ。そこに映っていたのは、とある郵便局。美琴自身も映っていた。ここでの出来事は、多少おぼろげにはなっていたものの、美琴は記憶していた。「もしかして、これ郵便局強盗の?」「そう。この犯人が少年院から脱走してね。 どうもその状況から外部からの協力者がいたみたいなの。 もしかしたら、この中にいるかもしれないんだけど、何か気付いたことない?」確かに、郵便局の外に仲間がいれば、逃走する際も都合がいいだろう。もし、脱走を手伝うとしたら、この画面に映っている可能性は高いと感じた。だが、監視カメラの映像が進んでも、美琴は手がかりになりそうなものを見つけることは出来なかった。「ごめんなさい、特に気付いたところは…」動画が最後の方に来て、画面の中の美琴はポケットの中から何かを取り出す動作を始めた。美琴は今まで忘れていたことを思い出し、顔は青ざめていく。次の瞬間、記憶は間違っていなかったことを証明した。超電磁砲を放っていた。美琴は思わず固法の方を見る。「大丈夫よ。別にあなたを叱るために見せたんじゃないんだから。 中にいる人を助けるために、能力を使ったんでしょ? 実は郵便局の中には、私と白井さんがいたのよ。 だから、あなたには感謝しているの」「く、黒子がいたんですか!?!?」「ええ、あなたはすぐに立ち去ったみたいだし。 やっぱり白井さんには内緒にしておいた方がいいのかなぁ~って思って、 あなただけを呼んだのだけれども…」「いえ、単に面倒なことに巻き込まれたくなかっただけで…」「そう。でも、御坂さんってなんかヒーローみたいね。 やっかいごとに首を突っ込んで、 それでいて自分が勝手にやった事って感じに何も言わずに立ち去るって…」美琴は、その言葉が『アイツ』に対してよく言っていることと同一だと感じた。いつも彼の行動を見るたびに、彼女はその言葉を吐いていた。しかし、固法から見れば、美琴も同一。行動の基本原理は同じなのだと。『困っている人を助けたい』考え込んでいる美琴を見て、固法はのぞき込むように「どうしたの?」と聞いてきた。何か犯人の手がかりでも見つけたのかと思ったのだろう。美琴は、「いえ、何も」と否定した。固法は、念のためと言ってもう一度動画を再生させたが、やはり、犯人に関するものは見つからなかった。しかし、美琴は気付いてしまった。そこに映る、ツンツン頭の男を----上条はファミレスのテーブルに散らばった原稿用紙をボーッと見つめながら考えていた。記憶喪失のことについては、自分なりに納得していたつもりだった。過去の自分と、今の自分は別の人間だと。仮に、記憶喪失が治ったとしても、過去の自分に不利益にならないように、人間関係には注意してきたつもりだった。しかし、この冬休みの作文課題の所為で、一つの可能性に気付いてしまった。『過去の自分には好きな人がいたのではないか?』クラスメイトの言った、「運命的な出会い」と言う言葉には、その可能性があると気付かせてしまう。現状を察するに、付き合っていた人はいないはずだ。しかし、片思いなら話は別だ。もしそうならば、今の上条当麻が乗っ取ったことで、付き合うという可能性を奪うこともある。とはいうものの、片思いの相手がわかったとして告白をしようなどとは考えていない。それこそ、乗っ取った人間、つまり他人が付き合ってることになるわけだから…なので最低限その片思いの相手と良好な関係にしておこうという結論に達した。今回は少しは情報がある。出会った日付、志望校が決定したこと…それらを総合すれば、相手の特定が出来るかもしれない。しかし、上条自身の情報収集能力はたかがしれている。協力を仰ぐにしても、記憶喪失のことを知っている必要があった。結果的に、協力を仰げるのは一人しかいない――御坂美琴。(…あの時は気にするなとか言ったくせに……)自責の念は覚えたものの、上条は携帯電話を取りだし、御坂美琴に電話をかけていた。----一七七支部を出ると、美琴の携帯が鳴った。発信元は上条当麻だ。『もしもし、御坂か?ちょっと頼みたいことがあるんだけれど』「なに?また宿題?」『まぁ、そうなんだけど…作文課題でさぁ』「作文くらい、自分で書きなさいよ。そこまで面倒見切れないわよ」『それはそうなんですが、一人じゃ解決できない問題にぶち当たりまして。 というか、御坂にしか相談できないことなのですよ』「はぁ?なにそれ??はっきり言いなさいよ!」『簡潔に申しますと…記憶に関することでして…』それを聞いて、美琴はハッとした。上条の記憶喪失を知る人間は、自分を含めて多くはいない。それが作文とどう結びつくかは理解できなかったが、助けを求めてきている以上、協力しないわけにはいかない。いや、協力したかった。これ以上の内容は、電話でやりとりするようなものではないと思った美琴は、上条の居場所を聞き出すと、そこに向かって走っていた。-----しばらくすると、美琴がファミレスに走って入ってきた「おーい!御坂!!ここだ、ここだ!!」「はぁーはぁーご、ごめん。待った?」美琴は肩を上下に揺らして息をしていた。相当急いできたのだろう。「大したことじゃないから、ゆっくりで良かったんですけど」「な、何が大したことじゃないよ!アンタにとっては重要な問題でしょ!?!?」というと、美琴は運ばれてきた水を一気に飲み干していた。「ま、ありがとな」上条は、自分のことを心配してくれた美琴に素直に感謝の言葉をかける。急いできたせいか、美琴の顔は真っ赤になっていた。「な、なによ。で、用件をいいなさいよ!」せかすように、美琴は早口でしゃべっていた。上条は、記憶をなくす前に運命的な出会いがあったことと、その日付。今通っている高校を志望校として決めたこと。そして、その日を境に厄介な人助けもするようになったことを伝えた。「で、アンタはその運命の人がわかったらどうするの?代わりに告白でもする気?」「いや、そんなことはしねーよ。悪いだろ、過去の俺に。だから、険悪な関係にならないように注意するだけだ」「わ、わかった。じゃあ、調べてみるから…」少し安心したような表情をした美琴は、バッグから小型のノートパソコンを取り出した。美琴がノートパソコンに触れると、手を動かすこともなく画面が遷移していく。おそらく、能力で操っているのだろう。「お前、なにやってんだ?」「決まってるじゃない!監視カメラのサーバーにアクセスしてるの。 ちょっと待って、もう少しでセキュリティ解除できるから」「あの~御坂さん。それって違法じゃ…??」「大丈夫よ!今まで失敗したことないし。よし完了!!」さも当然のようにハッキングを行う美琴に、罪悪感を感じていた上条も流されてしまい、画面を注視してしまう。まず映ったのは、上条の通う高校の正門だった。画面は超高速の早送りになっていて、上条には雲や太陽が動いているのしかわからなかったが、能力を使えばこの超高速も認識できるのだろう。「いた、いた」という美琴の声とともに画面が停止すると、そこには上条が立っていた。そこを起点にして、美琴は監視カメラを切り替えていった。上条の行動をよく見るためか、先ほどと違って5倍速くらいのスピードになっていた。このスピードなら上条の目でも追えそうだ。まずは順送りで見ていく。しかし、事件性のある箇所は見つからなかった。監視カメラの死角になる場所もあるが、前後の時間経過から考えると、何かあったようには思えない。最終的に、上条が帰宅して追跡は完了した。今度は、高校の正門から時系列を逆順にして、行動をたどっていく。順調に巻き戻されていっていたが、途中で美琴の手が止まった。正確には手を動かしてなかったので、画面が止まったという方が正しい。「う、うそ…」美琴は小さくつぶやいていた。「御坂、どうした?」「えっ?ううん、なんでもない。なんでもない」焦ったように、美琴は答えていた。美琴は、巻き戻しの作業を再開した。先ほどまでの楽しそうな表情とは打って変わって、何か、見てはいけないようなものを見てしまった。そんな表情に変わっていた。巻き戻し作業はついに完了し、寮をでる上条の姿で止まっていた。「あーやっぱり手がかりなしか…」「………」「ん?御坂、どうした?」----はじめは気付かなかった。上条が日付しか言わなかったから。事件のことを言ってくれていたら、ハッキングなんてしなかった。監視カメラの映像ファイルには、誤操作の防止や検索のために様々なフラグがある。そのファイルには、犯罪の証拠画像としてのフラグが付いていた。コメントには、『郵便局強盗事件』。そう、あの事件。美琴は不安だった。この映像をみた上条が、自分のことをどう考えるかを。だから、ノートパソコンの画面に映している映像とは別に、美琴は必死になって他の映像を何度もチェックした。彼の心に変化を起こすような、出会いがないかを果たして、そのような映像はついに見つからなかった。郵便局前を映し出す映像以外は。美琴は悩んでいた。この映像を上条に見せるべきか否か。記憶喪失によって消えてしまった自分と、記憶喪失によって生み出されてしまった自分。この2つの自分の間で、苦しむ彼を救いたかった。この映像は、彼を救う手段になるかもしれない。しかし、さらに苦しめる可能性がある。美琴は思い悩んだ末、彼の強さを信じることにした。それでも足りないなら、自分が支えになると決意した。「…ごめん、一つだけ見せてないカメラの映像があるの……」重い口を開け、美琴は言葉を発する。そして、ノートパソコンを操作し、件の映像を見せた。----ノートパソコンに映し出されたのは、郵便局前の監視カメラの映像だった。映像からは、物々しい雰囲気が伝わってきた。上条は、その日が『郵便局襲撃事件』だったことを思い出す。察するに、その現場なのだろう。映像は他のものより鮮明だった。事件の証拠品として、アーカイブされたときの圧縮率が低く設定されているのだろう。それぞれの人の目の動きまでわかるくらいだった。画面の中央にはツンツン頭の男が映っている。見まがうことなく上条自身だった。そのすぐ前には、茶髪の女の子。御坂美琴が立っていた。美琴は、超電磁砲を放ち、その場を去っていく。画面の中の上条は、目で美琴を追いかけていた。「こ、これって…」「そう…過去のアンタが言ってた条件から考えると……『運命の人』ってのは、私の事みたい…」「で、でも、お前の話じゃ、不良に絡まれてるお前を……」「よく動画を見ればわかるけど、アンタは私の後ろ姿しか見ていない。だから初対面だって思ったんでしょ。」「で、どうする?」美琴は一呼吸置いて聞いてきた。まっすぐな目で。「…………」どうすると聞かれても、上条は混乱している頭を整理するので手一杯で、なにか答えを出すことは叶わなかった。「こうなったからには、正直に言うわ。 私は、アンタが、上条当麻が好き。 アンタは、過去と現在の二人の上条当麻がいると思っているかもしれないけれど、 私にとっては、そんなの関係ない。 どちらも同じ上条当麻で、私が一番好きな人」思わぬ告白に、上条はドキッとした。目の前にいる少女は、頬を赤らめてはいるものの、真剣なまなざしだった。「……俺には、記憶がなくて、だから過去の自分と…」「そんなの聞いてない!」上条の言葉を、美琴は強い口調で遮った。「そんなの聞いてない。私は、今の上条当麻がどう思っているか聞きたいの!!」「…記憶喪失とか、そういうのを抜きにすれば、今の俺はオマエのことが……好きだ。」美琴は、真剣な表情を崩し、安心したようににこやかな表情になった。「なら、問題ないんじゃない? 過去の上条当麻も私のこと好きだったみたいだし。 私なら、過去の上条当麻が戻ってきても、ソイツを好きでいられるわよ。 だって、私にとってはどちらも同じ上条当麻なんだから」「そうだな…」一つ間を置いて、上条は言葉を絞り出した。「御坂美琴さん、私、上条当麻とお付き合いしてください」
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特許出願人は、特許出願の日(第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、同項に規定する先の出願の日、第四十三条第一項又は第四十三条の二第一項若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、最初の出願若しくはパリ条約(千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、千九百五十八年十月三十一日にリスボンで及び千九百六十七年七月十四日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約をいう。以下同じ。)第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願又は同条A(2)の規定により最初の出願と認められた出願の日、第四十一条第一項、第四十三条第一項又は第四十三条の二第一項若しくは第二項の規定による二以上の優先権の主張を伴う特許出願にあつては、当該優先権の主張の基礎とした出願の日のうち最先の日。第三十六条の二第二項本文及び第六十四条第一項において同じ。)から一年三月以内(出願公開の請求があつた後を除く。)に限り、願書に添付した要約書について補正をすることができる。
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固法「困ったものね……」 固法美偉は、その日何度目になるか分からない溜息をつく。 「風紀委員として見逃してはいけない」と自分に言い聞かせ、目の前の少年に声をかけた。 固法「ちょっといいかしら?」 少年「ああ?」 固法「風紀委員『ジャッジメント』よ。鞄の中を確認させてくれないかしら?」 少年「!?」 慌てて逃げ出す少年。 焦ることなく、固法は少年の足を引っ掛け転ばせると、手首を掴んでひねり上げた。 少年「痛い痛い痛い痛い!!!!」 固法「大人しくしないからよ……確認!」 固法の指示で、後輩の風紀委員が少年の鞄を開ける。 すると、そこから出てきたのは袋に入った白い錠剤。 風紀委員「麻薬ですね」 固法「まったく……今日これで何人目?」 風紀委員の仕事は、悪の秘密結社と戦うことではなく、街の治安維持だ。 固法「はぁ……誰か手を貸してくれる人、いないかしら?」 【第五話・錯綜! 人のココロ!!】 常盤台中学。 いわずと知れた名門女子校で、例え王侯貴族だろうとレベル3未満は入学できない。 学園都市でも五指に入る名門中の名門。 学舎の園に存在するお嬢様学校の中でも、注目度は一際高い。 何故なら。 学園都市に七人しか存在しないレベル5。その内の二人が在籍しているからである。 その内の一人―― 美琴「ん~~……今日はいい天気ねぇ……」 御坂美琴が、学生寮のベッドで目を覚ました。 年齢や評判に見合わない幼稚趣味なパジャマを脱ぎ、制服に着替える。 シャワーを浴びようかと思ったが、やはりやめておく。 今日は気乗りしない。 出来れば、この部屋からすぐに出たい…… 黒子「おはようございますの。お姉さま」 美琴「……うん。おはよう」 ルームメイトの白井黒子。 先日のキャンベルビルでの一件以来、二人の間に気まずい空気が流れていた。 美琴「ねぇ黒子? 今日も遅いの?」 黒子「ええ。最近は怪人だけでなく、能力者の犯罪も増えていますの」 美琴「治安悪いのねー……相変わらず」 黒子「えぇ。まったくですわね」 …… …… ……。 会話終了。 美琴は悩んでいた。 あの日は気が立っていた。 そのことは黒子も分かっているし、謝れば許してくれるだろう。 が―― 黒子「では。先に出ますので」 美琴「え? あ……う、うん……」 リズムが合わない。 結局、上手くタイミングが計れず、部屋に居る間ずっと息が詰まりそうになる。 美琴「………………はぁ……何て不器用」 先日の公園。 ツンツン頭の少年・上条当麻との、久しぶりの喧嘩。 美琴は思いのたけを思いきりぶつけ、上条はそれを全て受け止めた。 結局それは、叫んで暴れて、体力も気力も尽きた美琴が倒れるまで、一時間ほど続いたのだった。 上条『さて。すっきりしたんならさっさと帰れよ。フラフラじゃねえか……』 美琴『……やだ』 上条『はい?』 美琴『だって……居づらいんだもん……』 その日と同じく気の立っていた自分は、八つ当たりで黒子を傷つけた。 それを気にしないように気を使っている黒子。 そのことが、美琴の機嫌をさらに悪くしていたのだ。 上条『後輩と喧嘩したぁ?』 美琴『……うん』 上条『何だ……そんなことかよ……』 美琴『そんなことって……!』 言い返そうとしたが、少年はあっさり、真実を述べる。 上条『だって。自分が悪くて喧嘩したなら謝りゃすむじゃねーか』 美琴『うぐっ…………!?』 美琴「そんな簡単に出来たら苦労しないってのよ……あの馬鹿!」 風紀委員第一七七支部。 慌しい空気の中、私は親友とのスキンシップを図る。 佐天「初春ー?」 初春「……」 佐天「初春ー?」 初春「……」 返事が無い。ただのお花畑のようだ。 おのれ初春……この私を無視するとはいい度胸だ……! 目標補足! 目標を掴むと同時に捲り上げる!!! 佐天「うーーいーーはーー……るーーー!!」 初春「……」 馬鹿な!? スカートを捲っても無反応だと!!? 佐天「……」 初春「……」 佐天「えい! おお!! きれいなお尻だ!!」 初春「ひゃああああああああああああああああああああ!!!!???」 バチーーーーーン!!! と、部屋中に綺麗な破裂音が響き、私は意識を失った…… 初春「ななななななななななななななな何をするんですかーーーーーー!!!??」 佐天「いや……返事が無いから。コレは更に先に進めということなのかと……」 初春「忙しいんですよ!!! 見たら分かるでしょう!!!?」 おー。珍しく本気で怒ってらっしゃる。 いや、これは恥ずかしさを誤魔化すためにオーバーになってるな? 初春「もう……邪魔するんなら出てってくださいよ……」 佐天「えー? 初春が難しい顔してるから、気を紛らわせてあげようと思っただけなのにー」 初春「セクハラを人の所為にしないで下さい!!」 本当なのになー…… まぁ元気になったからいっか。 固法「戻ったわ……」 そこへ、巡回に出ていた固法先輩が帰ってきた。 なにやら暗い面持ちで、やっぱり、こちらも相当お疲れのようだ。 ……いや。期待されても流石に先輩にはしないよ? ……ホントダヨ? 初春「どうでした?」 固法「どうもこうも無いわ……酷いなんてものじゃないわね」 風紀委員はここのところ、著しい治安の乱れに悩まされていた。 それはブラッククロスだけではなく、学生達による犯罪の増加や、なにより―― 固法「ほら。戦利品」 佐天「これって……クスリですか?」 麻薬。ドラッグ。 いわゆる違法薬物が横行していた。 固法「今日だけでこれだけの数よ……あー、目の毒だわ……」 固法先輩は透視能力を使い、街中で違法薬物の取締りを行っている。 固法「やっぱりこれだけ治安が悪いとね……皆不安になって、こういうものに頼り出すのよ……」 初春「そういうもの……でしょうか?」 嫌な話だ…… 初春「でも。薬物は出所さえ掴めば何とか出来ますからね。ブラッククロスの件よりはマシです」 固法「その出所が分からないから困ってるんでしょ……」 佐天「出所……スキルアウトとか?」 固法「どうかしら……それだけじゃない気もするけどね……」 固法「白井さんは? まだ戻ってないの?」 初春「ええ。出てったきりです」 無理してなきゃいいけど……と、呟いて、個法先輩は机に向かった。 報告書を作るらしい。 初春に視線を移すが、彼女もまたパソコンで何やら調べもの中の様子。 ……ここのところ、ずっとこの調子である。 風紀委員は大忙し。 以前のようにみんなでお出かけしましょうというワケにもいかず、会話も減っている。 これはいけない。 こういう空気が長く続くと人は良くない方向へ転がるものだ…… 佐天「ふむ……」 さて、私こと佐天涙子がするべきことはなんだろう? 考えるまでも無い。 そんなことは決まっている―――― 佐天「じゃあ。私もそろそろ行くね? 邪魔にならないように……」 私がドアを開けて出て行こうとすると、初春が無言で手だけをひらひらさせて挨拶してくれた。 それに「じゃあね」と返し、私は駆け出した。 佐天「さぁて。ヒーローの仕事は戦いだけじゃない――ってね!」 ヒーロー・アルカイザーが、街に蔓延るドラッグを駆逐しちゃいますよ! 一七七支部を出た私は、人気の無い路地裏へ駆け込んだ。 誰にも見られないようにするためだ。 佐天「ふー…………この瞬間はいつまで経っても慣れないねぇ……」 何せ、正体を見られたら記憶を消されるのだ。 命がけの変身。慣れるはずが無い。 念入りに周囲を調べる。 物陰。通路の先。人が何処からも見ていないか? 最後に前後左右をもう一度見回して、目を閉じ、意識を集中する…… 佐天「……」 心臓が一つ大きく跳ねる―― 体の中心から、全身の血管へ。 血が廻るのを感じる。毛細血管の一本一本まで…… 心臓で生まれた熱量が、指先、つま先まで広がっていく。 力が湧いてくる――――! 佐天「変身! アルカイザー!!」 佐天涙子の体が輝き、視界が光に包まれる……! ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!! 佐天「………………え?」 突然のアラーム音に驚き、私は、さっき確認しなかった『頭上』を見上げた。 そこに『居た』のは―――― 「異常な数値の周波数を発見。ライブラリに該当無し。未知のエネルギーと断定。発生源、確認」 白くて丸っこい、大体40センチくらいの、何やら可愛らしい空飛ぶ機械。 「学園都市学生名簿と照合……該当者・佐天涙子」 佐天「……え? え?」 これって―――― 「佐天涙子より、未知のエネルギーを検出。映像、データを検証」 佐天「――――――」 やばい。 私、死んだ。 「おい、あの頭、見ろよ!」 「ツインテールか?」 「ツインになってねーじゃん! 分かれちゃってるじゃん! 蛸の足じゃん!」 「ハハハ! いっぱい分かれてるテールじゃねーの?」 黒子「……ここはいつ来ても不快ですわね」 不潔で嫌な臭いが充満している。 そういう場所はいる人間も不快で下劣だ。 ――しかし、昔の私なら蹴り入れてましたの。私も淑女になったということですわね……フッ。 白井黒子が居るのは工業地区の外れ。 古くなった建物や、廃棄された製品が溢れる、掃き溜めのような場所。 黒子「流石に遠出しすぎましたの……第七学区を出てしまいましたわ」 どんな場所だろうとテレポートで移動できる。 それゆえに、よく考えずに行動するとどこまでも来てしまう。 ……どうしても。あの時のことが頭をチラついて…… 黒子「……集中しませんと……気付いたら『壁の中に居た』では笑えませんの」 もう戻ろう。 黒子は踵を返し、今来た道を戻ろうとする。 「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 黒子「!?」 先ほどのスキルアウトの一人が突然苦しみだした。 黒子「何事ですの!? 貴方達――!?」 「わ、わからねぇ……! コイツが突然……」 「く、クスリ……」 黒子「薬?」 「怪しい奴から買った、新しいブツを試したんだよ、そ、そしたら……」 ……呆れた。何故怪しいと思って買うのか…… いや、そんなことよりも今は――! 「ウゴ、ググッげ……ぐるあああああああああああああああああああああ!!!」 黒子「こ、これは!?」 苦しんでいたスキルアウトの体がボコボコと流動している。 歯が抜け落ち、その代わりなのか、歯茎から牙が生えてきた。 肌が黒く変色し、アンバランスに膨れ上がった筋肉で皮膚が破れ、体毛が伸びる。 黒子「怪物……いえ、まさか怪人……に……?」 怪人「ぐるる……ぐっぅあああああああああああああ!!!!!??」 怪人になった男は苦しんでいる。 無理も無い。ただの人間が、どういう理屈なのか、突然怪物にされてしまったのだ。 黒子「――――!」 戦いますの――――? だって、相手はただの人間ですのよ!? 「ひ、ひいいぃいいいい!!!?」 黒子「ちぃっ……!」 とにかく、今は一般人の避難を――! 例えスキルアウトでも、罪を犯していないなら守るべき対象。 黒子はテレポートで逃がそうと考えたが、止める。 黒子「……三人……!」 いくら黒子でも一度に運べるのは二人まで。 ということは、一人がここに残されることになる……!! 黒子「貴方たち! 早くお逃げなさい!!」 「は、はひぃぃ!!!」 黒子「……!!」 男達を逃がし、一人戦場に残った黒子は、怪人になった男と対峙した―――― …………………… どうしてこうなった。 「どうしたんだ涙子? 心拍数が落ちているぞ?」 佐天「うん……そろそろ落ち着いてきたんだよ……」 「そうか」 私の部屋に、あの白くて丸っこい機械がいる。 佐天「ねぇラビット? 本当にどこにも連絡してないのね?」 「ああ。私は嘘はつかない。メカだからな」 ラビットと名乗ったそのロボットは、私に興味があるらしくここまで着いてきてしまった。 しかし、この場合どうなるんだろう? 相手はロボットだ。 決して『一般人』とは言えないだろう。 と、いうことは―― 佐天「セーフ?」 ラビット「何がだ?」 佐天「なんでもないよ」 ラビット「そうか」 うん。大丈夫のはず。 もしアウトだったら、きっと今ごとアルカールさんが現れているだろう…… 佐天「あのさ。さっきのアレについて聞かれても、私は何も答えられないよ?」 ラビット「そうか。残念だ」 佐天「……」 ラビット「……」 出て行かないんかい。 ラビット「何か悩んでいるな?」 佐天「はい?」 いや、あんたのことで悩んでるんだけどね? ラビット「涙子。何を悩む?」 ………………何だコイツ…… 佐天「……何を悩んでるのか分からないのよ」 ラビット「そういうときもあるだろう。まだ若いのだからな」 …………ロボット相手に人生相談か。 ラビット「己のココロというものは見えづらいものだ」 佐天「心……」 ラビット「私には無いものだ」 佐天「そうなの……? あなたのAIってすごく性能よさそうだけど?」 ラビット「ココロを求めれば求めるほど、己の中にはココロが無いことを確信することになる」 ふーん……変なロボット。 佐天「私はさ。この街に来てから悩んでばっかりだよ」 ラビットは黙ってぷかぷかと浮かんでいる。 話を聞いてくれてるのかな? 佐天「最近はそうでもなかったんだけどね。今はちょっと、嫌なことを思い出しちゃって」 美琴「…………」 美琴は行くアテもなく街をうろついていた。 馴染みの自販機でジュースを『頂き』、それをチビチビ飲みながらふらついている。 上条『喧嘩したなら謝りゃすむじゃねーか』 美琴「はぁ………………」 コンビニで立ち読みしていても落ち着かないし、初春や佐天とは連絡がつかない。 美琴「…………ひょっとして、私って友達すくない……?」 いや、分かっていたことだ。 だからこそ、尚更白井黒子が大切な存在なのだと。 レベル5の自分のことを憧れの先輩だと言いつつも遠慮しない。 ずけずけと、それこそ風呂場にまで入り込んでくるずうずうしさ。 美琴「黒子……」 いつの間にか、彼女は心の中にまで入り込んできていたらしい。 それにしても、まさか自分がたった一度の失敗でここまで落ち込むなんて。 美琴「うん。謝ろう。今度こそ。次こそ!」 そう強く決意し、美琴は空になったジュースの缶を清掃用ロボットの傍に投げ込んだ。 が―― その前に突然一人の男が割り込んできた。 カコーーーーーーーーーン。 美琴「……………………私の所為じゃないわよね?」 美琴「だ、大丈夫?」 おそるおそる近づく。 美琴「ねぇ? 怪我とか――」 妙だ。 男は、何かに怯えるようにガタガタと震えていた。 美琴「ねえ? ちょっと、どうしたのよ?」 「か……怪人……」 美琴「怪人!?」 また街の中で――――!? 「怪人に……だ、ダチが……怪人に……なっちまった……!」 美琴「…………え?」 黒子「くっ……!!」 黒子は苦戦していた。 相手がただの人間なら、スカートの下に忍ばせた『鉄矢』で動きを封じて捕縛できる。 相手がただの怪人なら、容赦なく致命傷を与えて倒すことが出来る。 だが―― この相手は「怪人になってしまった一般人」なのだ。 黒子「一体どうすればいいんですの!?」 苦しそうに暴れる怪人。 薬の作用なのか、無理やり太くされた筋肉をフル稼働し、黒子に突撃する。 駄々っ子のように腕を振り回して、まるで助けを求めるように―― 黒子「――――」 攻撃できない。 黒子が風紀委員である以上。 例え麻薬の常習者だろうと。ロクデナシのスキルアウトであろうと。 この学園で生活する学生は皆、守るべき対象なのだから。 それが、『悪の組織』に利用されている被害者だとしたら、なおさらだ。 自分の行動に、自信が持てない―― 佐天「わたしはさ。自分に自信が持てないんだと思う……だから無能力者なのかな……」 能力を使うために必要なのは自分だけの現実『パーソナルリアリティ』。 つまり、他の誰が何と言おうと、自分自身を信じるということ。 それこそ、この世の常識を捻じ曲げるほどに…… ラビット「無能力者……カリキュラムを受けてなお超能力を使えない人間か」 佐天「……改めて説明しないでよ」 佐天涙子は学園都市で改造された無能力者である。 佐天「そのナレーションをやめろ!!」 ラビット「チカラか」 佐天「うん。それさえあれば。何だって出来るのに」 もう、あんな無力感を味わわなくててすむのに。 ラビット「私の主もそう言っていた」 佐天「あるじ?」 ラビット「ああ。私の主もまた、涙子と同じく『万能の力』を求めている」 佐天「万能の……力……」 ラビット「それゆえ、私もまた、チカラを渇望してやまない」 佐天「ふーん……まぁ、だからさ。コンプレックスなんだよね。単純に」 ラビット「しかし、理解できない。何故だ?」 佐天「何故って……」 ラビット「今の涙子にはもうチカラがあるではないか。強力なチカラが」 佐天「え――――」 アルカイザー。 ラビット「それ以上のチカラを求めているのか?」 佐天「いや。でも……これは借り物で……」 ラビット「それは紛れも無い涙子のチカラだ。何を臆することがある」 佐天「………………」 ラビット「自信を持て。強者にはそれが必要だ」 佐天「強……者……?」 私が。 強者? まだ、怪人と黒子の戦いは終わらない。 黒子「っ! 一体いつまで続けますの……?」 攻撃自体はどうということはない。 例えどんな豪腕であろうと、攻撃が予測できればテレポートでかわせる。 怪人「ぐうあああああああああああああああああ!!!!??」 怪人が突撃し、それをまたテレポートで回避する。 すでに十数回。これを繰り返していた。 攻撃をかわされた怪人はジャンクの山に激突し、鉄くずの下敷きになる。 黒子「はぁ、はぁ……これで動きを止めてくれればいいのですが……」 ぐるるがあああああああああああああああああああああああ!!! 止まらない。 怪人は鉄くずを吹き飛ばし、再び黒子へと迫る。 その体当たりをまたもテレポートで回避。 黒子「いい加減に……っ!?」 そう――いい加減に、黒子の集中力は途切れていた。 黒子がテレポートした先。そこへ、先ほど怪人が吹き飛ばした鉄くずが落下して来る――! 黒子「……!??」 動揺で演算が狂い、テレポートが発動しない。 絶望。間に合わない。 否――間に合った――! 鉄塊に潰されることなく、黒子は着地に成功した。 黒子「………………お姉さま! どうしてここへ!?」 美琴「……黒子」 黒子の絶望は一瞬に満たなかった。 御坂美琴が放つ電撃は、音速を超えるのだから―― 黒子に迫る鉄塊は、美琴の放った電撃で再び宙に浮いた。 黒子「お姉さま……黒子を助けに……?」 美琴「当然でしょ? だって――」 大切な、可愛い後輩だもの。 美琴「黒子。この前はゴメンね……」 黒子「……いいえ。いいのですお姉さま……黒子は……黒子は分かっていましたから……」 お姉さまがそのことを気に病んでいることも。 お姉さまが自分を大切に思ってくれていることも。 お姉さまが、どんな苦境に立たされても再び立ち上がって、真っ直ぐに進むということを――! 二人に向かって、怪人が迫る。 今までと同じ。腕を振り回しての体当たり。 美琴「行くわよ黒子!!」 黒子「はいですの! お姉さま!!」 もはや迷いはない! お姉さまがいる! 自分は正義の側にいる! 正しいことを! 自分が正しいと思えることを!! 今はただ全力で信じる!!! 美琴「行っけぇっ――!!」 美琴がコインを弾く。 『超電磁砲』 それは怪人ではなくゴミの山に命中し、鉄くずを天高く巻き上げた。 怪人の行く手を阻むように鉄塊が降り注ぐ――! が、怪人は止まらない……! 鉄の板だろうが、車の残骸だろうが。 何にぶつかろうが、意に介することなく進撃を続ける……!! 美琴「頑丈ね……! なら――――!!」 美琴の額から電撃が放たれる。 それは直接怪人にではなく、怪人の周囲にばら撒かれた鉄くずに向かった。 磁力によって鉄くずが浮かび上がり、怪人目掛けて一斉に集まって行く。 美琴「黒子!!」 黒子「はいですのお姉さま!!」 美琴が操る鉄くずは怪人の体に絡み付いていく。 鉄の山を吹き飛ばす怪力だが、決して剥がれない鉄の塊に手足を固定されては暴れることも出来ない。 そして、完全に動けなくなった怪人を―― 黒子「触れられるのなら、私の能力でどうとでもなりますの!!!」 黒子が天高く転移させた。 黒子「体も意識も落ちて下さいませ!!!」 全身に重りを付けられた怪人が、上空から落下―― 否――まだ終わらない……!! 美琴「あれだけ頑丈なら……死にはしないでしょう……!!」 落下する怪人に、ダメ押しとばかりに電撃が浴びせられた……!! テレポートと電撃を間髪居れずに叩き込む、二人の能力による連携―― 『空間電撃』 頭から地面に落下した怪人は、電撃による追撃で完全に沈黙した。 それを確認し、黒子は隣に立つ美琴へ顔を向けた。 美琴も、黒子を見つめていた。 知らず口元が緩む。 場所がこんな所でなければ、素敵なムードでしたのに。 そんな軽口を叩ける。いつもの二人だった。 ピーーー! ピーーー! 佐天「な、何!? 故障!!?」 ラビット「呼び出しだ。戻らなければ」 佐天「そう……帰るんだ」 ラビット「また近いうちに会える」 そう言って彼は、フワフワとした軌道で窓から出ていった。 完全に外に出ると、空中で一度停止して数回光り、一気にスピードを上げて飛び去った。 佐天「また近いうちに……か」 彼の相談で、悩みは解消されたのだろうか? ただ、胸にふつふつと燃えるようなものがあるのは確かだ。 彼は、私には力があると言った。 この力を、私のものだと言った。 戦いたい…… 戦って、それを証明したい。 そうすれば、大嫌いな、無力な自分を塗り替えられる。 主人公になれる。 落ちこぼれのヒーローは、不思議な友達と出会った。 【次回予告】 ついに発見されたブラッククロスの麻薬工場!! アルカイザーは街の平和を守るため、謎の麻薬工場へと挑む!! そして邂逅する佐天と美琴!! 共に正義を求める二人が、一体何故戦わなければならないのか!! 次回! 第六話!! 【激突! アルカイザーVS超電磁砲!!】!! ご期待ください!! 【補足という名の言い訳のコーナー】 ・ラビットについて。 セリフでピンと来た人も居ると思うけど、一応ネタバレ禁止でお願いします。 ・連携について。 試しに出してみました。サガフロのシステムの一つで、連携すると技名が合体します。 今回の技名は「空間移動」と「電撃」を混ぜて空間電撃です。 テレポ電撃と迷いましたが、真面目なシーンであまりにもダサかったので没です。 ・怪人になった男について。 クーロンで戦うイェティです。原作でもあった人間が薬でモンスターになるシーンです。 あのグラフィックをどう文章で表現するのか分からず何かグロいことに…… ・いっぱい分かれてるテール。 なんかラジオで言ってた気がする
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第一章―総則 第一条 第二条 第二章―意匠登録及び意匠登録出願 第三条 第三条の二 第四条 第五条 第六条 第七条 第八条 第九条 第九条の二 第一〇条 第一〇条の二 第一一条及び第一二条 第一三条 第一三条の二 第一四条 第一五条 第三章―審査 第一六条 第一七条 第一七条の二 第一七条の三 第一七条の四 第一八条 第一九条 第四章―意匠権 第一節―意匠権 第二〇条 第二一条 第二二条 第二三条 第二四条 第二五条 第二五条の二 第二六条 第二七条 第二八条 第二九条 第二九条の二 第三〇条 第三一条 第三二条 第三三条 第三四条 第三五条 第三六条 第二節―権利侵害 第三七条 第三八条 第三九条 第四〇条 第四一条 第三節―登録料 第四二条 第四三条 第四四条 第四四条の二 第四四条の三 第四五条 第五章―審判 第四六条 第四七条 第四八条 第四九条 第五〇条 第五一条 第五二条 第六章―再審及び訴訟(改正、昭三七法律一六一) 第五三条 第五四条 第五五条 第五六条 第五七条 第五八条 第五九条 第六〇条 第六〇条の二 第七章―雑則 第六〇条の三 第六一条 第六二条 第六三条 第六四条 第六五条 第六六条 第六七条 第六八条 第八章―罰則 第六九条 第六九条の二 第七〇条 第七一条 第七二条 第七三条 第七三条の二 第七四条 第七五条 第七六条 第七七条
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次の日、いつもどおり、打ち止めを送っていってついでに登校しようとしていた一方通行に黄泉川からあるものが渡された 「ほい、一方通行。これ持ってくじゃん」 「なンだ?これェ」 「お前のクラスの月夜と赤音のマニュアルじゃんよ。それを渡しといてくれじゃん」 そう、一方通行に渡されたのは白雪と茜川の球技大会マニュアルだった ちなみに内容は一方通行ほどひどいものではなかった 「あン?何で俺が持って行って渡さなくちゃなンねェンだよ。小萌センセーが渡しゃァいいじゃねェか」 一方通行は露骨にいやそうな顔で文句をたれた だがマニュアルを渡された事には理由があった 「小萌センセは午前中は出張じゃん。だからちょうどお前がいたから渡してもらうと思っただけじゃん」 「はァー……わァったよ。俺が渡しとく」 黄泉川から聞かされた理由に一方通行はため息まじりに引き受けた 「お、助かるじゃん。さすが一方通行」 「つーか、お前、学校いかねェのかよ」 「別にいそいで行くことないから、生徒たちより後でも大丈夫じゃんよ」 「そうかい」 黄泉川のクラスは優等生ばかりなので特にいそがしいことはないらしい 教師がそれでいいのかよ、と思いながら一方通行は打ち止めと玄関を後にした 「それにしても、あなたが素直に引き受けるなんて珍しいね、ってミサカはミサカは驚いてみたり」 「これぐらい誰でもできンだろ、それに素直じゃねェし」 「それでもあなたが受け入れた事はいいことだよ、ってミサカはミサカはほめてみたり」 「……そうか」 打ち止めに褒められたことはうれしかったが、それを顔にださないツンデレの一方通行だった その後、一方通行の朝練にあわせて家を出たことで打ち止めの学校がまだ開いてないことに気づくのは、別の話 「……元春、おはよう。どう? ぐっすり眠れた?」 「おはようさんだにゃー……。いや、ちょっと微妙な気がするぜい。色々と考えちまって、な」 土御門の部屋、こちらはようやく目を覚ました土白だが春上が泊まったことで微妙に寝不足だった。 その春上は土御門のベッドの上で月夜に抱きつきながら未だにスヤスヤと眠っている(土御門は来客用の布団)。 「やれやれ、こっちの気も知らずによく眠ってるぜよ。となると今日の朝練は」 「うん、無理だよ。衿衣ちゃんに朝練付き合わせるのは悪いからね。それにこんなに気持ち良さそうに眠ってる衿衣ちゃんを無理矢理起こすのは忍びないよ」 「ま、今日は降って湧いた休息と思うことにするですたい。しっかし月夜と一緒に俺まで衿衣ちゃんに慕われるとは予想外にもほどがあるぜい」 「確かに。けど元春、衿衣ちゃんに対してシスコン発揮したらどうなるか言わなくても分かるよね?」 月夜は結局、春上と土御門を引き離すことが出来なかったが、過剰に可愛がることだけは禁止するように土御門にきつく言い聞かせたのだ。 ちなみに土御門が春上のことを名前で呼んでいたのは本人からの要望で、これには月夜も渋々了承したという。 「んじゃ俺はカミやんに朝練欠席のメールを送るとするかにゃー。ついでに陣頭指揮もお願いしとくぜよ♪」 「私は赤音ちゃん経由で井ノ原くん達に伝えてもらうとするよ。ま、こっちは心配する要素は井ノ原さんしか居ないから安心だけどね」 「元春おにいちゃん、月夜おねえちゃん、一緒に遊ぼうなの~。むにゃむにゃ……」 春上の寝顔を見て微笑ましい気持ちになった土白、それぞれの連絡すべき人間に連絡をしてゆったりとした朝を過ごすのだった。 ―――――――――― 「……あかん。結局、この子らを泊めてもうた」 一方の青ピ、自分の意思などお構いなしに泊り込み、今も眠ってる白子と赤見を見て頭を抱えていた。 しかし最初は乗り気じゃなかった青ピだが波長の合う二人と話してるうちに段々と楽しくなっていたのだ。 とはいえ小学生二人を自分の部屋に泊まらせたことに関しては反省しているのだった、彼には珍しく。 「まあ井ノ原姉弟のおかんは見た感じ、許してくれそうやけど問題は黒子はんや。そろそろあの子が部屋に入って来て」 「お早うございます○○様♪ さ、今日も今日とて朝から愛を育もうではありませんか♪」 「やっぱり来たーーーーーーっ! ……って言うとる場合ちゃう! 黒子はん、下着は脱いだらアカンから!」 「承知しておりますの♪ 黒子は分別を弁えた立派なレディー……あ、あの○○様、○○様の両脇で寝ている子供は……?」 昨日の寮監の説教を記憶の奥底に無意識状態で押し込めた黒子のテンションはいつもと変わらずだった、白子と赤見を目にするまでは。 青ピは間違いなく黒子が逆上すると思っていたが、黒子の頭の中ではこんな結論に達していた。 (あの凛々しい男の子は○○様に、こちらの純情そうな女の子はわたくしそっくりですわ。……まさかこの二人、黒子と○○様の未来の息子と娘?) 黒子が変な妄想をしているところで、さっきほどの騒ぎにより二人が起きはじめた 「むにゃ……おはようございます、師匠」 「んん……おはようございますですわ、師匠」 「あー、おはようさん」 青ピは師匠と呼ばれることにまだ抵抗があったがやめろと言っても聞きそうにないので言わない事にしている 「あら、○○様、この子達から師匠と呼ばれてるんですの?それならばすごいですわー!!」 黒子は赤見と白子から師匠と呼ばれている事に感激した しかし、赤見と白子は黒子ことは知らないので不審に感じた 「師匠。この白子はんそっくりの人は誰ですか?」 「本当ですわ。わたくしそっくりですわ。誰ですか、師匠?」 二人は疑問に思った事を素直にぶつけた 「この人は白井黒子はん。ボクの彼女や」 青ピはここぞとばかりに胸を張った 弟子に自慢できることがとてもうれしかったらしい 「「さすが、師匠!!」」 赤見と白子の二人は青ピの期待通りの答えをくれた もう、青ピはなんやかんやで弟子を認めってしまったらしい 「そして、黒子はん。こっちはボクの弟子の赤見に白子やでー」 そして誇るように赤見と白子を黒子に自己紹介した その後、やはり変態の話で盛り上がり、赤見と白子は黒子にまで弟子入りしてしまった 盛り上がりすぎて青ピが朝練に遅れたのは言うまでもない ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「えっとー、麦野をどうしようか?」 一方、浜面と滝壺はまだ起きていない麦野をどう対処しようか悩んでいた 「つーかコイツ何で俺のシャツに着替えてんだよ……。しかも寝かせといた布団から俺のベッドに移動してやがるし」 「きっと私たちが寝てる間に一回起きて着替えたと思う。とりあえずはまづら、そのにやけた顔は止めて」 「わ、悪ぃ……(しょーがねーじゃん! 麦野のやつTシャツの下、何にも着けてねーんだから! うっ! 寝返り打つなよ……)」 滝壺の推測通り、日の出前に目を覚ました麦野は自分がどうして浜面の部屋に居るのか分からなかったがラッキーと思うことにした。 しかしベッドの上で浜面の横で眠ってる滝壺に嫉妬した麦野、着ていた服を下着ごと脱ぎ捨てて浜面のTシャツに身を包んでベッドに潜り込んだのだ。 ちなみに脱ぎ散らかした麦野の服は滝壺が回収し終え、洗濯中。 「ここは私に任せてはまづらは朝練に行って。遅刻でもふきよせは怒りそうだから」 「……確かに違う競技でも怒られそうだな。分かった、先に行ってるからな。けど滝壺、お前は大丈夫なのか?」 「心配要らない。寝ている状態なら左手は出てないから怪我することもない。それにむぎのをここに一人にする方がもっと心配」 滝壺の心配、それは自分も浜面と一緒に出かけて麦野をこの部屋に一人にした場合、99%の確率で荒らされるという事態だった。 それは浜面も危惧していたことで、名残惜しいとは思いつつも後のことは滝壺に任せて朝練に向かうことにした浜面。 いってきますのディープなキスを滝壺にした浜面、ポーッとした滝壺に見送られて玄関のドアを開けようしたが、 「ん~~~~~、は~まづらぁ、そ~んなに私とキスがしたいのか~、ムニャムニャ、しょうがないな~」 「へ? ぬおっ!! ちょ、麦野! おま、寝ぼけムグッ!!!」 寝ぼけ状態の麦野が閃光のアームを発動し、浜面の制服の襟を引っ掴んで自分の所へ引き寄せると浜面が味わったことの無いディープを超越するキスを見舞う。 念の為、麦野はまだ眠っており、浜面と恋人同士になった夢を見ていることを追記しておく。 そして5分間もの熱烈かつエロスに溢れたキスの後で浜面は閃光のアームで玄関の外へと投げ飛ばされることに。 「ぎゃんっ! ……け、汚された。む、麦野にこれでもかというくらいに汚された。うわーーーーん! ごめんな滝壺ーーーーーっ!」 「…………はまづら?」 麦野に無理矢理唇を奪われたことを泣きながら謝罪して立ち去っていった浜面、麦野のキスがちょっとどころかかなり気持ち良いと思ってしまったことも含まれている。 浜面にとって幸運だったのは滝壺が自分との愛に溢れたキスでポーッとしていて一連の騒動に全く気付いていなかったことだろう。 滝壺は浜面の行動理由が分からず、不審に思いながらも郭に朝練欠席どころか遅刻するかもとメールを送るのだった。 ――――――――― 「じゃあ母さん、行ってきます」 「行ってきますおばさま」 「ZZZZZ……」 「おう、気を付けるんだぞ」 こちらは井ノ原家、朝練に出かけるポリアモリーカップルが朝陽に出かけの挨拶をしている所だ。 最初はどうなるかと思った真夜、真昼、赤音の関係だが日を追うごとに仲良くなってる感じを受けて安心している朝陽なのであった。 「ところで母さん。今日もうちの学校に来るつもり?」 「いや、今日は残業になりそうなんでな、行けそうにない。だから晩飯も先に食ってていいぞ」 「おばさま、あまり無理しないで下さいね」 「ありがとな赤音。ホント、お前のような子がうちの真夜を好きになってくれて良かったよ。これからもよろしく頼むぞ将来の娘♪」 朝陽の言葉に顔を真っ赤にさせた赤音と真夜は恥ずかしくなって慌てて出て行った、この時も真昼は起きる気配すら見せない。 子供達を見送った朝陽、すでに出かける準備を済ませており、なおかつ家に居てもやることがないので、 「ちょっと早いが学校に行くとするか」 いつもより早く通勤することにするのだった。 ――――――――― 場所は変わって翔太の部屋、結標が黒子みたく彼の寝室に【座標移動】で現れる。 「あ、淡貴おはよー♪」 結標は翔太のちょうど起きてベットから降りたところへ奇跡的に後ろにテレポートに成功してついでに後ろから抱き着こうとしたが翔太がすぐに気づき、逆に翔太が抱きついてきてしまった 「お、おはよー、翔太。(すごいわね、すぐ気づくなんて。でもそれだけ私のことを感じ取ってくれてるってことよね。……うれしい)」 「どうしたの、淡貴?鼻血出てるよ」 「え!?ホントに!?な、なんでもないから、ティッシュ取ってくれる?」 「?わかったよ、はい」 結標はうれしさのあまり鼻血を出してしまった 翔太からティッシュをもらうとすぐに鼻に詰めた 「あ、そうだ。これ翔太のお弁当。がんばって作ったんだからね」 料理の腕が最近上がってきた結標は翔太のために弁当を作ってきたのだった 「わー!ありがとう、淡貴!」 「そんなに喜んでくれるなら本望だわ。さ、着替えてはやく登校しましょ」 「うん!すぐ準備するから外で待ってて」 翔太は結標を待たせてはいけないと思ったので数分で準備を済ませた 「は、はやいわね。もうちょっとゆっくりしてもよかったのに」 「だって、淡貴を待たせるわけにはいかないじゃん」 「そ、そう。ありがとう。じゃ、はやく行きましょ」 「うん!」 結標は顔が小爆発を起こしそうになったので先をうながした そして二人仲良く登校していった ―――――――――――――――――――――――――――――――― 一方、上琴ハウスの上条も登校しようとしていた 「じゃあ行ってくるな美琴」 「行ってらっしゃい当麻。はいお弁当♪ そ・れ・と♪」 玄関までの見送りならびに愛情弁当手渡し、そしていってきますのキス、もはや上琴は恋人というより新婚さんの域に達している。 「ところでさ美琴。来るのは放課後だよな? まさか後でこっそり付いて来たりとか」 「しないしない。ちゃんと約束は守るから安心して。行くのは放課後、吹寄って女とは極力話し合いで電撃の槍ならオッケーでしょ?」 「はい最後アウトーッ! 電撃の槍も普通の電撃もダメ! 美琴の能力はそんなことの為に使ってはいけません!」 昨夜もさんざん宥めた末に美琴に吹寄と話し合う許可を与えた当麻、大人しいと思っていたらそうでも無かった美琴に頭を抱える。 それから更に砂鉄の剣、超電磁砲ならと言う美琴を当麻なりに厳しく咎めるのだが、 「なによぅ、と、当麻ったら、グズッ、私より吹寄って女の方が、エグッ……」 「わーーーーっ! 違うから、全然違うから! ただ上条さんは美琴に手荒な真似はして欲しくないだけです! 吹寄なんかよりも美琴の方が大事だから!」 「……ホント?」 「モチのロンですよ! わたくし上条当麻にとって美琴よりも大切な女性はこの世に存在しませんのことよ! 世界で一番美琴のことをうおっ!」 当麻にきつく怒られたこと、吹寄をかばうような感じを受けて泣きそうになった美琴を見て慌てて泣き止ませようとする。 努力の末、美琴は泣き止んだが今度は嬉しくなって当麻に抱きつく、漏電してることに気付かずに。 「ゴメンね当麻。当麻のことは誰よりも信じてるのにそれを疑っちゃって……。でも嬉しい♪ 当麻が私のことを大切に思ってくれて」 「(ろ、漏電は右手で何とかなったけど、む、胸がっ! 美琴の発展途上の慎ましくも愛らしい胸がっ!)じゃ、じゃあそろそろ行くから……」 「あ、ゴメン。じゃあ当麻、また放課後にね♪」 理性の限界が近づいていた当麻は慌てながらも優しく美琴を引き離し、平静を装ったまま玄関を出た。 そして煩悩を振り払うかのように全速力で友愛高校へと走るのだった。 なお、土御門の朝練欠席のメールに気付くのは更衣室に入ってからのことである。 「んー、まだちょっと甘え足りなかったなー♪ 放課後、当麻に目一杯甘えちゃおっと♪」 ―――――――――― そして朝練が始まって10分、バスケ組では、 「だあっ! く、くそっ! まだだ、まだ頼むぜ災誤先生っ!」 「いい根性だ浜面! 青ピが来てないから暇を持て余してたところだ、お前の気が済むまで付き合ってやる!」 浜面が今朝の麦野の件を振り払うかのように災誤との1ON1に明け暮れていた、しかもがむしゃらに。 その様子からパス練習をしつつも姫神、半蔵、違うクラスの郭は浜面に何があったのかと話していた。 「どうしたんですかね、浜面氏」 「あれじゃないか、人生の崖っぷちに立たされたとか」 「違う。違う。浜面は。滝壺さんの裸を見て。フィーバーしてる」 「ああ、そうかもしれませんね」「そうかもなぁ」 姫神の一言に納得する半郭。姫神はかなり失礼なことを考えた物である と、そこで浜面が、 『ちげぇよ!俺は青髪みたいな変態じゃねぇ!!』 と災誤にぶつかりながら叫んだ 「なんだ、違うのか」 「じゃあ。人生の崖っぷちに立たされたで」 『俺はいつも崖っぷちに立ってらぁ!』 浜面は人生の崖っぷちに対しても、災誤にぶつかりながら叫んだ 「それは。威張る事じゃない」 「じゃあ、なんだろうか?」 「あ!もしかして麦野氏にキスされたとか!」 『グッ!!……ぐわぁ!?』 そこで郭の一言により浜面の動きが止まってしまった そして災誤のドリブルカットによる手が浜面の顔に入ってしまい吹っ飛ばされてしまった 「す、すまん。浜面、大丈夫か?」 災誤は浜面に呼びかけたが返事がなく気絶してしまった 「間違ってなかったみたいですね」 「そうだな。まさかとは思ったが」 「とりあえず。浜面が起きるまで練習して。起きたら問い詰める」 「「そうしますか」」 三人は浜面を問い詰める事を決めて練習を再開するのだった ―――――――――――――――――――――――――――――――― 浜面が気絶したころ、バレー組は放課後の神裂を含めた練習に少なからず対応するため、野原だけをを鍛えているのだった 「ちょ、な、何で俺だけ!」 「何でも何もないわ、よっ! 貴様は昨日、コーチのジャンプサーブ取れなかったでしょ! だからこうして鍛えてるの、よっ!」 地獄のような特訓の成果か、野原は吹寄の全力のスパイクを何とかではあるがレシーブ出来るようになっていた。 吹寄は疲れたのか赤音と交代すると、野原の顔色は一気に悪くなった。 「あ、茜川、た、頼むっ! 手加減というか、能力加減をっ!」 「分かってる分かってる♪ いっくよー、せーのっ! ワッ!」 「ぬぐっ! ぎゃんっ!!(か、加減、全くしてねぇ……)」 スパイクを打った後にボールに衝撃波をぶつけて加速させる赤音特製スパイク、本当に加減はしている。 しかしそれでもまだまだ野原にはきつく、受け切れずに弾かれ、しかも顔面直撃で気絶してしまう。 「ありゃりゃ、野原君もまだまだだね~」 「それにしても驚いたわ。まさか茜川さんの身体能力がここまで上がってるなんて」 「伊達に木山先生のもとで訓練してないってことだよ。でもね、それ以上に私の真夜君への愛が」 「はいストップ。茜川さんには悪いけど惚気なんて聞きたくないから。じゃあ野原が復活するまで私たちも頑張りましょう!」 バレー組は神裂というコーチを得て、いい方向へと進んでいるようである。 ちなみに赤音の身体能力アップは木山のお陰というより真夜と真昼、それに半郭がいるからだったりする。 ―――――――――― 「オラオラてめぇら! 土御門が居ねぇからってさぼらせねーぞ!」 野球組は当麻の指揮の下、どこよりも厳しい練習に明け暮れていた。 「ハァハァ…つゥーか、何で土御門来てねェンだ?」 「うるせぇ!彼女連れてきて惚気てる奴が文句たれてじゃねぇ!!だまって練習に集中しろ!」 「テメェ、上条、それはないだろォ!」 結局、打ち止めの学校は開いてなかったので打ち止めを連れてきてしまった一方通行 だが、やはりそれは野球組にネタにされいじりまわされてしまった 「はい、アクセラ、グラウンド100周!!」 「ハァー!?なンで俺がそンな事しなくちゃ……」 「増やされたくなかったら、ささっと行けぇ!!」 「がんばれー!ってミサカはミサカは精一杯応援してみる!」 「うおォォォおおおおおおおおおおおおおおお!!」 一方通行は打ち止めの応援により上条から命じられたグラウンド100周をかなりのやる気で開始した 「……いいな。彼女いる奴は……」 情報屋の紫木はその光景をうらやましそうに見ていた そしてやる気を上げて練習を再開した この日の野球組の朝練はいつもよりフィーバーしていた(おもに一方通行のおかげで) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「よし、白雪さんは事情があっていないけど、練習を始めようか」 少し時間は戻り、サッカー組の練習が開始された まずは東原のGK練習からである 「じゃあ今日は正面じゃなくてゴールポストギリギリを狙ってシュート打つからな」 「ちょっと待て井ノ原弟! 俺まだお前のシュートも白雪の殺人シュートもまともに捕れねぇんだぞ!」 「大丈夫大丈夫。能力は使わないし、今回は東原の状況判断を見るためのものだからさ。じゃあいくぞ、せいっ!」 東原はすぐさま【技術盗賊】を使用、脳内で覚えた世界の名GK達の動きをピックアップし臨戦態勢に入る。 真夜の動き、軸足の向きなどをよく観察しシュートコースを割り出した東原は見事にワンハンドキャッチ(ダイビングで)を決めた。 「凄いぞ東原! 結構ギリギリの所狙ったんだけどなー、完璧に読んでキャッチするなんてビックリしたぞ」 (ビックリしたのは俺の方だ! 何で能力使ってないのに威力も速度もあって、ゴールポストにギリギリ当たらない隅っこに打てるんだよ……) 東原は表情にこそ出さなかったが、真夜のシュートは実はギリギリキャッチできたもので自分が能力を使ってなかったらまず触れることすら出来ないレベルのもの。 それもそのはず、真夜の能力未使用状態の身体能力はサバイバル合宿の時と比べて約二倍にまで上がっているのだから。 真夜本人はそのことに気付いていないので素直に東原に感心していると木山が気だるそうにやって来た。 「おはようございます木山先生」 「おはよう。朝からよくもまあ、そこまで元気でいられるものだな。それはいいとして真夜、お前の特別ルールを伝えに来た」 「特別ルール、ですか?」 「【瞬間超人】の制限は70とする。ただし一日目は得点を決めてはいけない。2日目の準決勝の後半と決勝からは自由に得点を決めていいぞ」 木山から伝えられたハンディキャップにサッカー組は騒然となるが、真夜本人は全く気にした様子は見せなかった。 「分かりました。それならそれでやりようはいくらでもありますし。それに白雪さんと真昼さんが居るから得点力には困りませんから」 「まあ、白雪にも特別ルールはあるが得点の制限は設けていないからな。それに真夜ならきっとそう言うと思ってたさ。じゃあ試合、楽しみにしてるぞ」 木山が去った後も東原のGK練習、ならびに他のメンバーの自主練は問題なく進んでいった。 そして真昼が起きる時間になったので東原のGK練習は次の段階に(真昼は今日は最初からジャージ)。 「じゃー今から俺と真夜がパスしながら上がるから東原はどっちがシュート打つか判断してちゃんと取れよ」 「そんなに難しいことじゃないし、俺は能力使わないから東原なら大丈夫だと思うぞ。じゃあ行こっか真昼さん」 そう言って攻め上がってくる井ノ原ツインズのパスの速度は普通のシュート並みに速く、それでいて正確なことに東原はビックリする。 予想以上の速さに途惑う東原はどちらがシュートを打つのか判断に迷い、真昼のシュートにゴールを許してしまう。 「何だよ情けねーな。あれくらい捕れなきゃダメじゃねーか」 「まあまあ真昼さん。東原、もう少し速度落とした方が良さそうかな。じゃあ取れるまで休み無しということで」 「んなっ! そ、それは厳し過ぎだろ! この……鬼双子ーーーーーーーーーっ!」 結局、東原が休めたのは朝練終了10分前のことだった。 ―――――――――― 友愛高校の球技大会の朝練の時間が終わりそうな頃、土白は春上を柵川中学へ送っていき、自分達の学校へ向かっていた。 すると白子と赤見を途中まで送った結果、朝練遅刻どころか欠席してしまった青ピ、そして黒子と鉢合わせすることに。 「あれー?青髪君に黒子ちゃん?どうしたのー、いまさらこんな時間帯に」 「いや、これには深いわけがあってやね……」 「つもり、無断で練習をさぼったということかにゃー?言い訳は聞いてやるから、大人しく月夜にさされろ」 「えぇーーーーー!?」 土御門はさっそく青髪を疑った 白雪も土御門の言葉を聞き、氷の剣を作り出した 「待ってくださいまし、土御門さん、白雪さん。わたくしから謝りますのでどうか○○様をお許しくださいませ」 「黒子はん……」 そこに黒子が二人へ謝りを入れた 「う~ん、黒子ちゃんが言うなら何か事情があったと信じてやるぜい。だが今度からはちゃんとカミやんか俺に連絡入れるんだぜい」 「青髪君の事情は後で聞くからねー。ところで黒子ちゃんはなんでここまで?」 白雪と土御門の二人は黒子の顔に免じて青ピを許した そして白雪は当然の質問をした 「いえ、愛しの○○様と登校はあたりまえでしょう?ですが校内まで入ると寮監に通報されかねませんのでわたくしはこの辺で……○○様ー!では放課後にあの子達と是非伺わせていただきますわー!」 そう言い残して黒子はテレポートを使い消えていった 「さぁ、教室に向かいながら事情を聞かせてもらうよー」 「黒子ちゃんが最後に言ってた”あの子達”についても聞かせてもらうぜい」 「……はは……」(なんでこの人らはこんなに人の噂がすきなんやろ?) 青ピはそんな感想を抱きながら、黒い顔をする二人に話していった ちなみにこの青ピの話を聞いた白雪と土御門は完璧に呆れていた ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 少し時間は遡り、春上の学校である柵川中学はざわついていた なぜかと言うと、春上と土御門を抱えて雪の翼で中学校に入ってきた白雪が原因だった 「今の女性って確か新しくレベル5第五位になった白雪月夜さんよね? 【絶対零度】の」 「男の方は噂で聞いたことのある彼氏だから一緒ってのは分かるけどさ、どうしてうちの生徒も一緒だったんだ?」 「そんなに不思議はねぇだろ。確かあの娘、春上って名前であのクラスの生徒なんだからさ」 「ああ、あの先生とあの子がいるクラスの」 レベル5第五位になって2ヶ月あまり、月夜は学園都市でもかなりの有名人になっており恋人の土御門もそれなりではあるが知れ渡っている。 その月夜が柵川中学に来たことに驚く生徒達だったが、一緒に来たのが春上だったのですぐに鎮静することに。 ちなみに春上は土白と別れた後で枝先を発見し合流、仲良く校舎へと入って行った。 「うちの学校も変に有名になってるよねー。ジャッジメント第一七七支部があるってだけだったのに」 「それもこれもあの先生とあの子が仲良しって分かってから……あ、噂をすれば」 柵川中学は第一七七支部があること以外は普通の中学校だった、そう、とある人物が教師として赴任し、とある生徒と仲良しだとく分かるまでは。 そのとある教師こと神裂がとある生徒こと初春をお姫様抱っこして走って登校して来た。 「ふうっ、何とか間に合いましたか。これならもう少しゆっくりでも大丈夫でしたね。飾利、どこも怪我はありませんか?」 「火織お姉ちゃん、この状況で怪我とかはありえませんから。それより……早く降ろして下さいっ! は、恥ずかしいじゃないですか!」 「そうですか? 私は全然恥ずかしくありませんよ♪ むしろ教室まで送って……ヒッ! す、すみません……」 初春を独り占めできて嬉しいお姉ちゃんの神裂、しかし調子に乗ってしまい初春の怒りを買ってしまうことに。 怒られた神裂がしゅんとしているのを見た初春は、もの凄く悪いことをした気持ちになり神裂をあやし始めた。 「すっげーよなあの初春って子。神裂先生を唯一コントロール出来るんだもんな。そのせいで神裂先生とお近づきになれねぇんだけど……」 「あの子に取り成してもらおうにもやんわりと断られるし、それにあの子自身も妙な迫力が付いてきて……。仮に無理矢理脅そうものなら」 初春と神裂、授業中はそれなりに公私を弁えているがそれ以外の時間は本当に姉妹のように仲良しということをオープンにしている。 思春期の男子生徒達は神裂と仲良くしたい、しかし初春の存在がかなりネックな上にその初春を守るかのような親友がいることで全然お近づきになれない現状だ。 「おっはよー飾利♪ 今日も朝から神裂さんと仲良くやってるねー」 「昨日の超厳しいお仕置きの後にも関わらずその元気っぷり。さすがは飾利、超たくましいです」 「おはようございます涙子さん、最愛さん。じゃあ火織お姉ちゃん、私は二人と一緒に行きますけど平気ですよね?」 「ええ、まだ名残惜しいですけどすぐにまた会えますから。佐天、絹旗、飾利のこと、よろしくお願いします」 初春にあやされて完全に元通りになった神裂は意気揚々と職員用玄関へと向かって行った。 神裂に初春のことを任された佐天と絹旗だが、教室までの道のりで大げさと思いつつも初春の手を両サイドから取って教室へと向かうのだった。 「佐天って子はともかく絹旗って子はレベル4なんだろ? そこに神裂先生と時々来るゴスロリの外国の人……謎よね」 「何であの初春って子の周りにあんな色んな人間が集まるのか全くもって不思議としか言いようが無いよな……」 月夜の話題を吹き飛ばす初春の存在だが、彼女を良く知らない人間にとっては未だにミステリアスな少女と思われているのだった。 なお、初春と佐天と絹旗が『柵川中学デルタフォース』と呼ばれるのは少し先の話である。 ―――――――――― こちらは友愛高校食堂、朝練も終わり生徒たちが炊き出しを求めて集まっていた。 「うむ、今日も昨日と同じく繁盛してるのよね♪ 惜しむらくはこの炊き出しを飾利姫に食して欲しかったわけだが……おや? 意外な連中が来てるのよ」 食堂のおじさんとしてここに勤めてる建宮が見かけた団体、それは朝練終わりの浜面、半郭、姫神だった。 四人がここに来た理由、それは朝練の時に判明してしまった浜面と麦野のキスの件について問い詰めるためである。 「さぁ。浜面。どうして。滝壺さんがいるのに。キスしたの?」 「いや、だから不可抗力で……!」 「そうやって逃げるのか、浜面」 「見損ないました」 「だから、ちげぇって!」 浜面は誤解されて反論していた そしてそれを聞いた建宮は、 (ほうほう、浜面が麦野にキスしたと……これは面白そうだからもう少し聞くのよな!) 自分にも人をいじれるチャンスかも、と思い、盗み聞きを続けていた 「てめーらいい加減に人の話聞けよ頼むから! キスしたんじゃなくて無理矢理キスされたんだよ麦野に!」 真実を言った浜面だが、半郭も姫神もまだ半信半疑といった様子。 気配を完全に消して盗み聞き続行中の建宮、ますます楽しそうなことが聞けるとワクワクしていたが、 「あ、こんな所にいた。駄目だろ建宮のおっさん。忙しいんだから油売ってる暇なんて無いんだからさ」 「ふ、双子弟……。ま、待って欲しいのよ! 今からが大事な所なわけだかぐえっ!」 「大人なんだからさ、仕事はちゃんとしないと。それと盗み聞きは感心しないな。建宮のおっさんはそうゆうことはしないって思ってたのに」 「わ、分かったから、た、頼むから襟引っ張るのは勘弁願うのよな……。く、首が絞まって……」 今日も食堂の炊き出しの手伝いに来ていた真夜に見つかってしまい、連行されてしまうのだった。 建宮が居たことに驚いた四人、その建宮が襟を引っ張られて連行されているせいか顔色が青くなってることが少し心配になっていた。 「ま、まあ予定外のことがあったわけだが浜面。無理矢理ってのはどうゆうことだ?」 「まあ掻い摘んで話すとだな、出かける前に寝ぼけた麦野が俺をアームで引き寄せて無理矢理ディープなんて生温いキスを……って何だよ? その反応」 嘘偽りなく全てを話した浜面、しかし半蔵は呆れ、郭と姫神はとことん見下した視線を送っていた。 「あのな浜面、嘘吐くならもう少し現実的な嘘吐けよ。寝ぼけた麦野が無理矢理キスって有り得ねぇだろ」 「半蔵様、浜面氏は本当のことを言っていると思います。昨日は三人で帰ったはず。浜面氏と滝壺氏と麦野氏、一つ屋根の下で過ごしたのでしょう。つまり浜面氏は」 「滝壺さんの。見てる前で。抵抗を諦めて。キスを許したことになる。分かりやすく言うと。浜面マジ鬼畜」 「だーかーらーっ! 無理矢理だって言ってんだろ! あのアームの力に俺が敵うわけねーだろ! つーか姫神、鬼畜は酷ぇし何で俺のこと呼び捨てなんだよ!」 半蔵も郭と姫神の意見を聞いて呆れから見下しへと視線を変え、浜面は心の中でもの凄く号泣していた。 しかし言われっ放しも癪なので浜面は一番酷い言葉を投げかけた姫神に自分の呼び方のことについての言及もするが至って残酷でシンプルな答えが返されることに。 「浜面からは。下っ端というか下僕。そんな感じのオーラがにじみ出てる。つまりはそうゆうこと」 「何気じゃなくて酷ぇな姫神……。けど麦野のあの腕で押さえ込まれたら仕方ねぇかもな。浜面のこと、信じてやるとするか」 「そう、ですね。麦野氏の前では浜面氏はまともに戦えば無力同然ですし。ですから姫神氏、もうこの辺にしてあげましょう」 「郭さんが。そう言うのなら。続きはうちのクラスの。HRで吹寄さんにでも」 「「「それだけは絶対に駄目!!!」」」 三人揃っての姫神の提案否定に驚く姫神、そこでようやく吹寄と情報屋についてのことを聞かされる。 事情を知った姫神は吹寄の為ということもあって協力を申し出て、浜面と半郭も快く受け入れた。 「吹寄さんに。春が来るなら。私も嬉しい。相手が紫木くんというのは。少し物足りないけど」 「まあ、その辺は当人同士のことですから。浜面氏の罪については滝壺氏が来てからゆっくりと追求しましょう♪」 「んなっ! まだ続くのかよそれ! もういいじゃんか終わったことムグッ!」 「ゴチャゴチャ言ってないでさっさと喰って教室行くぞ」 なおも自分への追求を続けようとする郭に抗議しようとした浜面だったが、半蔵に自分の分の炊き出しを口に突っ込まれて中断されてしまう。 そしてそのまま四人は綺麗に炊き出しを完食し、自分達の教室へと向かうのだった(麦野とのキスの件は滝壺合流後ということで)。 ――――――――― 時間は進みHRが始まった頃、炊き出しの手伝いを終えた真夜が教室へと向かっていた。 ちなみに小萌と災誤、それに吹寄には事情を話し許可を得ているのでそれほど慌ててはいない。
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上条当麻帰還祝。鍋パーティー 上条はインデックスとオティヌスを連れて、第七学区にある鍋の店に来ていた。いつかクラスメイト全員とすき焼きを食べた、あの店である。「しっかし土御門の奴、急に呼び出したりしてどうしたんだ?」そう。上条は今日…というか正についさっき、夕飯の用意をしていたその時に、いきなり土御門から電話があり、『よー、カミやん。悪いけど今から鍋食うから、カミやんもすぐ来てくれ。 店はこの前行ったとこな。じゃ、待ってるぜい』と一方的に言うだけ言って、こちらが断る間もなく通話を切ったのだ。この作りかけの野菜炒めをどうしてくれるのか。だがまぁ11月も半ばにさしかかり、お鍋が恋しくなる季節なのも事実だ。行かなきゃ行かないで面倒な事になりそうなので、フライパンの野菜炒めには蓋をして、同居人二人を連れて家を出た訳だ。「おっなべ、おっなべ、おっなーべー♪」久しぶりにお鍋が食べられるので、インデックスはご機嫌である。鼻歌を歌うほどに。「しかし鍋か…最近冷え込んできたから、丁度いいな」ふいに上条の頭の上であぐらを掻いているオティヌスがそんな事を言ってきた。「だったらその、露出狂ギリギリな服装を何とかしたらどうか」とツッコもうとした上条だったが、気分を悪くしたオティヌスに、反撃で髪の毛を毟られても困るので、そのまま黙った。ガラッと店のドアを開ける上条。しかしその瞬間、「パン! パンパン! パパパン!」と何かが弾ける音と火薬の臭い。それがクラッカーだったのだと気づくと同時に、大勢の『『『おかえりー!!! わちゃわちゃわちゃわちゃ!!!』』』と上条たちを迎え入れる声。「わちゃわちゃ」したのは、そこが「上条さん」だったり「カミやん」だったり「大将」だったり、それぞれ呼び方が違ったからだ。店内には、上条の見知った面々がずらり。だがそのメンバーは、「上条君。良かった。無事で」クラスメイトの姫神だったり、「相変わらず面白い人生送ってんねー! ギャッハ☆」第三次製造計画で造られた美琴のクローン、番外個体だったり、「いやぁ焦りましたよ。いきなり貴方への殺害命令が届いたものですから」未元物質から生み出された、元・カブトムシ05、垣根だったり、「わたくしとしては、貴方が亡き者になった方が都合が良かったのですけれどもね!」風紀委員第一七七支部所属の白井だったりと、「知り合い」以外に共通点のないメンツであった。そしてその中には勿論、「ほらほら御坂さん! 御坂さんも、何か一言!」「わわっ! さ、佐天さん!? 押さなくても… あっ! え、ええと…その……たっ…ったく! 心配させんじゃないわよ馬鹿っ!」御坂美琴もいたりする。クラスメイト、レベル5、元・グループ、アイテム、風紀委員、妹達、その他諸々…総勢50~60人程のこの大所帯は一体何なのか、呆気に取られている上条に土御門が説明する。「よっ、カミやん。今回はお疲れ様だったにゃー」「つ、土御門…? えと…この集まりは何なのでせう…?」「いやぁ、今回の一件でカミやん、世界中を敵に回しただろ?」今回の一件、というのは勿論、上条がオティヌスを救う為に戦ったあの事件の事だ。一方通行、美琴、インデックス…ここにいるメンバーの中には、その際に上条と戦った者もいる。「でだ、そん時のわだかまりを全部いっぺんになくそうと思って、 事件の関係者とかに『カミやん主催の鍋パーティーに来ないか』って誘ったら、 誘われた連中が更に自分の友人とかを誘い始めて、後はまぁネズミ算式に…」「…で、この人数か……」少し困ったように語る土御門。しかも勝手に上条が主催した事になっている。だが上条も、ここで断って帰る程、空気の読めない男ではない。せっかく開いてくれたパーティーだ。鍋はいただく事にしよう。 「こいつが例の、超オティヌスって奴ですか? 話には聞いていましたが、超ちっちゃいですね」「可愛い!ってミサカはミサカは抱き締めてみる!」「ずるい! 大体次は私が触る番だぞ! にゃあにゃあ!」「んー…本当にコレがそうなのかー? どう見ても危険そうな奴には見えないぞー」「そうかしらぁ。この露出力には、ある種の危険力があるとも言えるわよぉ?」「や、やめろキサマら! 私はオモチャではないぞ! へ、変な所を触るなあああ!」上条と離れた所で、オティヌスは女性陣に囲まれていた。確かに今のオティヌスは女子受けしそうなビジュアルではあるが。「はぁ…はぁ……ええなぁ、オティヌスたん……… お、思わずボクの魔神も復活してまいそうになるわぁ……」いや、一部の変態男子【あおがみピアス】にも好評なようだ。急速に、オティヌスの背筋に悪寒が走る。「~~~~っ!!! た、助けろ人間!!! 何か怖い…何か怖いよおおおお!!!」少し涙ぐみながら助けを求めてくるので放っておく訳にもいかず、上条は箸を置いて、オティヌスを摘み上げる。「あー…まぁアレだ。珍しいのは分かるけど、あんまりイジメないでやってくれ。 それと青髪。お前はアウトだ」そしてそのまま、彼女の定位置(?)となっている自分の頭にちょこんと乗せる。そのあまりにも自然な流れに、一部の女性陣…敢えて名前を挙げるならば、インデックス、姫神、吹寄、雲川(姉)、食蜂などの、要するに上条にフラグを立てられた者達が一斉にイラッとする。そしてその中には当然、「…アンタ、な~んかソイツに甘くない…?」美琴もいる。美琴はジト目でこちらを見ながら、鍋の中の『しいたけ』を箸でぶっ刺す。…『しいたけ』に何か怨みでもあるのだろうか。「そうか? 別にそんな―――」上条本人に自覚は無いので、美琴の言葉をやんわりと否定しようとする。しかしそんな上条の返事を遮ったのは、「ふんっ! この人間は私の唯一の『理解者』だからな! 当然だ!」さっきまで半泣きだったとは思えない程に不遜な態度を取る、オティヌスだった。彼女の一言により、先程イラッとした者達が割り箸をへし折り始めた。危険である。そしてやっぱり、その中には当然、「へー…? 理解者ね…ほうほう、なるほど……」美琴もいる。無意識なのか意識的になのか、手に持っていた箸が消し炭になっている。バチバチと帯電させながら、美琴はギロッ!と上条を睨みつけた。「どういう意味なのかしら…?」「え、いや…ど、どういう意味と言われましてもですね……」美琴に詰め寄られ、しどろもどろになる上条。とりあえず、美琴の目が怖い。しかしこれは、これから起こる『壮絶な不幸』の前触れにすぎなかったのである。 「大体アンタはね~…女の子に甘すぎんのよ~!」「はぁ…すんません……」「もっと私にも優しくしろと、こう言いたい!」「…善処します……」あれから小一時間。上条は正座をさせられながら、美琴から説教を受けている。おかしい。今日のパーティーは、自分の為に開かれた物ではなかっただろうか。それが何故、お説教【こんなこと】をされなければならないのか。「ちゃんと聞いてりゅのっ!?」「は、はい聞いてます!」しかしそれを言ったら説教が長引くだけなのは分かっているので、上条も素直に返事をする。「大体アンタはね~…女の子に甘すぎんのよ~! …ヒック」「…………すんません」さっき聞いた。だがしかし、どうもおかしい。オルソラならばともかく、美琴はこんな、おばあちゃんみたいに同じ事を繰り返し言ったりはしない。それに普段の彼女ならば、一言でズバッと文句を言い、あとは電撃の一発でもお見舞いして終わりな気がする。竹を割ったような性格の彼女が、こんなネチネチした言い方をするだろうか。不思議に思った上条は、美琴の顔をよく観察してみた。すると…「らぁ~り見てんのよう。私の顔に何かついてるっての~? …うぃ~」目は据わっており、顔は上気し、頭はフラフラと左右に動いている。これは間違いなく。「おおお、美琴【おまえ】! それもう完全に酔ってんじゃねーかっ!!!」思わず上条は立ち上がった。「このわらひがあ! 酔ってるわきゃないろ~!」「酔ってるよ! ろれつ回ってないし、あと今気づいた! すげぇ酒臭ぇ!」一大事である。美琴は中学二年生な訳で、当たり前だが未成年だ。そして当然、『お酒は二十歳になってから』である。何故美琴が酒を飲んでいるのか…というか、そもそも何故美琴のドリンクにアルコールが入っていたのかは分からないが、とりあえずこれがもし周りにでもバレたら、ヤバイ事になるのは目に見えている。白井や初春といった、風紀委員もこの会場にいるのだから。そう思った瞬間、上条は周りの様子を見回す。誰もこちらを見ていないか。仮に見られていたら、どう言い訳しようか。そんな事を瞬時に考えながら。それが更なる混沌を見るハメになるとは、知る由も無く。周りを見た上条は固まった。良いニュースと悪いニュースが飛び込んできたのである。まず良いニュースは、幸いな事に美琴が酔っている事に気づいた者は、上条以外にいなかった。いや、気づくことすらできない、とでも言うべきだろうか。それが悪いニュースである。つまり…「ぅおらぁ、どうだあ! 私をナメんな童貞ごらボケェッ!」「ぬぅぅぅ…やるな! まだ俺についてくるとは、根性あるじゃねーか!」麦野と削板が飲み比べをしていたり、「ショタが一人…ショタが二人……」「ショタが二人? 確かに男の娘同士の絡みってのもいいものですよね」うつらうつらと寝言を言い始める結標に、初春が訳の分からない相槌を打ったり、「一発ギャグやりまァっす! …千手観音」「きゃっはははははは! せ、千本もないじゃありませんの!」何本もの義手を使って宴会芸をする黒夜に、婚后がズレたツッコミを入れたり、「信じてるよ♪ あの日の♪ 誓いを♪ この瞳にーー光る涙そーれーさえもー強さにーなるけどー♪」「よっ! はあ! あ、それ! よいしょ! 」雲川がカラオケを歌えば、風斬は普段なら絶対に使わないボキャブラリーで合いの手を入れる。その時の上条の心理状態を、どう表したものだろうか。初めは、何もかもポイして帰ってしまおうかと思った。次に、実際問題どうしようかと。とりあえず上条は、これがどういう事なのか、実際に主催した土御門に問い詰める。「土御門さーん!? 何だか皆さん、お酒的な物をお飲みになっておりますけどもーっ!?」「ああ、ちょっと裏から手を回して、アルコールを調達しといたぜい。 この方が盛り上がると思ってにゃー」まともに返してくる土御門。どうやら彼だけはシラフのようだ。…と思ったら、土御門は上条の方ではなく、反対側にいる一方通行に話しかけている。その一方通行はと言えば、「………うっ…………おろれろろろろォォォォォ………」 元々悪い顔色を更に蒼白にさせながら、口からお鍋の具『だった物』を吐き出し、酸っぱい臭いを充満させている。地獄絵図である。どうやら不幸な事に、この会場でシラフなのは上条ただ一人らしい。もう、泣いてもいいかも知れない。呆然とする上条に、美琴が腕を引っ張って自分に注意を向けさせる。「ちょっとお! わりゃひの話は終わってにゃりわよ! 大体アンタはね~…女の子に甘すぎんのよ~!」振り向かせておいて、また再放送をする美琴。正直、美琴の相手をしていられる状態ではないのだが、話を終わらせない限り延々と続きそうなので、「あ~もう、分かったよ! ごめんってもう、美琴は俺にどうしてほしいんだよ!」とりあえず相手が満足してくれるように要求を聞く。他にやらなきゃいけない事は盛りだくさんだが。しかし美琴の要求は、「……キス…しらさいよ!」「………はい?」とんでもない物だった。「きしゅしろって言ってるれしょ! ちゅーよちゅー! ほら、んー…って!」酔っ払い特有のムチャブリである。上条はこめかみを押さえ、やんわりと断る。「えっとね? 美琴、それは無理なんじゃないかな~、と上条さんは思うのですが…」「なんれよ! 他の子には甘いくせに、なんれわたひには冷たくすんろよ!」別に冷たくしている訳では無い。美琴以外であろうと、酔った女の子からのキスのおねだりなど、応じられないのだ。勿体無い気もするが。もう一度きちんと断ろうとしたのだが、上条が口を開く前に、美琴が間髪入れずに衝撃告白。「私は…………私はっ! アンタの事が好きにゃんらぞこのやろーーーっ!!!」「えええええええええええええ!!!!?」それは正に、『衝撃』で『告白』だった。美琴は叫ぶと同時に、照れ隠しなのか何なのか、電撃までぶっ放してきたのだ。が、衝撃の方は幻想を殺せるから別にいい。問題は告白の方である。「み、みみみ美琴さん! 急に何言ってんの!? 酔ってるからって、言ってる事無茶苦茶ですよ!?」「むちょかちゅじゃらいもん! わりゃひはアンタが大、大……大っ好きなのっ!!!」改めて、告白。周りから「いいぞー! やれやれー!」だの「ヒューヒュー!」だの野次が飛んでくる。どいつもこいつも。「いやあのだからね!? 今美琴は正常な状態じゃないからそんな事を言ってるだけで……」「………まら信じてらいわね…りゃあいいわよ! ショーコ見せてやりゅわよショーコ!」「証拠って何…を……? ……っっっっっ!!!!!?」気がつけば、上条はその唇を奪われていた。お相手は勿論、目の前の酔っ払い【みこと】である。これが彼女の言う、好きだという『ショーコ』だ。「……ぶあっ! な、なな、何、何、何をして、してやががりまままますですか!!?」顔を真っ赤にしてテンパる上条に、美琴は。「アンタがきしゅしてくれらいから、わらひからしてあげたんじゃらいろー!」「いやいやいやいや!!! そういう事が聞きたいんじゃなくてね!?」キスしてあげたのに、何が不満なのかと不機嫌になる美琴だが、すぐに何か思いついたらしく、「にゅふふ」と妙な含み笑いで上条を見つめる。これ以上、何が起こるというのか。「もう~! きちゅらけじゃまんじょくれきにゃいってことね? しっかたにゃいら~! アンタってば、ホンロにエッチにゃんらかりゃ~!」と言いながら、美琴が制服を脱ぎ始めた。周りから「いいぞー! やれやれー!」だの「ヒューヒュー!」だの野次が飛んでくる。さっきとは意味が違うが。流石に脱ぐのはマズイ!と瞬時に判断し、それを止めようとした上条だったが、美琴がブラウスのボタンに手をかけた時、「…………すぴー」唐突に眠った。どうやら最悪の事態は免れたようだ。ホッと胸を撫で下ろす上条。しかしこれでも、ただ美琴の処理が終えただけなのである。周りは変わらず地獄絵図。とりあえず上条は、一番厄介且つ緊急な、一方通行の吐瀉物の掃除から始めるのだった。不幸を呼び込む自分の体質を、今日ほど呪った日は無かったと、後に上条は語った。 翌日である。「うー…頭ガンガンする……」美琴は頭を押さえながら、学校の通学路を歩いていた。お酒が入っていた(飲んでいた本人達は知らないが)せいで、体調はすこぶる悪い。それはルームメイトの白井もそうだったようだ。と、そこへ見慣れたツンツン頭を見つける。「あっ、ちょろっと~?」いつも通りに話しかける美琴だが、上条はいつも以上にビクッ!とする。「ねぇアンタ、昨日の事覚えてる? 私も黒子も、何か記憶が曖昧なのよね」どうやら昨日、お酒を飲んだ者はもれなく全員(完全記憶能力者のインデックスですら)、何があったのか覚えてないらしい。ただ一人、お酒を飲んでいない者を除いては。その『お酒を飲んでいない者』は、美琴の方をゆっくりと振り返る。「……覚えてないなら、その方が幸せですよ………はぁぁ…」何かを諦めたかのように、深い溜息をつく上条。「って事は、アンタは何があったのか覚えてる訳ね?」「だ、だから知らない方が幸せだって」美琴に詰め寄られ、慌てて目線を逸らす。昨日はあの後大変だったから考える余裕も無かったが、こうして思い出すと、今度は別の意味で余裕が無くなる。『アレ』がファーストキスの思い出になるのも、一つの不幸なのだろうか。そんな事を考えつつ、彼はほんのり顔を赤らめる。しばらくの間は、美琴と目を合わせるのは無理そうだ。
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七七(??) 性別 :非公開 初投稿:2008-11-23 →プロフィールページへのリンク →作品一覧へ 作風・特徴・評価・その他 作風 ??? 特徴 ??? 評価 拍手100以上の作品:??? 平均的な拍手数の傾向:??? ??? その他 ??? 一言コメント コメント
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ここではイベント及びギャラリーを100%にしたい人が使うページです。 極力簡易になるように編集しましたが、漏れなどの可能性があります。 どこか、別ルートのがもっと早く出来る可能性もあります。 なにか見つけたら編集か情報提供のところへどうぞ。 ※上書き表現の場所は、セーブを別にしても構いません。 第一章 空き地のカミキリムシセーブ1 佐天:超電磁砲のコインを突きつけられたら セーブ2 黒子:で、お姉様。調査するにしても、 セーブ3 美琴:議題は『カミキリムシがどこに現れるか』 セーブ4 佐天:まあまあ、お二人とも落ち着いてください。ロード1-1 佐天:超電磁砲のコインを突きつけられたら ロード1-2 佐天:超電磁砲のコインを突きつけられたら ロード1-3 佐天:超電磁砲のコインを突きつけられたら セーブ1上書き 美琴:公園で遊んでる子もかなりいるじゃないロード1-1 美琴:公園で遊んでる子もかなりいるじゃない ロード2-1 黒子:で、お姉様。調査するにしても、 ロード2-2 黒子:で、お姉様。調査するにしても、 ロード3-1 美琴:議題は『カミキリムシがどこに現れるか』 ロード3-2 美琴:議題は『カミキリムシがどこに現れるか』 ロード4-1 佐天:まあまあ、お二人とも落ち着いてください。 第二章 制裁指導セーブ1 黒子:わたくしだって、佐天さんの友達なのですから セーブ2 佐天:御坂さんが気兼ねなく全力を出せるように、ね セーブ3 美琴:まあまあ、二人とも落ち着いて セーブ4 黒子:ま、あまりに現実味を帯びすぎていても セーブ5 美琴:それを今から考えましょうロード1-1 黒子:わたくしだって、佐天さんの友達なのですから ロード1-2 黒子:わたくしだって、佐天さんの友達なのですから ロード2-1 佐天:御坂さんが気兼ねなく全力を出せるように、ね ロード2-2 佐天:御坂さんが気兼ねなく全力を出せるように、ね セーブ2上書き 美琴:じゃあ、四人集まったことだし、これまでの状況をロード2-1 美琴:じゃあ、四人集まったことだし、これまでの状況を ロード2-2 美琴:じゃあ、四人集まったことだし、これまでの状況を ロード3-1 美琴:まあまあ、二人とも落ち着いて ロード4-1 黒子:ま、あまりに現実味を帯びすぎていても ロード5-1 美琴:それを今から考えましょう ロード5-2 美琴:それを今から考えましょう 第三章 死神カキコセーブ1 佐天:御坂さんは セーブ2 美琴:そうだなぁ、ここから行ける場所だとすると セーブ3 佐天:あははは セーブ3-佐天1 佐天:も、もちろんですよ! セーブ4 美琴:ネットの情報も途切れたわけか…… セーブ6 佐天:やってみましょう!ロード1-1 佐天:御坂さんは セーブ1上書き 佐天:ふふふふ。敵情視察ってヤツですロード1-1 佐天:ふふふふ。敵情視察ってヤツです ロード2-1 美琴:そうだなぁ、ここから行ける場所だとすると ロード2-2 美琴:そうだなぁ、ここから行ける場所だとすると ロード3-1 佐天:あははは ロード3-佐天1 佐天:も、もちろんですよ! ロード3-2 佐天:あははは セーブ3-黒子1 黒子:それにしても今日は暑いですわね……ふぅぅ セーブ3-黒子2 黒子:お姉様、耳を貸すことはございませんわロード3-黒子1-1 黒子:それにしても今日は暑いですわね……ふぅぅ ロード3-黒子1-2 黒子:それにしても今日は暑いですわね……ふぅぅ ロード3-黒子2 黒子:お姉様、耳を貸すことはございませんわ セーブ3-3 佐天:あははは セーブ3-初春1 美琴:これからニット帽の人物を追うわけだけど…… セーブ3-初春2 美琴:このガラクタの山も、監視カメラの故障も セーブ3-初春3 美琴:それより、これからどこへ行くか決めましょ セーブ3-初春4 美琴:じゃあ、何とかカギを開ける方向でロード3-初春1から ロード3-初春2-1 美琴:このガラクタの山も、監視カメラの故障も ロード3-初春3-1 美琴:それより、これからどこへ行くか決めましょ ロード3-初春4-1 美琴:じゃあ、何とかカギを開ける方向で ロード4-1 美琴:ネットの情報も途切れたわけか…… セーブ4上書き 佐天:あの店、薄暗かったし、安物の監視カメラだとロード4-1 佐天:あの店、薄暗かったし、安物の監視カメラだと ロード5-1 佐天:やってみましょう! ロード5-2 佐天:やってみましょう! 第四章 第一級警報セーブ1 美琴「確かに黒子の言うとおりだけど、できれば~」ロード1-1 美琴:「確かに黒子の言うとおりだけど、できれば~ 第五章 八段階目の赤セーブ1 美琴:そうよ。何としても、ここで彼女の潜伏場所をロード1-1 美琴:そうよ。何としても、ここで彼女の潜伏場所を 第一章 空き地のカミキリムシ セーブ1 佐天:超電磁砲のコインを突きつけられたら GT:×風紀委員の腕章 セーブ2 黒子:で、お姉様。調査するにしても、 CHATIN !!入らず セーブ3 美琴:議題は『カミキリムシがどこに現れるか』 ジャッジメントモード △硲舎佳茄 ×子供達の事情 △公園 ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ(%) 結果 カミキリムシの目的って? △ 硲谷佳奈 +30% 次へ どこに着目すべき? 空き地の場所+子供達の事情 +60% 100%終了 子供達の事情+公園 +60% 100%終了 セーブ4 佐天:まあまあ、お二人とも落ち着いてください。 CHATIN !!入らず アクションパート 内容 押下ボタン 備考 初春 監視カメラ追跡 □ △ ボタンは単品 黒子 カミキリムシ追跡 ← → ← 十字キーの左右が三回表示される。初春の指示と目視で正解を選択 美琴 カミキリムシと戦闘 △ × □ ボタン単品 第一章クリア ロード1-1 佐天:超電磁砲のコインを突きつけられたら GT:スルー →『あれれ?空き地が工事現場になってる!?』公園まで来たら回収を確認して終了 ロード1-2 佐天:超電磁砲のコインを突きつけられたら GT:△カタツムリ →『良かったわね、風紀委員冥利に尽きるでしょ』 ロード1-3 佐天:超電磁砲のコインを突きつけられたら GT:○公園 セーブ1上書き 美琴:公園で遊んでる子もかなりいるじゃない CHATIN !!:×オメガフラワー →『御坂。言い訳は?』 ロード1-1 美琴:公園で遊んでる子もかなりいるじゃない CHATIN !!入らず →『この子達、たぶん何かを隠してますよね?』第一七七支部まで来たら回収を確認して終了 ロード2-1 黒子:で、お姉様。調査するにしても、 CHATIN !!:△公園 →『ほら、あんまり暴れると落ちますわよ』ファミレスまで来たら回収を確認して終了 ロード2-2 黒子:で、お姉様。調査するにしても、 CHATIN !!:×硲舎佳茄 →『……フフフフ。また一人、み~つけた』 ロード3-1 美琴:議題は『カミキリムシがどこに現れるか』 ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ(%) 結果 カミキリムシの目的って? △ 硲谷佳奈 +30% 次へ どこに着目すべき? 子供達の事情+オメガフラワー +60% 90%終了 →『お姉さまが新しい都市伝説になるとは』 ロード3-2 美琴:議題は『カミキリムシがどこに現れるか』 ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ(%) 結果 カミキリムシの目的って? △ 硲谷佳奈 +30% 次へ どこに着目すべき? 空き地の場所+日射病 +20% 80%終了 →『固法先輩から、残念なお知らせですわ』ファミレスまで来たら回収を確認して終了 ロード4-1 佐天:まあまあ、お二人とも落ち着いてください。 CHATIN !!:スルー →『また自慢!? ねえ、自慢なの?』 第一章完了 第二章 制裁指導 セーブ1 黒子:わたくしだって、佐天さんの友達なのですから GT:△佐天の友達→スルー セーブ2 佐天:御坂さんが気兼ねなく全力を出せるように、ね GT:スルー セーブ3 美琴:まあまあ、二人とも落ち着いて GT:スルー GT:△人食いダルマの噂 セーブ4 黒子:ま、あまりに現実味を帯びすぎていても CHATIN !!:△エコミチ暴走事件 セーブ5 美琴:それを今から考えましょう ジャッジメントモード △コミュニティサイト ×最近の事件 △エコミチ暴走事件 ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ 結果 どうやって標的を選んでる? △ コミュニティサイト +30% 食いつきそうな話題は? 食いつきそうな話題は? × 最近の事件 +10% 最近の事件といえば?へ 最近の事件といえば? △ エコミチ暴走事件 +60% 100%終了 アクションパート 内容 押下ボタン 備考 バット ×□ 連続 火炎瓶 ↓△ 連続 スタンロッド ×□ 連続 風力使い ×↑ 連続 反撃 × △ 単発 同時攻撃 LR 連続 超電磁砲発射 ○ 安心していると不意打ちでミスる 第二章クリア ロード1-1 黒子:わたくしだって、佐天さんの友達なのですから GT:スルー →『これ、おそらく制裁指導の模倣だと思います』 ロード1-2 黒子:わたくしだって、佐天さんの友達なのですから GT:△佐天の友達 GT:△コミュニティサイト →『どんな小さな手がかりも聞き逃さないつもりで挑みましょう』 ロード2-1 佐天:御坂さんが気兼ねなく全力を出せるように、ね GT:△嫌がらせ GT:スルー GT:スルー GT:△人食いダルマの噂 →『つまり、ごまかさなくちゃならないようなことをしていたってことね?』 ロード2-2 佐天:御坂さんが気兼ねなく全力を出せるように、ね GT:△嫌がらせ GT:×過激な書き込み CHATIN !!:スルー セーブ2上書き 美琴:じゃあ、四人集まったことだし、これまでの状況を GT:スルー →『常盤台の超電磁砲とその一見に何を聞かれても答えてはいけない』 ロード2-1 美琴:じゃあ、四人集まったことだし、これまでの状況を GT:クルハドリンクの怪 →『わたくしには判断がつきませんわ。どの情報について調べます?』回収を確認して終了 ロード2-2 美琴:じゃあ、四人集まったことだし、これまでの状況を GT:エコミチ暴走事件 →『……もう口きいてあげない』回収を確認して終了 ロード3-1 美琴:まあまあ、二人とも落ち着いて GT:△ゴシップ誌の休刊 →『あたし達の手で、絶対に復刊させましょう!』 ロード4-1 黒子:ま、あまりに現実味を帯びすぎていても CHATIN !!入らず →『あちゃ~、迷彩指導の方だったか~』 ロード5-1 美琴:それを今から考えましょう ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ 結果 どうやって標的を選んでる? △ コミュニティサイト +30% 食いつきそうな話題は? 食いつきそうな話題は? × 最近の事件 +10% 最近の事件といえば?へ 最近の事件といえば? ○ 人食いダルマの噂 +30% 70%終了へ →『このお仕置きを食らったら外出したくともできないだろうが……な!』 ロード5-2 美琴:それを今から考えましょう ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ 結果 どうやって標的を選んでる? △ コミュニティサイト +30% 食いつきそうな話題は? 食いつきそうな話題は? × 最近の事件 +10% 最近の事件といえば?へ 最近の事件といえば? × クルハドリンクの怪 +35% 75%終了へ →『寮監さんは、あんたが参加希望してるからって言ってたけど……』 第二章完了 第三章 死神カキコ セーブ1 佐天:御坂さんは CHATIN !!入らず セーブ2 美琴:そうだなぁ、ここから行ける場所だとすると GT:×公園 GT:×セブンスミスト GT:×広場 セーブ3 佐天:あははは GT:佐天:○それで、御坂さんは誰とペアを組みます? セーブ3-佐天1 佐天:も、もちろんですよ! GT:×ニット帽の人物 セーブ4 美琴:ネットの情報も途切れたわけか…… GT:美琴:○もう一度ネットの情報を GT:×水色のニット帽 GT:○佐天:電気が通っているんですねぇ セーブ6 佐天:やってみましょう! ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ(%) 結果 やつの狙いは何? ○ 一澤暁子 +40% 次へ 時間切れ +40% 次へ どうやって襲撃? △ ロケット砲 +20% 次へ どこで仕掛ける? ロケット砲+一澤暁子 +40% 100%終了 アクションパート 内容 押下ボタン 備考 ミサイル迎撃 △△ 連続 増えたミサイル迎撃 ←△→ 順不同 同時押しOK なめてんのかあああああ! △RUSH 連打 第三章クリア ロード1-1 佐天:御坂さんは CHATIN !! GT:佐天:○つまりロマン=土星です! GT:佐天:○輪っかをつけなくちゃならない事情が セーブ1上書き 佐天:ふふふふ。敵情視察ってヤツです GT:スルー →『キャンディッドフォトというのだよ初春』 ロード1-1 佐天:ふふふふ。敵情視察ってヤツです GT:△スポーツクラブ →『すっごいスピードで泳げたりして』 ロード2-1 美琴:そうだなぁ、ここから行ける場所だとすると GT:スルー GT:スルー →『そう言えばこの間、佐天さんと色々話したのよ』回収を確認して終了 ロード2-2 美琴:そうだなぁ、ここから行ける場所だとすると GT:△繁華街 GT:△柵川中学 GT:○駅前 GT:△公園 GT:スルー →『さ、二人一緒に来てもらおうじゃん』 ロード3-1 佐天:あははは GT:全てスルー →『ちょっとだけ、その、乱闘を』 ロード3-佐天1 佐天:も、もちろんですよ! GT:△メット帽の人物 GT:スルー →『(まあ、道に迷ってたとは言えないわね)』 ロード3-2 佐天:あははは GT:○黒子:もちろん、わたくしですわよねっ? セーブ3-黒子1 黒子:それにしても今日は暑いですわね……ふぅぅ CHATIN !! GT:黒子:休憩なんてしているヒマはありませんの:スルー GT:×第一○学区中央西 セーブ3-黒子2 黒子:お姉様、耳を貸すことはございませんわ CHATIN !! GT:婚后:○サングラスにマスクまでかけて 美琴:一つでも選択を間違えば、大惨事につながるわ。 GT:黒子:○ここは、このわたくしにお任せ下さい →『わ、わたくしは、そう、ブルーハワイを! 』回収を確認して終了 ロード3-黒子1-1 黒子:それにしても今日は暑いですわね……ふぅぅ CHATIN !!入らない →バッドエンド10 ロード3-黒子1-2 黒子:それにしても今日は暑いですわね……ふぅぅ CHATIN !!全てスルー GT:×第一○学区中央東 →『もったいないけど処分しましょう』回収を確認して終了 ロード3-黒子2 黒子:お姉様、耳を貸すことはございませんわ CHATIN !! GT:婚后:○ある建物の周辺で GT:全てスルー →『もちろんバッチリ聞いておりますの!』 セーブ3-3 佐天:あははは GT:初春:○私、御坂さんの力になりたいんですっ セーブ3-初春1 美琴:これからニット帽の人物を追うわけだけど…… GT:△ニット帽の人物 セーブ3-初春2 美琴:このガラクタの山も、監視カメラの故障も GT:美琴:○そろそろ私の出番かな セーブ3-初春3 美琴:それより、これからどこへ行くか決めましょ GT:×第一○学区の端 セーブ3-初春4 美琴:じゃあ、何とかカギを開ける方向で GT:初春:ボロボロになってますけど……:スルー →『憧れるほどのものでは……』回収を確認して終了 ロード3-初春1から GT:○美琴:このインターネット喫茶から GT:○美琴:そろそろ私の出番かな GT:×第一○学区の中央 →『……だいたいあっちの方向?』 ロード3-初春2-1 美琴:このガラクタの山も、監視カメラの故障も GT:全てスルー →バッドエンド12 ロード3-初春3-1 美琴:それより、これからどこへ行くか決めましょ GT:×第一○学区の中央 →『流行の最先端って、ああいう感じなんでしょうか?』回収を確認して終了 ロード3-初春4-1 美琴:じゃあ、何とかカギを開ける方向で GT:初春:○ボロボロになってますけど…… →『御坂さんの下です~』 ロード4-1 美琴:ネットの情報も途切れたわけか…… GT:美琴:もう一度ネットの情報を:スルー セーブ4上書き 佐天:あの店、薄暗かったし、安物の監視カメラだと GT:△白いニット帽 →『ちょっとネットの情報に頼りすぎたかもね』 ロード4-1 佐天:あの店、薄暗かったし、安物の監視カメラだと GT:×水色のニット帽 GT:佐天:電気が通っているんですねぇ:スルー →『あれ、開きませんね。なんでだろ』 ロード5-1 佐天:やってみましょう! ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ(%) 結果 やつの狙いは何? ○ 一澤暁子 +40% 次へ 時間切れ +40% 次へ どうやって襲撃? △ ロケット砲 +20% 次へ どこで仕掛ける? ネット喫茶サバンナ+犯行予告 +25% 85%終了 →『早く、実況系のネットニュースにつないで!』 ロード5-2 佐天:やってみましょう! ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ(%) 結果 やつの狙いは何? ○ 一澤暁子 +40% 次へ 時間切れ +40% 次へ どうやって襲撃? △ ロケット砲 +20% 次へ どこで仕掛ける? 一澤暁子+犯行予告 +20% 80%終了 →『お姉様、抵抗なさってはダメ!!』 第三章完了 第四章 第一級警報 セーブ1 美琴「確かに黒子の言うとおりだけど、できれば~」 CHATIN !!入らず CHATIN !! GT:スルー GT:×死神カキコ GT:△相園ちゃん GT:△西東先生 GT:△保護者たちの抗議 ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ 結果 相園美央は何がしたいんでしょうか × モンスターペアレンツ +30% 次のタイミングへ ずっと気になっていたこと △ 一澤暁子 +20% 次のタイミングへ 一澤暁子を誘拐しなければならなかったのは? × 第一級警報 +10% 次のタイミングへ 第一級警報によって影響を受けたものって何がありましたっけ? △ 授業参観 +40% 100%終了 × モンスターペアレンツ +40% 100%終了 アクションパート 内容 ボタン 備考 階段発火回避 × 単発 消化器テレポート □→ 連続 雷撃で消火器破壊 △ △ 単発 子供の元へテレポート □↑ 連続 バックドラフト回避 × 単発 シャッター締め3箇所 ←△△ 順不同 同時押しOK →△△ 順不同 同時押しOK ↓△△ 順不同 同時押しOK 第四章クリア ロード1-1 美琴:「確かに黒子の言うとおりだけど、できれば~ CHATIN !! ※回収するものはないが、折角ガールズトークモードがあるので。 第四章完了 第五章 八段階目の赤 セーブ1 美琴:そうよ。何としても、ここで彼女の潜伏場所を ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ(%) 結果 事件を振り返ろう △ カミキリムシ +15% 次へ 他に △ 制裁指導 +15% 次へ 他に △ 死神カキコ +10% 次へ 他に △ 民間級避難所炎上 +20% 次へ これまでの情報から設置場所を特定 衛星アンテナ+電波障害状況 +40% 100%終了 天体望遠鏡+電波障害状況 +40% 100%終了 アクションパート 内容 ボタン 備考 ←× 連続 ×△ 連続 →×□ 連続 ←↓→△ 連続 ○ 連続 ↑○ 連続 ↑○ 連続 △△ 連続 アクションパート 内容 ボタン 備考 発射 ○RUSH 連打 第五章クリア ロード1-1 美琴:そうよ。何としても、ここで彼女の潜伏場所を ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ(%) 結果 事件を振り返ろう △ カミキリムシ +15% 次へ 他に △ 制裁指導 +15% 次へ 他に △ 死神カキコ +10% 次へ 他に △ 民間級避難所炎上 +20% 次へ これまでの情報から設置場所を特定 天体望遠鏡+ノートパソコン +25% 85%終了 →『御坂さん、タイムリミットが迫ってます』 第五章完了 100%達成、お疲れ様でした。
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泳いでる人達はと言うと 「あーあ、上条の足やらなきゃ道連れできたのになチクショー!!」 「ねーちゃん…元からリタイアしてたんだししょうがないよ。」 「…真夜は肉体強化があるからいいよな…」 「…そうですねお姉さん」 「ちょっと待って、さっきと空気が変わってないですか!?ちょ、そこやめて!!ってギャー!!つっちまうー!!」 (*1))))))))))) どす黒い空気に包まれていた……。 『あー、そこの変則カップル。あまりイチャイチャするのは感心しないな。それに二人とも、真夜は能力は使っていないから程々にな』 戯れる井ノ原ツインズと茜川の雰囲気など物ともせずに注意する木山、他の嫉妬していた生徒達も慌てて遠泳に集中し始める。 この遠泳に能力使用は禁止されているのだが、真夜の能力を開花させた木山は個人的欲求から彼の能力を測るためにこんなことを言った。 『真夜、君は特別に能力の使用を許可しよう。ただし強化するのは肉体耐久力と筋力のみだ。いいな?』 「そ、それは別に構いませんけど俺一人だけ能力使ってもいいんですか?」 『そんな心配は無用だ。横で真夜に抱きついてる二人を抱えるか乗せるかして遠泳をしてもらう』 木山はあくまで真夜の能力を見る為に提案したのだが、そのシチュエーションを羨ましいと思った嫉妬に塗れた男子達から苦情が殺到する。 しかし木山にはそんなことはさっぱり分からないので、とぼけた感じでしか返さない。 『どうして君達が反対するんだい? 真夜に二人分の重量を抱えて泳いでもらうんだぞ。どこが羨ましいんだ?』 「全部だ全部!!!!!!」×嫉妬する男子全員 『重い人間を抱えて泳ぐのが最近の高校生の流行なのか……。分からんものだな』 こういったことにはかなり疎い木山は勝手に若者とのジェネレーションギャップに悩んでしまう。 そこに『重い人間』というフレーズに反発した真夜が真昼と茜川の好感度を上げる言葉を吐く。 「木山先生、ねーちゃんと赤音さんに失礼です! 二人ともか、可愛い女の子だし、そ、その、すっごく軽いんですから! あ、あと、すごくや、柔らかいし……」 『む、そうか、それは済まなかったな。では私の言う通りにやってくれるかい?』 「もちろんです! ねーちゃんに赤音さん! 振り落とされないようにしっかりとわあああああああっ! ふ、二人とも、む、胸がっ!」 真夜はあくまで自分にとっては普通のことを言っているだけで、特に意識してる様子が無いというのはまるでどこかの旗男のようである。 女の子扱いされたことが嬉しい真昼、可愛いと言われたことが嬉しい茜川はギュッと両サイドから真夜に抱きつく。 嫉妬する男子達は真夜を海に沈めようと考えたが、二人の射殺さんばかりの睨みにそそくさと泳ぎを再開させる。 「真夜は本当に嬉しいこと言ってくれるよなー♪ 俺を女の子扱いしてくれるようになったのも嬉しいぞ♪」 「そ、そんなことねーよ! 俺にとってね、ねーちゃんはずーっとお、女の子だったぞ。か、可愛いってい、意識したのは、が、合宿からだけど……ゴメン」 「ねえねえ真夜君。私のことはその、どう思ってるの?」 「あ、赤音さんのことはじ、高校に入ってから、気になっていたけど、す、好きってちゃんと意識したのはこれもゴ、ゴメン、合宿からで……」 当麻のクラスでもトップクラスの純情少年の真夜に、真昼と茜川はまだ合宿中だというのに更に真夜をギューッと抱きしめる。 二人の攻勢に理性が保てなくなりそうな真夜は木山の指示通り、肉体耐久力を50、筋力を50の配分で強化すると、煩悩を鎮める様に凄いスピードで泳ぎ始める。 「いーーーやっほーーーーっ! いいぞ真夜ーーーーっ! それでこそ俺が誰よりも惚れ込んだ男だーーーっ!」 「きゃーーーーーーっ! もう真夜君ったら最高ーーーーっ! もう離れないからっ! ずーーーーっとずーーーーっと3人一緒だからねーーーーっ!」 「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!(ねーちゃんと赤音さんのいい匂いとか柔らかさとか理性持たないんですけどーーーっ!!)」 先頭集団もぶっちぎり、あっという間に見えなくなってしまった真夜(+真昼&茜川)を見て木山はこんなことを思った。 (あの二人では重しになるどころか活力を与えてしまうということか……。今後の参考にさせてもらうとしよう) その頃、この合宿でやることやってもバカップル初心者の半蔵と郭もいちゃついていたりする。 「半蔵様ー!!」 「ちょっと甘えすぎだぞ!!溺れるから!!」 「そんなこと言いながらも半蔵様も、喜んでるくせに!!」 「ま、まあな?」 (*2))))))))))) そんなこんなで、やっと帰って来ました。 ―――生きてた!! これが馴れてない人達の気持ちだが、馴れると気絶すらできない。 つまりなれると気絶出来なくなるわけで恐怖が何倍にも膨れ上がる。それは地獄だ(中には克服できるやからもいるが)。 そして今、地獄のサバイバルから帰って来た人達はヘトヘトである。 「当麻ー!!」 「こ、この声は……美琴ー!!」 そして上条だけには美しいエンジェル付きである。 「おお!!美琴!!会いたかった!!」 「私も当麻に会いたかった!!」 言葉だけでは喜びを表せないので、 恋人だけに許された、甘いキスを激しく求めあったのであった。 それを知らない人間達がみると唖然、さっきまでは死闘をしていたのだから。 ……まあ、知ってる者達も呆れているが…… ----------------- 「ところで何でここに居るんでせうか?」 「そりゃ、当麻の居る所ならどこでもいくよ。」 実はというと、小萌先生が気をきかせたのか上条を癒す為に来たのだ。 当然それは上条だけではなく… 「○○様~」 「く、黒子はん!!黒子はんも来たのや。」 「もう、がまんできません!!久しぶりに会ったので○○様準備はできてます?」 「何するつもりなのむごっ!!」 黒子は青ピが離す前にキスをした。 ------------------ 「美琴さんちょっと待って、痛っ」 「当麻、どうしたのその足、どう見ても脱臼していると思うんだけど?」 「これは合宿の時に二回も相手からやられたもので…」 「当麻、誰が脱臼させたの♪」 上条は美琴がものすごい殺気を出しているのに気づいた。 「美琴さん?それはまずいと思う出せうか?って言います。言いますからそこにいる姉弟です。(二人ともごめん!!)」 「「ギクッ!!」」 「分かった。当麻ちょっと待っててね♪」 と言うと美琴は井ノ原姉弟を制裁しに行った。 「あ、ひさしぶりですね。どうしたんですか?」 「おぉ、レッサー。おまえこそなぜココに?」 「それは・・・ちょっと学園都市に仕事で」 「そうか。なんかあったのか?」 「なんか、学園都市に魔術の事を知ってしまった人がいるようなので、 調査をして来いと。上条さんは何も知らないですよね?」 「あ、あぁ」 後々面倒になるので、あいまいに否定しといたのだが 『ちょっとー!そこの女!当麻から離れなさいよ!何足に尻尾巻きつけてるのよー 何気に腕組んだりしてるんじゃ無いわよ!当麻も当麻でデレデレしちゃって!』 現在進行形で面倒になっていた 「なんですか?あの起こってバチバチしてる人は?」 「えーと。その・・・オレの彼女だ」 「えぇ!(彼女?彼女というのはガールフレンドと言う意味の彼女で)」パフッ 「大丈夫か?おーい、レッサー?」 レッサーも理由が自分でもわからずにかわいい効果音を立てて気絶していた。 『上条ちゃーん。遠足・・・じゃなくて合宿は家に着くまでが合宿ですよー』 「はいはーい。レッサーはどうするか・・・置いてくか」 数時間後に、極寒の海辺で目を覚ますレッサーがいた 409 :φ:2010/03/16(火) 02 34 24 ID PnNuQ0Sg 上条が飛行機に乗ろうとすると、 「死ねェェェええええええええええええええええええええ!!」 その声の主は空からいきなり落ちてきて槍を叩き付けようとした。 「次から次へとなんでせうか!?」 毎度のことなので軽々と避ける上条。その顔を見てやっぱりかとため息をつく。 「レッサーの次はフロリスかよ、不幸だ……」 「あんたはまたフラグでも立てたわけ……?」 「違う違う。」 「ワタシはレッサーと違ってそんなんじゃない!!上条当麻!!貴様をブッ飛ばしてやる!!」 「ほらね?」 「……確かに」 美琴を落ち着かさせた後、今度はフロリスの説得に入る。 「えー……、あの時はわたくし、上条さんは、あなた様が新たなる光のひとりとは知らなかった訳でしてね?確かに上条さんが全面的に悪いですはい、と言うことでごめんなさーい!!」 説得がいつの間にか謝罪に変わっている。 「…ワタシはそんなのが聞きたくてこんなことやってるわけじゃない!!」 また槍を振り落とすが上条の右手でバラバラにしてしまう。 「あー!?もう絶対にゆるさにゅわ!?」 後ろに変な語尾がついているがそれは美琴が電撃を放っているからである。 「ったく、私の当麻に手を出すんじゃないわよ!!」 「安心しろ美琴、俺はどんなに誘惑されても美琴一筋で愛し続けるから。」 「当麻…」 「美琴…」 やれやれ、このふたりの辞書に熱が覚めると言う項目がないかと疑問に思う。 410 :ё:2010/03/16(火) 05 51 39 ID v1IED/sA その頃、学園都市では一人の少女の容赦ない取り締まりが展開されていた。 「こらこらー! そこの超頭悪そうなスキルアウト! か弱い一般学生からカツアゲなんて超みっともない真似は止めなさい!」 「んだぁ? ガキのくせに生意気抜かしてんじゃねーぞ! てめぇら! たたんじまえ!」 「ほほぅ、あくまで超抵抗するんですね。それは超好都ご……もとい、残念です。では皆さんまとめて超ボコボコです♪」 少女の言うことなど意にも介さないスキルアウトが少女に向かって襲い掛かる、その数20。 しかし僅か10秒後、スキルアウト20名はものの見事に返り討ちに遭い、病院送りに。 「やれやれ。白井さんみたいにジャッジメントと超名乗りたかったのですが、上手くいかないものですね。ジャッジメントの絹旗最愛です! なーんて」 スキルアウト20名を病院送りにしたのは、黒子に自分の代わりにジャッジメントを一日だけやって欲しいと頼まれた絹旗だった。 彼女の付き添いとして付いて来てるのは、絹旗のやり過ぎ取り締まりに頭を抱えてる固法と絹旗の様子を楽しそうに眺めている初春だ。 「最愛さん楽しそうですねー。しかもちゃんと取り締まりはやってくれますし、迷子の案内、ゴミ拾いも真面目にやってくれて大助かりですよね固法先輩」 「ええ、そうね。確かに迷子の案内もゴミ拾いも初春さん、あなたと一緒にやってるから問題無いわよ。でもね……」 「何か問題もありました?」 「大有りよ!! 絹旗さんの取り締まりはやり過ぎ! さっきので合わせて病院送りにしたの何人か知ってる? 100人よ、100人!」 そう、絹旗はアイテム時代のノリで目に付いた不良と呼べる人種たちを取り押さえるのではなく、殴り飛ばして黙らせていたのだ。 それでも相手を骨折させたり、命に関わるような怪我は負わせていないのは成長の証とも言える。 「かっざりー! これで今日の巡回は超終わりですよね。早速ですけど涙子と神裂さんを誘ってお買い物に超行きましょう♪ あ、固法先輩も超お疲れ様でした」 「待ちなさい絹旗さん! あなたには言いたいことが……って初春さんまで!」 「ごめんなさい固法先輩! 最愛さんのことはまた後で伺いますから! じゃあ私も失礼しまーす」 固法のお説教など聞く気が無いので絹旗は初春を連れてその場を離れるが、ちゃんとジャッジメントの仕事は終っているので問題は無かったりする。 取り残された固法は少しの間、呆けた後で今後の絹旗、黒子、初春対策を考えながら一人で第一七七支部へと戻って行った。 ―――――――――― それから数時間後、当麻達を乗せた飛行機が学園都市に到着した(帰りは普通の飛行機)。 しかしハードな合宿の疲れのせいと超音速旅客機よりも快適な飛行機のお陰で、合宿参加生徒にハンター達、そして教師陣が熟睡して起きないという困った状態に。 411 :Ψ:2010/03/16(火) 07 08 27 ID ZGOiu3zo 『すみません。皆さん、学園都市に着きましたので、起きてください。』 と飛行機からアナウンスが流れてきた。 「あれ、もう着いたの?」 「そうだしい。じゃあ、寝ている人たちを起しに行くぞ。」 上琴は飛行機のアナウンスで起きたので、みんなを起こしに行った。 また、ほとんどがまだ寝ていたので、みんなを起こすのに20分もかかった。 そして、空港にて… 「それでは皆さん、ここで上条ちゃん、白雪ちゃん、一方通行ちゃん以外は解散なのですよ。」 「「「「「「「はーい。」」」」」」」 と言うと上条、白雪、一方通行とその付き添い以外は解散した。 また、土御門は飛行機の中で完全に直っていた。 「じゃあ、君達は病院に行くじゃん。」 と言うことで、上条達は第七学区のいつもの病院に行った。 412 :ё:2010/03/16(火) 09 07 24 ID v1IED/sA いつもの病院(カエル顔の医師の病院)へ向かったのは患者の当麻、月夜、一方通行。 付き添いとして教師は小萌、黄泉川、芳川、恋人として美琴と土御門。 別件の目的で一緒に歩いているのは闇咲と建宮だ。 「にしてもあんたのような魔術師を寄越すなんて初春ちゃんにはしてやられたとしか言いようが無いぜい」 「土御門、それはちと違うのよ。闇咲の所へ直接出向いたのは禁書目録よな。飾利姫は条件に見合う魔術師を禁書目録に相談しただけなのよ」 「君の事をあの子はとても警戒していてね。君が知らない魔術師として私が選ばれたのだよ。もっとも、私と面識があっても忘れている者もいたがな」 闇咲を動かしたのは確かにインデックスなのだが、色々と条件を出してきたのは初春なので土御門はインデックスと同じくらい初春の今回の功績を認めていた。 一方、闇咲の棘のある言葉に心当たりのある当麻はバツの悪い感じで闇咲に謝罪する。 「わ、悪かったって。でもまあ、あんたとは結局戦ったことは無いんだよな。だから印象が薄いっていうか……すみません」 「む……。どうやら困らせてしまったようだ。すまない」 「いやいやいや! 謝る必要はねーって! そういやあ闇咲はどうして病院に向かってるんだ? 額の血はもう止まってるんだろ?」 「ああ、実は彼女が君達と同じ病院でお世話になることになってな。顔を見せに行くだけだ」 当麻は乏しい記憶力で闇咲の言う『彼女』を、闇咲のせいで大変な目に遭った事と一緒に思い出す。 そのことで文句を言おうとしたが、闇咲のことを会うまできれいサッパリ忘れていた身なのでそのことには触れないようにした。 「そっか。ここならあの人もすぐに元気になるな。良かったじゃねえか闇咲」 「これも全ては君と初春飾利という子のお陰だ。君には彼女の呪を解いてもらい、あの子には彼女の将来への希望をもらった。改めて感謝する」 「だからいいって! 終ったことなんだし、礼を言われたいからやったんじゃねーんだからさ! ……で、建宮はどうして付いて来るんだ?」 闇咲の律儀すぎる態度に照れた当麻は話題を変える為に理由も無いのに付いて来てる建宮に話題を振った。 「飾利姫とプリエステスが来てるからよな。この後で闇咲と今後の方針について話すついでに怪我の経過モガモガッ!」 「怪我? 誰か怪我したのか?」 「な、なーんでもないにゃー。カミやんは気にすること全然無いんだぜい。さあさあ行った行った。皆さんお先に着いちまったぜよ」 建宮の口を塞ぎ、当麻に病院に入るように促したのは土御門。 当麻が病院に入るのを確認した土御門は建宮の口を離し、念を入れて小さな声で注意する。 「建宮、お前さん忘れたのか? 初春ちゃんの怪我はカミやん達には絶対内緒にするって。魔術師に襲われたことも含めてな」 「す、すまんのよ。そのことを聞いたら上条当麻達がどんな行動に出るか分からんしな。にしても背中に走る斬り傷、脇腹に風穴が開けられたってのにあの方は……」 「初春ちゃん自体の精神力もあるだろうけど冥土返し(ヘブンキャンセラー)の腕による所が大きいな。まったく、どっちも大したもんだにゃー」 土御門の初春とカエル顔の医師に対する感想に建宮は同意するように頷くと、病院へと足を運ぶのだった。