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[行間1] 12 36 PM 風紀委員活動第一七七支部。 学校と言うよりどこかのオフィスに近い一室。 そこには市役所にあるようなビジネスやコンピュータが何台も置いてある。 朝だというのに、生憎の曇り天気により室内は暗く、起動するいくつかのコンピュータの光だけが薄く光っており、学園都市の治安を守る風紀委員(ジャッジメント)が拠点とするその場所には、風紀委員(ジャッジメント)の証たる腕章をつけた二人の少女がそれぞれのコンピュータの画面をかじりつくように見ていた。 「だめですわ……どこを探しても見つかりませんの…、」 目の前のコンピュータの画面から目を離し、椅子の背もたれに全体重を乗せながら背伸びして、今にも消えてしまいそうな言葉を漏らすのは特徴的なツインテールに、常盤台中学の制服を着た『空間移動(LEVEL.4)』の少女。 御坂美琴のルームメイトにして、彼女の後輩である白井黒子だ。 「まだです…ッ!まだ諦めるのは早すぎます!!路地裏であろうと公園の端であろうとすみずみまで探してください!!」 白井の言葉に対し荒げた声を出すのは、短めの黒い髪の上に花を模した飾りをつけた一人の少女。 カタカタとキーボードを叩きながらコンピュータの画面を目まぐるしく変化させ、白井とは違う青いセーラー服を着ているのは、御坂美琴の友達にして、白井黒子の親友である初春飾利である。 日曜日という休みの日に、二人の中学生女子がこの風紀委員(ジャッジメント)の支部に早朝から来て、キーボードを叩くのには理由があった。 一週間前から『御坂美琴』が行方不明なのだ。 原因は不明。何の前兆もなく、唐突に消えた。その発覚は五日前のことである。 最初の一日、二日はルームメイトの白井が『いつものこと』としていたが、三日目に寮監から『御坂がこの二日間、授業を無断欠席している』と聞き詳しく調べてみたところ御坂美琴がその二日間『学び舎の園』から……ついには学園都市から消えていることがわかった。 その状況に対し『学園都市の頂点である超能力者(LEVEL.5)の第三位、御坂美琴が行方不明』という情報が流れるのを嫌った学園都市上層部は一部の風紀委員(ジャッジメント)と警備員(アンチスキル)に緊急で捜索を命令した。 その命令にいち早く反応したのが、この二人の少女である。 「それにしても、学園都市の監視カメラに一週間も映らないなんてありえるのでしょうか?」 白井はスチール製のビジネスデスクの端に置いてあるコーヒーを手に取り、一口含む。 眠気を飛ばす苦味が口の中にジワリと広がった。 「お姉さまの能力ならば監視カメラの一つや二つ誤作動を起こさせることはできると思いますが、そうする理由がわかりませんわね」 そう言う白井だったが、実のところ一つだけ思い当たるふしがあった。 また、何かの問題に首を突っ込んでいるのだ。 自分の問題に誰かが巻き込まれることを非常に嫌う美琴が、誰にも言わずに一人で問題を解決しようとすることは今までに何度もあった。 あのコンテナ置き場であった、夏休みのなにか。 『残骸(レムナント)』を巡っての結標との一件。 どちらも命に関わる大きな事件だと容易に想像できる。 そんな事件なのにも関わらず、白井がそれに気付いたのはすべてが終わった後。よくて、すべてが終わる少し前だ。 そして、気付いてもなお白井はその事件の全容を掴めてはいなかった。 「お姉様…、」 いったいどこに……、と声に出さずに口だけを動かして白井は呟いた。 「白井さん!ボーっとすることなら誰にだって出来るんですから、手を動かしてください!」 パソコンの陰から顔を出し、初春が白井を睨む。 目の下に隈を作る初春はこれでもかと言わんばかりに声を荒げた。 「御坂さんがいなくなって、もう一週間なんですよ!?もし、飲まず食わずで監禁でもされていたら……」 そこから先の言葉を白井は聞いていなかった。聞こえなかったではなく、聞かなかった。 初春の言葉にちくわ耳を傾けながら、白井は嘆息する。 二日前から、ずっと初春はこんな調子だった。 捜査を始めた五日前はこんなにも混乱していなかったはずなのに、二日前から突然こうだ。 「初春……、」 何かあったのか、と聞いても初春は答えてくれない。 『私の心配をするのなら、まずは御坂さんの心配をしてください』 こちらを見ずにそう言った初春の言葉に白井は従ったが。 ……これ以上は無理のようだ。 「初春……、この二日間ロクに飲み食いせずに寝ていないはあなたの方でしょう?少しは睡眠を取ってくださいまし」 「私の心配はいりません!そんな時間があるなら、御坂さんを探すことに集中してください!!」 「ならば、潔く私の意見に従いなさい。あなたに倒れられるとわたくしも非常に迷惑しましてよ」 「私は、御坂さんを見つけるまでは絶対に倒れませんッ!!」 何を根拠に、と白井は椅子から立ち上がり初春の座るビジネスデスクへ近づく。 よっぽど集中していたのか、白井が隣に来るまで初春は気付かなかったが、その存在を知ると横目でちらりと白井を見て、再びパソコンの画面へと目を向けた。 「何度も言うように白井さんは私の心配をせずに御坂さんの心配をしてください」 「”何度も言うように”あなたは自分のことを考えて、少し休憩なさい」 「……、」 白井の言葉を無視し、初春はカタカタとキーボードを叩く。 どこまでいっても無機質なキーボードを叩く音は、沈黙という状況下においてとても大きく響いた。 不意に白井は初春の手を取る。 「……離してください」 ギロリ、という効果音がつきそうなぐらいに、初春が白井を睨みつける。 白井はそんな一睨みを受け流すのではなく、真正面から迎え撃った。 「離しません。あなたはやり過ぎですわ」 その言葉に初春は目を見開き、思わずといった風に立ち上がりながら白井の手を振りほどき、己の感情を爆発させた。 「やり過ぎでなにが悪いんです!?友達を助けたい一心でやって、やり過ぎないほうがおかしいんですよ!!」 「初春……、」 「だいだい、白井さんは御坂さんを助ける気があるんですか!?私にずっと休め休め、って!」 「初春……ッ」 「私が休んで、その休んでいる時間に御坂さんが死んでしまったらどうするんです!?そんなのやり切れないじゃないですか!!」 「初春……ッ!」 「私が倒れるだけで、御坂さんが救えるっていうならそれは素晴らしいことじゃ 「いい加減になさいッ!!!」 バシン!!と甲高い音がすると同時、初春の視界が急にぶれた。 頬に鈍い痛みを感じ、身体を大きくのけぞらせることでようやく白井に平手打ちをもらったことに気づく。 初春は思う。なぜ自分が殴られなければならないのか、と。 自分がやっているのは誰かのためだというのに。自分の身を削ってまで誰かを助けられることはとても素晴らしいことのはずなのに。 風紀委員(ジャッジメント)という仕事をしているからこそ、そんな思いは人一倍強い初春だからこそだろう。 白井の行動がひどく理不尽だとしか思えなかった。 いや、白井だからこそ。 同じ風紀委員(ジャッジメント)で、一緒に仕事をしている白井が。 尊敬している親友が、自分のそんな考えを否定することが、とても理不尽に思えた。 「な、にを……」 目尻に、涙を溜めながら、 「何を…………するんですかッ!!」 「そんなことをして、お姉様が喜ぶと思ってますの?」 溢れ出しそうな涙をこらえながら、 「知りませんよ!!そんな細かいことを気にしていたら、救えるものも救えません!!」 「まったく細かくなんてありませんの」 何かを言おうとする初春を白井がガバリと抱きしめた。 初春の頭を持って、胸に押しあてる。今だ発展途中の胸のためか押しあてられた頭が軽く痛かった。 久しぶりに感じる人の温かさと、突然の意味がわからない白井の行動に初春は混乱する。 「何を………するんですか…、」 先ほどと同じ言葉なのに、その質問の意味は大きく違っていた。 そのことを白井は察しながら、初春の頭を撫でてやる。 「初春、あなた一つだけ忘れていることがありますわよ」 女の命である髪はボサボサで、心なしか震えているような初春を腕の中で感じ、白井は幼稚園の先生のような口調で言う。 「あなたの『親友』であるお姉様が心配なのはわたくしだって同じです。いえ、あなたより心配していると言っても過言ではありませんわ」 白井の腕の中で抵抗せず、静かに話を聞く初春に優しく、言い聞かせるように語りかけた。 「でも、あなただってわたくしの『親友』なのでしてよ」 だから、あなたが倒れてもいいなんて言わないで、と。白井は言葉にそんな祈りを込めた。 「ううっ……うっ…」 初春の肩がビクリと揺れたと思うと、嗚咽を漏らしながら白井の胸へと顔を押しつけた。 ジワリと彼女の制服が涙で濡れるが、気にしない。 ギュっと抱きしめてくる初春の腕が妙に心地良かった。 「初春、あなたに聞きたいことがありますの」 嗚咽を止めずに、何も言わない初春の動きをYESと受け取り、白井はもう一度初春の頭を撫でてやった。 「あなた、さっきお姉様を『助ける』とか、『死んだら』とか、言ってましたわね。いったい二日前に何を知りましたの?」 「ううっ…………うっうっ…………夢を……、夢を見たんです」 と、初春が嗚咽を漏らしながらもはっきりとした発音で、 「うっ…ぐすっ……御坂さんが……死んじゃって……皆が、皆……泣いてて………だから、私……」 怖かった、とまでは言葉が続かなかった。 当然だろう。いくら風紀委員(ジャッジメント)と言っても、所詮はただの中学生。 まだ完全に心が成熟していない少女には、本人が行方不明になっている中でのそれ(夢)は耐えきれなかったのだろう。 だからこそ、初春はそんなことにならないようにこの二日間、身体を酷使してまで頑張ったのだ。 「大丈夫。そんなことには絶対になりませんわ。私を、お姉様を信じてあなたは一度休みなさい」 耳元でささやくように、白井は初春にそう言った。 「まったく、苦労をかける相棒ですこと」 どうにか初春をソファーの上に寝かし、布団をかけてやって白井は小さな微笑を浮かべながらそう呟いた。 一度、頭を撫でて腰を上げる。 「この制服……クリーニングに出しませんと」 スースーという寝息に混じって、白井の足音が支部内に響く。 濡れたブレザーをハンカチで適当に拭き、これシミになったりしませんわよね、と一人呟いた。 なんとなく不安になりながらも、白井は自分の机へと戻る。 「あ、そういえば」 と、白井は何を思い出したのか初春の机へと足の向きを変えた。 初春の椅子に座り、キーボードを叩く。 「さっき初春を寝かしつけている時に、何かメールが来ていたのを忘れていましたわ」 マウスを適当に動かしパソコンの画面にメールフォルダを開く。 来ていたのは、一通のメール。 それは警備員(アンチスキル)からの暗号メールだった。 (……来たッ!) 白井は思わず声に出しそうになった。 今日この日に暗号ということはそれは”秘密裏に”進める『御坂美琴捜索』の情報に違いないからだ。 この五日間ずっと待っていたものがやっと届いた喜びに思わず、笑みがこぼれる。 そんな喜びを噛みしめながら、白井は暗号の解読プログラムを起動した。 パソコンの画面に『少しお待ちください』とテロップが表示されるのを確認して白井は背もたれに身体を傾ける。 「……、」 完全解読までの時間、白井は隣で寝息を立てながら寝ている初春の方へと目を向けた。 先ほどの初春の言葉を思い出し、白井は喜びとは違う苦味を噛みしめた。 ……不安なのは自分も同じだったから。 美琴が自分に何も言わずに行方不明だなんてただ事ではないのだ。 この一週間、何度心が折れそうになったかなんてわからない。 携帯にメールや着信があればすぐさま手に取るし、寮や支部のドアが開けばすぐさまそちらを見る。 二四時間という一日の時間の全てで御坂美琴を探していた。 「……、」 初春の机の上に置いてある一口も飲まれていないコーヒーを手に取り、口に含む。 「………まずい」 コーヒーは冷たくも温かくもなく半端な温度で、非常に後味の悪いものだった。 紙コップを机の隅に置き、白井はパソコンの画面を見る。 いまだに『少しお待ちください』のテロップが消えない画面の端には一つの映像が映し出されていた。 おそらく、初春が調べていた場所の監視カメラの映像を消し忘れていたのだろう。 暇つぶしにでも、とその映像を興味半分で拡大して、白井は目を見開いた。 その映像の題名が『第一〇学区 通行路監視カメラ』となっているのを確認して、白井はもう一度映像を見る。 ツンツン頭の少年が必死の表情でそこを走っていた。 ―――――『そう約束だ。御坂美琴と彼女の周りを守るってな。名前も知らない、キザでいじけ虫な野郎との約束なんだよ』 なぜだか、そんな言葉が白井の頭に響いた。 あの少年は美琴が行方不明なことなど、知らないはずだ。 学園都市が隠す事実をただの高校生であるあの少年が知っているなんて、あるはずがない。 風紀委員(ジャッジメント)や警備員(アンチスキル)の一部しか知らないような事実を、あの少年が知っているなんて、あるはずがない。 だというのに。 それが当たり前のはずなのに。 そんな”細かいこと”を踏まえてもなお、白井はあの少年が美琴を助けるために動いているような気がした。 人込みを避けながら彼は必死に前へと進んでいく。 何かを必死に求めるようなそんな表情。 「第一〇学区……」 そう呟いて、白井は椅子から立ち上がった。 シワが出来たスカートを伸ばし、んーと背伸びしてから顔を洗う。 手元に必要なものを持ち、制服のリボンを正してから軽く風紀委員(ジャッジメント)の腕章に触れて、それを外した。 これから彼女は外に出る。 風紀委員(ジャッジメント)としてではなく、ただ一人の女の子として。 どこに行くかなど、悩む必要はない。 最後に外に出る前にパソコンの電源を落とそうと初春の机へと戻ると、パソコンの画面には『解読が完了しました』、とテロップが表示されていた。 パソコンの光と共に、薄い笑みを顔に浮かばせながら、マウスをいじり、未開封のメール一件を開いた。 そのメールの内容を見て、白井は笑みを深くする。 初春に書置きをし、白井は空間移動(テレポート)で外へと出た。 目指す場所は一つ。 憎たらしいツンツン頭の少年と愛おしい少女の二人がいるであろう場所へと。 思わず電源を落とし忘れたパソコンは淡い光を放ちながら部屋を薄く照らしていた。 そこに表示されているのはいくつかのウィンドウ。 時計や株、天気予報などのウィンドウを覆い隠し、画面の大半を取るのは二つの映像である。 ただの街並みを映す第一〇学区の監視カメラの映像に、先ほど解読が終了した警備員(アンチスキル)からの暗号メールだ。 監視カメラには必死に走る少年の姿も、辛そうに歩く少女の姿も映っていない、普通の映像。 そして、それの一部分を覆い隠して、己の存在を訴える解読された暗号メール。 解読されたメールにはこう記してあった。 『第一〇学区ノ路地裏デ≪御坂美琴≫ノ目撃証言アリ』
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第二章 制裁指導チャート イベント連中、まだみてるかもしれない。佐天、アンタも気をつけて 制裁指導は都市伝説なんかじゃない これ、おそらく制裁指導の模倣だと思います どんな小さな手がかりも聞き逃さないつもりで挑みましょう 御坂さんが気兼ねなく全力を出せるように、ね 全部聞こえてるじゃん ……確かに、あなた達のおかげなのよね ゴシップ誌に有力な情報が載っていたとも思えませんけど あたし達の手で、絶対に復刊させましょう! 四人で手分けしてしらべてみない? 最近、夜中に金属バットを持った女の子の集団がうろついてるんだって さささささ、佐天さん、何してるんですかああああ!! 私には判断がつきませんわ。どの情報について調べます? 『常盤台の超電磁砲とその一見に何を聞かれても答えてはいけない』 ……本当に分かってるなら良いんだけど つまり、ごまかさなくちゃならないようなことをしていたってことね? あちゃ~、迷彩指導の方だったか~ ネットの書き込みなんて、それこそ無限大でしょうに ……もう口きいてあげない それは応援してくれてますの? あの掲示板は、このエンタメカーソルの一部だったってことです! なるほどね。これはチャンスよ ジャッジメントモード【制裁指導を確実に釣り上げるには】このお仕置きを食らったら外出したくともできないだろうが……な! 寮監さんは、あんたが参加希望してるからって言ってたけど…… ついに実名みたいなのまで出てきちゃいましたね イシガキミホがいるってどういうこと? イシガキミホのために、戦わなくちゃいけないのよ!! アクションパート【制裁指導を退けろ!】あんたらの登場する都市伝説は――ここで終わりよ! イシガキミホが、本当に実在するなら やっぱり、『あいつ』は私の手で見つけるしかないか。 第二章 制裁指導 第十五学区まで遊びに来ていた美琴達。 友人と会うとして別行動をしていたはずの佐天と偶然出会い、一緒に待ち合わせ場所に行ってみることに。 そこで目にしたのは怪我をして救急車で搬送される佐天の友人達であった。 どうやら都市伝説たる『制裁指導』に襲われたらしい。 制裁指導は、ネット上で都市伝説の噂を振りまく人物に“制裁”を与えるらしい。 一緒にいるはずだった佐天も後で襲われるかもしれない……。 美琴達は第十五学区にて制裁指導に関する調査をすることにした……。 チャート 簡易チャート 佐天の友達 → 時間切れ → 嫌がらせ → 過激な書き込み → CHATIN !! 時間切れ → エコミチ暴走事件 → コミュニティサイト → 最近の事件 → エコミチ暴走事件 イベント 連中、まだみてるかもしれない。佐天、アンタも気をつけて 制裁場面。 美琴、黒子、初春の3人で第十五学区へ。 途中で佐天合流。 【佐天の友達】入手 【制裁指導】入手 制裁指導は都市伝説なんかじゃない 第一七七支部へ移動 【処理済みのファイル】入手 【都市伝説】入手 【コミュニティサイト】入手 ガールズトークモードタイミング ボタン トピック 結果 どこから手をつけようか? △ 佐天の友達 次へ 時間切れ 終了『これ、おそらく制裁指導の模倣だと思います』へ 佐天の友達選択 △ コミュニティサイト 終了『どんな小さな手がかりも聞き逃さないつもりで挑みましょう』へ 時間切れ 終了『御坂さんが気兼ねなく全力を出せるように、ね』へ これ、おそらく制裁指導の模倣だと思います 模倣書き込みのかズが膨れ上がったために正しい情報がわからなくなり、夏休み終了。 バッドエンドへ どんな小さな手がかりも聞き逃さないつもりで挑みましょう オフ会で情報収集をしたが、余りにも情報が多くなり過ぎ、夏休みを使っても終わらず。 バッドエンドへ 御坂さんが気兼ねなく全力を出せるように、ね ネット上での情報を収集。 【過激な書き込み】入手 【嫌がらせ】入手 ガールズトークモードタイミング ボタン トピック 結果 どこから手をつけようか △ 嫌がらせ 嫌がらせを選択へ 時間切れ 終了『全部聞こえてるじゃん』へ 嫌がらせを選択 △ 制裁指導 終了『全部聞こえてるじゃん』へ × 過激な書き込み 終了『ゴシップ誌に有力な情報が載っていたとも思えませんけど』へ 時間切れ 終了『……確かに、あなた達のおかげなのよね』へ 全部聞こえてるじゃん 黄泉川に阻まれて捜査できず。 ルート分岐 『ゴシップ誌に有力な情報が載っていたとも思えませんけど』経由 している CHATIN !!が発生せず していない CHATIN !!が発生 CHATIN !! ガールズトークモードタイミング ボタン トピック 結果 宛が外れちゃったね。どうしようか? △ 都市伝説 終了『ゴシップ誌に有力な情報が載っていたとも思えませんけど』へ 時間切れ 終了『……確かに、あなた達のおかげなのよね』へ 入らない場合『四人で手分けしてしらべてみない?』へ ……確かに、あなた達のおかげなのよね 固法先輩に遭遇。あと子供が伏線。 『四人で手分けしてしらべてみない?』へ ゴシップ誌に有力な情報が載っていたとも思えませんけど コンビニに心当たりの雑誌を探しに行ったが、休刊していた。 【ゴシップ誌の休刊】入手 ルート分岐 『全部聞こえてるじゃん』または『四人で手分けしてしらべてみない?』経由 している 必ずガールズトークモードへ していない CHATIN !!が発生 CHATIN !! ガールズトークモードタイミング ボタン トピック 結果 制裁指導について調べていくしか無いかな △ ゴシップ誌の休刊 終了『あたし達の手で、絶対に復刊させましょう!』へ 時間切れ 終了 『最近、夜中に金属バットを持った女の子の集団がうろついてるんだって』へ 入らない場合、『全部聞こえてるじゃん』へ あたし達の手で、絶対に復刊させましょう! ゴシップ誌の休刊について暴走。 寮の門限になり、断念。 バッドエンドへ 四人で手分けしてしらべてみない? まだ調べるなら効率良く調べるためにバラバラに。 【古い事件】入手 【人食いダルマの噂】入手 ルート分岐 『ゴシップ誌に有力な情報が載っていたとも思えませんけど』経由 かつそこでCHATIN !!経由している 『さささささ、佐天さん、何してるんですかああああ!!』へ かつそこでCHATIN !!経由してない 『最近、夜中に金属バットを持った女の子の集団がうろついてるんだって』へ していない 『ゴシップ誌に有力な情報が載っていたとも思えませんけど』へ 最近、夜中に金属バットを持った女の子の集団がうろついてるんだって 制裁指導、行動の推理。 【最近の事件】入手 【クルハドリンクの怪】入手 【エコミチ暴走事件】入手 時間切れ ルート分岐 『四人で手分けしてしらべてみない?』経由 している 『私には判断がつきませんわ。どの情報について調べます?』へ していない 『四人で手分けしてしらべてみない?』へ さささささ、佐天さん、何してるんですかああああ!! ガールズタイムモードで【過激な書き込み】を選び、コンビニのCHATIN !!を経由すると発生。 うーいーはーるー!(ばさっ)のCG回収 『私には判断がつきませんわ。どの情報について調べます?』へ 私には判断がつきませんわ。どの情報について調べます? 聞き込みで得た都市伝説から制裁指導に結びつくものはどれだろうか? ガールズトークモードタイミング ボタン トピック 結果 どの噂から調べる △ 人食いダルマの噂 終了 ルート分岐へ ○ クルハドリンクの怪 終了 そのまま次のガールズトークモードへ × エコミチ暴走事件 終了 『ネットの書き込みなんて、それこそ無限大でしょうに』へ 時間切れ 終了『常盤台の超電磁砲とその一見に何を聞かれても答えてはいけない』へ 人食いダルマの噂 ルート分岐 『……確かに、あなた達のおかげなのよね』経由 している 『つまり、ごまかさなくちゃならないようなことをしていたってことね?』へ していない 『……本当に分かってるなら良いんだけど』へ CHATIN !! ガールズトークモードタイミング ボタン トピック 結果 どれから △ エコミチ暴走事件 終了『ネットの書き込みなんて、それこそ無限大でしょうに』 時間切れ 終了『『常盤台の超電磁砲とその一見に何を聞かれても答えてはいけない』』へ 入らない場合『あちゃ~、迷彩指導の方だったか~』へ。 ※なお、このイベント名をセーブデータ上で確認する場合、クルハドリンクの怪を選んだ時のみ見ることができる。 『常盤台の超電磁砲とその一見に何を聞かれても答えてはいけない』 総当たりで情報を調べることに。 婚后と遭遇。 婚后VS黒子を美琴が仲裁したところ、目立ってしまい新たな都市伝説発生。 情報を集めることが出来なくなり、打ち切り。 バッドエンドへ ……本当に分かってるなら良いんだけど 固法と遭遇。 なんとかごまかしその後、移動。 CHATIN !! ガールズトークモード ガールズトークモードタイミング ボタン トピック 結果 どれから △ エコミチ暴走事件 終了『ネットの書き込みなんて、それこそ無限大でしょうに』 時間切れ 終了『『常盤台の超電磁砲とその一見に何を聞かれても答えてはいけない』』へ 入らない場合『あちゃ~、迷彩指導の方だったか~』へ。 つまり、ごまかさなくちゃならないようなことをしていたってことね? 固法と再度遭遇。 誤魔化しきれず連行。 CG回収 バッドエンドへ あちゃ~、迷彩指導の方だったか~ 湾内と泡浮に遭遇 聞き間違いによって違う都市伝説の現場へ。 そこへ婚后が黒子を煽り、黒子が暴走し、離脱。 その時、制裁指導が事件を起こし、警備員が調査に乗り出してしまったため、情報が機密化してしまい、風紀委員の情報網でも追えなくなり、断念。 バッドエンドへ ネットの書き込みなんて、それこそ無限大でしょうに 制裁指導に襲撃された店へ行くも調査に協力してもらえず。 推理により、エコミチ暴走事件を本格的に追うことに。 ルート分岐 『さささささ、佐天さん、何してるんですかああああ!!』経由かつ『私には判断がつきませんわ。どの情報について調べます?』及び『……本当に分かってるなら良いんだけど』が未経由 条件を満たしている 『……もう口きいてあげない』へ 条件を満たしていない 『それは応援してくれてますの?』へ ……もう口きいてあげない うふふふ、おねーさまー!のCG回収 『それは応援してくれてますの?』へ それは応援してくれてますの? カラオケBOX前へ 婚后、湾内、泡浮に遭遇。 制裁指導についての情報提供を受ける。 『あの掲示板は、このエンタメカーソルの一部だったってことです!』へ あの掲示板は、このエンタメカーソルの一部だったってことです! 制裁指導の情報源特定 『なるほどね。これはチャンスよ』へ なるほどね。これはチャンスよ ジャッジメントモード【制裁指導を確実に釣り上げるには】 ジャッジメントモードタイミング ボタン トピック ゲージ 結果 どうやって標的を選んでる? △ コミュニティサイト +30% 食いつきそうな話題は? ○ ゴシップ誌の休刊 0% 考え直し □ 過激な書き込み 0% 考え直し × 制裁指導 0% 考え直し 時間切れ 0% 考え直し 食いつきそうな話題は? △ 人食いダルマの噂 +30% 60%終了『このお仕置きを食らったら外出したくともできないだろうが……な!』へ ○ クルハドリンクの怪 +35% 65%終了『寮監さんは、あんたが参加希望してるからって言ってたけど……』へ □ 古い事件 0% 考え直し × 最近の事件 +10% 最近の事件といえば?へ 時間切れ 0% 考え直し 最近の事件といえば? △ エコミチ暴走事件 +60% 100%終了『ついに実名みたいなのまで出てきちゃいましたね』 ○ 人食いダルマの噂 +30% 70%終了『このお仕置きを食らったら外出したくともできないだろうが……な!』へ × クルハドリンクの怪 +35% 75%終了『寮監さんは、あんたが参加希望してるからって言ってたけど……』へ 時間切れ -10% 考え直し 話題へ このお仕置きを食らったら外出したくともできないだろうが……な! 一人でスレッド調べ始め、門限超過。寮監に見つかり、美琴の悲鳴が響き渡る。 バッドエンドへ 寮監さんは、あんたが参加希望してるからって言ってたけど…… 一人で買い物といい一人で第十五学区を見まわり。 黄泉川に見つかり、時間超過で寮監に連絡。美琴に奉仕活動が課される。 バッドエンドへ ついに実名みたいなのまで出てきちゃいましたね 【制裁指導の動機】入手 『イシガキミホがいるってどういうこと?』へ イシガキミホがいるってどういうこと? 『イシガキミホのために、戦わなくちゃいけないのよ!!』へ イシガキミホのために、戦わなくちゃいけないのよ!! 『アクションパート【制裁指導を退けろ!】』へ アクションパート【制裁指導を退けろ!】 内容 押下ボタン 備考 バット ×□ 連続 火炎瓶 ↓△ 連続 スタンロッド ×□ 連続 風力使い ×↑ 連続 反撃 × △ 単発 同時攻撃 LR 連続 超電磁砲発射 ○ 安心していると不意打ちでミスる 『あんたらの登場する都市伝説は――ここで終わりよ!』へ あんたらの登場する都市伝説は――ここで終わりよ! 『イシガキミホが、本当に実在するなら』へ イシガキミホが、本当に実在するなら 『やっぱり、『あいつ』は私の手で見つけるしかないか。』へ やっぱり、『あいつ』は私の手で見つけるしかないか。 第二章終了 お疲れ様でした。
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手続をした者は、事件が特許庁に係属している場合に限り、その補正をすることができる。ただし、次条から第十七条の四までの規定により補正をすることができる場合を除き、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面若しくは要約書又は第百三十四条の二第一項の訂正若しくは訂正審判の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲若しくは図面について補正をすることができない。 2 第三十六条の二第二項の外国語書面出願の出願人は、前項本文の規定にかかわらず、同条第一項の外国語書面及び外国語要約書面について補正をすることができない。 3 特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。 一 手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。 二 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。 三 手続について第百九十五条第一項から第三項までの規定により納付すべき手数料を納付しないとき。 4 手続の補正(手数料の納付を除く。)をするには、次条第二項に規定する場合を除き、手続補正書を提出しなければならない。
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ヴァイスサイド 禁書目録Ⅱ&超電磁砲カードリスト ブースター トライアルデッキ プロモーションカード 総評 ブースター 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 ID/W13-001 キャラ RR 黄 裏社会に生きる少年 一方通行 1/1 5000/1/1 《超能力》? ID/W13-002 キャラ RR RRR 黄 “お姉さま”美琴 2/2 7000/2/1 《超能力》? 《カエル》? ID/W13-003 キャラ R SR 黄 チア衣装の小萌 0/0 2000/1/0 《先生》? 《科学》? ID/W13-004 キャラ R SP 黄 お姉さまの露払い 黒子 0/0 2500/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? ID/W13-005 キャラ R 黄 美琴の妹 ミサカ 1/0 2500/1/0 《超能力》? 《クローン》? ID/W13-006 キャラ R 黄 インデックスの保護者 当麻 2/2 7500/2/1 《特徴なし》? ID/W13-007 キャラ R SP 黄 異能の右手を持つ男 当麻 3/2 10000/2/1 《特徴なし》? ID/W13-008 キャラ U 黄 メイド候補生 舞夏 0/0 500/1/0 《メイド》? ID/W13-009 キャラ U 黄 いたずらっ子 打ち止め 0/0 500/1/0 《超能力》? 《クローン》? ID/W13-010 キャラ U 黄 変化する日常 一方通行 0/0 2000/1/0 《超能力》? ID/W13-011 キャラ U 黄 負けられない戦い 美琴 1/0 5000/1/0 《超能力》? 《カエル》? ID/W13-012 キャラ U 黄 “多角スパイ”土御門 2/1 2000/1/1 《魔法》? 《超能力》? ID/W13-013 キャラ U 黄 “電極解放”一方通行 2/1 8000/1/1 《超能力》? ID/W13-014 キャラ C 黄 御坂 美鈴 0/0 2000/1/0 《特徴なし》? ID/W13-015 キャラ C 黄 最強の能力者 一方通行 0/0 1500/1/0 《超能力》? ID/W13-016 キャラ C 黄 吹寄 制理 0/0 2500/1/0 《スポーツ》? ID/W13-017 キャラ C 黄 不幸体質 当麻 0/0 3000/1/0 《特徴なし》? ID/W13-018 キャラ C 黄 妹達の上位個体 打ち止め 1/0 5000/1/0 《超能力》? 《クローン》? ID/W13-019 キャラ C 黄 結標 淡希 1/1 7000/1/0 《超能力》? ID/W13-020 キャラ C 黄 学園都市の高校生 当麻 1/1 7500/1/0 《特徴なし》? ID/W13-021 キャラ C 黄 役者な中学一年生 黒子 2/1 2500/1/1 《超能力》? 《風紀委員》? ID/W13-022 イベント U 黄 劇画ショック 1/0 EV ID/W13-023 クライマックス CR 黄 幻想殺し CX 1・風 ID/W13-024 クライマックス CC 黄 学園都市最強の男 CX 2 ID/W13-025 クライマックス CC 黄 借り物競争 CX 1・炎 RG/W13-026 キャラ RR SR 緑 “精神感応”春上 2/2 7500/2/1 《超能力》? RG/W13-027 キャラ RR SP 緑 水辺の佐天 3/2 10000/2/1 《特徴なし》? RG/W13-028 キャラ R SP 緑 佐天のクラスメイト 初春 0/0 500/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-029 キャラ R 緑 春上 衿衣 0/0 1500/1/0 《超能力》? RG/W13-030 キャラ R SR 緑 水辺の初春 1/0 2000/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-031 キャラ R 緑 “透視能力”固法 1/1 3500/1/1 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-032 キャラ R 緑 初春のクラスメイト 佐天 2/2 7000/2/1 《特徴なし》? RG/W13-033 キャラ U 緑 浴衣の初春 0/0 2500/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-034 キャラ U 緑 “異能力者”春上 1/0 3000/1/0 《超能力》? RG/W13-035 キャラ U 緑 普通の女の子 佐天 1/0 5000/1/0 《特徴なし》? RG/W13-036 キャラ U 緑 “定温保存”初春 2/1 7500/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-037 キャラ U 緑 子ども達の先生 木山 2/2 8000/2/1 《先生》? 《科学》? RG/W13-038 キャラ C 緑 浴衣の佐天 0/0 500/1/0 《特徴なし》? RG/W13-039 キャラ C 緑 浴衣の春上 0/0 2500/1/0 《超能力》? 《和服》? RG/W13-040 キャラ C 緑 大脳生理学者 木山 0/0 2500/1/0 《先生》? 《科学》? RG/W13-041 キャラ C 緑 鉄装 綴里 0/0 2000/1/0 《先生》? 《メガネ》? RG/W13-042 キャラ C 緑 意外とミーハー 佐天 0/0 3000/1/0 《特徴なし》? RG/W13-043 キャラ C 緑 バックアップ担当 初春 1/1 5000/1/1 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-044 キャラ C 緑 仲良しクラスメイト 初春&佐天 1/1 7000/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-045 キャラ C 緑 思い出の革ジャン 固法 2/1 8000/1/1 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-046 イベント U 緑 誰かが見てる 1/3 EV RG/W13-047 イベント U 緑 ビッグスパイダー 2/1 EV RG/W13-048 クライマックス CR 緑 ようこそ! CX 2 RG/W13-049 クライマックス CC 緑 衿衣との再会 CX 宝 RG/W13-050 クライマックス CC 緑 私にできること CX 2 RG/W13-051 キャラ RR RRR 赤 裏打ちされた自信 美琴 2/2 8500/2/1 《超能力》? 《カエル》? RG/W13-052 キャラ RR SR 赤 一つ屋根の下 美琴&黒子 3/2 10000/2/1 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-053 キャラ R 赤 学園生活 美琴 0/0 2500/1/0 《超能力》? 《カエル》? RG/W13-054 キャラ R 赤 正義の体現 美琴 0/0 2500/1/0 《超能力》? 《カエル》? RG/W13-055 キャラ R SP 赤 勝気な女の子 美琴 1/1 6000/1/0 《超能力》? 《カエル》? RG/W13-056 キャラ R RRR 赤 常盤台のお嬢様 黒子 1/1 6000/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-056 キャラ R 赤 モダンガール 黒子 2/2 7000/2/1 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-058 キャラ U 赤 常盤台のお嬢様 美琴 0/0 1000/1/0 《超能力》? 《カエル》? RG/W13-059 キャラ U 赤 お姉さまへの憧れ 黒子 0/0 2000/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-060 キャラ U 赤 “空力使い”婚后 0/0 2500/1/0 《超能力》? 《扇子》? RG/W13-061 キャラ U 赤 第一七七支部所属 黒子 1/0 5000/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-062 キャラ U 赤 パジャマの美琴 2/1 7000/1/1 《超能力》? 《カエル》? RG/W13-063 キャラ C 赤 浴衣の美琴 0/0 1500/1/0 《超能力》? 《カエル》? RG/W13-064 キャラ C 赤 水辺の黒子 0/0 2500/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-065 キャラ C 赤 記録係 黒子 0/0 3000/1/0 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-066 キャラ C 赤 ドレス姿の美琴 1/0 5500/1/0 《超能力》? 《カエル》? RG/W13-067 キャラ C 赤 “メイド・オブ・メイド”婚后 1/1 2000/1/1 《超能力》? 《メイド》? RG/W13-068 キャラ C 赤 寮監 1/1 3000/1/1 《メガネ》? RG/W13-069 キャラ C 赤 テレスティーナ・木原・ライフライン 2/1 8500/1/1 《メガネ》? 《科学》? RG/W13-070 キャラ C 赤 浴衣の黒子 2/1 9000/1/1 《超能力》? 《風紀委員》? RG/W13-071 イベント U 赤 手掛かり 1/1 EV RG/W13-072 イベント U 赤 執念 3/2 EV RG/W13-073 クライマックス CR 赤 高速道路の戦い CX 2 RG/W13-074 クライマックス CC 赤 超電磁砲 CX 扉 RG/W13-075 クライマックス CC 赤 まさかの共闘 CX 2 ID/W13-076 キャラ RR RRR 青 “Dedicatus545”インデックス 1/0 3500/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-077 キャラ RR SP 青 銀髪碧眼のシスターさん 3/2 10000/2/1 《魔法》? 《本》? ID/W13-078 キャラ R 青 チア衣装のインデックス 0/0 500/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-079 キャラ R 青 オルソラ=アクィナス 0/0 1000/1/0 《魔法》? 《シスター》? ID/W13-080 キャラ R 青 “追跡封じ”オリアナ=トムソン 1/0 4000/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-081 キャラ R SR 青 いつも賑やか 当麻&インデックス 1/1 6500/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-082 キャラ R SR 青 不思議シスター インデックス 2/2 8000/2/1 《魔法》? 《本》? ID/W13-083 キャラ U 青 歩く教会 インデックス 0/0 500/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-084 キャラ U 青 アニェーゼ=サンクティス 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《シスター》? ID/W13-085 キャラ U 青 蓮の杖の使い手 アニェーゼ 1/0 5000/1/0 《魔法》? 《シスター》? ID/W13-086 キャラ U 青 建宮 斎字 1/1 1000/1/1 《魔法》? 《武器》? ID/W13-087 キャラ U 青 元天草式十字凄教 神裂 2/1 8000/1/1 《魔法》? 《武器》? ID/W13-088 キャラ C 青 異教地への伝道者 オルソラ 0/0 1000/1/0 《魔法》? 《シスター》? ID/W13-089 キャラ C 青 “Fortis931”ステイル 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《タバコ》? ID/W13-090 キャラ C 青 上条家の居候 インデックス 0/0 3000/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-091 キャラ C 青 水着のインデックス 0/0 4000/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-092 キャラ C 青 ローラ=スチュアート 1/0 5500/1/0 《魔法》? 《日傘》? ID/W13-093 キャラ C 青 天草式十字凄教 五和 2/1 4500/1/1 《魔法》? 《おしぼり》? ID/W13-094 キャラ C 青 ルーンの魔術師 ステイル 2/2 8500/2/1 《魔法》? 《タバコ》? ID/W13-095 キャラ C 青 闇咲 逢魔 2/2 9000/2/1 《魔法》? 《武器》? ID/W13-096 イベント U 青 屋台の誘惑 2/1 EV ID/W13-097 イベント U 青 十字架の意味 2/2 EV ID/W13-098 クライマックス CR 青 大した事ない? CX 2 ID/W13-099 クライマックス CC 青 魔滅の声 CX 本 ID/W13-100 クライマックス CC 青 食いしん坊少女 CX 2 トライアルデッキ トライアルデッキ とある魔術の禁書目録Ⅱ 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 封入数 ID/W13-T01 キャラ TD 黄 最強の能力者 一方通行 0/0 1500/1/0 《超能力》? 4 ID/W13-T02 キャラ TD 黄 不幸体質 当麻 0/0 3000/1/0 《特徴なし》? 4 ID/W13-T03 キャラ TD 黄 妹達の上位個体 打ち止め 1/0 5000/1/0 《超能力》? 《クローン》? 2 ID/W13-T04 キャラ TD 黄 結標 淡希 1/1 7000/1/0 《超能力》? 2 ID/W13-T05 キャラ TD 黄 “多角スパイ”土御門 2/1 2000/1/1 《魔法》? 《超能力》? 2 ID/W13-T06 キャラ TD 黄 役者な中学一年生 黒子 2/1 2500/1/1 《超能力》? 《風紀委員》? 2 ID/W13-T07 クライマックス TD 黄 幻想殺し CX 1・風 2 ID/W13-T08 クライマックス TD 黄 学園都市最強の男 CX 2 2 ID/W13-T09 キャラ TD 青 “Fortis931”ステイル 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《タバコ》? 2 ID/W13-T10 キャラ TD 青 上条家の居候 インデックス 0/0 3000/1/0 《魔法》? 《本》? 4 ID/W13-T11 キャラ TD 青 ローラ=スチュアート 1/0 5500/1/0 《魔法》? 《日傘》? 4 ID/W13-T12 キャラ TD 青 元天草式十字凄教 神裂 2/1 8000/1/1 《魔法》? 《武器》? 4 ID/W13-T13 キャラ TD 青 闇咲 逢魔 2/2 9000/2/1 《魔法》? 《武器》? 2 ID/W13-T14 クライマックス TD 青 食いしん坊少女 CX 2 4 ID/W13-101 キャラ TD 青 学園都市に暮らすインデックス 1/0 3000/1/0 《魔法》? 《本》? 1 ID/W13-102 キャラ TD 青 冬の贈り物 インデックス 1/0 5000/1/0 《魔法》? 《本》? 1 ID/W13-103 キャラ TD 黄 学園都市の第一位 一方通行 2/2 9500/2/1 《超能力》? 2 ID/W13-104 キャラ TD 黄 “科学と魔術”当麻&インデックス 3/2 10000/2/1 《魔法》? 《本》? 2 ID/W13-105 キャラ TD 黄 素直になれない美琴 0/0 1000/1/0 《超能力》? 《カエル》? 4 プロモーションカード 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 ID/W13-106 キャラ PR 青 当麻&インデックス 1/1 2000/1/1 《魔法》? 《本》? RG/W13-107 クライマックス PR 赤 お嬢様の休日 CX 2 RG/W13-108 キャラ PR 赤 放課後の美琴 2/1 8000/1/1 《超能力》? 《カエル》? ID/W13-109 キャラ PR 黄 学園都市の中学生 美琴 1/0 5000/1/0 《超能力》? 《カエル》? ID/W13-110 キャラ PR 青 体操着のインデックス 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-111 キャラ PR 黄 ドキドキプレゼント!? 美琴 1/0 4500/1/0 《超能力》? 《カエル》? RG/W13-112 キャラ PR 赤 気になる存在 美琴 2/1 8000/1/1 《超能力》? 《カエル》? ID/W13-113 キャラ PR 青 機械に疎いインデックス 0/0 2500/1/0 《魔法》? 《本》? RG/W13-114 キャラ PR 赤 電撃を司る能力者 美琴 2/1 8000/1/1 《超能力》? 《カエル》? ID/W13-115 キャラ PR 黄 さっぱりした気性 美琴 1/0 4000/1/1 《超能力》? 《カエル》? ID/W13-116 キャラ PR 黄 “黒い翼”一方通行 2/1 7500/1/1 《超能力》? ID/W13-117 キャラ PR 黄 脅威に立ち向かう当麻 3/2 12000/3/1 《特徴なし》? ID/W13-118 キャラ PR 青 おやすみ インデックス 0/0 500/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-119 キャラ PR 青 いつもの光景 当麻&インデックス 0/0 3500/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-120 キャラ PR 青 水着の神裂 0/0 3500/1/0 《魔法》? 《武器》? ID/W13-121 キャラ PR 青 幼児体型 インデックス 1/0 3500/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-122 キャラ PR 青 物欲しげなインデックス 1/0 4500/1/0 《魔法》? 《本》? ID/W13-123 キャラ PR 青 前方のヴェント 2/1 7000/1/1 《魔法》? ID/W13-124 キャラ PR 青 賑やかな昼餐 インデックス 3/2 9000/2/1 《魔法》? 《本》? 放映時期と発売日の都合上、禁書目録Ⅱは13話(~大覇星祭編)までの収録となっている。 一方で、超電磁砲は前回のブースターで収録されなかった乱雑解放編が収録されている。
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ルーマン/社会の理論の革命 名前 コメント
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億泰「幻想御手…? こいつぁ違うぜぇ~」 ① ② 前へ 戻る 次へ 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 07 52 48.27 ID nxjRYwlF0 [2/47] 学園都市。 それは総人口約230万を誇る超巨大都市の通称である。 最先端の科学技術に支えられたその都市にはひとつの目的があった。 それは『超能力』の開発。 その事実を知った『とある』財団は、事態を重要視。 幹部による会議を重ねるうち、財団の重要幹部である一人の学者がひとつの解決策を提示。 それは…学園都市に学生を一人送り込み、どこまでが真実なのか確かめてもらうという単純でありながらも効果的な妙手。 かくして、その学者がもつ独自の交友関係から選ばれた一人の男が学園都市に訪れる。 到着早々巻き込まれた爆弾事件に首を突っ込み、爆発寸前の爆弾を『削りとり』、そのまま犯人を一蹴。 非道なスキルアウトを完膚無く叩きのめし、絶望しかかっていた少女の心に爽やかな風を吹かせた男。 科学でも魔術でもは測定できない謎の能力を持つその男の名は… 虹村億泰といった。 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 07 54 55.99 ID nxjRYwlF0 ■とある学生寮・虹村億泰の部屋 備え付けられた家具以外は何も無いガランとした部屋に朝日が差し込む。 ベッドの上ではガーガーと大きなイビキをたてながら眠りこける男が一人。 枕元の目覚まし時計が甲高い音をたてるまで後30分ほど猶予はあった。 だが。 その目覚まし時計は何者かの手によりその機能を停止させられる。 音を立てないよう、そろりそろりと男に近づく小さな影。 男の耳元に手を当て、静かに大きく息を吸い込み… 「おっはよ―――うっ!!!」 鶏も逃げ出すような大きな声でまどろんでいた男の意識を無理やり引きずり起こす。 億泰「おおおっ!? なんだなんだぁ~!?」 突然の大声に跳ね起きる億泰。 そんな姿を見て面白そうに笑っていたのは一人の少女。 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 07 56 53.25 ID nxjRYwlF0 佐天「おおっ! 起きた起きた!」 初春「こ、これはヒドいですよ佐天さーん」 慌てふためく億泰を見てニヤニヤと笑う佐天涙子。 そしてその横にはすまなさそうに肩を竦める初春飾利がそこにいた。 事態を察した億泰はそんな二人を見て恨みがましい目で見つめる。 億泰「………とりあえずよぉ」 ガシガシと頭をかきながら続ける億泰。 億泰「なんでオメェらがここにいんのか… キッッチリと! 説明してほしいんだけどよぉ~」 睡眠を邪魔され不機嫌そうな目付きの億泰だったが、佐天はそんな億泰の視線も何処吹く風で受け流していた。 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 00 06.68 ID nxjRYwlF0 佐天「まーまー 恩返しってやつ…じゃない?」 ニヤニヤと笑いながらも疑問形で答える佐天。 億泰「…恩返しだぁ?」 腑に落ちない表情のままオウム返しをする億泰。 初春「えっとぉ…虹村さん、先日怪我したときに学校おやすみしちゃいましたよね?」 そんな億泰に助け舟を出したのは初春だった。 それはスキルアウト『トリック』を億泰がとっちめたときに負った傷のこと。 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 04 57.98 ID nxjRYwlF0 初春「ですから、虹村さんの体調が万全になるまで私たちがサポートましょう って。 そう佐天さんと話してたんですー」 独特の甘い声でそう億泰に説明をする初春だったが、当然億泰は納得のしようがなかった。 億泰「…っつってもよぉ~ 別にオレァんなこと頼んじゃあねぇーんだけどよぉ~」 そうグチグチと文句を言う億泰だったが、それは佐天の快活な声で遮られた。 佐天「いいからいいから! 早く顔洗って着替える着替える! あ、あたしたちは部屋の外で待ってるから急いでよねー」 バサリと億泰の抱えてる毛布を引っペがしながら笑う佐天。 初春「す、すいませーん」 毛布を部屋の隅におき、さっさと部屋から出て行く佐天を横目で追いながら謝る初春。 億泰「……」 ベッドの上に取り残される億泰。 あぐらをかき、頬杖をつきながら不満げな声をあげた。 億泰「これ…これから毎朝続いたりしやしねーだろーなぁ~…」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 10 28.43 ID nxjRYwlF0 ■学園都市・通学路 夏の日差しが照り返す通学路を歩くはアンバランスな三人組。 億泰「ったくよぉ~… あと30分は寝れたはずなのによぉ~」 大きなアクビをしながらそうボヤく億泰の背中をバシバシと叩く佐天。 佐天「そんなこと言っちゃってー ほんとは嬉しいんじゃないのー?」 ウリウリと億泰の脇腹に肘をいれる佐天。 億泰「……はぁ? 嬉しい…だぁ~?」 佐天「あったりまえじゃない? なんせ現役女子中学生が朝起こしに来るんだよー?」 肘で突付いてくる佐天の攻撃を受けながら億泰が呆れきった声を出す。 億泰「ハッ! ンなわきゃねーだろがよぉ~」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 16 37.47 ID nxjRYwlF0 億泰「中ボーなんざガキに興味なんかあるわきゃねぇーだろがよぉ~」 佐天「ガ、ガキィ!?」 億泰「おおよ! …こう足がスラーッとして胸とか腰とかボインボインのオネーチャンなら話は別だけどなぁ~」 憤慨する佐天を放っておいて空中にボンキュッボンなラインを描く億泰。 佐天「うーわ… 今の聞いた初春? こりゃもう初春のパンツでその認識をぶち壊すしかないね!」 初春「へ? えっ? だっダメですぅ! 何考えてるんですか佐天さんっ!」 突然矛先がこちらに向かい、焦る初春。 佐天「えーい! しのごの言わずにおとなしくめくられなさーい!」 初春「やー! ダメですダメです! こんな往来でめくるのはやめてくださいって言ってるじゃないですかー!」 クルクルと億泰の身体を盾にしながら佐天の魔の手スカートめくりから逃げようとする初春。 手をワキワキさせながら初春を逃すまいとする佐天。 キャーキャーとはしゃぎだす二人の少女に挟まれて心底めんどくさそうな顔をする億泰。 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 19 50.01 ID nxjRYwlF0 億泰「…オメーらってよぉ~ 仲いいのか悪いのかわっかんねーなぁ~」 そんな億泰の声を聞いて二人の足がピタリと止まる。 佐天「へ? なーに言ってんの? あたしと初春は大親友だよ。 ねー?」 初春「そうですよー 大大親友ですもんねー」 顔を見合わせ、符丁のように首を傾けて笑いあう二人。 と、遠くからチャイムの音が鳴りだした。 佐天「げっヤバッ! このままじゃ遅刻しちゃうじゃない! 急ご初春!」 初春「ま、待ってください佐天さーん!」 パタパタと軽い音を立てて走りだす少女たち。 佐天「そんじゃああたしたち先に行くからねー アンタも急ぎなさいよー!」 初春「で、ではお先に失礼しますー またジャッジメントでー」 そう言葉を残し走りゆく二人の少女。 遠ざかっていく背中を見つめる億泰は、ふと何かを思いついたように空を見上げた。 億泰「………元気にしてっかなぁ~」 億泰の呟きは誰の耳に届くこともなく真っ青に晴れ渡った空に吸い込まれていった。 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 26 43.21 ID nxjRYwlF0 ■とある学校・教室 ガラリと戸を開けた億泰を見て、ざわついていた教室が静かになる。 周囲の空気を気にしないまま億泰が自分の席につく。 短期特別留学生という珍しい肩書きをもった転校生ならば物珍しい野次馬が集まってきてもおかしくはない。 しかし、転校そうそうに二人の教師に楯突いたガラの悪い大男に話しかけるほどの根性をもった野次馬いなかった。 再び雑談で賑わいはじめる教室。 そんな億泰の席の前に二人の少年が立つ。 土御門「元気してるかにゃー?」 青ピ「何だかテンコーセーの顔見るのが久しぶりって感じやね」 席についた億泰に話しかけたのは金髪サングラスの土御門と青髪ピアスだった。 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 28 46.58 ID nxjRYwlF0 億泰「よぉ~ えーと、土御門と……なんつったっけ?」 青髪ピアスの名前が出てこずに頭をひねる億泰。 青ピ「なっ! 名前忘れとるんかい! ええかーボクの名前はやね」 そう億泰に自己紹介をしようとする青髪ピアスだったが。 億泰「ところでよぉ~ 『アイツ』は一緒じゃあねぇのかぁ~?」 今まさに口を開かんとした青ピに気付かずに疑問の声をあげる億泰。 きょろきょろと辺りを見回す億泰に飄々と答えたのは土御門だった。 土御門「にゃー。 上ヤンなら休みだぜい?」 億泰「へぇ~ 休みねぇ~ そりゃまたいったいなんでだよ?」 土御門「なんでもなにも上ヤンは子萌せんせ…風邪かなんかじゃないかにゃ~?」 口を滑らせかけた土御門に気付かない億泰。 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 30 49.16 ID nxjRYwlF0 億泰「風邪ねぇ~ そいつぁ大変なこったなぁ~」 土御門「なんか用でも……あったんかにゃ?」 サングラスに隠された土御門の視線が鋭くなる。 億泰「いや、そーゆーわけでもねぇーんだけどよぉ~ …なーんか気になんだよなぁ~」 うまく言葉にできずにガシガシと頭をかく億泰を見てボソリと土御門が呟く。 土御門「……気になるっていうのはこっちのセリフなんだけどにゃー」 だが、その土御門の呟きはカラカラと教室の扉が開く音と、子供のような可愛らしい声にかき消された。 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 34 02.46 ID nxjRYwlF0 子萌「はーいみなさーん! おはようですー! 今日も元気にがんばりますよー」 声の主は教室に入ってきた担任の月詠小萌。 テキパキと授業の準備をしだす担任の姿を見て、雑談に興じていた生徒たちがゾロゾロと自分の席にもどっていく。 その様を横目で見て、これ以上の会話は無理だと判断する土御門。 土御門「けどにゃー 上ヤンなら心配はいらないと思うぜいー? なんてったって上ヤンだからにゃー」 青ピ「なんや、ボクの自己紹介はまた今度かいな。 ま、どーせなら上ヤンと一緒の時がええかもしれんね」 ニャッハッハと笑いながら自分の席に戻る土御門と青髪ピアス。 無人の隣の席、上条当麻の机を見る億泰。 億泰「ふぅ~ん… まぁズル休みしたくなるときなんざ誰にだってあるだろうしなぁ~」 専用のお立ち台を準備して黒板に板書をはじめだした小萌を見ながら呟く億泰。 虹村億泰は知らない。 上条当麻が魔術結社から送り込まれた魔術師を相手に意地を張り通したことを。 虹村億泰は知らない。 上条当麻が月詠小萌の家で銀髪のシスターに看病をしてもらっていることを。 虹村億泰は知らない。 次に再開したとき、上条当麻の記憶がすべて焼き尽くされていることを。 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 39 25.52 ID nxjRYwlF0 ■繁華街 授業が終わり、学校から開放された億泰はジャッジメントの支部に向かっていた。 一日一回、ジャッジメントに顔を出すこと。 億泰は事情を知る由もないのだが、それは学園都市の上層部からくだされた遠まわしの監視命令。 されとて、わざわざそれに逆らう気もない億泰はのんべんだらりと目的の場所へ歩みを進めていた。 そんな中、学生で賑わう繁華街を歩く億泰の視界に見覚えのある少女が飛び込んくる。 そこには大きな花飾りを頭にのせた少女、初春飾利が手持ち無沙汰にポツンと立っていた。 億泰「よ~ぉ初春ぅ~」 後ろから声をかけられ驚いたように振り返るのも束の間、すぐにほんわかとした笑顔を浮かべる初春。 初春「わっ 虹村さんじゃないですかー」 子犬のようにパタパタと虹村の元に駆け寄る初春。 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 43 25.81 ID nxjRYwlF0 初春「虹村さんは今からジャッジメントですか?」 億泰「あぁ、メンドくせーけどなぁ~ ところでよぉ、オメェは何してんだぁ~?」 初春「あ、私は佐天さんを待ってるとこですー」 億泰「待ち合わせぇ? 待つもなにもよぉ~ 一緒の学校に通ってんじゃあなかったっけかぁ~?」 キョトンとした顔で初春に確認をする億泰。 初春「あ、はい。 それはそうなんですけど佐天さんは今日掃除当番なんですよ」 初春「それにウチの学校はいつまでも残っていると先生に怒られちゃうんで、外で待ち合わせをと思いましてー」 億泰「ほぉ~ なんだかそっちもそっちでメンドくせーんだなぁ~」 初春「アハハ そうかもしれませんねー」 身も蓋もない億泰の感想を聞いてふんわりと笑う初春。 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 45 01.56 ID nxjRYwlF0 そんな初春を見て、何かを思い出したように手を叩く億泰。 億泰「おっ、そういえばよぉ~」 初春「はい?」 億泰「ちっと頼みがあるんだけどよぉ」 初春「はぁ… 私に出来ることならお手伝いしますけど…」 頭の上に疑問符が浮かんだかのようにキョトンとした顔で首を傾げる初春。 初春「あっ、でも今日は時間があまりないので前みたいにケーキ屋さんはちょっと…」 億泰「あー違ぇ違ぇ 今日のはよぉ~パフェじゃあねぇんだよなぁ~」 そこまでいって億泰が目を向けたのは立ち並ぶ近代的なビルの一角。 億泰「昨日帰るときに見つけたんだけど今のオレじゃあどうにもならなくてなぁ~」 億泰の視線の先を追った初春が呟く。 初春「あれって…レンタルショップですよね?」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 52 17.30 ID nxjRYwlF0 ■学園都市・風紀委員第一七七支部 ツインテールを揺らしながら小柄な少女が真剣な表情で携帯電話を耳に当てていた。 少女の名前は白井黒子。 黒子「もしもし? 木山先生ですの? …そうですの。 やっとレベルアッパーを入手しましたので連絡をと思いまして…」 電話の相手は大脳生理学の第一人者、木山春生だった。 黒子「えぇ波形パターンを分析したデータは既に送らさせていただきましたので、後日見解を…」 ひょんなことからレベルアッパーのデータを手に入れ、その解析を依頼するという大事な電話。 黒子「……明日には結果が出る? それは有難いのですけどそちらのお仕事に差支えは…」 想像していたよりも早い回答が返ってきたことに驚きを隠せない黒子だったが。 黒子「えぇ… それは本当に助かりますの。 …はい。 それではよろしくお願いしますわ」 すぐさま驚きを飲み込み、丁寧に礼を言ってから電話を切る。 これでやっと大きな一歩が前進できたと内心喜びながら背伸びをする黒子。 そんな黒子の背後ではグスグスと奇妙な音が鳴っていた。 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 54 54.98 ID nxjRYwlF0 億泰「くぅぅぅ~… やっぱよぉ~…こいつぁいつ見ても泣けるぜぇ~ なぁ? オマエもそう思うだろぉ~?」 ボロボロと大粒のナミダを流しながら感動した声をあげ、誰かに同意を求める虹村億泰。 そんな億泰の問に答えたのはやはり涙声の佐天だった。 佐天「うん…正直あなどってた… はぁ~… いーい話だったぁ~」 ピクリと黒子の眉が動いた。 ギギギと錆び付いた蝶番が立てるような音と共に振り返る黒子。 そこには小さなモニターに流れるエンドロールに釘付けになりながらボロボロと涙をこぼしている億泰と佐天がいた。 黒子「あの……大変盛り上がってるところ悪いのですけども」 そう黒子が言葉を発しても億泰と佐天には届かない。 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 08 57 25.83 ID nxjRYwlF0 億泰「涙が止まらねぇぜぇ… なぁ~ちょっとハンカチ持ってっかぁ~?」 佐天「グスッ……ハンカチくらい持ってなさいよねー」 佐天から渡されたハンカチで涙を拭く億泰を見て、黒子がプルプルと震えだす。 黒子「どうやら…ここが何処だかお忘れのようですわね」 そう黒子に言われ涙にまみれつつもキョトンとした顔で億泰が返事をする。 億泰「…なぁ~にボケたこと言ってんだぁ白井ぃ~? ここはジャッジメントの支部だろ~がよぉ~?」 その間延びした呆れ声を聞いて黒子がキレた。 黒子「その通りですの! ここはジャッジメントの支部! 映画館でもネットカフェでもありませんのよ!」 ムキーと怒りだす黒子。 黒子「いくらなんでも映画を丸々一本鑑賞ってありえませんの! まったく! 初春もこういう時はしっかり注意しないとダメじゃないですの!」 憤懣やるかたないといった黒子が同僚である初春飾利に話を振るが… 初春「……め、名作ですぅ~」グスッ 黒子「……なーんで貴方まで号泣してるんですのー」 感涙にむせぶ初春を見てガクリと肩を落としながら腹の底から呆れ声を出す黒子だった。 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 00 15.39 ID nxjRYwlF0 黒子「まったく…どうしたっていうんですの?」 腰に手を当てた黒子にガミガミと説教される初春。 黒子「ボンヤリしてるのはいつものことですけど今日は特にヒドいですの!」 初春「あううー… すいませんー」 そんな初春を見て困ったように続ける黒子。 黒子「頭の中身までお花畑になっちゃったんですの? ましてや今更こんな古臭い映画なんて…」 何気なくそう呟いた黒子だったが。 初春「白井さん! それは違います!」 黒子「はい?」 思わぬところで初春に反論を返されポカンとする。 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 01 52.52 ID nxjRYwlF0 初春「親と子の絆を描いた感動のストーリー! これは歴史に名を残した見事な感動巨篇なんですよ!」 黒子「は、はぁ…」 ふんふんと鼻息を荒くしながら映画の解説をしだす初春。 初春の勢いにタジタジとなった黒子が、机の上に置かれていたパッケージを手にとる。 黒子「…そんなに面白いですの? この[チャンプ]っていう映画は?」 懐疑的な口調でそう呟く黒子に返ってきたのは… 初春「それはもう!」 億泰「オメェ~それ見てないっつーのはよぉ~ 人生の8割損してるっって言っても過言じゃあねぇぜぇ~?」 佐天「面白さはあたしも保証しますよ! かなり大号泣!」 返ってきたのは自信満々なそれぞれの肯定の声だった。 付き合っていられないというように頭を振る黒子。 黒子「はぁ……頭お花畑は初春一人で充分ですのに…」 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 07 02.55 ID nxjRYwlF0 ■とある通学路 歩道を赤く染める夕日の中、佐天と初春がテクテクと歩いていた。 佐天「へー 初春は明日ダイノーセーリガクの先生のとこにお使いかー」 初春「えぇそうなんです。 佐天さんが持ってきてくれたレベルアッパーのデータですよー」 佐天「…ふーん まっ、初春や白井さんが喜んでくれたならなによりだよ」 何かを思い出したかのようにワンテンポ遅く返事を返す佐天。 ふと初春は気になる。 佐天涙子が後悔しているのではないか?と。 佐天涙子が持つ能力への憧れを一番知っているのは初春飾利だった。 もし、レベルアッパーを渡してしまったことを悔やんでいたら… 不安になって佐天の顔をチラと盗み見るも、そこには初春が危惧していた表情はいっさいなかった。 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 09 55.89 ID nxjRYwlF0 晴れ晴れとした表情の佐天を見て嬉しくなる初春。 現場にはいなかったものの先輩である白井や佐天から話を聞いている。 窮地に陥った彼女たちを助けたのが虹村億泰だということを。 笑っている佐天が隣にいることが嬉しくて、初春はなんとなく疑問に思っていたことを口にした。 初春「あ、そういえば佐天さん?」 佐天「ん? なーに?」 初春「佐天さんは虹村さんのことをどう思ってるんですか?」 佐天「うえええっ!?」 思ってもいなかった質問に驚き慌てふためく佐天。 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 23 14.18 ID nxjRYwlF0 佐天「どっどっどう思ってるって!?」 質問の意図が掴めずワタワタしだす佐天の問いかけに済ました顔で答える初春。 初春「だって佐天さん、最近よくジャッジメントの支部に顔出すじゃないですかー?」 佐天「う゛」 初春「それに虹村さんとも仲がいいみたいですしー」 佐天「いやあの仲いいっていうか…そっそんなことよりさ!」 自分でもいまだ理解しきれていない心を指摘され戸惑った佐天が無理やり会話の流れをそらす。 佐天「そっそんなこと言う初春はどうなのよ?」 初春「へ?」 キョトンとする初春。 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 30 54.31 ID nxjRYwlF0 初春「えーと… 私ですかー?」 佐天「そうそう! あんなスキルアウトみたいなガラの悪い格好してるのに初春はもう全然気にして無いでしょ?」 初春「? 見た目はもう慣れちゃいましたよー 佐天さんだってそうじゃないですかー」 当然のようにそう答えられ、言葉が詰まる佐天。 佐天「で、でもさ? それにしたってさ? 初春だって仲いいじゃない?」 初春「はぁー… そう言われるとそうかもしれないですねー」 ポヤポヤとした表情いまいち理解してない様子を見て、ここぞとばかりに畳み掛ける佐天。 佐天「ほらね? 別にあたしに限った話じゃないじゃない?」 苦し紛れに放たれた佐天の言葉を聞いて、にわかに眉を寄せて考えこむ初春。 初春「んー… 私が虹村さんをどう思ってるですか… うーん」 十数秒考え込んでから口を開く初春。 初春が何を言い出すのか? 気がつけばなぜか緊張して初春の答えを待っていたことを自覚する佐天。 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 35 18.89 ID nxjRYwlF0 初春「虹村さんは……」 佐天「…虹村さんは?」 初春「お兄さんって感じが一番近いんじゃないですねー」 佐天「へ?…お兄さん?」 予想だにしなかった単語を聞いて呆気にとられる佐天。 初春「はいー。 私一人っ子なので昔から兄弟が欲しかったなーって思ってたんです」 そんな佐天の表情に気づかずとくとくと説明しだす初春。 初春「虹村さんはぶっきらぼうな人ですけど…ああ見えて面白いですしー。 それにいざという時頼りになる人って感じがしませんか?」 佐天「そ、そうきたかぁー…」 ニヘラと笑う邪気のない初春の顔を見て肩を落とす佐天だった。 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 44 46.90 ID nxjRYwlF0 ■翌日 AIM解析研究所 初春「じゃあすぐに戻ってくるのでここで待っててくださいねー」 佐天「はいはーい ごゆっくりー」 ヒラヒラと手を振って初春を見送りながら待合室のソファに身を沈める佐天。 レベルアッパーの解析結果のデータを受け取りにきた初春に同行した佐天。 なぜ佐天涙子がここにいるのか? それは佐天の主張だった。 レベルアッパーを使わなかった佐天だったが、事件の進展が遅れたのは自分の責任だと初春と白井に訴えでたのだ。 最初は拒否していたものの、頑なな佐天に根負けした白井が許したこと。 それが初春と同行して木山からデータをもらってくるというお使いだった。 佐天「私だって関わったんだもん…ちょっとくらいは責任負わないとね」 そう呟きながら天井に向けて右手を伸ばす佐天。 しかし、部屋の奥では佐天の想像もつかない事態が進展していた。 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 50 44.54 ID nxjRYwlF0 ■AIM解析研究所・木山春生の研究室 初春「これって…」 驚きに目を見開く初春。 ほんのちょっと席を外し、部屋の奥に向かった木山。 椅子に座ったまま素直に待っていた初春だったのだが、ふと書類棚からはみ出していた書類に目をひかれたのが原因だった。 初春の手の上で複雑な文字列を並べる研究書類。 常人が見たのでは理解できそうにない数字の羅列。 しかし、情報処理に聡い初春は幸か不幸かその書類が指し示すものが何かということに気づいてしまっていた。 初春「これ…[音楽を使用した脳への干渉] それにこっちのデータは…幻想御手のオリジナル…」 驚愕する初春の肩にポンと小さな手が置かれた。 硬直した少女に囁きかける美しい造形をした女性。 木山「いけないな…他人の研究成果を勝手に盗み見しては」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 53 56.59 ID nxjRYwlF0 ■AIM解析研究所 木山春生の研究室の前で初春を待っていた佐天の耳にドアが開く小さな音が届く。 佐天「おっつかれー! ういは…」 立ち上がってそう語りかけた佐天の声は途中で掠れて消えていった。 佐天の目に飛び込んできたのは木山春生と両手を拘束された親友の姿。 木山「…おや? 君は確か」 初春「逃げてください佐天さんっ!」 事もなげにそう呟く木山と友人の身を案じて叫ぶ初春。 木山「どうやら…少々無用心だったみたいだな」 木山が視線を走らせると同時に身動きできなくなる佐天。 佐天「えっ? なにこれ… 能力?」 硬直した佐天の両腕に拘束錠をかける木山。 木山「仕方ないな、君も一緒に来るといい」 淡々とそう呟きながら駐車場直通のエレベータのボタンを押す木山の瞳には不可思議な色が映っていた。 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 09 58 27.50 ID nxjRYwlF0 ■風紀委員第一七七支部 御坂「佐天さんも初春さんも行方不明?」 なんの気なしにジャッジメントに立ち寄った御坂美琴の驚いた声。 そんな御坂に眉をひそめながら答える黒子。 黒子「…ええ。 あまりにも連絡が遅いので現地のアンチスキルに確認をお願いしたのですが…」 御坂「ど、どうすんのよ?」 黒子「今は…アンチスキルからの連絡を待つしか打つ手がないですの…」 歯噛みしながらそう呟く黒子を見て何かを決心したように御坂が立ち上がる。 黒子「お姉様? どうなさったのです?」 そんな御坂を見て不安げな声をあげる黒子。 御坂「私も出るわ。 ジッとしてんのは性にあわないしね」 黒子「なっ! お姉様っ!?」 予想だにつかなかった御坂の言葉を聞いて慌てる黒子。 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 10 02 45.88 ID nxjRYwlF0 黒子「ダメですの! お姉様は一般の学生ですのよ!?」 御坂を止めようとする黒子だったが。 御坂「でもさ、佐天さんだって一般の学生じゃない?」 そう返されグッと言葉が詰まる黒子。 しかし、すぐに己が本分を思い出す。 黒子「ならなおのことジャッジメントのわたくしがっ!」 そう息巻く黒子の肩を優しく抑える御坂。 御坂「アンタがここを離れて誰が情報を取りまとめるのよ?」 黒子「ですけど…」 それでも食い下がる黒子を見て優しく笑う御坂。 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 10 10 27.89 ID nxjRYwlF0 御坂「アンタは私の後輩でしょ? こんな時くらい『お姉様』に頼りなさいっての」 そう言ってツンと黒子の額をつつく御坂。 黒子「…お、おねぇさまぁ~」 感極まったかのように声を震わせる黒子だったが、自動ドアに歩き出す御坂を見て眉をくもらせる。 御坂「それじゃ黒子はアンチスキルからの情報を回して頂戴」 ドアに向かいながら明るい声を出す御坂。 黒子「お姉様? 無茶はなさらないでくださいですの」 御坂「だいじょーぶだって。 木山先生って普通の学者さんでしょ?」 黒子「そうですけれど… 何だか嫌な予感がするんですの…」 黒子の胸に巣食うの不安な感情。 御坂「なんとかなるって! 私は学園都市の第三位、『超電磁砲』の御坂美琴よ?」 そう言ってドアの向こうに消える御坂。 そんな御坂美琴の後ろ姿を見つめたままポツリと黒子が呟く。 黒子「お姉様がお姉様ではなくなってしまう…そんな予感がしてならないですの…」 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 10 17 41.29 ID nxjRYwlF0 ■風紀委員第一七七支部 億泰「よぉーッス」 気の抜けた挨拶をあげながらドアをくぐる億泰。 黒子「あら虹村さん。 チィーッスですの」 そんな億泰に返ってきたのは気の抜けた黒子の声だった。 部屋に入ってきた億泰を見ようともせずにモニターに向かい、幾つものウインドウを操りながら生返事を返す黒子。 億泰「へぇ~ 今日は白井一人かよぉ~ 珍しいなぁ~」 そんな感想を口にしながら事務椅子に腰掛けてボンヤリとする億泰。 静まりかえるジャッジメント支部。 そんな空間の中で唯一響くのはキーボードのタイプ音のみだった。 10分ほど経ったころだろうか? 黒子の揺れるツインテールの先を目で追うのに飽きた億泰が口を開く。 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 10 22 24.69 ID nxjRYwlF0 億泰「なんかよぉ~随分と忙しそうだなぁ~」 黒子「…そうですわね」 炭酸の抜けたコーラのような生返事をする黒子。 億泰「なぁ~ 今日はよぉ~ 誰も来ねぇのかぁ~?」 黒子「…そうですわね」 億泰「…」 億泰「…そういやよぉ なんつったかなぁ~ ほら、続編になるたびに劣化してったホラー映画」 黒子「…そうですわね」 億泰「…」 会話をしようとしない黒子の背中を見て立ち上がる億泰。 モニターから片時も目を離そうとしない黒子の肩を掴む。 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 10 32 24.61 ID nxjRYwlF0 億泰「よぉ いったいどうしたっつーんだぁ~?」 肩に手を置かれ、ようやく黒子が億泰の顔を見る。 しかし、黒子は億泰までもこの事件に巻き込むつもりはなかった。 黒子「心配されるのはありがたいですの …でもこれはあなたには関係の」 億泰「関係ならよぉ~ あるぜぇ~?」 静かに拒否をしようとした黒子のセリフに割り込む億泰。 黒子「…え?」 億泰の真剣な表情に驚く黒子。 億泰「おいおい忘れちまったのかぁ~? あの廃ビルん時をよぉ~?」 廃ビルでの事件。 悪逆非道なスキルアウトに追い詰められた記憶。 あと一歩遅ければ自分だけではなく佐天までも忘れえぬ傷を負うことになっていたかもしれない。 もしあの時目の前の男が現れてくれなかったのならばどうなっていたかなど考えたくもない。 ふぅとため息を吐く黒子。 黒子「そうですわね。 説明させていただきますの」 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 11 30 20.66 ID nxjRYwlF0 真剣な億泰にほだされるようにして説明をはじめる黒子。 木山春生の元に向かった初春と佐天が行方不明になったこと。 学園都市の監視システムで木山が運転しているとおぼしき車両を特定できたこと。 御坂美琴が一足早く現場へ急行しているということ。 そこまで説明を聞いた億泰が険しい顔をして立ち上がる。 黒子「…虹村さん?」 億泰「それを聞いてよぉ~ …おとなしくここで待ってることなんざぁ出来ねぇーなぁ~」 黒子「……だから話したくなかったんですの」 悔しそうに黒子が呟く。 この男が底抜けのお人好しであるということは身にしみて判っている。 説明をしてしまえば言葉でこの男を止めることはできない。 かといって能力で持って捕縛する気も黒子には無かった。 廃ビルで見た正体不明の能力は確かに恐ろしい。 しかし、それは些細な問題でもある。 一番の問題はちょっとやそっとのことではこの男の信念を曲げることができないということなのだ。 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 11 42 01.11 ID nxjRYwlF0 どれほど打ち据えようが、四肢に鉄芯を打ち込もうがこの男は立ち上がってくる。 ならば、この男を止めることは不可能だと…黒子は察していた。 億泰「場所は…知らねーなぁ~ まぁタクシーの運ちゃんなら判るかぁ~」 黒子が操作していたモニターの中の地図を見て、向かう先を確認する億泰。 黒子は黙りこくったまま億泰を見つめていた。 億泰「んじゃまぁ… ちょっーとオレも行ってくんぜぇ~」 そう言って背を向けた虹村億泰を見た黒子の背筋に悪寒が走る。 それは確信にも似た予感。 今、虹村億泰を行かせてはならない…そう黒子は直感する。 だが…黒子は億泰を引き留める言葉を持っていなかった。 黒子「ぁ… ま、待っ…」 黒子の呟きは億泰に届くことはなく、静かに閉まるドアに吸い込まれていった。 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 12 02 35.75 ID nxjRYwlF0 ■学園都市・幹線道路 後部座席に詰め込まれた佐天と初春を載せたスポーツカーを運転するのは木山春生。 木山「さて…質問を聞こうか?」 落ち着き払った木山の声を聞いてブスッとした佐天が声を出す。 佐天「…なんでレベルアッパーなんてものを広めようと思ったんです?」 それは佐天涙子にとって人ごとではなかった。 あと少しでレベルアッパーを使っていたかもしれないのだ。 無能力者の苦悩を逆手にとって危険なファイルを広めた木山に佐天涙子は怒っていた。 木山「あぁ…あるシュミレーションを行うには演算機器が必要だったんでね」 だが、そんな佐天の疑問をいとも簡単に答えてしまう木山。 まるでランチのメニューを決めるような簡単な答えに声を荒げようとする佐天だったが。 初春「それって! 人の気持ちをまるっきり無視してるじゃないですか!」 佐天が口を開くよりも先に尖った声色で木山に言葉をぶつけたのは初春だった。 木山「? …どういうことだ?」 少女たちが突然怒りだした原因が判らないとばかりに頭をひねる木山。 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 12 14 49.46 ID nxjRYwlF0 佐天「どういうことって…アンタねー…」 木山「シミュレーションが終われば全員開放される。 後遺症も残らない。 一体何の問題があるんだ?」 ステアリングを握ったまま不思議そうな顔でそう問い返す木山。 初春「…本当に判らないんですか?」 毒気を抜かれるような質問を聞いて訝しげに眉をひそめる初春。 木山「すまないが心当たりが無くてね。 教えてくれるとありがたいのだが…」 前方を見つめたまま車を操作しながら答えを求める木山の背中に向かい佐天が口を開く。 佐天「無能力者がどんなに能力者に憧れてるか…それぐらいは研究ばっかしててもさ、想像つくでしょ?」 それはレベルゼロの佐天涙子が言ったからこそ効果のある言葉。 ピクリと木山の腕が動き、ステアリングが僅かにぶれる。 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 12 29 28.08 ID nxjRYwlF0 木山「それは…」 『センセー? 私でもがんばったら大能力者や超能力者になれるかなー?』 脳裏に蘇るはかつての教え子。 他愛も無い問いかけ。 純粋な憧れを確かに木山は聞いたことがあった。 木山「…そうか。 確かにそのとおりかもしれないな」 言い訳をしようともせずに自分の非を認める木山。 佐天「…なんなのこの人?」 素直に謝る木山を見て困ったような声をだす佐天。 初春も木山の思考の流れが理解できずに首をひねっていた。 佐天と初春が顔を見合わせたのと同じタイミングで、木山の運転するスポーツカーが急激にスピードを落とし始める。 木山「……だが」 そういってステアリングに顔を埋める木山。 木山「それでも私はこのシミュレーションを途中で中断する気はない」 木山に遅れて気付く佐天と初春。 前方には装甲車と警備ロボット、そしてアンチスキルの部隊がズラリと並んでいた。 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 12 43 21.86 ID nxjRYwlF0 ■幹線道路・路肩 前方にて投降を呼びかけるアンチスキルの部隊。 それを見てホッと息を付く佐天と初春。 僅かな間ではあったものの、この木山という名の科学者が狂人や悪人ではないということを知るには充分な時間だった。 佐天「どうすんの? このままチキンレースなんて勘弁してよ?」 初春「今ならまだ間に合います 私たちも口添えしますし」 木山の心に響く佐天と初春の優しさ。 しかし。 木山「言ったはずだ。 私はこのシミュレーションを途中で中断する気はない…と」 そう言いながらガチャリとガルウイングのドアを開ける木山。 車から降りながら淡々と言葉を続ける。 木山「…レベルアッパーは人間の脳を使った演算機器を造るためのプログラムだ」 木山「だが…同時に面白い副作用ももたらしてくれるのだよ」 カツリとパンプスを響かせて車を降りる木山。 大声でがなりたてるアンチスキルを無視して後部座席にいる佐天と初春に謎の忠告を残す。 木山「君達は車から出ない方がいいな。 危険だ」 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 12 53 50.87 ID nxjRYwlF0 息を飲む佐天と初春。 原因は木山春生の瞳。 濃いクマを顔に貼りつけてはいるものの整った顔立ちをしている木山。 その半眼が突然充血したかのようにジワリと赤く染まりだしたのだ。 瞬く間に赤く染まっていく瞳を気にする風もなく木山春生がアンチスキルに向かい合う。 す、と伸ばした腕。 その先には荒れ狂う水の塊があった。 佐天「嘘っ!? 能力者なの!? 学生でもないのに!?」 初春「そんな! 書庫(バンク)にもそんな事一言もなかったですよ!?」 驚く少女たちをチラと見て再度忠告をする木山。 木山「頭を低くして衝撃に備えていたほうがいいな」 その言葉と共に木山春生とアンチスキルの戦闘が始まった。 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 20 35 21.36 ID GRrJ2Kk40 [2/7] ■幹線道路・高架下 御坂「なによコレ? 黒子、何が起こってんの?」 頭上を見上げながら携帯電話に向かって不審げな声をだす御坂。 嫌でも目に飛び込んでくるのはたなびく黒煙。 幾度となく起こる小規模な爆発音。 御坂の持つ電話の向こうには正確な事実を伝えようと懸命にモニターから情報を読み取る黒子がいた。 黒子『どうやら木山が能力でもってアンチスキルと交戦をしているようですの』 御坂「能力ー? 彼女能力者じゃないって言ってなかった?」 非常階段を駆け上りながら、矛盾している箇所を指摘する御坂。 黒子『そうですの。 書庫(バンク)にも彼女が能力開発を受けたという記録は残っていませんの』 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 20 38 42.18 ID GRrJ2Kk40 [3/7] そこまで言ってゴクリと緊張しながら口を開く黒子。 先程感じた嫌な予感の正体はこれなのだろうか? 内心そう自分に問いかけながらも推測を口にする。 黒子『ですがこれは明らかに能力。 それも複数の能力をもつ…多重能力者の可能性が極めて高いですの』 御坂「多重能力者? 実現不可能、幻の存在っていわれてるやつ? あれって都市伝説じゃない」 子供たちの間で囁かれる噂話のような推測を聞いて思わず否定の言葉を口にする御坂だったが… 黒子『…そうとも限りませんの』 それは黒子の深刻な声で否定された。 黒子には心当たりがあった。 目の前で不可思議な能力を見せつけた一人の男が脳裏をよぎる。 黒子『お姉様… どうかお気をつけて。 相手を侮らないでくださいましね?』 御坂「だいじょぶだって。 言ったでしょ? たまには頼りなさいってね」 黒子の心配そうな言葉に明るく返事をして携帯電話を耳から離す御坂。 まだ何か言いたげな黒子との通話を切って、最後の一段に足をかける。 階段を登り切った御坂の目に飛び込んできたのは倒れ伏したアンチスキルたちだった。 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 21 00 18.48 ID GRrJ2Kk40 [4/7] 御坂「…アンチスキルが…全滅。 …初春さんと佐天さんは?」 そう呟いてあたりを見回す御坂に返ってきたのは静かな答え。 木山「安心していい。 彼女たちは一番向こうにある私の車の中だ」 横倒しになり黒煙をあげている護送車の影から堂々と姿を現す木山春生。 逃げも隠れもしないその態度を見て御坂美琴は警戒を強める。 御坂「…まさかアンタが能力者だったとはね」 パシリと御坂美琴の周囲の空気が帯電をはじめだす。 だが、それを見た木山の口元には不敵な笑みが浮かんだ。 木山「学園都市に七人しかいないレベル5。エレクトロマスター、『超電磁砲』か」 最強の能力者を相手にしても木山が余裕を失うことはなく。 木山「私のネットワークにレベル5は含まれていないが…」 木山「君に一万の脳を統べる私を止めることができるかな?」 その言葉がゴングだった。 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 21 20 06.59 ID GRrJ2Kk40 [5/7] 戦いの中で主張をぶつけあう二人の能力者。 電撃を放ち、水弾で迎撃し、磁力で垂直な壁に貼りつき、重力子の加速で爆弾をつくり、それを反射波で感知し… 二転三転する勝負はさながらお互いのカードを次々と切っていく消耗戦だった。 そして…先に誤った手札を切ったのは木山春生。 相手の能力を読み違えていたというそれは決定的な敗因とイコール。 全身に電撃を流され、動くことも出来なくなった人が倒れ伏す。 だが、御坂の顔は酷く青ざめていた。 御坂「いまの…なに?」 御坂美琴の脳裏に流れた他人の記憶。 それは間違いなく目の前にいる木山春生の悲しい記憶だった。 木山「…観られたのか?」 乱れた息を整えようともせずに立ち上がろうとする木山。 御坂「なんで? 自分の教え子を助けるためなら…こんなことしなくたって…」 木山がレベルアッパーで何をしようとしているのか…その目的を察した御坂は恐る恐るそう語りかける。 だが、そんな御坂の問いかけは悔しさのこもった叫びで塗りつぶされた。 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 21 33 07.22 ID GRrJ2Kk40 [6/7] 木山「私が何回[樹形図の設計者]に申請したと思っている!」 普段の冷静さが嘘のように自分の中の激情を吐き出す木山。 木山「統括理事会がグルなんだ! アンチスキルに頼ったところでどうになるわけがない!」 電撃を受けたショックが抜けきれず足元をふらつかせながら立ち上がる。 木山「あんな悲劇二度と繰り返させはしない!」 自らを導いてくれた子供たちはどれほど時を重ねようと木山の胸の中心にいた。 木山「そのためなら私はなんだってする!」 例え他人から罵られようとなんら気にするつもりはなかった。 木山「この街の全てを敵にまわしても!」 木山「私は止まるわけにはいかないんだっ!」 その瞬間だった。 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 21 45 34.83 ID GRrJ2Kk40 [7/7] 御坂「…なに…アレ?」 突如頭を抱えて苦しみだす木山を見て駆け出そうとした御坂の足がピタリと止まる。 御坂の歩みを止めた原因。 水面に映る鏡像のようなそれは胎児のような形をしていた。 ブヨブヨと揺れ動く肉の塊。 左右非対称に生える腕。 頭上には途切れたリング。 爬虫類のように瞼が動き、真っ黒な眼球があたりを認識しだす。 御坂「これ…能力ってわけじゃないよね…」 その禍々しい姿に思わず後退りをする御坂。 まるでこの世に生まれたことを呪うように 「ォオギィィャァァァァァッッッッッ!!!!!!」 嬰児の形をとったAIM拡散力場の塊…幻想猛獣がマンドラゴラの悲鳴のような産声をあげた。 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/21(木) 01 23 35.73 ID mY3L7nhn0 [1/17] ■幹線道路・高架上 佐天「なにあれ…赤ちゃん? …それにしてもグロいなぁ~」 高架の上からこっそりと覗きながら素直な感情に口にする佐天。 眼下ではノイズが混じったような罅割れた泣き声をあげながら無差別に触手を振り回しはじめる巨大な嬰児がいた。 その触手の先には佐天のよく知る人物、御坂美琴がいた。 佐天「御坂さんっ! 危ない!」 何も無い宙に氷塊のような塊が突如生成され、勢い良く御坂に向かい降り注ぐ。 だが… 佐天「うわ…御坂さん凄ぉ… なんか大きい塊を楽々砕いてるよ!」 御坂美琴にとって、それはさしたる障害ではなかったようだ。 爆発を磁力で生成したシールドで防ぎながら巨大な幻想猛獣に攻撃を加えていく御坂を見て興奮する佐天。 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/21(木) 01 27 25.44 ID mY3L7nhn0 [2/17] 初春「佐天さーん、ちょっとは手伝ってくださいー」 そんな佐天に困ったような初春の声がかかる。 木山と戦闘し、気絶したアンチスキルを道路の端に引きずって避難させていたのだ。 佐天「ごめんごめん 今行くからー」 そう言って立ち上がろうとした佐天の視界に見覚えのある人物が映った。 佐天「……あれって」 初春「ここは危ないですよ佐天さん…って、どうしたんですか?」 とりあえずではあるが、アンチスキルを遠方に避難させた初春が佐天の隣に並ぶ。 佐天「ねぇ初春… あそこにいるのってさ」 佐天が指さした先を見てアッと驚いた声をあげる初春。 初春「…虹村さん!?」 そこには虹村億泰が驚いたような顔をして立ち尽くしていた。 前へ 戻る 次へ
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/素敵な恋のかなえかた 愛妻弁当はまだ早い 「御坂さん、こうすればあまり油を使わないで調理できますよ。やっぱりカミジョウさんの体のことを考えたら、油は減らした方がいいと思いますから」 「ふむふむ、なるほどなるほど」 「それから、同じ汁物を作るならお吸い物より豚汁なんかにした方が野菜もいっぱい入れられて体にいいですし、おかずにもなりやすいですよね」 「うーん、さすが佐天さん、まるで家庭料理のプロね。やっぱりお願いしてよかったわ」 「おやすい御用ですよ。それに御坂さんって、基本ができてるからあたしとしても教え甲斐があるんです」 「そう? ありがとう」 「さあ、この本に載ってなかったようなちょっとした裏技的なことは、大体こんな感じですね。あとは本通りにしていけば大丈夫ですよ、きっとカミジョウさんも大喜びです!」 「ほ、本当? 本当にそう思う?」 「はい、絶対喜びますよ、間違いないです」 「そっか、フフ。アイツ、喜んでくれるんだ……ん? どうしたの、佐天さん、ニヤニヤして?」 「御坂さんってさっきからあっさりスルーしてますけど、もしかして気づいてないんですか? カミジョウさんに料理を作ってあげる、なんてことは御坂さんは一言も言ってないんですよ。御坂さんがあたし達に言ったのは家庭料理を教えて欲しいってことだけ。カミジョウさんの名前はあたしが勝手にカマをかけてただけ、なんですよ」 「…………!」 「ようやく気づきました? もう、御坂さんってほんとかわいい!」 「あ、あアウう、あうあうウア……」 「向こうはなんだか楽しそう……。それに引き替え私はひとりぼっちで……ハァ」 佐天達が美琴と上条のケンカを目撃してから一時間後の風紀委員第一七七支部。 支部備え付けのキッチンで楽しそうに料理を作る美琴と佐天の会話を聞きながら、初春はため息をつきつつ一人、書庫のデータを検索し続けていた。美琴の依頼に応えるためである。 先程、美琴が初春達にした頼み事は二つ。 一つはより美味しい家庭料理の作り方を教えてもらうこと。 本に載っているようなことは美琴一人でも普通に学べる。けれど美琴は上条の心を掴むため、それ以上のことを知りたかったのだ。 そしてもう一つは美琴が拾った鍵の持ち主を割り出し、更にその家の場所を調べること。これは言うまでもなく上条当麻の家を探し当てるということと同義。 これら二つの美琴の頼みを叶えるために、佐天、そして初春は奮闘しているのである。佐天は前者、初春は後者において。 二人とも、先程美琴の様子を観察していたという負い目があるし、何より共通の友人である美琴の役に立ちたいと思ったからだ。 ただ、文字通り女の子二人の姦しい空間となっている佐天の方に比べて、初春の作業はどうにも華やかさがないのが玉に瑕ではあるのだが。 検索を続けながら初春は再度ため息をついた。 「まあ風紀委員の活動としては、鍵の落とし物からその落とし主をこうして捜すということになんの問題もないんですが、なぜか良心の呵責が……」 住人全てが管理されている学園都市。 その管理の範囲はもちろん、人間だけでなく彼らが関わる建物にまで及ぶ。 特に学生が住む寮などは完全管理されている。 どの鍵がどの扉に使われていて、その扉がどの家に使われているか。そしてその家の契約者は誰なのか。 これら全てを学園都市側は完璧に把握しているのだ。 したがって一つの鍵があればその持ち主はわかるし、その持ち主が住んでいる所だってわかることになる。 もちろん、通常そのような個人情報を簡単に知ることはできない。 今回の美琴のケースのように拾った鍵の落とし主を捜す、などといった特別な事情の元で、風紀委員のような公的機関が所定の手続きを踏んで書庫にアクセスする必要がある。 よって美琴の依頼は極めて正当な物であり、初春が良心の呵責を感じる必要は本来ない。 しかし初春はそれでも後ろめたいものを感じている。 それはやはり、 「普通こういう時って、私達のような風紀委員が鍵を落とし主に届けるのが正当で、拾い主に落とし主の個人情報を教えた上で、その拾い主に鍵を届けてもらうっていうのはちょっと、というか、大分違うと思うんですが……」 倫理観の問題だろう。 とはいえ初春とて人の子、友人の頼みを無碍に断ることはしたくないし、何よりその友人の恋路に大手を振って介入できるのだからこんなに面白いことはない。 「まあそれはそれとして、カミジョウさんの家がわかればまたまた恋愛イベント発生ですよね。しかも今回は夕飯を作りに行ってあげるなんて、もう通い妻じゃないですか。うふふ、結果が聞ける明日が楽しみですね」 結局のところ初春本人も楽しんでいる節がかなりあるのだから、倫理観をどうこう言うのは既にもう意味がないのかもしれない。 そうこうしているうちに佐天からの一通りの指導を受け終わった美琴は、復習としていくつか料理を作り始めていた。 そんな美琴からすっと離れた佐天は初春に近づくと、テーブルに紅茶を置いて声をかけた。 「はい、紅茶。ねえ、こっちは大体終わったけど、初春の方はどう?」 「あ、はい。こっちも、もうそろそろわかりそうです」 「そう! で、どうなの初春? 期待通りになりそう?」 「それはまだわかりませんが、たぶん大丈夫じゃないかなと……あ、結果出ました」 「本当?」 初春の体をやや押しのけるような体勢になって佐天はパソコン画面をのぞき込んだ。 「どれどれ……やったじゃん、初春。大当たり!」 パソコン画面が示す鍵の持ち主は正に「上条当麻」その人であった。 さらにその鍵の扉が使われている部屋の住所も既に検索結果として表示されている。 やはり美琴の確信は正しかったのだ。 佐天は大声でキッチンの美琴に声をかけた。 「御坂さーん! カミジョウさんの家、わかりましたよ! 初春がバッチリ調べてくれました!」 「本当!?」 佐天の声が届いた途端、美琴がキッチンから大慌てでやって来た。 「はい、本当です! 初春がやってくれました!」 得意そうに言う佐天の横から美琴はパソコンの画面を覗いた。画面の中の情報を読んだ美琴の顔に満面の笑みが浮かぶ。 「ほんとだ。ありがとう、初春さん!」 美琴は思わず初春に抱きついた。 「ど、どういたしまして」 初春も照れくさそうな笑みを浮かべる。 「よかったですね、御坂さん」 「佐天さんもありがとう」 美琴は佐天にも笑顔を向ける。 「いえいえ」 佐天は軽く首を横に振ると、ぱちんと手を叩いた。 「さあ、というわけで御坂さん! カミジョウさんの家がわかった以上、ここでのんびりしてる暇なんてありませんよ。早く行って下さい!」 「あ、そうね、うん。わかった。本当にありがとうね、二人とも!」 そう言うが早いか、美琴は身につけていたエプロンを外し手早く身支度を済ませると、一七七支部に来る前にスーパーで買っておいた食材が入った買い物袋を手に持ち、部屋のドアに手をかけた。 「あ、御坂さん、待って下さい!」 「え、どうしたの初春さん?」 部屋を出ようとした美琴の側に、急に席を立った初春が走り寄った。 「?」 初春は不思議そうな表情をする美琴にそっと耳打ちした。 「…………!」 その途端、ボンという音がするほど美琴の顔は真っ赤に染まった。 そんな美琴の様子を見ながら初春はぐっと拳を握りしめる。 「ファイトです、御坂さん!」 「あ、ああ、ああり、が、と……って、そん、そんなじゃにゃないんだから、愛、とか、その、つ、妻、とか、だから、そんなじゃなくて、これはその、お詫びだから! あの状況だったらアイツ、たぶん、その、タイムセールにも間に合ってないだろうし、だから、お詫びなの!」 「ファイトです、御坂さん!」 「だから違うって言ってるのに……もう!」 美琴は顔を真っ赤にしたまま、部屋から飛び出していった。 美琴の気配が完全に部屋から消えたのを確認して、佐天が口を開いた。 「初春、御坂さんに何て言ったの?」 「別に大したことは言ってませんよ。風紀委員の支部は基本的に二十四時間開いてますから、カミジョウさんのためにお弁当を作るんだったらいつでもキッチンを使っていいですよって言っただけです」 「それだけ?」 「それだけですよ。……あ」 初春はしまった、といった表情をして口に手を当てた。 佐天はそんな初春にジト目を向ける。 「……アンタ、本当は何て言ったの?」 「お弁当ではなく、愛妻弁当って言ったかもしれませんね、そういえば」 「あ、愛妻って、アンタね……。そりゃ御坂さんも爆発するわ……」 「えへへへへ」 「…………」 失敗、失敗と呟きながらちろりと舌を出す初春を見ながら、佐天は初春のスカートをめくる回数を一日五回までに減らそうかと、心の中で真剣に検討するのだった。 一七七支部を出てしばらくした後、上条のような不幸に遭うこともなく美琴は無事上条の住む寮にたどり着いていた。 既に落ち始めている夕日をその身に浴びながら、美琴は上条の住む寮をぐるっと見渡す。 「アイツが、ここに……」 美琴は静かに目を閉じると、大きく深呼吸をした。 「今回は私が悪い。アイツが鍵を落としたのも、タイムセールに間に合わなくなったのも、私が勘違いしたせい。だから意地なんて張らないで素直に謝る。謝って、お詫びをして、夕飯を作ってあげて、これからも時々作ってあげることを約束して、できたらお弁当なんかも約束、して……。お弁当……愛妻、弁当……」 そう呟いた瞬間、美琴の顔はあっという間に真っ赤になった。 「ないないない! そんなわけないでしょ! これはお詫び、ただのお詫びなの! お詫びで作るのよ! 愛なんて、そんなの絶対ないんだから!!」 熱くなった頬に手を当て頭をブンブンと振りながら、美琴は誰に聞かせるでもない言い訳を始めた。 「…………」 ひとしきり言い訳を続けようやく落ち着きを取り戻した美琴は、仕上げとばかりに三度深呼吸をした。そして三回目の深呼吸を終えた美琴はかっと目を見開くと、まっすぐに上条の寮の入り口を見つめた。 「行くわよ、御坂美琴!」 美琴は小さくうなずいて自らを奮い立たせ、上条の住む寮の中へ歩を進めた。 「えっと、ここで間違いない、わよね……」 上条の部屋の前に立った美琴は、手元の携帯に表示した上条の部屋の住所と、目の前の部屋の番号を何度も何度も見比べていた。 「うん、間違いないわ。ここがアイツの住んでいる、部屋」 美琴はごくりとつばを飲み込んだ。 ここに、このドアの向こうに、上条がいる。 今、自分の心の中で一番大きな部分を占める男性、上条当麻がいる。 誰よりも会いたい、誰よりもその声を聞きたい男性。 ずっといっしょにいたい、同じ空気をずっと味わっていたい男性が。 そう思いながら美琴は目を閉じ、そっと自分の胸に手を当てた。 とくん、とくん、と心臓は早鐘を打っている。 自分が今、確実に緊張しているのがわかった。 でも嫌じゃない。 むしろその緊張は心地いいくらいだ。 だって、これからアイツに、上条当麻に会えるのだから。 目を閉じたままでも、鏡を見なくとも、美琴にはわかる。 自分の顔には今、ほのかに笑みが浮かんでいることが。 アイツは突然やって来た自分を見てなんと言うだろう、そう美琴は考えた。 「なぜ」だろうか、それとも「何にしに来たんだ」とでも言うのだろうか。 少なくとも歓迎されるとは思えない。 自分はあまり彼には好かれていないだろうから。 美琴はそのことが少し哀しかった。 自業自得、身から出た錆。とはいえ、上条にそう思われる行動しか取ることができない自分が、素直になれない自分が、哀しかった。 けれどそんな自分を変えていこうと誓ったのだ。 電撃を使わないで、笑顔で、アイツに接しようと。 「レベル5ではない普通の女の子、御坂美琴」としてアイツに接していこうと、そう誓ったのだ。 今日の行動もその誓いから派生した行動だ。 だからアイツにどう思われたって構わない。 アイツが自分のことを好きではないのであれば、アイツの自分への好感度が最低なのであれば、これからは良くしていく一方だ。 自分達の関係は終わったわけではない、これから始まっていくのだ。 アイツがこれから何を言ってきても大丈夫、きっと、大丈夫。 私は、御坂美琴だ。 御坂旅掛と御坂美鈴の、両親の自慢の娘だ。 大丈夫。 素直に接していけば、きっとアイツは喜んでくれる。 今はダメでも、いつかきっとアイツは私を、御坂美琴を、一人の女の子として、見てくれる! すっと目を開いた美琴はポケットから上条の部屋の鍵を出すと、ゆっくりとうなずいてインターホンを押した。無機質なベルの音が部屋の中から聞こえてくる。 根拠はないが部屋の中に人がいる、アイツがいる、美琴はそう思ったのだ。 普通に考えれば美琴が部屋の鍵を持っている以上、上条が部屋に入ることはできない。 だが管理人は合い鍵を持っているだろうし、何よりいい加減な性格の上条のことだ、部屋の鍵をかけ忘れていることだってあり得る。 だから鍵がなくてもなんらかの方法で上条はこの部屋に入ることができるはずなのだ。 とにかく上条は部屋にいる、美琴はそう確信していた。 しかし部屋の中からは何の反応もない。 美琴は小首を傾げながらもう一度インターホンを押した。 しかしやはり反応はない。 「アイツ、まだ帰ってないのかな?」 そう呟いた美琴は、左手に持った買い物袋を見た。 「もしかして」 タイムセールに間に合わなかった上条は、どこか別のスーパーでなんとか安い食材を手に入れようとこんな時間までかけずり回っているのかもしれない。 もしそうなら、自分は上条にそんなことをさせる原因を作ったということになってしまう。そう考えた美琴の表情は自然と曇る。 「…………」 その表情のまま買い物袋を握り直した美琴は、小さくうなずいた。 「よし」 ならば自分は今すぐ上条の部屋で夕飯を作ってあげるべきだ、そう考えたのだ。 疲れて帰って来るであろう上条に少しでもお詫びの気持ちを示したい、少しでも上条に喜んでもらいたい、と。 美琴はぎゅっと鍵を握ると上条の部屋の鍵をゆっくりと開けていった。 誰もいない上条の部屋で、彼の帰りを、夕飯を作りながら待つために。 がちゃり、と音を立てて美琴は上条の部屋のドアを開け、中に入った。 「おじゃましまーすって言っても誰もいないんだろうけどさ……え?」 「あ、とうま、お帰り! いったいどうしたの、インターホンなんか鳴らして? でもちゃんととうまの言いつけ通り、インターホンが鳴ったって部屋を開けたりしなかった、よ……へ?」 「…………」 上条が帰ってきたと思って部屋の奥からぱたぱたと足音を立てて出てきたインデックスを見て、美琴は言葉を失っていた。 その手にあった買い物袋は、既にばさっと音を立てて玄関に落ちている。 「…………」 一方のインデックスも、上条が帰ってきたと思って玄関に出てみれば目の前にいるのが美琴だったので、同じように言葉を失っていた。 しばらくの間、沈黙が二人の間に流れた。 やがてその沈黙の空気を切り裂いたのは、やや心理的ダメージの少ないインデックスの方だった。 しばらくぱちぱちと何度か瞬きをしたあと、インデックスはゆっくりと口を開き始める。 「……こんなところで、何してるの、短髪?」 「…………」 しかし美琴は未だ何も答えない。口をぱくぱくとさせるのみで声が出ないのだ。 その様子にいらだったかのように、インデックスが先程よりややきつい口調で口を開いた。 「だから、どうして短髪がここにいるの?」 その声でようやく我に返った美琴は、はっと息を呑んだ。 美琴は詰まりながら必死で言葉を続けていく。 「……あ、アンタこそ、こんなとこで何してんのよ? ここは、アイツの、上条当麻の家じゃ、ないの?」 「……そうだよ、ここはとうまの家だよ」 インデックスはきつい口調を変えないまま、表情まできつくして美琴に返事を返した。 インデックスのそのケンカ腰の態度に影響され、美琴の口調にも熱がこもり始めていく。 「そうだよって、当麻の家だよって、じゃあなんでアンタがここにいるのよ! アイツの家に、なんでアンタがいるのよ!」 「……なんでそんなことを短髪に答えなきゃいけないのかな? 私は答えないよ、とうまが答えていいって言わない限り、私は答えないんだよ」 インデックスは美琴をじっとにらみつけた。 美琴も負けじとインデックスをにらみ返した。 「なんですって!」 「…………」 「…………」 美琴とインデックス、二人の無言のにらみ合いはまるで永遠の時を刻むかのように続いた。 そんなとき、空気をまったく読めない男、かつ騒ぎの元凶が場違いな空気を漂わせながら現れた。 「おーい、インデックスー、ただいまー。何やってんだよお前、戸締まりはちゃんとしておけって言ったろ?」 ようやく帰宅したこの部屋の主、上条がのんびりした口調で部屋のドアを開けたのだ。 「まったく、結局タイムセールに間に合わなかったから、遠出しちまったよ。でもおかげで結構安い食材買えたんだぜ、ほら。鶏肉の予定が魚肉ソーセージになっちまったのが残念だけど、これでも結構悪くない、よ、な……な? あれ、な、なんで、御坂さんが、ここにいらっしゃ、るんで、すか……?」 玄関でインデックスとにらみ合いを続ける美琴をようやく視界に捉えた上条は、頭の中に大量の疑問符を浮かべながら質問を口にするのだった。 「とうま」 上条の登場にいち早く反応したのはインデックスだった。やはり上条の存在に慣れているのが大きいのだろう。 インデックスは低い声で上条を威嚇した。 「は、はい!」 インデックスの威嚇に対して、上条は直立不動の体勢を取る。 「説明、してくれると嬉しいかも。どうして短髪がここにいるのかな?」 「さ、さあ。それは、上条さんにも何がなんだか、さっぱり」 上条は直立不動のまま早口で返事をする。 インデックスはなおも上条を詰問する。 「とうまは知らないの?」 「は、はい、上条さんはまったくもってあずかり知りませんことなのでございますのことよ!」 「ふうん、そう。とうまは短髪をこの家に案内してないんだ。でも短髪は今ここにいる。そうなんだ、やっぱり何があっても、とうまはとうまなんだね」 そう言うとインデックスはぎらりと歯を光らせた。 「ひぃっ!」 インデックスの様子に上条は顔を引きつらせた。 「ねえ、アンタ」 ここへ来てようやく再起動を始めた美琴が上条に向かって口を開いた。 「は、はいです! なんでしょうか、御坂美琴さん!」 ドスのきいた美琴の声に反応して再び上条は直立不動の体勢を取る。 「説明、して、くれないかしら? どうして、このシスターがアンタの家に、いるのか……」 「え」 「ここ、アンタの家なんでしょ? なんでこのシスターが、女の子がいるのか、教えて欲しいのよ」 上条はごくりとつばを飲み込むと、ダラダラと冷や汗を流しながら天井を見た。まるで美琴とインデックスの視線から逃れるかのように。 「ですから、それは、その……えと……」 「私ととうまは、ここでいっしょに暮らしてるんだよ」 上条と美琴の間に流れている険呑な空気を破壊したのはインデックスの言葉だった。 インデックスは一瞬視線を美琴の落とした買い物袋に向けた後、すぐにそれを鋭い物に変え美琴にぶつけていた。 「…………!」 インデックスの言葉と鋭い視線に思わず息を呑む美琴。 「い、インデックス!」 対して大声を出す上条。 そして言葉を続けたのは美琴だった。決して大声ではないが、凛とした威圧感のある声で上条に問いかけていた。 「どういう、こと。それ、本当なの……?」 「それは、その……」 じっと自分を見つめてくる美琴から上条はすっと目を逸らす。 「答えて」 「だから……」 「答え、られないの……?」 「…………」 「本当、なんだ。じゃあもしかしてアンタ達二人って、その、男と、女の、そういう、関係なの……?」 「そ、それは違う!」 上条は思わず大声を出した。 「どう違うのよ。だって、どう考えたって……年頃の、男女が、そんな、いっしょに……」 「だから、俺とインデックスは……」 「俺と、インデックスは……?」 美琴は上条と同じ言葉を繰り返すことで上条に続きを促した。 しかし続きを答えたのは上条ではなかった。 「ここでいっしょに暮らしてるんだよ。それ以上、短髪に説明する必要、あるのかな? それに私ととうまの関係を、どうして全然関係のない短髪に説明する必要があるのかな? 私としては、その理由の方が聞きたいかも」 美琴に対してきつい口調で返答したのはインデックスだった。彼女は相変わらず美琴をにらみつけている。 「え? ど、どうしてって……」 今度は美琴が答えに窮する番だった。美琴はインデックスに上手く返答することができずにうつむいてしまう。 けれどインデックスはさらに続けて美琴を詰問していく。 「それから短髪、短髪はさっきの私の質問にも答えてないよね。どうして短髪がここにいるの? それにどうしてとうまじゃないのにこの家の鍵を開けられたの? とうまは短髪をこの家には招待していないのに。短髪は、とうまといっしょに住んでるわけじゃないのに。とうまといっしょにここに住んでいるのは、私なのに」 「インデックス、お前!!」 インデックスの美琴に対する物言いのあまりの酷さに、ようやく上条はインデックスをたしなめだした。 本来ならばもっと早く注意すべきだったのだが、インデックスの普段とはあまりにもかけ離れた雰囲気に呑まれてしまった上条は、そのタイミングを失してしまっていたのだ。 「いい加減にしろ、インデックス! 言い過ぎだ!」 しかしインデックスは上条をチラと一瞥しただけで、美琴への追及の手を緩めようとはしなかった。 「どうしたのかな、短髪。答えて欲しいかも。ううん、答えて。私は、とうまといっしょに暮らしているからここにいる。じゃあ短髪は、とうまといっしょに暮らしているわけでもない短髪は、どうしてここにいるの? ここに、何をしに来たの?」 「…………」 「答えて、短髪」 「その、私は……」 「私は、何?」 「……だ、か……突然……訪……て……、ご、ごめ、ん、なさい……」 しばし逡巡したあと、美琴はようやくそれだけを言うと、うつむいたまま手に持っていた鍵を上条に押しつけた。 「それから、これ……ひろ、拾った……ら、届け……!」 絞り出すように言葉を続けた美琴は、だっと玄関から飛び出していった。 「御坂!!」 あとに残された上条の声が、寮の廊下に虚しく響いた。 「…………」 上条はじっと美琴から渡された鍵を見つめていた。 「くっ!」 やがてそれをポケットに押し込んだ上条はギリッと奥歯を噛みしめると、美琴を追って玄関を出ようとした。 「…………!」 しかしインデックスがぎゅっと上条の服の袖を握りしめたため動くことができなかった。 上条は振り返ることなく口を開いた。 「インデックス、離せ」 けれどインデックスは袖を離すことなく、抑揚のない声で答えた。 「短髪は帰ったんだよ」 「違う。追い返したんだ」 「追い返してなんかいないんだよ。私はただ短髪に質問しただけ。それに答えなくて帰ったのは短髪自身なんだよ。短髪自身が帰るってことを選んだんだよ」 「それはそうだけど、でも」 「短髪自身が帰ることを選んだのに、どうしてとうまはそれを邪魔するのかな?」 「でも、アイツ……」 「…………」 「……アイツ、泣いてたから」 上条は玄関を出る寸前の美琴の表情を思い出していた。 上条の脳裏に残る美琴の表情、玄関を飛び出る寸前の美琴の表情は、例えようもなく哀しい物だったのだ。 インデックスはそんな上条に冷たく言い放った。 「私は覚えてるよ。短髪は、涙なんて流していなかった」 「そうだな」 確かに上条の記憶でも美琴は涙を流していなかった。だがそれは表面だけのこと。 走り去るときに一瞬だけ見えた美琴の大きく綺麗な瞳、その瞳の奥に見えた美琴の心は絶対に泣いていた。 美琴の心が流す涙を、上条は感じていた。 誰がなんと言おうと、それは間違いではなかった。 「けど、やっぱり御坂は泣いてた。間違いない。だから離せ、インデックス……!」 上条は強い口調で言った。 しかしやはりインデックスが上条の袖を離すことはなかった。 「とうまは、短髪が泣いていたと思うんだね」 「ああ」 「わかったよ。でも、それじゃあどうして短髪が泣いていたら、とうまが短髪を追いかけなきゃいけないの?」 「そんなの決まってるだろう、俺は――」 「誰の涙も見たくないって、そう言いたいの?」 「そうだ。誰かが泣いてるんなら、俺はその人のところに行かなきゃいけない。俺に何ができるかなんてわからない。けど、ただじっとしてることなんて俺にはできない!」 「…………」 インデックスは黙って上条の話を聞き続けていた。 「だから、離してくれ、インデックス。御坂は今、泣いてるんだ」 「…………」 インデックスは無言で上条の袖を離した。 上条はほっと安堵の息を吐いた。 「ありがとう。ごめんな、インデックス。晩飯は帰ってから、だ……」 ここでようやくインデックスの方を向いた上条は声を詰まらせた。 インデックスは上条を無言で、そして無表情で見つめていたからだ。それは今まで上条が見たことのないインデックスだった。 「インデックス、お前……」 「とうま」 インデックスは口を開いた。まったく感情のこもらない声だ。 上条はその声に背筋が凍る自分を感じていた。 「とうまは泣いている人がいたら誰だって助けるんだよね?」 上条は黙ってうなずいた。 「でも、泣いている人が二人いたらどうするの?」 「そりゃ二人とも――」 「一人しか助けられないときは、どうするの?」 「そ、それは……。それでも、俺はどんなことをしてでも二人とも……」 「それでも、無理なときも、あるんだよ。どんなにとうまが頑張っても、絶対に無理なときも、あるんだよ。とうまの手が、たった一人の涙しか拭えないときも、あるんだよ。今はそうじゃなくても、そうなるときが、いつか必ず来るんだよ」 「…………」 「そんなとき、とうまはどうするの? とうまは、誰を選ぶの?」 上条は無表情なインデックスの瞳をじっと見つめた。まるでその奥の感情を探るかのように。 「……それは、お前が今、泣いてるってことか?」 しかしインデックスは首を横に振った。 「私は泣いてなんかいないよ。だって私はシスターだから、自分の感情をコントロールできるんだよ。それに仮に私は泣いていたって大丈夫。とうまは必ずここに戻ってくるって私は信じているから。短髪の涙を拭ったあと、とうまは必ずここに帰ってきてくれるから」 「インデックス……」 「だから私は手を離した。でもねとうま、今日は、なるべく早く帰ってきて欲しいかも」 上条はもう一度じっとインデックスの瞳を見つめた。 そこにあったのはただ一つの感情、上条が必ずこの家に帰ってくることを信じているという、純粋な信頼だった。 「ごめん、行ってくる……」 上条は絞り出すようにそれだけを言うと、夜の闇の中へ駆けだしていった。 「いってらっしゃい、とうま……」 上条の姿が完全に視界から消えたあと、うつむいたインデックスはぽつりと呟く。 「結局、とうまは一度も私を責めなかったね。短髪にあんなに酷いことを言ったのに」 インデックスはちゃんとわかっていたのだ、自分が美琴に対してどれほど酷いことを言ったのかを。 美琴自身が未だ気づいていない、美琴の上条への想いも。 もちろん、買い物袋とそこから見える中身から、美琴が今日何をしに来たのかだって。 全部、わかっていた。 けれどインデックスはそれら全てを理解した上で、その上で美琴の心を踏みにじる言葉を彼女にぶつけたのだ。 美琴に、これ以上上条の側に近づいて欲しくなかったから。 これ以上、上条の心に触れて欲しくなかったから。 誰よりも馬鹿で、誰よりもお人好しで、誰よりも、優しい男性。 自分にとって、世界中の誰よりも大切な男性。 上条当麻。 彼の心に、自分以外の誰も入り込んで欲しくなかったから。 だからインデックスは美琴を、自分以外の女性で既に上条の心に居場所を作っている人間を、排除したかったのだ。 例えどんなに卑怯な手を使ってでも。 だからインデックスは決して後悔していなかった。 自分が先程美琴に抱いた感情を否定するつもりは決してなかったから。 自分と上条が住む、自分達だけのこの家に突然現れた美琴を拒絶したいという気持ちは、今だって全く変わっていないのだから。 自分がやったことが、どれだけ人の心を傷つけることかわかっていたけど、それでも。 敬虔なシスターである以前に、一人の少女として。 インデックスは、自分の行為を後ろめたいとは思わなかった。 ただ上条にだけは、自分を責めて欲しかった。 どこまでもまっすぐな彼にだけは、自分の嫌らしい部分を責めて欲しかった。 そうすれば、少しは贖罪になるかもしれない、そう思ったから。 しかし上条は決してインデックスを責めようとはしなかった。 そのことが、美琴を貶めた行為よりも何よりも、インデックスには痛かった。 「ほんとにとうまは、いつだってとうまなんだね」 再びインデックスは呟く。 そんな彼女の足下にはいつの間にか、いくつかの水滴が落ちていた。そしてその水滴は、誰にも気づかれることなく少しずつ乾いていくのだった。 「早く帰ってきてね、とうま」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/素敵な恋のかなえかた
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特許法 第一条 (目的) 特許法 第二条 (定義) 特許法 第三条 (期間の計算) 特許法 第四条 (期間の延長等) 特許法 第五条 (期間の延長等) 特許法 第六条 (法人でない社団等の手続をする能力) 特許法 第七条 (未成年者、成年被後見人等の手続をする能力) 特許法 第八条 (在外者の特許管理人) 特許法 第九条 (代理権の範囲) 特許法 第一〇条 削除 特許法 第一一条 (代理権の不消滅) 特許法 第一二条 (代理人の個別代理) 特許法 第一三条 (代理人の改任等) 特許法 第一四条 (複数当事者の相互代表) 特許法 第一五条 (在外者の裁判籍) 特許法 第一六条 (手続をする能力がない場合の追認) 特許法 第一七条 (手続の補正) 特許法 第一七条の二 (願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正) 特許法 第一七条の三 (要約書の補正) 特許法 第一七条の四 (訂正に係る明細書、特許請求の範囲又は図面の補正) 特許法 第一八条 (手続の却下) 特許法 第一八条の二 (不適法な手続の却下) 特許法 第一九条 (願書等の提出の効力発生時期) 特許法 第二〇条 (手続の効力の承継) 特許法 第二一条 (手続の続行) 特許法 第二二条 (手続の中断又は中止) 特許法 第二三条 (受継の命令) 特許法 第二四条 (読み替え) 特許法 第二五条 (外国人の権利の享有) 特許法 第二六条 (条約の効力) 特許法 第二七条 (特許原簿への登録) 特許法 第二八条 (特許証の交付) ここを編集
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「先生!!白雪のレベルは!?わたくし上条当麻はとても気になって土御門の代わりに(自称)聞きに来たのですが!?」 そこにはシステムスキャンではレベル0の… でも史上最強のコネクションを持つ少年が。 「あっ、上条ちゃん!!ん?上条ちゃん……?ああ!!そういえば!!」 「ああ、そういえばそうじゃんよ。」 「へえ、この子が…」 「上条、いいところに来た。」 何故か皆さん一瞬で 「「「「協力して下さい!!」」」」 教師全員が…ジャパニーズ土下座をした…しかも敬語まで使って… 「ええ!?そう言われましても上条サンはよく分からないのでせうが!?」 少し遡り、初春たちの学校では・・・ 年度始めではなく、三学期の始めに人事移動があったことに疑問を持っている生徒も多いのだが・・・ 「わーい。まさか神裂さんが私たちのクラスで副担とは驚きです」 「佐天さんはしゃぎすぎですよ。」 「初春だっていつもより花が多くなってるよ」 「気のせいですよー」 「そういえば気になっていたのですが・・・」 「何ですか?神裂さん」 「その頭の花かz・・・」 「何のことですか?」 「いや、何でも無いです・・・(一瞬不思議に思ったのだけれどあれは・・・)」 「そういえば神裂さんは、何の教科を受け持つんですか?」 「本当は社会科の、特に歴史をやりたかったのですが燃え過ぎてしまうからということで国語に」 「へぇ、そうなんですかー。よろしくお願いしますね」 「初春だからといって成績は上げられませんよ?」 「あはははは」 神裂は初春と佐天を連れて人気の無い場所に移動した後で、自分達の関係を隠す理由を初春に尋ねる。 「……どうして学校では飾利と呼んではいけないのですか? 私のこともいつも通り火織お姉ちゃんと呼んで構わないのに」 「あたしもそれが疑問。学校では苗字で呼び合おうって水くさくない?」 「色々と周りから詮索されるのって困るじゃないですか。それでいじられるのは好きじゃないですし」 神裂は美貌、スタイル、そして立ち居振る舞い、どれを取っても目立つ存在で現に始業式では男子全員が彼女に見惚れていた。 そんな神裂と親しげに話そうものなら、周囲の目も厳しくなるし目立ってしょうがないのだ。 佐天とのことも同じようなことで普段はお互いを名前で呼び合っている、義理とはいえ姉妹になった為。 「それにしても飾利には感謝してます。まさか年齢を偽らずに教師として赴任出来るように手配してくれたとは思いもしませんでした」 「凄かったよねー、神裂さんが18歳だって言った時の男子の絶叫ときたら」 「無理に年齢を上に誤魔化す必要なんてありません。学園都市ならこれくらい不思議でも何でも無いんですから」 とある学校では合法ロリと称される成人女性がいるくらいだ、神裂のような18歳が教師をしても特に不思議では無い。 初春達の学校は当麻達の高校と違い、システムスキャンを今日行うことはしないので彼女達は午後からフリーになる。 「ねえ飾利、お昼だけどどうしよっか? せっかく神裂さんもいるんだからさ、みんなでパーッと遊びに行かない? 最愛も誘ってさ」 「ごめんなさい涙子さん。今日はジャッジメントのお仕事があるので食事くらいしか出来ないんです。火織お姉ちゃんもごめんなさい」 「ジャッジメントですか。ふむ、これはいい機会かもしれませんね」 午後はジャッジメントとしての活動があるので佐天と神裂に遊びに行けない旨を伝える初春。 しかし神裂の提案は初春を困らせ、佐天を楽しくさせるようなものだった。 「飾利、私たちもご一緒します。飾利の仕事ぶりというのを一度見ておきたかったのです。お姉ちゃんですからね、私は♪」 「それいいかも♪ というわけで午後は神裂さんのジャッジメント体験ツアーに決定ー(……神裂さん、こんな人だったっけ?)」 「えーーーーーーーーっ! そ、そんなこと急に言われても困ります! 固法先輩が何て言うか……」 「……ダメでしょうか? 私はもっと飾利のことを知りたいと思っただけです。ですが飾利がご迷惑と言うのなら……」 「わ、分かりました! その代わり二人とも、大人しくして下さいよ。最愛さんには私から連絡入れておきますから」 しょげる神裂を初春は可愛いと思ったが、一瞬だけでっかい妹を持った気分になったのは秘密だ。 かくして初春、佐天、神裂、後に合流する絹旗と共にジャッジメント第一七七支部へと向かうことに。 時間は再び戻って当麻達の高校。 当麻は教師達のとんでもない頼みごとに頭を悩ませていた。 「白雪のシステムスキャンを正確に測るために常盤台に頼めって……出来るかーーーーーっ!」 まさか美琴と付き合ってるという理由だけで常盤台に顔が利く、そんなことを教師達は思っていたのだから。 「いえいえ、先生達からも学校にお願いしますけど可能性が高いほうがいいんですよー」 「頼む上条!!この通り!!一生のお願いじゃん!!」 「新任の私が言うのもなんだけどどうしても気になるのよ。」 「俺からも頼む。」 上条とて鬼ではない、だが (俺が頼んだところで無理だろ!!でも…) 「しょうがないですね、美琴からもお願いしてもらえるよう頼んでみましょう!!」 「「「「ありがとうございます!!」」」」 教師達は再び土下座した。それを見たレベル0の青髪ピアス、浜面、半蔵は 「…あの野郎、黄泉川先生になんてことを…!!」 「よーっく見ておけ新入り。あれが旗男、全男子(ボクたち)の敵やっ!!!」 「って事は殺ってもいいわけだな?」ガチャッ!! 「待て半蔵!!早まるな!!」 コメディをやっていた。 「確かにカミやんは最近調子に乗ってるにゃー。」 「確かに。ここで一度上下秩序の再構築が必要なようね…。」 「…おィ、デコ女。何するつもりだァ??」 「レベル0の分際でレベル5と付き合ってあまつさえ教師に頭下げさせるとは。」 「死刑に値するな。」クラスの男子の一人がつぶやく。 「と言う訳で一方通行、貴様にもちょっと手伝ってもらうわよ。」 「何を?」 「上条の処刑!」 「おィ、それ学校でしちゃまずいだろォ!!!」 「学校以外でもまずい思うんやけど…なあつっちー?」 「うんにゃー。ここらで一度、カミやんは痛い目に遭うべきだぜい。」 「おィおィ…。」 「それに一方通行、お前だってカミやんに最近やられっぱなしで良いと思ってるのかにゃー??」 数秒の沈黙。 そして。 「殺るかァ!」 「「「「「「「「「「やりましょう学園都市最強のお方!!!!!!」」」」」」」」」」 「まあ、システムスキャンが終わるまでは教師の目が光ってるから『遊戯』はその後にしましょ♪」 冬の晴れた日差しがとある少女のおでこを輝かす。 そうとは知らぬ上条は常盤台が休み時間なのを確認したうえで携帯を取り出し… 「もしもし美琴。悪いんだけど頼んで欲しいことがあるんだけど大丈夫か?」 『もう当麻ったら、私が当麻の頼みごとを断るわけ無いじゃない♪ で、頼みって?』 当麻は美琴に月夜のシステムスキャンを正確に測る為、常盤台の施設を貸して欲しいと頼み込む。 美琴は少し悩んだ後で当麻に返事をするが、ある条件を出されることに。 『分かった、私から学校の方に頼んでみる。白雪さんとは友達だしね。でも当麻はうちの学校に来ないこと、これが条件』 「……へ? それってどうゆうことでせう?」 『実はね、私と当麻が付き合ってることを快く思ってない生徒や教師がいるのよ。そんな中に当麻を招き入れるのは危険でしょ? ゴメンね、私のせいで』 美琴の言う通り、常盤台のレベル5と普通の高校のレベル0が付き合っているという事実を世間体のみを考えて認めていない者達が常盤台には居るのだ。 吹寄の場合はまだ可愛げがあるのだが、常盤台サイドの場合は性質も悪いうえに本気で不快に思っているから厄介極まりない。 この問題が後に『常盤台VS当麻の高校』ということにまで発展するのだが、それはまだまだ先の話である。 「美琴が気にすることじゃねーって。分かった、じゃあ俺は白雪のシステムスキャンには付き添わねーから。その代わりさ、この後遊びに行かないか?」 『先生達や白雪さんにはそのまま常盤台に向かうように言っておいて。準備はこっちでもするようにしてもらうから。それと遊びに行く件なんだけど……二人っきりは無理』 「ふ、二人っきりは無理って他に誰かと約束してるのか?」 『さっき打ち止めから連絡があって午後から一緒に遊ぼうって誘われてるの。なんでも暇になったからインデックスとステイルさんも連れて来るらしいのよ』 二人っきりが良かった当麻だが自分と美琴と打ち止めで夫婦(仮)、インデックスとステイルの変則的ダブルデートと思うことにして受け入れることに。 待ち合わせ場所を決めた当麻は電話を切ると、システムスキャンの件について教師陣と月夜に報告するのだった。 「とりあえず、美琴から先生に許可を取ってくれるから先生達と白雪は常盤台に向ってくれって」 「分かったじゃん。じゃあ白雪、常盤台に行くじゃん」 「はーい」 そう言って、先生達と白雪で常盤台中学に行くのだった。 「さて、そろそろ戻りますかっててめーら、何話しているんでせうか?」 「なんでもないにゃー。な、アクセラ」 「本当になンでもないぜェ」 「なんか上条さんの不幸センサーがそっちから反応しているんだけどな」 なんか上条の予知能力が成長している!! 「な、何でもないって言ってるにゃー」 さっきまで話していた土御門達から汗が出てきていた。 「ま、いいや。そういえばアクセラ、先生が呼んでたぞ」 「そ、そうかそうかァ。ンじゃ行って来るかァ」 そう言って一方通行は先生が呼んでいる方に向った。 また、上条は土御門達が安堵しているとは知らない。 「悪いんだけどさ一方通行。今日は打ち止めと二人で晩飯食べてくれじゃん。桔梗と木山先生の歓迎会で飲んでくるからさ」 「そうゆうわけだから。一方通行、私達がいないからって打ち止めに甘えすぎちゃダメよ♪」 「分かった分かった。テメェらで飲むなり食うなり勝手にやってろ。俺達も勝手にやらせてもらうからよォ」 一方通行は同居人の黄泉川と芳川の今夜の予定を聞いて打ち止めと二人っきりということを意識して、少しばかり緊張を覚える。 平静を装い、黄泉川との話を終えた一方通行は当麻に用件について尋ねられる。 「黄泉川先生、何だって?」 「ああ、あいつらが飲み会やるから晩飯は勝手に食べろってだけだ」 「そっか。じゃあお前も俺と一緒に行動しないか? 美琴と遊ぶ約束してんだけど打ち止めも来るって話になってんだ。インデックスとステイルも一緒だけどな」 「……マジでか?(冗談じゃねェぞ! 今からこいつをシメるってのにクソガキが居たンじゃ出来るモンも出来ねェじゃねェかァ!)」 これからクラス総出で当麻にお仕置きを敢行するというのに、自分の一番大切な打ち止めがいては何も出来ないと考える一方通行は迷い始める。 早くも当麻をシメる算段に狂いが生じてきたのだが、更なる狂いが木山によってもたらされることに。 「ああ、悪いんだけどサングラスの君。君も常盤台に来るように」 「にゃんでーーーーっ! オレと月夜のシステムスキャンに関係性なんてこれっぽっちも無いですたい!」 「彼女の能力の強さは君の存在が大きく関わっているはずだ。先ほどのやり取りでそれはほぼ明白だ。想いで能力がアップするタイプだろう、彼女は」 木山の観察眼に驚きを隠せない土御門だが、前もって月夜の能力に関しての情報は少しばかり初春から得ていたことは彼は知らない。 何とか断って当麻をシメる側に回ろうと思ったが、土御門が逆らうことの出来ない月夜のお願いが炸裂することに。 「元春が見てくれるなら私は何でも出来そうな気がするよ。だからお願い、見守ってて」 「オッケーにゃーーーっ!!(すまん青ピ、アクセラ、浜面。後のことはお前らに任せる! あ、でもアイツなら喜んで動いてくれそうだな。連絡してみるか)」 土御門は確実に当麻をシメる会に参加不可能になってしまったので、気は進まないがいつもの彼に連絡を取り始める。 『もしもし、お久しぶりです土御門さん。てっきりグループは解散かと思ってましたよ。』 「そんなことは無いにゃー。まあ確かにカミやんがロシアで暴れまくった関係で仕事は激減してるけどな。」 『…上条当麻の名前は持ち出さないでください。用が無いなら切りますよ元シスコン中将。』 「カミやんをシメる会が有ると聞いてもか?」 『前言撤回します!!土御門様その素晴らしい会の時間と場所を教えてくださいお願いします!!!!!』 「場所はカミやんとか俺が通う高校のすぐ近くの公園、時間は放課後だぜい。…殺しはするなよ。」 『理性が保てたら殺しません。』 「…理性を保てる確率は??」 『5パーセントです』 「…後始末が面倒だからマジで殺すなよ。」 『了解。』 不穏な会話を終えた男は常盤台へ行く準備のために彼女とともに校舎の中へ入っていく。 「私、そこまでレベル上がったって実感がないんだよねー。」 「いやいや、月夜はもうめちゃくちゃ凄いぜい?」 「例えば?」 「だってさっきなんかでかい氷の人形やカックいい剣なんか作ってもう惚れ惚れするくらいにゃー♪」 「本当…?」 「嘘を吐く理由が無いぜい?」 「嬉しい…♪」 「そういうことだから頑張って来るんだぜい?分かったかにゃー?」 「うん、分かったよ元春!!私頑張るよ!!」 「それでこそ月夜だぜい!!」 「じゃあ応援のキス!!」 「OKだぜい!!」 チュッ、レロレロレロ… 「裏切り者…」 「にゃー!?情報屋いつの間に!?」 その後ろからゾロゾロやって来る。 「…学校で貴様らは何している?」 「吹寄サン!?これは月夜のレベルを上げる為でしてね!?」 「そういうことだから!!」 「「行ってきます!!」」 そういうと二人は先生達と逃げるようにして常盤台に向かうのだった。
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「これは………………………………………………どういうことか説明してもらいましょうか……?」 「どうした美琴?……………………………………………………よし、殺しはしない十分の九殺しだ」 この二人は上琴のケンカを売った。そして二人は絹旗とレッサーのケンカを買った。 目の前のリビングは傷だらけだった。 「……土御門アクセラ浜面青ピィ!!」 上条は玄関にいる土御門たちを怒っているように(絹旗とレッサーには怒っているが)呼ぶ。 「な、なんぜよ?俺はカミヤンを怒らせた事は……これはいったいなんぜよ?」 「今から『最愛&レッサー捕獲作戦』を実行する。土御門は知り合いの中に探すのが得意のヤツに探すように頼んでくれ。 アクセラは早速能力のオンパレードで探してくれ。浜面は昔のガラの悪い連中に頼んでくれ。青ピはクラスメイトに連絡。」 新居の上条は最強敵無しと知っている彼らは、 「に、にゃー。わかったぜい。いくぜ!!野郎共!!」 「「「ら、ラジャー!!」」」 そういうと男達は(上条含める)外に飛び出していった。 一方女たちはと言うと。 「あっ飾利?ちょっと頼みごとよ。うん、最愛とレッサーを探してほしいの。 いろいろとハッキングとかお願い。え?何でかって?二人ともちょっとおいたが過ぎたから罰ゲームよん♪ うん、ありがとうじゃあね~。あっ白雪さんと打ち止めも捜索お願い、滝壺さんはわかれば教えてね」 「「わかった」」 白雪と滝壺は聞いてくれたが、 「ミサカ疲れた~てミサカはミサカはソファーに崩れ落ちてみる……」 「見事つれてきたらごほうびに部屋ひとつあげるわよ?」 「ミサカふっかーつ!!てミサカはミサカは勢いよく外に飛び出してみる!!」 上条勢力、本気を出せばこんなものである。 「おいおい、何の騒ぎよな……ってうおっ! なんつーことしやがったんだ、あの二人は……」 「あ、建宮も悪いけど手伝ってくれるか? 最愛とレッサーにちょっとお説教しなくちゃいけねーからさ」 「ま、まあそれは一向に構わんが一つだけ冷静になって聞いて欲しいのよ。きっとリビングをあんなにしたのはレッサーで、絹旗は止めようとしたはずよね」 建宮は自分が出る前はリビングは綺麗そのものだっただけに、上琴以上に驚き、そして呆れていた。 そんな建宮の予想通り、実は主犯はレッサーで絹旗は止めようとしており、逃げた理由は友達の付き合いとしてだったりもする。 ちなみに男性陣といっしょに探しに行った当麻だがここにいるかというと美琴と一緒に探したいからという理由で引き返したのだ。 「確かに最愛はそんなことする子じゃ無いわよね。でもま、逃げたんだから同罪よ♪ お仕置きは軽めにはしてあげるけど」 「そうだな。じゃあ建宮は天草式のみんなにも頼んでくれるか?」 「それなんだがな、上条当麻。プリエステスと五和は連絡が取れず、対馬と浦上は別の用事で手が放せないのよ。でもその分、わしが働くから安心するよな」 神裂は初春を愛でると言う名のストーキング中で五和は気絶中で連絡が取れず、対馬と浦上は寮監命令の黒子の監視でそれどころでは無かったのだ。 建宮の言葉に納得した上琴は、建宮が出陣するのを見送った後で自分達も絹旗&レッサー探しを始めるのだった。 (もし飾利姫に会ったらさっきのパンツの件、謝るべきか……。いやしかし、気絶する前に見たあの方のことを考えると……むぅ) こちらはジャッジメント第一七七支部、美琴に頼まれて絹旗&レッサー探しとその他もろもろを頼まれた初春が行動していた。 ちなみに今までは固法、それと遊びに来ていた佐天と学園都市の巡回をしていて戻ってきたのはついさっきのことだ。 「固法先輩、止めなくていいんですか?」 「止められるならとっくに止めてるわよ……。さっきまでは私がよく知る初春さんだと思ってたのに……」 「アレが、ですか? あの飾利は確かにいじり甲斐がある方の飾利ですけど、少し変じゃなかったです?」 佐天の言う通り、初春は巡回中も建宮にパンツを見られたことを思い返し、恥ずかしさで頭が一杯で心ここにあらず状態だったのだ。 最近見せていた怖さが無いという点では固法の言い分も理解出来るが、佐天だけは何か悩みでもあるのではと心配していたのだ。 (皆さんが暴れてもいいようにジャッジメントの演習ってことで学園都市中に連絡終了♪ あとは最愛さんとレッサーさんを……あう~~~~っ) 大人しくすると言っても初春は美琴の頼みとあって手早く情報操作を済ませ、今度は絹旗とレッサー捜索をしようと思っていたが突然、顔を真っ赤にしてボーっとしてしまう。 理由は絹旗のことを思い出し、彼女にスカートを捲られて建宮にパンツを見られたことも思い出したからだ。 「ちょっと初春さんしっかりして! 大丈夫? 私のこと、分かる?」 「た、建宮さんに、パ、パンツを……。は、早いんです、ま、まだまだ……。わ、私じゃ、つ、釣り合わないし、あ、あと、6年は……きゅう」 「飾利、飾利ーーーーっ! 固法先輩、とりあえず飾利を寝かせましょう!(後で建宮さんに事情を聞こう。そして場合によっては許さない!)」 初春は顔から湯気が出かねないほど顔を紅潮させて気絶してしまい、しばらくの間、使い物にならなくなる。 佐天は気絶する前の初春の言葉を聞いて、建宮に佐天特製金属バッドを持って事情を聞く決意をするのだった。 当麻の高校の食堂、そこに真夜と半蔵に電話がかかってきた。 今、半郭、トライアングルカップル、木山は真夜が作った料理を食べ終え、まったりと過ごしていた所。 「もしもし浜面か? 何かあったのか? いやまあ、別にいいけど。分かった、こっちからも探してみる。じゃあまた後でな」 「どうかしました? 半蔵様」 「浜面から人探しの依頼だ。きっとそんなに時間はかからないだろうから郭はここで待っててくれ」 「分かりました。でも私が必要とあらばいつでも呼んでください! すぐに駆けつけますから」 浜面の頼みごとが人探しだったので自分一人で充分だと考えた半蔵は、郭をここに残す決断をする。 郭もそれを了承したが、その時の二人は木山曰く、亭主とその亭主を見送る妻のようだったという。 「あれ? 真夜君、電話にも出ないで切っちゃったけど誰だったの?」 「青ピだよ。ここ最近、真昼さんと赤音さんに迷惑かけてるのにこんな時だけ頼ろうとするなんて虫が良すぎるから無視したんだ」 「そーだよなー。青髪のやつ、うちのクラスの男共を集めて俺達を付け回しやがって。ナイス判断だぞ真夜♪」 「……でもそんな青髪君たちを毎回やっつけてるんだよ私達。けど確かに協力する理由、無いもんね~♪」 最近、毎日のように青ピ率いる『嫉妬ファミリー』に追い回されてるトライアングルカップルは、青ピにはかなり冷たかった。 とはいえ青ピ達を毎回毎回ぐうの音も出ないくらいに返り討ちにしているが、それでも彼らに対する不満は消えることは無いのだ。 「じゃあ悪いなみんな。すぐ戻るから郭のことよろしく頼む」 半蔵が出て行くのを見送ると真夜と赤音は後片付け、郭と木山と真昼は午後の訓練の準備に向かうのだった。 「あーっ! 井ノ原弟のやつ、人の話も聞かんと切りよった! まったく何て友達甲斐の無い奴や!」 「あのな青ピ、井ノ原弟を狩ろうとしてるのにこうゆう時だけ協力してもらおうって虫が良すぎるだろ……」 「何言うてんねん、浜面はんは。それはそれ、これはこれや♪」 こちらは上琴に命じられるまま、行動を起こしている土御門、青ピ、浜面。 青ピが真夜のことで怒ってるのを見て、土御門と浜面は目の前の人間を揃って最低だと思っていた。 「絹旗とレッサーの動きに体力を気にせずついて来れる井ノ原弟が参加しないのは痛いが、他のクラスの男共は参加してくれる。そう悲観することも無いぜよ」 「そうだな。半蔵も動いてくれるみたいだし、絹旗とレッサーちゃんもすぐ見つかるさ。じゃあ俺は半蔵と合流して捜索に当たるから二人もちゃんとやるんだぞ」 「了解にゃー♪ ほら青ピ、俺達もクラスの連中と合流するぜよ」 浜面は半蔵と、土御門と青ピは参加してくれるクラスの男子こと『嫉妬ファミリー』と合流して絹旗&レッサー捜索に向かうのだった。 その際、土御門は密かにこんな決意を固めていた。 (カミやんと美琴ちゃんの新居二号の件は絶対にバレないようにしないとな。それはあの二人も困るし、何より俺達も困るからな) そのころ、初春をストーキングしていて、初春が気絶したのを見た神裂、シェリー、ヴィリアン、ウィリアムはというと… 「なんか飾利が変ですね。」 「さっきから顔が赤くなったり、気絶したりしてますからね。」 「なんで顔が赤くなっているのかここからじゃわからないね。」 神裂、シェリー、ヴィリアンはなんで初春の顔が赤くなっているのか気になっていた。 「おーい、そこの4人とも何をしているのね?」 初春の顔が赤くなっている原因の建宮が神裂達に走って近づいてきた。 「建宮、そんなに走っていったいどうしたのですか?」 「それが、レッサーと絹旗が上条当麻と御坂さんの新居を傷つけてしまったのね。それでみんながレッサーと絹旗を捜索しているのね。」 「そうなんですか。(あの二人は何をしているんですか!!)」 「それでプリエステス達も手伝ってほしいのよね。」 「わかりました。それじゃあ私たちは飾利の尾行をやめてレッサーと絹旗を探しにいきます。」 というと神裂、シェリー、ヴィリアン、ウィリアムはレッサーと絹旗を捕まえにいった。」 「さてと俺も二人を探しに行くのね。ってあれ、誰かがこっちに近づいてくるのよね?」 建宮もレッサーと絹旗を探しにいこうとしたら佐天が近づいてきた。 「これでもくらえー!!この変態ロリコンクソオヤジー!!」 挨拶代わりに何故かバットが飛んできた。 「どわー!?いきなり何なのよね!?」 「飾利のスカートをめくっていいのは私だけだー!!」 「何の話なのよね!?」 実は佐天、初春が途切れ途切れに『めくられた…………健宮さんに………見られた』と言ってる事を聞いてしまったのだ。 (めくったのは絹旗だが) 「待てやゴルァあああああああ!!」 「り、理不尽なのよねー!!」 相手が初春と同じ中学生の女子とあって逃げることしか出来ない建宮だが、こちらも事情があるので逃げることを止める。 建宮が逃げるのをやめたことで佐天も追いかけるのを止めると、話だけでも聞くことにした(バッドは構えたまま)。 「逃げるの止めたってことは観念したってことですよね? 飾利のスカートめくってパンツをガン見した罪を告白する気になったんですか?」 「待て待て待て待て! ガン見はおろか捲ってもいないのよ! わしは絹旗が飾利姫のスカートを捲りやがったもんだから、つい飾利姫のパンツを見ちまったというか何と言うか……」 「つまり建宮さんは飾利のパンツを見たのはあくまでも事故、そう言いたいんですね?」 しきりに頷く建宮を見て、日頃の彼の初春に対する態度を改めて思い返した佐天はとりあえず信用することにして、バッドを下ろした。 もっとも、初春のパンツを見たことで鼻血を出したと分かっていれば建宮はバッドで殴殺されかねかったのだが。 「ところでどうしてあんな場所に居たんです? 気のせいか急いでた気がするんですけど」 「おおっ! お前さんとの追いかけっこですっかり忘れてたのよ! 悪いが佐天、お前さんも手伝ってくれ!」 建宮はレッサーと絹旗(主犯はレッサー)が上琴新居二号でやらかしたこと、上琴の指揮のもと二人を追いかけてることを説明した。 佐天はそんな命知らずがいることに驚くとともに、すぐさま携帯を取り出した。 「最愛がそんなことするとは思えないですからきっとレッサーって子の仕業でしょうね。ところであっちはあたしが動いてることは知りませんよね?」 「おそらくは。ただ、御坂嬢が飾利姫に連絡を取っていたからそれ経由で伝わってると思ってるかもしれないが……」 彼女達も自分が捜索に加わっているとは思っていないだろうと踏んだ佐天は、絹旗に連絡を取り始めた。 しかし絹旗の携帯の電源は切られており、繋がることは無かった。 「ダメですね。最愛のことだから飾利を頼ると読んで連絡を一切取らないつもりですよ。でも今、飾利は気絶してるから情報で追い込むのは難しいですね」 「気絶! 飾利姫はどこかお加減が宜しくないのか? 佐天、詳しく説明すウゴッ!」 「ぜーーーーったい建宮さんには理由は教えてあげません! それと飾利は無事ですから安心して下さい。最愛とレッサーって子の捜索、手伝いますから早く行きましょう」 初春が気絶した理由をありえないとは思いながらも感じ取っていた佐天は、暑苦しく迫る建宮をバッドで殴って黙らせると絹旗&レッサー捜索を始めるのだった。 なお、初春から佐天だけに驚愕の真実が聞かされるのは絹旗&レッサーが捕まってから後のことである。 時は少し遡り、建宮と佐天が追いかけっこを始める前、実は近くの路地裏に絹旗とレッサーが隠れていたのだ。 第一七七支部なら安全だと踏んだ絹旗だったが、建宮がここにいたこと、佐天が今後自分達の敵に回ることを考え、悩んでいたのだ。 「ちいっ、ここはもはや超安全ではありませんね。もっと違う場所を探しましょう」 「ごめんなさい絹旗。元はと言えば私があなたの言うことを聞いてさえいれば……」 「過ぎたことを言っても超始まりません。とりあえずみんなのほとぼりが超冷めるまで……レッサー避けて下さい!」 絹旗の勘は見事に的中、先ほどレッサーが居た場所は酷い有様でそこに立っていたのは、 「よォ獲物ども。思ったよりも簡単に見つけちまって少々拍子抜けしてンだ。最後の抵抗ってやつ、やってみなァ」 「ヒーーーーッ! あの白い堕天使がいきなりですか! どうします絹旗……絹旗?」 「ふうっ、アクセラが相手なら超余裕です♪ こっちにはアクセラ対策を何個も超授かってますから」 学園都市最強の一方通行だが、怯えるレッサーとは対照的に絹旗はとても落ち着いていた。 その態度が癪に障った一方通行が迫るが彼は知らない、絹旗が初春にいくつか一方通行を萌え死させるアイディアを授かっていることなど。 「ははははは!!超必殺!!打ち止めの萌え写真!!」 バーン!!と言葉通りの打ち止めの萌え写真を何枚も持っていた。 メイド打ち止め、看護師打ち止め、婦警さん打ち止め、バニー打ち止め等々…… 一方通行には大ダメージどころか超ダメージだ。 「オマエラバカだなァ?」 だが 「こんなんで俺をどォこォできると思ったかァ?」 一方通行は突き進んでいた。 「な、何ですとぉ!?」 「対策ってこれですか!?」 一方通行も手に何かを持っていた。それはケータイだった。そこには…… 「ね、寝顔ですとぉ!?」 「子供の寝顔を待ち受けって変態!?」 「俺はロリコンじゃねェ、そしてオマエラ地獄行きィ!!」 悠然と突き進む一方通行を前にレッサーはさらに怯えるが、絹旗は決意を秘めて切り札の一つを投下する。 「これだけは、これだけは超使いたくありませんでした。アクセラの名誉を傷つけることになりますが超止むを得ません、行きます!」 「ほほォ、随分と余裕じゃねェかァ! てめェらの持ってる手とやら、俺に見せてみろ! 効くわけねェけどなァ!」 「では打ち止めとの初夜を超イメージしやがって下さい! 学園都市最強のP・Rを超駆使して!」 絹旗に言われるまま、条件反射的に一方通行はまだまだ先の話である『打ち止めとの初夜』をイメージしてしまう。 ちなみに『P・R』とは『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の略で、初春の言葉を借りれば『妄想・信じる力』である。 当然ながら学園都市最強のP・Rともなると並大抵のものではなく、より現実的かつ鮮明にイメージ出来てしまうわけで結果、 「ブハッ!!!!!!! て、てめェ、ひ、卑怯だぞ…………ぐっ」 『打ち止めとの初夜』をイメージしてしまった一方通行は鼻血を常人ではありえない量を噴出し、負け惜しみを言って崩れ落ちた。 それを見ていたレッサー、実際に一方通行にそう仕向けた絹旗も効果の程に驚くと同時に倒れた少年にドン引きしていた。 「小さな子のしょ、初夜を妄想して鼻血だなんて学園都市最強ってもしかしなくてもぺドフィリアなんですね……。上条さんとは雲泥の差です」 「いや、ぺドとは超違いますけど妄想だけでよくあれだけの鼻血を噴いたアクセラが超キモいです。とりあえずメッセージを超残しましょう♪」 絹旗はそう言うと、一方通行の鼻血で、汚いとは思いながらも近くの壁にメッセージを残した。 レッサーは知りたくも無いので周囲を見渡し、顔見知りが居ないことを確認し始める。 「よし、これで超バッチリです♪ アクセラには超申し訳ないですけど、私達を襲った罰ですよ」 「絹旗、今なら私達を狙ってる人は居ません。急いでここを離れましょう」 レッサーからの呼びかけを受けて、絹旗は一方通行が倒れてる路地裏を後にした。 なお、鼻血の血文字のメッセージは『僕は小さな恋人でHなことを考えたムッツリです』という、かなり酷いものだったり。 路地裏から出た絹旗とレッサー、身を潜めつつも素早くかつ的確に逃亡していた。 しかし潜伏先を考えていなかったので単なる行き当たりばったりな逃亡になってしまっている。 「絹旗、本当にあなたが知ってる隠れ家とかは使えないんですか?」 「おそらくは、ですけど。浜面と滝壺さんも敵に回ってるでしょうから、そういう場所はむしろ超危険なんですよ」 「成程、じゃあしばらくは逃げ回るしか無いようで……絹旗、気のせいかあの人達、こっちを見てませんか?」 絹旗の読み通り、浜面と滝壺により元アイテム時代に使っていた隠れ家とかは押さえられているので彼女の判断は正解だったりする。 果ての無い逃亡にげんなりしつつも、レッサーはこちらを凝視している当麻くらいの歳の男子数名がこちらを見ていることに気付く。 そして次の瞬間、その男子の一人が大声でこんなことを叫んだのだ。 「リーダー! ターゲット発見したぞーーーっ!」 「おーっ、ご苦労さんだにゃー♪ さあ絹旗にレッサー、観念して大人しくお縄に付くぜよ」 「「土御門!!」」 リーダーと呼ばれた土御門が楽しげな笑みを浮かべて現れたことに絹旗とレッサーは驚くが、それ以上の驚きが二人を待っていた。 なんと、周りの人間の同い年くらいの男子が全員こちらを見てニヤニヤ笑っているのだから。 「ま、まさかこの人達全員、あなたの仲間なんですか? 土御門」 「レッサーは察しが良くて助かるにゃー♪ 抵抗はあまりおススメしないぜよ。アンチスキルの世話になりたくないだろ(これで二人も暴力には訴えないだろ)」 「それよりもみんながニヤニヤと笑ってる方が超気になります。これの説明を超求めますよ」 アンチスキルと言う言葉を使い、相手の実力行使を押さえ込むことに成功した土御門、これで終わりだと確信していた。 ところが青ピがバカ正直にも絹旗の問いに答えてしまうことで形勢が変わってしまうことに。 「そんなん簡単や♪ みんな二人を捕まえたら一人一人とデート出来るからな~♪ こない可愛い子とデート、みんなのテンションはうなぎ上りっつーやつや!」 「バッ、バカ! 余計なこと言うな青ピ…………あっ」 絹旗とレッサー、乙女の防衛反応が土御門、青ピ、そして『嫉妬ファミリー』に襲い掛かる。 しかし、そんな襲われてる二人は 「「(超)ふざけんなぁぁぁあああああああああああああ!! 女を何だと思ってるんだオマエラはァァァあああああああああああああ!!」」 と暴れていた。ちぎっては投げちぎっては投げ、こんな表現大げさだなぁと思ってる諸君も見てもらえば納得して頂けるだろう。 土御門もヤバイと思ったのか退却命令をだそうとしたが何かに気づいた。 「さすがだにゃー。だがオマエラ二人を捕まえようとしている二人は今どこににゃー?」 何を言ってるんだコイツは?と二人は首を傾げたが二人とも何かに気づいた。それは何かは解らない。だがそれは何かを押し潰すようなものだった。 そしてレッサーは前にもこれを感じたことがあった。 イギリスのクーデターの時も、ロシアの時も感じた。そしてつい最近、とある家でも…… 二人は後ろに何かを感じた。何かはすぐにわかった。たが二人は後ろを向けなかった。 何故なら…… 「アンタたち、こんなところで何をしてるのかしら?」 「オマエラは今日、俺が殴っても仕方ないことをしたからな?」 そこには自分達の愛の巣をどうこうするなら、即叩き潰すバカップルがいるからである。 「建宮さん、あそこに最愛が! 隣にいるロングの子がレッサーって子ですよね? ……って当麻兄さんと美琴姉さんも一緒ですよ!」 「んなっ! まずい、それは非常にまずいのよ! あの二人、殺されかねんぞ!」 「じょ、冗談ですよね? そりゃあ新居の件の話は聞いてますけど、ここは外ですよ? 家の中ならまだしもこんな往来の場でなんてことは……」 「有り得るから言ってるんだ! あの二人をひとまず落ち着かせられるのは義理の妹の佐天、お前さんしかいないのよ! さあ、早く向かうのよね!」 絹旗&レッサーのピンチにギリギリの所で駆けつけたのは佐天と建宮だった。 建宮は上琴の尋常じゃない怒りを肌で感じ取り、真っ昼間の惨劇を止めるべく上琴抑止力の一人でもある佐天をけしかける。 「当麻兄さん、美琴姉さんストーーーーーーップ!!!」 「「うおっ!!」」 怒れる上琴を一先ず止めることに成功した佐天だが、バットを振り下ろしての制止は少しやり過ぎかもしれない。 上琴は佐天の登場に驚き、レッサーは呆然とし、絹旗は助けてくれた佐天に泣きながら抱きついた。 「うわ~~~~~~~~ん、涙子~~~~~~~~~。ちょ、超、こ、怖かったです~~~~~~」 「はいはい、ゴメンね遅くなって」 「ふうっ、どうにか間に合ったか……。レッサー、お前さんも大丈夫か?」 遅れて到着した建宮にただ頷いて返答するしか出来ないレッサーは佐天の存在に頭の整理が追いついてなかった。 一方、上琴はようやく佐天の登場に頭がついてきて、彼女と建宮に事情を尋ねた。 「涙子、どうしてお前が? いや、建宮と一緒ってことは多分途中で合流したんだろうけど……。けど邪魔したのはどうゆうつもりだ?」 「どうゆうつもりはこっちの台詞です! こんな往来の場で最愛に酷いことしようとするなんてあんまりです二人とも!」 「い、いや、あのね、る、涙子。それは、その、二人が、というかそっちのレッサーが悪いというかね……」 佐天の言葉に土御門は絹旗&レッサーがやったことにツッコミを入れようと思ったが、そんな茶々を入れられる気配が無いので諦めた。 困惑する上琴に佐天、そして建宮が正論をぶつける(絹旗は佐天の胸の中で怯えてる)。 「悪いことしたのならまずは当人達に理由を聞いて下さい! お仕置きするのも説教するのも話を聞いてからです! だから最愛がこんなに怯えてるんですよ!」 「佐天の言う通りなのよね。惨状がどうであれ、お前さん方は人の話を聞くべきだ。相手にも言い分があるかもしれん。それすら聞かずに行う仕置きはただの暴力だ」 (……アレは理由を聞くまでも無くお仕置きしてもいい気がするが、これであの二人も少しは考えるようになるから黙っとくぜよ) 佐天と建宮の言葉に思い当たることがある上琴は、怒りを収めて話を聞く態勢になる。 ちなみに土御門が黙っていたのは上琴がこれで新居の件で我を忘れないようになって欲しいという願いというか目論見があるのだが。 「そうだよな、レッサーはともかく最愛がそんなことするわけ無いって建宮に言われてたのに俺ってやつは……ゴメンな最愛」 「ヒッ!!」 「……うっ、自分達のせいとはいえさすがにそれは傷付くわ。大丈夫よ最愛、私達もうアンタには怒ってないから。だからそんなに怖がらないで、ね?」 「ほーら最愛、二人もああ言ってることだからさ。もう怯えなくても平気だから」 上琴は絹旗の反応に想像以上にショックを受けていた、普段の懐きっぷりが印象的なだけに。 佐天が宥めたことでようやく絹旗も上琴にいつもの表情を見せることに。 これで全て丸く収まったと思っていたのはレッサーだが、そうは問屋が卸さない。 「さて主犯だと思われるレッサーさん。上条さん達にちゃーんとリビングをあんな風にしやがった経緯を説明してもらおうか」 「……えっ? で、でもここは人通りがある所ですよ? さっき言ったことを、も、もう撤回するんですか?」 「大丈夫よレッサー♪ ちゃーんと家に帰って庭であんたの釈明を聞かせてもらうから。覚悟はいいわよね?」 レッサーは上琴が自分に対してだけ怒りをそれほど収めていないことに気付き、当麻に引きずられるままに上琴新居二号へと連行されることに。 その後ろを無事だった青ピ、土御門、佐天、絹旗、建宮が後を付いていった。 無事に上琴新居二号に戻った上琴、土御門、青ピ、佐天、絹旗、建宮、レッサー。 絹旗とレッサー捕獲の知らせを捜索続行中の仲間達に連絡するのを忘れ、庭ではいきなりレッサーの聴取が始まった。 レッサーがリビングを滅茶苦茶にした理由、それが本人の口から語られ始める。 「いやー……実はですね?絹旗さんとの勝負が決着ついてなくて、うずうずしてたんですよ……」 「「で?」」 しばしの沈黙………… 「それで……………………………………………………………………………………きゃは♪」 「「きゃは♪じゃねえよ!!」」 上琴の怒りは当たり前、突っ込むのも当然である。 「何よそれ!!特に理由なんてないじゃない!!」 「それであの惨事かよ!?ふざけてんじゃねえ!!思いっきりやってやれ美琴!!」 「にゃー!!落ち着け二人とも!!月夜ー!!」 土御門がここにはいない白雪を呼んだ。 「ここにいない白雪さんを呼んでどうするんですか!?」 すかさず佐天の突込みが入る(当たり前だろ!!)。 「甘いぜい!!」 すると遠くからキラーん☆と何かが飛んできた。 そしてその何かは上琴とレッサーの間に降りた(正確には落ちた)。 その何かとは?察していただきたい。その名は……… 「白雪月夜!!ただいま参上!!」 「おお!!白雪さんタイミングよすぎですよ!?どこの漫画ですか!?」 佐天は鋭く当突っ込む(突っ込まないほうがおかしい!!)。 「ふっ、甘いよ佐天ちゃん。私と元春の間には距離もタイミングも問題じゃないの。だって二人は愛の絆で結ばれてるから♪」 「愛の絆ですか、それじゃあ仕方ありませんね~……って言いませんよ! 色々ツッコミ所が多いじゃないですか!」 「まあまあ。佐天ちゃんのツッコミ精神も分かるけど、今はカミやん達の問題を片付けるが先決ぜよ。ツッコミはその後でたっぷりするにゃー」 土御門の言うことに納得した佐天はひとまず月夜に対するツッコミは置いておくことにした。 そして問題はレッサーのお仕置き&上琴の怒りを鎮めることに再度注がれる。 「どいて白雪さん、そいつ殺せない」 「お、落ち着いて美琴ちゃん。新居で殺人なんて穏やかじゃないよ……」 「悪い白雪。今回ばっかりは俺も美琴も心底頭に来てんだ。落ち着くなんて出来そうにねぇ」 「だーかーらー! 二人とも落ち着いてってば! とりあえずレッサーちゃんが何をしたのか私に話してよ!」 上琴はレッサーに襲い掛かりたい衝動を抑えながらも彼女がリビングをあんな風に仕出かした理由っぽいものを月夜に話した。 それを聞いた月夜は呆れたように溜め息を吐いた後でレッサーに向き直ると、身も心も凍りそうな笑顔(レッサー談)をレッサーに向けた。 「レッサーちゃん、理由がアレじゃあ私も庇いようが無いよ。だからせめてあの二人に病院送りにされないように私がお仕置きしてあげるね♪」 「えっと、そ、それでど、どのようなお仕置きになるんですか……? 痛いのは……イヤですよ?」 「大丈夫大丈夫。痛いのなんてそんなに気にならないから。とりゃー!」 月夜がいつもの掛け声を言うと、レッサーは首より上を残されて氷漬けに。 「寒っ! 冷たっ! 痛っ! でも冷たっ! それでいて寒っ!」 「ね♪ 痛いのなんてそんなに気にならないでしょ? 上条君に美琴ちゃん、これでレッサーちゃんを許してやってよ。ね?」 「なんかそっちの方が酷い気がするから俺は別にいいけど美琴はどうだ?」 「私もいいわよ。その代わり、すぐさま解放は無しだからね。今の時刻は午後2時だから……2時間放置で♪」 この状態で二時間放置は地獄にも等しかったので抗議しようとするレッサーだが、言葉がうまく紡げずにいた。 絹旗と佐天はレッサーを可哀想と思いながらも、自業自得を思うことにして二時間放置を受け入れた。 「さて、とりあえずやることといえばリビングの後片付けか……。はぁ、何か久々に不幸だ」 「リビングはわしと絹旗で片付けるのよ。元を正せばわしの監督不行き届き、ならびに絹旗の甘さが招いたこと。せめて後片付けはわしらがするのよね」 「建宮の言ってることが正しいのは超悔しいですけど、私も建宮に超賛成です。お兄ちゃんたちは食器や衣類の収納を超お願いします」 「傷だらけのリビングの修復は俺が受け持つぜよ。なぁに、ちょっとしたサービスにゃー♪ パパッと修復出来る業者の皆さんを呼んでやるぜい」 こうして上琴、土白、佐天、青ピは小物類の収納、絹旗と建宮はレッサーのやらかした後始末を開始する。 その際、土御門は一打、浜滝に、建宮は神裂、シェリー、ウィリアム、ヴィリアン組に絹旗&レッサー捕獲終了を忘れずに伝えるのだった。 浜滝は途中で合流した半蔵と一緒に絹旗&レッサー探しをしていたが、そこへ土御門から終了の知らせが入る。 ちなみに浜面と滝壺が一緒の理由は上琴と同じで一緒がいいという、バカップルなら常識的な考えのものだったり。