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偏見があっても愛し続けて 新田 枝理(にった えり) 外見年齢22歳,享年82歳の若きセラフィム族の女性。 エンゼルネームは『枝理=セラフィム』。 焔 凛奈の友人として幼い頃から共に歩み続け,高校生ぐらいの年代に恋愛関係に発展した。 しかし周囲は純魔族であるホムラの事を特別扱いし,二人の仲を裂こうとまでしたが,彼女の発言があるごとにその手を止めざるを得なかった。 だが,悪魔族の悪知恵に長けたアルフレッドの策略により,ホムラを部下として利用するための枷とされてしまう。 それでのホムラと彼女との恋愛関係が途切れる事はなかったが,結局天上魔導四天皇となる前にツバキたち3人と剣を交えるハメになってしまう。 しかしその時に彼女は自分の意志で戦い傷ついたホムラに自分を殺すように働きかける。 意を決したホムラの手により彼女は戦場に散ったが,そのお陰でアルフレッドはツバキたちと手を組み強くなったホムラの手で倒され,平和が戻る事となった。 彼女は現在蒼風龍司とは別の家で死者の都に住み,ホムラに会える事を願いながら転生の機会を待っているものと思われる。
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. - ‥‥ - . / ` 、 , . .ヽ / i .‘, , /{ | { 、 } ; / i | j//八乂\\、、 ハ |/ 从从'⌒ヾ 〃 ⌒ヾ\ /^Y jハ/'Y //,}ー{ ィ戈ア}⌒リ){ } { 人 ノ i ヽ. ノ ,、_ ノ \ハ`¨¨´ j `¨¨´ リ/ 八 ^ー^ イ′ ―――野比と申します。 \ ´ ̄ ` / ト、 }ヽ _ / / /\ 本日はどうぞよろしくお願い致します。 . -‐/} / / . . / /{ __彡 / . . , / . , /ヘV\ . . ‘, / . / / `¨´ハ / . . ‘. / . / }/ . . , / . / / . . ; / . . ′_ -―< . . i __,/ . j ―- 、 \\_ . | /¨¨’⌒ヾ . / 彡- 、_)ー' ̄ / . ,′ /^ }_// . / . . , {. /¨¨⌒ .。< . . / ;\ / . .。< . . , i  ̄ \ . .。< . . ,’. 乂 /\ . .。< . . ′ `¨¨´ `¨i¨¨´ . i | . . . { | . . . ',【野比 のび太】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓【Status】 性別: 男性 学年: 3(アリスが2年生の時) 守備位置: キャッチャーミート: C パワー: E 走力: C 肩力: A+ 守備: A+ 捕球: A+────────────────────────────────────────|【Profile】捕手としては全国ナンバー1の技術を持つ司令塔。コンタクト能力が高く、走者がいる状況では打者としても侮れない名選手。バントも上手。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ +練習試合・初期データ ミート:C パワー:E 走力:C 肩力:A+ 守備:A+ 捕球:A+ +2年夏 ミート:C パワー:E 走力:C 肩力:A+ 守備:A+ 捕球:A+ 5%失敗なので成長なし 備考:彼女はエイプリル。やる夫の元先輩。U-18候補。メガネの捕手。 Q.幼馴染のキャラ濃すぎない??? A.その気になれば全員ステゴロでノせる程度には野比さんはリアルファイト強いので 特に問題はありません。 Q.青狸は? A.野比さんのモデル選手がモデル選手なんで、 月見草のプロ監督の人です。
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シナリオ 未頒布 茶越きよか 配信 クリック/タップで詳細 GM:茶越きよか 21/02/05 【TRPG】セッション配信「屍人は彼女の名を呼ぶか」【#配信のアニマアニムス】
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ニケ◆RBG4ZdwTP. 初代スレの1 半陰陽 外見は(自称)男性。女性っぽいという目撃者証言や状況証拠あり。 和音とならんでいちゃいちゃしてるとどう見てもレズ 性自認は男性寄り でも深層心理は女の子のような ホルモンバランスは男性寄り 女性的な要素もあるが、男性として生活したけど、この頃女性として就職 乳房が多少あり、たまに母乳が出るみたい。変声はなく、男性/女性機能ともに無い 24歳 萌キャラ 驚異的な方向音痴なうえによくレスを誤爆するドジな面もあるが、天然とか言うと否定する 和音 ニケの元友人であり、現恋人 半陰陽 外見は女性的 性自認はたぶん女性寄りなんじゃないかな ホルモンバランスは女性寄り 女性として生活している 乳房があり、変声はなく、女性機能が少しあるが不完全 ちなみに腐たなり たまにスレに潜伏するが、発見は困難 22歳 和夫という弟がいるらしい バルサ巫女酢 ◆lF10MPwBCg →◆Miko/TaSac 半陰陽であり、京都で巫女をしている。 ふたなり巫女という、夢のような奇跡の属性を兼ねそろえている。 いろいろとウブ。 かわいいみたいよ? 巫女兄(姉)、巫女さんとか呼ばれる人 19歳 なんとBからCカップに!まだまだ成長中らしいよ? YSさん 偶然スレにいたニケの知り合い。世間は狭いものだね。 やっぱり半陰陽。
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そんな充実した日々。 もちろん、標的と仲良くする事も忘れない。 唯「あずにゃん、ぷにぷに♪」 梓「う~~……」 普通は相手のことをよく知るほど、相手と仲良くなればなるほど、殺しにくくなると言われる。 唯「物じゃなく一人の人間として認識されて、情がわくから。」 唯「でも、私は人間を殺したい。」 より人間として認識したい。 だから標的のことをよく知らなくちゃいけない。 唯「一個の個人を殺したいんだよね。」 好きなもの、好きなこと、将来の夢。 生活時間。何気ないクセ。家族。 色々なことを調べた。 中野梓の家にちょくちょく遊びに行き、家族とも仲良くなった。 唯「これで私が中野梓を殺せば、みんなこう思うよね。」 唯「なんで?どうして?あんなに仲が良かったのにって。」 唯「そして、その理由は私にしか分からない……。こんな感じでOKかな。」 律「なんか唯、だいぶ変わったよなー。」 唯「そう?」 律「なんかこう、もっとほわほわしてたっていうか、ちょっと抜けてたっていうか。」 唯「そんなだったっけ?」 律「うん。もっとアホな感じだったのに。」 唯「律ちゃん、それはひどいよ!!」 唯「でも多分そうだったんだね。」 唯「人からそう見えるのなら、自分で違うって言い張っても。」 律「ほらその余裕。一体どうしたんだよ!?」 唯「んー、ここのところでだいぶ変わったかも。」 唯「でも気にしない、気にしない♪私は私だから!!」 律「……まっ、そうだよな。唯は唯だもんな。」 律「それじゃあ部活に行くぞーー!!!」 唯「了解しました、律ちゃん隊長!!」 紬「(私、この二人を見てるだけで幸せ……!!)」ボタボタ 憂「お姉ちゃん、最近変わったよねー。」 唯「そう?それより、このオムライス、すごく美味しいよ!!憂はいいお嫁さんになるね!!」 憂「えへへ~、ありがとうお姉ちゃん。そんな事言われると照れちゃうよ。」 憂「そういえば、梓ちゃんもすっごく変わったんだよ。」 憂「前より雰囲気が全然違うくなって、とても可愛くなったの!それに頭もすっごく良くなったみたい。」 唯「ふ~ん、そうなんだ。」 憂「それに、律さんや澪さん、紬さんも前より生き生きしてて楽しそうに見えるよ。軽音部、なんかいい感じだね!羨ましいな~」 唯「だったら憂も軽音部に入らない?お姉ちゃんはいつでも大歓迎だよ!!」 憂「う~ん、考えとくね。」 そして一年が経った。 決行の日だ。 充実した素晴らしい1年だった。 なんらの不満もない満ち足りた日々。 これを棒にふって行われる殺人。 唯「フツーじゃありえないだろうけど。」 唯「でも、だからこそ意味があるってものだよね。」 カバンの中に包丁を入れて学校に向かう。 私のやる気に触発されてか両親の仕事も順風満帆。 今度、重要なポストにつくんだとか。 唯「お父さん、お母さん、ごめんね。」 そして軽音部のメンバーも、どんどん演奏が上手になっていった。 唯「私とあずにゃんがいなくなると軽音部は三人になっちゃうのかー。」 唯「律ちゃん、ごめんね。」 唯「いい天気だなぁ……」 唯「なんか私ってめちゃくちゃ幸せなんじゃ……」 学校に着いて、授業を受ける。 あっという間に放課後になった。 律「ゆいー、部活行こうぜーー」 唯「ごめん、律ちゃん、ムギちゃん。私、ちょっと職員室に用事があるから。」 紬「それじゃあ、先に行ってるわね。」 律「早く来ないと、唯の分のお菓子も食べちゃうからなー♪」 唯「むっ!!律ちゃんそれは許されない事だよ!!」 音楽室に行くのを遅くする。 そうすれば、中野梓は先に音楽室にいるだろう。 ある程度の時間が経ってから音楽室に行った。 ドアの前でカバンから包丁を出し、体の後ろに隠す。 そして、左手でドアを開ける。 中野梓は既に音楽室にいた。 梓「唯先輩、今日は遅かったですね。」 唯「ごめんねー、職員室に行ってたんだ。」 そしてだんだんと標的に近づく。 大丈夫、いつも中野梓にはスキンシップといって抱きついている。 梓「ゆ…い…先……輩…、何で……?」 紬「キャアアアアア!!!」 澪「唯、お前何やって……。血、血がたくさん……」バタンッ 律「唯っ!!お前何やってんだよ!!!梓っ!!いっ、今救急車呼んでやるからな!!!」 多分、みんなはこんな感じの反応をするだろう。 標的まであと少し。 紬「唯ちゃん、今お茶入れるわね。」 唯「ありがとう、ムギちゃん。」 包丁を持つ手に力が入る。 唯「あずにゃ~ん」 抱きつく振りをして、包丁を中野梓の体に刺す。 どこがいいかな。やっぱり心臓かな。 あと30cm。 ――――今だ。 ――――グサッ 包丁が心臓に突き刺さった。 ――――ブシュッ!! 血が吹き出る。 え……? 唯「あ……ず…にゃん、何で……?」 紬「キャアアアアア!!!」 澪「梓、お前何やって……。血、血がたくさん……」バタンッ ―――ドサッ 私はたまらず、床に倒れた。私の胸になんで包丁が……? 律「梓っ!!お前何やってんだよ!!!唯っ!!いっ、今救急車呼んでやるからな!!!」 梓「唯先輩……、あなたは理想的なターゲットでしたよ。」 唯「(ああ、そうか……)」 薄れていく意識の中で、私は不思議に充足感を味わっていた。 あとは彼女が語ってくれるだろう。 これで終わりです。読んでくれた皆様、ありがとうございました。 戻る
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日が沈むと病院はウソみたいに静かになる。 見舞いの人々も面会時間の終わりが近いこともあってほとんど帰ったみたいに静かだった。 西日の射し込む病室で物言わぬ彼と二人。 彼が目を覚ましたとき、一人ぼっちだったらかわいそうでしょう。 いつ目覚めても寂しくないように、私は一人でもずっと傍に着いているつもりだった。 コン、と遠慮がちにドアをノックする音がする。 私は特に返事をすることなく座ったままだった。 こんな殺風景な部屋じゃ目覚めるものも目覚めないわよ、そう言って彼女は彼のために花瓶に入れる花を買いに行っていたのだ。 お互い何も言わず、花瓶に花を飾りつける彼女の姿を見ていた。 面会時間の終わり間際に私は病室を訪ねた。 彼が階段から落ちて頭を打ち意識不明状態であるということを「組織」の人から聞いて、いても立ってもいられず病院に来てしまった。 部屋の扉をノックする。 きっと中にいるのは彼の家族の方だろう。 久しぶりに会う彼の母にはなんて話しかけたらいいだろうか。 そんなことを考えながら、部屋の扉を開けると中にいたのは彼と同じ学校の制服を着た少女だった。 彼女は予想外の来客に驚いたように目を見開いて私を見つめていた。 まさに驚いて声も出ないといった感じだ。 「えっと、あのここは」 彼女は私が病室を間違えたと勘違いしたみたいだった。 彼女は私のことは知らない。 でも、私は彼女のことは知っている。 いや、話に聞いている。 ただ本人に会うのは初めてだったし、正直この時間に病室にいるとは思わなかった。 「知ってますよ。キョンの病室ですよね。」 わざとらしく彼をあだ名で呼ぶ。 彼女は短く、ええ、とだけ答えた。 訝しがるような目で私を見ている。 突然の予想外の来訪者に戸惑っているようだった。 「私は彼の中学時代の―」 そこまで言いかけたとき一瞬なぜか言葉が出なかった。 「彼の同級生です。彼が入院したと聞いてお見舞いに来ました。」 しばらくの間をおいて彼女は 「そう。」 とだけ答えた。 噂ではもっと元気のいい人だと聞いていたが、今の彼女は元気のよさとは無縁だった。 憔悴しきっている、そんな感じだった。 少し赤くなった目と涙の跡が痛々しい。 彼は本当に眠っているように眠っている。 誰かがほっぺたでもつねれば起きるんじゃないだろうか。 彼の病状は大体彼女から聞いた。 検査の結果ではどこも悪いところは見当たらず、なぜ眠っているのかがわからないそうだ。 それを聞いて私も少し安心できた。 「そのうちきっと目覚めるわよ。」 彼女は誰に語りかけるでもなくそう呟いた。 「そうですね。」 そして、彼の手に触れたかったが、なぜか私は彼女に遠慮した。 お互いに何の詮索もしないまま時間が過ぎていく。 彼女は私のことについてほとんど詮索しなかった。 私も必要以上の会話はしなかった。 「ちょっと私お花買ってくるから見てて。」 唐突に立ち上がりそう言い放つと彼女は席を立ち、病室から出て行った。 静寂。 彼の手を握ってみる。 キミは久しぶりにあった中学時代の親友に挨拶もしてくれないのかい。 病室に戻ってきた彼女は花を飾りつけると、また私の隣に座った。 「もう、面会時間も終わりよ。帰らないの?」 「大丈夫。家には友達のところに泊まるって連絡してきたから。」 本当は彼の顔を見たら帰るつもりだった。 でも、彼女が彼の傍に着いている以上私も帰るわけにはいかない、そんな不思議な使命感に駆られて帰らずにいた。 「あなたは帰らないんですか?」 「団員の心配をするのは団長の仕事なのよ。」 到底納得には至らない論理だったが、なぜか反論できなくさせる迫力があった。 また、沈黙。 お互い聞きたいことはいっぱいあるんだろうけど、聞けない。 「あんたも飲む?」 そう言って彼女はパック入りのジュースを差し出してきた。 さっき花を買いに外に出たときに一緒に買ってきたみたいだった。 「ありがとう。」 私は素直にそれをいただいた。 二人で並んでパック入りのジュースを飲む。 「今晩は私がついているから、大丈夫よ。」 彼女は遠慮がちに言葉を選びながらそう言った。 「大丈夫です。私もここにいたくているわけですから。」 沈黙。 「お腹空いたわね。晩御飯どうする?」 今度は私が買い物に出た。 近くのコンビニでパンとサンドイッチと飲み物を買った。 彼と彼女が二人っきりのときに彼が目覚めたら、とも思ったけど、彼が早く目覚めるのはいいことだと自分に言い聞かせた。 彼女と私の分の飲み物以外に彼の好きな飲み物を買った。 二人で暗い病室で晩御飯を食べる。 お互いほとんど会話はない。 重い空気と、そして不思議な平穏があった。 「キョンとは仲良かったの?」 沈黙を破ったのは彼女のほうだった。 「よく二人でいろんな話をしていました。とはいっても、中学三年生のときだけですけど。」 「仲、良かったのね。」 「そうですね。」 彼女は考え込むように彼の寝顔を見ている。 「彼が目覚めたら、彼の高校生活の話を聞きたいな。」 「なんで?」 「どんな楽しい高校生活を送っているのか気になるから。」 「どうせ私の悪口しか言わないわよ。」 「彼の高校生活の話題はほとんどあなたについてのことばかりなんですか?」 悪戯っぽく聞き返してみた。 返事はなく、彼女は彼を見つめたままだった。 「いつになったら目覚めるんだろ。周りに心配ばかりかけて、ほんとどうしようもない奴なんだから。」 そして、階段から落ちたくらいで、気合が足りないのよ、と小さな声で呟いた。 「大丈夫ですよ。でも彼のことだからきっと間の悪いタイミングで起きるでしょうね。」 「間違いないわね。こいつならやりかねないわ。」 その日初めて彼女は笑った。 それにあわせて私も少し笑った。 気がつけば時計の針は午前3時を回っている。 夜の病院は静かで少し気味が悪い。 徹夜で疲れていたのか、私は突拍子もないことを聞いてしまった。 「キョンのこと好きなんですか?」 少しの沈黙。 返ってきたのは答えではなく、それもまた質問だった。 「あんたは?」 それっきりお互いなにもしゃべらなかった。 少し眠っていたみたいだ。 朝日が病室に射し込んでいる。 時計は午前6時。 そろそろ学校へ行く準備をしないといけない。 「帰るの?」 私の動きに気づいた彼女はそう問いかけてきた。 「ええ。学校へ行かないと。」 「そう。」 「あなたはどうするんですか?」 「とりあえず今日は休むわ。どうせ休み前の短縮授業だし。」 「…それじゃあ、彼のことをよろしく。」 「あんたが見舞いに来ていたことはちゃんとキョンが目覚めたら言っておくわ。」 「いえ、別にそれはいいです。結局キョンはまだ眠ったままだったし。」 「それでいいの?」 「とりあえず今は。」 そして私は病室を後にした。 彼が目を覚ましたと聞いたのはその日の放課後だった。 それから私は再び彼女と会った。 そのときは彼も一緒に。 「それ、誰?」 彼女の質問の意味がわかったのはおそらく私と彼女だけだっただろう。 『12月18日』
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前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男女の恋愛生活 最後の大覇星祭 ~Lovers_Elopement_race 前編 「あー、きたきた。もう、当麻ったらいつまで待たせんのよ」 学園都市の一大イベントたる『大覇星祭』の開催を、すぐそこに控えた九月のある日のこと。 初秋の夕暮れ近くの空は、青の色をはるか天空へ向けてどこまでも高く深く染み透らせ、西に傾いた陽は橙から茜色へと階調を変える。 真夏の熱気を運んでいた風にも、いつしか、その中に涼やかさが雑じるようになり、夏の終わりの音色を奏でるかのように、ゆっくりとビルの合間を、道路の上を、公園の木々の間を吹き渡っていく。 そんな学校帰りの公園で、きょろきょろと誰かを探していた上条当麻に、そう声を掛けてきたのは御坂美琴。 あ!? と言って振りむいた上条の方へ、美琴が――待ってたわよ! と言いながら駆け寄ってきた。 「すまん、美琴。帰り際にちょっとクラスメイトに捕まってしまってさ。で、大事な用っていったい……」 「当麻! ――今年の大覇星祭、赤白どっちになったの?」 言いかけたところを遮られるような美琴からの質問に、上条は一瞬何のことかと思ったが、すぐに組分けのことだと理解する。 彼は昼休みに届いた『大事な用があるので、放課後、いつもの公園で』という彼女からのメールで、この公園に駆けつけたのだった。 「あ、あん!? 俺は今年も白組だぞ」 「そっかー! なら今年はお互いがんばらないとね?」 そう言いながら、上条の目の前に、ぐっと拳を突き出した美琴。 顔をわずかに赤らめているその姿に、彼は昨年の大覇星祭を思い出した。 「おまえ、そんなこと言って、実は赤組でした~、なんて言うんじゃねえだろうな?」 その言葉に美琴は一瞬、ビクッとしたが、今度はニヤリ、と黒い笑みを浮かべた。 「――へええ。当麻は今年も、私と罰ゲームが・し・た・い、と言いたいわけね?」 「げっ!」 「去年、あれだけウチにボッコボコにされておきながら……」 「うっ!」 「そ・れ・と・もっ! コーコーセーだろうが、年上だろうが、知ったことか、なーんてセリフ、私の口から言わせたいのかしらね?」 「なっ!」 美琴が浮かべる、笑顔のお怒りモードに、上条は思わず――やっべえ、と内心の焦りが巻き起こる。 最近はなんだか、母、上条詩菜にも似てきた美琴に、上条はどうしたって父、上条刀夜の姿が自分の未来と重なってしまう。 が、 「…………なんてね」 「…………えっ」 ぽつり、と放たれた言葉と共に、恋人はにっこりと花のような笑顔に戻った。 「私、今年は白組なの……」 そう言うと美琴はもう一度、上条へと拳を向ける。 「去年は、一緒にやりたくても出来なかった。今年は私、中学最後の大覇星祭だし。――だから……ね?」 その言葉だけで、恋人の想いが、なんのてらいも無く、真っ直ぐに上条へと届く。 彼は突き出された拳に視線を落とすと、申し訳なさそうに息を吐いた。 そうしていつもの上条当麻へと戻る。 その拳に――コツリ、と自分の拳を突き合わせると、ニコリ、と笑う。 「ごめんな。今年は、『一緒に』がんばろうぜ、美琴」 「――うんっ! 『一緒に』がんばろうね、当麻」 そうして二人はもう一度、笑顔で拳を付き合わせたのだった。 「――でね。さっそく合同競技への参加お願いなんだけど……」 そう言って、美琴は鞄から一枚の用紙を取り出すと、上条に見せた。 「ん? なんだこれ、『フリーエキシビション競技・男女ペア長距離障害物走 参加申込書』っ!?」 それは男女混合長距離障害物競走の参加申込書。 別名を『手に手をとって、愛と涙の駆け落ちレース』とも言われ、大覇星祭二日目にある男女ペアで行われるフリー参加競技のこと。 「そうなの。これに私と一緒に出て欲しいんだけど……」 そう言って、恋人の顔を窺うように、上目遣いで見上げてくる美琴に、上条はいつものようにドキリとさせられる。 ふたりが恋仲となって初めての夏が過ぎ、すでに心身ともに彼女と結ばれた上条にとって、それは見慣れたものであるはずなのに、なぜかその「上目遣い」だけはいつまで経っても免疫が出来ない。 じっと見つめられるだけで、胸のドキドキも、上気するような顔の熱さも、果ては身体の奥底から湧いて出る本能の叫びも一度に感じられるほど。 「ウチの学校、女子校でしょ? おかげで男女ペアで参加するフリー競技なんて、出場者がいないのよ。だからこうした競技の得点が無くて、よく苦戦するのよね」 いわゆる「五本指」の長点上機や霧が丘など、他のライバル校と毎年熾烈な優勝争いをしている常盤台中学には、例え僅かな得点であってもおろそかに出来るはずがない。 しかしお嬢様学校の中学生にとっては、男女ペアでのフリー競技参加はやはり難しいものがあるのだ。 それゆえ昨年は、超能力者(LEVEL5)を二人も擁しながら、大能力者(LEVEL4)までしかいない長点上機学園に総合優勝を攫われてしまった。 「それにね、ウチには一緒に参加出来る男子の知り合いがいる子なんていないのよ。それに私だって中学校最後の大覇星祭だし、常盤台のエースなんて呼ばれてる割に参加種目が少なくてね。だからこれに参加表明しちゃったのよ。いきなりで申し訳ないけど、私を助けると思って、お願い!!」 珍しく両手を合わせて、拝むように頼み込んでくる恋人の前には、さすがの上条も折れざるを得ない。 というよりは、 「ああ、それだったら俺の方からも頼もうと思ってさ。帰りにクラスメイトにひっ捕まったのは、そのことだったんだよ……」 上条はほっと安心したような顔をすると、照れる気持ちを誤魔化すかのように、こほんと1つ咳をした。 「――土御門や青ピから、彼女と一緒に出場しろって言われちまってさ」 嬉しい驚きを表す眼差しを向けている彼女から、ふっと目を逸らして恥ずかしそうにぽりぽりと頬を掻く上条。 彼の頬が赤く染まっていたように見えるのは、夕焼けの陽を浴びているだけではないのだろう。 大覇星祭の参加競技を決める時に、デルタフォースのふたり、土御門元春と青髪ピアスから言われたこと。 ――カミやん、ウチみたいな学校が上位に食い込むためには、このフリー競技でも上位入賞を果たすしかないんだにゃー。 ――そうやで。カミやんの彼女みたいな『超能力者(LEVEL5)』と一緒なら、こんなん楽勝やん? ――まあ、常盤台(アチラ)にも得点が入ってしまうのは痛し痒しだが、そこは目を瞑るしかないんだぜい。 ――ボクらも応援したるさかい、なんとか彼女さんにお願いしてや。 (あいつら、妙に物分りがよさそうで、なんか裏があるような気もするんだがな……) そう思いながらも、他のクラスメイトからも同じように言われ、おまけに姫神からは、 ――去年は。約束を。守ってくれなかった。だから今年は。男を見せて欲しい。 と言われる始末。 ――貴様は彼女がありながら、他の女の子にちょっかいを掛けているのかッ! これを意味深発言と誤解した吹寄から、おでこDXを食らう羽目になったのはいつものこと。 約束とはいっても、昨年は『使徒十字』を巡る騒動に巻き込まれ、入院した姫神に、一緒に見に行くと約束したナイトパレードに間に合わなかったことなのだが、その事情を隠している上条には言い訳も出来ない。 「参加競技のことぐらいで、なんで上条さんはこんな目に遭わなくてはいけないんでせう? …………不幸だ」 やっとのことで解放されて、ようやくこの公園までたどり着いたときには、件の恋人はすっかり待ちわびていたというわけだ。 それでも上条が彼女のお願いを聞き届けてやれたことで、美琴のご機嫌もすっかり最高潮なよう。 「――それじゃ、そっちの参加申請は任せたから。俺の方は自分でしておくからさ」 「うんっ! ありがとう!! やっぱり当麻大好き!! 嬉しい!! 愛してるぅ!!」 名門常盤台の女子生徒と、そんな彼女に抱きつかれている男子高校生の姿は、今やこの公園では見慣れた光景となりつつあった。 だからなのか、通り過ぎる者は――ああ、またあいつらか、と言わんばかりにじろりと一瞥をくれるだけ。 「それじゃ、今から練習……ってことで!」 そう言って美琴が上条に左手を差し出した。 こくんと小首をかしげるような無自覚の仕草が、余計に彼女を可愛らしく見せて、それだけで上条はまたドキリとさせられる。 このところ美琴が無自覚にする仕草は、妙に色っぽかったり、可愛らしかったりと、天然フラグメーカーの片鱗を見せるようになった。 恋人からの愛情を、心身ともに目一杯受ける彼女は、少女から女への階段をどんどんと駆け上がっていく。 女王と呼ばれる第五位、食蜂操祈ほどの畏怖、貫禄はないが、気さくで面倒見もよく、分け隔てのない性格に彼氏持ちときては羨望の眼差しを向けられないわけがない。 あちらこちらにフラグを立てるこのふたりは、そういった部分に無自覚なところまでもが、似た者カップルと言われる所以なのだろう。 「へっ?」 そんな彼女の魅力たっぷりな仕草に、つい意識を奪われていた上条が、何のことだかわからないという顔をする。 「あのね、この競技は男女ペアで、ずっと手を繋いだままで障害物競走をするのよ。だから……あ、もしかして知らなかった、とか?」 「あ、そう……なのか? 知らなかったよ。すまん」 上条当麻は1年前に記憶喪失になったため、大覇星祭の競技については、改めて知ったものも多いのだ。 おまけに昨年の大覇星祭では、『使徒十字』を巡る騒動に巻き込まれて、初日の夜に病院へ担ぎ込まれてしまったこともあり、翌2日目の競技はほとんど覚えていなかった。 「ごめん。当麻は……そうだったわね」 しまったという顔をして、俯いてしまった美琴を気遣うように、上条はそっと彼女の肩に手をかける。 させたくない人に、させたくない顔をさせてしまって、彼の胸がチクリと痛んだ。 自分の記憶のことなんて、誰の責任でもないはずなのに、それを我が事のように気遣ってくれる彼女の優しさを、気遣いきれない自分が情けなかった。 だから、 「記憶のことなら心配すんなよ。忘れたことなんて、これからまた覚えなおせばいいんだ。だからもっといろんなこと、俺に教えてくれれば十分だから……」 見上げるように顔を上げた美琴の瞳に涙が滲んでいるのに気がついた上条は、彼女の身体を優しく抱きしめた。 「――俺は美琴を一番頼りにしてるんだからな?」 彼女の耳元でそう囁くと、もう一度抱きしめた腕に力を入れた。 上条のそんな気遣いが自分の心を捉えて離さないことを、彼はどれだけ自覚しているのかと、美琴は思う。 所詮は惚れた者の負けとはわかってはいるものの、それでも憎まれ口のひとつも叩きたくなるのは、負けず嫌いな彼女の性分だからなのか。 美琴が腕の中で小さく――ばか、と呟いたのを彼は聞き逃さなかった。 それだけで無性に彼女が可愛く思えて、先ほど覚えた痛みさえも、どこかへ消えてしまったように感じられる。 いつの間にか彼の口元も緩み、幸せそうな笑みが浮かんでいた。 不幸体質の上条にも、幸せとはこうした小さなことがいくつも積み重なって出来るものなんだろうと思えるようになっていたのだから。 ――幸せの積み重ね。 この夏は上条と美琴にとって文字通り、幸せの積み重ねだった。 特に思い出を失った上条にとっては、花火に、プール、夏祭りといったほぼ『初めて』の楽しい夏のイベントが盛りだくさんにあった。 生まれて初めてする花火に、幼い子供のようにはしゃぐインデックスと打ち止め。憎まれ口を叩きながらも、楽しそうに花火に参加する番外個体。もちろん他の妹達(シスターズ)も参加していた。 ここはよく上条がお世話になる病院の屋上。そこで女性陣は、全員が浴衣姿でおもちゃ花火に興じていた。 もちろん浴衣は全て美琴が見立て、用意したものだ。インデックスに打ち止め、御坂妹(一〇〇三二号)に一〇〇三九号、一三五七七号、一九〇九〇号と番外個体の分。 こればっかりは男である上条にも一方通行にも思いつくはずも無く、年中ジャージ姿な一方通行らの保護者にも出来はしない。 初めての浴衣に興味津々の彼女らに、着付けと立ち居振る舞いをもきちんと指導できるのは、お嬢様学校の生徒である美琴にしか無理な話だろう。 そんな彼女の苦労も、こうして全員が楽しく花火に興じるさまを眺めることで、十分に報われるのだ。 意外にも甲斐甲斐しく花火遊びの世話をする上条や、相変わらず苦虫を噛み潰したような表情ながらも妹達を静かに見守っている一方通行の姿に、罪悪感よりも安らぎと喜びを覚えるようになった。 もちろん今でも美琴と一方通行の間にはぬぐい難い過去の因縁が残っている。だが上条という支点のおかげで、ぎこちなさはあるもののかつてのような殺伐としたことにはならない。 一方通行が打ち止めを救った経緯や、番外個体というふたりが知らなかった『第三次製造計画(サードシーズン)』の始末に一方通行が果たした役割について、改めて知った今では、美琴も一方通行にはそれなりの感謝と信頼を持つようにはなっていた。 過去は過去として背負い、その責を全うすると誓った『学園都市最強』を、美琴は同じ荷を背負うものとして、その姿を自らに重ねると共に、己のありようも模索してきた。 結果、一方通行が妹達(シスターズ)の身を守るというのなら、自分は姉として彼女らの心を守ろうと決意したのは当然の成り行きだろう。 あの実験が中止された後、御坂妹から伝えられた――生きる意味を見出せるよう手伝って欲しい、という「妹」の願いに応えることが自分の果たすべき役割なのだと。 もちろん上条は恋人・パートナーとして美琴を支え、友人、仲間として一方通行の力になると密かに決めていたのは言うまでもない。 もっとも当の一方通行本人にはそんなことなど意にも介していないのだろうが。 またインデックスも「妹達」の友人として、救いを祈る修道女として、彼女たちとより良き関係を結んでいきたいと心から願っていた。 夏の定番、プールデートにはインデックスと白井のほか、初春や佐天も参加した。 おまけにその場では、打ち止めと番外個体を連れた一方通行とも遭遇したために、白井が暴走してスラップスティックコメディが展開される羽目になったのはいつものこと。 夏祭りはふたりきりでのデートとなって、花火が打ちあがる公園のベンチで、愛の言葉と甘いキスを心ゆくまで堪能した。 久しぶりに揃って帰省した実家では、お互いの両親から公認どころかなぜか婚約云々にまで話が広がる始末。 さすがにそれはまだ早いと上条は逸る両親たちを宥めていたはずだったのだが、いつのまにやら美琴が中学を卒業したら正式に婚約、更には同居という運びになった時にはつい、――おのれ魔術師、と口走りそうになったほど。 そもそも何ゆえそんな仕儀に相成ったかと言えば、今回の帰省にはもうひとりの同行者がいたからだ。 インデックスもふたりと一緒だったことで、すでに彼女を見知っていた上条の両親と美鈴に大歓迎された。 事情を隠すために、両親たちには、上条の妹分の留学生と紹介したものの、イギリス清教内に共通の知人がいることを知った旅掛には、感づかれたようだったが。 一方で母親たちは、そんなインデックスのことをかなり気に入ってしまい、中でも詩菜に至っては、上条の妹分なら母娘も同然だということで、彼女にお母さんと呼ばせるようになったのは言うまでも無い。 そんなインデックスが、(上条の)奨学金が少なくて食費に困ることが多いとポロリと漏らしたことで、上条とインデックスの事情を知らない両親らに、美琴が中学卒業後はインデックスも彼女と同居すればよい、と言われてしまった。 どうせなら婚約を機に、上条も美琴と同居させてしまえと相成って、美琴とインデックスが目論んだとおり、翌春からの三人暮らしが目出度く承認済み、という結果となる。 両親公認で外堀を埋められたかと思いきや、あれよあれよという間に内堀までも埋め立てられて、残るは本丸のみという有様に、17歳にして落城が決定的となってしまった上条。 ならばやむを得ぬと、大阪夏の陣での真田佐衛門佐の如く華々しい最後を飾るか、毛利豊前守の如く最後まで抵抗するか迷ってはみたものの、結局はお手上げ状態で無血開城と相成った。 止めに父親らが勧めた祝い酒を断りきれず、酔い潰れた上条が美琴の膝枕で幸せそうに居眠りする姿を披露して、上条の両親の感涙を誘ったことは美琴にとっても忘れられない思い出となる。 お約束の夏休みの課題は、美琴とインデックスのおかげであっさり片付けることが出来、昨年のように最終日に慌てることもなかった。 もちろん付き物の『不幸』とて毎度のように起こってはいたが、それでも積み重なった幸せな『ひと夏の思い出』に敵うはずもなく、上条は何ら思い残すこともないほど充実した夏休みを送ることが出来たのだった。 「――でもさ、手なんて普段から繋いでるじゃないか?」 「そうだけどね。この競技は5秒以上ふたりの手が離れたらダメなの」 「……へっ!?」 「それとね、干渉数値ってのがあってね……」 美琴が上条の右手を、両手で強く抱きしめると、そっと自分の頬へと宛がった。 「――当麻のこの右手がないと、私、能力どころか、漏電するだけでも下手をすると危ないのよねー」 「へぇ。俺のこの右手もこんな風に役立つことがあるんだな」 彼女に甘えられて満更でもない顔をする上条だったが、不幸の原因が己の右手のおかげでは、そう簡単に喜ぶことだって出来ない。 だがしみじみとしている上条を元気付けるように、美琴は彼の手を包む自分の手に力を込める。 「そんな風に言わないで。当麻のこの右手のおかげで、私は今こうして、幸せでいられるんだもん」 「そう……だったな」 相変わらず上目遣いに見上げてくる恋人の視線にドキドキしながら、上条はその意味をかみ締めていた。 『幻想殺し』という右手で殺せるのは、迷える者の幻想であって愛する者の夢や幸せではないことを。 まだまだこの右手のことは自分でもわからないことが多すぎるけれど、それでもこの拳を振るうことで、一番多く殺してきたのは自分が不幸だという幻想だったのかもしれない。 「――じゃ、練習を兼ねて、今日の買出し、行くわよ! インデックスもお腹を空かせてるから、ちょっと急ぐわね!」 かつては大切な人を危険から遠ざけることが守ることだと思っていたが、一緒に助け合い、支えあって行くことも守ることに繋がるのだとは、以前の自分なら想像すら出来なかったろうと上条は思う。 それだけいろいろな経験もし、紆余曲折を経てここまでたどり着いたのだ。もちろんこの先を見据えれば、まだまだ乗り越えなければならない山や谷も多いだろう。 それでも、こうして彼女から差し出された手を取って、共に同じ道を歩んでいけるのなら何も不安がることもないのだ。 「よし、なら飛ばしてくぞ!」 「うん! ――アンタ、付いてこれるかしらぁ?」 「言ってろ! このじゃじゃ馬娘!」 「ふっふーん! 言ってくれるじゃない。なら遠慮なしに行くわよっ!」 よーい、ドンと叫んだ彼女に、ぐっと手を引かれ、彼も同時に駆け出していく。 繋がれた上条の右手と、美琴の左手。 障害物を避けるのに、右へ進むのか、左へ避けるのか。それとも上を乗り越えるのか。 息を合わせ、咄嗟の判断にも、迷わず同じ道を行くように、意思も気持ちも揃えなければならない。 「右だ!」 全速で街灯を避ける。 「上よ!」 跳び越すようにベンチを乗り越える。 「左へ!」 飛び出してきた子供を避けた。 「先に行くぞ!」 公園のゲートを出て、路上へと進んでいく。 「――さすがに人込みの中を走るわけにいかないわね」 「ちょっとそれはな」 他の人の通行の邪魔にならないよう、横に広がらず縦に並び、急ぎ足程度に速度を落とす。 それでも人の間を縫うように進むのはなかなかと大変だ。 握る手に力を入れて、割り込まれないよう出来る限り傍に近付く。 いつの間にか、美琴は上条のすぐ後ろにピッタリとくっつくように寄り添っていた。 今、彼女の視界には、目の前を行く少年の後姿だけしか映らない。 ふと思い出すのは、その黒い学生服に隠された下にある、脱げば意外に広くがっしりした背中。そのあちこちについている細かな傷跡。 お風呂で彼の背中を流す時に感じる、安心や信頼、愛情だけでなく、その傷跡一つ一つが、彼が守ってきた思いや世界の証なのだということ。 その彼が、この背中を任せてくれるのは、自分だけなのだという喜びと責任に、彼女は無意識に身震いをしてしまう。 美琴が気を付けているのは、いつも正しいと思う道を、後ろも見ずに一人で突っ走っていく上条が、進むべき道を誤らないよう見守ること。 彼は走りながら考える人間だ。それだけに、ちょっとした勘違いや、思い違いで迷路へ迷い込んでしまうこともある。 そんな彼が道を違えたときは、進むべき道を指し示してやることが、大切なのだと美琴は思う。 上条は地図を持たないドライバーのようなもの。 地図を見て、進むべき道を指し示していくのは、相棒(ナビゲーター)たる自分の役割なのだと思うようになっていた。 比翼連理とはいかないまでも、二人で手を携えていれば、どんな障害だって乗り越えていけるだろうと、お互いに感じられるようになっていたのだから。 「もうすぐだ!」 「うん!」 目的のスーパーが向こうに見えてきて、手を繋いで歩く二人の速度もだんだんと速くなる。 やがて、 「「ゴールっ!!」」 スーパーの店頭前で、まるでゴールテープを切ったように両手を挙げるパフォーマンスをする上条と美琴の姿を見て、立ち止まった周りの学生や客たちからくすくすと笑いが漏れる。 それでも見慣れた光景なのか、すぐに人の流れも元通りになった。 この時期になると、手を繋いで一緒に走る仲睦まじそうなカップルを、あちらこちらでよく目にするようになる。 それはこの競技に参加する者たちの練習風景なのだが、彼らを見守る通行人たちの視線も、どことなく生温く感じられてしまう。 この男女ペア耐久障害物競走が、なぜ「愛と涙の駆け落ちレース」なる異名を持つのかと言えば、この競技には、以前からまことしやかに、とある「ジンクス」があるからだ。 それは、完走したカップルは、いつか必ず結ばれるというもの。 競技者もフリー参加であるのと同時に、障害を作る側もフリー参加であるこの種目は、参加する妨害者の能力によって、コース上に様々な障害物を作ったり、妨害工作が行われる。 つまり競技者は否応無く当然のように、妨害者から嫉妬と羨望の矛先を「能力」という形で向けられるのだ。 だから完走したカップルは、そうした『世間の荒波』を乗り越えるから、より精神的な結びつきを強められるのだという、まことしやかな説が囁かれていたのだった。 おまけに普段なら嫉妬や羨望の眼差しを向けるしかなかった者達へ、思いのままに『妨害(という名の実力行使)』や『邪魔(という名の嫌がらせ)』を行えるというわけで、日陰者たちからの参加希望は多い。 それだけでなく妨害者同士が意気投合し、そのまま翌年の競技者として参加する、という事例も後を絶たないため、この大覇星祭の目玉競技として高い人気を得ているのだ。 ネット上の噂では、妨害に回る側として参加する者たちに、嫉妬や失恋の捌け口を与えることで、彼らのガス抜きを計るだけでなく、能力者の婚姻により、ある種の交配実験を目的としている、とも囁かれていた。 昨年までは色物的な扱いだったこの競技が、今年は常盤台のエース、超能力者第三位『超電磁砲』が参加するという噂が流れたことから、マスコミの注目を浴び、妨害希望者が殺到していることを二人はまだ知らない。 この第七学区でよく目にする、『超電磁砲』御坂美琴といつも隣にいる『旗男(フラグメイカー)』上条当麻の二人は、男女を問わず嫉妬と羨望の的になっていることを、当の本人たちはあまり自覚していないようである。 「さあ、時間が無いから、さっさと買い物、済ませるわよっ」 「お、おう」 そうして二人はいつものように、スーパーの店内へと入っていく。 ただその後姿へ向けて、黒い視線を向けるいくつかの眼があったことに気付かなかった。 黒い闇のような視線。それはある境遇にある人々が放つ、 嫉妬。 羨望。 好奇。 怨嗟。 あるいは……殺意、に限りなく近い、だがそれでは無い何か。 ――リア充は、爆発しろ! ぽつり、とどこからともなく流れてきた声なき声。 ――うらやましい ――なんで ――どうして ――私じゃないの ――俺じゃないんだ ――僕だったら ――あたしだったら ――ならば、せめて そんな『選ばれなかった』者たちの呟きが、大覇星祭を目前に控えた学園都市の空気に満ちていく。 ~~ To be Continued ~~ 前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男女の恋愛生活
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BIGEN ~香りのヘアカラー~ 作詞・作曲:榊原郁男( ^ω^) 化粧品のCMソング に見せかけた名曲。 歌詞 この卵焼き、失敗しちゃったんだよね そう言った彼女のその困った顔 少し崩れた玉子焼きも 彼女の顔を見ると、一流レストランのそれのようだった 美味しそうに食べる僕を見て、彼女は笑顔を取り戻した 彼女に出会ったのは4年前 まだ寒い3月の日 栗色のきれいな髪の彼女に見とれていると 彼女は僕に微笑んだ 彼女との初めてのデート その髪の香りに心臓はさらに速くなる 僕の緊張ぶりに、彼女は笑っていた。笑っていたんだ。 もう彼女の笑顔には会えない。彼女は思い出の中にしかいない。 もう彼女の笑顔には会えない。彼女は思い出の中にしかいない。 僕はその思い出を胸に、前に進んでいかなきゃいけない。 いつまでもクヨクヨするのはきっと彼女も望まない 僕は新たな明日へ歩いていかなくちゃいけない レビュー 名前 コメント
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feng
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※ともきー誕生日ネタ 紫炎姫:近くのコンビニの名前が今更ながらに狂ってる ステルスモモ:はぁ 紫炎姫:その名もコンビコンビニ ステルスモモ:…うわぁ 紫炎姫:龍門渕の屋敷に近い=龍門渕高校に近いわけで 紫炎姫:通学や帰宅途中には絶好の寄り道場所として愛されてるわけなんだけど ステルスモモ:まぁ、そうっすよね 紫炎姫:時折、 紫炎姫:『ちょっとコンビニ寄ってかない?』 紫炎姫:なのか 紫炎姫:『ちょっとコンビに寄ってかない?』 紫炎姫:なのか悩む時がある ステルスモモ:…… ステルスモモ:果てしなくどうでもいいっすね 紫炎姫:……気になるのよ ステルスモモ:…… ステルスモモ:折角の誕生日に悩むことでもないっすよね? 紫炎姫:…そうなんだけどね ~で~ ステルスモモ:朝っぱらから呼び出したと思えばこれを言いたかっただけっすか? 紫炎姫:……ちょっと話し相手になって欲しくて ステルスモモ:……電話でも良かったような内容っすね 紫炎姫:電話は苦手… 紫炎姫:私、どもったりするから恥ずかしいし… ステルスモモ:そんな事ないっすよ? ステルスモモ:むらさきさんとの電話、私は好きっすよ 紫炎姫:モモ… ステルスモモ:だって ステルスモモ:宝石さんみたいに会話を続けるのに深刻なレベルのノイズが発生したり ステルスモモ:ロリ巫女さんみたいに『オォォ…』とか聞こえたりしないっすし!! 紫炎姫: ステルスモモ:それに比べたら、全然問題なしっす!! 紫炎姫:……極端にヒドいのとの相対的評価なのね ~で~ ステルスモモ:お誕生会は昼からっすか? 紫炎姫:うぅん夜から… 紫炎姫:今日は休日だから日中にって話もあったりしたんだけどね ステルスモモ:ふむ ステルスモモ:むらさきさんが昼間起きてこない可能性を加味しての夜開催っすね ステルスモモ:いい判断っす 紫炎姫:……だいたい間違ってないから反論しにくいわね ステルスモモ:で、本当の理由は? 紫炎姫:…… 紫炎姫:日中から開催すると、そのまま流れで夜までずっとだから 紫炎姫:そうなると、ここの皆とは夜中にしか会えないし… ステルスモモ: ステルスモモ:むらさきさん、可愛いっすね 紫炎姫:…自分でも子供っぽい理由って思ってるわよ ステルスモモ:いやいや ステルスモモ:初期の頃のネット弁慶な頃のむらさきさんに見て貰いたいっすよ 紫炎姫:…… 紫炎姫:…現状見たら卒倒すると思う ステルスモモ:お友達、いっぱい出来たっすもんね 紫炎姫:…そこはお互い様でしょ? ステルスモモ:じゃあ私も一緒になってぶっ倒れるっすかね ~で~ ステルスモモ:それじゃあ、日中はむらさきさんもフリーっすし ステルスモモ:おっぱいさんと南場さんも呼ぶとするっすか 紫炎姫:あ、うん… ステルスモモ:私が呼んだ方がいいっすか? ステルスモモ:それとも電話でおめでとう言われたいっすか? 紫炎姫:えっと… 紫炎姫:ねぇ、モモ? ステルスモモ:はいはい、なんすか? 紫炎姫:今日、 紫炎姫:今日、この後暇だったりしない? ステルスモモ:暇してるっすよ― 紫炎姫:良かった… 紫炎姫:だったら、付き合って欲しいの ステルスモモ:了解っす、元々お誕生日チャットの為に予定空けておいt 紫炎姫:そうじゃなくって 紫炎姫:付き合って欲しいの 紫炎姫:日中の間だけでいいから ステルスモモ: ステルスモモ:え 紫炎姫:…ダメ? ステルスモモ:え ステルスモモ:その、 紫炎姫:…嫌なら無理はしなくていいから ステルスモモ: ステルスモモ:ダメ、 ステルスモモ:じゃないっすけど、えっと、 ステルスモモ:今日の日中の間だけ限定なら、、っすよ? 紫炎姫:よかった… ステルスモモ:むらさきさん、、 紫炎姫:これで、 紫炎姫:これで誕生日オフ会という事に出来る…! ステルスモモ: ステルスモモ:え? ~ 酢だこ:のどちゃん誘ったら断られちゃったじぇ~… 酢だこ:やっぱ咲ちゃんが誘ったらよかったんだじょ~… みやながさき:わたしがさそってもいっしょだって 酢だこ:そんな事はないじぇ! 酢だこ:咲ちゃんが頼めば『大切な用事』とやらより優先させた筈だじぇ!! みやながさき:まぁまぁ みやながさき:でも、わたしたちはこのあとどこにでかけるの? 酢だこ:それは勿論! 酢だこ:『緊急開催!タコス大食い大会!!』の参加に決まってるじぇ!! みやながさき: 酢だこ:優勝賞品はタコス1年分(※賞味期限 お早めにお召し上がり下さい 酢だこ:さぁ、咲ちゃんはりきって行くじぇ!! みやながさき: みやながさき:ごめんなさい、わたしちょっとようじが ~ number:藤田、映画でも観に行かねぇか 特盛カツ丼: 特盛カツ丼:え? number:…嫌だったら無理にとは言わねぇよ number:こんな爺と映画観に言っても楽しくもねぇだろうしな… 特盛カツ丼:あ、いえそんな! 特盛カツ丼:ぜひご一緒させていただきます! number:そうか number:観る映画は今やってる映画の…なんかスゲぇCGのアクション巨編のやつだ 特盛カツ丼: 特盛カツ丼:日本語吹き替えに瑞原さんが参加してるアレですか number:あぁ、それそれ number:…ひょっとしてもう観ちまったか? 特盛カツ丼:いえ、まだです… 特盛カツ丼:映画の前売券は持ってたりしますけど、、、、 number:あー… number:そしたら結局一枚余らせちまうな… 特盛カツ丼:? number:…数絵がよ、観たそうにしてたんだよ number:だからチケット取って、今日誘おうとしたんだが number:『智紀さんの所に行ってきますね』 number:って、朝もはよから出てっちまってよ… 特盛カツ丼:…… number:昔はさ、おじいさまおじいさまって、そりゃあ一番懐いてくれてたのになぁ 特盛カツ丼:…… ~ 紫炎姫:本当モモがいてくれて良かった… ステルスモモ: そんなこんなな話 ……… ともきーは レベル17に あがった! さいだいHPが 1ポイント あがった! さいだいMPが 15ポイント あがった! ちからが 1ポイント あがった! すばやさが 3ポイント さがった! たいりょくが 2ポイント あがった! かしこさは これいじょうあがらない! うんのよさが 10ポイント さがった! モモの こうかんどが 30ポイント さがった! のどっちの こうかんどは これいじょうあがらない! なんは゛の こうかんどは これいじょうあがらない! ひとづきあいを 1つ おぼえた! モモは プレゼントを もっていた! ともきーは プレゼントを あけた! なんと リストレストを みつけた! のどっちは プレゼントを もっていた! しかし このばでは あけることができないようだ! なんは゛は プレゼントを もっていた! しかし このばでは あけることができないようだ! ……… いやはや。 ともきーの OP(おもちポイント)が 3センチあがった -- 名無しさん (2013-03-10 21 30 23) みー汰:ちょっと誕生日迎えてきますね -- 名無しさん (2013-03-11 07 52 31) なんばが なかまになりたそうに こちらをみている -- 名無しさん (2013-03-12 00 03 45) みー汰となんばの OPは これいじょうあg(ry -- 名無しさん (2013-03-17 00 28 45) 名前 コメント