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シナリオ 未頒布 茶越きよか 配信 クリック/タップで詳細 GM:茶越きよか 21/02/05 【TRPG】セッション配信「屍人は彼女の名を呼ぶか」【#配信のアニマアニムス】
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/ / / . . /l . . . . . l ,. ' / / ;/ ;ィ . . /´l . . l . . . .. . !. / / { /j / l .. / l .. l l .. '、 / ;;イ '; /´l /`゙7 / l ハ j . / / / l∨_リ- / / | l‐1 / / / /. / l ヘニ=ニミl / l j__! /l / / .ノ ;ィ | 1 / ,l /ニ=jニミ,! / //./ { """ ! / , l j ノ / ;イ ;イ ト. /"´ / ヽ '、 l / ' l / """ '´ / / } j. / ',`` l' i ! / / / ノ /. / ;イ ヽ {">'''ー 、 _ l' /;;;ィ /'´ル' .よくわかんないけどホームラン打ってくればいいんですね! l / j;イ / ヽ ∨ ノ '"´/ / ; { l / , イ /! ;イ ヽ 丶 _/ _/ ;ィ ノ ハ ! 行ってきます! ′ l / l / j / 丶 `二 / r/ ; '//ィ / リ ヽ∨ /´ /´ l ヽ _ - ''´/ // ;;-'´/イ/´/′ ヽヽ /l  ̄ / /jィ´ レ/ / _ -―― ヘヽ ノ | / / <_ `7ノ丶【シン・アスカ】 右投左打━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓【Status】 性別: 男性 学年: 1(アリスが2年生の時) 守備位置: ショート (ファースト)ミート: C パワー: B 走力: D 肩力: B 守備: C+ 捕球: C────────────────────────────────────────|【Profile】 野球脳はないが、勉強はそれなりにできる。迷いのないスイングが魅力。 ハム太郎OPが彼のテーマソング。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ +初期データ ミート: G(16) パワー: B(72) 走力: F(34) 肩力: B(70) 守備: C+(65) 捕球: F(34) +TIPS ┌──────────‐ T I P S ―――――――――─────‐┐| ー――――――――." || ||...長打と強肩が売りの大型内野手。 ||...ちょくちょくポカミスをするが、それが少なくなれば立派な主軸の1角。 || ||...打撃は完全に引っ張り専門のプルヒッター。 ||...初球から振り回すタイプの為、勿論三振は多いし四球は少ない。 │| ||...ただヴィクターと違うのは彼女は割と計算でやってるのに対してシンは完全に素。 ||...三振の山を築いても翌日にはケロリとしている。 ||...良く言えばポジティブ、悪くいえば単純。 || ||...モデル選手は池山隆寛(元ヤクルト)。 || 2スレ目4062 |└──────────────────────────―――――――――‐.┘ +プロット上での役割 シン・アスカ。役割は「強肩強打のショート」。俊足巧打のギャル夫との差別化もあって、チームで一番ものを考えずに動く子。大体打席でフルスイングして三振の山と長打を打つ。でもいつも笑顔。やったぜ。イベントでは走力が伸びやすい。うん、そもそも技術能力伸びづらい子です。細かい事苦手なんで。普段の生活では割と頭も使えるし、成績は赤点は取らないけど彼はホントに野球脳はない。 (3スレ目7715) +鑑賞会 この流れでですか……いや。 どうせやりますけどね……。 【ジャンル的にはノーマルかニッチか?】 ノーマル ← 【1D100 44】 → ニッチ 【アニメ系かリアル系か】 2次 ← 【1D100 53】 → 3次 【年齢的には?】 ロリ ← 【1D100 30】 → 年配 【おうちのねこちゃんあずにゃん編】 備考:モデルは池山隆寛選手。
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ーーーーー よくじつ! 憂「お姉ちゃん、調子はどう?」 唯「……」 憂「…学校にはお休みするって連絡入れておくね」 憂「じゃあゴハンはテーブルに置いてあるから。何かあったらすぐに電話してね」 憂「…それじゃあ行ってくるから」 唯「…うい」 憂「なぁにお姉ちゃん?」 唯「…ありがとう」 憂「いいえ、お姉ちゃんも早く良くなってね」 ガチャ バタン 唯「…ごめんね、憂」 ーーーーー つうがくろ! 憂「(お姉ちゃん、大丈夫かなぁ…)」 憂「あっ、和さん。おはようございます」 和「あ…」 憂「どうかしました?」 和「何でもないわ。おはよう憂」 和「悪いけど生徒会の仕事があるから先に行ってるわね」 憂「え?はい」 憂「(和ちゃん、今日はお姉ちゃんと一緒じゃないのに何も聞いてこなかった…)」 憂「(やっぱりお姉ちゃんと何かあったの?)」 ーーーーー がっこう! さわ子「昨日、掃除の時間に一階のトイレの鏡が割られているのが見付かりました」 さわ子「掃除用のモップで故意的に割られていたようです」 さわ子「まあ、あなた達は大丈夫だと思うけど、こういった行為のないように」 「はーい!」 さわ子「それと今日平沢さんは欠席だそうです。あなた達も受験生だから体調管理はしっかりね」 和「………」 ーーーーー ひらさわけ! 唯「(学校さぼっちゃったなぁ)」 唯「(もうまともに和ちゃんに会えないよ)」グスッ 唯「(でもこんなんじゃダメだよね…みんなに、憂にも迷惑かけちゃうし)」 唯「(うん!私はお姉ちゃんなんだから、もっとしっかりしなきゃ)」 ガチャ 憂「ただいま」 唯「うい~、おかえりー!」 憂「お、お姉ちゃん、もう大丈夫なの?」 唯「うん!もうすっかり元気!これも憂のおかげだよ~」 憂「……」 唯「あれ?どうしたの?」 憂「…お姉ちゃん、和ちゃん来てるよ」 唯「えっ!」ビクッ 憂「…嘘」 唯「なっなんだぁ、おおおどかさないでよぉ」ドキドキ 憂「どうしてそんなに驚くの?」 憂「…あのねお姉ちゃん、もしかして和ちゃんと何かあったの?」 唯「そんな、あるわけないよ。何言ってるの憂」 憂「お姉ちゃんは和ちゃんのことが好きなんでしょ?」 唯「!?」 憂「そして和ちゃんもお姉ちゃんのことが好き」 唯「そんなことない」 憂「お願い、何があったのか話して。二人がその…好き同士っていうのは知ってるから」 唯「実は…」 ーーーーー 憂「じゃあやっぱり二人は付き合ってたんだね」 唯「ごめんね…秘密にしてて」 憂「いいんだよお姉ちゃん、気にしないで」 唯「私…憂も和ちゃんのこと好きだって知ってたから…」 憂「え…」 唯「だって姉妹だもん、わかるよそれくらい」 唯「憂は私なんかよりいい子だから、和ちゃんはきっと憂を選ぶと思っていたから」 唯「和ちゃんが私を選んでくれてすごく嬉しかった」 唯「それに憂に勝ったような気になって優越感さえ感じてた。ホント最低だよ…」 唯「でも憂に知られたら和ちゃんを取られちゃうんじゃないかって」 唯「憂はそんな悪い子じゃないのに…それなのに私…」ポロポロ 唯「だからバチが当たったんだよ」グスッ ギュウッ 唯「う、うい?」 憂「ごめんねお姉ちゃん…私も和ちゃんを好きになって」 唯「そんな…」 憂「実は日曜日、二人が…してるとこ見ちゃったんだ」 唯「う?えぇぇぇええ!?ちょ、ちょっとういぃ///」 憂「その時すごく悲しかった。でもそれ以上に訳分かんなくなって、心臓がすごくバクバクして、頭に血が上って」 憂「お姉ちゃん達がたまらなく憎かった」ボソッ 唯「!?」 憂「私はお姉ちゃんが思うほどいい子なんかじゃない」 憂「大好きなお姉ちゃんと和ちゃんのはずなのにこんな感情…私は悪い子なんだよ」 唯「そんなこと…」 憂「ううん」グスッ 憂「ごめんねお姉ちゃん…本当にごめんなさい…もう平気だから」ポロポロ 唯「うい…」ギュッ ーーーーー 憂「お姉ちゃん、もう大丈夫だよ」 唯「うん…」 憂「でもどうしたの?和ちゃんと喧嘩でもしちゃったの?」 唯「ううん…もう別れたんだ」 憂「えっ?どうして…」 唯「実は純ちゃんにバレちゃって…」 憂「純ちゃんが!?」 唯「うん…このままじゃ学校中に知れ渡るのも時間の問題だし、そしたら和ちゃんに迷惑かけちゃうから」 唯「だから別れた方がいいって、純ちゃんが教えてくれたんだ」 憂「そんな…純ちゃんなんで」 唯「違うの!純ちゃんは忠告してくれただけだから、だから、ね?」 憂「……(純ちゃん…)」ギリッ ーーーーー よくじつ! 純「あ、おはよう憂」 憂「おはよう純ちゃん」 純「そういえばさー、唯先輩と真鍋先輩、別れたらしいよ」 憂「うん、お姉ちゃんに聞いたよ。全部…」 純「そうなんだ。まぁ二人の愛なんてそんなもんだったんだよ」 純「そこで真鍋先輩はフリーな訳じゃん。今なら パシッ!! 純「っ!」 憂「純ちゃん、本気で言ってるの?」 純「な、何よ憂。せっかくの別れたんだしチャンスじゃん」 憂「お姉ちゃんに全部聞いたって言ってるんだよ?純ちゃんのことも」 純「えっ、それは 憂「今の純ちゃんは本当に最低だよ!お姉ちゃんや和ちゃんをあんなに傷つけて」 憂「それで何を言い出すと思えば…信じらんない!!」 純「っ!?」 純「…私だって、私だって好きな人には幸せになってもらいたいのよ!」 憂「何言ってんの!意味わかんないよ!!」 純「わっかんないかなぁ!」 憂「わかんないよ!!」 純「っ…ばか!!!」 タッタッタッ 憂「あっ、純ちゃん!!」 ーーーーー ハァ、ハァ… 純「(憂、すごい怒ってた)」 純「ははっ…ほっぺた、痛いなぁ」 純「(やっぱり私、間違ってた?…当たり前か)」ジワッ 和「あら?あなたは憂の友達の」 純「あっ…」 和「どうしたの?その、泣いてるみたいだけど大丈夫?」 純「これは、その」 和「ほら可愛い顔が台無しよ。これで涙ふいて」 純「なんで、なんで先輩はそんなに優しいんですか…」ポロポロ、ヒック 和「ちょっと、どうしたのよ?」 純「わ゛―ん、ばなう゛ぇぜんぶぁーい!!ごべんな゛ざーい!!」ダキッ 和「ちょちょ///一体なんなのよ///」 ーーーーー 和「…落ち着いたかしら?」 純「はい、すみませんでした」 和「で?一体なにがあったの?」 純「先輩、本当にすみませんでした!!」ドゲザ 和「ちょっとやめてよ!意味がわからないわ!」 純「実は唯先輩に真鍋先輩と別れるようにお願いしたんです!」 和「!?」 純「…私が言っちゃダメなことかもしれませんが、憂は先輩のことが好きだったんです」 和「えぇ!う、憂が!?」 純「でも憂は二人が幸せならそれで良いって言うんですよ。好きな人が幸せならそれで良いって…」 和「…憂」 純「でも私は納得できなかった。憂だって平気じゃないはずなのに、憂だって幸せになっていいはずなのに!」 純「好きな人には幸せになって欲しい!笑っていて欲しい!私だってそう思う!だから!」 和「…(この子…そういうことね)」 和「鈴木さん、目を閉じて歯を食いしばりなさい」 純「!…はい」 ペチッ 純「あいたっ!ってデコピン!?」 和「確かに唯にヒドイことを言ったのは許しがたいけど、その行動にはそれなりの理由があったみたいだしね」 純「すみませんでした…」 和「謝る相手は私じゃないわ。唯と、それに憂にもね」 純「はい…」 和「でも本当のこと、話してくれてありがとう。おかげでやるべきことがハッキリしたわ」 和「……」ポチポチ ピッ 和「もしもし、唯?」 和「…ちょっと話したいことがあるんだけど」 和「お願い、大事な話なの」 和「…えぇ、それじゃあ生徒会室で待ってるから」ピッ 純「あの、その…ホントにすみませんでした。私もこれからは二人のこと応援します!」 和「そうなんだ、じゃあ私、生徒会室行くね」ニコッ 和「それと鈴木さん、あなたもがんばりなさい」フフフッ 純「えぇ?あ…はぃ///」 ーーーーー せいとかいしつ! ガラガラ 和「唯、来てくれたのね」 唯「うん…」 和「鈴木さんから話は聞いたわ」 唯「あっ…」 和「唯、私はあなたの本当の気持ちを知りたいの」 和「私は唯のことが好き」 唯「…やっぱりだめだよ和ちゃん、みんなにバレたら」 唯「それに…(憂だって…)」 唯「和ちゃんは私なんかといちゃダメなんだよ。きっと誰も幸せになれない」 唯「だから今まで通りでいよ…ね?」 和「………」スゥ 和「それでも私は平沢唯を愛しています!!」 唯「!!」ビクッ 和「世間体なんて知らない!」 和「私だって…小学校から唯のことずっと、ずーっと好きだったんだもの!」 唯「えっ…」 和「はぁ、はぁ…」 和「だから…私の恋人になってくれませんか?」 唯「うぅ…ぐすっ…はい!」ニコッ 唯「私も真鍋和をずっと、ずーっと愛してます!」ポロポロ 和「唯…もう放したりしないわ」ギュッ 唯「ヒック、ごべんね、のどがぢゃん」ジュルジュル 和「いいのよ。ほら、鼻かんで」 唯「う゛ん」チーンッ 和「にしても、平沢姉妹の両方から愛されていたなんて、私は幸せものね」クスッ 唯「えぇぇええ!?なんでういが和ちゃんのこと好きだったって知ってるの!?」 和「あっ、それは…内緒よ」 唯「でも憂は…私たちのこと祝福してくれるかなぁ…」 和「えぇ、きっと大丈夫。それにあの子には強い味方がついてるもの」フフッ 唯「強い味方ぁ?」 和「そっ」ニコッ ーーーーー よくじつ! 純「その、こないだはホントにごめん…」 憂「ううん、私の方こそ…。それに和さんに本当のこと話してくれたんでしょ?」 純「うん…私ってば何にもわかってなかったよ。唯先輩にもヒドイこと…」 憂「…大丈夫、きっとお姉ちゃんも許してくれるよ」 純「でも…私…なんて言ったら…」ジワッ ギュッ 純「!」 憂「心配しないで。私も一緒に謝ってあげるから、ね?」 純「なんで…憂は悪くないじゃん」 憂「ううん、純ちゃんは私の大事な親友だもん」 純「憂…ありがとう。ほんとにごめんね」 純「大丈夫、気にしないで」ニコッ 純「…あ、あのさぁ、お詫びにって訳じゃないんだけど、今度どっか遊びにいかない?こないだのダメになっちゃったしさ」 憂「あ、そうだった。じゃあ梓ちゃんにも 純「えっと、その…たまには、二人で行かない?…久々にさ」 憂「…二人だけで?」 純「………やっ、やっぱ梓も 憂「そうだね。じゃあ二人で行こっか、久しぶりにだし」ニコッ 純「だよね……って、あれ?」 憂「梓ちゃんにはナイショだね」チロッ 純「憂~!」 憂「これからもよろしくね、純ちゃん」ニコッ 純「うん!」 おしまい 戻る あとがき 後半かなりやっつけですね。 名前欄はなんというか申し訳なかった。 とりあえずこれで完結ってことで。 風子ちゃんネタは昔書いてるから良ければそちらをどうぞ。 支援、保守して頂いた方々ありがとうございました。 またなんか思いついたら。
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【ミリマス】彼女の手本は星井美希 執筆開始日時 2018/11/23 元スレURL https //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1542901612 概要 『伊吹翼、アイドル十四歳。彼女は筋金入りの気分屋である』 === そもそも我らが765プロにおいて、気分屋とは困ったちゃんの別称としても用いられている言葉だった。 幾つか例をあげてみれば、行動の前には屁理屈をこねて意見をする、責任感の所在が不明、 面倒くささから練習も遅刻を繰り返し、興味が持てない仕事にはサッパリその身は引き締まらず、 やる気を出させるにはいつでもなだめすかしの一工夫が必要等等々……。 これらを踏まえて先の紹介を今一度繰り返せば、『伊吹翼は筋金入りの困ったちゃん』だと訳することもできるだろう。 思わず「参りました」と頭を抱えたくなってしまうような、手のかかる少女をまとめて表す言葉が"気分屋"と。 もしもこれだけを伝えられたならば、気分屋とは全くもって不名誉極まりない称号である。 が、私個人はしばしばこの言葉に別の意味を持たせて使うこともあった。 タグ ^星井美希 ^伊吹翼 ^佐竹美奈子 ^福田のり子 まとめサイト アイマスSSまとめサイト 456P えすえすゲー速報 エレファント速報 おかしくねーしSSまとめ プロデューサーさんっ!SSですよ、SS! ポチッとSS!! SSまとめ SSでレッツゴー SSびより SS 森きのこ! SS2chLog YomiCom wiki内他頁検索用 ほのぼの ミリオンライブ 伊吹翼 作者◆Xz5sQ/W/66氏 星井美希 誕生日
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彼女の意思を継いで僕は……◆xncBWD4TMo ザクッ、ザクッ、ザクッ……。 神社の本殿のわきにある土場。乾いた土が次から次へと削り取られる音が聞こえる。 ただでさえ木々が生い茂り薄暗い空間、その薄闇の中でリンクはひたすら穴を掘っていた。 何のための穴か、といわれれば言うまでもない。 「ごめんね……ごめんね……梨花、ちゃん……」 本殿に偶然置いてあったスコップを土壌に差しながら、悲痛な面持ちでリンクは呟く。 リンクのそばにある縁側には、さっきまで元気な笑顔を見せていたはずの梨花が横たわっていた。 ジェダに対抗できる勢力が徐々に集まりつつある現状に希望を見出していた梨花。 彼女は辛い現実と向き合いつつも、決してめげることなくいつも活気に満ちた笑みを浮かべていた。 その笑顔にリンク自身、何度も心洗われただろう。 梨花はもう動かない。もう何も喋らない。 「にぱー」と言いながら満面の笑みを浮かべる彼女の顔は、もう見られない。 夜の空気に晒されてすっかり冷たくなってしまった梨花の体は、二度と温もりを帯びることは無い。 自分が守ると誓った少女が、あまりにもあっけなく死んでしまった。 それがリンクにとって、悔しくてたまらなかった。 ただ悔しいだけならまだよかった。 乱太郎の時のように殺し合いに乗った人物に襲われて、決死の想いで挑んだけれども結局救えなかったのなら、納得いかずとも踏ん切りがついたのかもしれない。 自分の力量不足が原因で悲しい結末を迎えてしまったのだから、潔く諦める他無かっただろう。 それ以上望みのある展開など無かったのだから。 だが、今回の場合は違う。明らかに自分の判断ミスによるものだ。 インデックス達が去った後、武器を探しに祭具殿へ行かず、先にエヴァの存在を確かめていれば。 馴染みのある建築物だからと単身で鍵を探そうとした梨花に無理にでも同行していれば。 ……まだ幼くか弱い梨花に代わって、幾度となく身辺の危機を経験してきた自分がしっかりしていれば。 哀の時もそうだったが、自分は結局何も出来なかった。 「あのとき僕がついて行けば梨花ちゃんは……糞っ!!」 激情のままにスコップを地面に突き立てる。スコップを握る手がぶるぶると震える。 怒りは専ら、自分に対して、だ。 当然、梨花を殺したエヴァも憎いが、それ以上にリンクは己の愚行が許せなかった。 一瞬の気の緩みがその後の悲劇を導く、ここはそんな世界だったのに。 リンク自身もそのことに関しては十分理解していたはずなのに。 梨花を残すことがどれほど危険なのか、先の一休との戦闘で身を持って体感したはずなのに――――――。 絶えずこみ上げてくる自責の念に捕らわれながらも、リンクはようやく穴を掘り終えた。 それは少女一人がすっぽり埋まってしまうであろう、小さな穴だった。 土で汚れた衣服には目もくれず、リンクは最早動かない梨花の方へと歩み寄る。 その小さい手を握ると、とてもとても冷たかった。 その冷たい感触に触発され、リンクの体はまた悲しみに震える。 やりきれない想いがうずうずと募り、再びリンクの心を蝕んでいく。 やっても意味の無い仮定を繰り返しながらも、リンクは現実の非情さを忘れられない。 決して救えないわけではなかった少女の亡骸を見つめ、 「ごめん……ね」 リンクはただ謝ることしかできなかった。 それだって意味の無い謝罪だと分かっていても。 改めて梨花の死を認識し、リンクはまたむせび泣いた。 * * 梨花を埋葬した後、リンクは祭具殿の前に立っていた。 梨花が最後にやろうとしていたこと。この中にあると思われる武器を手に入れるためだ。 扉には南京錠が掛かっていたが、その鍵と思しきものは既に手中にある。 本殿の中を必死に探し回ったあげく、とある部屋の引き出しの中から発見したものだ。 この鍵が祭具殿を開けるためのものだという保証は勿論なかったが、他にそれらしきものも見当たらなかった。 これがダメならまた神社内を探す羽目になる。 最悪、エヴァが持っていたランドセルに入っていた爆弾を使って強引に開けることも考えていたが……その心配は杞憂に終わった。 錠前に鍵を差込み回すと、カチャッと音が鳴り、難なく外れたのだ。 「この中に武器が……」 扉を開けずとも感じられる威圧感。 それはちょうど、ボス部屋に続く道を開いた時に感じるものとどこかしら酷似していた。 初めてデクの樹サマの中に潜んでいたゴーマと対峙した時なんかは、相手の未知なる力に酷く恐れをなしたものだ。 今の心境もそれと似たようなものだっただろうか。 別にこの中にモンスターが潜んでいるわけでもないのに。 固唾を呑みつつ、リンクは祭具殿の扉に手をかける。 ギイと板が軋む音が響き渡り、薄闇の中に更なる闇が顔を出す。 中は真っ暗で何も見えない。当然と言えば当然だが。 後ろ手に扉を閉める前にランドセルから懐中電灯を取り出し、神聖なるこの建物の内部を照らし出す。 「うわ、大きいな……」 明かりの先にまず浮かび上がったもの、それは巨大な金色の像だった。 魂の神殿にあった巨大邪神像ほど大きくはないが、その荘厳たる立ち振る舞いには禍々しさまで感じられる。 「これが梨花ちゃんの言ってた、オヤシロ様……かな」 梨花と出会った頃になんとなくしていた他愛も無い会話を思い出す。 なんでも梨花は古手神社の巫女を務めていたらしく、その神社ではオヤシロ様なるご神体が祭られていたんだとか。 その時は神社というものがどんなものなのかリンクにはあまりピンと来なかったが、要は自分の世界で言う神殿のようなものだ。 マスターソードを通して大人の体に成長した後、ハイラル各地の様々な神殿に赴いた経験を持つリンクには概ね想像はつく。 神社の巫女、それは自分の世界で言う神殿を守る賢者に当たるのだろうか、とリンクは思っていた。 本当は外に出たいけれども、神殿を守るという重要な仕事のため、それが一切出来ない。 梨花の場合は外に出られたみたいだが、それでも自分のやるべきことは決して怠ってはならなかっただろう。 まだこんなに幼いのにサリアやダルニアのような凄い使命を担っていたんだなあ、とリンクは感心したものだ。 「それなのに……それなのに僕はっ!!」 ぎり、と無意識に拳を握り締める。 リンクの世界にいた賢者達は誰一人欠けることなくその使命を果たしてくれた。 サリアも、ダルニアも、ルトも……皆まだ生きている。だからハイラルの平和も保たれている。 だけど、梨花の世界ではどうだろう? 神社の守り手としてはたらいていた梨花がいなくなった今、とんでもないことになっているかもしれない。 邪悪なる魔の力が蔓延し、大勢の人々が苦しみ嘆いているのかもしれない。 リンクの世界で言えば、かつてガノンドロフに支配されたコキリの森のように、ゴロンシティのように、ゾーラの里のように――――。 自分は梨花を助けられなかっただけでなく、梨花の住んでいた世界をも破滅に追い込んでしまったのではないか? 「だめだ、こんなことばかり考えてちゃ……」 頭を左右にぶんぶん振り、ネガティブな思考を振り払う。 罪の意識を痛いほど感じるも、今はぐずぐずしている場合ではない。 自分は梨花の意思を継がなきゃいけないのだから。 もう二度と梨花のような過ちを繰り返さないためにも。 それに……武器を探し出して一刻も早くここを出たかった。 ここに居る限り、自分の心が罪悪感に呑まれて発狂してしまいそうだったから……。 祭具殿の奥に行くと、なにやら色んな物が散布されていた。 懐中電灯で照らしてみると、どうやら梨花の言っていた通り、武器に使えるもののようだ。 鉄製の斧や、金属バット、先端が尖った鉈、所々錆付いた鉄パイプ、などなど……。 中にはリンクが見たことの無いような異質の代物も含まれていた。 どうしてこんなものが神を祭るための施設に納められているのか甚だ疑問だったが、リンクは敢えて考えなかった。 いや、考えたくなかったのだが、しかし新たに視界に飛び込んできたものを見て思わず息を呑んだ。 「これって、まさか……」 そこに在ったのは人型に模られた板、いわゆる貼り付け台のようなもの。 四足を拘束して身動きできなくした後で見るに耐えない拷問を加えるための。 リンクもこのテの処刑道具は一度見た事があるから分かる。 カカリコ村の井戸の底、そして闇の神殿の中に茫洋と広がっていた暗黒の世界。 鎖、牢屋、鉄格子、手錠。それは人を痛めつけるためだけに使われた空間。 木製の十字架におびただしい量の血痕が残っていた光景は、今なおリンクの脳裏に焼きついている。 「どうしてこんなものが、まさか梨花ちゃんは……いや、そんなはずないか」 一瞬頭に浮かんだ事を、すぐに否定する。 梨花がこんな人道に反する野蛮な行為をするわけがない。 神社の巫女という大層な役目があったとはいえ、梨花はまだいたいけで純粋な少女だったはずだ。 哀の死を間近に感じ、高町なのはにあからさまな怒りをぶつけていた梨花が、拷問紛いの処刑なんてするわけがない。 それによくよく考えれば、ここはリンクや梨花が住んでいた世界とは明らかに違う世界なのだ。 梨花曰く、この神社は梨花の知る古手神社とそっくりの構造をしていたようである。 だが、それはあくまでも見た目だけだという可能性もある。 外観は似ていても、細部まで全く似ているとは限らない。 あのジェダのことだ、大方この神社を模倣する際に祭具殿の中にあったものを一新していたのだろう。 そして殺し合いがスムーズに行われるように、このような武器までご丁寧に配置していたのだ。 さらには本来ありもしない拷問道具も添えておき、参加者に恐怖感を植え付ける。 ジェダならやりかねないことだ。 何故わざわざ古手神社のコピーを造る必要があったのかは皆目検討がつかなかったが。 梨花の言っていた武器がどんなものだったのかは最早知る由もないが、少なくともこんな非道極まりないものではないだろう、とリンクは結論付ける。 いや、武器に非道もなにもないとは思うが、仮にも神を祭るための建物である。 もっとこう……神殿を守る守護者が使うそれ専用的なものだと思っていた。 そして……同時にジェダに対する憤りも沸々と湧いてきた。 梨花にとっておそらく最も大切な場所であった古手神社の祭具殿を、こんな処刑場じみた恐ろしいものにすり替えたことが許せなかった。 ジェダのあくどさは重々承知していたが、嫌がらせにも程がある。 とはいえ、今此処にいないジェダに対して延々と憎しみの念を増幅させても仕方が無い。 リンクは自分の使えそうな武器をいくつか回収し、それらをランドセルに仕舞い込むと、足早に祭具殿から抜け出した。 念のため鍵を掛けておき、中にあったものを今一度封印しておく。 もうこの中には入りたくない。ついでに言えば他の誰にも入って欲しくない。 ――――中にあるものを誰にも見られたくなかった。 * * 祭具殿を出た僕は再び神社の本殿へと赴き、とある一室に潜んでいた。 特に何をするわけでもない。今僕がすべきことは、ニケやインデックス達が帰ってくるのをひたすら待つのみ。 支給品の整理も、祭具殿で手に入れた武器の使い方の把握も、ばっちり終えている。 部屋の中は物音一つしない静寂に包まれていて真っ暗だけど、窓から外の様子なら分かる。 境内に誰か入れば、容易くその存在が確認できるだろう。 念のため左手に祭具殿で手に入れた斧を握りしめ、僕は外の様子を休むことなく監視していた。 背中の痛みも、もうほとんど感じない。いざとなれば、僕はいつだって戦える。 …………梨花ちゃんのことは、確かに悔しい。 悔しいどころか、自分が情けなくも思えてくる。 自分で守ると誓っておきながら、結局梨花ちゃんを助けられなかったのだから。 でも、梨花ちゃんの死をいつまでも未練がましく反芻しているわけにはいかない。 もう起きてしまったことは変えられない。ここには時の歌なんて便利なものはないのだから。 僕は梨花ちゃんの意思を継いで、このゲームを破壊しなければならない。 あのにっくきジェダを倒して、梨花ちゃんみたいな善良な子供達をみんな救い出さなければならない。 これは僕に課せられた新たなる使命だ。 ハイラルを救うことができた僕になら、きっとできる。いや、必ずやり遂げてみせる。 今の僕には武器もあるし、仲間だってまだ沢山生き残っている。 一休みたいな変質者が相手だろうと、ゲームに乗った人殺しが相手だろうと、僕は絶対に屈しない。 諦めたらそこで終わりだ。ゲームオーバーだ。この島で辛い思いをしたのは僕だけじゃない。 どんな辛苦にぶち当たっても、どんな悲劇に見舞われても、みんなそれを乗り越えて奮闘しているんだ。 僕も梨花ちゃんの死を潔く受け入れて、ゲーム破壊のために頑張らなくちゃいけないんだ。 前向きに考えよう。悲観的になってちゃダメだ。 希望は……まだ残っているんだから。 「それにしても、遅いな……」 思考を戻す。過去のいざこざについて耽るのはもう終わり。 今、神社を離れて活動している人達はどうしているだろうか。 梨花ちゃんを埋葬したり、祭具殿の鍵を探してあちこち奔走してたりしたもんだから、予想以上に時間が経っている。 それなのに、神社の境内には人っ子一人現れる気配もない。 インデックス達の方はともかく、学校に斥候しているはずのニケは距離的に近いこともあって、もうそろそろ戻ってきてもおかしくないはずだ。 アラストールも『すぐに帰ってくるだろう』と言っていたし……。 「まさか、何かあったんじゃ……!」 予感はいやでも悪いほうへと傾く。 もしかしたらゲームに乗った参加者に襲われて、戻ろうにも戻れない状況なのかもしれない。 それに学校は今火事になっているはずだ。逃げ遅れた人を偶然発見して、それを救出するのに時間が掛かっている可能性も否定できない。 だとしたら一刻も早く助けに行かなければ……。もう梨花ちゃんみたいな犠牲者は出したくないから。 でも、一方で単なるとり越し苦労だ、とも思う。 例えば学校で他の参加者と出会って情報交換でもしていれば、帰りが遅くなるのも頷ける。 もしそうだったなら、僕が神社を出てすぐに入れ違いで戻ってくることだってありうるだろう。 インデックス達の方も、もしかしたら今すぐにでも戻ってくるかもしれないし。 だったら僕はここに残ってみんなの帰りを待ってた方が―――― 『すぐに戻ってくるので心配しなくてもいいのですよ。この神社は僕の庭みたいなものなので任せてほしいのです』 「……待ってた方がいいなんて、そんなことあるかっ!!」 下手したら誰かが死ぬかもしれないのに? 冗談じゃない。 僕はもう同じ過ちは二度と犯さない。犯すわけにはいかないんだ。 入れ違いになるかもしれない? 確かにそうなることも考えられる。 けど、それがなんだ。人が死ぬのに比べれば入れ違いになることなんて大したことじゃない。 なに、そんなに遠くへ行くわけじゃないんだ。ちょっと確認して、何事も無ければすぐに戻ってくればいい。 予感が的中してニケ達が何か危険な目に遭っていたなら、加勢して片付ければいい。 律儀にずっとここで待ちぼうけしている必要なんて、全くない。 僕はすぐさま荷物を抱えて部屋を飛び出した。もう、いてもたってもいられなかった。 僕はもう迷いはしない。助けるべき人がいれば、躊躇うことなくそこへ向かう。 何もしないで後悔するよりは、何かしてから後悔するほうがよっぽどマシだ。 自分の手で望みある未来に貢献できるなら、それを実行するのに越したことは無い。 本当に、何事も無ければいいんだけれど――――。 もし……、いや、『もし』なんて仮定は要らない。 いずれジェダを倒してこの世界を脱出したら、できることなら僕は梨花ちゃんの世界を訪れたいと思う。 梨花ちゃんは僕のせいで死んでしまったようなものだ。その事実はいつまでも僕の心に残るだろう。 だから、許してもらおうとは思わないけど、せめて梨花ちゃんの知り合いの人達に謝罪の言葉を言わせて欲しいんだ。 謝ったところで梨花ちゃんが戻ってくるわけじゃないけど……それでも僕は何もせずに終わらせることなんて出来ない。出来るわけがない。 それと、これは是非ともあって欲しくはないことだけど……。 もし梨花ちゃんの死が原因で梨花ちゃんの世界がとんでもない事態に巻き込まれていたら――――。 その時は僕がちゃんと責任をとって、梨花ちゃんの世界に平和を導いてみせる。 なんとしてでも。絶対に。 【C-4/古手神社入り口/1日目/夜】 【リンク(子供)@ゼルダの伝説 時のオカリナ】 [状態]:左太腿、右掌に裂傷(治療済み)、左肩に打撲 [装備]:勇者の拳@魔法陣グルグル、鉄製の斧 [道具]:基本支給品一式×5(食料一人分-1)、クロウカード『希望』@CCさくら、歩く教会の十字架@とある魔術の禁書目録 時限爆弾@ぱにぽに、じゃんけん札@サザエさん、エスパー錠とその鍵@絶対可憐チルドレン、 ふじおか@みなみけ(なんか汚れた)、5MeO-DIPT(24mg)、祭具殿にあった武器1~3つ程、祭具殿の鍵 [服装]:中世ファンタジーな布の服など。傷口に包帯。 [思考]:何事も無ければいいけど……。 第一行動方針:学校へ行き、ニケらの安否を確かめる。 第二行動方針:もし桜を見つけたら保護する。ニケたちに会ったらエヴァの伝言を伝える。 第三行動方針:祭具殿には出来ればもう入りたくない。 基本行動方針:ゲームを壊す。その後、できることなら梨花の世界へと赴き、梨花の知り合い達に謝罪したい。 参戦時期:エンディング後 [備考]:リンクが所持している祭具殿にあった他の武器が何なのかは次以降の書き手さんに任せます(少なくとも剣ではないと思われます)。 リンクは祭具殿の内部を詳しく調べていません。 ※斧はアニメで圭一が使っていたものをイメージしています。 ※神社の本殿のわきに古手梨花の死体が埋められています。 古手梨花の平常時の服は梨花の死体とともに埋められています。 ≪200 僕はあなたを殺します 時系列順に読む 203 いのち の ぬくもり(前編)≫ ≪201 星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician- 投下順に読む 203 いのち の ぬくもり(前編)≫ ≪188 破れた誓い、そして… リンクの登場SSを読む 224 そして僕にできるコト≫
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140 :無口なツンデレ:2010/07/14(水) 01 17 55 ID maRqDN9q ……彼女と もう少し打ち解けられないものかなぁ…… 僕は自販機にコインを投入しながら、そんなことを考えた。 生徒会書記である彼女は、同じ一年生でもご覧の通りな抜けてる僕と違って、仕事も卒なくミス無く無駄口も叩かず効率的にテキパキとこなすデキる女だった。 見た目だってそれを裏付けるように一部の隙も無く整えられた制服といい、きっちりと肩口で切りそろえた髪型といい、細いフレームの眼鏡越しの、クールなまなざしといい、日本人形 のように整った顔立ちのなかで崩された事を見たことがないクールな表情といい、まさに、氷の女とか、クールビューティーと言うのに相応しい。 でもそれだけに、無言でテキパキと行動しては周囲に威圧感を振りまいてしまう……周囲も何かあった時には頼りになるけど、普段は近寄りたいとは思わないし彼女も周囲に歩み寄ろうとしない。 そんな浮いた存在となってしまっていた。そんな彼女に対して僕は、何くれと話しかけるようにしてたんだ。 けど……最近になると、話しかけても言葉少なに返事してすぐそっぽを向いてしまうような、そんなことが多くなっている。 彼女は一人で何でもできるし実際一人でいることが多いし、ちょっかいかけてくる僕のことが煩わしいんだろうか? ……正直ヘコむよなぁ…… ごとん、と落ちてきた紙パックのジュースを拾い上げる。 そのジュースのパックを見つめながら、僕は思う。 でも、手伝ってくれてるんだよなぁ…… 今日の僕の居残りは、自分の自業自得だって言うのに… だから僕は、今日は一人で残って仕事をしていくつもりだった。 そこに彼女は、自ら協力を申し出てくれたんだ。 「……あなたがミスする事を織り込めなかったのは、私のミスだから」っていう お言葉つきだったけどね…… でもそれ以降、文句一つ言わないで、ずっと仕事を手伝ってくれてる。 正直、彼女の手助けなしだったら、僕はいつまでも見通しも立たないままに途方にくれるばかりだったろう。 …僕は…彼女が…好き…なんだよね。 僕は一度しまった財布を取り出すとコインを取り出した。 彼女は確か……お昼なんかによくアップルジュースを飲んでたっけ。 僕が生徒会役員室に戻ると……部屋の中から、香ばしい香りが漂ってきた。 141 :無口なツンデレ:2010/07/14(水) 01 20 14 ID maRqDN9q 見ると……彼女はマグカップを両手で包み込むようにもって、息を吹きかけてコーヒーを冷ましてるところだった。 そして横目にちらりと僕を見ると“おかえり”とだけ声をかける。 「 あ、うん、ただいま……」 僕はとっさに、買ってきたアップルジュースを背後に隠す。 あああああ、なんていうか、間が悪い…… 微妙にヘコんだ心境のままで、僕は自分の席に向かって……そして気付いた。 僕の机の上にも、暖かな湯気を上げるコーヒーの入ったマグカップが一つ、置かれてた。 これ……彼女が淹れてくれたのかな? 思わず彼女のほうに目をやるとその視線に気づいたのか、彼女も視線を上げて。 「 ……ついで だったから」 そういうと、すぐに視線を伏せて、またコーヒーに息を吹きかけ始める。 ……改めてみるその仕草がなんだか子供っぽくて、彼女のイメージとのギャップで思わず小さく噴出してしまった。 「……なによ?」 「ああ、ごめんごめん、なんでもない」 再び顔を上げて睨みつけるように言う彼女に、僕はにやつく口元をごまかすように口早に答える。 「コーヒーありがとう、そのお返しって訳じゃないけど」 ある種のプレッシャーから開放された僕は、後ろ手に持っていたアップルジュースのパックを彼女の机の上に置く。 「 差し入れ、手伝ってくれてありがとう」 彼女は弾かれたように顔を上げた、その目が、僅かに見開かれている……いや そんなに驚かなくても…… そして彼女は、何度か僕の顔とジュース を見比べてから… 「 ……あ……ありがとう」 そう呟くように言った彼女の表情は、伏目がちで、かすかに頬が染まっていて……今まで見たことがないくらいの、柔らかい表情だった。 それに、なんとなくドキマギしてしまう……可愛い…好きだ。 室内にコーヒーの香りと沈黙だけが満ちる――― 彼女が上目遣いに僕を睨む。そして不安げに周囲を見回した。僕が彼女の肩に手を掛ける。びくっと震えながら、彼女は僕の顔をじっとみつめた。 「……キ、キスしていいか?」 僕は震える声で言った。 じっと僕の顔を睨む。否定の言葉が出ないのを肯定とうけとめ、僕はゆっくりと唇を彼女のそれに重ねた。 「……」 かち、かちかちっ。お互いの歯があたる。 142 :無口なツンデレ:2010/07/14(水) 01 23 18 ID maRqDN9q 僕の口も震えていたが、彼女の口も震えていた。その薄くて微妙な感触を味わう余裕もなく、僕は手を彼女の肩から そっと胸に動かした。 「……!」 びくっと彼女が震える。制服越しに触れた彼女の胸は、思ったより大きくて柔らかかった。僕は制服の隙間から手を差し込む。彼女の手が一瞬動いたが、すぐに手を僕の肩に伸ばしなおした。 ブラジャーの外し方がわからない。僕は焦って、そのままブラをずらして胸に触った。熱い。トクトクという彼女の脈が伝わる。 「……痛!」 小声で彼女が叫ぶ。思わず力を込めすぎたようで、僕は胸に触れた手を離した。 「ご、ごめん。その、初めてなもんで」 「……」 無言で彼女が僕を見つめる。しかし今度は、彼女から僕に抱きついて唇を重ねてきた。暖かいキス。僕は彼女の胸を再び注意深くもみ、そしてゆっくりと手をスカートの裾にすべりこませた。 「……!」 はあ、と彼女が息を呑む。僕の指が、布越しに彼女の秘部に触り少し湿っているそこを意外に思いながら、僕は布の上からでもわかる膨らみを軽く刺激する。 「……嫌」 くっと唇をかんで足を閉じる彼女。でも僕はそのまま布を横にずらし、隙間から指をねじ込んだ。ごそごそと茂みをかきわけ、熱いクレバスを指でなぞる。 「嫌!」 やや大きい声で彼女が叫んだ。しかし僕はそんな彼女の唇に三度キスをする。何かを言おうと開いた彼女の口に、僕はそつと舌を差し込んだ。熱い感触。甘い唾液。 彼女の強張った体が徐々に柔らかくなる。 「僕、もう挿れたい……」 「……」 唇を離して僕が囁く。お互いの唾液が蜘蛛の糸のようにつつっと二人の唇の間に結ばれる。ぷいっと彼女が顔をそらす。しかしその口からは、「……嫌」の言葉は聞こえなかった。 僕は彼女の下着をゆっくり脱がせた。焦って彼女の秘部をみてないのが残念だったが、僕もそのまま自分のズボンを脱ぎ、イチモツを取り出す。 僕の肩に手をかけ、彼女が覚悟を決めたように目を閉じる。僕は彼女の片足を持ち上げ、息子の位置を合わせながらゆっくりと彼女の中に固いイチモツを挿入した。 「……っ!」 彼女がぎりっと歯を食いしばる。なかなか入らなかった息子が、突然ずるりと彼女の中に入った。あまりの熱さ、そして狭さ。僕はしばらくその感触を味わっていた。 彼女は僕にしがみついてくる。 143 :無口なツンデレ:2010/07/14(水) 01 25 57 ID maRqDN9q 「……動くよ?」 「……」 ひいひいと息の音が聞こえる。しかし言葉は出なかった。僕はゆっくりと彼女の中からイチモツを抜いていく。そして8割方抜いたところで一旦とまり、再びゆっくり奥へ挿入し始めた。 彼女のしがみつく力が、挿入にあわせて強くなる。息の音が、いつの間にかひいひいからはあはあに変わっていた。そして。 「……好き」 耳元で囁くように彼女が言う。僕は一瞬動きを止めた。空耳かと思った。それぐらい小さく、短い言葉。 「……もう一度言ってくれるか?」 「……好き。好き……好き」 「……っ!」 不覚にも涙が出た。ぐっと彼女の中に深く差し込む。そしてその熱さと狭さに、僕は思わず精を彼女の奥深くで発射した。 そのまましばらく僕たちは抱き合っていた。離れる前にもう一度キスをする。そして僕はゆっくりと彼女の中に入っていた息子を抜いた。 彼女の秘部からは、赤い血と僕の精液がこぼれている。それをみて、スカートが汚れないよう裾をめくりながら彼女が涙目で僕を見つめた。 「ああ、ごめん。つい暴走しちゃって」 「……莫迦」 「なあ……もう一度、好きって言ってくれないか?」 「……嫌」 「どうして?」 問いかける僕に、彼女がそっと唇を重ねた。熱い感触。甘い唾液。 それは言葉よりも雄弁に、彼女の心を僕に伝えていた。
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彼女達の物語 ◆MmI69YO1U6 人が、死んだ。 こうやって口に出してしまえば、不思議と空気に溶けてしまう。 ただの言葉な筈のそれは、空へ溶けてしまってもずっと、心を縛り付けるくらい、重たい。 想像してしまうだけで、ずぶずぶと暗い何かに意識が沈んでしまうようで。 背後から迫ってくるような恐怖感をふるりと体を揺すって考えないようにする。 本当の本当に当たり前のお話で、今更言うようなことじゃないけれど。 命は尊くて、大切なモノだ。 何にも変えられない、大切なモノ。 失うなんて出来ない、大切なモノ。 アイドルとか、プロデューサーとか、そんな立場なんて関係なく。 お金持ちも、貧乏な人も、そんな付加価値なんて関係ない。 誰もみんな命が大切で――死んでしまうのは、怖い。 死ぬ、ということは命が消えてしまうということ。 命が消えてしまったら、もう何も、ない。 死んでしまったら、命が失われてしまったら、全部が終わり。 誰かと喜んで、笑顔になることも出来ない。 誰かに怒って、喧嘩をすることも出来ない。 誰かを哀しんで、涙を流すことも出来ない。 誰かで楽しんで、怒られることも出来ない。 死んでしまったら全部全部、おしまい。 思い出や、絆、或いは血縁関係や、そんなものを超えた感情。 後に残されるであろう誰かには、そんな、自分が生きていた証が刻まれるのかもしれない。 でも、死んでしまった人には何も残らない。 これまで誰かと共に創り上げた笑顔も。 これから誰かと共に上っていく舞台も。 過去と未来が別け隔てなく、失われてしまう。 だから、死ぬのは、怖い。 無くなってしまうのは、怖い。 無かったことになってしまうのは、怖い。 言葉にしなくても、心の底ではそんな当たり前が存在していて。 他の皆にも、当たり前が確かにあるんだって思っていて。 『……う……そ……なんで……なんで……死ななきゃならないのよぉ!?!?』 けれど、その命は呆気無く、いとも簡単に、容易く失われてしまった。 お腹が空いたからご飯を食べるくらいの気軽さで、人が、死んだ。 目の前で、当たり前は当たり前じゃなくなった。 ――認めたくなんて、ない。 それを認めてしまったら、 それが当たり前になってしまったら、 そしたら、きっと―――― ☆ 星一つない真っ暗な夜空も、星々の光に照らされてきらきらと輝くように。 完全に消灯されて明かり一つない漆黒の空間を、小さな円形の光がぴょこぴょこと跳ね回る。 「にゃーん♪にゃにゃにゃにゃーん♪」 光源である懐中電灯の持ち主は、自身の置かれた状況にはとてもそぐわないような。 およそ場違いと言っても過言ではない軽い声音で、呑気に鼻歌を辺りに響かせる。 殺し合いを強制された『イベント』とは思えない、軽やかな声音。 「あっかり、あっかり、あかりチャンはどっこに隠れてるのかにゃー☆」 自らの目の前ですら把握することが困難な、重苦しい暗闇。 その中をぱたぱたと、せわしなく歩き回る足音と同時に聞こえる彼女の声だけが、しんとした静寂を破る。 どうやら電灯のスイッチを探しているらしい、警戒なんて言葉は欠片も感じることが出来ない物音。 わたわたと紡がれるそれは、時折何かがぶつかる音と重なりつつもやがて乾いた音と共に静まることになる。 「あ、いたたた……やぁっと発見にゃ!」 同時。 天井に設置された電球に淡い光が灯り、空間が眩く照らされ暖かな光に包まれる。 漸く周りを視認することが出来るようになった彼女――前川みくは、にゃうぅ、と目尻に大粒の雫を浮かべて恨めしそうな視線をどこへやら送っていた。 「どうせなら、電気も点けといてくれたら良かったのににゃあ」 四苦八苦している時にでもぶつけたに違いない、恐らくたんこぶが出来ているであろう頭を片手で撫でつつ、ポツリ。 ジトリと、しかし深刻さを余り感じさせないそれをこれ以上重ねることはない。 すぐに気を取り直したような、いつも通りの無邪気な笑顔を浮かべて明瞭になった視界を確認する。 暗闇の中周りが見えないというのは、想像以上にストレスが溜まるものである。 何かにぶつかったり、うっかり物を落としてしまったり、或いは言いようのない恐怖を感じたり。 そんな様々な不安を掻き立てる何かが心の奥底に潜んでいたからだろうか。 いくつも並ぶ電灯のスイッチを発見した彼女は、特に意識することもなくスイッチを全てオンにしていた。 故に、一般的にフロントと呼ばれる位置に立っていた彼女は電灯に照らされる周囲の状況を用意に把握し、明かりを求めてなんとはなく飛び越えて進入した其処を、今度は正式な出入り口から脱出する。 若しかしたらスカートの中が見えてNG? などと、腕を組んでうにゃうにゃ思案しながらも、背負っていた鞄をぎゅっと背負いなおして暗闇に阻まれた目的地であるエレベーターへと歩き出す。 「よーし、いっくにゃー!!」 咆哮一閃。 彼女の物語はここから始まる。 ☆ 目を覚ました時、最初に感じたのは強い、強い、恐怖。 妙に重たい瞼も、身体を襲う倦怠感も、不思議と気にはならなかった。 心の中心にあるのはたった一つ。 「なんで、なんで、なんで、にゃあ……」 かたかた、と理由もわからず小柄な身体が震えている。 ――否、理由を理解しているから、震えは止まらない。 意識が途切れる寸前まで彼女の視界を占めていた光景。 無論、今は瞳に映る筈もないソレが、瞼を閉じると鮮明に浮かび上がる。 鈍いあかいろ。 錆びたにおい。 訪れたおわり。 考えると同時に喉下まで昇ってくる不快感を、必死に堪えて唾液を飲み込んだ。 ぽたぽたと、両の瞳からは涙が流れ落ち視界がぼやける。 飲み込んでも飲み込んでも、押さえた口から嗚咽が零れる。 じわり、じわり。 お気に入りの衣装の胸元が滲む。 無理だ、と。 心の中で何かが悲鳴をあげている。 無理だ、と。 心の外で何かが悲鳴を上げている。 なのに、そんな意志に反して身体はむくりと起き上がり、両足で地面を踏ん張り立ち上がる。 ちひろさんは言っていた――これは殺し合うイベントだと。 無意識に首元へと手が伸びていた。 触れるとひんやり冷たい首輪は、文字通りの意味を与えていて。 逆らったら死んでしまうと、言葉なく伝えてきていて。 だとしたら、こんな所で寝転んで泣きじゃくっている自分も若しかしたらあの人みたいに―― そこが、限界だった。 「う、え、ぇ……! えほっ、えほっ……ッ、ひっ、ぐ……ふ、う」 すっぱい液体がとめどなく地面に零れ落ちた。 でも、そんなことを気にしている余裕なんてあるわけがない。 怖くて、怖くて、怖くて、怖くて、怖くて、怖いから、怖かった。 他のことなんてなにも考えられない。 たった一つの感情だけが全部を支配して、他のものは壊れてしまう。 恐怖に震えて、涙を流すことしか出来ない。 そう、思っていたのに。 意識も、身体も、止まってはくれない。 いつの間にか背負っていた鞄の紐を、落とさないようにしっかり握り締める。 寝転んでいた道は舗装されていて、周りからは丸見え。 せめて誰にも見付からない所へ行こうと、ゆっくり歩き出した。 忍び足のつもりの足取りには震えが幾分も混ざり、押さえようもなく地面を踏みしめる音が聞こえる。 静寂に包まれ、月の光が辺り照らす光景は何処か幻想的だと場違いなことを思うけれど。 いまはその静寂が、どうしようもなく嫌だった。 一歩踏み出す度、鼓膜を震わす音に、心臓はばくばくと脈打っている。 口から漏れる吐息は不規則で、上手く呼吸ができているのかわからない。 握った拳がじんわりと汗ばんで、きもちわるい。 涙と、汗と、体液で全身はぐしょぐしょだ。 けれど、そんな状態でも歩き続けていれば、なんとか人気のない路地裏へと辿り着くことが出来た。 誰にも見付からなかったことに対する安堵と、いつまでも終わらない恐怖に対する不安。 膨大な感情に靄がかかる思考は、何も考えたくないという意思とは裏腹に目まぐるしく脳裏を駆け巡る。 プロデューサーが死ぬのは、絶対嫌だ。 それなら言われるがままに、誰かを殺すのか。 それとも殺されないように、何処かへ隠れるのか。 どうすれば皆と離れずに、また一緒に帰ることが出来るか。 家に帰ることが出来たとしても、またトップアイドルを目指せるのか。 形にならない乱雑な思考は次々湧き上がる、が。 ――このまま死んでしまうのは、嫌だ。 結局、彼女の答えは一つ。 「死にたく、ないにゃあ……」 死んでしまったら、大好きなプロデューサーといられなくなる。 死んでしまったら、彼の傍を誰かに獲られてしまうかもしれない。 死んでしまったら、一緒に頑張ってきた日々がなかったことになるかもしれない。 死んでしまったら、二人で描いてきた夢は別の誰かと叶える夢にすり替わるかもしれない。 死んでしまったら、心から忘れ去られてしまうかもしれない。 そんなのは、絶対に、嫌だ、 でも、だからといって他の誰かを殺すなんて、出来ない。 このイベントに集められたのは、皆アイドルである仲間だ。 頂点を目指して頑張る仲間を、ライバルを殺すなんて出来るワケがない。 この手は、誰かの笑顔を作るもので。 この目は、誰かの笑顔を見るもので。 この身は、誰かの笑顔を守るもので。 誰かの笑顔を壊す為にあるんじゃないから。 でも、殺さなければ殺されてしまう。 死ぬのも殺すのも、怖い。 だったら、どうすれば、 と。 そこまで考えたところでふと、今更のように自身が背負った鞄の存在を思い出す。 ずるりと肩から滑り落ちる紐を、勢いに任せて下へと引っ張る。 さして抵抗もなく地面に落ちたソレを、縋るような手つきで検分していく。 何を求めているのか理解しないまま、一心不乱に。 そうして暫く、懐中電灯や名簿といった品々を指先で掴み取るのだが、その次に触れた物が中々取り出せない。 震えた指先では上手く掴むことが出来ず、それに苛立って強引に引っ張り出そうとしても引っかかって顔を出さない。 プラスチックのような、チャチな材質の何かをカリカリと爪先で引っ掻いている状況にやがて痺れを切らすと、鞄をさかさまにして上下に振りたくる。 一瞬遅れて聞こえる、荷物がばら撒かれる音。 そして、漸く何かの正体が瞳に映る。 苦労して取り出した、何か。 蛍光色で塗られており、薄暗い路地裏でも容易く目に入る何か。 ソレが何であるかを確認した瞬間、全身から力が抜けペタンとお尻から崩れ落ちる。 「はぁぁぁあ……プロデューサーチャンも冗談キッツいにゃあ ……ドッキリならドッキリって言ってくれなきゃ、困る、にゃ」 彼の名前は呼ばない、公私混同は駄目なことくらい理解している。 ごしごしと、充血して真っ赤になった目元を拭って涙を隠す。 近くにあった紙でちーん、と鼻をかんで小さく咳払い……そのまま投げ捨てるのはご愛嬌だ。 そして、改めて取り出したプラカードを確認する。 『ドッキリ大成功』 テレビでもよく見掛ける小道具を前にして、やっと彼女に小さな笑顔が戻る。 そう、よくよく考えてみれば可笑しい話だ。 誰かを集めて殺し合わせるイベントなんて、そんなの誰も認めるわけがない。 警察が、そんな大掛かりな事件を見過ごす筈がない。 それ以前に、自分達は『アイドル』なのだから、殺し合わせる理由なんてあるわけがない。 ちょっと考えれば、こんなにも当たり前なことだったのに。 簡単に騙されて、アイドルらしからぬ醜態を晒した自分が急速に恥ずかしくなってくる。 頬が熱くなるのを感じつつ、さり気なくを装って周りを見渡すが、どこにもカメラは見当たらなかった。 きっと、見付からないように此方の反応を窺っているのだろう。 だが、ドッキリの醍醐味ともいえる、リアクションを浮かべた表情を撮り逃す筈がない。 今度こそアイドルらしい自分を表現しなくてはと、満開の笑顔を咲かせようとするが、どうにも表情が強張って仕方がなかった。 「でも……なんで、みくにコレが……?」 ふと、脳裏を過ぎる疑問も、最早敵ではない。 きっと、ドッキリの種明かしをする立場――所謂仕掛け人に選ばれたのだ。 きっと、これまでの努力が実を結んで自分はその立場に選ばれたに違いない。 「うーん? あっちの方に、みくのセンサーがビンビンでギンギンなのにゃ☆」 そう、いつも通りに声を張った視線の先には、豪勢なホテルの一室が映っていた。 建物全体が消灯している中に一室だけポツンと明かりが灯る様子は、暗い恐怖の中で芽生えた一つの希望のようで。 ホテルを介して自らの希望を再度認識しながら、あそこにいる誰かにも希望を早く分けてあげようと即座に立ち上がる。 不安も、恐怖も、もう終わりだと何度も心の中で呟いて。 この震えは嬉しいからだと身体に言い聞かせて。 そして彼女は建物に灯る希望へと歩き始める。 「怖いのは、ぜーんぶおしまいっ! 後はみくチャンにまっかせっにゃさぁーい!!」 咆哮一閃。 彼女の物語はここから始まった。 ☆ 大きく息を吸って、大きく息を吐く。 その度に胸がたゆんと上下に大きく揺れるが、彼女にとっては今更なことであり気にする素振りはない。 吸って、吐いて、吸って、吐いて、吸って、吸って、吸って、思い出したように吐いて。 いくら落ち着こうと意識してはみても、流石に恐怖は拭い去ることが出来ないのだろう。 深呼吸を何度も繰り返した結果、余計に心拍数は上昇し頭に血が上るのを自覚する。 「これからどうしましょうかー」 先程から奇妙な行為を至極真面目な表情で行っていた及川雫は小さく呟きを漏らすと、部屋に備え付けられたベッドに寝転んでぎしりと身体を沈める。 雫が目を覚ましてから既に一時間は経過しており、自分の置かれた状況は嫌という程理解させられていた。 理解はしていても、そう簡単に答えが出るような甘い状況に雫はいなかった。 勿論、雫の思考速度が些か以上に緩慢なのも原因の一端ではあるだろうが。 「誰かを殺すなんて、そんなの絶対駄目ですー」 何をどうするか答えは出なくともその一点だけは、雫の中の確固たる意志として答えが存在していた。 目の前で人が殺されて、死へ誘う首輪を嵌められ殺し合いを強制されて猶、その選択肢を選ぶことだけは絶対に、ない。 「私達はアイドルですからー、誰かを悲しませるようなことはしちゃ駄目なんですよねー?」 人を殺してはいけない。 そんなのは小学生でも理解している、当たり前の事実だ。 殺人を犯せば罪になり、罰を与えられる。 例えそれ抜きにしても、倫理観という感性が人間には備わっていて、忌避感が働く。 法であり倫理であり、あらゆる理屈を以って殺人は罪とされる。 とかなんとか。 そんな上辺だけの論理以上に、及川雫はアイドルだった。 彼女の中のアイドルとは、誰かに夢を与え、誰かを癒すことの出来る存在で。 自分自身がそう在れていると、断言出来るような自信と実績は未だないが。 それでもそう在ろうと、アイドルでい続けることは今の彼女にだって出来る。 きっと、雫が誰かを殺したと知ったら――さんの笑顔が曇ってしまう。 今まで応援して来てくれたファンの方々も、家族の皆も笑ってはくれない。 そうなってしまったら、もう、雫はアイドルでなくなってしまう。 誰かの笑顔を奪うアイドルなんて、アイドルである筈がない。 こんなことを考えていて、人質になった――さんが死ぬのは怖い。 誰かの命を、こんな所で終わらせてしまうのは怖い。 ゆっくりと、一歩ずつ歩いてきた道が途切れてしまうのは、怖い。 どれ程決意していても、その感情は常にじくじくと彼女の身体を蝕んでいく。 けれど。 こんな怖さ、とっくの昔に乗り越えてきていた。 目を瞑り、恐れに震える手できゅっとシーツを握り締めて、心に仕舞った大切な思い出を頭に浮かべる。 ――さんと出逢ったあの日、アイドルにならないかと言われたあの日、確かに雫の胸には恐怖が在った。 男の人に可愛いと言われたのは初めてで、こんなにも胸がどきどきするのは初めてで、嬉しいのに震えてしまうのも初めてで、風邪でもないのに顔がぽかぽかするのも初めてで。 嬉しいと思う反面、その言葉を自分自身で汚してしまうのが怖かった。 自分の性格をわかっているからこそ、アイドルなんて無理なんじゃないかと弱音が零れた。 人前に出て、何かをするのは緊張して無理だと、彼の言葉を否定した。 期待を裏切るのが怖いと、諦めようとした。 そんな自分に“大丈夫”だと言ってくれたのは――さんだ。 大好きな牛さんのように、ゆっくりでも一歩ずつ前進していけば良いと。 自分は雫のそんな姿に癒されていて、きっとファンになるであろう皆を癒す存在になれると。 雫のソレは、コンプレックスでもマイナスでもないんだと。 皆恐怖を感じてる……でも、それを乗り越えられるのがアイドルだと。 諦めずに頑張れば、どんな夢だって叶えられる――それがアイドルなんだと。 語っても語り尽せない言葉の数々に励まされたから、雫は此処まで辿り着くことが出来た。 他人から見れば小さな一歩でも、雫にとっては大きな百歩だから。 アイドルになったあの日、雫の胸にあったのは夢に対する希望だ。 そんな、自分を助けてくれた全部を裏切るわけにはいかないから、この場所でもそれを貫こうと決意する。 雫がプロデューサーを通して、癒しを感じていたように。 今度は雫を通して、皆に癒しを与えられるようここで頑張るのだ。 「アイドルは、誰にも負けませんからー 大丈夫、どんな夢だって叶えてみせますー」 大丈夫、は魔法の言葉。 いつの間にか震えの止まった手を、今度はぎゅっと力強く握り締める。 今は何をどうして良いかわからないけれど、諦めずに一歩ずつ歩いていけばきっと道は開ける。 一人じゃ駄目なら二人で、二人じゃ駄目なら三人で、三人で駄目なら皆で。 叶えられない夢はなく――不可能なことなんて何もない。 きっと皆が笑って、またトップアイドルを目指す生活に帰ることが出来る。 何の恐れも躊躇なくその意志を、その想いを、アイドルの皆を信じる。 及川雫というアイドルの生き方を、ここでも歩き続ける。 「まずは衣装から、ですー」 アイドルは衣装も大事、それも雫の心に刻まれた大切な教えだ。 何故だか――さんが顔を赤らめていたのは不思議だけれど、きっとその言葉には間違いない。 うんうん、と頷きながらゆっくりと起き上がって、ベッドの傍に置いてある鞄を開ける。 迷いない手つきで取り出されたのは、雫が良く着ていた衣装の一つ。 ――さんがデザインしてくれたらしいオリジナルの衣装で、大好きな牛さんをイメージした可愛らしい衣装。 大好きと大好きが合わさって、もっともっと大好きになった、雫を象徴するような衣装。 これでもっと頑張れる、と満開の笑顔を咲かせると緩慢な速度で脱衣を始める。 衣擦れの音共に晒される肢体。 ゆっくりとしたペースであるが故に見るものの心を惹きつけて止まない絶妙な速度。 徐々に晒される少女の柔肌は、微かに日に焼けて健康的な色を醸し出し、思わず指先で触れたくなるような瑞々しい張りと潤いを、瞳に映すだけで理解させられる。 ほっそりとした鎖骨から胸元まで均等に魅力は配分され、童顔であることも合わさり年齢相応の幼さを存分に放ち少女の価値を引き立てている。 だが、その未成熟な果実が少しずつ成長していく様を見守るような微笑ましい感情は、視線がずれる度に少しずつ削り取られていく。 牛が好きだからか、はたまたこう在るから牛が好きなのか。 胸元で柔らかく揺れながらも、破壊的な凶器としか表現しようのない二つの果実は、圧倒的な質量と存在感を以って立ち塞がるあらゆるものを崩壊させんとしている。 熟した果実のように濃厚な旨みを保ちつつ、驚くなかれ未成熟な果実のように成長する余地すら残している。 未完成であるが故に完成しているそのアンバランスな破壊力を余すことなく引き継ぐのは、程よい肉付きながら決して下品にはなりえない臀部のまるみ。 低いものを用意するのではなく、高いものを超える高いものを用意することで産み出されるギャップは、天性の財であると言わざるを得ないだろう。 そんな、アイドルになる為に生まれたと言っても過言ではない肢体を惜しげもなく晒しながら雫は丁寧に脱衣した服を畳んでいく。 窮屈だと訴えるかの様に胸元のロゴはくたびれ、はちきれそうな身体を包んでいたシャツはもう汗に濡れていて気持ちが悪い。 下着まで濡れてしまっていて、出来るなら洗濯したい程だが、いくら雫とはいえそこまで愚かではない。 用意されている衣装には下着もちゃんと付いているのだと、プロデューサーの準備の良さを誰にでもなく胸を張って誇っていると、不意に足音が聞こえる。 その迷いない足取りはこの部屋の前で止まり、一瞬の間の後にドアノブが動く。 早速一人目に出逢えたんだと無邪気に喜ぶと同時、雫の意識から自らの格好は消えていた。 そして扉は開かれる。 「~~~~~っ!!? ……!?!?」 「いらっしゃいませー! 及川雫ですー」 「――――――――――お」 「お?」 「おっぱいはいくらなんでも駄目にゃーーーー!!」 咆哮一閃。 彼女達の物語は、ここから始まる。 【A-3 ホテル内部/一日目 深夜】 【及川雫】 【装備:なし】 【所持品:基本支給品一式、牛さん衣装、不明支給品0~1】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:何をしていいかわからないけど一歩ずつ前に進んで、アイドルとしてこんなイベントに負けない。 【前川みく】 【装備:『ドッキリ大成功』と書かれたプラカード】 【所持品:基本支給品一式、不明支給品0~1】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:ドッキリの仕掛け人として皆を驚かせる。 前:真夜中の太陽 投下順に読む 次:さあ、演じよう、この哀しくも愛おしい劇を 前:真夜中の太陽 時系列順に読む 次:さあ、演じよう、この哀しくも愛おしい劇を 前:~~さんといっしょ 及川雫 次:完全感覚Dreamer 前川みく ▲上へ戻る
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7月某日 3話 文月 朝顔編 まだ梅雨の気配覚めやらぬ7月。 彼女は6月まで目にかかっていた前髪を直し、ツインテールに纏め上げて衣替え(ちょっと違うか…)を果たし、7月のあいつになっていた。 あの、いつもツンケンして可愛くないアイツに…… 「ほら、星霜! やる気あるわけぇ?」 「あるよ……ほら、手伝え! てめーの部屋だ」 5月6月と掃除のできない人格が続いたため、部屋は凄惨なことになっていた… 文月はそれを憂い、大掃除の宣言をだしたのだ……そんなことどうでもいいが、俺を巻き込まないで頂きたい。 「ぐだぐだうっさいわね! ほら手を動かす!!」 この暴虐不尽なるお嬢は、命令だけする癖して結局何もしていない…むしろ動いてもらったほうが迷惑なだけだが。 なんか、理不尽なのは俺だけだろうか? 釈然としない思いを抱え、ボロい安アパートの狭い部屋の掃除をすることになったのだ。 彼女特有のイライラとした怒りを内に隠した瞳が、全方位警戒態勢で俺の掃除を監視しつつ、彼女は急に口を開いた。 「ねえ、あんたさ……アノ子の気持ち受け取って上げたわけ?」 「アノ子って……お前の場合、卯月か?」 文月は質問には答えず、答えを促すようにこちらを睨み続ける。これは無言の肯定を示していた。 「出来なかった……あいつは……本当に真剣だ。だから軽い気持ちでハイとはいえない」 「………ねぇ、あんた…それ、本気で言ってるわけ?」 空気が…凍る。彼女のものとは思えない強い強い声は、ずしんと俺の心まで響いた 「あいつだけじゃないよ! 他の子だって、ずっとずーっと真剣なんだからねッ! わかっていってるわけ? しんじらんない……サイテー」 なに言ってんだこいつ? 「俺はそうは言ってないだろ?」 「じゃあ、なんで皐月ちゃんのとき…あんなによくしてあげたのよ」 「っ! ………」 言葉に、詰まった。俺はいつもと違う彼女を見て、ちょっと混乱したのだ……違う、そんな理由じゃない。 じゃあ、なんだ? 俺はあの時確かに、皐月に対してちょっと甘かった気がする…でもそれは咎められるような事か? 「本気で言ってるわけ? もういい、知らないッ! 出てってよ!!」 「なっ…おい!ああ、クソ出てってやるよ!」 何で俺が悪くなるんだよ、クソッ。 悪態をつきながら出た共通廊下は雨が差し込み、庭には大家さんが手入れをしているのだろうアジサイが咲いていた。 彼女と喧嘩をしたまま、一週間が過ぎた。 昼休み、期末試験も近くなりごった返す食堂の中、四葉は遠くに見えるのに文月はここには居なかった。 いつも一緒の彼らにとっては、とても珍しいことといえる。7月だけは例外的だった。 ( A`)「四葉の野郎、どうした? 喧嘩か?」 ( ^ω^)「アノ二人は7月になると必ず喧嘩するおっ」 ( A`)「仲が悪い……ってわけじゃないんだろ? なんでだ?」 ( ^ω^)「……よくわからんおっでも、仲直りしてほしいおっ、ちょっと話だけでも聞いてみるおっ」 ( A`)「行っちまいやがった…マンドクセ」 しばらくして、内藤が四葉を引き連れてドクオと同じ食卓を囲む。 内藤たちからの質問に、はじめは何も伝える気はなかったが、ちょっとずつ、文月との喧嘩について触れていった。 説明を受け、呆れ顔の二人は最後にきっぱりと言い放った。 ( ^ω^)&( A`)「「それはお前が悪い」おっ」 ( A`)「あのなあ、文月ちゃんはお前が皐月に優しくしたことじゃなくて、卯月につらくあたったことに怒りを示してんだよ」 「はぁ? だって、俺にはあいつが居るんだぞ?」 俺は意味がわからない、とでも言うように、疑問をぶつけたが帰ってきたのは呆れ顔だった。 ( A`)「お前な…まあ、いいや頭冷やして考えてろ、悩め悩め青少年……マンドクセ」 それだけ言い残すと、ドクオは残った蕎麦を掻きこんで、食堂を離れていく。 ( ^ω^)「あっ、待ってお…文月ちゃんには謝っておいたほうがいいお……あ、置いてかないでおっ」 こんなときに親友は、俺を置いて去っていく……弁当の冷たいご飯がなんか、いやだった。 部屋に帰るまでの沈黙が、隣にあいつが居ないことを痛感させる。 傘を持って歩く蛙のなく声に、意味のないイライラと哀愁を感じる。 居ないだけで、こんなにも大きかったのかと、心を蝕んだがなんとなく認める気にはなれなかった。 そんな時、携帯が胸で振るえた、アイツからだ。 件名:傘忘れた ごめん、持ってたよね? 持ってきて… まだ学校からはそんなに離れてない。5分待ってろと打ち込むと、きた道を全速力で駆け戻った…なんだ、うれしいんじゃないか、俺。 きた道を戻れば、昇降口にたどり着く前に彼女の姿を見つけることが出来た。 強く降りしきる雨の中、鞄を傘代わりにこちらへ駆けて来たのだ。 「え? …なんであんたが……」 「は? いや、お前が連絡してきたんだろ?」 「なにそれ?……あっもしかして…」 急に言い淀む彼女をはびしょ濡れで、なんかドブネズミみたいになってる癖して妙に色っぽくて…とりあえず、手招きした。 「入れよ…濡れるだろ?」 「どうしたの? なんかアンタらしくない…」 男物の黒くて大きな傘に潜るように入り込み、彼女は疑問をぶつける。俺は答えず、軽く微笑みかけてまた帰り道を歩き始めた。 「頼られてるのよ、私」 「誰に?」 彼女は、歩きながら訥々と語り始めた。なんでだろう、ちょっと、いつもと違う雰囲気を感じて俺は神妙に返す。 蛙はいっそう五月蝿く鳴き始め、彼女の小さな声など飲み込んでしまいそうで、だけど、決して聞き漏らさないように俺は耳をそばだてた。 「桜……卯月 桜にね」 初耳だった。そういえば、俺と一緒に居ないときの彼女たちは、いったいどのように生きているのだろう? いまさらかもしれない疑問が、ふつふつと浮かぶ。だけど、今は彼女の言葉を受け止めるので精一杯だった。 「桜は、何でも背負い込んじゃうから……私が見ていないとね?」 「うん」 ──卯月につらくあたったことに怒りを示してんだよ。 友人たちの声が聞こえた気がした、なんだ、一番理解していたようで、大事なところで理解できていなかったのは俺じゃないか。 「……わるかった」 「ばか、今謝ってもしょうがないんだからっ本当に悪いと思うなら、来年、卯月にあって態度で示しなさい。今日のことは言わないであげるから」 今は、本心を伝えなければならない気がして、俺はこいつに隠していたことを伝え始めた。 「なぁ、俺はアイツに惚れたんだ…あの時あいつからのプレゼントを貰えた」 「へーそうなんだ」 "やっぱり"、文月は知らないようだった 「だけどな、お返しくれるって言って、その気持ちを聞く前にアイツはアイツじゃなくなっていた」 つらい沈黙が俺たちを包む。 「だから、初めて知ったとき俺はお前たちを好きになれなかった」 「それが…桜?」 「間が悪いよな…だから、素直に直向に気持ちをぶつけて来る彼女に対して、素直になれなかったのかもしれない。だけど、多分違う……今はわからないけど、俺の多分ひどく利己的な内容だったと思うんだ」 「……なにそれ?」 彼女は理解できないという風にこちらを見上げた。濡れた髪が肌に張り付き艶かしい…雨はいっそう強くなったようだった。 「なんか引っかかるものがあるんだ、だから、卯月に会うまでにそれを理解しておく…それでいいか?」 暫し勘案の後、だがやがて納得したように俺を見上げると彼女は 「……わかった…だけど、桜を傷つけたら許さないからねっ」 と、明るく言って走り出す。傘の恩恵を離れ、蛙たちの合唱する雨の世界へと飛び出した。 「おいっ! ズブ濡れになるぞ!!」 「もうなってるっつの! ……桜を泣かすアンタなんか大っ嫌いだっ!」 それだけ叫ぶと、彼女は速い足を生かし、俺をグングンと引き離す。傘を握る俺はその俊足に追いつくことは出来なかった。 あーぁ…アイツ、最近答えに近づいてるなぁ…そしたら私たちは…ううん、違うよね。 桜を泣かすアイツなんか大っ嫌いなのに……鈍感で気の利かないあいつなんか大っ嫌いなのに…なんで涙が出てくるんだろ? もっと素直になっていい、のかな? でも、怖いよ…… 見せたくないから、走って逃げちゃったけど、ずぶ濡れだなぁ 思い、鏡を見ると夏服の薄いセーラー服の間からちょっとだけブラが透けて見えていた。 瞬間顔が沸騰したように熱くなる……もうっあいつなんか、大っ嫌い!! 3話 文月 朝顔編 完
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「カラルドさんは、唯ちゃん達が死んだと思っているそうだね」 「唯のしぶとさは異常なのにね」 「かわいそうなカラルドさん」 「ほら、気づきなさいカラルド。唯ちゃんがまた動きだしたよ」 「あ~あ、やられちゃった・・弱すぎ。唯の「うんたん」で死ぬとか・・」 「野比玉子症候群を馬鹿にするから」 「まあ、頑張ったほうですよ」 「野比玉子症候群に常識とか、概念なんてつうじない。死と復活を繰り返す」 「こんにちは。福路美穂子です」 「あ、美穂」 「美穂も死んだのか」 「ええ、たった今。唯ちゃんはまた、復活するのね」 「うん、そうみたい」 「ま、野比玉子症候群だからな」 「唯ちゃんも心配だけど、サーナイトも心配だわ」 「でも、まだ『令呪』が残ってるぞ」 「ホントだ。多分唯ちゃんと一緒にいたことで症候群も少しうつったようね」 「よかった。これでまだサーナイトに協力できるわ。がんばってサーナイト。あなたを応援してるわ。みんなに協力して」 「あ・・もうこんな時間。じゃあ、これでまたね!!」 「ばいばーい!!」 「以上、死者達の会話でした」 「何なんだこいつら」 「ゆいっち~」 「あ・・桜ちゃん、サーナイトさんは」 「私は大丈夫です。マスターにすべてを教えてもらいました」 「じゃあ行こう。桜ちゃん、サーナイトさん」 「は~い」 「ええ・・・」 【午後9時・???】 【平沢唯@けいおん】(マスター) 【状態】野比玉子症候群 【装備】ホロウ化(さわ子VER) 【道具】支給品一式、黒いカスタネット、ギター 【思考】 1:鶴屋さんが心配 ※ホロウ化の持続時間は数分です 【獅子堂桜@宇宙をかける少女】(クラス:サイエンティスト) 【状態】野比玉子症候群 【装備】ゆぴたん(宇宙をかける少女) 【道具】支給品一式、ドライバー一本 【宝具】不明 【思考】 1:いろんなものを分解する ※時間が過ぎて野比玉子症候群に戻りました 【サーナイト@ポケモン】(クラス:コーパレーター) 【状態】健康 【装備】不明 【道具】支給品一式、雀蜂雷公鞭 【宝具】不明 【思考】 1:協力する(可能な限り聖杯戦争の参加者とも) ※福路美穂子(マスター)は死にましたが『令呪』が残っているのでまだ脱落しません 【素晴らしきヒィッツ・カラルド@ジャイアントロボ 死亡確認】 死因:衝撃波
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※ ※※ 南浦_聡さんが入室しました 南浦_聡:どうも 大沼_秋一郎:おう 南浦_聡:大沼さん一人ですか? 大沼_秋一郎:集まりが悪くてな… 南浦_聡:今日は瑞原の嬢ちゃんが特設部屋立ててますからね 大沼_秋一郎:男の、しかもシニアプロの部屋が立ってても誰も来るはずもなし、か 南浦_聡:そこまでは言いませんけどね 南浦_聡:しかし、打つにももう一人くらいは欲しい 南浦_聡:実業団の若いのでも呼びますか? 大沼_秋一郎:いや… 大沼_秋一郎:それより、早く用件を言ったらどうだ 南浦_聡:用も何も打ちに来たんですよ 南浦_聡:ですから人数を揃えt 大沼_秋一郎:ふん 大沼_秋一郎:孫娘の誕生日に、か? 南浦_聡:……うちの奴の話したこと有りましたっけ? 大沼_秋一郎:毎年この日には何が何でも休みを入れてる奴が言えたことか 南浦_聡:……そらどうも 大沼_秋一郎:で、どうした 大沼_秋一郎:とうとう反抗期がきて嫌われたのか 南浦_聡:……あー 南浦_聡:幸いにして嫌われちゃあいないんですけどね 大沼_秋一郎:ふんふむ 南浦_聡: 南浦_聡: 大沼_秋一郎:…どうした? 南浦_聡:孫娘に、友達が出来たんですわ 大沼_秋一郎:ほう 南浦_聡:俺が甲斐性なしだからってのもあるんですが 南浦_聡:アイツは長らく友だちを作ろうとはしませんでしてね 大沼_秋一郎:ふむ 南浦_聡:だけど、夏の大会がきっかけで他所の学校に友達が出来たって言って 南浦_聡:最近じゃあ一緒に遊びに行ったりもしてて 大沼_秋一郎:…… 大沼_秋一郎:それで今年は友達に祝ってもらって爺の出る幕はなし、と 南浦_聡: 大沼_秋一郎:…まぁ、そんなもんだ 大沼_秋一郎:よし、そんじゃ誰か適当に泳いでるの捕まえて打つとするか 南浦_聡:大沼さん 大沼_秋一郎:お前と試合以外で打つのも久しい 南浦_聡: 南浦_聡:半分、正解ですわ 大沼_秋一郎: 大沼_秋一郎:? ~ 龍門渕一:あれ、そういや今日ともきー見てないよね 龍門渕透華:泊まりがけで旅行とか言ってましたわよ 子供じゃない!:旅行!衣も行きたかった!! 亜空間:……いや、ワンフェスはお前の行って楽しい場所ではねーって ~ 南浦_聡:……孫娘の友達が泊まりに来てまして 南浦_聡:と言うか、ウチのが招いたそうでして 大沼_秋一郎: 南浦_聡:……なんていうか、居づらいんですわ 大沼_秋一郎: 大沼_秋一郎:あー… 南浦_聡:しかも最近のはあんなベタベタくっつくのが普通なのか 南浦_聡:ウチのがとにかくぴったり離れようともしないんで、余計に、こう 大沼_秋一郎:…… 大沼_秋一郎:小鍛治さんとあのアナウンサーみたいなものだろ 南浦_聡:あぁ… 南浦_聡: 南浦_聡:いや大沼さん、その関係だt のどっちさんが入室しました そんなこんなな話 …… 数たんイェイ~♪ ちなみに、南浦家の台所には山ほどデカいケーキが鎮座してるとかそうでないとか 取り敢えず、「大きな誕生日ケーキが夢だったんです」との主役のご意向だったっぽい なので、ともきーからのプレゼントとして用意されて ………… その大きさからロウソクの吹き消しイベントが出来なくて、 代わりにケーキの切り分けイベントが発生中 こう、包丁も大きいからともきーも手伝う感じに二人で… ついでに、プロが専用部屋たてる時は基本本名HNだとかそうでないとか なので… 瑞原_はやり:今日の特別ゲストは咏ちゃんでーす! 三尋木_咏:どもー 戒能_良子:グッドイーブニングです 三尋木_咏:おー、戒能プロも来てたんだ 瑞原_はやり:良子ちゃんはレギュラーなんだよー☆ 戒能_良子:はやりさんの居る所に私がいるのはオフコースです 三尋木_咏:いや知らんし とか何とか、な感じになってるっぽい 明らかに収拾がつきそうにないのは仕様 二週間後に控えた三尋木プロの誕生日の広告をするのが主目的だったそうな でも肝心の針生アナには届いていない悲劇 のどっちその部屋になにしにきたの…なにをするつもりなの…?(怯え) -- 名無しさん (2014-02-11 07 16 20) 名前 コメント