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「いいお葬式だったわね」 「急で兄貴も大変だったろうなぁ」 「昨日今日と天気がよくってよかったよ。 年寄りが多いからな」 「お坊さんの声もよくってね」 「おふくろ、101だっけ?」 「やぁねぇ、きよ兄さん、103よ」 「いずれにせよ大往生だぁな」 「苦しまずに逝けるなんてうらやましいわね」 「あら、ここのお料理、立派ねぇ」 「おぉい、ビール取ってくれ」 「あたしが注ぐわよ」 「バスにひとりで乗ってたって? 若い頃から遠出するほうじゃなかったんだがなぁ」 「なんだか、趣味の集まりらしいわよ。 最近は毎週出かけてたって」 「趣味ぃ?」 「神姫よ。 きよし大叔父さん」 「そりゃぁ、あれだ、動く人形だろ。 年取ると子供にかえるたぁいうが、人形遊びねぇ」 「やぁねぇ、きよ兄さん。 ほら、すざくちゃん、おじさんに説明してあげてよ」 「なんでも、亡くなるときもそのお人形を大事に抱えていたんですって」 *** *** 電子的に炎のゆらめきを模した提灯の明かりが影を大きく小さく揺らし、そこここに何かが隠れているような夜気のなか、近くにいなければ耳に聞こえないほど小さく、だが、どれほど離れていようと魂に響く叫びがひっそりと轟いた。 「わ、わたしを守っておばあさまはっ!」 小さな小さな白い手が、ガシガシと土を打つ。 「落ち着け、白百合! ばあさんがお前を大切にしてたのはまちがいないが、死んだのは守ったからとかじゃぁない! 事故だ! 車が何台も潰れるような大事故だぞ!」 ぐるりと音がしそうな勢いで白百合の顔が清次郎を見上げる。普段ならば金髪碧眼のそれこそ人形のように美しいアーンヴァルの面影もなく、限界まで大きく見開いた両の瞳はどこにも焦点があっていないようでいてすべての場所に焦点があっているような不思議な色をしていて、清次郎は思わず半歩後ずさった。 清次郎の祖母が今時珍しい交通事故で亡くなったと知らせをうけて駆けつけ、今は夜も更けてしめやかに通夜が行われている。 突然のことといえば突然であったが、いくら矍鑠としているとはいっても100を越えた祖母にそういう日があることをかなり前から覚悟していたということもある。おばあちゃん子であった清次郎も事故に対する怒りはあっても、祖母の死は死として受け入れていた。 祖母の神姫のことは気にはなっていたものの、40を過ぎて独り身の肩身の狭さもあって最近はとんと親戚の集まりに顔を出さない清次郎が現れると、次々に叔父や叔母がつかまえ、彼がやっとのことで庭の隅で白百合を見つけたのはついさきほどのことだった。 「通信が……通信がありました! 衝突の警報! わたしがもう少し早く伝えればっ!」 「相手は道基ネットにも繋いでいない違法改造車だぞ! バスの衝突警報なんぞ、ばあさんが反応できるか!」 「あのバスに、あの時間に、乗ったのは! わたしのせいなんです! わたしが負けて、おばあさまと復習して! それであの時間に!」 「落ち着け、そんな事を言ったら、っつ」 差し出した手を白百合が払いのけ、その手刀が清次郎の手のひらを浅く切り裂く。 人間を傷つけたことにも気づかないのか、白百合は言葉を続け、さらに見開いた瞳が清次郎を飲み込む。 「わたしが! わたしがもっと強ければ! もっともっと強ければっ! ああ、ああ、あああああああああ」 土を打つ拳が砕け、指があらぬ方向に曲がり、次の一撃で指がはじけ飛ぶ。 「わたしが! 弱いわたしがいなければ! わたしなんかがいなければ! おばあさまはっ! おお、おお、おおおおおおおおお」 獣の唸り声のようなそれが清次郎を打つ。 「のまれるな! マスター!!」 耳元の鋭い叫びに清次郎は我に返る。ついで、両膝と手のひらに痛みを感じ、自分がまるで土下座するように地に這っていることに気づいた。 こんな姿勢でも肩にとどまる己の神姫におかしな感心をしつつ、顔を上げて正面から白百合と視線を合わせる。 (これは白百合ではない……何か別の……) 本能の奥深いところが警鐘を鳴らす。 (コレハシンキデハナイ) 「わたしが、神姫がいなければよかった! 神姫がっ! 神姫を創ったひとがっ!」 グルグルと渦巻く思考は際限なく加速し、まるでそれが具現化したかのように烈風が清次郎の頬を打つ。 やがて思考は螺旋となり、鋭いドリルのように限界の壁に向かって突き刺さっていく。 「全てなくせば! すべてっ! 神姫もっ! 人間もっ!!」 清次郎は、耳をつかむ小さな手が力を込めるのを感じとって再び我に返る。 「白百合ー!!!」 *** *** 「MMS type Angel アーンヴァル 白百合です! すてきな名前をありがとうございます!」 「まあ、お行儀のいい子ねぇ」 「あらあら、公園デビューを思い出すわねぇ」 「緊張します」 「お友達になれた?」 「オトモダチ……ですか? バトルロンドの相手は敵ではないのですか?」 「あらあら、知っているわ。 強敵と書いて”とも”と読むのよね」 「おばあさま! このままでは火力で押し切られます!」 「まあ、困ったわね。 …… そうだわ、こうしましょう……」 「さすがです! おばあさま!」 「昔から、いたずらは得意だったのよ」 「見かけない子だったわね? 新しいお友達?」 「はい! 昨日起動したばかりだそうです! マスターにケンドーを教えてもらうそうです!」 「来週はあなたのお誕生日だから、 お友達とパーティーをしましょうか」 「え? でも、わたしの」 「あらあら、マスターさんたちもきっと賛成してくれるわ。 さあ、準備しましょうね」 「あっ! おばあさまっ! あぶない!!」 *** *** ぱすっという軽い音とともに、胴に何かが触れた。 暗がりの中から検知する暇もなくぶつかってきたそれに、驚き、戸惑い、白百合は言葉も思考も止めて下を見る。 そこにあったのは、《光仙》しらゆきの姿。 アーンヴァルのデフォルトの白とは異なるパールホワイトの素体は今もけぶるように輝き、二の腕に結んだ黒いリボンが美しいコントラストをつくっている。 視線を感じて周りに目をやれば…… 肩が大きく張り出したアーマーを黒いマントで覆った異形は、《赤犬》イフリータ。うつむいて表情はわからないが、小刻みに肩が揺れ、普段はその輝きをこれみよがしに誇示しているシャイニーレッドのカラーが、揺れるマントの隙間から見え隠れしている。 水たまりの中にペタンと座り込んでいる……いや、大きな瞳から滝のように吹き出した涙で水たまりを作っているのは、《チェシャ猫》シュレーディンガー。だれはばかることなく泣き声を上げている。 《断罪の》マリアローズは、なぜか紺色のセーラー服に黒い腕章という出で立ちでまっすぐに立っている。そのコスプレじみた衣装も、ながれる一筋の涙も、彼女の清冽さを髪の毛一筋ほども損なうことはない。 《悪の華》さくらはなは、黒い留袖の帯にほのかにピンクの燐光を放つ抜身の大太刀を差し、懐手に長煙管を構えている。普段は高く結い上げたポニーテールを今は下ろし、一房の髪が顔に影を落として表情はわからない。 《ラフレシア》ラフレシアはどこにいても《ラフレシア》だった。彼女の涙を見ずとも彼女が深い悲しみの中にあることは明らかだった。まわりの者は、ただ、彼女を悲しませるしか無い己を恥じて、まるで女王を前にした臣下のように膝を折り頭を垂れるだろう。 《覇王》シドはいつもと変わらぬ無表情で白百合を見つめている。その姿もいつもどおり覇王樹(サボテン)の如くスパイクが生えた武装を身にまとている。違いといえば、申し訳程度に手首に巻いた黒い布だけだ。 十字架柄のつややかな黒い生地と繊細な黒いレース生地を幾重にも重ねた黒一色の十二単をまとい、黒いレースのヘッドドレスから垂れるヴェールで表情を隠しているのは、《歌仙》ひとみ。普段の艶やかな色彩の十二単をまとった華やかさは無いが、悲しみにくれるその姿はため息が出るほど美しい。 通常よりもわずかに長い手足とバラストパーツよりも2回りほども大きな胸で、他の神姫たちよりも大人びて見えるのは、《偉大なるメイルシュトローム》プリン。神姫センター・コンロン最強の神姫は、時折黒いハンカチで光うつすことのない目元をおさえている。 他にも多くの神姫とそのマスターがいた。ほとんどが、同じ神姫センターに通っている人たちだ。 そして、清次郎の肩の上には《黒蓮》ロータスがいつもどおりに座り、いつもとはちょっと違った気難しげな表情を見せていた。 しらゆきに目をもどすと、今の彼女は、獲物をおもちゃのようになぶり徹底的に破壊し尽くす残酷な天使《千光のアーンヴァル》の面影は微塵もなく、小さな子供のように顔を歪めて嗚咽していた。 その後ろのほうで、しらゆきの幼い主も、母親らしい女性にしがみついて泣いている。 白百合はこの時になって初めて、しらゆきがしゃくりあげながら何事か言っているのに気がついた。 「悲しいねっ……悲しいねっ……つらいねっ……つらいねっ……」 そう繰り返している。 突然、しらゆきを見る白百合の視界がゆがんだ。 頬を伝う液体の感触で、白百合は自分が泣いていることを知った。 白百合は、生まれて初めて泣いたのだった。 *** *** 「9人でしたっけ? 亡くなったの」 「テレビでみたけど、きれいなお嬢さんもいてねぇ」 「あんな大事故は最近なかったな」 「あら、これ美味しいわ」 「もう少しビールを頼んでくるよ」 「昨日の通夜は、見かけない若いのがたくさんいたなぁ」 「お義母様のお友達だそうですよ」 「例のお人形遊びの仲間か? 男のほうが多かったぞ?」 「やぁねぇ、きよ兄さん。 すざくちゃんの説明聞いてなかったでしょ」 「ほら、清次郎さんのところに2人いるよ。 白い子がひいお祖母ちゃんとこの子でぇ、黒い子が清次郎さんの」 「んん? 清次郎ももってるのか? 知らなかったなぁ。 おおい、清次郎!」 普段はあまり飲まない父親の清がすでに飲み過ぎているのはわかっていた。それでも清次郎は清のグラスにビールを注ぐ。 最初は予想外に人間ぽい神姫たちに大げさに驚いていた清だが、今は、「ロボットじゃねぇな、うん、アンドロイドだぁな」などとよくわからないことを繰り返している。 「表に出よう」 頃合いを見計らって、清次郎がテーブルの上に手を差し出す。 親戚の相手をしていたロータスが腕を駆け上り、定位置の肩にストンと収まる。 続いて白百合が飛び跳ねながら反対側の肩の上に座った。 親戚の声を適当な相槌で振り切り、縁側からサンダルを履いて庭に出る。 ピシっと肌を打つ冷気が今は心地いい。 きれいに手入れされたちょっとした庭園に歩を進めると、庭のはずれの方から兄の清太郎が片手を上げて挨拶してきた。 今や絶滅寸前の喫煙者の清太郎は、そこでひとりでたばこを吸っているようだ。 ここ何年か疎遠な兄に同じように片手を上げて挨拶を返し、庭の中心に歩を進める。 ここまで来ると親戚の声も殆ど聞こえない。 冬の澄んだ空気の中、どこまでも遠くが見えそうな蒼穹を切り取るように、煙突がひとつ立っている。 清次郎は煙の一つさえ出ていないその煙突を見上げ、同じようにそれを見上げた白百合に声をかけた。 「なにか、見えるか?」 「上昇気流が、わずかに……」 その静かな声を聞きつつ、清次郎は着慣れない礼服の内ポケットに探るように手を差し入れる。 カサリというかすかな音とともに、指先が紙に触れた。 「あの中に……」 「ん?」 「あの中に、いるのでしょうか」 「……ああ、そうだな」 ふるえる指先が折りたたんだ紙片をつまむ。 神姫譲渡に関する手続き書類。白百合に関するそれを取り出そうとしたその時、白百合がすっと視線を清次郎に戻す。 「一つ、お願いがあります」 清次郎の手に昨夜の傷から痺れが走り、動きが止まる。唇がかろうじて「なんだ?」という形を作った。 「……みなさんに、白百合は感謝していたとお伝え下さい」 「……」 「あの時、泣けなければ、わたしは壊れてしまっていたでしょう……」 清次郎がかたまった腕をなんとか引き出そうと力を込めた時、反対側の肩から、優しく、悲しく、厳かな声が聞こえた。 「《闇よりも昏き黒》《黒蓮》ロータスの名にかけて、《天使の指》白百合の願いは必ずや果たされよう」 その言葉を聞いて、白百合がかすかに微笑む。 清次郎の腕から力が抜け、その指先は紙片を取り出すことなく、懐から抜け落ちた。 白百合が再び煙突を、その先の蒼穹を、見上げ、その頬を一筋の涙が伝う。 そして、白百合は、最後に目を閉じた。
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ニコランドさんが入室しました ニコランド (“鉄都”ニコラスクエア ニコランド (新興都市たるこの街の娯楽施設でも ニコランド (最も大きく最も栄えている人気スポット ニコランド (ニコラスクェア・ランド! 通称ニコランド! ニコランド (大型機械を用いた最新のアトラクションだけでなく、 ニコランド (キャストによるパフォーマンスも人気なこの遊園地で、 ニコランド (いつものパフォーマンスやパレードを中止し、 ニコランド (ニコランド城周辺を貸し切って行われるセレモニーがあった! ルカさんが入室しました ニコランド (目鼻口は人間のソレ。髪代わりにイルカが乗っかっているような感じ。カサナの民の姫 ニコランド (イキナリマチガエタゼ ルカ (目鼻口は人間のソレ。髪代わりにイルカが乗っかっているような感じ。カサナの民の姫 ルカ (水色のボレロとパレオ。真珠のティアラ、各種アクセサリー…そして、三叉槍 ルカ 大変っ、少し遅れてしまったかもしれません… アルタイルさんが入室しました アルタイル (フード付外套 肩にフレイルめいた武器を担ぐ 鉄球が取り付けられているべき位置には、水瓶があるが ニコランド (野次馬かギャラリーかそれとも貴族かスクェアの雇った覆面SPか。人混みをかき分けてニコランド城前へ ルカ (野次馬かギャラリーかそれとも貴族かスクェアの雇った覆面SPか。人混みをかき分けてニコランド城前へ ニコランドさんが退室しました アルタイル …騒がしいな(こんな機会でなければ、一生入ることの無いであろう、富裕の象徴…余裕ある者の娯楽施設に立ち入り くくるさんが入室しました くくる (パシャ パシャパシャパシャパシャ くくる (ネズミ耳に髭ペイントのやぎちゃん、シンデレラ城内を撮りまわる くくる (片手にはチュロス …本気楽しみ勢だ! アルタイル ッチ、ふざけやがって…(セレモニーの端のほうで、柱に背を預ける ワイルドさんが入室しました ワイルド やあやあキミも柱組かネ?(柱の後ろから現れるアラフィフ紳士 アルタイル …。(答えない さそりさんが入室しました ワイルド (白無地のワイシャツに黒ベスト、黒の蝶ネクタイ。刈り上げオールバック。カジノのディーラー風。 ワイルド ワタシも室内なら賑やかし担当何だけどネ?屋外は専門ってワケじゃないからサ さそり やったーっ!一番のり!……でもなさそうっ!(元気に駆け込んでくる女子高生 ワイルド こうやって柱で皆が集まるのを待っているってワケ、サ。うーん。聞いてないかネ?(無言のアルタイル見て アルタイル 十分に…騒がしい。お前、参加者だな?(体勢を崩さず くくる まぁ。まぁまぁ。さそりちゃんですか?(カメラ女子 ワイルド 如何にも。(不敵な笑みを浮かべてアルタイルを見て アルタイル なら、黙っていろ。馴れ合うつもりは…ないぜ。 さそり わっ!おひさしぶりですっ!(くくるに さそり ふへへ……あの時は、本当に本当にすごく貴重なものを…(とろーんとした顔で ワイルド オヤオヤ嫌われたネ…残念だヨ。(多少オーバーにしょんぼりと くくる はい。お久しぶりです。こんな所で会うなんてやぎちゃんびっくりです。 アルタイル …。これから戦う相手と、話しすぎたらやりにくいだろう(ぼそりと ワイルド 嗚呼、成程。お心遣い感謝するヨ!結構気にするタイプというワケだネ。 ワイルド 精神統一の邪魔にならないように開会までおとなしくしてるヨ! ルカ あ、やぎちゃんさんと、さそりさん!(二人の元へ駆け寄る三叉槍持ちパレオ くくる まぁ。まぁまぁ。ルカちゃんですか? さそり ほんとにっ!やぎちゃんさんにも負けないんですからっ!(陽気に笑う女子高生 さそり ルカさん––––っ!おひさしぶりですーっ!(嬉しそう トール&ルクスさんが入室しました アルタイル フン… (騒がしくなければ、それでいいとばかりに ルカ 遊園地に来てたんですね?お会いでいて嬉しいです。(ニコっと微笑み トール&ルクス 「たくさんひとが、いるのかな いろんなおとがきこえる」(手を繋がれながら歩いてくる少年 目が悪いようだ トール&ルクス トール……気をつけて。悪い奴がいるかもしれないから…。(少年をかばいながら道を先導する少女 くくる はい。遊園地です。味のある被写体がたくさんあってやぎちゃんご満悦です。 くくる 特にこの、(ポラロイドで撮ったばかりの写真取り出し)プー太郎のはちみつハント(もぐもぐもぐ さそり わぁぁーっ!かわいい!ですっ!(でもまた食べてるしっ! ルカ っひぇ…! (ま、また食べてる…!)(驚き顔でくくる凝視 くくる この遊具、とっても味があります。コクがね。いいですね。(もぐもぐもぐも チュロスもぐもぐもぐも ワイルド ゆ、遊具にも味、ある、んですね?(わけも分からず訊いてみる ルカ ゆ、遊具にも味、ある、んですね?(わけも分からず訊いてみる くくる ありますよ。やぎちゃんにはわかります。料理の批評、得意なので。 トール&ルクス (さっとトールをかばう トール&ルクス なんだか…しゃしんをたべてるおとがするよ(にこり、と むぅさんが入室しました むぅ えへへ…(街灯の上から上へ、スキップするように跳んで飛んできて むぅ (まるで綿毛が飛んでいるかのように 見渡し、背の小さな羽を羽ばたかせ地面に着地 ジオーネさんが入室しました ルカ (その様子を見て)っえ! 今お空から…???(むぅ見つめ問いかける むぅ ひー、ふー、みー…(呟きつつ、にっこりとルカに ジオーネ …(む ものすごく… 人が多い…!(ごく普通に現れる礼服の長身 ジオーネ (当然のように柱勢だ むぅ 天使はぁ、空から来るものですからぁ むぅ (しかし、それっきり話すことなど無いとでもいう風に 別の方向へ)むぅちゃん、楽しみ~! ルカ あら!天使さんなんですね。失礼しました。…素敵ですね。 ルカ あ、あれ…(なにか悪いこと言っちゃったかな… くくる 天使ですか。(声のトーンはそのままだが、どこかしらっと むぅ (背後にかけられる声 垂れた涎をズズッと) むぅ (高潔 あれは高潔なやつ 間違いない たまらない おっとこれ以上はR-15だ) はかるさんが入室しました はかる (城前のオープンカフェでカフェオレを嗜んでいる青年。一般客に紛れている。 むぅ (ぞくぞくと体を少し震わせつつ ベンチにてえへへ…と柔らかい笑みであたり見ている ヴィルマさんが入室しました くくる だんだん人が集まってきましたね。セレモニー開始もじきに、といった所でしょうか。 ヴィルマ (最後まで破り捨てるか迷っていた招待状を手に無表情で城門を見つめ ヴィルマ ああ、やっぱり(呟いて、穏やかな陰のない笑みを作り上げセレモニーの開始を待つ ルカ はい、そうですよね…皆様、招待客の方ですよね? ルカ くくるちゃんさん達も招待―参加者だったなんて、私思いもよらなかったです。 くくる はい。ルカちゃんも、さそりちゃんもですか。(淡々と見遣って くくる 出来過ぎた偶然ですけど、きっとそういう事もあるのですね。(一人納得して)よろしくお願いします。 ナツキさんが入室しました トール&ルクス とーるは、ゆうしょうしてご主人さまに、いちばんのとちをあげるんだよー(屈託のない笑顔で ナツキ (テーマパークのお手洗いから走り出てくる トール&ルクス よろこんでくれる・・・かなあ ナツキ (っはー! 危なかったー!! ギリギリアウ…いやセーフ……セーフだから……! ナツキ って拙い! 時間時間!!(城前に向かって走り、合流 ルカ (走ってくるナツキ見つけて ルカ まぁ、ナツキさんまで?(驚きながら思わず声かける ナツキ っはー、はぁ……って、え、ルカさん?? 獅々堂さんが入室しました さそり くんくん…くんくん(ヴィルマの匂いをかいでる ルカ はい。(バツの悪そうな顔で笑み ルカ 招待状ってこの事だったんです。(てへ、と さそり ふへっ(笑顔 ヴィルマ あら。どうかしましたか?(にこりと笑いかけながらさそりに問う ナツキ な……マジかー……何かそうかも、って気はしてたんだけどな…(頭かきつつルカを見て さそり なんだかいい匂いがしたのでっ!ごめんなさい!(ぺこぺこ くくる まぁ。さそりちゃんは嗅覚に自信があるんですね。 はかる ……(騒がしい一連を見守りつつ、カップに口付ける アルタイル …。揃ったか?(並々ならぬ気配が11 であれば、そういうことかと 獅々堂 (グレーのスーツを着た強面の男が現れる。異様な存在感を醸し出しながらも、一言も発さず、ねめつけるようにぎろりと周囲を一瞥 獅々堂 (何かに納得したように腕を組み、柱にもたれかかる ヴィルマ ふふ。謝らなくても大丈夫ですよ。不思議な方ですね。 アルタイル (なんで同じ柱にこいつら来るんだ…ふざけやがって… ジオーネ …(人を避けて動くと似た動きの人に近くなる そう そういう事だ デキムスさんが入室しました トール&ルクス (柱男組を警戒しながら、トールをかばう ナツキ (額の汗拭って)お? 更地仮面さんが入室しました デキムス (お城の前には、開会式用に特設ステージが設営されている 獅々堂 (子供までいるじゃァねェか、といった調子でトール&ルクスに視線を向ける ヴィルマ 始まるようですね──。 更地仮面 (特設ステージの 真ん中にふんぞりかえってるやつ 更地仮面 (スタッフから出番まだですからと引っ張られ端へ消えていく デキムス (更地仮面と入れ違いにステージに上る ワイルド アレは…野茨殿だネ。何度見ても若さに驚かされるヨ。…さっきのは誰かネ? ジオーネ 胡乱な仮面を付けていた…侵入者ではないのか…? ナツキ 仮面…? デキムス 「ん、ん~! んんー!あー!テストテストっ!」(ステージに立ち デキムス (栗色の髪に黄緑瞳。白スーツハーフパンツのお貴族スタイル。 アルタイル くだらねぇぜ…(仮面をチラっと見たのみ デキムス (知る人ぞ知る薔薇家分家、某巨大おもちゃ会社のお坊ちゃん、野茨十啝だ! さそり わくわくっ(目を輝かせている ルカ あの方が招待状をくださった……(固唾をのんでステージを見守る むぅ えへへ…(ルカ さそり ナツキのほうを値踏みするようにチラチラ ステージを見てない ジオーネ 「ぁー、会場の皆っ!こんばんはっ!」 デキムス 「ぁー、会場の皆っ!こんばんはっ!」 ヴィルマ (穏やかな笑みで諸悪の根源を見つめている トール&ルクス こんばんはーっ! ナツキ ――、……?(視線を感じて違和感 デキムス 「デk…私はセントラル貴族、薔薇家分家のデキm……野茨十啝だっ!」 デキムス 「この度はぁ、新都市『鉄都ニコラスクエア』誕生を記念してのイベント、」 デキムス 「『十二星座大戦』の開会式に、よーこそお集まりいただきましたっ!」 デキムス 「天気は晴れ!オヒガラもヨク、絶好の大戦日和!開催まことにおめでとーなんだぜっ!」 ワイルド (姿勢正しくデキムス見ながら拍手 トール&ルクス ………。 ルカ (わーっと拍手 更地仮面 (早速めっちゃイライラしだす更地仮面 話が長いのが苦手だ!) さそり (拍手 アルタイル チッ…(おざなりに拍手 ナツキ …(ふーむ、と見遣りながら拍手 トール&ルクス すごいねー(ぱちぱち はかる (拍手喝采しながらラッパを思い切り吹かす(脳内で むぅ (ナツキガン見しつつパチパチ デキムス 「本大会の目的は新都市ニコラスクエアの振興、及び近隣都市セントラルシティの復興支援っ!」 デキムス 「踏み込んだことを言うとっ、白熱したバトルによって新都市にヴァースの「守護」ラインを築く事にあるっ!」 更地仮面 (セントラルとか滅びればいいとかマイク外で言い始める更地仮面の声は拾われない デキムス 「守護ってマジスゲーよなっ!デk…野茨十啝も超ビックリした!マンモススゲー!」 ワイルド 成程。新しい都市に守護の活性化は是非とも欲しい所だネ。 トール&ルクス まんもすー?!(ぱちぱち デキムス ん!話逸れた? むん、では挨拶にもどるぜ!(メモ見て トール&ルクス …………。 獅々堂 (ふざけた調子のわりに考えているんだな、と素直に感心している。顔は怖いまま。 デキムス 「諸君らのその尽力への報償として、――ニコラスクエアの一等地を用意したっ!」 デキムス 「なんと望みの建物を建てる権利も付いてくるぜ!土地の広さも建造物の規模も、ある程度の融通を利かせるつもりだっ!」 デキムス 「私用でも乱用でも構わねーっ!が、デキムスとしては平和に楽しく活用して欲しいなっ!」 デキムス 「――とまあ、概要はここまでだなっ!大会ルールに関しては後程係員が詳細な説明を行うぜっ!」 デキムス 「それでは――『十二星座大戦』の開催を、ここに宣言するっ!」 ワイルド (姿勢正しくデキムス見ながら拍手 デキムス 「とはいえ決戦は明日の正午!今日は城内で立食パーティーなんだぜ!」(親指立てて ルカ い、いよいよですね………あれ?パーティあるんですか?(きょとんとして くくる みたいですね。どんな料理が出るんでしょうか。やぎちゃん楽しみです。(チュロスもぐもぐ デキムス 「では――健闘を祈るぜっ!!」 アルタイル ッチ、面倒な…(呟くも 対戦者以外に顔を売っておく機会とは思う デキムス 「そんじゃまーデキムスはココまでなんだぜ!次はナゾノエライ更地仮面の挨拶だっ!」 さそり 料理!たのしみですねっ!(ルカ&くくるに 更地仮面 (真ん中に出てくる) デキムス (更地仮面と入れ違って横にはける ヴィルマ パーティ、ですか。 ナツキ パーティ?? んだよもー、そんなの聞いてないぞ…… 更地仮面 「貴様ら。俺は心底、貴族主催のイベントだの、一等の土地だのといったものはどうでもいいと考えている」 ジオーネ ふむ、貴族らしいといえばそうなのだろうな…(困惑気味に 更地仮面 「だが、貴様らは集った。どういう思惑かは知らんが、十二星座大戦という場に、しっかり12名現れたわけだ」 トール&ルクス おつかれさまー(デキムスに拍手 獅々堂 なんだ? ありゃァ……(仮面の男をいぶかしげに見やり ナツキ ………(あれ、市長だよな さそり どっかで見たことあるような……? デキムス (ありがとうだぜー!とマイクOFFで手を振る 更地仮面 「だとすれば、送る言葉など本来は無いが、ハッキリさせて置かねばデキムス?だかにどやされるからな」 ワイルド 申し訳ない事にカニ要素は全く無いけどネ くくる ぴきゅーん。やぎちゃんが見るにあれは市長です。間違いありません。 更地仮面 「──来たからには戦え。己の価値を示せ。星座なんてものは飾りだ。示すべきは力だ。恥ずかしい戦いなどするなよ、戦士共よ」 更地仮面 「力を示すものは大いに歓迎しよう。恥知らずには俺自ら引導を渡そう」 ルカ 鬼気迫る応援メッセージです…! 私、やる気溢れてきました…! トール&ルクス いんどう?いんどうってなーにるくす 更地仮面 「ニコラスクエアは強き都市である!その最初のイベントだ、寒い展開にしてくれるなよ…!!」 ルカ (パチパチパチパチパチパチパチパチ 更地仮面 「以上だ、文句があるならこのテスラ・コイルにかかってくるがいい!!」 くくる ぴきゅーん。名乗っちゃいましたね。あれは市長です。間違いありません。 トール&ルクス てすらーさんー(声援送りながらパチパチパチパチ 更地仮面 (ダメー!本名ダメー!とスタッフが駆けつけるが投げ飛ばしつつ端へ去っていく) ワイルド オヤオヤ。 デキムス 「次はー!」(サブマイクON さそり やぎちゃんさん…すごいですっ!あたってましたっ! アナウンサーさんが入室しました デキムス 「ルール説明なんだぜ!」 アナウンサー (お城の小窓が開いて ナツキ (やっぱり市長だった……あれ……おかしいな……あんな人だっけな…… アナウンサー (ひょっこり出てくる女の子 アナウンサー (ピンク髪ウェーブヘアー+三つ編みでネコミミを頭に作ってる アナウンサー (ニコニコ笑顔の黄色眼。低身長つるぺたロリっ娘…JS? アナウンサー (白Yシャツ 黒ネクタイ ピンクスカート アナウンサー (OL風アナウンサースタイル!マイクも持ってるぞ! アナウンサー ふゆゆん。゚゚(おててひらひら アナウンサー ふゆゆん ・゚(雪降り演出~ アナウンサー ふゆゆゆゆーん・。゚・。・o゚・。゚・。・o゚♪♪♪ アナウンサーさんが退室しました ふゆゆさんが入室しました くくる まぁ。なんだかきっつい予感がします。ピンクは劇薬です。大体。 ふゆゆ 「みなさん始めまして~今回十二星座大戦の実況を務めさせて頂きます~」 ふゆゆ 「新人アナウンサーの ふゆゆ にゃん。よろしくにゃ~!」 ルカ ぉー!(見上げてパチパチパチ トール&ルクス わーすごいなんかふってきたゆきかなー?(楽しそうに トール&ルクス わー(ぱちぱち ヴィルマ よろしくにゃあ、ってかわいい子が出てきましたね ふゆゆ 「それでは早速皆さんお待ちかねの十二星座大戦ルール解説に入っていくにゃ~」 ふゆゆ 「ルールは単純にゃ。」(ポケットから取り出したスイッチをpiっと ふゆゆ (城の壁にプロジェクターでルールガイドが映し出される ふゆゆ 「皆に招待状と共に配られた星座のワッペン!」(12種類の星座イラスト ふゆゆ これを奪い合って12枚集めた人が勝ちにゃ~・。゚・。・o゚・。゚・。・o゚♪♪♪ ふゆゆ 「基本的なルールはそれだけにゃ。でも色々と補足があるにゃー。」 ふゆゆ 「一気に喋るにゃ~」 デキムス (よろしくだぜ! ふゆゆ (10行制限だったにゃー。やっぱり一個づつ書くにゃー ふゆゆ 「1.ワッペンはバトルで奪い合うのが推奨にゃん! バトルで街の守護を活性化させたいにゃん。」 ふゆゆ 「2.ワッペンは見える所につけるのが推奨にゃん! ワッペンを自分から遠く離れた所に封印するのは禁止にゃん。」 ふゆゆ 「3.ワッペンをニコラスクェアの外に持ち出すのは禁止にゃん! ワッペンをつけたまま街の外に吹っ飛ばされたらワッペンは没収にゃん。」 ふゆゆ 「4.野茨審判団の意図に沿わないプレーは注意の対象になるにゃん! この街はまだ守護が少ないにゃん。ぶっ殺さないように注意して欲しいにゃん。 ワッペンを破壊したらすぐに再配布するにゃん。」 ふゆゆ 「5.展開に応じて野茨審判団のテコ入れが入る場合があるにゃん! ワッペンの位置を全員に教えたりミニトーナメントを開いたりするにゃん。 逃げ切り防止策にゃん。詳細は秘密にゃん。 一ヶ月たっても終わってない場合は打ち切るかもにゃん。」 ふゆゆ 「以上にゃーん。」 さそり これか––––っ!(手元の封筒に入ったワッペン確認して ふゆゆ 「その他質問の回答や変更点の発表は全部この場所からふゆゆが行うにゃーん。」 ふゆゆ 「聞き漏らしのないように気をつけてほしいにゃん。」 更地仮面 「6.あまりに戦闘せず逃げ切り、掠め取りを目的にしているようなら俺自ら奪う」 ヴィルマ (殺さなければ、何をしても問題ないのね) ふゆゆ 「物騒な補足にゃーん!」 ふゆゆ 「あと開始は明日正午からにゃーん。今この場で殴り合ったりしたらふゆゆ悲しいにゃん。」 ふゆゆ 「マイクを野茨っちに戻すにゃーん。」 ふゆゆ ふゆゆん。゚゚(おててひらひら ふゆゆ ふゆゆん ・゚(雪降り演出~ ふゆゆ ふゆゆゆゆーん・。゚・。・o゚・。゚・。・o゚♪♪♪ ふゆゆ (小窓が閉じて城の中へ消える ふゆゆさんが退室しました トール&ルクス (ぱちぱちぱちぱち デキムス 「アナウンサーふゆゆ!説明ありがとうなんだぜっ!」(マイク戻って デキムス 「ちなみにー!一度ワッペンを取られても脱落扱いにはならないんだぜっ!何度でもトライだっ!」 デキムス 「ただあまりにも戦況に響くようなら、途中でルールが変更されるかもしれないんだぜっ!」 デキムス 「そんな感じでよろしくだぜっ!」 アルタイル …やることをやるだけだ。 デキムス 「さーて、以上を持ちましてっ、開会式は終了だーっ!」 ワイルド いくらでも裏をかけそうなふんわりルールだけどネ… ワイルド 審判団の途中変更が怖くて派手な事は出来ない…良い催し物だネ! デキムス 「この後は城内で立食パーティーだ!戦闘の前によーくシンボクを深めるんだぜっ!」 ルカ 難しそうなルールじゃなくて助かりました…!(ついてけるか不安だったのです デキムス 「よーーく親睦を深めるんだぜっ!!」 ナツキ んー、まぁ、ようは勝ち続けろ、ってことだよな。 むぅ (ナツキとの物語が脳内で一周完結し、満足げに デキムス 「以上だ!グッドラック!!」 デキムスさんが退室しました ナツキ ――、んん?(ぶるっと寒気が ナツキ (何だ、今の いや、さっき行ったぞ……? 更地仮面 「フンッ…せいぜいこの俺の影に怯えない程度には勇ましく戦うことだ!」 更地仮面 「このテs…やめろタイヨウ!この俺が!演説を!ええい離せ!離せー!!」 更地仮面さんが退室しました むぅ えへへ、完璧だよぉ…(そしてそんな晴れやかな物語を自らの手でぶち壊したくて仕方ない くくる こうして戦いの火蓋は切って落とされたのです。ですです。 はかる (席を立ち、スタッフに話しかけに行く くくる それにしても立食パーティー。貴族のお料理ですか。どんなものが食べられるか楽しみです。 トール&ルクス ……行こうトール。(トールの手をつれて ワイルド 立食パーティの参加は強制じゃない…けど、行かないワケには行かないよネ!(城内へといち早く向かう ワイルド (ディーラーテーブルを用意してポーカー台でも用意してやろうというサービス精神だ! ワイルドさんが退室しました トール&ルクス ルクスはトールがそれを望むのなら、なんであれ叶えるだけ……。(場内へ消えていく トール&ルクスさんが退室しました アルタイル …(ふざけやがって、とは思っているが、明日以降のことを考えれば食費が浮くしいいものを食べられる はかる (歓談交えて話し終え アルタイル ざまぁないぜ…(浅ましい自分に向けて 城へ アルタイルさんが退室しました はかる あー、皆さん 今しがたスタッフから話を聞きました。 さそり たのしみですねー!一緒に向かいましょーっ?(くくる、ルカに はかる (既に入っちゃった人も居るけど はかる 貴族会の立食パーティですから、当然、ドレスコード指定とのこと。 ジオーネ …(パーティ、か。親睦とは言っても…) む(はかるに はかる ブライダルのスタッフも多く居ます。無償で貸していただけるそうですよ? ルカ あら。でも私は平気ですよね?(堂々としたパレオ。カナサの方ではコレで大丈夫だが…? ルカ 駄目…だったりしますか?(地上には知らない常識がいっぱい!とりあえず訊いてみる! くくる まぁまぁ。味のあるお洋服もあるでしょうか。背中が開いてないと困りますけど。 はかる まぁ、何せ急な話ですから、ある程度は目を瞑っていただけるかと思いますが… さそり そっか……よぉし(なにやら楽しげに ナツキ え、えー面倒くさいな……けど豪華な飯出るんだろうな…… ヴィルマ そういうことでしたら、お言葉に甘えませんか? ね、皆さん(手を合わせて声をかける むぅ (なんか満足したのか、きびきびと城の方へ そして手馴れた形で正装になり、立食会場に むぅさんが退室しました はかる これはこれはルカ姫。当然、問題ないと思いますが…そうですね、向こう風のフォーマルでも、こちら風にあわせて丈を長くするだけで十二分に可憐と思いますよ。 ルカ はい、立食パーティーには是非とも参加させて欲しいです。 ルカ まぁ。ご丁寧に有難うございます。(はかるに笑み さそり 変──身ッ!!(ポーズを取ると、ピカーンとさそりのベルトが輝き くくる ?(さそりを見て さそり 毒を以って毒を征する!実はあんまりサソリは毒無いよ!セイバー・スコーピオ参上!(鋭角なアーマー姿に変化 くくる それは…さそりちゃんの正装です? ルカ 変身ヒーローさん!?(さそり見て驚き ナツキ ぇっ!(ぎょっと反応 さそり 正装だったらバッチリ決めないとねっ☆! 獅々堂 (無言で踵を返し、会場前から去る 獅々堂さんが退室しました さそり はやくはやくーっ!置いてっちゃうよーっ!!(城内に走っていく さそりさんが退室しました くくる まあまあ。確かに。ではやぎちゃんもフォルムチェンジしてきます。 くくる ルカちゃんも行きますよね? ヴィルマ 毒を以て毒を征す。いい言葉ですね(にこにこしながら会場へ歩いていく) ルカ はい。是非に!(くくるに ナツキ ……(か、被ってる気がする……!! ナツキ あーもー…ま、いいか! とりあえず飯だ飯!(入っていく ナツキさんが退室しました くくる ではでは。行きましょう。(城内へと くくるさんが退室しました ルカ (城内へと ルカさんが退室しました ヴィルマさんが退室しました ジオーネ …ふむ。(色々と迷っている最初から礼服 ジオーネ …というか、君。(はかるに)やはり君も戦士だったのだな。 はかる ええ、運の良いことに。 はかる 先日は語らずに申し訳ありませんでした。 ジオーネ 何となくだがそんな気がしていた。…いや、構わないが。いつもそんな風なのだな。 はかる ですが、決してよこしまな理由はないと…信じていただけると幸いです。 ジオーネ 今もまた、さながらスタッフの様に振舞っている。 はかる (だって会話見たかったんだもん! ジオーネ …?(何か怪訝 はかる それは、ええ。職業柄と言いましょうか。 ジオーネ …(気のせいか はかる よろしければ続きは中で。ええ、貴族会の提供する食事は舌鼓ですよ(さぁさ、と中へ促していく はかる (こんな美味しいイベント逃がすわけないでしょう……!! 何人たりとも逃しませんよ! ジオーネ …色々と気になる所はあるが、 あ、あぁ、(促され、流されるように奥へと はかる (さっき帰っていっ大男も連れてくるけんのう……!!! ジオーネ (ドレスコードは… 私は特に何も問題無かった!(城内へと ジオーネさんが退室しました はかる (流すようにジオーネと共に城内へ はかるさんが退室しました ふゆゆさんが入室しました ふゆゆ 十二星座大戦0日目。ワッペン移動無し、脱落者逃亡者無しにゃー。 ふゆゆ みんなこれから最後まで頑張ってほしいにゃー。 ふゆゆ (城内で何か見ながら独り言を呟く ふゆゆさんが退室しました
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(ンコまみれ嫁) 127 :名無しさん@HOME:2007/05/22(火) 12 06 20 前スレ635さん、乙でした。 冠婚葬祭、特に葬式って毒が一気に噴き出すよね。 私も絶縁トメの葬儀の日、 親族全部がクソまみれだった事を思い知ったよ。 もー無関係だからいいけどw 129 :名無しさん@HOME:2007/05/22(火) 12 07 12 127 次はおまいさんkwsk! 137 :127:2007/05/22(火) 12 12 56 132 午後一でマンモグラフィー行くので帰ってからでよければ。 メモ帳に書いて投下するです。 あ、ちなみに義実家も夫も葬儀の日に「元」になりましたw 251 :127:2007/05/22(火) 19 00 59 127です。遅くなりました。 うんこまみれにしたみたいに取られてたww 残念ながらやってません。 書いてるうちにむかつく事ばっかり思い出して長文に…orz 分けて投下してもいいかな 255 :127:2007/05/22(火) 19 03 59 では。 18年前、結婚式直前に夫が鬱状態に(マリッジブルー?) 近距離だけど息子ちゃんがそんな状態じゃあ不安でしょう?と、 賃貸契約寸前だったアパートを取りやめて最初から同居。 何故同居に反対しなかったかと言うと、 呼吸器不全で死ぬまで、母をいびり抜いた私の祖母を見てきたからです。 あんな鬼ババアより酷いババアが居るはずがないと、思いこんでたから。 甘かった。居たよ、すげーの。 朝昼晩の食事の支度と後片付けは当然私。 ウトメ・コトメの分まで掃除洗濯当たり前、 学生だったコトメのタクシー代わりに使われ、 孫はトメのおもちゃ&アクセサリー。 今更書くのもなーってくらい家庭版じゃあ既出なお約束嫁いびりを 結婚当初から展開されてました。 ウトメ・コトメ・夫・私・息子(当時幼児)の5人、 狭い4DKで私ら親子に宛われた部屋は夫が使ってた6畳の和室。 押入にはトメ・コトメの荷物がぎっしりで、 布団を仕舞う場所もベビーダンスを置くスペースも無かった。 嫁入り道具の箪笥は一度も使われることなく私実家の物置へ。 クリアケースに衣服収納、その上に布団を敷き夫はそこで寝起きし、 私と息子は畳の上に敷いた一つ布団に固まって寝てた。 留守中に部屋侵入はデフォで、片づけてない、だらしがないとトメコトメのステレオ。 押入の荷物をなんとかしてくれれば片づくと頼めば、 嫁子のを減らせばいいと言われ数枚しか無い私の服を全て捨てられた。 256 :127:2007/05/22(火) 19 05 29 コトメはトメと双子脳。 ウトと夫はトメに一言も言い返せないへたれで、 夫に愚痴を言っても「悪いな、俺がこんな風だから」と鬱を盾に、我慢を強いた。 ウトも夫も私がトメのサンドバッグになってれば家庭内は上手くいくと思ってた。 私も母を見てきたからか、私ひとりが我慢すればいいんだと洗脳されてた。 ある日 「嫁子さん、地元でも友達作らなきゃね。孫ちゃんの為にも」 とトメ友のところの嫁を紹介された。 正直友達にしたくないタイプだったし、高額矯正下着のマルチもやってて、 買えと煩く言われたのできっぱり断ったら、 「断るなんて生意気だ!私の顔が潰れた! あんたなんか友達もいないクセに!」 とトメが激高。 「友達ならたくさんいますよ。夫くんより長い付き合いで、なんでも話せる大事な子です」 「どうせ息子ちゃんや私の悪口しか言わないんでしょう! ろくでなしのアバズレばっかり! そんな連中としか付き合ってないからあんたもqあwせdrftgyふじこ!!!」 トメ脳内で思いつく限りの罵詈雑言を浴びせられた。 ろくでなし云々は勿論事実無根なので、無視して家事をこなしてたんだけど、 風呂を洗いに行けば脱衣所でぎゃーぎゃー。 洗濯物を畳んでる横で仁王立ちでぎゃーぎゃー。 トイレにまで着いてきて扉をがちゃがちゃ、まだ話は終わってない、出てこい!と喚く喚く。 ここで遅まきながらようやく私も切れた。 257 :127:2007/05/22(火) 19 06 40 家庭内の事だからと今まで我慢を重ねてきたけど、 なんで友達のことまで悪く言われて干渉されなきゃならんのだと。 「少なくともお前の息子よりは友達いるわ!!ほっとけババア!」 トイレの芳香剤を床に叩きつけて反撃した。 盛大にふぁびょったトメを残して息子を抱え部屋に戻ったら やりとりを聞いていただけの夫が追いかけてきて、 「お前言い過ぎだろ」 だってよ。 「はぁ?私がどんな事言われて、私の友達まで悪く言われて、 あんたなーんにもしないでぼけーっとしてただけで止めもしなかったのに、 なんにも聞こえてなかった訳?あれも聞こえないの?」 階下からはトメが「基地外嫁子ーー!!」って絶叫する声。夫無言で俯いた。 結局この時は夫が、嫁子が謝ってる、と嘘を吐いてトメを宥めた。 翌日からトメと話を聞いたコトメのいびりは激化したが、 それ以後も夫は私を庇ってくれずにまた我慢の日々。 そんな生活が6年続いた。 絶縁に至った経緯は私の兄の葬儀での事。 交通事故で亡くなった兄の葬儀は、トメ実家との温泉旅行の日だった。 普通なら旅行自体を取りやめる配慮なりするだろうに、大トメもトメ姉妹も楽しみにしてたらしく、 「嫁子さんが出れば大丈夫でしょ。妹なんだし、私達は赤の他人だし。 旅行キャンセルなんて勿体ないし」 ってトメとコトメが言った。私達家族だけ出ればいいやと思ったが、 なんと夫も旅行カバン持って玄関を出ようとする。 258 :127:2007/05/22(火) 19 07 39 「あんたも行くの?なんで?」 「え?なんで?だってお前が出るんだろ?」 だってさ。もーがっくりきた。全身から力が抜けたよ。 悔しいやら悲しいやら兄に申し訳ないやらで、涙止まらなかったよ。 結局私と息子で私実家に出向き、通夜・葬儀に参列。 夫が来てなかったのを訊ねられ、トメさんの家族と旅行に行ったと話して号泣。 奴隷みたいな扱いをされていたのを知ってた母が、 もうあんな非常識な家には帰らなくていい、婆ちゃんより酷い。 辛い思いさせるために嫁に出した訳じゃない、 孫ちゃんと二人で帰ってきなさいと言ってくれ、 私も離婚を覚悟して葬儀の後そのまま実家へ息子と帰った。 義家には私の荷物なんて殆ど無かったし、 息子の物も服と数冊の絵本しか無かったから、未練なんてこれっぽっちも無かった。 その後、私へのいびりを散々見てきた夫がごねた為、 離婚前提で父の知り合いの弁護士さんに入って貰うことに。 トメは 「離婚するならすればいい。あんたなんか最初から大嫌いだった。 あんたが生んだ孫だってちっとも懐かないから可愛くない。 言葉も遅いし智恵遅れだ」 と弁護士さんの前でDQN発言の数々をしてくれたおかげで、 親権も私が取り、慰謝料は要らないから養育費だけはきっちり払う事と、 あっけないほどあっさり話がまとまった。 ところが夫が、どうしても離婚は嫌だ、親と別居する、俺の親とは会わなくていい、 嫁子と息子と離れるなんて絶対に嫌だと、実家の玄関先で号泣ながら土下座。 情けなくて頼りにならない夫だけど、 背の高い人が小さく蹲って泣いてる姿を見たら私まで泣けてきて。 あのトメに育てられたから萎縮しちゃってこんな風になったんだと思っちゃって。 ええ、ええ、バカですとも。まんまとほだされてしまいました。 265 :127:2007/05/22(火) 19 15 31 連投に引っかかってしまったので餃子焼いてました。 トメとコトメにされたこと、どんなに辛かったか、 風邪を引いて高熱があっても病院にさえ行かせて貰えなくて、 寝込んでるのに怠けてると罵られ、色気づいてると言われ美容院にも行かせて貰えず、 私は奴隷なのかと、人権はないんですかと切々と訴え、 済まなかったと涙ながらに詫びられた。 結局夫とは再構築することになり、義実家とは絶縁。 私と息子に義実家家族との関わりを一切持たせないこと。 冠婚葬祭はもとより年賀状その他のやりとりも一切しないと約束させ、 もし破ったら即離婚と、離婚条件(再構築後なので慰謝料云々含) を念書にし、離婚届に捺印させました。 実家傍にマンションを借り、実家の物置で眠っていた箪笥もようやく日の目を見る事に。 義実家は私や息子にはまったく関心が無いらしく、気持ち悪いくらい音沙汰無しでした。 年に一度、夫は顔を出していたようですが、私の前では義実家の事は一言も話さなかった。 絶縁9年目の今年、 1月中頃、夫が絶縁以来初めてトメの話を。 糖尿から心筋梗塞を起こして正月に倒れたと。 足の指が腐って入院中と。 年明け早々から帰宅が遅いと思ったらちょくちょく見舞いに行ってたらしい。 「痩せちゃって、自由に身動きできなくてさ……。母さんも弱って丸くなったよ。 お前にしてきた色々も謝りたいって」 フーン。改心するようなトメじゃないでしょ。と思いつつも、 ちょっとでいいから顔出してやって欲しいと頼まれ、夫に免じて見舞いに行った。 267 :127:2007/05/22(火) 19 16 59 病室には遊びに来たコトメとちっとも弱ってないトメがいた。 私の顔を見た途端、すごいよそいき声で嫌味炸裂。 「あ~ら~嫁子さん。まぁまったくどの面下げて来たのかしらね~え~? フフ、よっぽど息子ちゃんに叱られたのねぇえ~? あらあら~お見舞いなのに手ぶら~? おやつの時間なのにホント気が利かないわ~」 全然変わってねぇよ。確かにちょっとは痩せたようだが太ってるよ。 太ってるから動けねえんだよ。口だけは必要以上に動いてたが。 叱られるってなんですか。お前の息子に涙ながらに頼まれたんだよ! 糖尿患者に食い物の差し入れなんて非常識な真似、出来るかー! 能面みたいな顔で半目になったら、 それまでにやにや笑って見下した視線を送ってきてたコトメが私の表情に気付いて、 「おかあさん、この女ちっとも反省してないわ。謝る気、0だし」 って吐き捨てやがった。反省ってなんの反省?バカジャネーノ 「どうせ嫁子さんは私が早く氏ねばいいと思ってるのよ」 「そうですね。元気そうなんで来て損しました」 言い捨ててさっさと帰ろうとしたら背中になんか当たった。 トメ、点滴自分で引っこ抜いて、点滴の袋吊り下げるカラカラ引きずるヤツ 私にぶん投げた。 「お前が氏ね!」 とコトメも顔真っ赤で掴みかかろうとしてきたが、 看護士さんが飛んできたので知らん顔して帰った。 コトメからすぐ連絡が行ったようで、仕事早退して夫が帰ってきた。 病人に酷いこと言うなんて!って喚いてたけど、 絶縁してる私がわざわざ見舞いに行ってやっただけでも有り難いと思えと言ったら黙った。 どうやら絶縁を解消して弱ったトメの介護をさせろと、トメ親族からつつかれたらしい。 私は知らん、コトメにやらせろと夫に言ったら 「可愛いコトメちゃんに下の世話なんてやらせられないわー」とトメがほざいたそうな。 271 :127:2007/05/22(火) 19 19 40 それから暫くしてウトが介護することに決まりトメ退院。 食事制限あるのに大丈夫よと高括って好き勝手したらしく、 また心筋梗塞起こして今度こそあぼーん。 通夜葬儀には当然夫だけ参列。 礼服を出してる時に「お前は行かないのか」と目で訴えられたが無視。 息子は「ばーちゃん氏んだの。フーン」と。息子の方が絶縁の意味知ってるよw 実子なので通夜は斎場に泊まりこみだったんだけど、 トメ親族やコトメに何故嫁子が来ないと激しく責められたそうだ。 嫁ひとり黙って言うこと聞かせられないとは!なんて不甲斐ない、情けない、 寄って集って貶める貶める。 がつんと言えと唆されて、夫は酒も入り多少気が大きくなってたらしく、 「夫の親が氏んだのに嫁が来ない道理がない! 直ぐ駆けつけて客のもてなしをしろ! お義母さん、今までごめんなさいと詫びろ!」 と電話を掛けてきたよ。夜中に。 息子に「お母さん、もういいかなぁ?」と聞いたら「いいよ」と頷いてくれたので、 夫とも絶縁することにしました。 翌日、礼服に夜会巻き+濃いメイクで、まず仕舞ってあった緑の紙を役所に提出。 斎場に着くと受付へ。 義実家隣のおばさんが受付してて、嫁子さんじゃないのと話しかけられたが にっこり笑うだけで無言で記帳。当然離婚成立後ですから「旧姓嫁子」と。 おばさんに知らされて夫とコトメ、トメ兄が駆けつけてきた。 275 :127:2007/05/22(火) 19 22 27 嫁のクセに病気の義母の面倒もみないで(ry お前が氏ねば良かった!お母さんがかわいそ(ry 親族席なんかに座らせない、親不孝者(ry こそこそ喚いてたが冷ややかな目で睨んでやったら黙った。 トメが親玉だったんだとこのとき知った。親玉がいなくなったら勢いねーなww 急に来るから親族席を用意して無いと青くなる夫に 「もう親族じゃないですし、赤の他人ですから結構です」 と慇懃無礼に言うと青い顔が真っ白になった。意味通じてよかった。 祭壇から一番遠い席に座り、読経が始まると同時に携帯を取り出す。 マメに返信してくれる友達にメール開始。 読経に混じってしょっちゅう流れる着メロはトメの大好きだった水○黄門。 せめてもの手向けです。 夫とウトはがっくり肩を落として俯き、 コトメやトメ親族からの痛い程の視線が会場隅の私に突き刺さってたけど知らん顔。 不穏な雰囲気に参列者もざわつき始めたが、 義実家を出ていった嫁が親族席じゃない場所に座って、 葬儀に不釣り合いな派手な格好で居ると気付くと、今度は興味津々な空気に。 焼香は一番最後に。火が消えるんじゃないかってくらいお香を山盛りにして差し上げた。 他人の私が最後のお見送りまでする義理も無いので、 焼香後は元義親族が礼に居並ぶ列を軽やかに歩き抜けて、 トメを悼む気持ちより、kwsk!wktk!な目の他参列者の方に にっこり会釈しながら斎場を後にしました。 夫は義実家に帰り、二度ほど電話がありましたが、 トメの保険金で慰謝料全額と息子のこの先の養育費全額を振り込んできたので、 もう二度とお会いすることはないでしょう。 ご近所中にトメ葬儀の噂がまことしやかに流れたそうですが、 親玉トメがいないのでコトメも義母親族も大人しく暮らしてるらしいです。 276 :名無しさん@HOME:2007/05/22(火) 19 22 28 旦那が恐ろしくエネだ罠。 278 :127:2007/05/22(火) 19 25 26 餃子焦げたw 長文ですまんかった。吐き出せてすっきりしたよ! ご飯食ってくるノシ 282 :名無しさん@HOME:2007/05/22(火) 19 27 31 嫁いびりというものが唯々やられ損なものだということが よくわかった。 127 本当にかわいそう。DQ返しそんなもんじゃ甘いくらい。 283 :名無しさん@HOME:2007/05/22(火) 19 29 29 127GJ!! 葬式のあたりでかなりワロタww 330 :127:2007/05/22(火) 21 23 56 ×18年前 ○16年前 でしたorz 読み返して気付いた。すまん。 言われる前に言う、ネタ認定乙! 元夫はエネというよりただただ弱かった人。 自分が一番楽な生き方をしたいと思ってたみたいです。 元ウトも同じ。 コトメは絶縁後に結婚したそうな。 義実家から徒歩2分に家を建てて貰って、毎日トメ孝行してたという話でした。 葬儀にいたようだがコトメ夫もコトメ子の顔も名前も知らないが、 着メロが流れるたびに歌ってくれてた子がコトメ子かもしれんw 書き込んだ後、嫌なことばっかり思い出したせいか頭痛が酷くて仕方ありません。 寝ますノシ gjありがとうでした。 358 :127:2007/05/23(水) 09 09 08 おはようございます。127です。 寝過ぎてしまったせいか、頭がぼーっとしています。 頭痛は消えました。ご心配下さった方ありがとう! 2月頃から2ch見るようになって、私ってエネmeだったよなーとつくづく。 元トメ元コトメをのさばらせるだけで闘わない私も悪かったんだって、絶縁当時は思ったものです。 我慢しかしてない同居生活だったとは言えないかもしれません。 バトルは前もって避けてたし、不興を買っても頭下げて謝ればいいやーって思ってた。 だから「可哀想な127」じゃあないですよww自業自得でした。 兄の葬儀の件で、どんだけ非情な人たちなんだと、人として最低だ、 息子にも悪影響しか与えない、という考えもあって絶縁したのでね。 絶縁後の生活は親子三人で、トメの目を気にする事もなく過ごせて、すっごく楽でした。 箪笥に服をしまうだけで部屋って広くなるんだーって妙に感動。 元夫も、家庭内のもめ事を気にしないで生活出来る環境が良かったらしく、 大人しくて穏やかな人だったので、夫婦喧嘩も殆どしませんでしたよ。 トメの介護の事や葬儀に来いと電話してきたのも、 今考えれば自分の意志で言ったんじゃあなかったんでしょうね。 義親族に言われるまま。逆らって自分が面倒に巻き込まれるのが嫌だった。それだけ。 息子に「もういいかなぁ」と聞いた時は、ダメだこりゃ、と呆れるだけで、涙の一つも浮かばなかった。 大人しい元ウトと大人しい元夫の二人で、トメが居ない家で手足を伸ばして静かに暮らしてる事でしょう。 私実家に離婚したと報告した時、母に葬儀の時のことを話しました。 故人が主役の葬儀の筈が、嫁に色んな視線が注がれて、 元トメのために涙を流した人が一人も居なかったと。 「あんたはお姑さんの葬式になんて真似を!」と言われましたが、 「で?その時夫さんはなんて?コトメさんはどんな顔してた?」 とkwsk!顔で聞いてきたので、表面上怒っただけなんだなー人として、と思いましたw 私も母もDQNですww ではでは。名無しに戻ります! 聞いてくれて本当にありがとうございました! その後いかがですか その5より 470 :名無しさん@HOME投稿日:2007/07/04(水) 18 13 16 0 以前DQNスレ17に書かせていただいた者です。 コテは127、まとめサイトでは(ンコまみれ嫁)になってた。まみれてないのにw 報告できる後日談があるとは思ってませんでしたが、 ちょっと意外な展開になったのでお邪魔しました。 元トメの葬儀後、元夫親族ともきっぱり縁を切り、 息子と二人でのんびり暮らしておりましたが、 昨日、元コトメが私の職場に押し掛けてきました。 「お父さんとお兄さんをかくまってるだろう」 との事。 「知りません、分かりません、二度と来ないで下さい」 と無理矢理追い返しました。 喚いた内容から察するに、どうも元夫と元ウト、 家を処分してコトメに内緒で引っ越したらしいです……www 元コトメ、ふぁびょり方が元トメそっくりになってて無性に笑えましたw 477 :名無しさん@HOME投稿日:2007/07/04(水) 20 01 52 0 470、ンコ嫁です。DQNスレじゃなくてDQ返しスレでしたね…すみません。 息子と外ご飯してきました。 帰り道、雨に紛れて車を回し、義実家をこっそり見に行ったら、 更地になってたwwww ロープ張って立入禁止になってたwwwwww あのおっとりした存在感の無い父子に何があったんだ! と私がwktkしてますw 私の方に元夫から連絡はありません。 元コトメが襲来した事を伝えようと思ったのに、携帯解約したのか繋がらず。 離婚後も息子の携帯にだけは元夫からメルが着てたので、 そのうちなんか言ってくるかもです。 また動きがあったらご報告に参りますね。 その後いかがですか その7より 895 名前:名無しさん@HOME投稿日:2007/08/10(金) 09 37 30 0 DQスレのンコまみれ嫁です。 元コトメ襲来よりこっち、ごたごたがありましたが、 ようやく平穏な生活に戻れたようなので、ご報告させていただいてよろしいでしょうか。 896 名前:名無しさん@HOME 投稿日:2007/08/10(金) 09 38 11 0 ( ´∀`)ドゾー 897 名前:名無しさん@HOME投稿日:2007/08/10(金) 09 40 31 0 896 ありがとうございます。では……。 時系列順にまとめてみましたが、分かりづらかったり読みづらかったらすみません。 思い出すとこの件に関することを拒否するみたいに頭がぼーっとしてしまうので。 ・元義実家売却→元夫&元義父引っ越し(失踪) ・元コトメ、私仕事場に襲来。 ・元義実家宅更地になってた。 ↑↑↑ 前 回 こ こ ま で ↑↑↑ ↓↓↓ そ の 後 ↓↓↓ ・元コトメ、再度仕事場に襲来。「泥棒!お母さんの遺産返せ!!!」とふぁびょる。 職場に来た時からカバンにずっと手を入れていて、明らかに不審すぎな元コトメ。 中でカッターナイフ握り締めてました。警察呼んだ後もずっとそのままの状態だったので逮捕・連行。 ・元コトメ夫より謝罪あるも、 「嫁(元コトメ)は家族(元夫&元ウト)のことで思い詰めていた。 元はと言えば嫁が貰うはずだったトメさんの遺産をあんたが奪ったからだ。 示談にしろ。どうしても訴えるというなら弁護士雇って戦う。遺産も取り返す」 と訳が分からない事を言われ、こちらも以前お世話になった弁護士さんに来て貰う事に。 ・「ンコ嫁さんが貰ったのは元夫さんからの離婚の慰謝料と子供さんへの養育費であり、 それが元トメさんの遺産(元夫の相続分)から支払われただけで、奪った等と言われる筋合いがない」 再構築前に作成した離婚条件を見せ、ついでに離婚理由についても話し、 元コトメ夫、聞いていた話と全く違うと言って平謝り。 ・「子供もいるしどうか許して欲しい」と言われ、弁護士さんに支払う実費だけを示談金として支払わせて 二度と関わり合いにならないと約束させ、示談に応じた。 898 名前:名無しさん@HOME投稿日:2007/08/10(金) 09 42 02 0 ・暫く後、元コトメが3度目の襲来。即通報して前科ありと言うこともあって連行される。 ・元コトメの言動がとにかく怪しく(所謂デンパ系)相応の病院へ入院。 ・訴えようにもメンヘル相手なので「立件するのは難しい」となり、 「大変ご迷惑をお掛けしました」と元コトメ夫より謝罪され、 治療に専念させる、退院後は中距離夫実家へ引っ越して夫両親と同居・監視下に置く、 以上を念書にして一応終結となりました。元コトメ夫両親は離婚しろと喚いてるらしいです。 今月に入って息子携帯に「お父さんです。久しぶりだね。番号変わりました」とメールが着た。 面倒臭いことが起きてるからすぐ連絡してこいと返信してもらうと電話が。 上記のことを伝えると「妹が迷惑掛けてすまなかった」と謝られた。 ・元トメの保険金を「自分の取り分が少ない」と元コトメがごねた。 ・「お母さんが一番好きだったのは私だから、私が一番多く貰って当然」 ・「お父さんは年金も貰えるし、お兄さんは離婚したんだからもうお金使わないでしょ。私に頂戴よ」 ・「お父さんが氏んだら財産は全部私が貰う。家族が居ないお兄さんに遺産残してもしょうがない」 ・「今現金でそれ相応の分くれてもいい」 ・義実家の手助け(掃除・洗濯・食事の世話等)は何一つせず、とにかく金のことしか言わない。 ・嫁入りの支度も家購入資金も全部出してやったのに、まだ毟り取ろうとする妹にほとほと嫌気が差した。 ・妹の顔を見るだけで疲れ声を聞くだけで息苦しくなる。父子共々軽く鬱状態に。 ・親父と相談して、妹から逃げることにした。 ・売却を不動産屋に相談し、家は資産価値無しとみられるも土地だけは売買契約が成立。 (近所にマンションが建つらしく、駐車場になる土地を探していたらしい) ・妹家族に「旅行にでも行きなさい」と金を出してやり、 居ない隙に夜逃げのように引っ越した(これが5月の連休の頃とのこと) 899 名前:名無しさん@HOME投稿日:2007/08/10(金) 09 43 15 0 ・親父と俺は一緒にいる。 ・妹や親族がもし聞いてきても知らぬ存ぜぬを通してくれ。 ・妹が迷惑掛けたら通報してくれても構わない。 どなたかがおっしゃった通り、火の粉が自分たちに降りかかったので尻を捲った…と言うことらしいです。 古い家を借りて畑やって自給自足の生活してるそうな。 車で30分走らないとコンビニもない、携帯も常に圏外のど田舎でスローライフ満喫中だとか。 あまりにも無責任で勝手な言い分なので腹が立って、 迷惑は散々掛けられたし通報もした。元コトメはおかしくなって入院してる。 知らぬ存ぜぬを通してくれは虫が良すぎ。 私は関係ないんだから、今度なんかされたらそっちに連絡してくれと言う、 と電話口でまくしたててやった。 それは困るとかごちゃごちゃ言ってたけど知らん。 ちなみに、私が奪ったと言われた元トメ遺産はちゃんと元コトメが相続しており、 元コトメ夫が確認したところ、全額手付かずで貯金されていたそうです。 元ウトと相談して一度戻ってくるらしいですが、会いたくもないし、私こそ知らぬ存ぜぬでスルーします。 忘れてたけど元トメの初盆なんですよね。 こんなモメ事の最中で盆の手配出来ないだろうし、ザマーミロって思ってます。 900 名前:名無しさん@HOME 投稿日:2007/08/10(金) 09 48 31 0 何事もなければ、元トメの財産が相続権のない単なる嫁/元嫁に流れる(横取り)なんてアリエナスなのにねー リコーンしてからもなんて内輪だけで飽き足らずにじみ出てくる元姻戚か( A`)オツカレサマデシタ 元コトメは病院からにじみ出てくんなよ! 901 名前:名無しさん@HOME投稿日:2007/08/10(金) 09 50 42 0 報告は以上です。 もう、真剣にこの一族とは関わりたくないと思いました。 職場にも迷惑掛けたし、また同じような事があっても困るので、 移動願いを出しています。住んでる場所は知られてないと思うのですが、 引っ越すことも考えてます。 息子の学校の事もあるので、そんな遠くには移れませんが。 902 名前:名無しさん@HOME 投稿日:2007/08/10(金) 09 55 41 0 901 職場、住んでいる所、移動した方が良いみたいだね。 今後またキチガイが来るとも限らないから ご自身が心療内科に月1ぐらいで通院して 精神不安定に成りすましていたらどうかな? また、やって来てその時に貴方が撃退してもお咎めなしになるからね 心神喪失者は極端話、殺人を犯しても無罪w 903 名前:名無しさん@HOME 投稿日:2007/08/10(金) 10 00 36 0 902 犯罪教唆と取れる発言はやめなよ。気持ちは凄く判るけど。 移動には同意。そこにいちゃいけない。 何にしても乙です。 904 名前:名無しさん@HOME投稿日:2007/08/10(金) 10 03 47 0 900 にじみ出てきたら怖すぎ… 「お母さんが毎日私に言うのよ!お父さんとお兄さんは嫁子に埋められてて、 お金がないとこの世に帰ってこられないって!」 って、私が二人を殺して埋めたみたいに言われてましたorz つうか、毎日言うって、幻聴ですよね…。 かなりやばい感じになってるので暫くは出てこないと思われます。 902 あんなのと戦いたくありません。即通報しますw というか、精神的にかなり参ってて、不眠にもなってるので、 心療内科には掛かってます。 引っ越し、本当にしよう…。今月中に家探しします。 905 名前:名無しさん@HOME投稿日:2007/08/10(金) 10 10 11 0 903 ありがとうございます。 盆休みの間に不動産屋巡りします。 二度とンコ嫁で報告するような事が起きないよう、祈ってて下さい。 ではでは。名無しに戻ります。 NEXT→150
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統一地球圏連合政府中央政庁は、オーブのオロファト市中心部の官庁街、そのやや西寄りにそびえ立っている。 高さは400メートル弱、100階を越えるその姿は、天を貫く柱にも雲海へと繋がる門にも例えられ、統一連合の権威の象徴として威容を誇示していた。 主席公邸の最上階は丸々、主席代表専用の執務フロアとなっている。 豪奢な内装の施された廊下を、濃い藍色の髪の青年士官が歩いていた。 年の頃は20代前半。 若々しい引き締まった体躯を、統一連合正規軍の第一種軍装で包んでいる。 胸元の階級章は少将。 だがその緑眼と秀でた額が特徴的な整った容貌を見れば、若年に似合わぬ階級を疑問に思う者は殆どいないだろう。 現主席の側近中の側近である近衛総監アスラン=ザラを知らぬ者は、軍には皆無なのだから。 従者の案内で、アスランは目指す部屋の前へとたどり着く。 受付の秘書官に形式的な手続きをすますと、部屋へ通じる重厚な木製扉が開いた。 扉の奥に広がっていたのは、主席が休息や仮眠を取るためのプライベートルームだ。 広々と広がる室内の内装や調度品は、よく吟味されているものの華美とは程遠い。 万事において気取らない主の為人(ひととなり)を反映したのだろう。 窓際で眼下の市街を見下ろしていた人影が、ゆっくりと振り向く。 金に近い琥珀色の瞳が真っ直ぐにアスランへと向けられた。 背筋を伸ばし、アスランは敬礼をした。 「お迎えに上がりました、主席」 「ご苦労、ザラ少将」 統一連合首席代表カガリ=ユラ=アスハは、今年で23歳を迎えた。 いつもは妙齢の女性にも関わらずオーブ首長服の上下で通しているものの、今は式典のためにドレスを着ている。 オーブの民族衣装を現代風にアレンジした薄緑色のドレスはカガリに良く似合っていた。 大胆に開いた首筋から肩にかけてのラインを隠すように、純白のマントを羽織っている。 数年前から伸ばし始めた金髪は、結い上げず自然に背筋の中程まで流されていた。 よく見ると、どこか少年じみた顔にも薄っすらと化粧が施されているのに、アスランは気づいた。 「まだ時間に余裕はあるが、そろそろ行くとするか。アスラン」 上品に微笑むカガリに、アスランは一礼した。 空調の効いた中央政庁から出ると、オーブの暑い空気が広がっている。 主席公邸を出発した公用車の前後に、SPを乗せた護衛車両が半ダースほど続く。 後部座席では、カガリがうんざりした表情をしていた。 「やっぱりこういうヒラヒラした服は苦手だ。気を抜くと裾を踏んで転びそうになる」 そういってドレスを摘み上げるカガリに、アスランは苦笑した。 20を過ぎて猫の被り方を覚えても、こういう素の部分は変わらないな――そう思いながら、アスランはカガリをたしなめる。 「折角の晴れの式典なんだ。こういう演出が必要なのは分かってるだろう」 こうやって2人きりになると、ついアスランの口調も昔の俺お前のそれに戻ってしまう。 ちなみに公用車の前後は特殊な偏光ガラスで区切られているため、後部座席のやり取りは運転手に届かないようになっている。 「分かっているさ、それぐらい」 口をとがらせたカガリは、窓の外に視線を移す。 首都オロファトの市街を行き交う人々に混じって、要所要所に青とグレーに塗り分けられたMSが立哨していた。 治安警察省特別機動隊保有の無人MS、ピースアストレイだ。 旧式化したかつてのオーブ軍主力機MBF-M1アストレイを再利用し、高性能AIを搭載した機体である。 武装もスタンロッドや放水銃といった対人非殺傷兵器が中心。 当然ながら対MS戦闘能力は低いものの、暴徒鎮圧やデモ隊の誘導などで大きな成果を挙げていた。 街並みを眺めていたカガリが感慨深くつぶやいた。 「豊かだな、オーブは」 「ああ」 アスランもそれにうなずく。 「カガリやラクスががんばったからさ。おかげで『統一地球圏連合』という、やっと世界を平和に出来る仕組みも作る事ができたからな」 ―『統一地球圏連合』― 通称、統一連合。 これはメサイヤ攻防戦、後の世に言う「第二次汎地球圏大戦(ロゴス戦役)」後、オーブが提唱した新しい国際的政治体制である。 過去二度にわたって世界は、人類絶滅すら危ぶまれるう世界規模の大戦争を引き起こした。 その反省から戦争勃発の危険を廃し、地球圏の恒久的平和の実現を求めて設立された。 それが『統一地球圏連合』である。 世界の国々は統一連合に加盟し、政府と議会が制定した「統一地球圏連合憲法」と、加盟各国の代表者(人口に合わせて増減。数名~十人前後選出)より構成された議会「統一地球圏連合最高議会」、そこで承認を受けた各連合政府機関のもとに、統治される。 議会からは代表主席が一名選出され、強力な権力によって軍や政府機関を統括していく。 加盟国は地球圏連合憲法の枠組みを超えて行動してはならない。 また議会や政府の決定に服す義務を有する。 その代わりに、国家間の諸問題(紛争や貿易問題、経済格差など)はもちろん、一国で処理できない問題(内戦や財政破綻など)の解決・援助を、議会や政府に求めることが出来る。 事実上、世界を支配する統一政治機構なのである。 オーブが世界各国の有力国をまとめあげて作り上げた経緯から、首都はオーブの首都オロファトに置かれ、そして現在の統一連合代表主席は、オーブ永世首長であるカガリ=ユラ=アスハとなっていた。 しかし世界を統べる盟主となったのに、カガリの表情は今一つ浮かない。 「……世界を平和に……か。ならいいんだけど」 「……何かあったのか?」 その声の微妙な響きに気づいたアスランが水を向けると、ややあってカガリは答えた。 「ついさっき、西ユーラシア総督からの報告があってな」 ああ、と頷いたアスランは、ようやくカガリの言葉にも納得できた。 CE73年に勃発した第二次汎地球圏戦争――ロゴス戦役において、地球で最も大きな被害を受けた国はユーラシア連邦だった。 まず開戦のきっかけとなったユニウスセブン落下の際、破片の1つが中心部である西ヨーロッパを直撃。 ローマ市が消し飛び、穀倉地帯のフランスも大打撃を受ける。 続いて以前からユーラシア政府の施政に反発をしていた黒海沿岸部で分離独立運動が起こる。敵の敵は味方、との判断からこの地域はプラントに支援を要請し、プラントもザフトの派遣で答えた。 対抗して地球連合も第81独立機動軍やオーブ遣欧艦隊を増援として投入するも、地中海を舞台とした一連の戦いで敗退する。 反連合の動きは、ロシアや東欧といったユーラシア東部全域に広がった。 追い詰められた地球連合軍は非常手段に訴える。 ユーラシア政府の黙認の下に超大型MA、GFAS-X1デストロイを投入して独立運動の鎮圧を計ったのだ。だが、モスクワやベルリンといった4つの大都市の壊滅と100万人以上の死傷者という悲劇の末、デストロイは撃破され、この暴挙は失敗に終わる。 激怒した『東』ユーラシアは、CE74年5月のメサイア攻防戦に前後して『西』ユーラシアに独立と宣戦を布告。 『東ユーラシア共和国』を名乗った。 以降、翌75年5月にピースガーディアンとオーブ軍を中心とした連合軍が介入するまで、約1年に渡って泥沼の東西内戦が続く。 ユーラシアの欧州半島からシベリアに至る広大な版図は、分断されたまま統一連合に編入される。 その分断ラインが旧西暦時代のいわゆる<鉄のカーテン>にほぼ沿っていたのは、歴史の皮肉だろうか。 それでも東ユーラシアは、かろうじて主権を持つ加盟国としての体裁を保っているものの、西ユーラシアは自治権すら放棄した直轄領として、統一連合政府から派遣された総督に統治されている。 現在の西ユーラシアは、莫大な数の領域内難民と壊滅した経済、戦禍で荒廃した国土を抱えこみ、統一連合から投下される援助物資を頼りにかろうじて復興が始まった状態だ。 欧州が人類の中心の1つだった時代は、過去のものとなっていた。 「どうやら、今年の冬は餓死者を出さずにすみそうだけど――」 「去年は酷かったからな。ユニウスセブン落下から続く異常気象が原因で、北半球は記録的な冷夏。そのせいで北半球全体でも500万もの餓死者を出す大惨事だ。しかもその犠牲のほとんどが東西ユーラシアときている」 「私達も、統一連合も打てる手は打ったんだ……。でも間に合わなかった」 「……」 「こうやってオーブの人間が平和と繁栄を謳歌する一方で、飢えと寒さに怯える人達もいる。矛盾だな」 「そうだな……」 今年の1月から4月にかけて、反統一連合勢力による一斉蜂起。いわゆる『九十日革命』まで起こった。 反乱軍と戦った統一連合軍もその中核は、旧オーブ軍とクライン派ザフトであり、アスランも近衛総監としてユーラシア戦線に出征している。 実の所、近衛総監という地位は、ほとんど名誉職に近い。 平時にはカガリの側近兼護衛、戦時には切り込み隊長。 もっとも、その立場を不満に思ったことはないが。 「でも今の世界にオーブの力が必要なのは分かっているだろう」 「……」 「オーブが揺れれば世界が揺れる以上、オーブ市民の不満を呼ぶような政策は取れない。違うか?」 「そのためには、ユーラシアの人達を見捨てろと?」 「彼らからの搾取の上で、オーブが太平楽を楽しんでいるわけじゃない」 「そういう問題じゃないだろう!」 思わずカガリは声を荒げる。 たとえ統一連合の元首であっても、現実にカガリが拠って立つ足場はオーブなのだ。 「世界のためだ。泥を被る覚悟ぐらいしろ」 「嫌な話だ……」 「安心しろ。何があっても、俺がお前を守る」 「え?」 アスランの真摯な眼差しに、カガリはきょとんとしてしまった。 思わず一瞬、ほんの一瞬だけかすかに頬を赤らめてしまうが、すぐもぎ放す様に視線を外すとそっぽを向く。 「ば、馬鹿! そういう事は私じゃなくメイリンに言ってやれ!」 「え、いや、そういう意味じゃ――」 妻の名を出され、急にしどろもどろになったアスランを横目で見ながら、カガリはふんと鼻を鳴らした。 沿道で歓声を上げる群衆の中に、黒衣の青年――シン=アスカの姿があった。 車載ラジオは、カガリの功績をたたえる放送を繰り返す。 「統一連合樹立3周年記念式典か。いい気なものだな、独裁者。今日が貴様の命日になるのも知らずに」 小声で吐き捨てるように呟くと、シンは足早にその場を立ち去った。 街路の角を何度か曲がり、路地裏に停車していた古い型のバンの助手席にに乗り込む。 シンが固いシートに腰を下ろしてドアを閉めると、バンはくたびれたモーター音と共に発車した。 「コニール、状況は?」 「今の所は予定通りだね。サハラの虎や南米の連中は、もう配置についてる。いけすかない、バラに十字のお歴々もね」 運転席でハンドルを握っている若い娘――コニールが答える。 年の頃は二十前後。 よく日に焼けた肌は褐色、頭の後ろで括られた髪は茶色だった。 気の強そうな眉が特徴的な顔立ちは、どこか猫を思わせた。 「ふん、どうやら幸運の女神は、まだ俺達にそっぽを向いていない様だな」 「女神さまはどうでもいいけどね」 ハンドルを切りながら、コニールがシンにどこか剣呑な口調で言う。 「1時間前に公園で騒ぎを起こしたの、あんたでしょう?」 「捕まるようなへまはしないさ」 「オセアニアのみんな、カンカンだったよ!うまく誤魔化しておいたけどさ」 悪びれずに肯定するシンに、コニールは声を荒げた。 「まったく、連絡役で間に入ってるあたしの身にもなってよ」 「元々、この作戦に参加する予定だったのは俺とレイだ。勝手についてきたのはお前だろうが」 「なっ――」 あまりの言い草に、激昂しかけるコニールだが、寸前で思いとどまると深々と溜め息をついた。 「あんたねえ。その前後左右360度に喧嘩売って回ってる態度、何とかしなよ」 「性分だ。今さら変えられん」 「……あっそ」 再び溜め息をつくコニールとシンの間に、第3の声がかかる。 《シン、この作戦で俺達リヴァイブの役割は、あくまでサポートだ》 不思議な事に、バンの中にはシンとコニール以外の姿は無い。 もっとも注意すれば、その3人目の声が合成された電子音声だと気づくだろうが。 《オセアニア解放軍はこの作戦の下準備に、少なからざる時間と人員を費やしている。それを忘れるな》 「ああ分かっているさ、レイ」 素っ気無く、レイと呼ばれた声の主にシンは答える。 その眼は街並みの向こうに覗く式典会場、クライン=アスハ平和祈念スタジアムに向けられていた。 式典パレードの隊列は、オロファト市中心部のメインストリートを進んでいた。 このままクライン=アスハ平和祈念スタジアムへと行進するのだ。 隊列を組んでいるのは、オノゴロ島に置かれた統一連合地上軍総司令部の直隷下、オーブ防衛を主任務とする精鋭師団「地上軍第1機動師団」だ。 100機を越える鋼鉄の巨人は、併走する軍楽隊の奏でる行進曲に合わせて一糸乱れぬ歩調で進み、沿道を埋める数十万にも達する市民の興奮を高める。 ザフトMSの系譜に連なる曲面主体のシルエットと、ダガー系列の特徴が強く現れた頭部ユニットを併せ持ったその姿が、陽光を受けてきらめく。 統一連合軍の現行主力MSであるGWE-MP006Lルタンドだ。 外見から分かるように連合・プラント双方の技術を組み合わせて開発された機体で、『ナチュラルとコーディネイターの融和の象徴』として地球圏全域に配備が進められていた。 興奮した少年達が、目を輝かせて吹奏に合わせて合唱する。 他の大人達もそれに唱和し、歌声はあっという間に広がっていった。 歌が終わらぬうちに、それまでとは質の異なる甲高い響きが上空から降って来る。 見上げた市民の目に映ったのは、鏃のような隊形を組んだ、3機の戦闘機。 鋭角的な前進翼と機首のカナードが特徴的な機体は、だが正確には戦闘機ではない。 GWE-MP001Aマサムネ――第2次大戦時のオーブ軍可変MS、ムラサメの後継機だ。 原型となったムラサメ同様、空戦型MAへの変形による高い機動力を誇っている。 3機のマサムネは、飛行機雲の尾を引きながら上昇する。 続いて旋回、錐揉み、急降下。 一隊だけではない。 十数の編隊が入れ代わり立ち代わり僅かな時間差で現れては、巧みなアクロバット飛行の軌跡を蒼穹のキャンパスに描く。 その度に地上からは、大きな歓声が上がった。 尽きぬ歌声と歓声の中を、パレードは進んだ。 「フン……下らんな」 官庁街の一角にある、統一連合政府情報管理省の大臣執務室。 部屋の主――アンドリュー=バルトフェルドは呟いた。 執務室にすえられたTVでは民間放送のレポーターが、式典の様子を実況中継している所だった。 《ご覧下さい。沿道を埋め尽くす人、人、人……。ここオロファト中央通りには記念式典のパレードを一目見ようと人々が殺到しております。今ちょうど私の後ろをオーブの守り神、第1機動師団の精鋭MS隊が人々の歓喜の声の中、整然と行進しております……》 「……連中に真実など必要無い。ただ奴らが望む情報を、餌として与えてやればそれでいい」 最高級のスーツに包まれた逞しい肩が、小刻みに震える。 笑っているのだ。 「愚民どもが」 浅黒い精悍な顔に、傲慢そのものの笑みが浮かぶ。悪意と嘲弄が広い室内に満ち―― 「……で、今日は愚民ごっこですか?」 心底、呆れ返った一言で雲散霧消した。 「その手の台詞は、夜景でも見下ろしながらブランデーグラス片手に口にして下さい。真っ昼間からコーヒー飲みながら言っても、馬鹿にしか見えません。遊んでる暇があったら仕事して下さい」 「手厳しいね、ダコスタ君」 むしろ淡々と続ける声に、バルトフェルドはマーチン=ダコスタ補佐官を振り返る。 ザフト以来の腹心の部下は、本来ならバルトフェルドが決済すべき書類の山と格闘していた。 先程までの凄味はどこへやら。 緩み切った表情と声で、バルトフェルドはだらしなく背もたれに寄りかかると、両足を机の上に投げ出した。 「いやあ、持つべきものは有能で勤勉な部下だねえ」 「一応は閣僚の一員なんですから、もっとしゃんとして下さい。折角の礼服に皺が寄りますよ。式典で恥をかいても知りませんからね」 「夜の睡眠時間まで削って取り組んでいた一大イベントが、一応の成功を見せてるんだ。多少だらけても罰は当たらんさ」 「その代わり、昼寝はしっかり取ってましたね――何にせよ、お疲れ様でした」 実際、バルトフェルドの演出は完璧と言って良かった。 統一連合を構成する加盟国の元首達が集うこの場で、統一連合軍はその力を遺憾無く見せ付けていたのだ。 「どうせならピースガーディアンも出した方が、印象が強いと思うんですが」 「今日の主役はアスハ主席だからね。正規軍に花を持ってもらうさ。と、本命のお出ましか」 TVが真紅と黄金に輝く2体のMSを映す。 パレードの隊列に参加したのだ。 赤い機体はGWE-X002Aトゥルージャスティス、金の機体はGWE-X003A旭。 それぞれアスランとカガリの専用機であり、統一連合の力を象徴する超々高性能MSだ。 真紅の騎士と黄金の王者の勇姿に、レポーターは興奮し、群集は一際大きな歓声が上がる。 「目立つねえ。ま、宇宙艦隊を丸ごともう一揃え建造できるだけの予算をつぎ込んでるんだ。せめて看板の役には立ってくれないとね」 「またそんな事を。その内、舌禍で失脚しても知りませんよ」 「そうなったら、田舎に引っ込んで暴露本――もとい、回想録で一山当てるさ。ダコスタ君、君の事は誠意と勇気に満ちた、有能な人材として描写しておくからね。安心したまえ」 「そいつはどうも……」 どこまでも気楽に振る舞う上司に、ダコスタは深々と溜め息をついた。 アンドリュー=バルトフェルド情報宣伝長官と比較すれば、カガリ=ユラ=アスハ首席代表は少なくとも1万倍は勤勉だった。 彼女はまだ若く、指導者として多くの欠点を有していたが、少なくともその中に怠惰は含まれていない。 オーブ中が式典に沸くころ、遥か遠くにスタジアムを望む高層ビルの一室に仏頂面の男が入ってきた。 肩には大きめのバッグを背負っている。 ここは以前は空部屋だったのだが、二ヶ月ほど前から事務所として借りられている。 しかし不思議なことに部屋には机一つなく、使われた形跡が全く無かった。 だが男はそれが当然のように、全く関心を示さない。 バッグを下ろすと、中にあった数々の部品を組み立てる。手馴れた手つきだ。 十分足らずでそれは完了し、彼は窓際に自身を配置、窓を開ける。 高層ビルであるにも関わらず、窓が開けられる。 何故ならこの日のために、そういう風に仕掛けたのだからそれは当然だった。 男は懐から取り出した通信機に語りかける。 「こちら『雀"1"』、配置に着いた。あとは『駒鳥』を待つだけだ。オーバー」 《こちら『牡牛』、了解。オーバー》 短い通話はそれっきりで切れた。 この日、カガリは忙しかった。 まず主席公邸で式典に参列する各国元首の表敬訪問を受ける。 そして次にドレスからパイロットスーツに着替え、旭に乗り込み、自らパレードに参加してスタジアムへと向かう。 さらに礼服に着替えた後、スタジアムで式典に参加。 大戦の犠牲者を追悼し、統一連合の成果を高らかに謳いあげる演説を行う。 その後は戦没者慰霊公園に向かい、遺族達を弔問。 夜はドレスに着替え、迎賓館でパーティー。 招待した各国元首や貴賓客をもてなす……。 分刻み、秒刻みのタイトなスケジュールだ。 「あーあ、着せ替え人形にでもなった気分だな」 スタジアム到着後、一角に用意された控え室で、カガリは大きく伸びをする。 式典での演説に備え、礼服に着替えていた。 「やはり、子供の頃はそういうので遊んでいたのか?」 湯気の立つ紅茶のカップを差し出しながら、アスランが言った。 「うーん、どちらかというと、外で駆け回ってた方が多かったかな」 紅茶にやや多目の砂糖とミルクを加えながら、カガリは答える。 甘めのミルクティーを1口。 疲れた体には心地良かった。 「ラクスにももっと手伝ってもらえばよかったなあ」 「カガリの演説のあと、一曲歌うんだろう?」 「知ってるよ。でも不公平だ」 「ぼやくなよ。統一連合の主席なんだから、仕方ないさ」 「む゛ー」 ラクスは統一連合の特別顧問、キラは精鋭部隊「ピースガーディアン」の隊長を務めている。 二人ともやはり式典には参加しているが、それでも仕事の量はカガリの方が圧倒的に上だった。 役職の責任に比例して、仕事量が増えるのは判るが何かずるいぞ、とカガリは思ってしまう。 そんなむくれるカガリの様子に、アスランは思わず苦笑してしまった。 その時、従者がドアをノックする。 来客だという。 「誰だ?余程の事が無い限り誰も近づけるな、と言っておいたはずだが」 不審そうに眉をひそめるカガリを置いて、アスランが応対する。 「フラガ大将が、御家族と一緒に挨拶に見えたらしい。どうする?疲れているならまたの機会に、と言っているが」 「ば、ばか!早く通せ!」 待つ事しばし、30代半ばの長身の軍人と、同年輩の軍服を着た女性が姿を現した。 女性の胸では、ふくよかな赤ん坊がぱちりとした目で辺りを見回している。 統一連合宇宙軍総司令ムウ=ラ=フラガ大将と妻のマリュー=フラガ予備役准将、そして2人の間に生まれた愛娘のアンリだ。 無数の傷痕が残る端整な顔に陽性の笑みを浮かべ、ムウは敬礼する。 「お久しぶりです、主席閣下」 「そういう物言いは止めてくれ。ここには私達しかいないんだから」 カガリにとってムウとマリューの2人は、何よりも前に1次大戦以来、共に戦ってきた大切な『仲間』だった。 差し出されたカガリの右手を、ムウは苦笑しながらも力強く握り返す。 マリューもいつもの柔らかな笑みで、それに倣った。 来客用のソファーに腰を下ろしたムウとマリューに、アスランは新しく淹れた紅茶を差し出す。 「上手く淹れられたか判りませんけど、どうぞ」 「近衛総監直々の御点前とは、いたみいるわね」 珍しく軽口で返しながら、マリューは紅茶を受け取った。 現在のムウは月の新プトレマイオス基地におかれた宇宙軍総司令部が任地であり、マリューとアンリはオーブに残されている。 何気ない雑談を交わしながらも、久しぶりに愛しい夫に会えた喜びが、言葉の節々から滲み出ていた。 「キラ達は?」 「キラとラクスはピースガーディアンへの閲兵を済ましてこちらに来ます。もうすぐ着くでしょう」 「そうか。式典って奴は作法と格式と手続きの塊みたいなもんだからなあ」 ムウとアスランの問答を聞きながら、カガリは冷めかけた紅茶をすする。 嘆息するカガリの目が、アンリに止まる。その頬が嬉しそうに緩んだ。 「アンリも、少し見ない間にずい分と大きくなったなあ」 「ああ、親の俺もびっくりさ」 アンリのすべすべした頬をつつきながら、フラガはカガリに答えた。 その指を、アンリは丸まっちい両手でしっかりと握り締める。 まるで、もう二度とどこにも行かさないと宣言するように。 「アンリも、お父さんに会えて嬉しいのね」 優しく娘の頭を撫で摩るマリュー、そして愛する妻子を見守るムウ。 ありふれた、だが何よりも尊い家族の肖像に、カガリは胸をつかれた。 アスランの方へと泳ぎかけた視線を、慌ててもぎ離す。 もう遥か昔に思えるあの頃、カガリは自分とアスランの人生が不可分のものだと信じていた。 言葉にはしなかったものの、アスランもまた同じ想いを抱いていると思っていた。 「カガリ、少し早いがそろそろ準備をしよう」 カガリの想いを知ってか知らずか、アスランが時計を確認しながら言った。 「おっと、じゃあ俺達は先に会場に行っとくから」 「じゃあ、また後でね、カガリさん」 立ち去るムウとマリューを見送りながら、カガリは小さく頭を振った。 もう、全ては終わった事だ。道は既に別たれている。 たとえアスランが常に自分の傍らにあり続けているとしても、2人の軌跡が交わる事は、もはや決して無いのだから。 「カガリ……?」 「何でも無い。私達も行こうか、ザラ少将」 主席代表の顔と声で、カガリは答えた。 《――会場より、情報管理省報道局のミリアリア=ハウがお送りします》 つけっぱなしのラジオから流れる若い女性報道官の声に、シンは顔を上げた。 ゆっくりと立ち上がり、首をめぐらす。 目に映るのは日の光も照明も無い、暗く薄汚れた階段の踊り場だった。 腕時計に内蔵された通信デバイスから、レイの声が流れる。 《そろそろ時間だ》 「ああ」 シンは大小2つのケースを持って階段を登る。 登り切ったつきあたりの鉄扉を力を込めて押すと、軋んだ音を立てながら錆びついた扉がゆっくりと開く。 《――ただいま、会場に汎ムスリム会議のザーナ代表とアメノミハシラのサハク代表、そして南アフリカ統一機構のナーリカ代表が到着しました》 扉の向こうに広がっていたのは、狭くコンクリートが剥き出しの床面と、雲1つ無い空だった。 ここは、オロファト市東部の再開発地域にある小さな廃ビルの屋上。 地上の喧騒もここまでは届かず、沈黙に閉ざされた中にラジオの音声だけが白々しく響いていた。 《――ご覧下さい。世界中の国と地域の指導者が、互いの手を取って平和と融和を誓い合っています。あの悲惨な大戦から4年半、人類は、世界はここまでたどり着きました》 感極まった報道官の声を無視し、シンは鋭い視線を地上の一角に向ける。 狭隘なビルとビルの隙間から、平和祈念スタジアムが小さく覗いていた。 「こちら『雀”3”』。"牡牛"。オーバー」 《こちら『牡牛』。どうぞ》 「俺だ。予約していた特等席についた。いい眺めだ。舞台が一望できる」 腕時計の通信機を操作し、指定のチャンネルに合わせると、シンは低い声で囁きかける。 ややあって、通信機から若い娘の声で返事があった。 言わずと知れたコニールだ。 《了解。他のみんなはもうとっくに席に座ってるよ。『雀”1”、"2"』もね。弁当もちゃんと配り終わった。あんたもしっかりね》 「ああ、わかってるさ」 全チームが配置完了、別ルートで持ち込んだ武器も支給済み、作戦内容に変更無し。 符丁を頭の中で変換すると、シンは通信を打ち切った。 傍らのチェロケースを手にし、ロックを解除。 中身――長大な狙撃用ライフルを取り出す。 「ここにするか」 伏射姿勢を取るのに適当な位置を選び、腰を下ろす。 銃身固定用の二脚架を展開し、ライフルを抱えたままうつ伏せになった。 銃床を肩に当て、両腕でライフルを構えると、都市迷彩が施されたシートを頭から被る。 二脚架で銃身を支えているため、重量の割に荷重は少ない。 シンの鍛え上げられた背中と首の筋力は、易々とライフルの重量を受け止めた。 片手でもう1つのケース(中型の携帯用コンピュータだった)を手繰り寄せる。 ケーブルを引き出し、ライフルの上部にマウントされた電子スコープに接続する。 念のため空を見上げ、シンは太陽の位置を再確認。 陽光が差し込み、レンズの反射光で位置を知られる心配は無い。 スコープのキャップを外し、覗き込む。 各種の照準情報と共に標的――遥か2,500メートル先のスタジアムの演壇に立つカガリの姿が、網膜に直接投影される。 これだけの長距離狙撃になると、風や湿度による僅かな弾道の捻じれが、無視できない大きな影響を与える。 それに対処するため、シン達は前もってビルとスタジアムを結ぶ直線上に、複数の偽装センサーを設置していた。 もたらされた様々なデータは観測手――本来とは意味が異なるが便宜上そう呼ぶ――のレイによって解析され、その結果がスコープに表示される。 現在、快晴で湿度は約15パーセント、風は東南東の微風。 狙撃には絶好の状況だ。 《――いまだ争いは現実として世界に存在し続けている。「九十日革命」は、まだ皆の記憶にも新しい事だろう》 ラジオから流れる声は、いつのまにかカガリの演説になっていた。 《――しかし、たとえ何度も芽が摘まれ、踏みにじられようとも、私達は種をまき続けよう。いつか、平和という大輪の花が咲き誇るその日まで》 「さすが、奇麗事はアスハの御家芸だな」 苦々しく呟くと、シンは弾倉をライフルに差し込んだ。 レバーを引き、薬室に初弾を装填する。 スコープの向こうに見えるカガリの脳天に照準。 だが、まだ指は引き金にかけない。 演壇の周囲は、防弾仕様の強化プラスチックのケースによって守られている。 この時点で発砲しても射殺は不可能だ。 今は、まだ。 《時間だな。状況開始だ》 レイの静かな声が、ひどくはっきりと聞こえた。 「ありがとうございましたー」 コーヒー1杯で1時間近く粘っていた常連客を笑顔で見送ると、ソラは小さく息をついた。 急にがらんとした店内を見回し、エプロンに包まれた細く華奢な肩をとんとん叩く。 ここは、オロファト市の南部にある喫茶店『ロンデニウム』。 半年ほど前から、ソラはこの店でアルバイトをしていた。 「ソラちゃん、ご苦労さま」 カウンターの向こうから、マスターが人懐っこい笑顔を向ける。 半白の髪をした初老の人物で、ソラたち従業員や馴染みの常連客も本名を知らず、『マスター』とだけ呼んでいた。 「店が空いているうちに、少し休むといい。何か食べるかい?」 「あ、じゃあカルボナーラを」 「判った。今日は僕のおごりだ。せっかくの祭りの日にわざわざ出てもらったお礼だよ」 「わあ、ありがとうございます。マスター」 そう答えると、ソラはカウンター席に腰を下ろした。 少しぼんやりとした目で、窓の外を眺める。 オロファトの街並みには、つい先程まで続いていた軍事パレードの熱気がまだ冷えずに残っていた。 「お待たせ」 しばらく待つと、店の奥の厨房からマスターが出てきた。 手にしていたトレーをソラの前に置く。 トレーの上には、湯気を立てるパスタとサラダの皿、アイスコーヒーのグラスが載せられている。 「いただきま~す」 ソラは手を合わせて歓声を上げると、フォークを取った。 フォークでスパゲティの麺を巻き取り、白いソースをたっぷりとからめて口に運ぶ。 バターと卵と生クリームの濃厚な味と、ベーコンの程良い塩辛さが口中に広がる。 お腹が空いてたため、つい麺をすする大きな音を立ててしまった。 「ソラちゃん。慌てずもう少し上品に食べて欲しいな。料理は逃げやしないよ」 「す……すいません。お腹減ってたんで思わず……」 「大丈夫。何だったらお替り用意しようか」 「もう、マスターったら」 ソラは思わず赤面する。 いたずらっぽく笑いながらマスターは口にパイプをくわえた。 「そういえば、今朝は大変だったみたいだね」 「そうなんですよ。信じられますか、マスター。大の大人がよってたかってお年寄りに暴力を振るうなんて!?ホント酷すぎます!!」 「まあまあ落ち着いて」 あの騒動の後、警官がまだ混乱しているうちにソラは老人を連れて逃げ出した。 普段の自分から全く考えられなかったが、頭で考えるより体が動いてしまったのだろう。 ふとソラは、記念式典の中継を流しっ放しにしているTVに目を留める。 主席カガリが威風堂々と演説をしていた。 《……世界の恒久の平和のため、人類の永遠の未来のため、どうか皆の力を貸して欲しい……》 「……あんな事、ラクスさまやカガリさまが喜ばれるはずないのに」 「ソラちゃんみたいに優しい娘もいれば、平然と酷いことをする人もいる。世の中には色々な人がいるよ。でも、ラクス様やカガリ様の様な御方はそうそういないからね」 「そういうものなんですか。なんか悲しいです」 小さく溜め息をついたその時、ズンという鈍い音と共に辺りがぐらりと揺れた。 「……地震……!?」 国土が火山島であるオーブは、当然ながら地震も多い。 思わず悲鳴を上げたソラだが、揺れはその一度きりでおさまった。 マスターはコップやグラスを手で押さえている。 「大丈夫かい、ソラちゃん――」 胸を撫で下ろすソラに話しかけたところで、マスターは硬直した。 「あ……、あれは……?」 窓の外へと釘付けになった視線を、ソラもたどり、そして気づいた。 オロファト市南の高層ビル街。 そのうちのビルの1つが、炎と黒煙を噴き上げているのを。 「火事……事故――?」 呆然と呟くソラの胸に、不安が黒雲の様に湧き上がっていった。 カガリの演説が後半に差し掛かった時、アスラン=ザラのポケットから呼び出し音が鳴り響いた。 こんな時に、といぶかしみながらも通信機に手を伸ばす。 「私だ」 呼び出しに答え、部下の報告に耳を傾けるアスランの顔にさっと緊張の色がよぎる。 周囲に気取られないように、小声で答える。 「爆破テロだと!?」 《はっ、郊外の軍施設と市街地外れの政府機関が数箇所、爆破されました》 「式典警護のため、市の中心部に兵力を集中させていたのを、逆手に取られたか。式典自体ではなく、手薄になった施設を狙うとはな」 《申し訳ありません。テロリスト達に裏をかかれたようです》 舌打ちするアスラン。 《幸い、民間人にはほとんど被害が出ておりませんが》 「分かった。以後はオノゴロの軍司令本部の指揮下に入れ。私も急いで現地に向かう」 そう答えると、アスランは通信を打ち切った。 「何があったんだい?」 隣に座っていたムウが振り向く。 表情も声色も緩んでいたが、目だけは鋭かった。 前列のバルトフェルドも同種の視線を向けてくる。 <エンデュミオンの鷹>と<砂漠の虎>――かつての旧連合軍とザフトで屈指のエースパイロットだった2人だけに、鉄火場への嗅覚が並みではない。 「実は――」 後事を任せるため状況を説明しようとした正にその時、スタジアムを閃光と轟音が襲った。 あの爆発がセレモニー用の花火で、殺傷能力は皆無だと知れば、連中はどういう顔をするだろうか。 2,500メートル先からスコープ越しに、パニックに陥った式典会場を覗き込んでいたシンは、意地悪く考えていた。 あれは統一連合主席を、穴から燻り出す煙なのだ。 本来、オセアニア解放軍が立てた原案では、武装した決死隊を会場に潜入させる予定だったらしい。 しかし警備の厳しさからそれは不可能と判断され、代わりに狙撃での暗殺となった。 さらにその狙撃も一弾が外した場合のフォローを考え、三方向から狙う。 スタジアム内で花火を焚き、防弾装備の演説台から主席を引きずり出す。 そして――。 マザーグースの童話『Who killed cockrobin?』になぞらえて、弓を持った三羽の雀が駒鳥「カガリ=ユラ=アスハ」を射抜くのだ―― 。 シン達の狙い通り 会場が混乱する中、逃げ惑う市民達を尻目に各国要人や政府首脳といったVⅠPは、SPに守られながら会場から脱出しようとしている。 カガリも例外ではない。 演壇を下り、アスラン達と合流する。 激しく動揺した表情が、スコープ越しからでも見て取れた。 「煙で燻せば狐は巣穴から飛び出してくる、か」 口元を、笑みというにはあまりにも歪んだ形に吊り上げる。 《風力、風向き共に変化無し。いけるな?》 レイの問いに頷き、シンはライフルの引き金に指をそえる。 いいだろう。貴様らが目を背け続けるのならば、襟首をつかんで引きずり回してでも見せ付けてやろう。 かつて踏みにじられた者の無念を、いま切り捨てられている者の怒りを―― 「思い知れ」 低く呟くと、シンはトリガーへとかけた指に力をこめた。 不意にアスランの背筋を、ぞくりと悪寒が走った。 周囲、少なくともコロシアムの中にテロリストとおぼしき姿は無い。 だが、幾多の戦場で培われたモノが警鐘を鳴らす。 ―――殺気――― 自分は知っている。 ―――戦場で幾度も向けられた、あの殺気――― 初めてのものではない。忘れていたものでもない。 ―――背筋に馴染む、この殺気は……!――― それが戦士としての勘なのか、それとも無意識下で現状と経験を照らし合わせて判断した結果なのか。 自分自身でも理解できないままアスランは、咄嗟にカガリを突き飛ばした。 その瞬間、アスランを凄まじい衝撃が襲う。 超音速で飛来した何かがアスランの側頭部を掠め、一瞬前までカガリの頭部が存在していた空間を貫いたのだ。 「アスラン!?」 「頭を上げるな!!」 こめかみの辺りから生暖かいものが流れるのが判る。 飛びそうになる意識を必死で繋ぎとめ、アスランは倒れたカガリの上に覆いかぶさった。 「なっ!?」 倒されたカガリは状況が理解ができずに呆然としていたが、すぐに"理解させられる"。 次の瞬間、さらに彼女がいた空間、すぐ傍らに弾痕が数発、たてづづけに穿たれたのだ。 「ひっ!!」 怯えるカガリを抱きかかえたまま、アスランは集まったSPに怒鳴った。 「カガリ様!アスラン様!ご無事で!!」 「狙撃だ!!主席を守れ!!」 「アスラン=ザラっ!!」 スコープに映された狙撃の結果に、怒りと失意の叫びを上げるシン。 信じられなかった。 この距離からの銃撃に、対応できる人間がいた事が。 どうやら他の連中もしくじったらしい。 素早くライフルのボルトを操作する。 薬莢排出、次弾装填。 だがその数秒の間に、SP達がカガリの周囲で横並びの隊列を組む。 カガリへの射線を塞いでいるSPを狙い、発砲。 打ち抜かれた頭から血と脳漿をぶちまけながら崩れ落ちるSP。 だが生じた穴は、あっという間に他のSPによって埋められた。 「アスハの狗が!!」 叫ぶシンに、レイが冷静な言葉をかける。 《失敗だな。撤退するぞ》 「何を言ってるんだ、レイ!?」 《元々、博打の要素が高い奇襲だ。こうも態勢を固められては、付け入る隙が無い」 「馬鹿な!?」 指を、式典会場に突きつけて押し殺した声を上げる。 「あそこに――すぐ手の届くあそこに連中がいるんだぞ!!それを見逃せというのか、お前は!?」 《直にこの位置も特定される。軍なり治安警察なりの特殊部隊がやってくるぞ。無駄死にをするつもりか?》 「…………」 淡々と指摘するレイに、数秒の逡巡の後、シンは頷く。 「その通りだ。レイ、お前が正しい。撤退しよう」 内心でいかなる葛藤があったとしても、その声は冷静さを取り戻していた。 《式典自体の妨害には成功した。俺達の一方的な敗北ではない。それより、β班の撤収が遅れているらしい。援護に向かうぞ》 「了解」 素早く立ち上がるシン。 最後に一度だけ振り返り、怒りと憎悪に燃える目でスタジアムを睨みつける。 そして足早にその場を立ち去った。 銃撃は数度あった後、唐突に止んだ。 (諦めてくれたのか?) ずきずきと痛むこめかみを押さえながら、アスランはゆっくり立ち上がった。 傍らにいた兵士の1人が、首から高倍率の電子双眼鏡をかけているのにアスランは気づいた。 ひったくると、最初の銃弾が飛来して来たと予想される方向を覗き込む。 (銃弾の方向と角度は――。まさか、再開発地域から撃ってきたのか?) 内心で呻くアスランの目が、ぴたりと止まる。 いかなる偶然か。 小さな廃ビルの屋上にライフルを持った人影、その後ろ姿を発見したのだ。 倍率を最大に上げる。 黒髪に黒尽くめの服装をした、まだ若い男。 黒一色のその姿は、まるで死を告げる大鴉のごとき不吉さがあった。 不意に男が振り返った。燃え上がるような真っ赤な瞳が、正面からアスランを貫く。 「な――っ!?」 驚きのあまり、双眼鏡を取り落としかける。 慌てて再び覗き込んだときには、すでに男の姿は無かった。 「だ、大丈夫か、アスラン!?傷はどうなってる!?」 心配のあまり狼狽するカガリの声も、届かない。 アスランは意識が遠くに引きずられていく感覚を覚えていた。 過去という遠くの世界へと。 ―――殺気――― 自分は知っている。 ―――戦場で幾度も向けられた、あの殺気――― 初めてのものではない。忘れていたものでもない。 ―――背筋に馴染む、この殺気は……!――― 「お前、なのか――シン……?」 このSSは原案文第一話Aパート後編(DC私案)、第一話Bパート前編(DC私案)を再編集、一部加筆したものです。
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* 「猫」 括りかけた腕を放し、焦点の合わない頬を叩く。 「猫」 ぱん、と何度目かの頬への衝撃でふっ、とチャトラの瞳に色が戻る。 「……あ……?」 きょとんと瞬いた拍子に、表面張力を超えた涙がぽろと頬にこぼれて、不思議そうに彼女はそれを拭った。 「……なに?」 「覚えてないのかな」 「……オレが?なにを?」 「知るか」 身を引き離し、男は髪を掻き上げた。我に返ったような気分だ。萎えた。死にかけた雌鶏の痙攣したような姿を見て、それでも興奮する趣向はさすがに己にはない。 目の奥が鈍く痛む。憑き物が落ちたように冷静を取り戻していた。 「寝台を使いなさい」 顎でしゃくってやると、ごしごしと眼元を擦っていたチャトラが眉をしかめて男を見上げる。 「冗談じゃねェ」 「私はまだ仕事が残っているから」 「はァ?……何言ってんのアンタ。ここ、アンタの部屋だろ。オレが別の部屋に行くよ」 「――いいからそこで寝なさい」 「だから、」 「大人しく寝ないのなら襲うよ」 「寝ます」 即答だった。 だるそうな動きで揺り椅子の背から身を起こし、ごそごそと寝台に潜り込んだチャトラが、背を向けかけ、躊躇い、物言いたげに男をじっと見る。 「――何かな」 「……いや、その……、もうやんないの?」 「欲しいのか」 「いらねェ!」 これも即答だ。 言い置いた後で、だけど、と歯切れ悪くチャトラが言葉を続ける。 「や、そうだけどさ、その、普通さ……嫌がったって止めないよね」 花売りの客を見てきたからわかるよ。 そこだけ大人びた顔をされて、男が苦笑を滲ませる。 「息をしていなかった」 「え?オレが?」 「覚えていないのかな」 「オレが?」 「興が冷めた」 身に覚えがないらしい。首を捻ってオレが、と何度か呟いていた猫が、思い返しても覚えがないことは仕方がないと諦めたのか、大きく息を一つ吐いた。 「なんかオレ、前もいっぺん、そうなったみたいなんだよね」 「――何が」 「ハラ空かしてブッ倒れかけた時に、どうしてもメシ代を稼げなくて、客を取ろうと思ったんだけど」 「ほう」 「……なんか、直ぐに息苦しくなってワケ判んなくなって、すげェ慌てた客に引っ叩かれて目が覚めた」 傭兵だったかな。商人だったかな。 思い出せない風で、首を傾げている。 「そん時も息してなかったって、死ぬんじゃないかって思ったって言われて、やめて。オレも掏摸の方が気楽でいいから、客引くのやめたけど……寝る」 そう最後に言い置いて、じゃあ、だとか素っ気なくチャトラが頭から潜った。 ――だとすると、心因性の何かなのだろうか。 積み上げられた羊皮紙の量に溜息を吐きながら、男は頭を振ってこれ以上の思考を追い出した。猫の過去に何があろうと、自分には関係のない話だ。 ただ、強気だった顔が泣き顔に歪めば楽しいのではないか、その程度の興味だ。 暫く文机に向かい、酒精のために霞む意識を無理やり手元の書類に引き寄せる。 「……なぁ」 とうに寝たと思っていたチャトラが寝具の間から顔を出し、声を上げたので男は小さく驚いた。 熱のせいか、潤んだ目が真っ直ぐにこちらを見つめている。 「――寝ていなかったのかな」 「寝るけど……あのさ、さっきの」 「――先の?」 どの出来事を指しているのかが検討がつかなくて、男は眉根を寄せた。 「えっと……味方はいないって言ってたヤツ」 「ああ――言ったが」 それがどうした。 「……アンタ、また怒んのかもしんねェけど。オレ、何も特技ないし、武器とかあんなもん怖くて使えないし、頭もよくないし……つまり、アンタの『役に立つ』ようなことは何もねェけど」 遠まわしに理由を言い連ねるのは、チャトラなりの防衛策なのかもしれない。視線だけ上げて、男は続きを促した。 「味方なんてなれないし、なれるとも思ってない」 「――端的に言うと?」 「でもオレ、アンタの敵じゃない」 言われて肩が僅かに強張ったのは、また、もぞもぞと掛け布の中に潜り込んでしまったチャトラには見られていないだろうと思う。 ――敵じゃない、か。 投げられた言葉を口の中で小さく転がした。 ――ならば、一体何だと言うのか。 急に仕事の書類も見る気が失せて、男は文机に投げ出した。補佐官どもの小言が一瞬聞こえてくるような気もしたが、今は知るものか。 立ち上がり、飾り戸棚を開けて、男は二本目の酒瓶を手にする。 呷る。 寝台からは早々に寝付いた猫の寝息が聞こえてくる。熱が高い以外に症状がある訳でもなし、直ぐに回復するだろう。 そうして、このまま椅子にでも座して寝てしまおうと男は思った。今度はこちらが風邪を引くかもしれないが、知ったことではない。頭を振り払い、男は瓶口に唇を寄せた。 * 目が覚めると正午をとうに回っていた。まるで気づかず眠りこけていたものらしい。 慌てて身を起こし、まだ幾分かぼんやりとしながら、チャトラは室内を見渡す。自分以外の気配はなかった。 無論エスタッド皇帝――この部屋の主の姿もない。 昨晩、仕事をするから寝台を使えと言われたきり、大した会話を交わすでもなく、言われた通りに布団に潜り込んで寝てしまったが、男は本当にあの後寝台に寄っては来なかったようだ。 目が覚めた瞬間に添い寝でもされていて、げんなりするのではないかと若干の覚悟を決めつつ、それでも熱のだるさには逆らえず、半ば捨て鉢になって眠ってしまったのだが、空振りした気分だった。 勿論、添い寝されていないに越したことはない。ない――が、普段と異なるエスタッド皇の側面を見せられると、どう対処してよいものか判らなくなる。 昨晩。抑え込まれた時が、そうだった。 あの時男は明らかに何かに対して苛立っていて、多分それは自分の言葉や態度がそもそもの原因ではないのだろうなとチャトラは思う。 部屋に戻ってきた時から、気配が荒れていた。 顔に出してまで驚きはしなかったものの、男が戸棚から酒を呷りだしたのを見て、何かあったのだろうなと直感はしていた。 だから、きっと男がチャトラを抑え込みかけたのも、その「何か」のせいなのだろうなと、そこまでは分析している。 男を怖いと思った。 それは、抑え込まれた恐怖などではなくて、もっと以前の、静かに沸々と苛立つ男が怖かったのだ。 正直、椅子に押し付けられた後のことはあまり覚えていない。やめろと暴れたところまでは判るけれど――すぐに息が苦しくなって頭が真っ白になった。 見覚えのある誰かの死に顔が浮かんだような気もする。判らない。 頬を張られて我に返ると、そこだけ切り取ったように皇帝が見えた。瞬くと一瞬安堵したような色を滲ませた。だから、混乱して何も言えなくなった。 ……何が、あったのかな。 夕刻には戻ると言った。その男の帰りが遅かったこととも、関係があるのだろうか。 聞いてもきっと答えてはくれないだろうと思う。 喉の渇きを覚えて、寝台から足を下ろす。立ち上りかけた拍子に、脇の小卓に細かな水滴の浮く水差しとグラスが、用意されていることに気が付いた。飲んで悪いこともないだろうと判断し、グラスに注ぐ。ほど良く冷えた水は僅かに柑橘の香りがした。蓋を取り覗き込むと、輪切りになったまだ青い柚子が数枚、ゆらゆらと沈んでいる。 汗もかいたせいか、口に含むと体に染みわたる気持ちになる。 小さく溜息を吐き、首を回した。 少しだけ頭が重い気もするが、一晩ぐっすり眠ったおかげで、ほぼ完調した。さすが「皇帝」の使う寝台だと妙なことを思った。起き上がりの節々の痛みもなければ、凝りもない。寝返りを打ったところで軋み一つしなかった。 安普請の、半ば連れ込み宿まがいの寝台しか知らないチャトラにとっては、軽く驚きだ。素材からして違うのだろうなと変に感心した。 それから、椅子に脱ぎ捨ててある男の礼服に近付く。 チャトラが皇帝の身の回りの世話を受け持ってから、着替えを手伝うのも彼女の「仕事」だったけれど、今朝は一人で着替えて出て行ったのだろうか。 身分云々はこの際脇に置いておくとしても、皇宮で着回されている衣装の造りは、あちらこちらに留め金があったり結び紐があったりで、結構面倒臭い。片手しか使えない男が一人で身支度を整えることは不可能ではないのだろうが、かなり手間取ることは確かで、目を覚まさないで寝続けてしまったことに若干の罪悪感があった。 それとも、誰かが手伝ったか。 昨夜男が着ていた礼服を拾い上げて、何気に皺を伸ばすように指でなぞっていたチャトラは、ある一点でぎくりと指を止めた。 血痕が点々と飛沫いていた。 前身ごろの裏の部分。一瞬男が噛み切った自分の喉元の傷のせいかと思った。けれどあれは僅かに滲んだ程度だ。袖口程度なら汚してしまうかもしれないが、吹きつけた覚えはない。 男が怪我でもしたのかとも思ったが、それなら染み入りこそすれ、こんな風に丁度対面から細かな跡にはならないような気がした。 勢いよく噴き出した、「何か」がないと、こうはならない。 男が苛立ちながら部屋へ戻ってきたことをもう一度思い出す。 最初、男はチャトラが判らなかったのだ。あれは何か他のことに気を取られていたに違いないと思う。 何があったのかな。 かさぶたになり始めている喉元の傷へ手をやって、チャトラは嘆息した。 そうして、汚れた礼服をひとまとめにして、籠に突っ込むと、洗濯ついでに教えてくれそうな「誰か」を探しに行くことにした。部屋でじっとしていても落ち着かないばかりだし、何しろ男の雰囲気は尋常ではなかった。 幸い、皇宮内の造りは昨日教わって頭に入っている。今日は迷わない。 籠を抱えてとりあえず洗濯場へと向かうことにした。 まず洗濯場を選んだのは偶然だ。そこへ至る道に、裏木戸を抜けずに表の回廊を選んだのもほんの気まぐれだった。 であったから、回廊を曲がった瞬間にセヴィニア補佐官とばったり対面してしまったのも、運命の悪戯と言う物で、 「うぇ」 体は正直に思わず酷い声が出た。 極力顔を合わせたくはない。できれば姿も見たくない。もっと言わせてもらえば金輪際関わりを持ちたくない相手へ、こうして不可避な距離まで接近してしまうと、回れ右をして逃げる訳にもいかない。後はなるべく穏便に、なるべく刺激せず、なるべく素早く撤収してしまうに限る。 「……お前……」 チャトラの願いは叶わなかった。 いつものように冷血質な目で一通り上から下まで見下された後、急に眉を顰めたセヴィニアに腕を掴まれ、有無を言わせない足取りで手近の部屋に押し込まれた。補佐官の後ろに続いていた数人に指示を与え(先に行っていろ、だとかそういった類の)、不意にチャトラに向き直る。 「何を考えている」 低く抑えた声の語尾が神経質に震えている。そんなに自分が気に食わないのなら、いっそ無関心を装えばいいのに、だとかチャトラは捻くれた気持ちで思った。 反論すればするほどきっと手酷い「教育」を施される。黙り込んでいるのが一番だ。 「聞こえているのか」 「聞こえているよ」 気に食わないのはこちらも同じだ。黙っていようと念じた端から、つい不貞腐れた声が出た。 「意図的か?」 「はァ?」 「お前、自分が何をしているのか判っているのか?」 「何がだよ」 苛々しながら答えると、盛大に呆れた溜息を吐かれた。掴まれた腕に指が食い込んで痛い。いい加減放してほしいと思う。 「判断できないのは相当の阿呆だな」 「……だから何が!」 つい頭に血が上って声を荒げた。なるべく穏便に、なるべく刺激せず。そんな言葉は糞食らえ。 喚いた瞬間、容赦なく側頭部を張られる。相手にダメージを与えることだけを考えた、軽い音の割に内部に響く叩き方。だのに叩かれた部分が頭では、相当のことがない限り目立つ跡が残らない。チャトラが口外しない限り、張られたことは誰も気が付かない。 ああやっぱり。 そんな言葉がよぎった。男が唐突に掴んだ腕を放したので、ずるずると壁伝いに尻をついた。最悪の気分だ。 「オレはテメェの羽枕じゃねェぞ!パンパン簡単にブッ叩くなよ!」 「意味もなく叩くような愚行はしない」 「判んねェよ。判る言葉で話せ」 「底無しに愚かな。教えてやるのも腹立たしいが、そこまで無知なら言ってやろうか。……なんて恰好だ」 「あ?」 まるで感情の読めない瞳で見下していたセヴィニアが、不意に腕を伸ばしてチャトラの胸倉を掴んだ。 持ち上げる。 「答えろ。ここに至るまで何人とすれ違った」 「知……るかよそんなん!」 意識して数えていた訳でもないし、そもそも見張りの兵士も含めれば、相当な数と行き違っているような気もする。何にせよ、相手は自分に注意を払わなかったし、自分も相手のことなど知らなかったから、無関心に通りすがった、その程度だ。 「お前は何がしたい」 「あ?」 「自分の立場を何と心得ているのだ」 「立場ってなんだよ!」 「救えんな」 ぞんざいに突き放され、壁に突き当たりチャトラは唸る。本当にこの男は気に食わない。殴りかかってやろうかとも思うが、男の腰に佩いた細身の剣が目に入って躊躇する。人目のない部屋の中で、男が本気で激昂し、あの剣に手を置かれたらそれはそれで笑えない状況になる。躱す技術は持っていない。 ずるい。武器はずるい、と口の中で呟いた。 「部屋の外に出る時はそれなりな恰好をしろ、と言っているのだ」 歯軋りをしていた彼女の頭上から、吐き棄てるように男が叱責した。 叱責。そう、それは叱責だった。 感情を以って振る舞われる怒声ではなく、苛烈ながら冷静で叱る物言い。 だから、チャトラの頭が冷える。 「え?」 割と素直に我に返ったチャトラは、初めて己の身繕いを見下ろした。何も考えないまま、寝台から起きだしたそのままに部屋を出てきたのだが、言われてみれば確かに、 「鏡を見ろ」 示された部屋の一面の壁は姿見だった。大きな鏡に呆けた彼女が、彼女を見返している。そこに映った自分は確かに、 「……あー、」 確かに――酷い恰好だった。 半ば引き千切られたタイが、結んでいるというよりは紐のように首に数回巻きつけてある。その間から痣とも傷ともつかない赤い印が点々と散らされ、けれどそれは所有の刻印と言うにはあまりにも痛々しい。釦は飛んでいくつか失われていた。両手首にも指の跡。恐らく昨晩、男がチャトラを抑え込んだ時の名残だとは思うのだが、 「部屋の中でお前が何をしようと何をされようと、私は一切の興味がないし口を挿む気もないが。その恰好で出歩いて風評を流され、その厄介ごとが私に回ってくるのは御免だ」 「……ああ、悪ィ……なんか、全然気づかなかった」 これはセヴィニアでなくとも眉を顰めるだろうと思う。 ダインに会わなくてよかった。 どうでもいいことをぼんやりとチャトラは思った。 何とかしてやる、だとか息巻いていた男に見つかったら、根掘り葉掘り聞かれるに決まっているし、上手くはぐらかす自信はない。下手に答えると、エスタッド皇でも殴りかねない。 自分でも何度か殴り倒そうとは思っていたものの、客観的にダインが皇帝を殴る場面を想像すると笑えない。 「悪い」 唖然としながらもう一度呟くと、呆れた溜息をもう一度吐かれた。 「懲りたらせいぜい部屋を出る前に身支度を整えることだ」 薄汚すぎて見ていられぬぞ、言いながらも乱暴に上着を脱いでセヴィニアがチャトラに放り投げる。 「羽織って歩くのも目立つ気はするがな。……それでも幾分かまともには見えるだろう」 思いもよらなかった行動に、チャトラの瞳が点になる。温情を示すような男には思えなかったけれど、もしかすると、 「えっと、でもオレ」 「ああ、返そう、などと言う気は起こさなくていい」 きっぱりとセヴィニアは言い切った。 「お前が羽織ったものを私が二度と羽織る気もない。早々に処分しろ」 ……やっぱムカつく。 一瞬見直しかけたのが莫迦だった。内心舌を出しながら不機嫌にチャトラが頷くと、舌打ちを一つ残して、男が踵を返しかける。 「おい」 ここまで貶されて、これ以上この恰好で出歩く気は流石にチャトラにはなかったし、かと言って着替えて出戻るのも癪だった。いっそ腹立ちついでに目の前の男に聞いてやろうと言う気になる。 「……何か」 「昨日、皇帝になんかあったのか?」 こちらを振り向く義理はないとでもいう様に、足を止めはしたものの、セヴィニアの声は肩越しに投げかけられた。 「……何か、とは」 「あのひとちょっとおかしかった」 上手く説明できなくて、結局思った通りをチャトラは口にする。 「どうしてそう思う」 「何かに怒ってた。忘れたいって言うか……気晴らししたい風に見えた。あと服に血が付いてた」 「……陛下には」 「聞けるかよ。聞いたって答えてくれると思えねェし」 なるほどな。セヴィニアが呟く。 僅かに間が開いた。 セヴィニアが言葉をまとめているのが判ったので、チャトラは大人しく待つことにする。 「……お前に言って理解できるとは思わないが……まぁどうせどこからか話を仕入れてくるのだろうから、尾鰭の付いた下世話な話よりまともだろう」 相変わらず彼女の方へは向き直らずに、セヴィニアは淡々と告げた。だから、一体彼がどんな顔でそれを口にしたのか、チャトラは知らない。 「昨日。午後に、地方の太守が謁見を申し込んできてな。予定には組み込まれていなかったのだが、それ程急ぎの用が他になかったことと、陛下のご予定が他に空いていなかったことと、――まぁそれはお前に言っても無意味か」 「……うん」 「我が国にはいくつもの主要の城塞が配備されていて、太守はそのうちの一つを守る位置にある。ある程度の爵位や軍位のある者が就くとは言え、通常ならば陛下直々にお目通りが叶うことは難しい……が。我々三補佐誰の許可も通さずの謁見が行われていることに、『遅れて』報告されて気付いた。我々の目を盗んで何者が許可したのか、画策したのかは、目下調査中だ。何かきな臭いと駆けつけたら案の定だった」 「だった、って」 「太守の脇に控えたお前と同じくらいの子供が数人、獲物を持って陛下へ襲いかかる直前であったよ。……直後であった、と言おうか。控えた護衛兵によって事なきを得たが」 引き攣った太守も含めて全てをその場で斬首した。口止めと言うよりは、その対応が一番楽だと誰もが判断したからだ。 辻褄は後からでも合わせられる。 埃ひとつ吹かない風に何気なく立っていたエスタッド皇帝の、無味乾燥な表情が印象的だった。 いや。 皇帝は嗤っていた。 声も立てずに嗤っていた。 「……死んだ、の」 「いいや?」 僅かに震えた声が出たので、拳を握ってチャトラは腹に力を入れた。意気地なしと思われるのは業腹だった。 「肝要なのは、『昨日は何も無かった』と言うことだ」 「なにも、なかった……」 「そう。陛下は長引いた会議のご公務以外、公式記録には『何も無かった』のだ」 「だって」 「『そういうもの』なのだ。判るか。五、六の死骸が今日か明日の何時だかに皇都のどこかに打ち捨てられようと、それは皇宮とは何ら関わりのない事件だ。違うか?」 だから黙っていろ。 呆気にとられたチャトラの耳に、被せられる無言の圧力。理解できないけれどここは頷くしかない。不承不承首を揺らしたところに、 「じゃあなんでオレに教えてくれたんだよ」 ふと疑問が出た。 「だから。お前はどこからか話を仕入れようとするだろう?」 尾鰭の付いた噂話を信じ込まれるよりは余程ましだ。言外にそう言われて、かちんと来てもよかったのに、怒りは何故か湧かなかった。 「以上だ。人目を避けて部屋へ戻れ」 言い置いて今度こそさっさとセヴィニアは部屋を出て行った。 後に残されたチャトラは、その背にかける言葉もなく、かといってすぐに立ち上がって部屋へ戻る気概もなく、壁に凭れて対面の鏡の自分を眺めながら、聞かされた話を反芻する。 自分と同じくらいの子供が数人。 それが男だったのか、女だったのか、セヴィニアは言わなかったし、チャトラは知らない。男でも女でも、その部分は重要なことではなかったのかもしれない。 チャトラを椅子に抑え込んだ皇帝は、抑え込んだ自分の体に、何を見ていたのだろう。頸切られた血まみれの遺骸を思い浮かべていたのだろうか。 ……それも、ぞっとしないか。 チャトラは一人語散た。 鏡の中の自分が困ったように膝を抱えている。 「あらかた片付いたぜ、旦那」 執務室にずかずかと入ったダインに手は止めず、鵞ペンを走らせながら、ちらとだけエスタッド皇帝は視線を投げかけた。 「ご苦労」 口調が戻っている。昨晩の冷徹なまでの無表情と比べると、幾分か穏やかな顔になっているなとダインは内心呟いた。 襲撃未遂とでも言ったらいいものか、あまりにお粗末な皇帝への反旗は、たった数秒で片が付いた。命を狙われる男と、それを守る兵士たちの姿が日常茶飯事とは言え、本当に昨日の襲撃は、拍子が抜けるほど呆気なく終わった。 きっとそれは、 「言葉が口に出ているよダイン卿」 「うへ」 「そんなに怖い顔をしていたかね」 つい口に出して呟いていたらしい。 どうにも苦手意識のあるこのエスタッド皇の前では、ダインの今まで身に着けてきた「処世術」とやらが身ぐるみはがされてしまう。 ダインは元傭兵だ。宮廷のお高くとまった礼儀とやらが気に食わないし、できれば鼻でもかんで丸めて投げ捨ててやりたい……くらいには思っているものの、まだ実行に移せない。色々と命が惜しい。 であるから、チャトラの境遇に割と近しい感情を抱いている。戸惑いもよく判るつもりだ。 そのダインを「便利だから」の一言で、駆り出す皇帝も皇帝だと思う。それには恐らく、皇妹ミルキィユとの関連――曲がりなりにも伴侶に近い関係――胸を張って皇帝にそう言い切れないところが辛い――にも依るもので、面倒な建前その他が省かれて皇帝がダインにある程度の信用を寄せている証だと思うのだが、 ……信用は、ねェか。 訂正した。 エスタッド皇はきっと利用はしても信用はしない。誰に対しても同じだ。 「だから――声に出ていると」 「すみません」 嫌いではない。だがはっきりと苦手だった。 「――首尾はどうであったかな」 初めてそこで書類を綴る手を止めて、皇帝が掬い上げるようにダインへ視線を流す。 ぞく、と背筋が凍った。 戦場で武者震い以外の震えを体験したことはないが、どうにもこの皇帝の前に出ると無闇矢鱈に緊張する。同じ人間とは思えない一種の気迫がある。 「上々」 思いを振り切るように、肩を竦めてダインは答えた。 「そうか。――ご苦労だった、下がって良いよ」 手を振られて暗に退室を促され、けれど微かに躊躇った彼の挙動を、皇帝は視界の端に止めたらしい。 「――ダイン卿」 「あ?」 「まだ何か言いたいことがあるような素振りだが」 「いや……」 「私は忙しい。言いたいことがあるのなら手短にまとめなさい」 忙しい、と口で言いながらダインを留めたのはきっと皇帝自身も息抜きを欲していたからだろう。本気で立て込んでいる時は、話しかける隙すら見せない。 そう判断して、ダインは皇帝に向き直り、部屋には他にディクスしかいないのをいいことに、応接椅子に無断で腰掛けた。 「……言われた通りに『全員』揃えたけどよ?本当に『全員』、始末するつもりなのか」 「後腐れがないからね。――君は躊躇するのかな」 「いや。命令されたら俺は従うぜ?」 だけど。 この男にしては珍しく詰まりながらダインは言葉を探す。 「まだ二つ三つのガキもいたけど……いいんだな?」 「情けをかけろと?」 「……命乞いのつもりはねェよ。けどアンタにしちゃあ珍しいなって」 「珍しい、か」 「おっかない目で見んなって」 「見逃す――つもりではあったのだがね」 あまり買い被るな。そう言いたかったのか僅かに皇帝が苦笑する。 「昨日の『あれ』を見せられては致し方あるまい」 苦笑は凶悪だ。研ぎ澄ました牙を瞬時剝きだした夜行性の獣をダインは連想する。 昨日の、と暗に告げられてダインの顔も顰められる。 全く酷い急襲だったと思う。 急襲と言うのもおこがましい。あれは、はっきりと、 「……あのガキら。お嬢ちゃんに似てたな」 ダインもあの場にいて、適宣処理した一人だ。刃を握り振り上げ皇帝へ向かい奔る子供を切り捨てたことに悔いはない。それがダインの仕事であったし、傭兵時分幾度かは、倫理に背くような胸糞悪い戦もしてきた。金の為だった。綺麗ごとを並べるつもりもない。 「君も――ミルキィユ将軍も。惑うたかね」 「俺が?」 冗談。 探る様な視線を向ける皇帝に、鼻先でダインは笑った。 「俺もお嬢も、お花畑にゃあ馴染めない戦狂いだぜェ?何人戦場でブチ殺してきたと思ってんだ。一人二人のガキを切り捨てるのを躊躇ったところで、煉獄往きは免れねェさ」 「それは頼もしい限りだ」 謁見の際に地方の太守に付き従っていた少年少女は六人。左右に分かれて大人しく頭を垂れていた。いずれも似たような顔形をしているなと、ふと気付いた時にダインの脳裏に警鐘が走った。 太守の目配せがあったものかどうか、確認する前に体が動いていた。 流れるように腰に佩いた愛剣へ手をやる。音もなく抜き去るのと、一人目の背中へ投擲の要領で投げつけたのは同時だ。次いで僅かに腰を折り、革長靴に仕込んだ短剣を抜き取り、これも投げる。 狙いは過たず、少年か少女か、短く切り上げた金髪の首筋へ突き立った。 苦悶の声は、なかった。 同時期に、皇帝への進路を塞ぐ形で立ちはだかったミルキィユが、細身の剣で数度宙へ薙ぎ払う仕草をする。三人倒れた。 手慣れた大剣の姿はない。あれは皇都ではあまりにも目立ちすぎるし、屋内で使用するには何かと不便だ。第一どこかに突っかかる。 そこまでが、一瞬。 唯一、はっきりと意識のあるもう一人の子供と太守を跪かせて、ディクスがその首筋に剣を当てる。 溜めのない動きで引かれた刃が、綺麗な直線でもって二つの首と胴を綺麗に等分した。 遅れて漂う血臭に、どこか安堵の表情を浮かべたのはダインもミルキィユも同じだ。嗅ぎ慣れた臭い。 戦狂い。 正常な感覚ではないのかもしれない。正常な感覚とやらがどこかに転がっていれば、の話ではあるが。生まれてくる時代がここで良かったな、そんな風に酒の席で語り笑ったこともある。半分が自嘲だ。 検分しようと小さな体の一つに近付いたミルキィユが、ふと眉根を寄せるのに気付いて、その視線の先をダインも追った。 真っ直ぐに突き立った短剣。 突き立ったことに対して、ミルキィユが嫌悪を示したのではないことくらい、ダインにも判る。 皇帝の刃となる為に、彼女は感傷を棄てていたからだ。 もうずっと前に。 彼女が眉を顰めたのは、突き立った短剣筋に襲撃者――この場合もそう名づけるべきなのだろうか――に、全く避ける意思が無いことが見て取れたからだった。最初から死ぬつもりだった。明らかに語っている。「つもり」がなかったのは、恐怖のあまり薄ら笑いを浮かべていた太守だけであったろう。 返した彼らの顔を見て、ますますミルキィユの眉が顰められた。 金の髪。青い瞳。多民族の集まるエスタッド皇国に於いても、見かけない訳ではないけれどここまで同じ背格好をこの人数集めるのは、それなりに苦労する。 意図的だ、と言うことだ。 どの顔もどこか、チャトラに似ていた。 苦虫を噛み潰した顔で一通りの改めを終えたミルキィユが、指示を仰ごうと皇帝へと振り返り、ぎくりと肩を強張らせる。 皇帝に一切の色は無かった。 無機物を見る目付きで、転がった死骸とミルキィユ、そうしてダインを眺めている。 「見て」 いるのではないのだろうなとダインは思った。眺めている、それだけだ。 その場に控えた他の兵士も侍従も動けない。動くことを躊躇う無表情さだった。誰もが息を飲み動向を伺う中で、 「愚かな」 皇帝が突如嗤った。 思わず視線を逸らす類の、あまりに凄惨な笑いだったと思う。かける言葉は無かった。思い当たりもしなかった。 であったから、皇帝が何を思ってあの時何故笑ったのか、ダインに知る術はない。 「――鳴かずば雉子もとられざらまし」 淡々とした皇帝の声。その時もダインは背筋を凍らせた。 三補佐の調査は迅速だ。未明には主犯の名が報告されている。軍籍に身を置く中将の一人で、実力ではなく家名で世襲した地位に驕った愚か者。 「火事、かな」 見せしめには。ぽつ、と呟いた言葉を拾って、ダインが頷く。皇帝は名指しで誰にも命じていない。ダインも何も答えていない。公式記録には何も残らない。 「……本日夜半、不始末火により書斎から出火。火の回りがかなり早く、就寝中の家人の救出はならず。中将殿以下ご家族全員の焼死を確認。享年五十三歳。不幸な事故でした」 呟きを耳にした脇で同じく淡々とノイエ補佐官が応じ、それを今度は書記官が書き留める。早送りされた過去に、ダインがもうひとつだけ頷いた。 あとは無言で部屋を出る。 夜半までの下準備は、早めに済ませておくつもりだ。 皇帝が執務室を出たのは、日も暮れて辺りの篝火が灯されてからだ。 昨日の一件以外にも煩わしい急用が次々と舞い込んで、ろくに通常業務もこなせなかった。草臥れているのが見て取れる。それでも自暴自棄気味に押して仕事を続けようとする男へ、静かな物言いで切り上げるように促したのはディクスだ。 皇帝自身も嫌気が差していたのだろう。大して抗いもせず、そうだね、と頷いて机から離れた。 皇帝を居室まで警護し、引き継いで、それでディクスの一日の仕事は終わる。あとは明けて翌日の朝まで皇都の一角に構えた自宅で体を休めるのが常だ。 であったから、部屋を出てからこうして居室へ送り届けるまでの道行は、自然その日の出来事をまとめながらの日課となっていた。皇帝もそれを理解していて、この間は他に人をあまり寄せ付けない。 言っても、もともと多弁ではないディクスと、見た目よりもずっと無口な皇帝二人では、会話もあまり振るうことはない。どちらかがぼつと呟き、どちらかがが頷く。いつもの光景だ。 回廊を伝い歩き、篝火に照らされながらふと皇帝が生活居住区への道筋から外れ、庭園への足を運んだのは、ディクスにとって割と珍しくもない光景であったので、黙ってそれに付き従った。中途から二人に気付き、会話が聞こえない程度に少し離れた形で追随していた交代の兵士に、目で促して先に居室へと向かわせた。 使える主が個人的な時間を邪魔されるのを好まないことは、ディクスもその兵士もよく知っている。 皇帝は黙ったままでもう何も言わない。 ディクスが付き従っていることも考えから払われているようで、と言うより、主の不興を買ってしまうと、文字通り 「追い払われる」 ことは目に見えていた。きっとこうして無関心を装うことが最大限、主の譲歩なのだろうとディクスは内心納得している。 東屋へ向かい、その一角に腰を下ろしてしまうと、主は石のように動かなくなった。 僅か顔を伏せ、視線は園丁によって整えられた花壇を見ているようで見ていないようで、想いに沈んでいるというよりは、何も考えない努力をしているようにも見て取れた。 東屋の内部とその周辺へ、視線を走らせ異常がないことを確認したその後は、ディクスはじっと佇む。 こうして日常の執務や業務やその他のしがらみ――から逸脱したがる傾向は昔からのもので、それが主の精神的な疲労度合いと比例していることをディクスは理解している。 草臥れているのだ。 けれど癒す術をディクスは持たない。 東屋の立てられたここは、宵の口の歩哨引き継ぎや夕食に携わる仕事をもつ者どもの喧騒からも少し離れていて、音は遠い。回廊ほどに照らされてもいないので、本格的に闇が迫ってくると、主の表情は伺えなくなる。 ふ、と第三者の気配を感じて、ディクスが頭を巡らし、遅れて気付いたものか億劫そうに皇帝もその視線の先を見た。 皇宮の側から、小走りに駆けてくる小さな影がひとつ。まるで足音を立てない走り方は、恐らく生来のものと言うよりは掏摸稼業で身に付いたものなのだろう。身のこなしがそうなのに、はっきりと気配を感じさせるのは、その小さな体がぴんぴんと闇を弾いているせい。 チャトラだ。 彼女が居室で男を待たずに、こうして探しにやってくることは今日が初めてだったので、一瞬ディクスはどう対処したものか躊躇う。彼女の動作が無礼だとかなんだとか、そんな小煩い意識が頭にあった訳ではなく、そもそももしそう言った 「常識」 をディクスが彼女に主張するのだとしたら、皇都に来るずっと前よりそうしたろう。ディクスが躊躇ったのは、草臥れている風な主の時間へ彼女を近寄らせて良いものかどうか、そうすることで主は快か不快か、その一点に尽きた。 迷った隙にチャトラは無用心にさらに近付いており、ふと顔を上げてディクスを仰ぐ。 「いいかな」 皇帝へと言うよりはディクスに確認したのだろう言葉に、仕方なしに彼は頷いた。今更否もない。 「――猫?」 億劫そうな声を隠さないまま、皇帝が顔を上げチャトラの名を呼ぶ。皇宮からの明かりを背にしているので彼女の表情は知れず、それは眺めていたディクスへ、昨晩の襲撃を喚起させる。 呆気なく、実に呆気なく転がった数個の体。あの体の持ち主が何を思って皇帝へと刃を向けたものか、ディクスは知らないし、知りたいとも思わない。けれど軍籍から離れ、皇宮勤めが長い彼にはまた、反抗といえども案外驚くほど軽い――肩透かしにも似た――例えばそれは、その日の家族の糧を満たされるといったような、実に命を懸けると思うには程遠い――理由でも行われてしまうと言うことを識っている。 「皇帝」 「――うん、」 「悪ィ!」 ぱしん、と軽く打ち合わされた音が響いて、主が小さく首を傾げたのが判った。チャトラが下げた頭の前で手を合わせている。要は謝っているのだろうが、その合わせた手の平が妙に黒い気がした。 影だろうか。 「――謝られるようなことがあっただろうか」 主からして不思議そうに呟いている。 「……あの。オレ、さっき、部屋を片付けようとして机とか動かしてたんだけど」 「ほう」 「インク壺の蓋が開いてるの気付かなくて……その。動かした拍子に壺、盛大にブチかましちまって……なんか、机の上に積まれてた書類とか、救える奴はすぐよけたんだけど、上の数枚がもうべったりで」 「ほう」 聞いた皇帝の声が、不意に押し殺された低いものへ変わる。 「うん」 頭を上げたチャトラの顔が、今度は明かりに照らされて見えた。心底困っていた。 「あの、これ」 差し出した羊皮紙は裏も表も真っ黒で、ついでに彼女の両の手も真っ黒だった。 確かにこれではもう書類の意味を成さない。 「『重要書類』……なんだろ。侍従のオッサンに聞いたら、おおごとだって、一枚作るのに一体どのくらいの時間と労力が掛けられているのか判らないって言われて」 「――」 「その……そんな大事なものだって知らなくて、って言うか、知らなかったとかそんなん言い訳にしか、なんねェんだけど」 「――」 「けど、アンタが昨日の夜頑張って仕事してた分、オレが台無しにしたってのは事実で……」 「それを、謝りにここへ来たと?」 「うん。部屋に先に来てた護衛のヒトに聞いたら、庭園に向かったって言われて……その、何ていうか謝ってどうなるってもんでもねェけど、本当にごめんなさ、」 無造作に皇帝の腕が伸ばされた。殴られる、と見ていたディクスですら思った。身構えていた当の本人は、思わず目を閉じている。そのまま、首後ろに手を当てられぐいと胸元へ引き寄せて、 「ちょ、おい、皇帝!」 ディクスは目を逸らす。 主が可笑しそうに肩を揺らして笑っていた。 瞬間放心したチャトラが、焦って身もがく。 「放せよ、オレ今、両手インクべったりなんだぞ!付くって。アンタに付くって」 「汚れる?」 「に決まってんだろ!」 突き放したい。けれど両手は使えない。矛盾した焦りに、チャトラがばたばたと暴れるものの、主は彼女を開放する意思はなさそうだった。 「汚れたら洗えば良い」 「無理無理無理無理!アンタ、自分で洗ったことないからそんなこと言えるんだよ。しかも今日白い服着てんじゃねェか!インクの染み落とすとか絶対無理!」 「ではお前は大人しくしていなさい」 「そう言う問題じゃねェッ……ああもう!」 付いたら落ちねェだろ、だとか喚いていたチャトラへ、 「――良い」 急に笑いを収めて、その細い肩口へ皇帝が額を押し付ける。くぐもった声がまだ少しだけ笑いを含んでいたけれど、 「良い」 「……」 「このまま」 「……皇帝?」 敏感に何かを感じたか。チャトラが暴れる動作を収めて、覗き込むように小さく呟いた。汚れた手のひらを、極力男の体から遠ざけたのがなけなしの努力だ。 「何か、あったのかよ」 「何もない」 「……あっそ」 逃れることは諦めたのか、腕を後ろ手に伸ばした状態で、諦めたようにチャトラが溜息を吐いた。 「猫」 「あ?」 「明日からまた少し周囲が騒がしくなる」 「うん、……?」 「逃げようか」 「え?ど、どこに?」 唐突な話の振りにチャトラが付いていけなくて、目を白黒させているのが判る。 「逃げるって、アンタ何か悪ィことでもしたの?」 「何もない」 「……いや意味判んねェし」 そう言って宙を睨んでいたチャトラが、あー、と喉奥で潰れた声を立てた。 「明日と明後日は無理だオレ」 「――無理?」 「うん。園丁の爺さんと、明日、バラの蔓を刈り込む手伝いする約束してる」 「薔薇」 「うん。あと明後日は何かアンタの聖誕式?がもうすぐあるとかで、その蝋燭をあちこちに飾るらしくてさ。それ手伝うの約束しちまった」 明々後日なら行けるけど。 そう答えたチャトラを不意にしんとした目で皇帝はしばらく眺めて、それから居心地の悪くなり始めた彼女が身動く前に、突然げらげらと笑い出した。 驚きに目を丸くした彼女はきっと、なぜエスタッド皇が笑いを誘われたのか理解できないに違いない。 聞いていたディクスには、よく判った。 思わず苦笑いを噛み殺す。 男が現在の皇位に就いたのが、今のチャトラより少し上の頃合い。十八か九の辺りだったようにディクスは記憶している。前代の死によって齎された、唐突な即位。整えられた訪れるべき過去。かなり昔の話だ。 その、継いでから今の間、「皇帝の誘いを断る」度胸のある人間はどこにもいなかったように思う。いなかった、では語弊があるかもしれない。誘いを断る行為が有り得ないのだ。選択肢として用意されていない。 仮令戯言のひとつだったとしても、平身して周りは男の意思として敬ってきた。男の意思が芯であり、中心であり、当然のようにそれを軸として皇宮は回ってきたし、今も回っている。 「バラの手入れがあるから」、断られるとは夢にも思っていなかったのだろう。 「な、……なんだよ。涙流して笑うようなことか?っていうかどこがツボなんだよ?」 「お前は、本当に――」 くつくつと喉奥を震わしながら、それ以上の言葉を男は飲み込んだ。チャトラを解放し、立ち上がる。部屋へ戻る気になったらしい。気が晴れたのだろう。 「あ、おい」 置いて行かれた風情のチャトラが、ばりばりと頭を掻いた。渋面になっている。掻いた弾みに金茶の短髪が黒く汚れたが、本人は気付いていなかった。 「……意味わっかんねぇぇぇ……」 未だに首を捻りながら、皇帝を追う。 二人の背を護るように付き従って、ディクスが後へ続いた。 お前は本当に面白い、そう皇帝は続けたかったのかとふとディクスは思い、そうであるような気もしたし、そうでないような気もした。お前は本当に。 その後に何と言いたかったのだろう。 思いを巡らせかけたディクスへ、皇帝がちらと振り向き、視線を流す。思考を見通していたのだろうと思う。 牽制の色だった。 知らず背筋が伸びていた。 (20101212) -------------------------
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統一地球圏連合政府中央政庁は、オーブのオロファト市中心部の官庁街、そのやや西寄りにそびえ立っている。 高さは400メートル弱、100階を越えるその姿は、天を貫く柱にも雲海へと繋がる門にも例えられ、統一連合の権威の象徴として威容を誇示していた。 主席公邸の最上階は丸々、主席代表専用の執務フロアとなっている。 豪奢な内装の施された廊下を、濃い藍色の髪の青年士官が歩いていた。 年の頃は20代前半。 若々しい引き締まった体躯を、統一連合正規軍の第一種軍装で包んでいる。 胸元の階級章は少将。 だがその緑眼と秀でた額が特徴的な整った容貌を見れば、若年に似合わぬ階級を疑問に思う者は殆どいないだろう。 現主席の側近中の側近である近衛総監アスラン=ザラを知らぬ者は、軍には皆無なのだから。 従者の案内で、アスランは目指す部屋の前へとたどり着く。 受付の秘書官に形式的な手続きをすますと、部屋へ通じる重厚な木製扉が開いた。 扉の奥に広がっていたのは、主席が休息や仮眠を取るためのプライベートルームだ。 広々と広がる室内の内装や調度品は、よく吟味されているものの華美とは程遠い。 万事において気取らない主の為人(ひととなり)を反映したのだろう。 窓際で眼下の市街を見下ろしていた人影が、ゆっくりと振り向く。 金に近い琥珀色の瞳が真っ直ぐにアスランへと向けられた。 背筋を伸ばし、アスランは敬礼をした。 「お迎えに上がりました、主席」 「ご苦労、ザラ少将」 統一連合首席代表カガリ=ユラ=アスハは、今年で23歳を迎えた。 いつもは妙齢の女性にも関わらずオーブ首長服の上下で通しているものの、今は式典のためにドレスを着ている。 オーブの民族衣装を現代風にアレンジした薄緑色のドレスはカガリに良く似合っていた。 大胆に開いた首筋から肩にかけてのラインを隠すように、純白のマントを羽織っている。 数年前から伸ばし始めた金髪は、結い上げず自然に背筋の中程まで流されていた。 よく見ると、どこか少年じみた顔にも薄っすらと化粧が施されているのに、アスランは気づいた。 「まだ時間に余裕はあるが、そろそろ行くとするか。アスラン」 上品に微笑むカガリに、アスランは一礼した。 空調の効いた中央政庁から出ると、オーブの暑い空気が広がっている。 主席公邸を出発した公用車の前後に、SPを乗せた護衛車両が半ダースほど続く。 後部座席では、カガリがうんざりした表情をしていた。 「やっぱりこういうヒラヒラした服は苦手だ。気を抜くと裾を踏んで転びそうになる」 そういってドレスを摘み上げるカガリに、アスランは苦笑した。 20を過ぎて猫の被り方を覚えても、こういう素の部分は変わらないな――そう思いながら、アスランはカガリをたしなめる。 「折角の晴れの式典なんだ。こういう演出が必要なのは分かってるだろう」 こうやって2人きりになると、ついアスランの口調も昔の俺お前のそれに戻ってしまう。 ちなみに公用車の前後は特殊な偏光ガラスで区切られているため、後部座席のやり取りは運転手に届かないようになっている。 「分かっているさ、それぐらい」 口をとがらせたカガリは、窓の外に視線を移す。 首都オロファトの市街を行き交う人々に混じって、要所要所に青とグレーに塗り分けられたMSが立哨していた。 治安警察省特別機動隊保有の無人MS、ピースアストレイだ。 旧式化したかつてのオーブ軍主力機MBF-M1アストレイを再利用し、高性能AIを搭載した機体である。 武装もスタンロッドや放水銃といった対人非殺傷兵器が中心。 当然ながら対MS戦闘能力は低いものの、暴徒鎮圧やデモ隊の誘導などで大きな成果を挙げていた。 街並みを眺めていたカガリが感慨深くつぶやいた。 「豊かだな、オーブは」 「ああ」 アスランもそれにうなずく。 「カガリやラクスががんばったからさ。おかげで『統一地球圏連合』という、やっと世界を平和に出来る仕組みも作る事ができたからな」 ―『統一地球圏連合』― 通称、統一連合。 これはメサイヤ攻防戦、後の世に言う「第二次汎地球圏大戦(ロゴス戦役)」後、オーブが提唱した新しい国際的政治体制である。 過去二度にわたって世界は、人類絶滅すら危ぶまれるう世界規模の大戦争を引き起こした。 その反省から戦争勃発の危険を廃し、地球圏の恒久的平和の実現を求めて設立された。 それが『統一地球圏連合』である。 世界の国々は統一連合に加盟し、政府と議会が制定した「統一地球圏連合憲法」と、加盟各国の代表者(人口に合わせて増減。数名~十人前後選出)より構成された議会「統一地球圏連合最高議会」、そこで承認を受けた各連合政府機関のもとに、統治される。 議会からは代表主席が一名選出され、強力な権力によって軍や政府機関を統括していく。 加盟国は地球圏連合憲法の枠組みを超えて行動してはならない。 また議会や政府の決定に服す義務を有する。 その代わりに、国家間の諸問題(紛争や貿易問題、経済格差など)はもちろん、一国で処理できない問題(内戦や財政破綻など)の解決・援助を、議会や政府に求めることが出来る。 事実上、世界を支配する統一政治機構なのである。 オーブが世界各国の有力国をまとめあげて作り上げた経緯から、首都はオーブの首都オロファトに置かれ、そして現在の統一連合代表主席は、オーブ永世首長であるカガリ=ユラ=アスハとなっていた。 しかし世界を統べる盟主となったのに、カガリの表情は今一つ浮かない。 「……世界を平和に……か。ならいいんだけど」 「……何かあったのか?」 その声の微妙な響きに気づいたアスランが水を向けると、ややあってカガリは答えた。 「ついさっき、西ユーラシア総督からの報告があってな」 ああ、と頷いたアスランは、ようやくカガリの言葉にも納得できた。 CE73年に勃発した第二次汎地球圏戦争――ロゴス戦役において、地球で最も大きな被害を受けた国はユーラシア連邦だった。 まず開戦のきっかけとなったユニウスセブン落下の際、破片の1つが中心部である西ヨーロッパを直撃。 ローマ市が消し飛び、穀倉地帯のフランスも大打撃を受ける。 続いて以前からユーラシア政府の施政に反発をしていた黒海沿岸部で分離独立運動が起こる。敵の敵は味方、との判断からこの地域はプラントに支援を要請し、プラントもザフトの派遣で答えた。 対抗して地球連合も第81独立機動軍やオーブ遣欧艦隊を増援として投入するも、地中海を舞台とした一連の戦いで敗退する。 反連合の動きは、ロシアや東欧といったユーラシア東部全域に広がった。 追い詰められた地球連合軍は非常手段に訴える。 ユーラシア政府の黙認の下に超大型MA、GFAS-X1デストロイを投入して独立運動の鎮圧を計ったのだ。だが、モスクワやベルリンといった4つの大都市の壊滅と100万人以上の死傷者という悲劇の末、デストロイは撃破され、この暴挙は失敗に終わる。 激怒した『東』ユーラシアは、CE74年5月のメサイア攻防戦に前後して『西』ユーラシアに独立と宣戦を布告。 『東ユーラシア共和国』を名乗った。 以降、翌75年5月にピースガーディアンとオーブ軍を中心とした連合軍が介入するまで、約1年に渡って泥沼の東西内戦が続く。 ユーラシアの欧州半島からシベリアに至る広大な版図は、分断されたまま統一連合に編入される。 その分断ラインが旧西暦時代のいわゆる<鉄のカーテン>にほぼ沿っていたのは、歴史の皮肉だろうか。 それでも東ユーラシアは、かろうじて主権を持つ加盟国としての体裁を保っているものの、西ユーラシアは自治権すら放棄した直轄領として、統一連合政府から派遣された総督に統治されている。 現在の西ユーラシアは、莫大な数の領域内難民と壊滅した経済、戦禍で荒廃した国土を抱えこみ、統一連合から投下される援助物資を頼りにかろうじて復興が始まった状態だ。 欧州が人類の中心の1つだった時代は、過去のものとなっていた。 「どうやら、今年の冬は餓死者を出さずにすみそうだけど――」 「去年は酷かったからな。ユニウスセブン落下から続く異常気象が原因で、北半球は記録的な冷夏。そのせいで北半球全体でも500万もの餓死者を出す大惨事だ。しかもその犠牲のほとんどが東西ユーラシアときている」 「私達も、統一連合も打てる手は打ったんだ……。でも間に合わなかった」 「……」 「こうやってオーブの人間が平和と繁栄を謳歌する一方で、飢えと寒さに怯える人達もいる。矛盾だな」 「そうだな……」 今年の1月から4月にかけて、反統一連合勢力による一斉蜂起。いわゆる『九十日革命』まで起こった。 反乱軍と戦った統一連合軍もその中核は、旧オーブ軍とクライン派ザフトであり、アスランも近衛総監としてユーラシア戦線に出征している。 実の所、近衛総監という地位は、ほとんど名誉職に近い。 平時にはカガリの側近兼護衛、戦時には切り込み隊長。 もっとも、その立場を不満に思ったことはないが。 「でも今の世界にオーブの力が必要なのは分かっているだろう」 「……」 「オーブが揺れれば世界が揺れる以上、オーブ市民の不満を呼ぶような政策は取れない。違うか?」 「そのためには、ユーラシアの人達を見捨てろと?」 「彼らからの搾取の上で、オーブが太平楽を楽しんでいるわけじゃない」 「そういう問題じゃないだろう!」 思わずカガリは声を荒げる。 たとえ統一連合の元首であっても、現実にカガリが拠って立つ足場はオーブなのだ。 「世界のためだ。泥を被る覚悟ぐらいしろ」 「嫌な話だ……」 「安心しろ。何があっても、俺がお前を守る」 「え?」 アスランの真摯な眼差しに、カガリはきょとんとしてしまった。 思わず一瞬、ほんの一瞬だけかすかに頬を赤らめてしまうが、すぐもぎ放す様に視線を外すとそっぽを向く。 「ば、馬鹿! そういう事は私じゃなくメイリンに言ってやれ!」 「え、いや、そういう意味じゃ――」 妻の名を出され、急にしどろもどろになったアスランを横目で見ながら、カガリはふんと鼻を鳴らした。 沿道で歓声を上げる群衆の中に、黒衣の青年――シン=アスカの姿があった。 車載ラジオは、カガリの功績をたたえる放送を繰り返す。 「統一連合樹立3周年記念式典か。いい気なものだな、独裁者。今日が貴様の命日になるのも知らずに」 小声で吐き捨てるように呟くと、シンは足早にその場を立ち去った。 街路の角を何度か曲がり、路地裏に停車していた古い型のバンの助手席にに乗り込む。 シンが固いシートに腰を下ろしてドアを閉めると、バンはくたびれたモーター音と共に発車した。 「コニール、状況は?」 「今の所は予定通りだね。サハラの虎や南米の連中は、もう配置についてる。いけすかない、バラに十字のお歴々もね」 運転席でハンドルを握っている若い娘――コニールが答える。 年の頃は二十前後。 よく日に焼けた肌は褐色、頭の後ろで括られた髪は茶色だった。 気の強そうな眉が特徴的な顔立ちは、どこか猫を思わせた。 「ふん、どうやら幸運の女神は、まだ俺達にそっぽを向いていない様だな」 「女神さまはどうでもいいけどね」 ハンドルを切りながら、コニールがシンにどこか剣呑な口調で言う。 「1時間前に公園で騒ぎを起こしたの、あんたでしょう?」 「捕まるようなへまはしないさ」 「オセアニアのみんな、カンカンだったよ!うまく誤魔化しておいたけどさ」 悪びれずに肯定するシンに、コニールは声を荒げた。 「まったく、連絡役で間に入ってるあたしの身にもなってよ」 「元々、この作戦に参加する予定だったのは俺とレイだ。勝手についてきたのはお前だろうが」 「なっ――」 あまりの言い草に、激昂しかけるコニールだが、寸前で思いとどまると深々と溜め息をついた。 「あんたねえ。その前後左右360度に喧嘩売って回ってる態度、何とかしなよ」 「性分だ。今さら変えられん」 「……あっそ」 再び溜め息をつくコニールとシンの間に、第3の声がかかる。 《シン、この作戦で俺達リヴァイブの役割は、あくまでサポートだ》 不思議な事に、バンの中にはシンとコニール以外の姿は無い。 もっとも注意すれば、その3人目の声が合成された電子音声だと気づくだろうが。 《オセアニア解放軍はこの作戦の下準備に、少なからざる時間と人員を費やしている。それを忘れるな》 「ああ分かっているさ、レイ」 素っ気無く、レイと呼ばれた声の主にシンは答える。 その眼は街並みの向こうに覗く式典会場、クライン=アスハ平和祈念スタジアムに向けられていた。 式典パレードの隊列は、オロファト市中心部のメインストリートを進んでいた。 このままクライン=アスハ平和祈念スタジアムへと行進するのだ。 隊列を組んでいるのは、オノゴロ島に置かれた統一連合地上軍総司令部の直隷下、オーブ防衛を主任務とする精鋭師団「地上軍第1機動師団」だ。 100機を越える鋼鉄の巨人は、併走する軍楽隊の奏でる行進曲に合わせて一糸乱れぬ歩調で進み、沿道を埋める数十万にも達する市民の興奮を高める。 ザフトMSの系譜に連なる曲面主体のシルエットと、ダガー系列の特徴が強く現れた頭部ユニットを併せ持ったその姿が、陽光を受けてきらめく。 統一連合軍の現行主力MSであるGWE-MP006Lルタンドだ。 外見から分かるように連合・プラント双方の技術を組み合わせて開発された機体で、『ナチュラルとコーディネイターの融和の象徴』として地球圏全域に配備が進められていた。 興奮した少年達が、目を輝かせて吹奏に合わせて合唱する。 他の大人達もそれに唱和し、歌声はあっという間に広がっていった。 歌が終わらぬうちに、それまでとは質の異なる甲高い響きが上空から降って来る。 見上げた市民の目に映ったのは、鏃のような隊形を組んだ、3機の戦闘機。 鋭角的な前進翼と機首のカナードが特徴的な機体は、だが正確には戦闘機ではない。 GWE-MP001Aマサムネ――第2次大戦時のオーブ軍可変MS、ムラサメの後継機だ。 原型となったムラサメ同様、空戦型MAへの変形による高い機動力を誇っている。 3機のマサムネは、飛行機雲の尾を引きながら上昇する。 続いて旋回、錐揉み、急降下。 一隊だけではない。 十数の編隊が入れ代わり立ち代わり僅かな時間差で現れては、巧みなアクロバット飛行の軌跡を蒼穹のキャンパスに描く。 その度に地上からは、大きな歓声が上がった。 尽きぬ歌声と歓声の中を、パレードは進んだ。 「フン……下らんな」 官庁街の一角にある、統一連合政府情報管理省の大臣執務室。 部屋の主――アンドリュー=バルトフェルドは呟いた。 執務室にすえられたTVでは民間放送のレポーターが、式典の様子を実況中継している所だった。 《ご覧下さい。沿道を埋め尽くす人、人、人……。ここオロファト中央通りには記念式典のパレードを一目見ようと人々が殺到しております。今ちょうど私の後ろをオーブの守り神、第1機動師団の精鋭MS隊が人々の歓喜の声の中、整然と行進しております……》 「……連中に真実など必要無い。ただ奴らが望む情報を、餌として与えてやればそれでいい」 最高級のスーツに包まれた逞しい肩が、小刻みに震える。 笑っているのだ。 「愚民どもが」 浅黒い精悍な顔に、傲慢そのものの笑みが浮かぶ。悪意と嘲弄が広い室内に満ち―― 「……で、今日は愚民ごっこですか?」 心底、呆れ返った一言で雲散霧消した。 「その手の台詞は、夜景でも見下ろしながらブランデーグラス片手に口にして下さい。真っ昼間からコーヒー飲みながら言っても、馬鹿にしか見えません。遊んでる暇があったら仕事して下さい」 「手厳しいね、ダコスタ君」 むしろ淡々と続ける声に、バルトフェルドはマーチン=ダコスタ補佐官を振り返る。 ザフト以来の腹心の部下は、本来ならバルトフェルドが決済すべき書類の山と格闘していた。 先程までの凄味はどこへやら。 緩み切った表情と声で、バルトフェルドはだらしなく背もたれに寄りかかると、両足を机の上に投げ出した。 「いやあ、持つべきものは有能で勤勉な部下だねえ」 「一応は閣僚の一員なんですから、もっとしゃんとして下さい。折角の礼服に皺が寄りますよ。式典で恥をかいても知りませんからね」 「夜の睡眠時間まで削って取り組んでいた一大イベントが、一応の成功を見せてるんだ。多少だらけても罰は当たらんさ」 「その代わり、昼寝はしっかり取ってましたね――何にせよ、お疲れ様でした」 実際、バルトフェルドの演出は完璧と言って良かった。 統一連合を構成する加盟国の元首達が集うこの場で、統一連合軍はその力を遺憾無く見せ付けていたのだ。 「どうせならピースガーディアンも出した方が、印象が強いと思うんですが」 「今日の主役はアスハ主席だからね。正規軍に花を持ってもらうさ。と、本命のお出ましか」 TVが真紅と黄金に輝く2体のMSを映す。 パレードの隊列に参加したのだ。 赤い機体はGWE-X002Aトゥルージャスティス、金の機体はGWE-X003A旭。 それぞれアスランとカガリの専用機であり、統一連合の力を象徴する超々高性能MSだ。 真紅の騎士と黄金の王者の勇姿に、レポーターは興奮し、群集は一際大きな歓声が上がる。 「目立つねえ。ま、宇宙艦隊を丸ごともう一揃え建造できるだけの予算をつぎ込んでるんだ。せめて看板の役には立ってくれないとね」 「またそんな事を。その内、舌禍で失脚しても知りませんよ」 「そうなったら、田舎に引っ込んで暴露本――もとい、回想録で一山当てるさ。ダコスタ君、君の事は誠意と勇気に満ちた、有能な人材として描写しておくからね。安心したまえ」 「そいつはどうも……」 どこまでも気楽に振る舞う上司に、ダコスタは深々と溜め息をついた。 アンドリュー=バルトフェルド情報宣伝長官と比較すれば、カガリ=ユラ=アスハ首席代表は少なくとも1万倍は勤勉だった。 彼女はまだ若く、指導者として多くの欠点を有していたが、少なくともその中に怠惰は含まれていない。 オーブ中が式典に沸くころ、遥か遠くにスタジアムを望む高層ビルの一室に仏頂面の男が入ってきた。 肩には大きめのバッグを背負っている。 ここは以前は空部屋だったのだが、二ヶ月ほど前から事務所として借りられている。 しかし不思議なことに部屋には机一つなく、使われた形跡が全く無かった。 だが男はそれが当然のように、全く関心を示さない。 バッグを下ろすと、中にあった数々の部品を組み立てる。手馴れた手つきだ。 十分足らずでそれは完了し、彼は窓際に自身を配置、窓を開ける。 高層ビルであるにも関わらず、窓が開けられる。 何故ならこの日のために、そういう風に仕掛けたのだからそれは当然だった。 男は懐から取り出した通信機に語りかける。 「こちら『雀"1"』、配置に着いた。あとは『駒鳥』を待つだけだ。オーバー」 《こちら『牡牛』、了解。オーバー》 短い通話はそれっきりで切れた。 この日、カガリは忙しかった。 まず主席公邸で式典に参列する各国元首の表敬訪問を受ける。 そして次にドレスからパイロットスーツに着替え、旭に乗り込み、自らパレードに参加してスタジアムへと向かう。 さらに礼服に着替えた後、スタジアムで式典に参加。 大戦の犠牲者を追悼し、統一連合の成果を高らかに謳いあげる演説を行う。 その後は戦没者慰霊公園に向かい、遺族達を弔問。 夜はドレスに着替え、迎賓館でパーティー。 招待した各国元首や貴賓客をもてなす……。 分刻み、秒刻みのタイトなスケジュールだ。 「あーあ、着せ替え人形にでもなった気分だな」 スタジアム到着後、一角に用意された控え室で、カガリは大きく伸びをする。 式典での演説に備え、礼服に着替えていた。 「やはり、子供の頃はそういうので遊んでいたのか?」 湯気の立つ紅茶のカップを差し出しながら、アスランが言った。 「うーん、どちらかというと、外で駆け回ってた方が多かったかな」 紅茶にやや多目の砂糖とミルクを加えながら、カガリは答える。 甘めのミルクティーを1口。 疲れた体には心地良かった。 「ラクスにももっと手伝ってもらえばよかったなあ」 「カガリの演説のあと、一曲歌うんだろう?」 「知ってるよ。でも不公平だ」 「ぼやくなよ。統一連合の主席なんだから、仕方ないさ」 「む゛ー」 ラクスは統一連合の特別顧問、キラは精鋭部隊「ピースガーディアン」の隊長を務めている。 二人ともやはり式典には参加しているが、それでも仕事の量はカガリの方が圧倒的に上だった。 役職の責任に比例して、仕事量が増えるのは判るが何かずるいぞ、とカガリは思ってしまう。 そんなむくれるカガリの様子に、アスランは思わず苦笑してしまった。 その時、従者がドアをノックする。 来客だという。 「誰だ?余程の事が無い限り誰も近づけるな、と言っておいたはずだが」 不審そうに眉をひそめるカガリを置いて、アスランが応対する。 「フラガ大将が、御家族と一緒に挨拶に見えたらしい。どうする?疲れているならまたの機会に、と言っているが」 「ば、ばか!早く通せ!」 待つ事しばし、30代半ばの長身の軍人と、同年輩の軍服を着た女性が姿を現した。 女性の胸では、ふくよかな赤ん坊がぱちりとした目で辺りを見回している。 統一連合宇宙軍総司令ムウ=ラ=フラガ大将と妻のマリュー=フラガ予備役准将、そして2人の間に生まれた愛娘のアンリだ。 無数の傷痕が残る端整な顔に陽性の笑みを浮かべ、ムウは敬礼する。 「お久しぶりです、主席閣下」 「そういう物言いは止めてくれ。ここには私達しかいないんだから」 カガリにとってムウとマリューの2人は、何よりも前に1次大戦以来、共に戦ってきた大切な『仲間』だった。 差し出されたカガリの右手を、ムウは苦笑しながらも力強く握り返す。 マリューもいつもの柔らかな笑みで、それに倣った。 来客用のソファーに腰を下ろしたムウとマリューに、アスランは新しく淹れた紅茶を差し出す。 「上手く淹れられたか判りませんけど、どうぞ」 「近衛総監直々の御点前とは、いたみいるわね」 珍しく軽口で返しながら、マリューは紅茶を受け取った。 現在のムウは月の新プトレマイオス基地におかれた宇宙軍総司令部が任地であり、マリューとアンリはオーブに残されている。 何気ない雑談を交わしながらも、久しぶりに愛しい夫に会えた喜びが、言葉の節々から滲み出ていた。 「キラ達は?」 「キラとラクスはピースガーディアンへの閲兵を済ましてこちらに来ます。もうすぐ着くでしょう」 「そうか。式典って奴は作法と格式と手続きの塊みたいなもんだからなあ」 ムウとアスランの問答を聞きながら、カガリは冷めかけた紅茶をすする。 嘆息するカガリの目が、アンリに止まる。その頬が嬉しそうに緩んだ。 「アンリも、少し見ない間にずい分と大きくなったなあ」 「ああ、親の俺もびっくりさ」 アンリのすべすべした頬をつつきながら、フラガはカガリに答えた。 その指を、アンリは丸まっちい両手でしっかりと握り締める。 まるで、もう二度とどこにも行かさないと宣言するように。 「アンリも、お父さんに会えて嬉しいのね」 優しく娘の頭を撫で摩るマリュー、そして愛する妻子を見守るムウ。 ありふれた、だが何よりも尊い家族の肖像に、カガリは胸をつかれた。 アスランの方へと泳ぎかけた視線を、慌ててもぎ離す。 もう遥か昔に思えるあの頃、カガリは自分とアスランの人生が不可分のものだと信じていた。 言葉にはしなかったものの、アスランもまた同じ想いを抱いていると思っていた。 「カガリ、少し早いがそろそろ準備をしよう」 カガリの想いを知ってか知らずか、アスランが時計を確認しながら言った。 「おっと、じゃあ俺達は先に会場に行っとくから」 「じゃあ、また後でね、カガリさん」 立ち去るムウとマリューを見送りながら、カガリは小さく頭を振った。 もう、全ては終わった事だ。道は既に別たれている。 たとえアスランが常に自分の傍らにあり続けているとしても、2人の軌跡が交わる事は、もはや決して無いのだから。 「カガリ……?」 「何でも無い。私達も行こうか、ザラ少将」 主席代表の顔と声で、カガリは答えた。 《――会場より、情報管理省報道局のミリアリア=ハウがお送りします》 つけっぱなしのラジオから流れる若い女性報道官の声に、シンは顔を上げた。 ゆっくりと立ち上がり、首をめぐらす。 目に映るのは日の光も照明も無い、暗く薄汚れた階段の踊り場だった。 腕時計に内蔵された通信デバイスから、レイの声が流れる。 《そろそろ時間だ》 「ああ」 シンは大小2つのケースを持って階段を登る。 登り切ったつきあたりの鉄扉を力を込めて押すと、軋んだ音を立てながら錆びついた扉がゆっくりと開く。 《――ただいま、会場に汎ムスリム会議のザーナ代表とアメノミハシラのサハク代表、そして南アフリカ統一機構のナーリカ代表が到着しました》 扉の向こうに広がっていたのは、狭くコンクリートが剥き出しの床面と、雲1つ無い空だった。 ここは、オロファト市東部の再開発地域にある小さな廃ビルの屋上。 地上の喧騒もここまでは届かず、沈黙に閉ざされた中にラジオの音声だけが白々しく響いていた。 《――ご覧下さい。世界中の国と地域の指導者が、互いの手を取って平和と融和を誓い合っています。あの悲惨な大戦から4年半、人類は、世界はここまでたどり着きました》 感極まった報道官の声を無視し、シンは鋭い視線を地上の一角に向ける。 狭隘なビルとビルの隙間から、平和祈念スタジアムが小さく覗いていた。 「こちら『雀”3”』。"牡牛"。オーバー」 《こちら『牡牛』。どうぞ》 「俺だ。予約していた特等席についた。いい眺めだ。舞台が一望できる」 腕時計の通信機を操作し、指定のチャンネルに合わせると、シンは低い声で囁きかける。 ややあって、通信機から若い娘の声で返事があった。 言わずと知れたコニールだ。 《了解。他のみんなはもうとっくに席に座ってるよ。『雀”1”、"2"』もね。弁当もちゃんと配り終わった。あんたもしっかりね》 「ああ、わかってるさ」 全チームが配置完了、別ルートで持ち込んだ武器も支給済み、作戦内容に変更無し。 符丁を頭の中で変換すると、シンは通信を打ち切った。 傍らのチェロケースを手にし、ロックを解除。 中身――長大な狙撃用ライフルを取り出す。 「ここにするか」 伏射姿勢を取るのに適当な位置を選び、腰を下ろす。 銃身固定用の二脚架を展開し、ライフルを抱えたままうつ伏せになった。 銃床を肩に当て、両腕でライフルを構えると、都市迷彩が施されたシートを頭から被る。 二脚架で銃身を支えているため、重量の割に荷重は少ない。 シンの鍛え上げられた背中と首の筋力は、易々とライフルの重量を受け止めた。 片手でもう1つのケース(中型の携帯用コンピュータだった)を手繰り寄せる。 ケーブルを引き出し、ライフルの上部にマウントされた電子スコープに接続する。 念のため空を見上げ、シンは太陽の位置を再確認。 陽光が差し込み、レンズの反射光で位置を知られる心配は無い。 スコープのキャップを外し、覗き込む。 各種の照準情報と共に標的――遥か2,500メートル先のスタジアムの演壇に立つカガリの姿が、網膜に直接投影される。 これだけの長距離狙撃になると、風や湿度による僅かな弾道の捻じれが、無視できない大きな影響を与える。 それに対処するため、シン達は前もってビルとスタジアムを結ぶ直線上に、複数の偽装センサーを設置していた。 もたらされた様々なデータは観測手――本来とは意味が異なるが便宜上そう呼ぶ――のレイによって解析され、その結果がスコープに表示される。 現在、快晴で湿度は約15パーセント、風は東南東の微風。 狙撃には絶好の状況だ。 《――いまだ争いは現実として世界に存在し続けている。「九十日革命」は、まだ皆の記憶にも新しい事だろう》 ラジオから流れる声は、いつのまにかカガリの演説になっていた。 《――しかし、たとえ何度も芽が摘まれ、踏みにじられようとも、私達は種をまき続けよう。いつか、平和という大輪の花が咲き誇るその日まで》 「さすが、奇麗事はアスハの御家芸だな」 苦々しく呟くと、シンは弾倉をライフルに差し込んだ。 レバーを引き、薬室に初弾を装填する。 スコープの向こうに見えるカガリの脳天に照準。 だが、まだ指は引き金にかけない。 演壇の周囲は、防弾仕様の強化プラスチックのケースによって守られている。 この時点で発砲しても射殺は不可能だ。 今は、まだ。 《時間だな。状況開始だ》 レイの静かな声が、ひどくはっきりと聞こえた。 「ありがとうございましたー」 コーヒー1杯で1時間近く粘っていた常連客を笑顔で見送ると、ソラは小さく息をついた。 急にがらんとした店内を見回し、エプロンに包まれた細く華奢な肩をとんとん叩く。 ここは、オロファト市の南部にある喫茶店『ロンデニウム』。 半年ほど前から、ソラはこの店でアルバイトをしていた。 「ソラちゃん、ご苦労さま」 カウンターの向こうから、マスターが人懐っこい笑顔を向ける。 半白の髪をした初老の人物で、ソラたち従業員や馴染みの常連客も本名を知らず、『マスター』とだけ呼んでいた。 「店が空いているうちに、少し休むといい。何か食べるかい?」 「あ、じゃあカルボナーラを」 「判った。今日は僕のおごりだ。せっかくの祭りの日にわざわざ出てもらったお礼だよ」 「わあ、ありがとうございます。マスター」 そう答えると、ソラはカウンター席に腰を下ろした。 少しぼんやりとした目で、窓の外を眺める。 オロファトの街並みには、つい先程まで続いていた軍事パレードの熱気がまだ冷えずに残っていた。 「お待たせ」 しばらく待つと、店の奥の厨房からマスターが出てきた。 手にしていたトレーをソラの前に置く。 トレーの上には、湯気を立てるパスタとサラダの皿、アイスコーヒーのグラスが載せられている。 「いただきま~す」 ソラは手を合わせて歓声を上げると、フォークを取った。 フォークでスパゲティの麺を巻き取り、白いソースをたっぷりとからめて口に運ぶ。 バターと卵と生クリームの濃厚な味と、ベーコンの程良い塩辛さが口中に広がる。 お腹が空いてたため、つい麺をすする大きな音を立ててしまった。 「ソラちゃん。慌てずもう少し上品に食べて欲しいな。料理は逃げやしないよ」 「す……すいません。お腹減ってたんで思わず……」 「大丈夫。何だったらお替り用意しようか」 「もう、マスターったら」 ソラは思わず赤面する。 いたずらっぽく笑いながらマスターは口にパイプをくわえた。 「そういえば、今朝は大変だったみたいだね」 「そうなんですよ。信じられますか、マスター。大の大人がよってたかってお年寄りに暴力を振るうなんて!?ホント酷すぎます!!」 「まあまあ落ち着いて」 あの騒動の後、警官がまだ混乱しているうちにソラは老人を連れて逃げ出した。 普段の自分から全く考えられなかったが、頭で考えるより体が動いてしまったのだろう。 ふとソラは、記念式典の中継を流しっ放しにしているTVに目を留める。 主席カガリが威風堂々と演説をしていた。 《……世界の恒久の平和のため、人類の永遠の未来のため、どうか皆の力を貸して欲しい……》 「……あんな事、ラクスさまやカガリさまが喜ばれるはずないのに」 「ソラちゃんみたいに優しい娘もいれば、平然と酷いことをする人もいる。世の中には色々な人がいるよ。でも、ラクス様やカガリ様の様な御方はそうそういないからね」 「そういうものなんですか。なんか悲しいです」 小さく溜め息をついたその時、ズンという鈍い音と共に辺りがぐらりと揺れた。 「……地震……!?」 国土が火山島であるオーブは、当然ながら地震も多い。 思わず悲鳴を上げたソラだが、揺れはその一度きりでおさまった。 マスターはコップやグラスを手で押さえている。 「大丈夫かい、ソラちゃん――」 胸を撫で下ろすソラに話しかけたところで、マスターは硬直した。 「あ……、あれは……?」 窓の外へと釘付けになった視線を、ソラもたどり、そして気づいた。 オロファト市南の高層ビル街。 そのうちのビルの1つが、炎と黒煙を噴き上げているのを。 「火事……事故――?」 呆然と呟くソラの胸に、不安が黒雲の様に湧き上がっていった。 カガリの演説が後半に差し掛かった時、アスラン=ザラのポケットから呼び出し音が鳴り響いた。 こんな時に、といぶかしみながらも通信機に手を伸ばす。 「私だ」 呼び出しに答え、部下の報告に耳を傾けるアスランの顔にさっと緊張の色がよぎる。 周囲に気取られないように、小声で答える。 「爆破テロだと!?」 《はっ、郊外の軍施設と市街地外れの政府機関が数箇所、爆破されました》 「式典警護のため、市の中心部に兵力を集中させていたのを、逆手に取られたか。式典自体ではなく、手薄になった施設を狙うとはな」 《申し訳ありません。テロリスト達に裏をかかれたようです》 舌打ちするアスラン。 《幸い、民間人にはほとんど被害が出ておりませんが》 「分かった。以後はオノゴロの軍司令本部の指揮下に入れ。私も急いで現地に向かう」 そう答えると、アスランは通信を打ち切った。 「何があったんだい?」 隣に座っていたムウが振り向く。 表情も声色も緩んでいたが、目だけは鋭かった。 前列のバルトフェルドも同種の視線を向けてくる。 <エンデュミオンの鷹>と<砂漠の虎>――かつての旧連合軍とザフトで屈指のエースパイロットだった2人だけに、鉄火場への嗅覚が並みではない。 「実は――」 後事を任せるため状況を説明しようとした正にその時、スタジアムを閃光と轟音が襲った。 あの爆発がセレモニー用の花火で、殺傷能力は皆無だと知れば、連中はどういう顔をするだろうか。 2,500メートル先からスコープ越しに、パニックに陥った式典会場を覗き込んでいたシンは、意地悪く考えていた。 あれは統一連合主席を、穴から燻り出す煙なのだ。 本来、オセアニア解放軍が立てた原案では、武装した決死隊を会場に潜入させる予定だったらしい。 しかし警備の厳しさからそれは不可能と判断され、代わりに狙撃での暗殺となった。 さらにその狙撃も一弾が外した場合のフォローを考え、三方向から狙う。 スタジアム内で花火を焚き、防弾装備の演説台から主席を引きずり出す。 そして――。 マザーグースの童話『Who killed cockrobin?』になぞらえて、弓を持った三羽の雀が駒鳥「カガリ=ユラ=アスハ」を射抜くのだ―― 。 シン達の狙い通り 会場が混乱する中、逃げ惑う市民達を尻目に各国要人や政府首脳といったVⅠPは、SPに守られながら会場から脱出しようとしている。 カガリも例外ではない。 演壇を下り、アスラン達と合流する。 激しく動揺した表情が、スコープ越しからでも見て取れた。 「煙で燻せば狐は巣穴から飛び出してくる、か」 口元を、笑みというにはあまりにも歪んだ形に吊り上げる。 《風力、風向き共に変化無し。いけるな?》 レイの問いに頷き、シンはライフルの引き金に指をそえる。 いいだろう。貴様らが目を背け続けるのならば、襟首をつかんで引きずり回してでも見せ付けてやろう。 かつて踏みにじられた者の無念を、いま切り捨てられている者の怒りを―― 「思い知れ」 低く呟くと、シンはトリガーへとかけた指に力をこめた。 不意にアスランの背筋を、ぞくりと悪寒が走った。 周囲、少なくともコロシアムの中にテロリストとおぼしき姿は無い。 だが、幾多の戦場で培われたモノが警鐘を鳴らす。 ―――殺気――― 自分は知っている。 ―――戦場で幾度も向けられた、あの殺気――― 初めてのものではない。忘れていたものでもない。 ―――背筋に馴染む、この殺気は……!――― それが戦士としての勘なのか、それとも無意識下で現状と経験を照らし合わせて判断した結果なのか。 自分自身でも理解できないままアスランは、咄嗟にカガリを突き飛ばした。 その瞬間、アスランを凄まじい衝撃が襲う。 超音速で飛来した何かがアスランの側頭部を掠め、一瞬前までカガリの頭部が存在していた空間を貫いたのだ。 「アスラン!?」 「頭を上げるな!!」 こめかみの辺りから生暖かいものが流れるのが判る。 飛びそうになる意識を必死で繋ぎとめ、アスランは倒れたカガリの上に覆いかぶさった。 「なっ!?」 倒されたカガリは状況が理解ができずに呆然としていたが、すぐに"理解させられる"。 次の瞬間、さらに彼女がいた空間、すぐ傍らに弾痕が数発、たてづづけに穿たれたのだ。 「ひっ!!」 怯えるカガリを抱きかかえたまま、アスランは集まったSPに怒鳴った。 「カガリ様!アスラン様!ご無事で!!」 「狙撃だ!!主席を守れ!!」 「アスラン=ザラっ!!」 スコープに映された狙撃の結果に、怒りと失意の叫びを上げるシン。 信じられなかった。 この距離からの銃撃に、対応できる人間がいた事が。 どうやら他の連中もしくじったらしい。 素早くライフルのボルトを操作する。 薬莢排出、次弾装填。 だがその数秒の間に、SP達がカガリの周囲で横並びの隊列を組む。 カガリへの射線を塞いでいるSPを狙い、発砲。 打ち抜かれた頭から血と脳漿をぶちまけながら崩れ落ちるSP。 だが生じた穴は、あっという間に他のSPによって埋められた。 「アスハの狗が!!」 叫ぶシンに、レイが冷静な言葉をかける。 《失敗だな。撤退するぞ》 「何を言ってるんだ、レイ!?」 《元々、博打の要素が高い奇襲だ。こうも態勢を固められては、付け入る隙が無い」 「馬鹿な!?」 指を、式典会場に突きつけて押し殺した声を上げる。 「あそこに――すぐ手の届くあそこに連中がいるんだぞ!!それを見逃せというのか、お前は!?」 《直にこの位置も特定される。軍なり治安警察なりの特殊部隊がやってくるぞ。無駄死にをするつもりか?》 「…………」 淡々と指摘するレイに、数秒の逡巡の後、シンは頷く。 「その通りだ。レイ、お前が正しい。撤退しよう」 内心でいかなる葛藤があったとしても、その声は冷静さを取り戻していた。 《式典自体の妨害には成功した。俺達の一方的な敗北ではない。それより、β班の撤収が遅れているらしい。援護に向かうぞ》 「了解」 素早く立ち上がるシン。 最後に一度だけ振り返り、怒りと憎悪に燃える目でスタジアムを睨みつける。 そして足早にその場を立ち去った。 銃撃は数度あった後、唐突に止んだ。 (諦めてくれたのか?) ずきずきと痛むこめかみを押さえながら、アスランはゆっくり立ち上がった。 傍らにいた兵士の1人が、首から高倍率の電子双眼鏡をかけているのにアスランは気づいた。 ひったくると、最初の銃弾が飛来して来たと予想される方向を覗き込む。 (銃弾の方向と角度は――。まさか、再開発地域から撃ってきたのか?) 内心で呻くアスランの目が、ぴたりと止まる。 いかなる偶然か。 小さな廃ビルの屋上にライフルを持った人影、その後ろ姿を発見したのだ。 倍率を最大に上げる。 黒髪に黒尽くめの服装をした、まだ若い男。 黒一色のその姿は、まるで死を告げる大鴉のごとき不吉さがあった。 不意に男が振り返った。燃え上がるような真っ赤な瞳が、正面からアスランを貫く。 「な――っ!?」 驚きのあまり、双眼鏡を取り落としかける。 慌てて再び覗き込んだときには、すでに男の姿は無かった。 「だ、大丈夫か、アスラン!?傷はどうなってる!?」 心配のあまり狼狽するカガリの声も、届かない。 アスランは意識が遠くに引きずられていく感覚を覚えていた。 過去という遠くの世界へと。 ―――殺気――― 自分は知っている。 ―――戦場で幾度も向けられた、あの殺気――― 初めてのものではない。忘れていたものでもない。 ―――背筋に馴染む、この殺気は……!――― 「お前、なのか――シン……?」 このSSは原案文第一話Aパート後編(DC私案)、第一話Bパート前編(DC私案)を再編集、一部加筆したものです。
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朱き帝國第16話 7月26日 モスクワ 徐々に眼前に迫ってくる巨大且つ荘厳な大宮殿を前にしても、エレオノールをはじめとしたネウストリア帝国使節団の面々は傍目にそれとわかるような動揺は見せなかった。 ここに来るまでに既に驚嘆すべき様々な異界の文物を目の当たりにしてきただけに、どこか感覚が麻痺しつつあるのかもしれない。驚き疲れた、と言い換えてもいい。 (いや、まぁ、それもありますけど……ねぇ) エレオノールの首席補佐を務める若者、封土監察院の文官であるシェロー・アプサラスは気を落ち着けるためにゆっくりと息を吸い込み、吐き出した。 正直、これは驚きの一言で済ませられるものではない。 これまでに目にした機関車・動力船・ガソリン自動車といった移動機関。移動中に、ソヴィエト側の応対役を務めた役人や軍人との会話のなかで知った異界の巨大国家の存在。 その総人口は一億を超え、動員能力は一千万に及ぶ。その巨大さのみを取っても十分に列強と呼ぶに値する。加えてその技術力・文明程度は、これまでに自分たちが見てきた限りでは 大陸に冠たるわが祖国、ネウストリアに匹敵……ことによると凌駕しかねない。 まぁ人口や動員能力云々はある程度の誇張は混じっているだろうが、技術レベルに関しては自分たちが現物を直接目にしているだけに混じりっけ無しの本物だと理解できる。 ネウストリアという大陸屈指の覇権国家にあって政府の最エリートというべき情報官をつとめる男が表情に出さぬように心中に留めている感情。それは恐怖だった。 「気分が優れない?」 「いえ…ああいや、そうですね。少しばかり酔ったかもしれません」 「だらしないわね」 くすり、と笑みを浮かべるエレオノール。だが、その目は全く笑っていない。 さりげなく、シェローの視界に入るように自身の書類鞄を持ち上げ、そこに縫いこまれた封土観察院の紋章を指でなぞる。 シェローの顔色が変わった。 「ま、到着までの間に息を整えておくことね」 そういったきり、エレオノールは窓の外に視線を移した。 シェローは内心で上司のさりげない気遣いと叱咤に感謝すると、静かに瞑目した。 (私としたことが……相手の空気に呑まれすぎですね) ここに来るまでに見せられ、案内役の役人や軍人から懇切丁寧な解説つきで紹介されたソヴィエト連邦という超大国の姿。 外交手法としては古典的かつオーソドックスなやり方だが、初見の相手には実に効果的といえる。 まぁ、こちらもある程度分かったうえで情報収集も兼ねてソ連側の思惑にのった部分はあるが、いつのまにやら相手のペースに引き込まれていたらしい。 (交渉開始前でよかった) 内心ほっと溜息を零す。 それからしばらくして、車は静かに停車し、運転席の横に座っている将校が目的地への到着を告げるのだった。 モスクワ・クレムリンの起源は11世紀後半にさかのぼると言われている。 史料にあらわれる最初の城壁は1156年、ユーリー・ドルゴルーキーによって築かれた、ということだ。 クレムリンの誕生はこの年と見ることができる。モスクワ・クレムリンが築かれたのはモスクワ川とネグリンナヤ川の合流点であり、二つの川に守られた要害の地だった。 この城塞が石造りになったのが1367年、ドミトリー・ドンスコイの治世であったと言われる。 そして、クレムリンが今日と同じ規模で今日とほぼ同じ外観をもつようになったのは、イヴァン3世の治世時代(1462~1505)である。 現在のクレムリン建設には多くのイタリア人が関与している。まず、ミラノのピエトロ・アントニオ・ソラーリが、北イタリア・ロンバルディアの進んだ築城術を利用して、城塞の建築に取り組んだ。 彼は、現在のスパスカヤ塔やニコリスカヤ塔の建築に取り組んだ。 また、クレムリンの中心寺院でもあるウスペンスキー聖堂の建築にもイタリア人は関係している。ボローニャのフィオラヴァンティは息子と弟子と共にモスクワにやってきた。 そして、ウラジーミルのウスペンスー聖堂(12世紀建立)にみられる古ルーシ建築様式を学び、モスクワ・クレムリン内のウスペンスー聖堂を今日の形に再建した(1479年)。 この聖堂はモスクワの大公が、そして、後にはツァーリが戴冠式を行う由緒ある場所となった。ちなみに、聖堂の名称は、聖母の昇天を意味する「ウスペーニエ」に由来する。 1682年8月7日、ウスペンスキー聖堂ではピョートル大帝の戴冠式も行なわれている。 その由緒ある大宮殿を今現在支配するのは、赤い労働者たちの代表たるヨシフ・スターリンと、彼が率いるソヴィエト共産党政治局員たちだ。 血で血を洗う内戦・大粛清を経て反動的な軍部、党内の反スターリン派閥を一切の慈悲なく徹底的にパージ。軍部に対する党・政府の絶対的優位を確立し、強権的な警察国家を作り上げた。 そして、彼ら赤い皇帝と貴族たちは今、これより訪れるであろう来客の到着を固唾を飲んで待ち受けていた。 建国以来最大の危機を迎えた祖国に救いの光明をもたらしてくれるやもしれないネウストリア帝国から訪れる使節団の到着を、ただひたすらに待ち受けていた。 穏やかな初夏の陽気がモスクワ市街を照らす中、モスクワ中央駅から直行してきた黒塗りの高級乗用車……米国からの輸入車であるパッカード2台が、同じく漆黒に塗装されたエムカ2台に前後を挟まれるようにして赤の広場を抜け、クレムリンの門をくぐり抜けていく。 まるで敷地内を見学でもするかのように、ゆっくりとした速度で敷地内をぐるりと巡り、クレムリン武器庫を通過。閣僚会館前にゆったりと駐車した。 敷地内。閣僚会館入口前には儀仗兵並びに手すきの将校が整列し、車内の人物を待ち受ける。 まず、助手席側のドアが開き、車内から青い制帽にNKVD国内軍礼服に身を包んだ少尉が降り立った。そのまま後部席側に歩み寄り、恰も主人の坐乗する馬車の扉を開く従僕のように、恭しい挙措でパッカードの後部ドアを開けた。 、エレオノールたちが車外に降り立つと、居並ぶ儀仗兵・将校連は完璧な角度で一斉に敬礼する。 敬礼を送られた方の使節団の面々は、馴染みのないソ連式の敬礼に少しばかり戸惑いながらも、外交使節として戸惑いを表に出すことなく、毅然と足を踏み出した。 エレオノールを先頭に玄関に向かって進んでいくと、入口前で品の良いスーツに身を包んだ壮年の男が使節団一同を出迎えた。 「ようこそいらっしゃいました。ネウストリア帝国の皆様。私はソヴィエト連邦外務人民委員を務めておりますヴャチェスラフ・モロトフと申します」 差し出された右手に少しばかり戸惑いながらも、エレオノールはその手を握り返す。 「先触れもなく、急に押しかけたにもかかわらず歓待をいただき、感謝も言葉もありません。当使節団の団長を勤めておりますエレオノール・カセレスです」 ときに…、とエレオノールは申し訳なさそうにモロトフを見る。 ここに来るまでに、首都モスクワで国交を結ぶ旨の交渉を行うことは伝えられていたが、交渉相手がソヴィエト政府内でどの程度の位置にいる人物なのか――それによって交渉の内容・重要性が大きく変わる――は教えられていない。 外交部の担当官ということは聞いたが…… 「不勉強で申し訳ない。道すがら、貴国の政治体制等については伺ったのですが、今一つ、貴国の職務呼称には馴染みがなく……貴公の外務人民委員というのはどういった職位を指すのでしょうか?」 「ああ、失礼。そうですな、我が国では閣僚会議のことを人民委員会議と呼称しております。私はそこで副議長及び外交部の統括を任されております」 「!!……そ、それは」 使節団の面々の表情が驚きに歪む。これまで全く表情を崩さなかったエレオノールでさえぎょっとした様子で一瞬固まってしまう。 (閣僚……それも副宰相兼外相!?そんな人物が玄関先まで出迎えって……) 帝国の使節としてソヴィエト政府との交渉に臨むのはこれが初めてである。 当然、エレオノールとしてはソヴィエト政府高官との直接会談・交渉に臨む腹積もりでいたが、いきなりこの展開は予想外だ。 ネウストリア帝国において外相に限らず、閣僚の地位にある者には宮廷貴族として一代限りではあるがその位階に応じた爵位が下賜される。 その最高位は侯爵位であり、宰相・副宰相は侯爵位、外相・軍務相・蔵相・内相が伯爵位となる。 つまり、このモロトフという男は帝国であれば最低でも侯爵以上の大貴族に相当する地位にある、エレオノールからすれば文字通り雲の上の人物ということになる。 帝国代表などと言っても、所詮は正式なスタッフが到着するまでの間に合わせ。エレオノール自身は実質交渉の意思を伝えるためのメッセンジャーにすぎない。 まぁエレオノール自身はその扱いにいたく不服ではあったが……結局のところ、彼女は只の特使であり、条約締結などに裁量権を持つ全権大使・全権公使というわけではなく、身分にしたところで平民にすぎない。 そんな者を出迎えに、閣僚が官邸の玄関先まで出張るなど、厚遇どころの騒ぎではない。 ソ連側としては『私たちは貴方方との関係をとても重要視していますよ』という意思表示程度のつもりだったのだが…… 260 :reden:2012/03/19(月) 20 12 52 ID wlaiBnjM0 相手側の予想以上の動揺に、モロトフは内心で眉を顰めた。 (ふぅむ……少しばかり露骨すぎたか?しかし、この世界の外交儀礼・慣習もロクに分からん状況で、相手に無礼と受け取られては元も子もない) モラヴィア王国との交戦開始から既に一月以上が経過しているにもかかわらず、未だ国境沿いの防衛線構築に奔走し、実質国内にひきこもり続けているソ連には異世界についての情報が圧倒的に不足していた。 この状況をなんとか打破したいスターリンとしては、新たに接触が持たれた未知の異界国家との交渉は何としても成功させねばならない。 なにしろ、今度の国は問答無用で先制攻撃をしかけてきたモラヴィアとは異なり、平和的な交渉を行う意思があるというのだから。 今回の会談と、その後あちらの本国から派遣されてくる使節との交渉で、最低でも親書の交換と友好条約の締結を約束させ、できれば大使・公使を交換できる程度の状態に持っていきたいところだ。 相手国はどうもこの世界でも有数の国力を誇る大帝国らしいが、今ソ連に必要なのは、何よりもまずこの世界に関する情報であり、これを得るためにも現地国家と国交を結ぶことは絶対に必要だ。 にこやかな笑みを浮かべ、モロトフは使節団一行に改めて歓迎の意を表した。 交渉を望むソ連側の意に応えてくれた帝国と皇帝に感謝し、得体の知れぬ未知の大陸・未知の国家の首都まで遠路はるばる至った使節団一同の勇気と祖国への献身を讃えつつ、 自ら大仰に手を広げて官邸内にエレオノールたちを迎え入れる。 ここに来るまでに散々見せつけられたソヴィエト連邦の国力・軍事力を知るだけに、使節団の面々は自分たちがこれ程の厚遇を受けることに違和感を感じていたが、 とりあえず、交渉に際しては相手側が友好的であるのは望ましい傾向である。 エレオノールを含め、使節団一行はその表情に微かに安堵の色をにじませつつ、クレムリンの中枢たる館に異世界人として初めて足を踏み入れるのだった。
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NavelブースターパックC20 U12 R12 RR6 全50種 キャラクターSHUFFLE! Essence+ 俺たちに翼はない イベント セット コンプリートボーナス キャラクター SHUFFLE! Essence+ カードNo カード名 属性 攻撃力 攻撃力補正 耐久力 耐久力補正 レアリティ 性別 作家名 カードテキスト NV-001 神王の娘「リシアンサス」 火光 1 +3 2 +2 C 女 Navel Battle〔↑から→にする〕ターン終了時まで、自分のキャラ1体は攻撃力が2上昇する。 NV-002 表の顔「リシアンサス」 火光 4 +1 4 +1 RR 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕[永続]このキャラ以外の自分の光属性のキャラの体数分、このキャラは攻撃力と耐久力が上昇する。 NV-003 裏の顔「キキョウ」 闇 7 +1 6 - U 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕[永続]「リシアンサス」と同じネームとして扱う。 NV-004 魔王の娘「ネリネ」 水闇 1 +2 2 +3 C 女 Navel Battle〔↑から→にする〕ターン終了時まで、自分のキャラ1体は攻撃力が2上昇する。 NV-005 天使の鐘「ネリネ」 水闇 4 +1 4 +1 RR 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕[永続]このキャラ以外の自分の闇属性のキャラの体数分、このキャラは攻撃力と耐久力が上昇する。 NV-006 稟くんのお世話係「芙蓉 楓」 地火 5 +1 4 +1 R 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕[永続]このキャラがバトルに参加している場合、バトルに参加している相手のキャラのスキルをすべて無効にする。 NV-007 夏の夜「芙蓉 楓」 地火 2 +2 2 +3 C 女 Navel [自動:フレンド]このキャラが登場した場合、カードを1枚引く。[自動:パートナー]このキャラがレベルアップかオートレベルアップした場合、カードをこのキャラのレベル分の枚数引く。 NV-008 魔法嫌い「時雨 亜沙」 火 0 +3 1 +2 U 女 Navel [自動]このキャラが登場かレベルアップした場合、目標のキャラ1体に2ダメージを与える。 NV-009 新人ウェイトレス「時雨 亜沙」 火 7 - 5 +1 R 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンド1体を控え室に置く〕[永続]このキャラは他のキャラの能力やイベントカードの効果を受けない。[永続]このキャラはセットカードをセットできない。 NV-010 実験体三号「プリムラ」 無 4 +1 4 +1 RR 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕[永続]このキャラ以外の自分の無属性のキャラの体数分、このキャラは攻撃力と耐久力が上昇する。 NV-011 ネコミミリムちゃん「プリムラ」 無 1 +3 3 +2 C 女 Navel Main〔↑から→にする〕カードを1枚引く。 NV-012 妄想大暴走「カレハ」 火 3 +2 4 +1 C 女 Navel 【登場】〔自分のキャラを1体表から裏にする〕Battle〔↑から→にする〕自分のキャラ1体のダメージをすべて回復する。 NV-013 暴走特急「麻弓=タイム」 火 6 +1 4 - U 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕『貫通』 NV-014 幼馴染「八重 桜」 地 1 +3 2 +2 RR 女 Navel [自動]このキャラが、登場かレベルアップした場合、自分の地属性のフレンド1体を表にする。 NV-015 放送部員「デイジー」 地 0 +2 1 +3 R 女 Navel [自動]このキャラがガードキャラに選ばれた場合、カードを1枚引く。 NV-016 担任「紅薔薇 撫子」 地 5 +2 2 +1 U 女 Navel 【登場】〔自分のフレンドを1体控え室に置く〕『先制攻撃』 NV-017 妄想超炸裂「ツボミ」 火 0 +2 1 +3 U 女 Navel [自動]このキャラがバトルに参加した場合、そのバトル終了時にこのキャラを↓する。[永続]このキャラはバトルによるダメージを受けない。(『貫通』や『反射』のダメージをプレイヤーは受けない) NV-018 新王家親衛隊「ルリ=マツリ」 地 6 +1 7 - C 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕 NV-019 神の使い「エリカ=スズラン」 無 2 +2 2 +3 C 女 Navel [自動]このキャラが、登場かレベルアップかオートレベルアップした場合、カード1枚を引く。 俺たちに翼はない カードNo カード名 属性 攻撃力 攻撃力補正 耐久力 耐久力補正 レアリティ 性別 作家名 カードテキスト NV-026 仮面恋人「渡来 明日香」 火 1 +2 2 +3 C 女 Navel 『ジャッジメント』[自動]このキャラの『ジャッジメント』が成功した場合、自分の裏のフレンドを1体表にする。 NV-027 乙女「渡来 明日香」 火 2 +3 2 +2 R 女 Navel [永続]このキャラが前衛に置かれている場合、このキャラは攻撃力は2上昇する。[永続]このキャラがパートナーエリアに置かれている場合、このキャラは耐久力が2上昇する。 NV-028 ポッポちゃん「羽田 小鳩」 地 2 +2 2 +3 C 女 Navel 『ジャッジメント』[自動]このキャラの『ジャッジメント』が成功した場合、ゲーム終了時まで、このキャラの攻撃力と耐久力が1上昇する。 NV-029 プリンセス・ダヴ「羽田 小鳩」 地 4 +1 3 +1 RR 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕[永続]このキャラ以外の自分の前衛のキャラすべては攻撃力が2上昇し、このキャラ以外の自分の後衛のキャラすべては耐久力が2上昇する。 NV-030 チョーダウナー「山科 京」 水 0 +2 2 +3 C 女 Navel 『ジャッジメント』[自動]このキャラの『ジャッジメント』が成功した場合、相手のフレンドを1体→にする。 NV-031 チョーアッパー「山科 京」 火 4 +1 3 +1 RR 女 Navel 【登場】〔自分のキャラを1体表から裏にする〕[自動]このキャラがアタックキャラに選ばれた場合、このゲーム中、このキャラの攻撃力と耐久力が1上昇する。この効果はゲーム中、5回しか使用できない。 NV-032 夢見る学生小説家「玉泉 日和子」 水 1 +2 1 +3 C 女 Navel 『ジャッジメント』[自動]このキャラの『ジャッジメント』が成功した場合、カードを2枚引く。 NV-033 アレキサンダー新制服「玉泉 日和子」 水 4 +1 5 +1 R 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕[永続]このキャラがバトルに参加している場合、バトルに参加している相手のキャラのスキルをすべて無効にする。 NV-034 蒼穹女学院1年生「鳳 鳴」 風 1 +2 2 +3 C 女 Navel 『ジャッジメント』[自動]このキャラの『ジャッジメント』が成功した場合、相手にセットされたセットカードを1枚控え室に置く。 NV-035 秋風「鳳 鳴」 風 6 +1 5 - R 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕[自動]このキャラが登場かレベルアップした場合、対戦相手は手札を1枚控え室に置く。 NV-036 コンパ潰しのエリー「日野 英里子」 火 6 +1 7 - C 女 Navel 【登場】〔自分の表のフレンドを1体控え室に置く〕 NV-037 駆け出し編集部員「米田 優」 水 3 +1 2 +2 U 女 Navel 【登場】〔自分のフレンドを1体控え室に置く〕[自動]このキャラが登場かレベルアップした場合、相手の闇属性のキャラすべてを↑から→にする。 NV-038 コーダイン「香田 亜衣」 風 3 +1 2 +2 U 女 Navel 【登場】〔自分のキャラを1体表から裏にする〕[自動]このキャラが登場かレベルアップした場合、相手の光属性のキャラすべてを↑から→にする。 NV-039 真夜中の少女「アリス」 地 1 +3 2 +2 U 女 Navel [自動]このキャラがバトルに参加した場合、そのバトル終了時にこのキャラを↓する。[永続]このキャラはバトルによるダメージを受けない。(『貫通』や『反射』のダメージをプレイヤーは受けない) NV-040 仲介クレープ屋「春日 春恵」 風 3 +2 2 +1 U 女 Navel 【登場】〔自分のキャラを1体表から裏にする〕[自動]このキャラが登場かレベルアップした場合、相手の地属性のキャラすべてを↑から→にする。 NV-041 編集部「沢井 冴子」 地 2 +1 3 +2 U 女 Navel 【登場】〔自分のフレンドを1体控え室に置く〕[自動]このキャラが登場かレベルアップした場合、相手の風属性のキャラすべてを↑から→にする。 NV-042 意地悪副委員長「高内 昌子」 火 4 +2 1 +1 U 女 Navel 【登場】〔自分のキャラを1体表から裏にする〕[自動]このキャラが登場かレベルアップした場合、相手の水属性のキャラすべてを↑から→にする。 NV-043 憧れのまなざし「林田 美咲」 水 2 +1 3 +2 U 女 Navel 【登場】〔自分のフレンドを1体控え室に置く〕[自動]このキャラが登場かレベルアップした場合、相手の火属性のキャラすべてを↑から→にする。 イベント カードNo カード名 属性 攻撃力 攻撃力補正 耐久力 耐久力補正 レアリティ 性別 作家名 カードテキスト NV-020 世界で一番優しい魔法 - - - - - C - Navel 【使用】〔自分の手札を1枚控え室に置く〕Main目標の自分の裏のキャラ1体を表にする。 NV-021 生まれてきてはいけない存在 - - - - - R - Navel 【使用】〔自分の手札を2枚控え室に置く〕Mainターン終了時まで、目標のキャラ1体はスキルが無効になる。 NV-022 幼い嘘と罪 - - - - - R - Navel Mainターン終了時まで、目標の自分のキャラは攻撃力と耐久力が3上昇する。ターン終了時に、目標のキャラを裏にする。ただし、このカードは1ターンに1枚しか使用できない。 NV-023 亜沙先輩、ピンチ? - - - - - C - Navel 【使用】〔自分の手札を1枚控え室に置く〕Main相手にセットされたセットカードを1枚控え室に置く。 NV-044 闇の森の妖術師 - - - - - R - Navel Battleターン終了時まで、自分のキャラ1体は『先制攻撃』を得る。 NV-045 これが私のタマイズム - - - - - C - Navel Battleターン終了時まで、自分のキャラ1体は攻撃力と耐久力が1上昇する。 NV-046 ベントゥー・フォー・ユー - - - - - R - Navel 【使用】〔自分の手札を2枚控え室に置く〕Battleターン終了時まで、自分のキャラ1体は『貫通』を得る。 NV-047 たまひよ世紀の大反撃! - - - - - C - Navel 【使用】〔自分の手札を3枚控え室に置く〕Main相手のキャラすべてに2ダメージを与える。 NV-048 がけっぷち激励会 - - - - - C - Navel 【使用】〔自分の手札を1枚控え室に置く〕Mainターン終了時まで、自分のキャラすべては攻撃力と耐久力が1上昇する。 セット カードNo カード名 属性 攻撃力 攻撃力補正 耐久力 耐久力補正 レアリティ 性別 作家名 カードテキスト NV-024 白玉と黒玉 - - - - - C - Navel [永続]自分のキャラすべてはバトル以外によるダメージを受けない。 NV-025 ある意味合ってる礼服 - - +2 - +2 C - Navel 【セット】〔自分の手札を1枚控え室に置く〕 NV-049 お手伝いの弱み - - - - +1 R - Navel 【セット】〔自分の手札を1枚控え室に置く〕『先制防御』 NV-050 プリンセス・アスカ - - - - +1 R - Navel 【セット】〔自分の手札を1枚控え室に置く〕『反射』 コンプリートボーナス 入手条件:NV-001~NV-050を各1枚以上所持 カードNo カード名 属性 攻撃力 攻撃力補正 耐久力 耐久力補正 レアリティ 性別 作家名 カードテキスト NV-CB1 クラスメイト「渡来 明日香」 火 1 +3 2 +2 CB 女 西又葵 [自動]このキャラがアタックキャラに選ばれた場合、カードを1枚引く。 コメント *お気付きの点など有りましたら、こちらへ情報提供をお願いします。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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酒宴 積荷の酒類を使って酒宴を開き、自分と艦隊メンバーの行動力と、船員の疲労度を回復する。 また、船員の欲求不満を回復する場合がある。 ランクが上がると、疲労度の回復量が大きくなる。 専門・優遇職 ◇専門職 なし ◇優遇職 冒険 芸術家 翻訳家 交易 ソムリエ 非優遇習得 費用:25000 条件:冒険Lv10、 都市:マルセイユ(モンモランシー大元帥) ハンブルグ(マルティン・ルター) 詳細 積み荷の交易品の酒類から1を消費し(原価の安い順に使用される)以下の効果があるとされる。 ・行動力回復(艦隊効果) ・疲労Down(行動回復値/2 前後・艦隊効果) ・欲求不満の回復(確率) ・船員忠誠Up?(未検証) ・酒場で酔いつぶれにくくなる(プレイヤーズバイブルより・未検証・効果の実在について疑義あり) ◇行動力回復効果について R5で5±3位回復。 R12で12±3位回復。 La Frontera以前の数値 CdS現在の回復効果報告は以下の通り R7 で15~19 R11で23~27 という報告がなされている。 このことから、 回復量=R×2+(1~5) と、考えられる。 ただし、使用した本人は酒宴発動分の行動力5が同時に差し引かれるため、実質的回復値は 回復量=R×2-(4~0) である 以下に、この数値を元に酒宴を使用しての行動力回復の効率性について検討する。 ・条件 酒宴スキルR10(行動力を23回復すると仮定する) 使用酒類交易品:ビール(300D)、ワイン(400D) 比較条件:鳥丸・木魚(それぞれ行動力70回復) 行動力を70回復するために必要な値段を計算する。 酒宴R10で行動力を70回復するために必要な発動回数は3回強(70/23=3.04...)であり、このことから… ビールを使用した場合、3*300=900 ワインを使用した場合、3*400=1200 となる。 ・考察 ソロで使用したとしても、使用する酒類交易品にもよるが料理に比べてかなり高コストパフォーマンスであると言える。 また、艦隊で使用すれば、マグステ等の艦隊料理と比較して圧倒的なコストパフォーマンスとなる。 また、統率修行に使用できることからその効果を考えた場合価値は計り知れない。 ただし、使用できる局面が限られることも事実であり、効果を生かせるかどうかはプレイスタイル次第である。 また、行動力を消費して行動力を回復するスキルという性格上、行動力が足りないとそもそも発動出来ない。 うっかり行動力0になって回復不能なんてことにならないように料理も必ず持ち歩くように。 非優遇R8(R7?)以降は酒1本消費で経験値1。売却用の品を使われないように。 葡萄なんぞから加工してでは非効率すぎ。 ボルドー、ハンブルク 等酒個数多いのでお勧め。 交易上げするなら ボルドー ナント間がお勧め。 また、インド、ベンガル、北バルト海は、ウォッカを敵が頻繁に落とすのでその場で回復もできる ブースト ◇装備品 +一覧表 部位 アイテム名 攻撃 防御 正装 変装 耐久 名声 装備効果 使用時効果 性別 装備制限 入手方法 備考 持物 ローランの角笛 20 3000 酒宴+2 戦術 冒険「ローランの角笛」 祝祭のリュトン 20 20 30 10000 酒宴+2調達+2採集+2 疲労度回復 メモリアルアルバム「噂の真実(NO.6)」 戴冠式用儀礼剣 30 28 200 5000 酒宴+1工芸品取引+1 「Tierra Americana プレミアムBOX」特典12周年記念宝箱(NO.1) 入手不可 丈八蛇矛 58 15 100 500 酒宴+1応用剣術+1 ネットカフェ祭り1 入手不可 ナラーティハパテ王の懐剣 40 10 100 12000 酒宴+1財宝鑑定+1 冒険「最後の王」 ヤギ皮張タンバリン 75 酒宴+1 タンバリン演奏 販売:チュニス 黒檀製タンバリン 100 酒宴+1社交+1 タンバリン演奏 探索4:ソファラモスク収奪:バルバリア海賊 胴体 バイエルンの衣装 10 10 100 500 酒宴+2社交+2 Liveイベント「ビアフェスト」Liveイベント「ビアフェスト2012 in フランクフルト」 入手不可 レーダーホーゼン 10 10 100 500 酒宴+2社交+2 Liveイベント「ビアフェスト2013 in フランクフルト」 入手不可 ロイヤルガウン 13 50 100 10000 酒宴+2統率+2貴金属取引+1 ♂ 縫製12:特別衣装縫製法 ベリーダンサー 5 30 10 1500 酒宴+2口説き+1 ♀ 探索9:アラビア海北東岸 アルレッキーノ 15 30 1600 酒宴+2身体言語+2 縫製10:道化服の縫製法 イレーヌ愛用ドレス 15 25 50 500 酒宴+2口説き+3運用+1 ♀ 縫製20:著名人衣装縫製法・特注編 バーメイドドレス 1 5 30 150 酒宴+1 販売:オスロ クラヴィトーガ 5 20 80 18000 酒宴+1美術+2社交+1 ♀ 遺跡:ローマ地下遺跡 中層 ロイヤルドレス 9 50 100 10000 酒宴+1火器取引+2統率+2 ♀ 縫製12:特別衣装縫製法 バレエ舞踊手の衣装 3 5 40 35000 酒宴+1口説き+1 販売:マルセイユ 燕尾の礼服 10 40 100 酒宴+1社交+2口説き+1 「90日間プレイチケット」特典 入手不可 ラクスシャルキ 30 10 1200 酒宴+1口説き+1 ♀ 探索8:ペルシャ湾北岸宝箱:世界の衣装箱 (NO.1) 特製ラクスシャルキ 10 40 30 500 酒宴+1口説き+1繊維取引+1 ♀ 称号:優良商会会員 縫製12:特定優良商会レシピ第2巻 妓王の衣装 20 40 100 5000 酒宴+1考古学+2言語学+1 縫製10:特製服縫製法・総集編「Tierra Americana プレミアムBOX」特典 トラッヘ・デ・ヴァケーロ 12 60 9000 酒宴+1酒類取引+2 サルベ:沈没船 スカラムーシュ 15 30 1400 酒宴+1身体言語+1 縫製9:道化服の縫製法 ロボーネ・ディ・メディチ 17 40 100 500 酒宴+1美術品取引+3宝石取引+1 ♂ 縫製16:著名人衣装縫製法・外伝 フルール・ド・フルール 10 25 50 500 酒宴+1口説き+2 ♀ 縫製10:著名人衣装縫製法 パルファン・ド・フルール 10 25 50 500 酒宴+1運用+2 ♀ 縫製16:10周年記念著名人衣装集 頭 サルベージャバイコルヌ 20 5 40 10000 酒宴+2回避+1サルベージ+1 サルベ:沈没船 ウサギ耳のトップハット 10 5 10 100 酒宴+2口説き+1 「90日間プレイチケット」特典 入手不可 金色ひょっとこ面 15 25 100 酒宴+2口説き+1身体言語+2 プレイヤーズバイブルElO特典 入手不可 ひょっとこのお面 3 20 60 酒宴+1見張り+1 Liveイベント「5周年 大感謝祭」 入手不可 酒宴+1 宝箱:東アジアのお祭り袋宝箱:記念帽子の収納箱Liveイベント「5周年 大感謝祭」 入手不可 シペ・トテックのマスク 10 250 7000 酒宴+1宗教学+1 冒険「金色の神が芽吹くとき」 足 メキシカンブーツ 7 30 10000 酒宴+1 工芸11:自宅生産(19th) 服飾品 黄金のパイプ 5 30 500 酒宴+2口説き+1 販売:サントドミンゴ 琥珀のパイプ 5 30 500 酒宴+2口説き+2 販売:サンフアン 仙桃 10 500 酒宴+2視認+1 全状態回復(複数) トレジャーハント「桃源郷はいずこに」 ヴィットーリアの首飾り 20 20 酒宴+2社交+2美術+1 ヴェネツィア30章 他国籍入手不可 扇 30 40 500 酒宴+2戦術+2統率+2 Liveイベント「ヌーベルフランス開拓団」 入手不可 橙色のイースターエッグ 20 100 酒宴+2宗教学+1考古学+1 Liveイベント「イースターエッグハント2013 ~8th Anniversary~」Liveイベント「イースターエッグハント2017」 入手不可 銀のパイプ 5 30 500 酒宴+1口説き+1 販売:サンフアン みずがめ座のペンダント 10 30 3000 酒宴+1天文学+1 冒険「宝瓶宮の調査」 祝賀のジョッキ 25 25 500 酒宴+1社交+2口説き+1 祝賀の乾杯 「PS4 Gran Atlas TREASURE BOX」特典「祝賀のジョッキ」特典 入手不可 持物・服・服飾品の販売品で計+4に出来る。統率上げならこれで十分。 ◇副官 +一覧表 名前 職業 雇用場所 必要値(航海長) 必要Lv 備考 ユルバン 両替商 アテネ 10 12/5/0 アネット ソムリエ チュニス 10 12/5/0 ベルンハルト 工芸師 リオデジャネイロ 10 12/5/0 ジョルジェ 地方海賊 ジャカルタ 10 12/5/0 ブースト上限は副官と装備トータルで+10。 ※ブーストしても効果が上がるだけで、獲得熟練は増加しない?(未検証) 効率の良い上げ方 酒を大量に積み込み、酒宴連打 艦隊人数が多いほうが、獲得熟練Up?(未検証) R3+1では忠誠Up効果認められず -- 名無しさん (2006-10-10 12 10 15) R6+4で通常一回で熟練度1入るところが、艦隊組むと2入りました。 -- 名無しさん (2006-10-11 10 02 22) 回復量増えてるかも -- 名無しさん (2006-11-24 22 50 22) あの統計取ったんだが酔いつぶれ抑制効果r9でまったくないんですが -- uio (2007-03-18 05 03 14) どう計測したのか詳しく書いてくれると助かる。 -- 名無しさん (2007-03-20 06 52 58) R6+4で16とか回復ありました -- 名無しさん (2007-03-31 22 59 49) 昨年8/30のラフロUPのときに「「酒宴」スキルの行動力回復量をUP」があって回復量は約倍になってます。船員の欲求不満解消はそれ以前の半分の確率に下がりましたが。 -- 名無しさん (2007-04-03 06 06 10) 酒場で船員を雇っても熟練は入るようです。出航所では不明ですが・・・ -- 名無しさん (2007-09-20 14 08 49) 僕はハンブルグ2PCで片方酒宴片方青銅ブーメランで管理上げと平行してあげた -- 名無しさん (2007-09-23 06 05 52) R8+6では艦隊組んでも一回につき熟練度1でした -- 名無しさん (2007-11-14 23 35 49) 轟音機雷対策に統率上げと併用するとGOOD -- 名無しさん (2007-12-28 06 02 23) 複数の酒類を積んでいた場合、単価の低いものから消費される。 -- 774 (2008-01-11 12 42 46) この際はっきり言おう酒場で酔いつぶれにくくなる効果はない -- 名無しさん (2008-01-12 05 35 04) 欲求不満解消効果ありました。R6で4回目で解消。 -- 名無し (2008-01-20 00 17 58) プレイヤーズバイブルはうそが多いので注意 -- 名無しさん (2008-01-23 13 26 10) 酒場でつぶれにくいは、酒場娘と飲む時がでは? -- 名無しさん (2008-03-05 02 20 10) 上げるなら、ボルドーでの洋上シェリー造りがお勧め。取引、管理、工芸上げもでき回復も出来る。 -- 名無しさん (2008-07-24 08 45 41) ↑×2 酒場娘で酔いつぶれにくいのは口説きかと。口説き持ってたときは娘でめったに酔わなかった。 -- 名無しさん (2008-08-09 17 08 06) 酒宴3ヶ月でR15になった; -- 名無しさん (2008-08-22 15 34 40) 主に2アカで統率あげるためのスキル -- 名無しさん (2009-02-13 17 15 20) とっても古い数値のまま検証されてたので関連箇所を改稿しておきました -- 名無しさん (2009-10-22 17 47 10) 酒場で酔いつぶれにくいのは、対PCへ一杯おごる(乾杯)かも知れない。酒宴無しキャラの方が早くつぶれる。やはりこれも体感程度。 -- 名無しさん (2009-12-03 11 03 48) 南蛮をやる際は、南蛮交易品の酒類が仕入れ単価0=最優先で使用されてしまうことに注意 -- 名無しさん (2010-05-13 20 01 42) 非優遇R6で酒1樽につき獲得熟練度が1に減りました。 -- 名無しさん (2010-08-30 10 06 16) ブースト品の頭装備を金色ひょっとこ面に変更しました -- 名無しさん (2010-11-07 21 12 41) R5で船員忠誠度UP確認できず。使用者及び艦隊メンバー。 -- 名無しさん (2010-12-30 11 57 14) 陸でも使えれば神だったけど・・どちらかと言えば統率上げ用? -- 名無しさん (2016-09-17 10 52 03) ディヴだと焼酎ラム酒の素材があるからベルベ織り時に酒宴で回復なんてこともやれそうかな? -- 名無しさん (2019-10-16 20 46 59) 名前 コメント
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デカダンスRPGイノセンス オンライン用テキストキャラクターシート ──────────────────────────────────────── PL:らんらん ──────────────────────────────────────── 「(決め台詞)」 キャラ名 :トレイル・ミラー 年齢 :19 性別 :男 堕落レベル:0/13〈 堕落確定レベル 〉 権力レベル:5 学歴 :義務教育 境遇 :〈 戦士 〉〈 暗殺者 〉 立場:魔狩人 階級 :中位市民階級 家柄 :低市民階級 運勢 :波乱万丈 楔:(クロスボウ) 魅力 :《童顔》《入れ墨》《スリム》 嗜好 :《病的》《典雅》《童顔》 性癖 :《主従》《賭博》《薬物》 経験点 :0 武装時の戦闘技術を有しています。 【素手】以外の近接武器による【攻撃判定】に「+10」を受けます。〈装填:2以上〉の射撃武器装備時、〈装填〉が「-1」されます。【鎧】の装備時、〈威力:2以上〉の武器攻撃を受けた際、その〈威力〉を「-1」して処理し、また、部位狙い「指定なし」の攻撃を宣言された際、部位決定の出目を任意に上下へ1ずらした結果に変更できます。 気配を殺し他者を害する術に長けています。 【隠密判定】の〈対決判定〉を行う際、自身は《アクション》と《リアクション》どちらでも「+10」を受け、対象は「-10」を受けます。 ──────────────────────────────────────── 《 命運:14 》《 穢れ:00 》《 所持金:40 》《 経験点:00 》 ──────────────────────────────────────── 《 能力値 》 〈 能力合計値【410/515】成長限界合計値 〉 【器用:60】【機敏:60】【体格:80】【知力:70】 【意思:60】【権力:40】【財力:40】 ──────────────────────────────────────── 《 罪 》 【憤怒:1】【怠惰:1】【傲慢:4】【暴食:1】 【色欲:2】【強欲:1】【嫉妬:3】 ──────────────────────────────────────── ■ 装備品・所持品・乗物 重量:160 種別:近接片手 価値:-- 重量:-- 射程:0PT 威力:1 備考:素手攻撃《武器》 【 素手 】 【 クロスボウ 】 種別:両手用 射撃武器 価値:40 重量:60 射程:4~10PT 威力:4 備考: 標準的な弩です。《体格》が「70以上」であれば〈装填〉を1段階軽減できます。攻撃部位の防具の合計防護を「-10」させます。重量は矢筒込みです。太矢は5本につき「重量:1」「価格:5」です。 【 - 】 種別:射撃両手 価値:00 重量:00 射程:0~0PT 威力:0 備考:装填0 ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ 《 防具 》 【 衣装: 礼服 】 価値:20 重量:00 備考:なし 【 ハードレザーアーマー 】 着脱:3ラウンド重量:30権力:20価格:30 腕部防護:+15脚部防護:+15急所防護:+5頭部防護:+5 加工された革製の軽鎧です。 【合計回避値】【腕部】30 【脚部】30 【急所】30 【頭部】30 ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ 《 所持品 》 種別:消耗品 【 弩の太矢×5 】 価値:05 重量:1 備考:クロスボウ・アーバレスト用の太矢です。 種別:消耗品 【 弩の太矢×5 】 価値:05 重量:1 備考:クロスボウ・アーバレスト用の太矢です。 種別:消耗品 【 弩の太矢×5 】 価値:05 重量:1 備考:クロスボウ・アーバレスト用の太矢です。 【 干し肉 】 準備:1保持:片手重量:1×5権力:0価格:1 携帯食料です。1個につき1食分の栄養を得ます。重量と価格は5個セットのものです。 【 酒 】 準備:1保持:片手重量:5権力:20価格:2 気分を高揚させる神の与え給うた酒が満たされた瓶です。飲酒後12時間、《知恵》と《意思》が「-5」されると同時に、【損傷】による判定ペナルティを「5」軽減します。効果終了後、「+80」を受けた【耐毒判定】を行い、失敗すると「アル中」となります。以後、24時間毎にすべての判定が禁断症状のために「-5」されていきます。飲酒すると禁断症状のペナルティは「0」へ戻ります。禁断症状のペナルティが加算された際、それが連続4回目以上であれば【耐毒判定】を行い、これに成功すると「アル中」は解除され、ペナルティも消滅します。 【 松明 】 準備:2保持:片手重量:20権力:0価格:2 油が染み込んだ布を巻いた木の棒の照明です。着火すれば、周囲「4PT以内」の空間が、2時間灯りに照らされます。松明は〈威力:0〉の【クラブ】として使えます。燃えている松明による攻撃の命中時、対象は命中部位に火傷を受けます。ただし【攻撃判定】で《ファンブル》が発生すると、【部位狙い:指定なし】で決定される部位に自身が火傷を受けます。いずれの対象も「急所」に命中時は「軽傷」とします。武器使用時、着火の有無に関わらず戦闘後に失われます。 【 火打ち石 】 準備:4保持:両手重量:5権力:20価格:2 火をおこすための道具と火種のセットです。可燃物に着火できます。 【 毛布 】 準備:0保持:両手重量:10権力:20価格:5 防寒具であり簡素な寝具です。 【 水袋 】 準備:0保持:両手重量:0※権力:20価格:5 飲料水を入れておける丈夫な袋です。水を入れると重量が増加し、満杯で重量は10となります。都市部では飲料水の価格は1日分で1となります。生活排水なら無料ですが、飲むと「+40」を受けた【耐毒判定】を行い、失敗すると「食中毒」となります。これは腐敗した料理品と同様に扱います。満杯の水をふりかけた場合、【松明】の自滅者の火を消せます。 【 ロープ 】 準備:2保持:両手重量:30※権力:20価格:2 2メートル分(2PTとします。)の長さの丈夫なロープです。麻縄は複数を結んで長さを拡張できます。垂らして登坂に利用したり、縛って固定したりできます。 【 盗賊道具 】 準備:1保持:両手重量:20権力:20価格:20 合鍵なしに鍵を開けるキーピックをはじめとする、盗人御用達の道具一式です。これがなければ【解錠判定】は行えず、【罠判定】は大きくペナルティを受けます。錠前職人以外で所持が発覚すれば、当然に盗人の犯罪者と扱われるでしょう。一応、まっとうな職人の仕事道具から選別されているので、それらの店をまわっていけば合法的に入手はできます。 【 包帯 】 着脱:2重量:1権力:0価格:1 装備中、頭部以外の【負傷】あるいは【大量出血】を1個無効化、あるいは【頭部重傷】の効果を【頭部負傷】の効果に軽減します。【負傷】【頭部重傷】【大量出血】が消えるわけではありません。傷に使用された包帯を外すと包帯は失われます。重量と価格は5個セットのものです。 【 添え木 】 着脱:2重量:5権力:0価格:2 装備中、腕部あるいは脚部【重傷】の効果を1個、【負傷】の効果に軽減できます。【重傷】が消えるわけではありません。 種別:非消耗品 【 - 】 価値:00 重量:00 備考: 種別:装身具 【 - 】 【 フランキスカ 】 射程:1PT威力:2重量:40権力:20価格:10 投擲可能な戦闘用の片手斧です。【攻撃判定】に「-5」されますが、攻撃部位の防具の合計防護を「-5」させます。 【 ギャロット 】 射程:0PT威力:0重量:0権力:0価格:2 絞首紐です。「頭部狙い」のみ選択できます。命中時、【損傷】は与えず、対象と共に【揉み合い】状態となり、即座に「首を絞める」を行って成功したものと処理します。 価値:00 重量:00 備考: 【 マンゴーシュ 】 着脱:1ラウンド重量:10権力:40価格:10 腕部防護:+10脚部防護:+5急所防護:+5頭部防護:+5 持ち手を防護する護身用短剣です。近接武器の「短剣」としても使用できます。「短剣」と「盾」の切替は1ターン行動と扱います。 【 短剣 】 射程:0PT威力:1重量:10権力:0価格:5 ありふれた日用品のナイフです。「フェイント」を行う際、《リアクション》に「-10」を与えます。投擲が可能です。 総合重量:154/160(体格×2) ──────────────────────────────────────── 《 乗物 》 【 】 始動:0 速度:0 命運:4 耐久:- 積載:000 備考: ──────────────────────────────────────── ■ 家 【 2階建ての家屋 】 保管:4部屋:7階層:2厩:なし権力:40財力:20 農村での村長宅や、中位市民階級では代表的な木造家屋です。 屋根裏が一部屋あります。全部屋を従者が管理するならば、従者「3人」が「2部屋」に住み込む事となります。 《 2階建ての家屋 》 【 】 部屋数:7 階層:2 厩:無 住人:1+3 未管理の部屋数:4 雇用済従者:0 従者の部屋数:0 ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ 《 保管物 》 【 チェインメイル 】 着脱:3ラウンド重量:40権力:40価格:40 腕部防護:+25脚部防護:+25急所防護:+10頭部防護:+25 鎖を編みこんで作られた重鎧です。 種別:消耗品 【 弩の太矢×5 】 価値:05 重量:1 備考:クロスボウ・アーバレスト用の太矢です。 種別:消耗品 【 弩の太矢×5 】 価値:05 重量:1 備考:クロスボウ・アーバレスト用の太矢です。 種別:消耗品 【 弩の太矢×5 】 価値:05 重量:1 備考:クロスボウ・アーバレスト用の太矢です。 種別:消耗品 【 弩の太矢×5 】 価値:05 重量:1 備考:クロスボウ・アーバレスト用の太矢です。 種別:所持品 【 - 】 価値: 00 重量:00 備考: 種別:家具 【 - 】 価値: 00 重量:00 備考: 種別:仕掛け 【 - 】 価値: 90 重量:-- 備考: 総合価値:060/080( (財力-未管理の部屋数)×保管 ) ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ 《 部屋割り 》 (設定は必須ではありません。GMが要望を出した際には設定して下さい。) 屋根裏:「 な し 」 一 階:「 未管理 」「 未管理 」 地下室:「 な し 」 ──────────────────────────────────────── ■ 設定他 外見設定 : 茶髪の青年。筋力はあるが小柄で比較的童顔。肩から胸にかけて刺青がある。 質素な服装を心がけ、感情表現は豊か目な方。 経歴設定 : 故郷の村が貧しく、仕送りのために鍛えて名を上げようとしていた少年。 出世欲が強く、傭兵として農民よりは上の地位を手に入れた物の物足りず、 色々あってアナスタシアに士官している。 士官するうちに神子となり、現状は士官時よりより深く仕事に関わっている。普段はフリー。 村を出てからの暮らしに耐性がなかったのか、退廃的な娯楽に惹かれる節がある。 金銭に弱く手段を選ばない所があるが誇りを損なう行いは嫌う。 ■ シナリオ履歴/シート変更履歴 (堕落レベルの変動や成長、特殊な設定追加や変更を行った場合は、概要を記してください。)