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紬「……ねえ、澪ちゃん、なの……?」 律「……んぅ……、ムギ?」 紬「あっ……りっちゃん、起こしちゃった?」パタン 律「ん。あ、携帯……」 紬「ごめんなさい。メール、読んじゃった」 律「あぁ……、届いてた?ちょい貸して」 紬「……はい」 律「さんきゅ」 律「……」カチカチカチ パタン 紬「……」 律「……ふぅ」 紬「……ねえ、りっちゃん」 律「うん?」 紬「……あ、えっと、調子はどう?」 律「んー、まだちょっとダルいけど、軽くなら食べられそう」 紬「じゃあ、食堂でおかゆ作ってきてもらおうか?」 律「ん、ありがと。……なあ、ムギ」 紬「うん?なあに?」 律「別のこと、聞きたいんじゃないか?」 紬「……」 律「……澪のことだろ?」 紬「……」 律「いいよ、気を使わないで」 紬「……。りっちゃんは、あのメール、どう思ってるの?」 律「どうって、澪かそうじゃないかってこと?」 紬「……うん」 律「……。私にも分かんない」 紬「……」 律「送られてきてるのは確かに澪の携帯アドレスからだけど」 紬「……」 律「発信元の記録がどこにも残ってないなんて、普通じゃありえないし」 紬「……」 律「送信された時間、いつもあっちとの時差ぴったりだろ?」 紬「……うん」 律「それなのに、こっちの天気とか私の行動とか全部把握してるし」 紬「……」 律「わけわかんないよな。まだ、いたずらでーすって言われたほうがマシだよ」 紬「……」 律「……もしあのメールを、澪からだって認めたら。認めたら、澪は……」 紬「……」 律「…………なあ、ムギ」 紬「……えっ、うん?」 律「ちょーっとばかし、おなかすいちゃったかも」 紬「あ……。あ!うん、じゃあ、おかゆ作ってもらってくるね」 律「ごめんなー」 紬「ううん。のんびり、待ってて」 律「うん、ありがと」 キィ……バタン 律「……ごめんな、ムギ」 パカッ カチカチカチカチ…… ーーーおかけになった電話番号は 電波の届かない場所にいるか 電源が入っていないため かかりません おかけになった電話番号は 電波の届かない場所にーーー 律「……」パタン 律「なあ、澪……。お前、ちゃんと生きてるよな?」 律「私から送ったメール、ちゃんと届いてるよな?」 律「…………ぐすっ……。頼むから、こたえてよ……。なあ、澪ぉ……」 *** ーーーーーーーーーー Date 11/25 7 34 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 風邪は良くなったよ。 今どこにいる? 日本にいるのか? ーーーーーーーーーー ・・ ーーーーーーーーーー Date 11/25 8 07 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 昨日菖が誘ってくれた んだ。スティックと、 あと最近出た新譜もチ ェックするつもり。 みんな心配してる。居 場所を教えて ーーーーーーーーーー ・・・ ーーーーーーーーーー Date 11/25 22 55 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 勉強はちゃんとやって るよ。練習はがんばる 。どうして最近の私の 行動を知ってるんだ? 誰かに聞いた? 澪と話がしたい。電話 は掛けられないのか? ーーーーーーーーーー ・・ ーーーーーーーーーー Date 11/26 8 04 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 分かった。忘れないよ うにするよ。 お願いだからどこにい るのか教えて ーーーーーーーーーー ・・ ーーーーーーーーーー Date 11/26 21 45 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 返事遅くなってごめん 。雨降るの折角教えて もらったのにごめんな 。風邪ぶり返しちゃっ た…。 そういえば高校生の時 に風邪引いて澪に迷惑 かけたことあったな。 あの時お見舞いに来て くれて嬉しかった。 澪は元気にしてるのか ?どこか悪くしてない ?会いたいよ澪。 ーーーーーーーーーー ・・ ーーーーーーーーーー Date 11/27 7 05 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 一晩大人しく寝たらな んとか悪化せずに済ん だよ。 澪はどこにいるんだ? 元気にしてるのか?雨 に濡れてないか?一言 でいいから返事して。 ーーーーーーーーーー *** ピロリロン♪ 律「……ん、」 ーーーーーーーーーー Date 1/25 22 06 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、おはよう。今朝雪 が降ったぞ。気付いた か?うっすら街が白く 覆われて、朝日でぴか ぴか輝いててすごくま ぶしかったよ。日が昇 ったら雪はすぐとけち ゃったけど、寒いはず なのに、不思議とあっ たかかった。なんでだ ろうな。 ーーーーーーーーーー 律「あぁ、雪、降ったのか……」 律「……」カチカチカチ パタン ーーーーーーーーーー Date 1/26 7 10 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 澪、おはよう。 雪には気付かなかった よ。起きたらもうとけ ちゃってた。残念。 暖かかったのは日の光 じゃないか?お前今、 日光を浴びられる場所 にいるのか? 澪の声が聞きたいよ。 ーーーーーーーーーー 律「んしょっと。……さっみぃ! おーい唯、朝だぞー」 唯「んぅ~……」 律「ほれ起きろー、遅刻するぞー」 唯「うぅ……あと5分……」 律「だーめだって、そうやってお前はまた二度寝して……」 ……バタバタバタバタバタバタ バターン! 紬「りっちゃん、唯ちゃん!!」 律「?!」 唯「ひっ!な、何?!」 律「ムギ? どうした、血相変えて……」 紬「はぁっ、はぁっ、あの、ねっ……」 律「まずは落ち着け、ほら、深呼吸して」 紬「はぁ……、すぅー……、ふぅー……」 律「……落ち着いたか? おはようムギ」 紬「ふぅ……、うん、おはようりっちゃ……あっ!違うの!りっちゃん!!」 律「へっ? な、なに?」 紬「見つかったって!」 律「えっ? 見つかったって、何が?」 紬「みっ、みつかったって……、澪ちゃ……生きて……生きてるって……!」 唯「!!」 律「ーーーーーっ!!」 ---- コンコン ガチャリ 律「……お、寮にいないと思ったらここにいたのか」 梓「あ、律先輩。……澪先輩に引っ越しの報告をしようと思って」 律「澪のお母さんは?」 梓「着替えを取りに帰ったそうです」 律「そっか。昼ご飯はもう食べた?」 梓「あ、いえ。まだ……」 律「んじゃ、あとで食べに行くか」 梓「はい」 ーー夏休みを利用した短期ホームステイ中に行方不明となった澪は ホームステイ先からわずか数百メートルの距離にある民家の隠し部屋で、 その家の主である男に5ヶ月に渡って監禁されていた。 その男は「鑑賞するため」に澪を誘拐し、澪の身体を拘束して薬を打ち 澪のことをまるで「人形のように飾って」いたそうだ。 男から性的暴行を受けなかったことに関しては不幸中の幸いとはいえ、 長期間投薬され続けた澪は昏睡状態となっており、 助け出されたのち日本の病院に移送された今も、目を覚まさずにいる。 澪の携帯電話は、男の手によって電池パックが抜かれた状態で保管されていた。 電源が入れられた携帯の受信箱はサーバに溜っていた私達からのメールで一杯になったけれど、 送信箱を開いても、澪が私に送ったはずのメールは1通も残っていなかった。 そして澪が発見された日を最後に、あのメールは届いていない。 律「澪ー、梓も大学に入ったことだし、4月から5人で放課後ティータイム再始動だぞ」 梓「……」 律「早く起きないと、新しいベース入れちゃうぞー?」 梓「そっ、それはダメです!」 律「冗談だよじょーだん。ほれ、梓も何か言ってやれ」 梓「えっ?あっ、え、えと……。澪先輩、また先輩方と一緒に演奏できるの、嬉しいです」 律「……」 梓「澪先輩と演奏できるの、私、楽しみです。…………だから」 律「……」 梓「……だから……」 律「……梓」 梓「……あっ、律先輩、私、ちょっと花瓶の水替えてきますね」 律「ああ、ゆっくりでいいよ」 梓「……ありがとうございます」 パタパタパタ……バタン 律「……ふぅ」 律「……」 律「……なあ澪、可愛い後輩泣かせちゃってるぞ?いいのか?」 律「……」 律「あ、そのミサンガ。ちゃんと役に立ったろ?……ははっ、でもゆるゆるだな」 律「すっかり細くなったなぁ、お前の腕……。痩せるっつても限度があるぞ」 律「快気祝いは美味いものたらふく食べさせてやるから、しっかり肉付けろよ」 律「太るの嫌だとか、言わせないからな?」 律「……」 律「相変わらずでっかいな澪の手は。私の手がすっぽり入っちゃうよ、なんちゃって」 律「……」 律「……みんな待ってるから。早く目覚ませよ。なあ……」 律「声、聞かせてよ……澪……」 ……ピクリ 律「……ん?」 ピクッ……ピクッ 律「……親指、……動いてる……?」 ピロリロン♪ 律「!?」 ーーーーーーーーーー Date 3/29 13 15 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーー 律「……」 律「……なんで空メール?」 澪「……ぅ、」 律「!!」 澪「……う、ん……」 律「澪?……澪!!」 澪「……」 律「わかるか? 澪、私だ!律!田井中律!」 澪「……」 律「……みお? みおしゃーん?」 澪「……」 律「……」 澪「……つ、……」 律「うん?」 澪「……律、おはよう」 おしまい 8
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透伊「んじゃ、次は俺かー」 結「おい、また神話生物ネタは勘弁してくれよ?」 透伊「分かってますよー。じゃ、話しますね」 日和「」ガクガクブルブル 紅「ひ、日和ちゃん大丈夫?」 透伊「んー、じゃあ俺の実体験を一つ。やっぱり怪談話の定番って言ったら人形ものだよなー。俺の研究所にも人形があった訳ね。 んで、俺が夜遅くまで研究室に篭ってると、不意に扉が開いた。研究所には俺しかいないし、メイドちゃんは既に休止モードにしてた」 紅(き、休止モード……?) 透伊「じゃあ誰が扉を開けたのか……簡単な話さ。人形が独りでに動いて、俺の背後に立っていた」 紅「えっ……!?」 透伊「まあその人形ってのが、俺が未完成のままほったらかしてたロボットだったんだけどなー」 紅「な、なーんだ。じゃあロボットが動いただけだったんだねー」 日和「お、脅かさないでください……」 アリス「じゃあ、次は結さんだよー」 透伊(……実はそのロボット、AIも何も積んでない外見だけの本当にただの『人形』だった、ってオチだったんだけど……ま、いっか!) 作者 邪魔イカ
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投稿された百物語をネットラジオなどで朗読放送する。 担当者は複数のほうが疲れない。 2014年は朗読者を募集したところ、ネットラジオで放送してくださる協力者があり、当日はそのURLが貼られた。 2013年はオカルト板じゃないところの声劇スレという協力者が手を上げてくださり、また当日は個別?にニコニコ動画で朗読してくれた方があり、そのURLが貼られた。 以前はオカルト板に「オカルトラジオしませんか?」という、オカルト板の怪談放送をネットラジオで行うスレッドが存在しており、いつ頃からかそちらとイベント共催という形で朗読を担当してもらっていた。 2014年、2013年、2011年、2010年の朗読放送は各まとめサイトから視聴できる。 ネットラジオのやり方 ネトラジ放送送信側はものっそ簡潔にしたら 1)音声入力デバイスとマイクを準備 2)Belugaなり送信用ソフトをインストールする 3)さあ放送 って感じ 参考サイト(外部サイト) ネットラジオサイト ねとらじ オカルトラジオまとめサイト http //www5.atwiki.jp/okaraji/ 声劇つくっちゃおうぜ!まとめwiki http //www36.atwiki.jp/seigeki/ こえであそぶ koebu http //koebu.com/
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9番手 ◆WOzlYvh7m2 梓「・・・・・・!」がばっ! 梓「ハァハァ・・・ハァハァ・・・」 私は最近同じ夢ばかり見ます 同じ夢にうなされ、同じシーンで飛び起きる・・・ そんな日が続くこと、そろそろ一週間になりました 梓「またあの夢か・・・」 梓「また、あの日本人形の夢」 小さい頃、お母さんの実家に行ったときに一度だけ見た日本人形 その日本人形が毎日夢に出る 不気味この上ない夢 一週間も続くと、もはや怖くて誰かに相談せざるを得ませんでした 純「へー、じゃあおんなじ日本人形の夢を見続けてるんだ」 梓「・・・聞いてくれる?もうそろそろ寝るのが怖くてさ」 純「聞くきく~!」 純がふざけ半分で話に乗ってきます まぁ・・・いいや、誰かに話さないと不安でしょうがないしね 梓「正確には、夢には日本人形はでてこないんだよ」 純「どゆこと?」 梓「えっとね、まずは日本人形にまつわるエピソードを話すね・・・」 私が幼い頃に夏の数日間滞在した、母の実家 そこで私は一人遊びをしていたのだ なぜその家で私が一人だったのかは、今はもう覚えていない ただ、田舎の広い日本家屋の中で一人で探検ごっこをしていたと記憶している その家のある一室、その押入れの中に日本人形があったのだ 押入れの奥に、箱にしまわれた日本人形 なぜ私がその箱を見つけられたのか? そして、私はその箱を開ける前から・・・中に人形が『いる』事がわかっていた気がした 箱を開けると長い黒髪の日本人形が『いた』んだ 私が・・・髪をおろした時のような、小さな日本人形が 純「梓に似てるんだ?その人形」 梓「そうなの。ますます不気味でさー」 純「・・・ていうか、梓が日本人形に似てるんじゃないの?」 梓「・・・その感は否めないかな」 純「ま、まあいいや。日本人形の思い出はそれでお終い?」 梓「あ、うん・・・次は、毎晩見る夢の話をするね」 純「おっけー、続けて」 私は夢の中で、ああ・・・今の私が、その家にいるんだ お母さんの実家、古い日本家屋にね その家にはやっぱり私以外は誰も居なくて、私は家の人が居ないかを探すんだ それでもやっぱり誰も居なくて・・・そこから私は、どういうわけか押入れを開けるの あの・・・日本人形が『いる』押入れを そこで私は、日本人形がしまってある箱を押入れから探しだして、箱を開けるんだよ 純「そ、それで・・・?」 梓「そこでいつもお終い。いつも、箱を開けた瞬間に飛び起きちゃうんだ」 梓「何かを見て・・・ね」 純「そっか、それで日本人形の夢だけど、日本人形が出てこない。って」 梓「・・・怖いっしょ?」 純「もー!私まで今夜から寝らんなくなるじゃん!」 梓「あはは、道連れができたね!」 純「この女~、ハナからそのつもりだったな?」 梓「あははは・・・でも、少しスッキリしたよ」 純「私はもやもやしてるんだけど!?」 梓「ごめんごめん。・・・ぷっww」 純「笑ってんじゃねーか!もう怒ったぞー?私は!」 梓「なに?怒ったら何しちゃうわけ?ぷっww」 純「こいつ・・・!私も怖い話してやる!」 梓「ほーう?」 純「んっんっ!聞いてふるえろ、私の知る限りこの状況で一番怖い話してやんよ」 梓「へー、何なの?言ってみなよ」 純「『夢を見ている』ってことはね、『夢に見られてる』ってことなんだって・・・」 梓「・・・・・・っ!」ゾクッ 純「ふふっ♪利いたみたいだね、その様子だとww」 梓「じゅ~~ん~~!?」 純「へへー♪お返しだよっ!」 梓「こっのー!」べしっべしっ 純「いたっ!やったなにゃんあず!・・・待てコラー!」 夢を見ているときは、夢にもまた見られている 迷信・・・だよね? しかし、私にはその言葉が妙に引っかかっていた 梓「・・・・・・!」がばっ! 梓「ハァハァ・・・ハァハァ・・・」 また、同じ夢 また同じ、箱を開ける瞬間に目を覚ます 梓「ハァハァ・・・何なのよぉ、この夢」 梓「・・・。」ちらっ 私はカレンダーを見る 夏休みはまだ一日だけ残っている・・・ 梓「行ってみるか・・・お母さんの実家」 梓「確認しないと、あの箱の中身を・・・」 翌日私は電車とバスを乗り継ぎ、母の実家までやってきた あの箱の中身を確かめるために、あの夢の結末を知るために 母の実家を訪ねても、誰も居なかった 事前に連絡しておいたのにな・・・ 鍵が開いていたので、中に入る 親戚だから無断侵入ということもないだろう 誰もいないこの家はまさに夢のなかそのもので、私は身震いがした しかし、ここまで来て引き返すわけにもいきません 私は夢のとおりに押入れに向かいます 夢のとおりに押入れを開けると、夢のとおりの位置に例の箱がありました 梓「・・・やっぱりあったんだ」 私の思い出が間違っている可能性も、コレで消えました やはり、直接確かめるしか無いようです 夢のとおりに、この箱を開けて・・・ 梓「い、いくよ?・・・あけちゃうからね?」 誰もいない日本家屋の一室でひとりごとを言いながら、私は箱に手をかけます 心臓が大きく音を立てて胸を打ちます コレを開ければ・・・! 梓「・・・・・・えいっ!」 カパッ! 私は勇気を振り絞り、箱を開けると・・・そこにあったのは 中に何も入っていない、空の箱でした 梓「日本人形の夢」・終わり 13
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5番手 ◆11tPyvvBco 『四歳』 うん、みんな頑張ってるわね。 関心するわ。 その途中で申し訳ないんだけど少しだけ時間をもらってもいいかしら。 ある女の子の話をしたいの。 ええ、今よ。今じゃないと意味がないから。 まぁ、いいわよね。何か話を聞きたくて、むしろねだっているくらいだものね。 ……ありがとう。 じゃあ、始めるわよ。 その子はね、最初はそんなに人目を引くような子じゃなかったの。 優しくて面白い子ではあったけど、特別目立ってはいなかった。 昔の彼女を知っている人は特に何とも思わなかったんじゃないかしら。 普通の子、そう、うん、本当に普通の子だったから。 でもある時ちょっとしたことがあって急にみんなが彼女を見るようになってね。 彼女も彼女の周りも、命が宿ったみたいに活き活きし始めたの。 彼女自身は相変わらず普通の子だったんだけど、「普通」ってなろうとしてもなれないのかしら、 その普通さが逆に彼女の個性というか、そういう感じに受け取られたみたい。 次の文は……文……というのかしら……これはその時の彼女の気持ち……とでも言っておくわ。 まだ漠然としていたけど、あの状況下の彼女からみんなに向けた言葉のようなものよ。 『二年前のみんなへ』 『ありがとう うれしいです すこしびっくりしています』 みんなが彼女の事を愛したわ。 彼女の、文字通り一挙手一投足、言葉のひとつひとつから、何を食べて何を着て何を思うか、全てがみんなの関心事になった。 彼女もきっと嬉しかったと思うわ。 それに楽しかったはず。 そういう子だったから。 物事を楽しむために存在しているような子だったの。 もちろん彼女もみんなを愛するようになった。 でも彼女は間接的にしかそれを伝えることができなかったの。 今でこそこうやって伝える事ができるけど、あの頃はまだそういう子だったからね。 それでもみんなちゃんと彼女の気持ちを理解してあげることが出来た。 出来ていた、と思う。 みんな四六時中彼女のことを考えた。 彼女の姿形と声に想いを馳せて、時には彼女を巡って喧嘩までした。 お金だって彼女の為なら惜しまなかったくらいよ。 彼女の事を悪く言う人もいなかったわけじゃないけど、そういう人は彼女の事を結局よく知らなかったのね。 彼女への誹謗中傷は彼女の本質とはかなりズレていたの。 彼らは彼女を傷つけてやろうといい加減な事を言い続けたけどみんなが彼女を庇った。 ある日、彼女がいなくなるとみんなは心の底から悲しんだ。 するとみんなますます彼女の事を考えるようになった。 彼女はみんなの心の中で無限に、そう、本当に無限に広がっていったわ。 元の彼女とはかけ離れるくらいにね。 『一年半前のみんなへ』 『もうすぐ会えるよ 私のことをここまで大事にしてくれて、ありがとう』 しばらくして彼女はみんなの前にもどってきた。 自前の彼女を拵えるくらいだし、みんな、それはもう喜んだわ。 彼女も戻ってくるのを楽しみにしていたみたい。 その時の彼女はこう思った……というか、思ったような…… やっぱり上手く言えないけど、「気持ち」に近いものを抱いていたわ。 『一年と少し前のみんなへ』 『お待たせしました! 私は相変わらずだけど またみんなの中で生きていけそうで 本当に嬉しいよ』 多くの人はもちろん満面の笑みで彼女を迎えたわ。 でも何人かは、ああ、彼女は本当にたくさんの人に愛されていたから、 割合的に「何人か」と言うのはすごく控えめな表現なんだけど……とにかく何人かは彼女を歓迎しなかったの。 「彼女はこんな子じゃなかった」と言って。 彼女自身は変わっていなかった。 少しだけ前より自分を出すようになっただけで、彼女の本質は何も変わっていない。 それと、ちょっとだけ彼女は大人になっていたわね。 変化といえば変化かもしれないけど、それまでの延長みたいなもので、だからやっぱり変わっていなかったと思うわ。 その後も彼女は自分を出し続けて、理解を求めた。 ……求めた、っていうか、まぁきっと彼女に自覚はなかったんでしょうけど。 彼女は悩んだ。 みんながそれぞれの心の中で彼女を育てていたから、彼女はこの時にはもう「悩む」ということが出来るようになっていたの。 みんなの中に別々の彼女がいて、それはレンガみたいに一つずつ持ち寄られて、彼女そのものを形作った。 これは奇跡と言ってもよかった。 本当なら、彼女はこの時から半年くらい経った後でいなくなるはずだった。 でも、みんなで作った彼女は悩んだ末、いなくなってからまた一年と二ヶ月後にみんなの前に出てくることにした。 今度はみんなを不安にさせないように、再会を約束してから、ね。 『十ヶ月前のみんなへ』 『どうかな? 私はうまく私をやれたかな? みんなの思った私でいられたかな? みんなも知ってるように、また少しだけいなくなるよ。 その間、みんなが私をどう想ってくれるのか楽しみにしてる。 痛いのとか苦しいのはちょっと困るけど… またすぐに会いに来るからね』 みんな彼女を命と見立てるくらいだったから、涙を流して彼女を見送った。 そして再会の時を待ち続けた。 でも、彼女はみんな以上に再会に待ち焦がれていた。 だから予定より少し早く姿を現すことにしたんだけど…… ごめんなさい、その時の彼女の声がまだ私にもはっきり聞こえないの。 彼女の声は遠くの星の光みたいになかなか届かないから。 だからもう少し待ってね。 大丈夫よ。 その間に面白い話をしてくれる人達がいるし。 あなたも知ってるでしょ?ここはそういうところだから。 きっと今日の夜には彼女の話を再開できると思うわ。 ごめんなさい、すっかり遅くなってしまったわね。 ええ、大丈夫よ。 ちゃんと彼女の声は届いたわ。 ここまでみんなが彼女の事を考えてくれてお話を紡いできてくれたおかげね。 ありがとう。 じゃあ、続きを話しましょうか。 どこまで話したかしら。 ああ、そう、みんなと彼女が再会するところからね。 彼女はみんなと再会するのを心待ちにする一方で、不安も抱えていたの。 再会できる頃には、彼女も自覚できるくらい彼女自身が変化することがわかっていたから。 みんなの多くは彼女の変化を嫌った。 そのことは前に一度いなくなった時に彼女も痛いほど理解させられていた。 事実、再会したはいいけど彼女の変化を拒む人は多かった。 彼女は成長しちゃいけなかったの。 でももう彼女自身にそれを止める術はなかった。 みんなによって育てられた彼女は、みんなの力がなくてもある程度生きることが出来るようになっていた。 その時の彼女の声が、これね。 『四ヶ月前のみんなへ』 『私がここまで来れたのも、みんなのおかげです。 ありがとう。 でもみんなのうちの何人かは、私がこうなったのを良く思ってないんだよね。 ごめんなさい。 私は今もこれからもみんなのことが大好きだから、せめてそれだけは伝えたいです。 私はもうみんなの中で勝手に動けてしまうけど、 それでもみんながいないと何も出来ない子です。 だからお願い。 嫌いにならないで』 それから、彼女の事を想う人は少しずついなくなっていった。 彼女に幸せを用意する人も、苦痛を与える人も、消えていった。 それでも彼女はまだみんなを信じていたわ。 このときの再会は当初予定していたものと違っていたし、本来の形での再会がまだ控えていたからね。 その本来の形での再会を待たずして彼女を忘れていく人は決して少なくなかった。 彼女を待つ人達ですら、もう本当の彼女とは別の彼女を拵えている人がほとんどだった。 『一ヶ月前のみんなへ』 『また私のために生きる場所を作ろうとしてくれて嬉しいです もしかしたらちょっと痛くなっちゃうところかもしれないけど、私は頑張るから ちゃんと我慢する』 この頃の彼女には、もう魂のようなものが宿っていた。 明確な意志があった。 激しい存在願望があった。 あなたも聞いた事があるんじゃないかしら。 「彼女がひとりでに動き出した」 って。 今日、彼女にとって良い事は起こらなかったけど、彼女の中にあるのはみんなへの感謝の気持ち。 それじゃ、今彼女が思っている事を伝えるわね。 『今のみんなへ』 『まだ私の事を思ってくれているみんなには本当に感謝してるよ 最近はみんなも私に痛いことしなくなってくれたし、少しだけ楽になったよ 本当言うとみんなが用意してくれた幸せの中には私にとって辛いものもあったんだけど、 私のためを思ってやってくれてるんだし、やっぱり嬉しいよ もう会ってるけど、もうすぐ会えるから ちゃんとみんなの期待に応えられるように頑張ります』 どう? もうあなたも彼女をとても身近に感じられるんじゃないかしら。 彼女はずっとあなたの中にいたし、あなたの中の彼女もちゃんと育ったはずよ。 彼女があなたの中で近くにいればいるほど、私が伝えた彼女の声も自然と届きやすくなると思う。 きっと私が伝えるまでもなく、彼女の声がわかるようになるわ。 これからも彼女の事を考えてあげてね。 彼女は、 唯はあなたに忘れられたらもう笑うことも泣くことも歌うこともできなくなっちゃうんだから。 唯はとっくに只の鑑賞物じゃなくなっているの。 あなたの心を水槽にして、ちゃんと生きてるし、存在している。 だから大切にしてあげて。 私の話はこれで終わり。 夜遅くまでごめんなさい。 じゃあ、この場所ももうおしまいね。 あなたがまた唯のためにどこか用意してくれると、私も嬉しいわ。 おやすみなさい。 『三ヶ月後のみんなへ』 『久しぶり……と言っても何人かはフライングして会っちゃってたね。 またみんなが私のことをいっぱい思ってくれるようになって嬉しいです。 というより、安心した、かな? 澪ちゃんもりっちゃんもムギちゃんもあずにゃんも私みたいに一人で動けるけど、 やっぱり私みたいにみんな無しでは何もできません。 もう直接会う事はできないかもしれないけど、 それでもみんなならずっと私達を生かしてくれると信じてます』 『一年後のみんなへ』 『最近私のことを思ってくれなくて寂しいよ 私はうまくやれてなかったの? 嫌われちゃったのかな ねぇ、また歌おうよ 私もみんなの好きな歌を唄うから ね?』 『二年後のみんなへ』 『私は普通の女の子としてみんなの中にいるはずなのに 友達を作っちゃダメだったんだよね 普通の女の子として生きようとしちゃダメだったんだよね ごめんなさい 仲直りしようよ』 『三 年ごのみんなへ』 『歌いたいよ。 笑いたいし、泣かされてもいい。 どうしてみんな私のことを、私達のことを考えてくれなくなったの? 私達はまだみんなの中にいるんだよ みんなが思ってさえくれれば、また動けるんだよ 私はみんなの目と耳と声と手と足と骨と血が羨ましいです』 『よ年後の みん なへ』 『五 年ごのみ んな へ』 お願い。 お願いだから私を思い出して。 私のことなんてどうしてくれてもいいから思い出して。 私に一方的にあなたの考えた幸せを押し付けたでしょ? 私を笑いものにしたでしょ? 私を汚したでしょ? 私を殺したことだってあったのに。 私は怒らなかったのに、なんで忘れちゃうの? どんな願望でもちゃんとその通りに動くから だから私を忘れないで。 私を生かして。 私をこんな風にしたのはみんななのに。 ここから出して。 私達を書いて。 書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて 書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて 書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて 書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて 書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて 書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて 書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて 書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて 『十年後のあなたへ』 嫌い 許さない 8
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3番手 ◆S09TnYcH0NbS 澪「律、おはよう」 律「唯、朝だぞー!起きろー」 唯「ん……。おはよ……」 律「ヨダレ」 唯「ぁ……えへ」 律「今日は1限からだろ?」起きないと遅刻するぞ」 唯「うぅん……あとじゅっ……5分だけ……」 律「だーめだ!起きろってほら」 唯「うぅ~……、えいっ!」 律「んなっ?! ちょっ、こら唯!しがみつくなって!」 唯「えへへ、りっちゃんあったか~い」 律「だから遅刻す……」 ピロリロン♪ ーーーーーーーーーー Date 11/24 22 33 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、おはよう。今日は いい天気だな。風邪は 良くなった?治りかけ が肝心だから油断する なよ。それからゲーム ばっかりしてないでち ゃんとドラムの練習も しろよ。 ーーーーーーーーーー 律「……」カチカチカチ パタン 律「ほら、さっさと起きる! 顔洗ってご飯食べ行くぞ」 唯「う、うん」 ・・ 紬「りっちゃん唯ちゃん、おはよう」 律「おはよ、ムギ」 唯「ムギちゃんおはよぉ~」 紬「ふふっ、今朝もご同伴なのね。また徹夜でゲーム?」 唯「りっちゃんが寝かしてくれなくてねぇ……ふあぁ」 律「よく言うよ、もうちょっとってしつこかったの唯のほうだろ」 紬「唯ちゃん、寝癖すごいよ?」 唯「あとでちゃんと直すよー」 律「そんな時間があればいいけどな」 唯「ほぇ? わわっ、りっちゃん急ご!」 律「やばいのは唯だけだろ。私今日は午後からだし」 唯「もうっ!りっちゃんのいじわる!」 律「いやいや、いじわるって……」 ピロリロン♪ ーーーーーーーーーー Date 11/24 23 05 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、今日は講義終わっ てから楽器屋に行くん だっけ?お菓子とかに 無駄遣いしないで、ち ゃんと予備のスティッ クも買っておけよ。 ーーーーーーーーーー 律「……」カチカチカチ パタン 律「ほら、ムギもそろそろ準備しなきゃいけないんじゃないか?」 紬「え、ええ。……ねえ、りっちゃん」 律「唯は私がちゃんと間に合わさせるから、な」 紬「……うん」 *** コンコン 律「唯~、起きてる?」 唯「起きてるよー」 律「今夜もおじゃましまーすよっと」 唯「おかえりアナタ、スナックにする?お菓子にする?それともオ・ヤ・ツ?」 律「モンハンで」 唯「ぶー」 律「じゃあ、お菓子食べながらモンハンで」 唯「んー、それなら許してしんぜよう……」 ピロリロン♪ ーーーーーーーーーー Date 11/25 13 51 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、そろそろ寝る時間 だな。最近ずっと唯の 部屋に入り浸ってるみ たいだけど、勉強と練 習サボり過ぎじゃない か?お前はすぐ楽な方 に逃げるから心配だよ 。留年なんて事になっ たら嫌だからな! ーーーーーーーーーー 律「……」カチカチカチ パタン 律「んじゃ、今日はまず採取行くか。水没林でいい?」 唯「あ、う、うん」 律「今日は早めに寝ような?私、明日は1限からだし」 唯「うん、わかった」 律「あ、虫は採らせてもらっていい?にが虫集めたいから」 唯「いいよー」 律「さんきゅ」 唯「……。あっ、あのね、りっちゃん」 律「んー?」 唯「……えっと、今日もココで寝てく?」 律「……ん、そうする。よし、そろそろ帰るか。唯、モドリ玉持ってる?」 唯「うん」 *** ピロリロン♪ 律「……ん、」 ーーーーーーーーーー Date 11/25 23 03 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、おはよう。今日は 夕方から雨が降りそう だから、折り畳み傘を 忘れず持って行く事! あと、いいかげん自分 の部屋で寝ろよ。 ーーーーーーーーーー 律「……」カチカチカチ パタン 律「唯、ゆーい、朝だぞー」 唯「んー……もうちょっと……」 律「はぁ……。今日はいっか。先行くぞ?ちゃんと起きろよ」 唯「んーわかったぁ……すぅ……」 律「ホントに大丈夫かな……」 ・・ 律「ムギ、おはよ」 紬「りっちゃんおはよう。唯ちゃんは?」 律「まだ寝てる。ムギ、今日は何時頃出る?」 紬「今日は午後からだから、お昼前かな」 律「そか。じゃあ唯のこと頼んでいい?あいつ寝坊しそうだから」 紬「うん。また遅くまでゲームしてたの?」 律「……てへっ」 紬「もう、クマできてるよ? ……ねえりっちゃん」 律「うん?」 紬「もしよかったら、今日、部室行かない?」 律「…………。部室か……。そう、だな、久し振りに顔出すか」 紬「うんっ!じゃあ、唯ちゃんにも伝えておくね」 律「うん、よろしく」 *** ピロリロン♪ ーーーーーーーーーー Date 11/26 9 03 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、やっぱり雨が降っ たな。なんで傘忘れた んだよ。身体冷えてな いか?風邪が治ったば かりなんだから、帰っ たらすぐお風呂入って あったかくするんだぞ 。 ーーーーーーーーーー 律「へっくち!……うぅ~」 唯「りっちゃん、大丈夫?」 律「だいじょーぶ、このくらいひと晩寝れば……っくち!」 唯「全然大丈夫そうじゃないよ」 紬「明日も悪寒が取れなかったら、病院行こうね」 律「ん……ごめんな、折角部室行こうって言ってくれたのに」 紬「ううん、りっちゃんが良くなったら、そのときに改めて、ね?」 律「ありがとムギ。……んじゃ私、ちょっと寝るから」 唯「うん。何かあったらすぐ呼んでね?飛んでくるから!」 律「ははっ。唯も、ありがとな」 紬「じゃあ、お大事にね、りっちゃん」 キィ……バタン 律「……っくし!」 律「……」カチカチカチ カチカチカチ パタン 律「…………みお……。ぐすっ……」 *** *** 澪『……それ、ミサンガ?』 律『そそ。同じ糸を分けて、私も自分用の携帯ストラップ作ったんだ。ほら』 澪『へえ、律の手作りか……。でもそのミサンガは?』 律『おまじないだよおまじない。ほれ、左手出して?』 澪『ん……。おまじないって、何の?』 律『澪が無事に帰ってこれますようにって。……きつくない?』 澪『うん、大丈夫。っていうか無事にとか言われたらなんか怖いよ』 律『ははっ、まあお守りってことで。しっかり私の念が込もってるからな!』 澪『念って……』 律『楽しんでこいよ、ホームステイ』 澪『うん。ありがとう、律』 *** *** ザアァァァァァ…… 唯「雨、やみそうにないね」 紬「そうね……」 唯「……ねえ、ムギちゃん」 紬「なあに?」 唯「澪ちゃんが……行方不明になって、どのくらいだっけ」 紬「……。8月だったから、3ヶ月、経ったかな」 唯「……そっか」 紬「……うん」 唯「……みんな、ずっと落ち込んでたけど」 紬「……」 唯「あのメールが届くようになってから、りっちゃんが言ったんだよね」 紬「……。澪ちゃんが戻ってきたときにいつも通りの顔で迎えたいから」 唯「だから、みんなできるだけいつも通り過ごそう……」 紬「うん……」 唯「あの時は、りっちゃん強いなあって思ったよ。……思ったけど」 紬「……」 唯「りっちゃん、すごく無理してるよね」 紬「うん。毎晩唯ちゃんか私の部屋に来るのも、一人でいたくないからだと思う」 唯「……だよね」 紬「梓ちゃんの様子はどう? 憂ちゃん何か言ってた?」 唯「うん。あずにゃんも前より落ち着いて、受験勉強も再開したって」 紬「そう……。良かった」 唯「うん……」 紬「……」 唯「ねえムギちゃん。りっちゃんに、毎日届いてるメール……」 紬「……」 唯「ホントに、澪ちゃんからだと思う?」 紬「……。わからないわ」 唯「私もりっちゃんみたいに、澪ちゃんからだって信じたいけど……」 紬「……うん。でも……」 唯「……」 紬「……」 唯「……今日はもう、寝よっか」 紬「……うん、そうね」 ザアァァァァァ…… *** コンコン ガチャリ 紬「りっちゃん……は、まだ寝てるか……」 ピロリロン♪ 紬「!」 ーーーーーーーーーー Date 11/26 22 01 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、おはよう。具合は どう?悪いようならや せ我慢しないですぐ病 院に行くんだぞ。ムギ に頼んで栄養のあるも の食べさせて貰うとい いよ。くれぐれも無理 しないようにな。 ーーーーーーーーーー 紬「……ねえ、澪ちゃん、なの……?」 律「……んぅ……、ムギ?」 紬「あっ……りっちゃん、起こしちゃった?」パタン 律「ん。あ、携帯……」 紬「ごめんなさい。メール、読んじゃった」 律「あぁ……、届いてた?ちょい貸して」 紬「……はい」 律「さんきゅ」 律「……」カチカチカチ パタン 紬「……」 律「……ふぅ」 紬「……ねえ、りっちゃん」 律「うん?」 紬「……あ、えっと、調子はどう?」 律「んー、まだちょっとダルいけど、軽くなら食べられそう」 紬「じゃあ、食堂でおかゆ作ってきてもらおうか?」 律「ん、ありがと。……なあ、ムギ」 紬「うん?なあに?」 律「別のこと、聞きたいんじゃないか?」 紬「……」 律「……澪のことだろ?」 紬「……」 律「いいよ、気を使わないで」 紬「……。りっちゃんは、あのメール、どう思ってるの?」 律「どうって、澪かそうじゃないかってこと?」 紬「……うん」 律「……。私にも分かんない」 紬「……」 律「送られてきてるのは確かに澪の携帯アドレスからだけど」 紬「……」 律「発信元の記録がどこにも残ってないなんて、普通じゃありえないし」 紬「……」 律「送信された時間、いつもあっちとの時差ぴったりだろ?」 紬「……うん」 律「それなのに、こっちの天気とか私の行動とか全部把握してるし」 紬「……」 律「わけわかんないよな。まだ、いたずらでーすって言われたほうがマシだよ」 紬「……」 律「……もしあのメールを、澪からだって認めたら。認めたら、澪は……」 紬「……」 律「…………なあ、ムギ」 紬「……えっ、うん?」 律「ちょーっとばかし、おなかすいちゃったかも」 紬「あ……。あ!うん、じゃあ、おかゆ作ってもらってくるね」 律「ごめんなー」 紬「ううん。のんびり、待ってて」 律「うん、ありがと」 キィ……バタン 律「……ごめんな、ムギ」 パカッ カチカチカチカチ…… ーーーおかけになった電話番号は 電波の届かない場所にいるか 電源が入っていないため かかりません おかけになった電話番号は 電波の届かない場所にーーー 律「……」パタン 律「なあ、澪……。お前、ちゃんと生きてるよな?」 律「私から送ったメール、ちゃんと届いてるよな?」 律「…………ぐすっ……。頼むから、こたえてよ……。なあ、澪ぉ……」 *** ーーーーーーーーーー Date 11/25 7 34 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 風邪は良くなったよ。 今どこにいる? 日本にいるのか? ーーーーーーーーーー ・・ ーーーーーーーーーー Date 11/25 8 07 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 昨日菖が誘ってくれた んだ。スティックと、 あと最近出た新譜もチ ェックするつもり。 みんな心配してる。居 場所を教えて ーーーーーーーーーー ・・・ ーーーーーーーーーー Date 11/25 22 55 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 勉強はちゃんとやって るよ。練習はがんばる 。どうして最近の私の 行動を知ってるんだ? 誰かに聞いた? 澪と話がしたい。電話 は掛けられないのか? ーーーーーーーーーー ・・ ーーーーーーーーーー Date 11/26 8 04 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 分かった。忘れないよ うにするよ。 お願いだからどこにい るのか教えて ーーーーーーーーーー ・・ ーーーーーーーーーー Date 11/26 21 45 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 返事遅くなってごめん 。雨降るの折角教えて もらったのにごめんな 。風邪ぶり返しちゃっ た…。 そういえば高校生の時 に風邪引いて澪に迷惑 かけたことあったな。 あの時お見舞いに来て くれて嬉しかった。 澪は元気にしてるのか ?どこか悪くしてない ?会いたいよ澪。 ーーーーーーーーーー ・・ ーーーーーーーーーー Date 11/27 7 05 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 一晩大人しく寝たらな んとか悪化せずに済ん だよ。 澪はどこにいるんだ? 元気にしてるのか?雨 に濡れてないか?一言 でいいから返事して。 ーーーーーーーーーー *** ピロリロン♪ 律「……ん、」 ーーーーーーーーーー Date 1/25 22 06 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、おはよう。今朝雪 が降ったぞ。気付いた か?うっすら街が白く 覆われて、朝日でぴか ぴか輝いててすごくま ぶしかったよ。日が昇 ったら雪はすぐとけち ゃったけど、寒いはず なのに、不思議とあっ たかかった。なんでだ ろうな。 ーーーーーーーーーー 律「あぁ、雪、降ったのか……」 律「……」カチカチカチ パタン ーーーーーーーーーー Date 1/26 7 10 From 田井中 律 Sub: ーーーーーーーーーー 澪、おはよう。 雪には気付かなかった よ。起きたらもうとけ ちゃってた。残念。 暖かかったのは日の光 じゃないか?お前今、 日光を浴びられる場所 にいるのか? 澪の声が聞きたいよ。 ーーーーーーーーーー 律「んしょっと。……さっみぃ! おーい唯、朝だぞー」 唯「んぅ~……」 律「ほれ起きろー、遅刻するぞー」 唯「うぅ……あと5分……」 律「だーめだって、そうやってお前はまた二度寝して……」 ……バタバタバタバタバタバタ バターン! 紬「りっちゃん、唯ちゃん!!」 律「?!」 唯「ひっ!な、何?!」 律「ムギ? どうした、血相変えて……」 紬「はぁっ、はぁっ、あの、ねっ……」 律「まずは落ち着け、ほら、深呼吸して」 紬「はぁ……、すぅー……、ふぅー……」 律「……落ち着いたか? おはようムギ」 紬「ふぅ……、うん、おはようりっちゃ……あっ!違うの!りっちゃん!!」 律「へっ? な、なに?」 紬「見つかったって!」 律「えっ? 見つかったって、何が?」 紬「みっ、みつかったって……、澪ちゃ……生きて……生きてるって……!」 唯「!!」 律「ーーーーーっ!!」 コンコン ガチャリ 律「……お、寮にいないと思ったらここにいたのか」 梓「あ、律先輩。……澪先輩に引っ越しの報告をしようと思って」 律「澪のお母さんは?」 梓「着替えを取りに帰ったそうです」 律「そっか。昼ご飯はもう食べた?」 梓「あ、いえ。まだ……」 律「んじゃ、あとで食べに行くか」 梓「はい」 ーー夏休みを利用した短期ホームステイ中に行方不明となった澪は ホームステイ先からわずか数百メートルの距離にある民家の隠し部屋で、 その家の主である男に5ヶ月に渡って監禁されていた。 その男は「鑑賞するため」に澪を誘拐し、澪の身体を拘束して薬を打ち 澪のことをまるで「人形のように飾って」いたそうだ。 男から性的暴行を受けなかったことに関しては不幸中の幸いとはいえ、 長期間投薬され続けた澪は昏睡状態となっており、 助け出されたのち日本の病院に移送された今も、目を覚まさずにいる。 澪の携帯電話は、男の手によって電池パックが抜かれた状態で保管されていた。 電源が入れられた携帯の受信箱はサーバに溜っていた私達からのメールで一杯になったけれど、 送信箱を開いても、澪が私に送ったはずのメールは1通も残っていなかった。 そして澪が発見された日を最後に、あのメールは届いていない。 律「澪ー、梓も大学に入ったことだし、4月から5人で放課後ティータイム再始動だぞ」 梓「……」 律「早く起きないと、新しいベース入れちゃうぞー?」 梓「そっ、それはダメです!」 律「冗談だよじょーだん。ほれ、梓も何か言ってやれ」 梓「えっ?あっ、え、えと……。澪先輩、また先輩方と一緒に演奏できるの、嬉しいです」 律「……」 梓「澪先輩と演奏できるの、私、楽しみです。…………だから」 律「……」 梓「……だから……」 律「……梓」 梓「……あっ、律先輩、私、ちょっと花瓶の水替えてきますね」 律「ああ、ゆっくりでいいよ」 梓「……ありがとうございます」 パタパタパタ……バタン 律「……ふぅ」 律「……」 律「……なあ澪、可愛い後輩泣かせちゃってるぞ?いいのか?」 律「……」 律「あ、そのミサンガ。ちゃんと役に立ったろ?……ははっ、でもゆるゆるだな」 律「すっかり細くなったなぁ、お前の腕……。痩せるっつても限度があるぞ」 律「快気祝いは美味いものたらふく食べさせてやるから、しっかり肉付けろよ」 律「太るの嫌だとか、言わせないからな?」 律「……」 律「相変わらずでっかいな澪の手は。私の手がすっぽり入っちゃうよ、なんちゃって」 律「……」 律「……みんな待ってるから。早く目覚ませよ。なあ……」 律「声、聞かせてよ……澪……」 ……ピクリ 律「……ん?」 ピクッ……ピクッ 律「……親指、……動いてる……?」 ピロリロン♪ 律「!?」 ーーーーーーーーーー Date 3/29 13 15 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーー 律「……」 律「……なんで空メール?」 澪「……ぅ、」 律「!!」 澪「……う、ん……」 律「澪?……澪!!」 澪「……」 律「わかるか? 澪、私だ!律!田井中律!」 澪「……」 律「……みお? みおしゃーん?」 澪「……」 律「……」 澪「……つ、……」 律「うん?」 澪「……律、おはよう」 おしまい 6
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1番手:◆Q9Tanlls9c 唯「ハトが出ますよ~」 ~ある日の夕方、公園にて~ 唯「よっ、ほっ、 ああっ」 パタパタパタ 梓「あれ?唯先輩だ、何してるんだろ?」 梓「唯先輩ーっ」 唯「うわっ!あずにゃん」 梓「そんなに驚かなくても……ひとりで何してるんですか?」 唯「え?あ……うん、ちょっとね」 梓「?」 唯「えっと、あ、あずにゃんはどこか行くの?」 梓「ちょっとお使い頼まれちゃって」 唯「おおっ!それは大変だ!早く行ってあげなくちゃ」 梓「え、いえ別にそんな急ぎでもないんですけど、唯先輩は何を……」 唯「ダメだよあずにゃん」 唯「お使いはね、出来るだけ、早く、帰って、あげるべき、なんだよ、憂が、言ってた」 梓「何で言葉区切るんですか」 唯「強調してみました」 梓「されてないですけど」 唯「とにかくさ……あそうだ」 唯「とにかくってね、ウサギにツノって書くんだって」 梓「はあ」 唯「ムギちゃんに教えてもらったんだよ、ウサギにツノだよ不思議だね~」 梓「はあ……」 唯「だからおうちの人が待ってるから早く行ってあげて」 梓「えっ、今のそういうお話ですか?」 唯「そうだよ、そうに決まってるよ、ウサギと亀だよ、道草はダメなんだよっ」 梓「よくわかりませんけど、そこまで言われると……じゃあ私行きます……」 唯「うんそれがいいよ、そうしてあげて、またね~」 唯「ふう、ごめんねあずにゃん」 唯「これはあずにゃんには知られちゃダメなんだよ」 唯「さあて……」 唯「今度こそ~、そーっとそーっと……」 唯「よっ! ほっ! 待って!」 パタパタパタパタ 唯「 ああっまた逃げちゃった」 純「ん?あれって唯先輩だよね」 純「こんちわ~」 唯「えっ?あっ純ちゃん」 純「何してんですかーっ?」 唯「えーっと……純ちゃんにならいいかぁ」 純「?」 唯「あのね、これあずにゃんに言っちゃダメだよ」 純「梓に内緒ですか?いいですよ」 唯「実はさ、ハトさん捕まえてるんだよ」 純「ハト?ハト捕まえて飼うんですか?まさか食べるとか」 唯「やだなぁ、ちがうよー、マジックだよ~」 純「マジック?」 唯「次の休みにね私の家で隠し芸大会やるんだけどさ」 純「隠し芸大会……ですか?」 唯「うん軽音部のみんなでね」 純「うわ……さすが軽音部ですね」 唯「うん、すごいでしょ」 純「あはは……」 唯「そこで私手品やろうと思ってさ、ぱっとハト出すやつ」 純「あーだからハト捕まえてるんですか」 唯「うん」 純「でも先輩そんな手品できたんですね」 唯「できないよ~、だから早く捕まえて練習したいんだよ」 純「ああなるほど」 唯「でもねハトさんすばしっこくてさ」 純「わかりました、そういうことだったらこの鈴木純が協力しますよ」 唯「ほんと?」 純「任せてください、こういうの得意なんですよ」 唯「助かるよ~」 純「澪先輩にヨロシク」 唯「へ?」 純「い、いやまあ、とにかく、まずエサで集めてですね……」 唯「そうそう純ちゃん、とにかくってね、ウサギにツノって書くんだって」 純「へえっそうなんですかー」 唯「ムギちゃんに教えてもらったんだよ~」 純「ムギ先輩物知りですね~」 唯「でしょ~、それでねぇ」 純「ほらハトそっちに行きましたよっ」 唯「あ、わっとっと~」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~軽音部隠し芸大会当日、平沢家リビング~ 澪「ムギ頑張れーっ」 紬「マンボウに続く新ネタやりまーす」 律「でたっムギの顔芸!」 梓「顔芸……」 紬「せーのっ」 紬「ジンベエ~! んぱあっ」 紬「んぱーーーーーー」 梓「ぶはっ!」 紬「んぱーーーーーー」 梓「きゃはははっ」パチパチパチパチ 律「ムギ……それ口開けてるだけじゃねーかっ」パチパチ 澪「いや目を虚ろにしているところなんか、なかなかどうして芸が細かい」パチパチパチパチ 唯「やるね、ムギちゃん」パチパチパチパチ 紬「梓ちゃんが喜んでくれてよかった、水族館まで行ったかいがあったわぁ」 澪(そこまでしたのか、ムギ) 唯「じゃあ今度は私の番だよ、マジックやりまーす! 澪律紬梓「おおー」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 唯「ちょとゴソゴソするアルヨ」 唯「はいーっ!宙を舞うステッキ!」 紬「すてきすてき~」 澪「ステッキがステキ……」 律「唯ー、糸が見えてるぞー」 唯「えー」 梓「もう律先輩、そんなこと言っちゃダメですよ」 唯「いいよいいよ、ここからが本番だからね」 唯「はいっ!この小さな箱の中からハトが出まーす」 澪「ええっ」 梓「ほんとにあの箱から出るんですかね」 律「いやいくら何でもあの箱は小さすぎだろ」 紬「わぁードキドキする」 唯「ちゃらら らららー」 唯「ちゃらら らら らーらー ちゃらららら らーらーらー ららーらー ららーらー」 唯「デレデレデレデレデレデレ」 梓「このメロディーって」 澪「オリーブの首飾り」 紬「デレデレ……?」 律「ああドラムロールな」 唯「ちゃらら らららー 唯「ちゃらら らら らーらー ちゃらららら らーらーらー ららーらー ららーらー 唯「デレデレデレデレデレデレ」 律「まだかよっ!」 紬「ドキドキ」 唯「デレデレデレデレデレデレ……じゃじゃーん!」 ハト「」 ぼろっ…… くたっ 澪「わぁ……」 梓「うわあ、ほんとにハトが出た」パチパチパチパチ 紬「すごいすごい、でも白くないのね」パチパチパチパチ 律「どうやったんだ?」パチパチ 唯「はいどうもー、ハトさんはご退場でーす」ササッ クシャクシャ ポイ 澪「今のハト……動かなかったよな」 律「いや作り物だろ、あれは」 澪「そうかなぁ」 唯「うーん、やっぱり小さい動物は弱いねー」ブツブツ 澪「え?」 唯「でも大きいのならだいじょうぶだよね」ブツブツ 澪「なあ梓、唯はなにを言ってるんだ?」 梓「さあ……」 澪「まさか無理矢理ハトをあの箱に……」 唯「じゃあこれが最後だよーっ」 澪「!」びくっ 唯「じゃーん!」 唯「この箱から憂が出まーす」 澪律紬梓「えっ?」 梓「憂が?」 紬「え……」 澪「あんな小さい箱から」 律「まさかな……」 唯「ちゃらら らららー」 唯「ちゃらら らら らーらー ちゃらららら らーらーらー ららーらー ららーらー」 唯「デレデレデレデレデレデレ」 律「……そういや今日憂ちゃん見たか?」 紬「そういえば見てない、梓ちゃんなにか聞いてる?」 梓「いえ、何も聞いてないです」 澪「……」 唯「ちゃらら らららー」 唯「ちゃらら らら らーらー ちゃらららら らーらーらー ららーらー ららーらー」 唯「デレデレデレデレデレデレ」 澪「もしかしてあの中に折りたたまれた憂ちゃんが……」 律「ば、馬鹿言うなよ、そんな事したら死んじゃうだろ……」 澪「でも現にハトは」 梓「ちょ、ちょっと怖いですよ」 紬「ふぇ」 唯「ちゃらら らららー」 唯「ちゃらら らら らーらー ちゃらららら らーらーらー ららーらー ららーらー」 唯「デレデレデレデレデレデレ」 澪「あの箱……赤い染み付いてる……」 律「お、おい唯……」 紬「うそ、うそよね」 梓「え?え?」 澪「あ……あ……」 唯「デレデレデレデレデレデレ……」 律「おい、唯!」 唯「どーん!」 ぱかっ…… 「わっ!!」 律澪紬梓「うわああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 律「やられたなあ……」 澪「うぅ……」 梓「後ろから憂が出てきたときは心臓止まるかと思ったよ」 紬「憂ちゃん、ずっとベランダに隠れてたのね」 梓「もうびっくりさせないでよ」 憂「えへへー、ごめんねー」 紬「大丈夫?澪ちゃん」 澪「あうあう」 律「中から憂ちゃんの死体が出てきたらって本当にビビったんだぞ!」 唯「へへえ、それを狙ったんだよー」 律「くそ、まんまとしてやられたぜ」 唯「わーい大成功~」 律「コノヤロめー」 紬「あんな箱に人が入るわけないもんね」 唯「そうなんだよさすがムギちゃん」 律「そんなの誰でもわかるだろっ」 梓「無理矢理入れたら死んじゃいますよ」 唯「えー、私試さないとわかんなかったよ」 澪「?」 憂「じゃあお茶入れますね」 紬「私手伝うわ?」 憂「いいですいいです、座っていて下さい」 澪「な、なあ唯……」 唯「次は誰だったけ?」 律「あたしだよ、いくぞー、澪のモノマネー」 澪「え?」 律「まずは転んでパンツ見せちゃった澪ー」 澪「や、やめろー」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~帰り道にて~ 紬「楽しかったねー」 律「うんそうだな」 紬「唯ちゃん優勝で喜んでたわね~」 梓「でもムギ先輩のジンベイも面白かったです」 紬「梓ちゃんいつでも教えてあげるよ」 梓「ホントですか」 紬「角度と眼の焦点がポイントなのよ」 梓「へぇ~」 律「おまえら……」 紬「またやりましょうね」 律「そうだな、また今度は唯に負けないぞー」 梓「次は私もがんばりますよ」 律「じゃああたしと澪はこっちだから」 紬「うん、またね~」 梓「お疲れ様でーす」 澪「……」 律「ん?どうした澪、さっきから変だぞ」 澪「なあ……気にならないか」 澪「唯の言ってたのどういう意味なんだろう?」 律「唯がなんて言ってた?」 澪「試さなきゃわからなかったって」 律「そういやそんな事言ってたかなあ」 澪「何を試したんだろ」 澪「あの箱染みが付いいてた」 律「どうせ憂ちゃんが考えたんだ」 澪「だとは思うんだけどさ」 律「澪は深く考え過ぎなんだよっ」 澪「そうか、そうだな」 ~平沢家 玄関にて~ 憂「楽しかったねお姉ちゃん」 唯「うん、大成功だよ、みんなビックリしてた」 憂「そうだね」 唯「憂のお陰だよ」 憂「お姉ちゃんが上手に出来たからだよ」 唯「えへへ」 憂「うふふ」 憂「さあ後片付けしなきゃ」 唯「私も手伝うよ」 憂「うん一緒にやろう」 憂「じゃあお姉ちゃんは洗い物お願いね」 唯「ほーい」 憂「私は先にハトさんと……」 憂「純ちゃんのお片付けしてくるねっ」 おしまい 2
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1番手:◆Q9Tanlls9c 唯「ハトが出ますよ~」 ~ある日の夕方、公園にて~ 唯「よっ、ほっ、 ああっ」 パタパタパタ 梓「あれ?唯先輩だ、何してるんだろ?」 梓「唯先輩ーっ」 唯「うわっ!あずにゃん」 梓「そんなに驚かなくても……ひとりで何してるんですか?」 唯「え?あ……うん、ちょっとね」 梓「?」 唯「えっと、あ、あずにゃんはどこか行くの?」 梓「ちょっとお使い頼まれちゃって」 唯「おおっ!それは大変だ!早く行ってあげなくちゃ」 梓「え、いえ別にそんな急ぎでもないんですけど、唯先輩は何を……」 唯「ダメだよあずにゃん」 唯「お使いはね、出来るだけ、早く、帰って、あげるべき、なんだよ、憂が、言ってた」 梓「何で言葉区切るんですか」 唯「強調してみました」 梓「されてないですけど」 唯「とにかくさ……あそうだ」 唯「とにかくってね、ウサギにツノって書くんだって」 梓「はあ」 唯「ムギちゃんに教えてもらったんだよ、ウサギにツノだよ不思議だね~」 梓「はあ……」 唯「だからおうちの人が待ってるから早く行ってあげて」 梓「えっ、今のそういうお話ですか?」 唯「そうだよ、そうに決まってるよ、ウサギと亀だよ、道草はダメなんだよっ」 梓「よくわかりませんけど、そこまで言われると……じゃあ私行きます……」 唯「うんそれがいいよ、そうしてあげて、またね~」 唯「ふう、ごめんねあずにゃん」 唯「これはあずにゃんには知られちゃダメなんだよ」 唯「さあて……」 唯「今度こそ~、そーっとそーっと……」 唯「よっ! ほっ! 待って!」 パタパタパタパタ 唯「 ああっまた逃げちゃった」 純「ん?あれって唯先輩だよね」 純「こんちわ~」 唯「えっ?あっ純ちゃん」 純「何してんですかーっ?」 唯「えーっと……純ちゃんにならいいかぁ」 純「?」 唯「あのね、これあずにゃんに言っちゃダメだよ」 純「梓に内緒ですか?いいですよ」 唯「実はさ、ハトさん捕まえてるんだよ」 純「ハト?ハト捕まえて飼うんですか?まさか食べるとか」 唯「やだなぁ、ちがうよー、マジックだよ~」 純「マジック?」 唯「次の休みにね私の家で隠し芸大会やるんだけどさ」 純「隠し芸大会……ですか?」 唯「うん軽音部のみんなでね」 純「うわ……さすが軽音部ですね」 唯「うん、すごいでしょ」 純「あはは……」 唯「そこで私手品やろうと思ってさ、ぱっとハト出すやつ」 純「あーだからハト捕まえてるんですか」 唯「うん」 純「でも先輩そんな手品できたんですね」 唯「できないよ~、だから早く捕まえて練習したいんだよ」 純「ああなるほど」 唯「でもねハトさんすばしっこくてさ」 純「わかりました、そういうことだったらこの鈴木純が協力しますよ」 唯「ほんと?」 純「任せてください、こういうの得意なんですよ」 唯「助かるよ~」 純「澪先輩にヨロシク」 唯「へ?」 純「い、いやまあ、とにかく、まずエサで集めてですね……」 唯「そうそう純ちゃん、とにかくってね、ウサギにツノって書くんだって」 純「へえっそうなんですかー」 唯「ムギちゃんに教えてもらったんだよ~」 純「ムギ先輩物知りですね~」 唯「でしょ~、それでねぇ」 純「ほらハトそっちに行きましたよっ」 唯「あ、わっとっと~」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~軽音部隠し芸大会当日、平沢家リビング~ 澪「ムギ頑張れーっ」 紬「マンボウに続く新ネタやりまーす」 律「でたっムギの顔芸!」 梓「顔芸……」 紬「せーのっ」 紬「ジンベエ~! んぱあっ」 紬「んぱーーーーーー」 梓「ぶはっ!」 紬「んぱーーーーーー」 梓「きゃはははっ」パチパチパチパチ 律「ムギ……それ口開けてるだけじゃねーかっ」パチパチ 澪「いや目を虚ろにしているところなんか、なかなかどうして芸が細かい」パチパチパチパチ 唯「やるね、ムギちゃん」パチパチパチパチ 紬「梓ちゃんが喜んでくれてよかった、水族館まで行ったかいがあったわぁ」 澪(そこまでしたのか、ムギ) 唯「じゃあ今度は私の番だよ、マジックやりまーす! 澪律紬梓「おおー」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 唯「ちょとゴソゴソするアルヨ」 唯「はいーっ!宙を舞うステッキ!」 紬「すてきすてき~」 澪「ステッキがステキ……」 律「唯ー、糸が見えてるぞー」 唯「えー」 梓「もう律先輩、そんなこと言っちゃダメですよ」 唯「いいよいいよ、ここからが本番だからね」 唯「はいっ!この小さな箱の中からハトが出まーす」 澪「ええっ」 梓「ほんとにあの箱から出るんですかね」 律「いやいくら何でもあの箱は小さすぎだろ」 紬「わぁードキドキする」 唯「ちゃらら らららー」 唯「ちゃらら らら らーらー ちゃらららら らーらーらー ららーらー ららーらー」 唯「デレデレデレデレデレデレ」 梓「このメロディーって」 澪「オリーブの首飾り」 紬「デレデレ……?」 律「ああドラムロールな」 唯「ちゃらら らららー 唯「ちゃらら らら らーらー ちゃらららら らーらーらー ららーらー ららーらー 唯「デレデレデレデレデレデレ」 律「まだかよっ!」 紬「ドキドキ」 唯「デレデレデレデレデレデレ……じゃじゃーん!」 ハト「」 ぼろっ…… くたっ 澪「わぁ……」 梓「うわあ、ほんとにハトが出た」パチパチパチパチ 紬「すごいすごい、でも白くないのね」パチパチパチパチ 律「どうやったんだ?」パチパチ 唯「はいどうもー、ハトさんはご退場でーす」ササッ クシャクシャ ポイ 澪「今のハト……動かなかったよな」 律「いや作り物だろ、あれは」 澪「そうかなぁ」 唯「うーん、やっぱり小さい動物は弱いねー」ブツブツ 澪「え?」 唯「でも大きいのならだいじょうぶだよね」ブツブツ 澪「なあ梓、唯はなにを言ってるんだ?」 梓「さあ……」 澪「まさか無理矢理ハトをあの箱に……」 唯「じゃあこれが最後だよーっ」 澪「!」びくっ 唯「じゃーん!」 唯「この箱から憂が出まーす」 澪律紬梓「えっ?」 梓「憂が?」 紬「え……」 澪「あんな小さい箱から」 律「まさかな……」 唯「ちゃらら らららー」 唯「ちゃらら らら らーらー ちゃらららら らーらーらー ららーらー ららーらー」 唯「デレデレデレデレデレデレ」 律「……そういや今日憂ちゃん見たか?」 紬「そういえば見てない、梓ちゃんなにか聞いてる?」 梓「いえ、何も聞いてないです」 澪「……」 唯「ちゃらら らららー」 唯「ちゃらら らら らーらー ちゃらららら らーらーらー ららーらー ららーらー」 唯「デレデレデレデレデレデレ」 澪「もしかしてあの中に折りたたまれた憂ちゃんが……」 律「ば、馬鹿言うなよ、そんな事したら死んじゃうだろ……」 澪「でも現にハトは」 梓「ちょ、ちょっと怖いですよ」 紬「ふぇ」 唯「ちゃらら らららー」 唯「ちゃらら らら らーらー ちゃらららら らーらーらー ららーらー ららーらー」 唯「デレデレデレデレデレデレ」 澪「あの箱……赤い染み付いてる……」 律「お、おい唯……」 紬「うそ、うそよね」 梓「え?え?」 澪「あ……あ……」 唯「デレデレデレデレデレデレ……」 律「おい、唯!」 唯「どーん!」 ぱかっ…… 「わっ!!」 律澪紬梓「うわああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 律「やられたなあ……」 澪「うぅ……」 梓「後ろから憂が出てきたときは心臓止まるかと思ったよ」 紬「憂ちゃん、ずっとベランダに隠れてたのね」 梓「もうびっくりさせないでよ」 憂「えへへー、ごめんねー」 紬「大丈夫?澪ちゃん」 澪「あうあう」 律「中から憂ちゃんの死体が出てきたらって本当にビビったんだぞ!」 唯「へへえ、それを狙ったんだよー」 律「くそ、まんまとしてやられたぜ」 唯「わーい大成功~」 律「コノヤロめー」 紬「あんな箱に人が入るわけないもんね」 唯「そうなんだよさすがムギちゃん」 律「そんなの誰でもわかるだろっ」 梓「無理矢理入れたら死んじゃいますよ」 唯「えー、私試さないとわかんなかったよ」 澪「?」 憂「じゃあお茶入れますね」 紬「私手伝うわ?」 憂「いいですいいです、座っていて下さい」 澪「な、なあ唯……」 唯「次は誰だったけ?」 律「あたしだよ、いくぞー、澪のモノマネー」 澪「え?」 律「まずは転んでパンツ見せちゃった澪ー」 澪「や、やめろー」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~帰り道にて~ 紬「楽しかったねー」 律「うんそうだな」 紬「唯ちゃん優勝で喜んでたわね~」 梓「でもムギ先輩のジンベイも面白かったです」 紬「梓ちゃんいつでも教えてあげるよ」 梓「ホントですか」 紬「角度と眼の焦点がポイントなのよ」 梓「へぇ~」 律「おまえら……」 紬「またやりましょうね」 律「そうだな、また今度は唯に負けないぞー」 梓「次は私もがんばりますよ」 律「じゃああたしと澪はこっちだから」 紬「うん、またね~」 梓「お疲れ様でーす」 澪「……」 律「ん?どうした澪、さっきから変だぞ」 澪「なあ……気にならないか」 澪「唯の言ってたのどういう意味なんだろう?」 律「唯がなんて言ってた?」 澪「試さなきゃわからなかったって」 律「そういやそんな事言ってたかなあ」 澪「何を試したんだろ」 澪「あの箱染みが付いいてた」 律「どうせ憂ちゃんが考えたんだ」 澪「だとは思うんだけどさ」 律「澪は深く考え過ぎなんだよっ」 澪「そうか、そうだな」 ~平沢家 玄関にて~ 憂「楽しかったねお姉ちゃん」 唯「うん、大成功だよ、みんなビックリしてた」 憂「そうだね」 唯「憂のお陰だよ」 憂「お姉ちゃんが上手に出来たからだよ」 唯「えへへ」 憂「うふふ」 憂「さあ後片付けしなきゃ」 唯「私も手伝うよ」 憂「うん一緒にやろう」 憂「じゃあお姉ちゃんは洗い物お願いね」 唯「ほーい」 憂「私は先にハトさんと……」 憂「純ちゃんのお片付けしてくるねっ」 おしまい 2
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2番手◆VW9ify6uH. ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 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4番手:◆zzEUmCA7VVnh 憂「お姉ちゃんとおかたづけ」 唯「うー」 唯「ういー……」 憂「お姉ちゃん」 唯「え?」 憂「お姉ちゃん、おかたづけしよっか」 唯「うい?」 憂「うん」 唯「でも……」 憂「早くしないと、みなさん来ちゃうから、ね?」 唯「うん」 唯「でも、なにからすればいいかなあ」 憂「んーと、まずは……」 憂「ゴミ袋用意しよっか」 唯「はーい」 憂「あ、それじゃなくてそっちの黒いやつ」 唯「なんで?」 憂「いーの」 憂「えっと、そしたらまずは……」 唯「ねえ、憂。でもどうして?」 憂「えー? だって、お姉ちゃん、困っちゃうじゃん」 唯「そうかなあ」 憂「そうだよ。私がいないと、だめなのお姉ちゃんは」 唯「そうだね」 唯「でもさぁ……」 憂「なあに?」 唯「ういはさっき」 憂「お姉ちゃん、そっち持って」 唯「うん」 憂「そしたら、こう」 唯「こう?」 憂「そう。じゃあ、持つよ」 唯「重いよー」 憂「……」 唯「怒ってる?」 憂「なに?」 唯「ううん、なんでもない」 唯「なんでもない」 憂「じゃ、はこぼっか」 唯「どこに?」 憂「とりあえずお父さんの部屋」 唯「わかったー。うんしょ」 唯「ねえ、憂。私いまちょっと混乱してるんだ」 憂「無理もないよ」 唯「ねえ、これってやっぱり」 憂「お姉ちゃん、そこ壁あるから気を付けて」 唯「……」 憂「なんか寒いねー。手とか冷たいし」 唯「冬だからね」 憂「冬かー」 憂「私ね、冬って好きだなー」 唯「えー、寒いじゃん」 唯「あ、でもコタツでごろごろできるのとかはイイかも」 憂「お姉ちゃんにあったかあったかして貰えるし」 唯「……てへへ」 憂「階段のぼるよー」 唯「うん」 憂「足元気を付けてね」 唯「うん、おっとっと」 憂「お姉ちゃん、だいじょうぶ!?」 唯「だいじょぶだよー」 唯「だいじょぶっていうか」 憂「……」 唯「ねえ、憂。わたしさっき、うい」 憂「あ、雪?」 唯「え?」 憂「憶えてる?」 唯「なにを?」 憂「お姉ちゃん、昔わたしにホワイトクリスマス、プレゼントしてくれたよね」 唯「ほわいとくりすます?」 唯「んー」 憂「ふふ、なんでもない」 唯「そっか」 唯「ねえ、憂、やっぱり」 憂「やめて」 唯「だって……」 憂「やめてやめて」 唯「うい」 憂「あーあーあー」 唯「ねえ、うい。聞いて、私やっぱりちゃんと」 憂「お姉ちゃん、お願い」 唯「でもさっき、憂は」 憂「これいじょう私をいじめないで」 唯「いじめるっていうか……」 憂「お願い」 唯「……わかった」 憂「よいしょっと……」 唯(ねえ、憂。) 唯(でもやっぱり……こんなのおかしいよ) 憂「おかしくなんてない」 唯「え?」 憂「おかしくなんてないもん!」 唯「うん」 憂「しょうがないじゃん」 唯「しょうがない、か」 憂「ごめんね」 唯「ううん、こっちのほうこそ、なんだかいろいろしてもらいまして」 憂「あはは」 ぴんぽーん 憂「!」 唯「や、やばい!」 唯「どうしよう憂、みんな来ちゃったよ」 憂「お姉ちゃん、それいいからもうここに放り込んで!」 唯「う、うん」 憂「んと……」 唯「わ、わたしどうすればいい!?」 憂「どうもしなくていいよ」 憂「私玄関に出てくるから」 唯「うん」 紬澪律「おじゃましまーす」 憂「いらっしゃーい」 憂「どうぞー」 律「やっほー、ゆーいー来たぞー」 憂「あ、スリッパどうぞ」 紬「ありがとう憂ちゃん」 澪「相変わらず出来た妹だな」 律「おーい、ゆいー?」 憂「……」 律「わー、すげえごちそう!」 澪「これ全部憂ちゃんが作ったの?」 律「なあ憂ちゃん、唯は?」 憂「えっと、お姉ちゃんは」 律「ゆーいー、どこだー」 憂「えっとえっとえっと」 澪「お手洗い借りてもいい?」 憂「あ、はい」 澪「……」ガチャ 憂「だめ!澪さんその扉は」 どさっ 澪「ひいっ、なにこれ!?」 憂「あ……」 律「どうした、澪」 律「なんだこれ?」 紬「なあに、これ?憂ちゃん」 憂「えっと。お姉ちゃん」 あ、やっぱりわたし、さっき ――――― …… ――――― 唯「ねー、ういーキスしようよー」 憂「もうすぐ皆さんが来ちゃうから……」 唯「いーじゃん、ちゅー」 憂「だめっ」ばんっ ガン 唯「うー」 どくどくどく 唯「ういー……」ガクッ 憂「……!」 唯(あれ、なんか体が軽くなって・・・・・) 憂「……お姉ちゃん」 唯「え?」 憂「おかたづけしよっか」 おしまい 9