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4番手:◆zzEUmCA7VVnh 憂「お姉ちゃんとおかたづけ」 唯「うー」 唯「ういー……」 憂「お姉ちゃん」 唯「え?」 憂「お姉ちゃん、おかたづけしよっか」 唯「うい?」 憂「うん」 唯「でも……」 憂「早くしないと、みなさん来ちゃうから、ね?」 唯「うん」 唯「でも、なにからすればいいかなあ」 憂「んーと、まずは……」 憂「ゴミ袋用意しよっか」 唯「はーい」 憂「あ、それじゃなくてそっちの黒いやつ」 唯「なんで?」 憂「いーの」 憂「えっと、そしたらまずは……」 唯「ねえ、憂。でもどうして?」 憂「えー? だって、お姉ちゃん、困っちゃうじゃん」 唯「そうかなあ」 憂「そうだよ。私がいないと、だめなのお姉ちゃんは」 唯「そうだね」 唯「でもさぁ……」 憂「なあに?」 唯「ういはさっき」 憂「お姉ちゃん、そっち持って」 唯「うん」 憂「そしたら、こう」 唯「こう?」 憂「そう。じゃあ、持つよ」 唯「重いよー」 憂「……」 唯「怒ってる?」 憂「なに?」 唯「ううん、なんでもない」 唯「なんでもない」 憂「じゃ、はこぼっか」 唯「どこに?」 憂「とりあえずお父さんの部屋」 唯「わかったー。うんしょ」 唯「ねえ、憂。私いまちょっと混乱してるんだ」 憂「無理もないよ」 唯「ねえ、これってやっぱり」 憂「お姉ちゃん、そこ壁あるから気を付けて」 唯「……」 憂「なんか寒いねー。手とか冷たいし」 唯「冬だからね」 憂「冬かー」 憂「私ね、冬って好きだなー」 唯「えー、寒いじゃん」 唯「あ、でもコタツでごろごろできるのとかはイイかも」 憂「お姉ちゃんにあったかあったかして貰えるし」 唯「……てへへ」 憂「階段のぼるよー」 唯「うん」 憂「足元気を付けてね」 唯「うん、おっとっと」 憂「お姉ちゃん、だいじょうぶ!?」 唯「だいじょぶだよー」 唯「だいじょぶっていうか」 憂「……」 唯「ねえ、憂。わたしさっき、うい」 憂「あ、雪?」 唯「え?」 憂「憶えてる?」 唯「なにを?」 憂「お姉ちゃん、昔わたしにホワイトクリスマス、プレゼントしてくれたよね」 唯「ほわいとくりすます?」 唯「んー」 憂「ふふ、なんでもない」 唯「そっか」 唯「ねえ、憂、やっぱり」 憂「やめて」 唯「だって……」 憂「やめてやめて」 唯「うい」 憂「あーあーあー」 唯「ねえ、うい。聞いて、私やっぱりちゃんと」 憂「お姉ちゃん、お願い」 唯「でもさっき、憂は」 憂「これいじょう私をいじめないで」 唯「いじめるっていうか……」 憂「お願い」 唯「……わかった」 憂「よいしょっと……」 唯(ねえ、憂。) 唯(でもやっぱり……こんなのおかしいよ) 憂「おかしくなんてない」 唯「え?」 憂「おかしくなんてないもん!」 唯「うん」 憂「しょうがないじゃん」 唯「しょうがない、か」 憂「ごめんね」 唯「ううん、こっちのほうこそ、なんだかいろいろしてもらいまして」 憂「あはは」 ぴんぽーん 憂「!」 唯「や、やばい!」 唯「どうしよう憂、みんな来ちゃったよ」 憂「お姉ちゃん、それいいからもうここに放り込んで!」 唯「う、うん」 憂「んと……」 唯「わ、わたしどうすればいい!?」 憂「どうもしなくていいよ」 憂「私玄関に出てくるから」 唯「うん」 紬澪律「おじゃましまーす」 憂「いらっしゃーい」 憂「どうぞー」 律「やっほー、ゆーいー来たぞー」 憂「あ、スリッパどうぞ」 紬「ありがとう憂ちゃん」 澪「相変わらず出来た妹だな」 律「おーい、ゆいー?」 憂「……」 律「わー、すげえごちそう!」 澪「これ全部憂ちゃんが作ったの?」 律「なあ憂ちゃん、唯は?」 憂「えっと、お姉ちゃんは」 律「ゆーいー、どこだー」 憂「えっとえっとえっと」 澪「お手洗い借りてもいい?」 憂「あ、はい」 澪「……」ガチャ 憂「だめ!澪さんその扉は」 どさっ 澪「ひいっ、なにこれ!?」 憂「あ……」 律「どうした、澪」 律「なんだこれ?」 紬「なあに、これ?憂ちゃん」 憂「えっと。お姉ちゃん」 あ、やっぱりわたし、さっき ――――― …… ――――― 唯「ねー、ういーキスしようよー」 憂「もうすぐ皆さんが来ちゃうから……」 唯「いーじゃん、ちゅー」 憂「だめっ」ばんっ ガン 唯「うー」 どくどくどく 唯「ういー……」ガクッ 憂「……!」 唯(あれ、なんか体が軽くなって・・・・・) 憂「……お姉ちゃん」 唯「え?」 憂「おかたづけしよっか」 おしまい 9
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41 :彼氏いない歴774年:10/02/13 19 14 51 ID uWaML9Tc 先生、百物語の中に吸血鬼は入れますか? 42 :彼氏いない歴774年:10/02/13 21 37 41 ID 6rp1Lzwn 41 個人的には入れていただきたい いろんなジャンルのヤンデレ入れた方が喧嘩にならないんじゃないかな せんせー、ついでに狼人間も入りますかー? 43 :彼氏いない歴774年:10/02/13 21 45 22 ID Byhbu1ww 42 いいぞー。ただし狼人間は500人までだからなー 触手人間も忘れるなよー
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壱・仮面 弐・拾人語り 参・黒い太陽 肆・酸鼻 伍・天丼 陸・蝕 漆・水子 捌・聖王 玖・傀儡
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13番手 ◆yFnK8bpW9c 「かごめかごめ」 かごめ かごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ? 「かごめかごめ」 「ねぇ、この噂知ってる?」 「何々?」 「自分の好きな人を一日中籠に閉じ込めるとさ、両想いになれるってやつ」 「あっそれ私も聞いたことある! でも私の聞いた話だとその好きな人が大切にしている人を二人生け贄にしなきゃいけないんだって!」 「うっへ~何か一気に都市伝説っぽくなったな~」 「…というか都市伝説でしょ」 「こんなこと信じる人いるのかな~実際」 「いないいないそんなの。てかそもそも犯罪じゃん」 「わかんないよ~? 恋は盲目って言うしさぁ? もしかしたら……ガバッ! ってさ~」 「キャーお助け~」 ──── 律「オーッス澪~」 澪「おはよう、律」 律「ねぇねぇ! 昨日の都市伝説特集見た?!」 澪「絶対言ってくると思った! 見るわけないだろ! あんなの……」 律「見るわけないじゃなくて見れるわけないの間違いだろ~?」ニヤニヤ 澪「うぅ……。なんで都市伝説ってああいう怖々しいのばっかりなんだろ……」 律「見てないのに怖いってわかったのかー? ま、実際怖かったケド」 澪「頑張って新聞のテレビ欄だけは見たんだ! 学校で絶対話題になると思って」 律「健気だな……。でもそれ話してるの聞いたら怖くならないのか?」 澪「……怖くなる! 駄目だぁ~……」プルプル 律「ハイハイ。怖いの怖いの~とんでけ~」 澪「飛んでった」シャキンッ 律「立ち直りはやっ」 澪「どこかにウサギさんが作るパン屋があるとかそんな都市伝説はないかな……」 律「いや……それはそれで怖いだろ」 律「まあ怖いなら無理せず言えよな? そしたら私がバシッと話題変えてやるからさ!」 澪「律ぅ……(頼れる幼なじみを持って私は幸せ者だな……)」 澪「ありがとな、律」 律「気にすんなよ、澪」 ◆ 学校 律「おっはよ~んいちご~! 昨日の都市伝説特集見た?」 いちご「……見た」 澪「おおいっ!! 来て早速自分から振るって話が違うじゃないか!! あの時の約束は嘘だったのかぁ!?」 律「でもぉぅ~どのみちこの会話になるんでございますしぃ~」 アカネ「そうそう。さっきも三人で話してたんだよね」 エリ「マジめっちゃ怖かったよね~」 そう聞いた瞬間回れー右、いっちにっ! いっちにっ! いっちにっ! ぜんた~い止まれ! いっちにっ! 澪「着席!!!」 澪「見えない聴こえない見えなE……」 澪は自分の席で震え始めた。 律「そう言えばこの学校が建つ前、ここらへんは軍事施設だったらしくてさ……」 何故か声のトーンを落とす律。 いちご「……知ってる、武器とか作ってたんだよね」 律「そうそう。でもここで作られてたのは特殊な銃らしくてさ。アメリカ人を油断させる為に楽器型の銃が開発されてたらしいんだよ…」 アカネ「アメリカの人ってそういうの好きそうだもんね」 エリ「オーギターイエスイエッ」 アカネ「ズパーン……」 アカネが指で作った拳銃が、エリの胸を貫いた。エリはクラクラよろめきながらこう呟く。 エリ「ノゥ……あれは良く見たらベースだったデース」チラッ 澪「」ピクッ 律「そう、アカネの言う通りここで作られてたのはベース型の機関銃だったらしい。 でも結局それは使われることなく終戦した……何故ならここは空襲で丸焦げにされたからだ」 澪「」ガタガタッ 律「そして戦争が終わった今でもその工場の人達はベース型の機関銃を探して夜中に徘徊するらしい……。 そしてベースが見つかるとそれを小脇に抱えて……」 澪「(怖いよぉ…でも…もしかしたら持って行かれ……)」 怖いながらも話が気になった澪は勇気を振り絞り持って来たベースが置いてある後方のロッカールームにゆっくりと振り向く……。 律「コイツで復讐してやるウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥ」くわっ 澪「ひいいいいいいいいいいいいいEEEEEEEEEEAAAAAAA」 既に澪の背後に回り込んだ律がベースを小脇に抱えて突撃兵の如く構えていた。 コツンッ 律「あいたっ」 いちご「……律やりすぎ。エリも」 エリ「ごめんごめんついつい面白くってさ。ごめんね澪ちゃん」 澪「……グス……グスン……」 アカネ「澪……。泣くほど怖かったんだ。ごめんね」 いちご「律、責任取って……いい?」 律「いちごも乗ったくせにー」ブー いちご「……何か言った?」律「いーえ」 未だ空席の澪の隣の席から椅子を引っ張り真横にベタ着ける。 机に突っ伏して泣いている澪の頭を律の手が優しく撫でた。 律「ごめんな……澪。ちょっとやり過ぎだったな」 澪「……やらないって言ったのにぃ。約束したのにぃ……律のバカァ……っ」 澪が腕を捲し上げ、なでなでを振り払う。 律「……」 それでも律の手は澪の頭をまた優しく撫でる。 律「……本当に危なくなっても……私が絶対守ってやるから。だから怖がらなくていいんだぞ、澪」 澪「ほんとぉ…?」 律「ああ。ほんとだ。約束する」 澪「……りつ」 紬「おはよ~」 律「っとぅ!」 澪「ひゃうっ」 紬「ん? どうかしたの二人とも?」 律「い、いやぁ~何でもないよ! ムギおはよ。昨日の特集見た?」 澪「律ぅぅうう!?」 紬「昨日は何だか眠たくて……見逃しちゃった」 律「そっかー残念」 澪「も、もっとさ、音楽の話しようよ! これからのJPOPのあり方とか!」 律「何だそれ」 紬「ふふ。じゃあ次の合宿の話でもする?」 律「おっいいね~。夏と言えば海! ホラーと並ぶ風物詩だもんな~」 紬「次は一番大きな別荘が借りられそうなの」 律「ほんとに!?」 紬「だから期待しててね」 律「どんぐらい広いんだろ~な~。楽しみだな、澪」 澪「う、うん」 澪「あれ? そう言えば唯来てないな」 律「まーた寝坊か? まあ唯のことだからギリギリには来るだろ」 澪「うん……」 ──キーンコーンカーコーン 澪「唯どうしたんだろう。1時間目始まっても来ないなんて」 律「いっつもは遅刻してもギリギリには来るんだけどな。風邪かな?」 紬「心配ね……」 律「まあさわちゃんに聞けばわかるか」 さわ子「……なんだけど」 律「せんせー」 さわ子「田井中さんどうしたの?」 律「唯が来てないけど休みなんですかー?」 さわ子「……はぁ。それを今から話すところよ。田井中さんはもうちょっと先生の話を聞くように」 律「すいましぇん」 さわ子「それで平沢さんなんだけど……朝から連絡が取れないの」 澪「えっ……それって」 律「憂ちゃんにも取れないの?」 さわ子「ええ。それどころか憂ちゃんも学校に来ていないみたいなの。 二人の素行からして無断欠勤なんてしないと思うから……」 紬「そんな……」 さわ子「田井中さん達何か知らない?」 律「……。さわちゃん、ちょっと携帯使うよ」 さわ子「今回に限り認めます」 律「……。……。……ッ。出ない……」 澪「もしかして事件に巻き込まれたとか……?」 紬「唯ちゃん……憂ちゃん……」 さわ子「この件は後からゆっくり話しましょう。じゃあ64ページを開いて…」 授業が終わった後、職員室でさわちゃんの話を聞くも事態は変わらず、 連絡があったらお互い報告するという約束を交わし職員室を後にした。 それからも澪、ムギ、そして私も……何度も何度も電話をしたが、全く繋がる気配はなかった。 私は授業を抜け出して探しに行こうと提案したが、 澪とムギのさわ子先生にこれ以上心配事を増やすのはいけない、という意見により却下された。 そのまま授業を受け続けるも、私はずっと歯痒い思いでマナーモードにしている携帯が震えるのを待ち続けた。 不安だった。何故なら、嫌な予感というのは何故か的中してしまうものだから。 放課後── 澪「梓、今日は部活休みにするから」 梓「聞きました。唯先輩もなんですね……」 律「ああ。今から探すけど梓も来るか?」 梓「はい。でも私は純も探さないと……」 紬「もしかして純ちゃんも……?」 梓「はい。唯先輩や憂みたいに朝から連絡がつかないんです。 憂と違ってサボりの可能性もないわけじゃないと思いますけど……純のお母さんに聞いたら朝にはもういなかったって」 澪「心配だな……」 律「もしかしたらこの一件……犯人は同じ奴かもな」 澪「犯人って……嫌なこと言うなよ律……」 律「とにかく探そう。私達に出来るのはそれしかない」 ──── 律「唯~!」 律「唯~~~! どこだ~~~?」 律「駄目か……」 あてもなく探すのにも限度があるな……。 せめて何か手掛かりがあれば……。 澪「っはぁ……はあ……唯達いた?」 律「いや……」 澪「まさか……本当に事件に巻き込まれたんじゃ……」 律「可能性は高いな……」 何だろう、何かが引っかかる。 何か見落としているような……そんな感覚が襲う。 紬「ダメ……唯ちゃん達いない……」 律「ムギも駄目か……。心当たりあるところは全部探したのに……クソッ」 しばらくして梓とも合流、「……純も見つかりませんでした」と言う報告を受け、私達はただ黙って立ち尽くした。 時刻はもう夜の8時。いくら夏の日が長いといってもこれ以上は持ちそうにない。 梓「さっき純のお母さんから連絡があったんですけど……警察にお願いしたそうです。 学校側と話して他にもそういう子がいるって聞いたらしくて……唯先輩達も探してもらえるみたいです」 紬「……これ以上探すのは私達も危ないわ。後は警察に任せましょう……」 澪「……うん」 律「……」 何だろう、この違和感は。 違う、何かが。 それから家に帰り、親と今日のことを話すと、律も女の子なんだから注意しなさいと怒られた。 いつも通りご飯を食べ、お風呂に入り、パジャマ姿でベッドにダイブ。 月明かりだけを部屋に充満させ、私はこの不思議な感覚の正体を突き止めることにした。 律「携帯に着信はなし、か」 まだ三人は見つかってない。いなくなったのは今日の朝……いや、本当に朝なのだろうか。 梓の話じゃ純ちゃんのお母さんは朝には純ちゃんはいなかったと言っている。 つまり昨日の夜から明け方までに純ちゃんを見ていない可能性が高い。 もしかしたら夜中に何かあったのかも……? でも家に無理やり押し入って純ちゃんだけさらって行ったと言うのはおかしい。 それなら純ちゃんのお母さんが気づいている筈。 唯と憂ちゃんの場合はどうだ? 両親がほとんど出払っているのを犯人が知り、無理やり二人を……。 律「くっ……」 そんなこと考えるだけで胸が苦しくなる……。 でも……可能性がないわけじゃない。 でもそれだと純ちゃんがいなくなったことと関連性がない……。 純ちゃんがいなくなったのは自分から出ていった可能性が……。 あ、ああ……あああああ……!!!! 全身に嫌な鳥肌が沸き出す。 昨日何があったかなんて散々朝話していただろう! バカだ私は……これなら三人の関連性は繋がる。 そしてこれは純ちゃんが家を抜け出した理由にも繋がる! すぐさま携帯を手に取ると澪に電話をかける。 澪『もしもし……どうしたの?』 2コールで取ったものの疲弊しているのがわかる声だった。大方見つかったと言う電話だと思ったら私だったというオチだろう。 ただ今はそんなことを気にしている時間はない。 律「わかったんだ。今回の事件が! だから協力して欲しい、全部が遅くなる前に」 ──── ──── 時刻はもう0時を過ぎていた。澪が調べた今は使われてない倉庫を回り始めて既に2時間が経過している。 ピリリリ── 律「見つかった!?」 澪『いや……』 律「そうか。もう危ないから澪は帰った方がいい」 澪『そのまま返すよ、律。自分だって女の子だってこと自覚してるか?』 律「……それ今日お母さんにも言われたよ」 澪『……でも本当なのか? 唯達がどこかに監禁されてるって……』 律「間違いないよ。澪は見てないから知らなくても無理はないけど、この状況、昨日やった都市伝説特集の一つに似てるんだ」 澪『……』 電話越しでも息を飲むのが聞こえる、 澪『なんて都市伝説?』 今は怖がってる場合じゃないと奮起したのだろうか、そう聞き返してきた。 律「……かごめかごめ」 澪『それって……』 律「聞いたことはあるだろ? か~ごめかごめってやつ」 澪『童謡だっけ』 律「うん。詳しく話してる暇はないから省くけど、 好きな人を一日籠の中に閉じ込めればその閉じ込めた人と閉じ込められた人は永遠に結ばれるとか何とか」 澪『……そんなこと本当に信じる人が』 律「いるんだろ、私達の中に、な」 澪『!!?』 澪『私達の中にって……』 律「いいか澪。この都市伝説が達成されるには条件が二つある。一つ目は『鳥』を一日閉じ込める」 澪『『鳥』……つまり実行犯の好きな人ってことか』 律「ああ。それともう一つ、『鶴』と『亀』を生け贄にしなきゃならない」 澪『鶴と亀……?』 律「勿論そのままの意味じゃない。この『鶴』と『亀』は……『鳥』と最も仲の良い人物二人を指す。 つまり唯、憂、純ちゃんと仲の良い人物ってことだ」 澪『そんな……』 律「だから足りないんだよ……一人。多分、実行犯が」 澪『でもおかしくないか? その『鳥』役を考えた場合に純ちゃんがいるのはおかしい』 律「そこは私も思ってた。憂ちゃんが『鳥』役だとしたら『鶴』と『亀』は純ちゃんと梓だろうし、 唯が『鳥』役なら純ちゃんより私とか澪とかムギだろう」 澪『いや……もしかしたら』ガッ ガッ ガッ ガッ ゴスッ ……。 律「み、澪……?」 『……』 律「みおおおおおっ!?」 律「なんだよ……? 嘘だろ……?!」 澪まで……? そんな……なんで……? 律「絶対見つけてやる……」 何が永遠に結ばれるだ……!! あるわけない都市伝説を信じて友達をどうにかするような奴……私が許さない。 ──── 薄い飛沫が舞う夜の道をただ走る。 澪が言いたいことはわかっていた。 この事件はまだ終わっていない、純ちゃんと関連つけるには一人足りなかったのだから。 それを言う途中で、澪は誰かに……。 でも犯人は気づいていない。私達が探す場所を定期的にメールで知らせ合っていたことを。 つまり澪が電話の前に送って来た最後のメールが澪の居場所、そして犯人が『鳥』を監禁している場所になる。 律「ここか……」 半年かそこらに不況の煽りを受けて倒産した廃工場の前で、私は憤慨する思いを抑えながら中に入った。 鍵は予想通り開いている。 ドアの辺りに何かを引きずったような血の後がある。 中は一つの光もない。 暗闇の中から見ればこのドアから差し込んだ僅かな外の明るさが、私が来たと言う最高の合図となっているだろう。 足を踏み入れる。 シン──としている。 物音は僅かな雨音だけ。 静かだ、静かだ、静かだ、 誰だ、お前 ガッ…… 私の最後の記憶は、何かが倒れているような影と、檻の用な物があり、中に人が入っていたことと、 恐ろしい形相で私に殴りかかってきた、あいつの姿だった。 ──── 「か~ごめかごめ……籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 」 紬「唯ちゃん……」 唯「……」 紬「やっと見つけた……。こんな所にいたのね……、今出してあげるから」 唯「駄目……ムギちゃん」 紬「えっ……」 ガッ……ガスッ……グチャッ……グチャリ……。 「後ろの正面だ~あれ」フフッ 唯「……」 「駄目じゃないですか、ムギ先輩。もうちょっとなんですから。邪魔しないでください」 唯「……あずにゃん」 梓「澪先輩と律先輩だけで十分だったんですけどね……生け贄は」 唯「……」 梓「あれ? どうしてこんなこと?、とか、なんで? とか、言わないんですか?」 唯「……もう、遅いよ」 梓「ですよね。私は三人も殺した人殺し、後は唯先輩だけしか残されてませんから」 梓「私思ったんです。何でこんなことで永遠に結ばれるのかって」 唯「……」 梓「このかごめかごめは愛の重さを相手に押しつけることで無理やり閉じ込めた相手と結ばれるやり方なんだってわかりました。 鳥への愛が鶴と亀を殺す。 鳥が籠から出してもこの罪の籠がいつまでも鳥を逃がさない……。 唯先輩への愛がいけないんです。だから唯先輩本人にも責任はあると思いません?」 梓「だから唯先輩はこれからもずっと私と一緒にいてください……じゃないと、私……唯先輩も殺して……」 唯「大丈夫だよ、あずにゃん」 梓「えっ……」 唯「大丈夫だから、ね?」 梓「唯……先輩? こんな私でも……愛してくれるんですか?」 唯「」ニコッ 梓「やっぱり……、唯先輩が大好きです……私」 梓「ちょっと早いけど、出してあげますね……。もう愛の確認は終わりましたから」 ガチャリ── 唯「あずにゃん……」 梓「抱き締めて欲しいです……唯先輩」 唯「……」 ギュッ…… 梓「暖かい……」 梓「ふふ……なんだか熱い……です……唯先ぱ……い」 ドサッ── 唯の手には闇の中でもはっきりとわかるほどの紅色の血がこびりついた包丁が握られていた。 唯「ごめんねあずにゃん。あずにゃんのことは大好きだけど、憂の好きとは違うから……ごめんね」 唯「ギリギリ間に合ったかな……。まさか自分が『鳥』役をさせられるなんて思ってなかったよ。 呼ぶ手間が省けたと思ったらまさかあずにゃんもかごめかごめをしてるなんて。 さ、二人の首を持って行かなきゃ。そうすればきっと憂もあずにゃんが言ってたみたいに私を真の意味で愛してくれるよね」 唯「か~ごめか~ごめ……」グチャッ,グチュッ 夜明けの晩の工場に、少女が歌うかごめかごめだけが響いていた。 ──── 「ねぇ、この噂知ってる?」 「何々?」 「自分の好きな人を一日中籠に閉じ込めるとさ、両想いになれるってやつ」 「あっそれ私も聞いたことある! でも私の聞いた話だとその好きな人が大切にしている人を二人を殺さなきゃいけないんだって!」 「うっへ~何か一気に都市伝説っぽくなったな~」 「…というか都市伝説でしょ」 「こんなこと信じてやる人いるのかな~実際」 「いないいないそんなの。てかそもそも犯罪じゃん」 「わかんないよ~? 恋は盲目って言うしさぁ? もしかしたらガバッってさ~」 「キャーお助け~」 おしまい 16
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8番手 ◆CQDDPJeh8k 唯「あのね」 夜道をね。散歩してたら、何かうめき声が聞こえたんだ。 私、気味が悪いと思って聞こえないフリして、そのまま散歩続けたの。 でも、うめき声はだんだん大きくなって来てさ、私怖くて 走って逃げた。 逃げても逃げても、うめき声はまだ聞こえる。 一時間ぐらいかな?ずっと逃げてたら、うめき声は聞こえなくなった。 勇気を出して振り替えってみたら、ゾッとしちゃったよ。 私が走って来た方向に、血で何か引きずったような跡がついてたんだ。 私、びっくりして大きな荷物、落としちゃった。 終わり 12
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7番手 ◆sV6.wAMEIw 純「あれ? カップひとつ多くない?」 ひいふうみい、と純がカップを数える。 確かに一つ多い。部室には今、私と憂と純しか居ない。 テーブルには淹れたての紅茶の入ったカップが四つ用意されている。 憂「あっ、ごめん……間違えちゃった」 ばつが悪そうに憂が謝ると純が妙に慌てて「私が二杯飲むからだいじょうぶ」と言った。 あえて指摘する気は無いけれど、「二杯飲めてラッキー」などと心の中では思っているのかもしれない。 純は目の前に置かれた二つのカップに息を吹きかけて、同時に冷まそうとしている。 対して私は、まだ湯気の立っているカップは熱そうだな、と思って手をつけなかった。 少し経って、純が一杯目の紅茶を飲み終えた頃、背後で扉の開閉する音がした。 顧問のさわ子先生がやってきたようだ。 挨拶とともににいつもの席にどっかりと座って、憂にお茶を要求した。 だけど私は憂に新しいお茶を淹れさせることが何となく忍びなかったので、 さわ子先生の目の前にまだ手をつけていなかった自分のカップを置いた。 少し冷めており淹れたてのおいしさは無いが、さわ子先生はたぶん、お茶さえ飲めればなんでもいいだろう。 予想通りさわ子先生は、あら、と少し驚いてから、渡したお茶を手に取った。 さわ子先生もタイミングが悪い。もう少し早ければいれたてのお茶が全員に当たったのに。 さわ子「……そういえばもう、一週間経つわね」 お茶を啜りながらさわ子先生がぽつりと言った。 そうか、そろそろ新学期が始まってから一週間ほどたったらしい、最近は忙しくて日にちの感覚がぼやけていた。 さわ子先生は未だ新入部員のいないこの部室の状況を憂いているようだ。 純「まだ、一週間ですよ」 その通り、まだ、だ。まだ部活を決めていない新入生もいるだろう。 新歓ライブは私の失敗で見学者があまり来てくれなかったけれど、 部の存続のために、これから何とかしなくちゃいけない。 さわ子「そうね、これからどうなるかわからないけど、けいおん部を廃部にしないように、がんばりましょう」 けいおん部は私のオアシスなんだから、と付け足して、さわ子先生は紅茶を豪快に呷った。ロックンロールだ。 さわ子「ああ、そうそう、憂ちゃんは知ってると思うけど、今日はOGの子たち……唯ちゃんたちが来ることになってるから、よろしくね」 純「え? ほんとですか?」 純と一緒に私は驚いた、来るなら教えてくれればいいのに。先輩たちも薄情だ、とほんの少しだけ思う。 さわ子「あと三十分もしたら来るかしら、……四人ともあなた達を心配しているわ、しっかりした姿を見せなさい」 はい、と全員で返事をすると、さわ子先生は頷いて紅茶のおかわりを要求した。 心配している、とは部員の人数のことだろう。 新生けいおん部、活動の第一歩とも言える新入部員の獲得で先輩たちに心配されるとは。 けいおん部の部長という肩書きを律先輩から引き継いだというのに、なかなか上手くいかない。 自分の情けなさについため息をついてしまう。いけない。暗い雰囲気の部活に入りたい新入生などいるものか。 吐いた分だけ息を吸って、気合をいれた。がんばらなくちゃ。 純「がんばろう、憂」 憂「そうだよね、がんばらなくちゃっ」 純と憂も手を取り合って互いを激励しあっている。 そうだ、三人で支えあっていかなければ。私も立ち上がって二人の元へ歩み寄ってその手を取った。 取ろうとした。 しかしあり得ないことが起きた、私の手が二人の手をすり抜けていった。何が起きたのかわからなかった。 ただ手が届かなかっただけだと思ってもう一度手を差し出した。しかし再び手はあっけなく二人の重ねた手をすり抜けていった。 あれ?おかしいな。 憂の顔を見る。憂は純の手を握ってどこかぎこちなく笑っている。 純の顔を見る。純は何か憂に話しかけているが何を言っているか聞き取れなかった。 やがて二人の顔がぼやけてきた。 視界が押しつぶされるように上からぢかぢか黒く光ってああ多分これは立ち眩みだと思った。 頭もガンガン痛くて倒れてしまいそうだった。 そうか立ち眩み、立ち眩みのせいで距離感が掴めなくなっていたのか、 視界もぼやけていたのか、ならもう一度、いや今度はもう倒れそうなついでに憂と純に向かって倒れこんでしまおう―― ――どさり。 私の身体は憂と純二人の身体をすり抜けて倒れこんだ。 今度ははっきりと見えた。 広げた右腕が憂の左肩をつきぬけ純の右肩を掴もうとした左手がまるで煙を撫でたかのように空振りした様子が視界の端に映った。 私の胸を二人の結ばれた腕が裂いていくのも見えた。 だというのに二人は私のほうを見もしない。 私は透明人間にでもなってしまったのだろうか、SFじゃあるまいし。ちょっと異常すぎる事態だ。依然頭は痛いし。 さわ子先生を見るとカップをひとまず置いて憂と純をみていた。私ではない。 誰もこの異常事態に気づいていない。やはり私のことは誰にも見えていないようだ。 「こ、こんにちはー……」 不意に声が聞こえて、扉のほうを見る。もう先輩たちが来たのかと思い振り向いたが、 そこには入部希望らしき子がドアを開けて恐る恐る顔を出していた。 純「おっ、こんにちは! 入部希望かな?」 純がその子に駆け寄る。その進行方向に私がいた。 後頭部を突き抜けてきた純のつま先が私の眉間から抜けそのまま靴の縁が両目を切り裂いていく。 私は思わず悲鳴を上げる。 憂「歓迎するよー、そこに座って座ってー」 うずくまる私に追い討ちをかけるように憂が私の頭を踏み抜いたらしく視界が真っ暗になる。 とっさに起き上がると私の頭が憂の太ももをすり抜けて、私はそのまま部室の隅までほとんど這うようにして逃げた。 錯乱してしまうには十分すぎる光景を散々見てやっと我に返ってああこれは夢だと思う。 たちの悪い夢だと。ためしに腕をつねってみる。痛くない。 やっぱりと思うけど頭のほうはもう早鐘を打たれているかのようにドクドク痛くなっていくし 夢の外の私はひどい頭痛で寝込んでいるのかもしれない。 こんな状態のわたしをあろう事か無視して行われる体験入部を傍目にみて 仲間はずれにされているような寂しさを覚えるがこれは夢だから仕方ないと割り切る。 コレは怖い夢だ。 背骨が氷になってしまったかのようにぞっとして身体を冷やして恐怖心が私の体を縛る。 そして頭痛がひどくなる、頭が何度も固いものに打ち付けられているような鈍くて重い痛みだ。 よろめいて倒れそうになるのを、膝をついてなんとか堪える。 早く目が醒めてくれないかなとかそんなふうに思うけれど そんなものは憂と純に囲まれてソファに座る新入生のその白く美しい肌と綺麗な碧眼を斎藤菫のそれだと認識した瞬間に 一瞬で掻き消えて思い出したくもない恐怖いっぱいの最悪な一部始終がフラッシュバックする。 ―――― ―――――― 放課後。私は斎藤菫に屋上に呼び出されていた。一人で待っているとしばらくして彼女がやってくる。 逆光でいまいち表情は見えなかったがどうも様子がおかしい。 「どうしたの?」と声をかけたが無視される。 手を伸ばせば届く距離まで斎藤菫が近づく。そこまで近づいてやっと彼女が怖い顔をしていることに気づいた。 その虚ろで何も映らないような瞳と目があってゾッとする。不意に彼女の両腕が私に向かって伸びる。 服の襟を掴まれ抵抗する間もなくそのまま驚くべき力で首を締め上げられた。視界が横に振れ傍らの柵に強く頭を打ち付けられる。 痛みを感じてようやく狂気に触れていることに気づく。首にかけられた手を外そうと試みるが力が入らない。 膝を菫の腹に入れる。菫は一瞬だけ怯んで首にかかる力が緩む。 手首を掴んで振りほどこうと試みる――解けた! けれど掴んだ腕を振り回されて私の身体は呆気なく床に転がる。 立ち上がる暇もなく追い打ちをかけられ後頭部に踵が浴びせられる、ガンッガンッガンッ……、 斎藤菫の興奮した呼吸が荒くなるに連れ鈍い痛みが激しくやってくるようになる。 うずくまって無抵抗で蹴りを受けつづけやがて私も痛みを感じなくなってきた。 意識がぼやけてきて頭から血が流れてきたことにやっと気づく。感覚はもう手放したはずなのにその血の熱さだけがわかる。 強く頭を蹴りあげられ私は転がって仰向けになる。どうして斎藤菫は私を殺そうとしているのか。 全くわからない。 斎藤菫の左足が上がって私の顔面に踏み潰すまでの一瞬だけ考えてみようとしたけれどその思考回路ごと踏み潰されて私は意識を失った。 ―――――― ―――― 頭が狂うほどのこの痛みにも覚えがある。これは生前の痛みを引き継いでいるんだ。 怒りがふつふつと沸いて来る。 私のけいおん部なのになんでソファの真ん中で笑っているのが私を殺した斎藤菫なんだ、ふざけるな。 憂も純も私の親友でしょなのになんで斎藤菫と一緒に笑っているの。 怒りに任せて壁を殴ると確かに部室内に音が響いた。 全員目を剥いてこちらを見たからもう一度今度はガリガリガリガリ爪を立てて壁をひっかいた。 純が立ち上がってこっちへやってくる。私は純が気づいてくれたことが嬉しくて少し頭の痛みも和らぐ。 純は私の味方だと思った、だから許そう。憂は?なんでこっちにこないの?急かすようにもう一度壁を殴った。 間近で音がなったからか純が驚く、ごめんね純。 いよいよ怪しいと思ったのかさわ子先生も憂も私の元へやって来た。 斎藤菫はソファに一人置き去りだ、何かに感づいたのか青ざめている。 私は音を立てた壁に三人を残し斎藤菫の元へ近づく。 私がそうされたように首を掴んでソファのアームレストの部分に打ち付けてやろうと思うがやめる。 今部室で怪我人がでたら迷惑だしもしも「中野梓の霊がいたいけな新入生を呪った」などという馬鹿な噂が流れでもしたら 私の仏前に手向けられる花も無くなってしまうかも知れない。それは寂しいし。 なんて馬鹿なことを考える余裕も出来てきたから耳元でそれっぽい呪詛を吐きながら菫のカップを傾けてあげる悪戯をしてあげた。 殺人に比べれば可愛すぎるものだ。 菫「きゃあぁああっついッ!」 菫が悲鳴をあげるのが私は嬉しくて危うく成仏しかける。 痛みを完全に忘れて沈みかけた太陽の光の暖かさをじっくりと感じて一仕事したーとか思う。 この調子で私を殺したこの女を地獄の底から追い詰めてやろうと決意した。 壁を見ていた三人も菫がお茶をぶちまけたことに気づいて「大丈夫ー?」とか言いながら戻ってきた。 純「火傷しなかった?スミーレ、震えてるよ?」 憂「ハンカチ水で濡らしてきたよ、こぼしたとこに当てて当てて」 菫「大丈夫です……ごめんなさい、なんだか体調悪くなったので、帰らせてもらいますね……」 斎藤菫は本当に気分が悪そうに立ち上がって出口に向かう。憂と純が心配そうな顔をする。私はそんな二人がまた少し気に入らないが仕方ない。 菫「じゃあ……お疲れさまでした……」 憂「うん、また来てね……」 純「何度も言うけど部員不足で困ってるから、初心者でも入部してくれたら大助かりなんだ。よかったら、またね」 菫「はい、では……」 斎藤菫がドアノブに手をかける。すると菫が手首を捻る前にドアノブが回った。菫は過敏になっているのかそれだけで短い悲鳴を上げて手を離した。 扉の向こうに誰かがいるらしい。多分先輩達だ。 そのままドアが開く。私は斎藤菫のことなんかどうでもよくなる。どうしよう。私は死んでしまってる。先輩達に会わす顔が、文字通りない。 唯「こんにちはー……あっと、新入部員かな?」 扉をあけたのは唯先輩だった。目が少しはれているのをみて、私は心苦しくなる。 菫「あ、あの……」 憂「あ、お姉ちゃん、その子は体験入部にきた斎藤菫ちゃんだよ。体調悪いみたいで、今帰るとこだったんだけど」 紬「え?菫ちゃん?」 菫「あ、紬お嬢様!? あのっ、私、失礼します!」 紬お嬢様?ムギ先輩の親の会社の関係で知り合いか何かなのだろうか。 唯先輩が「知り合いなの?」と質問したがムギ先輩は曖昧に返答してお茶を濁した。 律先輩と澪先輩も部室に入る。二人ともさわ子先生に会釈して、それから部室を見回した。 律「久しぶりの部室だなー」 澪「……そう、だな」 私のいない部室をみて先輩達はどんなことを思うんだろう。 目元をみると律先輩以外は、全員目が赤くなっていた。 私が殺されてから一週間立つらしいし、周りも落ち着きを取り戻した頃を狙ってに訪問してきたのだろう。 どうやら、皆さんも「まだ、一週間」だと思ってくれているみたいだ。嬉しく思う。 それから少しの沈黙があった。恐らくそれぞれ思うことがあるのだろう。 誰もこんな形でまた部室に来ることになるだなんて思っていなかっただろうから。私はその沈黙が苦しかった。申し訳なかった。 その沈黙を破ったのは律先輩だった。多分その発言は皆にとって周知の事だったのかもしれない、何気なく言っただけなんだろう。 だけどその言葉は私を本当の地獄のどん底に突き落とすどんな放送禁止用語をも超える悪魔の囁きに等しいものだった。 「それにしても梓……自殺って、そりゃないよなぁ」 "梓「hidden」" おしまい。 11
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14番手 ◆/BV3adiQ.o 純「4の呪い」 純「あーずさ」 梓「おはよーう」 純「えっ」 梓「えっ」 純「おはようじゃないよっ!どうしたのとか言ってよね」 梓「ど、どうしたの?」 純「…このナイフが見えないの?血もついてるんだよ」ホラッホラ 梓「ええっ」 純「…ふふふ。ここで会ったが三年目…」 梓「それ血じゃなくて絵の具じゃん」 純「もうっ…少しは怖がってよ」 梓「純だから」 純「ああ納得…なんてしてないもん」 憂「おはよーふたりとも」 梓「あっ憂、おはよ」 憂「じ、純ちゃんそれって…」 純「ふっふっふ。気づいちゃったね」 憂「myナイフだねー」 純「へっ?」 憂「うんうん、最近流行ってるもんね。純ちゃんも持ってるんだー」 純「…も?」 憂「ほら、わたしも持ってるんだ」チャキ 純「ひっ!」 梓「おいおい」 「………」スタスタ 純「今日の一時間目なんだっけ?」 憂「国語だよ」 純「そっか」 「………」スタスタ 純「ちょっと待ってよっ!」 梓「えっ?どうかした?」 純「いやいやいや。スルーしないでよ。ナイフ持って町歩くなんてわたし変態じゃん」 梓「違うの?」 純「違うっ、これは呪いだっ!」 憂「呪い」 純「そう……これは『しの呪い』」 梓「シ~は幸せよ♪」 憂「さあ、踊りましょっ♪」 純「勝手に幸せにしちゃダメだって!4だよ4」 梓「あっ、そっちなんだ。死ぬほうじゃなくて」 純「そうっ!みんなにハブられた4の怨念だあー」 梓「でも4ってハブられてる?」 憂「あれじゃないかな。駐車場の番号で4が抜かされたりしてるの」 梓「ああ」 憂「それでどうするの?」 純「どうする?」 憂「だって何かしないと」 純「いやー。でもまずは怖がってほしかったな」 憂「うーん。でも何するかわかんないと怖くないよ」 純「ま、まあ、それもそうかな…じゃあ今からふたりを殺します」 梓「どうやって?」 純「えっ」 梓「えっ」 純「今からふたりは殺されちゃうんだよ?」 梓「でもさ殺され方って重要だよ。人生は死に様で決まると言うし」 純「見ればわかるじゃん。このナイフでぐさりと」 憂「それは難しいよ、純ちゃん」 純「えっそうなの」 憂「うん。女の子の力じゃ殺すほどには至らないし、わたしたちはふたりいるから」 梓「体験者は語る」 憂「えへへ」チラッ 梓「ひぃっ」 純「じゃあ、どうしよっか?」 梓「聞いちゃうんだ」 純「うん」 梓「呪いは?」 純「そ、それはー…使えないんだ」 梓「ええっ、4の呪いなのに」 純「これはね、わたしが呪われてるていう設定で、決して呪い殺すわけじゃないんだよ」 梓「ややこしいね」 憂「うん」 純「なんかごめんね」 梓「ううん、平気」 純「というかさ」 梓「うん」 純「少しは怖がってよ」 梓「うーん、だって怖くないし」 純「何が悪いわけっ?」 憂「見た目じゃないかな?」 梓「うんうん。あーまたモップがなんか言ってるよって感じだもん」 憂「まあ、そういうところは否めないかな」 純「ええっひどいっ」 梓「もう少し牙とか生やしてさ」 純「こんな感じ?」ニョキニョキ 憂「そうそう、それで獣みたいに毛むくじゃらになって」 純「ふむふむ」ニョキニョキ 梓「全体をおどろおどろしい感じにすれば」 純「よしっ!これでどうだっ!」ジャーン 梓憂「うーん」 純「あれ?」 梓「なんかオオカミ人間みたい」 純「ぐぬぬ。ガオー」 憂「純ちゃん、かわいいっ!」ナデナデ 純「くぅーん」 梓「あっわたしも撫でたい」 純「ってこれじゃダメじゃんっ」 憂「かわいいのに~」 純「そ、そうかな///……ううん目的を果たさなきゃ!」 純「最終手段、梓にとりついてやるっ!」ハッ 梓「うわあ~~」 憂「梓ちゃん、どんな感じ?」 梓「うーん、頭が痛い気もする」 憂「そっか。ていうかそろそろ学校に行かないと」 梓「そだねーもう完全に遅刻だよ」 憂「うん」 「………」スタスタ 憂「そういえば、昨日久々にお姉ちゃんとお風呂に入ったんだー」 梓「ほんとっ、いいなー」 憂「すっごいかわいかったなあ」 梓「うわっうわっ」 憂「そうだっ今度お泊まりしようよ」 梓「楽しみだなー」 ダダダダダダダ 純「はあはあ…わたし抜きで話をすすめないでよ…はあはあ」 梓「あっ」 憂「でも、純ちゃん梓ちゃんにとりついていたんじゃないの?」 純「あっ」 梓「うそつきだっ!」 純「まあ、もうそれは…」 ④「イクナイヨッ、ボクヲジョウブツサセテ」 梓「うわっなんかでてきた!」 憂「そうは言っても」 ④「サビシイサビシイ」 憂「よしっいいこと考えた!」 【数日後】 教師「あんたたちこれは何なの?」 梓「…テストですが?」 教師「そんなの見ればわかるわ。それより全員23点ていうのはどういうことよ。 マークシートに4しかつけてないじゃない。ふざけているの?」 憂「供養ですよ」 教師「供養?」 純「報われなかった4を供養してるんです」 教師「はい?」 憂「やっぱりダメでしたか?」 教師「ダメよダメよダメダメよ」 憂「あちゃー失敗みたいだよ」 純「他の手を考えないとじゃん」 梓「はあーめんどくさい」 ④「ソンナコトイワズニクヨウシテヨ」 憂「ちょっと静かにしようか」チラッ ④「ひいっ」 お し ま い 戻る
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152 :彼氏いない歴774年:10/04/26 03 45 54 ID zJnuN34Q ネタ出しなら出来る! ……多分。 一応、百物語向け。 ・弟ネタ 冗談も言い合う、友達みたいな弟。何かと気がきいてお茶とかもよく入れてくれる。 (時々変な味がするが、そんな時主人公はひっそりと "まだまだ子どもだなあ"なんてお姉さん気分に浸っている) お互いのことも尊重してるし、困った時には相談にのりあったりもする。とても仲のいい姉弟。 ある日届いた一通の手紙。それは昔の同級生(男)の結婚式の招待状だった。 主人公は寂しいようなどうでもいいような気分になりつつもその手紙を放置。 二日ほどして、弟が"○○(同級生)ってだれ?"と聞いてくる。 差出人の名前でも見たのかと思いつつ同級生と答える主人公。しかし弟はそれで納得しない。 それだけ? 姉さん○○のこと好きだったよね。恋してたんでしょ? 今も好きなの? 気になる? おれもいかない方がいいと思うよ。ていうか行ってどうするの? ○○の思い出にでも浸るの? 主人公は、なんでそんなこと言うんだ、なんで知ってるんだ、あれ? 言ったっけ? と混乱する。 が、話の流れから弟が主人公の部屋にたびたび入り、日記からかばんの中まで調べていた事が判明する。 弟を信用していただけに激しくショックをうけ、怒り出す主人公。弟は、何が悪いと開き直る。 もうそんな奴とは縁を切る! と怒鳴る主人公。弟はしばらく黙っているが、急ににやりとして、 "そんなことを言っても無駄。もう離れられない。ずーっと呪いをかけてた。何飲んでたかわかってる?" などと言う。飲み物に何か混ぜてあったのか主人公はしるよしもない。 主人公は家を飛び出すが、しばらくして親(と警察)に連れ戻される。黙り込んで家に入る主人公は 心配するふりをしながらにやにやしている弟を見て、怒りと恐怖を感じるのだった。 ----- このまま使う必要は全然ないので、 もしもビビッとくる部分があったら使ってやってくださいな。
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ーー数日後 真一「んー」 クズリ「どうしたの真一?」 真一「ああイタチさん今日もすっごく綺麗だね大好きだよ。 ほら、このまえ桜校に行った時の絵がさ、完成してたんだけど、そういえば渡してなかったなーって思って」 クズリ「え、あ、う、そ、そうなんだ……」 真一「あれ、どうしたのイタチさん?」 クズリ「し、真一が変なこと言うからでしょ!」 真一「なんか変なこと言ったっけ?」 クズリ「その、だ、大好き、って……」 真一「うーん、でも本当に思ってることだし」 クズリ「と、とにかく、学校とか人がいっぱいいるところでは、だ、大好き禁止!」 真一「はーい」 クズリ「返事はいっつもいいんだから……」 御崎「やあやあやあやあ、ご機嫌麗しゅうお三方」ガラッ 真一クズリ「」ビクッ 御崎「あん? 二人してなにやってんのよ、真昼間から盛っちゃってんの白の字?」 クズリ「ち、ちちち違うからね御崎」ワタワタ 御崎「あらそう? んで、我らが人狼のフィル坊はどこにいんの?」 真一「なんか『ここら周辺でもいい建物があったんですね、俺ちょっと行ってきます!』とか言ってさっき飛び出して行っちゃいましたけど」 御崎「ふーん、まあいいや。 さっき新井から伝言が来てね、桜校でまた妖怪がでたから助けてくれー、ってさ」 クズリ「それって、」 御崎「明日また桜校へ遠征にいくから準備して置いて、だとさ。 まったく輝ちゃんも人使いが荒いんだから」ヤレヤレ クズリ「じゃあさ真一」 真一「絵は明日渡せる、か。 まさかこんなに早く再会するとは思わなかったけど」 クズリ「だね」 御崎「ちょろっとー、なに私を差し置いて二人で盛り上がっちゃってんの? あれか、独り身の私を嘲笑ってんのかそうなのか」 真一「いや、経島先輩江戸橋さんがいるじゃないですか」 クズリ「照平はいつ報われるのかな……」 御崎「だって、あの人は私とはカラダ目当てのカンケイなんだもの……。 あの人には私の意思なんて関係ない。 でも、それで彼を満足させてあげられるなら、それでも良いって、そう思えるの……」 真一「昼間から飛ばしますね先輩、で、今のはなんだったんですか?」 御崎「悲恋女と最低男。 ここで重要なのは女の方も悲劇を気取っちゃってるところだね」 真一「知りませんよそんなの」 御崎「あんたはイタチちゃん一直線だしね。 う、羨ましくなんかないんだからねっ!」 真一「だからそういうことは江戸橋さんに言ってくださいよ」 クズリ「いつも通りだね、御崎」 御崎「おうよ、私が私たり得るのは私が私という自覚を持っているからでその」 輝「ちょっと美術部? なんか調理室で妖怪が出たみたいだから早く向かってあげて」ガラッ 御崎「ゲェッ、新井!?」 輝「……なによそのリアクション」 御崎「ノックも無しに突然入って来たのは新井のほうでしょうが。 で、なにさ。 今日は愛しの是外坊クンは居ませんよ?」 輝「奈良山くん、今日は裏山に行くって聞いたわよ。 そうじゃなくて、妖怪が出たから処理しに行ってください」 御崎「ねえねえ白の字、やっぱりウチは美術部改め妖怪退治屋だと思う」 真一「否定しきれない辺りがちょっと悲しいです」 クズリ「じゃあ真一、行こっか」ニコッ 真一「」 クズリ「……どうしたの真一?」 真一「あ、うんごめん、すっごく綺麗だったからさ、見惚れてた」 クズリ「も、もう! 真一! は、恥ずかしいのは禁止だよ!」 真一「え、ごめん」 クズリ「もう……、本当に恥ずかしいんだからね」 御崎「……いやー、実に平和。 終わりよければ全てよし、ってね。 そう思わんかな新井よ」 輝「まだ終わってないわよ御崎」 御崎「されど、終わらなくてもそれはそれでよし! ってね」 終わり 和「で、話ってなにかしらツグミ?」 ツグミ「えっと、その、す、」 和「す?」 ツグミ「す、……好きですー!」 ホントに終わり 戻る あとがき いやー、終わりました。 構想期間は長かったんですが、 ただ長かっただけで書いた量は投下を始めてからのほうが圧倒的に多いです。 いやあ、追い詰められないと動かないダメ人間ですハイ。 えっと、たくさんのレス、並びに感想意見等、本当にありがとうございました。 レスがつくとモチベーションもやる気も書き始めるまでの時間も圧倒的に違いますね。 正直もっと叩かれるかも、とも思っていたので、こうも暖かく迎えていただけたことが本当にありがたいです。 このスレの、唯「ほうかご百物語」というお話はこれで終了です。 まだまだイタチさんの可愛さや経島先輩の不敵さ、真一の無自覚な殺し文句や輝さんの頼もしさ。 けいおんメンバーのここの良さも引き出せていなかったと思います。 次以降、ほうかごスレないし、けいおんスレを建てる時があれば、もっと個々の可愛さを上手く分にしたいと思います。 えーっと、次は、はじめ「御伽学園、ですか?」というスレを建てると思います。はいはい宣伝乙。 このスレでちょっといい気分になれた方が一人でもいてくれたのなら、この二月はあんまり無駄ではないかなと思います。 それでは皆さん、ありがとうございました。良き青空を!
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3番手 ◆S09TnYcH0NbS 澪「律、おはよう」 律「唯、朝だぞー!起きろー」 唯「ん……。おはよ……」 律「ヨダレ」 唯「ぁ……えへ」 律「今日は1限からだろ?」起きないと遅刻するぞ」 唯「うぅん……あとじゅっ……5分だけ……」 律「だーめだ!起きろってほら」 唯「うぅ~……、えいっ!」 律「んなっ?! ちょっ、こら唯!しがみつくなって!」 唯「えへへ、りっちゃんあったか~い」 律「だから遅刻す……」 ピロリロン♪ ーーーーーーーーーー Date 11/24 22 33 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、おはよう。今日は いい天気だな。風邪は 良くなった?治りかけ が肝心だから油断する なよ。それからゲーム ばっかりしてないでち ゃんとドラムの練習も しろよ。 ーーーーーーーーーー 律「……」カチカチカチ パタン 律「ほら、さっさと起きる! 顔洗ってご飯食べ行くぞ」 唯「う、うん」 ・・ 紬「りっちゃん唯ちゃん、おはよう」 律「おはよ、ムギ」 唯「ムギちゃんおはよぉ~」 紬「ふふっ、今朝もご同伴なのね。また徹夜でゲーム?」 唯「りっちゃんが寝かしてくれなくてねぇ……ふあぁ」 律「よく言うよ、もうちょっとってしつこかったの唯のほうだろ」 紬「唯ちゃん、寝癖すごいよ?」 唯「あとでちゃんと直すよー」 律「そんな時間があればいいけどな」 唯「ほぇ? わわっ、りっちゃん急ご!」 律「やばいのは唯だけだろ。私今日は午後からだし」 唯「もうっ!りっちゃんのいじわる!」 律「いやいや、いじわるって……」 ピロリロン♪ ーーーーーーーーーー Date 11/24 23 05 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、今日は講義終わっ てから楽器屋に行くん だっけ?お菓子とかに 無駄遣いしないで、ち ゃんと予備のスティッ クも買っておけよ。 ーーーーーーーーーー 律「……」カチカチカチ パタン 律「ほら、ムギもそろそろ準備しなきゃいけないんじゃないか?」 紬「え、ええ。……ねえ、りっちゃん」 律「唯は私がちゃんと間に合わさせるから、な」 紬「……うん」 *** コンコン 律「唯~、起きてる?」 唯「起きてるよー」 律「今夜もおじゃましまーすよっと」 唯「おかえりアナタ、スナックにする?お菓子にする?それともオ・ヤ・ツ?」 律「モンハンで」 唯「ぶー」 律「じゃあ、お菓子食べながらモンハンで」 唯「んー、それなら許してしんぜよう……」 ピロリロン♪ ーーーーーーーーーー Date 11/25 13 51 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、そろそろ寝る時間 だな。最近ずっと唯の 部屋に入り浸ってるみ たいだけど、勉強と練 習サボり過ぎじゃない か?お前はすぐ楽な方 に逃げるから心配だよ 。留年なんて事になっ たら嫌だからな! ーーーーーーーーーー 律「……」カチカチカチ パタン 律「んじゃ、今日はまず採取行くか。水没林でいい?」 唯「あ、う、うん」 律「今日は早めに寝ような?私、明日は1限からだし」 唯「うん、わかった」 律「あ、虫は採らせてもらっていい?にが虫集めたいから」 唯「いいよー」 律「さんきゅ」 唯「……。あっ、あのね、りっちゃん」 律「んー?」 唯「……えっと、今日もココで寝てく?」 律「……ん、そうする。よし、そろそろ帰るか。唯、モドリ玉持ってる?」 唯「うん」 *** ピロリロン♪ 律「……ん、」 ーーーーーーーーーー Date 11/25 23 03 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、おはよう。今日は 夕方から雨が降りそう だから、折り畳み傘を 忘れず持って行く事! あと、いいかげん自分 の部屋で寝ろよ。 ーーーーーーーーーー 律「……」カチカチカチ パタン 律「唯、ゆーい、朝だぞー」 唯「んー……もうちょっと……」 律「はぁ……。今日はいっか。先行くぞ?ちゃんと起きろよ」 唯「んーわかったぁ……すぅ……」 律「ホントに大丈夫かな……」 ・・ 律「ムギ、おはよ」 紬「りっちゃんおはよう。唯ちゃんは?」 律「まだ寝てる。ムギ、今日は何時頃出る?」 紬「今日は午後からだから、お昼前かな」 律「そか。じゃあ唯のこと頼んでいい?あいつ寝坊しそうだから」 紬「うん。また遅くまでゲームしてたの?」 律「……てへっ」 紬「もう、クマできてるよ? ……ねえりっちゃん」 律「うん?」 紬「もしよかったら、今日、部室行かない?」 律「…………。部室か……。そう、だな、久し振りに顔出すか」 紬「うんっ!じゃあ、唯ちゃんにも伝えておくね」 律「うん、よろしく」 *** ピロリロン♪ ーーーーーーーーーー Date 11/26 9 03 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、やっぱり雨が降っ たな。なんで傘忘れた んだよ。身体冷えてな いか?風邪が治ったば かりなんだから、帰っ たらすぐお風呂入って あったかくするんだぞ 。 ーーーーーーーーーー 律「へっくち!……うぅ~」 唯「りっちゃん、大丈夫?」 律「だいじょーぶ、このくらいひと晩寝れば……っくち!」 唯「全然大丈夫そうじゃないよ」 紬「明日も悪寒が取れなかったら、病院行こうね」 律「ん……ごめんな、折角部室行こうって言ってくれたのに」 紬「ううん、りっちゃんが良くなったら、そのときに改めて、ね?」 律「ありがとムギ。……んじゃ私、ちょっと寝るから」 唯「うん。何かあったらすぐ呼んでね?飛んでくるから!」 律「ははっ。唯も、ありがとな」 紬「じゃあ、お大事にね、りっちゃん」 キィ……バタン 律「……っくし!」 律「……」カチカチカチ カチカチカチ パタン 律「…………みお……。ぐすっ……」 *** *** 澪『……それ、ミサンガ?』 律『そそ。同じ糸を分けて、私も自分用の携帯ストラップ作ったんだ。ほら』 澪『へえ、律の手作りか……。でもそのミサンガは?』 律『おまじないだよおまじない。ほれ、左手出して?』 澪『ん……。おまじないって、何の?』 律『澪が無事に帰ってこれますようにって。……きつくない?』 澪『うん、大丈夫。っていうか無事にとか言われたらなんか怖いよ』 律『ははっ、まあお守りってことで。しっかり私の念が込もってるからな!』 澪『念って……』 律『楽しんでこいよ、ホームステイ』 澪『うん。ありがとう、律』 *** *** ザアァァァァァ…… 唯「雨、やみそうにないね」 紬「そうね……」 唯「……ねえ、ムギちゃん」 紬「なあに?」 唯「澪ちゃんが……行方不明になって、どのくらいだっけ」 紬「……。8月だったから、3ヶ月、経ったかな」 唯「……そっか」 紬「……うん」 唯「……みんな、ずっと落ち込んでたけど」 紬「……」 唯「あのメールが届くようになってから、りっちゃんが言ったんだよね」 紬「……。澪ちゃんが戻ってきたときにいつも通りの顔で迎えたいから」 唯「だから、みんなできるだけいつも通り過ごそう……」 紬「うん……」 唯「あの時は、りっちゃん強いなあって思ったよ。……思ったけど」 紬「……」 唯「りっちゃん、すごく無理してるよね」 紬「うん。毎晩唯ちゃんか私の部屋に来るのも、一人でいたくないからだと思う」 唯「……だよね」 紬「梓ちゃんの様子はどう? 憂ちゃん何か言ってた?」 唯「うん。あずにゃんも前より落ち着いて、受験勉強も再開したって」 紬「そう……。良かった」 唯「うん……」 紬「……」 唯「ねえムギちゃん。りっちゃんに、毎日届いてるメール……」 紬「……」 唯「ホントに、澪ちゃんからだと思う?」 紬「……。わからないわ」 唯「私もりっちゃんみたいに、澪ちゃんからだって信じたいけど……」 紬「……うん。でも……」 唯「……」 紬「……」 唯「……今日はもう、寝よっか」 紬「……うん、そうね」 ザアァァァァァ…… *** コンコン ガチャリ 紬「りっちゃん……は、まだ寝てるか……」 ピロリロン♪ 紬「!」 ーーーーーーーーーー Date 11/26 22 01 From 澪 Sub: ーーーーーーーーーー 律、おはよう。具合は どう?悪いようならや せ我慢しないですぐ病 院に行くんだぞ。ムギ に頼んで栄養のあるも の食べさせて貰うとい いよ。くれぐれも無理 しないようにな。 ーーーーーーーーーー 7