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光の使い魔 Summon 1(光) / 400f ファミリアーの召喚 Atk=0 HP=1 光の使い魔が対戦相手にダメージを与えた際、あなたは1MPを得る。 -- http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/27456/1135510382/826 参照:炎の使い魔, 水の使い魔, 風の使い魔, 闇の使い魔 コメント欄 名前 コメント
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康一達がマリコルヌに地獄を見せていた同時刻、 本塔の最上階にある学院長室で、ちょっとした騒ぎが起ころうとしていた。 トリステイン魔法学院の学院長を務めるオスマン氏が、白いひげと髪を揺らして、退屈そうにしていた。 「暇じゃのう……」 オスマンは、机に手をつきながら立ち上がり、理知的な顔立ちが凛々しい、ミス・ロングビルに近づいた。 椅子に座ったロングビルの後ろに立つと、重々しく目をつむった。 「こう平和な日々が続くとな、時間の過ごし方というものが……」 「オールド・オスマン」 オスマンが、年季の入ったしわをよせながら重々しく語ろうとするが、ロングビルによって遮られる。 「なんじゃ?」 「暇だからといって、わたくしのお尻を撫でるのはやめてください」 オスマンは口を半開きにして、耳をロングビルに向けながら聞く。 「え? ポッポ ポッポ ハト ポッポ?」 「都合が悪くなると、ボケた振りをするのもやめてください」 どこまでも冷静な声でロングビルが言った。 オスマンは深くため息をついた。そして真剣な顔をしながら語る。 「そういえば、昨日召喚されたという平民の少年はどうしてるんじゃろうな? 後で様子でも……」 「少なくとも、私のスカートの中にはいませんので、机の下にネズミを忍ばせるのはやめてください」 ロングビルの机の下から、小さなハツカネズミが現れた。 オスマンの足を上り、肩にちょこんと乗っかって、首をかしげる。 「気を許せる友達はお前だけじゃ。モートソグニル」 そう言って、ネズミの前にナッツを振る。 「ほしいか? カリカリの欲しいじゃろう? なら報告をするんじゃ」 ネズミは、ちゅうちゅうと鳴きながら、オスマンに耳打ちした。 「そうかそうか、白か。純白か。よーし、よしよしよしよしよしよしよしよしよしよし! よく観察してきたのう、モートソグニル! 褒美をやろう。いくつ欲しいんじゃ? 二個か?」 ネズミは、顔を横に振って、ちゅーうちゅうちゅうちゅう! と鳴いた。 「三個欲しいのか? カリカリのを三個……。いやしんぼじゃのう! よし、三個くれてやろう!」 ロングビルが眉をぴくぴくとさせながら、その光景を見ていた。 「オールド・オスマン」 オスマンは、ネズミに向かってナッツを放り投げながら聞く。 「なんじゃね?」 「今度やったら、王室に報告します」 その言葉を無視するかのように、オスマンはネズミと戯れていた。 ネズミが手を使わずに、全てのナッツを口でキャッチして、カリコリさせながらナッツを食べている。 「よォ~しよしよしよしよしよしよしよしよしよし! とってもいい子じゃぞ、モートソグニル!」 うれしそうにネズミを撫で回すオスマン。 その光景を見ていたロングビルは、オスマンの背後に無言の圧力をかける。 「下着を覗かれたぐらいでカッカしなさんな! そんな風に怒ると、余計にしわが増えるぞ。 これ以上、婚期は逃したくないじゃろう。 ぁ~~~~、若返るのう~~~、何というスベスベの……」 オスマンが、ロングビルのお尻を堂々と撫で回し始めた。 ロングビルは立ち上がり、無言で上司の顔面を手の甲の部分で引っぱたいた。 バギィッ! 小気味良い音を立て、オスマンは地面に倒れる。 追撃といわんばかりに、ドガドガドガと、オスマンの体中に何度も蹴りを入れ続ける。 「ごめん。やめて。痛い。もうしない。ほんとに。許して!」 「このッ! このッ! このエロじじぃがッ! 思い知れッ!!」 普段の冷静なロングビルとは思えない台詞を言い放ちながら、尚もオスマンに蹴りを入れる。 「あだッ! うげッ! ごげッ! と、年寄りを、きみ。ちょま、まって。折れちゃう! はぐッ!」 「私の清らかな部分を! よくも汚れた指先で! いやらしく撫で回してくれたわねッ!」 ロングビルは完全にプッツンしているようで、目を尋常じゃないほど見開いている。 迂闊なことをしたと後悔しながら、意識が遠くへいきそうになるオスマン。 オスマンが失禁寸前になっていたその時、 ドアがガタン! 勢いよくあけられ、中堅教師のミスタ・コルベールが飛び込んできた。 「オールド・オスマン!!」 「……」 返事がない。 ロングビルは何事も無かったように机に座っているが、オスマンはピクピクと体を痙攣させていた。 いつものことなので、特に気にも留めずにコルベールは話を進める。 「たた、大変です! ここ、これを見てください!」 『炎蛇のコルベール』の二つ名を持つコルベールは、 白目をむいて気絶しているオスマンを燃やして、強制的に意識を覚醒させる。 そして、図書館にあった書物をオスマンに手渡した。 「これは『始祖ブリミルの使い魔たち』ではないか」 オスマンは何事も無かったかのように、書物をマジマジと見つめている。 「これが一体どうしたと言うんじゃ。 こんな古臭い文献など漁ってる暇があったら、貴族から学費を徴収するうまい手を考えるんじゃよ。ミスタ……、なんだっけ?」 オスマンは首を傾げた。 「コルベールです! お忘れですか!」 「そうそう。そんな名前だったな。それで、この書物がどうかしたのかね? コルベット君」 「コル 『ベール』ですッ! わざとらしく間違えないで下さい!!」 だめだコイツ……、と思いながら頭を抱えるコルベール。 「とにかく、これを見て下さい!」 コルベールは、康一の手に現れたルーンのスケッチを手渡した。 それを見た瞬間、オスマンの表情が変わった。目が光って、厳しい色になった。 「ミス・ロングビル。席を外しなさい」 ミス・ロングビルは立ち上がり、部屋を出て行った。 彼女の退室を見届け、オスマンは口を開いた。 「詳しく説明するんじゃ、ミスタ・コルベール」 ルイズがめちゃくちゃにした教室の片付けが終わったは、昼休みの前だった。 罰として、魔法を使って修理することが禁じられたため、時間が掛かったのである。 といっても、片づけをしたのは殆ど康一で、ルイズは面倒くさそうな顔で机の煤を拭いただけだった。 新しい窓ガラスや重い机を運ばされた康一はくたくたになりながら、食堂へ向かうルイズの後ろを歩いてる。 「……」 「……」 二人とも無言であった。 ルイズは不機嫌そうにしており、康一は話す気力もないと言った感じで肩を落としてる。 だらだらと歩く康一に我慢できなくなったルイズが、康一に向かって怒鳴りつける。 「ちょっと! 私の使い魔らしく、もっとシャキっとなさい、シャキっと!」 康一は、何も答えずにノロノロと歩いている。 「人の話を聞いてんの? この犬!」 犬と言われた康一は、ムッとしながらも何とか堪え、ルイズの所までスタスタと歩いた。 ルイズの肩に手をポンと置き、散々コキ使われた恨みを籠めながら笑顔で返事をする。 「僕もシャキっとしたいんだけど、何せもう体力が 『ゼロ』 だからなぁ~」 康一は、『ゼロ』の部分だけ声を張った。 ルイズの眉毛がぴくぴくと動き、歯はギリギリと不協和音を奏でていた。 「いや、本当は僕も急ぎたいけど、体力が『ゼロ』だし、気力も『ゼロ』だからさぁ~!」 「ふーん、へぇ~、そーなの。 体力が無いなら仕方ないわね~」 ルイズは笑顔で、しかし、万力の力を込めるように、拳を握った。 それを見た康一は、ヤバイと思って、後ずさりしながら離れる。 「さ、さあ~てッ! 早いとこ食堂に行こ……」 ルイズの右ストレートが、康一の左頬にクリーンヒットする。 バギィッ! という音が、食堂へと続く廊下に響いた。 康一は、明日の食事も全て抜きとされてしまった。 殴られた左頬を押さえながら、康一はシエスタに案内された厨房へ向かっていた。 口の中は鉄の味で充満しており、虫歯になった時のように、ジンジンと痛みが走っている。 「あら、コーイチさん」 厨房の前に到着すると、シエスタが大きな銀のトレイで、何枚もの皿を運んでいる最中だった。 康一は、シエスタのところまで駆け寄り、一礼をした。 「どうも、シエスタさん。朝はお世話になりました。運ぶの手伝いますよ」 そう言って、シエスタの持っていたトレイを持ち上げる。 しかし、片づけで大幅に体力を失っていたこともあり、持ち上げた体勢のままプルプルと震えて動けなくなる。 「あ、あの……無理はなさらないほうが……」 シエスタが康一を心配そうに見つめる。 「だ、だ、だ、大丈夫……です。あ、いや……。やっぱまずいかも……」 シエスタは、康一の両手に重なるように手を置き、トレイを持ち上げるのを手伝う。 「す、すいません……」 シエスタの手に触れていることも相まって、康一は顔を真っ赤にして俯いた。 「一緒に運びましょう。二人で運べば、お互い楽に運べますから」 そう言って、可愛らしい笑顔でニコリと微笑むシエスタ。 康一は十分の一でもいいから、シエスタの優しさをルイズに分けてほしいと思った。 皿が乗っているトレイを、厨房のテーブルに乗せる。 トレイから皿を下ろしていると、料理を作っていたコックが皿を何枚か要求した。 康一が皿を持っていき、コックが料理を盛って、再び康一に手渡す。 シエスタが康一から料理を受け取り、何枚か大きな銀のトレイに乗せて食堂へと持っていった。 数分後、メイン料理の全てを運び終えたメイドたちは、デザートの時間になるまで昼食を取っていた。 「うーん、やっぱおいしいッ!」 康一も、シエスタを含むメイドたちと賄い料理を食べていた。 今日の賄いはシチューらしく、康一の腹を満たすには充分すぎる程の量が入っている。 シエスタは、その様子をクスクスと笑いながら見ている。 「……? どうしたの?」 「コーイチさんって、本当においしそうに食べてくれますね」 「そりゃあ、本当においしいんですから、自然とそうなりますよぉ~!」 そう言って、満面の笑みでシチューを頬張る康一。 ルイズに殴られた傷なんて、気にならないくらいであった。 「この後、デザートを運ぶんですよね? 僕も手伝いますよ」 「そんな、そこまでしてもらうわけには……」 既に厨房の仕事を手伝って貰っており、これ以上手伝ってもらっては申し訳ない、とシエスタは思った。 「いえ、朝もご馳走になりましたから、是非やらせて下さい!」 「……わかりました。なら、手伝って下さいな」 康一の素直な瞳を見て、断っては逆に失礼だと思ったシエスタは、デザート運びを手伝ってもらうことにした。 大きく頷き、康一は再びシチューを食べ始めた。 大きな銀のトレイに、デザートのケーキが並んでいる。 康一がトレイを持ち、シエスタがはさみでケーキをつまみ、一つずつ貴族たちに配っていく。 「なあ、ギーシュ! お前、今は誰と付き合ってるんだよ!」 声のした方を見ると、金色の巻き髪にフリルのついたシャツを着た、キザなメイジがいた。 薔薇をシャツのポケットに挿している。どうやら友人らしき人物と話をしているようだった。 「誰が恋人なんだ? ギーシュ!」 「つきあう? 僕にそのような特定の女性はいないのだ。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」 あの人、自分を薔薇に例えるなんて、よっぽど自分の容姿に自信があるんだなぁ~。 などと思いながら次の席までトレイを運ぶ。 特に興味もなかった康一は、すぐに視線を元に戻した。 次の席にケーキを配ろうと康一が移動した時、シエスタが何かに気づき、はさみをトレイに置いた。 「すみません、ちょっと待ってていただけますか?」 「あ、はい」 そう言って、シエスタはさっきのキザな男の元に駆け寄った。 知り合いかな、と思いながら康一が見ていると、何やら少しモメているようだった。 シエスタは困った顔をして、オロオロとしていた。 何かあったのかと思い、トレイをテーブルに乗せて康一がシエスタに声をかける。 「どうしたんですか?」 「あ、それが……」 その時、一人の女性がキザ男に向かってコツコツと歩いてきた。 「ギーシュさま……。 やはりミス・モンモランシーと……」 「彼らは誤解しているんだ。ケティ。いいかい、僕の心の中に住んでいるのは……」 ギーシュと呼ばれた男がそう言いかけた時、パァンッ! という音が、食堂に響いた。 ケティと呼ばれた女性が、ギーシュの頬を思いっきり引っ叩いていた。 「その香水が貴方のポケットから出てきたのが、何よりの証拠ですわ! さようなら!」 ギーシュは頬をさすった。 康一が何事かと思っていると、康一を押しのけて、また一人の女がギーシュの前に現われた。 「モンモランシー。誤解だ。彼女とはただ一緒に、ラ・ロシェールの森へ……」 「やっぱり、あの一年生に、手を出していたのね?」 モンモランシーは、テーブルに置かれたワインのビンを掴むと、中身をどぼどぼとギーシュの頭の上からかけ、 「うそつき!」 と怒鳴って去っていった。 しばし、なんともいえない沈黙が流れた。 ギーシュはハンカチを取り出すと、ゆっくりと顔を拭いた。 そして、首を振りながら芝居がかった仕草で言った。 「あのレディたちは、薔薇の存在の意味を理解していないようだ」 康一は、この人二股かけてたのか、まあ自業自得かな。などと思っていた。 あんまり惨めな姿を見ていると可哀想だったので、康一はすぐにその場を去ろうとする。 「……メイド風情がやってくれたね。君が軽率に、香水のビンなんかを拾い上げたおかげで、 二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだい?」 シエスタは、体を震わせながら、半泣きで土下座をする。 その光景を見た康一は、ピタリと足を止め、ギーシュの元へと引き返した。 「も、申し訳ございません!」 「謝って済む問題じゃない。キミには責任を取ってもらうとしよう。 ここのメイドをやめて、今すぐトリステインから出て行ってくれたまえ」 そう言って、ギーシュはシエスタの元から去ろうとする。 それを聞いていた康一が怒りをあらわにしながら言った。 「ちょっと! 何もそこまでする必要はないじゃないですか!」 「ん? 君は確か……ゼロのルイズの使い魔だったか。 使い魔如きが、軽々しく僕に話しかけないでくれたまえ」 使い魔如きと言われカチンとするが、 それよりも頭に来たのは、ギーシュが自分の責任をシエスタに押し付けてることだった。 「話を聞いていると、悪いのは明らかにキミの方だ! 大体、二股をかけてるのが悪いんじゃあないか。自業自得だよ!」 ギーシュの友人たちが、どっと笑った。 「確かにその通りだ! ギーシュ、お前が悪い!」 「そうだ、お前が悪い!」 それを聞いていた、周りのギャラリーたちも、一斉にギーシュを攻め立てた。 「責任転嫁するなんて、かっこ悪いぞ!」 「この極悪人め!」 「キミが真の邪悪だ」 周りから好き放題言われるギーシュ。 プルプルと振るえ、顔を怒りの形相へと変えた。 「よくも……僕にこんな恥をかかせてくれたな……」 歯をギリギリとならし、康一をキッと睨みつけている。 康一も負けじと、ギーシュを真っ直ぐ見る。 「そうやって、なんでもかんでも人のせいにするのは止めた方がいいよ。 全てキミが悪いじゃあないか。周りの皆だって、そう言ってるよ」 うんうん、と頷くギーシュの友人とギャラリー達。 「……どうやらキミは貴族に対する礼を知らないようだな。 よかろう、ヴェストリの広場で待っている。ケーキを配り終えたら来たまえ」 くるりと体を翻し、ギーシュと、その友人たちが去って行った。 「コ、コーイチさん! 逃げて下さい! 殺されちゃいます!」 「シエスタさん」 「悪いのは私なんです! だから、行くのは絶対にやめて下さい!」 「シエスタさん、聞いて下さい」 康一は地面に座り込んでいたシエスタの手を取って、立たせた。 その姿は、体の小さな康一とは思えないほど、凛々しかった。 ドキリと胸をならし、シエスタは思わず視線をそらす。 「僕が逃げるってことはつまり、シエスタさんの名誉を汚すことになります。 シエスタさんは何も悪くないんです。だから、自分が悪いなんて言うのはやめて下さい」 康一は、真っ直ぐにシエスタを見ながら言葉を続ける。 「それに、僕は彼に解らせてあげなければならないんだ。『お前が悪いんだ』ってね。 大丈夫。僕は一度殺されそうになったことがあるからね。あんな奴、ちっとも怖くなんかないよ」 そう言って、康一はテーブルに置いたトレイを持った。 「さ、それより、早くケーキを配りましょう。皆さん、お待たせしてすみません」 康一達は、残りのケーキを貴族達に配っていった。 To Be Continued →
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クロス元はサガ・フロンティア、 時の君を召喚 時の使い魔-01 時の使い魔-02 時の使い魔-03 時の使い魔-04 時の使い魔-05
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一行はラ・ロシェールの高級ホテル、「女神の杵」の1階の酒場「ジョディ・ターナー」で休めていた。 ギーシュは酒を飲む余裕も無く、ぐったりとし、ルイズとタバサは嗜み程度にグラスをたまに傾けていた。 キュルケはトリステインワインの利き酒をし、ルイズからこれは任務だと窘められるが気にしない。 ワムウは暖炉の前のソファにどっかりと座っている。 明日の乗船のために桟橋へ交渉に行っていたワルドが帰ってくる。 「アルビオンに渡る船は二つの月が重なる今夜の『スヴェル』の月夜のせいで明日 最も大陸とここが近づく。軍船でもない限り、短い距離でアルビオンの高度まで上がれるだけの 馬力も、大陸の周りを一周して入るだけの風石を積むスペースも確保できないそうだ」 ルイズが声を漏らす。 「そんな…急ぎの任務なのに…」 「慌てることはないさ、明日明後日でアルビオンが落とされると決まったわけではない」 ギーシュは一日いっぱい休めるとわかり、ほっと一息つき、酒に手を出す。 「ちょっとギーシュ、飲みすぎないでよ」 ルイズが釘をさす。 「酒は百薬の長ともいうだろ、体の調子を明後日には戻さないといけないし」 「良薬は口に苦しよ」 「いいじゃないか、ここの酒の一覧を見てみなよ。見ただけでよだれズビッ!だよ」 「ちょっとワルド、こいつになにか言ってよ」 「じゃあ彼が酔いつぶれる前に酒場は引き上げて部屋に行くとするか。 部屋割りはミス・タバサとミス・キュルケで一部屋、もう一部屋はギーシュくんとワムウくん、 あとの一部屋は僕とルイズで構わないかね?」 ワルドは一行に提案するが、彼と同部屋だということにルイズが異議を唱える。 「そんな、ダメよ!わたしたち結婚したわけじゃないんだから!」 しかしワルドは首を振る。 「大事な話があるんだ」 高級ホテルの最上級の部屋だけあって、かなり上等なたたずまいであった。 ロマリアと小さく書かれたセンスのいいテーブルにワルドはつく。 「一杯どうだい、ルイズ」 これまた上等なワインをグラスに惜しげもなくついでいき、ルイズはグラスをテーブルに置く。 「二人に、乾杯」 ルイズは俯いたままグラスを掲げ、小さく高い音が響く。 「姫殿下から頂いた手紙はちゃんと持っているかい?」 「もう、子供扱いしないで」 ルイズは大事そうに包装されている手紙をポケットから取り出す。 「おやおやルイズ、煌びやかなのはいいが、 敵が狙ってきたときそれが目的のものだとすぐバレてしまうよ?」 「心配しないで、本命はこれの下だから」 その包装された手紙の入っていたポケットの裏側に、質素な手紙が縫いこまれていた。 「…ずいぶん、用意周到だね、ルイズ」 「一日あればこれくらいは学園でも用意できるわよ」 「いや、そうじゃなくて…なんというか、失礼かもしれないけど君は、なんというか正直すぎるからね。 筋を通すと決めたら回りも見ずに駆けていくような…そこが君の魅力でもあると思うけどね」 「最近裸足で薄氷の上を突っ込むような奴にあってね、 走る前に靴を結ぶくらいはしておこうと思うようにったのよ」 「なんだか色々あったみたいだね、もしかしてそれはあの使い魔のことかい? 彼ならその上、炎のスクウェアでも持ってこないと止められないだろうね。 なんたって彼は伝説の使い魔、『ガンダールヴ』だからね」 ルイズは限られた人間しか知らないそのことを聞かされ、驚く。 「ワルド、知ってたの?」 「どうやらその反応なら間違いじゃなかったみたいだね。野盗どもに襲われたとき手に描かれてあったルーンをみてね、 もしかしてと思ってさっき桟橋で交渉するついでに立ち寄って調べてみたんだが大当たりのようだね。 あれは誰にでも持てる使い魔じゃない、きみは他人には無い特別の力を持っているんだ」 「そんな、冗談はやめてよワルド。爆発を特化して一握りの火薬でも身に付けろって言うの?そんなのごめんだわ」 「そうじゃない、君はまだ目覚めてないだけさ。きみは始祖ブリミルのような歴史に名を残すメイジになるような気がするんだ」 ワルドの熱い口調に、お世辞以上のものを感じ取り、ルイズは俯く。 「なあルイズ、この任務が終わったら結婚しよう」 「へ?」 突拍子の無い、しかしルイズにとっては衝撃的な一言に顔を上げ、呆けた声と顔を見せる。 「僕は魔法衛士隊の隊長で終わるつもりはない。いずれは国にさえ影響力を持つような、このハルケギニアすら動かすような 貴族になりたいと思っている。それには君が必要なんだ」 「そ、そんな…まだ早いわ…」 「君はもう十六だ、もう子供じゃない。自分のことは自分で決められる年齢だ」 その真剣さに押され、ルイズは少し考えた後、口を開いた。 「で、でも…私はまだそんなあなたに釣り合うような立派なメイジじゃない…父上、母上から町の商人まで 皆に認めてもらえるようなメイジになってないのし、ならなくちゃいけないの。もちろんあの使い魔にも」 「それじゃあ、もう寝ようか。さすがにこれだけの強行軍だ、疲れただろう」 そういってワルドは腰に手を回し、唇を近づけてくる。 しかし、それをルイズは押し戻す。 ワルドは苦笑いをうかべ名残惜しそうに手を離す。 「少し急ぎすぎたようだね、じゃあ寝ようか」 部屋の光は一つに重なりかけている月だけになった。 月は沈み、日が昇る。 ワムウとギーシュの部屋にコンコン、とドアを叩く音が響く。 「どなたでしょーか」 ギーシュが顔を出す。 そこには羽帽子をかぶったワルドがいた。 「あれ、出発は明日でしたよね?」 ワルドはハハハと笑う。 「いやいや、これは任務関係じゃないんだ、あのワムウといったね、ルイズの使い魔に興味があってね」 「ああ、ワムウならいませんよ」 「へえ、ずいぶん早起きなんだね」 「いやいや、昨晩からこの部屋にはいなくて」 ワルドが怪訝な顔をする。 「なに?ではどこにいってるんだね?」 「普通の人間の部屋や寝床ではあわんから適当に探してくるといって窓から街へ」 ワルドは悩みこむ。 「ふむ、彼は見た目によらず火遊びが好きなのかな?それとも見た目どおり酒でも飲み歩いてるのか…」 「どちらも違うと思いますよ、彼は女どころか人に対してまともに接しませんし、酒なんか飲んでるところはみたことないですし」 「ふむ、そうか…すまなかったね、ギーシュ君」 ワルドは頭を抱えながら一階の酒場へと降りていく。 驚いたことに、すでにワムウが暖炉の前のソファに腰掛け、本を読んでいた。 「おはようワムウくん」 「なにか用か?」 「ふむ、君は文字が読めるのか。人間ではないようだが人語を解するし…識字はどこで習ったんだね」 「3時間前からこの剣にわからん部分を聞いていた」 壁にはオレっちこんな屈辱的な役立ち方初めてだよと涙声でこぼすインテリジェンスソードが立てかけられていた。 「ふむ、インテリジェンスソードか。しかし、剣に聞いたんじゃ効率が悪いだろう。いくらなんでもその本は早すぎないか?」 「ラテン語に似ている部分もあったんでな、この程度の本はもう読める」 貴族として教育を受けてきたワルドでさえもちょっと敬遠したくなるような厚さの本で、どうみても児童向けや 教育用として適さない物であった。 「君、ぼくをもしかしてからかってるのか?」 「なぜ俺がお前をからかう必要がある」 「…じゃあこの文はなんと読むんだね?」 「『昨今のアルビオン大陸の風石の貿易戦略と歴代王の傾向について』」 「ここは?」 「『トリステインに幽霊が出る――産業革命という幽霊である』」 「…じゃあこれは?」 ワルドは手元にあった紙に筆を走らせる。 「『いいもわるいもメイジしだい、ゴーレムゴーレムどこへいく』」 ワルドはあっけに取られる。 「亜人だっていうのになかなかの知能だね、人間のようじゃないか!」 「人間と我々を比べるな、覚えるだけが知能じゃないだろう」 「しかし驚いた…あの伝説の使い魔『ガンダールヴ』の上に数時間で文字を覚える知力とは」 ワムウが首を傾げる。 「『ガンダールヴ』?俺が読み漁った中にはそんな言葉はなかったが…一般的な語なのか?」 ワルドは明るく笑う。 「なんだ、君は知らなかったのか。始祖ブリミルはわかるかな?」 「ああ、東方に住む強力なエルフの集団に比肩しえる程の能力を持ったメイジらしいな、 それ以外のことが書かれている物もあったが神格化されているためか誇張が多くて信頼できん」 「『ガンダールヴ』とはな、その始祖ブリミルが従えていた四体の使い魔の内の一体で、どんな武器も操ったといわれている」 「そうだそうだ相棒、まさか『ガンダールヴ』に二度も握られるとは思わなかったぜ」 壁のデルフリンガーが口を挟む。 「ふむ、君は以前にも『ガンダールヴ』に振るわれていたのかね?」 「おう、いやーあいつはすごい奴だった。今度の相棒はそれ以上にすごいオーラがただよってるんだぜ、 さっき言ったとおり相棒は武器を操れば今にも増して身体能力があがるんだぜ?」 「ハハハ、剣のクセに持ち主よりよく話すじゃないか、そこでだ、ちょっと手合わせしてみたいんだが」 「手合わせだって?俺とお前がか?」 「軽い決闘みたいなものさ、もちろん僕は杖を使う。君もその剣を使うといいさ」 「よーし相棒、やっと俺の出番か、見せてやるぜ俺のすごさを!」 しかし、ワムウは乗り気ではない。 「明日アルビオンに行くんじゃなかったのか?」 ワムウの発言に再びワルドは明るく笑う。 「言ってくれるね、しかし安心したまえ。多少の怪我なら近くの治療師に頼めばいい」 「その治療師とやらが胴体と首が離れても助けられるか、腹に穴を開けられても助かるほどお前が丈夫ならいいだろう。 そんな覚悟もなしに決闘を挑むのか?『軽い決闘』だと?貴様は戦い、ひいては戦士を侮辱しているのか?」 「これでもグリフォン隊隊長、奇襲ならともかく錆びた剣の使い手に真正面から一撃でやられるなんてことはないだろうさ。 それより僕は風のスクウェア、気をつけるのは君のほうじゃないか?風は急には止まれないよ」 「だ、誰が錆びた剣…」 デルフリンガーを鞘にしまい、ワムウはソファから立ち上がる。 「いいだろう、そこまで言うなら少々遊んでやる、貴様ごときには軽い決闘すら相手にはしない」 ワルドは少々険悪な目でワムウを見据える。 「まあ、なんとでもいうがいい。中庭決闘に丁度いい錬兵所がある。ついてきてくれ」 日差しがさす中庭。 ワムウにはあまりいいコンディションとはいえなかった。 先についていたルイズが決闘すると聞き、止めようとする。 「ちょっと中庭に来てくれって、決闘ってなによ!今はそんなことしている場合じゃないでしょう! 両方ともやめなさい!特に、ワムウ」 「彼が言うには決闘でもないよ、ただのじゃれあいさ」 「そうじゃなくて、えーと…その…」 ルイズはワムウを止めるのは無理だと考え、次にワルドのプライドを損ねることなく止める発言を考える。 しかし無常にも彼女が考えている間に両方の準備は整ってしまった。 ワルドは威勢良く叫ぶ。 「では、始めよう!」 ワルドは杖を片手槍のように構え、ワムウに向ける。 ワムウはワルドに向かって、歩き出す。 「余裕なのはいいが、メイジ相手に少し悠長じゃないかい?」 杖から風の刃が数個飛び出す。 ワムウはその間を最小限の動きでかわし、スピードを落とさず歩きつづける。 ワルドは顔色一つ変えずに、もう一度何発か風の刃を放ちながら今度はワムウに接近する。 「遊びだからといってメイジに詠唱させたまま近づけるのは危険だ、覚えておきたまえ!」 言い終えると同時に2メイル程の距離で先ほどより大きい刃を放つ。 確実に当たると思ったが、その直後。 ワムウはその刃をかいくぐり、前にステップする。 2歩目の足が着地すると同時にワルドの脇腹にデルフの柄を叩き込む。 ワルドがくぐもった声を出したと同時に、彼は顔面に回し蹴りを食らい、気絶した。 「決闘ごっこだからといって戦士に無防備のまま近づくのは危険だ、覚えておくんだな。 まだギーシュの方がマシだったな、しかし、15行とは情けないぞ、隊長殿」 もちろんその声は彼には届いていなかった。 ルイズの激昂した声を無視し、ワムウは中庭を出て行った。 To be continued.
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ルイズは城下町の通りをディアボロを従えて歩いている 目的地は武器屋、ディアボロに武器を持たせようというのだ ディアボロからすれば扱えない武器など邪魔になるだけなのだが、ルイズにはルイズの考えがあった (ディアボロの都合や意思は関係ないのだ) 決闘騒ぎでの思惑が外れたルイズはディアボロの評価について半ば諦めていた (ちなみにギーシュが人の使い魔を殺したことについては貸し一つという事で話がついた 生きているところを見られたら物凄い頑丈で実は生きてたと誤魔化す心算だ) たとえ力があろうとも振るう前に死んでしまうのでは意味がない だから見た目だけでもそれらしくする為、武器を持たせようと考えたのだ 幸いディアボロの体格は悪くはないから、物によってはそれなりに映えてくれるだろう 貴族とは縁遠そうな路地裏を進んだ所に武器屋は在った 中に入ると慌てた様子でまくしたてる店主を無視して、ディアボロに合う武器を見繕うよう言いつける 店主が店の奥から何振りかの剣を持って来てあれやこれやと口上を述べ立てる ルイズはその中から特に立派な一振りに目をやった 「これは?」 「ああ!若奥様、御目が高い。 これはかの高名なゲルマニアの錬金術師シュペー卿の鍛えた業物で、鉄さえ切り裂く代物でさぁ 御値段の方は相応に張りますが、貴族の従者に持たせるんであればこれ以上のものはございませんぜ」 振るどころか抜くのも苦労しそうな大剣だが、ルイズにしてみれば見た目重視で実用性などどうでもいいのだ 「これにするわ、おいくら?」 「エキュー金貨で2千、新金貨なら3千」 「おい親爺、ボリすぎだろソリャ」 唐突に声が響いたかと思うと抜き身で壁側に積んであった剣が一斉にディアボロ目掛けて崩れ落ちた 「………………………………………………………………………………」 「あれ?これってオレのせい?」 ■今回のボスの死因 崩れ落ちてきた剣に全身を串刺しにされて死亡
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おれたちは馬車にのってフーケの隠れ家に行くらしい。 どー考えても罠だ。だってそこに行くための馬車を動かしているのがそのフーケなんだぜ? でもおれはそれを言わない。 何故かってーと我が敬愛するご主人様はそんな事聞いてこないからだ。 いやー使い魔の見本だねおれは。 しばらくして馬車が森の深い所に止まった。 「ここからは徒歩で行きます」 フーケがそう言った。 「よし、行くわよ」 気合のはいってるご主人様。 がんばれよ、応援してるぜ。 フーケの隠れ家(絶対隠れてないけど)は空き地のような所にあった。 作戦はこうだ。偵察兼囮が小屋のそばに行って、中を確認。 フーケがいれば挑発しておびき出す。 そしてその肝心の偵察兼囮は誰がやるんだ? 「すばしっこいの」 黙れタバサ。顔がいいからって怒らないと思うなよ。 「それに使い魔なんだから見たものをルイズも見れるでしょ?」 黙れキュルケ。胸がデカイからって…怒れないな、おれには。 「う…そ、それは…」 「何?もしかして出来ないの?m9(^Д^)プギャー」 「m9(^Д^)プギャー」 タバサまでやりやがった。 空気を読んでおれもm9(^Д^)プギャー ルイズに蹴られた。何でだろ。 小屋の中には案の定誰もいない。おれはルイズたちに報告する。 「だれもいないぜ~~~~~!」 「大声を出すなぁ!!近くにいたら気づかれちゃうでしょ!!」 ビックリマーク二つだしお前の方がデカイじゃねーか。 警戒しながら小屋の中にはいるルイズたち フーケのヤツは「辺りを偵察してきます」とか言っていなくなった。 コレ絶対ゴーレム来るよ。ルイズの魂をかけてもいい。 小屋の中が騒がしい。どうしたんだ? 「秘宝があったのよ!」 そりゃ良かった、なら早いとこ帰ろうぜ。ゴーレム来るから。 いやもう後ろに来てるから。 「ルイズー後ろ後ろ」 「後ろ?後ろに何があるって…くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」」 声にならない悲鳴。 パニック全開のルイズ。それを落ち着かせたのはおれの後ろから聞こえてきた言葉だった。 「うろたえるんじゃあないッ!フーケ討伐隊はうろたえないッ!」 勇ましい言葉だ。でも誰が言ったんだ? おれがその声の主を探すために振り返るとそこにいたのは… 意外!それはタバサッ! タバサの発言でゴーレムなんかよりタチの悪いパニックに陥ったルイズ。 だがキュルケとタバサは違った。魔法でゴーレムに攻撃する。 炎の玉と氷の矢の二重攻撃。こうかはいまひとつのようだ。 「どーすんだよ、効いてねえじゃん」 おれの言葉にキュルケは不適な笑みを浮かべる。 「ツェルプストー家には代々伝わる戦法があるのよ」 「おお!それは何だ?」 「それは……逃げる!」 「わあ~~~!!なんだこの女ーッ」 おっとボケてる場合じゃねぇな。確かに逃げねえとヤバイ、という事で 「ワオ~ン!(降りて来いッ!)」 おれの指示通りに下りてくるウインドドラゴンのシルフィード。 「タバサ、これ貴方の使い魔でしょ?あらかじめ待機させてたの?やるわね」 え?手下二号はタバサの使い魔だったのか? 「……」 「きゅいきゅい(お兄様の指示通りにしたのね!)」 タバサは何も言わない。どうやらお咎めは無しらしい。さっさと逃げよう。 手下二号にみんなが乗り込む。アレ?ルイズがいないぞ? 振り返って見てみると、ゴーレムに杖を向けてた。 「なっ!何をやってるだァ―――――ッ」 「敵を前にして逃げるなんて!そんなの貴族じゃない!」 ゴーレムを爆発させる。あまり効果はない。 「わたしは貴族よ。魔法が使える者を貴族と呼ぶんじゃないわ」 再度爆発させる。やはり効果はない。 「敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶのよ!」 「後で拾いに来いッ!」 手下二号に指示を出し走り出す。 ゴーレムがルイズを踏み潰そうと足を上げる。 だがその前にッ! 「ザ・フール!」 ザ・フールのパワーじゃゴーレムを止められない。でも砂で目くらましくらいは出来る。 おれは砂粒で相手の視界を奪い攻撃目標を見失わせ、ルイズの元へダッシュする。 そしてそのまま砂を使って自分たちのことをカムフラージュする。 「何やってんだお前!」 「だって…悔しくて…」 お、何かいつもより弱々しいぞ。今のうちにもっと罵っておこう。ってあれ? 「おい、何だそれ」 ルイズの持っている物をアゴで示しながら聞いてみる。 「ああ、これが秘宝よ。『魔除けの首輪』これがあれば敵が襲ってこないらしいわ」 「…それがか?」 おれはちょっと考えこんで、気が変わった。 「フーケを倒すぞ」 「え?」 おれはフーケの臭いを見つける。 そしてゴーレムが自立行動型だったとしても間に合わない速度でザ・フールをブチ込むッ! おれが戦闘を初めてから二行。ギーシュよりも短い時間でフーケを倒した。 「ちょっと!何ミス・ロングビルを攻撃してるのよ!」 「こいつがフーケだからだ」 「え?何言ってるのよ?何の証拠があってそんなことを言うの?」 「ゴーレムが止まってる。それが証拠」 「え?あ、ホントだ。…よく場所が分かったわね?」 「え?それは…えーと、ホラ、他の臭いが無かったから分かったんだ」 ホントの事言ったら怒られるだろうしな。 そして学院長室前。ルイズたちが今回のことを報告してるって訳だ。 おれは報告が終わったら話したいことがあるのでここで待機だ。 「失礼します。イギー、質問いいってよ」 やっとあの『秘宝』について聞ける、フーケを捕まえたのも無駄じゃなかったな。 「いらっしゃい。聞きたいことが色々あるじゃろうが大体分かっておる。左前足のルーンの事と秘宝のことじゃろ?」 左前足のルーン?なんだそれ? 左前足を見てみる。そこにあるのはおれの美しい足…に何か書いてある。 「何じゃこりゃあぁぁぁぁ!?」 どうやらコレは使い魔のルーンと言うらしい。ルイズの使い魔の証なんだとか。 「ガンダールヴの印でな、伝説の使い魔の印じゃよ」 「伝説?」 「そうじゃ。ガンダールヴはありとあらゆる武器を使いこなしたそうじゃ。お主も武器を持てば強くなるかもの?」 「おれ犬なんだけど」 「それがどうしたんじゃ?」 「武器をどうやって持つの?」 沈黙の学院長室 「それは…こう、後ろ足で立って前足で扱ったり、あとは口にくわえたりとか」 「難しそうだな」 そして秘宝についての話はこうだ。 百年以上前にオスマンが森で倒れていて 森にいる獣たちに襲われそうになった時 犬が一匹現れて獣たちと睨み合い、 戦う事無くその獣たちを引かせたそうだ。その上木の実等の食料もくれたとか。 オスマンはこの犬に感謝したがこの犬は別の獣と戦った傷跡がたくさんあり、 もう瀕死の状態だったとらしく、そのまま息を引き取ったらしい。 オスマンはその犬の墓を作りこの犬の首輪を形見として持ち帰り、 『魔除けの首輪』として秘宝扱いした。 おれは話を聞いていてその犬が獣たちを引かせたのは きっとその獣たちのボスが『こいつは精神的にも貴族だ』とか何とか言って気に入ったからだと思っていた。 そう思ったのも首輪にあった名前を見たからだ。 「そういえばこれ、文字だと思うんじゃがお主、読めるかのう?」 「『ダニー・ジョースター』だ」 きっとおれの知っているジョースターと同じ意味だろう。 ジョースターはやっぱり凄いんだな。 そんなことを考えながら学院長室を出た。 To Be Continued…
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炎の使い魔 Summon 1(炎) / 400f ファミリアーの召喚 Atk=0 HP=1 炎の使い魔が攻撃に参加した際、全てのクリーチャーと全てのプレイヤーに1点のダメージを与える。 -- http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/27456/1135510382/826 カテゴリ:本体火力, クリーチャー除去 参照:水の使い魔, 風の使い魔, 光の使い魔, 闇の使い魔 コメント欄 名前 コメント
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女盗賊が投獄された地下の監獄。 杖もない、金属もない、身動きもとれないで脱出は不可能だと早々に決め付け、観念した女盗賊。 眠りにつこうと思っていた刹那、階段の上からコツコツと靴の音が聞こえてくる。 「『土くれ』だな」 男は低い声を出した。 「あんた、何者?」 フーケは男に問い掛ける。男は質問には答えずに 「再びアルビオンに仕える気はないか?」 「ふざけたことを言わないで、それ以上そんな話をするようなら助けに来てもらったところ悪いけど死んでもらうよ」 半透明で薄緑色のゴーレムのような物体が現れる。 「物騒だな、勘違いをするな。アルビオンの王家に仕えろと言っているのではない。あそこの王家はもうすぐ倒れる」 「バカどもがドンパチやってるらしいからね」 「その片方のバカの誘いだ。トリステイン貴族などという枠を越え、この世界を憂う貴族たちの連盟だ。目的はハルケギニアの 統一、そして最終的には『聖地』を奪還する。手始めにあそこの風石と造船技術を頂く。造船所のお上は掌握済みだ、 最後の詰めに、そしてこの先の夢をキャンバスに描くためにお前のような優秀なメイジが一人でも多く欲しい」 フーケは肩をすくめて笑う。 「バカ言わないで、夢は寝ながら描くものよ。私は貴族が嫌いだし、ハルケギニアの統一なんかには興味が無いわ」 男は更に低い声を出す。 「断っても構わん。牢獄に転がっている死体にまで頼むほど人材は足りていないわけではないからな」 フーケはため息をつく。 「なら最初からそう言いなさいよ」 「そうか、なら話は早い」 男はフーケに杖を投げつけ、衛兵から奪ったであろう鍵で扉を開け、拘束具を外す。 「好きに脱出するんだな、三日後にラ・ロシェールの『サンジェルマン』で待っている」 フーケは男に杖を向ける。 「あんた、私をバカにしてるんじゃないの?殺すなんて脅した後に杖を渡されてそのまま従うほど従順じゃないね。 『ジャッジメント』!」 フーケのスタンドが檻を破壊し、杖からは男に向かって石礫が飛ぶ。 しかし、そこに立っていた男はもう影も形もなく、今度は数人『その男』が階段から降りてくる。 「『土くれ』、なかなか頭の回転が速いが、相手の属性もクラスもわからないまま攻めるのは感心しないな」 数人の『男』が同時に同じ声を出し、エコーのように響く。男は重なり合い、一人になる。 「『偏在』かい、一瞬で消えたのは魔力温存のため当たる前に引っ込めたのかい?」 「『偏在』の部分はその通り」 「ずいぶんと余裕だね、偏在は偏在に重なれない、あんたが本体だってのはわかりきってるのにね!」 もう一度フーケは石礫を飛ばす。 今度こそ男の体を捉らえる。 そして、男の体は消える。 「なッ!これも『偏在』!?」 今度は一人増えた『男』が階段から降りてくる。 「どうだい、力の差というものがわかったかな?これで断るようでも、ここの裏に墓標くらいは立ててやる」 フーケは再度ため息をつく。 「わかったわよ、完全敗北ね。当面の間は大人しく従ってあげるわよ」 「そうか、ではラ・ロシェールでな」 男は重なり、今度こそ一人になり、そして、今度は一人も居なくなり、消えた。 * * * 「で、ワムウ、わかってるの?ふざけたことしないで大人しくしてなさいよ?」 「ああ、大体わかった。この国の姫が学校の視察に来るのか、また騒がしくなりそうだ。俺は適当なところにいる」 「そうはいかないわよ、使い魔と主人は一心同体、あんたも出ないと失礼に当たるのよ」 「面倒だな」 「だから大人しくしてなさいって言ってるのよ」 ルイズはワムウに言い聞かす。 先ほどコルベールが珍妙な格好で授業に割り込み、姫殿下が行幸されると伝えて今日の授業は中止となった。 姫殿下が通過するというだけでその街道はさながらパレードで、近隣の一般人が多く集まっていた。 王室の紋章の入ったレリーフが街道に並べられ、ユニコーンの引く馬車の中からアンリエッタ姫が手を振る。 「トリステインバンザイ!」 「アンリエッタ姫殿下バンザイ!」 「マザリーニ枢機卿バンザーイ!」 「君に会えてよかった!」 脇の民衆から歓声が沸きあがる。 馬車は魔法学院の正門をくぐり、整列した生徒が一斉に杖を掲げる。 アンリエッタ姫が馬車を降りると、歓声があがる。姫は優雅に手を振る。 ワムウが呟く。 「あれがそのアンリエッタ、か」 いつもならば姫を呼び捨てにするなんてといってすごい剣幕でまくしたてるルイズだが、ルイズはその呟きには答えなかった。 視線の先には姫の近衛兵であろう羽帽子をかぶり、グリフォンにまたがっている貴族がいた。 ワムウは鼻を鳴らし、ルイズが見とれている隙に人ごみから抜け出していった。 * * * 日も沈み、二つの月が部屋を照らす。 鍵をかけないことが暗黙の了解となっている窓が外から開き、ワムウがルイズの部屋に入ってくる。 てっきり、途中でいなくなったことについてなにか言われるとでも思っていたが、 ルイズは放心状態で入ってきたことにも気づかないようであった。 が、ワムウは気にも留めず、部屋に来る目的であった先日買った剣を拾い再度窓から出て行こうとした。 その時、ドアが規則正しくノックされる。 ルイズはハッとしたように立ち上がり、ドアを開ける。 そこには頭巾を被った少女が立っていた。 「静かに」 少女は呟き、杖を出す。 それを一振りすると光の粉が部屋に舞う。 「ディテクトマジック?」 魔法の正体にルイズが気づき、怪訝な顔をする。 「どこに耳が、目が光っているかわかりませんからね」 と頭巾の少女は返事をし、頭巾を外す。 その少女は、昼間歓迎式典を行った相手である 「お久しぶりね、ルイズ・フランソワーズ」 アンリエッタ姫であった。 彼女は感極まったようにルイズを抱きしめる。 「ああ、ルイズ、ルイズ、懐かしいルイズ!私の友達のルイズ!」 「姫殿下、こんな下賎なところにお越しになられるなんて…」 「ルイズ、そんな堅苦しい行儀はやめてちょうだい!あなたにまでよそよそしい態度をとられたら、私死んでしまうわ!」 「ああ、そんな姫さま…」 二人は昔話に花を咲かせる。ワムウはそれをつまらなそうに眺める。 「……忘れるわけ無いじゃない、あの頃は毎日が楽しかったわ。なんにも悩みなんてなくって」 アンリエッタはため息をつく。 「姫さま?」 「あなたが羨ましいわ、王国に生まれた姫なんて、籠の鳥も同然…飼い主の機嫌次第であっちにいったりこっちにいったり…」 憂鬱げに外の月を眺め、呟く。 「ルイズ、私結婚するのよ」 「…おめでとうございます」 アンリエッタの陰のある言葉にルイズは手放しでは喜べなかった。 「…あら、そこに立っているのはどなた?」 アンリエッタはワムウに気づき、尋ねる。 「私の使い魔です、姫さま」 アンリエッタは感嘆の声を上げる。 「すごいじゃないルイズ、こんなすごい亜人を召還したなんて!あなたって昔から変わってると思ったけれど… こんな使い魔みたことないわ!」 「そ、そんな…確かにすごいことはすごいですが私の命令に従うことなんて滅多に無くて…」 「そんな謙遜することないわよ」 「まだ数日しか立ってないのに決闘騒ぎに色々と言えない事まで…もし使い魔にするならイモリかこいつを選べと言われたら 迷わずイモリを選びますわ」 ルイズは憮然とする。それに合わせるようにアンリエッタはため息をつく。 「どうしたんですか姫さま」 先ほどからの過剰ともいえるおかしな様子にルイズが尋ねる。 「…いえ、なんでもないわ・・・ごめんなさい、あなたに相談できるようなことではないのに…」 「なんでもおっしゃってください、姫さま。そんな様子ではとんでもないお悩みを抱えているんでしょう?」 「いえ、話せません…悩みがあるなんてことは忘れてちょうだい、ルイズ」 「そんな、私を友達なんて呼んでいただいたのに、悩みを話せないのですか?」 ルイズは語勢を強める。 アンリエッタは嬉しそうに微笑む。 「嬉しいわ、ルイズ。今日初めて私を友達と呼んでくれて。わかりました、そこまで言うのなら話しましょう」 「外しても構わないか?」 ワムウは面倒ごとに巻き込まれるのは勘弁だと思い、なおかつこの姫には大してよい印象を持っていなかった上での発言だったのだが 「あら、人語も介するのね!お気遣いは嬉しいけれども使い魔と主人は一心同体、外さなくて構いませんよ」 やんわりと一蹴される。 そして、静かに話し始める。 「これから、話すことは、他言無用ですよ…私はゲルマニアの皇帝に嫁ぐことになったのですが…」 「ゲルマニアですって!あんな野蛮な成り上がりどもごときのうすっぺらな藁の家が深遠なる姫様の砦に踏み込んで来るのッ!」 ルイズが甲高い声をあげ、語を荒げる。 「ええ、でも仕方ないの…反乱を起こしたアルビオンの貴族がこのまま順当に王家を倒せば、トリステインに攻め込んで くるでしょう……地理上は隣接しているようなものですし、ゲルマニアの軍事力は驚異的、ガリアとは政治的主張が 似通っています…あの反乱軍は腐敗した王家を倒すのが目的だといっていますが、その建前で同じような政治形態の トリステインに攻めてくることはリンゴを幹から切ったら地面に落ちるくらい確実なの… それで、軍事的庇護を受けるためにゲルマニアと同盟を結ぶのに私が嫁ぐことは致し方ないのです……」 アンリエッタは手で顔を抑え、下に向ける。 「そうだったんですか…」 ルイズは沈んだ声で言う。 「それで、礼儀知らずのアルビオンの貴族派どもは私の婚姻を妨げるための材料を血眼になって探しているのです」 「…では、もしかして姫様の婚姻を妨げる材料があるのですね?」 ルイズはその意味を察し、尋ねる。 アンリエッタは悲しげに頷き、ひざまずき、顔を両手で覆う。 「おお、始祖ブリミルよ、この不幸な姫をお救いください…」 ルイズの顔は紅潮し、興奮した様子でまくしたてる。 「では姫さま!その婚姻を妨げる材料とはなんなのですか!」 アンリエッタは呻き声を出すように呟く。 「…私が以前したためた一通の手紙なのです…それがアルビオンの貴族派に渡れば、それをゲルマニアの皇帝に届けるでしょう」 「どんな内容なのですか?」 「それはいえません…ですが、それをゲルマニアの皇帝が読めば、この私を許さないでしょう。そうすれば婚姻は潰れ、 あのアルビオンの貴族派にトリステイン一国で立ち向かうことになります…それだけは避けなければなりません…」 ルイズはアンリエッタの手を取る。 「して、その手紙はどこにあるのですか?私、姫さまの御為とあれば鬼が島でもヒンタボ島でも夢見が島でも向かいますわ!」 「それが…現在火中にあるアルビオン王家のウェールズ皇太子が…」 「プリンス・オブ・ウェールズ?あの凛々しい皇太子様が…では、姫さま!この『土くれ』のフーケを捕らえた ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールとその使い魔にその任務、お任せください!」 「ああ、そんな無理よルイズ!現在火中であるアルビオンに赴けなんて危険なこと、頼めるわけがありませんわ!」 「何をおっしゃいます! 姫さまとトリステインの危機とあらば、私見過ごすわけにはいけません!」 ルイズは強い意思を伝える。 「この私のためにそこまで言って下さるの!これが誠の忠誠と友情というものなのですね!ありがとうルイズ!」 アンリエッタは感涙したように眼を手で拭う。 ワムウが自分たちの言葉に酔っている2人の話に割り込む。 「俺も行くのか?」 「当たり前でしょ、連れて貰えないとでも思ったの?」 「断る。受身の対応者である悲劇の姫気取りの尻拭いなど俺がやるようなことではない」 ルイズは顔を紅潮させる。 「なななな、なに言ってんのよあんたは!すみません姫さま、私の教育が悪くて…」 「言った通りだ、若いとは言え姫なのだろう?心酔している者も多くいるようだしな。一国で事を構えられるだけの国力と軍事力を 整えるなり、アルビオンに介入して反乱の目を摘んでおくなり、開戦を察知して安全なうちに手紙を回収することもできた。 だが、それを怠ったのはお前の責任だ。結婚による同盟も一つの選択肢であることを割り切っているならともかく 敗戦が確実になるまで行動をおこさず、悲劇の姫を気取っているような奴にただで手を貸すほど暇でないんでな」 「ワムウッ!姫様になんたる失礼を!謝りなさい!」 「いえ、ルイズいいのです。彼の言うとおりです、これは私の責任です…ただで、とおっしゃいましたね? ならば…母君からいただいたこの『水のルビー』を差し上げましょう。どうか、ルイズをお守りください」 アンリエッタは右手の薬指から指輪を引き抜き、ワムウに差し出した。 「そんな姫さま、畏れ多い…」 「ワムウッ!姫殿下になにをしたァーーッ!」 ギーシュが扉を開けて現れ、ワムウを怒鳴る。 すかさずワムウが殴り飛ばし、片方の手で指輪を受け取る。 「いいだろう、この依頼引き受けた。他言無用だったな?こいつは終了まで軟禁でもしておけ、なんなら証拠も残さず食うが」 ワムウの物騒な発言と拳を意に介さず、ギーシュはアンリエッタの前にひざまずく。 「姫殿下!その任務、どうかこのギーシュ・ド・グラモンにもお申し付けください!」 「あら、グラモンといえば…ワイルドキャット……じゃなくて…西部の投手でもなくて…」 「グラモン元帥の息子です、姫殿下!」 「知ってますわよぉおお!あなたも、私の力になってくれるとおっしゃるのですか!」 「ええ、もちろんです!加えて貰えるとしたらこれはもう望外の喜びに違いありません!」 「ではお願いしますわ、ギーシュさん」 ギーシュはひざまずいたまま深く礼をする。 「では、明日の朝に出発してください。貴方たちに始祖ブリミルのご加護かありますように」 * * * ラ・ロシェールの『サンジェルマン』。 一人の男と一人の女。 「…それで、お前には『女神の杵』亭を襲ってもらう。狙いはワルドとルイズ以外…たぶんあの使い魔だけだろう、その殺害だ」 「使い魔一人殺すのに私を使うのかい?自分を過信してるわけじゃないが、随分無駄な使い方だね」 「あの使い魔を舐めるな、『ゼロの使い魔』だ、なにが起こるかわからん。それにお前一人だけではない」 「やれやれ、あんたは敵の実力を過信しすぎじゃないか?まあ、軍人なんてのはそれがお似合いなのかもしれないけどね せいぜい丘の向こうの見えない敵に怯えてな。それで、私以外に襲うのはどんな連中なんだい?」 「お前と同じ貴族くずれのメイジだ、『同じ』、な。報酬の先払い分だ」 女は報酬の袋を開け、中身の量をみて驚く。 「使い魔一人殺すのにこんなに金を積むなんて、軍人の貴族さんは違うわね」 「相方も同額だ、文句は無いだろう。それに、戦争と暗殺と人脈に金を惜しむほど馬鹿なことはない。 コストパフォーマンスを考えればお前たちの力量ではむしろ割安だ」 フーケは袋をしまい、話を再開する。 「で、その相方とはいつ落ち合えるんだい?」 「二日後の同じ時間で先ほど言った『女神の杵』亭で下見も兼ねてもらう」 「わかったわ、任務はワルドとルイズ以外の殺害ね、あんたの言うように好きなように暴れさせてもらうさ」 「暴れるだけなら相方の方が上だ、対象以外の尊き犠牲がどれくらいでるか…ああ、心が痛むな」 「心にもないことを、じゃあ私は行かせて貰うよ、ここの勘定も報酬に含めときな」 女は店を出、扉の鈴が鳴る。 残された男は呟く。 「ふむ、勘定か。やれやれ、自腹など払うのもな、俺への報酬とさせていただこうか」 男は、一瞬のうちに姿を消していた。
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まあ、なんだ。 結局さっきの一件はおれの『おいた』で済まされた。 おれはコレに納得がいかない。 何故ならその言い方ではおれが悪いことをしたみたいだだからだ。 まあその後ピンクの髪の女に連れられているって訳だ。 本心ではもっと胸のあるヤツがいいんだが、嫌な予感がするのでそれは黙っておく。 そしてどうやらここは異世界で魔法があるらしいところまで理解した。何故かおれの手も直っている。 「さて、とまずはアンタの名前ね」 「イギーだ。それが俺の名前」 「そう、イギー。よろしくね」 そう言われても状況がサッパリなんだが、おれがそう言うと 「状況って、アンタは私の使い魔になったのよ」 なんて返してきやがった。 使い魔ってのは何だ?と聞くと 「使い魔は使い魔よ」 あーあーこれだから人間は、説明になってないじゃねーか。 「使い魔って言うのは主人のメイジ、つまり私ね、が使役する絶対的な主従関係で成り立つ動物や幻獣のことよ」 ウィキペディアで調べた様な答えだな。 「とにかく!アンタは私に絶対服従!いいわね?」 「よくない」 誰がこんな貧乳なんかに服従するか 「………」 あれ、黙っているぞ?そんなにおれが否定したのがショックだったのか? 「だ……うよ」 ん? 「誰が貧乳よ~~~~!」 やべえ、つい言っちまってた! おれは自分の身を守るためベッドの下に飛び込む。魔法を使われたくないのでついでに杖も持っていく。 「あ!出て来なさい!このバカ犬!」 無視する 「杖を返しなさい!」 無視する 「さっさと出て来い!」 アーアー聞こえなーい 「いい加減にしなさい!」 そういってベッドの下に手を突っ込んでくる。今だ! おれはベッドの反対側から出てそのまま部屋を飛び出す。脱出成功! とはいかなかった。 「ドアが開けられねえ……」 クソッ!こんな時はあのブ男が開けてたのに! そしておれは殺気を感じた。後ろに振り向き 「いやあご主人様!今日も綺麗ですね!」 とりあえず褒めてみる。 「ありがと。出会ったのは今日だけどね」 もっともなお言葉で。 そして散々鞭で叩かれる。その最中に気絶しちまった。 「まったく…目覚めたら従順になってればいいけど」 そう言うルイズ。 絶対ならないぞ、おれは。 鞭で叩くようなやつに従うつもりは全くない。 「そろそろ寝ましょ」 そうしろそうしろ 「えーと着替えは…」 ム!覗けるのか、と思ったがあんな貧乳に興味はない。さっさと寝やがれ。 しばらくしてルイズが眠る。 それを確認しておれはベッドの下から出る。 「ザ・フールをおとりに使ってよかったぜ」 何か罰を与えないと気がすまないって感じだったからな。 おれは叩かれたくないのでザ・フールで自分の形を作ったって訳だ。(もちろんベッドから出るとき入れ替わった。) さて、おれも寝るか ベッドからルイズを下ろす。ルイズより早く起きて床にいれば寝相のせいになるだろう。 このベッド結構寝心地いいなぁ。 今日は疲れたので良く寝れそうだ。 To Be Continued…
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『NINKU―忍空―』から、キャラ『風助』を召喚。 原作FIRST STAGE終了後、釈迦の証を所持している状態です。 1章 輝きは君の中に 風の使い魔-01 風の使い魔-02a/b 風の使い魔-03a/b 風の使い魔-04a/b/c/d