約 109,468 件
https://w.atwiki.jp/otassya2/pages/10388.html
産物系 溜め池 (タメイケ) 【知行産物】 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (溜め池.JPG) 性能 買値 売値 --文 文 知行:物資−加工−産物により生産可能 (工房Lv2) 分類 価値 重量 特殊効果 知行産物 2 25.0 なし 材料 溜め池 1 開墾鍬 2 桶 3 主な用途 知行施設改良 LV3→4 水田(3)
https://w.atwiki.jp/suiki/pages/129.html
- * カケハシの渡りカギ * - 小学校の頃にあった、校庭キャンプ。 ──僕は、病院の定期検診の為、休まざるをえなかった。 小学校最高学年に行く、遊園地。 ──アトラクションには一切乗れないと知らされて、僕は行かなかった。 大体、この病気の所為で僕は、クラスメイトから1,2歩遅れている。イベントに参加出来なければ──当然話が合わなくて──友達は、少ないと言うより、片手で数えられる程しか居ない。 だから・・こんな、同世代の人と沢山話をしながら寝たのは、久し振りと言うより・・初めての経験かもしれない。 ──野宿だけど。 「えっと・・、アイリ達は何時もこんな感じなの?その・・寝る場所、とか。」 僕は、「仲の良い証拠」らしい呼び捨てを許されたアイリに、思い切ってそう聞いてみた。 「そうだよー?あ、もしかして純は野宿初めて?あははー、貴重な体験だねぇ。」 「・・時々野獣も出るが──・・全て我等が祓うので、純は安心して寝ていろ。」 「え・・いや、安心して寝ろって言われても・・」 そして僕は、右、左、右と横断歩道で安全確認でもするように左右を見回してから、溜め息をついた。 「熟睡は・・無理だと思うなぁ・・。」 何たって、広い野原のど真ん中に、堂々とテントを張って寝ているのだから。ちなみに、寝心地はあまり良いとは言い難い位である。 「シカシ寝ナケレバ明日、辛イゾ?ズット歩クノデ・・」 アイリの枕元に羽をうずめるローが、閉じていた片目を開いてそう言った。 「歩く・・と言えばさ、ローは飛ぶの、疲れないの?羽をパタパタやってさ。」 「我等ノ『飛ブ』ト言ウ行為ハ、純達人間ニトッテノ『歩ク』事ト同等ノ疲レシカ感ジナイ。例エバ片羽根ガ折レテイレバ、片足ヲ骨折シテイル様二感ジルノダ。ナノデ、ソノ苦痛デ飛ブ事ハ出来ナイ。人間モ、松葉杖ガ必要ダロウ?」 「うん・・、良く、出来てるんだね・・」 と、僕は言い掛けて、咳が出た所為で言葉を切った。 「・・やはり昼間、叫んだのが悪かっただろうか。大丈夫か?」 「うん、ありがと・・。でも寝る前に、水を飲んでおこうかな・・確か、近くに小川があったよね?」 そう聞きながら立ち上がる僕に、アイリが頷いて返してくれた。 「暗いから、気を付けてね?それとも灯りいる?クロ-ク起こすよ?」 「いや、そこまでしなくても・・大丈夫だよ。じゃ、ちょっと・・」 「野獣に、襲われるな。タチが悪いから・・」 そう心配してくれる華美月に手を挙げて軽く返しながら、僕はテントを後にした。
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/501.html
『美琴の選択肢』 気絶していた上条当麻は、おぼろげながら意識を取り戻した。 霞む視界に、血の気が引いた顔で見下ろしている少女の顔が逆さに映る。 すると、少女が軽く頬を叩いた。 「——————気がついた?」 その声を聞いて、上条の意識は完全に目覚めた。 御坂美琴が泣き出しそうな顔をしているのがはっきりと見えている。 硬く冷たいアスファルトに座り込んだ美琴は、仰向けになった少年の頭を 膝の上に乗せていた。 どういった経緯を経てこのような状態になったのか、美琴にもよく分からなかった。 たまたまこの道を通りかかったら、ズタズタに裂けた詰襟の少年が倒れていたのだ。 そして、気を失っている少年を介抱している内にいつの間にか膝を貸していた。 少年は手足を軽く動かして、まだ体に力が入ることを確認するとゆっくりと 立ち上がった。 しかし、歩き出そうとして膝ががくりと落ちそうになる。 美琴は——— 1、上条を支える。 「私も行く。私も連れて行って!私は…私も……私だって、あんたを守りたいのよ!! 私が守る。あんたは……上条当麻は私が守る!」 2、上条を見送る。 「早く行きなさいよ。あんたはまだ、やることがあるんでしょう?」 「っ……悪ぃな、御坂。後でさ、なんか奢るから……メール送れよ」 →「行っちゃった。あの馬鹿……。ホント、馬鹿よ。馬鹿。バーカ。 馬鹿ぁ……私の馬鹿。納得できない……こんなの納得できないわよ。 見送ることしかできないなんて……! でも、間違ってない…間違ってないのよ。 あいつは自分のためにやりたいんだから」 『????エンド』 常盤台中学の女子寮。 御坂美琴は部屋の中央、二つのベッドの間行ったり来たりしている。 歩きながら携帯の新着メールを十秒ごとにチェックしながら往復を繰り返している。 メールが来ていないと分かると理由のよく分からない溜め息が出て、十秒経過してから もう一度確認しようと携帯を操作する、としだいに頬が緩み始める。 「き、来た!?本当に来た……!」 着信音と共にメールが受信された。 メールを開いて目を通す。 『一緒に映画見るだけでいいのか?』 キーを叩いてすぐに返信する。 『いいわよ>ペアチケットだし』 『料金も俺の分だけでいいのかよ』 『いいわよ>一人じゃ使えないから付き合えって言ってのよ!』 『分かったよ。とにかく付き合えばいいんだろ?』 『あんたも見たかったんでしょ?>映画』 『見たいです』 ついでに、と美琴はもう一つメールを打って送信した。 『お願いします、は?』 『お願いします』 『よろしい>遅刻厳禁』 end
https://w.atwiki.jp/ln_alter2/pages/116.html
ハローグッバイ ◆UcWYhusQhw 「……ふぅー」 湯煙が立ち上る所に溜め息が一つ零れた。 その溜め息は疲労と苦悩がまじったもの。 「……はぁ」 思わず出た声がタイル張りの部屋に響く。 そう、ここは大浴場だった。 大人が10人ほど入れるほどの大きな温泉。 その温泉につかる蒼く長い髪をポニーテールにした少女が出した声だった。 「……うーん」 温泉に浸かりながら少女が背伸びをする。 浮かべる表情は苦悩。 そして目を瞑り呆けていた。 温泉によって疲れを癒すように。 が。 「……って、何でやああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」 咆哮。 少女らしからぬ絶叫がタイル張りの部屋に反響した。 少女は立ち上がり表情は憤怒。 そして次に継げる言葉は 「何が好き好んで制服で風呂に入らないといけないんだぁあああ! あたしは!」 その少女は一糸纏わぬ姿ではなく真っ白い色制服で胸元には大きな赤いリボン。 つまり彼女は温泉なのに服を着たまま入浴していた。 少女は水にぬれた服が体に張り付いて凄く気持ちが悪かった。 それがさらに彼女を苛立たせ怒りを増幅させていく。 右手をわなわなと震わせ 「生き残れって……訳分からないこと言って……なんでいきなり風呂……全く意味がわかんないっつーの!」 この場に居ない狐面の男に文句をぶつける。 少女の怒りのボルテージはどんどん上がっていき苛々するばかり。 そして少女は思う。 こんな事をしたあの男に。 いきなりスタート地点を風呂の中にした男に。 極めて個人的な怒りを 「ぜっっっっっったい! ゆるすかぁああああああああ! 見てなさいよ、あたしを怒らしたら……どうなるか……首を洗ってまってなさいよ!」 ぶつける事を決意した。 その少女の名は千鳥かなめ。 都立陣代高校2年4組また同高校生徒会副会長。 そしてまたの名を「恋人にしたくない贈呈品イーター」 かなめは天に拳を掲げそう強く宣言した。 「はぁ……はぁ……何だか疲れた」 そしてその直後に大きな溜め息を付き疲労感を露わにする。 かなめはあの男に怒りを宣言はしたがいいが無駄な徒労感を感じ額に手を当てる。 そして下を見ると未だに湯気を醸している温泉。 かなめは暫し考え 「………………まぁ折角……ここに飛ばされたんだから……疲労回復もかねて……入りますか」 結局入浴する事にした。 今度はしっかりと服を脱いで。 結局の所。 かなめはこんなものに巻き込まれた理不尽さを何かにぶつけたかったもしれない。 その真相は誰にもわからず。 ただ、湯煙の中に消えた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……んまぁ……こんな所か」 「そうだな……お互いに開始してから直ぐにあった訳だしな」 場所は変わって温泉旅館のある客間。 その和室に二人の少年がちゃぶ台をはさんで向かい合い話をしていた。 ツンツンした短めの黒髪をした一見普通の少年、『幻想殺し』上条当麻。 髪を綺麗に切りそろえ眼鏡をした「まるお」という表現がぴったりな少年、『生徒会長』北村佑作。 この生き残りゲームで偶然出会った二人は緑茶を啜りながらのんびりとしていた。 一先ずは情報交換。 そう考えた上でゆったりしながら話し合っていた。 とは言いながらも互いに持ちえる情報は互いの知り合い程度でしかない。 それを事細かに伝えただけで情報交換といえるものは終わってしまった。 その後は特に二人して会話続かずただ生温い緑茶を啜るのみ。 「あー……なんかゆったりだなぁ」 「そうだなぁ……」 何だかゆったりとした時間が二人の間を流れていた。 完全にリラックスしてお茶を啜り続けている。 まるでこれが生き残りゲームとは思えないぐらいに。 (いやいや……何やってるよ俺! こんなのんびりしてる暇じゃないだろ! 誰かを蹴落とそう考えてる奴だって居るかもしれないんだ) 突如上条は頭を振るって自分に活を入れる。 何だか北村に流され自身もゆったりしたが本来はこんな事をしている場合ではないのだ。 これは1人しか生き残れない。 つまりそれは上条の仲間も死んでしまうかもしれないのだ。 インデックスも御坂も土御門も黒子もステイルもだ。 (そんな事……そんな事やらせるかよ!) そんなふざけた事は絶対やらせない。 上条はそう心に誓う。 その為にも。 「北村。この後はどうするんだ?」 行動を起こそうと。 留まってのんびりしている暇は無い。 このふざけたも催しをぶっ壊す為にも。 上条は動こうと。 そう思ったから。 『幻想殺し』上条当麻は行動を開始した。 「……そうだな」 北村がその真剣な上条の視線を感じてか同じく目を細め考え始める。 顎に手を添え、どうすればいいか考え始めていた時の事だった。 「きゃぁああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?」 「な、なんだ!?」 旅館の奥から甲高い女の子の悲鳴が聞こえたのは。 その悲鳴に二人は一斉に立ち上がり聞こえてきた方を向いた。 そして上条は 「ちっ……もうなのかよっ! 北村、俺が見てくる!」 「あ、あぁ……だが」 「だがも糞もあるか! 誰が襲われてるんだ! 黙って見てられるかよ!」 北村を客室に置いて駆け出し始めた。 上条の頭にはあるのは誰も犠牲を出したくない事しかなかった。 絶対に犠牲なんか出したくなかった。 本心からそう願って。 「くそっ、間に合え! 間に合えよ! 絶対助けてやっから!」 走る足をもっと早く動かす。 上条はただ助けたい。 それだけを考えて。 後先を考えず走る。 「―――ああ……も―――」 「……っ、ここか!」 全力疾走中、ある部屋からの女の子声が聞こえてきたの確認をし上条は急ブレーキをしそのまま戸を開ける。 そして戸をあけた先にもう一つの扉があったのを確認しそのままを突入をした。 が。 「ここか!……今たすけ――――はっ?」 「…………………………………………え?」 上条が見つけたのは襲われた女の子ではなく。 「な、なんで……裸?」 湯煙の先に見えた全裸の少女、千鳥かなめ。 かなめは唖然と上条を見つめ、ただ信じられないという感じに。 暫しの無言空間。 「え、えーとなんで裸なんでございましょうか……?」 部屋を見れば解りきっている事をわざわざ改めて聞く上条。 襲われたと勘違いしたのは解りきっている筈なのに。 かなめはポカンとした表情を段々憤怒の表情に変えていく。 それは正しく般若。 そして 「見れば―――解るでしょうがああああああああああああああ!!!!!!!」 怒りに任せそのまま手元にあった風呂桶を全力でオーバースローで投げる。 それは真っ直ぐ 「――――ぐぇ!?」 上条の頭に直撃にしそのまま仰け反る。 痛みは直ぐにやってきて頭がくらくらする。 上条の浮かぶのはただ、ひとつ。 「ふ、不幸だ……」 「不幸は……こっちだあ!……こぉおんの……変態がぁ!!!!!!!」 もう一撃飛んでくる風呂桶と言う名の凶器。 上条がほぼ意識を手放すと同時。 「このまま、ねかせるもんですか!」 近づいてきたかなめの鉄拳。 正しくそこにはいるのは怒りに身を任せた修羅悪鬼。 そして、修羅悪鬼の鉄拳制裁が始まった。 「や、やっぱり……不幸だ……ごふっ?!」 ちなみに。 かなめの叫び声の悲鳴。 それは単純にシャワーが予想外に冷水だったからという何とも言えない理由であった。 「……ふ、不幸……ぐ……ふ」 「この、変態! 変態!」 ただ上条の断末魔が響いて湯煙の中に消えた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「ああ、お帰り上条。凄い顔だな」 「……お、おう……ただ……いま」 「……ふん」 「えーっと始めましてかな? 俺は北村佑作」 「……千鳥かなめ」 「まぁ大変だと思うけどお茶をどうぞ」 「……どうも」 温泉での一騒ぎが終わってかなめを連れて北村の元に戻ってきた上条。 ただし、たんこぶと顔面ぼこぼこで。 かなめは濡れた制服を変え支給品にあった真っ赤な制服に着替えていた。 北村は何故か状況を知っているように落ち着いてお茶を飲んでいた。 そんな北村を不審がった上条は北村に尋ねた。 「何でお前……」 「上条が飛び出した後追いかけたんだ。そして漏れる声で害は無いと判断したまでさ」 「……さいですか」 「ラッキーだったな」 「不幸だよ……」 上条は大きな溜め息を付きちゃぶ台の前に座った。 そしてちゃぶ台には3人の人間が囲っている。 顔面がひどい事になっている上条。 未だにぶすっとしているかなめ。 やれやれという表情を浮かべている北村。 三者三様だった。 「それで上条と千鳥は自己紹介は……」 「終わったわよ。最悪な出会いだったけど」 じとっと上条を睨むかなめ。 上条は気まずそうにお茶を飲むだけ。 北村は苦笑いを浮かべ会話を続ける。 「それで千鳥は俺と同じ学校出身なのか? その制服は……」 「あ、あー違うわよ。あたしは何故か温泉の中から開始だったから元の制服がびしょ濡れだっただけよ。最悪だわ」 「そうか……それで千鳥は知り合いでも」 「あーちょっと待って、確認するから」 そういってかなめはデイバックをあけ名簿を確認する。 そしたら露骨に顔を歪めながらも 「まぁぼちぼちいるわ……えっと本当に知り合い程度と……戦争馬鹿のAS乗りの朴念仁のろくでなしの相良宗介って奴」 「なんだそいつは……」 「そのなの通りの馬鹿よ」 そのかなめの言動に北村が苦笑いを浮かべていた。 だが黙って聞いていた上条がある単語に注目した。 「AS……?」 「アームスレイブ。知らない?」 「さっぱりなんですけど」 「俺もだ」 「えっ……? いやまぁ簡単に言うと軍用の大型ロボット見たいな奴? あー簡単に言えばガンダ○みたいなもの」 「……はっ? そんなの……本当にあるのか?」 北村が唖然とした声を上げる。 流石に冗談を言っているかと思ったがかなめが真剣な顔しているので事実なんだろうと思った。 しかし、それでも北村には信じられない。 北村の世界にはそんなもの存在しないのだから。 上条も同じく信じられないふうに言う。 「いや流石に……学園都市でもそんな発展したロボットは無いぜ……?」 「学園都市……? 大学みたいのか?」 「いや……東京の半分覆ってる学園都市だよ。なんだよ、知らないのか?」 「いや、そんなの知らないわよ」 「同じくだ」 今度はかなめと北村が唖然とする時だった。 かなめの時と同じく常識のように言う上条がが信じられなかったから。 上条は信じられない風に 「おいおい……東京を占領するかのように広がっていて他と違って科学が一定以上進んでるあの街だぞ? 能力を開発する為に発展した科学の街を……本当に知らないのか?」 「知らないわよ……能力って何よ」 「おい……読心能力やら発火能力の事……人が本来持ち合わせないものを使えるようにするんだ……本当に知らないのか?」 「しっらないわよ。そんな超能力ある訳ないじゃない」 「……そんな。俺だってASなんて信じられないぜ」 「俺は両方とも知らないよ」 「そんな……」 上条が常識のように言う学園都市、だがかなめは知らない。 かなめが常識のように言うAS、だが上条は知らない。 北村はその両方を知らない。 3人が黙りその事を深く考え始める。 互いの常識、非常識。 謎が謎を呼び混乱していく中で場は膠着していく。 そんな時北村が一声をあげた。 「兎も角……どうやら、この催し。俺らには想像付かない事が起きているらしい」 「そのようね」 「そうだな」 取りあえず考えても仕方がない。 そう判断したのだ。 誰もが常識と思って嘘を言っていないなら否定する事は出来ない。 何より否定できるものは存在してない。 そしてそれを引き起こしたこの催しは予想以上にでかい事。 それを3人は理解した。 「だけど……今これを考えてもしかたない。いいな上条? 千鳥?」 「いいぜ」 「いいよ」 「なら……次に俺達がする事を決めようじゃないか」 そういって地図を広げる北村。 二人は肯定しその地図を見つめる。 「まず多分俺達がいるのはここ、温泉だろう」 「そうだな」 「なら……気になる事がある」 「何が?」 かなめの疑問に北村がある一点をさす。 そこは 「端っこ……?」 「そうだ」 示すはE-1の地点。 「ここがどうなってるか気にならないか? 脱出が出来ない……そうあの男は言ってたはずだ。ならばその端っこはどうなっている?」 「そういえば……そうだな」 北村はそのまま眼鏡を上げ上条に言う。 「つまりここに何かあるかもしれない……だから上条。ここは一旦別れて上条はそこに向かってもらえるか?」 「いいけど……なんで別れるんだ?」 「俺はここを拠点に知りあいやお前達の仲間を探すよ。3人で纏めていく必要もないだろう? お前ならそういう非常識を知っていそうだ」 「……それもそうだけど」 「頼む」 「……解ったよ」 北村の真剣な眼差しに上条は肯定するしかなかった。 そこに確固たる意志を感じてしまったから。 「あたしは……どうすればいい?」 「そうだな、上条についてもらっていいかな?」 「うーん、この覗き魔と?」 「おい……」 「……まぁいいわ。わかったわ。他にいくところも無いしね」 かなめは一度ジトッと上条を睨むと肯定した。 北村はそれに一度頷き立ち上がる。 宣言する為に。 「よし、じゃあ第2回から4回までここでまた落ち合おう。皆死ぬんじゃないぞ」 「解った、お前もな」 「ええ」 3人は肯定し立ち上がる。 北村は見回し右手を突き上げ宣言する。 「よし! じゃあ俺達は皆と一緒にかえる! そう宣言する!」 上条もそのまま『幻想殺し』の右手を掲げ言う。 「ああ! 俺もこんなくっされたもの……ぶっ壊してみせる!」 かなめもそれに同調し 「ええ、あたしは帰る。日常に。帰るんだ!」 3人は右手にを掲げる。 宣言が一室に反響し続ける。 それは絶対に屈しない者達の 力強い、強い宣言だった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 真っ暗い夜に月がただ照らしている。 そこを歩いてるのは二人。 上条当麻と千鳥かなめの二人だった。 二人は無言でただもくもくと道を歩いている。 そんな時だった。 「ねえ、当麻」 「なんだ?」 かなめがそう声をかけたのは。 かなめはただ月を見上げながら上条の方を向かずに話しかける。 「何であの時焦ってきたの?」 「……ああ。単純だよ」 「覗きたいから?」 「阿呆か! 何を言ってやがりますか!」 ジトッとした声で言うかなめに必死に否定する上条。 そして頭をかきながら言う。 「悲鳴だったから……助けなきゃっと思った。誰かを助けるのに……理由はいらないだろ?」 「…………そうね」 単純だった。 誰かを助けたい。 それだけ。 純粋なそれでも強い思い故の事。 とっても解りやすく単純で……強い思いだった。 かなめは笑いそのままわざとふざけて言う。 「本当……単純だわ。それで覗くなんてラッキーよね。この変態」 「……なっ、ちょ!? そ、それはないでしょう!? ないでしょうか!? ないにちがいない!?」 「あははは……変なの」 かなめが笑いながら駆ける。 上条が慌てながらも追っかけて。 月が優しく照らしていた。 そんな二人を。 ただ、照らしていた。 【E-2/西部/黎明】 【上条当麻@とある魔術の禁書目録】 【状態】 健康 【装備】 無し 【道具】 デイパック 不明支給品1~2 吉井明久の答案用紙数枚@バカとテストと召喚獣 【思考・状況】 1:このふざけた世界から全員で脱出する。殺しはしない 2:インデックスを最優先に御坂と黒子を探す。土御門とステイルは後回し 3:西部の端に行きどうなっているか確認する。 4:かなめと行動。 5:第二回~第4回までに北村と落ち合う 【千鳥かなめ@フルメタル・パニック!】 【状態】 健康 【装備】 とらドラの制服@とらドラ! 【道具】 デイパック 不明支給品1~2、陣代高校の制服@フルメタル・パニック! 【思考・状況】 1:脱出をする。殺しはしない 2:知り合いは探したい 3:西部の端に行きどうなっているか確認する。 4;当麻と行動。 5:第二回~第4回までに北村と落ち合う 【備考】 ※2巻~3巻から参戦。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「いったか……騒がしかったな」 北村が出発をした二人について一言を言うと溜め息をつく。 北村は無事をいのりそして自身の目的を思い出す。 「会長……いないといいのですが」 思うのは慕っていた元生徒会長狩野すみれ。 北村が恋した女性。 それは叶わなかったものの慕っていたのは変わらない。 彼女がもしかしたらここに居る可能性。 それを思いついてしまったのだ。 北村が名簿にのっていない状況彼女が居ないなんて断言は出来ないのだから。 「彼女を探そう。皆と一緒になんとしても」 そして探そうと心に決めた。 それが上条達と別れた真の理由。 1人で納得が出来るまで探したい。 そう思ったから。 それは紛れも無い北村本心からの。 強い想いからだった。 「無事でいてください……会長」 そして北村も出発する。 すみれの無事を祈って。 その姿は生徒会長でもあり。 1人の男の姿だった。 【E-3/温泉/深夜】 【北村祐作@とらドラ!】 [状態] 健康 [装備] 無し [道具] デイパック 不明支給品1~3 [思考・状況] 1:すみれを優先的に探す 2;高須竜児、逢坂大河、櫛枝実乃梨、川嶋亜美の四人を探す。 3;危険な人物に襲われた際の対処は特に考えてない。 4:第二回~第4回までに上条、かなめと落ち合う 【備考】 上条、かなめの知人の外見の特徴を知ってます。 北村の参戦時期は少なくとも生徒会長就任以降です 投下順に読む 前:CHALLENGER 次:ドラゴンズ・ウィル 時系列順に読む 前:勝者なき舞台 次:ドラゴンズ・ウィル 前:裸の出会いにご注意ください 上条当麻 次:二輪車の乗り手 千鳥かなめ 次:二輪車の乗り手 前:裸の出会いにご注意ください 北村祐作 次:ユケムリトラベル 人類五名温泉宿の旅
https://w.atwiki.jp/14sure74/pages/143.html
アスが眠りについたのを扉越しに感じ取ったネスは、石畳の通路を会場に向かって歩きだした。 それから間も無くのことである。 ネスの目に前方から慌てて走ってくる案内係の姿が映った。 彼はネスを見つけると大声で彼女の名前を呼びながら走り寄る。 「丁度良かった!!実は・・・」 「・・・試合だろ?大方、相手が棄権したとかで早まったってトコだな?」 「えっ!?・・・ええ、そうですが、なんで分かったのですか?」 自分の言おうとしていたことをずばり言い当てられ、案内係は驚きを隠せなかった。 ネスは彼の疑問に笑顔で答える。 「そりゃぁ、アンタの慌てぶりを見りゃ分かるぜ。それに・・・」 (あんなことまでやってきたんだ。当然、アスの回復を待つ時間はくれねぇよな。) 「それに・・・なんです?」 「・・・気にすんな。それより、急ぐんだろ?さっさと行くぞ。」 さっさと話を切り上げて走り出したネスの後を、案内係は慌てて追いかける。 ネスが入場口から会場内に駆け込むと、大地を揺るがす声援が彼女の入場を歓迎した。 ネスは両手を天高く突き上げて、笑顔で歓声に応えながら舞台上へと急ぐ。 「おっと、アメリア選手の負傷により棄権かと思われていましたが、大丈夫だったようです!」 観客は彼女に続いて相方が現れることを待っていたが、いくら待っても現れる様子がない。 観客がどよめき出した頃、実況者は中々相方が現れない疑問を代表して口にする。 「はて?どうしたことでしょう?一向にアメリア選手が登場する様子がありませんね・・・。」 審判は余裕綽々の態度で構えているネスに一向に現れない相方の行方を尋ねた。 「キミ、棄権ではないということは、相方は大丈夫だったのだろう?どうして来ないのかね?」 「アイツか・・・。アイツは来ねぇよ。控え室で寝てるからな。」 「なんだって!それでは、キミも一人で本選を戦うと言うのか?」 「そのつもりだが?」 ネスは何かを言おうとした審判を手で制すと、大きく息を吸った。 「聞け!アイツは此処には来ない!だが、私は戦う!」 どよめき治まらない観客に対して、ネスは声を張り上げた。 彼女の一言で会場内が瞬時に静まり返る。 「アイツは一人で戦い、そして勝った!それならば、私も一人で戦い、勝つ!アイツにできて、私にできないワケがない!そうだろ!?」 しばしの静寂の後、観客はそれぞれの思いを叫びだす。 「・・・よく言った!!俺はネエちゃんならできると思うぜ!!ガンバレ!!」 「ネス様最高!!カンドーした!!誠心誠意魂込めて応援させてくれぇ!!」 ネスは目を閉じ賞賛と激励の声に暫く身を任せると、審判へと向き直る。 「・・・だそうだ。つーワケで、構わんよな?」 「分かった・・・。いいだろう。・・・まったく、本選試合を何故か棄権する組も出るし、今年の大会はおかしなことが多い・・・。」 審判は相次ぐ異例の事態をぼやきながらも、開始位置に戻り試合開始前の合図をする。 「・・・そういや、彼女の対戦相手ってヤケに小さいが何者なんだ?」 「さぁ?ここまで勝ち残ったんだから強いんだろうけど・・・誰か知ってるか?」 ある観客が、ネスの対戦相手について周りに問いかけた。 その疑問は瞬く間に全体へと広がっていく。 「何か予選でもあのローブを被ったままだったみたいだぜ。」 「それなりに強かったみたいだけど、不戦勝も多かったらしい・・・。」 「さっきの試合も結局不戦勝だったしな・・・。強いのかどうかさっぱり分からねーぜ。」 しかし、集まった情報は殆どなく、それもあまり信頼できるような物ではなかった。 殆ど全ての観客の目が、ネス達の圧倒的強さに釘付けであったせいだった。 (・・・さてと、本選だと言うのにアス一人で倒せるような相手を投下してくるなんて、よくもガッカリさせてくれやがった。) ネスは突然身体を動かし始めた。 「おや?ネス選手、準備運動でしょうか?にしては、少し動きがおかしいですが・・・。」 「・・・何をやっているのだね?」 「アイツの言うとーり、準備運動ってヤツさっ♪なんせ、今日はまだ殆ど動いてねぇからよ、身体が温まってねぇんだ。」 ネスは準備運動と称した動きをしながら、ラス達の姿を見つけて目で合図をする。 「なぁラス、アレってまさか・・・。」 「・・・ええ、間違いありません。タクトさんが僕に密かに教えてくれた『ぼでぃらんげーじ』というヤツですね・・・。」 タクトはラスと結託し彼女が喜び勇んで首を突っ込もうとするであろう厄介事を事前に回避するため、彼に無声言語の使用を提案していた。 いくら彼女が二つ名に恥じない感覚の持ち主でも、流石に音も無く飛び交う暗号を解読することは無理だろう。 そう考え、彼女が熟睡している隙を突いて二人で密かに取り決めた物であった。 「・・・バレてたんだな。」 「ですね・・・。」 二人は同時に溜め息をつき、彼女から送られてくる指示を解読する。 「――では、行ってきます。タクトさんは此処に残っていてください。」 「ああ、分かった。頑張れよ、ラス。」 ラスはタクトを残し、彼女からの指示を果たすため人込みの中を掻き分け消えて行った。 (・・・それに、あんなんでも一応相方だ。可愛がってくれた礼はきっちり、させてもらうぜ?お偉いさんよ。) ネスは彼の動きを確認すると動きを止める。 そして、不敵な笑みを浮かべて目の前に居る頭一つ分ぐらい小さな二人組の方へと向き直った。 「では、これよりエイン、アイン組とネス、アメリア=L=リリス組の試合を開始する!」 ネスが二人の間へ真っ直ぐ突っ込んだ。 二人は左右に散開して突撃を回避すると、そのまま前後から彼女を挟み込むように対峙する。 (さて、どんな芸を披露してくれるんだ?お二人さんよぉ!) ネスは足を止め、迎撃態勢を整えて二人の出方を待つ。 二人は少しネスの様子を窺った後、突然構えを変える。 「おや?エイン、アイン両選手、同時に構えを変えましたね。しかし、あの構え方は何処かで・・・。」 実況者を始め、二人の見覚えのある構えに観客は首を捻っていた。 「『何処かで』って、目の前に居るじゃねぇか。アレは、あの隙だらけにしか思えない不思議な構えは・・・」 ただ一人、タクトだけは何処で見たかをすぐに思い出していた。 そして、嫌な予感がしてその使用者に視線を送る。 視線の先に居た人物は、相変わらずの余裕に満ちた笑顔で対峙したままだった。 (へぇー・・・中々面白い芸じゃねーか。だがな・・・。) ネスがゆっくり目を閉じると同時に、二人がゆらりと動き出す。 そして一瞬の内に距離を詰め、拳を真っ直ぐ打ち込んだ。 「私の真似じゃ、私は倒せねぇぜ!お嬢ちゃん達!」 「っ!?」 「な、何が起こったのでしょうか!?一瞬の出来事で、全く捉えることができませんでした・・・っ!?」 ネスは前後から打ち込まれた拳を紙一重でかわし、反撃を繰り出す。 ネスの攻撃は二人の脇を掠め、深く被っていたフードを吹き飛ばした。 二人はその風圧に圧倒され思わず飛び退いて体勢を立て直した。 「な、なんと!エイン、アイン両選手の正体は瓜二つの可愛らしい少女でしたっ!!」 二人は実況者の言うとおり、傍目では全く見分けのつかない奇麗な紫色の髪の少女だった。 ネスの前に居る方は、右側にサイドテールを携え左目が隠れるぐらいに長く垂れ下がっている。 一方の後ろに居る方は、左側にサイドテールを携え右目が隠れるぐらいに長く垂れ下がっていた。 二人は方や黒、方や白の目を覗かせネスを捉えていた。 前方で構えた黒い目を覗かせる少女がネスに叫ぶ。 「た、偶々避けれただけっす!アタイらは完璧に、オマエと同じ動きをしているっす!」 「そうだな。身体能力の差以外は完璧に真似できてるぜ。・・・だから、勝てねぇんだよ。」 「ワケの分かんないこと、言うんじゃないっす!姉貴!!もう一度やるっすよ!!」 「ア、アイン!ちょっと待つさ!」 アインと呼ばれた方の少女は、姉のエインの返事も待たずに再びネスに飛び掛る。 エインは慌ててアインの後に続いて飛び掛った。 二人の息の合った激しい連撃がネスに襲い掛かる。 しかし、ネスは涼しい顔で二人の攻撃を避け続ける。 「アインだっけ?もう諦めた方がいいと思うぜ?エインは感付いてるぞ。」 「五月蝿いっす!避けてばかりのヤツに言われたくないっす!」 「・・・『避けてばかり』、か。」 アインの攻撃が激情に流され勢い任せになった隙を突き、ネスは懐へと飛び込む。 「アインっ!!」 「なっ・・・!?」 「じゃあ、反撃してやんよっ!」 「うぎゃっ!!」 ネスの拳がアインの鳩尾に突き刺さり、数メートル吹き飛んで地面に転がった。 エインが慌ててアインの元に近づいて身体を支える。 アインは蹲り何度も咽び【むせび】ながら、涙目でネスを睨み付けた。 「どーだ?これで諦める気になったか?」 「げほっ!げほっ!・・・くっ・・・ま、まだまだっす!偶然、一発当てただけで・・・いい気になるなっす!!」 「あっ!アイン!もう止めるっさ!!」 エインの制止を振りきり、アインは再びネスに飛び掛る。 アインは戸惑いながらも、彼女を援護するため後に続く。 ネスはアインの闘志に感心しながら、笑顔で激しく降り注ぐ連撃をかわしていた。 「くっ!なんで、アタイらの攻撃が当たらないっすか!?」 「・・・しゃーねぇな、教えてやるよ。」 ネスは呆れた表情で溜め息をつき、徐に両手を翳す。 「なっ!?」「あっ!?」 翳した手に吸い込まれるように、エインとアインの拳が収まる。 「私の戦い方って、一人で戦うことだけに特化してるんだぜ!」 ネスは捕らえた二人の手首を掴んで思い切り引っ張る。 二人は彼女の凄まじい腕力の前に体勢を崩してしまった。 「だからな、アンタらみたいに息の合った連携ができるヤツが使うと返って戦いにくいのさ!」 「うわああーーっ!!」「きゃああーーっ!!」 ネスは前のめりになる二人の間に入り込み、掌で突き飛ばした。 二人は数メートルほど吹き飛ばされ背中から地面に叩き付けられた。 「まっ、真似る相手を間違えたってことだな・・・。」 ネスは軽く溜め息をつきながら両手を何度か軽く叩いた。
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/716.html
私の名前が「柊かがみ」から「泉かがみ」に変わってから数日が経った。 いよいよ今日から、18年間過ごした実家を離れて、私は泉家に嫁ぐ。 衣類や身の回りの物、そしてラノベ等が詰まったボストンバッグと大きなリュックサックを装備した私は、泉家の玄関を前にして、すっかり見慣れた筈の建物を感慨深く眺め続けていた。 「今日からここが“私の家”になるのね…」 「うん。そうなんだけど、いい加減中に入ろうよ。かがみ」 「今感慨に耽ってるんだから、もう少し待ってなさいよ」 「むぅ…」 背後で私と同じ量の荷物を背負ったこなたが不満の声をあげる。 まぁ、かれこれ三分近くもこのままの状態で居て、さすがに暑さと荷物の重さで体力の限界も近づいて来たので、私は家の中に入ることにした。 「かがみ連れてきたよー!」 家の中に入るなり、リビングまで届くような大きな声でこなたが叫ぶと、程無くして奥からおじさんとゆたかちゃんが出てきた。 「やぁ、いらっしゃい」 「ふ、不束者ですが、これからお世話になります」 まだ自力で生計を立てる事すら出来ない私達の結婚を認め、更には生活の支援すら快く受け入れてくださったそうじろうさんに私は改めて恐縮しながら頭を下げる。 「いやいや、これはある意味こっちの希望でもあったから、かがみちゃんには自分の家のように寛いで貰って構わないからね」 「あっ、はい。ありがとうございます」 何故この展開をおじさんが望んでいたのかについては、敢えて気づかないことにしておく。 「ああ、それと、かがみちゃん――」 「なんですか?」 「俺のことは『お義父さん』と呼んで欲しいなぁ」 「なっ…!?」 「試しに今ここで、一度呼んでみてよ」 さすがにこれは気恥ずかしいなと思っていたフレーズを満面の笑顔で強要されて、早くも窮地に陥る私。 しかし、そこは夫(?)として嫁を守ろうという意識が働いたのか、こなたが私に助け舟を出してくれた。 「おとーさん。そうは言うけれど、もし私が男の結婚相手を連れて来ても、同じ事を言った?」 「あ、いや、それは……。スマン、お父さんが悪かった……」 娘に突っ込まれた途端にしょんぼりとした表情に変わるおじさん。 そんな姿を見て、ほんの少しだけ同情しそうになったけれど、さすがに「お義父さん」という言葉は、私の中で違和感が無くなるでは使わないでおく。 そして、横でそのやり取りを見ていたゆたかちゃんが、顔を赤くしながら、口を開いた。 「じゃ、じゃあ、私はかがみ先輩のこと、どう呼べば良いのかな? え、えっと……か、『かがみお義姉ちゃん』とか…?」 うっ…。これはこれで、単純にそう呼ばれる恥ずかしさと、はにかみながらそのフレーズを言うゆたかちゃんの可愛さとで、何ともむず痒い…。 そんな中、ある意味私よりもダメージを受けていそうなこの親子二人はというと…。 「こ、これは正真正銘の萌えだ…。いや、最早萌えというレベルを超越してる…」 「ゆーちゃん、いくらなんでもそれはダメだよ…。反則過ぎる…」 私にして見れば、あなたたち二人の方がダメ過ぎる…。 これからの生活が思いやられそうな光景を前にして、私は早くも頭を抱えて深い溜め息を吐いた。 「こっちだよー」 こなた達に先導されて、私の部屋となる空き部屋に通される。 部屋を覗くと、殺風景な部屋ではなく、既にタンスや本棚、勉強机に更にはパソコンまで設置されていて、このままでも何の不自由も無く生活出来る環境が整っていた。 「そこのパソコンは使い古しの物だけど、良かったら使ってよ」 「何から何まですいません」 まさか、パソコンまで用意されているとは思っていなかった私は、改めておじさんに頭を下げた。 「あいにく、ベッドまでは用意出来なくて、しばらくは来客用の布団を使って貰おうと思っているんだけど構わないかい?」 「はい、大丈夫です」 「でもさ、かがみ」 「何よ?」 「実際は布団もいらないんじゃない?」 「……」 「……」 二人っきりの時ならまだしも、人前でなんてことを言うんだコイツは。 横に居たゆたかちゃんも顔を真っ赤にしてるし…。 「ふむ、それもそうだn――」 「おじさんまで何言ってるんですかっ!」 確かに、そうはならないという保証は、私の理性を以ってしてもどこにもないけれど、この親子なら本当に布団を撤去しかねないので、私は必死にそれを阻止した。 一二時間掛けて、皆で持ってきた荷物を整理した後、こなたが夕飯の支度を始めた。 今日はかがみの為に腕によりをかけて作るからねと、事前に宣言していた通り、その日の夕食はとても素晴らしい物だった。 「前にも食べた事あったけど、アンタってこういう所、本当にスゴイわよね」 「かがみもこれから頻繁に家事するようになるんだし、すぐに慣れるよ」 「まぁ、そうだと良いんだけどね…」 泉家ではそれぞれの家事を当番制で行なっているそうで、家族の一員となった私も料理をしなければならない日が定期的にあるらしい。 私も今までつかさと交代でお弁当を作っていたから、何にも出来ないという訳では無いけれど、これからの事を考えるととても不安だ。 「ゆたかちゃんも料理とか出来るんだよね?」 「はい、一応、ひと通りの事は出来るようになりました」 「ゆたかちゃんも出来るんだから、私も頑張らないと…」 「くれぐれもウチの鍋を爆発させるようなマネだけは――」 「だから、そこまでは酷くないわよ!」 「まぁ、お父さんはそういうのも許容範囲内だから、全然問題ないけどな」 いったい何の“許容範囲”なんだか…。 いや、敢えて聞こうとはしないけど…。 こんな感じで、初めての一家団欒の時間は過ぎていった。 食後、私達二人はこなたの部屋で自由な時間を過ごす事にした。 しかし、こなたは部屋に入るなり、「あと少しでクリア出来そうなゲームがあるんだよね」とパソコンに向かったので、手持ち無沙汰になった私は仕方なく部屋中に散乱していた漫画を読み始めることにした。 いつも通りの時間が何事も無く過ぎていく――。 会話は無いけど、別に悪い雰囲気という訳ではないし、普段なら何の不満も無い状況なんだろうけれど、今の私は悶々とした時間を過ごしていた。 だいたい、同居初日の新妻の目の前でアダルトゲームをやるなんて、どういう神経してんのよ…。 「そういえばさ」 「何よ」 「結婚してから二人っきりになるの、これが初めてだよね」 「そうよ。それがどうしたの」 ゲームが一段落したのか、ようやく声を掛けてきたこなたに対して、すっかり不機嫌な私は視線も合わさず、ぶっきらぼうに答えた。 そんな私の様子を見たこなたは、苦笑しながらパソコンから離れて私の隣に座り込む。 「ねぇ、もしかして妬いちゃった?」 「別に妬いてなんかいないわよ」 「ふーん」 すると、漫画の方に視線を集中させていた私の頬に柔らかい物が触れた。 「なっ!?」 驚いた私がようやく視線をその方に向けると、少し照れながらも悪戯をした時に見せるこなたの表情があった。 その時点で何をしたのかを完全に把握した私は、それまでの感情も吹き飛んで、一気に頭に血が上っていく。 「バっ、バカ……やるなら、口にしなさいよ…」 「ん。じゃあ、もう一回ね」 「えっ…うぷっ!?」 間髪を容れずに私とこなたの距離がゼロになる。 そのまま床に押し倒されながらも、私はこなたを受け入れる。 それ以外は無音の空間に、口付けを交わす音と胸の高鳴りだけが響き続ける。 時間の経過すら正常な判別が付かなくなって来た頃、ようやくマウス・トゥ・マウスの拘束が解かれ、私とこなたは深い溜め息を吐いた。 「どんな萌えキャラも、かがみには敵わないよ」 「…ズル過ぎるわよ、アンタ」 こんな時に好きな人からこんな殺し文句を言われて、堕ちない奴なんて存在しないに決まっている。 「それに、さっきのゲームは言わば予行練習みたいなものなのだよ」 「練習って?」 「嫌だなぁ、かがみん。新婚初夜と言えばやることは決まっているじゃないか~」 仰向けになったままの私に伸し掛かり、すっかりベタベタな状態のこなたがサラッとそんな事を言ってのける。 「バカ、それはまだ早いわよ…」 「時間が早かろうが、遅かろうが関係ないよ。私がもう我慢出来ないんだから」 そう言って、私の首に腕を回してきたこなたに、私は抵抗を止める事でそれに応える。 「こなたぁ…。愛してるわ」 「私もだよ、かがみ」 もう一度軽い口付けを交わし、「大切な言葉」を交し合った後、私はゆっくりと瞼を閉じ――。 「こなたお姉ちゃん、かがみお義姉ちゃん。お風呂沸いたけど、どっちが先に入っ――」 何も知らず、ドアを開けて入ってきたゆたかちゃんの純真無垢な声が、それまでのムードや私達の勢いを一切合財ぶち壊す。 そして、どこからどう見ても「プロレスごっこ」の体勢な私達の姿を見たゆたかちゃんは――そのままピクリとも動かなくなってしまった。 「……」 生まれて初めての恥辱に、思わず絶句してしまう私。 「…あー、あまりに刺激が強すぎて、ゆーちゃんフリーズしちゃったね」 「…いや、そういう事じゃないだろ。っていうか、なんでそんなに平然として居られるんだ…」 改めて、とんでもない所に嫁いでしまったなと感じつつ、私は今日三度目の深い溜め息を吐いた。 夏の一日へ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-04 08 12 07) もしもし?みなみちゃんですか?ゆたかちゃんがフリーズしてて、助けをプリーズ? -- かがみんラブ (2012-09-23 20 26 52) フリーダム! -- 名無しさん (2010-03-30 17 56 57) ゆーちゃんは2chの良心的な働きをしていくんですね、分かります -- 名無しさん (2008-08-20 00 10 17) 新婚生活は良い!! なんとなくだけど、ゆーちゃんは夫婦生活を(無意識に)妨害し続けてしまう役割を担当する気がする -- 名無しさん (2008-08-10 23 17 46) こ、これから初夜ですか? つ、続きを~!! -- kk (2008-08-06 00 47 51) 結婚するところまでのSSや結婚後のSSは何度も見てきたが、 結婚してすぐのSSは読んだことがなかった。GJ! -- 名無しさん (2008-08-04 19 18 41) おおwなんか萌えるシチュだな 続き待ってるよー -- 名無しさん (2008-08-03 22 37 57)
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/2907.html
「ひっ!!!ああぁ!………ふ……ぅうん。あっあっ。」 「所詮は牝犬か。」 不意に入り口に押し当てられた堅い感触にいつきの体は喜んだ。 入り口だけではあるものの、グイグイと乱暴に掻き混ぜられ、疼いた体が少し満たされる。 「はぁ……ん。もっと……おら、もっとぉ。」 物足りない。だけどとても気持良い。 「蹴り上げられるのが、それほど嬉しいのか。」 男は溜め息混じりに言った。 そう、男はいつきの秘部に尖った履物の爪先を捻り込み掻き回していたのだ。 「サンデー首尾は如何なもんか。」 ギィと扉が開く音がする。だが、それを確認できるような余裕はなかった。 「チェストか……何をしにきた。」 「なあに、随分具合が良いと聞いてな。少し味見でもとおもってな。」 「そのような趣味があったとは知らなかったぞ。」 「っひぁ…やあ……。」 爪先をつと抜くといつきは悲壮な表情でサンデーを見上げた。 両足をサンデーの足に絡めるようにし、いつきは懇願した。 「やめねえでけろ……。」 「こんだけ覚えとりゃあ普通の女と変わらんわい。」 涙を流しもっと犯して欲しいと言ういつきを見てチェストは満足そうに笑った。 「なるほど、それもそうだな。」 「ひあっ!!」 絡めた足を振り払われる。と、両足をがっしりとしたかさついた手に捕まれ、いつきの体はぐるりと反転させられた。 「ああっ!な、何だ…べっ!」 腰を持ち上げられよつんばいにさせられる。 ザビーよりも小さいがそれでも大きく太い指が無造作に中に入ってきた。 「ふははっなんもせんでも、こんなら十分ね。」 「あっ。はあぁん……。」 ぐちゃぐちゃと掻き回された後、チェストの肉棒が中に打ち込まれた。 待ち望んでいた無理矢理押し広げられる感触にいつきは洸惚とした声を漏らす。 「はっはー!よかよかー!嬢ちゃん、おまはんもそうかね?」 「あうん……いい…いいだよ。おら……あぁ、気持いいだよぉ。」 初めて良いと声に出す。この感覚が快感なのだと初めて頭の中でする。 それだけで体中の感度が格段に上がり甘い痺れが全身を侵す。 チェストの乱暴な突き上げに合わせていつきもうっとりと腰を前後させていた。 「お、おまはんも来るか。そうかそうか。」 無骨な指がいつきの髪を掴み頭を持ち上げる。 「ほれ、前にもあるど。」 「あ……。」 それを目にしただけでドキンと胸が高鳴る。 「くわえろ。歯は立てるな。良いな。」 「はい……。んん…。」 前に差し出されたサンデーの男根にいつきは躊躇無く吸い付いた。 いつき入信3
https://w.atwiki.jp/introintrod/pages/360.html
特厨非FAN 概要 アニメサロン板出身。男性。イケメン、それもかなりの。 アニメサロン板時代、若き彼は自分の顔をウピした。その美しい顔、白い肌に ショタ達は溜め息を漏らしたという。 だが、なにぶん、ウピした場所があのアニメサロン板。 二次元の女の子を愛する者からすると、彼のウピは『だから何?』という程度のものであり 薄い反応しか得られずに、彼はウピ損という失態を犯してしまう。 またアニメサロン板では『行殺』『ウォッチャー』『ツマンネ(まきひとの前ハンネ)』など 後に自己板で大きな旋風を巻き起こすこととなる固定達が存在し 自己板での彼らの関係を知る者には信じがたい話だが、趣味のアニメ話以外に 普通の馴れ合いや悩み相談をしていた時期もあるらしい。 その後、経緯は知らないが、自己板に来た彼らはそれぞれ別の道を歩き始める。 特厨非FANは行殺と共に歩んでいくことを決めて、行殺軍団に入隊する。 入隊後、彼はイテ姫暗殺の命を受け前線に赴く。 そこで彼が見たものは、ボロボロになりながらも決して倒れることのないイテ姫の勇姿だった。 イテ姫の姿に感銘を受けた彼は、軍団から一時離れて、イテ姫の援護にまわることを決意する。 こうしてイテ姫専属の美青年騎士が誕生し 軍団員の剣からイテ姫を守る楯として、長きに渡り戦いを繰り広げることとなった。 イテ姫を称え、イテ姫を崇め、イテ姫を守り イテ姫の話し相手になり、そして時にイテ姫をたしなめ道徳を説く。 特厨非FANとイテ姫の関係は、赤い糸で結ばれた男女のように 深くなっていったが…。 ある日… 特厨非FANは忽然とその姿を消す。 それがかねてから言っていた『仕事の忙しさ』によるものなのか 他の『何らかの理由』によるものなのかは、誰にも確かめることはできず 今は憶測と、自己板から離れた場所に住むイテ姫だけが残されたのであった。 スキル 愛=イテ殺 長文 アニメ 忠誠心 交流関係 行殺 葵 黒小麦 紅茶 外道クジラ イテ殺 淀 higher まぞっち まきひと ウォッチャー コメント 名前 コメント 特厨非FANの41%は成功の鍵で出来ています。特厨非FANの37%は汗と涙(化合物)で出来ています。特厨非FANの14%はやさしさで出来ています。特厨非FANの6%はカテキンで出来ています。特厨非FANの2%は花崗岩で出来ています。 - 固定ハンドル名簿へ ふふふ!このページ見てるのは、お前だ!俺には分かるぞ!!!! お知らせ 特にありません^^ ニュースカテゴリ新着 Feed Widget JavaScriptをONにしてください。- ブログのRSSをホームページに表示させる方法
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/2192.html
「こいつはお返しだ」 そう言って長曾我部元親が差し出した包みを毛利元就は反射的に受け取った。 しまった、と思ったが、出来るだけ平静を装って視線を外すと、手にした包みへと移す。 淡い花柄の綺麗な包みからは甘い匂いがする。 おそらく食べ物だと思われる。 彼女が甘味に目が無いことを知っているのだろうか。 「…何ぞ?」 毒でも入っているのではないかと、訝しげに包みを睨む元就の顔に彼は苦笑した。 「今日はこの前の何とかって日のお返しをする日らしいからな」 貰いっぱなしというのも気分が落ち着かねぇ、と言いながら、ばりばりと髪を掻いた。 「貴様にやったのは義理だというのに、律儀なことよ」 本命は別だと言いながらも、元就の顔は少し赤くなっていた。 「要らねえってか?」 「ふん…今更返せと言うか」 じろりと下から睨んでくる琥珀の瞳に、素直じゃねぇな、と呟きながら、元親は軽く溜め息をついた。 「政宗が珍しい南蛮菓子の作り方を教えてくれたついでに作った奴だ」 初めて作ったから味は保障しないぜ、と肩を竦めた。 「我を実験体にする気か、貴様!」 「じゃあここで開けて一緒に食うか?」 柳眉を吊り上げて声を上げる元就の肩へと手を置くと、少し身を屈めて視線を合わせる。 急に近くなった元親の顔に、ぎょっとしたように元就は顔をそらした。 「…うむ」 ならば構わん、と言い、丁寧に包装された箱を開けた。 狐色に焼かれた菓子は掌にのる程度の大きさで綺麗に並べられていた。 元親はその一枚を取ると、元就の口元へと持っていく。 「我に毒見をさせる気か」 むすっと眉を顰めて唸る元就の目線がきつくなる。 「わかった、俺も一緒に食うからそこの一枚取ってくれ」 顎で箱の中身を指すと、元就も渋々ではあるが一枚取り、元親の口元へと突きつけた。 「一緒に食うからな」 こくりと素直に頷いた元就の仕草に、元親は隻眼を瞬かせた。 …黙っていりゃあ可愛いのにな 心の中でぼそりと呟く。 「臆したか?」 「…いや、何でもねぇよ」 よし、行くぞ、と同時に双方の口が菓子を齧る。 少々零れ落ちたのは仕方ないが、口腔に広がる甘味とその柔らかさに驚いた。 「……美味い」 あっという間に一枚を平らげ、元就は満足そうに表情を緩めた。 「そりゃあ腕が良いからな」 「いや、伊達の教え方が上手なのであろう」 あっさりと元就に否定されたものの、嬉しそうに菓子を頬張る姿を見て、 俺もこいつに甘いなぁと思いつつ元親は天を仰いだ。 (終)
https://w.atwiki.jp/akuryou/pages/16.html
始まり 「…………っ…」 ラクスは普段のようにベッドで寝込んでいた。 「何だ…夢か……」 そう安心したラクスに、次なる不安が襲いかかった。 そこは、ラクスの部屋ではなかったのだ。 「ど、どこだ……? ここは……」 ラクスは辺りを見回した。壁は金網が貼られ、広い空間。所々に血が付着しており、闇と孤独が漂う。そう。あの場所だ。 「あの……悪夢の…」 ーーー悪夢の場所と、全てが統一されている。 ラクスは後ろを振り向いた。 (あの悪夢では、『何か』が襲ってくるはず……) だが、そこまでは現実にならなかった。影の大群は襲いかかってこない。 「ふぅ……」 安心したラクスは、何故か配置されているベッドに寝転がる。そしてひとまず頭を冷やすことにしたのか、深呼吸をする。 「ここは……一体どこなのだろう……?」 ラクスは大きく溜め息をつき、立ち上がる。 「きっと誰かが助けてくれる……」 ラクスは思い切って、そこを探索することにした。暗く、夜のようで、少しだけ霧が立っている。落ち着くはずもない。が、ラクスはまだ探索する。 「ここには…ラジオ……?」 そう。そのラジオは既に故障していて、まともな周波数を拾うこともできず、ずっと騒がしいノイズが流れ続けている。嫌な気分だ…… その時、急にその空間の空気が乱れた。 「テ、テレビか……?」 そう。配置されているテレビが急に画面が移しだされ、ずうっと白黒のウェーブ画面を流し続けている。そしていきなり金網を叩く音が聞こえ、ベッドがガタガタして、『何か』の声が聞こえる。 「な、何だこれは……!?」 ラクスはテレビの前に足を止めていた。すると、何かを感じ、ラクスはそこに倒れこむ…… 配置されている机の上に、一通の置き手紙が置いてあった。その置き手紙には、「後には戻れない。侵食が始まっている」としっかり書き残されている。 ラクスは戸惑った。自分の身体を襲う恐怖。どこか分からない場所。いつ襲われるか分からない恐怖。 「一体……どうなっているんだ!?」 ラクスは立ち上がった。その場所から逃げるために。 一つ、気になる場所があった。それは、はっきりと魔法陣が書かれ、そこが少し光っている。 「何だ……? これは……っ」 ーー得体の知れない物に、戸惑うラクス。 それが、唯一の救い手かもしれない。と思ったのだろう。そこに足を踏み入れた。その瞬間! 「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!」