約 1,622 件
https://w.atwiki.jp/jyakiganmatome/pages/1296.html
1 「敵機、撃墜」 「敵機撃墜、敵機撃墜」 こちらの報告に合わせ、背後のフライトオフィサが二回続けて復唱をする。その後続けて、「グッド・キル!」。 心なしか調子が低いのは、きっとこの状況のせいなのだろうな、と、コクピットでサイドスティックを握るジャンヌ中尉は思う。 煙を引きながら、たった今自分が撃墜した敵機が地面へと落ちて行く。それを目で追う。そこには、簡単な地獄ができあがっていた。赤茶けた砂漠に、未だ煙を上げ続ける戦闘機の残骸が散らばっている。 ほとんどが敵。少しだけ味方。今更ながら、無謀なほどの戦力差だったな、と感じている。 落下していた最後の敵機が、残骸たちの中に混ざる。ざっと地上を見回してみたが、動くものはない。脱出したパラシュートも見当たらない。敵も、味方も。 無線ラインを本部に繋ぐ。 「敵機、全滅を確認。レーダー、敵影なし。オールグリーン。オーヴァ。こちらSS-13」 眼下を見下ろし、一度だけ息を吸って、 「全滅だ。私以外。コンプリートミッション。RTB……」 報告を済ませ、一息つく。 すると、目の前の小型パネルに、無機質な文字列が浮かび上がった。 MISSION_CMPL RTB_ 戦闘機に積まれた、空戦補助を行う戦術AI。そのインターフェイスが持つ、簡易コミュニケーション機能だった。 ジャンヌ中尉は、その文字列を、彼女の持つ最も暖かな眼差しで眺める。 「ああ……帰ろう、不知火」 スロットルを押し込む。 アフターバーナーを残しながら、白い戦闘機は瞬く間に超音速になる。 2 帰るなり、上官に呼び出しを喰らった。 ルームに入って敬礼するジャンヌの横には、疲れ切った表情を浮かべ、フライトオフィサのオーウェン少尉が付き添っている。彼に対して別段悪気はなかったが、罪悪感も無い。 上司であるリッター准将は、目の前でいかつい髭面を困ったように撫で、 「フライトの記録を見せてもらったんだがね、うむ、君は、もう少し部隊の仲間を保護しようという気には、ならないのかね」 いつもと同じような台詞だった。きっと相手もそう思いながら喋っているのだろうな、と勝手に想像を巡らせながら、気をつけの姿勢を崩さずジャンヌが答える。 「私は、私の行動に問題があったとは思いません。あの状況では、バックアップに回れば私が撃墜されていました」 「だがね、味方機を囮のように使うのは、その……。もしも失敗していれば、こちらが全滅していたかも知れない」 「私は一人で敵機を全滅させ、帰投した。これは事実で、結果だ。あの状況では、最善の策だった」 准将は溜息をついてしばらく黙る。 「言葉遣いには気をつけたまえ、中尉」 「それでは准将どの、自分は退室してもよろしいでありますでしょうか」 また溜息。もういい、と言って、准将はジャンヌと少尉を部屋から出す。敬礼。回れ右。 しかし、オーウェン少尉が出て行ったところで、自分だけ引きとめられた。 「ああ、中尉。実はだね、君が開発している、例の機体なんだが……」 部屋を出て少し歩くと、待っていたらしいオーウェンが、ジャンヌに声をかけた。よれた金髪は、軍人らしからぬ長さをしている。 「はは、全く……お前は、もう少しおれの身にもなってくれよ。毎回毎回、おれとお前はセットで大目玉なんだ。頼むから、もっとまっとうな戦士になってくれ」 「あんたに言われる筋合いはない。パイロットはフライトオフィサより格上だ」 「お前が肩書きをかさに着てると、違和感があるぜ。誰よりも、そんなの気にしない奴のくせに」 ジャンヌは黙っている。オーウェンは、彼女の後ろを歩きながら、その銀色の髪を眺める。自分も背は高いが、彼女もまた高いので、目の前にある。軍人にしてはやや長いが、それでも女性にとってはかなりのショーヘア。染めたり、脱色したようなむらは無い。本人は、子供時代に戦争に巻き込まれた時に恐怖で色素異常になり、その後遺症なのだと言っていた。そのせいなのかは分からないが、彼女は瞳も普通とは違い、見る角度によって七色に変わる。いつだったか、それを綺麗だと言ったら、何故か殴られた。 二人して、エレベータに乗る。地下格納庫と直結した、戦闘機を動かすための大型のものだった。人間二人が乗るには広すぎてもったいないが、本人たちは気にしない。 やってきた地下格納庫は、広く、薄暗い。黄色っぽい安い照明が、等間隔に光を放っている。 そしてその中に浮かび上がり、横一列に並んで恭しく鎮座しているのは、鉄で出来た、空の戦士たちだった。 「ここはいいね。神々しい気持ちになる。綺麗だ」 「そうかね。おれには、地獄の死神さんたちの休憩室に見える。さっきの戦闘をもう忘れたか。こいつらは毎回一機ずつ、ああいう小隊に付き添っては、自分一機だけ帰還してくるような……そういうやつら、だろう」 ジャンヌはオーウェンを無視して、すぐに歩き出す。慌てて後を追う。 ここに鎮座している戦闘機は、全て最新鋭の同型機たちだった。毎回、戦闘の際には一機から二機が出撃。小隊の援護を行う。他の戦闘機の追随を許さないほどの抜群の機動性と、桁違いの性能を持った戦術人工知能を搭載している。その次元違いの戦闘性能は、何者も寄せ付ける事がない。敵も。そして、味方も。 やがて、列の一番左の機体にたどり着いた。この機体だけ、他のものとカラーリングが違う。他のくすんだ灰色ではなく、もっと薄い、古い雪のようなくすんだ白色をしていた。ジャンヌは右前面から、右側面、背面、左側面、と機体を眺めている。オーウェンは離れた位置からその様子を眺めていた。 機体シリアルナンバー、SS-13。パーソナルネームは、「不知火」。 自分とジャンヌが乗り、幾度となく共に飛んだ愛機だった。もっとも、フライトオフィサの自分がジャンヌを差し置いて愛機などといったら、それこそ殺されるだろう。 「しかし、毎回思うんだが、ジャンヌ……この、カンジ、ってのは、本当に文字なのか? おれにはぐにゃぐにゃした落書きにしか見えないよ」 軽口を叩き、機体前面に書かれた文字を指差す。油性ペンキの筆書きで、『不知火』。 「それに、見たところ3文字しかないみたいなんだが……どうしてこれが「シラヌイ」になるんだ?」 「私に聞くな。ニッポンという国は、字を書くのが遅い国だったんだろうさ」 そうは言うが、このジャンヌは、オーウェンでも知っているほどのジャパンかぶれだった。ニッポンのアニメや漫画にやたらと詳しいし、ジャパニメーションも好んで見る。何やら大きなロボットが戦っているような内容だった気がする。それに漢字にもニッポン語にも詳しい。機体の漢字だって、彼女が自分で書いたものだそうだ。 きっと本当はこの謎めいたネーミングにも意味があるのだろうが、説明するのが面倒なのだろうな、とオーウェンは想像した。 ジャンヌが機体の真下の床を開け、太いコードを引きずり出す。それを機体に接続し、外付けフラップを引っ張ってきて、中に乗り込んだ。 機体をウェイクアップさせる。床下のコードは、外部電源のコードだった。エンジンは入れないまま、コクピットのモニタが次々と点灯してゆく。 やがて、インターフェースモニタに、ジャンヌが心待ちにしている相手が現れた。 GOOD_MORNING_JEHANNE 「ああ……おはよう、不知火」 声をかけ、ジャンヌがコンピュータ機器類のチェックを開始する。オーウェンはフラップに寄りかかったまま、技術部門の人間など足元にも及ばないほどの、彼女のエンジニアとしての才能を眺めている。200近く存在する膨大なチェックリストが、彼女がキーボードを叩くたびに、恐ろしい速度で消化されていく。 彼女は、天才だ。少なくとも、オーウェンはそう思っている。 自由自在に空を飛び回り、地上ではエンジニア、電子技術、兵器開発……何でもこなす。この格納庫に並んだ最新鋭の戦闘機郡たちも、彼女が設計・製作をしていた。積まれている戦術AIの基礎理論やプログラミングまでも全てやったというのだから、頭が上がらない。 そしてその上での、この、戦闘機乗りとしての、戦いの才能だった。戦闘機の中と外を製作し尽くした彼女は、何を血迷ったか、自ら志願をしてこの国の戦術空戦隊に入隊し、そして自身が作り上げた鋼の騎士の、最後のパーツとなった。まるで、自分さえもこの機体の一部だとでも言わんばかりに。 彼女は天才であり、そして、それを帳消しにするほどの変人だ。自ら進んで空軍で戦っている事も、本来ならばもっとずっと上の階級に上がれるにもかかわらず、中尉で居続ける事も、全て含めて。そしてその理由は、フライトオフィサであるオーウェンも、知らない。 そんな彼女の最も愛している機体が、この不知火だった。愛している、というのは、比喩ではない。本当に彼女はこの戦闘機を愛している。少なくともオーウェンにはそう見えるし、彼女自身も言っている。こうして不知火の点検を行っている時の彼女は、彼の見るほかのどのシーンの彼女よりも、生き生きとしていた。 不知火は、特別製だ。外見はほとんど他の機と変わり無いが、中身のAIは全くと言っていいほど違っている。ただの戦術補佐としてのAIではなく、ジャンヌ自身が彼女に合わせてパーソナリティを組み上げた、まさに彼女のためだけの機体だった。同時に、彼女が試作的に開発した「成長する人工知能」を搭載している、唯一の機でもある。毎回の戦闘行動を経て、学習し、知識を蓄え、そしてそれを機体制御へ、あるいはジャンヌにフィードバックする。考える機械。そのせいで、この不知火の点検項目は、他の機の3倍もある。 点検が終わった。ジャンヌがキーボードを仕舞い、溜息をつく。問題なし。このまま飛べないのが残念なようだった。 「終わったか」声をかける。 「問題ない。いつでも飛べる」 「そんな作業、そこらのエンジニアに任せておけばいいものを。実際、他の奴らは、みんなそうしてる。いや、まあ、不知火に関しては、エンジニア泣かせだけどな」 「私は、自分以外に不知火を触らせたくないだけだ」 「わかってるよ。ハニーだもんな。お前の」 「これしか無いだけだよ」 不知火と別れの言葉を交し合い、フラップに降りる。不意に、自分を寂しそうに見つめる少尉の視線に気付いた。 「なんだ?」 「ああ、いやあ」 珍しく、気の無い返事だった。彼らしくない。しかしすぐに、いつものにこやかな笑顔になる。 「ちょっとした、サプライズがあってな。近々、お前を驚かせる事になると思うから、覚悟しておいてくれ」 「プロポーズはお断りだよ、私は」 「そんなんじゃないさ。お前なら、プロポーズよりも驚くぜ。きっとだ」 二人でフラップを降り、後片付けをして、エレベータに向かう。今度は、居住区画へ通じている、人間用のエレベータ。 狭い個室で、不意にオーウェンが口を開いた。 「おまえ、覚えてるか。初めて会った時。おれがフライトオフィサに選ばれて、初めてのブリーフィングの後。最初は、まるで機械みたいなやつだ、こいつは気が合わない……そうとしか思えなかったな。何でもロジカルに考える、ハートの無い、論理的頑固者。しかも無口。なのに、俺も何を思ったかな、その後しばらくしてから、廊下でお前に聞いたんだ。俺たちは正義と悪、どちら側で戦ってるんだろうな、って。そしたら」 少し笑う。 「戦いに正義も悪も無い、強いて言えば、殺さず勝てば正義、殺して勝てば悪、だからこの世には悪しかいないよ、私たちも含めて……って。その時初めて、ああ、こいつとは気が合うな、って思ったんだ」 エレベータが到着する。ジャンヌ中尉は無言のままだ。 無言のまま外に出る。目の前には壁があり、右へ進めば男性用、左へ進めば女性用居住区だった。 「それじゃあな、中尉。夢の中でも、どうぞ素敵な空を」 オーウェンが右へ折れる。その背中へ向けて、唐突にジャンヌが声をかけた。 「サプライズ、楽しみにしているよ。どうか盛大に驚かしてくれ」 別れの挨拶にしてはひねくれていたが、オーウェン少尉は軽く笑って、ラフな敬礼を返した。 →To be Continued
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/173.html
2920 星霜の月(12巻) 第一紀 最後の年 カルロヴァック・タウンウェイ 著 2920 星霜の月1日 バルモラ (モロウウィンド) 窓に凍りついたクモの巣の隙間から冬の朝の光が差し込み、アルマレクシアは目を覚ました。老齢の治癒師は安堵の笑みを浮かべて、濡れた布で彼女の頭を拭いた。彼女のベッドの脇の椅子ではヴィヴェックが眠りこけていた。治癒師はキャビネットから急いで水差しを取ってきた。 「ご気分はいかがですかな?」と治癒師は尋ねた。 「とても長い間眠っていたようです」とアルマレクシアは答えた。 「仰るとおり、実に15日間も眠られていましたよ」と治癒師は言い、そばにいるヴィヴェックの腕を揺り動かした。「起きてください。アルマレクシア様が目覚められましたよ」 ヴィヴェックは跳ね起き、アルマレクシアが目覚めたのを確認するやいなや顔が嬉しさでほころんだ。ヴィヴェックは彼女の額にキスをし、手を取った。少なくとも、彼女の体は温かさを取り戻していた。 しかし、アルマレクシアの穏やかな休息は終わった。「ソーサ・シルは……」 「彼も無事だ」とヴィヴェックは答えた。「またどこかで機械をいじってるさ。先ほどまでここで一緒に心配していたが、彼はあの一風変わった魔術で君にしてやれることがあると気付いたんだ」 そこへ城主が戸口に現れ、「お邪魔をしてしまい申し訳ございません。早急にお耳に入れたいことがございます。昨夜、帝都に向けてお送りした伝令の件で」と言った。 「伝令?」とアルマレクシアは尋ねた。「ヴィヴェック、何が起きたのです?」 「6日に皇帝と停戦協定を結ぶ約束だったのだが、延期を申し込んだのだ」 「あなたはここにいてはいけません」とアルマレクシアは言い、自力でなんとか起き上がろうとした。「あなたが今協定を結ばなければモロウウィンドは再び戦火の渦に巻き込まれ、平和を取り戻すのにさらにもう80年かかるかもしれません。お供を連れて今すぐここを発てば1、2日遅れるだけで済みます」 「本当にあなたはもう大丈夫なのか?」とヴィヴェックは尋ねた。 「今あなたを必要としてるのは、私ではなくモロウウィンドです」 2920 星霜の月6日 帝都 (シロディール) 皇帝レマン三世は玉座に腰掛け、謁見室を見渡していた。それは豪華な眺めであった。垂木からぶら下がる銀の飾り紐、四隅には香草の焚かれる大釜が置かれ、ピアンドニアのチョウが歌うように宙を舞っていた。松明に火が点され、使用人たちが一斉に火に向かって扇をはたき始めると、この部屋がきらめく夢の世界へと変わるようであった。そうこうしているうちに厨房の方からおいしそうな香りが漂って来た。 支配者ヴェルシデュ・シャイエとその息子、サヴィリエン・チョラックは謁見室へそっと滑り込んできた。2人ともツァエシの頭飾りや宝石で着飾っていた。その黄金に輝く顔に笑みはなかった。もっとも、それはいつものことだったが。皇帝はこの信頼できる相談相手に嬉しそうに挨拶の言葉をかけた。 「野蛮なダークエルフたちもこれには驚くであろう」と皇帝は笑っていった。「お客はいつ到着するのだ?」 「ヴィヴェックからの伝令が先ほど到着いたしました」とシャイエは厳かに答えた。「陛下お一人でお会いするのがよいかと」 皇帝の顔から笑みが消え、使用人たちに下がるよう命じた。扉が開き、コルダが羊皮紙を片手に部屋に入ってきた。彼女は後ろ手で扉を閉め、皇帝と目を合わせようとしなかった。 「伝令は手紙をそなたに渡したのか?」とレマンは疑わしい口調で言い、椅子から立ち上がり手紙に手を伸ばした。「この受け渡し方は極めて非礼であろう」 「ですが、手紙の内容は実に礼儀正しいものでしたよ」とコルダは皇帝の神の目を見つめて答えた。瞬きする暇もなく、彼女は手紙を皇帝の顎へと突きつけた。突きつけられた手紙に視線を落とし皇帝は怒りに顔を歪ませた。そこにはただ小さな黒い刻印が書かれてあった。それはモラグ・トングの刻印だったのだ。次の瞬間、手紙は床に落ち、その陰に隠されたダガーが姿を現した。コルダは腕をひねって、皇帝の喉仏を骨まで切り裂いた。皇帝は音もなく静かに倒れこんだ。 「どれぐらいの時間が必要だ?」とサヴィリエン・チョラックが尋ねた。 「5分ね」とコルダは手に付いた血をぬぐいながら答えた。「10分くれればその分ありがたいわ」 「わかった」謁見室から走り去ろうとするコルダの背に向かってヴェルシデュ・シャイエがそう答えた。「彼女みたいな人物がアカヴィルであればよかった。女性で剣の腕がたつとは実に稀有な存在だ」 「私はアリバイ作りに行ってきます」とサヴィリエン・チョラックは言い残し、皇帝の側近でしか知り得ない秘密の通路へと消えていった。 「1年前の事を覚えていらっしゃいますか、陛下」と、ヴェルシデュ・シャイエは笑顔で瀕死の皇帝を見下ろしながら問いかけた。「私に向かって『そなたらアカヴィルの動きは派手派手しい。しかし、我々の攻撃が一度でも当たれば、そなたもおしまいだ』とおっしゃいましたが、陛下こそ、このお言葉を覚えておくべきでしたね」 皇帝は血の塊を吐くのと同時にこうもらした。「この蛇め」 「いかにも私は表も裏も蛇でございます、陛下。しかし、嘘はついておりません。ヴィヴェックからの伝令は届いております。どうやら到着が遅れるそうです」と言ってヴェルシデュ・シャイエは肩をすくめながら秘密の通路へと消えていった。「ご心配なさらず。食事の管理は私にお任せを」 タムリエルの皇帝はこの豪華に飾られた謁見の間で自らの血溜まりに溺れていった。衛兵が彼を見つけたのはその15分後のことであった。その頃コルダは姿形もなく消え去っていた。 2920 星霜の月8日 カエル・スヴィオ (シロディール) ヴィヴェックとその連れが到着した際、一番最初に挨拶をした密使はグラヴィアス卿で、彼は森を通ってくる道のひどさをやたらと詫びた。邸宅を囲む葉の落ちた木々には燃える球の飾りが幾重にもつけられており、冷たい夜風に優しく揺れていた。邸宅の方からささやかな祝宴の料理のにおいが漂い、高音の悲しい調べが聞こえてきた。それはアカヴィルの伝統的な冬の祝歌であった。 ヴェルシデュ・シャイエは正面扉のところでヴィヴェックに挨拶した。 「あなたが帝都へ来られる前に伝令を受け取れたのは良かった」と言ってヴェルシデュ・シャイエはヴィヴェックを広く暖かい客間へと案内した。「我々は今厳しい時代、いわば過渡期におります。当面は、議事堂での職務は控えることにしました」 「王位後継者の方はいらっしゃらないのですか?」とヴィヴェックは尋ねた。 「公式にはいらっしゃいません。玉座を狙う遠戚の方は大勢おられますが。ともかく、当分の公式行事は、私が先の主の代わりに務めることを貴族の方々にはご了解いただいております」そう言って支配者ヴェルシデュ・シャイエは使用人に2脚のゆったりとした椅子を暖炉の前に運ぶよう指示した。「今すぐこちらで協定を結んだほうがよろしいですか? もしくは先にお食事でも?」 「あなたは先帝の協定をそのままお引継ぎになられるのですか?」 「私はすべてを皇帝と同じように執り行うつもりでおります」とヴェルシデュ・シャイエは答えた。 2920 星霜の月14日 テル・アルーン (モロウウィンド) 道中で土ぼこりにまみれたコルダは夜母の腕に飛び込んだ。しばらくの間2人はしかと抱き合い、夜母は娘の髪を優しくなでつけ、額にキスした。そして袖から一通の手紙を取り出し、コルダに渡した。 「これは?」とコルダは聞いた。 「支配者ヴェルシデュ・シャイエからのお礼の手紙よ」と夜母は答えた。「彼は今回の暗殺の支払いをすると言ってきたのだけれど、もう返事は送ったの。皇后様から皇帝暗殺の報酬は十分にいただいたもの。必要以上の強欲はメファーラが許しませんからね。同じ暗殺の報酬を2度受け取る必要はない、と返したわ」 「皇帝はリッジャを殺したわ」とコルダは静かに言った。 「だからこの暗殺はあなたがやるべきだったのよ」 「これからあたしはどこへ行ったらいいの?」 「有名になりすぎて聖戦を続けられなくなった聖者は、ヴヌーラと呼ばれる島へ行くことになっています。ボートで1ヶ月かそこらの旅ですよ。その聖域であなたが優雅な日々を暮らせるよう手はずは整えておきました」夜母は娘のこぼれる涙にキスをし、「そこでたくさんのお友達ができますよ。永遠に平和で暮らせますよ」と言った。 2920 星霜の月19日 モーンホールド (モロウウィンド) アルマレクシアは再建されていく街並を見て回っていた。黒こげに焼け落ちた古き建物の上に新たな骨組みを組む中を歩きながら、彼女は「ここの市民の志には実に心を打たれる」と思った。かつて街道沿いに並木を作ったコムベリーとルーブラッシュの低木は、しなびてはいたがかろうじて生命をつないでいた。アルマレクシアは鼓動を感じた。春が訪れる頃には緑が黒を追いやっているだろう。 デュークの後継者である、高い知能と不屈のダンマーの勇気を兼ね備えた1人の青年が、北方より父親の領地へと向かっていた。この地は存続するだけではなく、力を備え、広がりを見せるであろう。アルマレクシアは今見ているものより、未来を思って心強く感じた。 彼女が唯一確信したことは、この地モーンホールドが少なくとも一人の女神の永遠の故郷であると思っているということだ。 2920 星霜の月22日 帝都 (シロディール) 「シロディールの血筋は途絶えた」とヴェルシデュ・シャイエは帝都宮殿の伝えし者のバルコニー下に集まった大衆に向け発表した。「しかし、帝都はこれからも生き続ける。信頼のおける諸貴族たちは、次期王位にはこれまで長く受け継がれてきた皇族の遠戚たちの中に相応しいものがいないと判断した。よって、先帝レマン三世から最も信頼されたこの私が、先帝の意思と職務を引き継ぐことなる」 このアカヴィルはそこで一呼吸置き、自分の発した言葉が大衆に理解されるのを待った。だが、大衆はただ彼を無言のまま見上げるだけだった。雨が街の道という道を洗い流したが、ほんのわずかな間、冬の嵐を小休止させるように太陽が顔を出した。 ヴェルシデュ・シャイエは続けて「私が帝位を受け継ごうとしているのではないことをわかっていただきたい。私はこれからも支配者ヴェルシデュ・シャイエとしてここに立つが、あなた方にとっては1人の外国人にすぎない。だがしかし、新たな後継者が出現するまで、私はこの第二の祖国を守り通すことをここに誓う。そこで早速、最初の仕事として、この歴史的に記念すべき日を称え、本日を暁星の月、第一日目と定め、第二紀の始まりであることをここに宣言する。まず先帝の喪失を悼み、そして未来に期待しよう」と言った。 この言葉に拍手を送ったのはたった1人だけだった。その1人とはセンチャルのドローゼル王であり、彼は今日このタムリエルの地に華々しいスタートが切られたことを信じきっていた。もちろん、この時彼は完全におかしくなっていた。 2920 星霜の月31日 エボンハート (モロウウィンド) ソーサ・シルが、彼の不思議な機械で未来を作り出した都市の下に横たわる煙たい地下墓地で、思いがけないことが起こった。今まで壊れることのなかった歯車の間から油性の泡が吹きこぼれていた。ソーサ・シルはすぐそれに気付き、泡を発生させているチェーンを調べた。パイプが左に半インチずれてしまい、かみ合わせが1ヶ所外れてしまっていた。コイルも巻き戻り、反対方向へと回り始めていた。1000年もの間ただの一度も壊れることなく左から右へと動いていたピストンが、突然右から左へと逆方向へ動き出した。どこも壊れてはいないが、すべてが変わってしまった。 「すぐには直りそうにないな」と妖術師は静かに言った。 天井の隙間から夜空を見上げた。真夜中であった。こうして第二紀は混乱のスタートを切ったのであった。 物語(歴史小説) 茶2
https://w.atwiki.jp/actors/pages/9189.html
タンディ・ニュートンをお気に入りに追加 タンディ・ニュートンのリンク #blogsearch2 タンディ・ニュートンとは タンディ・ニュートンの44%は魂の炎で出来ています。タンディ・ニュートンの25%は鉄の意志で出来ています。タンディ・ニュートンの17%は野望で出来ています。タンディ・ニュートンの6%は世の無常さで出来ています。タンディ・ニュートンの5%は波動で出来ています。タンディ・ニュートンの2%は回路で出来ています。タンディ・ニュートンの1%は成功の鍵で出来ています。 タンディ・ニュートン@ウィキペディア タンディ・ニュートン タンディ・ニュートンの報道 【夕刊】『マジック・マイク3』タンディ・ニュートン出演交渉中/ジェニファー・ローレンスがセラノス社元CEO役に/『ソニック・ザ・ムービー2』テイルス役声優判明 ほか - THE RIVER 【ネタバレ】『エターナルズ』出演のインド人俳優、マーベル再登場に意欲(2021年11月9日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース 『レミニセンス』12月よりデジタル配信、2022年1月にブルーレイ&DVDがリリース!山路和弘らの日本語吹替も新規収録 - スクリーンオンライン 偶然、それとも運命? SF、ミステリー、ラブが交錯する映画『レミニセンス』(ananweb) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【国内映画ランキング】「マスカレード・ナイト」圧倒的な強さで初登場1位! - 映画.com 『ゲーム・オブ・スローンズ』劇中音楽家ラミン・ジャヴァディが最新作『レミニセンス』で仕掛けた音楽トリックとは(Billboard JAPAN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『レミニセンス』作品情報 | cinemacafe.net - cinemacafe.net 【9月17日付】今週末公開の新作映画 - 映画ナタリー レミニセンス | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品・上映情報 - 映画ナタリー - 映画ナタリー 『レミニセンス』の4つの魅力:『TENET テネット』でモヤっとした人こそ見てほしい - シネマズby松竹 【夕刊】『ザ・マスター』未公開予告/『アダムス・ファミリー』新作に「ゲースロ」ブライエニー役/「デアデビル」ショーランナーがマーベル・コミックデビュー - THE RIVER 『レミニセンス』上映する映画館 全国一覧|2021.9.17- (2021年9月14日) - エキサイトニュース ヒュー・ジャックマン「僕は5,6回騙された」『レミニセンス』キャスト&製作陣が語るメイキング映像が公開 - スクリーンオンライン タンディ・ニュートン、スーパーヒーロー映画の「ただ死ぬだけの母親役」オファーを蹴っていた「興味ない」 - cinemacafe.net ヒュー・ジャックマン主演のSF大作『レミニセンス』に大抜擢、主題歌を歌う新進シンガーLonr.とは(Billboard JAPAN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『レミニセンス』、林原めぐみ&森川智之がナレーション 3つのポイントに迫る新映像解禁(クランクイン!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ウエストワールド」シーズン4、テーマは「倒錯」 ─ 「複数の新世界」が到来、映画『レミニセンス』キャストがサプライズ登場か - THE RIVER まるでマジック 水から頭を出したら、胴体が「切り離されてしまった」アザラシに反響(2021年8月21日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース 『レミニセンス』ワールドプレミアがロンドンで開催 ヒュー・ジャックマンも歓喜の声 - リアルサウンド フサフサでもいいじゃない!「体毛」を披露したセレブたち(ウィメンズヘルス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ジョナサン・ノーラン制作、ヒュー・ジャックマン×レベッカ・ファーガソンが再共演の映画『レミニセンス』 圧倒的なスケールと映像美の日本版予告映像が公開(otocoto) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ヒュー・ジャックマンが膨大な記憶の世界に挑む…『レミニセンス』日本版本予告 - cinemacafe.net 【ゲシュタルト崩壊した】油性マジックでネコになった娘「お母さん、ネコ知らないの?」(2021年7月28日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース 「インセプション」公開から11年、兄クリストファー・ノーランの“夢”に潜入する物語に対して弟は“記憶”で仕掛ける! - WEBザテレビジョン イラッとするセリフに超変化。 秀逸すぎる「言い換えマジック」7選(2021年7月22日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース ヒュー・ジャックマン主演『レミニセンス』|日テレNEWS24 - 日テレNEWS24 エマ・ワトソンやタンディ・ニュートンらが署名 女性のネット被害対策をSNS各社に要望 - ハーパーズ バザー・オンライン トム・クルーズの出演作、世界興行収入BEST10 - ELLE 実写ドラマ版『The Last of Us』ジョエルの娘サラ役がニコ・パーカーに決定 - Game*Spark 「ウエストワールド」シーズン4にオーロラ・ペリノー - 映画.com レミニセンスの上映スケジュール・映画情報|映画の時間 - 映画の時間編集部 【夕刊】スピルバーグ半自伝映画に『ワンハリ』子役/「ウエストワールド」シーズン4撮影開始/『ロブスター』主演ふたりが再共演へ - THE RIVER ヒュー・ジャックマン主演『レミニセンス』9.17日本公開 圧巻スケールのUS版予告解禁 - クランクイン! イギリスは俳優も階級社会?オックスブリッジ出身のイギリス人俳優12選 | ガジェット通信 GetNews - ガジェット通信 SPE、「エリジウム」「ビッグ・フィッシュ」など4作UHD BD化 - AV Watch 【夕刊】「ウエストワールド」シーズン4撮影まもなく/米カリフォルニア州、新型コロナ規制6月解除へ/サム・メンデス新作にオリヴィア・コールマン ほか - THE RIVER 『ティファニーで朝食を』のリブートが訴訟問題に発展。名作映画は蘇るのか?(清藤秀人) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース “善と悪の学校”が舞台のNetflix映画にローレンス・フィッシュバーンとミシェル・ヨーが出演 - 映画.com 今夜『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』地上波初放送!吹替えキャストは? - シネマトゥデイ ヒュー・ジャックマンが“記憶を辿る探偵”を演じる!『レミニセンス』最新ティザー映像が公開! | BANGER!!! - BANGER!!!(バンガー!!!)映画評論・情報サイト パントンが選ぶ2021年秋冬トレンドカラー14 アリアナ・グランデらの着こなしにも注目 - WWD JAPAN.com 「ゲーム・オブ・スローンズ」前日譚にリス・エバンス&ソノヤ・ミズノ参加 - 映画.com クリス・パイン、人気ゲーム「ダンジョンズ&ドラゴンズ」映画化に主演か - 映画.com 永遠のイケメン、ブラッド・ピットの華麗なる恋愛ゴシップ遍歴 - ハーパーズ バザー・オンライン クリス・パイン&タンディ・ニュートンが元恋人同士役に「裏切りの晩餐」を映画化 - 映画.com クリス・パイン&タンディ・ニュートン、新作スパイ・スリラー映画で主演 ─ 『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』監督最新作 - THE RIVER ケイティ・ホームズ、トム・クルーズを「支配的」と語った女優のインスタグラムをフォローする - SPUR.JP 英女優タンディ・ニュートン、ハリウッドに巣くう性犯罪について激白 - ハーパーズ バザー・オンライン 英女優タンディ・ニュートン、共演したトム・クルーズは「支配的な人だった」と告白! 彼女が「怖さと不安に追い込まれた」と語る出来事とは - tvgroove - TVグルーヴ・ドット・コム ファッション通信簿Vol.51 セリーヌ・ディオン2連発! 米「WWD」がセレブのファッションを辛口ジャッジ - WWD JAPAN.com タンディ・ニュートン、16歳で経験した性的虐待を告白。 - VOGUE JAPAN 人気女優、16歳での性的虐待を告白「恐怖で身体が動かなかったの」 - デイリースポーツ J・J・エイブラムズ×J・ノーラン「ウエストワールド シーズン3」超大作海外ドラマが世界同時配信開始 インタビュー映像も到着 - ロボスタ J・J・エイブラムズ×J・ノーランの最強タッグHBO(R)の最新作『ウエストワールド シーズン3』ヴァンサン・カッセル×タンディ・ニュートン 本作の確認に迫る“覚醒”についてインタビュー映像初解禁!! - PR TIMES グザヴィエ・ドラン自身の夢想か? 人気俳優とある少年の秘密の文通とは……『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』 | BANGER!!! - BANGER!!!(バンガー!!!)映画評論・情報サイト ドラマ『ウエストワールド』シーズン3が世界同時配信!キャストの特別インタビューも解禁! - フロントロウ 結婚40年の主婦が全てを捨て、第二の人生で見つけたものは?「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」予告 - 映画.com 『ダンボ』子役はあの女優の娘だった! - シネマトゥデイ 第70回エミー賞 タンディ・ニュートン、ジェシカ・ビールらがハリー・ウィンストンのジュエリーを着用し授賞式に登場 - アットプレス 映画の撮影で使う「アソコ用」のウィッグって? クリス・プラットが解説 - フロントロウ 【ネタばれ】『ウエストワールド』タンディ・ニュートン、日本語の台詞を覚える苦労を明かす | ニュース | 海外ドラマ - 海外ドラマNAVI 敵か、味方か…トム・クルーズの隣には必ず美女が!『M I』歴代ヒロインに注目 - シネマカフェ 機内安全ビデオに大物スターを起用! ラストに登場するのは? - BUSINESS INSIDER JAPAN 若き日のハン・ソロを描くスピンオフ映画、タンディ・ニュートン参加か - エイガドットコム 『スター・ウォーズ』ハン・ソロ映画にタンディ・ニュートンが出演? | ニュース | 海外ドラマ - 海外ドラマNAVI 2014年最もセクシーなビーガンはタンディ・ニュートン - シネマトゥデイ 『M I-2』のタンディ・ニュートンに男児誕生 - シネマトゥデイ 『M I-2』のタンディ・ニュートン、3人目を妊娠 - シネマトゥデイ タンディ・ニュートンが第3子妊娠 - エイガドットコム 40歳のタンディ・ニュートン、手間をかけずに“美”を保つお気に入りアイテムを明かす - cinemacafe.net 『2012』のタンディ・ニュートン、男性との友情の秘けつは思わせぶりな態度を取らないこと - シネマトゥデイ 冬のソナタ またでるよ 冬のソナタ 韓国KBSノーカット完全版 DVD BOX(初回限定 豪華フォトブックレット&スペシャル特典ディスク付) 本当に長い間、待たせてごめんなさい。「冬のソナタ」韓国KBSノーカット完全版をいよいよお届けします。 映像は韓国KBSのオリジナルそのままに、音楽に関してもユン・ソクホ監督が想いを込めて監修し、一部楽曲を変更しました。初回限定特典にはぺ・ヨンジュン 独占インタビュー/ユン・ソクホ監督&田中美里の対談スペシャルDVDの他、DVDオリジナルポストカード、シリアルNo付 豪華フォトブックレット(20P)を封入しております。 今までの日本用編集版よりも約166分長いノーカット映像(本編後のエンドロールも収録!)に加えて、映像特典の【スペシャル短編集】には、ペ・ヨンジュンのスノーボードシーンの撮影風景も収録しています。 【ここが違う!8つのポイント】 ◆今までの日本用編集版よりも約166分長いノーカット映像(本編後のエンドロールも収録!) ◆ファン待望の「ダンシング・クィーン」「白い恋人たち」をついに収録。 ◆日本語吹替を再収録。萩原聖人さん、田中美里さんが担当、その他主要人物もなつかしいあの声で。 ◆本編は日本語字幕に加えて韓国語字幕も収録 ◆一部変更した楽曲をユン・ソクホ監督が想いを込めて監修!(一部BGMはオリジナル版より変更されています) ◆<初回限定特典1>スペシャルDVD:★ぺ・ヨンジュン 独占インタビュー/★ユン・ソクホ監督&田中美里の対談 ◆<初回限定特典2>豪華フォトブックレット:シリアルNo付(20p) ◆<初回限定特典3>DVDオリジナルポストカード3枚 タンディ・ニュートンのキャッシュ 使い方 サイト名 URL タンディ・ニュートンの掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ タンディ・ニュートン このページについて このページはタンディ・ニュートンのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるタンディ・ニュートンに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/becquerel/pages/25.html
生活の中心、寝食を行う空間の除染は積極的に行っておきたい。 0.01マイクロシーベルト/h減れば 外部被爆量で24時間で0.24マイクロシーベルト。1年で87.6マイクロシーベルト分変わるのではないか? 結構大きい数値って気がしてきます。 0.02マイクロシーベルト/h減少できれば、1年で175.2マイクロシーベルト分変わる。 まぁ24時間家にいるわけではないが、年数を重ねれば差が大きくなるのは明らか。 未だに新宿でも放射能の降下物を検出しているわけで、これからも室内での放射線量が増える可能性はある。 居着いた放射能はなかなか出ていかない。こまめな掃除、しかも奴の特性を把握した掃除の仕方をしていかないと、 効率よく減らしていくことは難しい。 まずは水拭き掃除。これが大きい。普通の掃除機で掃除しても全部お尻から放射能をまき散らすだけ。 床に落ちている放射能は水拭きで取るのが比較的効率よい。 概ね放射能は埃にくっついて存在しているので、埃を拭き取ることができれば目的達成とみなしてもよいが、 拭けば必ずふき取れる代物でもない。少しでも拭き掃除をこまめにやりたいのなら、 水拭き機能付きの自動お掃除ロボ 【新発売】【送料無料】【メーカー直販】韓国No.1のサイクロン&水拭きお掃除ロボット自動充電...価格:29,800円(税込、送料込) ルンバのように掃除機能ももちろんついていて、掃除機機能の後ろ側にマイクロファイバーの雑巾をつける仕様。 ルンバと違ってサイクロン掃除機になっているのが特徴。1つ前の型で水拭きのみのモードがあったので、 この機種にも有ると思われます。水拭きモードはすごく静か。韓国製が心配?かもしれないが3年保証付き。 ちなみにルンバを作ったIROBOT社って福島原発の事故で活躍した多目的ロボット、パックボットを提供したメーカーです。 戦車みたいなキャタピラつけてZライト(古いか?)みたいな長い首の先にカメラがついてたやつ。 地雷除去ロボもつくってたりする。スゲー 水拭きロボは他にも 暑いこの時期でも、勝手にラクラクお掃除!【送料無料】【代引料無料】モッピー(MOPPY) 009 ...価格:4,980円(税込、送料込) などがある。これは乾拭きと水拭きも出来る。乾拭きしかできないロボモップを持っているが、 やつはそこそこいい仕事してくれた。こちらはどうか? 次に放射能を積極的に吸い込む機械。空気清浄機で放射線量を減らす。 福島の原発事故のとき、空気中の放射能を調べているシーンがテレビに写った。 そこには市販の空気清浄機のようなもので集塵して放射線量を計っているようなシーンだった。 おそらくフィルタはULPA仕様のものだと推測する。 フィルタの規格もいくつか有って、ULPAは高精密機器などの製造工場などで 埃が入ってはいけない場所にも使用されている規格。 定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、 かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ。 スギの花粉は直径が20μm、ウイルス0.1μm。ストロンチウムなら単体だと約0.0006μm。 ついでにN95規格マスクというタダチニ大臣が被災地で付けていた高性能マスクは、 おおよそ0.3μmの粒子で検査する。この粒子径で95%以上捕集できる性能の物。 ついでにこのNは耐油性が無いこと(Not resistant to oil)の意味。 つまり放射能単体ならフィルタで完全に除去するのは難しい。ザルで砂をすくい取る程度の量なら効果有るってイメージ。 しかし単体で存在することは少ないと言われている。埃や塵(0.01μmから100μm)にくっついて浮遊しているようだ。 それなら塵に対して効果のあるフィルタを使用すれば、大きな効果が期待できる。 残念ながら2000年あたりに市場を席巻したULPA規格の空気清浄機は今はもう売ってない。 ULPA規格では詰まりやすい上にオーバースペックとのことで、今は1ランク下のHEPA規格のものが売られている。 定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、 かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタがHEPA規格 N95規格のマスクの上にN100規格ってのがあって、それが微粒子を99.97%以上除去できる性能の規格。 このマスクと同等のフィルタってこと。 大手メーカーではHEPA規格に合わせず独自規格のフィルタを出しているケースが増えた。 フィルタ性能より活性炭やらウイルス分解できる材質のものをはめ込むなどの付加価値を売りにしている。 言い方を変えればHEPA規格のフィルタより小さなものを捕らえる能力は下と見なして良い。 そんなに小さな塵を取る必要性は、今までのニーズでは必要がなかったのだから仕方がない。 臭いやウィルス低下を売りにしたほうが売れたのだから仕方がない。 今ULPA規格のフィルタ出せば絶対売れるのに… 原子力施設ではどんなフィルタを使っているかというと、実はHEPA規格のフィルタを使用している。 しかも気体廃棄物として排気設備から排出する際、排気中の放射性微粒子を除去するために、 HEPAフィルタが採用されている。 これなら臭いとかウイルスがどうとか以前にまずはHEPA規格を満たしているフィルタのものを購入すべき。 【在庫あり】【16時までのご注文完了で当日出荷可能!】SHARP KC-Z65-W(ホワイト系) 加湿空気清...価格:21,306円(税込、送料別) なんとシャープがっつりHEPA規格満たしてる。湿度が高い方が埃も舞わず体内に入りづらくなるし、 塵や埃に放射能がくっつきやすくなるので、加湿機能付きをセレクト。 (個人的には加湿器は別に専用を推奨したい。 我が家ではエアコンで冷房しながら湿度落とさないように気化式の加湿器つけてます。) プラズマクラスターなんかは放射能にはなんのやくにもたたないが、おまけ機能としてはお好きな方は多いはず。 この手のスペックの集塵能力をあまり信用してないので、8畳くらいの部屋なら16畳以上から用のものを絶対選ぶべし。 花粉症対策やハウスダスト対策と同じく、放射能除去を目的とした空気清浄機においては大は小を兼ねます。 下記の廃盤となってしまう掃除機は、ULPA規格のフィルタで空気清浄機機能もついてます。 24時間稼働できないのが惜しい… 一方、放射能のゴミを消却するときの焼却炉についていたものに「電気集塵機」という機能がある。 こいつは簡単に言うと静電気で浮遊物をくっつけちゃう方式。下敷きこすって髪の毛くっつけるのと同じ原理。 この場合はこすらないで下敷きの代わりになるものに直接静電気を発生させる。 清浄機のフィルタは掃除機で吸い取るようなやり方だが、こちらはコロコロで床に着いてるゴミをくっつけるイメージ。 これって「フィルタが何マイクロメートルだからすり抜けちゃう~」とか一切関係なし。 近づいてきたのをくっつけちゃうだけだから。ただしあまり大きな埃やゴミはくっつけられない。 逆に目に見えないような小さな物が近づいて来た場合はとってもくっつきやすい。 一般的な空気清浄機の場合は、フィルタに溜まった放射能は何年もそこに居続ける。 どんどん空気清浄機一箇所に集約してたまっていく。 フィルタ交換なんて3年に1回くらい。(5年もつと書いてあっても3年くらいで交換してください。) 実際には一般家庭の濃度でどんなにかき集めてもフィルタから放射能を発生するほどは貯まらないが… 精神衛生上気になる人も居るはず。我が家も5月にフィルタ全取り替えしました。 この電気集塵機は吸着させる部分(下敷きに該当する部分)を拭き取れば終わり。 つまり常時放射能をため込んでおく必要がない。フィルタもない。 しかし残念…大きめの電気集塵機能付きのものが見あたらない… 業務用なら有るのに… ダイキンの家庭用清浄機はかなり良い線行っているのだが、結局静電フィルタにくっつける方式なのでパス。 なんか一個見つけました。 電気集塵式2WAY空気清浄機UVライトにマイナスイオン機能付BGW-048価格:2,100円(税込、送料別) やっすい。 しかもちっさい。 車用のドリンクホルダに収まる大きさ。まぁ車にも使える除染補助機としてはうってつけともいえるけど… あまり集塵能力はないが、無いよりは遙かにまし。 続いては隠れたところに潜んでいる奴らを引きずり出したい。 よく工場や落ち葉掃除などでブワーっと空気を送り出してゴミを前に押し出している送風機を見かける。 ブロワーという機械。 こいつで棚の上や棚の後ろ照明まわりやソファー冷蔵庫の下など、普段拭いたり掃いたりしていない場所や なかなか手の届かない場所も全てこいつで吹き出しておきたい。。 ハウスダストのアレルギーや喘息の人がご家族にいる場合も非常に有効なので是非お勧めしたい。 年に4回はやっておきたい。 ブロワーの選び方のポイントとして、1つは風量の調節が出来るタイプを選ぶこと。 結構大事で、調節できないタイプだとタンスの上に置いてあるような結構重たいものでも吹っぶ。 もう1つはあまり電気コードが長い物が多くないこと。これは延長コードで補えばいいという人は問題ない。 コード短いやつでの安めの候補がこれ。我が家でもコレ使用中。 E-Value 変速ハンディブロワー 500W [EBL-500V]価格:2,750円(税込、送料別) 使うときは朝10 00過ぎを推奨。かなりうるさい。窓を全開にして空気清浄機も全開、換気扇も回すべき。 エアコンは消しておく方が無駄なゴミや放射能を吸い込まずに済む。タダチニ大臣推奨?のN95マスクを装着すれば満点。 もしお掃除ロボがいるならブロワするときは稼働させておくとスムーズに埃を食べてくて便利だったのでお勧め。 掃除の要、掃除機。 安い物だとわざわざ吸った放射能をばらまいているだけになってしまう。 最近では安価な掃除機でもHEPA規格に対応したフィルタを排気口に付けていたりするが、 その排気口以外のところからも排気漏れしている機種がかなり多い。 フィルタが詰まっても他から空気が逃げれるように設計されているのかもしれない。 親切設計ともいえるが、ここの目的としてはまってく意味のないフィルタになってしまう。 残念ながら廃盤になってしまう超高性能機種、三洋電機の空間清浄サイクロン「エアシス」しか選択肢がない。 0.08μm以上の微粒子をほぼ100%捕塵するサイクロン式クリーナーでULPAフィルターを装備。 部屋の空気浄化を行なう専用モードもある。ホースを取り除いた状態で、 本体にある「空気清浄モード」のスイッチをONにすると、空気清浄機のように本体 に空気を取り込み、 フィルターで濾過した空気を排出する。実際の掃除で約7分間、空気清浄モードで約10分間動作すると、 6畳間の塵埃残存率は40%未満 となり、15畳タイプの空気清浄機を10分間動作させた場合と、ほぼ同じ効果が得られる。 ゴミを捨てるケースのフィルタ側にティッシュを挟んでおけば、ポイっと捨てるだけの簡単設計。とても楽ちん。 空気清浄機では1ランクしたのHEPAのフィルタしか存在しないのに、この掃除機でULPAのフィルタで清浄出来る。 つまり、空気清浄機よりこちらを使った方がフィルタ能力としては上。掃除機侮り難し。 代引き手数料無料!全商品全国送料無料/ボーナス一括払い可能SANYO(サンヨー) サイクロン式 ...価格:33,980円(税込、送料込) もう在庫のみとなってしまった機種。サンヨーがパナソニックに併合された後、後継機種は出ないとのこと。残念… 近所の家電では見かけなくなりました… 屋外除染については、 ガイガーカウンター購入考察 で触れたが、室内除染についても屋外除染と同じく放射能の数値の相対的な変化を把握しておくことは とても有効な手段だと思われる。
https://w.atwiki.jp/konatazisatu/pages/109.html
秀才と双子 byおもらし中尉 輝く太陽 活気有る学び舎 清楚たる生活 そしてすすり泣く少女 少女の名は泉こなた、こんななりだが中身は立派な高校生だ その泉こなたは3年B組の教室では格別の待遇を得ていた 御他聞にもれず『いじめ』られていた 理由は何故だろうか? 何故だろう? 「どうして苛められているか解らないといった様子ですね?」 「そうね★」 「そだね☆」 こなたの前に立つのは長い髪を美しい手で撫で下ろす学級委員の高良みゆき 眼鏡の奥に秘めた青い瞳は優しい眼差しをこなたに向けていた そのみゆきを挟む様にして並ぶ二人 右を担うのは腰に手を当てて常に臨戦態勢の柊かがみ ツインテールの釣り目のは強気の象徴である口元をへの字に曲げてこなたを蔑む 左で薄笑いを浮かべて口元を両手で隠すのは柊つかさ 黄色いリボンと小動物的な雰囲気が象徴的だが、そのしたたかさはこなたを疎む 学級委員と二人の姉妹に囲まれて、泉こなたは涙を浮かべ、床にへたり込んでいた 「なんで苛めるの?」 数日前まで…いや数週間前、数ヶ月前? あの楽しかった四人での生活が、一体いつ終わりを迎えたのかすらも記憶が定かではない ましてや二クラスの中心人物に目をつけられて、学園生活は三年生にして最悪なものと変貌していた 「それは貴女が人間の屑だからですよ、可愛い泉さん」 「そう、アンタはこの世の屑の中の屑なのよ★」 「こなちゃん凄いね~、喋る屑だなんて☆」 これがかつての友人に向けられた言葉だとはとても思えない 周囲の反応は、おそらくそれが正常なのだろうが… このクラスは違った いつもの風景だ 白石が意味もなく掃除用具入れを明け 窓際のミクルに似た生徒は虚空を見つめ 変な頭の不良は机にふんぞり返っている これがこのクラスの日常である しかるに、こなたの目の前に散らばった大量の吐瀉物… これも日常の風景なのである 「高良さん、ボディブロー3発ってこんなもんでいっすか?」 「俺らもスッキリしたし、これで泉の体が使えたらもっとすっきりするのになぁ」 こなたは「まさか」といった表情で男子のいやらしい視線に怯える 「いいえ、いけません。学生同士での性行為は校則で禁止されていますので、あしからず」 「ま、一応お礼は言っておくけどね★」 「どうしてもってなら、こなちゃんを彼女にしたらいいよ☆」 「ちぇ、まぁ いいけどよ」 「彼女には…ねーわw行こうぜ~」 こなたは少しホッとした、しかしこの状況に救いなどあるのだろうか? クラスの男子生徒たちにすら屑扱いのこなたはお腹を押さえて震えた チョココロネと牛乳、そして胃液の匂いが鼻を付く 「あら、こんなに汚してしまって…いけませんね」 「そうね、それじゃあ…そこのあんた達★」 「お掃除お願いしまーす☆」 「あ、はーい」 「せーの!」 じゃばあああ 「びゃあああ!!」 バケツに入った灰色の水がこなたに向かってかけられた 言わずとも、こなたは汚水にまみれて顔を歪ませる 「お二人ともおドジさんですね、床でなく泉さんに水がかかってしまいましたよ」 「仕方ないから、こなたが雑巾になって床を拭きなさいよ★」 「駄目だよ、こなちゃんは屑だから雑巾にはなれないんだよ☆」 「あ~、泉さんごめんね~」 「ほら、髪の毛がこんな…」 ビシ! 「きゃ!」 予想外のこなたの反撃に少女Aは弾かれて少女Bにぶつかる 少量の飛沫が舞い、こなたの目に憎しみが浮かんだ みゆきはこなたに近づいて、自分のスカートの裾を摘んで見せると 突然こなたの頭を踏みつけて、長い髪で床の吐瀉物をふき取らせ始めた 「泉さん、汚水の飛沫でスカートの裾が汚れてしまいましたよ。弁償しますか?」 「あんた最低の屑ね、友達の制服を汚すなんて★」 「ついでに空気を汚すのも止めてくれないかな☆」 「くうう……」 少女Aと少女Bはこなたの両手を掴み、反撃を阻止している こなたはその内、痛みと悔しさ、そして悲しみで大声を上げて泣き出す そうするとこの時間のイベントはこれで終了し 何事もなかったかのように机も床も綺麗にされる あとに残ったのは体中に異臭を漂わせた『人間の屑』である どうして苛められ始めたかなんて、覚えていない というか、そんな理由が本当にあるのだろうか? 空気が読めてないから? 頭が悪いから? もしそうなら入学当初からいじめられていた筈だろう 友達なんか出来なかっただろう そんな事を考えていたらまた次のイベントの時間が始まった 今度は机をすべて前に移動して教室は大掃除の様になっている こなたを後ろの黒板付近に立たせドアは封鎖された 「さあ、では班対抗のダーツゲーム大会を開催いたします、主催は私、高良みゆき」 「サポートは私、柊かがみ★」 「マネージャーは私、柊つかさ☆」 「さあ、それでは各班はラインに並んでください」 『ヨーイ……はじめ!!』 わーわー やんや やんや 「いた!やめてぇ!!」 三人の掛け声につられて、ペンやカッターナイフ、石までがこなたの体目掛けて投げられる 「顔は駄目ですよ~」 「狙うならお腹か肩にしなさいよ、服で痣が隠れるから★」 「脚を狙ったら、下着が見えるかもよ~☆」 「いだ!うげえ…あ!!」 こなたの体には無数の小さい刺し傷が見え始め 腕や脚にも痣が見え始めた 石が脚を捕らえ、転倒するや否や男子は下着を覗き込み「いえー!」と叫ぶ 女子の投げたカッターナイフは的確にこなたの髪を刈り取っていく 「やめて!!許してぇ!!!」 こなたは床に倒れこんでガタガタ震え始めた みゆきは口元を押さえてニコニコ笑い、時計を見た 「はーい、ここで一旦終了します」 「はい、そこ投げない!★」 「じゃあ、皆でダーツを拾いにいきましょう☆」 クラスの全員がこなたの周りで自分たちが投げた物を拾っている 「泉のパンツ何色だった?」 「ん?ああ、ピンクだったぜぇ~へへ」 「あれって最近結構人気のデザインなんだよ~」 「そうなのか、じゃあまさかお前もかよw」 「や、エッチ~♪」 すすり泣き、体を抱くこなたに目もくれず クラス内は談話に包まれている 「では皆さん、ラインに戻ってください」 「はいはい、さっさと動く~★」 「そこの男子、ドサクサにまぎれて体操服盗まな~い☆」 「さあ、では皆さん張り切って二回戦に突入です」 「みんな頑張ってね★」 「点数は付けてないけどね~☆」 そして、横たわるこなたは更に傷だらけになった あくる日の午後、日常の光景 「あらあら、いけませんね泉さん利尿剤は残さず飲んでください」 「そうよ、こなた」 「そうだよ、こなちゃん」 「うう・・・・・」 こなたはみゆきに無理やり利尿薬を飲まされる かがみはとつかさはこなたの手足を掴み、鼻を摘んで笑っていた 「いい飲みっぷりですね、ウジ虫さん」 「こなたにお似合いね★」 「そーだね、ウジ虫さんらしいよね☆」 「うっぷ…げえ…うええ」 「いけませんよ、吐き出さないでください」 「おっとと、駄目じゃないのこなた★」 「さあ、みんな出口を塞いで~☆」 三人はこなたを羽交い絞めにしながら窓際に連れて行く 「うう…口の中が苦いよ…」 みゆきは時計を見た 秒針が進み、時計は時を刻む 薬品はこなたの血液に乗って全身を駆け巡り 己の効果を存分に発揮する体制に入った 「い…ちょっと!離して!!いやあぁ!!!で、でちゃう!?」 「あら、何が出ちゃうんですか?」 「そうよ、出ちゃうじゃ解らないわよ?★」 「中から別の生き物が出てきちゃうとか?☆」 「お、オシ…オシッコが出ちゃう!!」 こなたは体をバタつかせるが三人はこなたを離さない 「何を言ってるんですか、利尿薬をのんだからってそうそう出ませんよ」 「そうよ、だって利尿薬っていうのは健康に良いのよ★」 「そうだよ、だから体から出すのは勿体無いよぉ☆」 「やめて!!離してよ!!!ひい…あ…がああああ!!!」 こなたは目を向いて三人を振り解こうと必死にもがく 「しかた有りませんねえ」 「そうね、仕方ないわね★」 「しょうがないなぁ☆」 三人が同時に手を離すと、こなたは勢い余って無様に転ぶ 床に打ち付けられたせいで「ぐええ!」と悲鳴を上げながらも こなたは股間をしっかり押さえて起き上がる…が 「うう…」 ドアの前にはクラスメイトが人の壁を作っていて進めない 「どいて!どいて…ぎゃあ!!」 こなたがドアに駆け寄ろうとした瞬間、男子生徒がこなたのお腹を蹴飛ばす こなたは苦悶の表情を浮かべてのたうち、またも起き上がる 今度は隅の女子生徒がほうきをこなたに投げつける 続いて塵取り、雑巾、バケツ… 「いだ!…やあ、やあああ!やめて、漏れる、漏れるぅぅぅぅ!!」 今度は数人の男子生徒が必死に耐えるこなたを捕まえ 両手両足を掴み、観音開きの形にして窓際に連れて行った 図らずとも、こなたの照準は校庭に向けられる 校庭には数十、いや数百人の生徒の視線 「いやあ!!離してええ!!」 「わっしょい!わっしょい!わっしょい!」 男子たちはこなたを高く掲げて神輿の様に揺らす 定期的な振動により尿意は波となってこなたを襲う 『わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!』 掛け声は、掛け声を呼び 男子たちからクラスメイト全員へ、そして廊下、校庭 全ての人が見守る中で泉こなたの糸が切れる 「見ないでええええええええええええええ!!!!!」 ブッシャアアアアアアアアアアアアアァ!! 窓のさんや校庭からはビチャビチャと飛沫が上がり 教室や校庭からは歓声が上がる 「蛆虫~!」 「サイテー!!」 「おお~最高の眺めw」 「ざまーw」 「こなた様!!」 「神降臨!」 まだまだ続く、途切れることを知らない黄色い架け橋は中を仰ぎ そして、虹を描く かつてこれほどまで大規模な排尿行為が有ったであろうか 永遠に続くと思われたこなたの黄金水の鎖がピチャピチャと雫を垂れる頃 こなたの顔は涙で濡れていた そして辺りは、もとの日常に戻る まるで何も無かったかの様に平静に戻る 「はい、では皆さん片付けましょう」 「そうね、祭りも終わった事だし★」 「くさいね~☆」 「ううえええええええええ!!あああああああああああ!!!」 片付けの最中もこなたの泣き声はコダマした 誰も気に留めない大声であった 翌日、こなたは学校の屋上から飛び降りてこの世を去った 恨みを込め、周囲を地獄に落とす為に書いた遺書は 担任の黒井ななこによって破り捨てられ こなたの机は物置へと変わった 無残にも体の骨が砕け、ハラワタがはみ出した死体は丸一日放置され この世の未練を恨んで空を睨む瞳がカラスについばまれる頃 この学校に古くから勤める用務員によって下水のマンホールに捨てられた 後日、マンホールを取り囲むのは高良みゆきと柊姉妹の三人 みゆきは白い油性ペンでマンホールの蓋に『蛆虫の墓』と達筆でしたためる 「これで泉さんも安らかに眠れる事でしょう」 「そうね、屑こなたにはお似合いの最後だったわね★」 「………何言ってるのお姉ちゃん☆」 「え…?★」 みゆきはニコリと笑うとかがみを優しく見据える 「こなたさんが居なくなってしまったので屑は…かがみさん、貴女ですよ」 「だよ☆」 END
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/394.html
※このお話は本編とは時間軸が異なります。 ※いつの間にかシンが学園に通っていることになっていますが気にしないで下さい。 2月14日。バレンタインデー。 それは菓子屋の陰謀と打算渦巻くイベントである。 C.E.出身の俺にとってはあまり良い日に思えないが、この世界では普通に微笑ましさ と嫉妬の舞い踊る日なのだろう。 そんな日に俺はというと 「……昨日の方が大変だった訳だが」 朝一番の通学路にて、朝倉に愚痴っていたりした。 「アンタの妹の料理下手は最早才能を超えた何かだと思うんだが」 「……否定はしない、つーかできねえ」 昨日は朝倉妹のチョコ製作の手伝いで随分と酷い目に遭った。応援に駆り出された身と してはたまったものじゃない、主に後片付け的な意味で。 「ああ、そうだ朝倉。鍋が一個減ってるから買い足しとけ――――昨日溶けたんだ」 「音夢は一体何を作り出したというんだ!?」 「お、急がないと遅刻するな」 「待てシン! 俺は一体何を食わされるんだよ!!」 喚く朝倉を無視して俺は学園への足を速めた。 何って言われても正直困る。何故なら、俺もあれが何なのかわからないからだ。 ……さて、唐突だが俺は転入生となる。 当然ながら当初下駄箱は用意されていないので、端に追加の形を取っている。 そして現在用意された俺の下駄箱は『あ行』の朝倉のほぼ隣に位置している訳で。 俺は靴を取り出すと同時、下駄箱に入っていた小奇麗にラッピングされた小箱を朝倉の 下駄箱に放り込んだ。 「待てぇえい!!?」 「うわ!? いきなり大声出したら驚くだろ!」 何故か朝倉に怒鳴られた。 「今何をした?」 「いや何って……場所間違えてたみたいだから、正しい場所にシュートイン?」 「お前宛だろどう見ても!」 「――朝倉。お前は一度いかに自分がモテる人種なのか自覚したほうがいい」 「お前が言うか、お前が…………」 何故朝倉は脱力しているのだろう。俺何か変な事言ったか? 「てかやっぱお前宛だコレ。名前書いてある」 朝倉が小箱に挟まっていたカードを開く。確かにそこには『シン・アスカ君へ』の文字 が綴られていた。 「物好きもいるもんだなー」 朝倉からカードを受け取って開く。覗き込んできた朝倉と共に文章を読むと、 『二つの内一つはハズレだからね 芳乃さくら』 「「ハズレって何ィ!? てーかさくらかよ! 家で渡せよ家で!!」」 俺と朝倉の魂のシンクロ。一言一句違わないとはなかなか稀なんじゃないか。 それにしてもさくらのやつ何て無駄な仕込をしてやがる。道理で朝から姿を見ない訳だ。 「……で、どうするんだよシン」 「なあ朝倉甘いもの喰いたくないか喰いたいだろ仕方ないな分けてやるよ」 「キサマ俺に食わせる気か! こっちは音夢印の超物質を摂取する事が確定してる身なん だぞ!?」 ……超物質とわかっていてもちゃんと食うもりなんだな、音夢のチョコ。 相変わらずこういう事では筋の通った奴だ。 「まあそれとこれとは話が別だけどな! 両方ならば当たり外れも関係ない!!」 「落ち着けシン! 箱ごとは生物学的に不可能だ!!」 朝の下駄箱にて、中身が爆弾と判明した小箱を押し付けあう俺と朝倉。 結果はというと―― 遅刻して先生に怒られた。 「「コイツが悪いんです」」 「黙れ」 「聞いたか……朝倉が逝ったらしい」 「まあ……アレ、だしなぁ」 「アレ、だもんなぁ。何か憑いてたぞあの超物質」 「恐るべしは朝倉音夢よ……」 昼休み。 散った戦士を悼む声が教室のあちらこちらで上がっている。 ――朝倉。お前は挑んだんだな、あの超物質に 気のせいだろうか窓から見上げた青空をバックに朝倉の顔が写った気がした。 『割り切れよ。でないと――死ぬぜ?』 朝倉、それはハイネ隊長の台詞だ。 まあ大丈夫だろう。後遺症が出るかもしれないが死ぬまではいくまい。 「………………どきどき」 昼飯どうするかなぁ。いつもは朝倉か杉並辺りと食うんだが……朝倉はグロッキーだし、イベントデーなせいか杉並は姿が見えないし。 「………………わくわく」 首をぐるんと回して視界から金髪と青いリボンを強制排除する。 ――即座に視界に復帰する金髪と青リボン。 もう一度首を回すも結果は同じだった。 「……何故さっきから俺に付きまとってるのか理由を言え」 「うにゃ? 別になんでもないよ?」 眩いばかりの笑顔が逆に怪しい。コイツ、おそらく楽しんでいる。 「別にシン君がハズレ引かないかなーなんて思ってないよ?」 訂正。確実に楽しんでいる。 「今絶対に喰うまいと心に誓ったんだが」 「うにゃー、シン君はボクが頑張って用意したチョコ食べてくれないんだ。酷いなぁ」 ぷうと頬を膨らませて非難の目を俺に向けるさくら。 「あのなぁ……大体ハズレとか付けるからだろうが」 「にゃはは。普通に渡したんじゃインパクトに欠けるかなぁって」 そんなインパクトは誰も求めていない。 「あーもーわかったよ。食えばいいんだろ、食えば」 これ以上面白がられるのもシャクだし、さっさと終らせてしまおう。 何のことは無い。当たりを引けばいいだけの話だ。 それにハズレを引いたとしてもどうせ激辛だとかそんなものだろう。 鞄の奥底に仕舞った小箱を開けると、中には色も形も全く同じな茶色いブロックが二個。 ……見た目は完全に同じ。この時点での判別は不可能なようだ。 「ちなみに当たりの方は昨日ボクが失敗したチョコで、」 「ちょっと待て。それが何故当たりなん――」 「ハズレは音夢ちゃんの失敗チョコのリサイクルでーす」 「確かに当たりだ! いやむしろ大当たりだ!!」 ていうか爆弾どころの話じゃないぞこのチョコ! 戦術核級じゃないか!! 「ていうかアレは見た目の時点で普通とはかけ離れていた筈じゃ――ッ!?」 「ハズレの方はボクの持てるスキルを総動員して普通のチョコに偽装してありまーす」 「アンタ悪魔かぁ――!!」 何てことだ……いつの間にか命を左右するほどの重大な選択を強いられている……!! 「くっ……どっちだ! どっちが……!」 二つのチョコを手にとって物凄く間近で凝視する。 朝倉の二の舞だけは避けた―― 「……シン」 「へ?」 「お前も地獄を味わええぇぇ――――!!」 「もが――――ッ!?」 凝視する為に顔に近づけていたチョコ二つが口の中にねじ込まれる。視界に入ったのは、 保健室送りになったはずの男――朝倉はやり遂げた顔でぶっ倒れていた。 コイツこのためだけに戻ってきやがったのか!? ――あ、マズイ。意識が てか、味覚で感じる間も無く意識を刈り取るチョコってどうよ……? 「授業を始めるぞ……ん。アスカはどうした?」 『散りました』 「……はぁ?」 マユ 「マユ先生のデッドエンド道場のコーナー!」 ステラ「…………もむもむ」 マユ 「このコーナーでは選択を誤ったせいでデッドエンドしちゃったお兄ちゃんに アドバイスを送りつつ死地へと送り返すコーナーでーす!」 ステラ「…………もむもむ」 マユ 「今回の失敗は朝倉さんとの友情度不足だねー。押し付けはよくないよー」 ステラ「…………もむもむ」 マユ 「ステラさん? 何食べてるの?」 ステラ「…………チョコ。スティングがくれた」 マユ 「どうしよう。ツッコミ所が多すぎてマユじゃ対処しきれない」 つ速報 マユ 「おや。どうやらお兄ちゃんが一命を取り留めたようなので、今回はここまで! またね~」 ステラ「……シン、明日で待ってる」 「ステラアアァァァ――――!! ……はっ!」 目を覚ますと、そこは保健室のベッドの上。 隣のベッドには生ける屍と化した朝倉の姿が。 「アンタが悪いんだ……アンタが無茶するからあ――!」 復讐即実行。 傍に転がっていたマーカーペン(油性)を引っつかみ、キャップを引き抜く。 要らぬ毒物を摂取させられた恨みは、顔面ラクガキにて晴らさせてもらう……! 「――お、お?」 ベッドから降りようとしただけなのに、何故か体がぐらついた。さっきの後遺症かと思 ったが、身体の動作に異常は無い。どうもズボンの裾が足にひっかかっただけのようだ。 「……?」 しかしこのズボンこんなに長かったか? サイズはちょうどよかった筈なんだけど。 ――直感があった。 俺はさっき未知の物質を摂取している。実際問題俺の身体に何が起こってもおかしくな い。ベッドから飛び降りる。ズボンだけでなく袖も長かったりとか、服が全体的にダブ付 いている事から答えはもう出てるようなものだが、ハッキリするまで認めたくないのもま た事実。 保健室に備え付けられた姿見に辿り着き、自分の姿を写す。 ( ゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ (;゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ _, ._ (;゚ Д゚) …?! (つд⊂)ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ ( д ) (; Д ) !! ――どう見ても身体が縮んでいます。本当にありがとうございました。 「馬鹿なあああぁぁぁ――――ッ!?」 朝倉妹が造り出す謎物質は常識すら捻じ曲げるというのか!? てか小さいな俺! これは下手したらさくらより小さいんじゃないか!? 「うにゃ。シン君目が覚めた……の?」 「………………」 ひょっこり顔を出したさくらが俺を見て硬直する。 何て言ったものかしばらく逡巡した俺は、 「――ハジメマシテ。シン・アスカノオトウトデス」 俺であることを放棄した。 「うにゃああああああちっちゃい――――!!」 「離せえええええええぇぇぇ――!!」 ダブついてる服のせいで回避が間に合わず、さくらに捕まった。 「うにゃにゃにゃにゃ――!」 やたらハイテンションなさくらに撫で回される。 自分より小さい人間に会ったので嬉しくなったのだろうか。まあ何にせよ捕まってる身としてはたまったもんじゃない。 「HA☆NA☆SE!」 「愛いやつめー、お姉さんが可愛がってあげようー」 「ハッ! その質量でお姉さんは無理が――首のっ……骨がっ……!」 もう一回気絶することろだった。 失言には気をつけよう。 それからはもう大変の一言に尽きる。 まず教師に事情を説明するもなかなか信じてもらえない。まあこれは身近な先生を第三の犠牲者とする事で解決した。それからもクラスの男子から馬鹿にされるわ、女子に愛玩動物扱いされるわetc.... 放課後になるまで正直生きた心地がしなかった。 「酷い目に遭った……」 「シン君大人気だったもんねー」 帰り道をさくらに手を引かれながら歩く。 何度嫌だと拒否しても手を繋いでくるのでもう諦めた。さくらは年齢よりはるかに小さ いが、今日は俺が更に小さい。 他の人にはさぞ普通の姉弟にみえることだろう。 「うにゃ。お兄ちゃんもいいけど、弟ってのもいいかもねー」 「俺はさくらに見下されるのがこんなにも屈辱だとは――砕ける! 手の骨が砕ける!」 うなだれる俺を見るさくらはえらくご満悦だった。 ……力関係が完全に逆転してしまっている。 「あ、そうだ。忘れるとこだった――はいバレンタインのチョコ」 「は? 朝のは?」 「あれは……余興?」 首を傾げて呟くさくら。いやこのカオスな状況を作り出した要因をそんな一言で流され ても困る。 「その余興で俺はえらく酷い目に遭っているわけですが」 「うにゃ。可愛くなったからボク的にはオッケー」 「俺は全然オッケーじゃない……まあいいや。くれるってんなら貰っとく、ありがとな」 「うんうん。素直でよろしい」 「晩飯何にするかなー」 「てかシン君作れるの?」 「気合でどうにかする」 「お姉ちゃんが手伝ったげようか?」 「ハッ。冗談は身長だけに――ねじ切れる! 手首の関節がねじ切れる!!」 かえりみちを歩く時間が長かったのは、俺の歩幅がいつもより小さかったからだろう。 ちなみに、元に戻るまで三日かかった。 正月に戻る 花見に行く 一覧へ
https://w.atwiki.jp/25438/pages/1790.html
最近みんなに会えてない。 大学を卒業してから父のすすめで、実家の関連会社に就職した。 会社の名前は琴吹ペットライフ。 ペット関連の商品を企画・販売している会社で、収益の柱はペットフード。 私はこの会社で事業部長をやっている。 入ったときは平社員だったが、2年で係長、それから1年で課長。1年で部長とスピード出世した。 勿論、実績をあげたから出世したわけではない。 親会社の意向。つまり私の親の意向により、部長に据えられた。 あと数年もすれば社長になり、やがては父の会社の重役として働くことになるだろう。 父に感謝していないわけではない。 この不況下では、まともに職を持てない人もたくさんいる。 私は恵まれていると言えるだろう。 でも、会社の居心地は決してよくない。 大企業の関連子会社には親会社で問題を起こしたり、出世コースから外れた人たちが落ちてくる。 そういう人たちが管理職に就いたりするわけで、子会社の社員はモチベーションの維持が難しい。 真面目に働いて結果を残しても、出世できるかは親会社の人事次第なのだ。 そのせいもあり、社内では倦怠感を伴う僻み感情が溢れている。 男性社員であろうと、女性社員であろうと、数人集まれば陰口大会がはじまるのだ。 とは言え、私に対する風当たりが特別強いわけではない。 不平不満を言ってもどうしようもないと分かっているようで、ある意味諦められているから辛くはあたってこないのかもしれない。 むしろ腫れ物を扱うように優しくしてくれる。 そんな日々に私は倦んでいた。 ただ、嫌なことばかりでもない。 家に帰ると、玄関にお出迎えしてくれる子がいる。 私が靴を脱いで部屋に上がると、その子は黙ってついてくる。 砂糖たっぷりのミルクティーを作って、ソファに座り込むと、その子は私の膝にのる。 この子は猫。真っ黒な黒猫。 元々は捨て子だった。 とある晴れた日のこと。 『捨て猫』と油性マジックで書かれたバケツの中にこの子が入ってるのを見つけた。 脱水症状になりかけていたらしく、私が覗きこむと、弱々しい目でこちらをみた。 その表情に負けて、私は彼女を連れ帰ることにした。 水で薄めた牛乳を与えると、美味しそうに飲んで、そのまま眠った。 私はすぐにペット可のマンションを探した。 不動産屋に行って聞いてみると、会社から近くて、すぐに移れるところは3LDKしかなかった。 家賃は2倍に跳ね上がってしまうが、お金は余っていたので即決した。 それ以来、私はこの黒猫と暮らしている。 1人と1匹には少し広すぎる部屋だけど後悔はしていない。 部屋に帰ってこの子がいるだけで、全然違うからだ。 幸いにも黒猫は私になついてくれて、私を癒してくれる。 もちろんいいことばかりではない。 お気に入りの服を駄目にされたこともあるし、ひっかかれたこともある。 昔はおしっこの始末も大変だった。 今はトイレでしてくれるようになったけれど。 この子がきてから、家にいる時間は楽しいものになった。 そのせいか、逆に会社での時間はつまらないものになった。 ◇ そんな私に転機が訪れたのは一ヶ月ほど前のこと。 私の部署に派遣社員がきた。 名前を聞いたときまさかと思っていたけど、出会って確信に変わった。 以前のように特徴的なツインテールはしていないけど、彼女は梓ちゃんだ。 梓ちゃんは朝に一度だけ挨拶にきたけど、そのときはほとんど話せなかった。 仕事中も話す機会はまったくなかった。 流石に社員の目があると、自由におしゃべりするわけにはいかない。 私は梓ちゃんに仕事が終わった後、飲みにいこうとメールした。 ◇ 梓「お久しぶりです……」 紬「ええ、久しぶりね。 梓ちゃんがうちの会社に入ってくるなんて」 梓「私も驚きました。 ムギ部長が勤めていることは知っていましたが、まさか部長をやっているなんて」 紬「その、部長っていうのやめない? 会社以外では」 梓「え、えっと。ムギ先輩……って呼んでもいいんですか?」 紬「ふふ、懐かしい響きだわ」 梓「なんだか大学時代に戻ったみたいです」 紬「そうね」 梓「ムギ先輩は変わりませんね」 紬「梓ちゃんはツインテールやめたんだ?」 梓「……」 紬「梓ちゃん?」 梓「……ちょっと、嫌なことを思い出してしまって」 紬「ツインテールで?」 梓「……はい」 紬「色々あったんだね」 梓「……素面じゃ話せないので、そろそろ注文しましょう」 紬「うん。好きなもの頼んでいいよ。 今日は奢るから」 梓「そんな……悪いです」 紬「梓ちゃん……部長と平社員なら部長さんが奢るのは当たり前よ」 梓「私は派遣です」 紬「それでもよ……」 ◇ 梓「ツインテールの何がわるいんですか。 どいつもこいつも『そんな髪型で社会人になる自覚あるの』とか言いやがるんです」 紬「あ、うん」 梓「そのせいで一般企業は全滅。 本当にツインテールの良さのわからん馬鹿ばっかりです。 ……それでもなんとかとあるパン屋さんに店員として雇ってもらったんですよ」 紬「うん」 梓「でもそのパン屋さんも2年前に潰れて……女将さんいい人だったんですが……。 それから1年ぐらいニートをやっていましたが貯金がなくなって……。 で、ネットカフェをまわりながら派遣の仕事を探す毎日……って聞いてます!?」 紬「うんうん」 梓「ムギ先輩!!」 紬「うん?」 梓「駄目だ……ムギ先輩ってお酒を飲むとうったりしちゃうんですね 知りませんでした」 紬「う~ん。聞いてたわよ~。 梓ちゃんがパン屋さんに勤めて、今はネットカフェに泊まってるのよね」 梓「はい、そうです。 俗にいうネカフェ難民ってやつです」 紬「ネットカフェで暮らすって大変じゃない?」 梓「そうでもないです。月3万ぐらいで寝る場所が確保できて、シャワーも浴びれますし。 充電もできるし、ネットもやりほうだいですし……」 紬「ふぅん……」 梓「なんて興味なさそうな」 紬「ルームシェアしない?」 梓「え?」 紬「月2万でいいわよ~」 梓「酔ってます?」 紬「えへへ~。梓ちゃんと会うの久しぶりだったから、たくさん飲んじゃった」 梓「はぁ……でもルームシェアですか。 本気ですか?」 紬「ほんきほんき」 梓「確かに楽になりますが……。 ……酔がさめてからお話したほうが良さそうですね」 紬「zzz」 梓「え、ムギ先輩」 紬「zzz」 梓「ムギ先輩、起きてください、ムギ先輩!!」 紬「zzz」 梓「どうしよう……私は家なんてないし。 ネカフェに連れてくわけにもいかなし。 紬「zzz」 梓「……仕方ないので鞄を見せてもらいますね……」 梓「……」 梓「……」 梓「あ、これ懐かしい ……と、今は住所を調べないと」 梓「……」 梓「免許を見つけた。あ、鍵も ……店員さんにタクシーを呼んでもらおうか」 梓「……ふぅ」 梓「なにもかも、懐かしいな」 ◇ 梓「……ここだ」ガチャ 紬「zzz」 梓「こんばんはー、って誰もいませんよね」 ?「みゃー?」 梓「……え?」 黒猫「フシャー!!」 梓「……猫さんだ。ムギ先輩、猫を飼ってるんだ」 黒猫「フシャ―!!」 梓「大丈夫。ご主人様を連れてきてあげただけだから」 黒猫「みゃ~?」 梓「お、通じた? とりあえずベッドまで運ぼう」テケテケ 黒猫「……」テケテケ 紬「zzz」ゴロン 黒猫「……」ゴロン 梓「ムギ先輩に寄り添って寝てる。 よほど懐いてるんだね」 梓「それにしても真っ黒な猫さん。 以前純から預かった子より黒いなぁ。 ふふっ……幸せそうな寝顔してる」 梓「私は……。 今日はここで寝かせてもらってもいいかな。 ソファーを借りよう」 梓「……おやすみなさい、ムギ先輩」 紬「zzz」 黒猫「zzz」 梓「zzz」 ◇ 梓「zzz」 梓「zzz」 梓「zzz……ん」 梓「んーん……」 紬「……」ニコニコ 梓「……んッ!?」 紬「おはようございます」 梓「む、むぎ先輩?」 紬「ふふ、寝顔を見ちゃった」 梓「もう、起こしてくれれば良かったのに」 紬「まだ早い時間だから、ね」 梓「まだ6時前……ムギ先輩お寝坊は治ったんですか」 紬「ん~、完全には治ってないけど、早く寝れば早く起きれるわ」 梓「大学時代は毎日起こしてあげたのに」 紬「あー、懐かしいわね」 梓「はい。あの頃のムギ先輩は、本当にお寝坊さんで」 紬「菫に頼まれてたのよね。 『お姉ちゃんを起こしてください』って」 梓「はい」 紬「でも、本当は唯ちゃんのことを起こしたかったんじゃないの? あっちは晶ちゃんと憂ちゃんが争奪戦してたから混ざれなかったみたいだけど」 梓「そうでもないです。 ムギ先輩を起こすともれなく美味しい朝食がついてきましたから」 紬「あら、食いしん坊さん。 トーストとヨーグルトを用意してあるから食べましょう」 梓「はい」 紬「……」モグモグ 梓「……」モグモグ 紬「それで、考えてくれたかしら?」 梓「え?」 紬「ルームシェアの話」 梓「あれ、本気だったんですか」 紬「うん」 梓「……ここの家賃いくらですか」 紬「13万」 梓「た、高ッッ!」 紬「うん。一人で住むにはちょっと高いよね」 梓「そんな、月2万で住ませてもらうわけには」 紬「ルームシェアしてくれたら月11万になるんだけど」 梓「……確かにいい条件です。けど、流石にそんな値段で住まわせてもらうわけには……。 そうだ。月4万出します。それなら……」 紬「+2万はつらいでしょう。今の給料じゃ……。 そうねぇ、もっと出したいというなら、お金じゃなくて体で払ってもらいましょうか」 梓「な、なななっ!」 紬「というわけで、月曜のゴミ出しを担当してもらうね。 月水金のご飯も担当。 あと、この子の餌やりも負担してもらいましょうか」 梓「え、あっ、そういう。 でも、ご飯なんて私……」 紬「大丈夫。下手でも我慢するから」 梓「むむむ……」 紬「ね」 黒猫「みゃー」 梓「仕方ないです、この子に免じて、ここに住んであげます」ナデナデ 黒猫「みゅ~みゅ~」 紬「あら、この子が人に懐くなんて珍しいわね」 梓「え、そうなんですか?」 紬「……」 梓「ムギ先輩?」 紬「……って一度言ってみたかったの~。 ほとんど誰とも会わせたことがないから、人懐っこい子かどうかは分からないんだけど」 梓「ムギ先輩って……部長さんになってもムギ先輩ですね」 紬「……不思議ね、私が部長なんて。 りっちゃんじゃないのに」 梓「律先輩……今頃何してるんでしょう」 紬「オリエンタルランドで中の人をやってるらしいわよ」 梓「えっ」 家をでる前に、梓ちゃんに合鍵を渡した。 梓ちゃんは以前より感情を表に出さなくなっていて、 喜んでいるのか戸惑っているのか私には分からない。 少し強引だったかなとも思う。 ただ、ほうってはおけなかった。 女の子がネカフェ難民をするのは危険だと、以前テレビで見たことがある。 梓ちゃんのような可愛い子なら尚更だろう。 危険なだけじゃなく、疲れもとれないし、きっと食生活だって偏っていたはずだ。 でも、本当は、私が寂しかったから誘ったのかもしれない。 あの子には申し訳ないけど、猫は猫だ。 ちゃんとお話できる人間とは違う。 ……その他に理由はなかったと思いたい。 2
https://w.atwiki.jp/animelonif/pages/38.html
006 始まってしまった物語に、奪われたままの時に ◆dKv6nbYMB. ―――カチリ 時は進む。 ―――カチリ そのことを我々に知らせるために、時計の針はその秒針を刻んでいく。 ―――カチリ 時に時計はズレが生じていることがある。だが、それに気付くのは容易なことではない。 そして、気付いた時にはもう手遅れになっていることも珍しくない。 『お...おれの時計が進んでいたっ!?すると、おれは正午前に弾丸を撃っていたことになる!今からが正午だ!なにが起こるってんだ!?』 『皇帝』のカードを示唆された男がそうだったように。 『まずい、ビルが...時間が止まらない!そんな...』 時を遡る魔法少女がそうだったように。 それでも、時計の針は進んでいく。 ―――カチリ 例え、それが間違ったものだと解っていても。 ―――カチリ 「どうして、こんなことになっちゃったんだろう」 時計塔の最上階で目を覚ました鹿目まどかは、そんなことをぽつりとつぶやいた。 当然と言えば当然だろう。なんせ、いきなり変な場所へ集められ、その上殺しあえと言われたのだから、こんな言葉の一つや二つが出ても仕方ない。 怖い。あの広川という男が。そして、人を殺さなければ生き残れないというこの状況が。 デイバックを探る両手が、自然に震えていた。 ただの一般人だった彼女が恐怖を抱かないはずがなく、今にも泣き出しそうになっていた。 だが、名簿を見た瞬間、その震えは治まった。 幸か不幸か、この場には彼女の親友や先輩たちが四人も集められている。 心強くもあるが、反面、大好きな人たちまでもがこんな目に遭っていることには悲しさも感じる。 まどかは思う。彼女たちを誰も死なせたくはないと。 元からこんなバカげたことに乗る気はない。だが、その名前を見たことにより、その決意は更に固まった。 (とにかく、みんなと合流しないと) そう決めたまどかの行動は早かった。さっさと荷物を纏めてデイバックを担いだ。 こうしている間にも、みんなが酷い目に遭っているかもしれない。 まどかは焦りを憶えつつ、階段をかけおりる。 その焦りのせいだろうか。 ―――スルスルスル まどかは、時計塔の外壁を這う気配に気づかなかった。 ―――ススススス 時計塔は入口に扉がなく、階段を下れば出入りが可能な仕様となっている。 まどかが時計塔から下りようと階段をおり、あと数段で出られる、そこまでたどり着いた時だった。 ズルリ 「きゃっ!」 なにかを踏みつけ、階段から足を踏み外す。と、同時に グッパオン まどかの左膝が裂け、血が噴き出す。 空中へと放り出され、180度回転するまどかの足を、側の木の枝が掠めていく。 ほとんど下りかけていたことが幸いし、まどかはそのまま入口に転がり落ちたが、膝以外は大した怪我はなく済んだ。 「な、なに...なんなの?」 左膝から流れる血を押さえる。 (なんで膝が...枝で切ったのかな。それに、なにかで滑ったような...) なにがなんだかわからないといった感じで、まどかは辺りを見まわす。 視界の端に捉えたのは、ゆっくりと近づいてくるひとつの人影。 人影の正体は、長身の青年で、ルックスもイケメンだ。ただ、右目を隠すほどに垂れ下がった前髪と、両耳に付けたピアスはどこかしら奇妙な印象を受けた。 「そこのきみ」 いきなりの青年の登場に、つい身構えてしまう。 「そんなに警戒しないでくれ。わたしはこんな殺し合いで優勝するつもりなんてないよ。 不安なら、このデイバックは地面におこう。...さっき、すごい転び方をしていたが、大丈夫だったかい?」 青年の柔らかい物腰と、殺し合いをする気はなく、階段から転んだところを心配してきたとの言葉に、まどかはひとまずホッと胸をなでおろした。 同時に、あんな不様な転び方をした自分が恥ずかしくなり、思わず顔が赤くなってしまう。 「ん?その膝...出血しているじゃあないか。このハンカチで応急手当をするといい。傷口を押さえる前に、血を拭いた方がいいかもしれない」 「あ、ありがとうございます」 青年から差し出された四つ折りのハンカチを受け取り、厚意に甘えて血塗れの膝をふく。 (そうだよね。いきなり殺しあえなんて言われて、簡単にそうする人はいないよね) いきなり優しい青年に会えた安心感からか、まどかの顔からは焦りや恐怖といった感情は薄れていた。 ふと、ハンカチの内側から文字が覗いているのが目にとまった。 純粋な好奇心から、まどかはハンカチを開いてしまった。 人間とは、とかく好奇心に弱い生き物だ。 禁止されていることほど興味が湧き、物事に続きがあると知れば、どうしても結末まで見届けたいと思ってしまう。 『このラクガキを見て うしろをふり向いた時』 もしもまどかがこのラクガキに気付かなければ、せめて続きを読む前に振り向いていれば彼女の運命は変わっていたかもしれない。 だが、彼女は己の好奇心に負けた。彼女は、その続きを開いてしまった。 『おまえは 死ぬ』 「えっ?」 文字を読んだまどかが思わず振り向くと、そこにいたのは緑色の異形。 「エメラルドスプラッシュ」 青年の発した言葉と同時に、緑色の結晶が放たれ、まどかの視界は黒く塗りつぶされた。 「......」 頭部を破壊され、ヒクヒクと痙攣を起こして横たわる少女を見下ろしながら、花京院典明は思う。 これは自分がやったのだ。自分のスタンド『法王の緑』で、幼気な少女を殺害したのだ。 スタンド使いである以外、一般の男子高校生である自分にとって、これは初めての殺人だ。だが... 「...想像してたより、なんてことはないんだな」 彼は、悔やむどころか、悼むことも、ましてや昂ることもなく。殺人という行為に一切の感情を感じることができなかった。 そうだ。いったい、世界でどれだけの人間が人を殺していると思う?数えるのも馬鹿らしくなってくる。 自分の初めての殺人はこの少女になった。今の彼にとっては、ただそれだけのことなのだ。 ただ、あの御方なら彼女をどう扱ったかが気になったが、足元に敷いた『法王の緑』に気付かず足を滑らせる程度なら、あの御方には必要ないだろうと判断した。 「よし。殺人がこの程度のことなら問題はない。一刻も早く、ジョースター一族とモハメド・アヴドゥルを殺さなければ」 やがて少女の痙攣が治まると、花京院は彼女のぶんのデイバックも担ぎ、少女に一瞥もせずその場を後にした。 花京院典明の言葉は本当だ。彼は、己が優勝する気など微塵もない。 ならば、なぜ鹿目まどかを撃ったのか?答えは簡単。他に優勝させたい者がいるからだ。 彼はここに連れてこられる前、ある男に忠誠を誓った。その名は、悪のカリスマDIO! つまり、己の命の保身より、ここに連れてこられている彼を優勝させることが花京院の目的となっているのだ。 彼が何故DIOに対してこれほどまでに心酔しているのか。その答えは、彼の額に蠢く肉片にあった。 DIOが花京院の脳に埋め込んだ肉の芽は、彼から善悪の感覚を奪い、ただDIOの命令に従い、忠誠を尽くすよう仕向けていた。 この肉の芽がある限り、DIOへの忠誠は決して覆ることはないのだ。 ―――カチリ 時計は時を刻んでいく。 ―――カチリ 本来の時間軸ならば、彼は肉の芽の呪縛から解き放たれ、DIOという『黒』を打ち倒す『白』の道を歩むはずだった。 『占い師の私に予言で闘おうなどとは、10年は早いんじゃあないかな』 誰よりも熱き魂を持った、エジプトの頼れる占い師。 『ガウガウガウ!』 成り行きではあるが、共に巨悪へと立ち向かった、愚者を名乗る勇者。 『我が名はJ・P・ポルナレフ!我が妹の魂の名誉のために!我が友アヴドゥルの心のやすらぎのために...この俺が貴様を絶望の淵へブチ込んでやる!...こう言って決めるんだぜ』 どこかとぼけた三枚目の、誇り高きフランスの騎士。 『このジョセフ・ジョースター、このような状況は今までに何度も経験しておる!』 ひょうきんな性格で、敵を華麗に欺く老練なる策士。 『なぜお前はわたしを助けた?』 『さあな...そこんとこだが、おれにもようわからん』 そして、無愛想だが、確かに熱い思いを胸に秘めた不良高校生。 『後悔はない...今までの旅に...これから起こる事柄に...僕は後悔はない...』 たった数十日間だが、共に戦い、泣き、笑い合う、気持ちが通い合う初めての『仲間』を得るはずだった。 ―――カチリ だが、奪われた時間をそのままに、物語は始まってしまった。 仮に、肉の芽の呪縛から解き放たれたとしても、もう遅い。 彼らはこの殺し合いに巻き込まれてしまった。彼はなんの罪もない少女を手にかけてしまった。 いくら他人に許されることがあろうとも、彼自身が、この場にいる仲間になるはずの者たちと手を取ることが許せなくなるだろう。 もう、本来あるべき形に戻ることはできない。奇跡や魔法でもなければ、時間を撒き戻すことなんてできやしない。 そのことを知る由もない花京院の頭上を、夜空に輝く6つの星屑が落ちて消えていった。 ―――カチリ 狂った時計の針は、もう止まらない。 【A-2/一日目/深夜】 【花京院典明@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康 [装備]:額に肉の芽 [道具]:デイバック×2、基本支給品×2、油性ペン(花京院の支給品)、花京院の不明支給品1~2 まどかの不明支給品1~3 [思考・行動] 基本方針:DIO様を優勝させる。 1:ジョースター一行を殺す。(承太郎、ジョセフ、アヴドゥル) 2:他の参加者の殺害 3:DIO様に会えれば会いたい。 ※参戦時期は、DIOに肉の芽を埋められてから、承太郎と闘う前までの間です ※額に肉の芽が埋められています。これが無くならない限り、基本方針が覆ることはありません。 ※肉の芽が埋められている限りは、一人称は『わたし』で統一をお願いします。 ※この会場内のDIOが死んだ場合、この肉の芽がどうなるかは他の方に任せます。 花京院典明は一つの失態を冒した。 彼の一撃は、確かに普通の人間ならば致命傷だった。頭を吹き飛ばされて無事な人間などいないだろう。 そう、人間ならば。 彼が撃ったのは、契約により魂を抜かれ、事実上人間を止めた存在、魔法少女。その中でも、とびきりの魔力を持った最強の魔法少女。 そして、その本体であるソウルジェムが砕けぬ限り、彼女が死ぬことはない。 吹き飛ばされた肉片が、徐々に肉体へと戻っていく様を見ることなく、花京院典明はこの場を立ち去ってしまった。 彼女が目を覚ましたとき、どう行動するかはわからない。 だが、わかることはひとつ。 これからの彼女は、花京院典明を『敵』とみなすだろう。 そして、その力を持って、彼女が『敵』をどうするか。 それは誰にもわからない。 【A-2/時計塔付近/一日目/深夜】 【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]:頭部半壊 気絶中 ソウルジェム濁り中 魔力消費中 [装備]:見滝原中学の制服 中指に嵌められたソウルジェム(指輪形態) [道具]:なし [思考・行動] 基本方針:ゲームに乗らない。みんなで脱出する。 1:気絶中 2:??? ※参戦時期は、魔法少女の素質がかなり高い時期からの参戦です。既に契約済みです ※制限は加えられていますが、この会場にいる暁美ほむら、美樹さやか、巴マミ、佐倉杏子の誰よりも魔力は高いです。 ※時計塔の近くで倒れています。 ※魔力を消費しながら、頭を修復しています。自動で行われていますが、早ければ1時間以内、遅くとも2~3時間以内には完全に修復します。 ※この修復による魔女化の心配はありませんが、仮にまどかの身体が必要以上に損壊された場合、魔女へとなる危険性はあります。 ※『このラクガキを見て うしろをふり向いた時 おまえは 死ぬ』と書かれたハンカチはまどかの近くに放置されています。 時系列順で読む Back パラサイトの星は流れた Next 展望は無いが度胸でクリアするしかないや 投下順で読む Back パラサイトの星は流れた Next 展望は無いが度胸でクリアするしかないや GAME START 花京院典明 047 笑う女王と嗤う法皇 鹿目まどか 029 人外の定義
https://w.atwiki.jp/barrett/pages/214.html
ひよじ 日報では別名。でもきっと「ああ、コイツだな」とバレる。 知らぬ間にカオスの女王から伝説へと昇格していたらしい。 振り返り アンチの神様に偏った愛を貰いすぎました。 ネタの神様にも偏った愛を貰いすぎました。 全体的に、良くも悪くも目立ちすぎました。 オペ勝率がすごい…でもアンチの方が好き。 あちこちで男フェイに惚れ込みすぎました。 弄り9割弄られ1割、落ち着け私のドS魂。 戦績 Ver.1 No. スキル 勝敗 運命 装備 学んだこと 2 アンチ 勝利 脱出 全裸 言い訳が弱かった Ver.2(ミミスマシ) No. スキル 勝敗 運命 装備(称号) 学んだこと 4 アンチ 敗北 9日目粉砕 全裸(大気圏外) 寂しさに弱い 26 オペ 勝利 生存 (極悪非道腹黒) 教訓を反映させすぎ 42 オペ 勝利 12日目粉砕 心の出刃包丁(番長) 記憶は集めたがれ 62 オペ 勝利 生存 闇鍋後の洗い物 考えは人それぞれ 90 ハイオペ 勝利 生存 船長ファンクラブのチケット 消滅は寂しい 125 縞々 敗北 11日目粉砕 (ドS)恋を呼ぶ赤い紐パイナップル 潜伏に気を抜くな Ver.3(ネコタタキ) No. スキル 勝敗 運命 装備(称号) 学んだこと 2 ソナー 勝利 9日目脱出 (預言者) 思ったことは表で 12 縞々 敗北 16日目消滅 仙豆(麻雀の妖精) 最後までやり抜け 28 縞々 勝利 生存 (小悪魔) オペに振り回されない 42 アンチ 勝利 生存 ヅラ育毛剤「海藻」 勝てる時は勝てる 54 縞々 敗北 9日目消滅 ランタン(参謀) 限度を知れ 64 オペ 勝利 7日目襲撃 五寸釘闇鍋(呪術者) 素直に手放せ! 71 アンチ 敗北 14日目消滅 破壊部隊飼い兎 表を過信しない リトルバレット No. スキル 勝敗 運命 装備(称号) 学んだこと 3 アンチ さえない結末 --- 詩(いっちゃん、師匠) 時間がとれる時に全力で、がベター バレット No. スキル 勝敗 称号 学んだこと 2 カオス ヒト勝利 カオス教祖 ヒトに優しく、サイにも優しく、肉には厳しく 7 サイ サイ勝利 レグルス 発信する前に一呼吸考えること。それと話せないからこそ仲間を信じること! まとめ(Ver.1~リトルバレット) 割合(全Ver.の総計) アンチ 9回(60%) オペレーター 6回(40%) ~詳細~ ストライプアンチ 4回(27%) アンチ 5回(33%) オペレーター 4回(27%) ハイクラスオペレーター 1回(6.5%) ソナー 1回(6.5%) なんて運。確率計算は桁が物凄いことになったので諦めました。 運命(Ver.ごと) Ver.1 脱出 1回(100%) 消滅 0回(0%) あの領域の終わりは私の手で。 Ver.2 生存 3回(50%) 粉砕 3回(50%) 脱出 0回(0%) 消滅 0回(0%) 生きるか砕かれるか、二つに一つだった。 Ver.3 ビンゴ消滅 3回(43%) 生存 2回(29%) 脱出 1回(14%) 襲撃 1回(14%) 消滅 0回(0%) 粉砕 0回(0%) 粉砕0なのがちょっと誇り。 でもビンゴ消滅…多いよ…。 リトルバレット バインド成功(100%) すまないウィル、私などに。色々な意味で。 勝率(全Ver.の総計) オペ勝率 100% アンチ勝率 38% 総合勝率 69% アンチとしての最盛期はもう過ぎた様子。 ビンゴ消滅を減らす為にも、次は記憶運の悪いアンチになることが目標。 何かありましたら、一言。 わざわざここで言わなくてもだが一言。俺も暫くバレットから離れるし、今回同じ領域で戦えてよかったぞ。受験、しっかりな。 -- ルナ (2007-11-21 03 01 43) またすれ違った! 受験頑張って下さいね☆ 一番取られたよう。おうおう。 -- どこぞの大熊猫(今日はあなたのストーカー★) (2007-11-21 03 08 53) お疲れさん。またどっかで会うのを楽しみにしてるぞ。 でもって明らかにver.3の領域一個抜けてるんだが。 -- 弄られ店長@54 (2007-11-21 11 32 00) ルナちゃーん!再戦できて僕も嬉しかったよ、怖かったけど(笑) ありがとう、頑張るよ。 -- 番長 (2007-11-21 16 24 29) 本当すれ違いばっかりでごめんなさい(地面に頭なすなす)最後まで笹木情報網には感服。ありがとうございますー、ガリでもよしなに。 -- どこぞの白兎 (2007-11-21 16 25 58) おー、うっかりうっかり。道理で割合の数字がおかしいと思ったら(ボソリ) ありがとよ店長、いつか一緒にアンチやろうなー。 -- チーフ@54 (2007-11-21 16 27 46) お疲れ様。長い戦いだけれど頑張ってね。いつか再び会う時の為に、潜伏&洞察スキルを磨いておくわ。 -- 通称水島スニフ (2007-11-22 17 14 40) ありがとう、できれば次に会った時は協力する仲として会いたいな(笑)またいつか。 -- 糸番長 (2007-11-24 17 06 55) ハロハロ。君に呪われた人体模型とセットでお徳(?)アルです。来年度、私も実は受験生です。お互い頑張りまっしょーぅ。 -- アル/浅葱 (2007-11-24 21 19 46) おつかれさま。本当に不思議な縁があったねえ。次に会えたときはぜひ君を騙してみたい(笑)受験、頑張ってな。 -- 針(鳥) (2007-11-25 09 53 18) よっ、久し振り。結局あれから再戦は叶わなかったなー。でもまた会えるの楽しみにしてるぜ。受験、応援してるぞー! -- 竪琴 (2007-11-25 10 18 53) わあ、アイドル職人!…ってありゃ、同級生ってこと?うん、お互い頑張ろー!来年は二人共合格者になーあれ(呪) -- りふう (2007-11-25 14 00 50) 今までいっぱいありがとー、散々懐いてごめんね(?) 勉強頑張るよ、私は合間を縫ってドS追い詰めスキルを磨いておくわ(はあと) またね。 -- 糸(兎) (2007-11-25 14 04 15) み、自ら竪琴って!(爆笑) 久しぶりね、私と会えはしなかったけれど灯火との再会はニヤニヤしつつログ見てたわよ。ありがとう、帰ってきたらその時はよろしくね。 -- 漆黒 (2007-11-25 14 08 52) バレット断ちですか…!うう、悲しいですが、受験頑張ってください!応援しています…!カオス餡蜜すごく楽しかったです*またご一緒させてくださいねっ! -- やぼし/64@兎VSアイドル観戦係 (2007-11-25 20 14 21) ver.3では3連続ご一緒でしたね。とても楽しかったです。また再戦できる日を楽しみにしています。受験がんばってください。 -- ちびい (2007-11-25 21 05 51) はい、バレットやってると就寝2時とかがザラになってしまうのでしばらく封印です(笑)ありがとうございます、いつか闇鍋を嬉々としてかき混ぜてる奴がいたら私ですのでよろしくお願いします☆ -- ひよじ@さりげなく兎支持係 (2007-11-26 21 05 52) お世話になりました、こちらこそすごく楽しかったです!残すは二人ともオペという組み合わせだけなので、次はそれを望んでいます。 -- ひよじ (2007-11-26 21 08 25) さて、誰宛の暗号だろうなー? 冗談はさて置き、だってかっこよかったじゃねぇか。 かっこいいもんを褒めて何が悪いってんだよ、なぁ?(一矢報いた気分だ。ちょっと嬉しい) -- 某元店長 (2007-11-26 22 32 52) オイコラ、報いんな喜ぶな。 …ま、ぶっちゃけ俺が今までで一番嬉しかったのはどっかの[745]の3~4行目…あーあー何でもねー何でもねー!(チーフは風船を5つ抱えて飛び去った) -- とあるチーフ (2007-11-30 18 24 58) おやまあ、チーフを赤面させられるたぁ光栄な。はっは!あたしも店長に同意。かっこよかったぞ、あれは誇っていいんじゃね? チーフ見てるとアンチやりたくなるってのも同意。学生業務終わったら、またどっかで会おうな! -- どこぞの水島 (2007-11-30 22 49 25) うお、水島!(再飛来)…いやまあ、自信持って誇れることは個人的にいくつかあるんだが素直にゃ言えん。 某元てんちょ・水島・俺の3人でアンチやったらえらいことになりそうだな、楽しみにしてるわ。 おうよ、んじゃまたどっかでな!(チーフはヘリウムガスを吸い込んで飛び去った) -- そこらのチーフ (2007-12-01 16 55 42) どの名前で名乗ったらいいのか迷いつつ、これで。先日まで私がいた領域のフェイを見つつ、ひよじさんのことを思い出していたよ。やはりマークしていたか(笑) イブには写真集をお届けにわんこトナカイが参上するよ。特大靴下をよろしく! -- 収束鍋 (2007-12-17 23 32 18) ふふ、まさか見られていたなんてビックリだよ。写真集には特別にサインでもしておこうかなーっと…(キュッキュッ/フェイは油性マジックでサインをしている)クリスマスにはわんこトナカイと共に君の元へ幸せを届けるから待っててね! -- フェイサンタ@64チリチカ (2007-12-18 22 10 45) うわ、トナカイさんとサンタさんが死刑宣告しにおいでなすってるー!(狂喜乱舞) …えーと鍋さん、「やはり」て。確かに私はそういうキャラではあるけれど!(笑) (笑いながらもさりげなく靴下に罠を仕掛けているようだ。サンタさんもトナカイさんも、家へ帰す気はあまり無いらしい) -- ひよじ (2007-12-18 22 21 13) お、懐かしいね…元気にしてる?また帰還後、同じ領域で遊べることを祈ってるよ、頑張ってね。 -- 木登り小僧@4 (2007-12-19 22 27 13) うわー、木登りだー!久しぶり、僕は毎日元気に(全裸で)過ごしてる。 ありがとう、早く会えるようにもっと頑張るよ。 -- ひよじ@大気圏外 (2007-12-20 20 42 21) というわけで、寝落ちた紅兎はいつぞやの黒パンダでした。こんなところで3年ぶりの再会を果たすなんてどんな運命。やっぱりバレットには時間の余裕が必要ですね(てへ) 新生活の報告よろー。 -- 笹木@包囲網 (2009-08-28 22 24 48) シトロエン様、相変わらずぜn…い、いえお懐かしゅうございますね。笹木くんもいらっしゃったようで。また楽しいひと時を一緒に過ごせますよう願っていますよ。 -- シャムロック@4より (2009-08-30 02 45 00) うはあ、まさかの再会…!待ち望んだ日は意外とあっさり来ました、がほとんど絡めていなかったという…。勿体ない事をしました。またお互いに時間が取れた時にはよろしくお願いします!じきに日報でも色々書きますので、そちらでもよしなに。 -- 大気圏外@ver.2 No.4 (2009-08-30 18 36 01) あれシャム、久しぶり!…え、ぜn…何かな?(にっこにこ☆)今度は3人同じ領域に入れるといいよね。僕も再戦を待ち望んでるよ、全裸で! -- 大気圏外@No.4 (2009-08-30 18 42 33) 先日(透明な水彩画と夏の音)は…カオスでセガ(漆黒というべきですか?)に再会できて…ええ、楽しゅうございました。カオス勢力は…その、圧倒的勝利でしたよ、ええ…。またどこかでお会いできる日を…楽しみに、楽しみに、しております。 -- 赤い紐の従属 (2010-06-16 10 56 47) きゃあああ土竜ー!あまりに懐かしすぎて某領域読み返しちゃったじゃないの、カオスのデジャヴっぷりには案の定吹いたけれど。某愛についても銃撃戦から殴り愛に代わっただけだし、ね。私も楽しかったわ、また会ったらよろしく。合言葉のもとに集える日を心待ちにしてるわ。 -- ドS漆黒 (2010-06-16 14 59 38) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3311.html
さ〜て、今日も夜食にゆっくりタコ焼きでも食べるか。 ゆっくりタコ焼きとは、加工場産の食用のれいむやまりさをホットプレートやオーブントースターで焼く事で調理して食べる冷凍食品だ。 アルミのパッケージにはれいむとまりさの笑顔が 「ゆっくりしていってね!」「おいしいよ!」などと吹き出し付きで描かれている。 1パッケージに6個いり398円とちょっとお高い。 今川焼きやあんまんに近い食べ物だが、生地と餡子の相性が最高で 普通に小麦粉を溶いて餡子を入れたものとはまるで比べ物にならない。 あれ、冷凍庫に入れておいたはずがどこへ行ったかな? ゴソゴソと奥を探すが見当たらない。 「・・・ゅ・・・・・・ゅ・・・・・・」 足元で何か声が聞こえることに気づいて、下を見ると スーパーの手さげビニールに入っているパッケージを見つけた。 これから食べようとしていたゆっくりタコ焼きだ。 買ってきたまま冷凍庫へ入れ忘れて放置してしまったのだろう。 もぞもぞと動いているところを見ると、すでに自然解凍されてしまっている。 おそるおそる、パッケージを拾い上げてギザギザの溝に指をかけて開封してみた。 「ゆっくちちていっちぇね!」 「ゆっきゅり〜♪」 「ゆっくちちゅちぇね!」 「ゆ〜ん、ゆ〜ん!」 「ゆぅゆぅ・・・zzz」 「ゆ〜ん?・・・ぷりぷり」 6個ともすっかり冬眠(?)から醒めてしまっていた。 赤れいむ3匹と赤まりさ3匹 1匹のまりさは居眠りをしていて、もう1匹は小さなうんうんをしている。 1匹のれいむは人間の赤ちゃんのように泣きじゃくっていた。 もう自我や個性があるのだろうか これでは、冷凍状態と違って勝手に動き回っておいそれとホットプレートで焼くことができないだろう。 苦しめれば味が良くなる成体ゆっくりと違い赤ゆっくりはそのままがベストの甘み。 出来ればゆっくりした状態で調理したい。 かといって再冷凍はどんな食品であれ味を大きく落としてしまうものだ。 う〜ん・・・と考え込んで閃いた。 そうだ、こいつらを成体まで育てることができれば毎日ゆっくりが食べ放題じゃないか? それを冷凍してからタコ焼きにすれば、美味しいゆっくりタコ焼きが毎日食べられるぞ! いや、ゆっくりタコ焼きだけじゃない。 贅沢に赤ゆのみを使用したゆっくりお汁粉に赤ゆっくりの踊り食いだって思うがままだ。 こうして、俺と赤ゆの生活が始まった。 6匹に自由に動き回られるとうっかり踏み潰してしまったり、そこらへんに排泄されても迷惑なので とりあえず飼育ケースとしてダンボールにタオルをひいて入れてやることにした。 そこへ、カップアイスの蓋を逆さにしてティッシュをひく。 「いいか、うんうんもしーしーもここにしろよ。」 「ゆっきゅちきょきょにうんうんちゅるね!」 「ゆっくちわかっちゃよ!」 「ゆっきゅちー!」 「ゆえ〜ん、ゆえ〜ん!」 「ゆゅ〜ん・・・zzz」 「ゆう〜?」 1匹のまりさが話を聞かないで寝てばっかりなのでデコピンをすることにした。 ピシッ! 「ゆびょっ!」 体の半分をぐにゃりとへこませて目を大きく見開き、口から餡子を覗かせた。 「まりささん聞いてますか? うんうんと、しーしーはここだからね。 みんなもうんうんやしーしーを別の場所にやったらデコピンだから覚えておいてね!」 そして、もう一度デコピン ペシッ 「ゆぴゃ! ・・・いちゃいのやぁー!ぴしっやだよぉー!ゆぇえええんん!」 「ゆゆゆ!いちゃがっちぇるよやめちぇあげちぇね!」 「おかーしゃんきょわいよぉ〜!ゆえ〜ん!」 「ゆえぇ〜んゆえぇ〜ん!」 「ゆわぁぁぁ〜ん!」 「ゆぅ?」 痛がってるまりさを心配してる赤れいむもいるが、ほとんどは怖がって奥の方へ逃げて泣いている。 いくら頭の悪いゆっくりでも、こうやって体で教えていけば大丈夫だろう。 そういえば餌がまだだったな。 赤ゆっくりは生まれた直後に親が茎を食べさせるというが、まあ米粒でもあげておけばいいか、一応は糖分あるし。 電子ジャーからしゃもじではなくスプーンですくいとり、それをペットボトルの蓋をさかさにして盛る。 これがお茶碗というわけだ。 「ほら、赤ゆども、ゆっくりしたごはんだぞ」 ”ごはん”という単語は教えなくてもわかっているのか、それとも”ゆっくり”という言葉に反応したのか さっきまで泣いていた赤ゆたちは、もうそんなことを忘れてしまったようにペットボトルの蓋に群がる。 「ゆっくちたべりゅよ!」 「むーちゃ、むーちゃ!」 「もーく、もーく」 「ゆぇ〜ん、れいみゅもごはんたべちゃいよぉ〜!」 「まりしゃもたべりゅからどいちぇよぉ〜!ゆゆ〜ん!」 「ゆゆぅ〜?」 ペットボトルの蓋の茶碗は赤ゆにも小さかったのか、3匹が食べ始めると残り3匹は蓋のフチまで近づくことが出来ない。 そして、盛ってあったご飯が半分くらいになってくると、重量が軽くなったことで蓋が横向きにひっくり返り ころころ〜っと転がってしまう。 「ごはんしゃん、ころころしにゃいでね!いもうちょたちがまだたべてないよ!」 「ちあわちぇ〜♪まりしゃはもうおにゃかいっぱいだよ!」 「げっぷっ♪れいみゅのおにゃかぽんぽんだよ!」 「ゆぇ〜ん、ごはんさんゆっくりまってね!にげないでにぇ!」 「まりしゃのごはんさんまっちぇ〜!」 「ゆふ〜ん」 ペットボトルの蓋は失敗だったか。見た感じ餌箱っぽくていいと思ったんだがなぁ。 しょうがないから足元にごはんの固まりをスプーンひとすくいそのまま置いてやった。 どうせ下にひいてあるタオルは定期的に洗う予定なのでとりあえずはいいだろう。 「ゆ〜ん、おとーしゃんありがちょー」 「ゆゆ〜ん、おかわりきたからもっちょたべりゅよ!」 「げっっぷ、れいみゅはもうごはんしゃんなんてみちゃくもないよ!」 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー!」 「むっちゃむっちゃ!」 「もくもくもく、もくもくもく」 あれ、いま俺のことをお父さんと言ったのか? よくみてみれば、赤ゆにもれいむ種とかまりさ種とか以外に個体差がありそうだ。 よし、観察しやすいように額に油性マジックで番号を振っておこう。 長女っぽい、妹おもいなれいむが1番 おかわりを食べているまりさが2番 もうごはんを見たくもないとか言ってゲップしてるれいむが3番 泣いてばかりいたれいむが4番 寝てばかりいてデコピンしたまりさが5番 頭がかわいそうっぽい感じのまりさが6番 さて、夜食も食べ損なったし今日はもう寝るか。 自分の食事の代わりに赤ゆを満腹にしてやるとはとんだ愛護派だぜ。 居間にダンボールを残して、ベッドのある部屋へ移動しようとする。 すると、赤ゆどもがダンボールをかしかしとひっかきながら俺の後に続こうとしていた。 「おとーしゃん、いきゃないで!」 「まりしゃもおとーしゃんとゆっきゅりしたいよ!」 「げっぷ、れいみゅもれいみゅもー!」 「おとーしゃんいかにゃいでー、ゆわぁぁぁあん!」 「まりしゃ、もうわるいこちょちないきゃらいっちょにゆっくちちちぇ〜!」 「ゆぅ〜ん!ゆぅ〜ん!」 れいむ種はもみあげをピコピコとさせてじたんだを踏み まりさ種は届くわけのないダンボールの壁面をぴょんぴょんと跳ぶ 6番の頭が悪そうなまりさまで必死になって”><”こんな表情をしながら顔をフリフリと振ってこっちに叫んでいる。 生まれたときから傍にいて餌をくれた俺を親ゆっくりだと確信し その俺が視界の外に行き、どんどん遠くに離れていくと感じたのだろう。 6匹は自分たちを捨てて親がどこかへ行ってしまうと思う必死に呼び止めている。 「ぷぅ〜」 俺は一度だけ振り返ってから屁をこいて、ベッドのある部屋へと移動した。 「ゆぇ〜んゆぇ〜ん!」「ゆわぁぁ〜ん!」という泣き声がしばらく続き 夜中にトイレへ行ったときにそっと覗いてみたら 1番の長女れいむを中心に5匹は輪になって固まって寝息をたてていた。 「ゆぅゆぅゆぅ・・・みんにゃゆっくちちちぇね・・・」 「ゆゅ・・・おとーしゃん・・・zzz」 頬と頬をすりあわせて、しあわせー♪といった感じだ。 ちょっとイタズラ心で額に1番と書かれている長女れいむをツマ楊枝で突っつく。 「ゆぴゃ!」 サッと俺はダンボール内から死角になる位置に身を隠し様子を伺うと 1匹だけ目を覚ました長女れいむは、薄暗い暗闇の中で親がいない事を思い出し 「ゆ・・・ゆゆ・・・おとーしゃん・・・おとーしゃんはもうかえっちぇこにゃいの? ゆ・・・ゆゆゆ・・・ゆわぁぁぁぁ〜ん!」 と大声で泣き出した。 この長女れいむを中心に輪になっていたところを見ると きっと他の5匹を励まして親がわりになっていたのだろう その心が折れて泣き叫んでいる今、どうなってしまうのかとハラハラしながら様子を伺った。 長女れいむの泣き声で他の赤ゆも目を覚ます。 「ゆゆぅ・・・ゆっゆっ、ゆえ〜ん!ゆえ〜ん!」 「ゆぅ?・・・ゆ・・・ゆわぁぁ〜ん!おとーしゃーん!」 「ゆっ!?・・・ゆわわぁ〜ん!」 「ゆぅゆぅ?・・・zzz」 「ゆゆぅ?ゆゆ〜ん!ゆゆ〜ん!」 あれ、5番のよく寝るまりさだけ反応がないな。 見えないように、手だけスッとダンボール奥に忍ばせてツマ楊枝でチクリッ! 「ゆぴゅ!」 赤ゆからすればサソリのような生物が突如巣に襲い掛かってきたように見えるだろう。 それから、5番まりさも他の5匹が泣いているのを見てパニックに陥りふるふると震えて泣き出した。 「ゆえ〜ん、おとーしゃんたちゅけちぇー!まりちゃきょきょだよー!」 そのおとうしゃんが刺したわけですが(笑) さて、あんまり夜更かしすると体に悪いし今度こそ寝るか。ゆっくりゆっくり。 朝、すっかり赤ゆどもの事を忘れて居間に入ると 泣きつかれて葛饅頭のようになった赤ゆどもが俺に気がついて色めきたつ。 「ゆ・・・ゆゆ!おとーしゃんだ!おとーしゃんがかえっちぇきちゃよ!」 「ゆゆっ?おとーしゃん!おとーしゃん!」 「ゆっくちちちぇいっちぇね!ゆっくちちちぇいっちぇぶぴゅ!」 「ゆわぁぁ〜ん!おとーしゃん!」 「まりしゃいいきょにしちぇるからもうどこにもいきゃないでにぇ!」 「ゆぅ〜ん!ゆゆぅ〜ん!」 ああそうか、昨晩赤ゆを飼い始めたんだっけ。 とりあえず、また白いメシでもくれてやるか。 ん? 箱の中を見ると、逆さにしたカップアイスの蓋の上に5個の餡子の固まりがあるが ペットボトルの蓋の中に1個、同じような餡子の固まりがこびりついていた。 「こっちにうんうんしたの誰だ?」 6匹の前にペットボトルの蓋をもって見せる。 すると、3番のれいむが前に進み出て 「れいみゅだよおとーしゃん、そっちでうんうんしたほうがおちりをこうやってズーリズーリふけてきもちいいんだよ!」 そういって、ゆっへんとお尻を突き出しピコピコと左右に動かして見せる。 「はい、おしおき」 ペットボトルの蓋をそのまま3番のれいむに被せる。 プチトマトサイズの赤ゆにとってペットボトルの蓋は目元まですっぽりと入って内側の溝のせいで手のないゆっくりには簡単には外れない。 「れいみゅのおべべがぁ〜!まっくらでみえにゃいよぉお!」 まるで、目を抉られたかのような事を叫んでいる。 その間に、他の5匹には白いごはん。 「れいみゅもたべりゅよ!ゆっくちたちゅけちぇね!ゆえ〜ん!」 「お前は、昨日ごはんなんてもう見たくもないとか言ってたよね。ゆっくりできないゆっくりはこうなるんだよ!」 長女れいむと4番れいむ、6番まりさは心配していたが、他の赤ゆはお構いなしにごはんを平らげていく。 「むっちゃ、むっちゃ〜ちあわちぇ〜♪」 成体まで育てて、無料で赤ゆ食い放題にするつもりだが 子育てをするのが大変だなと半日もしないうちに実感した。 ここは、どこかからか教育係の親ゆっくりを手に入れて育てさせるか。 部屋から出るときにまた、赤ゆどもが大騒ぎを始めるだろうと思ったので 食べてる間にこっそりと部屋を出て外へ出かけた。 子育てといえば目指すは、れいむ種かちぇん種だ。 おにいさんわかるよー。 ・・・つづく。 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 作者:まりさ大好きあき