約 840,463 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4102.html
前ページ次ページゼロのエルクゥ 結論から言えば、間に合っても間に合わなくても同じだった。 大学の講義室を思わせる、すりばち上の構造になっている教室に戻るなり、 「皆さんお疲れさまでした。本日の授業はこれでおしまいとしますので、皆さんは今日1日、使い魔との親睦を深めてください」 と解散となってしまったのだから。 コルベールは、解散宣言を出すや否や、何をするのも惜しい、といった様子で、教室を走り去っていく。 彼と話をしてみようと考えていた耕一だったが、ルイズに合わせて一番後ろの席についていた耕一には、引きとめる間すらなかった。 「……あー」 本来ならエルクゥ同士でしか感じられないはずの感情のシグナルすら、あのコルベールからは感じられたような気がした。 混じりっ気なしの、『好奇心』という色が。 ……どうしよう。 考えていた行動計画が初っ端から頓挫して、耕一はぽりぽりと頭を掻いた。 あの様子だと、追いかけてもまともに話を聞いてくれるかどうか危うそうだ。 「……ん?」 やるかたなしに周囲を見渡すと、耕一とルイズを遠巻きに見つめ、ひそひそと声を潜めるグループが、ちらほら。 それらの声や態度から読み取れる感情は―――困惑だとか、虚勢だとか、侮蔑だとか、嫌悪だとか。あまり良いお話ではなさそうだった。 ま、大方、さっきの出来事を計りかねているんだろう、と、耕一はそれを意識から切った。 「何ぼーっとしてるのよ。行くわよ」 そんな声に振り向くと、ルイズが既に席を立って、入り口に歩き出していた。 「行くって、どこへ?」 「部屋に帰るのよ。ついでに学院内の案内もしてあげるから、早くしなさい」 「ん……わかった」 耕一は少し悩んだが、今さっきのコルベールを無理に追ってもしょうがなさそうだと思い直し、ルイズに従って席を立った。 「今居るここが、2年生の教室塔よ。で、真ん中の一番大きな塔が本塔。本塔には、先生方の事務所、アルヴィーズの食堂、宝物庫、医務室、男子寮……。 その他、この学院の主な施設が集まってるの。本塔の一番上が、学院長であるオールド・オスマンのお部屋」 教室のある建物から出て、ルイズは指差しながらそんな説明をしてくれる。 「本塔を囲むように、5つの塔が、ペンタグラムを模して配置されているの。1年生、2年生、3年生の各教室がある塔に、ここで奉仕する平民たちの寮、そして女子寮の5つ。 それぞれがアーチで区切られた広場を、それぞれ、ノルズリ、スズリ、アウストリ、ヴェストリ、ユミルの広場と呼んでいるわ」 本塔と教室塔との間には、荘厳な石のアーチ建築で、通路が掛かっている。他の塔ともそうなのだろう。 「これは、始祖ブリミルと、5つの系統魔法を表しているの」 「しそぶり……なんだって?」 「始祖ブリミル。あんたってホントに何にも知らないのね」 聞いた事のない固有名詞に首をひねる耕一に、ルイズは呆れたようにため息を一つついた。 「ブリミルっていうのは、今から6000年ぐらい前、このハルケギニアに降り立った伝説のメイジよ。神様から、"虚無"と呼ばれる今はもう失われてしまった系統の魔法を授かって、自分でも火、水、土、風の4つの系統魔法を生み出した。 その力でもって、ブリミルと、ブリミルに魔法の力を授けられた貴族のご先祖様たちは、ハルケギニアに跋扈していた先住種族や亜人、魔獣たちを討伐し、人間の住めるところにしたの。 そして、彼の4人の子供がそれぞれ、今このハルケギニアにある4つの王家の始祖となったのよ」 だから、全てのメイジの始祖。始祖ブリミル。 ハルケギニア(ここら一帯を表す地名らしい。話を聞く限り、文化圏、と言った方が正しいかもしれない)では、神と並んで崇拝される、伝説の偉人だという。 「キリストみたいなもんか」 「きりすと?」 「こっちの世界で、数々の奇跡を起こしたって言われて、神の子って呼ばれてる人だよ。2000年ぐらい前の人だったかな」 「ふーん……聞いた事ないわね」 興味なさげに、ルイズは鼻を鳴らした。 クリスチャンなら気分を害しただろうが、耕一は宗教的にはちゃらんぽらん甚だしい日本人であったので、苦笑を返すだけだった。 「一回りして、場所だけ確認しましょ」 「ああ」 ぐるり、と、5つの塔を繋ぐ石の外壁に沿って回り、塔と広場の名前や、正面門のそばにある馬の厩舎などの説明を受ける。馬は、地球の馬となんら変わらないようだった。 途中の広場には、ルイズと同じ2年生であろう、使い魔らしき様々な動物とじゃれあう少年少女たちが溢れていた。 犬猫のような馴染みある動物から、見たこともないような動物、果たして動物なのやら疑問符がつくようなナマモノも多く、ここはファンタジー世界なんだなぁ、と否応無く実感させてくれた。 「しかし、結構広いな……」 一周に20分はかかった気がするぞ、と腕時計を見る素振りをして、家に居るときには外していた事に気付いた。 「……そういや、今何を持ってたっけな?」 思いついてポケットの中などを探ってみるが、文明の利器っぽいものは何も見つからず、あったのは丸まったコンビニのレシートだけだった。 まあ、感熱紙も立派な文明の産物であり、コルベールあたりが聞いたら飛び上がって驚いた後に『"火"で文字が書けるなんて! なんという素晴らしい紙なんだ!』などと狂喜乱舞する事だろうが、残念ながら現状、単体で何かの役に立つとは言いがたい。 ―――携帯電話とか財布とかも部屋に置きっぱなしだったっけなぁ。いくら楓ちゃんとのまったり時間だったとはいえ、身軽すぎだろ俺。 「何ゴソゴソしてんのよ」 「ああ、いや、今自分は何持ってたかなって、持ち物の確認をな」 「何かあったの?」 「役に立ちそうなものは何も」 そう。とやっぱり興味なさげに言って、ルイズは、自分の部屋があるという女子寮に入っていく。 「って、俺も入るのか?」 「当たり前でしょ。使い魔がご主人様と一緒に居なくてどうするのよ」 「いや、だとしても、女子寮に男が入るのはまずくないか?」 「使い魔のオスなんか誰も気にしないわよ」 「……さいですか」 無理をしている感がなくもなかったが、大人しく頷いておいた。 外壁と同じ石作りの廊下を歩き、一つの部屋にたどりつく。 鍵を差し込み、ドアを開ける。 ルイズの部屋は、寮部屋というにはちょっと広すぎる部屋だった。さすが貴族というところだろうか。 「……うーん、これが格差ってやつか……」 所々に施された意匠や、華美な装飾の家具、天蓋付きのキングサイズベッドと……東京の自宅であるワンルームを思い出して、耕一はちょっと悲しくなった。 柏木は名士の家。鶴来屋グループという有数の企業体を牛耳る一族なんてとんでもない金持ちであるし、召喚される直前までいた柏木の屋敷も、一般的な日本家屋とは比べるのも馬鹿らしいほど広い家だ。 しかし、本家から長い事離れて暮らしていた耕一の金銭感覚は、庶民そのものであった。 「はぁ。なんだか疲れたわ」 ルイズはぼふんとベッドに体を投げ出すと、そのまま仰向けに倒れ込んだ。 「おいおい、服が皺になるぞ」 「ならないわよ。学院の制服には『固定化』がかかってるんだもの』 「こていか?」 「物を保存する魔法よ。食べ物にかければ腐らないし、金属なら錆びなくなるし、服なら皺や汚れがつかなくなるわ」 「はー……便利なもんだな」 「普通は一着一着服になんかかけないけど、伝統あるこの学院の制服は特別ね」 そう言うと、気だるげに上半身だけを起こす。 「そんなところに立ってないで、座りなさい。本当に何も知らないみたいだから、色々と教えてあげるわ」 言われるままに、近くにあったテーブルについた。 「さて、まずは使い魔の役目からね。契約した使い魔は、主人の眼となり耳となる能力を与えられるの」 「眼? 耳?」 「使い魔が見たり聞いたりした事を、主人も知る事が出来るのよ」 「へえ。俺が見てるものが見えるのか?」 言ってみると、ルイズは腕を組んでしばらくうーっとうなった後、口をへの字に曲げた。 「……見えないわ。あんたじゃ無理みたいね」 「そっか」 感覚の共有か。エルクゥの精神感応に似てるな。 そんな事を思いついて、試しにルイズにシグナルを向けてみた。色は……そうだな、『外敵に気をつけろ』とでも―――。 「ひゃっ!? な、何今のっ!?」 送った瞬間、ルイズがビクンと体を震わせて驚いた。 「お。通じるのか」 「な、何やったのっ!? なんか黄色くなってぞわって悪寒がしたんだけど!」 「俺の一族は、そんな風に意識を通じあわせる事が出来るんだ。 もしかしたらと思ってやってみただけ。 ちなみに今送ったのは、『外敵に気をつけろ』っていう警告の信号」 「……本当に亜人だったのね、あんた」 「なんだ、信じてなかったのか?」 「別の世界だとか妙ちきりんな事言われても、信じられるわけないじゃない」 ま、それもそうだ、と耕一は何も言わなかった。 耕一だって、あの事件が起こらなかったら、鬼だのエルクゥだの聞いても一笑に付すだけだっただろう。 「あんた、何か他に出来る事はあるの? というか、あんたの種族って何?」 そう聞かれて、むっと腕を組んだ。 エルクゥ。人を狩る鬼。人を狩る事に愉悦を覚える狩猟者。 強靭な身体能力を持ち、人の命を感じ取る事ができ、同族と意識を通じあわせ、宇宙進出を果たせるまでの科学力を生み出す高度な知性を持つ。 「何よ。黙り込んじゃって」 「いや、どう説明したもんかなぁと」 ……そんな事を言ったら、全力で討伐されそうだ。 「……むぅ」 「まぁ、何を悩んでるのか知らないけど、後でいいわ。こっちの話を続けるわね」 こほん、と仕切りなおすように咳払いをした。 「使い魔の役目だけど、次に、主人の望むものを見つけてくる、っていうのがあるわ」 「望むもの?」 「例えば、秘薬の材料とか。硫黄とか、コケみたいな」 「へえ」 そういう化学的な面もあるのか、とちょっと感心した後、硫黄なんて、元の世界と同じ物質があるのか、と驚いた。 「何か知ってるみたいだけど、何か取ってこれそうなの?」 「いや、無理かな……硫黄っていうのは俺の世界にも存在するけど、どうやって取るのかまでは知らない。ごめんな」 「ふーん。ま、期待はしてなかったからいいわ。本来、水の中とか、火山の火口とか、高い山の上とか、地中深くとか、そういう人間が行けないところから材料を取ってくるのが貴重って意味だもの」 「なるほど。高いところぐらいなら何とかなるけど、他は厳しいな」 「……そ、その時になったら頼むわ」 先程の人間ジェットコースターを思い出したのか、ルイズはぶるりと一つ震えた。 「最後、これが一番重要なんだけど、使い魔は主人を護る存在であるのよ。 その能力で、主人を敵から守護するのが一番の役目! あんな事が出来るんなら、もちろん簡単よね?」 「……そうだな。簡単かどうかはわからないけど、それならなんとかなりそうだ」 人を狩る為に生み出されたエルクゥの力を、人を護る為に使う、か。 元の世界に居る時もそうあろうとはしていたが、現代日本では、そうそう純粋な戦闘能力が発揮される事などない。 実際にそれを揮う機会があるとなれば、それはなかなか魅力的な提案に思えた。 「さて、それじゃあ次は、あんたの事を教えてくれる? 使い魔の事を知らないメイジなんて、主人失格だもの」 「そうだなぁ。さて、何から話そうか―――」 当り障りのないように、エルクゥの能力の事だけを吟味して話しているうちに、太陽はその身を休め―――ハルケギニアの双月が、夜を照らしだした。 前ページ次ページゼロのエルクゥ
https://w.atwiki.jp/asagaolabo/pages/5664.html
覚醒のエルム 【かくせいのエルム】 覚醒のエルム 概要 イベント期間 期間限定ブースト 流れ ☆の獲得 楽曲一覧 研究課題一覧 研究課題の分類 関連リンク キマイラのこころに眠る音楽を呼び覚ます…ゲームをプレーしたり研究メンバー指定のノルマをクリアしてエルムにエネルギーを集約してね 概要 ポップンミュージック UniLabの楽曲解禁要素。 e-amusement pass必須で、なるなる♪ユニラボ実験室!の最後に登場した楽曲の担当キャラであるエルムにエネルギーを集めて、楽曲を解禁させるというものである。 イベントの内容的には、前作の解明!M&N探偵社における「お題」に相当する部分のみを満たして解禁状況を進める、と言えば分かりやすいだろう。 GITADORA FUZZ-UPにおける楽曲解禁要素「大集合あつまれトゥギャザー! GITADORA オールスター GIG!」と類似点が見られる。出現バンドメンバーがランダムに選ばれ、そのバンドメンバーごとに条件を満たしたプレイをすることで追加でポイントが溜まっていく部分である。 あらすじ 彼女の内包する膨大な楽曲フロネシスはポッパーに恩恵をもたらすと期待されるしかし、それらの再構築のためにはポップンに潜在する膨大なエネルギーをエルムに集約し再構築する必要があるのだ! イベント期間 2023/10/19 10 00~ポップンミュージック Jam&Fizz稼働前まで 11/01までは、なるなる♪ユニラボ実験室!で[F/S]を解禁済みの場合にイベントを進めることができた。 なるなる♪ユニラボ実験室!の楽曲(KACラボ以外)で未解禁がある場合、あちらの期間終了後の11/02から開始となる。 期間限定ブースト キャンキャンの超覚醒BOOST 期間中、未解禁の楽曲が2曲以上ある場合、1プレイ中に成功した研究課題の獲得☆数が倍増する(増加分は肉球マークで表示される)。1回目・・・2023/12/25~2024/01/032回目・・・2024/08/29~2024/09/11 流れ 楽曲の選択画面から、エルムにお願いする曲を選択(プレビュー機能あり)。 1プレイ毎にランダムで実験メンバーが3名登場し、1名ずつ研究課題が表示される。このメンバーは、イベントのグラフィックを含めてなるなる♪ユニラボ実験室!で登場したキャラとなる。 楽曲選択画面でテンキーの9を入力すると研究課題が再表示されるため、前作のような確認し忘れを防ぎやすくなった。 1プレイ内で研究課題を成功・プレーボーナス・クリアボーナス・デイリーボーナス・研究ボーナスで☆が獲得できる。 解禁の進行はゲージや%単位で表示され、進行度合いに応じてキャラデコを獲得し、100%(☆獲得数55)で楽曲解禁。 楽曲によっては解禁に必要な☆の獲得数が多くなるが、1曲当たり5プレイが目安(3ステージ共にクリア、研究課題全達成を前提)。実験メンバーで☆3の研究課題が多く出た上で成功すれば4プレイで、☆1の研究課題が多く出ると6プレイ以上かかる場合もある。 ☆の獲得 内容 獲得する☆数 備考 プレーボーナス 2 クリアボーナス 1曲に付き1 デイリーボーナス 2 日別に1プレイ目のみ 研究課題成功 課題1つに付き1~3 内容によって異なる 研究ボーナス 1 1プレイで研究課題を3つ共成功 楽曲一覧 【A】【B】【C】は、以下のように対応する汎用メッセージ。 【A】しかたないわね 【B】はいはい、やるってば 【C】あとは まかせて! 「 ひなビタ 」表記がある場合はひなビタ♪関連曲。 楽曲 メッセージ 解禁過程で獲得するキャラデコパーツ 登場 メッセージ 生成・完成 ☆数(%) [Tan♪Tan♪Tan♪] ふぅん、、カワイイのね 【A】→かわいいのができたわね♪ 20(%) アリサ(ラボ) 2023/10/19~ 35(%) ふきだし「運命の出会いだった」 [Keep the Faith]※麻雀格闘倶楽部 覚醒より マイペースでいいのよ 【B】→あら、カッコイイじゃない! % ジュネス(ラボ) 2023/10/26~ % ちびミミ(GO!) [Lovin You] なんだかわくわくするわ 【C】→全てがキラキラして見えるわ % ジズ(ラボ) 2023/11/02~ % アリシアのカチューシャ [Redemption Tears] なんだか仲良くなれそう 【A】→ふふふ…黒いきもちになるわ % うた(ラボ) 2023/11/09~ % SUCCESS [Dancin in シャングリラ] あらあらそう来るわけね 【B】→懐かしいってこんな気持ちかしら % イリス(ラボ) 2023/11/16~ % くるくる遺伝子図 [ココロコースター] おてやわらかにたのむわ 【C】→心に染みるってこんなかしら? % アッシュ(ラボ) 2023/11/23~ % ふきだし「一方そのころ」 [ma plume] ずっと待ってたのよ(告知では「すぐに遊べちゃうってワケね!」) 【A】→こんなの聞いたことないわ…! % ホイップ(ラボ) 2023/11/30~ % ふきだし「うますぎる…」 [ma plume](UPPER) 【B】→ふふふ…黒いきもちになるわ % シエル(ラボ) % フローラの花冠 [いばら姫] なぜかシンパシーをかんじるのよ 【C】→かわいいのができたわね♪ % アリシア(ラボ) 2023/12/07~ % ↓かわいい [螺旋] なんだかチカラがみなぎるわね 【A】→あら、カッコイイじゃない! % レオン(ラボ) 2023/12/14~ % ちびニャミ(顕微鏡) [ちくわパフェだよ☆CKP(Yvya Remix)] ひなビタ 【B】→ % 芽兎めう(ラボ) 2023/12/25~ % 山形まり花(ラボ) % 霜月凛(ラボ) [めうめうぺったんたん!!(ZAQUVA Remix)] ひなビタ 【C】→ % 和泉一舞(ラボ) % 春日咲子(ラボ) [狼弦暴威] 【A】→ % 2024/01/04~※2023/12/25分までに登場した楽曲を全て解禁している場合のみ出現 % [The Escape] 【B】→ % 2024/01/11~ % [謎情の雫 ft. Kanae Asaba] 【C】→ % 2024/01/18~ % [黒猫と珈琲] 【A】→ % 2024/01/25~ % [Head Scratcher] 【A】→ % 2024/02/01~ % [ドーナツホール](UPPER) 【A】→ % 2024/02/08~ % [マトリョシカ](UPPER) 【A】→ % % [遊戯大熊猫] 【A】→ % 2024/02/15~ % [Stylus] 【A】→ % 2024/02/22~ % [Crazy Shuffle] 【A】→ % 2024/02/29~ % [speedstar[02]] 【A】→ % 2024/03/07~ % [少年A] 【A】→ % 2024/03/14~ % [what i wish] 【A】→ % 2024/03/21~ % [TAKE YOU AWAY] 【A】→ % 2024/03/28~ % [Dragon Blade -The Arrange-] 【A】→ % 2024/04/04~ % [pump up dA CORE] 【A】→ % 2024/04/11~ % [TURBO BOOSTER] 【A】→ % 2024/04/18~ % [夜虹] 【A】→ % 2024/04/25~ % [天泣] 【A】→ % 2024/05/02~ % [オッタマゲッター] 【A】→ % 2024/05/09~ % [luck](UPPER) 【A】→ % 2024/05/16~ % [脳漿炸裂ガール](UPPER) 【A】→ % % [TYPHØN] 【A】→ % 2024/05/23~ % [REFLEXES MANIPULATION] 【A】→ % 2024/05/30~ % [オーバー] 【A】→ % 2024/06/06~ % [Knockin on Red Button] 【A】→ % 2024/06/13~ % [The Metalist] 【A】→ % 2024/06/20~ % [イマココ!この瞬間] ひなビタ 【A】→ % 2024/06/27~ % [チョコレートスマイル](UPPER) ひなビタ 【A】→ % 2024/07/04~ % [キリステゴメン](UPPER) ひなビタ 【A】→ % 2024/07/11~ % [Liar×Girl] 【A】→ % 2024/07/18~ % [Hades Doll] 【A】→ % % [Jazz is Rad] 【A】→ % 2024/07/25~ % [アモ] 【A】→ % % [encounter] 【A】→ % 2024/08/01~ % [不可説不可説転] 【A】→ % % [閉塞的フレーション] ゆっくりしていってね 【A】→ -% (デコパーツなし) 2024/08/07~※BEMANI×東方Project ~幻想郷音樂祭2024~関連 [残像ニ繋ガレタ追憶ノHIDEAWAY] -% [弾幕信仰] -% [UROBOROS OVERDIVE] 【A】→ % 2024/08/15~ % [Megalara Garuda] 【A】→ % % [Megalara Garuda](UPPER) 本気だしてきたわ・・・ 【A】→ % 2024/08/22~ ※このイベント内で獲得できる最終曲 % 研究課題一覧 青色背景は☆1個分、黄色背景は☆2個分、赤色背景は☆3個分。 ただし内部値が定められているようで、 ★ 印が付いたお題は青色背景が1.6、黄色背景が2.4として扱われる。 キャラ名 研究課題(台詞) 課題の分類 アッシュ pop n 13の曲を1曲選ぶっス 選曲 GOOD以下の判定が1%未満でクリアをお願いするっス 判定数 アリサ pop n SunnyParkの曲を1曲選びなさいよ 選曲 ランダム選曲やってみせなさいよ! 選曲 アリシア 曲名が「か」行から始まる曲を選びなさいよ 選曲 GOOD以下の判定が5%未満でクリアできるでしょ? 判定数 イリス pop n 20の曲を1曲選んでみてください 選曲 GREAT以下の判定が15%未満でクリアを達成してください ★ 判定数 ヴァイス pop n ラピストリアの曲を1曲選べ! 選曲 MAXコンボ400以上でクリアをお願いできないだろうか ★ コンボ ウェルダン 1の位が4~6のレベルの曲を選べやー バーニンッ! 選曲 MAXコンボ400以上でクリアァァ!!! ★ コンボ うた pop n peaceの曲を1曲選んで! 選曲 GOOD以下の判定が3%未満でクリアしてみて! ★ 判定数 エクリプス フルゲージでクリア さもなくバ闇に散レ ★ クリア 闇… MAXコンボ300以上でクリア…ッ… コンボ エステル GOOD以下の判定が5%未満でクリアを見せてください! 判定数 スコアが90000点以上でクリア一度見てみたいんです! スコア MCトメ 曲名が「あ」行からはじまる曲をえらんでちょ 選曲 スコアが80000点以上でクリアしてみてチェケラッチョ!! ★ スコア オディール そうね…pop n 17の曲を1曲選ぶといいわ… 選曲 BAD5以下でクリア…見せてほしいの… ★ 判定数 カウント・テン 曲名が「英語」・「数字」から始まる曲を選ぶのだ 選曲 GREAT以下の判定が10%未満でクリアを目指したまえ 判定数 キャンディ pop n 1~6の曲を1曲選んでほしいの 選曲 GREAT以下の判定が20%未満でクリアを見てみたいなぁ♪ 判定数 クアトロ pop n 14の曲を1曲選んでみてね♪ 選曲 スコアが90000点以上でクリアしてみてね♪ スコア サン スコアが70000点以上でクリアでプレーするアル スコア BAD10以下でクリアをやってみせるアル 判定数 シエル ふふふ 曲名が「は」行から始まる曲を選んでくださいね 選曲 ふふふBAD5以下でクリアしてくださいね ★ 判定数 ジズ フフフ pop n 9の曲を1曲選んでいただけますか 選曲 MAXコンボ500以上でクリア 叶うのでしょうか… コンボ シャラ そうね フルゲージでクリアなんてどうかしら ★ クリア スコアが92000点以上でクリアなんていいんじゃない? ★ スコア ジュディ ハーイ★私が担当の曲を1曲選んでねー ★ 選曲 GREAT以下の判定が10%未満でクリアよ!Let s go! 判定数 ジュネス pop n 解明リドルズの曲を1曲えらぼ 選曲 ランダム選曲 であそぼ 選曲 ジルクファイド BAD10以下でクリアだ 真のチカラを見せてみろ! 判定数 MAXコンボ500以上でクリア 任務を達成せよ!! コンボ 崇徳鞍之丞 pop n うさぎと猫と少年の夢の曲を1曲選べ! 選曲 スコアが95000点以上でクリアを頼むぞ! スコア スモーク BADが10%未満でクリア…なんてどうだい? 判定数 フルコンボを達成できるかい? クリア チチカカ pop n 15ノ曲ヲ1曲エランデ! 選曲 MAXコンボ200以上デ クリア セヨ~ ★ コンボ チャラ王 マジならBAD50以下でクリアできるっしょ! 判定数 MAXコンボ400以上でクリアできるっしょ! ★ コンボ ツースト pop n 10の曲を1曲選んでくれ! 選曲 GREAT以下の判定が15%未満でクリアをみせてくれ! ★ 判定数 トア ボクの担当曲を1曲えらんでね~★ ★ 選曲 GOOD以下の判定が1%未満でクリアしてみてね~★ 判定数 ドクタージジー&キャンキャン フルコンボを成し遂げるのじゃ(キャンキャン!) クリア ドクターフラスコ ふぉっふぉっ BAD20以下でクリアするのじゃ ★ 判定数 オジャマ系のオプションをつけて1曲プレーするのじゃ! オジャマ 弐ノ丸 びょぇー MAXコンボ100以上でクリアー!! コンボ うぐぅ!オジャマ系のオプションをつけて1曲プレェェェ! オジャマ ニャミ ブーストフォルダから1曲選んでね♪ 選曲 BisCo pop n 11の曲を1曲選んで\(>▽<) 選曲 GOOD以下の判定が3%未満でクリアできる? Σ(゚Д゚) ★ 判定数 フィリ pop n 16の曲を1曲選んでくれるかな 選曲 スコアが92000点以上でクリアしてくれるかな ★ スコア ブラック pop n 8の曲を1曲選ぶんだ!! 選曲 スコアが95000点以上でクリア お前ならできるはずだ スコア プロキオン 1の位が7~9のレベルの曲を選んでいこうよ! 選曲 GREAT以下の判定が20%未満でクリアしてみようよ! 判定数 紅 pop n 18の曲を1曲選んでくれ! 選曲 スコアが92000点以上でクリアを目指していこうぜ! ★ スコア ホイップ 曲名が「た」行から始まる曲を選ぼうよ~! 選曲 BAD10以下でクリアしてみようよ~! 判定数 ミサキ BADが6%未満でクリアなんてどう? ★ 判定数 pop n 12の曲を1曲選びましょ 選曲 ミスターKK 俺の担当曲を1曲選んでくれないか? ★ 選曲 スコアが95000点以上でクリアやってみな スコア ミミ pop n UniLabの曲を1曲選ぼう 選曲 ブーストフォルダから1曲選んでね♪ 選曲 ハロー★ ランダム選曲を選んでね 選曲 ヨシオ pop n éclaleの曲を1曲選んでくれ!! 選曲 MAXコンボ300以上でクリアをめざすんだぁー! コンボ リル えへへ★ 曲名が「ま」行から始まる曲を選んでね 選曲 えへへ★ BADが2%未満でクリアだよ ★ 判定数 ルート@超ドー研 曲名が「な」行から始まる曲を選んでww 選曲 スコアが90000点以上でクリアしよww スコア レオン pop n 7の曲を1曲選んでよ 選曲 MAXコンボ200以上でクリアしてみてよ! ★ コンボ 烈 1の位が0~3のレベルの曲を選んでくれよなっ! 選曲 フルコンボを達成…お前なら…できるよな… クリア レナ 曲名が「や~わ」行から始まる曲を選んでほしいな 選曲 BADが2%未満でクリアしてほしいな ★ 判定数 ロコ 1ステージをクリアで完了デス♥ クリア MAXコンボ500以上でクリアオネガイシマス♥ コンボ PMGTV-RZX ギュイイイイーン!曲名が「さ」行から始まる曲ゥゥ! 選曲 ドリドリドリ!!!BAD5以下でクリアァァ ★ 判定数 ひなビタ♪関連曲を解禁進行する場合のみ、以下の中からランダムで出現(2023/12/25追加) 山形まり花 BAD20以下でクリアしてみようよっ! ★ 判定数 曲名が"ひ"、"な"、"び"、"た"から始まる曲で遊んでね! ★ 選曲 和泉一舞 フルゲージでクリアっていいアイデアだと思わない? ★ クリア フルコンボやってみせてよ! ちょー楽しみっ クリア 芽兎めう ひなビタ♪の曲をプレーするめう! 選曲 曲名が"ち"、"く"、"わ"、"ぱ"から始まる曲をやってーっ! 選曲 春日咲子 MAXコンボ110以上でクリアです がんばってください! コンボ MAXコンボ310以上でクリアが目標ですよ! コンボ 霜月凛 スコアが70010点以上でクリア 分かってくれたかしら? スコア スコアが90010点以上でクリア あらかじめ伝えておくわ…。 スコア 研究課題の分類 選曲 曲名が条件に合う曲、バージョンカテゴリの楽曲指定、レベルの特定の数値指定、キャラの担当曲をプレイが該当。ランダム選曲は、前作のMN探偵社と同じくバトルモードは達成不可能。担当キャラの曲を選ぶ課題はジュディ・トア・ミスターKKが該当するので、各キャラクターページを参照。「曲名が"ち"、"く"、"わ"、"ぱ"から始まる曲をやってーっ!」は、特別に条件を満たす曲として「C」「K」「P」のいずれかから始まる曲名も有効。 スコア 70010以上、90000以上、90010以上、92000以上、95000以上が存在し、必然的に一定の精度が求められる。AAAランク以上を出せる譜面を増やすことを望みたい。 判定数 BAD数の他、通常隠し曲のコアダストビートの出現条件のように、指定の判定数の割合をその数値未満にするという課題も存在する。☆3つになると97000以上のスコアを出さなければ獲得できない課題も。実質的に辛判定の楽曲では難易度が高くなる。 クリアの状態 バトルモードはクリア・フルゲージ扱いとなる。 コンボ フルコンボ以外はノート数的な意味で、腕前がかなり影響する。☆3つは500コンボ以上となるため、EASY譜面では必然的に達成不可能。Lv30前後の譜面を安定してフルコンボできるレベルが求められるため、ダークオペラNは狙いやすい部類。 オジャマ ノーマルモードの場合は、オプションの「OJAMA1」「OJAMA2」のどちらか片方でも設定している場合が対象。ずっと!の有無を問わない。バトルモードの場合、プレー中にオジャマ攻撃を行った場合に成立する。ネットワーク対戦は対象外。 「ブーストフォルダから1曲選んでね♪」 この研究課題が出た場合のプレイに限り、選曲画面にブーストカテゴリが出現する。 [いばら姫]の登場告知画像で、[ココロコースター]のピーノが後ろに重なっていたミスがあった。 関連リンク エルム 公式イベント関連 ポップンミュージック UniLab
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/13287.html
滅葬のエルフリーデ 登場人物 コメント タイプ1:みず タイプ2:はがね 茜屋まつりによるライトノベル作品。 登場人物 サンダース:エルフリーデ・ヴェンデルガルト・藤原 スワンナ:日下部 舞 持ち物:メガネ系 特性:はとむね 色違いのエリキテル:野尻茜子 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6514.html
前ページ次ページゼロのエルクゥ 一匹の風竜が、夜を切り裂いていく。 「お兄ちゃん、もうすぐアーハンブラに着くよ」 「ん……んん」 夜空を駆ける風竜の背びれにもたれかかって目を閉じていた少年の肩を、傍らにいた少女が軽く叩いた。 「……ああ、もう着いたのか。サンキュー、エルザ」 それまで眠っていたらしい少年は、頭をさっと振って軽く目を擦ると、少女に向かって微笑んだ。 ハルケギニアには珍しい黒い髪がさらりと揺れる。ろくに整えられていないざんばらな髪だったが、どこか精悍さを感じさせた。 「いいよ。これからお兄ちゃんにはたっぷり働いてもらわなきゃいけないんだからね?」 エルザ、と呼ばれた少女―――どちらかといえば、まだ少女とも呼べない、人形のような幼い風貌をした女の子は、サラサラと輝くブロンドの金髪をそよ風に揺らしながら、いたずらっぽい微笑みを浮かべた。 「なんだよ、エルザは手伝ってくれないのか?」 「ここまで風の精霊にずっと頼みっぱなしだったし、疲れちゃった」 「おいおい……」 「だってー。こんな速度で風に煽られてたら、髪がぐしゃぐしゃになっちゃうもん」 風竜は、全速力で空を駆けている。強烈に吹き付けているはずの風にも、二人の服や髪はそよそよと薙いでいるだけだった。 それを為しているのは、年齢相応にぷくっと頬を膨らませている、このエルザなのだった。 「あのな……今から何をしに行くのか、ホントにわかってんのか?」 「わかってるよ。ヘンな悪霊に取り憑かれたエルフを退治しに行くんでしょ? 精霊の加護のなくなったエルフなんて、わるがしこい人間なんかよりよっぽど楽勝だよ。へーきへーき。むしろビダーシャルさんだけで全部倒しちゃうんじゃない?」 ハルケギニアならばどれほど力あるメイジでも怖れを抱くエルフ族に対して、年端も行かぬ少女が何でもない事のように言い放つ。 この一帯に住む人々が見れば、例外なく目を剥いたであろう。 「……まあ、そうかもしれねえけど、その代わりめちゃめちゃ凶暴になってるんだぞ」 「ただ力が強いだけなら、どうってことないじゃない。今この大地を我が物顔で支配している人間が、竜や、私たちや、オーク連中より力が強いとでも言うわけ?」 「いや、そういうわけじゃねえけどさ……」 自分は人間ではないとでも言うように、皮肉げに口元を歪めるエルザ。 そしてそれは、その通りだった。彼女は先住魔法を扱う亜人……その内でもエルフに次いで恐れられている、吸血鬼と呼ばれる先住種族なのだった。 「はぁ……ま、エルザがそんなに余裕そうなら大丈夫……なのかなぁ?」 「そーそー。どーんと、可愛いエルザちゃんにかっこいいところを見せるつもりで行ってきなさいって」 「言ってろ……ん、そろそろか」 少女とのやりとりに緩んでいた少年の顔が、地平線に霞む城の姿を捉えるや否や、キッと引き締められた。その額に刻まれたルーンが、煌々と光を放ち始める。 「……あは」 その横顔を見つめていたエルザが、外見通りの年齢ではとても身につけられないような、ひどく妖艶な笑みを浮かべた。 それは、紛れもない『女』の顔……それも、その人形のような幼さと相まって、魔性とも言える色気を放つそれだ。自制心の足りない男であれば、思わず襲いかかり、その幼い体躯を組み敷いてしまいそうになるような、そんな顔。 「……ん、どした? 俺の顔に何か付いてるか?」 「目と鼻と口ー」 「あのなあ……」 ことさら子供っぽい言葉で返された少年は呆れたように視線を正面に戻し、エルザはそれを見て心から楽しそうな笑顔を浮かべた。 「―――来い」 速度を弱めていた風竜の周囲に、いつの間にか幾つもの影が随行していた。 翼を持った人型だった。翼人と言うには禍々しく、悪魔と言うには貧相なそれは、魔法で動くガーゴイル。魔法技術大国、ガリア王国の技術の粋を凝らして作られた、神の頭脳専用の戦闘人形だ。 「行くぞ、エルザ」 「うん。サイトお兄ちゃんっ!」 抱きついてきた少女に片手を添えた少年―――神の頭脳ミョズニトニルン、平賀才人は、ためらいなく風竜の背を蹴り、その身を夜空に躍らせた。 § 「―――っ!?」 「どうかしたかね? ミス・ヴァリエール」 「いえ……なんだか犬が調子に乗って種馬までクラスチェンジしているような電波が……」 「ふむ?」 「ううん、何でもありません。少し疲れているだけだと思います」 頭を振って毒電波を追い出したルイズは、ここが学院長室である事を思い出し、居住まいを正した。 「うむ。大任ご苦労じゃったな。申し出のあった使い魔の召喚については、明日にでも手筈を整えよう」 「……はい、ありがとうございます」 王宮からの帰りの馬車が学院に到着するなり、ルイズは報告がてら、オスマンへと直談判しに学院長室を訪れていた。 次の使い魔を召喚させて欲しい。自分の才能は、『サモン・サーヴァント』にこそあるのかもしれないから、と。 「無理はするでないぞ、ミス・ヴァリエール。君のこれまでの経緯を見知っておる人間としては、軽々しく言うのは憚られるが……我が学院の教師に、生徒の相談を無碍に扱うような人物を選んでおるつもりはないからの。悩みがあれば、気軽に相談するとええ」 「お心遣い、感謝致します」 「うむ……では明日、準備が出来次第、使いを寄越そう。今日はゆっくり休みたまえ」 「はい。失礼致します」 社交辞令を崩さないまま、ルイズは優雅に一礼すると、学院長室を去っていった。 「……教師というのは、難しいものじゃのう。のう、モートソグニルや」 オスマンの体を、使い魔であるハツカネズミが駆け上がって肩まで昇ると、何かを耳打ちするかのようにちゅちゅう、と鳴いた。 「……ピンク、か」 ゾクぅっ! 「~~~~ッ!?」 「どうした? 娘っ子」 「いや、何だか寒気が……はあ、何なのかしらさっきから」 どうにも、変な感覚が鋭敏になっているようだった。ルイズはふるふると頭を振り、怖気を振り払う。 「ま、良かったじゃねえか。使い魔、すぐに召喚できるってよ」 「うん……」 希望が叶えられたと言うのに、ルイズの表情は浮かないもののままだった。 それ以上はどちらも口を開かず、ルイズは黙々と足を進める。 昼下がりを幾分か過ぎた学院内はちょうどティータイムらしく、社交に忙しい生徒達で賑わっていた。 そんな中、本人の身長ぐらいある長剣を軽々と担いで歩くルイズは悪目立ちしていたが、本人は好奇の視線を気にする素振りもなく、まっすぐに女子寮塔へと入っていく。 石造りの寮は、時折ひそひそと話す声が漏れ出してくる程度で、ひんやりと静まり返っていた。 「…………」 ルイズは、部屋に戻って思索にふけるつもりだった。 自分の魔法の事。これからのトリステインの事。呼び出される使い魔の事……そして、『自分の体』の事も。 考えたい事はいくらでもあって、そのどれもが、図書館でどれだけ本を漁っても載っていないであろう、答えの見えない問いだらけだった。 自分を守って死んだというのに、死に目にすらあえず、亡骸もない耕一。それを悲しむ暇もなく、まるで使い捨てのように、次の使い魔を召喚しようとしている自分。 罪悪感を振り切るように、頭の中を思考でいっぱいにしたかった。思い出してしまって悲しみに暮れられるなら、それもいい。 そんな陰鬱な気分のまま、寮の階段を踏みしめていく。 フライの魔法で窓から出入りする不精な生徒は案外多く、階段はいつも人気が少ない。 『ゼロのルイズ』にとっては、そんな些細な事すら、気分をささくれ立たせる要因だったのだ。……これまでならば。 『エルフの軍勢ですってえっ!? だ、大事件じゃないのっ!!』 「っ!?」 ほんの少し前までの日常だったというのに、どこか遠い昔の懐かしい記憶を掘り返しているかのような気分に浸っていたルイズは、突如響き渡った声に息を呑む。 『エルフを一人で倒せって? ふざけてるのこれ? しかもガリア花壇騎士って何よ! もう、しっかり説明してもらうわよ!』 すぐ横の扉から聞こえてきているその声は、とても聞き覚えのあるもので……その部屋が、声の持ち主の親友のものだという事を思い出したルイズは、思わず足を止め、耳をそばだてていた。 『タバサ! 行っちゃダメよこんなの! すごく危険どころの話じゃないわ、絶対に死んじゃうじゃない!』 "イル ・ウォータル・スレイプ・クラウディ" 怒鳴り声にそんなルーンが被さったのは、その時だった。 『うっ! こ、これって……た、タバ、サ……!』 ばたん、と何かが倒れるように床が鳴り、続けて大きな羽音と窓が開く音がして、ルイズは思わずドアノブに手を掛けていた。 ノブを捻り、鍵の掛かっていなかったドアを開いたそこ―――タバサの部屋は微かに白く煙っており、ばったりと床に倒れ込んだキュルケが小さく寝息を立てている。 そして、開かれたままの窓からは、青い風竜の影が小さく空に消えていった。 § 「くぅ……まだ頭がクラクラするわ」 ルイズが肩を起こして揺さぶると、キュルケはすぐに目を覚ました。 『眠りの雲』による眠りの深さは、術者の力量と意志に比例する。無防備な相手に全力を込めれば、スクウェア・メイジなら三日三晩ほど、トライアングルでも丸一日は、叩いても起きない程度に眠らせる事が出来るという記録があるが、 幸いながら、キュルケに掛けられたのはごく浅いもののようだった。 「一体何があったのよ。エルフがどうとかって聞こえたけど」 「そうよ! タバサが! タバサが大変なのよ! ……あうぅ」 「ああもう、大人しくしてなさいって。まだ『眠りの雲』が抜けきってないんだから」 キュルケは弾かれたように立ち上がろうとして、立ち眩みを起こしてよろめいてしまう。 「そんな暇ないのよ。早く追いかけないと……!」 「どうやってよ。今から出てって、シルフィードに追いつけるの? いいから落ち着きなさい」 「くっ……」 ルイズが肩を押さえつけるようにしてベッドに座らせると、キュルケは歯噛みしながらも抵抗はしなかった。 余裕という字が服を着て歩いているような女だったあのキュルケが、ここまで取り乱している。ルイズは、何があったのだろうかと疑問に思うと同時に、あの頃の―――二年生に上がる前までの自分だったらどうしていただろうか、とも思った。 いつも馬鹿にされている恨みとばかりに攻撃しただろうか。それとも、こんなのコイツらしくないと困惑しただろうか。 ……少なくとも、こんな風に他の事を考える余裕はなかっただろう、という事は断言できそうだった。 「で、何があったのよ」 「……これよ」 幾ばくかの落ち着きを取り戻したキュルケに再度尋ねると、キュルケは握り締めていた書簡を差し出した。 「……これは、何の冗談?」 さっと目を走らせたルイズは、素直な感想を口にした。 攻め寄せたエルフの軍勢を一人で撃退しろ? そんな事が出来るメイジがいるなら、過去の聖戦でとっくの昔に聖地を取り戻せているだろう。 過去の戦いの記録から、メイジ対エルフのキルレシオは1:10。手練れのメイジ数人に歴戦の傭兵を加えた10人で、ようやくエルフ1人を倒せるかどうかというところなのだ。こんな命令、正気の沙汰ではない。 「冗談なんかじゃないわ。タバサの顔は、そういう顔だったもの」 「これが冗談じゃないんなら、命令書じゃなくて死刑執行書ね」 くだらない、といった風に、書簡をキュルケに差し戻した。 「というか、ガリア花壇騎士に北なんてあったかしら? 確か、ヴェルサルテイル宮殿にある西南東の花壇になぞらえて三騎士団が作られたって、歴史では習ったけど」 「そんなのどうだっていいわよ。タバサが行っちゃった事には変わりないんだから。ああもう、どうすればいいのかしら」 ぎゅっと、キュルケが自らの体を抱きしめる。 「……タバサの後を追っかけるつもり?」 「出来るならすぐにでもそうしてるわ」 「その文書が本物なら、エルフと戦うのよ」 「別に、エルフと事を構える必要なんてないわ。タバサを連れ戻せばいいのよ」 「他国のシュヴァリエに王印付きの命令を無視させて、その後はどうするの?」 「……うちの実家でもどこでも、保護してみせるわ」 問答を繰り返すうちに、キュルケの目に熱が篭り始める。 キュルケは、部屋の中を見回して、ニンマリと笑みを浮かべた。ろくでもない事を考えている顔だ。 「……はぁ」 ルイズは大きく溜め息をつく。 それは、見るからに活き活きとしはじめた目の前の『微熱』に対してではなく……多分に、自らの心の内に向けられた物だった。 § ―――そうだ。決して喪わせるものか。 キュルケはぐるりと部屋を見渡した。備え付けの調度品以外には、種々様々な本が詰まった大きな本棚だけが目立つ殺風景な部屋だ。 こんなに心地の良い空間を手放すわけにはいかない。燃え盛る『微熱』には、『雪風』の冷たさがちょうどよいのだ。 沸々と、胸の奥から情熱が湧きあがってくる。 「……はぁ」 目の前では、呆れたとばかりにルイズが溜め息を付いていた。 何よその態度、と少々の反発を覚えるが、今は些事にかかずらっている場合ではない。 まずは大急ぎでトリスタニアまで出て、竜籠を探さなければ。正規のものは手続きがとろすぎるから、モグリでも何でも…… と、そこまで考えた時だった。 ―――我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール――― 朗々と耳に響く詠唱が、思考を強制的に中断させた。 ―――5つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし、"使い魔"を――― その杖が振り下ろされる瞬間、キュルケは、火の赤でも、水の青でも、風の緑でも、土の茶色でもない―――その全てが混ざりあった、純白の力を幻視した。 ―――召喚せよ。 前ページ次ページゼロのエルクゥ
https://w.atwiki.jp/angeunite/pages/136.html
《暖光のエルフ ユノ》 プログレスカード レベル4/黒/ATK8000/DEF8000/STK1 【常】あなたのほかの黒のプログレスすべてのATK+1000。 【LINK(5)-Ω2】ATK+6000。 あなたのほかの黒のプログレスすべてのATK+2000。 side ROUGE/side BLANCで登場のレベル5・黒のプログレスカード。 収録 side ROUGE/side BLANC 2-019 ブリリアントパック Vol.2 2-019
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5080.html
前ページ次ページゼロのエルクゥ 「お疲れさま、カエデ。どう、二人は?」 「……まだ眠っています」 「そう。ま、じきに目を覚ますでしょ。あー、さすがにあんだけシルフィードに乗ってると疲れるわねぇ」 寝室に二人を寝かせた一行は、ティファニアの家の居間、それぞれに腰を下ろし、強行軍の疲れを癒していた。 「はぁ。それにしてもびっくりしました。まだ2日と経ってないのに、もう恋人さんを見つけられたんですね。おめでとうございます、カエデさん!」 「ええ。皆さんのおかげです。本当にありがとうございます」 「ちょーっとゴタゴタはあったけどね。ともあれ、無事に二人を拾えて良かったわ」 「…………ん」 お茶のカップを傾けながら、キュルケは慣れたようにウィンクを飛ばす。 タバサは軽く頷いただけで、じっとティファニアを見つめていた。 「ま、別に気にしなくていいわよ。あたしも楽しかったし。特に、音に聞くエルフがこんな可愛いお嬢ちゃんだったって事が一番愉快だわね」 「あっ、い、いえ、私は、その……は、ハーフですからっ……あっ! ううん、でも、お母様は本当に優しい人でっ……!」 「あはははは! そう、そういうところが可愛いって言ってるのよ! あはははははっ!」 たどたどしくはにかむティファニアに、キュルケは腹を抱えて大笑いする。 本当に可愛いと思われているのか、それともからかわれているのかわからないティファニアは、さらに顔を赤くして俯くしかなかった。 自己紹介もそこそこにティファニアの家に上がりこんでからというもの、キュルケはずっと上機嫌の顔を崩していないのだった。 「はうう……」 「うふふ。さて、今日は疲れたわ。まだまだ、いくらでも聞きたい事はあるけれど、とりあえずお話は明日にしましょうか」 キュルケは、そう言ってソファーに横になると、さっさと目を閉じてしまった。 「…………」 「…………」 「…………では、私は耕一さんとルイズさんの様子を見ています」 「う、うん。何かあったらすぐに呼んでね、カエデさん」 しばしの沈黙の後、楓は、耕一とルイズの寝かされている客室へと入っていく。 「…………」 「…………あう」 残ったのは、居心地悪げに身をよじらせるティファニアと、じっとそれを見つめるタバサだけだった。 「……あの、治療は」 「えっ?」 「エルフの、先住魔法?」 「えっ、治療? 先住? あっ……さ、さっきの、傷を治した事?」 端的なタバサの言葉に反応しきれなかったティファニアが数瞬の後に意を汲むと、タバサはこくりと頷いた。 ティファニアは、少し顔を伏せて、迷うように視線を彷徨わせた後、顔を上げた。 「……ええ。そう。私が魔法を使ったわけではないけど、水の先住の力が集まった、この……」 そう言い、ティファニアは指にはまっていた指輪を見せる。 「指輪のおかげなの」 タバサの視線が、指輪に吸い寄せられる。目は見開き、驚いているかのように瞳孔が開いていた。 「……これは、体の傷以外も治す事が出来る?」 「え? 体?」 「エルフの、心を殺す毒を、治せる?」 タバサの声の調子は、変わらずに平坦だ。 しかし微かに、すがりつくような、弱々しい響きが混じっている事に気付いたのは、目を閉じたまま、まだ眠りについていないキュルケだけだった。 「……ごめんなさい。私は、他のエルフについては何も知らないの。その毒っていうのもわからないから……治せるかどうかわからない、としか……」 「……そう」 「あ、で、でもっ、水の精霊の力だから、基本的に水の魔法で出来る事は出来るはずだから……あの、その人をここに連れてきてくれれば、試すだけは試してみるけど……っ」 何の感情も込められていないかのような相槌に、ティファニアは慌ててそう言い繕った。 「……ありがとう。機会があったら、お願いする」 そして、滅多に聞かない『タバサのお礼の言葉』に、ピクリとキュルケが身をよじらせる。 「い、いえ、その……」 ティファニアはといえば、いつも触れあっている感情豊かな子供達とは違う、そのどこまでも平坦な声と表情に、ドギマギするばかりであった。 § 窓から覗く外の風景は朱の時間を過ぎ、宵の口に差し掛かっていた。 先ほどまで元気に外を遊びまわっていた子供達も、夕食を終え、自分達の家へと入っている。 「…………」 楓は、床に毛布を敷かれたその上で眠り続ける耕一の左手を握り、じっとその顔を見つめていた。 一度は自らが切り落としたその手に体温が通じているのを感じて、胸に安堵の気持ちが染み渡っていく。 「ん、んっ……すぅ、すぅ……」 目線を上げたベッドの上には、耕一を使い魔として呼び出したという桃色の髪の少女が、同じく寝息を立てている。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。『ゼロ』のルイズ。公爵家という王に次ぐ家柄の出でありながら、魔法の使えない落ちこぼれ。 シルフィードが全速力で頑張っている最中、キュルケから色々と話は聞いたが、なんとも宙ぶらりんな気分だった。 『あなた達を引き離そうと思ってやったわけじゃないから、手荒な事はやめてあげてね』などと言われたものの……初対面であるし、彼女の事をどう思っているのか、楓自身まだよくわかっていない。 今のところ、あの使い魔のルーンのように耕一を無理矢理に従えようとでもしなければ、手荒な事などするつもりはないが……。 それに―――これから話をする機会があるかどうかも、わからないし。 「お嬢ちゃん、帰っちまうのかい?」 「っ!?」 いきなり誰かの声がして、楓は飛び上がるように驚いた。強行軍で少し乱れていたセミロングの黒髪が、驚いた猫のように総毛だったような気さえした。 「こっちこっち。俺だよ俺。俺だってば」 カチカチ、と金属の鳴る音とともに、遊び人の中年男のような、軽めの声が響き続けている。 「け、剣……!?」 「そそ。俺、剣。魔剣デルフリンガー様っての。そこで寝てるコーイチの相棒ってことになってる。まあ、さっきのお嬢ちゃんの一撃でガンダールヴのルーンは逃げ出しちまったから、相棒じゃなくなっちまったけど。ま、ひとつよろしく」 声のしてくる方向はどう見ても、壁に立てかけられている、耕一の持っていた剣だった。カチカチ、と鍔についている飾りが動いて鳴っている。そこから声が出ているらしい。 ガンダールヴ、なんて聞き慣れない単語の事よりも、まずその現象自体に、楓は心底驚いた。 「剣が喋ってる……!?」 「剣だって喋るさ。ここは”ふぁんたじぃ世界”らしいからな。お嬢ちゃん達の世界には、竜だっていねぇんだろ?」 「は、はあ……」 軽い調子の剣の声に、楓は少しだけ落ち着きを取り戻す。 まあ確かに、魔法やらエルフやらドラゴンやら空に浮く大陸やらを目の当たりにしていて、何を今更という話だった。 「で、帰っちまうのかい? お嬢ちゃんたちの世界って奴に」 「……なぜ、そんな事を?」 「いや、そんな気がしたからね。いや、違うな……そんな顔をしてたから、だな。これでも六千年ほど人の顔を見てきたもんでね、わかっちまうのさ」 「…………」 「お嬢ちゃんの顔な。戦いを終えて、やっと家に帰れるってホッとしてる兵士の顔にソックリだったぜ。故郷を焼かれて帰るところをなくした奴の顔とは、明らかに違うもんだった」 デルフリンガーの言葉は、比喩としてもなかなかのものだと楓は感じた。 感じてしまったので……大人しく、首を縦に振った。 「……はい。帰るつもりです。私達の……家に」 「そうかい」 デルフリンガーはそう相槌を打っただけで、それ以上言葉を発そうとはしなかった。 「止めたりは、しないのですか?」 「無駄な事はしねえよ。相棒をルーンから解放するために躊躇いなく腕切り落とちまうようなお嬢ちゃんの決意には、なーんも言えねえさ。ただまあ……話ぐらいは、聞いてやってからの方が良いと思うぜ?」 「……?」 そこにいない誰かを促すような言葉に、楓は首を傾げる。 次の瞬間、ガチャリ、と計ったかのようなタイミングで、入り口のドアが開かれた。 「…………」 「……タバサ、さん?」 無言のまま、のっそりと部屋に入ってきたのは、節くれだった大きな杖を片手に担いだタバサだった。 § 「…………」 「…………」 二人の寝息が静かに響く客室の中で、楓とタバサは膝をつき合わせて向かい合っている。 タバサはこれまでと同じように無言の無表情。楓には、その内心を推し量る事すら出来なかった。 「帰るの?」 「えっ?」 タバサの言葉は、何の前兆もなく突然沈黙を切り裂いた。 楓は驚くが、その簡潔な言葉には、聞き返したり、疑問を差し挟む余地だったりなどは、欠片も存在しなかった。 「…………」 「……はい。帰るつもりです。私達の、家に」 「……そう」 先ほどデルフリンガーに向けて言った言葉を、今度はもう少しはっきりと口にする。 自らの決意を確認して、固めるように。 タバサは、変わらない調子で相槌を打つだけだった。 「お世話になったお礼が出来ないのは心苦しいのですが……」 「いい。それより……」 「はい……?」 「私の知り合いに、おそらくあなた達の世界と同じところから召喚されてきた人がいる」 「えっ!?」 「連れて行って、と言いたいけど、今は無理。だから……どうやって帰るのか、方法だけでも教えて欲しい」 「…………」 「それで、お礼にする」 少し考えて……楓には、断る理由が思い浮かばなかった。 「……わかりました。でも、参項にはならないかもしれません」 「いい。手掛かりだけでも、重要」 「はい。私がこっちの世界に来た方法というのは、お話ししましたよね」 タバサはコクリと頷く。 シルフィードで移動している最中に、身の上話をする時間は幾らでもあった。主に問い質していたのはキュルケであったが。 「東……ここから遥か東の方に、同じものを感じるんです」 「同じもの……『サモン・サーヴァント』の、ゲート?」 「はい。定期的に、とても大きな反応があるんです。その波動を覚えてしまった私には、注意していなくてもわかってしまうような、大きなもの……まるで火山が爆発するみたいに、向こうの世界との"扉"が開いているんです」 「……東」 「来た時と同じ感覚で、それに同調したいと思っています。眠っている耕一さんの精神なら、一緒に引っぱれますから」 「……ロバ・アル・カリイエ? それとも……?」 少し俯き、何事かを呟いて考えに沈むタバサ。 すぐに顔を上げ、ペコリ、と楓に向かって頭を下げた。 「……ありがとう。とても大きな手掛かり」 「いえ。本当に、お世話になりましたから」 同じく、楓も頭を下げる。 はたから見ると滑稽な姿で、デルフリンガーは思わず笑いが零れそうになったのを慌てて我慢した。 「今すぐに、帰る?」 「……キュルケさんとテファさんには、ちゃんと挨拶をしたいですけど……でも、一刻も早く、姉さん達を安心させてあげたいし……」 楓は口篭もる。単純に別れを切り出しづらい、という言葉は、何とか飲み込む事が出来た。 帰ってしまえば、おそらく二度とこの世界に来る事はないだろう。今生の別れだ。テファやキュルケには好感を覚えていただけに、尚更だった。 変に挨拶をして未練を残すよりも、いっそこのまま消えた方がいい。先日楓が旅立つ時のティファニアと同じ、楓もまた、そんな風に考える性質だった。 「わかった。待ってて」 「え? あ、あの?」 タバサが音もなく立ち上がって部屋を出て行くと、数分もせずに戻ってきた。 「なになに、もう帰っちゃうの? もう少しゆっくりしてけばいいのに」 「…………」 ……キュルケとティファニアを連れて。 戸惑うようにタバサの方に目を向けても、その表情は変わらないままだ。……暖簾に腕押し、という諺が頭をよぎり、思わず一つ溜め息が出た。 「……カエデさん」 「……テファさん」 ティファニアは俯き、楓からはその表情を窺い知る事はできなかった。 「せっかくおともだちになれたのに、もうお別れなんですね……」 「……はい。本当に、お世話になりました」 彼女の"おともだち"として過ごせた時間が本当にあったのか、楓には自信がなかったが……楓は、それでもいいと思う。 自分が彼女と、友人として付き合いたいと思ったのは、事実なのだから。 「もっとたくさんお話とかして……コーイチさんともお話してみたかったけど……しょうがないですよね……」 「テファさん……」 「ああもう、湿っぽいわねえ!」 「はうっ!?」 ひくっ、とティファニアがしゃくりあげた時、キュルケが呆れたような、そしてどこか楽しそうであるような声を張りあげて……ティファニアの後ろから、ふにょん、とその革命的胸部装甲を揉み上げた。 比喩でなく跳び上がって驚くティファニアだったが、弾力と柔らかさの極地に達したその乳房にしっかりと指が食い込んでいて、脱出する事叶わなかった。 「な、なななな、む、胸、胸っ! い、一体何をするんですかぁっ!?」 「いーい? こういう時はね、『またね』ってだけ言って、笑顔で送り出してあげるの。話したい事がいっぱいあるならその人の事を忘れないし、きっとまた再会できるから。ねっ?」 「…………」 キュルケのウィンクひとつで、ティファニアの目尻で大きくなっていた水の粒が、その膨張をピタリと止めてしまった。 「……あうぅ」 そして、困りきったような呻きを出して、眉をハの字に落とす。 ……そのアドバイスが、先日姉代わりの人物から言われたものと、真っ向対立していたからである。 「ま、後は任せときなさい。またね、カエデ。今度はそのお姉さん達も連れていらっしゃいな」 「……ふふ。はい、わかりました」 混乱しているティファニアをよそに、軽い調子で、旅行でも勧めるかのように振る舞うキュルケ。 楓は少しだけ気が軽くなり、微笑みを浮かべると……クルリと後ろを向いて、寝ている耕一の手を取る。 感じ取るのは、遥か東の地―――楓には知る由もないが、そこは、"聖地"とも、"悪魔の門"とも呼ばれる場所。 そこに爆発のように開く、"門"の波動。 「……っ!!」 「うそっ、何この魔力っ……!? きゃああああっ!!」 一際大きな"それ"が届いた時、楓はありったけの力を込めて、そこに意識を流し込んだ。 § 「―――……はっ!?」 ガバッ! と、布団を跳ね上げて、勢いよく上半身を跳ね起こした。 「きゃっ!」 瞼を開けて最初に視界に入ったのは、びくっと体を強張らせて驚く、女の子の姿だった。 肩口で揃えられた黒髪が舞い、ゆらゆらと揺れて止まる。 「…………」 そこは、すっかり見慣れなくなってしまって―――懐かしいとさえ感じる部屋だった。 ふわふわの敷き布団。紙で出来た扉。畳敷きの客間に香る、い草の乾いた匂い。 「柏木の、家……?」 和室だった。トリステインはおろか、ハルケギニア全土にも絶対に存在しないであろう造りの部屋。 段々と、意識が覚醒してくる。 そう、ここは、日本有数の温泉地、隆山は柏木の屋敷の―――耕一にあてがわれた部屋だった。 「耕一さん……っ!!」 「うおっ!?」 起こした上半身に思いっきり飛びつかれて、耕一はそのまま布団に逆戻りとなった。 ばふっ! と、押し潰された布団が大きく空気を吐き出す。 「か、楓ちゃん?」 「…………」 のしかかってくるようにして、耕一の胸板に顔を埋めているのは……紛う事なき、彼の恋人だった。 「……俺は、夢でも見てたのか?」 その華奢な体をそっと抱き返しながら、曖昧な記憶を掘り返す。 魔法の世界。出会った少女。悲恋を交わす王子と王女。そして―――解放したエルクゥの力。 ―――ぶるり、と背筋が震える。 手にまだ、どろりと血のヌメリが残っている気がした。 「夢じゃ、ないな……帰ってきたのか? ―――つっ!?」 眠りにつく直前の記憶を引っ張り出そうとして、左手の手首の辺りに鈍い痛みを覚えた。 慌てて見てみるが、左手は傷一つなく綺麗なものだった。―――傷だけではなく、その甲にあったはずの何かすら、なくなっている。 痛みは、一瞬で消えていた。 「……確か、手がすぱっと切れちまったような……でも今は切れてないし、ったく、どうなってんだ? なあ、楓ちゃん?」 「…………」 胸の中の楓から、返事はない。 まだ現実感の薄い、半分眠った頭で天井を見つめ続けていると、 「こ、耕一っ!? 耕一が起きたッ!」 そんな、素っ頓狂な声がした。 「梓?」 「千鶴姉ッ! 初音ッ! 耕一が、耕一が起きたぁッ!」 いつのまにか部屋の入り口に立っていた、柏木四姉妹の次女―――柏木梓は、声をかけた耕一には目もくれず、どたどたと女にあるまじき足音を立てながら、板張りの廊下を駆け抜けていく。 「……一体なんだってんだ?」 「……皆、本当に心配してたんです」 「楓ちゃん?」 耕一が呆然と呟いていると、ようやく胸の中からくぐもった声がする。 顔を上げた楓の頬と耕一のTシャツは、静かに流されていた涙でぐっしょりと濡れていた。 「心配、って……じゃあやっぱりあれは、夢じゃない、か」 「……夢と、思っていた方が、いいのかもしれません」 「……そうかもな。でもまあ、どうやって帰ってこれたのかぐらいは、聞かせてくれないか?」 「はい。でもその前に……」 どたどたどた、と女にあるまじき足音が、今度は三人分ほど、この部屋に向かって廊下を揺らした。 「ちゃんと、帰ってきた時の挨拶をしないと」 「はは。そうだな……」 笑いながら、楓を抱えて上半身を起こすのと同時に、縁側に続く障子が勢いよく開かれた。 「耕一さんっ! か、体は大丈夫ですかっ!?」 「耕一お兄ちゃん! うわーん!」 「っだよもぅ心配させやがって! いきなり裏山がごっそり消えたと思ったらその麓にお前等が倒れてるし、楓は何も話してくれないしでもう大変だったんだぞ! おら、さっさと事情を話せ!」 千鶴、初音、梓の順に、部屋に雪崩れ込んでは、耕一の寝床を囲む。 その騒がしい顔ぶれに、一ヶ月もここを離れていなかったというのに、どこか懐かしさすら感じる。 それだけ、あの魔法の世界ハルケギニアでの毎日が、濃密な時間だったという事なのだろうが……。 「ああ……ただいま。みんな」 耕一は、とりあえず、そう静かに微笑んだ。 前ページ次ページゼロのエルクゥ
https://w.atwiki.jp/break_joker/pages/5453.html
マンティスロード【プロフェタ・クルエントゥス PRM ver.】 マンティスロード【プロフェタ・クルエントゥス PRM ver.】 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 BJNo 5 レア ★★★★ 属性 最大レベル 40 スート スペード HP 2429 種族 怪人 攻撃 1701 時代 平成 剣戟 チャージ 30 No.3551編集 作品 仮面ライダーアギト MAXレイズ 1000 スキル 必殺 慙愧の呉鉤 90 相手が最後に引いたカードのBJナンバーを、「+1」する 超必 忠誠 120 相手の必殺技ゲージを、50%減少させる ディーラースキル(リーダー) なし ディーラースキル(ヒット) なし 奥義 王降臨 カウント15 キングカードを場に出す(場に出たキングカードは必殺技が発動可能) BJエフェクト 自分の必殺技ゲージを100%回復する フレーバーテキスト 超能力者を抹殺する他、水のエルの護衛も務めるアンノウン。あかつき号の乗客の一人、真島浩二を狙う。 入手方法 備考 コメント コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/46.html
野生のエルフ キエルジョ・チョルナヴァク 著 タムリエルのほぼ全地方の荒野には、直接ではないにせよ少なくとも思想上はこの地で最初の住人たちの末えいであるアイレイド、通称ワイルドエルフが住んでいる。エルフの亜種のうち、アルトマー(ハイエルフ)、ボズマー(ウッドエルフ)、ダンマー(ダークエルフ)の三種族はタムリエルの新たな文明によく馴染んでいるものの、アイレイドおよびその末えいは文明を疎む姿勢を崩さず、世間の目を避けて古き法を守ることを選んでいる。 ワイルドエルフたちはタムリエル語を嫌い古代シロディール語の一方言を話すため、最も文明化の遅れている他のエルフの亜種に比べても、タムリエルの本流から離れてしまっている。彼らは性格的には陰気で無口だが、これは(彼らが「ペラーニ」と呼ぶ)よそ者たちの観点からの感想であり、同族相手にはその態度も変わってくるものと思われる。 一例として、グウィリム大学屈指の賢者の一人であった、文明に帰化したアイレイドエルフのチュルヘイン・フィーレ(第一紀2790年生、第二紀227年没)が記したワイルドエルフに関する文献には、色鮮やかで活気のある文化が描かれている。フィーレは同族や自分たちの宗教について自由に語った数少ないアイレイドに一人であり、「アイレイドの諸族の気質は多種多様であり、その性格はたとえ隣り合う地域の部族間であっても大きく異なることが少なくない」と主張している(フィーレ、T、アイレイド詩吟の性質について、p.8、グウィリム大学出版部、第二紀12年)。 ワイルドエルフたちは他の異質な文化をもつ種族同様、タムリエルの庶民階級の多くに恐れられている。アイレイドはタムリエルの大陸屈指の大いなる謎であり続けており、その役割を問わず歴史の記録に登場することは稀であり、言及されていたとしても記録者が見かけた直後に森の中に消えてしまう奇妙な人影といった程度である。ありきたりな伝説から架空ながら現実味のある話を抽出してみても、ほとんど何も残らない。アイレイドの神秘は第一紀以前から謎に包まれたままであり、その状態が以後何千年もの間続いたとしても不思議ではない。 民族・風習・言語 赤3
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/2937.html
autolink() FT/S09-002 カード名:妖精女王(ティターニア)のエルザ カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:3 コスト:2 トリガー:1 パワー:10000 ソウル:2 特徴:《魔法》?・《武器》? 【永】このカードの正面のキャラのソウル-1。 【永】記憶 あなたのターン中、あなたの思い出が2枚以上なら、このカードのパワーを+1500。 【自】[② 手札の「天輪・繚乱の剣」を1枚控え室に置く]この能力は1ターンにつき1回まで発動する。このカードのバトル相手がリバースした時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、このカードをスタンドする。 私たちの親に手を出したのはこの男だな レアリティ:RR SR illust.- 10/07/13 今日のカード。 正面キャラのソウルダウン、記憶による自ターンパワーパンプ、 相手をリバースさせた場合の連続攻撃とバランスの取れたキャラ。 食べられないカレーと組み合わせればパワー負けしていてもスタンド出来るため、疑似アンコールにもなる。 追加攻撃をした場合はストックが1溜まるので実質1コストで発動できる。 ネコミミ みくるのCX封じで阻害されないのも優秀と言えるだろう。 更に、CXを控え室に置くことで能力が発動できるため他のCXシナジーキャラと共存できるのも利点である。 複数体並べる事でソウル-1とコストの軽い再攻撃が活きる。 大荷物 エルザや妖精の尻尾のマスター・マカロフの効果で出来るだけ手札に抱えたい。 治癒魔導士 ポーリュシカとの相性も良い。 惜しむらくはエルザ主体で組むと他に記憶持ちがおらず、チェンジやサーチの「ついで」に思い出が増える事が無い点か。 自ターン中にパワーを上げる手段は同タイトル内に数多く存在している。構成によっては無いものと思った方がいいかもしれない。 ・対応クライマックス カード名 トリガー 天輪・繚乱の剣 1・風
https://w.atwiki.jp/sentai-kaijin/pages/1091.html
「おや?もしや、あなた方が噂に聞く護星天使ですかぁ?」 【名前】 獏のエルムガイ夢 【読み方】 ばくのえるむがいむ 【声】 伊丸岡篤 【登場作品】 天装戦隊ゴセイジャー 【登場話】 epic30「ロマンティック・エリ」 【所属】 地球犠獄集団・幽魔獣 【分類】 幽魔獣 【生息地】 藪の中 【特技】 ヒトの夢(眠り)を食べる→ヒトの夢(希望)を食べる 【作戦】 ヒトの夢を食べ、「絶望の根」で地球を腐らせる 【趣味】 惰眠を貪る事 【UMAモチーフ】 獏 【生物モチーフ】 カギムシ 【その他のモチーフ】 マタドール、フレディ・クルーガー? 【名前の由来】 エルム街の悪夢 【詳細】 夢を食べる伝承上の動物で有名な「獏」の正体とされる幽魔獣。 本来の能力は寝ている人間の見る夢を食べるだけだったが、エルレイの匣のエネルギーを受けることでパワーアップし、 人間が希望を持って願う夢(将来の夢、願望の夢)までも食べる事ができるようになった。 夢を食べられた者は抜け殻のようになってしまい、その身体から「絶望の根」という絶望のエネルギーを養分とした強力な毒素を生み出す根っこが生えだし、地球を腐らせる働きがある。 最初は寝ている人間から夢を食べていくが、上述の通りにブロブの膜イン達にエルレイの匣を使われた事でパワーアップする。 起きている人間からもフォークで夢見る魂を奪っては食べていき、更に異能どころか身体能力までパワーアップした事で戦闘力も向上し、ナイフを武器にゴセイジャーに対して優勢に戦えるようになり、ピンクの魂も食べると撤退する。 地球を徐々に腐らせていくが、体内のエリと外のレッド達4人が夢を生み出し続けた事で夢を食べられた人々は奮起していく。 オーバーロードを起こした為に魂が解放されてしまい、スーパーゴセイジャーとなったレッド達4人に苦戦し、更にスーパーゴセイピンクとゴセイナイトが駆け付け、スーパーピンクトリックに怯み、スーパースカイダイナミックとナイトダイナミックを同時に受け敗北。 その直後、ビッグフットの筋グゴンが放ったビービ虫に噛み付かれて巨大化する。 ゴセイジャーとゴセイナイトの夢を食べようとフォークで立ち向かうが、夢(=今を生きる為の力)を守る彼らからは奪えず、スカイックゴセイグレートとゴセイグランドになす術もなく、最期はグランドゴセイグレートのグランドグレートストライクを受け爆散した(その際に「アデュ~」と言い残している)。 今回の戦いで膜イン達は彼を実験台にエルレイの匣の計り知れない力を知り、この匣を用いて最終作戦を実行する。 【余談】 ヨーロッパ訛りのキザな口調が特徴となっている。 名前の由来となっている『エルム街の悪夢』には夢の中で人々を襲う殺人鬼フレディ・クルーガーが登場し、そこから夢に纏わる能力を持つ怪人の名前に起用されたと考えられる。 元々の能力自体が地球を汚す訳でもなく、人間に対して特に危害を加える訳でもなく、自身の能力を気にしていた模様。 その為にパワーアップした時には「これで仲間の役に立てま~す」と喜んでいる。 鼻が1匹のカギムシになっており、両肩と胸部などにカギムシ状の装飾が付いている。 服装はマタドールを意識している(DVDのアートギャラリーより)。 声を演じる伊丸岡氏は平成仮面ライダーシリーズ第12作目でも眠りに関係する能力の怪人の声を演じている。